JP2023128235A - 内燃機関の排気管 - Google Patents
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Abstract
【課題】内側の排気管と外側の排気管の隙間の密封に用いられた環状弾性部材の熱による劣化を抑制することができる内燃機関の排気管を提供することを課題とする。【解決手段】小径排気管2における挿入端部2aには、外周面2bを覆う筒状覆い部3が設けられており、筒状覆い部3の内周面3aと外周面2bとの間には、筒状空間2cが形成されている。筒状空間2cにおける挿入端部2aの先端側は、環状接続部4にて密封されており、筒状空間2cにおける挿入端部2aの先端側とは反対の側は、開口されている。大径排気管5における被挿入端部5aの内径φ2は、筒状覆い部3の外径φ1よりも大きく、挿入端部2aが、被挿入端部5aに挿入されて、大径排気管5に対して小径排気管2が相対的に摺動可能となっている。筒状覆い部3の外周面3bにおける筒状空間2cの開口側と、大径排気管5の内周面5bとの間は、Oリング6によって密封されている。【選択図】図2
Description
本発明は、小径排気管の一方端の側が大径排気管の一方端の側に挿入され、大径排気管に対して小径排気管が相対的に摺動可能となるように接続されている内燃機関の排気管に関する。
従来、排気マニホルド等、高温の排気ガスが流れる排気管においては、熱膨張による歪みが発生するため、その歪みを吸収する構造が採用されている。例えば、排気管を敢えて分割し、一方の端部を他方の端部に挿入し、相対的に摺動可能となるように再接続した部分を形成する。その接続部分においては、一方の排気管が他方の排気管内をスライド可能となるので、排気管の軸方向の熱膨張による歪みを吸収できる。
このような排気管における再接続部分から、管内を流れる排気ガスが漏れ出るのを防ぐために、内側の排気管と外側の排気管の隙間を密封する必要がある。一般的にはゴム製のOリングが用いられるが、ゴム等の樹脂は、高温にさらされることで劣化し、金属製の排気管に比べると短期間にて接続部分の密封性が維持できなくなってしまう。
例えば特許文献1では、内筒が挿入される外筒の内周面に、多数条の環状溝を形成し、内筒と外筒とを所定のはめ合い精度を以て嵌合している。これにより、そもそもOリングが不要となり、ゴムの劣化によるガス漏れの懸念は無くなるもの、としている。なお、内側の排気管と外側の排気管の隙間の密封性の確保については、ラビリンスシールと同等の効果が期待できると開示されている。
しかしながら、排気管の接続部分に対し、確実に密封性を確保するには、やはりゴム製のOリング等のシール部材を用いるのが最適である。ただ、上記したようにこのようなシール部材は、高温にさらされることで劣化するので、そのような環境下で、いかに熱による劣化を抑制し、シール部材の寿命を延ばすかが課題であった。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、内側の排気管と外側の排気管の隙間の密封に用いられた環状弾性部材の熱による劣化を抑制することができる内燃機関の排気管を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本開示による内燃機関の排気管は、小径排気管の一方端の側が、大径排気管の一方端の側に挿入されて前記大径排気管に対して前記小径排気管が相対的に摺動可能となるように接続されている、内燃機関の排気管であって、前記小径排気管における前記大径排気管に挿入される側である小径排気管挿入側の端部には、前記小径排気管の外周面を周方向に連続して覆うとともに挿入方向に所定の長さを有する筒状覆い部が設けられており、前記筒状覆い部は、前記小径排気管と、径方向に隙間を有しつつ前記小径排気管挿入側の端部のみにおいて接続されており、前記大径排気管における前記小径排気管が挿入される側である大径排気管挿入側の端部の内径は、前記筒状覆い部の外径よりも大きな径に設定されており、前記小径排気管の前記小径排気管挿入側が、前記大径排気管の前記大径排気管挿入側に挿入されて、前記大径排気管に対して前記小径排気管が相対的に摺動可能となるように接続されており、前記筒状覆い部の前記小径排気管挿入側とは反対側の端部において、前記筒状覆い部と前記大径排気管との径方向の間隙は、周方向に連続する環状弾性部材によって封止されている。
