JP2023127047A - コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下における使用態様であっても封口部において支障が生じにくいコンデンサを実現する。【解決手段】本発明に係るコンデンサ1は、コンデンサ素子12を収容したケース体11の開口部11aを弾性封口体13で密封したコンデンサであって、前記弾性封口体13は、アクリロニトリル含有量が50%以下であり、ガラス転移温度が0℃以下である、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムからなることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明はコンデンサに関する。
従来から、アルミニウムなどからなるケース体の内部に電解液を含浸させたコンデンサ素子を収容し、ケース体の開口部は、上記コンデンサ素子のリード端子が貫通するゴム等からなる弾性封口体により密封してなる電解コンデンサが用いられている。上記弾性封口体としては、弾性や気密性などの材料特性から、ブチルゴム(IIR)やエチレン-プロピレン共重合ゴム(EPDM)などがよく使用されている(特許文献1及び2参照)。
特開昭63-18615号公報 特開平7-249552号公報
ところが、高温環境下でコンデンサを使用する場合には、冷却を目的として鉱物油などのオイルに浸漬することがあるため、耐油性が求められる。しかし、上記従来のブチルゴムやEPDMには十分な耐油性がないため、寿命が短くなるなど、上記のような使用態様を前提とする製品には適用しにくいという問題がある。
また、高温環境下での使用時には、電解液の熱膨張やガス発生により内圧が上昇するため、弾性封口体が変形したり、安全弁が作動して使用が不可能になるなどの虞がある。
そこで、本発明は上記問題を解決するものであり、その課題は、冷却を目的とした鉱物油中の使用にも製品品質が低下しにくく、高温環境下における使用態様であっても封口部において支障が生じにくいコンデンサを実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るコンデンサは、コンデンサ素子を収容したケース体の開口部を弾性封口体で密封したコンデンサであって、前記弾性封口体は、アクリロニトリル含有量が50%以下であり、ガラス転移温度が0℃以下である、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムからなることを特徴とする。
本発明において、前記水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、アクリロニトリル含有量が18-50%の範囲内であることが好ましく、特に、25-45%の範囲内であることが望ましい。
本発明において、前記水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、ガラス転移温度が-20℃以下であることがさらに望ましい。
本発明において、前記弾性封口体は、少なくとも一部において外側に露出する外側表面を有する態様で設置されることが好ましい。この場合において、前記弾性封口体は、前記外側表面から前記コンデンサ素子に対面する内側表面まで連続して存在する表裏連続領域を備えることが望ましい。
本発明において、前記弾性封口体には、前記弾性封口材よりも剛性率の高い板状体が積層されることが好ましい。この板状材としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などからなる樹脂基板が挙げられる。この場合においても、前記弾性封口材における前記外側表面の露出状態と前記表裏連続領域が確保される態様で、上記板状体が積層されることが望ましい。この場合において、前記板状体と前記ケース体の内面との間に隙間があり、当該隙間が、前記ケース体の内面に密着する弾性封口体によって外部から密閉されていることが好ましい。この場合には、上記板状体(樹脂基板)とケース体との間に多少でも隙間があれば、この隙間を経路とすることにより、前記弾性封口体には、実質的に外側表面から内側表面まで連続して存在する表裏連続領域が形成される。ここでは、前記弾性封口体は、前記ケース体の内面に対して全周にわたり密着していることが望ましい。
本発明によれば、弾性封口体に水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを用いることにより、耐油性に優れるとともに、耐熱性が確保でき、しかも、ゴムとしての粘弾性に基づく封止機能を維持できるうえに、さらに、ガス透過性が従来素材に対して著しく向上することにより、高温環境下における使用態様であっても封口部において支障が生じにくいコンデンサを実現することができる。
