JP2023121514A - 殺菌システム、殺菌装置および制御方法 - Google Patents

殺菌システム、殺菌装置および制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】人への安全性を確保しつつ殺菌の効率を向上させること。【解決手段】実施形態の殺菌システムは、光源部と、水平角度調整部および/または垂直角度調整部と、制御装置とを備える。前記光源部は、人体への影響が少ない波長の紫外線を照射する。前記水平角度調整部は、前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する。前記垂直角度調整部は、前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する。前記制御装置は、前記水平角度調整部および/または前記垂直角度調整部の回動を制御し、対象物に前記光源部による紫外線を照射する。前記制御装置は、照射エリア、時間帯ごとに、紫外線の照射を開始する照射方向と、照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量と、次の照射方向とを含む設定データに基づき、制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、殺菌システム、殺菌装置および制御方法に関する。
従来から、所定の波長範囲の紫外線が人(皮膚、目等)への影響が少ないことが知られており、ヒト細胞を害することなくバクテリアの殺菌を行うものが提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。人への影響が少ない波長範囲の紫外線によれば、人のいる環境下においても殺菌が行えるため、夜間等の終業後に使用が限られることがなくなり、運用上および殺菌の効果上、有利である。
なお、人への影響が少ない波長範囲であっても、長時間や多量の曝露は人の健康を害する恐れがあるため、米国労働衛生専門官会議(ACGIH:American Conference of Governmental Industrial Hygienists)により規定された値を元に日本工業規格 JIS Z 8812-1987(有害紫外放射の測定方法)では、例えば、1日8時間において22mJ/cm2という許容限界値が定められている。
また、人への影響が少ない波長範囲の紫外線を使用する場合に、近接センサにより人等の物体を検出した際に、紫外線量を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献2等を参照)。
特許第6025756号公報 特許第6973603号公報
しかしながら、近接センサにより人等の物体を検出した際に紫外線量を低減(停止を含む)する場合、人の安全性は確保されるが、殺菌が十分に行われない場合があり、殺菌の効率が低下するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、人への安全性を確保しつつ殺菌の効率を向上させることができる殺菌システム、殺菌装置および制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る殺菌装置は、光源部と、水平角度調整部および/または垂直角度調整部と、制御装置とを備える。前記光源部は、人体への影響が少ない波長の紫外線を照射する。前記水平角度調整部は、前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する。前記垂直角度調整部は、前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する。前記制御装置は、前記水平角度調整部および/または前記垂直角度調整部の回動を制御し、対象物に前記光源部による紫外線を照射する。前記制御装置は、照射エリア、時間帯ごとに、紫外線の照射を開始する照射方向と、照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量と、次の照射方向とを含む設定データに基づき、制御を行う。
本発明の一態様に係る殺菌システムは、人への安全性を確保しつつ殺菌の効率を向上させることができる。
図1は、一実施形態に係る殺菌装置等の構成例を示すブロック図である。 図2は、複数の殺菌装置等が含まれる場合の構成例を示す図である。 図3は、殺菌装置の一例の機械的な構成例を示す斜視図である。 図4は、殺菌装置の他の例の機械的な構成例を示す斜視図である。 図5は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部のハードウェア構成例を示す図である。 図6は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部の機能構成例を示す図である。 図7は、殺菌装置が設置された空間の例を示す図である。 図8は、図7に対応した設定データの例を示す図である。 図9は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部による制御例を示すフローチャートである。 図10は、殺菌装置が設置された空間の他の例を示す図である。 図11は、図10に対応した設定データの例を示す図である。
以下、実施形態に係る殺菌システム、殺菌装置および制御方法について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
<装置構成、システム構成>
図1は、一実施形態に係る殺菌装置1等の構成例を示すブロック図である。図1において、殺菌装置1は、例えば天井を構成する天井壁100にベース部41が取り付けられており、光源部21を有する本体部2と、本体部2を回動可能に支持する垂直角度調整部3および水平角度調整部4と、制御装置5とを備えている。
なお、図1におけるX方向は水平方向であり、殺菌装置1の図示の状態における前後方向である。Y方向は水平方向であり、殺菌装置1の図示の状態における幅方向である。Z方向は水平方向と直交する垂直方向であり、殺菌装置1の上下方向である。なお、本実施形態においては、Z方向が殺菌対象空間Sの鉛直方向と平行であるが、これに限定されるものではなく、Z方向が鉛直方向に対して傾斜、あるいはZ方向が鉛直方向と直交する方向と平行であってもよい。
