JP2023129273A - 脈波センサ - Google Patents

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Makoto Kitatsume
繁典 稲本
Shigenori Inamoto
寿昭 浅川
Toshiaki Asakawa
厚 北村
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Abstract

【課題】感度と剛性とを両立した脈波センサを提供する。【解決手段】脈波センサは、円形開口部を備えた起歪体と、起歪体の一方の面を被覆する樹脂層と、起歪体の一方の面とは反対側に位置する他方の面に設けられた、Cr混相膜を抵抗体とするひずみゲージと、を有し、円形開口部の直径をd[mm]、起歪体の厚さをt[mm]としたときに、起歪体の材料がSUS、銅、アルミニウムの場合で、dとtの寸法を規定した。起歪体の変形に伴なう抵抗体の抵抗値の変化に基づいて脈波を検出する。【選択図】図2

Description

本発明は、脈波センサに関する。
心臓が血液を送り出すことに伴い発生する脈波を検出する脈波センサが知られている。一例として、外力の作用により撓み可能に支持されている起歪体となる受圧板と、その受圧板の撓みを電気信号に変換する圧電変換手段とが設けられた脈波センサが挙げられる。この脈波センサは、受圧板の可撓領域が外方に向かって凸曲面となるドーム状に形成されており、圧電変換手段として受圧板における頂部の内面に圧力検出素子を備えている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-78689号公報
脈波センサは、微小な信号を検出する必要があるため、必要な感度を確保するために薄い起歪体が用いられるが、一方では耐久性も要求されるため剛性と両立する必要がある。しかしながら、従来の脈波センサでは、感度と剛性との両立は十分に検討されていなかった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、感度と剛性とを両立した脈波センサを提供することを目的とする。
本脈波センサは、円形開口部を備えた起歪体と、前記起歪体の一方の面を被覆する樹脂層と、前記起歪体の一方の面とは反対側に位置する他方の面に設けられた、Cr混相膜を抵抗体とするひずみゲージと、を有し、前記円形開口部の直径をd[mm]、前記起歪体の厚さをt[mm]としたときに、前記起歪体の材料がSUSでd=32の場合は、0.059≦t≦0.124であり、前記材料がSUSでd=22の場合は、0.046≦t≦0.099であり、前記材料がSUSでd=13の場合は、0.030≦t≦0.067であり、前記材料がSUSでd=7の場合は、0.026≦t≦0.034であり、前記材料が銅でd=32の場合は、0.084≦t≦0.166であり、前記材料が銅でd=22の場合は、0.066≦t≦0.132であり、前記材料が銅でd=13の場合は、0.044≦t≦0.088であり、前記材料が銅でd=7の場合は、0.032≦t≦0.050であり、前記材料がアルミニウムでd=32の場合は、0.097≦t≦0.212であり、前記材料がアルミニウムでd=22の場合は、0.079≦t≦0.168であり、前記材料がアルミニウムでd=13の場合は、0.050≦t≦0.107であり、前記材料がアルミニウムでd=7である場合は、0.038≦t≦0.063であり、前記起歪体の変形に伴なう前記抵抗体の抵抗値の変化に基づいて脈波を検出する。
開示の技術によれば、感度と剛性とを両立した脈波センサを提供できる。
第1実施形態に係る脈波センサを例示する斜視図である。 第1実施形態に係る脈波センサを例示する平面図である。 第1実施形態に係る脈波センサを例示する断面図であり、図2のA-A線に沿う断面を示している。 起歪体の材料としてSUSを用いた実験結果のグラフ(その1)である。 起歪体の材料としてSUSを用いた実験結果のグラフ(その2)である。 起歪体の材料としてSUSを用いた実験結果のグラフ(その3)である。 起歪体の材料としてSUSを用いた実験結果のグラフ(その4)である。 起歪体の材料として銅を用いた実験結果のグラフ(その1)である。 起歪体の材料として銅を用いた実験結果のグラフ(その2)である。 起歪体の材料として銅を用いた実験結果のグラフ(その3)である。 起歪体の材料として銅を用いた実験結果のグラフ(その4)である。 起歪体の材料としてアルミニウムを用いた実験結果のグラフ(その1)である。 起歪体の材料としてアルミニウムを用いた実験結果のグラフ(その2)である。 起歪体の材料としてアルミニウムを用いた実験結果のグラフ(その3)である。 起歪体の材料としてアルミニウムを用いた実験結果のグラフ(その4)である。 第1実施形態に係るひずみゲージを例示する平面図である。 第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図である。 第1実施形態の変形例に係る脈波センサを例示する断面図(その1)である。 第1実施形態の変形例に係る脈波センサを例示する断面図(その2)である。 第1実施形態の変形例に係る脈波センサを例示する断面図(その3)である。 第2実施形態に係るひずみゲージに含まれる検出素子の一例を示す平面図および断面図である。 第3実施形態に係るひずみゲージに含まれる検出素子の一例を示す斜視図、平面図、および断面図である。 第3実施形態に係るひずみゲージに含まれる検出素子の他の一例を示す斜視図、平面図、および断面図である。 第3実施形態に係るひずみゲージに含まれる検出素子の、更に他の一例を示す斜視図、平面図、および断面図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係る脈波センサを例示する斜視図である。図2は、第1実施形態に係る脈波センサを例示する平面図である。図3は、第1実施形態に係る脈波センサを例示する断面図であり、図2のA-A線に沿う断面を示している。なお、図2では、樹脂層50は図示されていないが、図2においても図1に示した通りの位置に樹脂層50が存在する。
図1~図3を参照すると、脈波センサ1は、筐体10と、起歪体20と、線材30と、樹脂層50と、ひずみゲージ100とを有している。
起歪体20は、基部21と、梁部22と、負荷部23と、延伸部24とを有している。起歪体20は平板状であり、各構成要素は、例えばプレス加工法等により一体に形成されている。起歪体20は、例えば、平面視で4回対称の形状である。負荷部23を除く起歪体20の厚さtは一定である。厚さtの好適な範囲については後述する。
なお、本実施形態では、便宜上、脈波センサ1において、起歪体20の負荷部23が設けられている側を上側又は一方の側、負荷部23が設けられていない側を下側又は他方の側とする。又、各部位の負荷部23が設けられている側の面を一方の面又は上面、負荷部23が設けられていない側の面を他方の面又は下面とする。但し、脈波センサ1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置できる。又、平面視とは対象物を起歪体20の上面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を起歪体20の上面の法線方向から視た形状を指すものとする。
脈波センサ1において、筐体10は起歪体20を保持する部分である。筐体10は中空円柱状であって、下面側が塞がれ上面側が開口されている。筐体10は、例えば、金属や樹脂等から形成できる。筐体10の上面側の開口を塞ぐように、略円板状の起歪体20が接着剤等により固定されている。
起歪体20において、基部21は、図1及び図2で示す円形の破線よりも外側の円形枠状(リング状)の領域である。なお、円形の破線よりも内側の領域を円形開口部と称する場合がある。つまり、起歪体20の基部21は、円形開口部を備えている。基部21の幅wは、例えば、1mm以上5mm以下である。基部21の内径d(すなわち、円形開口部の直径)の好適な範囲については後述する。
梁部22は、基部21の内側を橋渡しするように設けられている。梁部22は、例えば、平面視で十字状に交差する2本の梁を有し、2本の梁の交差する領域は円形開口部の中心を含む。図2の例では、十字を構成する1本の梁がX方向を長手方向とし、十字を構成する他の1本の梁がY方向を長手方向とし、両者は直交している。直交する2本の梁の各々は、基部21の内径d(円形開口部の直径)より内側にあり、かつ可能な限り長いことが好ましい。つまり、各々の梁の長さは、円形開口部の直径と略等しいことが好ましい。梁部22を構成する各々の梁において、交差する領域以外の幅wは一定であり、例えば、1mm以上5mm以下である。幅wが一定であることは必須ではないが、幅wを一定とすることで、ひずみをリニアに検出するできる点で好ましい。
負荷部23は、梁部22に設けられている。負荷部23は、例えば、梁部22を構成する2本の梁の交差する領域に設けられる。負荷部23は、梁部22の上面から突起している。梁部22の上面を基準とする負荷部23の突起量は、例えば、0.1mm程度である。梁部22は可撓性を有しており、負荷部23に負荷が加わると弾性変形する。
4つの延伸部24は、平面視で基部21の内側から梁部22の方向に延伸する扇形の部分である。各々の延伸部24と梁部22との間には、1mm程度の隙間が設けられている。延伸部24は、脈波センサ1のセンシングには寄与しないため、設けなくてもよい。
線材30は、脈波センサ1と外部との電気信号の入出力を行うケーブルである。線材30は、シールドケーブルやフレキシブル基板等であってもよい。
