JP2023124344A - 高速炉の崩壊熱除去系熱交換器構造 - Google Patents

高速炉の崩壊熱除去系熱交換器構造 Download PDF

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Abstract

【課題】熱交換器と仕切板との間のシール性を確保し、熱交換器の熱変形に起因した損傷の発生も低減できる貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造を提供する。【解決手段】この貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70は、入口窓71aと出口窓71bとが形成された内胴71と、内胴71の一部を包囲する外胴73と、筒状に形成され上端側の一部が内胴71と外胴73との間の環状の空間まで延在することによって第1流路Pa及び第2流路Pbを形成するスタンドパイプ75と、供給するガスの量を変更することによって、冷却材の液面L1の高さがスタンドパイプ75の上端より下方で外胴73の下端より上方の高さに位置し第1流路Paと第2流路Pbとの連通が遮断される遮断状態と、冷却材の液面L1あの高さがスタンドパイプ75の上端を超えて第1流路Paと第2流路Pbとが連通する連通状態とに切り替えるガス供給機構77とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、高速炉の崩壊熱除去系熱交換器構造に関する。
従来、高速炉の崩壊熱除去系における貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造として、内胴と、外胴と、ガス供給手段とを備え、ガス供給手段から内胴と外胴との間に不活性ガスを供給することで、冷却材が内胴に流入するのを阻止する構造が知られている。貫通型直接炉心冷却系熱交換器は、高速炉の主容器内部の仕切板を貫通するように配置されている。
特開昭60-178391号公報
上記の特許文献1では、内胴と仕切板との間が機械的なシール構造によってシールされているため、内胴と仕切板との間のシール性を確保しにくく、また、熱交換器の熱変形によって熱交換器と仕切板とが干渉し損傷が生じる可能性があるという問題があった。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱交換器と仕切板との間のシール性を確保し、主容器と熱交換器の熱変形に起因した損傷の発生も低減できる貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造は、主容器の内部を上部プレナムと下部プレナムとに仕切る仕切板を貫通する筒状の内胴であって、前記上部プレナムにおいて開口する入口窓と前記下部プレナムにおいて開口する出口窓とが形成された内胴と、前記上部プレナムに配置され、前記内胴の一部を包囲する外胴と、筒状に形成され、前記仕切板を貫通して前記上部プレナムから前記下部プレナムにわたって前記内胴を包囲するとともに、上端側の一部が前記内胴と前記外胴との間の環状の空間まで延在することによって、外周面と前記外胴との間に冷却材が流れる第1流路を形成し、内周面と前記内胴との間に前記上部プレナムと前記下部プレナムとを連通する第2流路を形成するスタンドパイプと、前記内胴と前記外胴との間に供給するガスの量を変更することによって、前記冷却材の液面の高さが前記スタンドパイプの上端より下方で前記外胴の下端より上方の高さに位置し前記第1流路と前記第2流路との連通が遮断される遮断状態と、前記冷却材の液面の高さが前記スタンドパイプの上端を超えて前記第1流路と前記第2流路とが連通する連通状態とに切り替えるガス供給機構と、を備える。
前記スタンドパイプは、前記スタンドパイプの上端が前記入口窓よりも下方となるように配置されていてもよい。
前記スタンドパイプの前記外周面が全周にわたって前記仕切板に固定され、前記スタンドパイプは前記内胴に接していないものであってもよい。
前記内胴と、前記外胴と、前記スタンドパイプは、いずれも円筒状の部材であって、前記第1流路及び前記第2流路が円環状に形成されていてもよい。
本発明によれば、熱交換器と仕切板との間のシール性を確保し、主容器と熱交換器の熱変形に起因した損傷の発生も低減できる貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造を提供することができる。
高速炉の基本的な構成を示す断面図である。 高速炉を上方から見た状態の一例を示す模式図である。 高速炉の貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造の周辺構造を模式的に示す断面図である。 貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造の使用時の状態を模式的に示す断面図である。 図4の一部を拡大して示す拡大図である。
