JP2023129014A - 車両及び車両制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両に設けられた受電コイルと、道路に設けられた送電コイルとの車幅方向の位置ずれを精度良く補正する。【解決手段】車両3、3’は、道路に設けられた送電コイル44から電力を受電する受電コイル52と、車両における受電コイルの車幅方向の位置を調整する可動アクチュエータ8と、制御装置7とを備える。制御装置は、受電コイルが車幅方向において送電コイルと正対するように可動アクチュエータを変位させ、可動アクチュエータの変位量に基づいて車両の転舵角の補正制御を実行する。【選択図】図7
Description
本発明は車両及び車両制御方法に関する。
従来、磁界共鳴方式のような伝送方式を用いて、道路に設けられた給電装置と車両との間で非接触で電力を伝送する技術が知られている(例えば特許文献1)。斯かる技術を用いることで、車両の走行中に車両への非接触給電を行うことができる。
しかしながら、給電装置の送電コイルが設置された給電エリアを車両が通過するときに、車両に設けられた受電コイルと給電装置の送電コイルとの間で車幅方向の位置ずれが生じていると、送電コイルから受電コイルへの電力伝送効率が低下する。これに対して、特許文献1には、受電コイルが送電コイルの上方の所望の位置に位置するように受電コイルを車幅方向に移動させることが記載されている。
しかしながら、車両に設けられたアクチュエータによって受電コイルを車幅方向に移動させる場合、送電コイルに対する受電コイルの位置ずれ量が大きくなるにつれて、アクチュエータの変位量が大きくなる。この結果、外乱によって補正精度が低下し、又はアクチュエータの可動範囲が足りずに位置ずれを補正できないおそれがある。
そこで、上記課題に鑑みて、本発明の目的は、車両に設けられた受電コイルと、道路に設けられた送電コイルとの車幅方向の位置ずれを精度良く補正することにある。
本開示の要旨は以下のとおりである。
(1)車両であって、道路に設けられた送電コイルから電力を受電する受電コイルと、当該車両における前記受電コイルの車幅方向の位置を調整する可動アクチュエータと、制御装置とを備え、前記制御装置は、前記受電コイルが車幅方向において前記送電コイルと正対するように前記可動アクチュエータを変位させ、該可動アクチュエータの変位量に基づいて当該車両の転舵角の補正制御を実行する、車両。
(2)前記制御装置は、前記変位量がゼロになるように前記転舵角の目標値を決定する、上記(1)に記載の車両。
(3)前記制御装置は、所定時間における前記変位量の平均値がゼロになるように前記転舵角の目標値を決定する、上記(2)に記載の車両。
(4)前記変位量の低周波成分を抽出するローパスフィルタを更に備え、前記制御装置は、前記ローパスフィルタの出力値がゼロになるように前記転舵角の目標値を決定する、上記(2)に記載の車両。
(5)前記制御装置は、前記受電コイルと前記送電コイルとの間の車幅方向の位置ずれ量がゼロになるように前記可動アクチュエータをフィードバック制御し、前記補正制御の実行間隔が前記フィードバック制御の実行間隔よりも長い、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の車両。
(6)前記制御装置は、前記車両の車線変更、右折又は左折が予測されたときには、前記補正制御を停止する、上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の車両。
(7)情報を出力する出力装置を更に備え、前記制御装置は、前記補正制御として、前記出力装置を介して当該車両のドライバにステアリング操作を指示する、上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の車両。
(8)前記車両の転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを更に備え、前記制御装置は、前記補正制御として、前記転舵角が変化するように前記転舵アクチュエータを制御する、上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の車両。
(9)前記制御装置は、前記転舵アクチュエータの制御によって前記受電コイルが前記送電コイルに対して車幅方向に移動する速度が、前記可動アクチュエータの制御によって該受電コイルが該送電コイルに対して車幅方向に移動する速度よりも遅くなるように該転舵アクチュエータ及び該可動アクチュエータを制御する、上記(8)に記載の車両。
(10)前記制御装置は、当該車両の速度が速いときには、当該車両の速度が遅いときと比べて、前記転舵アクチュエータの制御によって前記受電コイルが前記送電コイルに対して車幅方向に移動する速度を遅くする、上記(9)に記載の車両。
(11)コンピュータによって実行される車両制御方法であって、道路に設けられた送電コイルから電力を受電するように車両に設けられた受電コイルが車幅方向において該送電コイルと正対するように可動アクチュエータを変位させることと、前記可動アクチュエータの変位量に基づいて前記車両の転舵角の補正制御を実行することとを含む、車両制御方法。
本発明によれば、車両に設けられた受電コイルと、道路に設けられた送電コイルとの車幅方向の位置ずれを精度良く補正することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
<第一実施形態>
以下、図1~図9を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
以下、図1~図9を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る車両3に非接触で電力を供給するための非接触給電システム1の構成を概略的に示す図である。非接触給電システム1は、給電装置2及び車両3を備え、給電装置2と車両3との間の非接触給電を行う。特に、本実施形態では、非接触給電システム1は、車両3が走行しているときに、磁界共振結合(磁界共鳴)によって給電装置2から車両3への非接触給電を行う。すなわち、非接触給電システム1は磁界を媒体として給電装置2から車両3へ電力を伝送する。なお、非接触給電は、非接触電力伝送、ワイヤレス電力伝送又はワイヤレス給電とも称される。
