JP2023124707A - コイル部品、送電装置、受電装置、及び電力伝送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルの熱を効率的に排出できるコイル部品を提供する。【解決手段】一実施の形態に係るコイル部品10Aは、渦巻形状のコイル11と、コイル11を収納する収納部材としてのケース20と、コイル11の熱をケース20の内面に伝達する熱伝導性部材としてのスペーサ部材40と、を備える。そして、スペーサ部材40は、コイル11の径方向でコイル11の外周縁11epの内方の範囲に位置する。【選択図】図4

Description

本開示は、コイル部品、送電装置、受電装置、及び電力伝送システムに関する。
非接触で電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムが普及しつつある。
大電力を非接触で伝送する場合、コイルを含む共振回路に高周波の大電流が流される。この際、コイルの発熱量が大きくなる。コイルの発熱量は、例えば表皮効果により増加する。
コイルとしてリッツ線を用いた場合、表皮効果が抑制される。そのため、コイルの発熱を抑制できる。ただし、リッツ線は、多数のエナメル線を撚り合わせて形成されるため、製造コストが高く且つ製造に手間がかかる。大電力のシステムではコイルが大きくなり得るため、製造コスト及び製造の手間が一層嵩み得る。
一方で、渦巻形状且つ板状であり、導線断面が矩形となる平面コイルを採用する技術も知られている(特許文献1参照)。このような平面コイルによれば、コイルのサイズによらず製造効率の向上が図れる。そのため、このような平面コイルは、コイルのサイズが大きくなり得る大電力のシステムに適している。
電気自動車用のワイヤレス電力伝送システムでは、送電装置が駐車場などの路面に設置され、受電装置が電気自動車に設置される。例えば電気自動車の用途で上記平面コイルを用いた場合には、送電装置及び受電装置のいずれにおいても特に高さ寸法を抑制できる。そのため、上記平面コイルは、スペースの制約が厳しく課される例えば車両分野において有益に機能する。
また、上述のような送電装置及び受電装置にコイルを組み込む場合、通常、コイルはケースに収納される。この場合、ケースはコイルの放熱を阻害する虞がある。そのため、コイルをケースに収納した場合の放熱に関する技術が従来から種々提案されている(例えば、特許文献2、3)。
特開2021-27112号公報 特開2019-30089号公報 国際公開第2013/183105
ケースの外部から内部に冷却風などの冷媒を導入する場合、冷媒を通過させる孔が必要になる。このような孔は、防水性能や防塵性能を低下させる虞がある。一方で、ケースにコイルとともに熱伝導性部材を収納し、コイルの熱を熱伝導性部材及びケースを介して外部に排出してもよい。しかしながら、この構成では、熱伝導性部材の設置が、重量増加やケースのサイズアップを招く虞がある。また、熱伝導性部材においては放熱に大きく寄与しない部分が含まれる場合もあり得る。また、熱伝導性部材が他の部材のサイズや設置に制約を与える状況もあり得る。
本開示は上記事情を考慮してなされたものであり、その課題は、コイルの熱を効率的に排出できるコイル部品、送電装置、受電装置、及び電力伝送システムを提供することである。
一実施の形態に係るコイル部品は、渦巻形状のコイルと、前記コイルを収納する収納部材と、前記コイルの熱を前記収納部材の内面に伝達する熱伝導性部材と、を備え、前記熱伝導性部材は、前記コイルの径方向で前記コイルの外周縁の内方の範囲に位置する。
前記熱伝導性部材は、前記コイルと前記収納部材の内面とが離れた状態を維持するスペーサ部材でもよい。
前記熱伝導性部材は、前記コイルの軸方向で前記コイルと重なってもよい。
前記熱伝導性部材は複数設けられ、複数の前記熱伝導性部材は、前記径方向で前記コイルの外周縁の内方の範囲に点在してもよい。
前記コイルは、渦巻形状の中心軸線から径方向の外方に配列された複数のターン部を含み、複数の前記熱伝導性部材のうちの少なくとも一部は、前記複数のターン部のうちの最内周のターン部から、前記最内周のターン部より数えて前記コイルのターン数を2で割った値以下の最大の整数番目のターン部までの範囲に、配置されてもよい。
前記熱伝導性部材は、前記最内周のターン部の前記径方向の内方の範囲に設けられなくてもよい。
一実施の形態に係るコイル部品は、前記径方向に沿って延びる板状の支持部材をさらに備え、前記支持部材は熱伝導性を有し、前記熱伝導性部材と前記コイルとの間に設けられてもよい。
前記支持部材は、前記コイルの軸方向で前記コイルの中心軸線と重なる中央部と、前記中央部を囲む状態で前記中央部と接続する外枠部と、を含み、前記中央部の熱伝導率が、前記外枠部の熱伝導率よりも大きくてもよい。
一実施の形態に係るコイル部品は、前記径方向に沿って延びるシート状の磁性部材をさらに備え、前記磁性部材は、前記支持部材と前記コイルとの間に設けられてもよい。
記支持部材は、前記径方向で前記磁性部材の外周縁の内方に位置してもよい。
前記支持部材は、矩形状であり、且つ四隅を除いて前記径方向で前記コイルの外周縁の内方に位置してもよい。
前記支持部材の熱伝導率は、1W/m・k以上でもよい。
前記熱伝導性部材の熱伝導率は、1W/m・k以上でもよい。
また、一実施の形態に係る送電装置は、前記のコイル部品を備える。
また、一実施の形態に係る受電装置は、前記のコイル部品を備える。
また、一実施の形態に係る電力伝送システムは、送電装置と、受電装置とを備え、前記送電装置及び前記受電装置のうちの少なくともいずれかが、前記のコイル部品を備える。
本開示によれば、コイルの熱を効率的に排出できる。
実施の形態に係るコイル部品が適用され得るワイヤレス電力伝送システムを概略的に示す図である。 第1の実施の形態に係るコイル部品の斜視図である。 第1の実施の形態に係るコイル部品の分解斜視図である。 図2のIV-IV線に沿うコイル部品の断面図である。 第1の実施の形態に係るコイル部品の平面図である。 第1の実施の形態に係るコイル部品における支持部材と磁気シールド部材とのサイズ差と、Q値との関係を説明する表を示す図である。 第1の実施の形態に係るコイル部品における支持部材と磁気シールド部材とのサイズ差と、Q値との関係を説明するグラフを示す図である。 第2の実施の形態に係るコイル部品の平面図である。 第3の実施の形態に係るコイル部品の断面図である。 第4の実施の形態に係るコイル部品の断面図である。 第5の実施の形態に係るコイル部品の断面図である。 第6の実施の形態に係るコイル部品の断面図である。 第7の実施の形態に係るコイル部品を示す図である。 第8の実施の形態に係るコイル部品を示す図である。
以下、図面を参照しながら各実施の形態について説明する。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」などの用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば「シート」は、フィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
また、本明細書において「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的且つ大局的に見た場合において対象となるシート状の部材の平面方向(面方向)と一致する面のことを指す。
<ワイヤレス電力伝送システム>
図1は、後述する実施の形態に係るコイル部品が適用され得るワイヤレス電力伝送システムSを概略的に示す。まず、ワイヤレス電力伝送システムS(以下、電力伝送システムSと略す。)について図1を参照しつつ説明する。
電力伝送システムSは、送電装置1と、受電装置2とを備える。送電装置1は、コイル部品10と、高周波電流供給部1Aとを含む。送電装置1におけるコイル部品10は、送電コイルとして機能する。高周波電流供給部1Aは、送電コイルとしてのコイル部品10に高周波電流を供給する。
受電装置2は、コイル部品10と、変換部2Aとを含む。受電装置2におけるコイル部品10は、受電コイルとして機能する。変換部2Aは、コイル部品10で生じる高周波電流を整形する。変換部2Aは、高周波電流を直流電流に変換する整流回路などを有する。