(高速炉の構成)
本発明の一の実施形態に係る高速炉の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、高速炉1の基本的な構成を示す断面図である。図2は、高速炉1を上方から見た状態の一例を示す模式図である。図3は、高速炉1の貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70の周辺構造を模式的に示す断面図である。図1は、図2のA-A線における断面図であり、図3はB-B線における断面図である。図1における矢印は、冷却材であるナトリウムの流れを示している。
高速炉1は、一例としてタンク型高速炉であり、例えばウランやプルトニウム等を燃料として核分裂連鎖反応を制御しながら持続させて、エネルギーを取り出す。高速炉1は、主として、主容器10と、炉心20と、炉心槽30と、炉心上部構造40と、中間熱交換器50と、ポンプ60と、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70と、直接炉心冷却系熱交換器90とを備える。
主容器10は、一例で有底円筒形であり、例えば15m~20m程度の直径を有する。主容器10は、炉心20、炉心槽30、炉心上部構造40、中間熱交換器50、ポンプ60、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70、直接炉心冷却系熱交換器90、及び、一次系の冷却材であるナトリウム等を収容する。
主容器10の上部には、蓋として機能するルーフスラブ11が設けられている。主容器10の内部には仕切板13が設けられている。仕切板13は、例えば円環状の部材であり、主容器10の内部を上部プレナムと下部プレナムとに仕切るように水平に配置されている。上部プレナムと下部プレナムとは、炉心槽30、中間熱交換器50、及びポンプ60等を介して互いに連通している。これにより、後述するようにポンプ60を動作させることによって、冷却材は上部プレナムと下部プレナムとの間を循環する。
仕切板13は、具体的には、一例として30mm以上50mm以下程度の厚みの部材であってもよい。仕切板13は、複数の板状の部材が互いに接合されることにより構成されたものであってもよい。
炉心20は、燃料集合体及び制御棒集合体(いずれも不図示)等を有する構造部である。炉心槽30は、炉心20を収容する槽であり、高速炉1の中央部に配置されている。炉心上部構造40は、制御棒駆動機構、温度計、及び燃料破損検出器等の各種計測装置(いずれも不図示)が設けられた構造部であり、一例として炉心20の上方に配置されている。
中間熱交換器50は、筒状に形成され、ルーフスラブ11及び仕切板13を貫通するように鉛直方向に配置されている。中間熱交換器50は、上部プレナムに位置する入口窓51と、下部プレナムに位置する出口窓52とを有する。入口窓51は、上部プレナム内の高温の冷却材が流入する開口部である。出口窓52は、中間熱交換器50の内部を通過した冷却材が下部プレナムへと流出する開口部である。入口窓51は冷却材の液面Lよりも下方に位置している。
炉心20からの熱によって昇温した一次系の冷却材は、中間熱交換器50の内部において、二次系の冷却材(不図示)との間で熱交換をすることにより冷却される。
なお、図1に示すように、中間熱交換器50が仕切板13を貫通する部位には筒状のパイプ部材55が設けられており、中間熱交換器50はパイプ部材55の内部を通って、上部プレナムから下部プレナムにかけて延在している。パイプ部材55と中間熱交換器50との間には、一例として、上部プレナムと下部プレナムとを分離するための機械的なシール構造55aが設けられている。
ポンプ60は、冷却材を循環させるための機構であり、ルーフスラブ11及び仕切板13を貫通するように鉛直方向に延在している。ポンプ60は、下部プレナム内に設けられた配管61を介して冷却材を炉心槽30へと圧送する。
炉心槽30に圧送された冷却材は、炉心槽30において炉心20からの熱を受けて例えば550℃程度まで昇温する。冷却材は、その後、炉心槽30の内部を上方に向かって流れ、上部プレナムへと流入する。上部プレナムに流入した冷却材は中間熱交換器50の入口窓51から中間熱交換器50内に流れ込み、中間熱交換器50の内部で例えば400℃程度まで冷却され、中間熱交換器50内を下方に向かって流れて出口窓52から流出する。
出口窓52から流出して下部プレナムに流れ込んだ冷却材は、ポンプ60により吸引され、上述したように、ポンプ60の作用により再び炉心槽30へと圧送される。このように、冷却材は主容器10内を循環しながら炉心20を冷却する。