これによれば、排気ガスから小径排気管に伝わった熱が、小径排気管から環状弾性部材に直に伝わることがなくなる。つまり、環状弾性部材は、小径排気管の外周面ではなく、隙間を挟んで存在する筒状覆い部の外周面に位置している。よって、環状弾性部材までの伝熱においては、まず小径排気管挿入側の端部における接続部位を経由して筒状覆い部まで熱が移動しなければならない。さらに、環状弾性部は、筒状覆い部において、小径排気管挿入側の端部とは反対側、つまり、環状接続部から距離が取られた位置に配置されているので、熱の更なる移動が必要となっている。このように、排気ガスから小径排気管に伝わった熱が環状弾性部材まで伝わり難くしている。したがって、内側の排気管と外側の排気管の隙間の密封に用いられた環状弾性部材の熱による劣化を抑制することができる排気管を提供することが可能となる。
上記内燃機関の排気管において、前記筒状覆い部の外周面には、周方向に連続する溝である環状溝部が形成されており、前記環状弾性部材は、前記環状溝部に装着されていても良い。
これによれば、環状溝部に装着する環状弾性部材としてゴム製のOリングを使用した場合、大径排気管の内周面に対してOリングは均一に接触し押圧される。したがって、例えば大径排気管の内周面または筒状覆い部の外周面に塗って固着させるようなシール部材を環状弾性部材として使用する場合と比較して、滑らかに摺動可能となるので、より環状弾性部材の劣化を抑制することができる。
上記内燃機関の排気管において、前記環状弾性部材は、前記筒状覆い部の外周面と前記大径排気管の内周面のいずれか一方に、固着されていても良い。
これによれば、環状溝部の形成が不要な分、それだけ筒状覆い部を薄肉化して、その断面積を小さくすることができる。伝熱量は断面積に比例するため、筒状覆い部の断面積が小さくなれば、その分だけ筒状覆い部の伝熱量についても小さくなる。したがって、環状溝部の形成に必要な厚みを有する筒状覆い部を設ける場合と比較して、環状弾性部材に伝わる熱が低減される。また、内燃機関停止後についても放熱しやすい。その結果、より環状弾性部材の劣化を抑制することができる。
上記内燃機関の排気管において、前記内燃機関には、排気ガスを排出する複数の排気ポートが設けられており、複数の前記排気ポートから排出された排気ガスは、排気マニホルドにてまとめられており、前記排気マニホルドは、それぞれの前記排気ポートに接続されるそれぞれの支管と、2つ以上の前記支管が接続されてそれぞれの前記支管からの排気ガスをまとめる中間管と、2つ以上の前記中間管が接続されてそれぞれの中間管からの排気ガスをまとめる主管と、を有しており、前記中間管の一部において、前記大径排気管に対して前記小径排気管が摺動可能となるように接続されても良い。
これによれば、一般的にシリンダヘッドは熱膨張しにくく、排気マニホルドは、このようなシリンダヘッドに固定されて、しかも排気系で高温の排気ガスが最初に流れる部分である。そのため、他の排気管と比較して、熱膨張による歪みが大きく、環状弾性部材も高温にさらされる。したがって、環状弾性部材の熱による劣化を抑制する効果の恩恵が大きい。
上記内燃機関の排気管において、前記内燃機関は、2つのシリンダヘッドを有するV型エンジンであって、一方のシリンダヘッドには第一排気マニホルド、他方のシリンダヘッドには第二排気マニホルドがそれぞれ接続され、前記第一排気マニホルドから排出された排気ガスと、第二排気マニホルドから排出された排気ガスを合流させる排気合流部を有しており、前記排気合流部の一部において、前記大径排気管に対して前記小径排気管が摺動可能となるように接続されていても良い。
これによれば、V型エンジンの両シリンダヘッドは熱膨張しにくく、第一、第二排気マニホルドは、このような両シリンダヘッドに固定されて、しかも排気系で高温の排気ガスが最初に流れる部分である。そして、例えば排気合流部の一区間である排気管(クロスオーバパイプ)は、長さが比較的長く設定されており、両シリンダヘッドが熱膨張しにくいのと相まって、他の排気管と比較して、熱膨張による歪みが大きく、環状弾性部材に対する負荷も大きい。したがって、環状弾性部材の熱による劣化をより抑制する効果の恩恵が大きい。
●[実施形態1に係るスライド機構付排気管(図1、2)]
図1、2を用いて、本発明に係る排気管としてのスライド機構付排気管の実施形態1について説明する。図1は、実施形態1に係るスライド機構付排気管が適用された排気マニホルドを示す図である。図2は、スライド機構付排気管におけるスライド機構の要部を説明するための断面図である。
