JP2023126014A - 遊技機 - Google Patents

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渉 坂根
Wataru Sakane
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Abstract

【課題】大量の出玉を付与した遊技機の管理の適正化を図ることが可能な遊技機を提供する。【解決手段】差玉は、遊技に消費された遊技球に基づき計数される第1計数値と、賞球に基づき計数される第2計数値の差分であり、特定値は、少なくとも第2計数値が第1計数値よりも大きい場合の差分に基づき予め設定された値であり、遊技制御手段は、差玉判定手段により差玉が特定値に達したと判定された場合に、以降の遊技を抑制態様で制御するものであり、差玉が特定値に達していない状況で所定条件が成立すると、抑制態様で制御されるまでの差玉に関する事前報知が可能であり、事前報知は、特定領域に表示され、遊技者に知らせうる他の遊技情報は、特定領域外に表示可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、始動口に遊技球が入賞したことに基づいて大当りとするか否かの抽選を行い、抽選結果が大当りとなった場合には、表示装置に大当り図柄を停止表示して大当り遊技を発生させる遊技機が知られている。また、大当り遊技の終了後に通常時に比べて遊技者に有利な状態に制御する遊技機が多数提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2016-26097号公報
ところで、近年では、新たな不正行為等により大量の出玉が不正行為者に付与された場合でも、当落に関する確率の偏りにより大量の出玉が遊技者に付与されてしまった場合と見分けがつかず、遊技ホール側が不正行為者に対する遊技停止を促すことが困難な場合があり、遊技機の管理がし難いという問題が生じている。また、当落に関する確率の偏りにより大量の出玉が正規の遊技者に付与されてしまう場合もあり、所謂「のめり込み」等についても問題が生じている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大量の出玉を付与した遊技機の管理の適正化を図ることが可能な遊技機を提供することにある。
上述の目的を達成するための有効な解決手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等の説明を行う。また、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成等についても適宜示すが、何ら限定されるものではない。
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、
複数の入賞口を有する遊技盤を設け、該遊技盤に設けた始動口への入球に基づいて図柄変動遊技を行い、該図柄変動遊技の結果が当りの場合に所定の当り遊技を実行する遊技機において、
前記入賞口への入賞に基づいて賞球を付与する賞球付与手段と、
所定期間の差玉が特定値に達したか否かを判定する差玉判定手段と、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
備え、
前記差玉は、遊技に消費された遊技球に基づき計数される第1計数値と、前記賞球に基づき計数される第2計数値の差分であり、
前記特定値は、少なくとも前記第2計数値が前記第1計数値よりも大きい場合の差分に基づき予め設定された値であり、
前記遊技制御手段は、前記差玉判定手段により前記差玉が前記特定値に達したと判定された場合に、以降の遊技を抑制態様で制御するものであり、
前記差玉が前記特定値に達していない状況で所定条件が成立すると、前記抑制態様で制御されるまでの前記差玉に関する事前報知が可能であり、
前記事前報知は、特定領域に表示され、遊技者に知らせうる他の遊技情報は、前記特定領域外に表示可能である
ことを特徴とする。
上記構成では、差玉判定手段により差玉が特定値に達したと判定された場合に、以降の遊技を抑制態様で制御することから、以降の遊技で大量の出玉が付与されることがなく、遊技停止を促すことができ、大量の出玉を付与した遊技機の管理の適正化を図ることができる。また、差玉が特定値に達していない状況で所定条件が成立すると、抑制態様で制御されるまでの差玉に関する事前報知が可能であり、事前報知は、他の遊技情報と重複しないように特定領域に表示されることから、差玉が特定値に近づいているかどうかについて、遊技者が把握しがたくなることを防止することができる(例えば、段落2724~2771、図143等の記載を参照)。
このように、本発明によれば、大量の出玉を付与した遊技機の管理の適正化を図ることが可能な遊技機を提供することができる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 上側を前方へ傾けた状態で示すパチンコ機の正面図斜視図である。 パチンコ機を前から見た斜視図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を構成している扉枠、本体枠、及び外枠を夫々ヒンジ回転させて開いた状態で示す斜視図である。 パチンコ機を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠を取外した状態で示すパチンコ機の正面図である。 図8において本体枠から遊技盤を分離させた状態で示す分解斜視図である。 扉枠及び遊技盤を取外した状態で示すパチンコ機の正面図である。 図10のパチンコ機の背面図である。 図10のパチンコ機を斜め前から見た斜視図である。 外枠と本体枠とを分解した状態で前から見た分解斜視図である。 外枠と本体枠とを分解した状態で後ろから見た分解斜視図である。 外枠を上下方向中央で切断した平面断面図である。 外枠の下部を示す斜視図である。 本体枠を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 図10のパチンコ機を上下中央で切断した平面図である。 図19においてア-ア線で切断した断面図である。 図8の正面図において発射ユニット及びファールユニット等を断面にして示す要部正面図である。 本体枠における本体枠ベースユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠における本体枠ベースユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は本体枠ベースユニットにおける本体枠ベースの正面図であり、(b)は複数の本体枠ベースを重ねている状態を斜視図で示す説明図である。 (a)は本体枠における球発射ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における球発射ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は球発射ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球発射ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は球発射ユニットの発射ユニットカバーを左後ろから見た斜視図であり、(b)は正面視において発射ユニットカバーのみを断面で示す球発射ユニットの説明図である。 発射減算センサと発射槌とを破線で示す球発射ユニットの正面図である。 (a)は本体枠におけるファールユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠におけるファールユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)はファールユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)はファールユニットの側面断面においてファールシャッターを閉じた状態で示す説明図であり、(b)はファールユニットの側面断面においてファールシャッターを開いた状態で示す説明図である。 (a)は第二実施形態のファールユニットを前から見た斜視図であり、(b)は第二実施形態のファールユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は第二実施形態のファールユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第二実施形態のファールユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は第二実施形態のファールユニットの側面断面においてファールシャッターを閉じた状態で示す説明図であり、(b)は第二実施形態のファールユニットの側面断面においてファールシャッターを開いた状態で示す説明図である。 (a)は本体枠における循環球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における循環球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。 循環球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 循環球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は循環球経路ユニットにおける球蛇行部材及び球抜シャッターのみを示す平面図であり、(b)は循環球経路ユニットにおける球蛇行部材及び球抜シャッターのみを示す前から見た斜視図である。 (a1)は閉位置の球抜シャッター及び球蛇行部材を球受トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(a2)は(a1)における球抜シャッターの部位のみを底面から示す説明図であり、(b1)は開位置の球抜シャッター及び球蛇行部材を球受トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(b2)は(b1)における球抜シャッターの部位のみを底面から示す説明図である。 (a)は循環球経路ユニットをアウト球センサの部位で切断して正面断面で示す説明図であり、(b)は循環球経路ユニットをセーフ球センサの部位で切断して正面断面で示す説明図である。 (a)は循環球経路ユニットの蛇行カバーを外した状態で外枠と共に本体枠の下部を拡大して示す前から見た斜視図であり、(b)は循環球経路ユニットの蛇行カバーを外した状態で外枠と共に本体枠の下部を拡大して示す後ろから見た斜視図である。 循環球経路ユニットにおける球蛇行部材、蛇行カバー、球抜シャッター、及びゲージ部を示す平面図である。 (a)は本体枠に取付けられている循環球経路ユニットにおいて球解消機構の蓋部材を閉じた状態でアウト球センサの部位で切断した背面断面の要部を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)において蓋部材を開いた状態で示す説明図である。 (a)は閉位置の球抜シャッターに鉄球が磁着している状態で球蛇行部材及び球抜トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(b)は開位置の球抜シャッターに鉄球が磁着している状態で球蛇行部材及び球抜トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(c)は(b)の状態から球抜シャッターを閉位置へスライドさせて下面に鉄球が磁着している状態で球蛇行部材及び球抜トレーと共に側面断面で示す説明図である。 (a)は本体枠における球揚上ユニットを左前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における球揚上ユニットを右前から見た斜視図であり、(c)は本体枠における球揚上ユニットを後ろから見た斜視図である。 球磨モータベース及びカセット押圧片を開いて球磨カセットを取外した状態を示す球揚上ユニットの分解斜視図である。 (a)は球磨カセットを装着していない状態で示す球揚上ユニットの平面図であり、(b)は球磨モータベース及びカセット押圧片を開いた状態で球磨カセットと共に示す球揚上ユニットの平面図であり、(c)は球磨カセットが装着されている状態で示す球揚上ユニットの平面図である。 (a)は球磨カセットのロックが不完全な状態で扉枠が閉められる様子を示す説明図であり、(b)は(a)の状態から扉枠が閉まる方向へ移動して扉枠の突起部が球磨モータベースの先端に当接している状態を示す説明図であり、(c)は(b)の状態から扉枠が閉まって球磨カットがロックされている状態を示す説明図である。 本体枠に取付けられている球揚上ユニットから球磨カセットを取外した状態で要部を拡大して示す正面図である。 (a)は球揚上ユニットにおいて球磨機構及び球揚上機構の要部を示す右側面図であり、(b)は球揚上機構の要部を示す背面図であり、(c)は球揚上機構の要部を(b)の矢視Aから見た平面図である。 球揚上ユニットにおいて揚上スパイラルシャフトと磨布との関係を示す説明図である。 (a)は揚上入口センサと揚上出口センサの部位を拡大して示すと共に球揚上ユニットを左後ろから見た斜視図であり、(b)は球揚上ユニットを揚上入口センサの部位で切断した平面断面図である。 球通路におけるフォトセンサからなる球センサの前後の部位を模式的に示す説明図である。 (a)は球揚上ユニットの球磨カセットを左前から見た斜視図であり、(b)は球磨カセットを右後ろから見た斜視図であり、(c)は球磨カセットを左右方向中央で切断した右側面断面図である。 (a)は本体枠における球送ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における球送ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は球送ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送ユニットを分解して後ろが見た分解斜視図である。 発射手前センサの部位で切断した球送ユニットの正面断面図である。 外枠に対して本体枠を開くと共に裏カバー及び枠基板ユニットを開いた状態で示す斜視図である。 外枠及び本体枠における枠基板ユニットの部位を拡大して示す説明図である。 枠基板ユニットを開いた状態で本体枠の後側を示す参考写真である。 本体枠の後面側における遊技球の各種通路を背面から示す説明図である。 本体枠における遊技球の流れを模式的に示す説明図である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。 発射許可処理を示すフローチャートである。 持ち球減算処理を示すフローチャートである。 ファール球による持ち球加算処理を示すフローチャートである。 発射制御処理を示すフローチャートである。 発射シーケンスにおける発射ソレノイドと球送ソレノイドとの動作を示すタイムチャートである。 (a)は図67とは異なる発射制御処理を示すフローチャートであり、(b)は(a)の発射制御処理の場合の持ち球減算処理を示すフローチャートである。 賞球処理を示すフローチャートである。 揚上モータ動作処理を示すフローチャートである。 揚上入口センサ及び揚上出口センサと揚上モータの動作との関係を示す表である。 遊技球の発射動作と球揚上ユニットの動作との関係を示すグラフである。 球揚上ユニットにおける球揚上機構の動作を示すグラフである。 (a)はセキュリティ処理を示すフローチャートであり、(b)は(a)とは異なる実施形態のセキュリティ処理を示すフローチャートである。 循環球過少センサ及び循環球過多センサとエラー報知との関係を示す表である。 (a)は磁石からの磁力線を検知可能な磁気センサの向きを示す説明図であり、(b)は磁石からの磁力線を検知不能な磁気センサの向きを示す説明図であり、(c)は遊技盤における磁気センサによる検知範囲を斜視図により模式的に示す説明図であり、(d)は磁石からの磁力線が検知不能となる磁気センサと磁性体との位置関係を示す説明図であり、(e)は磁石からの磁力線が検知可能となる磁気センサと磁性体との位置関係を示す説明図であり、(f)は磁気センサと保持部とを分離して示す説明図である。 透明なセンター役物等を不透明にして示す遊技盤の正面図である。 図78の遊技盤を右前から見た斜視図である。 図78の遊技盤を左前から見た斜視図である。 図78の遊技盤を後ろから見た斜視図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内を示す遊技盤の正面図である。 (a)はセンター役物における抽選役物の正面図であり、(b)は抽選役物を前方の上方から見た斜視図である。 センター役物における抽選役物を左右方向の中央で切断した側面断面図である。 (a)は抽選役物において遊技球がループ不能な状態を断面で示す説明図であり、(b)は抽選役物において遊技球がループ可能な状態を断面で示す説明図である。 抽選役物における遊技球の流れを示す説明図である。 通常の状態で示す遊技盤の正面図である。 通常の状態から裏前演出ユニットの裏前昇降装飾体ユニットを待機位置から演出位置へ落下させた状態で示す遊技盤の正面図である。 通常の状態から裏後演出ユニットの裏後昇降装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 通常の状態から、裏前演出ユニットの裏前昇降装飾体ユニットを待機位置から演出位置へ落下させると共に、裏後演出ユニットの裏後昇降装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。 第一実施形態のセンター役物を遊技パネルに取付けた状態で上下方向の途中で切断して前構成部材と共に示す説明図である。 (a)はセンター役物における装飾体を前装飾部と後装飾部とに分解した状態で正面から示す説明図であり、(b)は前装飾部と後装飾部とからなる装飾体を正面から示す説明図である。 図94のセンター役物において後端を下にしてセンターフレームを台に置いた状態で示す説明図である。 図94とは異なる装飾体が取付けられているセンターフレームを備えたセンター役物を部分断面で示す説明図である。 (a)は第二実施形態のセンター役物の要部を枠内から見た説明図であり、(b)は(a)におけるA-A線で切断した断面図であり、(c)は(a)のセンター役物において後端を下にしてセンターフレームを台に置いた状態で示す説明図である。 第三実施形態のセンター役物が設けられている遊技盤において遊技パネルよりも後側を省略した状態で示す正面図である。 図99のセンター役物と遊技パネルとを分解した状態で前から見た分解斜視図である。 図99のセンター役物を分解して前から見た分解斜視図である。 (a)~(g)は第三実施形態のセンター役物における第一フレームと第二フレームとの間の様々な接合パターンを示す説明図である。 (a)は第二実施形態のサイドユニットが設けられている遊技盤の要部を示す正面図であり、(b)は(a)を前から見た斜視図である。 (a)は図103の遊技盤において遊技パネルからサイドユニットを分解して示す分解斜視図であり、(b)は(a)のサイドユニットを分解して前から示す分解斜視図であり、(c)は(b)を後ろから見たサイドユニットの分解斜視図であり、(d)は遊技パネルとサイドユニットとの関係を縦断面で示す説明図である。 図104のサイドユニットと遊技パネルとの関係を横断面で示す説明図である。 図103のサイドユニットとは異なる形態のサイドユニットを遊技パネルと共に縦断面で示す説明図である。 (a)は図105に示すサイドユニットとは異なる形態のサイドユニットを遊技パネル共に縦断面で示す説明図であり、(b)は(a)におけるサイドユニットのLED基板と基板カバーとの要部を斜視図で示す説明図である。 図107に示すサイドユニットとは異なる形態のサイドユニットを遊技パネル共に縦断面で示す説明図である。 更に異なる形態のサイドユニットを遊技パネル共に縦断面で示す説明図である。 更に異なる形態のサイドユニットを遊技パネル共に縦断面で示す説明図である。 (a)は更に異なる形態のサイドユニットを遊技パネル共に横断面で示す説明図であり、(b)は(a)を縦断面で示す説明図である。 (a)は第三実施形態のサイドユニット等が設けられている遊技盤の要部を示す正面図であり、(b)は(a)におけるアウト口の部位を拡大して示す説明図であり、(c)は(b)を縦断面で示す説明図である。 (a)は図112とは異なる形態の指掛部を有するサイドユニット等が設けられている遊技盤のアウト口の部位を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)を縦断面で示す説明図である。 サイドユニットが取付けられる開口部とアウト口とが連続して繋がっている遊技パネルのパネル板を模式的に示す説明図である。 (a)は非接触面部をLED基板よりも後方に設けている例を示す説明図であり、(b)は(a)とは異なる形態で非接触面部をLED基板よりも後方に設けている例を示す説明図であり、(c)は非接触面部をLED基板にかかるように設けている例を示す説明図であり、(d)は非接触面部をユニットカバーの全周に亘って設けている例を示す説明図である。 扉枠に対して着脱可能な枠飾り部材を示す説明図である。 通常営業時において扉枠を開放して枠飾り部材を脱着した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 リユース確認状態Aにおける扉枠の開放中に枠飾り部材を取り外して次の扉枠の開放中に枠飾り部材を取り付けた場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 リユース確認状態Bにおける扉枠の開放中に枠飾り部材を取り外して次の扉枠の開放中に枠飾り部材を取り付けた場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 リユース確認状態Aにおける扉枠の開放中に枠飾り部材を脱着した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 リユース確認状態Bにおける扉枠の開放中に枠飾り部材を脱着した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 判定タイミングにて枠飾り部材が未接続であると判定した後に枠飾り部材を取り付けた場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 エラー状態且つリユース確認状態Aにおける扉枠の開放中に枠飾り部材を取り外して次の扉枠の開放中に枠飾り部材を取り付けた場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 打ち止め用カウンタの推移に対して算出される出玉量の一例を示すタイムチャートである。 「打ち止め状態が開始される前に算出された出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」のクリア条件を示すテーブルである。 出玉量が特定値に達して遊技が制限された場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 電源遮断後の再投入時に遊技の制限を解除した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入球したタイミングで出玉量が特定値に達する場合における具体的な演出例である。 特別図柄の変動表示中に一般入賞口に遊技球が入球したタイミングで出玉量が特定値に達する場合における具体的な演出例である。 制限クリアパターン選択スイッチが「4」の場合に選択される制限クリアパターンテーブル4である。 通常状態や打ち止め状態中に軽度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 通常状態中に重度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 打ち止め状態中に重度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 打ち止め準備状態中に軽度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 打ち止め準備状態中に重度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 通常状態や打ち止め状態中に軽度の異常が発生した場合における具体的な演出例である。 通常状態や打ち止め状態中に重度の異常が発生した場合における具体的な演出例である。 打ち止め準備状態中に軽度の異常や重度の異常が発生した場合における具体的な演出例である。 事前告知表示を開始した後における事前告知表示の推移を示すタイムチャートである。 電源投入時における制限クリアパターンテーブル4の変形例である。 打ち止め準備状態および打ち止め状態の開始前に特殊外部信号の出力を開始することを示すタイムチャートである。 電源投入時に打ち止め状態をクリアした後に打ち止め類似状態が発生する場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 待機状態中に事前告知表示や進行不能表示が表示されている場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 更に異なる他の形態のサイドユニットの裏側を示す概略斜視図である。 図144に示す磁気センサの近傍が拡大された拡大側面図である。 図144に示す球センサの近傍が拡大された拡大平面図である。 異なる形態の始動口ユニットの裏側を示す概略斜視図である。 図147に示す第二始動口センサの近傍が拡大された拡大背面図である。 メイン配線の他の態様を示す概略背面図である。 電源の遮断時に遊技盤A1から遊技盤A2に交換された場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 電源の遮断時に遊技盤A1が脱着された場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 枠制御基板の拡大図である。 持ち球数のクリア条件を示すテーブルである。 持ち球数が精算可能な計数許可状態の発生条件の成立を示すタイムチャートである。 計数ボタンスイッチの操作時におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 電源投入時に球抜き状態に移行した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 電源投入時に球抜き状態に移行した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 ファール球センサの周辺に磁気センサが設けられた図である。 磁気センサにより磁気を検知した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。 遊技盤が装着されていない状況で電源投入時に各種スイッチを操作した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図7を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2は、上側を前方へ傾けた状態で示すパチンコ機の正面図斜視図である。図3はパチンコ機を前から見た斜視図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5は、パチンコ機を構成している扉枠、本体枠、及び外枠を夫々ヒンジ回転させて開いた状態で示す斜視図である。図6はパチンコ機を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図7はパチンコ機を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備などに設置されて使用されるものである。このパチンコ機1は、多数(例えば、40~60個)の遊技球Bが、外部へ排出されたり外部から供給されたりすることなく封入されており、内部において循環することで、遊技者が遊技球Bに触れることのない、所謂、封入式遊技機や管理遊技機と呼ばれている遊技機である。このパチンコ機1では、遊技者の持ち球数を持球データとしてデータ化して扱っている。
パチンコ機1に封入されている遊技球Bは、直径(以下では、直径Dとも記載する。直径D=11mm)が従来のパチンコ機に使用される遊技球と同じであればよく、例えば、SUS304のような磁着しないステンレス鋼により形成されてもよいし、従来の鉄球(SB)であってもよい。なお、遊技球Bは、ステンレス鋼により形成される場合に、パチンコ機1内において長期に亘って封入されていても従来の鉄球のように錆びが生じない。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
[2.外枠]
パチンコ機1の外枠2について、主に図8乃至図16等を参照して説明する。図8は、扉枠を取外した状態で示すパチンコ機の正面図である。図9は、図8において本体枠から遊技盤を分離させた状態で示す分解斜視図である。図10は扉枠及び遊技盤を取外した状態で示すパチンコ機の正面図であり、図11は図10のパチンコ機の背面図であり、図12は図10のパチンコ機を斜め前から見た斜視図である。図13は外枠と本体枠とを分解した状態で前から見た分解斜視図であり、図14は外枠と本体枠とを分解した状態で後ろから見た分解斜視図である。図15は、外枠を上下方向中央で切断した平面断面図である。図16は、外枠の下部を示す斜視図である。
外枠2は、図示しない遊技ホールの島設備に取付けられると共に、本体枠4を前方へ開閉可能、且つ、着脱可能、に取付けることができるものである。外枠2は、全体が縦長の枠状に形成されている外枠本体10と、外枠本体10を組付けている外枠組付金具20と、本体枠4を開閉可能に支持する外枠ヒンジ機構30と、本体枠4を閉じた状態でロックするための外枠ロック金具(図示は省略)と、外枠本体10の下枠体14に取付けられる幕板45と、幕板45の上面に取付けられるスベリ板46と、を備えている。
外枠2の外枠本体10は、上下方向に延出し左右に離間して設けられている左枠体11及び右枠体12と、左枠体11及び右枠体12の上端同士を連結している上枠体13と、左枠体11及び右枠体12の下端同士を連結している下枠体14と、を備えている。左枠体11及び右枠体12は、夫々がアルミニウム合金のような金属の押出型材により形成されている。上枠体13及び下枠体14は、木材によって形成されている。左枠体11、右枠体12、上枠体13、及び下枠体14は、前後方向の寸法が同じである。
外枠2の外枠組付金具20は、左枠体11と上枠体13とを連結している左上金具と、右枠体12と上枠体13とを連結している右上金具と、左枠体11と下枠体14とを連結している左下金具と、右枠体12と下枠体14とを連結している右下金具と、を有している。左下金具は、外枠下ヒンジ体35と兼用している。
外枠ヒンジ機構30は、外枠本体10の左上端に設けられている外枠上ヒンジ体31と、外枠本体10の左下端に設けられている外枠下ヒンジ体35と、を有している。
外枠ヒンジ機構30の外枠上ヒンジ体31は、上枠体13の左端上面に取付けられており、前端が外枠本体10よりも前方へ突出している。外枠上ヒンジ体31は、外枠本体10よりも前方へ突出している部位に、上下に貫通していると共に一つの側辺において解放されている軸受溝31aと、外枠本体10よりも前方へ突出している部位の下面に設けられており軸受溝31aの解放されている部位を開閉可能なロック部材32と、を有している。
外枠上ヒンジ体31の軸受溝31aは、解放されている部位から、本体枠4における本体枠上ヒンジ体511の本体枠ヒンジ軸511aを挿入することで当該本体枠ヒンジ軸511aを軸支することができる。外枠上ヒンジ体31のロック部材32は、通常の状態では、図示しない弾性片の付勢力によって軸受溝31aの解放されている部位を閉鎖するロック位置の状態に位置している。ロック部材32を、弾性片の付勢力に抗して解除位置へ移動させると、軸受溝31aが側面側へ開放された状態となり、側面側から本体枠ヒンジ軸511aを軸受溝31aに挿入したり、軸受溝31aに挿入されている本体枠ヒンジ軸511aを軸受溝31aから外したりすることができる。
外枠ヒンジ機構30の外枠下ヒンジ体35は、幕板45の左端上面における下枠体14と重なる部位(上方の部位)に取付けられており、前端が外枠本体10よりも前方へ突出している。外枠下ヒンジ体35は、外枠本体10よりも前方へ突出している部位に、上方へ突出しているヒンジ軸35aを有している。外枠下ヒンジ体35のヒンジ軸35aを、本体枠4における本体枠下ヒンジ体512の外枠用軸孔(図示は省略)に挿入させることで、本体枠下ヒンジ体512を回転可能に支持することができる。
外枠ヒンジ機構30は、外枠上ヒンジ体31の軸受溝31aに本体枠4における本体枠上ヒンジ体511の本体枠ヒンジ軸511aを軸支させると共に、外枠下ヒンジ体35のヒンジ軸35aを本体枠下ヒンジ体512の外枠用軸孔に挿入させることで、本体枠4を開閉可能に支持することができる。
外枠2の外枠ロック金具は、右枠体12の内側面(左側面)に上下に離間して二つ設けられている。外枠ロック金具は、本体枠4における錠ユニット780の外枠ロック爪784が夫々係止されることで、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態で開放不能にロックすることができる。
外枠2の幕板45は、下枠体14に取付けられており、前端が下枠体14よりも前方へ突出している。幕板45を、合成樹脂によって形成されている。スベリ板46は、幕板45の上面において、左右に離間して二つ設けられている。スベリ板46は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の下端面が当接するものである。スベリ板46は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4を滑り易くして、開閉を容易にしている。
幕板45について、更に詳述すると、幕板45は、下枠体14の上端面における前後方向中央より前側の部位と、下枠体14の前端側とを、覆うように形成されている幕板本体45aと、幕体本体45aの上面の左端付近に設けられているヒンジ体カバー部45bと、ヒンジ体カバー部45bの後端から上方へ平板状に延出している後壁部45cと、幕板本体45aの上面に設けられている案内表示部45dと、を有している。
幕板45のヒンジ体カバー部45bは、外枠下ヒンジ体35の下面及び側面を覆うように設けられている。これにより、遊技者、メンテナンスや搬送・設置等の作業者、等が外枠下ヒンジ体35付近へ手を伸ばした際に、ヒンジ体カバー部45bによって手が外枠下ヒンジ体35に直接触れてしまうことを阻止することができ、外枠下ヒンジ体35のエッジにより怪我を防止することができる。
また、ヒンジ体カバー部45bにより、外枠下ヒンジ体35の下面や側面を覆うようしているため、遊技者側から外枠下ヒンジ体35を隠すことができると共に、幕板45(幕板本体45a)との一体感を高めて見栄えを良くすることができる。
幕板45の後壁部45cは、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、後壁部45cの前面に、後述する本体枠4における本体枠下ヒンジ体512の後面が当接するように設けられている。これにより、外枠2に対した本体枠4を閉じた時に、後壁部45cに本体枠下ヒンジ体512が当接することで、本体枠4がこれ以上後方側へヒンジ回転するのを規制することができる。
幕板45の案内表示部45dは、図15及び図16等に示すように、幕板本体45aの上面の後辺から後方へ突出するように設けられており、左右方向が左側のスベリ板46の後方の部位から右側のスベリ板46の後方の部位まで延びている。この案内表示部45dには、左端付近に左方へ向いた矢印と、右端付近に右方へ向いた矢印とが、表示されていると共に、二つの矢印の間に、「!この範囲に固定釘および固定金具の突出禁止!」の文字が表示されている。これら矢印や文字は、幕板45を射出成形するための金型により刻設されている。
案内表示部45dは、外枠2に対して開閉可能に設けられている本体枠4とは接触しないように設けられている。この案内表示部45dは、パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置する際に、作業者に対して注意を喚起するためのものである。具体的には、外枠2の下枠体14を取付ビス(図示は省略)により島設備に固定する際に、案内表示部45dに表示されている範囲内では取付ビスの頭部が、案内表示部45dよりも上方へ突出しないように注意を喚起するためのものである。この注意喚起に従って取付ビスにより外枠2を固定することで、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、取付ビスが本体枠4に当接することはなく、取付ビスが本体枠4に干渉することはない。
この案内表示部45dによれば、外枠2を固定している取付ビスが本体枠4に対して干渉しないようにすることが可能となるため、取付ビスの干渉により本体枠4が破損してしまうことを回避させることができる。また、案内表示部45dにより、外枠2を固定するための取付ビスの打込み量の目印になるため、取付ビスが干渉しないように本体枠4を開け閉めしながら取付ビスを打込む必要がなく、作業効率を良くすることができる。
更に、案内表示部45dを有しているため、島設備に対する外枠2の固定状態を確認する際に、案内表示部45dを目安にすることで、取付ビスの状態の良否を目視で簡単に確認することができる。
また、取付ビスの固定範囲を示す案内表示部45dを、幕板本体45aと一体成形するようにしているため、幕板本体45aを下枠体14に取付けて外枠2に組立てるだけで、外枠2に案内表示部45dを設けることができ、案内表示部45dを別途に設ける場合と比較してコストを低減させることができる。
なお、上記の実施形態では、幕板本体45aの後端から後方へ突出している案内表示部45dとして、左端の矢印から右端の矢印まで、左右方向へ連続して延びているものを示したが、これに限定するものではなく、左右の矢印の部位のみが幕板本体45aの後端から後方へ突出しているような形態としても良い。
また、上記の実施形態では、幕板45の射出成形の際に案内表示部45dを刻設するものを示したが、これに限定するものではなく、シールを貼り付けたり、印刷や塗装したり、して案内表示部45dを設けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、幕板45に案内表示部45dを設けているものを示したが、これに限定するものではなく、下枠体14やスベリ板46等に設けるようにしても良い。下枠体14に案内表示部45dを設ける場合は、例えば、シールを貼り付けたり、インクによるスタンプを押したり、焼き印を押したり、するようにしても良い。スベリ板46に案内表示部45dを設ける場合は、例えば、スベリ板46に凹状の刻印をするようにしても良い。
[3.扉枠]
パチンコ機1の扉枠3について、図1乃至図3、及び、図5乃至図7を参照して説明する。扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、本体枠4に対して開閉可能に設けられており閉じた時に本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aが前方へ臨む遊技窓101を有する扉枠本体100と、扉枠本体100の後側に着脱可能に取付けられており遊技窓101を閉鎖する透明なガラス120と、遊技者の持ち球数を表示する持ち球数表示部140と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むために遊技者が操作するハンドル160と、ハンドル160の外周を囲んでいる筒状のハンドルカバー170と、遊技者が操作可能な計数ボタンスイッチ180と、を備えている。
また、扉枠3は、扉枠本体100の前面において下端から一定の高さで左右方向の全幅に亘って延出している扉枠幕板190と、扉枠本体100の前面における遊技窓101と扉枠幕板190との間の部位において前方へ突出している棚ユニット200と、棚ユニット200の左右方向中央に設けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット250と、を備えている。持ち球数表示部140、及び計数ボタンスイッチ180は、棚ユニット200の上面(棚部201の上面)に設けられている。
更に、扉枠3は、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも上側に設けられている扉枠トップユニット300と、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも左側に設けられている扉枠左サイドユニット320と、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも右側に設けられている扉枠右サイドユニット340と、を備えている。
扉枠本体100は、本体枠4に対して開閉可能に取付けるための扉枠ヒンジ機構110を有している。扉枠ヒンジ機構110は、扉枠本体100の左上端に設けられている扉枠上ヒンジ体111(図6を参照)と、扉枠本体100の左下端に設けられている扉枠下ヒンジ体112と、を有している。扉枠上ヒンジ体111は、上方へ突出している扉枠上ヒンジ軸111aを有している。扉枠ヒンジ機構110は、扉枠上ヒンジ体111の扉枠上ヒンジ軸111aを後述する本体枠上ヒンジ体511の扉枠用上軸孔511bに下方から挿入すると共に、扉枠下ヒンジ体112の扉枠下ヒンジ軸112aを後述する本体枠下ヒンジ体512の扉枠用下軸孔512bに上方から挿入することで、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に支持することができる。
また、扉枠本体100は、図5及び図7等に示すように、後面における下端付近から後方へ突出している突起部102を有している。この突起部102は、扉枠3を本体枠4に対して閉じた時に、その下面が後述する本体枠4における本体枠ベース501の支持段部501qに乗り上げるように当接し、扉枠3をある程度持ち上げることができるものである。この突起部102によれば、扉枠3を本体枠4に対して閉じることで扉枠3が持ち上がるようにしているため、扉枠3の荷重を突起部102と扉枠下ヒンジ体112とに分散させることができる。これにより、扉枠3を開閉可能としているヒンジ(扉枠下ヒンジ体112及び外枠下ヒンジ体35)に対して過度の荷重がかかり続けることを回避させることができ、ヒンジを歪み難くすることができると共に、ヒンジが歪んでも突起部102により扉枠3を持ち上げることができるため、扉枠3を本体枠4に対して適正位置で閉じることができる。なお、図示は省略するが、突起部102の下面には、前後方向に延びている複数のリブを有しており、それらリブにより強度・剛性が高められている。
突起部102は、後方へ向かうに従って左方へ移動するように傾斜している案内面102aを有している。詳細は後述するが、突起部102の案内面102aは、球揚上ユニット650における球磨モータベース686がロック位置以外の状態で、扉枠3を本体枠4に対して閉じようとした時に、球磨モータベース686の前端が接触して、球磨モータベース686をロック位置へ移動(回動)させることができるものである。
持ち球数表示部140は、6桁の7セグメントLEDにより構成されている。持ち球数表示部140は、棚ユニット200の上面における左右方向中央よりも右側で計数ボタンスイッチ180の左側の部位に設けられている。
ハンドル160は、扉枠本体100の前面における右下隅、すなわち、扉枠本体100の前面における遊技窓101と扉枠幕板190との間の右端付近に設けられている。ハンドル160は、回転軸を前後方向へ向けて遊技者が回転操作可能に取付けられている。ハンドル160は、自動車のステアリングのような形態に形成されており、中央のハブ部160aと、ハブ部160aから外方へ延出している複数(ここでは三本)のスポーク部160bと、スポーク部160bの先端同士を繋いでいる円環状のリング部160cと、を有している。
ハンドル160におけるリング部160cは、筒状のハンドルカバー170の前端から僅かに離れた前方の部位に設けられており、遊技者がリング部160cを握ることはできないように設けられている。従って、遊技者がハンドル160を回転操作する際には、主に、指をスポーク部160bの間を通すようにしてハブ部160aを握った状態で操作することとなる。この状態では、遊技者の指が、ハンドルカバー170の筒内に突っ込まれた状態となる。
ハンドル160には、遊技者が押圧操作可能な発射停止スイッチ161と、ハンドル160の静電気容量の変化を検知するハンドルタッチセンサ162と、ハンドル160の回転角度を検知するハンドル回転センサ163と、を備えている(図63を参照)。
発射停止スイッチ161は、遊技者により押圧操作すると、枠制御基板740によって発射ソレノイド553の駆動が停止させられる。従って、遊技者がハンドル160を回転操作中に発射停止スイッチ161を押圧操作すると、ハンドル160の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができる。その後、ハンドル160の回転操作はそのままで発射停止スイッチ161の押圧操作を解除すると、発射停止スイッチ161を押圧操作する前の打込み強さ(ハンドル160の回転操作に応じた打込み強さ)で再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
ハンドルタッチセンサ162は、ハンドル160に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル160に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル160への接触(タッチ)を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル160を回動させると、ハンドル回転センサ163の検知が受付けられ、ハンドル160の回転角度に応じた強さで発射ソレノイドの駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。
従って、遊技者がハンドル160に触れずに、何らかの方法でハンドル160を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド553は駆動されず、遊技球Bを打込むことができない。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル160を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
ハンドル回転センサ163は、可変抵抗器とされており、ハンドル160を回転させると、検知軸が回転すると共に検知軸の回転角度に応じて内部抵抗が変化する。従って、ハンドル160を回転させてハンドル回転センサ163の内部抵抗を変化させると、その内部抵抗に応じて後述する球発射ユニット550における発射ソレノイド553の駆動力が変化することとなり、ハンドル160の回転角度に応じた強さで、遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことができる。
ハンドルカバー170は、ハンドル160における環状部分の後方の部位から直径が広がるように後方へ延出しており、円錐筒状に形成されている。ハンドルカバー170の外周面における右周面と下周面に、内部と連通している開口部171が設けられている。これら開口部171により、ハンドルカバー170内に、ゴミや液体等が入っても、下方へ排出させることができる。
計数ボタンスイッチ180は、棚ユニット200の上面において、左右方向中央よりも右側の部位に設けられている。計数ボタンスイッチ180は、詳細は後述するが、持ち球がある状態で押圧操作することで、持ち球を遊技球貸出装置8へ送って精算することができるものである。
扉枠幕板190は、一定の高さで、扉枠本体100の左右方向の幅と同じ長さで左右に延出しており、扉枠本体100の前面における下端に取付けられている。扉枠幕板190は、左右方向中央において前後に貫通しており、後述する本体枠4のバスレフダクト501eの前方に位置するダクトグリル191を有している。ダクトグリル191は、左右に細長く延出しており、複数の縦格子により仕切られている。このダクトグリル191は、詳細は後述するが、本体枠4のバスレフダクト501eから本体枠スピーカ503の駆動による空気振動(風)を前方へ放出するためのものである。
棚ユニット200は、扉枠本体100の前面における遊技窓101と扉枠幕板190との間の部位に設けられている。棚ユニット200の左右方向中央には球形の演出操作ユニット250が設けられている。棚ユニット200は、上端から遊技窓101の下端に沿うように前方へ棚状に膨出している棚部201と、棚部201の下方で演出操作ユニット250よりも右側に設けられているスピーカグリル203と、棚部201の上面に設けられており前後左右に並んだ四つの押しボタンからなる設定調節ボタン204と、左右に離隔して設けられている一対の突部205と、を有している。なお、設定調節ボタン204は、前後左右に並んだ四つの押しボタンのうち、前後の押しボタンを操作することにより音量の調整を可能にし、左右の押しボタンを操作することにより光量の調整を可能にしている。
棚部201は、上面が滑らかな面に形成されている。棚部201の上面には、左右方向中央よりも右側では、右端付近に計数ボタンスイッチ180が設けられていると共に、計数ボタンスイッチ180の左側に持ち球数表示部140が設けられており、左右方向中央よりも右側では、設定調節ボタン204が設けられていると共に、設定調節ボタン204の後端付近の左右両側に突部205が設けられている。
一対の突部205は、設定調節ボタン204よりも高く突出しており、上端が丸められている。一対の突部205は、棚部201の後辺とほぼ平行に設けられている。一対の突部205は、例えば、棚部201の上面においてスマートフォンを立て掛けるのに使用することが可能であり、便利である。
スピーカグリル203は、後述する本体枠4における本体枠スピーカ503の前方に位置しており、複数の貫通孔を有するパンチングメタルにより形成されている。スピーカグリル203は、扉枠3の中方向中央を境にしてハンドル160と対称で同じ大きさに設けられており、ハンドルカバー170と同様に前方へ膨出した形態に形成されている。
演出操作ユニット250は、棚ユニット200における左右方向の中央に設けられており、前端が棚ユニット200よりも前方へ突出していると共に、上端が棚ユニット200よりも上方へ突出している。演出操作ユニット250は、全体が球状に形成されている。演出操作ユニット250は、上面に中央付近の設けられている円形の第一演出ボタン251と、第一演出ボタン251の周囲を囲むように設けられている環状の第二演出ボタン252と、を有している。詳細な図示は省略するが、第一演出ボタン251は円柱状に形成されており、第二演出ボタン252は円筒状に形成されている。第一演出ボタン251及び第二演出ボタン252は、同軸上に設けられており、その軸線が上方へ向かうほど前方へ移動するように傾斜している。
第一演出ボタン251及び第二演出ボタン252は、遊技者参加型演出に応じて全体が上方へ移動(ポップアップ)するように設けられている。第一演出ボタン251は、常時押圧可能とされているのに対して、第二演出ボタン252は、ポップアップした時のみ押圧可能とされている。
なお、図示は省略するが、第一演出ボタン251の内部には、バイブレータ(振動装置)が設けられている。
扉枠トップユニット300は、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも上側の部位で、左右方向の両端が扉枠左サイドユニット320の上端部分と扉枠右サイドユニット340の上端部分との間に挟まれるように設けられている。扉枠トップユニット300は、庇のように前方へ突出している。扉枠トップユニット300は、前端縁に沿って左右に延出し透光性を有する半チューブ状の扉枠トップ装飾体301を備えている。扉枠トップ装飾体301は、平面視において、左右方向中央が最も前方へ位置するように前後方向に湾曲している。
扉枠トップユニット300は、図示は省略するが、扉枠トップ装飾体301を発光装飾させるための複数のLEDが実装されている扉枠トップ装飾基板と、音声、音楽、効果音等のサウンドを出力し左右に離隔して設けられている一対の扉枠トップスピーカ303と、一対の扉枠トップスピーカ303の左右両外側に設けられている一対の扉枠トップサイドスピーカ304と、を有している。一対の扉枠トップスピーカ303は、フルレンジスピーカ(又は、ミッドレンジスピーカ)であり、一対の扉枠トップサイドスピーカ304は、ツイーター(高音用スピーカ)である。
扉枠左サイドユニット320は、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも左側の部位で、扉枠本体100の上端付近から棚ユニット200の棚部201よりも下方のスピーカグリル203付近まで上下に長く設けられている。扉枠左サイドユニット320は、上下方向の全長に亘って延出しており、透光性を有する半チューブ状の扉枠左サイド装飾体321を備えている。扉枠左サイド装飾体321は、下端付近が右方へ湾曲している。
扉枠左サイドユニット320は、図示は省略するが、扉枠左サイド装飾体321を発光装飾させるための複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板を有している。
扉枠右サイドユニット340は、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも右側の部位で、扉枠本体100の上端付近から棚ユニット200の棚部201よりも下方のハンドルカバー170まで上下に長く設けられている。扉枠右サイドユニット340は、扉枠左サイドユニット320よりも前方へ長く突出しており、上下に長い仕切り立状に形成されている。
扉枠右サイドユニット340は、前端に沿って上下に延出しており透光性を有する半チューブ状の扉枠右サイド装飾体341と、扉枠右サイド装飾体341の後方に設けられており左側面を形成している透光性を有する扉枠右サイド左側面装飾体(図示は省略)と、扉枠右サイド装飾体341の後方に設けられており右側面を形成している透光性を有する扉枠右サイド右側面装飾体(図示は省略)と、扉枠右サイド装飾体341、扉枠右サイド左側面装飾体及び扉枠右サイド右側面装飾体を発光装飾させるための複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板(図示は省略)と、を備えている。扉枠右サイド装飾体341は、下端付近が左方へ湾曲している。
また、扉枠右サイドユニット340は、下端付近において前後に貫通し、錠ユニット780の鍵穴782が前方へ臨む開口部342を有している。
[3-1.計数ボタンスイッチ]
計数ボタンスイッチ180は、棚ユニット200の上面において、左右方向中央よりも右側の部位に設けられている。計数ボタンスイッチ180は、持ち球がある(持ち球数>0)状態で押圧操作することで、持ち球を遊技球貸出装置8へ送って精算することができるものである。計数ボタンスイッチ180は、詳細は後述するが、押圧時間に応じて、持ち球を1個ずつ送ったり、所定個数(例えば、250個毎)ずつ送ったり、することができる。遊技球貸出装置8へ送られた持ち球数は、通信ネットワークを介して管理サーバ9へ送られると共に、その持ち球数を記憶したICカードが遊技球貸出装置8から排出される。
ここで、遊技球貸出装置8は、遊技ホールの島設備においてパチンコ機1に隣接するように設けられているものである(サンドとも称する)。遊技球貸出装置8には、詳細に図示は省略するが、現金やプリペイドカード等を投入する投入口、ICカードを挿入/排出するカード口、球貸ボタンスイッチ8a、返却ボタンスイッチ、投入金額や計数球数等が表示される表示部、等が設けられている。遊技球貸出装置8は、現金等を投入口に投入した状態で、球貸ボタンスイッチ8aを押圧操作すると、投入した金額の範囲内で所定個数ずつ遊技球Bが貸し出される。本実施形態では、貸し出された遊技球Bの数が、デジタルデータとして枠制御基板へ送信されると共に、通信ネットワークを介して管理サーバ9へ送信されて管理される。
計数ボタンスイッチ180について詳述すると、持ち球がある状態で遊技者が計数ボタンスイッチ180を「短押し(例えば、1回の押圧時間が500ms未満)」すると、持ち球から遊技球Bを1個計数する。計数ボタンスイッチ180を、「長押し(例えば、1回の押圧時間が500ms以上)」すると、持ち球数が250個未満になるまで、長押し中は所定時間(例えば、300ms)毎の計数通知タイミングで遊技球Bを250個ずつ計数する。長押し中に持ち球数が250個以下になると、遊技球Bを1個ずつ計数する。また、計数ボタンスイッチ180を、「長押し(例えば、1回の押圧時間が500ms以上)」した場合、計数ボタンスイッチ180を押し続けていなくても、無条件に持ち球の全数を計数するようにしても良い。
計数ボタンスイッチ180の押圧操作により計数されると、持ち球数表示部140において表示されている持ち球数が減算されて表示されると共に、遊技球貸出装置8の図示しない表示部に計数球数が表示される。
[4.本体枠]
パチンコ機1の本体枠4について、図8乃至図14、図17乃至図21等を参照して詳細に説明する。図17は本体枠を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図18は本体枠を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図19は、図10のパチンコ機を上下中央で切断した平面図である。図20は、図19においてア-ア線で切断した断面図である。図21は、図8の正面図において発射ユニット及びファールユニット等を断面にして示す要部正面図である。
本体枠4は、前方が開放された箱枠状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、外枠2に対して開閉可能に支持される枠状の本体枠ベースユニット500と、遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5aへ打込むための球発射ユニット550と、球発射ユニット550により発射されたにも関わらず遊技領域5aに打ち込まれなかった遊技球Bを回収するためのファールユニット570と、遊技盤5から排出された遊技球B及びファールユニット570により回収された遊技球Bを球発射ユニット550側へ送るための循環球経路ユニット600と、循環球経路ユニット600の下流端から遊技球Bを上方へ移動させる球揚上ユニット650と、球揚上ユニット650により揚上された遊技球Bを一つずつ球発射ユニット550へ送る球送ユニット700と、を備えている。
また、本体枠4は、循環球経路ユニット600の球抜口613pから排出された遊技球Bを受けるための球受トレー720と、球発射ユニット550や球揚上ユニット650等を制御する枠制御基板740を有する枠基板ユニット730と、外枠2と本体枠4及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する錠ユニット780と、を備えている。
[4-1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図22乃至図24等を参照して詳細に説明する。図22は本体枠における本体枠ベースユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図23は本体枠における本体枠ベースユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図24(a)は本体枠ベースユニットにおける本体枠ベースの正面図であり、(b)は複数の本体枠ベースを重ねている状態を斜視図で示す説明図である。
本体枠ベースユニット500は、外枠2に対して前方へ開閉可能に支持されると共に、扉枠3を前方へ開閉可能に支持することが可能なものである。本体枠ベースユニット500には、球発射ユニット550、ファールユニット570、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、球送ユニット700、球受トレー720、枠基板ユニット730、錠ユニット780、等が取付けられている。
本体枠ベースユニット500は、前後に貫通しており遊技盤5が前方から挿入され遊技盤挿入部502、及び遊技盤挿入部502の下側に設けられているベース壁部501bを有し、全体が縦長の四角形に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の左側面を補強している側面補強板509と、を備えている。
また、本体枠ベースユニット500は、本体枠ベース501におけるベース壁部501bの後側に取付けられる本体枠スピーカ503と、本体枠スピーカ503を後方から覆うようにベース壁部501bに取付けられ前方が解放されている箱状の本体枠スピーカボックス504と、本体枠ベース501における遊技盤挿入部502を後方から開閉可能に設けられている裏カバー505と、を備えている。
更に、本体枠ベースユニット500は、本体枠ベース501に取付けられている遊技盤ロック部材506と、本体枠ベース501に取付けられている扉開放スイッチ507及び枠開放スイッチ508と、本体枠ベース501に取付けられている本体枠ヒンジ機構510と、を備えている。
本体枠ベース501は、正面視の形状が縦長の四角形に形成されている。本体枠ベース501は、黒色の不透明な合成樹脂により形成されている。本体枠ベース501は、左辺を有しない枠状の枠体501aと、枠体501aの枠内であって上端付近から下方へ全高の約2/3の範囲において前後に貫通している遊技盤挿入部502と、遊技盤挿入部502の下側に設けられているベース壁部501bと、ベース壁部501bの上端面における左右方向中央付近において上方(遊技盤挿入部502内)へ突出している遊技盤規制部501cと、ベース壁部501bの左端付近において前後に貫通しており本体枠スピーカ503が前方へ臨む本体枠スピーカ口501dと、ベース壁部501bにおける左右方向中央の下端付近において横長で前後に貫通しているバスレフダクト501eと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース壁部501bにおけるバスレフダクト501eの上方において前面側から後方へ凹んでおり球受トレー720が挿入されるトレー挿入凹部501fと、ベース壁部501bにおけるトレー挿入凹部501fの上方で前後に貫通しており循環球経路ユニット600の球蛇行部材613及び蛇行カバー614が挿入される球貯留通路挿入口501gと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース壁部501bの前面における球貯留通路挿入口501gの上方において左右に並んで設けられているファールユニット取付部501h及び球発射ユニット取付部501iと、ベース壁部501bにおける球発射ユニット取付部501iの右方に設けられている球揚上ユニット取付部501jと、ベース壁部501bの後面における球発射ユニット取付部501iの後方となる部位に設けられている球送ユニット取付部501kと、ベース壁部501bの後面に設けられている循環球経路ユニット取付部501lと、ベース壁部501bにおける右上隅付近において前後に貫通しており錠ユニット780の錠シリンダ781が挿通されるシリンダ挿通口501mと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、トレー挿入凹部501fにおける左右の内壁からの夫々突出しており、トレー挿入凹部501fに挿入されている球受トレー720の弾性爪721が係止されることで、球受トレー720の前方への移動を規制するための係止爪501nを備えている。また、本体枠ベース501は、球揚上ユニット取付部501jの部位で前後に貫通している縦長の開口501oを、備えている。
また、本体枠ベース501は、遊技盤挿入部502の上端から後方へ延出している上面カバー502aと、上面カバー502aの後端辺から下方へ短く平板状に延出している後面カバー502bと、遊技盤挿入部502の左端から後方へ延出しており上端が上面カバー502aと繋がっている左側面カバー502cと、遊技盤挿入部502の右端から後方へ延出しており上端が上面カバー502aと繋がっている右側面カバー502dと、遊技盤挿入部502の下端から後方へ延出している下面カバー502eと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、後面カバー502bを貫通している複数の通風孔502fと、上面カバー502aに設けられており下方へ凹んでいる複数の上面凹部502gと、下面カバー502eに設けられており下方へ凹んでいる複数の下面凹部502hと、上面カバー502aの下面及び下面カバー502eの上面に夫々設けられている複数の補強リブ502iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、球発射ユニット取付部501iの上側に設けられており、球発射ユニット550に対して上方からの光の入射を遮るための庇部501pを、更に備えている。この庇部501pにより、球発射ユニット取付部501iに取付けられている球発射ユニット550のフォトセンサからなる発射減算センサ554に対して、外部からの光を遮ることができ、発射減算センサ554での誤検知を防止することができる。
また、本体枠ベース501は、トレー挿入凹部501fと開口501oとの間の部位で、トレー挿入凹部501fの底面よりもやや上方の部位に設けられている支持段部501qと、ベース壁部501bの後面における右端付近において上下に離隔して設けられており後方へ突出している一対の支持突部501rと、を更に備えている。支持段部501qは、上方を向いた面(上面)を有している。この支持段部501qは、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、扉枠3の突起部102が乗り上げるように当接し、扉枠3をある程度持ち上げることができるものであり、扉枠3の荷重の一部を支持するものである。支持突部501rの後端面には、枠基板ユニット730のナイラッチ774が係止される係止孔が設けられている。
本体枠ベース501の遊技盤挿入部502は、遊技盤5が前方から着脱可能に挿入される。遊技盤挿入部502は、ベース壁部501bよりも後方の部位の周囲が、上面カバー502a、左側面カバー502c、右側面カバー502d、及び下面カバー502e、によって囲まれている。
ベース壁部501bは、上端面に遊技盤5が載置される。ベース壁部501bの前面には、扉開放スイッチ507、球発射ユニット550、ファールユニット570、球受トレー720、が取付けられる。また、ベース壁部501bの後面には、本体枠スピーカ503、本体枠スピーカボックス504、枠開放スイッチ508、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、球送ユニット700、が取付けられる。
遊技盤規制部501cは、遊技盤挿入部502に遊技盤5を挿入した時に、遊技盤5の左右方向及び後方への移動を規制するものである。本体枠スピーカ口501dは、図示するように、格子状に形成されており、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態で、扉枠3のスピーカグリル203の後方に位置するように設けられている。本体枠スピーカ口501dを後方から閉鎖するように、ベース壁部501bの後面に本体枠スピーカ503が取付けられる。
バスレフダクト501eは、左右に長い四角形の筒状に形成されている。バスレフダクト501eは、詳細は後述するが、ベース壁部501bと本体枠スピーカボックス504とで構成される本体枠スピーカ503のエンクロージャ504aと連通しており、本体枠スピーカ503から後方へ出力されサウンドの位相を反転させて前方へ放出させるためのものである。本実施形態では、筒状のバスレフダクト501eにより、本体枠スピーカ503から出力されたサウンドの音域のうち、低音域を共振・増幅させてより重低音のサウンドを響かせることが可能である。このバスレフダクト501eは、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態で、扉枠3のダクトグリル191の後方に位置するように設けられている。
トレー挿入凹部501fは、前方から球受トレー720を着脱可能に支持することができる。トレー挿入凹部501fの底壁は、前端側が低くなるように傾斜している(図20を参照)。これにより、トレー挿入凹部501fに球受トレー720が挿入されていない状態で、遊技球Bがトレー挿入凹部501fにこぼれても、前方へ排出させることができる。また、トレー挿入凹部501fの底壁が、前端側が低くなるように傾斜しているため、載置されている球受トレー720を前方へスライドさせ易くすることができる。
球貯留通路挿入口501gは、ベース壁部501bの後面に取付けられた循環球経路ユニット600の球蛇行部材613及び蛇行カバー614の前側部分が貫通して前方へ突出するように設けられている。ファールユニット取付部501hは、ベース壁部501bの上端付近で本体枠スピーカ口501dよりも右側に設けられている。球発射ユニット取付部501iは、ファールユニット取付部501hよりも右側に設けられている。球揚上ユニット取付部501jは、ベース壁部501bの上端付近から下端付近までの間の部位に設けられている。
球送ユニット取付部501kは、ベース壁部501bの後面において球送ユニット700の上面が上方(遊技盤挿入部502内)へ臨むように設けられており、上方から球送ユニット700を着脱できるように設けられている。球送ユニット取付部501kに球送ユニット700を取付けると、球発射ユニット550の右方において球送ユニット700の弾性爪709bがベース壁部501bの係止孔を貫通して前方へ臨んだ状態となる。この状態で、弾性爪709bを後方へ押圧して弾性変形させると共に、球送ユニット700の上面に設けられているツマミ部709aを摘まんで引き上げると、球送ユニット700を上方へ取外すことができる。
循環球経路ユニット取付部501lは、ベース壁部501bの後面の左右方向中央部分で後述する本体枠スピーカボックス504のボックス拡張部504cよりも上方の部位に設けられている。シリンダ挿通口501mは、ベース壁部501bの上端付近で球揚上ユニット取付部501jの右方に設けられている。
上面カバー502aは、遊技盤挿入部502に遊技盤5を装着した状態で、遊技盤5よりも後方へ延出している。この上面カバー502aには、図17及び図18等に示すように、二つの上面凹部502gが左右に離隔して設けられており、この上面凹部502gによって上面カバー502aに対して補強リブの一部を省略している。このように構成することにより、上面カバーの上面に複数の補強リブを左右方向へ列設する場合よりも、上面カバー502aを補強リブの分だけ上方へ位置させることが可能となり、遊技盤挿入部502の内容積を確保している。更に、上面カバーの上面に複数の補強リブを設けると、清掃の際に拭き残しが生じ美観を損なうこととなるが、本実施形態では、上面カバー502aの上面から補強リブ等を排除することにより美観の維持が可能となる。
上面カバー502aの上面、及び、二つの上面凹部502gの底面は水平面に対して2度程度後方に行くほど低くなるように傾斜している。さらに、パチンコ機1は通常、後傾するように設置され、その角度は一般的に0.75度程度後傾しているので、合計で2.75度程度の下り傾斜になっている。また、二つの上面凹部502gは、左右の幅が後方へ向かうに従って広くなっておいる。
このような緩斜面にしておくことにより、パチンコ機1の上方から落ちてくる遊技球Bは上面カバー502aの上面、若しくは、上面凹部502gを流下してパチンコ機1の下方に設けられた島設備の遊技球Bの回収経路に落下し、回収される。また、金属粉や、ネジ等の球形でない物体の落下物は、上面カバー502aの上面、若しくは、上面凹部502gに滞留する。このような効果を奏するには上面カバー502aの上面は水平面からの傾斜は15度以内が望ましい。
上面カバー502aは、平板状に形成されていることから、上面カバー502aにおいて上方から凹んでいる二つの上面凹部502gの下面(裏面)は、上面カバー502aの下面から下方へ突出している(図24(b)を参照)。つまり、上面凹部502gは、上面カバー502aの下面では、下方へ突出した凸部の形態となっている。そして、二つの上面凹部502gの終点すなわち前壁は、突当面502jの裏であり、突当面502jは遊技盤5の上辺の後面と接して位置決めを行う。
換言すると、上面カバー502aの裏側(下面側)には、二つの上面凹部502gの裏側がある。二つの上面凹部502gの裏側の先端(前端)は、突当面502jとなっており遊技盤5の上辺の後面と接して遊技盤5の位置決めを行う。
上面カバー502aの裏側(下面側)には複数の補強リブ502iのうち四つ補強リブ502iがあり、上面凹部502gと合わせて上面カバー502aの補強となっている。このように補強リブ502iを上面カバー502aの上面ではなく内側の下面に設けることによって上面カバー502aの上面(外面)の美観を保つことが可能になる。
なお、図23に示すように、上面カバー502aの上面の前端には、複数のリブ502kが設けられているが、これらリブ502kの上方は本体枠ベース501の縁の枠体501aで覆われているし、更に、その上方が外枠2で覆われるため、上方から金属粉等が落ちてくることはなく、美観に影響を与えない。
更に、図示は省略するが、上面カバー502aの上面や上面凹部502gには、射出成形する際に溶融した樹脂を送り込むためのゲートを設けていない。これは、ゲートによる凹凸で、上面カバー502aの上面や上面凹部502gを流下する遊技球Bの流下を妨げないためである。
また、同様に射出成形された本体枠ベース501を金型から取り出すためのイジェクタピンの痕を、上面カバー502aの上面や上面凹部502gに設けないように配慮されている。通常、イジェクタピンの痕は、バリを適切に処理することによって遊技球Bの流下を妨げる可能性は少ないが、金属粉などが堆積した上面カバー502aの上面や上面凹部502gを清掃するなどの際に美観を損なう可能性がある。このためイジェクタピンの痕を設けないように配慮されている。
本体枠ベース501における後面カバー502bは、左右両端が夫々左側面カバー502c及び右側面カバー502dと繋がっている。この後面カバー502bには、上下に長いスリット状の複数の通風孔502fが、左右方向へ列設されている。
また、本体枠ベース501における左側面カバー502cは、前後方向の奥行が上面カバー502aの奥行と同じである。左側面カバー502cは、平面視において、後方へ向かうに従って右方へ移動するように傾斜している。左側面カバー502cの後端には、裏カバー505を係止するためのカバー係止部502lが上下に離隔して二つ設けられている。
本体枠ベース501の右側面カバー502dは、平面視において、後方へ向かうに従って左方へ移動するように傾斜している。右側面カバー502dは、後面カバー502bよりも下側の部位が、後端から前方へ向かって切り欠かれており、当該部位の後端が上面カバー502aの後端よりも前方に位置している。つまり、右側面カバー502dは、後面カバー502bよりも下側の部位の奥行が短く形成されている。右側面カバー502dの後端における後面カバー502bよりも下側の部位には、裏カバー505をヒンジ回転可能に支持するための複数のカバー軸支部502mが上下方向に間隔をあけて設けられている。
本体枠ベース501の下面カバー502eは、遊技盤挿入部502の下端(ベース壁部501bの上面)よりも一段上がった部位から後方へ延出している。下面カバー502eは、循環球経路ユニット取付部501lの上方の部位を除くように設けられており、循環球経路ユニット取付部501lよりも左側の部位では左側面カバー502cの後端と同じ位置まで後方へ延出しており、循環球経路ユニット取付部501lよりも右側の部位では右側面カバー502dにおける奥行が短く形成されている部位の後端と同じ位置まで後方へ延出している。この下面カバー502eは、後方へ向かうほど高くなるように傾斜している。
本体枠ベース501の下面凹部502hは、下面カバー502eの上面から下方へ凹んでいる。下面凹部502hは、前方へ向かって開放されており、後方へ向かうに従って左右の幅が狭くなるように形成されている。下面凹部502hの底面は、下面カバー502eと同様に、後方へ向かうに従って高くなるように傾斜している。下面カバー502eは、平板状に形成されていることから、下面カバー502eにおいて上方から凹んでいる下面凹部502hの下面(裏面)は、下面カバー502eの下面から下方へ突出している図24(b)を参照。つまり、下面凹部502hは、下面カバー502eの下面では、下方へ突出した凸部の形態となっている。下面凹部502hの内部には、補強リブ502iが設けられている。
複数の補強リブ502iは、上面カバー502aの下面と、下面凹部502hの底面と、に夫々設けられている。上面カバー502aには四つの補強リブ502iが設けられており、二つが、二つの突当面502jから夫々前方へ延出するように設けられていると共に、残りの二つが、二つの上面凹部502gよりも左右両外側の部位に設けられている。上面凹部502gよりも左右両外側に設けられている補強リブ502iは、後端が後面カバー502bに繋がっており、上面凹部502gよりも短く前方へ延出している。
複数の補強リブ502iのうち、上面カバー502aにおける上面凹部502gよりも左右両外側の二つと、二つの下面凹部502hに夫々設けられている二つとの、合計四つは、当リブとして機能するように設けられている。詳述すると、本実施形態の本体枠ベース501は、前端側を下にして作業台等に置くと、ガタ付くことなく水平に置けるように構成されている。また、本体枠ベース501は、図24(b)に示すように、重ねて保管できるように形成されている。この際に、リブとしての四つの補強リブ502iが相手側に当接することにより、重ねた本体枠ベース501同士が噛み合うことを回避させることができる。これにより、部品(本体枠ベース501)同士が噛み合って、取外すのに時間がかかるのを低減させることができ、組立作業の効率化を図ることができる。また、本体枠ベース501を重ねられるようにしているため、梱包数の増量、及び、梱包箱の小型化、等が可能となる。
本実施形態の本体枠ベース501によれば、本体枠4に収納された遊技盤5を上方から保護する本体枠ベース501の上面カバー502aにおいて、その上面を後ろ下がりの緩斜面としているので、パチンコ機1の上方から落下してくる遊技球B、金属粉、ネジ等を適切に処理可能である。具体的には球形である遊技球Bに関しては上面カバー502aの上面を流下させてパチンコ機1下に落下させ得るので、遊技球Bはそのまま回収されてトラブルを生じない。また、非球形である、金属粉やネジ等は流下させずに上面カバー502a上に留めることができるため、やはりトラブルを発生しない。
また、この上面カバー502aの上面には通風孔502fは設けない。これにより、通風孔502fからの金属粉、ネジ等の侵入を防ぎ、遊技盤5の電気部品などに悪影響を与えない。
更には、射出成形機で成形される上面カバー502aの上面には、成形を行う際の溶融樹脂を金型に注入するためのゲートを設けていない。これにより、上面カバー502aの上面にはゲート由来の凹凸は生じないため、遊技球Bの流下を妨げない。
同様に、射出成形された本体枠ベース501を金型から取外す際のイジェクタピンの痕を設けないように配慮されている。通常、イジェクタピンの痕は、バリを適切に処理することによって遊技球Bの流下を妨げる可能性は少ないが、金属粉等が堆積した上面カバー502aの上面を清掃するなどの際にイジェクタピンの痕に残り、美観を損なう可能性がある。このためイジェクタピンの痕を設けないことにより、清掃により簡単に美観を取り戻すことができる。
また、この上面カバー502aは本体枠ベース501と一体的に成形されている。このように成形することにより組み立て工数の節約と本体枠ベースユニット500(遊技盤収容枠)全体の強度の向上が可能となる。
そして、上面カバー502aはその上面で、内部に収容した遊技盤5を保護するだけではなく、その内側に遊技盤5と接して遊技盤5の位置決めを行う位置決め部(突当面502j)を有している。これにより遊技盤5と上面カバー502aの位置関係が固定され、遊技盤5を保護するという遊技盤収容枠(本体枠4)の目的を発揮できる。
また、図18等に示すように、上面カバー502aの上面には、補強のためのリブを設けていない、これにより、リブにより清掃がし難くなることがなく、メンテナンスが楽になる。なお、上面カバー502aの上面を覆うように他の部材(例えば、枠体501a、外枠2、等)があり、異物が落ちてこない部位に関してはリブを設けても差し支えない。
側面補強板509は、平面視の形状が、右方へ開放されているコ字状に形成されており、本体枠ベース501における枠体501aの解放されている左辺の替わりとなるように取付けられている。側面補強板509は、アルミ合金のような金属の押出型材により形成されている。側面補強板509は、左位置規制部材509aが上下に離間して二つ設けられている。左位置規制部材509aは、遊技盤5の左辺を位置決めするためのものである。
本体枠スピーカ503は、本体枠ベース501の本体枠スピーカ口501dを後方から閉鎖するようにベース壁部501bの後側に取付けられている。本体枠スピーカ503は、主に低音を出力するコーン型のスピーカである。
本体枠スピーカボックス504は、前方へ開放されている箱状に形成されており、本体枠スピーカ503を後方から覆うようにベース壁部501bの後側に取付けられる。本体枠スピーカボックス504は、ベース壁部501bに取付けることで本体枠スピーカ503のエンクロージャ504aを形成するものである。
本体枠スピーカボックス504は、本体枠スピーカ503の後方に位置するボックス本体部504bと、ボックス本体部504bの下端と接続されており正面視において右方へ延出しているボックス拡張部504cと、ボックス本体部504bの後面に設けられている枠基板ユニット軸支部504dと、を有している。本体枠スピーカボックス504のボックス拡張部504cは、バスレフダクト501eの後方を覆うように、本体枠ベース501の右端付近まで右方へ延出していると共に、一部がボックス本体部504bよりも後方へ延出している。
エンクロージャ504aは、ボックス本体部504bとボックス拡張部504cとで構成されており、バスレフダクト501eを通して外部と連通している。つまり、バスレフダクト501e、本体枠スピーカ503、本体枠スピーカボックス504、によって位相反転型のバスレフ型スピーカを構成している。
詳述すると、本体枠スピーカ503からは、所定のサウンドが前方及び後方に出力される。本体枠スピーカ503から前方へ出力されたサウンドは、本体枠スピーカ口501d、スピーカグリル203を通してパチンコ機1の前方へ放出される。
一方、本体枠スピーカ503から後方へ出力されたサウンドは、本体枠スピーカボックス504(エンクロージャ504a)内の空気を振動させることとなる。そして、このエンクロージャ504aは、筒状のバスレフダクト501eにより前方(外部)に解放されているため、バスレフダクト501eから前方へ放出されることとなる。この際に、バスレフダクト501eが所定長さの筒状に形成されていることから、その内部において気柱振動による共振により低音域が増幅されると共に、位相が反転された状態で前方へ放出される。
これにより、本体枠スピーカ503から前方へ出力されたサウンドと、後方へ出力されたサウンドとが、互いに打ち消し合って減衰するように作用することはなく、互いに共振して増幅するように作用することとなり、本体枠スピーカ503の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力させることができ、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
本体枠スピーカボックス504のボックス拡張部504cは、前後方向の奥行が上下の高さよりも長く形成されており、後端が枠基板ユニット730の後端よりも僅かに後方へ突出するように設けられている(図20を参照)。ボックス拡張部504cは、本体枠4に組立てた状態で、枠基板ユニット730(ユニットベース770及び電源基板ボックス772)との間に隙間が形成されるように、枠基板ユニット730の下方を覆っている。これにより、ボックス拡張部504cによって、枠基板ユニット730に接続されている各種の配線を垂れ下がり難くしている。
ボックス拡張部504cは、図20に示すように、上面が後方へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上方から落下してきたゴミや遊技球B等を後方へ案内して排出させることができる。また、ボックス拡張部504cは、下面が後方へ向かって高くなるように傾斜している。これにより、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、ボックス拡張部504cが本体枠4の下枠体14に接触することはない。
また、ボックス拡張部504cは、図20に示すように、下面が後方へ向かって高くなるように傾斜している。これにより、本体枠4を外枠2に対して閉じる際に、本体枠4が傾いていてもボックス拡張部504cの下面により本体枠4を外枠2内に案内することができる。
この本体枠スピーカボックス504は、本体枠4に組立てた状態で、本体枠ベース501におけるトレー挿入凹部501fの後端側を吊り下げるように支持している。これにより、循環球経路ユニット600から排出された遊技球Bが球受トレー720に受けられることで、球受トレー720を介してトレー挿入凹部501fに上方から荷重(複数の遊技球Bの重さ)が作用しても、トレー挿入凹部501fが変形することはない。
また、本体枠スピーカボックス504は、透明な合成樹脂により形成されており、外部から本体枠スピーカ503を確認することができる。
裏カバー505は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体枠4に取付けられている遊技盤5の後方を覆うように、本体枠ベース501に対して開閉可能に設けられている。裏カバー505は、平板の右辺側を前方へ屈曲させたような平面視においてL字状に形成されている。裏カバー505は、左端において上下に離隔して設けられている二つの係止爪505aと、右端において上下に列設されている複数の軸部505bとを有している。係止爪505aは、本体枠ベース501におけるカバー係止部502lに対して着脱可能に係止される。軸部505bは、本体枠ベース501におけるカバー軸支部502mに軸支される。これにより、裏カバー505が本体枠4の本体枠ベース501に対し開閉可能に取付けられる。裏カバー505には、複数の通風孔が設けられており、遊技盤5からの熱を外部へ逃がすことができる。この、裏カバー505は、透明な合成樹脂によって形成されている。
裏カバー505は、本体枠ユニット500に対して後述する枠基板ユニット730を先に閉じた後で、本体枠ユニット500(本体枠ベース501)に閉じようとすると、閉じられている枠基板ユニット730と干渉(当接)して閉じられることが阻止されるように形成されている。また、裏カバー505は、外枠2に対して本体枠4を開くと共に、裏カバー505を本体枠ベース501に対して開いている状態で、本体枠4を外枠2に対して閉じようとすると、外枠2と干渉(当接)して閉じられることが阻止されるように形成されている。
遊技盤ロック部材506は、本体枠ベース501(ベース壁部501b)の前面に、前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。遊技盤ロック部材506は、遊技盤挿入部502に遊技盤5を挿入した状態でロック位置に回転させることにより、遊技盤5の下端側が前方へ移動するのを阻止することができる。
扉開放スイッチ507は、本体枠4に対する扉枠3の開閉を検知するためのものである。扉開放スイッチ507は、本体枠ベース501のベース壁部501bにおけるシリンダ挿通口501mの下方に取付けられている。
枠開放スイッチ508は、外枠2に対する本体枠4の開閉を検知するためのものである。枠開放スイッチ508は、本体枠ベース501のベース壁部501bにおける扉開放スイッチ507の下方に取付けられている。
本体枠ヒンジ機構510は、本体枠ベース501の左辺上端に取付けられる本体枠上ヒンジ体511と、本体枠ベース501の左辺下端に取付けられる本体枠下ヒンジ体512と、を有している。
本体枠上ヒンジ体511は、上方へ円柱状に突出し外枠2における外枠上ヒンジ体31の軸受溝31aに挿入される本体枠ヒンジ軸511aと、本体枠ヒンジ軸511aに隣接して設けられており扉枠3における扉枠上ヒンジ体111の扉枠上ヒンジ軸111aが下方から挿入される扉枠用上軸孔511bと、を備えている。本体枠上ヒンジ体511は、平板状で水平に延出している部位と、当該水平に延出している部位の後端から下方へ延出している部位と、を有している。本体枠上ヒンジ体511における水平に延出している部位には、本体枠ヒンジ軸511aと扉枠用上軸孔511bとが設けられている。また、本体枠上ヒンジ体511は、下方へ延出している部位が、本体枠ベース501に取付けられる。
本体枠下ヒンジ体512は、外枠2における外枠下ヒンジ体35のヒンジ軸35aが下方から挿入される外枠用軸孔(図示は省略)と、扉枠3における扉枠下ヒンジ体112の扉枠下ヒンジ軸112aが上方から挿入される扉枠用下軸孔512bと、を備えている。本体枠下ヒンジ体512は、平板状で水平に延出している部位と、当該水平に延出している部位の後端から上方へ延出している部位と、を有している。本体枠下ヒンジ体512における水平に延出している部位には、外枠用軸孔と扉枠用下軸孔512bとが設けられている。また、本体枠下ヒンジ体512は、下方へ延出している部位が、本体枠ベース501に取付けられる。また、本体枠下ヒンジ体512における下方へ延出している部位は、本体枠4を外枠2に対して閉じた時に、幕板45の後壁部45cに当接する。これにより、本体枠4がこれ以上後方へヒンジ回転することはない。
本体枠ヒンジ機構510は、本体枠上ヒンジ体511の本体枠ヒンジ軸511aを外枠2における外枠上ヒンジ体31の軸受溝31aに挿入させると共に、本体枠下ヒンジ体512の外枠用軸孔に外枠2における外枠下ヒンジ体35のヒンジ軸35aを挿入させることで、外枠2に対して本体枠4が開閉可能に支持される。
また、本体枠ヒンジ機構510は、本体枠上ヒンジ体511の扉枠用上軸孔511bに下方から扉枠3における扉枠上ヒンジ体111の扉枠上ヒンジ軸111aを挿入させると共に、本体枠下ヒンジ体512の扉枠用下軸孔512bに上方から扉枠3における扉枠下ヒンジ体112の扉枠下ヒンジ軸112aを挿入させることで、本体枠4に対して扉枠3が開閉可能に支持される。
[4-2.球発射ユニット]
本体枠4における球発射ユニット550について、主に図25乃至図28等を参照して詳細に説明する。図25(a)は本体枠における球発射ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における球発射ユニットを後ろから見た斜視図である。図26(a)は球発射ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球発射ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図27(a)は球発射ユニットの発射ユニットカバーを左後ろから見た斜視図であり、(b)は正面視において発射ユニットカバーのみを断面で示す球発射ユニットの説明図である。図28は、発射減算センサと発射槌とを破線で示す球発射ユニットの正面図である。
球発射ユニット550は、遊技盤5の遊技領域5aに遊技球Bを発射するためのものであり、球送ユニット700から送られた遊技球Bを受取る球入口550aと、発射された遊技球Bが外部へ放出される球発射口550bと、遊技球Bを排出するための球排出口550cと、を有している。球発射ユニット550は、扉枠3の前面右下隅のハンドル160の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。球発射ユニット550は、本体枠ベース501のベース壁部501bの前面の上部において、左右方向中央よりも右側で不透光の庇部501pの下方に設けられている球発射ユニット取付部501iに取付けられる。
球発射ユニット550の球入口550aは、後面に設けられており、一つの遊技球Bが通過可能な大きさで四角く開口している。この球入口550aは、本体枠4に組立てた状態で、球送ユニット700の球送出口702の前方に位置しており、球送出口702と連通する。球発射口550bは、上面の左端において、左端側が低くなるように斜めに開口している。この球発射口550bは、本体枠4に組立てた状態で、ファールユニット570のファール右開口部570bの上部と連通する。球排出口550cは、左側面において開口している。この球排出口550cは、本体枠4に組立てた状態で、ファールユニット570のファール右開口部570bの下部と連通する。
球発射ユニット550は、平板状のユニットベース551と、ユニットベース551の前面側を覆うように取付けられている発射ユニットカバー552と、ユニットベース551よりも前方へ回転軸553aが突出するようにユニットベース551の後側に取付けられている発射ソレノイド553と、遊技球Bの発射の有無を検知可能な発射減算センサ554と、発射ソレノイド553の回転軸553aに取付けられている発射槌555と、発射槌555を発射ソレノイド553の回転軸553aに取付けているナット556と、発射ソレノイド553の回転軸553aに挿入されている円環状のスペーサ557と、発射槌555と接触可能な二つの当ゴム558と、を備えている。
球発射ユニット550のユニットベース551は、鉄板のような金属板により形成されている。ユニットベース551には、球入口550aが設けられており、正面視において中央から上方の部位に四角く貫通している。
発射ユニットカバー552は、透明な合成樹脂を使用して射出成形によって形成されている。発射ユニットカバー552は、ユニットベース551に対して前方へ離隔して設けられる平板状の前板552aと、前板552aの後側でユニットベース551の球入口550aの直下となる部位に設けられており左端側が高くなるように傾斜している球発射台552bと、球発射台552bを上下に貫通している検知口552cと、を備えている。
また、発射ユニットカバー552は、前板552aの後側で球発射台552bの正面視右上において球発射台552bとの間に遊技球Bが通過不能な隙間を形成している発射台上方壁部552dと、前板552aの後側で球発射台552b及び発射台上方壁部552dとを挟むように設けられているセンサ下取付部552e及びセンサ上取付部552fと、を備えている。
更に、発射ユニットカバー552は、球発射台552bにおける遊技球Bの発射方向に設けられており上端が球発射口550bの下端を構成している障壁部552gと、前板552aの後側で球発射台552bの左端から下方へ延出した後に左方へ向かって低くなるように延出している排出案内壁部552hと、センサ下取付部552eの上方とセンサ下取付部552eの右方との部位において前後に貫通している窓部552iと、前板552aの前面において凹んでおり左下から右上へ延出している配線用溝552jと、配線用溝552jの前端から配線用溝552jの底面と平行に突出している複数の配線係止部552kと、を備えている。
球発射台552bは、球入口550aを通って供給された遊技球Bが載置される。球発射台552bは、上面が正面視において左端が高くなるように傾斜している。球発射台552bは、上面が傾斜している方向へ沿って下方へ窄まるように一定の断面形状(台形状)に凹んでいる。球発射台552bは、傾斜方向(発射方向)の長さが遊技球Bの直径とほぼ同じであり、台形状に凹んでいる二つの傾斜面に接するように遊技球Bが一つのみ載置されるように形成されている。本実施形態では、球発射台552bが水平に対して約27度の角度で傾斜している。
検知口552cは、球発射台552bにおける台形状に凹んでいる部位の底部に設けられている。発射台上方壁部552dは、球発射台552bの傾斜している下端側の上方に設けられている。発射台上方壁部552dは、球発射台552bとの間で、遊技球Bが通過不能、且つ、発射槌555の先端が通過可能、の隙間を形成するように設けられている。これにより、球発射台552bに供給された遊技球Bは、発射台上方壁部552dの左端に当接して球発射台552bの傾斜方向の下流側(ここでは右方)への移動が規制された状態で球発射台552bに載置される。
球発射台552bに遊技球Bが載置されている状態では、当該遊技球Bの中心が、球入口550aの中心よりも若干右方に位置している。また、球発射台552bの長さを、遊技球Bが一つのみ載置される長さとしている。これにより、球発射台552bに遊技球Bが載置されている状態で、発射された遊技球Bが戻ってきたり、球送ユニット700から遊技球Bが送球されたりして、別の遊技球Bが球発射台552bに供給されても、球発射台552bに載置されている遊技球Bに弾かれ、球発射台552bに載ることなく排出案内壁部552h側(ファールユニット570側)に排出され、ファール球センサ607により検知される。従って、球発射台552bに遊技球Bが載置されている状態で、発射した遊技球Bが戻ってきたり、球送ユニット700から供給されたりしても、その遊技球Bをファールユニット570へ送って当該遊技球Bをファール球として持ち球に加算するようにしているため、発射した遊技球Bの実数との誤差を無くすことができる。
センサ下取付部552eとセンサ上取付部552fとは、夫々に発射減算センサ554を構成している発光部554aと受光部554bとが取付けられる。センサ下取付部552eでは発射減算センサ554(ここでは発光部554a)が上方へ向けて取付けられるため、発光部554aの上面にゴミや塵等が付着すると誤検知する恐れがあるが、発光部554aを斜めに取付けるようにしているため、ゴミ等が溜まり難い。
障壁部552gは、球発射台552bから左方へ遊技球Bの直径よりも長く離れた部位において、球発射台552bから発射された遊技球Bの弾道よりも下方に設けられている。障壁部552gは、打込み強さの弱い遊技球Bが当接可能とされており、当接した遊技球Bは障壁部552gと球発射台552bとの間を通って下方の排出案内壁部552h上に流下することとなり、球発射台552bに戻ることはない。また、障壁部552gは上下に延出しているため、ファールユニット570側からの遊技球Bの侵入を阻止することが可能である。
排出案内壁部552hは、障壁部552gとの間で球排出口550cを形成している。排出案内壁部552hは、左端側が低くなるように傾斜しており、球発射台552bと障壁部552gとの間を通って流下してきた遊技球Bを左方へ案内して、左端の球排出口550cからファールユニット570側へ排出することができる。これにより、球発射台552bにおいて発射槌555により打撃されたのにも関わらず、球発射口550bから発射されなかった遊技球Bは、排出案内壁部552hに案内されて球排出口550cからファールユニット570へ排出される。
窓部552iは、球発射台552bとセンサ下取付部552eとの間の部位と、打撃位置から離れた後退位置の発射槌555における先端の前方の部位と、に設けられている。センサ下取付部552eには、発射減算センサ554(ここでは発光部554a)が上方へ向けて取付けられているため、発光部554aの上面にゴミや塵等が溜まり易く、ゴミ等が付着すると誤検知する恐れがあるが、球発射台552bとセンサ下取付部552eとの間の部位の窓部552iを通して綿棒等の清掃具を挿入することで、発光部554aの上面の清掃を容易に行うことができる。
また、発射槌555の先端は、遊技球Bに接触することから、発射槌555の先端にゴミ等が付着していると、遊技球Bを良好に発射させることができなくなる恐れがあるが、図28に示すように、待機位置の発射槌555の先端の前方に窓部552iを設けているため、当該窓部552iを通して綿棒等の清掃具を挿入することで、発射槌555の先端を容易に清掃することができる。
発射ソレノイド553は、前後に延びた回転軸553aを有するロータリーソレノイドにより構成されている。詳細は後述するが、発射ソレノイド553は、後述の球送ソレノイド706と関連して、所定の発射シーケンスに基づいてハード的に一連の動作をする。
発射減算センサ554は、球発射台552b上における遊技球Bの有無を検知することができる。発射減算センサ554は、検知光を照射する発光部554aと、検知光を受光する受光部554bと、で構成されており、夫々が発射ユニットカバー552のセンサ下取付部552eとセンサ上取付部552fとに取付けられる。発光部554aから発光された検知光は、球発射台552bの底部に設けられている検知口552cを通って受光部554bに受光される。この際に、球発射台552bに遊技球Bが載置されていると、遊技球Bにより検知光が遮られ、受光部554bにおいて検知光が受光されることはない。これにより、球発射台552bにおける遊技球Bの有無を検知することができる。
発射減算センサ554は、詳細は後述するが、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを検知して、遊技者の持ち球数を1個減算するためのものである。
本実施形態では、発射減算センサ554のOFF判定により持ち球数を減算するようにしているが、発射減算センサ554の動作次第では遊技者の持ち球数が変化してしまうため、遊技球Bの発射に対して1対1の信頼性が求められる。ところで、遊技球Bに対する通常の通過判定では、受光部における発光部からの光に対して、所定の時間間隔(例えば、割込み周期が4ms)で非検知、検知、検知、(所謂「011」)のOFFからON(遊技球Bの無しから有り)への切り替わりにより判定しているが、球発射台552b(発射レール)への遊技球Bの供給時の球あばれや、発射後の発射槌555の先端による発射球以外での誤検知の懸念がある。
これに対して、本実施形態では、球発射台552bに遊技球Bが停留していることに着目し、まずは球発射台552bにおいて遊技球Bが有るか否かの判定をして、遊技球Bが無くなると発射した判定するようにしている。つまり、ON(遊技球有り)判定してから、OFF(遊技球無し=発射)するようにしている。具体的には、ONとOFFを認識するための閾値(例えば、ONの閾値が80ms、OFFの閾値が80ms)を設け、ONの閾値を越えた時に初めて「遊技球有り」とし、そこからOFFの閾値を越えると遊技球Bが発射された(「遊技球無し」)と認識して、持ち球数を減算する。これにより、遊技球のチャタリングやノイズでの誤動作を防止することができる。なお、上記の閾値としては、割込み周期(例えば、4ms)の整数倍が望ましい。
発射槌555は、遊技球Bを打撃して発射するためのものである。発射槌555は、発射ソレノイド553の回転軸553aに取付けられ、回転軸553aと一緒に回転(回動)する。発射槌555の先端は、球発射台552bと発射台上方壁部552dとの間を通って、球発射台552bに載置されている遊技球Bに対して当接可能に設けられている。
ところで、球発射ユニット550の量産化に当たり、遊技球Bの発射精度を担保するためには、発射槌555の先端の挿入角度、球発射台552b(発射レール)の取付角度、球発射ユニット550への組立て後の発射槌555の先端位置調整、等全てがシビアな値での調整が必要となり、量産化の難易度が高かった。そこで、本実施形態では、発射精度の決定方法を、従来の発射レールへの遊技球Bの当たり方と、発射レールの形状と、による担保から、発射槌555と遊技球Bとの接触のみを担保するように変更した。この変更では、発射精度が、発射槌555の単体での先端の精度がより重要となるため、発射槌555の先端を、板金インサート成形により形成すると共に、発射槌555の先端における遊技球Bとの接触面積を従来よりも多くするようにしている。これにより、発射精度の安定性を確保することができると共に、多少の組付け誤差も許容することができ、球発射ユニット550を量産化することができる。
ナット556は、発射ソレノイド553の回転軸553aに螺合されるものである。スペーサ557は、発射ソレノイド553の回転軸553aが挿入されるものである。発射ソレノイド553の回転軸553aが、後方からスペーサ557、発射槌555の順に挿通され、発射槌555から前方へ突出している先端にナット556が螺合されて締め付けられることにより、発射槌555が取付けられる。
当ゴム558は、発射槌555における回転範囲(回動範囲)を規制するようにユニットベース551に取付けられている。
本実施形態の球発射ユニット550によれば、球発射台552bにおいて遊技球Bが1個のみ載置されるようにしていると共に、発射減算センサ554により球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを検知するようにしているため、遊技球Bの発射を1個ずつ確実に検知することができる。
また、球発射ユニット550によれば、発射ユニットカバー552を透明な合成樹脂により形成しているため、本体枠4に対して扉枠3を開くことで、前方から球発射ユニット550の内部を確認することができる。この発射ユニットカバー552を透明としていることで、内部に光が入射してフォトセンサからなる発射減算センサ554において誤検知が発生する恐れがあるが、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態では、前方からの光が扉枠3によって遮られ、後方からの光が金属板からなるユニットベース551に遮られ、更に、上方からの光は黒色不透明の本体枠ベース501における庇部501pによって遮られるため、内部に光が入射することはなく、発射減算センサ554での光による誤検知が防止されている。
また、本実施形態で開示しているパチンコ機1(循環式遊技機)は、発射完了をした後に初めて持ち球を減算する仕様となっている。このため、従来の循環式遊技機で採用されていた発射前に球送りをトリガとして持ち球を減算する方式と比べ、遊技を清算する際に、発射せずに発射レールに残った遊技球B(持ち球減算済)を、遊技者に返却するために自動的に空打ちしてファール球とし、持ち球を加算してつじつまを合わせる必要がなく、迅速な清算処理を行うことができる。
更に、球発射ユニット550によれば、発射減算センサ554を斜めに取付けているため、発射減算センサ554の検知面にゴミや塵等を載り難くすることができると共に、発射減算センサ554にゴミ等が付着しても、発射ユニットカバー552の窓部552iから綿棒のような清掃具を挿入して検知面を容易に清掃することができ、ゴミ等の付着による誤検知(誤作動)を簡単に解消させることができる。
また、球発射ユニット550によれば、窓部552iを、発射槌555の先端を清掃可能な部位にも設けているため、当該部位の窓部552iから清掃具を挿入することで、発射槌555の先端を容易に清掃することができ、ゴミ等の付着による遊技球Bの発射のバラツキを解消させることができる。
[4-3.ファールユニット]
本体枠4におけるファールユニット570について、主に図29乃至図31を参照して詳細に説明する。図29(a)は本体枠におけるファールユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠におけるファールユニットを後ろから見た斜視図である。図30(a)はファールユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図31(a)はファールユニットの側面断面においてファールシャッターを閉じた状態で示す説明図であり、(b)はファールユニットの側面断面においてファールシャッターを開いた状態で示す説明図である。
ファールユニット570は、球発射ユニット550により発射されて遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に打ち込まれたものの、遊技領域5aには打ち込まれなかった遊技球B、球発射ユニット550により発射されたものの発射強度が弱すぎて遊技盤5(外レール1001と内レール1002との間)にたどり着かなかった遊技球B、等を回収するためのものである。ファールユニット570は、上面において開口しているファール上開口部570aと、右側面において開口しているファール右開口部570bと、ファール上開口部570a及びファール右開口部570bと連通しており下端において後方へ向かって開口しているファール球出口570cと、を有している。
ファールユニット570は、本体枠ベース501のベース壁部501bの前面上部における左右方向中部分に設けられているファールユニット取付部501hに取付けられる。ファールユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、上端がベース壁部501bの上端と略同じ高さであり、ファール右開口部570bが球発射ユニット550の球発射口550b及び球排出口550cにより閉鎖されている。つまり、本体枠4に組立てた状態では、ファール右開口部570bが、球発射口550bと球排出口550cとに連通している。ファール上開口部570a及びファール右開口部570bは、後述するユニットベース572と前カバー573とにより形成され、球排出口550cは、ユニットベース572に形成されている。
ファールユニット570は、ファール上開口部570aを遊技球Bが通過不能に開閉可能なファールシャッター571と、本体枠ベース501のベース壁部501bに取付けられるユニットベース572と、ユニットベース572の前面側に取付けられている前カバー573と、ファールシャッター571の後部を覆うようにユニットベース572の後側に取付けられている後カバー574と、ファールシャッター571を前方へ付勢しているバネ575と、を備えている。
ファールシャッター571は、ユニットベース572と前カバー573とが協働することで前後方向へスライド可能に支持されている。ファールシャッター571は、左右に長い帯板状のシャッター部571aと、シャッター部571aの左右両端から夫々が前方へ突出している二つの前方突出部571bと、シャッター部571aの後端辺から下方へ延出している平板状の後壁部571cと、を有している。
ファールシャッター571は、シャッター部571aによってファール上開口部570aを遊技球Bが通過不能に閉鎖することができる。二つの前方突出部571bは、前端が前カバー573よりも前方へ突出するように設けられていると共に、扉枠3における扉枠本体100の後面が当接可能に設けられている。後壁部571cは、後面にバネ575の前端が当接する。
ユニットベース572は、左右に長く右端付近において下方へ延出している部位を有するL字状に形成されている。ユニットベース572は、上辺に沿って左右に延びていると共に後方へ向かって凹んでいるシャッター収容部572aと、シャッター収容部572aの下方において左右に延びていると共に右端が下方へ延出しており、後方へ向かって凹んでいる球誘導部572bと、球誘導部572bの下端から角筒状に後方へ延出している筒部572cと、球誘導部572bの下端から前方へ平板状に延出している受部572dと、を有している。
ユニットベース572のシャッター収容部572aは、前方からファールシャッター571及びバネ575が収容される。ユニットベース572における球誘導部572bの左右に延びている部位は、右方へ低くなるように傾斜している。ユニットベース572の筒部572cは、後方へ低くなるように傾斜しており、後端の開口がファール球出口570cである。
ユニットベース572の受部572dは、後端側が低くなるように傾斜している。この受部572dの右端縁は、ファール右開口部570bの下端縁を構成している。受部572dは、右端縁がファール右開口部570bの下端縁を構成しており、ファール右開口部570bの下端を含む下部は球発射ユニット550における球排出口550cと連通していることから、球発射台552bから落下するなどして球排出口550cから排出されてファール右開口部570bを通った遊技球Bは、受部572d上へ流下することとなり、受部572dにより後方へ案内されて、筒部572cを通ってファール球出口570cから後方へ排出されることとなる。なお、ファールシャッター571が閉じている状態で、球発射ユニット550から発射されファール右開口部570bを通ってファールシャッター571の裏面(下面)に当接した遊技球Bは、前カバー573の下壁部573cにより後方の球誘導部572bに送られ、受部572dの後方を通って筒部572cを介してファール球出口570cから排出される。
また、ユニットベース572は、球誘導部572bにおける左右に延びている部位の底壁の右端付近において前方から凹んでいる切欠部572eを、有している。この切欠部572eは、遊技球Bの流通を妨げない大きさに形成されており、ファール上開口部570aから球誘導部572b内に侵入したゴミ等を下方へ排出させることができる。
前カバー573は、左右に長く右端付近において下方へ延出している部位を有するL字状で平板状の前板573aと、前板573aの左端縁から後方へ延出している左壁部573bと、左壁部573bの下端から前板573aの下端縁に沿って右方へ延出していると共に後方へ延出している下壁部573cと、下壁部573cの右端から前板573aにおける下方へ延出している部位の左端縁に沿って下方へ延出していると共に後方に延出している垂下壁部573dと、前板573aの右上端から後方へ延出している右壁部573fと、を備えている。
前板573aの上端縁及び右端縁は、ファール上開口部570a及びファール右開口部570bの前端縁を構成している。左壁部573bの上端の右端縁は、ファール上開口部570aの左端縁を、右壁部573fの上端の左端縁は、ファール上開口部570aの右端縁を、夫々構成している。右壁部573fの下端縁は、ファール右開口部570bの上端縁を、夫々構成している。
前カバー573は、下壁部573cがファール上開口部570aの下方に位置している。この前カバー573の下壁部573cは、左方へ低くなるように緩く傾斜していると共に、後方へ低くなるように傾斜している。これにより、ファール球として上方から落下してきた遊技球Bの衝撃をまともに受けることはなく、その衝撃を逃がしつつ遊技球Bを後方に設けられているユニットベース572の球誘導部572bに受け渡すことができる。そして、球誘導部572bに受け渡された遊技球Bは、球誘導部572bの右端の下端から筒部572cを通ってファール球出口570cから後方へ排出されることとなる。
バネ575は、左右に離隔して二つ設けられており、ユニットベース572における箱状のシャッター収容部572aの内部に配置される。バネ575は、前端がファールシャッター571における後壁部571cの後面に当接していると共に、後端がシャッター収容部572aの後壁の前面に当接している。バネ575は、ファールシャッター571を前方へ付勢している。
このファールユニット570は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体枠4のベース壁部501bの前面における左右方向中央付近の上部に設けられているファールユニット取付部501hに取付けられている。この状態では、ファールユニット570の右側に球発射ユニット550が隣接して取付けられている。
そして、図21に示すように、ファールユニット570のファール上開口部570aは、ベース壁部501bの上端付近に位置していると共に、球発射ユニット550における遊技球Bの発射方向の軸線上に位置している。換言すると、ファール上開口部570aは、遊技盤5における外レール1001と内レール1002の間の下端の開口部分と、球発射ユニット550の球発射口550bと、の間の部位に設けられている。
一方、ファールユニット570のファール右開口部570bは、その上部が球発射ユニット550の球発射口550bと連通していると共に、下部が球発射ユニット550の球排出口550cと連通している。従って、遊技盤5における外レール1001と内レール1002の間の下端の開口部分と、球発射ユニット550の球発射口550bと、の間の部位には、ファール上開口部570aとファール右開口部570bとが設けられている。これにより、球発射ユニット550の球発射口550bから発射された遊技球Bは、ファール右開口部570bからファールユニット570内に進入した上で、ファール上開口部570aを通って遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に進入することとなる。
本実施形態のファールユニット570は、本体枠4に対して扉枠3を前方へ開いた状態にすると、図34(a)に示すように、ファールシャッター571がバネ575の付勢力により前方へスライドし、ファールシャッター571のシャッター部571aが、ユニットベース572の前面と前カバー573の前板573aとの間に突出して、ファール上開口部570aを遊技球Bが通過不能に閉鎖している。つまり、ファールシャッター571が閉位置の状態となっている。この状態では、ファールシャッター571における前方突出部571bの後端に設けられている段の部分が、前カバー573に当接しており、これ以上前方へスライドすることはない。
ファールシャッター571が閉位置の状態で、球発射ユニット550から遊技球Bが発射されると、発射された遊技球Bは、ファール右開口部570bからファールユニット570内に進入した上で、ファールシャッター571のシャッター部571aの下面に当接し、ファール上開口部570aを通って上方へ打ち出されることなくファールユニット570内を流下することとなる。ファールユニット570内を流下した遊技球Bは、下壁部573c、球誘導部572b、筒部572c、等に案内されて、後側のファール球出口570cから循環球経路ユニット600に供給される。これにより、扉枠3を開いている時に、遊技球Bが発射されても、ファールユニット570から遊技球Bが外部へ漏れることはない。
なお、扉枠3を本体枠4に対して開くと、扉開放スイッチ507がOFFになるため、扉開放スイッチ507のOFFにより球発射ユニット550から遊技球Bの発射を停止させるようにしても良い。或いは、扉枠3を開いた時には、遊技球Bの発射を停止させるのではなく、主制御基板1310による遊技一時停止とし、扉枠3を閉じると遊技再開とするようにしても良い。
また、本体枠4を外枠2に対して開いた(枠開放スイッチ508がOFF)時には、扉枠3が閉じられており遊技球Bが外部へ漏れることはないため、球発射ユニット550からの遊技球Bの発射を停止させないようにしても良い。或いは、本体枠4を開いた時に、上記の扉枠3を開いた時と同じ処理を行うようにしても良い。
本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態にすると、扉枠3の後面がファールシャッター571における二つの前方突出部571bの前端に当接し、バネ575の付勢力に抗してファールシャッター571が後方へスライドした状態となる(図34(b)を参照)。この状態では、ファールシャッター571のシャッター部571aがユニットベース572の前面よりも後方に位置しており、ファール上開口部570aを遊技球Bが通過可能に開口している。つまり、ファールシャッター571が開位置の状態となっている。
ファールシャッター571が開位置の状態で、球発射ユニット550から遊技球Bが発射されると、発射された遊技球Bは、ファール右開口部570bからファールユニット570内に進入した上で、ファール上開口部570aを通って上方の遊技盤5側(外レール1001と内レール1002との間)へ打ち出されることとなる。そして、打ち出された遊技球Bが内レール1002の上端に設けられている逆流防止部材1007を越えることで、遊技球Bが遊技領域5a内に打ち込まれることとなる。
なお、球発射ユニット550から発射されたものの、内レール1002の上端の逆流防止部材1007を越えなかった遊技球B(遊技領域内に打ち込まれなかった遊技球B)は、外レール1001と内レール1002との間を流下してファール球としてファール上開口部570aから進入してファールユニット570により回収される。ファール上開口部570aを通って回収された遊技球Bは、下壁部573c、球誘導部572b、筒部572c、等に案内されて、後側のファール球出口570cから循環球経路ユニット600に排出(供給)される。
また、ファールユニット570では、球発射ユニット550の球排出口550cから排出された遊技球Bを、ファール右開口部570bの下部において受け取る。ファール右開口部570bの下部からファールユニット570内に進入した遊技球Bは、受部572d上に流下し、受部572dの傾斜により後方へ案内されてファール球出口570cから循環球経路ユニット600へ排出される。
このように、ファールユニット570によれば、球発射ユニット550から発射されたにも関わらず遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれなかった遊技球Bを外部へ漏らすことなく回収して、循環球経路ユニット600へ供給することができる。そして、詳細は後述するが、循環球経路ユニット600では、ファール球出口570cから供給された遊技球Bをファール球センサ607により検知する。このファール球センサ607により遊技球Bが検知されると、遊技者の持ち球数を1個加算する。
また、ファールユニット570では、ユニットベース572、前カバー573、等が透明に合成樹脂によって形成されているため、外部から内部を視認することができ、内部での球詰まりを発見し易い。
[4-3a.第二実施形態のファールユニット]
次に、第二実施形態のファールユニット570Aについて、主に図32乃至図34を参照して詳細に説明する。図32(a)は第二実施形態のファールユニットを前から見た斜視図であり、(b)は第二実施形態のファールユニットを後ろから見た斜視図である。図33(a)は第二実施形態のファールユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第二実施形態のファールユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図34(a)は第二実施形態のファールユニットの側面断面においてファールシャッターを閉じた状態で示す説明図であり、(b)は第二実施形態のファールユニットの側面断面においてファールシャッターを開いた状態で示す説明図である。
ファールユニット570Aは、球発射ユニット550により発射されて遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に打ち込まれたものの、遊技領域5aには打ち込まれなかった遊技球B、球発射ユニット550により発射されたものの発射強度が弱すぎて遊技盤5(外レール1001と内レール1002との間)にたどり着かなかった遊技球B、等を回収するためのものである。ファールユニット570Aは、上面において開口しているファール上開口部570aと、右側面において開口しているファール右開口部570bと、ファール上開口部570a及びファール右開口部570bと連通しており下端において後方へ向かって開口しているファール球出口570cと、を有している。
ファールユニット570Aは、本体枠ベース501のベース壁部501bの前面上部における左右方向中部分に設けられているファールユニット取付部501hに取付けられる。ファールユニット570Aは、本体枠4に組立てた状態で、上端がベース壁部501bの上端と略同じ高さであり、ファール右開口部570bが球発射ユニット550の球発射口550b及び球排出口550cにより閉鎖されている。つまり、本体枠4に組立てた状態では、ファール右開口部570bが、球発射口550bと球排出口550cとに連通している。ファール上開口部570a及びファール右開口部570bは、後述するユニットベース572と前カバー573とにより形成され、球排出口550cは、ユニットベース572に形成されている。
ファールユニット570Aは、ファール上開口部570aを遊技球Bが通過不能に開閉可能なファールシャッター571と、本体枠ベース501のベース壁部501bに取付けられるユニットベース572と、ユニットベース572の前面側に取付けられている前カバー573と、ファールシャッター571の後部を覆うようにユニットベース572の後側に取付けられている後カバー574と、ファールシャッター571を前方へ付勢しているバネ575と、ユニットベース572と前カバー573との間に設けられているファール球アース板金576と、を備えている。
ファールシャッター571は、ユニットベース572と前カバー573とが協働することで前後方向へスライド可能に支持されている。ファールシャッター571は、左右に長い帯板状のシャッター部571aと、シャッター部571aの左右両端から夫々が前方へ突出している二つの前方突出部571bと、シャッター部571aの後端辺から下方へ延出している平板状の後壁部571cと、を有している。
ファールシャッター571は、シャッター部571aによってファール上開口部570aを遊技球Bが通過不能に閉鎖することができる。二つの前方突出部571bは、前端が前カバー573よりも前方へ突出するように設けられていると共に、扉枠3における扉枠本体100の後面が当接可能に設けられている。後壁部571cは、後面にバネ575の前端が当接する。
ユニットベース572は、左右に長く右端付近において下方へ延出している部位を有する偏T字状で平板状の本体部572fと、本体部572fの上端付近において前後に貫通していると共に左右に延出しているシャッター挿通口572gと、本体部572fにおける下方へ延出している部位よりも左側の下端縁に沿って設けられており前後に貫通している複数の後支持口572hと、を有している。
ユニットベース572には、本体部572fにおける下方へ延出している部位の下端付近において、前後に貫通し角筒状に後方へ延出しているファール球出口570cが設けられている。筒状のファール球出口570cは、後方へ低くなるように傾斜している。
本体部572fは、下方へ延出している部位よりも左側の部位の下端縁が、右方へ低くなるように傾斜している。シャッター挿通口572gは、ファールシャッター571のシャッター部571aと前方突出部571bとが挿通可能な大きさに設けられている。複数の後支持口572hは、夫々が右方へ低くなるように左右に長く設けられており、本体部572fの傾斜している下端縁に沿って列設されている。後支持口572hは、ファール球アース板金576の支持片576aが隙間を有した状態で挿入されるように設けられている。
前カバー573は、左右に長く右端付近において下方へ延出している部位を有する偏T字状で平板状の前板573aと、前板573aの左端縁から後方へ延出している左壁部573bと、左壁部573bの下端から前板573aの下端縁に沿って右方へ延出していると共に後方へ延出している下壁部573cと、下壁部573cの右端から前板573aにおける下方へ延出している部位の左端縁に沿って下方へ延出していると共に後方に延出している垂下壁部573dと、垂下壁部573dの下端から前板573aにおける下方へ延出している部位の下端縁に沿って右方へ延出していると共に後方に延出している底壁部573eと、前板573aの右上端から後方へ延出している右壁部573fと、を備えている。
前板573aの上端縁及び右端縁は、ファール上開口部570a及びファール右開口部570bの前端縁を構成している。左壁部573bの上端の右端縁は、ファール上開口部570aの左端縁を、右壁部573fの上端の左端縁は、ファール上開口部570aの右端縁を、夫々構成している。右壁部573fの下端縁は、ファール右開口部570bの上端縁を、底壁部573eの右端縁は、ファール右開口部570bの下端縁を、夫々構成している。
前カバー573は、下壁部573cがファール上開口部570aの下方に位置しており、ファール上開口部570aを通して流下してきた遊技球Bを右方へ案内した後に、垂下壁部573dに沿って底壁部573e上に流下させることができる。この底壁部573eは、ファール球出口570cの前方となる部位が後方へ低くなるように傾斜していると共に、当該部位よりも右側の部位が右方へ高くなるように傾斜している。従って、底壁部573eに流下してきた遊技球Bは、後方へ案内されてファール球出口570cから後方へ排出されることとなる。また、底壁部573eは、右端縁がファール右開口部570bの下端縁を構成していることから、ファール右開口部570bから進入した遊技球Bは、底壁部573e上へ流下することとなり、底壁部573eに案内されてファール球出口570cから後方へ排出されることとなる。
また、前カバー573は、前板573aにおいて、下壁部573cに沿って左右に列設されており、前後に貫通している複数の前支持口573gを備えている。複数の前支持口573gは、ユニットベース572の後支持口572hと向かい合うように設けられている。また、前支持口573gは、ファール球アース板金576の支持片576aが隙間を有した状態で挿入されるように設けられている。
後カバー574は、前方が解放された箱状に形成されている。後カバー574の内部には、ファールシャッター571の後部が挿入されると共に、バネ575が配置される。後カバー574の後壁の前面には、バネ575の後端が当接する。
バネ575は、左右に離隔して二つ設けられており、箱状の後カバー574の内部に配置される。バネ575は、前端がファールシャッター571における後壁部571cの後面に当接していると共に、後端が後カバー574の後壁の前面に当接している。バネ575は、ファールシャッター571を前方へ付勢している。
ファール球アース板金576は、鉄板のような金属板により形成されており、最終的に図示しないアース線を介して遊技ホールのアースに接続されている。ファール球アース板金576は、左右に長い帯板状に形成されており、前後の長辺から複数の支持片576aが外方へ延出している。ファール球アース板金576は、前カバー573における下壁部573cの上面に載置されると共に、複数の支持片576aが、ユニットベース572の後支持口572h、及び、前カバー573の前支持口573g、に対して遊びを有した状態で挿入される。
これにより、ファール上開口部570aを通して下壁部573cへ向かって流下してきた遊技球Bは、ファール球アース板金576に接触して帯電している静電気が除去された状態で右方へ案内される。この際に、支持片576aが、後支持口572h及び前支持口573gに遊嵌されているため、遊技球Bの接触により、ファール球アース板金576が振動すると共に、その振動によりファール球アース板金576上の塵やゴミが、遊嵌されている後支持口572h及び前支持口573gの隙間を通して外部に排出される。なお、このファール球アース板金576は、落下してくる遊技球Bに対する補強も兼ねている。
このファールユニット570Aは、パチンコ機1に組立てた状態で、本体枠4のベース壁部501bの前面における左右方向中央付近の上部に設けられているファールユニット取付部501hに取付けられている。この状態では、ファールユニット570Aの右側に球発射ユニット550が隣接して取付けられている。
そして、第一実施形態のファールユニット570と同様に、ファールユニット570Aのファール上開口部570aは、ベース壁部501bの上端付近に位置していると共に、球発射ユニット550における遊技球Bの発射方向の軸線上に位置している。換言すると、ファール上開口部570aは、遊技盤5における外レール1001と内レール1002の間の下端の開口部分と、球発射ユニット550の球発射口550bと、の間の部位に設けられている。
一方、ファールユニット570Aのファール右開口部570bは、その上部が球発射ユニット550の球発射口550bと連通していると共に、下部が球発射ユニット550の球排出口550cと連通している。従って、遊技盤5における外レール1001と内レール1002の間の下端の開口部分と、球発射ユニット550の球発射口550bと、の間の部位には、ファール上開口部570aとファール右開口部570bとが設けられている。これにより、球発射ユニット550の球発射口550bから発射された遊技球Bは、ファール右開口部570bからファールユニット570A内に進入した上で、ファール上開口部570aを通って遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に進入することとなる。
本実施形態のファールユニット570Aは、本体枠4に対して扉枠3を前方へ開いた状態にすると、図34(a)に示すように、ファールシャッター571がバネ575の付勢力により前方へスライドし、ファールシャッター571のシャッター部571aが、ユニットベース572の前面と前カバー573の前板573aとの間に突出して、ファール上開口部570aを遊技球Bが通過不能に閉鎖している。つまり、ファールシャッター571が閉位置の状態となっている。この状態では、ファールシャッター571の後壁部571cがユニットベース572の本体部572fの後面に当接しており、これ以上前方へスライドすることはない。
ファールシャッター571が閉位置の状態で、球発射ユニット550から遊技球Bが発射されると、発射された遊技球Bは、ファール右開口部570bからファールユニット570A内に進入した上で、ファールシャッター571のシャッター部571aの下面に当接し、ファール上開口部570aを通って上方へ打ち出されることなくファールユニット570A内を流下することとなる。ファールユニット570A内を流下した遊技球Bは、下壁部573c(ファール球アース板金576)、垂下壁部573d、底壁部573e、等に案内されて、後側のファール球出口570cから循環球経路ユニット600に供給される。これにより、扉枠3を開いている時に、遊技球Bが発射されても、ファールユニット570Aから遊技球Bが外部へ漏れることはない。
なお、扉枠3を本体枠4に対して開くと、扉開放スイッチ507がOFFになるため、扉開放スイッチ507のOFFにより球発射ユニット550から遊技球Bの発射を停止させるようにしても良い。或いは、扉枠3を開いた時には、遊技球Bの発射を停止させるのではなく、主制御基板1310による遊技一時停止とし、扉枠3を閉じると遊技再開とするようにしても良い。
また、本体枠4を外枠2に対して開いた(枠開放スイッチ508がOFF)時には、扉枠3が閉じられており遊技球Bが外部へ漏れることはないため、球発射ユニット550からの遊技球Bの発射を停止させないようにしても良い。或いは、本体枠4を開いた時に、上記の扉枠3を開いた時と同じ処理を行うようにしても良い。
本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態にすると、扉枠3の後面がファールシャッター571における二つの前方突出部571bの前端に当接し、バネ575の付勢力に抗してファールシャッター571が後方へスライドした状態となる(図34(b)を参照)。この状態では、ファールシャッター571のシャッター部571aがユニットベース572の前面よりも後方に位置しており、ファール上開口部570aを遊技球Bが通過可能に開口している。つまり、ファールシャッター571が開位置の状態となっている。
ファールシャッター571が開位置の状態で、球発射ユニット550から遊技球Bが発射されると、発射された遊技球Bは、ファール右開口部570bからファールユニット570A内に進入した上で、ファール上開口部570aを通って上方の遊技盤5側(外レール1001と内レール1002との間)へ打ち出されることとなる。そして、打ち出された遊技球Bが内レール1002の上端に設けられている逆流防止部材1007を越えることで、遊技球Bが遊技領域5a内に打ち込まれることとなる。
なお、球発射ユニット550から発射されたものの、内レール1002の上端の逆流防止部材1007を越えなかった遊技球B(遊技領域内に打ち込まれなかった遊技球B)は、外レール1001と内レール1002との間を流下してファール球としてファール上開口部570aから進入してファールユニット570Aにより回収される。ファール上開口部570aを通って回収された遊技球Bは、下壁部573cの上面に載置されているファール球アース板金576上に流下し、ファール球アース板金576により静電気が除去される。この際に、ファール球アース板金576は遊嵌されているため、遊技球Bが当接することで振動し、その振動によりファール球アース板金576上の塵やゴミ等が後支持口572hや前支持口573gからファールユニット570A外へ排出される。
ファール球アース板金576(下壁部573c)上に流下した遊技球Bは、その傾斜により右方へ案内され、垂下壁部573dに沿って底壁部573e上に流下し、底壁部573eの傾斜により後方へ案内されてファール球出口570cから循環球経路ユニット600へ排出される。
また、ファールユニット570Aでは、球発射ユニット550の球排出口550cから排出された遊技球Bを、ファール右開口部570bの下部において受け取る。ファール右開口部570bの下部からファールユニット570A内に進入した遊技球Bは、底壁部573e上に流下し、底壁部573eの傾斜により後方へ案内されてファール球出口570cから循環球経路ユニット600へ排出される。
このように、ファールユニット570Aによれば、球発射ユニット550から発射されたにも関わらず遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれなかった遊技球Bを外部へ漏らすことなく回収して、循環球経路ユニット600へ供給することができる。そして、詳細は後述するが、循環球経路ユニット600では、ファール球出口570cから供給された遊技球Bをファール球センサ607により検知する。このファール球センサ607により遊技球Bが検知されると、遊技者の持ち球数を1個加算する。
また、ファールユニット570Aでは、ユニットベース572、前カバー573、後カバー574、等が透明に合成樹脂によって形成されているため、外部から内部を視認することができ、内部での球詰まりを発見し易い。
[4-3b.第三実施形態のファールユニット]
続いて、第三実施形態のファールユニット570について説明する。第三実施形態のファールユニット570は、ファールシャッター571の開閉機構が異なるのみで、他の構成は上記のファールユニット570と同じである。第三実施形態のファールユニット570は、図示省略するが、ファールシャッター571を開閉するためのモータやソレノイドのような電動アクチュエータが設けられている。
この実施形態では、本体枠4に対して扉枠3を開くことで扉開放スイッチ507がOFFになると、電動アクチュエータによりファールシャッター571が閉位置へスライドする。これにより、扉枠3を開けた状態で球発射ユニット550から遊技球Bが発射されても、ファール上開口部570aから遊技球Bが外部へ飛び出すことはない。
そして、扉枠3を閉じて扉開放スイッチ507がONになると、電動アクチュエータによりファールシャッター571が開位置へスライドして、球発射ユニット550から発射された遊技球Bを、ファール上開口部570aを通って遊技盤5側へ打ち込むことが可能となる。
なお、本体枠4を外枠2に対して開くことで枠開放スイッチ508がOFFになった時にも、電動アクチュエータによりファールシャッター571が閉位置へスライドするようにしても良い。この場合、枠開放スイッチ508によるファールシャッター571の開閉処理を、上記の扉開放スイッチ507による開閉処理と同じにすると、ソフトウエアにかかる構成を簡単にすることができる。
また、扉枠3の開放と本体枠4の開放の何れも検知可能な開放スイッチ(図示は省略)を設けて、電動アクチュエータによりファールシャッター571を開閉させるようにしても良く、開閉にかかる機構を簡単なものにすることができる。
[4-4.循環球経路ユニット]
本体枠4における循環球経路ユニット600について、主に図35乃至図42等を参照して詳細に説明する。図35(a)は本体枠における循環球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における循環球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。図36は循環球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図37は循環球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図38(a)は循環球経路ユニットにおける球蛇行部材及び球抜シャッターのみを示す平面図であり、(b)は循環球経路ユニットにおける球蛇行部材及び球抜シャッターのみを示す前から見た斜視図である。図39(a1)は閉位置の球抜シャッター及び球蛇行部材を球受トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(a2)は(a1)における球抜シャッターの部位のみを底面から示す説明図であり、(b1)は開位置の球抜シャッター及び球蛇行部材を球受トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(b2)は(b1)における球抜シャッターの部位のみを底面から示す説明図である。
また、図40(a)は循環球経路ユニットをアウト球センサの部位で切断して正面断面で示す説明図であり、(b)は循環球経路ユニットをセーフ球センサの部位で切断して正面断面で示す説明図である。図41(a)は循環球経路ユニットの蛇行カバーを外した状態で外枠と共に本体枠の下部を拡大して示す前から見た斜視図であり、(b)は循環球経路ユニットの蛇行カバーを外した状態で外枠と共に本体枠の下部を拡大して示す後ろから見た斜視図である。図42は、循環球経路ユニットにおける球蛇行部材、蛇行カバー、球抜シャッター、及びゲージ部を示す平面図である。
循環球経路ユニット600は、遊技盤5から排出された遊技球B及びファールユニット570により回収された遊技球Bを、複数貯留すると共に、貯留している遊技球Bを、球揚上ユニット650を介して球発射ユニット550側へ送るためのものである。循環球経路ユニット600は、本体枠ベース501のベース壁部501bの後面に設けられている循環球経路ユニット取付部501lに取付けられる。
循環球経路ユニット600は、左右に長く上方へ向かって開口しているアウト球受口600aと、アウト球受口600aの後方に設けられ左右に長く上方へ向かって開口しているセーフ球受口600bと、前面において開口しているファール球受口600cと、下端付近において右方へ向かって開口している球放出口600dと、を有している。アウト球受口600a及びセーフ球受口600bは、前後方向の奥行が遊技球Bの直径よりもやや広く形成されており、左右方向には複数の遊技球Bが通過可能に形成されている。ファール球受口600c及び球放出口600dは、遊技球Bが一つずつ通過可能な大きさに形成されている。
アウト球受口600aには、遊技盤5のアウト口に受入れられた遊技球B(アウト球)が受けられる。セーフ球受口600bには、遊技盤5の一般入賞口、始動口、大入賞口、等の入賞口に受入れられた遊技球B(セーフ球)が受けられる。ファール球受口600cには、ファールユニット570のファール球出口570cから排出された遊技球B(ファール球)が受けられる。球放出口600dは、アウト球受口600a、セーフ球受口600b、ファール球受口600c、に受けられて内部に貯留された遊技球Bを放出して球揚上ユニット650に受け渡すものである。
また、循環球経路ユニット600は、アウト球受口600aに受けられた遊技球Bが流通するアウト球通路601と、セーフ球受口600bに受けられた遊技球Bが流通するセーフ球通路602と、ファール球受口600cに受けられた遊技球Bが流通するファール球通路603と、アウト球通路601、セーフ球通路602、及びファール球通路603、の夫々の下流端と連通しており下流端が球放出口600dとされている球貯留通路604と、を有している。
更に、循環球経路ユニット600は、アウト球通路601を流通している遊技球B(アウト球)を一つずつ検知するアウト球センサ605と、セーフ球通路602を流通している遊技球B(セーフ球)を一つずつ検知するセーフ球センサ606と、ファール球通路603を流通している遊技球B(ファール球)を一つずつ検知するファール球センサ607と、を有している。セーフ球センサ606は、従来のパチンコ機で言う全入賞口センサと言う意味があり、全ての入賞口の入賞個数の合計と比較することによって不正入賞の判定に使うことが可能である。
循環球経路ユニット600は、平板状の球受前板610と、球受前板610の後側に取付けられている球受前部材611と、球受前部材611の後側に取付けられている球受後部材612と、を備えている。球受前板610、球受前部材611、球受後部材612、の下方に球貯留通路604が設けられている。
また、循環球経路ユニット600は、球受前板610、球受前部材611、球受後部材612、の下方に設けられており上方へ開放されている球蛇行部材613と、球蛇行部材613の上方を覆っている蛇行カバー614と、球蛇行部材613から遊技球Bを排出するための球抜シャッター615と、球抜シャッター615に取付けられている磁石616と、球受前部材611の後側に取付けられている循環球経路中継基板617と、蛇行カバー614に設けられているゲージ部620と、を備えている。
球受前板610は、左右に延出しており、左右方向中央の下部付近において前後に貫通しているファール球受口600cが設けられている。
球受前部材611は、上面において、球受前板610と協働してアウト球受口600aを形成している。球受前部材611には、アウト球通路601及びファール球通路603が、前方へ開放された状態で形成されており、球受前板610が取付けられることによりそれらの前方側が閉鎖される。アウト球通路601は、その下流端が、球受前部材611の左端下部において下方へ向かって開口している。アウト球通路601の下流端の開口は、セーフ球通路602の下流端の開口の前方に位置している。ファール球通路603は、その下流端が、球受前部材611においてアウト球通路601の下流端よりも右下の部位で下方へ向かって開口している。
球受前部材611は、アウト球受口600aの左端縁を形成している垂直壁の途中から左右方向中央付近まで右方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト球受板部上611aと、アウト球受口600aの右端縁を形成している垂直壁におけるアウト球受板部上611aよりも下方の部位からアウト球受口600aの左端縁の下方付近まで左方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト球受板部下611bと、アウト球受板部下611bの左端から遊技球Bが一列で流通可能な幅で左下へ向かってクランク状に延出しているクランク部611cと、を有している。
アウト球受板部上611aの右端と、アウト球受板部下611bとの間の高さは、遊技球Bの直径の2倍ほどであり、それにより左側におけるアウト球受板部下611bの高さは、左方へ向かうほど低くなるように形成されている。これにより、アウト球受口600aに受けられた遊技球Bを1段に整列させることができる。
クランク部611cにおけるアウト球受板部下611bの下流端の直下となる垂直に延出している部位に、アウト球センサ605が取付けられている。
球受前部材611では、アウト球受板部上611a、アウト球受板部下611b、クランク部611c、等によってアウト球通路601を構成している。従って、アウト球通路601は、上流側が多くの遊技球Bを受入可能に広く形成されており、受入れられた遊技球Bを一列に整列させて下流の球貯留通路604(球蛇行部材613)へ受け渡すようにしている。
また、球受前部材611において、ファール球通路603は、アウト球受板部上611aの下方、且つ、アウト球受板部下611bの下方の部位で、ファール球受口600cの後方の部位からアウト球受板部下611bの左端よりも右側の部位まで左方へ向かって低くなるように傾斜した後に、下方へ向かって短く延出している。球受前部材611では、ファール球通路603における左方へ延出している部位にファール球センサ607が取付けられている。このファール球通路603は、遊技球bが一列で流通するように形成されており、ファール球通路603を流通した遊技球Bは、球貯留通路604(球蛇行部材613)におけるアウト球通路601から受け渡される部位よりも下流の部位に受け渡される。
球受前部材611は、アウト球受板部上611aの前端縁、アウト球受板部下611bの前端縁、及び、ファール球通路603を形成し左右に延出している底壁の前端縁、に遊技球Bの流通を妨げない大きさで凹んでいる凹部611dが設けられている。この凹部611dにより、アウト球通路601内やファール球通路603内の塵やゴミ等を外部に排出可能としている。
また、球受前部材611は、後面におけるファール球通路603の後方の部位に、循環球経路中継基板617が取付けられる。
球受後部材612は、上面において、球受前部材611と協働してセーフ球受口600bを形成している。球受後部材612には、セーフ球通路602が前方へ開放された状態で形成されており、球受前部材611が取付けられることによりセーフ球通路602の前方側が閉鎖される。セーフ球通路602は、球受後部材612の左端下部においてその下流端が下方へ向かって開口している。セーフ球通路602の下流端の開口は、アウト球通路601の下流端の開口の後方に位置している。つまり、アウト球通路601の下流端の開口と、セーフ球通路602の下流端の開口とは、前後に並んでいる。
球受後部材612は、セーフ球受口600bの左端縁を形成している垂直壁の途中から左右方向中央付近まで右方へ向かって低くなるように傾斜しているセーフ球受板部上612aと、セーフ球受口600bの右端縁を形成している垂直壁におけるセーフ球受板部上612aよりも下方の部位からセーフ球受口600bの左端縁の下方付近まで左方へ向かって低くなるように傾斜しているセーフ球受板部下612bと、セーフ球受板部下612bの左端から遊技球Bが一列で流通可能な幅で左下へ向かってクランク状に延出しているクランク部612cと、を有している。
セーフ球受板部上612aの右端と、セーフ球受板部下612bとの間の高さは、遊技球Bの直径の2倍ほどであり、それにより左側におけるセーフ球受板部下612bの高さは、左方へ向かうほど低くなるように形成されている。これにより、セーフ球受口600bに受けられた遊技球Bを1段に整列させることができる。
クランク部612cにおけるセーフ球受板部下612bの下流端の直下となる垂直に延出している部位に、セーフ球センサ606が取付けられている。
球受後部材612では、セーフ球受板部上612a、セーフ球受板部下612b、クランク部612c、等によってセーフ球通路602を構成している。従って、セーフ球通路602は、上流側が多くの遊技球Bを受入可能に広く形成されており、受入れられた遊技球Bを一列に整列させて下流の球貯留通路604(球蛇行部材613)の最上流部に受け渡すようにしている。
球受後部材612は、セーフ球受板部上612aの前端縁、セーフ球受板部下612bの前端縁、に遊技球Bの流通を妨げない大きさで凹んでいる凹部612dが設けられている。この凹部612dにより、セーフ球通路602内の塵やゴミ等を外部に排出可能としている。
球蛇行部材613は、前後に蛇行しながら右端側が低くなるように左右方向に延出しており、多数の遊技球Bを貯留可能な球貯留通路604を形成している。球蛇行部材613は、図38等に示すように、後部を上流端として前方へ向かって低くなるように傾斜している第一直行部613aと、第一直行部613aの下流端(前端)から右方へ屈曲した後に更に後方へ低くなるように屈曲している第一折返部613bと、第一折返部613bの下流端(後端)から後方へ低くなるように第一直行部613aの後端付近の位置まで延出している第二直行部613cと、第二直行部613cの下流端(後端)から右方へ屈曲した後に更に前方へ低くなるように屈曲している第二折返部613dと、第二折返部613dの下流端(前端)から前方へ低くなるように第二直行部613cの前端と同じ位置まで延出している第三直行部613eと、第三直行部613eの下流端(前端)から右方へ屈曲した後に更に後方へ低くなるように屈曲している第三折返部613fと、第三折返部613fの下流端(後端)から後方へ低くなるように第三直行部613eの後端と同じ位置まで延出している第四直行部613gと、第四直行部613gの下流端(後端)から右方へ屈曲した後に更に前方へ低くなるように屈曲している第四折返部613hと、第四折返部613hの下流端(前端)から前方へ低くなるように第四直行部613gの前端と同じ位置まで延出している第五直行部613iと、第五直行部613iの下流端(前端)から右方へ低くなるように屈曲している第一屈曲部613jと、第一屈曲部613jの下流端(右端)から右方へ低くなるように延出している第一横行部613kと、第一横行部613kの下流端(右端)から後方へ低くなるように屈曲している第二屈曲部613lと、第二屈曲部613lの下流端(後端)から後方へ低くなるように第五直行部613iの下流端付近の位置まで延出している第六直行部613mと、第六直行部613mの下流端(後端)から右方へ低くなるように屈曲している第三屈曲部613nと、第三屈曲部613nの下流端(右端)から右方へ低くなるように延出している第二横行部613oと、を備えている。第二横行部613oの下流端の開口が、右方へ開口している球放出口600dを形成している。
球蛇行部材613(球貯留通路604)では、第一直行部613aの後端の上方に、セーフ球通路602の下流端の開口が位置すると共に、その前方にアウト球通路601の下流端の開口が位置する。また、第二直行部613cの後端の上方に、ファール球通路603の下流端の開口が位置する。
また、球蛇行部材613は、第一横行部613kにおいて上下に貫通している球抜口613pと、第一横行部613kの下面において球抜口613pの左右両端縁に沿うように前後に延出していると共に下方へ突出している一対のレール部613qと、一対のレール部613qの夫々の下端から互いに接近するように突出している支持片613rと、一対のレール部613qにおける互いに対面している側面に設けられている係止部613sと、遊技球Bが転動する転動面(底面)を貫通して設けられている複数のスリット613tと、を備えている。
球蛇行部材613の球抜口613pは、詳細は後述するが、球抜シャッター615により開閉可能に閉鎖される。一対のレール部613qは、球抜口613pよりも後方に延出している。一対のレール部613qは、球抜シャッター615を前後方向へスライド可能に支持する。二つの支持片613rは、球抜シャッター615の落下を防止している。また、二つの支持片613rは、球抜口613pの部位で夫々のレール部613qから突出している。これにより、球抜口613pを通して球抜シャッター615に遊技球Bの荷重が作用しても、球抜シャッター615を十分に支持することができ、球抜シャッター615の脱落を防止している。係止部613sは、球抜シャッター615の係止突起615fが係止されることで、球抜シャッター615を開位置に保持することができる。
球蛇行部材613のスリット613tは、遊技球Bの流通を妨げない大きさで下方へ貫通しており、球貯留通路604内のゴミや塵等を排出することができる。折返部や屈曲部の部位に設けられているスリット613tは、カーブの外側の部位に設けられている。
なお、球蛇行部材613には、詳細は後述するが、流通している遊技球Bを検知可能な循環球過少センサ621及び循環球過多センサ622が設けられている。
この球蛇行部材613によれば、前後に蛇行していると共に右方へ低くなるように左右方向へ延びている球貯留通路604を形成することができる。また、球蛇行部材613は、複数の折返部(第一折返部613b、第二折返部613d、第三折返部613f、第四折返部613h)や複数の屈曲部(第一屈曲部613j、第二屈曲部613l、第三屈曲部613n)が設けられているため、それらの部位で遊技球Bの流通速度を抑制させることができ、球揚上ユニット650の入口側にかかる衝撃を緩和させることができる。
蛇行カバー614は、球蛇行部材613の開放されている上端を覆うように球蛇行部材613に取付けられる。蛇行カバー614は、球蛇行部材613に取付けることで、球蛇行部材613(球貯留通路604)から遊技球Bが外部に漏れたり、外部から球貯留通路604に対応していない遊技球Bや不正な遊技球Bが入れられたり、するのを防止することができる。
蛇行カバー614は、左端における前後に延びている部位の長さが、球蛇行部材613の第一直行部613aよりも後方へ短く形成されている。これにより、球蛇行部材613に蛇行カバー614を取付けた状態にすると、球蛇行部材613の第一直行部613aの後部が上方へ開放された状態となり、その部位を通してアウト球通路601及びセーフ球通路602と連通可能となる。
また、蛇行カバー614は、球蛇行部材613における第二直行部613cの後端付近の上方となる部位に上下に貫通している開口部614aを有している。この開口部614aを通して、ファール球通路603が球貯留通路604と連通可能となる。
球抜シャッター615は、循環球経路ユニット600等から遊技球B(循環遊技球)を抜く(排出する)ためのものであり、球蛇行部材613の下面に前後方向へスライド可能に取付けられている。球抜シャッター615は、球抜口613pを閉鎖可能な平板状の扉部615aと、扉部615aの前端縁から上下左右に延出しているツマミ部615bと、扉部615aの左右両端の後端から夫々が後方へ延出している一対の棹部615cと、扉部615aの後方において一対の棹部615cを繋ぐことで上下に貫通している開口部615dを形成している繋部615eと、一対の棹部615cにおける繋部615eと後端との間において夫々の外側面から膨出している係止突起615fと、一対の棹部615cの後端から互いに外方へ延出している鉤部615gと、扉部615aの下面から円筒状に突出している磁石支持部615hと、を有している。
球抜シャッター615の磁石支持部615hは、筒内に円筒状の磁石616を挿入させることで当該磁石616を支持することができる。磁石支持部615hは、開口部615dよりも上流側に設けられている。この磁石支持部615hは、下端に筒内へ突出している部位を有していると共に、後方へ開放されており、後方から磁石616を挿入することで磁石616の下方に突出している部位が位置し、磁石支持部615hから磁石616が落下することはない。
球抜シャッター615は、球蛇行部材613に取付けた状態では、扉部615aと一対の棹部615cとの左右両外側に、球蛇行部材613の一対のレール部613qが位置すると共に、扉部615aと一対の棹部615cとの上下両側に第一横行部613kの下面と一対の支持片613rの上面とが位置している。これにより、球抜シャッター615は、後述する閉位置と開位置との間で前後方向にスライド可能とされている。
球抜シャッター615は、通常の状態では、図39(a1)及び(a2)に示すように、扉部615aによって球抜口613pを遊技球Bが通過不能としている閉位置の状態となっている。この状態では、ツマミ部615bの後面が第一横行部613kの前面に当接していると共に、一対の係止突起615fが一対のレール部613qの夫々の後端面に接している。これにより、球抜シャッター615は前後方向への移動が規制されて閉位置に保持されている。従って、球抜シャッター615が閉位置の状態では、球抜口613pから遊技球Bが下方の球受トレー720に排出されることはない(図20を参照)。
また、球抜シャッター615が閉位置の状態では、磁石支持部615h(磁石616)が球抜口613pの上流側の端部付近の下方に位置している。詳細は後述するが、球貯留通路604を鉄球SB(図44を参照)が流通してきた場合、磁石616の磁力により当該鉄球SBが扉部615a上に磁着して球詰りが発生することとなり、鉄球SBの混入を検出することが可能となる。
閉位置の状態の球抜シャッター615において、ツマミ部615bを摘まんで前方へ引っ張ると、棹部615cに設けられている係止突起615fがレール部613qの後端面に強く当接することとなる。この際に、係止突起615fにかかる力によって棹部615cが内側へ弾性変形し、係止突起615fがレール部613qの内側面側へ移動して球抜シャッター615が閉位置から前方へスライドすることとなる。そして、係止突起615fが係止部613sの部位に到達すると、棹部615cの弾性力によって係止突起615fが係止部613sに係止されると共に、棹部615cの後端に設けられている鉤部615gがレール部613qの後端面に接近した状態となる。これにより、球抜シャッター615がこれ以上の前方へのスライドが規制された状態となる。
この状態では、図39(b1)及び(b2)に示すように、球抜シャッター615の開口部615dが球抜口613pと一致しており、球抜口613pを遊技球Bが通過可能な状態となっている。つまり、球抜シャッター615が開位置の状態となっている。球抜シャッター615が開位置の状態では、球貯留通路604における球抜口613pよりも上流側の遊技球Bが、球抜口613p及び開口部615dを通って下方の球受トレー720に排出される。これにより、循環している遊技球Bを外部へ抜くことが可能となる。
そして、球受トレー720に遊技球Bが溜まって重くなると、前端側が低くなるように傾斜しているトレー挿入凹部501fの底壁に球受トレー720が載置されるため、底壁の傾斜により前方へスライドしようとするが、係止爪501nの係止により前方へのスライドが阻止されている。この状態で、係止爪501nの係止を解除すると、貯留されている遊技球Bの重量により球受トレー720が前方へ自動的にスライドし、球受トレー720をトレー挿入凹部501fから簡単に取り出すことができる。
なお、球抜シャッター615は、パチンコ機1に組立てた状態で、ツマミ部615bの前面に扉枠3の後面が近接しており、何らかの理由により球抜シャッター615が前方へスライドしようとしても、ツマミ部615bが扉枠3に当接して、開位置へのスライドが阻止される。これにより、循環している遊技球Bが勝手に抜けてなくなってしまったり、球抜口613pを通した不正な遊技球Bが混入されたり、することはない。
磁石616は、球抜シャッター615の磁石支持部615hに挿入可能な円筒状に形成されている。この磁石616は、鉄球SBを吸着するためのものである。磁石616は、ネオジム磁石のような磁力の強いものを使用している。
ところで、遊技ホール等において、本実施形態のパチンコ機1と、遊技者が遊技球(鉄球SB)を触れることが可能な従来のパチンコ機とが混在している場合、本実施形態のパチンコ機1のメンテナンス等により遊技球Bを補充したり交換したりした時に、鉄球SBが混入してしまう恐れがある。
これに対して本パチンコ機1では、鉄球SBが混入した場合、球抜シャッター615に磁石616が設けられているため、鉄球SBが球貯留通路604を流通すると、閉位置の球抜シャッター615における扉部615aの上面において、磁石616の磁力によって鉄球SBが磁着して停止することとなる。この際に、磁力が強い磁石616を用いているため、磁着している鉄球SBの上流側に多数の遊技球Bが溜まることで下流側へ押圧する力が作用しても、扉部615aの上面から鉄球SBが移動することはない。
そして、球貯留通路604内における球抜シャッター615の扉部615a(磁石616)に鉄球SBが磁着している状態で、球発射ユニット550からの遊技球Bの発射が継続されると、磁着している鉄球SBよりも下流側の遊技球Bが順次消費されると共に、消費(発射)された遊技球Bが鉄球SBよりも上流側へ順次供給されることとなる。従って、球抜シャッター615よりも下流に設けられている循環球過少センサ621や揚上入口センサ653等では遊技球Bの検知がOFFになり、球抜シャッター615よりも上流に設けられている循環球過多センサ622やアウト球センサ605、セーフ球センサ606、ファール球センサ607、等では遊技球Bの検知がONになる。これにより、循環球過少センサ621等と循環球過多センサ622等との間で球詰りが発生していることを検知して報知することができる。つまり、扉部615aにおいて鉄球SBが磁着していることを検出することができる。
磁石616の磁力により球抜シャッター615の扉部615aの上面に鉄球SBが磁着している状態で、球抜シャッター615を閉位置から前方の開位置へスライドさせると、扉部615aの上面に磁着している鉄球SBの前端が第一横行部613kの前壁に当接し、鉄球SBのみ前方への移動が阻止される。そして、磁石616が第一横行部613kの前壁よりも前方へ移動すると、鉄球SBに作用する磁力が弱くなって鉄球SBが下流側への転動を開始する。この際に、球抜シャッター615の開口部615dが球抜口613pと一致しており、球抜口613pを遊技球Bが通過可能な状態となっているため、鉄球SBを球抜口613pから下方の球受トレー720に排出させることができ、球貯留通路604から取り出すことができる。
循環球経路中継基板617は、球受前部材611の後面におけるファール球通路603の後方の部位で、球受後部材612のアウト球受板部下611bの下方の部位に、取付けられている。循環球経路中継基板617は、アウト球センサ605、セーフ球センサ606、ファール球センサ607、循環球過少センサ621及び循環球過多センサ622と、後述する枠制御基板740と、の接続を中継するためのものである。
ゲージ部620は、球蛇行部材613における球貯留通路604の流通方向に対して、所定長さの適量領域を示すものである。ここでは、並んだ状態で貯留されている遊技球Bの列の後端が、ゲージ部620にかかっている状態を適量としている。ゲージ部620は、遊技球B(循環球)の適量を目視で確認できるようにするものであり、一部が着色された透明なシールにより形成されている。このゲージ部620は、蛇行カバー614の上面に貼り付けられている。詳述すると、蛇行カバー614の上面において、球蛇行部材613の第一横行部613kよりも上流側の部位に貼り付けられている。このゲージ部620には、図42に示すように、遊技球Bの貯留量の適正範囲(適量領域)を示す文字と記号(矢印)が記載されている。
ゲージ部620は、球蛇行部材613における第三直行部613e及び第三折返部613fの上方の部位に貼り付けられる上ゲージシール620aと、第四直行部613gの上方の部位に貼り付けられる中ゲージシール620bと、第五直行部613i及び第一屈曲部613jの上方の部位に貼り付けられる下ゲージシール620cと、の三つのシールにより構成されている。
上ゲージシール620aには、第三直行部613eにおける前後方向の中央付近において左右に延びているラインと、そのラインの下流側(前側)において矢の部分の先端を当該ラインに向けて通路に沿って第三折返部613fの下流端まで棒の部分が延出している矢印と、当該矢印の矢の部分よりも下流の右側に「ここまで」の文字と、が記載(表示)されている。
中ゲージシール620bには、上ゲージシール620aに記載されているおける矢印の棒の部分と続くように後方(下流)へ延びている棒状の部分と、当該棒状の部分にかかる上流端付近に「適正範囲」の文字と、が記載されている。
下ゲージシール620cには、第一屈曲部613jの下流端において前後に延びているラインと、そのラインの上流側において矢の部分の先端を当該ラインに向けて通路に沿って第五直行部613iの上流端まで棒の部分が延出している矢印と、当該矢印の矢の部分よりも上流の右側に「ここから」の文字と、が記載(表示)されている。
ゲージ部620は、メンテナンス等の際に見た時に、ゲージ部620(適量領域)の部位、つまり、上ゲージシール620aのラインから下ゲージ部620cのラインまでの範囲の部位、に遊技球Bを見ることができない場合は、遊技球Bが適量よりも少ない遊技球過少であることが判る。遊技球Bを補充する場合、遊技盤5のアウト口1008、或いは、アウト球受口600aやセーフ球受口600b、から適量になるまで遊技球Bを投入する。
一方、ゲージ部620を見た時に、ゲージ部620の全ての部位で遊技球Bが見られる場合、つまり、遊技球Bの列の後端が「ここまで」の部位(上ゲージシール620aのライン)よりも上流にある場合、は、遊技球Bが適量よりも多い遊技球過多であることが判る。遊技球Bが過多の場合は、球抜シャッター615を前方へ引いて開位置へスライドさせることで、球抜口613pから球貯留通路604内の遊技球Bを排出して、適量にする。
このように、本実施形態のゲージ部620によれば、貯留されている遊技球Bが適正(適量)であるか否かを一目で判別することができると共に、貯留されている遊技球Bの量を適量にし易くすることができる。
なお、上記の実施形態では、ゲージ部620として、蛇行カバー614にシールを貼り付けるものを示したが、適量領域を他の部位と異なる色に着色するようにしても良いし、ゲージ部620の部位の成形色を異ならせるようにしても良いし、適量領域の下流端と上流端の部位に色の付いた線を引いたゲージ部620としても良い。
また、上記の実施形態では、ゲージ部620を、球抜シャッター615よりも上流側に設けているものを示したが、これに限定するものではなく、図62において二点鎖線で示すように、ゲージ部620の下流端を、球抜シャッター615よりも下流で循環球過少センサ621の上流付近に設けるようにしても良い。
本実施形態の循環球経路ユニット600は、球受前板610、球受前部材611、球受後部材612、球蛇行部材613、及び、蛇行カバー614、が透明な合成樹脂により形成されている。従って、外部から内部の状態を視認することが可能である。
循環球経路ユニット600は、アウト球センサ605とファール球センサ607とが、球受前板610と球受前部材611との間に挟まれた状態で取付けられており、セーフ球センサ606が、球受前部材611と球受後部材612との間に挟まれた状態で取付けられている。アウト球センサ605とセーフ球センサ606は、前後に並んで設けられている。
アウト球センサ605、セーフ球センサ606、ファール球センサ607、循環球過少センサ621、循環球過多センサ622は、例えば、誘導電流の変化を検知することで、非接触により遊技球Bを検知するものである。
循環球経路ユニット600は、本体枠ベース501のベース壁部501bに後側から取付けられる。循環球経路ユニット600は、本体枠4に組立てた状態で、アウト球受口600a及びセーフ球受口600bが、ベース壁部501bの上面と同じ高さで、ベース壁部501bの上面の後端縁に接するように取付けられている。
また、循環球経路ユニット600は、本体枠4に組立てた状態で、ベース壁部501bとの間に球送ユニット700が位置するように取付けられている。
更に、循環球経路ユニット600は、本体枠4に組立てた状態で、球蛇行部材613及び蛇行カバー614の前後方向の中央より前側の部位が、ベース壁部501bに設けられている球貯留通路挿入口501gを後方から貫通して前方へ突出している。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態にすると、球蛇行部材613(球貯留通路604)内の遊技球Bを前方(外部)から視認することができる。
また、循環球経路ユニット600は、本体枠4に組立てた状態で、枠基板ユニット730を後方へ開いた状態にすると、アウト球通路601、セーフ球通路602、ファール球通路603、及び球貯留通路604におけるベース壁部501bよりも後側の部位、の夫々の内部を後方から視認することができる。これにより、球詰りが発生した時に、枠基板ユニット730を開くことで、アウト球通路601内等を確認することができ、球詰りの発生個所を特定し易い。
また、循環球経路ユニット600は、本体枠4に組立てた状態で、球蛇行部材613における第二横行部613oが、ベース壁部501bよりも後方で、且つ、球発射ユニット550よりも下方の部位に位置している。つまり、循環球経路ユニット600は、球放出口600dがベース壁部501bの後方で、球発射ユニット550よりも低い位置で右方へ向かって開口している。この球放出口600dは、後述する球揚上ユニット650の球揚上入口通路651と連通している。
本実施形態の循環球経路ユニット600は、貯留されている遊技球B(循環球)が過少であることを検知するための循環球過少センサ621と、貯留されている遊技球B(循環球)が過多であることを検知するための循環球過多センサ622と、を有している(図62を参照)。
循環球過少センサ621は、球貯留通路604におけるゲージ部620よりも下流に設けられている。なお、循環球過少センサ621を、球抜シャッター615の上流付近に設けるようにしても良い。循環球過多センサ622は、球貯留通路604におけるゲージ部620の上流端付近に設けられている。循環球過少センサ621及び循環球過多センサ622は、循環球経路中継基板617を介して枠制御基板740に接続されている。
詳細は後述するが、遊技球Bが適量の状態では、循環球過少センサ621が遊技球Bを所定時間(例えば、80ms)以上検知すると共に、循環球過多センサ622が遊技球Bを所定時間(例えば、80ms)以上検知しない。遊技球Bが過少の状態では、循環球過少センサ621及び循環球過多センサ622が、何れも所定時間(例えば、80ms)以上遊技球Bを検知しない。一方、遊技球Bが過多の状態では、循環球過少センサ621及び循環球過多センサ622が、何れも所定時間(例えば、80ms)以上遊技球Bを検知する。なお、循環球過少センサ621が遊技球Bを所定時間(例えば、80ms)以上検知せずに、循環球過多センサ622が遊技球Bを所定時間(例えば、80ms)以上検知する場合は、循環球過少センサ621と循環球過多センサ622との間で鉄球SBの混入を含む球詰りが発生している。
ここで、遊技球Bの有無を検知するための閾値としての所定時間k80msの理由について説明する。例えば、循環経路R上において、循環球過多センサ622、循環球過少センサ621、揚上入口センサ653、揚上出口センサ654、発射手前センサ704、等のセンサが置かれている位置は、球揚上ユニット650や球送ユニット700等が停止している際の遊技球Bの停止位置に置かれている。この位置は遊技球Bが1個送られる毎に次の遊技球Bが位置する位置である。そのため、ここでの遊技球Bの検知は、80ms以上検知されているか否かという検知方法になっている。これは、傾斜が5度程度の斜面で転がる遊技球Bが検知される時間が50ms程度であるため、その位置に確実に遊技球Bが存在したことを検知するためにマージンを付加して80msで検知するようにしている。つまり、この80msと言う値は実験によって得られた実用的な値である。
このように、循環球過少センサ621と循環球過多センサ622とによる遊技球Bの検知状態の組み合わせにより、枠制御基板740において遊技球Bの量や球詰り等を自動的に判断して報知することが可能である。
なお、上記の実施形態では、循環球過少センサ621及び循環球過多センサ622を設けたものを示したが、循環球過少センサ621を後述する揚上入口センサで代用すると共に、循環球過多センサ622をアウト球センサ605、セーフ球センサ606、ファール球センサ607で代用するようにしても良い。
[4-4a.球詰解消機構]
次に、循環球経路ユニット600において、図43に示すような、アウト球センサ605やセーフ球センサ606での球詰りを解消させ易くするための球詰解消機構630を設けても良い。図43(a)は本体枠に取付けられている循環球経路ユニットにおいて球解消機構の蓋部材を閉じた状態でアウト球センサの部位で切断した背面断面の要部を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)において蓋部材を開いた状態で示す説明図である。
球詰解消機構630は、循環球経路ユニット600における球受前部材611及び球受後部材612において、アウト球センサ605及びセーフ球センサ606の上方の壁部を、開閉可能な蓋部材631としたものである。蓋部材631は、図43(a)に示すように、通常の状態では、閉じられている。蓋部材631は、図示しない係止爪による係止によって閉じた状態に保持されている。
この球詰解消機構630は、アウト球通路601やセーフ球通路602において球詰りが発生したり、不正行為として遊技球Bよりも大径の不正球B’が投入されてアウト球センサ605等が塞がれてしまったり、した時にそれらを解消するために使用される。
例えば、遊技盤5のアウト口1008等から遊技球Bよりも大径の不正球B’が投入されてアウト球センサ605が塞がれた場合、外枠2に対して本体枠4を開いた上で枠基板ユニット730を開くと、循環球経路ユニット600の後部が現れる。そして、本実施形態では、循環球経路ユニット600における球詰解消機構630が設けられている部位と、本体枠スピーカボックス504のボックス本体部504bとの間には指を挿入可能な隙間が形成されているため、その隙間を通して蓋部材631の係止爪を解除し、蓋部材631の下端が上方へ移動するように回動させることで、蓋部材631を開くことができる(図43(b)を参照)。
そして、蓋部材631を開いた状態とすることで、アウト球通路601内におけるアウト球センサ605の上方部位に対して、指を挿入することができるようになり、アウト球センサ605を塞いでいる不正球B’を容易に取り出すことができる。このように、ドライバを使用してネジ止めされている循環球経路ユニット600を取外さなくても、不正球B’を簡単に取り出すことができる。
なお、セーフ球センサ606を不正球B’によって塞がれた場合も、上記と同様の手順によって不正球B’を取出すことができる。
上記では、球詰解消機構630として、開閉可能な蓋部材631を設けたものを示したが、例えば、球受後部材612及び球受前部材611に弾性爪を設け、弾性爪の係止により、球受後部材612及び球受前部材611を後方へ着脱可能とするようにしても良い。この場合、通常の状態では、循環球経路ユニット600の後方に枠基板ユニット730が位置しており、弾性爪の係止が緩んでも、球受後部材612や球受前部材611が後方へ外れることはない。そして、アウト球センサ605が不正球B’で塞がれた場合は、外枠2に対して本体枠4を開いた上で枠基板ユニット730を開くと、循環球経路ユニット600の後部が現れるため、球受後部材612や球受前部材611を取付けている弾性爪の係止を解除することで、球受後部材612や球受前部材611を簡単に取外すことができ、アウト球センサ605を塞いでいる不正球B’を容易に取り出すことができる。
或いは、球詰解消機構630として、球受前板610と球受後部材612との間に挟まれている球受前部材611において、アウト球センサ605の上方の部位を上方へスライドさせて取外すことができるようにしても良い。この場合、通常の状態では、循環球経路ユニット600の上方には遊技盤5が位置していると共に、重力の作用により球受前部材611におけるスライド可能な部位が上方へ外れることはない。そして、アウト球センサ605が不正球B’で塞がれた場合は、本体枠4に対して扉枠3を開くと共に、本体枠4から遊技盤5を取外すと、循環球経路ユニット600の上部が現れるため、球受前部材611のスライド可能な部位を上方へスライドさせて外すことで、アウト球センサ605を塞いでいる不正球B’を容易に取り出すことができる。
[4-4b.第二実施形態の球抜シャッター]
次に、循環球経路ユニット600において、図44に示すように、球抜シャッター615において、磁石616を開口部615dの前方の部位に取付けるようにしても良い。図44(a)は閉位置の球抜シャッターに鉄球が磁着している状態で球蛇行部材及び球抜トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(b)は開位置の球抜シャッターに鉄球が磁着している状態で球蛇行部材及び球抜トレーと共に側面断面で示す説明図であり、(c)は(b)の状態から球抜シャッターを閉位置へスライドさせて下面に鉄球が磁着している状態で球蛇行部材及び球抜トレーと共に側面断面で示す説明図である。この球抜シャッター615は、磁石支持部615hに支持されている磁石616の外周面の後端側が、開口部615dにおける前側の内周面と一致するようにしたものである。
第二実施形態の球抜シャッター615によれば、図44(a)に示すように、磁石616の磁力により球抜シャッター615の扉部615aの上面に鉄球SBが磁着している状態で、球抜シャッター615を閉位置から前方の開位置へスライドさせると、扉部615aの上面に磁着している鉄球SBの前端が第一横行部613kの前壁に当接し、鉄球SBのみ前方への移動が阻止される。そして、球抜シャッター615が更に前方へスライドすると、鉄球SBの下端を支持していた扉部615aがなくなり、重力により鉄球SBが下方の開口部615d内へ移動することとなる。この際に、磁石616の外周面の後端側が、開口部615dの前側の内面と一致しているため、鉄球SBが磁石616の外周面に磁着した状態となる(図44(b)を参照)。
なお、鉄球SBは、磁石616においてその外周面から磁力の強い極側(ここでは下端面側)へ移動しようとするが、球抜シャッター615が開位置の状態では磁石616の下方に球受トレー720の上端面が位置しており、鉄球SBが磁石616の下方へ移動することはない。従って、球抜シャッター615を開位置へスライドさせ状態では、鉄球Bが開口部615dと重なる部位に位置しており、鉄球SBの上流側の遊技球Bが開口部615dつまり球抜口613pを通って下方へ排出されることはない。
球抜シャッター615を開位置にスライドさせた後に、球抜シャッター615を後方の閉位置へスライドさせると、扉部615aにより鉄球SBの上流側の遊技球Bが球抜口613pを通ることを阻止しつつ、磁石616の外周面に磁石していた鉄球SBが磁石616の下面側へ移動し、磁石616の下面に鉄球SBが磁着している状態となる(図44(c)を参照)。その後、球受トレー720を引き出してトレー挿入凹部501fから取り外し、磁石616の下面に磁着している鉄球SBを取り除く。
このように、磁石616によって球抜シャッター615の扉部615aに鉄球SBが磁着している状態で、球抜シャッター615を前後にスライドさせると、磁着された鉄球SBのみを球貯留通路604から外部に取り出すことができる。
[4-5.球揚上ユニット]
本体枠4における球揚上ユニット650について、主に図45乃至図54等を参照して詳細に説明する。図45(a)は本体枠における球揚上ユニットを左前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における球揚上ユニットを右前から見た斜視図であり、(c)は本体枠における球揚上ユニットを後ろから見た斜視図である。図46は、球磨モータベース及びカセット押圧片を開いて球磨カセットを取外した状態を示す球揚上ユニットの分解斜視図である。図47(a)は球磨カセットを装着していない状態で示す球揚上ユニットの平面図であり、(b)は球磨モータベース及びカセット押圧片を開いた状態で球磨カセットと共に示す球揚上ユニットの平面図であり、(c)は球磨カセットが装着されている状態で示す球揚上ユニットの平面図である。
また、図48(a)は球磨カセットのロックが不完全な状態で扉枠が閉められる様子を示す説明図であり、(b)は(a)の状態から扉枠が閉まる方向へ移動して扉枠の突起部が球磨モータベースの先端に当接している状態を示す説明図であり、(c)は(b)の状態から扉枠が閉まって球磨カットがロックされている状態を示す説明図である。図49は、本体枠に取付けられている球揚上ユニットから球磨カセットを取外した状態で要部を拡大して示す正面図である。図50(a)は球揚上ユニットにおいて球磨機構及び球揚上機構の要部を示す右側面図であり、(b)は球揚上機構の要部を示す背面図であり、(c)は球揚上機構の要部を(b)の矢視Aから見た平面図である。
更に、図51は、球揚上ユニットにおいて揚上スパイラルシャフトと磨布との関係を示す説明図である。図52(a)は揚上入口センサと揚上出口センサの部位を拡大して示すと共に球揚上ユニットを左後ろから見た斜視図であり、(b)は球揚上ユニットを揚上入口センサの部位で切断した平面断面図である。図53は、球通路におけるフォトセンサからなる球センサの前後の部位を模式的に示す説明図である。図54(a)は球揚上ユニットの球磨カセットを左前から見た斜視図であり、(b)は球磨カセットを右後ろから見た斜視図であり、(c)は球磨カセットを左右方向中央で切断した右側面断面図である。
球揚上ユニット650は、遊技盤5やファールユニット570から排出されて循環球経路ユニット600を流通した遊技球Bを、球送ユニット700を介して球発射ユニット550へ送るためのものである。球揚上ユニット650は、本体枠ベース501におけるベース壁部501bの後面に設けられている球揚上ユニット取付部501jに取付けられる。
球揚上ユニット650は、遊技球Bを揚上するための球揚上機構660と、循環球経路ユニット600から送られた遊技球Bを球揚上機構660へ供給する球揚上入口通路651と、球揚上機構660により揚上された遊技球Bを球送ユニット700へ供給する球揚上出口通路652と、球揚上入口通路651に設けられており流通している遊技球Bを検知する揚上入口センサ653と、球揚上出口通路652に設けられており流通している遊技球Bを検知する揚上出口センサ654と、を備えている。
また、球揚上ユニット650は、球揚上入口通路651において遊技球Bと接触可能に設けられている球揚上入口アース板金655と、球揚上出口通路652において遊技球Bと接触可能に設けられている球揚上出口アース板金656と、枠制御基板740との接続を中継している球揚上中継基板657と、球揚上ユニット650は、球揚上機構660により揚上されている遊技球Bを磨くための球磨機構680と、を備えている。
まず、球揚上ユニット650の球揚上機構660は、上下に延出しており外周面に螺旋状の揚上溝661aを有する揚上スパイラルシャフト661と、揚上スパイラルシャフト661の下端に取付けられているシャフトギア662と、シャフトギア662と噛合しており揚上スパイラルシャフト661の軸芯と直交する軸周りに回転可能なモータギア663と、回転軸にモータギア663が取付けられており揚上スパイラルシャフト661を回転させるための揚上モータ664と、シャフトギア662の下端からフランジ状に延出している周方向の一部において切り欠かれるように設けられている検知部665aを有する揚上モータインデックス665と、揚上モータインデックス665の検知部665aを検知可能な揚上モータインデックスセンサ666と、を備えている。
また、球揚上機構660は、揚上モータ664が取付けられていると共にモータギア663を回転可能に支持しているモータベース板金667と、モータベース板金667の一取付けられていると共に揚上スパイラルシャフト661を回転可能に支持し、本体枠ベース501におけるベース壁部501bの球揚上ユニット取付部501jに取付けられる揚上機構ベース668及び揚上機構カバー669と、を備えている。
揚上スパイラルシャフト661は、外周面に遊技球Bを一列で収容可能な深さで螺旋状の揚上溝661aが設けられている。揚上スパイラルシャフト661は、その軸方向の上方から見た時(図50(c)を参照)に、時計回りの方向へ回転することで遊技球Bを揚上させることができるように、揚上溝661aが形成されている。揚上溝661aの螺旋のピッチは、上下両端付近がそれらの間よりも長く形成されている。揚上スパイラルシャフト661は、揚上機構ベース668及び揚上機構カバー669によって回転可能に支持されている。この揚上スパイラルシャフト661は、正面視において上端が下端よりも右方に位置するように回転軸が垂直に対して傾斜している。これにより、揚上スパイラルシャフト661の上端側を球送ユニットから右方へ遠ざけることができ、球揚上出口通路652の長さを相対的に長くして遊技球Bの貯留量をより多くすることが可能となる。本実施形態では、揚上スパイラルシャフト661の回転軸は、垂直に対して12度の角度で傾斜している。
更に、揚上スパイラルシャフト661について詳述する。この揚上スパイラルシャフト661は、図51に示すように、揚上溝661aにおける底部の直径(底径)を底径D1としている小径部661bと、小径部661bよりも大きい底径D2の大径部661cと、を有し、大径部661cを球磨カセット681の磨布682と重なる軸方向の中間部分に設けるようにしている。なお、揚上スパイラルシャフト661における小径部661bと大径部661cとの間では、その径が徐々に変化するように構成されている。
また、揚上スパイラルシャフト661は、小径部661bの部位における螺旋のピッチP1に対して、大径部661cの部位における螺旋のピッチP2を小さくしている。螺旋のピッチが小さくなるほど、遊技球Bの揚上速度が遅くなる。
この揚上スパイラルシャフト661は、大径部661cと球磨カセット681における磨布682の表面との間に、遊技球Bの直径Dよりも小さい隙間S1が形成されるように配置している。
ところで、揚上スパイラルシャフト661において、揚上溝661aの底部の直径を、全長に亘って小径部661bの底径D1で構成すると、底径D1は大径部661cの底径D2よりも小さいことから、揚上溝661aの底と磨布682との間の隙間が大きくなる。そのため、揚上スパイラルシャフト661を回転させて揚上溝661aにより揚上されている遊技球Bを磨布682により磨こうとしても、磨布682との隙間が大きくなることで遊技球Bが揚上溝661aの底側へ逃げてしまい、遊技球Bにおける磨布682との接触面積が小さくなることで、研磨効率が低下してしまう。
これに対して、本実施形態では、揚上スパイラルシャフト661における軸方向の中間部分で球磨カセット681の磨布682と重なる部位において、揚上溝661aの底径D2を、小径部661bの底径D1よりも大きい大径部661cとしているため、大径部661cにおける揚上溝661aの底から磨布682の表面までの隙間を、小径部661bの部位での隙間よりも小さくすることができる。また、本実施形態では、大径部661cから磨布682までの隙間S1を、遊技球Bの直径Dよりも小さくしている。これらのことから、大径部661cの部位では、遊技球Bが揚上溝661aの底側へ逃げることができず、揚上溝661aの底により遊技球Bを磨布682へ押し付けることができ、磨布682の裏側に設けられている球磨スポンジ683と一緒に磨布682を凹ませることができる。これにより、遊技球Bに対する磨布682の接触面積を大きくすることができ、遊技球Bの研磨効率を高めることができる。
また、本実施形態の揚上スパイラルシャフト661は、磨布682と重なる大径部661cにおける螺旋のピッチP2を、小径部661bの部位の螺旋のピッチP1よりも小さくしているため、大径部661cにおける遊技球Bの揚上速度を遅くすることができる。これにより、遊技球Bにおける磨布682との接触時間を長くすることができるため、遊技球Bをより丹念に磨くことができる。
更に、本実施形態の揚上スパイラルシャフト661は、小径部661bと大径部661cとの間において、その径が徐々に変化するようにしているため、遊技球Bを揚上させる際にかかる負荷が急激に変化することを回避させることができ、揚上動作における負荷を低減させることができる。
また、本実施形態の揚上スパイラルシャフト661は、図50(b)に示すように、垂直に対して12度の角度で傾斜していることから、磨布682に対して斜めに交差するようにしているため、磨布682の幅の全体を使用して遊技球Bを磨くことができ、磨布682を効率良く研磨に使用することができる。
なお、揚上スパイラルシャフト661として、軸方向の中間に大径部661cを設けているものを示したが、これに限定するものではなく、下端側にのみ小径部661bを設け、その上側は上端まで大径部661cを設けるようにしても良い。
シャフトギア662は、平歯車(ウォームホイールギア)である。モータギア663は、ウォームギアである。これにより、揚上スパイラルシャフト661の揚上溝661a内に多数の遊技球Bが収容されていることで作用する荷重によって、揚上スパイラルシャフト661が回転しようとしても、シャフトギア662に噛合しているウォームギアからなるモータギア663により回転を阻止することができる。また、モータギア663をウォームギアとしているため、揚上モータ664の駆動が停止した際のイナーシャにより、揚上スパイラルシャフト661が回転しようとしても、その回転を直ちに停止させることができ、遊技球Bのオーバーシュートを防止することができる。
本実施形態では、シャフトギア662をPOM(ポリアセタール樹脂)により形成していると共に、モータギア663をポリアミドカーボンファイバー入りの繊維強化プラスチックにより形成している。これにより、ウォームギアからなるモータギア663を欠け難くしている。なお、モータギア663を金属製としても良い。
揚上モータ664は、DCモータである。揚上モータインデックス665は、フランジ状にシャフトギア662と一体成形されている。揚上モータインデックス665の検知部665aは、全周に対して45度の角度の範囲が切り欠かれるように設けられている。揚上モータインデックスセンサ666は、フォトセンサである。揚上モータインデックスセンサ666は、揚上モータインデックス665において検知部665aの部位では受光状態となり、検知部665a以外の部位では遮光されて非受光状態となる。これにより、揚上モータインデックス665を介して揚上スパイラルシャフト661の回転位置を検知することが可能である。
なお、詳細は後述するが、揚上スパイラルシャフト661は、シャフトギア662及びモータギア663により、揚上モータ664の回転軸が32回転すると、揚上スパイラルシャフト661が1回転する。そして、揚上モータインデックスセンサ666では、検知部665a以外の部位に位置して非受光状態になってから揚上モータ664が28回転すると、検知部665aに到達して受光状態となり、受光状態になってから揚上モータ664が更に4回転すると、検知部665aから離れて非受光状態となる。本実施形態では、検知部665aに到達して受光状態になってから、揚上モータ664が2回転した位置を、原点としている。つまり、検知部665aの中央を、揚上スパイラルシャフト661の回転の原点としている。
モータベース板金667は、正面視左端側において揚上モータ664を取付けており、右端側においてモータギア663の右端を回転可能に支持している。モータベース板金667は、上端側が揚上機構ベース668に取付けられていると共に、下端側が揚上機構カバー669に取付けられている。
揚上機構ベース668は、揚上機構カバー669と協働して揚上スパイラルシャフト661を収容していると共に、揚上スパイラルシャフト661を回転可能に支持している。揚上機構ベース668は、遊技球Bが通過不能な大きさで揚上スパイラルシャフト661が前方へ臨むように前後に貫通している球磨口668aと、前面から後方へ凹んでいると共に底面に球磨口668aが開口しており球磨カセット681の後端側を収容可能なカセット取付凹部668bと、を有している。球磨口668aは、遊技球Bの直径よりも狭い幅で上下に延出している。この球磨口668aは、揚上スパイラルシャフト661により揚上されている遊技球Bの一部が前方へ突出するように設けられており、遊技球Bにおける球磨口668aよりも前方へ突出している部位が、カセット取付凹部668bに取付けられている(装着されている)球磨機構680における球磨カセット681の磨布682に接触することで遊技球Bが磨かれる。
揚上機構ベース668には、下端付近における揚上スパイラルシャフト661よりも正面視右方の部位に、球揚上入口通路651の下流部分が設けられている。球揚上入口通路651における揚上機構ベース668に設けられている部分は、上流端が後方へ向かって開口し左方の揚上スパイラルシャフト661の下端部へ向かって低くなるように傾斜している。また、揚上機構ベース668には、揚上スパイラルシャフト661の下端よりも正面視右方の部位に、揚上入口センサ653が取付けられている。
また、揚上機構ベース668には、上端付近に球揚上出口通路652の上流部分が設けられている。球揚上出口通路652における揚上機構ベース668に設けられている部分は、揚上スパイラルシャフト661の上端部の前方から正面視左方へ低くなるように傾斜した後に後方へ低くなるように傾斜して下流端が後方へ向かって開口している。球揚上出口通路652ついては、揚上機構ベース668における後方へ向かって開口している部位から左方へ向かって低くなるように傾斜した後に、前方へ向かって低くなるように傾斜し、前端において前方へ向かって開口している。球揚上出口通路652における当該部位は、揚上機構ベース668と揚上機構カバー669とが協働して形成している。
また、揚上機構ベース668には、球磨機構680の球磨モータ688が取付けられる球磨モータベース686が、上下に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。
揚上機構カバー669は、揚上機構ベース668と協働して揚上スパイラルシャフト661を収容していると共に、揚上スパイラルシャフト661を回転可能に支持しており、本体枠ベース501におけるベース壁部501bの球揚上ユニット取付部501jに後方から取付けられる。揚上機構カバー669の後面には、球揚上中継基板657が取付けられている。
揚上機構カバー669には、球揚上入口通路651における揚上機構ベース668に設けられている部分よりも上流側の部分が設けられている。球揚上入口通路651における揚上機構ベース668に設けられている部分は、下流端が揚上スパイラルシャフト661の下端付近の正面視右方の部位で前方へ向かって開口しており、後方へ延出した上で、左方へ屈曲して揚上スパイラルシャフト661の後方を通った後に、斜め前方へ延出して上流端が左方へ向かって開口している。この揚上機構カバー669には、揚上スパイラルシャフト661の下端の後方において、球揚上入口通路651を流通している遊技球Bと接触可能に設けられている球揚上入口アース板金655が取付けられている。
また、揚上機構カバー669には、球揚上出口通路652における揚上機構ベース668に設けられている部分よりも下流側の部分が設けられている。球揚上出口通路652における揚上機構カバー669に設けられている部分は、上流端が後方へ開口しており正面視左方へ屈曲して左端まで左方へ延出した後に前方へ屈曲し、揚上機構カバー669の前端において下流端が前方へ向かって開口している。
また、揚上機構カバー669には、球揚上出口通路652における正面視左方へ延出している部位の左端付近に、揚上出口センサ654が取付けられている。更に、揚上機構カバー669には、球揚上出口通路652において左方へ延出している部位における揚上出口センサ654よりも上流の部位に、球揚上出口通路652を流通している遊技球Bと接触可能に設けられている球揚上出口アース板金656が取付けられている。
更に、揚上機構カバー669は、右端における上下方向中央下寄りの部位から、揚上機構ベース668よりも前方へ突出している支持突部669aと、支持突部669aの前面において貫通しておりナイラッチ694が係止される係止孔669bと、を有している。支持突部669aは、球揚上ユニット650を本体枠4の球揚上ユニット取付部501jに後方から取付けると、ベース壁部501bを貫通している開口501oを通して、ベース壁部501bの前面側へ突出する。
続いて、球揚上ユニット650の球揚上入口通路651は、上流端の開口(入口)が球揚上ユニット650の左側面の下部付近において左方へ向かって開口している。この開口は、本体枠4に組立てた時に、循環球経路ユニット600の球放出口600dと対面するように設けられている。球揚上入口通路651は、左端の入口から右方へ向かって低くなるように傾斜しており、揚上スパイラルシャフト661の後方を迂回するように揚上スパイラルシャフト661よりも右方に延出した後に、前方側へ折り返して左方へ揚上スパイラルシャフト661の下端付近まで延出している。そして、揚上スパイラルシャフト661の近傍において揚上スパイラルシャフト661の前側へ回り込むようにクランク状に屈曲し、揚上スパイラルシャフト661の下端付近の前側で揚上スパイラルシャフト661の揚上溝661aと連通している。
球揚上入口通路651は、上流端の開口が、循環球経路ユニット600における球貯留通路604の下流端の開口を形成している球放出口600dと、対面するように設けられており、球貯留通路604を流通した遊技球Bが受け渡されて流通する。
球揚上入口通路651は、揚上スパイラルシャフト661の右方の部位に、揚上入口センサ653が設けられていると共に、揚上スパイラルシャフト661の後方の部位に、球揚上入口アース板金655が取付けられている。
球揚上出口通路652は、球揚上ユニット650の上端付近において、上流端が揚上スパイラルシャフト661の上端付近の前側において揚上溝661aと連通しており、揚上スパイラルシャフト661よりも左方へ延出した後に後方へ屈曲して、揚上スパイラルシャフト661の後端と同じ位置まで延出した上で左方へ屈曲している。そして、そこから球揚上ユニット650の左端付近で左方へ延出した上で前方へ屈曲し、下流端が球揚上ユニット650(揚上機構カバー669)の前面において前方へ向かって開口している。
球揚上出口通路652は、下流端の開口が、後述する球送ユニットの球供給口と対面するように設けられており、球送ユニット700へ遊技球Bを供給することができる。
球揚上出口通路652は、球揚上ユニット650の後端付近において左方へ延出している部位の左端付近に、揚上出口センサ654が設けられていと共に、その上流側(右方側)に球揚上出口アース板金656が取付けられている。なお、球揚上出口通路652における球揚上出口アース板金656が設けられている部位の底壁には、遊技球Bの流通を妨げない大きさで開口している開口部が設けられており、当該開口部を通して塵やゴミ等を外部へ排出可能としている。
揚上入口センサ653は、揚上モータ664の駆動により揚上スパイラルシャフト661を回転させて遊技球Bを揚上させる際に、揚上させる遊技球Bの有無を検知するものである。詳細は後述するが、揚上入口センサ653において遊技球Bが非検知の状態では、揚上モータ664が駆動されない。
揚上出口センサ654は、球送ユニットに供給される遊技球Bの有無を検知するものである。詳細は後述するが、揚上入口センサ653が遊技球Bを検知している状態で、揚上出口センサ654において遊技球Bが非検知の状態になると共に、所定条件の充足(ここでは、発射減算センサ554による所定数(例えば3個)の遊技球Bの減算)により、揚上モータ664の駆動により揚上スパイラルシャフト661が回転して所定数の遊技球Bが揚上される。
揚上入口センサ653及び揚上出口センサ654は、発光部と受光部とを有するフォトセンサであり、遊技球Bにより発光部からの光が遮られることにより、遊技球Bの有無を非接触により検知するものである。
ここで、球揚上入口通路651及び球揚上出口通路652と、揚上入口センサ653及び揚上出口センサ654との関係について説明する。ここでは、球揚上入口通路651と揚上入口センサ653との関係について説明し、球揚上出口通路652と揚上出口センサ654との関係も同じであるため省略する。図52及び図53に示すように、球揚上入口通路651における揚上入口センサ653が設けられている部位は、断面V字状(下方へ窄まった逆台形状)のV字通路部651aとされている。なお、球揚上入口通路651におけるV字通路部651a以外の部位は、上方へ開放された断面コ字状のコ字通路部651bである。
なお、球揚上出口通路652でも同じであり、揚上出口センサ654の部位が、断面V字状(下方へ窄まった逆台形状)のV字通路部652aとされており、その他の部位が、上方へ開放された断面コ字状のコ字通路部652bとされている。
換言すると、V字通路部651a及びV字通路部652aは、夫々に対して遊技球Bが接し、上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有している。また、コ字通路部651b及びコ字通路部652bは、遊技球Bが接すると共に遊技球Bの直径よりも大きい幅の平坦な底面と、底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面と、を有している。なお、球揚上出口通路652の下流側となる球送ユニット700の球送通路703も、コ字通路部651b及びコ字通路部652bと同様の形状に形成されている。
ところで、フォトセンサからなる揚上入口センサ653の部位の通路の断面を、上方へ開放された断面コ字状の通路にすると、流通する遊技球Bが側壁に接触するため、遊技球Bの接触により通路の側壁に発生するキズや汚れ等によって、フォトセンサの受発光を阻害し、誤検知が発生する恐れがある。また、断面コ字状の通路では、通路の幅方向における遊技球Bの位置が一定でなく安定しないため、センサによる検知位置が区々となり、誤検知が発生する恐れがある。
これに対して、本実施形態では、揚上入口センサ653(揚上出口センサ654)の部位を、断面V字状のV字通路部651a(V字通路部652a)としているため、V字の斜めの両側の部位によって遊技球Bを2点で保持することで、通路の幅方向への移動を規制することができ、通路の幅方向に対して遊技球Bの位置を一定にして安定させることができる。これにより、揚上入口センサ653(揚上出口センサ654)の部位において、遊技球Bが通路の側壁に接触することはないため、遊技球Bの接触によるキズや汚れの発生を防止することができ、誤検知を解消して確実に遊技球を検知することができる。
上記では、センサに対して遊技球Bの位置を一定にして安定させる通路の形状として、断面V字状(逆台形状)のV字通路部651a(V字通路部652a)を示したが、遊技球Bの直径よりも狭い間隔で設けられ遊技球Bの流通方向へ延出している一対の突条と、しても良い。
球揚上入口通路651は、下流端に揚上スパイラルシャフト661が設けられている。従って、揚上スパイラルシャフト661よりも上流の球揚上入口通路651では、遊技球Bが1個ずつ揚上スパイラルシャフト661の揚上溝661aに拾われるため、間欠的に進むこととり、球揚上入口通路651において遊技球Bが停留する。一方、球揚上出口通路652は、下流端に後述する球送ユニット700が設けられている。従って、球送ユニット700よりも上流側の球揚上出口通路652では、球送ユニット700の球送動作によって遊技球Bが1個ずつ間欠的に進むため、球揚上出口通路652において遊技球Bが停留する。
そして、球揚上入口通路651(球揚上出口通路652)では、図53に示すように、揚上入口センサ653(揚上出口センサ654)の部位のみを、断面V字状のV字通路部651a(V字通路部652a)とし、その他の部位を、断面コ字状のコ字通路部651b(コ字通路部652b)としているため、通路内に置いて複数の遊技球Bが停留されていても、下流側にかかる複数の遊技球Bによる球圧を軽減させることができる。
詳述すると、図53において二点鎖線で示すように、V字通路部651a(V字通路部652a)では複数の遊技球Bが直線状(通路の軸線上に一列)に並ぶが、コ字通路部651b(コ字通路部652b)では複数の遊技球Bが下流側へ押されることで両側の側壁に対して交互に接触するように千鳥状に並ぶこととなり、球圧を側壁へ分散させることができ、下流側においてかかる複数の遊技球Bによる球圧を軽減させることができる。従って、球揚上入口通路651(球揚上出口通路652)の下流側に設けられている部位(例えば、揚上スパイラルシャフト661、球送ユニット700の球送可動部材705、等)が、停留(貯留)されている複数の遊技球Bの球圧により破損することはないと共に、当該部位を球圧に対して過度に補強する必要はなく、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
ところで、入賞口等での遊技球Bの検知は、所定の割込み周期(例えば、4ms)ごとに球センサからの出力を確認し、その出力が、非検知、検知、検知、(換言すると「011」)となった場合に、遊技球Bを検知した(ON)と判定するようにしている。つまり、球センサからの出力が「011」の時はONと判定し、「011」以外の時はOFFと判定している。しかしながら、球揚上入口通路651や球揚上出口通路652のように、複数の遊技球Bが停留するような球通路に設けられている球センサ(ここでは、揚上入口センサ653や揚上出口センサ654)において、上記のような判定方法により遊技球Bの有無を判定するようにすると、当該球センサでは、球通路に遊技球Bが無い場合はOFFのみが発生し、球通路に遊技球Bが供給されている場合は短い間隔のONが多く発生し、球通路に貯留されている遊技球Bが一つずつ移動している(発射間隔で遊技球Bが移動している)場合は短い間隔のOFFが多く発生することとなる。そのため、上記のような判定方法では、球通路に遊技球Bが無いことを正確に判定することはできなかった。
これに対して、本実施形態では、ONの判定とOFFの判定に、夫々閾値(例えば、ONの閾値が200ms、OFFの閾値が200ms)を設け、閾値を越えて非検知や検知が連続した時にのみに、ONやOFFを判定するようにしている。換言すると、例えば、球センサからの出力が「01111・・・」の時にはONと判定し、「10000・・・」の時にはOFFと判定するようにしている。これにより、複数の遊技球Bが停留する球通路において、遊技球Bの有無を確実に検知(判定)することができる。
なお、ONやOFFを判定する閾値は、球通路の種類や、停留される遊技球Bの数、等によって異なるようにしても良いし、ONの閾値とOFFの閾値とを異ならせるようにしても良い。本実施形態では、球揚上入口通路651の揚上入口センサ653では、例えば、ONの閾値を80ms、OFFの閾値を200ms、としている。また、球揚上出口通路652の揚上出口センサ654では、例えば、ONの閾値を80ms、OFFの閾値を200ms、としている。また、後述する球送ユニット700の発射手前センサ704では、例えば、ONの閾値を12ms、OFFの閾値を12ms、としている。また、上述したように、球発射ユニット550の発射減算センサ554では、例えば、ONの閾値を80ms、OFFの閾値を80msとしている。
これら上記の閾値は、小さすぎるとちょっとした振動等で、誤検知し制御上のノイズとなる。また、閾値は、必要以上に大きすぎると、遊技球Bの状態を取りこぼすことになる。従って、適切な閾値については球センサの設けられる場所によって異なるが、最小でも10ms以上、最大でも300ms以下が望ましい。また、閾値は、割込み周期(例えば、4ms)の倍数(例えば、3倍~60倍)に決定すると、ソフト制御上、割込み回数をカウントするだけなのでソフトの負担を減らすことができる。基本的に閾値は、確実に遊技球Bが定位置に滞留する発射手前センサ704では短いが、ほぼ定位置に遊技球Bが滞留するものの、ある程度滞留位置に幅があるもの(例えば揚上出口センサ654)では閾値を長くして余裕を持たしている。発射減算センサ554の部分では遊技球Bは定位置に滞留(停留)するのであるが、人為的な振動により誤検知をしないように閾値を長くしている。
球揚上入口アース板金655は、循環球経路ユニット600から球揚上入口通路651に供給された遊技球Bの静電気を除去するものである。球揚上入口アース板金655は、揚上入口センサ653よりも上流側に設けられている。これにより、揚上入口センサ653を通る遊技球Bの静電気を事前に除去することができ、遊技球Bからの静電気により揚上入口センサ653において誤検知が生じたり枠制御基板740が故障したりすることを回避させることができる。
球揚上出口アース板金656は、球揚上機構660により揚上されると共に、球磨機構680により磨かれた遊技球Bの静電気を除去するものである。球揚上出口アース板金656は、揚上出口センサ654よりも上流側に設けられている。これにより、揚上出口センサ654を通る遊技球Bの静電気を事前に除去することができ、遊技球Bからの静電気により揚上出口センサ654において誤検知が生じたり枠制御基板740が故障したりすることを回避させることができる。
球揚上中継基板657は、揚上入口センサ653、揚上出口センサ654、揚上モータ664、揚上モータインデックスセンサ666、球磨モータ688、等と枠制御基板740との接続を中継するためのものである。球揚上中継基板657は、揚上機構カバー669の後側に取付けられている。
球磨機構680は、球揚上機構660の前側に取付けられている。球磨機構680は、外形が縦長直方体の箱状の球磨カセット681と、一部が球磨カセット681の後面において外部に露出している無端環ベルト状の磨布682と、磨布682における外部に露出している部位と球磨カセット681の後面との間に設けられているシート状の球磨スポンジ683と、球磨カセット681内の下部において左右方向の軸周りに回転可能に支持されている球磨送歯車684と、磨布682を間にして球磨送歯車684と噛合しており左右方向の軸周りに回転可能に支持されている球磨従動歯車685と、を備えている。
また、球磨機構680は、球磨カセット681の左方において前後の奥行が一定で上下延出しており後端辺が揚上機構ベース668に回転可能に取付けられている平板状の球磨モータベース686と、球磨モータベース686の左面に取付けられているギアカバー687と、ギアカバー687の左面に取付けられており回転軸がギアカバー687と球磨モータベース686との間に突出している球磨モータ688と、球磨モータ688の回転軸に取付けられている平歯車状のモータギア689と、モータギア689と噛合している平歯車状の大径ギア部690a、及び大径ギア部690aと一体回転する小径で平歯車状の小径ギア部690bを有し、球磨モータベース686とギアカバー687との間で回転可能に支持されている変速ギア690と、変速ギア690の小径ギア部690bと噛合しており球磨モータベース686とギアカバー687との間で回転可能に支持されている平歯車状の伝達ギア691と、伝達ギア691と一体回転し球磨モータベース686を貫通して右方へ突出している回転連結部692と、を備えている。
更に、球磨機構680は、球磨カセット681の前面に当接しており、左端側が球磨モータベース686の前端に係止されていると共に、右端側が本体枠ベース501におけるベース壁部501bの前面に取付けられる平板状のカセット押圧片693と、カセット押圧片693の右端側を揚上機構カバー669における支持突部669aの前面(係止孔669b)に対して着脱可能に取付けているナイラッチ694と、球磨モータベース686に対してカセット押圧片693を後方(球磨カセット681側)へ付勢しているバネ695と、を備えている。
球磨機構680の球磨カセット681は、図54に示すように、内部が空洞の箱状に形成されており、後面の上下両端縁に磨布682が通過可能なスリット681aが設けられている。球磨カセット681は、球揚上機構660における揚上機構ベース668に対して球磨口668aを閉鎖するように前方から着脱可能に取付けられている。
また、球磨カセット681は、左側面の下部に設けられている連結用孔681bと、連結孔の前方に設けられている位置決孔681cと、を有している。連結用孔681bは、球磨モータベース686から右方へ突出している回転連結部692が挿入されるものであり、連結用孔681bに挿入された回転連結部692の先端は球磨送歯車684に連結される。位置決孔681cは、球磨モータベース686の後述する位置決ピン686bが挿入されるものであり、位置決ピン686bが挿入されることで、球揚上機構660に対して球磨カセット681が位置決めされると共に、球磨カセット681が球揚上機構660に対して前方への移動が規制(ロック)される。
更に、球磨カセット681は、磨布682が巻き掛けられている複数のローラ681dと、上側のスリット681aに近接して設けられているローラ681dへ磨布682を押し付けている平板状のテンションバネ681eと、を有している。テンションバネ681eは、磨布682をローラ681dへ押し付けることにより、磨布682における球磨カセット681から外部に露出している部位に対してテンション(張力)を付与し、後面の外側において磨布682が撓まないようにしている。
磨布682は、左右が一定の幅の無端環のベルト状に形成されている。磨布682は、図50(a)及び図54(c)に示すように、球磨カセット681内では、前後に蛇行している状態で収容されており、球磨カセット681の上下のスリットを通して一部が球磨カセット681の後面よりも後方に露出している。
球磨スポンジ683は、球磨カセット681の後面と磨布682における後方へ露出している部位との間に設けられており、球磨カセット681の後面に取付けられている。球磨スポンジ683の後面には磨布682の内側面が接触している。この球磨スポンジ683は、球揚上ユニット650に組立てた状態で、球揚上機構660の球磨口668aから前方へ露出している遊技球Bに対して、磨布682を弾性押圧しており、遊技球Bの球面に対してより広い範囲で磨布682が接触するようにしている。なお、球磨スポンジ683は、球磨カセット681に対して交換可能に取付けられている。
球磨送歯車684は、球磨カセット681を取付けた状態で、その軸芯が伝達ギア691(回転連結部692)の軸芯と一致するように設けられており、回転軸の左端が回転連結部692と連結して伝達ギア691と一体回転する。
球磨従動歯車685は、球磨送歯車684との間で磨布682が入る隙間を有するように噛合しており、球磨送歯車684が回転することで逆方向へ回転すると共に、球磨送歯車684との間に挟まれている磨布682を送ることが可能である。
球磨モータベース686は、球磨カセット681の左側面に沿うように上下に延出しており、後端辺が揚上機構ベース668に対し上下方向に延びている軸周りに回転可能に取付けられている。これにより、球磨モータベース686は、球磨カセット681の左側面と平行なロック位置と、前端側が球磨カセット681から左方へ遠ざかった解除位置との間で回動させることができる。球磨モータベース686は、前端縁における上下方向中央よりも上側の部位に、左右に貫通している係止孔686aを有している。この係止孔686aには、カセット押圧片693の左端に設けられている係止鉤部693aが挿入されて係止される。
この球磨モータベース686は、図46に示すように、右側面における下端付近の前後方向後寄りの部位から回転連結部692が右方へ突出している。また、球磨モータベース686は、右側面における下端付近の前後方向中央の部位から右方へ円柱状に突出している位置決ピン686bを有している。位置決ピン686bの先端(右端)は円錐状に形成されている。この位置決ピン686bは、球磨カセット681の位置決孔681cに挿入されることにより、球磨カセット681を位置決めすると共に前方への移動を規制するものである。
詳述すると、球磨モータベース686が前後方向に対して前端が左方へ移動した解除位置に回動していると共に、揚上機構ベース668のカセット取付凹部668bに球磨カセット681が装着されている状態で、球磨モータベース686をその先端が右方へ移動するように回動させてロック位置に移動させると、前後方向に対して交差する方向から位置決ピン686bが球磨カセット681の位置決孔681cに挿入され、球磨カセット681を位置決めすることができると共に、球磨カセット681がカセット取付凹部668bから前方へ移動するのを阻止することができる。
この球磨モータベース686は、先端側が扉枠3の突起部102(案内面102a)に当接するように設けられている。これにより、詳細は後述するが、球磨モータベース686がロック位置以外の状態で、扉枠3を本体枠4に対して閉じようとすると、突起部102の案内面102aが球磨モータベース686の前端に接触して、球磨モータベース686がロック位置へ回動し、ロックのし忘れを防止することができると共に、カセット押圧片693等が扉枠3との間に挟まって破損してしまうことを防止することができる。
球磨モータ688は、揚上モータ664の作動とは無関係に制御されており、遊技球Bを1000個発射する毎に、磨布682が0.17mm移動するように制御されている。
カセット押圧片693は、左右に延出しており、左端に球磨モータベース686の係止孔686aに挿入されて係止される鉤状の係止鉤部693aが設けられている。このカセット押圧片693は、バネ695により平面視において反時計回りの方向へ回転するように付勢されている。換言すると、揚上機構ベース668のカセット取付凹部668bに装着されている球磨カセット681を後方へ押圧するように付勢されている。カセット押圧片693は、右端が球磨カセット681よりも右方へ延出しており、その後面が揚上機構カバー669における支持突部669aの前面に当接可能に構成されている。このカセット押圧片693の右端付近には、ナイラッチ694が設けられている。
ナイラッチ694は、カセット押圧片693の右端を揚上機構カバー669の支持突部669aに当接させた状態で、操作部694aを押すと、先端が拡径して支持突部669aの係止孔669bに係止され、カセット押圧片693を移動不能にロックすることができ、操作部694aを手前に引くと、ロックを解除することができる。詳述すると、ナイラッチ694は、円盤状の円盤部と円盤部の中心から突出している棒状部とからなる操作部694aと、操作部694aの棒状部が摺動可能に挿入される筒状部と筒状部における円盤部に近い基端部から外方へ延出しているフランジ部と筒状部におけるフランジ部とは反対側の先端部からフランジ部へ向かって切欠かれていると共に周方向に複数設けられているスリットとを有する筒部材(グロメット)と、を備えている。このナイラッチ694は、筒部材を支持突部669aの係止孔669bに挿入した状態で、操作部694aを支持突部669a側へ押圧すると、棒状部が筒状部内を先端側へ摺動することで、複数のスリットにより分割されている筒状部の先端が開くように拡径する。これにより、筒部材が係止孔669bから抜けなくなり、ロックすることができる。
本実施形態の球揚上ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、本体枠ベース501のベース壁部501bの後側に取付けられている。この球揚上ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に組付ける場合、球揚上機構660から球磨機構680の球磨カセット681が取外された状態(図47(a)を参照)で、ベース壁部501bの後面に設けられている球揚上ユニット取付部501jに取付ける。この際に、揚上機構ベース668から前方へ突出している球磨モータベース686及び支持突部669aを、球揚上ユニット取付部501jにおいて前後に貫通している開口501oを通して前端側をベース壁部501bの前方へ突出させる。
この状態では、ベース壁部501bの後面の球揚上ユニット取付部501jにおいて貫通している開口501oに、球揚上機構660の揚上機構ベース668の球磨口668aが位置しており、開口501o及び球磨口668aを通してベース壁部501b(本体枠4)の前方から揚上スパイラルシャフト661に揚上されている遊技球Bを視認することができる(図49を参照)。球磨口668aは、その幅が遊技球Bの直径よりも狭いため、球磨カセット681を取外しても、遊技球Bがこぼれることはない。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けると共に、球磨カセット681を取外すことで、前方から揚上スパイラルシャフト661や揚上スパイラルシャフト661に揚上されている遊技球Bを確認することができる。
球揚上ユニット650の球揚上機構660側をベース壁部501bの球揚上ユニット取付部501jに取付けたら、ベース壁部501bから前方へ突出しているナイラッチ694の操作部694aを引いてロックを解除し、バネ695の付勢力に抗してカセット押圧片693を前方且つ左方へ開くように回転させると共に、球磨モータベース686を、その先端側が球磨カセット681から遠ざかるように解除位置に回動させて、カセット押圧片693及び球磨モータベース686が揚上機構ベース668のカセット取付凹部668bの前方と重ならないようにする。そして、ベース壁部501bの前方から、磨布682が露出している面を後方へ向けた状態で球磨カセット681を、球磨口668aを前方から閉鎖するように揚上機構ベース668におけるカセット取付凹部668bの前方に配置する(図46及び図47(b)を参照)。
この状態で、球磨カセット681を後方へ移動させて、その後端をカセット取付凹部668bに挿入する。その後、球磨モータベース686を球磨カセット681の左側面と平行になるようにロック位置へ回動させ、球磨モータベース686の右側面から突出している回転連結部692と位置決ピン686bを、球磨カセット681の連結用孔681bと位置決孔681cに夫々挿入する。これにより、回転連結部692及び位置決ピン686bが前後方向に対して交差する方向から球磨カセット681に挿入されるため、球磨カセット681の前方への移動を規制することができる。
球磨モータベース686をロック位置へ移動させると、球磨モータベース686の前端に取付けられているカセット押圧片693がバネ695の付勢力により球磨カセット681を後方へ押圧すると共に、カセット押圧片693の右端が揚上機構カバー669の支持突部669aに当接した状態となる。この状態で、ナイラッチ694の操作部694aを押して支持突部669aの係止孔669bに係止させると、カセット押圧片693が回転不能にロックされ、球磨カセット681の取付けが完了する。
球磨カセット681を取外す場合は、ナイラッチ694の操作部694aを手前に引いてロックを解除した後に、上記とは逆の手順を行うことで球磨カセット681を取外すことができる。
ところで、球磨カセット681を取付けた際に、球磨モータベース686やカセット押圧片693によるロックをし忘れたりして不完全な状態であると、遊技中に球磨カセット681が外れることで遊技の中断の原因になり、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態では、球磨モータベース686やカセット押圧片693によるロックをし忘れても、球磨カセット681が外れないように構成されている。詳述すると、例えば、図48(a)に示すように、球磨モータベース686がロック位置に位置していないと共に、カセット押圧片693が球磨カセット681を後方へ押圧していない状態で、扉枠3を本体枠4に対して閉じようとすると、扉枠3の扉枠本体100における突起部102の傾斜している案内面102aが、球磨モータベース686の前端に当接する(図48(b)を参照)。
この際に、球磨モータベース686の前端に取付けられているカセット押圧片693は、図46に示すような前方へ突出したままの状態ではなく、バネ695の付勢力により図48(a)に示すような後方の球磨カセット681に接近するように移動しているため、カセット押圧片693が扉枠3に当接して球磨カセット681とは反対側へ回転することはなく、カセット押圧片693や扉枠3が破損することはない。
そして、扉枠3が閉じる方向へ更に移動すると、球磨モータベース686の先端が案内面102aに押されて右方のロック位置の方向へ回動することとなる。これにより、球磨モータベース686の右側面から突出している回転連結部692が球磨カセット681の連結用孔681bに挿入されると共に、球磨モータベース686の位置決ピン686bが球磨カセット681の位置決孔681cに挿入され、球磨カセット681の前方への移動が規制(ロック)される。また、カセット押圧片693がバネ695の付勢力により球磨カセット681を後方へ押圧している状態となる(図48(c)を参照)。これにより、球磨カセット681は、ロックされた状態となり、前方へ外れることはない。
なお、図示は省略するが、扉枠3の後面にナイラッチ694の操作部694aを後方へ押圧可能な突起を設けるようにしても良い。これにより、ナイラッチ694によるカセット押圧片693のロックをし忘れていても、ロックすることが可能となり、球磨カセット681の脱落(外れ)を確実に防止することができる。
また、上記の実施形態では、扉枠3の突起部102により球磨モータベース686をロック位置へ移動させて球磨カセット681を着脱不能にロックできるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、球発射ユニット550やファールユニット570を着脱可能に設けると共に、球発射ユニット550等を着脱不能にロックするためのロック手段を設け、当該ロック手段のロックが不完全な状態で扉枠3を本体枠4に対して閉めると、突起部102がロック手段に当接して球発射ユニット550等を着脱不能にロックできるようにしても良い。
本実施形態の球揚上ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、球揚上入口通路651の上流端の開口が、循環球経路ユニット600の球放出口600dと対面しており、蛇行状の球貯留通路604を流通した遊技球Bが供給される。球揚上入口通路651に供給された遊技球Bは、球揚上入口アース板金655に接触して静電気が除去された上で、揚上入口センサ653に検知されて、揚上スパイラルシャフト661の下端に供給される。この際に、遊技球Bは、前端側が前方へ貫通している球磨口668aに挿入されて、遊技球Bの前端側が球磨機構680の磨布682に接触すると共に、縦長の球磨口668aにより左右方向への移動が規制された状態となる。
この状態で、揚上モータ664により揚上スパイラルシャフト661が遊技球Bを揚上させる方向へ回転すると、揚上溝661aにより下から押されて遊技球Bが球磨口668aに沿って上方へ移動することとなる。この際に、遊技球Bは、球磨口668aの内周縁における上下に延びている部位と揚上溝661aとに接しつつ、回転しながら上方へ移動することとなる。これにより、遊技球Bにおける前端側の磨布682と接している部位が、遊技球Bの上昇(回転)に伴って変化することとなり、遊技球Bの全面を満遍なく磨くことが可能となる。
そして、遊技球Bが揚上スパイラルシャフト661の上端側に到達すると、球揚上出口通路652に進入し、球揚上出口アース板金656に接触した上で、揚上出口センサ654に検知され、球揚上出口通路652の下流端から、球送ユニットへ送られることとなる。この際に、球揚上機構660により揚上されることで遊技球Bが磨布682により磨かれて静電気が帯電しても、揚上出口センサ654の上流にある球揚上出口アース板金656との接触により、静電気が除去されることとなり、揚上出口センサ654や枠制御基板740等において球磨の静電気による不具合が生じることはない。
一方、球磨機構680では、球磨カセット681を取付けた状態で、球磨モータ688により球磨送歯車684が右側面視において時計回りの方向へ回動させると、磨布682における球磨カセット681の後面から外部に露出している部位が、球磨カセット681の下側のスリットを通って球磨カセット681内に収容される。この際に、磨布682における外部に露出している部位が下方へ引っ張られるため、球磨カセット681の上側のスリットを介して、磨布682における球磨カセット681内に収容されている部位が外部から繰り出されることとなる。
球磨機構680の磨布682は、間欠的にゆっくりとした速度で移動している。本実施形態では、遊技球Bを1000個発射する毎に、磨布682が0.17mm移動する。
このように、本実施形態の球揚上ユニット650によれば、遊技球Bを磨きつつ、循環球経路ユニット600から排出された遊技球Bを、球送ユニット700へ供給することができる。
[4-6.球送ユニット]
本体枠4における球送ユニット700について、主に図55乃至図57等を参照して詳細に説明する。図55(a)は本体枠における球送ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は本体枠における球送ユニットを後ろから見た斜視図である。図56(a)は球送ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送ユニットを分解して後ろが見た分解斜視図である。図57は、発射手前センサの部位で切断した球送ユニットの正面断面図である。
球送ユニット700は、球揚上ユニット650により揚上された遊技球Bを一つずつ球発射ユニット550へ供給するためのものである。球送ユニット700は、本体枠ベース501におけるベース壁部501bの後側に設けられている球送ユニット取付部501kに取付けられる。球送ユニット700は、ベース壁部501bと循環球経路ユニット600との間に挟まれるように、ベース壁部501bの上面から上方へ臨むと共に、上方へ着脱可能に取付けられる。
球送ユニット700は、後面において開口しており球揚上ユニット650から供給される遊技球Bが進入可能な球供給口701と、前面において開口しており球発射ユニット550の球発射台552bに遊技球Bを送球するための球送出口702と、球供給口701と球送出口702とを繋いでおり遊技球Bが流通可能な球送通路703と、球送通路703を流通する遊技球Bを検知可能な発射手前センサ704と、発射手前センサ704により検知された遊技球Bを一つずつ球送出口702から放出させるための球送可動部材705と、球送可動部材705を可動させて遊技球Bを球発射ユニット550へ送球するための球送ソレノイド706と、球送ソレノイド706及び発射手前センサ704と枠制御基板740との接続を中継している球送中継基板707と、を備えている。
また、球送ユニット700は、球送ソレノイド706におけるプランジャの進退を伝達させて球送可動部材705を可動させる伝達部材708と、後方へ開放されている箱状で内部に発射手前センサ704や球送ソレノイド706等が設けられているユニットベース709と、ユニットベース709の後端の開口を閉鎖するように取付けられている平板状のユニットカバー710と、を備えている。
球送ユニット700の球供給口701は、球送ユニット700の後面を構成しているユニットカバー710を貫通して設けられており、正面視中央から右上の部位に設けられている。球供給口701は、遊技球Bが一つずつ通過可能な大きさに形成されている。
球送出口702は、球送ユニット700の前面側を構成しているユニットベース709を前後に貫通して設けられており、正面視中央から下寄りの部位に設けられている。球送出口702は、遊技球Bが一つずつ通過可能な大きさに形成されている。
球送通路703は、球供給口701と球送出口702とを繋いでおり、球供給口701の部位から球送出口702の上方の部位まで左方へ低くなるように延出した後に、球送出口702の部位まで下方へ延出している。この球送通路703における左方へ延出している部位の左端付近に発射手前センサ704が設けられている。また、球送通路703における球送出口702の後方の上下に延びている部位に、球送可動部材705の球受部705aが位置している。
発射手前センサ704は、球送通路703における左方へ低くなるように延出している左端付近に設けられている。つまり、発射手前センサ704は、球送可動部材705における球受部705aの上流側直前に設けられている。この発射手前センサ704は、例えば、誘導電流の変化を検知することで、非接触により遊技球Bを検知するものである。
この発射手前センサ704が設けられている球送通路703は、球揚上入口通路651や球揚上出口通路652と同様に、遊技球Bの流れが停留する。そのため、発射手前センサ704では、揚上入口センサ653や揚上出口センサ654と同様に、ONの判定とOFFの判定に、夫々閾値を設け、その閾値を越えて非検知や検知が連続した時にのみに、ONやOFFを判定するようにしており、遊技球Bの有無を確実に判定(検知)することができる。なお、本実施形態の発射手前センサ704では、例えば、ONの閾値を12ms、OFFの閾値を12ms、としている。
球送可動部材705は、球送ソレノイド706の駆動に可動することで、球送通路703内の遊技球Bを一つずつ球送出口702から放出させて球発射ユニット550に供給するためのものである。球送可動部材705を、右方及び前後に解放されたコ字状で底壁が前方へ向かって傾斜しており遊技球Bを一つのみ収容可能な球受部705aと、球受部705aの左端から左方へ延出している棹部705bと、棹部705bの左端において前後に貫通しておりユニットカバー710の第一軸ピン710aが相対回転可能に挿入される軸受部705cと、軸受部705cと同軸上で右方へ扇状に設けられている可動ギア部705dとコ字状の球受部705aの上部を形成している球止部705eと、を有している。
球送ソレノイド706は、球送可動部材705を可動させて球送通路703内の遊技球Bを一つずつ球送出口702から球発射ユニット550に供給するためのものである。球送ソレノイド706は、ユニットベース709とユニットカバー710との間において、通電により磁力が発生する磁極部を下方へ向けた状態で、正面視左上隅に設けられている。詳細は後述するが、球送ソレノイド706は、発射ソレノイド553と関連して、所定の発射シーケンスに基づいてハード的に一連の動作をする。
球送中継基板707は、発射手前センサ704及び球送ソレノイド706と、枠制御基板740との接続を中継するためのものである。球送中継基板707は、ユニットベース709とユニットカバー710の間で、発射手前センサ704の右方に設けられている。
伝達部材708は、球送可動部材705が可動するように球送ソレノイド706のプランジャの進退を伝達させるものである。伝達部材708は、球送ソレノイド706の磁極部に磁着可能な板金708aが取付けられている板金保持部708bと、板金保持部708bから右方へ延出している棹部708cと、棹部708cの右端において前後に貫通しておりユニットカバー710の第二軸ピン710bが相対回転可能に挿入される軸受部708dと、軸受部708dと同軸上で左方へ扇状に設けられており球送可動部材705の可動ギア部705dと噛合する駆動ギア部708eと、を有している。
ユニットベース709は、後方へ開放された箱状に形成されており、前面の中央下寄りの部位に球送出口702が前後に貫通して設けられている。ユニットベース709は、ユニットカバー710と協働して、球送通路703を形成していると共に、発射手前センサ704、球送可動部材705、球送ソレノイド706、球送中継基板707、伝達部材708、を保持している。
ユニットベース709は、上面において左右方向に離隔して下方へ凹んでいるツマミ部709aと、前面の右下隅に設けられている弾性爪709bと、を有している。ツマミ部709aは、作業者が上方から摘まめるように形成されており、球送ユニット700を本体枠4の本体枠ベース501から上方へ取外す際に使用される。ツマミ部709aは、互いに近接している側面が、蟻溝状に形成されており、下方へ向かうに従って接近するように傾斜している。ツマミ部709aの側面には、前後に延びた突条が上下に並んで複数設けられている。弾性爪709bは、球送ユニット700を本体枠ベース501の球送ユニット取付部501kに取付けた状態にすると、球送ユニット取付部501kの係止孔に係止されて上方へ取外せないようにするためのものである。
球送ユニット700を本体枠ベース501から取外す場合は、ベース壁部501bの係止孔を貫通して前方へ臨んでいる弾性爪709bを後方へ押圧して弾性変形させると共に、上面に設けられているツマミ部709aを摘まんで引き上げることで、本体枠ベース501の球送ユニット取付部501kから上方へ取外すことができる。
ユニットカバー710は、正面視中央から右上の部位に球供給口701が前後に貫通して設けられている。ユニットカバー710は、ユニットベース709と協働して、球送通路703を形成していると共に、発射手前センサ704、球送可動部材705、球送ソレノイド706、球送中継基板707、伝達部材708、を保持している。ユニットカバー710は、正面視左下隅付近に、円柱状に前方へ突出している第一軸ピン710a及び第二軸ピン710bを、有している。第一軸ピン710aは、球送可動部材705の軸受部705cに挿入することで、球送可動部材705を回転(回動)可能に支持することができる。第二軸ピン710bは、伝達部材708の軸受部708dに挿入することで、伝達部材708を回転(回動)可能に支持することができる。
本実施形態の球送ユニット700は、組立てた状態では、球送可動部材705の軸受部705cに第一軸ピン710aが挿入されていると共に、伝達部材708の軸受部708dに第二軸ピン710bが挿入されており、球送可動部材705の可動ギア部705dと伝達部材708の駆動ギア部708eとが互いに噛合している。この状態では、球送可動部材705の右端の球受部705aが、球送通路703内における球送出口702の後方の上下に延びている部位に位置しており、軸受部705cを中心として球送可動部材705が回動すると、球受部705aが球送通路703における上下に延びている部位を上下に移動する。
球送ユニット700は、通常の状態では、球送ソレノイド706が非通電(OFF)となっている。そのため、伝達部材708の板金708aが重力により球送ソレノイド706の磁極部から下方へ離れた状態となっている。この状態では、球送可動部材705の球受部705aの下面が、球送通路703の下流端の底壁と当接し、球受部705aの前端開口が球送出口702と一致していると共に、球受部705aの右端開口が球送通路703と一致していない。従って、上流から球受部705aへ向かって流通してきた遊技球Bは、球受部705aのコ字状の上部の球止部705eに当接して球受部705aに受けられることはない。一方、球受部705aに受けられている遊技球Bは、球受部705aの底壁の傾斜により前方へ転動して球送出口702から前方へ放出される。
球送可動部材705の球止部705eは、遊技球Bが当接して球送りを停止させている状態では、図57に示すように、球送可動部材705の回転中心と当接している遊技球Bの中心とを結んだ軸線上に位置している。これにより、球止部705eに作用する遊技球Bからの球圧を、第一軸ピン710aにより受けることができるため、球送ユニット700までに貯留されている複数の遊技球Bの球圧により、球送可動部材705が回転して球発射ユニット550側へ落下してしまうことを防止することができる。
また、通常の状態において、球止部705eを、第一軸ピン710aの中心と球止されている遊技球Bの中心とを結んだ軸線上に位置させているため、ドツキゴトや周囲からの振動が作用することで、球止部705eに当接している遊技球Bが上下に振動しても、遊技球Bの振動に合わせて球止部705eが追従するように球送可動部材705を、第一軸ピン710aを中心にして回転させることができ、球止部705eによる球止が解除されてしまうことを防止することができる。これにより、ドツキゴト等により球止部705eによる球止が解除された遊技球Bが球発射ユニット550を介してファールユニット570に排出されて、ファール球として持ち球数に加算されてしまうことを防止することができる。
この通常の状態で、球送ソレノイド706に通電(ON)されると、球送ソレノイド706の磁極部に発生した磁力により伝達部材708の板金708aが上方の磁極部へ吸い寄せられ、伝達部材708がその軸受部708dを中心にして時計回りの方向へ回動することとなる。伝達部材708が時計回りの方向へ回動すると、伝達部材708の駆動ギア部708eと噛合している球送可動部材705の可動ギア部705dにより、球送可動部材705がその軸受部705cを中心にして反時計回りの方向へ回動することとなり、球受部705aが上方へ移動することとなる。
