JP2023124652A - 炭化水素製造装置および炭化水素製造方法 - Google Patents

炭化水素製造装置および炭化水素製造方法 Download PDF

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Takanari Matsumoto
剛 朝野
Tsuyoshi Asano
行寛 杉浦
Yukihiro Sugiura
正彦 松方
Masahiko Matsukata
求 酒井
Motomu Sakai
直人 千原
Naoto CHIHARA
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Abstract

【課題】炭化水素の製造効率の向上を図る。【解決手段】炭化水素製造装置1は、逆シフト反応に用いられる逆シフト触媒12と、FT反応に用いられるFT触媒14と、反応場から水を分離する分離膜8と、を備え、原料としての二酸化炭素および水素を用いて、反応場から水を分離しながら逆シフト反応およびFT反応により炭化水素を製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素製造装置および炭化水素製造方法に関する。
従来、水素および一酸化炭素を含む合成ガスから、フィッシャー・トロプシュ(Fischer-Tropsch process)反応(以下では適宜「FT反応」という)により炭化水素を製造する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2008-248179号公報
近年、様々な経済活動で発生する二酸化炭素の削減が大きな課題の一つとなっている。排ガス等に含まれる二酸化炭素を上述した炭化水素の製造に利用すれば、カーボンニュートラルの実現に大きく貢献できる。本発明者らは、二酸化炭素を用いる炭化水素の製造技術について鋭意検討を重ね、炭化水素の製造効率の向上を図る技術を見出した。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、炭化水素の製造効率の向上を図る技術を提供することにある。
本発明のある態様は、炭化水素製造装置である。この装置は、逆シフト反応に用いられる逆シフト触媒と、FT反応に用いられるFT触媒と、反応場から水を分離する分離膜と、を備え、原料としての二酸化炭素および水素を用いて、反応場から水を分離しながら逆シフト反応およびFT反応により炭化水素を製造する。
本発明の他の態様は、炭化水素製造方法である。この方法は、原料としての二酸化炭素および水素を用いて、反応場から水を分離しながら逆シフト反応およびFT反応により炭化水素を製造することを含む。
以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
本発明によれば、炭化水素の製造効率の向上を図ることができる。
実施の形態に係る炭化水素製造装置の模式図である。 実施例1および比較例1における二酸化炭素転化率を示す図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。したがって、実施の形態の内容は、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。設計変更が加えられた新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形それぞれの効果をあわせもつ。実施の形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「本実施の形態の」、「本実施の形態では」等の表記を付して強調しているが、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。実施の形態に記述される構成要素の任意の組み合わせも、本発明の態様として有効である。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合には、この用語はいかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