図1、2を用いて、本発明に係る排気管としてのスライド機構付排気管の実施形態1について説明する。図1は、実施形態1に係るスライド機構付排気管が適用された排気マニホルドを示す図である。図2は、スライド機構付排気管におけるスライド機構の要部を説明するための断面図である。
図1に示すように排気マニホルド12は、内燃機関10におけるシリンダヘッド11に対して取り付けられている。排気マニホルド12は、例えばフランジ部13がシリンダヘッド11に対してボルト(図示せず)にて締め付けられ固定されている。
シリンダヘッド11には、排気ポートの開口部8a~8dが直線上に並んで、例えば4つ設けられている。排気マニホルド12は、シリンダヘッド11の開口部8a~8dに対応して、4つの支管9a~9dを有している。支管9a~9dは、フランジ部13に取り付けられて、一体となっている。フランジ部13とシリンダヘッド11の間には図示しないガスケットが挟まれている。支管9a~9dには、シリンダヘッド11の開口部8a~8d(排気ポート)から排出された排気ガスが流入される。支管9a~9dに流入する排気ガスは、内燃機関10における各気筒の燃焼室で発生した、高温の排気ガスである。排気マニホルド12は、支管9a~9dから流入した排気ガスを最終的に主管14に集めるために用いられており、主管14の手前にて、排気ガスが合流する区間である中間管15a、15bを有している。
中間管15a、15bは、全体で、複数の支管9a~9dのうち両端の支管9a、9d同士をつなぐようにほぼ直線状に延びている。中間管15a、15bは、全体で、両端の支管9a、9dとの接続部の間にて、それ以外の支管9b、9cにも接続されている。具体的には、中間管15aには、支管9a、9bが接続されており、それぞれの支管9a、9bからの排気ガスがまとめられる。また、中間管15bには、支管9c、9dが接続されており、それぞれの支管9c、9dからの排気ガスがまとめられる。
中間管15a、15bでは、支管9a~9dより排出された高温の排気ガスが合流し、合流した排気ガスは、主管14にてまとめられている。したがって、中間管15a、15bにおいては、内燃機関10の作動に応じて排気ガスから熱が伝わり、内燃機関10の停止に応じて放熱し、特に軸方向に熱膨張や収縮が繰り返される。そのため、その熱膨張量差を吸収すべく、一部の区間にスライド機構を有している。スライド機構付排気管1は、このような中間管15a、15bの一部として備えられたものである。スライド機構付排気管1は、例えば、中間管15aにおいて、支管9aより排出された排気ガスが、支管9bより排出された排気ガスに合流するまでの区間を形成している。
図2に示すようにスライド機構付排気管1は、小径排気管2と大径排気管5を有している。小径排気管2は、中間管15aにおいて、支管9a側へと繋がる排気管である。大径排気管5は、中間管15aにおいて、支管9b側へと繋がる排気管である。スライド機構付排気管1は、小径排気管2の挿入端部2aが、大径排気管5の被挿入端部5aに挿入されてスライドできる構造となっており、両者が相対的に摺動可能となるように接続されている。
小径排気管2の挿入端部2aには、筒状覆い部3が設けられている。筒状覆い部3は、円筒形状であり、小径排気管2の大径排気管5に対する挿入方向の長さとして、所定の長さDが設定されている。後述するように、長さDができる限り長くしたほうが、大きな効果が得られる。筒状覆い部3は、小径排気管2と、径方向に隙間を有しつつ小径排気管2の挿入端部2aのみにおいて接続されている。小径排気管2の挿入端部2aには、径方向に有する隙間として筒状空間2cが、筒状覆い部3との接続個所として環状接続部4が設けられている。筒状覆い部3は、小径排気管2とともに筒状空間2cを形成している。筒状空間2cは、筒状覆い部3の内周面3aと、小径排気管2の外周面2bとの間に形成された、周方向に連続する筒状の空間である。筒状覆い部3は、外周面3bに環状溝3cを有している。このように、小径排気管2の外周面2bではなく、小径排気管2の外周面2bを周方向に連続して覆う筒状覆い部3に環状溝3cが設けられている。環状溝3cには、Oリング6が装着される。
筒状覆い部3は、環状接続部4によって小径排気管2に接続されている。環状接続部4は、小径排気管2の挿入端部2aにおいて、より先端側にて形成されるのが望ましい。例えば、一つのブランク材を深絞り成形することにより、一体で連続した筒状覆い部3および環状接続部4が形成されるようにしてもよい。また、例えば、小径排気管2とは別体の筒状覆い部3を、溶接加工により接続し、その結果、環状接続部4が形成されるようにしてもよい。このような環状接続部4によって、筒状空間2cの両端のうち一方の側は、密封される。つまり、筒状空間2cにおいて密封される側は、小径排気管2における大径排気管5に挿入される側の最も先端である。なお、筒状空間2cにおける他方の側、つまり、環状接続部4によって密封される側の反対側は、開口している。