球送可動部材705の球受部705aが上方へ移動すると、球受部705aの前端開口が球送出口702と一致していない状態になると共に、球受部705aの右端開口が球送通路703と一致した状態となり、球送通路703から遊技球Bが球受部705aに受け取られる。この状態では、球受部705aの右端開口が球送出口702と一致していないため、球受部705aに受けられた遊技球Bが前方へ転動して球送出口702から放出されることはない。また、球受部705aは、遊技球Bを一つのみ収容可能な大きさとしているため、球受部705aに遊技球Bが一つ受けられると、その上流側の遊技球Bは球受部705aに受けられることはない。
その後、球送ソレノイド706の通電が停止(OFF)されると、球送ソレノイド706の磁極部からの伝達部材708の板金708aに対する吸着が解除される。この際に、球送可動部材705の球受部705aに遊技球Bが受けられているため、遊技球Bの重さにより球受部705aが下方へ移動するように、球送可動部材705がその軸受部705cを中心にして時計回りの方向へ回動すると共に、球送可動部材705の可動ギア部705dと噛合している駆動ギア部708eを介して伝達部材708がその軸受部708dを中心にして反時計回りの方向へ回動し、通常の状態に復帰する。
そして、球送ユニット700が通常の状態に復帰すると、球送可動部材705の球受部705aの前端開口が球送出口702と一致するため、球受部705aに受けられていた遊技球Bが前方へ転動して球送出口702から球発射ユニット550へ放出されることとなる。
このように、本実施形態の球送ユニット700によれば、球送ソレノイド706をON・OFFすることで、遊技球Bを一つずつ球発射ユニット550へ送ることができる。
[4-7.球受トレー]
本体枠4における球受トレー720について、主に図6及び図7、図20、等を参照して説明する。球受トレー720は、循環球経路ユニット600の下方に設けられており、循環球経路ユニット600の球抜口613pから排出された遊技球Bを受けるためのものである。球受トレー720は、上方へ開放された容器状に形成されており、底壁が前方へ向かって低くなるように傾斜している。
球受トレー720は、本体枠ベース501におけるトレー挿入凹部501fに前方から挿入されて取付けられている。球受トレー720は、左右両側壁に弾性爪721を有しており、本体枠ベース501に取付けた状態で、弾性爪721が本体枠ベース501の係止爪501nに係止されて、前方へ抜けることはない。球受トレー720を取外す場合、弾性爪721を球受トレー720の内側へ弾性変形させることで、係止が解除され、前方へ引き出すことが可能となる。
球受トレー720を本体枠ベース501のトレー挿入凹部501fに取付ける場合は、トレー挿入凹部501fの前方から球受トレー720を後方へ移動させて、トレー挿入凹部501f内に挿入する。この際に、係止爪501nの前端が鏃状に傾斜しているため、係止爪501nに前方から球受トレー720の弾性爪721が当接すると、鏃状の傾斜により弾性爪721が内側に弾性変形し、球受トレー720をトレー挿入凹部501fに挿入させることができる。そして、球受トレー720の弾性爪721が係止爪501nの部位を通り過ぎて係止爪501nとの当接がなくなると、弾性変形していた弾性爪721が元の状態に戻り、係止爪501nに係止されて球受トレー720の前方へのスライドを阻止している状態となる。
この球受トレー720は、前端側が低くなるように傾斜しているトレー挿入凹部501fの底壁に載置されるため、循環球経路ユニット600の球抜口613pから排出された遊技球Bが貯留されて重くなると、底壁の傾斜により前方へスライドしようとするが、弾性爪721と係止爪501nとの係止によりスライドが阻止される。そして、弾性爪721による係止爪501nへの係止を解除すると、貯留されている遊技球Bの重量により球受トレー720が前方へ自動的にスライドし、球受トレー720をトレー挿入凹部501fから簡単に取り出すことができる。
なお、図示は省略するが、本実施形態の球送ユニット700は、本体枠4に取付けた状態で、本体枠ベース501のベース壁部501bを前方から貫通するようにして球送中継基板707に、配線コネクタが接続されるため、配線コネクタを接続した状態で球送ユニット取付部501kから上方へ取外そうとしても、配線コネクタが干渉して取外せないように構成されている。
また、球送ユニット700を本体枠4に取付けてパチンコ機1に組立てた状態では、球送ユニット700の上方に遊技盤5の遊技パネル1100が位置しており、球送ユニット700が上方へ抜けることはない。また、本体枠4の球送ユニット取付部501kに対する球送ユニット700の上方からの挿入が不完全な状態で、遊技盤挿入部502に前方から遊技盤5を挿入すると、球送ユニット700の上部が遊技盤5(遊技パネル1100)により下方へ押圧されて、完全に挿入させることができる。
[4-8.枠基板ユニット]
本体枠4における枠基板ユニット730について、主に図17及び図18、図58乃至図60等を参照して説明する。図58は、外枠に対して本体枠を開くと共に裏カバー及び枠基板ユニットを開いた状態で示す斜視図である。図59は、外枠及び本体枠における枠基板ユニットの部位を拡大して示す説明図である。図60は、枠基板ユニットを開いた状態で本体枠の後側を示す参考写真である。枠制御基板740は、詳細は後述するが、持ち球数表示部140での持ち球数の表示、計数ボタンスイッチ180に操作による精算処理、球発射ユニット550、球揚上ユニット650、球送ユニット700、等の制御や、循環球経路ユニット600における遊技球Bの管理(監視)、等を行うためのものである。
枠基板ユニット730は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501のベース壁部501bの後方の部位に開閉可能に取付けられる。枠基板ユニット730は、枠制御基板740と、電源基板750と、インターフェース基板760と、遊技球貸出装置接続端子板765と、を備えている。
また、枠基板ユニット730は、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられるユニットベース770と、ユニットベース770の後側に取付けられ枠制御基板740を収容している枠制御基板ボックス771と、枠制御基板ボックス771とユニットベース770との間に取付けられ電源基板750を収容している電源基板ボックス772と、枠制御基板ボックス771の正面視左方においてユニットベース770に取付けられインターフェース基板760及び遊技球貸出装置接続端子板765を収容しているインターフェース基板ボックス773と、ユニットベース770を本体枠ベースユニット500に対して開閉不能に固定するためのナイラッチ774と、を備えている。ナイラッチ774は、上述したナイラッチ694と同じ構成であり、その構成についての詳細な説明は省略する。
枠制御基板740は、図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶しているROM、一時的にデータを記憶するためのRAM、処理プログラムやコマンドを実行させるCPU、等を備えている。
枠制御基板740は、枠制御基板740は、RAMに記憶されている情報を消去するためのRAMクリアスイッチ741と、封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜く際に使用する球抜スイッチ742と、RAM等に記憶されている遊技者の持ち球数をクリアすると共に扉枠3の持ち球数表示部140での表示をクリアするための球数記憶・表示クリアスイッチ743と、を有している(図63を参照)。
枠制御基板740には、遊技盤5に設けられている後述する主制御基板1310が双方向通信で接続されていると共に、遊技球貸出装置接続端子板765が双方向通信で接続されている。枠制御基板740は、遊技球貸出装置接続端子板765を介して遊技球貸出装置8に接続されている。
枠制御基板740には、扉枠3の持ち球数表示部140、発射停止スイッチ161、ハンドルタッチセンサ162、ハンドル回転センサ163、計数ボタンスイッチ180、が接続されている。
また、枠制御基板740には、本体枠4の扉開放スイッチ507、枠開放スイッチ508、発射ソレノイド553、発射減算センサ554、アウト球センサ605、セーフ球センサ606、ファール球センサ607、循環球過少センサ621、循環球過多センサ622、揚上入口センサ653、揚上出口センサ654、揚上モータ664、揚上モータインデックスセンサ666、球磨モータ688、発射手前センサ704、球送ソレノイド706、が接続されている。
電源基板750は、枠制御基板740や主制御基板1310、周辺制御基板1510等に、所定電圧の電力を供給するためのものである。電源基板750の後面の右端付近に電源スイッチ751が設けられている。この電源スイッチ751は、操作できるように電源基板ボックス772から後方へ露出している。
インターフェース基板760は、枠制御基板740と、扉枠3側や遊技盤5側に設けられている各種の中継基板との接続を中継するためのものである。
遊技球貸出装置接続端子板765は、枠制御基板740と遊技球貸出装置8との接続を中継するためのものである。
ユニットベース770は、左右に長く形成されており、左端に本体枠ベースユニット500の本体枠スピーカボックス504の後面に設けられている枠基板ユニット軸支部504dに軸支されるヒンジ軸770aが設けられていると共に、右端に二つのナイラッチ774が操作部774aを後方へ向けて取付けられている。
ユニットベース770は、平面視において左端から左右方向の全長に対して1/4の長さで右方へ延出している後面部770bと、後面部770bの右端から前方へ短く延出している繋部770cと、繋部770cの前端から右端まで延出している前面部770dと、を有している。これにより、ユニットベース770は、後面部770bと前面部770dとの間において前後方向の段差を有している。
ユニットベース770の後面部770bの後側には、インターフェース基板ボックス773が着脱可能に取付けられる。一方、ユニットベース770の前面部770dの後側には、電源基板ボックス772が着脱可能に取付けられると共に、電源基板ボックス772の後側に枠制御基板ボックス771が着脱可能に取付けられる。
また、ユニットベース770は、枠制御基板ボックス771及び電源基板ボックス772が取付けられる部位よりも上側に、左右に延びていると共に後方から前方へ向かって凹んでいる電源ハーネス収容部770eが設けられている。この電源ハーネス収容部770eは、ヒンジ軸770aに近い左端付近の部位が広く形成されている。電源ハーネス収容部770eには、ガイドリブが設けられており、束ねた状態の電源ハーネスPH(図60を参照)を収容することができる。これにより、枠基板ユニット730を本体枠ベースユニット500に取付けるまでの組立ての際に、電源ハーネスPH(電源コード)が邪魔になることはなく、組立作業の効率を向上させることができる。
また、図59に示すように、電源ハーネス収容部770eの後方の一部を、裏カバー505の下端の一部と重なるようにしているため、本体枠4等を搬送している時に、電源ハーネスPHがフリーの状態になっても、裏カバー505に当接することにより電源ハーネスPHの飛び出しを抑えることができ、電源ハーネスPHが飛び出して不慮の引っ掛かり等による破損を防止することができる。
本実施形態の枠基板ユニット730は、通常の状態(使用状態)では、ユニットベース770の左端に設けられているヒンジ軸770aが本体枠ベースユニット500の枠基板ユニット軸支部504dに軸支されていると共に、ユニットベース770の右端に取付けられているナイラッチ774が本体枠ベース501のベース壁部501bの後面に設けられている支持突部501rに取付けられている。この状態では、枠基板ユニット730が、ベース壁部501bの後側に取付けられている循環球経路ユニット600や球揚上ユニット650の後方を覆っており、それらに対してアプローチ不能としている。
また、通常の状態では、図20に示すように、枠基板ユニット730におけるユニットベース770の前面部770d、電源基板ボックス772、枠制御基板ボックス771、が本体枠スピーカボックス504におけるボックス拡張部504cの上方に位置している。この際に、前面部770d及び電源基板ボックス772が、枠制御基板ボックス771よりも上下が短く形成されているため、電源基板ボックス772とボックス拡張部504cとの間に、配線等を収容可能な空間が形成されている。
更に、通常の状態では、図59に示すように、上側のナイラッチ774の後に裏カバー505の前端が位置しており、ナイラッチ774の操作部774aを引けないように構成されている。また、通常の状態では、裏カバー505の下部が枠基板ユニット730の後方と重なっている。これにより、裏カバー505を本体枠ベース501から開いた状態にしないと、裏カバー505が干渉(当接)して枠基板ユニット730を後方へ開くことができない(開くことが阻止される)ように構成されている。
従って、通常の状態において、何らかの理由によりナイラッチ774のロックが解除されて、枠基板ユニット730が後方へヒンジ回転しようとしても、その後方に裏カバー505の下部が重なるように位置しているため、枠基板ユニット730がヒンジ回転して本体枠ベース501から開くことを阻止することができる。これにより、枠基板ユニット730が本体枠ベース501から開いている状態で、本体枠4を外枠2から開くことにより、枠基板ユニット730が外枠2に接触して枠基板ユニット730が破損してしまうことを回避させることができる。
この通常の状態から、本体枠4の後側における循環球経路ユニット600や球揚上ユニット650等を確認する場合は、まず、外枠2に対して本体枠4を前方へ開いた状態にする。そして、裏カバー505を本体枠ベース501から後方へ開いた上で、ナイラッチ774の操作部774aを後方へ引いてロックを解除すると、ユニットベース770の右端側の支持突部501rとの取付けが外れ、左端のヒンジ軸770aを中心にしてヒンジ回転させることで、枠基板ユニット730を後方へ開くことが可能となる。この枠基板ユニット730を後方へ開くことで、ベース壁部501bの後側に取付けられている循環球経路ユニット600や球揚上ユニット650が現れることとなり、それらに対するアプローチが可能となる(図58及び図60を参照)。
枠基板ユニット730を後方へ開いた状態では、図60に示すように、本体枠ベース501が黒色の不透明であるのに対して、本体枠スピーカボックス504、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、等が透明な部材により構成されており、それらの内部を外側から視認(確認)することができる。
枠基板ユニット730を後方へ開いた状態から、通常の状態に戻すには、上記とは逆の手順を行うことで、通常の状態に戻すことができる。
ところで、枠基板ユニット730を本体枠ベース501から開いた後に、通常の状態に戻す際に、先に裏カバー505を本体枠ベース501に対して閉じると、枠基板ユニット730を閉じようとしても、枠基板ユニット730が裏カバー505に干渉(当接)して閉じることができない。また、枠基板ユニット730が開いている状態(裏カバー505が開いている状態)で、本体枠4を外枠2に対して閉じようとすると、枠基板ユニット730や裏カバー505が外枠2に干渉(当接)して閉じることが阻止される。これにより、枠基板ユニット730の閉め忘れを知らせることができる。
また、枠基板ユニット730を本体枠ベース501に対して閉じた後に、ナイラッチ774の操作部774aを押し忘れ(ロックし忘れ)ても、裏カバー505を本体枠ベース501に対して閉じると、裏カバー505における右下の前端がナイラッチ774の操作部774aに後方から当接し、操作部774aを押圧してロックすることができる。
[4-9.錠ユニット]
本体枠4における錠ユニット780について、主に図6及び図7等を参照して説明する。錠ユニット780は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の正面視右端縁に沿って後方から取付けられている。錠ユニット780は、外枠2と本体枠4及び扉枠3と本体枠4の間を施錠するためのものである。
錠ユニット780は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501mを後方から貫通して前端が前方へ突出する筒状の錠シリンダ781と、錠シリンダ781の前端面に設けられている鍵穴782と、鍵穴782に対応する鍵を挿入して所定方向へ回動させると扉枠3と本体枠4との施錠が解除される扉枠ロック爪783と、鍵穴782に対応する鍵を挿入して上記とは判定方向へ回動させると本体枠4と外枠2との施錠が解除される外枠ロック爪784と、を有している。
[5.遊技盤の簡単な説明]
パチンコ機1の遊技盤5について、後述する図103等で示す遊技盤5と同じ盤面構成であり、ここでは図8を参照して簡単に説明する。遊技盤5は、遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内に、遊技球Bの受入れにより特典が付与される一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、等の入賞口が設けられており、入賞口に遊技球Bが受入れられるように遊技者がハンドル160を操作して遊技球Bの打込みを楽しませるためのものである。遊技盤5は、本体枠4の遊技盤挿入部502に前側から着脱可能に取付けられる。遊技盤5は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の遊技窓101を通して遊技者側から視認可能とされ、遊技者がハンドル160を操作することにより遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内において遊技球Bと当接可能に所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘(図示は省略)と、を備えている。
遊技盤5の前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト口1008に受入れられた遊技球Bは、遊技領域5aに戻されることなく遊技パネル1100の後方において遊技盤5から下方(循環球経路ユニット600のアウト球受口600a)へ排出される。
遊技盤5は、遊技パネル1100の後方に設けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、を備えている。
また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後方に設けられている周辺制御基板1510と、遊技パネル1100の後方で正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。
遊技盤5(表ユニット2000)には、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bが通過可能なゲート2010と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bの受入れにより第一特別図柄及び第二特別図柄の抽選が行われる第一始動口2003及び第二始動口2004と、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入が可能となる大入賞口2005と、を備えている。
第一始動口2003は、遊技領域5a内の中央に設けられている枠状のセンター役物2500の下方でアウト口1008の直上に設けられている。第二始動口2004は、アタッカユニット2400に設けられており、ゲート2010を遊技球Bが通過することにより抽選された普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bを受入可能に開閉する。
大入賞口2005は、遊技領域5a内における右下隅に取付けられているアタッカユニット2400に設けられている。
また、遊技盤5には、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、ゲート2010を通過している遊技球Bを検知するゲートセンサ2011と、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、を備えている(図63を参照)。
一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方において一般入賞口センサ3001に検知された上で、遊技盤5から下方の循環球経路ユニット600におけるセーフ球受口600bに排出される。第一始動口2003に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方において第一始動口センサ2101に検知された上で、遊技盤5から下方の循環球経路ユニット600におけるセーフ球受口600bに排出される。第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方において第二始動口センサ2401に検知された上で、遊技盤5から下方の循環球経路ユニット600におけるセーフ球受口600bに排出される。大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方において大入賞口センサ2402に検知された上で、遊技盤5から下方の循環球経路ユニット600におけるセーフ球受口600bに排出される。
主制御基板1310は、パチンコ機1において遊技領域5a内での遊技球Bを使用した遊技の制御を行うものである。主制御基板1310は、本体枠4に設けられている枠制御基板740に対して双方向通信で接続されていると共に、周辺制御基板1510に対して出力信号のみの一方向で接続されている。
主制御基板1310は、一般入賞口センサ3001、ゲートセンサ2011、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、等からの遊技球Bの検知信号が入力される。また、主制御基板1310は、第二始動口2004を開閉するための始動口ソレノイド2412、大入賞口2005を開閉するためのアタッカソレノイド2414、等へ駆動信号を出力する。
主制御基板1310は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが一般入賞口センサ3001に検知されると、所定数(例えば、10個)の賞球コマンドを出力する。これは従来のパチンコ機と変らないため主制御基板1310のソフトウエアを変更しなくても良い。この賞球コマンド受け付けると枠制御基板740では、持ち球加算信号と解釈する。また、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bが第一始動口センサ2101に検知されると、所定数(例えば、1個)の賞球コマンドを出力する。また、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bが第二始動口センサ2401に検知されると、所定数(例えば、1個)の賞球コマンドを出力する。更に、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bが大入賞口センサ2402に検知されると、所定数(例えば、10個、または、13個)の賞球コマンドを出力する。
また、主制御基板1310は、普通図柄の抽選結果や特別図柄の抽選結果等の信号を、周辺制御基板1510へ出力する。
機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通図柄の抽選結果や特別図柄の抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート2010での遊技球Bの通過により抽選される普通図柄の抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート2010での遊技球Bの通過により抽選される普通図柄の保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、特別図柄(第一特別図柄又は第二特別図柄)の抽選結果が「当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
周辺制御基板1510は、演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御基板1510は、主制御基板1310から送られた信号に基づいて、演出表示装置1600に演出画像を表示させたり発光演出や可動演出等を実行させたりするものである。
[6.遊技球の流れ]
続いて、パチンコ機1における遊技球Bの流れについて、主に図61及び図62等を参照して説明する。図61は、本体枠の後面側における遊技球の各種通路を背面から示す説明図である。図62は、本体枠における遊技球の流れを模式的に示す説明図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技者がハンドル160を操作していない状態では、図62に示すように、多数(例えば、40~60個)の循環する遊技球Bが本体枠4における遊技盤5よりも下方の部位において貯留されている。本体枠4における遊技球Bの循環経路Rは、上流側から順に、ファールユニット570及び循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、球送ユニット700、球発射ユニット550、が設けられている。循環経路Rは、アウト球通路601、セーフ球通路602、ファール球通路603、球貯留通路604、球揚上入口通路651、球揚上出口通路652、等により構成されている。
循環経路Rを流通している遊技球Bを検知するための複数のセンサは、上流側から、セーフ球センサ606、アウト球センサ605、ファール球センサ607、循環球過多センサ622、循環球過少センサ621、揚上入口センサ653、揚上出口センサ654、発射手前センサ704、発射減算センサ554、の順に設けられている。これら各種センサからの信号に基づいて、枠制御基板740において後述する様々な制御処理が実行される。
遊技者がハンドル160を操作していない状態では、セーフ球センサ606、アウト球センサ605、ファール球センサ607、循環球過多センサ622、がOFF(非検知)の状態となっており、循環球過少センサ621、揚上入口センサ653、揚上出口センサ654、発射手前センサ704、発射減算センサ554、がON(検知)の状態となっている。
本体枠4における循環経路R内では、多数の遊技球Bが一列に並んでいる状態で貯留されている。一列に並んでいる多数の遊技球Bは、先頭が球発射ユニット550における発射ユニットカバー552の球発射台552b上に位置しており、最後部が循環球経路ユニット600の球貯留通路604におけるゲージ部620の範囲内で、球抜シャッター615よりも上流側に位置している。
循環経路Rにおいて、球揚上ユニット650における揚上スパイラルシャフト661の上端と揚上出口センサ654との間の部位は、所定個数(例えば、5個)の遊技球Bが並ぶ長さに対して所定個数よりも少ない特定個数(例えば、4個)の遊技球Bが並んでいる。これは、揚上スパイラルシャフト661を原点復帰させる際に、遊技球Bが1個揚上されても、その揚上された遊技球Bを受け取るスペースを確保するためである。
また、循環経路Rにおいて、発射手前センサ704と揚上出口センサ654との間の部位は、所定個数(例えば、10個)が並んでいる。これにより、揚上出口センサ654において遊技球Bの検知がOFF(非検知)になった後にも、球発射ユニット550において遊技球Bが発射され続けている場合、揚上スパイラルシャフト661の回転により遊技球Bが揚上されて補充されるまでの間に、発射される遊技球Bがなくなってしまうことを回避させることができる。
そして、遊技者がハンドル160を操作して球発射ユニット550の発射ソレノイド553が駆動されると、発射ユニットカバー552における球発射台552bに載置されていた遊技球Bが発射され、発射減算センサ554において遊技球Bの検知が非検知(OFF)となる。これにより、遊技者の持ち球数が1個減算される(後述の持ち球減算処理)。その後、球送ユニット700の球送ソレノイド706に所定時間通電され、球送可動部材705の球受部705aが上下に移動して、1個の遊技球Bが球発射台552bに載置されて、発射減算センサ554が検知(ON)の状態となる。
遊技者のハンドル160の操作により遊技球Bが1個ずつ発射されと、発射手前センサ704と揚上スパイラルシャフト661の上端との間(球揚上出口通路652)に貯留されている複数の遊技球Bが1個ずつ減少し、やがて揚上出口センサ654において遊技球Bの検知が非検知(OFF)となる。そして、揚上出口センサ654が非検知になってから所定数(例えば、3個)の遊技球Bが発射されると、球揚上ユニット650の揚上モータ664により揚上スパイラルシャフト661が回転を開始し、3回転して3個の遊技球Bを球揚上出口通路652へ供給した後に停止する(後述の揚上モータ動作処理)。
揚上モータ664により揚上スパイラルシャフト661が回転すると、球揚上入口通路651の下流端に位置している遊技球Bが、揚上スパイラルシャフト661の下端側へ移動して上方へ移動させられる。これにより、球揚上入口通路651及び球貯留通路604において並んでいる多数の遊技球Bが下流側へ流れることとなり、球貯留通路604に貯留されている遊技球Bが減少することとなる。
球発射ユニット550から発射されて遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれた遊技球Bは、アウト口1008、又は、入賞口(一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005)の何れかに受入れられる。遊技盤5のアウト口1008に受入れられた遊技球Bは、遊技盤5から下方へ排出されて循環球経路ユニット600のアウト球受口600aに受け渡される。アウト球受口600aに受け渡された遊技球Bは、アウト球通路601を通ることでアウト球センサ605に検知され、球貯留通路604へ送られる。
一方、遊技盤5の入賞口に受入れられた遊技球Bは、遊技盤5から下方へ排出されて循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bに受け渡される。セーフ球受口600bに受け渡された遊技球Bは、セーフ球通路602を通ることでセーフ球センサ606に検知され、球貯留通路604へ送られる。
アウト球センサ605により遊技球Bが検知されるとアウト球数がカウントされ、セーフ球センサ606により遊技球Bが検知されるとセーフ球数がカウントされる。これにより、正確な遊技球Bの出玉率を算出することが可能となる。なお、算出された出玉率は、主制御基板1310に設けられている表示部(図示は省略)に表示される。この出玉率は、遊技状態に応じて変化するため、所定期間(例えば、単位時間当り、所定時間当り、一日当たり、等)内の出玉率として、「(所定期間内の入賞による持ち球の加算数-所定期間内のセーフ球数)÷所定期間内のアウト球数=所定期間内の出玉率」のように算出する。
ところで、球発射ユニット550(球発射台552b)から発射されたにも関わらず遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれなかった遊技球Bは、ファール球としてファールユニット570により回収された後に、循環球経路ユニット600のファール球受口600cに受け渡される。そして、ファール球受口600cに受け渡された遊技球Bは、ファール球通路603を流通することでファール球センサ607に検知され、球貯留通路604へ送られる。ファール球センサ607により遊技球Bが検知されると、遊技者の持ち球数が1個加算される(後述の持ち球加算処理)。
このように、本実施形態のパチンコ機1では、遊技球Bが、外部へ排出されたり外部から供給されたりすることなく封入されており、内部において循環することで、遊技者が遊技球Bに触れることはない。
[7.各種制御処理]
次に、本実施形態のパチンコ機1における枠制御基板740での各種の制御処理について、図63乃至図76等を参照して詳細に説明する。図63は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。図64は、発射許可処理を示すフローチャートである。図65は持ち球減算処理を示すフローチャートであり、図66はファール球による持ち球加算処理を示すフローチャートである。図67は、発射制御処理を示すフローチャートである。図68は、発射シーケンスにおける発射ソレノイドと球送ソレノイドとの動作を示すタイムチャートである。図69(a)は図67とは異なる発射制御処理を示すフローチャートであり、(b)は(a)の発射制御処理の場合の持ち球減算処理を示すフローチャートである。
また、図70は、賞球処理を示すフローチャートである。図71は揚上モータ動作処理を示すフローチャートであり、図72は揚上入口センサ及び揚上出口センサと揚上モータの動作との関係を示す表であり、図73は遊技球の発射動作と球揚上ユニットの動作との関係を示すグラフである。図74は、球揚上ユニットにおける球揚上機構の動作を示すグラフである。図75(a)はセキュリティ処理を示すフローチャートであり、(b)は(a)とは異なる実施形態のセキュリティ処理を示すフローチャートである。図76は、循環球過少センサ及び循環球過多センサとエラー報知との関係を示す表である。なお、図63では、主制御基板1310や周辺制御基板1510等に接続されているセンサ、ソレノイド、モータ、LED、等の電子部品の一部を省略して示している。
パチンコ機1の主な制御構成は、図63に示すように、本体枠4に取付けられている枠制御基板740と、遊技盤5に取付けられている主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、から構成されている。枠制御基板740は、主に遊技球Bの発射や循環、持ち球数、等の制御処理を行うものである。主制御基板1310は、主に遊技の制御処理を行うものである。周辺制御基板1510は、主に演出の制御処理を行うものである。
枠制御基板740には、発射停止スイッチ161、ハンドルタッチセンサ162、ハンドル回転センサ163、計数ボタンスイッチ180、扉開放スイッチ507、枠開放スイッチ508、発射減算センサ554、アウト球センサ605、セーフ球センサ606、ファール球センサ607、循環球過少センサ621、循環球過多センサ622、揚上入口センサ653、揚上出口センサ654、揚上モータインデックスセンサ666、発射手前センサ704、RAMクリアスイッチ741、球抜スイッチ742、球数記憶・表示クリアスイッチ743、等からの信号が入力される。
また、枠制御基板740は、持ち球数表示部140、発射ソレノイド553、揚上モータ664、球磨モータ688、球送ソレノイド706、等へ信号を出力する。
更に、枠制御基板740は、遊技球貸出装置接続端子板765を介して遊技球貸出装置8から信号が入力されたり、信号を出力したりする。また、枠制御基板740は、主制御基板1310から信号が入力されたり、信号を出力したりする。
主制御基板1310には、一般入賞口センサ3001、ゲートセンサ2011、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、等からの信号が入力される。また、主制御基板1310は、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、周辺制御基板1510、等へ信号を出力する。
なお、遊技球貸出装置8は、パチンコ機1の外部に設けられており、通信ネットワークを介して管理サーバ9へ信号を出力する。遊技球貸出装置8には、球貸ボタンスイッチ8a、返却ボタンスイッチ、枠制御基板740、等からの信号が入力される。また、遊技球貸出装置8は、表示部、枠制御基板740、等へ信号を出力する。
[7-1.発射許可処理]
発射許可処理について図64を参照して説明する。発射許可処理は、遊技球Bを発射すべきか否かを判断する処理である。発射許可処理が開始されると、まずステップS101において、遊技者がハンドル160に触れているか否かを確認し、遊技者がハンドル160に触れてハンドルタッチセンサ162がONの場合(YES)には、次のステップS102へ進む。ステップS101においてハンドルタッチセンサ162がOFFの場合(NO)には、ステップS107へ進み、枠制御発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
ステップS102では、発射停止スイッチ161がOFFになっているか否かを確認し、発射停止スイッチ161がONの場合には、YESとして次のステップS103へ進む。一方、ステップS102において発射停止スイッチ161がOFFの場合は、NOとしてステップS107へ進み、枠制御発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
ステップS103では、枠制御基板740が遊技球貸出装置接続端子板765を介して遊技球貸出装置8と接続されているか否かを確認し、遊技球貸出装置8に接続されている場合には、YESとして次のステップS104へ進む。一方、ステップS103において遊技球貸出装置8との接続が確認されない場合は、NOとしてステップS107へ進み、枠制御発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
ステップS104では、主制御基板1310からの主制御発射許可の有無(ON/OFF)を確認し、主制御発射許可が有る場合には、YESとして次のステップS105へ進む。一方、ステップS104において、主制御発射許可が無い場合は、NOとしてステップS107へ進み、枠制御発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
ここで、主制御発射許可がONとなる条件としては、「主制御基板1310におけるRAMエラーなど致命的なエラーが出ていないこと」等がある。
また、枠制御発射許可(枠制御発射許可信号)がONとなる条件としては、上記のステップS101~ステップS105の条件の他に、「枠制御基板740におけるRAMエラーなど致命的なエラーが出ていないこと」等、必要に応じて他の条件を含めるようにしてもよい。
ステップS105では、遊技者の持ち球数が0よりも多いか否かを確認し、持ち球数が0よりも多い場合には、YESとして次のステップS106へ進み、枠制御発射許可信号をONにして処理を終了する。一方、ステップS105において、持ち球数が0よりも少ない(持ち球数が0個)場合は、NOとしてステップS107へ進み、枠制御発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
このように、発射許可処理により遊技球Bの発射が許可された状態となり、この状態で遊技者がハンドル160を回転操作すると、その回転角度に応じた強さで発射ソレノイド553が駆動されて、球発射ユニット550から遊技球Bが発射されることとなる。発射ソレノイド553を駆動する際には、後述する発射制御処理が実行される。
[7-2.持ち球減算処理]
持ち球減算処理について図65を参照して説明する。持ち球減算処理は、遊技球Bの発射により遊技者の持ち球数を減算する処理である。持ち球減算処理は、まずステップS111において、球発射ユニット550の発射減算センサ554が、ONの状態からOFFの状態になったか否かを判断する。球発射ユニット550の球発射台552bに遊技球Bが載置されている状態では、発射減算センサ554が遊技球Bを検知しておりONの状態になっている。この状態から、発射ソレノイド553の駆動により発射槌555が球発射台552bの遊技球Bを打撃して遊技球Bが発射されると、発射減算センサ554が非検知となりOFFの状態となる。
そして、ステップS111において、遊技球Bが発射されて発射減算センサ554がONからOFFになると、YESとして次のステップS112へ進み、持ち球数を1個減算して処理を終了する。
一方、ステップS111において、発射減算センサ554がONからOFFにならずにONのままの状態であれば、NOとして持ち球数を減算せずに処理を終了する。
このように、持ち球減算処理により、球発射ユニット550から遊技球Bが発射されると、遊技者の持ち球数が1個減算されることとなる。
[7-3.持ち球加算処理]
ファールによる持ち球加算処理について図66を参照して説明する。球発射ユニット550から遊技球Bが発射されると、持ち球減算処理により遊技者の持ち球数が減算されるが、発射された遊技球Bが遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれなかった場合、当該遊技球Bによる遊技が行われることはないため、持ち球数が減算されたままでは遊技者の興趣を低下させてしまう。そこで、持ち球加算処理では、遊技領域5aに打ち込まれなかった遊技球B(ファール球)を、遊技者の持ち球数に加算するものである。
持ち球加算処理は、ステップS121において、循環球経路ユニット600のファール球センサ607が遊技球B(ファール球)を検知することでOFFからONになったか否かを判断し、ファール球センサ607がONになった場合、YESとして次のステップS122へ進み、持ち球数を1個加算して処理を終了する。
一方、ステップS121において、ファール球センサ607がONにならずにOFFのままであれば、NOとして持ち球数を加算することなく処理を終了する。
このように、持ち球加算処理により、球発射ユニット550から発射されたにも関わらず、遊技盤5の遊技領域5aに遊技球Bが打ち込まれなかった場合に、ファール球を持ち球数に加算して遊技者が不利になることを回避させることができる。
[7-4.発射制御処理]
発射制御処理について図67及び図68等を参照して説明する。発射制御処理は、発射許可処理において枠制御発射許可信号がONになってから遊技者がハンドル160を回転操作した後に、発射ソレノイド553の駆動により実際に遊技球Bを発射するか否かを判断するものである。発射制御処理は、まず、ステップS131において、枠制御発射許可の有無(ON/OFF)を判断し、枠制御発射許可が有る(ON)場合は、YESとして次のステップS132へ進み、発射許可信号をONにして処理を終了する。一方、ステップS131において、枠制御発射許可が無い(OFF)場合は、ステップS133へ進み、発射許可信号をOFFにして処理を終了する。
そして、発射許可信号がONになると、発射ソレノイド553により遊技球Bを発射する際に、図68に示すように、まず、球送ソレノイド706を第一時間t1(例えば、150ms)の間ONにし、球送可動部材705の球受部705aを上方へ可動させて、発射手前センサ704により検知されている遊技球Bを受け取りに行く。この第一時間t1は、球送可動部材705の球受部705aにおいて遊技球Bを受け取るのに十分な時間に設定されている。
この球送ソレノイド706がONになってから第一時間t1よりも短い第二時間t2(例えば、90ms)が経過すると、発射ソレノイド553を第三時間t3(例えば、23ms)の間ONにして、球発射台552b上の遊技球Bを発射する。そして、第三時間t3が経過すると、発射ソレノイド553がOFFになる。なお、第一時間t1は、第二時間t2と第三時間t3とを加算した時間よりも長い。
そして、第一時間t1が経過すると、球送ソレノイド706がOFFになり、球受部705aに受け取られた遊技球Bが球発射台552bへ供給される。これにより、発射シーケンスの一連の動作が完了する。
なお、遊技球Bが連続して発射される場合は、第一時間t1の経過後、更に、第四時間t4(例えば、450.5ms)経過すると、球送ソレノイド706が再び第一時間t1の間ONになり、上記と同様の動作を繰り返す。
従って、本実施形態のパチンコ機1では、パチンコ機1を設置した初めの1回目は、球発射台552bに遊技球Bが載置されていないため、発射制御処理のステップS132において、「発射減算センサON?」がNOとなり、その後のステップS136により球送ソレノイド706がONとなって球発射台552bに遊技球Bが供給される。その後は、常時、球発射台552bに遊技球Bが載置されているため、何時でも遊技球Bを発射可能である。
一方、ドツキゴトや振動等により球発射台552bから遊技球Bが落下した場合は、発射減算センサ554がOFFになるため、発射したと見なされて持ち球減算処理により持ち球数が1つ減算されるが、落下した遊技球Bはファールユニット570で回収されてファール球センサ607により検知されるため、持ち球加算処理により持ち球数が1つ加算され、落下前の持ち球数に戻ることで、遊技者が不利になることはない。
また、球発射台552bから発射された遊技球Bが、球発射台552bに戻ってきた場合、上述したように、発射後には球送ユニット700の球送ソレノイド706により次の遊技球Bが供給されると共に、球発射台552bには遊技球Bが一つしか載らないため、戻ってきた先の遊技球B、或いは、球送ユニット700から供給された次の遊技球B、の何れかは落下してファールユニット570に回収される。従って、上記と同様に、発射により持ち球数が減算されても、戻ってきた遊技球B、或いは、次の遊技球Bの何れかがファール球となって持ち球数に加算されるため、発射前の持ち球数に戻ることができ、遊技者が不利になることはない。
なお、持ち球数が「0」の状態で、球発射台552bから遊技球Bが落下した場合は、持ち球減算処理において持ち球数を減算することができないので、落下した遊技球Bがファール球とされて持ち球加算処理により、持ち球数が「1」となる。このような場合に、警報を発して、遊技ホールの係員により持ち球数の矛盾を解消させるようにしても良い。
本実施形態では、ドツキゴト等により発射減算センサ554がOFFになるような揺れでは、球発射台552bが短いため、遊技球Bが必ず落下する。従って、球発射台552bに遊技球Bが載置されているのに、発射減算センサ554がOFFになって発射したと見なされるような誤検知が発生することはない。
ところで、上記のような発射シーケンスの途中で、停電する(枠制御基板740や主制御基板1310が停電信号を受付ける)ことが考えられる。例えば、発射ソレノイド553がONの前(励磁の前)に停電した場合、発射槌555は動かないが、球送ソレノイド706の動作タイミングによっては、球受部705aに次の遊技球Bが受けられていると当該遊技球Bが球発射台552bに供給され、先に載置されている遊技球Bに弾かれてファールユニット570に回収される。しかしながら、停電信号を受付けると枠制御基板740等は各センサを見に行かないため、ファール球センサ607の信号を無視する。これにより、ファール球として持ち球数に加算されないため、停電前の持ち球数の正確性が保たれる。
また、発射ソレノイド553の励磁中、若しくは、励磁済み、の時に停電した場合、発射槌555が動いて球発射台552bの遊技球Bは発射されるが、発射減算センサ554がOFF判定する前(OFFの閾値である80msが経過する前)に、枠制御基板740では発射減算センサ554を見に行かなくなるため、発射されたとは見なされない。発射ソレノイド553が励磁された時点では、球送ソレノイド706により球受部705aに遊技球Bが受けられているため、遊技球Bの発射後に、球受部705aに受けられている遊技球Bが球発射台552bに供給され、発射前の状態になる。一方、発射された遊技球Bは、遊技盤5の入賞口に入球しても、主制御基板1310は入賞センサを見に行かないため、当該入賞は無効となり、持ち球数が加算されることはない。従って、この場合でも、停電前の持ち球数の正確性が保たれる。
[7-4a.第二実施形態の発射制御処理および持ち球減算処理]
上記の実施形態では、球発射台552bから遊技球Bが落下した時の持ち球数の整合性を、ハード的な発射シーケンスにより保つようにしたものを示したが、図69に示すように、ソフトウエアにより整合性を保つようにしても良い。この発射制御処理は、まず、ステップS131において、枠制御発射許可の有無(ON/OFF)を判断し、枠制御発射許可が有る(ON)場合は、YESとして次のステップS134へ進む。一方、ステップS131において、枠制御発射許可が無い(OFF)場合は、NOとして発射ソレノイド553を駆動せずに処理を終了する。
ステップS134では、発射減算センサ554がONであるか否かを判断し、発射減算センサ554がON(球発射台552bに遊技球Bが有る)の場合、YESとして次のステップS135へ進み、減算完了フラグがONであるか否かを判断する。この減算完了フラグは、図69(b)に示すように、第二実施形態の持ち球減算処理により、持ち球数が減算された場合はステップS113によって減算完了フラグがONになり、減算されなかった場合はステップS114により減算完了フラグがOFFになる。
従って、通常の発射前の状態では、球発射台552bに遊技球Bが載置されており、減算完了フラグがOFFであるため、ステップS135においてNOと判断され、次のステップS136へ進み、発射ソレノイド553をONにしてハンドル160の回転角度に応じた強さで遊技球Bを打撃して処理を終了する。
一方、ドツキゴト等により球発射台552bから遊技球Bが落下すると、図69(b)に示す持ち球減算処理により、持ち球数が減算されて、減算完了フラグがONになる。そのため、発射制御処理のステップS135ではYESと判断され、ステップS137へ進む。
ステップS137では、発射手前センサ704がONであるか否かを判断し、発射手前センサ704がONではない場合(遊技球Bを非検知の場合)には、NOとして次のステップS138へ進み、「発射球切れ」を示すエラー表示をONにし、ステップS137へ戻り、発射手前センサ704がONになるまで繰り返す。なお、エラー表示は、例えば、演出表示装置の表示画面に表示される。
なお、エラー表示は、報知ランプを設けて点灯させても良いし、演出表示装置において画像表示させても良い。或いは、エラー信号を遊技球貸出装置8を介して遊技ホールのホールコンピュータ(ホルコン)へ出力して、遊技ホール側に設けられている報知ランプを点灯させても良い。
このステップS137において、発射手前センサ704が遊技球Bを検知してONの場合には、YESとして次のステップS139へ進み、球送ソレノイド706をON(通電)にして球送可動部材705を可動させる。これにより、発射手前センサ704により検知されている遊技球Bが、球送可動部材705の球受部705aに受け渡され、所定短時間後に球送ソレノイド706がOFFになると、球受部705aに受け渡された遊技球Bが球発射台552bへ供給される。この際に、球送可動部材705により球発射台552bへ送られた遊技球Bよりも上流側(球揚上出口通路652)に遊技球Bがあれば、その遊技球Bが下流側へ移動して発射手前センサ704がONになる。
ステップS139において、球送ソレノイド706をONにしたら、次のステップS140へ進み、再び発射減算センサ554がONであるか否かを判断し、発射減算センサ554がONでなければ、NOとしてステップS137へ戻り、発射減算センサ554がONになるまで上記のフローを繰り返す。
そして、ステップS140において、発射減算センサ554がONの場合は、YESとして次のステップS141へ進み、「発射球切れ」のエラー表示をOFFにした上で、ステップS136へ進んで発射ソレノイド553をONにし、ハンドル160の回転角度に応じた強さで遊技球Bを打撃して処理を終了する。
このように、発射制御処理により、球発射ユニット550における球発射台552bに遊技球Bが載置されていることを確認した上で、遊技球Bを発射させることができる。
ところで、球発射台552bから遊技球Bが落下すると、図69(b)の持ち球減算処理により持ち球数が減算されるが、落下した遊技球Bはファールユニット570に回収されてファール球センサ607に検知されることで持ち球加算処理が実行される。これにより、持ち球数が加算されるため、落下する前の持ち球数に戻り、遊技者が不利になることはない。
このように、第二実施形態の発射制御処理および持ち球減算処理によっても、球発射台552bから遊技球Bが落下した時に、持ち球数の整合性を保つことができる。
[7-5.賞球処理]
賞球処理について図70等を参照して説明する。賞球処理は、遊技盤5に設けられている一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、等の入賞口に遊技球Bが受入れられることにより、特典として入賞口に応じた所定個数の賞球が付与され、その賞球を遊技者の持ち球数に加算するものである。
賞球処理では、遊技盤5において入賞口に遊技球Bが受入れられことで主制御基板1310から出力された信号(賞球信号)が枠制御基板740に入力されると、ステップS141において入力された賞球信号を解析する。主制御基板1310から出力される賞球信号としては、賞球個数としても良いし、遊技球Bが受入れられた入賞口の種類としても良い。
そして、ステップS141において賞球信号が解析されると、続くステップS142において、解析された賞球信号に応じた賞球個数を、遊技者の持ち球数に加算し、処理を終了する。
このように、賞球処理により、遊技盤5において遊技球Bが入賞した入賞口に応じた数の遊技球B(賞球個数)を、遊技者の待ち球数に加算することができる。
[7-6.揚上モータ動作処理]
揚上モータ動作処理について図71乃至図74等を参照して説明する。揚上モータ動作処理は、球発射ユニット550により遊技球Bが発射されることで球揚上出口通路652内の遊技球Bが減少すると、球揚上入口通路651内の遊技球Bを球揚上ユニット650の揚上スパイラルシャフト661の回転により揚上させて球揚上出口通路652に供給するものである。
揚上モータ動作処理は、まず、ステップS201において、リトライカウンタ1をクリアして次のステップS202に進む。ステップS202では、球揚上ユニット650の球揚上機構660における揚上スパイラルシャフト661の下端に取付けられている揚上モータインデックス665を検知するための揚上モータインデックスセンサ666がONか否かを判断する。
揚上モータインデックス665は、円盤状(フランジ状)の周方向に対して一部を切り欠くようにして設けられている検知部665aを有しており、揚上スパイラルシャフト661の回転により揚上モータインデックス665の検知部665aが揚上モータインデックスセンサ666の部位に位置すると、揚上モータインデックスセンサ666がONにより、検知部665a以外の部位では揚上モータインデックスセンサ666がOFFとなる。
ステップS202において、揚上モータインデックスセンサ666がONの場合は、YESとして次のステップS203へ進み、揚上出口センサ654が80ms以上ONであるか否かが判断される。このステップS203において、揚上出口センサ654が80ms以上ONでない(揚上出口センサ654がOFF)と判断されると、NOとして次のステップS204へ進む。
一方、ステップS203において、揚上出口センサ654が80ms以上ONと判断された場合は、YESとしてステップS203に戻り、揚上出口センサ654が80ms以上ONでなくなるまで(揚上出口センサ654がOFFになるまで)繰り返される。つまり、球揚上出口通路652内の複数の遊技球Bの列の最後部が、遊技球Bの発射により減少して揚上出口センサ654よりも下流側になるまで繰り返され、揚上出口センサ654がOFFになるとステップS204へ進む。
ステップS204では、揚上入口センサ653が80ms以上ONであるか否かが判断され、揚上入口センサ653が80ms以上ONでない(揚上入口センサ653がOFF)と判断された場合、NOとしてステップS205へ進み、「揚上入口球切れ」を示すエラー表示をONにしてステップS204へ戻る。これにより、球揚上入口通路651での球切れを報知して球切れの解消を促すことができる。
ステップS204において、揚上入口センサ653が80ms以上ONであると判断された場合は、YESとして次のステップS206へ進み、「揚上入口球切れ」を示すエラー表示をOFFにした後に、続くステップS207において1800ms経過後に揚上モータ664の作動を開始させて揚上スパイラルシャフト661を回転させる。これにより、球揚上入口通路651内の遊技球Bの揚上が開始される。揚上スパイラルシャフト661は、1回転すると遊技球Bを1個吐出する。
ここで、揚上モータ664の作動開始について換言すると、図73に示すように、揚上入口センサ653が80ms以上ON(連続ON)、揚上モータ664が停止、揚上出口センサ654が80ms以上ON(連続ON)、発射手前センサ704が80ms以上ON(連続ON)、の状態で、ハンドル160の操作により所定時間(ここでは600ms)間隔で遊技球Bが連続するように発射されている。そして、揚上出口センサ654がOFFになると、そこからts時間(ここでは1800ms)経過後に、揚上モータ664の作動が開始して、揚上スパイラルシャフト661の上端から球揚上出口通路652側への遊技球Bの吐出(揚上装置球吐出)が開始する。
本実施形態では、揚上出口センサ654がOFFになってから、遊技球Bが3個発射されると、揚上モータ664が作動して揚上スパイラルシャフト661の回転が開始する。なお、揚上スパイラルシャフト661の回転により遊技球Bを吐出する時間間隔は、遊技球Bを連続発射する時間間隔よりも短く設定している。これにより、球発射ユニット550への遊技球Bの供給が、遊技球Bの発射に対して追い付かなくなることはない。
なお、球揚上ユニット650に設けられている球磨モータ688は、図73に示すように、揚上モータ664の作動とは無関係に制御されており、遊技球Bを1000個発射する毎に、磨布682が0.17mm移動するように作動している。
この揚上モータ664は、図72に示すように、揚上入口センサ653がONで、揚上出口センサ654がOFFの組み合わせ以外では作動することはなく停止している。
揚上モータ動作処理の説明に戻ると、ステップS207において揚上モータ664の作動が開始されると、続くステップS208でリトライカウンタ2をクリアし、続くステップS209で揚上モータインデックス665(揚上モータインデックスセンサ666)がOFF後600ms以内に再度ONになったか否かが判断される。
ステップS209において、揚上モータインデックス665がOFF後600ms以内に再度ONになった(揚上スパイラルシャフト661が回転している)と判断された場合、YESとして次のステップS210へ進み、揚上出口センサ654が80ms以上ONであるか否かを判断し、ONでない場合には、NOとしてステップS208へ戻り、揚上モータ664の作動が継続される。
一方、ステップS210において、揚上出口センサ654が80ms以上ONであると判断された場合は、YESとして次のステップS211へ進み、揚上モータインデックス665の検知部665aの検出3回目の位置にて揚上モータ664を停止させ、ステップS201へ戻り、揚上モータ動作処理を繰り返す。
つまり、図73及び図74に示すように、揚上出口センサ654がON(連続ON)になってから、揚上モータインデックス665の回転により非遮光(検知部665aにより揚上モータインデックスセンサ666がON)の3回目の時に、揚上モータ664が停止する。この際に、揚上モータインデックス665と一体回転する揚上スパイラルシャフト661により、1回転に付き1個の遊技球Bが球揚上出口通路652側へ吐出(揚上装置球吐出)されるため、揚上出口センサ654がONになってから揚上モータ664が停止するまでの間に3個の遊技球Bが吐出されることとなる。換言すると、揚上出口センサ654がONになると、3個の遊技球Bを球揚上出口通路652側へ吐出して揚上モータ664が停止する。これにより、球揚上出口通路652内には、余裕を持った数の遊技球Bが貯留される。なお、後述する揚上モータ原点復帰処理が円滑に実行されるように、球揚上出口通路652内を遊技球Bで満タンにすることはなく、所定個数の空きが出るようにしている。
この揚上モータ動作処理では、ステップS202において、揚上モータインデックス665がONでない(揚上モータインデックスセンサ666がOFF)と判断された場合、NOとして次のステップS212へと進み、リトライカウンタ1が3未満であるか否かが判断される。
ステップS212において、リトライカウンタ1が3未満である場合は、YESとして次のステップS213の揚上モータ原点復帰処理を実行した上で、ステップS214においてリトライカウンタ1に「1」を加算してステップS202へ戻る。
ステップS213の揚上モータ原点復帰処理は、揚上モータインデックスセンサ666がOFFの場合、揚上モータ664を作動させて揚上スパイラルシャフト661と一緒に揚上モータインデックス665を回転させ、揚上モータインデックスセンサ666がOFFの状態で、検知部665aが到達することでONの状態になった後に、揚上モータ664が2回転して停止し、揚上モータ664(揚上モータインデックス665)が原点に復帰する。
詳述すると、揚上モータインデックス665(揚上スパイラルシャフト661)は、シャフトギア662とモータギア663とのギア比により、揚上モータ664が32回転すると1回転するように構成されている。そして、揚上モータインデックス665の検知部665aの周方向の長さを、揚上モータ664が4回転する長さに形成しているため、揚上モータインデックスセンサ666がONになってから揚上モータ664が2回転して停止する位置は、検知部665aの中央に位置している。つまり、揚上モータインデックス665における検知部665aの中央を、揚上モータ664(揚上スパイラルシャフト661、揚上モータインデックス665)の原点としている(図74を参照)。
揚上モータ原点復帰処理が実行されると、揚上スパイラルシャフト661がおよそ1回転するため、1個の遊技球Bが球揚上出口通路652へ吐出されるが、球揚上出口通路652では遊技球Bの収容に対して所定個数の空きを持たせているため、揚上スパイラルシャフト661からの遊技球Bの吐出が妨げられることはなく、揚上モータ664を原点復帰させることができる。
上記のステップS212において、リトライカウンタ1が3未満ではないと判断された場合は、NOとしてステップS215へ進み、「揚上球ガミエラー」を示すエラー表示をONにして、続くステップS216により動作停止する。この動作停止の解除条件は、本体枠4における電源基板750に設けられている電源スイッチ751を切入することで解除することができる。
一方、上記のステップS209において、揚上モータインデックス665がOFF後600ms以内に再度ONにならなかった(揚上スパイラルシャフト661が回転していない)と判断された場合、ONとしてステップS217へ進み、リトライカウンタ2が3未満であるか否かを判断し、リトライカウンタ2が3未満でないと判断された場合には、NOとしてステップS215へ進み、「揚上球ガミエラー」を示すエラー表示をONにして、続くステップS216により動作停止する。
一方、ステップS217において、リトライカウンタ2が3未満であると判断された場合は、YESとして次のステップS218の球ガミ解除処理を実行し、続くステップS219でリトライカウンタ2に「1」を加算してステップS209に戻る。
ステップS218の球ガミ解除処理は、揚上出口センサ654のON/OFFを監視しない状態で、揚上モータ664を停止させた後に、揚上モータ664を逆回転させ、所定時間(例えば、100ms)経過後に揚上モータ664を停止させ、再び揚上モータ664を作動(正転)させる。
このように、揚上モータ動作処理により、遊技球Bが発射されることで球揚上出口通路652内の遊技球Bが減少すると、揚上モータ664の作動により揚上スパイラルシャフト661を回転させて、下端から球揚上入口通路651内の遊技球Bを揚上させると共に、上端から吐出させて球揚上出口通路652に供給することができる。
なお、上記した揚上モータ664の作動時間や遊技球Bの吐出個数等は一例であり、適宜の時間や個数にしても良い。
[7-7.セキュリティ処理]
セキュリティ処理について図75等を参照して説明する。セキュリティ処理は、不正行為の有無を監視するためものである。セキュリティ処理は、図75(a)に示すように、ステップS301において矛盾カウンタをクリアし、続くステップS302において、循環球経路ユニット600における所定時間内の回収球数を算出する。回収球数は、アウト球数とセーフ球数とファール球数との和によって算出される。
ステップS302において回収球数を算出したら、次のステップS303へ進み、発射減算センサ554による発射球数と回収球数とが同じであるか否かを判断し、同じと判断された場合には、YESとしてステップS302へ戻る。一方、発射球数と回収球数とが同じでないと判断された場合には、NOとして次のステップS304へ進み、矛盾カウンタに「1」を加算して続くステップS305へ進む。
ステップS305では、矛盾カウンタがn(例えば、50)よりも大きいか否かを判断し、nよりも小さいと判断された場合には、NOとしてステップS302に戻る。一方、矛盾カウンタがnよりも大きいと判断された場合は、YESとして次のステップS306へ進み、不正行為が行われている旨のエラー表示をONにした後に、続くステップS307において遊技停止処理を実行して処理を終了する。
ステップS306でのエラー表示の解除は、本体枠4における電源基板750に設けられている電源スイッチ751を切入することで解除することができる。
また、ステップS307での遊技停止処理としては、球発射ユニット550における遊技球Bの発射停止、球揚上ユニット650による遊技球Bの揚上停止(循環停止)、主制御基板1310側での遊技の停止、等がある。
セキュリティ処理としては、図75(b)に示すような処理としても良い。このセキュリティ処理では、まず、ステップS311において矛盾カウンタをクリアし、続くステップS312において、発射減算センサ554による発射球数が、ファール球センサ607によるファール球数以上か否かを判断する。
ステップS312において、発射球数がファール球数以上と判断された場合には、YESとしてステップS312へ戻る。一方、発射球数がファール球数以上でないと判断された場合には、NOとして次のステップS313へ進み、矛盾カウンタに「1」を加算して続くステップS314へ進む。
ステップS314では、矛盾カウンタがn(例えば、50)よりも大きいか否かを判断し、nよりも小さいと判断された場合には、NOとしてステップS312に戻る。一方、矛盾カウンタがnよりも大きいと判断された場合は、YESとして次のステップS315へ進み、不正行為が行われている旨のエラー表示をONにした後に、続くステップS316において遊技停止処理を実行して処理を終了する。
ステップS315でのエラー表示の解除は、本体枠4における電源基板750に設けられている電源スイッチ751を切入することで解除することができる。
また、ステップS316での遊技停止処理としては、球発射ユニット550における遊技球Bの発射停止、球揚上ユニット650による遊技球Bの揚上停止(循環停止)、主制御基板1310側での遊技の停止、等がある。
このように、発射球数と、遊技盤5から排出された遊技球Bの数(回収球数)やファール球数等と、によって不正行為の有無を判断することができる。
[7-8.封入球量検知処理]
封入球量検知処理について図76等を参照して説明する。封入球量検知処理は、封入されている遊技球Bの量(球数)が適量であるか否かを検知するものである。封入球量検知処理は、循環球過少センサ621のON/OFFと、循環球過多センサ622のON/OFFとの組み合わせにより、遊技球Bが適量であるか否かを判断している。循環球過少センサ621及び循環球過多センサ622では、遊技球Bの検知が所定時間(例えば、80ms)以上継続している時を、ONとしている。
具体的には、球揚上ユニット650における球揚上入口通路651の上流側となる循環球経路ユニット600の球貯留通路604において、一列に並んでいる遊技球Bの最後部が、循環球過少センサ621と循環球過多センサ622との間に位置していると、循環球過少センサ621がONで循環球過多センサ622がOFFとなる。このような組み合わせの時には、遊技球Bの量が適量であると判断し、関係するようなエラーが報知されることはない。
一方、球貯留通路604において一列に並んでいる遊技球Bの最後部が、循環球過少センサ621よりも下流に位置している場合は、循環球過少センサ621がOFFで循環球過多センサ622がOFFのとなる。このような組み合わせの時には、遊技球Bの量が過少であると判断し、「遊技球過少」の旨を案内するエラーが報知される。
また、球貯留通路604において一列に並んでいる遊技球Bの最後部が、循環球過少センサ621及び循環球過多センサ622を越えて循環球過多センサ622よりも上流に位置している場合は、循環球過少センサ621がONで循環球過多センサ622がONとなる。このような組み合わせの時には、遊技球Bの量が過多であると判断し、「遊技球過多」の旨を案内するエラーが報知される。
ところで、本実施形態のパチンコ機1が設置される環境(遊技ホール)によっては、従来の鉄球SBを遊技球とするパチンコ機と一緒に設置される場合があり、本実施形態のパチンコ機1のメンテナンス等により遊技球Bを補充したり交換したりした時に、鉄球SBが混入してしまう恐れがある。そして、本パチンコ機1に鉄球SBが混入された場合、循環経路Rにおける球貯留通路604の球抜シャッター615に強力な磁石616を設けているため、混入された鉄球SBが磁石616により磁着して、球抜シャッター615上で停止した状態となる。
球抜シャッター615に鉄球SBが磁着した状態で、球発射ユニット550において遊技球Bの発射が続けられると、球貯留通路604における球抜シャッター615よりも下流側の遊技球Bが球揚上ユニット650により揚上されて減少し、やがて循環球過少センサ621がOFFになる。一方、球発射ユニット550から発射された遊技球Bは、循環球経路ユニット600のアウト球受口600aやセーフ球受口600b、ファールユニット570等により回収されて球貯留通路604の上流側へ供給され、球抜シャッター615(鉄球SB)よりも上流側に溜まることとなり、やがて循環球過多センサ622がONになる。このように、循環球過少センサ621がOFFで循環球過多センサ622がONとなった組み合わせの場合には、球抜シャッター615に鉄球SBが磁着していると判断し、「鉄球混入」の旨を案内するエラーが報知される。
なお、循環球過少センサ621と循環球過多センサ622との間において、球ガミによる球詰まりが発生した場合は、上記と同様の組み合わせとなるため、「鉄球混入」の旨を案内するエラーが報知される。
また、エラーの報知は、報知ランプを設けて点灯させても良いし、演出表示装置において画像表示させても良い。或いは、エラー信号を、遊技球貸出装置8を介して遊技ホールのホールコンピュータ(ホルコン)へ出力して、遊技ホール側に設けられている報知ランプを点灯させても良い。
このように、封入球量検知処理により、封入されている遊技球Bの量を適量に管理することができると共に、鉄球SBの混入を検知することもできる。
[7-9.球抜処理]
球抜処理について説明する。球抜処理は、循環球経路ユニット600において、球抜シャッター615により球抜口613pを開いて球受トレー720へ遊技球Bを抜く際に実行するものである。球抜処理は、扉枠3を本体枠4に対して開いて扉開放スイッチ507をOFFにし、球抜シャッター615を手前に引いて球抜口613pを開くと共に、枠制御基板740に設けられている球抜スイッチ742をONにすることで実行される。
[7-9.球抜処理]
球抜処理について説明する。球抜処理は、循環球経路ユニット600において、球抜シャッター615により球抜口613pを開いて球受トレー720へ遊技球Bを抜く際に実行するものである。球抜処理は、扉枠3を本体枠4に対して開いて扉開放スイッチ507をOFFにし、球抜シャッター615を手前に引いて球抜口613pを開いて、枠制御基板740に設けられている球抜スイッチ742をONにした状態で電源投入することで(電源投入時に球抜スイッチ742をONにすることで)実行される。
球抜処理では、揚上入口センサ653のON/OFFが無効にされ、球発射ユニット550における発射ソレノイド553が所定時間間隔でON/OFFを繰り返すと共に、揚上モータ664が作動したままの状態となる。
この際に、発射ソレノイド553がONになることで遊技球Bが発射されても、扉枠3を開いていることでファールシャッター571が閉位置の状態となっており、ファールユニット570から外部へ打ち出されることなくファール球として循環球経路ユニット600へ送られる。なお、球抜処理中には、遊技球Bの発射が停止されていないものの、遊技が停止されて、例えば、始動入賞があったとしても、遊技球の払い出しがなく、特別図柄に関する抽選や変動表示を行うことがない等、通常の遊技を行うことができない状態とする。また、球抜処理中には、演出表示装置1600、ランプやスピーカ等を用いて、専用の報知を行う。また、電源投入時に球抜スイッチ742をONにした場合には、主制御基板1310に内蔵されているRAMを初期化するラムクリアを実行することがなく、電源遮断時の遊技状態等の遊技に関する情報を維持する。
このように、球抜処理により、封入されている遊技球Bを抜くことができる。なお、遊技球Bを入れる場合は、遊技盤5のアウト口1008から入れたり、本体枠4から遊技盤5を取外して上方へ開口しているアウト球受口600aやセーフ球受口600b、から入れたり(補充する)ことが可能である。
[7-10.その他]
上記の実施形態では、パチンコ機1に使用する遊技球Bとして、ステンレス鋼により形成されているステンレス球を使用することを前提として説明してきたが、これに限定するものではなく、従来と同様、遊技球Bとして鉄球SBを使用するようにしても良い。なお、遊技球Bとして鉄球を使用する場合は、循環球経路ユニット600における磁石616を廃止して球貯留通路604を遊技球B(鉄球SB)が流れるようにすると共に、本体枠4や遊技盤5の双方に設けられているステンレス球専用の遊技球Bの通過センサ(球センサ)を、鉄球SBを検知可能なものに置き換える。これらの変更により、本パチンコ機1は動作可能となる。なお、光学式の球センサは、置き換えることなくそのまま使用することが可能である。
ところで、遊技球Bとして鉄球SBを使用する場合、磁石Mによる不正行為(所謂磁石ゴト)が可能になってしまうため、遊技盤5側には従来の磁気センサ(磁気センサ1030)による不正検出が必要となる。
以下では、図77等を参照して一般的な遊技盤に対する磁気センサの配置について説明する。図77(a)は磁石からの磁力線を検知可能な磁気センサの向きを示す説明図であり、(b)は磁石からの磁力線を検知不能な磁気センサの向きを示す説明図であり、(c)は遊技盤における磁気センサによる検知範囲を斜視図により模式的に示す説明図であり、(d)は磁石からの磁力線が検知不能となる磁気センサと磁性体との位置関係を示す説明図であり、(e)は磁石からの磁力線が検知可能となる磁気センサと磁性体との位置関係を示す説明図であり、(f)は磁気センサと保持部とを分離して示す説明図である。なお、図77等に記載される磁気センサの配置例は、本明細書における各実施形態の遊技盤に採用可能である。
一般的に磁気センサ1030は、パチンコ機1に複数設けられており、不正な磁気(磁力線)を検知するためのものである。磁気センサ1030は、図77(f)に示すように、磁気を検知するためのセンサ本体1031と、センサ本体1031が実装されている表面が白色のセンサ基板1032と、センサ基板1032及びセンサ本体1031を覆っている透明なセンサケース1033と、を備えている。なお、図示は省略するが、センサ基板1032には、センサ本体1031の他に、IC、トランジスタ、抵抗器、ダイオード、接続用コネクタ、等が実装されている。なお、本実施例では、センサ本体1031にはGMR素子を使った磁気センサを使っている。
磁気センサ1030は、平面視が長方形で、当該長方形の短辺の長さよりも低い高さの直方体状に形成されており、高さ方向の辺の一つの部位がC面取りされている。この磁気センサ1030は、透明なセンサケース1033を通して、内部のセンサ本体1031やセンサ基板1032を外部から視認することができる。
磁気センサ1030は、直方体における最も長い長辺と平行な磁力線の通過を検知することができるものである。従って、図77(a)に示すような磁気センサ1030の向きと磁石Mとの位置関係の時には、磁石Mの磁力線が、長辺と平行な方向に通過するため、磁石Mの磁気(磁力線)を検知することができる。
一方、図77(b)に示すような磁気センサ1030の向きと磁石Mとの位置関係の時には、磁石Mの磁力線が、長辺と直角方向(長辺と短辺とによる長方形の面に対して垂直方向)に通過するため、磁石Mの磁気(磁力線)を検知することができない。
このようなことから、この磁気センサ1030は、図77(c)において網掛けで示すように、磁気センサ1030を中心にした長辺方向の一方側と他方側に、磁石Mの磁気の検知領域DAを有している。換言すると、磁気センサ1030は、直径10cm程度の二つの球を組み合わせたヒョウタン型の検知領域DAを有している。なお、図77(c)は遊技盤5の第一始動口2003の近辺の不正対策で磁気センサ1030を置いたと仮定した図である。
次に、図77(d)に示すように、磁石Mからの磁力線を検知可能な磁気センサ1030に対して、磁性体M1を並列に配置した場合、磁力線が磁性体M1に引き寄せられることで、磁気センサ1030を通過する磁力線が減少し、磁気センサ1030により磁石Mからの磁力線(磁気)を検知することができなくなることがある。
一方、図77(e)に示すように、磁石Mからの磁力線を検知可能な磁気センサ1030に対して、磁性体M2を直列に配置した場合、磁性体M2により磁力線が引き寄せられることで、磁気センサ1030を通過する磁力線を増加させることができる。これにより、遠くの磁石Mや、磁力の弱い磁石Mの磁気を検知することができる。
ところで、従来のパチンコ機では、磁性体からなるネジを使用して磁気センサを遊技盤に取付けているため、磁気センサとネジとの位置関係によっては、不正行為を行うための磁石Mからの磁力線が、透磁率の高いネジに引き寄せられることにより、磁気センサを通過する磁力線が減少し、磁石Mの接近を検知することができなくなる問題があった。これに対して、本実施形態では、ネジを用いることなく磁気センサ1030を取付けるようにしている。
具体的に詳述すると、図77(f)に示すように、磁気センサ1030は、非磁性体(ここでは、合成樹脂)からなる保持部1035を介して遊技機(本体枠4や遊技盤5)の枠に取付けられている。保持部1035は、図示しない部材と一体的に成形されている。この保持部1035は、磁気センサ1030を一方側から収容可能な収容部1036と、収容部1036に収容されている磁気センサ1030に係止されている弾性爪1037と、を有している。また、保持部1035は、弾性爪1037の脚部から収容部内へ突出している突起1038を有している。この保持部1035は、透明な合成樹脂により形成されている。
磁気センサ1030を保持する保持部1035は、外部から磁気センサ1030を収容部へ挿入させると、弾性爪1037が収容部1036から遠ざかる方向へ弾性変形し、磁気センサ1030が収容部1036に収容されると、弾性爪1037が復帰して磁気センサ1030の端部に係止される。この際に、弾性爪1037の脚部に設けられている突起1038が磁気センサ1030に当接しており、磁気センサ1030を収容部1036の内面における弾性爪1037とは反対側の部位に押圧している。
この弾性爪1037の係止により、磁気センサ1030の収容部1036から抜ける方向への移動を阻止することができ、磁気センサ1030の脱落を防止することができる。また、突起1038の当接によって磁気センサ1030を収容部1036内に押圧しているため、収容部10361内での磁気センサ1030のガタツキを防止することができる。
このように、保持部1035を非磁性体としているため、遊技領域5aに磁石Mが近づけられた際に、保持部1035が磁石Mからの磁力線を引寄せてしまうことを回避させることができ、磁気センサ1030を通過する磁力線の減少を防止することができる。従って、遊技領域5aに作用する磁気を検知し易くすることができ、磁石Mを使用した不正行為を早期に検知することができると共に、磁気センサ1030による不審な磁気の検知を報知することで不正行為を思い止まらせることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、非磁性体からなる保持部1035により磁石Mからの磁力線の引寄せを回避させて、磁気センサ1030を通過する磁力線の減少を防止することができるため、従来のパチンコ機よりも少ない数の磁気センサ1030により遊技領域5aに作用する磁気を効果的に検知することが可能となり、従来よりも磁気センサ1030の数を少なくすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、保持部1035の弾性爪1037を弾性変形させることで、保持部1035に対する磁気センサ1030の取付けや取外しを容易に行うことができるため、従来のパチンコ機のように、磁性体からなる金属製のネジを使用しなくても、弾性爪1037により磁気センサ1030を取付けることができると共に、パチンコ機1の組立にかかる手間を容易なものとすることができ、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、保持部1035の突起1038により磁気センサ1030を収容部1036へ付勢(押圧)していることから、突起1038による付勢によって磁気センサ1030が細かく振動することを抑制することができるため、当該振動により磁気センサ1030に接続されているコネクタが外れたり接触不良が発生したりすることを低減させることができ、磁気センサ1030を確実に作動させることができる。
ところで、循環経路Rを本体枠4(遊技機枠)に持ったパチンコ機1の場合、遊技球Bとして鉄球SBを使用すると、磁石Mによる循環経路R内への不正行為(所謂磁石ゴト)が可能になってしまうため、循環経路R内(特に遊技者の持ち球数の加算/減算にかかわる発射減算センサ554、ファール球センサ607、発射手前センサ704、等の周辺)に対する不正な磁気を検出可能に磁気センサ(磁気センサ1030)を設けるようにすることが望ましい。本実施形態において特に不正の対象になり易いのは、球発射ユニット550の発射減算センサ554の近辺であり、具体的には球発射台552b(発射レール)上の遊技球Bと、ファールユニット570からファール球センサ607に至るまでの経路である。循環経路R内に対する不正な磁気を検出可能な磁気センサ配置に関する実施形態の詳細については後述する。
[8.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図78乃至図84を参照して詳細に説明する。図78は、透明なセンター役物等を不透明にして示す遊技盤の正面図である。図79は図78の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図80は図78の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図81は図78の遊技盤を後ろから見た斜視図である。図82は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図83は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図84は、遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内を示す遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定個数の持ち球数の加算)を付与する一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006、第二V入賞口2008、が備えられている。この遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、及び役物入賞口2006等に、受入れられるように、ハンドル160の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030(図93を参照)と、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040(図93等を参照)と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている。
また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図93等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されており主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板(図示は省略)と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が設けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が設けられている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2002と、センター役物2500の下方における左右方向の中央に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられることにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入が可能となる大入賞口2005又は役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが受入可能となる第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008と、を備えている。また、遊技盤5は、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030(図93を参照)を、備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内における最も下流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出するアウト口2020と、遊技領域5a内におけるアウト口2020よりも上流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出する二つのサブアウト口2021と、を備えている。アウト口2020は、第一始動口2003を間にして左右に二つ設けられている。また、二つのサブアウト口2021は、遊技領域5aの左右方向中央よりも左方の部位と、遊技領域5aの左右方向中央よりも右方の部位と、に夫々設けられている。
更に、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2003及びアウト口2020を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001と一つのサブアウト口2021とを有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、始動口ユニット2100の右方に設けられており第二始動口2004と大入賞口2005と一つのサブアウト口2021とを有しているアタッカユニット2400と、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられており役物入賞口2006、第一V入賞口2007及び第二V入賞口2008を有している枠状のセンター役物2500と、アタッカユニット2400の右端上方に設けられており普通入賞口2002を有している普通入賞口ユニット2600と、を備えている。
センター役物2500は、役物入賞口2006及び第一V入賞口2007を有している枠状の本体ユニット2510と、本体ユニット2510の枠内の下部に設けられており第二V入賞口2008を有している抽選役物2550と、を備えている。
裏ユニット3000は、遊技領域5a内において不正に作用する磁気を検知する複数の磁気センサ1030と、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040と、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後壁に演出表示装置1600を着脱可能に取付けているロックスライダ3020と、演出表示装置1600の後方に配置されており裏箱3010の後壁に取付けられている裏基板ユニット3040と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端付近の下部に設けられており遊技パネル1100の後方へ誘導された遊技球Bが流通する裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられている裏装飾ユニット3200と、裏箱3010内に前端付近における裏球誘導ユニット3100の左方及び上方に設けられている裏前演出ユニット3300と、裏箱3010内における裏前演出ユニット3300の後ろに設けられている裏後演出ユニット3400と、を備えている。
[8-1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図82及び図83等を参照して詳細に説明する。前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。このアウト口1008は、始動口ユニット2100によって前方から閉鎖されている。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー(図示は省略)の後方へ突出した後方突片(図示は省略)が挿入された状態となる。これにより、防犯カバーと遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバーの後方突片と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバーと前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100の切欠部1122と一致している。この切欠部1010は、遊技球を遊技者に払出すタイプのパチンコ機の本体枠に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部1122を貫通して下部満タン球経路ユニットの下部通常払出通路及び下部満タン払出通路の前端開口が前方へ臨ませて扉枠の上皿や下皿へ遊技球を供給するためのものである。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、右下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100や裏ユニット3000等を前方から視認することができる。
[8-2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図82及び図83等を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。遊技パネル1100の前面には、所定のゲージ配列で複数の障害釘が植設されている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、木製の遊技パネルの板厚が約20mmであるのに対しこれよりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さが約10mmとされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置が、下端から上方へ窪んでいる。つまり、本実施形態では、パネル板1110のアウト口1008は、孔状ではなく、パネル板1110の下方へ開放されている切欠状に形成されている。なお、アウト口1008を孔状に形成するようにしても良い。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。本実施形態では、開口部1112を孔状に形成しているが、パネル板1110の外周面から外方へ開放されている切欠状に形成しても良い。
また、パネル板1110は、図示は省略するが、前後に貫通した丸孔及び短い長孔に形成されている複数の位置決孔と、上縁と下縁とにおいて夫々左右方向へ離隔しており板厚が薄く形成されている複数の係合段部と、を備えている。位置決孔は、パネルホルダ1120の突出ピン(図示は省略)が挿入されることで、パネルホルダ1120との位置決めをするためのものである。係合段部は、パネルホルダ1120の係合爪(図示は省略)や係合片(図示は省略)に係合されることで、パネルホルダ1120に対して着脱可能に取付けられるためのものである。
パネル板1110は、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも上側にオフセットしている。これにより、パネル板1110が枠状となっており、正面視において、遊技球Bの流通方向(枠状の周方向)に対して直交している幅が、中央より上側を除いた、左側及び右側と下側が複数の遊技球Bが並ぶことが可能な広い幅となっており、上側が複数の遊技球Bが並ぶことが不能な狭い幅となっている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本実施形態では、約38mmと木製の遊技パネルと同じ厚みに)形成されている。このことは、木製の遊技パネルや透明な合成樹脂製の遊技パネル1100に問わず、同じパチンコ機1(遊技機)の本体枠4に装着して遊技ができるようにするためである。
このパネルホルダ1120は、透明な合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110と略同じ大きさで前面側から後方側に向かって凹んでいる保持段部(図示は省略)と、保持段部を略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されている。この切欠部1122は、遊技球を遊技者に払出すタイプのパチンコ機の本体枠に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部1122を貫通して下部満タン球経路ユニットの下部通常払出通路及び下部満タン払出通路の前端開口が前方へ臨ませて扉枠の上皿や下皿へ遊技球を供給するためのものである。
更に、パネルホルダ1120には、下端からアウト口1008に対応した位置まで上方へ延びており、後面から前方へ向かって窪んでいるアウト凹部1123が形成されている。アウト凹部1123は、上部がアウト口1008と連通している。
また、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、保持段部から前方へ突出しておりパネル板1110の複数の位置決孔に夫々が挿入される複数の突出ピンと、保持段部よりも外側に配置されておりパネル板1110の上側と左下の傾斜している部位の係合段部に対して弾性係合する三つの係合爪と、保持段部の下外側から上方へ突出しておりパネル板1110の下辺の二つの係合段部と夫々係合する一対の係合片と、を備えている。パネルホルダ1120は、前方斜め上からパネル板1110の下辺の係合段部を、係合片に係合させた上で、パネル板1110の上部を後方へ移動させて、上側と左下の傾斜している部位の係合段部を係合爪に弾性係合させることで、パネル板1110を保持段部に収容した状態で着脱可能に取付けることができる。この際に、パネル板1110の位置決孔に、パネルホルダ1120の突出ピンが挿入され、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して所定の位置に位置決めされる。
この遊技パネル1100は、前側に取付けられる前構成部材1000と共に透明に形成されているため、遊技盤5に組立てた時に、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。
また、遊技パネル1100を、前構成部材1000と共に透明としているため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることで発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
[8-3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図82及び図83等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の循環球経路ユニット600におけるアウト球受口600a及びセーフ球受口600bの直上に位置している。これにより、アウト口2020やサブアウト口2021を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球Bは、循環球経路ユニット600におけるアウト球受口600aへ排出され、アウト球受口600aに受けられることでアウト球通路601を流通してアウト球センサ605により一つずつ検知(カウント)される。一方、一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006のような入賞口に受入れられて表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球Bは、循環球経路ユニット600におけるセーフ球受口600bへ排出され、セーフ球受口600bに受けられることでセーフ球通路602を流通してセーフ球センサ606により一つずつ検知(カウント)される。
[8-4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図81乃至図83等を参照して説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技者への特典の付与等を制御する主制御基板1310(図93を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、基板ホルダ1200に取付けられると共に後面に主制御基板1310が取付けられる基板ベース1330と、主制御基板1310を後方から覆うように基板ベース1330に取付けられている基板カバー1340と、から構成されている。基板ベース1330と基板カバー1340とは、透明なポリカーボネイトにより形成されている。基板ベース1330と基板カバー1340とにより形成される内部空間には、主制御基板1310が収容されている。基板ベース1330と基板カバー1340が透明なポリカーボネイトにより形成されていることによって、主制御基板1310の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1320は、基板ベース1330と基板カバー1340とに夫々対応するように複数の封印機構1350を備えており、一つの封印機構1350を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構1350を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェース基板760、アウト球センサ605、周辺制御基板1510、等と接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2516、第一振分ソレノイド2534、第二振分ソレノイド2544、抽選ループソレノイド2558、打撃片駆動モータ2561、樋揺動駆動モータ2564、揺動片ソレノイド2565、磁気センサ1030、振動センサ1040、等と接続されている。
また、主制御基板1310には、四つの7セグメントLEDからなるベースモニタを有している(図示は省略)。ベースモニタは、透明な基板カバー1340を通して後方から視認することができる。このベースモニタは、球発射ユニット550により発射された遊技球Bのうち、遊技領域5a内に打込まれた後に遊技盤5から下方へ排出されて、本体枠4の循環球経路ユニット600に設けられているアウト球センサ605により検知されることでカウントされた遊技球Bの球数を表示するものである。本実施形態のベースモニタは、100発発射してアウト球センサ605によりカウントされた球数(遊技ホール側へ戻ってきた球数)を百分率にして表示している。
[8-5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図78等を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の遊技窓101を通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通図柄の抽選結果や特別図柄の抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、普通入賞口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される普通図柄の抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、普通入賞口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別図柄の抽選結果又は第二特別図柄の抽選結果が「当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[8-6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図81等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後側に設けられている演出表示装置1600の後方に設けられている。詳述すると、周辺制御ユニット1500は、裏箱3010の後面に演出表示装置1600を取付けている液晶スペーサ1610の後面に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図93を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット250、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている(図93を参照)。周辺制御ユニット1500は、詳細は後述するが、演出表示装置1600の後側に取付けられている。
[8-7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図82及び図83等を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁に取付けられる液晶スペーサ1610の前面に取付けられている。液晶スペーサ1610は、裏箱3010に対して着脱可能としていることから、演出表示装置1600が液晶スペーサ1610を介して裏箱3010から着脱させることができる。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、透明な遊技パネル1100や枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。
演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした15inchのフルカラーの液晶表示装置であり、横長の状態で液晶スペーサ1610の前面に取付けられている。演出表示装置1600は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、液晶スペーサ1610に対して、上方及び左方にスペースが形成されるように、その中心が液晶スペーサ1610の中心よりも右下に位置するようにオフセット(偏芯)して取付けられている。
液晶スペーサ1610は、19inchの液晶表示装置と同じ大きさで透明平板状に形成されている。液晶スペーサ1610は、上端面から上方へ突出している二つの上固定片1611と、下端面から下方へ突出している一つの下固定片1612と、を備えている。この液晶スペーサ1610は、演出表示装置1600の液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の開口部3010aの上内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの上固定片1611を挿入した上で、下固定片1612側を前方へ移動させて、下固定片1612をロックスライダ3020の開口部内に挿入し、ロックスライダ3020を背面視において左方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[8-8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図82及び図83等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000は、遊技パネル1100に、前方から取付けられており、前端が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部が遊技パネル1100の開口部1112内に突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2002と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられることにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005や役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが受入可能となる第一V入賞口2007や第二V入賞口2008と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを遊技領域5a外へ排出するアウト口2020及びサブアウト口2021を、更に備えている。アウト口2020及びサブアウト口2021は、遊技球Bを受入可能に常時開口している。また、アウト口2020は、遊技領域5aの下流端に設けられている。
また、表ユニット2000は、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、第一V入賞口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2502と、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503と、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504と、遊技領域5a内に作用する不正な磁気を検知する磁気センサ1030と、を備えている。
複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部における左右方向中央に対して左側に配置されている。普通入賞口2002は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向中央よりも下方に配置されている。第一始動口2003は、遊技領域5a内の左右方向中央で二つのアウト口2020の間に配置されている。第二始動口2004は、遊技領域5a内における右端付近で普通入賞口2002よりも下方に配置されている。大入賞口2005は、遊技領域5a内における第一始動口2003の右方に配置されている。役物入賞口2006は、遊技領域5a内における右端付近で普通入賞口2002よりも上方に配置されている。
アウト口2020は、遊技領域5aの下流端で第一始動口2003の左右両側の下方に配置されている。サブアウト口2021は、一つが三つの一般入賞口2001よりも左方に配置されていると共に、残りの一つが第二始動口2004の下方に配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2003及びアウト口2020を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001及び一つのサブアウト口2021を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、を備えている。
また、表ユニット2000は、始動口ユニット2100の右方に設けられており第二始動口2004、大入賞口2005、及び一つのサブアウト口2021を有しているアタッカユニット2400と、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられており、役物入賞口2006、第一V入賞口2007、第二V入賞口2008、及びハズレ口2009を有している枠状のセンター役物2500と、アタッカユニット2400の上方に設けられており普通入賞口2002を有している普通入賞口ユニット2600と、を更に備えている。
[8-8a.始動口ユニット]
次に、表ユニット2000の始動口ユニット2100について、主に図78乃至図80、及び図84等を参照して説明する。表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1008の直上に配置されており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bを受入可能に常時開口しており受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出する二つのアウト口2020と、を有している。また、始動口ユニット2100は、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101を、有している(図93を参照)。
アウト口2020は、第一始動口2003よりも低い位置に設けられている。始動口ユニット2100の二つのアウト口2020は、第一始動口2003を間にして左右対称の位置に設けられている。第一始動口2003は、遊技球Bが一つ通過可能な幅で上方へ向かって開口している。アウト口2020は、遊技球B二つ分の幅で上方へ向かって開口しており、遊技領域5a内の最も低い位置に設けられている。
始動口ユニット2100は、第一始動口2003とアウト口2020との高低差が、従来のパチンコ機における第一始動口とアウト口(アウト口1008)との高低差よりも小さく(低く)設けられている。これにより、遊技者に対して第一始動口2003が、従来の第一始動口よりも下方に設けられているように錯覚させることができ、相対的に遊技領域5a内を広く見せることができる。
始動口ユニット2100は、第一始動口2003の下方に設けられており所定の絵柄を表示可能な始動口表示部2110を有している。始動口表示部2110は、一つの7セグメントLEDにより構成されている。この始動口表示部2110は、遊技の進行に応じて所定の絵柄(数字を含む)を表示することができる。始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、始動口表示部2110によりアウト口1008を前方から閉鎖しており、遊技者側からアウト口1008を視認不能にしている。これにより、アウト口2020が遊技領域5aの最も下端であることを遊技者に認識させることができる。
始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、第一始動口2003がセンター役物2500のステージ2513における中央放出部2513aの直下に位置しており、中央放出部2513aから放出された遊技球Bを高い確率で受入れることができる。この第一始動口2003に受入れられた遊技球Bは、第一始動口センサ2101に検知された上で、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bへ排出される。
アウト口2020に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、裏球誘導ユニット3100から下方の循環球経路ユニット600のアウト球受口600aへ排出される。
[8-8b.サイドユニット]
次に、表ユニット2000のサイドユニット2200について、主に図78乃至図80、及び図84等を参照して説明する。表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001と、遊技球Bを常時受入可能に開口している一つのサブアウト口2021と、を備えている。
サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されており、左方へ向かうほど高い位置に設けられている。各一般入賞口2001は、遊技球B一つ分の大きさ(幅)で開口している。最も左方の一般入賞口2001の左方に、一つのサブアウト口2021が設けられている。サブアウト口2021は、遊技球B一つ分の大きさ(幅)で開口している。
また、サイドユニット2200は、最も右方の一般入賞口2001よりも右側に、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している棚部2201を有している。棚部2201は、始動口ユニット2100における左側のアウト口2020の右端付近まで、右方へ延出している。つまり、遊技球Bが棚部2201を転動すると、左側のアウト口2020に受入れられる。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、三つの一般入賞口2001と一つのサブアウト口2021とが、遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡すことができる。裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された上で下方へ排出される。
また、サイドユニット2200は、サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導して、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡すことができる。裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡された遊技球Bは、下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bへ排出される。
[8-8c.サイド左上ユニット]
次に、表ユニット2000のサイド左上ユニット2300について、主に図78乃至図80、及び図84等を参照して説明する。表ユニット2000のサイド左上ユニット2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット2200の左方で内レール1002に接するように、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイド左上ユニット2300は、右方へ低くなるように傾斜した棚部2301を有している。
サイド左上ユニット2300は、遊技盤5に組立てた状態で、棚部2301が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出している。サイド左上ユニット2300は、センター役物2500の左側を流下してきた遊技球Bを、棚部2301により、センター役物2500の下方となる右方側へ誘導することができる。
[8-8d.アタッカユニット]
次に、表ユニット2000のアタッカユニット2400について、主に図78乃至図80、及び図84等を参照して説明する。表ユニット2000のアタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、遊技パネル1100の前面に前方から取付けられている。このアタッカユニット2400は、第二始動口2004、大入賞口2005、及び一つのサブアウト口2021を備えている(図84等を参照)。
アタッカユニット2400は、正面視において、第二始動口2004が左右方向中央から右寄りの上部に設けられており、大入賞口2005が左右方向中央より左側で第二始動口2004よりも低い位置に設けられており、一つのサブアウト口2021が第二始動口2004の下方で大入賞口2005よりも低い位置に設けられている。
また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402と、不正な磁気を検知する磁気センサ1030と、を備えている(図93を参照)。大入賞口センサ2402は、左右に並んで二つ設けられている。
また、アタッカユニット2400は、サブアウト口2021の後方で前方から視認可能な位置にダミーセンサ2403を有している。このダミーセンサ2403は、遊技球Bを検知することはできないが、大入賞口センサ2402のように遊技球Bの通過を検知するスルーセンサと同じ態様に形成されている。この構成によれば、ダミーセンサ2403を、実際に遊技球Bを検知可能なセンサと交換することができるため、本体枠4においてアウト球をカウントする場合と、カウントしない場合の何れにも変更可能である。なお、ダミーセンサ2403を、スルーセンサと同じ態様のものとしたが、当該部位において球詰りが発生するような段差をなくすスペーサとしても良い。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004を開閉可能な第二始動口扉2411と、第二始動口扉2411を普通入賞口2002における遊技球Bの受入れにより抽選された普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2412と、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413と、大入賞口扉2413を第一始動口2003又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させるアタッカソレノイド2414と、を備えている。
アタッカユニット2400の第二始動口2004は、左右方向の幅が遊技球Bの直径よりも若干大きい幅で上方へ向かって開口している。大入賞口2005は、左右方向の幅が、遊技球Bの直径に対して4~6倍の幅で上方へ向かって開口している。第二始動口2004を開閉可能としている第二始動口扉2411は、前後方向へ進退可能に設けられており、左端側が低くなるように傾斜している。大入賞口2005を開閉可能としている大入賞口扉2413は、左右方向に延びている軸芯周りに回動することで、前後方向へ進退可能に設けられており、左端側が低くなるように傾斜している。
この第二始動口扉2411は、前後方向へ移動するように設けられている。第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412が通電されていない状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャがバネの付勢力により突出することにより前方へ移動し、第二始動口2004を閉鎖している。また、第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412が通電されている状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャがバネの付勢力に抗して後退することにより、後方へ移動し、第二始動口2004を開放する。
大入賞口扉2413は、左右に長い平板状で、大入賞口センサ2402よりも下方に設けられている左右方向に延びた軸芯周りに回動することにより、前後に移動するように設けられている。大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414のプランジャの前後方向への進退により、大入賞口2005を開閉することができる。大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414が通電されていない状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャがバネの付勢力により突出することにより前方へ移動し、大入賞口2005を閉鎖している。また、大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414が通電されている状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャがバネの付勢力に抗して後退することにより、後方へ移動し、大入賞口2005を開放する。
アタッカユニット2400は、その上端に、第二始動口2004及び大入賞口2005との間に遊技球Bが流通可能な空間を形成していると共に、左方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの上方を覆うように設けられている上棚部2421を有している。上棚部2421は、第二始動口2004の右端上方から大入賞口2005の左端上方の部位まで、左右方向へ延出している。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004よりも上方でアタッカユニット2400の右端(右レール1005)から左方へ遊技球Bが一つ通過可能な間隔をあけた部位から左方の第二始動口2004へ向かって低くなるように傾斜している第一棚部2422と、第二始動口2004の左端から左方へ低くなるように傾斜している第二棚部2423と、第二棚部2423の左方且つ下方で第二棚部2423との間に遊技球Bが通過可能な隙間をあけた部位から左方の大入賞口2005へ向かって低くなるように傾斜している第三棚部2424と、大入賞口2005の左端から左方へ向かって低くなるように傾斜している第四棚部2425と、を備えている。
このアタッカユニット2400は、第一棚部2422よりも右方の隙間、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間、に遊技球Bが進入すると、サブアウト口2021に受入れられて、遊技領域5a外へ遊技球Bを排出する。
アタッカユニット2400は、詳細な図示は省略するが、上棚部2421と大入賞口2005との間の遊技球Bが左方へ流通可能な空間内において、当該空間を形成している前壁と後壁とから左右方向へ互い違いとなるように、平面視三角形状の複数の当接部が当該空間内に突出している。これら複数の当接部は、大入賞口2005が閉状態の時に、大入賞口扉2413上を転動している遊技球Bを、前後方向へ大きくジグザグ状に流通させることができ、大入賞口扉2413上を流通する遊技球Bの流通時間を長くしている。
アタッカユニット2400は、通常の状態では、始動口ソレノイド2412及びアタッカソレノイド2414が、夫々非通電(OFF)の状態となっている。この通常の状態では、始動口ソレノイド2412のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、第二始動口扉2411が前方へ突出している。この状態では、第二始動口扉2411が、第二始動口2004の上方に位置しており、第二始動口扉2411により第二始動口2004への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、第二始動口2004が第二始動口扉2411により閉鎖されている。
また、通常の状態では、アタッカソレノイド2414のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、大入賞口扉2413が前方へ突出している。この状態では、大入賞口扉2413が、大入賞口2005の上方に位置しており、大入賞口2005への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、大入賞口2005が大入賞口扉2413により閉鎖されている。
この通常の状態で、第一棚部2422上に遊技球Bが流下すると、第一棚部2422の傾斜により遊技球Bが左方へ転動し、第二始動口扉2411の上面、及び第二棚部2423を転動した上で、第二棚部2423の左端から左方へ放出される。第二棚部2423から左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2424又は大入賞口扉2413上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動する。なお、第二棚部2423から左方へ放出された遊技球Bが、上棚部2421の下面に当接して右方へ跳ね返ると、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入することがある。
そして、大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413上を転動している遊技球Bは、上棚部2421と大入賞口2005との間の空間に設けられている複数の当接部に対して、交互に当接することとなり、前後方向へジグザグしながら左方へ転動することとなる。大入賞口扉2413上を左方へ転動した遊技球Bは、第四棚部2425を転動した後に、その左端からアタッカユニット2400外へ放出される。第四棚部2425の左端は、第一始動口2003よりも低い位置にあるため、第四棚部2425から左方へ放出された遊技球Bは、アウト口2020に受入れられることとなる。
アタッカユニット2400は、上棚部2421上に遊技球Bが流下すると、その傾斜により左方へ誘導され、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられる機会が与えられることなく、アタッカユニット2400の左方へ放出される。上棚部2421の左端は、第一始動口2003よりも高い位置に設けられているため、上棚部2421から左方へ放出された遊技球Bは、第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
このアタッカユニット2400では、第一棚部2422よりも右方に遊技球Bが流下すると、サブアウト口2021に進入する。また、遊技球Bが、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入すると、サブアウト口2021に進入する。サブアウト口2021に進入した遊技球Bは、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を通って下方の基板ホルダ1200上に排出され、循環球経路ユニット600のアウト球受口600aに受け渡される。このアタッカユニット2400では、第一棚部2422の右側を流通した遊技球Bと、第二棚部2423と第三棚部2424の間の隙間を通った遊技球Bとが、何れもサブアウト口2021に進入するように形成されており、実質的にサブアウト口2021が二つ設けられている。
この通常の状態において、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられることで抽選された普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2412に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが後退し、第二始動口扉2411が後方に移動する。そして、第二始動口扉2411が後方へ移動することにより、第二始動口2004の上方が開放された状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。つまり、第二始動口2004が開状態となる。
第二始動口2004が開状態の時に、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二始動口センサ2401に検知された後に、アタッカユニット2400から後方へ放出される。第二始動口2004に受入れられてアタッカユニット2400から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bに排出される。
一方、通常の状態において、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果や第二特別抽選結果)に応じて、アタッカソレノイド2414に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが後退し、大入賞口扉2413が後方へ移動する。大入賞口扉2413が後方へ移動することにより、大入賞口2005が上方へ開放された状態となり、大入賞口2005への遊技球Bの受入れが可能な状態となる。つまり、大入賞口2005が開状態となる。
大入賞口2005が開状態の時に、遊技球Bが大入賞口2005に受入れられると、下方に設けられている二つの大入賞口センサ2402のうちの一つに検知された上で、アタッカユニット2400から後方へ放出される。大入賞口2005に受入れられてアタッカユニット2400から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bに排出される。
このように、本実施形態のアタッカユニット2400によれば、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを、二つの大入賞口センサ2402の何れかにより検知してから後方へ放出するようにしているため、大入賞口2005と大入賞口センサ2402との間で遊技球Bが滞ることを抑制させることができると共に、短時間で多くの遊技球Bを受入れることができる。
[8-8e.センター役物]
次に、表ユニット2000におけるセンター役物2500について、主に図78乃至図80、図84、図85乃至図88等を参照して詳細に説明する。図85(a)はセンター役物における抽選役物の正面図であり、(b)は抽選役物を前方の上方から見た斜視図である。図86は、センター役物における抽選役物を左右方向の中央で切断した側面断面図である。図87(a)は抽選役物において遊技球がループ不能な状態を断面で示す説明図であり、(b)は抽選役物において遊技球がループ可能な状態を断面で示す説明図である。図88は、抽選役物における遊技球の流れを示す説明図である。
表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、透明な枠状に形成されている。
センター役物2500は、詳細は後述するが、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果に応じて遊技球Bを受入可能に開閉する役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bのみが受入可能となる第二V入賞口2008と、役物入賞口2006に受入れられた後に第二V入賞口2008に受入れられなかった遊技球Bが受入れられるハズレ口2009と、を備えている。
センター役物2500は、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2501と、第一V入賞口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2502と、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503と、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504と、を備えている。
センター役物2500は、枠状に形成されている本体ユニット2510と、本体ユニット2510の枠内の下部に設けられている抽選役物2550と、を備えている。本体ユニット2510は、役物入賞口2006及び第一V入賞口2007を有している。抽選役物2550は、第二V入賞口2008及びハズレ口2009を有している。
[8-8e-1.本体ユニット]
センター役物2500の本体ユニット2510について詳細に説明する。本体ユニット2510は、役物入賞口2006を有している。本体ユニット2510は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に取付けられる透明枠状のセンターフレーム2511と、センターフレーム2511の外側から枠の内側へ遊技球Bを夫々誘導可能なワープ通路2512と、センターフレーム2511の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2512を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2513と、を備えている。
センターフレーム2511は、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112に挿入されると共に開口部1112の内周面に沿うように設けられており前後方向に延びている枠状の挿入部2511aと、挿入部2511aの前端外周から外方へ突出しており遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2511bと、フランジ部2511bよりも前方へ延出しており遊技領域5aを流下する遊技球Bが遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112の内部に流入することを規制する流入規制部2511cと、挿入部2511aの前端内周から突出している平板状のサポート部2511dと、を有している。
挿入部2511aは、遊技盤5に組立てた状態で、その後端が遊技パネル1100のパネル板1110の後面と一致するように設けられている。流入規制部2511cは、遊技盤5に組立てた状態で、枠状(環状)の下辺部を除いた前端が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方に突出している。これにより、遊技盤5に組立てた状態で、流入規制部2511cによってセンター役物2500(センターフレーム2511)の外側から枠内の内側への遊技球Bの侵入(流入)を防止(規制)することができる。
フランジ部2511bとサポート部2511dの厚さは、パネル板1110の厚さよりも薄く(パネル板1110の厚さの1/4~1/5の厚さ)形成されている。フランジ部2511bとサポート部2511dは、前後方向の同じ位置で挿入部2511aから突出している。
サポート部2511dは、挿入部2511aの内周において、部分的に複数設けられている。また、サポート部2511dは、挿入部2511aにおけるフランジ部2511bの突出していない部位にも設けられており、挿入部2511a(センターフレーム2511)を補強している。また、サポート部2511dは、挿入部2511aから突出した端辺が、挿入部2511aの正面形状に倣った形状、若しくは、直線状に形成されており、サポート部2511dが目立たないようにしている。このサポート部2511dは、挿入部2511aからの突出量を、サポート部2511dの厚さからパネル板1110の厚さまで、の範囲(1mm~10mm)内としており、補強としての効果を発揮させつつ遊技者から目立ち難いようにしている。
ワープ通路2512は、流入規制部2511cにおける正面視左側の部位において、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口している。ワープ通路2512は、進入した遊技球Bを、ステージ2513へ誘導することができる。ワープ通路2512の一部は、センターフレーム2511により形成されている。
ステージ2513は、センターフレーム2511における挿入部2511aに取付けられている。ステージ2513は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100のパネル板1110に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2513は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2513a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2513b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
ステージ2513は、遊技盤5に組立てた状態で、その左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2513a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2003の直上に位置している。これにより、ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2003に受入れられる。
また、センター役物2500の本体ユニット2510は、センターフレーム2511の右上隅に設けられており、遊技球Bが流通可能な二つの通路からなる案内通路群2520を、備えている。案内通路群2520は、普通入賞口2002及びアタッカユニット2400の上方へ遊技球Bを案内するものである。
案内通路群2520は、図84に示すように、センターフレーム2511の流入規制部2511cの枠外に設けられており、上部の入口が衝止部1006の部位に設けられている第一案内通路2521と、上部の入口が第一案内通路2521の入口の左側に隣接して設けられている第二案内通路2522と、から構成されている。案内通路群2520(第一案内通路2521及び第二案内通路2522)は、何れも無色透明な部材により形成されており、内部を流通する遊技球Bを、前方から視認することができる。
第一案内通路2521は、前構成部材1000の衝止部1006から垂直に短く下方へ延びた後に右方へ直角に屈曲し、右レール1005に近接すると、下方へ屈曲して右レール1005に沿って延び、遊技領域5aの高さの下から3/4の高さ付近で左方へ屈曲して、緩い角度で低くなるように左方へ延び、第二案内通路2522の入口よりも遊技球B一つ分左側の位置で下方へ屈曲して遊技領域5aの中央の高さまで延びた上で、右方へ屈曲して右レール1005付近まで延び、その後下方へ屈曲して出口が下方へ向かって開口した形状に形成されている。
第一案内通路2521は、前後方向へは屈曲しておらず、遊技パネル1100の前面と略同一面上で遊技球Bを下方へ案内している。第一案内通路2521における上側の左方へ延びている部位に、役物入賞口2006が設けられている。また、第一案内通路2521の出口の下方には、普通入賞口2002が上方へ向けて開口している。
一方、第二案内通路2522は、第一案内通路2521の入口から左方へ間隔をあけた部位で、上方へ向かって入口が開口している。第二案内通路2522は、上端の入口から略真直ぐに下方へ延び、第一案内通路2521が最初に右方へ屈曲する部位の高さよりも低い高さの位置で後方へ屈曲した上で、遊技パネル1100の前面よりも後側で下方へ屈曲して第一案内通路2521と前後方向に並んだ状態で、第一案内通路2521における最も左方に位置して下方へ延びている部位と左右方向が概ね一致するように下方へ延び、遊技領域5aの中央の高さの部位でクランク状に右方へ屈曲した上で下方へ屈曲し、そして、第一案内通路2521における下側の右方へ延びている部位よりも下方の部位で前方へ屈曲した後に、第一案内通路2521と前後方向が同一面となった状態で、第一案内通路2521における下側の右方へ延びている部位の下側に沿って延びるように右方へ屈曲し、その後、第一案内通路2521の出口の左側に隣接するように下方へ屈曲して、出口が下方へ向かって開口した形状に形成されている。
また、本体ユニット2510は、案内通路群2520のうちの一つの通路(ここでは、第一案内通路2521)の途中に設けられており、第一始動口2003及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果に応じて遊技球Bが受入可能となる役物入賞口2006と、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bをチャンス口2531に振分ける第一振分装置2530と、第一振分装置2530によりチャンス口2531に振分けられた遊技球Bを第一V入賞口2007に振分ける第二振分装置2540と、第二振分装置2540により第一V入賞口2007に振分けられなかった遊技球B(第二スカ口2541に振分けられた遊技球B)を抽選役物2550へ誘導する抽選案内通路2545と、を備えている。
本体ユニット2510(センター役物2500)における役物入賞口2006は、第一案内通路2521における上側の左方へ延びている部位に設けられており、当該部位の左右方向の略全長に亘って左右に延びていると共に、上方へ向かって開口している。役物入賞口扉2515は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している役物入賞口2006を開閉可能としている。役物入賞口扉2515は、前進することで役物入賞口2006を閉鎖することができ、役物入賞口2006を閉鎖している状態では、第一案内通路2521における左方へ延びている部位の底面を形成して、上流側から流通してきた遊技球Bを、第一案内通路2521の出口側へ誘導することができる。
役物入賞口扉2515は、役物入賞口ソレノイド2516の駆動によって後退することで役物入賞口2006を開放して、第一案内通路2521を流通してきた遊技球Bを、役物入賞口2006に受入れさせることができる。この役物入賞口扉2515は、役物入賞口ソレノイド2516がOFF(非通電時)の時は役物入賞口2006を閉鎖し、役物入賞口ソレノイド2516がON(通電時)の時は役物入賞口2006を開放させる。
第一振分装置2530は、役物入賞口2006に受入れられて役物入賞口センサ2501により検知された遊技球Bが進入可能なチャンス口2531及び第一スカ口2532と、遊技球Bを一つのみ収容可能な収容部2533aを外周面に有し、前後方向の軸周りに回動可能な振分回転体2533と、振分回転体2533の収容部2533aが右方を向いている状態と上方を向いている状態との間で振分回転体2533を回動させるための第一振分ソレノイド2534(図93を参照)と、を備えている。振分回転体2533は、外周面が後方へ窄まった円錐台状に形成されている。
第一振分装置2530のチャンス口2531は、遊技球Bの流れに対して振分回転体2533よりも下流側に設けられており、振分回転体2533の収容部2533aに収容された遊技球Bが進入可能とされており、振分回転体2533の右方に設けられている。チャンス口2531は、第二振分装置2540に繋がっている。第一スカ口2532は、遊技球Bの流れに対して振分回転体2533よりも上流側に設けられており、振分回転体2533の収容部2533aに収容されなかった遊技球Bが進入し、振分回転体2533の上方に設けられている。第一スカ口2532は、前方へ向かって開口しており、進入した遊技球Bを遊技パネル1100よりも後方へ誘導する。
第一振分装置2530は、第一振分ソレノイド2534がOFF(非通電)の状態では、振分回転体2533の収容部2533aが右方を向いている。この状態で、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、役物入賞口センサ2501に検知された後に振分回転体2533へ上方から流下すると、振分回転体2533の外周面に当接する。この振分回転体2533の外周面は、後方へ窄まった円錐台状に形成されているため、外周面の傾斜により遊技球Bが後方へ誘導され、第一スカ口2532へ進入することとなる。
一方、第一振分ソレノイド2534がON(通電)の状態では、振分回転体2533が反時計回りの方向へ90度回動して、収容部2533aが上方を向いている状態となる。この状態で、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、役物入賞口センサ2501に検知された後に振分回転体2533へ上方から流下すると、収容部2533aに一つのみ収容される。振分回転体2533の収容部2533aに遊技球Bが収容されている状態で、役物入賞口2006側から更に遊技球Bが上方から振分回転体2533へ流下すると、当該遊技球Bが収容部2533aに収容されている遊技球Bに当接した後に、後方の第一スカ口2532に進入することとなる。第一スカ口2532に進入した遊技球Bは、センサにより検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受渡され、裏球誘導ユニット3100から下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bに排出される。
収容部2533aに遊技球Bが収容されている状態で、第一振分ソレノイド2534により振分回転体2533が時計回りの方向へ90度回動して、収容部2533aが右方を向くと、収容部2533aに収容されている遊技球Bが、収容部2533aから右方へ転動しチャンス口2531に受入れられることとなる。チャンス口2531に受入れられた遊技球Bは、次の第二振分装置2540へ送られる。
このように、第一振分装置2530では、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを、チャンス口2531側(第二振分装置2540側)、又は、第一スカ口2532側の何れかに振分けることができる。
第二振分装置2540は、第一振分装置2530において、チャンス口2531へ振分けられた遊技球Bを、第二スカ口2541又は第一V入賞口2007の何れかに振分けるものである。第二振分装置2540は、正面視において、第一振分装置2530と、案内通路群2520の出口との間の高さに設けられている。第二振分装置2540は、第一振分装置2530の振分回転体2533よりも後方に設けられている。
第二振分装置2540は、第一振分装置2530において振分回転体2533の収容部2533aに収容されてチャンス口2531に振分けられた遊技球Bが進入可能に設けられている第二スカ口2541及び第一V入賞口2007と、前後方向へ進退することで第二スカ口2541を開閉可能としている振分片2543と、振分片2543を進退させるための第二振分ソレノイド2544(図93を参照)と、を備えている。
第二スカ口2541は、振分回転体2533よりも右方の位置で上方へ向かって開口しており、チャンス口2531に振分けられた遊技球Bが上方から供給される。第一V入賞口2007は、第二スカ口2541の右側に隣接して設けられており、上方へ向かって開口している。振分片2543は、右方へ低くなるように傾斜している平板状で、前方へ突出することで第二スカ口2541の上端開口を閉鎖して第二スカ口2541への遊技球Bの受入れを不能とすることができると共に、上面に当接した遊技球Bを右方へ誘導して第一V入賞口2007へ受入れさせることができる。
第二振分装置2540は、第二振分ソレノイド2544がOFF(非通電)の状態では、振分片2543が前進しており、第二スカ口2541を閉鎖している。この状態で、第一振分装置2530においてチャンス口2531に振分けられた遊技球Bが流下してくると、振分片2543の上面に当接し、振分片2543の傾斜により右方へ誘導されて第一V入賞口2007に受入れられる(振分けられる)。第一V入賞口2007に振分けられた遊技球Bは、第一V入賞口センサ2502により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、裏球誘導ユニット3100から下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bに排出される。
一方、第二振分ソレノイド2544がON(通電)の状態では、振分片2543が後退して、第二スカ口2541が上方へ開放された状態となり、第二スカ口2541への遊技球Bの受入れが可能な状態となる。この状態で、第一振分装置2530においてチャンス口2531に振分けられた遊技球Bが流下してくると、当該遊技球Bが後退している振分片2543の前方を通って第二スカ口2541に受入れられる(振分けられる)こととなる。そして、第二スカ口2541に振分けられた遊技球Bは、抽選案内通路2545により左方の抽選役物2550へ誘導される。
このように、第二振分装置2540では、第一振分装置2530において振分回転体2533の収容部2533aに収容された遊技球B、つまり、チャンス口2531に振分けられた遊技球Bを、第二スカ口2541(抽選役物2550)側、又は、第一V入賞口2007側、の何れかに振分けることができる。
抽選案内通路2545には、遊技球Bの流通を検知する抽選役物入球センサ2546が設けられている。この抽選役物入球センサ2546により遊技球Bが検知されると、周辺制御基板1510の周辺制御部1511により、演出表示装置1600、本体枠スピーカ503、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカ、遊技盤5や扉枠3に設けられるLED等を制御して、抽選役物2550内での遊技球Bの抽選(振分け)を盛り上げる演出が実行される。これにより、第二振分装置2540において第二スカ口2541に遊技球Bが振分けられることで、遊技者の残念な気分を払拭して抽選役物2550に対する期待感を高めさせる。
[8-8e-2.抽選役物]
センター役物2500における抽選役物2550について、主に図85乃至図88等を参照して詳細に説明する。センター役物2500の抽選役物2550は、枠状に形成されている本体ユニット2510の枠内の下部に設けられており、第二V入賞口2008及びハズレ口2009を有している。この抽選役物2550は、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが供給される。詳しくは、役物入賞口2006に受入れられて第一振分装置2530によりチャンス口2531に振分けられた上で、更に、第二振分装置2540により第二スカ口2541に振分けられた遊技球Bが供給される。また、抽選役物2550は、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503と、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504と、を備えている。
センター役物2500の抽選役物2550は、第二振分装置2540により第二スカ口2541へ振分けられて抽選案内通路2545を流通した遊技球Bが供給され、左方へ向かって低くなるように傾斜している誘導路2551と、誘導路2551を流通した遊技球Bをループ側又は非ループ側(ハズレ口2009側)の何れかに振分ける振分部2552と、振分部2552によりループ側に振分けられた遊技球Bを後方へ打撃可能な打撃部2553と、打撃部2553により後方へ打撃された遊技球Bが供給され、前方へ向かって低くなるように傾斜していると共に、上下方向の軸芯周りに対して揺動するように往復回動可能な揺動樋2554と、揺動樋2554により誘導された遊技球Bが転動し、前方の誘導路2551へ向かって低くなるように傾斜している前後及び左右に広い面状で、下流端付近に第二V入賞口2008が設けられているテーブル2555と、テーブル2555における第二V入賞口2008と揺動樋2554との間に設けられており、上下方向の軸芯周りに対して揺動可能な一対の揺動片2556と、を有している。
この抽選役物2550は、詳細は後述するが、振分部2552により遊技球Bがループ側へ振分けられる限り、第二V入賞口2008が設けられているテーブル2555から放出された遊技球Bが打撃部2553へ供給され、打撃部2553とテーブル2555との間で遊技球Bがループすることが可能なものである。
抽選役物2550の誘導路2551は、抽選役物2550の右端辺に沿って後端付近から前端まで前方が低くなるように延出した後に、抽選役物2550の前端辺に沿って左端付近まで左方が低くなるように延出しており、平面視においてL字状に形成されている。この誘導路2551は、遊技球Bの直径よりもやや大きい幅で延出している。誘導路2551には、右端辺に沿って前後方向へ延出している部位に、抽選案内通路2545から遊技球Bが供給される。
抽選役物2550の振分部2552は、誘導路2551の左右方向へ延出している部位における下流端(左端)に近い部位に設けられている。振分部2552は、誘導路2551を貫通し上方へ向かって開口しているハズレ口2009と、ハズレ口2009の左端付近において前後方向へ延びた軸芯周りに対して回動可能に設けられておりハズレ口2009を開閉可能としているハネ橋状の振分橋2557と、振分橋2557を回動させるための抽選ループソレノイド2558(図93を参照)と、を備えている。誘導路2551は、ハズレ口2009を境にして上流側と下流側とに分割されている。
振分橋2557は、平面視において、左右に長い平板状に形成されており、左辺側が前後方向の軸芯周りに対して回動可能に支持されており、右辺側が自由端とされている。振分橋2557は、右辺側がハズレ口2009の右辺に接近して左右方向へ延びて倒れた状態のループ位置(図87(a)を参照)と、右辺側が左辺側の上方へ位置して上下方向へ延びて直立した状態の非ループ位置(図87(b)を参照)と、の間で回動可能に設けられている。
振分橋2557は、ループ位置の状態となることで、ハズレ口2009により上流側と下流側とに二つに分割された誘導路2551を橋渡すような状態となり、振分橋2557上を通って遊技球Bが上流側から下流側へ転動することができる。つまり、振分橋2557は、ループ位置の状態となることで、ハズレ口2009を閉鎖して、遊技球Bを受入不能することができる。一方、振分橋2557は、非ループ位置の状態となることで、ハズレ口2009が上方へ開放された状態となり、上流から転動してきた遊技球Bを、下流側へ渡すことなくハズレ口2009へ受入れさせることができる。このように、振分部2552では、振分橋2557によって遊技球Bをループ側又は非ループ側の何れかに振分けることができる。
この振分橋2557は、遊技球Bの転動面とは反対側に、×印が施されて旗状に形成されている振分表示部2557aが設けられている。この振分表示部2557aは、振分橋2557がハズレ口2009を開放する非ループ位置の状態になると、遊技者側から視認可能となる。これにより、遊技者に対して遊技球Bが下流側の打撃部2553へ行けない(ループすることができない)状態であることを認識させることができる。
また、振分橋2557は、回動可能に支持されている左端側が、テーブル2555の下流端(前端辺)における左端よりも左方に設けられている。従って、テーブル2555から誘導路2551側へ放出される遊技球Bは、非ループ位置の振分橋2557よりも右方の部位に放出されるため、非ループ位置の時にテーブル2555から遊技球Bが、二つに分割されている誘導路2551の下流側(振分橋2557よりも下流側)へ行くことはなく、開放されているハズレ口2009に受入れられる。
抽選役物2550の打撃部2553は、前端が誘導路2551の下流端よりも低く後方へ向かって高くなるように傾斜しており振分部2552によりループ側に振分けられた遊技球Bが供給される登坂部2559と、登坂部2559の下流端に設けられており遊技球Bを打撃可能な扇状の打撃片2560と、打撃片2560を登坂部2559と垂直な軸芯周りに対して回転させる打撃片駆動モータ2561(図93を参照)と、を備えている。
扇状の打撃片2560は、打撃片駆動モータ2561により比較的早い速度で回転させられている。従って、遊技球Bが打撃片2560の設けられている部位に到達するタイミングと、打撃片2560の回転位置のタイミングと、によって遊技球Bが打撃される強さが区々となる。そのため、遊技球Bがある程度強く打撃されると、登坂部2559を乗り越えて後方の揺動樋2554側へ行くことができ、打撃が弱いと、登坂部2559を乗り越えることができずに、前方へ戻ってくることとなる。これにより、遊技球Bが強く打撃されて揺動樋2554(テーブル2555)側へ行くか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。また、打撃片2560による打撃が弱いと遊技球Bが戻ってくるため、当該遊技球Bによる遊技が確定するまでの時間を長くすることができると共に、遊技者に対して得した気分にさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
この抽選役物2550は、打撃部2553と揺動樋2554との間に、登坂部2559を乗り越えた遊技球Bが供給され、左右両端が高く中央が低くなるように湾曲している揺動通路2562と、揺動通路2562の中央に設けられており遊技球Bを揺動樋2554へ放出する放出口2563と、を有している。揺動通路2562の高くなっている左右両端付近には複数の凹凸が設けられており、遊技球Bの転動速度を減衰させることができる。この揺動通路2562は、抽選役物2550の後端辺に沿って設けられており、テーブル2555よりも後ろに設けられている。打撃部2553から揺動通路2562へ供給された遊技球Bは、ステージ2513と同様に、左右方向へ転動した後に、中央の放出口2563から揺動樋2554へ放出される。
抽選役物2550の揺動樋2554は、円盤状に形成されており、中心から外周へ向かって延出している樋状に凹んだ樋部2554aを有している。円盤状の揺動樋2554は、後側が高くなるようにその回転軸が傾斜している。抽選役物2550は、揺動樋2554を所定角度の範囲内で往復回動させるための樋揺動駆動モータ2564(図93を参照)を有している。この揺動樋2554は、樋揺動駆動モータ2564によって、樋部2554aの先端が前方の第二V入賞口2008を向いている状態を中心として、その先端が所定の角度の範囲で左右方向を向くように往復回動する。
揺動樋2554は、テーブル2555の左右方向中央の後端(上端)に設けられており、放出口2563から放出された遊技球Bが樋部2554aに受け渡される。樋部2554aに受け渡された遊技球Bは、揺動樋2554が往復回動しているため、テーブル2555における樋部2554aの先端が向いている回動方向に応じた扇状の範囲内へ遊技球Bを放出させることができる。この際に、受け取られた遊技球Bが樋部2554aを転動して先端から放出されるまでのも、揺動樋2554が回動しているため、当該回動により遊技球Bに慣性力が作用することとなる。そのため、樋部2554aの先端から放出された遊技球Bは、樋部2554aの向いている方向へ真直ぐにテーブル2555上を転動することはなく、転動方向が予想し難くなっている。
抽選役物2550のテーブル2555は、前端側が低くなるように傾斜しており、下流端となる前端側の左右方向の長さが、後端の左右方向の長さよりも短く形成されている。また、テーブル2555は、左右方向中央の上端に揺動樋2554が設けられていると共に、左右方向中央の下端付近に第二V入賞口2008が設けられている。テーブル2555は、左右方向中央において揺動樋2554から第二V入賞口2008へ延びている中央溝2555aを有していると共に、左右方向中央の下端付近において周囲よりも凹んでいる凹部2555bを有している。凹部2555bは、五角形のホームベース状に凹んでおり、その底部に第二V入賞口2008が設けられている。
このテーブル2555は、第二V入賞口2008へ続く中央溝2555aや、底部に第二V入賞口2008が設けられている凹部2555bを有しているため、遊技者に対して、それらに遊技球Bが進入すると第二V入賞口2008に受入れられるように思わせることができ、テーブル2555上を転動している遊技球Bの動きを楽しませることができる。
テーブル2555の下流端である前端側は、前方の誘導路2551よりも高い位置に設けられている。従って、誘導路2551を流通している遊技球Bが、打撃部2553及び揺動樋2554を経由せずにテーブル2555上へ供給されることはない。
抽選役物2550の揺動片2556は、テーブル2555における揺動樋2554と第二V入賞口2008との間で、テーブル2555の左右方向中央を境にして左右対称の位置に、左右対称に一対が設けられている。揺動片2556は、流滴状に形成されており、基端となる円形の部位を前側にして尖った先端を後方へ向けていると共に、円形の基端側を中心として回動可能に設けられている。
抽選役物2550は、一対の揺動片2556を上下方向の軸芯周りに対して所定角度範囲内で往復回動させることで揺動させるための揺動片ソレノイド2565を備えている。一対の揺動片2556は、一つの揺動片ソレノイド2565により、互いに相反する方向へ回動するように設けられている。
一対の揺動片2556は、揺動片ソレノイド2565により回動されるため、駆動モータにより回動される場合と比較して、回動速度が速くなっている。従って、揺動片2556が揺動して動いている時に、揺動片2556に遊技球Bが当接すると、当該遊技球Bを強く跳ね飛ばすことができる。従って、揺動片2556の回動方向によって、当接した遊技球Bを、テーブル2555の左右方向中央側へ送ったり左右方向両端側へ送ったりすることができ、遊技球Bの流れに変化を付与することができる。
一対の揺動片2556は、尖った先端が互いに接近している状態では、揺動片2556同士の間の間隔が狭くなると共に、揺動片2556の後方を向いている面部が、前方へ向かうに従って左右方向中央から遠ざかるように傾斜しており、一対の揺動片2556が後方へ窄まった状態となっている。これにより、揺動樋2554やテーブル2555の後方から流下してきた遊技球Bが、一対の揺動片2556の間を通ると、第二V入賞口2008に受入れられる可能性が高くなり、一対の揺動片2556における後方を向いている面部に当接すると、その傾斜により左右方向中央から遠ざかる方向へ誘導されるため、第二V入賞口2008に受入れられる可能性が低くなる。
一方、一対の揺動片2556が、それらの尖った先端が互いに遠ざかっている状態(図88において破線で示す状態)では、揺動片2556の後方を向いている面部が、前方へ向かうに従って左右方向中央に接近するように傾斜しており、一対の揺動片2556が後方へ拡開した状態となっている。これにより、揺動樋2554やテーブル2555の後方から流下してきた遊技球Bが、一対の揺動片2556における後方を向いている面部に当接すると、その傾斜により左右方向中央へ誘導され、第二V入賞口2008に受入れられる可能性がある。
従って、一対の揺動片2556が後方へ拡開している状態では、揺動片2556に当接した遊技球Bが左右方向の中央へ誘導されるため、一対の揺動片2556が後方へ窄まっている状態と比較して、後方から流下してきた遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられる可能性が高くなっている。換言すると、一対の揺動片2556の状態に応じて、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入確率を変化させることができる。
本実施形態の抽選役物2550は、上方から全体を覆う透明なカバー2566を備えている(図78乃至図80等を参照)。このカバー2566により、抽選案内通路2545を通って供給された遊技球Bが、抽選役物2550から外部へ飛び出してしまうことを防止することができると共に、抽選案内通路2545以外の外部から遊技球Bが供給される(侵入する)ことを防止することができる。
次に、抽選役物2550での遊技球Bの流れについて説明する。抽選役物2550には、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果(例えば、「役物当り」)に応じて、所定パターンで開閉する役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bの一つが、抽選案内通路2545を通って誘導路2551の上流付近に供給される。誘導路2551の上流付近に供給された遊技球Bは、誘導路2551の傾斜に従って左方の振分部2552へ向かって転動する。
振分部2552では、所定時間の間、振分橋2557が倒れてループ位置の状態となっているおり、上流側から転動してきた遊技球Bが、振分橋2557を通って下流側の打撃部2553へ転動することとなる。そして、打撃部2553へ供給された遊技球Bは、回転している打撃片2560により後方へ打撃されることで、後方へ延出している登坂部2559を登るように転動することとなる。
この際に、打撃片2560が扇形に形成されていると共に、比較的早い速度で回転しているため、打撃片2560の回転位置に対する遊技球Bが当接するタイミングによっては、遊技球Bに強く当接したり、遊技球Bに掠るように当接したり、することとなり、後方へ打撃される遊技球Bの勢いが様々となる。従って、打撃片2560による打撃が弱いと、後方へ高くなっている登坂部2559を登り切ることができず、登坂部2559を戻ってきてしまい、遊技球Bが登坂部2559を行ったり来たりすることがある。
そして、打撃片2560により打撃された遊技球Bが登坂部2559を乗り越えると、後方に設けられている揺動通路2562に進入し、左右方向中央が低くなっている揺動通路2562を左右方向へ転動することとなる。この際に、揺動通路2562の左右両端付近には複数の凹凸が設けられているため、遊技球Bが凹凸の部位を通ることで、凹凸の衝撃により転動速度が減衰することとなる。これにより、打撃片2560により打撃されて登坂部2559を乗り越えた遊技球Bの勢いを低減させることができる。
揺動通路2562を左右方向へ揺動するように転動した遊技球Bは、最後に中央に設けられている放出口2563から揺動樋2554を介してテーブル2555上に放出される。この際に、揺動樋2554は、樋揺動駆動モータ2564により所定角度の範囲内において往復するように揺動回動しているため、遊技球Bが放出口2563から揺動樋2554へ放出されるタイミングと、揺動樋2554の回動位置とのタイミングと、によって揺動樋2554から様々な方向へ遊技球Bが放出されることとなる。
揺動樋2554からテーブル2555へ放出された遊技球Bは、テーブル2555の傾斜に従って前方へ転動し、前端辺から誘導路2551へ放出されることとなる。この際に、テーブル2555の前後方向の中央付近には、左右に離隔して設けられている一対の揺動片2556が揺動しているため、揺動片2556により当接した遊技球Bを弾いて転動方向を変化させることができる。また、テーブル2555の左右方向中央における前端付近には、第二V入賞口2008が設けられているため、テーブル2555を転動している遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられることがある。
第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bは、第二V入賞口センサ2503により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bへ排出される。この第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられると、大入賞口2005を所定のパターンで開閉させる有利遊技状態としての「大当り遊技」が実行される。従って、遊技球Bが抽選役物2550に供給されると、当該遊技球Bが第二V入賞口2008へ受入れられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
テーブル2555の前端辺から誘導路2551へ放出された遊技球Bは、所定の時間内であれば、振分部2552の振分橋2557がループ位置の状態となっているため、振分橋2557を通って打撃部2553へ供給されることとなる。従って、振分橋2557がループ位置の状態では、第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられない限り、打撃部2553とテーブル2555との間を遊技球Bが何回でもループすることができる。つまり、振分橋2557がループ位置の状態では、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ機会が何度でも訪れる。これにより、テーブル2555を転動している遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられなかった場合でも、ループ位置の振分橋2557を通ることで、第二V入賞口2008へ受入可能となる機会が再び訪れるため、遊技者を継続して楽しませることができる。
そして、所定時間が経過すると、振分部2552の振分橋2557がループ位置から、立上った非ループ位置の状態となり、振分橋2557により閉鎖されていたハズレ口2009が上方へ開放される。この状態では、テーブル2555の前端辺から放出された遊技球Bや、誘導路2551を転動してきた遊技球Bが、ハズレ口2009に受入れられることとなり、遊技球Bがループすることなく抽選役物2550での抽選が終了する。この際に、直立した振分橋2557により、×印の旗を模した振分表示部2557aが立上って視認可能となるため、振分表示部2557aにより遊技者に対して遊技球Bがループしないことを認識させることができる。
ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bは、ハズレ口センサ2504に検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bへ排出される。
このように、本実施形態の抽選役物2550によれば、役物入賞口2006から供給された遊技球Bが、第二V入賞口2008に受入れられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。また、遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられなかった場合でも、振分部2552の振分橋2557がループ位置の時には、当該遊技球Bが打撃部2553を介して再び第二V入賞口2008の上流に位置している揺動樋2554へ送られてループするため、再び第二V入賞口2008へ受入れられる機会が与えられることで、遊技者に対して再び期待感を付与することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[8-8f.普通入賞口ユニット]
次に、表ユニット2000における普通入賞口ユニット2600について、主に図78乃至図80、及び図84等を参照して説明する。普通入賞口ユニット2600は、普通入賞口2002を有しており、遊技領域5a内における左端付近で、上下方向の中央よりも下方の部位に設けられている。この普通入賞口ユニット2600は、アタッカユニット2400とセンター役物2500における案内通路群2520との間に設けられており、普通入賞口2002が第一案内通路2521の出口の直下に位置するように設けられている。
普通入賞口ユニット2600の普通入賞口2002は、上方へ向けて遊技球Bを受入可能に常時開口している。普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、普通入賞口センサ3002に検知された上で下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bへ排出される。
[8-9.遊技領域内での遊技球の流れ]
次に、遊技領域5a内での遊技球Bの流れについて、主に図84等を参照して詳細に説明する。遊技盤5に組立てた状態では、センター役物2500が遊技領域5aの略中央に設けられている。図示は省略するが、遊技領域5a内において、センター役物2500の左右両外側の部位と下側の部位、及び、アタッカユニット2400とセンター役物2500における案内通路群2520との間の部位に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている。また、センター役物2500の左側でサイド左上ユニット2300の上方に、遊技球Bの当接により回転する風車(図示は省略)が設けられている。
センター役物2500の左側には、内レール1002との間に所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘が設けられている。遊技領域5a内におけるセンター役物2500の左側において、センターフレーム2511の流入規制部2511cにおける上下方向の中央よりも下方の部位において、左方からやや上方を向けてワープ通路2512の入口が開口している。そして、ワープ通路2512とサイド左上ユニット2300の棚部2301との間に風車が設けられている。
センター役物2500の左側へ打込まれた遊技球Bは、或る程度の確率でワープ通路2512に進入する。ワープ通路2512に進入した遊技球Bは、センター役物2500の枠内に設けられているステージ2513に供給され、ステージ2513上を左右方向へ転動し、中央放出部2513a又はサイド放出部2513bの何れかから遊技領域5a内へ還流するように放出される。ステージ2513の中央放出部2513aは、遊技領域5a内の左右方向中央で第一始動口2003の直上に設けられているため、中央放出部2513aから放出された遊技球Bは、高い確率で第一始動口2003に受入れられる。中央放出部2513aの左右両側のサイド放出部2513bから放出された遊技球Bは、或る程度の確率で第一始動口2003に受入れられる。
第一始動口2003に受入れられた遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口センサ2101に検知された後に遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。第一始動口センサ2101により遊技球Bが検知されると、持ち球数に所定個数の遊技球Bが加算される特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、第一特別図柄の保留数が4未満の状態)で、遊技者に有利となる有利遊技状態の発生を可能としている第一特別図柄の抽選が実行される。なお、抽選された第一特別図柄を、第一特別抽選結果とも称する。
ステージ2513から放出されて第一始動口2003に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。アウト口2020に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された後に、裏球誘導ユニット3100から下方の循環球経路ユニット600のアウト球受口600aへ排出される。
センター役物2500の左外側へ打込まれ、ワープ通路2512に進入しなかった遊技球Bは、風車の中心よりも右側を流通した場合では、高い確率で、センター役物2500の下辺に沿って斜めに列設されている複数の障害釘に沿うように右方へ流下する。風車の中心よりも右側を流通した遊技球Bは、第一始動口2003やサイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。また、風車の中心よりも右側を流通した遊技球Bは、サイドユニット2200に設けられているサブアウト口2021に受入れられることがある。第一始動口2003、一般入賞口2001、及びサブアウト口2021に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。
一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された上で裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、一般入賞口センサ3001に検知された上で下方へ排出される。一般入賞口センサ3001に遊技球Bが検知されると、持ち球数を所定個数加算する特典が付与される。
一方、風車の中心よりも左側を流通した場合では、サイド左上ユニット2300の棚部2301上に流下し、棚部2301を右方へ流下する。風車の中心よりも左側を流通した遊技球Bは、サイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001及びサブアウト口2021に受入れられる可能性がある。サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方に誘導された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。一般入賞口2001及びサブアウト口2021に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて遊技領域5a外へ排出される。
続いて、センター役物2500の右側には、案内通路群2520、役物入賞口2006、普通入賞口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、及び、サブアウト口2021、が上から順に設けられている。案内通路群2520と第二始動口2004との間、に夫々複数の障害釘が植設されている。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500におけるセンターフレーム2511の流入規制部2511cの上辺における左右方向中央付近から右方へ向かって低くなる部位の上方に、遊技球Bが進入する強さで遊技球Bを打込むと、案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを遊技球Bが流通する。
具体的に詳述すると、遊技球Bを、遊技領域5aの周縁の一部を構成する外レール1001から内方へ突出している衝止部1006に当接する強さで打込む(所謂、右打ちする)と、衝止部1006に当接した遊技球Bが第一案内通路2521に進入する。この第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、第一案内通路2521の途中の役物入賞口2006を閉鎖している役物入賞口扉2515の上面を転動した上で、案内通路群2520の下端の右側の出口から下方の普通入賞口ユニット2600側へ放出される。
一方、センター役物2500の上方に打込まれた遊技球Bが第二案内通路2522の入口に進入して流通すると、後方へひねられて第一案内通路2521と前後方向に並んだ後に、前方へひねられて第一案内通路2521の出口の左側の出口から下方の普通入賞口ユニット2600側へ放出される。
普通入賞口ユニット2600の普通入賞口2002は、第一案内通路2521の出口の直下に設けられているため、第一案内通路2521を流通した遊技球Bの方が、第二案内通路2522を流通した遊技球Bよりも、普通入賞口2002に受入れられる可能性が高い。
普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された上で裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、普通入賞口センサ3002に検知された上で下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bへ排出される。普通入賞口センサ3002に遊技球Bが検知されると、持ち球数を所定個数加算する特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、普通図柄の保留数が4未満の状態)で、第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能とする普通図柄の抽選が実行される。なお、抽選された普通図柄を、普通抽選結果とも称する。
遊技領域5a内へ右打ちされて案内通路群2520を流通した後に、普通入賞口2002に受入れられなかった遊技球Bは、複数の障害釘に当接しながらアタッカユニット2400上へ流下する。そして、遊技球Bがアタッカユニット2400の上棚部2421に流下すると、上棚部2421の傾斜に従って左方且つ下方へ誘導され、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられる機会もなく、アタッカユニット2400から左方へ排出される。なお、アタッカユニット2400の上棚部2421の下流端(左端)は、第一始動口2003よりも上方に位置しているため、上棚部2421を流通した遊技球Bが第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
一方、アタッカユニット2400の第一棚部2422に遊技球Bが流下すると、その傾斜により左方へ転動して、第二始動口扉2411の上面、及び第二棚部2423を転動した上で、第二棚部2423の左端から左方へ放出される。そして、第二棚部2423から左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2424又は大入賞口扉2413上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動し、大入賞口扉2413から第四棚部2425を転動した後に、第四棚部2425からアタッカユニット2400外となる左方へ放出される。第四棚部2425から放出された遊技球Bは、アウト口2020に受入れられる。
更に、アタッカユニット2400の上棚部2421及び第一棚部2422の何れにも流下せず、第一棚部2422よりも右方へ遊技球Bが流下すると、サブアウト口2021に受入れられる。また、遊技球Bが第一棚部2422上に流下した場合でも、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入すると、サブアウト口2021に受入れられる。サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bは、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡されて、下方の循環球経路ユニット600のアウト球受口600aに排出される。
アタッカユニット2400の第一棚部2422に遊技球Bが流下すると、当該遊技球Bが第二始動口扉2411を転動する。従って、普通入賞口2002への遊技球Bの受入れにより普通図柄(普通抽選結果)として「普通当り」が抽選されて、始動口ソレノイド2412により第二始動口扉2411が後退して第二始動口2004が開放されているタイミングで、第一棚部2422側から遊技球Bが流通(転動)してくると、当該遊技球Bが第二始動口2004に受入れられる。
第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2401に検知された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された上で、裏球誘導ユニット3100から下方へ排出される。第二始動口センサ2401により遊技球Bが検知されると、持ち球数を所定個数加算する特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、第二特別図柄の保留数が4未満の状態)で、遊技者に有利となる有利遊技状態の発生を可能としている第二特別図柄の抽選が実行される。なお、抽選された第二特別図柄を、第二特別抽選結果とも称する。
また、アタッカユニット2400の第一棚部2422に流下して第二始動口扉2411や第二棚部2423を転動した遊技球Bは、大入賞口扉2413上を転動する。従って、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄(第一特別抽選結果)、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄(第二特別抽選結果)、に応じて(例えば、抽選された特別図柄(特別抽選結果)が、「大当り」、「中当り」、「小当り」、等の時)、アタッカソレノイド2414により大入賞口扉2413が後退して大入賞口2005が開放されているタイミングで、第二棚部2423側から遊技球Bが流通(転動)してくると、当該遊技球Bが大入賞口2005に受入れられる。
大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、下方に設けられている二つの大入賞口センサ2402の何れかに検知された後に、遊技パネル1100の後方へ誘導されて裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された上で、下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bに排出される。大入賞口センサ2402により遊技球Bが検知されると、持ち球数を所定個数加算する特典が付与される。
ところで、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別図柄や第二特別図柄として「役物当り」が抽選された場合、第一案内通路2521の途中に設けられている役物入賞口2006が所定のパターンで開閉すると共に、第一振分装置2530の振分回転体2533及び第二振分装置2540の振分片2543が所定のパターンで動作する。従って、「役物当り」が抽選された場合、役物入賞口2006が開閉することから、遊技者に対して、遊技球Bが役物入賞口2006に受入れられるようにするために、役物入賞口2006が設けられている第一案内通路2521に遊技球Bが流通するように、「右打ち」を行わせることができる。
本実施形態では、「役物当り」は、「大当り」よりも抽選される確率が高く、「役物当り」として、「第一役物当り」、「第二役物当り」、「第三役物当り」の三つのパターンが設定されており、何れのパターンも役物入賞口2006が大別して2回開閉する。
まず、各「役物当り」における役物入賞口2006の開閉について詳述する。「第一役物当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって短い時間(1252ms)経過した後に、再び短い時間(80ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。「第二役物当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって「第一役物当り」よりも長い時間(5420ms)経過した後に、長い時間(9414ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。「第三役物当り」は、実行開始から一定時間(3000ms)経過した後に、役物入賞口2006が、短い時間(80ms)開状態となり、その後、閉状態となって「第二役物当り」よりも長い時間(19366ms)経過した後に、長い時間(9404ms)開状態となった上で閉状態となって完了する。
「第一役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、実行開始から「第一役物当り」が完了する時間よりも後に開始される。また、「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、実行開始から「第二役物当り」が完了する時間よりも後に開始される。
なお、「第二役物当り」及び「第三役物当り」における2回目の長い時間の開状態では、8回の開状態(80ms)が一定の間隔(1252ms)で繰返されている。つまり、役物入賞口2006は、「第一役物当り」では2回、「第二役物当り」及び「第三役物当り」では9回、開閉する(開状態となる)。
次に、「役物当り」における第一振分装置2530の振分回転体2533の動作は、実行開始と同時に反時計回りに回動して所定時間(3020ms)収容部2533aを上方へ向けた1回目の収容可能状態となり、その後、時計回りに回動して収容部2533aを右方へ向けた収容不能状態となって所定時間(4560ms)経過すると、1回目よりも長い時間(13446ms)2回目の収容可能状態となり、短時間(500ms)収容不能状態となった後に、2回目と同じ時間(13446ms)3回目の収容可能状態となった上で、収容不能状態となる。
この振分回転体2533は、1回目の収容可能状態が、「役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態の途中で終了して収容不能状態となる。また、振分回転体2533は、実行開始から「第一役物当り」が完了する時間よりも後に2回目の収容可能状態となる。従って、「第一役物当り」の時には、2回目の収容可能状態となる前に、振分回転体2533の制御が終了し、2回目と3回目の収容可能状態は実行されない。この振分回転体2533は、2回目の収容可能状態が、「第二役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態よりも前に開始され、当該2回目の開状態が閉状態となった後で、収容不能状態となる。
また、振分回転体2533は、実行開始から「第二役物当り」が完了する時間よりも後に3回目の収容可能状態となる。従って、「第二役物当り」の時には、3回目の収容可能状態となる前に、振分回転体2533の制御が終了し、3回目の収容可能状態は実行されない。つまり、振分回転体2533は、「第一役物当り」の時には1回、「第二役物当り」の時には2回、「第三役物当り」の時には3回、夫々収容可能状態となる。この振分回転体2533は、3回目の収容可能状態が、「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態よりも前に開始され、当該2回目の開状態が終了して閉状態となった後で、収容不能状態となる。
次に、「役物当り」における第二振分装置2540の振分片2543の動作は、実行開始と同時に前方へ突出して所定時間(3020ms)第二スカ口2541を閉鎖する1回目の閉状態(第一V入賞口2007へ振分可能な状態)となり、その後、後退して第二スカ口2541が開放された開状態(抽選役物2550へ振分可能な状態)となって所定時間(23006ms)経過すると、1回目の開状態よりも長い時間(13446ms)2回目の閉状態となった上で、開状態となる。
この振分片2543は、1回目の閉状態が、「役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態の途中で終了して開状態となる。また、第二振分装置2540は、振分片2543の2回目の閉状態が、「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態の途中から開始され、役物入賞口2006の2回目の開状態が閉状態となった後で、振分片2543が閉状態から開状態となる。従って、第二振分装置2540では、「第三役物当り」の時のみ、振分片2543の2回目の閉状態が実行され、「第一役物当り」や「第二役物当り」の時には振分片2543の2回目の閉状態は実行されない。
このようなことから、「第一役物当り」では、役物入賞口2006の開閉が、短時間に2回、実行されるため、「右打ち」により第一案内通路2521を流通している遊技球Bが、役物入賞口2006の受入れられる可能性は低い。また、「第二役物当り」及び「第三役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態も、短時間であることから、遊技球Bが役物入賞口2006の受入れられる可能性は低い。また、第一振分装置2530おける振分回転体2533の1回目の収容可能状態が、「役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態と重なっている時間が、役物入賞口2006の1回目の開状態の時間よりも短いため、役物入賞口2006の1回目の開状態の時に、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、振分回転体2533の収容部2533aに収容される可能性は更に低い。そして、振分回転体2533の1回目の収容可能状態と、第二振分装置2540における振分片2543の1回目の閉状態とが終了する時間が同じであるため、振分回転体2533の1回目の収容可能状態の時に、収容部2533aに収容された遊技球Bが、第一V入賞口2007側へ振分けられることはない。
一方、「第二役物当り」及び「第三役物当り」における役物入賞口2006の2回目の開状態は、時間が長いため、第一案内通路2521を通って、遊技球Bが役物入賞口2006に受入れられる可能性は高い。この際に、第一振分装置2530の振分回転体2533が、役物入賞口2006が開状態となる前に収容可能状態となった上で、役物入賞口2006が開状態から閉状態となった後に収容不能状態となるため、2回目の開状態の時の役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、振分回転体2533の収容部2533aに収容される可能性は高い。
このように、本例では「第二役物当り」及び「第三役物当り」における役物入賞口2006の1回目の開状態において遊技球Bが役物入賞口2006の受入れられる可能性は低いことに加えて、役物入賞口2006の1回目の開状態の時に、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが、振分回転体2533の収容部2533aに収容される可能性は更に低いにもかかわらず、役物当り遊技状態の実行開始と同時に振分回転体2533を反時計回りに回動して収容部2533aを上方へ向けた収容可能状態とし、所定期間(3020ms)収容部2533aを上方へ向けた後に時計回りに回動して収容部2533aを右方へ向けた収容不能状態としている。即ち、役物当り遊技状態の開始直後には振分回転体2533が遊技球Bをチャンス口2531側に振分ける可能性は低いものの、振分回転体2533が遊技球Bをチャンス口2531側に振分ける動作を実行して振分回転体2533による振分け動作を事前に示すようになっている。
同様に、役物当り遊技状態の開始直後には振分回転体2533が遊技球Bをチャンス口2531側に振分ける可能性は低いものの、役物当り遊技状態の実行開始と同時に第二振分装置2540の振分片2543を前方へ突出して第二スカ口2541を閉鎖することで第一V入賞口2007へ振分可能な状態とし、所定時間(3020ms)経過後に後退して第二スカ口2541が開放することで抽選役物2550へ振分ける状態とするようになっている。即ち、役物当り遊技状態の開始直後には振分片2543が遊技球Bを第一V入賞口2007側に振分ける可能性は低いものの、振分片2543が遊技球Bを第一V入賞口2007側に振分ける動作を実行して振分片2543による振分け動作を事前に示すようになっている。
本例では、振分回転体2533及び振分片2543は役物当り遊技状態の実行開始と同時、即ち役物当り遊技状態開始時の演出(役物当り遊技状態のオープニング演出であって例えば「役物入賞口2006を狙ってね」等の役物当り遊技状態における遊技の説明等が行われる演出)の実行中に動作し、振分回転体2533及び振分片2543の動作後に役物入賞口2006が1回目の開状態となる。これにより、振分回転体2533による遊技球Bのチャンス口2531側への振分けと、振分片2543による遊技球Bの第二スカ口2541側への振分けと、の可能性を低くしている。なお、振分回転体2533による遊技球Bのチャンス口2531側への振分けと、振分片2543による遊技球Bの第二スカ口2541側への振分けと、の可能性がない、若しくは限りなく低いものであれば、振分回転体2533及び振分片2543の動作と同時に役物入賞口2006を1回目の開状態としても良い。
また、振分回転体2533と振分片2543との一方のみを事前に動作させ、他方については事前に動作させないようにしても良い。即ち、役物入賞口2006に入賞した遊技球Bの振分けを行う複数の可動部(振分回転体2533、振分片2543)のうち一部の可動部について事前に動作させて振分け動作を示し、他の可動部については事前に動作させないようにしても良い。例えば、動作することでV入賞口(この例では第一V入賞口2007)へ遊技球Bを進入させる可能性が高い(V入賞期待度が高い)振分片2543については事前に動作させないようにし、振分片2543よりもV入賞口(この例では第二V入賞口2008)へ遊技球Bを進入させる可能性が低い(V入賞期待度が低い)振分回転体2533についてのみ事前に動作させるようにしても良い。これにより、役物入賞口2006に入賞した遊技球Bの振分け先の一部について事前に知ることができるものの、他の振分け先については未知の状態とすることができ、他の振分け先が明らかになったときに振分け先が増えたことにより遊技者を驚かせて期待感を高めさせることができると共に、振分けられる遊技球Bに注目させてその動きを楽しませることができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、V入賞期待度の高い可動部(振分片2543)については事前に動作させないことでその存在を隠蔽して、抽選役物2550へ遊技球Bが進入すると遊技者に思い込ませることで「第三役物当り」が実行されたときにV入賞期待度の高い可動部(振分片2543)が動作して遊技球BをV入賞口(この例では第一V入賞口2007)に進入させることで意外性を与えると共に、予想もしていなかった振分け先に遊技球Bが進入することで遊技興趣を向上させることができる。また、振分け先として第一V入賞口2007側への振分けが隠蔽され、第一スカ口2532側と抽選役物2550側との2つだけと思い込ませることができ、「第三役物当り」よりもV入賞期待度が低い「第二役物当り」が実行されて抽選役物2550側に遊技球Bが振分けられても遊技者を落胆させない。
また、本例では振分回転体2533については遊技者が容易に視認できる態様で配置するのに対し、振分片2543については遊技盤5の前後に進退する平板状とされて前面側の面積が狭いため、動作していてもその動作を気付かれ難い。ひいては、振分片2543が前方に突出することで進入可能となる第一V入賞口2007側の通路について遊技者に気付かれ難い。そのため、「第三役物当り」となった場合に振分片2543が動作して第一V入賞口2007に遊技球Bが進入した時の遊技球Bの挙動に気付かれ難くなり、遊技球Bが第一V入賞口2007に進入したことに気付かせることなく、突然V入賞が発生して15R大当りが実行されたかのような感覚を遊技者に与えることができる。
また、役物当り遊技状態のオープニング演出中に振分回転体2533が事前に動作させることで、オープニング演出における指示内容、例えば「役物入賞口2006を狙ってね」に加えて振分回転体2533の動作によっても打込み先、即ち役物当り遊技状態中に狙うべき位置を遊技者に容易に認識させることができる。
上記のように「役物当り」が抽選されることで、役物入賞口2006が開状態となった時に、第一案内通路2521を流下してきた遊技球Bが、役物入賞口2006に受入れられると、役物入賞口センサ2501により検知された後に、第一振分装置2530へ送られる。役物入賞口センサ2501により遊技球Bが検知されると、持ち球数を所定個数加算する等の特典が付与される。
「役物当り」のうち、「第二役物当り」では、役物入賞口2006が2回目の開状態の時に、第二振分装置2540の振分片2543が開状態であるため、振分回転体2533が収容可能状態から収容不能状態に回動すると、収容部2533aに収容されている遊技球Bが、チャンス口2531を通って第二振分装置2540側へ流下し、第二スカ口2541から抽選案内通路2545を流通して抽選役物入球センサ2546により検知された上で、抽選役物2550へ送られることとなる。
抽選役物2550では、非ループ位置の振分橋2557がループ位置の状態となる。例えば、第二振分装置2540における振分片2543の後退による第二スカ口2541の開放に応じて、振分橋2557をループ位置の状態にする。そして、第二振分装置2540から抽選役物2550に送られた遊技球Bは、誘導路2551を左方へ転動し、ループ位置の振分橋2557を通って打撃部2553に送られる。そして、打撃部2553に送られた遊技球Bは、高速回転している打撃片2560の打撃により、テーブル2555の中央後端に設けられている揺動樋2554に供給され、揺動樋2554からテーブル2555上へ放出されることとなる。
テーブル2555上に放出された遊技球Bは、その傾斜により前方へ向かって転動し、テーブル2555の中央前端に設けられている第二V入賞口2008に受入れられるか、テーブル2555の前端辺から前方(誘導路2551)へ放出されるか、の何れかの動きをする。テーブル2555の前端辺から前方へ遊技球Bが放出された時に、振分橋2557がまだループ位置の状態であれば、当該遊技球Bが振分橋2557を通って打撃部2553へ供給されることとなる。従って、振分橋2557がループ位置の状態では、遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられるまで、当該遊技球Bが、打撃部2553、揺動樋2554、テーブル2555、及び誘導路2551の順に巡回するようにループする。
そして、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ、又は、所定時間の経過により振分橋2557が非ループ位置の状態となることで開放されるハズレ口2009への遊技球Bの受入れ、の何れかにより抽選役物2550でのV入賞にかかる抽選が終了する。
第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bは、第二V入賞口センサ2503により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を介して下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bに排出される。一方、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bは、ハズレ口センサ2504により検知された上で、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を介して下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bに排出される。第二V入賞口センサ2503により遊技球Bが検知されると、大入賞口2005が所定のパターンで開閉する特典が付与される。
ところで、「第三役物当り」では、役物入賞口2006が2回目の開状態の時に、第二振分装置2540の振分片2543が閉状態であるため、振分回転体2533が収容可能状態から収容不能状態に回動すると、収容部2533aに収容されている遊技球Bが、チャンス口2531を通って第二振分装置2540の閉状態の振分片2543の上面に当接して右方へ誘導され、第一V入賞口2007に進入する(受入れられる)こととなる。第一V入賞口2007に進入した遊技球Bは、第一V入賞口センサ2502により検知された後に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100を介して下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bに排出される。第一V入賞口センサ2502により遊技球Bが検知されると、大入賞口2005が所定のパターンで開閉する特典が付与される。
本実施形態では、大入賞口2005や役物入賞口2006が開閉して遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する第一特別図柄や第二特別図柄の特別図柄の抽選において、第一始動口2003が遊技球Bを受入可能に常時開口しているのに対して、第二始動口2004が普通入賞口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される普通抽選が「普通当り」の時のみ所定パターンで遊技球Bを受入可能にしている。これにより、第二始動口2004よりも第一始動口2003の方が、遊技球Bが受入れられる可能性が高くなっている。
このようなことから、通常の状態では、遊技者に対して、第一始動口2003に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の左側を遊技球Bが流下するように、遊技球Bの打込操作を行わせることができ、複数の障害釘により案内される遊技球Bの動きを見せて、遊技球Bによるパチンコ機1本来の遊技を楽しませることができると共に、第一始動口2003への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
そして、第一始動口2003へ遊技球Bが受入れられることで、第一特別図柄の抽選結果として「当り」(例えば、「小当り」、「中当り」、「大当り」、「役物当り」、等)が抽選されると、大入賞口2005又は役物入賞口2006が所定のパターンで開閉するため、大入賞口2005又は役物入賞口2006に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作(所謂、「右打ち」)を楽しませることができる共に、大入賞口2005又は役物入賞口2006への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
センター役物2500の右側へ遊技球Bを打込む際に、センター役物2500の右側には、第一案内通路2521と第二案内通路2522とからなる案内通路群2520が設けられており、多様な流路を有しているため、所望の流路を遊技球Bが流通するように、遊技球Bの打込強さを調整させることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
また、センター役物2500の右側には、普通入賞口2002が設けられており、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられることで第二始動口2004が受入可能となる普通抽選の抽選が行われるため、右側に打込んだ遊技球Bが普通入賞口2002を通過するか否かによって遊技者を楽しませることができると共に、第二始動口2004が受入可能となった時に、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられるか否かによっても遊技者を楽しませることができる。この際に、普通入賞口2002が、案内通路群2520における第一案内通路2521の出口の直下に設けられているため、第一案内通路2521を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
更に、役物入賞口2006では、受入れられて第一振分装置2530により選別された一つの遊技球Bが、第二振分装置2540において第一V入賞口2007又は第二スカ口2541の何れかに振分けられるため、当該遊技球Bが第一V入賞口2007へ振分けられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができる。そして、第二振分装置2540において遊技球Bが第二スカ口2541へ振分けられてしまっても、当該遊技球Bが、センター役物2500の下部中央において目立つように設けられている抽選役物2550へ供給されるため、抽選役物2550において第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れに対する期待感を抱かせることができる。その後、抽選役物2550のテーブル2555を転動している遊技球Bが、第二V入賞口2008に受入れられるか否かによって遊技者を再びドキドキ・ワクワクさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、遊技球Bが、第一V入賞口2007又は第二V入賞口2008に受入れられた場合、或いは、第一始動口2003及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより第一特別図柄及び第二特別図柄として「大当り」が抽選された場合、アタッカユニット2400の大入賞口2005が所定のパターンで開閉することで多くの遊技球Bが持ち球数に加算される機会が到来するため、開閉している大入賞口2005に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の右側を狙った遊技球Bの打込操作を行わせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[8-10.裏ユニットの全体構成]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図82及び図83等を参照して詳細に説明する。裏ユニット3000は、遊技盤5(パチンコ機1)に作用する振動を検知する振動センサ1040(図93を参照)と、一般入賞口2001に受入れられて遊技パネル1100の後方に誘導された遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、普通入賞口2002に受入れられて遊技パネル1100の後方に誘導された遊技球Bを検知する普通入賞口センサ3002、を備えている。一般入賞口センサ3001及び普通入賞口センサ3002は、裏球誘導ユニット3100に設けられている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後壁に左右方向へスライド可能に設けられており演出表示装置1600を着脱させるためのロックスライダ3020と、裏箱3010の後壁にヒンジ回転可能に取付けられている裏基板ユニット3040と、を備えている。
裏基板ユニット3040は、正面視の形状がL字型で前後に薄い箱状の基板ボックス3041と、基板ボックス3041内に収容されているパネル中継基板及び演出駆動基板(図示は省略)と、を備えている。基板ボックス3041は、L字型の上下に延びている部位の外側辺に、裏箱3010の軸支部3010fに回転可能に支持される二つの軸部3041aを有している。また、基板ボックス3041は、L字型の左右に延びている部位の先端に、裏箱3010の係止部3010gに係止される係止爪3041bを有している。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端付近の下部に設けられており遊技パネル1100の後方へ誘導された遊技球Bが流通する裏球誘導ユニット3100と、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられている裏装飾ユニット3200と、裏箱3010内に前端付近における裏球誘導ユニット3100の左方及び上方に設けられている裏前演出ユニット3300と、裏箱3010内における裏前演出ユニット3300の後ろに設けられている裏後演出ユニット3400と、を備えている。
裏球誘導ユニット3100は、裏装飾ユニット3200の前面に取付けられている。裏装飾ユニット3200は、取付サポータ(図示は省略)を介して裏箱3010の後壁の前面に取付けられている。裏前演出ユニット3300は、左端側が裏箱3010の前端付近に取付けられていると共に、右端側が裏後演出ユニット3400の右端側の前面に取付けられている。裏後演出ユニット3400は、上部が取付サポータ(図示は省略)を介して裏箱3010の後壁の前面に取付けられていると共に、下部が裏装飾ユニット3200に取付けられている。
裏ユニット3000における裏装飾ユニット3200、裏前演出ユニット3300、及び裏後演出ユニット3400は、遊技の進行に応じで、所定の可動演出や発光演出を遊技者に見せることができるものである。
[8-10a.裏箱]
次に、裏ユニット3000における裏箱3010について、主に図82及び図83等を参照して詳細に説明する。裏箱3010は、遊技パネル1100(パネルホルダ1120)の後側に取付けられるものであり、箱状の内部に演出ユニットが取付けられると共に、後面に演出表示装置1600や裏基板ユニット3040が取付けられるものである。裏箱3010は、透明に形成されている。これにより、遊技盤5に組立てた状態でも外側から内部を視認することができる。
裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの下辺に設けられており演出表示装置1600が載置される載置面部3010bと、開口部3010aの上辺において枠内の内側から上方へ向かって窪んでいる二つの固定溝3010cと、載置面部3010bの左右方向中央付近の下側に設けられておりロックスライダ3020が左右へスライド可能に取付けられるロック機構部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010aは、正面視において縦横の比が、3:4の四角形に形成されている。開口部3010aは、左右方向が、裏箱3010の後壁の左右方向と略同じ大きさに形成されている。また、開口部3010aは、上下方向が、裏箱3010の上下方向の中心に対して上方にオフセット(偏芯)した位置に設けられている。開口部3010aは、液晶スペーサ1610(19インチの液晶表示装置)と同じ大きさに形成されている。
裏箱3010の二つの固定溝3010cには、下方から演出表示装置1600が取付けられる液晶スペーサ1610の上固定片1611が挿入される。また、裏箱3010のロック機構部3010dには、ロックスライダ3020を背面視において左方へスライドさせた状態で、演出表示装置1600が取付けられる液晶スペーサ1610の下固定片1612を後方から挿入させることができる。ロック機構部3010dに液晶スペーサ1610の下固定片1612を挿入させた状態で、ロックスライダ3020を背面視において右方へスライドさせると、ロックスライダ3020により下固定片1612の後方への移動を阻止して液晶スペーサ1610(演出表示装置1600)を取付けることができる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100の後面に当接した状態で、遊技パネル1100に取付けられる。
更に、裏箱3010は、後面に裏基板ユニット3040の軸部3041aを上下方向に延びた軸周りに対して回転可能に支持することが可能な一対の軸支部3010fと、一対の軸支部3010fとは左右方向の反対側の後面に設けられており裏基板ユニット3040の係止爪3041bが係止される係止部3010gと、を備えている。
裏箱3010は、一対の軸支部3010fと係止部3010gとにより、開口部3010a(液晶スペーサ1610や演出表示装置1600)を跨いで裏基板ユニット3040を後側に取付けることができる。遊技盤5に組立てた時に、裏基板ユニット3040におけるL字型の上下に延びている部位が、背面視において周辺制御ユニット1500の左方に位置している。また、裏基板ユニット3040におけるL字型の左右に延びている部位は、周辺制御ユニット1500の下方に位置している。
裏箱3010は、遊技盤5に組立てた状態で、係止部3010gに係止されている裏基板ユニット3040の係止爪3041bを解除して、軸部3041aを中心として係止爪3041bが後方へ移動するように回動させることで、裏箱3010に取付けられている液晶スペーサ1610の後方を開放させることができ、裏箱3010から裏基板ユニット3040を取外すことなく、液晶スペーサ1610つまり演出表示装置1600を着脱させることができる。
また、裏箱3010は、固定片部3010eを除いた前後方向を向いている面に設けられており上下又は左右に並んでいる二つの貫通孔を一組とした複数の機能孔部と、パチンコ機1(遊技盤5)の組立て等の際に用いることが可能な前後方向を向いている機能面部と、を有している。機能孔部の二つの貫通孔は、同じ直径である。機能孔部は、演出ユニットを直接、又は、取付サポータを介して、裏箱3010に取付けるためのものである。
[8-10b.裏球誘導ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏球誘導ユニット3100について、主に図82等を参照して説明する。裏球誘導ユニット3100は、裏箱3010内における前端付近の下部に設けられており、裏装飾ユニット3200を介して裏箱3010に取付けられている。裏球誘導ユニット3100は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bを検知する普通入賞口センサ3002と、遊技領域5a内に作用する不正な磁気を検知可能な複数の磁気センサ1030と、を備えている。
裏球誘導ユニット3100は、表ユニット2000における一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、第一V入賞口2007、第二V入賞口2008、ハズレ口2009、及び第一スカ口2532、に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100の後方において受け取って、左右方向の中央付近へ誘導した後に、下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bへ排出することができるものである。また、裏球誘導ユニット3100は、表ユニット2000におけるアウト口2020、及びサブアウト口2021、に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100の後方において受け取って、左右方向の中央付近へ誘導した後に、下方の循環球経路ユニット600のアウト球受口600aへ排出することができるものである。
[8-10c.裏装飾ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏装飾ユニット3200について、主に図82及び図83等を参照して説明する。裏装飾ユニット3200は、裏箱3010内における裏球誘導ユニット3100の後に設けられており、取付サポータを介して裏箱3010の後壁の前面に取付けられている。裏装飾ユニット3200には、振動センサ1040が取付けられている。この裏装飾ユニット3200の前面には、裏球誘導ユニット3100が取付けられる。
裏装飾ユニット3200は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500における抽選役物2550の左右両外側の後部を装飾する裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220と、裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220を夫々発光装飾させるための複数のLEDが実装されている裏下左装飾基板及び裏下右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220は、透光性を有しており、夫々の上面に、ミニチュア状に町を模した複数の凹凸が形成されている。裏下左装飾基板及び裏下右装飾基板は、裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220の夫々の下方に設けられており、上面に複数のLED(フルカラーLED)が実装されている。裏下左装飾基板や裏下右装飾基板に実装されているLEDを適宜発光させることで、裏下左装飾体3210や裏下右装飾体3220を発光装飾させることができる。
[8-10d.裏前演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3300について、主に図78乃至図80、及び図82等を参照して説明する。裏前演出ユニット3300は、裏箱3010内の前端付近における裏球誘導ユニット3100の左方及び上方に設けられており、左端側が裏箱3010の前端付近に取付けられていると共に、右端側が裏後演出ユニット3400の右端側に取付けられている。
裏前演出ユニット3300は、左端側に設けられており上下に長い平板状の裏前左装飾体3301と、裏前左装飾体3301の右方において昇降可能に設けられている裏前昇降装飾体ユニット3310と、裏前昇降装飾体ユニット3310を昇降させるための裏前昇降機構3350と、を備えている。
裏前演出ユニット3300の裏前左装飾体3301は、上下方向中央から下寄りの位置に設けられている磁気センサ1030が設けられている。裏前左装飾体3301は、裏箱3010内の全高と略同じ長さで上下に延びており、透光性を有している。裏前左装飾体3301の後には、前面に複数のLEDが実装されている裏前左装飾基板(図示は省略)が設けられている。この裏前左装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏前左装飾体を発光装飾させることができる。
裏前昇降装飾体ユニット3310は、左右方向に長く形成されている。裏前昇降装飾体ユニット3310は、左右に長い透明平板状の裏前昇降ベース3311と、裏前昇降ベース3311の前面中央に取付けられており演出カウント表示部3005を有する裏前中央装飾体3320と、裏前昇降ベース3311の前面における裏前中央装飾体3320の左方に取付けられている裏前中左装飾体3330と、裏前昇降ベース3311の前面における裏前中央装飾体3320の右方に取付けられている裏前中右装飾体3340と、を備えている。
裏前中央装飾体3320は、立体的な所定形状に形成されている裏前中央装飾部3321と、裏前中央装飾部3321の後に設けられており複数のLEDが実装されている裏前中央装飾基板(図示は省略)と、裏前中央装飾基板及び裏前中央装飾部3321を後方から支持しており裏前昇降ベース3311に取付けられる裏前中央ベース3323と、を有している。裏前中央装飾部3321は、松の図柄を立体的に模した部位を有しており、当該部位に四つの7セグメント表示からなる演出カウント表示部3005が設けられている。演出カウント表示部3005は、裏前中央装飾基板に実装されている複数のLEDのうちの一部を使用している。
裏前中左装飾体3330は、所定のキャラクタの頭部を模したレリーフ状に形成されており透光性を有している裏前中左装飾部3331と、裏前中左装飾部3331の後に設けられており複数のLEDが実装されている裏前中左装飾基板(図示は省略)と、裏前中左装飾基板及び裏前中左装飾部3331を後方から支持しており裏前昇降ベース3311に取付けられる裏前中左ベース3333と、を有している。裏前中左装飾体3330は、裏前中左装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏前中左装飾部3331を発光装飾させることができる。
裏前中右装飾体3340は、所定のキャラクタの頭部を模したレリーフ状に形成されており透光性を有している裏前中右装飾部3341と、裏前中右装飾部3341の後に設けられており複数のLEDが実装されている裏前中右装飾基板(図示は省略)と、裏前中右装飾基板及び裏前中右装飾部3341を後方から支持しており裏前昇降ベース3311に取付けられる裏前中右ベース3343と、を有している。裏前中右装飾体3340は、裏前中右装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏前中右装飾部3341を発光装飾させることができる。
裏前昇降機構3350は、裏前左装飾体3301の後に設けられており裏前昇降装飾体ユニット3310の左端側を昇降可能に支持している裏前左昇降レール(図示は省略)と、裏前昇降装飾体ユニット3310の右端側を昇降可能に支持している裏前右昇降レール3352と、裏前左装飾体3301の後に設けられており裏前昇降装飾体ユニット3310を昇降させるための裏前昇降駆動部(図示は省略)と、を備えている。また、裏前昇降機構3350は、図示は省略するが、裏前昇降装飾体ユニット3310を上昇している待機位置の状態から落下させるための落下ソレノイドと、裏前昇降装飾体ユニット3310を下方へ落下した演出位置から上方の待機位置へ上昇させる裏前昇降駆動モータと、を有している。
裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500の枠内を通して前方から視認可能に設けられている。裏前演出ユニット3300は、通常の状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の移動端である待機位置に位置しており、ロック爪の係止により下方への落下が阻止されている。裏前昇降装飾体ユニット3310は、通常の状態では、図78等に示すように、演出表示装置1600の表示画面の上端付近に位置している。
また、裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310は、通常の状態である待機位置の状態では、その後方に裏後演出ユニット3400における退避位置の裏後昇降装飾体ユニットが位置しており、裏後昇降装飾体3410を前方から視認不能な状態としている。
裏前演出ユニット3300は、通常の状態から、裏前昇降駆動モータにより昇降スライダを下端側へ移動させることで、裏前昇降装飾体ユニット3310が待機位置から下方の演出位置へ落下可能な状態となる。そして、その状態から、落下ソレノイドによりロック爪による係止を解除すると、裏前昇降装飾体ユニット3310が待機位置へ向かって自由落下する。裏前昇降装飾体ユニット3310が演出位置へ落下した状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が、センター役物2500の抽選役物2550よりも上方で遊技領域5aの上下方向中央に対してやや下寄りに位置している。
裏前昇降装飾体ユニット3310が落下して演出位置の状態になると、後方に設けられている裏後演出ユニット3400の退避位置の裏後昇降装飾体3410が前方から視認可能な状態となる。これにより、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと(チャンスの到来と)思わせることができる。
なお、裏前昇降機構3350の下部には、落下してきた裏前昇降装飾体ユニット3310による衝撃を吸収又は緩和させるためのダンパが設けられている。
演出位置に落下した裏前昇降装飾体ユニット3310は、裏前昇降駆動モータによる昇降スライダの上方への移動により、上方の待機位置へ上昇し、ロック爪が自動で係止されることで待機位置の状態に復帰する。
この裏前演出ユニット3300には、裏前昇降装飾体ユニット3310(裏前中央装飾体3320)に四つの7セグメント表示からなる演出カウント表示部3005を有しているため、演出カウント表示部3005において表示されている数字が減少するカウントダウン表示を実行することで、裏前昇降装飾体ユニット3310が落下するカウントダウン演出を遊技者に見せることができる。なお、カウントダウン演出では、裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させずに、裏後昇降装飾体3410を下方の出現位置へ移動させても良いし、裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させると共に裏後昇降装飾体3410を下方の出現位置へ移動させるようにしても良い。
[8-10e.裏後演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏後演出ユニット3400について、主に図82及び図83等を参照して説明する。裏後演出ユニット3400は、裏箱3010内における裏前演出ユニット3300の後に設けられており、上部が取付サポータを介して裏箱3010の後壁に取付けられていると共に、下部が裏装飾ユニット3200に取付けられている。裏後演出ユニット3400は、左右に長い裏後昇降装飾体3410と、裏後昇降装飾体3410を昇降させるための裏後昇降機構3450と、を備えている。
裏後演出ユニット3400における裏後昇降装飾体3410は、左右に長く透光性を有する裏後昇降装飾部3411と、裏後昇降装飾部3411の後に設けられており複数のLEDが実装されている裏後昇降装飾基板(図示は省略)と、裏後昇降装飾基板及び裏後昇降装飾部を後方から支持しており裏後昇降機構3450により昇降させられる裏後昇降ベース(図示は省略)と、を備えている。裏後昇降装飾部3411は、左右方向の全長に亘って施されており所定のロゴからなるロゴ部3411aと、ロゴ部3411aの上方にレリーフ状に設けられており裏前昇降装飾体ユニット3310とは異なる複数のキャラクタが左右に列設されているキャラクタ部3411bと、を有している。裏後昇降装飾基板のLEDを適宜発光させることで、裏後昇降装飾部3411を発光装飾させることができる。
裏後演出ユニット3400における裏後昇降機構3450は、下方へ開放されたコ字状の裏後ベース3451と、裏後ベース3451の上辺の前面に設けられており透光性を有する平板状の裏後固定装飾部3452と、裏後固定装飾部3452と裏後ベース3451との間に設けられており複数のLEDが実装されている裏後固定装飾基板3453と、を備えている。裏後固定装飾部3452は、左右方向が裏後昇降装飾体3410と略同じ長さに形成されており、前面に所定の絵柄が施されている。裏後固定装飾基板3453のLEDを適宜発光させることで、裏後固定装飾部3452を発光装飾させることができる。
また、裏後昇降機構3450は、図示は省略するが、裏後ベース3451の左辺に設けられており裏後昇降装飾体3410の左端側を昇降可能に支持している裏後左レールと、裏後ベース3451の右辺に設けられており裏後昇降装飾体3410の右端側を昇降可能に支持している裏後右レールと、裏後ベースの左辺側に設けられており裏後昇降装飾体3410を昇降させるための裏後昇降駆動部と、を有している。
裏後昇降駆動部は、裏後昇降駆動モータを有しており、裏後昇降駆動モータの駆動により裏後昇降装飾体3410を上方の移動端である退避位置と、下方の移動端である出現位置と、の間で昇降させることができると共に、退避位置と出現位置との間の任意の位置で裏後昇降装飾体3410を停止させることができる。
裏後演出ユニット3400は、通常の状態では、裏後昇降装飾体3410が上方の移動端である退避位置の状態となっている。この状態では、裏後昇降装飾体3410が裏後昇降機構3450の裏後固定装飾部3452の前方に位置している。従って、裏後固定装飾部3452は、退避位置の裏後昇降装飾体3410によって前方から視認不能に隠された状態となっている。
この裏後演出ユニット3400は、遊技盤5に組立てた状態では、裏前演出ユニット3300の後に設けられているため、通常の状態では、裏後昇降装飾体3410の前方に裏前演出ユニット3300の待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310が位置しており、裏前昇降装飾体ユニット3310により隠されて前方から視認不能な状態となっている。
裏後演出ユニット3400は、通常の状態から、裏後昇降機構3450の裏後昇降駆動モータの駆動により裏後昇降装飾体3410を下方の移動端である出現位置へ移動させると、待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310よりも下方で遊技領域5aの上下方向中央に対してやや上寄りに位置する。これにより、裏後昇降装飾体3410が遊技者側から視認可能な状態となる。
なお、裏後昇降装飾体3410を退避位置から下方へ移動させた状態でも、裏前昇降装飾体ユニット3310が待機位置の状態では、裏後固定装飾部3452の前方に裏前昇降装飾体ユニット3310が位置しているため、裏後固定装飾部3452は前方から視認することはではない。従って、裏後昇降装飾体3410を退避位置から下方(出現位置)へ移動させると共に、裏前昇降装飾体ユニット3310を待機位置から下方の演出位置へ落下させると、初めて、裏後固定装飾部3452が前方から視認可能な状態となる。これにより、裏後固定装飾部3452が見えることに対してプレミアム感を付与することができる。
裏後昇降装飾体3410を下方の出現位置へ移動させた状態で、裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させて演出位置の状態にすると、裏後昇降装飾体3410の裏後昇降装飾部3411におけるロゴ部3411aの前方に、裏前昇降装飾体ユニット3310が位置し、ロゴ部3411aが隠された状態となると共に、複数のキャラクタが列設されているキャラクタ部3411bが、裏前昇降装飾体ユニット3310よりも上側から前方へ臨んだ状態となる(図92を参照)。
裏後昇降装飾体3410を出現位置へ移動させた状態で、裏後昇降機構3450の裏後昇降駆動モータを逆転させることで、裏後昇降装飾体3410が上昇し、退避位置へ復帰させることができる。
[8-11.遊技盤による演出]
続いて、遊技盤5による演出について、主に図89乃至図92を参照して詳細に説明する。図89は、通常の状態で示す遊技盤の正面図である。図90は、通常の状態から裏前演出ユニットの裏前昇降装飾体ユニットを待機位置から演出位置へ落下させた状態で示す遊技盤の正面図である。図91は、通常の状態から裏後演出ユニットの裏後昇降装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図92は、通常の状態から、裏前演出ユニットの裏前昇降装飾体ユニットを待機位置から演出位置へ落下させると共に、裏後演出ユニットの裏後昇降装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
本実施形態の遊技盤5は、図89等に示すように、主にセンター役物2500の枠内を通して、後方に設けられている裏ユニット3000や演出表示装置1600の表示画面等が視認可能となっている。この遊技盤5は、センター役物2500の枠内を通して、その下辺付近において抽選役物2550とその左右に設けられている裏装飾ユニット3200の裏下左装飾体3210及び裏下右装飾体3220が常時視認可能に設けられていると共に、センター役物2500の枠内における左辺付近に裏前演出ユニット3300の裏前左装飾体3301が常時視認可能に設けられている。
遊技盤5は、通常の状態では、裏ユニット3000における裏前演出ユニット3300の裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の移動端である待機位置に移動していると共に、裏後演出ユニット3400の裏後昇降装飾体3410が上方の移動端である退避位置に移動している。待機位置に移動している裏前昇降装飾体ユニット3310は、センター役物2500の枠内における上辺付近において視認可能に前方へ臨んでいる。退避位置に移動している裏後昇降装飾体3410は、裏前昇降装飾体ユニット3310の後で待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310と同じ高さに位置しており、裏前昇降装飾体ユニット3310により隠されて前方から視認不能な状態となっている。
また、通常の状態では、裏後演出ユニット3400の裏後固定装飾部3452の前方に、退避位置の裏後昇降装飾体3410が位置していると共に、更にその前方に、待機位置の裏前昇降装飾体ユニット3310が位置しており、それらによって隠されて前方から視認不能な状態となっている。
この通常の状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の待機位置に移動していため、裏前昇降装飾体ユニット3310(裏前中央装飾体3320)に設けられている演出カウント表示部3005が、演出表示装置1600の表示画面の中央の上方に位置しており、演出表示装置1600に表示されている演出画像を妨げることなく、遊技者側から目立つように見える。
本実施形態の遊技盤5は、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3300を使用して図90に示すような演出を実行することができる。この演出は、裏前昇降装飾体ユニット3310が上方の待機位置へ移動している通常の状態で、裏前昇降機構3350において、裏前昇降駆動モータにより昇降スライダを下端側へ移動させた後に、落下ソレノイドによりロック爪による係止を解除し、裏前昇降装飾体ユニット3310を自由落下させて演出位置の状態とする。裏前昇降装飾体ユニット3310が演出位置へ落下した状態では、裏前昇降装飾体ユニット3310が、センター役物2500の抽選役物2550よりも上方で遊技領域5aの上下方向中央に対してやや下寄りに位置しており、演出表示装置1600の表示画面の上下方向中央付近を隠した状態となる。また、裏前昇降装飾体ユニット3310が演出位置へ落下すると、センター役物2500の枠内における上辺付近において、裏後演出ユニット3400の退避位置の裏後昇降装飾体3410が見えるようになる。これにより、裏前昇降装飾体ユニット3310が自由落下してくるため、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと(チャンスの到来と)思わせることができる。
次に、遊技盤5は、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3400を使用して図91に示すような演出を実行することができる。この演出は、裏後昇降装飾体3410が上方の退避位置へ移動している通常の状態で、裏後昇降機構3450の裏後昇降駆動モータにより裏後昇降装飾体3410を下方の移動端へ移動させて出現位置の状態とする。これにより、裏前昇降装飾体ユニット3310によって視認不能となっていた裏後昇降装飾体3410が視認可能となるため、遊技者を驚かせることができ、チャンスが到来したと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。また、裏後昇降装飾体3410が出現位置へ移動すると、演出表示装置1600の表示画面の上下方向の略中央に位置するため、裏後昇降装飾体3410によって表示画面を上下に分割することができ、演出画像が物理的に上下に分割される演出を遊技者に見せることができる。
また、裏後演出ユニット3400を使用した演出として、裏後昇降装飾体3410が裏後昇降駆動モータにより退避位置と出現位置との間であれば任意の高さに移動させることができるため、予告演出として、裏後昇降装飾体3410を退避位置から僅かに下方へ移動させたり上下に振動させたりしても良い。
続いて、遊技盤5は、裏ユニット3000の裏前演出ユニット3300と裏後演出ユッニト3400の両方を使用して図92に示すような演出を実行することができる。この演出では、裏前昇降装飾体ユニット3310を待機位置から落下させて演出位置の状態とすると共に、裏後昇降装飾体3410を退避位置から下方へ移動させて出現位置の状態とする。これにより、裏前昇降装飾体ユニット3310と裏後昇降装飾体3410とにより演出表示装置1600の表示画面を覆ったような状態となるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができると共に、これまで視認できなかった表示画面の上方に設けられている裏後固定装飾部3452が視認可能となるため、遊技者に対してプレミアム感を付与することができ、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、大当り遊技)の発生に対する期待感を高めさせることができる。
この演出では、裏前昇降装飾体ユニット3310と裏後昇降装飾体3410とを同時に下方へ移動させても良いし、裏前昇降装飾体ユニット3310を先に落下させてから裏後昇降装飾体3410を下方へ移動させても良いし、裏後昇降装飾体3410を先に下方へ移動させてから裏前昇降装飾体ユニット3310を落下させても良い。
また、遊技盤5は、裏ユニット3000に前方から常時視認可能に設けられている演出カウント表示部3005を有しているため、当該演出カウント表示部3005を使用した演出を実行することができる。例えば、演出カウント表示部3005に表示される数字を刻々と減少させるカウントダウン表示により、裏前昇降装飾体ユニット3310が落下したり、裏後昇降装飾体3410が下方へ移動したり、するタイミングをカウントダウンさせるようにしても良い。或いは、例えば、抽選役物入球センサ2546による遊技球Bの検知により抽選役物2550において遊技球Bがループ不能となるまでをカウントダウンさせるようにしても良い。
また、演出カウント表示部3005において、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄に対する期待度を数字として表示(示唆)させるようにしても良い。或いは、演出カウント表示部3005では、四つの7セグメント表示を有していることから、各セグメントの発光の組合せにより演出図柄を構成するようにして、当該演出図柄を変動表示させた後、停止表示させて、停止表示された演出図柄により期待度を示唆させるようにしても良い。
[9.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図63及び図93等を参照して説明する。図93は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。なお、図93では、枠制御基板740に接続されているセンサ、ソレノイド、モータ、LED、等の電子部品の一部を省略して示している。
パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる枠制御基板740と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。