給電装置2は車両3への非接触給電を行うように構成される。具体的には、図1に示されるように、給電装置2は送電装置4及び電源21を備える。本実施形態では、給電装置2は、車両3が走行する道路に設けられ、例えば地中(路面の下)に埋め込まれる。なお、給電装置2の少なくとも一部(例えば、電源21)は路面の上に配置されてもよい。
電源21は、送電装置4の電力源であり、送電装置4に電力を供給する。電源21は、例えば、単相交流電力を供給する商用交流電源である。なお、電源21は、三相交流電力を供給する交流電源等であってもよい。
送電装置4は、車両3に電力を送電するための交流磁界を発生させるように構成される。本実施形態では、送電装置4は、送電側整流回路41、インバータ42及び送電側共振回路43を備える。送電装置4では、送電側整流回路41及びインバータ42を介して送電側共振回路43に適切な交流電力(高周波電力)が供給される。
送電側整流回路41は電源21及びインバータ42に電気的に接続される。送電側整流回路41は、電源21から供給される交流電力を整流して直流電力に変換し、直流電力をインバータ42に供給する。送電側整流回路41は例えばAC/DCコンバータである。
インバータ42は送電側整流回路41及び送電側共振回路43に電気的に接続される。インバータ42は、送電側整流回路41から供給された直流電力を、電源21の交流電力よりも高い周波数の交流電力(高周波電力)に変換し、高周波電力を送電側共振回路43に供給する。
送電側共振回路43は、送電コイル44及び送電側コンデンサ45から構成される共振器を有する。送電コイル44及び送電側コンデンサ45の各種パラメータ(送電コイル44の外径及び内径、送電コイル44の巻数、送電側コンデンサ45の静電容量等)は、送電側共振回路43の共振周波数が所定の設定値になるように定められる。所定の設定値は、例えば10kHz~100GHzであり、好ましくは、車両の非接触給電用の周波数帯域としてSAE TIR J2954規格によって定められた85kHzである。
送電側共振回路43は、路面との距離が小さくなるように路面の直下に配置される。また、本実施形態では、送電側共振回路43は、送電コイル44の中心が車線の中央に位置するように、車両3が走行する道路に配置される。インバータ42から供給された高周波電力が送電側共振回路43に印加されると、送電側共振回路43の送電コイル44に交流電流が流れる。この結果、送電側共振回路43は、車両3に電力を送電するための交流磁界を発生させる。なお、送電装置4において、電源21は燃料電池又は太陽電池のような直流電源であってもよく、この場合に送電側整流回路41が省略されてもよい。
図2は、給電装置2の構成の一部を概略的に示す図である。図2に示されるように、給電装置2はコントローラ6及び通信装置22を更に備える。
コントローラ6は、例えば汎用コンピュータであり、給電装置2の各種制御を行う。すなわち、コントローラ6は給電装置2の制御装置として機能する。図2に示されるように、コントローラ6はメモリ61及びプロセッサ62を備える。メモリ61及びプロセッサ62は信号線を介して互いに接続されている。なお、コントローラ6は、コントローラ6をインターネット網のような通信ネットワークに接続するための通信インターフェース等を更に備えていてもよい。
メモリ61は、例えば、揮発性の半導体メモリ(例えばRAM)及び不揮発性の半導体メモリ(例えばROM)を有する。メモリ61は、プロセッサ62において実行されるプログラム、プロセッサ62によって各種処理が実行されるときに使用される各種データ等を記憶する。
プロセッサ62は、一つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有し、各種処理を実行する。なお、プロセッサ62は、論理演算ユニット又は数値演算ユニットのような演算回路を更に有していてもよい。
図2に示されるように、送電装置4のインバータ42はコントローラ6に電気的に接続される。コントローラ6はインバータ42を介して送電装置4から受電装置5への送電を制御する。
通信装置22は、給電装置2と給電装置2の外部との通信を可能とする機器である。例えば、通信装置22は、近距離無線通信を行う近距離無線通信モジュール(例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)アンテナ、Bluetooth(登録商標)モジュール等)として構成される。通信装置22はコントローラ6に電気的に接続され、コントローラ6は通信装置22を用いて車両3と通信する。
一方、車両3は、道路に設けられた送電コイル44の上を通過するときに、給電装置2によって給電されるように構成される。具体的には、図1に示されるように、車両3は、受電装置5、モータ31、バッテリ32及びパワーコントロールユニット(PCU:Power Control Unit)33を備える。本実施形態では、車両3は、内燃機関を搭載していない電気自動車(BEV)であり、モータ31が走行用の動力を出力する。
モータ31は、電気モータ(例えば交流同期モータ)であり、バッテリ32に蓄えられた電力を動力源として駆動される。モータ31の出力は減速機及び車軸を介して車輪90に伝達される。なお、モータ31は、電動機及び発電機として機能するモータジェネレータであってもよい。この場合、車両3の減速時には車輪90の回転によってモータ31が駆動され、モータ31は車両3の減速エネルギーを用いて回生電力を発電する。