樹脂層50は、起歪体20の一方の面を被覆している。本実施形態では、一方の面は上面20mである。樹脂層50は、起歪体20の上面20mの全体を被覆していてもよいし、上面20mの一部を被覆していてもよい。樹脂層50は、梁部22と延伸部24との隙間の上にも形成される。したがって、梁部22と延伸部24との隙間は、脈波センサ1の外部には露出しない。樹脂層50は、梁部22と延伸部24との隙間に入り込み、梁部22と延伸部24との隙間の一部又は全部を埋めてもよい。
樹脂層50としては、弾性率が10GPa以下の樹脂材料を用いることが好ましい。このような樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等が挙げられる。弾性率が10GPa以下の樹脂材料を用いることにより、樹脂層50を構成する樹脂材料が梁部22と延伸部24との隙間に入り込んだ場合でも梁部22の弾性変形を妨げない。
樹脂層50は、例えば、金型を使用して起歪体20の上面20mに樹脂材料を成形してもよいし、起歪体20の上面20mに樹脂フィルムをラミネートしてもよい。樹脂層50の厚さは、例えば、10μm~500μm程度とすることができる。樹脂層50は、起歪体20の上面20mに沿って形成されるため、樹脂層50には、負荷部23を被覆する負荷部53が形成される。負荷部53は、樹脂層50の上面から突起する。樹脂層50の上面を基準とする負荷部53の突起量は、例えば、0.1mm程度である。
ひずみゲージ100は、本開示において、脈波を検出する検出部の一例である。ひずみゲージ100は、起歪体20の一方の面とは反対側に位置する他方の面に設けられている。本実施形態では、他方の面は下面20nである。ひずみゲージ100は、例えば、梁部22の下面側に設けることができる。梁部22は平板状であるため、ひずみゲージを容易に貼り付けることができる。ひずみゲージ100は、1個以上設ければよいが、本実施形態では、4つのひずみゲージ100を設けている。4つのひずみゲージ100を設けることで、フルブリッジにより、ひずみを検出することができる。
4つのひずみゲージ100のうちの2つは、X方向を長手方向とする梁の負荷部23に近い側(円形開口部の中心側)に、平面視で負荷部23を挟んで対向するように配置されている。4つのひずみゲージ100のうちの他の2つは、Y方向を長手方向とする梁の基部21に近い側に、平面視で負荷部23を挟んで対向するように配置されている。このような配置により、圧縮力と引張力を有効に検出してフルブリッジにより大きな出力を得ることができる。
脈波センサ1は、負荷部23を被覆する負荷部53が被験者の橈骨動脈に当たるように被験者の腕に固定して使用される。被験者の脈波に応じて負荷部53を介して負荷部23に負荷が加わって梁部22が弾性変形すると、ひずみゲージ100の抵抗体の抵抗値が変化する。脈波センサ1は、梁部22の変形に伴うひずみゲージ100の抵抗体の抵抗値の変化に基づいて脈波を検出できる。脈波は、例えば、ひずみゲージ100の電極と接続された測定回路から、周期的な電圧の変化として出力される。
脈波センサ1は、金属製の起歪体20の上面20mが樹脂層50で被覆されているため、金属製の起歪体20が被験者の皮膚に直接触れることがない。そのため、金属による被験者の皮膚の炎症や金属アレルギーの発症を回避することができる。
また、仮に、梁部22と延伸部24との隙間が脈波センサ1の外部に開口していると、隙間に埃や異物等が挟まって梁部22が弾性変形できなくなるおそれがある。しかし、脈波センサ1では、樹脂層50が梁部22と延伸部24との隙間の上にも形成され、梁部22と延伸部24との隙間が脈波センサ1の外部には露出しない。これにより、梁部22と延伸部24との隙間に埃や異物等が挟まることがないため、脈波センサ1による信頼性が高く、より安定な脈波の測定が可能となる。
脈波センサ1が被験者の脈波を検出するためには、感度と剛性を両立させる必要がある。脈波センサ1において、必要な感度は、負荷部23に1gの負荷がかかったときのひずみゲージ100の出力が0.1mV/V以上あることである。これ未満の感度では、測定時のS/N比低下等により脈波が明瞭に測定できない。また、脈波センサ1を被験者に取り付けるときに50g程度の負荷がかかるため、必要な剛性は、負荷部23に50gの負荷がかかり、安全率を2としたときに梁部22が塑性変形を起こさないことである。この条件を満たさないと、脈波センサとして継続的に使用することが困難となる。
発明者らは、起歪体20の材料、厚さt[mm]、及び円形開口部の直径d[mm]が一定の条件を満たすと、上記の感度と剛性とを両立できることを見出した。具体的には、発明者らは、起歪体20の材料としてSUS(ステンレス鋼)、銅、及びアルミニウムを用い、直径dを32mm、22mm、13mm、及び7mmとしたときに、感度と剛性とを両立できるt[mm]の値を実験的に求めた。
なお、起歪体20の形状は図2及び図3に示した通りであり、w=w=3mmとした。ただし、本実験では、起歪体20を被覆する樹脂層50は設けていない。また、抵抗体として後述のCr混相膜を用いた4つのひずみゲージ100を図2及び図3に示した位置に貼り付けた。
実験の結果をグラフ化したものを図4~図15に示す。図4~図7は起歪体20の材料としてSUSを用いたものであり、図8~図11は起歪体20の材料として銅を用いたものであり、図12~図15は起歪体20の材料としてアルミニウムを用いたものである。各グラフの縦軸の左側は感度を示しており、縦軸の右側は負荷部23に50gの負荷をかけて安全率を2としたときの最大応力を示している。また、横軸は起歪体20の厚さt[mm]である。
各グラフにおいて、tが薄くなれば感度は高くなるが剛性は低くなり、感度が0.1mV/V以上であり、かつ最大応力が降伏強度(耐力)以下であるtの範囲が、感度と剛性とを両立させるtの範囲となる。各グラフにおいて、感度と剛性とを両立させるtの範囲は白で示された領域である。なお、SUSの降伏強度(耐力)は1275MPa、銅の降伏強度(耐力)は675MPa、アルミニウムの降伏強度(耐力)は490MPaである。
Figure 2023129273000002
表1は、各グラフから感度と剛性とを両立させるtの範囲を読み取ってまとめたものである。表1より、円形開口部の直径をd[mm]、起歪体20の厚さをt[mm]としたときに、起歪体20の材料がSUSでd=32の場合は、0.059≦t≦0.124であることが、感度と剛性とを両立させる要件となる。また、起歪体20の材料がSUSでd=22の場合は、0.046≦t≦0.099であることが要件となる。また、起歪体20の材料がSUSでd=13の場合は、0.030≦t≦0.067であることが要件となる。また、起歪体20の材料がSUSでd=7の場合は、0.026≦t≦0.034であることが要件となる。
また、起歪体20の材料が銅でd=32の場合は、0.084≦t≦0.166であることが要件となる。また、起歪体20の材料が銅でd=22の場合は、0.066≦t≦0.132であることが要件となる。また、起歪体20の材料が銅でd=13の場合は、0.044≦t≦0.088であることが要件となる。また、起歪体20の材料が銅でd=7の場合は、0.032≦t≦0.050であることが要件となる。
また、起歪体20の材料がアルミニウムでd=32の場合は、0.097≦t≦0.212であることが要件となる。また、起歪体20の材料がアルミニウムでd=22の場合は、0.079≦t≦0.168であることが要件となる。また、起歪体20の材料がアルミニウムでd=13の場合は、0.050≦t≦0.107であることが要件となる。また、起歪体20の材料がアルミニウムでd=7の場合は、0.038≦t≦0.063であることが要件となる。
このように、起歪体20の材料、厚さt[mm]、及び円形開口部の直径d[mm]が一定の条件を満たすと、必要な感度と剛性とを両立できる。なお、ひずみゲージ100の抵抗体としてCr混相膜を用いない場合は、必要な感度と剛性とを両立できないか、あるいは両立できたとしてもtの許容範囲が著しく狭くなる。
ここで、ひずみゲージ100について説明する。
図16は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する平面図である。図17は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図であり、図16のB-B線に沿う断面を示している。図16及び図17を参照すると、ひずみゲージ100は、基材110と、抵抗体130と、配線140と、電極150と、カバー層160とを有している。なお、図16では、便宜上、カバー層160の外縁のみを破線で示している。なお、カバー層160は、必要に応じて設ければよい。
なお、図16及び図17では、便宜上、ひずみゲージ100において、基材110の抵抗体130が設けられている側を上側又は一方の側、抵抗体130が設けられていない側を下側又は他方の側とする。また、各部位の抵抗体130が設けられている側の面を一方の面又は上面、抵抗体130が設けられていない側の面を他方の面又は下面とする。ただし、ひずみゲージ100は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置できる。例えば、図2では、ひずみゲージ100は、図17とは上下が反転した状態で梁部22に貼り付けられる。つまり、図17の基材110が接着剤等で梁部22の下面に貼り付けられる。また、平面視とは対象物を基材110の上面110aの法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を基材110の上面110aの法線方向から視た形状を指すものとする。
基材110は、抵抗体130等を形成するためのベース層となる部材であり、可撓性を有する。基材110の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、5μm~500μm程度とすることができる。特に、基材110の厚さが5μm~200μmであると、接着層等を介して基材110の下面に接合される起歪体表面からの歪の伝達性、環境に対する寸法安定性の点で好ましく、10μm以上であると絶縁性の点で更に好ましい。