[9-1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、設定値の表示やエラー表示を行うための設定表示器、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口2020及びサブアウト口2021により回収された遊技球Bの球数を表示するためのベースモニタと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPUには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「主制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPUは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPUを製造したメーカーによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPUは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPUは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路も内蔵されている(以下、「内蔵リセット回路」と記載する)。内蔵リセット回路は、主制御MPUの所定のレジスタの内容を監視して、つじつまの合わない内容にレジスタが変化した場合に、電気的なノイズの影響を受けたとして、主制御MPUを強制的にリセットする回路である。このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPUは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。なお、主制御MPUが内蔵リセット回路により強制リセットがかかったとしても、主制御MPUの内蔵リセット回路から枠制御基板740に対してリセット信号を出力することがないため、主制御基板1310(主制御MPU)のみが再起動することとなり、枠制御基板740は起動した状態が維持されている。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0~最大値として値65535という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されず(つまり、初期値が固定されず)、主制御MPUがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPUがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPUに入力されるクロック信号(主制御MPUと別体に設けた図示しない水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰返し行い、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路は、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路は、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2003に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ2101、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2401、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3001、普通入賞口2002に受入れられた遊技球Bを検知する普通入賞口センサ3002、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2402、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する役物入賞口センサ2501、第一V入賞口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二V入賞口センサ2503、ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bを検知するハズレ口センサ2504、遊技盤5から排出された遊技球Bを検知するアウト球センサ605、セーフ球センサ606、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ1030、及び遊技盤5に作用する振動を検知する振動センサ1040、等からの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に、入力されている。
また、扉開放スイッチ507からの検出信号と枠開放スイッチ508からの検出信号とは、枠制御基板740を介して、主制御基板1310へそれぞれ入力されると、主制御入力回路を介して、主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子にそれぞれ入力されている。
なお、アウト球センサ605、第一始動口センサ2101、及び第二始動口センサ2401からのそれぞれの検出信号は、他の基板を介すことなく、つまり直接、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。これに対して、一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、磁気センサ1030、及び振動センサ1040からのそれぞれの検出信号は、パネル中継基板を介して、つまり間接的に、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路から始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、役物入賞口ソレノイド2516、第一振分ソレノイド2534、第二振分ソレノイド2544、抽選ループソレノイド2558、打撃片駆動モータ2561、樋揺動駆動モータ2564、揺動片ソレノイド2565、へそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板を介して、つまり間接的に、出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、へそれぞれの駆動信号を、他の基板を介すことなく、つまり直接、出力したり、する。また、主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から駆動信号を出力することにより、設定変更基板の設定変更許可ランプへ駆動信号を出力する。
また、主制御MPUは、その所定の出力ポートの出力端子から遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、枠制御基板740に対して遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から信号(停電クリア信号)を出力することにより、停電監視回路に対して信号(停電クリア信号)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力することにより、枠制御基板740に対して遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力したりする。この発射を許可する旨を伝える発射許可信号の論理は、発射を許可するときには発射許可論理に設定される一方、発射を許可しないときには発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定される。なお、発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)後述する主制御側タイマ割込み処理における発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
なお、本実施形態において、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、普通入賞口センサ3002、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501、第一V入賞口センサ2502、第二V入賞口センサ2503、ハズレ口センサ2504、アウト球センサ605、セーフ球センサ606、ファール球センサ607には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2003や第二始動口2004、普通入賞口2002には頻繁に入球するため、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、及び普通入賞口センサ3002による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、及び普通入賞口センサ3002には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005や役物入賞口2006が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2402や役物入賞口センサ2501による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2402や役物入賞口センサ2501にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技領域5aに発射された遊技球Bは、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口2020やサブアウト口2021により多量に回収されるため、アウト球センサ605による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、アウト球センサ605に対しても、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。なお、一般入賞口2001に遊技球Bが頻繁に入球する・しないに関係なく、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いてもよい。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び特典の付与に関する各種コマンド等を枠制御基板740に送信したり、この枠制御基板740からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPUは、その詳細な説明は後述するが、枠制御基板740からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、枠基板ユニット730の電源基板750から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板750は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、枠制御基板740にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板750から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPUに入力される他に、枠制御基板740等にも出力されている。
[9-2.枠制御基板]
遊技者の遊技球Bの持ち球数等を制御する枠制御基板740は、RAMに記憶されている情報を消去するためのRAMクリアスイッチ741と、封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜く際に使用する球抜スイッチ742と、RAM等に記憶されている遊技者の持ち球数をクリアすると共に扉枠3の持ち球数表示部140での表示をクリアするための球数記憶・表示クリアスイッチ743と、を備えている。
[9-3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図93に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[9-3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェース等が1つの半導体チップ上に集積された周辺制御ICと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御ICには、1つの半導体チップ上にパラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数集積されており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、周辺制御ICのCPUは遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられたバイブレータ等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
扉枠3に設けられた演出操作ユニット250の第一演出ボタン251や第二演出ボタン252からの検知信号は、周辺制御ICに入力されている。
また周辺制御ICのCPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御ICのCPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3や本体枠4等に設けられた、トップ中央スピーカ、トップサイドスピーカや、本体枠4の本体枠スピーカ503等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックスから後方へ突出している音量調整スイッチを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側のトップ中央スピーカ、トップサイドスピーカと、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ503とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御ICのCPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御ICのCPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御ICのCPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御ICのCPUから遊技盤5側に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
[9-3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、演出表示装置1600の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、演出表示装置1600を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、演出表示装置1600に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して演出表示装置1600の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割込み処理を行っている。
表示制御ROMは、演出表示装置1600に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って演出表示装置1600に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して演出表示装置1600に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、演出表示装置1600に出力する。またVDPは、演出表示装置1600が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、演出表示装置1600の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、演出表示装置1600に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、演出表示装置1600に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、演出表示装置1600に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、演出表示装置1600に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、演出表示装置1600に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、演出表示装置1600に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて演出表示装置1600に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
演出表示装置1600は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰返し行う副走査と、によって駆動される。演出表示装置1600は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、演出表示装置1600は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[10.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図84等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドル160を遊技者が回転操作することで、循環経路R内に封入されている遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込強さは、ハンドル160の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘に当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球Bの当接により回転する風車がサイド左上ユニット2300の上方でセンター役物2500の左方に設けられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、センター役物2500の左側、つまり、内レール1002とセンター役物2500との間を、複数の障害釘に当接しながら流通することとなる。センター役物2500の左側には、ワープ通路2512の入口が、遊技球Bを受入可能に常時開口している。
ワープ通路2512に進入した遊技球Bは、センター役物2500の枠内に設けられているステージ2513に供給され、ステージ2513上を左右方向へ転動し、中央放出部2513a又はサイド放出部2513bの何れかから遊技領域5a内へ還流するように放出される。ステージ2513の中央放出部2513aは、遊技領域5a内の左右方向中央で第一始動口2003の直上に設けられているため、中央放出部2513aから放出された遊技球Bは、高い確率で第一始動口2003に受入れられる。中央放出部2513aの左右両側のサイド放出部2513bから放出された遊技球Bは、或る程度の確率で第一始動口2003に受入れられる可能性がある。
第一始動口2003に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310を介して枠制御基板740において所定個数(例えば、3個)の遊技球Bが、持ち球数に加算されると共に、主制御基板1310において、第一特別図柄(例えば、「ハズレ」、「小当り」、「役物当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、「第二大当り」、等)の抽選が行われる。抽選された第一特別図柄の抽選結果が、「ハズレ」以外であると、遊技者が有利な有利遊技状態が発生する。そして、抽選された第一特別図柄の抽選結果は、所定時間(例えば、0.1~360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆される。
本実施形態では、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された第一特別図柄の抽選結果が示唆されるまで(特別変動時間)の間に、第一始動口2003に遊技球Bが受入れられると、第一特別図柄の抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された第一特別図柄の抽選結果の示唆が完了するまで、第一特別図柄の抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される第一特別図柄の抽選結果の保留数は、第一始動口2003に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2003に遊技球Bが受入れられても第一特別図柄の抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ通路2512に進入しなかった場合、サイド左上ユニット2300の棚部2301や障害釘により左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001やサブアウト口2021、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2003等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310を介して枠制御基板740において所定個数(例えば、10個)の遊技球Bが、持ち球数に加算される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500におけるセンターフレーム2511の流入規制部2511cの最も高くなった部位よりも右側に進入すると、センター役物2500の案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを通る。第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、途中において役物入賞口2006を閉鎖している役物入賞口扉2515の上面を転動した上で、普通入賞口ユニット2600の上方(直上)に放出される。一方、第二案内通路2522に進入した遊技球Bは、普通入賞口2002の左寄りの上方に放出される。従って、第一案内通路2521に遊技球Bが進入すると、役物入賞口2006に受入れられる可能性がある。
役物入賞口2006は、第一始動口2003や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別図柄の抽選結果が、「小当り」や「役物当り」等の時に、所定のパターンで開閉して遊技球Bを受入可能な状態となる。遊技球Bが役物入賞口2006に受入れられると、主制御基板1310を介して枠制御基板740において所定個数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、持ち球数に加算される。
役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、第一振分装置2530へ送られ、振分回転体2533によりチャンス口2531又は第一スカ口2532の何れかに振分けられる。第一スカ口2532に振分けられた遊技球Bは排出される。チャンス口2531に振分けられた遊技球Bは、第二振分装置2540へ送られる。第二振分装置2540へ送られた遊技球Bは、第一V入賞口2007又は第二スカ口2541の何れかに振分けられる。第二振分装置2540の振分により第一V入賞口2007に遊技球Bが受入れられると、大入賞口2005が所定の開閉パターンで開閉する「大当り」遊技が実行される。
第二振分装置2540において第二スカ口2541に遊技球Bが振分けられると、抽選役物2550へ送られる。抽選役物2550へ送られた遊技球Bは、振分部2552の振分橋2557がループ位置へ移動している時間の間、第二V入賞口2008が設けられているテーブル2555と、遊技球Bをテーブル2555へ供給する打撃部2553との間でループする。そして、第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられると、大入賞口2005が所定の開閉パターンで開閉する「大当り」遊技が実行される。
一方、所定時間が経過して振分橋2557がループ位置から非ループ位置へ移動してハズレ口2009が開放された状態となると、テーブル2555の第二V入賞口2008に受入れられなかった遊技球Bがハズレ口2009に受入れられる。ハズレ口2009に受入れられた遊技球Bは、排出される。
案内通路群2520の下流に設けられている普通入賞口2002は、第一案内通路2521の出口の直下に設けられているため、第一案内通路2521を流通した遊技球Bの方が、第二案内通路2522を流通した遊技球Bよりも、普通入賞口2002に受入れられる可能性が高い。普通入賞口2002に受入れられなかった遊技球Bは、アタッカユニット2400へ流下する。
この普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられて普通入賞口センサ3002により検知されると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通図柄の抽選結果が「普通当り」の場合、第二始動口扉2411により閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3~10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。
本実施形態では、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられることで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通図柄の抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01~60秒、普通変動時間とも称す)。この普通図柄の抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられてから普通図柄の抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられると、普通図柄の抽選結果の示唆を開始することができないため、普通図柄の抽選結果の示唆の開始を、先の普通図柄の抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通図柄の抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、普通入賞口2002に遊技球Bが受入れられても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
普通入賞口2002に受入れられずに流下した遊技球Bは、アタッカユニット2400における上棚部2421、第一棚部2422、第一棚部2422よりも右方、の何れかに流下する。上棚部2421に流下した遊技球Bは左方へ誘導されて大入賞口2005よりも左方に放出される。従って、上棚部2421上に流下した遊技球Bは、第二始動口2004及び大入賞口2005に受入れられることはない。
アタッカユニット2400の第一棚部2422に流下した遊技球Bは、その傾斜により左方へ転動し、第二始動口2004を閉鎖している第二始動口扉2411、第二棚部2423、大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413、及び第四棚部2425を転動した後に、左方へ放出される。第四棚部2425から放出された遊技球Bは、アウト口2020に受入れられて排出される。従って、遊技球Bが第一棚部2422に流下すると、第二始動口2004や大入賞口2005に受入れられ可能性がある。
アタッカユニット2400の第一棚部2422よりも右方に流下した遊技球Bは、サブアウト口2021に受入れられて排出される。なお、稀ではあるが、第一棚部2422に流下した遊技球Bが、第二棚部2423と第三棚部2424との間の隙間に進入すると、サブアウト口2021に受入れられて排出される。
アタッカユニット2400の第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310を介して枠制御基板740において所定個数(例えば、1個)の遊技球Bが、持ち球数に加算されると共に、主制御基板1310において、第二特別図柄(例えば、「ハズレ」、「小当り」、「役物当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、「第二大当り」、等)の抽選が行われる。抽選された第二特別図柄の抽選結果が、「ハズレ」以外であると、遊技者が有利な有利遊技状態が発生する。そして、抽選された第二特別図柄の抽選結果は、第一特別図柄の抽選結果の特別変動時間よりも長い所定時間(例えば、0.1~360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆される。
本実施形態では、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された第二特別図柄の抽選結果が示唆されるまで(特別変動時間)の間に、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、第二特別図柄の抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された第二特別図柄の抽選結果の示唆が完了するまで、第二特別図柄の抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される第二特別図柄の抽選結果の保留数は、第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても第二特別図柄の抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果の特別変動時間は、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果の特別変動時間よりも長く設定されている。これにより、第二特別図柄の抽選結果の方が保留数の消費に時間がかかるため、第一始動口2003及び第二始動口2004に対する単位時間当たりの遊技球Bの受入数が同じであっても、第二始動口2004の方が実行される第二特別図柄の抽選結果の数が少なくなる。従って、通常の状態において、センター役物2500の右側へ遊技球Bを打込んでも、第二始動口2004しか受入れられる可能性がなく、第二特別図柄の抽選結果が実行される頻度が低いため、遊技者に対して遊技球Bがセンター役物2500の左側を流通するような打込操作を積極的に行わせることができる
上記のように、第一始動口2003又は第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された第一特別図柄の抽選結果又は第二特別図柄の抽選結果により、大入賞口2005や役物入賞口2006が、所定の開閉パターンで開閉して、遊技球Bを受入可能な状態となる。
そして、アタッカユニット2400において、第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果に応じて、或いは、第一V入賞口2007や第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ、等により大入賞口2005が受入可能となっているタイミングで遊技球Bが流下してくると、当該遊技球Bが大入賞口2005に受入れられる。遊技球Bが大入賞口2005に受入れられると、主制御基板1310を介して枠制御基板740において所定個数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、持ち球数に加算される。
大入賞口2005は、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、20秒~40秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の第一特別図柄や第二特別図柄が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果(例えば、第二特別図柄の抽選結果)が「第二大当り」の場合、大入賞口2005又は役物入賞口2006が、所定のパターンで遊技球Bを受入可能とした後に、有利遊技状態としてST(スペシャル・タイム)を発生させる。このSTとは、予め決められた特定の変動回数の間、確変や時短の状態を維持するものである。
このように、大入賞口2005や役物入賞口2006が遊技球Bを受入可能な時に、大入賞口2005や役物入賞口2006に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを持ち球数に加算させることができるため、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
本実施形態では、第一特別図柄の抽選結果や第二特別図柄の抽選結果の示唆を、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行っている。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別図柄の抽選結果(第一特別図柄の抽選結果及び第二特別図柄の抽選結果)の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別図柄の抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別図柄の抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別図柄の抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別図柄の抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別図柄の抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別図柄の抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別図柄の抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別図柄の抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、「小当り」遊技、「大当り」遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別図柄の抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(特別変動時間))と、演出表示装置1600での特別図柄の抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別図柄の抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別図柄の抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット250における第一演出ボタン251や第二演出ボタン252を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、第一演出ボタン251及び第二演出ボタン252をポップアップさせて目立たせることができ、第一演出ボタン251や第二演出ボタン252の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板、演出表示装置1600、始動口表示部2110、演出カウント表示部3005、裏装飾ユニット3200、裏前演出ユニット3300、裏後演出ユニット3400、等を適宜用いて、発光演出、表示演出、可動演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、第一演出ボタン251や第二演出ボタン252を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。
本実施形態によれば、遊技者によって遊技球Bが遊技領域5aに打込まれて、所定条件の充足として、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄の抽選結果により役物入賞口2006が所定パターンで開閉し、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが第一振分装置2530及び第二振分装置2540を経た遊技球Bが、センター役物2500における抽選役物2550の誘導路2551に供給され、当該遊技球Bが下流の振分部2552へ向かって流通する。この振分部2552では、誘導路2551に開口しているハズレ口2009を振分橋2557により閉鎖している状態では当該遊技球Bが第一側としての打撃部2553へ振分けられ、振分橋2557が抽選ループソレノイド2558により回動させられてハズレ口2009を開放している状態では当該遊技球Bがハズレ口2009(第二側)へ振分けられ、遊技球Bの振分状態が振分橋2557の振分表示部2557aにより示されている。そして、振分部2552において、遊技球Bが第一側へ振分けられると、打撃部2553へ供給される。一方、振分部2552において、遊技球Bが第二側(ハズレ口2009)へ振分けられると、打撃部2553へ供給されることはなく、抽選役物2550から排出される。
振分部2552から打撃部2553へ供給された遊技球Bは、当該打撃部2553の回転している打撃片2560により後方へ打撃されて、後方へ向かって高くなっている登坂部2559を登るように流通(転動)することとなる。この打撃部2553では、遊技球Bが供給されるタイミングと、遊技球Bを打撃片2560が打撃するタイミングとによっては、遊技球Bが強く打撃されたり殆ど打撃されなかったりすることとなり、後方へ打撃される遊技球Bの勢いが様々となるため、打撃された遊技球Bの勢いが弱いと、遊技球Bが登坂部2559を登り切れずに打撃部2553へ戻ってしまい、遊技球Bが前後に登坂部2559を行ったり来たりすることとなる。そして、遊技球Bが打撃部2553により強く打撃されて登坂部2559を乗り越えると、テーブル2555の後端で左右方向の中央に設けられている揺動樋2554に供給され、揺動樋2554からテーブル2555に放出される。この際に、揺動樋2554が上下方向の軸芯周りに対して揺動するように往復回動しているため、遊技球Bが供給されるタイミングと揺動樋2554の回動位置のタイミングとによって、揺動樋2554の樋部2554aから様々な方向へ遊技球Bがテーブル2555に放出されることとなる。
揺動樋2554からテーブル2555へ放出された遊技球Bは、その傾斜に従って前方へ転動し、テーブル2555の前端から誘導路2551へ放出されることとなる。この際に、テーブル2555の前端付近で揺動樋2554の中心を通る前後方向の中央軸線上に設けられている第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられる可能性があると共に、揺動樋2554と第二V入賞口2008との間で中央軸線を境にして左右対称に設けられている揺動片2556に遊技球Bが当接することで、遊技球Bの流通方向が、第二V入賞口2008へ向かったり、第二V入賞口2008から遠ざかったりする。テーブル2555の第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられると、有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生する。一方、遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられずにテーブル2555の前端から誘導路2551へ放出された後に、振分部2552によって一方側へ振分けられると、当該遊技球Bが打撃部2553によって揺動樋2554へ供給される。従って、遊技球Bが振分部2552により一方側(打撃部2553)へ振分けられる限り、当該遊技球Bが第二V入賞口2008に受入れられるまで、誘導路2551、振分部2552、打撃部2553、揺動樋2554、テーブル2555の順にループする。
このようなことから、役物入賞口2006が所定パターンで開閉して遊技球Bを抽選役物2550へ供給可能となった時に、振分部2552の振分表示部2557aを見ることで、振分部2552において遊技球Bが第一側(打撃部2553)へ振分ける状態であるか否かを遊技者に確認させることができる。これにより、振分表示部2557aを見て振分部2552が第一側(打撃部2553、ひいては、第二V入賞口2008)へ振分ける状態となっている時に、役物入賞口2006に受入れられた遊技球B(ここでは、第一振分装置2530において振分回転体2533の収容部2533aに収容されている遊技球B)が抽選役物2550(誘導路2551)に供給される否かで遊技者をワクワクさせることができる。その後、役物入賞口2006に受入れられた遊技球Bが抽選役物2550(誘導路2551)に供給されると、振分部2552において第一側(打撃部2553側)へ振分けられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができる。そして、遊技球Bが第一側へ振分けられて打撃部2553に供給されると、遊技球Bが打撃されるタイミング等によっては遊技球Bが登坂部2559を行ったり来たりするため、遊技球Bが登坂部2559を乗り越える強さで打撃されるか否かによって遊技者を楽しませることができる。また、登坂部2559を乗り越えた遊技球Bは、往復回動している揺動樋2554に供給されるため、揺動樋2554が遊技球Bを第二V入賞口2008へ向かって放出できるタイミングで、揺動樋2554に遊技球Bが供給されるように、遊技球Bが登坂部2559を乗り越える強さで打撃されるか否かによっても、遊技者をハラハラ・ドキドキさせて楽しませることができる。
打撃部2553により打撃された遊技球Bが登坂部2559を乗り越えて揺動樋2554に供給されると、往復回動している揺動樋2554から遊技球Bが第二V入賞口2008へ向かって放出されるか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができる。この揺動樋2554から遊技球Bが中央軸線(第二V入賞口2008)から離れる方向へ放出されても、中央軸線を境にして左右対称に設けられている一対の揺動片2556の揺動状況によっては、揺動片2556に当接した遊技球Bが中央軸線側へ寄せられて、第二V入賞口2008へ向かう可能性があるため、遊技者をガッカリさせることはなく、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。そして、テーブル2555の下流端付近に設けられている第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、第二V入賞口2008に受入れられると、有利遊技状態(大入賞口2005が所定パターンで開閉する大当り遊技)が発生するため、遊技者を大いに楽しませることができる。
一方、第二V入賞口2008に遊技球Bが受入れられなかった場合でも、テーブル2555の下流端から誘導路2551に放出されるため、誘導路2551の下流に設けられている振分部2552によって、遊技球Bが再び第一側(打撃部2553)へ振分けられる否かによって遊技者の期待感を高めさせることができ、振分部2552によって再び第一側へ振分けられると、打撃部2553及び登坂部2559を介してテーブル2555の上流の揺動樋2554へ供給されるため、第二V入賞口2008へ受入れられるチャンスが再び到来することで、遊技者をガッカリさせることはない。この際に、振分橋2557の振分表示部2557aを見て振分部2552が第一側(打撃部2553)へ振分ける状態となっている時に、テーブル2555の前端から遊技球Bが誘導路2551へ放出されるか否かで遊技者をワクワクさせることもできる。従って、抽選役物2550における様々な場面において遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができるため、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者を楽しませられる抽選役物2550を備えたパチンコ機1機を提供することができる。
また、センター役物2500の抽選役物2550には、前後及び左右に広い面状のテーブル2555を有していると共に、テーブル2555の前端よりも前方に誘導路2551を設けていることから、抽選役物2550が大きなものとなっているため、本抽選役物2550によりパチンコ機1を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、抽選役物2550を使用する遊技に対して遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くして遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、後端が高くなるように傾斜しているテーブル2555の左右方向の中央軸線上に第二V入賞口2008を設けているため、第二V入賞口2008を目立たせることができ、遊技者の視線を第二V入賞口2008へ向けさせ易くすることができると共に、第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れに対する期待感を抱かせ易くすることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、後端が高くなっているテーブル2555の中央軸線上の後端付近に、揺動樋2554を設けると共に、中央軸線を境にして左右対称に一対の揺動片2556を設けているため、揺動片2556によって後方の揺動樋2554の視認性が阻害されることはなく、遊技者からテーブル2555に設けられている第二V入賞口2008、一対の揺動片2556、及び揺動樋2554を良好に視認させることができる。従って、一対の揺動片2556や揺動樋2554の回動状況や揺動状況が認識し易くなるため、それらの動きによる遊技球Bの転動経路等が予測し易くなり、予測通りに遊技球Bが転動するか否かによって遊技球Bの動きを楽しませることができる。
また、振分部2552において、第二側に連通するハズレ口2009を誘導路2551に設けているため、振分橋2557により閉鎖している状態から抽選ループソレノイド2558により振分橋2557を回動させてハズレ口2009を開放させた状態にすると、誘導路2551においてハズレ口2009が上方へ開口している状態となるため、遊技者からハズレ口2009を目立たせることができ、誘導路2551を流通している遊技球Bが第二側(ハズレ口2009)に振分けられる状態、つまり、第一側(打撃部2553、ひいては、第二V入賞口2008)に振分けられない状態であることを認識させ易くすることができる。従って、目立つハズレ口2009が振分橋2557により閉鎖されていると、第一側(打撃部2553)へ振分けられる状態であることを容易に認識させることができ、誘導路2551を見るだけで何れに振分ける状態であるのかを容易に判別させることができる。
更に、打撃部2553による遊技球Bを打撃するタイミング等によっては、遊技球Bが登坂部2559を行ったり来たりするため、抽選役物2550における遊技球Bの滞在時間を稼ぐ(長くする)ことができ、短時間で抽選役物2550における遊技が終わることで遊技者をガッカリさせてしまうことを回避させることができると共に、登坂部2559により稼いだ時間により演出表示装置1600における演出画像等による演出を遊技者に対して十分に見せることができ、遊技者をより楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
また、打撃部2553と揺動樋2554(揺動通路2562)との間に登坂部2559を設けていることから、打撃部2553において遊技球Bが強く打撃されても、登坂部2559を登ることでその勢いを減衰させることができると共に、揺動通路2562において左右方向へ揺動させていることで更にその勢いを減衰させることができるため、勢い良く揺動樋2554に遊技球Bが供給されることで、揺動樋2554が往復回動して放出方向を変化させているのにも関わらず、遊技球Bの勢いによって揺動樋2554の放出方向とは異なる方向へ揺動樋2554から放出されてしまい、遊技者に対して不快感を与えてしまったり、揺動樋2554から勢いよくテーブル2555に遊技球Bが放出されることで、テーブル2555における遊技球Bの滞在時間(転動時間)が短くなってしまったり、することを回避させることができる。従って、遊技者に不快感を与えることなく揺動樋2554での遊技球Bの放出を楽しませることができると共に、テーブル2555上を転動している遊技球Bの動きを楽しませられ易くすることができる。
また、抽選役物2550に遊技球Bが供給されるタイミングを、遊技球Bの打込操作によって遊技者が選択できるような場合では、振分表示部2557aにおいて遊技球Bが第一側へ振分けられる状態であることを表示するタイミングで、遊技球Bが供給されるように打込操作を行うことが可能となるため、抽選役物2550内における遊技球Bの動きだけでなく、遊技球Bの打込操作も楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、ハズレ口2009を開放すると、振分橋2557が、その先端を基端よりも上方に位置させて誘導路2551から直立したような状態になるため、誘導路2551を遊技球Bが勢い良く流通してきてハズレ口2009を飛び越えようとしても、直立している振分橋2557により飛び越えて第一側(打撃部2553)へ侵入してしまうことを防止することができ、遊技球Bを確実にハズレ口2009(第二側)に振分けることができる。
また、ハズレ口2009を開放すると、振分橋2557が、その先端を基端よりも上方に位置させて誘導路2551から直立したような状態になるため、振分橋2557が遊技者から目立って見えることになると共に、振分橋2557に設けられている振分表示部2557aが見える状態となるため、振分橋2557(振分表示部2557a)によっても遊技球Bが第二側へ振分けられる状態であることを判別させることができる。
[11.遊技盤におけるセンター役物の詳細]
次に、上記の遊技盤5に設けられているセンター役物2500の詳細について説明する。
[11-1.第一実施形態のセンター役物]
第一実施形態のセンター役物2500について、図94乃至図97等を参照して詳細に説明する。図94は、第一実施形態のセンター役物を遊技パネルに取付けた状態で上下方向の途中で切断して前構成部材と共に示す説明図である。図95(a)はセンター役物における装飾体を前装飾部と後装飾部とに分解した状態で正面から示す説明図であり、(b)は前装飾部と後装飾部とからなる装飾体を正面から示す説明図である。図96は、図94のセンター役物において後端を下にしてセンターフレームを台に置いた状態で示す説明図である。図97は、図94とは異なる装飾体が取付けられているセンターフレームを備えたセンター役物を部分断面で示す説明図である。
第一実施形態のセンター役物2500は、図78乃至図83等に示す第一実施形態の遊技盤5に設けられているものである。このセンター役物2500は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に取付けられる透明枠状のセンターフレーム2511と、センターフレーム2511の外側から枠の内側へ遊技球Bを夫々誘導可能なワープ通路2512と、センターフレーム2511の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2512を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2513と、を備えている。
また、センター役物2500は、センターフレーム2511に取付けられており所定の装飾が施されている装飾体2570を、更に備えている。
センターフレーム2511は、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112に挿入されると共に開口部1112の内周面に沿うように設けられており前後方向に延びている枠状の挿入部2511aと、挿入部2511aの前端外周から外方へ突出しており遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2511bと、フランジ部2511bよりも前方へ延出しており遊技領域5aを流下する遊技球Bが遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112の内部に流入することを規制する流入規制部2511cと、挿入部2511aの前端内周から突出している平板状のサポート部2511dと、を有している。
センターフレーム2511(挿入部2511a)の後端は、遊技パネル1100(パネルホルダ1120)の後端(後面)よりも前方に位置するように設けられている。なお、センターフレーム2511の後端は、遊技パネル1100の後面よりも後方へ突出していないものであっても良いし、遊技パネル1100の後面よりも後方へ突出しているものであっても良い。
装飾体2570は、図94に示すように、センターフレーム2511の前端に取付けられる平板状の透明な前板2571と、前板の前面に取付けられている前装飾部2572と、センターフレーム2511(挿入部2511a)の後端よりも前方に設けられている後装飾部2573と、を有している。換言すると、装飾体2570は、センターフレーム2511の枠内に延出するように設けられており、センターフレーム2511の後端よりも前方に設けられている後装飾部2573と、後装飾部2573における少なくとも一部の前方に重なるように設けられている前装飾部2572と、を有している。前装飾部2572と後装飾部2573は、互いに協調している装飾が施されている。
前板2571は、後面が流入規制部2511cの前端面に当接するように設けられている。この前板2571は、サポート部2511dとの間に遊技球Bが流通可能な球通路2517を形成している。
装飾体2570の前装飾部2572は、図95に示すように、所定の絵柄(ここでは、鬼の顔の周りに雲のような図案を配置した絵柄)からなる装飾が施されている。前装飾部2572は、球通路2517の前方となる部位に設けられている透明な透過部2572aと、透過部2572aに設けられており装飾としての絵柄の一部を構成している点状で不透明な複数のドット部2572bと、を有している(図95(a)を参照)。
前装飾部2572の透過部2572aは、無色透明または有色透明に形成されている。有色透明な透過部2572aでは、絵柄の一部を構成するように、絵柄の色と同じような色に着色されている。本実施形態では、鬼の顔の部分の透過部2572aを有色透明にしていると共に、雲の図案の部分の透過部2572aを無色透明にしている。
前装飾部2572の各ドット部2572bは、絵柄と同じ色に着色されている。複数のドット部2572bは、図95(a)において拡大して示すように、一つずつが円形に形成されており、水平に対して上下45度の角度の斜め方向へその直径と同じ間隔をあけて設けられている。
後装飾部2573は、センターフレーム2511における透明なサポート部2511dの後側に取付けられている。後装飾部2573は、センターフレーム2511における枠状の挿入部2511aの枠内に延出するように設けられている。後装飾部2573の装飾は、前方に設けられている前装飾部2572の絵柄と同じ絵柄が不透明に施されている。なお、遊技パネル1100が透明な部材の場合、後装飾部2573は遊技パネル1100の裏面にあっても良い。この場合装飾の面積を広くとれる効果がある。
前装飾部2572及び後装飾部2573は、透明な樹脂フィルムに、装飾としての絵柄を印刷したものである。本実施形態の前装飾部2572及び後装飾部2573は、フィルム状に形成されている。
この装飾体2570は、図95(b)に示すように、正面(前方)から見ると、前装飾部2572の装飾(絵柄)における透明な透過部2572aを通して後方に設けられている後装飾部2573の装飾(絵柄)が見えるため、後装飾部2573の絵柄が透過部2572aを補うことで、透過部2572aが無いような本来の絵柄が見えることとなる。
一方、前装飾部2572と後装飾部2573との間に設けられている球通路2517を遊技球Bが流通すると、前装飾部2572における透明な透過部2572aを通して遊技球Bが見えることとなる。これにより、一時的にせよ遊技球Bが見えなくなることで遊技者に対して不信感や不安感等を与えてしまうことを回避させることができ、遊技球Bによる遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
本実施形態の装飾体2570は、センターフレーム2511に対して、挿入部2511aの後端よりも前方の部位に取付けられる。つまり、センターフレーム2511に装飾体2570を取付けた状態では、センターフレーム2511の後端から装飾体2570の一部が後方へ突出することはない。これにより、図96に示すように、センターフレーム2511に装飾体2570を取付けた状態で、センターフレーム2511の後端を下にして台TAに置いた時に、挿入部2511aの後端面のみが台TAに当接する(触れる)。
本実施形態のセンター役物2500は、詳細は省略するが、装飾体2570の他に、図柄表示器2518、第一振分装置2530、第二振分装置2540、抽選役物2550、等がセンターフレーム2511に取付けられている。図柄表示器2518は、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄や第四図柄等を表示するものである。
また、詳細な図示は省略するが、センターフレーム2511に取付けられている第一振分装置2530の第一振分ソレノイド2534や、第二振分装置2540の第二振分ソレノイド2544等のソレノイドでは、その金属ケースが後端に位置するように取付けられている。これにより、センターフレーム2511(センター役物2500)の後端を下にして台TAに置いた時に、丈夫なソレノイドの金属ケースが台TAに触れることとなり、組立作業等において傷付き難いものとすることができる。この際に、ソレノイドの金属ケースを覆うような樹脂カバーが設けられていても良い。
更に、図示は省略するが、センター役物2500には、LED基板や中継基板、ソレノイド等と接続されている配線が設けられている。当該配線は、センター役物2500のセンターフレーム2511における挿入部2511aに沿うように設けられていると共に、装飾体2570の装飾によって隠されるように設けられている。これにより、遊技者から配線が見えることによる見栄えの悪化を抑制している。なお、センターフレーム2511の挿入部2511aを二重の壁状に形成し、その壁同士の間に配線を通すようにしても良い。この場合、配線として、フレキシブルフラットケーブル(FFC)を使用することが望ましい。
なお、上記の実施形態において、透過部2572aとドット部2572bとを逆にしても良い。詳述すると、透過部2572aの部位を不透明で絵柄が施されている部位とし、ドット部2572bを透明な部位としても良い。
また、上記の実施形態では、透過部2572aを透明な部位としたものを示したが、これに限定するものではなく、前後に貫通している部位としても良い。
更に、上記の実施形態では、施されている装飾(絵柄)に透過部2572a及びドット部2572bを有する前装飾部2572と、透過部2572aを補う装飾(絵柄)が施されている後装飾部2573とからなる装飾体2570を、センター役物2500のセンターフレーム2511に設けるものを示したが、これに限定するものではなく、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、アタッカユニット2400、裏ユニット3000、等に装飾体2570を設けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、装飾体2570を構成している前装飾部2572及び後装飾部2573の装飾として、透明フィルムに絵柄を印刷したものを示したが、これに限定するものではなく、図97に示すような装飾体2570Aが取付けられているセンターフレーム2511を備えたセンター役物2500としても良い。この装飾体2570Aは、センターフレーム2511における流入規制部2511cの前端に取付けられている平板状の前装飾部2572と、前装飾部2572の後方で枠状の挿入部2511aの枠内に取付けられており立体的に形成されている後装飾部2573と、を備えている。
装飾体2570Aの前装飾部2572と後装飾部2573とは、詳細な図示は省略するが、夫々立体的に造形されている装飾が施されている。前装飾部2572及び後装飾部2573には、互いに協調している装飾が夫々に施されている。また、前装飾部2572と後装飾部2573は、正面視において少なくとも一部が重なるように設けられている。
装飾体2570A(後装飾部2573)は、センターフレーム2511の後端よりも前方に設けられている。従って、センターフレーム2511に装飾体2570Aを取付けた状態では、センターフレーム2511の後端から装飾体2570Aの一部が後方へ突出することはない。
この装飾体2570Aは、予め着色された樹脂を成形したものであっても良いし、成形後に塗装したりやシールを貼り付けたりしたものであっても良い。また、装飾体2570Aの装飾として、メタリック系の顔料やメッキ処理を用いても良く、キラキラした装飾により遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能となり、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、装飾体2570Aとして、後装飾部2573の一部を、前装飾部2572と同じ位置まで前方へ突出させるようにしても良い。これにより、装飾体2570Aの奥行き感を出し易くすることが可能となり、より装飾効果を高めることができる。
本実施形態によれば、遊技盤5の遊技パネル1100に装着される透明なセンターフレーム2511に、センターフレーム2511の後端よりも前方に設けられている後装飾部2573と、後装飾部2573における少なくとも一部の前方に重なるように設けられている前装飾部2572とからなる装飾体2570を設けているため、センターフレーム2511が透明であることで目立ち難くして相対的に装飾体2570を目立たせることができると共に、装飾体2570の前装飾部2572と後装飾部2573との一部が重なることで、前装飾部2572の装飾と後装飾部2573の装飾との境目を判り難くすることが可能となり、前装飾部2572と後装飾部2573とによる装飾を良好な状態で遊技者に見せることができる。これにより、前装飾部2572と後装飾部2573とで装飾効果の高い装飾体2570を構成することができるため、当該装飾体2570により遊技者の関心を強く引き付けさせて飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、装飾体2570を構成している前装飾部2572における一部(球通路2517の前方の部位)の装飾を、透過部2572aと複数のドット部2572bとで構成していると共に、当該部位の後方に前装飾部2572の装飾と協調する装飾(同じ絵柄の装飾)が施された後装飾部2573を設けているため、透明な透過部2572aを通して見える後装飾部2573により透過部2572aの部位を補って、恰も透過部2572aが存在していないかのように一つの良好な装飾(絵柄)を見せることができ、良好であることで装飾効果の高い装飾により遊技者を楽しませることができる。
更に、本実施形態によれば、上記のように、前装飾部2572における球通路2517の前方の部位の装飾を、透過部2572aと複数のドット部2572bとで構成しているため、球通路2517を流通している遊技球Bを、透過部2572aを通して前方から視認させることができる。これにより、球通路2517を遊技球Bが流通していない時には、透過部2572aを通して後方の後装飾部2573の装飾が見えることで前装飾部2572と後装飾部2573とによる良好な装飾を楽しませつつ、球通路2517を遊技球Bが流通している時には、透過部2572aを通して遊技球Bを視認させて遊技球Bが見えなくなることで遊技者に対して不信感や不安感等を与えてしまうことを回避させることができ、遊技球Bによる遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、本実施形態によれば、装飾体2570の後装飾部2573をセンターフレーム2511の後端よりも前方に設けているため、センターフレーム2511に装飾体2570を取付けた状態で、センターフレーム2511の後端を下にして台TAに置いた時に、挿入部2511aの後端面のみが台TAに当接する。従って、センターフレーム2511を、その後端側を下にした状態で台TAに置いて組立作業や分解作業をする際に、センターフレーム2511がガタツクことはなく組立作業等がし易いパチンコ機1を提供することができる。
更に、本実施形態によれば、装飾体2570の後装飾部2573をセンターフレーム2511の後端よりも前方に設けていることから、装飾体2570をセンターフレーム2511の後端よりも後方へ突出させないようにしているため、センターフレーム2511(遊技パネル1100)の後方のスペースを確保し易くすることができる。従って、センターフレーム2511の後方に、大きな装飾体や可動装飾体等を設けることが可能となり、より遊技者を楽しませることが可能なパチンコ機1を構築し易くすることができる。
また、本実施形態によれば、センターフレーム2511に特別図柄を表示するための図柄表示器2518を取付けるようにしているため、センターフレーム2511と一緒に図柄表示器2518を遊技パネル1100に取付けることができ、図柄表示器2518を別途に取付けるようにする場合と比較して、パチンコ機1の組立てにかかる手間を省くことができる。
なお、センターフレーム2511(装飾体2570、装飾体2570A)の装飾は、遊技パネル1100に施される装飾と連携していても良い。
[11-2.第二実施形態のセンター役物]
第二実施形態のセンター役物2500について、主に図98等を参照して詳細に説明する。図98(a)は第二実施形態のセンター役物の要部を枠内から見た説明図であり、(b)は(a)におけるA-A線で切断した断面図であり、(c)は(a)のセンター役物において後端を下にしてセンターフレームを台に置いた状態で示す説明図である。
第二実施形態のセンター役物2500は、詳細な図示は省略するが、第一実施形態のセンター役物2500と同様に、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に取付けられる透明枠状のセンターフレーム2511と、センターフレーム2511の外側から枠の内側へ遊技球Bを夫々誘導可能なワープ通路2512と、センターフレーム2511の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2512を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2513と、を備えている。
また、センター役物2500は、センターフレーム2511に取付けられており所定の装飾が施されている装飾体2580を、更に備えている。
センターフレーム2511は、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112に挿入されると共に開口部1112の内周面に沿うように設けられており前後方向に延びている枠状の挿入部2511aと、挿入部2511aの前端外周から外方へ突出しており遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2511bと、フランジ部2511bよりも前方へ延出しており遊技領域5aを流下する遊技球Bが遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112の内部に流入することを規制する流入規制部2511cと、挿入部2511aの前端内周から突出している平板状のサポート部2511dと、を有している。
センターフレーム2511(挿入部2511a)の後端は、遊技パネル1100(パネルホルダ1120)の後端(後面)よりも前方に位置するように設けられている。なお、センターフレーム2511の後端は、遊技パネル1100の後面よりも後方へ突出していないものであっても良いし、遊技パネル1100の後面よりも後方へ突出しているものであっても良い。
装飾体2580は、前装飾部2581と、後装飾部2582と、後装飾部2582の前面側を覆っている透明な前カバー2583と、後装飾部2582の後側に設けられており側面から入射された光を前方へ照射可能な平板状の拡散レンズ2584と、拡散レンズ2584を後方から覆うように前カバー2583の後側に取付けられている透明な後カバー2585と、拡散レンズ2584の側面に光を照射するLED2586aが実装されているLED基板2586と、を有している。
前装飾部2581は、後装飾部2582よりも前方に設けられている。前装飾部2581は、センターフレーム2511における透明なサポート部2511dの後側に取付けられている。
後装飾部2582は、センターフレーム2511の枠内に延出していると共に、一部がセンターフレーム2511(挿入部2511a)の後端よりも後方へ突出している。
前装飾部2581と後装飾部2582とは、互いに協調している装飾が施されており、正面視において少なくとも一部が重なるように設けられている。図示は省略するが、前装飾部2581の装飾と、後装飾部2582の装飾とは、正面視において互いに重なる部位を境にして、一つの絵柄の該当する部位の絵柄が夫々に施されている。
前装飾部2581及び後装飾部2582は、全体が不透明に形成されている。つまり、前装飾部2581及び後装飾部2582は、不透明部により構成されている。また、前装飾部2581及び後装飾部2582は、透光性を有している。なお、前装飾部2581や後装飾部2582に、装飾の一部に透明な透明部(透過部)を設けるようにしても良い。
前装飾部2581及び後装飾部2582は、透明な樹脂フィルムに、装飾としての絵柄を印刷したものである。本実施形態の前装飾部2581及び後装飾部2582は、フィルム状に形成されている。
LED基板2586は、前装飾部2581の後方に設けられている。これにより、LED基板2586及びLED基板2586に接続されている配線が、前装飾部2581により前方から視認不能に隠されている。LED基板2586は、実装されている複数のLED2586aを発光させることで、後装飾部2582を発光装飾させることができる。
本実施形態の装飾体2580は、センターフレーム2511に取付けた状態では、センターフレーム2511の後端から一部が後方へ突出する。これにより、図98(c)に示すように、センターフレーム2511に装飾体2580を取付けた状態で、センターフレーム2511の後端を下にして台TAに置いた時に、装飾体2580(後装飾部2582)の後端が台TAに当接する(触れる)と共に、センターフレーム2511の後端の一部が台TAに当接する。
本実施形態のセンター役物2500は、詳細は省略するが、装飾体2580の他に、図柄表示器2518、第一振分装置2530、第二振分装置2540、抽選役物2550、等がセンターフレーム2511に取付けられている。図柄表示器2518は、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄や第四図柄等を表示するものである。
また、詳細な図示は省略するが、センターフレーム2511に取付けられている第一振分装置2530の第一振分ソレノイド2534や、第二振分装置2540の第二振分ソレノイド2544等のソレノイドでは、その金属ケースが後端に位置するように取付けられている。これにより、センターフレーム2511(センター役物2500)の後端を下にして台TAに置いた時に、丈夫なソレノイドの金属ケースが台TAに触れることとなり、組立作業等において傷付き難いものとすることができる。この際に、ソレノイドの金属ケースを覆うような樹脂カバーが設けられていても良い。
なお、上記の実施形態において、センターフレーム2511の挿入部2511aを二重の壁状に形成し、その壁同士の間にLED基板2586の配線を通すようにしても良い。この場合、配線として、フレキシブルフラットケーブル(FFC)を使用することが望ましい。
また、上記の実施形態では、装飾体2580を構成している前装飾部2581及び後装飾部2582の装飾として、透明フィルムに絵柄を印刷したものを示したが、これに限定するものではなく、前装飾部2581及び後装飾部2582を立体的に造形されたものとしても良い。或いは、本実施形態に図95に示す装飾体2570の構成を適用しても良い。
本実施形態によれば、遊技盤5の遊技パネル1100に装着される透明なセンターフレーム2511に、一部がセンターフレーム2511の後端よりも後方へ突出している後装飾部2582と、後装飾部2582よりも前方に設けられている前装飾部2581とからなる装飾体2580を設けているため、センターフレーム2511が透明であることで目立ち難くして相対的に装飾体2580を目立たせることができると共に、装飾体2580の前装飾部2581と後装飾部2582とで奥行のある装飾を遊技者に見せることができる。この際に、後装飾部2582と前装飾部2581とに互いに協調している装飾を施していると共に、正面視において夫々の一部が重なるように設けているため、正面(前)から見た時に、前装飾部2581の装飾と後装飾部2582の装飾との境目を判り難くすることが可能となり、前装飾部2581と後装飾部2582とによる大きな装飾を良好な状態で遊技者に見せることができ、後装飾部2582と前装飾部2581とで大きくて奥行きのある装飾効果の高い装飾体2580を構成することができる。従って、センターフレーム2511に装飾効果の高い装飾体2580を設けることができるため、当該装飾体2580により遊技者の関心を強く引き付けさせて飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、装飾体2580を構成している後装飾部2582を、センターフレーム2511の枠内に延出させているため、後装飾部2582によって遊技パネル1100の前面の遊技領域5aを狭めてしまったり遊技領域5aを流下する遊技球Bを見え辛くしてしまったりすることはなく、遊技領域5aにおける遊技球Bによる遊技を良好な状態で遊技者に楽しませることができる。
更に、本実施形態によれば、装飾体2580を構成している後装飾部2582を、センターフレーム2511の枠内に延出させているため、遊技パネル1100の後方に設けられている演出表示装置1600、裏前演出ユニット3300、裏後演出ユニット3400等に対して、演出表示装置1600(表示画面)の周りを装飾したり、裏前演出ユニット3300や裏後演出ユニット3400の装飾体(可動装飾体)と協働してより装飾効果の高い装飾(演出)を見せたり、することができ、遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、装飾体2580の不透明部によりLED基板2586のような電子部品の配線を前方から視認し難くしていることから、不透明部により配線を隠すことができるため、配線が見えることで見栄えの悪化を防止することができ、装飾体2580による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
更に、本実施形態によれば、装飾体2580(前装飾部2581)をLED基板2586の前方に設けるようにしていることから、装飾体2580(装飾)によってLED基板2586を隠すことができるため、LED基板2586が見えることで見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体2580による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
また、本実施形態によれば、センターフレーム2511に特別図柄を表示するための図柄表示器2518を取付けるようにしているため、センターフレーム2511と一緒に図柄表示器2518を遊技パネル1100に取付けることができ、図柄表示器2518を別途に取付けるようにする場合と比較して、パチンコ機1の組立てにかかる手間を省くことができる。
なお、センターフレーム2511(装飾体2580)の装飾は、遊技パネル1100に施される装飾と連携していても良い。
[11-3.第三実施形態のセンター役物]
続いて、第三実施形態のセンター役物2500Aについて、主に図99乃至図102等を参照して詳細に説明する。図99は、第三実施形態のセンター役物が設けられている遊技盤において遊技パネルよりも後側を省略した状態で示す正面図である。図100は、図99のセンター役物と遊技パネルとを分解した状態で前から見た分解斜視図である。図101は、図99のセンター役物を分解して前から見た分解斜視図である。図102(a)~(g)はセンター役物における第一フレームと第二フレームとの間の様々な接合パターンを示す説明図である。なお、以下では、上記のセンター役物2500と同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
第三実施形態のセンター役物2500Aは、図99に示すように、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100の前面に取付けられている。なお、本実施形態の遊技パネル1100は、図100に示すように、一枚の板材により構成されている。
センター役物2500Aは、透明で枠状に形成されているセンターフレーム2700と、センターフレーム2700の外側から枠の内側へ遊技球Bを夫々誘導可能なワープ通路2512と、センターフレーム2700の枠内における下辺部に設けられておりワープ通路2512を流通した遊技球Bを左右方向へ転動させた後に遊技領域5a内へ放出させるステージ2513と、を備えている。詳細は後述するが、枠状のセンターフレーム2700は、枠の周方向へ複数のフレームに分割されている。なお、本実施形態に、図95に示す装飾体2570や図98に示す装飾体2580を設けても良い。また、センターフレーム2700(装飾体2570、装飾体2570A、装飾体2580)の装飾は、遊技パネル1100に施される装飾と連携していても良い。
また、センター役物2500Aは、センターフレーム2700を構成している複数のフレームに対して、隣接しているフレーム同士を連結している連結保持部2710を有している。
更に、センター役物2500Aは、第一始動口2003や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別図柄の抽選結果を表示する図柄表示器2518と、ゲート2010及び第二始動口2004を有している第二始動口ユニット2720と、大入賞口2005を有しているアタッカユニット2730と、役物入賞口2006を有している役物入賞口ユニット2740と、を有している。
[11-3a.センターフレーム]
第三実施形態のセンター役物2500Aにおけるセンターフレーム2700は、遊技パネル1100に形成された開口部1112の縁部に対応して設けられており、遊技領域5aを流下する遊技球Bが開口部1112の内部に流入することを規制する流入規制部2700aと、流入規制部2700aの後端から遊技パネル1100の前面と平行な方向へ延出しているフランジ部2700bと、を有している。
センターフレーム2700の流入規制部2700aは、遊技パネル1100にセンターフレーム2700を取付けた状態で、遊技パネル1100の前面から前方へ突出している。
フランジ部2700bは、センターフレーム2700における周方向の場所に応じて、枠の外側や内側へ平板状に延出している。フランジ部2700bは、センターフレーム2700を遊技パネル1100の前面に取付けた状態で、一部の後面が遊技パネル1100の前面に当接している。
また、センターフレーム2700は、流入規制部2700aの後端から枠内の外側及び内側のうちの少なくとも一方側においてフランジ部2700bが延出していない非フランジ部2700cと、フランジ部2700bよりも後方へ延出しており遊技パネル1100の開口部1112に挿入される挿入部(図示は省略)と、を有している。この非フランジ部2700cの部位では、流入規制部2700aの後面がフランジ部2700bの後面と一致している。挿入部は、センターフレーム2700の全周に対して一部に設けられている。
本実施形態の枠状のセンターフレーム2700は、周方向へ複数に分割されている。詳述すると、センターフレーム2700は、第一フレーム2701、第二フレーム2702、第三フレーム2703、第四フレーム2704、及び、第五フレーム2705、の五つに分割されており、夫々が同じような構成に形成されている。このセンター役物2500Aでは、隣接しているフレーム同士を連結している連結保持部2710を、有している。
第一フレーム2701は、センターフレーム2700の上辺と左辺の上下中間から上側の部分を構成している。第二フレーム2702は、第一フレーム2701の左辺の下端と続くようにセンターフレーム2700の左辺の上下中間から下側と下辺の部分を構成している。第三フレーム2703は、第一フレーム2701の右端と続くようにセンターフレーム2700の右辺の上部を構成している。第四フレーム2704は、第三フレーム2703の下端と続きセンターフレーム2700の右辺の中間部分を構成している。第五フレーム2705は、第四フレーム2704の下端と続くと共に第二フレーム2702の右端と続くようにセンターフレーム2700の下部を構成している。
第二フレーム2702には、ワープ通路2512とステージ2513とが取付けられている。第三フレーム2703には、役物入賞口ユニット2740が取付けられている。第四フレーム2704には、第二始動口ユニット2720が取付けられている。第五フレーム2705には、アタッカユニット2730が取付けられている。
以下では、センターフレーム2700を構成している複数のフレームのうち、代表して第一フレーム2701と第二フレーム2702とについて詳細に説明する。
まず、センターフレーム2700の第一フレーム2701は、透明に形成されている。この第一フレーム2701は、センターフレーム2700(センター役物2500A)において、上辺の部位と、左辺における上下方向の上側の部位と、を構成するように形成されている。
第一フレーム2701は、遊技パネル1100に形成された開口部1112の縁部に対応するように設けられており、遊技領域5aを流下する遊技球Bが開口部1112の内部に流入することを規制する第一流入規制部2701aと、第一流入規制部2701aの後端と接続されており遊技パネル1100の前面に沿うように延出している平板状の第一フランジ部2701bと、第一流入規制部2701aの後端において枠の外側及び内側の少なくとも一方に第一フランジ部2701bが設けられていない第一非フランジ部2701cと、を有している。
第一フレーム2701の第一流入規制部2701aは、上辺における左右方向中央付近から右側が右方へ低くなるように直線状に傾斜しており、その部位の左側が左方へ向かうほど低くなるように多段階に屈曲して左辺へ移行し、左辺の下端が下方へ垂直に延出している。
第一流入規制部2701aの右端付近における枠の内側の部位と、左端下部の下方へ垂直に延出している部位における枠の内側の部位と、には連結保持部2710の一方の端部が着脱可能に取付けられる。
第一フランジ部2701bは、第一流入規制部2701aにおける上辺の右方へ低くなるように直線状に傾斜している部位では枠の外側と内側の両方へ延出するように設けられている。また、第一フランジ部2701bは、第一流入規制部2701aにおける左方へ向かうほど低くなるように多段階に屈曲している部位では、その左端付近を除いて枠の外側へ延出するように設けられており、その左端付近(第一流入規制部2701aの左端下部の下方へ垂直に延出している部位よりも上側の部位)では枠の内側にも延出するように設けられている。
第一フランジ部2701bには、遊技パネル1100に取付けるための取付孔が適宜の位置に設けられている。
第一非フランジ部2701cは、第一流入規制部2701aの右端では枠の内側のみに設けられており、第一流入規制部2701aの左端下部の下方へ垂直に延出している部位では枠の外側と内側の両方に設けられている。
次に、センターフレーム2700の第二フレーム2702は、透明に形成されている。この第二フレーム2702は、センターフレーム2700(センター役物2500A)において、左辺における上下方向の下側の部位と、下辺の部位と、を構成するように形成されている。第二フレーム2702には、ワープ通路2512とステージ2513とが取付けられる。
センターフレーム2700の第二フレーム2702は、遊技パネル1100に形成された開口部1112の縁部に対応するように設けられており、遊技領域5aを流下する遊技球Bが開口部1112の内部に流入することを規制する第二流入規制部2702aと、第二流入規制部2702aの後端と接続されており遊技パネル1100の前面に沿うように延出している平板状の第二フランジ部2702bと、第二流入規制部2702aの後端において枠の外側及び内側の少なくとも一方に第二フランジ部2702bが設けられていない第二非フランジ部2702cと、を有している。
第二フレーム2702の第二流入規制部2702aは、上下に延出している左辺の部位と、下辺の右端の部位と、に左右に分かれて設けられており、それらの部位の間には設けられていない。詳述すると、左側の第二流入規制部2702aは、左辺の上端から左辺に沿って下方へ延出した後に下辺へ移行し、下辺に沿って右端が低くなるように右方(右下)へ短く延出している。また、右側の第二流入規制部2702aは、下辺の右端に沿って上下に延出している。
左側の第二流入規制部2702aの上端における枠の内側の部位と、右側の第二流入規制部2702aにおける右側(右側面)の部位と、には連結保持部2710の一方の端部が着脱可能に取付けられる。
左側の第二流入規制部2702aにはワープ通路2512の入口が設けられており、左右の第二流入規制部2702aの間にはステージ2513が設けられる。
第二フランジ部2702bは、左側の第二流入規制部2702aにおける上下に延出している部位(左辺の部位)では、枠の内側へ延出するように設けられており、左側の第二流入規制部2702aにおける下辺に沿って右下へ延出している部位では、枠の外側と内側の両方へ延出するように設けられている。この第二フランジ部2702bは、下辺では枠の外側へ大きく延出するように設けられており、当該部位により左右に分かれている二つの第二流入規制部2702aを繋いでいる。
第二フランジ部2702bには、遊技パネル1100に取付けるための取付孔が適宜の位置に設けられている。
第二非フランジ部2702cは、左側の第二流入規制部2702aにおける左辺に沿って上下に延出している部位では枠の外側に設けられており、右側の第二流入規制部2702aでは右側(右側面)に設けられている。
この第二フレーム2702は、第二フランジ部2702bよりも後方へ延出しており、遊技パネル1100の開口部1112に挿入される第二挿入部(図示は省略)、を更に有している。第二挿入部は、左右に分かれている二つの第二流入規制部2702aを繋ぐように、第二フランジ部2702bから後方へ突出している。この第二挿入部にステージ2513が取付けられる。
続いて、第一フレーム2701及び第二フレーム2702を例にして、遊技パネル1100へのセンターフレーム2700の取付について説明する。第一フレーム2701及び第二フレーム2702は、第一フランジ部2701b及び第二フランジ部2702bに設けられている取付孔を通して、取付ビスにより遊技パネル1100に取付けられる。
例えば、第一フレーム2701と第二フレーム2702との間では、図99及び図102(a)に示すように、第一フレーム2701の第一流入規制部2701aと第二フレーム2702の第二流入規制部2702aとが隣り合うように遊技パネル1100に取付けられる。
詳述すると、第一フレーム2701の第一流入規制部2701aに対して、第二フレーム2702の第二流入規制部2702aが、上下方向の位置が若干重なるように、右方に位置している状態で、第一フレーム2701及び第二フレーム2702が遊技パネル1100の前面に取付けられる。換言すると、第一非フランジ部2701cが設けられている第一流入規制部2701aの右側面側と、第二非フランジ部2702cが設けられている第二流入規制部2702aの左側面側とが、対面するように取付けられている。これにより、第一非フランジ部2701c及び第二非フランジ部2702cにより、第一流入規制部2701aと第二流入規制部2702aとを可及的に接近させることが可能である。
ところで、第一実施形態のセンター役物2500のように枠状の周方向に対して分割されていないセンターフレーム2511を用いているものでは、設計変更等により遊技パネル1100の前面の遊技領域5aの大きさを変更したい場合、センターフレーム2511を作り直す必要があり、コストが増加する恐れがある。
これに対して、本実施形態のセンターフレーム2700は、枠の周方向へ複数のフレーム(ここでは、第一フレーム2701~第五フレーム2705の五つ)に分割されているため、各フレームを取付ける位置を変更することで遊技領域5aの大きさを自由に変えることができる。
具体的には、例えば、遊技領域5aにおける第二フレーム2702よりも下方の領域を大きくする場合、図102(b)に示すように、図102(a)の状態よりも第二フレーム2702を上方へ移動させた位置に取付ける。これにより、上下方向に対して遊技領域5a(遊技パネル1100の開口部1112)の拡大縮小に対応することができる。
或いは、遊技領域5aにおける第二フレーム2702よりも左方の領域を小さくする場合、図102(c)に示すように、第二フレーム2702の第二流入規制部2702aが、第一フレーム2701の第一流入規制部2701aの左方に位置するように、図102(a)の状態よりも第二フレーム2702を左方へ移動させた位置に取付ける。これにより、左右方向に対して遊技領域5a(遊技パネル1100の開口部1112)の拡大縮小に対応することができる。
更には、図102(d)に示すように、第一フレーム2701の第一流入規制部2701aの下端と、第二フレーム2702の第二流入規制部2702aの上端とを、互いに対向させた状態とし、互いに突き合わせて夫々を遊技パネル1100に取付けるようにしても良い。これにより、図102(a)の状態よりも遊技領域5aにおける第二フレーム2702の左方及び下方の領域を小さくすることができる。また、この場合、第一流入規制部2701aと第二流入規制部2702aとが付き合わされていることで、第一フレーム2701と第二フレーム2702とが一体であるように見せることができる。
また、図102(e)に示すように、第一フレーム2701の第一流入規制部2701aと、第二フレーム2702の第二流入規制部2702aとの間に、隙間Cが形成されるようにしても良い。この際に、隙間Cを遊技球Bの直径よりも小さくすることが望ましい。なお、隙間Cが遊技球Bの直径よりも大きい場合は、隙間Cを遊技球Bが通過しないように、障害釘を植設すれば良い。
更に、図102(f)に示すように、第二フレーム2702の第二流入規制部2702a側の左右両側にも、第二フランジ部2702bが形成されていない第二非フランジ部2702cを設けるようにしても良い。これにより、第一流入規制部2701aの左右両側に第一非フランジ部2701cを設けていると共に、第二流入規制部2702aの左右両側に第二非フランジ部2702cを設けているため、第一流入規制部2701aと第二流入規制部2702aとを左右方向に対して可及的に接近させることができる。従って、第一フレーム2701に対する第二フレーム2702の配置自由度を高めることができ、設計変更等による様々な大きさの遊技領域5aに対応することができる。つまり、上下方向及び左右方向に対して遊技領域5a(遊技パネル1100の開口部1112)の拡大縮小に対応させ易くすることができる。
また、図102(g)に示すように、第一フレーム2701において第一流入規制部2701aの下端まで第一フランジ部2701bを設けるようにしても良い。これにより、第一フランジ部2701bの存在により第一流入規制部2701aの剛性を高めることができるため、第一流入規制部2701aに遊技球Bが当接しても破損し難くすることができる。
このセンターフレーム2700では、隣接しているフレーム同士の間に余裕部が設けられている。余裕部とは、特に符号は付していないが図102に例示するように、隣接しているフレームの端部同士に対して、相対的に移動できるようにしている部位(フレームの端部の周囲の部位)のことである。この余裕部は、遊技パネル1100の開口部1112が左右方向に拡大縮小する可能性がある場合、左右方向に移動可能とする余裕部が少なくとも二か所必要である。同様に、開口部1112が上下方向に拡大縮小する可能性がある場合、上下方向に移動可能とする余裕部が少なくとも二か所必要である。更に、開口部1112が上下左右方向に拡大縮小する可能性がある場合、少なくとも上下方向は二か所、少なくとも左右方向も二か所、移動可能とする余裕部が必要である。
具体的には、第二フレーム2702の両端、つまり、第一フレーム2701と第二フレーム2702との間と、第二フレーム2702と第五フレーム2705と、の間の二か所に上下方向への余裕部が設けられている(図99乃至図101を参照)。また、第三フレーム2703の両端、つまり、第一フレーム2701と第三フレーム2703との間と、第三フレーム2703と第四フレーム2704と、の間の二か所に左右方向への余裕部が設けられている。なお、上下方向の余裕部については図102に示しているが、左右方向の余裕部についても同様である。
ところで、左右方向の余裕部として、例えば、第一フレーム2701と第三フレーム2703との間の部位では、第一フレーム2701の第一流入規制部2701aにおける左右に延出している部位の上面を遊技球Bが転動するため、第一フレーム2701が左方へ移動して取付けられると、第一フレーム2701と第三フレーム2703との間に隙間が形成され、その隙間により遊技球Bの流れが阻害されてしまう恐れがある。このような場合には、余裕部の部位にスペーサを設けたり障害釘を列設したりして、遊技球Bの流れを阻害しないようする。このようなことから、遊技領域5a(遊技パネル1100の開口部1112)を上下方向へ拡大するよりも左右方向へ拡大する方が、遊技球Bの流れ等の理由で難易度が高い。
このように、本実施形態によれば、センター役物2500Aにおける枠状のセンターフレーム2700を、枠の周方向へ第一フレーム2701や第二フレーム2702等のように複数のフレームに分割しているため、設計変更等により遊技領域5aの大きさを変更したい時に、分割されている第一フレーム2701や第二フレーム2702等のフレームの取付位置を変更することで、センターフレーム2700全体を作り直さなくても簡単に対応することができ、設計自由度の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、センター役物2500Aにおけるセンターフレーム2700を、第一フレーム2701や第二フレーム2702等のように複数のフレームに分割しているため、センター役物2500Aのデザインを部分的に変更する場合、変更する部位に該当するフレームのみを変更することで、センター役物2500Aを所望のデザインに簡単に変更することができ、機種変更にかかるコストを抑制させることができると共に、機種変更に対して容易に対応可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、枠状のセンターフレーム2700を、枠の周方向へ第一フレーム2701や第二フレーム2702等のように複数のフレームに分割していることから、遊技パネルに対する各フレームの取付位置を変更することで、センターフレーム2700全体を作り直さなくても遊技領域5aの大きさを簡単に変更することができるため、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
また、本実施形態によれば、センター役物2500Aにおける枠状のセンターフレーム2700を、枠の周方向へ第一フレーム2701や第二フレーム2702等のように複数のフレームに分割しているため、センター役物2500Aに設けられている図柄表示器2518、第二始動口ユニット2720、アタッカユニット2730、等において不具合が発生した時に、センターフレーム2700全体を遊技パネル1100から取外さなくても、不具合が発生したユニットが設けられているフレームのみを取外せば良く、メンテナンス作業にかかる手間を容易なものとすることができる。
[11-3b.連結保持部]
連結保持部2710は、枠の周方向へ第一フレーム2701や第二フレーム2702等のように複数のフレームに分割されているセンターフレーム2700の各フレームにおいて、互いに隣接しているフレーム同士を連結するものである。
ところで、本実施形態のセンターフレーム2700では、上記のように、枠の周方向に対して複数のフレームに分割する構成としていることから、組立てやメンテナンス等における脱着作業の時に、一部のフレームが落下して破損してしまう恐れがある。これに対して、本実施形態では、隣接しているフレーム同士を連結する連結保持部2710を設けるようにしている。連結保持部2710は、図99乃至図101に示すように、可撓性を有する線状(紐状)の部材に形成されている。この連結保持部2710の長さは、例えば、遊技盤5を立てた状態でセンターフレーム2700を外した時に、遊技盤5の下端までいかない程度の長さが落下保護の観点から望ましい。
本実施形態の連結保持部2710は、装飾性を有する球鎖を使用している。これにより、連結保持部2710が見えても、装飾性を有していることで装飾を兼ねることが可能となるため、遊技盤5全体の見栄えが悪くなることはない。
連結保持部2710は、例えば、第一フレーム2701と第二フレーム2702との間では、一方の端部が第一フレーム2701の第一流入規制部2701aに対して着脱可能に取付けられており、他方の端部が第二フレーム2702の第二流入規制部2702aに対して着脱可能に取付けられている。この連結保持部2710の取付けは、他のフレーム同士の間でも同様である。
図99乃至図101では、第一フレーム2701と第二フレーム2702との間、第一フレーム2701と第三フレーム2703との間、及び、第二フレーム2702と第五フレーム2705との間、を連結保持部2710により連結しているものを示しているが、第三フレーム2703と第四フレーム2704との間、第四フレーム2704と第五フレーム2705との間、も同様の連結保持部2710により連結されている。
この連結保持部2710によれば、センターフレーム2700を構成している第一フレーム2701や第二フレーム2702等の複数のフレームにおいて、隣接しているフレーム同士を連結しているため、着脱作業の時に一つのフレームを取外しても、取外したフレームが作業台や床等に落下することはなく、落下によるフレームの破損を防止することができる。
なお、上記の実施形態では、連結保持部2710として、装飾を兼ねたものを示したが、これに限定するものではなく、装飾を兼ねていないものとしても良い。この場合は、連結保持部2710を、センターフレーム2700や装飾体等に隠れて前方から視認し難い部位に設けることが望ましい。
また、上記の実施形態では、連結保持部2710が遊技者から見えるようにしたものを示したが、これに限定するものではなく、通常状態では遊技者から全く見えないようにしても良い。換言すると、連結保持部2710をセンターフレーム2700における遊技者から見えない部位に設けると、遊技中等の通常状態において遊技者の目に触れることはない。
また、上記の実施形態では、全ての隣接しているフレーム同士を連結保持部2710により連結しているものを示したが、これに限定するものではなく、メンテナンス等において遊技パネル1100から取外す必要のないフレームについては連結保持部2710により隣接するフレームに連結していなくても良い。例えば、第一フレーム2701及び第二フレーム2702には可動物もないためメンテナンスの必要はなく、重量も軽いので落下したとしても破損の恐れもないことから連結させる必要はない。逆に、第三フレーム2703~第五フレーム2705には可動物を持ち重量も重いので連結の必要が高まる。従って、第一フレーム2701及び第二フレーム2702は連結させないことにより簡略化し、第三フレーム2703~第五フレーム2705は、他のフレームではなく、遊技盤5(遊技パネル1100)の裏の他の丈夫な部材と着脱可能に連結するのが望ましい。
更に、上記の実施形態に対して、連結保持部2710を複数(本)設けても良い。この場合、製造時やメンテナンス中等において、障害釘等に連結保持部2710が絡まって障害釘を曲げてしまわないために、複数の連結保持部2710を束ねることが望ましい。
また、連結保持部2710を複数設け、それらが遊技盤5(遊技パネル1100)の裏の複数の場所に連結されると、センターフレーム2700を遊技パネル1100に取付けている取付ビスを取外した状態でセンターフレーム2700(各フレーム)の姿勢を維持することが可能になる。このため製造時やメンテナンス時に、センターフレーム2700を支える必要がなく作業性が向上する。
このように、本実施形態によれば、センターフレーム2700を、枠の周方向へ第一フレーム2701や第二フレーム2702等のように複数のフレームに分割した上で、互いに隣接しているフレーム同士を連結保持部2710により連結するようにしているため、組立てやメンテナンス等における着脱作業の時に、遊技パネル1100に取付けている取付ビスを取外すことで、一部のフレームが遊技パネル1100から外れて落下しようとしても、可撓性を有する紐状の連結保持部2710により他のフレームと繋がれていることで、連結保持部2710が命綱のように作用して外れたフレームがぶら下がった状態となる。これにより、外れたフレームが、作業台や床等に落下することはなく、当該フレームが破損することはない。
また、本実施形態によれば、連結保持部2710を第一流入規制部2701aや第二流入規制部2702a等に対して着脱可能に取付けているため、連結保持部2710の取付部分を第一流入規制部2701a等から取外すことで、第一フレーム2701等を単体で遊技パネル1100から取外すことができる。
更に、本実施形態によれば、可撓性を有する紐状の連結保持部2710により隣接しているフレーム同士を連結しているため、設計変更等により、例えば、第一フレーム2701に対して第二フレーム2702の位置を変更しても、連結保持部2710が変形して追従することで位置の変更に対応することができ、設計自由度の高いパチンコ機1を提供することができる。
なお、連結保持部2710として、例えば、図102(a)に示すように、第一フレーム2701の第一流入規制部2701aと、第二フレーム2702の第二流入規制部2702aとの間に、隙間Cが形成されるように第一フレーム2701と第二フレーム2702を遊技パネル1100に取付ける場合、第一流入規制部2701aと第二流入規制部2702aとを連結している(繋いでいる)連結保持部2710に、隙間Cを遊技球Bが通過しないようにする規制部としての機能を持たせるようにしても良い。
[12.遊技盤におけるサイドユニットの詳細]
次に、上記の遊技盤5に設けられているサイドユニット2200の詳細について説明する。サイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001と、遊技球Bを常時受入可能に開口している一つのサブアウト口2021と、を備えている。
サイドユニット2200は、詳細に図示は省略するが、一般入賞口2001やサブアウト口2021を形成し断面がU字状で前後方向へ短く延出していると共に上方及び後方へ開放されており左右方向へ列設されている複数の球受部と、球受部と同じ長さで前後方向へ短く枠状に延出しており正面視右端の球受部の右方に設けられている棚部2201と、複数の球受部及び棚部の夫々の前端同士を繋いでいる平板状の前板と、正面視左端の球受部及び棚部2201の夫々の後端から夫々左右方向外方へ平板状に延出しているフランジ部と、各球受部の夫々の後端から樋状に後方へ延出している樋部と、を有している。
また、サイドユニット2200は、フランジ部から後方へ突出している二つの位置決突起と、フランジ部を貫通している二つの取付孔と、を有している。位置決突起は、遊技パネル1100におけるパネル板1110の位置決孔1113(図104を参照)に挿入されることでパネル板1110に対してサイドユニット2200を位置決めするためのものである。取付孔は、フランジ部をパネル板1110の前面に当接させた状態で、前方から取付ビスを挿通させてパネル板1110の取付孔1114(図104を参照)にねじ込んで締め付けることで、サイドユニット2200をパネル板1110の前面に取付けるためのものである。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、複数の球受部、つまり、三つの一般入賞口2001と一つのサブアウト口2021とが、遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。また、球受部から後方へ延出している樋部は、その後端が遊技パネル1100におけるパネル板1110の板厚内に位置しており、パネル板1110の後面よりも後方へ突出していない。
このサイドユニット2200は、一般入賞口2001(球受部)に受入れられた遊技球Bを、樋部により遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡す。そして、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された上で下方へ排出される。一方、サブアウト口2021に受入れられた遊技球Bは、上記と同様に、裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡され、下方の循環球経路ユニット600のセーフ球受口600bへ排出される。
このサイドユニット2200は、断面がU字状の複数の球受部の夫々の前端と、断面が枠状の棚部2201の前端とを、平板状の前板により繋いでいるため、平板状の台板から複数の球受部が前方へ突出しているような従来のサイドユニットと比較して、剛性が高くなっている。従って、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2200をパネル板1110に取付けている取付ビスを取外してサイドユニット2200を前方へ引っ張った時に、サイドユニット2200の剛性が高められていることでサイドユニット2200が撓むことはない。これにより、パネル板1110の位置決孔1113に対してサイドユニット2200の位置決突起が傾くことはなく、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2200を簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、サイドユニット2200は、棚部2201の前端において前板の一部が、棚部2201よりも上方へ突出しているため、パチンコ機1の分解作業において、作業者の指を棚部から突出している部位に引っ掛けることで、サイドユニット2200を容易に前方へ引っ張ることができ、分解作業の作業性が良い。
また、サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態では、平板状の台板により開口部1112を前方から塞いでいるため、パネル板1110の後側から塵や埃等の異物が開口部1112を通してパネル板1110の前面側の遊技領域5aに侵入するのを防止することができる。
[12-1.第二実施形態のサイドユニット]
次に、第二実施形態のサイドユニット2800について、主に図103乃至図105等を参照して詳細に説明する。図103(a)は第二実施形態のサイドユニットが設けられている遊技盤の要部を示す正面図であり、(b)は(a)を前から見た斜視図である。図104(a)は図103の遊技盤において遊技パネルからサイドユニットを分解して示す分解斜視図であり、(b)は(a)のサイドユニットを分解して前から示す分解斜視図であり、(c)は(b)を後ろから見たサイドユニットの分解斜視図であり、(d)は遊技パネルとサイドユニットとの関係を縦断面で示す説明図である。図105は、図104のサイドユニットと遊技パネルとの関係を横断面で示す説明図である。
本実施形態のサイドユニット2800が設けられている遊技盤5において、図78に示す遊技盤5と同じ構成の部位については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
第二実施形態のサイドユニット2800は、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2800は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を備えている。
サイドユニット2800は、図104等に示すように、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられる第一構成部材2811と、第一構成部材2811に後側から取付けられる第二構成部材2812と、から構成されている。本実施形態のサイドユニット2800は、第一構成部材2811の後側に第二構成部材2812が取付けられている。
サイドユニット2800の第一構成部材2811は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に当接可能な平板状の台板2811aと、台板2811aから前方へ突出していると共に上方及び後方が解放されており一般入賞口2001を形成している複数の球受部2811bと、を有している。
台板2811aは、前構成部材1000の内レール1002に沿うように延出している。三つの球受部2811bは、互いが左右に離隔して設けられていると共に、右方の球受部2811bほど下方へ位置するように設けられている。左端の球受部2811bは、前端面が下端まで台板2811aと平行に形成されている。残り(中央と右端)の球受部2811bは、前端面が下端へ向かうほど後方へ移動するように傾斜している。
また、第一構成部材2811は、台板2811aから後方へ突出している二つの位置決突起2811cと、台板2811aを貫通しており遊技パネル1100に取付けるための複数(ここでは三つ)の取付孔2811dと、球受部2811b(台板2811a)の後端面に設けられており第二構成部材2812を取付けるための複数の被取付孔(図示は省略)と、を有している。
二つの位置決突起2811cは、台板2811aの長手方向へ離隔して設けられている。位置決突起2811cは、遊技パネル1100のパネル板1110に設けられている位置決孔1113に挿入される。本実施形態では、二つの位置決突起2811cは同じ長さである。
三つの取付孔2811dは、台板2811aにおける位置決突起2811cの近傍と、台板2811aの左右方向中央付近の上部と、に設けられている。これら取付孔2811dは、前側に皿ザグリが形成されており、パネル板1110の取付孔1114にねじ込まれる皿頭の取付ビス(図示は省略)が前方から挿通される。パネル板1110の前面に取付けた状態では、取付ビスの頭部が台板2811aの前面よりも前方へ突出することはない。
被取付孔は、後述する第二構成部材2812の取付孔(図示は省略)に挿通された取付ビスがねじ込まれるものである。
第二構成部材2812は、前方へ開放された容器状に形成されており、一般入賞口2001(球受部2811b)に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100(パネル板1110)の面(板面)に沿って流下させる球通路2812aと、球通路2812aの下流端において後方へ向かって開口している通路出口2812bと、第一構成部材2811に取付けられるための複数の取付孔(図示は省略)と、を有している。
本実施形態の第二構成部材2812は、図104(d)及び図105に示すように、遊技パネル1100のパネル板1110の開口部1112内に挿入されると共に、奥行きがパネル板1110の板厚内に収まるように形成されている。なお、図104(d)は、左右方向中央の球受部2811bの部位で切断したものである。
第二構成部材2812の球通路2812aは、前構成部材1000の内レール1002に沿うと共に、パネル板1110の面に沿って右方へ向かうほど低くなるように形成されている。通路出口2812bは、球通路2812aの下流端である第二構成部材2812の右端において後方へ向かって開口している。
第二構成部材2812の取付孔は、第一構成部材2811の被取付孔と対応する部位に設けられている。第二構成部材2812の取付孔に対して、取付ビスを後方から挿通させて第一構成部材2811の被取付孔にねじ込むことにより、第一構成部材2811に後側から第二構成部材2812が取付けられる。
本実施形態のサイドユニット2800は、図105に示すように、一般入賞口2001(球受部2811b)と連通している支流部2801(図105において薄い網掛けで示す部位)と、支流部2801と合流しており遊技パネル1100におけるパネル板1110の面(板面)に沿って延出している本流部2802(図105において濃い網掛けで示す部位)と、を有している。球通路2812aは、複数の支流部2801と、本流部2802と、で構成されている。
支流部2801は、パネル板1110の前面よりも前方の部位から、パネル板1110の前面よりも後方で本流部2802の上方の(パネル板1110の板厚の)部位まで、後方へ延出している。
本流部2802は、遊技パネル1100のパネル板1110の板面に沿うと共に、右方へ低くなるように台板2811aの左端付近から右端付近まで延出している。本流部2802の長さは、遊技球Bの直径の2倍以上(本実施形態では、8~10倍)である。
本実施形態のサイドユニット2800は、第一構成部材2811の後方に第二構成部材2812を位置させ、第二構成部材2812の後方から取付ビスを第二構成部材2812の取付孔を通して第一構成部材2811の被取付孔にねじ込むことで、組立てられる。これにより、第一構成部材2811に後側から第二構成部材2812が取付けられたサイドユニット2800が構築される。
第二構成部材2812の球通路2812aは、図示するように、前方へ開放されているが、サイドユニット2800に構築するために、前側に第一構成部材2811が取付けられると、球通路2812aの前端側が第一構成部材2811の台板2811aにより閉鎖された状態となり、球通路2812aから遊技球Bが前方へ零れることはない。つまり、第一構成部材2811と第二構成部材2812とで球通路2812aを構成しておいる。換言すると、第一構成部材2811と第二構成部材2812との間に球通路2812aが設けられている。
このサイドユニット2800は、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前方から、第一構成部材2811の台板2811aがパネル板1110を貫通している開口部1112を閉鎖するように、台板2811aをパネル板1110の前面に当接させる。この際に、第一構成部材2811の二つの位置決突起2811cを、パネル板1110の位置決孔1113に挿入させる。この状態では、第一構成部材2811の取付孔2811dが、パネル板1110の取付孔1114と一致している。
そして、前方から第一構成部材2811の取付孔2811dを通して取付ビスをパネル板1110の取付孔1114にねじ込んで締め付けることにより、サイドユニット2800がパネル板1110の前面に取付けられる。この際に、第一構成部材2811の取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けているため、取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100におけるパネル板1110の取付孔1114にねじ込むことで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けて位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
サイドユニット2800をパネル板1110の前面に取付けた状態(遊技盤5を組立てた状態)では、第二構成部材2812がパネル板1110の開口部1112内でパネル板1110の板厚内に位置しており、パネル板1110の後面よりも前方に位置している。換言すると、遊技盤5に組立てた状態では、サイドユニット2800がパネル板1110の後面よりも後方へ突出しておらず、パネル板1110の後方のスペースを広く確保することが可能である。
本実施形態では、サイドユニット2800及びパネル板1110が透明な合成樹脂により形成されており、サイドユニット2800等を通して前方からパネル板1110の後方に設けられている演出ユニットの装飾を視認することができる。ここでは、サイドユニット2800の後方に、遊技の進行に応じて昇降可能な裏下可動装飾体3510を有する裏下演出ユニット3500が設けられている。この裏下可動装飾体3510は、全体のほとんどがセンター役物2500の枠内よりも下方に位置している待機位置と、待機位置から上昇してセンター役物2500の枠内に位置している出願位置と、の間で昇降可能に設けられている。そして、裏下可動装飾体3510が下降した待機位置の状態では、透明なサイドユニット2800及びパネル板1110を通して、前方から視認することができる。
サイドユニット2800では、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001を形成している球受部2811bによりパネル板1110の前面よりも後方の球通路2812aへ誘導され、球通路2812aによりパネル板1110の面に沿って流下した後に、通路出口2812bから後方に設けられている裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡される。裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された後に、下方へ排出される。
本実施形態では、詳細な図示は省略するが、第二構成部材2812の通路出口2812bが、待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。つまり、一般入賞口2001(球受部2811b)に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001が待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。従って、サイドユニット2800や一般入賞口センサ3001等が裏下可動装飾体3510の邪魔になることはない。
また、本実施形態では、サイドユニット2800には、一般入賞口センサ3001は設けず、裏ユニット3000(裏球誘導ユニット3100)に一般入賞口センサ3001を設けている。つまり、サイドユニット2800を無配線構造にしている。このように、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前側から取付けられる各種ユニットに対して、配線をともなう球センサや磁気センサ等の各種センサのような電子部品を、裏ユニット3000に設けることで、パネル板1110に取付けている取付ビスを取外して当該ユニットを前方へ引っ張った時に、パネル板1110の開口部1112を通して当該ユニットが配線で繋がれた状態となることで、配線を切断したりコネクタから抜いたりする必要はなく、配線を気にすることなく当該ユニットをパネル板1110から前方へ取外すことができ、分解作業を効率良く行うことができる。
本実施形態のサイドユニット2800によれば、第一構成部材2811に平板状の台板2811aを設けているため、台板2811aを貫通している取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100におけるパネル板1110の取付孔1114にねじ込んで第一構成部材2811をパネル板1110の前面に取付けることで、台板2811aによりパネル板1110の開口部1112を前側から塞ぐことができ、前側(遊技者側)から開口部1112を通してパネル板1110(遊技パネル1100)の後方を隠すことが可能となり、パチンコ機1(遊技盤5)の見栄えを良くすることができる。一方、第二構成部材2812に、パネル板1110の面に沿って遊技球Bを流下させる球通路2812aを設けていることから、当該球通路2812aの部位の断面がコ字状となっているため、球通路2812aの存在により第二構成部材2812の剛性を高めることができる。そして、台板2811aを平板状としていることから第一構成部材2811の剛性が低くなることがあるが、球通路2812aにより剛性が高められている第二構成部材2812を、その取付孔を介して取付ビスにより第一構成部材2811の後側から取付けてサイドユニット2800を形成しているため、サイドユニット2800の剛性を従来のサイドユニットよりも高めることができる。従って、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、第一構成部材2811の取付孔2811dを介して遊技パネル1100のパネル板1110にねじ込まれている取付ビスを取外してサイドユニット2800を前方へ引っ張った時に、サイドユニット2800の剛性が高められていることでサイドユニット2800が撓むことはないため、パネル板1110の位置決孔1113に対してサイドユニット2800(第一構成部材2811)の位置決突起2811cが傾くことはなく、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2800を簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
ところで、第一構成部材2811における二つの位置決突起2811cを、第一構成部材2811の長手方向へ離隔するように設けているため、分解作業の際に第一構成部材2811を前方へ引っ張ると、第一構成部材2811の中央が前方へ移動するように湾曲状に撓むこととなり、その撓みにより長手方向へ離隔している位置決突起2811cの先端同士が互いに接近するように夫々の位置決突起2811cが傾こうとする力が作用し、遊技パネル1100におけるパネル板1110の位置決孔1113から位置決突起2811cが抜けなくなる恐れがある。しかしながら、本実施形態では、上述したように、第一構成部材2811の後側から第二構成部材2812を取付けてサイドユニット2800を形成しており、当該サイドユニット2800の剛性が高められているため、サイドユニット2800を前方へ引っ張っても、サイドユニット2800が撓んで長手方向へ離隔している位置決突起2811cが傾くことはなく、遊技パネル1100のパネル板1110からサイドユニット2800を簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、複数の球受部2811bを遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面よりも前方へ突出させているため、パチンコ機1の分解作業において、パネル板1110から取外すためにサイドユニット2800を前方へ引っ張る際に、球受部2811bを摘まんで引っ張ることができ、サイドユニット2800の取外作業をし易くすることができる。
また、第一構成部材2811の台板2811aにより、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112を前方から塞いでいるため、パネル板1110の後側から塵や埃等の異物が開口部1112を通してパネル板1110の前面側の遊技領域5aに侵入するのを防止することができる。
また、第二構成部材2812を、図示しない取付孔を介して取付ビスにより第一構成部材2811の後側から取付けているため、前方から第二構成部材2812を取付けている取付ビスを見え難くすることができ、パチンコ機1(遊技盤5)の見栄えを良くすることができる。
また、第一構成部材2811と第二構成部材2812との間に球受部2811b(一般入賞口2001)に入球した遊技球Bを遊技パネル1100におけるパネル板1110の面に沿って流下させる球通路2812aを、パネル板1110の開口部1112内に突出するように設けているため、従来のサイドユニットのように一般入賞口2001に入球した遊技球Bを遊技パネル1100の後面よりも後方へ誘導し遊技パネル1100の後面よりも後方において球通路を設けて下方へ流下させる場合と比較して、遊技パネル1100(パネル板1110)の板厚を有効利用することができ、パネル板1110の後方の空スペースを確保し易くすることができる。従って、当該空スペースに裏下演出ユニット3500(裏下可動装飾体3510)のような演出装置を設けることが可能となり、より遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、第一構成部材2811における二つの位置決突起2811cを、第一構成部材2811の長手方向へ離隔するように設けているため、サイドユニット2800を遊技パネル1100のパネル板1110に取付けた時に、サイドユニット2800がパネル板1110の面に沿って回転することはなく、サイドユニット2800を遊技パネル1100の所望の位置に確実に位置決めすることができる。
なお、上記の実施形態では、遊技パネル1100として透明樹脂製のパネル板1110を備えているものを示したが、これに限定するものではなく、木製の遊技パネル1100としても良い。これにより、遊技パネル1100を木製とすることで、樹脂製のものと比較して板厚が厚くなるため、遊技パネル1100の板厚内をより有効利用し易くすることができる。
また、上記のサイドユニット2800では、夫々の球受部2812cと連通している複数の支流部2801と、複数の支流部2801が合流する本流部2802と、から構成されている球通路2812aを、有しているものを示したが、これに限定するものではなく、各球受部2811bごとに球通路2812aが独立しているものとしても良い。
更に、上記のサイドユニット2800では、球受部2811bに受入れられた遊技球Bを検知する球センサを設けていないものを示したが、これに限定するものではなく、球センサを備えるようにしても良い。サイドユニット2800に球センサを備える場合は、球センサをパネル板1110の板厚内に設けたり、球センサを後方の演出装置(裏下演出ユニット3500)よりも下方に設けたり、することが望ましい。
また、上記のサイドユニット2800では、後側にLED基板を設けていないものを示したが、これに限定するものではなく、発光装飾させるためのLEDを備えるようにしても良い。サイドユニット2800にLED基板を備える場合、LED基板を後方から覆うと共に前端面がサイドユニット2800(第二構成部材2812)の後面に当接するユニットカバーを設けると共に、ユニットカバーとサイドユニットとが互いに接触する接触面部に、互いに接触していない非接触面部を設けることが望ましい。これにより、LED基板のLEDによりサイドユニット2800を発光装飾させることができると共に、非接触面部を通してLEDからの熱を外部へ放熱させることができる。
[12-2.サイドユニットの変形例]
続いて、上記実施形態のサイドユニット2800の様々な変形例について、詳細に説明する。
[12-2a.サイドユニットの変形例1]
次に、上記の図103等に示すサイドユニット2800とは異なる形態のサイドユニット2800Aについて、主に図106等を参照して説明する。図106は、図103のサイドユニットとは異なる形態のサイドユニットを遊技パネルと共に縦断面で示す説明図である。ここでは、上記のサイドユニット2800と同じ構成については同じ符号を付して説明する。
サイドユニット2800Aは、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技球Bを常時受入可能に開口している複数(2つ~4つ)の一般入賞口2001を備えている。
サイドユニット2800Aは、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられる第一構成部材2811と、第一構成部材2811の後側に設けられている第二構成部材2813と、から構成されている。
サイドユニット2800Aの第一構成部材2811は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に当接可能な平板状の台板2811aと、台板2811aから前方へ突出していると共に上方及び後方が解放されており一般入賞口2001を形成している複数の球受部2811bと、を有している。また、第一構成部材2811は、台板2811aから後方へ突出している複数の位置決突起2811cと、台板2811aを貫通しており遊技パネル1100に取付けるための複数の取付孔2811dと、を有している(図104を参照)。
台板2811aは、前構成部材1000の内レール1002に沿うように延出している。複数の位置決突起2811cは、台板2811aの長手方向へ離隔して設けられている。位置決突起2811cは、遊技パネル1100のパネル板1110に設けられている位置決孔1113に挿入される。本実施形態では、各位置決突起2811cは同じ長さである。複数の取付孔2811dは、台板2811aにおける位置決突起2811cの近傍と、台板2811aの左右方向中央付近の上部と、に設けられている。これら取付孔2811dは、前側に皿ザグリが形成されており、パネル板1110の取付孔1114にねじ込まれる皿頭の取付ビス(図示は省略)が前方から挿通される。パネル板1110の前面に取付けた状態では、取付ビスの頭部が台板2811aの前面よりも前方へ突出することはない。
なお、本実施形態では、第一構成部材2811における台板2811aの前面と球受部2811bの前面に、透光性を有する装飾シール2803が貼り付けられている。
サイドユニット2800Aの第二構成部材2813は、第一構成部材2811の球受部2811b(一般入賞口2001)入球口に入球した遊技球Bが、遊技パネル1100におけるパネル板1110の板厚内にかかるようにパネル板1110を貫通している開口部1112内においてパネル板1110の板面に沿って流下可能な球通路2813aと、球通路2813aを流通している遊技球Bを検知する球センサ2813bと、を有している。
第二構成部材2813は、一つの部材により構成されていても良いし、複数の部材を組み合わせて構成されていても良い。
この球通路2813aは、図示するように、開口部1112の下端付近に置いて後方へ屈曲した後に、パネル板1110の後面に沿うように下方へ屈曲して、下流端が開口部1112よりも下方へ延出している。換言すると、球通路2813aは、後方に設けられている裏下演出ユニット3500(裏下可動装飾体3510)よりも下方の部位で、後方へ屈曲している。これにより、裏下演出ユニット3500の配置スペースを十分に確保することができ、裏下可動装飾体3510の可動範囲(昇降範囲)を広くしたり、裏下可動装飾体3510を大きくしたりすることができる。
球センサ2813bは、球通路2813aにおけるパネル板1110の後面に沿って延出している部位に設けられている。つまり、球センサ2813bは、球通路2813aにおける後方に設けられている裏下演出ユニット3500(裏下可動装飾体3510)よりも下方の部位に設けられており、裏下可動装飾体3510の妨げになることはない。
サイドユニット2800Aの第一構成部材2811は、遊技パネル1100のパネル板1110の前方から、台板2811aがパネル板1110における対応する開口部1112を閉鎖するように、台板2811aをパネル板1110の前面に当接させていると共に、台板2811aから後方へ突出している複数の位置決突起2811cをパネル板1110の位置決孔1113に挿入させている状態で、取付孔2811dを介して取付ビスをパネル板1110の取付孔1114にねじ込んで締め付けることにより、パネル板1110の前面に取付けられる。
一方、サイドユニット2800Aの第二構成部材2813は、裏ユニット3000の裏箱3010に取付けられる。第二構成部材2813を裏ユニット3000に取付けた状態では、図示は省略するが、球通路2813aの一部(パネル板1110の開口部1112内に収容される部位)が、裏箱3010よりも前方へ突出している。
そして、遊技パネル1100の後側に裏ユニット3000を取付けると、第二構成部材2813における裏箱3010よりも前方へ突出している部位が、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112内に後方から挿入された状態となり、当該部位が第一構成部材2811の後側に位置してサイドユニット2800Aが構築される。
このサイドユニット2800Aは、遊技盤5に組立てた状態で、第二構成部材2813の球通路2813aにおけるパネル板1110の開口部1112内にかかっている部位の後面が、パネル板1110の後面から後方へ突出している。この突出量TLは、遊技球Bの直径Dの1/2以下としている。
ところで、遊技パネル1100を射出成形により形成する場合、障害釘が植設される遊技領域5aの部位の厚さが、遊技パネル1100(パネル板1110)を木製の合板としたり樹脂板を切削加工したりする場合よりも薄くなり易いため、第二構成部材2813の球通路2813aにおけるパネル板1110の面と沿っている部位が、パネル板1110の板厚内に収まり切れずに、パネル板1110の後面よりも後方へ突出してしまう恐れがある。そして、第二構成部材2813におけるパネル板1110の後面よりも後方への突出量が大きいと、後方のスペースを十分に確保することができなくなる。これに対して、本実施形態では、第二構成部材2813における球通路2813aの部位のパネル板1110の後面からの突出量TLを、遊技球Bの直径Dの1/2以下としているため、後方のスペースを十分に確保することができ、所望の大きさの裏下演出ユニット3500(裏下可動装飾体3510)を設けることができる。
サイドユニット2800Aでは、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001を形成している第一構成部材2811の球受部2811bによりパネル板1110の前面よりも後方の球通路2813aへ誘導され、第二構成部材2813の球通路2813aに受け渡される。そして、第二構成部材2813の球通路2813aに受け渡された遊技球Bは、まず、パネル板1110の板厚内にかかるようにパネル板1110の面に沿って流下し、開口部1112の下端付近において、パネル板1110の後面よりも後方へ流通した上で、パネル板1110の後面に沿って下方へ流下する。その後、遊技球Bは、球センサ2813bにより検知された後に、図示しない出口から下方へ排出される。
本実施形態のサイドユニット2800Aによれば、上記のサイドユニット2800と同様の作用効果を奏することができる。
また、サイドユニット2800Aによれば、球センサ2813bが設けられている第二構成部材2813を、遊技パネル1100(パネル板1110)の後方に設けられている裏ユニット3000に取付けているため、パネル板1110に取付けられる第一構成部材2811には球センサ2813bを設けていない。従って、球センサ2813bのような電子部品を裏ユニット3000に纏めるようにしており、遊技パネル1100側から球センサ2813bからの配線を延出させていないため、遊技盤5の製造において、遊技パネル1100と裏ユニット3000とを組立てる際に、球センサ2813bからの配線が障害釘等に引っ掛かることはなく、引っ掛かりによる配線の切断を回避させることができると共に、組立作業の作業性を向上させることができる。
また、サイドユニット2800Aによれば、遊技盤5に組立てることで、第一構成部材2811の台板2811aにより、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112を前方から塞いでいるため、パネル板1110の後側から塵や埃等の異物が開口部1112を通してパネル板1110の前面側の遊技領域5aに侵入するのを防止することができる。
なお、サイドユニット2800Aは、各球受部2811bごとに独立した球通路2813aを設けるようにしても良いし、サイドユニット2800の球通路2812aと同様に、球受部2811bの下流に一つの球通路2813aを設けて、各球受部2811bに入球した遊技球Bを合流させるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Aでは、第二構成部材2813を裏ユニット3000に取付けるものを示したが、これに限定するものではなく、第二構成部材2813を第一構成部材2811の後側に取付けられるものとしても良い。
また、上記の実施形態では、遊技パネル1100として透明樹脂製のパネル板1110を備えているものを示したが、これに限定するものではなく、木製の遊技パネル1100としても良い。これにより、遊技パネル1100を木製とすることで、樹脂製のものと比較して板厚が厚くなるため、遊技パネル1100の板厚内をより有効利用し易くすることができる。
[12-2b.サイドユニットの変形例2]
次に、上記のサイドユニット2800やサイドユニット2800Aとは異なる形態のサイドユニット2800Bについて、主に図107を参照して説明する。図107(a)は図105に示すサイドユニットとは異なる形態のサイドユニットを遊技パネル共に縦断面で示す説明図であり、(b)は(a)におけるサイドユニットのLED基板と基板カバーとの要部を斜視図で示す説明図である。ここでは、上記のサイドユニット2800と同じ構成については同じ符号を付して説明する。
サイドユニット2800Bは、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技球Bを常時受入可能に開口している複数(2つ~4つ)の一般入賞口2001を備えている。
サイドユニット2800Bは、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられるユニット本体2810と、ユニット本体2810の後側から取付けられるユニットカバー2820と、ユニット本体2810とユニットカバー2820との間に設けられ複数のLED2825aが実装されているLED基板2825と、を備えている。サイドユニット2800Bのユニット本体2810とユニットカバー2820は、透明な合成樹脂により形成されている。
また、サイドユニット2800Bは、ユニット本体2810とユニットカバー2820とが互いに接している接触面部2830と、接触面部2830の一部に設けられており互いに接触していない非接触面部2831と、を有している。
サイドユニット2800Bのユニット本体2810は、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられる第一構成部材2811と、第一構成部材2811に後側から取付けられる第二構成部材2812と、ユニットカバー2820の外周縁に沿うように後方へ枠状に突出しており後端面がユニットカバー2820の前端面に当接する支持枠部2814と、を有している。本実施形態では、第一構成部材2811の後側に第二構成部材2812が取付けられている。また、本実施形態では、支持枠部2814が第二構成部材2812の後面から突出している。
ユニット本体2810の第一構成部材2811は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に当接可能な平板状の台板2811aと、台板2811aから前方へ突出していると共に上方及び後方が解放されており一般入賞口2001を形成している複数の球受部2811bと、を有している。また、第一構成部材2811は、台板2811aから後方へ突出している複数の位置決突起2811cと、台板2811aを貫通しており遊技パネル1100に取付けるための複数の取付孔2811dと、台板2811aの後端面に設けられており第二構成部材2812を取付けるための複数の被取付孔(図示は省略)と、を有している(図104を参照)。
台板2811aは、前構成部材1000の内レール1002に沿うように延出している。複数の位置決突起2811cは、台板2811aの長手方向へ離隔して設けられている。位置決突起2811cは、遊技パネル1100のパネル板1110に設けられている位置決孔1113に挿入される。本実施形態では、各位置決突起2811cは同じ長さである。複数の取付孔2811dは、台板2811aにおける位置決突起2811cの近傍と、台板2811aの左右方向中央付近の上部と、に設けられている。これら取付孔2811dは、前側に皿ザグリが形成されており、パネル板1110の取付孔1114にねじ込まれる皿頭の取付ビス(図示は省略)が前方から挿通される。パネル板1110の前面に取付けた状態では、取付ビスの頭部が台板2811aの前面よりも前方へ突出することはない。
なお、本実施形態では、第一構成部材2811における台板2811aの前面と球受部2811bの前面に、透光性を有する装飾シール2803が貼り付けられている。
第二構成部材2812は、前方へ開放された容器状に形成されており、一般入賞口2001(球受部2811b)に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100(パネル板1110)の面(板面)に沿って流下させる球通路2812aと、球通路2812aの下流端において後方へ向かって開口している通路出口(図示は省略)と、第一構成部材2811に取付けられるための複数の取付孔(図示は省略)と、後面に設けられておりユニットカバー2820を取付けるための被取付孔(図示は省略)と、を有している。
この第二構成部材2812には、後端がユニットカバー2820の前端と当接する支持枠部2814が後側に設けられている。換言すると、第二構成部材2812は、ユニットカバー2820の外周縁に沿うように後方へ枠状に突出しており後端面がユニットカバー2820の前端面に当接する支持枠部2814を、有している。支持枠部2814の後端面は、サイドユニット2800Bに組立てることでユニットカバー2820における後述する周壁部2820bの前端面に当接する。つまり、支持枠部2814の後端面と、周壁部2820bの前端面とが、接触面部2830を構成している。
第二構成部材2812の支持枠部2814(接触面部2830)は、球通路2812aの出口である図示しない通路出口よりも上方に設けられている。換言すると、第二構成部材2812の通路出口は、支持枠部2814(接触面部2830)よりも下方の部位に設けられている。
ユニット本体2810は、第一構成部材2811の後方に第二構成部材2812を位置させ、第二構成部材2812の後方から取付ビスを第二構成部材2812の取付孔を通して第一構成部材2811の被取付孔にねじ込むことで、組立てられる。これにより、第一構成部材2811に後側から第二構成部材2812が取付けられたユニット本体2810が構築される。
本実施形態の第二構成部材2812は、図107に示すように、遊技パネル1100のパネル板1110の開口部1112内に挿入されると共に、奥行きがパネル板1110の板厚内に収まるように形成されている。
サイドユニット2800Bのユニットカバー2820は、前方へ開放された浅い容器状に形成されており、内部にLED基板2825が収容される。このユニットカバー2820は、図107に示すように、平板状のカバー部2820aと、カバー部2820aの外周縁から前方へ突出している枠状の周壁部2820bと、周壁部2820bの一部において前端から凹んでいる切欠部2820cと、を有している。なお、カバー部2820aに、通気用の複数のスリットを設けても良い。
また、ユニットカバー2820は、カバー部2820aの前面から周壁部2820bよりも短く前方へ突出しておりLED基板2825を取付けるための複数のボス部2820dと、カバー部2820aを貫通しておりユニット本体2810に取付けるための取付ビスが挿通される複数の取付孔(図示は省略)と、を有している。
ユニットカバー2820のカバー部2820aは、LED基板2825を後方から覆う大きさに形成されている。周壁部2820bは、外形がユニット本体2810における支持枠部2814の外形と同じである。周壁部2820bの前端面は、サイドユニット2800Bに組立てることで、ユニット本体2810における支持枠部2814の後端面に当接する。つまり、支持枠部2814の後端面と、周壁部2820bの前端面とが、接触面部2830を構成している。
切欠部2820cは、周壁部2820bのおける上辺側と下辺側とに設けられている。切欠部2820cは、サイドユニット2800Bに組立てることで、周壁部2820bの前端面とユニット本体2810における支持枠部2814の前端面との間に隙間を形成することができる。つまり、切欠部2820cにより、支持枠部2814の後端面と周壁部2820bの前端面とで構成している接触面部2830の一部に、互いに接触していない非接触面部2831を形成している。この切欠部2820cにより、容器状のユニットカバー2820の内部を通気させることができ、内部に取付けられたLED基板2825からの熱を外部へ放熱することができ、ユニットカバー2820に熱が籠ることはない。
サイドユニット2800BのLED基板2825は、後面をユニットカバー2820におけるボス部2820dの前端に当接させた状態で、ユニットカバー2820の内部に取付けられる。LED基板2825に実装されている複数のLED2825aは、フルカラーLEDであり、サイドユニット2800Bに組立てることで、サイドユニット2800Bを様々な発光色で発光装飾させることができる。
このサイドユニット2800Bは、ユニットカバー2820の内部のボス部2820dに、LED基板2825を取付けた状態で、ユニットカバー2820の周壁部2820bの前端面を、ユニット本体2810における支持枠部2814の後端面に当接(接触)させ、ユニットカバー2820の後方からユニットカバー2820の取付孔を介して取付ビスをユニット本体2810の第二構成部材2812の被取付孔にねじ込んで締め付けることにより、組立てることができる。
サイドユニット2800Bの遊技パネル1100への取付けは、まず、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前方から、第一構成部材2811の台板2811aがパネル板1110を貫通している開口部1112を閉鎖するように、台板2811aをパネル板1110の前面に当接させる。この際に、第一構成部材2811の二つの位置決突起2811cを、パネル板1110の位置決孔1113に挿入させる。この状態では、第一構成部材2811の取付孔2811dが、パネル板1110の取付孔1114と一致している。
そして、前方から第一構成部材2811の取付孔2811dを通して取付ビスをパネル板1110の取付孔1114にねじ込んで締め付けることにより、サイドユニット2800Bがパネル板1110の前面に取付けられる。この際に、第一構成部材2811の取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けているため、取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100におけるパネル板1110の取付孔1114にねじ込むことで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けて位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
サイドユニット2800Bでは、ユニット本体2810の第二構成部材2812に、パネル板1110の面に沿って遊技球Bを流下させる球通路2812aを設けている。第二構成部材2812における球通路2812aの部位の断面は、コ字状となっているため、球通路2812aの存在により第二構成部材2812の剛性を高めることができる。そして、平板状の台板2811aを有することで剛性が低くなっている可能性がある第一構成部材2811に、球通路2812aにより剛性が高められている第二構成部材2812を、第一構成部材2811の後側から取付けてサイドユニット2800Bを形成しているため、サイドユニット2800Bの剛性を従来のサイドユニットよりも高めることができる。従って、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800Bをパネル板1110に取付けている取付ビスを取外してサイドユニット2800Bを前方へ引っ張った時に、サイドユニット2800Bの剛性が高められているため、サイドユニット2800Bが撓むことはない。これにより、パネル板1110の位置決孔1113に対してサイドユニット2800B(第一構成部材2811)の位置決突起2811cが傾くことはなく、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2800Bを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
サイドユニット2800Bをパネル板1110の前面に取付けた状態(遊技盤5を組立てた状態)では、ユニット本体2810の第二構成部材2812がパネル板1110の開口部1112内でパネル板1110の板厚内に位置しており、パネル板1110の後面よりも前方に位置している。
また、本実施形態のサイドユニット2800Bは、遊技盤5に組立てた状態で、ユニットカバー2820がパネル板1110の後面よりも後方へ突出していると共に、ユニットカバー2820の切欠部2820c(非接触面部2831)の一部がパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。この際に、切欠部2820c(非接触面部2831)を上下に設けているため、上側の切欠部2820cによりLED基板2825からの熱を上方へ排出させつつ、下側の切欠部2820cから外部の空気を内部へ取り込むことができる。また、遊技盤5に組立てた状態では、サイドユニット2800Bのユニット本体2810におけるパネル板1110の開口部1112内に挿入されている部位の外周、つまり、第二構成部材2812の外周と、開口部1112の内周との間には、隙間が設けられている。これらにより、LED基板2825からの熱を、切欠部2820c(非接触面部2831)を通して外部へ放出し易くなり、効率良く放熱することができる。
また、本実施形態のサイドユニット2800Bは、LED基板2825をユニットカバー2820に取付けた状態では、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)よりも後方に位置している。換言すると、平面視において、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)と重ならせないように設けられている。これにより、切欠部2820cを通してユニットカバー2820内に塵や埃が侵入しても、LED基板2825にかかり難くすることができ、塵や埃の影響を極力防ぐことができる。また、ユニットカバー2820の下辺側にも切欠部2820cを設けているため、上側の切欠部2820cから侵入した塵や埃を下側の切欠部2820cから下方へ排出させることができる。
また、本実施形態のサイドユニット2800Bは、遊技盤5に組立てることで、第一構成部材2811の台板2811aにより遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112を前方から塞いでいるため、パネル板1110の後側から塵や埃等の異物が開口部1112を通してパネル板1110の前面側の遊技領域5aに侵入するのを防止することができる。
更に、サイドユニット2800Bは、遊技盤5に組立てた状態で、ユニット本体2810における第二構成部材2813の後側に取付けられているユニットカバー2820が、パネル板1110の後面から後方へ突出している。この突出量は、図106のサイドユニット2800Aと同様に、遊技球Bの直径Dの1/2以下としている。
ところで、遊技パネル1100を射出成形により形成する場合、障害釘が植設される遊技領域5aの部位の厚さが、遊技パネル1100(パネル板1110)を木製の合板としたり樹脂板を切削加工したりする場合よりも薄くなり易いため、ユニット本体2810の球通路2812aにおけるパネル板1110の面と沿っている部位や、ユニット本体2810の後側に取付けられているユニットカバー2820が、パネル板1110の板厚内に収まり切れずに、パネル板1110の後面よりも後方へ突出してしまう恐れがある。そして、サイドユニット2800Bにおけるパネル板1110の後面よりも後方への突出量が大きいと、後方のスペースを十分に確保することができなくなる。これに対して、本実施形態では、サイドユニット2800Bにおいて、球通路2813aにおけるパネル板1110の板厚内にかかると共にパネル板1110の面に沿って延出している部位のパネル板1110の後面からの突出量を、遊技球Bの直径Dの1/2以下としているため、後方のスペースを十分に確保することができ、所望の大きさの裏下演出ユニット3500(裏下可動装飾体3510)を設けることができる。
サイドユニット2800Bでは、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001を形成している球受部2811bによりパネル板1110の前面よりも後方の球通路2812aへ誘導され、球通路2812aによりパネル板1110の面に沿って流下した後に、図示しない通路出口から後方に設けられている裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡される。裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された後に、下方へ排出される。
本実施形態のサイドユニット2800Bは、詳細な図示は省略するが、ユニット本体2810における第二構成部材2812の図示しない通路出口が、待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。つまり、一般入賞口2001(球受部2811b)に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001が待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。従って、サイドユニット2800Bや一般入賞口センサ3001等が裏下可動装飾体3510の邪魔になることはない。
本実施形態のサイドユニット2800Bは、詳細な図示は省略するが、ユニット本体2810が図104のサイドユニット2800と同じであり、一般入賞口2001(球受部2811b)と連通している支流部2801と、支流部2801と合流しており遊技パネル1100におけるパネル板1110の面(板面)に沿って延出している本流部2802と、を有している。球通路2812aは、複数の支流部2801と、本流部2802と、で構成されている。
本実施形態のサイドユニット2800Bによれば、上記のサイドユニット2800と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記のサイドユニット2800Bでは、ユニットカバー2820の周壁部2820bに切欠部2820c(非接触面部2831)を設けているものを示したが、これに限定するものではなく、ユニットカバー2820の周壁部2820bに切欠部2820cを設けずにユニット本体2810の支持枠部2814に後端から前方へ切欠かれた切欠部(非接触面部2831)を設けるようにしても良い。或いは、ユニットカバー2820の周壁部2820bとユニット本体2810の支持枠部2814との両方に切欠部(非接触面部)を設けるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Bでは、ユニット本体2810に後方へ突出する枠状の支持枠部2814を設け、その後端面を接触面部2830とするものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット本体2810に支持枠部2814を設けずに、ユニットカバー2820(周壁部2820b)の前端が、ユニット本体2810の後面に当接するようにして、当該当接する部位を接触面部2830としても良い。これにより、後方へ突出する支持枠部2814を設けていないため、サイドユニット2800Bにおけるパネル板1110の後面から後方へ突出する突出量を少なくすることができ、パネル板1110の後方の空スペースをより広く確保することが可能となる。
更に、上記のサイドユニット2800Bでは、LED基板2825をユニットカバー2820に取付けているものを示したが、これに限定するものではなく、LED基板2825をユニット本体2810(第二構成部材2812)の後側に取付けるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Bにおいて、LED基板2825の前方にLED2825aからの光を拡散させる複数の凹凸からなる拡散レンズ部を設けるようにしても良い。この拡散レンズ部は、ユニット本体2810(第二構成部材2812)の後面に設けても良いし、ユニット本体2810とは別体の部材に設けても良い。
更に、上記のサイドユニット2800Bでは、夫々の球受部2811bと連通している複数の支流部2801と、複数の支流部2801が合流する本流部2802と、から構成されている球通路2812aを、有しているものを示したが、これに限定するものではなく、各球受部2811bごとに球通路2812aが独立しているものとしても良い。
また、上記の実施形態では、遊技パネル1100として透明樹脂製のパネル板1110を備えているものを示したが、これに限定するものではなく、木製の遊技パネル1100としても良い。これにより、遊技パネル1100を木製とすることで、樹脂製のものと比較して板厚が厚くなるため、遊技パネル1100の板厚内をより有効利用し易くすることができる。ところで、遊技パネル1100(パネル板1110)を透明なものとすると、LED基板2825のLED2825aからの光が、パネル板1110の開口部1112の内周面からパネル板1110内に入射して、パネル板1110内に拡散してしまい、前方へ照射される光量が低下することで、発光による演出効果が弱くなる恐れがある。これに対して、遊技パネル1100を木製(不透明)とすることで、LED基板2825のLED2825aからの光が、開口部1112の内周面から遊技パネル1100の内部に入射することはなく、開口部1112の内周面により反射させることが可能となるため、前方へ照射される光量の低下を抑制させることができ、発光による演出効果を十分に発揮させ易くすることができる。
[12-2c.サイドユニットの変形例3]
次に、上記とは更に異なる形態のサイドユニット2800Cについて、主に図108等を参照して説明する。図108は、図107に示すサイドユニットとは異なる形態のサイドユニットを遊技パネル共に縦断面で示す説明図である。ここでは、上記のサイドユニット2800Bと同じ構成については同じ符号を付して説明する。
サイドユニット2800Cは、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技球Bを常時受入可能に開口している複数(2つ~4つ)の一般入賞口2001を備えている。
サイドユニット2800Cは、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられるユニット本体2810と、ユニット本体2810の後側から取付けられるユニットカバー2820と、ユニット本体2810とユニットカバー2820との間に設けられ複数のLED2825aが実装されているLED基板2825と、を備えている。サイドユニット2800Bのユニット本体2810とユニットカバー2820は、透明な合成樹脂により形成されている。
また、サイドユニット2800Cは、ユニット本体2810とユニットカバー2820とが互いに接している接触面部2830と、接触面部2830の一部に設けられており互いに接触していない非接触面部2831と、を有している。
サイドユニット2800Bのユニット本体2810は、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられる第一構成部材2811と、第一構成部材2811に後側から取付けられる第二構成部材2812と、ユニットカバー2820の外周縁に沿うように後方へ枠状に突出しており後端面がユニットカバー2820の前端面に当接する支持枠部2814と、第一構成部材2811と第二構成部材2812との間に設けられており一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する球センサ2815(一般入賞口センサ3001)と、を有している。本実施形態では、第一構成部材2811の後側に第二構成部材2812が取付けられている。また、本実施形態では、支持枠部2814が第二構成部材2812の後面から突出している。
ユニット本体2810の第一構成部材2811は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に当接可能な平板状の台板2811aと、台板2811aから前方へ突出していると共に上方及び後方が解放されており一般入賞口2001を形成している複数の球受部2811bと、を有している。また、第一構成部材2811は、台板2811aから後方へ突出している複数の位置決突起2811cと、台板2811aを貫通しており遊技パネル1100に取付けるための複数の取付孔2811dと、台板2811aの後端面に設けられており第二構成部材2812を取付けるための複数の被取付孔(図示は省略)と、を有している(図104を参照)。
台板2811aは、前構成部材1000の内レール1002に沿うように延出している。複数の位置決突起2811cは、台板2811aの長手方向へ離隔して設けられている。位置決突起2811cは、遊技パネル1100のパネル板1110に設けられている位置決孔1113に挿入される。本実施形態では、各位置決突起2811cは同じ長さである。複数の取付孔2811dは、台板2811aにおける位置決突起2811cの近傍と、台板2811aの左右方向中央付近の上部と、に設けられている。これら取付孔2811dは、前側に皿ザグリが形成されており、パネル板1110の取付孔1114にねじ込まれる皿頭の取付ビス(図示は省略)が前方から挿通される。パネル板1110の前面に取付けた状態では、取付ビスの頭部が台板2811aの前面よりも前方へ突出することはない。
なお、本実施形態では、第一構成部材2811における台板2811aの前面と球受部2811bの前面に、透光性を有する装飾シール2803が貼り付けられている。
第二構成部材2812は、前方へ開放された容器状に形成されており、一般入賞口2001(球受部2811b)に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100(パネル板1110)の面(板面)に沿って流下させる球通路2812aと、球通路2812aの下流端において後方へ向かって開口している通路出口2812bと、第一構成部材2811に取付けられるための複数の取付孔(図示は省略)と、後面に設けられておりユニットカバー2820を取付けるための被取付孔(図示は省略)と、を有している。
この第二構成部材2812には、後端がユニットカバー2820の前端と当接する支持枠部2814が後側に設けられている。換言すると、第二構成部材2812は、ユニットカバー2820の外周縁に沿うように後方へ枠状に突出しており後端面がユニットカバー2820の前端面に当接する支持枠部2814を、有している。支持枠部2814の後端面は、サイドユニット2800Cに組立てることでユニットカバー2820における後述する周壁部2820bの前端面に当接する。つまり、支持枠部2814の後端面と、周壁部2820bの前端面とが、接触面部2830を構成している。
第二構成部材2812の支持枠部2814(接触面部2830)は、球通路2812aの通路出口2812b及び球センサ2815よりも上方に設けられている。換言すると、第二構成部材2812の通路出口2812b及び球センサ2815は、支持枠部2814(接触面部2830)よりも下方の部位に設けられている。これにより、球センサ2815が、LED基板2825のLED2825aによる発光装飾の妨げになり難い。
ユニット本体2810は、第一構成部材2811の後方に第二構成部材2812を位置させ、第二構成部材2812の後方から取付ビスを第二構成部材2812の取付孔を通して第一構成部材2811の被取付孔にねじ込むことで、組立てられる。この際に、球センサ2815を、第一構成部材2811と第二構成部材2812とで挟まれるように、球通路2812aの所定位置に配置して組み付ける。これにより、第一構成部材2811に後側から第二構成部材2812が取付けられたユニット本体2810が構築される。
本実施形態の第二構成部材2812は、図108に示すように、遊技パネル1100のパネル板1110の開口部1112内に挿入されると共に、奥行きがパネル板1110の板厚内に収まるように形成されている。
サイドユニット2800Cのユニットカバー2820は、前方へ開放された浅い容器状に形成されており、内部にLED基板2825が収容される。このユニットカバー2820は、平板状のカバー部2820aと、カバー部2820aの外周縁から前方へ突出している枠状の周壁部2820bと、周壁部2820bの一部において前端から凹んでいる切欠部2820cと、を有している。なお、カバー部2820aに、通気用の複数のスリット孔を設けても良い。
また、ユニットカバー2820は、カバー部2820aの前面から周壁部2820bよりも短く前方へ突出しておりLED基板2825を取付けるための複数のボス部2820dと、カバー部2820aを貫通しておりユニット本体2810に取付けるための取付ビスが挿通される複数の取付孔(図示は省略)と、を有している。
ユニットカバー2820のカバー部2820aは、LED基板2825を後方から覆う大きさに形成されている。周壁部2820bは、外形がユニット本体2810における支持枠部2814の外形と同じである。周壁部2820bの前端面は、サイドユニット2800Cに組立てることで、ユニット本体2810における支持枠部2814の後端面に当接する。つまり、支持枠部2814の後端面と、周壁部2820bの前端面とが、接触面部2830を構成している。
切欠部2820cは、周壁部2820bのおける上辺側と下辺側とに設けられている。切欠部2820cは、サイドユニット2800Cに組立てることで、周壁部2820bの前端面とユニット本体2810における支持枠部2814の前端面との間に隙間を形成することができる。つまり、切欠部2820cにより、支持枠部2814の後端面と周壁部2820bの前端面とで構成している接触面部2830の一部に、互いに接触していない非接触面部2831を形成している。この切欠部2820cにより、容器状のユニットカバー2820の内部を通気させることができ、内部に取付けられたLED基板2825からの熱を外部へ放熱することができ、ユニットカバー2820に熱が籠ることはない。
サイドユニット2800CのLED基板2825は、後面をユニットカバー2820におけるボス部2820dの前端に当接させた状態で、ユニットカバー2820の内部に取付けられる。LED基板2825に実装されている複数のLED2825aは、フルカラーLEDであり、サイドユニット2800Cに組立てることで、サイドユニット2800Cを様々な発光色で発光装飾させることができる。
このサイドユニット2800Cは、ユニットカバー2820の内部のボス部2820dに、LED基板2825を取付けた状態で、ユニットカバー2820の周壁部2820bの前端面を、ユニット本体2810における支持枠部2814の後端面に当接(接触)させ、ユニットカバー2820の後方からユニットカバー2820の取付孔を介して取付ビスをユニット本体2810の第二構成部材2812の被取付孔にねじ込んで締め付けることにより、組立てることができる。
サイドユニット2800Cの遊技パネル1100への取付けは、まず、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前方から、第一構成部材2811の台板2811aがパネル板1110を貫通している開口部1112を閉鎖するように、台板2811aをパネル板1110の前面に当接させる。この際に、第一構成部材2811の二つの位置決突起2811cを、パネル板1110の位置決孔1113に挿入させる。この状態では、第一構成部材2811の取付孔2811dが、パネル板1110の取付孔1114と一致している。
そして、前方から第一構成部材2811の取付孔2811dを通して取付ビスをパネル板1110の取付孔1114にねじ込んで締め付けることにより、サイドユニット2800Cがパネル板1110の前面に取付けられる。この際に、第一構成部材2811の取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けているため、取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100におけるパネル板1110の取付孔1114にねじ込むことで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けて位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
サイドユニット2800Cでは、ユニット本体2810の第二構成部材2812に、パネル板1110の面に沿って遊技球Bを流下させる球通路2812aを設けている。第二構成部材2812における球通路2812aの部位の断面は、コ字状となっているため、球通路2812aの存在により第二構成部材2812の剛性を高めることができる。そして、平板状の台板2811aを有することで剛性が低くなっている可能性がある第一構成部材2811に、球通路2812aにより剛性が高められている第二構成部材2812を、第一構成部材2811の後側から取付けてサイドユニット2800Cを形成しているため、サイドユニット2800Cの剛性を従来のサイドユニットよりも高めることができる。従って、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800Cをパネル板1110に取付けている取付ビスを取外してサイドユニット2800Cを前方へ引っ張った時に、サイドユニット2800Cの剛性が高められているため、サイドユニット2800Cが撓むことはない。これにより、パネル板1110の位置決孔1113に対してサイドユニット2800C(第一構成部材2811)の位置決突起2811cが傾くことはなく、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2800Cを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
サイドユニット2800Cをパネル板1110の前面に取付けた状態(遊技盤5を組立てた状態)では、ユニット本体2810の第二構成部材2812及び球センサ2815が、パネル板1110の開口部1112内でパネル板1110の板厚内に位置しており、パネル板1110の後面よりも前方に位置している。
また、本実施形態のサイドユニット2800Cは、遊技盤5に組立てた状態で、ユニットカバー2820がパネル板1110の後面よりも後方へ突出していると共に、ユニットカバー2820の切欠部2820c(非接触面部2831)の一部がパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。この際に、切欠部2820c(非接触面部2831)を上下に設けているため、上側の切欠部2820cによりLED基板2825からの熱を上方へ排出させつつ、下側の切欠部2820cから外部の空気を内部へ取り込むことができる。また、遊技盤5に組立てた状態では、サイドユニット2800Cのユニット本体2810におけるパネル板1110の開口部1112内に挿入されている部位の外周、つまり、第二構成部材2812の外周と、開口部1112の内周との間には、隙間が設けられている。これらにより、LED基板2825からの熱を、切欠部2820c(非接触面部2831)を通して外部へ放出し易くなり、効率良く放熱することができる。
また、本実施形態のサイドユニット2800Cは、LED基板2825をユニットカバー2820に取付けた状態では、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)よりも後方に位置している。換言すると、平面視において、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)と重ならせないように設けられている。これにより、切欠部2820cを通してユニットカバー2820内に塵や埃が侵入しても、LED基板2825にかかり難くすることができ、塵や埃の影響を極力防ぐことができる。また、ユニットカバー2820の下辺側にも切欠部2820cを設けているため、上側の切欠部2820cから侵入した塵や埃を下側の切欠部2820cから下方へ排出させることができる。
また、本実施形態のサイドユニット2800Cは、遊技盤5に組立てることで、第一構成部材2811の台板2811aにより遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112を前方から塞いでいるため、パネル板1110の後側から塵や埃等の異物が開口部1112を通してパネル板1110の前面側の遊技領域5aに侵入するのを防止することができる。
更に、サイドユニット2800Cは、遊技盤5に組立てた状態で、ユニット本体2810における第二構成部材2813の後側に取付けられているユニットカバー2820が、パネル板1110の後面から後方へ突出している。この突出量は、図106のサイドユニット2800Aと同様に、遊技球Bの直径Dの1/2以下としている。
ところで、遊技パネル1100を射出成形により形成する場合、障害釘が植設される遊技領域5aの部位の厚さが、遊技パネル1100(パネル板1110)を木製の合板としたり樹脂板を切削加工したりする場合よりも薄くなり易いため、ユニット本体2810の球通路2812aにおけるパネル板1110の面と沿っている部位や、ユニット本体2810の後側に取付けられているユニットカバー2820が、パネル板1110の板厚内に収まり切れずに、パネル板1110の後面よりも後方へ突出してしまう恐れがある。そして、サイドユニット2800Cにおけるパネル板1110の後面よりも後方への突出量が大きいと、後方のスペースを十分に確保することができなくなる。これに対して、本実施形態では、サイドユニット2800Cにおいて、球通路2813aにおけるパネル板1110の板厚内にかかると共にパネル板1110の面に沿って延出している部位のパネル板1110の後面からの突出量を、遊技球Bの直径Dの1/2以下としているため、後方のスペースを十分に確保することができ、所望の大きさの裏下演出ユニット3500(裏下可動装飾体3510)を設けることができる。
サイドユニット2800Cでは、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001を形成している球受部2811bによりパネル板1110の前面よりも後方の球通路2812aへ誘導され、球通路2812aによりパネル板1110の板厚内においてパネル板1110の面に沿って流下し、球センサ2815により検知された上で、後方へ向かって開口している通路出口2812bから排出される。
本実施形態のサイドユニット2800Cは、詳細な図示は省略するが、ユニット本体2810における第二構成部材2812の通路出口2812bが、待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。また、一般入賞口2001(球受部2811b)に受入れられた遊技球Bを検知する球センサ2815(一般入賞口センサ3001)が、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112内で且つパネル板1110の板厚内に設けられている。従って、サイドユニット2800Cや球センサ2815等が裏下可動装飾体3510の邪魔になることはない。
本実施形態のサイドユニット2800Cは、詳細な図示は省略するが、ユニット本体2810が図104のサイドユニット2800と同じであり、一般入賞口2001(球受部2811b)と連通している支流部2801と、支流部2801と合流しており遊技パネル1100におけるパネル板1110の面(板面)に沿って延出している本流部2802と、を有している。球通路2812aは、複数の支流部2801と、本流部2802と、で構成されている。
本実施形態のサイドユニット2800Cによれば、上記のサイドユニット2800と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記のサイドユニット2800Cでは、ユニットカバー2820の周壁部2820bに切欠部2820c(非接触面部2831)を設けているものを示したが、これに限定するものではなく、ユニットカバー2820の周壁部2820bに切欠部2820cを設けずにユニット本体2810の支持枠部2814に後端から前方へ切欠かれた切欠部(非接触面部2831)を設けるようにしても良い。或いは、ユニットカバー2820の周壁部2820bとユニット本体2810の支持枠部2814との両方に切欠部(非接触面部)を設けるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Cでは、ユニット本体2810に後方へ突出する枠状の支持枠部2814を設け、その後端面を接触面部2830とするものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット本体2810に支持枠部2814を設けずに、ユニットカバー2820(周壁部2820b)の前端が、ユニット本体2810の後面に当接するようにして、当該当接する部位を接触面部2830としても良い。これにより、後方へ突出する支持枠部2814を設けていないため、サイドユニット2800Cにおけるパネル板1110の後面から後方へ突出する突出量を少なくすることができ、パネル板1110の後方の空スペースをより広く確保することが可能となる。
更に、上記のサイドユニット2800Cでは、LED基板2825をユニットカバー2820に取付けているものを示したが、これに限定するものではなく、LED基板2825をユニット本体2810(第二構成部材2812)の後側に取付けるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Cにおいて、LED基板2825の前方にLED2825aからの光を拡散させる複数の凹凸からなる拡散レンズ部を設けるようにしても良い。この拡散レンズ部は、ユニット本体2810(第二構成部材2812)の後面に設けても良いし、ユニット本体2810とは別体の部材に設けても良い。
更に、上記のサイドユニット2800Cでは、夫々の球受部2811bと連通している複数の支流部2801と、複数の支流部2801が合流する本流部2802と、から構成されている球通路2812aを、有しているものを示したが、これに限定するものではなく、各球受部2811bごとに球通路2812aが独立しているものとしても良い。
また、上記の実施形態では、遊技パネル1100として透明樹脂製のパネル板1110を備えているものを示したが、これに限定するものではなく、木製の遊技パネル1100としても良い。これにより、遊技パネル1100を木製とすることで、樹脂製のものと比較して板厚が厚くなるため、遊技パネル1100の板厚内をより有効利用し易くすることができる。ところで、遊技パネル1100(パネル板1110)を透明なものとすると、LED基板2825のLED2825aからの光が、パネル板1110の開口部1112の内周面からパネル板1110内に入射して、パネル板1110内に拡散してしまい、前方へ照射される光量が低下することで、発光による演出効果が弱くなる恐れがある。これに対して、遊技パネル1100を木製(不透明)とすることで、LED基板2825のLED2825aからの光が、開口部1112の内周面から遊技パネル1100の内部に入射することはなく、開口部1112の内周面により反射させることが可能となるため、前方へ照射される光量の低下を抑制させることができ、発光による演出効果を十分に発揮させ易くすることができる。
[12-2d.サイドユニットの変形例4]
次に、上記とは更に異なる形態のサイドユニット2800Dについて、主に図109等を参照して説明する。図109は、更に異なる形態のサイドユニットを遊技パネル共に縦断面で示す説明図である。ここでは、上記のサイドユニット2800やサイドユニット2800B及びサイドユニット2800Cと同じ構成については同じ符号を付して説明する。
サイドユニット2800Dは、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技球Bを常時受入可能に開口している複数(2つ~4つ)の一般入賞口2001を備えている。
サイドユニット2800Dは、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられるユニット本体2810Aと、ユニット本体2810Aの後側から取付けられるユニットカバー2820と、ユニット本体2810Aとユニットカバー2820との間に設けられ複数のLED2825aが実装されているLED基板2825と、を備えている。サイドユニット2800Dのユニット本体2810Aとユニットカバー2820は、透明な合成樹脂により形成されている。
また、サイドユニット2800Dは、ユニット本体2810Aとユニットカバー2820とが互いに接している接触面部2830と、接触面部2830の一部に設けられており互いに接触していない非接触面部2831と、を有している。
サイドユニット2800Dのユニット本体2810Aは、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられる第一構成部材2811Aと、第一構成部材2811Aに後側から取付けられる第二構成部材2812Aと、ユニットカバー2820の外周縁に沿うように後方へ枠状に突出しており後端面がユニットカバー2820の前端面に当接する支持枠部2814と、を有している。本実施形態では、第一構成部材2811Aの前側に第二構成部材2812Aが取付けられている。また、支持枠部2814が第一構成部材2811Aの後面から突出している。
ユニット本体2810Aの第一構成部材2811Aは、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に当接可能な平板状の台板2811aと、台板2811aを貫通しており遊技球Bが流通可能な球通路2811eと、を有している。第一構成部材2811Aの球通路2811eは、上流端が後述する第二構成部材2812Aにおける球受部2812cの後方に位置している。
また、第一構成部材2811Aは、台板2811aから後方へ突出している複数の位置決突起2811cと、台板2811aを貫通しており遊技パネル1100に取付けるための複数の取付孔2811dと、台板2811aを貫通しており第二構成部材2812Aを取付けるための複数の取付孔(図示は省略)と、後面に設けられておりユニットカバー2820を取付けるための複数の被取付孔(図示は省略)と、を有している(図104を参照)。
台板2811aは、前構成部材1000の内レール1002に沿うように延出している。複数の位置決突起2811cは、台板2811aの長手方向へ離隔して設けられている。位置決突起2811cは、遊技パネル1100のパネル板1110に設けられている位置決孔1113に挿入される。本実施形態では、各位置決突起2811cは同じ長さである。複数の取付孔2811dは、台板2811aにおける位置決突起2811cの近傍と、台板2811aの左右方向中央付近の上部と、に設けられている。これら取付孔2811dは、前側に皿ザグリが形成されており、パネル板1110の取付孔1114にねじ込まれる皿頭の取付ビス(図示は省略)が前方から挿通される。パネル板1110の前面に取付けた状態では、取付ビスの頭部が台板2811aの前面よりも前方へ突出することはない。
この第一構成部材2811Aには、後端がユニットカバー2820の前端と当接する支持枠部2814が後側に設けられている。換言すると、第一構成部材2811Aは、ユニットカバー2820の外周縁に沿うように後方へ枠状に突出しており後端面がユニットカバー2820の前端面に当接する支持枠部2814を、有している。支持枠部2814は、台板2811aの後面における球通路2811eよりも下方の部位に設けられている。支持枠部2814の後端面は、サイドユニット2800Dに組立てることでユニットカバー2820における後述する周壁部2820bの前端面に当接する。つまり、支持枠部2814の後端面と、周壁部2820bの前端面とが、接触面部2830を構成している。
第二構成部材2812Aは、前後方向に短く延びていると共に上方及び後方が解放されており一般入賞口2001を形成している複数の球受部2812cと、複数の球受部2812cの前端同士を繋いでいる平板状の前板2812dと、第一構成部材2811Aに取付けるための複数の取付孔(図示は省略)と、を有している。球受部2812cは、第一構成部材2811Aの球通路2811eの前方に位置している。
なお、本実施形態では、第二構成部材2812Aにおける前板2812dの前面に、透光性を有する装飾シール2803が貼り付けられている。
ユニット本体2810Aは、第一構成部材2811Aの前方に第二構成部材2812Aを位置させ、後方から第一構成部材2811Aの取付孔を通して取付ビスを第二構成部材2812Aの被取付孔にねじ込むことで、組立てられる。これにより、第一構成部材2811Aに後側から第二構成部材2812Aが取付けられたユニット本体2810Aが構築される。このユニット本体2810Aでは、第一構成部材2811Aの台板2811aよりも前方で、第二構成部材2812Aの球受部2812cが前方へ突出している。
本実施形態の第一構成部材2811Aは、図109に示すように、遊技パネル1100のパネル板1110の開口部1112内に挿入されると共に、奥行きがパネル板1110の板厚内に収まるように形成されている。
サイドユニット2800Dのユニットカバー2820は、前方へ開放された浅い容器状に形成されており、内部にLED基板2825が収容される。このユニットカバー2820は、平板状のカバー部2820aと、カバー部2820aの外周縁から前方へ突出している枠状の周壁部2820bと、周壁部2820bの一部において前端から凹んでいる切欠部2820cと、を有している。なお、カバー部2820aに、通気用の複数のスリット孔を設けても良い。
また、ユニットカバー2820は、カバー部2820aの前面から周壁部2820bよりも短く前方へ突出しておりLED基板2825を取付けるための複数のボス部2820dと、カバー部2820aを貫通しておりユニット本体2810Aに取付けるための取付ビスが挿通される複数の取付孔(図示は省略)と、を有している。
ユニットカバー2820のカバー部2820aは、LED基板2825を後方から覆う大きさに形成されている。周壁部2820bは、外形がユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の外形と同じである。周壁部2820bの前端面は、サイドユニット2800Dに組立てることで、ユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の後端面に当接する。つまり、支持枠部2814の後端面と、周壁部2820bの前端面とが、接触面部2830を構成している。
切欠部2820cは、周壁部2820bのおける上辺側と下辺側とに設けられている。切欠部2820cは、サイドユニット2800Dに組立てることで、周壁部2820bの前端面とユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の前端面との間に隙間を形成することができる。つまり、切欠部2820cにより、支持枠部2814の後端面と周壁部2820bの前端面とで構成している接触面部2830の一部に、互いに接触していない非接触面部2831を形成している。この切欠部2820cにより、容器状のユニットカバー2820の内部を通気させることができ、内部に取付けられたLED基板2825からの熱を外部へ放熱することができ、ユニットカバー2820に熱が籠ることはない。
サイドユニット2800DのLED基板2825は、後面をユニットカバー2820におけるボス部2820dの前端に当接させた状態で、ユニットカバー2820の内部に取付けられる。LED基板2825に実装されている複数のLED2825aは、フルカラーLEDであり、サイドユニット2800Dに組立てることで、サイドユニット2800Dを様々な発光色で発光装飾させることができる。
このサイドユニット2800Dは、ユニットカバー2820の内部のボス部2820dに、LED基板2825を取付けた状態で、ユニットカバー2820の周壁部2820bの前端面を、ユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の後端面に当接(接触)させ、ユニットカバー2820の後方からユニットカバー2820の取付孔を介して取付ビスをユニット本体2810Aの第一構成部材2811Aの被取付孔にねじ込んで締め付けることにより、組立てることができる。
サイドユニット2800Dの遊技パネル1100への取付けは、まず、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前方から、第一構成部材2811Aの台板2811aがパネル板1110を貫通している開口部1112を閉鎖するように、台板2811aをパネル板1110の前面に当接させる。この際に、第一構成部材2811Aの二つの位置決突起2811cを、パネル板1110の位置決孔1113に挿入させる。この状態では、第一構成部材2811Aの取付孔2811dが、パネル板1110の取付孔1114と一致している。
そして、前方から第一構成部材2811Aの取付孔2811dを通して取付ビスをパネル板1110の取付孔1114にねじ込んで締め付けることにより、サイドユニット2800Dがパネル板1110の前面に取付けられる。この際に、第一構成部材2811Aの取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けているため、取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100におけるパネル板1110の取付孔1114にねじ込むことで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けて位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
サイドユニット2800Dでは、ユニット本体2810Aに組立てることにより、第二構成部材2812Aにおける複数の球受部2812cが、その前端側と後端側とが、第二構成部材2812Aの前板2812dと、第一構成部材2811Aの台板2811aとで、挟まれた構造となるため、従来のサイドユニットよりも剛性を高めることができる。従って、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800Dをパネル板1110に取付けている取付ビスを取外してサイドユニット2800Dを前方へ引っ張った時に、サイドユニット2800Dの剛性が高められているため、サイドユニット2800Dが撓むことはない。これにより、パネル板1110の位置決孔1113に対してサイドユニット2800D(第一構成部材2811A)の位置決突起2811cが傾くことはなく、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2800Dを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
サイドユニット2800Dをパネル板1110の前面に取付けた状態(遊技盤5を組立てた状態)では、ユニット本体2810Aにおける第一構成部材2811Aの球通路2811e及びユニットカバー2820(LED基板2825)が、パネル板1110の開口部1112内でパネル板1110の板厚内に位置しており、パネル板1110の後面よりも前方に位置している。これにより、遊技パネル1100におけるパネル板1110の板厚内にLED基板2825を設けていることから、パネル板1110の板厚内を有効利用しているため、LED基板2825(ユニットカバー2820)の後方の空スペースを確保し易くすることができる。従って、当該空スペースに演出装置の一部を設けることが可能となり、より遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態のサイドユニット2800Dでは、ユニットカバー2820の切欠部2820c(非接触面部2831)を上下に設けているため、上側の切欠部2820cによりLED基板2825からの熱を上方へ排出させつつ、下側の切欠部2820cから外部の空気を内部へ取り込むことができる。また、遊技盤5に組立てた状態では、サイドユニット2800Dのユニット本体2810におけるパネル板1110の開口部1112内に挿入されている部位の外周と、開口部1112の内周との間には、隙間が設けられている。これらにより、LED基板2825からの熱を、切欠部2820c(非接触面部2831)を通して外部へ放出し易くなり、効率良く放熱することができる。
また、本実施形態のサイドユニット2800Dは、LED基板2825をユニットカバー2820に取付けた状態では、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)よりも後方に位置している。換言すると、平面視において、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)と重ならせないように設けられている。これにより、切欠部2820cを通してユニットカバー2820内に塵や埃が侵入しても、LED基板2825にかかり難くすることができ、塵や埃の影響を極力防ぐことができる。また、ユニットカバー2820の下辺側にも切欠部2820cを設けているため、上側の切欠部2820cから侵入した塵や埃を下側の切欠部2820cから下方へ排出させることができる。
更に、本実施形態のサイドユニット2800Dは、遊技盤5に組立てた状態では、ユニットカバー2820の切欠部2820cが、遊技パネル1100のパネル板1110における開口部1112内で、パネル板1110の板厚内に位置しているため、塵や埃が上方から切欠部2820cを通ってユニットカバー2820内へ侵入し難い。
また、本実施形態のサイドユニット2800Dは、遊技盤5に組立てた状態では、ユニットカバー2820の周壁部2820bと、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112の内周面との間に隙間を設けていると共に、第一構成部材2811の台板2811aにより開口部1112を前方から塞いでいる。これにより、ユニットカバー2820内のLED基板2825からの熱を、切欠部2820c及び開口部1112の内周面との間の隙間を通してパネル板1110の後方へ向けて放熱することができると共に、パネル板1110の後側から塵や埃等の異物が開口部1112を通してパネル板1110の前面側の遊技領域5aに侵入するのを防止することができる。
サイドユニット2800Dでは、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001を形成している第二構成部材2812Aの球受部2812cにより後方の第一構成部材2811Aの球通路2811eへ誘導され、球通路2811eによりパネル板1110の板厚内を後方へ流通した後に、パネル板1110(遊技パネル1100)の後方に設けられている裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡される。裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された後に、下方へ排出される。
本実施形態のサイドユニット2800Dによれば、上記のサイドユニット2800等と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記のサイドユニット2800Dでは、ユニットカバー2820の周壁部2820bに切欠部2820c(非接触面部2831)を設けているものを示したが、これに限定するものではなく、ユニットカバー2820の周壁部2820bに切欠部2820cを設けずにユニット本体2810Aの支持枠部2814に後端から前方へ切欠かれた切欠部(非接触面部2831)を設けるようにしても良い。或いは、ユニットカバー2820の周壁部2820bとユニット本体2810Aの支持枠部2814との両方に切欠部(非接触面部)を設けるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Dでは、ユニット本体2810Aに後方へ突出する枠状の支持枠部2814を設け、その後端面を接触面部2830とするものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット本体2810Aに支持枠部2814を設けずに、ユニットカバー2820(周壁部2820b)の前端が、ユニット本体2810Aの後面に当接するようにして、当該当接する部位を接触面部2830としても良い。これにより、後方へ突出する支持枠部2814を設けていないため、LED基板2825をより前方へ位置させることができ、より明るい発光装飾(発光演出)を遊技者に見せることができる。
更に、上記のサイドユニット2800Dでは、LED基板2825をユニットカバー2820に取付けているものを示したが、これに限定するものではなく、LED基板2825をユニット本体2810A(第一構成部材2811A)の後側に取付けるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Dにおいて、LED基板2825の前方にLED2825aからの光を拡散させる複数の凹凸からなる拡散レンズ部を設けるようにしても良い。この拡散レンズ部は、ユニット本体2810A(第一構成部材2811Aの台板2811a)の後面に設けても良いし、ユニット本体2810Aとは別体の部材に設けても良い。
また、上記の実施形態では、遊技パネル1100として透明樹脂製のパネル板1110を備えているものを示したが、これに限定するものではなく、木製の遊技パネル1100としても良い。これにより、遊技パネル1100を木製とすることで、樹脂製のものと比較して板厚が厚くなるため、遊技パネル1100の板厚内をより有効利用し易くすることができる。ところで、遊技パネル1100(パネル板1110)を透明なものとすると、LED基板2825のLED2825aからの光が、パネル板1110の開口部1112の内周面からパネル板1110内に入射して、パネル板1110内に拡散してしまい、前方へ照射される光量が低下することで、発光による演出効果が弱くなる恐れがある。これに対して、遊技パネル1100を木製(不透明)とすることで、LED基板2825のLED2825aからの光が、開口部1112の内周面から遊技パネル1100の内部に入射することはなく、開口部1112の内周面により反射させることが可能となるため、前方へ照射される光量の低下を抑制させることができ、発光による演出効果を十分に発揮させ易くすることができる。
[12-2e.サイドユニットの変形例5]
次に、上記とは更に異なる形態のサイドユニット2800Eについて、主に図110等を参照して説明する。図110は、更に異なる形態のサイドユニットを遊技パネル共に縦断面で示す説明図である。ここでは、上記のサイドユニット2800Dと同じ構成については同じ符号を付して説明する。
サイドユニット2800Eは、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技球Bを常時受入可能に開口している複数(2つ~4つ)の一般入賞口2001を備えている。
サイドユニット2800Eは、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられるユニット本体2810Aと、ユニット本体2810Aの後側から取付けられるユニットカバー2820と、ユニット本体2810Aとユニットカバー2820との間に設けられ複数のLED2825aが実装されているLED基板2825と、を備えている。サイドユニット2800Eのユニット本体2810Aとユニットカバー2820は、透明な合成樹脂により形成されている。
また、サイドユニット2800Eは、ユニット本体2810Aとユニットカバー2820とが互いに接している接触面部2830と、接触面部2830の一部に設けられており互いに接触していない非接触面部2831と、を有している。
サイドユニット2800Eのユニット本体2810Aは、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられる第一構成部材2811Aと、第一構成部材2811Aに後側から取付けられる第二構成部材2812Aと、ユニットカバー2820の外周縁に沿うように後方へ枠状に突出しており後端面がユニットカバー2820の前端面に当接する支持枠部2814と、を有している。本実施形態では、第一構成部材2811Aの前側に第二構成部材2812Aが取付けられている。また、支持枠部2814が第一構成部材2811Aの後面から突出している。
ユニット本体2810Aの第一構成部材2811Aは、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に当接可能な平板状の台板2811aと、台板2811aを貫通して前方へ開放されており一般入賞口2001(球受部2812c)に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100(パネル板1110)の面(板面)に沿って流下させる球通路2811eと、球通路2811eの下流端において後方へ向かって開口している通路出口(図示は省略)と、を有している。
また、第一構成部材2811Aは、台板2811aから後方へ突出している複数の位置決突起2811cと、台板2811aを貫通しており遊技パネル1100に取付けるための複数の取付孔2811dと、台板2811aを貫通しており第二構成部材2812Aを取付けるための複数の取付孔(図示は省略)と、後面に設けられておりユニットカバー2820を取付けるための複数の被取付孔(図示は省略)と、を有している(図104を参照)。
台板2811aは、前構成部材1000の内レール1002に沿うように延出している。複数の位置決突起2811cは、台板2811aの長手方向へ離隔して設けられている。位置決突起2811cは、遊技パネル1100のパネル板1110に設けられている位置決孔1113に挿入される。本実施形態では、各位置決突起2811cは同じ長さである。複数の取付孔2811dは、台板2811aにおける位置決突起2811cの近傍と、台板2811aの左右方向中央付近の上部と、に設けられている。これら取付孔2811dは、前側に皿ザグリが形成されており、パネル板1110の取付孔1114にねじ込まれる皿頭の取付ビス(図示は省略)が前方から挿通される。パネル板1110の前面に取付けた状態では、取付ビスの頭部が台板2811aの前面よりも前方へ突出することはない。
この第一構成部材2811Aには、後端がユニットカバー2820の前端と当接する支持枠部2814が後側に設けられている。換言すると、第一構成部材2811Aは、ユニットカバー2820の外周縁に沿うように後方へ枠状に突出しており後端面がユニットカバー2820の前端面に当接する支持枠部2814を、有している。支持枠部2814は、台板2811aの後面に設けられている。支持枠部2814の後端面は、サイドユニット2800Eに組立てることでユニットカバー2820における後述する周壁部2820bの前端面に当接する。つまり、支持枠部2814の後端面と、周壁部2820bの前端面とが、接触面部2830を構成している。
第二構成部材2812Aは、前後方向に短く延びていると共に上方及び後方が解放されており一般入賞口2001を形成している複数の球受部2812cと、複数の球受部2812cの後端同士を繋いでいる平板状の後板2812eと、第一構成部材2811Aに取付けるための複数の取付孔(図示は省略)と、を有している。
なお、本実施形態では、第二構成部材2812Aにおける球受部2812cの前面と、後板2812eの前面に、透光性を有する装飾シール2803が貼り付けられている。
ユニット本体2810Aは、第一構成部材2811Aの前方に第二構成部材2812Aを位置させ、後方から第一構成部材2811Aの取付孔を通して取付ビスを第二構成部材2812Aの被取付孔にねじ込むことで、組立てられる。これにより、第一構成部材2811Aに後側から第二構成部材2812Aが取付けられたユニット本体2810Aが構築される。このユニット本体2810Aでは、第一構成部材2811Aの台板2811aよりも前方で、第二構成部材2812Aの球受部2812cが前方へ突出している。
サイドユニット2800Eのユニット本体2810Aは、一般入賞口2001(球受部2812c)と連通している支流部2801と、支流部2801と合流しており遊技パネル1100におけるパネル板1110の面(板面)に沿って延出している本流部2802と、を有している。球通路2811eは、複数の支流部2801と、本流部2802と、で構成されている。
支流部2801は、パネル板1110の前面よりも前方の部位から、パネル板1110の前面よりも後方で本流部2802の上方の(パネル板1110の板厚の)部位まで、後方へ延出している。
本流部2802は、遊技パネル1100のパネル板1110の板面に沿うと共に、右方へ低くなるように台板2811aの左端付近から右端付近まで延出している。本流部2802の長さは、遊技球Bの直径の2倍以上(本実施形態では、8~10倍)である。
また、ユニット本体2810Aに組立てた状態では、第一構成部材2811Aにおける前方へ開放されている球通路2811eにおいて、球受部2812cの後方を除いた部位が、第二構成部材2812Aの後板2812eによって閉鎖された状態となり、球通路2811eから遊技球Bが前方へ零れることはない。つまり、第一構成部材2811Aと第二構成部材2812Aとで球通路2811eを構成しておいる。換言すると、第一構成部材2811Aと第二構成部材2812Aとの間に球通路2811eが設けられている。
本実施形態の第一構成部材2811Aは、図110に示すように、台板2811aを除いた部位が、遊技パネル1100のパネル板1110の開口部1112内に挿入されると共に、奥行きがパネル板1110の板厚内に収まるように形成されている。
サイドユニット2800Eのユニットカバー2820は、前方へ開放された浅い容器状に形成されており、内部にLED基板2825が収容される。このユニットカバー2820は、平板状のカバー部2820aと、カバー部2820aの外周縁から前方へ突出している枠状の周壁部2820bと、周壁部2820bの一部において前端から凹んでいる切欠部2820cと、を有している。なお、カバー部2820aに、通気用の複数のスリット孔を設けても良い。
また、ユニットカバー2820は、カバー部2820aの前面から周壁部2820bよりも短く前方へ突出しておりLED基板2825を取付けるための複数のボス部2820dと、カバー部2820aを貫通しておりユニット本体2810Aに取付けるための取付ビスが挿通される複数の取付孔(図示は省略)と、を有している。
ユニットカバー2820のカバー部2820aは、LED基板2825を後方から覆う大きさに形成されている。周壁部2820bは、外形がユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の外形と同じである。周壁部2820bの前端面は、サイドユニット2800Eに組立てることで、ユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の後端面に当接する。つまり、支持枠部2814の後端面と、周壁部2820bの前端面とが、接触面部2830を構成している。
切欠部2820cは、周壁部2820bのおける上辺側と下辺側とに設けられている。切欠部2820cは、サイドユニット2800Dに組立てることで、周壁部2820bの前端面とユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の前端面との間に隙間を形成することができる。つまり、切欠部2820cにより、支持枠部2814の後端面と周壁部2820bの前端面とで構成している接触面部2830の一部に、互いに接触していない非接触面部2831を形成している。この切欠部2820cにより、容器状のユニットカバー2820の内部を通気させることができ、内部に取付けられたLED基板2825からの熱を外部へ放熱することができ、ユニットカバー2820に熱が籠ることはない。
サイドユニット2800EのLED基板2825は、後面をユニットカバー2820におけるボス部2820dの前端に当接させた状態で、ユニットカバー2820の内部に取付けられる。LED基板2825に実装されている複数のLED2825aは、フルカラーLEDであり、サイドユニット2800Eに組立てることで、サイドユニット2800Eを様々な発光色で発光装飾させることができる。
このサイドユニット2800Eは、ユニットカバー2820の内部のボス部2820dに、LED基板2825を取付けた状態で、ユニットカバー2820の周壁部2820bの前端面を、ユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の後端面に当接(接触)させ、ユニットカバー2820の後方からユニットカバー2820の取付孔を介して取付ビスをユニット本体2810Aの第一構成部材2811Aの被取付孔にねじ込んで締め付けることにより、組立てることができる。
サイドユニット2800Eの遊技パネル1100への取付けは、まず、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前方から、第一構成部材2811Aの台板2811aがパネル板1110を貫通している開口部1112を閉鎖するように、台板2811aをパネル板1110の前面に当接させる。この際に、第一構成部材2811Aの二つの位置決突起2811cを、パネル板1110の位置決孔1113に挿入させる。この状態では、第一構成部材2811Aの取付孔2811dが、パネル板1110の取付孔1114と一致している。
そして、前方から第一構成部材2811Aの取付孔2811dを通して取付ビスをパネル板1110の取付孔1114にねじ込んで締め付けることにより、サイドユニット2800Eがパネル板1110の前面に取付けられる。この際に、第一構成部材2811Aの取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けているため、取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100におけるパネル板1110の取付孔1114にねじ込むことで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けて位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
サイドユニット2800Eでは、第一構成部材2811Aに、パネル板1110の面に沿って遊技球Bを流下させる球通路2811eを設けており、当該球通路2811eの部位の断面がコ字状となっているため、球通路2811eの存在により第一構成部材2811Aの剛性が高められている。一方、第二構成部材2812Aは、平板状の後板2812eから複数の球受部2812cが前方へ突出している形態であることから、従来のサイドユニットと似ており、剛性が低くなっているが、ユニット本体2810Aに組立てることにより、剛性が高められている第一構成部材2811Aにより、従来のサイドユニットよりも剛性を高めることができる。従って、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800Eをパネル板1110に取付けている取付ビスを取外してサイドユニット2800Eを前方へ引っ張った時に、サイドユニット2800Eの剛性が高められているため、サイドユニット2800Eが撓むことはない。これにより、パネル板1110の位置決孔1113に対してサイドユニット2800E(第一構成部材2811A)の位置決突起2811cが傾くことはなく、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2800Eを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
サイドユニット2800Eをパネル板1110の前面に取付けた状態(遊技盤5を組立てた状態)では、ユニット本体2810Aの第一構成部材2811Aがパネル板1110の開口部1112内でパネル板1110の板厚内に位置しており、パネル板1110の後面よりも前方に位置している。
また、本実施形態のサイドユニット2800Eは、遊技盤5に組立てた状態で、ユニットカバー2820がパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。この際に、切欠部2820c(非接触面部2831)を上下に設けているため、上側の切欠部2820cによりLED基板2825からの熱を上方へ排出させつつ、下側の切欠部2820cから外部の空気を内部へ取り込むことができる。また、遊技盤5に組立てた状態では、サイドユニット2800Eのユニット本体2810Aにおけるパネル板1110の開口部1112内に挿入されている部位の外周、つまり、第一構成部材2811Aにおける球通路2811eの外周と、開口部1112の内周との間には、隙間が設けられている。これらにより、LED基板2825からの熱を、切欠部2820c(非接触面部2831)を通して外部へ放出し易くなり、効率良く放熱することができる。
また、本実施形態のサイドユニット2800Eは、LED基板2825をユニットカバー2820に取付けた状態では、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)よりも後方に位置している。換言すると、平面視において、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)と重ならせないように設けられている。これにより、切欠部2820cを通してユニットカバー2820内に塵や埃が侵入しても、LED基板2825にかかり難くすることができ、塵や埃の影響を極力防ぐことができる。また、ユニットカバー2820の下辺側にも切欠部2820cを設けているため、上側の切欠部2820cから侵入した塵や埃を下側の切欠部2820cから下方へ排出させることができる。
更に、本実施形態のサイドユニット2800Eは、遊技盤5に組立てた状態では、ユニットカバー2820の切欠部2820cが、遊技パネル1100のパネル板1110における開口部1112内で、パネル板1110の板厚内に位置しているため、塵や埃が上方から切欠部2820cを通ってユニットカバー2820内へ侵入し難い。
また、本実施形態のサイドユニット2800Eは、遊技盤5に組立てた状態では、ユニットカバー2820の周壁部2820bと、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112の内周面との間に隙間を設けていると共に、第一構成部材2811の台板2811aにより開口部1112を前方から塞いでいる。これにより、ユニットカバー2820内のLED基板2825からの熱を、切欠部2820c及び開口部1112の内周面との間の隙間を通してパネル板1110の後方へ向けて放熱することができると共に、パネル板1110の後側から塵や埃等の異物が開口部1112を通してパネル板1110の前面側の遊技領域5aに侵入するのを防止することができる。
更に、サイドユニット2800Eは、遊技盤5に組立てた状態で、図110に示すように、ユニット本体2810Aに設けられている球通路2811eの一部(前端側)が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出している。ここでは、球通路2811eが、第一構成部材2811Aの台板2811aの厚さ分、前方へ突出している。これにより、パネル板1110の後面から後方へ突出するユニットカバー2820(LED基板2825)の突出量をより少なくすることができるため、遊技パネル1100(パネル板1110)の後方のスペースを十分に確保することができ、所望の大きさの裏下演出ユニット3500(裏下可動装飾体3510)を設けることができる。
なお、パネル板1110から後方への突出量は、図106のサイドユニット2800Aと同様に、遊技球Bの直径Dの1/2以下としている。
ところで、遊技パネル1100を射出成形により形成する場合、障害釘が植設される遊技領域5aの部位の厚さが、遊技パネル1100(パネル板1110)を木製の合板としたり樹脂板を切削加工したりする場合よりも薄くなり易いため、ユニット本体2810Aの球通路2811eにおけるパネル板1110の面と沿っている部位や、ユニット本体2810Aの後側に取付けられているユニットカバー2820が、パネル板1110の板厚内に収まり切れずに、パネル板1110の後面よりも後方へ突出してしまう恐れがある。そして、サイドユニット2800Eにおけるパネル板1110の後面よりも後方への突出量が大きいと、後方のスペースを十分に確保することができなくなる。これに対して、本実施形態では、サイドユニット2800Eにおいて、パネル板1110の後面からの突出量を、遊技球Bの直径Dの1/2以下としているため、後方のスペースを十分に確保することができ、所望の大きさの裏下演出ユニット3500(裏下可動装飾体3510)を設けることができる。
サイドユニット2800Eでは、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001を形成している球受部2812cにより後方の球通路2811eへ誘導され、球通路2811eによりパネル板1110の板厚内にかかりながらパネル板1110の面に沿って流下した後に、図示しない通路出口から後方に設けられている裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡される。裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された後に、下方へ排出される。
本実施形態のサイドユニット2800Eは、詳細な図示は省略するが、ユニット本体2810Aにおける第一構成部材2811Aの図示しない通路出口が、待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。つまり、一般入賞口2001(球受部2812c)に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001が待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。従って、サイドユニット2800Eや一般入賞口センサ3001等が裏下可動装飾体3510の邪魔になることはない。
本実施形態のサイドユニット2800Eによれば、上記のサイドユニット2800等と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記のサイドユニット2800Eでは、ユニットカバー2820の周壁部2820bに切欠部2820c(非接触面部2831)を設けているものを示したが、これに限定するものではなく、ユニットカバー2820の周壁部2820bに切欠部2820cを設けずにユニット本体2810Aの支持枠部2814に後端から前方へ切欠かれた切欠部(非接触面部2831)を設けるようにしても良い。或いは、ユニットカバー2820の周壁部2820bとユニット本体2810Aの支持枠部2814との両方に切欠部(非接触面部)を設けるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Eでは、ユニット本体2810Aに後方へ突出する枠状の支持枠部2814を設け、その後端面を接触面部2830とするものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット本体2810Aに支持枠部2814を設けずに、ユニットカバー2820(周壁部2820b)の前端が、ユニット本体2810Aの後面に当接するようにして、当該当接する部位を接触面部2830としても良い。これにより、後方へ突出する支持枠部2814を設けていないため、サイドユニット2800Eにおけるパネル板1110の後面から後方へ突出する突出量を少なくすることができ、パネル板1110の後方の空スペースをより広く確保することが可能となる。
更に、上記のサイドユニット2800Eでは、LED基板2825をユニットカバー2820に取付けているものを示したが、これに限定するものではなく、LED基板2825をユニット本体2810A(第一構成部材2811A)の後側に取付けるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Eにおいて、LED基板2825の前方にLED2825aからの光を拡散させる複数の凹凸からなる拡散レンズ部を設けるようにしても良い。この拡散レンズ部は、ユニット本体2810A(第一構成部材2811A)の後面に設けても良いし、ユニット本体2810Aとは別体の部材に設けても良い。
更に、上記のサイドユニット2800Eでは、夫々の球受部2812cと連通している複数の支流部2801と、複数の支流部2801が合流する本流部2802と、から構成されている球通路2811eを、有しているものを示したが、これに限定するものではなく、各球受部2812cごとに球通路2811eが独立しているものとしても良い。
また、上記の実施形態では、遊技パネル1100として透明樹脂製のパネル板1110を備えているものを示したが、これに限定するものではなく、木製の遊技パネル1100としても良い。これにより、遊技パネル1100を木製とすることで、樹脂製のものと比較して板厚が厚くなるため、遊技パネル1100の板厚内をより有効利用し易くすることができる。ところで、遊技パネル1100(パネル板1110)を透明なものとすると、LED基板2825のLED2825aからの光が、パネル板1110の開口部1112の内周面からパネル板1110内に入射して、パネル板1110内に拡散してしまい、前方へ照射される光量が低下することで、発光による演出効果が弱くなる恐れがある。これに対して、遊技パネル1100を木製(不透明)とすることで、LED基板2825のLED2825aからの光が、開口部1112の内周面から遊技パネル1100の内部に入射することはなく、開口部1112の内周面により反射させることが可能となるため、前方へ照射される光量の低下を抑制させることができ、発光による演出効果を十分に発揮させ易くすることができる。
[12-2f.サイドユニットの変形例6]
次に、上記とは更に異なる形態のサイドユニット2800Fについて、主に図111等を参照して説明する。図111(a)は更に異なる形態のサイドユニットを遊技パネル共に横断面で示す説明図であり、(b)は(a)を縦断面で示す説明図である。ここでは、上記のサイドユニット2800Dと同じ構成については同じ符号を付して説明する。
サイドユニット2800Fは、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技球Bを常時受入可能に開口している複数(2つ~4つ)の一般入賞口2001を備えている。
サイドユニット2800Fは、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられるユニット本体2810Aと、ユニット本体2810Aの後側から取付けられるユニットカバー2820と、ユニット本体2810Aとユニットカバー2820との間に設けられ複数のLED2825aが実装されているLED基板2825と、を備えている。サイドユニット2800Fのユニット本体2810Aとユニットカバー2820は、透明な合成樹脂により形成されている。
また、サイドユニット2800Fは、ユニット本体2810Aとユニットカバー2820とが互いに接している接触面部2830と、接触面部2830の一部に設けられており互いに接触していない非接触面部2831と、を有している。
サイドユニット2800Fのユニット本体2810Aは、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられる第一構成部材2811Aと、第一構成部材2811Aに後側から取付けられる第二構成部材2812Aと、ユニットカバー2820の外周縁に沿うように後方へ枠状に突出しており後端面がユニットカバー2820の前端面に当接する支持枠部2814と、を有している。本実施形態では、第一構成部材2811Aの前側に第二構成部材2812Aが取付けられている。また、支持枠部2814が第一構成部材2811Aの後面から突出している。
ユニット本体2810Aの第一構成部材2811Aは、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に当接可能な平板状の台板2811aと、台板2811aを貫通して前方へ開放されており一般入賞口2001(球受部2812c)に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100(パネル板1110)の面(板面)に沿って流下させる球通路2811eと、球通路2811eの下流端において後方へ向かって開口している通路出口(図示は省略)と、を有している。
また、第一構成部材2811Aは、台板2811aから後方へ突出している複数の位置決突起2811cと、台板2811aを貫通しており遊技パネル1100に取付けるための複数の取付孔2811dと、台板2811aを貫通しており第二構成部材2812Aを取付けるための複数の取付孔(図示は省略)と、後面に設けられておりユニットカバー2820を取付けるための複数の被取付孔(図示は省略)と、を有している(図104を参照)。
台板2811aは、前構成部材1000の内レール1002に沿うように延出している。また、サイドユニット2800Fでは、第一構成部材2811Aの球通路2811eが、台板2811aの上下方向中央よりも下側に設けられている。
複数の位置決突起2811cは、台板2811aの長手方向へ離隔して設けられている。位置決突起2811cは、遊技パネル1100のパネル板1110に設けられている位置決孔1113に挿入される。本実施形態では、各位置決突起2811cは同じ長さである。複数の取付孔2811dは、台板2811aにおける位置決突起2811cの近傍と、台板2811aの左右方向中央付近の上部と、に設けられている。これら取付孔2811dは、前側に皿ザグリが形成されており、パネル板1110の取付孔1114にねじ込まれる皿頭の取付ビス(図示は省略)が前方から挿通される。パネル板1110の前面に取付けた状態では、取付ビスの頭部が台板2811aの前面よりも前方へ突出することはない。
この第一構成部材2811Aには、後端がユニットカバー2820の前端と当接する支持枠部2814が後側に設けられている。換言すると、第一構成部材2811Aは、ユニットカバー2820の外周縁に沿うように後方へ枠状に突出しており後端面がユニットカバー2820の前端面に当接する支持枠部2814を、有している。支持枠部2814は、球通路2811eの上方で、台板2811aの後面に設けられている。支持枠部2814の後端面は、サイドユニット2800Fに組立てることでユニットカバー2820における後述する周壁部2820bの前端面に当接する。つまり、支持枠部2814の後端面と、周壁部2820bの前端面とが、接触面部2830を構成している。
第二構成部材2812Aは、前後方向に短く延びていると共に上方及び下方が解放されており一般入賞口2001を形成している複数の球受部2812cと、複数の球受部2812cの前端同士を繋いでいる平板状の前板2812dと、前板2812dの後で球受部2812cの下方に設けられていると共に後方へ開放されており球受部2812cに受入れられた遊技球Bが流通する球通路2812fと、第一構成部材2811Aに取付けるための複数の取付孔(図示は省略)と、を有している。
なお、本実施形態では、第二構成部材2812Aにおける前板2812dの前面に、透光性を有する装飾シール2803が貼り付けられている。
ユニット本体2810Aは、第一構成部材2811Aの前方に第二構成部材2812Aを位置させ、後方から第一構成部材2811Aの取付孔を通して取付ビスを第二構成部材2812Aの被取付孔にねじ込むことで、組立てられる。これにより、第一構成部材2811Aに後側から第二構成部材2812Aが取付けられたユニット本体2810Aが構築される。このユニット本体2810Aでは、第一構成部材2811Aの台板2811aよりも前方で、第二構成部材2812Aの球受部2812cが前方へ突出している。
サイドユニット2800Fのユニット本体2810Aは、一般入賞口2001(球受部2812c)と連通している支流部2801(図111において薄い網掛けで示す部位)と、支流部2801と合流しており遊技パネル1100におけるパネル板1110の面(板面)に沿って延出している本流部2802(図111において濃い網掛けで示す部位)と、を有している。球通路2811e及び球通路2812fは、複数の支流部2801と、本流部2802と、で構成されている。
支流部2801は、正面視において左右方向中央の球受部2812cとその左端の球受部2812cとでは、パネル板1110よりも前方において下方へ延出しており、右端の球受部2812cでは、パネル板1110よりも前方の部位からパネル板1110の板厚内の部位まで後方へ延出している。
本流部2802は、正面視において左端の球受部2812cの下方の部位から左右方向中央の球受部2812cの下方の部位までは、遊技パネル1100のパネル板1110の前方においてパネル板1110の板面に沿って延出しており、左右方向中央の球受部2812cの下方の部位で後方へ屈曲して、パネル板1110の板厚内へ延出した後に、パネル板1110の板厚内でパネル板1110の板面に沿って右端の球受部2812cの後方の部位まで延出している。本流部2802の長さは、遊技球Bの直径の2倍以上(本実施形態では、8~15倍)である。
ユニット本体2810Aに組立てた状態では、第一構成部材2811Aにおける前方へ開放されている球通路2811eが、第二構成部材2812Aの球通路2812f及び後面によって閉鎖された状態となる。また、第二構成部材2812Aにおける後方へ開放されている球通路2812fが、第一構成部材2811Aの台板2811a及び球通路2811eによって閉鎖された状態となる。これにより、球通路2811e及び球通路2812fから遊技球Bが零れることはない。つまり、第一構成部材2811Aと第二構成部材2812Aとで、球通路2811e及び球通路2812fを構成しておいる。換言すると、第一構成部材2811Aと第二構成部材2812Aとの間に、球通路2811e及び球通路2812fが設けられている。
本実施形態の第一構成部材2811Aは、図111に示すように、台板2811aを除いた部位が、遊技パネル1100のパネル板1110の開口部1112内に挿入されると共に、奥行きがパネル板1110の板厚内に収まるように形成されている。
サイドユニット2800Fのユニットカバー2820は、前方へ開放された浅い容器状に形成されており、内部にLED基板2825が収容される。このユニットカバー2820は、平板状のカバー部2820aと、カバー部2820aの外周縁から前方へ突出している枠状の周壁部2820bと、周壁部2820bの一部において前端から凹んでいる切欠部2820cと、を有している。なお、カバー部2820aに、通気用の複数のスリット孔を設けても良い。
また、ユニットカバー2820は、カバー部2820aの前面から周壁部2820bよりも短く前方へ突出しておりLED基板2825を取付けるための複数のボス部2820dと、カバー部2820aを貫通しておりユニット本体2810Aに取付けるための取付ビスが挿通される複数の取付孔(図示は省略)と、を有している。
ユニットカバー2820のカバー部2820aは、LED基板2825を後方から覆う大きさに形成されている。周壁部2820bは、外形がユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の外形と同じである。周壁部2820bの前端面は、サイドユニット2800Fに組立てることで、ユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の後端面に当接する。つまり、支持枠部2814の後端面と、周壁部2820bの前端面とが、接触面部2830を構成している。
切欠部2820cは、周壁部2820bのおける上辺側と下辺側とに設けられている。切欠部2820cは、サイドユニット2800Dに組立てることで、周壁部2820bの前端面とユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の前端面との間に隙間を形成することができる。つまり、切欠部2820cにより、支持枠部2814の後端面と周壁部2820bの前端面とで構成している接触面部2830の一部に、互いに接触していない非接触面部2831を形成している。この切欠部2820cにより、容器状のユニットカバー2820の内部を通気させることができ、内部に取付けられたLED基板2825からの熱を外部へ放熱することができ、ユニットカバー2820に熱が籠ることはない。
サイドユニット2800FのLED基板2825は、後面をユニットカバー2820におけるボス部2820dの前端に当接させた状態で、ユニットカバー2820の内部に取付けられる。LED基板2825に実装されている複数のLED2825aは、フルカラーLEDであり、サイドユニット2800Fに組立てることで、サイドユニット2800Fを様々な発光色で発光装飾させることができる。
このサイドユニット2800Fは、ユニットカバー2820の内部のボス部2820dに、LED基板2825を取付けた状態で、ユニットカバー2820の周壁部2820bの前端面を、ユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の後端面に当接(接触)させ、ユニットカバー2820の後方からユニットカバー2820の取付孔を介して取付ビスをユニット本体2810Aの第一構成部材2811Aの被取付孔にねじ込んで締め付けることにより、組立てることができる。
サイドユニット2800Fの遊技パネル1100への取付けは、まず、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前方から、第一構成部材2811Aの台板2811aがパネル板1110を貫通している開口部1112を閉鎖するように、台板2811aをパネル板1110の前面に当接させる。この際に、第一構成部材2811Aの二つの位置決突起2811cを、パネル板1110の位置決孔1113に挿入させる。この状態では、第一構成部材2811Aの取付孔2811dが、パネル板1110の取付孔1114と一致している。
そして、前方から第一構成部材2811Aの取付孔2811dを通して取付ビスをパネル板1110の取付孔1114にねじ込んで締め付けることにより、サイドユニット2800Fがパネル板1110の前面に取付けられる。この際に、第一構成部材2811Aの取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けているため、取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100におけるパネル板1110の取付孔1114にねじ込むことで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けて位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
サイドユニット2800Fでは、第一構成部材2811Aに、パネル板1110の面に沿って遊技球Bを流下させる球通路2811eを設けており、当該球通路2811eの部位の断面がコ字状となっているため、球通路2811eの存在により第一構成部材2811Aの剛性が高められている。一方、第二構成部材2812Aにも、パネル板1110の面に沿って遊技球Bを流下させる球通路2812fを設けており、当該球通路2812fの部位の断面がコ字状となっているため、球通路2812fの存在により第二構成部材2812Aの剛性が高められている。これにより、剛性が高められている第一構成部材2811Aと第二構成部材2812Aとを組み合わせてサイドユニット2800Fを構築しているため、従来のサイドユニットよりも剛性を高めることができる。従って、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800Fをパネル板1110に取付けている取付ビスを取外してサイドユニット2800Fを前方へ引っ張った時に、サイドユニット2800Fの剛性が高められているため、サイドユニット2800Fが撓むことはない。このようなことから、パネル板1110の位置決孔1113に対してサイドユニット2800F(第一構成部材2811A)の位置決突起2811cが傾くことはなく、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2800Fを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
サイドユニット2800Fをパネル板1110の前面に取付けた状態(遊技盤5を組立てた状態)では、ユニット本体2810Aにおける第一構成部材2811Aの球通路2811e及びユニットカバー2820(LED基板2825)が、パネル板1110の開口部1112内でパネル板1110の板厚内に位置しており、パネル板1110の後面よりも前方に位置している。換言すると、遊技盤5に組立てた状態では、サイドユニット2800がパネル板1110の後面よりも後方へ突出しておらず、パネル板1110の後方のスペースを広く確保することが可能である。
また、本実施形態のサイドユニット2800Fでは、ユニットカバー2820の切欠部2820c(非接触面部2831)を上下に設けているため、上側の切欠部2820cによりLED基板2825からの熱を上方へ排出させつつ、下側の切欠部2820cから外部の空気を内部へ取り込むことができる。また、遊技盤5に組立てた状態では、サイドユニット2800Fのユニット本体2810Aにおけるパネル板1110の開口部1112内に挿入されている部位の外周、つまり、第一構成部材2811Aにおける支持枠部2814の外周と、開口部1112の内周との間には、隙間が設けられている。これらにより、LED基板2825からの熱を、切欠部2820c(非接触面部2831)を通して外部へ放出し易くなり、効率良く放熱することができる。
また、本実施形態のサイドユニット2800Fは、LED基板2825をユニットカバー2820に取付けた状態では、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)よりも後方に位置している。換言すると、平面視において、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)と重ならせないように設けられている。これにより、切欠部2820cを通してユニットカバー2820内に塵や埃が侵入しても、LED基板2825にかかり難くすることができ、塵や埃の影響を極力防ぐことができる。また、ユニットカバー2820の下辺側にも切欠部2820cを設けているため、上側の切欠部2820cから侵入した塵や埃を下側の切欠部2820cから下方へ排出させることができる。
更に、本実施形態のサイドユニット2800Fは、遊技盤5に組立てた状態では、ユニットカバー2820の切欠部2820cが、遊技パネル1100のパネル板1110における開口部1112内で、パネル板1110の板厚内に位置しているため、塵や埃が上方から切欠部2820cを通ってユニットカバー2820内へ侵入し難い。
また、本実施形態のサイドユニット2800Fは、遊技盤5に組立てた状態では、ユニットカバー2820の周壁部2820bと、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112の内周面との間に隙間を設けていると共に、第一構成部材2811の台板2811aにより開口部1112を前方から塞いでいる。これにより、ユニットカバー2820内のLED基板2825からの熱を、切欠部2820c及び開口部1112の内周面との間の隙間を通してパネル板1110の後方へ向けて放熱することができると共に、パネル板1110の後側から塵や埃等の異物が開口部1112を通してパネル板1110の前面側の遊技領域5aに侵入するのを防止することができる。
更に、サイドユニット2800Fは、遊技盤5に組立てた状態で、図111に示すように、球受部2812cに受入れられた遊技球Bが遊技パネル1100のパネル板1110の面に沿って流下する球通路2812fを、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方に設けている。これにより、第一構成部材2811Aにおける台板2811aの後側に設けられているユニットカバー2820(LED基板2825)を、パネル板1110の開口部1112内でパネル板1110の板厚内に収めることができ、パネル板1110の後面よりも後方へ突出させないようにすることができる。従って、サイドユニット2800Fにおける遊技パネル1100(パネル板1110)の後方のスペースを十分に確保することができ、所望の大きさの裏下演出ユニット3500(裏下可動装飾体3510)を設けることができる。
サイドユニット2800Fでは、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001を形成している球受部2812cにより下方の球通路2812fへ流下し、球通路2812fによりパネル板1110の前面よりも前方において、パネル板1110の面に沿って流下し、途中で後方へクランク状に屈曲してパネル板1110の板厚内でパネル板1110の面に沿って流下した上で、図示しない通路出口から後方に設けられている裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡される。裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された後に、下方へ排出される。一方、サイドユニット2800Fへ向かって流下してきた遊技球Bが、サイドユニット2800Fの一般入賞口2001(球受部2812c)に受入れられなかった場合、当該遊技球Bは、台板2811aと前板2812dとの間の空間を通ってアウト口1008へ流下し、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後方且つ下方へ排出される。