バッテリ32は、充電可能な二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等から構成される。バッテリ32は、電力を蓄え、車両3の電子機器(例えばモータ31)に電力を供給する。車両3に設けられた充電ポートを介して外部電源からバッテリ32に電力が供給されると、バッテリ32が充電され、バッテリ32の充電率(SOC:State Of Charge)が回復する。
PCU33はバッテリ32及びモータ31に電気的に接続される。PCU33は、インバータ、昇圧コンバータ及びDC/DCコンバータを有する。インバータは、バッテリ32から供給された直流電力を交流電力に変換し、交流電力をモータ31に供給する。昇圧コンバータは、バッテリ32に蓄えられた電力がモータ31に供給されるときに、必要に応じてバッテリ32の電圧を昇圧する。DC/DCコンバータは、バッテリ32に蓄えられた電力がヘッドライト等の電子機器に供給されるときに、バッテリ32の電圧を降圧する。
受電装置5は、送電装置4から発せられた交流磁界を介して電力を受電するように構成される。本実施形態では、受電装置5は、受電側共振回路51、受電側整流回路54及び充電回路55を備える。受電装置5は、送電装置4から電力を受電し、受電した電力をバッテリ32に供給する。
受電側共振回路51は、路面との距離が小さくなるように車両3の底部に配置される。また、本実施形態では、受電側共振回路51は、車幅方向において車両3の中央に配置され、車両3の前後方向において前輪90と後輪90との間に配置される。
受電側共振回路51は、送電側共振回路43と同様の構成を有し、受電コイル52及び受電側コンデンサ53から構成される共振器を有する。受電コイル52及び受電側コンデンサ53の各種パラメータ(受電コイル52の外径及び内径、受電コイル52の巻数、受電側コンデンサ53の静電容量等)は、受電側共振回路51の共振周波数が送電側共振回路43の共振周波数と一致するように定められる。なお、受電側共振回路51の共振周波数と送電側共振回路43の共振周波数とのずれ量が小さければ、例えば受電側共振回路51の共振周波数が送電側共振回路43の共振周波数の±20%の範囲内であれば、受電側共振回路51の共振周波数は送電側共振回路43の共振周波数と必ずしも一致している必要はない。
図1に示されるように受電側共振回路51の受電コイル52が送電側共振回路43の送電コイル44と対向しているときに、送電側共振回路43に交流磁界が発生すると、交流磁界の振動が、送電側共振回路43と同一の共振周波数で共鳴する受電側共振回路51に伝達する。この結果、電磁誘導によって受電側共振回路51の受電コイル52に誘導電流が流れ、誘導電流によって電力が発生する。すなわち、受電コイル52は、道路に設けられた送電コイル44から電力を受電する。
受電側整流回路54は受電側共振回路51及び充電回路55に電気的に接続される。受電側整流回路54は、受電側共振回路51から供給される交流電力を整流して直流電力に変換し、直流電力を充電回路55に供給する。受電側整流回路54は例えばAC/DCコンバータである。
充電回路55は受電側整流回路54及びバッテリ32に電気的に接続される。充電回路55は、受電側整流回路54から供給された直流電力をバッテリ32の電圧レベルに変換してバッテリ32に供給する。送電装置4から送電された電力が受電装置5によってバッテリ32に供給されると、バッテリ32が充電され、バッテリ32のSOCが回復する。充電回路55は例えばDC/DCコンバータである。
図3は、第一実施形態に係る車両3の構成の一部を概略的に示す図である。図3に示されるように、車両3は、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)7、GNSS受信機34、地図データベース35、センサ36、HMI37、通信装置38及び可動アクチュエータ8を更に備える。
ECU7は、コンピュータとして構成され、車両3の各種制御を行う。すなわち、ECU7は車両3の制御装置として機能する。図3に示されるように、ECU7は、通信インターフェース71、メモリ72及びプロセッサ73を有する。通信インターフェース71、メモリ72及びプロセッサ73は信号線を介して互いに接続されている。
通信インターフェース71は、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内ネットワークにECU7を接続するためのインターフェース回路を有する。
メモリ72は、例えば、揮発性の半導体メモリ(例えばRAM)及び不揮発性の半導体メモリ(例えばROM)を有する。メモリ72は、プロセッサ73において実行されるプログラム、プロセッサ73によって各種処理が実行されるときに使用される各種データ等を記憶する。
プロセッサ73は、一つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有し、各種処理を実行する。なお、プロセッサ73は、論理演算ユニット又は数値演算ユニットのような演算回路を更に有していてもよい。
図3に示されるように、充電回路55及びPCU33はECU7に電気的に接続される。ECU7は、充電回路55を介して、送電装置4から受電装置5に送電された電力によるバッテリ32の充電を制御する。また、ECU7は、PCU33を介して、バッテリ32と電子機器(例えばモータ31)との間の電力の授受を制御する。なお、ECU7は、送電装置4から受電装置5に送電された電力をバッテリ32の代わりに電気負荷(例えばモータ31)に供給してもよい。
GNSS受信機34は、複数(例えば3つ以上)の測位衛星から得られる測位情報に基づいて、車両3の現在位置(例えば車両3の緯度及び経度)を検出する。具体的には、GNSS受信機34は、複数の測位衛星を捕捉し、測位衛星から発信された電波を受信する。そして、GNSS受信機34は、電波の発信時刻と受信時刻との差に基づいて測位衛星までの距離を算出し、測位衛星までの距離及び測位衛星の位置(軌道情報)に基づいて車両3の現在位置を検出する。GNSS受信機34の具体例としてGPS受信機が挙げられる。GNSS受信機34はECU7に電気的に接続され、GNSS受信機34の出力、すなわちGNSS受信機34によって検出された車両3の現在位置はECU7に送信される。
