JP2023125818A - 掘削底面の変位管理方法及び計測装置 - Google Patents

掘削底面の変位管理方法及び計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】掘削底面に生じる鉛直変位挙動を、盤ぶくれ挙動とリバウンド挙動に区別して管理する。【解決手段】掘削底面に生じる鉛直変位挙動を管理する掘削底面の管理方法であって、前記掘削底面の下方における、少なくとも被圧帯水層の上部、該被圧帯水層の上方に位置する難透水層の下部及び上部で、沈下量と間隙水圧を計測する。【選択図】図8

Description

本発明は、掘削底面に生じる鉛直変位挙動を管理する掘削底面の変位管理方法、及び計測装置に関する。
根切り工事において、根切り底がリバウンドもしくは盤ぶくれに起因して、鉛直変位を生じる場合がある。リバウンドは、掘削により上方の地盤が取り除かれることにより荷重除去されて弾性歪みが解放され、上方に地盤が浮き上がるように変形する挙動である。一方、盤ぶくれは、砂質土層の地下水圧によって上層の粘性土層(難透水層)が押し上げられて地盤が盛り上がる挙動である。
このような、根切り底の鉛直変位挙動を管理するべく、例えば、特許文献1には、立坑の開削現場における地盤の変位を、光学式地盤変位測定装置を用いて測定する方法が開示されている。また、特許文献2には、間隙水圧と鉛直方向の変位を測定してリバウンド量を推定する方法が開示されている。
特開2002-350113号公報 特開2008-266903号公報
上記のように、根切り工事に伴い変位する地盤の計測管理には、様々な方法や装置が検討されている。しかし、盤ぶくれを効果的に計測する方法は確立されていない。このため、根切り底面が掘削の応力解放によるリバウンドで浮き上がっているのか、地下水による盤ぶくれで下から押し上げられて膨れているのかが判別できないという課題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、掘削底面に生じる鉛直変位挙動を、盤ぶくれ挙動とリバウンド挙動に区別して管理することである。
かかる目的を達成するため、本発明の掘削底面の変位管理方法は、掘削底面に生じる鉛直変位挙動を管理する掘削底面の管理方法であって、前記掘削底面の下方における、少なくとも被圧帯水層の上部、該被圧帯水層の上方に位置する難透水層の下部及び上部で、沈下量と間隙水圧を計測することを特徴とする。
本発明の掘削底面の変位管理方法は、前記沈下量と前記間隙水圧とを、単一のボーリング孔内にて計測することを特徴とする。
本発明の計測装置は、掘削底面の鉛直変位挙動を管理するための計測装置であって、前記掘削底面の下方における、沈下量を計測する沈下計と、間隙水圧を計測する間隙水圧計と、を備え、前記沈下計と前記間隙水圧計が、少なくとも被圧帯水層の上部、該被圧帯水層の上方に位置する難透水層の下部及び上部に配置されることを特徴とする。
本発明の計測装置は、前記沈下計と前記間隙水圧計とが単一のボーリング孔内に設置されることを特徴とする。
本発明の計測装置は、間隙水圧計を、前記沈下計に備えた地盤の沈下とともに移動する沈下素子に設けることを特徴とする。
上述する本発明の掘削底面の変位管理方法及び計測装置によれば、掘削底面の下方であって、少なくとも被圧帯水層の上部、該被圧帯水層の上方に位置する難透水層の下部及び上部で、沈下量と間隙水圧を同時に取得することができる。
したがって、計測した沈下量と間隙水圧に基づいて早期の段階で、掘削底面に生じた鉛直変位挙動が、盤ぶくれ挙動及びリバウンド挙動のいずれかを推定することが可能となる。これにより、推定した挙動ごとに区別して、掘削底面に生じる鉛直変位挙動を管理することが可能となるとともに、推定した挙動に対応した対策を実施するための、支援情報を提供することが可能となる。
