JP2023125843A - 漏水検知装置、漏水検知方法、漏水監視システム、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】持続性ノイズが存在する環境下において漏水の判定精度を向上させること。【解決手段】漏水検知装置は、配管内に存在する流体の流量の変化に応じた流体の物理量と、配管の振動または配管から生じる音の検知値とを取得する、さらに、漏水検知装置は、物理量と検知値との関係に基づき配管の漏水の有無を判定し、判定結果を出力する。たとえば、漏水検知装置は、物理量の変化に応じた検知値の変化の傾向に基づき配管の漏水の有無を判定し、判定結果を出力する。【選択図】 図1
Description
本発明は、漏水検知装置、漏水検知方法、漏水監視システム、およびプログラムに関する。
従来、調査員が音聴用の器具を水道管に当てて、水漏れによる音を耳で聞いて確認する方法が一般的であった。しかし、水漏れの音を聞き分けることのできる高度な技術を有し、かつ、熟練した調査員が減少したことで、漏水調査の周期が数年以上におよぶ地域もある。そのため、漏水調査の効率化が求められている。
特許文献1では、水道管の振動を検知し、振動の大きさと持続時間とに基づき漏水の有無を判定することが提案されている。
特許文献1の発明では、下水の浄化槽および自動販売機から発生する持続性ノイズと漏水とを区別することが困難であった。そこで、本発明は、持続性ノイズが存在する環境下において漏水の判定精度を向上させることを目的とする。
本発明は、たとえば、
配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、前記配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する取得部と、
前記物理量の変化に応じた前記検知値の変化の傾向に基づき前記配管の漏水の有無を判定する漏水判定部と、
前記漏水判定部での判定結果を出力する出力部と
を有することを特徴とする漏水検知装置を提供する。
配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、前記配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する取得部と、
前記物理量の変化に応じた前記検知値の変化の傾向に基づき前記配管の漏水の有無を判定する漏水判定部と、
前記漏水判定部での判定結果を出力する出力部と
を有することを特徴とする漏水検知装置を提供する。
本発明によれば、持続性ノイズが存在する環境下において漏水の判定精度を向上させることが可能となる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<実施例1>
ここでは配管内に存在する流体の流量の変化に応じた流体の物理量と、配管の振動または配管から生じる音の検知値との関係に基づき配管の漏水の有無を判定する方法が説明される。流体は、水、油などの液体、および、気体であってもよい。
ここでは配管内に存在する流体の流量の変化に応じた流体の物理量と、配管の振動または配管から生じる音の検知値との関係に基づき配管の漏水の有無を判定する方法が説明される。流体は、水、油などの液体、および、気体であってもよい。
[漏水検知装置]
図1が示すように、漏水検知装置1は、給水装置50についての漏水の有無を判定するために、給水装置50に適用されている。給水装置50は、配水管40に接続された給水管51、止水栓52、水道メータ55および水栓54を備える。配水管40は、浄水場から各家庭(事業所)の近くまで水を送水する水道管(配管)である。配水管40から供給される水はさらに給水管51を介して水栓54に至る。給水管51は、配水管40から各家庭(事業所)まで水を送水する水道管(配管)である。水栓54が開くと、水栓54から水が排出される。止水栓52は、給水管51から水栓54に向かう水を止めたり、流したりする栓である。水道メータ55は、給水管51を通じて水栓54側に供給された水の量を検知する。
図1が示すように、漏水検知装置1は、給水装置50についての漏水の有無を判定するために、給水装置50に適用されている。給水装置50は、配水管40に接続された給水管51、止水栓52、水道メータ55および水栓54を備える。配水管40は、浄水場から各家庭(事業所)の近くまで水を送水する水道管(配管)である。配水管40から供給される水はさらに給水管51を介して水栓54に至る。給水管51は、配水管40から各家庭(事業所)まで水を送水する水道管(配管)である。水栓54が開くと、水栓54から水が排出される。止水栓52は、給水管51から水栓54に向かう水を止めたり、流したりする栓である。水道メータ55は、給水管51を通じて水栓54側に供給された水の量を検知する。
漏水検知装置1は、振動センサ2と流量センサ3および漏水検知部10を有している。振動センサ2は、水栓54に接続された給水管51であって、水栓54の近くに設置され、給水管51の振動を検知し、検知結果を漏水検知部10に出力する。振動センサ2は、給水管51から発生する音を検知してもよい。給水装置50に漏水が発生すると、漏水に伴う振動が検知結果に含まれる。振動センサ2は、加速度センサ、速度センサ、変位センサ、および、対象物の振動によって発生する音波を捉えるマイクロフォンなど、各種のセンサを含みうる。流量センサ3は、水栓54の排出口に取り付けられ、水栓54から排出される水の流量を検出し、検出結果を漏水検知部10へ出力する。流量センサ3は、超音波式流量センサ、電磁式流量センサ、および羽根車式流量センサなど、各種の流量センサのいずれであってもよい。漏水検知部10は、振動センサ2および流量センサ3から出力される信号を処理し、漏水の有無を判定する。
漏水検知装置1は、給水装置50の近くに設置されてもよいし、給水装置50から離れたところに設置されてもよい。前者の場合、漏水検知装置1は水道メータ55に対して一体化されていてもよい。後者の場合、漏水検知部10に対して振動センサ2または流量センサ3は通信ケーブルを介して接続されてもよいし、無線リンクを介して接続されてもよい。
図2は漏水検知部10の構成を示す。CPU200は、メモリ15のROM領域に記憶されている制御プログラム20を実行することで各種の機能を実現する。ただし、これらの機能のうちの一つ以上がDSP、ASICおよびFPGAなどのハードウエア回路により実現されてもよい。ROMはリードオンリーメモリの略称である。DSPはデジタルシグナルプロセッサの略称である。ASICは特定用途集積回路の略称である。FPGAはフィールドプログラマブルゲートアレイの略称である。メモリ15は、不揮発性の記憶デバイス(例:ROM)および揮発性の記憶デバイス(例:RAM)などを含む記憶装置である。RAMはランダムアクセスメモリの略称である。メモリ15は、HDD(ハードディスクドライブ)およびSSD(ソリッドステートドライブ)などを含んでもよい。
増幅回路11は、振動センサ2の検知信号を増幅して出力する増幅器である。検知信号は、たとえば、検知された振動の大きさに比例した信号である。A/D変換回路12は、アナログ信号の検知信号をデジタルデータに変換してCPU200へ出力する。A/D変換回路12は、CPU200の入力ポートとして実装されてもよい。
レベル演算部13は、入力されたデジタルデータから振動の信号レベル(振動レベル)を演算する。信号レベルとは、たとえば、入力された電圧信号(検知信号)の一定時間にわたる平均値または実効値を指す。レベル演算部13で求められた信号レベルは、メモリ15のRAM領域に記憶される。
流量センサ3は、検知された流量に応じて周期の異なるパルス信号を出力する。このパルス信号は流量演算部14に入力される。流量演算部14は、パルス信号に基づき流量を演算する。たとえば、流量演算部14は、パルス信号の周期を検知し、その周期から流量を演算する。算出された流量はメモリ15のRAM領域に記憶される。漏水判定部16はメモリ15から振動レベルおよび流量を読み出し、信号レベルと流量との関係から漏水の有無を判定する。漏水判定部16は、漏水の判定結果を出力部17から出力する、出力部17は、たとえば、判定結果を外部のコンピュータ(例:漏水監視サーバ)に送信する通信回路18および判定結果を表示するディスプレイ19などを含みうる。
入力装置5は、CPU200に対する指示および数値などを入力する装置である。CPU200に対する指示および数値などは通信回路18を介して受信されてもよい。つまり、入力装置5は、通信回路18を介してCPU200と通信可能な無線通信端末または遠隔に設置されたコンピュータであってもよい。
[漏水判定アルゴリズム]
図3(A)は、漏水が発生している場合と、漏水が発生していない場合とのそれぞれにおける振動レベルと流量との関係を示すグラフである。縦軸は振動レベルを示す。横軸は流量を示す。ここでは、呼び口径15A(JIS規格A呼称)の給水管51を用いてデータが取得されている。図3(A)において黒丸のプロットは漏水が発生していない場合の関係を示している。流量が増加するとともに振動レベルが増加する。これは、流量の増加とともに、水の流れに伴う振動が増加するためである。
図3(A)は、漏水が発生している場合と、漏水が発生していない場合とのそれぞれにおける振動レベルと流量との関係を示すグラフである。縦軸は振動レベルを示す。横軸は流量を示す。ここでは、呼び口径15A(JIS規格A呼称)の給水管51を用いてデータが取得されている。図3(A)において黒丸のプロットは漏水が発生していない場合の関係を示している。流量が増加するとともに振動レベルが増加する。これは、流量の増加とともに、水の流れに伴う振動が増加するためである。
図3(A)において白抜きの三角のプロットは、漏水が発生している場合の関係を示す。流量が増加するとともに振動レベルが低下する。水道管内に発生する水の圧力は静圧と動圧とに分類される。圧力損失を無視すると、静圧と動圧の和は元の水圧に等しい。よって、元の水圧が一定であれば静圧と動圧の和も一定となる。漏水が発生している場合、流量が小さくなるにつれて給水管51内の動圧も小さくなり、漏水孔に加わる静圧が大きくなる。その結果、静圧の上昇に伴って漏水量が増え、漏水による振動が大きくなる。一方で、流量が大きくなるにつれて給水管内の動圧も大きくなり、漏水孔に加わる静圧が小さくなる。そのため、漏水量が減り、漏水による振動が小さくなる。図3(A)が示すように、漏水が発生している場合、漏水による振動の大きさと流量との関係が負の相関関係となる。つまり、流量に対する振動レベルは負の傾きとなる。
図3(B)は、図3(A)のグラフに近似直線を追加したグラフである。振動レベルと流量の相関関係を調べる方法としては、相関係数を算出する方法、および、曲線近似する方法などがある。ここでは、一例として、直線近似が説明される。漏水が発生していない場合の近似直線の傾きは0.7dB/(L/min)である。dBはデシベルの略称である。Lはリットルの略称である。minは分の略称である。漏水が発生している場合の近似直線の傾きは-1.4dB/(L/min)である。このように、漏水が発生していない場合の傾きは正の値であり、漏水が発生している場合の傾きは負の値となる。よって、この傾きの符号を求めることで漏水判定が可能となる。