大径排気管5における被挿入端部5aには、内径としてφ2が設定されている。内径φ2は、筒状覆い部3の外径φ1よりも大きく設定されている。したがって、小径排気管2の挿入端部2aが、大径排気管5の被挿入端部5aに挿入された場合、スライドできる構造となっており、大径排気管5に対して小径排気管2が相対的に摺動可能となるように接続されている。Oリング6は、筒状覆い部3の外周面3bと大径排気管5の内周面5bの間を密封している。Oリング6は、小径排気管2と大径排気管5が接続された際、外周面が大径排気管5の内周面5bに押されることによって、内周面が環状溝3cに押し付けられて、圧縮されている。このように、スライド機構付排気管1は、小径排気管2の挿入端部2aが、大径排気管5の被挿入端部5aに挿入されて、スライドできる構造となっており、熱膨張により発生し得る歪みを吸収する。しかも、スライド機構付排気管1は、環状接続部4やOリング6によって、管内が完全に密封されており、排気ガスを外部に漏らさずして下流(例えば主管14)へ流すことが可能な排気管として機能する。
Oリング6は、環状接続部4から極力離れた位置に装着されるのが望ましい。排気ガスの熱は、小径排気管2から環状接続部4に伝わり、さらに環状接続部4から筒状覆い部3へと伝わっていく。そのため、Oリング6に伝わる伝熱量を最大限に低減すべく、筒状覆い部3の外周面3bにおいては、できる限り筒状空間2cが開口する側(環状接続部4によって密封される側の反対側)に環状溝3cが設けられている。Oリング6は、このように環状接続部4から極力離れた位置に設けられた環状溝3cに装着されている。
以上のように、スライド機構付排気管1によれば、排気ガスから小径排気管2に伝わる熱が、小径排気管2からOリング6に直に伝わることがなくなる。つまり、Oリング6は、小径排気管2の外周面2bではなく、隙間を挟んで存在する筒状覆い部3の外周面3bに位置している。よって、Oリング6までの伝熱においては、まず小径排気管2の挿入端部2aにおける接続部位である環状接続部4を経由して筒状覆い部3まで熱が移動しなければならない。さらに、Oリング6は、筒状覆い部3において、小径排気管2の挿入端部2a側とは反対側(隙間が開口する側)、つまり、環状接続部4から距離が取られた位置に配置されている。しかも、環状接続部4についても、Oリング6から極力離れるように、小径排気管2の挿入端部2aの先端に設けられている。そのため、Oリング6に熱が伝わるまでに、熱の更なる移動が必要となっており、筒状覆い部3に設定される長さDの値が大きければ大きいほど、それだけ大きな効果が得られる。このように、排気ガスから小径排気管2に伝わった熱がOリング6まで伝わり難くしている。したがって、小径排気管2と大径排気管5との接続部分の密封に用いられたOリング6の熱による劣化を抑制することができる。
また、一般的にシリンダヘッド11は熱膨張しにくく、排気マニホルド12は、このようなシリンダヘッド11に固定されて、しかも排気系で高温の排気ガスが最初に流れる部分である。そのため、他の排気管と比較して、熱膨張による歪みが大きく、Oリング6も高温にさらされる。したがって、Oリング6の熱による劣化を抑制する効果の恩恵が大きい。
●[実施形態2に係るスライド機構付排気管(図3)]
実施形態2について図3を用いて説明する。実施形態2は、上述の実施形態1とほぼ同様に形成されている。図3に示すように、実施形態2に係るスライド機構付排気管21は、筒状覆い部23を有している。筒状覆い部23は、実施形態1にかかる筒状覆い部3と異なり、環状溝3cが形成されていない。言い換えれば、筒状覆い部23は、Oリング6が装着される環状溝3cが形成できないほど薄肉化されている。
実施形態2について図3を用いて説明する。実施形態2は、上述の実施形態1とほぼ同様に形成されている。図3に示すように、実施形態2に係るスライド機構付排気管21は、筒状覆い部23を有している。筒状覆い部23は、実施形態1にかかる筒状覆い部3と異なり、環状溝3cが形成されていない。言い換えれば、筒状覆い部23は、Oリング6が装着される環状溝3cが形成できないほど薄肉化されている。