基材110は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂、エポキシ樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、LCP(液晶ポリマー)樹脂、ポリオレフィン樹脂等の絶縁樹脂フィルムから形成できる。なお、フィルムとは、厚さが500μm以下程度であり、可撓性を有する部材を指す。
ここで、『絶縁樹脂フィルムから形成する』とは、基材110が絶縁樹脂フィルム中にフィラーや不純物等を含有することを妨げるものではない。基材110は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有する絶縁樹脂フィルムから形成しても構わない。
基材110の樹脂以外の材料としては、例えば、SiO、ZrO(YSZも含む)、Si、Si、Al(サファイヤも含む)、ZnO、ペロブスカイト系セラミックス(CaTiO、BaTiO)等の結晶性材料が挙げられ、更に、それ以外に非晶質のガラス等が挙げられる。また、基材110の材料として、アルミニウム、アルミニウム合金(ジュラルミン)、チタン等の金属を用いてもよい。この場合、金属製の基材110上に、例えば、絶縁膜が形成される。
抵抗体130は、基材110上に所定のパターンで形成された薄膜であり、ひずみを受けて抵抗変化を生じる受感部である。抵抗体130は、基材110の上面110aに直接形成されてもよいし、基材110の上面110aに他の層を介して形成されてもよい。なお、図16では、便宜上、抵抗体130を濃い梨地模様で示している。
抵抗体130は、複数の細長状部が長手方向を同一方向(図16のB-B線の方向)に向けて所定間隔で配置され、隣接する細長状部の端部が互い違いに連結されて、全体としてジグザグに折り返す構造である。複数の細長状部の長手方向がグリッド方向となり、グリッド方向と垂直な方向がグリッド幅方向(図16ではB-B線と垂直な方向)となる。
グリッド幅方向の最も外側に位置する2つの細長状部の長手方向の一端部は、グリッド幅方向に屈曲し、抵抗体130のグリッド幅方向の各々の終端130e及び130eを形成する。抵抗体130のグリッド幅方向の各々の終端130e及び130eは、配線140を介して、電極150と電気的に接続されている。言い換えれば、配線140は、抵抗体130のグリッド幅方向の各々の終端130e及び130eと各々の電極150とを電気的に接続している。
抵抗体130は、例えば、Cr(クロム)を含む材料、Ni(ニッケル)を含む材料、又はCrとNiの両方を含む材料から形成できる。すなわち、抵抗体130は、CrとNiの少なくとも一方を含む材料から形成できる。Crを含む材料としては、例えば、Cr混相膜が挙げられる。Niを含む材料としては、例えば、Cu-Ni(銅ニッケル)が挙げられる。CrとNiの両方を含む材料としては、例えば、Ni-Cr(ニッケルクロム)が挙げられる。
ここで、Cr混相膜とは、Cr、CrN、CrN等が混相した膜である。Cr混相膜は、酸化クロム等の不可避不純物を含んでもよい。
抵抗体130の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、0.05μm~2μm程度とすることができる。特に、抵抗体130の厚さが0.1μm以上であると、抵抗体130を構成する結晶の結晶性(例えば、α-Crの結晶性)が向上する点で好ましい。また、抵抗体130の厚さが1μm以下であると、抵抗体130を構成する膜の内部応力に起因する膜のクラックや基材110からの反りを低減できる点で更に好ましい。抵抗体130の幅は、抵抗値や横感度等の要求仕様に対して最適化し、かつ断線対策も考慮して、例えば、10μm~100μm程度とすることができる。
例えば、抵抗体130がCr混相膜である場合、安定な結晶相であるα-Cr(アルファクロム)を主成分とすることで、ゲージ特性の安定性を向上できる。また、抵抗体130がα-Crを主成分とすることで、ひずみゲージ100のゲージ率を10以上、かつゲージ率温度係数TCS及び抵抗温度係数TCRを-1000ppm/℃~+1000ppm/℃の範囲内とすることができる。ここで、主成分とは、対象物質が抵抗体を構成する全物質の50重量%以上を占めることを意味するが、ゲージ特性を向上する観点から、抵抗体130はα-Crを80重量%以上含むことが好ましく、90重量%以上含むことが更に好ましい。なお、α-Crは、bcc構造(体心立方格子構造)のCrである。
また、抵抗体130がCr混相膜である場合、Cr混相膜に含まれるCrN及びCrNは20重量%以下であることが好ましい。Cr混相膜に含まれるCrN及びCrNが20重量%以下であることで、ゲージ率の低下を抑制できる。
また、CrN及びCrN中のCrNの割合は80重量%以上90重量%未満であることが好ましく、90重量%以上95重量%未満であることが更に好ましい。CrN及びCrN中のCrNの割合が90重量%以上95重量%未満であることで、半導体的な性質を有するCrNにより、TCRの低下(負のTCR)が一層顕著となる。更に、セラミックス化を低減することで、脆性破壊の低減がなされる。
一方で、膜中に微量のNもしくは原子状のNが混入、存在した場合、外的環境(例えば高温環境下)によりそれらが膜外へ抜け出ることで、膜応力の変化を生ずる。化学的に安定なCrNの創出により上記不安定なNを発生させることがなく、安定なひずみゲージを得ることができる。
配線140は、基材110上に形成され、抵抗体130及び電極150と電気的に接続されている。配線140は、第1金属層141と、第1金属層141の上面に積層された第2金属層142とを有している。配線140は直線状には限定されず、任意のパターンとすることができる。また、配線140は、任意の幅及び任意の長さとすることができる。なお、図16では、便宜上、配線140及び電極150を抵抗体130よりも薄い梨地模様で示している。
電極150は、基材110上に形成され、配線140を介して抵抗体130と電気的に接続されており、例えば、配線140よりも拡幅して略矩形状に形成されている。電極150は、ひずみにより生じる抵抗体130の抵抗値の変化を外部に出力するための一対の電極であり、例えば、外部接続用のリード線等が接合される。
電極150は、一対の第1金属層151と、各々の第1金属層151の上面に積層された第2金属層152とを有している。第1金属層151は、配線140の第1金属層141を介して抵抗体130の終端130e及び130eと電気的に接続されている。第1金属層151は、平面視において、略矩形状に形成されている。第1金属層151は、配線140と同じ幅に形成しても構わない。
なお、抵抗体130と第1金属層141と第1金属層151とは便宜上別符号としているが、同一工程において同一材料により一体に形成できる。従って、抵抗体130と第1金属層141と第1金属層151とは、厚さが略同一である。また、第2金属層142と第2金属層152とは便宜上別符号としているが、同一工程において同一材料により一体に形成できる。従って、第2金属層142と第2金属層152とは、厚さが略同一である。
第2金属層142及び152は、抵抗体130(第1金属層141及び151)よりも低抵抗の材料から形成されている。第2金属層142及び152の材料は、抵抗体130よりも低抵抗の材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、抵抗体130がCr混相膜である場合、第2金属層142及び152の材料として、Cu、Ni、Al、Ag、Au、Pt等、又は、これら何れかの金属の合金、これら何れかの金属の化合物、あるいは、これら何れかの金属、合金、化合物を適宜積層した積層膜が挙げられる。第2金属層142及び152の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、3μm~5μm程度とすることができる。
第2金属層142及び152は、第1金属層141及び151の上面の一部に形成されてもよいし、第1金属層141及び151の上面の全体に形成されてもよい。第2金属層152の上面に、更に他の1層以上の金属層を積層してもよい。例えば、第2金属層152を銅層とし、銅層の上面に金層を積層してもよい。あるいは、第2金属層152を銅層とし、銅層の上面にパラジウム層と金層を順次積層してもよい。電極150の最上層を金層とすることで、電極150のはんだ濡れ性を向上できる。
このように、配線140は、抵抗体130と同一材料からなる第1金属層141上に第2金属層142が積層された構造である。そのため、配線140は抵抗体130よりも抵抗が低くなるため、配線140が抵抗体として機能してしまうことを抑制できる。その結果、抵抗体130によるひずみ検出精度を向上できる。
言い換えれば、抵抗体130よりも低抵抗な配線140を設けることで、ひずみゲージ100の実質的な受感部を抵抗体130が形成された局所領域に制限できる。そのため、抵抗体130によるひずみ検出精度を向上できる。
特に、抵抗体130としてCr混相膜を用いたゲージ率10以上の高感度なひずみゲージにおいて、配線140を抵抗体130よりも低抵抗化して実質的な受感部を抵抗体130が形成された局所領域に制限することは、ひずみ検出精度の向上に顕著な効果を発揮する。また、配線140を抵抗体130よりも低抵抗化することは、横感度を低減する効果も奏する。