あらかじめ図3(B)に示された近似直線がわかっている場合、振動レベルと流量との座標(測定値のペア)から漏水の有無が判定されてもよい。たとえば、測定結果が、図3(B)に示された漏水なしの近似直線に近ければ、漏水なしと判定され、漏水ありの近似直線に近ければ、漏水ありと判定されてもよい。漏水なしの近似直線と漏水ありの近似直線は、複数の漏水状況で取得された振動レベルと流量との測定値ペアをデータベース化し、複数の測定値ペアの平均値から求められてもよい。
[口径の異なる給水管での漏水判定アルゴリズムの説明]
図4(A)は、給水管51の複数の口径について、漏水が発生している場合の振動レベルと流量の関係を示すグラフである。ここでは口径15A、20Aおよび25Aという三つの口径が例示されている。口径15Aについての傾きは-1.4dB/(L/min)であった。口径20Aについての傾きは-0.8dB/(L/min)であった。口径25Aについての傾きは-0.5dB/(L/min)であった。いずれの傾きも負の傾きとなっており、漏水ありと判定可能である。
図4(A)は、給水管51の複数の口径について、漏水が発生している場合の振動レベルと流量の関係を示すグラフである。ここでは口径15A、20Aおよび25Aという三つの口径が例示されている。口径15Aについての傾きは-1.4dB/(L/min)であった。口径20Aについての傾きは-0.8dB/(L/min)であった。口径25Aについての傾きは-0.5dB/(L/min)であった。いずれの傾きも負の傾きとなっており、漏水ありと判定可能である。
図4(A)によれば、口径が大きくなると傾きが小さくなることがわかる。同じ流量の場合、口径が大きくなると水道管内を水が流れる速さが小さくなる。そのため、動圧が小さくなり、静圧が大きくなる。これによって、同じ流量でも口径が大きくなると静圧が大きくなり、漏水による振動が大きくなる。その結果、口径が大きいほど、漏水による振動レベルと流量との関係を示す傾きは小さくなる。振動レベルの十分な変化が得られる流量の範囲で、振動レベルと流量の関係を取得すれば、より精度の高い判定結果が得られる。たとえば、第一流量Q1のときに第一振動レベルL1であり、第二流量Q2のときに第二振動レベルL2であると仮定する。この場合、L1とL2との差が十分な大きさとなるように、Q1とQ2とが選択される。つまり、Q1とQ2との差が十分な大きさとなれば、L1とL2との差が十分な大きさとなる。そのため、漏水判定対象の水道管の口径が事前に把握され、口径に応じて、測定対象となる流量の範囲が設定される。口径15Aの水道管を対象とする場合、0L/min以上でかつ15L/min以下となる範囲内で十分に離れた少なくとも二つの流量について対応する振動レベルが取得されるべきであろう。口径25Aの水道管を対象とする場合、より広い範囲(例:0L/min以上で40L/min以下)で十分に離れた少なくとも二つの流量に対応する振動レベルが取得されるべきであろう。
[漏水判定アルゴリズムの効果の説明]
図4(B)は、下水の浄化槽近くに埋設された給水管51における振動レベルと流量の関係を示すグラフである。浄化槽の近くでは、浄化槽の動作に伴って振動が発生する。振動は給水管51を伝搬し、振動センサ2で検出される。この振動は漏水とは関係のない振動であり、浄化槽が動作している間は持続的に発生する。以下、これを持続性ノイズという。持続性ノイズは、浄化槽以外にも起因する。たとえば、空調機器の室外機および自動販売機からも持続性ノイズが発生する。漏水検知装置1は、この持続性ノイズを漏水による振動と区別して、漏水の有無を正確に判定する。図4(B)における持続性ノイズの大きさは、85dB程度であった。
図4(B)は、下水の浄化槽近くに埋設された給水管51における振動レベルと流量の関係を示すグラフである。浄化槽の近くでは、浄化槽の動作に伴って振動が発生する。振動は給水管51を伝搬し、振動センサ2で検出される。この振動は漏水とは関係のない振動であり、浄化槽が動作している間は持続的に発生する。以下、これを持続性ノイズという。持続性ノイズは、浄化槽以外にも起因する。たとえば、空調機器の室外機および自動販売機からも持続性ノイズが発生する。漏水検知装置1は、この持続性ノイズを漏水による振動と区別して、漏水の有無を正確に判定する。図4(B)における持続性ノイズの大きさは、85dB程度であった。
図4(B)において、漏水が発生していない場合の近似直線の傾きは0.04dB/(L/min)であった。漏水が発生している場合の近似直線の傾きは-0.5dB/(L/min)であった。漏水が発生していない場合は傾きが正の値となる。漏水が発生している場合は傾きが負の値となる。よって、持続性ノイズが発生している状況でも、傾きの正負によって精度よく漏水の有無を判定することが可能である。
図3(B)に示された持続性ノイズがない状況での近似直線の傾きと比較して図4(B)に示された、持続性ノイズが発生している状況での近似直線の傾きの絶対値が小さくなっている。持続性ノイズが発生している場合、振動センサ2の検知信号に対して、持続性ノイズのエネルギーに相当する値が加算される。その結果、レベル演算部13で算出される信号レベルの変化量が小さくなり、図4(B)が示すように、傾きの絶対値が小さくなる。このように、持続性ノイズが大きくなると、近似直線の傾きの絶対値は小さくなるが、傾きの正負は反転しない。そのため、持続性ノイズがある状況でも精度よく漏水の有無を判定することが可能である。
図5は、本実施例の漏水判定結果と、従来の方法の漏水判定結果とを比較した表である。従来の方法とは、流量が0の状態での振動レベルの大きさで漏水の有無を判定する方法である。ケースI、II、IIIはそれぞれ異なる振動レベルを示している。aは漏水がないケースを示す。bは漏水があるケースを示す。
図5において、ケースIa、Ibは持続性ノイズが小さい場合(30dB)である。ケースIaは漏水が発生していないケースである。ケースIbは漏水が発生しているケースである。ケースIaにおいて、流量0における振動レベルは48dBである。ケースIbにおける流量0における振動レベルは83dBである。
従来の方法では、振動レベルが閾値以下であれば漏水なしと判定され、振動レベルが閾値を超えていれば漏水ありと判定される。閾値が80dBに設定されると、実際に漏水が発生していないケースIaで漏水なしと判定され、漏水が発生しているケースIbで漏水ありと正しく判定される。しかし、閾値よりも大きい持続性ノイズが発生しているケースIIおよびケースIIIについて、従来の方法では、誤判定が発生する。実際には漏水が発生していないケースIIaでは、振動レベルが85dBであり、これは閾値を超えるため、漏水ありと誤って判定される。実際には漏水が発生していないケースIIIaでも振動レベルが95dBであり、これは閾値を超えるため、漏水ありと誤って判定される。
一方、実施例1では、振動レベルと流量との関係を示す傾きが正の値の場合(すなわち閾値0を超えるまたは0以上であると)漏水なしと判定され、傾きが負の場合(すなわち閾値0を下回ると)漏水ありと判定される。
図5が示すように、ケースIのように持続性ノイズが小さい場合、および、ケースII、IIIのように持続性ノイズが大きい場合でも、誤判定が生じていない。つまり、実際に漏水が発生していないケースIa、IIa、IIIaでは傾きが正の値となる。漏水が発生しているケースIb、IIb、IIIbでは傾きが負の値となっている。その結果、それぞれのケースにおいて、実際の漏水の状況と合致した判定結果が得られる。このように、実施例1では、持続性ノイズが発生している状況であっても漏水の有無を精度よく判定することが可能となる。
[静圧による漏水判定アルゴリズムの説明]
実施例1では、水栓54から排出される水の流量を変化させて水道管内の静圧を変化させることで、漏水による振動の変化が検知されてもよい。この場合、水が排出される際に変化する水道管内の静圧が検知されてもよい。すなわち、流量センサ3は、静圧を検知する圧力センサに置換可能である。静圧を検知する圧力センサとしては、たとえば、ダイヤフラムを用いて直接圧力を測定する圧力センサ、および、水位を読み取り静圧に換算する圧力センサなどが採用可能である。
実施例1では、水栓54から排出される水の流量を変化させて水道管内の静圧を変化させることで、漏水による振動の変化が検知されてもよい。この場合、水が排出される際に変化する水道管内の静圧が検知されてもよい。すなわち、流量センサ3は、静圧を検知する圧力センサに置換可能である。静圧を検知する圧力センサとしては、たとえば、ダイヤフラムを用いて直接圧力を測定する圧力センサ、および、水位を読み取り静圧に換算する圧力センサなどが採用可能である。
図6は、静圧と振動レベルとの間の関係を示したグラフである。横軸は制圧を示す。縦軸は振動レベルを示す。ここでは、静圧を検知するセンサとして、ダイヤフラム式の圧力センサを用いられている。図中の矢印が示すように、水栓54から排出される水の流量を変えることで静圧が変化する。
図6において、漏水が発生していない場合に、静圧が小さくなるにつれて振動レベルが大きくなっている。この理由は、水栓54での水の排出に伴って振動が増えるためである。すなわち、水栓54での水の排出(流量)を増やすほど、静圧は下がる。その一方で、排出量が増えるにつれて、水の排出に伴う振動が増える。
漏水が発生している場合、流量を増やすと静圧が下がり、漏水による振動レベルが低下する。このため、漏水が発生していない場合、振動レベルと静圧との間の関係が負の相関関係となる。一方、漏水が発生している場合、これらの関係が正の相関関係となる。
この傾向を定量化するため、漏水が発生している場合と発生していない場合のそれぞれに、直線近似が適用された。漏水が発生していない場合の近似直線の傾きは-35dB/MPaであり、負の値であった。漏水が発生している場合の近似直線の傾きは72dB/MPaであり、正の値であった。
このように、流量と振動の関係に代わり、静圧と振動の関係からも漏水の判定を行なうことが可能である。つまり、静圧に対する振動の傾きが正の値であれば、CPU200は、漏水があると判定する。一方、静圧に対する振動の傾きが負の値であれば、CPU200は、漏水がないと判定する。
[漏水判定のフローチャートの説明]
図7は制御プログラムにしたがってCPU200により実行される漏水判定法を示すフローチャートである。ここでは、流量と振動の関係が採用されているが、これは静圧と振動の関係に置換可能である。
図7は制御プログラムにしたがってCPU200により実行される漏水判定法を示すフローチャートである。ここでは、流量と振動の関係が採用されているが、これは静圧と振動の関係に置換可能である。
S701でCPU200は、判定対象となる水道管の口径を設定する。作業者が目視で確認して認識した口径を、入力装置5を通じて入力してもよい。あるいは、作業者が測長器などを用いて水道管の口径を測定して、入力装置5を通じて入力してもよい。あるいは予めメモリ15に保持されている複数の口径からCPU200が選択してもよい。