地図データベース35は地図情報を記憶している。地図情報には、給電装置2の送電コイル44が設置された給電エリアの位置情報等が含まれる。地図データベース35はECU7に電気的に接続され、ECU7は地図データベース35から地図情報を取得する。なお、地図データベースが車両3の外部(例えばサーバ等)に設けられ、ECU7は車両3の外部から地図情報を取得してもよい。
センサ36は車両3の状態量を検出する。例えば、センサ36は、車両3の速度を検出する車速センサ、車両3の転舵角(転舵輪の転舵角)を検出する転舵角センサ等を含む。センサ36はECU7に電気的に接続され、センサ36の出力、すなわちセンサ36によって検出された車両3の状態量はECU7に送信される。
HMI37は車両3と車両3のドライバとの間で情報の授受を行う。HMI37は、車両3のドライバに情報を出力する出力部(例えば、ディスプレイ、スピーカ、振動ユニット等)と、車両3のドライバによって情報が入力される入力部(例えば、タッチパネル、操作ボタン、操作スイッチ、マイクロフォン等)とを有する。HMI7はECU7に電気的に接続されている。ECU7の出力はHMI37を介して車両3のドライバに通知され、車両3のドライバからの入力はHMI37を介してECU7に送信される。HMI37は、情報を出力する出力装置の一例である。なお、車両3のドライバの携帯端末(スマートフォン、タブレット端末等)が、有線又は無線によってECU7と通信可能に接続され、HMI37として機能してもよい。
通信装置38は、車両3と車両3の外部との通信を可能とする機器である。例えば、通信装置38は、近距離無線通信を行う近距離無線通信モジュール(例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)車載器、Bluetooth(登録商標)モジュール等)として構成される。通信装置38はECU7に電気的に接続され、ECU7は通信装置38を用いて給電装置2と通信する。
可動アクチュエータ8は車両3における受電コイル52の車幅方向の位置を調整する。すなわち、可動アクチュエータ8は、受電コイル52を含む車載機器を収容する車両本体に対して受電コイル52を車幅方向に移動させる。可動アクチュエータ8はECU7に電気的に接続され、ECU7は可動アクチュエータ8を制御する。
図4は、可動アクチュエータ8の一例を概略的に示す図である。図4には、後方から見たときの車両3が示されており、可動アクチュエータ8は車両3の底部に配置される。また、本実施形態では、可動アクチュエータ8は、車幅方向において車両3の中央に配置され、車両3の前後方向において前輪と後輪との間に配置される。
例えば、可動アクチュエータ8は機械式のリニアアクチュエータとして構成される。この場合、図4に示されるように、可動アクチュエータ8は、スライダ81、ガイドレール82及びストッパ83を有する。スライダ81はガイドレール82上でストッパ83間を直線移動する。すなわち、スライダ81は車両本体に対して車幅方向に移動する。受電コイル52を含む受電側共振回路51は、スライダ81に固定され、スライダ81と一体的に移動する。
図4には、可動アクチュエータ8の変位量がゼロであるときのスライダ81の位置が示されている。スライダ81が一方の側(例えば図4の右側)に移動したときには可動アクチュエータ8の変位量が正の値となり、スライダ81が他方の側(例えば図4の左側)に移動したときには可動アクチュエータ8の変位量が負の値となる。本実施形態では、可動アクチュエータ8及び受電側共振回路51は、可動アクチュエータ8の変位量がゼロであるときに受電コイル52の中心が車幅中心線上に位置するように配置される。したがって、可動アクチュエータ8の変位量がゼロから変化すると、受電コイル52の中心は車幅中心線からずれることになる。
なお、可動アクチュエータ8の構成は、図4に示される構成に限定されない。例えば、可動アクチュエータ8は、ベルトコンベア、ラックアンドピニオン機構、電磁力によって直線移動する機構等であってもよい。
また、本実施形態では、図4に示されるように、給電装置2の送電コイル44に対する車両3の受電コイル52の車幅方向の位置ずれを検出するトラッキングコイル56が車幅方向において受電側共振回路51の両側に配置される。二つのトラッキングコイル56は車幅中心線に対して対称に配置される。すなわち、一方のトラッキングコイル56から車幅中心線までの距離と、他方のトラッキングコイル56から車幅中心線までの距離とは等しい。
トラッキングコイル56は、送電装置4から発せられる電波信号又は微弱な交流電力を検出信号として出力する。受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれが生じている場合には、一方のトラッキングコイル56の検出信号の強度と他方のトラッキングコイル56の検出信号の強度とに差が生じる。したがって、ECU7は、トラッキングコイル56の検出信号に基づいて、送電コイル44に対する受電コイル52の車幅方向の位置ずれ量を検出することができる。
図5は、給電装置2の送電コイル44が設置された給電エリアの一例を示す図である。図5の例では、三つの送電コイル44が道路の同一車線上に車両3の進行方向に沿って離間して配置されている。送電コイル44が設置された車線上の範囲が給電エリアに相当する。なお、一つの給電エリアに設置される送電コイル44の数は他の数(例えば一つ)であってもよい。
給電エリアにおいて車両3への給電が行われる場合、車両3のECU7は、車両3が給電エリアに接近したときに、通信装置38を用いて、給電装置2から車両3への給電を要求する給電要求信号を発信する。給電装置2のコントローラ6は、車両3から給電要求信号を受信すると、送電装置4によって送電用の交流磁界を発生させる。すなわち、コントローラ6は、車両3から給電要求信号を受信すると、給電装置2から車両3への非接触給電を開始する。しかしながら、車両3の車線上の位置が中心からずれているような場合には、受電コイル52と送電コイル44との間で車幅方向の位置ずれが生じ、送電コイル44から受電コイル52への電力伝送効率が低下する。