カバー層160は、基材110上に形成され、抵抗体130及び配線140を被覆し電極150を露出する。配線140の一部は、カバー層160から露出してもよい。抵抗体130及び配線140を被覆するカバー層160を設けることで、抵抗体130及び配線140に機械的な損傷等が生じることを防止できる。また、カバー層160を設けることで、抵抗体130及び配線140を湿気等から保護できる。なお、カバー層160は、電極150を除く部分の全体を覆うように設けてもよい。
カバー層160は、例えば、PI樹脂、エポキシ樹脂、PEEK樹脂、PEN樹脂、PET樹脂、PPS樹脂、複合樹脂(例えば、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂)等の絶縁樹脂から形成できる。カバー層160は、フィラーや顔料を含有しても構わない。カバー層160の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、2μm~30μm程度とすることができる。
ひずみゲージ100を製造するためには、まず、基材110を準備し、基材110の上面110aに金属層(便宜上、金属層Aとする)を形成する。金属層Aは、最終的にパターニングされて抵抗体130、第1金属層141、及び第1金属層151となる層である。従って、金属層Aの材料や厚さは、前述の抵抗体130、第1金属層141、及び第1金属層151の材料や厚さと同様である。
金属層Aは、例えば、金属層Aを形成可能な原料をターゲットとしたマグネトロンスパッタ法により成膜できる。金属層Aは、マグネトロンスパッタ法に代えて、反応性スパッタ法や蒸着法、アークイオンプレーティング法、パルスレーザー堆積法等を用いて成膜してもよい。
ゲージ特性を安定化する観点から、金属層Aを成膜する前に、下地層として、基材110の上面110aに、例えば、コンベンショナルスパッタ法により所定の膜厚の機能層を真空成膜することが好ましい。
本願において、機能層とは、少なくとも上層である金属層A(抵抗体130)の結晶成長を促進する機能を有する層を指す。機能層は、更に、基材110に含まれる酸素や水分による金属層Aの酸化を防止する機能や、基材110と金属層Aとの密着性を向上する機能を備えていることが好ましい。機能層は、更に、他の機能を備えていてもよい。
基材110を構成する絶縁樹脂フィルムは酸素や水分を含むため、特に金属層AがCrを含む場合、Crは自己酸化膜を形成するため、機能層が金属層Aの酸化を防止する機能を備えることは有効である。
機能層の材料は、少なくとも上層である金属層A(抵抗体130)の結晶成長を促進する機能を有する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、Cr(クロム)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Ni(ニッケル)、Y(イットリウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Si(シリコン)、C(炭素)、Zn(亜鉛)、Cu(銅)、Bi(ビスマス)、Fe(鉄)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Au(金)、Co(コバルト)、Mn(マンガン)、Al(アルミニウム)からなる群から選択される1種又は複数種の金属、この群の何れかの金属の合金、又は、この群の何れかの金属の化合物が挙げられる。
上記の合金としては、例えば、FeCr、TiAl、FeNi、NiCr、CrCu等が挙げられる。また、上記の化合物としては、例えば、TiN、TaN、Si、TiO、Ta、SiO等が挙げられる。
機能層が金属又は合金のような導電材料から形成される場合には、機能層の膜厚は抵抗体の膜厚の1/20以下であることが好ましい。このような範囲であると、α-Crの結晶成長を促進できると共に、抵抗体に流れる電流の一部が機能層に流れて、ひずみの検出感度が低下することを防止できる。
機能層が金属又は合金のような導電材料から形成される場合には、機能層の膜厚は抵抗体の膜厚の1/50以下であることがより好ましい。このような範囲であると、α-Crの結晶成長を促進できると共に、抵抗体に流れる電流の一部が機能層に流れて、ひずみの検出感度が低下することを更に防止できる。
機能層が金属又は合金のような導電材料から形成される場合には、機能層の膜厚は抵抗体の膜厚の1/100以下であることが更に好ましい。このような範囲であると、抵抗体に流れる電流の一部が機能層に流れて、ひずみの検出感度が低下することを一層防止できる。
機能層が酸化物や窒化物のような絶縁材料から形成される場合には、機能層の膜厚は、1nm~1μmとすることが好ましい。このような範囲であると、α-Crの結晶成長を促進できると共に、機能層にクラックが入ることなく容易に成膜できる。
機能層が酸化物や窒化物のような絶縁材料から形成される場合には、機能層の膜厚は、1nm~0.8μmとすることがより好ましい。このような範囲であると、α-Crの結晶成長を促進できると共に、機能層にクラックが入ることなく更に容易に成膜できる。
機能層が酸化物や窒化物のような絶縁材料から形成される場合には、機能層の膜厚は、1nm~0.5μmとすることが更に好ましい。このような範囲であると、α-Crの結晶成長を促進できると共に、機能層にクラックが入ることなく一層容易に成膜できる。
なお、機能層の平面形状は、例えば、図16に示す抵抗体の平面形状と略同一にパターニングされている。しかし、機能層の平面形状は、抵抗体の平面形状と略同一である場合には限定されない。機能層が絶縁材料から形成される場合には、抵抗体の平面形状と同一形状にパターニングしなくてもよい。この場合、機能層は少なくとも抵抗体が形成されている領域にベタ状に形成されてもよい。あるいは、機能層は、基材110の上面全体にベタ状に形成されてもよい。
また、機能層が絶縁材料から形成される場合に、機能層の厚さを50nm以上1μm以下となるように比較的厚く形成し、かつベタ状に形成することで、機能層の厚さと表面積が増加するため、抵抗体が発熱した際の熱を基材110側へ放熱できる。その結果、ひずみゲージ100において、抵抗体の自己発熱による測定精度の低下を抑制できる。
機能層は、例えば、機能層を形成可能な原料をターゲットとし、チャンバ内にAr(アルゴン)ガスを導入したコンベンショナルスパッタ法により真空成膜できる。コンベンショナルスパッタ法を用いることにより、基材110の上面110aをArでエッチングしながら機能層が成膜されるため、機能層の成膜量を最小限にして密着性改善効果を得ることができる。
ただし、これは、機能層の成膜方法の一例であり、他の方法により機能層を成膜してもよい。例えば、機能層の成膜の前にAr等を用いたプラズマ処理等により基材110の上面110aを活性化することで密着性改善効果を獲得し、その後マグネトロンスパッタ法により機能層を真空成膜する方法を用いてもよい。
機能層の材料と金属層Aの材料との組み合わせは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、機能層としてTiを用い、金属層Aとしてα-Cr(アルファクロム)を主成分とするCr混相膜を成膜可能である。
この場合、例えば、Cr混相膜を形成可能な原料をターゲットとし、チャンバ内にArガスを導入したマグネトロンスパッタ法により、金属層Aを成膜できる。あるいは、純Crをターゲットとし、チャンバ内にArガスと共に適量の窒素ガスを導入し、反応性スパッタ法により、金属層Aを成膜してもよい。この際、窒素ガスの導入量や圧力(窒素分圧)を変えることや加熱工程を設けて加熱温度を調整することで、Cr混相膜に含まれるCrN及びCrNの割合、並びにCrN及びCrN中のCrNの割合を調整できる。
これらの方法では、Tiからなる機能層がきっかけでCr混相膜の成長面が規定され、安定な結晶構造であるα-Crを主成分とするCr混相膜を成膜できる。また、機能層を構成するTiがCr混相膜中に拡散することにより、ゲージ特性が向上する。例えば、ひずみゲージ100のゲージ率を10以上、かつゲージ率温度係数TCS及び抵抗温度係数TCRを-1000ppm/℃~+1000ppm/℃の範囲内とすることができる。なお、機能層がTiから形成されている場合、Cr混相膜にTiやTiN(窒化チタン)が含まれる場合がある。
なお、金属層AがCr混相膜である場合、Tiからなる機能層は、金属層Aの結晶成長を促進する機能、基材110に含まれる酸素や水分による金属層Aの酸化を防止する機能、及び基材110と金属層Aとの密着性を向上する機能の全てを備えている。機能層として、Tiに代えてTa、Si、Al、Feを用いた場合も同様である。
このように、金属層Aの下層に機能層を設けることにより、金属層Aの結晶成長を促進可能となり、安定な結晶相からなる金属層Aを作製できる。その結果、ひずみゲージ100において、ゲージ特性の安定性を向上できる。また、機能層を構成する材料が金属層Aに拡散することにより、ひずみゲージ100において、ゲージ特性を向上できる。
次に、金属層Aの上面に、第2金属層142及び第2金属層152を形成する。第2金属層142及び第2金属層152は、例えば、フォトリソグラフィ法により形成できる。
具体的には、まず、金属層Aの上面を覆うように、例えば、スパッタ法や無電解めっき法等により、シード層を形成する。次に、シード層の上面の全面に感光性のレジストを形成し、露光及び現像して第2金属層142及び第2金属層152を形成する領域を露出する開口部を形成する。このとき、レジストの開口部の形状を調整することで、第2金属層142のパターンを任意の形状とすることができる。レジストとしては、例えば、ドライフィルムレジスト等を用いることができる。
次に、例えば、シード層を給電経路とする電解めっき法により、開口部内に露出するシード層上に第2金属層142及び第2金属層152を形成する。電解めっき法は、タクトが高く、かつ、第2金属層142及び第2金属層152として低応力の電解めっき層を形成できる点で好適である。膜厚の厚い電解めっき層を低応力とすることで、ひずみゲージ100に反りが生じることを防止できる。なお、第2金属層142及び第2金属層152は無電解めっき法により形成してもよい。