図1は、実施の形態に係る炭化水素製造装置1の模式図である。図1では、反応器2の内部を透視した状態を示している。炭化水素製造装置1は、反応器2と、逆シフト触媒層4と、FT触媒層6と、分離膜8とを備える。反応器2は、入口2aおよび出口2bを有する。原料としての二酸化炭素および水素は、入口2aから反応器2内に流入する。反応器2内で製造される炭化水素は、出口2bから反応器2外に排出される。
反応器2は、逆シフト触媒層4、FT触媒層6および分離膜8を収容する。逆シフト触媒層4は、FT触媒層6より原料の流れの上流側に、換言すればFT触媒層6より入口2a側に配置される。分離膜8は、逆シフト触媒層4およびFT触媒層6と接するように配置される。一例としての分離膜8は柱状であり、逆シフト触媒層4およびFT触媒層6に挿通されている。好ましくは、分離膜8の入口2a側の端部は、逆シフト触媒層4の入口2a側の端部よりも原料流の下流側に配置される。
本実施の形態では、分離膜8の入口2a側の端部から入口2aに向かって突出する隔壁部10が反応器2内に設けられている。隔壁部10は、実質的に原料を通過させない材料で構成される。なお、逆シフト触媒層4、FT触媒層6および分離膜8のそれぞれの位置関係は、図示したものに限定されず適宜変更することができる。
逆シフト触媒層4は、逆シフト触媒12を含む。逆シフト触媒12は、逆シフト反応に用いられる。逆シフト触媒12には、公知の触媒を用いることができるが、好ましくは逆シフト触媒12は、触媒金属として鉄(Fe)および銅(Cu)の少なくとも一方を含む。また、逆シフト触媒12は、触媒金属を担持する公知の担体を有してもよい。一例としての逆シフト触媒12は、FeおよびKをγ-Alに担持させたものである。逆シフト触媒12における担体および触媒金属の含有量は、適宜設定可能である。逆シフト触媒12は、粉体の状態であってもよいし、粉体が押出成形や錠剤成形等によって成形された状態であってもよい。成形体の形状は特に制限されず、例えば円柱状、角柱状、球状または不定形であってもよい。
逆シフト触媒層4は、逆シフト触媒12を含む材料を層状に成形して得られる。逆シフト触媒層4は、逆シフト触媒12に加えて、必要に応じて結着剤等の他の成分を含み得る。また、逆シフト触媒層4は、後述するFT触媒14を含んでいてもよい。ただし、逆シフト触媒層4にFT触媒14が含まれる場合、逆シフト触媒層4に含まれる逆シフト触媒12の量はFT触媒14の量より多い。
逆シフト触媒12上では、以下の式(1)に示す逆シフト反応が主に起こり、原料としての二酸化炭素および水素から一酸化炭素および水が生成される。これにより、一酸化炭素と、未反応の水素とを少なくとも含む合成ガスが得られる。
+CO→CO+HO (1)
FT触媒層6は、FT触媒14を含む。FT触媒14は、FT(Fischer-Tropsch process)法による反応に用いられる。FT触媒14には、公知の触媒を用いることができるが、好ましくはFT触媒14は、触媒金属としてFeを含む。また、FT触媒14は、触媒金属を担持する公知の担体を有してもよい。一例としてのFT触媒14は、FeおよびKをγ-Alに担持させたものである。FT触媒14における担体および触媒金属の含有量は、適宜設定可能である。FT触媒14は、粉体の状態であってもよいし、粉体が押出成形や錠剤成形等によって成形された状態であってもよい。成形体の形状は特に制限されず、例えば円柱状、角柱状、球状または不定形であってもよい。
FT触媒層6は、FT触媒14を含む材料を層状に成形して得られる。FT触媒層6は、FT触媒14に加えて、必要に応じて結着剤等の他の成分を含み得る。また、FT触媒層6は、逆シフト触媒12を含んでいてもよい。ただし、FT触媒層6に逆シフト触媒12が含まれる場合、FT触媒層6に含まれるFT触媒14の量は逆シフト触媒12の量より多い。
FT触媒14上では、以下の式(2)または式(3)に示すFT反応が主に起こり、一酸化炭素および水素から炭化水素および水が生成される。本実施の形態では、一例として炭素数1以上40以下の炭化水素が生成される。
nCO+(2n+1)H→C2n+2+nHO (2)
nCO+2nH→C2n+nHO (3)