送電装置1から受電装置2にワイヤレス(非接触)で電力を伝送する際には、送電装置1が、高周波電流供給部1Aから送電コイルとしてのコイル部品10に所定の周波数の高周波電流を供給する。この際、コイル部品10には、電磁誘導により磁界が生じる。そして、この磁界の影響で、受電装置2では、受電コイルとしてのコイル部品10に高周波電流が生じる。変換部2Aは、この高周波電流を直流電流に変換し、変換した直流電流を例えば図示しないバッテリに供給する。
図1に示す電力伝送システムSは、電力伝送方式として、磁界共鳴方式を採用している。ただし、電力伝送システムSは、電磁誘導方式の電力伝送システムとして構成されてもよい。また、電力伝送システムSは、電気自動車にワイヤレスで電力を伝送するシステムとして構成される。この場合、送電装置1は、道路、駐車場などに設置される。受電装置2は、電気自動車に設置される。
ただし、電力伝送システムSの用途は、電気自動車への電力伝送に限られるものではない。例えば、電力伝送システムSは、ドローンなどの飛行体、ロボットへの電力伝送に用いられてもよい。また、電力伝送システムSは、海中における潜水艇や、探査ロボットへの電力伝送に用いられてもよい。なお、実施の形態に係るコイル部品の用途は、ワイヤレス電力伝送システムに限られない。例えば、実施の形態に係るコイル部品は、トランス、DC-DCコンバータ、アンテナなどに用いられてもよい。
電力伝送システムSはそれぞれ、コイル部品10として、後述する各実施の形態に係るコイル部品のいずれかを備える。なお、送電装置1及び受電装置2のそれぞれにおいて、同じ実施の形態のコイル部品が用いられてもよい。また、送電装置1及び受電装置2のそれぞれにおいて、互いに異なる実施の形態のコイル部品が用いられてもよい。また、送電装置1及び受電装置2のうちの一方において実施の形態のコイル部品が用いられ、他方ではその他の形式のコイル部品が用いられてよい。以下、各実施の形態に係るコイル部品について説明する。
<第1の実施の形態>
図2は、第1の実施の形態に係るコイル部品10Aの斜視図である。図3は、コイル部品10Aの分解斜視図である。図4は、図2のIV-IV線に沿うコイル部品10Aの断面図である。
図2乃至図4に示すように、コイル部品10Aは、コイル11と、ケース20と、スペーサ部材40と、支持部材42と、磁気シールド部材44と、絶縁部材46と、第1接続端子51と、第2接続端子52と、を備える。
ケース20は、底壁部22と、底壁部22から立ち上がる側壁部23と、側壁部23の先端に設けられる頂壁部24と、を有する。図2では、説明の便宜上、頂壁部24が分離された状態で示されている。また、第1接続端子51及び第2接続端子52は、二点鎖線で簡易的に示されている。
ケース20は、コイル11、支持部材42、磁気シールド部材44、及び絶縁部材46を収納する。なお、後述するようにスペーサ部材40は底壁部22に一体化されるが、底壁部22、側壁部23及び頂壁部24によって囲まれるケース20の内部空間に位置する。スペーサ部材40、支持部材42、磁気シールド部材44、及び絶縁部材46は、底壁部22上にこの順に位置する。スペーサ部材40、磁気シールド部材44及び絶縁部材46はそれぞれシート状であり、重なっている。また、スペーサ部材40、支持部材42、磁気シールド部材44、絶縁部材46、及びコイル11は、側壁部23によって囲まれ、図3における上側から頂壁部24により覆われている。
スペーサ部材40は、底壁部22と、支持部材42、磁気シールド部材44及び絶縁部材46との間に介在して、支持部材42、磁気シールド部材44及び絶縁部材46を支持する。コイル11は後述するように平面コイルであり、シート状の絶縁部材46に一体化されている。これにより、コイル11は、底壁部22から離れた状態で保持されている。
コイル部品10Aは、複数のスペーサ部材40を備え、複数のスペーサ部材40は、本実施の形態では柱状又は針状である。スペーサ部材40の一端は、支持部材42に接し、スペーサ部材40の他端は、底壁部22に、すなわちケース20の内面に接する。詳しくは、スペーサ部材40の他端は底壁部22に接続されている。スペーサ部材40は熱伝導性部材に対応する部材であり、スペーサ部材40は熱伝導性を有し、コイル11で生じた熱を支持部材42から受けて、底壁部22に、すなわちケース20の内面に伝達できる。これにより、コイル部品10Aの、コイル11の熱を外部に排出できる。熱伝導性とは、物体で生じた高温部から物体における低温部に熱を伝える性質のことであり、少なくとも空気などの気体や樹脂の熱伝導率(W/m・k)よりも大きい熱伝導率を有することを意味する。以下、コイル部品10Aを構成する各部について詳細に説明する。
(コイル)
図5は、コイル部品10Aの平面図である。図5では、ケース20の図示が省略されている。コイル11は渦巻形状であり、導電材料から形成される。本実施の形態では、コイル11が銅から形成されるが、コイル11は導電材料であればよく、アルミニウムなどから形成されてもよい。図5では、説明の便宜上、コイル11の範囲にドットが付されている。
コイル11は板状である。すなわち、コイル11は平面コイルである。詳しくは、コイル11は、非リッツ線の平面コイルである。図3に示すように、コイル11の渦巻形状の周回方向に直交する方向での導線断面形状は矩形状になっている。
図2乃至図5に示す符号Cは、コイル11の渦巻形状の中心を通るコイル11の中心軸線を示している。以下、コイル11の軸方向と言う場合、その方向は、中心軸線C上を延びる方向又は中心軸線Cに平行な方向を意味する。また、中心軸線Cに直交する方向を径方向と言う。
コイル11は、渦巻形状を有する導電体11Eを含む。導電体11Eは、複数のターン部12nを含む。複数のターン部12nは、渦巻形状の中心軸線Cから径方向の外方に配列される。そして、複数のターン部12nは、中心軸線Cから径方向の外方に向かって中心軸線Cから次第に離れるように径方向に配列されて且つ順に連なり、これにより、渦巻形状を形成する。すなわち、渦巻形状とは、螺旋状に巻いた平面曲線の形を意味する。詳しくは、渦巻形状は、ある位置を中心として、径方向における位置が中心位置から離れるようにして順に周回する形状である。図示された本実施の形態において、渦巻形状は、中心軸線に直交する仮想平面上に位置している。
ターン部12nは、線状の導体部分が環状をなさずに中心軸線Cの周りを360度周回する形状を有する。いわゆる平面コイルである場合には、ターン部12nの両端部は、径方向にずれる。複数のターン部12nでは、或るターン部12nの径方向の外方側の端部に他のターン部12nの径方向の内方側の端部が接続し、他のターン部12nが中心軸線Cから離れるように延びていく。
ターン部12nにおける「n」は、1から、コイル11のターン数に対応する数字を取る変数を意味する。以下では、複数のターン部12nのうちの中心軸線Cに最も近いものを、ターン部121と称す場合がある。また、ターン部121における径方向の外方側の端部に接続するターン部を、ターン部122と称す場合があり、ターン部122における径方向の外方側の端部に接続するターン部を、ターン部123と称す場合がある。図5の例では、ターン数が9であり、複数のターン部12nが、9個のターン部121~129で構成される。ターン部129は、最外周に位置するターン部に対応する。
なお、ある部材の径方向の内方とは、当該部材よりも中心軸線Cに近い位置のことを意味する。また、ある部材の径方向の外方とは、当該部材よりも径方向の外方に離れた位置のことを意味する。例えば「コイル11の径方向の内方」と言う場合、これは、最内周のターン部121よりも中心軸線Cに近い位置のことを意味する。「コイル11の径方向の外方」と言う場合、これは、最外周のターン部129よりも径方向の外方に離れた位置のことを意味する。
