JP2023124021A - バイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法 - Google Patents

バイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な装置構成又は処理工程で、発酵効率を向上させることができるバイオマス処理装置を提供する。【解決手段】投入されたバイオマス中の基質に対して微生物による反応を連続して1つの反応槽5で実施するように構成されているバイオマス処理装置1Aであって、反応槽5は、一方向にバイオマスが流れるように構成され、反応槽5中のバイオマスの流れ方向上流端に、バイオマスの主投入口11が配置され、流れ方向における主投入口11の下流側に、1つ以上のバイオマスの追加投入口21が配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、投入されたバイオマス中の基質に対して微生物による反応を連続して1つの反応槽で実施するバイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法に関する。
近年、例えば、生ごみ等のバイオマスに対する微生物の働きによりメタンガス等を発生させるメタン発酵技術が注目されている。回収されたメタンガスは、ガスエンジン発電だけでなく、燃料電池、自動車の燃料をはじめ、多種多様な用途に利用することができる。
メタン発酵は、微生物により有機物をメタンと二酸化炭素とにまで分解する反応である。メタン発酵においては、微生物の増殖速度が低いことから、微生物濃度を高く保つために、基質を装置内に20~30日滞留させる必要があり、1日当たりの処理量の20~30倍の容積を持つ大型の反応装置を必要とする。
反応装置としては、特許文献1に開示されているような、いわゆるプラグフロー(押出流れ)方式の反応装置がある。特許文献1に係る反応装置は、例えば、一方向に有機性廃棄物が流れるように構成された横型の反応槽を備え、反応槽の流れ方向上流端に設けられた投入口から押し込まれた有機性廃棄物が、反応槽の流れ方向下流端に設けられた排出口に向けて押し流され、押し流される途中で発酵してメタンガスを発生させ、発生したメタンガスを回収するように構成されている。
その他の反応装置として、特許文献2には、メタン発酵槽として、2つ以上に仕切られたあるいは分離された多段槽方式の槽を用いると共に、メタン発酵しにくい有機物を多く含む有機性廃棄物及び/又は廃水を該発酵槽の前段に注入し、メタン発酵しやすい有機物を多く含む有機性廃棄物及び/又は廃水を該発酵槽の前段から後段に分けて注入するようにしたメタン発酵処理装置が開示されている。
また、特許文献3には、2つ以上の槽を多段に設けてなる嫌気性処理槽を用い、各槽の混合液を固液分離後、分離液を次の槽に入れ、濃縮汚泥を元の槽に戻すようにした嫌気性消化装置が開示されている。
特開2019-84508号公報 特開2004-313929号公報 特開2000-246291号公報
特許文献1に開示されているような反応装置において、微生物濃度が高く保たれている場合、反応装置内では投入口付近の有機物濃度が高く、盛んにメタンを生成するが、反応槽はプラグフロー方式であるため、排出口付近ではすでに有機物の多くが分解されており、有機物濃度が低下してメタン生成速度が小さくなる。そこで、できる限り高い有機物濃度で供給を行うことによって反応槽単位体積当たりのメタン生成速度を上げることが考えられるが、有機物や微生物は固体として供給されるため、高すぎる濃度は高粘性化の原因となり、機械的強度や必要動力の増加などの問題が生じ得る。一方、有機物のみの高濃度化は分解しきれないほどの有機酸生成を引き起こし、pHの低下による微生物活性低下、いわゆる酸敗を引き起こす。そのため、投入口での有機物濃度を高めることには限界がある。
特許文献2に開示されているようなメタン発酵処理装置では、多段槽方式の槽を用い、メタン発酵しにくい有機物を多く含む有機性廃棄物及び/又は廃水を該発酵槽の前段に注入し、メタン発酵しやすい有機物を多く含む有機性廃棄物及び/又は廃水を該発酵槽の前段から後段に分けて注入するようにされているため、装置構成が複雑になる。