逆シフト触媒12およびFT触媒14がFeを含む鉄系触媒である場合、鉄系触媒は、触媒として機能する間は少なくとも金属鉄を含む。また、鉄カーバイド(Fe)および酸化鉄(Fe)も含む。鉄系触媒は、通常は反応に用いられる前に還元処理される。還元処理前の鉄系触媒は、酸化鉄を含み得る。また、逆シフト触媒12がCuを含む銅系触媒である場合、銅系触媒は、触媒として機能する間は少なくとも金属銅を含む。銅系触媒は、通常は反応に用いられる前に還元処理される。還元処理前の銅系触媒は、酸化銅を含み得る。
逆シフト触媒12が触媒金属としてCuを含む場合、Cuは一酸化炭素と水から二酸化炭素と水素を生成するシフト反応の触媒としても機能し得る。このため、反応器2内の下流側には、Cuを含む逆シフト触媒12を極力配置しないことが望ましい。本実施の形態では、逆シフト触媒層4がFT触媒層6より上流に配置されているため、逆シフト反応で生成した一酸化炭素が下流のFT触媒14におけるFT反応に供され、Cuによるシフト反応の促進を抑制することができる。また、FT触媒14に含まれるFeは、逆シフト反応の触媒としても機能する。これに対し、逆シフト触媒12を上流側に配置し、FT触媒14を下流側に配置することで、FT触媒14に含まれるFeをFT反応に優先的に用いることができる。
分離膜8は、反応場から水を分離する。分離膜8を設けることで、反応場から水を分離しながら逆シフト反応およびFT反応により炭化水素を製造することができる。分離膜8によって分離される水には、逆シフト反応由来およびFT反応由来の少なくとも一方の水が含まれる。反応場、換言すれば逆シフト触媒層4から水が除去されることで、逆シフト反応による一酸化炭素の生成を促すことができる。これにより、FT触媒層6に供給される一酸化炭素の量が増えるため、FT反応による炭化水素の生成も促すことができる。
また、水の分離によって、反応場における各反応の基質の濃度を高めることができる。また、基質と触媒との接触が水によって阻害されることも抑制され得る。これらの作用によっても、逆シフト反応およびFT反応を促進することができる。また、水の分離によって、上述したCuによるシフト反応も抑制することができる。また、逆シフト触媒12やFT触媒14に含まれるFeもシフト反応の触媒として機能し得る。したがって、分離膜8によって水を分離することでFeによるシフト反応も抑制することができる。以上の作用により、炭化水素の製造効率の向上を図ることができる。本実施の形態の炭化水素製造装置1によれば、40%を超える二酸化炭素転化率を達成することができる。
分離膜8は、反応場から水を分離可能な公知の材料で構成することができる。一例としての分離膜8は、ゼオライト膜である。また、好ましくは、ナトリウムイオン交換したZSM-5ゼオライト、つまりNa-ZSM-5ゼオライト膜である。また、分離膜8の面積(A)に対する、逆シフト触媒12およびFT触媒14の総体積(B)の割合(B/A)は、例えば0.0525cm/cm以上、2.00cm/cm以下である。
炭化水素製造装置1では、逆シフト反応が起こる前は反応器2内に実質的に水が存在しない場合がある。そして、逆シフト反応が起きて反応器2内に水が生成する。一例としての分離膜8は、水が存在する状況では、原料や水以外の生成物を透過させず、実質的に水のみを透過させることができる。一方、水が存在しない状況では、分離膜8は原料である二酸化炭素や水素を透過させてしまう場合がある。つまり、分離膜8は、水と接する状態になって初めて水分離機能を発揮することができる。
これに対し本実施の形態では、上述のように逆シフト触媒層4がFT触媒層6より上流に配置されている。また、分離膜8の上流側端部が逆シフト触媒層4の上流側端部より下流側に配置されている。これにより、原料が分離膜8に到達する前に逆シフト反応により水を生成して、分離膜8が水分離機能を発揮できる状態を作り出すことができる。このため、原料が未反応のまま分離膜8を通って反応器2から排出されることを抑制できる。よって、炭化水素の製造効率をより向上させることができる。また、分離膜8の上流側に隔壁部10を設けることで、原料が未反応のまま反応器2から排出されることをより一層抑制することができる。