制御装置5は、殺菌装置1を制御するものである。制御装置5は、光源部21、垂直角度調整部3および水平角度調整部4を制御するものであり、ベース部41の内部空間に収容されている。制御装置5は、通信部51、制御部52、光源部駆動回路53、第1モータ駆動回路54、第2モータ駆動回路55を有する。制御装置5は、電源200から供給された電力に基づき、光源部21による紫外線の点灯・消灯、照射強度の調整、垂直角度調整部3による光源部21の垂直角度の調整、水平角度調整部4による光源部21の水平角度の調整などを行う。なお、制御装置5のハードウェア構成は、一般的な制御装置のハードウェア構成と同様である。また、電源200は、商業電源、発電機、バッテリなどである。
通信部51は、ユーザーが所持する端末10との間で情報を送受信するものであり、例えば、端末10からの操作情報を受信したり、殺菌装置1の状態、光源部21の照射状態(例えば、点灯・消灯、照射強度)、光源部21の姿勢状態(例えば、垂直角度および水平角度)を端末10に送信したりするものである。通信部51は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うものである。
制御部52は、光源部21に対する照射制御、第1モータ32に対する駆動制御および第2モータ42に対する駆動制御などを行うものである。ここで、照射制御には、光源部21の点灯・消灯制御、照射強度制御などが含まれる。
光源部駆動回路53は、制御部52からの光源部21に対する照射制御信号に基づき、光源部21に電力を供給するものである。光源部駆動回路53は、光源部21が紫外線の照射強度を変更できるタイプである場合、照射強度の調整も行う。光源部駆動回路53は、制御部52および光源部21と電気的に接続されている。なお、光源部駆動回路53は、制御装置5が有しているが、これに限定されるものではなく、光源部21が有していてもよい。また、光源部21が異なる波長領域の光源が組み合わされた光源であった場合、それぞれの光源の照射強度を調整できるように調整を行う。
第1モータ駆動回路54は、制御部52からの第1モータ32に対する駆動制御信号に基づき、第1モータ32に対して駆動電力を供給することで、光源部21を垂直方向において回動させるものである。第1モータ駆動回路54は、制御部52および第1モータ32と電気的に接続されている。なお、第1モータ駆動回路54は、制御装置5が有しているが、これに限定されるものではなく、第1モータ32が有していてもよい。
第2モータ駆動回路55は、制御部52からの第2モータ42に対する駆動制御信号に基づき、第2モータ42に対して駆動電力を供給することで、光源部21を水平方向において回動させるものである。第2モータ駆動回路55は、制御部52および第2モータ42と電気的に接続されている。なお、第2モータ駆動回路55は、制御装置5が有しているが、これに限定されるものではなく、第2モータ42が有していてもよい。
端末10は、ユーザーが操作することで殺菌装置1を操作するものであるとともに、ユーザーが殺菌装置1の状態を把握するものである。端末10は、通信部11と、制御部12と、操作・表示部13とを有する。なお、端末10は、殺菌装置1用の専用端末であってもよいし、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどの汎用端末であってもよい。また、端末10のハードウェア構成は、一般的な端末のハードウェア構成と同様である。
通信部11は、制御装置5との間で情報を送受信するものである。通信部11は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うものである。なお、情報の送受信は無線に限られるものではなく、有線によるものであってもよい。
制御部12は、端末10を制御するものであり、少なくとも操作・表示部13に対するユーザーの操作に基づいて、操作情報を通信部11に出力するものである。制御部12は、操作・表示部13による表示も制御する。制御部12は、通信部11および操作・表示部13と電気的に接続されている。なお、制御部12は、自装置側の通信部11および殺菌装置1側の通信部51を介して接続された制御部52の処理の一部を代行することができる。
操作・表示部13は、端末10における一般的な操作および表示のほかに、殺菌装置1を遠隔操作する際に用いられるものである。操作・表示部13は、図示はしないが例えば、紫外線の点灯・消灯に対応するスイッチ、照射強度に対応するスイッチ、光源部21の垂直角度の調整に対応するスイッチ、光源部21の水平角度の調整に対応するスイッチなどが含まれる。なお、スイッチは、通電・非通電や抵抗変化などの機械式のスイッチであっても、タッチパネルなどの電気式のスイッチであってもよい。
また、殺菌装置1の本体部2の近傍には各種センサ300が設けられ、更に殺菌装置1とは別に各種センサ400が設けられており、制御部52は各種センサ300、400のセンシング結果に基づいて各種の制御を行う。各種センサ300は、例えば、人感センサ、カメラ、距離センサ、紫外線強度センサ等である。各種センサ400は、例えば、ドアセンサ、COセンサ等である。なお、各種センサ300、400と殺菌装置1との接続は有線であっても無線であってもよい。
図2は、複数の殺菌装置1等が含まれる場合の構成例を示す図である。図2において、例えば天井を構成する天井壁100に複数の殺菌装置1が取り付けられている。各殺菌装置1の制御装置5は、それぞれが対等な関係で制御を行うか、いずれかがマスターとなって統括的に制御を行う。また、殺菌装置1の制御装置5とは別に、統括制御用の制御装置500が設けられるものであってもよい。制御装置500は、通信部501と、制御部502と、操作・表示部503とを備えている。
通信部501は、各殺菌装置1の制御装置5との間で情報を送受信するものである。通信部501は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うものである。なお、情報の送受信は無線に限られるものではなく、有線によるものであってもよい。