S702でCPU200は、設定された水道管の口径に応じて必要な流量範囲の下限値を設定する。図4(A)に関連して説明されたように、口径が大きくなるにつれて、より広い範囲の流量にわたり振動レベルが検知されなければならない。CPU200は、振動レベルについて十分な変化量が得られると想定される下限値Qlimを設定する。メモリ15のROM領域には予め、口径ごとの下限値Qlimを保持したテーブルが記憶されていてもよい。CPU200は、このテーブルを参照することで、設定された口径に対応する下限値Qlimを取得してもよい。あるいは、メモリ15のROM領域には口径を下限値Qlimに変換する数式が記憶されていてもよい。CPU200は、この数式に口径を代入することで、下限値Qlimを演算してもよい。
S703でCPU200は、流量センサ3を用いて流量Q1を取得する。
S704でCPU200は、振動センサ2を用いて振動レベルL1を取得する。なお、流量と振動の検知は同時に実行されてもよい。流量が一定であれば、流量と振動の検知が順番に実行されてもよい。
ここで、水栓54が操作され水栓54からの水の流量が変更される。流量の変更は作業者によって意図的に実行されてもよい。この場合、CPU200は、作業者が保持している無線通信端末(例:スマートフォンなど)に対して、通信回路18を介して、流量の変更を指示するメッセージを送信してもよい。一方で、流量の変更は意図的でなくてもよい。たとえば、水栓54が設置された家庭または事業所で通常的な水の使用によって流量が変更されてもよい。
S705でCPU200は流量センサ3を用いて流量Q2を取得する。ここで、Q1<Q2であることが仮定されている。これは、水栓54の操作によって流量が増加することが想定されているからである。水栓54の操作によって流量が減少することが想定されている場合、Q1>Q2となる。
S706でCPU200は流量Q1と流量Q2との差dQを取得する。
差dQ=Q2-Q1・・・(1)
S707でCPU200は、流量の変化量(差dQ)が十分であるかどうかを判定する。流量の変化量が小さい場合、傾きが精度よく得られない。そこで、差dQの絶対値が下限値Qlim以上であるかどうかが判定される。差dQの絶対値が下限値Qlim以上であれば、流量の変化量(差dQ)が十分であるため、CPU200はS707からS708に進む。一方で、流量の変化量が十分でない場合、CPU200は、S707からS705に戻る。S705でCPU200は、再び流量を取得する。この際に、CPU200は、作業者の保持している無線通信端末に対して、通信回路18を介して、流量のさらなる変更(増加)を指示するメッセージを送信してもよい。
差dQ=Q2-Q1・・・(1)
S707でCPU200は、流量の変化量(差dQ)が十分であるかどうかを判定する。流量の変化量が小さい場合、傾きが精度よく得られない。そこで、差dQの絶対値が下限値Qlim以上であるかどうかが判定される。差dQの絶対値が下限値Qlim以上であれば、流量の変化量(差dQ)が十分であるため、CPU200はS707からS708に進む。一方で、流量の変化量が十分でない場合、CPU200は、S707からS705に戻る。S705でCPU200は、再び流量を取得する。この際に、CPU200は、作業者の保持している無線通信端末に対して、通信回路18を介して、流量のさらなる変更(増加)を指示するメッセージを送信してもよい。
S708でCPU200は、振動センサ2を用いて振動レベルL2を取得する。
S709でCPU200は、振動レベルと流量との間の関係を示す傾きを求める。傾きは、たとえば、信号レベルL1およびL2と、流量Q1およびQ2とから、近似直線の傾きとして算出されてもよい。
傾きg=(L2-L1)/(Q2-Q1)・・・(2)
ここでは近似直線の傾きが用いられているがこれは一例にすぎない。相関係数または近似曲線の係数などが傾きgの代わり採用されてもよい。
傾きg=(L2-L1)/(Q2-Q1)・・・(2)
ここでは近似直線の傾きが用いられているがこれは一例にすぎない。相関係数または近似曲線の係数などが傾きgの代わり採用されてもよい。
S710でCPU200は傾きgが漏水条件を満たしているかどうかを判定する。漏水条件とは、漏水が発生している場合に満たされる条件である。たとえば、漏水条件は、傾きgが0より小さいこと(つまり、傾きの符号が負であること)であってもよい。ただし、静圧についての漏水条件は、傾きが正であることである。
傾きgが漏水条件を満たしている場合、CPU200は、S710からS711に進む。S711でCPU200は、漏水が発生していることを示す判定結果を出力部17に出力する。一方、傾きgが漏水条件を満たしていない場合、CPU200は、S710からS712に進む。S712でCPU200は、漏水が発生していないことを示す判定結果を出力部17に出力する。
実施例1では給水装置50に対して設置された漏水検知装置1を用いて、給水装置50についての漏水の有無が検知または判定される。たとえば、作業者等が水栓54の水の排出量を変化させ、そのときの水の流量と振動を検知することによって、漏水の有無が判定される。これにより、持続性ノイズが発生している状況においても、精度よく漏水の有無を判定することが可能となる。
給水管51が分水器を通して分水している給水装置50であっても、実施例1は適用可能である。漏水検知装置1は、複数の分水先にそれぞれ設けられた水栓54から流量と振動の関係を取得することで、各水栓54から配水管40までの経路の漏水を判定できる。つまり、漏水検知装置1は、複数の水栓54についてそれぞれ同様の判定を行ない、漏水箇所を絞り込むことができる。
<実施例2>
実施例2では、漏水検知装置と漏水監視装置とを有する漏水監視システムが提供される。漏水監視システムは、遠隔地から漏水の状態を監視することができる。実施例2において実施例1と同一または類似した箇所の説明は省略される。
実施例2では、漏水検知装置と漏水監視装置とを有する漏水監視システムが提供される。漏水監視システムは、遠隔地から漏水の状態を監視することができる。実施例2において実施例1と同一または類似した箇所の説明は省略される。
[漏水監視システム]
図8および図9は漏水監視システム800を示す模式図である。監視システム800は、ネットワークを介して漏水検知装置1を実現したものである。つまり、監視システム800では、漏水検知装置1を構成する複数の機能が分散配置されている。図8と図9の違いは、振動センサ2が水道メータ55(電子式水道メータまたはスマートメータ)に内蔵されているか否かである。すなわち、図8では、水道メータ55とは別体の振動センサ2が、水道メータ55の近くに設置されている。図9では、振動センサ2が水道メータ55と一体化されている。水道メータ55とは、積算された使用水量に加えて、瞬間的な流量を検知し、検知した流量を電気信号として出力できる機能を備えた測定機器(量水器)である。実施例1で説明された流量センサ3は、水道メータ55に置換されている。つまり、水道メータ55が流量センサ3として機能する。図8および図9のいずれにおいても、漏水監視システム800の機能および信号処理方法は同様である。
図8および図9は漏水監視システム800を示す模式図である。監視システム800は、ネットワークを介して漏水検知装置1を実現したものである。つまり、監視システム800では、漏水検知装置1を構成する複数の機能が分散配置されている。図8と図9の違いは、振動センサ2が水道メータ55(電子式水道メータまたはスマートメータ)に内蔵されているか否かである。すなわち、図8では、水道メータ55とは別体の振動センサ2が、水道メータ55の近くに設置されている。図9では、振動センサ2が水道メータ55と一体化されている。水道メータ55とは、積算された使用水量に加えて、瞬間的な流量を検知し、検知した流量を電気信号として出力できる機能を備えた測定機器(量水器)である。実施例1で説明された流量センサ3は、水道メータ55に置換されている。つまり、水道メータ55が流量センサ3として機能する。図8および図9のいずれにおいても、漏水監視システム800の機能および信号処理方法は同様である。
漏水監視システム800は、計測装置801と漏水監視装置802を備える。漏水監視装置802は計測装置801から離れた位置に設置されており、ネットワークなどを介して計測装置801と接続されている。
計測装置801は、振動センサ2および漏水検知部810を有している。漏水検知部810は、振動センサ2により検知された振動レベルと、水道メータ55により検知された流量とを漏水監視装置802に送信する。漏水監視装置802の漏水判定部16は、振動レベルと流量の検知結果を受信し、検知結果に基づき遠隔地から漏水状態を監視する。漏水監視システム800は、複数の計測装置801を有してもよい。これにより漏水監視システム800は、同時に複数の箇所での漏水状態を監視できる。
図10は、漏水監視システム800の構成を示すブロック図である。なお、同様の構成には同一の参照符号が付与されているが、複数の構成を区別する際には、参照符号の末尾に小文字のアルファベットが付与される。計測装置801はCPU200aおよびメモリ15aを有している。CPU200aはメモリ15aに記憶されている制御プログラム20aを実行する。振動センサ2の検知信号は、増幅回路11、A/D変換回路12、レベル演算部13を通して、振動レベルに変換され、メモリ15aに記憶される。水道メータ55で検知された流量を示す流量情報は流量演算部14に入力される。水道メータ55から出力される流量情報は、たとえば、パルス信号であり、パルスの周期が流量の大きさを表す。流量演算部14は、パルス信号を流量に換算し、流量をメモリ15aに記憶させる。CPU200aは、RTC1002から日時データを取得し、流量および振動レベルに日時データを紐づけてメモリ15aに記憶させる。RTCはリアルタイムクロックの略称である。CPU200a(報告部1001)は、メモリ15aから振動情報、流量情報および測定日時情報を読み出し、通信回路18aを介して、漏水監視装置802へ送信する。通信回線1003は、有線ネットワーク、無線ネットワークおよびこれらが混在したネットワークである。報告部1001の報告タイミングは、定期的であってもよいし、情報量が一定量になったタイミングであってもよいし、漏水監視装置802から要求されたタイミングであってもよい。
漏水監視装置802は、CPU200b、メモリ15b、通信回路18bおよびディスプレイ19を有している。CPU200bはメモリ15bに記憶されている制御プログラム20bを実行し、漏水判定部16として機能する。CPU200bは、通信回路18bを介して受信された振動情報、流量情報および測定日時情報をメモリ15bに記憶させる。漏水判定部16は、メモリ15bから振動情報および流量情報を読み出し、漏水の有無を判定する。出力部17は、ディスプレイ19および通信回路18bを有している。ディスプレイ19が判定結果を表示したり、通信回路18bが判定結果を、外部のコンピュータに送信したりする。
[漏水監視システムにおける判定方法]
実施例2は、専門の調査員が現地まで赴き水栓54を操作することなく、水栓54が日常生活の中で使用される状況で漏水の判定を行なうことに適している。ただし、作業者が水栓54を操作することで流量を変化させてもよい。
実施例2は、専門の調査員が現地まで赴き水栓54を操作することなく、水栓54が日常生活の中で使用される状況で漏水の判定を行なうことに適している。ただし、作業者が水栓54を操作することで流量を変化させてもよい。
図11(A)は、漏水が発生している状況における振動レベルを示す。横軸は日時を示す。縦軸は信号レベルを示す。図11(B)は、漏水が発生している状況における流量を示す。横軸は日時を示す。縦軸は流量を示す。図11(C)は、日時情報に基づき紐づけられた振動レベルと流量との関係を示す。横軸は流量を示す。縦軸は信号レベルを示す。