図示の例において、コイル11の径方向の内方から1つ目のターン部12nは、ターン部121であり、コイル11の径方向の内方から2つ目のターン部12nは、122である。コイル11の径方向の外方から1つ目のターン部12nは、ターン部129であり、コイル11の径方向の外方から2つ目のターン部12nは、128である。また、2つの部材の位置関係を説明する際、径方向の内方の部材と言い、径方向の外方の部材と言う場合がある。この場合には、2つの部材のうちの中心軸線Cに近い部材が、径方向の内方の部材に対応する。また、2つの部材のうちの径方向の内方の部材よりも径方向に離れた位置にある部材は、径方向の外方の部材に対応する。図5で二点鎖線で示す基準線Stは、径方向に隣り合う2つのターン部12nのうちの径方向の内方のターン部12nにおける径方向の外方側の端部と、径方向の外方のターン部12nにおける径方向の内方側の端部とが接続する境界を示す。ターン部12nの始端と終端は、図示の例において基準線St上に位置する。
以下において複数のターン部12nのそれぞれに共通となる事項を説明する際には、基本的に、ターン部12nと称す。
本実施の形態では、ターン部12nが矩形状をなすように周回する。これにより、コイル11の平面視での形状も矩形状になる。なお、図5に示すターン部12nは矩形状に周回するが、ターン部12nの形状は特に限られるものではない。例えばターン部12nの一部又は全部は、円形をなすように周回する形状を有してもよい。なお、本明細書及び本開示で言う渦巻形状とは、上述したように螺旋状に巻いた平面曲線の形を意味する。ここで言う平面曲線には、図示のような折れ線状に曲がって連なる平面パターンも含む。
また、導電体11Eにおける複数の径方向に隣り合うターン部12nのペアの数は、ターン数が9であるため、8つになる。本実施の形態では、隣り合うターン部12nの或るペアの間の隙間の幅が一定であるが、他の隣り合うターン部12nのペアの間の一定の隙間とは大きさが異なる場合がある。
具体的には、コイル11の径方向の内方から1つ目から4つ目までの4つのターン部121~124の間では、隣り合うターン部12nのペアの全ての間の隙間は一定である。また、コイル11の径方向の内方から5つ目から9つ目までの5つのターン部125~129の間では、隣り合うターン部12nのペアの全ての間の隙間は一定である。ただし、径方向の内方から5つ目から9つ目までの5つのターン部125~129の間において一定の大きさとなる隣り合うターン部12nのペア間の隙間は、径方向の内方から1つ目から4つ目までの4つのターン部121~124の間において一定の大きさとなる隣り合うターン部12nのペア間の隙間よりも小さい。
すなわち、本実施の形態では、コイル11のターン数nを2で割った値より大きい位置に存在する隣り合うターン部12nの間の隙間は、ターン数nを2で割った値より小さい位置に存在する隣り合うターン部12nの間の隙間よりも小さい。なお、隙間の大小の判断は、ターン数nを2で割った値より大きい位置に存在する隣り合うターン部12nの全ペア間の隙間の総面積を前記大きい位置に存在し連なる複数のターン部の全長で割った値と、ターン数nを2で割った値より小さい位置に存在する隣り合うターン部12nの全ペア間の隙間の総面積を前記小さい位置に存在し連なる複数のターン部の全長で割った値と、を比較することにより行われてもよい。
以上に説明したコイル11は、一例として銅板から渦巻形状に打ち抜かれて形成される。一方で、コイル11は、銅箔を渦巻形状にエッチングすることでも形成され得る。この場合、コイル11を複雑な渦巻形状パターンで形成可能となる。ただし、エッチングでは大電力の伝送を実施可能なコイル11の厚さの確保に手間がかかる。そのため、製造効率の観点では打ち抜きが好ましい。
また、コイル11における導電体11Eの厚さ、言い換えるとターン部12nの厚さは、例えば0.2mm以上1.0mm以下でもよい。また、コイル11の半径(中心軸線Cから径方向で最も離れた部分までの距離)は200mm以上でもよい。磁界共鳴方式で電気自動車に電力を伝送する場合、コイル11の半径(中心軸線Cから径方向で最も離れた部分までの距離)は、通常、200mm以上で350mm以下である。本実施の形態では、コイル11が長方形状であるが、この場合、コイル11のサイズは、中心軸線Cから半径350mmの範囲内であって、長手方向の最大寸法は、500mm以上700mm以下でもよく、長手方向に直交する短手方向の最大寸法は、400mm以上650mm以下でもよい。また、磁界共鳴方式で電気自動車に電力を伝送する場合、10KHzから200KHz、特に79KHzから90KHzの高周波電流の周波数域で、1Kw以上、望ましくは5Kw以上の電力を伝送可能とすることが望ましい。この場合、銅で形成されるコイル11の厚さは、0.4mm以上であることが好ましい。なお、コイル11の厚さが大き過ぎると重量が増加し、例えば車載に好ましくない。そのため、コイル11の厚さは、例えば2.0mm以下でもよいし、1.5mm以下でもよいし、1.0mm以下でもよい。
コイル11における導電体11Eの線幅は、特に限られない。ただし、例えば79KHzから90KHzの高周波電流の周波数域で、1Kw以上、好ましくは5Kw以上の電力を伝送可能とすることを考慮すると、ターン部12nの線幅は、2mm以上20mm以下でもよく、2mm以上16mm以下、2mm以上12mm以下、2mm以上8mm以下でもよい。なお、線幅とは、導電体11Eが周回する方向に直交する断面での導電体11Eの内周面と外周面との間の距離のことを意味する。
なお、上述した渦巻形状の中心軸線Cは、本実施の形態では次のようにして定められる。まず、最内周のターン部121の径方向の内方の端部から最内周のターン部121と相似の形状の線状の仮想ターン部を径方向の内方に渦巻形状をなすように順次描画していく。そして、直径1cm内に収まる仮想ターン部が描画できるまで描画を継続する。そして、直径1cm内に収まる仮想ターン部の径方向の内方を、渦巻形状の周方向及び径方向に直交する方向に通過する線が、中心軸線Cとして定められる。
(ケース)
ケース20は、上述したように、底壁部22と、側壁部23と、頂壁部24とを有している。底壁部22は板状である。側壁部23は、底壁部22の周縁部から立ち上がり、コイル11の外周に位置する。側壁部23は、コイル11、スペーサ部材40、支持部材42、磁気シールド部材44及び絶縁部材46を囲む。頂壁部24は、側壁部23の先端に結合し、側壁部23を閉鎖している。
ケース20は平面視で矩形状であり、底壁部22及び頂壁部24も平面視で矩形状である。側壁部23は、平面視で矩形枠状である。ただし、ケース20の平面視の形状は特に限られず、円形などの他の形状でもよい。コイル部品10Aは、例えば路面に設置される送電装置に組み込まれてもよい。路面に設置される送電装置では、車両が送電装置に乗り上がることが想定される。この場合、頂壁部24は、コイル11を上方から覆って保護する。
本実施の形態では、一例として側壁部23と頂壁部24とが一体的に形成され、同じ材料から形成されている。底壁部22は、側壁部23と頂壁部24とは別体で形成される。底壁部22は金属材料で形成され、導電性を有してもよい。具体的には、底壁部22はアルミニウムで形成されている。
上述したように、コイル部品10Aは路面に設置される送電装置に組み込まれることが想定される。この場合、側壁部23及び頂壁部24は、高い剛性及び強度を有することが好ましい。そのため、側壁部23と頂壁部24の材料は、繊維強化プラスチックなどでもよい。側壁部23及び頂壁部24の材料は特に限られるものではない。ただし、コイル部品10Aでは、コイル11が発生させた磁気又は他のコイルからの磁気を頂壁部24を通して送受することを想定している。したがって、頂壁部24を形成する材料としては、磁気を遮断しない材料が選択される。頂壁部24は高い剛性及び強度を有することが好ましく、非導電性(絶縁性)且つ非磁性であることが好ましい。このような点を考慮し、頂壁部24の材料としては、繊維強化プラスチックが良い。絶縁性とは、体積抵抗率が、1010Ω・m以上であることを意味する。非磁性とは、磁性を示さないことを意味する。
側壁部23及び頂壁部24は、例えば射出成形により一体物で形成されてよい。また、側壁部23と頂壁部24とが別々に形成された後、溶着などにより互いに接合されてもよい。