本実施形態のサイドユニット2800Fは、図111(b)に示すように、ユニット本体2810Aにおける第一構成部材2811Aの図示しない通路出口が、待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。つまり、一般入賞口2001(球受部2812c)に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001が待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。従って、サイドユニット2800Fや一般入賞口センサ3001等が裏下可動装飾体3510の邪魔になることはない。
本実施形態のサイドユニット2800Fによれば、上記のサイドユニット2800等と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記のサイドユニット2800Fでは、ユニットカバー2820の周壁部2820bに切欠部2820c(非接触面部2831)を設けているものを示したが、これに限定するものではなく、ユニットカバー2820の周壁部2820bに切欠部2820cを設けずにユニット本体2810Aの支持枠部2814に後端から前方へ切欠かれた切欠部(非接触面部2831)を設けるようにしても良い。或いは、ユニットカバー2820の周壁部2820bとユニット本体2810Aの支持枠部2814との両方に切欠部(非接触面部)を設けるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Fでは、ユニット本体2810Aに後方へ突出する枠状の支持枠部2814を設け、その後端面を接触面部2830とするものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット本体2810Aに支持枠部2814を設けずに、ユニットカバー2820(周壁部2820b)の前端が、ユニット本体2810Aの後面に当接するようにして、当該当接する部位を接触面部2830としても良い。これにより、後方へ突出する支持枠部2814を設けていないため、サイドユニット2800Fにおける後方への突出量を少なくすることができる。
更に、上記のサイドユニット2800Fでは、LED基板2825をユニットカバー2820に取付けているものを示したが、これに限定するものではなく、LED基板2825をユニット本体2810A(第一構成部材2811A)の後側に取付けるようにしても良い。
また、上記のサイドユニット2800Fにおいて、LED基板2825の前方にLED2825aからの光を拡散させる複数の凹凸からなる拡散レンズ部を設けるようにしても良い。この拡散レンズ部は、ユニット本体2810A(第一構成部材2811A)の後面に設けても良いし、ユニット本体2810Aとは別体の部材に設けても良い。
更に、上記のサイドユニット2800Fでは、夫々の球受部2812cと連通している複数の支流部2801と、複数の支流部2801が合流する本流部2802と、から構成されている球通路2811eを、有しているものを示したが、これに限定するものではなく、各球受部2812cごとに球通路2811eが独立しているものとしても良い。
また、上記の実施形態では、遊技パネル1100として透明樹脂製のパネル板1110を備えているものを示したが、これに限定するものではなく、木製の遊技パネル1100としても良い。これにより、遊技パネル1100を木製とすることで、樹脂製のものと比較して板厚が厚くなるため、遊技パネル1100の板厚内をより有効利用し易くすることができる。ところで、遊技パネル1100(パネル板1110)を透明なものとすると、LED基板2825のLED2825aからの光が、パネル板1110の開口部1112の内周面からパネル板1110内に入射して、パネル板1110内に拡散してしまい、前方へ照射される光量が低下することで、発光による演出効果が弱くなる恐れがある。これに対して、遊技パネル1100を木製(不透明)とすることで、LED基板2825のLED2825aからの光が、開口部1112の内周面から遊技パネル1100の内部に入射することはなく、開口部1112の内周面により反射させることが可能となるため、前方へ照射される光量の低下を抑制させることができ、発光による演出効果を十分に発揮させ易くすることができる。
[12-3.第三実施形態のサイドユニット等]
次に、第三実施形態のサイドユニット2800Gについて、主に図112及び図114等を参照して説明する。図112(a)は第三実施形態のサイドユニット等が設けられている遊技盤の要部を示す正面図であり、(b)は(a)におけるアウト口の部位を拡大して示す説明図であり、(c)は(b)を縦断面で示す説明図である。図113(a)は図112とは異なる形態の指掛部を有するサイドユニット等が設けられている遊技盤のアウト口の部位を拡大して示す説明図であり、(b)は(a)を縦断面で示す説明図である。図114は、サイドユニットが取付けられる開口部とアウト口とが連続して繋がっている遊技パネルのパネル板を模式的に示す説明図である。ここでは、上記と同じ構成については、同じ符号を付して説明する。
第三実施形態のサイドユニット2800Gは、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出しており、遊技パネル1100(パネル板1110)に前方から取付けられている。サイドユニット2800Gは、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を備えている。
本実施形態では、遊技パネル1100においてパネル板1110の前面側から後面側へ遊技球Bが流通可能なパネル板1110を貫通している開口領域1101を有している。この開口領域1101は、サイドユニット2800Gの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが流通可能な普通開口領域1102と、一般入賞口2001に受入れられなかった遊技球Bが流通可能な特定開口領域1103と、から構成されている。普通開口領域1102は、サイドユニット2800Gが取付けられる部位の開口部1112であり、特定開口領域1103は、アウト口1008である。このアウト口1008は、パネル板1110において下方へ開放されている切欠状に形成されている。
図112及び後述する図113の実施形態では、開口領域1101を構成している普通開口領域1102と特定開口領域1103とが互いに繋がらずに独立している。つまり、特定開口領域1103は、普通開口領域1102とは別で遊技パネル1100のパネル板1110に形成されている。換言すると、アウト口1008は、サイドユニット2800Gが嵌合される普通開口領域1102とは別で遊技パネル1100のパネル板1110に形成された特定開口領域1103により構成されている。これにより、パネル板1110では、外周面から外方へ切欠状に解放されている部位の広さを小さくすることが可能となるため、開口領域1101を形成することによるパネル板1110の強度の低下を抑制することができる。
このサイドユニット2800Gは、パネル板1110に取付けた時に、パネル板1110を貫通しているアウト口1008(特定開口領域1103)に、外縁の一部が重なる指掛部2816を有している。換言すると、サイドユニット2800Gは、アウト口1008(特定開口領域1103)に外縁の一部が重なるようにパネル板1110に取付けられる。
サイドユニット2800Gに指掛部2816を設けているため、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800Gをパネル板1110に取付けている取付ビスを取外した状態で、アウト口1008に指や工具等を挿入することで、指掛部2816に指等を引っ掛けてサイドユニット2800Gを前方へ引っ張ることができる。これにより、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2800Gを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することができる。
本実施形態のサイドユニット2800Gについて、更に説明すると、サイドユニット2800Gは、図104等に示すサイドユニット2800と同様に、遊技パネル1100における障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられる第一構成部材2811と、第一構成部材2811に後側から取付けられる第二構成部材2812と、から構成されている。本実施形態のサイドユニット2800は、第一構成部材2811の後側に第二構成部材2812が取付けられている。
サイドユニット2800Gの第一構成部材2811は、遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に当接可能な平板状の台板2811aと、台板2811aから前方へ突出していると共に上方及び後方が解放されており一般入賞口2001を形成している複数の球受部2811bと、を有している。
台板2811aは、前構成部材1000の内レール1002に沿うように延出している。本実施形態の台板2811aは、図112に示すように、右端側が、始動口ユニット2100に接近するように右端の球受部2811bよりも右方へ延出している。この台板2811aは、アウト口1008(特定開口領域1103)に対して外縁の一部が重なるように設けられている。換言すると、パネル板1110に取付けた状態で、台板2811aの外縁の一部が、正面視においてアウト口1008(特定開口領域1103)に重なるようにアウト口1008の前方へ突出するように形成されている。本実施形態では、台板2811aにおけるアウト口1008の前方へ突出している部位が、指掛部2816である。
台板2811aの外縁は、前面が外縁端へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。従って、台板2811aの外縁におけるアウト口1008の部位、つまり、指掛部2816の前端面が、アウト口1008に向かうように傾斜している。
三つの球受部2811bは、互いが左右に離隔して設けられていると共に、右方の球受部2811bほど下方へ位置するように設けられている。左端の球受部2811bは、前端面が下端まで台板2811aと平行に形成されている。残り(中央と右端)の球受部2811bは、前端面が下端へ向かうほど後方へ移動するように傾斜している。
また、第一構成部材2811は、台板2811aから後方へ突出している二つの位置決突起2811cと、台板2811aを貫通しており遊技パネル1100に取付けるための複数(ここでは三つ)の取付孔2811dと、球受部2811b(台板2811a)の後端面に設けられており第二構成部材2812を取付けるための複数の被取付孔(図示は省略)と、を有している。
二つの位置決突起2811cは、台板2811aの長手方向へ離隔して設けられている。ここでは、二つの位置決突起2811cが、アウト口1008に近い部位と、アウト口1008から遠い部位と、に設けられている。位置決突起2811cは、遊技パネル1100のパネル板1110に設けられている位置決孔1113に挿入される。本実施形態では、二つの位置決突起2811cは同じ長さである。
三つの取付孔2811dは、台板2811aにおける位置決突起2811cの近傍と、台板2811aの左右方向中央付近の上部と、に設けられている。これら取付孔2811dは、前側に皿ザグリが形成されており、パネル板1110の取付孔1114にねじ込まれる皿頭の取付ビス(図示は省略)が前方から挿通される。パネル板1110の前面に取付けた状態では、取付ビスの頭部が台板2811aの前面よりも前方へ突出することはない。
被取付孔は、後述する第二構成部材2812の取付孔(図示は省略)に挿通された取付ビスがねじ込まれるものである。
第二構成部材2812は、前方へ開放された容器状に形成されており、一般入賞口2001(球受部2811b)に受入れられた遊技球Bを遊技パネル1100(パネル板1110)の面(板面)に沿って流下させる球通路2812aと、球通路2812aの下流端において後方へ向かって開口している通路出口2812bと、第一構成部材2811に取付けられるための複数の取付孔(図示は省略)と、を有している。
本実施形態の第二構成部材2812は、遊技パネル1100のパネル板1110の開口部1112(普通開口領域1102)内に挿入(嵌入)されると共に、奥行きがパネル板1110の板厚内に収まるように形成されている。
第二構成部材2812の球通路2812aは、前構成部材1000の内レール1002に沿うと共に、パネル板1110の面に沿って右方へ向かうほど低くなるように形成されている。通路出口2812bは、球通路2812aの下流端である第二構成部材2812の右端において後方へ向かって開口している。
第二構成部材2812の取付孔は、第一構成部材2811の被取付孔と対応する部位に設けられている。第二構成部材2812の取付孔に対して、取付ビスを後方から挿通させて第一構成部材2811の被取付孔にねじ込むことにより、第一構成部材2811に後側から第二構成部材2812が取付けられる。
本実施形態のサイドユニット2800Gは、一般入賞口2001(球受部2811b)と連通している支流部2801と、支流部2801と合流しており遊技パネル1100におけるパネル板1110の面(板面)に沿って延出している本流部2802と、を有している。球通路2812aは、複数の支流部2801と、本流部2802と、で構成されている。
支流部2801は、パネル板1110の前面よりも前方の部位から、パネル板1110の前面よりも後方で本流部2802の上方の(パネル板1110の板厚の)部位まで、後方へ延出している。
本流部2802は、遊技パネル1100のパネル板1110の板面に沿うと共に、右方へ低くなるように台板2811aの左端付近から右端付近まで延出している。本流部2802の長さは、遊技球Bの直径の2倍以上(本実施形態では、8~10倍)である。
本実施形態のサイドユニット2800Gは、第一構成部材2811の後方に第二構成部材2812を位置させ、第二構成部材2812の後方から取付ビスを第二構成部材2812の取付孔を通して第一構成部材2811の被取付孔にねじ込むことで、組立てられる。これにより、第一構成部材2811に後側から第二構成部材2812が取付けられたサイドユニット2800Gが構築される。
第二構成部材2812の球通路2812aは、前方へ開放されているが、前側に第一構成部材2811が取付けられると、球通路2812aの前端側が第一構成部材2811の台板2811aにより閉鎖された状態となり、球通路2812aから遊技球Bが前方へ零れることはない。つまり、第一構成部材2811と第二構成部材2812とで球通路2812aを構成しておいる。換言すると、第一構成部材2811と第二構成部材2812との間に球通路2812aが設けられている。
このサイドユニット2800Gは、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前方から、第一構成部材2811の台板2811aがパネル板1110を貫通している開口部1112(開口領域1101の普通開口領域1102)を閉鎖するように、台板2811aをパネル板1110の前面に当接させる。この際に、第一構成部材2811の二つの位置決突起2811cを、パネル板1110の位置決孔1113に挿入させる。この状態では、第一構成部材2811の取付孔2811dが、パネル板1110の取付孔1114と一致している。
そして、前方から第一構成部材2811の取付孔2811dを通して取付ビスをパネル板1110の取付孔1114にねじ込んで締め付けることにより、サイドユニット2800Gがパネル板1110の前面に取付けられる。この際に、第一構成部材2811の取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けているため、取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100におけるパネル板1110の取付孔1114にねじ込むことで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けて位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
本実施形態のサイドユニット2800Gは、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けた状態(遊技盤5を組立てた状態)では、第一構成部材2811における台板2811aの指掛部2816が、アウト口1008(開口領域1101の特定開口領域1103)の前方へ突出している。
また、サイドユニット2800Gをパネル板1110の前面に取付けた状態(遊技盤5を組立てた状態)では、第二構成部材2812がパネル板1110の開口部1112内でパネル板1110の板厚内に位置しており、パネル板1110の後面よりも前方に位置している。換言すると、遊技盤5に組立てた状態では、サイドユニット2800Gがパネル板1110の後面よりも後方へ突出しておらず、パネル板1110の後方のスペースを広く確保することが可能である。
サイドユニット2800Gでは、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001を形成している球受部2811bによりパネル板1110の前面よりも後方の球通路2812aへ誘導され、球通路2812aによりパネル板1110の面に沿って流下した後に、通路出口2812bから後方に設けられている裏ユニット3000の裏球誘導ユニット3100に受け渡される。裏球誘導ユニット3100に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3001に検知された後に、下方へ排出される。
本実施形態では、詳細な図示は省略するが、第二構成部材2812の通路出口2812bが、待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。つまり、一般入賞口2001(球受部2811b)に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001が待機位置の裏下可動装飾体3510よりも下方に設けられている。従って、サイドユニット2800Gや一般入賞口センサ3001等が裏下可動装飾体3510の邪魔になることはない。
本実施形態のサイドユニット2800Gによれば、上記のサイドユニット2800等と同様の作用効果を奏することができる。
本実施形態のサイドユニット2800Gによれば、第二構成部材2812に、パネル板1110の面に沿って遊技球Bを流下させる球通路2812aを設けていることから、当該球通路2812aの部位の断面がコ字状となっているため、球通路2812aの存在により第二構成部材2812の剛性を高めることができる。そして、剛性が高められている第二構成部材2812を、第一構成部材2811の後側から取付けてサイドユニット2800Gを形成しているため、サイドユニット2800の剛性を従来のサイドユニットよりも高めることができる。従って、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800Gを遊技パネル1100のパネル板1110に取付けている取付ビスを取外してサイドユニット2800Gを前方へ引っ張った時に、サイドユニット2800の剛性が高められていることでサイドユニット2800が撓むことはない。これにより、パネル板1110の位置決孔1113に対してサイドユニット2800G(第一構成部材2811)の位置決突起2811cが傾くことはなく、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2800Gを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態のサイドユニット2800Gによれば、外縁の一部に、パネル板1110のアウト口1008と重なる指掛部2816を設けているため、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800Gをパネル板1110に取付けている取付ビスを取外した状態で、アウト口1008に指や工具等を挿入することで、指掛部2816に指等を引っ掛けてサイドユニット2800Gを前方へ引っ張ることができる。これにより、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2800Gを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減させることができる。
また、本実施形態のサイドユニット2800Gでは、指掛部2816をアウト口1008(特定開口領域1103)と重なるように設けており、当該アウト口1008は遊技球B二個以上の大きさを有しているため、作業者の指等を楽にアウト口1008に挿入することができ、指掛部2816に指等を容易に引っ掛けることができる。
更に、サイドユニット2800Gでは、台板2811aの指掛部2816をアウト口1008に重なるようにアウト口1008の前方へ突出させているため、遊技領域5aを流下してきた遊技球Bがアウト口1008を通して排出される際に、アウト口1008の上方からパネル板1110の面に沿って流下してきた遊技球Bがアウト口1008の前端の角をなめるようにしてアウト口1008に入球したり、アウト口1008の手前のアウト誘導部1003において上方へ跳ね返った遊技球Bがアウト口1008の前端の角に当接したり、することを回避させることができる。つまり、指掛部2816によりパネル板1110におけるアウト口1008の前端の角に遊技球Bが当接しないように保護することができる。これにより、アウト口1008の前端が欠けてしまうことを防止することができる。
また、サイドユニット2800Gでは、台板2811aにおける指掛部2816の前面をアウト口1008へ向かって傾斜させていることから、外縁の角が鈍角になっている。従って、パチンコ機1の分解作業においてサイドユニット2800Gを遊技パネル1100のパネル板1110から取外すために、サイドユニット2800Gにおける台板2811aの外縁におけるアウト口1008と重なっている指掛部2816(指掛部2817)に作業者の指等を引っ掛ける際に、台板2811aの外縁の角に指等が当接しても、当該角が鈍角になっているため、当該角が直角になっている場合と比較して、指等を傷付け難くすることができ、指等によりサイドユニット2800Gを安全に取外すことができる。
また、サイドユニット2800Gでは、台板2811aにおける指掛部2816の前面をアウト口1008へ向かって傾斜させているため、台板2811aの前面に沿ってアウト口1008へ流下する遊技球Bを、滑らかにアウト口1008へ誘導することができ、アウト口1008付近で遊技球Bが滞ることを抑制させることができる。また、指掛部2816の前面を傾斜させていることから、指掛部2816の前端の角が鈍角になっているため、前端の角を欠け難くすることができる。
また、サイドユニット2800Gでは、遊技盤5に組立てることで、第一構成部材2811の台板2811aにより、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112を前方から塞いでいるため、パネル板1110の後側から塵や埃等の異物が開口部1112を通してパネル板1110の前面側の遊技領域5aに侵入するのを防止することができる。
ところで、サイドユニット2800Gに二つの位置決突起2811cを設けて夫々を遊技パネル1100のパネル板1110の位置決孔1113に挿入させていることから、分解作業においてサイドユニット2800Gをパネル板1110から取外す際に、二つの位置決突起2811cを同時に位置決孔1113から引き抜こうとすると、強い力でサイドユニット2800Gを前方へ引っ張る必要があり、作業者の負担が増加する恐れがある。これに対して、本実施形態では、位置決突起2811cをアウト口1008に接近している部位と遠い部位とに設けているため、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、遊技パネル1100のパネル板1110からサイドユニット2800Gを取外す際に、サイドユニット2800の台板2811aの外縁におけるアウト口1008と重なっている指掛部2816に、作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張ることで、アウト口1008に近い位置決突起2811cに対して強い引抜力を作用させることが可能となる。これにより、分解作業において、二つの位置決突起2811cのうち、まず初めにアウト口1008に近い位置決突起2811cを位置決孔1113から抜くことができ、その後に、アウト口1008から遠い残りの位置決突起2811cを位置決孔1113から抜けば良いため、同時に二つの位置決突起2811cを引き抜く場合と比較して、弱い力で引き抜くことが可能となり、作業種の負担を軽減させることができる。
なお、上記のサイドユニット2800Gでは、指掛部2816として遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に沿った平板状のものを示したが、これに限定するものではなく、図113に示すような形態の指掛部2817としても良い。
この指掛部2817は、サイドユニット2800Gをパネル板1110の前面に取付けた時に、正面視においてパネル板1110を貫通しているアウト口1008と重なると共に、アウト口1008の内面に沿ってパネル板1110の前面からパネル板1110の後面よりも後方へ延出しているものである。この指掛部2817は、サイドユニット2800Gの第一構成部材2811における台板2811aの外縁に設けられている。また、指掛部2817の前面は、アウト口1008に向かうように傾斜している。
図113の実施例では、サイドユニット2800Gの台板2811aの外縁におけるアウト口1008(特定開口領域1103)と重なっている指掛部2817の奥行を長くしており、アウト口1008に挿入されている部位がある程度の厚さを有している。そのため、指掛部2817の厚さによりアウト口1008のサイズが小さくなる(遊技球Bを排出するための通路容積が小さくなる)が、本実施形態では、指掛部2817の厚さを見越して、アウト口1008のサイズを広くしている(遊技球Bを排出するための通路容積を大きくしている)。これにより、アウト口1008において遊技球Bが滞りなく排出することができる。
この指掛部2817によれば、上記の指掛部2816と同様の作用効果を奏することができる。従って、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800Gをパネル板1110に取付けている取付ビスを取外した状態で、アウト口1008に指や工具等を挿入することで、当該指掛部2817に指等を引っ掛けてサイドユニット2800Gを前方へ引っ張ることができる。これにより、遊技パネル1100(パネル板1110)からサイドユニット2800Gを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することができる。
また、指掛部2817をアウト口1008の内面に沿ってパネル板1110の後面よりも後方へ突出させているため、指掛部2817によりアウト口1008の内面を保護することができる。また、木製の遊技パネル1100を使用する場合、木部がそのまま現れるアウト口1008の内面を指掛部2817により隠すことができ、パチンコ機1(遊技盤5)の見栄えを良くすることができる。
また、上記の実施形態では、サイドユニット2800Gに指掛部2816や指掛部2817を設けるものを示したが、これに限定するものではなく、図112及び図113に示すように、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられる始動口ユニット2100やアタッカユニット2400に、外縁の一部がアウト口1008に重なる指掛部2816や指掛部2817を設けるようにしても良い。
詳述すると、始動口ユニット2100は、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接する平板状の台板2103を有しており、台板2103におけるアウト口1008と重なる部位に指掛部2816や指掛部2817が設けられている。なお、図示は省略するが、始動口ユニット2100は、台板2103から後方へ突出しパネル板1110の位置決孔1113に挿入される複数の位置決突起を有している。
また、アタッカユニット2400は、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接する平板状の台板2431を有しており、台板2431におけるアウト口1008と重なる部位に指掛部2816や指掛部2817が設けられている。なお、図示は省略するが、アタッカユニット2400は、台板2431から後方へ突出しパネル板1110の位置決孔1113に挿入される複数の位置決突起を有している。
これら始動口ユニット2100及びアタッカユニット2400によっても、上記のサイドユニット2800Gと同様の作用効果を奏することができる。
更に、上記の実施形態では、遊技パネル1100のパネル板1110において、サイドユニット2800Gにより塞がれる開口部1112と、アウト口1008とが繋がっておらず、別々に設けられているものを示したが、これに限定するものではなく、図114に示すように、開口部1112とアウト口1008とが連続するように繋がっているものとしても良い。つまり、サイドユニット2800Gにより塞がれる普通開口領域1102と、アウト口1008を構成している特定開口領域1103とが、繋がっている開口領域1101を有するパネル板1110としても良い。換言すると、アウト口1008は、サイドユニット2800Gが嵌合される普通開口領域1102から連続するように遊技パネル1100のパネル板1110に形成されつつも、サイドユニット2800Gが嵌合されない特定開口領域1103により構成されているようにしても良い。
図114の実施形態によっても、サイドユニット2800Gにおいて、アウト口1008(特定開口領域1103)に台板2811aの一部が重なるように指掛部2816を設けており、上記と同様の作用効果を奏することができる他に、特定開口領域1103を、普通開口領域1102から連続するように遊技パネル1100のパネル板1110に形成しているため、パネル板1110に対してエンドミルのような切削工具を使用して普通開口領域1102及び特定開口領域1103を形成する場合、普通開口領域1102と特定開口領域1103とを連続して切削加工することができ、パネル板1110にかかるコストを低減させることができる。
また、上記の実施形態では、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に当接する台板2811a(台板2103、台板2431)に、アウト口1008と重なる指掛部2816(指掛部2817)を設けるものを示したが、これに限定するものではなく、パネル板1110の板面から前後方向へ離れている部位(例えば、パネル板1110から前方へ離れている前板2812d)に、指掛部2816(指掛部2817)を設けても良い。
更に、上記の実施形態では、遊技パネル1100として透明樹脂製のパネル板1110を備えているものを示したが、これに限定するものではなく、木製の遊技パネル1100としても良い。これにより、遊技パネル1100を木製とすることで、樹脂製のものと比較して板厚が厚くなるため、遊技パネル1100の板厚内をより有効利用し易くすることができる。
また、上記のサイドユニット2800Gでは、夫々の球受部2812cと連通している複数の支流部2801と、複数の支流部2801が合流する本流部2802と、から構成されている球通路2812aを、有しているものを示したが、これに限定するものではなく、各球受部2811bごとに球通路2812aが独立しているものとしても良い。
更に、上記のサイドユニット2800Gでは、球受部2811bに受入れられた遊技球Bを検知する球センサを設けていないものを示したが、これに限定するものではなく、球センサを備えるようにしても良い。サイドユニット2800Gに球センサを備える場合は、球センサをパネル板1110の板厚内に設けたり、球センサを後方の演出装置(裏下演出ユニット3500)よりも下方に設けたり、することが望ましい。
また、上記のサイドユニット2800Gでは、後側にLED基板を設けていないものを示したが、これに限定するものではなく、発光装飾させるためのLEDを備えるようにしても良い。サイドユニット2800GにLED基板を備える場合、LED基板を後方から覆うと共に前端面がサイドユニット2800G(第二構成部材2812)の後面に当接するユニットカバーを設けると共に、ユニットカバーとサイドユニットとが互いに接触する接触面部に、互いに接触していない非接触面部を設けることが望ましい。これにより、LED基板のLEDによりサイドユニット2800Gを発光装飾させることができると共に、非接触面部を通してLEDからの熱を外部へ放熱させることができる。
また、上記の実施形態では、遊技パネル1100のパネル板1110の板厚内を有効利用するものとして、サイドユニット2800(サイドユニット2800A、サイドユニット2800B、サイドユニット2800C、サイドユニット2800D、サイドユニット2800E、サイドユニット2800F、サイドユニット2800G)を示したが、これに限定するものではなく、始動口ユニット2100、アタッカユニット2400(アタッカユニット2730)、普通入賞口ユニット2600、第二始動口ユニット2720、役物入賞口ユニット2740、等において、パネル板1110の板厚内を有効利用するようにしても良い。
[12-4.サイドユニットにおけるLED基板と非接触面部との関係について]
続いて、LED基板2825が設けられているサイドユニット2800B乃至サイドユニット2800FにおけるLED基板2825と非接触面部2831との関係について、主に図115等を参照して説明する。図115(a)は非接触面部をLED基板よりも後方に設けている例を示す説明図であり、(b)は(a)とは異なる形態で非接触面部をLED基板よりも後方に設けている例を示す説明図であり、(c)は非接触面部をLED基板にかかるように設けている例を示す説明図であり、(d)は非接触面部をユニットカバーの全周に亘って設けている例を示す説明図である。図115(a)及び(c)では、図107のサイドユニット2800Bを例に示しており、図115(c)及び(d)では、図109のサイドユニット2800Dを例に示している。ここでは、上記と同じ構成については、同じ符号を付して説明する。
図107乃至図111に示すLED基板2825は、実装されているLED2825aを駆動させる電流を制限するための抵抗器が、別の基板に実装されている。従って、当該LED基板2825では、LED2825aの発熱量が最も大きい。つまり、LED基板2825において、LED2825aが実装されている前面側から多くの熱が放出される。そして、図107乃至図111に示す実施形態では、LED基板2825における発熱量の大きい前面に近側に、非接触面部2831(切欠部2820c)が設けられている。これにより、LED基板2825からの熱を、非接触面部2831(切欠部2820c)を通して速やかに外部へ放熱することができ、ユニットカバー2820内に熱が籠ることはない。
上記の実施形態では、LED基板2825に対して、抵抗器(電流制限抵抗器)を別の基板に実装しているものを示したが、これに限定するものではなく、当該抵抗器をLED基板2825に実装するようにしても良い。例えば、LED基板2825におけるLED2825aが実装されている面と同じ面に抵抗器を実装するようにしても良い。この場合は、図107乃至図111に示す実施形態と同様に、LED基板2825におけるLED2825a及び抵抗器が実装されている面(ここでは前面)に近い側に、非接触面部2831(切欠部2820c)を設けるようにすれば良い。
なお、LED基板2825において、LED2825aと抵抗器とを同じ面に実装する場合は、LED2825aと抵抗器とが上下方向に対して重ならないようにすることが望ましい。これにより、LED2825a及び抵抗器から夫々放出される熱に対して、互いに影響を及ぼしてしまうことを回避させることができる。
一方、図115に示すように、LED基板2825において、LED2825aと、LED2825aに供給する電流を制限するための抵抗器2825bと、互いに異なる面に実装するようにしても良い。換言すると、LED基板2825において、LED2825aが実装されている面とは、反対側の面に抵抗器2825bを実装させる。この場合、熱量的には、LED2825aよりも抵抗器2825bの方が大きいため、図115に示すように、LED基板2825における抵抗器2825bが実装されている面(ここでは後面)に近い側に、非接触面部2831(切欠部2820c)を設けるようにすれば良い。
詳述すると、図115(a)に示す実施形態では、LED2825aの後面に実装されている抵抗器2825bに近い側に、非接触面部2831(切欠部2820c)が位置するように、ユニットカバー2820のボス部2820dを前方へ長く突出させ、LED基板2825がユニット本体2810の支持枠部2814の枠内に位置するようにしている。これにより、LED基板2825からの熱を、非接触面部2831(切欠部2820c)を通して速やかに外部へ放熱することができ、ユニットカバー2820内に熱が籠ることはない。
この図115(a)に示す実施形態では、平面視において、LED基板2825が切欠部2820c(非接触面部2831)と重ならせないように設けられているため、切欠部2820cを通してユニットカバー2820内に塵や埃が侵入しても、LED基板2825にかかり難くすることができ、塵や埃の影響を極力防ぐことができる。また、ユニットカバー2820の下辺側にも切欠部2820cを設けているため、上側の切欠部2820cから侵入した塵や埃を下側の切欠部2820cから下方へ排出させることができる。
なお、図115(a)に示す実施形態では、非接触面部2831(切欠部2820c)をユニットカバー2820側に設けているものを示したが、これに限定するものではなく、ユニット本体2810(支持枠部2814)側に設けても良いし、ユニット本体2810及びユニットカバー2820の両方に設けても良い。
また、図115(b)に示す実施形態では、ユニット本体2810の後面における支持枠部2814の枠内の部位から後方へ突出しLED基板2825が取付けられる複数のボス部2814aと、枠状の支持枠部2814の後端面から前方へ向かって切欠かれている切欠部2814bと、を有している。この実施形態では、ユニットカバー2820は平板状のカバー部2820aのみを有しているものであるが、上記と同様に、周壁部2820bを有していても良い。
この図115(b)に示す実施形態では、LED基板2825の前面にLED2825aが実装されていると共に、後面に抵抗器2825bが実装されており、ボス部2814aにLED基板2825を取付けている状態では、LED基板2825の後面よりも後方に切欠部2814bが位置している。換言すると、LED基板2825における抵抗器2825bが実装されている面(ここでは後面)に近い側に、非接触面部2831(切欠部2814b)が設けられている。これにより、LED基板2825からの熱を、非接触面部2831(切欠部2814b)を通して速やかに外部へ放熱することができ、ユニットカバー2820内に熱が籠ることはない。
この図115(b)に示す実施形態では、平面視において、LED基板2825が切欠部2814b(非接触面部2831)と重ならせないように設けられているため、切欠部2814bを通してユニットカバー2820内に塵や埃が侵入しても、LED基板2825にかかり難くすることができ、塵や埃の影響を極力防ぐことができる。また、ユニットカバー2820の下辺側にも切欠部2814bを設けているため、上側の切欠部2814bから侵入した塵や埃を下側の切欠部2814bから下方へ排出させることができる。
なお、図115(b)に示す実施形態では、非接触面部2831(切欠部2814b)をユニット本体2810(支持枠部2814)側に設けているものを示したが、これに限定するものではなく、ユニットカバー2820側に設けても良いし、ユニット本体2810及びユニットカバー2820の両方に設けても良い。
また、上記の実施形態では、平面視において、LED基板2825が非接触面部2831(切欠部2814b、切欠部2820c)と重ならないようにしているものを示したが、これに限定するものではなく、図115(c)に示すように、LED基板2825が非接触面部2831(切欠部2820c)と重なるようにしても良い。詳述すると、図115(c)に示す実施形態では、ユニット本体2810Aの支持枠部2814と、支持枠部2814に取付けられているユニットカバー2820とが、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112内で、パネル板1110の板厚内に位置するように設けられている。つまり、ユニット本体2810Aとユニットカバー2820とで形成され、LED基板2825が収容される空間を、パネル板1110の板厚内に設けるようにしている。これにより、LED基板2825と非接触面部2831(切欠部2820c)と重なるように設けても、切欠部2820cがパネル板1110の開口部1112内でその板厚内に位置しているため、パネル板1110の外側の塵や埃等の異物が、開口部1112内に侵入した上で、更に、切欠部2820cを通してユニットカバー2820内へ侵入する可能性を可及的に低減させることができ、塵や埃等の異物をLED基板2825にかかり難くすることができ、塵や埃の影響を極力防ぐことができる。
そして、図115(c)に実施形態では、LED基板2825にかかるように非接触面部2831(切欠部2820c)を設けているため、LED基板2825の前面に実装されているLED2825aからの熱と、後面に実装されている抵抗器2825bからの熱、の両方を効率良く非接触面部2831を通して外部へ放熱させることができ、ユニットカバー2820内に熱が籠ることはない。
なお、図115(c)では、LED2825aと抵抗器2825bとが、LED基板2825に対して異なる面に実装されているものを示したが、これに限定するものではなく、LED2825aと抵抗器2825bとをLED基板2825の同じ面に設けるようにしても良い。
また、図115(c)では、非接触面部2831として切欠部2820cをユニットカバー2820に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、非接触面部2831を、ユニット本体2810A(支持枠部2814)側に設けても良いし、ユニット本体2810A及びユニットカバー2820の両方に設けても良い。
なお、図115(c)の実施形態において、LED基板2825の一部を、ユニット本体2810Aの支持枠部2814と、ユニットカバー2820との間の非接触面部2831(切欠部2820c)内に進入させても良く、非接触面部2831の開口を塞がない範囲で外側へ飛び出していても良い。LED基板2825を非接触面部2831内に進入、或いは、非接触面部2831を通して外側へ飛び出させることで、LED基板2825が外気に触れ放熱効果をより高めることができる。
更に、上記の実施形態では、ユニット本体2810A(支持枠部2814)とユニットカバー2820との間の接触面部2830の一部に非接触面部2831(切欠部2820c)を設けるものを示したが、これに限定するものではなく、図115(d)に示すように、非接触面部2831をユニットカバー2820の全周に亘って設けるようにしても良い。つまり、ユニット本体2810Aにおける支持枠部2814の後端面と、ユニットカバー2820における周壁部2820bの前端面との間に、全周に亘って隙間が設けられている。この実施形態では、ユニットカバー2820が、ユニット本体2810Aの後面から後方へ突出しているボス部2814aに取付けられている。
この図115(d)に示す実施形態では、LED基板2825の一部を、ユニット本体2810Aの支持枠部2814と、ユニットカバー2820の周壁部2820bとの間の非接触面部2831(隙間)内に進入させたり外側へ飛び出させたりしている。この場合でも、LED基板2825が非接触面部2831の開口を塞がない範囲としている。この実施形態によれば、LED基板2825をより外気に触れ易くすることができ、放熱効果をより高めることができる。また、埃や塵等の異物の侵入を防止することからすれば、非接触面部2831の開口を利用するにあたり有用性が高まる。
上記のLED基板2825は、図示は省略するが、少なくともLED2825aが実装される基板面に、電子部品の実装時にハンダが不必要な部分へ付着するのを防止すると共に、回路パターンの酸化や絶縁保護のために施されているソルダーレジストとして、明色(例えば、白色)のソルダーレジストが使用されている。これにより、明色のソルダーレジストによりLED2825a等からの光を反射させることで、発光効率を高めることができる。或いは、LED2825aとしてフルカラーLEDを使用する場合、白色のソルダーレジストにより、様々な色の発光色に対して見る側の色感に同調することができ、違和感のない発光装飾を見せることができる。
このLED基板2825では、実装する電子部品等の部品番号や実装位置、LED基板2825の名称や取付位置や取付方向、等の情報(文字や記号)が、読み取りたい時に読み取れるように同系色(例えば、黄色)で、印刷(例えば、シルク印刷)により施されている。
ところで、LED基板に実装される抵抗器やLEDドライバのような電子部品は、そのパッケージが黒色の樹脂でモールドされていることが多いため、当該LED基板が遊技者に近い位置に設けられる場合、LEDの消灯時も含めて電子部品が目立つ存在となり、遊技機の見栄えに影響を与えてしまう恐れがある。これに対して、図115に示す実施形態では、抵抗器2825bをLED基板2825の後面に実装しているため、遊技者から抵抗器2825bを隠すことができ、遊技機の見栄えを良くすることができる。
また、図107乃至図111に示す実施形態において、LED基板2825の前面に抵抗器2825bを実装する場合は、遊技者から抵抗器2825bが目立たないようにすることが望ましい。本実施形態では、LED基板2825の前方に、所定の装飾が施された透光性を有する装飾シール2803を設けているため、装飾シール2803によって抵抗器2825bを目立ち難くすることができる。
或いは、LED基板2825の前面に抵抗器2825bを実装する場合、LED基板2825の前方に、光を拡散させる板状又はシート状の拡散レンズを設けることで、抵抗器2825bを目立たないようにしても良い。また、LED基板2825の前方に、部分的に透光性を有しないデザインされた板状又はシート状の装飾体を設け、その装飾体のデザインによって抵抗器2825bが隠れて気にならないようにしても良い。また、LED基板2825の前面に実装されている抵抗器2825bを、明色の塗料やインクで着色するようにしても良い。これら、上記の装飾シール2803、拡散レンズ、装飾体、等は、適宜組み合わせて使用しても良い。
なお、遊技パネル1100としては、透光性を有しない木製のものと、透光性を有する樹脂製のものとがあり、木製の場合は開口部1112が暗いトンネル状であるため、ある程度の外光が遮断されることとなるが、透光性を有する透明な樹脂製の場合、開口部1112が同じトンネル状であってもその外側を見通せてしまうため、上記のような見栄えを良くするための構成を併用すると、遊技パネル1100(パネル板1110)の板厚内を利用するにあたり、上述したような効果を発揮することができる。
[13.本発明と実施形態との関係]
本実施形態の扉枠3における扉枠本体100の突起部102は本発明の突起部に、本実施形態における本体枠4の球発射ユニット550は本発明の球発射手段に、本実施形態におけるファールユニット570、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、及び球送ユニット700は本発明の球循環手段に、本実施形態における球磨カセット681は本発明の着脱ユニットに、本実施形態における球磨モータベース686は本発明のロック手段のロック片に、本実施形態における位置決ピン686b及び回転連結部692は本発明の挿入体に、本実施形態におけるカセット押圧片693は本発明の押圧片に、本実施形態におけるナイラッチ694は本発明の固定手段に、夫々相当している。
[14.本実施形態の特徴的な作用効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5の遊技領域5aへ遊技球Bを発射する球発射ユニット550から発射された遊技球Bを、ファールユニット570、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、及び球送ユニット700により回収して球発射ユニット550へ供給すると共に、遊技者の持球データに基づいて球発射ユニット550から遊技球Bを発射させるようにしている。そして、このパチンコ機1(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、本体枠4に球磨カセット681を取付けた状態で、球揚上ユニット650における球磨機構680の球磨モータベース686をロック位置の状態にすると、位置決ピン686bや回転連結部692が前後方向に対して交差する方向から球磨カセット681に挿入されると共に、カセット押圧片693(バネ695)により球磨カセット681が後方へ押圧される。この状態で、ロック手段のナイラッチにより押圧片を移動不能に固定する。これにより、球磨カセット681の取付けが不完全であっても、後方へ押圧することにより球磨カセット681の取付けを良好な状態にすることができると共に、位置決ピン686b等により球磨カセット681が前方へ外れることを阻止することができる上に、ナイラッチ694によりカセット押圧片693による球磨カセット681の押圧を維持させ続けることができ、球磨カセット681を取外せないようにすることができる。この際に、ナイラッチ694における操作部694aの位置を見ることで、ナイラッチ694がカセット押圧片693を移動不能に固定しているか否かを容易に判別することができ、ロックのし忘れを低減させることができる。従って、遊技中に球磨カセット681が振動等の何らかの理由により勝手に外れてしまうことを防止することができると共に、球磨カセット681の外れを起因とした遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
この状態で、メンテナンス等により本体枠4に対して扉枠3を開く場合、カセット押圧片693により球磨カセット681を後方へ押圧している状態でナイラッチ694によりカセット押圧片693を移動不能にしているため、本体枠4に対して扉枠3を開いても、カセット押圧片693による球磨カセット681の押圧が維持されており、球磨カセット681が直ちに前方へ外れてしまうことを回避させることができる。球磨カセット681の取外しは、遊技盤5を支持している本体枠4に対して扉枠3を開いた上で、ナイラッチ694を操作してカセット押圧片693を移動可能にした上で、球磨モータベース686を回動させてロック位置から解除位置へ移動させると、位置決ピン686b等が球磨カセット681から離れて、本体枠4(揚上機構ベース668のカセット取付凹部668b)に取付けられている球磨カセット681を前方へ取外すことができる。これにより、循環している遊技球Bを磨くための磨布682を有する球磨カセット681を取外すことで、その後方に設けられている球揚上ユニット650の球揚上機構660の内部(揚上スパイラルシャフト661等)を確認することが可能となり、パチンコ機1のメンテナンスにかかる作業性を向上させることができる。
そして、本体枠4に対して扉枠3を閉める際に、球磨モータベース686がロック位置の状態になっていなくても、扉枠3を閉めると、扉枠3の突起部102が球磨モータベース686に当接することにより、球磨モータベース686が回動してロック位置へ移動すると共に、前後方向と交差する方向から位置決ピン686b等が球磨カセット681に挿入されるため、ロックのし忘れを防止することができ、遊技中に球磨カセット681が外れるのを防止することができると供、扉枠3の当接により球磨モータベース686やカセット押圧片693、球磨カセット681等が破損することはない。
また、球磨モータベース686がロック位置に移動していない不完全な状態で扉枠3を閉めると、扉枠3の突起部102が球磨モータベース686に当接することにより、球磨モータベース686が回動してロック位置へ移動すると共に、バネ695の付勢力によりカセット押圧片693が球磨カセット681を後方へ押圧するため、球磨モータベース686の位置決ピン686b等によるロックに加えて球磨カセット681の取付けが不完全であっても、球磨カセット681の取付けを良好な状態にすることができ、球磨カセット681が外れるのを確実に防止することができる。
更に、扉枠3の突起部102により、扉枠3を本体枠4に対して閉じると、扉枠3が持ち上がるようにしているため、扉枠3を開閉可能としている扉枠ヒンジ機構110等に対して過度の荷重がかかり続けることを回避させることができ、ヒンジを歪み難くすることができると共に、ヒンジが歪んでも突起部102により扉枠3を持ち上げることができるため、扉枠3を本体枠4に対して適正位置で閉じることができる。
また、球磨カセット681に、循環している遊技球Bを磨くための磨布682を有するようにしているため、磨布682が汚れた場合には球磨カセット681を取外して、綺麗な磨布682を有する新たな球磨カセット681に交換することができ、循環している遊技球Bを汚れの無い良好な状態に維持し続けることができる。また、定期的に交換等のメンテナンスを行う球磨カセット681(着脱ユニット)に対して、上記の構成を適用することで、メンテナンス時における着脱ユニットの着脱に伴うトラブルを最小限に留めることができる。
[15.本実施形態に包含されている別の特徴について]
[15-1.第一技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-1a.第一技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機として、データ化された遊技者の持球データに基づいて、球発射手段により遊技球を遊技領域に発射させ、遊技球を発射すると持球データから発射した遊技球を減算し、球発射手段より発射されても遊技領域に供給されずに、ファール球回収手段により回収されると、持球データに回収した遊技球を加算するようにしているものが提案されている(例えば、特許文献A:特開2020-89489号公報)。この特許文献Bの技術によれば、遊技機内において、遊技球を循環させることができ、遊技機を設置する遊技ホールの負担を軽減させることが可能となる。
しかしながら、特許文献Aの技術では、球発射手段により発射された遊技球が、何らかの理由により球発射手段に戻ってきた場合、当該遊技球がファール球回収手段により回収されないため、持球データから遊技球が減算されたままとなり、遊技領域に発射した遊技球の実数との誤差が生じて遊技者に不利益を与えてしまう恐れがある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、発射した遊技球が戻ってくることによる遊技領域に発射した遊技球の実数との誤差を解消させることが可能な遊技機の提供を課題とする。
[15-1b.第一技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、
該遊技盤の前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、
該球発射手段により発射されても前記遊技領域に供給されなかった遊技球を回収するファール球回収手段と、
前記球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、
を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにした遊技機であって、
前記球発射手段は、
発射する遊技球が載置される発射レールを有しており、該発射レールは遊技球を一つのみ載置可能な長さであり、
前記発射レールに遊技球が載置された状態で前記球循環手段により新たに遊技球が前記発射レールに供給された場合には、後に前記発射レールに供給された遊技球が前記ファール球回収手段に回収される」
ものであることを特徴とする。
手段1の構成によると、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤の遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射されても遊技領域に供給されなかった遊技球を回収するファール球回収手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにした遊技機であって、球発射手段は、発射する遊技球が載置される発射レールを有しており、発射レールは遊技球を一つのみ載置可能な長さであり、発射レールに遊技球が載置された状態で球循環手段により新たに遊技球が発射レールに供給された場合には、後に発射レールに供給された遊技球がファール球回収手段に回収されるものである([発明を実施するための形態]では、[4-2.球発射ユニット]及び[7-4.発射制御処理]の章、図27、図68等の記載を参照)。
これにより、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データ(例えば、持ち球数が1以上)に基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、球発射手段における発射レールの長さを、遊技球が一つのみ載置可能な長さとしているため、発射された遊技球が何らかの理由により発射レールに戻ってきた場合、既に発射レールに次の遊技球が載置されていれば、発射レールに載置されている遊技球により戻ってきた遊技球を弾いてファール球とすることが可能となる。一方、発射レールに次の遊技球が載置される前に発射した遊技球が戻ってきた場合は、戻ってきた遊技球が発射レールに載置されることとなるが、球循環手段から供給される次の遊技球が、戻ってきて発射レールに載置されている遊技球に弾かれてファール球とすることが可能となる。従って、遊技者の持球データでは、発射レールから発射されることで減算されるが、発射された遊技球が発射レールに戻ってきても、発射レールには遊技球が一つしか載置されないことから、戻ってきた遊技球、又は、次の遊技球、の何れかはファール球となってファール球回収手段により回収されるため、ファール球の検知により持球データを加算することで、持球データを発射前の状態に戻すことができ、遊技領域に発射した遊技球の実数との誤差を解消させて遊技者が不利益を被ることはない。
なお、発射レールを遊技球が一つのみ載置される長さとしていることから、振動等により発射レールから落下してしまう恐れがあるが、持球データがある状態で発射レールから遊技球が落下した場合は、落下の結果、発射したと誤認され、持球データ(持ち球数)が減算されたとしても、上記と同様に、ファール球回収手段により回収されることによりファール球として扱うことで持球データに加算して落下前の状態に戻す。一方、持球データが無い状態(持ち球数が0の状態)で、発射レールから遊技球が落下してファール球回収手段より回収された場合は、持球データに加算しないようにしても良いし、遊技機を設置している遊技ホール側に警報を発するようにしても良い。
また、球循環手段により、球発射手段による遊技球の発射動作後に発射レールへ遊技球を一つ供給させるようにしても良い。これにより、発射レールから遊技球を発射したら、球循環手段により必ず遊技球を一つ発射レールに供給するようにしているため、発射した遊技球が何らかの理由により発射レールへ戻ってきても、球循環手段により発射レールに供給された遊技球によって弾いてファール球にすることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に提供することができる。
また、上記のように、球循環手段により遊技球の発射動作後に発射レールへ遊技球を一つ供給させる場合、球発射手段による遊技球の発射と、球循環手段による球発射手段(発射レール)への遊技球の供給と、を一連の動作にすることが可能となるため、例えば、発射レールにおける遊技球の有無、球発射手段及び球循環手段の動作、等に基づいて発射した遊技球が発射レールに戻ってきたか否かを判定するようにする場合(プログラムを組んで判定する場合)と比較して、遊技機の制御にかかる負荷を軽減させることができる。
更に、遊技機に、持球データがある状態で発射レール上の遊技球が有りから無しに変化すると、持球データから遊技球を一つ減算する持球減算手段と、ファール回収手段により遊技球が回収されると持球データに遊技球を一つ加算する持球加算手段と、を更に備えるようにしても良い。これにより、遊技者の持球データがある状態(持ち球数が1以上の状態)で、球発射手段により遊技盤の遊技領域へ向かって遊技球を発射すると、持球減算手段により持球データから遊技球が一つ減算され、遊技球が遊技領域に供給されることで遊技者に対して遊技球による遊技を楽しませることができる。一方、球発射手段により発射された遊技球が遊技領域に供給されなかった場合、ファール球としてファール球回収手段により回収されると共に、持球加算手段により持球データに遊技球が一つ加算されるため、遊技球が遊技領域に供給されなかったことに対して、遊技者が不利益を被ることはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。そして、発射された遊技球が何らかの理由により発射レールに戻ってきた場合、発射レールを遊技球が一つのみ載置可能な長さとしていることから、既に発射レールに次の遊技球が載置されていれば、発射レールに載置されている遊技球により戻ってきた遊技球を弾いてファール球とすることが可能となり、戻ってきた遊技球が発射レールに載置されること、球循環手段から供給される次の遊技球が戻ってきて載置された遊技球に弾かれてファール球とすることが可能となり、何れもファール球となるため、持球加算手段により持球データに遊技球を一つ加算して持球データを発射前の状態に戻すことができ、遊技領域に発射した遊技球の実数との誤差を解消させることができる。
また、ファール球回収手段によって発射レールから落下した遊技球を回収可能とするようにしても良い。これにより、発射レールから落下した遊技球をファール球回収手段により回収するようにしていることから、発射して戻ってきた遊技球や球循環手段から供給された次の遊技球が、発射レールに載置されている遊技球により弾かれると、ファール球回収手段により回収することができるため、ファール球として持球データに加算することができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に提供することができる。
また、上記のように、発射レールから落下した遊技球をファール球回収手段により回収する場合、振動等により発射レールから遊技球が落下しても、ファール球回収手段により回収されることで、ファール球として持球データに加算して落下前の状態に戻すことができ、遊技者が不利になることはない。
手段2:手段1の構成において、
「前記球循環手段は、
前記球発射手段による遊技球の発射動作後に前記発射レールへ遊技球を一つ供給する」ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、球循環手段により、球発射手段による遊技球の発射動作後に発射レールへ遊技球を一つ供給させるようにするものである([発明を実施するための形態]では、[7-4.発射制御処理]の章、及び、図68等の記載を参照)。
これにより、発射レールから遊技球を発射したら、球循環手段により必ず遊技球を一つ発射レールに供給するようにしているため、発射した遊技球が何らかの理由により発射レールへ戻ってきても、球循環手段により発射レールに供給された遊技球によって弾いてファール球にすることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に提供することができる。
また、球発射手段による遊技球の発射と、球循環手段による球発射手段(発射レール)への遊技球の供給と、を一連の動作にすることが可能となるため、例えば、発射レールにおける遊技球の有無、球発射手段及び球循環手段の動作、等に基づいて発射した遊技球が発射レールに戻ってきたか否かを判定するようにする場合(プログラムを組んで判定する場合)と比較して、遊技機の制御にかかる負荷を軽減させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記持球データがある状態で前記発射レール上の遊技球が有りから無しに変化すると、前記持球データから遊技球を一つ減算する持球減算手段と、
前記ファール回収手段により遊技球が回収されると前記持球データに遊技球を一つ加算する持球加算手段と、」
を更に具備しているものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、遊技機に、持球データがある状態で発射レール上の遊技球が有りから無しに変化すると、持球データから遊技球を一つ減算する持球減算手段と、ファール回収手段により遊技球が回収されると持球データに遊技球を一つ加算する持球加算手段と、を更に備えるようにするものである([発明を実施するための形態]では、[7-2.持ち球減算処理]及び[7-3.持ち球加算処理]の章、図65及び図66等の記載を参照)。
これにより、遊技者の持球データがある状態(持ち球数が1以上の状態)で、球発射手段により遊技盤の遊技領域へ向かって遊技球を発射すると、持球減算手段により持球データから遊技球が一つ減算され、遊技球が遊技領域に供給されることで遊技者に対して遊技球による遊技を楽しませることができる。一方、球発射手段により発射された遊技球が遊技領域に供給されなかった場合、ファール球としてファール球回収手段により回収されると共に、持球加算手段により持球データに遊技球が一つ加算されるため、遊技球が遊技領域に供給されなかったことに対して、遊技者が不利益を被ることはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。そして、発射された遊技球が何らかの理由により発射レールに戻ってきた場合、発射レールを遊技球が一つのみ載置可能な長さとしていることから、既に発射レールに次の遊技球が載置されていれば、発射レールに載置されている遊技球により戻ってきた遊技球を弾いてファール球とすることが可能となり、戻ってきた遊技球が発射レールに載置されること、球循環手段から供給される次の遊技球が戻ってきて載置された遊技球に弾かれてファール球とすることが可能となり、何れもファール球となるため、持球加算手段により持球データに遊技球を一つ加算して持球データを発射前の状態に戻すことができ、遊技領域に発射した遊技球の実数との誤差を解消させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記ファール球回収手段は、
前記発射レールから落下した遊技球を回収可能としている」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、ファール球回収手段によって発射レールから落下した遊技球を回収可能とするものである([発明を実施するための形態]では、球発射ユニット550及びファールユニット570に関する記載を参照)。
これにより、発射レールから落下した遊技球をファール球回収手段により回収するようにしていることから、発射して戻ってきた遊技球や球循環手段から供給された次の遊技球が、発射レールに載置されている遊技球により弾かれると、ファール球回収手段により回収することができるため、ファール球として持球データに加算することができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に提供することができる。
また、発射レールから落下した遊技球をファール球回収手段により回収するようにしているため、振動等により発射レールから遊技球が落下しても、ファール球回収手段により回収されることで、ファール球として持球データに加算して落下前の状態に戻すことができ、遊技者が不利になることはない。
なお、持球データが無い状態(持ち球数が0の状態)で、発射レールから遊技球が落下してファール球回収手段より回収された場合は、持球データに加算しないようにしても良いし、遊技機を設置している遊技ホール側に警報を発するようにしても良い。
手段5:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、
該遊技盤の前記遊技領域に遊技球を供給可能とされ、発射する遊技球が載置される発射レールを有している球発射手段と、
該球発射手段により発射されても前記遊技領域に供給されなかった遊技球、及び、前記発射レールから落下した遊技球を回収するファール球回収手段と、
前記球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、
を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにした遊技機であって、
前記持球データがある状態で前記発射レール上の遊技球が有りから無しに変化すると、前記持球データから遊技球を一つ減算する持球減算手段と、
前記ファール回収手段により遊技球が回収されると前記持球データに遊技球を一つ加算する持球加算手段と、
を更に具備し、
前記発射レールは、遊技球を一つのみ載置可能な長さであり、
前記球循環手段は、前記球発射手段による遊技球の発射動作後に前記発射レールへ遊技球を一つ供給するものであり、
前記発射レールに遊技球が載置された状態で前記球循環手段により新たに遊技球が前記発射レールに供給された場合には、後に前記発射レールに供給された遊技球が前記ファール球回収手段に回収される」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤の遊技領域に遊技球を供給可能とされ、発射する遊技球が載置される発射レールを有している球発射手段と、球発射手段により発射されても遊技領域に供給されなかった遊技球、及び、発射レールから落下した遊技球を回収するファール球回収手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにした遊技機であって、持球データがある状態で発射レール上の遊技球が有りから無しに変化すると、持球データから遊技球を一つ減算する持球減算手段と、ファール回収手段により遊技球が回収されると持球データに遊技球を一つ加算する持球加算手段と、を更に具備し、発射レールは、遊技球を一つのみ載置可能な長さであり、球循環手段は、球発射手段による遊技球の発射動作後に発射レールへ遊技球を一つ供給するものであり、発射レールに遊技球が載置された状態で球循環手段により新たに遊技球が発射レールに供給された場合には、後に発射レールに供給された遊技球がファール球回収手段に回収されるものである。
これにより、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データ(例えば、持ち球数が1以上)に基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技者の持球データがある状態(持ち球数が1以上の状態)で、球発射手段により遊技盤の遊技領域へ向かって遊技球を発射すると、持球減算手段により持球データから遊技球が一つ減算され、遊技球が遊技領域に供給されることで遊技者に対して遊技球による遊技を楽しませることができる。一方、球発射手段により発射された遊技球が遊技領域に供給されなかった場合、ファール球としてファール球回収手段により回収されると共に、持球加算手段により持球データに遊技球が一つ加算されるため、遊技球が遊技領域に供給されなかったことに対して、遊技者が不利益を被ることはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。
そして、発射された遊技球が何らかの理由により発射レールに戻ってきた場合、発射レールを遊技球が一つのみ載置可能な長さとしていることから、球循環手段よって既に発射レールに次の遊技球が載置されていれば、発射レールに載置されている遊技球により戻ってきた遊技球が弾かれて発射レールから落下し、ファール球としてファール球回収手段に回収される。一方、球循環手段によって発射レールに次の遊技球が載置される前に発射した遊技球が戻ってきた場合は、戻ってきた遊技球が発射レールに載置されることとなるが、球循環手段から供給される次の遊技球が、発射レールに載置されている遊技球に弾かれることで発射レールから落下し、ファール球としてファール球回収手段に回収される。従って、遊技者の持球データでは、発射レールから発射されることで持球減算手段より持球データから遊技球が一つ減算されるが、発射された遊技球が発射レールに戻ってきても、発射レールには遊技球が一つしか載置されないことから、戻ってきた遊技球、又は、次の遊技球、の何れかはファール球となってファール球回収手段により回収されるため、持球加算手段により持球データに遊技球が一つ加算されることとなり、持球データを発射前の状態に戻すことができ、遊技領域に発射した遊技球の実数との誤差を解消させて遊技者が不利益を被ることはない。
また、発射レールから遊技球を発射したら、球循環手段により必ず遊技球を一つ発射レールに供給するようにしているため、発射した遊技球が何らかの理由により発射レールへ戻ってきても、球循環手段により発射レールに供給された遊技球によって弾いてファール球にすることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に提供することができる。
また、球循環手段により遊技球の発射動作後に発射レールへ遊技球を一つ供給させるようにしており、球発射手段による遊技球の発射と、球循環手段による球発射手段(発射レール)への遊技球の供給と、を一連の動作にすることが可能となるため、例えば、発射レールにおける遊技球の有無、球発射手段及び球循環手段の動作、等に基づいて発射した遊技球が発射レールに戻ってきたか否かを判定するようにする場合(プログラムを組んで判定する場合)と比較して、遊技機の制御にかかる負荷を軽減させることができる。
更に、発射レールを遊技球が一つのみ載置される長さとしていることから、振動等により発射レールから遊技球が落下してしまう恐れがあるが、持球データがある状態(持ち球数が1以上の状態)で振動等により発射レールから遊技球が落下した場合、落下の結果、発射したと誤認され、持球データ(持ち球数)が減算されたとしても、ファール球回収手段により回収されることで、ファール球として持球加算手段により持球データに遊技球を一つ加算して落下前の状態に戻すことができ、遊技者が不利になることはない。
なお、発射レールを遊技球が一つのみ載置される長さとしていることから、持球データが無い状態(持ち球数が0の状態)で、発射レールから遊技球が落下してファール球回収手段より回収された場合は、持球加算手段により持球データに遊技球を加算しないようにしても良いし、遊技機を設置している遊技ホール側に警報を発するようにしても良い。
このように、上記の解決手段によれば、発射した遊技球が戻ってくることによる遊技領域に発射した遊技球の実数との誤差を解消させることが可能な遊技機を提供することができる。
[15-1c.第一技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態における本体枠4の球発射ユニット550は上記解決手段の球発射手段に、本実施形態における球発射ユニット550の球発射台552bは上記解決手段の発射レールに、本実施形態におけるファールユニット570は上記解決手段のファール球回収手段に、本実施形態における循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、及び球送ユニット700は上記解決手段の球循環手段に、本実施形態の枠制御基板740における持ち球減算処理は上記解決手段の持球減算手段に、本実施形態の枠制御基板740における持ち球加算処理は上記解決手段の持球加算手段に、夫々相当している。
[15-1d.第一技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5の遊技領域5aへ遊技球Bを発射する球発射ユニット550から発射された遊技球Bを、ファールユニット570、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、及び球送ユニット700により回収して球発射ユニット550へ供給すると共に、遊技者の持球データ(持ち球数が1以上)に基づいて球発射ユニット550から遊技球Bを発射させるようにしている。このパチンコ機1(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技者の持球データがある状態(持ち球数が1以上の状態)で、球発射ユニット550により遊技盤5の遊技領域5aへ向かって遊技球Bを発射すると、持ち球減算処理により持球データから遊技球Bが一つ減算され、遊技球Bが遊技領域5aに供給されることで遊技者に対して遊技球Bによる遊技を楽しませることができる。一方、球発射ユニット550により発射された遊技球Bが遊技領域5aに供給されなかった場合、ファール球としてファールユニット570により回収されると共に、持ち球加算処理により持球データに遊技球Bが一つ加算されるため、遊技球Bが遊技領域5aに供給されなかったことに対して、遊技者が不利益を被ることはなく、引き続き遊技を楽しませることができる。
そして、発射された遊技球Bが何らかの理由により球発射台552bに戻ってきた場合、球発射台552bを遊技球Bが一つのみ載置可能な長さとしていることから、球送ユニット700よって既に球発射台552bに次の遊技球Bが載置されていれば、球発射台552bに載置されている遊技球Bにより戻ってきた遊技球Bが弾かれ、球発射台552bから落下してファール球としてファールユニット570に回収される。一方、球送ユニット700によって球発射台552bに次の遊技球Bが載置される前に発射した遊技球Bが戻ってきた場合は、戻ってきた遊技球Bが球発射台552bに載置されることとなるが、球送ユニット700から供給される次の遊技球Bが、球発射台552bに載置されている遊技球Bに弾かれることで球発射台552bから落下し、ファール球としてファールユニット570に回収される。従って、遊技者の持球データでは、球発射台552bから発射されることで持ち球減算処理より持球データから遊技球Bが一つ減算されるが、発射された遊技球Bが発射レールに戻ってきても、球発射台552bには遊技球Bが一つしか載置されないことから、戻ってきた遊技球B、又は、次の遊技球B、の何れかはファール球となってファールユニット570により回収されるため、持ち球加算処理により持球データに遊技球Bが一つ加算されることとなり、持球データを発射前の状態に戻すことができ、遊技領域5aに発射した遊技球Bの実数との誤差を解消させて遊技者が不利益を被ることはない。
また、球発射台552bから遊技球Bを発射したら、球送ユニット700により必ず遊技球Bを一つ球発射台552bに供給するようにしているため、発射した遊技球Bが何らかの理由により球発射台552bへ戻ってきても、球送ユニット700により球発射台552bに供給された遊技球Bによって弾いてファール球にすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に提供することができる。
また、球送ユニット700により遊技球Bの発射動作後に球発射台552bへ遊技球Bを一つ供給させるようにしており、球発射ユニット550による遊技球Bの発射と、球送ユニット700による球発射台552bへの遊技球Bの供給と、を一連の動作にしているため、例えば、球発射台552bにおける遊技球Bの有無、球発射ユニット550及び球送ユニット700の動作、等に基づいて発射した遊技球Bが球発射台552bに戻ってきたか否かを判定するようにする場合(プログラムを組んで判定する場合)と比較して、パチンコ機1の制御にかかる負荷を軽減させることができる。
更に、球発射台552bを遊技球Bが一つのみ載置される長さとしていることから、振動等により球発射台552bから遊技球Bが落下してしまう恐れがあるが、持球データがある状態(持ち球数が1以上の状態)で振動等により球発射台552bから遊技球Bが落下した場合、落下の結果、発射したと誤認され、持球データ(持ち球数)が減算されたとしても、ファールユニット570により回収されることで、ファール球として持ち球加算処理により持球データに遊技球Bを一つ加算して落下前の状態に戻すことができ、遊技者が不利になることはない。
なお、持球データが無い状態(持ち球数が0の状態)で、球発射台552bから遊技球Bが落下してファールユニット570より回収された場合は、持ち球加算処理により持球データに遊技球Bを加算しないようにしても良いし、パチンコ機1を設置している遊技ホール側に警報を発するようにしても良い。
[15-2.第二技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-2a.第二技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機として、遊技盤を着脱可能に支持している本体枠と、本体枠に設けられており遊技機内において遊技球を循環させるための球循環手段と、本体枠の後面における遊技盤よりも下方の部位に取付けられている基板ユニットと、を備えているものが提案されている(例えば、特許文献B:特開2015-188537号公報)。この特許文献Bの技術によれば、球循環手段等を制御する制御基板を有する基板ユニットを、遊技盤よりも下方に設けているため、遊技盤における奥行方向を可能な限り活用することができ、他の遊技機との差別化をより図ることが可能となる。
しかしながら、特許文献Bのような技術では、球循環手段の一部が、本体枠の後面と基板ユニットとの間の部に位置しており、当該部位を確認したりメンテナンスしたりするためには、基板ユニットを取外す必要があり、メンテナンス等に手間がかかる問題があった。このような問題に対して、基板ユニットのような後ユニットを、本体枠に対して開閉可能に設けることで、取外す手間を省略してメンテナンス性を高めることが考えられるが、後ユニットを閉め忘れてしまうことで、不具合の原因となる恐れがある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、本体枠の後側において開閉可能に設けられている後ユニットに対してメンテナンス等の際の閉め忘れを防止することが可能な遊技機の提供を課題とする。
[15-2b.第二技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤を前方から着脱可能に支持している本体枠と、
該本体枠に支持されている前記遊技盤を後方から覆うように前記本体枠に対して後方へ開閉可能に設けられている裏カバーと、
前記本体枠に設けられており、前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、
該球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、
を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、
前記本体枠の後面における前記遊技盤よりも下方の部位において後方へ開閉可能に設けられている後ユニットを更に具備しており、
該後ユニットは、前記本体枠から開いている状態で前記裏カバーを前記本体枠へ閉じようとすると前記裏カバーに干渉するように設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「後ユニット」としては、「球発射手段や球循環手段等を制御するための枠制御基板や電力を供給するための電源基板等を有している基板ユニット」、「球循環手段における球経路の一部を構成しているような球通路ユニット」、「スピーカを有するスピーカユニット」、「基板や通路部材等の後側を保護する保護カバー」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤を前方から着脱可能に支持している本体枠と、本体枠に支持されている遊技盤を後方から覆うように本体枠に対して後方へ開閉可能に設けられている裏カバーと、本体枠に設けられており、遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、本体枠の後面における遊技盤よりも下方の部位において後方へ開閉可能に設けられている後ユニットを更に具備しており、後ユニットは、本体枠から開いている状態で裏カバーを本体枠へ閉じようとすると裏カバーに干渉するように設けられているものである([発明を実施するための形態]では、[4-8.枠基板ユニット]の章、図58乃至図60等の記載を参照)。
これにより、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データ(例えば、持ち球数が1以上)に基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、本体枠の後面における遊技盤よりも下方の部位に後ユニットを設けているため、従来の遊技機において遊技盤の後方に設けられている部材を、本構成の後ユニットとすることで、当該部材の分だけ遊技盤の奥行方向を広くすることができ、奥行方向の広い遊技盤を有する遊技機として、他の遊技機との差別化をより図ることが可能となり、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。そして、この後ユニットを開閉可能に設けているため、後ユニットを後方へ開くことで、本体枠の後面における後ユニットの前方に設けられている部材、後ユニットの前面側、等を確認したりメンテナンスしたりすることができ、メンテナンス等にかかる作業性を向上させることができる。この際に、後ユニットと裏カバーとが互いに干渉(当接)することから、メンテナンス等をする場合には、初めに裏カバーを開いてから後ユニットを開き、メンテナンス等が終了した場合には、後ユニットを閉じてから裏カバーを閉じる。従って、本体枠に対して後ユニットが開いている状態で、遊技盤の後方を覆う裏カバーを閉じようとすると、閉じられていない後ユニットと裏カバーとが干渉するため、つまり、閉じられていない後ユニットにより裏カバーが閉じられることを阻止されるため、後ユニットが閉じられていないことに気付かせることができ、メンテナンス等の際の閉め忘れを防止することができる。
また、後ユニットと裏カバーとが互いに干渉するようにしているため、遊技中等において振動等の何らかの理由により本体枠から後ユニットが開こうとしても、裏カバーに干渉する(阻止される)ことで、後ユニットが大きく開いてしまうことを回避させることができ、後ユニットが開くことによる不具合の発生を防止することができる。
なお、後ユニットが、本体枠から開くことで、少なくとも球循環手段の一部が後方から視認可能となるように設けることが望ましい。これにより、本体枠に対して後ユニットを開くことで、球循環手段における本体枠と後ユニットとの間の部位を、確認したりメンテナンスしたりすることができ、球循環手段における不具合を解消させ易くすることができる。そして、メンテナンス等の後に、本体枠に対して後ユニットを閉め忘れても、裏カバーを閉じようとすると、閉じられていない後ユニットと裏カバーとが干渉(当接)して閉じられることを阻止されるため、後ユニットが閉じられていないことに気付かせることができ、メンテナンス等の際の閉め忘れを防止することができる。
また、遊技機に、ロック位置と解除位置との間で移動可能とされ、後ユニットを本体枠に対して閉じた状態でロック位置へ移動させると、後ユニットを開閉不能にロックするロック手段を、更に具備させ、ロック手段は、解除位置で、且つ、後ユニットが本体枠に対して閉じている状態で、裏カバーを本体枠に対して閉じると、ロック位置へ移動するように設けるようにしても良い。これにより、本体枠に対して後ユニットを閉じた状態で、ロック手段をロック位置へ移動させると、後ユニットを開閉不能にロックすることができるため、振動等の何らかの理由により後ユニットが勝手に開くのを阻止することができ、後ユニットが開くことによる不具合の発生を防止することができる。また、メンテナンス等の終了時に、本体枠に対して後ユニットを閉じた後に、ロック手段によるロックをし忘れても、裏カバーを閉じることでロック手段をロック位置へ移動させてロックすることができるため、ロックのし忘れを防止することができる。
また、上記のようなロック手段を設ける場合、ロック手段では、ロック位置と解除位置との間で移動するようにしているため、ロック手段の位置を確認することで、ロックされているか否かを容易に判別することができ、ロックのし忘れを防止することができる。
更に、遊技機に、本体枠を前方へ開閉可能に支持している枠状の外枠を、更に具備させ、裏カバーは、外枠に対して本体枠が開いており、且つ、本体枠に対して裏カバーが開いている状態で、本体枠を外枠へ閉じようとすると外枠に干渉するように設けるようにしても良い。これにより、外枠を遊技ホールの島設備に取付けた状態で、外枠に対して本体枠を前方へ開くと、本体枠の後側を確認することができ、この状態で、裏カバーを開くと、遊技盤の後側を確認することができると共に、更に、後ユニットを開くと、本体枠と後ユニットとの間の部材等を確認することができ、確認やメンテナンス等の作業性を高めることができる。そして、外枠に対して本体枠を閉じる際に、後ユニットを閉めずに裏カバーを閉めようとすると、裏カバーが後ユニットに干渉(当接)して閉めることができず、後ユニットの閉め忘れに気付かせることができ、後ユニットの閉め忘れを防止することができる。更に、後ユニットを閉めて裏カバーが開いている状態や、後ユニットと裏カバーの両方が開いている状態で、外枠に対して本体枠を閉じようとすると、裏カバーが外枠に干渉(当接)して閉じることを阻止されるため、裏カバー等が開いていることに気付かせることができ、裏カバー等の閉め忘れを防止することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記後ユニットは、
前記本体枠から開くことで、少なくとも前記球循環手段の一部が後方から視認可能となるように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、後ユニットが、本体枠から開くことで、少なくとも球循環手段の一部が後方から視認可能となるように設けられているものである([発明を実施するための形態]では、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、枠基板ユニット730等に関する記載を参照)。
これにより、本体枠に対して後ユニットを開くことで、球循環手段における本体枠と後ユニットとの間の部位を、確認したりメンテナンスしたりすることができ、球循環手段における不具合を解消させ易くすることができる。そして、メンテナンス等の後に、本体枠に対して後ユニットを閉め忘れても、裏カバーを閉じようとすると、閉じられていない後ユニットと裏カバーとが干渉(当接)して閉じられることを阻止されるため、後ユニットが閉じられていないことに気付かせることができ、メンテナンス等の際の閉め忘れを防止することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「ロック位置と解除位置との間で移動可能とされ、前記後ユニットを前記本体枠に対して閉じた状態で前記ロック位置へ移動させると、前記後ユニットを開閉不能にロックするロック手段を、更に具備しており、
該ロック手段は、
前記解除位置で、且つ、前記後ユニットが前記本体枠に対して閉じている状態で、前記裏カバーを前記本体枠に対して閉じると、前記ロック位置へ移動するように設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「ロック手段」としては、「裏カバーが当接することにより操作部がロック位置へ押し込まれて先端が拡径することにより固定されるもの(例えば、ナイラッチ)」、「一方の端部側が回動可能に支持されており、反対側の他方の端部側に裏カバーが当接することにより解除位置からロック位置へ回動するロック片を有しているもの」、「裏カバーが当接することにより解除位置からロック位置へ移動すると、後ユニットを本体枠へ押圧する押圧片を有しているもの」、「裏カバーが当接することにより解除位置からロック位置へ移動すると、前後方向に対して交差する方向から後ユニット又は本体枠に挿入されるロックピンを有しているもの」、「裏カバーが当接することにより解除位置からロック位置へスライドするもの」、等が挙げられる。
手段3の構成によると、遊技機に、ロック位置と解除位置との間で移動可能とされ、後ユニットを本体枠に対して閉じた状態でロック位置へ移動させると、後ユニットを開閉不能にロックするロック手段を、更に具備させ、ロック手段は、解除位置で、且つ、後ユニットが本体枠に対して閉じている状態で、裏カバーを本体枠に対して閉じると、ロック位置へ移動するように設けられているものである([発明を実施するための形態]では、裏カバー505及びナイラッチ774に関する記載を参照)。
これにより、本体枠に対して後ユニットを閉じた状態で、ロック手段をロック位置へ移動させると、後ユニットを開閉不能にロックすることができるため、振動等の何らかの理由により後ユニットが勝手に開くのを阻止することができ、後ユニットが開くことによる不具合の発生を防止することができる。また、メンテナンス等の終了時に、本体枠に対して後ユニットを閉じた後に、ロック手段によるロックをし忘れても、裏カバーを閉じることでロック手段をロック位置へ移動させてロックすることができるため、ロックのし忘れを防止することができる。
また、ロック手段では、ロック位置と解除位置との間で移動するようにしているため、ロック手段の位置を確認することで、ロックされているか否かを容易に判別することができ、ロックのし忘れを防止することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記本体枠を前方へ開閉可能に支持している枠状の外枠を、更に具備しており、
前記裏カバーは、
前記外枠に対して前記本体枠が開いており、且つ、前記本体枠に対して前記裏カバーが開いている状態で、前記本体枠を前記外枠へ閉じようとすると前記外枠に干渉するように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、遊技機に、本体枠を前方へ開閉可能に支持している枠状の外枠を、更に具備させ、裏カバーは、外枠に対して本体枠が開いており、且つ、本体枠に対して裏カバーが開いている状態で、本体枠を外枠へ閉じようとすると外枠に干渉するように設けられているものである([発明を実施するための形態]では、裏カバー505に関する記載を参照)。
これにより、外枠を遊技ホールの島設備に取付けた状態で、外枠に対して本体枠を前方へ開くと、本体枠の後側を確認することができ、この状態で、裏カバーを開くと、遊技盤の後側を確認することができると共に、更に、後ユニットを開くと、本体枠と後ユニットとの間の部材等を確認することができ、確認やメンテナンス等の作業性を高めることができる。そして、外枠に対して本体枠を閉じる際に、後ユニットを閉めずに裏カバーを閉めようとすると、裏カバーが後ユニットに干渉(当接)して閉めることができず、後ユニットの閉め忘れに気付かせることができ、後ユニットの閉め忘れを防止することができる。更に、後ユニットを閉めて裏カバーが開いている状態や、後ユニットと裏カバーの両方が開いている状態で、外枠に対して本体枠を閉じようとすると、裏カバーが外枠に干渉(当接)して閉じることを阻止されるため、裏カバー等が開いていることに気付かせることができ、裏カバー等の閉め忘れを防止することができる。
手段5:遊技機において、
「枠状の外枠と、
該外枠に対して前方へ開閉可能に支持されており、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤を前方から着脱可能に支持している本体枠と、
該本体枠に支持されている前記遊技盤を後方から覆うように前記本体枠に対して後方へ開閉可能に設けられている裏カバーと、
前記本体枠に設けられており、前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、
該球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、
を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、
前記本体枠の後面における前記遊技盤よりも下方の部位において後方へ開閉可能に設けられており、前記本体枠から開くことで少なくとも前記球循環手段の一部が後方から視認可能となる後ユニットと、
ロック位置と解除位置との間で移動可能とされ、前記後ユニットを前記本体枠に対して閉じた状態で前記ロック位置へ移動させると、前記後ユニットを開閉不能にロックするロック手段と、
を更に具備しており、
前記後ユニットは、前記本体枠から開いている状態で前記裏カバーを前記本体枠へ閉じようとすると前記裏カバーに干渉するように設けられており、
前記ロック手段は、前記解除位置で、且つ、前記後ユニットが前記本体枠に対して閉じている状態で、前記裏カバーを前記本体枠に対して閉じると、前記ロック位置へ移動するように設けられており、
前記裏カバーは、前記外枠に対して前記本体枠が開いており、且つ、前記本体枠に対して前記裏カバーが開いている状態で、前記本体枠を前記外枠へ閉じようとすると前記外枠に干渉するように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、枠状の外枠と、外枠に対して前方へ開閉可能に支持されており、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤を前方から着脱可能に支持している本体枠と、本体枠に支持されている遊技盤を後方から覆うように本体枠に対して後方へ開閉可能に設けられている裏カバーと、本体枠に設けられており、遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、本体枠の後面における遊技盤よりも下方の部位において後方へ開閉可能に設けられており、本体枠から開くことで少なくとも球循環手段の一部が後方から視認可能となる後ユニットと、ロック位置と解除位置との間で移動可能とされ、後ユニットを本体枠に対して閉じた状態でロック位置へ移動させると、後ユニットを開閉不能にロックするロック手段と、を更に具備しており、後ユニットは、本体枠から開いている状態で裏カバーを本体枠へ閉じようとすると裏カバーに干渉するように設けられており、ロック手段は、解除位置で、且つ、後ユニットが本体枠に対して閉じている状態で、裏カバーを本体枠に対して閉じると、ロック位置へ移動するように設けられており、裏カバーは、外枠に対して本体枠が開いており、且つ、本体枠に対して裏カバーが開いている状態で、本体枠を外枠へ閉じようとすると外枠に干渉するように設けられているものである。
これにより、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データ(例えば、持ち球数が1以上)に基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、本体枠の後面における遊技盤よりも下方の部位に後ユニットを設けているため、従来の遊技機において遊技盤の後方に設けられている部材を、本構成の後ユニットとすることで、当該部材の分だけ遊技盤の奥行方向を広くすることができ、奥行方向の広い遊技盤を有する遊技機として、他の遊技機との差別化をより図ることが可能となり、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。この遊技機では、外枠を遊技ホールの島設備に取付けた状態で、外枠に対して本体枠を前方へ開くと、本体枠の後側を確認することができ、この状態で、裏カバーを開くと、遊技盤の後側を確認することができると共に、更に、後ユニットを開くと、球循環手段における本体枠と後ユニットとの間の部位、本体枠の後面における後ユニットの前方に設けられている部材、後ユニットの前面側、等を確認したりメンテナンスしたりすることができ、メンテナンス等にかかる作業性を向上させることができる。
そして、外枠に対して本体枠を閉じる際に、後ユニットを閉めずに裏カバーを閉めようとすると、裏カバーが後ユニットに干渉(当接)して閉めることができず、後ユニットの閉め忘れに気付かせることができ、後ユニットの閉め忘れを防止することができる。更に、後ユニットを閉めて裏カバーが開いている状態や、後ユニットと裏カバーの両方が開いている状態で、外枠に対して本体枠を閉じようとすると、裏カバーが外枠に干渉(当接)して閉じることを阻止されるため、裏カバー等が開いていることに気付かせることができ、裏カバー等の閉め忘れを防止することができる。このようなことから、メンテナンス等の際の後ユニットや裏カバーの閉め忘れを防止することができる。
また、後ユニットと裏カバーとが互いに干渉(当接)するようにしているため、遊技中等において振動等の何らかの理由により本体枠から後ユニットが開こうとしても、裏カバーに干渉する(阻止される)ことで、後ユニットが大きく開いてしまうことを回避させることができ、後ユニットが開くことによる不具合の発生を防止することができる。
また、本体枠に対して後ユニットを閉じた状態で、ロック手段をロック位置へ移動させると、後ユニットを開閉不能にロックすることができるため、振動等の何らかの理由により後ユニットが勝手に開くのを阻止することができ、後ユニットが開くことによる不具合の発生を防止することができる。また、メンテナンス等の終了時に、本体枠に対して後ユニットを閉じた後に、ロック手段によるロックをし忘れても、裏カバーを閉じることでロック手段をロック位置へ移動させてロックすることができるため、ロックのし忘れを防止することができる。
更に、ロック手段では、ロック位置と解除位置との間で移動するようにしているため、ロック手段の位置を確認することで、ロックされているか否かを容易に判別することができ、ロックのし忘れを防止することができる。
このように、上記の解決手段によれば、本体枠の後側において開閉可能に設けられている後ユニットに対してメンテナンス等の際の閉め忘れを防止することが可能な遊技機を提供することができる。
[15-2c.第二技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態における本体枠4の球発射ユニット550は上記解決手段の球発射手段に、本実施形態におけるファールユニット570、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、及び球送ユニット700は上記解決手段の球循環手段に、本実施形態における枠基板ユニット730は上記解決手段の後ユニットに、本実施形態におけるナイラッチ774は上記解決手段のロック手段に、本実施形態における裏カバー505は上記解決手段の裏カバーに、夫々相当している。
[15-2d.第二技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5の遊技領域5aへ遊技球Bを発射する球発射ユニット550から発射された遊技球Bを、ファールユニット570、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、及び球送ユニット700により回収して球発射ユニット550へ供給すると共に、遊技者の持球データ(持ち球数が1以上)に基づいて球発射ユニット550から遊技球Bを発射させるようにしているパチンコ機1(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、本体枠4の後面における遊技盤5よりも下方の部位に後ユニットとしての枠基板ユニット730を設けているため、従来のパチンコ機において遊技盤の後方に設けられている部材を、本実施形態の枠基板ユニット730とすることで、当該部材の分だけ遊技盤5の奥行方向を広くすることができ、奥行方向の広い遊技盤5を有するパチンコ機1として、他のパチンコ機との差別化をより図ることが可能となり、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。このパチンコ機1では、外枠2を遊技ホールの島設備に取付けた状態で、外枠2に対して本体枠4を前方へ開くと、本体枠4の後側を確認することができ、この状態で、裏カバー505を開くと、遊技盤5の後側を確認することができると共に、更に、枠基板ユニット730を開くと、本体枠スピーカ503、本体枠スピーカボックス504、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、基板ユニット730の前面側、等を確認したりメンテナンスしたりすることができ、メンテナンス等にかかる作業性を向上させることができる。
そして、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、枠基板ユニット730を閉めずに裏カバー505を閉めようとすると、裏カバー505が枠基板ユニット730に干渉(当接)して閉めることができず、枠基板ユニット730の閉め忘れに気付かせることができ、枠基板ユニット730の閉め忘れを防止することができる。更に、枠基板ユニット730を閉めて裏カバー505が開いている状態や、枠基板ユニット730と裏カバー505の両方が開いている状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じようとすると、裏カバー505が外枠2に干渉(当接)して閉じることを阻止されるため、裏カバー505等が開いていることに気付かせることができ、裏カバー505等の閉め忘れを防止することができる。このようなことから、メンテナンス等の際の枠基板ユニット730や裏カバー505の閉め忘れを防止することができる。
また、枠基板ユニット730と裏カバー505とが互いに干渉(当接)するようにしているため、遊技中等において振動等の何らかの理由により本体枠4から枠基板ユニット730が開こうとしても、裏カバー505に干渉する(阻止される)ことで、枠基板ユニット730が大きく開いてしまうことを回避させることができ、枠基板ユニット730が開くことによる不具合の発生を防止することができる。
また、本体枠4に対して枠基板ユニット730を閉じた状態で、ロック手段としてのナイラッチ774を押圧してロック位置へ移動させると、枠基板ユニット730を開閉不能にロックすることができるため、振動等の何らかの理由により枠基板ユニット730が勝手に開くのを阻止することができ、枠基板ユニット730が開くことによる不具合の発生を防止することができる。また、メンテナンス等の終了時に、本体枠4に対して枠基板ユニット730を閉じた後に、ナイラッチ774によるロックをし忘れても、裏カバー505を閉じることでナイラッチ774をロック位置へ移動させてロックすることができるため、ロックのし忘れを防止することができる。
更に、ロック手段としてのナイラッチ774では、ロック位置と解除位置との間で移動するようにしているため、ナイラッチ774の操作部774aの位置を確認することで、ロックされているか否かを容易に判別することができ、ロックのし忘れを防止することができる。
[15-3.第三技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-3a.第三技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機では、遊技球が流通する球通路において、上下に延びている部位に検知孔を有する球センサを設けて、当該球通路を流通している遊技球を検知するようにしている(例えば、特許文献C:特開2016-96868号公報)。
ところで、球通路において、遊技球が左右方向(又は前後方向)へ流通するような部位に、特許文献Cのような検知孔を有する球センサを設けると、検知孔の部位で通路が狭くなることで、遊技球の流通速度が低下したり球詰りが発生したりする恐れがある。そこで、球センサとして検知孔を有していないフォトセンサを使用することが考えられるが、球通路の内周形状が四角いと、遊技球が球通路の幅方向へ振れ易くなるため、遊技球が頻繁に側壁に接触することで、側面が摩耗してたり傷付いたりしてゴミや塵等の汚れが発生し易くなり、それら汚れ等によりフォトセンサの受発光を阻害して誤検知する恐れがある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、球通路を流通している遊技球の誤検知を低減させることが可能な遊技機の提供を課題とする。
[15-3b.第三技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、
該遊技盤の前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、
該球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、
を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、
前記球循環手段は、
遊技球が流通する球通路と、
該球通路を流通している遊技球を検知するフォトセンサと、を有しており、
前記球通路は、
少なくとも前記フォトセンサが設けられている部位が、遊技球の中心よりも下側において2点で接するように設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、球通路における「遊技球の中心よりも下側において2点で接する」部位としては、「上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有するもの(断面がV字形状、断面が下方へ窄まる逆台形状、等)」、「遊技機の直径よりも狭い間隔で流通方向へ延出している一対の突条を有するもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤の遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、球循環手段は、遊技球が流通する球通路と、球通路を流通している遊技球を検知するフォトセンサと、を有しており、球通路は、少なくともフォトセンサが設けられている部位が、遊技球の中心よりも下側において2点で接するように設けられているものである([発明を実施するための形態]では、[4-5.球揚上ユニット]の章、図52及び図53等の記載を参照)。
これにより、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データ(例えば、持ち球数が1以上)に基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技球が流通する球通路における少なくともフォトセンサの部位を、遊技球がその中心よりも下側において2点で接するようにしているため、フォトセンサの部位では遊技球が球通路の幅方向へ振れることはなく、遊技球が球通路の側壁に接触して側壁が摩耗したり傷付いたりすることでゴミや塵等の汚れが発生することを回避させることができる。従って、球通路内におけるゴミや塵等の汚れを可及的に低減させることができるため、汚れ等によりフォトセンサの受発光が阻害されることで誤検知が発生してしまうのを防止することができ、球通路を流通している遊技球の誤検知を低減させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、球通路における少なくともフォトセンサの部位では、遊技球が球通路の幅方向へ振れることはないため、フォトセンサと遊技球との位置関係を一定にすることができ、当該位置関係のズレによる誤検知をなくして、球通路を流通している遊技球を確実に検知することができる。
なお、球通路に、少なくともフォトセンサが設けられている部位に設けられ、夫々に対して遊技球が接(接触)し、上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有する第一形状通路部を、有するようにしても良い。これにより、球通路におけるフォトセンサが設けられている第一形状通路部において、遊技球を一対の傾斜面に接触させるようにしているため、遊技球を一対の突条に接触させる場合と比較して、遊技球による接触部位の摩耗や傷付きを低減させることができ、ゴミや塵等の汚れの発生を防止してフォトセンサによる遊技球の誤検知を低減させることができる。
また、上記のように、球通路に第一形状通路部を設ける場合、球通路の第一形状通路部に一対の傾斜面を設けているため、遊技球の接触によりゴミや塵等の汚れが発生しても、当該傾斜面により汚れを遊技球との接触部位よりも下方へ誘導することができ、汚れによりフォトセンサへの影響を低減させることができると共に、遊技球への汚れの付着を回避させることができる。
また、球通路に、フォトセンサが設けられている部位の上流側に設けられ、遊技球の流通を妨げない大きさで下方へ開口している開口部を、有するようにしても良い。これにより、球通路内のゴミや塵等の汚れを開口部から外部へ排出させることができるため、汚れによりフォトセンサへの影響を低減させることができ、フォトセンサにおける汚れを起因とする遊技球の誤検知を低減させることができる。
更に、球通路に、フォトセンサが設けられている部位の下流側又は上流側の少なくとも一方に設けられ、遊技球が接すると共に遊技球の直径よりも大きい幅の平坦な底面と、底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面と、を有する第二形状通路部を、有するようにしても良い。これにより、球通路における少なくともフォトセンサが設けられている部位の下流側又は上流側の少なくとも一方を、平坦な底面と一対の側壁面とからなる第二形状通路部としているため、第二形状通路部において複数の遊技球が停留すると、上流側の遊技球により押されることで、下流側から遊技球が一対の側壁面に対して交互に接触するように並ぶこととなる。つまり、第二形状通路部において複数の遊技球が停留すると、千鳥状に並び、球通路の軸線上に一列で並ぶことはない。従って、下流側への遊技球の球圧の一部を、接触している側壁面へ交互に逃がすことができるため、軸線上で一列に並んでいる場合と比較して、複数の遊技球を停留させている部材にかかる球圧を低減させることができ、当該部材を破損し難くすることができると共に、当該部材を過度に補強する必要はなく遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、球通路におけるフォトセンサが設けられている部位が、一時的に遊技球の流れが停止可能である場合は、フォトセンサによる遊技球の検知時間及び非検知時間が所定の閾値を越えると、球通路における遊技球が停留する部位での遊技球の有無を判定するようにしても良い。ところで、入賞口等での遊技球の検知は、所定の割込み周期(例えば、4ms)ごとにフォトセンサ(球センサ)からの出力を確認し、その出力が、非検知、検知、検知、(換言すると「011」)となった場合に、遊技球を検知した(ON)と判定するようにしている。つまり、フォトセンサからの出力が「011」の時はONと判定し、「011」以外の時はOFFと判定している。しかしながら、一時的に遊技球の流れが停止するような部位(停留部)に設けられているフォトセンサにおいて、上記のような判定方法により遊技球の有無を判定するようにすると、当該フォトセンサでは、停留部に遊技球が無い場合はOFFのみが発生し、停留部に遊技球が供給されている場合は短い間隔のONが多く発生し、停留部に貯留されている遊技球が一つずつ移動している(発射間隔で遊技球が移動している)場合は短い間隔のOFFが多く発生することとなる。そのため、上記のような判定方法では、停留部に遊技球が無いことを正確に判定することはできなかった。これに対して、フォトセンサによる遊技球の検知時間及び非検知時間が所定の閾値を越えることにより遊技球の有無を判定する。換言すると、ON(有)の判定とOFF(無)の判定に、夫々閾値を設け、閾値を越えて非検知や検知が連続した時にのみに、ONやOFFを判定する。つまり、例えば、フォトセンサからの出力が「01111・・・」の時にはONと判定し、「10000・・・」の時にはOFFと判定するようにする。これにより、複数の遊技球が停留する球通路の停留部において、遊技球の有無を確実に判定することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記球通路は、
少なくとも前記フォトセンサが設けられている部位に設けられており、夫々に対して遊技球が接し、上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有する第一形状通路部を、有している」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、球通路に、少なくともフォトセンサが設けられている部位に設けられ、夫々に対して遊技球が接(接触)し、上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有する第一形状通路部を、有するようにしているものである([発明を実施するための形態]では、球揚上入口通路651のV字通路部651a及び球揚上出口通路652のV字通路部652aに関する記載を参照)。
これにより、球通路におけるフォトセンサが設けられている第一形状通路部において、遊技球を一対の傾斜面に接触させるようにしているため、遊技球を一対の突条に接触させる場合と比較して、遊技球による接触部位の摩耗や傷付きを低減させることができ、ゴミや塵等の汚れの発生を防止してフォトセンサによる遊技球の誤検知を低減させることができる。
また、球通路の第一形状通路部に一対の傾斜面を設けているため、遊技球の接触によりゴミや塵等の汚れが発生しても、当該傾斜面により汚れを遊技球との接触部位よりも下方へ誘導することができ、汚れによりフォトセンサへの影響を低減させることができると共に、遊技球への汚れの付着を回避させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記球通路は、
前記フォトセンサが設けられている部位の上流側に設けられており、遊技球の流通を妨げない大きさで下方へ開口している開口部を、有している」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、球通路に、フォトセンサが設けられている部位の上流側に設けられ、遊技球の流通を妨げない大きさで下方へ開口している開口部を、有するようにしているものである([発明を実施するための形態]では、球揚上入口アース板金655及び球揚上出口アース板金656に関する記載を参照)。
これにより、球通路内のゴミや塵等の汚れを開口部から外部へ排出させることができるため、汚れによりフォトセンサへの影響を低減させることができ、フォトセンサにおける汚れを起因とする遊技球の誤検知を低減させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記球通路は、
前記フォトセンサが設けられている部位の下流側又は上流側の少なくとも一方に設けられており、遊技球が接すると共に遊技球の直径よりも大きい幅の平坦な底面と、該底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面と、を有する第二形状通路部を、有している」
ものであることを特徴とする。
ところで、球通路の形状を、遊技球の中心よりも下側において2点で接するようにすると、上述したように、遊技球が球通路の幅方向へ振れることはないため、当該球通路において複数の遊技球が停留するような場合、それら複数の遊技球は球通路の軸線上に一列で並ぶこととなる。そのため、複数の遊技球を停留させている部材に、複数の遊技球による大きな球圧が作用することとなり、当該部材が破損し易くなる恐れがあり、破損を回避させるために当該部材を補強するとコストが増加する恐れがある。
手段4の構成によると、球通路に、フォトセンサが設けられている部位の下流側又は上流側の少なくとも一方に設けられ、遊技球が接すると共に遊技球の直径よりも大きい幅の平坦な底面と、底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面と、を有する第二形状通路部を、有するようにしているものである([発明を実施するための形態]では、球揚上入口通路651のコ字通路部651b及び球揚上出口通路652のコ字通路部652bに関する記載を参照)。
これにより、球通路における少なくともフォトセンサが設けられている部位の下流側又は上流側の少なくとも一方を、平坦な底面と一対の側壁面とからなる第二形状通路部としているため、第二形状通路部において複数の遊技球が停留すると、上流側の遊技球により押されることで、下流側から遊技球が一対の側壁面に対して交互に接触するように並ぶこととなる。つまり、第二形状通路部において複数の遊技球が停留すると、千鳥状に並び、球通路の軸線上に一列で並ぶことはない。従って、下流側への遊技球の球圧の一部を、接触している側壁面へ交互に逃がすことができるため、軸線上で一列に並んでいる場合と比較して、複数の遊技球を停留させている部材にかかる球圧を低減させることができ、当該部材を破損し難くすることができると共に、当該部材を過度に補強する必要はなく遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、第二形状通路部は、フォトセンサの下流側にのみ設けても良いし、フォトセンサの上流側にのみ設けても良いし、フォトセンサの下流側と上流側の両方に設けても良い。フォトセンサの下流側に多くの遊技球が停留されるような球通路の場合は、第二形状通路部をフォトセンサの少なくとも下流側に設けることが望ましい。
手段5:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、
該遊技盤の前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、
該球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、
を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、
前記球循環手段は、
遊技球が流通する球通路と、
該球通路を流通している遊技球を検知するフォトセンサと、を有しており、
前記球通路は、
前記フォトセンサが設けられている部位に設けられており、遊技球の中心よりも下側において2点で接するように夫々に対して遊技球が接し、上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有する第一形状通路部と、
該第一形状通路部の上流側に設けられており、遊技球の流通を妨げない大きさで下方へ開口している開口部と、
前記第一形状通路部の下流側又は上流側の少なくとも一方に設けられており、遊技球が接すると共に遊技球の直径よりも大きい幅の平坦な底面、及び該底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面を有する第二形状通路部と、を有する」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤の遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、球循環手段は、遊技球が流通する球通路と、球通路を流通している遊技球を検知するフォトセンサと、を有しており、球通路は、フォトセンサが設けられている部位に設けられており、遊技球の中心よりも下側において2点で接するように夫々に対して遊技球が接し、上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有する第一形状通路部と、第一形状通路部の上流側に設けられており、遊技球の流通を妨げない大きさで下方へ開口している開口部と、第一形状通路部の下流側又は上流側の少なくとも一方に設けられており、遊技球が接すると共に遊技球の直径よりも大きい幅の平坦な底面、及び底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面を有する第二形状通路部と、を有するようにするものである。
これにより、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データ(例えば、持ち球数が1以上)に基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技球が流通する球通路における少なくともフォトセンサの部位を、上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有する第一形状通路部として、一対の傾斜面により遊技球がその中心よりも下側において2点で接するようにしているため、フォトセンサの部位では遊技球が球通路の幅方向へ振れることはなく、遊技球が球通路の側壁に接触して側壁が摩耗したり傷付いたりすることでゴミや塵等の汚れが発生することを回避させることができる。従って、球通路内におけるゴミや塵等の汚れを可及的に低減させることができるため、汚れ等によりフォトセンサの受発光が阻害されることで誤検知が発生してしまうのを防止することができ、球通路を流通している遊技球の誤検知を低減させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、球通路におけるフォトセンサが設けられている第一形状通路部では、遊技球が球通路の幅方向へ振れることはないため、フォトセンサと遊技球との位置関係を一定にすることができ、当該位置関係のズレによる誤検知をなくして、球通路を流通している遊技球を確実に検知することができる。
また、フォトセンサが設けられている第一形状通路部において、遊技球を一対の傾斜面に接触させるようにしているため、遊技球を一対の突条に接触させる場合と比較して、遊技球による接触部位の摩耗や傷付きを低減させることができ、ゴミや塵等の汚れの発生を防止してフォトセンサによる遊技球の誤検知を低減させることができる。
更に、球通路の第一形状通路部に一対の傾斜面を設けているため、遊技球の接触によりゴミや塵等の汚れが発生しても、当該傾斜面により汚れを遊技球との接触部位よりも下方へ誘導することができ、汚れによりフォトセンサへの影響を低減させることができると共に、遊技球への汚れの付着を回避させることができる。
また、球通路におけるフォトセンサが設けられている第一形状通路部の上流側に開口部を設けていることから、球通路内のゴミや塵等の汚れを開口部から外部へ排出させることができるため、汚れによりフォトセンサへの影響を低減させることができ、フォトセンサにおける汚れを起因とする遊技球の誤検知を低減させることができる。
また、球通路における少なくともフォトセンサが設けられている第一形状通路部の下流側又は上流側の少なくとも一方を、平坦な底面と一対の側壁面とからなる第二形状通路部としているため、第二形状通路部において複数の遊技球が停留すると、上流側の遊技球により押されることで、下流側から遊技球が一対の側壁面に対して交互に接触するように並ぶこととなる。つまり、第二形状通路部において複数の遊技球が停留すると、千鳥状に並び、球通路の軸線上に一列で並ぶことはない。従って、下流側への遊技球の球圧の一部を、接触している側壁面へ交互に逃がすことができるため、軸線上で一列に並んでいる場合と比較して、複数の遊技球を停留させている部材にかかる球圧を低減させることができ、当該部材を破損し難くすることができると共に、当該部材の強度・剛性を必要以上に高める必要はなく遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
このように、上記の解決手段によれば、球通路を流通している遊技球の誤検知を低減させることが可能な遊技機を提供することができる。
[15-3c.第三技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態における本体枠4の球発射ユニット550は上記解決手段の球発射手段に、本実施形態におけるファールユニット570、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、及び球送ユニット700は上記解決手段の球循環手段に、本実施形態における球揚上ユニット650の球揚上入口通路651、球揚上出口通路652、及び球送ユニット700の球送通路703は上記解決手段の球通路に、本実施形態におけるV字通路部651a及びV字通路部652aは上記解決手段の第一形状通路部に、本実施形態におけるコ字通路部651b、コ字通路部652b、及び球送通路703は上記解決手段の第二形状通路部に、本実施形態における球揚上入口アース板金655と球揚上出口アース板金656が取付けられている部位は上記解決手段の開口部に、夫々相当している。
[15-3d.第三技術的特徴の特徴的な作用効果]
以下では、球通路として球揚上ユニット650における球揚上出口通路652について作用効果を記載し、球揚上入口通路651においても同様の作用効果を奏するため球揚上入口通路651の作用効果の記載は省略する。本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5の遊技領域5aへ遊技球Bを発射する球発射ユニット550から発射された遊技球Bを、ファールユニット570、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、及び球送ユニット700により回収して球発射ユニット550へ供給すると共に、遊技者の持球データ(持ち球数が1以上)に基づいて球発射ユニット550から遊技球Bを発射させるようにしているパチンコ機1(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技球Bが流通する球揚上ユニット650の球揚上出口通路652におけるフォトセンサからなる揚上出口センサ654の部位を、上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有する断面V字状のV字通路部652aとして、一対の傾斜面により遊技球Bがその中心よりも下側において2点で接するようにしているため、揚上出口センサ654の部位では遊技球Bが球揚上出口通路652の幅方向へ振れることはなく、遊技球Bが球揚上出口通路652の側壁に接触して側壁が摩耗したり傷付いたりすることでゴミや塵等の汚れが発生することを回避させることができる。従って、球揚上出口通路652内におけるゴミや塵等の汚れを可及的に低減させることができるため、汚れ等により揚上出口センサ654におけるフォトセンサの受発光が阻害されることで誤検知が発生してしまうのを防止することができ、球揚上出口通路652を流通している遊技球Bの誤検知を低減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、球揚上出口通路652におけるフォトセンサからなる揚上出口センサ654が設けられているV字通路部652aでは、遊技球Bが球揚上出口通路652の幅方向へ振れることはないため、揚上出口センサ654(フォトセンサ)と遊技球Bとの位置関係を一定にすることができ、当該位置関係のズレによる誤検知をなくして、球揚上出口通路652を流通している遊技球Bを確実に検知することができる。
また、フォトセンサからなる揚上出口センサ654が設けられているV字通路部652aにおいて、遊技球Bを一対の傾斜面に接触させるようにしているため、遊技球Bを一対の突条に接触させる場合と比較して、遊技球Bによる接触部位の摩耗や傷付きを低減させることができ、ゴミや塵等の汚れの発生を防止して揚上出口センサ654による遊技球Bの誤検知を低減させることができる。
更に、球揚上出口通路652のV字通路部652aに一対の傾斜面を設けているため、遊技球Bの接触によりゴミや塵等の汚れが発生しても、当該傾斜面により汚れを遊技球Bとの接触部位よりも下方へ誘導することができ、汚れにより揚上出口センサ654への影響を低減させることができると共に、遊技球Bへの汚れの付着を回避させることができる。
また、球揚上出口通路652におけるフォトセンサからなる揚上出口センサ654が設けられているV字通路部652aの上流側に、球揚上出口アース板金656が取付けられている開口部を設けていることから、球揚上出口通路652内のゴミや塵等の汚れを当該開口部から外部へ排出させることができるため、汚れにより揚上出口センサ654への影響を低減させることができ、揚上出口センサ654における汚れを起因とする遊技球Bの誤検知を低減させることができる。
また、球揚上出口通路652におけるフォトセンサからなる揚上出口センサ654が設けられているV字通路部652aの下流側又は上流側の少なくとも一方(ここでは、上流側及び下流側の両方)を、平坦な底面と一対の側壁面とからなる断面コ字状のコ字通路部652b及び球送通路703としているため、コ字通路部652b及び球送通路703において複数の遊技球Bが停留すると、上流側の遊技球Bにより押されることで、下流側から遊技球Bが一対の側壁面に対して交互に接触するように並ぶこととなる。つまり、コ字通路部652b及び球送通路703において複数の遊技球Bが停留すると、千鳥状に並び、球揚上出口通路652や球送通路703の軸線上に一列で並ぶことはない。従って、下流側への遊技球Bの球圧の一部を、接触している側壁面へ交互に逃がすことができるため、軸線上で一列に並んでいる場合と比較して、複数の遊技球Bを停留させている球送ユニット700の球送可動部材705(球止部705e)にかかる球圧を低減させることができ、球送可動部材705を破損し難くすることができると共に、球送可動部材705を過度に補強する必要はなくパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
[15-4.第四技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-4a.第四技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機として、遊技球が流通する球通路に球センサを設け、当該球センサによる遊技球の検知により球通路内での遊技球の有無を判定するようにしているものが提案されている(例えば、特許文献D:特開2015-188537号公報)。この特許文献1の技術では、球通路に間隔をあけて二つの球センサを設け、二つの球センサからの検知信号の組み合わせにより、遊技球の有無を判定するようにしている。
しかしながら、特許文献Dの技術では、球通路における所定の部位での遊技球の有無を判定するために複数の球センサを設けているため、コストが増加すると共に、判定にかかる制御手段での負荷が増加する問題があった。そこで、一つの球センサにより遊技球の有無を判定することが考えられるが、遊技球の流通が一時的に停止するような部位(停留部)では、遊技球が無いことを正確に判定することが困難であった。
そこで、以下の解決手段では、上記の実情に鑑み、遊技球が流通する通路における遊技球が一時的に停止した状態となる停留部での遊技球の有無を確実に検知することが可能な遊技機の提供を課題とする。
[15-4b.第四技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、
該遊技盤の前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、
該球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、
該球循環手段及び前記球発射手段を制御可能な制御手段と、
を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、
前記球発射手段及び前記球循環手段は、
遊技球が循環する循環球経路上に設けられ、一時的に遊技球の流通が停止可能な停留部と、
該停留部で停留している遊技球を検知する球センサと、
を有しており、
前記制御手段は、
前記球センサによる遊技球の検知時間及び非検知時間が所定の閾値を越えると、前記停留部における遊技球の有無を判定して前記球循環手段を制御する」
ものであることを特徴とする。
ここで、「停留部」としては、「球発射手段における発射レール(発射台)」、「球循環手段における球発射手段へ遊技球を一つずつ供給する球送ユニットの球送通路」、「球循環手段における遊技球を揚上する球揚上ユニットの球揚上入口通路や球揚上出口通路」、「球循環手段における遊技球を貯留する循環球経路ユニットの球貯留通路」、等が挙げられる。
また、「球センサ」としては、「発光部と受光部とを有するフォトセンサ」、「誘導電流の変化を検知する誘電センサ」、「遊技球の接触を検知する接触センサ」、「磁気の変化を検知する磁気センサ」、「静電気容量の変化を検知する静電容量センサ」、等が挙げられる。停留部が複数設けられている場合は、夫々の停留部に設けられている球センサが、同じ種類であっても良いし、異なる種類であっても良い。
ところで、従来より入賞口等での遊技球の検知は、所定の割込み周期(例えば、4ms)ごとにフォトセンサ(球センサ)からの出力を確認し、その出力が、非検知、検知、検知、(換言すると「011」)となった場合に、遊技球を検知した(ON)と判定するようにしている。つまり、フォトセンサからの出力が「011」の時はONと判定し、「011」以外の時はOFFと判定している。しかしながら、一時的に遊技球の流れが停止するような停留部に球センサを設ける場合、上記のような従来の判定方法により遊技球の有無を判定するようにすると、当該球センサでは、停留部に遊技球が無い場合はOFFのみが発生し、停留部に遊技球が供給されている場合は短い間隔のONが多く発生し、停留部に貯留されている遊技球が一つずつ移動している(発射間隔で遊技球が移動している)場合は短い間隔のOFFが多く発生することとなる。そのため、従来の判定方法では、停留部に遊技球が無いことを正確に判定することはできなかった。
手段1の構成によると、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤の遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、球循環手段及び球発射手段を制御可能な制御手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、球発射手段及び球循環手段は、遊技球が循環する循環球経路上に設けられ、一時的に遊技球の流通が停止可能な停留部と、停留部で停留している遊技球を検知する球センサと、を有しており、制御手段は、球センサによる遊技球の検知時間及び非検知時間が所定の閾値を越えると、停留部における遊技球の有無を判定して球循環手段を制御するものである([発明を実施するための形態]では、[4-5.球揚上ユニット]の章、図52及び図53等の記載を参照)。
これにより、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データ(例えば、持ち球数が1以上)に基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技球が循環する循環球経路上における遊技球が一時的に停止可能な停留部に球センサを設け、制御手段により、球センサによる遊技球の検知時間及び非検知時間が所定の閾値を越えると、停留部における遊技球の有無を判定して球循環手段を制御するようにしている。換言すると、従来の判定では、遊技球が有(ON)の条件(閾値)のみを使用して、遊技球の有無(ON/OFF)を判定しているのに対して、本手段では、ON(有)の判定とOFF(無)の判定に、夫々閾値を設け、閾値を越えて非検知や検知が連続した時にのみに、ONやOFFを判定している。つまり、例えば、球センサからの出力が「01111・・・」の時にはONと判定し、「10000・・・」の時にはOFFと判定するようにする。これにより、複数の遊技球が停留する球通路の停留部において、遊技球の有無を確実に判定することができる。
また、停留部における遊技球の有無を確実に判定して球循環手段を制御するようにしているため、循環球経路(停留部)において球切れが発生して持球データ(持ち球数)が有るにも関わらず遊技球を発射することができなかったり、停留部が満タンな状態で更に遊技球が供給されることにより球循環手段の破損や球詰り等が発生したり、することを回避させることができ、遊技者に継続して遊技を楽しませることができる。
なお、閾値は、小さすぎるとちょっとした振動等で、誤検知し制御上のノイズとなる。また、閾値は、必要以上に大きすぎると、遊技球の状態を取りこぼすことになる。従って、適切な閾値については球センサが設けられる場所によって異なるが、最小でも10ms以上、最大でも300ms以下が望ましい。また、閾値は、割込み周期の倍数に決定すると、ソフト制御上、割込み回数をカウントするだけなのでソフトの負担を減らすことができる。
また、停留部を、循環球経路上に複数設け、制御手段により、停留部に応じて、同じ閾値、又は、異なる閾値、で遊技球の有無を判定させるようにしても良い。これにより、停留部(球センサ)に応じて、遊技球の有無を判定する閾値を異ならせても良いようにしているため、例えば、球発射手段に遊技球を供給する球送ユニットの球送通路のような停留部の球センサでは閾値を小さくしたり、遊技球を球送ユニットへ揚上する球揚上ユニットの球揚上入口通路や球揚上出口通路のような停留部の球センサでは閾値を大きくしたり、することが可能となる。従って、停留部における遊技球の流通速度(停止頻度)、停留される遊技球の停留数、等に応じて遊技球の有無を判定することで、制御手段による制御を効率良く行わせることができ、制御にかかる負荷を軽減させることができる。
更に、停留部を、循環球経路上に複数設け、制御手段により、停留部に応じて、遊技球の有と無とを同じ閾値、又は、遊技球の有と無とを異なる閾値、で判定させるようにしても良い。これにより、停留部(球センサ)に応じて、遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを、異ならせても良いようにしているため、例えば、遊技球を発射する球発射手段の発射レールのような停留部の球センサでは遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを同じにしたり、遊技球を揚上する球揚上ユニットの球揚上入口通路や球揚上出口通路のような停留部の球センサでは遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを異なるようにしたり、することが可能となる。従って、停留部における遊技球の流通速度(停止頻度)、停留される遊技球の停留数、等に応じて遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを同じにしたり異ならせたりして判定することで、制御手段による制御を停留部に合わせて効率良く行わせることができ、制御にかかる負荷を軽減させることができる。
また、停留部の少なくとも一部に、遊技球が接すると共に遊技球の直径よりも大きい幅の平坦な底面と、底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面と、を有するコ字通路部を、設けるようにしても良い。これにより、遊技球が一時的に停留する停留部の少なくとも一部に、平坦な底面と一対の側壁面とからなるコ字通路部を設けているため、コ字通路部において複数の遊技球が停留すると、上流側の遊技球により押されることで、下流側から遊技球が一対の側壁面に対して交互に接触するように並ぶこととなる。つまり、コ字通路部において複数の遊技球が停留すると、千鳥状に並び、停留部(通路)の軸線上に遊技球が一列で並ぶことはない。従って、下流側への遊技球の球圧の一部を、接触している側壁面へ交互に逃がすことができるため、遊技球を停留させている所定の部材にかかる球圧を低減させることができ、当該部材を破損し難くすることができると共に、当該部材を過度に補強する必要はなく遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、球センサとしてフォトセンサを含ませるようにし、停留部における少なくともフォトセンサの部位に、夫々に対して遊技球が接し上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有するV字通路部を設けるようにしても良い。これにより、停留部におけるフォトセンサが設けられている部位にV字通路部を設けているため、V字通路部の一対の傾斜面に遊技球が接触することにより、フォトセンサの部位では遊技球が停留部の通路(球通路)の幅方向へ振れることはなく、遊技球が側壁に接触して側壁が摩耗したり傷付いたりすることでゴミや塵等の汚れが発生することを回避させることができる。従って、停留部内におけるゴミや塵等の汚れを可及的に低減させることができるため、汚れ等によりフォトセンサの受発光が阻害されることで誤検知が発生してしまうのを防止することができ、停留部で停留している遊技球の誤検知を低減させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、上記のように、V字通路部を設ける場合、停留部における少なくともフォトセンサの部位では、V字通路部の一対の傾斜面により遊技球が球通路の幅方向へ振れることはないため、フォトセンサと遊技球との位置関係を一定にすることができ、当該位置関係のズレによる誤検知をなくして、遊技球を確実に検知することができる。
更に、上記のように、V字通路部を設ける場合、V字通路部には一対の傾斜面を有しているため、遊技球の接触によりゴミや塵等の汚れが発生しても、当該傾斜面により汚れを遊技球との接触部位よりも下方へ誘導することができ、汚れによりフォトセンサへの影響を低減させることができると共に、遊技球への汚れの付着を回避させることができる。なお、V字通路部は、一対の傾斜面を有しているものであれば良く、一対の傾斜面の下端同士が繋がった断面がV字形状の通路であっても良いし、断面が下方へ窄まる逆台形状の通路であっても良い。
手段2:手段1の構成において、
「前記停留部は、
前記循環球経路上に複数設けられており、
前記制御手段は、
前記停留部に応じて、同じ前記閾値、又は、異なる前記閾値、により遊技球の有無を判定する」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、停留部を、循環球経路上に複数設け、制御手段により、停留部に応じて、同じ閾値、又は、異なる閾値、で遊技球の有無を判定させるようにするものである([発明を実施するための形態]では、発射減算センサ554、揚上入口センサ653、揚上出口センサ654、発射手前センサ704等に関する記載を参照)。
これにより、停留部(球センサ)に応じて、遊技球の有無を判定する閾値を異ならせても良いようにしているため、例えば、球発射手段に遊技球を供給する球送ユニットの球送通路のような停留部の球センサでは閾値を小さくしたり、遊技球を球送ユニットへ揚上する球揚上ユニットの球揚上入口通路や球揚上出口通路のような停留部の球センサでは閾値を大きくしたり、することが可能となる。従って、停留部における遊技球の流通速度(停止頻度)、停留される遊技球の停留数、等に応じて遊技球の有無を判定することで、制御手段による制御を効率良く行わせることができ、制御にかかる負荷を軽減させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記停留部は、
前記循環球経路上に複数設けられており、
前記制御手段は、
前記停留部に応じて、遊技球の有と無とを同じ前記閾値、又は、遊技球の有と無とを異なる前記閾値、で判定する」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、停留部を、循環球経路上に複数設け、制御手段により、停留部に応じて、遊技球の有と無とを同じ閾値、又は、遊技球の有と無とを異なる閾値、で判定させるようにするものである([発明を実施するための形態]では、発射減算センサ554、揚上入口センサ653、揚上出口センサ654、発射手前センサ704等に関する記載を参照)。
これにより、停留部(球センサ)に応じて、遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを、異ならせても良いようにしているため、例えば、遊技球を発射する球発射手段の発射レールのような停留部の球センサでは遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを同じにしたり、遊技球を揚上する球揚上ユニットの球揚上入口通路や球揚上出口通路のような停留部の球センサでは遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを異なるようにしたり、することが可能となる。従って、停留部における遊技球の流通速度(停止頻度)、停留される遊技球の停留数、等に応じて遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを同じにしたり異ならせたりして判定することで、制御手段による制御を停留部に合わせて効率良く行わせることができ、制御にかかる負荷を軽減させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記停留部は、
遊技球が接すると共に遊技球の直径よりも大きい幅の平坦な底面と、該底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面と、を有するコ字通路部を、少なくとも一部に設けている」
ものであることを特徴とする。
ところで、循環球経路における停留部では、所定の部材により遊技球の流通を一時的に停止させるようにしていることから、停留部において停留させる遊技球の数が多くなるほど、遊技球を停留させている所定の部材にかかる球圧が大きくなり、当該部材が破損し易くなる恐れがあり、破損を回避させるために当該部材を補強するとコストが増加する恐れがある。
手段4の構成によると、停留部の少なくとも一部に、遊技球が接すると共に遊技球の直径よりも大きい幅の平坦な底面と、底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面と、を有するコ字通路部を、設けているものである([発明を実施するための形態]では、球揚上入口通路651のコ字通路部651b及び球揚上出口通路652のコ字通路部652bに関する記載を参照)。
これにより、遊技球が一時的に停留する停留部の少なくとも一部に、平坦な底面と一対の側壁面とからなるコ字通路部を設けているため、コ字通路部において複数の遊技球が停留すると、上流側の遊技球により押されることで、下流側から遊技球が一対の側壁面に対して交互に接触するように並ぶこととなる。つまり、コ字通路部において複数の遊技球が停留すると、千鳥状に並び、停留部(通路)の軸線上に遊技球が一列で並ぶことはない。従って、下流側への遊技球の球圧の一部を、接触している側壁面へ交互に逃がすことができるため、遊技球を停留させている所定の部材にかかる球圧を低減させることができ、当該部材を破損し難くすることができると共に、当該部材を過度に補強する必要はなく遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記球センサは、
フォトセンサを含んでおり、
前記停留部は、
夫々に対して遊技球が接し上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有するV字通路部を、少なくとも前記フォトセンサの部位に設けている」
ものであることを特徴とする。
ところで、球センサとしてフォトセンサを使用する場合、停留部におけるフォトセンサの部位の内周形状が四角いと、遊技球が停留部(球通路)の幅方向へ振れ易くなるため、遊技球が頻繁に側壁に接触することで、側面が摩耗したり傷付いたりしてゴミや塵等の汚れが発生し易くなり、それら汚れ等によりフォトセンサの受発光を阻害して誤検知する恐れがある。
手段5の構成によると、球センサとしてフォトセンサを含ませるようにし、停留部における少なくともフォトセンサの部位に、夫々に対して遊技球が接し上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有するV字通路部を設けているものである([発明を実施するための形態]では、球揚上入口通路651のV字通路部651a及び球揚上出口通路652のV字通路部652a、揚上入口センサ653や揚上出口センサ654等に関する記載を参照)。
これにより、停留部におけるフォトセンサが設けられている部位にV字通路部を設けているため、V字通路部の一対の傾斜面に遊技球が接触することにより、フォトセンサの部位では遊技球が停留部の通路(球通路)の幅方向へ振れることはなく、遊技球が側壁に接触して側壁が摩耗したり傷付いたりすることでゴミや塵等の汚れが発生することを回避させることができる。従って、停留部内におけるゴミや塵等の汚れを可及的に低減させることができるため、汚れ等によりフォトセンサの受発光が阻害されることで誤検知が発生してしまうのを防止することができ、停留部で停留している遊技球の誤検知を低減させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、停留部における少なくともフォトセンサの部位では、V字通路部の一対の傾斜面により遊技球が球通路の幅方向へ振れることはないため、フォトセンサと遊技球との位置関係を一定にすることができ、当該位置関係のズレによる誤検知をなくして、遊技球を確実に検知することができる。
更に、V字通路部には一対の傾斜面を有しているため、遊技球の接触によりゴミや塵等の汚れが発生しても、当該傾斜面により汚れを遊技球との接触部位よりも下方へ誘導することができ、汚れによりフォトセンサへの影響を低減させることができると共に、遊技球への汚れの付着を回避させることができる。
なお、V字通路部は、一対の傾斜面を有しているものであれば良く、一対の傾斜面の下端同士が繋がった断面がV字形状の通路であっても良いし、断面が下方へ窄まる逆台形状の通路であっても良い。
手段6:遊技機において、
「遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、
該遊技盤の前記遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、
該球発射手段により発射された遊技球を回収して再び該球発射手段に供給する球循環手段と、
該球循環手段及び前記球発射手段を制御可能な制御手段と、
を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて前記球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、
前記球発射手段及び前記球循環手段は、
遊技球が循環する循環球経路上に設けられ、一時的に遊技球の流通が停止可能な複数の停留部と、
各該停留部で停留している遊技球を検知し、フォトセンサを含む複数の球センサと、
を有しており、
前記停留部は、
「夫々に対して遊技球が接し上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有するV字通路部」が少なくとも前記フォトセンサの部位に設けられていると共に、「遊技球が接すると共に遊技球の直径よりも大きい幅の平坦な底面、及び該底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面、を有するコ字通路部」が前記V字通路部を除いた部位に設けられており、
前記制御手段は、
前記球センサによる遊技球の検知時間及び非検知時間が所定の閾値を越えると、前記停留部における遊技球の有無を判定して前記球循環手段を制御し、更に、「前記停留部に応じて、同じ前記閾値、又は、異なる前記閾値、により遊技球の有無を判定する」と共に、「前記停留部に応じて、遊技球の有と無とを同じ前記閾値、又は、遊技球の有と無とを異なる前記閾値、で判定する」ものである」
ことを特徴とする。
手段6の構成によると、遊技球により遊技が行われる遊技領域を有する遊技盤と、遊技盤の遊技領域に遊技球を供給可能な球発射手段と、球発射手段により発射された遊技球を回収して再び球発射手段に供給する球循環手段と、球循環手段及び球発射手段を制御可能な制御手段と、を具備し、データ化された遊技者の持球データに基づいて球発射手段により遊技球を発射させるようにしている遊技機であって、球発射手段及び球循環手段は、遊技球が循環する循環球経路上に設けられ、一時的に遊技球の流通が停止可能な複数の停留部と、各停留部で停留している遊技球を検知しフォトセンサを含む複数の球センサと、を有しており、停留部は、「夫々に対して遊技球が接し上方へ向かうに従って間隔が広がるように傾斜している一対の傾斜面を有するV字通路部」が少なくともフォトセンサの部位に設けられていると共に、「遊技球が接すると共に遊技球の直径よりも大きい幅の平坦な底面、及び底面の幅方向両端から立設されている一対の側壁面、を有するコ字通路部」がV字通路部を除いた部位に設けられており、制御手段は、球センサによる遊技球の検知時間及び非検知時間が所定の閾値を越えると、停留部における遊技球の有無を判定して球循環手段を制御し、更に、「停留部に応じて、同じ閾値、又は、異なる閾値、により遊技球の有無を判定する」と共に、「停留部に応じて、遊技球の有と無とを同じ閾値、又は、遊技球の有と無とを異なる閾値、で判定する」ようにしているものである。
これにより、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射する球発射手段から発射された遊技球を、球循環手段により回収して球発射手段へ供給すると共に、遊技者の持球データ(例えば、持ち球数が1以上)に基づいて球発射手段から遊技球を発射させるようにした遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技球が循環する循環球経路上における遊技球が一時的に停止可能な停留部に球センサを設け、制御手段により、球センサによる遊技球の検知時間及び非検知時間が所定の閾値を越えると、停留部における遊技球の有無を判定して球循環手段を制御するようにしている。換言すると、従来の判定では、遊技球が有(ON)の条件(閾値)のみを使用して、遊技球の有無(ON/OFF)を判定しているのに対して、本手段では、ON(有)の判定とOFF(無)の判定に、夫々閾値を設け、閾値を越えて非検知や検知が連続した時にのみに、ONやOFFを判定している。つまり、例えば、球センサからの出力が「01111・・・」の時にはONと判定し、「10000・・・」の時にはOFFと判定するようにする。これにより、複数の遊技球が停留する球通路の停留部において、遊技球の有無を確実に判定することができる。
また、停留部における遊技球の有無を確実に判定して球循環手段を制御するようにしているため、循環球経路(停留部)において球切れが発生して持球データ(持ち球数)が有るにも関わらず遊技球を発射することができなかったり、停留部が満タンな状態で更に遊技球が供給されることにより球循環手段の破損や球詰り等が発生したり、することを回避させることができ、遊技者に継続して遊技を楽しませることができる。
更に、停留部(球センサ)に応じて、遊技球の有無を判定する閾値を異ならせても良いようにしているため、例えば、球発射手段に遊技球を供給する球送ユニットの球送通路のような停留部の球センサでは閾値を小さくしたり、遊技球を球送ユニットへ揚上する球揚上ユニットの球揚上入口通路や球揚上出口通路のような停留部の球センサでは閾値を大きくしたり、することが可能となる。従って、停留部における遊技球の流通速度(停止頻度)、停留される遊技球の停留数、等に応じて遊技球の有無を判定することで、制御手段による制御を効率良く行わせることができ、制御にかかる負荷を軽減させることができる。
また、停留部(球センサ)に応じて、遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを、異ならせても良いようにしているため、例えば、遊技球を発射する球発射手段の発射レールのような停留部の球センサでは遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを同じにしたり、遊技球を揚上する球揚上ユニットの球揚上入口通路や球揚上出口通路のような停留部の球センサでは遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを異なるようにしたり、することが可能となる。従って、停留部における遊技球の流通速度(停止頻度)、停留される遊技球の停留数、等に応じて遊技球が有の閾値と遊技球が無の閾値とを同じにしたり異ならせたりして判定することで、制御手段による制御を停留部に合わせて効率良く行わせることができ、制御にかかる負荷を軽減させることができる。
更に、停留部におけるフォトセンサが設けられている部位にV字通路部を設けているため、V字通路部の一対の傾斜面に遊技球が接触することにより、フォトセンサの部位では遊技球が停留部の通路(球通路)の幅方向へ振れることはなく、遊技球が側壁に接触して側壁が摩耗したり傷付いたりすることでゴミや塵等の汚れが発生することを回避させることができる。従って、停留部内におけるゴミや塵等の汚れを可及的に低減させることができるため、汚れ等によりフォトセンサの受発光が阻害されることで誤検知が発生してしまうのを防止することができ、停留部で停留している遊技球の誤検知を低減させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、停留部におけるフォトセンサが設けられているV字通路部以外の部位に、平坦な底面と一対の側壁面とからなるコ字通路部を設けているため、コ字通路部において複数の遊技球が停留すると、上流側の遊技球により押されることで、下流側から遊技球が一対の側壁面に対して交互に接触するように並ぶこととなる。つまり、コ字通路部において複数の遊技球が停留すると、千鳥状に並び、停留部(通路)の軸線上に遊技球が一列で並ぶことはない。従って、下流側への遊技球の球圧の一部を、接触している側壁面へ交互に逃がすことができるため、遊技球を停留させている所定の部材にかかる球圧を低減させることができ、当該部材を破損し難くすることができると共に、当該部材を過度に補強する必要はなく遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、停留部におけるフォトセンサの部位では、V字通路部の一対の傾斜面により遊技球が球通路の幅方向へ振れることはないため、フォトセンサと遊技球との位置関係を一定にすることができ、当該位置関係のズレによる誤検知をなくして、遊技球を確実に検知することができる。
また、V字通路部には一対の傾斜面を有しているため、遊技球の接触によりゴミや塵等の汚れが発生しても、当該傾斜面により汚れを遊技球との接触部位よりも下方へ誘導することができ、汚れによりフォトセンサへの影響を低減させることができると共に、遊技球への汚れの付着を回避させることができる。なお、V字通路部は、一対の傾斜面を有しているものであれば良く、一対の傾斜面の下端同士が繋がった断面がV字形状の通路であっても良いし、断面が下方へ窄まる逆台形状の通路であっても良い。
なお、閾値は、小さすぎるとちょっとした振動等で、誤検知し制御上のノイズとなる。また、閾値は、必要以上に大きすぎると、遊技球の状態を取りこぼすことになる。従って、適切な閾値については球センサが設けられる場所によって異なるが、最小でも10ms以上、最大でも300ms以下が望ましい。また、閾値は、割込み周期の倍数に決定すると、ソフト制御上、割込み回数をカウントするだけなのでソフトの負担を減らすことができる。
このように、上記の解決手段によれば、遊技球が流通する通路における遊技球が一時的に停止した状態となる停留部での遊技球の有無を確実に検知することが可能な遊技機を提供することができる。
[15-4c.第四技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態における本体枠4の球発射ユニット550は上記解決手段の球発射手段に、本実施形態におけるファールユニット570、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、及び球送ユニット700は上記解決手段の球循環手段に、本実施形態における循環経路Rは上記解決手段の循環球経路に、本実施形態における球発射ユニット550の球発射台552b、循環球経路ユニット600の球貯留通路604、球揚上ユニット650における球揚上入口通路651及び球揚上出口通路652、球送ユニット700の球送通路703は上記解決手段の停留部に、本実施形態における球発射ユニット550の発射減算センサ554、循環球経路ユニット600の循環球過少センサ621及び循環球過多センサ622、球揚上ユニット650における揚上入口センサ653及び揚上出口センサ654、球送ユニット700の発射手前センサ704は上記解決手段の球センサに、本実施形態における発射減算センサ554、揚上入口センサ653及び揚上出口センサ654は上記解決手段のフォトセンサに、夫々相当している。
本実施形態における球発射台552b、球揚上入口通路651のV字通路部651a、球揚上出口通路652のV字通路部652aは上記解決手段のV字通路部に、本実施形態における球貯留通路604、球揚上入口通路651のコ字通路部651b、球揚上出口通路652のコ字通路部652b、球送通路703は上記解決手段のコ字通路部に、本実施形態における枠制御基板740は上記解決手段の制御手段に、夫々相当している。
[15-4d.第四技術的特徴の特徴的な作用効果]
以下では、遊技球Bの流通が一時的に停止して定位置停止状態となる停留部として球揚上ユニット650における球揚上入口通路651の揚上入口センサ653について作用効果を記載し、発射減算センサ554、循環球過少センサ621、循環球過多センサ622、揚上出口センサ654、発射手前センサ704、等については同様の作用効果を奏するため、特に必要のある場合を除いて、それらの作用効果の記載は省略する。本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5の遊技領域5aへ遊技球Bを発射する球発射ユニット550から発射された遊技球Bを、ファールユニット570、循環球経路ユニット600、球揚上ユニット650、及び球送ユニット700により回収して球発射ユニット550へ供給すると共に、遊技者の持球データ(持ち球数が1以上)に基づいて球発射ユニット550から遊技球Bを発射させるようにしているパチンコ機1(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)において、遊技球Bが循環する循環経路R上における遊技球Bが一時的に停止可能な停留部としての球揚上ユニット650の球揚上入口通路651にフォトセンサからなる揚上入口センサ653を設け、枠制御基板740により、揚上入口センサ653による遊技球Bの検知時間及び非検知時間が所定の閾値を越えると、球揚上入口通路651における遊技球Bの有無を判定して揚上モータ664の駆動を制御するようにしている。換言すると、従来の判定では、遊技球Bが有(ON)の条件(閾値)のみを使用して、遊技球Bの有無(ON/OFF)を判定しているのに対して、本実施形態では、ON(有)の判定とOFF(無)の判定に、夫々閾値を設け、その閾値を越えて非検知や検知が連続した時にのみに、ONやOFFを判定している。つまり、例えば、揚上入口センサ653からの出力が「01111・・・」の時にはONと判定し、「10000・・・」の時にはOFFと判定するようにする。これにより、複数の遊技球Bが停留する球揚上入口通路651において、遊技球Bの有無を確実に判定することができる。
また、球揚上入口通路651における遊技球Bの有無を確実に判定して揚上モータ664の駆動を制御するようにしているため、循環経路R(ここでは、球揚上入口通路651)において球切れが発生して持球データ(持ち球数)が有るにも関わらず遊技球Bを発射することができなかったり、球揚上入口通路651が満タンな状態で更に遊技球Bが供給されることにより球揚上ユニット650の破損や球詰り等が発生したり、することを回避させることができ、遊技者に対して継続して遊技を楽しませることができる。
更に、遊技球Bの流通が一時的に停止する停留部に応じて、遊技球Bの有無を判定する閾値を異ならせても良いようにしているため、球発射ユニット550に遊技球Bを供給する球送ユニット700の球送通路703のような停留部に設けられている発射手前センサ704では閾値を小さくしたり、遊技球Bを球送ユニット700へ揚上する球揚上ユニット650の球揚上入口通路651や球揚上出口通路652のような停留部に設けられている揚上入口センサ653や揚上出口センサ654では閾値を大きくしたり、することが可能となる。従って、停留部における遊技球Bの流通速度(停止頻度)、停留される遊技球Bの停留数、等に応じて遊技球Bの有無を判定することで、枠制御基板740による制御を効率良く行わせることができ、制御にかかる負荷を軽減させることができる。
また、遊技球Bの流通が一時的に停止する停留部に応じて、遊技球Bが有の閾値と遊技球Bが無の閾値とを、異ならせても良いようにしているため、例えば、遊技球Bを発射する球発射ユニット550の球発射台552bのような停留部に設けられている発射減算センサ554では遊技球Bが有の閾値と遊技球が無の閾値とを同じにしたり、遊技球Bを揚上する球揚上ユニット650の球揚上入口通路651や球揚上出口通路652のような停留部に設けられている揚上入口センサ653や揚上出口センサ654では遊技球Bが有の閾値と遊技球Bが無の閾値とを異なるようにしたり、することが可能となる。従って、停留部における遊技球Bの流通速度(停止頻度)、停留される遊技球Bの停留数、等に応じて遊技球Bが有の閾値と遊技球が無の閾値とを同じにしたり異ならせたりして判定することで、枠制御基板740による制御を停留部に合わせて効率良く行わせることができ、制御にかかる負荷を軽減させることができる。
更に、球揚上入口通路651におけるフォトセンサからなる揚上入口センサ653が設けられている部位にV字通路部651aを設けているため、V字通路部651aの一対の傾斜面に遊技球Bが接触することにより、揚上入口センサ653の部位では遊技球Bが球揚上入口通路651の幅方向へ振れることはなく、遊技球Bが側壁に接触して側壁が摩耗したり傷付いたりすることでゴミや塵等の汚れが発生することを回避させることができる。従って、球揚上入口通路651内におけるゴミや塵等の汚れを可及的に低減させることができるため、汚れ等によりフォトセンサからなる揚上入口センサ653の受発光が阻害されることで誤検知が発生してしまうのを防止することができ、停留部で停留している遊技球Bの誤検知を低減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、球揚上入口通路651におけるフォトセンサからなる揚上入口センサ653が設けられているV字通路部651a以外の部位に、平坦な底面と一対の側壁面とからなるコ字通路部651bを設けているため、コ字通路部651bにおいて複数の遊技球Bが停留すると、上流側の遊技球Bにより押されることで、下流側から遊技球Bが一対の側壁面に対して交互に接触するように並ぶこととなる。つまり、コ字通路部651bにおいて複数の遊技球Bが停留すると、千鳥状に並び、球揚上入口通路651の軸線上に遊技球Bが一列で並ぶことはない。従って、下流側への遊技球Bの球圧の一部を、接触している側壁面へ交互に逃がすことができるため、遊技球Bを停留させている揚上スパイラルシャフト661にかかる球圧を低減させることができ、揚上スパイラルシャフト661を破損し難くすることができると共に、揚上スパイラルシャフト661を過度に補強する必要はなくパチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、球揚上入口通路651におけるフォトセンサからなる揚上入口センサ653の部位では、V字通路部651aの一対の傾斜面により遊技球Bが球揚上入口通路651の幅方向へ振れることはないため、揚上入口センサ653と遊技球Bとの位置関係を一定にすることができ、当該位置関係のズレによる誤検知をなくして、遊技球Bを確実に検知することができる。
また、球揚上入口通路651のV字通路部651aには一対の傾斜面を有しているため、遊技球Bの接触によりゴミや塵等の汚れが発生しても、当該傾斜面により汚れを遊技球Bとの接触部位よりも下方へ誘導することができ、汚れによりフォトセンサからなる揚上入口センサ653への影響を低減させることができると共に、遊技球Bへの汚れの付着を回避させることができる。なお、V字通路部651aは、一対の傾斜面を有しているものであれば良く、一対の傾斜面の下端同士が繋がった断面がV字形状の通路であっても良いし、断面が下方へ窄まる逆台形状の通路であっても良い。
[15-5.第五技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-5a.第五技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機として、遊技中は内部に封入されている多数の遊技球を循環させ、遊技者が遊技球に触れることのない遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)が知られている(例えば、特許文献X:特開2020-162850号公報)。この特許文献Xのような遊技機では、遊技盤の遊技領域に打ち込まれた遊技球を球循環手段により回収して、球発射手段へ供給するようにしている。
このような、所謂、封入式遊技機は、現在普及しておらず、普及してゆく過程において従来型のパチンコ機用の島設備において従来型のパチンコ機と混在されることが予想される。
このため所謂、封入式遊技機においても、遊技機裏面上方で、供給球が流れ、遊技機の裏面下方で回収球が流れる環境に置かれる。このため、上方からは遊技球や遊技球などから発生した金属粉や、さらには入れ替え作業で回収し忘れたネジなどが落ちてくる。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、遊技機上方から落下してくる物体を適切に処理可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-5b.第五技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技機内に遊技球を封入し、遊技機内部を循環する遊技球で遊技を行う遊技機において、
前記遊技機は遊技機枠に遊技盤を収容するものであり、前記遊技機枠は前記遊技盤を上方から保護する上面カバーと、後方から保護する後面カバーと、を備え、
前記上面カバーの上面は球形である遊技球は後方に流下させるが、非球形の部材は前記上面カバーの上面に滞留させ得る緩斜面を備えた」ことを特徴とする。
ここで、「遊技機内に遊技球を封入し、遊技機内部を循環する遊技球で遊技を行う遊技機」とは封入式パチンコ機や、循環式パチンコ機、管理遊技機と呼ばれる遊技機が相当する。
また、「上面カバー」、「後面カバー」としては、合成樹脂からなる板状の部材などが挙げられる。「後面カバー」に関しては、メンテナンスのためには開閉できるほうが望ましいが、防犯の観点からは容易に開閉できないのが望ましい。
緩斜面としては水平面から数度~15度程度の角度であり、それよりも深い角度の場合非球形の形状のネジや、金属粉などが滑り落ちることが考えられるため適さない。
手段1の構成によると、遊技機内に遊技球を封入し、遊技機内部を循環する遊技球で遊技を行う遊技機において、前記遊技機は遊技機枠に遊技盤を収容するものであり、前記遊技機枠は前記遊技盤を上方から保護する上面カバーと、後方から保護する後面カバーと、を備え、前記上面カバーの上面は球形である遊技球は後方に流下させるが、非球形の部材は前記上面カバーの上面に滞留させ得る緩斜面を備えたものである([発明を実施するための形態]では、[4-1.本体枠ベースユニット]の章、図22乃至図24等の記載を参照)。
上記のように構成すると、例えば球供給路から落ちてきた遊技球は上面カバーの上面を流下し、そのまま落下して遊技球の回収通路に落下して回収されるだけなので問題は生じない。また金属粉やねじなどは緩斜面であるので流下せず、上面から保護するカバーの上面に留まる。このため、回収通路にねじなどの異物が落ちて、遊技球の回収を妨げるなどの不都合を生じない。
以上のように緩斜面とすることによって、落下してきた物が選択的に流下したり留まったりする。つまり、遊技機上方から落下してくる物体を適切に処理可能となる。
本手段の実施例においては上面から保護するカバーの上面の傾斜は水平面から2.00度となっており、パチンコ機の設置状態での所謂寝かせ(一般的に0.75度程度後傾)を考慮すると2.75度の下り傾斜となる。
なお、遊技盤を収容する遊技機枠の保護カバーには発熱する遊技盤の放熱のために通風孔は必須であるが、この通風孔は後面カバーに設けるが、上面カバーには設けないことが望ましい。上面カバーに通風孔を設けないことで、金属粉による遊技盤の電気部品に対する悪影響を防ぐことができる。また、通風孔による凹凸によって遊技球の流下を妨げない。
さらに、上面カバーが樹脂の射出成型機で成型される場合、上面カバーの上面には樹脂を金型に注入する所謂ゲートを設けないことが望ましい。ゲートを設けると凹凸が生じ、遊技球の流下を妨げる可能性があるからである。
また、上面カバーが樹脂の射出成型機で成型される場合、ゲートと同様に、金型から成型品を押し出すための生じるイジェクタピンの痕を設けないのが望ましい。当然、イジェクタピンの痕も少ないながらも凹凸を生じ、遊技球の流下を妨げる可能性があり、また、清掃を行った際に金属粉が入り込んで見栄えが悪くなる。
このように上面カバーの上面を極力平滑に維持することで本発明の効果である、遊技機上方から落下してくる物体を適切に処理することがより良く発揮できる。
手段2:手段1の構成において、
「前記上面カバーの上面には通風孔を設けず、前記後面カバーに通風孔を設けたこと」を特徴とする。
手段2の構成によると、上面カバーの上面には通風孔を設けず、後面カバーに通風孔を設けたものである。つまり、通風孔は発熱する遊技盤の放熱のために、遊技盤を収容する遊技機枠の保護カバーには必須の構成であるが、この通風孔は後面カバーに設けるが、上面カバーには設けないことが望ましい([発明を実施するための形態]では、通風孔502fに関する記載を参照)。
このように構成することにより、上面カバーの上面に通風孔を設けないことで、落下してくる金属粉による遊技盤の電気部品に対する悪影響を防ぐことができる。また、通風孔による凹凸によって遊技球の流下を妨げない。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記上面カバーは樹脂製であり、前記上面カバーの上面には樹脂の注入口を設けないこと」を特徴とする。
手段3の構成によると、上面カバーを樹脂製とし、上面カバーの上面には樹脂の注入口を設けないようにしたものである([発明を実施するための形態]では、本体枠ベース501の上面カバー502aに関する記載を参照)。
このように構成することにより、樹脂の注入口(所謂ゲート)により生じる凹凸を上面カバーの上面には生じないため、遊技球の流下を妨げない。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記上面カバーは樹脂製であり、前記上面カバーの上面にはイジェクタピンの痕を設けないこと」を特徴とする。
手段4の構成によると、上面カバーを樹脂製とし、上面カバーの上面にはイジェクタピンの痕を設けないようにしたものである([発明を実施するための形態]では、上面カバー502aに関する記載を参照)。
このように構成することにより、射出成型の際に金型から成型品を押し出す際のイジェクタピンの痕を設けないことから上面カバーの上面の平滑度が向上する。イジェクタピンの痕は、そんなに大きな凹凸にはならないのであるが、イジェクタピンの痕を設けないことで遊技球の流下を妨げない。また清掃の際もイジェクタピンの痕の凹凸がないことから金属粉等が入り込まず見栄えが良くなる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記遊技機枠は、遊技場島設備に固定される外枠と、該外枠に軸支された遊技盤収容枠を備え、前記上面カバーは前記遊技盤収容枠と一体的に成型されること」を特徴とする。
手段5の構成によると、遊技機枠は、遊技場島設備に固定される外枠と、外枠に軸支された遊技盤収容枠を備え、上面カバーは遊技盤収容枠と一体的に成型されているものである([発明を実施するための形態]では、本体枠ベース501に関する記載を参照)。
このように構成することにより、一体的に成型することによる組み立て工数の節約や、遊技盤収容枠(本体枠)全体の強度の向上が可能となる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「遊技盤収容枠に前記遊技盤を収容したときに、前記上面カバーは、その内側に前記遊技盤と接し、位置決めを行うための位置決め部を備えたこと」を特徴とする。
手段6の構成によると、遊技盤収容枠に遊技盤を収容したときに、上面カバーは、その内側に遊技盤と接し、位置決めを行うための位置決め部を備えているものである([発明を実施するための形態]では、突当面502jに関する記載を参照)。
このように構成することにより、遊技盤と上面カバーの位置関係がしっかりと固定され、遊技盤収容枠の遊技盤を保護する目的を発揮することができる。
このように、上記の解決手段によれば、遊技機上方から落下してくる物体を適切に処理可能な遊技機を提供することができる。
[15-5c.第五技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態の遊技盤5における本体枠4は上記解決手段の遊技盤収容枠に、本実施形態における本体枠ベース501の上面カバー502aは上記解決手段の上面カバーに、本実施形態における後面カバー502bは上記解決手段の後面カバーに、本実施形態における通風孔502fは上記解決手段の通風孔に、夫々相当している。
[15-5d.第五技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態のパチンコ機1によれば、本体枠4に収納された遊技盤5を上方から保護する本体枠ベース501の上面カバー502aにおいて、その上面を後ろ下がりの緩斜面としているので、パチンコ機1の上方から落下してくる遊技球B、金属粉、ネジ等を適切に処理可能である。具体的には球形である遊技球Bに関しては上面カバー502aの上面を流下させてパチンコ機1下に落下させ得るので、遊技球Bはそのまま回収されてトラブルを生じない。また、非球形である、金属粉やネジ等は流下させずに上面カバー502a上に留めることができるため、やはりトラブルを発生しない。
また、この上面カバー502aの上面には通風孔502fは設けない。これにより、通風孔502fからの金属粉、ネジ等の侵入を防ぎ、遊技盤5の電気部品などに悪影響を与えない。
更には、射出成形機で成形される上面カバー502aの上面には、成形を行う際の溶融樹脂を金型に注入するためのゲートを設けていない。これにより、上面カバー502aの上面にはゲート由来の凹凸は生じないため、遊技球Bの流下を妨げない。
同様に、射出成形された本体枠ベース501を金型から取外す際のイジェクタピンの痕を設けないように配慮されている。通常、イジェクタピンの痕は、バリを適切に処理することによって遊技球Bの流下を妨げる可能性は少ないが、金属粉等が堆積した上面カバー502aの上面を清掃するなどの際にイジェクタピンの痕に残り、美観を損なう可能性がある。このためイジェクタピンの痕を設けないことにより、清掃により簡単に美観を取り戻すことができる。
また、この上面カバー502aは本体枠ベース501と一体的に成形されている。このように成形することにより組み立て工数の節約と本体枠ベースユニット500(遊技盤収容枠)全体の強度の向上が可能となる。
そして、上面カバー502aはその上面で、内部に収容した遊技盤5を保護するだけではなく、その内側に遊技盤5と接して遊技盤5の位置決めを行う位置決め部(突当面502j)を有している。これにより遊技盤5と上面カバー502aの位置関係が固定され、遊技盤5を保護するという遊技盤収容枠(本体枠4)の目的を発揮できる。
また、上面カバー502aの上面には、補強のためのリブを設けていない、これにより、リブにより清掃がし難くなることがなく、メンテナンスが楽になる。なお、上面カバー502aの上面を覆うように他の部材(例えば、枠体501a、外枠2、等)があり、異物が落ちてこない部位に関してはリブを設けても差し支えない。
[15-6.第六技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-6a.第六技術的特徴の背景]
近年では、環境問題を背景とした資源の有効利用が更に重要性を増している。そのような観点から、遊技機では、より多く部品をリサイクル可能な材質で形成する開発が進められている。またその一方で、遊技機を設置している遊技ホール(遊技店)での機種の入れ替えサイクルが短くなっており、遊技機の廃棄・解体数は増加傾向にある。そのため、遊技機の分解及び分別に掛かる負担は大きくなっており、その作業を少しでも軽減させたい要望がある。
例えば、特許文献Y(特開2017-018185号公報)に示すような従来の遊技機では、分解するために、入球口として複数の一般入賞口が設けられているサイドユニット(入球ユニット)を前方へ引っ張って遊技パネルから取外そうとすると、入球ユニットが撓むことで遊技パネルの位置決孔に挿入されていた位置決突起が傾いてしまい、分解作業に手間がかかる問題があった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、リサイクル等のために分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-6b.第六技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、
前記入球ユニットは、
前記遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び前記遊技パネルに取付けるための第一取付孔を有し、前記遊技パネルを貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように前記遊技パネルに取付けられる第一構成部材と、
該第一構成部材に取付けるための第二取付孔を有し、前記第一構成部材の後側から取付けられる第二構成部材と、
を備える」ことを特徴とするものである。
ここで、「入球口」としては、「遊技球の入球により所定の特典を付与する入賞口(例えば、一般入賞口、普通入賞口、始動入賞口(始動口)、大入賞口、役物入賞口、V入賞口、等)」、「遊技球が入球しても特典を付与せずに、遊技者に戻すことなく遊技機外へ排出するアウト口」、等が挙げられる。
また、「入球口」としては、第一構成部材に設けられていても良いし、第二構成部材に設けられていても良い。
また、「遊技パネル」としては、「ベニヤ板のような木製の合板からなるもの」、「透明樹脂板を切削加工したパネル板と、パネル板の外周を保持しているパネルホルダと、からなるもの」、「透明樹脂を射出成形したもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、入球ユニットは、遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び遊技パネルに取付けるための第一取付孔を有し、遊技パネルを貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように遊技パネルに取付けられる第一構成部材と、第一構成部材に取付けるための第二取付孔を有し、第一構成部材の後側から取付けられる第二構成部材と、を備えているものである([発明を実施するための形態]では、[12-1.第二実施形態のサイドユニット]の章、及び、図103乃至図105等の記載を参照)。
これにより、第一取付孔を介して取付ビスにより遊技パネルの前面に取付けられる第一構成部材に、第二取付孔を介して取付ビスにより第二構成部材を取付けているため、第一構成部材と第二構成部材とで構成されている入球ユニットの剛性を高めることができる。従って、リサイクル等による遊技機の分解作業において、第一取付孔を介して遊技パネルにねじ込まれている取付ビスを取外して入球ユニットを前方へ引っ張った時に、入球ユニットの剛性が高められていることで入球ユニットが撓むことはないため、遊技パネルの位置決孔に対して入球ユニット(第一構成部材)の位置決突起が傾くことはなく、遊技パネルから入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
また、第二構成部材を、第二取付孔を介して取付ビスにより第一構成部材の後側から取付けているため、前方から第二構成部材を取付けている取付ビスを見え難くすることができ、遊技機の見栄えを良くすることができる。
なお、第一構成部材における遊技パネルに取付けるための第一取付孔を、位置決突起の近傍に設けることが望ましい。これにより、第一取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込むことで、位置決突起を遊技パネル側へ強く押し付けて遊技パネルの位置決孔へ確実に挿入させることができ、位置決突起の不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
また、第二構成部材を、開口内に突出するように前記第一構成部材の後側から取付けられているものとしても良い。これにより、第一構成部材の裏側から取付けられる第二構成部材を、遊技パネルの開口内に突出させているため、第二構成部材を遊技パネルの前面や後面へ突出させる場合と比較して、遊技パネルの板厚を有効利用することができ、遊技パネルの前方や後方の空スペースを確保し易くすることができる。従って、当該空スペースに装飾体やLED基板や可動役物のような演出装置を設けることが可能となり、より遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
更に、第二構成部材を、開口内に突出するように第一構成部材の後側から取付けると共に、第一構成部材との間で入球口に入球した遊技球を遊技パネルの面に沿って流下させる球通路を有するようにしても良い。これにより、第二構成部材に遊技パネルの面に沿って遊技球を流下させる球通路を設けていることから、当該球通路の部位の断面がコ字状となっているため、球通路の存在により第二構成部材の剛性を高めることができる。そして、球通路により剛性が高められている第二構成部材を、第一構成部材の後側から取付けて入球ユニットを形成しているため、入球ユニットの剛性をより高めることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
また、上記のように、第一構成部材の裏側から取付けられる第二構成部材を、遊技パネルの開口内に突出させていると共に、第一構成部材と第二構成部材との間に入球口に入球した遊技球を遊技パネルの面に沿って流下させる球通路を設けているため、球通路を遊技パネルの後面よりも後方に設ける場合と比較して、遊技パネルの板厚を有効利用することができ、遊技パネルの後方の空スペースを確保し易くすることができる。従って、当該空スペースに装飾体やLED基板や可動役物のような演出装置を設けることが可能となり、より遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、位置決突起を、第一構成部材の長手方向へ離隔するように少なくとも二つ設けるようにすることが望ましい。これにより、第一構成部材における複数の位置決突起を、第一構成部材の長手方向へ離隔するように設けているため、入球ユニットを遊技パネルに取付けた時に、入球ユニットが遊技パネルの面に沿って回転することはなく、入球ユニットを遊技パネルの所望の位置に確実に位置決めすることができる。
ところで、剛性の低い従来の入球ユニットに複数の位置決突起を長手方向へ離隔して設ける場合、分解作業の際に入球ユニットを前方へ引っ張ると、入球ユニットの中央が前方へ移動するように湾曲状に撓むこととなり、その撓みにより長手方向へ離隔している位置決突起の先端同士が互いに接近するように夫々の位置決突起が傾こうとする力が作用し、遊技パネルの位置決孔から位置決突起が抜けなくなる。これに対して、上記のように、第一構成部材における複数の位置決突起を、第一構成部材の長手方向へ離隔するように設ける場合、第一構成部材に第二構成部材を取付けていることで入球ユニットの剛性が高められているため、入球ユニットを前方へ引っ張っても、入球ユニットが撓んで長手方向へ離隔している位置決突起が傾くことはなく、遊技パネルから入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、入球口を、遊技パネルの前面よりも前方へ突出するように第一構成部材に設けることが望ましい。これにより、複数の入球口を遊技パネルの前面よりも前方へ突出させているため、遊技機の分解作業において、遊技パネルから取外すために入球ユニットを前方へ引っ張る際に、入球口を摘まんで引っ張ることができ、入球ユニットの取外作業をし易くすることができる。
また、第二構成部材に、第一構成部材の前面よりも前方へ突出している複数の入球口と、複数の入球口の前端同士を繋いでいる平板状の前板と、を有するようにしても良い。これにより、前方へ突出している複数の入球口の前端同士を平板状の前板により繋いでいる第二構成部材を、第一取付孔を介して遊技パネルの前面に取付けられる第一構成部材の後側から取付けて入球ユニットを構成するようにしているため、従来の入球ユニットよりも剛性を高めることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、第一構成部材に、遊技パネルの前面に当接可能な平板状の台板を有するようにしても良い。これにより、第一構成部材に平板状の台板を設けているため、第一取付孔を介して第一構成部材を遊技パネルの前面に取付けることで、台板により遊技パネルの開口を前側から塞ぐことができ、前側(遊技者側)から開口を通して遊技パネルの後方を台板により隠すことが可能となり、遊技機の見栄えを良くすることができる。この際に、台板を平板状としていることから第一構成部材の剛性が低くなることがあるが、第一構成部材の後側から第二構成部材を取付けているため、第一構成部材と第二構成部材とによる入球ユニットの剛性を従来の入球ユニットの剛性よりも高めることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記第二構成部材は、前記開口内に突出するように前記第一構成部材の後側から取付けられている」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、第二構成部材は、開口内に突出するように前記第一構成部材の後側から取付けられているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800の第二構成部材2812に関する記載を参照)。
これにより、第一構成部材の裏側から取付けられる第二構成部材を、遊技パネルの開口内に突出させているため、第二構成部材を遊技パネルの前面や後面へ突出させる場合と比較して、遊技パネルの板厚を有効利用することができ、遊技パネルの前方や後方の空スペースを確保し易くすることができる。従って、当該空スペースに装飾体やLED基板や可動役物のような演出装置を設けることが可能となり、より遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記第二構成部材は、前記開口内に突出するように前記第一構成部材の後側から取付けられていると共に、該第一構成部材との間で前記入球口に入球した遊技球を前記遊技パネルの面に沿って流下させる球通路を有している」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、第二構成部材は、開口内に突出するように第一構成部材の後側から取付けられていると共に、第一構成部材との間で入球口に入球した遊技球を遊技パネルの面に沿って流下させる球通路を有しているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800の第二構成部材2812に関する記載を参照)。
これにより、第二構成部材に遊技パネルの面に沿って遊技球を流下させる球通路を設けていることから、当該球通路の部位の断面がコ字状となっているため、球通路の存在により第二構成部材の剛性を高めることができる。そして、球通路により剛性が高められている第二構成部材を、第一構成部材の後側から取付けて入球ユニットを形成しているため、入球ユニットの剛性をより高めることができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能な遊技機を提供することができる。
また、第一構成部材の裏側から取付けられる第二構成部材を、遊技パネルの開口内に突出させていると共に、第一構成部材と第二構成部材との間に入球口に入球した遊技球を遊技パネルの面に沿って流下させる球通路を設けているため、球通路を遊技パネルの後面よりも後方に設ける場合と比較して、遊技パネルの板厚を有効利用することができ、遊技パネルの後方の空スペースを確保し易くすることができる。従って、当該空スペースに装飾体やLED基板や可動役物のような演出装置を設けることが可能となり、より遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
なお、球通路に流通している遊技球を検知する球センサを設ける場合は、球センサを遊技パネルの板厚内(開口内)に設けることが望ましい。或いは、球センサを後方に設けられる演出装置(可動役物)よりも下方に設けることが望ましい。これらにより、球センサが演出装置の妨げとなることはなく、可動役物可動範囲をより大きくすることが可能となる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記位置決突起は、前記第一構成部材の長手方向へ離隔するように少なくとも二つ設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、位置決突起は、第一構成部材の長手方向へ離隔するように少なくとも二つ設けられているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800の第一構成部材2811に関する記載を参照)。
これにより、第一構成部材における複数の位置決突起を、第一構成部材の長手方向へ離隔するように設けているため、入球ユニットを遊技パネルに取付けた時に、入球ユニットが遊技パネルの面に沿って回転することはなく、入球ユニットを遊技パネルの所望の位置に確実に位置決めすることができる。
ところで、剛性の低い従来の入球ユニットに複数の位置決突起を長手方向へ離隔して設ける場合、分解作業の際に入球ユニットを前方へ引っ張ると、入球ユニットの中央が前方へ移動するように湾曲状に撓むこととなり、その撓みにより長手方向へ離隔している位置決突起の先端同士が互いに接近するように夫々の位置決突起が傾こうとする力が作用し、遊技パネルの位置決孔から位置決突起が抜けなくなる。これに対して、本構成では、上記のように、第一構成部材に第二構成部材を取付けていることで入球ユニットの剛性が高められているため、入球ユニットを前方へ引っ張っても、入球ユニットが撓んで長手方向へ離隔している位置決突起が傾くことはなく、遊技パネルから入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
手段5:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記入球口は、前記遊技パネルの前面よりも前方へ突出するように前記第一構成部材に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、入球口は、遊技パネルの前面よりも前方へ突出するように第一構成部材に設けられているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800の第一構成部材2811に関する記載を参照)。
これにより、複数の入球口を遊技パネルの前面よりも前方へ突出させているため、遊技機の分解作業において、遊技パネルから取外すために入球ユニットを前方へ引っ張る際に、入球口を摘まんで引っ張ることができ、入球ユニットの取外作業をし易くすることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記第二構成部材は、前記第一構成部材の前面よりも前方へ突出している複数の前記入球口と、複数の該入球口の前端同士を繋いでいる平板状の前板と、を有している」
ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、第二構成部材は、第一構成部材の前面よりも前方へ突出している複数の入球口と、複数の入球口の前端同士を繋いでいる平板状の前板と、を有しているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800Dの第二構成部材2812Aに関する記載を参照)。
これにより、前方へ突出している複数の入球口の前端同士を平板状の前板により繋いでいる第二構成部材を、第一取付孔を介して遊技パネルの前面に取付けられる第一構成部材の後側から取付けて入球ユニットを構成するようにしているため、従来の入球ユニットよりも剛性を高めることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
手段7:手段1から手段6までの何れか一つの構成において、
「前記第一構成部材は、前記遊技パネルの前面に当接可能な平板状の台板を有している」
ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、第一構成部材は、遊技パネルの前面に当接可能な平板状の台板を有しているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800の第一構成部材2811に関する記載を参照)。
これにより、第一構成部材に平板状の台板を設けているため、第一取付孔を介して第一構成部材を遊技パネルの前面に取付けることで、台板により遊技パネルの開口を前側から塞ぐことができ、前側(遊技者側)から開口を通して遊技パネルの後方を台板により隠すことが可能となり、遊技機の見栄えを良くすることができる。この際に、台板を平板状としていることから第一構成部材の剛性が低くなることがあるが、第一構成部材の後側から第二構成部材を取付けているため、第一構成部材と第二構成部材とによる入球ユニットの剛性を従来の入球ユニットの剛性よりも高めることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
手段8:遊技機において、
「遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、
前記入球ユニットは、
前記遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び前記遊技パネルに取付けるための第一取付孔を有し、前記遊技パネルを貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように前記遊技パネルに取付けられる第一構成部材と、
該第一構成部材に取付けるための第二取付孔を有し、前記第一構成部材の後側から取付けられる第二構成部材と、
を備え、
前記第一構成部材は、前記位置決突起が突出していると共に前記第一取付孔が貫通しており前記遊技パネルの前面に当接可能な平板状の台板を有し、前記位置決突起が前記台板の長手方向へ離隔するように少なくとも二つ設けられていると共に、前記入球口が前記台板の前面よりも前方へ突出するように設けられており、
前記第二構成部材は、前記開口内に突出するように前記第一構成部材の後側から取付けられていると共に、該第一構成部材との間で前記入球口に入球した遊技球を前記遊技パネルの面に沿って流下させる球通路を有している」
ものであることを特徴とする。
手段8の構成によると、遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、入球ユニットは、遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び遊技パネルに取付けるための第一取付孔を有し、遊技パネルを貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように前記遊技パネルに取付けられる第一構成部材と、第一構成部材に取付けるための第二取付孔を有し、第一構成部材の後側から取付けられる第二構成部材と、を備え、第一構成部材は、位置決突起が突出していると共に第一取付孔が貫通しており遊技パネルの前面に当接可能な平板状の台板を有し、位置決突起が台板の長手方向へ離隔するように少なくとも二つ設けられていると共に、入球口が台板の前面よりも前方へ突出するように設けられており、第二構成部材は、開口内に突出するように第一構成部材の後側から取付けられていると共に、第一構成部材との間で入球口に入球した遊技球を遊技パネルの面に沿って流下させる球通路を有しているものである。
これにより、第一構成部材に平板状の台板を設けているため、台板を貫通している第一取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで第一構成部材を遊技パネルの前面に取付けることで、台板により遊技パネルの開口を前側から塞ぐことができ、前側(遊技者側)から開口を通して遊技パネルの後方を台板により隠すことが可能となり、遊技機の見栄えを良くすることができる。一方、第二構成部材に、遊技パネルの面に沿って遊技球を流下させる球通路を設けていることから、当該球通路の部位の断面がコ字状となっているため、球通路の存在により第二構成部材の剛性を高めることができる。そして、台板を平板状としていることから第一構成部材の剛性が低くなることがあるが、球通路により剛性が高められている第二構成部材を、第二取付孔を介して取付ビスにより第一構成部材の後側から取付けて入球ユニットを形成しているため、入球ユニットの剛性を従来の入球ユニットよりも高めることができる。従って、リサイクル等による遊技機の分解作業において、第一取付孔を介して遊技パネルにねじ込まれている取付ビスを取外して入球ユニットを前方へ引っ張った時に、入球ユニットの剛性が高められていることで入球ユニットが撓むことはないため、遊技パネルの位置決孔に対して入球ユニット(第一構成部材)の位置決突起が傾くことはなく、遊技パネルから入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
ところで、第一構成部材における複数の位置決突起を、第一構成部材の長手方向へ離隔するように設けているため、分解作業の際に第一構成部材を前方へ引っ張ると、第一構成部材の中央が前方へ移動するように湾曲状に撓むこととなり、その撓みにより長手方向へ離隔している位置決突起の先端同士が互いに接近するように夫々の位置決突起が傾こうとする力が作用し、遊技パネルの位置決孔から位置決突起が抜けなくなる恐れがある。しかしながら、本構成では、上述したように、第一構成部材の後側から第二構成部材を取付けて入球ユニットを形成しており、当該入球ユニットの剛性が高められているため、入球ユニットを前方へ引っ張っても、入球ユニットが撓んで長手方向へ離隔している位置決突起が傾くことはなく、遊技パネルから入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、複数の入球口を遊技パネルの前面よりも前方へ突出させているため、遊技機の分解作業において、遊技パネルから取外すために入球ユニットを前方へ引っ張る際に、入球口を摘まんで引っ張ることができ、入球ユニットの取外作業をし易くすることができる。
また、第二構成部材を、第二取付孔を介して取付ビスにより第一構成部材の後側から取付けているため、前方から第二構成部材を取付けている取付ビスを見え難くすることができ、遊技機の見栄えを良くすることができる。
また、第一構成部材と第二構成部材との間に入球口に入球した遊技球を遊技パネルの面に沿って流下させる球通路を、遊技パネルの開口内に突出するように設けているため、従来の入球ユニットのように入球口に入球した遊技球を遊技パネルの後面よりも後方へ誘導し遊技パネルの後面よりも後方において球通路を設けて下方へ流下させる場合と比較して、遊技パネルの板厚を有効利用することができ、遊技パネルの後方の空スペースを確保し易くすることができる。従って、当該空スペースに装飾体やLED基板や可動役物のような演出装置を設けることが可能となり、より遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
更に、第一構成部材における複数の位置決突起を、第一構成部材の長手方向へ離隔するように設けているため、入球ユニットを遊技パネルに取付けた時に、入球ユニットが遊技パネルの面に沿って回転することはなく、入球ユニットを遊技パネルの所望の位置に確実に位置決めすることができる。
なお、第一構成部材における遊技パネルに取付けるための第一取付孔を、位置決突起の近傍に設けるようにすると、第一取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込むことで、位置決突起を遊技パネル側へ強く押し付けて遊技パネルの位置決孔へ確実に挿入させることができ、位置決突起の不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
このように、上記の解決手段によれば、リサイクル等のために分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
[15-6c.第六技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態の遊技盤5における遊技パネル1100のパネル板1110は上記解決手段の遊技パネルに、本実施形態におけるパネル板1110の開口部1112は上記解決手段の開口に、本実施形態における位置決孔1113は上記解決手段の位置決孔に、本実施形態における一般入賞口2001、第一構成部材2811の球受部2811b、及び第二構成部材2812の球受部2812cは上記解決手段の入球口に、本実施形態におけるサイドユニット2800、サイドユニット2800B、サイドユニット2800C、サイドユニット2800D、サイドユニット2800E、サイドユニット2800F、サイドユニット2800Gは上記解決手段の入球ユニットに、夫々相当している。
また、本実施形態における第一構成部材2811及び第一構成部材2811Aは上記解決手段の第一構成部材に、本実施形態における台板2811aは上記解決手段の台板に、本実施形態における位置決突起2811cは上記解決手段の位置決突起に、本実施形態における取付孔2811dは上記解決手段の第一取付孔に、本実施形態における第二構成部材2812及び第二構成部材2812Aは上記解決手段の第二構成部材に、本実施形態における球通路2812a及び球通路2812fは上記解決手段の球通路に、本実施形態における前板2812dは上記解決手段の前板に、本実施形態における第二構成部材2812の取付孔は上記解決手段の第二取付孔に、夫々相当している。
[15-6d.第六技術的特徴の特徴的な作用効果]
ここでは、本実施形態におけるサイドユニット2800、サイドユニット2800B、サイドユニット2800C、サイドユニット2800D、サイドユニット2800E、サイドユニット2800F、及びサイドユニット2800Gの特徴として、サイドユニット2800を代表して記載する。本実施形態によれば、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられるサイドユニット2800において、第一構成部材2811に平板状の台板2811aを設けているため、台板2811aを貫通している取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100のパネル板1110にねじ込んで第一構成部材2811をパネル板1110の前面に取付けることで、台板2811aによりパネル板1110の開口部1112を前側から塞ぐことができ、前側(遊技者側)から開口部1112を通して遊技パネル1100の後方の部材を台板2811aにより隠すことが可能となり、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。一方、第二構成部材2812に、遊技パネル1100におけるパネル板1110の面に沿って遊技球Bを流下させる球通路2812aを設けていることから、当該球通路2812aの部位の断面がコ字状となっているため、球通路2812aの存在により第二構成部材2812の剛性を高めることができる。そして、台板2811aを平板状としていることから第一構成部材2811の剛性が低くなることがあるが、球通路2812aにより剛性が高められている第二構成部材2812を、その取付孔を介して取付ビスにより第一構成部材2811の後側から取付けてサイドユニット2800を形成しているため、サイドユニット2800の剛性を従来のサイドユニットよりも高めることができる。従って、リサイクル等によるパチンコ機1(遊技盤5)の分解作業において、取付孔2811dを介して遊技パネル1100のパネル板1110にねじ込まれている取付ビスを取外してサイドユニット2800を前方へ引っ張った時に、サイドユニット2800の剛性が高められていることでサイドユニット2800が撓むことはないため、パネル板1110の位置決孔1113に対してサイドユニット2800における第一構成部材2811の位置決突起2811cが傾くことはなく、パネル板1110からサイドユニット2800を簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
ところで、サイドユニット2800では、第一構成部材2811における複数の位置決突起2811cを、第一構成部材2811の長手方向へ離隔するように設けているため、分解作業の際に第一構成部材2811を前方へ引っ張ると、第一構成部材2811の中央が前方へ移動するように湾曲状に撓むこととなり、その撓みにより長手方向へ離隔している位置決突起2811cの先端同士が互いに接近するように夫々の位置決突起2811cが傾こうとする力が作用し、遊技パネル1100におけるパネル板1110の位置決孔1113から位置決突起2811cが抜けなくなる恐れがある。しかしながら、本実施形態では、上述したように、第一構成部材2811の後側から第二構成部材2812を取付けてサイドユニット2800を形成しており、当該サイドユニット2800の剛性が高められているため、サイドユニット2800を前方へ引っ張っても、サイドユニット2800が撓んで長手方向へ離隔している位置決突起2811cが傾くことはなく、遊技パネル1100のパネル板1110からサイドユニット2800を簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、サイドユニット2800よれば、複数の球受部2811b(一般入賞口2001)を遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面よりも前方へ突出させているため、パチンコ機1の分解作業において、パネル板1110から取外すためにサイドユニット2800を前方へ引っ張る際に、球受部2811bを摘まんで引っ張ることができ、サイドユニット2800の取外作業をし易くすることができる。
また、サイドユニット2800よれば、第二構成部材2812を、その取付孔を介して取付ビスにより第一構成部材2811の後側から取付けているため、前方から第二構成部材2812を取付けている取付ビスを見え難くすることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、サイドユニット2800よれば、第一構成部材2811と第二構成部材2812との間に球受部2811b(一般入賞口2001)に入球した遊技球Bを遊技パネル1100におけるパネル板1110の面に沿って流下させる球通路2812aを、パネル板1110の開口部1112内に突出するように設けているため、従来のサイドユニットのように一般入賞口2001に入球した遊技球Bを遊技パネル1100(パネル板1110)の後面よりも後方へ誘導し遊技パネル1100の後面よりも後方において球通路を設けて下方へ流下させる場合と比較して、パネル板1110の板厚を有効利用することができ、遊技パネル1100(パネル板1110)の後方の空スペースを確保し易くすることができる。従って、当該空スペースに装飾体やLED基板や可動役物(裏下演出ユニット3500)のような演出装置を設けることが可能となり、より遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
更に、サイドユニット2800によれば、第一構成部材2811における複数の位置決突起2811cを、第一構成部材2811の長手方向へ離隔するように設けているため、サイドユニット2800を遊技パネル1100のパネル板1110に取付けた時に、サイドユニット2800がパネル板1110の面に沿って回転することはなく、サイドユニット2800をパネル板1110の所望の位置に確実に位置決めすることができる。
また、サイドユニット2800によれば、第一構成部材2811における遊技パネル1100のパネル板1110に取付けるための取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けるようにしているため、取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100のパネル板1110にねじ込んで締め付けることで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けてパネル板1110の位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
[15-7.第七技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-7a.第七技術的特徴の背景]
近年では、環境問題を背景とした資源の有効利用が更に重要性を増している。そのような観点から、遊技機では、より多く部品をリサイクル可能な材質で形成する開発が進められている。またその一方で、遊技機を設置している遊技ホール(遊技店)での機種の入れ替えサイクルが短くなっており、遊技機の廃棄・解体数は増加傾向にある。そのため、遊技機の分解及び分別に掛かる負担は大きくなっており、その作業を少しでも軽減させたい要望がある。
例えば、特許文献Y(特開2017-018185号公報)に示すような従来の遊技機では、分解するために、入球口として複数の一般入賞口が設けられているサイドユニット(入球ユニット)を前方へ引っ張って遊技パネルから取外そうとすると、入球ユニットの位置決突起が遊技パネルの位置決孔に挿入されているため、位置決孔の内面との抵抗により位置決突起が抜け難く、分解作業に手間がかかる問題があった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、リサイクル等のために分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-7b.第七技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、
前記遊技パネルは、
前面側から後面側へ遊技球が流通可能な開口領域を有しており、
前記入球ユニットは、
前記遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び前記遊技パネルに取付けるための取付孔を有し、前記開口領域のうち前記入球口に入球した遊技球が流通可能な普通開口領域を前側から塞ぐように前記遊技パネルに取付けられると共に、前記開口領域のうち前記入球口に入球しなかった遊技球が流通可能な特定開口領域に前記入球ユニットの外縁の一部が重なるように前記遊技パネルに取付けられる」
ものであることを特徴とする。
ここで、「入球口」としては、「遊技球の入球により所定の特典を付与する入賞口(例えば、一般入賞口、普通入賞口、始動入賞口(始動口)、大入賞口、役物入賞口、V入賞口、等)」、「遊技球が入球しても特典を付与せずに、遊技者に戻すことなく遊技機外へ排出するアウト口」、等が挙げられる。
また、「遊技パネル」としては、「ベニヤ板のような木製の合板からなるもの」、「透明樹脂板を切削加工したパネル板と、パネル板の外周を保持しているパネルホルダと、からなるもの」、「透明樹脂を射出成形したもの」、等が挙げられる。
更に、「開口領域」としては、「遊技パネルを貫通しており、内周面が全周に亘って繋がっている孔状のもの」、「遊技パネルを貫通していると共に、一部が遊技パネルの側面へ開放されている切欠状のもの」、等が挙げられる。また、「開口領域」としては、入球口に入球した遊技球が流通可能な普通開口領域と、入球口に入球しなかった遊技球が流通可能な特定開口領域(アウト口)と、を有し、特定開口領域が普通開口領域と繋がっていても良いし、特定開口領域が普通開口領域と繋がらずに独立しているものとしても良い。
また、「入球ユニット」としては、「遊技パネルを貫通している普通開口領域を前方から塞ぐように遊技パネルの前面に取付けられる第一構成部材と、第一構成部材の後側から取付けられる第二構成部材と、で少なくとも構成されており、第一構成部材又は第二構成部材に入球口が設けられているもの」、「遊技パネルを貫通している普通開口領域を前方から塞ぐように遊技パネルの前面に取付けられる平板状の台板と、台板から前方へ突出していると共に上方及び後方へ開放されており入球口を形成している球受部と、で少なくとも構成されているもの」、「遊技パネルを貫通している普通開口領域を前方から塞ぐように遊技パネルの前面に取付けられる平板状の台板と、台板を貫通している入球口と、で少なくとも構成されているもの」、等が挙げられる。
更に、「球排出口に重なる入球ユニットの外縁の一部」としては、当該部位が正面視において球排出口と重なっているものであれば良く、当該部位を構成している外縁が遊技パネルの前面と接していても良いし、外縁が遊技パネルの面から離れていても良い。
手段1の構成によると、遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、遊技パネルは、前面側から後面側へ遊技球が流通可能な開口領域を有しており、入球ユニットは、遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び遊技パネルに取付けるための取付孔を有し、開口領域のうち入球口に入球した遊技球が流通可能な普通開口領域を前側から塞ぐように遊技パネルに取付けられると共に、開口領域のうち入球口に入球しなかった遊技球が流通可能な特定開口領域に入球ユニットの外縁の一部が重なるように遊技パネルに取付けられるものである([発明を実施するための形態]では、[12-3.第三実施形態のサイドユニット等]の章、図112及び図114等の記載を参照)。
これにより、入球ユニットの位置決突起を前方から遊技パネルの位置決孔に挿入した上で、取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで締め付けることにより、遊技パネルの前面に入球ユニットを取付けることができると共に、入球ユニットの入球口に入球した遊技球を遊技パネルの開口領域のうち普通開口領域を通して遊技パネルの後方へ誘導することができる。この際に、遊技パネルの普通開口領域を入球ユニットにより前方から塞ぐようにしているため、普通開口領域を通して遊技パネルの後方を見え難くして隠すことができ、遊技機の見栄えを良くすることができる。この入球ユニットを遊技パネルの前面に取付けている状態では、入球ユニットの外縁の一部が開口領域のうち特定開口領域と重なる(正面視において、特定開口領域の投影範囲に外縁の一部が重なる)ように取付けられているため、当該外縁の一部が特定開口領域の中心側へ突出している。そして、リサイクル等による遊技機の分解作業において、遊技パネルから入球ユニットを取外す際に、入球ユニットの外縁における特定開口領域と重なっている部位に、作業者の指や工具等を引っ掛けることが可能となるため、指等を引っ掛けることで入球ユニットを強い力で前方へ引っ張ることができる。従って、位置決孔と位置決突起との間の抵抗に抗して遊技パネルから入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
なお、入球ユニットにおける遊技パネルに取付けるための取付孔を、位置決突起の近傍に設けることが望ましい。これにより、取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで締め付けることで、位置決突起を遊技パネル側へ強く押し付けて遊技パネルの位置決孔へ確実に挿入させることができ、位置決突起の不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
また、入球ユニットにおける外縁の前面を、後方に向かうように傾斜させるようにしても良い。入球ユニットにおける外縁の前面を後方に向かうように傾斜させていることから、外縁の角が鈍角になっている。従って、遊技機の分解作業において入球ユニットを遊技パネルから取外すために、入球ユニットの外縁における特定開口領域と重なっている部位に作業者の指等を引っ掛ける際に、外縁の角に指等が当接しても、当該角が鈍角になっているため、当該角が直角になっている場合と比較して、指等を傷付け難くすることができ、指等により入球ユニットを安全に取外すことができる。
また、上記のように、外縁の前面を傾斜させるようにする場合、入球ユニットにおける外縁の角が鈍角になるため、当該角が直角になっている場合と比較して、遊技球が特定開口領域に進入するために外縁をなめるように遊技球が転動しても、外縁の角が欠けることはなく、入球ユニットの耐久性を向上させることができる。
また、上記のように、入球ユニットの外縁を後方へ傾斜させると、遊技球をスムーズに特定開口領域へ誘導することができ、特定開口領域での遊技球の滞りを回避させることができる。
更に、入球ユニットの外縁を透明にすることが望ましい。これにより、入球ユニットの外縁を透明にしているため、外縁の一部を特定開口領域と重なるようにしても、特定開口領域の大きさが小さく見えることを回避させることができる。
また、位置決突起を、特定開口領域に接近している部位と、特定開口領域から遠い部位と、に設けるようにすることが望ましい。これにより、二つの位置決突起を互いに離隔するように設けているため、入球ユニットを遊技パネルに取付けた時に、入球ユニットが遊技パネルの面に沿って回転することはなく、入球ユニットを遊技パネルの所望の位置に確実に位置決めすることができる。
ところで、入球ユニットに二つの位置決突起を設けて夫々を遊技パネルの位置決孔に挿入させるようにする場合、分解作業において入球ユニットを遊技パネルから取外す際に、二つの位置決突起を同時に位置決孔から引き抜こうとすると、強い力で入球ユニットを前方へ引っ張る必要があり、作業者の負担が増加する恐れがある。これに対して、上記のように、位置決突起を特定開口領域に接近している部位と遠い部位とに設ける場合、一つの位置決突起を特定開口領域の近くに設けているため、リサイクル等による遊技機の分解作業において、遊技パネルから入球ユニットを取外す際に、入球ユニットの外縁における特定開口領域と重なっている部位に、作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張ることで、特定開口領域に近い位置決突起に対して強い引抜力を作用させることが可能となる。これにより、分解作業において、二つの位置決突起のうち、まず初めに特定開口領域に近い位置決突起を位置決孔から抜くことができ、その後に、特定開口領域から遠い残りの位置決突起を位置決孔から抜けば良いため、同時に二つの位置決突起を引き抜く場合と比較して、弱い力で引き抜くことが可能となり、作業種の負担を軽減させることができる。
また、外縁における特定開口領域と重なる部位を、特定開口領域を貫通して遊技パネルの後面よりも後方へ突出させるようにしても良い。ところで、遊技機の分解作業において、入球ユニットを遊技パネルから取外すために、外縁における特定開口領域と重なっている部位に作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張った時に、当該部位の強度が弱いと、外縁が割れて入球ユニットが遊技パネル側に残ってしまう恐れがある。これに対して、上記のように、入球ユニットの外縁における特定開口領域と重なっている部位の奥行を長くしていることから、遊技パネルの前面において外縁(延設部)の一部を重ねる方法に比べ、特定開口領域(球排出口)のサイズが小さくなる(遊技球を排出するための通路容積が小さくなる)、或いは、予め特定開口領域(球排出口)のサイズを広げておく(遊技球を排出するための通路容積を大きくしておく)ことになるが、当該部位の強度を高めることができるため、当該部位に作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張っても割れる(破損する)ことはなく、入球ユニットを遊技パネルから確実に取外すことができる。
また、上記のように、外縁における特定開口領域と重なる部位を、特定開口領域を貫通させて遊技パネルの後面よりも後方へ突出させると、当該部位により特定開口領域の内面を覆って遊技者から見え難くすることができ、遊技機の見栄えを良くすることができる。
更に、入球ユニットに、位置決突起が突出していると共に取付孔が貫通しており、遊技パネルの前面に当接可能な平板状で外縁を形成する台板を有するようにしても良い。これにより、入球ユニットに平板状の台板を設けているため、取付孔を介して入球ユニットを遊技パネルの前面に取付けることで、台板により遊技パネルの普通開口領域を前側から塞ぐことができ、前側(遊技者側)から普通開口領域を通して遊技パネルの後方を台板により隠すことが可能となり、遊技機の見栄えを良くすることができる。
手段2:遊技機において、
「遊技球が流下可能な遊技パネルを備えた遊技機において、
遊技球が入球可能な入球口を有する入球ユニットと、
前記入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な球排出口と、を備え、
前記入球ユニットは、前記遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び前記遊技パネルに取付けるための取付孔を有し、前記遊技パネルに形成された普通開口領域に嵌合されるように前記遊技パネルに取付けられ、
前記球排出口は、前記入球ユニットが嵌合される前記普通開口領域とは別で前記遊技パネルに形成された特定開口領域により構成され、
前記入球ユニットの外縁には延設部が形成され、
該延設部は、前記遊技パネルの前記位置決孔に前記入球ユニットの前記位置決突起が挿入された状態にて、少なくとも一部が前記特定開口領域の縁部に重なるように形成されてなる」
ものであることを特徴とする。
ここで、「普通開口領域」及び「特定開口領域」としては、「遊技パネルを貫通しており、内周面が全周に亘って繋がっている孔状のもの」、「遊技パネルを貫通していると共に、一部が遊技パネルの側面へ開放されている切欠状のもの」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、遊技球が流下可能な遊技パネルを備えた遊技機において、遊技球が入球可能な入球口を有する入球ユニットと、入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な球排出口と、を備え、入球ユニットは、遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び遊技パネルに取付けるための取付孔を有し、遊技パネルに形成された普通開口領域に嵌合されるように遊技パネルに取付けられ、球排出口は、入球ユニットが嵌合される普通開口領域とは別で遊技パネルに形成された特定開口領域により構成され、入球ユニットの外縁には延設部が形成され、延設部は、遊技パネルの位置決孔に入球ユニットの位置決突起が挿入された状態にて、少なくとも一部が特定開口領域の縁部に重なるように形成されてなるものである([発明を実施するための形態]では、図112及び図113に示す実施形態の記載を参照)。
これにより、入球ユニットの位置決突起を前方から遊技パネルの位置決孔に挿入した上で、取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで締め付けることにより、遊技パネルの前面に入球ユニットを取付けることができると共に、入球ユニットの入球口に入球した遊技球を遊技パネルの普通開口領域を通して遊技パネルの後方へ誘導することができる。この際に、入球ユニットが遊技パネルの普通開口領域に嵌合されるように遊技パネルに取付けているため、普通開口領域を通して遊技パネルの後方を見え難くして隠すことができ、遊技機の見栄えを良くすることができる。この入球ユニットを遊技パネルの前面に取付けている状態では、入球ユニットの外縁の延設部が、その一部が特定開口領域の縁部と重なる(正面視において、特定開口領域の投影範囲に外縁の一部が重なる)ように形成されているため、当該延設部の一部が特定開口領域の中心側へ突出している。そして、リサイクル等による遊技機の分解作業において、遊技パネルから入球ユニットを取外す際に、入球ユニットの外縁における特定開口領域の縁部と重なっている部位(延設部)に、作業者の指や工具等を引っ掛けることが可能となるため、指等を引っ掛けることで入球ユニットを強い力で前方へ引っ張ることができる。従って、位置決孔と位置決突起との間の抵抗に抗して遊技パネルから入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
また、球排出口(特定開口領域)を、普通開口領域とは別で遊技パネルに形成しているため、普通開口領域と特定開口領域とが繋がっている場合と比較して、遊技パネルの強度の低下を抑制させることができる。
手段3:遊技機において、
「遊技球が流下可能な遊技パネルを備えた遊技機において、
遊技球が入球可能な入球口を有する入球ユニットと、
前記入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な球排出口と、を備え、
前記入球ユニットは、前記遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び前記遊技パネルに取り付けるための取付孔を有し、前記遊技パネルに形成された普通開口領域に挿入されるように前記遊技パネルに取付けられ、
前記球排出口は、前記入球ユニットが嵌合される前記普通開口領域から連続するように前記遊技パネルに形成されつつも、前記入球ユニットが嵌合されない特定開口領域により構成され、
前記入球ユニットの外縁には延設部が形成され、
該延設部は、前記遊技パネルの前記位置決孔に前記入球ユニットの前記位置決突起が挿入された状態にて、少なくとも一部が前記特定開口領域の縁部に重なるように形成されてなる」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、遊技球が流下可能な遊技パネルを備えた遊技機において、遊技球が入球可能な入球口を有する入球ユニットと、入球口に入球しなかった遊技球が入球可能な球排出口と、を備え、入球ユニットは、遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び遊技パネルに取り付けるための取付孔を有し、遊技パネルに形成された普通開口領域に挿入されるように前記遊技パネルに取付けられ、球排出口は、入球ユニットが嵌合される普通開口領域から連続するように遊技パネルに形成されつつも、入球ユニットが嵌合されない特定開口領域により構成され、入球ユニットの外縁には延設部が形成され、延設部は、遊技パネルの位置決孔に入球ユニットの位置決突起が挿入された状態にて、少なくとも一部が特定開口領域の縁部に重なるように形成されてなるものである([発明を実施するための形態]では、図114に示す実施形態の記載を参照)。
これにより、入球ユニットの位置決突起を前方から遊技パネルの位置決孔に挿入した上で、取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで締め付けることにより、遊技パネルの前面に入球ユニットを取付けることができると共に、入球ユニットの入球口に入球した遊技球を遊技パネルの普通開口領域を通して遊技パネルの後方へ誘導することができる。この際に、入球ユニットが遊技パネルの普通開口領域に嵌合されるように遊技パネルに取付けているため、普通開口領域を通して遊技パネルの後方を見え難くして隠すことができ、遊技機の見栄えを良くすることができる。この入球ユニットを遊技パネルの前面に取付けている状態では、入球ユニットの外縁の延設部が、その一部が特定開口領域の縁部と重なる(正面視において、特定開口領域の投影範囲に外縁の一部が重なる)ように形成されているため、当該延設部の一部が特定開口領域の中心側へ突出している。そして、リサイクル等による遊技機の分解作業において、遊技パネルから入球ユニットを取外す際に、入球ユニットの外縁における特定開口領域の縁部と重なっている部位(延設部)に、作業者の指や工具等を引っ掛けることが可能となるため、指等を引っ掛けることで入球ユニットを強い力で前方へ引っ張ることができる。従って、位置決孔と位置決突起との間の抵抗に抗して遊技パネルから入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
また、球排出口(特定開口領域)を、普通開口領域から連続するように遊技パネルに形成しているため、遊技パネルに対してエンドミルのような切削工具を使用して普通開口領域及び特定開口領域を形成する場合、普通開口領域と特定開口領域とを連続して切削加工することができ、遊技パネルにかかるコストを低減させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記入球ユニットは、前記外縁の前面が後方に向かうように傾斜している」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、入球ユニットは、外縁の前面が後方に向かうように傾斜しているものである([発明を実施するための形態]では、第一構成部材2811の台板2811a、指掛部2816及び指掛部2817、に関する記載を参照)。
これにより、入球ユニットにおける外縁の前面を後方に向かうように傾斜させていることから、外縁の角が鈍角になっている。従って、遊技機の分解作業において入球ユニットを遊技パネルから取外すために、入球ユニットの外縁(延設部)における特定開口領域と重なっている部位に作業者の指等を引っ掛ける際に、外縁の角に指等が当接しても、当該角が鈍角になっているため、当該角が直角になっている場合と比較して、指等を傷付け難くすることができ、指等により入球ユニットを安全に取外すことができる。
また、上述したように、入球ユニットにおける外縁の角を鈍角にしているため、当該角が直角になっている場合と比較して、遊技球が特定開口領域に進入するために外縁をなめるように遊技球が転動しても、外縁の角が欠けることはなく、入球ユニットの耐久性を向上させることができる。
また、入球ユニットの外縁を後方へ傾斜させているため、遊技球をスムーズに特定開口領域へ誘導することができ、特定開口領域での遊技球の滞りを回避させることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記入球ユニットは、前記外縁が透明である」
ことを特徴とする。
手段5の構成によると、入球ユニットは、外縁が透明である
ことを特徴とする([発明を実施するための形態]では、第一構成部材2811の台板2811aに関する記載を参照)。
これにより、入球ユニットの外縁を透明にしているため、外縁の一部を特定開口領域と重なるようにしても、特定開口領域の大きさが小さく見えることを回避させることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記位置決突起は、前記特定開口領域に接近している部位と、該特定開口領域から遠い部位と、に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、位置決突起は、特定開口領域に接近している部位と、特定開口領域から遠い部位と、に設けられているものである([発明を実施するための形態]では、第一構成部材2811の位置決突起2811cに関する記載を参照)。
これにより、二つの位置決突起を互いに離隔するように設けているため、入球ユニットを遊技パネルに取付けた時に、入球ユニットが遊技パネルの面に沿って回転することはなく、入球ユニットを遊技パネルの所望の位置に確実に位置決めすることができる。
ところで、入球ユニットに二つの位置決突起を設けて夫々を遊技パネルの位置決孔に挿入させるようにする場合、分解作業において入球ユニットを遊技パネルから取外す際に、二つの位置決突起を同時に位置決孔から引き抜こうとすると、強い力で入球ユニットを前方へ引っ張る必要があり、作業者の負担が増加する恐れがある。これに対して、本構成では、一つの位置決突起を特定開口領域の近くに設けているため、リサイクル等による遊技機の分解作業において、遊技パネルから入球ユニットを取外す際に、入球ユニットの外縁(延設部)における特定開口領域と重なっている部位に、作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張ることで、特定開口領域に近い位置決突起に対して強い引抜力を作用させることが可能となる。これにより、分解作業において、二つの位置決突起のうち、まず初めに特定開口領域に近い位置決突起を位置決孔から抜くことができ、その後に、特定開口領域から遠い残りの位置決突起を位置決孔から抜けば良いため、同時に二つの位置決突起を引き抜く場合と比較して、弱い力で引き抜くことが可能となり、作業種の負担を軽減させることができる。
手段7:手段1から手段6までの何れか一つの構成において、
「前記外縁における前記特定開口領域と重なる部位が、前記特定開口領域を貫通して前記遊技パネルの後面よりも後方へ突出している」
ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、外縁における特定開口領域と重なる部位が、特定開口領域を貫通して遊技パネルの後面よりも後方へ突出しているものである([発明を実施するための形態]では、指掛部2817に関する記載を参照)。
