JP2023119232A - 車両制御方法 - Google Patents

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Hisahiro Yokota
洋司 国弘
Yoji Kunihiro
隆博 小城
Takahiro Koshiro
裕 青木
Yutaka Aoki
倫道 中村
Norimichi Nakamura
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Abstract

【課題】車両の自動運転の最中にドライバが車両の走行位置を修正する必要性を減らす。【解決手段】車両制御方法は、目標軌道に追従するように車両を制御する。車両制御方法は、車両のドライバが操舵操作を行った第1区間における車両の実走行軌道に相当する情報を記憶装置に記録することと、車両の自動運転中、自動運転機能によって生成される第1区間における目標軌道を、第1区間における実走行軌道に近づくように補正することと、を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、車両の自動運転において目標軌道に追従するように車両を制御する技術に関する。
特許文献1は、目標軌道に追従するように車両を制御する技術を開示している。当該技術によれば、ドライバによる運転操作が無い状況において、目標軌道に対する実走行軌道の横ずれ量が測定される。測定された横ずれ量は、車体方位と関連付けられ記憶される。次回走行時には、記憶した車体方位と横ずれ量とに基づいて、目標軌道が補正される。
特開2018-039369号公報
車両の自動運転においては、自動運転機能によって生成される目標軌道に追従するように車両が制御される。但し、自動運転機能によって生成される目標軌道は、必ずしもドライバの感覚や好みに合うものになるとは限らない。よって、車両の自動運転の最中にドライバが操舵操作を行って車両の走行位置を修正することも考えられる。しかしながら、自動運転の最中に車両の走行位置を修正することは、ドライバにとって煩わしい。
本開示の1つの目的は、車両の自動運転の最中にドライバが車両の走行位置を修正する必要性を減らすことができる技術を提供することにある。
第1の観点は、目標軌道に追従するように車両を制御する車両制御方法に関連する。
車両制御方法は、
車両のドライバが操舵操作を行った第1区間における車両の実走行軌道に相当する情報を記憶装置に記録することと、
車両の自動運転中、自動運転機能によって生成される第1区間における目標軌道を、第1区間における実走行軌道に近づくように補正することと
を含む。
第2の観点は、目標軌道に追従するように車両を制御する車両制御システムに関連する。
車両制御システムは、1又は複数のプロセッサを備える。
1又は複数のプロセッサは、
車両のドライバが操舵操作を行った第1区間における車両の実走行軌道に相当する情報を記憶装置に記録し、
車両の自動運転中、自動運転機能によって生成される第1区間における目標軌道を、第1区間における実走行軌道に近づくように補正する
ように構成されている。
本開示によれば、ドライバが操舵操作を行った第1区間における実走行軌道に相当する情報が記録される。そして、車両の自動運転中、自動運転機能によって生成される第1区間における目標軌道は、第1区間における実走行軌道に近づくように補正される。自動運転中の車両の軌道が過去のドライバ操舵操作を反映した実走行軌道に近づくため、ドライバが車両の走行位置を修正する必要性が減少する。よって、ドライバにとっての煩わしさが軽減される。また、ドライバが自動運転中の車両の走行位置に対して感じる違和感も軽減される。その結果、自動運転機能に対する満足度も向上する。
実施の形態に係る車両制御システムの概要を説明するための概念図である。 実施の形態に係る車両制御システムの構成例を示すブロック図である。 実施の形態に係る運転環境情報の例を示すブロック図である。 実施の形態に係る走行履歴取得処理を示すフローチャートである。 実施の形態に係る自動運転制御処理を示すフローチャートである。 実走行軌道の分布を説明するための概念図である。
添付図面を参照して、本開示の実施の形態を説明する。
1.概要
図1は、本実施の形態に係る車両制御システム100の概要を説明するための概念図である。車両制御システム100は、車両1を制御する。典型的には、車両制御システム100は、車両1に搭載されている。あるいは、車両制御システム100の少なくとも一部は、車両1の外部の外部装置に配置され、リモートで車両1を制御してもよい。つまり、車両制御システム100は、車両1と外部装置とに分散的に配置されてもよい。