底壁部22は、頂壁部24及び側壁部23とは異なる材料から形成されてもよい。底壁部22の材料は、アルミニウム合金、ステンレス鋼、合成樹脂などでもよい。底壁部22は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼などで形成される場合、外部への磁気漏洩を防ぐ磁気シールドとしても機能する。底壁部22が繊維強化プラスチックなどの合成樹脂で形成される場合には、生産性や軽量化の点で有利になり得る。ただし、底壁部22の材料は特に限られるものではない。
底壁部22を側壁部23に取り付ける態様は特に限られない。底壁部22は、側壁部23にネジ、ボルト等の締結手段により着脱可能に取り付けられてもよい。底壁部22は、側壁部23に溶着により取り付けられてもよいし、接着剤により取り付けられてもよい。
(スペーサ部材)
図3乃至図5に示すように、スペーサ部材40は底壁部22に点在するように複数で配置されている。詳しくは、コイル11の軸方向で見た場合に、複数のスペーサ部材40の全てが、コイル11の外周縁11epの内方の範囲に位置する。言い換えると、複数のスペーサ部材40の全ては、径方向でコイル11の外周縁11epの内方の範囲に位置する。コイル11の外周縁11epとは、コイル11において径方向で最も外方に位置する点が周方向に連なる部分である。図5には、外周縁11epに沿って延びる二点鎖線CLが示されている。すなわち、本実施の形態における外周縁11epは、最外周のターン部129の外周縁の一部と、ターン部129の径方向の外方の端部に接続された外側リード部13eの外周縁とで形成されている。外側リード部13eは、ターン部129の始端側の部分よりも径方向の外方に位置する。なお、複数のスペーサ部材40のうちの一部が径方向でコイル11の外周縁11epの外方に位置してもよい。ただし、この場合、外周縁11epの外方に位置するスペーサ部材40は、非磁性であることが望ましい。
構成を特定する際の条件としての「軸方向に見た場合」とは、「軸方向に投影した場合」と同義である。したがって、「軸方向に見た場合」の構成は、現物のコイル部品等を軸方向から見た場合に人間の視覚によって観察される構成に限られない。一例として、「コイル11の軸方向で見た場合に、複数のスペーサ部材40のうちの少なくとも一部は、コイル11の外周縁11epの内方の範囲に位置する」とは、軸方向への投影において複数のスペーサ部材40のうちの少なくとも一部がコイル11の外周縁11epの内方の範囲に位置することを意味し、外周縁11epの内方の範囲に位置するスペーサ部材40が、他の構成要素等によって隠蔽されること等によって、目視では確認できない場合にも該当し得る。
本実施の形態では、矩形状のケース20の底壁部22の長手方向と、長手方向に直交する底壁部22の短手方向とのそれぞれで、スペーサ部材40が間隔を空けて配置されている。各スペーサ部材40は、底壁部22と支持部材42とに接している。図示の例では、コイル11の軸方向で見た場合に、複数のスペーサ部材40のうちの50%以上が外周縁11epの内方の範囲に点在している。上述したように、スペーサ部材40は熱伝導性を有し、コイル11で生じた熱を支持部材42から受けて、底壁部22に、すなわちケース20の内面に伝達できる。コイル11は、高周波電流を印可された際に全体的に発熱する。したがって、スペーサ部材40の多くが、軸方向で見た場合にコイル11の外周縁11epの内方の範囲に位置するように配置されることで、コイル11の熱が効率的に外部に排出される。
また、スペーサ部材40は、コイル11を底壁部22から離した位置で支持する部材でもある。本実施の形態におけるスペーサ部材40は、支持部材42、磁気シールド部材44及び絶縁部材46を介してコイル11を支持している
図示のスペーサ部材40は、コイル11の軸方向に延びる柱状又は針状であり、それぞれ互いに離れる状態で配置されており、つまり上述したように点在している。これにより、底壁部22と支持部材42との間には空間が形成される。底壁部22と支持部材42との間には、各種の部材が配置されてもよい。図4及び図5における二点鎖線で示す部品100は、例えば送電装置を構成する際に用いられるコンデンサでもよい。部品100は、底壁部22におけるスペーサ部材40が存在しない部分に配置され、図示の例ではコイル11の軸方向で見た場合に、コイル11の外周縁11epの外方に位置している。
また、図5に示すように、径方向でコイル11の外周縁11epの内方に位置するスペーサ部材40は、コイル11、詳しくは導電体11Eとコイル11の軸方向で重なっている。これにより、コイル11とスペーサ部材40との間の熱伝達経路の距離が抑制されるため、コイル11の熱がスペーサ部材40に伝達され易くなる。ただし、スペーサ部材40は、コイル11と重ならなくてもよい。
また、コイル11の外周縁11epの内方に位置するスペーサ部材40の一部は、複数のターン部12nのうちの最内周のターン部121から、最内周のターン部121より数えてコイルのターン数(図示された例では「9」)を2で割った値(図示された例では「4.5」)以下の最大の整数(図示された例では「4」)番目のターン部124までの範囲に少なくとも配置されている。コイル11では、中心軸線C寄りの部分が外周縁11ep寄りの部分よりも高温になる傾向がある。したがって、スペーサ部材40を中心軸線C寄りに多く配置した場合には、コイル11の熱がより効率的に外部に排出され得る。
本実施の形態では、コイル11の外周縁11epの内方に位置するスペーサ部材40のうちの最内周のターン部121から、ターン数(図示された例では「9」)を2で割った値(図示された例では「4.5」)以下の最大の整数番目のターン部である4番目のターン部124までの範囲に設けられるスペーサ部材40の数が、5番目のターン部125から最外周のターン部129までの範囲に配置されるスペーサ部材40の数よりも小さい。ただし、放熱性能の向上のために、前者の数を後者の数よりも大きくしてもよい。また、最内周のターン部121から、ターン数(図示された例では「9」)を2で割った値(図示された例では「4.5」)以下の最大の整数番目のターン部である4番目のターン部124までの範囲に設けられるスペーサ部材40の密度が、5番目のターン部125から最外周のターン部129までの範囲に配置されるスペーサ部材40の密度よりも大きくなるように、スペーサ部材40が配置されてもよい。
一方で、コイル11の軸方向で見た場合に、スペーサ部材40は、最内周のターン部121の径方向の内方の範囲に設けられない。コイル11の熱は、コイル11が存在しない箇所では生じない。本実施の形態では、コイル11が存在しない最内周のターン部121の径方向の内方にスペーサ部材40を設けないことにより、放熱性能に有効に寄与しないスペーサ部材40の数及び占有範囲の抑制を図っている。
スペーサ部材40の材料は特に限られないが、スペーサ部材40は、少なくとも空気などの気体や樹脂の熱伝導率(W/m・k)よりも大きい熱伝導率を有する材料から形成される。具体的には、スペーサ部材40の熱伝導率は、1W/m・k以上である。なお、熱伝導率は、27℃(300K)のときの熱伝導率である。スペーサ部材40は、アルミニウム、アルミニウム合金の金属などで形成されてもよい。詳しくは、本実施の形態では、スペーサ部材40がアルミニウムで形成され、底壁部22及び側壁部23と同じ材料であって、底壁部22及び側壁部23と一体成形で同時に形成されている。スペーサ部材40の熱伝導率は、2W/m・k以上でもよく、10W/m・k以上でもよく、20W/m・k以上でもよく、40W/m・k以上でもよい。なお、アルミニウムの熱伝導率は、237(W/m・k)である。本件発明者の鋭意研究では、スペーサ部材40の熱伝導率は80(W/m・k)以上であれば、十分な放熱性能が発揮され得る。したがって、スペーサ部材40の熱伝導率は80(W/m・k)以上でもよく、100(W/m・k)以上でもよく、150(W/m・k)以上でもよく、200(W/m・k)以上でもよい。