ところで、遊技機の分解作業において、入球ユニットを遊技パネルから取外すために、外縁(延設部)における特定開口領域と重なっている部位に作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張った時に、当該部位の強度が弱いと、外縁が割れて入球ユニットが遊技パネル側に残ってしまう恐れがある。これに対して、本構成では、入球ユニットの外縁における特定開口領域と重なっている部位の奥行を長くしていることから、遊技パネルの前面において外縁(延設部)の一部を重ねる方法に比べ、特定開口領域(球排出口)のサイズが小さくなる(遊技球を排出するための通路容積が小さくなる)、或いは、予め特定開口領域(球排出口)のサイズを広げておく(遊技球を排出するための通路容積を大きくしておく)ことになるが、当該部位の強度を高めることができるため、当該部位に作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張っても割れる(破損する)ことはなく、入球ユニットを遊技パネルから確実に取外すことができる。
また、外縁における特定開口領域と重なる部位を、特定開口領域を貫通させて遊技パネルの後面よりも後方へ突出させているため、当該部位により特定開口領域の内面を覆って遊技者から見え難くすることができ、遊技機の見栄えを良くすることができる。
手段8:手段1から手段7までの何れか一つの構成において、
「前記入球ユニットは、前記位置決突起が突出していると共に前記取付孔が貫通しており、前記遊技パネルの前面に当接可能な平板状で前記外縁を形成する台板を有している」ものであることを特徴とする。
手段8の構成によると、入球ユニットは、位置決突起が突出していると共に取付孔が貫通しており、遊技パネルの前面に当接可能な平板状で外縁を形成する台板を有しているものである([発明を実施するための形態]では、第一構成部材2811の台板2811aに関する記載を参照)。
これにより、入球ユニットに平板状の台板を設けているため、取付孔を介して入球ユニットを遊技パネルの前面に取付けることで、台板により遊技パネルの普通開口領域を前側から塞ぐことができ、前側(遊技者側)から普通開口領域を通して遊技パネルの後方を台板により隠すことが可能となり、遊技機の見栄えを良くすることができる。
手段9:手段1及び手段4から手段8までの何れか一つの構成において、
「前記特定開口領域は、前記普通開口領域とは繋がらずに独立して前記遊技パネルを貫通するように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段9の構成によると、特定開口領域は、普通開口領域とは繋がらずに独立して遊技パネルを貫通するように設けられているものである([発明を実施するための形態]では、図112及び図113に示す実施形態の記載を参照)。
これにより、上記と同様の作用効果を奏する他に、特定開口領域を普通開口領域とは繋がらずに独立して遊技パネルに設けているため、普通開口領域と特定開口領域とが繋がっている場合と比較して、遊技パネルの強度の低下を抑制させることができる。
手段10:手段1及び手段4から手段8までの何れか一つの構成において、
「前記特定開口領域は、前記普通開口領域と繋がるように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段10の構成によると、特定開口領域は、普通開口領域と繋がるように設けられているものである([発明を実施するための形態]では、図114に示す実施形態の記載を参照)。
これにより、上記と同様の作用効果を奏する他に、特定開口領域と普通開口領域と繋がるように設けているため、遊技パネルに対してエンドミルのような切削工具を使用して開口領域(普通開口領域及び特定開口領域)を形成する場合、普通開口領域と特定開口領域とを連続して切削加工することができ、遊技パネルにかかるコストを低減させることができる。
手段11:遊技機において、
「遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、
前記遊技パネルは、
前面側から後面側へ遊技球が流通可能とされており、前記入球口に入球した遊技球が流通可能な普通開口領域、及び前記入球口に入球しなかった遊技球が流通可能な特定開口領域、からなり、該特定開口領域が前記普通開口領域とは繋がらずに独立して前記遊技パネルを貫通している、又は、前記特定開口領域が前記普通開口領域と繋がっている、開口領域を有しており、
前記入球ユニットは、
前記遊技パネルの前面に当接可能な平板状の台板、該台板から突出しており前記遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び前記台板を貫通しており前記遊技パネルに取付けるための取付孔を有し、前記開口領域のうち前記普通開口領域を前側から塞ぐように前記遊技パネルに取付けられると共に、前記開口領域のうち前記特定開口領域に前記台板の透明な外縁の一部が重なるように前記遊技パネルに取付けられ、
更に、前記台板の前記外縁の前面が後方に向かうように傾斜していると共に、前記位置決突起が、前記球排出口に接近している部位と該球排出口から遠い部位とに設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段11の構成によると、遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、遊技パネルは、前面側から後面側へ遊技球が流通可能とされており、入球口に入球した遊技球が流通可能な普通開口領域、及び入球口に入球しなかった遊技球が流通可能な特定開口領域、からなり、特定開口領域が普通開口領域とは繋がらずに独立して遊技パネルを貫通している、又は、特定開口領域が普通開口領域と繋がっている、開口領域を有しており、入球ユニットは、遊技パネルの前面に当接可能な平板状の台板、台板から突出しており遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び台板を貫通しており遊技パネルに取付けるための取付孔を有し、開口領域のうち普通開口領域を前側から塞ぐように遊技パネルに取付けられると共に、開口領域のうち特定開口領域に台板の透明な外縁の一部が重なるように遊技パネルに取付けられ、更に、台板の外縁の前面が後方に向かうように傾斜していると共に、位置決突起が、球排出口に接近している部位と球排出口から遠い部位とに設けられているものである。
これにより、入球ユニットの台板から突出している位置決突起を、前方から遊技パネルの位置決孔に挿入すると共に台板を遊技パネルの前面に当接された上で、台板を貫通している取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで締め付けることにより、遊技パネルの前面に入球ユニットを取付けることができると共に、入球ユニットの入球口に入球した遊技球を遊技パネルの開口領域のうちの普通開口領域を通して遊技パネルの後方へ誘導することができる。この際に、遊技パネルの普通開口領域を入球ユニットの台板により前方から塞ぐようにしているため、普通開口領域を通して遊技パネルの後方を見え難くして隠すことができ、遊技機の見栄えを良くすることができる。この入球ユニットを遊技パネルの前面に取付けている状態では、入球ユニットにおける台板の透明な外縁の一部が開口領域のうちの特定開口領域と重なる(正面視において、特定開口領域の投影範囲に外縁の一部が重なる)ように取付けられているため、当該外縁の一部が特定開口領域の中心側へ突出している。そして、リサイクル等による遊技機の分解作業において、遊技パネルから入球ユニットを取外す際に、台板の外縁における特定開口領域と重なっている部位に、作業者の指や工具等を引っ掛けることが可能となるため、指等を引っ掛けることで台板と共に入球ユニットを強い力で前方へ引っ張ることができる。従って、位置決孔と位置決突起との間の抵抗に抗して遊技パネルから入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
ところで、入球ユニットに二つの位置決突起を設けて夫々を遊技パネルの位置決孔に挿入させるようにする場合、分解作業において入球ユニットを遊技パネルから取外す際に、二つの位置決突起を同時に位置決孔から引き抜こうとすると、強い力で入球ユニットを前方へ引っ張る必要があり、作業者の負担が増加する恐れがある。これに対して、本構成では、位置決突起を特定開口領域に接近している部位と遠い部位とに設けているため、リサイクル等による遊技機の分解作業において、遊技パネルから入球ユニットを取外す際に、入球ユニットの外縁における特定開口領域と重なっている部位に、作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張ることで、特定開口領域に近い位置決突起に対して強い引抜力を作用させることが可能となる。これにより、分解作業において、二つの位置決突起のうち、まず初めに特定開口領域に近い位置決突起を位置決孔から抜くことができ、その後に、特定開口領域から遠い残りの位置決突起を位置決孔から抜けば良いため、同時に二つの位置決突起を引き抜く場合と比較して、弱い力で引き抜くことが可能となり、作業種の負担を軽減させることができる。
また、入球ユニットの台板における外縁の前面を後方に向かうように傾斜させていることから、外縁の角が鈍角になっている。従って、遊技機の分解作業において入球ユニットを遊技パネルから取外すために、入球ユニットの外縁における特定開口領域と重なっている部位に作業者の指等を引っ掛ける際に、外縁の角に指等が当接しても、当該角が鈍角になっているため、当該角が直角になっている場合と比較して、指等を傷付け難くすることができ、指等により入球ユニットを安全に取外すことができる。
また、上述したように、入球ユニットにおける外縁の角を鈍角にしているため、当該角が直角になっている場合と比較して、遊技球が特定開口領域に進入するために外縁をなめるように遊技球が転動しても、外縁の角が欠けることはなく、入球ユニットの耐久性を向上させることができる。
また、入球ユニットの台板における外縁の前面を後方に向かうように傾斜させていることから、外縁の角が鈍角になっている。従って、遊技球が特定開口領域に進入するために外縁をなめるように遊技球が転動しても、外縁の角が鈍角になっているため、外縁が欠けることはなく、入球ユニットの耐久性を向上させることができる。
また、入球ユニットにおける台板の外縁を後方へ傾斜させているため、遊技球をスムーズに特定開口領域へ誘導することができ、特定開口領域での遊技球の滞りを回避させることができる。
更に、入球ユニットにおける台板の外縁を透明にしているため、外縁の一部を特定開口領域と重なるようにしても、特定開口領域の大きさが小さく見えることを回避させることができる。
また、二つの位置決突起を互いに離隔するように設けているため、入球ユニットを遊技パネルに取付けた時に、入球ユニットが遊技パネルの面に沿って回転することはなく、入球ユニットを遊技パネルの所望の位置に確実に位置決めすることができる。
なお、入球ユニットにおける遊技パネルに取付けるための取付孔を、位置決突起の近傍に設けることが望ましい。これにより、取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで締め付けることで、位置決突起を遊技パネル側へ強く押し付けて遊技パネルの位置決孔へ確実に挿入させることができ、位置決突起の不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
このように、上記の解決手段によれば、リサイクル等のために分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
[15-7c.第七技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態の遊技盤5におけるアウト口1008及び特定開口領域1103は上記解決手段の球排出口(特定開口領域)に、本実施形態における遊技パネル1100の開口領域1101は上記解決手段の開口領域に、本実施形態における遊技パネル1100のパネル板1110は上記解決手段の遊技パネルに、本実施形態におけるパネル板1110の開口部1112及び普通開口領域1102は上記解決手段の普通開口領域に、本実施形態における位置決孔1113は上記解決手段の位置決孔に、本実施形態における一般入賞口2001、及び第一構成部材2811の球受部2811bは上記解決手段の入球口に、本実施形態におけるサイドユニット2800Gは上記解決手段の入球ユニットに、夫々相当している。
また、本実施形態における台板2811aは上記解決手段の台板(延設部)に、本実施形態における位置決突起2811cは上記解決手段の位置決突起に、本実施形態における取付孔2811dは上記解決手段の取付孔に、夫々相当している。更に、本実施形態における指掛部2816及び指掛部2817は、上記解決手段における球排出口(アウト口1008、特定開口領域1103)に入球ユニット(サイドユニット2800G)の外縁(台板、延設部)の一部が重なる部位に、相当している。
[15-7d.第七技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態によれば、遊技盤5におけるサイドユニット2800Gの台板2811aから突出している位置決突起2811cを、前方から遊技パネル1100におけるパネル板1110の位置決孔1113に挿入すると共に台板2811aをパネル板1110の前面に当接された上で、台板2811aを貫通している取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100のパネル板1110にねじ込んで締め付けることにより、遊技パネル1100のパネル板1110の前面にサイドユニット2800Gを取付けることができると共に、サイドユニット2800Gの一般入賞口2001(球受部2811b)入球口に入球した遊技球Bをパネル板1110の開口部1112(開口領域1101のうちの普通開口領域1102)を通して遊技パネル1100の後方へ誘導することができる。この際に、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112をサイドユニット2800Gの台板2811aにより前方から塞ぐようにしているため、開口部1112を通して遊技パネル1100の後方を見え難くして隠すことができ、パチンコ機1(遊技盤5)の見栄えを良くすることができる。このサイドユニット2800Gを遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けている状態では、サイドユニット2800Gにおける台板2811aの透明な外縁の一部(指掛部2816や指掛部2817)がアウト口1008(開口領域1101のうちの特定開口領域1103)と重なる(正面視において、アウト口1008の投影範囲に外縁の一部が重なる)ように取付けられているため、当該指掛部2816(指掛部2817)がアウト口1008の中心側へ突出している。そして、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、遊技パネル1100のパネル板1110からサイドユニット2800Gを取外す際に、台板2811aの外縁におけるアウト口1008と重なっている指掛部2816(指掛部2817)に、作業者の指や工具等を引っ掛けることが可能となるため、指等を引っ掛けることで台板2811aと共にサイドユニット2800Gを強い力で前方へ引っ張ることができる。従って、位置決孔1113と位置決突起2811cとの間の抵抗に抗して遊技パネル1100のパネル板1110からサイドユニット2800Gを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
ところで、サイドユニット2800Gに二つの位置決突起2811cを設けて夫々を遊技パネル1100のパネル板1110の位置決孔1113に挿入させていることから、分解作業においてサイドユニット2800Gをパネル板1110から取外す際に、二つの位置決突起2811cを同時に位置決孔1113から引き抜こうとすると、強い力でサイドユニット2800Gを前方へ引っ張る必要があり、作業者の負担が増加する恐れがある。これに対して、本実施形態では、位置決突起2811cをアウト口1008に接近している部位と遠い部位とに設けているため、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、遊技パネル1100のパネル板1110からサイドユニット2800Gを取外す際に、サイドユニット2800の台板2811aの外縁におけるアウト口1008と重なっている指掛部2816(指掛部2817)に、作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張ることで、アウト口1008に近い位置決突起2811cに対して強い引抜力を作用させることが可能となる。これにより、分解作業において、二つの位置決突起2811cのうち、まず初めにアウト口1008に近い位置決突起2811cを位置決孔1113から抜くことができ、その後に、アウト口1008から遠い残りの位置決突起2811cを位置決孔1113から抜けば良いため、同時に二つの位置決突起2811cを引き抜く場合と比較して、弱い力で引き抜くことが可能となり、作業種の負担を軽減させることができる。
また、サイドユニット2800Gの台板2811aにおける外縁の前面を後方に向かうように傾斜させていることから、外縁の角が鈍角になっている。従って、パチンコ機1の分解作業においてサイドユニット2800Gを遊技パネル1100のパネル板1110から取外すために、サイドユニット2800Gにおける台板2811aの外縁におけるアウト口1008と重なっている指掛部2816(指掛部2817)に作業者の指等を引っ掛ける際に、台板2811aの外縁の角に指等が当接しても、当該角が鈍角になっているため、当該角が直角になっている場合と比較して、指等を傷付け難くすることができ、指等によりサイドユニット2800Gを安全に取外すことができる。
また、上述したように、サイドユニット2800Gの台板2811aにおける外縁の角を鈍角にしているため、当該角が直角になっている場合と比較して、遊技球Bがアウト口1008に進入するために台板2811aの外縁をなめるように遊技球Bが転動しても、外縁が欠けることはなく、サイドユニット2800Gの耐久性を向上させることができる。
また、サイドユニット2800Gにおける台板2811aの外縁を後方へ傾斜させているため、遊技球Bをスムーズにアウト口1008へ誘導することができ、アウト口1008での遊技球Bの滞りを回避させることができる。
更に、サイドユニット2800Gにおける台板2811aの外縁を透明にしているため、指掛部2816(指掛部2817)のように外縁の一部をアウト口1008と重なるようにしても、アウト口1008の大きさが小さく見えることを回避させることができる。
また、二つの位置決突起2811cを互いに離隔するように設けているため、サイドユニット2800Gを遊技パネル1100のパネル板1110に取付けた時に、サイドユニット2800Gがパネル板1110の面に沿って回転することはなく、サイドユニット2800Gをパネル板1110の所望の位置に確実に位置決めすることができる。
また、サイドユニット2800Gにおける遊技パネル1100のパネル板1110に取付けるための取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けているため、取付孔2811dを介して取付ビスをパネル板1110の取付孔1114にねじ込んで締め付けることで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けてパネル板1110の位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
ところで、パチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800Gを遊技パネル1100のパネル板1110から取外すために、台板2811aの外縁におけるアウト口1008と重なっている部位に作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張った時に、当該部位の強度が弱いと、外縁が割れてサイドユニット2800Gが遊技パネル1100側に残ってしまう恐れがある。これに対して、図113に示す実施形態では、サイドユニット2800Gの台板2811aの外縁におけるアウト口1008と重なっている指掛部2817の奥行を長くしていることから、遊技パネル1100のパネル板1110の前面において台板2811aの外縁(延設部)の一部を重ねる方法に比べ、特定開口領域1103(アウト口1008)のサイズが小さくなる(遊技球Bを排出するための通路容積が小さくなる)、或いは、予め特定開口領域1103(アウト口1008)のサイズを広げておく(遊技球Bを排出するための通路容積を大きくしておく)ことになるが、当該指掛部2817の強度を高めることができるため、当該指掛部2817に作業者の指等を引っ掛けて前方へ引っ張っても割れる(破損する)ことはなく、サイドユニット2800Gを遊技パネル1100のパネル板1110から確実に取外すことができる。
また、サイドユニット2800Gの台板2811aの外縁におけるアウト口1008と重なる指掛部2817を、アウト口1008を貫通させて遊技パネル1100のパネル板1110の後面よりも後方へ突出させるようにしているため、当該指掛部2817によりアウト口1008の内面を覆って遊技者から見え難くすることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
[15-8.第八技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-8a.第八技術的特徴の背景]
近年では、パチンコ機のような遊技機において、遊技者の関心を引き付けさせることが可能な演出を行うための手段として、演出装置を大きくしたり、演出装置の可動領域を広くしたり、演出装置を派手に発光装飾させるようにしたりしている。
ところで、特許文献Y(特開2017-018185号公報)のような従来の遊技機では、前面を遊技球が流下する遊技パネルの前面に、複数の入球口(例えば、一般入賞口)が設けられている入球ユニットが取付けられている。この入球ユニットの入球口に入球した遊技球は、遊技パネルの後方へ誘導した上で、遊技パネルよりも後方に設けられている球誘導ユニットにおいて球センサにより検知された後に下方へ排出される。このような入球ユニットを発光装飾させるためには、入球ユニットの後方に設けられている球誘導ユニットの後側に、LEDが実装されているLEDを設ける必要があり、LED基板を設けることで入球ユニットの後方のスペースが狭くなり、演出装置を設けるためのスペースをより広く確保することが困難となる問題がある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、入球ユニットの後方の空間を確保し易くすることでよりインパクトのある演出を提示することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-8b.第八技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、
前記入球ユニットは、
前記遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び前記遊技パネルに取付けるための第一取付孔を有し、前記遊技パネルを貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように前記遊技パネルに取付けられる第一構成部と、
該第一構成部に取付けるための第二取付孔を有し、前記第一構成部とで前記開口内に所定の空間を形成するように前記第一構成部の後側から取付けられる第二構成部と、を備え、
前記第一構成部と前記第二構成部とで形成される前記空間にLEDが実装されているLED基板が設けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「入球口」としては、「遊技球の入球により所定の特典を付与する入賞口(例えば、一般入賞口、普通入賞口、始動入賞口(始動口)、大入賞口、役物入賞口、V入賞口、等)」、「遊技球が入球しても特典を付与せずに、遊技者に戻すことなく遊技機外へ排出するアウト口」、等が挙げられる。
また、「遊技パネル」としては、「ベニヤ板のような木製の合板からなるもの」、「透明樹脂板を切削加工したパネル板と、パネル板の外周を保持しているパネルホルダと、からなるもの」、「透明樹脂を射出成形したもの」、等が挙げられる。
更に、「LED基板」としては、第一構成部に取付けられていても良いし、第二構成部に取付けられていても良い。また、「非接触面部」としては、第一構成部に設けられていても良いし、第二構成部に設けられていても良いし、第一構成部及び第二構成部の両方に設けられていても良い。
手段1の構成によると、遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、入球ユニットは、遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び遊技パネルに取付けるための第一取付孔を有し、遊技パネルを貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように遊技パネルに取付けられる第一構成部と、第一構成部に取付けるための第二取付孔を有し、第一構成部とで開口内に所定の空間を形成するように第一構成部の後側から取付けられる第二構成部と、を備え、第一構成部と第二構成部とで形成される空間にLEDが実装されているLED基板が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、[12-2b.サイドユニットの変形例2]の章、図107等の記載を参照)。
これにより、第一構成部の後側から第二取付孔を介して取付ビスにより第二構成部を取付けた上で、第一構成部の位置決突起を前方から遊技パネルの位置決孔に挿入した上で、第一取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで締め付けることにより、遊技パネルの前面に入球ユニットを取付けることができると共に、第一構成部により遊技パネルを貫通している開口を塞ぐことができるため、開口を通して遊技パネルの後方を見え難くすることができ、遊技機の見栄えを良くすることができると共に、遊技パネルの後側から開口を通して塵や埃等の異物が遊技パネルの前面側へ侵入することを防止することができる。そして、第一構成部と、第二取付孔を介して取付ビスにより第一構成部の後側から取付けられる第二構成部とで、遊技パネルの開口内に空間を形成すると共に、当該空間内にLED基板を設けているため、LED基板のLEDにより入球ユニットを発光装飾させることができる。この際に、遊技パネルの開口内に、LED基板が設けられる空間を形成しているため、当該空間やLED基板を遊技パネルの板厚内に収めることが可能となり、遊技パネルの後面からの後方への突出量を可及的に小さくすることができ、入球ユニットの後方のスペースをより広く確保することができる。従って、入球ユニットの後方に、大きな演出装置や可動領域の広い演出装置等を設けることが可能となるため、よりインパクトのある演出を遊技者に提示することができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
なお、入球ユニットにおける遊技パネルに取付けるための第一取付孔を、位置決突起の近傍に設けることが望ましい。これにより、第一取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで締め付けることで、位置決突起を遊技パネル側へ強く押し付けて遊技パネルの位置決孔へ確実に挿入させることができ、位置決突起の不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
また、入球ユニットに、第一構成部と第二構成部とが互いに接する接触面部の一部に互いに接触していない非接触面部を設けることが望ましい。これにより、第一構成部と第二構成部との間の空間にLED基板を設けていると共に、第一構成部と第二構成部とが互いに接している接触面部の一部に、互いに接していない非接触面部を設けているため、当該非接触面部を通してLED基板からの熱を外部へ放熱することができ、熱による影響を回避させることができる。
更に、上記のように非接触面部を設ける場合、遊技パネルの開口の前端側を第一構成部により塞いでいるため、非接触面部から外部へ放出された熱が、遊技パネルの前面側へ流れることはなく、遊技パネルの後面側へ放熱させることができる。
また、上記のように非接触面部を設ける場合、入球ユニットを、遊技パネルの開口内の内周との間に隙間が設けられるように形成すると共に、非接触面部を、少なくとも上側となる接触面部に設けるようにすることが望ましい。これにより、第一構成部と第二構成部とで形成される空間内に設けられているLED基板からの熱を外部へ放熱可能な非接触面部を、接触面部における少なくとも上側の部位に設けているため、当該非接触面部によりLED基板からの熱を確実に外部へ放熱させることができ、空間内に熱が籠ることはない。この際に、入球ユニットにおいて遊技パネルの開口内に挿入されている部位の外周と、開口の内周と、の間に隙間を設けている。つまり、非接触面部と開口の内周との間に隙間を設けているため、LED基板からの熱を非接触面部から当該隙間へ確実に放熱させることができ、当該隙間を通して開口内から排熱することができる。
また、上記のように非接触面部を設ける場合、平面視において非接触面部に重ならないようにLED基板を設けるようにすることが望ましい。これにより、LED基板が設けられている空間内に、非接触面部を通して塵や埃等の異物が侵入しても、LED基板にかかり難くすることができ、異物による影響を極力防ぐことができる。
更に、遊技パネルを、不透明とすることが望ましい。これにより、遊技パネルを不透明にしていることから、遊技パネルの開口の内周面から遊技パネルの内部にLED基板のLEDからの光が入射することはなく、開口の内周面により反射させることが可能となるため、前方へ照射される光量の低下を抑制させることができ、LEDの発光による演出効果を十分に発揮させ易くすることができる。
また、上記のように非接触面部を設ける場合、非接触面部を、遊技パネルの後面よりも後方に設けるようにしても良い。これにより、第一構成部と第二構成部との間の空間内に設けられているLED基板からの熱を、非接触面部を通して確実に遊技パネルの後面よりも後方へ放熱させることができ、熱による影響を回避させることができる。
また、第一構成部に、位置決突起が突出していると共に取付孔が貫通しており、遊技パネルの前面に当接可能な平板状の台板を有するようにしても良い。これにより、入球ユニットに平板状の台板を設けているため、取付孔を介して入球ユニットを遊技パネルの前面に取付けることで、台板により遊技パネルの開口を前側から塞ぐことができ、前側(遊技者側)から開口を通して遊技パネルの後方を台板により隠すことが可能となり、遊技機の見栄えを良くすることができる。
また、上記のように、第一構成部に台板を有するようにすると、入球ユニットの台板により遊技パネルの開口を前側から塞ぐことができるため、第一構成部と第二構成部との間の空間内に設けられているLED基板からの熱を、非接触面部を通して遊技パネルの後側へ放熱させることができると共に、遊技パネルの後側から塵や埃等の異物が、遊技パネルの開口を通して遊技パネルの前面側に侵入するのを防止することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記入球ユニットは、
前記第一構成部と前記第二構成部とが互いに接する接触面部の一部に互いに接触していない非接触面部を設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、入球ユニットは、第一構成部と第二構成部とが互いに接する接触面部の一部に互いに接触していない非接触面部を設けられているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800B、接触面部2830、非接触面部2831に関する記載を参照)。
これにより、第一構成部と第二構成部との間の空間にLED基板を設けていると共に、第一構成部と第二構成部とが互いに接している接触面部の一部に、互いに接していない非接触面部を設けているため、当該非接触面部を通してLED基板からの熱を外部へ放熱することができ、熱による影響を回避させることができる。
また、遊技パネルの開口の前端側を第一構成部により塞いでいるため、非接触面部から外部へ放出された熱が、遊技パネルの前面側へ流れることはなく、遊技パネルの後面側へ放熱させることができる。
手段3:手段2の構成において、
「前記入球ユニットは、前記遊技パネルの前記開口内の内周との間に隙間が設けられるように形成されており、
前記非接触面部は、少なくとも上側となる前記接触面部に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、入球ユニットは、遊技パネルの開口内の内周との間に隙間が設けられるように形成されており、非接触面部は、少なくとも上側となる接触面部に設けられているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800B及び非接触面部2831に関する記載を参照)。
これにより、第一構成部と第二構成部とで形成される空間内に設けられているLED基板からの熱を外部へ放熱可能な非接触面部を、接触面部における少なくとも上側の部位に設けているため、当該非接触面部によりLED基板からの熱を確実に外部へ放熱させることができ、空間内に熱が籠ることはない。この際に、入球ユニットにおいて遊技パネルの開口内に挿入されている部位の外周と、開口の内周と、の間に隙間を設けている。つまり、非接触面部と開口の内周との間に隙間を設けているため、LED基板からの熱を非接触面部から当該隙間へ確実に放熱させることができ、当該隙間を通して開口内から排熱することができる。
手段4:手段2又は手段3の構成において、
「平面視において前記非接触面部に重ならないように前記LED基板が設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、平面視において非接触面部に重ならないようにLED基板が設けられているものである([発明を実施するための形態]では、LED基板2825及び非接触面部2831に関する記載を参照)。
これにより、LED基板が設けられている空間内に、非接触面部を通して塵や埃等の異物が侵入しても、LED基板にかかり難くすることができ、異物による影響を極力防ぐことができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記遊技パネルは、不透明である」
ことを特徴とする。
ところで、遊技パネルを透明なものとすると、LED基板のからの光が、遊技パネルの開口の内周面から遊技パネルの内部に入射して拡散することにより、前方へ照射される光量が低下してしまい、LEDの発光による演出効果が弱くなる恐れがある。
手段5の構成によると、遊技パネルを、不透明としているものである([発明を実施するための形態]では、遊技パネル1100に関する記載を参照)。
これにより、遊技パネルを不透明にしていることから、遊技パネルの開口の内周面から遊技パネルの内部にLED基板のLEDからの光が入射することはなく、開口の内周面により反射させることが可能となるため、前方へ照射される光量の低下を抑制させることができ、LEDの発光による演出効果を十分に発揮させ易くすることができる。
手段6:手段2から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記非接触面部は、前記遊技パネルの後面よりも後方に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、非接触面部は、遊技パネルの後面よりも後方に設けられているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800Bに関する記載を参照)。
これにより、第一構成部と第二構成部との間の空間内に設けられているLED基板からの熱を、非接触面部を通して確実に遊技パネルの後面よりも後方へ放熱させることができ、熱による影響を回避させることができる。
手段7:手段1から手段6までの何れか一つの構成において、
「前記第一構成部は、前記位置決突起が突出していると共に前記取付孔が貫通しており、前記遊技パネルの前面に当接可能な平板状の台板を有している」
ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、第一構成部は、位置決突起が突出していると共に取付孔が貫通しており、遊技パネルの前面に当接可能な平板状の台板を有しているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800Bのユニット本体2810に関する記載を参照)。
これにより、入球ユニットに平板状の台板を設けているため、取付孔を介して入球ユニットを遊技パネルの前面に取付けることで、台板により遊技パネルの開口を前側から塞ぐことができ、前側(遊技者側)から開口を通して遊技パネルの後方を台板により隠すことが可能となり、遊技機の見栄えを良くすることができる。
また、入球ユニットの台板により遊技パネルの開口を前側から塞ぐことができるため、第一構成部と第二構成部との間の空間内に設けられているLED基板からの熱を、非接触面部を通して遊技パネルの後側へ放熱させることができると共に、遊技パネルの後側から塵や埃等の異物が、遊技パネルの開口を通して遊技パネルの前面側に侵入するのを防止することができる。
手段8:遊技機において、
「遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、
前記入球ユニットは、
前記遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び前記遊技パネルに取付けるための第一取付孔を有し、前記遊技パネルを貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように前記遊技パネルに取付けられる第一構成部と、
該第一構成部に取付けるための第二取付孔を有し、前記第一構成部とで前記開口内に所定の空間を形成するように前記第一構成部の後側から取付けられる第二構成部と、
を備えると共に、前記遊技パネルの前記開口内の内周との間に隙間が設けられるように形成されており、
前記第一構成部と前記第二構成部とが互いに接する接触面部における少なくとも上側となる部位に互いに接触していない非接触面部を設け、
平面視において該非接触面部に重ならないように、前記第一構成部と前記第二構成部とで形成される前記空間にLEDが実装されているLED基板が設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段8の構成によると、遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技パネルの前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、入球ユニットは、遊技パネルに設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び遊技パネルに取付けるための第一取付孔を有し、遊技パネルを貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように遊技パネルに取付けられる第一構成部と、第一構成部に取付けるための第二取付孔を有し、第一構成部とで開口内に所定の空間を形成するように第一構成部の後側から取付けられる第二構成部と、を備えると共に、遊技パネルの開口内の内周との間に隙間が設けられるように形成されており、第一構成部と第二構成部とが互いに接する接触面部における少なくとも上側となる部位に互いに接触していない非接触面部を設け、平面視において非接触面部に重ならないように、第一構成部と第二構成部とで形成される空間にLEDが実装されているLED基板が設けられているものである。
これにより、第一構成部の後側から第二取付孔を介して取付ビスにより第二構成部を取付けた上で、第一構成部における平板状の台板から突出している位置決突起を前方から遊技パネルの位置決孔に挿入した上で、台板が遊技パネルの前面に当接するように、第一取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで締め付けることにより、遊技パネルの前面に入球ユニットを取付けることができると共に、第一構成部の台板により遊技パネルを貫通している開口を塞ぐことができるため、開口を通して遊技パネルの後方を見え難くすることができ、遊技機の見栄えを良くすることができると共に、遊技パネルの後側から開口を通して塵や埃等の異物が遊技パネルの前面側へ侵入することを防止することができる。そして、第一構成部と、第二取付孔を介して取付ビスにより第一構成部の後側から取付けられる第二構成部とで、遊技パネルの開口内に空間を形成すると共に、当該空間内にLED基板を設けているため、LED基板のLEDにより入球ユニットを発光装飾させることができる。この際に、遊技パネルの開口内に、LED基板が設けられる空間を形成しているため、当該空間やLED基板を遊技パネルの板厚内に収めることが可能となり、遊技パネルの後面からの後方への突出量を可及的に小さくすることができ、入球ユニットの後方のスペースをより広く確保することができる。従って、入球ユニットの後方に、大きな演出装置や可動領域の広い演出装置等を設けることが可能となるため、よりインパクトのある演出を遊技者に提示することができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、第一構成部と第二構成部との間の空間にLED基板を設けていると共に、第一構成部と第二構成部とが互いに接している接触面部における少なくとも上側となる部位に、互いに接していない非接触面部を設けているため、当該非接触面部を通してLED基板からの熱を外部へ放熱することができ、熱による影響を回避させることができる。この際に、入球ユニットにおいて遊技パネルの開口内に挿入されている部位の外周と、開口の内周と、の間に隙間を設けている。つまり、非接触面部と開口の内周との間に隙間を設けているため、LED基板からの熱を非接触面部から当該隙間へ確実に放熱させることができる。そして、遊技パネルの開口の前端側を第一構成部の台板により塞いでいるため、非接触面部から当該隙間へ放出された熱を、当該隙間を通して、遊技パネルの前面側へ流すことなく、遊技パネルの後面側へ誘導することができ、LED基板からの熱を確実に放熱させることができる。
また、平面視において非接触面部に重ならないようにLED基板を設けているため、LED基板が設けられている空間内に、非接触面部を通して塵や埃等の異物が侵入しても、LED基板にかかり難くすることができ、異物による影響を極力防ぐことができる。
更に、遊技パネルを不透明にしていることから、遊技パネルの開口の内周面から遊技パネルの内部にLED基板のLEDからの光が入射することはなく、開口の内周面により反射させることが可能となるため、前方へ照射される光量の低下を抑制させることができ、LEDの発光による演出効果を十分に発揮させ易くすることができる。
また、入球ユニットの台板により遊技パネルの開口を前側から塞ぐようにしているため、第一構成部と第二構成部との間の空間内に設けられているLED基板からの熱を、非接触面部を通して遊技パネルの後側へ放熱させることができると共に、遊技パネルの後側から塵や埃等の異物が、遊技パネルの開口を通して遊技パネルの前面側に侵入するのを防止することができる。
なお、入球ユニットの第一構成部において、遊技パネルに取付けるための台板を貫通している第一取付孔を、位置決突起の近傍に設けることが望ましい。これにより、第一取付孔を介して取付ビスを遊技パネルにねじ込んで締め付けることで、位置決突起を遊技パネル側へ強く押し付けて遊技パネルの位置決孔へ確実に挿入させることができ、位置決突起の不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
このように、上記の解決手段によれば、入球ユニットの後方の空間を確保し易くすることでよりインパクトのある演出を提示することが可能な遊技機を提供することができる。
[15-8c.第八技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態の遊技盤5における遊技パネル1100のパネル板1110は上記解決手段の遊技パネルに、本実施形態におけるパネル板1110の開口部1112は上記解決手段の開口に、本実施形態における位置決孔1113は上記解決手段の位置決孔に、本実施形態における一般入賞口2001、及び第一構成部材2811の球受部2811bは上記解決手段の入球口に、本実施形態におけるサイドユニット2800B、サイドユニット2800C、サイドユニット2800D、サイドユニット2800E、サイドユニット2800Fは上記解決手段の入球ユニットに、夫々相当している。
また、本実施形態におけるユニット本体2810及びユニット本体2810Aは上記解決手段の第一構成部に、本実施形態における台板2811aは上記解決手段の台板に、本実施形態における位置決突起2811cは上記解決手段の位置決突起に、本実施形態における取付孔2811dは上記解決手段の取付孔に、本実施形態におけるユニットカバー2820は上記解決手段の第二構成部に、本実施形態におけるLED基板2825は上記解決手段のLED基板に、夫々相当している。また、本実施形態における接触面部2830(支持枠部2814とユニットカバー2820とが接している部位)は上記解決手段の接触面部に、本実施形態における非接触面部2831(支持枠部2814の切欠部2814b及びユニットカバー2820の切欠部2820c)は上記解決手段の非接触面部に、夫々相当している。
[15-8d.第八技術的特徴の特徴的な作用効果]
ここでは、本実施形態におけるサイドユニット2800B、サイドユニット2800C、サイドユニット2800D、サイドユニット2800E、及びサイドユニット2800Fの特徴として、サイドユニット2800Bを代表して記載する。本実施形態によれば、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられるサイドユニット2800Bにおいて、ユニット本体2810の後側から取付孔を介して取付ビスによりユニットカバー2820を取付けた上で、ユニット本体2810の第一構成部材2811における平板状の台板2811aから突出している位置決突起2811cを前方から遊技パネル1100におけるパネル板1110の位置決孔1113に挿入した上で、台板2811aがパネル板1110の前面に当接するように、取付孔2811dを介して取付ビスをパネル板1110にねじ込んで締め付けることにより、パネル板1110の前面にサイドユニット2800Bを取付けることができると共に、台板2811aによりパネル板1110を貫通している開口部1112を塞ぐことができるため、開口部1112を通して遊技パネル1100の後方を見え難くすることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができると共に、遊技パネル1100におけるパネル板1110の後側から開口部1112を通して塵や埃等の異物がパネル板1110の前面側(遊技領域5a)へ侵入することを防止することができる。そして、ユニット本体2810と、取付孔を介して取付ビスによりユニット本体2810の後側から取付けられるユニットカバー2820とで、パネル板1110の開口部1112内に空間を形成すると共に、当該空間内にLED基板2825を設けているため、LED基板2825のLED2825aによりサイドユニット2800Bを発光装飾させることができる。この際に、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112内に、LED基板2825が設けられる空間を形成しているため、当該空間やLED基板2825をパネル板1110の板厚内に収めることが可能となり、パネル板1110の後面からの後方への突出量を可及的に小さくすることができ、サイドユニット2800Bの後方のスペースをより広く確保することができる。従って、サイドユニット2800Bの後方に、大きな演出装置や可動領域の広い演出装置等を設けることが可能となるため、よりインパクトのある演出を遊技者に提示することができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、サイドユニット2800Bにおけるユニット本体2810とユニットカバー2820との間の空間にLED基板2825を設けていると共に、ユニット本体2810とユニットカバー2820とが互いに接している接触面部2830における少なくとも上側となる部位に、互いに接していない非接触面部2831(切欠部2820c)を設けているため、当該非接触面部2831を通してLED基板2825からの熱を外部へ放熱することができ、熱による影響を回避させることができる。この際に、サイドユニット2800Bにおいてパネル板1110の開口部1112内に挿入されている部位の外周と、開口部1112の内周と、の間に隙間を設けている。つまり、非接触面部2831と開口部1112の内周との間に隙間を設けているため、LED基板2825からの熱を非接触面部2831から当該隙間へ確実に放熱させることができる。そして、遊技パネル1100におけるパネル板1110の開口部1112の前端側をユニット本体2810における第一構成部材2811の台板2811aにより塞いでいるため、非接触面部2831から当該隙間へ放出された熱を、当該隙間を通して、パネル板1110の前面側へ流すことなく、パネル板1110の後面側へ誘導することができ、LED基板2825からの熱を確実に放熱させることができる。
また、平面視において非接触面部2831に重ならないようにLED基板2825を設けているため、LED基板2825が設けられている空間内に、非接触面部2831を通して塵や埃等の異物が侵入しても、LED基板2825にかかり難くすることができ、異物による影響を極力防ぐことができる。
更に、遊技パネル1100を不透明すると、遊技パネル1100の開口部1112の内周面から遊技パネル1100の内部にLED基板2825のLED2825aからの光が入射することはなく、開口部1112の内周面により反射させることが可能となるため、前方へ照射される光量の低下を抑制させることができ、LED2825aの発光による演出効果を十分に発揮させ易くすることができる。
また、サイドユニット2800Bにおける第一構成部材2811の台板2811aにより遊技パネル1100のパネル板1110の開口部1112を前側から塞ぐようにしているため、ユニット本体2810とユニットカバー2820との間の空間内に設けられているLED基板2825からの熱を、非接触面部2831を通してパネル板1110の後側へ放熱させることができると共に、パネル板1110の後側から塵や埃等の異物が、パネル板1110の開口部1112を通してパネル板1110の前面側に侵入するのを防止することができる。
また、サイドユニット2800Bでは、ユニット本体2810における第一構成部材2811において、遊技パネル1100のパネル板1110に取付けるための台板2811aを貫通している取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けているため、取付孔2811dを介して取付ビスを遊技パネル1100のパネル板1110にねじ込んで締め付けることで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けてパネル板1110の位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
[15-9.第九技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-9a.第九技術的特徴の背景]
近年では、パチンコ機のような遊技機において、遊技者の関心を引き付けさせることが可能な演出を行うための手段として、演出装置を大きくしたり、演出装置の可動範囲を広くしたり、演出装置を派手に発光装飾させるようにしたりしている。
この種の遊技機として、例えば、特許文献Y(特開2017-018185号公報)のような従来の遊技機では、前面を遊技球が流下する遊技パネルの前面に複数の入球口(例えば、一般入賞口)を有する入球ユニットと、入球ユニットの入球口に入球した遊技球を遊技パネルの後方において検知した上で下方へ排出させる球誘導ユニットと、を備えているものが知られている。
しかしながら、特許文献Yの技術では、遊技パネルの後方に球誘導ユニットが設けられているため、当該球誘導ユニットの存在により、入球ユニットの後方のスペースが狭くなり、演出装置を設けるためのスペースをより広く確保することができなかった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、入球ユニットの後方の空間を確保し易くすることでよりインパクトのある演出を提示することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-9b.第九技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技板の前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、
前記入球ユニットは、
前記遊技板に設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び前記遊技板に取付けるための取付孔を有し、前記遊技板を貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように前記遊技板に取付けられる第一構成部と、
該第一構成部の後側に設けられており、前記入球口に入球した遊技球が、前記遊技板の板厚内にかかるように前記開口内において前記遊技板の板面に沿って流下可能な球通路を有する第二構成部と、」
を備えることを特徴とする。
ここで、「入球口」としては、「遊技球の入球により所定の特典を付与する入賞口(例えば、一般入賞口、普通入賞口、始動入賞口(始動口)、大入賞口、役物入賞口、V入賞口、等)」、「遊技球が入球しても特典を付与せずに、遊技者に戻すことなく遊技機外へ排出するアウト口」、等が挙げられる。
また、「遊技板」としては、障害釘が所定のゲージ配列で植設されるものであり、「ベニヤ板のような木製の合板からなるもの」、「透明樹脂板を切削加工したパネル板からなるもの」、「透明樹脂を射出成形したもの」、等が挙げられる。
更に、「球通路」としては、全体が遊技板の板厚内にかかるように延出していても良いし、一部が遊技板の板厚内にかかるように延出していても良い。
手段1の構成によると、遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技板の前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、入球ユニットは、遊技板に設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び遊技板に取付けるための取付孔を有し、遊技板を貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように遊技板に取付けられる第一構成部と、第一構成部の後側に設けられており、入球口に入球した遊技球が、遊技板の板厚内にかかるように開口内において遊技板の板面に沿って流下可能な球通路を有する第二構成部と、を備えるものである([発明を実施するための形態]では、[12-1.第二実施形態のサイドユニット]の章、図103乃至図108等の記載を参照)。
これにより、第一構成部の位置決突起を前方から遊技パネルの位置決孔に挿入した上で、取付孔を介して取付ビスを遊技板にねじ込んで締め付けることにより、遊技板の前面に第一構成部(入球ユニット)を取付けることができると共に、第一構成部により遊技板を貫通している開口を塞ぐことができるため、開口を通して遊技板の後方を見え難くすることができ、遊技機の見栄えを良くすることができると共に、遊技板の後側から開口を通して塵や埃等の異物が遊技板の前面側へ侵入することを防止することができる。そして、第一構成部の後側に設けられている第二構成部に、遊技板の板厚内にかかるように開口内において遊技板の板面に沿って延出している球通路を設けていることから、当該球通路により入球口に入球した遊技球を、遊技板の板厚内にかかるようにして流下させることができるため、遊技板の板厚を利用することにより、入球ユニットにおける遊技板の後面からの後方への突出量を可及的に小さくすることができ、入球ユニットの後方のスペースをより広く確保することができる。従って、入球ユニットの後方に、大きな演出装置や可動領域の広い演出装置(可動役物)等を設けることが可能となるため、よりインパクトのある演出を遊技者に提示することができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
なお、入球ユニットの第一構成部における遊技板に取付けるための取付孔を、位置決突起の近傍に設けることが望ましい。これにより、取付孔を介して取付ビスを遊技板にねじ込んで締め付けることで、位置決突起を遊技板側へ強く押し付けて遊技板の位置決孔へ確実に挿入させることができ、位置決突起の不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
また、球通路における少なくとも可動役物の前方となる部位を、遊技板の板厚内にかかるように設けるようにしても良い。これにより、球通路における演出装置としての可動役物の前方となる部位を、遊技板の板厚内にかかるようにしているため、可動役物が設けられている部位の前後方向のスペースを十分に確保することができると共に、可動役物の可動範囲をより広くすることができ、よりインパクトの高い演出を遊技者に見せることが可能な遊技機を提供することができる。
また、上記のように、球通路における可動役物の前方となる部位を遊技板の板厚内にかかるように設ける場合、上述したように、遊技板の後側において可動役物が設けられている部位の前後方向のスペースを十分に確保することが可能となるため、例えば、入球ユニットと可動役物との間に装飾体を配置すること、当該装飾体により下降位置の可動役物を遊技者から見え難いように隠すことができる。これにより、可動役物を下降位置から上昇させると可動役物が出現するような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることが可能な遊技機を提供することができる。
更に、球通路における後方に設けられている可動役物よりも下方の部位に、球通路を流下している遊技球を検知する球センサを設けるようにしても良い。これにより、入球口に入球した遊技球を検知する球センサを、後方に設けられている可動役物よりも下方の部位に設けているため、球センサが可動役物の妨げになることはなく、可動役物による所望の演出効果を十分に発揮させることができる。
また、球通路に、入球口と連通しており後方へ延出している支流部と、支流部と合流しており遊技板の板面に沿って下方へ延出している本流部と、を有するようにしても良い。これにより、各入球口において連通している夫々の支流部を、本流部に合流させて流下させるようにしているため、複数の入球口に対して夫々に球通路を設ける必要がなく、一つの球通路で纏めて排出させることができると共に、入球ユニットの後方の空間を確保し易くすることができる。
また、第二構成部を第一構成部の後側に取付けるようにしても良い。これにより、第一構成部の後側に第二構成部を取付けているため、第二構成部により第一構成部の剛性を高めることができる。詳述すると、例えば、リサイクル等による遊技機の分解作業において、第一構成部を前方へ引っ張って遊技板から取外す際に、第一構成部の剛性が低いと、第一構成部が撓んでしまい、その撓みによって遊技板の位置決孔に挿入されていた位置決突起が傾くことで、位置決孔から抜け難くなり、分解作業に手間がかかる恐れがある。これに対して、第二構成部を第一構成部の後側に取付けるようにすると、第二構成部には球通路が設けられており、当該球通路はその断面がコ字状となっていることから、第二構成部の剛性が球通路の存在によって高められているため、この第二構成部を取付けることで第一構成部(入球ユニット)の剛性を高めることができる。従って、リサイクル等による遊技機の分解作業において、入球ユニットを前方へ引っ張った時に、入球ユニットの剛性が高められていることで位置決突起が突出している第一構成部が撓むことはないため、遊技板の位置決孔に対して位置決突起が傾くことはなく、遊技板から入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、第二構成部を、遊技板の後方に設けられている背面部材に取付けるようにしても良い。これにより、入球ユニットの第二構成部を、遊技板の後方の背面部材に取付けているため、球通路を遊技板の後側において遊技板を貫通している開口よりも下方へ延出させることが可能となる。詳述すると、第一構成部に第二構成部を取付けるようにすると、第一構成部により遊技板の開口を前側から塞ぐことから、球通路が設けられている第二構成部を開口よりも小さくする必要があり、球通路の一部を遊技板の後側において開口よりも下方へ延出させることが困難となる。これに対して、第二構成部を遊技板の後方に設けられている背面部材に取付けるようにすると、球通路の一部を遊技板の後側において開口よりも下方へ延出させるようにすることができる。従って、球通路を遊技板の下端まで延出させることが可能となるため、下方へ排出される遊技球の落下高さを低くすることができ、排出される遊技球による衝撃を低減させることができる。また、球通路の一部を遊技板の後側において開口よりも下方へ延出させるようにすることができるため、遊技板を貫通している開口を、遊技板の下端まで下方へ延長させる必要がなく、遊技板の強度が低下することはない。
また、上記のように、入球ユニットの第二構成部を遊技板の後方の背面部材に取付けるようにすると、球通路に球センサを設ける場合、球センサのような電子部品が遊技板の後方の背面部材側に設けられることとなり、電子部品を背面部材側に纏めることができ、遊技板側に球センサのような電子部品を設ける必要がない。従って、遊技機の組立作業や分解作業において、遊技板側から電子部品の配線が延出していないため、当該配線が障害釘等の部材に引っ掛かって作業の邪魔になったり配線が切れてしまったりすることはない。
手段2:手段1の構成において、
「前記第二構成部は、前記球通路における少なくとも可動役物の前方となる部位が前記遊技板の板厚内にかかるように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、第二構成部は、球通路における少なくとも可動役物の前方となる部位が遊技板の板厚内にかかるように設けられているものである([発明を実施するための形態]では、第二構成部材2812の球通路2812aに関する記載を参照)。
これにより、球通路における演出装置としての可動役物の前方となる部位を、遊技板の板厚内にかかるようにしているため、可動役物が設けられている部位の前後方向のスペースを十分に確保することができると共に、可動役物の可動範囲をより広くすることができ、よりインパクトの高い演出を遊技者に見せることが可能な遊技機を提供することができる。
また、上述したように、遊技板の後側において可動役物が設けられている部位の前後方向のスペースを十分に確保することが可能となるため、例えば、入球ユニットと可動役物との間に装飾体を配置すること、当該装飾体により下降位置の可動役物を遊技者から見え難いように隠すことができる。これにより、可動役物を下降位置から上昇させると可動役物が出現するような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることが可能な遊技機を提供することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記第二構成部は、前記球通路における後方に設けられている可動役物よりも下方の部位に、前記球通路を流下している遊技球を検知する球センサが設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、第二構成部は、球通路における後方に設けられている可動役物よりも下方の部位に、球通路を流下している遊技球を検知する球センサが設けられているものである([発明を実施するための形態]では、球センサ2813bに関する記載を参照)。
これにより、入球口に入球した遊技球を検知する球センサを、後方に設けられている可動役物よりも下方の部位に設けているため、球センサが可動役物の妨げになることはなく、可動役物による所望の演出効果を十分に発揮させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記球通路は、前記入球口と連通しており後方へ延出している支流部と、該支流部と合流しており前記遊技板の板面に沿って下方へ延出している本流部と、を有している」
ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、球通路は、入球口と連通しており後方へ延出している支流部と、支流部と合流しており遊技板の板面に沿って下方へ延出している本流部と、を有しているものである([発明を実施するための形態]では、球通路2812aにおける支流部2801及び本流部2802に関する記載を参照)。
これにより、各入球口において連通している夫々の支流部を、本流部に合流させて流下させるようにしているため、複数の入球口に対して夫々に球通路を設ける必要がなく、一つの球通路で纏めて排出させることができると共に、入球ユニットの後方の空間を確保し易くすることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記第二構成部は、第一構成部の後側に取付けられている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、第二構成部は、第一構成部の後側に取付けられているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800の第二構成部材2812に関する記載を参照)。
これにより、第一構成部の後側に第二構成部を取付けているため、第二構成部により第一構成部の剛性を高めることができる。詳述すると、例えば、リサイクル等による遊技機の分解作業において、第一構成部を前方へ引っ張って遊技板から取外す際に、第一構成部の剛性が低いと、第一構成部が撓んでしまい、その撓みによって遊技板の位置決孔に挿入されていた位置決突起が傾くことで、位置決孔から抜け難くなり、分解作業に手間がかかる恐れがある。これに対して、本手段では、第二構成部には球通路が設けられており、当該球通路はその断面がコ字状となっていることから、第二構成部の剛性が球通路の存在によって高められているため、この第二構成部を取付けることで第一構成部(入球ユニット)の剛性を高めることができる。従って、リサイクル等による遊技機の分解作業において、入球ユニットを前方へ引っ張った時に、入球ユニットの剛性が高められていることで位置決突起が突出している第一構成部が撓むことはないため、遊技板の位置決孔に対して位置決突起が傾くことはなく、遊技板から入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
手段6:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記第二構成部は、前記遊技板の後方に設けられている背面部材に取付けられている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「背面部材」としては、「背面装飾体」、「裏ユニット」、「裏箱」、等が挙げられる。
手段6の構成によると、第二構成部は、遊技板の後方に設けられている背面部材に取付けられているものである([発明を実施するための形態]では、サイドユニット2800Aの第二構成部材2813に関する記載を参照)。
これにより、入球ユニットの第二構成部を、遊技板の後方の背面部材に取付けているため、球通路を遊技板の後側において遊技板を貫通している開口よりも下方へ延出させることが可能となる。詳述すると、第一構成部に第二構成部を取付けるようにすると、第一構成部により遊技板の開口を前側から塞ぐことから、球通路が設けられている第二構成部を開口よりも小さくする必要があり、球通路の一部を遊技板の後側において開口よりも下方へ延出させることが困難となる。これに対して、本手段では、第二構成部を遊技板の後方の背面部材に取付けているため、球通路の一部を遊技板の後側において開口よりも下方へ延出させるようにすることができる。従って、球通路を遊技板の下端まで延出させることが可能となるため、下方へ排出される遊技球の落下高さを低くすることができ、排出される遊技球による衝撃を低減させることができる。また、球通路の一部を遊技板の後側において開口よりも下方へ延出させるようにすることができるため、遊技板を貫通している開口を、遊技板の下端まで下方へ延長させる必要がなく、遊技板の強度が低下することはない。
また、入球ユニットの第二構成部を、遊技板の後方の背面部材に取付けているため、球通路に球センサを設ける場合、球センサのような電子部品が遊技板の後方の背面部材側に設けられることとなり、電子部品を背面部材側に纏めることができ、遊技板側に球センサのような電子部品を設ける必要がない。従って、遊技機の組立作業や分解作業において、遊技板側から電子部品の配線が延出していないため、当該配線が障害釘等の部材に引っ掛かって作業の邪魔になったり配線が切れてしまったりすることはない。
手段7:遊技機において、
「遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技板の前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、
前記入球ユニットは、
前記遊技板に設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び前記遊技板に取付けるための取付孔を有し、前記遊技板を貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように前記遊技板に取付けられる第一構成部と、
該第一構成部の後側に設けられており、前記入球口に入球した遊技球が、前記遊技板の板厚内にかかるように前記開口内において前記遊技板の板面に沿って流下可能な球通路を有する第二構成部と、
を備え、
該第二構成部は、第一構成部の後側、又は、前記遊技板の後方に設けられている背面部材、に取付けられていると共に、可動役物よりも下方の部位に前記球通路を流下している遊技球を検知する球センサが設けられており、
前記球通路は、前記入球口と連通しており後方へ延出している支流部と、該支流部と合流しており前記遊技板の板面に沿って下方へ延出している本流部と、を有し、少なくとも前記可動役物の前方となる部位が前記遊技板の板厚内にかかるように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、遊技球が入球可能な入球口を複数有し、前面を遊技球が流下可能な遊技板の前面に取付けられる入球ユニットを備える遊技機において、入球ユニットは、遊技板に設けられた位置決孔に挿入される位置決突起、及び遊技板に取付けるための取付孔を有し、遊技板を貫通するように設けられている開口を前側から塞ぐように遊技板に取付けられる第一構成部と、第一構成部の後側に設けられており、入球口に入球した遊技球が、遊技板の板厚内にかかるように開口内において遊技板の板面に沿って流下可能な球通路を有する第二構成部と、を備え、第二構成部は、第一構成部の後側、又は、遊技板の後方に設けられている背面部材、に取付けられていると共に、可動役物よりも下方の部位に球通路を流下している遊技球を検知する球センサが設けられており、球通路は、入球口と連通しており後方へ延出している支流部と、支流部と合流しており遊技板の板面に沿って下方へ延出している本流部と、を有し、少なくとも可動役物の前方となる部位が遊技板の板厚内にかかるように設けられているものである。
これにより、第一構成部の位置決突起を前方から遊技パネルの位置決孔に挿入した上で、取付孔を介して取付ビスを遊技板にねじ込んで締め付けることにより、遊技板の前面に第一構成部(入球ユニット)を取付けることができると共に、第一構成部により遊技板を貫通している開口を塞ぐことができるため、開口を通して遊技板の後方を見え難くすることができ、遊技機の見栄えを良くすることができると共に、遊技板の後側から開口を通して塵や埃等の異物が遊技板の前面側へ侵入することを防止することができる。そして、第一構成部の後側に設けられている第二構成部に、遊技板の板厚内にかかるように開口内において遊技板の板面に沿って延出している球通路を設けていることから、当該球通路により入球口に入球した遊技球を、遊技板の板厚内にかかるようにして流下させることができるため、遊技板の板厚を利用することにより、入球ユニットにおける遊技板の後面からの後方への突出量を可及的に小さくすることができ、入球ユニットの後方のスペースをより広く確保することができる。従って、入球ユニットの後方に、大きな演出装置や可動領域の広い演出装置(可動役物)等を設けることが可能となるため、よりインパクトのある演出を遊技者に提示することができ、遊技者に対する訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、球通路における演出装置としての可動役物の前方となる部位を、遊技板の板厚内にかかるようにしているため、可動役物が設けられている部位の前後方向のスペースを十分に確保することができると共に、可動役物の可動範囲をより広くすることができ、よりインパクトの高い演出を遊技者に見せることが可能な遊技機を提供することができる。
また、上述したように、遊技板の後側において可動役物が設けられている部位の前後方向のスペースを十分に確保することが可能となるため、例えば、入球ユニットと可動役物との間に装飾体を配置すること、当該装飾体により下降位置の可動役物を遊技者から見え難いように隠すことができる。これにより、可動役物を下降位置から上昇させると可動役物が出現するような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることが可能な遊技機を提供することができる。
更に、入球口に入球した遊技球を検知する球センサを、後方に設けられている可動役物よりも下方の部位に設けているため、球センサが可動役物の妨げになることはなく、可動役物による所望の演出効果を十分に発揮させることができる。
また、各入球口において連通している夫々の支流部を、本流部に合流させて流下させるようにしているため、複数の入球口に対して夫々に球通路を設ける必要がなく、一つの球通路で纏めて排出させることができると共に、入球ユニットの後方の空間を確保し易くすることができる。
また、第一構成部の後側に第二構成部を取付けるようにすると、第二構成部により第一構成部の剛性を高めることができる。詳述すると、例えば、リサイクル等による遊技機の分解作業において、第一構成部を前方へ引っ張って遊技板から取外す際に、第一構成部の剛性が低いと、第一構成部が撓んでしまい、その撓みによって遊技板の位置決孔に挿入されていた位置決突起が傾くことで、位置決孔から抜け難くなり、分解作業に手間がかかる恐れがある。これに対して、第二構成部を第一構成部の後側に取付けるようにすると、第二構成部には球通路が設けられており、当該球通路はその断面がコ字状となっていることから、第二構成部の剛性が球通路の存在によって高められているため、この第二構成部を取付けることで第一構成部(入球ユニット)の剛性を高めることができる。従って、リサイクル等による遊技機の分解作業において、入球ユニットを前方へ引っ張った時に、入球ユニットの剛性が高められていることで位置決突起が突出している第一構成部が撓むことはないため、遊技板の位置決孔に対して位置決突起が傾くことはなく、遊技板から入球ユニットを簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、入球ユニットの第二構成部を、遊技板の後方の背面部材に取付けるようにすると、球通路を遊技板の後側において遊技板を貫通している開口よりも下方へ延出させることが可能となる。詳述すると、第一構成部に第二構成部を取付けるようにすると、第一構成部により遊技板の開口を前側から塞ぐことから、球通路が設けられている第二構成部を開口よりも小さくする必要があり、球通路の一部を遊技板の後側において開口よりも下方へ延出させることが困難となる。これに対して、第二構成部を遊技板の後方に設けられている背面部材に取付けるようにすると、球通路の一部を遊技板の後側において開口よりも下方へ延出させるようにすることができる。従って、球通路を遊技板の下端まで延出させることが可能となるため、下方へ排出される遊技球の落下高さを低くすることができ、排出される遊技球による衝撃を低減させることができる。また、球通路の一部を遊技板の後側において開口よりも下方へ延出させるようにすることができるため、遊技板を貫通している開口を、遊技板の下端まで下方へ延長させる必要がなく、遊技板の強度が低下することはない。
また、入球ユニットの第二構成部を遊技板の後方の背面部材に取付けるようにすると、球通路に設けられている球センサのような電子部品が遊技板の後方の背面部材側に設けられることとなり、電子部品を背面部材側に纏めることができ、遊技板側に球センサのような電子部品を設ける必要がない。従って、遊技機の組立作業や分解作業において、遊技板側から電子部品の配線が延出していないため、当該配線が障害釘等の部材に引っ掛かって作業の邪魔になったり配線が切れてしまったりすることはない。
なお、入球ユニットの第一構成部における遊技板に取付けるための取付孔を、位置決突起の近傍に設けることが望ましい。これにより、取付孔を介して取付ビスを遊技板にねじ込んで締め付けることで、位置決突起を遊技板側へ強く押し付けて遊技板の位置決孔へ確実に挿入させることができ、位置決突起の不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
このように、上記の解決手段によれば、入球ユニットの後方の空間を確保し易くすることでよりインパクトのある演出を提示することが可能な遊技機を提供することができる。
[15-9c.第九技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態の遊技盤5における遊技パネル1100のパネル板1110は上記解決手段の遊技板に、本実施形態におけるパネル板1110の開口部1112は上記解決手段の開口に、本実施形態における位置決孔1113は上記解決手段の位置決孔に、本実施形態における一般入賞口2001、及び第一構成部材2811の球受部2811bは上記解決手段の入球口に、本実施形態におけるサイドユニット2800、サイドユニット2800A、サイドユニット2800B、サイドユニット2800C、サイドユニット2800Gは上記解決手段の入球ユニットに、夫々相当している。
また、本実施形態におけるユニット本体2810の第一構成部材2811は上記解決手段の第一構成部に、本実施形態における位置決突起2811cは上記解決手段の位置決突起に、本実施形態における取付孔2811dは上記解決手段の取付孔に、本実施形態における第二構成部材2812及び第二構成部材2813は上記解決手段の第二構成部に、本実施形態における球通路2812a及び球通路2813aは上記解決手段の球通路に、本実施形態における球センサ2813b及び球センサ2815は上記解決手段の球センサに、本実施形態における裏ユニット3000(裏箱3010)は上記解決手段の背面部材に、本実施形態における裏下演出ユニット3500は上記解決手段の可動役物に、夫々相当している。
[15-9d.第九技術的特徴の特徴的な作用効果]
ここでは、本実施形態におけるサイドユニット2800、サイドユニット2800A、サイドユニット2800B、サイドユニット2800C、及びサイドユニット2800Gの特徴として、サイドユニット2800を代表して記載する。本実施形態によれば、遊技盤5において、サイドユニット2800における第一構成部材2811の位置決突起2811cを前方から遊技パネル1100におけるパネル板1110の位置決孔1113に挿入した上で、取付孔2811dを介して取付ビスをパネル板1110にねじ込んで締め付けることにより、パネル板1110の前面に第一構成部材2811(サイドユニット2800)を取付けることができると共に、第一構成部材2811によりパネル板1110を貫通している開口部1112を塞ぐことができるため、開口部1112を通してパネル板1110の後方を見え難くすることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができると共に、パネル板1110の後側から開口部1112を通して塵や埃等の異物がパネル板1110の前面(遊技領域5a)側へ侵入することを防止することができる。そして、第一構成部材2811の後側に設けられている第二構成部材2812に、パネル板1110の板厚内にかかるように開口部1112内においてパネル板1110の板面に沿って延出している球通路2812aを設けていることから、当該球通路2812aにより球受部2811b(一般入賞口2001)に入球した遊技球Bを、パネル板1110の板厚内にかかるようにして流下させることができるため、パネル板1110の板厚を利用することにより、サイドユニット2800におけるパネル板1110の後面からの後方への突出量を可及的に小さくすることができ、サイドユニット2800の後方のスペースをより広く確保することができる。従って、サイドユニット2800の後方に、裏下演出ユニット3500のような大きな演出装置や可動領域の広い演出装置等を設けることが可能となるため、よりインパクトのある演出を遊技者に提示することができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、球通路2812aにおける裏下演出ユニット3500の前方となる部位を、パネル板1110の板厚内にかかるようにしているため、裏下演出ユニット3500が設けられている部位の前後方向のスペースを十分に確保することができると共に、裏下演出ユニット3500の可動範囲をより広くすることができ、よりインパクトの高い演出を遊技者に見せることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、上述したように、パネル板1110の後側において裏下演出ユニット3500が設けられている部位の前後方向のスペースを十分に確保することが可能となるため、例えば、サイドユニット2800と裏下演出ユニット3500との間に装飾体を配置すること、当該装飾体により下降位置の裏下可動装飾体3510を遊技者から見え難いように隠すことができる。これにより、裏下可動装飾体3510を下降位置から上昇させると、裏下可動装飾体3510が出現するような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、サイドユニット2800では、各球受部2811bにおいて連通している夫々の支流部2801を、本流部2802に合流させて流下させるようにしているため、複数の球受部2811bに対して夫々に球通路2812aを設ける必要がなく、一つの球通路2812aで纏めて排出させることができると共に、サイドユニット2800の後方の空間を確保し易くすることができる。
更に、サイドユニット2800Aでは、球受部2811b(一般入賞口2001)に入球した遊技球Bを検知する球センサ2813bを、後方に設けられている裏下演出ユニット3500よりも下方の部位に設けているため、球センサ2813bが裏下演出ユニット3500の妨げになることはなく、裏下演出ユニット3500による所望の演出効果を十分に発揮させることができる。
また、サイドユニット2800のように、第一構成部材2811の後側に第二構成部材2812を取付けるようにすると、第二構成部材2812により第一構成部材2811の剛性を高めることができる。詳述すると、例えば、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、第一構成部材2811を前方へ引っ張ってパネル板1110から取外す際に、第一構成部材2811の剛性が低いと、第一構成部材2811が撓んでしまい、その撓みによってパネル板1110の位置決孔1113に挿入されていた位置決突起2811cが傾くことで、位置決孔1113から抜け難くなり、分解作業に手間がかかる恐れがある。これに対して、第二構成部材2812を第一構成部材2811の後側に取付けるようにすると、第二構成部材2812には球通路2812aが設けられており、当該球通路2812aはその断面がコ字状となっていることから、第二構成部材2812の剛性が球通路2812aの存在によって高められているため、この第二構成部材2812を取付けることで第一構成部材2811(サイドユニット2800)の剛性を高めることができる。従って、リサイクル等によるパチンコ機1の分解作業において、サイドユニット2800を前方へ引っ張った時に、サイドユニット2800の剛性が高められていることで位置決突起2811cが突出している第一構成部材2811が撓むことはないため、パネル板1110の位置決孔1113に対して位置決突起2811cが傾くことはなく、パネル板1110からサイドユニット2800を簡単に取外すことができ、分別する際の分解作業を軽減することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、サイドユニット2800Aでは、第二構成部材2813を、パネル板1110の後方の裏ユニット3000等の背面部材に取付けるようにしているため、球通路2813aをパネル板1110の後側においてパネル板1110を貫通している開口部1112よりも下方へ延出させることが可能となる。詳述すると、第一構成部材2811に第二構成部材2812を取付けるようにすると、第一構成部材2811によりパネル板1110の開口部1112を前側から塞ぐことから、球通路2812aが設けられている第二構成部材2812を開口部1112よりも小さくする必要があり、球通路2812aの一部をパネル板1110の後側において開口部1112よりも下方へ延出させることが困難となる。これに対して、サイドユニット2800Aでは、第二構成部材2813をパネル板1110の後方に設けられている裏ユニット3000等の背面部材に取付けるようにしているため、球通路2813aの一部をパネル板1110の後側において開口部1112よりも下方へ延出させるようにすることができる。従って、球通路2813aをパネル板1110の下端まで延出させることが可能となるため、下方へ排出される遊技球Bの落下高さを低くすることができ、排出される遊技球Bによる衝撃を低減させることができる。また、球通路2813aの一部をパネル板1110の後側において開口部1112よりも下方へ延出させるようにすることができるため、パネル板1110を貫通している開口部1112を、パネル板1110の下端まで下方へ延長させる必要がなく、パネル板1110の強度が低下することはない。
また、サイドユニット2800Aでは、第二構成部材2813をパネル板1110の後方の裏ユニット3000等の背面部材に取付けるようにしているため、球通路2813aに設けられている球センサ2813bのような電子部品がパネル板1110の後方の背面部材側に設けられることとなり、電子部品を背面部材側に纏めることができ、パネル板1110側に球センサ2813bのような電子部品を設ける必要がない。従って、パチンコ機1の組立作業や分解作業において、パネル板1110側から電子部品の配線が延出していないため、当該配線が障害釘等の部材に引っ掛かって作業の邪魔になったり配線が切れてしまったりすることはない。
また、サイドユニット2800では、第一構成部材2811におけるパネル板1110に取付けるための取付孔2811dを、位置決突起2811cの近傍に設けているため、取付孔2811dを介して取付ビスをパネル板1110にねじ込んで締め付けることで、位置決突起2811cをパネル板1110側へ強く押し付けてパネル板1110の位置決孔1113へ確実に挿入させることができ、位置決突起2811cの不完全挿入による浮き上がりを防止することができる。
[15-10.第十技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-10a.第十技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機として、遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルの開口に前方から装着されており、所定の装飾が施されている装飾体を有するセンター役物を、備えたものが知られている(例えば、特許文献Z:特開2017-074434号公報)。この特許文献Zの技術では、センター役物に設けられた装飾体により遊技機の見栄えを向上させるようにしている。
しかしながら、特許文献Zの技術では、平板状の装飾体をセンター役物の前端付近に設けているため、装飾体にレリーフ状の装飾が施されていても奥行き感に乏しく、遊技者によっては早期に見飽きてしまい、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがあった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、より装飾効果の高い装飾体を設けることで遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-10b.第十技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルを有する遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技盤は、
前記遊技パネルに形成された開口に前方から装着される枠状のセンターフレームと、
該センターフレームに取付けられており所定の装飾が施されている装飾体と、
を備え、
該装飾体は、
前記センターフレームの枠内に延出していると共に一部が該センターフレームの後端よりも後方へ突出している後装飾部と、該後装飾部よりも前方に設けられている前装飾部と、を有し、
前記後装飾部と前記前装飾部とは、互いに協調している装飾が施されている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技パネル」としては、「ベニヤ板(合板)のような不透明なパネル」、「透明樹脂からなるパネル板」、「透明樹脂からなるパネル板と、パネル板の外周縁を保持する枠状のパネルホルダと、から構成されているもの」、等が挙げられる。
また、「センターフレーム」としては、「遊技パネルの前面に当接可能な平板状のフランジ部と、フランジ部から前方へ延出しており遊技領域を流下する遊技球が遊技パネルの開口の内部に流入することを規制する流入規制部と、を有しているもの」、「遊技パネルの開口に挿入されると共に開口の内周面に沿うように設けられている挿入部と、挿入部の前端から遊技パネルの面に沿った方向へ延出し遊技パネルの前面に当接可能な平板状のフランジ部と、フランジ部よりも前方へ延出しており遊技領域を流下する遊技球が遊技パネルの開口の内部に流入することを規制する流入規制部と、を有しているもの」、等が挙げられる。
また、「装飾体」としては、「印刷や塗装等による絵柄からなる装飾が施されているもの」、「立体的に造形された装飾が施されているもの」、「メッキのような金属光沢を有する装飾が施されているもの」、等が挙げられる。
更に、「装飾体」としては、「LED基板に実装されているLEDの発光によって発光装飾されるもの」、「後方に設けられている電子部品(例えば、LED基板、中継基板、球センサ、磁気センサ、表示器(特別図柄の表示器)、ソレノイド、等)の配線を前方から視認し難くするための不透明部を有しているもの」、「センターフレームの後端よりも後方へ突出している電子部品(例えば、LED基板、中継基板、球センサ、磁気センサ、表示器(特別図柄の表示器)、ソレノイド、等)を有しているもの」、等が挙げられる。
また、「互いに協調している装飾」としては、「前装飾部の装飾と後装飾部の装飾とで一つの装飾(絵柄)を構成するような装飾」、「前装飾部の装飾と後装飾部の装飾とが互いに連続するような模様(図形)の装飾」、「前装飾部の装飾又は後装飾部の装飾が、後装飾部の装飾又は前装飾部の装飾を、引き立てる(強調する)ような装飾」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルを有する遊技盤を備えた遊技機において、遊技盤は、遊技パネルに形成された開口に前方から装着される枠状のセンターフレームと、センターフレームに取付けられており所定の装飾が施されている装飾体と、を備え、装飾体は、センターフレームの枠内に延出していると共に一部がセンターフレームの後端よりも後方へ突出している後装飾部と、後装飾部よりも前方に設けられている前装飾部と、を有し、後装飾部と前装飾部とは、互いに協調している装飾が施されているものである。([発明を実施するための形態]では、[11-2.第二実施形態のセンター役物]の章、及び、図98等の記載を参照)
これにより、遊技盤の遊技パネルに装着されるセンターフレームに、一部がセンターフレームの後端よりも後方へ突出している後装飾部と、後装飾部よりも前方に設けられている前装飾部とからなる装飾体を設けているため、装飾体の前装飾部と後装飾部とで奥行のある装飾を遊技者に見せることができる。この際に、後装飾部と前装飾部とに互いに協調している装飾を施しているため、大きな装飾を遊技者に見せることができ、後装飾部と前装飾部とで大きくて奥行きのある装飾効果の高い装飾体を構成することができる。従って、センターフレームに装飾効果の高い装飾体を設けることができるため、当該装飾体により遊技者の関心を強く引き付けさせて飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、装飾体を構成している後装飾部を、センターフレームの枠内に延出させているため、後装飾部によって遊技パネルの前面の遊技領域を狭めてしまったり遊技領域を流下する遊技球を見え辛くしてしまったりすることはなく、遊技領域における遊技球による遊技を良好な状態で遊技者に楽しませることができる。
更に、装飾体を構成している後装飾部を、センターフレームの枠内に延出させているため、遊技パネルの後方に演出表示装置、可動装飾体や装飾体、等が設けられている場合、後装飾部によって、演出表示装置(表示画面)の周りを装飾したり、装飾体(可動装飾体)と協働してより装飾効果の高い装飾(演出)を見せたり、することができ、遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
なお、前装飾部と後装飾部とを、正面視において少なくとも一部が重なるように設けることが望ましい。これにより、互いに協調している装飾が施されている前装飾部と後装飾部とを、正面視において一部が重なるように設けているため、正面(前)から見た時に、前装飾部の装飾と後装飾部の装飾との境目を判り難くすることが可能となり、前装飾部と後装飾部とによる大きな装飾をより良好な状態で遊技者に見せることができ、装飾体の装飾効果をより高めることができる。
また、センターフレームを透明に形成することが望ましい。これにより、センターフレームを透明にしているため、遊技者からセンターフレームを見え辛くして目立ち難くすることができ、相対的に装飾体(前装飾部及び後装飾部)を目立たせることができ、装飾体の装飾効果をより高めることができる。
更に、装飾体に、センターフレームに取付けられている電子部品の配線を前方から視認し難くする不透明部を有するようにしても良い。これにより、装飾体の不透明部により電子部品の配線を前方から視認し難くしていることから、不透明部により配線を隠すことができるため、配線が見えることで見栄えの悪化を防止することができ、装飾体による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
また、装飾体を、LEDが実装されているLED基板の前方に設けるようにしても良い。これにより、装飾体をLED基板の前方に設けるようにしていることから、装飾体(装飾)によってLED基板を隠すことができるため、LED基板が見えることで見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
また、センターフレームに、遊技領域内における遊技球による始動入球により抽選された特別図柄の抽選結果を表示可能な表示器を取付けるようにしても良い。これにより、センターフレームに特別図柄を表示するための表示器を取付けるようにしているため、センターフレームと一緒に表示器を遊技パネルに取付けることができ、表示器を別途に取付けるようにする場合と比較して、遊技機の組み立てにかかる手間を省くことができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記前装飾部と前記後装飾部とは、正面視において少なくとも一部が重なるように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、前装飾部と後装飾部とを、正面視において少なくとも一部が重なるように設けるものである。([発明を実施するための形態]では、装飾体2580に関する記載を参照)
これにより、互いに協調している装飾が施されている前装飾部と後装飾部とを、正面視において一部が重なるように設けているため、正面(前)から見た時に、前装飾部の装飾と後装飾部の装飾との境目を判り難くすることが可能となり、前装飾部と後装飾部とによる大きな装飾をより良好な状態で遊技者に見せることができ、装飾体の装飾効果をより高めることができる。
手段3:手段1及び手段2の構成において、
「前記センターフレームは、透明に形成されている」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、センターフレームを透明に形成するものである。換言すると、センターフレームを透明な部材により形成するものである。([発明を実施するための形態]では、センターフレーム2511に関する記載を参照)
これにより、センターフレームを透明にしているため、遊技者からセンターフレームを見え辛くして目立ち難くすることができ、相対的に装飾体(前装飾部及び後装飾部)を目立たせることができ、装飾体の装飾効果をより高めることができる。
また、センターフレームを透明にしているため、遊技パネルを透明にすると共に遊技パネルの後方に装飾体や演出表示装置を設けるようにする場合、センターフレームが目立ち難くなることで透明な遊技パネルを通して見える装飾体や演出画像等をより目立ち易くすることができ、遊技者をより楽しませられる遊技機を提供することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記装飾体は、
前記センターフレームに取付けられている電子部品の配線を前方から視認し難くする不透明部を有している」
ものであることを特徴とする。
ここで、「電子部品」としては、「LED基板」、「中継基板」、「遊技球を検知する球センサ」、「磁気センサ」、「特別図柄を表示するための表示器」、「可変入賞口を開閉させるためのソレノイド」、「可動装飾体を可動させるためのソレノイド又は駆動モータ」、等が挙げられる。
手段4の構成によると、装飾体に、センターフレームに取付けられている電子部品の配線を前方から視認し難くする不透明部を有するようにするものである。([発明を実施するための形態]では、装飾体2580に関する記載を参照)
これにより、装飾体の不透明部により電子部品の配線を前方から視認し難くしていることから、不透明部により配線を隠すことができるため、配線が見えることで見栄えの悪化を防止することができ、装飾体による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記装飾体は、
LEDが実装されているLED基板の前方に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、装飾体を、LEDが実装されているLED基板の前方に設けるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、装飾体2580のLED基板2586に関する記載を参照)
これにより、装飾体をLED基板の前方に設けるようにしていることから、装飾体(装飾)によってLED基板を隠すことができるため、LED基板が見えることで見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
また、LED基板に実装されているLEDからの光が装飾体に照射されるようにすると、LED基板により装飾体を発光装飾させることができるため、装飾体を明るく奇麗に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記センターフレームには、
前記遊技領域内における遊技球による始動入球により抽選された特別図柄の抽選結果を表示可能な表示器が取付けられている」
ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、センターフレームに、遊技領域内における遊技球による始動入球により抽選された特別図柄の抽選結果を表示可能な表示器を取付けるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、図柄表示器2518に関する記載を参照)
これにより、センターフレームに特別図柄を表示するための表示器を取付けるようにしているため、センターフレームと一緒に表示器を遊技パネルに取付けることができ、表示器を別途に取付けるようにする場合と比較して、遊技機の組み立てにかかる手間を省くことができる。
手段7:遊技機において、
「遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルを有する遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技盤は、
前記遊技領域内における遊技球による始動入球により抽選された特別図柄の抽選結果を表示可能な表示器が取付けられており、前記遊技パネルに形成された開口に前方から装着される枠状の透明なセンターフレームと、
該センターフレームに取付けられており所定の装飾が施されていると共に、前記センターフレームに取付けられている電子部品の配線を前方から視認し難くする不透明部を有しており、LEDが実装されているLED基板の前方に設けられている装飾体と、
を備え、
該装飾体は、
前記センターフレームの枠内に延出していると共に一部が該センターフレームの後端よりも後方へ突出している後装飾部と、該後装飾部よりも前方に設けられている前装飾部と、を有し、
前記後装飾部と前記前装飾部とは、互いに協調している装飾が施されていると共に、正面視において少なくとも一部が重なるように設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、遊技機として、遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルを有する遊技盤を備えた遊技機において、遊技盤は、遊技領域内における遊技球による始動入球により抽選された特別図柄の抽選結果を表示可能な表示器が取付けられており、遊技パネルに形成された開口に前方から装着される枠状の透明なセンターフレームと、センターフレームに取付けられており所定の装飾が施されていると共に、センターフレームに取付けられている電子部品の配線を前方から視認し難くする不透明部を有しており、LEDが実装されているLED基板の前方に設けられている装飾体と、を備え、装飾体は、センターフレームの枠内に延出していると共に一部がセンターフレームの後端よりも後方へ突出している後装飾部と、後装飾部よりも前方に設けられている前装飾部と、を有し、後装飾部と前装飾部とは、互いに協調している装飾が施されていると共に、正面視において少なくとも一部が重なるように設けられているものである。
これにより、遊技盤の遊技パネルに装着される透明なセンターフレームに、一部がセンターフレームの後端よりも後方へ突出している後装飾部と、後装飾部よりも前方に設けられている前装飾部とからなる装飾体を設けているため、センターフレームが透明であることで目立ち難くして相対的に装飾体を目立たせることができると共に、装飾体の前装飾部と後装飾部とで奥行のある装飾を遊技者に見せることができる。この際に、後装飾部と前装飾部とに互いに協調している装飾を施していると共に、正面視において夫々の一部が重なるように設けているため、正面(前)から見た時に、前装飾部の装飾と後装飾部の装飾との境目を判り難くすることが可能となり、前装飾部と後装飾部とによる大きな装飾を良好な状態で遊技者に見せることができ、後装飾部と前装飾部とで大きくて奥行きのある装飾効果の高い装飾体を構成することができる。従って、センターフレームに装飾効果の高い装飾体を設けることができるため、当該装飾体により遊技者の関心を強く引き付けさせて飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、装飾体を構成している後装飾部を、センターフレームの枠内に延出させているため、後装飾部によって遊技パネルの前面の遊技領域を狭めてしまったり遊技領域を流下する遊技球を見え辛くしてしまったりすることはなく、遊技領域における遊技球による遊技を良好な状態で遊技者に楽しませることができる。
更に、装飾体を構成している後装飾部を、センターフレームの枠内に延出させているため、遊技パネルの後方に演出表示装置、可動装飾体や装飾体、等が設けられている場合、後装飾部によって、演出表示装置(表示画面)の周りを装飾したり、装飾体(可動装飾体)と協働してより装飾効果の高い装飾(演出)を見せたり、することができ、遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、装飾体の不透明部により電子部品の配線を前方から視認し難くしていることから、不透明部により配線を隠すことができるため、配線が見えることで見栄えの悪化を防止することができ、装飾体による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
更に、装飾体をLED基板の前方に設けるようにしていることから、装飾体(装飾)によってLED基板を隠すことができるため、LED基板が見えることで見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
また、センターフレームに特別図柄を表示するための表示器を取付けるようにしているため、センターフレームと一緒に表示器を遊技パネルに取付けることができ、表示器を別途に取付けるようにする場合と比較して、遊技機の組み立てにかかる手間を省くことができる。
このように、上記の解決手段によれば、より装飾効果の高い装飾体を設けることで遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
[15-10c.第十技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態の遊技盤5におけるパネル板1110とパネルホルダ1120とからなる遊技パネル1100は上記解決手段の遊技パネルに、本実施形態におけるパネル板1110の開口部1112は上記解決手段の遊技パネルの開口に、本実施形態におけるセンター役物2500のセンターフレーム2511は上記解決手段のセンターフレームに、本実施形態における図柄表示器2518は上記解決手段の表示器に、本実施形態における装飾体2580は上記解決手段の装飾体に、本実施形態における前装飾部2581は上記解決手段の前装飾部に、本実施形態における後装飾部2582は上記解決手段の後装飾部に、本実施形態におけるLED基板2586は上記解決手段のLED基板に、夫々相当している。
[15-10d.第十技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態によれば、遊技盤5の遊技パネル1100に装着される透明なセンターフレーム2511に、一部がセンターフレーム2511の後端よりも後方へ突出している後装飾部2582と、後装飾部2582よりも前方に設けられている前装飾部2581とからなる装飾体2580を設けているため、センターフレーム2511が透明であることで目立ち難くして相対的に装飾体2580を目立たせることができると共に、装飾体2580の前装飾部2581と後装飾部2582とで奥行のある装飾を遊技者に見せることができる。この際に、後装飾部2582と前装飾部2581とに互いに協調している装飾を施していると共に、正面視において夫々の一部が重なるように設けているため、正面(前)から見た時に、前装飾部2581の装飾と後装飾部2582の装飾との境目を判り難くすることが可能となり、前装飾部2581と後装飾部2582とによる大きな装飾を良好な状態で遊技者に見せることができ、後装飾部2582と前装飾部2581とで大きくて奥行きのある装飾効果の高い装飾体2580を構成することができる。従って、センターフレーム2511に装飾効果の高い装飾体2580を設けることができるため、当該装飾体2580により遊技者の関心を強く引き付けさせて飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、装飾体2580を構成している後装飾部2582を、センターフレーム2511の枠内に延出させているため、後装飾部2582によって遊技パネル1100の前面の遊技領域5aを狭めてしまったり遊技領域5aを流下する遊技球Bを見え辛くしてしまったりすることはなく、遊技領域5aにおける遊技球Bによる遊技を良好な状態で遊技者に楽しませることができる。
更に、本実施形態によれば、装飾体2580を構成している後装飾部2582を、センターフレーム2511の枠内に延出させているため、遊技パネル1100の後方に設けられている演出表示装置1600、裏前演出ユニット3300、裏後演出ユニット3400等に対して、演出表示装置1600(表示画面)の周りを装飾したり、裏前演出ユニット3300や裏後演出ユニット3400の装飾体(可動装飾体)と協働してより装飾効果の高い装飾(演出)を見せたり、することができ、遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、装飾体2580の不透明部によりLED基板2586のような電子部品の配線を前方から視認し難くしていることから、不透明部により配線を隠すことができるため、配線が見えることで見栄えの悪化を防止することができ、装飾体2580による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
更に、本実施形態によれば、装飾体2580(前装飾部2581)をLED基板2586の前方に設けるようにしていることから、装飾体2580(装飾)によってLED基板2586を隠すことができるため、LED基板2586が見えることで見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体2580による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
また、本実施形態によれば、センターフレーム2511に特別図柄を表示するための図柄表示器2518を取付けるようにしているため、センターフレーム2511と一緒に図柄表示器2518を遊技パネル1100に取付けることができ、図柄表示器2518を別途に取付けるようにする場合と比較して、パチンコ機1の組立てにかかる手間を省くことができる。
[15-11.第十一技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-11a.第十一技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機として、遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルの開口に前方から装着されており、所定の装飾が施されている装飾体を有するセンター役物を、備えたものが知られている(例えば、特許文献Z:特開2017-074434号公報)。この特許文献Zの技術では、センター役物に設けられた装飾体により遊技機の見栄えを向上させるようにしている。
しかしながら、特許文献Zの技術では、平板状の装飾体をセンター役物の前端付近に設けているため、装飾体にレリーフ状の装飾が施されていても奥行き感に乏しく、遊技者によっては早期に見飽きてしまい、遊技者の興趣を低下させてしまう恐れがあった。
これに対して、センター役物に前後方向へ立体的に形成した装飾体を設けることで、装飾性を高めることが考えられるが、装飾体の後端がセンター役物(センターフレーム)よりも後方に突出していると、遊技機の製造時において突出している部位が邪魔になり易く、取回し(取扱い性)が悪くなることで、製造にかかるコストが増加する恐れがある。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、装飾性を維持しつつ製造時における取扱い性を向上させることが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-11b.第十一技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルを有する遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技盤は、
前記遊技パネルに形成された開口に前方から装着される枠状のセンターフレームと、
該センターフレームに取付けられており所定の装飾が施されている装飾体と、
を備え、
該装飾体は、
前記センターフレームの枠内に延出しており、該センターフレームの後端よりも前方に設けられている後装飾部と、
該後装飾部における少なくとも一部の前方に重なるように設けられている前装飾部と、を有している」ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技パネル」としては、「ベニヤ板(合板)のような不透明なパネル」、「透明樹脂からなるパネル板」、「透明樹脂からなるパネル板と、パネル板の外周縁を保持する枠状のパネルホルダと、から構成されているもの」、等が挙げられる。
また、「センターフレーム」としては、「遊技パネルの前面に当接可能な平板状のフランジ部と、フランジ部から前方へ延出しており遊技領域を流下する遊技球が遊技パネルの開口の内部に流入することを規制する流入規制部と、を有しているもの」、「遊技パネルの開口に挿入されると共に開口の内周面に沿うように設けられている挿入部と、挿入部の前端から遊技パネルの面に沿った方向へ延出し遊技パネルの前面に当接可能な平板状のフランジ部と、フランジ部よりも前方へ延出しており遊技領域を流下する遊技球が遊技パネルの開口の内部に流入することを規制する流入規制部と、を有しているもの」、等が挙げられる。
また、「装飾体」としては、「印刷や塗装等による絵柄からなる装飾が施されているもの」、「立体的に造形された装飾が施されているもの」、「メッキのような金属光沢を有する装飾が施されているもの」、等が挙げられる。
更に、「装飾体」としては、「LED基板に実装されているLEDの発光によって発光装飾されるもの」、「後方に設けられている電子部品(例えば、LED基板、中継基板、球センサ、磁気センサ、表示器(特別図柄の表示器)、ソレノイド、等)の配線を前方から視認し難くするための不透明部を有しているもの」、「センターフレームの後端よりも後方へ突出している電子部品(例えば、LED基板、中継基板、球センサ、磁気センサ、表示器(特別図柄の表示器)、ソレノイド、等)を有しているもの」、等が挙げられる。
また、装飾体を構成している後装飾部と前装飾部との関係としては、「後装飾部に、前装飾部の装飾と協調している装飾が施されているもの」、「後装飾部に、前装飾部の装飾と協調するように同じ装飾が施されているもの」、「後装飾部に、前装飾部の装飾とは異なる装飾が施されているもの」、「前装飾部の装飾(前装飾)に、後方の後装飾部の装飾(後装飾)が視認可能な透過部を有しているもの」、「前装飾部の装飾(前装飾)に、後方の後装飾部の装飾(後装飾)が視認可能な透過部と、透過部に設けられ前装飾の一部を構成している装飾が施されている複数のドット部と、を有しているもの」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルを有する遊技盤を備えた遊技機において、遊技盤は、遊技パネルに形成された開口に前方から装着される枠状のセンターフレームと、センターフレームに取付けられており所定の装飾が施されている装飾体と、を備え、装飾体は、センターフレームの枠内に延出しており、センターフレームの後端よりも前方に設けられている後装飾部と、後装飾部における少なくとも一部の前方に重なるように設けられている前装飾部と、を有しているものである。([発明を実施するための形態]では、[11-1.第一実施形態のセンター役物]の章、及び、図94乃至図97等の記載を参照)
これにより、遊技盤の遊技パネルに装着されるセンターフレームに、センターフレームの後端よりも前方に設けられている後装飾部と、後装飾部における少なくとも一部の前方と重なるように設けられている前装飾部とからなる装飾体を設けているため、装飾体の前装飾部と後装飾部とで奥行のある装飾を遊技者に見せることができる。この際に、後装飾部の一部と前装飾部とが重なるようにしているため、正面(前)から見た時に、前装飾部の装飾と後装飾部の装飾との境目を判り難くすることが可能となり、前装飾部と後装飾部とによる大きな装飾を遊技者に見せることができ、後装飾部と前装飾部とで大きくて奥行きのある装飾効果の高い装飾体を構成することができる。従って、センターフレームに装飾効果の高い装飾体を設けることができるため、当該装飾体により遊技者の関心を強く引き付けさせて飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、後装飾部をセンターフレームの後端よりも前方に設けており、センターフレームから後方へ突出することで遊技機の製造時において邪魔になるような部位が存在していないため、製造時における取回し(取扱い性)を良くすることができ、作業性が向上することにより製造にかかるコストの増加を抑制させることができる。具体的には、例えば、センターフレームの後端側を下にして作業台等に置いた時に、センターフレームがガタツクことはない。或いは、組立作業や運搬作業等においてセンターフレームを取回す際に、センターフレームの後端から装飾体の一部が後方へ突出していないため、センターフレームから突出している部位が他の部材等に当接して傷付いたり破損したりする恐れがない。このようなことから、細心の注意を払いながら作業する必要がなく、作業性を向上させることができる。
更に、装飾体を構成している後装飾部を、センターフレームの枠内に延出させているため、後装飾部によって遊技パネルの前面の遊技領域を狭めてしまったり遊技領域を流下する遊技球を見え辛くしてしまったりすることはなく、遊技領域における遊技球による遊技を良好な状態で遊技者に楽しませることができる。
また、装飾体を構成している後装飾部を、センターフレームの枠内に延出させているため、遊技パネルの後方に演出表示装置、可動装飾体や装飾体、等が設けられている場合、後装飾部によって、演出表示装置(表示画面)の周りを装飾したり、装飾体(可動装飾体)と協働してより装飾効果の高い装飾(演出)を見せたり、することができ、遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
なお、後装飾部には、前装飾部の装飾と協調している装飾を施すようにすることが望ましい。これにより、後装飾部に前装飾部の装飾と協調する装飾を施すようにしているため、後装飾部の装飾と前装飾部の装飾とで一つの大きな装飾を遊技者に見せることができ、装飾体の装飾効果をより高めることができる。
また、センターフレームを透明にすることが望ましい。これにより、センターフレームを透明にしているため、遊技者からセンターフレームを見え辛くして目立ち難くすることができ、相対的に装飾体(前装飾部及び後装飾部)を目立たせることができ、装飾体の装飾効果をより高めることができる。
また、装飾体に、センターフレームに取付けられている電子部品の配線を前方から視認し難くする不透明部を有するようにしても良い。これにより、装飾体の不透明部により電子部品の配線を前方から視認し難くしていることから、不透明部により配線を隠すことができるため、配線が見えることで見栄えの悪化を防止することができ、装飾体による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
更に、後装飾部には、正面視において前装飾部の前装飾における前方に重なっている部位と同じ装飾の後装飾が施されており、前装飾部には、前装飾における少なくとも前装飾部と後装飾部との間の一部に設けられている遊技球が流通する球通路の前方の部位に、後装飾及び球通路を流通している遊技球を前方から視認可能な透過部を有するようにしても良い。これにより、前装飾部と後装飾部との間に設けられている球通路を遊技球が流通していない時には、前装飾部の前装飾における球通路の前方の部位に設けられている透過部を通して、後方に設けられている後装飾部の後装飾を視認することができる。この際に、後装飾部の後装飾が前装飾部の前装飾と同じ装飾であるため、後装飾部の後装飾が前装飾部の前装飾における透過部を補うことで、前装飾部の前装飾に透過部が無いよう本来の装飾を遊技者に見せることができ、装飾体による装飾効果を確実に発揮させることができる。一方、前装飾部と後装飾部との間に設けられている球通路を遊技球が流通している時には、前装飾部の前装飾における透過部を通して遊技球が見えることとなるため、一時的にせよ遊技球が見えなくなることで遊技者に対して不信感や不安感等を与えてしまうことを回避させることができ、遊技球による遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記のように、前装飾部の前装飾における球通路の前方の部位に透過部を設けると共に、透過部の後方の後装飾部に前装飾と同じ後装飾を施す場合、前装飾部は、透過部に設けられ遊技球よりも小さい大きさで前装飾の一部を構成している装飾が施されている複数のドット部を有するようにしても良い。これにより、前装飾部の前装飾における透過部を通して見える後装飾部の装飾が、前装飾部と後装飾部との間に設けられている球通路を流通している遊技球により遮られて見えなくなっても、当該遊技球の前方の透過部に設けられている複数のドット部の装飾が見えることで、遊技者に対して球通路内の遊技球を視認させつつ装飾体の見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体による装飾効果を十分に発揮させることができる。
また、装飾体を、LEDが実装されているLED基板の前方に設けるようにしても良い。これにより、装飾体をLED基板の前方に設けるようにしていることから、装飾体(装飾)によってLED基板を隠すことができるため、LED基板が見えることで見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
また、センターフレームに、遊技領域内における遊技球による始動入球により抽選された特別図柄の抽選結果を表示可能な表示器を取付けるようにしても良い。これにより、センターフレームに特別図柄を表示するための表示器を取付けるようにしているため、センターフレームと一緒に表示器を遊技パネルに取付けることができ、表示器を別途に取付けるようにする場合と比較して、遊技機の組み立てにかかる手間を省くことができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記後装飾部には、前記前装飾部の装飾と協調している装飾が施されている」
ものであることを特徴とする。
ここで、「協調している装飾」としては、「前装飾部の装飾と後装飾部の装飾とで一つの装飾(絵柄)を構成するような装飾」、「前装飾部の装飾と後装飾部の装飾とが互いに連続するような模様(図形)の装飾」、「前装飾部の装飾又は後装飾部の装飾が、後装飾部の装飾又は前装飾部の装飾を、引き立てる(強調する)ような装飾」、等が挙げられる。
手段2の構成によると、後装飾部には、前装飾部の装飾と協調している装飾を施すようにするものである。([発明を実施するための形態]では、装飾体2570及び装飾体2570Aに関する記載を参照)
これにより、後装飾部に前装飾部の装飾と協調する装飾を施すようにしているため、後装飾部の装飾と前装飾部の装飾とで一つの大きな装飾を遊技者に見せることができ、装飾体の装飾効果をより高めることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記センターフレームは、透明に形成されている」
ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、センターフレームを透明に形成するものである。換言すると、センターフレームを透明な部材により形成するものである。([発明を実施するための形態]では、センターフレーム2511に関する記載を参照)
これにより、センターフレームを透明にしているため、遊技者からセンターフレームを見え辛くして目立ち難くすることができ、相対的に装飾体(前装飾部及び後装飾部)を目立たせることができ、装飾体の装飾効果をより高めることができる。
また、センターフレームを透明にしているため、遊技パネルを透明にすると共に遊技パネルの後方に装飾体や演出表示装置を設けるようにする場合、センターフレームが目立ち難くなることで透明な遊技パネルを通して見える装飾体や演出画像等をより目立ち易くすることができ、遊技者をより楽しませられる遊技機を提供することができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記装飾体は、
前記センターフレームに取付けられている電子部品の配線を前方から視認し難くする不透明部を有している」
ものであることを特徴とする。
ここで、「電子部品」としては、「LED基板」、「中継基板」、「遊技球を検知する球センサ」、「磁気センサ」、「特別図柄を表示するための表示器」、「可変入賞口を開閉させるためのソレノイド」、「可動装飾体を可動させるためのソレノイド又は駆動モータ」、等が挙げられる。
手段4の構成によると、装飾体に、センターフレームに取付けられている電子部品の配線を前方から視認し難くする不透明部を有するようにするものである。([発明を実施するための形態]では、装飾体2570及び装飾体2570Aに関する記載を参照)
これにより、装飾体の不透明部により電子部品の配線を前方から視認し難くしていることから、不透明部により配線を隠すことができるため、配線が見えることで見栄えの悪化を防止することができ、装飾体による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記後装飾部には、正面視において前記前装飾部の前装飾における前方に重なっている部位と同じ装飾の後装飾が施されており、
前記前装飾部には、前記前装飾における少なくとも前記前装飾部と前記後装飾部との間の一部に設けられている遊技球が流通する球通路の前方の部位に、前記後装飾及び前記球通路を流通している遊技球を前方から視認可能な透過部を有している」
ものであることを特徴とする。
ここで、「透過部」としては、「無色透明の部位」、「有色透明の部位」、「貫通孔の部位」、等が挙げられる。
手段5の構成によると、後装飾部には、正面視において前装飾部の前装飾における前方に重なっている部位と同じ装飾の後装飾が施されており、前装飾部には、前装飾における少なくとも前装飾部と後装飾部との間の一部に設けられている遊技球が流通する球通路の前方の部位に、後装飾及び球通路を流通している遊技球を前方から視認可能な透過部を有するようにするものである。([発明を実施するための形態]では、装飾体2570に関する記載を参照)
これにより、前装飾部と後装飾部との間に設けられている球通路を遊技球が流通していない時には、前装飾部の前装飾における球通路の前方の部位に設けられている透過部を通して、後方に設けられている後装飾部の後装飾を視認することができる。この際に、後装飾部の後装飾が前装飾部の前装飾と同じ装飾であるため、後装飾部の後装飾が前装飾部の前装飾における透過部を補うことで、前装飾部の前装飾に透過部が無いよう本来の装飾を遊技者に見せることができ、装飾体による装飾効果を確実に発揮させることができる。
一方、前装飾部と後装飾部との間に設けられている球通路を遊技球が流通している時には、前装飾部の前装飾における透過部を通して遊技球が見えることとなるため、一時的にせよ遊技球が見えなくなることで遊技者に対して不信感や不安感等を与えてしまうことを回避させることができ、遊技球による遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段6:手段5の構成において、
「前記前装飾部は、
前記透過部に設けられており遊技球よりも小さい大きさで前記前装飾の一部を構成している装飾が施されている複数のドット部を有している」
ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、前装飾部は、透過部に設けられ遊技球よりも小さい大きさで前装飾の一部を構成している装飾が施されている複数のドット部を有しているものである。([発明を実施するための形態]では、装飾体2570に関する記載を参照)
これにより、前装飾部の前装飾における透過部を通して見える後装飾部の装飾が、前装飾部と後装飾部との間に設けられている球通路を流通している遊技球により遮られて見えなくなっても、当該遊技球の前方の透過部に設けられている複数のドット部の装飾が見えることで、遊技者に対して球通路内の遊技球を視認させつつ装飾体の見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体による装飾効果を十分に発揮させることができる。
手段7:遊技機において、
「遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルを有する遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技盤は、
前記遊技パネルに形成された開口に前方から装着される枠状の透明なセンターフレームと、
該センターフレームに取付けられており所定の装飾が施されていると共に、前記センターフレームに取付けられている電子部品の配線を前方から視認し難くする不透明部を有している装飾体と、
を備え、
該装飾体は、
前記センターフレームの枠内に延出しており、該センターフレームの後端よりも前方に設けられている後装飾部と、
該後装飾部における少なくとも一部の前方に重なるように設けられている前装飾部と、を有し、
前記後装飾部には、前記前装飾部の前装飾と協調し正面視において前記前装飾部の前記前装飾における前方に重なっている部位と同じ装飾の後装飾が施されており、
前記前装飾部には、前記前装飾における少なくとも前記前装飾部と前記後装飾部との間の一部に設けられている遊技球が流通する球通路の前方の部位に、前記後装飾及び前記球通路を流通している遊技球を前方から視認可能な透過部と、前記透過部に設けられており遊技球よりも小さい大きさで前記前装飾の一部を構成している装飾が施されている複数のドット部と、を有している」
ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルを有する遊技盤を備えた遊技機において、遊技盤は、遊技パネルに形成された開口に前方から装着される枠状の透明なセンターフレームと、センターフレームに取付けられており所定の装飾が施されていると共に、センターフレームに取付けられている電子部品の配線を前方から視認し難くする不透明部を有している装飾体と、を備え、装飾体は、センターフレームの枠内に延出しており、センターフレームの後端よりも前方に設けられている後装飾部と、後装飾部における少なくとも一部の前方に重なるように設けられている前装飾部と、を有し、後装飾部には、前装飾部の前装飾と協調し正面視において前装飾部の前装飾における前方に重なっている部位と同じ装飾の後装飾が施されており、前装飾部には、前装飾における少なくとも前装飾部と後装飾部との間の一部に設けられている遊技球が流通する球通路の前方の部位に、後装飾及び球通路を流通している遊技球を前方から視認可能な透過部と、透過部に設けられており遊技球よりも小さい大きさで前装飾の一部を構成している装飾が施されている複数のドット部と、を有しているものである。
これにより、遊技盤の遊技パネルに装着される透明なセンターフレームに、センターフレームの後端よりも前方に設けられている後装飾部と、後装飾部における少なくとも一部の前方と重なるように設けられている前装飾部とからなる装飾体を設けているため、センターフレームが透明であることで目立ち難くして相対的に装飾体を目立たせることができると共に、装飾体の前装飾部と後装飾部とで奥行のある装飾を遊技者に見せることができる。この際に、後装飾部と前装飾部とに互いに協調している装飾を施していると共に、正面視において夫々の一部が重なるように設けているため、正面(前)から見た時に、前装飾部の装飾と後装飾部の装飾との境目を判り難くすることが可能となり、前装飾部と後装飾部とによる大きな装飾を良好な状態で遊技者に見せることができ、後装飾部と前装飾部とで大きくて奥行きのある装飾効果の高い装飾体を構成することができる。従って、センターフレームに装飾効果の高い装飾体を設けることができるため、当該装飾体により遊技者の関心を強く引き付けさせて飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
また、後装飾部には、正面視において前装飾部の前装飾における前方に重なっている部位と同じ装飾の後装飾を施し、前装飾部には、前装飾における少なくとも前装飾部と後装飾部との間の一部に設けられている遊技球が流通する球通路の前方の部位に、後装飾及び球通路を流通している遊技球を前方から視認可能な透過部と、透過部に設けられ遊技球よりも小さい大きさで前装飾の一部を構成している装飾が施されている複数のドット部と、を有するようにしているため、前装飾部と後装飾部との間に設けられている球通路を遊技球が流通していない時には、前装飾部の前装飾における球通路の前方の部位に設けられている透過部を通して、後方に設けられている後装飾部の後装飾を視認することができる。この際に、後装飾部の後装飾が前装飾部の前装飾と同じ装飾であるため、後装飾部の後装飾が前装飾部の前装飾における透過部を補うことで、前装飾部の前装飾に透過部が無いよう本来の装飾を遊技者に見せることができ、装飾体による装飾効果を確実に発揮させることができる。
一方、前装飾部と後装飾部との間に設けられている球通路を遊技球が流通している時には、前装飾部の前装飾における透過部を通して遊技球が見えることとなるため、一時的にせよ遊技球が見えなくなることで遊技者に対して不信感や不安感等を与えてしまうことを回避させることができ、遊技球による遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。この際に、透過部に前装飾の一部を構成している複数のドット部を設けているため、前装飾部の前装飾における透過部を通して見える後装飾部の装飾が、前装飾部と後装飾部との間に設けられている球通路を流通している遊技球により遮られて見えなくなっても、当該遊技球の前方の透過部に設けられている複数のドット部の装飾が見えることで、遊技者に対して球通路内の遊技球を視認させつつ装飾体の見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体による装飾効果を十分に発揮させることができる。
また、後装飾部をセンターフレームの後端よりも前方に設けており、センターフレームから後方へ突出することで遊技機の製造時において邪魔になるような部位が存在していないため、製造時における取回し(取扱い性)を良くすることができ、作業性が向上することにより製造にかかるコストの増加を抑制させることができる。具体的には、例えば、センターフレームの後端側を下にして作業台等に置いた時に、センターフレームがガタツクことはない。或いは、組立作業や運搬作業等においてセンターフレームを取回す際に、センターフレームの後端から装飾体の一部が後方へ突出していないため、センターフレームから突出している部位が他の部材等に当接して傷付いたり破損したりする恐れがない。このようなことから、細心の注意を払いながら作業する必要がなく、作業性を向上させることができる。
また、装飾体を構成している後装飾部を、センターフレームの枠内に延出させているため、後装飾部によって遊技パネルの前面の遊技領域を狭めてしまったり遊技領域を流下する遊技球を見え辛くしてしまったりすることはなく、遊技領域における遊技球による遊技を良好な状態で遊技者に楽しませることができる。
更に、装飾体を構成している後装飾部を、センターフレームの枠内に延出させているため、遊技パネルの後方に演出表示装置、可動装飾体や装飾体、等が設けられている場合、後装飾部によって、演出表示装置(表示画面)の周りを装飾したり、装飾体(可動装飾体)と協働してより装飾効果の高い装飾(演出)を見せたり、することができ、遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能な訴求力の高い遊技機を提供することができる。
また、装飾体の不透明部により電子部品の配線を前方から視認し難くしていることから、不透明部により配線を隠すことができるため、配線が見えることで見栄えの悪化を防止することができ、装飾体による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
このように、上記の解決手段によれば、装飾性を維持しつつ製造時における取扱い性を向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
[15-11c.第十一技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態の遊技盤5におけるパネル板1110とパネルホルダ1120とからなる遊技パネル1100は上記解決手段の遊技パネルに、本実施形態におけるパネル板1110の開口部1112は上記解決手段の遊技パネルの開口に、本実施形態におけるセンター役物2500のセンターフレーム2511は上記解決手段のセンターフレームに、本実施形態における球通路2517は上記解決手段の球通路に、本実施形態における装飾体2570及び装飾体2570Aは上記解決手段の装飾体に、本実施形態における前装飾部2572は上記解決手段の前装飾部に、本実施形態における透過部2572aは上記解決手段の透過部に、本実施形態におけるドット部2572bは上記解決手段のドット部に、本実施形態における後装飾部2573は上記解決手段の後装飾部に、夫々相当している。
[15-11d.第十一技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態によれば、遊技盤5の遊技パネル1100に装着される透明なセンターフレーム2511に、センターフレーム2511の後端よりも前方に設けられている後装飾部2573と、後装飾部2573における少なくとも一部の前方と重なるように設けられている前装飾部2572とからなる装飾体2570(装飾体2570A)を設けているため、センターフレーム2511が透明であることで目立ち難くして相対的に装飾体2570(装飾体2570A)を目立たせることができると共に、装飾体2570(装飾体2570A)の前装飾部2572と後装飾部2573とで奥行のある装飾を遊技者に見せることができる。この際に、後装飾部2573と前装飾部2572とに互いに協調している装飾を施していると共に、正面視において夫々の一部が重なるように設けているため、正面(前)から見た時に、前装飾部2572の装飾と後装飾部2573の装飾との境目を判り難くすることが可能となり、前装飾部2572と後装飾部2573とによる大きな装飾を良好な状態で遊技者に見せることができ、後装飾部2573と前装飾部2572とで大きくて奥行きのある装飾効果の高い装飾体2570(装飾体2570A)を構成することができる。従って、センターフレーム2511に装飾効果の高い装飾体2570(装飾体2570A)を設けることができるため、当該装飾体2570(装飾体2570A)により遊技者の関心を強く引き付けさせて飽きさせ難くすることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、装飾体2570において、後装飾部2573には、正面視において前装飾部2572の装飾(前装飾)における前方に重なっている部位と同じ装飾の装飾(後装飾)を施し、前装飾部2572には、前装飾部2572の装飾における少なくとも前装飾部2572と後装飾部2573との間の一部に設けられている遊技球Bが流通する球通路2517の前方の部位に、後装飾部2573の装飾、及び、球通路2517を流通している遊技球B、を前方から視認可能な透過部2572aと、透過部2572aに設けられ遊技球Bよりも小さい大きさで前装飾部2572の装飾の一部を構成している装飾が施されている複数のドット部2572bと、を有するようにしているため、前装飾部2572と後装飾部2573との間に設けられている球通路2517を遊技球Bが流通していない時には、前装飾部2572の装飾における球通路2517の前方の部位に設けられている透過部2572aを通して、後方に設けられている後装飾部2573の装飾を視認することができる。この際に、後装飾部2573の装飾が前装飾部2572の装飾と同じ装飾であるため、後装飾部2573の装飾が前装飾部2572の装飾における透過部2572aを補うことで、前装飾部2572の装飾に透過部2572aが無いよう本来の装飾を遊技者に見せることができ、装飾体2570による装飾効果を確実に発揮させることができる。
一方、前装飾部2572と後装飾部2573との間に設けられている球通路2517を遊技球Bが流通している時には、前装飾部2572の装飾における透過部2572aを通して遊技球Bが見えることとなるため、一時的にせよ遊技球Bが見えなくなることで遊技者に対して不信感や不安感等を与えてしまうことを回避させることができ、遊技球Bによる遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。この際に、透過部2572aに前装飾部2572の装飾の一部を構成している複数のドット部2572bを設けているため、前装飾部2572の装飾における透過部2572aを通して見える後装飾部2573の装飾が、前装飾部2572と後装飾部2573との間に設けられている球通路2517を流通している遊技球Bにより遮られて見えなくなっても、当該遊技球Bの前方の透過部2572aに設けられている複数のドット部2572bの装飾が見えることで、遊技者に対して球通路2517内の遊技球Bを視認させつつ装飾体2570の見栄えが悪くなることを回避させることができ、装飾体2570による装飾効果を十分に発揮させることができる。
また、本実施形態によれば、装飾体2570(装飾体2570A)において、後装飾部2573をセンターフレーム2511の後端よりも前方に設けており、センターフレーム2511から後方へ突出することでパチンコ機1の製造時において邪魔になるような部位が存在していないため、製造時における取回し(取扱い性)を良くすることができ、作業性が向上することにより製造にかかるコストの増加を抑制させることができる。具体的には、例えば、センターフレーム2511の後端側を下にして作業台TA等に置いた時に、センターフレーム2511がガタツクことはない。或いは、組立作業や運搬作業等においてセンターフレーム2511を取回す際に、センターフレーム2511の後端から装飾体2570(装飾体2570A)の一部が後方へ突出していないため、センターフレーム2511から突出している部位が他の部材等に当接して傷付いたり破損したりする恐れがない。このようなことから、細心の注意を払いながら作業する必要がなく、作業性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、装飾体2570(装飾体2570A)を構成している後装飾部2573を、センターフレーム2511の枠内に延出させているため、後装飾部2573によって遊技パネル1100の前面の遊技領域5aを狭めてしまったり遊技領域5aを流下する遊技球Bを見え辛くしてしまったりすることはなく、遊技領域5aにおける遊技球Bによる遊技を良好な状態で遊技者に楽しませることができる。
更に、本実施形態によれば、装飾体2570(装飾体2570A)を構成している後装飾部2573を、センターフレーム2511の枠内に延出させているため、遊技パネル1100の後方に設けられている演出表示装置1600、裏前演出ユニット3300、裏後演出ユニット3400等に対して、演出表示装置1600(表示画面)の周りを装飾したり、裏前演出ユニット3300や裏後演出ユニット3400の装飾体(可動装飾体)と協働してより装飾効果の高い装飾(演出)を見せたり、することができ、遊技者の関心を強く引き付けさせることが可能な訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。
また、本実施形態によれば、装飾体2570(装飾体2570A)の不透明部によりLED基板のような電子部品の配線を前方から視認し難くしていることから、不透明部により配線を隠すことができるため、配線が見えることで見栄えの悪化を防止することができ、装飾体2570(装飾体2570A)による装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
[15-12.第十二技術的特徴]
本明細書には、上記とは異なる以下のような技術的特徴を有している。
[15-12a.第十二技術的特徴の背景]
パチンコ機のような遊技機として、遊技球が流下可能な遊技領域が形成される遊技パネルの開口に前方から装着されており、遊技領域を流下する遊技球が遊技パネルの開口に流入することを規制する流入規制部としてのセンター役物を、備えたものが知られている(例えば、特許文献Z:特開2017-074434号公報)。特許文献Zの技術によれば、センター役物によって遊技領域を所望の大きさに区画することが可能である。
しかしながら、特許文献Zの技術では、遊技機の機種により遊技パネルの開口の大きさが異なる場合、センター役物(流入規制部)を別途に製造する必要があり、流入規制部を流用することは困難であった。
そこで、以下の手段では、上記の実情に鑑み、機種によって遊技パネルの開口が異なっていても流入規制部を流用することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
[15-12b.第十二技術的特徴の解決手段]
手段1:遊技機において、
「遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技盤は、
前面側に前記遊技領域が形成される遊技パネルと、
該遊技パネルに形成された開口の縁部に対応して設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が前記開口の内部に流入することを規制する流入規制部と、
を備え、
該流入規制部は、第一流入規制部と第二流入規制部とを少なくとも有し、
前記第一流入規制部と前記第二流入規制部には、前記遊技パネルの前面に沿ったフランジ部が夫々形成されていると共に、夫々の端部の少なくとも一方には該フランジ部が形成されていない非フランジ部が形成されており、前記フランジ部に設けられた取付部によって前記遊技パネルの前面に前記第一流入規制部の端部と前記第二流入規制部の端部とが隣り合うように取付けられる」
ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技パネル」としては、「ベニヤ板(合板)のような不透明なパネル」、「透明樹脂からなるパネル板」、「透明樹脂からなるパネル板と、パネル板の外周縁を保持する枠状のパネルホルダと、から構成されているもの」、等が挙げられる。
また、「フランジ部」としては、「流入規制部を境にして遊技パネルにおける開口の外側の方向へ延出しているもの」、「流入規制部を境にして遊技パネルにおける開口の内側の方向へ延出しているもの」、「流入規制部を境にして遊技パネルにおける開口の外側及び内側の両方の方向へ延出しているもの」、等が挙げられる。
また、「非フランジ部」としては、流入規制部における遊技パネルの中心を向いている側面に設けられていても良いし、流入規制部における遊技パネルの中心とは反対の外方を向いている側面に設けられていても良いし、流入規制部の両方の側面に設けられていても良い。
更に、「第一流入規制部の端部と第二流入規制部の端部とが隣り合うように取付けられる」構成としては、「第一流入規制部の端部の端面と、第二流入規制部の端部の端面とが、互いに対面するように取付けられる」、「第一流入規制部の端部の内側の側面と、第二流入規制部の端部の外側の側面とが、互いに対面するように取付けられる」、「第一流入規制部の端部の外側の側面と、第二流入規制部の端部の内側の側面とが、互いに対面するように取付けられる」、等が挙げられる。また、第一流入規制部の端部と第二流入規制部の端部とは、互いに接していても良いし、互いに離れていても良い。
手段1の構成によると、遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を備えた遊技機において、遊技盤は、前面側に遊技領域が形成される遊技パネルと、遊技パネルに形成された開口の縁部に対応して設けられ、遊技領域を流下する遊技球が開口の内部に流入することを規制する流入規制部と、を備え、流入規制部は、第一流入規制部と第二流入規制部とを少なくとも有し、第一流入規制部と第二流入規制部には、遊技パネルの前面に沿ったフランジ部が夫々形成されていると共に、夫々の端部の少なくとも一方にはフランジ部が形成されていない非フランジ部が形成されており、フランジ部に設けられた取付部によって遊技パネルの前面に第一流入規制部の端部と第二流入規制部の端部とが隣り合うように取付けられるものである。([発明を実施するための形態]では、[11-3.第三実施形態のセンター役物]の章、及び、図99乃至図102等の記載を参照)
これにより、前面側に遊技領域が形成される遊技パネルの開口の縁部に対応して設けられ、遊技球が開口の内部に流入することを規制する流入規制部を、少なくとも第一流入規制部と第二流入規制部とで構成し、夫々に設けられているフランジ部の取付部を介して遊技パネルの前面に第一流入規制部の端部と第二流入規制部の端部とが隣り合うように取付けるようにしているため、遊技パネルに対する第一流入規制部と第二流入規制部との取付位置の関係を適宜選択することにより、流入規制部を新たに製造しなくても様々な大きさや形状の開口を有する遊技パネルに取付けることができ、機種が異なっていても流入規制部を流用することができる。
詳述すると、例えば、第一流入規制部の端部と第二流入規制部の端部とが、互いに離れるように取付けることで、開口の大きい遊技パネルに対応することができる。この場合、第一流入規制部の端部と第二流入規制部の端部との間の隙間は、遊技球が通過不能な大きさとすることが望ましいが、遊技球が通過可能な大きさの場合は障害釘を植設することにより遊技球を通過不能とするようにしても良い。
或いは、第一流入規制部の端部と第二流入規制部の端部とが、夫々の側面同士が対面するように取付けることで、開口の小さい遊技パネルに対応することができる。この際に、第一流入規制部及び第二流入規制部の少なくとも一方の端部に非フランジ部を設けていることから、第一流入規制部の端部の側面と第二流入規制部の端部の側面とを可及的に接近させることが可能となるため、第一流入規制部と第二流入規制部との配置自由度を高めることができ、様々な大きさの開口を有する遊技パネルに対応し易くすることができる。
また、上述したように、様々な大きさの開口を有する遊技パネルに対応することが可能であることから、設計変更等により遊技領域の大きさを変えたい場合、第一流入規制部と第二流入規制部との取付位置の関係を変更することで、遊技領域の大きさを簡単に変更することができ、遊技機の設計自由度を高めることができる。従って、変更する大きさの遊技領域に合わせた流入規制部を新たに製造する必要はなく、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
なお、遊技盤に、第一流入規制部が設けられている第一フレームから第n流入規制部(nは二以上の整数)が設けられている第nフレームまでの複数のフレームと、少なくとも一つのフレームが遊技パネルから落下することを阻止する連結保持部とを、更に備えるようにしても良い。これにより、流入規制部を複数のフレームにより構成しているため、遊技パネルに対する各フレームの取付位置を適宜設定することにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、流入規制部を複数のフレームにより構成しているため、一部のフレームに不具合が発生した場合、当該フレームのみを交換すれば良く、メンテナンスにかかるコストを低減させることができる。更に、連結保持部を設けているため、遊技機の組立てやメンテナンス等の際に、遊技パネルから落下してフレームが傷付いたり破損したりすることを回避させることができる。
また、上記のように、連結保持部を設ける場合、連結保持部を、可撓性を有する紐状に形成されているものとすることが望ましい。これにより、連結保持部を、可撓性を有する紐状のものとしているため、例えば、第一流入規制部(第一フレーム)と第二流入規制部(第二フレーム)との取付位置の関係を変更しても、連結保持部が可撓変形することにより追従することができ、遊技パネルからのフレームの落下を防止しつつ、遊技パネルの開口の大きさや形状等に対応することができる。
また、上記のように、可撓性を有する紐状の連結保持部を設けると、遊技パネルからフレームが外れようとした時に、連結保持部が可撓変形しようとすることで抵抗となり、直ちに遊技パネルから外れることを抑制させることができる。そして、遊技パネルからフレームが外れた場合、連結保持部が可撓変形することにより、落下速度を低減させたり衝撃を吸収したりすることが可能となるため、フレームの破損を防止することができる。
更に、上記のように、連結保持部を設ける場合、連結保持部により隣接しているフレーム同士を繋ぐようにすることが望ましい。これにより、連結保持部の一方の端部を遊技パネルや他の部材に接続する場合と比較して、複数のフレームを一塊として扱い易くすることができ、遊技機の製造時等における作業性を向上させることができる。
また、上記のように、連結保持部を設ける場合、連結保持部を、フレームに対して着脱可能に設けるようにすることが望ましい。これにより、例えば、複数のフレームを順番に遊技パネルに取付けたり、メンテナンス等により一部のフレームを遊技パネルから取外したり、する際に、連結保持部を取外した状態にしたり取付けた状態にしたりすることにより、フレームの取回しや取扱いを良くすることができ、作業性を向上させることができる。
また、上記のように、連結保持部を着脱可能にすると、フレームを遊技パネルに取付けるまでは連結保持部により繋いでおき、フレームを遊技パネルに取付けたら連結保持部を取外すようにすることが可能となり、連結保持部の存在により見栄えが悪くなることを回避させることができる。
更に、上記のように、複数のフレームを設ける場合、遊技盤に、少なくとも一つのフレームに取付けられている電子部品を更に備えるようにしても良い。これにより、少なくとも一つのフレームに電子部品が取付けられるようにしており、電子部品が取付けられているフレームの重量が重くなることから、遊技機の組立作業等において当該フレームが遊技パネルから外れて落下すると、その重量により当該フレームが破損し易くなるが、フレームの落下を阻止する連結保持部が設けられているため、当該フレームが作業台や床等に落下して破損してしまうことはない。従って、フレームに取付けられている電子部品による効果を確実に発揮させることが可能な遊技機を提供することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記遊技盤は、
前記第一流入規制部が設けられている第一フレームから第n流入規制部(nは二以上の整数)が設けられている第nフレームまでの複数のフレームと、
少なくとも一つの該フレームが前記遊技パネルから落下することを阻止する連結保持部と
を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、複数のフレームの数「n」としては、2~6の範囲内が望ましい。この範囲よりもフレームの数が多くなると、遊技機の製造の際にフレームの取付けに手間がかかるようになりコストが増加する恐れがあるためである。複数のフレームのうち、一部のフレームにLED基板のような電子部品が取付けられていても良い。
また、「連結保持部」としては、「可撓性を有する紐状のもの」、「可撓性を有する帯状のもの」、等が挙げられる。また、「連結保持部」としては、「隣接しているフレーム同士を繋いでいるもの」、「フレームと他の部材とを繋いでいるもの」、「フレームと遊技パネルとを繋いでいるもの」、等が挙げられる。更に、「連結保持部」としては、装飾性を有していても良いし、装飾性を有していなくても良い。また、「連結保持部」としては、遊技盤を立てた状態でフレームが遊技パネルから外れて落下した時にフレームが台や床等に接触しない長さとすることが望ましい。
手段2の構成によると、遊技盤は、第一流入規制部が設けられている第一フレームから第n流入規制部(nは二以上の整数)が設けられている第nフレームまでの複数のフレームと、少なくとも一つのフレームが遊技パネルから落下することを阻止する連結保持部とを更に備えるようにするものである。([発明を実施するための形態]では、センターフレーム2700及び連結保持部2710に関する記載を参照)
これにより、流入規制部を複数のフレームにより構成しているため、遊技パネルに対する各フレームの取付位置を適宜設定することにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、流入規制部を複数のフレームにより構成しているため、一部のフレームに不具合が発生した場合、当該フレームのみを交換すれば良く、メンテナンスにかかるコストを低減させることができる。更に、連結保持部を設けているため、遊技機の組立てやメンテナンス等の際に、遊技パネルから落下してフレームが傷付いたり破損したりすることを回避させることができる。
手段3:手段2の構成において、
「前記連結保持部は、
可撓性を有する紐状に形成されている」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、連結保持部は、可撓性を有する紐状に形成されているものである。([発明を実施するための形態]では、連結保持部2710に関する記載を参照)
これにより、連結保持部を、可撓性を有する紐状のものとしているため、例えば、第一流入規制部(第一フレーム)と第二流入規制部(第二フレーム)との取付位置の関係を変更しても、連結保持部が可撓変形することにより追従することができ、遊技パネルからのフレームの落下を防止しつつ、遊技パネルの開口の大きさや形状等に対応することができる。
また、連結保持部を、可撓性を有する紐状としているため、遊技パネルからフレームが外れようとした時に、連結保持部が可撓変形しようとすることで抵抗となり、直ちに遊技パネルから外れることを抑制させることができる。そして、遊技パネルからフレームが外れた場合、連結保持部が可撓変形することにより、落下速度を低減させたり衝撃を吸収したりすることが可能となるため、フレームの破損を防止することができる。
手段4:手段2又は手段3の構成において、
「前記連結保持部は、
隣接している前記フレーム同士を繋いでいる」ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、連結保持部は、隣接しているフレーム同士を繋いでいるものである。([発明を実施するための形態]では、連結保持部2710に関する記載を参照)
これにより、連結保持部の一方の端部を遊技パネルや他の部材に接続する場合と比較して、複数のフレームを一塊として扱い易くすることができ、遊技機の製造時等における作業性を向上させることができる。
手段5:手段2から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記連結保持部は、
前記フレームに対して着脱可能に設けられている」ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、連結保持部は、フレームに対して着脱可能に設けられているものである。([発明を実施するための形態]では、連結保持部2710に関する記載を参照)
これにより、例えば、複数のフレームを順番に遊技パネルに取付けたり、メンテナンス等により一部のフレームを遊技パネルから取外したり、する際に、連結保持部を取外した状態にしたり取付けた状態にしたりすることにより、フレームの取回しや取扱いを良くすることができ、作業性を向上させることができる。
また、連結保持部を着脱可能としているため、フレームを遊技パネルに取付けるまでは連結保持部により繋いでおき、フレームを遊技パネルに取付けたら連結保持部を取外すようにすることが可能となり、連結保持部の存在により見栄えが悪くなることを回避させることができる。
手段6:手段2から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記遊技盤は、
少なくとも一つの前記フレームに取付けられている電子部品を、
更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「電子部品」としては、「LED基板」、「中継基板」、「球センサ」、「磁気センサ」、「表示器(特別図柄の表示器)」、「ソレノイド」、「モータ」、等が挙げられる。
手段6の構成によると、遊技盤は、少なくとも一つのフレームに取付けられている電子部品を、更に備えているものである。([発明を実施するための形態]では、図柄表示器2518及びセンターフレーム2700に関する記載を参照)
これにより、少なくとも一つのフレームに電子部品が取付けられるようにしており、電子部品が取付けられているフレームの重量が重くなることから、遊技機の組立作業等において当該フレームが遊技パネルから外れて落下すると、その重量により当該フレームが破損し易くなるが、フレームの落下を阻止する連結保持部が設けられているため、当該フレームが作業台や床等に落下して破損してしまうことはない。従って、フレームに取付けられている電子部品による効果を確実に発揮させることが可能な遊技機を提供することができる。
手段7:遊技機において、
「遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技盤は、
前面側に前記遊技領域が形成される遊技パネルと、
該遊技パネルに形成された開口の縁部に対応して設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が前記開口の内部に流入することを規制し、第一流入規制部から第n流入規制部(nは二以上の整数)までを有する流入規制部と、
前記第一流入規制部が設けられている第一フレームから第n流入規制部(nは二以上の整数)が設けられている第nフレームまでの複数のフレームと、
少なくとも一つの該フレームが前記遊技パネルから落下することを阻止する連結保持部と、
少なくとも一つの前記フレームに取付けられている電子部品と、
を備え、
該流入規制部は、
前記第m流入規制部(mは1からn-1までの間の整数)と前記第(m+1)流入規制部には、前記遊技パネルの前面に沿ったフランジ部が夫々形成されていると共に、夫々の端部の少なくとも一方には該フランジ部が形成されていない非フランジ部が形成されており、前記フランジ部に設けられた取付部によって前記遊技パネルの前面に前記第m流入規制部の端部と前記第(m+1)流入規制部の端部とが隣り合うように取付けられ、
前記連結保持部は、
可撓性を有する紐状に形成されており、隣接している前記フレーム同士を繋いでいると共に、該フレームに対して着脱可能に設けられている」
ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を備えた遊技機において、遊技盤は、前面側に遊技領域が形成される遊技パネルと、遊技パネルに形成された開口の縁部に対応して設けられ、遊技領域を流下する遊技球が開口の内部に流入することを規制し、第一流入規制部から第n流入規制部(nは二以上の整数)までを有する流入規制部と、第一流入規制部が設けられている第一フレームから第n流入規制部(nは二以上の整数)が設けられている第nフレームまでの複数のフレームと、少なくとも一つのフレームが遊技パネルから落下することを阻止する連結保持部と、少なくとも一つのフレームに取付けられている電子部品と、を備え、流入規制部は、第m流入規制部(mは1からn-1までの間の整数)と第(m+1)流入規制部には、遊技パネルの前面に沿ったフランジ部が夫々形成されていると共に、夫々の端部の少なくとも一方にはフランジ部が形成されていない非フランジ部が形成されており、フランジ部に設けられた取付部によって遊技パネルの前面に第m流入規制部の端部と第(m+1)流入規制部の端部とが隣り合うように取付けられ、連結保持部は、可撓性を有する紐状に形成されており、隣接しているフレーム同士を繋いでいると共に、フレームに対して着脱可能に設けられているものである。
これにより、前面側に遊技領域が形成される遊技パネルの開口の縁部に対応して設けられ、遊技球が開口の内部に流入することを規制する流入規制部を、少なくとも第一流入規制部から第n流入規制部(nは二以上の整数)までの複数により構成し、夫々に設けられているフランジ部の取付部を介して遊技パネルの前面に第m流入規制部(mは1からn-1までの間の整数)の端部と第(m+1)流入規制部の端部とが隣り合うように取付けるようにしているため、遊技パネルに対する第m流入規制部と第(m+1)流入規制部との取付位置の関係を適宜選択することにより、流入規制部を新たに製造しなくても様々な大きさや形状の開口を有する遊技パネルに取付けることができ、機種が異なっていても流入規制部を流用することができる。
以下ではmを1として詳述すると、例えば、第一流入規制部の端部と第二流入規制部の端部とが、互いに離れるように取付けることで、開口の大きい遊技パネルに対応することができる。この場合、第一流入規制部の端部と第二流入規制部の端部との間の隙間は、遊技球が通過不能な大きさとすることが望ましいが、遊技球が通過可能な大きさの場合は障害釘を植設することにより遊技球を通過不能とするようにしても良い。
或いは、第一流入規制部の端部と第二流入規制部の端部とが、夫々の側面同士が対面するように取付けることで、開口の小さい遊技パネルに対応することができる。この際に、第一流入規制部及び第二流入規制部の少なくとも一方の端部に非フランジ部を設けていることから、第一流入規制部の端部の側面と第二流入規制部の端部の側面とを可及的に接近させることが可能となるため、第一流入規制部と第二流入規制部との配置自由度を高めることができ、様々な大きさの開口を有する遊技パネルに対応し易くすることができる。
また、上述したように、様々な大きさの開口を有する遊技パネルに対応することが可能であることから、設計変更等により遊技領域の大きさを変えたい場合、第一流入規制部と第二流入規制部との取付位置の関係を変更することで、遊技領域の大きさを簡単に変更することができ、遊技機の設計自由度を高めることができる。従って、変更する大きさの遊技領域に合わせた流入規制部を新たに製造する必要はなく、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、流入規制部を複数のフレームにより構成しているため、遊技パネルに対する各フレームの取付位置を適宜設定することにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、流入規制部を複数のフレームにより構成しているため、一部のフレームに不具合が発生した場合、当該フレームのみを交換すれば良く、メンテナンスにかかるコストを低減させることができる。更に、連結保持部を設けているため、遊技機の組立てやメンテナンス等の際に、遊技パネルから落下してフレームが傷付いたり破損したりすることを回避させることができる。
また、連結保持部を、可撓性を有する紐状のものとしているため、例えば、第一流入規制部(第一フレーム)と第二流入規制部(第二フレーム)との取付位置の関係を変更しても、連結保持部が可撓変形することにより追従することができ、遊技パネルからのフレームの落下を防止しつつ、遊技パネルの開口の大きさや形状等に対応することができる。
また、可撓性を有する紐状の連結保持部を設けているため、遊技パネルからフレームが外れようとした時に、連結保持部が可撓変形しようとすることで抵抗となり、直ちに遊技パネルから外れることを抑制させることができる。そして、遊技パネルからフレームが外れた場合、連結保持部が可撓変形することにより、落下速度を低減させたり衝撃を吸収したりすることが可能となるため、フレームの破損を防止することができる。
更に、連結保持部により隣接しているフレーム同士を繋ぐようにしているため、連結保持部の一方の端部を遊技パネルや他の部材に接続する場合と比較して、複数のフレームを一塊として扱い易くすることができ、遊技機の製造時等における作業性を向上させることができる。
また、連結保持部を、フレームに対して着脱可能に設けているため、例えば、複数のフレームを順番に遊技パネルに取付けたり、メンテナンス等により一部のフレームを遊技パネルから取外したり、する際に、連結保持部を取外した状態にしたり取付けた状態にしたりすることにより、フレームの取回しや取扱いを良くすることができ、作業性を向上させることができる。
また、連結保持部を着脱可能にしているため、フレームを遊技パネルに取付けるまでは連結保持部により繋いでおき、フレームを遊技パネルに取付けたら連結保持部を取外すようにすることが可能となり、連結保持部の存在により見栄えが悪くなることを回避させることができる。
更に、少なくとも一つのフレームに電子部品が取付けられるようにしており、電子部品が取付けられているフレームの重量が重くなることから、遊技機の組立作業等において当該フレームが遊技パネルから外れて落下すると、その重量により当該フレームが破損し易くなるが、フレームの落下を阻止する連結保持部が設けられているため、当該フレームが作業台や床等に落下して破損してしまうことはない。従って、フレームに取付けられている電子部品による効果を確実に発揮させることが可能な遊技機を提供することができる。
このように、上記の解決手段によれば、機種によって遊技パネルの開口が異なっていても流入規制部を流用することが可能な遊技機を提供することができる。
[15-12c.第十二技術的特徴の解決手段と実施形態との関係]
本実施形態の遊技盤5における遊技パネル1100(図100を参照)は上記解決手段の遊技パネルに、本実施形態における遊技パネル1100の開口部1112は上記解決手段の遊技パネルの開口に、本実施形態における図柄表示器2518、第二始動口ユニット2720、アタッカユニット2730、役物入賞口ユニット2740は上記解決手段の電子部品に、本実施形態におけるセンター役物2500Aにおけるセンターフレーム2700の流入規制部2700aは上記解決手段の流入規制部に、本実施形態におけるセンターフレーム2700のフランジ部2700b、第一フレーム2701の第一フランジ部2701b、第二フレーム2702の第二フランジ部2702bは上記解決手段のフランジ部に、本実施形態におけるセンターフレーム2700の非フランジ部2700c、第一フレーム2701の第一非フランジ部2701c、第二フレーム2702の第二非フランジ部2702cは上記解決手段の非フランジ部に、夫々相当している。
また、本実施形態における第一フレーム2701、第二フレーム2702、第三フレーム2703、第四フレーム2704、第五フレーム2705は上記解決手段のフレームに、本実施形態における第一流入規制部2701aは上記解決手段の第一流入規制部に、本実施形態における第二流入規制部2702aは上記解決手段の第二流入規制部に、本実施形態における第一フランジ部2701bや第二フランジ部2702b等のフランジ部2700bに設けられている取付孔は上記解決手段の取付部に、本実施形態における連結保持部2710は上記解決手段の連結保持部に、夫々相当している。
[15-12d.第十二技術的特徴の特徴的な作用効果]
本実施形態によれば、遊技盤5のセンター役物2500Aにおけるセンターフレーム2700において、前面側に遊技領域5aが形成される遊技パネル1100の開口部1112の縁部に対応して設けられ、遊技球Bが開口部1112の内部に流入することを規制する流入規制部2700aを、少なくとも第一流入規制部2701aと第二流入規制部2702aの複数により構成し、夫々に設けられているフランジ部2700b(第一フランジ部2701b及び第二フランジ部2702b)の取付部を介して遊技パネル1100の前面に第一流入規制部2701aの端部と第二流入規制部2702aの端部とが隣り合うように取付けるようにしているため、遊技パネル1100に対する第一流入規制部2701aと第二流入規制部2702aとの取付位置の関係を適宜選択することにより、流入規制部2700a(センターフレーム2700)を新たに製造しなくても様々な大きさや形状の開口部1112を有する遊技パネル1100に取付けることができ、機種が異なっていても流入規制部2700a(センターフレーム2700)を流用することができる。
詳述すると、例えば、第一流入規制部2701aの端部と第二流入規制部2702aの端部とが、互いに離れるように取付けることで、開口部1112の大きい遊技パネル1100に対応することができる。この場合、第一流入規制部2701aの端部と第二流入規制部2702aの端部との間の隙間Cは、遊技球Bが通過不能な大きさとすることが望ましいが、遊技球Bが通過可能な大きさの場合は障害釘を植設することにより遊技球Bを通過不能とするようにしても良い。
或いは、第一流入規制部2701aの端部と第二流入規制部2702aの端部とが、夫々の側面同士が対面するように取付けることで、開口部1112の小さい遊技パネル1100に対応することができる。この際に、第一流入規制部2701a及び第二流入規制部2702aの少なくとも一方の端部に非フランジ部2700c(第一非フランジ部2701c又は第二非フランジ部2702c)を設けていることから、第一流入規制部2701aの端部の側面と第二流入規制部2702aの端部の側面とを可及的に接近させることが可能となるため、第一流入規制部2701a(第一フレーム2701)と第二流入規制部2702a(第二フレーム2702)との配置自由度を高めることができ、様々な大きさの開口部1112を有する遊技パネル1100に対応し易くすることができる。
また、上述したように、様々な大きさの開口部1112を有する遊技パネル1100に対応することが可能であることから、設計変更等により遊技領域5aの大きさを変えたい場合、第一流入規制部2701a(第一フレーム2701)と第二流入規制部2702a(第二フレーム2702)との取付位置の関係を変更することで、遊技領域5aの大きさを簡単に変更することができ、パチンコ機1の設計自由度を高めることができる。従って、変更する大きさの遊技領域5aに合わせた流入規制部2700a(センターフレーム2700)を新たに製造する必要はなく、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、流入規制部2700a(センターフレーム2700)を第一フレーム2701から第五フレーム2705のように複数のフレームにより構成しているため、遊技パネル1100に対する各フレームの取付位置を適宜設定することにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。また、流入規制部2700aを複数のフレームにより構成しているため、一部のフレームに不具合が発生した場合、当該フレームのみを交換すれば良く、メンテナンスにかかるコストを低減させることができる。更に、連結保持部2710を設けているため、パチンコ機1の組立てやメンテナンス等の際に、遊技パネル1100から落下してフレームが傷付いたり破損したりすることを回避させることができる。
また、連結保持部2710を、可撓性を有する紐状のものとしているため、例えば、第一流入規制部2701a(第一フレーム2701)と第二流入規制部2702a(第二フレーム2702)との取付位置の関係を変更しても、連結保持部2710が可撓変形することにより追従することができ、遊技パネル1100からのフレームの落下を防止しつつ、遊技パネル1100の開口部1112の大きさや形状等に対応することができる。
また、可撓性を有する紐状の連結保持部2710を設けているため、遊技パネル1100から第一フレーム2701等のフレームが外れようとした時に、連結保持部2710が可撓変形しようとすることで抵抗となり、直ちに遊技パネル1100から外れることを抑制させることができる。そして、遊技パネル1100からフレームが外れた場合、連結保持部2710が可撓変形することにより、落下速度を低減させたり衝撃を吸収したりすることが可能となるため、フレームの破損を防止することができる。
更に、連結保持部2710により第一フレーム2701と第二フレーム2702のような隣接しているフレーム同士を繋ぐようにしているため、連結保持部2710の一方の端部を遊技パネル1100や他の部材に接続する場合と比較して、複数のフレームを一塊として扱い易くすることができ、パチンコ機1の製造時等における作業性を向上させることができる。
また、連結保持部2710を、フレームに対して着脱可能に設けているため、例えば、複数のフレームを順番に遊技パネル1100に取付けたり、メンテナンス等により一部のフレームを遊技パネルから取外したり、する際に、連結保持部2710を取外した状態にしたり取付けた状態にしたりすることにより、フレームの取回しや取扱いを良くすることができ、作業性を向上させることができる。
また、連結保持部2710を着脱可能にしているため、フレームを遊技パネル1100に取付けるまでは連結保持部2710により繋いでおき、フレームを遊技パネル1100に取付けたら連結保持部2710を取外すようにすることが可能となり、連結保持部2710の存在により見栄えが悪くなることを回避させることができる。
更に、少なくとも一つのフレームに図柄表示器2518のような電子部品が取付けられるようにしており、電子部品が取付けられているフレームの重量が重くなることから、パチンコ機1の組立作業等において当該フレームが遊技パネル1100から外れて落下すると、その重量により当該フレームが破損し易くなるが、フレームの落下を阻止する連結保持部2710が設けられているため、当該フレームが作業台や床等に落下して破損してしまうことはない。従って、フレームに取付けられている電子部品による効果を確実に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
[枠飾り部材のIDコードについて]
本実施形態では、本体枠4に対して、遊技領域5aを前方から視認可能な遊技盤5が取り付けられているが、扉枠3に対しては、枠飾り部材として、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも上側に設けられている扉枠トップユニット300、扉枠本体100の前面における遊技窓101よりも右側に設けられている扉枠右サイドユニット340、棚ユニット200の左右方向中央に設けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット250(操作装置)が取り付けられている。図116は、扉枠に対して着脱可能な枠飾り部材を示す説明図である。
図116に示すように、遊技盤5、扉枠トップユニット300、扉枠右サイドユニット340、演出操作ユニット250については、遊技ホールの島設備に対してパチンコ機1が取り付けられている状態で着脱することが可能であり、機種のシリーズごとに1つのグループとして、予め決められている遊技盤5、扉枠トップユニット300、扉枠右サイドユニット340、演出操作ユニット250をセットで設置することが可能になっている。つまり、新たな機種のシリーズに変更するときには、遊技ホールの島設備に対してパチンコ機1が取り付けられている状態で、変更前の機種のシリーズに対応する遊技盤5、扉枠トップユニット300、扉枠右サイドユニット340、演出操作ユニット250を取り外した後、新たな機種のシリーズに対応する遊技盤5、扉枠トップユニット300、扉枠右サイドユニット340、演出操作ユニット250を取り付けることになる。このような構成にすることで、機種変更時に遊技性だけでなく遊技機外観も一新したい場合に、本体枠4や扉枠3を変更するコストを抑制でき、効率的に遊技性および遊技機外観を一新することができる。
なお、本例の扉枠右サイドユニット340は、扉枠トップユニット300と一体的に形成されており、扉枠3に対しては、扉枠トップユニット300と扉枠右サイドユニット340を一体的に着脱するようにしている。この点、扉枠右サイドユニット340については、扉枠トップユニット300と別個のものとして、扉枠3に対してそれぞれ別個に着脱可能としてもよい。このような扉枠右サイドユニット340については、遊技機外観の一新に加え、側方部分の突出が離席の遊技者との遮断壁になって周囲の目線を気にする遊技者の嫌悪感を軽減できるとともに、上方部分と側方部分の突出により遊技者固有の空間を創出することができる。
遊技盤5に取り付けられている周辺制御基板1510は、扉枠トップユニット300に取り付けられている扉枠トップ中継基板(図示は省略)と電気的に接続されている。扉枠トップ中継基板は、扉枠トップユニット300の扉枠トップ装飾体301を発光装飾させるための複数のLEDが実装されている扉枠トップ装飾基板や、扉枠右サイドユニット340の扉枠右サイド装飾体341、扉枠右サイド左側面装飾体及び扉枠右サイド右側面装飾体を発光装飾させるための複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板との接続を中継するためのものである。これにより、周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、扉枠トップ中継基板を介して、例えば、扉枠トップ装飾基板、扉枠右サイド装飾基板に実装されている各種LEDを発光制御することができる。
また、遊技盤5に取り付けられている周辺制御基板1510は、演出操作ユニット250に取り付けられている操作部中継基板(図示は省略)と電気的に接続されている。操作部中継基板は、演出操作ユニット250の第一演出ボタン251や第二演出ボタン252を発光装飾させるための複数のLEDが実装されている操作部装飾基板(図示は省略)との接続を中継するためのものである。これにより、周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、操作部中継基板を介して、例えば、操作部装飾基板に搭載されている各種LEDを発光制御することができる。
扉枠トップユニット300に取り付けられている扉枠トップ中継基板や、演出操作ユニット250に取り付けられている操作部中継基板には、機種のシリーズを識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された特別な情報である固有のIDコードが予め記憶されている。このIDコードは、機種のシリーズごとに固有のIDコードが付されており、外部装置を用いても書き換えることができない。そして、周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、扉枠トップ中継基板や操作部中継基板からIDコードを取り出して参照することができるようになっている。また、周辺制御部1511に内蔵されているRAMには、扉枠トップ中継基板や操作部中継基板に付されているIDコードを参照するためのテーブルが記憶されている。このテーブルに記憶されているIDコードは、遊技盤5に対して、機種のシリーズが一致する扉枠トップユニット300に取り付けられている扉枠トップ中継基板のIDコードと、機種のシリーズが一致する演出操作ユニット250に取り付けられている操作部中継基板のIDコードと、のそれぞれと一致するものとなっている。
そして、電源投入時には、周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、参照テーブルに記憶されているIDコードと、扉枠トップユニット300に取り付けられている扉枠トップ中継基板のIDコードと、が一致しているか否か、及び、参照テーブルに記憶されているIDコードと、演出操作ユニット250に取り付けられている操作部中継基板のIDコードと、が一致しているか否かを所定の判定期間内に判定している。ここで、遊技盤5に対して、機種のシリーズが一致する(正規の関係にある)扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340が取り付けられている場合には、参照テーブルに記憶されているIDコードと、扉枠トップユニット300に取り付けられている扉枠トップ中継基板のIDコードと、が一致し、一方、遊技盤5に対して、機種のシリーズが一致しない(正規の関係にない)扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340が取り付けられている場合には、それぞれのIDコードが一致することがない。同様に、遊技盤5に対して、機種のシリーズが一致する(正規の関係にある)演出操作ユニット250が取り付けられている場合には、参照テーブルに記憶されているIDコードと、演出操作ユニット250に取り付けられている操作部中継基板のIDコードと、が一致し、一方、遊技盤5に対して、機種のシリーズが一致しない(正規の関係にない)演出操作ユニット250が取り付けられている場合には、参照テーブルに記憶されているIDコードと、演出操作ユニット250に取り付けられている操作部中継基板のIDコードと、が一致することがない。
ここで、本例では、電源投入時操作の態様として、以下の電源投入パターンA~Cが設けられている。電源投入パターンAは、RAMクリアスイッチ743をON操作しないで電源スイッチ751を操作した場合であり、主制御基板1310に内蔵されているRAMを初期化するラムクリアを実行せず、遊技に関する情報を初期化することがない。また、電源投入パターンBは、RAMクリアスイッチ743をON操作しながら電源スイッチ751を操作した場合であり、ラムクリアを実行し、遊技に関する情報を初期化している。また、電源投入パターンCは、RAMクリアスイッチ743をON操作しないものの、球抜スイッチ742をON操作しながら電源スイッチ751を操作した場合であり、上述した球抜処理を実行している。このような電源投入パターンCでは、ラムクリアを実行せず、遊技に関する情報を初期化しないものの、球抜処理中の遊技の進行については停止している。そして、上記のIDコードが一致しているか否かの判定については、電源投入パターンA、Bで電源投入した場合に実行しているが、電源投入パターンCで電源投入した場合に実行しないようにしている。つまり、電源投入パターンCで電源投入した場合には、球抜処理中における遊技の進行を停止しており、枠飾り部材を用いた発光演出を実行する必要がないため、IDコードが一致している部材であるか否かの確認を実行しないようにしている。
また、遊技盤5に対して扉枠トップユニット300のIDコードのみが一致していない場合には、演出表示装置1600を用いて、機種のシリーズが一致しない扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340が取り付けられている旨を通知するエラー中報知パターン1(例えば「扉枠トップユニットの種類を確認してください」の表示)を実行する。また、遊技盤5に対して演出操作ユニット250のIDコードのみが一致していない場合には、演出表示装置1600を用いて、機種のシリーズが一致しない演出操作ユニット250が取り付けられている旨を通知するエラー中報知パターン2(例えば「演出操作ユニットの種類を確認してください」の表示)を実行する。また、遊技盤5に対して扉枠トップユニット300のIDコードと、演出操作ユニット250のIDコードとのいずれもが一致していない場合には、演出表示装置1600を用いて、機種のシリーズが一致しない扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340と、機種のシリーズが一致しない演出操作ユニット250とが取り付けられている旨を通知するエラー中報知パターン3(例えば「扉枠トップユニット及び扉枠右サイドユニットと演出操作ユニットの種類を確認してください」の表示)を実行する。
一方、扉枠3に対して扉枠トップユニット300や演出操作ユニット250が取り付けられていない場合、電源投入時において、周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、扉枠トップ中継基板や操作部中継基板からIDコードを取り出して参照することができない。このような場合、電源投入時には、周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、参照テーブルに記憶されているIDコードと、扉枠トップユニット300に取り付けられている扉枠トップ中継基板のIDコードと、が一致しているか否か、及び、参照テーブルに記憶されているIDコードと、演出操作ユニット250に取り付けられている操作部中継基板のIDコードと、が一致しているか否かを判定する際に、周辺制御基板1510の周辺制御部1511へのIDコードの入力がなく、そのIDコードを確認することができない。具体的には、電源投入時において、周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、所定の判定期間を過ぎても扉枠トップ中継基板や操作部中継基板からIDコードが入力されない場合に未接続の状態であると判定する。
また、遊技盤5に対して扉枠トップユニット300のIDコードのみが確認できない(取得できない)場合には、演出表示装置1600を用いて、演出操作ユニット250及び扉枠右サイドユニット340が取り付けられていない旨を通知するエラー中報知パターン4(例えば「扉枠トップユニット及び扉枠右サイドユニットの接続を確認してください」の表示)を実行する。また、遊技盤5に対して演出操作ユニット250のIDコードのみが確認できない(取得できない)場合には、演出表示装置1600を用いて、演出操作ユニット250が取り付けられていない旨を通知するエラー中報知パターン5(例えば「演出操作ユニットの接続を確認してください」の表示)を実行する。また、遊技盤5に対して扉枠トップユニット300のIDコードと、演出操作ユニット250のIDコードとのいずれもが確認できない(取得できない)場合には、演出表示装置1600を用いて、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340と、演出操作ユニット250とが取り付けられていない旨を通知するエラー中報知パターン6(例えば「扉枠トップユニット及び扉枠右サイドユニットと演出操作ユニットの接続を確認してください」の表示)を実行する。
ここで、遊技盤5については、扉枠トップユニット300に取り付けられている扉枠トップ中継基板のIDコードや、演出操作ユニット250に取り付けられている操作部中継基板のIDコードが一致しているか否かにかかわらず、通常の演出(変動中の演出や非変動中の演出)の実行時において、遊技盤5の発光基板に搭載されている各種LEDを発光制御することができる。同様に、遊技盤5については、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340や演出操作ユニット250のうち、IDコードが確認できていない部品がある場合にも、通常の演出(変動中の演出や非変動中の演出)の実行時において、遊技盤5の発光基板に搭載されている各種LEDを発光制御することができる。
また、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340について、参照テーブルに記憶されているIDコードと、扉枠トップユニット300に取り付けられている扉枠トップ中継基板のIDコードと、が一致している場合には、通常の演出(変動中の演出や非変動中の演出)の実行時において、扉枠トップ中継基板を介して、例えば、扉枠トップユニット300の扉枠トップ装飾基板や、扉枠右サイドユニット340の扉枠右サイド装飾基板に搭載されている各種LEDを発光制御することができるのに対し、一致していない場合には、その機種のシリーズが一致しない(正規の関係にない)扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340の発光基板に搭載されている各種LEDを発光制御することがなく、その各種LEDが消灯した状態になる。また、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340が取り付けられておらず、扉枠トップ中継基板のIDコードが確認できていない場合には、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340の発光基板に搭載されている各種LEDを発光制御することがない。
同様に、演出操作ユニット250について、参照テーブルに記憶されているIDコードと、演出操作ユニット250に取り付けられている操作部中継基板のIDコードと、が一致している場合には、通常の演出(変動中の演出や非変動中の演出)の実行時において、操作部中継基板を介して、例えば、前装飾基板321、後装飾基板322に搭載されている各種LEDを発光制御することができるのに対し、一致していない場合には、その機種のシリーズが一致しない(正規の関係にない)演出操作ユニット250の発光基板に搭載されている各種LEDを発光制御することがなく、その各種LEDが消灯した状態になる。また、演出操作ユニット250が取り付けられおらず、操作部中継基板のIDコードが確認できていない場合には、演出操作ユニット250の発光基板に搭載されている各種LEDを発光制御することがない。
また、所定の実行条件の成立時には、遊技盤5の発光基板に搭載されている各種LEDを発光制御するときに、遊技盤5の周辺に位置する部材として、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340の発光基板に搭載されている各種LEDと、演出操作ユニット250の発光基板に搭載されている各種LEDと、の発光制御を協働して行っている。これにより、遊技盤5だけでなく、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340や演出操作ユニット250を用いた一体的な発光演出を実行することができる。ただし、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340や演出操作ユニット250のうち、遊技盤5に対してIDコードが一致しない部品については、その一致しない部品の発光基板に搭載されている各種LEDを発光制御することがないことから、発光演出に参加することができない。同様に、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340や演出操作ユニット250のうち、扉枠3に取り付けられておらず、IDコードが確認できていない部品については、その確認できていない部品の発光基板に搭載されている各種LEDを発光制御することがないことから、発光演出に参加することができない。
なお、上記したように、所定の実行条件の成立時には、遊技盤5の発光基板に搭載されている各種LEDを発光制御するときに、遊技盤5の周辺に位置する部材として、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340の発光基板に搭載されている各種LEDと、演出操作ユニット250の発光基板に搭載されている各種LEDと、の発光制御を協働して行っているが、扉枠3の発光基板に搭載されている各種LEDについても、発光制御を協働して行うことができる。これにより、遊技盤5、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340や演出操作ユニット250だけでなく、扉枠3を用いた一体的な発光演出を実行することができる。
[枠飾り部材(リユース可能製品)の動作確認について]
近年、遊技機の性能の向上に伴い、常に新規の部品を調達して遊技機を製造する場合、遊技機製造に掛かるコストが高額になる虞がある。そうしたコスト増を抑制するために、遊技機の一部である特定装飾部品については、一部あるいは全ての部品(駆動関連、発光関連等の部品も含む)をリユースすることが考えられる。例えば、遊技盤5については、扉枠3に対して簡単に着脱することが可能であるが、上記した枠飾り部材についても同様に、扉枠3に対して簡単に着脱することを可能とし、リユースが可能な部品として用いることができる。ところで、このようなリユースが可能な部品については、出荷元での点検時において、正常に動作する部品であるか否かを見極める必要があることから、そのリユースが可能な部品の動作状態を個別に確認する必要がある。しかしながら、リユースが可能な部品を脱着する際に、リユースが可能な部品が遊技盤5に取り付けられている等して、扉枠3に対して遊技盤5を一旦取り外すことが必要となる場合や、リユースが可能な部品を脱着した後において、電源を切断した後に再び電源を投入した状況のみ、リユースが可能な部品の動作状態を確認可能とした場合には、リユースが可能な部品を脱着するごとに、毎回、遊技盤5の取り外しや、電源断することが必要となることから、リユースが可能な部品の動作状態を確認する際の手間がかかるものとなってしまう。この点、本例では、遊技盤5の取り外しや、電源断についての手間を省くようにして、リユースが可能な部品の動作状態についての確認の効率性を向上させて、利便性の高いパチンコ機1を提供することとしている。
上記した枠飾り部材については、パチンコ機1の一部である特定装飾部品であるものの、遊技盤5上に取り付けられた部品ではなく、扉枠3に取り付けられた部品である。このため、枠飾り部材については、扉枠3に対して遊技盤5を取り外すことなく、扉枠3に対して遊技盤5を取り付けたままで、扉枠3に対して着脱することが可能になっている。また、枠飾り部材として、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340や演出操作ユニット250の夫々の着脱については、ホール管理者の取付作業を緩和する点からも工具レスの係止部による取付構造を採用することとしている。工具レスの係止部としては、例えば、手回し用の摘みを頭部に設けた手ネジや、図示しないがレバーを上又は下に動かすワンタッチ操作で着脱可能な周知のパチン錠や、レバーの回転で着脱可能な周知のクレセント錠、などが例示できる。このように、枠飾り部材については、扉枠3に対して簡単に脱着することが可能であり、枠飾り部材の動作状態を確認する際の手間がかからないものとなっている。
また、枠飾り部材については、電源投入前であっても、電源投入後であっても着脱することが可能である。しかしながら、電源投入状態において電源を遮断した後に、枠飾り部材を脱着し、再び電源を投入することで、その脱着した枠飾り部材の動作状態を確認するようにすると、その動作状態を確認する際の手間がかかるものとなってしまう。このため、本例では、電源投入状態において、枠飾り部材を脱着するよりも前に特定の操作をした場合には、電源を切断した後に再び電源を投入するという操作をせずに、枠飾り部材を脱着した後において、その脱着した枠飾り部材の動作状態を確認することを可能にした特殊な状態(リユース確認状態)に移行するようにしている。また、電源投入状態においては、特定の操作としてリユース許可スイッチを操作したか否かを監視するようにし、電源投入後に所定期間(例えば3秒)が経過した時点での判定タイミングにおいて、その判定タイミング以前にリユース許可スイッチをON操作したか否かを判定するようにしている。具体的には、電源投入後に所定期間が経過した判定タイミングでリユース許可スイッチの操作情報を参照し、その操作情報が「操作あり」の操作情報の場合(例えば、判定タイミングよりも前あるいは判定タイミングと同時にリユース許可スイッチがON操作された場合等)には、リユース確認状態を開始し、そのリユース確認状態において枠飾り部材を脱着することで、その脱着した枠飾り部材の動作状態を確認することを可能にしている。一方、電源投入後に所定期間が経過した判定タイミングでリユース許可スイッチの操作情報を参照し、その操作情報が「操作なし」の操作情報の場合(例えば、判定タイミングよりも後にリユース許可スイッチがON操作された場合等)には、リユース確認状態を開始せず通常状態のままで、その通常状態において枠飾り部材を脱着したとしても、その脱着した枠飾り部材の動作状態を確認することができないようにしている。なお、電源投入後から所定期間が経過するまでの間には、リユース許可スイッチのON操作が受付可能であることを作業者に通知するため、その旨を外部に通知するようにしてもよい。
ここで、本例では、電源投入時操作の態様として、以下の電源投入パターンA~Cが設けられている。電源投入パターンAは、RAMクリアスイッチ743をON操作しないで電源スイッチ751を操作した場合であり、主制御基板1310に内蔵されているRAMを初期化するラムクリアを実行せず、遊技に関する情報を初期化することがない。また、電源投入パターンBは、RAMクリアスイッチ743をON操作しながら電源スイッチ751を操作した場合であり、ラムクリアを実行し、遊技に関する情報を初期化している。また、電源投入パターンCは、RAMクリアスイッチ743をON操作しないものの、球抜スイッチ742をON操作しながら電源スイッチ751を操作した場合であり、上述した球抜処理を実行している。このような電源投入パターンCでは、ラムクリアを実行せず、遊技に関する情報を初期化しないものの、球抜処理中の遊技の進行については停止している。そして、上記の判定タイミングにおいて、その判定タイミング以前にリユース許可スイッチをON操作したか否かの判定については、電源投入パターンA、Bで電源投入した場合に実行しているが、電源投入パターンCで電源投入した場合に実行しないようにしている。つまり、電源投入パターンCで電源投入した場合には、球抜処理を実行するだけで、リユース確認状態を開始することがなく、枠飾り部材の動作状態を確認することができないようにしている。
上記した特定の操作について具体的に説明すると、パチンコ機1の裏面側には、遊技者が触れることができない作業用の操作部(ON状態とOFF状態とを切り替え可能にするボタンや、キー挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にするキースイッチ等)としてリユース許可スイッチが主制御基板1310に設けられている。また、電源投入後に所定期間が経過した判定タイミング以前には、リユース許可スイッチをON操作するごとにリユース許可スイッチの操作情報として主制御基板1310に入力し、主制御基板1310がリユース許可スイッチの操作情報の入力回数を記憶している。そして、電源投入後に所定期間が経過した判定タイミングでは、リユース許可スイッチの操作情報の入力回数の記憶を主制御基板1310が参照し、その参照した操作情報の入力回数の記憶が「1回」の場合(例えば、判定タイミングよりも前あるいは判定タイミングと同時にリユース許可スイッチが1回ON操作された場合等)には、リユース確認状態Aを開始し、操作情報の入力回数の記憶が「2回以上」の場合(例えば、判定タイミングよりも前あるいは判定タイミングと同時にリユース許可スイッチが2回ON操作された場合等)には、リユース確認状態Bを開始するものとしている。そして、これらのリユース確認状態については、一定時間の経過したタイミングで終了させてもよいが、一定時間の経過でなく、作業者の終了操作(例えば、リユース確認状態の開始時に操作される操作部と同じ操作部の操作。)で任意で終了させるものであるほうが望ましい。これにより、リユース確認状態の発生期間を任意にでき、作業者が枠飾り部材を脱着して、その脱着した枠飾り部材の動作状態を確認する際の利便性を向上させることができる。なお、本例では、リユース確認状態Aとリユース確認状態Bのいずれを開始するかについては、リユース許可スイッチの操作情報の入力回数によって決定しているが、別の操作態様によって決定するようにしてもよい。
また、周辺制御基板1510は、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340や扉枠右サイドユニット340などの枠飾り部材と電気的に接続されているか否かを監視している。本例では、枠飾り部材の各々については、ドロワコネクタを用いてパチンコ機1の本体枠4や扉枠3に接続されている。そして、ドロワコネクタによる電気的な接続が遮断されている場合には、枠飾り部材がパチンコ機1から離脱したり、位置ズレしたりしており、周辺制御基板1510は、枠飾り部材が未接続であると判断している。つまり、例えば、電源投入状態において、作業者が枠飾り部材を取り外した場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が未接続であると判断するようにし、再び枠飾り部材を取り付けた場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が接続されていると判断している。なお、本例とは異なり、枠飾り部材の各々が正規の位置に位置しているか否かの検出スイッチを設けるようにし、周辺制御基板1510に配線で接続されている検出スイッチがOFFである場合には、枠飾り部材がパチンコ機1から離脱したり、位置ズレしたりしており、周辺制御基板1510は、枠飾り部材が未接続であると判断するようにしてもよい。
以下では、まず、通常営業時において扉枠3を開放して枠飾り部材を脱着した場合について、枠飾り部材の動作状態を中心としてパチンコ機1の挙動を説明する。通常営業時とは、電源投入状態において、電源投入後に所定期間が経過した判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチが操作されていない場合であり、リユース確認状態ではなく通常状態において枠飾り部材を脱着することとしている。それに続いて、リユース確認状態において扉枠3を開放して枠飾り部材を脱着した場合について、枠飾り部材の動作状態を中心としてパチンコ機1の挙動を説明する。リユース確認状態とは、電源投入状態において、電源投入後に所定期間が経過した判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチが操作されている場合であり、リユース確認状態に移行した後に枠飾り部材を脱着することとしている。
(通常営業時における枠飾り部材の脱着)
図117は、通常営業時において扉枠3を開放して枠飾り部材を脱着した場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。まず、所定の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作しないことで、通常状態からリユース確認状態に移行せず、通常状態のままで枠飾り部材を脱着した場合について説明する。また、通常営業時の枠飾り部材の脱着については、枠飾り部材のLEDが発光しなくなるなど枠飾り部材に不具合(異常や故障等)が発生した場合において、扉枠3を開放して枠飾り部材を取り外した後に、枠飾り部材が未接続のままで扉枠3を一旦閉鎖するようにし、再び扉枠3を開放して同じ枠飾り部材あるいは別の枠飾り部材を取り付けることを想定している。
図117に示すように、まず、タイミングtsで電源投入した後には、主制御基板1310及び周辺制御基板1510の電源投入時処理を行い、主制御基板1510側での遊技状態を通常状態に制御し、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、電源投入後の通常状態では、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができ、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。なお、通常状態では、後述するタイミングt2等で枠飾り部材を取り外したか否かにかかわらず、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間を継続するものとしている。また、周辺制御基板1510は、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340や演出操作ユニット250などの枠飾り部材と電気的に接続されているか否かを監視しているが、タイミングtsで電源投入した後において、後述するタイミングtxが到来するまでの間には、枠飾り部材が取り外されておらず、枠飾り部材が接続されていると判断している。
また、周辺制御基板1510は、枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されている枠飾り内LED(ランプA)や、枠飾り部材以外の各種装飾基板に搭載されている枠飾り外LED(ランプB)、液晶表示装置1600やスピーカなどを制御しているが、これらの周辺制御基板1510が動作指示している部材については、タイミングtsで電源投入した後において、通常時の動作を実行するようにしている。また、ランプBとしては、枠飾り部材以外の部材として、一部の部材の各種装飾基板に搭載されている枠飾り外LED1と、それ以外の部材の各種装飾基板に搭載されている枠飾り外LED2と、に分類することができ、枠飾り外LED1については、扉枠3の開放の有無や、枠飾り部材の装着の有無にかかわらず、通常時の動作を実行するようにしている。ここで、通常時の動作では、特別図柄の変動表示が実行されていないときには、特別図柄の変動表示が開始されることを待機する状態での待機演出(例えば、デモ演出)に対応する動作を実行するようにし、特別図柄の変動表示が実行されているときには、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信することに基づいて、変動演出(変動パターンに基づく演出)に対応する動作を実行するようにしている。例えば、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信したときには、演出表示装置1600では、装飾図柄の変動表示を含む演出表示(例えば、リーチ演出)などを実行し、ランプA(枠飾り内LED)やランプB(枠飾り外LED1)、ランプB(枠飾り外LED2)では、演出表示装置1600で実行される演出表示に連動してLEDが点灯や点滅を行うようにし、スピーカからは、演出表示装置1600で実行される演出表示に連動して音声を出力するようにしている。
また、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、タイミングtsで電源投入した後において、通常時の動作を実行しているが、そのような部材については、設定調節ボタン204を操作することで音量や光量が変化するものとしている。具体的には、設定調節ボタン204を操作したときには、その操作を受け付けて内部的に音量や光量を調整するようにし、実行中の音量や光量に反映されるようにしている。ただし、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、ランプB(枠飾り外LED1)については、LEDの光量を一定とし、設定調節ボタン204を操作したとしても音量や光量が変化することがないようにしている。
また、外部端子板からは、ホールコンピュータに対して所定の信号を出力することが可能であり、それらの信号をホールコンピュータで受信することで、ホール側でもパチンコ機1の挙動を把握できるようにしている。ここでは、扉枠3を閉鎖した状態であるため、後述する扉枠開放信号を出力しておらず、また、後述するリユース確認状態でない通常状態であるため、後述するリユース確認信号を出力していない。
そして、タイミングtsで電源投入した後に、所定期間が経過したタイミングtz1の時点では、タイミングtz1よりも前にリユース許可スイッチを操作したか否かを判定する判定タイミングが設けられている。つまり、判定タイミングでは、タイミングtsからタイミングtz1までの間にリユース許可スイッチを操作したか否かを判定している。ここでは、タイミングtz1よりも前にリユース許可スイッチを操作していないため、タイミングtz1の時点でリユース確認状態に移行することがなく、その後に通常状態を継続している。そして、パチンコ機1の挙動についても、タイミングtz1の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、タイミングtz1の後においても、通常時の動作を実行している。
そして、タイミングtz1でリユース許可スイッチを操作していないと判定した後に、タイミングtz2の時点で、リユース許可スイッチを操作したとしても、通常状態からリユース確認状態に移行することがなく、その後に通常状態を継続している。つまり、タイミングtz2でのリユース許可スイッチの操作については、無効なものとして扱っている。そして、パチンコ機1の挙動についても、タイミングtz2の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、タイミングtz2の後においても、通常時の動作を実行している。
次いで、タイミングt1の時点で、通常状態において扉枠3を開放した場合には、扉枠3の開放を検知するための開放スイッチの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、扉枠3の開放を伝えるための扉枠開放コマンドを周辺制御基板1510へ向けて出力している。このとき、タイミングtsで電源投入した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、通常時の動作を実行しているが、タイミングt1の時点で、周辺制御基板1510が扉枠開放コマンドを受信することに基づいて、開放時の動作を実行している。
具体的には、周辺制御基板1510が扉枠開放コマンドを受信したときに、ランプA(枠飾り内LED)やランプB(枠飾り外LED2)では、開放時の発光として、単色で、強い輝度でLEDが点灯や点滅を行うようにし、演出表示装置1600では、開放時の表示として、「扉枠が開いています」というメッセージを表示するようにし、スピーカからは、開放音として、「扉枠が開いています」という音声を出力するようにしている。ただし、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、ランプB(枠飾り外LED1)については、開放時の動作を実行することなく、通常時の動作を継続している。
また、タイミングt1の時点で、通常状態において扉枠3を開放した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、ランプB(枠飾り外LED1)を除いて開放時の動作を実行しているが、その開放時の動作では、LEDなどの光量を一定とし、スピーカからの音量を一定としている。このため、開放時の動作を実行している部材については、設定調節ボタン204を操作したとしても音量や光量が変化することがない。具体的には、設定調節ボタン204を操作したときには、その操作を受け付けて内部的に音量や光量を調整することが可能であるものの、実行中の音量や光量に反映されることがないようにしている。このような内部的に調整された音量や光量については、通常時の動作に戻されたときに、その内部的に調整された音量や光量に基づいて、実行中の音量や光量に反映されることとなる。なお、演出表示装置1600については、設定調節ボタン204を操作したときに、光量が変化するものとしてもよい。
また、タイミングt1の時点で、通常状態において扉枠3を開放した場合には、外部端子板からは、ホールコンピュータに対して扉枠開放信号を出力するようにし、ホール側で扉枠3の開放があった旨を把握できるようにしている。このような扉枠開放信号については、後述するタイミングt2で扉枠3が閉鎖された後、所定期間(例えば、30秒)が経過したときに、ホールコンピュータに対する出力を終了している。これにより、扉枠3の開閉時間が短いものであったとしても、ホール側で扉枠3の開放があった旨を気付きやすくすることができる。
次いで、扉枠3を開放した後、タイミングtxの時点で、通常状態において枠飾り部材を取り外した場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が未接続であると判断している。このとき、タイミングt1で扉枠3を開放した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、開放時の動作を実行しているが、タイミングtxの時点で、枠飾り部材を取り外した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、枠飾り未接続時の動作を実行することが可能であるものの、枠飾り未接続時の動作よりも優先して開放時の動作を実行している。そして、枠飾り未接続時の動作については、扉枠3を閉鎖して開放時の動作を終了した後において実行している。このように、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、枠飾り未接続時の動作を優先して実行すると、扉枠3の開放が外部に通知されないでホール管理者が気付かないままに、パチンコ機1の裏面側で不正な行為が行われる可能性があるが、開放時の動作を優先して実行することで、そのような状況が発生することを防止することができる。なお、通常状態では、タイミングt2で枠飾り部材を取り外した否かにかかわらず、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間を継続するものとしている。
ただし、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、演出表示装置1600については、開放時の動作に付加して枠飾り未接続時の動作を実行している。具体的には、演出表示装置1600では、開放時の表示として、「扉枠が開いています」というメッセージを表示するだけでなく、枠飾り未接続時の表示として、「枠飾り部材が未接続です」というメッセージを表示している。つまり、通常状態では、枠飾り未接続時の動作を実行しない状態での枠飾り部材の取り外しを許容していない。また、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材を取り外したことから、その後にLEDが点灯や点滅を行うことがないものとなっている。
次いで、枠飾り部材を取り外した後、タイミングt2の時点で、通常状態において扉枠3を閉鎖した場合には、扉枠3の閉鎖を検知するための閉鎖スイッチの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、扉枠3の閉鎖を伝えるための扉枠閉鎖コマンドを周辺制御基板1510へ向けて出力している。このとき、タイミングtxで枠飾り部材を取り外した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、枠飾り未接続時の動作よりも優先して開放時の動作を実行しているが、タイミングt2の時点で、周辺制御基板1510が扉枠閉鎖コマンドを受信することに基づいて、開放時の動作を終了し、枠飾り未接続時の動作を実行している。
具体的には、周辺制御基板1510が扉枠閉鎖コマンドを受信したときに、ランプB(枠飾り外LED2)では、枠飾り未接続時の発光として、単色(開放時の発光色とは異なる色)で、強い輝度でLEDが点灯や点滅を行うようにし、演出表示装置1600では、枠飾り未接続時の表示として、「枠飾り部材が未接続です」というメッセージを表示するようにし、スピーカからは、枠飾り未接続報知音として、「枠飾り部材が未接続です」という音声を出力するようにしている。ただし、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、ランプB(枠飾り外LED1)については、枠飾り未接続時の動作を実行することなく、通常時の動作を継続している。また、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、ランプB(枠飾り外LED2)については、扉枠閉鎖コマンドを受信してから所定期間(例えば、10秒)、閉鎖時の発光を実行するようにし、その所定期間が経過した後に、枠飾り未接続時の発光を実行するようにしている。これにより、扉枠3の開閉時間が短いものであったとしても、閉鎖時の発光を実行することで、ホール側で扉枠3の開放があった旨を気付きやすくすることができる。
また、タイミングt2の時点で、通常状態において扉枠3を閉鎖した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、ランプB(枠飾り外LED1)を除いて枠飾り未接続時の動作を実行しているが、その枠飾り未接続時の動作では、LEDなどの光量を一定とし、スピーカからの音量を一定としている。このため、枠飾り未接続時の動作を実行している部材については、設定調節ボタン204を操作したとしても音量や光量が変化することがない。具体的には、設定調節ボタン204を操作したときには、その操作を受け付けて内部的に音量や光量を調整することが可能であるものの、実行中の音量や光量に反映されることがないようにしている。このような内部的に調整された音量や光量については、通常時の動作に戻されたときに、その内部的に調整された音量や光量に基づいて、実行中の音量や光量に反映されることとなる。なお、演出表示装置1600については、設定調節ボタン204を操作したときに、光量が変化するものとしてもよい。
次いで、タイミングt3の時点で、通常状態において枠飾り部材を取り付けるために再び扉枠3を開放した場合には、タイミングt1の時点で、通常状態において扉枠3を開放した場合と略同じ挙動を示している。つまり、枠飾り部材を取り外している状況において、再び扉枠3を開放した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、枠飾り未接続時の動作よりも優先して開放時の動作を実行している。ただし、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材を取り外したことから、開放時の動作を実行することがない。また、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、演出表示装置1600については、開放時の動作に付加して枠飾り未接続時の動作を実行している。
次いで、扉枠3を開放した後、タイミングtyの時点で、通常状態において再び枠飾り部材を取り付けた場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が接続されたと判断している。このとき、タイミングt2で扉枠3を開放した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、開放時の動作を実行しているが、タイミングtyの時点で、枠飾り部材を取り付けた後にも、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、開放時の動作を継続している。ただし、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、演出表示装置1600については、タイミングtyの時点で、枠飾り部材を取り付けた後にも、開放時の動作に付加して枠飾り未接続時の動作を継続している。また、枠飾り部材を取り付けた後、後述するタイミングt4の時点で、扉枠3を閉鎖した後には、開放時の動作を終了するが、通常時の動作に戻ることがなく、枠飾り未接続時の動作を継続している。これにより、通常状態において枠飾り部材を取り外した場合には、再び枠飾り部材を取り付けたとしても、枠飾り部材が未接続になった痕跡を残すことができ、枠飾り部材の着脱を用いての不正な行為が行われることを防止することができる。
また、タイミングtyの時点で、通常状態において枠飾り部材を取り付けた場合には、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材を取り付けることで電気の供給が開始されているものの、その後に点灯や点滅を行うことがなく、消灯した状態としている。これにより、通常状態において枠飾り部材を取り外した場合には、再び枠飾り部材を取り付けたとしても、枠飾り部材が未接続になった痕跡を残すことができ、枠飾り部材の着脱を用いての不正な行為が行われることを防止することができる。また、本例では、タイミングtz1の判定タイミングよりも前に、リユース許可スイッチを操作しておらず、タイミングtz1の後に通常状態のままでリユース確認状態に移行していないが、そのような通常状態において枠飾り部材を取り付けた(脱着した)としても、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態を確認することができないようにしている。つまり、通常状態では、枠飾り部材を取り付けることでの枠飾り部材の動作を許容していない。
次いで、枠飾り部材を取り付けた後、タイミングt4の時点で、通常状態において扉枠3を閉鎖した場合には、扉枠3の閉鎖を検知するための閉鎖スイッチの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、扉枠3の閉鎖を伝えるための扉枠閉鎖コマンドを周辺制御基板1510へ向けて出力している。このとき、タイミングtyで枠飾り部材を取り付けた後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、開放時の動作を実行しているが、タイミングt4の時点で、周辺制御基板1510が扉枠閉鎖コマンドを受信することに基づいて、開放時の動作を終了し、通常時の動作を実行している。ただし、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、ランプB(枠飾り外LED2)については、扉枠閉鎖コマンドを受信してから所定期間(例えば、10秒)、閉鎖時の発光を実行するようにし、その所定期間が経過した後に、通常時の発光を実行するようにしている。これにより、扉枠3の開閉時間が短いものであったとしても、閉鎖時の発光を実行することで、ホール側で扉枠3の開放があった旨を気付きやすくすることができる。
また、詳しくは上記したが、枠飾り部材を取り付けた後、タイミングt4の時点で、扉枠3を閉鎖した後には、開放時の動作を終了するが、通常時の動作に戻ることがなく、枠飾り未接続時の動作を継続している。また、タイミングtyの時点で、通常状態において枠飾り部材を取り付けた場合には、ランプA(枠飾り内LED)については、消灯した状態としているが、タイミングt4の時点で、扉枠3を閉鎖した後にも、その消灯した状態を継続するようにしている。このような場合、その後に電源を入れ直さなければ、消灯した状態を解除することがなく、点灯することがないため、脱着した枠飾り部材の動作状態を確認する際の手間がかかるものとなっている。
(リユース確認状態Aにおける枠飾り部材の脱着その1)
図118は、リユース確認状態Aにおける扉枠3の開放中に枠飾り部材を取り外して次の扉枠3の開放中に枠飾り部材を取り付けた場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。まず、所定の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作することで、通常状態からリユース確認状態Aに移行した後に、枠飾り部材を脱着した場合について説明する。また、リユース確認状態Aにおける枠飾り部材の脱着については、リユースが可能な部品として用いられる複数の枠飾り部材の動作状態を確認する場合において、扉枠3を開放して枠飾り部材を取り外した後に、枠飾り部材が未接続のままで扉枠3を一旦閉鎖するようにし、再び扉枠3を開放して別の枠飾り部材を取り付けたり、同じ枠飾り部材を再確認のために再度取り付けたりすることを想定している。
図118に示すように、まず、タイミングtsで電源投入した後には、図117に示したタイミングtsで電源投入した場合と同じ挙動を示している。例えば、タイミングtsで電源投入した後には、主制御基板1310及び周辺制御基板1510の電源投入時処理を行い、主制御基板1510側での遊技状態を通常状態に制御し、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、電源投入後の通常状態では、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができ、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。また、周辺制御基板1510は、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340や演出操作ユニット250などの枠飾り部材と電気的に接続されているか否かを監視しているが、タイミングtsで電源投入した後において、後述するタイミングtxが到来するまでの間には、枠飾り部材が取り外されておらず、枠飾り部材が接続されていると判断している。また、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、タイミングtsで電源投入した後において、通常時の動作を実行している。
そして、タイミングtsで電源投入した後に、所定期間が経過したタイミングtz1の時点では、タイミングtz1よりも前にリユース許可スイッチを操作したか否かを判定する判定タイミングが設けられている。つまり、判定タイミングでは、タイミングtsからタイミングtz1までの間にリユース許可スイッチを操作したか否かを判定している。ここでは、タイミングtz1よりも前のタイミングtx3の時点で、リユース許可スイッチを操作することで、タイミングtz1の時点で、通常状態からリユース確認状態Aに移行している。なお、主制御基板1310は、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後には、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間としている。つまり、リユース確認状態Aでは、遊技者がハンドル160を操作したとしても、遊技領域5aへ遊技球の発射ができず、仮に始動入賞があったとしても、特別図柄の変動表示を開始することができず、通常の遊技を行うことができない状態としている。これにより、リユース確認状態Aには、枠飾り部材の脱着や、枠飾り部材の動作状態の確認が、通常の遊技が行われることによって阻害されることを防止することができる。なお、リユース確認状態Aでは、後述するタイミングtz4で再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態Aを終了するまでの間、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間を継続するものとしている。
また、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち一部の部材を用いて、リユース確認時の動作を実行している。具体的には、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後に、演出表示装置1600では、リユース確認時の表示として、「枠飾り部材の動作確認を行うことができます」というメッセージを表示するようにし、スピーカからは、リユース確認音として、「枠飾り部材の動作確認を行うことができます」という音声を出力するようにしている。一方、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、ランプA(枠飾り内LED)やランプB(枠飾り外LED1)、ランプB(枠飾り外LED2)については、リユース確認時の動作を実行することなく、通常時の動作を継続している。このように、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち一部の部材だけが、リユース確認時の動作を実行しているが、リユース確認状態Aへの移行については、作業者がリユース許可スイッチを操作することに起因するものであり、外部に向けて認識しやすく報知する必要がないことから、ランプA(枠飾り内LED)やランプB(枠飾り外LED1)、ランプB(枠飾り外LED2)では、リユース確認時の動作を実行しないものとしている。また、このようなリユース確認時の動作については、後述するタイミングtz4で再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態Aを終了するまでの間、継続するものとしている。
また、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち一部の部材については、リユース確認時の動作を実行しているが、そのような部材については、LEDなどの光量を一定とし、スピーカからの音量を一定としている。このため、リユース確認時の動作を実行している部材については、設定調節ボタン204を操作したとしても音量や光量が変化することがない。具体的には、設定調節ボタン204を操作したときには、その操作を受け付けて内部的に音量や光量を調整することが可能であるものの、実行中の音量や光量に反映されることがないようにしている。このような内部的に調整された音量や光量については、後述するタイミングtz4で再びリユース許可スイッチを操作することにより、リユース確認状態Aから通常状態に移行して通常時の動作に戻されたときに、その内部的に調整された音量や光量に基づいて、実行中の音量や光量に反映されることとなる。一方、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後にも、通常時の動作を実行している部材として、ランプA(枠飾り内LED)やランプB(枠飾り外LED2)については、設定調節ボタン204を操作することで光量が変化するものとしているが、ランプB(枠飾り外LED1)については、LEDの光量を一定とし、設定調節ボタン204を操作したとしても光量が変化することがないようにしている。このように、本例では、LEDの光量を一定とした部材が設けられていることから、LEDの光量を一定としない部材に対して光量が変化しているか否かを容易に判別することができる。なお、演出表示装置1600については、設定調節ボタン204を操作したときに、光量が変化するものとしてもよい。
また、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後には、外部端子板からは、ホールコンピュータに対してリユース確認信号を出力するようにし、ホール側でリユース確認状態Aへの移行があった旨を把握できるようにしている。このようなリユース確認信号については、後述するタイミングtz4で再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態Aを終了したときに、ホールコンピュータに対する出力を終了している。なお、リユース確認信号については、リユース確認状態Aを終了した後、所定期間(例えば、30秒)が経過したときに、ホールコンピュータに対する出力を終了してもよい。これにより、リユース確認状態Aへの移行期間が短いものであったとしても、ホール側でリユース確認状態Aへの移行があった旨を気付きやすくすることができる。
次いで、タイミングt1の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を開放した場合には、扉枠3の開放を検知するための開放スイッチの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、扉枠3の開放を伝えるための扉枠開放コマンドを周辺制御基板1510へ向けて出力している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングt1の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングt1の後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングt1の後においても、リユース確認時の動作を継続している。つまり、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を開放した場合には、周辺制御基板1510が扉枠開放コマンドを受信するものの、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、開放時の動作を実行することがなく、タイミングt1の前後で変化しないものとしている。これにより、リユース確認状態Aには、枠飾り部材の脱着や、枠飾り部材の動作状態の確認が、開放時の動作が実行されることによって阻害されることを防止することができる。
また、タイミングt1の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を開放した場合には、外部端子板からは、ホールコンピュータに対して扉枠開放信号を出力するようにし、ホール側で扉枠3の開放があった旨を把握できるようにしている。このような扉枠開放信号については、後述するタイミングt2で扉枠3が閉鎖された後、所定期間(例えば、30秒)が経過したときに、ホールコンピュータに対する出力を終了している。これにより、扉枠3の開閉時間が短いものであったとしても、ホール側で扉枠3の開放があった旨を気付きやすくすることができる。
次いで、扉枠3を開放した後、タイミングtxの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外した場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が未接続であると判断している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングtxの前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングtxの後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングtxの後においても、リユース確認時の動作を継続している。また、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外した場合には、枠飾り部材が取り外されているものの、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、枠飾り未接続時の動作を実行することがなく、タイミングtxの前後で変化しないものとしている。つまり、リユース確認状態Aでは、枠飾り未接続時の動作を実行しない状態での枠飾り部材の取り外しを許容している。これにより、リユース確認状態Aには、枠飾り部材の脱着や、枠飾り部材の動作状態の確認が、枠飾り未接続時の動作が実行されることによって阻害されることを防止することができる。
なお、パチンコ機1の挙動については、タイミングtxの前後で変化していないが、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材を取り外したことから、その後にLEDが点灯や点滅を行うことがないものとなっている。
次いで、枠飾り部材を取り外した後、タイミングt2の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を閉鎖した場合には、扉枠3の閉鎖を検知するための閉鎖スイッチの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、扉枠3の閉鎖を伝えるための扉枠閉鎖コマンドを周辺制御基板1510へ向けて出力している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングt2の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングt2の後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングt2の後においても、リユース確認時の動作を継続している。つまり、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を閉鎖した場合には、周辺制御基板1510が扉枠閉鎖コマンドを受信するものの、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、閉鎖時の動作を実行することがなく、タイミングt2の前後で変化しないものとしている。これにより、リユース確認状態Aには、枠飾り部材の脱着や、枠飾り部材の動作状態の確認が、閉鎖時の動作が実行されることによって阻害されることを防止することができる。
次いで、タイミングt3の時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り付けるために再び扉枠3を開放した場合には、タイミングt1の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を開放した場合と略同じ挙動を示している。つまり、枠飾り部材を取り外している状況において、再び扉枠3を開放した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、開放時の動作を実行することがなく、タイミングt3の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングt3の後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングt3の後においても、リユース確認時の動作を継続している。