このため、本実施形態では、ECU7は、受電コイル52が車幅方向において送電コイル44と正対するように可動アクチュエータ8を変位させる。すなわち、ECU7は、受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれが可動アクチュエータ8の変位によって相殺されるように可動アクチュエータ8を変位させる。例えば、図4の例において、ECU7は、送電コイル44の中心が受電コイル52の中心に対して右側に位置している場合にはスライダ81が右側に移動するように可動アクチュエータ8を変位させ、送電コイル44の中心が受電コイル52の中心に対して左側に位置している場合にはスライダ81が左側に移動するように可動アクチュエータ8を変位させる。
上記のように可動アクチュエータ8を用いて位置ずれを補正することによって電力伝送効率の低下を抑制することができる。しかしながら、受電コイル52と送電コイル44との間の位置ずれ量が大きいほど、位置ずれを補正するために必要な可動アクチュエータ8の変位量が大きくなる。この結果、外乱によって補正精度が低下し、又は可動アクチュエータ8の可動範囲が足りずに位置ずれを補正できないおそれがある。
一方、車両3の車輪90の転舵によって車両3の車線上での横位置が変化した場合には、車幅方向における送電コイル44に対する受電コイル52の位置が変化する。したがって、車両3の転舵角を補正することによって、受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれを補正することができる。
そこで、本実施形態では、可動アクチュエータ8による位置ずれ補正と車両3の転舵角の補正とを併用することによって、受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれを補正する。具体的には、ECU7は、受電コイル52が車幅方向において送電コイル44と正対するように可動アクチュエータ8を変位させ、可動アクチュエータ8の変位量に基づいて車両3の転舵角の補正制御を実行する。このことによって、受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれを精度良く補正することができる。
例えば、ECU7は、可動アクチュエータ8の変位量がゼロになるように転舵角の補正制御を実行する。具体的には、ECU7は、可動アクチュエータ8の変位量がゼロになるように転舵角の目標値を決定する。このことによって、受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれが補正されるときの可動アクチュエータ8の変位量をゼロに近付けることができる。
また、ECU7は、車両3の車線変更、右折又は左折が予測されたときには、転舵角の補正制御を停止する。言い換えれば、ECU7は、車両3が走行中の車線から別の車線に移動しようとしたときには、転舵角の補正制御を停止する。このことによって、不必要な補正制御の実行によって車両3の挙動が不安定になることを抑制することができる。
ところで、本実施形態では、車両3は車両3のドライバによって手動運転される。すなわち、車両3のドライバがステアリングホイール91(図1参照)を介して車両3の操舵を制御し、ドライバによるステアリング操作によって車両3の転舵角が変更される。このため、ECU7は、転舵角の補正制御として、HMI37を介して車両3のドライバにステアリング操作を指示する。例えば、ECU7は、可動アクチュエータ8の変位量に基づいて車両3の転舵角の目標値を決定し、HMI7を介して、目標値を実現するためのステアリング操作をドライバに指示する。
以下、図6及び図7のフローチャートを参照して、上述した制御のフローについて説明する。図6は、第一実施形態における可動アクチュエータ制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンはECU7によって所定の実行間隔で繰り返し実行される。
最初に、ステップS101において、ECU7は、車両3が給電エリアを走行しているか否かを判定する。例えば、ECU7は、GNSS受信機34の出力に基づいて取得された車両3の現在位置と、地図データベース35の地図情報に記憶された給電エリアの位置情報とを照合することによってこの判定を行う。なお、ECU7は、車両3の受電装置5が電力を受電しているときに、車両3が給電エリアを走行していると判定してもよい。
ステップS101において車両3が給電エリアを走行していると判定された場合、本制御ルーチンはステップS102に進む。ステップS102では、ECU7は受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれ量を検出する。例えば、ECU7はトラッキングコイル56の検出信号に基づいて位置ずれ量を検出する。なお、ECU7は、受電コイル52が送電コイル44から電力を受電するときの電気的特性(例えば送電コイル44から受電コイル52への電力伝送効率等)に基づいて位置ずれ量を検出してもよい。また、給電エリアに磁気マーカが設けられ、ECU7は磁界検出器等を用いて磁界を検出することによって位置ずれ量を検出してもよい。
次いで、ステップS103において、ECU7は、受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれ量に基づいて、受電コイル52が車幅方向において送電コイル44と正対するように可動アクチュエータ8を制御する。例えば、ECU7は、受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれ量がゼロになるように可動アクチュエータ8をフィードバック制御する。ステップS103の後、本制御ルーチンは終了する。