特許文献3に開示されているような嫌気性消化装置では、2つ以上の槽を多段に設けてなる嫌気性処理槽を用い、各槽の混合液を固液分離後、分離液を次の槽に入れ、濃縮汚泥を元の槽に戻すようにされているため、やはり装置構成が複雑になる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡易な装置構成又は処理工程で、発酵効率を向上させることができるバイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るバイオマス処理装置の特徴構成は、
投入されたバイオマス中の基質に対して微生物による反応を連続して1つの反応槽で実施するように構成されているバイオマス処理装置であって、
前記反応槽は、一方向に前記バイオマスが流れるように構成され、
前記反応槽中の前記バイオマスの流れ方向上流端に、前記バイオマスの主投入口が配置され、
前記流れ方向における前記主投入口の下流側に、1つ以上の前記バイオマスの追加投入口が配置されていることにある。
本構成のバイオマス処理装置によれば、一方向にバイオマスが流れるように構成される反応槽において、バイオマスの流れ方向上流端に配置された主投入口を通してバイオマスが反応槽内に投入されるとともに、バイオマスの流れ方向における主投入口の下流側に配置された追加投入口を通してバイオマスが反応槽内に投入される。主投入口から押し込まれたバイオマスが、バイオマスの流れ方向における主投入口の下流側へと押し流され、バイオマス中の基質に対する微生物による反応(発酵)が進む。反応が進むに従って、言い換えればバイオマスが主投入口の下流側へと流れるに従って、基質が消費されて基質濃度が低下するため、反応速度が低下するが、追加投入口を通して反応槽内にバイオマスが投入されるので、基質濃度が上昇して、反応速度が上昇する。こうして、基質の消費により一旦反応速度が低下しても、基質の追加投入により反応速度を上昇させることができ、全体として発酵効率を向上させることができる。しかも、このような作用効果は、バイオマスの流れ方向における主投入口の下流側に追加投入口を配置するといった簡易な装置構成によって達成することができる。
本発明に係るバイオマス処理装置において、
前記反応槽中の前記基質の濃度が一定の範囲に収まるように、前記主投入口、及び前記追加投入口が配置されていることが好ましい。
本構成のバイオマス処理装置によれば、反応槽中の基質の濃度が一定の範囲に収まるので、基質濃度を適切な濃度に保つことができる。これにより、反応阻害を防ぎつつ、反応速度を一定以上の水準に保つことができ、反応生成物(バイオガス)を安定的に回収することができる。
本発明に係るバイオマス処理装置において、
前記バイオマスの一部が前記主投入口から前記反応槽に投入され、前記バイオマスの残部が前記追加投入口から前記反応槽に投入されるように構成されていることが好ましい。
本構成のバイオマス処理装置によれば、処理対象のバイオマスの一部が主投入口から反応槽に投入され、処理対象のバイオマスの残部が追加投入口から反応槽に投入される。これにより、主投入口を通して反応槽に投入されるバイオマスの性状と、追加投入口を通して反応槽に投入されるバイオマスの性状とにおいて、基質上のばらつきがなくなり、バイオマス中の基質に対する微生物の反応を計画どおりに進めることができる。
本発明に係るバイオマス処理装置において、
前記反応は、メタン発酵を伴う反応であることが好ましい。
本構成のバイオマス処理装置によれば、投入されたバイオマス中の基質に対して微生物による反応がメタン発酵を伴う反応であるため、メタンガスを含むバイオガスを回収することができる。そして、回収されたバイオガスは、ガスエンジン発電だけでなく、燃料電池、自動車の燃料をはじめ、多種多様な用途に利用することができる。
上記課題を解決するための本発明に係るバイオマス処理方法の特徴構成は、
投入されたバイオマス中の基質に対して微生物による反応を連続して1つの反応槽で実施するバイオマス処理方法であって、
前記反応槽に主投入用バイオマスを投入した後、一定時間経過後に追加投入用バイオマスを投入することにある。