次いで、扉枠3を開放した後、タイミングtyの時点で、リユース確認状態Aにおいて再び枠飾り部材を取り付けた場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が接続されたと判断している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングtyの前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングtyの後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングtyの後においても、リユース確認時の動作を継続している。
また、タイミングtyの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り付けた場合には、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材を取り付けることで電気の供給が開始されるようになり、通常時の動作を実行している。詳しくは上記したが、通常時の動作では、特別図柄の変動表示が実行されていないときには、特別図柄の変動表示が開始されることを待機する状態での待機演出(例えば、デモ演出)に対応する動作を実行するようにし、特別図柄の変動表示が実行されているときには、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信することに基づいて、変動演出(変動パターンに基づく演出)に対応する動作を実行するようにしている。例えば、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信したときには、ランプA(枠飾り内LED)では、演出表示装置1600で実行される演出表示に連動してLEDが点灯や点滅を行うようにしている。ただし、枠飾り部材を取り付けた場合において、ランプA(枠飾り内LED)への配線が断線して電気が供給されない状況や、ランプA(枠飾り内LED)のそのものが故障した状況などの不具合が発生している場合には、通常時の動作を実行することがなく、LEDが点灯や点滅を行うことがない。
本例では、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作しない場合には、通常状態のままでリユース確認状態に移行せず、枠飾り部材を取り外した後に再び枠飾り部材を取り付けたとしても、その後に点灯や点滅を行うことがなく、消灯した状態としていたが、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを1回操作した場合には、リユース確認状態Aに移行し、そのリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外した後、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けることで、通常時の動作を実行するようにしている。つまり、リユース確認状態Aでは、枠飾り部材を取り付けることで枠飾り部材の動作を許容している。そして、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを1回操作することを条件として、リユース確認状態Aに移行しているが、そのリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り付けた(脱着した)ときには、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態を確認することができるようにしている。
また、本例では、タイミングtx~タイミングtyまでの期間、すなわちリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材の脱着のために枠飾り部材を取り外している期間には、ランプA(枠飾り内LED)については、LEDが点灯や点滅を行うことがない。しかしながら、このような期間において、設定調節ボタン204を操作したときには、その操作を受け付けて内部的に音量や光量を調整することが可能であるものの、ランプA(枠飾り内LED)に対する光量に反映されることがない状態としている。このような内部的に調整された音量や光量については、後述するタイミングtyで再び枠飾り部材を取り付けることにより、LEDの点灯や点滅が可能になったときに、その内部的に調整された光量に基づいて、ランプA(枠飾り内LED)に対する光量に反映されることとなる。このように、本例では、後述するタイミングtyで再び枠飾り部材を取り付けた際に、内部的に調整されている光量をリセットして初期状態に戻すといったことがなく、その内部的に調整されている光量がそのまま反映されることから、取り付けた(脱着した)枠飾り部材のランプA(枠飾り内LED)に対する光量が正常に変化するものであるか否かを容易に判別することができる。なお、枠飾り部材を取り外している期間であるか否かにかかわらず、ランプB(枠飾り外LED1)については、LEDの光量を一定とし、設定調節ボタン204を操作したとしても光量が変化することがないようにしている。このため、タイミングtyで再び枠飾り部材を取り付けた際に、ランプB(枠飾り外LED1)と比較して、枠飾り部材のランプA(枠飾り内LED)に対する光量が正常に変化しているか否かを容易に判別することができる。
上記したランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されている枠飾り内LEDであり、枠飾り部材に設けられているものであるが、枠飾り部材には、ランプA(枠飾り内LED)とは別に、枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されている枠飾り内LED2(ランプA’)を設けるようにしてもよい。そして、ランプA’(枠飾り内LED2)については、LEDの光量を一定とし、設定調節ボタン204を操作したとしても音量や光量が変化することがないようにしている。これにより、ランプA’(枠飾り内LED2)については、ランプA(枠飾り内LED)と同じく枠飾り部材に設けられていることから、タイミングtyで再び枠飾り部材を取り付けた際に、枠飾り部材のランプA’(枠飾り内LED2)と比較して、枠飾り部材を取り外している期間に内部的に調整されている光量で、枠飾り部材のランプA(枠飾り内LED)に対する光量が正常に変化しているか否かを容易に判別することができる。
次いで、枠飾り部材を取り付けた後、タイミングt4の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を閉鎖した場合には、タイミングt2の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を閉鎖した場合と略同じ挙動を示している。つまり、枠飾り部材を取り付けた後、扉枠3を閉鎖した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、閉鎖時の動作を実行することがなく、タイミングt4の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングt4の後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングt4の後においても、リユース確認時の動作を継続している。
次いで、扉枠3を閉鎖した後、タイミングtz4の時点で、再びリユース許可スイッチを操作した場合には、リユース確認状態Aを終了して通常状態に移行している。ここで、通常状態とは、タイミングtsで電源投入した後の通常状態と同じである。つまり、主制御基板1310は、タイミングtz4で通常状態に移行した後には、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。また、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、タイミングtz4で通常状態に移行した後において、通常時の動作を実行している。このように、本例では、リユースが可能な部品としての枠飾り部材を脱着しつつ、その枠飾り部材の動作状態の確認が終了した後には、リユース確認状態Aから再び通常状態に戻すことができることから、枠飾り部材の動作状態の確認に続いて、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認を行うことができる。
なお、本例では、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外した後、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けることで、ランプA(枠飾り内LED)が通常時の動作を実行しているが、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けたときには通常時の動作を実行せず、枠飾り部材を取り付けた後に動作許可スイッチを操作することで、ランプA(枠飾り内LED)が通常時の動作を実行するようにしてもよい。動作許可スイッチについては、パチンコ機1の裏面側に設けられ、遊技者が触れることができない作業用の操作部(ON状態とOFF状態とを切り替え可能にするボタンや、キー挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にするキースイッチ等)として主制御基板1310に設けられている。また、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けてから、動作許可スイッチを操作するまでの間には、ランプA(枠飾り内LED)が待機時の動作として、例えば、LEDが点灯した状態や消灯した状態としている。これにより、枠飾り部材の動作状態の確認については、動作許可スイッチを操作することによりホール管理者が任意で開始することができ、利便性の向上を図ることができる。
上記した動作許可スイッチについては、リユース許可スイッチとは別個に設けられているが、リユース許可スイッチが動作許可スイッチの機能を兼用するようにしてもよい。つまり、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けたときには通常時の動作を実行せず、枠飾り部材を取り付けた後にリユース許可スイッチを操作することで、ランプA(枠飾り内LED)が通常時の動作を実行するようにしてもよい。また、リユース許可スイッチについては、複数の選択肢のなかから1つの選択肢を選択しうるように構成してもよく、リユース確認状態を開始するための選択肢と、ランプA(枠飾り内LED)が通常時の動作を実行するための選択肢と、を有するように構成してもよい。
また、本例では、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外した後、タイミングtyの時点で、扉枠3の開放中に再び枠飾り部材を取り付けることで、ランプA(枠飾り内LED)が通常時の動作を実行しているが、タイミングtyの時点で、扉枠3の開放中に再び枠飾り部材を取り付けたときには通常時の動作を実行せず、タイミングt2の時点で、開放中の扉枠3を閉鎖することで、ランプA(枠飾り内LED)が通常時の動作を実行するようにしてもよい。このとき、タイミングtyの時点で、扉枠3の開放中に再び枠飾り部材を取り付けてから、開放中の扉枠3を閉鎖するまでの間には、ランプA(枠飾り内LED)が待機時の動作として、例えば、LEDが点灯した状態や消灯した状態としている。これにより、枠飾り部材の動作状態の確認については、扉枠3を閉鎖することによりホール管理者が任意で開始することができ、利便性の向上を図ることができる。
また、本例では、タイミングtz4の時点で、再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態を終了するよりも前には、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間とし、タイミングtz4の時点で、再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態を終了するときには、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としているが、再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態を終了するよりも前のタイミングであっても、遊技許可スイッチを操作することで、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間に移行するようにしてもよい。遊技許可スイッチについては、パチンコ機1の裏面側に設けられ、遊技者が触れることができない作業用の操作部(ON状態とOFF状態とを切り替え可能にするボタンや、キー挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にするキースイッチ等)として主制御基板1310に設けられている。これにより、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間では、ハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができ、始動入賞があったときに、抽選を行って特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができることから、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認については、遊技許可スイッチを操作することによりホール管理者が任意で開始することができ、利便性の向上を図ることができる。
上記した遊技許可スイッチについては、リユース許可スイッチとは別個に設けられているが、リユース許可スイッチが遊技許可スイッチの機能を兼用するようにしてもよい。つまり、再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態を終了するよりも前のタイミングにてリユース許可スイッチを操作することで、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間に移行するようにしてもよい。また、リユース許可スイッチについては、複数の選択肢のなかから1つの選択肢を選択しうるように構成してもよく、リユース確認状態を開始するための選択肢と、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間に移行するための選択肢と、を有するように構成してもよい。
上記では、電源投入後における所定の判定タイミングで、リユース許可スイッチの操作情報の入力回数の記憶が「1回」の場合(例えば、判定タイミングよりも前あるいは判定タイミングと同時にリユース許可スイッチが1回ON操作された場合等)には、通常状態からリユース確認状態Aに移行し、そのリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を脱着しているが、リユース許可スイッチの操作情報の入力回数の記憶が「2回以上」の場合(例えば、判定タイミングよりも前あるいは判定タイミングと同時にリユース許可スイッチが2回ON操作された場合等)には、通常状態からリユース確認状態Bに移行し、そのリユース確認状態Bにおいて枠飾り部材を脱着することを可能にしている。ここで、リユース確認状態Aでは、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間としているが、リユース確認状態Bでは、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。また、リユース確認状態Bについては、それ以外の点で、リユース確認状態Aにおけるパチンコ機1の挙動と同じ挙動を示している。例えば、タイミングtz1の判定タイミングの時点で、リユース許可スイッチの操作情報の入力回数の記憶が「2回以上」であることを条件として、リユース確認状態Bに移行した場合にも、そのリユース確認状態Bにおいて枠飾り部材を取り付けた(脱着した)ときに、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態の確認を可能にしている。
図119は、リユース確認状態Bにおける扉枠3の開放中に枠飾り部材を取り外して次の扉枠3の開放中に枠飾り部材を取り付けた場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。ここでは、リユース確認状態Aと異なる点を中心に記載している。
図119に示すように、タイミングtsで電源投入した後には、主制御基板1310及び周辺制御基板1510の電源投入時処理を行い、主制御基板1510側での遊技状態を通常状態に制御し、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。そして、タイミングtsで電源投入した後に、所定期間が経過したタイミングtz1の時点では、タイミングtz1よりも前にリユース許可スイッチを操作したか否かを判定する判定タイミングが設けられているが、その判定タイミングでは、タイミングtsからタイミングtz1までの間にリユース許可スイッチを操作した回数についても判定している。ここでは、タイミングtz1よりも前に、リユース許可スイッチを2回操作することで、タイミングtz1の時点で、通常状態からリユース確認状態Bに移行している。そして、リユース確認状態Aでは、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、リユース確認状態Aでは、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができ、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。なお、リユース確認状態Aでは、タイミングtz4で再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態Aを終了するまでの間、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間を継続するものとしている。
また、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを2回操作した場合には、リユース確認状態Bに移行し、そのリユース確認状態Bにおいて枠飾り部材を取り外した後、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けることで、通常時の動作を実行するようにしている。つまり、リユース確認状態Bでは、枠飾り部材を取り付けることで枠飾り部材の動作を許容している。そして、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを2回操作することを条件として、リユース確認状態Bに移行しているが、そのリユース確認状態Bにおいて枠飾り部材を取り付けた(脱着した)ときには、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態を確認することができるようにしている。
本例では、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを2回操作した場合には、リユース確認状態Bに移行しているが、そのリユース確認状態Bについては、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。このため、リユース確認状態Bでは、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認を行うことができる。つまり、リユース確認状態Bでは、リユースが可能な部品としての枠飾り部材を脱着しつつ、その枠飾り部材の動作状態の確認を可能にしているが、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認についても、リユース確認状態Bから再び通常状態に戻すのを待たずに、同時期に行うことができ、複数の枠飾り部材の動作状態の確認を含めたパチンコ機1の点検に対する効率化を図ることができる。
(リユース確認状態Aにおける枠飾り部材の脱着その2)
図120は、リユース確認状態Aにおける扉枠3の開放中に枠飾り部材を脱着した場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。まず、所定の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作することで、通常状態からリユース確認状態Aに移行した後に、枠飾り部材を脱着した場合について説明する。また、枠飾り部材の脱着については、リユースが可能な部品として用いられる複数の枠飾り部材の動作状態を確認する場合において、扉枠3を開放して枠飾り部材を取り外した後に、扉枠3を閉鎖しないままで、別の枠飾り部材を取り付けたり、同じ枠飾り部材を再確認のために再度取り付けたりすることを想定している。
図120に示すように、タイミングtsで電源投入した後には、所定の作業を経て、タイミングtxの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外しているが、そのような期間においては、図118に示したタイミングtsで電源投入した後に、タイミングtxの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外すまでの期間と同じ挙動を示している。つまり、タイミングtsで電源投入した後には、タイミングtz3の時点で、リユース許可スイッチを操作し、タイミングtz1の時点で、通常状態からリユース確認状態Aに移行し、タイミングt1の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を開放し、タイミングtxの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外すという点で、図118に示した作業と同じ作業を行っており、パチンコ機1の挙動は、同じ挙動を示している。
本例では、扉枠3を開放した後、タイミングtxの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外しているが、枠飾り部材を取り外した後に扉枠3を閉鎖することなく、その扉枠3の開放中において、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けている。このように、扉枠3の開放中において、タイミングtyの時点で、リユース確認状態Aにおいて再び枠飾り部材を取り付けた場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が接続されたと判断している。
そして、扉枠3の開放中において、タイミングtyの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り付けた場合には、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材を取り付けることで電気の供給が開始されるようになり、通常時の動作を実行している。詳しくは上記したが、通常時の動作では、特別図柄の変動表示が実行されていないときには、特別図柄の変動表示が開始されることを待機する状態での待機演出(例えば、デモ演出)に対応する動作を実行するようにし、特別図柄の変動表示が実行されているときには、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信することに基づいて、変動演出(変動パターンに基づく演出)に対応する動作を実行するようにしている。例えば、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信したときには、ランプA(枠飾り内LED)では、演出表示装置1600で実行される演出表示に連動してLEDが点灯や点滅を行うようにしている。ただし、枠飾り部材を取り付けた場合において、ランプA(枠飾り内LED)への配線が断線して電気が供給されない状況や、ランプA(枠飾り内LED)のそのものが故障した状況などの不具合が発生している場合には、通常時の動作を実行することがなく、LEDが点灯や点滅を行うことがない。
なお、パチンコ機1の挙動については、タイミングtyの前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングtyの後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングtyの後においても、リユース確認時の動作を継続している。
本例では、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作しない場合には、通常状態のままでリユース確認状態に移行せず、再び枠飾り部材を取り付けたとしても、その後に点灯や点滅を行うことがなく、消灯した状態としていたが、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを1回操作した場合には、リユース確認状態Aに移行し、再び枠飾り部材を取り付けることで、通常時の動作を実行するようにしている。つまり、リユース確認状態Aでは、枠飾り部材を取り付けることで枠飾り部材の動作を許容している。そして、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを1回操作することを条件として、リユース確認状態Aに移行しているが、そのリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り付けた(脱着した)ときに、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態を確認することができるようにしている。また、本例では、扉枠3の開放中において、タイミングtxの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外し、その扉枠3の開放中において、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けた場合にも、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態を確認することが可能になっている。つまり、タイミングtxの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外した後、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けるまでの間に、必ずしも扉枠3を閉鎖して再び開放するといった作業を行う必要がない。このように、一回の扉枠3の開放中において、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を脱着した場合にも、その脱着した枠飾り部材の動作状態を確認することが可能であることから、複数の枠飾り部材の動作状態の確認に対する効率化を図ることができる。
また、本例では、タイミングtx~タイミングtyまでの期間、すなわちリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材の脱着のために枠飾り部材を取り外している期間には、ランプA(枠飾り内LED)については、LEDが点灯や点滅を行うことがない。しかしながら、このような期間において、設定調節ボタン204を操作したときには、その操作を受け付けて内部的に音量や光量を調整することが可能であるものの、ランプA(枠飾り内LED)に対する光量に反映されることがない状態としている。このような内部的に調整された音量や光量については、後述するタイミングtyで再び枠飾り部材を取り付けることにより、LEDの点灯や点滅が可能になったときに、その内部的に調整された光量に基づいて、ランプA(枠飾り内LED)に対する光量に反映されることとなる。このように、本例では、後述するタイミングtyで再び枠飾り部材を取り付けた際に、内部的に調整されている光量をリセットして初期状態に戻すといったことがなく、その内部的に調整されている光量がそのまま反映されることから、取り付けた(脱着した)枠飾り部材のランプA(枠飾り内LED)に対する光量が正常に変化するものであるか否かを容易に判別することができる。なお、枠飾り部材を取り外している期間であるか否かにかかわらず、ランプB(枠飾り外LED1)については、LEDの光量を一定とし、設定調節ボタン204を操作したとしても光量が変化することがないようにしている。このため、タイミングtyで再び枠飾り部材を取り付けた際に、ランプB(枠飾り外LED1)と比較して、枠飾り部材のランプA(枠飾り内LED)に対する光量が正常に変化しているか否かを容易に判別することができる。
次いで、枠飾り部材を取り付けた後、タイミングt2の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を閉鎖した場合には、扉枠3の閉鎖を検知するための閉鎖スイッチの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、扉枠3の閉鎖を伝えるための扉枠閉鎖コマンドを周辺制御基板1510へ向けて出力している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングt2の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングt2の後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングt2の後においても、リユース確認時の動作を継続している。つまり、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を閉鎖した場合には、周辺制御基板1510が扉枠閉鎖コマンドを受信するものの、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、閉鎖時の動作を実行することがなく、タイミングt2の前後で変化しないものとしている。これにより、リユース確認状態Aには、枠飾り部材の脱着や、枠飾り部材の動作状態の確認が、閉鎖時の動作が実行されることによって阻害されることを防止することができる。
次いで、再び扉枠3を開放した後、その扉枠3の開放中において、別の枠飾り部材に脱着する場合には、上記したタイミングt1~タイミングt2までの期間が繰り返されることとなる。つまり、タイミングt1’の時点で、扉枠3を開放し、タイミングtx’の時点で、枠飾り部材を取り外し、タイミングty’の時点で、別の枠飾り部材を取り付け、タイミングt2’の時点で、扉枠3を閉鎖するという点で、上記したタイミングt1~タイミングt2までの期間と同じ作業を行っており、パチンコ機1の挙動は、同じ挙動を示している。
次いで、扉枠3を閉鎖した後、タイミングtz4の時点で、再びリユース許可スイッチを操作した場合には、リユース確認状態Aを終了して通常状態に移行している。ここで、通常状態とは、タイミングtsで電源投入した後の通常状態と同じである。つまり、主制御基板1310は、タイミングtz4で通常状態に移行した後には、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。また、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、タイミングtz4で通常状態に移行した後において、通常時の動作を実行している。このように、本例では、リユースが可能な部品としての枠飾り部材を脱着しつつ、その枠飾り部材の動作状態の確認が終了した後には、リユース確認状態Aから再び通常状態に戻すことができることから、枠飾り部材の動作状態の確認に続いて、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認を行うことができる。
上記では、電源投入後における所定の判定タイミングで、リユース許可スイッチの操作情報の入力回数の記憶が「1回」の場合(例えば、判定タイミングよりも前あるいは判定タイミングと同時にリユース許可スイッチが1回ON操作された場合等)には、通常状態からリユース確認状態Aに移行し、そのリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を脱着しているが、リユース許可スイッチの操作情報の入力回数の記憶が「2回以上」の場合(例えば、判定タイミングよりも前あるいは判定タイミングと同時にリユース許可スイッチが2回ON操作された場合等)には、通常状態からリユース確認状態Bに移行し、そのリユース確認状態Bにおいて枠飾り部材を脱着することを可能にしている。ここで、リユース確認状態Aでは、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間としているが、リユース確認状態Bでは、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。また、リユース確認状態Bについては、それ以外の点で、リユース確認状態Aにおけるパチンコ機1の挙動と同じ挙動を示している。例えば、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを2回操作することを条件として、リユース確認状態Bに移行した場合にも、そのリユース確認状態Bにおいて枠飾り部材を取り付けた(脱着した)ときに、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態の確認を可能にしている。
図121は、リユース確認状態Bにおける扉枠3の開放中に枠飾り部材を脱着した場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。ここでは、リユース確認状態Aと異なる点を中心に記載している。
図121に示すように、タイミングtsで電源投入した後には、主制御基板1310及び周辺制御基板1510の電源投入時処理を行い、主制御基板1510側での遊技状態を通常状態に制御し、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。そして、タイミングtsで電源投入した後に、所定期間が経過したタイミングtz1の時点では、タイミングtz1よりも前にリユース許可スイッチを操作したか否かを判定する判定タイミングが設けられているが、その判定タイミングでは、タイミングtsからタイミングtz1までの間にリユース許可スイッチを操作した回数についても判定している。ここでは、タイミングtz1よりも前に、リユース許可スイッチを2回操作することで、タイミングtz1の時点で、通常状態からリユース確認状態Bに移行している。そして、リユース確認状態Bでは、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、リユース確認状態Bでは、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができ、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。なお、リユース確認状態Bでは、タイミングtz4で再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態Bを終了するまでの間、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間を継続するものとしている。
また、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを2回操作した場合には、リユース確認状態Bに移行し、そのリユース確認状態Bにおいて枠飾り部材を取り外した後、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けることで、通常時の動作を実行するようにしている。つまり、リユース確認状態Bでは、枠飾り部材を取り付けることで枠飾り部材の動作を許容している。そして、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを2回操作することを条件として、リユース確認状態Bに移行しているが、そのリユース確認状態Bにおいて枠飾り部材を取り付けた(脱着した)ときには、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態を確認することができるにしている。
本例では、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを2回操作した場合には、リユース確認状態Bに移行しているが、そのリユース確認状態Bについては、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。このため、リユース確認状態Bでは、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認を行うことができる。つまり、リユース確認状態Bでは、リユースが可能な部品としての枠飾り部材を脱着しつつ、その枠飾り部材の動作状態の確認を可能にしているが、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認についても、リユース確認状態Bから再び通常状態に戻すのを待たずに、同時期に行うことができ、複数の枠飾り部材の動作状態の確認を含めたパチンコ機1の点検に対する効率化を図ることができる。
(判定タイミングにて枠飾り部材が未接続である場合における枠飾り部材の取り付けについて)
図122は、判定タイミングにて枠飾り部材が未接続であると判定した後に枠飾り部材を取り付けた場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。上記では、所定の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作し、且つ、所定の判定タイミングにて枠飾り部材が接続されていると判定した場合に、通常状態からリユース確認状態Aに移行し、そのリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り付けた(脱着した)ときに、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態の確認を可能にしている。一方、所定の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作したとしても、所定の判定タイミングにて枠飾り部材が未接続であると判定した場合には、通常状態からリユース確認状態Aに移行することがない。そして、その後に枠飾り部材を取り付けた場合であっても、LEDが点灯や点滅を行うことがなく、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態を確認できないようにしている。そのような具体例について、以下に説明する。
図122に示すように、まず、タイミングtsで電源投入した後には、図117に示したタイミングtsで電源投入した場合と略同じ挙動を示している。例えば、タイミングtsで電源投入した後には、主制御基板1310及び周辺制御基板1510の電源投入時処理を行い、主制御基板1510側での遊技状態を通常状態に制御し、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、電源投入後の通常状態では、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができ、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。また、周辺制御基板1510は、演出操作ユニット250や演出操作ユニット250などの枠飾り部材と電気的に接続されているか否かを監視しているが、タイミングtsで電源投入した後において、後述するタイミングtxが到来するまでの間には、枠飾り部材が未接続であると判断している。つまり、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材が未接続であることから、LEDが点灯や点滅を行うことがない。また、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、タイミングtsで電源投入した後において、通常時の動作を実行している。
そして、タイミングtsで電源投入した後に、所定期間が経過したタイミングtz1の時点では、タイミングtz1よりも前にリユース許可スイッチを操作したか否かを判定する判定タイミングが設けられているが、その判定タイミングでは、枠飾り部材が未接続であるか否かについても判定している。そして、タイミングtz1よりも前に、リユース許可スイッチを操作した状況において、判定タイミングにて枠飾り部材が接続されていると判定した場合には、通常状態からリユース確認状態Aに移行しているが、判定タイミングにて枠飾り部材が未接続であると判定した場合には、通常状態からリユース確認状態Aに移行することがなく、その後に通常状態を継続している。なお、通常状態では、タイミングtz1等で枠飾り部材が未接続であるか否かにかかわらず、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間を継続するものとしている。
また、タイミングtz1で枠飾り部材が未接続であると判定した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち一部の部材を用いて、リユース確認未作動時の動作を実行している。具体的には、タイミングtz1で枠飾り部材が未接続であると判定した後に、演出表示装置1600では、リユース確認未作動時の表示として、「枠飾り部材の動作確認を行うことができません」というメッセージを表示するようにし、スピーカからは、リユース確認未作動音として、「枠飾り部材の動作確認を行うことができません」という音声を出力するようにしている。一方、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、ランプA(枠飾り内LED)やランプB(枠飾り外LED1)、ランプB(枠飾り外LED2)については、リユース確認未作動時の動作を実行することなく、通常時の動作を継続している。このように、タイミングtz1で枠飾り部材が未接続であると判定した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち一部の部材だけが、リユース確認未作動時の動作を実行しているが、タイミングtz1で枠飾り部材が未接続であると判定したことについては、作業者がリユース許可スイッチを操作することに起因するものであり、外部に向けて認識しやすく報知する必要がないことから、ランプA(枠飾り内LED)やランプB(枠飾り外LED1)、ランプB(枠飾り外LED2)では、リユース確認未確認時の動作を実行しないものとしている。また、このようなリユース確認未作動時の動作については、タイミングtz1で枠飾り部材が未接続であると判定した後に枠飾り部材を取り付けたか否かや、扉枠3を開閉したか否かにかかわらず、継続するものとしている。
また、タイミングtz1で枠飾り部材が未接続であると判定した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち一部の部材については、リユース確認未動作時の動作を実行しているが、そのような部材については、LEDなどの光量を一定とし、スピーカからの音量を一定としている。このため、リユース確認未動作時の動作を実行している部材については、設定調節ボタン204を操作したとしても音量や光量が変化することがない。具体的には、設定調節ボタン204を操作したときには、その操作を受け付けて内部的に音量や光量を調整することが可能であるものの、実行中の音量や光量に反映されることがないようにしている。一方、タイミングtz1で枠飾り部材が未接続であると判定した後にも、通常時の動作を実行している部材として、ランプB(枠飾り外LED2)については、設定調節ボタン204を操作することで光量が変化するものとしているが、ランプB(枠飾り外LED1)については、LEDの光量を一定とし、設定調節ボタン204を操作したとしても光量が変化することがないようにしている。このように、本例では、LEDの光量を一定とした部材が設けられていることから、LEDの光量を一定としない部材に対して光量が変化しているか否かを容易に判別することができる。なお、演出表示装置1600については、設定調節ボタン204を操作したときに、光量が変化するものとしてもよい。
また、タイミングtz1で枠飾り部材が未接続であると判定した後には、外部端子板からは、ホールコンピュータに対してリユース確認信号を出力していない。
次いで、タイミングt1の時点で、通常状態において扉枠3を開放した場合には、扉枠3の開放を検知するための開放スイッチの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、扉枠3の開放を伝えるための扉枠開放コマンドを周辺制御基板1510へ向けて出力している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングt1の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングt1の後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認未作動時の動作を実行している部材については、タイミングt1の後においても、リユース確認未作動時の動作を継続している。つまり、枠飾り部材が未接続であると判定した後の通常状態において扉枠3を開放した場合には、周辺制御基板1510が扉枠開放コマンドを受信するものの、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、開放時の動作を実行することがなく、タイミングt1の前後で変化しないものとしている。これにより、枠飾り部材が未接続であると判定した後の通常状態には、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認が、開放時の動作が実行されることによって阻害されることを防止することができる。
また、タイミングt1の時点で、通常状態において扉枠3を開放した場合には、外部端子板からは、ホールコンピュータに対して扉枠開放信号を出力するようにし、ホール側で扉枠3の開放があった旨を把握できるようにしている。このような扉枠開放信号については、後述するタイミングt2で扉枠3が閉鎖された後、所定期間(例えば、30秒)が経過したときに、ホールコンピュータに対する出力を終了している。これにより、扉枠3の開閉時間が短いものであったとしても、ホール側で扉枠3の開放があった旨を気付きやすくすることができる。
次いで、扉枠3を開放した後、タイミングtyの時点で、通常状態において枠飾り部材を取り付けた場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が接続されたと判断している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングtyの前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングtyの後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認未作動時の動作を実行している部材については、タイミングtyの後においても、リユース確認未作動時の動作を継続している。
また、タイミングtyの時点で、通常状態において枠飾り部材を取り付けた場合には、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材を取り付けることで電気の供給が開始されているものの、その後に点灯や点滅を行うことがなく、消灯した状態としている。これにより、枠飾り部材が未接続であると判定した後の通常状態において枠飾り部材を取り付けたとしても、枠飾り部材が未接続であった痕跡を残すことができ、枠飾り部材の着脱を用いての不正な行為が行われることを防止することができる。また、枠飾り部材を取り付けた場合において、ランプA(枠飾り内LED)については、LEDが点灯や点滅を行うとすると、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等を確認したい作業者にとっては、その確認が阻害されてしまう可能性がある。この点、本例では、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作し、その判定タイミングにて枠飾り部材を未接続とした場合には、その後に枠飾り部材を取り付けたとしても、ランプA(枠飾り内LED)については、LEDが点灯や点滅を行うことがなく、そのような確認が阻害されることを防止することができる。一方、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作し、その判定タイミングにて枠飾り部材が接続されている場合には、その後に枠飾り部材を取り付けたときに、ランプA(枠飾り内LED)については、LEDが点灯や点滅を行うものである。このため、リユースが可能な部品としての枠飾り部材の動作状態を確認したいのか、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等のみを確認したいのか、によって、作業者が判定タイミングの時点で選択できるものとなっている。
次いで、枠飾り部材を取り付けた後、タイミングt2の時点で、通常状態において扉枠3を閉鎖した場合には、扉枠3の閉鎖を検知するための閉鎖スイッチの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、扉枠3の閉鎖を伝えるための扉枠閉鎖コマンドを周辺制御基板1510へ向けて出力している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングt2の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングt2の後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認未作動時の動作を実行している部材については、タイミングt2の後においても、リユース確認未作動時の動作を継続している。つまり、枠飾り部材が未接続であると判定した後の通常状態において扉枠3を閉鎖した場合には、周辺制御基板1510が扉枠閉鎖コマンドを受信するものの、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、閉鎖時の動作を実行することがなく、タイミングt2の前後で変化しないものとしている。これにより、枠飾り部材が未接続であると判定した後の通常状態には、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認が、閉鎖時の動作が実行されることによって阻害されることを防止することができる。
次いで、タイミングt3の時点で、通常状態において枠飾り部材を取り外すために再び扉枠3を開放した場合には、タイミングt1の時点で、通常状態において扉枠3を開放した場合と略同じ挙動を示している。つまり、枠飾り部材を取り付けている状況において、再び扉枠3を開放した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、開放時の動作を実行することがなく、タイミングt3の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングt3の後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認未作動時の動作を実行している部材については、タイミングt3の後においても、リユース確認未作動時の動作を継続している。
次いで、扉枠3を開放した後、タイミングtxの時点で、通常状態において再び枠飾り部材を取り外した場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が未接続であると判断している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングtxの前後で変化しないものとしている。つまり、扉枠3を開放した後、再び枠飾り部材を取り外した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、枠飾り未接続時の動作を実行することがなく、タイミングtxの前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングtxの後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認未動作時の動作を実行している部材については、タイミングtxの後においても、リユース確認未動作時の動作を継続している。
なお、パチンコ機1の挙動については、タイミングtxの前後で変化していないが、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材を取り外したことから、その後にLEDが点灯や点滅を行うことがないものとなっている。
次いで、枠飾り部材を取り外した後、タイミングt4の時点で、通常状態において扉枠3を閉鎖した場合には、タイミングt2の時点で、通常状態において扉枠3を閉鎖した場合と略同じ挙動を示している。つまり、枠飾り部材を取り外した後、扉枠3を閉鎖した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、閉鎖時の動作を実行することがなく、タイミングt4の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、通常時の動作を実行している部材については、タイミングt4の後においても、通常時の動作を継続するようにし、リユース確認未動作時の動作を実行している部材については、タイミングt4の後においても、リユース確認未動作時の動作を継続している。
本例では、タイミングtz1で枠飾り部材が未接続であると判定した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち一部の部材を用いて、リユース確認未作動時の動作を実行しているが、そのようなリユース確認未作動時の動作については、その後に枠飾り部材を取り付けたか否かや、扉枠3を開閉したか否かにかかわらず、継続するものとしている。これにより、タイミングtz1で枠飾り部材が未接続であると判定した後に枠飾り部材を取り付けたとしても、枠飾り部材が未接続であった痕跡を残すことができ、枠飾り部材の着脱を用いての不正な行為が行われることを防止することができる。また、先に説明したように、枠飾り部材が接続されている状況において、タイミングtz1でリユース許可スイッチを操作していないと判定した場合には、その後に枠飾り部材が取り外されると、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、枠飾り未接続時の動作を実行するようにしていたが、本例では、枠飾り部材が未接続である状況において、タイミングtz1でリユース許可スイッチを操作していると判定した場合には、その後に枠飾り部材が取り外されたとしても、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、枠飾り未接続時の動作を実行していない。これにより、枠飾り部材が未接続であると判定した後の通常状態には、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認が、枠飾り未接続時の動作が実行されることによって阻害されることを防止することができる。また、本例では、リユース確認未作動時の動作については、枠飾り部材の動作確認を行うことができない旨を伝えることが目的であり、先に説明した枠飾り未接続時の動作とは異なるものとしているが、これらの動作については、共通化するようにしてもよい。
(リユース確認状態Aにて枠飾り部材を脱着した場合におけるエラー発光の確認について)
図123は、エラー状態且つリユース確認状態Aにおける扉枠3の開放中に枠飾り部材を取り外して次の扉枠3の開放中に枠飾り部材を取り付けた場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。上記では、所定の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作した場合に、通常状態からリユース確認状態Aに移行し、そのリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り付けた(脱着した)ときに、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材の動作状態の確認を可能にしている。一方、パチンコ機1に対する磁気や振動、電波を検知するなど、異常を検知した場合には、エラー状態に移行している。そして、このようなエラー状態では、枠飾り部材のLEDがエラー発光するものであるが、枠飾り部材の動作状態の確認としては、正常に枠飾り部材のLEDがエラー発光するか否かについても確認が必要となる。この点、本例では、リユース確認状態Aと、エラー状態とを同時期に発生させた場合には、その状態において枠飾り部材を取り付けた(脱着した)ときに、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材のLEDがエラー発光することを確認できるようにしている。そのような具体例について、以下に説明する。
本例では、エラー検出部として、パチンコ機1に磁石を近づけることでパチンコ機1に加えられる磁気を検知する磁気センサによって、磁気を検知する構成や、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に加えられる振動を検知する振動センサによって、振動を検知する構成や、パチンコ機1に不正な電波が照射されることでパチンコ機1に加えられる電波を検知する電波センサによって、電波を検知する構成を有している。そして、主制御基板1310は、タイミングtsで電源投入した以降は、パチンコ機1に対する磁気や振動、電波を検知しているか否かを監視している。
図123に示すように、まず、タイミングtsで電源投入した後には、図117に示したタイミングtsで電源投入した場合と同じ挙動を示している。例えば、タイミングtsで電源投入した後には、主制御基板1310及び周辺制御基板1510の電源投入時処理を行い、主制御基板1510側での遊技状態を通常状態に制御し、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、電源投入後の通常状態では、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができ、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。また、周辺制御基板1510は、扉枠トップユニット300及び扉枠右サイドユニット340や演出操作ユニット250などの枠飾り部材と電気的に接続されているか否かを監視しているが、タイミングtsで電源投入した後において、後述するタイミングtxが到来するまでの間には、枠飾り部材が取り外されておらず、枠飾り部材が接続されていると判断している。また、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、タイミングtsで電源投入した後において、通常時の動作を実行している。
そして、タイミングtsで電源投入した後に、タイミングt0の時点で、磁気を検知するための磁気センサや振動を検知するための振動センサ、電波を検知するための電波センサの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されたときには、主制御基板1310は、磁気や振動、電波の異常を検知しており、それぞれ、異常の発生に基づく異常報知の実行を伝えるための異常報知コマンドを周辺制御基板1510に向けて出力している。このとき、タイミングtsで電源投入した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、通常時の動作を実行しているが、タイミングt0の時点で、周辺制御基板1510が異常報知コマンドを受信することに基づいて、エラー状態が発生する。エラー状態では、周辺制御基板1510が通常時の動作を実行せず、エラー時の動作を実行するようにしている。なお、主制御基板1310は、タイミングt0で周辺制御基板1510に異常報知コマンドを送信した後にも異常が発生していない状態と同じく、遊技状態を通常状態に制御し、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。
具体的には、周辺制御基板1510が異常報知コマンドを受信したときに、ランプA(枠飾り内LED)やランプB(枠飾り外LED2)では、エラー発光として、単色で、強い輝度でLEDが点灯や点滅を行うようにし、演出表示装置1600では、エラー表示として、「磁気エラーが発生しました」や「振動エラーが発生しました」や「電波エラーが発生しました」というメッセージを表示するようにし、スピーカからは、エラー音として、「磁気エラーが発生しました」や「振動エラーが発生しました」や「電波エラーが発生しました」という音声を出力するようにしている。また、本例では、磁気、振動、電波を検知した場合とで、例えば、メッセージの表示、LEDの発光色や報知音を異ならせるなど、異常報知に対応する動作を異ならせることで、磁気や振動、電波のいずれを検知したかを把握できるようにしている。ただし、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、ランプB(枠飾り外LED1)については、エラー時の動作を実行することなく、通常時の動作を継続している。
また、タイミングt0の時点で、異常を検知した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、ランプB(枠飾り外LED1)を除いてエラー時の動作を実行しているが、そのエラー時の動作では、LEDなどの光量を一定とし、スピーカからの音量を一定としている。このため、エラー時の動作を実行している部材については、設定調節ボタン204を操作したとしても音量や光量が変化することがない。具体的には、設定調節ボタン204を操作したときには、その操作を受け付けて内部的に音量や光量を調整することが可能であるものの、実行中の音量や光量に反映されることがないようにしている。このような内部的に調整された音量や光量については、通常時の動作に戻されたときに、その内部的に調整された音量や光量に基づいて、実行中の音量や光量に反映されることとなる。なお、演出表示装置1600については、設定調節ボタン204を操作したときに、光量が変化するものとしてもよい。
また、タイミングt0の時点で、異常を検知した場合には、外部端子板からは、ホールコンピュータに対してエラー信号を出力するようにし、ホール側で異常を検知した旨を把握できるようにしている。
次いで、タイミングtsで電源投入した後に、所定期間が経過したタイミングtz1の時点では、タイミングtz1よりも前にリユース許可スイッチを操作したか否かを判定する判定タイミングが設けられている。つまり、判定タイミングでは、タイミングtsからタイミングtz1までの間にリユース許可スイッチを操作したか否かを判定している。ここでは、タイミングtz1よりも前のタイミングtx3の時点で、リユース許可スイッチを操作することで、タイミングtz1の時点で、通常状態からリユース確認状態Aに移行している。なお、主制御基板1310は、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後には、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間としている。つまり、リユース確認状態Aでは、遊技者がハンドル160を操作したとしても、遊技領域5aへ遊技球の発射ができず、仮に始動入賞があったとしても、特別図柄の変動表示を開始することができず、通常の遊技を行うことができない状態としている。これにより、リユース確認状態Aには、枠飾り部材の脱着や、枠飾り部材の動作状態の確認が、通常の遊技が行われることによって阻害されることを防止することができる。なお、リユース確認状態Aでは、後述するタイミングtz4で再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態Aを終了するまでの間、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間を継続するものとしている。
また、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後には、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち一部の部材を用いて、リユース確認時の動作を実行している。具体的には、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後に、演出表示装置1600では、リユース確認時の表示として、「枠飾り部材の動作確認を行うことができます」というメッセージを、エラー表示に付加して表示するようにしている。スピーカからは、リユース確認音として、「枠飾り部材の動作確認を行うことができます」という音声を出力するようにしている。一方、周辺制御基板1510が動作指示する部材のうち、ランプA(枠飾り内LED)やランプB(枠飾り外LED2)、スピーカについては、エラー時の動作を継続するようにしている。また、このようなリユース確認時の動作については、後述するタイミングtz4で再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態Aを終了するまでの間、継続するものとしている。
また、タイミングtz1でリユース確認状態Aに移行した後には、外部端子板からは、ホールコンピュータに対してリユース確認信号を出力するようにし、ホール側でリユース確認状態Aへの移行があった旨を把握できるようにしている。このようなリユース確認信号については、後述するタイミングtz4で再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態Aを終了したときに、ホールコンピュータに対する出力を終了している。なお、リユース確認信号については、リユース確認状態Aを終了した後、所定期間(例えば、30秒)が経過したときに、ホールコンピュータに対する出力を終了してもよい。これにより、リユース確認状態Aへの移行期間が短いものであったとしても、ホール側でリユース確認状態Aへの移行があった旨を気付きやすくすることができる。
次いで、タイミングt1の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を開放した場合には、扉枠3の開放を検知するための開放スイッチの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、扉枠3の開放を伝えるための扉枠開放コマンドを周辺制御基板1510へ向けて出力している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングt1の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、エラー時の動作を実行している部材については、タイミングt1の後においても、エラー時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングt1の後においても、リユース確認時の動作を継続している。つまり、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を開放した場合には、周辺制御基板1510が扉枠開放コマンドを受信するものの、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、開放時の動作を実行することがなく、タイミングt1の前後で変化しないものとしている。これにより、リユース確認状態Aには、枠飾り部材の脱着や、枠飾り部材の動作状態の確認が、開放時の動作が実行されることによって阻害されることを防止することができる。
また、タイミングt1の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を開放した場合には、外部端子板からは、ホールコンピュータに対して扉枠開放信号を出力するようにし、ホール側で扉枠3の開放があった旨を把握できるようにしている。このような扉枠開放信号については、後述するタイミングt2で扉枠3が閉鎖された後、所定期間(例えば、30秒)が経過したときに、ホールコンピュータに対する出力を終了している。これにより、扉枠3の開閉時間が短いものであったとしても、ホール側で扉枠3の開放があった旨を気付きやすくすることができる。
次いで、扉枠3を開放した後、タイミングtxの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外した場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が未接続であると判断している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングtxの前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、エラー時の動作を実行している部材については、タイミングtxの後においても、エラー時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングtxの後においても、リユース確認時の動作を継続している。また、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外した場合には、枠飾り部材が取り外されているものの、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、枠飾り未接続時の動作を実行することがなく、タイミングt1の前後で変化しないものとしている。つまり、リユース確認状態Aでは、枠飾り未接続時の動作を実行しない状態での枠飾り部材の取り外しを許容している。これにより、リユース確認状態Aには、枠飾り部材の脱着や、枠飾り部材の動作状態の確認が、枠飾り未接続時の動作が実行されることによって阻害されることを防止することができる。
なお、パチンコ機1の挙動については、タイミングtxの前後で変化していないが、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材を取り外したことから、その後にLEDが点灯や点滅を行うことがないものとなっている。
次いで、枠飾り部材を取り外した後、タイミングt2の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を閉鎖した場合には、扉枠3の閉鎖を検知するための閉鎖スイッチの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、扉枠3の閉鎖を伝えるための扉枠閉鎖コマンドを周辺制御基板1510へ向けて出力している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングt2の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、エラー時の動作を実行している部材については、タイミングt2の後においても、エラー時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングt2の後においても、リユース確認時の動作を継続している。つまり、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を閉鎖した場合には、周辺制御基板1510が扉枠閉鎖コマンドを受信するものの、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、閉鎖時の動作を実行することがなく、タイミングt2の前後で変化しないものとしている。これにより、リユース確認状態Aには、枠飾り部材の脱着や、枠飾り部材の動作状態の確認が、閉鎖時の動作が実行されることによって阻害されることを防止することができる。
次いで、タイミングt3の時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り付けるために再び扉枠3を開放した場合には、タイミングt1の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を開放した場合と略同じ挙動を示している。つまり、枠飾り部材を取り外している状況において、再び扉枠3を開放した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、開放時の動作を実行することがなく、タイミングt3の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、エラー時の動作を実行している部材については、タイミングt3の後においても、エラー時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングt3の後においても、リユース確認時の動作を継続している。
次いで、扉枠3を開放した後、タイミングtyの時点で、リユース確認状態Aにおいて再び枠飾り部材を取り付けた場合には、周辺制御基板1510において、枠飾り部材が接続されたと判断している。そして、パチンコ機1の挙動については、タイミングtyの前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、エラー時の動作を実行している部材については、タイミングtyの後においても、エラー時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングtyの後においても、リユース確認時の動作を継続している。
また、タイミングtyの時点で、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り付けた場合には、ランプA(枠飾り内LED)については、枠飾り部材を取り付けることで電気の供給が開始されるようになるが、その動作については、通常時の動作ではなく、エラー時の動作を実行している。詳しくは上記したが、ランプA(枠飾り内LED)におけるエラー時の動作では、エラー発光として、単色で、強い輝度でLEDが点灯や点滅を行うようにしている。ただし、枠飾り部材を取り付けた場合において、ランプA(枠飾り内LED)への配線が断線して電気が供給されない状況や、ランプA(枠飾り内LED)のそのものが故障した状況などの不具合が発生している場合には、エラー時の動作を実行することがなく、LEDが点灯や点滅を行うことがない。
本例では、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作した場合には、リユース確認状態Aに移行し、そのリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材がエラー発光している場合には、枠飾り部材を取り外した後、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けることで、エラー時の動作を再開するようにしている。つまり、リユース確認状態Aでは、枠飾り部材を取り付けることで枠飾り部材を対象としてエラー時の動作を再開することを許容している。そして、タイミングtz1の判定タイミングよりも前にリユース許可スイッチを操作することを条件として、リユース確認状態Aに移行しているが、そのリユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り付けた(脱着した)ときには、その取り付けた(脱着した)枠飾り部材が正常にエラー発光するかどうかを確認することができるようにしている。
次いで、枠飾り部材を取り付けた後、タイミングt4の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を閉鎖した場合には、タイミングt2の時点で、リユース確認状態Aにおいて扉枠3を閉鎖した場合と略同じ挙動を示している。つまり、枠飾り部材を取り付けた後、扉枠3を閉鎖した場合には、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、閉鎖時の動作を実行することがなく、タイミングt4の前後で変化しないものとしている。例えば、周辺制御基板1510が動作指示している部材のうち、エラー時の動作を実行している部材については、タイミングt4の後においても、エラー時の動作を継続するようにし、リユース確認時の動作を実行している部材については、タイミングt4の後においても、リユース確認時の動作を継続している。
次いで、扉枠3を閉鎖した後、タイミングtz4の時点で、再びリユース許可スイッチを操作した場合には、リユース確認状態Aを終了して通常状態に移行している。ここで、通常状態とは、タイミングt1でリユース確認状態Aに移行する前の通常状態と同じである。つまり、主制御基板1310は、タイミングtz4で通常状態に移行した後には、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。また、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、タイミングtz4で通常状態に移行した後において、エラー状態に基づくエラー時の動作を実行している。このように、本例では、リユースが可能な部品としての枠飾り部材を脱着しつつ、その枠飾り部材の動作状態の確認が終了した後には、リユース確認状態Aから再び通常状態に戻すことができることから、枠飾り部材の動作状態の確認に続いて、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認を行うことができる。
なお、本例では、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外した後、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けることで、ランプA(枠飾り内LED)がエラー時の動作を実行しているが、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けたときにはエラー時の動作を実行せず、枠飾り部材を取り付けた後に動作許可スイッチを操作することで、ランプA(枠飾り内LED)がエラー時の動作を実行するようにしてもよい。動作許可スイッチについては、パチンコ機1の裏面側に設けられ、遊技者が触れることができない作業用の操作部(ON状態とOFF状態とを切り替え可能にするボタンや、キー挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にするキースイッチ等)として主制御基板1310に設けられている。また、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けてから、動作許可スイッチを操作するまでの間には、ランプA(枠飾り内LED)が待機時の動作として、例えば、LEDが点灯した状態や消灯した状態としている。これにより、枠飾り部材の動作状態の確認については、動作許可スイッチを操作することによりホール管理者が任意で開始することができ、利便性の向上を図ることができる。
上記した動作許可スイッチについては、リユース許可スイッチとは別個に設けられているが、リユース許可スイッチが動作許可スイッチの機能を兼用するようにしてもよい。つまり、タイミングtyの時点で、再び枠飾り部材を取り付けたときにはエラー時の動作を実行せず、枠飾り部材を取り付けた後にリユース許可スイッチを操作することで、ランプA(枠飾り内LED)がエラー時の動作を実行するようにしてもよい。また、リユース許可スイッチについては、複数の選択肢のなかから1つの選択肢を選択しうるように構成してもよく、リユース確認状態を開始するための選択肢と、ランプA(枠飾り内LED)がエラー時の動作を実行するための選択肢と、を有するように構成してもよい。
また、本例では、リユース確認状態Aにおいて枠飾り部材を取り外した後、タイミングtyの時点で、扉枠3の開放中に再び枠飾り部材を取り付けることで、ランプA(枠飾り内LED)がエラー時の動作を実行しているが、タイミングtyの時点で、扉枠3の開放中に再び枠飾り部材を取り付けたときにはエラー時の動作を実行せず、タイミングt2の時点で、開放中の扉枠3を閉鎖することで、ランプA(枠飾り内LED)がエラー時の動作を実行するようにしてもよい。このとき、タイミングtyの時点で、扉枠3の開放中に再び枠飾り部材を取り付けてから、開放中の扉枠3を閉鎖するまでの間には、ランプA(枠飾り内LED)が待機時の動作として、例えば、LEDが点灯した状態や消灯した状態としている。これにより、枠飾り部材の動作状態の確認については、扉枠3を閉鎖することによりホール管理者が任意で開始することができ、利便性の向上を図ることができる。
また、本例では、タイミングtz4の時点で、再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態を終了するよりも前には、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間とし、タイミングtz4の時点で、再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態を終了するときには、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としているが、再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態を終了するよりも前のタイミングであっても、遊技許可スイッチを操作することで、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間に移行するようにしてもよい。遊技許可スイッチについては、パチンコ機1の裏面側に設けられ、遊技者が触れることができない作業用の操作部(ON状態とOFF状態とを切り替え可能にするボタンや、キー挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にするキースイッチ等)として主制御基板1310に設けられている。これにより、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間では、ハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができ、始動入賞があったときに、抽選を行って特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができることから、正常に遊技(主遊技)が進行するかどうか等の確認については、遊技許可スイッチを操作することによりホール管理者が任意で開始することができ、利便性の向上を図ることができる。
上記した遊技許可スイッチについては、リユース許可スイッチとは別個に設けられているが、リユース許可スイッチが遊技許可スイッチの機能を兼用するようにしてもよい。つまり、再びリユース許可スイッチを操作してリユース確認状態を終了するよりも前のタイミングにてリユース許可スイッチを操作することで、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間に移行するようにしてもよい。また、リユース許可スイッチについては、複数の選択肢のなかから1つの選択肢を選択しうるように構成してもよく、リユース確認状態を開始するための選択肢と、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間に移行するための選択肢と、を有するように構成してもよい。
[設定値の設定変更や確認表示]
以下の例では、第四実施形態のパチンコ機1として、上述した各実施形態のパチンコ機1に対して設定機能を追加したものについて説明する。本例のパチンコ機1は、当落の確率に関する設定値を有し、電源投入時等に所定の操作を行うことで、その設定値の設定変更を行ったり、設定値の確認表示を行ったりすることを可能にしている。
まず、主制御基板1310は、本体枠4に設けられている枠制御基板740に対して双方向通信で接続されていると共に、周辺制御基板1510に対して出力信号のみの一方向で接続されている。また、主制御基板1310は、一般入賞口センサ3001、ゲートセンサ2011、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、等からの遊技球Bの検知信号が入力される。また、主制御基板1310は、第二始動口2004を開閉するための始動口ソレノイド2412、大入賞口2005を開閉するためのアタッカソレノイド2414、等へ駆動信号を出力する。
また、主制御基板1310には、設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有する設定キースイッチと共に、単色(例えば、赤色)に発光することができる設定変更許可ランプや、小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器単体(1つの7セグメントLED)で構成される設定表示器が配置されている。なお、設定表示器には、パチンコ機1の設定値を表示することを可能としている。
設定キースイッチについては、設定キースイッチの設定キーシリンダの前面に形成される差し込み口に設定キーが差し込まれる準備が整っている位置(例えば、矩形状を有する差し込み口の長手方向が上下方向へ沿う位置)において、初期位置として設定キースイッチをOFFとする状態となっている。設定キーシリンダが初期位置にあるときにおいて、差し込み口に金属製の設定キーを差し込むことができるとともに、差し込み口から金属製の設定キーを抜き取ることができるようになっている。なお、本実施形態では、遊技盤5の後側を覆う裏カバー640がパチンコ機1から何らかの理由により外れた状態であって、差し込み口に設定キーが差し込まれた状態のまま、外枠2に対して本体枠4を閉鎖したとしても、遊技ホールの島設備に背向かいで列設される他のパチンコ機の部材(又は遊技ホールの島設備の部材)と設定キーとが互いに干渉せずに損傷しないように設定キースイッチの奥行き方向の距離寸法を採用している。
また、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることにより設定キースイッチを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が主制御基板1310の主制御MPUへ入力される。また、設定キースイッチを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチをOFFとすることができる。このOFFの信号が主制御基板1310の主制御MPUへ入力される。
次に、主制御基板1310の設定キースイッチ、及び設定表示器について簡単に説明する。ここでは、まず、設定値の設定変更を行う場合について説明し、現在の設定値の確認表示を行う場合について説明する。なお、設定キーは、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。
まず、設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、主制御基板1310の設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチが設定キーONされ、かつ、枠制御基板740のRAMクリアスイッチ741の押圧操作部が操作されているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口に金属製の設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチを設定キーONし、続いてRAMクリアスイッチ741の押圧操作部を操作しながら、電源スイッチ751を操作してパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口に金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチを設定キーONとする。続いてRAMクリアスイッチ741の押圧操作部を操作しながら、電源スイッチ751を操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、RAMクリアスイッチ741と設定キーのON信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPUは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を設定表示器に表示し、設定変更許可ランプを消灯した状態から点灯する状態へと切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、枠制御基板740のRAMクリアスイッチ741の押圧操作部を押圧操作すると、RAMクリアスイッチ741からの検出信号が枠制御基板740から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。設定値の設定変更を行う者がRAMクリアスイッチ741の押圧操作部を押圧操作するごとに、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ741からの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器に表示する制御を行う。
設定値の設定変更を行う者は、設定値を決定する場合には、設定キースイッチを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御MPUに内蔵されているRAMの特定領域に格納し、設定表示器に対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替え、設定変更許可ランプを点灯する状態から消灯する状態へ切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口から金属製の設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、設定値の設定変更の作業を完了する。
次に、現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチが設定キーONされ、かつ、RAMクリアスイッチ741の押圧操作部が操作されていないという「予め定めた設定値表示許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口に金属製の設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチを設定キーONし、続いてRAMクリアスイッチ741の押圧操作部を操作することなく、電源スイッチ751を操作してパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口に金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチを設定キーONとする。続いてRAMクリアスイッチ741の押圧操作部を操作することなく、電源スイッチ751を操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPUは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチの設定キーシリンダがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を設定表示器に表示する。このとき、設定変更許可ランプを消灯した状態が維持され、また現在設定されている設定値の確認表示を行う者がRAMクリアスイッチ741の押圧操作部を押圧操作しても、この押圧操作に対応して設定値が全く変更されないし、設定表示器に表示された内容も変更されない。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、現在設定されている設定値の確認を完了すると、設定キースイッチを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPUは、設定表示器に対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替える。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口から金属製の設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、現在設定されている設定値の確認表示の作業を完了する。
なお、「予め定めた設定値変更許可条件」は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作され、かつ、RAMクリアスイッチ741の押圧操作部が操作されていることが必要であるのに対して、「予め定めた設定値表示許可条件」は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作され、かつ、RAMクリアスイッチ741の押圧操作部が操作されていないことが必要である。このように、「予め定めた設定値変更許可条件」と「予め定めた設定値表示許可条件」とは、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作されているという点で共通する要件があり、「予め定めた設定値変更許可条件」には「パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時に、RAMクリアスイッチ741の押圧操作部が操作されていること」を要件とするのに対して、「予め定めた設定値表示許可条件」には「パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時に、RAMクリアスイッチ741の押圧操作部が操作されていないこと」を要件とする点で相違する。
ここで、設定値について簡単に説明すると、本例の「設定値」とは、上述した第一特別図柄の抽選結果および第二特別図柄の抽選結果が大当りとなる確率を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球の球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されているものである。本実施形態では、設定値として、設定値1(大当り確率は1/319)、設定値2(大当り確率は1/310)、設定値3(大当り確率は1/300)、設定値4(大当り確率は1/290)、設定値5(大当り確率は1/280)、及び設定値6(大当り確率は1/270)が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されている。主制御基板1310の主制御MPUは、設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブル(例えば、大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合が規定される大当り判定テーブル等)を選択したり、設定値と対応付けた各種振り分け率で用いられる各種テーブル(例えば、振り分ける時間が規定される振り分けテーブル、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動を管理するブロック等)を選択したりする。設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブルには、各種判定値には所定の割合で割り振られている。なお、各種抽選判定で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定され、各種振り分け率で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定されているものもあれば、一の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルと他の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルとの関係性に基づいて値が異なるように設定されているものもある。また、上述した設定値としては、設定値1から設定値6までに亘る範囲の6つの設定値(整数)としていたが、これと比べて少ない範囲のものでもあってもよいし、多い範囲のものであってもよい。例えば、設定値1~設定値4までに亘る範囲の4つの設定値(整数)としてもよいし、設定値1~設定値8までに亘る範囲の8つの設定値(整数)としてもよい。
本例では、設定値として、設定値1~6が予め用意されており、各々で大当り確率が異なるように設定されているが、複数の設定値を設定可能にしながらも、その全ての設定値が同一(大当り確率が同一)となるように設定することを可能にしている。例えば、6つの設定値を設定可能にしながらも、全ての設定値が設定値1となるように1段階での設定を可能にしている。このように、全ての設定値が設定値1である場合には、設定変更状態において、設定値の変更が可能な状態が発生し、設定値が切り替えられたとしても、設定値1から設定値1に切り替えられるだけであり、設定値が変更されないものとなる。また、設定確認状態において、設定値の確認が行われたとしても、常に、設定値1が確認されるものとなる。ここで、パチンコ機1としては、設定値の変更(大当り確率の変更)が必要となるパチンコ機1と、設定値の変更(大当り確率の変更)が必要でないパチンコ機1と、があるが、全ての設定値を同一にすることを可能にすることで、設定値の変更が必要かどうかにかかわらず、制御プログラムを共通化して用いることができる。また、設定値の変更(大当り確率の変更)が必要でないパチンコ機1については、設定キースイッチ等の構成を残したままで、6つの設定値を設定可能にせず、1つの設定値のみを設定可能とし、1段階での設定が達成されるものであってもよい。
また、設定値の設定変更や設定値の確認表示中では、主制御基板1310は、遊技を行うことができない状態、例えば、遊技球Bが第一始動口2003等の各種入球口に入球したとしても図柄の変動表示が開始されない状態に制御している。また、枠制御基板740は、遊技球の循環を行うことができない状態、例えば、ハンドル160を操作しても球発射ユニット550から遊技球Bが発射されない状態や、計数ボタンスイッチ180に操作による精算処理、球発射ユニット550、球揚上ユニット650、球送ユニット700、等の各種制御を停止して、循環球経路ユニット600における遊技球Bの管理(監視)を行わない状態に制御している。これにより、設定値の設定変更や設定値の確認表示中に遊技や球循環が進行すると、その設定値に関する作業が阻害される可能性があるが、遊技や球循環を停止することで、そのような状況の発生を防止することができる。そしてその後、設定値の設定変更や設定値の確認表示を終了して、設定表示器に設定値が表示されない状態になると、遊技や球循環を行うことができる状態、、例えば、ハンドル160を操作することにより球発射ユニット550から遊技球Bが発射される状態や、遊技球Bが第一始動口2003等の各種入球口に入球することにより図柄の変動表示が開始される状態、計数ボタンスイッチ180に操作による精算処理、球発射ユニット550、球揚上ユニット650、球送ユニット700、等の各種制御を開始して、循環球経路ユニット600における遊技球Bの管理(監視)を行う状態に制御することとなる。
ただし、設定値の設定変更や設定値の確認表示中では、球循環を行うことができる状態、例えば、ハンドル160を操作することにより球発射ユニット550から遊技球Bが発射される状態や、計数ボタンスイッチ180に操作による精算処理、球発射ユニット550、球揚上ユニット650、球送ユニット700、等の各種制御を開始して、循環球経路ユニット600における遊技球Bの管理(監視)を行う状態に制御してもよい。これにより、設定値の設定変更や設定値の確認表示の終了後において、迅速に遊技を開始することができる。
また、設定表示器は、上述したように、設定値の表示を行うほかに、主制御MPUが復電時に自身に内蔵されているRAMの内容をチェックして異常があるか否かを判定して異常があると判定した場合、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していない場合には、自身に内蔵されているRAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器に表示するようになっている。
また、主制御基板1310には、設定表示器とは別に、小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器が6つ一列に連なって構成されるベースモニタが配置されている。ここで、設定表示器には、パチンコ機1の設定値を表示することを可能とするのに対し、ベースモニタには、詳しくは後述するが、入球数に対する払出数(入球数に対する賞球個数)の割合の算出結果を表示することを可能にしているが、ベースモニタのみを設けるようにし、パチンコ機1の設定値を表示する機能と、入球数に対する払出数の割合の算出結果を表示する機能と、を兼用するようにしてもよい。このような場合、ベースモニタには、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)や設定値の確認表示が行われている状態(確認表示状態)で、パチンコ機1の設定値を表示するのに対し、変更許可状態や確認表示状態を除いた状態で、入球数に対する払出数の割合の算出結果を表示するようにしている。これにより、部品点数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
また、上述した実施形態では、RAMクリアスイッチ741を枠制御基板740に設けるようにしており、設定値に関する操作関連部位(設定キースイッチや設定表示器、RAMクリアスイッチ741)を枠制御基板740と主制御基板1310とに分散して配置するようにしてある。このようにすることで、設定値を変更するには異なる位置に設けられた複数の操作部の操作が必要になり、設定値に関する操作関連部位を一の基板に集約して配置する場合に比べて不正な設定変更等を困難にでき、不正対策の面で効果的である。なお、RAMクリアスイッチ741を枠制御基板740ではなく、設定キースイッチや設定表示器が設けられる主制御基板1310に集約して設けるようにしてもよく、この場合には、分散して配置する場合に比べて不正対策の効果は劣るものの、その配置関係から各種の操作部位や確認部位が一見して認識しやすくなり、設定値の設定・確認の際の操作効率を向上させることができる。
[ベースモニタの管理]
次に、第四実施形態のパチンコ機1のベースモニタについて説明する。上述した他の実施形態では、循環球経路ユニット600に設けられているアウト球センサ605により検知されることでカウントされた遊技球Bの球数を表示するものとしてベースモニタ(四つの7セグメントLED)を説明したが、第四実施形態のベースモニタには、遊技の進行に伴い増加する入球数や払出数(賞球個数)を計数して、ベース値(入球数に対する払出数の割合)を表示するものとしている。なお、四つの7セグメントLEDを有する点等、ベースモニタに関する基本構成は他の実施形態と共通である。
遊技盤5に区画形成される遊技領域5aには、遊技球Bが入球しうる複数の入球口が設けられている。複数の入球口のうち、入球により賞球を払い出す(賞球個数を付与する)対象である入賞口としては、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは三つ)の一般入賞口2001と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している普通入賞口2002と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2003と、遊技球Bが普通入賞口2002に受入れられることにより抽選される普通図柄の抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2003への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別図柄又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第二特別図柄に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005や役物入賞口2006と、を備えている。なお、一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006に入球した遊技球Bは、それぞれ一般入賞口センサ3001、普通入賞口センサ3002、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2401、大入賞口センサ2402、役物入賞口センサ2501で検出されている。
また、複数の入球口のうち、入賞口に入球しなかった遊技球Bを回収するアウト口としては、遊技領域5a内における最も下流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出するアウト口2020と、遊技領域5a内におけるアウト口2020よりも上流に設けられており、遊技球Bを受入可能に常時開口していると共に、受入れた遊技球Bを戻すことなく遊技領域5a外に排出する二つのサブアウト口2021と、を備えている。
そして、複数の入球口のうち、アウト口2020やサブアウト口2021を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球Bは、循環球経路ユニット600におけるアウト球受口600aへ排出され、アウト球受口600aに受けられることでアウト球通路601を流通してアウト球センサ605により一つずつ検知(カウント)される。一方、一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006のような入賞口に受入れられて表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球Bは、循環球経路ユニット600におけるセーフ球受口600bへ排出され、セーフ球受口600bに受けられることでセーフ球通路602を流通してセーフ球センサ606により一つずつ検知(カウント)される。
主制御MPUは、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられる入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)、つまり遊技領域5a内から排出される遊技球Bの球数を計数している。具体的には、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球した遊技球Bの球数として、セーフ球センサ606で検出された遊技球Bの球数と、入賞口に入球しなかった遊技球Bを回収するアウト口に入球した遊技球Bの球数として、アウト球センサ605で検出された遊技球Bの球数と、の合計を入球数として計数している。
また、主制御MPUは、入賞口への入球により賞球として払い出される(付与される)遊技球Bの球数(以下、払出数と称す)を計数している。具体的には、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に対応して所定数の遊技球B(例えば、第一始動口2003や第二始動口2004への入球に対して3個など)を払い出すことが予め決められており、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に対応する検出センサで検出されたときに、その所定数の遊技球Bの球数を、払出数として計数している。例えば、一般入賞口2001へ遊技球Bが入球したときには、10個の遊技球Bを払い出し、普通入賞口2002へ遊技球Bが入球したときには、1個の遊技球Bを払い出し、第一始動口2003や第二始動口2004へ遊技球Bが入球したときには、3個の遊技球Bを払い出し、大入賞口2005や役物入賞口2006へ遊技球Bが入球したときには、10個の遊技球Bを払い出し、それら賞球として払い出される遊技球Bの球数を、払出数として計数している。なお、本例のパチンコ機1では、実玉での払い出しは伴わないため、賞球として払い出される(付与される)遊技球Bの球数の分だけ、遊技者の持ち球数に加算するものとしている。
そして、主制御MPUは、入球数に対する払出数の割合を算出し、その算出結果をベース値として、内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、ベースモニタに表示するようにしている。なお、入球数に対する払出数の割合の算出式としては、「ベース値=(払出数÷入球数)×100」が挙げられる。例えば、入球数に対する払出数の割合が多くなり過ぎている場合には、入球口のうち、入球により賞球を払い出す対象である入賞口ばかりに入球している可能性があり、ベースモニタに表示される情報を監視することで、不正行為により入賞口に入球させていないかなどを把握することができる。
なお、本例では、複数の遊技状態のうち、低確率非時短状態である場合のみ、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)と、を計数するようにし、ベースモニタへの表示に反映させている。ここで、低確率時短状態(時短状態)や高確率時短状態(確変状態)では、第二始動口2004に頻繁に入球することから、賞球として払い出される遊技球Bの球数も多くなり、入球数に対する払出数の割合が多くなる傾向にある。つまり、入球数に対する払出数の割合が多くなるか否かは、低確率時短状態(時短状態)や高確率時短状態(確変状態)としている期間に左右されることになるが、そのような期間を除外することで、不正行為などがなければ、入球数に対する払出数の割合を一定の範囲内に収めることができる。
また、ベースモニタには、入球数に対する払出数の割合を表示しているが、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)と、をそれぞれ表示することを可能にしてもよい。
また、ベースモニタについては、主制御MPUで入球数に対する払出数の割合を算出し、その算出結果を、内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、そのベースモニタに表示するようにしている。また、RAMの特定領域に記憶されている情報(入球数に対する払出数の割合)については、電源投入時にRAMクリアスイッチ741を操作していたとしても、その情報がクリアされることがない。ただし、入球数に対する払出数の割合については、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が60000球に到達するごとに、新たに入球数に対する払出数の割合を算出するようにし、古くなった入球数に対する払出数の割合の算出結果については、所定回数の算出結果までを履歴として保存するようにしている。このようなベースモニタの仕様において、例えば、新たに入球数に対する払出数の割合を算出する時点から、少なくとも入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が1000球に到達するまでの間、その新たな入球数に対する払出数の割合に関する表示の実行を制限するようにしてもよい。これは、新たに入球数に対する払出数の割合を算出する直後においては、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球する状況が続いて、基準値よりも入球数に対する払出数の割合が高くなったり、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球しない状況が続いて、基準値よりも入球数に対する払出数の割合が低くなったりする等、偏りが生じやすくなっている。このため、新たに入球数に対する払出数の割合を算出する直後においては、ベースモニタ情報コマンドから得られる情報が信頼性の低いものであると判断し、入球数に対する払出数の割合に関する表示を実行しないこととすればよい。
また、本例では、アウト口2020やサブアウト口2021に回収された遊技球Bについては、本体枠4側に設けられたアウト球センサ605により検知(カウント)され、一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006のような入賞口に入球した遊技球Bについては、本体枠4側に設けられたセーフ球センサ606により検知(カウント)されているが、これらのセンサについては、遊技盤5側に設けられてもよい。また、アウト口2020やサブアウト口2021に回収された遊技球Bと、各種入賞口に入球した遊技球Bと、が合流するように通路を形成し、その通路上に1つのセンサを設けるようにし、その1つのセンサの検知により入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)を計数するようにしてもよい。
また、本例では、ベースモニタについては、主制御基板1310に配置されているが、枠制御基板740に配置されてもよい。このような場合、入球数に対する払出数の割合については、主制御基板1310側で算出し、その算出結果を、枠制御基板740を介してベースモニタに表示しているが、別の手法を用いてもよい。例えば、所定のタイミングで、入球数や払出数に関するコマンドを主制御基板1310から枠制御基板740に向けて送信するようにし、枠制御基板740では、入球数に対する払出数の割合を算出し、その算出結果を、ベースモニタに表示するようにしてもよい。このように、枠制御基板740側でベースモニタ関連の制御の一部を担うことで、主制御基板1310側の制御負担を軽減することができる。
また、本例では、アウト球センサ605やセーフ球センサ606を用いて入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)を算出しているが、別の構成により、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)を算出するようにしてもよい。例えば、枠制御基板740側で入球数に対する払出数の割合を算出する場合等は、球発射ユニット550における発射減算センサ554の検知結果に基づいて遊技領域5aに発射された遊技球の数を算出し、この数値(遊技領域5aに発射された遊技球の数)を「入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)」に代替するようにしてもよい。なお、ここでいう「遊技領域に発射された遊技球の数」には、上述したファール球として処理された球数は除くことが好ましい。このようにした場合、枠制御基板740側でのベース値の演算は、「ベース値=(払出数÷遊技領域に発射された遊技球の数)×100)」等が例示できる。このように、枠制御基板740側でベースモニタ関連の制御の一部を担うことでも、主制御基板1310側の制御負担を軽減することができる。
[新たな態様の遊技管理]
近年では、新たな不正行為等により大量の出玉が不正行為者に付与された場合でも、当落に関する確率の偏りにより大量の出玉が遊技者に付与されてしまった場合と見分けがつかず、遊技ホール側が不正行為者に対する遊技停止を促すことが困難な場合があり、遊技機の管理がし難いという問題が生じている。また、当落に関する確率の偏りにより大量の出玉が正規の遊技者に付与されてしまう場合もあり、所謂「のめり込み」等についても問題が生じている。そこで、これら問題を解決する一実施形態として、大量の出玉を付与した遊技機の管理の適正化を図ることを目的とし、上述したベース値を演算、表示する制御とは別に、「所定期間の出玉量」を新たに抽出して遊技進行に反映させる新たな遊技制御について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、以下では第四実施形態のパチンコ機1を基本に説明する。
(所定期間の出玉量の抽出)
本例のパチンコ機1は、所定期間の出玉量(差玉量)として、以下の2種類の出玉量A、出玉量Bを主制御基板1310が演算して導出可能にしている。
まず、主制御MPUは、ハンドル160の操作により遊技領域5aに発射される遊技球Bの球数(発射数)を計数している。具体的には、ハンドル160を操作して遊技領域5aに遊技球Bが発射されるときには、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知しているが、その遊技球Bの球数(ファール球として処理された球数を除く)を、出玉量A、Bの演算用の「発射数」として計数している。なお、発射数の計数は、別の手法でもよく、例えば、発射減算センサ554とは別のセンサを搭載し、遊技領域5aに進入した遊技球を検知して計数するようにしてもよい。
また、主制御MPUは、入賞口への入球により賞球として払い出される(付与される)遊技球Bの球数(払出数)を計数している。具体的には、入球により賞球を払い出す(付与する)対象である入賞口に対応して所定数の遊技球B(例えば、第一始動口2003や第二始動口2004への入球に対して3個など)を払い出す(付与する)ことが予め決められており、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に対応する検出センサで検出されたときに、その所定数の遊技球Bの球数を、出玉量A、Bの演算用の「払出数(付与数)」として計数している。例えば、一般入賞口2001へ遊技球Bが入球したときには、15個の遊技球Bを払い出し、普通入賞口2002へ遊技球Bが入球したときには、1個の遊技球Bを払い出し、第一始動口2003や第二始動口2004へ遊技球Bが入球したときには、3個の遊技球Bを払い出し、大入賞口2005や役物入賞口2006へ遊技球Bが入球したときには、15個の遊技球Bを払い出し、それら賞球として払い出される遊技球Bの球数を、出玉量A、Bの演算用の払出数として計数している。なお、本例のパチンコ機1では、実玉での払い出しは伴わないため、賞球個数として付与される遊技球Bの球数が出玉量A、Bの演算用の払出数として計数される。
そして、主制御MPUは、計数ボタンスイッチ180の操作により遊技者が精算可能な通常の持ち球数(持ち球数表示部140に表示される持ち球数)とは別に、後述する所定のクリア条件が成立するまでの期間内で発射数と払出数との差分を算出し、その算出結果を出玉量A、Bを算出するための値として「打ち止め用カウンタ」に記憶保持可能になっている。打ち止め用カウンタの値は、内蔵されているRAMの特定領域に格納している。なお、発射数と払出数との差分の算出式としては、「打ち止め用カウンタの値=払出数-発射数」が挙げられる。例えば、打ち止め用カウンタの値が多くなり過ぎている場合には、遊技者の入れ替わりの有無を問わず、パチンコ機1から大量の出玉が付与されていることを把握することができる。また、本例のパチンコ機1では、遊技球Bの発射により遊技者Aの通常の持ち球数を減算するとともに、賞球の払い出しにより遊技者Aの通常の持ち球数を加算して、遊技者Aの通常の持ち球数(持ち球数表示部140に表示される持ち球数)の増減を管理しているが、上述した通り、打ち止め用カウンタの値は、通常の持ち球数とは別にRAMの特定領域に格納(記憶)されて主制御MPUに管理されるものとなっている。この打ち止め用カウンタの値についても、遊技球Bの発射により減算されるとともに賞球の払い出しにより加算されるものであり、この点については、通常の持ち球数の増減を管理する処理と類似している。しかしながら、打ち止め用カウンタの値は、計数ボタンスイッチ180の操作により遊技者が精算可能なものではなく、この点で通常の持ち球数と大きく相違する。以下では、打ち止め用カウンタの値を用いて算出される出玉量A、Bについて説明する。
出玉量Aは、後述する所定のクリア条件が成立するまでの期間内で打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での値と、後述する所定のクリア条件が成立するまでの期間内で打ち止め用カウンタがもっとも少なくなった時点での値との差分である。つまり、主制御MPUは、このような打ち止め用カウンタの推移を記憶しておき、打ち止め用カウンタの最大値と最小値の差分を算出し、その算出結果を出玉量Aとして随時更新し、内蔵されているRAMの特定領域に格納している。そして、出玉量Aについては、後述する所定のクリア条件が成立することでクリアし、初期値である0に戻されるものとしている。なお、後述するクリア条件には「持ち球の精算(計数ボタンスイッチ180の操作)」は含まないようにしており、遊技者Aの精算後に遊技者Bが遊技を開始した場合にも、クリア条件が成立していない限りは、遊技者Aと遊技者Bの双方の遊技進行過程における出玉量Aが累積されるかたちで記憶保持される(維持される)ように構成されている。これにより、一の遊技機が一の遊技者に対して想定外に大量の出玉が付与された場合だけでなく、一の遊技機が複数の遊技者に対して想定外に大量の出玉を付与している場合も把握することができる。
出玉量Bは、予め定められた初期値である0と、後述する所定のクリア条件が成立するまでの期間内にて打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での値との差分である。つまり、主制御MPUは、このような打ち止め用カウンタの推移を記憶しておき、初期値である0を起点とし、打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での値の差分(すなわち0以上の差分)を算出し、その算出結果を出玉量Bとして随時更新し、内蔵されているRAMの特定領域に格納している。そして、出玉量Bについては、後述する所定のクリア条件が成立することでクリアし、初期値である0に戻されるものとしている。なお、後述するクリア条件には「持ち球の精算(計数ボタンスイッチ180の操作)」は含まないようにしており、遊技者Aの精算後に遊技者Bが遊技を開始した場合にも、クリア条件が成立していない限りは、遊技者Aと遊技者Bの双方の遊技進行過程における出玉量Bが累積されるかたちで記憶保持される(維持される)ように構成されている。これにより、一の遊技機が一の遊技者に対して想定外に大量の出玉が付与された場合だけでなく、一の遊技機が複数の遊技者に対して想定外に大量の出玉を付与している場合も把握することができる。
図124は、打ち止め用カウンタの推移に対して算出される出玉量の一例を示すタイムチャートである。ここでは、打ち止め用カウンタが初期値である0からスタートし、遊技を行うことで打ち止め用カウンタが増減を繰り返す場合の具体例について説明する。
図124に示すように、打ち止め用カウンタについては、初期値である0からスタートした後、初期値である0を起点として-2000に減少し、3000に増加し、-4000に減少し、2000に増加し、-500に減少し、4000に増加し、2500に減少するように推移している。このような場合、出玉量Aについては、打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での4000と、打ち止め用カウンタがもっとも少なくなった時点での-4000との差分として、8000が算出されて記憶保持される。一方、出玉量Bは、打ち止め用カウンタが初期値である0を起点とし、打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での4000として、4000が算出されて記憶保持される。なお、出玉量A、Bは、差分の最大値が記憶保持され、差分の最大値が新たに算出されることで、記憶保持される出玉量A、Bが更新されることとなる。
本例では、出玉量として、2種類の出玉量A、出玉量Bを主制御基板1310が演算しているが、いずれを採用するかは、ホール側の運営スタイルに合わせてホール側が自由に選択しうるように構成している。具体的には、パチンコ機1の裏面側(例えば、主制御基板1310)において、ホール管理者が操作可能な操作スイッチAが設けられており、その操作スイッチAを操作することで、出玉量A、出玉量Bのいずれかを選択するものとしている。一方、出玉量については、主制御基板1310の制御負担を考慮して、出玉量A、出玉量Bのいずれか一方のみを採用して搭載するようにしてもよい。また、出玉量A、出玉量Bのいずれかを選択する場合の操作スイッチAの操作については、電源投入時のみ判定して何れが選択されているかを反映するものでもよいし、電源投入後にも随時判定して何れが選択されているかを随時(リアルタイムに)反映するものでもよい。
また、上述したベース値の演算については、入球数に対する払出数の割合を算出しているのに対し、出玉量の演算については、発射数と払出数との差分を算出しているが、これらの演算プログラムについては、主制御MPUにおける別プログラムで実行するようにしている。これにより、ベース値の演算が正常に行われない場合であっても、出玉量の演算に影響を与えることがなく、後述する所定のクリア条件を含め、ベース値や出玉量の初期化に係る処理等の制御も別々に行うことを容易にすることができる。また、機種ごとに、出玉量の演算プログラムを書き換えることが容易となり、例えば、出玉量A、出玉量Bのうちいずれを採用するかを機種ごとに簡単に変更することができるようになる。
また、上述したベース値については、ベースモニタに表示しているが、出玉量については、ベース値とは異なり、不正防止の観点から、常時は表示しないことが望ましい。ただし、ホール管理者が所定の操作(例えば電源投入に専用のスイッチ操作が行われたときなど)を行ったときには、出玉量を所定の表示器(例えば演出表示装置1600や、遊技機裏面側に設けた専用の表示装置)に表示するようにしてもよい。
また、本例では、出玉量については、主制御基板1310側で演算しているが、別の手法を用いてもよい。例えば、枠制御基板740側に打ち止め用カウンタを設け、所定のタイミングで、発射数や払出数に関するコマンドを主制御基板1310から枠制御基板740に向けて送信するようにし、枠制御基板740では、打ち止め用カウンタを管理し、その打ち止め用カウンタの増減から出玉量を算出するようにしてもよい。また、主制御基板1310側に打ち止め用カウンタを設け、所定のタイミングで、打ち止め用カウンタに関するコマンドを主制御基板1310から枠制御基板740に向けて送信するようにし、枠制御基板740では、受信した打ち止め用カウンタの増減から出玉量を算出するようにしてもよい。また、制御負担を軽減する観点から、出玉量については、主制御基板1310側で演算しているのに対し、上述したベース値については、枠制御基板740側で演算するようにしてもよい。また、制御負担を軽減する観点から、通常の持ち球数と、打ち止め用カウンタの管理とを主制御基板1310側と枠制御基板740側とで別々に演算するようにしてもよい。
また、出玉量の演算については、発射数と払出数との差分である打ち止め用カウンタを用いて算出しているが、これとは別に、上述したベース値で用いられた入球数を用いて、「入球数と払出数との差分」を打ち止め用カウンタに記憶保持して出玉量を演算するようにしてもよい。つまり、出玉量A、Bの演算用の「発射数」については、「入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)」に代替するようにしてもよい。このようにした場合、打ち止め用カウンタの値は、「打ち止め用カウンタの値=払出数-入球数」等が例示できる。このように、打ち止め用カウンタに記憶保持する値として、上述したベース値で用いられた入球数を用い、主制御基板1310側でベースモニタ関連の制御の一部と共通化することでも、主制御基板1310側の制御負担を軽減することができる。なお、パチンコ機1では、ハンドル160の操作により遊技領域5aに発射された遊技球が、入球口(入賞口、アウト口)に入球して外部に排出される構成であるところ、発射数と入球数は略同じ値を示すはずであり、結果として発射数と入球数とのいずれを用いたとしても、出玉量については略同じ値を示すこととなる。
(遊技の制限)
本例のパチンコ機1は、上述した出玉量(出玉量A、B)が特定値に達したときに、以下の3種類の制限パターンのいずれかを実行し、主制御基板1310が打ち止め状態にして遊技の制限を実行可能にしている。なお、出玉量が特定値に達したときには、以降の遊技の制限を実行しているが、遊技状態(高確率状態や時短状態、記憶されている保留数の情報、変動中の図柄に関する情報)などの遊技に関する情報については、クリアしないで保持するようにしている。そして、詳しくは後述するが、遊技に関する情報については、電源遮断後の再投入時において、維持するか又はクリアするかを選択しうるように構成している。
まず、特定値については、予め定められた50000発、80000発、100000発のいずれかを選択しうるように構成している。具体的には、パチンコ機1の裏面側(例えば、主制御基板1310)において、ホール管理者が操作可能な操作スイッチBが設けられており、その操作スイッチBを操作することで、50000発、80000発、100000発のいずれかを選択するものとしている。ここでは、特定値として低い値を選択するほど、遊技の制限を実行する可能性が高いものとなり、特定値として高い値を選択するほど、遊技の制限を実行する可能性が低いものとなる。なお、特定値については、各種処理プログラムを記憶するROMの容量抑制の観点から、いずれか1つのみを採用するようにしてもよい。また、選択される特定値は、出玉量A、Bで共通に用いられるものでもよいし、出玉量A、Bで別々に選択可能にしても良い。また、特定値を複数のいずれかに選択する場合の操作スイッチBの操作については、電源投入時のみ判定して何れが選択されているかを反映するものでもよいし、電源投入後にも随時判定して何れが選択されているかを随時(リアルタイムに)反映するものでもよい。
また、制限パターンについては、遊技の制限内容が異なる制限パターン1~3のいずれかを選択しうるように構成している。具体的には、パチンコ機1の裏面側(例えば、主制御基板1310)において、ホール管理者が操作可能な操作スイッチCが設けられており、その操作スイッチCを操作することで、制限パターン1~3のいずれかを選択するものとしている。なお、制限パターンについては、各種処理プログラムを記憶するROMの容量抑制の観点から、制限パターン1~3のいずれか1つのみを採用するようにしてもよい。また、制限パターンを複数のいずれかに選択する場合の操作スイッチCの操作については、電源投入時のみ判定して何れが選択されているかを反映するものでもよいし、電源投入後にも随時判定して何れが選択されているかを随時(リアルタイムに)反映するものでもよい。
制限パターン1は、出玉量が特定値に達したときに、「遊技停止」を伴う打ち止め状態を行うパターンである。「遊技停止」した場合には、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができるが、始動入賞があったとしても、遊技球の払い出しがなく、特別図柄の変動表示を開始することができず、通常の遊技を行うことができない状態としている。つまり、遊技球の発射が許可されているものの、実行中の主制御基板1310側での遊技(主遊技)を強制的に停止させて、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることができない状態となる。
制限パターン2は、出玉量が特定値に達したときに、「発射停止」を伴う打ち止め状態を行うパターンである。「発射停止」した場合には、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができない。ただし、仮に始動入賞があったときには、遊技球の払い出しがあり、特別図柄の変動表示を開始することができ、通常の遊技を行うことができる状態としている。つまり、遊技球の発射が許可されていないことから、そもそも始動入賞することがなく、実行中の主制御基板1310側での遊技(主遊技)の進行までは許容するものの、それ以降には主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることができない状態となる。なお、「発射停止」の具体的な状況としては、枠制御基板740が遊技球の循環を行うことができない状態、例えば、ハンドル160を操作しても球発射ユニット550から遊技球Bが発射されない状態や、球発射ユニット550、球揚上ユニット650、球送ユニット700、等の各種制御を停止して、循環球経路ユニット600における遊技球Bの管理(監視)を行わない状態に制御することが例示できる。
制限パターン3は、出玉量が特定値に達したときに、「遊技停止」と「発射停止」の両方を伴う打ち止め状態を行うパターンである。「遊技停止」と「発射停止」した場合には、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球の発射ができないだけでなく、仮に始動入賞があったとしても、遊技球の払い出しがなく、特別図柄の変動表示を開始することができず、通常の遊技を行うことができない状態としている。つまり、遊技球の発射が許可されておらず、実行中の主制御基板1310側での遊技(主遊技)も強制的に停止させて、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることができない状態となる。
本例では、制限パターン1~3のいずれにおいても、計数ボタンスイッチ180に操作による精算処理は不能にせずに実行可能にする(許容する)ものとなっている。これにより、制限パターン1~3のいずれかによって遊技者による遊技継続が出来なくなった場合であっても、計数ボタンスイッチ180を操作して精算処理を実行することができるので、遊技者を混乱させることを抑止できる。ただし、不正行為等により大量の出玉が不正行為者に付与されていることを警戒することを考慮して、制限パターン1~3のいずれにおいても、計数ボタンスイッチ180に操作による精算処理も不能にしておくようにしてもよい。このような場合には、不正行為でないことが確認された後にホール管理者による所定の操作(例えば枠制御基板740に設けた予備計数ボタンスイッチの操作等)で計数ボタンスイッチ180の操作を有効にできるようにしておく(精算処理を実行可能にしておく)ことが考えられる。
また、上述した、制限パターン1~3のいずれかが適用されている間は「打ち止め状態」として後述するクリア条件が成立するまで強制的に継続するようになっている。後述するクリア条件は遊技者側の何らかの操作で成立するものは除外され、遊技者が解除することはできないようになっている。なお、上述した通り、打ち止め状態では遊技者側で計数ボタンスイッチ180を操作して精算処理を実行することは許容するようにした場合であっても、計数ボタンスイッチ180が操作されて精算処理が実行された以後も打ち止め状態が継続するようになっている。また、精算処理が実行された以後に打ち止め状態が継続する場合には、新たな遊技者が遊技を開始することができないように、新たな遊技者の通常の持ち球数の加算や、遊技球貸出装置8からのデータ転送を受付不能にしておくことが好ましい。さらに、そのような場合には、持ち球数表示部140の表示態様を、例えば「EEEE」等の打ち止め状態に対応した受付不能態様で制御するようにし、新たな遊技者に遊技開始できないことを知らせるようにしておくことが考えられる。
本例では、出玉量が特定値に達したときに、制限パターン1~3のいずれかに基づいて遊技の制限を実行する打ち止め状態を発生させることで、不正行為等により大量の出玉が不正行為者に付与されることがなく、不正行為を防止することができる。また、当落に関する確率の偏りにより大量の出玉が正規の遊技者に付与されることがなく、所謂「のめり込み」等についての問題が生じることを防止することができる。これにより、大量の出玉を付与した遊技機の管理の適正化を図ることができる。
また、本例では、打ち止め状態にて制限する遊技の制限内容として、「遊技停止」、「発射停止」、「遊技停止」と「発射停止」の両方を行うパターンを挙げているが、出玉量が特定値に達した後に出玉を増加しにくくする制限内容であれば、これらの手法に限られない。例えば、別の制限内容として、出玉量が特定値に達した後に開始される全ての特別図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)を長いものとし、始動入賞があったとしても、特別図柄の変動表示の結果が表示されるまでの時間がかかるものとし、遊技進行を制限するようにしてもよい。また、遊技状態として低確率状態、低確率状態よりも当選確率が高められた高確率状態のうちいずれかに制御する遊技機において、高確率状態にするべき当選になったか否かにかかわらず、出玉量が特定値に達した後は強制的に低確率状態にのみ制御するものとし、遊技進行を制限するようにしてもよい。これらの場合、遊技の制限前と比べて、当選するまでの時間がかかるものとなることから、以降は得られる出玉量が増加しにくくなり、遊技を継続しようとする意欲を減退させることができる。また、出玉量が特定値に達した後には、「遊技停止」や「発射停止」を行わないものの、出玉量が特定値に達したことに対応する特殊報知を演出表示装置1600や他の演出装置を用いて行うようにしてもよい。このような場合、特殊報知によって演出の進行が阻害されることとなり、遊技を継続しようとする意欲を減退させることができる。また、特殊報知を行う場合には、演出表示装置1600の全画面で特殊な画像を表示するようにし、従来の演出表示が一切視認できないようにすることが好ましく、こうした場合には、演出の進行が大きく阻害されることとなり、遊技を継続しようとする意欲をより効果的に減退させることができる。
また、本例では、上述した出玉量が特定値に達したとしても、後述するクリア条件が成立するまでは出玉量の情報を消去せずに記憶保持するようにしている。なお、出玉量が特定値に達した後は、出玉量A、Bの更新(打ち止め用カウンタの更新)を強制的に停止させるようにしてもよいし、停止させることなく引き続き演算するようにしても良い。また、例えば、出玉量A、Bの更新(打ち止め用カウンタの更新)を停止させることなく引き続き行う場合には、上述した「発射停止」が行われないときに何らかの不具合や不正によって遊技球が発射されて打ち止め用カウンタが減少傾向に作用してしまったことが考えられる。そのような場合には、打ち止め用カウンタが特定値を下回ってくる可能性があるが、それらを考慮して、一旦出玉量が特定値に達した後は、それ以降に打ち止め用カウンタの減少が生じたとしても打ち止め状態を終了させることなく継続させるようにしておくことが好ましい。
(出玉量及び遊技の制限のクリア)
本例のパチンコ機1は、出玉量が特定値に達したときに打ち止め状態を発生させるようにしているが、「打ち止め状態が開始される前に算出された出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」については、電源遮断後の再投入時において、遊技ホール側で維持するか又はクリアするかを選択可能にしている。
まず、電源投入時操作の態様としては、以下の5種類の電源投入パターンが設けられている。電源投入パターン1は、電源投入時(電源スイッチ751の操作時)において、RAMクリアスイッチ741および設定キースイッチをON操作しない場合であり、設定値の設定変更や確認表示を行うことなく、電源遮断時の遊技状態(遊技情報)が初期化されることなく維持されている。
電源投入パターン2は、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741をON操作し、設定キースイッチをON操作しない場合であり、設定値の設定変更や確認表示を行うことはないが、主制御基板1310に内蔵されているRAMを初期化するラムクリアを実行し、電源遮断時の遊技状態を初期化している。ただし、設定値に関する情報については、ラムクリアで初期化することがない。
電源投入パターン3は、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741をON操作し、設定キースイッチをON操作する場合であり、設定値の設定変更を行った後に、主制御基板1310に内蔵されているRAMを初期化するラムクリアを実行し、電源遮断時の遊技状態を初期化している。ただし、設定値に関する情報については、ラムクリアで初期化することがない。
電源投入パターン4は、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741をON操作しないで、設定キースイッチをON操作する場合であり、設定値の確認表示を行った後に、電源遮断時の遊技状態が初期化されることなく維持されている。
電源投入パターン5は、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741および設定キースイッチをON操作しない点で、電源投入パターン1と同じであるが、枠制御基板740に設けられている球抜スイッチ742をON操作する場合であり、設定値の設定変更や確認表示を行うことなく、電源遮断時の遊技状態(遊技情報)を維持している。ここで、球抜スイッチ742をON操作した場合には、上述した球抜処理が実行されて封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くことができる。なお、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741や設定キースイッチをON操作されており、且つ、球抜スイッチ742もON操作している場合は、設定値の設定変更や確認表示、ラムクリアが行われることなく、上述した球抜処理が優先的に実行されるものとなっている。
このように、電源投入パターン1~5のうち、電源投入パターン2、3については、電源投入時にRAMクリアスイッチ741をON操作することで、電源遮断時の遊技状態を初期化しているのに対し、電源投入パターン1、4、5については、電源投入時にRAMクリアスイッチ741をON操作しないことで、電源遮断時の遊技状態を維持している。なお、電源遮断時の遊技状態とは、高確率状態や時短状態、当り遊技状態などの遊技状態の他に、実行中の特別図柄の変動表示の有無、保留の有無、などが含まれる。そして、電源投入パターン2、3で電源投入した場合には、電源遮断時の遊技状態に復帰しないが、電源投入パターン1、4、5で電源投入した場合には、電源遮断時の遊技状態に復帰することとなる。
図125は、「打ち止め状態が開始される前に算出された出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」のクリア条件を示すテーブルである。本例では、クリア条件が異なる制限クリアパターンテーブル1~3のいずれかを選択しうるように構成している。具体的には、パチンコ機1の裏面側(例えば、主制御基板1310)において、ホール管理者が操作可能な制限クリアパターン選択スイッチが設けられており、その制限クリアパターン選択スイッチを操作することで、制限クリアパターンテーブル1~3のいずれかを選択するものとしている。なお、制限クリアパターンテーブルについては、各種処理プログラムを記憶するROMの容量抑制の観点から、制限クリアパターンテーブル1~3のいずれか1つのみを採用するようにしてもよい。また、制限クリアパターンテーブル1~3を選択する場合の制限クリアパターン選択スイッチの操作については、電源投入時のみ判定して何れが選択されているかを反映するものでもよいし、電源投入後にも随時判定して何れが選択されているかを随時(リアルタイムに)反映するものでもよい。また、図125の「出玉量」については、「打ち止め用カウンタの値」も包含するものであり、本例では、出玉量が維持される場合には、打ち止め用カウンタの値も維持され、出玉量がクリアされる場合には、打ち止め用カウンタの値もクリアされるものとなっている。
図125(A)には、制限クリアパターン選択スイッチが「1」の場合に選択される制限クリアパターンテーブル1を示している。電源投入パターン1は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、維持している。このような打ち止め状態が維持されている場合には、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることができない状態が維持されることとなる。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを青色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「出玉量、打ち止め状態は維持されています」というメッセージ画像を表示するようにしている。
電源投入パターン2は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、クリア(初期化)している。具体的には、上述した制限パターン1で遊技が制限されている場合には、「遊技停止」しているが、打ち止め状態がクリアされることで、「遊技停止」を解除し、制限パターン2で遊技が制限されている場合には、「発射停止」しているが、打ち止め状態がクリアされることで、「発射停止」を解除し、制限パターン3で遊技が制限されている場合には、「遊技停止」および「発射停止」しているが、打ち止め状態がクリアされることで、「遊技停止」および「発射停止」を解除し、いずれの場合にも、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を再開させることが可能になっている。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態をクリアしました」というメッセージ画像を表示するようにしている。
電源投入パターン3は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、クリア(初期化)している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態をクリアしました」というメッセージ画像を表示するようにしている。
電源投入パターン4は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、維持している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを青色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態をクリアしました」というメッセージ画像を表示するようにしている。
電源投入パターン5は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、維持している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを青色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態は維持されています」というメッセージ画像を表示するようにしている。
このように、制限クリアパターンテーブル1では、電源投入時において、電源投入パターン2、3のように電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)した場合のみ、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)している。一方、電源投入時において、電源投入パターン1、4、5のように電源遮断時の遊技状態を維持した場合には、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持している。これによれば、電源遮断時の遊技状態だけでなく、出玉量および打ち止め状態を一括してクリアすることから、出玉量および打ち止め状態をクリアするか否かのホール管理者の操作ミスを発生しにくくすることができる。
図125(B)には、制限クリアパターン選択スイッチが「2」の場合に選択される制限クリアパターンテーブル2を示している。電源投入パターン1~5のうち、電源投入パターン2~5については、制限クリアパターンテーブル1と同じであるため、説明を省略する。
電源投入パターン1は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」については、クリア(初期化)している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを黄色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態をクリアしました」というメッセージ画像を表示するようにしている。
このように、電源投入パターン1は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持する点で、電源投入パターン4と同じであるが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)する点で、電源投入パターン4とは異なっている。つまり、制限クリアパターンテーブル2では、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持した場合に、電源投入パターン1のように「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)するか、電源投入パターン4のように「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持するか、をホール管理者が選択することができる。また、電源投入パターン1は、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741および設定キースイッチをON操作する必要がないことから、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」のクリア(初期化)については、ホール管理者が簡単な作業で行うことができる。
図125(C)には、制限クリアパターン選択スイッチが「3」の場合に選択される制限クリアパターンテーブル3を示している。電源投入パターン1~5のうち、電源投入パターン1、3~5については、制限クリアパターンテーブル1と同じであるため、説明を省略する。
電源投入パターン2は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」については、維持している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを青色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態は維持されています」というメッセージ画像を表示するようにしている。
このように、電源投入パターン2は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)する点で、電源投入パターン3と同じであるが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持する点で、電源投入パターン3とは異なっている。つまり、制限クリアパターンテーブル3では、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)した場合に、電源投入パターン2のように「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持するか、電源投入パターン3のように「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)するか、をホール管理者が選択することができる。また、電源投入パターン3で電源投入した場合のみ、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)することが可能であり、電源投入パターン3については、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741および設定キースイッチをいずれもON操作する必要があることから、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」のクリア(初期化)については、ホール管理者の厳格な管理のもとで行うことができる。
なお、本例では、出玉量については、所定の電源投入パターンで電源投入することで、クリア(初期化)することを可能にしているが、別例として、単位時間(例えば、3時間)ごとに、クリア(初期化)することを可能にしてもよい。これによれば、単位時間(例えば、3時間)ごとに、出玉量をクリア(初期化)しないとすると、出玉量が特定値に達するか否かの点で、前の遊技者の遊技による出玉量が、次の遊技者に影響を及ぼすことになるが、単位時間(例えば、3時間)ごとに、出玉量をクリア(初期化)することで、前の遊技者の遊技による出玉量が、次の遊技者に影響を及ぼしにくくすることができる。
(遊技の制限の詳細)
本例のパチンコ機1は、出玉量が特定値に達したときに、主制御基板1310が遊技の制限を実行する打ち止め状態を開始しているが、その詳細について以下に説明する。
図126は、出玉量が特定値に達して遊技が制限された場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。ここでは、タイミングt1の時点で、入賞口への入球に基づく賞球の払い出しにより出玉量が特定値に達すると判断したときに、打ち止めフラグがONになったと判断し、打ち止め状態に移行した場合について説明している。また、出玉量が特定値に達したときには、打ち止め状態における遊技の制限として、「遊技停止」と「発射停止」の両方を行う制限パターン3が選択されている。また、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源投入パターンとして、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態を維持することとなる電源投入パターンを選択している。
図126に示すように、タイミングt1よりも前には、主制御基板1310側での遊技状態を通常状態(打ち止め状態でない状態)に制御し、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、打ち止め状態でない通常状態では、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。
また、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプC(機能表示ユニット1400の発光基板に搭載されているLED)、スピーカ、可動体については、タイミングt1よりも前に、通常時の動作を実行するようにしている。なお、ランプCは、主制御基板1310が制御しているのに対し、それ以外の部材は、周辺制御基板1510が制御している。ここで、ランプCについては、遊技の進行に伴い、機能表示ユニット1400における複数のLEDが点灯や点滅を行うようにしている。一方、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、特別図柄の変動表示が実行されていないときには、特別図柄の変動表示が開始されることを待機する状態での待機演出(例えば、デモ演出)に対応する動作を実行するようにし、特別図柄の変動表示が実行されているときには、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信することに基づいて、変動演出(変動パターンに基づく演出)に対応する動作を実行するようにしている。例えば、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信したときには、演出表示装置1600では、装飾図柄の変動表示を含む演出表示(例えば、リーチ演出)などを実行し、ランプA、Bでは、演出表示装置1600で実行される演出表示に連動してLEDが点灯や点滅を行うようにし、スピーカからは、演出表示装置1600で実行される演出表示に連動して音声を出力するようにし、可動体では、演出表示装置1600で実行される演出表示に連動して所定の動作を行うようにしている。
また、外部端子板からは、ホールコンピュータに対して所定の信号を出力することが可能であり、それらの信号をホールコンピュータで受信することで、ホール側でもパチンコ機1の挙動を把握できるようにしている。例えば、始動入賞があったとき、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されて大当り遊技が実行されているとき、異常が検出されたときなどに、それらの対応する信号を出力している。
また、タイミングt1よりも前には、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを可能にしている。
また、ベースモニタには、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)とを計数し、入球数に対する払出数の割合を算出し、その算出結果をベース値として表示しているが、タイミングt1よりも前には、そのような演算を行うことを可能にしている。
また、タイミングt1よりも前には、入賞口への入球を検出したときに、賞球として所定数の遊技球を払い出すことを可能とし、賞球として払い出される遊技球の球数の分だけ、遊技者の持ち球数が加算され、打ち止め用カウンタも更新されることを可能にしている。
次に、タイミングt1よりも前のタイミングtxの時点で、主制御基板1310が入賞口への入球を検出したときには、周辺制御基板1510が演出表示装置1600などの一部の部材を用いて、事前告知時の動作を実行している。ここで、タイミングtxでの入賞口への入球については、タイミングt1での入賞口への入球よりも1つ前の入球であり、タイミングtxでの入賞口への入球に基づいて賞球を払い出した(賞球個数を付与した)としても、出玉量が特定値に達しないが、タイミングt1での入賞口への入球に基づいて賞球を払い出したとき(賞球個数を付与したとき)には、出玉量が特定値に達するようになっている。
事前告知時の動作については、演出表示装置1600と、ランプBとを用いて実行している。具体的には、演出表示装置1600では、事前告知表示として、「遊技制限まで残り+〇〇発」というメッセージを表示するようにし、ランプBでは、事前告知発光として、LEDが点滅を行うようにしている。これにより、近い時期に遊技が制限される旨を遊技者が把握することができる。また、事前告知時の動作については、演出表示装置1600などの一部の部材だけが用いられることから、当該入賞に基づく変動演出については、実行することができ、その変動演出に対する興趣が失われることがない。
なお、本例では、タイミングt1での入賞口への入球よりも1つ前に入球した時点で、事前告知時の動作を実行しているが、それよりも前の入球(例えば、5つ前の入球)から実行する等、特定値に達するよりも前のタイミングであれば、事前告知時の動作はどのようなタイミングで実行しても良い。また、タイミングt1での入賞口への入球よりも前において、所定回数の入球や特別図柄の変動表示があるごとに、事前告知時の動作を実行するようにしてもよい。また、事前告知時の動作の別例として、電源投入してから一定時間あるいは、電源投入後の常時に、その時の出玉量に基づいて「遊技制限まで残り+〇〇発」を表示して、打ち止め状態とされるまでの目安を遊技者に認識させるようにしても良い。
次に、タイミングt1の時点で、入賞口への入球に基づく賞球の払い出しにより出玉量が特定値に達すると判断するが、主制御基板1310がその入賞口への入球を検出したときには、打ち止めフラグをONとし、「遊技停止」と「発射停止」の両方を行う制限パターン3が適用された「打ち止め状態」に移行している。そして、打ち止め状態では、遊技球の発射が不能とされ、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な打ち止め状態としている。つまり、打ち止め状態では、特別図柄の変動表示や大当り遊技を実行することがなく、仮に始動入賞があったとしても、特別図柄の変動表示を新たに開始することがない。
また、演出表示装置1600、ランプA~C、スピーカ、可動体については、タイミングt1から所定時間が経過した後に、進行不能時の動作を実行している。具体的には、演出表示装置1600では、進行不能表示として、「遊技制限中」というメッセージを表示するようにし、ランプA、Bでは、進行不能用の発光として、単色で、LEDが点灯や点滅を行うようにし、スピーカからは、進行不能用の音として、「1日の出玉制限に達したので遊技を制限しています」という音声を出力するようにしている。
また、ランプCでは、機能表示ユニット1400として、状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器などを備えているが、それらの全てのLEDが点灯するようにしている。ただし、別例として、機能表示ユニット1400に、打ち止め報知専用のLEDを設けるようにし、打ち止め状態では、その打ち止め報知専用のLEDを点灯し、それ以外のLEDを消灯するようにしてもよい。
また、可動体については、タイミングt1から所定時間が経過した後に、動作することがない動作不能状態にしている。例えば、タイミングt1から所定時間が経過するよりも前に、可動体が動作中である場合には、タイミングt1から所定時間が経過した時点で、可動体を動作途中で強制停止している。ただし、別例として、可動体については、タイミングt1から所定時間が経過した後に、初期位置でない可動体を初期位置に戻してから、可動体を停止するようにしてもよい。これにより、タイミングt1から所定時間が経過した時点で、可動体が演出表示装置1600の表示領域の前方に位置していたとしても、タイミングt1から所定時間が経過した後に、可動体が初期位置に戻ることとなり、演出表示装置1600で実行されている進行不能表示を見逃しにくくすることができる。
なお、本例では、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行しているが、演出表示装置1600、ランプA~C、スピーカ、可動体については、タイミングt1から所定時間が経過した後に、進行不能時の動作を実行している。これは、タイミングt1の時点で、入賞口への入球があった場合には、その後に入賞口への入球に基づく賞球が払い出されることになるが、タイミングt1から所定時間が経過した後に、進行不能時の動作を実行することで、入賞口への入球に基づく賞球が払い出されるのを待って、進行不能時の動作を実行することができ、違和感が生じることを防止することができる。ただし、演出表示装置1600、ランプA~C、スピーカ、可動体については、タイミングt1の時点から、進行不能時の動作を実行するようにしてもよい。
また、外部端子板からは、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行するとともに、セキュリティ信号を出力している。このセキュリティ信号については、異常の検出や、設定値の設定変更や設定値の確認表示中であるときに出力するものであり、打ち止め状態に移行した場合にも、同じセキュリティ信号を出力している。つまり、打ち止め状態では、異常の検出や、設定値の設定変更や設定値の確認表示中でないにもかかわらず、強制的にセキュリティ信号を出力する強制出力状態にしている。これにより、打ち止め状態では、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、打ち止め状態に移行している旨を把握することができる。
また、本例では、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行するとともに、セキュリティ信号を出力しているが、タイミングt1の時点で、例えば、異常の検出に基づくセキュリティ信号が出力中である場合には、その出力中のセキュリティ信号を終了させて新たにセキュリティ信号を出力することがなく、出力中のセキュリティ信号を継続して出力するようにしている。これにより、ホール側では、異常の検出が終了したとの誤認を生じることがない。
また、本例では、外部端子板から、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号の他に、遊技状態、入賞口への入球、賞球の払い出しなどを伝える各種信号を出力している。そして、タイミングt1の時点で、そのような各種信号が出力中である場合には、その出力中の各種信号を終了させてから、セキュリティ信号を出力するようにしている。これにより、ホール側では、打ち止め状態に移行している旨を確実に把握することができる。
また、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行した後には、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを不能にしている。ただし、本例では、出玉量が特定値に達したときに、「遊技停止」と「発射停止」の両方を行う制限パターン3が選択されている場合であり、出玉量が特定値に達したときに、「遊技停止」のみを行い、「発射停止」を行わない制限パターン1が選択されている場合には、打ち止め状態に移行した後において、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを可能にすることとなる。
また、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行した後には、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)とを計数の対象としていない。つまり、入球数に対する払出数の割合に関する演算を行うことを不能にし、ベースモニタに表示されているベース値に反映しないようにしている。ただし、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)については、計数の対象とし、入球数に対する払出数の割合に関する演算を行うことで、ベースモニタに表示されているベース値に反映するようにしてもよい。
また、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行した後には、タイミングt1よりも前に入賞口への入球を検出したものについては、賞球として所定数の遊技球を払い出すことを可能とし、賞球として払い出される遊技球の球数の分だけ、遊技者の持ち球数に加算することを可能にしている。これにより、出玉量が特定値になるまでの遊技球の球数の分だけは、遊技者が賞球を得ることができる。一方、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行した後に、入賞口への入球を検出したものについては、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数に加算することもない。ただし、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行した後には、入賞口への入球を検出しないように構成してもよく、そもそも入賞口への入球を検出しない場合にも同じく、入賞口への入球があったとしても、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数に加算することもない。
なお、本例では、タイミングt1の時点で、入賞口への入球を検出したときに、その入賞口への入球に基づく賞球が払い出されていないものの、入賞口への入球に基づく賞球の払い出しにより出玉量が特定値に達すると判断し、打ち止め状態に移行しているが、別の手法を採用してもよい。例えば、タイミングt1の時点で、入賞口への入球を検出したときには、打ち止め状態に移行しないで、その入賞口への入球に基づく賞球の払い出しが完了して出玉量が特定値に達したときに、打ち止め状態に移行するようにしてもよい。これにより、入賞口への入球に基づく賞球の払い出しが完了し、出玉量が特定値に達するのを待って、打ち止め状態に移行することができ、違和感が生じることを防止することができる。
また、本例では、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行した後には、磁気や振動などの異常を検出したか否かの異常判定を行っていない。つまり、打ち止め状態に移行した後には、異常を検出したとしても、異常判定を行っていないことから、異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行していない。このように、打ち止め状態に移行した後には、異常報知よりも優先して、打ち止め状態に対応する進行不能時の動作を実行することで、遊技者やホール管理者に対して、打ち止め状態に移行した旨を確実に認識させることができる。ただし、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行した後には、磁気や振動などの異常を検出しないように構成してもよく、そもそも異常を検出しない場合にも同じく、異常が発生したとしても、その異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行することがない。
次に、打ち止め状態に移行した後、タイミングt2の時点で、電源を遮断し、その後のタイミングt3の時点で、電源を再投入している。本例では、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源投入パターンとして、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態を維持することとなる電源投入パターンを選択している。このため、タイミングt3の時点で、電源を再投入した後には、通常状態(打ち止め状態でない状態)に戻すことがなく、タイミングt1~t2と同じく、打ち止め状態を維持している。
また、打ち止め状態の態様としては、タイミングt1~t2における打ち止め状態と同じ態様を維持している。つまり、タイミングt3の時点で、電源を再投入した後には、打ち止め状態を維持することから、例えば、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間とし、演出表示装置1600、ランプA~C、スピーカ、可動体については、進行不能時の動作を実行している。これにより、電源遮断後の再投入時において、遊技者やホール管理者に対して、打ち止め状態に復帰した旨を認識させることができる。なお、本例では、図示は省略するが、進行不能時の動作を実行する前に、スピーカから「出玉量、打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力するとともに、演出表示装置1600に「出玉量、打ち止め状態は維持されています」というメッセージ画像を一時的に表示するようにしている。また、ランプA~Cについては、電源の再投入時に選択されている電源投入パターンに対応する発光色でLEDが発光するようにしている。なお、スピーカから「出玉量、打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力するとともに、演出表示装置1600に「出玉量、打ち止め状態は維持されています」というメッセージ画像を表示する期間については省略するようにしてもよい。
なお、タイミングt3の時点で、電源を再投入した後には、演出表示装置1600では、進行不能表示として、「遊技制限中」というメッセージを表示しているが、タイミングt1~t2における打ち止め状態とは、メッセージ内容を変更してもよい。また、「遊技制限中」の表示と同時、あるいはそれに先立って、「出玉量、打ち止め状態は維持されています」という表示を行うようにしており、次の営業日等に電源が投入された際に、前日からの引き続きであることをホール管理者に認識させることができ、突然に打ち止め状態となっている状況でホール管理者が混乱することを抑制できる。
また、打ち止め状態における電源遮断後の再投入でなく、通常の電源投入時においては、スピーカから、通常の電源投入音を出力している。しかしながら、本例では、タイミングt3の時点で、電源を再投入した後において、スピーカから「出玉量、打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力しているものの、通常の電源投入音を出力していない。このように、電源の再投入時に打ち止め状態に復帰した場合には、通常の電源投入音よりも優先して、スピーカから「出玉量、打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力することで、遊技者やホール管理者に対して、打ち止め状態に復帰した旨を確実に認識させることができる。
また、打ち止め状態における電源遮断後の再投入でなく、通常の電源投入時においては、可動体については、その可動体が正常に動作するか否かや、初期位置に合わせるための初期動作を行っている。しかしながら、本例では、タイミングt3の時点で、電源を再投入した後において、可動体については、動作を停止しており、初期動作を行っていない。このように、電源の再投入時に打ち止め状態に復帰した場合には、可動体が初期動作を行わないことで、通常状態(打ち止め状態でない状態)に戻されていない旨を認識させることができる。ただし、タイミングt3の時点で、電源を再投入した後において、可動体については、初期動作を行うようにしてもよい。
図127は、電源遮断後の再投入時に遊技の制限を解除した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。上記の説明では、出玉量が特定値に達して打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態を維持しているが、本例では、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)している。具体的には、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源投入パターンとして、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)することとなる電源投入パターンを選択している。ここでは、タイミングt2の時点で、電源を遮断するまでは、上記の説明と同じであるため、タイミングt3の時点で、電源を再投入する以降について説明している。
図127に示すように、打ち止め状態で電源遮断した後、タイミングt3の時点で、電源を再投入しているが、その電源遮断後の再投入時には、電源投入パターンとして、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)することとなる電源投入パターンを選択している。このため、タイミングt3の時点で、電源を再投入した後には、打ち止めフラグがOFFになり、打ち止め状態を維持しないが、通常状態(打ち止め状態でない状態)に復帰するよりも前には、通常状態(打ち止め状態でない状態)への復帰を待機する復帰待ち状態に制御している。そして、復帰待ち状態では、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間としている。つまり、打ち止め状態では、特別図柄の変動表示や大当り遊技を実行することがなく、仮に始動入賞があったとしても、特別図柄の変動表示を新たに開始することがない。
また、演出表示装置1600、ランプA~C、スピーカ、可動体については、タイミングt3の時点で、復帰時の動作を実行している。具体的には、演出表示装置1600では、復帰表示として、「出玉量、打ち止め状態をクリアしました」というメッセージを表示するようにし、ランプA~Cでは、復帰用発光として、電源の再投入時に選択されている電源投入パターンに対応する発光色でLEDが発光するようにし、スピーカからは、復帰音として、「出玉量、打ち止め状態をクリアしました。」という音声を出力するようにしている。
また、可動体については、タイミングt3の時点で、動作することがない動作不能状態にしている。
また、外部端子板からは、打ち止め状態に移行した場合と同じく、タイミングt3の時点で、セキュリティ信号を出力している。つまり、復帰待ち状態では、異常の検出や、設定値の設定変更や設定値の確認表示中でないにもかかわらず、強制的にセキュリティ信号を出力する強制出力状態にしている。これにより、復帰待ち状態では、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、打ち止め状態が解除される可能性を把握することができる。
また、タイミングt3の時点で、復帰待ち状態に移行した後には、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを不能にしている。なお、詳しくは上記したが、出玉量が特定値に達したときに、「遊技停止」のみを行い、「発射停止」を行わない制限パターン1が選択されている場合には、打ち止め状態に移行した後において、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを可能にしているが、このような場合にも、タイミングt3の時点で、復帰待ち状態に移行した後には、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを不能にしている。
また、タイミングt3の時点で、復帰待ち状態に移行した後には、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)とを計数の対象としていない。つまり、入球数に対する払出数の割合に関する演算を行うことを不能にし、ベースモニタに表示されているベース値に反映しないようにしている。
また、タイミングt3の時点で、復帰待ち状態に移行した後には、入賞口への入球を検出したとしても、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数に加算することもない。ただし、タイミングt3の時点で、復帰待ち状態に移行した後には、入賞口への入球を検出しないように構成してもよく、そもそも入賞口への入球を検出しない場合にも同じく、入賞口への入球があったとしても、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数に加算することもない。
次に、タイミングt3から所定時間(例えば5秒)が経過した後のタイミングt4では、復帰待ち状態を終了し、主制御基板1310側での遊技状態を通常状態(打ち止め状態でない状態)に移行している。ここでは、通常状態(打ち止め状態でない状態)の態様として、タイミングt1よりも前の通常状態(打ち止め状態でない状態)と同じ態様にしており、打ち止め状態における遊技の制限が解除されている。なお、復帰待ち状態を終了させるタイミングは、タイミングt3から所定時間(例えば5秒)が経過することに限らず、ホール管理者が所定の再開操作を行うことを契機としてもよい。再開操作としては、例えば、タイミングt3における電源投入の操作が電源投入パターン3の場合、設定キースイッチを初期位置(つまり、設定キースイッチをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することが例示できる。
なお、タイミングt4の時点で、通常状態(打ち止め状態でない状態)に復帰した後には、ランプA~Cでは、電源投入時の初期発光を実行している。なお、打ち止め状態における電源遮断後の再投入でなく、通常の電源投入時においても同様に、ランプA~Cでは、電源投入時の初期発光を実行している。
また、タイミングt4の時点で、通常状態(打ち止め状態でない状態)に復帰した後には、スピーカからは、通常の電源投入音を出力している。なお、打ち止め状態における電源遮断後の再投入でなく、通常の電源投入時においても同様に、スピーカからは、通常の電源投入音を出力している。
また、タイミングt4の時点で、通常状態(打ち止め状態でない状態)に復帰した後には、可動体については、その可動体が正常に動作するか否かや、初期位置に合わせるための初期動作を行っている。なお、打ち止め状態における電源遮断後の再投入でなく、通常の電源投入時においても同様に、可動体の初期動作を行っている。ただし、可動体については、通常状態(打ち止め状態でない状態)に復帰よりも前のタイミングt3の時点で、初期動作を行うようにしてもよい。これにより、通常状態(打ち止め状態でない状態)に復帰するよりも前に、可動体の初期動作を完了することができ、その復帰直後から、変動演出(変動パターンに基づく演出)に対応する動作を行うことができる。
また、外部端子板からは、復帰待ち状態におけるタイミングt3の時点で、セキュリティ信号を出力しているが、タイミングt4から所定時間が経過するまでの間には、通常状態(打ち止め状態でない状態)に復帰しているものの、セキュリティ信号の出力を継続している。これにより、復帰待ち状態が短時間で終了したとしても、ホールコンピュータに対するセキュリティ信号の出力を継続することから、ホール側では、打ち止め状態が解除される可能性を把握することができる。
なお、本例では、打ち止め状態で電源遮断した後、タイミングt3の時点で、電源を再投入しているが、その電源遮断後の再投入時には、復帰待ち状態に制御した後、通常状態(打ち止め状態でない状態)に復帰している。ただし、別例として、電源遮断後の再投入時には、復帰待ち状態に制御することなく、通常状態(打ち止め状態でない状態)に復帰するようにしてもよい。これにより、電源遮断後の再投入時には、その直後から、遊技を開始することができる。
(大当り遊技中や特別図柄の変動表示中に出玉量が特定値に達する場合における演出例)
本例では、出玉量が特定値に達したときに、遊技の制限を実行している。その出玉量のうち、出玉量Aについては、打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での値と、打ち止め用カウンタがもっとも少なくなった時点での値との差分であり、出玉量Bについては、予め定められた初期値である0と、打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での値との差分であり、いずれも、持ち球数がもっとも多くなった時点での値が関与している。そして、大当り遊技中に大入賞口2005に遊技球が入球したときや、特別図柄の変動表示中や非変動表示中に大入賞口2005以外の入賞口(一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004)に遊技球が入球したときには、賞球の払い出しにより払出数が増加して打ち止め用カウンタが増加することから、それらの入球したタイミングで、出玉量が特定値に達することが確定し、遊技の制限を実行することとなる。ここでは、まず、大当り遊技中に大入賞口2005に遊技球が入球したタイミングで出玉量が特定値に達する場合における具体的な演出例について説明し、続いて、特別図柄の変動表示中に一般入賞口2001に遊技球が入球したタイミングで出玉量が特定値に達する場合における具体的な演出例について説明する。
図128は、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入球したタイミングで出玉量が特定値に達する場合における具体的な演出例である。なお、本例では、上述した「特定値」として80000が設定され、上述した「制限パターン」として、制限パターン1あるいは制限パターン3が選択されているときの例である。すなわち、制限パターン1が設定されていれば、出玉量が特定値(80000発)に達したときに「遊技停止」を伴う打ち止め状態となり、制限パターン3が設定されていれば、出玉量が特定値(80000発)に達したときに「遊技停止」と「発射停止」を伴う打ち止め状態となるものである。また、本例では、特別図柄の抽選結果が大当りになった場合に、大入賞口2005や役物入賞口2006を開閉する10ラウンドの大当り遊技を付与し、大当り遊技の終了後には高確率状態を付与するものとしている。
図128(A)に示すように、演出表示装置1600では、特別図柄の変動表示に対応した変動演出(変動パターンに基づく演出)を実行し、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の変動表示を行っている。ここでは、特別図柄の抽選結果に応じて、或いは、第一V入賞口2007や第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ、等により高確率状態が継続する「連荘モード」中において、特別図柄の抽選結果が当りになることで、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の停止図柄として「777」を表示している。また、演出表示装置1600の右上領域では、第二装飾図柄の変動表示が行われているが、特別図柄の抽選結果が当りになることで、第二装飾図柄の停止図柄として「〇」を表示している。また、演出表示装置1600の左下領域では、第一始動口2003または第二始動口2004に遊技球が入球したものの特別図柄の変動表示が待機されている分だけ保留表示を表示している。また、演出表示装置1600の右下領域では、「連荘モード」中である旨を示す「連荘モード」のメッセージを表示するとともに、大当り遊技中に演出表示装置1600よりも右側の遊技領域5aに設けられる大入賞口2005への遊技球の入球を狙うように指示する「右打」の矢印を表示している。
図128(B)に示すように、大当り遊技の開始時には、演出表示装置1600の中央領域において、「スペシャルボーナス!Vを狙え!」のメッセージを表示し、大当り遊技中に大入賞口2005や役物入賞口2006の開閉を開始するとともに、大当り遊技中に第一V入賞口2007や第二V入賞口2008へ遊技球が入球することを狙うべき旨を伝えている。
図128(C)に示すように、大当り遊技の実行中には、演出表示装置1600の左上領域において、現在のラウンド数を表示するとともに、演出表示装置1600の中央領域において、「連荘モード」中に大入賞口2005へ遊技球が入球することにより払い出されたトータルの賞球数を表示している。ここでは、現在のラウンド数として「3R」を表示するとともに、トータルの賞球数として「18000発GET」を表示している。
本例では、主制御基板1310側で出玉量が特定値に達して遊技の制限を実行するよりも前に、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を主制御基板1310側で監視するようにし、その残り球数が「+1500発」となる大入賞口2005への遊技球の入球時に事前フラグをONとして、その事前フラグのON情報を主制御基板1310から周辺制御基板1510側に送信するようにしている。そして、周辺制御基板1510側では、事前フラグのON情報を受けて、出玉量が特定値に達するまでの間(残り球数が0になるまでの間)、事前告知時の動作を継続して実行している。なお、出玉量の演算については、主制御基板1310側で発射数と払出数との差分である打ち止め用カウンタに基づいて算出している。つまり、出玉量が特定値に達するまでの残り球数については、発射数が多くなるほど残り球数が増加し、払出数が多くなるほど残り球数が減少することとなる。また、事前告知時の動作については、出玉量が特定値に達するよりも前の所定の数値(本例では、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が1500発の状態、つまり出玉量が78500発に達した状態)になった後、出玉量が特定値に達するまでの間、継続して実行することで、遊技者が遊技の制限に関する情報を見逃すことがない。
また、本例では、一旦事前告知を行った場合には、その後に出玉量が特定値に達するまでの残り球数が所定の数値(残り1500発)を上回った場合であっても、事前告知を終了することなく出玉量が特定値に達するまで継続することとしている。具体的に、事前フラグのON情報を主制御基板1310から周辺制御基板1510側に送信した後に発射数だけが増加して、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が所定の数値(残り1500発)を上回った場合であっても、主制御基板1310側では、事前フラグをOFFにすることなくONを維持したままにしている。これにより、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が1500発の状態に達した後に、残り球数が1500発を上回り、その後に再び残り球数が1500発の状態に達した場合等であっても、主制御基板1310側で事前フラグの切り替えが頻発せず、何度も事前フラグのON情報を周辺制御基板1510側に送信されてしまうことを抑制し、制御負担および制御複雑化を回避できる。
図128(D)に示すように、大当り遊技中に大入賞口2005へ遊技球が入球することにより、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+1500発」となった場合には、演出表示装置1600の上領域において、事前告知時の動作として、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を伝える「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示を表示している。ここでは、現在のラウンド数として最終の「10R」を表示するとともに、トータルの賞球数として「18800発GET」を表示している。そして、演出表示装置1600には、事前告知表示を表示するよりも前から継続して、左上領域に現在のラウンド数、上領域に「連荘モード」中に大入賞口2005へ遊技球が入球することにより払い出されたトータルの賞球数、右上領域に第二装飾図柄の停止図柄、右下領域に「右打」の矢印を表示しているが、「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示については、背景画像に重なるように表示されるものの、それら実行中の大当り遊技に関する重要な情報表示とは重ならないように表示されている。具体的に、本例では、「現在のラウンド数」、「トータルの賞球数」、「「右打」の矢印」については、遊技者に認知させるべき重要な情報表示であるため、これらの情報表示とは重ならない位置に事前告知表示が表示されるようになっている。なお、これら情報表示については、その全てが重なってしまい遊技者が視認不能になるものでなく情報表示の内容が認識できる程度であれば、情報表示の少なくとも一部に事前告知表示が重なるようにしてもよい。これにより、実行中の大当り遊技に関する情報表示を見逃すことがなく、大当り遊技中における遊技をスムーズに行うことができる。なお、可動体については、大当り遊技中に演出表示装置1600の前面に向けて動作することが可能であるが、「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示の表示中においては、その前面に向けて可動体を動作するようにしてもよい。これにより、大当り遊技中における遊技の興趣が低下することを防止することができる。
図128(E)に示すように、大当り遊技の終了時には、演出表示装置1600の中央領域において、「連荘モード継続!(10回目)」のメッセージを表示し、大当り遊技の終了後に再び高確率状態が継続する旨(「連荘モード」が継続する旨)を伝えている。ここで、大当り遊技終了時にも、大当り遊技中と同じく「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示を表示している。なお、この「連荘モード継続!(10回目)」のメッセージを表示についても遊技者に認知させるべき重要な情報表示であるため、こうした情報表示とは重ならない位置に事前告知表示が表示されるようになっている。なお、これら情報表示については、その全てが重なってしまい遊技者が視認不能になるものでなく情報表示の内容が認識できる程度であれば、情報表示の少なくとも一部に事前告知表示が重なるようにしてもよい。
図128(F)に示すように、「連荘モード」中には、再び特別図柄の変動表示に対応した変動演出(変動パターンに基づく演出)を実行すると、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の変動表示を行っている。また、演出表示装置1600の右上領域では、第二装飾図柄の変動表示を行っている。また、演出表示装置1600の左下領域では、4つの保留表示が表示されているが、当りの可能性が高い保留表示に対しては、その態様を変化させることが可能になっている。また、装飾図柄の変動表示中においては、設定調節ボタン204の操作により音量や光量の調整を可能にしているが、音量や光量の調整中には、演出表示装置1600の左領域において、その調整中の音量や光量に対応する画像を表示している。なお、調整中の音量や光量に対応する画像は、設定調節ボタン204の操作により表示が開始され、表示開始から一定時間の経過後に消去されるようになっている。
また、「連荘モード」中における装飾図柄の変動表示中には、大当り遊技中と同じく「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示を表示している。そして、演出表示装置1600には、中央領域に装飾図柄の変動表示、右上領域に第二装飾図柄の変動表示、右下領域に「連荘モード」のメッセージおよび「右打」の矢印、左下領域に保留表示、左領域に音量や光量に対応する画像を表示しているが、「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示については、背景画像に重なるように表示されるものの、それら実行中の変動遊技などに関する重要な情報表示とは重ならないように表示されている。具体的に、本例では、「装飾図柄の変動表示」、「第二装飾図柄の変動表示」、「「連荘モード」のメッセージ」、「「右打」の矢印」、「保留表示」、「音量や光量に対応する画像」については、遊技者に認知させるべき重要な情報表示であるため、これらの情報表示とは重ならない位置に事前告知表示が表示されるようになっている。なお、これら情報表示については、その全てが重なってしまい遊技者が視認不能になるものでなく情報表示の内容が認識できる程度であれば、情報表示の少なくとも一部に事前告知表示が重なるようにしてもよい。これにより、実行中の変動遊技に関する情報表示を見逃すことがなく、変動遊技中における遊技をスムーズに行うことができる。なお、可動体については、変動遊技中に演出表示装置1600の前面に向けて動作することが可能であるが、「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示の表示中においては、その前面に向けて可動体を動作するようにしてもよい。これにより、変動遊技中における遊技の興趣が低下することを防止することができる。
図128(G)に示すように、「連荘モード」中において、再び特別図柄の抽選結果が当りになったときには、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の停止図柄として「777」を表示している。ここでも、「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示については、背景画像に重なるように表示されるものの、装飾図柄の停止図柄である「777」の表示(重要な情報表示の一種)とは重ならないように表示されており、装飾図柄の停止図柄である「777」の表示を遊技者が視認可能にしている。
図128(H)に示すように、再び大当り遊技を開始するときには、演出表示装置1600の中央領域において、「スペシャルボーナス!Vを狙え!」のメッセージを表示し、大当り遊技中に大入賞口2005や役物入賞口2006の開閉を開始するとともに、大当り遊技中に第一V入賞口2007や第二V入賞口2008へ遊技球が入球することを狙うべき旨を伝えている。この時点では、前回の大当り遊技中と同じく「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示を表示している。ここでも、「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示については、背景画像に重なるように表示されるものの、「スペシャルボーナス!Vを狙え!」のメッセージ(重要な情報表示の一種)とは重ならないように表示されており、「スペシャルボーナス!Vを狙え!」のメッセージを遊技者が視認可能にしている。
図128(I)に示すように、大当り遊技の実行中には、演出表示装置1600の左上領域において、現在のラウンド数を表示するとともに、演出表示装置1600の中央領域において、「連荘モード」中に大入賞口2005へ遊技球が入球することにより払い出されたトータルの賞球数を表示している。ここでは、現在のラウンド数として「10R」を表示するとともに、トータルの賞球数として「19900発GET」を表示している。この時点では、大当り遊技中における賞球の払い出しにより出玉量が特定値に達するまでの残り球数が減少し、「遊技制限まで残り+10発」という事前告知表示を表示している。
本例では、出玉量が特定値に達して遊技の制限を実行するよりも前に、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を監視しているが、大当り遊技中に大入賞口2005へ遊技球が入球することに基づく賞球の払い出しにより、残り球数が「+0発」になる場合には、出玉量が特定値に達することで打ち止めフラグをONとし、所定のクリア条件が成立するまでの間、打ち止め状態に移行するとともに、進行不能時の動作を実行している。そして、打ち止め状態に移行した時点で、実行中の大当り遊技を停止(中断)することで大入賞口2005を強制的に閉鎖するようにし、それ以上に大入賞口2005へ遊技球が入球することがなく、遊技の制限を開始している。
図128(J)に示すように、大当り遊技中に大入賞口2005へ遊技球が入球することに基づく賞球の払い出しにより、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+0発」になった時点(打ち止め状態への移行時)では、演出表示装置1600の上領域において、事前告知時の動作として、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を伝える「遊技制限まで残り+0発」という事前告知表示を所定時間(本例では5秒)表示している。ここでは、現在のラウンド数として「10R」を表示するとともに、トータルの賞球数として「19915発GET」を表示している。そして、「遊技制限まで残り+0発」という事前告知表示が表示されてから所定時間(本例では5秒)が経過すると、図128(K)に示す打ち止め状態に対応する画像が表示される。
本例では、大入賞口2005へ遊技球が入球することにより払い出される賞球の分だけ、演出表示装置1600に表示されているトータルの賞球数や事前告知表示の内容に反映されているが、トータルの賞球数や事前告知表示の内容については、出玉量が特定値に達することとなる大入賞口2005へ遊技球が入球した時点でなく、その賞球の分がトータルの賞球数や事前告知表示の内容に反映されてから所定時間(本例では5秒)が経過するまでの間、継続して表示している。これにより、出玉量が特定値に達したか否かに関する情報を見逃すことがなくなり、その後に打ち止め状態が開始される理由を遊技者に確実に認知させることができる。また、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+0発」になる直前には、「遊技制限まで残り+10発」という事前告知表示を表示しているが、大入賞口2005へ遊技球が入球することにより払い出される賞球(本例では15個)の分については、賞球数が特定値に達するまでの残り球数を超えたとしても、その超過分の賞球(本例では5個)を払い出すようにしている。これにより、大入賞口2005へ遊技球が入球したにもかかわらず、賞球数が特定値を超えた分だけ賞球が払い出されないといったことがなく、遊技者が不満を生じにくくすることができる。ただし、不正防止の観点で出玉量を監視することを重視する場合には、賞球数が特定値を超えた分については、超過分の賞球を払い出さないようにしてもよい。
上記では、トータルの賞球数や事前告知表示の内容については、出玉量が特定値に達した時点でなく、その賞球の分がトータルの賞球数や事前告知表示の内容に反映されるまでの間、継続して表示しているが、出玉量が特定値に達した時点で、終了するようにし、打ち止め状態に対応する画像を表示してもよい。つまり、図128(J)に示す画像を表示せず、後述する図128(K)に示す画像に進行してもよい。これにより、出玉量が特定値に達した時点で、打ち止め状態に移行するが、それと同時に、打ち止め状態に対応する画像を表示することで、打ち止め状態に移行した旨を即座に把握することができる。
また、出玉量が特定値に達した時点で、打ち止め状態に移行し、遊技の制限を実行することから、遊技者が誤って遊技球を発射しないように、打ち止め状態に対応する画像が表示された後には遊技球の発射を促進する「右打」の矢印については遊技者が視認できないようにすることが好ましく、本例では消去するようにしている。また、その他の状況下においても、遊技球の発射を促進する表示(例えば右打ち表示、左打表示、Vを狙え!の表示等)を行っているときに出玉量が特定値に達した場合には、その時点で遊技球の発射を促進する表示は遊技者が視認できないようにしている(消去している)。
図128(K)に示すように、出玉量が特定値に達して遊技の制限を実行すると、演出表示装置1600では、打ち止め状態に対応する画像が表示される。打ち止め状態に対応する画像としては、「遊技制限」というメッセージを表示し、それに伴い「1日の出玉制限80000発に達したので遊技を制限しています。」、「係員をお呼び下さい。」、「精算ボタンは有効です。」というメッセージを表示している。なお、ここでの精算ボタンとは、精算処理を実行するための計数ボタンスイッチ180のことである。また、出玉量が特定値に達したよりも前に、演出表示装置1600では、現在のラウンド数や第二装飾図柄の停止図柄、トータルの賞球数や事前告知表示を表示しているが、そのような遊技に関する情報については、出玉量が特定値に達した後に「遊技制限」というメッセージを表示した時点で、表示しないようにし(視認できないようにし)、暗転した画面上にメッセージを表示するようにしている。これにより、出玉量が特定値に達して遊技の制限が実行されている旨を把握することができ、ホール管理者の操作によらなければ遊技の制限を解除できない旨を把握することができる。また、計数ボタンスイッチ180の操作により遊技者の持ち球数を精算することが可能である旨を把握することができる。
上記では、出玉量が特定値に達したよりも前に、演出表示装置1600では、現在のラウンド数や第二装飾図柄の停止図柄、トータルの賞球数や事前告知表示を表示しているが、そのような遊技に関する情報については、出玉量が特定値に達することで、全てが認識不能となるように実行している。ただし、出玉量が特定値に達したときには、遊技に関する情報のうち、一部の情報については認識不能となるようにし、それ以外の情報については認識可能となるようにしてもよい。例えば、トータルの賞球数や事前告知表示については、遊技の制限を実行するか否かの情報であることから、認識不能となるようにし、現在のラウンド数や第二装飾図柄の停止図柄については、認識可能となるようにしてもよい。これにより、どのような状況下で出玉量が特定値に達したのかを、出玉量が特定値に達した後にも把握することができる。
本例では、打ち止め状態が終了するための所定のクリア条件が成立するためには、電源遮断後に所定の電源投入パターンで再投入する必要がある。ここでは、電源投入時における電源投入パターンとして、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態を維持する電源投入パターンを選択した場合(本例では、制限クリアパターンテーブル1における電源投入パターン1、4、5、制限クリアパターンテーブル2における電源投入パターン4、5、制限クリアパターンテーブル3における電源投入パターン1、4、5を選択した場合)、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)する電源投入パターンを選択した場合(本例では、制限クリアパターンテーブル1における電源投入パターン2、3、制限クリアパターンテーブル2における電源投入パターン2、3、制限クリアパターンテーブル3における電源投入パターン3を選択した場合)、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)する電源投入パターンを選択した場合(本例では、制限クリアパターンテーブル2における電源投入パターン1、制限クリアパターンテーブル3における電源投入パターン2を選択した場合)について説明する。
まず、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態を維持する電源投入パターンを選択した場合には、打ち止め状態としての遊技の制限が解除されておらず、演出表示装置1600では、図128(K)に示す画像を再び表示するようにしている。なお、本例では、図示は省略するが、図128(K)に示す画像を表示する前に、スピーカから「出玉量、打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力するとともに、演出表示装置1600に「出玉量、打ち止め状態は維持されています」というメッセージ画像を一時的に表示するようになっている。ここで、演出表示装置1600に「出玉量、打ち止め状態は維持されています」というメッセージ画像を表示する専用の期間は省略するようにしてもよいが、出玉量と打ち止め状態の維持をホール管理者に認識させることを重視して、専用の期間は省略しつつも、図128(K)に示す画像とともに演出表示装置1600に「出玉量、打ち止め状態は維持されています」というメッセージ画像も表示するようにしてもよい。
また、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)する電源投入パターンを選択した場合には、出玉量および打ち止め状態がクリア(初期化)されることで、打ち止め状態としての遊技の制限が解除されている。ここで、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)するときには、出玉量の演算に関与する打ち止め用カウンタ、払出数、発射数などの情報を全てクリア(初期化)している。また、打ち止め状態に移行する時点で中断した際の残りの大当り遊技に関する情報や、大当り遊技後の「連荘モード」(高確率状態)に関する情報については、打ち止め状態に移行した後や、電源遮断時に保持されているが、電源遮断後の再投入時において、そのような中断した際の残りの大当り遊技に関する情報や、大当り遊技後の「連荘モード」(高確率状態)に関する情報が失われることで、低確率状態で開始するものとしている。このため、図128(L)に示すように、演出表示装置1600では、装飾図柄が初期図柄で停止している初期画像を表示するようにしている。
一方、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)する電源投入パターンを選択した場合には、出玉量および打ち止め状態がクリア(初期化)されることで、打ち止め状態としての遊技の制限が解除されている。また、打ち止め状態に移行する時点で中断した際の残りの大当り遊技に関する情報や、大当り遊技後の「連荘モード」(高確率状態)に関する情報については、打ち止め状態に移行した後や、電源遮断時に保持されているが、電源遮断後の再投入時においても、中断した際の残りの大当り遊技に関する情報や、大当り遊技後の「連荘モード」(高確率状態)に関する情報を維持することで、中断されたときの状態で遊技を再開するものとしている。このため、図128(L’)に示すように、演出表示装置1600では、大当り遊技の最終ラウンドが終了したエンディング期間である、「連荘モード」(高確率状態)に関する画像に復帰して表示するようにしている。なお、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)する電源投入パターンを選択した場合には、電源遮断後の再投入後に遊技復帰させる前に、前回の遊技途中に復帰することを示す特別な復帰報知(遊技制限前の状態に復帰する旨の画像、音声)を行うようにしても良い。この特別な復帰報知は、上述した図125のタイミングt3~タイミングt4の復帰待ち状態における復帰表示や復帰用発光、復帰音に相当し、上述したように、スピーカから「出玉量、打ち止め状態をクリアしました。」という音声を出力することや、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態をクリアしました」というメッセージ画像を表示すること等が例示できる。
図129は、特別図柄の変動表示中に一般入賞口に遊技球が入球したタイミングで出玉量が特定値に達する場合における具体的な演出例である。なお、本例では、上述した「特定値」として80000が設定され、上述した「制限パターン」として、制限パターン1あるいは制限パターン3が選択されているときの例である。すなわち、制限パターン1が設定されていれば、出玉量が特定値(80000発)に達したときに「遊技停止」を伴う打ち止め状態となり、制限パターン3が設定されていれば、出玉量が特定値(80000発)に達したときに「遊技停止」と「発射停止」を伴う打ち止め状態となるものである。
図129(A)に示すように、演出表示装置1600では、特別図柄の変動表示に対応した変動演出(変動パターンに基づく演出)を実行し、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の変動表示を行っている。ここでは、特別図柄の抽選結果に応じて、或いは、第一V入賞口2007や第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ、等により高確率状態が継続する「連荘モード」中において、特別図柄の抽選結果が当りになることで、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の停止図柄として「777」を表示している。また、演出表示装置1600の右上領域では、第二装飾図柄の変動表示が行われているが、特別図柄の抽選結果が当りになることで、第二装飾図柄の停止図柄として「〇」を表示している。また、演出表示装置1600の左下領域では、第一始動口2003または第二始動口2004に遊技球が入球したものの特別図柄の変動表示が待機されている分だけ保留表示を表示している。また、演出表示装置1600の右下領域では、「連荘モード」中である旨を示す「連荘モード」のメッセージを表示するとともに、大当り遊技中に演出表示装置1600よりも右側の遊技領域5aに設けられる大入賞口2005への遊技球の入球を狙うように指示する「右打」の矢印を表示している。
図129(B)に示すように、大当り遊技の開始時には、演出表示装置1600の中央領域において、「スペシャルボーナス!Vを狙え!」のメッセージを表示し、大当り遊技中に大入賞口2005や役物入賞口2006の開閉を開始するとともに、大当り遊技中に第一V入賞口2007や第二V入賞口2008へ遊技球が入球することを狙うべき旨を伝えている。
図129(C)に示すように、大当り遊技の実行中には、演出表示装置1600の左上領域において、現在のラウンド数を表示するとともに、演出表示装置1600の中央領域において、「連荘モード」中に大入賞口2005へ遊技球が入球することにより払い出されたトータルの賞球数を表示している。ここでは、現在のラウンド数として「3R」を表示するとともに、トータルの賞球数として「17500発GET」を表示している。
本例では、主制御基板1310側で出玉量が特定値に達して遊技の制限を実行するよりも前に、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を主制御基板1310側で監視するようにし、その残り球数が「+1500発」となる大入賞口2005への遊技球の入球時に事前フラグをONとして、その事前フラグのON情報を主制御基板1310から周辺制御基板1510側に送信するようにしている。そして、周辺制御基板1510側では、事前フラグのON情報を受けて、出玉量が特定値に達するまでの間、事前告知時の動作を継続して実行している。なお、出玉量の演算については、主制御基板1310側で発射数と払出数との差分である打ち止め用カウンタに基づいて算出している。つまり、出玉量が特定値に達するまでの残り球数については、発射数が多くなるほど残り球数が増加し、払出数が多くなるほど残り球数が減少することとなる。また、事前告知時の動作については、出玉量が特定値に達するよりも前の所定の数値(本例では、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が1500発の状態、つまり出玉量が78500発に達した状態)になった後、出玉量が特定値に達するまでの間、継続して実行することで、遊技者が遊技の制限に関する情報を見逃すことがない。
また、本例では、一旦事前告知を行った場合には、その後に出玉量が特定値に達するまでの残り球数が所定の数値(残り1500発)を下回った場合であっても、事前告知を終了することなく出玉量が特定値に達するまで継続することとしている。具体的に、事前フラグのON情報を主制御基板1310から周辺制御基板1510側に送信した後に発射数だけが増加して、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が所定の数値(残り1500発)を下回った場合であっても、主制御基板1310側では、事前フラグをOFFにすることなくONを維持したままにしている。これにより、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が1500発の状態に達した後に、残り球数が1500発を下回り、その後に再び残り球数が1500発の状態に達した場合等であっても、主制御基板1310側で事前フラグの切り替えが頻発せず、何度も事前フラグのON情報を周辺制御基板1510側に送信されてしまうことを抑制し、制御負担および制御複雑化を回避できる。
図129(D)に示すように、大当り遊技中に大入賞口2005へ遊技球が入球することにより、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+1500発」となった場合には、演出表示装置1600の上領域において、事前告知時の動作として、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を伝える「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示を表示している。ここでは、現在のラウンド数として最終の「10R」を表示するとともに、トータルの賞球数として「18800発GET」を表示している。そして、演出表示装置1600には、事前告知表示を表示するよりも前から継続して、左上領域に現在のラウンド数、上領域に「連荘モード」中に大入賞口2005へ遊技球が入球することにより払い出されたトータルの賞球数、右上領域に第二装飾図柄の停止図柄、右下領域に「右打」の矢印を表示しているが、「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示については、背景画像に重なるように表示されるものの、それら実行中の大当り遊技に関する重要な情報表示とは重ならないように表示されている。具体的に、本例では、「現在のラウンド数」、「トータルの賞球数」、「「右打」の矢印」については、遊技者に認知させるべき重要な情報表示であるため、これらの情報表示とは重ならない位置に事前告知表示が表示されるようになっている。なお、これら情報表示については、その全てが重なってしまい遊技者が視認不能になるものでなく情報表示の内容が認識できる程度であれば、情報表示の少なくとも一部に事前告知表示が重なるようにしてもよい。これにより、実行中の大当り遊技に関する情報表示を見逃すことがなく、大当り遊技中における遊技をスムーズに行うことができる。なお、可動体については、大当り遊技中に演出表示装置1600の前面に向けて動作することが可能であるが、「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示の表示中においては、その前面に向けて可動体を動作するようにしてもよい。これにより、大当り遊技中における遊技の興趣が低下することを防止することができる。
図129(E)に示すように、大当り遊技の終了時には、演出表示装置1600の中央領域において、「連荘モード継続!(10回目)」のメッセージを表示し、大当り遊技の終了後に再び高確率状態が継続する旨(「連荘モード」が継続する旨)を伝えている。ここで、大当り遊技終了時にも、大当り遊技中と同じく「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示を表示している。なお、この「連荘モード継続!(10回目)」のメッセージを表示についても遊技者に認知させるべき重要な情報表示であるため、こうした情報表示とは重ならない位置に事前告知表示が表示されるようになっている。なお、これら情報表示については、その全てが重なってしまい遊技者が視認不能になるものでなく情報表示の内容が認識できる程度であれば、情報表示の少なくとも一部に事前告知表示が重なるようにしてもよい。
図129(F)に示すように、「連荘モード」中には、再び特別図柄の変動表示に対応した変動演出(変動パターンに基づく演出)を実行すると、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の変動表示を行っている。また、演出表示装置1600の右上領域では、第二装飾図柄の変動表示を行っている。また、演出表示装置1600の左下領域では、4つの保留表示が表示されているが、当りの可能性が高い保留表示に対しては、その態様を変化させることが可能になっている。また、装飾図柄の変動表示中においては、設定調節ボタン204の操作により音量や光量の調整を可能にしているが、音量や光量の調整中には、演出表示装置1600の左領域において、その調整中の音量や光量に対応する画像を表示している。なお、調整中の音量や光量に対応する画像は、設定調節ボタン204の操作により表示が開始され、表示開始から一定時間の経過後に消去されるようになっている。
また、「連荘モード」中における装飾図柄の変動表示中には、大当り遊技中と同じく「遊技制限まで残り+10発」という事前告知表示を表示している。そして、演出表示装置1600には、中央領域に装飾図柄の変動表示、右上領域に第二装飾図柄の変動表示、右下領域に「連荘モード」のメッセージおよび「右打」の矢印、左下領域に保留表示、左領域に音量や光量に対応する画像を表示しているが、「遊技制限まで残り+10発」という事前告知表示については、背景画像に重なるように表示されるものの、それら実行中の変動遊技などに関する重要な情報表示とは重ならないように表示されている。具体的に、本例では、「装飾図柄の変動表示」、「第二装飾図柄の変動表示」、「「連荘モード」のメッセージ」、「「右打」の矢印」、「保留表示」、「音量や光量に対応する画像」については、遊技者に認知させるべき重要な情報表示であるため、これらの情報表示とは重ならない位置に事前告知表示が表示されるようになっている。なお、これら情報表示については、その全てが重なってしまい遊技者が視認不能になるものでなく情報表示の内容が認識できる程度であれば、情報表示の少なくとも一部に事前告知表示が重なるようにしてもよい。これにより、実行中の変動遊技に関する情報表示を見逃すことがなく、変動遊技中における遊技をスムーズに行うことができる。なお、可動体については、変動遊技中に演出表示装置1600の前面に向けて動作することが可能であるが、「遊技制限まで残り+10発」という事前告知表示の表示中においては、その前面に向けて可動体を動作するようにしてもよい。これにより、変動遊技中における遊技の興趣が低下することを防止することができる。
本例では、出玉量が特定値に達して遊技の制限を実行するよりも前に、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を監視しているが、特別図柄の変動表示中に一般入賞口2001へ遊技球が入球することに基づく賞球の払い出しにより、残り球数が「+0発」になる場合には、出玉量が特定値に達すること打ち止めフラグをONとし、所定のクリア条件が成立するまでの間、打ち止め状態に移行するとともに、進行不能時の動作を実行している。そして、打ち止め状態に移行した時点で、実行中の特別図柄の変動表示が進行しないように変動時間の計時を停止(中断)して、遊技を強制的に停止するようにし、遊技の制限を開始している。ここで、実行中の特別図柄の変動表示が進行しないように変動時間の計時を停止(中断)した場合の機能表示ユニット1400について説明する。機能表示ユニット1400は、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器におけるLEDが点滅(変動表示中の制御態様)を継続している(変動時間は計時されないのでクリア条件が成立まで点滅し続ける)。ただし、機能表示ユニット1400は、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器におけるLEDが点滅でなく、全点灯や全消灯してもよい。この場合、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器のLEDに限らず、機能表示ユニット1400における他のLED(状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別保留数表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器などのLED)も全点灯や全点灯や全消灯するようにしている。また、機能表示ユニット1400に打ち止め報知専用のLEDを設ける場合には、その打ち止め報知専用のLEDを点灯し、それ以外のLEDを消灯するようにしてもよい。なお、変動時間の計時を停止(中断)した場合の残りの変動時間については、主制御基板1310に内蔵されているRAMに記憶されている。
図129(G)に示すように、特別図柄の変動表示中に一般入賞口2001へ遊技球が入球することに基づく賞球の払い出しにより、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+0発」になった時点では、演出表示装置1600の上領域において、事前告知時の動作として、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を伝える「遊技制限まで残り+0発」という事前告知表示を所定時間(本例では5秒)表示している。ここでは、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+0発」になる直前には、装飾図柄の変動表示や第二装飾図柄の変動表示を行っているが、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+0発」になった時点で、その装飾図柄の変動表示を所定の停止図柄(本例では、「767」)で強制的に停止するとともに、第二装飾図柄の変動表示を所定の停止図柄(本例では、「×」)で強制的に停止するようにしている。そして、「遊技制限まで残り+0発」という事前告知表示が表示されてから所定時間(本例では5秒)が経過すると、図129(H)に示す打ち止め状態に対応する画像が表示される。
本例では、一般入賞口2001へ遊技球が入球することにより払い出される賞球の分だけ、演出表示装置1600に表示されている事前告知表示の内容に反映されているが、事前告知表示の内容については、出玉量が特定値に達することとなる一般入賞口2001へ遊技球が入球した時点でなく、その賞球の分が事前告知表示の内容に反映されてから所定時間(本例では5秒)が経過するまでの間、継続して表示している。これにより、出玉量が特定値に達したか否かに関する情報を見逃すことがなり、その後に打ち止め状態が開始される理由を遊技者に確実に認知させることができる。また、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+0発」になる直前には、「遊技制限まで残り+10発」という事前告知表示を表示しているが、一般入賞口2001へ遊技球が入球することにより払い出される賞球(本例では15個)の分については、賞球数が特定値に達するまでの残り球数を超えたとしても、その超過分の賞球(本例では5個)を払い出すようにしている。これにより、一般入賞口2001へ遊技球が入球したにもかかわらず、賞球数が特定値を超えた分だけ賞球が払い出されないといったことがなく、遊技者が不満を生じにくくすることができる。ただし、不正防止の観点で出玉量を監視することを重視する場合には、賞球数が特定値を超えた分については、超過分の賞球を払い出さないようにしてもよい。
上記では、事前告知表示の内容については、出玉量が特定値に達した時点でなく、その賞球の分が事前告知表示の内容に反映されるまでの間、継続して表示しているが、出玉量が特定値に達した時点で、終了するようにし、打ち止め状態に対応する画像を表示してもよい。つまり、図129(G)に示す画像を表示せず、後述する図129(H)に示す画像に進行してもよい。これにより、出玉量が特定値に達した時点で、打ち止め状態に移行するが、それと同時に、打ち止め状態に対応する画像を表示することで、打ち止め状態に移行した旨を即座に把握することができる。
また、出玉量が特定値に達した時点で、打ち止め状態に移行し、遊技の制限を実行することから、遊技者が誤って遊技球を発射しないように、打ち止め状態に対応する画像が表示された後には遊技球の発射を促進する「右打」の矢印については遊技者が視認できないようにすることが好ましく、本例では消去するようにしている。また、その他の状況下においても、遊技球の発射を促進する表示(例えば右打ち表示、左打表示、Vを狙え!の表示等)を行っているときに出玉量が特定値に達した場合には、その時点で遊技球の発射を促進する表示は遊技者が視認できないようにしている(消去している)。
図129(H)に示すように、出玉量が特定値に達して遊技の制限を実行すると、演出表示装置1600では、打ち止め状態に対応する画像が表示される。打ち止め状態に対応する画像としては、「遊技制限」というメッセージを表示し、それに伴い「1日の出玉制限80000発に達したので遊技を制限しています。」、「係員をお呼び下さい。」、「精算ボタンは有効です。」というメッセージを表示している。なお、ここでの精算ボタンとは、精算処理を実行するための計数ボタンスイッチ180のことである。また、出玉量が特定値に達したとき、演出表示装置1600では、装飾図柄の停止図柄、第二装飾図柄の停止図柄、保留表示や事前告知表示を表示しているが、そのような遊技に関する情報については、出玉量が特定値に達した後に「遊技制限」というメッセージを表示した時点で、表示しないようにし(視認できないようにし)、暗転した画面上にメッセージを表示するようにしている。これにより、出玉量が特定値に達して遊技の制限が実行されている旨を把握することができ、ホール管理者の操作によらなければ遊技の制限を解除できない旨を把握することができる。また、計数ボタンスイッチ180の操作により遊技者の持ち球数を精算することが可能である旨を把握することができる。
上記では、出玉量が特定値に達したよりも前に、演出表示装置1600では、装飾図柄の停止図柄、第二装飾図柄の停止図柄、保留表示や事前告知表示を表示しているが、そのような遊技に関する情報については、出玉量が特定値に達することで、全てが認識不能となるように実行している。ただし、出玉量が特定値に達したときには、遊技に関する情報のうち、一部の情報については認識不能となるようにし、それ以外の情報については認識可能となるようにしてもよい。例えば、事前告知表示については、遊技の制限を実行するか否かの情報であることから、認識不能となるようにし、装飾図柄の停止図柄、第二装飾図柄の停止図柄、保留表示については、認識可能となるようにしてもよい。これにより、どのような状況下で出玉量が特定値に達したのかを、出玉量が特定値に達した後にも把握することができる。
ここで、特別図柄の変動表示中に一般入賞口2001へ遊技球が入球することにより出玉量が特定値に達した場合には、大当り遊技中に大入賞口2005へ遊技球が入球することにより出玉量が特定値に達した場合と同じく、進行不能時の動作を実行するようにし、打ち止め状態に対応する画像を表示する等している。このように、出玉量が特定値に達して遊技の制限を実行する場合には、その契機がいずれの場合であっても、共通の報知を行うようにしており、打ち止め状態に移行した旨を確実に把握させることができる。
本例では、打ち止め状態が終了するための所定のクリア条件が成立するためには、電源遮断後に所定の電源投入パターンで再投入する必要がある。ここでは、電源投入時における電源投入パターンとして、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態を維持する電源投入パターンを選択した場合(本例では、制限クリアパターンテーブル1における電源投入パターン1、4、5、制限クリアパターンテーブル2における電源投入パターン4、5、制限クリアパターンテーブル3における電源投入パターン1、4、5を選択した場合)、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)する電源投入パターンを選択した場合(本例では、制限クリアパターンテーブル1における電源投入パターン2、3、制限クリアパターンテーブル2における電源投入パターン2、3、制限クリアパターンテーブル3における電源投入パターン3を選択した場合)、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)する電源投入パターンを選択した場合(本例では、制限クリアパターンテーブル2における電源投入パターン1、制限クリアパターンテーブル3における電源投入パターン2を選択した場合)について説明する。
まず、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態を維持する電源投入パターンを選択した場合には、打ち止め状態としての遊技の制限が解除されておらず、演出表示装置1600では、図129(H)に示す画像を再び表示するようにしている。
また、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)する電源投入パターンを選択した場合には、出玉量および打ち止め状態がクリア(初期化)されることで、打ち止め状態としての遊技の制限が解除されている。ここで、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)するときには、出玉量の演算に関与する打ち止め用カウンタ、払出数、発射数などの情報を全てクリア(初期化)している。また、打ち止め状態に移行する時点で中断した際の残りの変動時間に関する情報や、「連荘モード」(高確率状態)に関する情報、保留に関する情報については、打ち止め状態に移行した後や、電源遮断時に保持されているが、電源遮断後の再投入時において、そのような中断した際の残りの変動時間に関する情報や、「連荘モード」(高確率状態)に関する情報、保留に関する情報が失われることで、低確率状態で、保留がない状態で開始するものとしている。このため、図129(I)に示すように、演出表示装置1600では、保留表示がなく、装飾図柄が初期図柄で停止している初期画像を表示するようにしている。
一方、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持するとともに、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)する電源投入パターンを選択した場合には、出玉量および打ち止め状態がクリア(初期化)されることで、打ち止め状態としての遊技の制限が解除されている。また、打ち止め状態に移行する時点で中断した際の残りの変動時間に関する情報や、「連荘モード」(高確率状態)に関する情報、保留に関する情報については、打ち止め状態に移行した後や、電源遮断時に保持されているが、電源遮断後の再投入時においても、そのような中断した際の残りの変動時間に関する情報や、「連荘モード」(高確率状態)に関する情報、保留に関する情報を維持することで、高確率状態で、保留があり、且つ、前回の変動の途中の状態で再開するものとしている。つまり、打ち止め状態に移行する時点で、変動時間の計時を停止(中断)した場合の残りの変動時間については、主制御基板1310に内蔵されているRAMに記憶されているが、電源の再投入後には、その残りの変動時間の分だけ、装飾図柄の変動表示や第二装飾図柄の変動表示を実行するものとしている。このため、図129(I’)に示すように、演出表示装置1600では、「連荘モード」(高確率状態)に関する画像に復帰して表示し、保留に関する情報に基づいて装飾図柄の変動表示や第二装飾図柄の変動表示を再開するようにしている。なお、出玉量および打ち止め状態をクリア(初期化)する電源投入パターンを選択した場合には、電源遮断後の再投入後に各種演出表示を復帰させる前に、前回の遊技途中に復帰することを示す特別な復帰報知(遊技制限前の状態に復帰する旨の画像、音声)を行うようにしても良い。
また、上記では、大当り遊技中に出玉量が特定値に達した場合に、直ちに打ち止め状態が発生するようにしたが、別例として、大当り遊技中に出玉量が特定値に達した場合に、打ち止め状態の開始タイミングをその大当り遊技の終了まで遅延させるようにしても良い。すなわち、大当り遊技における複数のラウンドの途中で、出玉量が特定値に達した場合には、最終のラウンドが終了するまでの間、大当り遊技を継続するようにしてもよい。このような場合、出玉量が特定値に達した後にも、賞球の払い出しにより出玉量が増加するが、そのような出玉量の増加については許容している。また、大当り遊技が終了するのを待って、「遊技停止」や「発射停止」を伴う打ち止め状態になる。これにより、大当り遊技の途中で遊技が制限されることがなく、賞球の獲得に不利益が生じないことから、遊技者が不満を生じにくくすることができる。
また、上記した第四実施形態では、遊技機外に実球としての賞球を払い出すことなく遊技球を循環使用するタイプの遊技機(所謂、封入式遊技機、管理遊技機)にて説明したが、上述した「出玉量(出玉量A、B)に基づき打ち止め状態を発生させる技術」は、こうしたタイプの遊技機に限らず、従来タイプの遊技機(遊技機外に実球としての賞球を払い出すタイプの遊技機)に適用するようにしてもよい。また、従来タイプの遊技機に適用する場合には、打ち止め状態の発生タイミングや打ち止め状態中の遊技制御を以下のようにしておくことか好ましい。
すなわち、従来タイプの遊技機は、枠制御基板740に代えて払出制御基板を有しており、その払い出し制御基板は、遊技機裏面側の球タンクに貯留された遊技球を賞球として遊技機外に払い出す払出装置を制御可能であるのが一般である。そして、遊技機全面側の球受皿に払い出された賞球を実玉で遊技者に付与することになるが、このような構成の場合、各種の入賞口に遊技球が入賞して賞球が払い出されるまでの間に、遊技球を循環使用するタイプの遊技機よりも大きいタイムラグが生じてしまう。特に、大当り遊技中に大入賞口2005に遊技球が複数入賞して多くの賞球が未払出とされて記憶されている状況も発生することが考えられ、そうした場合には、上述した打ち止め状態の開始以後にも多くの賞球が未払出とされて記憶されたままになる可能性がある。そして、このような場合には、上述した第四実施形態と同様に、打ち止め状態の開始に伴い主制御基板1310側での遊技(主遊技)を停止させるのと同時に払出制御基板での払出処理も停止させてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益(未払出とされて記憶されている賞球)を遊技者が獲得できない虞がある。そこで、従来タイプの遊技機に「出玉量(出玉量A、B)に基づき打ち止め状態を発生させる技術」を適用する場合には、以下2パターンの制御手法が考えらえる。
まず、1つ目のパターンとしては、打ち止め用カウンタの演算対象となる「払出数」を実際に払い出された個数とする。具体的には、球受皿に向けて払出装置が送り出した遊技球の個数を検出する球センサを設け、その球センサの検知結果を「払出数」に反映させる。これにより、主制御基板1310での賞球情報に基づいて打ち止め用カウンタを演算するのと比べると、未払出の賞球を減らすことができる。
また、2つ目のパターンとしては、打ち止め状態で遊技停止させても「未払出の賞球の払い出し」に限っては継続する。そして、未払出の賞球が無くなった時点で完全に遊技停止する。なお、2つ目のパターンについては、1つ目のパターンと併用してもよい。
(制限クリアパターンテーブル4の追加)
上記では、「打ち止め状態が開始される前に算出された出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」のクリア条件が異なる制限クリアパターンテーブルとして、制限クリアパターンテーブル1~3が設けられているが、これとは別に、制限クリアパターンテーブル4を設けるようにしてもよい。このような場合にも、ホール管理者が操作可能な制限クリアパターン選択スイッチを操作することで、制限クリアパターンテーブル1~4のいずれかを選択するものとしている。ただし、制限クリアパターンテーブルについては、各種処理プログラムを記憶するROMの容量抑制の観点から、制限クリアパターンテーブル4のみを採用するようにしてもよい。
図130は、制限クリアパターン選択スイッチが「4」の場合に選択される制限クリアパターンテーブル4である。この制限クリアパターンテーブル4が選択されている場合、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、電源遮断後の再投入時において、遊技ホール側で維持するか又はクリアするかを選択可能にしているが、「打ち止め状態が開始される前に算出された出玉量」については、電源遮断後の再投入時において、必ずクリアするものとしている。
電源投入パターン1は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」については、クリア(初期化)し、一方で、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、維持している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを緑色で発光するようにし、スピーカから「出玉量をクリアしました。打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量をクリアしました。打ち止め状態は維持されています。」というメッセージ画像を表示するようにしている(後述するクリア通知1、進行不能通知に相当)。また、これら報知に加えて、ホール管理者向けに打ち止め状態のクリア方法を示すクリア方法通知を付加するようにしてもよい。
電源投入パターン2は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、クリア(初期化)している。具体的には、上述した制限パターン1で遊技が制限されている場合には、「遊技停止」しているが、打ち止め状態がクリアされることで、「遊技停止」を解除し、制限パターン2で遊技が制限されている場合には、「発射停止」しているが、打ち止め状態がクリアされることで、「発射停止」を解除し、制限パターン3で遊技が制限されている場合には、「遊技停止」および「発射停止」しているが、打ち止め状態がクリアされることで、「遊技停止」および「発射停止」を解除し、いずれの場合にも、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を再開させることが可能になっている。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態をクリアしました。」というメッセージ画像を表示するようにしている(後述するクリア通知2に相当)。
電源投入パターン3は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、クリア(初期化)している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態をクリアしました。」というメッセージ画像を表示するようにしている。(後述するクリア通知2に相当)。
電源投入パターン4は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」については、クリア(初期化)し、一方で、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、維持している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを青色で発光するようにし、スピーカから「出玉量をクリアしました。打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量をクリアしました。打ち止め状態は維持されています。」というメッセージ画像を表示するようにしている(後述するクリア通知1、遊技不能通知に相当)。また、これら報知に加えて、ホール管理者向けに打ち止め状態のクリア方法を示すクリア方法通知を付加するようにしてもよい。
電源投入パターン5は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、維持している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを青色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態は維持されています。」というメッセージ画像を表示するようにしている。