本実施の形態の逆シフト触媒12およびFT触媒14は、230℃以上300℃以下の反応温度で逆シフト反応およびFT反応を進行させる。本実施の形態の炭化水素製造装置1では、分離膜8によって反応場から水を分離することで、逆シフト反応およびFT反応を促進させている。このため、230℃~300℃という、一般的な逆シフト反応やFT反応における反応温度よりも低い温度で、各反応を進行させることができる。これにより、炭化水素の製造効率の向上を図ることができる。また、本実施の形態によれば、連鎖成長確率0.7以上を達成することができる。
原料としての二酸化炭素および水素の供給元は、特に制限されない。原料としての水素は、一例として水電解モジュールから供給される。水電解モジュールは、水の電気分解によって水素および酸素を生成する。水電解モジュールは、電力供給装置から水電解に必要な電力の供給を受ける。電力供給装置としては、再生可能エネルギーを利用して発電する発電装置、例えば風力発電装置や太陽光発電装置等が例示される。これにより、水素の生成、ひいては目的物である炭化水素の製造に伴う二酸化炭素の排出量を低減できる。なお、電力供給装置は、再生可能エネルギーを利用する発電装置に限定されず、系統電源であってもよいし、再生可能エネルギー発電装置や系統電源からの電力を蓄えた蓄電装置等であってもよい。また、これらの2つ以上の組み合わせであってもよい。
原料としての二酸化炭素は、一例として大気中から直接空気回収(DAC)等によって二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置から供給される。二酸化炭素回収装置は、火力発電や化学プラント等から排出された排気ガス中から化学吸着法等によって二酸化炭素を分離回収してもよい。これにより、大気中や排気ガス中の二酸化炭素の削減が期待できる。
以上説明したように、本実施の形態に係る炭化水素製造装置1は、原料としての二酸化炭素および水素を用いて、反応場から水を分離しながら逆シフト反応およびFT反応により炭化水素を製造する。このように、逆シフト反応とFT反応とを組み合わせて、二酸化炭素から燃料や化学品に使用可能な炭化水素を製造する技術は、再生可能エネルギーの大量導入に向けたエネルギーの固定方法として有力な候補の1つである。
しかしながら、一般に逆シフト反応では、反応の平衡制約により、十分な転化率を得るには反応温度を800℃以上にする必要がある。また、FT触媒としてコバルト系触媒が用いられる場合、コバルト系触媒は二酸化炭素のメタネーション活性を持つ。このため、逆シフト反応で二酸化炭素を完全に一酸化炭素に転化することが求められ、反応温度を1000℃以上の極めて高温にする必要がある。あるいは、逆シフト反応後に未反応の二酸化炭素を分離する処理を追加する必要がある。一方、FT触媒として鉄系触媒が用いられる場合、上述のように鉄系触媒はシフト活性を有するため、一酸化炭素から二酸化炭素が副生され得る。
また、鉄系触媒を用いたFT反応は、コバルト系触媒を用いたFT反応よりも反応速度が小さい。このため、より高温での反応が必要となり、炭素数の大きい炭化水素の生成に不利となる。また、逆シフト反応とFT反応とを同時に行う系において、FT触媒の作動温度帯では、逆シフト反応の平衡制約がFT反応に与える影響が大きい。このため、二酸化炭素から炭化水素への転化率は30%~40%程度に留まる。
これに対し、本実施の形態のように分離膜8によって水を分離しながら逆シフト反応およびFT反応を実施することで、800℃以下の低い反応温度で40%を超える二酸化炭素転化率を得ることができる。よって、本実施の形態の炭化水素製造装置1によれば、炭化水素の製造効率の向上を図ることができる。
なお、実施の形態では、逆シフト触媒12およびFT触媒14がそれぞれ別個の触媒で構成されている。つまり、別々の担体に逆シフト反応用の触媒金属と、FT反応用の触媒金属とが担持されている。しかしながら、この構成に制限されず、1つの触媒が逆シフト触媒12およびFT触媒14を兼ねてもよい。つまり、1つの担体に逆シフト反応用の触媒金属と、FT反応用の触媒金属とが担持された構成であってもよい。また、上述したFeおよびKをγ-Alに担持させた触媒は、逆シフト触媒12およびFT触媒14を兼ねる触媒に相当する。
また、実施の形態では、逆シフト触媒12を含む逆シフト触媒層4と、FT触媒14を含むFT触媒層6とが積層されている。つまり、逆シフト触媒12およびFT触媒14がそれぞれ偏在している。しかしながら、この構成に制限されず、逆シフト触媒12およびFT触媒14は混合されて分散していてもよい。