振動レベルと流量は、定期的に計測されてもよい。ただし、日常生活の中では流量が0である状態が多い。そのため、定期的に計測しただけでは、報告されるデータが流量0のデータに偏ってしまう場合がある。そこで、計測装置801は、流量がある値以上になったタイミングをトリガとして、流量等を報告してもよい。あるいは、計測装置801がいったん多量のデータを取得し、流量0のデータに偏らないようデータを選別したうえで漏水監視装置802に流量等を報告してもよい。
図11(A)および図11(B)では、日付N1~N5において、1回目の検知から4回目の検知までは任意のタイミングで実行されている。5回目の検知は、流量が2L/min以上になることをトリガとして、実行された。これにより、報告されるデータが流量0のデータに偏ることなくなる。
図11(C)が示すように、流量が増加するにつれて振動レベルが減少している。この近似直線の傾きは-1.0dB/(L/min)であるため、負の傾きである。よって、実施例2も実施例1と同様に、傾きが負の値であることを理由に、漏水ありと正しく判定される。なお、流量に代えて静圧が検知される場合は、傾きが正の値の場合に漏水ありと判定される。
[漏水監視システムのフローチャートの説明]
図12は計測装置801のCPU200aにより実行される処理を示すフローチャートである。CPU200aはメモリ15aのROM領域に記憶された制御プログラムにしたがって以下の処理を実行する。
図12は計測装置801のCPU200aにより実行される処理を示すフローチャートである。CPU200aはメモリ15aのROM領域に記憶された制御プログラムにしたがって以下の処理を実行する。
S1201でCPU200aは流量と振動レベルについての報告条件を設定する。報告条件は、入力装置5aまたは通信回路18aから入力される。報告条件は、たとえば、報告日時、報告周期、測定回数(測定されたデータの個数)、または、流量の閾値などである。つまり、RTC1002から取得された日時が報告日時になると、流量と信号レベルの測定が実行されてもよい。報告周期は、たとえば、測定が実行される周期である。測定回数が所定回数に達すると、報告が実行されてもよい。測定されたデータの個数が所定個数に達すると、報告が実行されてもよい。あるいは、測定された流量がトリガ閾値を超えると、報告が実行されてもよい。なお、測定条件(検知条件)と、報告を送信する送信条件とが厳密に区別されて、設定されてもよい。
S1202でCPU200は、水道メータ55を用いて流量Qを取得する。
S1203でCPU200は、振動センサ2を用いて振動レベルLを取得する。なお、流量と振動の検知は同時に実行されてもよい。流量が一定であれば、流量と振動の検知が順番に実行されてもよい。
S1204でCPU200は、RTC1002から時刻データを取得する。流量Q1、信号レベルL1および時刻データは紐づけられてメモリ15aに記憶される。
S1205でCPU200は、報告条件が満たされているかどうかを判定する。たとえば、報告条件として、流量がトリガ閾値を超えることが採用されている場合、流量Qがトリガ閾値Qthを超えているかどうかが判定される。報告条件が満たされている場合、CPU200aは、S1205からS1206に進む。報告条件が満たされていない場合、CPU200aは、S1205からS1207に進む。
S1206でCPU200は、漏水監視装置802へ検知結果を報告する。つまり、流量Q、信号レベルLおよび時刻データがメモリ15aから読み出されて、通信回路18aを介して、漏水監視装置802へ送信される。
S1207でCPU200は、メモリ15aから検知結果を破棄する。
図13は漏水監視装置802のCPU200bにより実行される漏水判定方法を示すフローチャートである。
S1301でCPU200bは、判定対象となる水道管の口径を設定する。作業者が目視で確認して認識した口径、または作業者が測長器などを用いて測定された水道管の口径が通信回路18bを通じて入力される。あるいは予めメモリ15bに保持されている複数の口径からCPU200bが選択してもよい。口径は入力装置5bから入力されてもよい。
S1302でCPU200bは、設定された水道管の口径に応じて必要な流量範囲の下限値を設定する。CPU200bは、振動レベルについて十分な変化量が得られると想定される下限値Qlimを設定する。メモリ15bのROM領域には予め、口径ごとの下限値Qlimを保持したテーブルが記憶されていてもよい。CPU200bは、このテーブルを参照することで、設定された口径に対応する下限値Qlimを取得してもよい。あるいは、メモリ15bのROM領域には口径を下限値Qlimに変換する数式が記憶されていてもよい。CPU200bは、この数式に口径を代入することで、下限値Qlimを演算してもよい。
S1303でCPU200bは、メモリ15bから流量Q1を取得する。流量Q1は、計測装置801から報告されたものである。
S1304でCPU200bは、メモリ15bから振動レベルL1を取得する。なお、流量と振動の検知は同時に実行されてもよい。流量が一定であれば、流量と振動の検知が順番に実行されてもよい。信号レベルL1は、計測装置801から報告されたものである。
S1305でCPU200bはメモリ15bから流量Q2を取得する。量Q2は、計測装置801から報告されたものである。
S1306でCPU200bは流量Q1と流量Q2との差dQを取得する(例:dQ=Q2-Q1)。
S1307でCPU200bは、流量の変化量(差dQ)が十分であるかどうかを判定する。流量の変化量が小さい場合、傾きが精度よく得られない。そこで、差dQの絶対値が下限値Qlim以上であるかどうかが判定される。差dQの絶対値が下限値Qlim以上であれば、流量の変化量(差dQ)が十分であるため、CPU200bはS1307からS1308に進む。一方で、流量の変化量が十分でない場合、CPU200bは、S1307からS1305に戻る。S1305でCPU200bは、メモリ15bから別の流量を取得する。たとえば、流量Q2よりも後に取得された流量Q3が取得される。なお、別の流量がメモリ15bから取得できない場合、CPU200bは、漏水判定方法を終了する。
S1308でCPU200bは、メモリ15bから振動レベルL2を取得する。
S1309でCPU200bは、振動レベルと流量との間の関係を示す傾きgを求める。傾きgは、たとえば、信号レベルL1およびL2と、流量Q1およびQ2とを(2)式に代入することで、算出されてもよい。
S1310でCPU200bは傾きgが漏水条件を満たしているかどうかを判定する。漏水条件とは、漏水が発生している場合に満たされる条件である。たとえば、漏水条件は、傾きgが0より小さいこと(つまり、傾きの符号が負であること)であってもよい。ただし、静圧についての漏水条件は、傾きが正であることである。
傾きgが漏水条件を満たしている場合、CPU200bは、S1310からS1311に進む。S1311でCPU200bは、漏水が発生していることを示す判定結果を出力部17に出力する。一方、傾きgが漏水条件を満たしていない場合、CPU200bは、S1310からS1312に進む。S1312でCPU200bは、漏水が発生していないことを示す判定結果を出力部17に出力する。
実施例2によれば、専門の調査員が現地へ赴いて水栓54を操作することなく、水栓54が日常生活の中で使用される状況で漏水の判定が可能となる。そのため、実施例2は、遠隔地で漏水の状態を常時監視するのにより適している。
漏水監視システム800は次のように変形されてもよい。たとえば、実施例1と同様に、計測装置801が、流量と振動の検知から漏水判定までを実行し、判定結果を漏水監視装置802へ送信してもよい。漏水監視装置802は、複数の計測装置801から判定結果を取得して、判定結果をデータベース化してもよい。
また、漏水監視装置802は計測装置801に対して検知タイミングおよび信号の増幅率などを指定してもよい。
[漏水位置の切り分け]
実施例2によれば、漏水の有無が高精度に判定されるが、さらに漏水の発生位置が特定されてもよい。たとえば、漏水が水道メータ55の上流で起こっているか下流で起こっているかを切り分けることが可能となる。水道メータ55の上流とは、図8、図9が示すように、配水管40から水道メータ55までの間の給水管51を指す。水道メータ55の下流とは、水道メータ55から水栓54までの間の給水管51を指す。
実施例2によれば、漏水の有無が高精度に判定されるが、さらに漏水の発生位置が特定されてもよい。たとえば、漏水が水道メータ55の上流で起こっているか下流で起こっているかを切り分けることが可能となる。水道メータ55の上流とは、図8、図9が示すように、配水管40から水道メータ55までの間の給水管51を指す。水道メータ55の下流とは、水道メータ55から水栓54までの間の給水管51を指す。
水道メータ55は流量を検知する機能を有する。そのため、漏水監視装置802は、流量が0より大きい状態が持続的に発生しているどうかを判定することで、水道メータ55の下流で漏水が起きているかどうかを検知する。すなわち、水道メータ55で流量が0より大きい状態を持続的に検知した場合、漏水監視装置802は、水道メータ55の下流で漏水ありと判定する。
振動センサ2は、配水管40から水栓54までの間の給水管51の振動を検知する。すなわち、振動センサ2は水道メータ55の上流と下流の両方の漏水を検知する。漏水監視装置802は、振動センサ2と水道メータ55の検知結果に基づき漏水の発生を認識すると、水道メータ55の検知結果に基づき、流量が0より大きい状態が持続的に発生しているかを判定する。流量が0より大きい状態が持続的に発生している場合、CPU200bは、漏水が水道メータ55よりも下流で発生していると判定する。一方で、流量が0より大きい状態が持続的に発生していない場合、CPU200bは、漏水が水道メータ55よりも上流で発生していると判定する。
したがって、漏水監視システム800は、漏水が発生を検知するとともに、漏水が流量センサ3(水道メータ55)の上流と下流とのどちらで発生しているかを判定してもよい。
<実施例3>
実施例3は、実施例1および実施例2に対して、流量の検知方法が異なる。そのため、実施例3において実施例1および実施例2と同一または類似した説明は省略される。
実施例3は、実施例1および実施例2に対して、流量の検知方法が異なる。そのため、実施例3において実施例1および実施例2と同一または類似した説明は省略される。
[水道メータの読み取りによる流量センサ]
図14(A)は実施例3の漏水検知装置1401を示す。漏水検知装置1の流量センサ3を流量センサ1403に置換することで漏水検知装置1401が実現されている。漏水監視システムの流量センサ3を流量センサ1403に置換することが可能である。図14(B)は水道メータ55の平面図である。図14(C)は水道メータ55に対する流量センサ1403の設置位置を示している。
図14(A)は実施例3の漏水検知装置1401を示す。漏水検知装置1の流量センサ3を流量センサ1403に置換することで漏水検知装置1401が実現されている。漏水監視システムの流量センサ3を流量センサ1403に置換することが可能である。図14(B)は水道メータ55の平面図である。図14(C)は水道メータ55に対する流量センサ1403の設置位置を示している。