スライド機構付排気管21は、Oリング6が装着される代わりに、筒状覆い部23の外周面3bに、ゴム材26を有している。ゴム材26は、筒状覆い部3の外周面3bと大径排気管5の内周面5bの間を密封している。ゴム材26は、例えば、筒状覆い部23の外周面3bに塗って、時間を置いて乾かした結果、外周面3bに固着されたものである。なお、ゴム材26は、大径排気管5の内周面5bに固着させてもよい。
本発明の内燃機関の排気管は、本実施の形態で説明した外観、構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、各実施形態において、大径排気管5に設定された内径φ2は、あくまで被挿入端部5aにおける内径として設定されたものである。したがって、例えば被挿入端部5a以外における大径排気管5の内径を絞って、小径排気管2と同じ内径としても良い。小径排気管2についても同様に、筒状覆い部3の外径φ1が内径φ2より小さければ良いのであって、例えば、挿入端部2a以外における小径排気管2の内径について拡径し、大径排気管5と同じ内径としても良い。
また、実施形態1において、シリンダヘッド11には、排気ポートの開口部8a~8dが4つ設けられ、これに応じて4つの支管9a~9dを有する排気マニホルド12を例に説明した。排気マニホルドが有する支管の数はこれに限られず、排気ポートの開口部の数に合わせて、例えば6つの支管を有するものであっても良い。
また、実施形態1において、小径排気管2における挿入端部2aの先端の端面は、筒状覆い部3と、環状接続部4と、小径排気管2とが全て面一となっている(図2参照)。しかし、小径排気管2と筒状覆い部3が環状接続部4によって接続されていれば、各部端面が面一である必要は無く、例えば小径排気管2の端面が突出していても良い。
また、実施形態2において、薄肉化する対象が筒状覆い部23のみとされているが、筒状覆い部23に加えて、大径排気管5の被挿入端部5aも薄肉化しても良い。ゴム材26には、排気ガスから大径排気管5に伝わった熱も伝わってくる。薄肉化する対象を筒状覆い部23と大径排気管5の被挿入端部5aとすることで、ゴム材26に伝わる伝熱量をより抑えることができる。
また、実施形態1において、スライド機構付排気管1は、中間管15a、15bにおいて、支管9aより排出された排気ガスが支管9bより排出された排気ガスに合流するまでの中間管15aの一部に形成されるものとして説明した。しかし、排気マニホルド12の熱膨張による歪みを吸収し得る区間であればよく、例えば、支管9dより排出された排気ガスが支管9cより排出された排気ガスに合流するまでの中間管15bの一部にて、形成されるものであってもよい。
さらに、スライド機構付排気管は、排気マニホルド12における中間管15a、15bに限らず、他の排気管において、軸方向に熱による変位が発生する部位全てに適用できる。例えば、V型エンジンの両シリンダヘッド間を接続するクロスオーバパイプの一部の区間にスライド機構付排気管を形成してもよい。
具体的には、図4に示すようにV型エンジンである内燃機関30は、左シリンダヘッド11aには左側排気マニホルド12a、右シリンダヘッド11bには右側排気マニホルド12bがそれぞれ接続されている。内燃機関30は、左側排気マニホルド12aから排出された排気ガスと、右側排気マニホルド12bから排出された排気ガスを合流させる排気合流部36を有している。具体的には、排気合流部36は、両排気ガスが最終的に合流する最終合流部34とクロスオーバパイプ35を含む。クロスオーバパイプ35は、右側排気マニホルド12bから最終合流部34までを繋ぐ排気管である。例えばこのようなクロスオーバパイプ35の一部の区間に、スライド機構付排気管31a、31bが形成されていてもよい。
クロスオーバパイプ35は、長さが比較的長く設定されており、シリンダヘッド11a、11bが熱膨張しにくいのと相まって、他の排気管と比較して、熱膨張による歪みが大きく、環状弾性部材(例えばOリング)に対する負荷も大きい。したがって、環状弾性部材の熱による劣化をより抑制する効果の恩恵が大きい。
1、21、31a、31b スライド機構付排気管
2 小径排気管
2a 挿入端部
2b 外周面
2c 筒状空間
3、23 筒状覆い部
3a 内周面
3b 外周面
3c 環状溝
4 環状接続部
5 大径排気管
5a 被挿入端部
5b 内周面
6 Oリング
8a~8d 開口部
9a~9d 支管
10、30 内燃機関
11 シリンダヘッド
11a 左シリンダヘッド
11b 右シリンダヘッド