本発明に係るコンデンサの第1実施形態の断面構造を模式的に示す概略断面図である。 本発明に係るコンデンサの第2実施形態の断面構造を模式的に示す概略断面図である。 エチレングリコール系電解液を用いたアルミ電解コンデンサにおける水素化アクリロニトリルブタジエンゴムのガス透過性を従来の封口ゴムと対比して示すグラフである。 γ-ブチロラクトン系電解液を用いたアルミ電解コンデンサにおける水素化アクリロニトリルブタジエンゴムのガス透過性を従来の封口ゴムと対比して示すグラフである。 ゴムをオイル中に浸漬したときの経過時間とゴム寸法変化との関係により水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとEPDMの膨潤性を対比して示すグラフである。 本発明に係るコンデンサの第3実施形態の断面構造を模式的に示す概略断面図である。 本発明に係るコンデンサの第4実施形態の断面構造を模式的に示す概略断面図である。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、図1を参照して、本発明に係るコンデンサの第1実施形態について説明する。コンデンサ1は、アルミニウム電解コンデンサの例を示すものであり、ケース体11と、このケース体11の内部に収容されるコンデンサ素子12と、ケース体11の開口部11aに装着され、コンデンサ素子12のリード端子からなる端子部12a,12bを導出させた状態で密封する弾性封口体13とを有する。弾性封口体13は、ケース体11の開口部11aの近傍外周をカシメることによって固定される。
本実施形態では、弾性封口体13は、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)によって構成される。この弾性封口体13は、コンデンサ1の外側に露出する外側表面13aと、コンデンサ素子12に対面する内側表面13bとを有し、外側表面13aから内側表面13bまで連続して存在する表裏連続領域13cを備える。また、弾性封口体13は、コンデンサ素子12の一対の端子部12a,12bを内側から外側へ導出した状態で、気密に密閉する機能を有する。
弾性封口体13に用いられる水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、アクリロニトリル含有量(結合アクリロニトリル量)が50%以下であるものが好ましい。特に、アクリロニトリル含有量は、18%-50%の範囲内であることが好ましく、25-45%の範囲内であることが望ましい。これは、一般に、アクリロニトリル含有量が大きくなると耐油性が向上するが、耐寒性が低下するからである。耐寒性が或る程度低下すると、弾性封口体13のゴムとしての粘弾性が低下するため、封口体としての封止機能が損なわれる可能性がある。
耐寒性の指標としては、ガラス転移温度(Tg)がある。水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、ガラス転移温度が0℃以下であることが好ましい。特に、ガラス転移温度が-20℃以下であれば、さらに望ましい。これにより、耐寒性が向上し、低温環境下においても柔軟性を維持することができるので、弾性封口体13によるケース体11の開口部11aの密閉性を確保することができ、電解液の漏洩を防止することができる。水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは組成によってはガラス転移温度が-60℃以下の高い耐寒性を備えるものもあるが、本発明の場合、主として耐熱性が要求されるため、耐寒性はゴムとしての粘弾性を備える条件として規定される。一般的には、ガラス転移温度が-40℃から-20℃の範囲内であることが望ましい。このガラス転移温度の範囲内の条件と両立し得るアクリロニトリル含有量の好ましい範囲は、25%-45%である。ガラス転移温度は、上記のアクリロニトリル含有量だけでなく、後述するヨウ素価若しくは水素化率に大きく影響される。
水素化アクリロニトリルブタジエンゴムのポリマー主鎖は、炭素・炭素飽和結合と、アクリロニトリルと、炭素・炭素不飽和結合(二重結合)とからなる。炭素・炭素飽和結合は、弾性、耐熱性、化学的安定性、耐オゾン性、耐寒性をもたらす構造である。炭素・炭素飽和結合の量の指標としては、ヨウ素価(ポリマー100g当たりに付加するヨウ素の重量(g))若しくは水素化率(水素化する前のNBRポリマー中に含まれる二重結合の水素化された割合)がある。ヨウ素価と水素化率は逆の相関を有する。水素化率が高いほど、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムの問題の一つである耐熱老化性が向上する。熱分解温度もNBRよりも高く、400℃を越える。この場合、ヨウ素価で70以下、水素化率で75%以上であることが好ましく、特に、ヨウ素価が50以下、水素化率で80%以上であることが望ましい。さらに、水素化率は90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに望ましい。