スペーサ部材40の厚さは、すなわち軸方向での寸法は、40mm以下でもよい。また、スペーサ部材40の厚さは、15mm以上でもよく、20mm以上でもよく、25mm以上でもよい。スペーサ部材40の厚さをある程度大きく確保した場合には、部品の収納スペースを有効活用し易くなる。ただし、スペーサ部材40の寸法は特に限られない。また、スペーサ部材40の形状は特に限られず、例えば、直方体や立方体などのブロック状の部材でもよいし、板材などでもよい。
(支持部材)
支持部材42は、コイル11の径方向に沿って延びる板状の部材である。支持部材42は、磁気シールド部材44、絶縁部材46及びコイル11を載せる土台を形成する。支持部材42はシート状であり、平面視で磁気シールド部材44、絶縁部材46及びコイル11の全体又は大部分と重なる大きさに形成されている。図4を参照し、本実施の形態では、平面視で(すなわち、コイル11の軸方向で見た場合)、支持部材42が、磁気シールド部材44、絶縁部材46及びコイル11よりも小さいが、支持部材42は、これら磁気シールド部材44、絶縁部材46及びコイル11の大部分と重なる。支持部材42は、スペーサ部材40に支持されることでコイル11の径方向に沿って延びる状態を維持する。
また、支持部材42は熱伝導性を有し、コイル11の熱をスペーサ部材40に伝達する。支持部材42の材料は特に限られないが、支持部材42は、少なくとも空気などの気体や樹脂の熱伝導率(W/m・k)よりも大きい熱伝導率を有する材料から形成される。具体的には、支持部材42の熱伝導率は、1W/m・k以上である。支持部材42は、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属で形成されてもよい。詳しくは、本実施の形態では、支持部材42がアルミニウムで形成される。支持部材42の熱伝導率は、2W/m・k以上でもよく、10W/m・k以上でもよく、20W/m・k以上でもよく、40W/m・k以上でもよい。特に、支持部材42の熱伝導率は、80(W/m・k)以上でもよく、100(W/m・k)以上でもよく、150(W/m・k)以上でもよく、200(W/m・k)以上でもよい。また、支持部材42は、部分的に熱伝導率が1W/m・k未満となる例えば樹脂で形成される部分を含んでもよい。この場合の支持部材42の熱伝導率は、支持部材42における1W/m・k以上の部分の熱伝導率で特定する。なお、支持部材42が部分的に樹脂を含む場合、支持部材42全体に対する支持部材42における熱伝導率が1W/m・k以上の部分の割合は、30%以上であることが好ましい。
また、支持部材42と複数のスペーサ部材40との接触面積は、支持部材42の平面視での面積の25%以下にすることが良い。この場合、コイル部品10Aの過剰な重量増加を回避できる。
(磁気シールド部材)
磁気シールド部材44は、磁気の透過及び/又は漏れ磁界の抑制のために設けられている。磁気シールド部材44はコイル11の径方向に沿って延びるシート状であり、平面視で、すなわちコイル11の軸方向で見た場合に、絶縁部材46及びコイル11を包含する大きさに形成されている。磁気シールド部材44は、支持部材42と、コイル11及び絶縁部材46との間に設けられている。したがって、コイル11の熱は、磁気シールド部材44から支持部材42に伝達され、支持部材42からスペーサ部材40に伝達される。磁気シールド部材44と支持部材42との間、及び、磁気シールド部材44とコイル11及び絶縁部材46との間にはそれぞれ、放熱シートなどの放熱部材が設けられてもよい。このような放熱部材は、非磁性で且つ絶縁性が好ましく、例えばアクリル系の放熱シートでもよい。
磁気シールド部材44は磁性体を含む。コイル部品10Aで生じる磁界は、コイル11の中心軸線Cに対して全方向に広がるように生じる。この際、磁気シールド部材44は磁性を有することで、広がろうとする磁束線を中心軸線C側に配向できる。また、コイル部品10Aで生じる磁界が他の周辺部品側に流れると、周辺部品に悪影響が生じる場合がある。そのため、磁気シールド部材44は、磁力線の透過を抑制するために設けられている。これにより、磁気シールド部材44は電流の発生に寄与しない漏れ磁界を抑制できる。
磁気シールド部材44は好ましくは軟磁性体を含む。より具体的には、磁気シールド部材44はフェライトを含む、好ましくはソフトフェライトを含む。また、磁気シールド部材44は、ナノ結晶磁性体を含んでもよい。
上述したように電気自動車に電力を伝送する場合、コイル11の半径(中心軸線Cから径方向で最も離れた部分までの距離)は、通常、200mm以上で350mm以下である。磁気シールド部材44がフェライトを含むものである場合、半径が200mm以上で350mm以下となるコイル11を包含する大きさの1枚のフェライト板を形成し、1枚のフェライト板で磁気シールド部材44を形成することは一般に困難である。したがって、フェライトを用いて磁気シールド部材44を形成する場合には、複数の小片のフェライト板を平面状に配列してシート状の磁気シールド部材44を形成してもよい。
複数の小片のフェライト板を使う場合、複数の小片のフェライト板の相対的な位置がずれないように枠部材などでも保持してもよい。この場合、磁気シールド部材44の取り扱いが容易になる。また、複数の小片のフェライト板の相対的な位置ずれを抑制する構成では、支持部材42を使用しない場合であっても、コイル11の支持状態が安定し得る。
一方で、複数の小片のフェライト板の相対的な位置ずれをある程度許容する状態で磁気シールド部材44を形成してもよい。また、分離した状態の複数の小片のフェライト板の集合で磁気シールド部材44を形成してもよい。これら構成では、支持部材42を使用することで、スペーサ部材40上でのコイル11の支持状態が安定し得る。一方で、支持部材42を使用しない場合には、1つのフェライト板を複数のスペーサ部材40で支持すれば、コイル11の支持状態が安定し得る。また、複数の小片のフェライト板で磁気シールド部材44を構成する場合、隣り合うフェライト板の間に隙間が形成されないように隣り合うフェライト板が互いに接触する状態で、複数のフェライト板を配置することが望ましい。これにより、隣り合うフェライト板の間の隙間をコイル11からの磁束が通過することが抑制される。一方で、隣り合うフェライト板の間に隙間が形成される場合には、支持部材42を使用せず、スペーサ部材40でフェライト板を直接的に支持することが望ましい。この場合は、隣り合うフェライト板の間の隙間をコイル11からの磁束が通過したとしても、スペーサ部材40までは到達しがたく、損失が抑制され得る。
また、コイル11の軸方向で見た場合に、支持部材42は磁気シールド部材44の外周縁の内方に位置する。言い換えると、コイル11の軸方向で見た場合に、磁気シールド部材44は支持部材42を包含する大きさに形成されている。また、コイル11の軸方向で見た場合に、支持部材42は矩形状であり、且つ四隅を除いてコイル11の外周縁11epの内方に位置している。以上のような寸法関係である場合、コイル11で生じた磁気が、磁気シールド部材44の径方向の外方を経由して支持部材42及びスペーサ部材40に錯交することが抑制され、磁気の損失が抑制され、コイルの性能の低下が抑制される。
図6は、支持部材42と磁気シールド部材44とのサイズ差と、Q値との関係を説明する表を示す図である。図7は、支持部材42と磁気シールド部材44とのサイズ差と、Q値との関係を説明するグラフを示す図である。支持部材42と磁気シールド部材44とのサイズ差は、支持部材42の外周縁のある点から磁気シールド部材44の外周縁までの最短距離であり、支持部材42の外周縁の全周および磁気シールド部材44の外周縁の全周にわたり同じ値になる。サイズ差は、支持部材42の磁気シールド部材44に対する小ささを示す指標のため、図6の表では-で表記されている。また、Q値は、シミュレーションで計算されている。
シミュレーションでは、以下の条件が設定された。
コイル11の長手方向の最大寸法は570mmであり、短手方向の最大寸法は470mmである。コイル11の厚さは、1.5mmである。
支持部材42はアルミニウム製の厚さ2mmの長方形状の板材で形成され、長手方向の寸法が390mm~590mmの範囲で、短手方向の寸法が290mm~490mmの範囲で図6に示すとおり変更された。