本構成のバイオマス処理方法によれば、反応槽に投入された主投入用バイオマス中の基質に対する微生物による反応(発酵)が進むに従って、基質が消費されて基質濃度が低下するため、反応速度が低下するが、主投入用バイオマスが投入された後、一定時間経過後に追加投入用バイオマスが反応槽に投入されるので、基質濃度が上昇して、反応速度が上昇する。こうして、基質の消費により一旦反応速度が低下しても、基質の追加投入により反応速度を上昇させることができ、全体として発酵効率を向上させることができる。しかも、このような作用効果は、連続式処理装置だけでなく、いわゆるバッチ式処理装置においても、反応槽に主投入用バイオマスを投入した後、一定時間経過後に追加投入用バイオマスを投入するといった簡易な処理工程によって達成することができる。
本発明に係るバイオマス処理方法において、
前記反応槽中の前記基質の濃度が一定の範囲に収まるように、前記主投入用バイオマス、及び前記追加投入用バイオマスを前記反応槽に投入することが好ましい。
本構成のバイオマス処理方法によれば、反応槽中の基質の濃度が一定の範囲に収まるので、基質濃度を適切な濃度に保つことができる。これにより、反応阻害を防ぎつつ、反応速度を一定以上の水準に保つことができ、反応生成物を安定的に回収することができる。
本発明に係るバイオマス処理方法において、
前記バイオマスの一部として前記主投入用バイオマスを前記反応槽に投入し、前記バイオマスの残部として前記追加投入用バイオマスを前記反応槽に投入することが好ましい。
本構成のバイオマス処理方法によれば、処理対象のバイオマスの一部として主投入用バイオマスが反応槽に投入され、処理対象のバイオマスの残部として追加投入用バイオマスが反応槽に投入される。これにより、反応槽に投入される、主投入用バイオマスの性状と、追加投入用バイオマスの性状とにおいて、基質上のばらつきがなくなり、バイオマス中の基質に対する微生物の反応を計画どおりに進めることができる。
本発明に係るバイオマス処理方法において、
前記反応は、メタン発酵を伴う反応であることが好ましい。
本構成のバイオマス処理方法によれば、投入されたバイオマス中の基質に対して微生物による反応がメタン発酵を伴う反応であるため、メタンガスを含むバイオガスを回収することができる。そして、回収されたバイオガスは、ガスエンジン発電だけでなく、燃料電池、自動車の燃料をはじめ、多種多様な用途に利用することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係るバイオマス処理装置を模式的に示す概略構成図である。 図2は、第一実施形態に係るバイオマス処理装置における反応槽の長手方向位置と基質濃度との関係を示すグラフである。 図3は、本発明の第二実施形態に係るバイオマス処理装置を模式的に示す概略構成図である。 図4は、第二実施形態に係るバイオマス処理装置における反応槽の長手方向位置と基質濃度との関係を示すグラフである。 図5は、本発明の第三実施形態に係るバイオマス処理装置を模式的に示す概略構成図である。 図6は、本発明の実施形態の変形例に係るバイオマス処理装置を模式的に示す概略構成図である。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、バイオマスとは、生物由来の有機資源をいう。バイオマスとしては、例えば、有機性廃棄物、資源作物あるいはその廃棄物が挙げられる。有機性廃棄物としては、例えば、生ごみ、糞尿、下水汚泥、食品加工残渣、食品工業・製紙工業・畜産業などにおける有機性廃水が挙げられるが、有機物を含む廃棄物である限り、特に限定されない。資源作物としては、例えば、とうもろこし、さとうきび、これらの処理工程で発生する廃棄物が挙げられる。本明細書におけるバイオマスは、発酵に寄与しない異物を除去したものを含む。また、本明細書において、バイオガスとは、バイオマスの発酵(嫌気発酵)により発生するガスをいう。バイオガスの成分としては、例えば、水素ガス、メタンガス、二酸化炭素ガスが挙げられる。なお、以下の実施形態では、有機性廃棄物である生ごみを処理し、主としてメタンガスを生成・回収する例を挙げて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることは意図しない。