次に、レジストを除去する。レジストは、例えば、レジストの材料を溶解可能な溶液に浸漬することで除去できる。
次に、シード層の上面の全面に感光性のレジストを形成し、露光及び現像して、図16の抵抗体130、配線140、及び電極150と同様の平面形状にパターニングする。レジストとしては、例えば、ドライフィルムレジスト等を用いることができる。そして、レジストをエッチングマスクとし、レジストから露出する金属層A及びシード層を除去し、図16の平面形状の抵抗体130、配線140、及び電極150を形成する。
例えば、ウェットエッチングにより、金属層A及びシード層の不要な部分を除去できる。金属層Aの下層に機能層が形成されている場合には、エッチングによって機能層は抵抗体130、配線140、及び電極150と同様に図16に示す平面形状にパターニングされる。なお、この時点では、抵抗体130、第1金属層141、及び第1金属層151上にシード層が形成されている。
次に、第2金属層142及び第2金属層152をエッチングマスクとし、第2金属層142及び第2金属層152から露出する不要なシード層を除去することで、第2金属層142及び第2金属層152が形成される。なお、第2金属層142及び第2金属層152の直下のシード層は残存する。例えば、シード層がエッチングされ、機能層、抵抗体130、配線140、及び電極150がエッチングされないエッチング液を用いたウェットエッチングにより、不要なシード層を除去できる。
その後、必要に応じ、基材110の上面110aに、抵抗体130及び配線140を被覆し電極150を露出するカバー層160を設けることで、ひずみゲージ100が完成する。カバー層160は、例えば、基材110の上面110aに、抵抗体130及び配線140を被覆し電極150を露出するように半硬化状態の熱硬化性の絶縁樹脂フィルムをラミネートし、加熱して硬化させて作製できる。カバー層160は、基材110の上面110aに、抵抗体130及び配線140を被覆し電極150を露出するように液状又はペースト状の熱硬化性の絶縁樹脂を塗布し、加熱して硬化させて作製してもよい。
〈第1実施形態の変形例〉
第1実施形態の変形例では、非金属の起歪体を用いた脈波センサの例を示す。なお、第1実施形態の変形例では、既に説明した実施形態と同一の構成部についての説明は省略する場合がある。
図18は、第1実施形態の変形例に係る脈波センサを例示する断面図(その1)である。図18に示す脈波センサ1Aは、非金属の材料から形成した起歪体20Aを備えている。起歪体20Aの材料としては、例えば、セラミックやガラス等を用いることができる。起歪体20Aは、非金属の材料を用いた以外は、起歪体20と同様である。脈波センサ1Aは、脈波センサ1とは異なり、樹脂層50を備えていない。
脈波センサ1Aのように、起歪体20Aを非金属の材料から形成してもよい。この場合、起歪体20Aが被験者の皮膚に直接触れても、金属による被験者の皮膚の炎症や金属アレルギーは起こらないため、樹脂層50を設けなくてよい。
図19は、第1実施形態の変形例に係る脈波センサを例示する断面図(その2)である。図19に示す脈波センサ1Bのように、非金属製の起歪体20Aを用いる場合も、図3に示す脈波センサ1と同様に、起歪体20Aの上面20mを被覆する樹脂層50を設けてもよい。樹脂層50は梁部22と延伸部24との隙間の上にも形成され、梁部22と延伸部24との隙間が脈波センサ1Bの外部には露出しない。これにより、梁部22と延伸部24との隙間に埃や異物等が挟まることがないため、脈波センサ1Bによる信頼性が高く、より安定な脈波の測定が可能となる。
図20は、第1実施形態の変形例に係る脈波センサを例示する断面図(その3)である。図20に示す脈波センサ1Cのように、非金属製の起歪体20Aを用いる場合、起歪体20Aの上面20mを被覆する樹脂層50は設けずに、起歪体20Aの下面20nを被覆する樹脂層50Aを設けてもよい。樹脂層50Aの材料や厚さは、樹脂層50と同様である。脈波センサ1Cでは、樹脂層50Aが梁部22と延伸部24との隙間に入り込み、梁部22と延伸部24との隙間を埋めている。これにより、梁部22と延伸部24との隙間に埃や異物等が挟まることがないため、脈波センサ1Cによる信頼性が高く、より安定な脈波の測定が可能となる。また、樹脂層50Aは、カバー層160と共にひずみゲージ100を湿気等から保護する。
なお、起歪体20Aの上面20mを被覆する樹脂層50を設け、さらに起歪体20Aの下面20nを被覆する樹脂層50Aを設けてもよい。また、図1~3に示す起歪体20の下面20nに、さらに樹脂層50Aを設けてもよい。この場合、樹脂層50Aは、カバー層160と共にひずみゲージ100を湿気等から保護する。
〈第2実施形態〉
上述した実施形態およびその変形例では、本開示に係る検出部が抵抗体を用いたひずみゲージである例について説明した。すなわち、前記実施形態では、本開示に係る検出部が電気抵抗式の金属ひずみゲージである場合について説明した。しかしながら、本開示に係る検出部は金属ひずみゲージに限定されない。例えば、本開示に係る検出部は、当該ひずみゲージに含まれる検出素子によって、起歪体(または、起歪体に相当する構造物)のひずみによって引き起こされる磁気変化を検出するひずみゲージであってもよい。
具体的には、本開示に係る検出部は、ビラリ現象(後述)を利用した検出素子を含んだひずみゲージであってもよい。また、本開示に係る検出部は、磁気トンネル接合(後述)の構造を有する検出素子を含んだひずみゲージであってもよい。以下、第2実施形態では、ビラリ現象を利用した検出素子を含むひずみゲージについて説明する。また、第3実施形態では、磁気トンネル接合の構造を有する検出素子を含んだひずみゲージについて説明する。
なお、本明細書の各実施形態では、同様の機能を有する部材には同様の名称および部材番号を付し、説明を繰り返さないこととする。また、以降の各実施形態に係る各図面(図21以降の図面)におけるx軸、y軸、およびz軸の方向は、図2~図3で示したx軸、y軸、およびz軸の方向と同一である。また、以降の説明では、z軸の正方向を「上」、z軸の負方向を「下」と称する。すなわち、以降の説明において「上側」とはz軸の正方向側であり、「上面」はz軸の正方向側にある面を示す。また、「下側」とはz軸の負方向側であり、「下面」とはz軸の負方向側にある面を示す。
図21は、第2実施形態に係るひずみゲージに含まれる検出素子300の一例を示す図である。図21の(a)は検出素子300をz軸の負方向から正方向(すなわち、下面から上面側)に見たときの平面図である。一方、図21の(b)は、図21の(a)に示す検出素子300のα-α´直線での断面図を示している。なお、図21の(a)および(b)では、検出素子300から延びる配線は図示していない。しかしながら、検出素子300には、後述する駆動コイル320と電源とを接続する配線と、感知コイル380によって検出された電流を伝達するための配線が接続されていてもよい。
図21の(a)に示す通り、検出素子300は、駆動コイル320と、感知コイル380と、ベース層310とを含む。ベース層310は駆動コイル320および感知コイル380の芯材となる層である。感知コイル380は、ベース層310(より厳密には、後述するベース金属370)の磁化の強さを検出するためのコイルである。駆動コイル320は、磁界を発生させるためのコイルである。検出素子300は、ベース層310を芯材として、感知コイル380が内側、そして駆動コイル320が外側に巻かれた2重構造を有している。なお、駆動コイル320および感知コイル380の材料は、Cu、Ag、Al、およびAu等の導電性金属、ならびに、これらの金属の合金であることが望ましい。また、駆動コイル320および感知コイル380の巻き数および断面積の大きさは、検出素子300に要求されるひずみの検知感度に応じて適宜設計されてよい。
後で詳述するが、ベース層310に応力が加わると、ベース層310に含まれるベース金属370(後述)の磁化の強さが変化する。検出素子300は、感知コイル380でこの磁化の強さの変化を検出することによって、ベース層310にかかる応力の強さ(すなわち、ひずみ度合)を特定することができる。
図21の(b)の断面図を参照して、検出素子300の構成について更に説明する。なお、図21の(b)において、駆動コイル320、感知コイル380、および3つの絶縁層340、350、および360はそれぞれ、芯材であるベース金属370を取り囲むように形成されている。すなわち、図21の(b)において同じ部材番号を付した層は、ベース金属370を取り囲んで繋がっている。
ベース金属370は、各種コイルおよび絶縁層の芯材となる部材である。ベース金属370は、例えば略平板状の金属板であってよい。ベース金属370は絶縁層360で取り囲むように被覆されている。ベース金属370は、例えば、センダスト等のFe-Si-Al系合金、および、パーマロイ等のNi-Fe系合金等の軟磁性体材料で構成されることが望ましい。前述のベース層310は、図21の(b)に示す通り、このベース金属370と絶縁層360から成る。
絶縁層360の外側には、絶縁層360を取り囲むように絶縁層350が形成される。そして、絶縁層350の外側には、更に絶縁層340が形成されている。絶縁層350は、感知コイル380を含む層であり、感知コイル380の間隙を絶縁材料で充填した層である。絶縁層340は、駆動コイル320を含む層であり、駆動コイル320の間隙を絶縁材料で充填した層である。絶縁層340、350、および360は、磁界に影響しないドライフィルムまたは感光性ポリイミド等のレジスト硬化物から成ることが望ましい。