磁気シールド部材44は、フェライトを含み、厚さ3mmの長方形状の板状に形成され、長手方向の寸法が590mmであり、短手方向の寸法が490mmである。
図6に示すとおり、サイズ差が、0mmのときのQ値は129であり、-1mmのときのQ値は141であり、-5mmのときのQ値は150であり、-15mmのときのQ値は156であり、-20mmのときのQ値は157であり、-50mmのときのQ値は159であり、-100mmのときのQ値は158である。すなわち、サイズ差が大きくなるほどQが大きくなる傾向が確認される。一方で、図7に示すように、サイズ差が15mmよりも大きくなると(つまり、サイズ差<-15mmになると)、Q値の増加率は小さくなり、飽和傾向になることが確認される。
図6及び図7のシミュレーション結果によれば、支持部材42が磁気シールド部材44よりも小さいことが好ましいことを確認できる。そして、その際の寸法差は、5mm以上でもよく、10mm以上でもよく、15mm以上でもよい。一方で、その寸法差は、30mm以下でもよく、20mm以下でもよい。
(絶縁部材)
絶縁部材46は、コイル11の軸方向でコイル11と重なる。この状態で、絶縁部材46はコイル11と一体化されている。絶縁部材46はシート状であり、平面視でコイル11を包含する大きさに形成されている。
図4及び図5に示すように、絶縁部材46は、コイル11の渦巻形状に対応する渦巻形状の凹部46gを有する。凹部46gは、コイル11の軸方向で見るときに渦巻形状であり、且つコイル11の軸方向で、言い換えると絶縁部材46の厚さ方向でへこむ。そして、コイル11の少なくとも一部は、その渦巻形状を凹部46gの渦巻形状に整合させた状態で、凹部46g内に収納されている。詳しくは、凹部46gは、導電体11Eの全体を収納する。
本実施の形態では、導電体11Eは凹部46gから突出せずに、絶縁部材46と面一である。ただし、コイル11の一部が凹部46gから突出するように、コイル11の一部が凹部46g内に収納されてもよい。また、絶縁部材46に凹部46gが形成されず、平坦な絶縁部材46の面にコイル11が設けられてもよい。また、導電体11Eは、外部に露出しない状態で絶縁部材46に埋め込まれてもよい。
絶縁部材46は、コイル11に凹部46gにおいて溶着している。すなわち、コイル11と凹部46gとは、アンカー効果で接合されている。コイル11と絶縁部材46とは例えば熱プレスにより一体化される。この際、絶縁部材46の一部がコイル11の表面の凹所に入り込み、その後、硬化する。これにより、コイル11と凹部46gとが溶着され、絶縁部材46はコイル11と一体化される。
本実施の形態では、絶縁部材46がガラス繊維入りエポキシ樹脂を含む。すなわち、絶縁部材46は、熱硬化性樹脂(熱硬化性材料)としてのエポキシ樹脂と、ガラス繊維とを含む材料から形成されている。コイル11と絶縁部材46とが熱プレスにより一体化される場合、絶縁部材46の形成材料にコイル11が押し込まれることで、渦巻形状の凹部46gが形成される。この際、絶縁部材46の形成材料がガラス繊維入りエポキシ樹脂であると、エポキシ樹脂が軟化し、コイル11の側面に沿うように流動して、凹部46gが形成される。この際、ガラス繊維は、エポキシ樹脂の過剰な流動を抑制する。
以上の点から、絶縁部材46及びその形成材料は、ガラス繊維入りエポキシ樹脂であることが好ましい。ただし、絶縁部材46及びその形成材料は特に限られるものではない。例えば、ガラス繊維が含まれなくもよい。また、ガラス繊維の代わりに、炭素繊維などが用いられてもよい。また、エポキシ樹脂ではなく、ポリイミド(熱可塑性樹脂)が用いられてもよい。
また、図3に示すように、絶縁部材46及び絶縁部材46に一体化されたコイル11はケース20の頂壁部24の内面から離れている。これにより、頂壁部24が受けた荷重がコイル11に伝わることが抑制され、コイル11の保護が可能となる。ただし、コイル11及び/又は絶縁部材46は頂壁部24の内面に接してもよい。頂壁部24が過剰に高温になることは望ましくない場合がある。ケース20の頂壁部24の内面とコイル11との間に比較的大きい空間が形成される場合には、コイル11から頂壁部24への熱伝導が抑制され、頂壁部24が過剰に高温になることを抑制できる。また、高温化の抑制により頂壁部24の厚さを抑制できるようになり、例えば送電装置でコイル部品10Aを使用する場合における電送特性の低下を抑制できる。
(接続端子)
図2に示すように、第1接続端子51はコイル11の内周側端部11Aに接続されている。第2接続端子52はコイル11の外周側端部11Bに接続されている。なお、本実施の形態では、図5に示すように導電体11Eにおけるターン部121における径方向の内方側の端部に接続された内側リード部13iがコイル11の内周側端部11Aを形成する。ターン部129の径方向の外方側の端部に接続された外側リード部13eがコイル11の外周側端部11Bを形成する。第1接続端子51及び第2接続端子52は、例えば高周波電流供給部1A又は変換部2Aとの接続の際に用いられ得る。第1接続端子51と内周側端部11Aとの接続及び第2接続端子52と外周側端部11Bとの接続は、超音波接合で行われる。ただし、その接続手法は限られず、例えば導電性接着剤による接続が採用されてもよい。
(コイル部品の用途)
本実施の形態に係るコイル部品10Aは、例えば上述したワイヤレス電力伝送システムSの送電装置1における送電コイルとして用いることができ、受電装置2における受電コイルとして用いることができる。
送電コイルとしてコイル部品10Aを用いる場合、第1接続端子51及び第2接続端子52が図1で示したような高周波電流供給部1A又は交流電源に接続される。高周波電流がコイル部品10Aに供給されると、電流を、第1接続端子51からコイル11に流した後、第2接続端子52から高周波電流供給部1A又は交流電源に流すことができる。また、電流を、第2接続端子52からコイル11に流した後、第1接続端子51から高周波電流供給部1A又は交流電源に流すことができる。これにより、コイル11の中心軸線に沿う磁力線を含む磁界を発生させることができる。
一方で、受電コイルとしてコイル部品10Aを用いる場合、コイル11の中心軸線に沿う磁力線を含む磁界を受けることで、コイル11に高周波電流を発生させることができる。そして、この高周波電流を、第1接続端子51又は第2接続端子52から外部の装置に供給できる。
(作用・効果)
以上に説明したコイル部品10Aは、渦巻形状のコイル11と、コイル11を収納する収納部材としてのケース20と、コイル11の熱をケース20の内面に伝達する熱伝導性部材としてのスペーサ部材40と、を備える。そして、スペーサ部材40は、コイル11の径方向でコイル11の外周縁11epの内方の範囲に位置する。
この構成では、スペーサ部材40がコイル11の熱をコイル11の軸方向に沿ってケース20側に伝達し、この際の熱伝達経路の距離を抑制できる。したがって、コイル11の熱を効率的に排出できる。特にコイル11の軸方向で見た場合に、複数のスペーサ部材40がコイル11の外周縁11epの内方の範囲に点在する。これにより、放熱性能を向上できる。
また、スペーサ部材40は、コイル11の熱を排出するための熱伝導性部材としての機能を有するとともに、コイル11とケース20の内面とが離れた状態を維持する機能を有する。この構成では、スペーサ部材40によりコイル11の位置を所望の位置で維持することで、電力伝送システムで使用する場合における伝送効率を向上させつつ、良好な放熱性能を確保できる。
また、スペーサ部材40は、コイル11の軸方向でコイル11と重なる。この構成では、コイル11からスペーサ部材40に効率的に熱が伝達されるため、放熱性能を向上できる。
また、コイル11は、渦巻形状の中心軸線Cから径方向の外方に配列された複数のターン部12nを含み、複数のスペーサ部材40のうちの少なくとも一部は、複数のターン部12nのうちの最内周のターン部121から、最内周のターン部121より数えてコイル11のターン数(9)を2で割った値(4.5)以下の最大の整数番目(4)のターン部124までの範囲に、配置される。この構成では、コイル11の中心軸線寄りで高温になる傾向のコイル11の熱をスペーサ部材40に効率的に伝達できるため、放熱性能を向上できる。