制御部502は、制御装置500を制御するものであり、少なくとも操作・表示部503に対するユーザーの操作または予め設定された情報に基づいて、操作情報を通信部501に出力するものである。制御部502は、通信部501および操作・表示部503と電気的に接続されている。
操作・表示部503は、制御装置500における一般的な操作および表示のほかに、各殺菌装置1を遠隔操作する際に用いられるものである。操作・表示部503は、図示はしないが例えば、紫外線の点灯・消灯に対応するスイッチ、照射強度に対応するスイッチ、光源部21の垂直角度の調整に対応するスイッチ、光源部21の水平角度の調整に対応するスイッチ、各種自動動作の設定のためのスイッチなどが含まれる。なお、スイッチは、通電・非通電や抵抗変化などの機械式のスイッチであっても、タッチパネルなどの電気式のスイッチであってもよい。
端末10は、各殺菌装置1の制御装置5との間、マスターに設定された制御装置5との間、または、制御装置500との間で通信を行い、ユーザーによる各種の操作や、状態の確認に対応する。端末10は、制御装置500とともに、または、制御装置500に代わって、個々の殺菌装置1を制御することができる。
図3は、殺菌装置1の一例(殺菌装置1A)の機械的な構成例を示す斜視図である。殺菌装置1Aは、図3に示されるように、紫外線UVを殺菌対象空間Sに照射するものである。殺菌装置1Aは、殺菌対象空間Sの一部を構成する壁、本実施形態では天井を構成する天井壁100に取り付けられている。具体的には、殺菌装置1Aは、天井壁100から殺菌対象空間Sに突出した状態で天井壁100に対して、図示しないレール等を介して取り付けられている。殺菌装置1Aは、光源部21が取り付けられる本体部2と、垂直角度調整部3と、水平角度調整部4と、制御装置5とを備える。
本体部2は、光源部21が取り付けられるものである。本体部2は、略円筒形状に形成されており、軸方向のうち、殺菌対象空間S側に開口22が形成され、殺菌対象空間Sと反対側が閉塞されている。本体部2は、図示しない支持軸を介して、垂直角度調整部3に対して回転自在に支持されている。
光源部21は、放射状の紫外線UVを殺菌対象空間Sに対して照射するものである。光源部21は、本体部2の内部空間のうち、本体部2の軸方向において開口22と対向した位置に取り付けられている。光源部21は、開口22を介して紫外線UVを殺菌対象空間Sに照射する。
ここで、光源部21が殺菌対象空間Sに照射する紫外線UVは、可視光線とは異なる波長の電磁波であり、本実施形態では、人体への影響が少ない222nmを中心とした波長の電磁波をいう。すなわち、190nm未満の紫外線は、空気、特に空気中の酸素に吸収されるため、殺菌対象空間Sに存在する物体、例えば人体まで到達する線量が大幅に減少してしまい、物体に対する殺菌効果が減少する。一方、230nmを超える紫外線は、殺菌対象空間Sに存在する物体が人体の場合に、細胞に吸収され細胞内のDNAに損傷を与える可能性がある。本実施形態における光源部21は、例えば、222nmにピークを有するKrClエキシマランプを光源として有し、人体に悪影響を及ぼす波長がカットされたものである。また、放射状の紫外線UVは、光源から出射する紫外線が放射状であってもよいし、光源から出射する紫外線UVは直線状であって、図示しないレンズにより実現してもよい。
垂直角度調整部3は、光源部21を垂直方向Zにおいて回動することで、垂直角度を調整、すなわちチルト方向Tを調整する。垂直角度調整部3は、アーム部31と、第1モータ32とを有する。アーム部31は、本体部2を垂直方向Zに回動可能に支持するものである。アーム部31は、下方向に開口するU字状に形成されており、開口を形成する両先端部31a、31aにおいて、本体部2が両先端部31a、31aの対向方向周りに回転自在に支持されている。第1モータ32は、垂直アクチュエータであり、本体部2をアーム部31に対して回動させるものである。第1モータ32は、アーム部31に取り付けられており、図示しない駆動機構を介して、支持軸周り、すなわち対向方向周りに本体部2を回動させるものである。本実施形態における光源部21は、第1モータ32により、下方向を0度とした場合に、例えば、±90度の範囲で揺動させる。垂直角度調整部3は、図示しない支持軸を介して、水平角度調整部4に対して回転自在に支持されている。
水平角度調整部4は、光源部21を水平方向(前後方向X、幅方向Y)において回動することで、水平角度を調整、すなわちパン方向Pを調整する。水平角度調整部4は、ベース部41と、第2モータ42とを有する。ベース部41は、アーム部31を介して本体部2を水平方向に回動可能に支持するものである。ベース部41は、天井壁100に取り付けられており、前後方向を長手方向として立方体状に形成されており、アーム部31の上方向側の先端部31bにおいてアーム部31が垂直方向Z周りに回転自在に支持されている。第2モータ42は、水平アクチュエータであり、アーム部31をベース部41に対して回動させるものである。第2モータ42は、ベース部41に取り付けられており、図示しない駆動機構を介して、支持軸周り、すなわち垂直方向周りにアーム部31を回動させることで、本体部2を回動させるものである。本実施形態における光源部21は、第2モータ42により、水平方向のうち、任意の方向を0度とした場合に、例えば、±180度の範囲で揺動させる。
なお、上記の説明においては、各アクチュエータをモータとしたが、これに限定されるものではなく、液圧式シリンダ、気圧式シリンダなどであってもよい。
図4は、殺菌装置1の他の例(殺菌装置1B)の機械的な構成例を示す斜視図である。図4において、殺菌装置1Bは、天井壁100に対する取り付け状態の点で、前述の殺菌装置1Aと異なる。殺菌装置1Bの基本的構成は、殺菌装置1Aの基本的構成と同一、またはほぼ同一であるので、同一符号についてはその説明を省略あるいは簡略化する。