〔第一実施形態〕
<全体構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係るバイオマス処理装置1Aを模式的に示す概略構成図である。図1に示すバイオマス処理装置1Aは、バイオマス(生ごみ)を選別・破砕する破砕機3と、破砕したバイオマスと発酵残渣とを混合するミキサー4と、投入されたバイオマス中の基質に対して微生物による反応を連続して実施する反応槽(発酵槽)5と、脱水工程を実施する脱水機7とを備えている。
<反応槽>
反応槽5は、横長の円筒形状に形成されており、長手方向一端側から他端側に向けて一方向(図1において右方向)に流れるように構成されるプラグフロー(押出流れ)方式の反応槽である。なお、必要に応じ、撹拌パドルを反応槽5の内部に配設してもよい。また、反応槽5として、本例で示すような横型に限定されず、縦型であってもよい。
<主投入口>
反応槽5における長手方向一端側の端壁は、反応槽5中のバイオマスの流れ方向上流端であり、当該端壁には、バイオマス(後述する主投入用バイオマス)を投入するための主投入口11が配置されている。反応槽5における長手方向他端側の端壁は、反応槽5中のバイオマスの流れ方向下流端であり、当該端壁には、バイオマスが発酵した後の発酵残渣を排出するための排出口13が配置されている。
<追加投入口>
反応槽5の上部には、反応槽5の長手方向一端から他端に向けて所定距離隔てた位置に、バイオマス(後述する追加投入用バイオマス)を追加で投入するための追加投入口21が配置されている。さらに、反応槽5の上部には、槽内で発生したバイオガスを抜き出すために適宜位置に配されるガス抜き管25が付設されている。
反応槽5における主投入口11は、主供給管31を介してミキサー4に接続されている。ミキサー4と破砕機3とは、送給管33を介して接続されている。反応槽5における排出口13は、排出管35を介して脱水機7に接続されている。脱水機7とミキサー4とは、返送管37を介して接続されている。反応槽5における追加投入口21は、追加供給管39を介して送給管33に接続されている。
以上に述べたように構成されるバイオマス処理装置1Aを用いてバイオマスを処理する際には、まず、破砕機3において、バイオマスの中から生物的処理が不可能な随伴プラスチック類を分別・除去し、反応槽5内の閉塞防止のため破砕する。分別・除去された随伴プラスチック類は、搬送ライン41を介して図示されないごみ焼却炉へと搬送され、焼却処理される。破砕機3で破砕されたバイオマスは、一部が送給管33を介してミキサー4へと送られ、残部が追加供給管39を介して追加投入口21へと送られる。
ミキサー4には、破砕機3で破砕された後のバイオマスが送り込まれるとともに、反応槽5の排出口13から排出された発酵残渣のうち、脱水機7で脱水された後の固形分が、発酵継続に必要な微生物(メタン菌)の供給源として、返送管37を介して送り込まれる。ミキサー4は、破砕機3で破砕された後のバイオマスと、発酵残渣の固形分とを混合する。
ミキサー4で混合された発酵残渣の固形分を含むバイオマスは、主供給管31を介して反応槽5へと送られ、主投入用バイオマスとして、主投入口11を通して反応槽5の内部に投入される。さらに、反応槽5には、破砕機3で破砕されたバイオマスの残部が追加供給管39を介して追加投入用バイオマスとして追加投入口21を通して投入される。反応槽5においては、投入されたバイオマスに含まれる有機物である、炭水化物、タンパク質、脂質等を基質として、微生物によるメタン発酵が行われる。メタン発酵により、メタンガス及び二酸化炭素ガスを含むバイオガスが発生する。反応槽5で発生したバイオガスは、ガス抜き管25から抜き出されて回収され、回収されたバイオガスは、ガスエンジン発電だけでなく、燃料電池、自動車の燃料をはじめ、多種多様な用途に利用される。
メタン発酵は、一般的に25~65℃、好ましくは30~40℃、高温菌の場合は50~60℃で行われる。メタン発酵は、一般的にpH5~10、好ましくは7~9のアルカリ側で行われる。必要に応じて、pH調整剤の添加によってpH調整を行ってもよい。