また、被圧帯水層の上面近傍と、該被圧帯水層の上方に位置する難透水層の下面近傍及び上面近傍であれば、沈下計と間隙水圧計とは、水平方向において互いに離れた位置の地盤に、配置することもできる。したがって、沈下計と間隙水圧計を組み合わせるための造作をすることなく、例えば市販されている計測機器を用いることが可能となる。
また、沈下計と間隙水圧計とは単一のボーリング孔に設置されるので、沈下計と間隙水圧計とを設置するためのボーリング孔は1つ掘削するだけで済み、作業が簡単で作業時間を短縮することが可能となる。また、同じボーリング孔内に設置しているので、より確実に同一の地盤の沈下量と間隙水圧とを計測することが可能となり、盤ぶくれ挙動及びリバウンド挙動のいずれかを、より正確に推定することが可能となる。
また、沈下計に備えた地盤の沈下とともに移動する沈下素子に間隙水圧計を設ければ、1つのボーリング孔に沈下計と間隙水圧計とを設置することが可能となり、計測装置をより容易に設置することが可能となる。
本発明によれば、掘削底面の鉛直変位挙動が、盤ぶくれ挙動及びリバウンド挙動のいずれかを推定できるとともに、推定した挙動ごとに区別して掘削底面を、効率よく管理することが可能となる。
本発明の実施の形態における掘削底面の変位管理方法に用いる計測装置が設置された状態を示す図である。 本発明の実施の形態における計測装置を示す図である。 ターゲットユニットを説明する模式図である。 計測ターゲットを定着する方法を説明するための図である。 第1ターゲットユニットを定着するまでの手順を説明する図である。 第3ターゲットユニットを定着するまでの手順を説明する図である。 計測装置の設置が完了するまでの手順を説明する図である。 掘削底面の変位管理方法を説明する図であり、図8(a)は、盤ぶくれ挙動を説明する図であり、図8(b)は、リバウンド挙動を説明する図である。
本発明は、掘削に伴って鉛直変位挙動を示す掘削底面を管理する方法及びこれに用いる計測装置に関するものであり、根切り工事の根切り底やトンネル工事のインバート部など、いずれの掘削工事による掘削底面にも適用可能である。本実施の形態では、図1に示すような、一対の土留め壁1aを地盤1内に対向配置し、その間を掘削する根切り工事において、掘削を進める際に生じる根切り底1bを事例に挙げ、その詳細を説明する。
まず、本実施の形態の掘削底面の変位管理方法に用いる計測装置(以下、計測装置という)2について説明する。
<計測装置>
計測装置2は、図2に示すように、層別沈下計3と間隙水圧計4とを備えている。なお、本実施の形態では、計測ターゲットを利用した層別沈下計3を事例に挙げるが、地盤内の異なる複数の深度ごとに沈下量を測定する沈下計であれば、いずれをも採用できる。また、層別沈下計3が備える沈下素子も、地中に埋設して地盤の沈下とともに移動する部材であれば、沈下板やアンカーなどいずれを採用してもよいが、本実施の形態では、後述するターゲットユニット12を事例に挙げる。
層別沈下計3は、地中に配置されて地盤1と共に変位する複数の環状をなす計測ターゲット5と、地中に鉛直方向に沿って埋設され計測ターゲット5が挿通されるターゲットガイド管6と、ターゲットガイド管6内に鉛直方向に間隔を空けて複数配置されるセンサー7と、センサー7のデータを記録するデータロガー8と、を有している。
層別沈下計3は、図3に示すように、環状をなす計測ターゲット5がマグネットにより形成されており、地盤内に鉛直に設けられたターゲットガイド管6内に複数のセンサー(磁歪式変位センサー)7が上下方向に連ねて配置されている。
センサー7は、各々電子回路(不図示)が内蔵されたハウジング9と、電子回路と繋がってハウジング9から下方に垂設され所定の長さを有する磁歪線10と、を有しており、磁歪線10は鉛直方向に沿って配置される。電子回路は、地上に配置されたデータロガー8と繋がっている。