一方、ステップS101において車両3が給電エリアを走行していないと判定された場合、本制御ルーチンはステップS104に進む。ステップS104では、ECU7は可動アクチュエータ8の変位を初期化する。すなわち、ECU7は可動アクチュエータ8の変位量をゼロにする。ステップS104の後、本制御ルーチンは終了する。
図7は、第一実施形態における転舵角の補正制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンはECU7によって所定の実行間隔で繰り返し実行される。
最初に、ステップS201において、図6のステップS101と同様に、ECU7は、車両3が給電エリアを走行しているか否かを判定する。車両3が給電エリアを走行していないと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、車両3が給電エリアを走行していると判定された場合、本制御ルーチンはステップS202に進む。
ステップS202では、ECU7は、車両3の車線変更、右折又は左折が予測されるか否かを判定する。例えば、ECU7は、車両3の方向指示器(ウィンカー)が作動(点滅)されたときに、車両3の車線変更、右折又は左折が予測されると判定する。方向指示器の作動は例えば方向指示器への電力供給の有無に基づいて検出される。なお、車両3のセンサ36が、ステアリングホイール91に加えられた操舵力を検出するトルクセンサを含み、ECU7は、トルクセンサによって検出された操舵力が所定値以上であるときに、車両3の車線変更、右折又は左折が予測されると判定してもよい。ステップS202において車両3の車線変更、右折又は左折が予測されると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、ステップS202において車両3の車線変更、右折及び左折が予測されないと判定された場合、本制御ルーチンはステップS203に進む。
ステップS203では、ECU7は可動アクチュエータ8の変位量を取得する。例えば、ECU7は可動アクチュエータ8への入力信号に基づいて可動アクチュエータ8の変位量を取得する。なお、エンコーダ又はポテンショメータのような位置検出器が可動アクチュエータ8に設けられ、ECU7は位置検出器の出力に基づいて可動アクチュエータ8の変位量を取得してもよい。
次いで、ステップS204において、ECU7は可動アクチュエータ8の変位量に基づいて車両3の転舵角の目標値を決定する。例えば、ECU7は、予め作成されたマップを用いて、可動アクチュエータ8の変位量がゼロになるように転舵角の目標値を決定する。なお、車両3の転舵輪の転舵量が過剰にならないように、転舵角の目標値の上限値が予め定められていてもよい。
次いで、ステップS205において、ECU7は、転舵角センサによって検出された現在の転舵角と転舵角の目標値とを照合し、転舵角の目標値を実現するためのステアリング操作を決定する。
次いで、ステップS206において、ECU7は、HMI37を介して、転舵角の目標値を実現するためのステアリング操作を車両3のドライバに指示する。例えば、ECU7は、ステアリング操作を指示する画面をHMI37に表示する。図8は、ステアリング操作を指示する画面の一例を示す図である。図8の例では、ステアリングホイールのアイコンと共に、ステアリングホイールの操舵量及び操舵方向がHMI37に表示されている。なお、ECU7は、文字、音声又は振動によってステアリング操作を車両3のドライバに指示してもよい。また、ECU7はステアリング操作としてステアリングホイールの操舵方向のみを車両3のドライバに指示してもよい。例えば、振動によって右回り(時計回り)のステアリング操作が指示される場合、ECU7は、ステアリングホイールに設けられたHMI37の振動ユニットを用いて、ステアリングホイールの右側部分(例えば右半分)を振動させる。ステップS205の後、本制御ルーチンは終了する。
なお、ステップS203において取得される可動アクチュエータ8の変位量は、所定時間における変位量の平均値であってもよい。すなわち、ECU7は、所定時間における変位量の平均値がゼロになるように転舵角の目標値を決定してもよい。このことによって、可動アクチュエータ8の変位量の微細な変化に応じて転舵角の目標値が頻繁に変更されることを抑制することができ、ひいては煩雑なステアリング操作が車両3のドライバに要求されることを抑制することができる。
また、図9に示されるように、車両3は、可動アクチュエータ8の変位量をフィルタ処理するフィルタ回路9を備えていてもよい。本実施形態では、フィルタ回路9としてローパスフィルタ(LPF)が用いられる。LPFは、所定の遮断周波数よりも高い周波数の信号を減衰させ、遮断周波数よりも低い周波数の信号を通過させる。すなわち、フィルタ回路9は、可動アクチュエータ8の変位量の高周波成分を遮断し、可動アクチュエータ8の変位量の低周波成分を抽出する。
この場合、ECU7は、可動アクチュエータ8の変位量としてフィルタ回路9(LPF)の出力値を取得し、フィルタ回路9の出力値がゼロになるように転舵角の目標値を決定する。このことによって、可動アクチュエータ8の変位量の高周波成分に応じて転舵角の目標値が頻繁に変更されることを抑制することができ、ひいては煩雑なステアリング操作が車両3のドライバに要求されることを抑制することができる。
また、図7の転舵角の補正制御の制御ルーチンの実行間隔が図6の可動アクチュエータ制御の制御ルーチンの実行間隔よりも長くされてもよい。すなわち、転舵角の補正制御の実行間隔が可動アクチュエータ8のフィードバック制御の実行間隔よりも長くされてもよい。言い換えれば、転舵角の補正制御の実行頻度が可動アクチュエータ8のフィードバック制御の実行頻度よりも低くされてもよい。このことによって、車両3のドライバにステアリング操作が頻繁に要求されることを抑制することができる。
<第二実施形態>