12 排気マニホルド
12a 左側排気マニホルド
12b 右側排気マニホルド
13 フランジ部
14 主管
15a、15b 中間管
26 ゴム材
34 最終合流部
35 クロスオーバパイプ
36 排気合流部
2 小径排気管
2a 挿入端部
2b 外周面
2c 筒状空間
3、23 筒状覆い部
3a 内周面
3b 外周面
3c 環状溝
4 環状接続部
5 大径排気管
5a 被挿入端部
5b 内周面
6 Oリング
8a~8d 開口部
9a~9d 支管
10、30 内燃機関
11 シリンダヘッド
11a 左シリンダヘッド
11b 右シリンダヘッド
12 排気マニホルド
12a 左側排気マニホルド
12b 右側排気マニホルド
13 フランジ部
14 主管
15a、15b 中間管
26 ゴム材
34 最終合流部
35 クロスオーバパイプ
36 排気合流部
Claims (5)
- 小径排気管の一方端の側が、大径排気管の一方端の側に挿入されて前記大径排気管に対して前記小径排気管が相対的に摺動可能となるように接続されている、内燃機関の排気管であって、
前記小径排気管における前記大径排気管に挿入される側である小径排気管挿入側の端部には、前記小径排気管の外周面を周方向に連続して覆うとともに挿入方向に所定の長さを有する筒状覆い部が設けられており、
前記筒状覆い部は、前記小径排気管と、径方向に隙間を有しつつ前記小径排気管挿入側の端部のみにおいて接続されており、
前記大径排気管における前記小径排気管が挿入される側である大径排気管挿入側の端部の内径は、前記筒状覆い部の外径よりも大きな径に設定されており、
前記小径排気管の前記小径排気管挿入側が、前記大径排気管の前記大径排気管挿入側に挿入されて、前記大径排気管に対して前記小径排気管が相対的に摺動可能となるように接続されており、
前記筒状覆い部の前記小径排気管挿入側とは反対側の端部において、前記筒状覆い部と前記大径排気管との径方向の間隙は、周方向に連続する環状弾性部材によって封止されている、
内燃機関の排気管。 - 請求項1に記載の内燃機関の排気管であって、
前記筒状覆い部の外周面には、周方向に連続する溝である環状溝部が形成されており、
前記環状弾性部材は、前記環状溝部に装着されている、
内燃機関の排気管。 - 請求項1に記載の内燃機関の排気管であって、
前記環状弾性部材は、前記筒状覆い部の外周面と前記大径排気管の内周面のいずれか一方に、固着されている、
内燃機関の排気管。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気管であって、
前記内燃機関には、排気ガスを排出する複数の排気ポートが設けられており、
複数の前記排気ポートから排出された排気ガスは、排気マニホルドにてまとめられており、
前記排気マニホルドは、
それぞれの前記排気ポートに接続されるそれぞれの支管と、
2つ以上の前記支管が接続されてそれぞれの前記支管からの排気ガスをまとめる中間管と、
2つ以上の前記中間管が接続されてそれぞれの前記中間管からの排気ガスをまとめる主管と、
を有しており、
前記中間管の一部において、
前記大径排気管に対して前記小径排気管が摺動可能となるように接続されている、
内燃機関の排気管。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気管であって、
前記内燃機関は、2つのシリンダヘッドを有するV型エンジンであって、一方のシリンダヘッドには第一排気マニホルド、他方のシリンダヘッドには第二排気マニホルドがそれぞれ接続され、前記第一排気マニホルドから排出された排気ガスと、第二排気マニホルドから排出された排気ガスを合流させる排気合流部を有しており、
前記排気合流部の一部において、前記大径排気管に対して前記小径排気管が摺動可能となるように接続されている、
内燃機関の排気管。
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JP2022032442A JP2023128235A (ja) | 2022-03-03 | 2022-03-03 | 内燃機関の排気管 |
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- 2022-03-03 JP JP2022032442A patent/JP2023128235A/ja active Pending
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