車両制御システム100は、車両1の自動運転制御を行う自動運転機能を備えている。ここで、自動運転とは、車両1の操舵、加速、及び減速を、ドライバの操作から独立して自動的に行うことを意味する。例えば、自動運転として、ドライバが必ずしも100%運転に集中しなくてもよいことを前提としたもの(いわゆるレベル3以上の自動運転)を想定している。
典型的には、自動運転制御において目標軌道TRが用いられる。目標軌道TRは、車両1の目標位置及び目標速度を含んでいる。便宜上、車両制御システム100の自動運転機能によって生成される目標軌道TRを、以下、「目標軌道TR_A」と呼ぶ。例えば、目標軌道TR_Aは、車両1が走行しているレーンの中心(以下、「レーン中心」と呼ぶ)に沿うように決定される。例えば、地図情報にレーン境界LBの位置が登録されており、車両制御システム100は、その地図情報に基づいて目標軌道TR_Aを生成する。そして、車両制御システム100は、目標軌道TR_Aに追従するように車両1の走行を制御することによって、自動運転制御を行う。
但し、自動運転機能によって生成される目標軌道TR_Aは、必ずしもドライバの感覚や好みに合うものになるとは限らない。また、道路工事等が地図情報に反映されておらず、地図情報が実状から乖離している場合、自動運転機能によって生成される目標軌道TR_Aは、必ずしも適切なものになるとは限らない。よって、自動運転の最中にドライバが操舵操作を行って車両1の走行位置を修正することも考えられる。しかしながら、自動運転の最中に車両1の走行位置を修正することは、ドライバにとって煩わしい。特に、車両1が同じ道路を走行するたびに車両1の走行位置を毎回同じように修正することは、ドライバにとって煩わしい。
そこで、本実施の形態は、車両1の自動運転の最中にドライバが車両1の走行位置を修正する必要性を減らすことができる技術を提案する。
そのために、本実施の形態によれば、ドライバが操舵操作を行った区間における車両1の実際の軌道が記録される。車両1のドライバが操舵操作を行った区間を、以下、「第1区間」と呼ぶ。第1区間における車両1の実際の軌道を、以下、「実走行軌道TR_D」と呼ぶ。走行履歴データHSTは、実走行軌道TR_Dに相当する情報を含む。ここで、実走行軌道TR_Dに相当する情報は、実走行軌道TR_Dそのものであってもよいし、実走行軌道TR_Dと目標軌道TR_Aとの間の横偏差であってもよい。横偏差とは、車両1の前方方向Xと直交する横方向Yに沿った偏差のことである。
車両制御システム100は、ドライバが操舵操作を行った第1区間における実走行軌道TR_Dに相当する情報を含む走行履歴データHSTを取得する。そして、車両制御システム100は、その走行履歴データHSTを地図情報と関連付けてデータベース10に記録する。データベース10は、所定の記憶装置により実現される。データベース10は、車両1に搭載されていてもよいし、車両1の外部の管理システムに含まれていてもよい。後者の場合、車両制御システム100は、管理システムと通信を行い、走行履歴データHSTを管理システムのデータベース10に記録する。
自動運転中の車両1が次に第1区間を走行する際、車両制御システム100は、第1区間における走行履歴データHSTをデータベース10から取得する。その一方で、車両制御システム100は、自動運転機能によって生成される目標軌道TR_Aを取得する。車両制御システム100は、走行履歴データHSTに基づいて、第1区間における目標軌道TR_Aを第1区間における実走行軌道TR_Dに近づくように補正する。第1区間における目標軌道TR_Aは、第1区間における実走行軌道TR_Dと一致するように補正されてよい。つまり、目標軌道TR_Aは、横偏差の分だけ補正されてもよい。このような処理を、以下、「目標軌道補正処理」と呼ぶ。目標軌道補正処理は、車両1の走行位置(横位置)を補正していると言える。
目標軌道補正処理の結果得られる補正後の目標軌道TR_Aを、以下、「補正目標軌道TR_C」と呼ぶ。目標軌道補正処理を行った場合、車両制御システム100は、目標軌道TR_Aの代わりに補正目標軌道TR_Cに追従するように車両1を制御する。
以上に説明されたように、本実施の形態によれば、ドライバが操舵操作を行った第1区間における実走行軌道TR_Dに相当する情報が記録される。そして、車両1の自動運転中、自動運転機能によって生成される第1区間における目標軌道TR_Aは、実走行軌道TR_Dに近づくように補正される。自動運転中の車両1の軌道が過去のドライバ操舵操作を反映した実走行軌道TR_Dに近づくため、ドライバが車両1の走行位置を修正する必要性が減少する。よって、ドライバにとっての煩わしさが軽減される。また、ドライバが自動運転中の車両1の走行位置に対して感じる違和感も軽減される。その結果、自動運転機能に対する満足度も向上する。