実施の形態は、以下に記載する項目によって特定されてもよい。
[第1項目]
逆シフト反応に用いられる逆シフト触媒(12)と、
FT(Fischer-Tropsch process)反応に用いられるFT触媒(14)と、
反応場から水を分離する分離膜(8)と、を備え、
原料としての二酸化炭素および水素を用いて、反応場から水を分離しながら逆シフト反応およびFT反応により炭化水素を製造する、
炭化水素製造装置(1)。
[第2項目]
逆シフト触媒(12)は、FeおよびCuの少なくとも一方を含み、
FT触媒(14)は、Feを含む、
第1項目に記載の炭化水素製造装置(1)。
[第3項目]
逆シフト触媒(12)を含む逆シフト触媒層(4)と、
FT触媒(14)を含むFT触媒層(6)とを有し、
逆シフト触媒層(4)は、FT触媒層(6)より原料の流れの上流側に配置される、
第1項目または第2項目に記載の炭化水素製造装置(1)。
[第4項目]
逆シフト触媒(12)およびFT触媒(14)は、FeおよびKをγ-Alに担持させたものである、
第1項目乃至第3項目のいずれかに記載の炭化水素製造装置(1)。
[第5項目]
逆シフト触媒(12)およびFT触媒(14)は、230℃以上300℃以下の反応温度で逆シフト反応およびFT反応を進行させる、
第1項目乃至第4項目のいずれかに記載の炭化水素製造装置(1)。
[第6項目]
分離膜(8)は、ゼオライト膜である、
第1項目乃至第5項目のいずれかに記載の炭化水素製造装置(1)。
[第7項目]
分離膜(8)は、Na-ZSM-5ゼオライト膜である、
第6項目に記載の炭化水素製造装置(1)。
[第8項目]
原料としての二酸化炭素および水素を用いて、反応場から水を分離しながら逆シフト反応およびFT(Fischer-Tropsch process)反応により炭化水素を製造することを含む、
炭化水素製造方法。
以下、本発明の実施例を説明するが、実施例は本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
(実施例1)
(逆シフト触媒およびFT触媒の調製)
文献:H.Wan, B.Wu, C.Zhang, H.Xiang, and Y.Li, J.Mol.Catal.A:Chem.,283(2008)33-42に記載の方法に準じて、沈殿法により触媒Fe/γ-Alを調製した。
また、蒸留水100g、Fe(NO・9HO(関東化学)14.508g、γ-アルミナ(Strem Chemicals,Inc.、1344-28-1)8.00gをテフロン(登録商標)ビーカーに加え、353K、350rpmにて撹拌した。次に、1.0mol/LのNaCO水溶液を撹拌中の溶液に滴下し、溶液のpHが8となった時点で滴下を停止した。滴下の停止後、沈殿した固体を吸引ろ過によってろ別し、蒸留水で洗浄した。洗浄した沈殿物を383Kで一晩乾燥させた。その後、723Kで5時間、空気雰囲気で焼成した。
続いて、9.72mmol/LのKCO(富士フィルム和光純薬)水溶液を用いた含浸法(蒸発乾固)により、触媒Fe/γ-Alにカリウムを担持した。その際、4.02gのFe/γ-Alに対して、KCO水溶液を150mL用いた。その後、再度723Kで5時間、空気雰囲気で触媒を焼成することで、逆シフト触媒およびFT触媒を兼ねるK-Fe/γ-Alを得た。
(分離膜の調製)
文献:K. Sawamura, T. Izumi, K. Kawasaki, S. Daikohara, T. Ohsuna, M. Takada, Y. Sekine, E. Kikuchi and M. Matsukata, Chem. Asian. J. 4 (2009) 1070-1077.に記載の方法に準じて、α-アルミナ管状支持体上への2次成長法により、分離膜としてのNa-ZSM-5膜を合成した。支持体の寸法は、外径10mm、内径7mm、長さ90mmである。
具体的には、コロイダルシリカ(日産化学工業、スノーテックスS)87.295g、NaAlO(関東化学)0.517g、NaOH(関東化学)7.433g、蒸留水206.880gを混合して、合成溶液を調製した。そして、ディップコーティング法により種結晶を担持した支持体をこの合成溶液中で、453Kで12時間加熱することで2次成長を行った。加熱終了後、支持体を熱湯で洗浄し、383Kで乾燥させることでNa-ZSM-5膜を得た。