また、コイル11の軸方向で見た場合に、スペーサ部材40は、最内周のターン部121の径方向の内方の範囲に設けられない。この構成では、コイル11が存在しない箇所にスペーサ部材40が配置されることを回避することで、スペーサ部材40の数及び占有範囲を抑制しつつ良好な放熱性能を確保できる。
また、コイル部品10Aは、コイル11の径方向に沿って延びる板状の支持部材42をさらに備え、支持部材42は熱伝導性を有し、スペーサ部材40とコイル11との間に設けられる。この構成では、コイル11を支持部材42を介してスペーサ部材40で支持できるため、コイル11を安定した状態で支持できる。また、コイル11からケース20への熱の伝達経路のバリエーションが増加されるため、良好な放熱性能を確保できる。
また、コイル部品10Aは、コイル11の径方向に沿って延びるシート状の磁性部材としての磁気シールド部材44をさらに備え、磁気シールド部材44は、支持部材42とコイル11との間に設けられる。この構成では、コイル11で生じた磁気がスペーサ部材40及び支持部材42に錯交することが抑制され、コイル性能の低下を抑制できる。
また、支持部材42は、コイル11の径方向で磁気シールド部材44の外周縁の内方に位置する。この構成では、コイル11で生じた磁気が磁気シールド部材44の外周縁の外方を経由して支持部材42に至ることが効果的に抑制されるため、コイル性能の低下を効果的に抑制できる。
また、支持部材42は、矩形状であり、且つ四隅を除いてコイル11の径方向でコイル11の外周縁11epの内方に位置する。この構成では、コイル11で生じた磁気が磁気シールド部材44の外周縁の外方を経由して支持部材42に至ることが一層効果的に抑制されるため、コイル性能の低下を一層効果的に抑制できる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係るコイル部品10Bについて説明する。図8はコイル部品10Bの平面図である。本実施の形態における構成部分のうちの第1の実施の形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。なお、図8では、支持部材42が実線で示され、支持部材42に重なるコイル11及び絶縁部材46が二点鎖線で示されている。また、ケース20及び磁気シールド部材44の図示は省略されている。
本実施の形態では支持部材42の構成が第1の実施の形態と異なる。図8に示すように、支持部材42は、コイル11の軸方向でコイルの中心軸線Cと重なる中央部42Aと、中央部42Aを囲む状態で中央部42Aと接続する外枠部42Bと、を含む。そして、中央部42Aの熱伝導率が、外枠部42Bの熱伝導率よりも大きい。中央部42Aはアルミニウムで形成され、外枠部42Bはポリカーボネートで形成される。中央部42Aの材料は熱伝導率が1W/m・k以上であれば特に限られず、アルミニウム合金などで形成されてもよい。外枠部42Bの材料も特に限られないが、良好な耐熱性を有し且つ軽量な材料であることが好ましい。外枠部42Bの材料は、アクリル樹脂などでもよい。
中央部42Aと外枠部42Bとは、外枠部42Bの内周に中央部42Aの外周縁が嵌め込まれることで一体化されてもよい。この際、中央部42Aと外枠部42Bとは接着剤や粘着剤を介して接合されてもよい。中央部42Aは平面視で矩形状であり、外枠部42Bは平面視で矩形枠状であるが、これら形状は円形、円枠状などでもよい。
コイル11の軸方向で見た場合における支持部材42の全体の面積に対する中央部42Aの面積の割合は、30%以上であり、50%以上であることが好ましい。また、中央部42Aは、コイル11の軸方向で見た場合に、複数のターン部12nのうちの最内周のターン部121から、最内周のターン部121より数えてコイル11のターン数(9)を2で割った値(4.5)以下の最大の整数番目(4)のターン部124までの範囲を包含するサイズを有する。
以上に説明した第2の実施の形態に係るコイル部品10Bによれば、中心軸線C寄りで高温になる傾向のコイル11の熱を中央部42Aを介してスペーサ部材40に効率的に伝達できる。これにより、コイル部品10Bの良好な放熱性能を確保しつつ、外枠部42Bで軽量化や材料コストの抑制を図ることができる。
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係るコイル部品10Cについて説明する。図9はコイル部品10Cの断面図である。本実施の形態における構成部分のうちの第1及び第2の実施の形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
図9に示すように、本実施の形態におけるコイル部品10Cでは、コイル11における導電体11Eが、外部に露出しない状態で絶縁部材46に埋め込まれている。このような構成では、コイル11の反りを効果的に抑制できる。
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態に係るコイル部品10Dについて説明する。図10はコイル部品10Dの断面図である。本実施の形態における構成部分のうちの第1乃至第3の実施の形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
図10に示すように、本実施の形態におけるコイル部品10Dでは、コイル11が、第1コイル11-1と、第2コイル11-2とを含む。絶縁部材46は三層の構成であり、第1絶縁部材46-1と、第2絶縁部材46-2と、第3絶縁部材46-3とを含む。そして、第1コイル11-1と、第2コイル11-2と、第1絶縁部材46-1と、第2絶縁部材46-2と、第3絶縁部材46-3とが一体化されている。第1コイル11-1及び第2コイル11-2それぞれが含む導電体11Eは、外部に露出しない状態で絶縁部材46(46-1~46-3)に埋め込まれている。第1コイル11-1と、第2コイル11-2とは、軸方向に重なっており、軸方向に離れた状態で保持されている。第1コイル11-1は、正確にはその導電体11Eは、第1絶縁部材46-1と第2絶縁部材46-2との間に挟まれている。第2コイル11-2は、正確にはその導電体11Eは、第2絶縁部材46-2と第3絶縁部材46-3との間に挟まれている。また、第1絶縁部材46-1は、磁気シールド部材44に接している。
第1コイル11-1と第2コイル11-2とは直列に接続されてもよいし、並列に接続されてもよい。なお、図10では、第1絶縁部材46-1と第2絶縁部材46-2との境界が、第1コイル11-1の厚さ方向の中点近傍に示される。第2絶縁部材46-2と第3絶縁部材46-3との境界が、第2コイル11-2の厚さ方向の中点近傍に示される。これら境界は、第1絶縁部材46-1と第2絶縁部材46-2と第3絶縁部材46-3とが一体化された際に外観上表れなくなる場合があるが、図16で説明の便宜のために明確に示している。
以上のような第4の実施の形態に係るコイル部品10Dでは、第1コイル11-1と、第2コイル11-2と、第1絶縁部材46-1と、第2絶縁部材46-2と、第3絶縁部材46-3との一体物で生じ得る反りを効果的に抑制できる。また、コイルの総量が増えることで、コイルの単位面積あたりの発熱量を抑制できる。
<第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態に係るコイル部品10Eについて説明する。図11はコイル部品10Eの断面図である。本実施の形態における構成部分のうちの第1乃至第4の実施の形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
図11に示すように、本実施の形態におけるコイル部品10Eでは、支持部材42が設けられず、スペーサ部材40が磁気シールド部材44に直接的に接している。スペーサ部材40と磁気シールド部材44とは電気的に絶縁されてもよい。スペーサ部材40は、絶縁層を介して磁気シールド部材44と接してもよい。絶縁層は例えば樹脂を硬化させることで形成されてもよい。