なお、図2では、中間熱交換器50、ポンプ60、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70、及び直接炉心冷却系熱交換器90の具体的な配置を示しているが、これらの構成要素の数、及び、配置位置は高速炉1の仕様等に応じて適宜変更されてよい。直接炉心冷却系熱交換器90は、従来公知の直接炉心冷却系熱交換器であるため、詳細な説明は省略する。
(貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70について)
貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70は、崩御熱除去系の補助冷却構造であり、高速炉1の通常運転時には動作せず、例えば異常な過渡変化があった場合や何らかの事故が発生した場合に動作して主容器10内の炉心を冷却する。
貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70は、図3に示すように、内胴71、外胴73、スタンドパイプ75、及びガス供給機構77を備えている。貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70は、中間熱交換器50と同様、主容器10内の一次系の冷却材と主容器10の外部の二次系の冷却材との間で熱交換を行うことによって、炉心を冷却する。
内胴71は、ルーフスラブ11及び仕切板13を貫通するように鉛直方向に配置された筒状の部材である。内胴71は、一例として上端及び下端が閉じられた円筒である。内胴71は、例えばルーフスラブ11に対して結合されることによって、主容器10に対して固定されている。内胴71の外周面には、上部プレナムにおいて開口する入口窓71aと、下部プレナムにおいて開口する出口窓71bとが形成されている。内胴71の内部には、二次系の冷却材が流れる不図示の流路が形成されており、内胴71内に流入した一次系の冷却材は、二次系の冷却材との間で熱交換を行うことによって冷却される。
外胴73は、内胴71と外胴73との間にガス供給機構77からのガスが供給される空間を形成するための部材である。外胴73は、上部プレナムに配置され、内胴71の一部を包囲する筒状の形状を有する。外胴73は、一例として、内胴71の直径よりも大きい直径を有する円筒状の部材であり、ルーフスラブ11に対して結合されている。外胴73は、例えば、内胴71に対して同軸に配置されている。外胴73は、下端が内胴71の入口窓71aよりも下方に位置するように、鉛直方向に延在している。
スタンドパイプ75は、筒状の形状を有し、内胴71の一部を包囲する。スタンドパイプ75は、例えば内胴71の直径よりも大きく、外胴73の直径よりは小さい直径を有する円筒状の部材である。スタンドパイプ75は、一例として内胴71及び外胴73に対して同軸に配置されている。具体的には、スタンドパイプ75は、仕切板13を貫通するように配置され、主容器10の上部プレナムから下部プレナムにわたって内胴71の一部を包囲している。
スタンドパイプ75は、一例として内胴71に接しない状態で配置されている。スタンドパイプ75の直径は、例えば、熱応力による内胴71の変形量や、貫通型直接炉心冷却系熱交換器を主容器10から取り外す際の作業性などを考慮して適宜決定される。
なお、スタンドパイプ75は内胴71に接しないように構成されていることが好ましいが、スタンドパイプ75と内胴71との間の隙間は維持しつつ、スタンドパイプ75と内胴71とが部分的に接続されていてもよい。
スタンドパイプ75は、一例として仕切板13に結合されている。スタンドパイプ75は、具体的には、その外周面が全周にわたって仕切板13に固定されている。より具体的には、スタンドパイプ75の外周面は、スタンドパイプ75の仕切板13との間に冷却材が通過する隙間が生じないような態様で、仕切板13に固定される。スタンドパイプ75の外周面と仕切板13とは例えば溶接によって固定されていてもよい。
スタンドパイプ75の外周面が全周にわたって仕切板13に固定されていることで、スタンドパイプ75と仕切板13との間を通って上部プレナムから下部プレナムへと冷却材が流れることが防止されている。これは、中間熱交換器50以外に、上部プレナムから下部プレナムへと冷却材が流れるバイパス流の発生が抑制されることを意味しており、このような構成によれば、バイパス流による冷却効率の低減を抑えることができる。
スタンドパイプ75は、図3に示すように、上端側の一部が内胴71と外胴73との間の環状の空間まで延在するように配置されている。換言すれば、スタンドパイプ75は、その上端側が内胴71と外胴73との間に入り込むような位置関係で、内胴71と外胴73との間に設けられている。
スタンドパイプ75の外周面と外胴73との間には冷却材が流れる第1流路Paが形成される。第1流路Paは、一例として、周方向に幅が一定の円環状の流路であってもよい。スタンドパイプ75の内周面と71内胴との間には上部プレナムと下部プレナムとを連通する第2流路Pbが形成されている。第2流路Pbは、一例として、第1流路Paと同様、周方向に幅が一定の円環状の流路であってもよい。