層別沈下計3は、各計測ターゲット(マグネット)5に、対応付けられたセンサー(磁歪式変位センサー)7の磁歪線10が挿通されており、各計測ターゲット5は磁歪線10が挿通されている状態で変位可能に配置される。電子回路から磁歪線10に電流パルスが与えられると、磁歪線軸方向全域に円周方向の磁場が生じ、この磁歪線10が挿通されている計測ターゲット(マグネット)5により、その部分にのみ軸方向の磁場が発生するので、この双方の磁場が衝突すると磁歪線10が機械振動(ねじり歪みが発生)する。この振動を電子回路に設けられているパルス検出器により検知し、パルス発生と伝播してくる超音波を検知する時間差を計測して計測ターゲット5の絶対位置を計測している。このため、絶対位置が変化することにより、計測ターゲット5が移動した変位量を計測することができる。
計測ターゲット5は、図3に示すように、当該計測ターゲット5を地盤1の所定の位置に設置するためのターゲットアンカー11と共にユニット化されている。以下では、計測ターゲット5とターゲットアンカー11を有するユニットをターゲットユニット12と称す。
ターゲットアンカー11は、ターゲットガイド管6が挿通されるアンカー基部13と、アンカー基部13に設けられた複数の板バネ14と、を有している。アンカー基部13は、計測ターゲット5とほぼ同形状の環状をなしており、板バネ14は短冊状をなし、長手方向の一端がアンカー基部13に固定されている。各板バネ14は、アンカー基部13にターゲットガイド管6が挿通された状態で、長手方向がターゲットガイド管6に沿い、複数の板バネ14がターゲットガイド管6を囲むように配置される。
アンカー基部13は、計測ターゲット5の下方に間隔を空けて配置され、アンカー基部13と計測ターゲット5とは各々周方向における複数箇所において連結部材11aにより連結されている。板バネ14は、アンカー基部13の上面から上側、すなわち計測ターゲット5側に立ち上がるように設けられている。板バネ14は、アンカー基部13と計測ターゲット5の間隔より長く形成されており、計測ターゲット5を保持してアンカー基部13を吊り下げた状態では、板バネ14の上端が計測ターゲット5の外周よりも外側に位置するように設けられている。尚、図3においては、複数設けられている板バネ14を一部省略して示している。
このため、図4に示すように、アンカー基部13が移動しない状態で、計測ターゲット5を下方に移動させてアンカー基部13に近付けると、計測ターゲット5により板バネ14は、その上端がターゲットガイド管6から離れるように押し倒され、複数の板バネ14がターゲットガイド管6を中心とした放射状に広がるように構成されている。このとき、連結部材11aが塑性変形することにより、計測ターゲット5がアンカー基部13に近接した状態が維持される。
間隙水圧計4は、地中に埋設されて、埋設された地盤の水圧を計測する。間隙水圧計4は、例えば、先端が円錐形状をなしており、内蔵された圧力センサー(不図示)により間隙水圧を計測する。
間隙水圧計4は、例えば、層別沈下計3において同一の深さに配置される計測ターゲット5と対をなし、互いに同一深さに配置される計測ターゲット5と間隙水圧計4とは対応付けられている。間隙水圧計4は、図3に示すように、計測ターゲット5と共に設けられ、外部に設けられた油圧ポンプ等により、計測ターゲット5の中心側から外周に向かって、円錐形をなす先端側が水平方向に突出するように構成されている。
<計測装置の設置>
掘削底面の変位管理方法に用いる計測装置2は、図1に示すように、根切り工事を実施する領域のほぼ中央に設置することが望ましい。計測装置2を設置する際には、予め、ボーリング調査により地盤調査を行い、計測装置2を設置する位置における地盤1の状況や地層境界の深度などを把握しておく。本実施の形態では、粘土層などの難透水層15と、砂層などの被圧帯水層16との境界となる深さを予め把握しておく。以下では、難透水層15と被圧帯水層16との境界となる位置を層境界位置Sと称する。