流量センサ1403は、水道メータ55の表示部1451の近くに設置される。表示部1451は、流量を表すパイロットメータ1452と、水の積算量を示す1L積算メータ1453と、10L積算メータ1454と、1m^3積算メータ1455とを備える。m^3は立方メートルを示す。ここで、パイロットメータ1452は、水道メータ55を通過する水の流量に応じて回転する。水道メータ55に水が流れていないときに、パイロットメータ1452は静止する。水道メータ55に水が流れているとき、パイロットメータ1452は流量に比例した回転速度で回転する。
実施例3で、流量センサ1403は、パイロットメータ1452の動きを読み取ることで流量を検知する。図14(C)が示すように、流量センサ1403は発光素子1404と受光素子1405を有している。発光素子1404から出力された光は、パイロットメータ1452で反射し、受光素子1405に入射する。パイロットメータ1452は多角錐の形状を有している。受光素子1405に入力される光の強度はパイロットメータ1452の回転位相に応じて変化する。受光素子1405は、たとえば、フォトダイオードまたはフォトトランジスタで構成されうる。受光素子1405は、入力された光の強度に応じたアナログの電圧信号を出力する。さらに、流量センサ1403は、受光素子1405から出力されるアナログ信号をパルス信号に変換する変換回路(例:シュミットトリガ回路)を有してもよい。これにより、流量センサ1403は、実施例1の流量センサ3と同様のパルス信号を出力できる。
図15(A)は、流量が0、すなわちパイロットメータ1452が回転していないときに受光素子1405から出力されるアナログ信号の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸はアナログ信号の電圧を示す。図15(B)は、流量が0、すなわちパイロットメータ1452が回転していないときのアナログ信号に対応したデジタル信号の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸はデジタル値を示す。これらから、流量が0であれば、アナログ信号に変動がなく、デジタル信号にも変動がないことがわかる。
図16(A)は、流量が3.3L/minのときに受光素子1405から出力されるアナログ信号の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸はアナログ信号の電圧を示す。図16(B)は、流量が3.3L/minのときのアナログ信号に対応したデジタル信号の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸はデジタル値を示す。
図16(A)が示すように、アナログ信号の波形は周期的な波形である。受光素子1405で受光される信号の振幅は、パイロットメータ1452の回転位相に応じて、変化する。そのため、パイロットメータ1452が回転している間、アナログ信号は周期的に強弱を繰り返す。このアナログ信号をデジタル変換して得られたデジタル信号からアナログ信号の周期が1.66秒であることがわかる。
図17(A)は、流量が9.7L/minのときに受光素子1405から出力されるアナログ信号の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸はアナログ信号の電圧を示す。図17(B)は、流量が9.7L/minのときのアナログ信号に対応したデジタル信号の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸はデジタル値を示す。デジタル信号からアナログ信号の周期が0.58秒であることがわかる。
図18(A)は、流量が15.3L/minのときに受光素子1405から出力されるアナログ信号の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸はアナログ信号の電圧を示す。図18(B)は、流量が15.3L/minのときのアナログ信号に対応したデジタル信号の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸はデジタル値を示す。デジタル信号からアナログ信号の周期が0.36秒であることがわかる。
このように、流量が増加するに従い周期が短くなる。これは、パイロットメータ1452の回転速度が速くなっているからである。よって、流量センサ1403により検知された信号から、水道メータ55に流れる水の流量を検知可能であるとことがわかる。
実施例3では、水道メータ55の表示部1451のパイロットメータ1452を読み取ることによって、流量を検出する方法が説明された。実施例3によれば、流量を示す信号を外部に出力できない直読式の水道メータ55であっても、流量が検知可能となり、漏水判定が可能となる。つまり、直読式の水道メータ55でも実施例1および実施例2で説明された漏水判定方法が適用可能となる。
実施例3では、光学センサを用いてパイロットメータ1452の回転が読み取られているが、これは一例にすぎない。渦電流センサまたはカメラなども流量センサ1403として適用可能である。これらの方法によって、一般的に広く普及している直読式の水道メータ55を活用して、漏水の有無を高精度に判定することが可能となる。
<実施例4>
実施例4は、実施例1から実施例3に対して、流量の検知方法が異なる。そのため、実施例4において、実施例1から実施例3と同様の箇所についてはその説明が省略される。
実施例4は、実施例1から実施例3に対して、流量の検知方法が異なる。そのため、実施例4において、実施例1から実施例3と同様の箇所についてはその説明が省略される。
[振動センサによる流量推定方法の説明]
実施例4は、振動センサ2によって検知された振動から流量を推定する。図19は、実施例4の漏水検知装置1901の構成を示す。漏水検知装置1の流量センサ3を流量推定部1903に置換することで、漏水検知装置1901が実現されている。漏水監視システムの流量センサ3を流量推定部1903に置換することが可能である。
実施例4は、振動センサ2によって検知された振動から流量を推定する。図19は、実施例4の漏水検知装置1901の構成を示す。漏水検知装置1の流量センサ3を流量推定部1903に置換することで、漏水検知装置1901が実現されている。漏水監視システムの流量センサ3を流量推定部1903に置換することが可能である。
振動センサ2は、実施例1から実施例3と同様に、給水装置50の振動を検知するセンサである。振動センサ2は、水道メータ55の近くに設置される。水道メータ55は、その内部に図示しない羽根車を有する羽根車式水道メータである。羽根車式水道メータは、水が通過するとことで羽根車が回転し、羽根車の回転によって機械的に積算水量と流量を出力して表示する水道メータである。
振動センサ2からの検知信号は、漏水検知部10と流量推定部1903にそれぞれ入力される。流量推定部1903は、入力された検知信号に基づき水道メータ55に流れる水の流量を推定し、推定された流量を漏水検知部10に入力する。漏水検知部10は、推定された流量と振動センサ2により取得された振動レベルとに基づき、実施例1から3で説明され方法と同様に漏水の有無を判定する。
図20は、漏水検知装置1901の構成を示すブロック図である。すでに説明された箇所には同一の参照符号が付与されている。A/D変換回路12の出力は、レベル演算部13と流量推定部1903との両方に入力される。流量推定部1903では、水道メータ55内の羽根車の回転による振動を振動センサ2で検知し、所定の信号処理を行なうことで、流量を推定する。
図21(A)は、流量が0L/min、つまり水道メータ55に水が流れておらず羽根車が回転していない場合に流量推定部1903に入力される振動信号の実効値の波形を示す。横軸は時間を示す。縦軸は実効値を示す。図21(B)は、振動信号の自己相関係数を示す。横軸は自己相関係数を求めるための時間のシフト量を示す。縦軸は自己相関係数を示す。
実効値波形とは、振動信号の瞬時値の2乗を、ある期間にわたって、平均化することで得られた値の平方根である。ここでは平均化期間として10msecが採用されている。msecはミリ秒を示す。
自己相関係数とは、信号と、その信号を時間シフトして得られる信号との一致度を示す尺度であり、信号の周期性を探すために使用される。振動信号の実効値波形に周期性があれば、その周期(時間シフト量)での自己相関係数が大きくなる。ここでは時間シフト量が0msecであるときに自己相関係数が1となるように、自己相関係数が正規化されている。
図21(B)では、0msec以外の時間シフト量でピークは見られない。そのため、実効値波形に周期性がないことがわかる。
図22(A)は、流量が15L/minである場合の振動信号の実効値波形を示す。図22(B)は、流量が15L/minである場合の振動信号の自己相関係数を示す。図22(B)から、流量が15L/minであるときの羽根車の回転周期は22msecであることが分かる。
図21(B)と図22(B)において、時間シフト量が22msecであるときの自己相関係数(図中の下矢印)はそれぞれ0.17、0.52である。よって、羽根車が回転しているときに、自己相関係数が大きくなることがわかる。つまり、自己相関係数の大きさから周期性を検知できることがわかる。これにより、羽根車の振動を捉えることができ、流量を推定することが可能となる。
実施例4によれば、流量推定部1903は、振動センサ2を用いて水道メータ55の内部の羽根車の振動を検知し、振動信号の自己相関係数によって周期性を求め、周期性から流量を推定する。これにより、流量を検知するための専用の流量サンサ3が不要となる。つまり、振動センサ2のみで、流量を推定し、漏水による振動を検知することが可能となる。実施例4では、羽根車の回転による振動を検知する方法として自己相関による周期性を検知する方法が採用されているが、これは一例にすぎない。流量推定部1903は、振動信号に対してFFT(高速フーリエ変換)を適用することで振動信号の周期性を検知してもよい。あるいは、流量推定部1903は、振動信号に対して、複数のフィルタ処理を並列に適用することで、特定の周期を推定してもよい。この場合、複数のフィルタ処理は、それぞれ異なる周期の振動信号のみを通過させることができる。したがって、流量推定部1903の構成は、許容される演算規模、および、演算に関わる消費電力などに応じて選択される。
<実施例5>
実施例5では、給水装置50ではなく、配水管40に漏水検知装置を適用する事例が説明される。実施例5において、実施例1から実施例4のいずれかと同様の箇所についてはその説明が省略される。
実施例5では、給水装置50ではなく、配水管40に漏水検知装置を適用する事例が説明される。実施例5において、実施例1から実施例4のいずれかと同様の箇所についてはその説明が省略される。
[配水管に適用された漏水検知装置]
図23(A)から図23(C)は、配水管40に付設された消火栓43を用いて、配水管40の漏水の有無を検知する構成を示している。図23(A)において、配水管40の流入口48aに設置された止水栓41aと、流入口48bに設置された止水栓41bはともに開栓されている。消火栓43も閉栓されている。振動センサ2と流量センサ3は、実施例1から実施例4で説明されたものと同様の機能を有し、消火栓43に対して設置される。漏水検知部10も実施例1から4で説明されたものと同様である。