以上のような第5の実施の形態に係るコイル部品10Eでは、コイル11の熱がスペーサ部材40に伝達され易くなるため、放熱性能を向上させることができる。また、コイル部品10Eの厚さを抑制できる。
<第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態に係るコイル部品について説明する。図12は第6の実施の形態に係るコイル部品の断面図である。本実施の形態における構成部分のうちの第1乃至第5の実施の形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
本実施の形態では、第1の実施の形態の構成に、第1放熱部材71と第2放熱部材72とが追加されている。第1放熱部材71は、磁気シールド部材44と、コイル11及び絶縁部材46との間に設けられている、第2放熱部材72は、磁気シールド部材44と、支持部材42との間に設けられている。
第1放熱部材71及び第2放熱部材72は、シート状に形成されるが、その形状は特に限られない。例えば、第1放熱部材71及び第2放熱部材72はそれぞれ、複数のブロック又は板材で構成され、分散されて配置されてもよい。第1放熱部材71及び第2放熱部材72は、非磁性で且つ絶縁性が好ましく、例えばアクリル系の放熱シートや、放熱ブロックでもよい。第1放熱部材71及び第2放熱部材72の熱伝導率は、1W/m・k以上でもよく、2W/m・k以上でもよく、3W/m・k以上でもよい。
<第7の実施の形態>
次に、第7の実施の形態に係るコイル部品について説明する。図13は第7の実施の形態に係るコイル部品を示す図である。本実施の形態における構成部分のうちの第1乃至第6の実施の形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
図13に示すように、本実施の形態では、磁気シールド部材44が、複数の小片の磁性板材としてのフェライト板44Pで構成されている。複数のフェライト板44Pは、支持部材42において互いに隣り合うように配列されている。この例では、隣り合うフェライト板44Pの間には隙間が形成されている。
本実施の形態では、磁気シールド部材44が複数の小片のフェライト板44Pで構成されるため、磁気シールド部材44の全体のサイズを容易に大型化できる。なお、複数のフェライト板44Pは、隣り合うフェライト板44Pの間に隙間が形成されないように配列されてもよい。この場合には、コイル11からの磁束が支持部材42へ流れ難くなり、効率低下が抑制され得る。
<第8の実施の形態>
次に、第8の実施の形態に係るコイル部品について説明する。図14は第8の実施の形態に係るコイル部品を示す図である。本実施の形態における構成部分のうちの第1乃至第7の実施の形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
図14に示すように、本実施の形態では、磁気シールド部材44が、複数の小片の磁性板材としてのフェライト板44Pで構成されている。複数のフェライト板44Pはそれぞれ、スペーサ部材40により支持された状態で、互いに隣り合うように配列されている。隣り合うフェライト板44Pの間には隙間が形成されている。
隣り合うフェライト板44Pの間に隙間が形成される場合には、支持部材42を使用せず、スペーサ部材40でフェライト板を直接的に支持することが望ましい。この場合は、隣り合うフェライト板44Pの間の隙間をコイル11からの磁束が通過したとしても、スペーサ部材40までは到達しがたく、損失が抑制され得る。
以下の表1は、図13の構成(第7の実施の形態)におけるQ値及び損失と、図14の構成(図8の実施の形態)におけるQ値及び損失とを、シミュレーションで特定した結果を示す。シミュレーション条件では、図14の構成で支持部材42が設けられない点以外は、両者において寸法・数などの上限は同じである。
表1のシミュレーション結果では、図14の構成のQ値が、図13の構成のQ値よりも高い。そして、図14の構成の損失が、図13の構成の損失よりも小さい。このようなシミュレーション結果からも、隣り合うフェライト板44Pの間に隙間が形成される場合には、損失低減の観点で、スペーサ部材40でフェライト板を直接的に支持することが望ましいことが確認できる。
以上、本開示の実施の形態を説明したが、上述の実施の形態には種々の変更を加えてもよい。このような変形例も、本開示の技術的範囲に含まれ得る。
S…電力伝送システム
1…送電装置
1A…高周波電流供給部
2…受電装置
2A…変換部
10,10A,10B,10C,10D,10E…コイル部品
11…コイル
11E…導電体
11ep…外周縁
12n,121,122,・・・,128,129…ターン部
20…ケース
22…底壁部
23…側壁部
24…頂壁部
40…スペーサ部材
42…支持部材
42A…中央部
42B…外枠部
44…磁気シールド部材
46…絶縁部材

Claims (16)

  1. 渦巻形状のコイルと、
    前記コイルを収納する収納部材と、
    前記コイルの熱を前記収納部材の内面に伝達する熱伝導性部材と、を備え、
    前記熱伝導性部材は、前記コイルの径方向で前記コイルの外周縁の内方の範囲に位置する、コイル部品。
  2. 前記熱伝導性部材は、前記コイルと前記収納部材の内面とが離れた状態を維持するスペーサ部材である、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記熱伝導性部材は、前記コイルの軸方向で前記コイルと重なる、請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 前記熱伝導性部材は複数設けられ、
    複数の前記熱伝導性部材は、前記径方向で前記コイルの外周縁の内方の範囲に点在する、請求項1乃至3のいずれかに記載のコイル部品。
  5. 前記コイルは、渦巻形状の中心軸線から径方向の外方に配列された複数のターン部を含み、
    複数の前記熱伝導性部材のうちの少なくとも一部は、前記複数のターン部のうちの最内周のターン部から、前記最内周のターン部より数えて前記コイルのターン数を2で割った値以下の最大の整数番目のターン部までの範囲に、配置される、請求項4に記載のコイル部品。
  6. 前記熱伝導性部材は、前記最内周のターン部の前記径方向の内方の範囲に設けられない、請求項5に記載のコイル部品。
  7. 前記径方向に沿って延びる板状の支持部材をさらに備え、
    前記支持部材は熱伝導性を有し、前記熱伝導性部材と前記コイルとの間に設けられる、請求項1乃至6のいずれかに記載のコイル部品。
  8. 前記支持部材は、前記コイルの軸方向で前記コイルの中心軸線と重なる中央部と、前記中央部を囲む状態で前記中央部と接続する外枠部と、を含み、
    前記中央部の熱伝導率が、前記外枠部の熱伝導率よりも大きい、請求項7に記載のコイル部品。
  9. 前記径方向に沿って延びるシート状の磁性部材をさらに備え、
    前記磁性部材は、前記支持部材と前記コイルとの間に設けられる、請求項7又は8に記載のコイル部品。
  10. 前記支持部材は、前記径方向で前記磁性部材の外周縁の内方に位置する、請求項9に記載のコイル部品。
  11. 前記支持部材は、矩形状であり、且つ四隅を除いて前記径方向で前記コイルの外周縁の内方に位置する、請求項10に記載のコイル部品。
  12. 前記支持部材の熱伝導率は、1W/m・k以上である、請求項7乃至11のいずれかに記載のコイル部品。
  13. 前記熱伝導性部材の熱伝導率は、1W/m・k以上である、請求項1乃至12のいずれかに記載のコイル部品。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載のコイル部品を備える、送電装置。
  15. 請求項1乃至13のいずれかに記載のコイル部品を備える、受電装置。
  16. 送電装置と、受電装置とを備え、
    前記送電装置及び前記受電装置のうちの少なくともいずれかが、請求項1乃至13のいずれかに記載のコイル部品を備える、電力伝送システム。
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