目標軌道補正処理において、目標軌道TR_Aは実走行軌道TR_Dと一致するように補正されてよい。これにより、ドライバが車両1の走行位置を修正する必要性が大幅に減少する。
以下、本実施の形態に係る車両制御システム100について更に詳しく説明する。
2.車両制御システムの例
2-1.構成例
図2は、本実施の形態に係る車両制御システム100の構成例を示すブロック図である。車両制御システム100は、運転操作部材110、センサ群120、走行装置130、通信装置140、及び制御装置150を備えている。
運転操作部材110は、車両1のドライバが車両1を運転する際に操作する部材である。運転操作部材110は、ハンドル(ステアリングホイール)、アクセルペダル、ブレーキペダル、等を含んでいる。
センサ群120は、車両1に搭載されている。センサ群120は、認識センサ、位置センサ、車両状態センサ、運転操作センサ、等を含んでいる。
認識センサは、車両1の周囲の状況を認識(検出)する。認識センサとしては、カメラ、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)、レーダ、等が例示される。
位置センサは、車両1の位置及び方位を検出する。例えば、位置センサは、GNSS(Global Navigation Satellite System)を含んでいる。
車両状態センサは、車両1の状態を検出する。例えば、車両状態センサは、速度センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、舵角センサ、等を含んでいる。
運転操作センサは、ドライバによる運転操作を検出する。ドライバによる運転操作は、操舵操作、アクセル操作、及びブレーキ操作を含む。運転操作センサは、ハンドル角センサ及び操舵トルクセンサを含んでいる。ハンドル角センサは、ハンドルの操舵角(ハンドル角)を検出する。操舵トルクセンサは、ステアリングシャフトに印加される操舵トルクを検出する。運転操作センサは、ドライバによるハンドルの把持状態を検出するステアリングタッチセンサを含んでいてもよい。その他、運転操作センサは、アクセルセンサ、ブレーキセンサ、等を含んでいる。
走行装置130は、操舵装置、駆動装置、及び制動装置を含んでいる。操舵装置は、車輪を転舵する。例えば、操舵装置は、パワーステアリング(EPS: Electric Power Steering)装置を含んでいる。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジン、電動機、インホイールモータ、等が例示される。制動装置は、制動力を発生させる。
通信装置140は、車両1の外部と通信を行う。例えば、通信装置140は、データベース10を管理する管理システムを通信を行う。
制御装置150は、車両1を制御する。制御装置150は、1又は複数のプロセッサ160(以下、単にプロセッサ160と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置170(以下、単に記憶装置170と呼ぶ)を含んでいる。プロセッサ160は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ160は、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。記憶装置170は、各種情報を格納する。記憶装置170としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、等が例示される。制御装置150は、1又は複数のECU(Electronic Control Unit)を含んでいてもよい。制御装置150の一部は、車両1の外部の情報処理装置であってもよい。その場合、制御装置150の一部は、車両1と通信を行い、車両1をリモートで制御する。
車両制御プログラムPROGは、車両1を制御するためのコンピュータプログラムである。プロセッサ160が車両制御プログラムPROGを実行することにより、制御装置150による各種処理が実現される。車両制御プログラムPROGは、記憶装置170に格納される。あるいは、車両制御プログラムPROGは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。
2-2.運転環境情報及び走行履歴データ
制御装置150は、車両1の運転環境を示す運転環境情報200を取得する。運転環境情報200は、記憶装置170に格納される。