スタンドパイプ75は、その上端が内胴71の入口窓71aよりも下方となるように配置されている。スタンドパイプ75の上端は、具体的には、入口窓71aの最上部よりも下方に位置していることが好ましく、入口窓71aの最下部と同じ高さか又はそれより下方に位置していることがより好ましい。このような構成が好ましい理由については、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70の動作の説明と合わせて後述する。
(ガス供給機構77について)
ガス供給機構77は、図3に示すように、ガス供給源78、ガス流路79、第1バルブ80a、第2バルブ80b、第1ガス供給部材81a、第2ガス供給部材81b、及び、制御装置82を有する。第1バルブ80a及び第2バルブ80bは、作業者が手動で操作することによって開閉が切り替えられるものであってもよいが、以下では、制御装置82によって開閉が制御される構成を例示する。
ガス供給源78は、不活性ガスを所定の圧力で主容器10内に向けて圧送する。ガス流路79は、ガス供給源78から延び出した第1流路79aと、第1流路79aから分岐した第2流路79bと、同じく第1流路79aから分岐した第3流路79cとを有している。第1流路79aには、第1バルブ80aが設けられている。第2流路79bは、第1ガス供給部材81aに接続する流路である。第3流路79cは、第2ガス供給部材81bに接続する流路であり、第3流路79cには、第2バルブ80bが設けられている。
第1バルブ80a及び第2バルブ80bは、一例として、制御装置82からの制御信号に基づきバルブの開閉状態を切り替える不図示の駆動部を有するバルブである。第1バルブ80a及び第2バルブ80bは、具体的には、バルブの開度が変更されることによってバルブを通過するガスの流量が変更されるものであってもよい。
制御装置82は、第1バルブ80a、第2バルブ80b、及びガス供給源78の動作を制御する。制御装置82は、高速炉1の異常を検出する不図示の検出機器から高速炉1の異常を示す信号を受信するように構成されている。制御装置82は、第1バルブ80a及び第2バルブ80bのそれぞれに、バルブを開閉させるための制御信号を送信する。制御装置82は、また、ガス供給源78に、不活性ガスの供給を開始又は停止させるための制御信号を送信する。制御信号は、ガスの流量の指令値を含んでいてもよい。
制御装置82は、例えば、高速炉1の異常を示す信号を受信していない間は、第1バルブ80aを開いてガス流路79を連通状態とする。一方、第2バルブ80bは閉じた状態とされる。制御装置82は、また、ガス供給源78を動作させ、ガス供給源78から主容器10内に不活性ガスを供給させる。これにより、内胴71と外胴73との間においては、第1ガス供給部材81aを介して供給された不活性ガスによって冷却材の液面L1が内胴71の入口窓71aよりも下方まで押し下げられる。外胴73の外部においては、冷却材の液面Lは、中間熱交換器50の入口窓51よりも上方に位置している。
制御装置82は、高速炉1の異常を示す信号を受けた場合、一例として、第1バルブ80aを閉じさせ、ガス供給源78からの不活性ガスの供給を停止させる。これにより、内胴71と外胴73との間への不活性ガスの供給が停止する。また、第2バルブ80bを開くことにより、内胴71と外胴73との間においては、冷却材の液面L1が、内胴71の入口窓71aよりも上方となるような高さまで徐々に上昇する。
(貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70の動作)
上述のように構成された貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70の動作について、以下に説明する。図4は、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70の使用時の状態を示す断面図である。図4は、図3と同様、図2のB-B線における断面図である。図5は、図4の一部を拡大して示す拡大図である。
高速炉1の通常運転時には、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70は動作しない。制御装置82は第1バルブ80a及びガス供給源78に対して制御信号を送信し、第1バルブ80aを開いてガス流路79を連通状態にするとともに、ガス供給源78に不活性ガスの供給を開始させる。第2バルブ80bは閉じた状態である。ガス供給源78は、図3に示すように、内胴71と外胴73との間の空間における冷却材の液面L1の高さがスタンドパイプ75の上端より下方で外胴73の下端より上方の高さに位置するように、内胴71と外胴73との間に不活性ガスを供給する。