本実施の形態においては、上下方向に間隔を空けて4箇所に計測ターゲット5を配置する事例について説明する。4つの計測ターゲット5は、層境界位置Sの僅か下側となる被圧帯水層16のA点と、層境界位置Sの僅か上側となる難透水層15のB点と、難透水層15における鉛直方向のほぼ中央のC点と、根切り底1bの僅か下側となる難透水層15のD点と、にそれぞれ配置する。
計測装置2の設置は、図5(a)に示すように、まず、ボーリングマシンにより所定の深さまで鉛直にボーリング孔1cを形成する。
次に、下端に先端シュー6aが設けられたターゲットガイド管6をボーリング孔1cに挿入し、先端シュー6aを、ボーリング孔1cの孔底地盤中に貫入させる。そして、ターゲットガイド管6が立設している状態で、ボーリング孔1c内におけるA点の高さまでグラウト17を注入する。このとき、グラウト17は、被圧帯水層16における層境界位置Sの近傍の深さまで注入する。グラウト17は、ボーリング孔1c内への地下水の浸入を防ぐための止水に用い、盤ぶくれによる水がボーリング孔1c浸入することを防ぐことができれば、それ以上の硬度や剛性を必要としない。
次に、図5(b)に示すように、A点に配置する第1計測ターゲット5a及び第1間隙水圧計4aを備えた第1ターゲットユニット12aを、ターゲットガイド管6に挿通させてボーリング孔1c内に挿入する。このとき、図5(c)に示すように、計測ターゲット5を押し込むための押し込み管(不図示)も第1ターゲットユニット12aと共にボーリング孔1cに挿入し、A点となるグラウト17の上端に載置された第1ターゲットユニット12aの第1計測ターゲット5aを押し込み管で下方に押し込む。これにより、第1計測ターゲット5aが第1アンカー基部13aに近接すると共に板バネ14aが放射状に開いて孔壁1dに差し込まれ、第1計測ターゲット5aが第1アンカー基部13aに近接した状態で孔壁1dに定着される。
第1計測ターゲット5aを孔壁1dに定着した後に、図5(d)に示すように、油圧ポンプを用いて、第1間隙水圧計4aを突出させ、第1計測ターゲット5aと深さ方向の同一位置(A点)の孔壁1dに差し込んで定着する。このため、注入するグラウト17は、第1計測ターゲット5a及び第1間隙水圧計4aが定着される位置が、被圧帯水層16において深さ方向の同一位置(A点)となるように、上端の位置を合わせておく。ここで、深さ方向における同一位置とは、例えば第1計測ターゲット5aと第1間隙水圧計4aとが同一の第1ターゲットユニット12aに設けられている範囲、或いは、施工時の設置誤差等を含む程度の範囲内において、第1計測ターゲット5aと第1間隙水圧計4aとの位置に深さ方向のずれが生じている場合も含むものである。
第1計測ターゲット5a及び第1間隙水圧計4aを定着した後に、既に注入されているグラウト17の上に、図6(a)に示すように、さらにグラウト17をB点近傍の深さまで注入する。注入するグラウト17は、難透水層15における層境界位置Sの近傍であって、層境界位置Sよりも高い位置まで注入される。
次に、図6(b)に示すように、B点の深さに配置する第2計測ターゲット5b及び第2間隙水圧計4bを備えた第2ターゲットユニット12bを、ターゲットガイド管6に挿通させてボーリング孔1c内に挿入する。この場合にも、さらに注入したグラウト17の上端に載置された第2ターゲットユニット12bの第2計測ターゲット5bを押し込み管で下方に押し込むことにより、第2計測ターゲット5bにより第2アンカー基部13bの板バネ14bが放射状に開いて孔壁1dに差し込まれ、第2計測ターゲット5bが第2アンカー基部13bに近接した状態で孔壁1dに定着される。