図3は、運転環境情報200の例を示すブロック図である。運転環境情報200は、地図情報210、周辺状況情報220、車両位置情報230、車両状態情報240、及びドライバ操作情報250を含んでいる。
地図情報210は、一般的なナビゲーション地図を含む。また、地図情報210は、レーン位置(レーン配置)を示す。例えば、地図情報210は、レーン境界LB(図1参照)の位置を示す。地図情報210は、ランドマーク、信号、標識、等の位置情報を含んでいてもよい。制御装置150は、データベース10から、必要なエリアの地図情報210を取得する。データベース10は、記憶装置170に格納されていてもよいし、車両1の外部の管理システムの記憶装置に格納されていてもよい。後者の場合、制御装置150は、通信装置140を介して管理システムと通信を行い、必要な地図情報210を取得する。
周辺状況情報220は、車両1の周囲の状況を示す情報である。制御装置150は、認識センサを用いて車両1の周囲の状況を認識し、周辺状況情報220を取得する。例えば、周辺状況情報220は、カメラによって撮像される画像情報を含む。他の例として、周辺状況情報220は、LIDARによって得られる点群情報を含んでいてもよい。
周辺状況情報220は、更に、車両1の周囲のレーン境界LBに関するレーン境界情報221を含んでいる。例えば、レーン境界LBは白線である。他の例として、レーン境界LBは、縁石、ガードレール、壁、等の立体的な障害物であってもよい。レーン境界情報221は、車両1に対するレーン境界LBの相対位置を少なくとも示す。例えば、カメラによって得られた画像情報を解析することによって、レーン境界LBを識別し、そのレーン境界LBの相対位置を算出することができる。画像解析手法としては、セマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation)やエッジ検出が例示される。
周辺状況情報220は、更に、車両1の周囲の物体に関する物体情報222を含んでいる。物体としては、歩行者、自転車、二輪車、他車両(先行車両、駐車車両、等)、信号、標識、障害物、等が例示される。物体情報222は、車両1に対する物体の相対位置及び相対速度を示す。例えば、カメラによって得られた画像情報を解析することによって、物体を識別し、その物体の相対位置を算出することができる。また、LIDARによって得られた点群情報に基づいて、物体を識別し、その物体の相対位置と相対速度を取得することもできる。
車両位置情報230は、車両1の位置及び方位を示す。制御装置150は、位置センサから車両位置情報230を取得する。また、制御装置150は、地図情報210と物体情報222とを利用した周知の自己位置推定処理(Localization)により、高精度な車両位置情報230を取得してもよい。
車両状態情報240は、車両1の状態を示す情報である。制御装置150は、車両状態センサから車両状態情報240を取得する。車両状態情報240は、車両1の運転状態(自動運転/手動運転)を示していてもよい。
ドライバ操作情報250は、車両1のドライバによる操舵操作の状態を示す情報である。制御装置150は、運転操作センサからドライバ操作情報250を取得する。例えば、ドライバ操作情報250は、ハンドルの操舵角(ハンドル角)及び操舵トルクを含んでいる。ドライバ操作情報250は、ドライバによるハンドルの把持状態を含んでいてもよい。
走行履歴データHSTは、少なくとも、車両1の実走行軌道TR_Dを含んでいる。実走行軌道TR_Dは、車両位置情報230から得られる。走行履歴データHSTは、更に、車速等の車両状態情報240の少なくとも一部を含んでいてもよい。走行履歴データHSTは、更に、物体位置等の周辺状況情報220の少なくとも一部を含んでいてもよい。走行履歴データHSTは、更に、日時情報を含んでいてもよい。制御装置150は、データベース10に走行履歴データHSTを記録し、また、データベース10から必要な走行履歴データHSTを読み出す。データベース10は、記憶装置170に格納されていてもよいし、車両1の外部の管理システムの記憶装置に格納されていてもよい。後者の場合、制御装置150は、通信装置140を介して管理システムと通信を行い、データベース10にアクセスする。
2-3.車両走行制御
制御装置150は、車両1の走行を制御する「車両走行制御」を実行する。車両走行制御は、操舵制御、加速制御、及び減速制御を含む。制御装置150は、走行装置130を制御することによって車両走行制御を実行する。具体的には、制御装置150は、操舵装置を制御することによって操舵制御を実行する。また、制御装置150は、駆動装置を制御することによって加速制御を実行する。また、制御装置150は、制動装置を制御することによって減速制御を実行する。