図23(A)から図23(C)は、配水管40に付設された消火栓43を用いて、配水管40の漏水の有無を検知する構成を示している。図23(A)において、配水管40の流入口48aに設置された止水栓41aと、流入口48bに設置された止水栓41bはともに開栓されている。消火栓43も閉栓されている。振動センサ2と流量センサ3は、実施例1から実施例4で説明されたものと同様の機能を有し、消火栓43に対して設置される。漏水検知部10も実施例1から4で説明されたものと同様である。
一般的に、配水管40では、給水装置50とは異なり、水の流れる方向が一様でない。図23(A)が示すように、止水栓41a、41bの両方が開栓された状態で消火栓43が開栓されると、流量の増加に伴う漏水振動の低減効果が不確実となる。止水栓41a、41bの両方が開栓されていると、止水栓41a、41bの両方向から消火栓43に水が流れ込むことがある。あるいは、片方の止水栓41aから流れ込んだ水が他方の止水栓41bと消火栓43とに分かれて流れることもある。これらの場合、流量センサ3で検知された流量が配水管40に流れる流量と一致しなくなる。その結果、流量の増加に伴う漏水振動の低減効果が低下し、振動と流量との間の関係を示す傾きがが得られず、漏水判定の精度が低下してしまう。そこで、消火栓43で流量を検知する場合、図23(B)または図23(C)が示すように、止水栓41a、42bの開閉状態を制御し、水の流れが確定される。
図23(B)では、止水栓41aが閉栓され、止水栓41bが開栓されている。これにより、消火栓43を開栓したときに、水は矢印の方向に流れる。その結果、領域2302において、流量の増加に伴う漏水振動の低減効果が得られる。つまり、図22(B)では、領域2302が漏水判定を行なう検査対象のエリアとなる。
一方、図23(C)では、止水栓41aが開栓され、止水栓41bが閉栓される。よって、図23(C)では、領域2303が検査対象のエリアとなる。
図24は、配水管40の流量を直接的に測定する流量センサ2403を用いて、配水管40の漏水の有無を検知する方法を説明する図である。流量センサ2403としては、電磁式の流量計または超音波式の流量計が用いられ、配水管40の外から流量を検知する。振動センサ2は、止水栓41aに取り付けられ、止水栓41aを介して配水管40の振動を検知する。振動センサ2は、よりアクセスのよい止水栓41aに取り付けられているが、消火栓43または配水管40に取り付けられてもよい。
止水栓41a、41bが開栓され、消火栓43は閉栓されている。この状態であっても、流量センサ2403は直接的に配水管40の流量を検知する。よって、漏水検知部10は、流量センサ2403による配水管40の流量の検知結果と振動センサ2による配水管40の振動の検知結果とに基づき、漏水の有無を精度よく判定できる。
図24に示された各栓の状態は、配水管40が使用されている通常状態と同じである。つまり、実施例2で説明された漏水監視システム800であれば、配水管40が通常使用されている状態で、漏水状態を監視することができる。
実施例4によれば、配水管40の流量を制御または検知することで、一般的に水の流れが一様でない配水管40においても、精度よく漏水の有無を判定することが可能となる。
<実施例から導き出される技術思想>
[観点1]
振動センサ2、流量センサ3、1403、水道メータ55、および流量推定部1903は、配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する取得部の一例である。CPU200および漏水判定部16は、物理量と検知値との関係に基づき配管の漏水の有無を判定する漏水判定部の一例である。CPU200および漏水判定部16は、物理量の変化に応じた検知値の変化の傾向に基づき配管の漏水の有無を判定してもよい。出力部17は、漏水判定部での判定結果を出力する出力部の一例である。これより、持続性ノイズが存在する環境下において漏水の判定精度を向上させることが可能となる。
[観点1]
振動センサ2、流量センサ3、1403、水道メータ55、および流量推定部1903は、配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する取得部の一例である。CPU200および漏水判定部16は、物理量と検知値との関係に基づき配管の漏水の有無を判定する漏水判定部の一例である。CPU200および漏水判定部16は、物理量の変化に応じた検知値の変化の傾向に基づき配管の漏水の有無を判定してもよい。出力部17は、漏水判定部での判定結果を出力する出力部の一例である。これより、持続性ノイズが存在する環境下において漏水の判定精度を向上させることが可能となる。
[観点2]
CPU200(漏水判定部16)は、取得部で検知された物理量および検知値から傾きを求め、当該傾きに基づき配管の漏水の有無を判定してもよい。上述されたように、物理量に対する検知値の傾きは、持続性ノイズの影響を受けにくい。そのため、傾きに着目することで、より正確に、漏水の有無を判定可能となる。
CPU200(漏水判定部16)は、取得部で検知された物理量および検知値から傾きを求め、当該傾きに基づき配管の漏水の有無を判定してもよい。上述されたように、物理量に対する検知値の傾きは、持続性ノイズの影響を受けにくい。そのため、傾きに着目することで、より正確に、漏水の有無を判定可能となる。
[観点3]
CPU200(漏水判定部16)は、傾きを演算する演算手段として機能してもよい。傾きは、流体の物理量である第一物理量および振動または音の検知値である第一検知値のペアと、流体の物理量である第二物理量および振動または音の検知値である第二検知値のペアと、に基づき演算可能である。
CPU200(漏水判定部16)は、傾きを演算する演算手段として機能してもよい。傾きは、流体の物理量である第一物理量および振動または音の検知値である第一検知値のペアと、流体の物理量である第二物理量および振動または音の検知値である第二検知値のペアと、に基づき演算可能である。
[観点4]
第一物理量および第一検知値のペアは、配管に設けられた排出部の排出量が第一排出量であるときに取得され、第二物理量および第二検知値のペアは、排出量が第一排出量と異なる第二排出量であるときに取得される。第一排出量と第二排出量との差が十分な大きさであれば、精度よく、傾きが演算可能となる。
第一物理量および第一検知値のペアは、配管に設けられた排出部の排出量が第一排出量であるときに取得され、第二物理量および第二検知値のペアは、排出量が第一排出量と異なる第二排出量であるときに取得される。第一排出量と第二排出量との差が十分な大きさであれば、精度よく、傾きが演算可能となる。
[観点5]
CPU200(漏水判定部16)は、第一物理量と第二物理量との差が判定開始閾値以上になると、第一物理量および第一検知値のペアと、第二物理量および第二検知値のペアと、に基づき傾きを演算してもよい。CPU200(漏水判定部16)は、傾きに基づき配管の漏水の有無を判定する。S707に関連して説明されたように、判定開始閾値は、下限値Qlimであってもよい。
CPU200(漏水判定部16)は、第一物理量と第二物理量との差が判定開始閾値以上になると、第一物理量および第一検知値のペアと、第二物理量および第二検知値のペアと、に基づき傾きを演算してもよい。CPU200(漏水判定部16)は、傾きに基づき配管の漏水の有無を判定する。S707に関連して説明されたように、判定開始閾値は、下限値Qlimであってもよい。
[観点6]
判定開始閾値は、配管の口径、分岐数、材質、および長さのうちの少なくとも一つに基づき予め決定される。上述されたように、下限値Qlimは、配管の口径、分岐数、材質、および長さに応じて異なる。そのため、配管の口径、分岐数、材質、および長さのうちの少なくとも一つに基づき下限値Qlimが決定されてもよい。
判定開始閾値は、配管の口径、分岐数、材質、および長さのうちの少なくとも一つに基づき予め決定される。上述されたように、下限値Qlimは、配管の口径、分岐数、材質、および長さに応じて異なる。そのため、配管の口径、分岐数、材質、および長さのうちの少なくとも一つに基づき下限値Qlimが決定されてもよい。
[観点7]
傾きは物理量(例:流量)に対する検知値(例:振動レベル)の傾きであってもよい。漏水判定部16は、傾きと漏水閾値(例:ゼロ)とを比較することで漏水の有無を判定してもよい。
傾きは物理量(例:流量)に対する検知値(例:振動レベル)の傾きであってもよい。漏水判定部16は、傾きと漏水閾値(例:ゼロ)とを比較することで漏水の有無を判定してもよい。
[観点8]
漏水判定部16は、傾きが負の傾きである場合に漏水があると判定し、傾きが負の傾きでない場合に漏水がないと判定してもよい。
漏水判定部16は、傾きが負の傾きである場合に漏水があると判定し、傾きが負の傾きでない場合に漏水がないと判定してもよい。
[観点9]
流体の物理量は、たとえば、配管内の流体の流量、または流体の単位時間当たりの排出量である。
流体の物理量は、たとえば、配管内の流体の流量、または流体の単位時間当たりの排出量である。
[観点10、11]
漏水判定部は、傾きが正の傾きである場合に漏水があると判定し、傾きが正の傾きでない場合に漏水がないと判定してもよい。この場合、流体の物理量は、配管内の流体の圧力(例:静圧)である。
漏水判定部は、傾きが正の傾きである場合に漏水があると判定し、傾きが正の傾きでない場合に漏水がないと判定してもよい。この場合、流体の物理量は、配管内の流体の圧力(例:静圧)である。
[観点12]
流体の物理量は、配管内の流体の流量または流体の単位時間当たりの排出量のうちの少なくとも一つである。漏水判定部16は、配管内の流体の流量または流体の単位時間当たりの排出量が増加するとともに、検知値が低下すると、漏水があると判定する。
流体の物理量は、配管内の流体の流量または流体の単位時間当たりの排出量のうちの少なくとも一つである。漏水判定部16は、配管内の流体の流量または流体の単位時間当たりの排出量が増加するとともに、検知値が低下すると、漏水があると判定する。
[観点13]
流体の物理量は、配管内の流体の圧力であってもよい。漏水判定部16は、配管内の流体の圧力が増加するとともに、検知値が増加すると、漏水があると判定する。
流体の物理量は、配管内の流体の圧力であってもよい。漏水判定部16は、配管内の流体の圧力が増加するとともに、検知値が増加すると、漏水があると判定する。
[観点14]
図24で説明されたように、取得部は、配管の排出部に設けられた流体センサから流体の物理量を取得してもよい。
図24で説明されたように、取得部は、配管の排出部に設けられた流体センサから流体の物理量を取得してもよい。
[観点15]
図8、図9、および図14(C)が示すように、取得部は、配管に設けられた量水器から流体の物理量を取得してもよい。
図8、図9、および図14(C)が示すように、取得部は、配管に設けられた量水器から流体の物理量を取得してもよい。
[観点16]
図8および図9が例示するように、量水器は、流体の物理量を取得部に送信する送信回路を有してもよい。この場合、取得部(CPU200)は、量水器から送信される流体の物理量を受信するように構成される。