殺菌装置1Bは、図4に示されるように、紫外線UVを殺菌対象空間Sに照射するものである。殺菌装置1Bは、殺菌対象空間Sの一部を構成する天井壁100に取り付けられている。具体的には、殺菌装置1Bは、天井壁100から殺菌対象空間S側と反対側に突出、すなわち天井壁100に埋設した状態で天井壁100に取り付けられている。天井壁100には、開口101が形成されており、殺菌装置1B、特に本体部2の開口22が開口101を介して、殺菌対象空間Sに露出して取り付けらえている。殺菌装置1Bは、光源部21を取り付けられる本体部2と、垂直角度調整部3と、水平角度調整部4と、制御装置5とを備える。
本体部2は、放射状の紫外線UVを殺菌対象空間Sに対して照射する光源部21が取り付けられるものである。本体部2は、略円筒形状に形成されており、軸方向のうち、殺菌対象空間S側に開口22が形成され、殺菌対象空間S側と反対側が閉塞されている。本体部2は、図示しない支持軸を介して、垂直角度調整部3に対して回転自在に支持されている。
垂直角度調整部3は、光源部21を垂直方向Zにおいて回動することで、垂直角度を調整、すなわちチルト方向Tを調整する。垂直角度調整部3は、サブ枠部33と、第1モータ32とを有する。サブ枠部33は、本体部2を垂直方向Zに回動可能に支持するものである。サブ枠部33は、上下方向を軸とする円筒形状に形成され、上下方向に開口を介して外部連通する内部空間33aが形成されている。サブ枠部33は、内部空間33aにおいて、本体部2が水平方向周りに回動自在に支持されている。つまり、サブ枠部33は、本体部2の少なくとも一部が内部空間33aに収容され、かつ本体部2を垂直方向に回動可能に支持する。第1モータ32は、サブ枠部33に取り付けられており、図示しない駆動機構を介して、支持軸周りに本体部2を回動させるものである。本実施形態における光源部21は、第1モータ32により、下方向を0度とした場合に、例えば、-35度~+45度の範囲で揺動させる。
水平角度調整部4は、光源部21を水平方向(前後方向X、幅方向Y)において回動することで、水平角度を調整、すなわちパン方向Pを調整する。水平角度調整部4は、ベース枠部43と、第2モータ42とを有する。ベース枠部43は、サブ枠部33を介して本体部2を水平方向に回動可能に支持するものである。ベース枠部43は、上下方向において開口101と対向して天井壁100に取り付けられており、上下方向を軸とする円筒形状に形成され、上下方向に開口を介して外部連通する内部空間43aが形成されている。ベース枠部43は、内部空間43aにおいて、本体部2が垂直方向周りに回動自在に支持されている。つまり、ベース枠部43は、サブ枠部33の少なくとも一部が内部空間43aに収容され、かつサブ枠部33を垂直方向に回動可能に支持する。本実施形態における光源部21は、第2モータ42により、水平方向のうち、任意の方向を0度とした場合に、例えば、+355度の範囲で揺動させる。
なお、上記の説明においては、各アクチュエータをモータとしたが、これに限定されるものではなく、液圧式シリンダ、気圧式シリンダなどであってもよい。
図5は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502のハードウェア構成例を示す図である。図5において、制御部52、12、502は、一般的なコンピュータの構成を有しており、処理部(プロセッサ)H1と、記憶部(メモリ)H2と、入出力部(I/O:Input Output)H3とを備えている。記憶部H2には、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NV-RAM(Nonvolatile-RAM)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等が含まれる。
処理部H1は、記憶部H2に記憶されたプログラムに従い、記憶部H2に記憶されたデータまたは入出力部H3から入力されたデータに基づいて処理を行う。処理により得られたデータは、入出力部H3から出力される。
図6は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502の機能構成例を示す図である。図6において、制御部52、12、502は、照射位置等設定部C1と、照射位置制御部C2と、照射制御部C3とを備えており、設定データD1の設定および参照を行う。
照射位置等設定部C1は、照射エリア、季節および曜日が考慮された日ごと、時間帯ごとに、紫外線の照射を開始する照射方向と、照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量と、次の照射方向とを含む設定データD1の設定を行う機能を有する。設定データD1の詳細については後述する。照射位置制御部C2は、設定データD1に基づいて殺菌装置1の垂直角度調整部3および水平角度調整部4を制御し、紫外線を照射する位置を制御する機能を有する。照射制御部C3は、設定データD1に基づいて紫外線の点灯・消灯、強度変更(光源により強度が変更できる場合とできない場合とがある)を行う機能を有する。
また、照射制御部C3は、各種センサ300、400を利用して各種の制御を行う。照射制御部C3は、例えば、各種センサ300が紫外線の照射方向に体温を有する人や動物を感知する人感センサである場合、人等の存在を判断し、紫外線の人への照射量(曝露量)の算出に用いたり、紫外線の照射の回避に用いたりする。照射制御部C3は、例えば、各種センサ300がカメラである場合、カメラ画像から、AI(Artificial Intelligence、人口知能)や強化学習による学習済モデルに基づいて人や個人を識別し、人や個人への紫外線の照射量の算出に用いたり、紫外線の照射の回避に用いたりする。照射制御部C3は、例えば、各種センサ300が距離センサである場合、紫外線の照射量の算出等に用いる。照射強度が既定である場合、照射強度と距離と照射時間とから照射量が算出される。距離センサは、ステレオカメラや単眼カメラ+画像処理(深層学習)によっても実現が可能である。照射制御部C3は、例えば、各種センサ300が紫外線強度センサである場合、照射量を算出する基礎となる照射強度に用いる。