脱水機7での脱水工程において発生した脱離水は、排水ライン43を介して図示されない排水処理設備へと送られて所定の排水処理が施される。
図2は、第一実施形態に係るバイオマス処理装置1Aにおける反応槽5の長手方向位置と基質濃度との関係を示すグラフである。図2のグラフにおいて、縦軸は基質濃度を示し、横軸は反応槽5の長手方向位置を示す。横軸において「X0」は、主投入口11が配置される位置を示し、「X1」は、追加投入口21が配置される位置を示し、「Xn」は、排出口13が配置される位置を示す。反応槽5の全長をWとした場合、本例では、X1は、0.15W~0.20W程度に設定される。基質濃度を示す縦軸において、基質濃度の一定の範囲の上限を示す上限値ラインLaと、下限を示す下限値ラインLbとが設定されている。
バイオマス処理装置1Aでは、一方向にバイオマスが流れるように構成される反応槽5において、バイオマスの流れ方向上流端に配置された主投入口11を通して主投入用バイオマスが反応槽5内に投入されるとともに、バイオマスの流れ方向における主投入口11の下流側に配置された追加投入口21を通して追加投入用バイオマスが反応槽5内に投入される。主投入口11から押し込まれた主投入用バイオマスが、バイオマスの流れ方向における主投入口11の下流側へと押し流され、バイオマス中の基質に対する微生物による反応(発酵)が進む。反応が進むに従って、言い換えればバイオマスが主投入口11の下流側へと流れるに従って、基質が消費されて基質濃度が低下するため、反応速度が低下するが、追加投入口21を通して反応槽5内に追加投入用バイオマスが投入されるので、基質濃度が上昇して、反応速度が上昇する。こうして、基質の消費により一旦反応速度が低下しても、基質の追加投入により反応速度を上昇させることができ、全体として発酵効率を向上させることができる。このような作用効果は、バイオマスの流れ方向における主投入口11の下流側に追加投入口21を配置するといった簡易な装置構成によって達成することができる。
バイオマス処理装置1Aにおいては、主投入用バイオマス及び追加投入用バイオマスの反応槽5への投入による反応槽5中の基質の濃度が、上限値ラインLaと下限値ラインLbとの間の一定の範囲に収まるので、基質濃度を適切な濃度に保つことができる。これにより、反応阻害を防ぎつつ、反応速度を一定以上の水準に保つことができ、反応生成物を安定的に回収することができる。
バイオマス処理装置1Aにおいては、破砕機3で破砕されたバイオマスの一部が主投入口11から反応槽5に投入され、破砕機3で破砕されたバイオマスの残部が追加投入口21から反応槽5に投入される。つまり、同一のバイオマスを分別して、一方を主投入口11から反応槽5に投入し、他方を追加投入口21から反応槽5に投入するようにされている。これにより、主投入口11を通して反応槽5に投入されるバイオマスの性状と、追加投入口21を通して反応槽5に投入されるバイオマスの性状とにおいて、基質上のばらつきがなくなり、バイオマス中の基質に対する微生物の反応を計画どおりに進めることができる。
バイオマス処理装置1Aにおいて、乾式メタン発酵のように浮遊物質濃度が高い系では反応が進むにつれて浮遊物質濃度が下がり、固液分離による発酵速度減少が起こることがあるが、追加投入用バイオマスにより適切に有機物を補うことで浮遊物質濃度を保つことができ、固液分離を起こりにくくし、発酵速度を維持することができる。
〔第二実施形態〕
図3は、本発明の第二実施形態に係るバイオマス処理装置1Bを模式的に示す概略構成図である。なお、第二実施形態において、第一実施形態と同一又は同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第二実施形態に特有の部分を中心に説明することとする。
図3に示す第二実施形態のバイオマス処理装置1Bにおいて、反応槽5の上部には、反応槽5の長手方向一端から他端に向けて所定間隔をあけて複数の追加投入口、本例では第一追加投入口21、第二追加投入口22及び第三追加投入口23が配置されている。