図8および図9が例示するように、量水器は、流体の物理量を取得部に送信する送信回路を有してもよい。この場合、取得部(CPU200)は、量水器から送信される流体の物理量を受信するように構成される。
[観点17]
図14(C)が示すように、配管は、表示部を有する量水器を有してもよい。この場合、取得部は、量水器の表示部に表示される流体の物理量を取得する。
図14(C)が示すように、配管は、表示部を有する量水器を有してもよい。この場合、取得部は、量水器の表示部に表示される流体の物理量を取得する。
[観点18]
図14(C)が示すように、配管は、流体の流量に応じて回転する回転体を有する量水器を有してもよい。この場合、取得部は、回転体に対して光を照射する発光素子と、回転体からの光を受光する受光素子とを有し、受光素子から出力される出力信号に基づき流体の物理量を取得する。
図14(C)が示すように、配管は、流体の流量に応じて回転する回転体を有する量水器を有してもよい。この場合、取得部は、回転体に対して光を照射する発光素子と、回転体からの光を受光する受光素子とを有し、受光素子から出力される出力信号に基づき流体の物理量を取得する。
[観点19]
図19が例示するように、取得部は、振動または音の検知値に基づき流体の物理量を推定する推定手段を有してもよい。これによりセンサの数を削減することが可能となる。
図19が例示するように、取得部は、振動または音の検知値に基づき流体の物理量を推定する推定手段を有してもよい。これによりセンサの数を削減することが可能となる。
[観点20]
配管に取り付けられた水栓が操作されることで流体の流量が変化してもよい。これにより、意図的に流量を変化させて、漏水判定に必要となるデータの取得が可能となる。
配管に取り付けられた水栓が操作されることで流体の流量が変化してもよい。これにより、意図的に流量を変化させて、漏水判定に必要となるデータの取得が可能となる。
[観点21]
配管に取り付けられた複数の止水栓のうちのいずれかが操作されることで流体の流量が変化してもよい。
配管に取り付けられた複数の止水栓のうちのいずれかが操作されることで流体の流量が変化してもよい。
[観点22]
図23(A)が例示するように、複数の止水栓は、第一止水栓と第二止水栓と、を含んでもよい。配管は、消火栓と第一止水栓との間を結ぶ第一配水管と、消火栓と第二止水栓との間を結ぶ第二配水管と、含む。図23(C)が例示するように、第一配水管の漏水を検知する場合、第二止水栓が閉じられ、かつ、第一止水栓および消火栓が開かれる。図23(B)が例示するように、第二配水管の漏水を検知する場合、第一止水栓が閉じられ、かつ、第二止水栓および消火栓が開かれる。取得部は、消火栓から流体の物理量と検知値とを取得する。
図23(A)が例示するように、複数の止水栓は、第一止水栓と第二止水栓と、を含んでもよい。配管は、消火栓と第一止水栓との間を結ぶ第一配水管と、消火栓と第二止水栓との間を結ぶ第二配水管と、含む。図23(C)が例示するように、第一配水管の漏水を検知する場合、第二止水栓が閉じられ、かつ、第一止水栓および消火栓が開かれる。図23(B)が例示するように、第二配水管の漏水を検知する場合、第一止水栓が閉じられ、かつ、第二止水栓および消火栓が開かれる。取得部は、消火栓から流体の物理量と検知値とを取得する。
[観点23]
取得部は、さらに、配管に接続され、当該配管を流れる流体である水の流量を計測する水道メータ55から当該水の流量を取得するように構成されていてもよい。漏水判定部16は、物理量と検知値との関係に基づき配管の漏水があると判定する場合がある。つまり、漏水判定部16は、物理量の変化に応じた検知値の変化の傾向に基づき配管の漏水があると判定する場合がある。この場合、さらに、漏水判定部16は、水道メータ55から取得された水の流量に基づき、水道メータの上流側と下流側とのどちらで漏水が発生しているかを判定してもよい。これにより、漏水の発生エリアを特定しやすくなろう。
取得部は、さらに、配管に接続され、当該配管を流れる流体である水の流量を計測する水道メータ55から当該水の流量を取得するように構成されていてもよい。漏水判定部16は、物理量と検知値との関係に基づき配管の漏水があると判定する場合がある。つまり、漏水判定部16は、物理量の変化に応じた検知値の変化の傾向に基づき配管の漏水があると判定する場合がある。この場合、さらに、漏水判定部16は、水道メータ55から取得された水の流量に基づき、水道メータの上流側と下流側とのどちらで漏水が発生しているかを判定してもよい。これにより、漏水の発生エリアを特定しやすくなろう。
[観点24]
漏水判定部16は、水道メータ55から取得された水の流量が閾値以下であれば、水道メータの上流側で漏水が発生していると判定してもよい。漏水判定部16は、水道メータから取得された水の流量が閾値を超えていれば、水道メータの下流側で漏水が発生していると判定してもよい。
漏水判定部16は、水道メータ55から取得された水の流量が閾値以下であれば、水道メータの上流側で漏水が発生していると判定してもよい。漏水判定部16は、水道メータから取得された水の流量が閾値を超えていれば、水道メータの下流側で漏水が発生していると判定してもよい。
[観点25]
図10などが例示するように、検知値を取得して送信するセンサ(計測装置801)をさらに有してもよい。取得部(例:CPU200b)は、ネットワークを介してセンサから検知値を取得してもよい。
図10などが例示するように、検知値を取得して送信するセンサ(計測装置801)をさらに有してもよい。取得部(例:CPU200b)は、ネットワークを介してセンサから検知値を取得してもよい。
[観点26]
漏水監視システム800は、情報取得装置(計測装置801)と情報処理装置(漏水監視装置802)とを有する漏水監視システムの一例である。振動センサ2,流量センサ3は、配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する検知手段として機能する。通信回路18aは、物理量と検知値とを送信する送信手段として機能する。CPU200bおよび通信回路18bは、情報取得装置から物理量と検知値とを収集する収集手段として機能する。CPU200bは、収集手段により収集された物理量と検知値との関係に基づき配管の漏水の有無を判定する漏水判定手段として機能する。つまり、CPU200bは、物理量の変化に応じた検知値の変化の傾向に基づき配管の漏水があると判定してもよい。出力部17は、漏水判定手段での判定結果を出力する出力手段として機能する。これにより、遠隔から漏水の有無を監視することが可能となる。
漏水監視システム800は、情報取得装置(計測装置801)と情報処理装置(漏水監視装置802)とを有する漏水監視システムの一例である。振動センサ2,流量センサ3は、配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する検知手段として機能する。通信回路18aは、物理量と検知値とを送信する送信手段として機能する。CPU200bおよび通信回路18bは、情報取得装置から物理量と検知値とを収集する収集手段として機能する。CPU200bは、収集手段により収集された物理量と検知値との関係に基づき配管の漏水の有無を判定する漏水判定手段として機能する。つまり、CPU200bは、物理量の変化に応じた検知値の変化の傾向に基づき配管の漏水があると判定してもよい。出力部17は、漏水判定手段での判定結果を出力する出力手段として機能する。これにより、遠隔から漏水の有無を監視することが可能となる。
[観点27]
S703~S705およびS708は配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する取得工程の一例である。S710は、物理量と検知値との関係に基づき配管の漏水の有無を判定する漏水判定工程の一例である。また、S710は、物理量の変化に応じた検知値の変化の傾向に基づき配管の漏水の有無を判定する漏水判定工程の一例である。S711およびS712は漏水判定工程での判定結果を出力する出力工程の一例である。
S703~S705およびS708は配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する取得工程の一例である。S710は、物理量と検知値との関係に基づき配管の漏水の有無を判定する漏水判定工程の一例である。また、S710は、物理量の変化に応じた検知値の変化の傾向に基づき配管の漏水の有無を判定する漏水判定工程の一例である。S711およびS712は漏水判定工程での判定結果を出力する出力工程の一例である。
[観点28]
流入口48a、48bは流体が配管へ流入する第一流入口および第二流入口の一例である。消火栓43は、配管に設けられ、流体を排出する排出口の一例である。止水栓41aは、第一流入口に設けられ、第一流入口からの流体の流入量を変化させる第一止水栓の一例である。止水栓41bは、第二流入口に設けられ、第二流入口からの流体の流入量を変化させる第二止水栓の一例である。物理量と検知値とを取得する前に、第一止水栓および第二止水栓のうち少なくとも一方を操作することで、第一流入口および第二流入口のうち少なくとも一方から配管への流体の流入量を変化させる。
流入口48a、48bは流体が配管へ流入する第一流入口および第二流入口の一例である。消火栓43は、配管に設けられ、流体を排出する排出口の一例である。止水栓41aは、第一流入口に設けられ、第一流入口からの流体の流入量を変化させる第一止水栓の一例である。止水栓41bは、第二流入口に設けられ、第二流入口からの流体の流入量を変化させる第二止水栓の一例である。物理量と検知値とを取得する前に、第一止水栓および第二止水栓のうち少なくとも一方を操作することで、第一流入口および第二流入口のうち少なくとも一方から配管への流体の流入量を変化させる。
[観点29]
CPU200により実行される制御プログラムは、取得工程と、漏水判定工程と、出力工程とをコンピュータに実行させるプログラムの一例である。
CPU200により実行される制御プログラムは、取得工程と、漏水判定工程と、出力工程とをコンピュータに実行させるプログラムの一例である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
2:振動センサ、3:流量センサ、16:漏水判定部、17:出力部
Claims (29)
- 配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、前記配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する取得部と、
前記物理量の変化に応じた前記検知値の変化の傾向に基づき前記配管の漏水の有無を判定する漏水判定部と、
前記漏水判定部での判定結果を出力する出力部と
を有することを特徴とする漏水検知装置。 - 前記漏水判定部は、前記取得部で検知された物理量および前記検知値から傾きを求め、当該傾きに基づき前記配管の漏水の有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の漏水検知装置。