このように、制限クリアパターンテーブル4では、電源投入時において、電源投入パターン1、4のように電源遮断時の遊技状態を維持するか、電源投入パターン2、3のように電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)するか、のいずれが選択されている場合であっても、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)している。これにより、開店時などの電源投入時において、出玉量のクリアをホール管理者がし忘れることがなく、開店直後に出玉量が特定値に達して打ち止め状態が発生するといったことを防止することができる。なお、電源投入時において、電源投入パターン5が選択されている場合には、上述した球抜処理が実行されるだけで、遊技が開始されないことから、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)しないで維持している。
また、制限クリアパターンテーブル4では、電源投入時において、電源投入パターン2、3のように電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)した場合のみ、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)している。一方、電源投入時において、電源投入パターン1、4のように電源遮断時の遊技状態を維持した場合には、「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持している。つまり、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、電源遮断後の再投入時において、遊技ホール側で維持するか又はクリアするかを選択することが可能になっている。例えば、既に打ち止め状態が発生している場合において、遊技の制限を解除したいときには、電源遮断後、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリアするように電源投入時操作を行えばよく、遊技の制限を維持したいときには、電源遮断後、「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持するように電源投入時操作を行えばよいこととなる。なお、電源投入時において、電源投入パターン5が選択されている場合には、上述した球抜処理が実行されるだけで、遊技が開始されないことから、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)しないで維持している。
(異常検知した場合における出玉量に関する報知)
本例では、電源投入中において、磁気や振動などの異常を検出することを可能とし、異常を検出したか否かの異常判定を行っている。また、異常の種類によっては、異常を検出したときに遊技の進行を停止し、電源を再投入しなければ、遊技を再開できないようにしている。しかしながら、電源を再投入した場合、例えば、制限クリアパターンテーブル4からも明らかなように、電源投入時操作の態様によっては、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」や「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)することとなってしまう。このため、出玉量が特定値に近づいて打ち止め状態に移行する手前の段階や、打ち止め状態中において、わざと異常を発生させることで、ホール管理者に電源を再投入させ、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」や「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)させようとする新たな不正が行われる可能性がある。本例では、このような新たな不正を防ぐため、異常を検出したときに「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」や「打ち止め状態中の遊技の制限」に関する報知を実行する場合について、以下に説明する。
また、本例では、電源投入中において、異常を検出したか否かの異常判定を行っているが、異常の種類としては、軽度の異常であるか、重度の異常であるか、を検出している。また、軽度の異常の検知としては、外枠2に対する本体枠4の開放や、本体枠4に対する扉枠3の開放、枠飾り部材が取り外されている状態などが含まれている。そして、軽度の異常を検知した場合には、遊技の進行を停止していない。また、軽度の異常を検知した場合には、軽度の異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行しているが、所定期間(例えば、30秒)が経過するなどのエラー終了条件が成立することで、その異常報知を終了するようにしている。つまり、軽度の異常を検知した場合には、不正な行為により外枠2に対する本体枠4の開放などが行われた可能性があるものの、外枠2に対する本体枠4の開放などが行われているか否かの確認が容易であるため、所定のタイミングで異常報知を終了するようにしている。
一方、重度の異常の検知としては、パチンコ機1に対する磁気や振動、電波を検知することなどが含まれている。本例のパチンコ機1には、磁気を検知するための磁気センサや振動を検知するための振動センサ、不正な電波を検知するための電波センサが設けられており、それぞれのセンサが磁気や振動、電波を検知することを可能にしている。そして、重度の異常を検知した場合には、ホール管理者の作業ではなく、不正な行為により磁気や振動、電波が与えられた可能性が高いことから、遊技の進行を停止するようにしている。また、重度の異常を検知した場合には、重度の異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行しているが、所定期間(例えば、30秒)が経過したとしても、その異常報知を終了することがない。このため、重度の異常が発生した場合には、ホール管理者が電源を遮断することで、異常報知を終了する必要があり、その後に電源を再投入することで、遊技の進行を再開できるようにしている。
なお、異常報知については、演出表示装置1600などのパチンコ機1の前面側の部材だけでなく、本体枠4の裏面側や遊技盤5の裏面側などのパチンコ機1の裏面側の部材を用いて、実行している。これにより、例えば、パチンコ機1の裏面側に対してホール管理者が作業中であっても、異常が発生したことを把握することができる。
図131~図133は、軽度の異常や重度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。本例では、通常状態や打ち止め状態中に軽度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動、通常状態中に重度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動、打ち止め状態中に重度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動、を順に説明する。なお、通常状態とは、出玉量が特定値に達するよりも前の打ち止め状態でない状態であり、特別図柄の変動表示中や、大当り遊技の実行中、特別図柄の変動表示や大当り遊技が実行されていない待機状態、のいずれであってもよい。
また、タイミングt1の時点で、入賞口への入球に基づく賞球の払い出しにより出玉量が特定値に達すると判断したときに、打ち止めフラグがONになったと判断し、打ち止め状態に移行した場合については、既に図126を用いて説明している。つまり、出玉量が特定値に達するよりも前の打ち止め状態でない状態(通常状態)や、打ち止め状態のうち、軽度の異常や重度の異常が発生していない場合におけるパチンコ機の挙動については、既に説明していることから、ここでは、説明を省略している。ただし、図126では、タイミングt1の時点で、打ち止め状態に移行した後には、磁気や振動などの異常を検出したか否かの異常判定を行っていないが、本例では、打ち止め状態中においても異常判定を行い、異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行するものとしている。
また、本例では、出玉量が特定値に達したときには、打ち止め状態における遊技の制限として、「遊技停止」と「発射停止」の両方を行う制限パターン3が選択されている。また、電源遮断後の再投入時においては、制限クリアパターンテーブルとして制限クリアパターンテーブル4を用いるようにし、電源投入パターンとして、出玉量はクリアするが打ち止め状態を維持することとなる電源投入パターン1、4が選択されている場合と、出玉量および打ち止め状態をクリアすることとなる電源投入パターン2、3が選択されている場合と、について説明している。
図131は、通常状態や打ち止め状態中に軽度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。
まず、打ち止め状態に移行するタイミングt1よりも前には、通常状態(打ち止め状態でない状態)に制御している。通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動については、前述したとおりである。
ここでは、通常状態(打ち止め状態でない状態)中におけるタイミングtxの時点で、軽度の異常を検知した場合について説明する。軽度の異常を検知した場合には、その異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行するようにし、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカ、外部端子板については、異常報知として、エラー発生時の動作を実行している。一方、遊技の進行など、異常報知を実行する以外の点については、タイミングtxよりも前における軽度の異常を検知していない状況から変化しておらず、通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動を維持するものとしている。
具体的には、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングtxの時点で、エラー発生時の動作を実行している。例えば、軽度の異常として、外枠2に対する本体枠4の開放を検知している場合、演出表示装置1600では、エラー表示Aとして、「ドア開放エラー」というメッセージを表示するのに加え、現状況表示Aとして、遊技を制限するまでの残りの出玉量(出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量)を示すように「遊技制限まで残り+〇〇発」というメッセージを表示するようにしている。具体的には、出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量が5000発に達した後に事前告知表示を実行するものであるが、その事前告知表示の非実行中であっても、例えば、出玉量が特定値に達するまでの出玉量が50000発であるときに軽度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、現状況表示Aとして、「遊技制限まで残り+50000発」というメッセージを表示するようにしている。なお、現況表示Aとしては、出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量を示しているが、その時点での出玉量を示すようにしてもよい。
上記したように、通常状態(打ち止め状態でない状態)中に軽度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、エラー表示Aだけでなく、現状況表示Aを表示するようにし、遊技を制限するまでの残りの出玉量(出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量)を示している。このとき、電源を遮断すると、軽度の異常の検知が解消されるものの、制限クリアパターンテーブル4における電源投入パターン1~4で電源を再投入した際に、出玉量がクリアされてしまう。この点、本例では、遊技を制限するまでの残りの出玉量をホール管理者が把握したうえで、電源を再投入してよいかどうかを判断することができる。
なお、打ち止め状態に移行するタイミングt1よりも前には、出玉量が特定値に近づいた旨を知らせるため、周辺制御基板1510が演出表示装置1600などの一部の部材を用いて、事前告知時の動作を実行可能にしている。具体的には、演出表示装置1600では、事前告知表示として、「遊技制限まで残り+〇〇発」というメッセージを特定の表示領域に表示するようにしている。この特定の表示領域は、演出表示装置1600における表示領域の一部に設定され、出玉量が特定値に近づいた場合の表示に用いられる表示領域であり、ホール管理者が見落とさないように如何なる遊技状態においても不変とされる固定領域とされている。そして、このような事前告知表示の実行中に軽度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、現状況表示Aとして、事前告知表示と同じデータを流用して表示するようにしてもよい。また、事前告知表示を流用して現状況表示Aを表示する場合には、他の演出画像を表示するレイヤよりも上位(前面側)のレイヤで表示するように構成されており、本例では現状況表示Aを最上位レイヤとして表示するようにし、異常報知の実行中に確実に継続して認識できるように表示制御するものとしている。これにより、現状況表示Aが認識できなくなることを防止することができる。
また、本例では、事前告知時の開始動作(事前告知開始時の動作)については、演出表示装置1600を用いた事前告知表示に加えて、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)で、事前告知発光としてLEDが所定の期間(例えば2秒)点滅を行うようにしている。これにより、出玉量が特定値に近づいた旨を認識しやすくしている。
また、本例では、出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量が5000発に達した後に事前告知表示を実行するものであるが、その事前告知表示については、詳しくは後述するが、残りの出玉量が5000発を上回ることで終了するものとしている。また、事前告知表示については、所定時間が経過したり、管理者操作によっては、消去することを不能にしている。一方で、軽度の異常が発生した場合や、後述する重度の異常が発生した場合には、現状況表示Aを実行するものであるが、その現状況表示Aについては、残りの出玉量が変化したとしても終了することがない。また、現状況表示Aについては、例えば、エラー表示Aを終了するまでの所定時間が経過したり、異常が解消される管理者操作によっては、消去することを可能にしている。これにより、事前告知表示であるか、現状況表示Aであるかを判別できなくなることがない。
また、本例では、演出表示装置1600にて現状況表示Aを実行しているが、パチンコ機1の前面側の表示部材でなく、本体枠4の裏面側や遊技盤5の裏面側などのパチンコ機1の裏面側の表示部材を用いて、出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量を示すようにしてもよい。また、演出表示装置1600にて現状況表示Aを実行する場合であっても、現状況表示Aとして、出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量、あるいは、出玉量に応じて暗号化したもの(例えば、残りの出玉量が0~5000の間ではAの表示など)を表示するようにしてもよい。これにより、ホール管理者だけが現状況表示Aを確認することができ、わざと異常を発生させることで出玉量を知ろうとする不正を防ぐことができる。
また、本例では、軽度の異常が発生した場合や、後述する重度の異常が発生した場合には、演出表示装置1600にて現状況表示Aを実行しているが、例えば、従来タイプの遊技機(遊技機外に実球としての賞球を払い出すタイプの遊技機)で上皿が一杯になるなど、頻繁に生ずる作業上の異常(エラー)が発生した場合には、演出表示装置1600にて現状況表示Aを実行しないようにしている。これにより、現状況表示Aが頻発して表示されるのを防止することができる。
また、本例では、軽度の異常が発生した場合や、後述する重度の異常が発生した場合には、演出表示装置1600にて現状況表示Aを実行しているが、例えば、ラムエラーが発生した場合にも、重度の異常が発生したとして、演出表示装置1600にて現状況表示Aを実行している。ただし、ラムエラーが発生した場合には、出玉量に関する記憶自体が異常である可能性もあるため、演出表示装置1600にて現状況表示Aを実行しないようにしてもよい。
また、ランプA、Bでは、タイミングtxの時点で、エラー発光として、単色で、LEDが点灯や点滅を行うようにし、スピーカからは、エラー音として、「ドア開放エラーです」という音声を出力するようにしている。
また、外部端子板からは、タイミングtxの時点で、セキュリティ信号を出力している。これにより、軽度の異常を検知した場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、軽度の異常が発生している旨を把握することができる。
また、本例では、タイミングtxの時点で、異常報知を開始しているが、所定期間(例えば、30秒)が経過することで、異常報知を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカ、外部端子板については、通常時の動作に戻すようにしている。ただし、所定期間が経過するよりも前に、外枠2に対する本体枠4の閉鎖など、軽度の異常が解消したことを検知した場合には、その時点で、異常報知を終了するものとしている。
次に、タイミングt1の時点で、入賞口への入球に基づく賞球の払い出しにより出玉量が特定値に達すると判断するが、主制御基板1310がその入賞口への入球を検出したときには、打ち止めフラグをONとし、「遊技停止」と「発射停止」の両方を行う制限パターン3が適用された「打ち止め状態」に移行している。打ち止め状態の挙動については、前述したとおりである。
ここでは、打ち止め状態中におけるタイミングtyの時点で、軽度の異常を検知した場合について説明する。軽度の異常を検知した場合には、その異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行するようにし、演出表示装置1600については、異常報知として、エラー発生時の動作を実行している。一方、遊技の進行を不能にするなど、異常報知を実行する以外の点については、タイミングtyよりも前における軽度の異常を検知していない状況から変化しておらず、打ち止め状態の挙動を維持するものとしている。
具体的には、演出表示装置1600については、タイミングtxの時点で、エラー発生時の動作を実行している。例えば、軽度の異常として、外枠2に対する本体枠4の開放を検知している場合、演出表示装置1600では、エラー表示Aとして、「ドア開放エラー」というメッセージを表示するのに加え、現状況表示Bとして、既に打ち止め状態に移行して遊技を制限している旨(出玉量が特定値に達した後である旨)を示すように「遊技制限に達しています」というメッセージを表示するようにしている。
上記したように、打ち止め状態中に軽度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、エラー表示Aだけでなく、現状況表示Bを表示するようにし、既に打ち止め状態に移行して遊技を制限している旨(出玉量が特定値に達した後である旨)を示している。このとき、電源を再投入すると、軽度の異常の検知が解消されるものの、制限クリアパターンテーブル4における電源投入パターン1、4で電源を再投入した際に、打ち止め状態中の遊技の制限を維持する一方で、電源投入パターン2、3で電源を再投入した際に、打ち止め状態中の遊技の制限がクリアされてしまう。この点、本例では、既に打ち止め状態に移行して遊技を制限している旨をホール管理者が把握したうえで、いずれの電源投入パターンで電源を再投入してよいかどうかを判断することができる。
なお、本例では、演出表示装置1600のみを用いて異常報知を実行するようにし、演出表示装置1600以外の部材については、進行不能時の動作を優先して実行するようにしている。これにより、打ち止め状態中に軽度の異常を検知した場合であっても、既に打ち止め状態に移行して遊技が制限されている旨を容易に把握することができる。
また、本例では、打ち止め状態中に軽度の異常が発生した場合や、後述する重度の異常が発生した場合には、現状況表示Bを実行するものであるが、その現状況表示Bについては、その後に出玉量が変化したとしても終了することがない。また、現状況表示Bについては、例えば、エラー表示Aを終了するまでの所定時間が経過したり、異常が解消される管理者操作によっては、消去することを可能にしている。これにより、現状況表示Bが必要以上に表示されるのを防止することができる。
また、本例では、打ち止め状態中に軽度の異常が発生した場合や、後述する重度の異常が発生した場合には、演出表示装置1600にて現状況表示Bを実行しているが、例えば、従来タイプの遊技機(遊技機外に実球としての賞球を払い出すタイプの遊技機)で上皿が一杯になるなど、頻繁に生ずる作業上の異常(エラー)が発生した場合には、演出表示装置1600にて現状況表示Bを実行しないようにしている。これにより、現状況表示Bが頻発して表示されるのを防止することができる。
また、本例では、打ち止め状態中に軽度の異常が発生した場合や、後述する重度の異常が発生した場合には、演出表示装置1600にて現状況表示Bを実行しているが、例えば、ラムエラーが発生した場合にも、重度の異常が発生したとして、演出表示装置1600にて現状況表示Bを実行している。ただし、ラムエラーが発生した場合には、打ち止め状態に関する記憶自体が異常である可能性もあるため、演出表示装置1600にて現状況表示Bを実行しないようにしてもよい。
また、スピーカについては、タイミングt1から所定時間が経過した後に、進行不能時の動作を実行しており、進行不能用の音として、「1日の出玉制限に達したので遊技を制限しています」という音声を出力している。ただし、このような進行不能用の音については、出力を開始してから所定期間(例えば、30秒)が経過することで、終了するようにしてもよい。これにより、打ち止め状態に移行した後に、進行不能用の音を出力し続けることがなく、他のパチンコ機1で遊技する遊技者に対して妨げとなることを防止することができる。
また、外部端子板からは、打ち止め状態に移行するタイミングt1の時点から、強制的にセキュリティ信号を出力する強制出力状態にしているが、タイミングtxの時点で、軽度の異常を検知した場合には、その出力中のセキュリティ信号を終了させて新たにセキュリティ信号を出力することがなく、出力中のセキュリティ信号を継続して出力するようにしている。これにより、ホール側では、打ち止め状態が終了したとの誤認を生じることがない。
また、本例では、タイミングtyの時点で、異常報知を開始しているが、所定期間(例えば、30秒)が経過することで、異常報知を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600については、進行不能時の動作に戻すようにしている。ただし、所定期間が経過するよりも前に、外枠2に対する本体枠4の閉鎖など、軽度の異常が解消したことを検知した場合には、その時点で、異常報知を終了するものとしている。
次に、打ち止め状態に移行した後、タイミングt2の時点で、電源を遮断し、その後のタイミングt3の時点で、電源を再投入している。本例では、電源の再投入時において、制限クリアパターンテーブルとして制限クリアパターンテーブル4を用いるようにしている。
まず、タイミングt3の時点で、電源を再投入するが、電源投入パターンとしては、出玉量および打ち止め状態をクリアすることとなる電源投入パターン2、3が選択されている場合について説明する。電源投入パターン2、3が選択されている場合には、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、クリア(初期化)している。このため、電源投入パターン2、3のいずれが選択されている場合にも、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリアすることで、通常状態(打ち止め状態でない状態)に制御している。つまり、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を再開させることが可能になっている。通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動については、前述したとおりである。
演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングt3の時点で、クリア通知2を実行している。例えば、演出表示装置1600では、初期表示として、予め決められている装飾図柄の組み合わせを表示するのに加え、クリア通知2として、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を示すように「制限クリアしました」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時に出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。ただし、クリア通知2については、電源遮断時に打ち止め状態でないときに、打ち止め状態をクリアした旨を通知しなくてもよいし、出玉量をクリアした旨や、クリアした時点での出玉量を通知するようにしてもよい。
また、ランプA、Bでは、タイミングt3の時点で、クリア通知2として、赤色で、LEDが点灯や点滅を行うようにしている。
また、スピーカからは、タイミングt3の時点で、クリア通知2として、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を示すように「制限クリアしました」という音声を出力するようにしている。
また、本例では、タイミングt3の時点で、クリア通知2を開始しているが、所定期間(例えば、10秒)が経過することで、クリア通知2を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、通常時の動作に戻すようにしている。ただし、通常時の動作については、クリア通知2を終了するよりも前に開始してもよい。また、演出表示装置1600に表示されているクリア通知2については、所定期間が経過した後にも、継続して表示してもよい。そして、このようなクリア通知2については、管理者操作により消去することを可能にしてもよい。これにより、管理者操作によりクリア通知2を消去しなければ、クリア通知2が表示されたままであり、不正行為を行いにくくすることができる。
次に、タイミングt3’の時点で、電源を再投入するが、電源投入パターンとしては、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持することとなる電源投入パターン1、4が選択されている場合について説明する。電源投入パターン1、4が選択されている場合には、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」については、クリア(初期化)し、一方で、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、維持している。このため、電源投入パターン1、4のいずれが選択されている場合にも、「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持することで、打ち止め状態の挙動を維持している。つまり、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を再開させることが不能になっている。打ち止め状態の挙動については、前述したとおりである。
演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングt3’の時点で、クリア通知1を実行している。例えば、演出表示装置1600では、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示すように「出玉量をクリアしました」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時に出玉量をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。ただし、クリア通知1については、電源遮断時に打ち止め状態であるときに、打ち止め状態を維持した旨を通知してもよいし、出玉量をクリアした旨だけでなく、クリアした時点での出玉量を通知するようにしてもよい。
また、ランプA、Bでは、タイミングt3’の時点で、クリア通知1として、緑色で、LEDが点灯や点滅を行うようにしている。
また、スピーカからは、タイミングt3’の時点で、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示すように「出玉量をクリアしました」という音声を出力するようにしている。
また、本例では、タイミングt3の時点で、クリア通知1を開始しているが、所定期間(例えば、10秒)が経過することで、クリア通知1を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、進行不能時の動作に戻すようにしている。ただし、進行不能時の動作については、クリア通知1を終了するよりも前に開始してもよい。
具体的には、演出表示装置1600では、進行不能通知(進行不能表示)として、「遊技制限中」というメッセージを表示するようにしている。これに加え、演出表示装置1600では、クリア方法通知(クリア方法表示)として、ホール管理者向けに打ち止め状態のクリア方法を示すように「ラムクリアすれば通常状態になります」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時にラムクリアを伴う電源投入パターン2、3を選択しなければ、打ち止め状態をクリアできない旨を、ホール管理者が把握することができる。
また、スピーカについては、進行不能時の動作を実行するときに、進行不能通知(進行不能用の音)として、「1日の出玉制限に達したので遊技を制限しています」という音声を出力している。ただし、このような進行不能用の音については、出力を開始してから所定期間(例えば、30秒)が経過することで、終了してもよい旨を上述したが、打ち止め状態中に進行不能用の音の出力を終了したとしても、タイミングt3’の時点で電源を再投入した場合には、再び進行不能用の音を出力するようにしてもよい。このような場合、タイミングt3’から所定時間が経過することで、進行不能用の音の出力を終了するものとなる。これにより、電源の再投入時には、再び進行不能用の音を出力することから、打ち止め状態がクリアされておらず、遊技が制限されている旨を容易に把握することができる。
なお、本例では、電源の再投入時に電源投入パターン1、4が選択されている場合、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持するため、クリア通知1を終了した後に進行不能通知やクリア方法通知を実行しており、進行不能通知やクリア方法通知よりも優先してクリア通知1を実行している。これにより、電源の再投入時に出玉量をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。また、別例として、クリア通知1と並行して進行不能通知やクリア方法通知を実行してもよいし、クリア通知1と進行不能通知やクリア方法通知を交互に切り替えて実行するようにしてもよい。また、クリア通知1と並行して進行不能通知やクリア方法通知を実行する場合、複数の部材のうちの一部の部材でクリア通知1を実行し、残りの部材で進行不能通知やクリア方法通知を実行してもよいし、同じ部材でありながらも、一部の領域でクリア通知1を実行し、残りの領域で進行不能通知やクリア方法通知を実行するようにしてもよい。また、クリア通知1と並行して進行不能通知やクリア方法通知を実行する場合であっても、クリア通知1については、所定期間(例えば、10秒)が経過することで終了するものとしてよい。また、クリア方法通知についても、所定期間(例えば、10秒)が経過することで終了するものとしてよい。
図132は、通常状態中に重度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。
まず、重度の異常を検出するタイミングtxよりも前には、通常状態(打ち止め状態でない状態)に制御している。通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動については、前述したとおりである。
ここでは、通常状態(打ち止め状態でない状態)中におけるタイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合について説明する。重度の異常を検知した場合には、遊技球の発射が不能とされ、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な状態としている。つまり、重度の異常が発生した場合には、特別図柄の変動表示や大当り遊技を実行することがなく、仮に始動入賞があったとしても、特別図柄の変動表示を新たに開始することがない。
また、重度の異常を検知した場合には、その異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行するようにし、演出表示装置1600、ランプA~C、スピーカ、可動体、外部端子板については、異常報知として、エラー発生時の動作を実行している。
具体的には、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングtxの時点で、エラー発生時の動作を実行している。例えば、重度の異常として、磁気を検知している場合、演出表示装置1600では、エラー表示Bとして、「磁気異常」というメッセージを表示するのに加え、現状況表示Aとして、遊技を制限するまでの残りの出玉量(出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量)を示すように「遊技制限まで残り+〇〇発」というメッセージを表示するようにしている。
上記したように、通常状態(打ち止め状態でない状態)中に重度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、エラー表示Bだけでなく、現状況表示Aを表示するようにし、遊技を制限するまでの残りの出玉量(出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量)を示している。このとき、電源を遮断すると、重度の異常の検知が解消されるものの、制限クリアパターンテーブル4における電源投入パターン1~4で電源を再投入した際に、出玉量がクリアされてしまう。この点、本例では、遊技を制限するまでの残りの出玉量をホール管理者が把握したうえで、電源を再投入してよいかどうかを判断することができる。
なお、打ち止め状態に移行するよりも前には、出玉量が特定値に近づいた旨を知らせるため、周辺制御基板1510が演出表示装置1600などの一部の部材を用いて、事前告知時の動作を実行可能にしている。具体的には、演出表示装置1600では、事前告知表示として、「遊技制限まで残り+〇〇発」というメッセージを特定の表示領域に表示するようにしている。この特定の表示領域は、演出表示装置1600における表示領域の一部に設定され、出玉量が特定値に近づいた場合の表示に用いられる表示領域であり、ホール管理者が見落とさないように如何なる遊技状態においても不変とされる固定領域とされている。そして、このような事前告知表示の実行中に重度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、現状況表示Aとして、事前告知表示と同じデータを流用して表示するようにしてもよい。また、事前告知表示を流用して現状況表示Aを表示する場合には、他の演出画像を表示するレイヤよりも上位(前面側)のレイヤで表示するように構成されており、本例では現状況表示Aを最上位レイヤとして表示するようにし、異常報知の実行中に確実に継続して認識できるように表示制御するものとしている。これにより、現状況表示Aが認識できなくなることを防止することができる。
また、ランプA、Bでは、タイミングtxの時点で、エラー発光として、単色で、LEDが点灯や点滅を行うようにしている。
また、ランプCでは、機能表示ユニット1400として、状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器などを備えているが、それらの全てのLEDが点灯するようにしている。ただし、別例として、機能表示ユニット1400に、異常報知専用のLEDを設けるようにし、重度の異常を検知した場合には、その異常報知専用のLEDを点灯し、それ以外のLEDを消灯するようにしてもよい。
また、スピーカからは、エラー音として、「磁気異常が発生しました」という音声を出力するようにしている。
また、可動体については、タイミングtxの時点で、動作することがない動作不能状態にしている。例えば、タイミングtxの時点で、可動体が動作中である場合には、可動体を動作途中で強制停止している。ただし、別例として、可動体については、タイミングtxの後に、初期位置でない可動体を初期位置に戻してから、可動体を停止するようにしてもよい。これにより、タイミングtxの時点で、可動体が演出表示装置1600の表示領域の前方に位置していたとしても、タイミングtxの後に、可動体が初期位置に戻ることとなり、演出表示装置1600で実行されているエラー表示Bや現状況表示Aを見逃しにくくすることができる。
また、外部端子板からは、タイミングtxの時点で、セキュリティ信号を出力している。これにより、重度の異常を検知した場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、重度の異常が発生している旨を把握することができる。
また、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合には、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを不能にしている。
また、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合には、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)とを計数の対象としていない。つまり、入球数に対する払出数の割合に関する演算を行うことを不能にし、ベースモニタに表示されているベース値に反映しないようにしている。ただし、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)については、計数の対象とし、入球数に対する払出数の割合に関する演算を行うことで、ベースモニタに表示されているベース値に反映するようにしてもよい。
また、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合には、タイミングtxよりも前に入賞口への入球を検出したものについては、賞球として所定数の遊技球を払い出すことを可能とし、賞球として払い出される遊技球の球数の分だけ、遊技者の持ち球数に加算することを可能にしている。これにより、出玉量が特定値になるまでの遊技球の球数の分だけは、遊技者が賞球を得ることができる。一方、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した後に、入賞口への入球を検出したものについては、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数に加算することもない。ただし、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合には、入賞口への入球を検出しないように構成してもよく、そもそも入賞口への入球を検出しない場合にも同じく、入賞口への入球があったとしても、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数に加算することもない。
また、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合には、異常報知として、エラー発生時の動作を実行しているが、その後にタイミングtyの時点で、別の重度の異常を検知した場合には、そのエラー発生時の動作を変化させず、継続して実行するようにしている。ただし、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した後には、別の重度の異常を検知しないように構成してもよい。
また、本例では、タイミングtxの時点で、異常報知を開始しているが、所定期間(例えば、30秒)が経過したとしても、その異常報知を終了することがない。このため、重度の異常が発生した場合には、ホール管理者が電源を遮断することで、異常報知を終了する必要があり、その後に電源を再投入することで、遊技の進行を再開できるようにしている。
次に、通常状態(打ち止め状態でない状態)中に重度の異常を検知した後、タイミングt2の時点で、電源を遮断して異常報知を終了するようにし、その後のタイミングt3の時点で、電源を再投入している。本例では、電源の再投入時において、制限クリアパターンテーブルとして制限クリアパターンテーブル4を用いるようにしている。
まず、タイミングt3の時点で、電源を再投入するが、電源投入パターンとしては、出玉量および打ち止め状態をクリアすることとなる電源投入パターン2、3が選択されている場合について説明する。電源投入パターン2、3が選択されている場合には、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、クリア(初期化)している。本例では、タイミングt2での電源の遮断時に、そもそも打ち止め状態でない状態であることから、その後のタイミングt3の時点で、電源を再投入したときには、電源投入パターン2、3が選択されているか否かにかかわらず、通常状態(打ち止め状態でない状態)に制御している。つまり、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を再開させることが可能になっている。通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動については、前述したとおりである。
演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングt3の時点で、クリア通知2を実行している。例えば、演出表示装置1600では、初期表示として、予め決められている装飾図柄の組み合わせを表示するのに加え、クリア通知2として、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を示すように「制限クリアしました」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時に出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。ただし、クリア通知2については、電源遮断時に打ち止め状態でないことから、打ち止め状態をクリアした旨を通知しなくてもよいし、出玉量をクリアした旨や、クリアした時点での出玉量を通知するようにしてもよい。
また、ランプA、Bでは、タイミングt3の時点で、クリア通知2として、赤色で、LEDが点灯や点滅を行うようにしている。
また、スピーカからは、タイミングt3の時点で、クリア通知2として、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を示すように「制限クリアしました」という音声を出力するようにしている。
また、本例では、タイミングt3の時点で、クリア通知2を開始しているが、所定期間(例えば、10秒)が経過することで、クリア通知2を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、通常時の動作に戻すようにしている。ただし、通常時の動作については、クリア通知2を終了するよりも前に開始してもよい。また、演出表示装置1600に表示されているクリア通知2については、所定期間が経過した後にも、継続して表示してもよい。そして、このようなクリア通知2については、管理者操作により消去することを可能にしてもよい。これにより、管理者操作によりクリア通知2を消去しなければ、クリア通知2が表示されたままであり、不正行為を行いにくくすることができる。
次に、タイミングt3’の時点で、電源を再投入するが、電源投入パターンとしては、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持することとなる電源投入パターン1、4が選択されている場合について説明する。電源投入パターン1、4が選択されている場合には、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」については、クリア(初期化)し、一方で、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、維持している。本例では、タイミングt2での電源の遮断時に、そもそも打ち止め状態でない状態であることから、その後のタイミングt3の時点で、電源を再投入したときには、電源投入パターン1、4が選択されているか否かにかかわらず、通常状態(打ち止め状態でない状態)に制御している。つまり、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を再開させることが可能になっている。通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動については、前述したとおりである。
演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングt3’の時点で、クリア通知1を実行している。例えば、演出表示装置1600では、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示すように「出玉量をクリアしました」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時に出玉量をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。ただし、クリア通知1については、電源遮断時に打ち止め状態であるときに、打ち止め状態を維持した旨を通知してもよいし、出玉量をクリアした旨だけでなく、クリアした時点での出玉量を通知するようにしてもよい。
また、ランプA、Bでは、タイミングt3’の時点で、クリア通知1として、緑色で、LEDが点灯や点滅を行うようにしている。
また、スピーカからは、タイミングt3’の時点で、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示すように「出玉量をクリアしました」という音声を出力するようにしている。
また、本例では、タイミングt3の時点で、クリア通知1を開始しているが、所定期間(例えば、10秒)が経過することで、クリア通知1を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、通常時の動作に戻すようにしている。ただし、通常時の動作については、クリア通知1を終了するよりも前に開始してもよい。
図133は、打ち止め状態中に重度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。
まず、重度の異常を検出するタイミングtxよりも前には、打ち止め状態に制御している。打ち止め状態の挙動については、前述したとおりである。
ここでは、打ち止め状態中におけるタイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合について説明する。重度の異常を検知した場合には、その異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行するようにし、演出表示装置1600については、異常報知として、エラー発生時の動作を実行している。一方、遊技の進行を不能にするなど、異常報知を実行する以外の点については、タイミングtxよりも前における重度の異常を検知していない状況から変化しておらず、打ち止め状態の挙動を維持するものとしている。
具体的には、演出表示装置1600については、タイミングtxの時点で、エラー発生時の動作を実行している。例えば、重度の異常として、磁気を検知している場合、演出表示装置1600では、エラー表示Bとして、「磁気異常」というメッセージを表示するのに加え、現状況表示Bとして、既に打ち止め状態に移行して遊技を制限している旨(出玉量が特定値に達した後である旨)を示すように「遊技制限に達しています」というメッセージを表示するようにしている。
上記したように、打ち止め状態中に重度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、エラー表示Bだけでなく、現状況表示Bを表示するようにし、既に打ち止め状態に移行して遊技を制限している旨(出玉量が特定値に達した後である旨)を示している。このとき、電源を再投入すると、重度の異常の検知が解消されるものの、制限クリアパターンテーブル4における電源投入パターン1、4で電源を再投入した際に、打ち止め状態中の遊技の制限を維持する一方で、電源投入パターン2、3で電源を再投入した際に、打ち止め状態中の遊技の制限がクリアされてしまう。この点、本例では、既に打ち止め状態に移行して遊技を制限している旨をホール管理者が把握したうえで、いずれの電源投入パターンで電源を再投入してよいかどうかを判断することができる。
また、本例では、演出表示装置1600のみを用いて異常報知を実行するようにし、演出表示装置1600以外の部材については、進行不能時の動作を優先して実行するようにしている。これにより、打ち止め状態中に重度の異常を検知した場合であっても、既に打ち止め状態に移行して遊技が制限されている旨を容易に把握することができる。
また、外部端子板からは、打ち止め状態に移行するタイミングt1の時点から、強制的にセキュリティ信号を出力する強制出力状態にしているが、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合には、その出力中のセキュリティ信号を終了させて新たにセキュリティ信号を出力することがなく、出力中のセキュリティ信号を継続して出力するようにしている。これにより、ホール側では、打ち止め状態が終了したとの誤認を生じることがない。
また、本例では、タイミングtxの時点で、異常報知を開始しているが、所定期間(例えば、30秒)が経過したとしても、その異常報知を終了することがない。このため、重度の異常が発生した場合には、ホール管理者が電源を遮断することで、異常報知を終了する必要があり、その後に電源を再投入することで、遊技の進行を再開できるようにしている。
次に、打ち止め状態中に重度の異常を検知した後、タイミングt2の時点で、電源を遮断して異常報知を終了するようにし、その後のタイミングt3の時点で、電源を再投入している。本例では、電源の再投入時において、制限クリアパターンテーブルとして制限クリアパターンテーブル4を用いるようにしている。
まず、タイミングt3の時点で、電源を再投入するが、電源投入パターンとしては、出玉量および打ち止め状態をクリアすることとなる電源投入パターン2、3が選択されている場合について説明する。電源投入パターン2、3が選択されている場合には、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、クリア(初期化)している。このため、電源投入パターン2、3のいずれが選択されている場合にも、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリアすることで、通常状態(打ち止め状態でない状態)に制御している。つまり、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を再開させることが可能になっている。通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動については、前述したとおりである。
演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングt3の時点で、クリア通知2を実行している。例えば、演出表示装置1600では、初期表示として、予め決められている装飾図柄の組み合わせを表示するのに加え、クリア通知2として、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を示すように「制限クリアしました」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時に出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。ただし、クリア通知2については、電源遮断時に打ち止め状態でないときに、打ち止め状態をクリアした旨を通知しなくてもよいし、出玉量をクリアした旨や、クリアした時点での出玉量を通知するようにしてもよい。
また、ランプA、Bでは、タイミングt3の時点で、クリア通知2として、赤色で、LEDが点灯や点滅を行うようにしている。
また、スピーカからは、タイミングt3の時点で、クリア通知2として、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を示すように「制限クリアしました」という音声を出力するようにしている。
また、本例では、タイミングt3の時点で、クリア通知2を開始しているが、所定期間(例えば、10秒)が経過することで、クリア通知2を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、通常時の動作に戻すようにしている。ただし、演出表示装置1600に表示されているクリア通知2については、所定期間が経過した後にも、継続して表示するようにしてもよい。また、このようなクリア通知2については、管理者操作により消去することを可能にしてもよい。これにより、管理者操作によりクリア通知2を消去しなければ、クリア通知2が表示されたままであり、不正行為を行いにくくすることができる。
次に、タイミングt3’の時点で、電源を再投入するが、電源投入パターンとしては、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持することとなる電源投入パターン1、4が選択されている場合について説明する。電源投入パターン1、4が選択されている場合には、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」については、クリア(初期化)し、一方で、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、維持している。このため、電源投入パターン1、4のいずれが選択されている場合にも、「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持することで、打ち止め状態の挙動を維持している。つまり、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を再開させることが不能になっている。打ち止め状態の挙動については、前述したとおりである。
演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングt3’の時点で、クリア通知1を実行している。例えば、演出表示装置1600では、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示すように「出玉量をクリアしました」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時に出玉量をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。ただし、クリア通知1については、電源遮断時に打ち止め状態であるときに、打ち止め状態を維持した旨を通知してもよいし、出玉量をクリアした旨だけでなく、クリアした時点での出玉量を通知するようにしてもよい。
また、ランプA、Bでは、タイミングt3’の時点で、クリア通知1として、緑色で、LEDが点灯や点滅を行うようにしている。
また、スピーカからは、タイミングt3’の時点で、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示すように「出玉量をクリアしました」という音声を出力するようにしている。
また、本例では、タイミングt3の時点で、クリア通知1を開始しているが、所定期間(例えば、10秒)が経過することで、クリア通知1を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、進行不能時の動作に戻すようにしている。ただし、進行不能時の動作については、クリア通知1を終了するよりも前に開始してもよい。
具体的には、演出表示装置1600では、進行不能通知(進行不能表示)として、「遊技制限中」というメッセージを表示するようにしている。これに加え、演出表示装置1600では、クリア方法通知(クリア方法表示)として、ホール管理者向けに打ち止め状態のクリア方法を示すように「ラムクリアすれば通常状態になります」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時にラムクリアを伴う電源投入パターン2、3を選択しなければ、打ち止め状態をクリアできない旨を、ホール管理者が把握することができる。
また、スピーカについては、進行不能時の動作を実行するときに、進行不能通知(進行不能用の音)として、「1日の出玉制限に達したので遊技を制限しています」という音声を出力している。ただし、このような進行不能用の音については、出力を開始してから所定期間(例えば、30秒)が経過することで、終了してもよい旨を上述したが、打ち止め状態中に進行不能用の音の出力を終了したとしても、タイミングt3’の時点で電源を再投入した場合には、再び進行不能用の音を出力するようにしてもよい。このような場合、タイミングt3’から所定時間が経過することで、進行不能用の音の出力を終了するものとなる。これにより、電源の再投入時には、再び進行不能用の音を出力することから、打ち止め状態がクリアされておらず、遊技が制限されている旨を容易に把握することができる。
なお、本例では、電源の再投入時に電源投入パターン1、4が選択されている場合、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持するため、クリア通知1を終了した後に進行不能通知やクリア方法通知を実行しており、進行不能通知やクリア方法通知よりも優先してクリア通知1を実行している。これにより、電源の再投入時に出玉量をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。また、別例として、クリア通知1と並行して進行不能通知やクリア方法通知を実行してもよいし、クリア通知1と進行不能通知やクリア方法通知を交互に切り替えて実行するようにしてもよい。また、クリア通知1と並行して進行不能通知やクリア方法通知を実行する場合、複数の部材のうちの一部の部材でクリア通知1を実行し、残りの部材で進行不能通知やクリア方法通知を実行してもよいし、同じ部材でありながらも、一部の領域でクリア通知1を実行し、残りの領域で進行不能通知やクリア方法通知を実行するようにしてもよい。また、クリア通知1と並行して進行不能通知やクリア方法通知を実行する場合であっても、クリア通知1については、所定期間(例えば、10秒)が経過することで終了するものとしてよい。
(打ち止め準備状態を設けた場合:打ち止め準備状態中に異常検知した場合における出玉量に関する報知)
上記では、出玉量が特定値に達したときに、主制御基板1310が打ち止め状態にして遊技の制限を実行しているが、大当り遊技(当り遊技)中に出玉量が特定値に達したときには、大当り遊技が終了するまでの間、打ち止め状態にせず、大当り遊技が終了することで、打ち止め状態に移行するように構成してもよい。例えば、大当り遊技における途中のラウンドで出玉量が特定値に達したときには、直ぐには打ち止め状態にせず、大当り遊技における最後のラウンドが終了することで、打ち止め状態に移行している。つまり、大当り遊技中に出玉量が特定値に達したときには、特定値を超えて出玉を獲得することが可能になっている。このように、大当り遊技中に出玉量が特定値に達した時点で、大当り遊技を終了しないことで、遊技者の不満を軽減することができる。
本例では、大当り遊技中に出玉量が特定値に達したときには、打ち止め準備状態に移行し、打ち止め状態に移行することが確定しているものの、大当り遊技を継続するようにしている。そして、打ち止め準備状態については、打ち止め状態と同じく、電源遮断後の再投入時において、維持するか又はクリアするかを選択しうるように構成している。
具体的には、制限クリアパターンテーブル4では、電源投入時において、電源投入パターン2、3のように電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)した場合のみ、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)しているが、打ち止め準備状態についても、クリア(初期化)している。一方、電源投入時において、電源投入パターン1、4のように電源遮断時の遊技状態を維持した場合には、「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持しているが、打ち止め準備状態についても、維持している。つまり、打ち止め準備状態については、打ち止め状態と同じく、電源遮断後の再投入時において、維持するか又はクリアするかを選択することが可能になっている。例えば、大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態が発生している場合において、その打ち止め準備状態をクリアしたいときには、電源遮断後、打ち止め準備状態をクリアするように電源投入時操作を行えばよいが、このような電源投入時操作に伴い、実行中であった大当り遊技がクリアされることとなる。一方、打ち止め準備状態を維持したいときには、電源遮断後、打ち止め準備状態を維持するように電源投入時操作を行えばよいが、このような電源投入時操作に伴い、実行中であった大当り遊技が再開されることとなる。なお、電源投入時において、電源投入パターン5が選択されている場合には、上述した球抜処理が実行されるだけで、遊技が開始されないことから、打ち止め準備状態をクリア(初期化)しないで維持している。
図134は、打ち止め準備状態中に軽度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。
まず、大当り遊技中におけるタイミングt1の時点で、入賞口への入球に基づく賞球の払い出しにより出玉量が特定値に達すると判断するが、主制御基板1310がその入賞口への入球を検出したときには、打ち止めフラグをONとし、打ち止め準備状態に移行している。なお、打ち止め準備状態に移行するタイミングt1よりも前には、通常状態(打ち止め状態でない状態)に制御し、大当り遊技が実行されている。通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動については、前述したとおりである。
また、打ち止め準備状態では、実行中の大当り遊技を継続している。また、打ち止め準備状態では、タイミングt1から所定時間が経過した後に、演出表示装置1600を用いて、既に出玉量が特定値に達したことを外部に伝える待機報知を実行している。例えば、演出表示装置1600では、実行中の大当り遊技に関する表示(通常表示)を表示するのに加え、待機表示として、既に出玉量が特定値に達したことを示すように「大当り終了で今日は終わりだよ」というメッセージを表示するようにしている。このように、打ち止め準備状態では、大当り遊技が終了するときに打ち止め状態に移行する旨を、予告的に案内するようにしている。
一方、大当り遊技の進行など、待機報知を実行する以外の点については、タイミングt1よりも前の状況から変化しておらず、通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動を維持するものとしている。
なお、本例では、演出表示装置1600のみを用いて待機報知を実行するようにし、演出表示装置1600以外の部材については、通常時の動作を優先して実行するようにしている。これにより、打ち止め準備状態では、実行中の大当り遊技に関する情報を容易に把握することができる。
次に、打ち止め準備状態中におけるタイミングtxの時点で、軽度の異常を検知した場合について説明する。軽度の異常を検知した場合には、その異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行するようにし、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカ、外部端子板については、異常報知として、エラー発生時の動作を実行している。一方、大当り遊技の進行など、異常報知を実行する以外の点については、タイミングtxよりも前における軽度の異常を検知していない状況から変化しておらず、通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動を維持するものとしている。
具体的には、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングtxの時点で、エラー発生時の動作を実行している。例えば、軽度の異常として、外枠2に対する本体枠4の開放を検知している場合、演出表示装置1600では、エラー表示Aとして、「ドア開放エラー」というメッセージを表示するのに加え、現状況表示Cとして、既に出玉量が特定値に達したことを示すように「大当り終了で今日は終わりだよ」というメッセージを表示するようにしている。
上記したように、打ち止め準備状態中に軽度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、エラー表示Aだけでなく、現状況表示Cを表示するようにし、既に出玉量が特定値に達したことを示している。このとき、電源を遮断すると、軽度の異常の検知が解消されるものの、制限クリアパターンテーブル4における電源投入パターン1、4で電源を再投入した際に、打ち止め準備状態を維持する一方で、電源投入パターン2、3で電源を再投入した際に、打ち止め準備状態がクリアされてしまう。この点、本例では、既に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態に移行している旨をホール管理者が把握したうえで、いずれの電源投入パターンで電源を再投入してよいかどうかを判断することができる。
なお、打ち止め準備状態中には、演出表示装置1600で、待機表示として、既に出玉量が特定値に達したことを示すように「大当り終了で今日は終わりだよ」というメッセージを表示しているが、このような打ち止め準備状態中に軽度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、現状況表示Cとして、待機表示と同じデータを流用して表示するようにしてもよい。また、待機表示を流用して現状況表示Cを表示する場合には、現状況表示Cを最上位レイヤとして表示するようにし、異常報知の実行中に継続して認識できるように表示制御するものとしている。これにより、現状況表示Cが認識できなくなることを防止することができる。
また、本例では、打ち止め準備状態中に軽度の異常が発生した場合や、後述する重度の異常が発生した場合には、現状況表示Cを実行するものであるが、その現状況表示Cについては、その後に出玉量が変化したとしても終了することがない。また、現状況表示Cについては、例えば、エラー表示Aを終了するまでの所定時間が経過したり、異常が解消される管理者操作によっては、消去することを可能にしている。これにより、現状況表示Cが必要以上に表示されるのを防止することができる。
また、本例では、打ち止め準備状態中に軽度の異常が発生した場合や、後述する重度の異常が発生した場合には、演出表示装置1600にて現状況表示Cを実行しているが、例えば、従来タイプの遊技機(遊技機外に実球としての賞球を払い出すタイプの遊技機)で上皿が一杯になるなど、頻繁に生ずる作業上の異常(エラー)が発生した場合には、演出表示装置1600にて現状況表示Cを実行しないようにしている。これにより、現状況表示Cが頻発して表示されるのを防止することができる。
また、本例では、打ち止め準備状態中に軽度の異常が発生した場合や、後述する重度の異常が発生した場合には、演出表示装置1600にて現状況表示Cを実行しているが、例えば、ラムエラーが発生した場合にも、重度の異常が発生したとして、演出表示装置1600にて現状況表示Cを実行している。ただし、ラムエラーが発生した場合には、打ち止め準備状態に関する記憶自体が異常である可能性もあるため、演出表示装置1600にて現状況表示Cを実行しないようにしてもよい。
また、ランプA、Bでは、タイミングtxの時点で、エラー発光として、単色で、LEDが点灯や点滅を行うようにし、スピーカからは、エラー音として、「ドア開放エラーです」という音声を出力するようにしている。
また、外部端子板からは、タイミングtxの時点で、セキュリティ信号を出力している。これにより、軽度の異常を検知した場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、軽度の異常が発生している旨を把握することができる。
また、本例では、タイミングtxの時点で、異常報知を開始しているが、所定期間(例えば、30秒)が経過することで、異常報知を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカ、外部端子板については、通常時の動作に戻すようにしている。ただし、所定期間が経過するよりも前に、外枠2に対する本体枠4の閉鎖など、軽度の異常が解消したことを検知した場合には、その時点で、異常報知を終了するものとしている。
次に、タイミングtzの時点で、大当り遊技が終了したと判断するが、大当り遊技状態が終了した後には、「遊技停止」と「発射停止」の両方を行う制限パターン3が適用された「打ち止め状態」に移行している。打ち止め状態の挙動については、前述したとおりである。
また、打ち止め状態に移行した後、タイミングt2の時点で、電源を遮断し、その後のタイミングt3の時点で、電源を再投入している。本例では、電源の再投入時において、制限クリアパターンテーブルとして制限クリアパターンテーブル4を用いるようにしている。ここでは、タイミングt3の時点で、電源を再投入するが、電源投入パターンとしては、出玉量および打ち止め状態をクリアすることとなる電源投入パターン2、3が選択されている場合と、タイミングt3’の時点で、電源を再投入するが、電源投入パターンとしては、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持することとなる電源投入パターン1、4が選択されている場合と、を示しているが、これらの挙動については、図131で説明したとおりである。
図135は、打ち止め準備状態中に重度の異常が発生した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。
まず、重度の異常を検出するタイミングtxよりも前には、打ち止め準備状態に制御し、大当り遊技が実行されている。打ち止め準備状態の挙動については、前述したとおりである。
ここでは、打ち止め準備状態中におけるタイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合について説明する。重度の異常を検知した場合には、遊技球の発射が不能とされ、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な状態としている。つまり、重度の異常が発生した場合には、実行中の大当り遊技を停止するようにしている。
また、重度の異常を検知した場合には、その異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行するようにし、演出表示装置1600、ランプA~C、スピーカ、可動体、外部端子板については、異常報知として、エラー発生時の動作を実行している。
具体的には、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングtxの時点で、エラー発生時の動作を実行している。例えば、重度の異常として、磁気を検知している場合、演出表示装置1600では、エラー表示Bとして、「磁気異常」というメッセージを表示するのに加え、現状況表示Cとして、既に出玉量が特定値に達したことを示すように「大当り終了で今日は終わりだよ」というメッセージを表示するようにしている。
上記したように、打ち止め準備状態中に重度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、エラー表示Aだけでなく、現状況表示Cを表示するようにし、既に出玉量が特定値に達したことを示している。このとき、電源を遮断すると、重度の異常の検知が解消されるものの、制限クリアパターンテーブル4における電源投入パターン1、4で電源を再投入した際に、打ち止め準備状態を維持する一方で、電源投入パターン2、3で電源を再投入した際に、打ち止め準備状態がクリアされてしまう。この点、本例では、既に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態に移行している旨をホール管理者が把握したうえで、いずれの電源投入パターンで電源を再投入してよいかどうかを判断することができる。
なお、打ち止め準備状態中には、演出表示装置1600で、待機表示として、既に出玉量が特定値に達したことを示すように「大当り終了で今日は終わりだよ」というメッセージを表示しているが、このような打ち止め準備状態中に重度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、現状況表示Cとして、待機表示と同じデータを流用して表示するようにしてもよい。また、待機表示を流用して現状況表示Cを表示する場合には、現状況表示Cを最上位レイヤとして表示するようにし、異常報知の実行中に継続して認識できるように表示制御するものとしている。これにより、現状況表示Cが認識できなくなることを防止することができる。
また、ランプA、Bでは、タイミングtxの時点で、エラー発光として、単色で、LEDが点灯や点滅を行うようにしている。
また、ランプCでは、機能表示ユニット1400として、状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器などを備えているが、それらの全てのLEDが点灯するようにしている。ただし、別例として、機能表示ユニット1400に、異常報知専用のLEDを設けるようにし、重度の異常を検知した場合には、その異常報知専用のLEDを点灯し、それ以外のLEDを消灯するようにしてもよい。
また、スピーカからは、エラー音として、「磁気異常が発生しました」という音声を出力するようにしている。
また、可動体については、タイミングtxの時点で、動作することがない動作不能状態にしている。例えば、タイミングtxの時点で、可動体が動作中である場合には、可動体を動作途中で強制停止している。ただし、別例として、可動体については、タイミングtxの後に、初期位置でない可動体を初期位置に戻してから、可動体を停止するようにしてもよい。これにより、タイミングtxの時点で、可動体が演出表示装置1600の表示領域の前方に位置していたとしても、タイミングtxの後に、可動体が初期位置に戻ることとなり、演出表示装置1600で実行されているエラー表示Bや現状況表示Cを見逃しにくくすることができる。
また、外部端子板からは、タイミングtxの時点で、セキュリティ信号を出力している。これにより、重度の異常を検知した場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、重度の異常が発生している旨を把握することができる。
また、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合には、遊技者がハンドル160を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを不能にしている。
また、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合には、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)とを計数の対象としていない。つまり、入球数に対する払出数の割合に関する演算を行うことを不能にし、ベースモニタに表示されているベース値に反映しないようにしている。ただし、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)については、計数の対象とし、入球数に対する払出数の割合に関する演算を行うことで、ベースモニタに表示されているベース値に反映するようにしてもよい。
また、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合には、タイミングtxよりも前に入賞口への入球を検出したものについては、賞球として所定数の遊技球を払い出すことを可能とし、賞球として払い出される遊技球の球数の分だけ、遊技者の持ち球数に加算することを可能にしている。これにより、出玉量が特定値になるまでの遊技球の球数の分だけは、遊技者が賞球を得ることができる。一方、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した後に、入賞口への入球を検出したものについては、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数に加算することもない。ただし、タイミングtxの時点で、重度の異常を検知した場合には、入賞口への入球を検出しないように構成してもよく、そもそも入賞口への入球を検出しない場合にも同じく、入賞口への入球があったとしても、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数に加算することもない。
また、本例では、タイミングtxの時点で、異常報知を開始しているが、所定期間(例えば、30秒)が経過したとしても、その異常報知を終了することがない。このため、重度の異常が発生した場合には、ホール管理者が電源を遮断することで、異常報知を終了する必要があり、その後に電源を再投入することで、遊技の進行を再開できるようにしている。
次に、打ち止め準備状態中に重度の異常を検知した後、タイミングt2の時点で、電源を遮断して異常報知を終了するようにし、その後のタイミングt3の時点で、電源を再投入している。本例では、電源の再投入時において、制限クリアパターンテーブルとして制限クリアパターンテーブル4を用いるようにしている。
まず、タイミングt3の時点で、電源を再投入するが、電源投入パターンとしては、出玉量および打ち止め状態をクリアすることとなる電源投入パターン2、3が選択されている場合について説明する。電源投入パターン2、3が選択されている場合には、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているため、実行中であった大当り遊技に関する情報がクリアされている。また、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」については、クリア(初期化)し、打ち止め準備状態についても、クリア(初期化)している。このため、電源投入パターン2、3のいずれが選択されている場合にも、打ち止め準備状態をクリアすることで、通常状態(打ち止め状態でない状態)に制御している。つまり、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を再開させることが可能になっている。ただし、実行中であった大当り遊技については、再開することがない。通常状態(打ち止め状態でない状態)の挙動については、前述したとおりである。
演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングt3の時点で、クリア通知2を実行している。例えば、演出表示装置1600では、初期表示として、予め決められている装飾図柄の組み合わせを表示するのに加え、クリア通知2として、出玉量および打ち止め準備状態をクリアした旨を示すように「制限クリアしました」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時に出玉量および打ち止め準備状態をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。ただし、クリア通知2については、電源遮断時に打ち止め準備状態でないときに、打ち止め準備状態をクリアした旨を通知しなくてもよいし、出玉量をクリアした旨や、クリアした時点での出玉量を通知するようにしてもよい。また、クリア通知2については、打ち止め状態をクリアした場合と、打ち止め準備状態をクリアした場合とで、共通の通知を実行しているが、別の通知を実行するようにしてもよい。
また、ランプA、Bでは、タイミングt3の時点で、クリア通知2として、赤色で、LEDが点灯や点滅を行うようにしている。
また、スピーカからは、タイミングt3の時点で、クリア通知2として、出玉量および打ち止め準備状態をクリアした旨を示すように「制限クリアしました」という音声を出力するようにしている。
また、本例では、タイミングt3の時点で、クリア通知2を開始しているが、所定期間(例えば、10秒)が経過することで、クリア通知2を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、通常時の動作に戻すようにしている。ただし、通常時の動作については、クリア通知2を終了するよりも前に開始してもよい。また、演出表示装置1600に表示されているクリア通知2については、所定期間が経過した後にも、継続して表示してもよい。そして、このようなクリア通知2については、管理者操作により消去することを可能にしてもよい。これにより、管理者操作によりクリア通知2を消去しなければ、クリア通知2が表示されたままであり、不正行為を行いにくくすることができる。
次に、タイミングt3’の時点で、電源を再投入するが、電源投入パターンとしては、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持することとなる電源投入パターン1、4が選択されている場合について説明する。電源投入パターン1、4が選択されている場合には、電源遮断時の遊技状態を維持しているため、実行中であった大当り遊技に関する情報が維持されている。また、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」については、クリア(初期化)し、一方で、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、維持し、打ち止め準備状態についても、維持している。このため、電源投入パターン1、4のいずれが選択されている場合にも、打ち止め準備状態を維持している。つまり、打ち止め準備状態では、実行中であった大当り遊技が再開されることとなる。打ち止め準備状態の挙動については、前述したとおりである。
演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、タイミングt3’の時点で、クリア通知1を実行している。例えば、演出表示装置1600では、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示すように「出玉量をクリアしました」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時に出玉量をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。ただし、クリア通知1については、電源遮断時に打ち止め状態であるときに、打ち止め状態を維持した旨を通知してもよいし、出玉量をクリアした旨だけでなく、クリアした時点での出玉量を通知するようにしてもよい。
また、ランプA、Bでは、タイミングt3’の時点で、クリア通知1として、緑色で、LEDが点灯や点滅を行うようにしている。
また、スピーカからは、タイミングt3’の時点で、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示すように「出玉量をクリアしました」という音声を出力するようにしている。
また、本例では、タイミングt3の時点で、クリア通知1を開始しているが、所定期間(例えば、10秒)が経過することで、クリア通知1を終了するものとしている。つまり、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、通常時の動作に戻すようにしている。ただし、通常時の動作については、クリア通知1を終了するよりも前に開始してもよい。
具体的には、演出表示装置1600では、再開されている大当り遊技に関する表示(通常表示)を表示するのに加え、待機表示として、既に出玉量が特定値に達したことを示すように「大当り終了で今日は終わりだよ」というメッセージを表示するようにしている。これに加え、演出表示装置1600では、クリア方法表示として、ホール管理者向けに打ち止め準備状態のクリア方法を示すように「ラムクリアすれば通常状態になります」というメッセージを表示するようにしている。これにより、電源の再投入時にラムクリアを伴う電源投入パターン2、3を選択しなければ、打ち止め準備状態をクリアできない旨を、ホール管理者が把握することができる。ただし、クリア方法通知については、打ち止め準備状態から打ち止め状態に移行するのを待って、実行するようにしてもよい。
なお、本例では、電源の再投入時に電源投入パターン1、4が選択されている場合、クリア通知1を終了した後に、演出表示装置1600では、通常表示(再開されている大当り遊技に関する表示)や待機表示を表示しているが、通常表示や待機表示については、クリア通知1と並行して実行するようにしてもよい。これにより、大当り遊技の再開にあたって、遊技者が出玉の獲得を逃さないように防止することができる。
また、本例では、出玉量をクリアするが打ち止め準備状態は維持するため、クリア通知1を終了した後に待機表示通知やクリア方法通知を実行しており、待機表示通知やクリア方法通知よりも優先してクリア通知1を実行している。これにより、電源の再投入時に出玉量をクリアした旨を、ホール管理者が確認することができる。また、別例として、クリア通知1と並行して待機表示通知やクリア方法通知を実行してもよいし、クリア通知1と待機表示通知やクリア方法通知を交互に切り替えて実行するようにしてもよい。また、クリア通知1と並行して待機表示通知やクリア方法通知を実行する場合、複数の部材のうちの一部の部材でクリア通知1を実行し、残りの部材で待機表示通知やクリア方法通知を実行してもよいし、同じ部材でありながらも、一部の領域でクリア通知1を実行し、残りの領域で待機表示通知やクリア方法通知を実行するようにしてもよい。また、クリア通知1と並行して待機表示通知やクリア方法通知を実行する場合であっても、クリア通知1については、所定期間(例えば、10秒)が経過することで終了するものとしてよい。また、クリア方法通知についても、所定期間(例えば、10秒)が経過することで終了するものとしてよい。
図136は、通常状態や打ち止め状態中に軽度の異常が発生した場合における具体的な演出例である。なお、本例では、上述した「特定値」として100000が設定され、上述した「制限パターン」として、制限パターン3が選択されているときの例である。すなわち、制限パターン3が設定されていれば、出玉量が特定値(100000発)に達したときに「遊技停止」と「発射停止」を伴う打ち止め状態となるものである。
図136(A)に示すように、演出表示装置1600では、特別図柄の変動表示に対応した変動演出(変動パターンに基づく演出)を実行し、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の変動表示を行っている。また、演出表示装置1600の右上領域では、第二装飾図柄の変動表示が行われている。また、演出表示装置1600の左下領域では、第一始動口2003または第二始動口2004に遊技球が入球したものの特別図柄の変動表示が待機されている分だけ保留表示を表示している。
図136(B)に示すように、通常状態中に軽度の異常として、外枠2に対する本体枠4の開放を検知した場合には、装飾図柄の変動表示を継続するが、演出表示装置1600の中央領域では、エラー表示Aとして、本体枠4が開放している旨を示す「ドア開放エラー。係員をお呼びください」というメッセージを表示している。また、演出表示装置1600の上領域では、現状況表示Aとして、遊技を制限するまでの残りの出玉量(出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量)を示す「遊技制限まで残り+42000発」というメッセージを表示している。これらのエラー表示Aおよび現状況表示Aについては、装飾図柄などの遊技に関する情報表示よりも上位レイヤに表示されている。また、現状況表示Aについては、遊技に関する情報表示やエラー表示Aとは重ならない位置に表示されている。これにより、軽度の異常が発生した時点では、遊技を制限するまでの残りの出玉量を確実に把握することができる。
図136(C)に示すように、外枠2に対する本体枠4の閉鎖など、所定のエラー終了条件が成立すると、演出表示装置1600では、エラー表示Aおよび現状況表示Aを消去している。
図136(D)に示すように、出玉量が特定値に近づくと、例えば、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+500発」になった時点で、演出表示装置1600の上領域では、事前告知時の動作として、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を示す「遊技制限まで残り+500発」という事前告知表示を表示している。なお、事前告知表示については、装飾図柄などの遊技に関する情報表示とは重ならない位置に表示されている。
図136(E)に示すように、出玉量が特定値に達すると、打ち止め状態に移行して遊技の制限を実行するが、演出表示装置1600では、打ち止め状態に対応する画像が表示される。打ち止め状態に対応する画像としては、「遊技制限」というメッセージを表示し、それに伴い「1日の出玉制限100000発に達したので遊技を制限しています。」、「係員をお呼び下さい。」、「精算ボタンは有効です。」というメッセージを表示している。なお、ここでの精算ボタンとは、精算処理を実行するための計数ボタンスイッチ180のことである。また、出玉量が特定値に達したとき、演出表示装置1600では、装飾図柄の停止図柄、第二装飾図柄の停止図柄、保留表示や事前告知表示を表示しているが、そのような遊技に関する情報については、出玉量が特定値に達した後に「遊技制限」というメッセージを表示した時点で、表示しないようにし(視認できないようにし)、暗転した画面上にメッセージを表示するようにしている。これにより、出玉量が特定値に達して遊技の制限が実行されている旨を把握することができ、ホール管理者の操作によらなければ遊技の制限を解除できない旨を把握することができる。また、計数ボタンスイッチ180の操作により遊技者の持ち球数を精算することが可能である旨を把握することができる。
上記では、出玉量が特定値に達したよりも前に、演出表示装置1600では、装飾図柄の停止図柄、第二装飾図柄の停止図柄、保留表示や事前告知表示を表示しているが、そのような遊技に関する情報については、出玉量が特定値に達することで、全てが認識不能となるように実行している。ただし、出玉量が特定値に達したときには、遊技に関する情報のうち、一部の情報については認識不能となるようにし、それ以外の情報については認識可能となるようにしてもよい。例えば、事前告知表示については、遊技の制限を実行するか否かの情報であることから、認識不能となるようにし、装飾図柄の停止図柄、第二装飾図柄の停止図柄、保留表示については、認識可能となるようにしてもよい。これにより、どのような状況下で出玉量が特定値に達したのかを、出玉量が特定値に達した後にも把握することができる。
図136(F)に示すように、打ち止め状態中に軽度の異常として、外枠2に対する本体枠4の開放を検知した場合には、装飾図柄の変動表示を継続するが、演出表示装置1600の中央領域では、エラー表示Aとして、本体枠4が開放している旨を示す「ドア開放エラー。係員をお呼びください」というメッセージを表示している。また、演出表示装置1600の上領域では、現状況表示Bとして、既に打ち止め状態に移行して遊技を制限している旨(出玉量が特定値に達した後である旨)を示す「遊技制限に達しています」というメッセージを特定の表示領域に表示している。この特定の表示領域は、演出表示装置1600における表示領域の一部に設定され、上述した事前告知表示や現状況表示Aにも用いられる表示領域であり、ホール管理者が見落とさないように如何なる遊技状態においても不変とされる固定領域とされている。そして、これらのエラー表示Aおよび現状況表示Bについては、打ち止め状態に対応する画像表示などの他の演出画像を表示するレイヤよりも上位(前面側)のレイヤで表示するように構成されており、本例ではエラー表示Aおよび現状況表示Bを最上位レイヤとして表示している。また、現状況表示Bについては、打ち止め状態に対応する画像表示(メッセージ)やエラー表示Aとは重ならない位置に表示されている。これにより、軽度の異常が発生した時点では、遊技を制限している旨を確実に把握することができる。
図136(G)に示すように、外枠2に対する本体枠4の閉鎖など、所定のエラー終了条件が成立すると、演出表示装置1600では、エラー表示Aおよび現状況表示Bを消去している。
本例では、打ち止め状態が終了するための所定のクリア条件が成立するためには、電源遮断後に所定の電源投入パターンで再投入する必要がある。ここでは、制限クリアパターンテーブル4を用い、電源投入時における電源投入パターンとして、電源遮断時の遊技状態をクリアし、出玉量および打ち止め状態をクリアする電源投入パターン2、3を選択した場合と、電源遮断時の遊技状態を維持し、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持する電源投入パターン1、4を選択した場合について説明する。
まず、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリアし、出玉量および打ち止め状態をクリアする電源投入パターン2、3を選択した場合には、打ち止め状態がクリアされることで、打ち止め状態としての遊技の制限が解除されている。また、打ち止め状態に移行する時点で中断した際の残りの変動表示に関する情報や、保留に関する情報については、打ち止め状態に移行した後や、電源遮断時に保持されているが、電源遮断後の再投入時においては、そのような中断した際の残りの変動表示に関する情報や、保留に関する情報をクリアすることで、低確率状態で、保留がない状態で開始するものとしている。このため、図136(H-1)に示すように、演出表示装置1600では、保留表示がなく、装飾図柄が初期図柄で停止している初期画像を表示するようにしている。また、演出表示装置1600の上領域では、クリア通知2として、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を示す「制限クリアしました」というメッセージを表示している。このクリア通知2については、装飾図柄などの遊技に関する情報表示よりも上位レイヤに表示され、遊技に関する情報表示とは重ならない位置に表示されている。これにより、電源を再投入した時点では、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を確実に把握することができる。
一方、打ち止め状態に移行した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持し、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持する電源投入パターン1、4を選択した場合には、打ち止め状態としての遊技の制限が解除されていない。このため、演出表示装置1600では、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示す「出玉量をクリアしました」というメッセージを表示した後、図136(H-2)に示す画像を再び表示するようにしている。また、演出表示装置1600の上領域では、クリア方法表示として、ホール管理者向けに打ち止め状態のクリア方法を示す「ラムクリアすれば通常状態になります」というメッセージを表示している。このクリア方法表示については、打ち止め状態に対応する画像表示よりも上位レイヤに表示され、打ち止め状態に対応する画像表示(メッセージ)とは重ならない位置に表示されている。これにより、電源を再投入した時点では、遊技の制限を解除するためにラムクリアを伴う電源の再投入が必要である旨を確実に把握することができる。
図137は、通常状態や打ち止め状態中に重度の異常が発生した場合における具体的な演出例である。なお、本例では、上述した「特定値」として100000が設定され、上述した「制限パターン」として、制限パターン3が選択されているときの例である。すなわち、制限パターン3が設定されていれば、出玉量が特定値(100000発)に達したときに「遊技停止」と「発射停止」を伴う打ち止め状態となるものである。
まず、通常状態中に重度の異常が発生した場合について説明する。図137(A)に示すように、演出表示装置1600では、特別図柄の変動表示に対応した変動演出(変動パターンに基づく演出)を実行し、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の変動表示を行っている。また、演出表示装置1600の右上領域では、第二装飾図柄の変動表示が行われている。また、演出表示装置1600の左下領域では、第一始動口2003または第二始動口2004に遊技球が入球したものの特別図柄の変動表示が待機されている分だけ保留表示を表示している。
図137(B)に示すように、通常状態中に重度の異常として、磁気を検知した場合には、装飾図柄の変動表示を停止し、遊技の進行が不能とされるエラー状態が発生するが、演出表示装置1600では、エラー表示Bとして、磁気を検知した旨を示す「磁気異常」というメッセージを表示し、それに伴い「係員をお呼び下さい。」、「電源再投入で復帰&制限初期化されます。」というメッセージを表示している。また、磁気を検知したとき、演出表示装置1600では、装飾図柄の停止図柄、第二装飾図柄の停止図柄、保留表示を表示しているが、そのような遊技に関する情報については、磁気を検知した後に「磁気異常」というメッセージを表示した時点で、表示しないようにし(視認できないようにし)、暗転した画面上にメッセージを表示するようにしている。これにより、磁気を検知してエラー状態が発生している旨を把握することができる。また、電源を再投入しなければエラー状態が解消されない旨や、電源を再投入した際には遊技の制限が解除される旨を把握することができる。
また、演出表示装置1600の上領域では、現状況表示Aとして、遊技を制限するまでの残りの出玉量(出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量)を示す「遊技制限まで残り+42000発」というメッセージを表示している。これらのエラー表示Bおよび現状況表示Aについては、装飾図柄などの遊技に関する情報表示よりも上位レイヤに表示されている。また、現状況表示Aについては、エラー表示B(メッセージ)とは重ならない位置に表示されている。これにより、重度の異常を検知した時点では、遊技を制限するまでの残りの出玉量を確実に把握することができる。
本例では、重度の異常に関するエラー状態が終了するための所定のクリア条件が成立するためには、電源遮断後に電源を再投入する必要がある。ここでは、制限クリアパターンテーブル4を用い、電源投入時における電源投入パターンとして、電源遮断時の遊技状態をクリアし、出玉量および打ち止め状態をクリアする電源投入パターン2、3を選択した場合と、電源遮断時の遊技状態を維持し、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持する電源投入パターン1、4を選択した場合について説明する。
まず、エラー状態が発生した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリアし、出玉量および打ち止め状態をクリアする電源投入パターン2、3を選択した場合には、エラー状態がクリアされることで、遊技の開始が可能になっている。また、エラー状態が発生した時点で中断した際の残りの変動表示に関する情報や、保留に関する情報については、エラー状態が発生した後や、電源遮断時に保持されているが、電源遮断後の再投入時においては、そのような中断した際の残りの変動表示に関する情報や、保留に関する情報をクリアすることで、低確率状態で、保留がない状態で開始するものとしている。このため、図137(C-1)に示すように、演出表示装置1600では、保留表示がなく、装飾図柄が初期図柄で停止している初期画像を表示するようにしている。また、演出表示装置1600の上領域では、クリア通知2として、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を示す「制限クリアしました」というメッセージを表示している。このクリア通知2については、装飾図柄などの遊技に関する情報表示よりも上位レイヤに表示され、遊技に関する情報表示とは重ならない位置に表示されている。ただし、本例では、エラー状態が発生した時点で、打ち止め状態でないため、クリア通知2として、打ち止め状態をクリアした旨を表示しなくてもよいし、クリア通知2として、出玉量をクリアした旨や、クリアした時点での出玉量を表示するようにしてもよい。
同様に、エラー状態が発生した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持し、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持する電源投入パターン1、4を選択した場合には、エラー状態がクリアされることで、遊技の開始が可能になっている。ただし、エラー状態が発生した時点で中断した際の残りの変動表示に関する情報や、保留に関する情報については、エラー状態が発生した後や、電源遮断時に保持されているが、電源遮断後の再投入時においても、そのような中断した際の残りの変動表示に関する情報や、保留に関する情報を維持することで、保留があり、且つ、前回の変動の途中の状態で再開するものとしている。このため、図137(C-2)に示すように、演出表示装置1600では、装飾図柄の変動表示や第二装飾図柄の変動表示を再開するようにしている。また、演出表示装置1600の上領域では、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示す「出玉量クリアしました」というメッセージを表示している。このクリア通知1については、装飾図柄などの遊技に関する情報表示よりも上位レイヤに表示され、遊技に関する情報表示とは重ならない位置に表示されている。これにより、電源を再投入した時点では、出玉量をクリアした旨を確実に把握することができる。なお、本例では、クリア通知1を終了するよりも前に、装飾図柄の変動表示や第二装飾図柄の変動表示を再開しているが、クリア通知1を終了した後に、装飾図柄の変動表示や第二装飾図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
次に、打ち止め状態中に重度の異常が発生した場合について説明する。図137(A’)に示すように、出玉量が特定値に達すると、打ち止め状態に移行して遊技の制限を実行するが、演出表示装置1600では、打ち止め状態に対応する画像が表示される。打ち止め状態に対応する画像としては、「遊技制限」というメッセージを表示し、それに伴い「1日の出玉制限100000発に達したので遊技を制限しています。」、「係員をお呼び下さい。」、「精算ボタンは有効です。」というメッセージを表示している。なお、ここでの精算ボタンとは、精算処理を実行するための計数ボタンスイッチ180のことである。また、出玉量が特定値に達したとき、演出表示装置1600では、装飾図柄の停止図柄、第二装飾図柄の停止図柄、保留表示や事前告知表示を表示しているが、そのような遊技に関する情報については、出玉量が特定値に達した後に「遊技制限」というメッセージを表示した時点で、表示しないようにし(視認できないようにし)、暗転した画面上にメッセージを表示するようにしている。
図137(B’)に示すように、打ち止め状態中に重度の異常として、磁気を検知した場合には、演出表示装置1600では、エラー表示Bとして、磁気を検知した旨を示す「磁気異常」というメッセージを表示し、それに伴い「係員をお呼び下さい。」、「電源再投入で復帰&制限初期化されます。」というメッセージを表示している。また、磁気を検知したとき、演出表示装置1600では、打ち止め状態に対応する画像を表示しているが、そのような画像については、磁気を検知した後に「磁気異常」というメッセージを表示した時点で、表示しないようにし(視認できないようにし)、暗転した画面上にメッセージを表示するようにしている。これにより、磁気を検知してエラー状態が発生している旨を把握することができる。また、電源を再投入しなければエラー状態が解消されない旨や、電源を再投入した際には遊技の制限が解除される旨を把握することができる。
また、演出表示装置1600の上領域では、現状況表示Bとして、既に打ち止め状態に移行して遊技を制限している旨(出玉量が特定値に達した後である旨)を示す「遊技制限に達しています」というメッセージを特定の表示領域に表示している。この特定の表示領域は、演出表示装置1600における表示領域の一部に設定され、上述した事前告知表示や現状況表示Aにも用いられる表示領域であり、ホール管理者が見落とさないように如何なる遊技状態においても不変とされる固定領域とされている。そして、これらのエラー表示Bおよび現状況表示Bについては、打ち止め状態に対応する画像表示などの他の演出画像を表示するレイヤよりも上位(前面側)のレイヤで表示するように構成されており、本例ではエラー表示Bおよび現状況表示Bを最上位レイヤとして表示している。また、現状況表示Bについては、エラー表示B(メッセージ)とは重ならない位置に表示されている。これにより、重度の異常が発生した時点では、遊技を制限している旨を確実に把握することができる。
本例では、重度の異常に関するエラー状態が終了するための所定のクリア条件が成立するためには、電源遮断後に電源を再投入する必要がある。ここでは、制限クリアパターンテーブル4を用い、電源投入時における電源投入パターンとして、電源遮断時の遊技状態をクリアし、出玉量および打ち止め状態をクリアする電源投入パターン2、3を選択した場合と、電源遮断時の遊技状態を維持し、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持する電源投入パターン1、4を選択した場合について説明する。
まず、打ち止め状態中にエラー状態が発生した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリアし、出玉量および打ち止め状態をクリアする電源投入パターン2、3を選択した場合には、エラー状態がクリアされるとともに、打ち止め状態がクリアされることで、打ち止め状態としての遊技の制限が解除され、遊技の開始が可能になっている。また、打ち止め状態に移行する時点で中断した際の残りの変動表示に関する情報や、保留に関する情報については、打ち止め状態に移行した後や、電源遮断時に保持されているが、電源遮断後の再投入時においては、そのような中断した際の残りの変動表示に関する情報や、保留に関する情報をクリアすることで、低確率状態で、保留がない状態で開始するものとしている。このため、図137(C’-1)に示すように、演出表示装置1600では、保留表示がなく、装飾図柄が初期図柄で停止している初期画像を表示するようにしている。また、演出表示装置1600の上領域では、クリア通知2として、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を示す「制限クリアしました」というメッセージを表示している。このクリア通知2については、装飾図柄などの遊技に関する情報表示よりも上位レイヤに表示され、遊技に関する情報表示とは重ならない位置に表示されている。これにより、電源を再投入した時点では、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を確実に把握することができる。
一方、打ち止め状態中にエラー状態が発生した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持し、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持する電源投入パターン1、4を選択した場合には、エラー状態をクリアするものの、打ち止め状態としての遊技の制限が解除されていない。このため、演出表示装置1600では、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示す「出玉量をクリアしました」というメッセージを表示した後、図137(C’-2)に示す画像を再び表示するようにしている。また、演出表示装置1600の上領域では、クリア方法表示として、ホール管理者向けに打ち止め状態のクリア方法を示す「ラムクリアすれば通常状態になります」というメッセージを表示している。このクリア方法表示については、打ち止め状態に対応する画像表示よりも上位レイヤに表示され、打ち止め状態に対応する画像表示(メッセージ)とは重ならない位置に表示されている。これにより、電源を再投入した時点では、遊技の制限を解除するためにラムクリアを伴う電源の再投入が必要である旨を確実に把握することができる。
図138は、打ち止め準備状態中に軽度の異常や重度の異常が発生した場合における具体的な演出例である。なお、本例では、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入球したタイミングで出玉量が特定値に達することで、打ち止め準備状態に移行し、大当り遊技の終了後に、打ち止め状態に移行する。また、本例では、上述した「特定値」として100000が設定され、上述した「制限パターン」として、制限パターン3が選択されているときの例である。すなわち、制限パターン3が設定されていれば、出玉量が特定値(100000発)に達したときに「遊技停止」と「発射停止」を伴う打ち止め状態となるものである。また、本例では、特別図柄の抽選結果が大当りになった場合に、大入賞口2005や役物入賞口2006を開閉する10ラウンドの大当り遊技を付与するものとしている。
図138(A)に示すように、演出表示装置1600では、特別図柄の変動表示に対応した変動演出(変動パターンに基づく演出)を実行し、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の変動表示を行っている。ここでは、特別図柄の抽選結果に応じて、或いは、第一V入賞口2007や第二V入賞口2008への遊技球Bの受入れ、等により高確率状態が継続する「連荘モード」中において、特別図柄の抽選結果が当りになることで、演出表示装置1600の中央領域において、装飾図柄の停止図柄として「777」を表示している。また、演出表示装置1600の右上領域では、第二装飾図柄の変動表示が行われているが、特別図柄の抽選結果が当りになることで、第二装飾図柄の停止図柄として「〇」を表示している。また、演出表示装置1600の左下領域では、第一始動口2003または第二始動口2004に遊技球が入球したものの特別図柄の変動表示が待機されている分だけ保留表示を表示している。また、演出表示装置1600の右下領域では、「連荘モード」中である旨を示す「連荘モード」のメッセージを表示するとともに、大当り遊技中に演出表示装置1600よりも右側の遊技領域5aに設けられる大入賞口2005への遊技球の入球を狙うように指示する「右打」の矢印を表示している。
また、出玉量が特定値に近づくと、例えば、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+1400発」になった時点で、演出表示装置1600の上領域では、事前告知時の動作として、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を示す「遊技制限まで残り+1400発」という事前告知表示を表示している。なお、事前告知表示については、実行中の大当り遊技に関する情報表示とは重ならない位置に表示されている。
図138(B)に示すように、大当り遊技の開始時には、演出表示装置1600の中央領域において、「スペシャルボーナス!Vを狙え!」のメッセージを表示し、大当り遊技中に大入賞口2005や役物入賞口2006の開閉を開始するとともに、大当り遊技中に第一V入賞口2007や第二V入賞口2008へ遊技球が入球することを狙うべき旨を伝えている。
図138(C)に示すように、大当り遊技中に大入賞口2005へ遊技球が入球することに基づく賞球の払い出しにより、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+0発」になった時点(打ち止め準備状態への移行時)では、演出表示装置1600の上領域において、事前告知時の動作として、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を伝える「遊技制限まで残り+0発」という事前告知表示を所定時間(本例では5秒)表示している。ここでは、現在のラウンド数として「8R」を表示するとともに、トータルの賞球数として「19900発GET」を表示している。そして、「遊技制限まで残り+0発」という事前告知表示が表示されてから所定時間(本例では5秒)が経過すると、図138(D)に示す待機表示が表示される。
本例では、大入賞口2005へ遊技球が入球することにより払い出される賞球の分だけ、演出表示装置1600に表示されているトータルの賞球数や事前告知表示の内容に反映されているが、トータルの賞球数や事前告知表示の内容については、出玉量が特定値に達することとなる大入賞口2005へ遊技球が入球した時点でなく、その賞球の分がトータルの賞球数や事前告知表示の内容に反映されてから所定時間(本例では5秒)が経過するまでの間、継続して表示している。これにより、出玉量が特定値に達したか否かに関する情報を見逃すことがなくなり、その後に打ち止め状態が開始される理由を遊技者に確実に認知させることができる。
上記では、トータルの賞球数や事前告知表示の内容については、出玉量が特定値に達した時点でなく、その賞球の分がトータルの賞球数や事前告知表示の内容に反映されるまでの間、継続して表示しているが、出玉量が特定値に達した時点で、終了するようにし、待機表示を表示してもよい。これにより、出玉量が特定値に達した時点で、打ち止め準備状態に移行するが、それと同時に、待機表示を表示することで、打ち止め準備状態に移行した旨を即座に把握することができる。
また、出玉量が特定値に達した時点で、打ち止め準備状態に移行するが、実行中の大当り遊技については継続することから、遊技者が遊技球の発射を継続するように、遊技球の発射を促進する「右打」の矢印については継続して表示するようにしている。
図138(D)に示すように、打ち止め準備状態に移行した後には、演出表示装置1600の上領域において、待機表示を表示している。具体的には、待機表示として、既に出玉量が特定値に達したことを示す「大当り終了で今日は終わりだよ」というメッセージを表示している。これにより、打ち止め準備状態では、大当り遊技が終了するときに打ち止め状態に移行して遊技が制限される旨を把握することができる。なお、待機表示については、実行中の大当り遊技に関する情報表示とは重ならない位置に表示されている。これにより、打ち止め準備状態に移行した旨と、実行中の大当り遊技に関する情報のいずれも把握することができる。ここでは、現在のラウンド数として「9R」を表示するとともに、トータルの賞球数として「19915発GET」を表示している。
図138(E)に示すように、打ち止め準備状態中に軽度の異常として、外枠2に対する本体枠4の開放を検知した場合には、大当り遊技を継続するが、演出表示装置1600の中央領域では、エラー表示Aとして、本体枠4が開放している旨を示す「ドア開放エラー。係員をお呼びください」というメッセージを表示している。また、演出表示装置1600の上領域では、現状況表示Cとして、待機表示の内容を継続し、既に出玉量が特定値に達したことを示す「大当り終了で今日は終わりだよ」というメッセージを表示している。これらのエラー表示Aおよび現状況表示Cについては、大当り遊技に関する情報表示よりも上位レイヤに表示されている。また、現状況表示Cについては、大当り遊技に関する情報表示やエラー表示A(メッセージ)とは重ならない位置に表示されている。これにより、軽度の異常が発生した時点では、既に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態である旨を確実に把握することができる。
図138(F)に示すように、外枠2に対する本体枠4の閉鎖など、所定のエラー終了条件が成立すると、演出表示装置1600では、エラー表示Aを消去しているが、現状況表示Cについては待機表示として継続して表示している。ここでは、現在のラウンド数として「10R」を表示するとともに、トータルの賞球数として「20020発GET」を表示している。
図138(G)に示すように、大当り遊技の終了時には、大当り遊技の終了に伴うエンディング表示を実行し、演出表示装置1600の中央領域において、「当り終了!お疲れ様!特別特典をダウンロードしてね!」のメッセージを表示している。また、演出表示領域1600の右下領域には、カメラで読み取りが可能なコードを表示し、そのコードを読み取ることで、特別特典をダウンロードすることが可能になっている。この特別特典については、大当り遊技中に出玉量が特定値に達した場合のみ、得られるようにすることで、打ち止め状態に移行して遊技が制限されることの遊技者の不満を軽減することができる。なお、大当り遊技の終了時には、待機表示を表示していないが、表示するようにしてもよい。
図138(H)に示すように、大当り遊技の終了後には、打ち止め状態に移行して遊技の制限を実行するが、演出表示装置1600では、打ち止め状態に対応する画像が表示される。打ち止め状態に対応する画像としては、「遊技制限」というメッセージを表示し、それに伴い「1日の出玉制限100000発に達したので遊技を制限しています。」、「係員をお呼び下さい。」、「精算ボタンは有効です。」というメッセージを表示している。なお、ここでの精算ボタンとは、精算処理を実行するための計数ボタンスイッチ180のことである。また、演出表示装置1600では、「遊技制限」というメッセージを表示した時点で、大当り遊技の終了に伴うエンディング表示を表示しないようにし(視認できないようにし)、暗転した画面上にメッセージを表示するようにしている。これにより、出玉量が特定値に達して遊技の制限が実行されている旨を把握することができ、ホール管理者の操作によらなければ遊技の制限を解除できない旨を把握することができる。また、計数ボタンスイッチ180の操作により遊技者の持ち球数を精算することが可能である旨を把握することができる。
ただし、演出表示装置1600では、大当り遊技の終了に伴うエンディング表示中に表示されていたコードについては、打ち止め状態に対応する画像を表示した後にも、継続して表示するようにしている。また、大当り遊技の終了に伴うエンディング表示中に表示されていたコードについては、打ち止め状態に対応する画像(メッセージ)とは重ならない位置に表示されている。これにより、打ち止め状態に移行した後であっても、急がずにコードを読み取ることができ、特別特典のダウンロードをもらい損ねることがないようにすることができる。
次に、打ち止め準備状態中に重度の異常が発生した場合について説明する。図138(E’)に示すように、打ち止め準備中に重度の異常として、磁気を検知した場合には、実行中の大当り遊技を停止し、遊技の進行が不能とされるエラー状態が発生するが、演出表示装置1600では、エラー表示Bとして、磁気を検知した旨を示す「磁気異常」というメッセージを表示し、それに伴い「係員をお呼び下さい。」、「電源再投入で復帰&制限初期化されます。」というメッセージを表示している。また、磁気を検知したとき、演出表示装置1600では、大当り遊技に関する情報表示を表示しているが、そのような大当り遊技に関する情報表示については、磁気を検知した後に「磁気異常」というメッセージを表示した時点で、表示しないようにし(視認できないようにし)、暗転した画面上にメッセージを表示するようにしている。これにより、磁気を検知してエラー状態が発生している旨を把握することができる。また、電源を再投入しなければエラー状態が解消されない旨や、電源を再投入した際には遊技の制限が解除される旨を把握することができる。
また、演出表示装置1600の上領域では、現状況表示Cとして、待機表示の内容を継続し、既に出玉量が特定値に達したことを示す「大当り終了で今日は終わりだよ」というメッセージを表示している。これらのエラー表示Bおよび現状況表示Cについては、大当り遊技に関する情報表示よりも上位レイヤに表示されている。また、現状況表示Cについては、エラー表示B(メッセージ)とは重ならない位置に表示されている。これにより、重度の異常が発生した時点では、既に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態である旨を確実に把握することができる。
本例では、重度の異常に関するエラー状態が終了するための所定のクリア条件が成立するためには、電源遮断後に電源を再投入する必要がある。ここでは、制限クリアパターンテーブル4を用い、電源投入時における電源投入パターンとして、電源遮断時の遊技状態をクリアし、出玉量および打ち止め状態をクリアする電源投入パターン2、3を選択した場合と、電源遮断時の遊技状態を維持し、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持する電源投入パターン1、4を選択した場合について説明する。
まず、打ち止め準備状態中にエラー状態が発生した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリアし、出玉量および打ち止め状態をクリアする電源投入パターン2、3を選択した場合には、エラー状態がクリアされることで、遊技の開始が可能になっているが、打ち止め準備状態についてもクリアされることで、打ち止め準備状態の終了後に予定していた打ち止め状態としての遊技の制限を実行しないものとなっている。また、エラー状態が発生した時点で中断した際の残りの大当り遊技に関する情報や、保留に関する情報については、エラー状態が発生した後や、電源遮断時に保持されているが、電源遮断後の再投入時においては、そのような中断した際の残りの大当り遊技に関する情報や、保留に関する情報をクリアすることで、低確率状態で、保留がない状態で開始するものとしている。このため、図138(F’-1)に示すように、演出表示装置1600では、保留表示がなく、装飾図柄が初期図柄で停止している初期画像を表示するようにしている。また、演出表示装置1600の上領域では、クリア通知2として、出玉量および打ち止め準備状態をクリアした旨を示す「制限クリアしました」というメッセージを表示している。このクリア通知2については、装飾図柄などの遊技に関する情報表示よりも上位レイヤに表示され、遊技に関する情報表示とは重ならない位置に表示されている。これにより、電源を再投入した時点では、出玉量および打ち止め準備状態をクリアした旨を確実に把握することができる。
一方、打ち止め準備状態中にエラー状態が発生した後、電源遮断後の再投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持し、出玉量をクリアするが打ち止め状態は維持する電源投入パターン1、4を選択した場合には、エラー状態がクリアされることで、遊技の開始が可能になっているが、打ち止め準備状態についてはクリアされていない。また、エラー状態が発生した時点で中断した際の残りの大当り遊技に関する情報や、保留に関する情報については、エラー状態が発生した後や、電源遮断時に保持されているが、電源遮断後の再投入時においても、そのような中断した際の残りの大当り遊技に関する情報や、保留に関する情報を維持することで、中断した大当り遊技を再開することが可能になっている。このため、演出表示装置1600では、クリア通知1として、出玉量をクリアした旨を示す「出玉量をクリアしました」というメッセージを表示した後、図138(F’-2)に示す画像を再び表示するようにしている。また、演出表示装置1600の上領域では、待機表示として、既に出玉量が特定値に達したことを示す「大当り終了で今日は終わりだよ」というメッセージを表示するだけでなく、クリア方法表示として、ホール管理者向けに打ち止め準備状態のクリア方法を示す「ラムクリアすれば通常状態になります」というメッセージを表示している。このクリア方法表示については、大当り遊技に関する情報表示よりも上位レイヤに表示され、大当り遊技に関する情報表示とは重ならない位置に表示されている。これにより、電源を再投入した時点では、打ち止め準備状態をクリアするためにラムクリアを伴う電源の再投入が必要である旨を確実に把握することができる。
(打ち止め用カウンタの別例1)
上記では、「打ち止め用カウンタ」については、電源投入時に「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)した場合、初期値として0を設定し、遊技球Bの発射により減算されるとともに賞球の払い出しにより加算されるように構成している。そして、打ち止め用カウンタが0である時点から、発射数のみが増加したときには、0からマイナス方向にカウントしている。これに対し、別例1では、「打ち止め用カウンタ」については、電源投入時に「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)した場合、初期値として0でない規定値(例えば、100000)を設定するように構成している。このような場合、電源投入時に打ち止め用カウンタが初期値である100000からスタートし、遊技球Bの発射により減算されるとともに賞球の払い出しにより加算されるように構成している。
具体的には、出玉量Aについては、打ち止め用カウンタが初期値である100000を起点とし、所定のクリア条件が成立するまでの期間内で打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での値と、所定のクリア条件が成立するまでの期間内で打ち止め用カウンタがもっとも少なくなった時点での値との差分として算出している。
また、出玉量Bについては、打ち止め用カウンタが初期値である100000を起点とし、初期値である100000と、所定のクリア条件が成立するまでの期間内にて打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での値との差分として算出している。なお、別例1では、出玉量A、Bとして、差分の最大値が記憶保持され、差分の最大値が新たに算出されることで、記憶保持される出玉量A、Bが更新される点で、初期値が0である場合と同じである。
別例1では、出玉量(出玉量A、B)が特定値に達したときに、打ち止め状態にして遊技の制限を実行しているが、例えば、特定値として100000発を選択している場合には、打ち止め用カウンタが初期値である100000を起点とし、特定値の分の+100000を足して打ち止め用カウンタが200000になった時点で、出玉量Bが特定値に達したと判断している。
また、別例1では、「打ち止め用カウンタ」については、初期値である100000を起点とするだけでなく、0を最低値とするように構成している。つまり、打ち止め用カウンタが0になった時点から、さらに発射数のみが増加したとしても、0からマイナス方向にカウントすることがなく、0の状態を維持するように構成している。これにより、出玉量Bについては、打ち止め用カウンタが0に達した後に発射数のみが増加したとしても、その0の時点から打ち止め用カウンタが200000になった時点で、出玉量Bが特定値に達したと判断されるため、0からマイナス方向にカウントする場合よりも早く出玉量Bが特定値に達することとなる。つまり、遊技の制限を実行する打ち止め状態を早期に発生可能とすることで、不正行為等により大量の出玉が不正行為者に付与されることや、当落に関する確率の偏りにより大量の出玉が正規の遊技者に付与されることがないようにすることができる。
(打ち止め用カウンタの別例2)
別例2では、「打ち止め用カウンタ」については、電源投入時に「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)した場合、初期値として0を設定し、0を最低値とするように構成している。このような場合、電源投入時に打ち止め用カウンタが初期値である0からスタートし、遊技球Bの発射により減算されるとともに賞球の払い出しにより加算されるが、打ち止め用カウンタが0になった時点から、さらに発射数のみが増加したとしても、0からマイナス方向にカウントすることがなく、0の状態を維持するように構成している。
また、別例2では、打ち止め用カウンタから出玉量Cが算出されている。出玉量Cについては、打ち止め用カウンタが初期値である0を起点とし、初期値である0と、所定のクリア条件が成立するまでの期間内にて打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での値との差分として算出している。なお、別例2では、出玉量Cとして、差分の最大値が記憶保持され、差分の最大値が新たに算出されることで、記憶保持される出玉量Cが更新される点で、最低値=0を設けない場合と同じである。そして、出玉量Cが特定値に達したときには、打ち止め状態にして遊技の制限を実行している。
また、別例2では、出玉量Cが特定値に達したときに、打ち止め状態にして遊技の制限を実行しているが、例えば、特定値として100000発を選択している場合には、打ち止め用カウンタが初期値である0を起点とし、特定値の分の+100000を足して打ち止め用カウンタが100000になった時点で、出玉量Cが特定値に達したと判断している。
また、別例2では、「打ち止め用カウンタ」については、初期値である0を起点とするだけでなく、0を最低値とするように構成しているが、出玉量Cについては、打ち止め用カウンタが0に達した後に発射数のみが増加したとしても、その0の時点から打ち止め用カウンタが100000になった時点で、出玉量Cが特定値に達したと判断されるため、0からマイナス方向にカウントする場合よりも早く出玉量Cが特定値に達することとなる。つまり、遊技の制限を実行する打ち止め状態を早期に発生可能とすることで、不正行為等により大量の出玉が不正行為者に付与されることや、当落に関する確率の偏りにより大量の出玉が正規の遊技者に付与されることがないようにすることができる。
なお、「打ち止め用カウンタ」については、遊技球Bの発射により減算されるとともに賞球の払い出しにより加算されるが、打ち止め状態にして遊技の制限を実行する特定値よりも初期値を大きい値とし、遊技球Bの発射により加算されるとともに賞球の払い出しにより減算されるように構成してもよい。このような場合、例えば、特定値として100000発を選択している場合には、打ち止め用カウンタが初期値である100000を起点とし、特定値の分の+100000を減算して打ち止め用カウンタが0になった時点で、出玉量が特定値に達したと判断している。また、別例2に適用した場合には、例えば、電源投入時に打ち止め用カウンタが初期値である100000からスタートし、遊技球Bの発射により加算されるとともに賞球の払い出しにより減算されるが、打ち止め用カウンタが100000になった時点から、さらに発射数のみが増加したとしても、100000からプラス方向にカウントすることがなく、100000の状態を維持するように構成すればよい。
(事前告知表示の推移について)
本例では、「打ち止め用カウンタ」については、電源投入時に「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)した場合、初期値として0を設定し、遊技球Bの発射により減算されるとともに賞球の払い出しにより加算されるように構成している。また、特定値としては、100000発を選択し、打ち止め用カウンタが100000になった時点で、出玉量が特定値に達したと判断し、打ち止め状態にして遊技の制限を実行している。また、出玉量が特定値に達するよりも前には、所定の数値(本例では、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が5000発の状態、つまり出玉量が95000発に達した状態)になった後、出玉量が特定値に達するまでの間、事前告知時の動作として、演出表示装置1600に事前告知表示(本例では、「遊技制限まで残り+〇〇発」)を表示している。また、事前告知表示が行われるときに、ランプBでは、事前告知発光としてLEDが所定の期間(例えば2秒)点滅を行う。
具体的には、主制御基板1310側で出玉量が特定値に達して遊技の制限を実行するよりも前に、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を主制御基板1310側で監視するようにし、その残り球数が「+5000発」となる大入賞口2005などの入賞口への遊技球の入球時に事前フラグをONとして、その事前フラグのON情報を主制御基板1310から周辺制御基板1510側に送信するようにしている。そして、周辺制御基板1510側では、事前フラグのON情報を受けると、演出表示装置1600で事前告知表示(本例では、「遊技制限まで残り+〇〇発」)を開始し、出玉量が特定値に達するまでの間、継続して実行している。なお、出玉量の演算については、主制御基板1310側で発射数と払出数との差分である打ち止め用カウンタに基づいて算出している。つまり、出玉量が特定値に達するまでの残り球数については、発射数が多くなるほど出玉量が減少して残り球数が増加し、払出数が多くなるほど出玉量が増加して残り球数が減少することとなる。
そして、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+5000発」になったときには、演出表示装置1600で事前告知表示を開始しているが、その後に出玉量が減少して残り球数が増加することにより残り球数が「+5000発」を超えて事前告知表示を終了したり、再び出玉量が増加して残り球数が減少することにより残り球数が「+5000発」に達して事前告知表示を開始したりすると、主制御基板1310側で事前フラグの切り替えが頻発し、何度も事前フラグのON情報を周辺制御基板1510側に送信されてしまう。また、事前告知表示を表示したり表示しなかったりでは、遊技状態の把握が困難になってしまう。この点、本例では、演出表示装置1600で事前告知表示を開始した場合、その後に出玉量が減少して残り球数が増加したとしても、残り球数が「+5000発」を超える所定の数値(本例では、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が5100発の状態、つまり出玉量が94900発に達した状態)に達するまでの間、その事前告知表示を終了しないようにしている。これにより、主制御基板1310側で事前フラグの切り替えが頻発せず、何度も事前フラグのON情報が周辺制御基板1510側に送信されてしまうことを抑制し、制御負担および制御複雑化を回避することができる。また、事前告知表示をなるべく継続して表示することで、遊技状態の把握が困難になることを防止することができる。本例では、事前告知表示を開始した後における事前告知表示の推移について、以下に説明する。
図139は、事前告知表示を開始した後における事前告知表示の推移を示すタイムチャートである。本例では、出玉量が95000発(残り球数が5000発)の付近を増減している状況について説明している。
(A)において、出玉量が増加するなかで、出玉量が95000発(残り球数が5000発)に達した場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知開始コマンドを送信し、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」の表示を開始している。このとき、ランプBでは、事前告知発光としてLEDが所定の期間(例えば2秒)点滅を行う。
そして、事前告知表示を開始した後、出玉量が増加すると、出玉量が100発増加するごとに、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知更新コマンドを送信し、演出表示装置1600では、事前告知表示の表示内容を更新している。例えば、出玉量が100発増加したときには、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4900発」の表示に更新し、さらに出玉量が100発増加したときには、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4800発」の表示に更新している。ここでは、出玉量が100発増加したときに、事前告知表示の表示内容を更新し、出玉量が1~99発増加しただけでは、事前告知表示の表示内容を更新していない。これにより、事前告知表示の表示内容については、出玉量が増加したときにリアルタイムで更新されておらず、何度も事前告知更新コマンドが周辺制御基板1510側に送信されてしまうことを抑制し、制御負担および制御複雑化を回避することができる。なお、ランプBでは、出玉量が特定値に達するまでの残り球数が5000発の状態、つまり出玉量が95000発に達した状態になったときにのみ、事前告知発光としてLEDが所定の期間(例えば2秒)点滅を行うこととしており、出玉量が100発増加して事前告知表示の表示内容が更新されるときには、ランプBではその更新に対応した何らの発光も行わないようにしている。
(B)において、事前告知表示を開始した後、出玉量が減少するなかで、出玉量が95000発を下回った(残り球数が5000発を超えた)場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知終了コマンドを送信せず、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」の表示を継続して表示している。そして、再び出玉量が増加するなかで、出玉量が95000発(残り球数が5000発)を超えて、その後に出玉量が減少するなかで、出玉量が95000発を下回っている(残り球数が5000発を超えている)が、その出玉量が95000発(残り球数が5000発)の時点で、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知開始コマンドや事前告知終了コマンドを送信せず、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」の表示を継続して表示している。これにより、事前告知表示を開始した後には、何度も事前告知開始コマンドや事前告知終了コマンドが周辺制御基板1510側に送信されてしまうことを抑制し、制御負担および制御複雑化を回避することができる。また、ランプBでは、事前告知開始コマンドに応じた発光は行うものの、事前告知終了コマンドに応じた発光は行わないようにしており、遊技機に異常が生じたかのように外部に誤解させることを抑制している。
(C)において、事前告知表示を開始した後、出玉量が減少するなかで、出玉量が94900発(残り球数が5100発)に達した場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知終了コマンドを送信し、演出表示装置1600では、事前告知表示を終了している。ここでは、事前告知表示を開始した後、出玉量が100発減少したときに、事前告知表示を終了し、出玉量が1~99発減少しただけでは、事前告知表示を終了していない。つまり、事前告知表示を開始した後、出玉量が99発減少するまでの間は、出玉量が95000発を下回ったとしても事前告知表示を終了しない終了抑制期間としている。これにより、事前告知表示を開始した後には、出玉量の多少の減少を許容してなるべく事前告知表示を継続して表示することで、遊技状態の把握が困難になることを防止することができる。なお、本例では、事前告知表示の継続表示を許容する「終了抑制期間」として「出玉量が1~99発減少するまでの間」としているが、これに限定されるものではなく、「出玉量が1~199発減少するまでの間」や「出玉量が1~49発減少するまでの間」等、遊技機の性能に応じて出玉量の減少幅を適宜設定すればよい。
なお、本例では、事前告知開始時の動作については、演出表示装置1600を用いた事前告知表示とランプBを用いた事前告知発光を実行しているが、事前告知開始時の動作については、演出表示装置1600を用いた事前告知表示のみとして、事前告知発光を行わないようにしてもよい。これにより、上述した終了抑制期間を超えて出玉量が増減して事前告知開始コマンドが数回送信される場合にランプBが何度も発光して遊技機に異常が生じたかのように外部に誤解させることを抑制できる。
(D)において、再び出玉量が増加するなかで、出玉量が95000発(残り球数が5000発)に達した場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知開始コマンドを送信し、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」の表示を開始している。
(E)において、事前告知表示を開始した後、出玉量が減少するなかで、出玉量が94900発(残り球数が5100発)に達した場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知終了コマンドを送信しているが、例えば、一時的に停電が発生したり、主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続不良等の何らかの理由で、周辺制御基板1510側で事前告知終了コマンドを正常に受信できない(周辺制御基板1510側で事前告知終了コマンドを取りこぼす)イレギュラーが発生することが考えられる。このようなイレギュラーが発生した場合には、通常であれば、出玉量が94900発(残り球数が5100発)に達したことを契機とした事前告知終了コマンドの再送信等を行うことが考えられるが、本例では、この契機での再送信をあえて行わずに演出表示装置1600では事前告知表示を終了させないようにしている。つまり、このようなイレギュラーが生じた場合、出玉量が94900発(残り球数が5100発)に達して事前告知表示を終了すべきタイミングが到来しても、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」の表示を継続して表示するようにしている。これにより、事前告知終了コマンドが遊技進行中の予期せぬタイミング(例えば遊技球が発射されていないときや、アウト口に一切入球していないとき等)に再送信されて遊技者に違和感を与えることを抑制することとしている。
(F)において、事前告知表示が終了しない上述のイレギュラーが発生している状況で、さらに出玉量が減少するなかで、出玉量が94800発(残り球数が5200発)に達した場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知終了コマンドを送信し、演出表示装置1600では、事前告知表示を終了している。本例では、事前告知表示が終了するべきタイミングで終了しないことを想定して、出玉量が94900発(残り球数が5100発)に達したタイミングだけでなく、出玉量が94800発(残り球数が5200発)や出玉量が94700発(残り球数が5300発)に達したタイミングでも、予備的に主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知終了コマンドを送信するようにしている。これにより、一時的に周辺制御基板1510側で事前告知終了コマンドを受信できず、事前告知表示が終了しないイレギュラーが発生したとしても、違和感のない別タイミングで事前告知表示を終了させることができるとともに、事前告知表示を終了せずに表示し続けることを確実に防止することができる。
なお、本例では、予備的に事前告知終了コマンドを送信する契機としては、「出玉量が94900発(残り球数が5100発)に達したタイミング~出玉量が94500発(残り球数が5500発)に達したタイミング」までで100発単位のタイミングを設定しているが、他の契機で事前告知表示を終了させるようにしてもよい。例えば、ホール管理者による終了操作(例えば電源投入状態でRAMクリアスイッチ741や設定キースイッチを操作したり、本体枠4や扉枠3を開放する等の操作)が行われることで事前告知終了コマンドを強制送信するようにして、本来終了しているべき時期で事前告知表示を強制的に終了させるようにしてもよい。
また、本例では、一時的に停電が発生したり、主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続不良等の何らかの理由で、周辺制御基板1510側で事前告知終了コマンドを正常に受信できない(周辺制御基板1510側で事前告知終了コマンドを取りこぼす)イレギュラーが発生した場合に、上述したように他の契機で事前告知終了コマンドを予備的に送信する処理を行うが、周辺制御基板1510側で事前告知更新コマンドを正常に受信できない(周辺制御基板1510側で事前告知更新コマンドを取りこぼす)イレギュラーが発生した場合に、他の契機で事前告知更新コマンドを予備的に送信する処理は行わないようにしている。例えば、事前告知表示を開始した後、出玉量が100発増加して出玉量が95100発(残り球数が4900発)に達した場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知更新コマンドを送信するが、この事前告知更新コマンドを周辺制御基板1510側で受信できないイレギュラーが発生した場合には、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」の表示を継続し、その後に出玉量がさらに100発増加して出玉量が95200発(残り球数が4800発)に達した場合に、出玉量が95200発(残り球数が4800発)に達したことに対応する事前告知更新コマンドを周辺制御基板1510側に送信して、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4800発」の表示に更新するようにしている。これにより、出玉量が一気に増加したように遊技者に感じさせることができ、イレギュラーを利用して遊技興趣の向上を図ることができる。また、ランプBでは、事前告知開始コマンドに応じた発光は行うものの、事前告知更新コマンドに応じた発光は行わないようにしており、遊技機に異常が生じたかのように外部に誤解させることを抑制している。
なお、何らかの異常により出玉量が特定値に達するまで周辺制御基板1510側で事前告知表示の更新が進行しない可能性もあるため、そのような場合には、例えば、ホール管理者による更新操作(例えば電源投入状態でRAMクリアスイッチ741や設定キースイッチを操作したり、本体枠4や扉枠3を開放する等の操作。上述した終了操作とは異なる契機が望ましい。)が行われることを契機に事前告知更新コマンドを強制送信するようにして、強制的に事前告知表示を更新させるようにしてもよい。
(G)において、再び出玉量が増加するなかで、出玉量が95000発(残り球数が5000発)に達した場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知開始コマンドを送信し、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」の表示を開始している。
(H)において、事前告知表示を開始した後、出玉量が100発増加して出玉量が95100発(残り球数が4900発)に達した場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知更新コマンドを送信し、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4900発」の表示に更新している。
(I)において、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4900発」の表示に更新した後、出玉量が減少するなかで、出玉量が95100発を下回った(残り球数が4900発を超えた)場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知降格コマンドを送信せず、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4900発」の表示を継続して表示している。これにより、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4900発」の表示に更新した後には、何度も事前告知更新コマンドや事前告知降格コマンドが周辺制御基板1510側に送信されてしまうことを抑制し、制御負担および制御複雑化を回避することができる。なお、本例では、出玉量が増加(残り球数が減少)した場合に用いられる事前告知更新コマンドと、出玉量が減少(残り球数が増加)した場合に用いられる事前告知降格コマンドと、を別のコマンドとしているが、事前告知表示の表示内容を示すコマンドとして共通化してもよい。
(J)において、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4900発」の表示に更新した後、出玉量が減少するなかで、出玉量が95000発を下回った(残り球数が5000発を超えた)場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知降格コマンドを送信し、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」の表示に更新している。ここでは、出玉量が95100発(残り球数が4900発)の時点で、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4900発」の表示に更新した後、出玉量が100発減少したときに、事前告知表示の表示内容を更新し、出玉量が1~99発減少しただけでは、事前告知表示の表示内容を更新していない。つまり、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4900発」の表示に更新した後、出玉量が99発減少するまでの間は、事前告知表示の表示内容を更新しない降格抑制期間としている。これにより、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4900発」の表示に更新した後には、なるべく継続して表示することで、遊技状態の把握が困難になることを防止することができる。
本例では、(G)~(H)において、出玉量が増加するなかで、出玉量が95000発(残り球数が5000発)から95100発(残り球数が4900発)に移行するまでの間には、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」を表示しているが、(I)~(J)において、出玉量が減少するなかで、出玉量が95100発(残り球数が4900発)から95000発(残り球数が5000発)に移行するまでの間には、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+4900発」を表示している。このように、出玉量の区間が同じであっても、出玉量が増加する過程であるか、出玉量が減少する過程であるかによって、事前告知表示の表示内容を異ならせることで、一旦表示された事前告知表示の表示内容を、なるべく継続して表示することができる。
(K)において、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」の表示に更新した後、出玉量が減少するなかで、出玉量が94900発(残り球数が5100発)に達した場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前告知終了コマンドを送信し、演出表示装置1600では、事前告知表示を終了している。
本例では、(G)~(H)において、出玉量が増加するなかで、出玉量が95000発(残り球数が5000発)から95100発(残り球数が4900発)に移行するまでの間には、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」を表示しているが、(J)~(K)において、出玉量が減少するなかで、出玉量が95000発(残り球数が5000発)から94900発(残り球数が5100発)に移行するまでの間には、演出表示装置1600では、事前告知表示として「遊技制限まで残り+5000発」を表示している。このように、出玉量の区間が異なるとしても、出玉量が増加する過程であるか、出玉量が減少する過程であるかによって、事前告知表示の表示内容を同じとすることで、一旦表示された事前告知表示の表示内容を、なるべく継続して表示することができる。
なお、本例では、上述したように事前告知表示の実行中に重度の異常を検知した場合には、演出表示装置1600では、現状況表示Aとして、事前告知表示と同じデータを流用して表示するようにしているが、事前告知表示の終了や降格を抑制している間において重度の異常を検知した場合には、現状況表示Aを事前告知表示と同じデータを流用しつつも、現状況表示Aの表示内容は、ホール管理者に向けて正確な出玉量を示すかたちで表示するように制御することが望ましい。このようにすることで、イレギュラーな状況が起きていても、現状況表示Aを通じてホール管理者が正確な出玉量を認識することができる。
また、上記した各例では、遊技の進行過程で演出表示装置1600の最上位レイヤにて事前告知表示のメッセージを特定の表示領域に表示するようにしており、他の演出画像により事前告知表示の視認性が阻害されないものとしているが、演出面に関する遊技者による調整操作を反映させる調整画像(例えば音量や光量に対応する画像、その他の調整に関する画像等)を表示する所定領域が特定の表示領域と前後方向で重なる位置に設けられる場合には、少なくとも事前告知表示が表示されている間、調整画像の視認性が事前告知表示により阻害されてしまい、遊技興趣を低下させてしまう虞がある。これを解消するため、例えば、上記した各例にて、調整画像を表示する所定領域を特定の表示領域と前後方向で一切重ならない位置に設けるようにすること等が例示できる。これにより、事前告知表示が表示されている間であっても調整画像の視認性が確保でき、遊技興趣が低下してしまうことを回避できる。また、調整画像を表示する所定領域の一部が特定の表示領域と前後方向で重なるように設けるのであれば、少なくとも遊技者による調整操作の結果が確認できる程度に調整画像を事前告知表示からずらして表示する(例えば、調整画像がレベルゲージ方式であればレベルゲージの変化が把握できる程度に重ならないように表示し、調整画像が数値方式であればいずれの数値であるのかが把握できる程度に重ならないように表示する)ことも例示でき、この場合にも遊技興趣が低下してしまうことを回避できる。
また、上記した各例では、遊技の進行過程で演出表示装置1600の最上位レイヤにて事前告知表示のメッセージを特定の表示領域に表示するようにしており、他の演出画像により事前告知表示の視認性が阻害されないものとしているが、事前告知表示は遊技が進行していない待機状態に移行した後にも継続して表示することが望ましい。これにより、新規の遊技者が遊技開始前に出玉量等に関する情報を認識しないまま遊技を開始してしまうことを回避できる。また、事前告知表示は演出表示装置1600の最上位レイヤにて表示されるものであるため、待機状態にて行われるデモンストレーション画像(例えば演出説明や宣伝用の画像等)の視認性を阻害してしまい、デモンストレーション画像を確認したい遊技者のニーズを満足させることができない懸念もある。これを解消するため、例えば、上記した各例にて、デモンストレーション画像が行われる全期間あるいは一部の期間で特定の表示領域における事前告知表示を視認できないように非表示にしておき、且つ、少なくとも新規の遊技者が所定の操作を行うこと(例えばハンドル160の操作前の接触や、調整操作あるいは他のボタン等の操作等)を契機に特定の表示領域における事前告知表示の表示を再開すること等が例示できる。これにより、デモンストレーション画像を確認したい遊技者のニーズを満足させつつ、新規の遊技者が遊技開始前に出玉量等に関する情報を認識しないまま遊技を開始してしまうことを回避できる。
(制限クリアパターンテーブル4の変形例)
詳しくは上記したが、制限クリアパターンテーブル4では、電源投入時に電源投入パターン1~4のいずれが選択されている場合であっても、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)している。具体的に、制限クリアパターンテーブル4では、電源投入時において、電源投入パターン2、3のように電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)した場合のみ、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)しているが、出玉量をクリアすることに伴って、打ち止め準備状態についても、クリア(初期化)している。一方、電源投入時において、電源投入パターン1、4のように電源遮断時の遊技状態を維持した場合には、「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持しているが、出玉量をクリアすることに伴わず、打ち止め準備状態についても、維持している。つまり、打ち止め準備状態については、打ち止め状態と同じく、電源遮断後の再投入時において、維持するか又はクリアするかを選択することが可能になっている。例えば、大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態が発生している場合において、その打ち止め準備状態をクリアしたいときには、電源遮断後、打ち止め準備状態の開始条件を満たしている出玉量をクリアするように電源投入時操作を行えばよいが、制限クリアパターンテーブル4では、このような電源投入時操作に伴い、実行中であった大当り遊技がクリアされることとなる。一方、打ち止め準備状態を維持したいときには、電源遮断後、打ち止め準備状態の開始条件を満たしている出玉量を維持するように電源投入時操作を行えばよいが、このような電源投入時操作に伴い、実行中であった大当り遊技が再開されることとなる。
このように上記の制限クリアパターンテーブル4では、電源投入時操作に伴い、実行中であった大当り遊技を再開させるためには、打ち止め準備状態を維持する必要があり、電源投入時操作に伴い、実行中であった大当り遊技を再開するようにしながらも、打ち止め準備状態のみをクリアすることができなかった。このような構成の場合、例えば遊技機の開発段階での試射試験等の状況下で大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態が発生した場合に、打ち止め状態を開始させずに継続して試射試験を行いたい状況であっても、打ち止め準備状態のみをクリアすることができず、その後の打ち止め状態の発生によって試射試験の継続的実施が阻害されてしまう虞があった。また、打ち止め準備状態をクリアしようとしても、打ち止め準備状態と共に大当り遊技もクリアされてしまい、この場合も試射試験の継続実施が阻害されてしまう虞があった。こうした事情等を鑑み、本例では、電源投入時操作に伴い、電源遮断前に実行中であった大当り遊技を再開するようにしながらも、打ち止め準備状態のみをクリアする構成について、制限クリアパターンテーブル4の変形例として、以下に説明する。
図140は、電源投入時における制限クリアパターンテーブル4の変形例である。本例では、制限クリアパターン選択スイッチの位置が「4」の場合に用いられる制限クリアパターンテーブル4として、制限クリアパターンテーブル4(a)と制限クリアパターンテーブル4(b)とを設けており、打ち止め準備状態中に特殊外部信号が出力されているか否かによって、制限クリアパターンテーブル4(a)と制限クリアパターンテーブル4(b)の何れかを用いるかを変更するように制御している。そして、打ち止め準備状態中に特殊外部信号が出力されており、電源投入時にその旨を判定した場合のみ、電源投入時操作に伴い、電源遮断前に実行中であった大当り遊技を再開するようにしながらも、打ち止め準備状態のみがクリアされることを可能にしている。ここで、「特殊外部信号」とは、主制御基板1310に実装される特定の回路を通じて出力されるものであり、所定の出力要件を満たすことで主制御基板1310から外部の試験装置等の外部機器に向けて出力される信号であればよい。本例では、主制御基板1310上に形成される特定の回路として空きの試験用回路を設定し、その空きの試験用回路に試験用電子部品が実装されていることを検出することを以て「特定の出力要件を満たす」こととし、空きの試験用回路に試験用電子部品が実装されている状況下であれば、外部の試験装置に向けて特殊外部信号を常時に出力する構成としている。また、特殊外部信号は、主制御基板1310から外部端子板を介して外部に出力するようにしてもよいし、主制御基板1310から外部端子板を介さずに直接に外部に出力するようにしてもよい。
図140(A)には、制限クリアパターンテーブル4の変形例として、打ち止め準備状態中に特殊外部信号が出力されている状況下で電源遮断され、その後に電源再投入された場合に選択されるテーブルである制限クリアパターンテーブル4(a)を示している。なお、本例では、電源投入時の処理における各種のクリア処理に先立って主制御基板1310からの特殊外部信号の出力有無を判定するようにしており、この判定結果に基づいて、制限クリアパターンテーブル4(a)と制限クリアパターンテーブル4(b)を選択することとしている。
制限クリアパターンテーブル4(a)の電源投入パターン1は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」については、クリア(初期化)している。また、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、維持しているが、打ち止め準備状態については、クリア(初期化)している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを緑色(打ち止め状態を維持した場合。打ち止め準備状態をクリアした場合には赤色)で発光するようにし、スピーカから「出玉量をクリアしました。打ち止め状態は維持されています(打ち止め準備状態をクリアしました)。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量をクリアしました。打ち止め状態は維持されています(打ち止め準備状態をクリアしました)。」というメッセージ画像を表示するようにしている(クリア通知1、進行不能通知に相当)。より詳細には、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め状態を維持した旨を報知し、打ち止め準備状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め準備状態をクリアした旨を報知し、これ以外の場合には、出玉量をクリアした旨のみを報知するようにしている。また、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、これら報知に加えて、上述の打ち止め状態のクリア方法を示すクリア方法通知を付加するようにしてもよい。
制限クリアパターンテーブル4(a)の電源投入パターン2は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」についても、クリア(初期化)している。また、「打ち止め状態中の遊技の制限」および打ち止め準備状態についても、クリア(初期化)している。具体的には、上述した制限パターン1で遊技が制限されている場合には、「遊技停止」しているが、打ち止め状態がクリアされることで、「遊技停止」を解除し、制限パターン2で遊技が制限されている場合には、「発射停止」しているが、打ち止め状態がクリアされることで、「発射停止」を解除し、制限パターン3で遊技が制限されている場合には、「遊技停止」および「発射停止」しているが、打ち止め状態がクリアされることで、「遊技停止」および「発射停止」を解除し、いずれの場合にも、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を再開させることが可能になっている。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態(打ち止め準備状態)をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態(打ち止め準備状態)をクリアしました。」というメッセージ画像を表示するようにしている(クリア通知2に相当)。より詳細には、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め状態をクリアした旨を報知し、打ち止め準備状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め準備状態をクリアした旨を報知し、これ以外の場合には、出玉量をクリアした旨のみを報知するようにしている。
制限クリアパターンテーブル4(a)の電源投入パターン3は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」についても、クリア(初期化)している。また、「打ち止め状態中の遊技の制限」および打ち止め準備状態についても、クリア(初期化)している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態(打ち止め準備状態)をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態(打ち止め準備状態)をクリアしました。」というメッセージ画像を表示するようにしている。(クリア通知2に相当)。より詳細には、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め状態をクリアした旨を報知し、打ち止め準備状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め準備状態をクリアした旨を報知し、これ以外の場合には、出玉量をクリアした旨のみを報知するようにしている。
制限クリアパターンテーブル4(a)の電源投入パターン4は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」については、クリア(初期化)している。また、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、維持しているが、打ち止め準備状態については、クリア(初期化)している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを緑色(打ち止め状態を維持した場合。打ち止め準備状態をクリアした場合には赤色)で発光するようにし、スピーカから「出玉量をクリアしました。打ち止め状態は維持されています(打ち止め準備状態をクリアしました)。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量をクリアしました。打ち止め状態は維持されています(打ち止め準備状態をクリアしました)。」というメッセージ画像を表示するようにしている(クリア通知1、遊技不能通知に相当)。より詳細には、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め状態を維持した旨を報知し、打ち止め準備状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め準備状態をクリアした旨を報知し、これ以外の場合には、出玉量をクリアした旨のみを報知するようにしている。また、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、これら報知に加えて、上述の打ち止め状態のクリア方法を示すクリア方法通知を付加するようにしてもよい。
制限クリアパターンテーブル4(a)の電源投入パターン5は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」についても、維持している。また、「打ち止め状態中の遊技の制限」および打ち止め準備状態についても、維持している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを青色で発光するようにし、スピーカから「出玉量、打ち止め状態(打ち止め準備状態)は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量、打ち止め状態(打ち止め準備状態)は維持されています。」というメッセージ画像を表示するようにしている。より詳細には、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め状態を維持した旨を報知し、打ち止め準備状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め準備状態をクリアした旨を報知し、これ以外の場合には、出玉量をクリアした旨のみを報知するようにしている。
このように、特殊外部信号が出力されている状況下で用いられる制限クリアパターンテーブル4(a)では、電源投入時において、電源投入パターン1、4のように電源遮断時の遊技状態を維持するか、電源投入パターン2、3のように電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)するか、のいずれが選択されている場合であっても、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)している。これにより、遊技機の開発段階での試射試験等の状況下における電源投入時において、打ち止め準備状態のみをクリアすることができ、その後の打ち止め状態の発生によって試射試験の継続的実施が阻害されてしまうことを回避することができる。なお、電源投入時において、電源投入パターン5が選択されている場合には、上述した球抜処理が実行されるだけで、遊技が開始されないことから、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)しないで維持している。
また、特殊外部信号が出力されている状況下で用いられる制限クリアパターンテーブル4(a)では、電源投入時において、電源投入パターン2、3のように電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)した場合のみ、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)している。一方、電源投入時において、電源投入パターン1、4のように電源遮断時の遊技状態を維持した場合には、「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持している。つまり、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、遊技機の開発段階での試射試験等の状況下における電源遮断後の再投入時において、開発者側で維持するか又はクリアするかを選択することが可能になっている。例えば、既に打ち止め状態が発生している場合において、遊技の制限を解除したいときには、電源遮断後、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリアするように電源投入時操作を行えばよく、遊技の制限を維持したいときには、電源遮断後、「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持するように電源投入時操作を行えばよいこととなる。なお、電源投入時において、電源投入パターン5が選択されている場合には、上述した球抜処理が実行されるだけで、遊技が開始されないことから、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)しないで維持している。
また、特殊外部信号が出力されている状況下で用いられる制限クリアパターンテーブル4(a)では、電源投入時において、電源投入パターン2、3のように電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)した場合には、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)するだけでなく、打ち止め準備状態をクリア(初期化)している。一方、電源投入時において、電源投入パターン1、4のように電源遮断時の遊技状態を維持した場合にも、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)するだけでなく、打ち止め準備状態をクリア(初期化)している。これにより、遊技機の開発段階での試射試験等の状況下において、打ち止め準備状態をクリアする際に、遊技状態もクリアするか否か選択可能になり、試射試験ではない通常の運用時(遊技ホールでの運用時等)に適した態様にすることが可能となる。
図140(B)には、制限クリアパターンテーブル4の変形例として、打ち止め準備状態中に特殊外部信号が出力されていない状況下で電源遮断され、その後に電源再投入された場合に選択されるテーブルである制限クリアパターンテーブル4(b)を示している。なお、ここでの電源投入パターン2、3、5については、上述した制限クリアパターンテーブル4(a)と同じであるため、説明を省略している。
制限クリアパターンテーブル4(b)の電源投入パターン1は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」については、クリア(初期化)している。また、「打ち止め状態中の遊技の制限」および打ち止め準備状態については、維持している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを緑色で発光するようにし、スピーカから「出玉量をクリアしました。打ち止め状態(打ち止め準備状態)は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量をクリアしました。打ち止め状態(打ち止め準備状態)は維持されています。」というメッセージ画像を表示するようにしている(クリア通知1、進行不能通知に相当)。より詳細には、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め状態を維持した旨を報知し、打ち止め準備状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め準備状態を維持した旨を報知し、これ以外の場合には、出玉量をクリアした旨のみを報知するようにしている。また、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、これら報知に加えて、ホール管理者向けに打ち止め状態のクリア方法を示すクリア方法通知を付加するようにしてもよい。
制限クリアパターンテーブル4(b)の電源投入パターン4は、電源投入時において、電源遮断時の遊技状態を維持しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」については、クリア(初期化)している。また、「打ち止め状態中の遊技の制限」におよび打ち止め準備状態については、維持している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から所定期間が経過するまでの間、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを緑色で発光するようにし、スピーカから「出玉量をクリアしました。打ち止め状態(打ち止め準備状態)は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600には「出玉量をクリアしました。打ち止め状態(打ち止め準備状態)は維持されています。」というメッセージ画像を表示するようにしている(クリア通知1、遊技不能通知に相当)。より詳細には、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め状態を維持した旨を報知し、打ち止め準備状態中に電源を遮断した場合には、電源投入時に打ち止め準備状態を維持した旨を報知し、これ以外の場合には、出玉量をクリアした旨のみを報知するようにしている。また、打ち止め状態中に電源を遮断した場合には、これら報知に加えて、ホール管理者向けに打ち止め状態のクリア方法を示すクリア方法通知を付加するようにしてもよい。
このように、特殊外部信号が出力されていない状況下で用いられる制限クリアパターンテーブル4(b)では、電源投入時において、電源投入パターン2、3のように電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)した場合には、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)するだけでなく、打ち止め準備状態をクリア(初期化)している。一方、電源投入時において、電源投入パターン1、4のように電源遮断時の遊技状態を維持した場合には、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)しているものの、出玉量のクリアに左右されることなく打ち止め準備状態を維持している。例えば、試射試験ではない通常の運用時(遊技ホールでの運用時等)における大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態が発生している場合において、遊技者の不正行為により重度の異常(磁気や振動、電波の検知等)が発生し、その重度の異常を解消したいときには、電源遮断後、重度の異常を解消するように電源投入時操作を行えばよいが、このような電源投入時操作として電源投入パターン1、4を選択したとしても、打ち止め準備状態が維持されることとなる。つまり、実行中であった大当り遊技が再開されるものの、打ち止め準備状態を維持した場合には、再開した大当り遊技の終了時に打ち止め状態に移行するようになる。このように、打ち止め準備状態中において、不正行為者等がわざと重度の異常を発生させることで、ホール管理者に電源を再投入させ、打ち止め準備状態をクリア(初期化)させようとする新たな不正が行われる可能性があるが、重度の異常の解消に寄与する電源投入の場合には、打ち止め準備状態の不正なクリアを回避し、再開した大当り遊技が終了した時点で、遊技を終了させることで、そのような新たな不正を防止することができる。このように、特殊外部信号が出力されていない状況下で用いられる制限クリアパターンテーブル4(b)では、制限クリアパターンテーブル4(a)を用いる場合とは異なり、試射試験ではない通常の運用時(遊技ホールでの運用時等)に適した態様にすることができる。
なお、上述の例では、空きの試験用回路に試験用電子部品が実装されている状況下で特殊外部信号を常時に出力する構成としたが、特殊外部信号の出力時間が必要以上に長くなると主制御基板1310の制御負荷が大きくなってしまうという別の問題もある。こうした点を鑑み、空きの試験用回路に試験用電子部品が実装されている状況下で特殊外部信号を常時に出力する構成ではなく、予め定められた出力開始条件の成立により必要な時期に限り特殊外部信号を出力する構成としても良い。この点について図140(C)(D)を用いて以下に説明する。
図141は、打ち止め準備状態および打ち止め状態の開始前に特殊外部信号の出力を開始することを示すタイムチャートである。このうち、図141(A)は、打ち止め準備状態および打ち止め状態の開始前に電源遮断され、上述の制限クリアパターンテーブル4(a)における電源投入パターン1、4で電源投入された時のタイムチャートである。また、図141(B)は、打ち止め準備状態の開始後に電源遮断され、上述の制限クリアパターンテーブル4(a)における電源投入パターン1、4で電源投入された時のタイムチャートである。
まず、図141(A)について説明する。図141(A)では、空きの試験用回路に試験用電子部品が実装されている状況でありながら常時に特殊外部信号を出力するものではなく、打ち止め準備状態および打ち止め状態の開始前の特定タイミング(t1)で特殊外部信号の出力を開始するようにしている。本例の特定タイミング(t1)は、上述した事前告知表示の実行条件と同じタイミングとなるように設定されている。すなわち、上述した通り、遊技進行過程での入賞に伴う出玉量が特定値に達するまでの残り球数が「+1500発」となった場合には、演出表示装置1600の上領域において、事前告知時の動作として、出玉量が特定値に達するまでの残り球数を伝える「遊技制限まで残り+1500発」という事前告知表示を表示しているが、この事前告知表示を表示するタイミングと同じく特定値に達するまでの残り球数が「+1500発」となった場合に特殊外部信号を出力するようにしている。ここで、仮に事前告知表示を表示するタイミングで外部端子板を介して所定の外部信号を出力することも考えられるため、そうした所定の外部信号と特殊外部信号との混同を避けるため、本例では、主制御基板1310から外部端子板を介さずに直接に外部に特殊外部信号を出力するようにすることが好ましい。
特定タイミング(t1)で特殊外部信号の出力が開始されると、遊技機の開発段階での試射試験等の状況下においては、特殊外部信号を受けた試験機器等の動作により、打ち止め準備状態および打ち止め状態の発生が近づいていることが把握可能になる。これにより、特殊外部信号の出力を把握した段階で電源遮断(t2)し、上述の制限クリアパターンテーブル4(a)における電源投入パターン1、4で電源投入する(t3)ことで、遊技状態をクリア(初期化)することなく、打ち止め準備状態および打ち止め状態の発生を回避することが可能になる。
また、制限クリアパターンテーブル4(a)における電源投入パターン1、4での電源投入後(t3)は、所定時間の経過で特殊外部信号の出力を終了するようにしている。本例では、電源投入時の処理における各種のクリア処理に先立って主制御基板1310からの特殊外部信号の出力有無を判定するようにしているため、特殊外部信号の出力終了時期は、この判定が行われた後であればいつでもよい。ただし、制限クリアパターンテーブル4(a)における電源投入パターン1、4での電源投入後(t3)に必要以上に長い時間、特殊外部信号の出力が継続してしまうと、打ち止め準備状態および打ち止め状態の発生を誤って判断してしまう可能性があるため、電源投入後は比較的早い段階(例えば5秒以内)で特殊外部信号の出力を終了させることが望ましい。なお、特殊外部信号の出力を把握した段階で電源遮断(t2)したものの、誤った電源投入パターンにより電源投入を行ってしまい出玉量が維持されてしまった場合は、引き続き継続して特殊外部信号を出力するようにしておくことが好ましい。これにより、誤った電源投入後に長期に特殊外部信号が出力されることで、出玉量のクリア(初期化)が行われていないことを把握でき、再度の電源遮断の作業に誘導することが可能になる。
このように、打ち止め準備状態や打ち止め状態の開始前である特定タイミング(t1)で特殊外部信号を出力可能に構成しておくことで、特殊外部信号の常時出力を回避でき、主制御基板1310の制御負荷の抑制を図ることが可能になる。また、打ち止め準備状態や打ち止め状態の開始が近づいたことを、事前告知表示とともに特殊外部信号を通じて早期に外部から把握でき、遊技機の開発段階での試射試験等の円滑な運用を図ることが可能になる。また、主制御基板1310が特殊外部信号を外部に出力するようにしているため、遊技機の開発段階で事前告知表示が未完成の状態であっても特定タイミングさえ設定されていれば、打ち止め準備状態や打ち止め状態の開始が近づいたことを、特殊外部信号を通じて早期に外部から把握できるため、この点でも遊技機の開発段階での試射試験等の円滑な運用を図ることが可能になる。
次に、図141(B)について説明する。図141(B)では、空きの試験用回路に試験用電子部品が実装されている状況にて、打ち止め準備状態の開始前の特定タイミング(t1)で特殊外部信号の出力を開始し、打ち止め準備状態の開始後に電源遮断を行っている。
具体的には、空きの試験用回路に試験用電子部品が実装されている状況でありながら常時に特殊外部信号を出力するものではなく、打ち止め準備状態の開始前の特定タイミング(t1)で特殊外部信号の出力を開始しているが、大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態が発生した後(t2)にも、特殊外部信号の出力を継続するようにしている。ここで、打ち止め準備状態では、外部端子板を介して所定の外部信号を出力することも考えられるため、そうした所定の外部信号と特殊外部信号との混同を避けるため、本例では、主制御基板1310から外部端子板を介さずに直接に外部に特殊外部信号を出力するようにすることが好ましい。なお、打ち止め準備状態では、上述した通り、演出表示装置1600において、実行中の大当り遊技に関する表示(通常表示)を表示するのに加え、既に出玉量が特定値に達したことを示すように「大当り終了で今日は終わりだよ」という待機表示を表示するようにしている。
大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態が発生した後(t2)には、大当り遊技が終了した時点で、打ち止め状態に移行するが、その打ち止め準備状態中にも特殊外部信号の出力を継続することで、遊技機の開発段階での試射試験等の状況下においては、特殊外部信号を受けた試験機器等の動作により、打ち止め状態の発生が近づいていることが把握可能になる。これにより、打ち止め準備状態中に特殊外部信号の出力を把握した段階で電源遮断(t3)し、上述の制限クリアパターンテーブル4(a)における電源投入パターン1、4で電源投入する(t4)ことで、遊技状態をクリア(初期化)することなく、打ち止め準備状態をクリアし、打ち止め状態の発生を回避することが可能になる。
そして、打ち止め準備状態中に特殊外部信号の出力を把握した段階で電源遮断(t3)し、上述の制限クリアパターンテーブル4(a)における電源投入パターン1、4で電源投入(t4)したときには、打ち止め準備状態をクリアした際に、電源遮断前に実行中であった大当り遊技をクリアすることがなく、電源投入時の処理における各種のクリア処理の後に、電源遮断前に実行中であった大当り遊技を再開するようにしている。これにより、遊技機の開発段階での試射試験等の状況下で大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態が発生した場合であっても、打ち止め準備状態のみのクリアを可能にすることで、試射試験の継続的実施が阻害されることがない。
また、制限クリアパターンテーブル4(a)における電源投入パターン1、4での電源投入後(t4)は、上述と同じく、所定時間の経過で特殊外部信号の出力を終了するようにしているが、電源投入時の処理における各種のクリア処理に先立って主制御基板1310からの特殊外部信号の出力有無を判定するようにしているため、特殊外部信号の出力終了時期は、この判定が行われた後であればいつでもよい。
このように、打ち止め準備状態の開始前だけでなく、打ち止め準備状態の開始後にも特殊外部信号の出力を継続するように構成しておくことで、打ち止め状態の開始が近づいたことを、待機表示とともに特殊外部信号を通じて早期に外部から把握でき、遊技機の開発段階での試射試験等の円滑な運用を図ることが可能になる。
なお、特定タイミング(t1)は、上述した事前告知表示の実行条件と同じタイミングでなくてもよく、打ち止め準備状態や打ち止め状態が開始されるよりも前であれば、事前告知表示の実行条件よりも前のタイミングであってもよいし、事前告知表示の実行条件よりも後のタイミングであってもよい。
また、上述の図141(A)、(B)のような態様に限らず、例えば、空きの試験用回路に試験用電子部品が実装されているか否かを問わず、主制御基板1310に実装される出力開始スイッチのON操作/OFF操作に伴い、特殊外部信号の出力/非出力を切り替えられるようにしてもよい。具体的に、打ち止め準備状態中に出力開始スイッチをON操作したときには、特定の出力要件を満たし、特殊外部信号を出力するが、打ち止め準備状態中でない状態で出力開始スイッチをON操作したときには、打ち止め準備状態の開始前の特定タイミング(t1)が到来した後であれば、特定の出力要件を満たし、特殊外部信号を出力することとなる。このような場合にも、特殊外部信号の常時出力を回避でき、主制御基板1310の制御負荷の抑制を図ることが可能になる。
(出玉量の減算調整について)
詳しくは上記したが、大当り遊技(当り遊技)中に出玉量が特定値に達したときには、打ち止め準備状態に移行し、大当り遊技が終了するまでの間、打ち止め状態にせず、大当り遊技が終了することで、打ち止め状態に移行するように構成している。例えば、大当り遊技における途中のラウンドで出玉量が特定値に達したときには、直ぐには打ち止め状態にせずに打ち止め準備状態に移行し、大当り遊技における最後のラウンドが終了することで、打ち止め状態に移行している。つまり、大当り遊技中に出玉量が特定値に達したときには、特定値を超えて出玉を獲得することが可能になっている。
ところで、「大当りと判定される複数の保留が記憶されていて、そのうちの先の保留消化に伴う大当り遊技終了後に後の保留消化に伴う大当り遊技の実行も確定している(期待度の高い表示態様の保留表示が複数個表示されることにより複数回の大当りの発生が遊技者に認識可能になっている)」という状況や、「大当りが確変大当りとなることで大当り遊技の終了後に高確率状態(連荘モード等)に移行することが確定している」という状況や、「大当り遊技中に第一V入賞口2007や第二V入賞口2008に遊技球が入球して大当り遊技の終了後に高確率状態に移行することが確定している」という状況等の場合には、大当り遊技の実行中であっても、次回の大当りを獲得しうることが確定している。しかしながら、大当り遊技中に次回の大当りが確定しているにもかかわらず、大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態に移行している場合には、大当り遊技が終了した時点で、打ち止め状態に移行して遊技を行うことができないため、次回の大当りに関する利益を獲得することができず、遊技者の不満が大きいものとなっていた。本例では、大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態に移行している場合において、ホール管理者が特定の操作を行ったときには、出玉量(打ち止め用カウンタの値)を減算調整し、出玉量が特定値に達する前の状態(通常状態)に戻すことで打ち止め準備状態を解消し、大当り遊技の終了後に次回の大当りを獲得しうるようにした構成について、以下に説明する。
まず、パチンコ機1の裏面側には、出玉量(打ち止め用カウンタの値)を減算調整するための出玉量減算スイッチが設けられている。この出玉量減算スイッチは、遊技者が触れることができない作業用の操作部(ON状態とOFF状態とを切り替え可能にするボタンや、キー挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にするキースイッチ等)として主制御基板1310に設けられている。そして、出玉量減算スイッチを操作したとき(例えば、3秒以上ON状態にしてからOFF状態に切り替える操作等)には、その操作信号が主制御基板1310に入力され、現在の出玉量に対して所定の出玉量(例えば、1500発)を減算することを可能にしている。つまり、打ち止め用カウンタがもっとも多くなった時点での値に対して所定の出玉量(例えば、1500発)の分を減算することを可能にしている。
本例では、大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態に移行している場合において、その打ち止め準備状態中には、出玉量減算スイッチの操作を有効とし、ホール管理者が出玉量減算スイッチを操作すると、現在の出玉量に対して所定の出玉量(例えば、1500発)を減算し、出玉量が特定値を下回るようにしている。このとき、打ち止め準備状態への移行時にオンとされていた打ち止めフラグをオフとし、打ち止め準備状態を解消して通常状態に戻すようにしている。例えば、「特定値」として100000が設定され、大当り遊技中に出玉量が特定値(100000発)に達したときには、打ち止め準備状態に移行するが、ホール管理者が出玉量減算スイッチを操作すると、所定の出玉量として1500発を減算することで出玉量が98500発となり、特定値(100000発)を下回るようになっている。ここで、特定値を下回るように出玉量を減算したときに、打ち止め準備状態は解消しつつも、実行中の大当り遊技や次回の大当りを獲得するための情報は解消されないようにされている。また、特定値を下回るように出玉量を減算した後には、その減算した出玉量を起点として、出玉量のカウントを再開するようにしている。
このように、大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態に移行している場合であっても、ホール管理者が出玉量減算スイッチを操作することで、打ち止め準備状態を解消し、再び出玉量が特定値に達しない限りは、大当り遊技の終了後にも、遊技を継続することが可能になっている。これにより、上述したような大当り遊技中に次回の大当りが確定している場合であっても、大当り遊技の終了後に遊技を継続することができるため、次回の大当りに関する利益を獲得することができ、遊技者の不満を解消することができる。なお、大当り遊技の終了後に遊技が継続されているが、例えば、次回の大当り遊技中に再び出玉量が特定値に達したときには、打ち止め準備状態に移行するし、大当り遊技中でない状態で再び出玉量が特定値に達したときには、打ち止め状態に移行するものとなっている。
一方、打ち止め準備状態中でない状態では、出玉量減算スイッチの操作を無効とし、ホール管理者が出玉量減算スイッチを操作したとしても、現在の出玉量に対して所定の出玉量(例えば、1500発)を減算することがない。このため、打ち止め状態中に出玉量減算スイッチを操作したとしても、現在の出玉量に対して所定の出玉量(例えば、1500発)を減算することがなく、出玉量が特定値を下回ることがない。つまり、通常状態に戻さず、打ち止め状態を維持することから、遊技を再開することができない。このような場合には、打ち止め状態中に電源を遮断し、電源の再投入時において、出玉量をクリアするとともに、打ち止め状態をクリアする必要がある。
なお、打ち止め準備状態中に出玉量減算スイッチを操作したときには、現在の出玉量に対して所定の出玉量(例えば、1500発)を減算しているが、減算される出玉量については、1回分の大当り遊技で獲得しうる出玉量相当としている。本例では、1回の大当り遊技で獲得しうる出玉量が1500発程度とされており、出玉量減算スイッチを操作したときに減算される出玉量が1500発に設定されている。これにより、大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態に移行している場合において、打ち止め準備状態中に出玉量減算スイッチを操作すると、打ち止め準備状態を解消し、その大当り遊技中には、再び出玉量が特定値に達することがなく、打ち止め準備状態に移行しないものとなっている。つまり、上述したような大当り遊技中に次回の大当りが確定している場合であっても、大当り遊技の終了後に遊技を継続することができ、次回の大当りに関する利益を獲得することができる。また、出玉量減算スイッチを操作したときに減算される出玉量が1回分の大当り遊技で獲得しうる出玉量相当であることから、次回の大当り遊技では、再び出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態に移行する可能性が高く、その次回の大当り遊技が終了する時点で、打ち止め状態に移行し、遊技を終了させることができる。
また、大当り遊技中に出玉量が特定値に達したときには、打ち止め準備状態に移行するが、打ち止め準備状態に移行した後には、大当り遊技中における出玉量(打ち止め用カウンタの値)をカウントしないように構成している。つまり、出玉量については、特定値を超えてカウントしないように構成している。このため、打ち止め準備状態中に出玉量減算スイッチを操作したときには、現在の出玉量である特定値に対して所定の出玉量(例えば、1500発)を減算し、出玉量が特定値を下回るようにしている。ただし、出玉量については、打ち止め準備状態に移行した後にも、大当り遊技中における出玉量(打ち止め用カウンタの値)をカウントするように構成してもよい。つまり、出玉量については、特定値を超えてカウントするように構成してもよい。このような構成では、打ち止め準備状態中に出玉量減算スイッチを操作したときには、特定値を超えている現在の出玉量に対して所定の出玉量(例えば、1500発)を減算し、出玉量が特定値を下回るようにしている。
また、打ち止め準備状態中に出玉量減算スイッチを操作したときには、現在の出玉量に対して所定の出玉量(例えば、1500発)を減算しているが、別例として、打ち止め準備状態中に電源を遮断した後、電源の再投入時に出玉量減算スイッチを操作したときには、現在の出玉量に対して所定の出玉量(例えば、1500発)を減算するように構成してもよい。このような構成では、電源の再投入時において、打ち止め準備状態が維持されている場合であっても、電源の再投入時に出玉量減算スイッチを操作することで、現在の出玉量に対して所定の出玉量(例えば、1500発)を減算し、出玉量が特定値を下回るようにしている。つまり、電源の再投入時に出玉量減算スイッチを操作したときには、打ち止め準備状態が解消されている状態で、電源遮断時に実行中であった大当り遊技を再開することができる。このように、出玉量減算スイッチの操作を有効とするためには、電源のオンオフを必要とすることで、打ち止め準備状態の解消については、ホール管理者が厳格に管理することができる。
また、打ち止め準備状態中に出玉量減算スイッチを操作して次回の大当り遊技の獲得が可能になり、その次回の大当り遊技が実行された場合に、再び同様の遊技状況(その次の大当り遊技の獲得が確定しているにもかかわらず大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態に移行してしまう状況)が発生することも考えられる。このような場合も考慮し、打ち止め準備状態中における出玉量減算スイッチの操作受付回数(減算回数)は制限しないようにして、打ち止め準備状態毎に操作受付可能にしておくことが好ましい。これにより、出玉量減算スイッチの操作後に同様の遊技状況が発生したとしても遊技者に不満を与えないように適格にホール管理者が管理することができる。ただし、一の打ち止め準備状態中に出玉量減算スイッチの操作を複数回受け付けて必要以上に出玉量の減算が行われてしまうことを防ぐため、一の打ち止め準備状態中に対して出玉量減算スイッチの操作受付回数(減算回数)は1回のみに制限することが望ましい。
また、打ち止め準備状態中に出玉量減算スイッチを操作する際にはホール管理者による作業が必要になるため、一旦遊技者による遊技を止めることとなるが、その作業間にも大当り遊技は進行してしまうことから作業間の出玉獲得ができずに遊技者に損害を与えてしまう虞がある。これを回避するため、例えば、打ち止め準備状態中に出玉量減算スイッチを操作する際に、大当り遊技を含めた遊技の進行を停止する制御を行うようにしてもよい。例えば、出玉量減算スイッチに対して3秒以上ON状態にしてからOFF状態に切り替える操作が行われることで出玉量の減算が行われるものであれば、少なくとも出玉量減算スイッチをON状態にしている間は大当り遊技を含めた遊技の進行を停止するようにすることが例示できる。また、大当り遊技の解除ではないことを遊技者に認識させ得るために、出玉量減算スイッチをON状態にしている間は、当り遊技を含めた遊技の進行を一時的に停止していることに対応する固有の報知を行うようにして、外部にも認識させるようにしておくことが好ましい。
なお、打ち止め準備状態中に出玉量減算スイッチを操作して減算されることとなる出玉量は、上述した「1回分の大当り遊技で獲得しうる出玉量相当」に限らず、遊技スペック等に応じて適宜設定してもよい。例えば、1回の大当り遊技後(例えば出玉量が500発)に4回の大当り遊技の実行が確約されるような遊技性(例えば5回セットの大当り遊技等)の場合には、1回の出玉量減算スイッチの操作により、次回1回分の大当り遊技で獲得しうる出玉量(500発)を超える値(例えば、4回分の大当り遊技で獲得しうる出玉量相当である「2000発」)を減算するようにしても良い。これにより、遊技者の不満を解消することができる。
(打ち止め状態のクリア後における打ち止め類似状態への移行について)
詳しくは上記したが、制限クリアパターンテーブル4では、電源投入時に電源投入パターン1~4のいずれが選択されている場合であっても、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」をクリア(初期化)している。また、制限クリアパターンテーブル4では、電源投入時において、電源投入パターン2、3のように電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)した場合のみ、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)している。一方、電源投入時において、電源投入パターン1、4のように電源遮断時の遊技状態を維持した場合には、「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持している。つまり、「打ち止め状態中の遊技の制限」については、電源遮断後の再投入時において、維持するか又はクリアするかを選択することが可能になっている。例えば、既に打ち止め状態が発生している場合において、遊技の制限を解除したいときには、電源遮断後、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリアするように電源投入時操作を行えばよく、遊技の制限を維持したいときには、電源遮断後、「打ち止め状態中の遊技の制限」を維持するように電源投入時操作を行えばよいこととなる。
しかしながら、既に打ち止め状態が発生していることに気付かずに、電源遮断後、ホール管理者が誤って「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリアするように電源投入時操作を行ってしまうと、打ち止め状態については継続したいにもかかわらず、打ち止め状態が解消されて遊技の再開が可能になってしまう可能性があった。本例では、既に打ち止め状態が発生している場合において、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリアするように電源投入時操作を行ったときには、その時点で打ち止め状態をクリアするものの、直ぐには通常状態に戻さず、打ち止め状態と同様に遊技を制限する打ち止め類似状態に移行するようにし、ホール管理者が特定の操作を行うまでの間、打ち止め類似状態を継続するようにした構成について、以下に説明する。
まず、パチンコ機1の裏面側には、打ち止め類似状態を終了するための打ち止め類似状態終了スイッチが設けられている。この打ち止め類似状態終了スイッチは、遊技者が触れることができない作業用の操作部(ON状態とOFF状態とを切り替え可能にするボタンや、キー挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にするキースイッチ等)として主制御基板1310に設けられている。そして、打ち止め類似状態中に打ち止め類似状態終了スイッチを操作したときには、その操作信号が主制御基板1310に入力され、打ち止め類似状態では遊技を制限しているものの、打ち止め類似状態を解消して通常状態に戻し、遊技の再開を可能にしている。なお、打ち止め類似状態中には、打ち止め類似状態終了スイッチの操作を有効としているが、打ち止め状態中には、打ち止め類似状態終了スイッチの操作を無効とし、打ち止め状態中に打ち止め類似状態終了スイッチを操作したとしても、打ち止め状態を解消することがない。また、打ち止め類似状態終了スイッチについては、上述した出玉量減算スイッチと兼用するようにしてもよい。
図142は、電源投入時に打ち止め状態をクリアした後に打ち止め類似状態が発生する場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。
まず、タイミングt1の時点で、入賞口への入球に基づく賞球の払い出しにより出玉量が特定値に達すると判断するが、主制御基板1310がその入賞口への入球を検出したときには、打ち止めフラグをONとし、「遊技停止」と「発射停止」の両方を行う制限パターン3が適用された「打ち止め状態」に移行している。打ち止め状態の挙動については、前述したとおりである。
具体的には、打ち止め状態では、遊技球の発射が不能とされ、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能になっている。つまり、打ち止め状態では、特別図柄の変動表示や大当り遊技を実行することがなく、仮に始動入賞があったとしても、特別図柄の変動表示を新たに開始することがない。
次に、打ち止め状態に移行した後、タイミングt2の時点で、電源を遮断し、その後のタイミングt3の時点で、電源を再投入している。本例では、電源の再投入時において、制限クリアパターンテーブルとして制限クリアパターンテーブル4を用いるようにし、電源投入パターンとしては、出玉量および打ち止め状態をクリアすることとなる電源投入パターン2、3が選択されている。このため、電源の再投入時には、電源遮断時の遊技状態をクリア(初期化)しているが、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」についても、クリア(初期化)している。
本例では、電源の再投入時において、「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)しているが、直ぐには通常状態に戻さず、打ち止め状態と同様に遊技を制限する打ち止め類似状態に移行している。このような打ち止め類似状態では、打ち止め状態と同じく、遊技球の発射が不能とされ、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能になっている。つまり、打ち止め類似状態では、特別図柄の変動表示や大当り遊技を実行することがなく、仮に始動入賞があったとしても、特別図柄の変動表示を新たに開始することがない。このように、既に打ち止め状態が発生していることに気付かずに、電源遮断後、ホール管理者が誤って「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリアするように電源投入時操作を行ったとしても、打ち止め類似状態に移行し、ホール管理者が打ち止め類似状態終了スイッチを操作するまでの間、打ち止め状態と同様に遊技を制限することで、遊技の再開については、ホール管理者が厳格に管理することができる。
打ち止め類似状態では、外部に報知する態様として、打ち止め状態とは異なる態様で報知している。具体的には、打ち止め類似状態において、例えば、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、打ち止め類似状態終了スイッチを操作するまでの間、一時的に遊技を制限している旨を通知している。このように、打ち止め類似状態では、打ち止め状態とは異なる態様で報知することで、打ち止め状態中であるのか、打ち止め状態中に電源を遮断した後であるのか、を確実に認識することができる。なお、電源の再投入時には、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)していることから、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨についても通知している。
なお、打ち止め類似状態の挙動については、外部に報知する態様を除いて、打ち止め状態の挙動と略同じである。具体的には、打ち止め類似状態において、可動体については、動作することがない動作不能状態にしている。また、打ち止め類似状態において、外部端子板からは、異常の検出や、設定値の設定変更や設定値の確認表示中でないにもかかわらず、強制的にセキュリティ信号を出力する強制出力状態にしている。これにより、打ち止め類似状態では、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、打ち止め類似状態に移行している旨を把握することができる。
また、打ち止め類似状態では、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)とを計数の対象としていない。つまり、入球数に対する払出数の割合に関する演算を行うことを不能にし、ベースモニタに表示されているベース値に反映しないようにしている。
また、打ち止め類似状態では、入賞口への入球を検出したとしても、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数に加算することもない。ただし、打ち止め類似状態では、入賞口への入球を検出しないように構成してもよく、そもそも入賞口への入球を検出しない場合にも同じく、入賞口への入球があったとしても、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数に加算することもない。また、打ち止め類似状態では、計数ボタンスイッチ180の操作により遊技者の持ち球数を精算することが可能な期間としている。
また、打ち止め類似状態では、磁気や振動などの異常を検出したか否かの異常判定を行っていない。つまり、打ち止め類似状態では、異常を検出したとしても、異常判定を行っていないことから、異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行していない。このように、打ち止め類似状態では、異常報知よりも優先して、打ち止め類似状態に関する報知を実行することで、遊技者やホール管理者に対して、打ち止め類似状態に移行した旨を確実に認識させることができる。ただし、打ち止め類似状態では、磁気や振動などの異常を検出しないように構成してもよく、そもそも異常を検出しない場合にも同じく、異常が発生したとしても、その異常が発生したことを外部に伝える異常報知を実行することがない。
次に、打ち止め類似状態に移行した後、タイミングt4の時点で、打ち止め類似状態終了スイッチを操作している。本例では、打ち止め類似状態中に打ち止め類似状態終了スイッチを操作したときに、打ち止め類似状態を解消して通常状態に戻し、打ち止め類似状態における遊技の制限を解除している。通常状態の挙動については、前述したとおりである。
具体的には、通常状態では、遊技球の発射が可能とされ、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、通常状態では、打ち止め類似状態や打ち止め状態とは異なり、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。
なお、電源の再投入時には、「打ち止め状態が開始される前や、打ち止め状態が開始された以降の出玉量」及び「打ち止め状態中の遊技の制限」をクリア(初期化)していることから、出玉量および打ち止め状態をクリアした旨を通知しているが、そのような通知については、打ち止め類似状態中に打ち止め類似状態終了スイッチを操作し、通常状態に戻した時点で実行するようにしてもよい。これにより、電源の再投入時において、出玉量および打ち止め状態をクリアしているものの、打ち止め類似状態に移行し、打ち止め状態と同様に遊技を制限していることに対し、違和感が生じることを防止することができる。
(事前告知表示や進行不能表示の視認性について)
上記した各例では、遊技の進行過程で演出表示装置1600の最上位レイヤにて事前告知表示のメッセージを特定の表示領域に表示するようにしており、他の演出画像により事前告知表示の視認性が阻害されないものとしているが、演出面に関する遊技者による調整操作を反映させる調整画像(例えば音量や光量に対応する画像、その他の調整に関する画像等)を表示する所定領域が特定の表示領域と前後方向で重なる位置に設けられる場合には、少なくとも事前告知表示が表示されている間、調整画像の視認性が事前告知表示により阻害されてしまい、遊技興趣を低下させてしまう虞がある。このような場合に、特定の表示領域における事前告知表示を視認できないように非表示にしておくことを一例として上述したが、以下に記載する例では、事前告知表示のメッセージが特定の表示領域に表示されている間、調整画像などの遊技情報については、特定の表示領域外に表示されるようにした構成について説明する。
図143は、待機状態中に事前告知表示や進行不能表示が表示されている場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。
まず、出玉量が特定値に達するまでの残りの出玉量が所定値(例えば、5000発)に達した後には、事前告知表示を表示しているが、その事前告知表示については、出玉量が特定値に達するまでの間、特別図柄の変動表示中だけでなく、待機状態である特別図柄の非変動表示中にも継続して表示している。また、詳しくは上記したが、演出表示装置1600では、事前告知表示として、「遊技制限まで残り+〇〇発」というメッセージを特定の表示領域に表示するようにしている。この特定の表示領域は、演出表示装置1600における表示領域の一部に設定され、出玉量が特定値に近づいた場合の表示に用いられる表示領域であり、ホール管理者が見落とさないように如何なる遊技状態においても不変とされる固定領域とされている。
また、事前告知表示や進行不能表示については、演出表示装置1600の上位レイヤにて表示している。ここで、本例の演出表示装置1600では、少なくとも上位レイヤ、中位レイヤ、下位レイヤを含む複数のレイヤを重ねて表示することが可能であり、「上位レイヤ>中位レイヤ>下位レイヤ」という関係のなかで上位のレイヤの表示物であるほど前面側に表示されるようにして、優先して視認しうるようになっている。これにより、上位レイヤに表示される事前告知表示や進行不能表示の視認性は、中位レイヤおよび下位レイヤに表示される表示物により阻害されることがない。
また、特別図柄の非変動表示中には、特別図柄が確定停止してから所定時間(例えば30秒)が経過するまでの間、待機表示1(待機演出1)として、装飾図柄の停止図柄を表示しているが、その装飾図柄の停止図柄については、演出表示装置1600の下位レイヤにて表示している。なお、装飾図柄については、特別図柄の変動表示中であるか特別図柄の非変動中であるかにかかわらず、演出表示装置1600の下位レイヤにて表示している。また、待機表示1のうち装飾図柄の停止図柄が表示されている所定領域については、事前告知表示が表示されている特定の表示領域に対し、特定の表示領域外とし、特定の表示領域と前後方向で一切重ならない位置に設けられている。これにより、事前告知表示が表示されている間であっても装飾図柄の停止図柄の視認性を確保でき、特別図柄の非変動表示中である旨を把握することができる。なお、待機表示1のうち装飾図柄の停止図柄が表示されている所定領域については、一部が特定の表示領域と前後方向で重なる位置に設けられてもよく、例えば、装飾図柄の停止図柄については、その装飾図柄の停止図柄が確認できる程度に事前告知表示からずらして表示するようにしてもよい。
また、特別図柄の非変動表示中には、特別図柄の変動表示中と同じく、設定調節ボタン204の操作により音量や光量の調整を可能にし、音量や光量の調整中には、その調整中の音量や光量に対応する調整画像を表示している。なお、調整画像については、設定調節ボタン204の操作により表示が開始され、表示開始から一定時間(例えば3秒)の経過後に消去されるようになっている。ここでは、特別図柄の非変動表示中のタイミングt1で、設定調節ボタン204の操作があった場合には、調整画像を表示しているが、その調整画像については、演出表示装置1600の中位レイヤにて表示している。また、調整画像が表示されている所定領域については、事前告知表示が表示されている特定の表示領域に対し、特定の表示領域外とし、特定の表示領域と前後方向で一切重ならない位置に設けられている。これにより、事前告知表示が表示されている間であっても調整画像の視認性を確保でき、遊技興趣が低下してしまうことを回避することができる。なお、調整画像が表示されている所定領域については、一部が特定の表示領域と前後方向で重なる位置に設けられてもよく、例えば、調整画像がレベルゲージ方式であればレベルゲージの変化が把握できる程度に重ならないように表示し、調整画像が数値方式であればいずれの数値であるのかが把握できる程度に重ならないように表示するなど、少なくとも遊技者による調整操作の結果が確認できる程度に事前告知表示からずらして表示するようにしてもよい。
また、事前告知表示や進行不能表示は、周辺制御基板1510が行う画像変換処理(モザイク処理、グレースケール処理、拡大・縮小処理等)の対象外になっている。つまり、事前告知表示や進行不能表示以外の演出画像については、周辺制御基板1510が行う画像変換処理の対象であり、演出の進行に伴い、演出画像の態様が変化することを許容しているが、事前告知表示や進行不能表示については、周辺制御基板1510が行う画像変換処理の対象外であり、演出が進行したとしても、演出画像の態様が変化することを許容していない。これにより、事前告知表示や進行不能表示が表示されている間には、その事前告知表示や進行不能表示に対する視認性が変化することがなく、出玉量等に関する情報を見落としてしまうことを回避することができる。
次いで、特別図柄の変動表示の終了後であるタイミングt3で、特別図柄が確定停止してから所定時間(例えば30秒)が経過したときには、デモンストレーション画像(例えば演出説明や宣伝用の画像等)を表示するデモンストレーション期間を開始している。このデモンストレーション期間については、特別図柄の変動表示を開始すると、終了するものとしている。また、デモンストレーション期間に移行した後にも、事前告知表示を継続して表示している。これにより、新規の遊技者が遊技開始前に出玉量等に関する情報を認識しないまま遊技を開始してしまうことを回避することができる。
また、デモンストレーション期間中には、待機表示2(待機演出2)として、以下の内容のデモンストレーション画像を表示している。具体的には、まず、演出表示装置1600を用いてパチンコ機1の演出説明、宣伝用の画像の表示(ムービー)を実行するようにし、その終了段階では、パチンコ機1の機種タイトルのロゴ表示を実行している。そして、機種タイトルのロゴ表示の終了後には、演出表示装置1600において、パチンコ機1を製造したメーカーのロゴ表示を実行するようにし、その後、過度に遊技にのめり込むことを防止するための「のめり込み防止」に関する注意喚起メッセージ(例えば「パチンコは適度に楽しむものです。のめり込みに注意しましょう」の文字表示)の表示を実行している。このような注意喚起メッセージを表示することで、その後の遊技において、遊技者が過度に遊技にのめり込むことを防止することができる。
本例では、上記の待機表示2については、演出表示装置1600の下位レイヤにて表示している。そして、例えば、注意喚起メッセージが表示されている所定領域については、事前告知表示が表示されている特定の表示領域に対し、特定の表示領域外とし、特定の表示領域と前後方向で一切重ならない位置に設けられている。これにより、事前告知表示が表示されている間であっても注意喚起メッセージの視認性を確保でき、遊技者が過度に遊技にのめり込むことを確実に防止することができる。なお、注意喚起メッセージが表示されている所定領域については、その所定領域の一部が特定の表示領域と前後方向で重なる位置に設けられてもよく、例えば、注意喚起メッセージについては、所定領域と特定の表示領域とが重なっていたとしても、その注意喚起メッセージの内容が確認できる程度に事前告知表示から上下方向あるいは左右方向にずらして表示するようにしてもよい。また、例えば、注意喚起メッセージが表示されている所定領域については、後述の調整画像が表示されることとなる表示領域外としてもよい。これにより、調整画像が表示されている場合であっても注意喚起メッセージの視認性を確保でき、遊技者が過度に遊技にのめり込むことを確実に防止することができる。
また、別例として、上記の待機表示2については、演出表示装置1600の上位レイヤに表示するようにしてもよい。この場合、注意喚起メッセージが表示される所定領域と、事前告知表示が表示される特定の表示領域とが同一のレイヤに表示されることとなるが、所定領域と特定の表示領域とが一切重ならないように上下方向あるいは左右方向にずらして設けておくことが望ましい。これにより、事前告知表示が表示されている間であっても注意喚起メッセージの視認性を確保でき、遊技者が過度に遊技にのめり込むことを確実に防止することができる。なお、注意喚起メッセージが表示される所定領域の一部が特定の表示領域と重なるように設けられてもよく、例えば、注意喚起メッセージについては、所定領域と特定の表示領域と重なっていたとしても、その注意喚起メッセージの内容が確認できる程度に事前告知表示から上下方向あるいは左右方向にずらして表示するようにしてもよい。
また、デモンストレーション期間中のタイミングt4で、設定調節ボタン204の操作があった場合には、調整画像を表示しているが、その調整画像については、上述したとおり、演出表示装置1600の中位レイヤにて表示している。また、調整画像が表示されている所定領域については、事前告知表示が表示されている特定の表示領域に対し、特定の表示領域外とし、特定の表示領域と前後方向で一切重ならない位置に設けられている。これにより、事前告知表示が表示されている間であっても調整画像の視認性を確保でき、遊技興趣が低下してしまうことを回避することができる。なお、デモンストレーション期間中に設定調節ボタン204の操作があった場合には、待機状態を継続しつつ、そのデモンストレーション期間を終了するようにしてもよいが、デモンストレーション期間の終了後の待機状態でも、事前告知表示については継続して表示することとなる。
また、デモンストレーション期間中には、遊技盤5に設けられた可動体を初期位置から出現位置に移動し、演出表示装置1600の画面の前方に出現するようにしてもよいが、演出表示装置1600の画面の前方に可動体が出現したとしても、事前告知表示が表示されている特定の表示領域の前方には位置しないことが好ましい。これにより、デモンストレーション期間中に可動体が動作する場合であっても事前告知表示の視認性を確保することができる。
次いで、タイミングt6の時点で、出玉量が特定値に達して遊技の制限を実行すると、待機状態を終了して、遊技の進行を不能とする打ち止め状態に移行する。上述した通り、各入賞口への入賞により生ずる賞球に基づく演算で出玉量が特定値に達すると、打ち止め状態になって遊技が制限されるが、本例では、こうした遊技の制限を、特別図柄の変動表示中や当り遊技中に限らず、待機状態中であっても制御するようにしている。これにより、例えば、待機状態にて発射された遊技球が一般入賞口2001等に入賞し、該入賞により出玉量が特定値に達した場合、遊技が進行していない状態でありながらも遊技の制限を実行し、待機状態から打ち止め状態に直に移行させて、特別図柄の変動表示中や当り遊技中に打ち止め状態とされることを事前に回避することが可能になる。
待機状態から打ち止め状態に直に移行した場合、演出表示装置1600では、打ち止め状態に対応する画像として、進行不能表示を表示している。進行不能表示としては、「遊技制限」というメッセージを表示し、それに伴い「1日の出玉制限〇〇〇発に達したので遊技を制限しています。」、「係員をお呼び下さい。」、「精算ボタンは有効です。」というメッセージを表示している。また、進行不能表示については、上述の通り、演出表示装置1600の上位レイヤにて表示している。これにより、進行不能表示の視認性が阻害されることがなく、出玉量が特定値に達して遊技の制限が実行されている旨を把握することができる。
また、本例の進行不能表示については、演出表示装置1600の上位レイヤにて、不透明の暗転表示(例えば黒色の背景画像)からなる画面上にメッセージを表示するようにしている。この暗転表示は、演出表示装置1600の略全面で行われる。これにより、上位レイヤよりも下位のレイヤに表示される画面については、上位レイヤにおける暗転表示により視認不能となっている。具体的には、タイミングt6の時点で、打ち止め状態に移行した後にも、演出表示装置1600の下位レイヤにて待機表示2としてのデモンストレーション画像を継続して表示しているが、演出表示装置1600の上位レイヤにて演出表示装置1600の略全面を用いて進行不能表示が表示されていることで、デモンストレーション画像については視認不能となっている。これにより、打ち止め状態に移行した後には、進行不能表示の表示中にデモンストレーション期間であることを遊技者が認識することがなく、出玉量が特定値に達して遊技の制限が実行されている旨を確実に把握することができる。なお、打ち止め状態に移行した後には、特別図柄を変動表示していない待機状態が所定期間(例えば30秒)経過したか否かにかかわらず、そもそも演出表示装置1600の下位レイヤにてデモンストレーション画像を継続して表示しないように強制終了させてもよい。
また、進行不能表示の表示中のタイミングt7で、設定調節ボタン204の操作があった場合には、設定調節ボタン204の操作自体は受付可能であり、演出表示装置1600の中位レイヤにて調整画像を表示しているが、演出表示装置1600の上位レイヤにて演出表示装置1600の略全面を用いて進行不能表示が表示されていることで、調整画像については視認不能となっている。なお、進行不能表示の表示中には、調整画像を表示しないだけで、設定調節ボタン204の操作により内部的に音量や光量の調整操作を受付可能にしている。ただし、進行不能表示の表示中には、音声や発光に関連する制御として打ち止め状態に基づく制御が優先して実行され、設定調節ボタン204の操作を受けた音量や光量の調整が反映されないようになっている。なお、別例として、進行不能表示の表示中に設定調節ボタン204の操作を受けた音量や光量の調整が反映されるようにしてもよく、例えば、後述する報知態様に関与する音量や光量を除いては、音量や光量の調整が反映されるようにしてもよい。
また、本例では、タイミングt6の時点で、打ち止め状態に移行した後にも、演出表示装置1600の下位レイヤにて待機表示2としてのデモンストレーション画像を継続して表示しているが、進行不能表示の表示中に設定調節ボタン204の操作があった場合に、下位レイヤにて継続しているデモンストレーション画像を終了させるようにしてもよい。これにより、周辺制御基板1510の制御負荷を軽減できる。なお、下位レイヤにて継続しているデモンストレーション画像を終了させる条件としては、設定調節ボタン204の操作に限らず、第一演出ボタン251や第二演出ボタン252の操作やハンドル160の操作であってもよい。また、進行不能表示の表示中に設定調節ボタン204、第一演出ボタン251や第二演出ボタン252の操作やハンドル160の操作が行われた場合(下位レイヤにて継続しているデモンストレーション画像を終了させる条件である所定の操作が行われた場合)には、それに応じて専用の音声や発光、表示等の報知を何ら行わないようにすることが望ましい。すなわち、各操作に応じた専用の音声や発光、表示等の報知を行うようにすると、遊技者が「遊技を行うことができるのか」と誤解してしまう虞があるが、この点で各操作に応じた専用の音声や発光、表示等の報知を一切行わないようにしておくことで、そうした誤解を招く恐れを防ぐことができる。なお、遊技機の種別が前述した所謂、封入式遊技機、管理遊技機の場合には、設定調節ボタン204、第一演出ボタン251や第二演出ボタン252の操作やハンドル160の操作に応じた専用の音声や発光、表示等の報知は行わないものの、計数ボタンスイッチ180の操作に限っては、正常な遊技終了に関する案内を明確にする点からも、その操作に応じた専用の音声や発光、表示等の報知を実行するようにしてもよい。
次に、打ち止め状態の実行中における発光や音声に関する報知態様について、図143を用いて説明する。本例では、打ち止め状態へ移行したとき、演出表示装置1600だけでなく、演出表示装置1600以外の報知部材も用いて、打ち止め状態に移行した旨を外部に積極的に知らせるように強調態様で報知しているが、打ち止め状態を解消しない限り、その強調態様で報知し続けると、周囲の遊技者に対して遊技の妨げとなる虞がある。ここでは、こうした懸念を解消するために、打ち止め状態の実行中における発光や音声に関する報知を特異な態様で変化させるように制御する構成について、以下に説明する。
まず、タイミングt6の時点で、出玉量が特定値に達して遊技の制限を実行すると、遊技の進行を不能とする打ち止め状態に移行し、演出表示装置1600では、打ち止め状態に対応する画像として、演出表示装置1600の略全面を用いて進行不能表示を表示している。このとき、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、進行不能時の動作を実行するのに伴い、報知態様Aとして、予め定められた特定の光量(例えば最大光量)と予め定められた特定の音量(例えば最大音量)とからなる強調態様での報知を、設定調節ボタン204の操作による設定状況に拘らず強制的に実行している。より具体的には、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)については、白色単色発光で、LEDが点滅や点灯を特定の光量(例えば最大光量)で行うようにし、スピーカからは、「1日の出玉制限に達したので遊技を制限しています」という音声を特定の音量(例えば最大音量)で出力している。これにより、ホール管理者に向けて、打ち止め状態に移行した旨を明確に知らせることができる。なお、打ち止め状態に関連する強調態様での報知は、異常等の他のエラー時に行われる報知の態様とは異なる態様としておくことが好ましい。
そして、報知態様Aとしての強調態様での報知を開始した後、所定期間(例えば、15秒)が経過したタイミングt8の時点で、演出表示装置1600については、演出表示装置1600の略全面を用いて進行不能表示を維持するものの、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、報知態様Bとして、光量や音量を抑制した抑制態様での報知に移行している。具体的には、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)については、LEDが白色単色発光を継続しつつも、特定の光量(例えば最大光量)での点滅や点灯を行わないようにし(特定の光量よりも小さい光量で点滅や点灯を行うようにし)、さらに、スピーカからは、「1日の出玉制限に達したので遊技を制限しています」という音声自体を出力しないようにして、何らの音も聞こえない無音状態(非可聴状態)にしている。これにより、打ち止め状態中であっても、強調態様での報知を終了し、周囲の遊技者に対して遊技の妨げとなることを防止することができる。また、打ち止め状態となって遊技されなくなった遊技機が過剰に電力を消費してしまうことも回避できる。
なお、抑制態様については、強調態様よりも光量や音量を抑制したものであればよく、例えば、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)については、強調態様とは発光色のパターンを変更して複数色発光でLEDが点滅や点灯を行うようにしたり、スピーカからは、特定の音量よりも小さい音量で、「1日の出玉制限に達したので遊技を制限しています」という音声や所定のBGMを出力するようにしてもよい。このようにしておくことで、打ち止め状態となって遊技されなくなった遊技機であっても、装飾効果を保つことができ、遊技ホール全体の活気づけの役割を担わせることができる。なお、打ち止め状態となって遊技されなくなった遊技機での装飾効果は不要であり、一層の省エネ効果を求めるのであれば、抑制態様については、光量や音量を完全に抑制してもよく、例えば、演出表示装置1600については、演出表示装置1600の略全面を用いて進行不能表示を維持するものの、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)については消灯状態にし、さらに、スピーカからは何らの音も聞けない無音状態(非可聴状態)にしてもよい。また、所定の抑制態様選択スイッチを設け、管理者による抑制態様選択スイッチの操作によって、抑制態様としてどのような設定にするかを変更(選択)できるようにしてもよい。
また、報知態様Bとしての抑制態様での報知を開始した後のタイミングt9で、設定調節ボタン204の操作があった場合には、演出表示装置1600については、進行不能表示を維持したままで、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、報知態様Aとして、光量や音量を強調した強調態様での報知を再び実行するように移行している。また、ハンドル160への接触があり、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検知した場合にも同様に、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、報知態様Aとして、光量や音量を強調した強調態様での報知を再び実行するように移行している。これにより、新規の遊技者が打ち止め状態である旨を認識しないまま遊技を開始しようとしても、強調態様での報知に移行し、打ち止め状態である旨に気付かせることができる。なお、ハンドル160へ接触しながら回転操作したとしても、上述の制限パターン3で遊技が制限されている場合には、打ち止め状態中に「遊技停止」および「発射停止」しているため、遊技領域5aに向けて遊技球を発射することがない。
また、報知態様Aとしての強調態様での報知を再び開始した後、所定期間(例えば、15秒)が経過したタイミングt10の時点で、演出表示装置1600については、進行不能表示を維持するものの、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、報知態様Bとして、光量や音量を抑制した抑制態様での報知を再び実行するように移行している。これにより、誤って設定調節ボタン204の操作や、ハンドル160への接触があったとしても、強調態様での報知を終了し、周囲の遊技者に対して遊技の妨げとなることを防止することができる。なお、本例では、報知態様A(強調態様)から報知態様B(抑制態様)に移行させるまでの時間を、タイミングt6~タイミングt8までの時間と、タイミングt9~タイミングt10までの時間で同じ所定時間(15秒)としたが、タイミングt6~タイミングt8までの時間と、タイミングt9~タイミングt10までの時間とを異なる時間としても良い。例えば、タイミングt6~タイミングt8までの時間は、周囲への周知化を目的としていることから比較的長い時間(15秒)に設定することが望ましい一方で、タイミングt9~タイミングt10までの時間は、新規の遊技者が打ち止め状態であること及び省エネ期間の拡大を目的に、タイミングt6~タイミングt8よりも短時間(例えば5秒)に設定すること等が例示できる。
また、報知態様A(強調態様)から報知態様B(抑制態様)に移行させる所定条件は、上述した所定時間の経過に限らず、管理者による操作等を条件にしても良い。例えば、所定の抑制態様設定スイッチを設け、報知態様A(強調態様)中における管理者による抑制態様設定スイッチの操作によって、報知態様B(抑制態様)に強制的に変更できるようにしてもよい。
上記のように、打ち止め状態の実行中には、所定期間が経過するなどの所定条件が成立すると、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、報知態様が変化するようにしている。これに対し、ランプCでは、機能表示ユニット1400として、状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器などを備えているが、打ち止め状態中にそれらの全てのLEDが点灯するようにし、所定条件が成立したとしても、報知態様が変化しないようにしている。これにより、報知態様が変化した部材があったとしても、ランプCを用いた報知により、打ち止め状態が解消されていない旨を把握することができる。
また、タイミングt6の時点で、打ち止め状態への移行直後に報知態様Aを実行する場合と、タイミングt10の時点で、設定調節ボタン204の操作や、ハンドル160への接触があることにより報知態様Aを実行する場合とで、いずれも強調態様で、共通の報知を実行している。これにより、制御プログラムの共通化を図ることができる。
なお、別例として、タイミングt10の時点で、設定調節ボタン204の操作や、ハンドル160への接触があった場合には、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、報知態様Cとして、報知態様Aや報知態様Bとは別の態様での報知に移行するようにしてもよい。このような構成であっても、新規の遊技者が打ち止め状態である旨を認識しないまま遊技を開始しようとしたときに、報知態様Aや報知態様Bとは別の態様での報知に移行し、打ち止め状態である旨に気付かせることができる。
次に、特別図柄の非変動表示中(待機状態中)におけるハンドル接触演出の実行可否について、図143を用いて説明する。本例では、特別図柄の非変動表示中に新たにハンドル160への接触があった場合に、ハンドル接触演出を実行可能とし、遊技開始の興趣を高めるようにしている。
まず、打ち止め状態でない状態における特別図柄の非変動表示中(待機状態中)については、デモンストレーション期間中であるか否かにかかわらず、新たにハンドル160への接触があった場合に、ハンドル接触演出を実行可能な期間として設定されている。例えば、事前告知表示の表示中のタイミングt1で、新たにハンドル160への接触があった場合には、ハンドル接触演出を開始し、所定期間(例えば、5秒)にわたって、ハンドル接触演出を実行している。このハンドル接触演出では、演出表示装置1600を用いて、ハンドル160への接触に対応する接触時専用画像(例えば、遊技開始を印象付ける特定キャラクタの動画表示等)を表示しているが、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについてもハンドル160への接触に対応する特定の演出処理(例えば、遊技開始を印象付ける音声や発光等)を実行可能にしている。なお、ハンドル160への接触に対応する接触時専用画像については、事前告知表示が表示されている特定の表示領域外であり、且つ、上述した下位レイヤに表示されている。
一方、打ち止め状態における進行不能表示の表示中については、新たにハンドル160への接触があった場合に、ハンドル接触演出を実行不能な期間として設定されている。つまり、進行不能表示の表示中に新たにハンドル160への接触があったとしても、演出表示装置1600では、ハンドル160への接触に対応する接触時専用画像を表示することがなく、ハンドル接触演出の実行を制限している。これにより、新規の遊技者が打ち止め状態である旨を認識しないまま遊技を開始しようとしても、通常時のハンドル接触演出が実行されない。すなわち、通常時のハンドル接触演出が行われないことを以て打ち止め状態である旨に気付かせることができる。なお、上述したように、接触時専用画像は、下位レイヤに表示されるようにしているため、接触時専用画像の表示有無による制御複雑化を回避することを目的として、進行不能表示の表示中に新たにハンドル160への接触があった場合に、接触時専用画像を下位レイヤに表示するようにしても良い。接触時専用画像を下位レイヤに表示したとしても、演出表示装置1600の上位レイヤにて演出表示装置1600の略全面を用いて進行不能表示が表示されている場合、遊技者は接触時専用画像を視認できず、通常時のハンドル接触演出が行われないことを以て打ち止め状態である旨に気付かせることができる。なお、ハンドル160へ接触しながら回転操作したとしても、上述の制限パターン3で遊技が制限されている場合には、打ち止め状態中に「遊技停止」および「発射停止」しているため、遊技領域5aに向けて遊技球を発射することがない。
また、詳しくは上記したが、進行不能表示の表示中に新たにハンドル160への接触があった場合には、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、報知態様Bから報知態様A(別例として報知態様C)へ変化させることが可能であり、強調態様での報知に移行している。これにより、新規の遊技者が打ち止め状態である旨を認識しないまま遊技を開始しようとしても、強調態様での報知を実行し、打ち止め状態である旨に気付かせることができる。
また、事前告知表示の表示中のタイミングt5で、新たにハンドル160への接触があった場合には、ハンドル接触演出を開始しているが、ハンドル接触演出が終了するよりも前のタイミングt6の時点で、出玉量が特定値に達して打ち止め状態に移行すると、ハンドル接触演出の実行途中で終了し、演出の最後まで実行しないようにしている。つまり、打ち止め状態に移行した後には、ハンドル160への接触に対応する接触時専用画像を視認困難にしている。これにより、ハンドル接触演出に注目していたとしても、打ち止め状態に移行し、遊技を継続することができない旨に気付かせることができる。