(炭化水素製造試験)
炭化水素製造試験は、2段の固定床流通式反応器を用いて実施した。すなわち、前段の反応器の出口ガス(水蒸気を含む)を後段の反応器に供給した。いずれの反応器にも0.48gの触媒K-Fe/γ-Alを導入した。反応前に、673Kで10時間の水素還元処理を触媒に施した。水素還元処理では、濃度100%の水素ガスを50mL/minの流速で各反応器に流通させた。また、後段の反応器には、Na-ZSM-5膜を挿入した。Na-ZSM-5膜の膜面積は2.51×10-3とした。前段の反応器に、水素と二酸化炭素のモル比が3:1(H/CO=3/1)の原料ガスを20mL/minの流速で流通させた。反応条件は、573K、0.9MPaとした。後段の反応器から排出された生成物を経時的に採取し、ガスクロマトグラフを用いて成分を分析した。そして、分析の結果から二酸化炭素転化率を算出した。結果を図2に示す。
(比較例1)
後段の反応器にNa-ZSM-5膜に代えてSUS管を挿入した点を除いて、実施例1と同一構成の固定床流通式反応器を用いて炭化水素製造試験を実施し、生成物の成分を分析し、二酸化炭素転化率を算出した。結果を図2に示す。
図2は、実施例1および比較例1における二酸化炭素転化率を示す図である。図2に示すように、分離膜を設けた実施例1では、分離膜を設けなかった比較例1に比べて高い二酸化炭素転化率が得られた。比較例1における二酸化炭素転化率の平均値(360分までの計測値の平均)は、32.4%であった。これに対し、実施例1における二酸化炭素転化率の平均値(480分までの計測値の平均)は、56.1%であった。したがって、実施例1では比較例1に対して23.7%上昇した。以上より、分離膜を備える膜反応器を用いて、水を系外に排出しながら逆シフト反応およびFT反応を並行して実施することで、二酸化炭素から炭化水素を効率的に製造できることが確認された。
1 炭化水素製造装置、 4 逆シフト触媒層、 6 FT触媒層、 8 分離膜、 12 逆シフト触媒、 14 FT触媒。

Claims (8)

  1. 逆シフト反応に用いられる逆シフト触媒と、
    FT(Fischer-Tropsch process)反応に用いられるFT触媒と、
    反応場から水を分離する分離膜と、を備え、
    原料としての二酸化炭素および水素を用いて、反応場から水を分離しながら逆シフト反応およびFT反応により炭化水素を製造する、
    炭化水素製造装置。
  2. 前記逆シフト触媒は、FeおよびCuの少なくとも一方を含み、
    前記FT触媒は、Feを含む、
    請求項1に記載の炭化水素製造装置。
  3. 前記逆シフト触媒を含む逆シフト触媒層と、
    前記FT触媒を含むFT触媒層とを有し、
    前記逆シフト触媒層は、前記FT触媒層より前記原料の流れの上流側に配置される、
    請求項1または2に記載の炭化水素製造装置。
  4. 前記逆シフト触媒および前記FT触媒は、FeおよびKをγ-Alに担持させたものである、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炭化水素製造装置。
  5. 前記逆シフト触媒および前記FT触媒は、230℃以上300℃以下の反応温度で逆シフト反応およびFT反応を進行させる、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の炭化水素製造装置。
  6. 前記分離膜は、ゼオライト膜である、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の炭化水素製造装置。
  7. 前記分離膜は、Na-ZSM-5ゼオライト膜である、
    請求項6に記載の炭化水素製造装置。
  8. 原料としての二酸化炭素および水素を用いて、反応場から水を分離しながら逆シフト反応およびFT(Fischer-Tropsch process)反応により炭化水素を製造することを含む、
    炭化水素製造方法。
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