- 前記流体の物理量である第一物理量および前記振動または音の検知値である第一検知値のペアと、前記流体の物理量である第二物理量および前記振動または音の検知値である第二検知値のペアと、に基づき前記傾きを演算する演算手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の漏水検知装置。
- 前記第一物理量および前記第一検知値のペアは、前記配管に設けられた排出部の排出量が第一排出量であるときに取得され、前記第二物理量および前記第二検知値のペアは、前記排出量が前記第一排出量と異なる第二排出量であるときに取得されることを特徴とする請求項3に記載の漏水検知装置。
- 前記演算手段は、前記第一物理量と前記第二物理量との差が判定開始閾値以上になると、前記第一物理量および前記第一検知値のペアと、前記第二物理量および前記第二検知値のペアと、に基づき前記傾きを演算し、
前記漏水判定部は、当該傾きに基づき前記配管の漏水の有無を判定することを特徴とする請求項3または4に記載の漏水検知装置。 - 前記判定開始閾値は、前記配管の口径、分岐数、材質、および長さのうちの少なくとも一つに基づき予め決定されることを特徴とする請求項5に記載の漏水検知装置。
- 前記傾きは前記物理量に対する前記検知値の傾きであり、
前記漏水判定部は、前記傾きと漏水閾値とを比較することで前記漏水の有無を判定することを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の漏水検知装置。 - 前記傾きは前記物理量に対する前記検知値の傾きであり、
前記漏水判定部は、前記傾きが負の傾きである場合に前記漏水があると判定し、前記傾きが負の傾きでない場合に前記漏水がないと判定することを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の漏水検知装置。 - 前記流体の物理量は、前記配管内の流体の流量、または前記流体の単位時間当たりの排出量であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の漏水検知装置。
- 前記傾きは前記物理量に対する前記検知値の傾きであり、
前記漏水判定部は、前記傾きが正の傾きである場合に前記漏水があると判定し、前記傾きが正の傾きでない場合に前記漏水がないと判定することを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の漏水検知装置。 - 前記流体の物理量は、前記配管内の流体の圧力であることを特徴とする請求項10に記載の漏水検知装置。
- 前記流体の物理量は、前記配管内の流体の流量または前記流体の単位時間当たりの排出量のうちの少なくとも一つであり、
前記漏水判定部は、前記配管内の流体の流量または前記流体の単位時間当たりの排出量が増加するとともに、前記検知値が低下すると、前記漏水があると判定することを特徴とする請求項1に記載の漏水検知装置。 - 前記流体の物理量は、前記配管内の流体の圧力であり、
前記漏水判定部は、前記配管内の流体の圧力が増加するとともに、前記検知値が増加すると、前記漏水があると判定することを特徴とする請求項1に記載の漏水検知装置。 - 前記取得部は、前記配管の排出部に設けられた流体センサから前記流体の物理量を取得することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の漏水検知装置。
- 前記取得部は、前記配管に設けられた量水器から前記流体の物理量を取得することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の漏水検知装置。
- 前記量水器は、前記流体の物理量を前記取得部に送信するように構成され、
前記取得部は、前記量水器から送信される前記流体の物理量を受信することを特徴とする請求項15に記載の漏水検知装置。 - 前記配管は、表示部を有する量水器を有し、
前記取得部は、前記量水器の前記表示部に表示される前記流体の物理量を取得することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の漏水検知装置。 - 前記配管は、前記流体の流量に応じて回転する回転体を有する量水器を有し、
前記取得部は、前記回転体に対して光を照射する発光素子と、前記回転体からの光を受光する受光素子とを有し、前記受光素子から出力される出力信号に基づき前記流体の物理量を取得することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の漏水検知装置。 - 前記取得部は、前記振動または音の前記検知値に基づき前記流体の物理量を推定する推定手段を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の漏水検知装置。
- 前記配管に取り付けられた水栓が操作されることで前記流体の流量が変化することを特徴とする請求項1ないし19のいずれか一項に記載の漏水検知装置。
- 前記配管に取り付けられた複数の止水栓のうちのいずれかが操作されることで前記流体の流量が変化することを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の漏水検知装置。
- 前記複数の止水栓は、第一止水栓と第二止水栓と、を含み、
前記配管は、消火栓と前記第一止水栓との間を結ぶ第一配水管と、前記消火栓と前記第二止水栓との間を結ぶ第二配水管と、含み、
前記第一配水管の漏水を検知する場合、前記第二止水栓が閉じられ、かつ、前記第一止水栓および前記消火栓が開かれ、
前記第二配水管の漏水を検知する場合、前記第一止水栓が閉じられ、かつ、前記第二止水栓および前記消火栓が開かれ、
前記取得部は、前記消火栓から前記流体の物理量と前記検知値とを取得することを特徴とする請求項21に記載の漏水検知装置。 - 前記取得部は、さらに、前記配管に接続され、当該配管を流れる流体である水の流量を計測する水道メータから当該水の流量を取得するように構成されており、
前記漏水判定部は、前記物理量の変化に応じた前記検知値の変化の傾向に基づき前記配管の漏水があると判定した場合に、さらに、前記水道メータから取得された水の流量に基づき、前記水道メータの上流側と下流側とのどちらで前記漏水が発生しているかを判定することを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載の漏水検知装置。 - 前記漏水判定部は、前記水道メータから取得された水の流量が閾値以下であれば、前記水道メータの上流側で前記漏水が発生していると判定し、前記水道メータから取得された水の流量が前記閾値を超えていれば、前記水道メータの下流側で前記漏水が発生していると判定することを特徴とする請求項23に記載の漏水検知装置。
- 前記検知値を取得して送信するセンサをさらに有し、
前記取得部は、ネットワークを介して前記センサから前記検知値を取得することを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の漏水検知装置。 - 情報取得装置と情報処理装置とを有する漏水監視システムであって、
前記情報取得装置は、
配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、前記配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する検知手段と、
前記物理量と前記検知値とを送信する送信手段と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記情報取得装置から前記物理量と前記検知値とを収集する収集手段と、
前記収集手段により収集された前記物理量の変化に応じた前記検知値の変化の傾向に基づき前記配管の漏水の有無を判定する漏水判定手段と、
前記漏水判定手段での判定結果を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする漏水監視システム。 - 配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、前記配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する取得工程と、
前記物理量の変化に応じた前記検知値の変化の傾向に基づき前記配管の漏水の有無を判定する漏水判定工程と、
前記漏水判定工程での判定結果を出力する出力工程と
を有することを特徴とする漏水検知方法。 - 前記流体が前記配管へ流入する第一流入口および第二流入口と、
前記配管に設けられ、前記流体を排出する排出口と、
前記第一流入口に設けられ、前記第一流入口からの前記流体の流入量を変化させる第一止水栓と、
前記第二流入口に設けられ、前記第二流入口からの前記流体の流入量を変化させる第二止水栓と、を有し、
前記物理量と前記検知値とを取得する前に、前記第一止水栓および前記第二止水栓のうち少なくとも一方を操作し、前記第一流入口および前記第二流入口のうち少なくとも一方から前記配管への前記流体の流入量を変化させる変化工程をさらに有することを特徴とする請求項27に記載の漏水検知方法。 - 配管内に存在する流体の流量の変化に応じた当該流体の物理量と、前記配管の振動または当該配管から生じる音の検知値とを取得する取得工程と、
前記物理量の変化に応じた前記検知値の変化の傾向に基づき前記配管の漏水の有無を判定する漏水判定工程と、
前記漏水判定工程での判定結果を出力する出力工程と
をコンピュータに実行させるプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022030179A JP2023125843A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 漏水検知装置、漏水検知方法、漏水監視システム、およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2022030179A JP2023125843A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 漏水検知装置、漏水検知方法、漏水監視システム、およびプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023125843A true JP2023125843A (ja) | 2023-09-07 |
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Family Applications (1)
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JP2022030179A Pending JP2023125843A (ja) | 2022-02-28 | 2022-02-28 | 漏水検知装置、漏水検知方法、漏水監視システム、およびプログラム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2023125843A (ja) |
-
2022
- 2022-02-28 JP JP2022030179A patent/JP2023125843A/ja active Pending
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