検出素子300の一面は、図21の(b)に示すように、基材110に貼り付けられていてよい。基材110は、検出素子300を固定する部材である。例えば、基材110は、プラスチックフィルム等で構成されるフレキシブル基板であってよい。検出素子300は基材110を介して起歪体20又は20Aに貼り付けられる。なお、検出素子300は、全体として平板または薄膜状の検出素子であってもよい。検出素子300が平板または薄膜状である場合、検出素子300を基材110により容易に貼り付けることができる。また、検出素子300において基材110は必須の構成ではない。例えば、検出素子300に基材110を設けず、検出素子300の上面を起歪体20又は20Aに直接貼り付けて使用してもよい。
本実施形態に係る起歪体20及び20Aは、基本的には第1実施形態に係る起歪体20及び20Aと同様の構成および材料であってよい。しかしながら、起歪体20及び20Aは、非磁性体から成ることがより望ましい。本実施形態に係る起歪体20及び20Aは、例えば、非磁性ステンレスを材料として作製することができる。
次に、検出素子300を用いてひずみを検出する原理を概説する。検出素子300は、磁性体であるベース金属370を含んでいる。電源から駆動コイル320に交流電流が供給されると、駆動コイル320はその周囲に交番磁界を生じさせる。これにより磁界が発生し、ベース金属370は磁化される。この状態で起歪体20又は20Aが変形すると、ひずみが生じる。ひずみは基材110を伝わり、ベース金属370に応力が加わる。なお、検出素子300を、基材110を介さずに起歪体20又は20Aに貼り付けている場合は、起歪体20又は20Aからベース金属370(およびそれを被覆する絶縁層340~360)に直接応力が伝わる。
ベース金属370に応力が加わると、その応力に応じてベース金属370の透磁率が変化する。したがって、ベース金属370の磁化の強さ(磁化の程度)が変化する。このように、磁性体に応力がかかると磁性体の透磁率および磁化の強さが変化する現象のことを「ビラリ現象」という。検出素子300の構成によれば、ピックアップコイルである感知コイル380には、ベース金属370の磁化の強さに応じた交流電圧が誘起される。したがって、ビラリ現象の原理に基づけば、この交流電圧の値から、ベース金属370にかかる応力を算出することができる。そして、当該算出した応力から、起歪体20及び20Aのひずみ度合を特定することができる。なお、検出素子300が図21の(a)および(b)に示す形状である場合、検出素子300のグリッド方向は、図21の(a)におけるα-α´方向に等しい。以上説明した原理に基づいて、検出素子300は、起歪体20及び20Aのひずみを検出することができる。すなわち、検出素子300は、ひずみゲージの検出素子として機能する。
なお、駆動コイル320は、感知コイル380の外側、かつ当該感知コイル380が存在している領域全体に、できる限り均一に巻き付けられることが望ましい。これにより、ベース金属370の、感知コイル380が存在する領域全体に、より均一に交番磁界を加えることができる。これにより、ビラリ現象によるベース金属370の磁化の強さの変化をより精密に検出することができる。したがって、検出素子300の性能が向上する。
また、絶縁層360は、ベース金属370の全部ではなく一部に形成されていてもよい。例えば、ベース金属370のうち、感知コイル380および駆動コイル320を巻き付ける領域の部分を絶縁層360で覆い、絶縁層360の上から感知コイル380を含む絶縁層350で覆い、更に、絶縁層350の上から駆動コイル320を含む絶縁層340で覆うような構成であってもよい。
また、ベース金属370が略平板状である場合、絶縁層360はベース金属370の、コイルを巻く方向のみ取り囲んで形成されていてもよい。すなわち、図21の(b)において、ベース金属370のy方向の両端部は絶縁層360で覆われていなくてもよい。
本実施形態に係る脈波センサにおいて、起歪体20又は20Aが変形する(すなわち、起歪体にひずみが生じる)と、ひずみゲージの基材110(または、検出素子300自体)がひずむ。検出素子300は、このひずみによって生じる磁性変化を、前述のビラリ現象の原理に基づき検出することができる。
本実施形態に係る検出素子300を含んだひずみゲージは、第1実施形態ならびに第1実施形態の変形例で示したあらゆる配置パターンで起歪体20及び20Aに配置可能である。すなわち、本実施形態に係る検出素子300を用いて、電気抵抗式のひずみゲージを用いたときと同様に起歪体20及び20Aのひずみを検出することができる。したがって、本実施形態に係るひずみゲージは、第1実施形態に係る及び第1実施形態の変形例に係るひずみゲージ100と同様の効果を奏する。
〈第3実施形態〉
図22は、第3実施形態に係るひずみゲージに含まれる検出素子の一例である検出素子500を示す図である。図23は、第3実施形態に係る検出素子の他の一例である検出素子600を示す図である。また、図24は、第3実施形態に係る検出素子の更に他の一例である検出素子700を示す図である。図22~24の(a)はそれぞれ、検出素子500、600、および700の斜視図である。図22~24の(b)はそれぞれ、検出素子500、600、および700をz軸の負方向から正方向に見たときの平面図である。図22~24の(c)は、検出素子500、600、および700の、zy平面に平行な面での断面図である。なお、図22~24のいずれの図も、検出素子から延びる配線は図示していない。しかしながら、これらの検出素子500、600、および700には、後述する上流電極510と電源とを接続する配線と、下流電極520と電源とを接続する配線とが接続されていてもよい。
図22~図24の(a)に示す通り、検出素子500、600、および700は、上流電極510と、下流電極520と、磁性膜530と、絶縁膜540と、を含む。絶縁膜540は、図示のように磁性膜530で挟まれている。この磁性膜530と絶縁膜540によって、磁気トンネル接合が形成される。すなわち、検出素子500、600、および700は、磁気トンネル接合の構造に電極を接続した構造である。
なお、検出素子500、600、および700の上面は、第2実施形態に係る基材110と同様の基材に貼り付けられていてもよい。そして、検出素子500は基材を介して起歪体20又は20Aに貼り付けられてよい。また、検出素子500、600、および700は、全体として平板または薄膜状の検出素子であってもよい。検出素子500、600、および700が平板または薄膜状である場合、検出素子500、600、および700を基材または起歪体20又は20Aにより容易に貼り付けることができる。また例えば、検出素子500、600、および700の上面を起歪体20又は20Aに直接貼り付けて使用してもよい。
磁性膜530は磁性ナノ薄膜である。絶縁膜540は絶縁体のナノ薄膜である。磁気トンネル接合の構造が形成可能であれば、磁性膜530と、絶縁膜540の材料は特に限定されない。例えば、磁性膜530としてコバルト鉄ボロン、または、Fe、Co、Niなどの3d遷移金属強磁性体及びそれらを含む合金等を用いることができる。また、絶縁膜540として、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムや酸化マグネシウム等を用いることができる。
上流電極510および下流電極520は、磁気トンネル接合の構造に対し電圧を印加するための電極である。図22~24の例では、電流は上流電極510から下流電極520へと流れる。例えば図22の(c)の場合、上流電極510と下流電極520の間に電圧を印加すると、電子は下側(z軸負方向側)の磁性膜530から、絶縁膜540を超えて上側(z軸正方向側)の磁性膜530に流れ込む。これは「トンネル効果」と呼ばれている現象であり、電子が絶縁膜540を通過するときの電気抵抗は、「トンネル抵抗」と呼ばれている。なお、図22~24の例では、電極の各部の接合部は、磁気トンネル接合の構造をショートパスする電流が流れない様に端部が処理された構造となっている。
ところで、基材110等を介して検出素子500にひずみがかかると、トンネル接合の構造において、磁気変化が起こる。より具体的には、上側と下側の磁性膜530の磁化方向がずれる。このように、上下の磁性膜530の磁化方向がずれると、磁化方向が平行な場合に比べて、トンネル抵抗が大きくなる(トンネル磁気抵抗効果)。したがって、前述の構成を備えた検出素子500では、検出素子500(より厳密には、磁気トンネル接合の部分)のひずみの大きさに応じて、電極間を流れる電流が小さくなる。すなわち、ひずみが大きくなるにつれ、電気抵抗が大きくなる。検出素子500は、このように、印加した電圧に対する電流値に基づきひずみを検出することができる。したがって、検出素子500を起歪体20又は20Aに貼り付けることによって、起歪体20又は20Aにかかるひずみを測定することができる。
磁気トンネル接合の構造を有する検出素子は、図22に示した例に限定されない。例えば、図23および図24に示すような検出素子600および700を採用することも可能である。図23に示す検出素子600も、図24に示す検出素子700も、上流電極510、下流電極520、磁性膜530、および絶縁膜540で構成されること、および、これらの構成によってひずみを検出する原理については、検出素子500と同様である。また、検出素子600および700の基本的な動作についても、検出素子500と同様である。なお、検出素子500、600、および700のグリッド方向は、それぞれ図22~図24におけるy軸方向(y軸の正方向およびy軸の負方向)に相当する。図23に示す検出素子600は図示の通り、上側の磁性膜530と下側の磁性膜530が、一部繋がった構造をしている。すなわち、磁性膜530の一部の領域においてのみ、磁気トンネル接合の構造が形成されており、当該構造においてトンネル磁気抵抗効果が生じる。一方、図24に示す検出素子700は、基板710を介して基材110に貼り付けられる。図22~図24に示すように、検出素子は前述の原理を超えない範囲であれば、要求されるサイズ、耐久性、および検出すべき応力の大きさ等に応じて、適宜その設計が変更されてよい。