アクリロニトリルは、シアノ基を有し、耐油性、耐燃料油性、高強度をもたらす構造とされる。アクリロニトリル含有量が大きくなると、耐油性は向上するが、耐寒性は低下する。このため、アクリロニトリル含有量が或る程度高い必要があるが、耐寒性が悪化(ガラス転移温度が上昇)しすぎると、ゴムとしての粘弾性による封止作用が期待できなくなるため、耐寒性とのバランスを図る必要がある。ただし、上述のように水素化率が高い領域(例えば、水素化率が80%以上、好ましくは90%以上の場合)
では、アクリロニトリル含有量を低くしてもガラス転移温度は低下せず、むしろ上昇する場合もあるので、アクリロニトリル含油量を36-44%と比較的高く設定することが好ましい。
炭素・炭素不飽和結合は、ゴムとしての機能を持たせるための加硫による架橋構造となる。なお、水素化率が90%程度であれば、炭素・炭素不飽和結合(二重結合)の架橋のために硫黄加硫と過酸化加硫のいずれも使用できるが、水素化率が95%を越えると、二重結合が少なくなるために、有機過酸化物を使用する必要がある。
また、通常、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を代表とする耐油性ゴムの中では、耐熱性の高いゴムは強度特性に劣ることが多いが、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、引っ張り強さ(破断強度)で他の耐油性ゴムより優れており、NBRの1.5倍(30MPa)以上、配合によっては40MPaを越える。したがって、高温環境下でも封口体が変形しにくく、熱膨張も抑制される。なお、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、水素化率が高くなるほど、高伸長時に高い応力を示す。この点から見ても、上記の水素化率の範囲であることが望ましい。
上記弾性封口体13は、耐油性、耐熱性、耐熱老化性、耐寒性、機械的強度が高いが、さらに、コンデンサとして好適なガス透過性を備える。コンデンサ1では、温度上昇や化学反応などによりコンデンサ素子12からガスが発生することによってケース体11内の圧力が増大し、これによって、弾性封口体13の変形や安全弁の作動による破損が生ずる可能性がある。これを防止するには、弾性封口体13が電解液に対する気密性を維持しながら、ガスを透過し、外部へ放散させることによってケース体11内の圧力を逃がす必要がある。
図3及び図4は、図1に示す第1実施形態のアルミニウム電解コンデンサの弾性封口体として、従来の封口ゴムを用いた場合と、本実施形態の弾性封口体13を用いた場合とにおける重量変化を比較して示すグラフである。ここで、従来例のエチレン・プロピレン共重合体ゴムとしては、ZKB30(製品番号、小里機材株式会社製)を用いた。また、この従来例のコンデンサと、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムからなる弾性封口体13を用いた同じコンデンサとの製品重量の変化を、温度125℃の環境下において比較した。図3は、コンデンサ素子12にエチレングリコール系電解液(電解液のベース(溶媒)として主にエチレングリコールを用いたもの)を含浸させたもの、図4は、γ-ブチロラクトン系電解液(電解液のベース(溶媒)として主にγ-ブチロラクトンを用いたもの)を含浸させたもののデータである。弾性封口体13を透過するガスは上記溶剤の蒸気や酸化膜の修復時に生ずる水素ガスなどである。これを見ると、本実施形態の弾性封口体13では、従来例の封口ゴムと比べて、10倍程度のガス透過性を有することがわかる。したがって、弾性封口体13を用いることによって、コンデンサ素子12から発生したガスによって或る程度内圧が上昇すると、その圧力によって上記表裏連続領域13cを通してガスが外部へ逃げるため、内圧の上昇が抑制され、弾性封口体13の変形や安全弁の作動などが防止される。
図5は、ゴムをオイルに浸漬させたときの膨潤性を示すためのグラフである。ここには、弾性封口体として本実施形態において用いられる水素化アクリロニトリルブタジエンゴムと、比較例としてのエチレン・プロピレン共重合ゴム(EPDM)とを、それぞれ鉱物油や燃料油(ガソリン、潤滑油)等の非極性油中に浸漬したときの経過時間と、ゴム寸法変化(%)との関係が示される。図5に示されるように、本実施形態の弾性封口体として用いられる水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、従来のEPDMと比較して、膨潤性がきわめて低く、コンデンサの冷却を目的として用いられるコンデンサ浸漬用オイルに対する耐油性が極めて高いことがわかる。