第二実施形態に係る車両の構成及び制御は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る車両の構成及び制御と同様である。このため、以下、本発明の第二実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第二実施形態に係る車両の構成及び制御は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る車両の構成及び制御と同様である。このため、以下、本発明の第二実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図10は、第二実施形態に係る車両3’の構成の一部を概略的に示す図である。第二実施形態では、車両3’は、周辺情報検出装置10、転舵アクチュエータ11、ブレーキアクチュエータ12を更に備える。
周辺情報検出装置10は、車両3’の周囲のデータ(画像、点群データ等)を取得し、車両3’の周辺情報(例えば、周辺車両、歩行者、白線等)を検出する。例えば、周辺情報検出装置10は、ミリ波レーダ、カメラ(例えばステレオカメラ)、ライダ(LIDAR:Laser Imaging Detection And Ranging))、若しくは超音波センサ(ソナー)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。周辺情報検出装置10はECU7に電気的に接続され、周辺情報検出装置10の出力、すなわち周辺情報検出装置10によって検出された車両3’の周辺情報はECU7に送信される。
転舵アクチュエータ11は車両3’の転舵輪を転舵させる。転舵アクチュエータ11はECU7に電気的に接続され、ECU7は転舵アクチュエータ11を制御して車両3’の操舵を制御する。
ブレーキアクチュエータ12は車両3’を減速(制動)させる。ブレーキアクチュエータ12はECU7に電気的に接続され、ECU7はブレーキアクチュエータ12を制御して車両3’の減速(制動)を制御する。
また、図1に示されるモータ31は車両3’の加速のための駆動装置として機能する。ECU7は、周辺情報検出装置10の出力等に基づいて、モータ31、転舵アクチュエータ11及びブレーキアクチュエータ12を用いて、車両3’が自律走行するように車両3’の挙動を制御する。すなわち、車両3’は、車両3’の加速、操舵及び減速(制動)の一部又は全てが自動的に実行される自動運転車両である。
上記のように、第二実施形態では、ECU7が転舵アクチュエータ11によって車両3’の操舵を制御し、転舵アクチュエータ11によって車両3’の転舵角が変更される。このため、ECU7は、車両3’の転舵角の補正制御として、車両3’の転舵角が変化するように転舵アクチュエータ11を制御する。
第二実施形態では、第一実施形態と同様に図6の可動アクチュエータ制御の制御ルーチンが実行される。このとき、ステップS102において、ECU7は、周辺情報検出装置10の出力に基づいて受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれを検出してもよい。この場合、例えば、ECU7は、周辺情報検出装置10によって検出された道路の白線と車両3’との相対的な位置関係に基づいて受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれを検出する。
図11は、第二実施形態における転舵角の補正制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンはECU7によって所定の実行間隔で繰り返し実行される。
ステップS301~S304は図7のステップS201~S204と同様に実行される。ステップS304の後、ステップS305において、ECU7は、ステップS304において決定された転舵角の目標値に基づいて、転舵アクチュエータ11を制御する。具体的には、ECU7は、転舵角センサによって検出された車両3’の転舵角が目標値に一致するように、転舵アクチュエータ11をフィードバック制御する。ステップS305の後、本制御ルーチンは終了する。
なお、第一実施形態と同様に、ステップS303において取得される可動アクチュエータ8の変位量は、所定時間における変位量の平均値であってもよい。すなわち、ECU7は、所定時間における変位量の平均値がゼロになるように転舵角の目標値を決定してもよい。このことによって、可動アクチュエータ8の変位量の微細な変化に応じて転舵角の目標値が頻繁に変更されることを抑制することができ、ひいては車両3’の転舵角の変動によって車両3’の乗り心地が悪化することを抑制することができる。
また、第一実施形態と同様に、ECU7は、可動アクチュエータ8の変位量としてフィルタ回路9(LPF)の出力値を取得し、フィルタ回路9の出力値がゼロになるように転舵角の目標値を決定してもよい。このことによって、可動アクチュエータ8の変位量の高周波成分に応じて転舵角の目標値が頻繁に変更されることを抑制することができ、ひいては車両3’の転舵角の変動によって車両3’の乗り心地が悪化することを抑制することができる。
また、第一実施形態と同様に、図11の転舵角の補正制御の制御ルーチンの実行間隔が図6の可動アクチュエータ制御の制御ルーチンの実行間隔よりも長くされてもよい。すなわち、転舵アクチュエータ11のフィードバック制御の実行間隔が可動アクチュエータ8のフィードバック制御の実行間隔よりも長くされてもよい。言い換えれば、転舵アクチュエータ11のフィードバック制御の実行頻度が可動アクチュエータ8のフィードバック制御の実行頻度よりも低くされてもよい。このことによって、車両3’の転舵角が頻繁に変更されることによる車両3’の乗り心地の悪化を抑制することができる。