この状態は、第1流路Paと第2流路Pbとの連通がガス供給機構77から供給されたガスによって遮断された遮断状態である。具体的には、内胴71と外胴73との間に供給されたガスによって液面L1がスタンドパイプ75の上端より下方に押し下げられることによって、第1流路Paと第2流路Pbとの連通が遮断される。第1流路Paと第2流路Pbの連通が遮断されているので、上部プレナムの冷却材がバイパス流として下部プレナムに流れ込むことはない。
一方で、スタンドパイプ75は例えば溶接によって仕切板13に固定されており、スタンドパイプ75と仕切板13との間を通って上部プレナムの冷却材がバイパス流として下部プレナムに流れ込むこともない。
貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70を動作させる場合、ガス供給機構77からのガスの供給量を減少させるか、又は、ガス供給機構77からのガスの供給を停止する。本実施形態では、一例として、制御装置82が、不図示の検出機器から高速炉1の異常を示す信号を受信した場合、第1バルブ80aを閉じさせて、ガス供給源78からの不活性ガスの供給を停止させる。これにより、内胴71と外胴73との間への不活性ガスの供給が停止する。また、第2バルブ80bを開くことにより、図4に示すように、冷却材の液面L1の高さがスタンドパイプ75の上端を超える位置まで上昇する。具体的には、例えば、冷却材の液面の高さL1が入口窓71aよりも上方まで上昇する。
この状態は、第1流路Paと第2流路Pbとが連通する連通状態であり、図5の矢印で示すように、上部ブレナムの冷却材が第1流路Paを通って内胴71と外胴73との間の空間に流れ込み、入口窓71aから内胴71の中に流入することで貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70によって冷却される。
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態の貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70では、内胴71と外胴73との間にスタンドパイプ75が配置され、内胴71とスタンドパイプ75との間に第1流路Paが形成され、スタンドパイプ75と外胴73との間に第2流路Pbが形成されている。そして、ガス供給機構77は、内胴71と外胴73の間に供給するガスの量を変更することで、内胴71と外胴73との間の空間の冷却材の液面L1の高さを変更し、第1流路Paと第2流路Pbとの連通状態と遮断状態とを切り替える。
スタンドパイプ75が設けられていない従来の構成では、内胴71の周囲において上部プレナムから下部ブレナムに流れ込むバイパス流を防止するために、例えば、内胴71の外周と、仕切板13に固定された筒状部材の内周との間に機械的なシール構造を設ける必要があった。
しかしながら、高速炉1においては、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70が熱変形するため、機械的シール構造は貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70の熱変形を吸収できるものであることが必要である。熱変形を吸収できない場合には、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70又は仕切板13が損傷する可能性がある。また、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70はメンテナンスのためにルーフスラブ11から取り外されることも想定されるため、機械的シール構造は、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70の引抜きに対応した構造であることが必要である。このような理由から、機械的なシール構造では、構造が複雑化する問題や、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70の熱変形に起因して十分なシール性が確保し難いといった問題がある。
これに対して本実施形態の構成によれば、スタンドパイプ75と内胴71との間には機械的なシール構造は設けられておらず、内胴71と外胴73との間に供給された不活性ガスによって、液面L1が押し下げられて第1流路Paと第2流路Pbとの連通、すなわち、上部プレナムと下部プレナムとの連通が遮断される。したがって、上部プレナムから下部プレナムに冷却材が流入することが良好に防止される。
また、スタンドパイプ75の上端が内胴71の入口窓71aよりも下方に配置されている場合、図5に示すように、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70の動作時において、第2流路Pbから入口窓71aに向かって冷却材が流れ易いという利点がある。