図2は、上記第1実施形態の電解コンデンサの変形例である第2実施形態の電解コンデンサ1′の構造を模式的に示す概略断面図である。この第2実施形態では、第1実施形態と同様のケース体11,コンデンサ素子12,弾性封口体13を備えるが、弾性封口体13の表面にフェノール樹脂やエポキシ樹脂等からなる樹脂基板14が積層されている点で異なる。樹脂基板14は、弾性封口体13よりも剛性率(弾性率)が高いため、封口部の強度を向上させることができる。この構造は、特に、大型製品に好適に用いられる。図示例の場合には、弾性封口体13の外側表面13a上に樹脂基板14が積層(貼着)されているが、弾性封口体の内側表面13b上に樹脂基板14が積層されてもよく、或いは、弾性封口体13の内部に樹脂基板14が包含された構造であってもよい。この例では、弾性封口体13の表裏連続領域13cは、樹脂基板14に設けた開口部14aを通して、ケース体11の内部と外部の間に連続して存在している。なお、表裏連続領域13cとしては、図示のように弾性封口体13の厚み方向(図示上下方向)に延在する領域である必要はなく、結果として、ケース体11の内部で発生したガスが弾性封口体13を通過して外部へ出ることができる経路を構成するものであればよい。
図6は、上記第1実施形態及び第2実施形態の電解コンデンサとは異なるブロック型コンデンサである第3実施形態の電解コンデンサ2の構造を模式的に示す概略断面図である。この実施形態では、第1及び第2実施形態の樹脂基板14と同様の材料で構成できる樹脂基板24が開口部11a内においてコンデンサ素子12が収容された収容空間側(内側)に配置され、この樹脂基板24上に、前述と同様の水素化アクリロニトリルブタジエンゴムからなる弾性封口体23が接着(貼着)などにより積層される。この樹脂基板24は、弾性封口体23よりも剛性(弾性率)が高い。この実施形態では、弾性封口体23の外側表面23aは外部に露出しているが、内側表面23bは樹脂基板24に接しており、ケース体11の内部のコンデンサ素子12には対面していない。しかしながら、弾性封口体23は外部には露出しているため、耐熱性、耐油性、耐寒性(密閉性)を備えた効果的な封口材料として用いることができる。ここで、弾性封口体23及び樹脂基板24には、外部に露出する端子片を備える端子部22a,22bが貫通している。なお、本実施形態において、弾性封口体23は、開口部11aに対応する平面形状を備え、その外周部が、ケース体11の開口部11a内においてケース体11の内面に対して全周にわたり密着している。
図7は、上記第1実施形態及び第2実施形態の電解コンデンサとは異なるねじ端子型コンデンサである第4実施形態の電解コンデンサの構造を模式的に示す概略断面図である。この実施形態では、第1及び第2実施形態の樹脂基板14と同様の材料で構成できる樹脂基板34が開口部11a内におけるコンデンサ素子12が収容された収容空間側(内側)に配置され、この樹脂基板34上の一部(外周上部)に、前述と同様の水素化アクリロニトリルブタジエンゴムからなる弾性封口体33が接着(貼着)などにより積層される。この樹脂基板34は、弾性封口体33よりも剛性(弾性率)が高い。この実施形態では、弾性封口体33の外側表面33aは外部に露出しているが、内側表面33b(及び内周部)は樹脂基板34に接しており、ケース体11の内部のコンデンサ素子12には対面していない。しかしながら、弾性封口体33は外部には露出しているため、耐熱性、耐油性、耐寒性(密閉性)を備えた効果的な封口材料として用いることができる。ここで、樹脂基板34には、外部に露出するねじ端子を備えた端子部32a,32bが貫通するとともに、圧力弁35が装着されている。圧力弁35は、コンデンサ素子12の収容空間の内圧が増大した場合には圧力を外部へ逃すように構成される。なお、本実施形態の弾性封口体33は、平面視で環状に構成され、その外周部は、ケース体11の開口部11a内においてケース体11の内面に対して全周にわたり密着している。
以上述べたように、各実施形態のコンデンサ1,1′,2,3によれば、弾性封口体13、23,33として、アクリロニトリル含有率が50%以下、ガラス転移温度が0℃以下の水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを用いることにより、高温環境下において鉱物油や燃料油に接触する態様で使用されても製品寿命が維持できるなど、耐熱性を確保した上で耐油性を向上できるとともに、或る程度の耐寒性(密閉性)を確保してゴムとしての粘弾性に基づく封止機能を維持できる。上記弾性封口体13,23,33は、本段落に記載された上記範囲内の水素化アクリロニトリルブタジエンゴムが用いられる。
さらに、上記弾性封口体13は、従来よりも大幅に改善されたガス透過性を実現できるため、第1実施形態及び第2実施形態では、高温環境下におけるオイル浸漬や内圧上昇による封口変形や安全弁の作動などを防止することができる。水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとしては、アクリロニトリル含有量が25%-45%の範囲内であり、ガラス転移温度が-20℃--40℃の範囲内であることが好ましく、さらに、水素化率が90%以上であることが望ましい。ここで、アクリロニトリル含有量が低い領域にある場合には、上記実施形態において特に好適な範囲としては、アクリロニトリル含有量が25%-31%で、ガラス転移温度が-35℃--40℃の範囲内であることが好ましい。また、アクリロニトリル含有量が高い領域にある場合には、アクリロニトリル含有量が34%-40%で、ガラス転移温度が-28℃--33℃前後であることが好ましい。各実施形態に用いる弾性封口体としては、これらの条件を充足する水素化アクリロニトリルブタジエンゴムであることがさらに望ましい。