図4は、第二実施形態に係るバイオマス処理装置1Bにおける反応槽5の長手方向位置と基質濃度との関係を示すグラフである。図4のグラフにおいて、縦軸は基質濃度を示し、横軸は反応槽の長手方向位置を示す。横軸において「X1」は、第一追加投入口21が配置される位置を示し、「X2」は、第二追加投入口22が配置される位置を示し、「X3」は、第三追加投入口23が配置される位置を示す。
バイオマス処理装置1Bでは、一方向にバイオマスが流れるように構成される反応槽5において、バイオマスの流れ方向上流端に配置された主投入口11を通して主投入用バイオマスが反応槽5内に投入されるとともに、バイオマスの流れ方向における主投入口11の下流側に配置された第一追加投入口21、第二追加投入口22及び第三追加投入口23の夫々を通して追加投入用バイオマスが反応槽5内に投入される。これにより、上限値ラインLaと下限値ラインLbとの間において、基質濃度が下降と上昇とを複数回繰り返しながらも、全体として基質濃度を高い水準に保つことができ、基質分解速度を高く維持することができて、全体として発酵効率をより向上させることができる。
第二実施形態のバイオマス処理装置1Bによれば、同じ体積の反応槽5を用いて、第一実施形態のバイオマス処理装置1Aよりも基質消費量を増加させることができる。同じ体積の反応槽5で基質消費量を増加させることができれば、同じ基質消費量に対して体積がより小さな反応槽5を用いることができる。すなわち、主投入口11からのみバイオマスを投入する場合の所定量の基質を消費するために必要な反応槽5の体積を「V」とすると、同じ量の基質を消費するために必要な反応槽5の体積を、主投入口11及び第一追加投入口21の2段階でバイオマスを投入した場合では「0.66V」程度に、主投入口11、第一追加投入口21及び第二追加投入口22の3段階でバイオマスを投入した場合では「0.52V」程度に、主投入口11、第一追加投入口21、第二追加投入口22及び第三追加投入口23の4段階でバイオマスを投入した場合では「0.40V」程度に縮小することができる。従って、第二実施形態のバイオマス処理装置1Bによれば、同じ処理量であれば第一実施形態のバイオマス処理装置1Aよりも装置のコンパクト化を図ることができる。
〔第三実施形態〕
図5は、本発明の第三実施形態に係るバイオマス処理装置1Cを模式的に示す概略構成図である。第三実施形態は、バッチ処理形式の反応槽50を用いた例である。第三実施形態において、反応槽5は、縦長の円筒形状であり、主投入用バイオマスが主投入用バイオマス供給手段53によって反応槽50内に投入された後、一定時間経過後に追加投入用バイオマスが追加投入用バイオマス供給手段55によって反応槽50内に投入される。なお、図5では、主投入用バイオマス供給手段53と追加投入用バイオマス供給手段55とを分けて示しているが、共通の配管等で構成しても構わない。反応槽50内では、投入されたバイオマスを基質として、反応槽50内の微生物により、メタン発酵が行われる。メタン発酵では、メタンガス及び二酸化炭素ガスを含むバイオガスが発生する。発生したバイオガスは、反応槽50内の上部にあるガス相を経てバイオガス回収手段57によって回収される。発酵残渣は、発酵残渣回収手段59によって反応槽50の外部へと除去されて回収される。必要に応じて、撹拌手段60により槽内を撹拌してもよい。攪拌手段60としては、例えば、回転翼、ポンプ、ブロワ等が挙げられる。
第三実施形態のバイオマス処理装置1Cにおいては、反応槽50に投入された主投入用バイオマス中の基質に対する微生物による反応(発酵)が進むに従って、基質が消費されて基質濃度が低下するため、反応速度が低下するが、主投入用バイオマスが投入された後、一定時間経過後に追加投入用バイオマスが反応槽50に投入されるので、基質濃度が上昇して、反応速度が上昇する。こうして、基質の消費により一旦反応速度が低下しても、基質の追加投入により反応速度を上昇させることができ、全体として発酵効率を向上させることができる。このような作用効果は、反応槽50に主投入用バイオマスを投入した後、一定時間経過後に追加投入用バイオマスを投入するといった簡易な処理工程を含むバイオマス処理方法の実施によって達成することができる。