照射制御部C3は、例えば、各種センサ400がドアセンサやCOセンサである場合、人の活動の度合いを知るために用いる。ドアセンサは、ドアノブへ加わる圧力を検出する圧力センサや、ドアノブの回転を検出するスイッチ等により構成される。ドアセンサにより検出されるドアの開閉が多い場合、人の出入りが多く、殺菌の必要性が高いことが把握できる。COセンサにより検出されるCO濃度が高い場合、人が多く、人の呼気によるエアロゾルによりウイルスや細菌が多いことから、殺菌の必要性が高いことが把握できる。
<ユーザーによるリアルタイムでの操作>
図1~図6において、ユーザーは、端末10等を操作することで、殺菌装置1(1A、1B)の状態、光源部21の照射状態、光源部21の姿勢状態を変更する。例えば、制御装置5は、ユーザーが端末10を操作することで、光源部21を点灯する場合に、点灯に対応する操作情報に対応する照射制御信号に基づき、光源部駆動回路53を介して、光源部21を点灯する。殺菌装置1は、光源部21が点灯されることで、放射状の紫外線UVが殺菌対象空間Sに照射され、殺菌対象空間Sの空気および殺菌対象空間Sに存在する物体を紫外線UVにより殺菌する。また、制御装置5は、ユーザーが端末10を操作することで、殺菌対象空間Sにおける紫外線UVの照射範囲を垂直方向において変更する場合に、垂直角度の調整に対応する操作情報に対応する第1モータ32に対する駆動制御信号に基づき、第1モータ駆動回路54を介して、第1モータ32を駆動し、光源部21を垂直方向に回動させる。また、制御装置5は、ユーザーが端末10を操作することで、殺菌対象空間Sにおける紫外線UVの照射範囲を水平方向において変更する場合に、水平角度の調整に対応する操作情報に対応する第2モータ42に対する駆動制御信号に基づき、第2モータ駆動回路55を介して、第2モータ42を駆動し、光源部21を水平方向に回動させる。つまり、ユーザーが殺菌対象空間Sに存在する物体を殺菌したい場合は、光源部21を垂直方向および水平方向に回動させることで、光源部21の紫外線UVの照射範囲を物体にまで移動させて、殺菌を行う。
以上のように、本実施形態に係る殺菌装置1(1A、1B)は、光源部21が水平方向および垂直方向に回動させることができるので、光源部21が回動できない場合と比較して、殺菌対象空間Sに対する紫外線UVの照射範囲を広くすることができる。したがって、広範囲の殺菌対象空間Sを殺菌することができるので、簡便に空間における環境改善を図ることができる。
また、光源部21は、222nmを中心とする波長の電磁波である紫外線UVを照射するので、殺菌対象空間Sに人がいて、人に対して光源部21から紫外線UVが照射されていても、照射される紫外線が人体に対する影響が著しく低い。したがって、殺菌対象空間Sに人がいても、殺菌装置1による殺菌を安全に行える。
なお、上記の説明においては、ユーザーが手動操作することで殺菌装置1(1A,1B)が動作するが、これに限定されるものではなく、自動操作により動作させることができる。例えば、物体の動きに反応するセンサ、例えば人感センサなどを用いて、物体の動きに連動して、紫外線UVの照射範囲が変化する連動モードを有しており、所定の物体、例えば、人がいる方向または人がいない方向に照射方向を連動させ、紫外線UVを照射してもよい。また、制御部52は、予め設定された動作、例えば殺菌対象空間Sを構成する床や壁の全域に紫外線UVが照射される殺菌モードを有したり、所定時間、例えば、殺菌対象空間Sに人がいない時間帯となると、紫外線UVを殺菌対象空間Sに照射したりしてもよい。
<設定データに基づく処理例>
図7は、殺菌装置1が設置された空間の例を示す図である。図7において、オフィス等の空間110には、ドアノブ112のあるドア111が出入口に設けられ、内部にはエリアAに机113および人114が存在し、エリアBには机115および人116が存在している。また、奥の壁の天井付近には吹出口118を有するエアコン117が設けられている。
図8は、図7に対応した設定データD1の例を示す図である。設定データD1は、日(日付)ごとに複数の時間帯に分けられており、それぞれに、最初の照射方向、照射方向を変えるトリガ、次の照射方向が設定されている。なお、次の照射方向についても、その照射方向を変えるトリガ、更に次の照射方向というように、トリガと照射方向とが連続して設定されるものであってもよい。照射方向を変えるトリガが設けられているのは、殺菌の効率を向上させるためである。すなわち、単に照射方向ごとに照射時間を設定し、その設定時間が経過した際に照射方向を変えるのでは、実際の人の動きに対応することができず、既に充分な殺菌が行われた箇所の殺菌を無駄に続け、他の箇所の殺菌に割ける時間が減ってしまい、効率が落ちてしまうからである。照射方向を変えるトリガとして、照射量(曝露量)の時間帯内での制限値が用いられることで、安全性や殺菌の効果が判断される。例えば、殺菌の対象となる人が殺菌装置1の近くにいる場合には、短時間の紫外線の照射で充分な殺菌が行え、残りの時間は他の場所の殺菌に割くことができ、安全性を確保しながら殺菌の効率を向上させることができる。
図8において、設定データD1における時間帯ごとの紫外線の照射を開始する最初の照射方向は、その時間帯において殺菌の必要性の高い方向に設定されている。これは、殺菌の必要性の高い方向が優先的に殺菌され、殺菌の効果が高められるようにするためである。例えば、朝9時~の1時間の時間帯や正午~の1時間の時間帯や午後5時~の1時間の時間帯は、出勤や昼休憩や退勤によりドア111のドアノブ112が握られる頻度が高く、ウイルス等がドアノブ112に付着している可能性が高いため、ドアノブの方向が殺菌の必要性が高いものとされている。また、朝10時~正午、午後1時~5時の時間帯は、ウイルスを保持している可能性のある人の活動範囲である、人のいるエリアA、Bが交互に設定されている。午後6時以降の業務終了後の時間帯は、人が帰宅したエリアA、Bやエアコン117の吹出口118が巡回により殺菌される。
照射方向を変えるトリガとしては、照射量が1mJ/cm2に達した場合等が設定されている。照射量は、殺菌装置1からの照射強度と、殺菌装置1から照射対象までの距離と、照射時間とにより決まる。照射対象に人がいる場合の照射量(曝露量)は、正確には顔認識等により個人ごとに管理される照射量の中で最も大きな値とすべきであるが、安全性の観点からは、個人を区別しなくてもよいし、人の存在を確認しなくてもよい。