第2計測ターゲット5bを孔壁1dに定着した後に、油圧ポンプを用いて、第2間隙水圧計4bを突出させ、第2計測ターゲット5bと深さ方向の同一位置(B点)の孔壁1dに差し込んで定着する。このため、注入するグラウト17は、第2計測ターゲット5b及び第2間隙水圧計4bが定着される位置が、難透水層において深さ方向の同一位置(B点)となるように、上端の位置を合わせておく。
第2計測ターゲット5b及び第2間隙水圧計4bを定着した後に、既に注入されているグラウト17の上に、図6(c)に示すように、さらにグラウト17をC点近傍の位置まで注入する。注入するグラウト17は、難透水層15の上下方向における中央近傍の深さまで注入する。
次に、図6(d)に示すように、C点の深さに配置する第3計測ターゲット5c及び第3間隙水圧計4cを備えた第3ターゲットユニット12cを、ターゲットガイド管6に挿通させてボーリング孔1c内に挿入し、グラウト17の上にて第3ターゲットユニット12cの第3計測ターゲット5cを押し込み管で下方に押し込むことにより第3アンカー基部13cの板バネ14cが放射状に開いて孔壁1dに差し込まれ、第3計測ターゲット5cが第3アンカー基部13cに近接した状態で孔壁1dに定着される。
第3計測ターゲット5cを孔壁1dに定着した後に、油圧ポンプを用いて、第3間隙水圧計4cを突出させ、第3計測ターゲット5cと深さ方向の同一位置(C点)の孔壁1dに差し込んで定着する。このため、注入するグラウト17は、第3計測ターゲット5c及び第3間隙水圧計4cが定着される位置が、難透水層15の中央近傍の同一位置(C点)となるように、上端の位置を合わせておく。
第3計測ターゲット5c及び第3間隙水圧計4cを定着した後に、既に注入されたグラウト17の上に、図7(a)に示すように、さらにグラウト17をD点近傍の深さまで注入する。注入するグラウト17は、難透水層15における根切り底1bの近傍、すなわち、難透水層15の上端近傍の深さまで注入する。
次に、図7(b)に示すように、D点の深さに配置する第4計測ターゲット5d及び第4間隙水圧計4dを備えた第4ターゲットユニット12dを、ターゲットガイド管6に挿通させてボーリング孔1c内に挿入し、注入したグラウト17の上にて第4ターゲットユニット12dの第4計測ターゲット5dを押し込み管で下方に押し込むことにより第4アンカー基部13dの板バネ14dが放射状に開いて孔壁1dに差し込まれ、第4計測ターゲット5dが第4アンカー基部13dに近接した状態で孔壁1dに定着される。
第4計測ターゲット5dを孔壁1dに定着した後に、油圧ポンプを用いて、第4間隙水圧計4dを突出させ、第4ターゲット4dと深さ方向の同一位置(D点)の孔壁1dに差し込んで定着する。このため、注入するグラウト17は、第4計測ターゲット5d及び第4間隙水圧計4dが定着される位置が、難透水層15において根切り底1bの近傍における深さ方向の同一位置(D点)となるように、上端の位置を合わせておく。
第4計測ターゲット5d及び第4間隙水圧計4dを定着した後に、既に注入されているグラウト17の上に、図7(c)に示すように、根切り底1bの位置までグラウト17を注入する。
4つのターゲットユニット12a、12b、12c、12dを設置した後に、図7(d)に示すように、各計測ターゲット5a、5b、5c、5dに対応させて4つのセンサー7a、7b、7c、7dをターゲットガイド管6内に配置する。4つのセンサー7a、7b、7c、7dは各々、磁歪線10がハウジング9の下側に位置し、鉛直方向に沿うように、ターゲットガイド管6内に吊り下げて配置する。このとき、各センサー7a、7b、7c、7dの磁歪線10が、設置した4つの各計測ターゲット5a、5b、5c、5dにそれぞれ1本ずつ挿通され、また、各計測ターゲット5a、5b、5c、5dが地盤1と共に変位したときに、磁歪線10から外れないように各センサー7a、7b、7c、7dを配置する。