特に、第1実施形態及び第2実施形態では、弾性封口体13の外側表面13aが外部に露出し、外側表面13aからコンデンサ素子12に対面する内側表面13bまで連続して存在する表裏連続領域13cを備えることにより、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムの耐油性や耐熱性を活かすことができるとともに、表裏連続領域13cを介して内部で発生したガスを外部へ逃すことができるため、弾性封口体13の材質上のメリットをさらに高めることができるから、内圧の上昇を抑制でき、弾性封口体13の変形や安全弁の作動などを防止できる。また、この点に関係して、弾性封口体13をより剛性率の高い樹脂基板と積層した構造とすることにより、封口部の剛性をさらに向上させることができる。
また、第3実施形態及び第4実施形態においても、ケース体11の開口部11aが樹脂基板24,34で密封されるのではなく、弾性封口体23,33によって密閉されるように構成される場合、当該弾性封口体23,33には実質的に表示連続領域が設けられると考えることができる。例えば、樹脂基板24,34とケース体11の内面との間に(僅かな)隙間があり、この隙間が、ケース体11の内面に密着する弾性封口体23,33(の外周部)によって外部から密閉されている場合である。この場合には、弾性封口体23,33は、上記隙間を閉鎖する部分(外周部)において、実質的に外側表面から内側表面まで連続して存在する表裏連続領域を備える。ここでは、弾性封口体23,33は、ケース体11の内面の全周にわたり密着していることが望ましい。これにより、通常時にはコンデンサ素子12が収容されるケース体11の収容空間を上記隙間の存在にも拘わらず確実に密閉することができる。
なお、本発明に係るコンデンサは、上述の図示例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態では、リード線を備えた端子12a,12bを備えたコンデンサ素子12をケース体11内に収容したリードタイプのコンデンサ1,1′、ブロック型のコンデンサ2、及び、ねじ端子型のコンデンサ3を例示したが、面実装型や基板自立型などの種々の端子部構造を備えたものを用いることができる。また、上記実施形態では電解コンデンサを例として説明したが、電気二重層キャパシタなどのスーパーキャパシタなどであっても構わない。さらに、図1、図6及び図7に示す弾性封口体13,23,33では、外側表面13a,23a,33aの一部が凹凸状に構成されている(突起部を備える)が、凹凸や突起のない平坦であってもよく、特に限定されない。
1,1′,2,3…コンデンサ、11…ケース体、11a…開口部、12…コンデンサ素子、12a,12b…端子部、13,23,33…弾性封口材、13a,23a,33a…外側表面、13b,23b,33b…内側表面、13c…表裏連続領域、14,24,34…樹脂基板、14a…開口部、35…圧力弁

Claims (7)

  1. コンデンサ素子を収容したケース体の開口部を弾性封口体で密封したコンデンサであって、
    前記弾性封口体は、アクリロニトリル含有量が50%以下であり、ガラス転移温度が0℃以下である、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムからなる、
    ことを特徴とするコンデンサ。
  2. 前記水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、18-50%の範囲内のアクリロニトリル含有量を有する、
    請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、-20℃以下のガラス転移温度を有する、
    請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 前記水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、25-45%の範囲内のアクリロニトリル含有量を有する、
    請求項3に記載のコンデンサ。
  5. 前記弾性封口体は、少なくとも一部において外側に露出する外側表面を有する態様で設置される、
    請求項1-4のいずれか一項に記載のコンデンサ。
  6. 前記弾性封口体は、前記外側表面から前記コンデンサ素子に対面する内側表面まで連続して存在する表裏連続領域を備える、
    請求項5に記載のコンデンサ。
  7. 前記弾性封口体は、前記弾性封口体よりも剛性率の高い樹脂基板と積層される、
    請求項1-6のいずれか一項に記載のコンデンサ。
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