また、設定データD1は、1日の時間帯のうち人がいる時間帯の合計が所定時間(例えば、8時間)以内となり、トリガとなる照射量の合計が所定の許容限界値(例えば、22mJ/cm2)以内に設定されている。これは、日本工業規格 JIS Z 8812-1987により規定された1日8時間において22mJ/cm2等の制約が容易に守られるようにするためである。従って、同じ人が全ての時間帯において紫外線を浴びていても、許容限界値以内に収まることになり、その意味で安全性の観点からは個人を区別しなくてもよいし、人の存在を確認しなくてもよい。
図9は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502による制御例を示すフローチャートである。
図9において、制御装置5の制御部52等は、処理を開始すると、内部の時計機能から日付を取得し、対応する設定データD1を取得する(ステップS1)。
次いで、制御装置5の制御部52等は、現在時刻が設定データD1での直近に開始される時間帯に入ったら、その時間帯の最初の照射方向に紫外線の照射を開始(2回目以降は一端停止して開始してもよいし、停止せずに照射を継続しながら移動してもよい)する(ステップS2)。
次いで、制御装置5の制御部52等は、紫外線の照射中、照射量(曝露量)をカウントする(ステップS3)。なお、照射量を算出する上で、照射時間も同時にカウントされる。
次いで、制御装置5の制御部52等は、設定データD1での現在の時間帯の照射方向を変えるトリガがあるか否か判断し(ステップS4)、トリガがあると判断した場合(ステップS4のYes)、トリガを満足するか否か判断する(ステップS5)。制御装置5の制御部52等は、トリガを満足しないと判断した場合(ステップS5のNo)、照射量(曝露量)のカウント(ステップS3)に戻る。
制御装置5の制御部52等は、トリガを満足したと判断した場合(ステップS5のYes)、設定データD1の現在の時間帯での次の照射方向に移動して照射を開始(一端停止して開始してもよいし、停止せずに照射を継続しながら移動してもよい)する(ステップS6)。
次いで、制御装置5の制御部52等は、現在の時間帯が終了するのを待機し(ステップS7)、現在の時間帯が終了したと判断した場合(ステップS7のYes)、次の時間帯における最初の照射方向への紫外線の照射の開始(一端停止して開始してもよいし、停止せずに照射を継続しながら移動してもよい)(ステップS2)に戻る。
一方、制御装置5の制御部52等は、現在の時間帯の照射方向を変えるトリガがないと判断した場合(ステップS4のNo)、ユーザ等から運転停止の指示がされるのを待機する(ステップS8)。制御装置5の制御部52等は、ユーザ等から運転停止の指示がされたと判断した場合(ステップS8のYes)、運転を停止する(ステップS9)。現在の時間帯の照射方向を変えるトリガがないのは、図8の設定データD1では、午後6時「以降」の場合である。
なお、図9の処理では、日のある時点で処理が開始されるものとしているが、常に処理が継続し、日付に対応する設定データD1に従って制御が行われるものであってもよい。
<設定データに基づく他の処理例>
図10は、殺菌装置1が設置された空間の他の例を示す図である。図10において、店舗等の空間120には、開放型または自動ドア等の出入口121が設けられ、内部には客等の人122が存在するとともに、カウンタ123と店員等の人124が存在している。また、奥の壁の天井付近には吹出口126を有するエアコン125が設けられている。
図11は、図10に対応した設定データD1の例を示す図である。図11において、設定データD1の項目は図8と同様であるが、店舗等の空間120の特性に合わせて、設定内容が異なっている。すなわち、出入口121が開放型または自動ドア等であり、ドアノブがないため、ドアノブへの照射はなくなっている。そのため、人のいるエリアが殺菌の必要性が高いものとされ、ほとんどの時間帯で最初の照射方向となっている。制御装置5の制御部52等による処理は、図9と同様である。
<エアコン吹出口の方向の殺菌>
図8および図11の設定データD1において、業務時間内の時間帯における次の照射方向に設定されているエアコン吹出口の方向への紫外線の照射について、制御装置5の制御部52等は、照射エリア内における人の活動の度合いのセンシング結果に応じて紫外線の照射量を増減することができる。制御装置5の制御部52等は、例えば、COセンサのセンシング結果に基づいて、CO濃度が高い場合は、紫外線の照射量を多くする。人が多くなるとウイルス等を含んだエアロゾルが増加し、殺菌の重要性が高まる。人が多くなるとCO濃度が高くなるため、CO濃度からエアロゾルの殺菌の必要性を判断し、殺菌を行う。これにより、人の多さに応じてエアロゾルの殺菌の効果を維持することができる。例えば、紫外線の強度を大きくすることで紫外線の照射量を多くすることができる。
<CO濃度に応じたトリガの照射量の変更>
制御装置5の制御部52等は、照射エリア内における人の活動の度合いのセンシング結果に応じて設定データD1における照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量を増減することができる。制御装置5の制御部52等は、例えば、COセンサのセンシング結果に基づいて、CO濃度が高い場合は、トリガとなる紫外線の照射量を多くする。人が多くなるとエアロゾルに限らず殺菌の強度を上げる必要があるため、それに対応するためである。これにより、人の多さに応じて殺菌の効果を変更することができる。
なお、現在の時間帯のトリガの照射量だけを変更すると、設定データD1におけるトリガとなる照射量の合計が所定の許容限界値以内に設定されなくなるので、それを許容するか、その後のトリガとなる紫外線の照射量を調整することで、許容限界値以内となるように努める(調整不可能の場合もある)。
<動的な照射方向の変更>