また、ECU7は、転舵アクチュエータ11の制御によって受電コイル52が送電コイル44に対して車幅方向に移動する速度が、可動アクチュエータ8によって受電コイル52が送電コイル44に対して車幅方向に移動する速度よりも遅くなるように転舵アクチュエータ11及び可動アクチュエータ8を制御してもよい。このことによって、位置ずれを迅速に補正しつつ、車両3’の転舵角の急激な変化による車両3’の乗り心地の悪化を抑制することができる。この場合、例えば、ECU7は、転舵アクチュエータ11のフィードバック制御のゲインを可動アクチュエータ8のフィードバック制御のゲインよりも小さくし、又は転舵アクチュエータ11のフィードバック制御の時定数を可動アクチュエータ8のフィードバック制御の時定数よりも長くする。
また、ECU7は、車両3’の速度が速いときには、車両3’の速度が遅いときと比べて、転舵アクチュエータ11の制御によって受電コイル52が送電コイル44に対して車幅方向に移動する速度を遅くしてもよい。この場合、例えば、ECU7は、車速センサによって検出された車両3’の速度が速くなるにつれて、転舵アクチュエータ11の制御によって受電コイル52が送電コイル44に対して車幅方向に移動する速度を線形的又は段階的(ステップ状)に遅くする。このことによって、車両3’の速度に応じた適切な速度で車両3’の転舵角を変化させることができ、ひいては車両3’の乗り心地の悪化をより一層抑制することができる。
なお、第二実施形態において、車両3’の通常の走行においてドライバによって車両3’の操舵が制御され、転舵角の補正制御が実行されるときにのみ転舵アクチュエータ11によって車両3’の操舵が制御されてもよい。
<その他の実施形態>
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。例えば、車両3、3’は、走行用の動力源として内燃機関及びモータを備えたハイブリッド車両(HEV)又はプラグインハイブリッド車両(PHEV)であってもよい。
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。例えば、車両3、3’は、走行用の動力源として内燃機関及びモータを備えたハイブリッド車両(HEV)又はプラグインハイブリッド車両(PHEV)であってもよい。
また、ECU8は、可動アクチュエータ8の変位量が所定値以下又は所定範囲内になるように転舵角の補正制御を実行してもよい。また、受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれ量が検出可能であれば、可動アクチュエータ8のフィードバック制御及び転舵角の補正制御は、車両3、3’が給電エリアに到達する前から実行されてもよい。
また、第一実施形態において、第二実施形態と同様に、車両3が周辺情報検出装置10を備え、ECU7は、周辺情報検出装置10の出力に基づいて受電コイル52と送電コイル44との間の車幅方向の位置ずれを検出してもよい。
3、3’ 車両
7 電子制御ユニット(ECU)
8 可動アクチュエータ
44 送電コイル
52 受電コイル
7 電子制御ユニット(ECU)
8 可動アクチュエータ
44 送電コイル
52 受電コイル
Claims (11)
- 車両であって、
道路に設けられた送電コイルから電力を受電する受電コイルと、
当該車両における前記受電コイルの車幅方向の位置を調整する可動アクチュエータと、
制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記受電コイルが車幅方向において前記送電コイルと正対するように前記可動アクチュエータを変位させ、該可動アクチュエータの変位量に基づいて当該車両の転舵角の補正制御を実行する、車両。 - 前記制御装置は、前記変位量がゼロになるように前記転舵角の目標値を決定する、請求項1に記載の車両。
- 前記制御装置は、所定時間における前記変位量の平均値がゼロになるように前記転舵角の目標値を決定する、請求項2に記載の車両。
- 前記変位量の低周波成分を抽出するローパスフィルタを更に備え、
前記制御装置は、前記ローパスフィルタの出力値がゼロになるように前記転舵角の目標値を決定する、請求項2に記載の車両。 - 前記制御装置は、前記受電コイルと前記送電コイルとの間の車幅方向の位置ずれ量がゼロになるように前記可動アクチュエータをフィードバック制御し、
前記補正制御の実行間隔が前記フィードバック制御の実行間隔よりも長い、請求項1から4のいずれか1項に記載の車両。 - 前記制御装置は、前記車両の車線変更、右折又は左折が予測されたときには、前記補正制御を停止する、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両。
- 情報を出力する出力装置を更に備え、
前記制御装置は、前記補正制御として、前記出力装置を介して当該車両のドライバにステアリング操作を指示する、請求項1から6のいずれか1項に記載の車両。 - 前記車両の転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを更に備え、
前記制御装置は、前記補正制御として、前記転舵角が変化するように前記転舵アクチュエータを制御する、請求項1から6のいずれか1項に記載の車両。 - 前記制御装置は、前記転舵アクチュエータの制御によって前記受電コイルが前記送電コイルに対して車幅方向に移動する速度が、前記可動アクチュエータの制御によって該受電コイルが該送電コイルに対して車幅方向に移動する速度よりも遅くなるように該転舵アクチュエータ及び該可動アクチュエータを制御する、請求項8に記載の車両。
- 前記制御装置は、当該車両の速度が速いときには、当該車両の速度が遅いときと比べて、前記転舵アクチュエータの制御によって前記受電コイルが前記送電コイルに対して車幅方向に移動する速度を遅くする、請求項9に記載の車両。
- コンピュータによって実行される車両制御方法であって、
道路に設けられた送電コイルから電力を受電するように車両に設けられた受電コイルが車幅方向において該送電コイルと正対するように可動アクチュエータを変位させることと、
前記可動アクチュエータの変位量に基づいて前記車両の転舵角の補正制御を実行することと
を含む、車両制御方法。
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