設置した各センサー7a、7b、7c、7dのケーブルは、ターゲットガイド管6から引き出してデータロガー8に接続し、間隙水圧計4a、4b、4c、4dのケーブルと共にモニターを備えた処理装置に接続する。設置した計測装置2の計測値は、モニター等により確認することが可能となる。
<盤ぶくれ挙動及びリバウンド挙動のいずれかを推定する方法>
地盤1に設置された計測装置2からは、層別沈下計3の各センサー7a、7b、7c、7dにより計測した、A点~D点の各計測位置における計測ターゲット5a、5b、5c、5dの変位量と、間隙水圧計4a、4b、4c、4dにより計測した、A点~D点の各計測位置における間隙水圧の変化量とが、処理装置を介してモニターに表示される。
盤ぶくれは、難透水層15の根切り底1bの下に被圧帯水層16を有する場合に、被圧帯水層16の圧力が高い地下水により難透水層が一様に押し上げられることで掘削底面が盛り上がる現象である。このため、図8(a)に示すように、難透水層15全体の体積変化は小さく、計測位置B点~D点ごとの鉛直方向の変位量ΔXは、難透水層15の上部から下部まで大きいものの、ほぼ同量となる。また、難透水層15全体が押し上げられるので、間隙水圧の変化量は小さい。
一方、リバウンドは、根切り等により上方の土が取り除かれて応力が解放されることにより間隙に緩みが生じて根切り底1bが浮き上がる現象である。このため、リバウンドの場合には、図8(b)に示すように、上面が根切り底1bとなる難透水層15の上部ほど応力解放が大きく影響するので、計測位置B点~D点ごとの鉛直方向の変位量ΔX1~ΔX3は、下部よりも上部ほど大きくなる。また、根切り底1bをなす難透水層15の間隙の緩みが大きくなり体積の変化は下部よりも上部の方が大きくなるので、間隙水圧は、難透水層15の下部よりも上部の方がより大きく低下する。すなわち、リバウンドが生じた場合の鉛直方向の変位量及び間隙水圧の変化量はいずれも、難透水層15の下部の方が小さく、上部ほど大きくなる。
このように、盤ぶくれが生じた場合の鉛直方向の変位量は、難透水層15の上部から下部までほぼ同様に大きく、間隙水圧の変化は、難透水層15の上部から下部までほぼ同様に小さくなり、リバウンドが生じた場合の鉛直方向の変位量及び間隙水圧の変化はいずれも、難透水層15の下部の方が小さく、上部ほど大きくなる。このため、計測装置2の層別沈下計3及び間隙水圧計4の計測値に基づいて、盤ぶくれ挙動及びリバウンド挙動のいずれかをより正確に推定することが可能となる。
また、A点とB点における鉛直方向の変位量を比較すること、及び、A点とD点における間隙水圧を比較することにより、盤ぶくれ挙動及びリバウンド挙動のいずれかを更に正確に推定することが可能となる。
本実施の形態においては、A点~D点の4箇所を計測位置とした事例について説明したが、例えば、C点については必ずしも計測しなくとも盤ぶくれ挙動及びリバウンド挙動との推定は可能である。また、4箇所に限らず、更に多くの計測位置を設けても構わない。
このように本実施の形態の掘削底面の変位管理方法及び計測装置2によれば、根切り底1bの下方であって、少なくとも被圧帯水層16の上部(A点)、該被圧帯水層16の上方に位置する難透水層15の下部(B点)及び上部(D点)で、沈下量と間隙水圧を同時に取得することができる。
したがって、計測した沈下量と間隙水圧に基づいて早期の段階で、根切り底1bに生じた鉛直変位挙動が、盤ぶくれ挙動及びリバウンド挙動のいずれかを推定することが可能となる。これにより、推定した挙動ごとに区別して、根切り底1bに生じる鉛直変位挙動を管理することが可能となるとともに、推定した挙動に対応した対策を実施するための、支援情報を提供することが可能となる。
また、被圧帯水層16の上面近傍(A点)と、該被圧帯水層16の上方に位置する難透水層15の下面近傍(B点)及び上面近傍(D点)であれば、沈下計と間隙水圧計とは、水平方向において互いに離れた位置の地盤に配置することもできる。したがって、沈下計と間隙水圧計を組み合わせるための造作をすることなく、例えば市販されている計測機器を用いることが可能となる。