なお、本実施形態に係る起歪体20及び20Aは、基本的には第1実施形態に係る起歪体20及び20Aと同様の構成および材料であってよい。しかしながら、起歪体20及び20Aは、非磁性体から成ることがより望ましい。本実施形態に係る起歪体20及び20Aは、例えば、非磁性ステンレスを材料として作製することができる。また、検出素子500、600、および700は素子全体として、フィルム型などの略平板状の形状であってよい。これにより、起歪体20及び20Aに、検出素子500を容易に貼り付けることができる。また、検出素子500、600、および700は、駆動コイル等、磁気トンネル接合の構造部分に対して、微弱な磁界を印加するための構造を有していてもよい。磁気トンネル接合の構造部分に対して磁界を印加することにより、前述のトンネル磁気抵抗効果をより安定して測定することができるため、安定してひずみを検出することができる。
また、検出素子500、600、および700における「上流電極」および「下流電極」は便宜上の名称であり、電流の流れる方向は逆であってもよい。つまり、図22~図24で示した検出素子500、600、および700において、下流電極520の方から、上流電極510の方へと電流が流れる設計であってもよい。
本実施形態に係る脈波センサにおいて、起歪体20又は20Aが変形する(すなわち、起歪体にひずみが生じる)と、ひずみゲージの基材(または、検出素子500、600、または700自体)がひずむ。検出素子500、600、または700は、このひずみによって生じる磁性変化を、前述のトンネル磁気抵抗効果の原理に基づき検出することができる。
本実施形態に係る検出素子500、600、および700を含んだひずみゲージは、第1実施形態および第1実施形態の変形例に示したあらゆる配置位置で起歪体20及び20Aに配置可能である。すなわち、本実施形態に係る検出素子500、600、および700を用いて、電気抵抗式のひずみゲージを用いたときと同様に起歪体20及び20Aのひずみを検出することができる。したがって、本実施形態に係るひずみゲージは、第1実施形態及び第1実施形態の変形例に係るひずみゲージ100と同様の効果を奏する。
〈第4実施形態〉
本開示に係る検出部は、半導体式のひずみゲージ、静電容量式の圧力センサ、または光ファイバ式のひずみゲージであってもよい。また、本開示に係る検出部は、機械式圧力センサ、振動式圧力センサ、または圧電式圧力センサであってもよい。以下、各種ひずみゲージ及び圧力センサの原理を説明する。
(半導体式のひずみゲージ)
半導体式のひずみゲージは、半導体の圧抵抗効果を利用してひずみを検出するひずみゲージである。すなわち、半導体式のひずみゲージは、半導体をひずみの検出素子として用いるひずみゲージである。
半導体に応力が印加されると、半導体の結晶格子にひずみが生じて半導体中のキャリアの数及び移動度が変化するため、結果として電気抵抗が変化することが知られている。半導体式のひずみゲージは、電気抵抗式の金属ひずみゲージと同様、起歪体20又は20Aに直接貼り付けて使用することができる。この場合、起歪体20又は20Aが伸縮すると、貼り付けられた半導体(より詳しくは、半導体の結晶格子)がひずみ電気抵抗が変化する。そのため、当該電気抵抗を測定することで起歪体20又は20Aのひずみ量を特定することができる。
また、半導体式のひずみゲージは、ダイアフラム構造を備えたひずみセンサとして構成することもできる。この場合、ひずみセンサは例えば、非金属のダイアフラム(又は、金属ダイアフラム上に電気絶縁層を形成したもの)と、当該ダイアフラムの上に形成された半導体(例えば、シリコン薄膜の半導体)と、を有する。そして、この様にダイアフラムを含む構造において、ダイアフラムに印加された垂直応力によりダイアフラムがひずむと、半導体の電気抵抗が変化する。そのため、当該電気抵抗を測定することでダイアフラムのひずみ量(ひいては、起歪体20又は20Aのひずみ量)を特定することができる。
(静電容量式の圧力センサ)
静電容量式の圧力センサは、ダイアフラムにかかる圧力を一対の電極の静電容量の変化として計測する圧力センサである。すなわち、静電容量式の圧力センサは、一対の電極を検出素子として用いる圧力センサである。静電容量式の圧力センサは例えば、可動電極としてのダイアフラムと、1つ以上の固定電極と、を備える。ダイアフラムは例えば不純物を含んだシリコン(すなわち、導体として機能するシリコン)等で形成される。
ダイアフラムに圧力が印加されると、当該ダイアフラムが変位し、固定電極と可動電極との間の距離が変化する。電極間の静電容量は、電極間媒質の誘電率と電極の面積が一定ならば、電極間の距離に応じて定まることが知られている。したがって、静電容量を計測することで、ダイアフラムの変位量(すなわち、圧力の大きさ)を特定することができる。
(光ファイバ式のひずみゲージ)
光ファイバ式のひずみゲージとは、ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)が形成されている光ファイバを用いてひずみを検出するひずみゲージである。すなわち、光ファイバ式のひずみゲージは、光ファイバをひずみの検出素子として用いるひずみゲージである。FBGは光ファイバの他の部分とは異なる光の反射を起こす回折格子であり、この格子の一つ一つは一定間隔で形成されている。光ファイバがひずんで伸びると、FBGの格子間隔が広がるため、光ファイバに入射した光(例えば、レーザ光)の反射光の波長が変化する。また、光ファイバがひずんで縮むと、FBGの格子間隔は狭くなるため、ファイバに入射した光(例えば、レーザ光)の反射光の波長が変化する。
このような特性を有する光ファイバを起歪体20又は20Aに貼り付けておき、光ファイバの反射光の波長スペクトルを計測することで、光ファイバのひずみ量(すなわち、起歪体20又は20Aのひずみ量)を特定することができる。なお、光ファイバ式のひずみゲージは、光ファイバ内で生じるブリルアン散乱光の周波数の変化から当該光ファイバのひずみ量を特定するひずみゲージであってもよい。
(機械式圧力センサ)
機械式圧力センサは機械的構造物の変位量を計測することで、当該構造物にかかる圧力を特定するセンサである。機械式圧力センサは、例えば、ばね又は曲げた管を備えており、このばねの伸縮量又は曲げた管の伸縮量を計測する。これらの伸縮量(すなわち、変位量)は、ばね又は曲げた管にかかる圧力の大きさに応じて変化する。したがって、当該伸縮量を計測することで、ばね又は曲げた管にかかる圧力を特定することができる。なお、ばね又は曲げた管の形状や大きさは、機械式圧力センサの取り付け対象の大きさ及び形状に応じて適宜定められてよい。
(振動式圧力センサ)
振動式圧力センサは、弾性梁の固有振動数が、当該弾性梁の軸に沿って生じる圧力(すなわち、軸力)によって変化するという現象を利用して圧力を検出するセンサである。振動式圧力センサは、電気抵抗式の金属ひずみゲージと同様、起歪体20及び20Aに直接貼り付けて使用することができる。また例えば、振動式圧力センサは、基板上に形成されたダイアフラムと、当該ダイアフラムの表面に形成された梁状の振動子と、で構成される圧力センサであってもよい。
いずれの場合でも、起歪体20又は20Aがひずむと、その圧力は直接または間接的に振動子に伝わり、振動子に軸力が生じる。振動子の固有振動数は、軸力に応じて変化する。したがって、振動子の固有振動数を計測することで、起歪体20又は20Aに対する圧力の大きさを特定することができる。
(圧電式圧力センサ)
圧電式圧力センサとは、圧電素子(ピエゾ素子とも称する)を含んでおり、この圧電素子の特性を用いて圧力を検出するセンサである。圧電素子は、力が加わり変形する(ひずむ)と、その力に応じた起電力を発生する特性を持っている。また、圧電素子は、電圧をかけると、その電圧に応じた力を発生させて伸縮する特性を持っている。
圧電式圧力センサは、圧電素子の起電力を測定することで、圧電素子にかかった力(すなわち、圧電素子のひずみ量)を特定することができる。したがって、圧電式圧力センサを起歪体20又は20Aに貼り付けておくことで、起歪体20又は20Aのひずみ量を特定することができる。
以上の説明の通り、半導体式、静電容量式、光ファイバ式、振動式、機械式、および圧電式圧力センサを用いた場合でも、第1実施形態及び第1実施形態の変形例に係るひずみゲージ100と同様の効果を得ることができる。
以上、好ましい実施形態等について詳説した。しかしながら、本開示に係る脈波センサは、上述した実施形態および変形例等に限定されない。例えば、上述した実施形態等に係る脈波センサについて、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、種々の変形及び置換を加えることができる。
1,1A,1B,1C 脈波センサ、10 筐体、20,20A 起歪体、20m 上面、20n 下面、21 基部、22 梁部、23,53 負荷部、24 延伸部、30 線材、50,50A 樹脂層、100 ひずみゲージ、110 基材、110a 上面、130 抵抗体、140 配線、150 電極、160 カバー層、130e、130e 終端、300,500,600,700 検出素子、310 ベース層、320 駆動コイル、340,350,360 絶縁層、370 ベース金属、380 感知コイル、510 上流電極、520 下流電極、530 磁性膜、540 絶縁膜、710 基板

Claims (28)

  1. 円形開口部を備えた起歪体と、
    前記起歪体の一方の面を被覆する樹脂層と、