以上、本発明のバイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
図6は、本発明の実施形態の変形例に係るバイオマス処理装置1A´,1B´を模式的に示す概略構成図である。
図6(a)は、第一実施形態のバイオマス処理装置1Aの変形例を示す。図1に示す第一実施形態では、反応槽5における追加投入口21を、追加供給管39を介して送給管33に接続する例を示したが、図6(a)に示すように、反応槽5における追加投入口21を、追加供給管63を介して主供給管31に接続してもよい。図6(a)に示す変形例においては、ミキサー4で混合された発酵残渣の固形分を含むバイオマスの一部が主供給管31を介して反応槽5へと送られ、主投入用バイオマスとして、主投入口11を通して反応槽5の内部に投入されるとともに、残部が追加供給管63を介して反応槽5へと送られ、追加投入用バイオマスとして、追加投入口21を通して反応槽5の内部に投入されることになる。
図6(b)は、第二実施形態のバイオマス処理装置1Bの変形例を示す。図3に示す第二実施形態では、反応槽5における第一追加投入口21、第二追加投入口22及び第三追加投入口23を、追加供給管39を介して送給管33に接続する例を示したが、図6(b)に示すように、反応槽5における第一追加投入口21、第二追加投入口22及び第三追加投入口23を、追加供給管63を介して主供給管31に接続してもよい。図6(b)に示す変形例によれば、ミキサー4で混合された発酵残渣の固形分を含むバイオマスの一部が主供給管31を介して反応槽5へと送られ、主投入用バイオマスとして、主投入口11を通して反応槽5の内部に投入されるとともに、残部が追加供給管63を介して反応槽5へと送られ、追加投入用バイオマスとして、第一追加投入口21、第二追加投入口22及び第三追加投入口23の夫々を通して反応槽5の内部に投入されることになる。
本発明のバイオマス処理装置、及びバイオマス処理方法は、バイオマスを処理対象として、微生物による反応によりバイオガスを生成・回収する用途において利用可能である。
1A~1C バイオマス処理装置
5 反応槽
11 主投入口
21~23 追加投入口

Claims (8)

  1. 投入されたバイオマス中の基質に対して微生物による反応を連続して1つの反応槽で実施するように構成されているバイオマス処理装置であって、
    前記反応槽は、一方向に前記バイオマスが流れるように構成され、
    前記反応槽中の前記バイオマスの流れ方向上流端に、前記バイオマスの主投入口が配置され、
    前記流れ方向における前記主投入口の下流側に、1つ以上の前記バイオマスの追加投入口が配置されているバイオマス処理装置。
  2. 前記反応槽中の前記基質の濃度が一定の範囲に収まるように、前記主投入口、及び前記追加投入口が配置されている請求項1に記載のバイオマス処理装置。
  3. 前記バイオマスの一部が前記主投入口から前記反応槽に投入され、前記バイオマスの残部が前記追加投入口から前記反応槽に投入されるように構成されている請求項1又は2に記載のバイオマス処理装置。
  4. 前記反応は、メタン発酵を伴う反応である請求項1~3の何れか一項に記載のバイオマス処理装置。
  5. 投入されたバイオマス中の基質に対して微生物による反応を連続して1つの反応槽で実施するバイオマス処理方法であって、
    前記反応槽に主投入用バイオマスを投入した後、一定時間経過後に追加投入用バイオマスを投入するバイオマス処理方法。
  6. 前記反応槽中の前記基質の濃度が一定の範囲に収まるように、前記主投入用バイオマス、及び前記追加投入用バイオマスを前記反応槽に投入する請求項5に記載のバイオマス処理方法。
  7. 前記バイオマスの一部として前記主投入用バイオマスを前記反応槽に投入し、前記バイオマスの残部として前記追加投入用バイオマスを前記反応槽に投入する請求項5又は6に記載のバイオマス処理方法。
  8. 前記反応は、メタン発酵を伴う反応である請求項5~7の何れか一項に記載のバイオマス処理方法。
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