なお、本例では、打ち止め状態中において、遊技機側から遊技球貸出装置8へのデータ転送は受付可能であるが、新たな遊技者の通常の持ち球数の加算や、遊技球貸出装置8から遊技機側へのデータ転送を受付不能にしており、新たな遊技者が遊技を開始することができないようにしている。そして、新たな遊技者が通常の持ち球数を加算しようとする行為(球貸し操作)があった場合には、所定の報知態様で報知している。例えば、進行不能表示の表示中に新たにハンドル160への接触があった場合と同じく、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、報知態様Bから報知態様A(別例として報知態様C)へ変化させるようにし、強調態様での報知に移行している。これにより、新規の遊技者が打ち止め状態である旨を認識しないまま遊技を開始しようとしても、球貸し操作時に通常の持ち球数が加算されないことで、遊技を開始することができず、加えて強調態様での報知を実行することで、打ち止め状態である旨に気付かせることができる。なお、打ち止め状態中において、新たな遊技者の通常の持ち球数の加算や、遊技球貸出装置8からのデータ転送を受付不能にする場合には、持ち球数表示部140の表示態様を、例えば「EEEE」等の打ち止め状態に対応した受付不能態様で制御するようにし、事前にその旨を知らせるようにすることが好ましい。
また、別例としては、打ち止め状態中において、新たな遊技者の通常の持ち球数の加算や、遊技球貸出装置8から遊技機側へのデータ転送を受付可能にしてもよい。このような場合にも、新たな遊技者が通常の持ち球数を加算しようとする行為(球貸し操作)があった場合には、所定の報知態様で報知している。例えば、進行不能表示の表示中に新たにハンドル160への接触があった場合と同じく、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、報知態様Bから報知態様A(別例として報知態様C)へ変化させるようにし、強調態様での報知に移行している。これにより、新規の遊技者が打ち止め状態である旨を認識しないまま遊技を開始しようとしたとき、球貸し操作時に通常の持ち球数が加算されるものの、強調態様での報知を実行することで、打ち止め状態である旨に気付かせることができる。
また、別例として、特別図柄の非変動表示中(待機状態中)に、デモンストレーション期間内の所定時期に遊技盤5に設けられた可動体を初期位置から出現位置に移動し、演出表示装置1600の画面の前方で所定の動作期間に亘って待機させる(動作期間の経過後は可動体を出現位置から初期位置に戻す)ようにして、所謂「客寄せ動作」等を行うようにしてもよいが、こうした客寄せ動作についても上述したハンドル接触演出と同様に一部を制限するようにしてもよい。例えば、事前告知表示の表示中のタイミングt5で、遊技盤5に設けられた可動体を初期位置から出現位置に移動させる動作(客寄せ動作)を行うように予め設定されている場合には、タイミングt5から所定の動作期間に亘って客寄せ動作を行うが、動作期間が経過するよりも前のタイミングt6の時点で、出玉量が特定値に達して打ち止め状態に移行すると、動作期間の途中で終了し、可動体を出現位置から初期位置に強制的に戻して、客寄せ動作を短縮するようにしている。つまり、打ち止め状態に移行した後には、客寄せ動作を実行しないようにしている。これにより、客寄せ動作を実行していたとしても、打ち止め状態に移行し、遊技を継続することができない旨に気付かせることができる。
次に、演出変更操作の受付可否について、図143を用いて説明する。本例では、特別図柄の変動表示中と、特別図柄の非変動表示中と、当り遊技中(大当り遊技中)とのいずれにおいても、設定調節ボタン204の長押し操作があった場合に、「以降の演出において第一演出ボタン251や第二演出ボタン252の操作が要求されたときに第一演出ボタン251や第二演出ボタン252が操作されずとも操作したものとみなすオートボタン機能を有効にするオートボタンモード」への変更や、「演出表示装置1600での3D画像表示を有効にする3D表示モード」への変更を可能とし、遊技者のニーズに合った遊技環境を提供するようにしている。なお、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更があった後、再び設定調節ボタン204の長押し操作があった場合には、その変更を解除して通常モードに変更するようにしている。
まず、一例として、打ち止め状態でない状態における特別図柄の非変動表示中に設定調節ボタン204の長押し操作があった場合について説明する。打ち止め状態でない状態における特別図柄の非変動表示中については、デモンストレーション期間中であるか否かにかかわらず、設定調節ボタン204の長押し操作に対する受付を有効とし、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更を可能にしている。例えば、事前告知表示の表示中のタイミングt1で、設定調節ボタン204の長押し操作を開始した場合には、演出表示装置1600では、長押し操作の受付中に対応する画像や音声からなる受付中演出(例えば、「5秒間押し続ければオートボタンモードと3D表示モードに変更します」等の表示や音声)を実行している。そして、タイミングt2の時点で、設定調節ボタン204の長押し操作の期間が所定期間(例えば、5秒)に達すると、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更を行い、演出表示装置1600では、長押し操作の受付済に対応する画像や音声からなる受付済演出(例えば、「オートボタンモードと3D表示モードに変更しました」等の表示や音声)を実行している。なお、受付中演出や受付済演出の画像表示については、事前告知表示が表示されている特定の表示領域外であり、且つ、演出表示装置1600の中位レイヤに表示されている。
また、図示していないが、打ち止め状態でない状態における特別図柄の変動表示中や当り遊技中(大当り遊技中)に設定調節ボタン204の長押し操作があった場合についても、特別図柄の非変動表示中と同様の態様で設定調節ボタン204の長押し操作に対する受付を有効とし、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更を可能にしており、受付中演出や受付済演出も実行するように制御している。なお、特別図柄の変動表示中に設定調節ボタン204の長押し操作があった場合には、その特別図柄の変動表示中に限らず、その特別図柄の変動表示終了後や次回の特別図柄の変動表示開始後に跨がって長押し操作の継続受付を可能にしており、特別図柄の変動表示終了に伴って長押し操作が中途で強制解除されないようにしている。
また、特別図柄の変動表示中や特別図柄の非変動表示中、当り遊技中(大当り遊技中)において、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更を行った後には、以降の演出においてオートボタンモードや3D表示モードに対応するように変更するとともに、オートボタンモードや3D表示モードが設定されていることを示す設定中演出(設定中画像)を実行しているが、その状態で出玉量が特定値に達して打ち止め状態に移行すると、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更を強制解除し、以降の設定中演出(設定中画像)の実行を制限している。つまり、出玉量が特定値に達して打ち止め状態に移行すると、設定調節ボタン204に対する何らの操作も伴うことなく設定済のオートボタンモードや3D表示モードを強制的に解除し、いずれのモードにも対応しない通常の態様で上述した進行不能表示等が実行されることとなる。また、設定中演出(設定中画像)については、受付中演出や受付済演出の画像と同様に、遊技不能表示が表示されている特定の表示領域外であり、且つ、演出表示装置1600の中位レイヤに表示されている。これにより、3D表示等で進行不能表示が行われてしまうことを回避し、且つ、設定中演出(設定中画像)で遊技不能表示が視認困難となることを回避でき、遊技者に不快感や嫌悪感を与えることなく打ち止め状態の報知を適切に実行することができる。
次に、特別図柄の変動表示中や特別図柄の非変動表示中、当り遊技中(大当り遊技中)において、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更のために設定調節ボタン204の長押し操作を行っている途中の状態で出玉量が特定値に達した場合について説明する。図143を用いて打ち止め状態でない状態における特別図柄の非変動表示中を例に説明すると、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更のために設定調節ボタン204の長押し操作を行っている途中であるタイミングt6の時点(例えば設定調節ボタン204の長押し操作を3秒間行った状態)で、出玉量が特定値に達して打ち止め状態に移行する場合、タイミングt6の時点で設定調節ボタン204の長押し操作の継続受付を遮断して、以降の操作受付を強制的に不能にしている。また、受付中演出や受付済演出は、その実行途中で、出玉量が特定値に達して打ち止め状態に移行する場合、打ち止め状態に移行した時点で演出を強制的に終了するようにしている。つまり、それ以降に設定調節ボタン204の長押し操作が行われて5秒間以上に達したとしても、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更が行われないように制限している。これにより、打ち止め状態に移行するよりも前に設定調節ボタン204の長押し操作があったとしても、その長押し操作の途中で打ち止め状態に移行した場合には、打ち止め状態に移行した後において受付中演出、受付済演出、および設定中演出のいずれも実行せず、遊技者に不快感や嫌悪感を与えることなく打ち止め状態の報知を適切に実行することができる。
一方、打ち止め状態における進行不能表示の表示中については、設定調節ボタン204の長押し操作に対する受付を無効とし、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更を行わないように制限している。つまり、進行不能表示の表示中に設定調節ボタン204の長押し操作があったとしても、演出表示装置1600では、受付中演出、受付済演出、および設定中演出を実行しないように制限している。これにより、新規の遊技者が打ち止め状態である旨を認識しないまま設定調節ボタン204の長押し操作があったとしても、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更に関する報知は実行せず、遊技可能であると誤解させることを回避することができる。
また、特別図柄の変動表示中や特別図柄の非変動表示中、当り遊技中(大当り遊技中)において、既に設定されているオートボタンモードの解除や3D表示モードの解除のために設定調節ボタン204の長押し操作を行っている途中の状態で出玉量が特定値に達した場合においては、次のように制御することとしている。すなわち、オートボタンモードの解除や3D表示モードの解除のために設定調節ボタン204の長押し操作を行っている途中であるタイミングt6の時点(例えば設定調節ボタン204の長押し操作を3秒間行った状態)で、出玉量が特定値に達して打ち止め状態に移行する場合、タイミングt6の時点で設定調節ボタン204の長押し操作の継続受付を遮断して、上記と同様に以降の操作受付を強制的に不能にしている。また、受付中演出や受付済演出も、その実行途中で、出玉量が特定値に達して打ち止め状態に移行する場合、上記と同様に打ち止め状態に移行した時点で演出を強制的に終了するようにしている。ただし、既に設定されているオートボタンモードの解除や3D表示モードの解除のために設定調節ボタン204の長押し操作を行っている途中の状態で出玉量が特定値に達した場合においては、設定調節ボタン204の長押し操作の継続受付が遮断されたとしても、出玉量が特定値に達することに基づいてオートボタンモードの解除や3D表示モードの解除を行うように制御している。つまり、打ち止め状態に移行するよりも前に設定調節ボタン204の長押し操作(解除のための操作)があった場合には、その長押し操作の途中で打ち止め状態に移行することで、打ち止め状態に移行した後において受付中演出、受付済演出、および設定中演出のいずれも実行されることはないが、オートボタンモードの解除や3D表示モードの解除は強制的に実行されることとなる。これにより、打ち止め状態の報知が特殊なモードを反映した歪な態様になることを防止し、遊技者に不快感や嫌悪感を与えることを回避することができる。
また、詳しくは上記したが、進行不能表示の表示中に設定調節ボタン204の操作(長押し操作)があった場合には、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、報知態様Bから報知態様A(別例として報知態様C)へ変化させることが可能であり、強調態様での報知に移行している。これにより、新規の遊技者が打ち止め状態である旨を認識しないまま設定調節ボタン204の長押し操作があったとしても、強調態様での報知を実行し、打ち止め状態である旨に気付かせることができる。
また、事前告知表示の表示中のタイミングt5で、設定調節ボタン204の長押し操作を開始した場合には、演出表示装置1600では、受付中演出の画像を表示しているが、設定調節ボタン204の長押し操作の期間が所定期間(例えば、5秒)に達するよりも前のタイミングt6の時点で、出玉量が特定値に達して打ち止め状態に移行すると、受付中演出の画像の表示を途中で終了し、受付中演出の画像の表示が最後まで実行されないようにしている。つまり、打ち止め状態に移行した後には、受付中演出の画像の表示を視認できないようにしている。また、打ち止め状態に移行した後には、設定調節ボタン204の長押し操作に対する受付を無効とすることから、打ち止め状態に移行する前から長押し操作を継続していたとしても、長押し操作の期間が所定期間(例えば、5秒)に達したタイミングt7の時点で、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更を行うことがなく、演出表示装置1600では、受付済演出の画像を表示することがない。これにより、設定調節ボタン204の長押し操作を継続していたとしても、打ち止め状態に移行し、遊技を継続することができない旨に気付かせることができる。
なお、大当り遊技中に出玉量が特定値に達して打ち止め準備状態に移行したときには、打ち止め状態における進行不能表示の表示中とは異なり、設定調節ボタン204の長押し操作に対する受付を有効とし、オートボタンモードへの変更や3D表示モードへの変更を可能にしている。このため、事前告知表示の表示中に設定調節ボタン204の長押し操作を開始し、長押し操作の期間が所定期間(例えば、5秒)に達するよりも前に打ち止め準備状態に移行した場合には、受付中演出を実行途中で終了することがなく、打ち止め準備状態に移行した後に長押し操作の期間が所定期間(例えば、5秒)に達することで、オートボタンへの変更や3D表示への変更を行い、演出表示装置1600では、受付済演出の画像を表示している。これにより、設定調節ボタン204の長押し操作中に出玉量が特定値に達したときに、打ち止め状態または打ち止め準備状態のいずれに移行したかを把握することができ、打ち止め準備状態に移行した後には、対応演出の実行により、遊技者のニーズに合わせた遊技を行うことができる。
なお、上述では、設定調節ボタン204の長押し操作によってオートボタンモードや3D表示モードへの他モードへの変更を例示したが、設定調節ボタン204の長押し操作によって変更可能な他モードはこれらのモードに限定されるものではない。例えば、他モードとしては「予告演出やリーチ演出が異なる態様で実行される別演出モード」への変更等であってもよい。また、設定調節ボタン204の長押し操作によって他モードに変更することを例示したが、他モードへの変更の契機となる遊技者操作は設定調節ボタン204への長押し操作に限らず、「設定調節ボタン204や他のボタンへの短押し操作」であってもよい。
また、オートボタンモードや3D表示モードへの他モードへの変更を反映するタイミングは、上記した例に限らず、例えば次回の特別図柄の変動開始まで変更を保留しておき、次回の特別図柄の変動開始を契機に他モードへの変更を反映するようにしてもよい。このような場合、他モードへの変更が保留されてから次回の特別図柄の変動開始までの間に出玉量が特定値に達して打ち止め状態となることで、次回の特別図柄の変動開始自体が実行されないことから他モードへの変更の反映を不能にでき、上述と同等の効果を得ることができる。また、こうした場合は、出玉量が特定値に達して打ち止め状態となることで他モードへの変更を保留していることに関する情報も消去するようにすれば、周辺制御基板1510の制御負荷を軽減できる。
[サイドユニットの他の変形例]
次に、上記とは更に異なる他の形態のサイドユニット2800Hについて、主に図144乃至図146等を参照して説明する。図144は、更に異なる他の形態のサイドユニット2800Hの裏側を示す概略斜視図である。図145は、図144に示す磁気センサ1030Hの近傍が拡大された拡大側面図である。図146は、図144に示す球センサ2815Hの近傍が拡大された拡大平面図である。ここでは、上記のサイドユニット2800やサイドユニット2800B乃至サイドユニット2800Gと同じ構成については同じ符号を付して説明は省略する。
サイドユニット2800Hは、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延出している。また、サイドユニット2800Hは、遊技球Bを常時受入可能に開口している複数(本実施形態では、3つ)の一般入賞口2001を備えている。
本実施形態のサイドユニット2800Hは、遊技パネル1100において障害釘が植設される平板状のパネル板1110に前方から取付けられるユニット本体2810Aと、ユニット本体2810Aの後側に取付けられるユニットカバー2820と、ユニット本体2810Aとユニットカバー2820との間に設けられるLED基板と、一般入賞口2001の近傍の不正な磁気(磁力線)を検知する磁気センサ1030Hと、一般入賞口2001に受入れられて通路出口2812bから排出された遊技球Bを検知する球センサ2815Hと、を更に備えている。
ユニット本体2810A及びユニットカバー2820の間には、LED基板に加えて磁気センサ1030H及び球センサ2815Hが設けられている(図144では省略)。ユニット本体2810A及びユニットカバー2820は、透明な合成樹脂により形成されており、例えば、LED基板、磁気センサ1030H及び球センサ2815H等がユニット外部から目視可能である。
サイドユニット2800HのLED基板は、遊技者側を向く表実装面に、複数のLEDが設けられるとともに、表実装面とは逆の裏実装面に、接続用コネクタのソケットが設けられている。該接続用コネクタのソケットには、サブ配線2805aの一端に設けられた接続用コネクタのピンが差し込まれており、サブ配線2805aの他端が周辺制御基板1510に接続されている。すなわち、サイドユニット2800HのLED基板は、サブ配線2805aを介して周辺制御基板1510に接続されている。
サブ配線2805aは、例えば、絶縁体と保護被覆で覆われた電線であり、本実施形態では、3本のサブ配線2805aを介してLED基板と周辺制御基板1510とが接続されている。詳しくは、LED基板から延びる3本のサブ配線2805aは、ユニットカバー2820の後部に形成された開口(図示省略)を介して、サイドユニット2800Hの外部へと延びて周辺制御基板1510に接続されている。また、サイドユニット2800Hの外部へと延びる3本のサブ配線2805aは、球センサ2815H及び磁気センサ1030Hの後方を迂回するように、サイドユニット2800Hの後方に引き出された後、始動口ユニット2100に向かって遊技機1の中央方向(図示左方向)に引き回されている。
磁気センサ1030Hは、上述した図77(f)に示すように、磁気を検知するためのセンサ本体1031と、センサ本体1031が実装されている表面が白色のセンサ基板1032と、センサ基板1032及びセンサ本体1031を覆っているセンサケース1033と、を備えている。センサ基板1032には、センサ本体1031の他に、IC、トランジスタ、抵抗器、ダイオード、接続用コネクタ1032Hのソケット等が実装されている。接続用コネクタ1032Hのソケットには、メイン配線2805bの一端に設けられた接続用コネクタ1032Hのピンが差し込まれており、メイン配線2805bの他端が主制御基板1310に接続されている。すなわち、センサ基板1032は、メイン配線2805bを介して主制御基板1310に接続されている。
メイン配線2805bは、例えば、絶縁体と保護被覆で覆われた電線であり、本実施形態では、2本のメイン配線2805bを介して磁気センサ1030Hと主制御基板1310とが接続されている。詳しくは、主制御基板1310から延びる2本のメイン配線2805bの一端に設けられた接続用コネクタ1032Hのピンが、ユニットカバー2820の後部に形成された開口(図示省略)を介して、センサ基板1032に実装された接続用コネクタ1032Hのソケットに差し込まれている。また、磁気センサ1030Hから後方に延びる2本のメイン配線2805bは、磁気センサ1030Hを迂回するように折り返され、磁気センサ1030Hの側方を前方へと延びて、始動口ユニット2100に向かって遊技機1の中央方向(図示左方向)へと引き回されている。なお、接続用コネクタ1032Hのソケットに差し込まれた接続用コネクタ1032Hのピンの一部は、ユニットカバー2820の開口を介してユニットカバー2820の後面よりも後方に突出している。
球センサ2815Hには、例えば、「発光部と受光部とを有するフォトセンサ」、「誘導電流の変化を検知する誘電センサ」、「遊技球の接触を検知する接触センサ」、「磁気の変化を検知する磁気センサ」、及び「静電気容量の変化を検知する静電容量センサ」のうちいずれかのセンサが採用されればよい。また、球センサ2815Hは、センサ基板を有しており、該センサ基板には、接続用コネクタ2815Haのソケットが実装されている。接続用コネクタ2815Haのソケットには、メイン配線2805cの一端に設けられた接続用コネクタ2815Haのピンが差し込まれており、メイン配線2805cの他端が主制御基板1310に接続されている。すなわち、球センサ2815Hは、メイン配線2805cを介して主制御基板1310に接続されている。
メイン配線2805cは、例えば、絶縁体と保護被覆で覆われた電線であり、本実施形態では、2本のメイン配線2805cを介して球センサ2815Hと主制御基板1310とが接続されている。詳しくは、2本のメイン配線2805bの一端に設けられた接続用コネクタ2815Haのピンが、球センサ2815に設けられた接続用コネクタ2815Haのソケットに差し込まれている。また、2本のメイン配線2805cは、ユニットカバー2820の側部に形成された開口を介して、球センサ2815Hの側方(図示右方)に引き出された後、球センサ2815H及び磁気センサ1030Hの後方を迂回するように、始動口ユニット2100に向かって折り返されて、遊技機1の中央方向(図示左方向)に引き回されている。なお、接続用コネクタ2815Haのソケットに差し込まれた接続用コネクタ2815Haのピンは、上述した接続用コネクタ1032Hのピンとは異なり、ユニットカバー2820内に位置しており、ユニットカバー2820の開口を介してユニットカバー2820の外方に突出していない。
本実施形態のサイドユニット2800Hでは、一般入賞口2001に受け入れられた遊技球Bは、一般入賞口2001を形成している球受部2811bによってパネル板1110の前面よりも後方の球通路2812aへと誘導され、球通路2812aによりパネル板1110の板厚内においてパネル板1110の面に沿って流下し、後方へ向かって開口している通路出口2812bから排出された後に、球センサ2815Hにより検知される。また、本実施形態のサイドユニット2800Hでは、例えば、一般入賞口2001に対する不正等の目的でサイドユニット2800Hに磁石が近づけられた際に、該磁石が磁気センサ1030Hによって検知される。
また、上述したメイン配線2805b、2805c及びサブ配線2805aの各配線は、配線が延びる経路に沿って合流した後に、例えば、結束バンド等の結束部材2820gによって束状にまとめられるとともに、ユニットカバー2820に形成された開口部2820fを介してユニットカバー2820に固定される態様であってもよく、例えば、各配線に直接的に作用する外力によって、接続用コネクタのピンが接続用コネクタのソケットから抜けることを抑制することができる。また、各配線は、ユニットカバー2820の裏面又は側面に沿って平面上を延びた後に、結束部材2820gによって束状にまとめられることにより、各配線に直接的に作用する外力によって、接続用コネクタのピンが接続用コネクタのソケットから抜けることをより一層抑制することができる。
ここで、上述した磁気センサ1030Hや球センサ2815H等の電子部品は、例えば、損傷等の不具合が生じた際に正常な電子部品に交換されることがあり、このような作業の際には、電子部品に設けられた接続用コネクタのソケットに、配線に設けられた接続用コネクタのピンが繰り返し抜き差しされる場合がある。このような場合に、電子部品側の接続用コネクタのソケットと配線側の接続用コネクタのピンとの嵌め合いが弱くなり、遊技機に加えられる振動等の外力によって、電子部品の接続用コネクタのソケットから配線の接続用コネクタのピンが抜けるおそれがある。また、電子部品の接続用コネクタのソケットから配線の接続用コネクタのピンが抜けた場合には、演出又は遊技に不具合が生じ、ひいては遊技客の遊技興趣を低下させるおそれがある。
[接続用コネクタのピンに配線が当接する態様]
主に図145に示すように、サイドユニット2800Hにおいて、球センサ2815Hから延びる2本のメイン配線2805cは、磁気センサ1030Hの接続用コネクタ1032Hのソケットに差し込まれた接続用コネクタ1032Hのピンに当接するように配されている。詳しくは、接続用コネクタ1032Hのピンの少なくとも一部は、接続用コネクタ1032Hのソケットに差し込まれた状態において、磁気センサ1030Hを収納するユニットカバー2820の外部に突出している。一方で、球センサ2815Hから延びてユニットカバー2820の外部に配された2本のメイン配線2805cは、磁気センサ1030Hから延びる2本のメイン配線2805bを挟み込むように、接続用コネクタ1032Hのピンの外側頂部に当接するように設けられている。
本実施形態のサイドユニット2800Hでは、球センサ2815Hから延びるメイン配線2805cが磁気センサ1030Hに差し込まれた接続用コネクタ1032Hのピンに当接するように配されているため、接続用コネクタ1032Hのピンが接続用コネクタ1032Hのソケットから抜けるような外力が接続用コネクタ1032Hのピンに加えられた場合であっても、接続用コネクタ1032Hのピンに当接する2本のメイン配線2805cによって、接続用コネクタ1032Hのソケットから接続用コネクタ1032Hのピンが抜けることを抑制でき、ひいては演出又は遊技に生じる不具合を抑制し、遊技興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態のサイドユニット2800Hでは、球センサ2815Hから延びるメイン配線2805cが2本であり、磁気センサ1030Hに差し込まれた接続用コネクタ1032のピンが設けられたメイン配線2805bの数と同数である態様を示したが、球センサ2815Hから延びるメイン配線2805cの数は、磁気センサ1030Hに差し込まれた接続用コネクタ1032のピンが設けられたメイン配線2805bの数よりも多い態様であるのが好ましく、球センサ2815Hから延びる多数のメイン配線2805cが磁気センサ1030Hに差し込まれた接続用コネクタ1032Hのピンに当接するように配されるため、接続用コネクタ1032Hのソケットから接続用コネクタ1032Hのピンが抜けることをより一層抑制することができる。
また本実施形態では、球センサ2815Hから延びる2本のメイン配線2805cは、磁気センサ1030Hから延びる2本のメイン配線2805bを挟み込むように配されているが、球センサ2815Hから延びる2本のメイン配線2805cは、磁気センサ1030Hから延びる2本のメイン配線2805bのいずれか一方側で、接続用コネクタ1032Hのピンに当接するように配されてもよく、接続用コネクタ1032Hのソケットから接続用コネクタ1032Hのピンが抜けることを抑制することができる。
また本実施形態では、サイドユニット2800Hにおいて、磁気センサ1030Hに接続用コネクタ1032のソケットが設けられ、メイン配線2805bに接続用コネクタ1032のピンが設けられる態様を示したが、磁気センサ1030Hに接続用コネクタ1032のピンが設けられ、メイン配線2805bに接続用コネクタ1032のソケットが設けられる態様であってもよく、この態様の場合には、球センサ2815Hから延びる2本のメイン配線2805cが、接続用コネクタ1032Hのソケットに当接するように設けられることによって、接続用コネクタ1032Hのソケットから接続用コネクタ1032Hのピンが抜けることを抑制することができる。
また、球センサ2815Hと主制御基板1310とを接続するメイン配線2805cは、磁気センサ1030Hと主制御基板1310とを接続するメイン配線2805bと表面色が異なることが望ましい。本実施形態では、球センサ2815Hに接続されるメイン配線2805cは、白色、黄色、桃色や水色等の明色の表面色を有し、磁気センサ1030Hに接続されるメイン配線2805bは、黒色、茶色や紺色等の暗色の表面色を有している。メイン配線2805bの表面色とメイン配線2805cの表面色とが異なることにより、特にメイン配線2805bとメイン配線2805cとが並べて設けられる位置において、任意のメイン配線が磁気センサ1030Hに接続されたメイン配線2805bであるか球センサ2815Hに接続されたメイン配線2805cであるかを容易に視認することができ、例えば、磁気センサ1030H及び球センサ2815Hの交換作業を容易にすることができる。なお、球センサ2815Hに接続されるメイン配線2805cは、暗色の表面色を有し、磁気センサ1030Hに接続されるメイン配線2805bは、明色の表面色を有する態様であってもよい。
また本実施形態では、サイドユニット2800Hにおいて、磁気センサ1030Hの接続用コネクタ1032Hのソケットに差し込まれた接続用コネクタ1032Hのピンに当接する配線が、球センサ2815Hと主制御基板1310とを接続するメイン配線2805cである態様について示したが、磁気センサ1030Hの接続用コネクタ1032Hのソケットに差し込まれた接続用コネクタ1032Hのピンに当接する配線は、例えば、サイドユニット2800HのLED基板から延びる3本のサブ配線2805aであってもよく、3本のサブ配線2805aが接続用コネクタ1032Hのピンに当接するように設けられることによって、接続用コネクタ1032Hのソケットから接続用コネクタ1032Hのピンが抜けることを抑制することができる。
また本実施形態では、サイドユニット2800Hにおいて、主制御基板1310に接続される磁気センサ1030Hの接続用コネクタ1032Hのソケットに差し込まれる接続用コネクタ1032Hのピンに、球センサ2815Hのメイン配線2805cが当接する態様について示したが、主制御基板1310に接続される磁気センサ1030Hに替えて、サブ配線2805aを介して周辺制御基板1510に接続されるサイドユニット2800のLED基板である態様であってもよく、LED基板に設けられた接続用コネクタのソケットに差し込まれた接続用コネクタのピンに、メイン配線2805cが当接することにより、LED基板に設けられた接続用コネクタのソケットから接続用コネクタのピンが抜けることを抑制することができる。また、LED基板に設けられた接続用コネクタのソケットに差し込まれた接続用コネクタのピンに、他の電子部品と周辺制御基板1510とを接続する他のサブ配線が当接する態様であってもよく、LED基板に設けられた接続用コネクタのソケットに差し込まれた接続用コネクタのピンに他のサブ配線が当接することにより、LED基板に設けられた接続用コネクタのソケットから接続用コネクタのピンが抜けることを抑制することができる。
[接続用コネクタのピンから延びる配線に他の配線が当接する態様]
主に図146に示すように、サイドユニット2800Hにおいて、サイドユニット2800HのLED基板から延びる3本のサブ配線2805aは、球センサ2815Hの接続用コネクタ2815Haのソケットに差し込まれた接続用コネクタ2815Haのピンから延びる2本のメイン配線2805cに当接するように配され、球センサ2815Hの接続用コネクタ2815Haのソケットから接続用コネクタ2815Haのピンが抜けることを抑制している。
詳しくは、接続用コネクタ2815Haのピンは、接続用コネクタ2815Haのソケットに差し込まれた状態において、球センサ2815Hを収納するユニットカバー2820内に位置しており、接続用コネクタ2815Haのピンから延びる2本のメイン配線2805cは、ユニットカバー2820の開口からサイドユニット2800Hの外部に延びている。このような2本のメイン配線2805cは、接続用コネクタ2815Haのピンから接続用コネクタ2815Haのピンの抜き差し方向に沿ってユニットカバー2820の外部まで延び、その後、ユニットカバー2820の表面に沿って屈曲されて主制御基板1310との接続方向へと延びている。
一方で、3本のサブ配線2805aは、ユニットカバー2820の外部でユニットカバー2820の表面に沿って屈曲する2本のメイン配線2805cに、屈曲する円弧の外側から当接するように設けられている。なお、これら3本のサブ配線2805a及び2本のメイン配線2805cは、3本のサブ配線2805aが2本のメイン配線2805cに当接した後に、例えば、結束バンド等の結束部材2820gによって束状にまとめられるとともに、ユニットカバー2820に形成された開口部2820fを介してユニットカバー2820に固定される態様であってもよく、例えば、各配線に直接的に作用する外力によって、接続用コネクタのピンが接続用コネクタのソケットから抜けることを抑制することができる。
本実施形態のサイドユニット2800Hでは、LED基板から延びる3本のサブ配線2805aが、球センサ2815Hに差し込まれた接続用コネクタ2815Haのピンから延びる2本のメイン配線2805cに当接するように設けられているため、接続用コネクタ2815Haのピンが接続用コネクタ2815Haのソケットから抜けるような外力が接続用コネクタ2815Haのピンに加えられた場合であっても、接続用コネクタ2815Haのピンから延びる2本のメイン配線2805cに当接する3本のサブ配線2805aによって、接続用コネクタ2815Haのソケットから接続用コネクタ2815Haのピンが抜けることを抑制でき、ひいては演出又は遊技に生じる不具合を抑制し、遊技興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態のサイドユニット2800Hでは、サイドユニット2800HのLED基板から延びるサブ配線2805aが3本であり、球センサ2815Hに差し込まれた接続用コネクタ2815Haのピンが設けられたメイン配線2805cの数よりも多い態様を示したが、サイドユニット2800HのLED基板から延びるサブ配線2805aの数は、球センサ2815Hに差し込まれた接続用コネクタ2815Haのピンが設けられたメイン配線2805cの数と同数又は少なくてもよく、接続用コネクタ2805Haのソケットから接続用コネクタ2805Haのピンが抜けることを抑制することができる。
また本実施形態では、サイドユニット2800Hにおいて、球センサ2815Hに接続用コネクタ2805Haのソケットが設けられ、メイン配線2805cに接続用コネクタ2805Haのピンが設けられる態様を示したが、球センサ2815Hに接続用コネクタ2805Haのピンが設けられ、メイン配線2805cに接続用コネクタ2805Haのソケットが設けられる態様であってもよく、接続用コネクタ2805Haのソケットから接続用コネクタ2805Haのピンが抜けることを抑制することができる。
また、球センサ2815Hと主制御基板1310とを接続するメイン配線2805cは、サイドユニット2800のLED基板と周辺制御基板1510とを接続するサブ配線2805aと表面色が異なることが望ましい。本実施形態では、メイン配線2805cは、白色、黄色、桃色や水色等の明色の表面色を有し、サブ配線2805aは、黒色、茶色や紺色等の暗色の表面色を有している。メイン配線2805cの表面色とサブ配線2805aの表面色とが異なることにより、特にメイン配線2805bとサブ配線2805aとが並べて設けられる位置において、任意のメイン配線がメイン配線2805cであるかサブ配線2805aであるかを容易に視認することができ、例えば、球センサ2815H及びサイドユニット2800のLED基板の交換作業等を容易にすることができる。なお、メイン配線2805cは、暗色の表面色を有し、サブ配線2805aは、明色の表面色を有する態様であってもよい。また、メイン配線2805cとサブ配線2805aとは、任意のメイン配線がメイン配線2805cであるかサブ配線2805aであるかを容易に視認することができるとの観点から、各々の直径が異なる態様であってもよく、各配線の重要性の観点から、メイン配線2805cの直径が、サブ配線2805aの直径よりも大きいことが望ましい。
また本実施形態では、サイドユニット2800Hにおいて、球センサ2815Hから延びる2本のメイン配線2805cに、サイドユニット2800HのLED基板から延びるサブ配線2805aが当接する態様について示したが、球センサ2815Hから延びる2本のメイン配線2805cに当接する配線は、例えば、磁気センサ1030Hと主制御基板1310とを接続する2本のメイン配線2805bであってもよく、2本のメイン配線2805bが2本のメイン配線2805cに当接するように設けられることによって、接続用コネクタ2805Haのソケットから接続用コネクタ2805Haのピンが抜けることを抑制することができる。
また本実施形態では、サイドユニット2800Hにおいて、球センサ2815Hと主制御基板1310とを接続する2本のメイン配線2805cに、サイドユニット2800HのLED基板から延びるサブ配線2805aが当接する態様について示したが、球センサ2815Hに替えて、サブ配線を介して周辺制御基板1510に接続されるサイドユニット2800の他のLED基板を採用する態様であってもよく、LED基板から延びるサブ配線2805aが他のLED基板から延びるサブ配線に当接することにより、他のLED基板に設けられた接続用コネクタのソケットから接続用コネクタのピンが抜けることを抑制することができる。また、他のLED基板から延びるサブ配線に磁気センサ1030Hや球センサ2815Hから延びる2本のメイン配線を当接させる態様であってもよく、他のLED基板に設けられた接続用コネクタのソケットから接続用コネクタのピンが抜けることを抑制することができる。
また本実施形態では、サイドユニット2800Hが有する構成として、接続用コネクタのピンに配線が当接する態様、及び接続用コネクタのピンから延びる配線に他の配線が当接する態様について示したが、これらの態様は、例えば、球センサや磁気センサを有する始動口ユニット2100のように、配線で接続される複数の電子部品を有する他のユニットでも実施可能である。なお、配線で接続される電子部品を1つのみ有するユニットや、複数の電子部品を有するユニットであっても各配線の引き回しが困難な場合には、例えば、別のユニットから延びる配線を用いることで、接続用コネクタのピンに配線を当接させる態様、及び接続用コネクタのピンから延びる配線に配線を当接させる態様は実施可能である。
上述の接続用コネクタのピンに配線が当接する態様、及び接続用コネクタのピンから延びる配線に他の配線が当接する態様では、接続用コネクタのピンから延びる配線を介して伝達される信号の種類と、接続用コネクタのピンが抜けることを抑制する配線を介して伝達される信号の種類とが、互いに異なる種類の信号であることが望ましい。
詳しくは、本実施形態では、球センサ2815Hから延びる2本のメイン配線2805cが、磁気センサ1030Hの接続用コネクタ1032Hのソケットに差し込まれた接続用コネクタ1032Hのピンに当接するように配される態様について示したが、球センサ2815Hが遊技球Bを検出した時の信号は、遊技球Bの通過に合わせて瞬時に変化するのに対して、磁気センサ1030Hが磁気を検出した時の信号は、磁気を検出している間、変化した状態を維持する。このように、互いに異なる種類の信号を伝達する配線を利用する場合において、配線が並行して配され、かつ大電流の信号を伝達する場合には、互いに影響するノイズに関して考慮する必要はあるが、従来、不正防止の観点から磁気センサ1030Hが球センサ2815Hに近接するように設けられ、かつ磁気センサ1030Hから延びる配線及び球センサ2815Hから延びる配線が比較的小さな電流の信号を伝達する配線であることから、上述の接続用コネクタのピンに配線が当接する態様では、例えば、ノイズの影響を考慮した特別な配線を用いることなく、また、例えば、接続用コネクタ1032Hのピンの抜けを抑制する新たな部材を設けることなく、接続用コネクタ1032Hのソケットに差し込まれた接続用コネクタ1032Hのピンの抜けを抑制することができるとともに、生産性の低下を抑制することもできる。
また、接続用コネクタのピンから延びる配線に他の配線が当接する態様でも同様に、例えば、ノイズの影響を考慮した特別な配線を用いることなく、また、例えば、接続用コネクタ1032Hのピンの抜けを抑制する新たな部材を設けることなく、接続用コネクタ1032Hのソケットに差し込まれた接続用コネクタ1032Hのピンの抜けを抑制することができるとともに、生産性の低下を抑制することもできる。
また、上述の接続用コネクタのピンに配線が当接する態様、及び接続用コネクタのピンから延びる配線に他の配線が当接する態様において、磁気センサ1030Hに接続されるピン、球センサ2815Hから延びる配線、及びLED基板から延びる配線等が例示されたが、接続用コネクタのピンに配線が当接する態様、及び接続用コネクタのピンから延びる配線に他の配線が当接する態様では、例えば、可動装飾体を可動させる駆動モータに接続されるピンや駆動モータから延びる配線のように大電流の信号を伝達するものでなければ、演出操作ユニット250の演出ボタンの操作を検出するメカセンサ(接点式)に接続されるピンや配線、非接触に遊技者の動きを検出する測距センサ(赤外線センサ)に接続されるピンや配線、又は可動装飾体の原点の位置を検出するフォトセンサに接続されるピンや配線等を用いることもできる。
[始動口ユニットの変形例]
次に、上記とは異なる形態の始動口ユニット2100Aについて、主に図147乃至図149等を参照して説明する。図147は、異なる形態の始動口ユニット2100Aの裏側を示す概略斜視図である。図148は、図147に示す第二始動口センサ2401Aの近傍が拡大された拡大背面図である。図149は、メイン配線の他の態様を示す概略背面図である。ここでは、上記の始動口ユニット2100と同じ構成については同じ符号を付して説明は省略する。
始動口ユニット2100Aは、遊技者がハンドル160を操作することで遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5a内において、遊技領域5aの中央下部、かつサイドユニット2800Hの右方に取り付けられている。始動口ユニット2100Aは、遊技球Bが1つのみ受け入れ可能な幅で上方へ向かって常時開口している1つの始動口2003Aと、始動口2003Aに受け入れられた遊技球Bを順に左右方向に分岐させる分岐部2111と、分岐部2111を収納するとともに始動口2003Aに受け入れられた遊技球Bの通路を形成するユニット本体2115と、を有している。
ユニット本体2115は、分岐部2111に加えて、後述する第一始動口センサ2112、第二始動口センサ2113及び磁気センサ2114を収納する。ユニット本体2115は、透明な合成樹脂により形成されており、第一始動口センサ2112、第二始動口センサ2113及び磁気センサ2114等がユニット本体2115の外部から目視可能である。また、ユニット本体2115の内部には、始動口2003Aに受け入れられた遊技球Bを分岐部2111へと誘導する通路と、分岐部2111によって正面視左方(図示右方)に分岐された遊技球Bを第一始動口センサ2112へと誘導した後、ユニット本体2115の外部へと排出させる左側(図示右側)の通路と、分岐部2111によって正面視右方(図示左方)に分岐された遊技球Bを第二始動口センサ2113へと誘導した後、ユニット本体2115の外部へと排出させる右側(図示左側)の通路と、が形成されている。
始動口ユニット2100Aは、分岐部2111によって図示右方へと分岐された遊技球Bを検知する第一始動口センサ2112と、分岐部2111によって図示左方へと分岐された遊技球Bを検知する第二始動口センサ2113と、始動口2003Aの近傍の磁気を検知し得る磁気センサ2114と、を更に有している。
第一始動口センサ2112により遊技球Bが検知されると、持ち球数に所定個数の遊技球Bが加算される特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、第一特別図柄の保留数が4未満の状態)で、遊技者に有利となる有利遊技状態の発生を可能としている第一特別図柄の抽選が実行される。同様に、第二始動口センサ2113により遊技球Bが検知されると、持ち球数に所定個数の遊技球Bが加算される特典が付与されると共に、所定条件を充足している状態(例えば、第二特別図柄の保留数が4未満の状態)で、遊技者に有利となる有利遊技状態の発生を可能としている第二特別図柄の抽選が実行される。また、磁気センサ2114は、始動口2003Aの近傍の不正な磁気(磁力線)を検知する。
始動口ユニット2100Aは、第1始動口センサ2112、第二始動口センサ2113及び磁気センサ2114の各々と主制御基板1310とを接続する接続手段2116を有している。なお、第一始動口センサ2112及び第二始動口センサ2113からのそれぞれの検出信号は、中継基板等の他の基板を介すことなく、主制御基板1310に直接入力され、主制御入力回路を介して主制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
接続手段2116は、第一始動口センサ2112と主制御基板1310との間に配される2本のメイン配線2116aと、メイン配線2116aの端部に取り付けられた接続用コネクタ2116bのピンと、第一始動口センサ2112に取り付けられた接続用コネクタ2116bのソケットと、を有している。また、接続手段2116は、第二始動口センサ2113と主制御基板1310との間に配される2本のメイン配線2116cと、メイン配線2116cの端部に取り付けられた接続用コネクタのピンと、第二始動口センサ2112に取り付けられた接続用コネクタのソケットと、磁気センサ2114と主制御基板1310との間に配される2本のメイン配線2116dと、メイン配線2116dの端部に取り付けられた接続用コネクタ2116eのピンと、磁気センサ2114に取り付けられた接続用コネクタ2116eのソケットと、を有している。
各メイン配線2116a、2116c、2116dは、例えば、絶縁体と保護被覆で覆われた電線であり、ユニット本体2115の裏面に形成された略溝状の配線経路2115aに沿って引き回されている。なお、配線経路2115aにおいて、各メイン配線2116a、2116c、2116dが合流した後、各メイン配線2116a、2116c、2116dは、例えば、結束バンド等の結束部材によって束状にまとめられ、ユニット本体2115に固定され、例えば、各メイン配線2116a、2116c、2116dに直接的に作用する外力によって、接続用コネクタのピンが接続用コネクタのソケットから抜けることを抑制することができる。
ユニット本体2115の配線経路2115aは、第一始動口センサ2112、第二始動口センサ2113、磁気センサ2114、遊技球Bを分岐部2111へと誘導する通路、遊技球Bを第一始動口センサ2112へと誘導する通路、及び遊技球Bを第二始動口センサ2113へと誘導する通路等を迂回するように、通路ユニット本体2115の裏面部に形成されている。配線経路2115aは、ユニット本体2115の裏面部に略溝状に形成されており、各メイン配線2116a、2116c、2116dは、ユニット本体2115の裏面よりも内側で配線経路2115aに沿って引き回されている。ユニット本体2115は、第一始動口センサ2112の近傍において、略溝状の配線経路2115aの側壁部の一部を形成する壁状の接触部材2115bを更に有している。
[配線の屈曲部に作用する接触部材]
図148に示すように、メイン配線2116aは、第一始動口センサ2112の接続用コネクタ2116eのソケットに差し込まれた接続用コネクタ2116eのピンから、ユニット本体2115の配線経路2115aを介して主制御基板1310に向かって延びている。詳しくは、メイン配線2116aは、第一始動口センサ2112の近傍において、接続用コネクタ2116eの抜き差し方向とは別の方向に屈曲する屈曲部2116a1を有しおり、屈曲部2116a1は、メイン配線2116aの端部に設けられた接続用コネクタ2116eのピンから配線経路2115aに向かって形成されている。
ユニット本体2115に形成された接触部材2115bは、メイン配線2116aの屈曲部2116a1に作用して、第一始動口センサ2112に設けられた接続用コネクタ2116eのソケットからメイン配線2116aに設けられた接続用コネクタ2116eのピンが抜けることを抑制することがき、ひいては演出又は遊技に生じる不具合を抑制し、遊技興趣の低下を抑制することができる。具体的には、ユニット本体2115に形成された接触部材2115bは、配線経路2116aに沿って延びるメイン配線2116aの屈曲部2116a1に、屈曲部22116a1の径方向の外側から当接しており、接続用コネクタ2116eのピンが接続用コネクタ2116eのソケットから抜けるような外力が接続用コネクタ2116eのピンに加えられた場合であっても、メイン配線2116aの屈曲部2116a1に接触部材2115bが当接するため、接続用コネクタ2116eのピンに加わる外力がメイン配線2116aの屈曲部2116a1の撓みによって吸収され、接続用コネクタ2116eのソケットから接続用コネクタ2116eのピンが抜けることを抑制することができる。
また、屈曲部21126a1は、接触部材2115bに圧接される態様がより好ましく、屈曲部2116a1の変形によって接触部材2115bとの接触面積が増加し、接続用コネクタ2116eのピンに加わる外力がメイン配線2116aの屈曲部2116a1の撓みによってより一層吸収され、接続用コネクタ2116eのソケットから接続用コネクタ2116eのピンが抜けることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、ユニット本体2115に形成された接触部材2115bが、配線経路2116aに沿って延びるメイン配線2116aの屈曲部2116a1に屈曲部2116a1の径方向の外側から当接する態様について示したが、ユニット本体2115に形成された接触部材2115bは、配線経路2116aに沿って延びるメイン配線2116aの屈曲部2116a1に、屈曲部2116a1の径方向の外側に近接する態様であってもよく、接続用コネクタ2116eのピンが接続用コネクタ2116eのソケットから抜けるような外力が接続用コネクタ2116eのピンに加えられた場合であっても、メイン配線2116aの屈曲部2116a1に接触部材2115bが近接するため、接続用コネクタ2116eのピンに加わる外力によりメイン配線2116aの屈曲部2116a1と接触部材2115bとが当接し、接続用コネクタ2116eのピンに加わる外力がメイン配線2116aの屈曲部2116a1の撓みによって吸収され、接続用コネクタ2116eのソケットから接続用コネクタ2116eのピンが抜けることを抑制できる。
また本実施形態では、ユニット本体2115に形成された接触部材2115bは、メイン配線2116aの接続用コネクタ2116eのピンの抜き差し方向上に位置していない。このため、第一始動口センサ2112の接続用コネクタ2116eのソケットにメイン配線2116aの接続用コネクタ2116eのピンを抜き差しする際に、接続用コネクタ2116eのピンと接触部材2115bとが接触することを抑制でき、第一始動口センサ2112の接続用コネクタ2116eのソケットからメイン配線2116aの接続用コネクタ2116eのピンを容易に抜き差しすることができる。
また本実施形態では、配線経路2115aにおいて、各メイン配線2116a、2116c、2116dが合流した後、各メイン配線2116a、2116c、2116dは、例えば、結束バンド等の結束部材によって束状にまとめられ、ユニット本体2115に固定される態様について示したが、メイン配線2116a、2116c、2116dの各々が複数本設けられる場合に、各メイン配線2116a、2116c、2116dの少なくとも一部が合流した後、結束バンド等の結束部材によって束状にまとめられ、ユニット本体2115に固定される態様であってもよいし、各メイン配線2116a、2116c、2116d毎に、結束バンド等の結束部材によって束状にまとめられ、ユニット本体2115に固定される態様であってもよい。
また本実施形態では、接触部材2115bがユニット本体2115に形成される態様について示したが、接触部材2115bは、始動口ユニット2100Aが遊技盤5(詳しくは、遊技盤5における遊技パネル1100のパネル板1110)に取り付けられた際に、メイン配線2116aの屈曲部2116a1に作用するように遊技盤5に設けられる態様であってもよい。
具体的には、始動口ユニット2100Aの左方に隣接するサイドユニット2800Hの右側端部に、メイン配線2116aの屈曲部2116a1に作用する接触部材2115bに相当する接触部が形成されている態様であってもよいし、遊技パネル1100のパネル板1110に、メイン配線2116aの屈曲部2116a1に作用する接触部材2215bに相当する接触部を設ける態様であってもよいし、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000に、メイン配線2116aの屈曲部2116a1に作用する接触部材2215bに相当する接触部を設ける態様であってもよく、第一始動口センサ2112に設けられた接続用コネクタ2116eのソケットからメイン配線2116aに設けられた接続用コネクタ2116eのピンが抜けることを抑制することがき、ひいては演出又は遊技に生じる不具合を抑制し、遊技興趣の低下を抑制することができる。なお、接触部材2115bがユニット本体2115に形成される態様は、接触部材2115bが始動口ユニット2100Aの外部に形成される態様に比して、接触部材2115bを形成可能な範囲が広く、接触部材2115bを形成する際の設計容易性に優れる。一方で、接触部材2115bが始動口ユニット2100Aの外部に形成される態様は、接触部材2115bがユニット本体2115に形成される態様に比して、新たに接触部材2115bを形成する必要がなく、接触部材2115bを形成する際の形成容易性に優れる。
また本実施形態では、接触部材211が始動口ユニット2100Aのメイン配線2116aの屈曲部2116a1に作用する態様について示したが、この態様は、例えば、LED基板、磁気センサ1030H、及び球センサ2815Hを有するサイドユニット2800Hのように他のユニットにおいて、メイン配線又はサブ配線の屈曲部に接触部材が作用する態様であってもよく、電子部品に設けられた接続用コネクタのソケットからメイン配線又はサブ配線に設けられた接続用コネクタのピンが抜けることを抑制することがき、ひいては演出又は遊技に生じる不具合を抑制し、遊技興趣の低下を抑制することができる。
[配線の迂回部に作用する接触部材]
図149に示すように、本実施形態のメイン配線2116aは、第一始動口センサ2112に設けられた接続用コネクタ2116eのソケットに差し込まれた接続用コネクタ2116eのピンの近傍において、主制御基板1310に向かう方向とは別の方向(本実施形態では、逆の方向)に迂回された後に主制御基板1310との接続方向に転換された迂回部2116a2を有している。
ユニット本体2115に形成された接触部材2115cは、メイン配線2116aの迂回部2116a2に作用して、第一始動口センサ2112に設けられた接続用コネクタ2116eのソケットからメイン配線2116aに設けられた接続用コネクタ2116eのピンが抜けることを抑制することがき、ひいては演出又は遊技に生じる不具合を抑制し、遊技興趣の低下を抑制することができる。具体的には、ユニット本体2115に形成された接触部材2115cは、メイン配線2116aの迂回部2116a2に、迂回部22116a2の径方向の外側から当接しており、接続用コネクタ2116eのピンが接続用コネクタ2116eのソケットから抜けるような外力が接続用コネクタ2116eのピンに加えられた場合であっても、メイン配線2116aの迂回部2116a2に接触部材2115cが当接するため、接続用コネクタ2116eのピンに加わる外力がメイン配線2116aの迂回部2116a2の撓みによって吸収され、接続用コネクタ2116eのソケットから接続用コネクタ2116eのピンが抜けることを抑制することができる。
また、迂回部21126a2は、接触部材2115cに圧接される態様がより好ましく、迂回部2116a2の変形によって接触部材2115cとの接触面積が増加し、接続用コネクタ2116eのピンに加わる外力がメイン配線2116aの迂回部2116a2の撓みによってより一層吸収され、接続用コネクタ2116eのソケットから接続用コネクタ2116eのピンが抜けることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、ユニット本体2115に形成された接触部材2115cが、配線経路2116aに沿って延びるメイン配線2116aの迂回部2116a2に、迂回部2116a2の径方向の外側から当接する態様について示したが、ユニット本体2115に形成された接触部材2115cは、メイン配線2116aの迂回部2116a2に、迂回部2116a2の径方向の外側に近接する態様であってもよく、接続用コネクタ2116eのピンが接続用コネクタ2116eのソケットから抜けるような外力が接続用コネクタ2116eのピンに加えられた場合であっても、メイン配線2116aの迂回部2116a2に接触部材2115cが近接するため、接続用コネクタ2116eのピンに加わる外力によってメイン配線2116aの迂回部2116a2と接触部材2115cとが当接し、接続用コネクタ2116eのピンに加わる外力がメイン配線2116aの迂回部2116a2の撓みによって吸収され、接続用コネクタ2116eのソケットから接続用コネクタ2116eのピンが抜けることを抑制することができる。
また本実施形態では、ユニット本体2115に形成された接触部材2115cは、メイン配線2116aの接続用コネクタ2116eのピンの抜き差し方向上に位置していない。このため、第一始動口センサ2112の接続用コネクタ2116eのソケットにメイン配線2116aの接続用コネクタ2116eのピンを抜き差しする際に、接続用コネクタ2116eのピンと接触部材2115cとが接触することを抑制でき、第一始動口センサ2112の接続用コネクタ2116eのソケットからメイン配線2116aの接続用コネクタ2116eのピンを容易に抜き差しすることができる。
また本実施形態では、配線経路2115aにおいて、各メイン配線2116a、2116c、2116dが合流した後、各メイン配線2116a、2116c、2116dは、例えば、結束バンド等の結束部材によって束状にまとめられ、ユニット本体2115に固定される態様について示したが、メイン配線2116a、2116c、2116dの各々が複数本設けられる場合に、各メイン配線2116a、2116c、2116dの少なくとも一部が合流した後、結束バンド等の結束部材によって束状にまとめられ、ユニット本体2115に固定される態様であってもよいし、各メイン配線2116a、2116c、2116d毎に、結束バンド等の結束部材によって束状にまとめられ、ユニット本体2115に固定される態様であってもよい。
また本実施形態では、接触部材2115cがユニット本体2115に形成される態様について示したが、接触部材2115cは、始動口ユニット2100Aが遊技盤5(詳しくは、遊技盤5における遊技パネル1100のパネル板1110)に取り付けられた際に、メイン配線2116aの迂回部2116a2に作用するように遊技盤5に設けられる態様であってもよい。
具体的には、始動口ユニット2100Aの左方に隣接するサイドユニット2800Hの右側端部に、メイン配線2116aの迂回部2116a2に作用する接触部材2215cに相当する接触部が形成される態様であってもよいし、遊技パネル1100のパネル板1110に、メイン配線2116aの迂回部2116a2に作用する接触部材2115cに相当する接触部を設ける態様であってもよいし、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000に、メイン配線2116aの迂回部2116a2に作用する接触部材2115cに相当する接触部を設ける態様であってもよく、第一始動口センサ2112に設けられた接続用コネクタ2116eのソケットからメイン配線2116aに設けられた接続用コネクタ2116eのピンが抜けることを抑制することがき、ひいては演出又は遊技に生じる不具合を抑制し、遊技興趣の低下を抑制することができる。なお、接触部材2115cがユニット本体2115に形成される態様は、接触部材2115cが始動口ユニット2100Aの外部に形成される態様に比して、接触部材2115cを形成可能な範囲が広く、接触部材2115cを形成する際の設計容易性に優れる。一方で、接触部材2115cが始動口ユニット2100Aの外部に形成される態様は、接触部材2115cがユニット本体2115に形成される態様に比して、新たに接触部材2115cを形成する必要がなく、接触部材2115cを形成する際の形成容易性に優れる。
なお、上述した、一方の電子部品の被接続部材に差し込まれた接続部材から延びる配線が、他方の電子部材の被接続部材に差し込まれた接続部材又は接続部材から延びる配線に作用する態様では、例えば、始動口ユニット2100Aのようなユニットにおいて、配線経路の末端に位置する電子部品の被接続部材に差し込まれた接続部材の抜けを抑制することが困難であるが、上述した配線の屈曲部又は迂回部に作用する接触部材の態様では、例えば、始動口ユニット2100Aのようなユニットにおいて、配線経路の末端に位置する電子部品の被接続部材に差し込まれた接続部材であっても、接続部材の抜けを好適に抑制することができる。
[ベースモニタにおけるベース値の扱いについて]
次に、第五実施形態のパチンコ機1のベースモニタについて説明する。上述した他の実施形態では、ベースモニタ(四つの7セグメントLED)が主制御基板1310に配置されているものとして説明したが、第五実施形態のベースモニタは、枠制御基板740に配置されているものとしている。なお、四つの7セグメントLEDを有する点等、ベースモニタに関する基本構成は他の実施形態と共通である。
本例では、主制御基板1310でなく枠制御基板740において、ベースモニタに表示されるベース値を管理(算出や保持)している。まず、枠制御基板740は、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられる入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)、つまり遊技領域5a内から排出される遊技球Bの球数を計数している。具体的には、入球により賞球を払い出す対象である入賞口に入球した遊技球Bの球数として、セーフ球センサ606で検出された遊技球Bの球数と、入賞口に入球しなかった遊技球Bを回収するアウト口に入球した遊技球Bの球数として、アウト球センサ605で検出された遊技球Bの球数と、の合計を入球数として計数している。これらセーフ球センサ606やアウト球センサ605は、枠制御基板740に接続されている。
また、主制御基板1310は、入球により賞球を払い出す(付与する)対象である入賞口に対応する検出センサで検出されたときに、その所定数の遊技球Bの球数を賞球コマンドとして、枠制御基板740に送信している。例えば、一般入賞口2001へ遊技球Bが入球したときには、10個の遊技球Bを払い出し、普通入賞口2002へ遊技球Bが入球したときには、1個の遊技球Bを払い出し、第一始動口2003や第二始動口2004へ遊技球Bが入球したときには、3個の遊技球Bを払い出し、大入賞口2005や役物入賞口2006へ遊技球Bが入球したときには、10個の遊技球Bを払い出すことが予め決められている。そして、枠制御基板740は、賞球コマンドを受信することに基づいて、入賞口への入球により賞球として払い出される(付与される)遊技球Bの球数(以下、払出数と称す)を計数している。なお、本例のパチンコ機1では、実玉での払い出しは伴わないため、枠制御基板740が賞球コマンドを受信することに基づいて、賞球として払い出される(付与される)遊技球Bの球数の分だけ、遊技者の持ち球数に加算するものとしている。
そして、枠制御基板740は、入球数に対する払出数の割合を算出し、その算出結果をベース値として、内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、枠制御基板740に配置されているベースモニタに表示するようにしている。なお、入球数に対する払出数の割合の算出式としては、ベース値=(払出数÷入球数)×100が挙げられる。例えば、入球数に対する払出数の割合が多くなり過ぎている場合には、入球口のうち、入球により賞球を払い出す対象である入賞口ばかりに入球している可能性があり、ベースモニタに表示される情報を監視することで、不正行為により入賞口に入球させていないかなどを把握することができる。
また、ベース値については、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が60000球に到達するごとに、新たに入球数に対する払出数の割合を算出するようにし、古くなった入球数に対する払出数の割合の算出結果については、所定回数の算出結果までを履歴として保存している。具体的には、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が60000球に到達するまでの現在のベース値BLの他に、前回のベース値B1、前々回のベース値B2、前々々回のベース値B3の3区間を履歴として保存している。そして、ベース値については、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が60000球に到達するごとに、現在のベース値BL、前回のベース値B1、前々回のベース値B2が、前回のベース値B1、前々回のベース値B2、前々々回のベース値B3に移行し、元のベース値B3については破棄するようにしている。また、ベースモニタにおいては、現在のベース値BL、前回のベース値B1、前々回のベース値B2、前々々回のベース値B3を一定間隔(例えば、3秒)ごとに切り替えて表示するようにしている。また、ベースモニタにおいては、四つの7セグメントLEDのうち、2つの7セグメントLEDを用いていずれの区間のベース値であるかを示し、他の2つの7セグメントLEDを用いて表示中の区間に対応するベース値(入球数に対する払出数の割合の算出結果)を表示するようにしている。また、ベースモニタは、小数点付き(いわゆる、ドット付き)の7セグメントLEDであり、ベース値の区間を示す7セグメントLEDと、表示中の区間に対応するベース値を示す7セグメントLEDとの間には、ドットを点灯するようにしている。例えば、現在のベース値BL、前回のベース値B1、前々回のベース値B2、前々々回のベース値B3を表示する際には、四つの7セグメントLEDにおいて、「BL.21」、「B1.19」、「B2.17」、「B3.20」等の情報を一定間隔(例えば、3秒)ごとに切り替えて表示するようにしている。このように、本実施形態では、ベース値を管理する制御を遊技盤5側(主制御基板1310)ではなく本体枠4側(枠制御基板740)に設けることで、遊技盤5における主制御基板1310の処理負担を軽減することが可能になる。また、ベースモニタ(四つの7セグメントLED)を遊技盤5側(主制御基板1310)ではなく本体枠4側(枠制御基板740)に設けることで、本体枠4に対して遊技盤5を交換する際に本体枠4側のベースモニタを流用可能にして、遊技盤5のコストの減少を図ることが可能になる。
ところで、従来のように、遊技盤5に設けられている主制御基板1310にベースモニタが設けられ、ベースモニタに表示されるベース値が主制御基板1310で管理されている場合には、本体枠4に対して遊技盤5を交換すると、その後は交換後の遊技盤5の主制御基板1310側で初期状態から新たにベース値が管理されるようになっていた。しかしながら、本実施形態のように、本体枠4に設けられている枠制御基板740にベースモニタが設けられ、ベースモニタに表示されるベース値が枠制御基板740で管理されている場合には、本体枠4に対して遊技盤5を交換したとしても、本体枠4に設けられている枠制御基板740は交換されないことから、遊技盤5を交換したにも拘わらず交換前の遊技盤5のベース値の情報の一部が交換後の遊技盤5に反映されてしまう可能性があり、遊技盤5の交換時における信頼性や利便性が低下してしまう、という問題があった。例えば、枠制御基板740で管理される過去のベース値B1~B3など、交換前の遊技盤5におけるベース値を交換後の遊技盤5に伝達してしまうと、交換後の遊技盤5におけるベース値の内容の信頼性が損なわれてしまう。本例では、ベースモニタに表示されるベース値が枠制御基板740で管理されている場合において、遊技盤5の交換時における信頼性や利便性の低下を回避する手法について、以下に説明する。
本例では、主制御基板1310において、CPU(主制御MPU)に固有のCPU番号(固有情報)が予め記憶されている。このCPU番号は、同一シリーズの遊技盤5であっても主制御基板1310ごとに固有のCPU番号が付されており、外部装置を用いても書き換えることができない。また、枠制御基板740は、主制御基板1310からCPU番号を受信し、枠制御基板740に内蔵されているRAMに記憶するようにしている。この枠制御基板740に記憶されているCPU番号については、電源のオンオフや、電源投入時にRAMクリアスイッチ741の操作があったとしても、クリア(初期化)せずに保持するようにしている。同様に、枠制御基板740に記憶されているベース値についても、電源のオンオフや、電源投入時にRAMクリアスイッチ741の操作があったとしても、クリア(初期化)せずに保持するようにしている。そして、枠制御基板740は、主制御基板1310からCPU番号を受信したときに、そのCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致しているか否かを判定するようにし、その判定結果に基づいて、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリア(初期化)するか否かを決定している。
具体的には、枠制御基板740において、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していると判定した場合には、本体枠4に対して遊技盤5が交換されていないと判断し、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアすることなく維持するようにしている。より詳細には、ベース値として記憶されている現在のベース値BL、前回のベース値B1、前々回のベース値B2、前々々回のベース値B3のいずれも維持するようにしている。これにより、同一の遊技盤5が装着されたまま電源投入された場合や、遊技盤5として本体枠4に装着されている遊技盤Aを電源遮断中に取り外し、その後に遊技盤Aを再び取り付けて電源投入した場合等、前回の電源投入から今回の電源投入までの間で別の遊技盤に交換されていない状況においては、ベース値が維持された状態から継続してベース値を計数するようになり、ベース値が意図せずにクリアされることがなく、ベース値を継続して伝達することができる。
一方、枠制御基板740において、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していないと判定した場合には、本体枠4に対して遊技盤5が交換されていると判断し、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアする(初期状態にする)ようにしている。例えば、遊技盤5として本体枠4に装着されている遊技盤Aを取り外し、その後に別のCPU番号を有する遊技盤Bを取り付けた場合には、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアするようにしている。より詳細には、ベース値として記憶されている現在のベース値BL、前回のベース値B1、前々回のベース値B2、前々々回のベース値B3のいずれもクリアするようにしている。これにより、遊技盤5の交換後において、交換前の遊技盤5におけるベース値を伝達することがなく、ベース値が初期化された状態から新たにベース値を計数するようになり、交換後の遊技盤5におけるベース値を正しく伝達することができる。つまり、遊技盤5を交換したにも拘わらず交換前の遊技盤5のベース値の情報の一部が交換後の遊技盤5に反映されてしまう可能性がなくなり、遊技盤5の交換時における信頼性や利便性が低下することを回避できる。
なお、遊技盤5の交換としては、同じ機種のシリーズに対応する遊技盤5、異なる機種のシリーズに対応する遊技盤5のいずれに交換する場合であっても、遊技盤5に設けられている主制御基板1310が変更されることから、枠制御基板740において、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していないと判定することとなる。
また、枠制御基板740において、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していないと判定した場合には、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアすることに加え、その受信したCPU番号を、枠制御基板740に内蔵されているRAMに新たに記憶するようにしている。本例では、枠制御基板740のRAMに記憶可能なCPU番号の個数は「1個」としており、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していないと判定した場合には、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアすることに加え、その受信したCPU番号を、枠制御基板740に内蔵されているRAMに上書きするかたちで新たに記憶するようにしている。これにより、CPU番号をクリアする処理を不要にでき、制御を簡素化できる。なお、本例とは別例として、枠制御基板740のRAMに記憶可能なCPU番号の個数を「複数個(たとえば2個)」としてもよく、このような場合には、メンテナンス等で取り外した遊技盤5を他の本体枠4に誤って装着してしまった場合でもベース値をクリアしないように担保しておくことができ、利便性を向上させることができる。ただし、枠制御基板740のRAMに記憶可能なCPU番号の個数を「複数個(たとえば2個)」にする場合には、ラムクリア等を契機に、記憶されている複数個のCPU番号の一部あるいは全部を任意でクリアする処理を別途設けることが望ましい。
また、本例では、電源投入中に本体枠4に装着されている遊技盤5が取り外れてしまった場合について、以下の制御が行われる。すなわち、電源投入中に本体枠4に装着されている遊技盤5を取り外した時点では、枠制御基板740がCPU番号を受信することがなく、このタイミングでは枠制御基板740に記憶されているCPU番号と一致しているか否かの判定を実行しないようにしており、枠制御基板740に記憶されているCPU番号やベース値については、クリアせずに維持するようにしている。このため、例えば、遊技盤5として本体枠4に装着されている遊技盤Aが何らかの要因で電源投入中に本体枠4から取り外れてしまったとき(本体枠4の通電が継続しているなかで遊技盤5の通電が遮断されてしまったとき等)でも、枠制御基板740がCPU番号を受信することがなく、枠制御基板740に記憶されているCPU番号やベース値についてはクリアされることなく維持することができる。これにより、意図せずに遊技盤5が取り外れてしまった場合であっても、ベース値が維持された状態から継続してベース値を計数することができる。
加えて、遊技盤5として本体枠4に装着されている遊技盤Aが何らかの要因で電源投入中に本体枠4から取り外れてしまった後に再び本体枠4に遊技盤Aが取り付けられたとき(本体枠4の通電が継続しているなかで遊技盤5の通電が再開されたとき等)には、主制御基板1310から再びCPU番号が送信されることとなる。ただし、主制御基板1310から再び送信されたCPU番号を枠制御基板740が受信したとき(枠制御基板740側からすると、電源投入後に2回目のCPU番号を受信したとき)には、枠制御基板740が受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致しているか否かの判定を再実行しないようにしている。これにより、意図せずに遊技盤5が取り外れてしまい、その後に同一の遊技盤5が再装着された場合には、枠制御基板740に記憶されているCPU番号やベース値についてはクリアされることなく維持することができ、ベース値が維持された状態から継続してベース値を計数することができる。なお、別例として、主制御基板1310から再び送信されたCPU番号を枠制御基板740が受信したとき(枠制御基板740側からすると、電源投入後に2回目のCPU番号を受信したとき)に、枠制御基板740が受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致しているか否かの判定を枠制御基板740側で再実行するようにしてもよい。このように判定を再実行する場合でも、その再実行した判定結果が「一致」とされた場合には、枠制御基板740に記憶されているCPU番号やベース値についてはクリアされることなく維持するようにしておくことで、ベース値が維持された状態から継続してベース値を計数することができる。
また、本例では、枠制御基板740のRAMに記憶可能なCPU番号の個数は「1個」としているため、例えば、電源投入中に、遊技盤5として本体枠4に装着されている遊技盤Aを取り外し、その後に遊技盤Bを取り付けてから取り外し、再び遊技盤Aを取り付けた場合には、遊技盤Bを取り付けた時点で、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していないと判定することになり、枠制御基板740に記憶されているベース値がクリアされることとなる。つまり、電源投入中に枠制御基板740側で複数の異なるCPU番号を受信した場合には、明らかな異常あるいは不正が予見できるため、遊技盤Aを取り外した後に、再び遊技盤Aを取り付けた場合であっても、その直前に遊技盤Aが取り付けられていない場合には、最初に遊技盤Aが装着されていた時点でのベース値を維持しないようにしている。
(遊技盤A1から遊技盤A2への交換時)
図150は、電源の遮断時に遊技盤A1から遊技盤A2に交換された場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。ここでは、タイミングt1で電源を遮断するよりも前に、本体枠4に対して遊技盤A1が装着されており、タイミングt1で電源を遮断した後に、遊技盤A1から遊技盤A2に交換し、タイミングt2で電源投入したときに、枠制御基板740において、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していないと判定した場合について説明している。なお、本例では、遊技盤5を交換する際に、遊技盤A1と同じ機種のシリーズに対応する遊技盤A2に交換された場合について説明しているが、遊技盤A1とは異なる機種のシリーズに対応する遊技盤Bに交換された場合についても、枠制御基板740において、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していないと判定することから、同じ挙動を示すようになっている。
図150に示すように、タイミングt1で電源を遮断するよりも前には、本体枠4に対して遊技盤A1が装着されており、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、本体枠4に対して遊技盤A1が装着されている状態において、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。
また、各種入賞口に対応する検出センサについては、有効とし、入球により賞球を払い出す(付与する)ことを可能としている。また、各種入賞口へ入球した遊技球Bを回収する際には、セーフ球センサ606で検出され、各種入賞口に入球しないでアウト口に入球した遊技球Bを回収する際には、アウト球センサ605で検出されるように構成しているが、これらのセーフ球センサ606やアウト球センサ605については、有効としている。詳しくは上記したが、これらの検出センサで検出された情報については、ベースモニタに表示されるベース値の算出に用いられている。
また、演出表示装置1600については、通常時の動作として、特別図柄の変動表示が実行されていないときには、特別図柄の変動表示が開始されることを待機する状態での待機演出(例えば、デモ演出)に対応する動作を実行するようにし、特別図柄の変動表示が実行されているときには、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信することに基づいて、変動演出(変動パターンに基づく演出)に対応する動作を実行するようにしている。例えば、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信したときには、演出表示装置1600では、装飾図柄の変動表示を含む演出表示(例えば、リーチ演出)などを実行するようにしている。
また、外部端子板(遊技球貸出装置接続端子板765)からは、ホールコンピュータに対して所定の信号を出力することが可能であり、それらの信号をホールコンピュータで受信することで、ホール側でもパチンコ機1の挙動を把握できるようにしている。例えば、始動入賞があったとき、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されて大当り遊技が実行されているとき、異常が検出されたときなどに、それらに対応する信号を出力している。
また、タイミングt1よりも前には、遊技者がハンドル195を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを可能にしている。
また、タイミングt1よりも前には、枠制御基板740は、遊技盤A1の主制御基板1310からCPU番号を受信し、枠制御基板740に内蔵されているRAMに記憶するようにしている。この枠制御基板740に記憶されているCPU番号については、タイミングt1で電源を遮断した後にも、所定のバックアップ電源(図示しない)によりクリアせずに保持するようにし、遊技盤A1から遊技盤A2に交換して後述するタイミングt2で電源を投入した時点でも、クリアせずに保持するようにしている。
また、タイミングt1よりも前には、枠制御基板740は、入球数に対する払出数の割合を算出し、その算出結果をベース値として、内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、枠制御基板740に設けられるベースモニタに表示するようにしている。つまり、タイミングt1で電源を遮断するよりも前には、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)や、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)を計数し、入球数に対する払出数の割合を算出することを可能とし、ベースモニタに表示されるベース値に反映することを可能にしている。このベース値については、タイミングt1で電源を遮断した後にも、クリアせずに保持するようにし、遊技盤A1から遊技盤A2に交換して後述するタイミングt2で電源を投入した時点でも、クリアせずに保持するようにしている。
また、タイミングt1よりも前には、枠制御基板740は、入賞口への入球を検出したときに、賞球として所定数の遊技球を払い出すことを可能とし、賞球として払い出される遊技球の球数の分だけ、遊技者の持ち球数や持ち球数Xに加算することを可能にしている。この持ち球数や持ち球数Xについては、タイミングt1で電源を遮断した後にも、所定のバックアップ電源(図示しない)によりクリアせずに保持するようにし、遊技盤A1から遊技盤A2に交換して後述するタイミングt2で電源を投入した時点でも、クリアせずに保持するようにしている。また、タイミングt2で電源を投入した後には、枠制御基板740は、計数ボタンスイッチ180の操作により持ち球数を精算することを可能にしている。
次に、タイミングt1で電源を遮断した後には、遊技盤A1から遊技盤A2に交換している。そして、本体枠4に対して遊技盤A2が装着されている状態で、タイミングt2で電源を投入している。
まず、電源投入時であるタイミングt2では、主制御基板1310から枠制御基板740に向けてCPU番号を送信し、枠制御基板740は、その受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致しているか否かを判定している。ここでは、タイミングt2で電源を投入するよりも前に、遊技盤A1から遊技盤A2に交換していることから、枠制御基板740は、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していないと判定し、その判定結果によって、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアするようにしている。
ここで、主制御基板1310から枠制御基板740に向けてCPU番号を送信するタイミングについては、電源投入直後の予め定めた特定タイミングt2としている。つまり、電源投入直後の特定タイミングt2が到来すると、枠制御基板740がCPU番号を受信し、そのCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致しているか否かを判定している。また、特定タイミングt2は、後述する電源投入パターンがいずれであるかに拘らず同一のタイミングであり、例えば、ラムクリアを伴う電源投入時にRAMクリアスイッチ741を操作することによりラムクリアを実行する場合にはラムクリアの開始前、電源投入時に球数記憶・表示クリアスイッチ743を操作することにより持ち球数をクリアする場合には持ち球数のクリアの開始前、電源投入時に球抜スイッチ742を操作することにより球抜きモードを開始する場合には球抜きモードの開始前、電源投入時にRAMクリアスイッチ741および設定キースイッチを操作することにより設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)を開始する場合には変更許可状態の開始前にしておくことで、制御が複雑化することを防止できる。
なお、別例として、主制御基板1310から枠制御基板740に向けてCPU番号を送信するタイミングについては、電源投入直後の予め定めた特定タイミングt2の他、枠制御基板740側でのCPU番号の確認のため、特定タイミングt2の後にも、主制御基板1310から枠制御基板740に向けてCPU番号を再度送信するようにしてもよい。そして、主制御基板1310から再び送信されたCPU番号を枠制御基板740が受信したとき(枠制御基板740側からすると、電源投入後に2回目のCPU番号を受信したとき)に、枠制御基板740が受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致しているか否かの判定を枠制御基板740側で再実行するようにしてもよい。このように判定を再実行する場合でも、その再実行した判定結果が「一致」とされた場合には、枠制御基板740に記憶されているCPU番号やベース値についてはクリアされることなく維持するようにしている。一方、再実行した判定結果が「不一致」とされた場合には、明らかな異常あるいは不正が予見できるため、枠制御基板740に記憶されているCPU番号やベース値についてはクリアするようにしている。
また、タイミングt2で電源を投入した後には、本体枠4に対して遊技盤A2が装着されており、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、本体枠4に対して遊技盤A2が装着されている状態において、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。
また、各種入賞口に対応する検出センサについては、有効とし、入球により賞球を払い出す(付与する)ことを可能としている。また、各種入賞口へ入球した遊技球Bを回収する際には、セーフ球センサ606で検出され、各種入賞口に入球しないでアウト口に入球した遊技球Bを回収する際には、アウト球センサ605で検出されるように構成しているが、これらのセーフ球センサ606やアウト球センサ605については、有効としている。詳しくは上記したが、これらの検出センサで検出された情報については、ベースモニタに表示されるベース値の算出に用いられている。
また、演出表示装置1600については、タイミングt2の時点で、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアしたことに対応する表示を実行するようにしている。このような表示については、所定期間にわたって実行するようにし、所定期間の経過後には、通常時の動作として、例えば、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信したときには、装飾図柄の変動表示を含む演出表示(例えば、リーチ演出)などを実行するようにしている。ただし、所定期間が経過するまでの間には、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアしたことに対応する表示と、装飾図柄の変動表示を含む演出表示(例えば、リーチ演出)などの通常時の動作と、を同時に実行するようにしてもよい。
また、外部端子板からは、タイミングt2の時点で、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアしたことに対応して、セキュリティ信号を出力している。このセキュリティ信号については、異常の検出や、設定値の設定変更や設定値の確認表示中であるときに出力するものであり、ベース値をクリアした場合にも、同じセキュリティ信号を出力している。つまり、ベース値をクリアした場合には、異常の検出や、設定値の設定変更や設定値の確認表示中でないにもかかわらず、強制的にセキュリティ信号を出力する強制出力状態にしている。これにより、ベース値をクリアした場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、ベース値をクリアした旨を把握することができる。また、セキュリティ信号については、後述するタイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達した時点で、出力を停止するようにしているが、別例として、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するか否かに関係なく、タイミングt3よりも前やタイミングt3よりも後に出力を停止するように予め定められた時間で出力停止するようにしてもよい。なお、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達する前にセキュリティ信号を停止した場合には、その停止後にセキュリティ信号を出力すべき他の条件(異常の検出等)が成立したことに基づいて再度セキュリティ信号を出力するようにしてもよく、このようにすることで、新たな不正行為(例えば、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達する前の期間内に不正入球させる不正行為等)の監視の精度等も向上させることができる。
なお、本例では、外部端子板から、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号の他に、遊技状態、入賞口への入球、賞球の払い出しなどを伝える各種信号を出力しているが、タイミングt3でセキュリティ信号の出力を停止した後だけでなく、タイミングt2~t3の期間にも、それらの信号を出力することを可能にしている。
また、タイミングt2で電源を投入した後には、遊技者がハンドル195を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを可能にしている。
また、タイミングt2の時点で、枠制御基板740は、交換後の遊技盤A2の主制御基板1310からCPU番号を受信し、その受信した遊技盤A2のCPU番号と、枠制御基板740に記憶されている遊技盤A1のCPU番号と、が一致していないと判定することにより、その受信した遊技盤A2のCPU番号を、枠制御基板740に内蔵されているRAMに新たに記憶するようにしている。
また、タイミングt2の時点で、枠制御基板740は、交換後の遊技盤A2の主制御基板1310からCPU番号を受信し、その受信した遊技盤A2のCPU番号と、枠制御基板740に記憶されている遊技盤A1のCPU番号と、が一致していないと判定することにより、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアするようにしている。より詳細には、ベース値として記憶されている現在のベース値BL、前回のベース値B1、前々回のベース値B2、前々々回のベース値B3のいずれもクリアするようにしている。これにより、遊技盤A2の交換後において、交換前の遊技盤A1におけるベース値を伝達することがなく、ベース値が初期化された状態から新たにベース値を計数するようになり、交換後の遊技盤A2におけるベース値を正しく伝達することができる。
また、タイミングt2の時点で、枠制御基板740は、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアしているが、タイミングt2の後には、枠制御基板740は、少なくとも入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)を計数するようにし、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するか否かを監視している。そして、タイミングt2で電源を投入した時点から、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)や、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)を計数するものの、入球数に対する払出数の割合の算出対象とはせず、ベースモニタに表示されるベース値に反映しないようにしている。このことの詳細については、後述する。
そして、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達した後には、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)や、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)を計数し、入球数に対する払出数の割合を算出することを可能とし、ベースモニタに表示されるベース値に反映することを可能にしている。
また、タイミングt1~t2の期間に遊技盤A1から遊技盤A2に交換しているが、タイミングt2の時点で、持ち球数や持ち球数Xについては、クリアせずに保持するようにしている。そして、タイミングt2で電源を投入した後には、枠制御基板740は、入賞口への入球を検出したときに、賞球として所定数の遊技球を払い出すことを可能とし、賞球として払い出される遊技球の球数の分だけ、遊技者の持ち球数や持ち球数Xに加算することを可能にしている。また、タイミングt2で電源を投入した後には、枠制御基板740は、計数ボタンスイッチ180の操作により持ち球数を精算することを可能にしている。
(遊技盤A1の脱着時)
図151は、電源の遮断時に遊技盤A1が脱着された場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。ここでは、タイミングt1で電源を遮断するよりも前に、本体枠4に対して遊技盤A1が装着されており、タイミングt1で電源を遮断した後に、遊技盤A1の点検などのために一旦取り外し、その後に再び遊技盤A1を取り付け、タイミングt2で電源投入したときに、枠制御基板740において、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していると判定した場合について説明している。なお、本例では、タイミングt1で電源を遮断するよりも前については、図150と同じ挙動であるため、説明を省略している。
図151に示すように、タイミングt1で電源を遮断した後には、遊技盤A1の点検などのために一旦取り外し、その後に再び遊技盤A1を取り付けている。そして、本体枠4に対して遊技盤A1が装着されている状態で、タイミングt2で電源を投入している。
まず、電源投入時であるタイミングt2では、主制御基板1310から枠制御基板740に向けてCPU番号を送信し、枠制御基板740は、その受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致しているか否かを判定している。ここでは、タイミングt2で電源を投入するよりも前に、再び遊技盤A1を取り付けていることから、枠制御基板740は、主制御基板1310から受信したCPU番号と、枠制御基板740に記憶されているCPU番号と、が一致していると判定し、その判定結果によって、枠制御基板740に記憶されているベース値を維持するようにしている。
また、タイミングt2で電源を投入した後には、本体枠4に対して遊技盤A1が装着されており、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、本体枠4に対して遊技盤A1が装着されている状態において、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。
また、各種入賞口に対応する検出センサについては、有効とし、入球により賞球を払い出す(付与する)ことを可能としている。また、各種入賞口へ入球した遊技球Bを回収する際には、セーフ球センサ606で検出され、各種入賞口に入球しないでアウト口に入球した遊技球Bを回収する際には、アウト球センサ605で検出されるように構成しているが、これらのセーフ球センサ606やアウト球センサ605については、有効としている。詳しくは上記したが、これらの検出センサで検出された情報については、ベースモニタに表示されるベース値の算出に用いられている。
また、演出表示装置1600については、タイミングt2の時点で、枠制御基板740に記憶されているベース値を維持したことに対応する表示を実行するようにしている。このような表示については、所定期間にわたって実行するようにし、所定期間の経過後には、通常時の動作として、例えば、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信したときには、装飾図柄の変動表示を含む演出表示(例えば、リーチ演出)などを実行するようにしている。ただし、所定期間が経過するまでの間には、枠制御基板740に記憶されているベース値を維持したことに対応する表示と、装飾図柄の変動表示を含む演出表示(例えば、リーチ演出)などの通常時の動作と、を同時に実行するようにしてもよい。
また、外部端子板からは、タイミングt2の時点で、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアしていないことから、セキュリティ信号を出力していない。そして、タイミングt2で電源を投入した後には、遊技状態、入賞口への入球、賞球の払い出しなどを伝える各種信号を出力することを可能にしている。
なお、別例として、外部端子板からは、タイミングt2の時点で、枠制御基板740に記憶されているベース値を維持したことに対応して、セキュリティ信号を出力してもよい。このセキュリティ信号については、異常の検出や、設定値の設定変更や設定値の確認表示中であるときに出力するものであり、ベース値を維持した場合にも、同じセキュリティ信号を出力している。つまり、ベース値を維持した場合には、異常の検出や、設定値の設定変更や設定値の確認表示中でないにもかかわらず、強制的にセキュリティ信号を出力する強制出力状態にしている。これにより、ベース値を維持した場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、ベース値を維持した旨を把握することができる。また、セキュリティ信号については、後述するタイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達した時点で、出力を停止するようにしてもよいし、タイミングt3よりも前に、出力を停止するようにしてもよい。
また、タイミングt2で電源を投入した後には、遊技者がハンドル195を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを可能にしている。
また、タイミングt2の時点で、枠制御基板740は、再び取り付けた遊技盤A1の主制御基板1310からCPU番号を受信し、その受信した遊技盤A1のCPU番号と、枠制御基板740に記憶されている遊技盤A1のCPU番号と、が一致していると判定することにより、枠制御基板740に記憶されている遊技盤A1のCPU番号を維持するようにしている。
また、タイミングt2の時点で、枠制御基板740は、再び取り付けた遊技盤A1の主制御基板1310からCPU番号を受信し、その受信した遊技盤A1のCPU番号と、枠制御基板740に記憶されている遊技盤A1のCPU番号と、が一致していると判定することにより、枠制御基板740に記憶されているベース値を維持するようにしている。より詳細には、ベース値として記憶されている現在のベース値BL、前回のベース値B1、前々回のベース値B2、前々々回のベース値B3のいずれも維持するようにしている。これにより、再び取り付けた遊技盤A1については、ベース値が維持された状態から継続してベース値を計数するようになり、ベース値を正しく伝達することができる。
また、タイミングt2の時点で、枠制御基板740は、枠制御基板740に記憶されているベース値を維持しているが、タイミングt2の後には、枠制御基板740は、少なくとも入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)を計数するようにし、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するか否かを監視している。そして、タイミングt2で電源を投入した時点から、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)や、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)を計数するものの、入球数に対する払出数の割合の算出対象とはせず、ベースモニタに表示されるベース値に反映しないようにしている。
そして、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達した後には、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)や、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)を計数し、入球数に対する払出数の割合を算出することを可能とし、ベースモニタに表示されるベース値に反映することを可能にしている。
また、タイミングt1~t2の期間に遊技盤A1の点検などのために一旦取り外し、その後に再び遊技盤A1を取り付けているが、タイミングt2の時点で、持ち球数や持ち球数Xについては、クリアせずに保持するようにしている。そして、タイミングt2で電源を投入した後には、枠制御基板740は、入賞口への入球を検出したときに、賞球として所定数の遊技球を払い出すことを可能とし、賞球として払い出される遊技球の球数の分だけ、遊技者の持ち球数や持ち球数Xに加算することを可能にしている。また、タイミングt2で電源を投入した後には、枠制御基板740は、計数ボタンスイッチ180の操作により持ち球数を精算することを可能にしている。
[封入球の補充許容時期について]
本例では、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)については、タイミングt2で電源を投入した時点から、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間、入球数に対する払出数の割合の算出対象とはせず、ベースモニタに表示されるベース値に反映しないようにしているが、その理由について、以下に説明する。
詳しくは上記したが、本例では、本体枠4における循環経路R内では、多数(例えば、40~60個)の遊技球Bが一列に並んでいる状態で貯留されており、内部において循環するようにしている。そして、ゲージ部620の三つのシールや封入球量検知処理において、封入されている遊技球Bの量(球数)が適量であるか否かを確認可能にしている。具体的には、循環球経路ユニット600の球貯留通路604において、一列に並んでいる遊技球Bの最後部が、循環球過少センサ621と循環球過多センサ622との間に位置している場合には、循環球過少センサ621がONで循環球過多センサ622がOFFとなり、遊技球Bの量が適量であると判断している。また、球貯留通路604において一列に並んでいる遊技球Bの最後部が、循環球過少センサ621よりも下流に位置している場合には、循環球過少センサ621がOFFで循環球過多センサ622がOFFのとなり、遊技球Bの量が過少であると判断している。また、球貯留通路604において一列に並んでいる遊技球Bの最後部が、循環球過少センサ621及び循環球過多センサ622を越えて循環球過多センサ622よりも上流に位置している場合には、循環球過少センサ621がONで循環球過多センサ622がONとなり、遊技球Bの量が過多であると判断している。
そして、本体枠4における循環経路R内において、遊技球Bがない、あるいは、遊技球Bの量が過少である場合には、遊技球Bの補充が必要になるが、本例では、アウト口1008や入賞口(一般入賞口2001、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005)を介して、遊技球Bを補充することができる。なお、本体枠4に対して遊技盤5が取り外されている場合には、アウト球受口600aやセーフ球受口600bが露出しており、そのアウト球受口600aやセーフ球受口600bを介して、遊技球Bを補充することができる。
一方、本体枠4における循環経路R内において、遊技球Bの量が過多であるなど、外部へ遊技球Bを排出したい場合には、球抜シャッター615を手前に引いて球抜口613pを開いて、枠制御基板740に設けられている球抜スイッチ742をONにした状態で電源投入することで、球受トレー720へ遊技球Bを抜くことができる。
ところで、枠制御基板740は、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)や、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)を計数しているが、アウト口1008や入賞口を介してホール管理者が遊技球Bを補充する際に、入球数に対する払出数の割合の算出対象としてベース値に反映するようにすると、ベース値が、遊技に関与しない入球情報を含むものになってしまう。
この点、本例では、図150や図151のタイミングt2で電源を投入した時点から、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)については、入球数に対する払出数の割合の算出対象とはせず、ベース値に反映しないようにしている。つまり、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間には、アウト口1008や入賞口を介して遊技球Bを補充したとしても、入球数に対する払出数の割合の算出対象とはせず、ベース値に反映しないようにしている。これにより、アウト口1008や入賞口を介して遊技球Bを補充した場合であっても、遊技に関与しない入球情報が含まれてベース値が算出されてしまうことを回避し、遊技に関与しない入球情報が含まれていない適正なベース値を保つことができる。なお、上述した「300球」は、枠制御基板740によって管理され、アウト口1008から補充された遊技球Bについては、本体枠4側に設けられたアウト球センサ605により検知(カウント)され、一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006のような入賞口から補充された遊技球Bについては、本体枠4側に設けられたセーフ球センサ606により検知(カウント)される。
上記では、ベース値に反映させない期間として、タイミングt2で電源を投入した時点から、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間としているが、このような遊技球Bの球数(入球数)については、本体枠4における循環経路R内に貯留することが可能な球数(40~60個)、すなわちアウト口1008や入賞口を介して遊技球Bを補充することが可能な球数よりも多くなるようにしている。これにより、本体枠4における循環経路R内に遊技球Bがない状態から、アウト口1008や入賞口を介して遊技球Bを補充したとしても、ベース値に対して、それらの遊技に関与しない入球情報を含まないようにすることができる。
なお、本例では、アウト口1008と入賞口のうち、アウト口1008のほうが開口が大きく、遊技球Bを入球させやすい。また、タイミングt2で電源を投入した時点から、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間については、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間であり、入賞口へ遊技球Bが入球すると、特別図柄の変動表示の開始や、賞球の払い出し(付与)が行われてしまう。このため、ホール管理者が遊技球Bを補充する際には、アウト口1008と入賞口のうち、アウト口1008を介して遊技球Bを補充することが好ましい。
また、本例では、ベース値に反映させない期間として、タイミングt2で電源を投入した時点から、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間としており、ホール管理者が電源を投入した直後において、アウト口1008や入賞口を介して遊技球Bを補充することとしている。ただし、別例として、パチンコ機1の裏面側において、遊技者が触れることができない作業用の操作部(ON状態とOFF状態とを切り替え可能にするボタンや、キー挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にするキースイッチ等)として補充許可スイッチを設けるようにし、電源投入後に補充許可スイッチを操作したときには、その後に入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間、アウト口1008や入賞口を介して遊技球Bを補充したとしても、入球数に対する払出数の割合の算出対象とはせず、ベース値に反映しないようにしてもよい。これにより、電源投入時でなくても、ホール管理者が適宜、アウト口1008や入賞口を介して遊技球Bを補充することができる。
また、本例では、タイミングt2で電源を投入した時点から、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間、ベースモニタには、ベース値を表示せず、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアしたことに対応して、特別表示を表示するようにしている。このとき、詳しくは上記したが、タイミングt2~t3の期間には、例えば、アウト球センサ605やセーフ球センサ606により遊技球Bが検知されたときに、ベースモニタにおける四つの7セグメントLEDのいずれかに「8.」を所定時間(例えば、0.5秒)表示するようにしてもよい。これにより、タイミングt2~t3の期間には、ベースモニタの表示によって、不正にアウト口1008や入賞口に遊技球Bを入球させているか否かを、パチンコ機1の裏面側からホール管理者が監視することを可能にしている。
また、本例では、アウト口1008に回収された遊技球Bについては、本体枠4側に設けられたアウト球センサ605により検知(カウント)され、一般入賞口2001、普通入賞口2002、第一始動口2003、第二始動口2004、大入賞口2005、役物入賞口2006のような入賞口に入球した遊技球Bについては、本体枠4側に設けられたセーフ球センサ606により検知(カウント)されているが、これらのセンサについては、遊技盤5側に設けられてもよい。また、アウト口1008に回収された遊技球Bと、各種入賞口に入球した遊技球Bと、が合流するように通路を形成し、その通路上に1つのセンサを設けるようにし、その1つのセンサの検知により入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)を計数するようにしてもよい。
また、本例では、タイミングt2で電源を投入した時点から、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間、ベースモニタには、ベース値を表示していない。これ以外にも、詳しくは上記において、「入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が60000球に到達するごとに、新たに入球数に対する払出数の割合を算出するようにし、例えば、新たに入球数に対する払出数の割合を算出する時点から、少なくとも入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が1000球に到達するまでの間、その新たな入球数に対する払出数の割合に関する表示の実行を制限するようにしてもよい。」旨を記載したが、そのような期間については、ベースモニタにベース値を表示していないだけで、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)については、入球数に対する払出数の割合の算出対象としている。このため、そのような期間において、アウト口1008や入賞口を介して遊技球Bを補充すると、ベース値に対して、遊技に関与しない入球情報が含まれてしまい、遊技球Bを補充する期間としては適していない。このため、新たに入球数に対する払出数の割合を算出する時点から、少なくとも入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が1000球に到達するまでの間には、遊技球Bの補充に不適な期間であることを管理者に知らせる報知を行うようにしてもよい。例えば、ベースモニタには、ベース値を表示せず、遊技球Bの補充に不適な期間であることに対応して、特殊表示を表示するようにしてもよい。
上記において、電源を投入した時点で、枠制御基板740に記憶されているベース値をクリアした場合には、新たに60000球ごとのベース値の算出を開始するようにしているが、電源を投入してから、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間、入球数に対する払出数の割合の算出対象とせず、300球を超えてから、入球数に対する払出数の割合の算出対象としている。具体的には、電源を投入してから、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間は、「入球数に対する払出数の割合の算出対象とせず、且つ、ベースモニタにベース値を表示していない」状態とし、300球を超えてから1000球に到達するまでの間は、「入球数に対する払出数の割合の算出対象とし、且つ、ベースモニタにベース値を表示していない」状態としている。これらの状態に応じて、ベースモニタに表示される表示態様を異ならせることで、いずれの状態であるのかをホール管理者が判別することができる。
また、本例では、本体枠4における循環経路R内で遊技球Bが循環するパチンコ機1を採用しているが、遊技島などの外部から遊技球Bが供給されるパチンコ機である場合には、タイミングt2で電源を投入した時点から、タイミングt3で入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)が300球に到達するまでの間、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)については、入球数に対する払出数の割合の算出対象とし、ベース値に反映するようにしてよい。
[球数記憶・表示クリアスイッチの操作について]
次に、球数記憶・表示クリアスイッチ743の操作による持ち球数の扱いについて説明する。まず、扉枠3には、遊技者が操作可能な計数ボタンスイッチ180が設けられている。詳しくは上記したが、持ち球がある(持ち球数>0)状態で、計数ボタンスイッチ180を押圧操作することで、持ち球数に関する情報を遊技球貸出装置8へ送って精算することができる。このような持ち球数については、枠制御基板740に内蔵されているRAMに記憶されている。
ところで、パチンコ機1の動作確認として、例えば、ホール管理者が入賞口に遊技球Bを入球させ、正常に遊技が進行するかどうかを確認した場合には、遊技球Bの払い出し(付与)によって、持ち球数に加算されることとなるが、このような持ち球数については、遊技者に付与されたものでないため、計数ボタンスイッチ180の操作によって持ち球数を精算する以外の方法で、ホール管理者がクリアすることを可能にすることが望ましい。この点、本例では、枠制御基板740において、ホール管理者が操作可能な球数記憶・表示クリアスイッチ743が設けられている。このような球数記憶・表示クリアスイッチ743については、電源投入時に操作することで、枠制御基板740に記憶されている持ち球数をクリアすることができる。つまり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数については、電源遮断後の電源投入時に球数記憶・表示クリアスイッチ743を操作するか否かによって、維持するか又はクリアするかを選択可能にすることで、利便性の向上を図ることができる。
図152は、枠制御基板の拡大図である。
図152に示すように、枠制御基板740には、左から順に、RAMに記憶されている情報を消去(ラムクリア)するためのRAMクリアスイッチ741、RAM等に記憶されている遊技者の持ち球数をクリアすると共に扉枠3の持ち球数表示部140での表示をクリアするための球数記憶・表示クリアスイッチ743、封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜く際に使用する球抜スイッチ742、が設けられている。これらのスイッチは、パチンコ機1の裏面側に設けられており、ホール管理者が操作することが可能になっている。
また、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742については、片手で複数のスイッチを操作できる程度に隣接して設けられている。また、電源スイッチ751は、電源基板750に設けられているが、その電源スイッチ751についても、枠制御基板740に設けられているRAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742に近接して設けられている。このため、電源投入時には、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742のうちの所望するスイッチの操作が容易となっている。
図153は、持ち球数のクリア条件を示すテーブルである。本例では、電源投入時操作の態様として、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742のうちのON操作したスイッチの組み合わせを異ならせることが可能であり、以下の8種類の電源投入パターンが設けられている。このうち、電源投入時に球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作している場合に、持ち球数のクリアが実行されるものとなっている。
ここで、枠制御基板740は、RAMに持ち球数を記憶しているが、電源遮断時において、その持ち球数を維持(バックアップ)している。また、枠制御基板740は、RAMに正常でない値が含まれる等のRAMエラーを検知した場合に、エラー情報AとしてRAMに記憶し、「発射球切れ」、「揚上入口球切れ」、「揚上球ガミエラー」、「遊技球過少」、「遊技球過多」等のRAMエラー以外のエラーを検知した場合に、エラー情報BとしてRAMに記憶している。このうち、エラー情報Aについては、電源遮断時に維持(バックアップ)しているが、エラー情報Bについては、維持(バックアップ)していない。また、枠制御基板740は、各種エラーを検知している場合に、エラー情報Aやエラー情報Bに関するエラー信号をRAMに記憶している。このうち、エラー情報Aに関するエラー信号については、電源遮断時に維持(バックアップ)しているが、エラー情報Bに関するエラー信号については、維持(バックアップ)していない。なお、枠制御基板740に記憶されているエラー信号は、遊技球貸出装置接続端子板765を介して遊技球貸出装置8へ出力するものであり、さらに、遊技球貸出装置8を介して遊技ホールのホールコンピュータ等の外部装置へ出力するものである。
電源投入パターンAは、電源投入時(電源スイッチ751の操作時)において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742をいずれもON操作しない場合であり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数を維持している。また、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号については、維持しているのに対し、エラー情報Bや、エラー情報Bに関するエラー信号については、クリアしている。つまり、RAMエラーを検知した場合には、電源遮断後の電源投入後にもエラー情報Aを維持することで、RAMエラーが継続している旨を把握するようにし、エラー情報Aに関するエラー信号を外部装置へ出力している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを青色で発光するようにし、スピーカから「持ち球数は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「持ち球数は維持されています。」というメッセージ画像を表示するようにしている。このように、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDについては、いずれのスイッチもON操作していない通常の電源投入であることに対応する発光色として、青色で発光している。
電源投入パターンBは、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742のうち、RAMクリアスイッチ741をON操作した場合であり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数を維持している。また、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号については、クリアするようにし、エラー情報Bや、エラー情報Bに関するエラー信号についても、クリアしている。つまり、RAMエラーを検知した場合であっても、電源遮断後の電源投入後にRAMクリアスイッチ741をON操作することで、RAMエラーを解消し、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号をクリアすることとしている。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを黄色で発光するようにし、スピーカから「持ち球数は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「持ち球数は維持されています。」というメッセージ画像を表示するようにしている。このように、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDについては、RAMクリアスイッチ741をON操作することに対応する発光色として、黄色で発光している。
電源投入パターンCは、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742のうち、球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合であり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数をクリアしている。また、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号については、維持しているのに対し、エラー情報Bや、エラー情報Bに関するエラー信号については、クリアしている。つまり、RAMエラーを検知した場合には、電源遮断後の電源投入後にもエラー情報Aを維持することで、RAMエラーが継続している旨を把握するようにし、エラー情報Aに関するエラー信号を外部装置へ出力している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色で発光するようにし、スピーカから「持ち球数をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「持ち球数をクリアしました。」というメッセージ画像を表示するようにしている。このように、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDについては、球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作することに対応する発光色として、赤色で発光している。なお、枠制御基板740に持ち球数が記憶されていない状況で電源が遮断され、次の電源投入時において球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合には、持ち球数が記憶されているときと同じ処理が行われるようになっており、制御の複雑化を回避するようにしている。
電源投入パターンDは、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742のうち、RAMクリアスイッチ741と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合であり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数をクリアしている。また、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号については、クリアするようにし、エラー情報Bや、エラー情報Bに関するエラー信号についても、クリアしている。つまり、RAMエラーを検知した場合であっても、電源遮断後の電源投入後にRAMクリアスイッチ741をON操作することで、RAMエラーを解消し、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号をクリアすることとしている。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色と黄色で交互に点滅発光するようにし、スピーカから「持ち球数をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「持ち球数をクリアしました。」というメッセージ画像を表示するようにしている。このように、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色と黄色で交互に点滅発光することで、RAMクリアスイッチ741と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した旨を報知することができる。
電源投入パターンEは、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742のうち、球抜スイッチ742をON操作した場合であり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数を維持している。また、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号については、維持しているのに対し、エラー情報Bや、エラー情報Bに関するエラー信号については、クリアしている。つまり、RAMエラーを検知した場合には、電源遮断後の電源投入後にもエラー情報Aを維持することで、RAMエラーが継続している旨を把握するようにし、エラー情報Aに関するエラー信号を外部装置へ出力している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを緑色で発光するようにし、スピーカから「持ち球数は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「持ち球数は維持されています。」というメッセージ画像を表示するようにしている。このように、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDについては、球抜スイッチ742をON操作することに対応する発光色として、緑色で発光している。そして、球抜スイッチ742をON操作した場合には、上述した球抜処理が実行されて封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くことができる。なお、球抜スイッチ742のON操作により行われる球抜処理は、枠制御基板740に持ち球数が記憶されている状況では実行されず、枠制御基板740に持ち球数が記憶されていない状況(持ち球数0)でのみ実行される。このため、上述した「持ち球数は維持されています。」の報知は、球抜処理が実行される場合には実質的に持ち球数が0を示す報知となり、球抜処理が実行されない場合には実質的に持ち球数が1以上を示す報知となる。また、このような場合には、外部に知らせる報知態様として、スピーカから「球抜きは無効にされました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「球抜きは無効にされました。」というメッセージ画像を表示するようにしてもよい。
電源投入パターンFは、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742のうち、球抜スイッチ742とRAMクリアスイッチ741をON操作した場合であり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数を維持している。また、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号については、クリアするようにし、エラー情報Bや、エラー情報Bに関するエラー信号についても、クリアしている。つまり、RAMエラーを検知した場合であっても、電源遮断後の電源投入後にRAMクリアスイッチ741をON操作することで、RAMエラーを解消し、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号をクリアすることとしている。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを緑色と黄色で交互に点滅発光するようにし、スピーカから「持ち球数は維持されています。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「持ち球数は維持されています。」というメッセージ画像を表示するようにしている。このように、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを緑色と黄色で交互に点滅発光することで、球抜スイッチ742とRAMクリアスイッチ741をON操作した旨を報知することができる。そして、球抜スイッチ742とRAMクリアスイッチ741をON操作した場合には、ラムクリアを実行した後に、上述した球抜処理が実行されて封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くことができる。なお、球抜処理については、ラムクリアと同時期に実行されるようにしてもよい。なお、上述した通り、球抜スイッチ742のON操作により行われる球抜処理は、枠制御基板740に持ち球数が記憶されている状況では実行されず、枠制御基板740に持ち球数が記憶されていない状況(持ち球数0)でのみ実行されるものである。このため、電源投入パターンFの場合であって、枠制御基板740に持ち球数が記憶されている状況下では、球抜処理は実行せず(球抜スイッチ742のON操作を無効とし)、RAMクリアスイッチ741のON操作によるラムクリアのみが実行されることとなる。また、このような場合には、外部に知らせる報知態様として、スピーカから「球抜きは無効にされました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「球抜きは無効にされました。」というメッセージ画像を表示するようにしてもよい。
電源投入パターンGは、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742のうち、球抜スイッチ742と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合であり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数をクリアしている。また、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号については、維持しているのに対し、エラー情報Bや、エラー情報Bに関するエラー信号については、クリアしている。つまり、RAMエラーを検知した場合には、電源遮断後の電源投入後にもエラー情報Aを維持することで、RAMエラーが継続している旨を把握するようにし、エラー情報Aに関するエラー信号を外部装置へ出力している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色で発光するようにし、スピーカから「持ち球数をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「持ち球数をクリアしました。」というメッセージ画像を表示するようにしている。このように、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDについては、球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作することに対応する発光色として、赤色で発光している。そして、球抜スイッチ742と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合には、持ち球があるか否かにかかわらず、持ち球数のクリアを優先し、上述した球抜処理については実行していない。つまり、球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合には、球抜スイッチ742のON操作を無効とし、球抜スイッチ742をON操作することに対応する発光色として緑色で発光していない。このような場合には、外部に知らせる報知態様として、スピーカから「球抜きは無効にされました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「球抜きは無効にされました。」というメッセージ画像を表示するようにしてもよい。
電源投入パターンHは、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742の全てをON操作した場合であり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数をクリアしている。また、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号については、クリアするようにし、エラー情報Bや、エラー情報Bに関するエラー信号についても、クリアしている。つまり、RAMエラーを検知した場合であっても、電源遮断後の電源投入後にRAMクリアスイッチ741をON操作することで、RAMエラーを解消し、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号をクリアすることとしている。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色と黄色で交互に点滅発光するようにし、スピーカから「持ち球数をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「持ち球数をクリアしました。」というメッセージ画像を表示するようにしている。このように、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色と黄色で交互に点滅発光することで、RAMクリアスイッチ741と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した旨を報知することができる。そして、球抜スイッチ742と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合には、持ち球があるか否かにかかわらず、持ち球数のクリアを優先し、上述した球抜処理については実行していない。つまり、球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合には、球抜スイッチ742のON操作を無効とし、球抜スイッチ742をON操作することに対応する発光色として緑色で発光していない。このような場合には、外部に知らせる報知態様として、スピーカから「球抜きは無効にされました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「球抜きは無効にされました。」というメッセージ画像を表示するようにしてもよい。
上記した電源投入パターンG,Hについては、球抜スイッチ742と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作しているが、持ち球があるか否かにかかわらず、持ち球数のクリアを優先し、上述した球抜処理については実行していない。これは、球抜処理が実行されて封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くと、持ち球があったとしても、遊技球Bを発射して遊技を行うことができないため、持ち球数のクリアを優先することとしている。
なお、上記では、球抜スイッチ742と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合に、持ち球があるか否かにかかわらず、持ち球数のクリアを優先し、上述した球抜処理については実行していないが、球抜処理については実行するようにしてもよい。このような別例について、電源投入パターンG’,H’として以下に説明する。
電源投入パターンG’は、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742のうち、球抜スイッチ742と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合であり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数をクリアしている。また、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号については、維持しているのに対し、エラー情報Bや、エラー情報Bに関するエラー信号については、クリアしている。つまり、RAMエラーを検知した場合には、電源遮断後の電源投入後にもエラー情報Aを維持することで、RAMエラーが継続している旨を把握するようにし、エラー情報Aに関するエラー信号を外部装置へ出力している。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを緑色と赤色で交互に点滅発光するようにし、スピーカから「持ち球数をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「持ち球数をクリアしました。」というメッセージ画像を表示するようにしている。このように、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを緑色と赤色で交互に点滅発光することで、球抜スイッチ742と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した旨を報知することができる。そして、球抜スイッチ742と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合には、持ち球があるか否かにかかわらず、持ち球数のクリアを実行した後に、上述した球抜処理が実行されて封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くことができる。
電源投入パターンH’は、電源投入時において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742の全てをON操作した場合であり、枠制御基板740に記憶されている持ち球数をクリアしている。また、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号については、クリアするようにし、エラー情報Bや、エラー情報Bに関するエラー信号についても、クリアしている。つまり、RAMエラーを検知した場合であっても、電源遮断後の電源投入後にRAMクリアスイッチ741をON操作することで、RAMエラーを解消し、エラー情報Aや、エラー情報Aに関するエラー信号をクリアすることとしている。また、外部に知らせる報知態様としては、電源投入時から、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色と緑色と黄色で交互に点滅発光するようにし、スピーカから「持ち球数をクリアしました。」という音声を出力するようにし、演出表示装置1600にも「持ち球数をクリアしました。」というメッセージ画像を表示するようにしている。このように、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLEDを赤色と黄色で交互に点滅発光することで、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742の全てをON操作した旨を報知することができる。そして、球抜スイッチ742と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合には、持ち球があるか否かにかかわらず、持ち球数のクリアを実行した後に、上述した球抜処理が実行されて封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くことができる。
上記した電源投入パターンG’,H’については、球抜スイッチ742と球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合に、持ち球があるか否かにかかわらず、持ち球数のクリアを実行した後に、上述した球抜処理を実行している。これにより、球抜処理が実行されて封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くときには、既に持ち球がなく、強制的に遊技球Bを発射することができない状態とすることができる。
[計数ボタンスイッチの操作について]
次に、計数ボタンスイッチ180の操作による持ち球数の精算について説明する。まず、扉枠3には、遊技者が操作可能な計数ボタンスイッチ180が設けられている。そして、持ち球がある(持ち球数>0)状態で、計数ボタンスイッチ180を押圧操作することで、持ち球数に関する情報を遊技球貸出装置8へ送って精算することができる。このような持ち球数については、枠制御基板740に内蔵されているRAMに記憶されている。
本例のパチンコ機1は、遊技者のハンドル160への接触(タッチ)をハンドルタッチセンサ162が検知し、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検知している時に、ハンドル160を回動させると、ハンドル回転センサ163の検知が受付けられ、ハンドル160の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド553の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。そして、球発射台552b上における遊技球Bが発射されたときには、その球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知して、遊技者の持ち球数を1個減算するようにしている。しかしながら、発射ソレノイド553の駆動が制御されてから、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知するまでの間に、計数ボタンスイッチ180が操作されて全ての持ち球数が精算されると、持ち球数がゼロになり、発射減算センサ554が検知した時点で、持ち球数を1個減算することができず、不具合が生じてしまう。
また、球発射ユニット550(球発射台552b)から発射されたにも関わらず遊技盤5の遊技領域5aに打ち込まれなかった遊技球Bは、ファール球としてファールユニット570により回収された後にファール球センサ607に検知され、遊技者の持ち球数が1個加算するようにしている。しかしながら、球発射台552bから遊技球Bが発射されてから、ファール球としてファール球センサ607が検知するまでの間に、計数ボタンスイッチ180が操作されて全ての持ち球数が精算されると、持ち球数の精算後に持ち球数が1になり、遊技者の精算操作が煩雑になってしまう。この点、本例では、ハンドルタッチセンサ162によるハンドル160への接触が検知されている間だけでなく、ハンドル160への接触が非検知となってから所定時間(例えば、1200ms)が経過するまでの間、及び、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知してから所定時間(例えば、1200ms)が経過するまでの間には、持ち球数の精算を禁止する計数禁止状態に制御している。そして、計数禁止状態が解除された後には、持ち球数が精算可能な計数許可状態に制御している。これにより、発射ソレノイド553の駆動が制御されてから、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知するまでの間には、計数禁止状態に制御されていることから、計数ボタンスイッチ180を操作したとしても持ち球数が精算されることがなく、持ち球数のカウントに不具合が生じることを防止することができる。また、本例では、球発射台552bから遊技球Bが発射されてからファール球が発生した際の「球発射台552bからファール球センサ607に検出されるまでの最長時間」よりも長くなるように上述した所定時間(1200ms)が設定されている。このため、球発射台552bから遊技球Bが発射されてからファール球が発生したとしても、ファール球が発生した時点では、計数禁止状態に制御されていることから、計数ボタンスイッチ180を操作したとしても持ち球数が精算されることがなく、持ち球数の精算後に持ち球数が1個増加することを防止することができる。これらにより、持ち球数の精算に関する信頼性の向上を図ることができる。
図154は、持ち球数が精算可能な計数許可状態の発生条件の成立を示すタイムチャートである。まず、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知した後に、ハンドルタッチセンサ162によるハンドル160への接触が非検知となり、その後に所定時間(例えば、1200ms)が経過することで計数許可状態の発生条件が成立する場合について、図154(A)を参照して説明する。
まず、ハンドルタッチセンサ162は、遊技者のハンドル160への接触(タッチ)を検知すると、ONになる。そして、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検知している時に、ハンドル160を回動させると、ハンドル回転センサ163の検知が受付けられ、ハンドル160の回転角度に応じた強さで遊技球Bが打ち込まれるように、タイミングt1で発射ソレノイド553がONになる。そして、タイミングt1で発射ソレノイド553がONになると、球発射台552b上における遊技球Bが発射されるが、その球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知すると、タイミングt2で発射減算センサ554がOFFになる。この発射減算センサ554がOFFになったタイミングt2で、遊技者の持ち球数を1個減算している。そして、タイミングt2で発射減算センサ554がOFFになると、球発射台552bに遊技球Bを供給し、再び発射減算センサ554がONになる。
ここで、枠制御基板740は、ハンドルタッチセンサ162がONになっている間、及び、ハンドルタッチセンサ162がOFFになってからOFFのままで1200msが経過するまでの間には、持ち球数の精算を禁止する計数禁止状態に制御している。一方、ハンドルタッチセンサ162がOFFになってからOFFのままで1200msが経過すると、持ち球数が精算可能な計数許可状態に制御している。つまり、ハンドルタッチセンサ162がOFFになってから1200ms未満でONになった場合には、計数禁止状態を継続することとしている。ただし、計数許可状態を開始するためには、ハンドルタッチセンサ162がOFFになってからOFFのままで1200msが経過するまでの間に、発射減算センサ554がONからOFFにならないこと(球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知しないこと)が条件となっている。
また、枠制御基板740は、発射減算センサ554がOFFになってから1200msが経過するまでの間には、持ち球数の精算を禁止する計数禁止状態に制御している。一方、発射減算センサ554がOFFになってから1200msが経過すると、持ち球数が精算可能な計数許可状態に制御している。つまり、発射減算センサ554がOFFになってから1200ms未満で再びONからOFFになった場合には、計数禁止状態を継続することとしている。ただし、計数許可状態を開始するためには、発射減算センサ554がOFFになってから1200msが経過するまでの間に、ハンドルタッチセンサ162がONにならないこと(ハンドル160への接触を検知しないこと)が条件となっている。
また、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検知している時に、ハンドル160を回動し続けると、600msの間隔で遊技球Bが発射されることとなる。これに対し、本例では、ハンドルタッチセンサ162がOFFになってからOFFのままで1200msが経過するまでの間や、発射減算センサ554がOFFになってから1200msが経過するまでの間において、計数禁止状態に制御しているが、この1200msについては、遊技球Bの発射間隔である600msよりも長くなるように設定されている。つまり、ハンドルタッチセンサ162がOFFになってからOFFのままで1200msが経過するまでの間や、発射減算センサ554がOFFになってから1200msが経過するまでの間には、遊技球Bの発射が完全に停止しているか否かを監視するようにし、遊技球Bの発射が完全に停止しているとの判断を待って、計数許可状態に移行するようにしている。
そして、タイミングt3で発射ソレノイド553がONになると、球発射台552b上における遊技球Bが発射されるが、その球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知すると、タイミングt4で発射減算センサ554がOFFになる。この発射減算センサ554がOFFになったタイミングt4で、遊技者の持ち球数を1個減算している。そして、タイミングt4で発射減算センサ554がOFFになると、球発射台552bに遊技球Bを供給し、再び発射減算センサ554がONになるが、タイミングt4で発射減算センサ554がOFFになった後には、ハンドル160への接触を止めることで、タイミングt5でハンドルタッチセンサ162がOFFになる。そして、タイミングt5でハンドルタッチセンサ162がOFFになってからOFFのままで1200msが経過すると、タイミングt6で計数許可フラグをONとし、持ち球数が精算可能な計数許可状態に制御している。ただし、タイミングt5でハンドルタッチセンサ162がOFFになった後には、発射減算センサ554がONからOFFになっていない(球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知していない)。
そして、計数許可状態において、ハンドル160への接触を検知してハンドルタッチセンサ162がONになると、計数許可フラグをOFFとし、再び計数禁止状態に制御している。
上記においては、発射ソレノイド553の駆動が制御されてから、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知するまでの間には、計数禁止状態に制御されていることから、計数ボタンスイッチ180を操作したとしても持ち球数が精算されることがなく、持ち球数のカウントに不具合が生じることを防止することができる。また、本例では、球発射台552bから遊技球Bが発射されてからファール球が発生した際の「球発射台552bからファール球センサ607に検出されるまでの最長時間」よりも長くなるように上述した所定時間として1200msが設定されている。このため、球発射台552bから遊技球Bが発射されてからファール球が発生したとしても、ファール球が発生した時点では、計数禁止状態に制御されていることから、計数ボタンスイッチ180を操作したとしても持ち球数が精算されることがなく、持ち球数の精算後に持ち球数が1個増加することを防止することができる。
また、前述した通り、ハンドル160には、遊技者による押圧操作により発射ソレノイド553の駆動を停止させる発射停止スイッチ161が設けられているが、本例では、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検知しているときに発射停止スイッチ161が操作されたとしても、ハンドルタッチセンサ162のONの検出を継続しており、ハンドルタッチセンサ162がONになっている期間として処理している。これにより、一連の発射操作中に発射停止スイッチ161が操作されている期間を含めて上述した計数禁止状態に制御することができ、上述と同様の効果をすることができる。また、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検知していないときに発射停止スイッチ161のみが操作された場合は、遊技者による発射の意思は無い(意図せずに発射停止スイッチ161に触れてしまった)もの見なし、ハンドルタッチセンサ162がOFFになっている期間として処理している。これにより、一連の発射操作が無く発射停止スイッチ161だけが操作されている期間を含めて上述した計数許可状態に制御することができ、上述と同様の効果をすることができる。なお、別例として、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検知しているときに発射停止スイッチ161が操作された場合に、ハンドルタッチセンサ162をONからOFFにして、ハンドルタッチセンサ162がOFFになっている期間として処理するようにしてもよい。これにより、ハンドル160の操作を継続しつつ(ハンドル160の回転量を変化させずに)一時的に持ち球数の精算を希望する場合等でも、上述した計数許可状態に移行させることができ、遊技者のニーズに合わせた利便性の向上を図ることができる。
なお、本例では、ハンドルタッチセンサ162がONになっている間、及び、ハンドルタッチセンサ162がOFFになってからOFFのままで1200msが経過するまでの間には、持ち球数の精算を禁止する計数禁止状態に制御しているが、ハンドルタッチセンサ162でなく、ハンドル160の回動を検知するハンドル回転センサ163がONになっている間、及び、ハンドル回転センサ163がOFFになってからOFFのままで1200msが経過するまでの間において、計測禁止状態に制御するようにしてもよい。このような場合にも、同様の効果を奏することができる。
次に、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知するよりも前に、ハンドルタッチセンサ162によるハンドル160への接触が非検知となり、発射減算センサ554の検知後に所定時間(例えば、1200ms)が経過することで計数許可状態の発生条件が成立する場合について、図154(B)を参照して説明する。
まず、ハンドルタッチセンサ162は、遊技者のハンドル160への接触(タッチ)を検知すると、ONになる。そして、ハンドルタッチセンサ162が遊技者の接触を検知している時に、ハンドル160を回動させると、ハンドル回転センサ163の検知が受付けられ、ハンドル160の回転角度に応じた強さで遊技球Bが打ち込まれるように、タイミングt1で発射ソレノイド553がONになる。そして、タイミングt1で発射ソレノイド553がONになると、球発射台552b上における遊技球Bが発射されるが、その球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知すると、タイミングt3で発射減算センサ554がOFFになる。この発射減算センサ554がOFFになったタイミングt3で、遊技者の持ち球数を1個減算している。
そして、タイミングt1で発射ソレノイド553がONになってから、タイミングt3で発射減算センサ554がOFFになるまでの間に、ハンドル160への接触を止めることで、タイミングt2でハンドルタッチセンサ162がOFFになる。そして、タイミングt3で発射減算センサ554がOFFになってから、再び発射減算センサ554がONからOFFになることなく1200msが経過すると、タイミングt4で計数許可フラグをONとし、持ち球数が精算可能な計数許可状態に制御している。ただし、タイミングt3で発射減算センサ554がOFFになった後には、ハンドルタッチセンサ162がONになっていない(ハンドル160への接触を検知していない)。
なお、タイミングt3で発射減算センサ554がOFFになった後には、ハンドルタッチセンサ162がONになっていないが、タイミングt4で1200msが経過するよりも前に、ハンドルタッチセンサ162がONになると、その1200msの計数を終了するものとしている。このとき、タイミングt4では、計数許可状態に制御することがない。ただし、ハンドル160への接触が4ms未満であり、ハンドルタッチセンサ162のON状態が4ms未満である場合には、1200msの計数を継続するようにし、タイミングt4で計数許可状態に制御している。また、計数許可状態において、ハンドル160への接触を検知してハンドルタッチセンサ162がONになったとしても、そのハンドルタッチセンサ162のON状態が4ms未満である場合には、計数許可フラグをONのままとし、計数許可状態を継続している。このように、ハンドル160への短期間の接触については、遊技者が意図せずハンドル160に接触してしまった可能性があり、その短期間の接触を除外するようにしている。
なお、本例では、発射減算センサ554がOFFになってから1200msが経過するまでの間には、持ち球数の精算を禁止する計数禁止状態に制御しているが、発射減算センサ554がOFFになった後に、球発射台552bに遊技球Bを供給し、再び発射減算センサ554がONになってから1200msが経過するまでの間において、計測禁止状態に制御するようにしてもよい。このような場合にも、同様の効果を奏することができる。
次に、持ち球数については、計数許可状態において、持ち球がある(持ち球数>0)状態で、計数ボタンスイッチ180を押圧操作することで、持ち球数に関する情報を遊技球貸出装置8へ送って精算することができる。このとき、計数ボタンスイッチ180の操作態様が短押しであるか、長押しであるかによって、精算される持ち球数が異なるようにしている。具体的には、計数ボタンスイッチ180の押下時間が500ms未満である場合には、短押しであると判断し、持ち球数のうち1個を精算するように制御している。一方、計数ボタンスイッチ180の押下時間が500ms以上である場合には、長押しであると判断し、持ち球数のうち250個を精算するように制御している。ただし、持ち球数が250個未満の状態で、500ms以上の押下があった場合には、全ての持ち球数を精算するように制御している。これにより、持ち球数を精算する際には、出来るだけ早く精算を完了することができ、利便性の向上を図ることができる。
図155は、計数ボタンスイッチの操作時におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。まず、計数ボタンスイッチ180の短押しがあった場合について、図155(A)を参照して説明する。
まず、計数許可状態において、計数ボタンスイッチ180を操作すると、計数ボタンスイッチ180がONになる。そして、計数ボタンスイッチ180の押下時間が500ms未満である場合には、短押しであると判断し、計数ボタンスイッチ180の押下を止めた後に、持ち球数のうち1個を精算するように制御している。また、計数ボタンスイッチ180の押下を開始してから、持ち球数の1個の精算が完了するまでの間には、ハンドル160の操作による遊技球Bの発射を不能にしている。このように、持ち球数の精算中においては、遊技球Bの発射を不能にすることで、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知して持ち球数を減算することがなく、持ち球数のカウントに不具合が生じることを防止することができる。
また、計数ボタンスイッチ180の押下時間が500ms未満である短押しが、2回連続して押下された場合には、1回目の押下を止めた後に、持ち球数のうち2個を精算するように制御している。ここでは、1回目の押下を止めた後、持ち球数の1個の精算が完了するよりも前に、2回目の押下があった場合であり、最初の1個目の精算から継続して、2個目の精算を行うようにしている。また、計数ボタンスイッチ180の1回目の押下を開始してから、持ち球数の2個の精算が完了するまでの間には、ハンドル160の操作による遊技球Bの発射を不能にしている。
次に、計数ボタンスイッチ180の長押しがあった場合について、図155(B)を参照して説明する。
まず、計数許可状態において、計数ボタンスイッチ180を操作すると、計数ボタンスイッチ180がONになる。そして、計数ボタンスイッチ180の押下時間が500ms以上である場合には、500msの時点で長押しであると判断し、その時点で持ち球数のうち250個を精算するように制御している。また、計数ボタンスイッチ180の押下を開始してから、持ち球数の250個の精算が完了するまでの間には、ハンドル160の操作による遊技球Bの発射を不能にしている。このように、持ち球数の精算中においては、遊技球Bの発射を不能にすることで、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知して持ち球数を減算することがなく、持ち球数のカウントに不具合が生じることを防止することができる。
また、計数ボタンスイッチ180の押下時間が500ms以上である場合には、500msの時点で長押しであると判断し、その時点で持ち球数のうち250個を精算するように制御し、その後に継続して300msの押下があるごとに長押しであると判断し、最初の250個の精算から継続して、順次250個の精算を行うようにしている。このように、2回目以降の長押しの判断については、1回目の長押しの判断よりも短い300msとすることで、短時間で持ち球数がゼロに近づくように精算することができる。また、計数ボタンスイッチ180の押下を開始してから、長押しの回数分だけ持ち球数の250個の精算が完了するまでの間には、ハンドル160の操作による遊技球Bの発射を不能にしている。
なお、本例では、計数ボタンスイッチ180の押下を開始してから、その押下時間に対応する持ち球数の精算が完了するまでの間において、ハンドル160の操作による遊技球Bの発射を不能にしているが、計数ボタンスイッチ180の押下時間に対応する持ち球数の精算を開始してから完了するまでの期間のみ、ハンドル160の操作による遊技球Bの発射を不能にしてもよい。このような場合にも、同様の効果を奏することができる。
また、計数ボタンスイッチ180の押下時間が500ms未満である場合には、短押しであると判断し、計数ボタンスイッチ180の押下を止めた後に、スピーカから「ピ」という音声を出力している。また、計数ボタンスイッチ180の押下時間が500ms以上である場合には、500msの時点で長押しであると判断し、スピーカから「持ち球の精算中です」という音声を出力している。そして、500msの時点で長押しであると判断してから押下を継続している場合に、持ち球数の精算が完了するまでの間、スピーカから「持ち球の精算中です」という音声を繰り返している。このように、計数ボタンスイッチ180の押下が短押しであるか、長押しであるかによって、スピーカからの出力音を異ならせることで、持ち球数が1個精算されるのか、250個精算されるのかを明確に把握することができる。
また、詳しくは後述するが、本例では、本体枠4から遊技盤5が取り外されている状態であっても、計数ボタンスイッチ180の操作による持ち球数の精算を可能にしている。一方で、上述した計数ボタンスイッチ180に対する短押し時や長押し時の音声の出力は、枠制御基板740から周辺制御基板1510への操作情報の伝達に基づき、周辺制御基板1510側の制御によって行われる。このため、本体枠4から遊技盤5が取り外されている状態では、周辺制御基板1510が作動しない状態になるため、計数ボタンスイッチ180に対する短押し時や長押し時の音声の出力が不能となってしまう。そこで、本例では、計数ボタンスイッチ180に対する短押し時や長押し時に、周辺制御基板1510側での通知とは別で枠制御基板740側での通知も行うようになっている。
すなわち、本例の計数ボタンスイッチ180は、LEDを内蔵しており、枠制御基板740が計数ボタンスイッチ180のLEDを発光制御している。そして、計数ボタンスイッチ180の発光色によって、持ち球数の精算の可否や精算状況を示すようにしている。具体的には、計数ボタンスイッチ180は、持ち球数がゼロである場合に青色で発光し、持ち球がある(持ち球数>0)状態で計数ボタンスイッチ180をON操作した場合に赤色で発光し、持ち球がある(持ち球数>0)状態で計数ボタンスイッチ180をON操作していない場合に緑色で発光するようにしている。これにより、精算可能な持ち球数があるか否かや、持ち球数の精算中であるか否かを直感的に把握することができる。また、持ち球がある(持ち球数>0)状態で計数ボタンスイッチ180をON操作していない場合において、計数ボタンスイッチ180に対する短押し時には緑色で単発光(例えば1秒で点灯して消灯する発光態様)するようにし、計数ボタンスイッチ180に対する長押し時には緑色で複数回発光(例えば1秒の点灯・消灯を繰り返す発光態様)するようにしている。このため、本体枠4から遊技盤5が取り外されている状態であっても、持ち球数が1個精算されるのか、250個精算されるのかを計数ボタンスイッチ180そのものを用いて明確に把握することができる。なお、詳しくは上記したが、計数禁止状態中において、計数ボタンスイッチ180をON操作したとしても、持ち球数を精算することがないが、このような場合にも、計数ボタンスイッチ180をON操作したと判断し、計数ボタンスイッチ180を赤色で発光するようにしている。
上記した計数ボタンスイッチ180の発光は、周辺の部材によって発光色が反射するように構成されている。具体的には、計数ボタンスイッチ180の後方の立壁が、発光色が反射するように白色で構成されている。これにより、ホール管理者が遠方からであっても、計数ボタンスイッチ180の発光色を確認することができ、持ち球の精算に関する不正が行われていないかどうかを監視することができる。なお、本例では、計数ボタンスイッチ180にLEDが内蔵されているが、計数ボタンスイッチ180の近傍にLEDを設けるようにし、そのLEDの発光色によって、持ち球数の精算の可否を示すようにしてもよい。
また、扉枠3には、持ち球数を表示する持ち球数表示部140が設けられている。そして、計数ボタンスイッチ180の押圧操作により持ち球数を精算する際には、持ち球数表示部140に表示されている持ち球数が減算されて表示されるようになっている。この持ち球数表示部140は、6桁の7セグメントLEDにより構成されている。つまり、持ち球数表示部140には、持ち球数として6桁の個数までを表示することが可能になっている。
また、電源投入時に球抜スイッチ742をON操作した場合には、上述した球抜処理が実行されて封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くことができるが、その球抜処理中には、持ち球数表示部140に持ち球数を表示せず、「-」という特別表示を実行している。なお、球抜処理中には、遊技球Bの発射が停止されていないものの、遊技が停止されて、例えば、始動入賞があったとしても、遊技球の払い出しがなく、特別図柄に関する抽選や変動表示を行うことがない等、通常の遊技を行うことができない状態としている。また、球抜スイッチ742をON操作して電源を投入する時点で、持ち球数がゼロであることを条件に、球抜処理を開始するようにしている。このため、球抜処理中には、持ち球数がゼロであり、持ち球数表示部140に持ち球数を表示しないことによる弊害が発生しないようになっている。
また、持ち球数表示部140は、エラーが発生した場合に、持ち球数の表示を継続し、エラー表示については実行していない。これにより、エラーの発生中であっても、持ち球数を確認することができる。ただし、遊技を停止するエラーが発生した場合には、持ち球数表示部140に持ち球数を表示せず、エラー表示を実行するようにしてもよい。このようなエラーが発生した場合には、遊技を停止するだけでなく、計数ボタンスイッチ180のON操作を無効とし、持ち球数の精算を不能としている。つまり、遊技を停止するエラーが発生した場合には、計数ボタンスイッチ180のON操作が無効であることから、持ち球数を確認する必要がなく、持ち球数表示部140に持ち球数を表示しないことによる弊害が発生しないようになっている。
具体的には、磁気センサ、電波センサ、振動センサなどで不正行為を検知した場合や、RAMに正常でない値が含まれる等のRAMエラーを検知した場合には、遊技を停止するエラーが発生したと判断し、持ち球数表示部140でエラー表示を実行し、計数ボタンスイッチ180のON操作を無効としている。ただし、不正行為を検知した場合には、持ち球数表示部140でエラー表示を実行せず、計数ボタンスイッチ180のON操作を有効とするのに対し、RAMエラーを検知した場合には、持ち球数表示部140でエラー表示を実行し、計数ボタンスイッチ180のON操作を無効としてもよい。これにより、持ち球数表示部140でエラー表示を実行したときには、RAMエラーを検知した旨を把握することができる。また、RAMエラーを検知した場合には、持ち球数表示部140でエラー表示を実行せず、計数ボタンスイッチ180のON操作を有効とするのに対し、不正行為を検知した場合には、持ち球数表示部140でエラー表示を実行し、計数ボタンスイッチ180のON操作を無効としてもよい。これにより、不正行為を検知した場合には、その不正行為によって付与された可能性のある持ち球数が精算されることを防止することができる。
また、枠制御基板740は、計数ボタンスイッチ180をON操作したときに、持ち球数に関する情報を遊技球貸出装置8へ送って精算するようにしているが、遊技球貸出装置8との接続が未接続である場合に、計数ボタンスイッチ180のON操作を無効としている。このような遊技球貸出装置8との未接続エラーが発生した場合には、枠制御基板740から主制御基板1310へエラー情報を送信し、遊技を停止するようにしている。また、枠制御基板740は、主制御基板1310との接続が未接続である場合に、計数ボタンスイッチ180のON操作を無効としている。このような主制御基板1310との未接続エラーが発生した場合には、遊技を停止し、ベースモニタでエラー表示を実行している。また、ベースモニタは、4つの7セグメントLEDにより構成されており、主制御基板1310との未接続エラーが発生した場合において、表示中のベース値をエラー表示に切り替えるようにしている。なお、ベースモニタにおける7セグメントLEDの数を多くし、主制御基板1310との未接続エラーが発生した場合において、表示中のベース値とエラー表示とを同時に表示可能にしてもよい。例えば、ベースモニタにおける7セグメントLEDの数を多くする場合には、持ち球数表示部140と同数の6桁の7セグメントLEDにすること等が考えられ、これにより、枠制御基板740がベースモニタと持ち球数表示部140とで同様の表示(例えば、持ち球数の表示やエラー表示、あるいは球抜処理を示す表示等)を行うようにすることが可能になり、パチンコ機1の前面側からも背面側からも同様の表示を確認することが可能になり、いずれかに故障が生じた際の代替として利用できる。
[球抜スイッチの操作について]
次に、球抜スイッチ742の操作による外部への遊技球Bの排出について説明する。まず、球抜スイッチ742は、枠制御基板740に設けられている。そして、電源投入時に球抜スイッチ742をON操作した場合には、上述した球抜処理が実行されるが、球抜スイッチ742をON操作して電源を投入する時点で、持ち球数がゼロであることを条件に、球抜処理を開始するようにしている。この球抜処理中には、本体枠4の循環経路R内に封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くことができる。また、球抜処理中には、遊技球Bの発射が停止されていないものの、遊技が停止されて、例えば、始動入賞があったとしても、遊技球の払い出しがなく、特別図柄に関する抽選や変動表示を行うことがない等、通常の遊技を行うことができない状態としている。
具体的には、球抜処理中には、持ち球数がゼロでありながらも遊技球Bの発射が可能な特別モードに制御している。このような特別モードでは、球発射台552b上から遊技球Bを発射することが可能であり、球発射台552b上から発射された遊技球Bについては、扉枠3を開いていることでファールシャッター571が閉位置の状態となっていることから、ファールユニット570から外部へ打ち出されることなくファール球として循環球経路ユニット600へ送られる。これにより、持ち球数がゼロでありながらも、球発射台552b上に遊技球Bがない状態にすることができる。また、球抜処理中には、遊技球Bの発射が可能であるものの、遊技が停止されていることで、球抜処理中におけるホール管理者の球抜き作業を阻害することがなく、利便性の向上を図ることができる。
図156は、電源投入時に球抜き状態に移行した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。ここでは、タイミングt1で電源を遮断した後に、タイミングt2で電源投入時にRAMクリアスイッチ743をON操作することなく、球抜スイッチ742をON操作し、球抜き状態に移行した場合について説明している。
また、枠制御基板740は、循環系のエラーと、循環以外のエラーを検知可能にしている。循環系のエラーとしては、「揚上球ガミエラー」等の揚上関連のエラーや、扉開放エラーが含まれる循環系のエラーAと、「揚上入口球切れ」、「発射球切れ」、「遊技球過少」、「遊技球過多」等の封入量関連のエラーが含まれる循環系のエラーBを検知可能にしている。また、循環以外のエラーとしては、主制御基板1310との通信エラーが含まれる循環以外のエラーCを検知可能にしている。
図156に示すように、タイミングt1で電源を遮断するよりも前には、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、正常状態において、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。
また、各種入賞口に対応する検出センサについては、有効とし、入球により特別図柄の変動表示の開始や、賞球を払い出す(付与する)ことを可能としている。
また、タイミングt1よりも前には、枠制御基板740は、循環系のエラーA,B、循環以外のエラーCを検知したか否かの判定を可能にしている。そして、循環系のエラーA,B、循環以外のエラーCを検知したとの判定がなされた場合には、演出表示装置1600やランプA,B、スピーカなどを用いて、異常報知を実行するようにしている。このうち、循環系のエラーAを検知したとの判定がなされた場合には、タイミングt1で電源を遮断した時点、あるいは、後述するタイミングt2で電源を投入した時点で、循環系のエラーAに関する情報をクリアするようにしている。一方、循環系のエラーB、循環以外のエラーCを検知したとの判定がなされた場合には、その判定結果が枠制御基板740のRAMに記憶されており、タイミングt1で電源を遮断した後にも、クリアせずに保持するようにしているが、後述するタイミングt2で電源を投入した時点で、RAMクリアスイッチ743を操作したか否かによって保持するか又はクリアするかを決定するようにしている。
また、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプC(機能表示ユニット1400の発光基板に搭載されているLED)、スピーカ、可動体については、タイミングt1よりも前に、通常時の動作を実行するようにしている。なお、ランプCは、主制御基板1310が制御しているのに対し、それ以外の部材は、周辺制御基板1510が制御している。ここで、ランプCについては、遊技の進行に伴い、機能表示ユニット1400における複数のLEDが点灯や点滅を行うようにしている。一方、周辺制御基板1510が動作指示している部材については、特別図柄の変動表示が実行されていないときには、特別図柄の変動表示が開始されることを待機する状態での待機演出(例えば、デモ演出)に対応する動作を実行するようにし、特別図柄の変動表示が実行されているときには、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信することに基づいて、変動演出(変動パターンに基づく演出)に対応する動作を実行するようにしている。例えば、周辺制御基板1510が変動パターンコマンドを受信したときには、演出表示装置1600では、装飾図柄の変動表示を含む演出表示(例えば、リーチ演出)などを実行し、ランプA、Bでは、演出表示装置1600で実行される演出表示に連動してLEDが点灯や点滅を行うようにし、スピーカからは、演出表示装置1600で実行される演出表示に連動して音声を出力するようにし、可動体では、演出表示装置1600で実行される演出表示に連動して所定の動作を行うようにしている。
また、外部端子板からは、ホールコンピュータに対して所定の信号を出力することが可能であり、それらの信号をホールコンピュータで受信することで、ホール側でもパチンコ機1の挙動を把握できるようにしている。例えば、始動入賞があったとき、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されて大当り遊技が実行されているとき、異常が検出されたときなどに、それらに対応する信号を出力している。
また、タイミングt1よりも前には、遊技者がハンドル195を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを可能にしている。
また、ベースモニタには、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)とを計数し、入球数に対する払出数の割合を算出し、その算出結果をベース値として表示しているが、タイミングt1よりも前には、そのような演算を行うことを可能にしている。このベース値については、タイミングt1で電源を遮断した後にも、クリアせずに保持するようにし、後述するタイミングt2で電源を投入した時点でも、クリアせずに保持するようにしている。
また、タイミングt1よりも前には、枠制御基板740は、入賞口への入球を検出したときに、賞球として所定数の遊技球を払い出すことを可能とし、賞球として払い出される遊技球の球数の分だけ、遊技者の持ち球数や持ち球数Xに加算することを可能にしている。この持ち球数や持ち球数Xについては、タイミングt1で電源を遮断した後にも、クリアせずに保持するようにし、後述するタイミングt2で電源を投入した時点でも、クリアせずに保持するようにしている。また、タイミングt1よりも前には、枠制御基板740は、計数ボタンスイッチ180の操作により持ち球数を精算することを可能にしている。
次に、タイミングt1で電源を遮断した後には、タイミングt2で電源投入時に球抜スイッチ742をON操作することで、球抜きフラグをONとし、球抜き状態に移行している。ここでは、球抜スイッチ742をON操作して電源を投入するタイミングt2の時点で、持ち球数がゼロであるか否かを判定し、持ち球数がゼロである場合のみ、球抜き状態に移行している。そして、球抜き状態では、上述した球抜処理が実行されて、本体枠4の循環経路R内に封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くことを可能にしている。また、タイミングt2の時点では、RAMクリアスイッチ743をON操作しておらず、RAMクリアフラグをOFFとしている。
まず、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、遊技球Bの発射を可能にしながらも、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な遊技制限期間としている。つまり、タイミングt1で電源を遮断した後には、特別図柄の変動表示や大当り遊技を実行することがなく、始動入賞があったとしても、特別図柄の変動表示を新たに開始することがない。
また、各種入賞口に対応する検出センサについては、無効とし、入球により特別図柄の変動表示の開始や、賞球を払い出す(付与する)ことを不能としている。これにより、球抜き状態では、遊技が停止されて、例えば、始動入賞があったとしても、遊技球の払い出しがなく、特別図柄に関する抽選や変動表示を行うことがない等、通常の遊技を行うことができない状態とし、持ち球数の増減が発生しないようにすることができる。
また、タイミングt2で球抜き状態で移行した後には、枠制御基板740は、循環系のエラーA,B、循環以外のエラーCを検知したか否かの判定のうち、循環系のエラーAを検知したか否かの判定を可能にしている。一方、循環系のエラーB、循環以外のエラーCを検知したか否かの判定については、不能にしている。ここで、循環系のエラーAのうち、「揚上球ガミエラー」等の揚上関連のエラーについては、球抜き状態の発生時に揚上モータ664が作動するものの、揚上モータ664の作動に関連した異常が発生したままで揚上モータ664が作動すると、揚上モータ664等が破損する可能性があり、そのような判定を可能とすることで、揚上モータ664等が破損することを防止することができる。また、循環系のエラーAのうち、扉開放エラーについては、球抜き発生時に扉枠3を開放して、遊技盤5等に対する不正が行われる可能性があり、そのような判定を可能とすることで、不正が行われることを防止することができる。また、循環系のエラーBとして、「揚上入口球切れ」、「発射球切れ」、「遊技球過少」、「遊技球過多」等の封入量関連のエラーについては、球抜き状態の発生時に外部(球受トレー720)へ遊技球Bを抜くと、封入されている遊技球Bが減少するものであり、そのような判定を不能にすることで、円滑に遊技球Bを抜くことができる。また、循環以外のエラーCとして、主制御基板1310との通信エラーについては、そのような判定を不能にすることで、遊技盤5の主制御基板1310との接続が未接続であったとしても、球抜き状態が発生することを可能にしている。
そして、循環系のエラーAを検知したとの判定がなされた場合には、演出表示装置1600やランプA,B、スピーカなどを用いて、異常報知を実行するようにしている。ここで、循環系のエラーAを検知したとの判定がなされた場合には、後述するタイミングt3で電源を遮断した時点、あるいは、後述するタイミングt4で電源を投入した時点で、循環系のエラーAに関する情報をクリアしている。
なお、タイミングt1よりも前において、循環系のエラーAを検知したとの判定がなされた場合には、タイミングt1で電源を遮断した時点、あるいは、タイミングt2で電源を投入した時点で、循環系のエラーAに関する情報をクリアしている。ただし、タイミングt2の時点で、循環系のエラーAが解消していない場合には、再び循環系のエラーAを検知したとの判定がなされ、異常報知を実行することとなる。また、タイミングt1よりも前において、循環系のエラーB、循環以外のエラーCを検知したとの判定がなされた場合には、その判定結果が枠制御基板740のRAMに記憶されており、タイミングt2で電源投入時にRAMクリアスイッチ743を操作していない場合には、循環系のエラーB、循環以外のエラーCに関する情報をクリアせずに保持するようにしている。ただし、球抜き状態では、このような判定結果の記憶に基づいては、異常報知を実行していない。
また、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプC(機能表示ユニット1400の発光基板に搭載されているLED)、スピーカ、可動体については、タイミングt2で、球抜き状態用の動作を実行するようにしている。具体的には、演出表示装置1600では、球抜き状態表示として、「球抜き状態の発生中です」というメッセージを表示するようにしている。また、ランプAやランプBについては、球抜き状態用の発光として、緑色で発光するようにしている(図152の電源投入パターンFを参照)。また、ランプCについては、機能表示ユニット1400のうち、特別図柄の変動表示や変動結果を示す図柄LEDや、遊技状態を示す状態LEDを含めて、LEDが全点灯するようにしている。また、スピーカからは、球抜き状態用の音として、「球抜き状態の発生中です」という音声を出力するようにしている。
上記において、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、球抜き状態用の動作時において、音量や光量を最大出力で一定とし、設定調節ボタン204を操作したとしても音量や光量が変化することがないようにしている。このように、音量や光量については最大出力とすることで、球抜き状態の発生に気付きやすくなり、不正に球抜き状態を発生させようとする行為を防止することができる。また、設定調節ボタン204を操作したときには、その操作を受け付けて内部的に音量や光量を調整することが可能であるものの、実行中の音量や光量に反映されることがないようにしている。このような内部的に調整された音量や光量については、通常時の動作に戻されたときに、その内部的に調整された音量や光量に基づいて、実行中の音量や光量に反映されることとなる。なお、球抜き状態用の動作時に設定調節ボタン204を操作したときには、その操作自体を受け付けないようにしてもよい。また、演出表示装置1600については、設定調節ボタン204を操作したときに、光量が変化するものとしてもよい。
また、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、可動体が動作しないようにしている。なお、通常の電源投入時には、可動体については、その可動体が正常に動作するか否かや、初期位置に合わせるための初期動作を行っているが、本例では、球抜き状態の発生中に可動体が動作しないため、球抜き状態への移行時において、可動体の初期動作を行っていない。つまり、球抜き状態への移行時において、可動体が初期位置にない場合には、球抜き状態の発生中において、その位置で停止したままの状態にしている。
また、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、外部端子板からは、強制的にセキュリティ信号を出力する強制出力状態にしている。これにより、球抜き状態では、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、球抜き状態が発生している旨を把握することができる。
また、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、ホール管理者がハンドル195を操作したときに、遊技球Bの発射を可能にしている。なお、球抜き状態では、遊技球Bの発射を可能にしているが、扉枠3を開いていることでファールシャッター571が閉位置の状態となっており、球発射台552b上から遊技球Bが発射されると、ファールユニット570から外部へ打ち出されることなくファール球として循環球経路ユニット600へ送られる。これにより、球発射台552b上に遊技球Bがない状態にすることができる。また、本例では、球抜き状態において、球発射台552b上に遊技球Bがない状態にするために、ホール管理者がハンドル195を操作して遊技球Bを発射する必要があるが、ハンドル195の操作なしに遊技球Bを自動的に発射するようにしてもよい。
また、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)とを計数の対象としていない。つまり、入球数に対する払出数の割合に関する演算を行うことを不能にし、ベース値に反映しないようにしている。ただし、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、タイミングt1よりも前のベース値をクリアせずに保持するようにしている。また、球抜き状態の発生中には、ベースモニタにベース値を表示せず、球抜き状態の発生中に対応して「-」という特別表示を実行している。
また、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、入賞口への入球を検出しないことから、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数や持ち球数Xに加算することがない。ただし、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、タイミングt1よりも前の持ち球数や持ち球数Xをクリアせずに保持するようにしている。また、球抜き状態の発生中には、持ち球数表示部140に持ち球数を表示せず、球抜き状態の発生中に対応して「-」という特別表示を実行している。また、球抜き状態の発生中には、枠制御基板740は、計数ボタンスイッチ180の操作により持ち球数を精算することを不能にしている。このため、球抜き状態の発生中には、持ち球数の増減がなく、持ち球数表示部140に持ち球数を表示しないことによる弊害が発生しないようになっている。
次に、タイミングt3で電源を遮断した後には、タイミングt4で電源投入時に球抜スイッチ742をON操作しておらず、球抜きフラグをOFFとし、RAMクリアスイッチ743をON操作しておらず、RAMクリアフラグをOFFとしている。これにより、タイミングt4で電源を投入した後には、タイミングt1で電源を遮断するよりも前と同じく、正常状態としている。
なお、球抜き状態において、循環経路R内から球受トレー720へ遊技球Bを抜いており、循環経路R内に遊技球Bがない、あるいは、少ない場合には、タイミングt4で電源を投入した後において、アウト球受口600aやセーフ球受口600bを介して、遊技球Bを補充する必要がある。
また、タイミングt3よりも前において、循環系のエラーAを検知したとの判定がなされた場合には、タイミングt3で電源を遮断した時点、あるいは、タイミングt4で電源を投入した時点で、循環系のエラーAに関する情報をクリアしている。ただし、タイミングt4の時点で、循環系のエラーAが解消していない場合には、再び循環系のエラーAを検知したとの判定がなされ、異常報知を実行することとなる。また、タイミングt1よりも前において、循環系のエラーB、循環以外のエラーCを検知したとの判定がなされた場合には、その判定結果が枠制御基板740のRAMに記憶されており、タイミングt2で電源投入時にRAMクリアスイッチ743を操作していない場合には、循環系のエラーB、循環以外のエラーCに関する情報をクリアせずに保持するようにしている。このような循環系のエラーB、循環以外のエラーCに関する情報については、タイミングt3で電源を遮断した後に、タイミングt4で電源投入時にRAMクリアスイッチ743を操作していない場合において、クリアせずに保持するようにしている。そして、タイミングt4で電源を投入した後には、このような判定結果の記憶に基づいて、異常報知を実行するようにしている。
また、タイミングt4で電源を投入した後には、可動体については、その可動体が正常に動作するか否かや、初期位置に合わせるための初期動作を行っている。
図157は、電源投入時に球抜き状態に移行した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。ここでは、タイミングt1で電源を遮断した後に、タイミングt2で電源投入時にRAMクリアスイッチ743をON操作するとともに、球抜スイッチ742をON操作し、球抜き状態に移行した場合について説明している。なお、タイミングt1で電源を遮断するよりも前については、図156と同じであるため、説明を省略する。
図157に示すように、タイミングt1で電源を遮断した後には、タイミングt2で電源投入時に球抜スイッチ742をON操作することで、球抜きフラグをONとし、球抜き状態に移行している。この球抜き状態では、上述した球抜処理が実行されて、本体枠4の循環経路R内に封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くことを可能にしている。また、タイミングt2の時点では、RAMクリアスイッチ743をON操作することで、RAMクリアフラグをONとしている。
まず、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、遊技球Bの発射を可能にしながらも、主制御基板1310側での遊技(主遊技)を進行させることが不能な遊技制限期間としている。つまり、タイミングt1で電源を遮断した後には、特別図柄の変動表示や大当り遊技を実行することがなく、始動入賞があったとしても、特別図柄の変動表示を新たに開始することがない。
また、各種入賞口に対応する検出センサについては、無効とし、入球により特別図柄の変動表示の開始や、賞球を払い出す(付与する)ことを不能としている。これにより、球抜き状態では、遊技が停止されて、例えば、始動入賞があったとしても、遊技球の払い出しがなく、特別図柄に関する抽選や変動表示を行うことがない等、通常の遊技を行うことができない状態とし、持ち球数の増減が発生しないようにすることができる。
また、タイミングt2で球抜き状態で移行した後には、枠制御基板740は、循環系のエラーA,B、循環以外のエラーCを検知したか否かの判定のうち、循環系のエラーAを検知したか否かの判定を可能にしている。一方、循環系のエラーB、循環以外のエラーCを検知したか否かの判定については、不能にしている。ここで、循環系のエラーAのうち、「揚上球ガミエラー」等の揚上関連のエラーについては、球抜き状態の発生時に揚上モータ664が作動するものの、揚上モータ664の作動に関連した異常が発生したままで揚上モータ664が作動すると、揚上モータ664等が破損する可能性があり、そのような判定を可能とすることで、揚上モータ664等が破損することを防止することができる。また、循環系のエラーAのうち、扉開放エラーについては、球抜き発生時に扉枠3を開放して、遊技盤5等に対する不正が行われる可能性があり、そのような判定を可能とすることで、不正が行われることを防止することができる。また、循環系のエラーBとして、「揚上入口球切れ」、「発射球切れ」、「遊技球過少」、「遊技球過多」等の封入量関連のエラーについては、球抜き状態の発生時に外部(球受トレー720)へ遊技球Bを抜くと、封入されている遊技球Bが減少するものであり、そのような判定を不能にすることで、円滑に遊技球Bを抜くことができる。また、循環以外のエラーCとして、主制御基板1310との通信エラーについては、そのような判定を不能にすることで、遊技盤5の主制御基板1310との接続が未接続であったとしても、球抜き状態が発生することを可能にしている。
そして、循環系のエラーAを検知したとの判定がなされた場合には、演出表示装置1600やランプA,B、スピーカなどを用いて、異常報知を実行するようにしている。ここで、循環系のエラーAを検知したとの判定がなされた場合には、後述するタイミングt3で電源を遮断した時点、あるいは、後述するタイミングt4で電源を投入した時点で、循環系のエラーAに関する情報をクリアしている。
なお、タイミングt1よりも前において、循環系のエラーAを検知したとの判定がなされた場合には、タイミングt1で電源を遮断した時点、あるいは、タイミングt2で電源を投入した時点で、循環系のエラーAに関する情報をクリアしている。ただし、タイミングt2の時点で、循環系のエラーAが解消していない場合には、再び循環系のエラーAを検知したとの判定がなされ、異常報知を実行することとなる。また、タイミングt1よりも前において、循環系のエラーB、循環以外のエラーCを検知したとの判定がなされた場合には、その判定結果が枠制御基板740のRAMに記憶されているが、タイミングt2で電源投入時にRAMクリアスイッチ743を操作した場合には、循環系のエラーB、循環以外のエラーCに関する情報をクリアしている。
また、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプC(機能表示ユニット1400の発光基板に搭載されているLED)、スピーカ、可動体については、タイミングt2で、球抜き状態用の動作と、ラムクリア状態用の動作を併せて実行するようにしている。具体的には、演出表示装置1600では、球抜き状態表示とラムクリア表示として、「球抜き状態の発生中です」と「ラムクリアしました」というメッセージを表示するようにしている。また、ランプAやランプBについては、球抜き状態用の発光とラムクリア状態用の発光として、緑色と黄色で交互に点滅発光するようにしている(図152の電源投入パターンGを参照)。また、ランプCについては、機能表示ユニット1400のうち、特別図柄の変動表示や変動結果を示す図柄LEDや、遊技状態を示す状態LEDを含めて、LEDが全点灯するようにしている。また、スピーカからは、球抜き状態用の音とラムクリア状態用の音として、「球抜き状態の発生中です」と「ラムクリアしました」という音声を出力するようにしている。
上記において、演出表示装置1600、ランプA(枠飾り部材の各種装飾基板に搭載されているLED)、ランプB(遊技盤5の各種装飾基板に搭載されているLED)、スピーカについては、球抜き状態用の動作およびラムクリア状態時の動作時において、音量や光量を最大出力で一定とし、設定調節ボタン204を操作したとしても音量や光量が変化することがないようにしている。このように、音量や光量については最大出力とすることで、球抜き状態やラムクリアの発生に気付きやすくなり、不正に球抜き状態やラムクリアを発生させようとする行為を防止することができる。また、設定調節ボタン204を操作したときには、その操作を受け付けて内部的に音量や光量を調整することが可能であるものの、実行中の音量や光量に反映されることがないようにしている。このような内部的に調整された音量や光量については、通常時の動作に戻されたときに、その内部的に調整された音量や光量に基づいて、実行中の音量や光量に反映されることとなる。なお、球抜き状態用の動作時に設定調節ボタン204を操作したときには、その操作自体を受け付けないようにしてもよい。また、演出表示装置1600については、設定調節ボタン204を操作したときに、光量が変化するものとしてもよい。
また、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、可動体が動作しないようにしている。なお、通常の電源投入時には、可動体については、その可動体が正常に動作するか否かや、初期位置に合わせるための初期動作を行っているが、本例では、球抜き状態の発生中に可動体が動作しないため、球抜き状態への移行時において、可動体の初期動作を行っていない。つまり、球抜き状態への移行時において、可動体が初期位置にない場合には、球抜き状態の発生中において、その位置で停止したままの状態にしている。
また、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、外部端子板からは、強制的にセキュリティ信号を出力する強制出力状態にしている。これにより、球抜き状態では、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、球抜き状態が発生している旨を把握することができる。
また、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、ホール管理者がハンドル195を操作したときに、遊技球Bの発射を可能にしている。なお、球抜き状態では、遊技球Bの発射を可能にしているが、扉枠3を開いていることでファールシャッター571が閉位置の状態となっており、球発射台552b上から遊技球Bが発射されると、ファールユニット570から外部へ打ち出されることなくファール球として循環球経路ユニット600へ送られる。これにより、球発射台552b上に遊技球Bがない状態にすることができる。また、本例では、球抜き状態において、球発射台552b上に遊技球Bがない状態にするために、ホール管理者がハンドル195を操作して遊技球Bを発射する必要があるが、ハンドル195の操作なしに遊技球Bを自動的に発射するようにしてもよい。
また、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、入球口(入賞口、アウト口)に入球した遊技球Bの球数(入球数)と、賞球として払い出される遊技球Bの球数(払出数)とを計数の対象としていない。つまり、入球数に対する払出数の割合に関する演算を行うことを不能にし、ベース値に反映しないようにしている。ただし、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、タイミングt1よりも前のベース値をクリアせずに保持するようにしている。また、球抜き状態の発生中には、ベースモニタにベース値を表示せず、球抜き状態の発生中に対応して「-」という特別表示を実行している。
また、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、入賞口への入球を検出しないことから、賞球として所定数の遊技球を払い出すことがなく、遊技者の持ち球数や持ち球数Xに加算することがない。ただし、タイミングt2で球抜き状態に移行した後には、タイミングt1よりも前の持ち球数や持ち球数Xをクリアせずに保持するようにしている。また、球抜き状態の発生中には、持ち球数表示部140に持ち球数を表示せず、球抜き状態の発生中に対応して「-」という特別表示を実行している。また、球抜き状態の発生中には、枠制御基板740は、計数ボタンスイッチ180の操作により持ち球数を精算することを不能にしている。このため、球抜き状態の発生中には、持ち球数の増減がなく、持ち球数表示部140に持ち球数を表示しないことによる弊害が発生しないようになっている。
次に、タイミングt3で電源を遮断した後には、タイミングt4で電源投入時に球抜スイッチ742をON操作しておらず、球抜きフラグをOFFとし、RAMクリアスイッチ743をON操作しておらず、RAMクリアフラグをOFFとしている。これにより、タイミング4で電源を投入した後には、タイミングt1で電源を遮断するよりも前と同じく、正常状態としている。
なお、球抜き状態において、循環経路R内から球受トレー720へ遊技球Bを抜いており、循環経路R内に遊技球Bがない、あるいは、少ない場合には、タイミングt4で電源を投入した後において、アウト球受口600aやセーフ球受口600bを介して、遊技球Bを補充する必要がある。
また、タイミングt3よりも前において、循環系のエラーAを検知したとの判定がなされた場合には、タイミングt3で電源を遮断した時点、あるいは、タイミングt4で電源を投入した時点で、循環系のエラーAに関する情報をクリアしている。ただし、タイミングt4の時点で、循環系のエラーAが解消していない場合には、再び循環系のエラーAを検知したとの判定がなされ、異常報知を実行することとなる。また、タイミングt1よりも前において、循環系のエラーB、循環以外のエラーCを検知したとの判定がなされた場合には、その判定結果が枠制御基板740のRAMに記憶されているが、タイミングt2で電源投入時にRAMクリアスイッチ743を操作した場合には、循環系のエラーB、循環以外のエラーCに関する情報をクリアしている。このため、タイミングt4で電源を投入した後には、タイミングt1よりも前における循環系のエラーB、循環以外のエラーCに関する情報を保持していない。
また、タイミングt4で電源を投入した後には、可動体については、その可動体が正常に動作するか否かや、初期位置に合わせるための初期動作を行っている。
なお、本例では、球抜スイッチ742をON操作して電源を投入する時点で、持ち球数がゼロであることを条件に、球抜き状態に移行するようにしている。そして、球抜き状態の発生中には、計数ボタンスイッチ180の操作により持ち球数を精算することを不能にしているが、球抜き状態へ移行するよりも前には、持ち球数をゼロにしているため、球抜き状態の発生中に持ち球数を精算することができないことにより問題が生じることを防止することができる。
また、本例では、電源投入時に球抜スイッチ742をON操作してから電源を遮断するまでの間、上述した球抜処理が実行されて、循環経路R内から球受トレー720へ遊技球Bを抜くため、揚上モータ664が作動したままの状態となっている。この点、揚上モータ664の作動については、電源投入時に球抜スイッチ742をON操作した後、例えば、300個の遊技球B(特定の個数)が循環したときや、10分(特定の時間)が経過したときに、作動を停止し、球抜き状態を終了するようにしてもよい。この特定の個数や、特定の時間については、循環経路R内に貯留されている遊技球Bの個数(40~60個)の全てを、循環経路R内から球受トレー720へ抜くことが可能となるように設定されている。これにより、球抜き状態の開始後において、揚上モータ664が作動したままの状態とならず、長時間の作動による故障が発生することを防止することができる。なお、揚上モータ664の作動を停止した後にも、球抜き状態と同じく遊技を開始できない状態とし、遊技を開始するためには、電源を遮断した後に再び電源を投入することが必要となっている。これにより、揚上モータ664の作動を停止した後であっても、球抜き状態が発生した旨を把握することができる。ただし、揚上モータ664の作動を停止した後には、電源を遮断した後に再び電源を投入することをせずに、遊技を開始することができる状態としてもよい。
また、本例では、電源投入時に球抜スイッチ742をON操作することで、球抜き状態に移行しているが、通常時に球抜スイッチ742をON操作した場合には、ベースモニタに持ち球数を表示するようにしている。これにより、持ち球数については、持ち球数表示部140に表示される持ち球数で確認することなく、パチンコ機1の裏面側から、ベースモニタに表示される持ち球数で確認することができる。なお、本例のベースモニタは、4個の7セグメントLEDから構成されているが、持ち球数表示部140と同じく、6桁の7セグメントLEDから構成し、持ち球数をいずれも同じ桁数(6桁)で表示可能にすることが好ましい。
また、本例では、ベースモニタにベース値を表示する他に、通常時に球抜スイッチ742をON操作した場合には、ベースモニタに持ち球数を表示している。これ以外にも、球抜き状態の発生中には、ベースモニタにベース値を表示せず、球抜き状態の発生中に対応して「-」という特別表示を実行している。また、枠制御基板740での異常判定において、循環系のエラーA,B、循環以外のエラーCを検知した場合には、ベースモニタにベース値を表示せず、異常の種類を示すエラーコードを表示している。このような表示の優先順位としては、球抜き状態の発生中の表示>持ち球数の表示>エラーコードの表示>ベース値、としている。このため、本例では、例えば、球抜き状態の発生中には、循環系のエラーAを検知したか否かの判定を可能にしているが、そのような異常が発生したとしても、ベースモニタにエラーコードを表示せず、球抜き状態の発生中の表示を実行するようにしている。なお、別例として、球抜き状態の発生中に循環系のエラーAが発生した場合に、ベースモニタにエラーコードを表示するようにし、球抜き状態の発生中に循環系のエラーAが発生した旨を通知するようにしてもよい。この場合には、例えば、球抜き状態の発生中の表示と、エラーコードの表示とを交互に切り替え表示すること等が例示できる。また、球抜き状態の発生中に球抜スイッチ742をON操作したとしても、ベースモニタに持ち球数を表示せず、球抜き状態の発生中の表示を実行するようにしている。これにより、球抜き状態が発生している旨を確実に知らせることができる。
[ファール球センサ周辺をカバーする磁気センサについて]
上記の実施形態では、パチンコ機1に使用する遊技球Bとして、ステンレス鋼により形成されているステンレス球を使用することに限定するものではなく、従来と同様、遊技球Bとして鉄球SBを使用するようにしても良い旨を記載している。このように、遊技球Bとして鉄球SBを使用する場合、磁石Mによる不正行為(所謂磁石ゴト)が可能になってしまうため、遊技盤5側には従来の磁石センサ(磁気センサ1030)/電波センサによる不正検出が必要となる。また、本体枠4側にも遊技球Bの循環経路に対して不正行為が行われる可能性があるため、循環経路の周辺や、特に遊技者の持ち球数の加算/減算にかかわるセンサ(発射減算センサ554、ファール球センサ607、発射手前センサ704、等)周辺をカバーするような磁石センサ(磁気センサ1030)が必要となる。
本例では、磁気センサ1030がパチンコ機1に複数設けられた場合であり、磁気センサ1030としては、遊技盤5側に設けられた磁気センサ1030aと、本体枠4側に設けられた磁気センサ1030bと、が設けられた場合について説明する。ここで、磁気センサ1030a及び磁気センサ1030bは、上記した磁気センサ1030の構成と同じである。例えば、磁気センサ1030a及び磁気センサ1030bは、平面視が長方形で、当該長方形の短辺の長さよりも低い高さの直方体状に形成されており、直径10cm程度の二つの球を組み合わせたヒョウタン型の検知領域DAを有している点で、上記した磁気センサ1030の構成と同じである。
まず、遊技盤5側に設けられた磁気センサ1030aについては、各種入賞口をカバーするように設けられており、例えば、第一始動口2003の近傍に設けられることで、第一始動口2003に対する不正な磁気を検知することを可能にしている。このような磁気センサ1030aは、遊技盤5側の主制御基板1310に接続されており、主制御基板1310において、磁気センサ1030aにより磁気を検知したか否かの判定を実行している。
図158は、ファール球センサの周辺に磁気センサが設けられた図である。図158に示すように、本体枠4側に設けられた磁気センサ1030bは、少なくともファール球センサ607の周辺をカバーするように設けられており、ファール球センサ607に対する不正な磁気を検知することを可能にしている。このような磁気センサ1030bは、本体枠4側の枠制御基板740に接続されており、枠制御基板740において、磁気センサ1030bにより磁気を検知したか否かの判定を実行している。
ところで、循環経路Rを本体枠4(遊技機枠)に持ったパチンコ機1の場合、特に不正の対象になり易いのは、循環球経路ユニット600におけるファール球センサ607の周辺である。まず、球発射台552bから遊技球Bが発射されたことを発射減算センサ554が検知した場合には、遊技者の持ち球数を1個減算するのに対し、ファールユニット570から外部へ打ち出されることなくファール球として循環球経路ユニット600へ送られたことをファール球センサ607が検知した場合には、遊技者の持ち球数を1個加算する。このため、例えば、球発射台552bから発射された遊技球Bを磁石Mで吸着し、ファール球センサ607に誘導して何度も検知させて持ち球を複数個加算する、という不正を行うことが考えられる。また、球送ユニット700から落下(供給)した遊技球Bを、発射減算センサ554で検出する前に磁石Mで吸着し、ファール球センサ607に流し込んでしまえば、持ち球は減算されることなしに加算されるという不正を行うことができる。この点、本例では、磁気センサ1030bがファール球センサ607の周辺をカバーするように設けられることで、ファール球センサ607に対する不正な磁気を検知し、不正に持ち球数を加算しようとする行為を防止することができる。これにより、持ち球数に関する信頼性の向上を図ることができる。
図159は、磁気センサにより磁気を検知した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。まず、遊技盤5側に設けられた磁気センサ1030aにより磁気を検知した場合について、図159(A)を参照して説明する。
図159(A)に示すように、タイミングt1で遊技盤5側に設けられた磁気センサ1030aが磁気を検知した場合には、主制御基板1310での遊技の実行を可能としながら、磁気センサ1030aが磁気を検知した旨を伝える磁気異常報知Aを実行している。また、枠制御基板740での持ち球数への加算や、持ち球数の精算についても、可能にしている。
具体的には、タイミングt1で磁気センサ1030aが磁気を検知した場合に、主制御基板1310は、遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、入賞口に対する磁気異常が発生した場合であっても、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。また、各種入賞口に対応する検出センサについては、有効とし、入球により特別図柄の変動表示の開始や、賞球を払い出す(付与する)ことを可能としている。
また、タイミングt1で磁気センサ1030aが磁気を検知した場合に、周辺制御基板1510は、演出表示装置1600、ランプ、スピーカ等を用いて、磁気センサ1030aが磁気を検知した旨を伝える磁気異常報知Aを実行している。これにより、磁気センサ1030aが磁気を検知した旨を把握し、不正行為が行われているかどうかを確認することができる。
また、タイミングt1で磁気センサ1030aが磁気を検知した場合に、外部端子板からは、セキュリティ信号を出力している。これにより、磁気センサ1030aが磁気を検知した場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、磁気センサ1030aが磁気を検知した旨を把握することができる。
また、タイミングt1で磁気センサ1030aが磁気を検知した場合に、枠制御基板740は、遊技者がハンドル195を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを可能にしている。また、枠制御基板740は、入賞口への入球を検出したときに、賞球として所定数の遊技球を払い出すことを可能とし、賞球として払い出される遊技球の球数の分だけ、遊技者の持ち球数や持ち球数Xに加算することを可能にしている。また、枠制御基板740は、計数ボタンスイッチ180の操作により持ち球数を精算することを可能にしている。
なお、本例では、磁気異常報知Aについては、タイミングt1で磁気センサ1030aが磁気を検知してから所定時間(例えば、3分)が経過したときに、終了するものとしている。ただし、別例として、磁気異常報知Aについては、電源遮断後に電源を再投入することで、終了するものとしてもよい。これにより、磁気センサ1030aが磁気を検知した旨を確実に把握させることができる。
また、本例では、タイミングt1で磁気センサ1030aが磁気を検知した場合に、主制御基板1310は、遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としているが、遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間としてもよい。このとき、各種入賞口に対応する検出センサについては、無効とし、入球により特別図柄の変動表示の開始や、賞球を払い出す(付与する)ことを不能としている。これにより、磁気センサ1030aが磁気を検知した後、不正行為が行われているかどうかを確認するまでは、不正な遊技が行われることを防止することができる。
次に、本体枠4側に設けられた磁気センサ1030bにより磁気を検知した場合について、図159(B)を参照して説明する。
図159(B)に示すように、タイミングt1で本体枠4側に設けられた磁気センサ1030bが磁気を検知した場合には、主制御基板1310での遊技の実行を可能としながら、磁気センサ1030bが磁気を検知した旨を伝える磁気異常報知Bを実行している。一方、枠制御基板740での遊技球Bの発射や持ち球数への加算については、可能にしているが、持ち球数の精算については、不能にしている。
具体的には、タイミングt1で磁気センサ1030bが磁気を検知した場合に、主制御基板1310は、遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としている。つまり、ファール球センサ607に対する磁気異常が発生した場合であっても、始動入賞があったときに、特別図柄の変動表示を開始することができ、特別図柄の変動表示が当り図柄で停止表示されたときに、大当り遊技を開始することができるという通常の遊技を行うことができる。また、各種入賞口に対応する検出センサについては、有効とし、入球により特別図柄の変動表示の開始や、賞球を払い出す(付与する)ことを可能としている。
また、タイミングt1で磁気センサ1030bが磁気を検知した場合に、周辺制御基板1510は、演出表示装置1600、ランプ、スピーカ等を用いて、磁気センサ1030aが磁気を検知した旨を伝える磁気異常報知Bを実行している。これにより、磁気センサ1030bが磁気を検知した旨を把握し、不正行為が行われているかどうかを確認することができる。また、磁気センサ1030aが磁気を検知したか、磁気センサ1030bが磁気を検知したかによって、磁気異常報知を異ならせることで、どの領域に対して磁気を検知したかを把握することができる。
また、タイミングt1で磁気センサ1030bが磁気を検知した場合に、外部端子板からは、セキュリティ信号を出力している。これにより、磁気センサ1030bが磁気を検知した場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力されて、ホール側では、磁気センサ1030bが磁気を検知した旨を把握することができる。
また、タイミングt1で磁気センサ1030bが磁気を検知した場合に、枠制御基板740は、遊技者がハンドル195を操作したときに、遊技領域5aへ遊技球を発射することを可能にしている。また、枠制御基板740は、入賞口への入球を検出したときに、賞球として所定数の遊技球を払い出すことを可能とし、賞球として払い出される遊技球の球数の分だけ、遊技者の持ち球数や持ち球数Xに加算することを可能にしている。
また、タイミングt1で磁気センサ1030bが磁気を検知した場合に、枠制御基板740は、計数ボタンスイッチ180の操作により持ち球数を精算することを不能にしている。このように、ファール球センサ607に対する磁気を検知した場合には、持ち球数の増減が可能であるものの、持ち球数の精算が不能であることから、不正に持ち球数が加算されたかどうかを確認するまでは、不正に持ち球数を精算しようとする行為を防止することができる。
なお、本例では、磁気異常報知Bについては、タイミングt1で磁気センサ1030bが磁気を検知してから所定時間(例えば、3分)が経過したときに、終了するものとしている。ただし、別例として、磁気異常報知Bについては、電源遮断後に電源を再投入することで、終了するものとしてもよい。これにより、磁気センサ1030bが磁気を検知した旨を確実に把握させることができる。また、磁気異常報知Aの実行時と、磁気異常報知Bの実行時とで、その報知に用いられる部材を異ならせてもよく、また、その報知の終了条件を異ならせるようにしてもよい。
また、本例では、タイミングt1で磁気センサ1030bが磁気を検知した場合に、主制御基板1310は、遊技(主遊技)を進行させることが可能な期間としているが、遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間としてもよい。このとき、各種入賞口に対応する検出センサについては、無効とし、入球により特別図柄の変動表示の開始や、賞球を払い出す(付与する)ことを不能としている。これにより、磁気センサ1030bが磁気を検知した後、不正行為が行われているかどうかを確認するまでは、不正な遊技が行われることを防止することができる。
上記したように、遊技盤5側の磁気センサ1030aが磁気を検知した場合には、磁気異常報知Aを実行しているが、磁気異常報知Aの実行中には、別例のように遊技(主遊技)を進行させることが不能な期間を発生させる等、遊技盤5側の磁気センサ1030aに対応する制限を実行することが可能になっている。一方、本体枠4側の磁気センサ1030bが磁気を検知した場合には、磁気異常報知Bを実行しているが、磁気異常報知Bの実行中には、持ち球数の精算を不能にする等、本体枠4側の磁気センサ1030bに対応する制限を実行することが可能になっている。そして、磁気異常報知Aの実行中において、本体枠4側の磁気センサ1030bが磁気を検知した場合には、遊技盤5側の磁気センサ1030aに対応する制限に加えて、本体枠4側の磁気センサ1030bに対応する制限を実行するようにしている。一方、磁気異常報知Bの実行中において、遊技盤5側の磁気センサ1030aが磁気を検知した場合には、本体枠4側の磁気センサ1030bに対応する制限に加えて、遊技盤5側の磁気センサ1030aに対応する制限を実行するようにしている。このように、一方の磁気センサが磁気を検知した後に、他方の磁気センサが磁気を検知した場合であっても、既に実行中の制限を緩和することがないことから、不正に対する抑止力を発揮することができる。
なお、本体枠4側の磁気センサ1030bに対応する制限については、遊技盤5側の磁気センサ1030aに対応する制限よりも優先して実行するように構成してもよい。すなわち、磁気異常報知Aの実行中において、本体枠4側の磁気センサ1030bが磁気を検知した場合には、遊技盤5側の磁気センサ1030aに対応する制限を終了して、本体枠4側の磁気センサ1030bに対応する制限に切り替えるようにしている。一方、磁気異常報知Bの実行中において、遊技盤5側の磁気センサ1030aが磁気を検知した場合には、本体枠4側の磁気センサ1030bに対応する制限を継続して実行し、遊技盤5側の磁気センサ1030aに対応する制限を新たに実行しないようにしている。このように、一方の磁気センサが磁気を検知した後に、他方の磁気センサが磁気を検知した場合であっても、本体枠4側の磁気センサ1030bに対応する制限については優先することから、ファール球センサ607の周辺で磁石Mを用いる等の不正行為を確実に防止することができる。
[遊技盤が装着されていない状況における各種スイッチの操作時の挙動について]
次に、本体枠4に対して遊技盤5が装着されていない状況において、本体枠4の枠制御基板740に設けられたRAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742を操作した場合について説明する。詳しくは上記したが、枠制御基板740には、RAMに記憶されている情報を消去(ラムクリア)するためのRAMクリアスイッチ741、RAM等に記憶されている遊技者の持ち球数をクリアすると共に扉枠3の持ち球数表示部140での表示をクリアするための球数記憶・表示クリアスイッチ743、封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜く際に使用する球抜スイッチ742、が設けられている。これらのスイッチは、パチンコ機1の裏面側に設けられており、ホール管理者が操作することが可能になっている。
ところで、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742については、電源投入時にON操作することが必要であり、その電源投入時において、本体枠4に対して遊技盤5が装着されていることが前提となっている。しかしながら、遊技盤5が装着されている状況では、本体枠4側のメンテナンスを行うことが困難となる場合があり、遊技盤5が装着されていない状況において、これらのスイッチのON操作を無効にすると、本体枠4側のメンテナンスを十分に行うことができず、パチンコ機1の信頼性や利便性が低下してしまう虞がある。例えば、遊技盤5が装着されていない状況において、球抜スイッチ742のON操作を無効にした場合には、循環経路R内に封入されている遊技球Bを外部(球受トレー720)へ抜くことができず、循環経路R内の点検などが困難になりかねない。また、何らかの要因で本体枠4の通電が継続しているなかで遊技盤5の通電が遮断されてしまったとき等には、遊技盤5が取り付けられていない状況と同じになり、そうした状況下でこれらのスイッチのON操作を無効にすると、本体枠4側のメンテナンスを十分に行うことができず、パチンコ機1の信頼性や利便性が低下してしまう虞がある。この点、本例では、遊技盤5が装着されていない状況や本体枠4の通電が継続しているなかで遊技盤5の通電が遮断されてしまった状況において、RAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742のON操作を有効にすることで、本体枠4側のメンテナンスを十分に行うことができ、信頼性や利便性の向上を図ることができる。例えば、遊技盤5が装着されていない状況において、電源投入時に球抜スイッチ742をON操作した場合には、循環経路R内に封入されている遊技球Bを外部(球受トレー720)へ抜くことができ、循環経路R内の点検などを容易に行うことができる。
図160は、遊技盤が装着されていない状況で電源投入時に各種スイッチを操作した場合におけるパチンコ機の挙動を示すタイムチャートである。
図160(A)は、遊技盤5が装着されていない状況において、タイミングt1で電源投入時にRAMクリアスイッチ741をON操作した場合である。タイミングt1で電源投入時にRAMクリアスイッチ741をON操作した場合には、そのRAMクリアスイッチ741のON操作を有効とし、枠制御基板740のRAMに記憶されている情報をクリアしている。つまり、RAMクリアスイッチ741は、電源投入時に遊技盤5が装着されているか否かにかかわらず、そのRAMクリアスイッチ741のON操作を有効としている。これにより、電源投入時に遊技盤5が装着されていない状況や電源投入時に遊技盤5に通電されていない状況であっても、枠制御基板740のRAMに記憶されている情報をクリアすることができ、遊技盤5の装着後に、装着前の情報に基づいて、不正に遊技が行われることを防止することができる。
また、枠制御基板740のRAMに記憶されている情報のうち、持ち球数については、タイミングt1で電源投入時にRAMクリアスイッチ741をON操作したとしても、クリアせずに保持している。このような持ち球数については、電源投入時に遊技盤5が装着されているか否かにかかわらず、持ち球数表示部140に表示することが可能になっている。なお、持ち球数については、タイミングt1で電源投入時にRAMクリアスイッチ741と同時に球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作することで、クリアすることを可能にしている。
図160(B)は、遊技盤5が装着されていない状況において、タイミングt1で電源投入時に球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合である。タイミングt1で電源投入時に球数記憶・表示クリアスイッチ743をON操作した場合には、その球数記憶・表示クリアスイッチ743のON操作を有効とし、枠制御基板740のRAMに記憶されている持ち球数をクリアしている。つまり、球数記憶・表示クリアスイッチ743は、電源投入時に遊技盤5が装着されているか否かにかかわらず、その球数記憶・表示クリアスイッチ743のON操作を有効としている。これにより、電源投入時に遊技盤5が装着されていない状況や電源投入時に遊技盤5に通電されていない状況であっても、管理者側で持ち球数をクリアすることができ、遊技盤5が装着されていない状況下や電源投入時に遊技盤5に通電されていない状況下において、不正に持ち球数が精算されることを防止したり、所有者が不明な持ち球(例えば1個だけ残っている持ち球等)をクリアしたりすることができる。
図160(C)は、遊技盤5が装着されていない状況において、タイミングt1で電源投入時に球抜スイッチ742をON操作した場合である。タイミングt1で電源投入時に球抜スイッチ742をON操作した場合には、その球抜スイッチ742のON操作を有効とし、球抜き状態に移行し、循環経路R内に封入されている遊技球Bを循環球経路ユニット600の球抜口613pから外部(球受トレー720)へ抜くことを可能にしている。つまり、球抜スイッチ742は、電源投入時に遊技盤5が装着されているか否かにかかわらず、その球抜スイッチ742のON操作を有効としている。これにより、電源投入時に遊技盤5が装着されていない状況や電源投入時に遊技盤5に通電されていない状況であっても、球抜き状態に移行し、循環経路R内に封入されている遊技球Bを外部(球受トレー720)へ抜くことができ、循環経路R内の点検などを容易に行うことができる。
また、球抜き状態中には、遊技盤5が装着されている状況で、遊技球Bの発射を可能にしているが、遊技盤5が装着されていない状況や電源投入時に遊技盤5に通電されていない状況であっても、遊技球Bの発射を可能にしている。具体的には、球抜き状態中において、扉枠3を開いていることでファールシャッター571が閉位置の状態となっており、球発射台552b上から遊技球Bが発射されると、ファールユニット570から外部へ打ち出されることなくファール球として循環球経路ユニット600へ送られる。これにより、遊技盤5が装着されていない状況であっても、球発射台552b上に遊技球Bがない状態にすることができる。
なお、本例では、ハンドル160に関する構成として、ハンドルタッチセンサ162やハンドル回転センサ163を検知し、発射ソレノイド553の駆動を制御する発射制御部が設けられており、その発射制御部が枠制御基板740に接続されている。また、発射制御部は、遊技者のハンドル160への接触(タッチ)をハンドルタッチセンサ162が検知したときに、主制御基板1310及び枠制御基板740に向けて検知信号を出力している。そして、主制御基板1310は、検知信号が入力されたときに、発射制御部に向けて発射許可信号を出力し、同様に、枠制御基板740は、検知信号が入力されたときに、発射制御部に向けて発射許可信号を出力している。そして、発射制御部は、主制御基板1310からの発射許可信号と、枠制御基板740からの発射許可信号のいずれもが入力されている期間において、ハンドル160の回転をハンドル回転センサ163が検知したときに、発射ソレノイド553の駆動が制御されて、遊技球Bを発射するようにしている。なお、主制御基板1310において、遊技を停止する等のエラーが発生した場合には、発射制御部に向けて発射許可信号を出力せず、遊技球Bの発射を許可しないようにしている。同様に、枠制御基板740において、枠制御に関するエラーが発生した場合には、発射制御部に向けて発射許可信号を出力せず、遊技球Bの発射を許可しないようにしている。
上記の構成において、遊技盤5が装着されていない状況や電源投入時に遊技盤5に通電されていない状況では、主制御基板1310が接続されておらず、主制御基板1310から発射許可信号を出力することができない。ただし、枠制御基板740からの発射許可信号は出力可能であるため、本例では、遊技盤5が装着されていない状況において、タイミングt1で電源投入時に球抜スイッチ742をON操作した場合には、枠制御基板740からの発射許可信号の出力のみで遊技球Bの発射が許可された状態になるようにしている。これにより、遊技盤5が装着されていない状況や電源投入時に遊技盤5に通電されていない状況であっても、遊技球Bの発射を可能にし、球発射台552b上に遊技球Bがない状態にすることができる。なお、別例として、遊技盤5が装着されていない状況では、主制御基板1310からの発射許可信号に代えて、枠制御基板740から球抜き状態用の発射許可信号を出力するようにしてもよい。そして、このような別例の場合には、発射制御部は、枠制御基板740からの発射許可信号と、枠制御基板740からの球抜き状態用の発射許可信号のいずれもが入力されている期間において、ハンドル160の回転をハンドル回転センサ163が検知したときに、発射ソレノイド553の駆動が制御されて、遊技球Bを発射することが考えられる。これにより、上記と同様に、遊技盤5が装着されていない状況や電源投入時に遊技盤5に通電されていない状況であっても、遊技球Bの発射を可能にし、球発射台552b上に遊技球Bがない状態にすることができる。
また、図160(D)は、遊技盤5が装着されていない状況や電源投入後に遊技盤5に通電されていない状況において、タイミングt1で計数ボタンスイッチ180をON操作した場合である。タイミングt1で計数ボタンスイッチ180をON操作した場合には、その計数ボタンスイッチ180のON操作を有効とし、持ち球数が精算可能な計数許可状態に制御している。つまり、遊技盤5が装着されていない状況や電源投入後に遊技盤5に通電されていない状況において、計数ボタンスイッチ180のON操作を有効としている。これにより、遊技盤5が装着されていない状況や電源投入後に遊技盤5に通電されていない状況であっても、持ち球数を精算することができ、遊技者に不利益を与えることを防止することができる。
なお、計数ボタンスイッチ180については、本体枠4のメンテナンスを行う際の状況に応じて、別例として以下のように構成しても良い。
すなわち、図160(D’)は、遊技盤5が装着されていない状況において、タイミングt1で電源投入した後に計数ボタンスイッチ180をON操作した場合である。タイミングt1で電源投入した後に計数ボタンスイッチ180をON操作した場合には、その計数ボタンスイッチ180のON操作を無効とし、持ち球数の精算を禁止する計数禁止状態に制御している。つまり、電源投入時に遊技盤5が装着されている場合には、その後の計数ボタンスイッチ180のON操作を有効とするのに対し、電源投入時に遊技盤5が装着されていない場合には、その後の計数ボタンスイッチ180のON操作を無効としている。これにより、遊技盤5が装着されていない状況下において、ホール管理者が点検を行っているなかで、不正に持ち球数が精算されることを防止することができる。
また、図160(E)は、遊技盤5が装着されている状況において、タイミングt1で電源投入した後に、本体枠4に対して遊技盤5を取り外し、その遊技盤5が装着されていない状況において、タイミングt2で計数ボタンスイッチ180をON操作した場合である。タイミングt2で計数ボタンスイッチ180をON操作した場合には、その計数ボタンスイッチ180のON操作を有効とし、持ち球数が精算可能な計数許可状態に制御している。つまり、電源投入時に遊技盤5が装着されていない場合には、その後の計数ボタンスイッチ180のON操作を無効とするのに対し、電源投入時に遊技盤5が装着されているものの、その後に遊技盤5を取り外した場合には、遊技盤5が装着されていない状況において、計数ボタンスイッチ180のON操作を有効としている。これにより、遊技盤5が装着されている状況下において、遊技者が遊技を行っているなかで、ホール管理者が点検のために遊技盤5を取り外したとしても、持ち球数を精算することができ、遊技者に不利益を与えることを防止することができる。
なお、遊技盤5が装着されている状況において、電源投入時にRAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742をON操作した場合や、電源投入後に計数ボタンスイッチ180をON操作した場合には、遊技盤5側の周辺制御基板1510が動作指示する部材を用いて、それぞれラムクリアした旨や、持ち球数をクリアした旨、球抜き状態が発生した旨、持ち球数を精算した旨の報知を実行するようにしている。ここで、周辺制御基板1510が動作指示する部材としては、演出表示装置1600、遊技盤5や扉枠3の各種装飾基板に搭載されているLED、スピーカ等がある。しかしながら、遊技盤5が装着されていない状況では、各種スイッチをON操作したとしても、周辺制御基板1510が動作指示する部材を用いての報知を実行することができず、いずれの状態が発生したのかが分からなくなるという問題がある。
この点、本例では、電源投入時にRAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742をON操作した場合や、電源投入後に計数ボタンスイッチ180をON操作した場合には、遊技盤5側の周辺制御基板1510が動作指示する部材とは別に、本体枠4側の枠制御基板740が動作指示する部材を用いて、それぞれラムクリアした旨や、持ち球数をクリアした旨、球抜き状態が発生した旨、持ち球数を精算した旨の報知を実行するようにしている。ここで、枠制御基板740が動作指示する部材としては、ベースモニタ、持ち球数表示部140、計数ボタンスイッチ180に内蔵されているLED等がある。例えば、電源投入時にRAMクリアスイッチ741、球数記憶・表示クリアスイッチ743、球抜スイッチ742をON操作した場合には、持ち球数表示部140において、それぞれに対応する表示を実行している。また、電源投入時に球抜スイッチ742をON操作した場合には、ベースモニタにも、球抜き状態の発生中の表示を実行している。また、計数ボタンスイッチ180のLEDについては、持ち球数の精算の可否や、計数ボタンスイッチ180の操作による精算状況を示すようにしている。このため、遊技盤5が装着されていない状況であっても、各種スイッチをON操作したときに、枠制御基板740が動作指示する部材を用いての報知については実行することができ、いずれの状態が発生したのかが明確となり、ホール管理者が混乱することを回避することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1やスロットマシンに適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、パチンコ機1として、所謂、遊技者が遊技球Bに触れることのない、封入式遊技機や、管理遊技機と呼ばれる遊技機に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、遊技者が遊技球Bに触れることの可能な遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。この遊技機としては、例えば、遊技者の操作によって扉枠の皿に貯留されている遊技球が遊技盤の遊技領域内に打込まれ、打込まれた遊技球が遊技領域内に設けられている入賞口への受入れられることで、当該入賞口に応じた所定個数の遊技球を扉枠の皿に払出すようなパチンコ機が挙げられる。
1 パチンコ機
2 外枠
3 扉枠
4 本体枠
5 遊技盤
5a 遊技領域
100 扉枠本体
102 突起部
102a 案内面
550 球発射ユニット(球発射手段)
570 ファールユニット(球循環手段)
600 循環球経路ユニット(球循環手段)
650 球揚上ユニット(球循環手段)
681 球磨カセット(着脱ユニット)
681b 連結用孔
681c 位置決孔
686 球磨モータベース(ロック手段、ロック片)
686b 位置決ピン(挿入体)
692 回転連結部(挿入体)
693 カセット押圧片(押圧片)
694 ナイラッチ(固定手段)
695 バネ
700 球送ユニット(球循環手段)

Claims (1)

  1. 複数の入賞口を有する遊技盤を設け、該遊技盤に設けた始動口への入球に基づいて図柄変動遊技を行い、該図柄変動遊技の結果が当りの場合に所定の当り遊技を実行する遊技機において、
    前記入賞口への入賞に基づいて賞球を付与する賞球付与手段と、
    所定期間の差玉が特定値に達したか否かを判定する差玉判定手段と、
    遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
    備え、
    前記差玉は、遊技に消費された遊技球に基づき計数される第1計数値と、前記賞球に基づき計数される第2計数値の差分であり、
    前記特定値は、少なくとも前記第2計数値が前記第1計数値よりも大きい場合の差分に基づき予め設定された値であり、
    前記遊技制御手段は、前記差玉判定手段により前記差玉が前記特定値に達したと判定された場合に、以降の遊技を抑制態様で制御するものであり、
    前記差玉が前記特定値に達していない状況で所定条件が成立すると、前記抑制態様で制御されるまでの前記差玉に関する事前報知が可能であり、
    前記事前報知は、特定領域に表示され、遊技者に知らせうる他の遊技情報は、前記特定領域外に表示可能である
    ことを特徴とする遊技機。
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