    前記起歪体の一方の面とは反対側に位置する他方の面に設けられた、Cr混相膜を抵抗体とするひずみゲージと、
    を有し、
    前記円形開口部の直径をd[mm]、前記起歪体の厚さをt[mm]としたときに、
    前記起歪体の材料がSUSでd=32の場合は、0.059≦t≦0.124であり、
    前記材料がSUSでd=22の場合は、0.046≦t≦0.099であり、
    前記材料がSUSでd=13の場合は、0.030≦t≦0.067であり、
    前記材料がSUSでd=7の場合は、0.026≦t≦0.034であり、
    前記材料が銅でd=32の場合は、0.084≦t≦0.166であり、
    前記材料が銅でd=22の場合は、0.066≦t≦0.132であり、
    前記材料が銅でd=13の場合は、0.044≦t≦0.088であり、
    前記材料が銅でd=7の場合は、0.032≦t≦0.050であり、
    前記材料がアルミニウムでd=32の場合は、0.097≦t≦0.212であり、
    前記材料がアルミニウムでd=22の場合は、0.079≦t≦0.168であり、
    前記材料がアルミニウムでd=13の場合は、0.050≦t≦0.107であり、
    前記材料がアルミニウムでd=7である場合は、0.038≦t≦0.063であり、
    前記起歪体の変形に伴なう前記抵抗体の抵抗値の変化に基づいて脈波を検出する、脈波センサ。
  2. 起歪体と、
    前記起歪体の一方の面を被覆する樹脂層と、
    前記起歪体の一方の面とは反対側に位置する他方の面に設けられた、Cr混相膜を抵抗体とするひずみゲージと、を有し、
    前記起歪体は、
    円形開口部を備えた基部と、
    前記基部の内側を橋渡しする梁部と、
    前記梁部に設けられた負荷部と、を有し、
    前記起歪体は、平板状であり、
    前記起歪体の変形に伴なう前記抵抗体の抵抗値の変化に基づいて脈波を検出する、脈波センサ。
  3. 非金属製の起歪体と、
    前記起歪体に設けられた、Cr混相膜を抵抗体とするひずみゲージと、を有し、
    前記起歪体は、
    円形開口部を備えた基部と、
    前記基部の内側を橋渡しする梁部と、
    前記梁部に設けられた負荷部と、を有し、
    前記起歪体は、平板状であり、
    前記起歪体の変形に伴なう前記抵抗体の抵抗値の変化に基づいて脈波を検出する、脈波センサ。
  4. 前記起歪体の一方の面を被覆する樹脂層を有し、
    前記ひずみゲージは、前記起歪体の一方の面とは反対側に位置する他方の面に設けられている、請求項3に記載の脈波センサ。
  5. 前記起歪体は、
    前記円形開口部を備えた基部と、
    前記基部の内側を橋渡しする梁部と、
    前記梁部に設けられた負荷部と、を有する、請求項1に記載の脈波センサ。
  6. 前記起歪体は、平板状である、請求項5に記載の脈波センサ。
  7. 前記梁部は、平面視で十字状に交差する2本の梁を有し、
    前記梁の交差する領域は、前記円形開口部の中心を含み、
    前記梁の交差する領域に、前記負荷部が設けられている、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の脈波センサ。
  8. 前記ひずみゲージを4つ備え、
    4つの前記ひずみゲージのうちの2つは、第1方向を長手方向とする前記梁の前記負荷部に近い側に、平面視で前記負荷部を挟んで対向するように配置され、
    4つの前記ひずみゲージのうちの他の2つは、前記第1方向と直交する第2方向を長手方向とする前記梁の前記基部に近い側に、平面視で前記負荷部を挟んで対向するように配置されている、請求項7に記載の脈波センサ。
  9. 各々の前記梁の長さは、前記円形開口部の直径と略等しい、請求項7又は8に記載の脈波センサ。
  10. 各々の前記梁において、交差する領域以外の幅は一定である、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の脈波センサ。
  11. 前記起歪体の他方の面に設けられ、前記ひずみゲージを被覆する第2の樹脂層を有する、請求項1乃至10の何れか一項に記載の脈波センサ。
  12. 円形開口部を備えた起歪体と、
    前記起歪体の一方の面を被覆する樹脂層と、
    前記起歪体の一方の面とは反対側に位置する他方の面に設けられた検出部と、
    を有し、
    前記円形開口部の直径をd[mm]、前記起歪体の厚さをt[mm]としたときに、
    前記起歪体の材料がSUSでd=32の場合は、0.059≦t≦0.124であり、
    前記材料がSUSでd=22の場合は、0.046≦t≦0.099であり、
    前記材料がSUSでd=13の場合は、0.030≦t≦0.067であり、
    前記材料がSUSでd=7の場合は、0.026≦t≦0.034であり、
    前記材料が銅でd=32の場合は、0.084≦t≦0.166であり、
    前記材料が銅でd=22の場合は、0.066≦t≦0.132であり、
    前記材料が銅でd=13の場合は、0.044≦t≦0.088であり、
    前記材料が銅でd=7の場合は、0.032≦t≦0.050であり、
    前記材料がアルミニウムでd=32の場合は、0.097≦t≦0.212であり、
    前記材料がアルミニウムでd=22の場合は、0.079≦t≦0.168であり、
    前記材料がアルミニウムでd=13の場合は、0.050≦t≦0.107であり、
    前記材料がアルミニウムでd=7である場合は、0.038≦t≦0.063であり、
    前記検出部は、前記起歪体の変形及び/又は前記起歪体にかかる圧力を検出し、
    前記検出部が検出した前記変形及び/又は前記圧力の変化に基づいて脈波を検出する、脈波センサ。
  13. 起歪体と、
    前記起歪体の一方の面を被覆する樹脂層と、
    前記起歪体の一方の面とは反対側に位置する他方の面に設けられた検出部と、を有し、
    前記起歪体は、
    円形開口部を備えた基部と、
    前記基部の内側を橋渡しする梁部と、
    前記梁部に設けられた負荷部と、を有し、
    前記起歪体は、平板状であり、
    前記検出部は、前記起歪体の変形及び/又は前記起歪体にかかる圧力を検出し、
    前記検出部が検出した前記変形及び/又は前記圧力の変化に基づいて脈波を検出する、脈波センサ。
  14. 非金属製の起歪体と、
    前記起歪体に設けられた検出部と、を有し、
    前記起歪体は、
    円形開口部を備えた基部と、
    前記基部の内側を橋渡しする梁部と、
    前記梁部に設けられた負荷部と、を有し、
    前記起歪体は、平板状であり、
    前記検出部は、前記起歪体の変形及び/又は前記起歪体にかかる圧力を検出し、
    前記検出部が検出した前記変形及び/又は前記圧力の変化に基づいて脈波を検出する、脈波センサ。
  15. 前記起歪体の一方の面を被覆する樹脂層を有し、
    前記検出部は、前記起歪体の一方の面とは反対側に位置する他方の面に設けられている、請求項14に記載の脈波センサ。
  16. 前記起歪体は、
    前記円形開口部を備えた基部と、
    前記基部の内側を橋渡しする梁部と、
    前記梁部に設けられた負荷部と、を有する、請求項12に記載の脈波センサ。
  17. 前記起歪体は、平板状である、請求項16に記載の脈波センサ。
  18. 前記梁部は、平面視で十字状に交差する2本の梁を有し、
    前記梁の交差する領域は、前記円形開口部の中心を含み、
    前記梁の交差する領域に、前記負荷部が設けられている、請求項13乃至17のいずれか一項に記載の脈波センサ。
  19. 前記検出部を4つ備え、
    4つの前記検出部のうちの2つは、第1方向を長手方向とする前記梁の前記負荷部に近い側に、平面視で前記負荷部を挟んで対向するように配置され、
    4つの前記検出部のうちの他の2つは、前記第1方向と直交する第2方向を長手方向とする前記梁の前記基部に近い側に、平面視で前記負荷部を挟んで対向するように配置されている、請求項18に記載の脈波センサ。
  20. 各々の前記梁の長さは、前記円形開口部の直径と略等しい、請求項18又は19に記載の脈波センサ。
  21. 各々の前記梁において、交差する領域以外の幅は一定である、請求項18乃至20のいずれか一項に記載の脈波センサ。
  22. 前記起歪体の他方の面に設けられ、前記検出部を被覆する第2の樹脂層を有する、請求項12乃至21の何れか一項に記載の脈波センサ。
  23. 前記検出部は、前記起歪体の変形によって生じる磁気変化を検出する検出素子を有する、請求項12乃至22の何れか一項に記載の脈波センサ。
  24. 前記検出素子は磁性体を含み、
    前記検出素子は、前記起歪体の変形によって前記磁性体に圧力が加わったときの前記磁性体の磁化の強さの変化を検出する検出素子である、請求項23に記載の脈波センサ。
  25. 前記検出素子は、磁性膜で絶縁膜を挟んだ磁気トンネル接合の構造を含んでおり、
    前記検出素子は、前記起歪体の変形によって前記構造で発生する磁気変化を検出する検出素子である、請求項23に記載の脈波センサ。
  26. 前記検出部は半導体式のひずみゲージである、請求項12乃至22の何れか一項に記載の脈波センサ。
  27. 前記検出部は静電容量式の圧力センサである、請求項12乃至22の何れか一項に記載の脈波センサ。
  28. 前記検出部は光ファイバ式のひずみゲージである、請求項12乃至22の何れか一項に記載の脈波センサ。
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