制御装置5の制御部52等は、設定データD1における現在の時刻の属する時間帯の現在の照射方向に対して次の照射方向が設定されている場合に、照射エリア内における人の活動の度合いのセンシング結果が所定値を超えた場合、次の照射方向を変更することができる。センシング結果は、COセンサまたはドアセンサにより検出される値とすることができる。例えば、図8の設定データD1の朝10時~の時間帯において、現在は最初の照射方向の人のいるエリアAの方向に照射しており、次の照射方向がエアコン吹出口となっている場合、ドアセンサが高い頻度の開閉を検出した場合、次の照射方向はドアノブの方向に変更される。また、図8および図11の設定データD1には該当するものがないが、次の照射方向がエアコン吹出口以外となっている場合、COセンサが高いCO濃度を検出した場合、次の照射方向はエアコン吹出口の方向に変更される。
<個人レベルでの照射時間および照射量の管理>
制御装置5の制御部52等は、照射エリア内に存在する人を個人レベルで識別し、紫外線の曝露量を個人単位に管理し、紫外線の曝露が所定時間を超える場合または紫外線の曝露量が所定値を超える場合、その人への紫外線の照射を回避することができる。その人への紫外線の照射の回避は、照射方向の変更や照射の停止により行われる。これにより、例外処理が行われたり、設定データD1のトリガの照射量が適切でなかったりする場合においても、人への悪影響を避けることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
以上のように、実施形態に係る殺菌システムは、人体への影響が少ない波長の紫外線を照射する光源部と、光源部を水平方向に対して回動することで、光源部の水平角度を調整する水平角度調整部および/または、光源部を垂直方向に対して回動することで、光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、水平角度調整部および/または垂直角度調整部の回動を制御し、対象物に光源部による紫外線を照射する制御装置と、を備え、制御装置は、照射エリア、時間帯ごとに、紫外線の照射を開始する照射方向と、照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量と、次の照射方向とを含む設定データに基づき、制御を行う。これにより、人への安全性を確保しつつ殺菌の効率を向上させることができる。
また、設定データにおける時間帯ごとの紫外線の照射を開始する照射方向は、時間帯において殺菌の必要性の高い方向に設定される。これにより、殺菌の必要性の高い方向は優先的に殺菌が行われ、殺菌の効果が高まる。
また、設定データは、1日の時間帯のうち人がいる時間帯の合計が所定時間以内となり、トリガとなる照射量の合計が所定の許容限界値以内に設定される。これにより、日本工業規格 JIS Z 8812-1987により規定された1日8時間において22mJ/cm2等の制約が容易に守られる。
また、設定データに含まれる照射方向には、ドアノブの方向、人のいるエリアの方向、エアコン吹き出し口の方向のいずれかまたは複数が含まれる。これにより、照射対象が細分化され、殺菌の効率が向上する。
また、制御装置は、設定データにおける現在の時刻の属する時間帯の照射方向の次の照射方向が設定されている場合に、照射エリア内における人の活動の度合いのセンシング結果が所定値を超えた場合、次の照射方向を変更する。これにより、設定データだけではカバーできない実際の人の動きに対応することができる。
また、センシング結果は、COセンサまたはドアセンサにより検出される値である。これにより、人の活動の度合いを容易に把握することができる。
また、制御装置は、設定データにおける現在の時刻の属する時間帯の照射方向がエアコン吹き出し口に設定されている場合に、照射エリア内における人の活動の度合いのセンシング結果に応じて紫外線の照射量を増減する。これにより、人の多さに応じてエアロゾルの殺菌の効果を維持することができる。
また、制御装置は、照射エリア内における人の活動の度合いのセンシング結果に応じて設定データにおける照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量を増減する。これにより、人の多さに応じて殺菌の効果を変更することができる。
また、センシング結果は、COセンサにより検出される値である。これにより、人の活動の度合いを容易に把握することができる。
また、制御装置は、照射エリア内に存在する人を個人レベルで識別し、紫外線の曝露量を個人単位に管理し、紫外線の曝露が所定時間を超える場合または紫外線の曝露量が所定値を超える場合、その人への紫外線の照射を回避する。これにより、例外処理や設定データの設定ミス等に対して、人への悪影響を避けることができる。
また、人体への影響が少ない波長の紫外線を照射する光源部と、光源部を水平方向に対して回動することで、光源部の水平角度を調整する水平角度調整部および/または、光源部を垂直方向に対して回動することで、光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、水平角度調整部および/または垂直角度調整部の回動を制御し、対象物に光源部による紫外線を照射する制御装置と、を備え、制御装置は、照射エリア、時間帯ごとに、紫外線の照射を開始する照射方向と、照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量と、次の照射方向とを含む設定データに基づき、制御を行う、殺菌装置として構成することができる。