2-4.自動運転制御
制御装置150は、車両1の自動運転のための自動運転機能を備えている。より詳細には、制御装置150は、運転環境情報200に基づいて、車両1の走行プランを生成する。走行プランは、現在の走行車線を維持する、車線変更を行う、右左折を行う、障害物を回避する、等が例示される。更に、制御装置150は、運転環境情報200に基づいて、車両1が走行プランに従って走行するために必要な目標軌道TR_Aを生成する。目標軌道TR_Aは、車両1の目標位置及び目標速度を含む。
例えば、制御装置150は、地図情報210から、車両1の前方のレーン位置の情報を取得する。他の例として、制御装置150は、レーン境界情報221に基づいて、車両1の前方のレーン位置を把握してもよい。そして、制御装置150は、車両1の前方のレーン位置に基づいて目標軌道TR_Aを生成する。例えば、目標軌道TR_Aは、レーン中心に沿うように決定される。他の例として、目標軌道TR_Aは、レーン境界LBから所定のマージン距離だけ離れるように決定されてもよい。目標軌道TR_Aの生成方法としては、その他にも様々な例が考えられる。本実施の形態では、目標軌道TR_Aの生成方法は特に限定されない。
尚、制御装置150の自動運転機能は、手動運転の最中にも目標軌道TR_Aを生成してもよい。
自動運転中、制御装置150は、基本的には、車両1が目標軌道TR_Aに追従するように車両走行制御を行う。但し、制御装置150は、必要に応じて、走行履歴データHSTに基づいて目標軌道TR_Aを補正する「目標軌道補正処理」を実行する。その場合、制御装置150は、目標軌道補正処理により得られる補正目標軌道TR_Cに追従するように車両走行制御を行う。
以下、本実施の形態に係る目標軌道補正処理に関連する処理について更に詳しく説明する。
3.目標軌道補正処理に関連する処理
図4は、本実施の形態に係る走行履歴取得処理を示すフローチャートである。図4に示される処理フローは、一定サイクル毎に繰り返し実行される。
ステップS100において、制御装置150は、走行データを取得する。走行データは、上述の運転環境情報200の少なくとも一部を含む。より詳細には、走行データは、少なくとも車両位置情報230を含んでいる。走行データは、車速等の車両状態情報240の少なくとも一部を含んでいてもよい。走行データは、物体位置等の周辺状況情報220の少なくとも一部を含んでいてもよい。
ステップS200において、制御装置150は、ドライバ操作情報250に基づいて、ドライバが操舵操作を行っているか否かを判定する。例えば、操舵トルクが閾値以上である場合、制御装置150は、ドライバが操舵操作を行っていると判定する。他の例として、操舵速度が閾値以上である場合、制御装置150は、ドライバが操舵操作を行っていると判定してもよい。更に他の例として、ドライバがハンドルを把持している場合、制御装置150は、ドライバが操舵操作を行っていると判定してもよい。尚、自動運転機能がOFFされている場合も、制御装置150は、ドライバが操舵操作を行っていると判定する。ドライバが操舵操作を行っている場合(ステップS200;Yes)、処理は、ステップS300に進む。それ以外の場合(ステップS200;No)、今回のサイクルにおける処理は終了する。
ステップS300において、制御装置150は、自動運転機能により生成される目標軌道TR_Aを取得する。手動運転の最中にも目標軌道TR_Aが生成されてもよい。制御装置150は、目標軌道TR_Aと車両1の実際の位置との間の横偏差を算出する。車両1の実際の位置は、ステップS100において取得された走行データ(車両位置情報230)から得られる。横偏差は、車両1の横方向Yに沿った偏差である。そして、制御装置150は、横偏差が閾値よりも大きいか否かを判定する。横偏差が閾値よりも大きい場合(ステップS300;Yes)、処理は、ステップS400に進む。それ以外の場合(ステップS300;No)、今回のサイクルにおける処理は終了する。
ステップS400において、制御装置150は、走行履歴データHSTを取得する。走行履歴データHSTは、ステップS100において取得された走行データを含んでいる。実走行軌道TR_Dは、車両位置情報230で示される車両1の位置の集合である。走行履歴データHSTは、ステップS300において算出された横偏差を含んでいてもよい。この横偏差は、実走行軌道TR_Dと目標軌道TR_Aとの間の横偏差であり、実走行軌道TR_Dに相当する情報であると言える。制御装置150は、走行履歴データHSTを地図情報と関連付けてデータベース10に記録する。