また、上述した実施の形態のように、沈下計3に備え地盤の沈下とともに移動するターゲットユニット12に間隙水圧計4を設ければ、1つのボーリング孔1cに沈下計3と間隙水圧計4とを設置することが可能となり、計測装置2をより容易に設置することが可能となる。尚、計測装置の沈下計と間隙水圧計とが別体で構成されている場合であっても、1つのボーリング孔に設置しても構わない。
また、沈下計と間隙水圧計とを、水平方向において互いに離れた位置に設けられた異なるボーリング孔内に設置する場合には、両者が設置されるボーリング孔をより近い位置に設ける方が、同一深さにおける地層や土層がより一致し易いので、例えば、近接して掘削可能な最も近い位置に2つのボーリング孔を設けることが望ましい。
なお、本発明の掘削底面の変位管理方法、及び、この掘削底面の変位管理方法に用いる計測装置2は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることはいうまでもない。
上記実施の形態では、磁歪線10を備えたセンサー7と、磁歪線10に挿通されるマグネットでなる計測ターゲット5とを有する所謂磁歪式の層別沈下計3を用いる事例に挙げたが、これに限らず、例えば、センサーの変位を検知する所謂差動トランス式の沈下計を用いても構わない。この場合には、沈下計のセンサーと、間隙水圧計を同一の深さの地盤に定着させて、沈下計と間隙水圧計とを設置する。すなわち差動トランス式の沈下計を用いる場合には、センサー自体が、地盤の沈下とともに移動する沈下素子に相当する。
1 地盤、1a 土留め壁、1b 根切り底、1c ボーリング孔、1d 孔壁、
2 計測装置、3 層別沈下計、4(4a、4b、4c、4d) 間隙水圧計、
5(5a、5b、5c、5d) 計測ターゲット、
6 ターゲットガイド管、6a 先端シュー、
7(7a、7b、7c、7d) センサー、8 データロガー、9 ハウジング、
10 磁歪線、11 ターゲットアンカー、11a 連結部材、
12(12a、12b、12c、12d) ターゲットユニット、
13(13a、13b、13c、13d) アンカー基部、
14(14a、14b、14c、14d) 板バネ、
15 難透水層、16 被圧帯水層、17 グラウト、
S 層境界位置、
Δx(Δx1,Δx2、Δx3) 鉛直方向の変位量、

Claims (5)

  1. 掘削底面に生じる鉛直変位挙動を管理する掘削底面の管理方法であって、
    前記掘削底面の下方における、少なくとも被圧帯水層の上部、該被圧帯水層の上方に位置する難透水層の下部及び上部で、
    沈下量と間隙水圧を計測することを特徴とする掘削底面の変位管理方法。
  2. 請求項1に記載の掘削底面の管理方法であって、
    前記沈下量と前記間隙水圧とを、単一のボーリング孔内にて計測することを特徴とする掘削底面の変位管理方法。
  3. 掘削底面の鉛直変位挙動を管理するための計測装置であって、
    前記掘削底面の下方における、沈下量を計測する沈下計と、間隙水圧を計測する間隙水圧計と、を備え、
    前記沈下計と前記間隙水圧計が、少なくとも被圧帯水層の上部、該被圧帯水層の上方に位置する難透水層の下部及び上部に配置されることを特徴とする計測装置。
  4. 請求項3に記載の計測装置であって、
    前記沈下計と前記間隙水圧計とは単一のボーリング孔内に設置されることを特徴とする計測装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の計測装置であって、
    前記間隙水圧計を、前記沈下計に備えた地盤の沈下とともに移動する沈下素子に設けることを特徴とする計測装置。
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