また、人体への影響が少ない波長の紫外線を照射する光源部と、光源部を水平方向に対して回動することで、光源部の水平角度を調整する水平角度調整部および/または、光源部を垂直方向に対して回動することで、光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、に対し、照射エリア、時間帯ごとに、紫外線の照射を開始する照射方向と、照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量と、次の照射方向とを含む設定データに基づき、水平角度調整部および/または垂直角度調整部の回動を制御し、対象物に光源部による紫外線を照射する処理をコンピュータが行う、制御方法として構成することができる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1、1A、1B 殺菌装置,2 本体部,21 光源部,22 開口,3 垂直角度調整部,31 アーム部,31a、31b 先端部,32 第1モータ,33 サブ枠部,33a 内部空間,4 水平角度調整部,41 ベース部,42 第2モータ,43 ベース枠部,43a 内部空間,5 制御装置,51 通信部,52 制御部,53 光源部駆動回路,54 第1モータ駆動回路,55 第2モータ駆動回路,10 端末,11 通信部,12 制御部,13 操作・表示部,100 天井壁,101 開口,150 床,200 電源,300、400 各種センサ,500 制御装置,501 通信部,502 制御部,503 操作・表示部,H1 処理部,H2 記憶部,H3 入出力部,C1 照射位置等設定部,C2 照射位置制御部,C3 照射制御部,D1 設定データ,110 空間,111 ドア,112 ドアノブ,113 机,114 人,115 机,116 人,117 エアコン,118 吹出口,120 空間,121 出入口,122 人,123 カウンタ,124 人,125 エアコン,126 吹出口,A エリア,B エリア

Claims (12)

  1. 人体への影響が少ない波長の紫外線を照射する光源部と、
    前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する水平角度調整部および/または、
    前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、
    前記水平角度調整部および/または前記垂直角度調整部の回動を制御し、対象物に前記光源部による紫外線を照射する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、照射エリア、時間帯ごとに、紫外線の照射を開始する照射方向と、照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量と、次の照射方向とを含む設定データに基づき、制御を行う、
    殺菌システム。
  2. 前記設定データにおける時間帯ごとの紫外線の照射を開始する照射方向は、当該時間帯において殺菌の必要性の高い方向に設定される、
    請求項1に記載の殺菌システム。
  3. 前記設定データは、1日の前記時間帯のうち人がいる時間帯の合計が所定時間以内となり、前記トリガとなる照射量の合計が所定の許容限界値以内に設定される、
    請求項1または2に記載の殺菌システム。
  4. 前記設定データに含まれる照射方向には、ドアノブの方向、人のいるエリアの方向、エアコン吹き出し口の方向のいずれかまたは複数が含まれる、
    請求項1~3のいずれか一つに記載の殺菌システム。
  5. 前記制御装置は、前記設定データにおける現在の時刻の属する時間帯の照射方向の次の照射方向が設定されている場合に、照射エリア内における人の活動の度合いのセンシング結果が所定値を超えた場合、次の照射方向を変更する、
    請求項1~4のいずれか一つに記載の殺菌システム。
  6. 前記センシング結果は、COセンサまたはドアセンサにより検出される値である、
    請求項5に記載の殺菌システム。
  7. 前記制御装置は、前記設定データにおける現在の時刻の属する時間帯の照射方向がエアコン吹き出し口に設定されている場合に、照射エリア内における人の活動の度合いのセンシング結果に応じて紫外線の照射量を増減する、
    請求項1~6のいずれか一つに記載の殺菌システム。
  8. 前記制御装置は、照射エリア内における人の活動の度合いのセンシング結果に応じて前記設定データにおける照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量を増減する、
    請求項1~7のいずれか一つに記載の殺菌システム。
  9. 前記センシング結果は、COセンサにより検出される値である、
    請求項7または8に記載の殺菌システム。
  10. 前記制御装置は、照射エリア内に存在する人を個人レベルで識別し、紫外線の曝露量を個人単位に管理し、紫外線の曝露が所定時間を超える場合または紫外線の曝露量が所定値を超える場合、その人への紫外線の照射を回避する、
    請求項1~9のいずれか一つに記載の殺菌システム。
  11. 人体への影響が少ない波長の紫外線を照射する光源部と、
    前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する水平角度調整部および/または、
    前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、
    前記水平角度調整部および/または前記垂直角度調整部の回動を制御し、対象物に前記光源部による紫外線を照射する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、照射エリア、時間帯ごとに、紫外線の照射を開始する照射方向と、照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量と、次の照射方向とを含む設定データに基づき、制御を行う、
    殺菌装置。
  12. 人体への影響が少ない波長の紫外線を照射する光源部と、
    前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する水平角度調整部および/または、
    前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、
    に対し、
    照射エリア、時間帯ごとに、紫外線の照射を開始する照射方向と、照射方向を変えるトリガとなる紫外線の照射量と、次の照射方向とを含む設定データに基づき、前記水平角度調整部および/または前記垂直角度調整部の回動を制御し、対象物に前記光源部による紫外線を照射する処理をコンピュータが行う、
    制御方法。
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