また、スタンドパイプ75が内胴71に接していない構成によれば、内胴71がスタンドパイプ75に当接しない範囲で熱変形したとしてもスタンドパイプ75に対しては内胴71からの力が加わらない。そのため、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70又は仕切板13が損傷することが防止される。
また、内胴71と、外胴73と、スタンドパイプ75がいずれも円筒状の部材であって、第1流路Pa及び第2流路Pbが円環状に形成されている場合、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70の周方向で冷却材の流れが均一化し、冷却材が良好に流れる。
なお、高速炉1の全ての貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70が上述したような構成を有している必要はなく、少なくとも1つの貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70が上記のような構成を有していればよい。上記では貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造70について説明したが、本発明の貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造は他の種類の熱交換器に適用されてもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
1 高速炉
10 主容器
11 ルーフスラブ
13 仕切板
20 炉心
30 炉心槽
40 炉心上部構造
50 中間熱交換器
51 入口窓
52 出口窓
55 パイプ部材
55a シール構造
60 ポンプ
61 配管
70 貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造
71 内胴
71a 入口窓
71b 出口窓
73 外胴
75 スタンドパイプ
77 ガス供給機構
78 ガス供給源
79 ガス流路
79a 第1流路
79b 第2流路
79c 第3流路
80a 第1バルブ
80b 第2バルブ
81a 第1ガス供給部材
81b 第2ガス供給部材
82 制御装置
90 直接炉心冷却系熱交換器
L 液面
L1 液面
Pa 第1流路
Pb 第2流路

Claims (4)

  1. 主容器の内部を上部プレナムと下部プレナムとに仕切る仕切板を貫通する筒状の内胴であって、前記上部プレナムにおいて開口する入口窓と前記下部プレナムにおいて開口する出口窓とが形成された内胴と、
    前記上部プレナムに配置され、前記内胴の一部を包囲する外胴と、
    筒状に形成され、前記仕切板を貫通して前記上部プレナムから前記下部プレナムにわたって前記内胴を包囲するとともに、上端側の一部が前記内胴と前記外胴との間の環状の空間まで延在することによって、外周面と前記外胴との間に冷却材が流れる第1流路を形成し、内周面と前記内胴との間に前記上部プレナムと前記下部プレナムとを連通する第2流路を形成するスタンドパイプと、
    前記内胴と前記外胴との間に供給するガスの量を変更することによって、前記冷却材の液面の高さが前記スタンドパイプの上端より下方で前記外胴の下端より上方の高さに位置し前記第1流路と前記第2流路との連通が遮断される遮断状態と、前記冷却材の液面の高さが前記スタンドパイプの上端を超えて前記第1流路と前記第2流路とが連通する連通状態とに切り替えるガス供給機構と、
    を備える、貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造。
  2. 前記スタンドパイプは、前記スタンドパイプの上端が前記入口窓よりも下方となるように配置されている、
    請求項1に記載の貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造。
  3. 前記スタンドパイプの前記外周面が全周にわたって前記仕切板に固定され、前記スタンドパイプは前記内胴に接していない、
    請求項1又は2に記載の貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造。
  4. 前記内胴と、前記外胴と、前記スタンドパイプは、いずれも円筒状の部材であって、前記第1流路及び前記第2流路が円環状に形成されている、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の貫通型直接炉心冷却系熱交換器構造。

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