図5は、本実施の形態に係る自動運転制御処理を示すフローチャートである。図5に示される処理フローは、一定サイクル毎に繰り返し実行される。
ステップS500において、制御装置150は、目標軌道TR_Aを生成する。例えば、制御装置150は、地図情報210から、車両1の前方のレーン位置の情報を取得する。他の例として、制御装置150は、レーン境界情報221に基づいて、車両1の前方のレーン位置を把握してもよい。そして、制御装置150は、車両1の前方のレーン位置に基づいて目標軌道TR_Aを生成する。例えば、目標軌道TR_Aは、レーン中心に沿うように決定される。他の例として、目標軌道TR_Aは、レーン境界LBから所定のマージン距離だけ離れるように決定されてもよい。目標軌道TR_Aの生成方法としては、その他にも様々な例が考えられる。本実施の形態では、目標軌道TR_Aの生成方法は特に限定されない。
ステップS600において、制御装置150は、データベース10にアクセスして、目標軌道TR_Aが生成された区間における走行履歴データHSTが存在するか否かチェックする。目標軌道TR_Aが生成された区間における走行履歴データHSTが存在する場合(ステップS600;Yes)、処理は、ステップS700に進む。それ以外の場合(ステップS600;No)、処理は、ステップS800に進む。
ステップS700において、制御装置150は、目標軌道補正処理を行う。具体的には、制御装置150は、走行履歴データHSTに含まれる実走行軌道TR_Dに相当する情報を取得する。実走行軌道TR_Dに相当する情報は、実走行軌道TR_Dそのもの、及び、目標軌道TR_Aと実走行軌道TR_Dとの間の横偏差の少なくとも一方を含んでいる。そして、制御装置150は、目標軌道TR_Aを同一区間における実走行軌道TR_Dに近づくように補正する。制御装置150は、目標軌道TR_Aを同一区間における実走行軌道TR_Dと一致するように補正してもよい。言い換えれば、制御装置150は、横偏差の分だけ目標軌道TR_Aを補正してもよい。目標軌道補正処理は、車両1の走行位置(横位置)を補正していると言える。
図6は、同一区間に複数種類の実走行軌道TR_D(iは2以上の整数)が存在する場合を示している。X方向は車両1の前方方向であり、Y方向は車両1の横方向である。複数種類の実走行軌道TR_DがY方向に分布している。制御装置150は、複数種類の実走行軌道TR_Dの分布D(Y)の平均位置PAを算出する。そして、制御装置150は、その平均位置PAを代表的な実走行軌道TR_Dとして用いて目標軌道補正処理を行う。これは、横偏差の平均値の分だけ目標軌道TR_Aを補正することと等価である。
目標軌道補正処理の結果得られる補正後の目標軌道TR_Aが、補正目標軌道TR_Cである。その後、処理は、ステップS800に進む。
ステップS800において、制御装置150は、車両1が目標軌道TRに追従するように車両走行制御を行う。目標軌道補正処理(ステップS700)が実行されなかった場合、制御装置150は、車両1が目標軌道TR_Aに追従するように車両走行制御を行う。一方、目標軌道補正処理(ステップS700)が実行された場合、制御装置150は、車両1が補正目標軌道TR_Cに追従するように車両走行制御を行う。
4.変形例
以下、本実施の形態の変形例について説明する。
4-1.第1の変形例
道路工事等が行われた後、地図情報210が更新される場合がある。地図情報210が更新された場合、更新された区間における走行履歴データHSTがデータベース10から削除されてもよい。
4-2.第2の変形例
道路工事等が行われた結果、図6で示された分布D(Y)が不連続的に変わる場合がある。分布D(Y)が不連続的に変わった区間における走行履歴データHSTがデータベース10から削除されてもよい。
4-3.第3の変形例
ステップS200におけるドライバによる操舵操作が車線変更(合流、分岐を含む)のためのものであった場合、ステップS400はスキップされてもよい。つまり、走行履歴データHSTはデータベース10に記録されなくてもよい。車両1が車線変更を行っているか否かは、車両位置情報230と地図情報210あるいはレーン境界情報221に基づいて判定可能である。
4-4.第4の変形例
ステップS200におけるドライバによる操舵操作が障害物を避けるためのものであった場合、ステップS400はスキップされてもよい。つまり、走行履歴データHSTはデータベース10に記録されなくてもよい。障害物を避けたか否かは、物体情報222に基づいて判定可能である。
4-5.第5の変形例
走行履歴データHSTは、車両1の車両情報(車種、車名等)毎に分類されていてもよい。車両情報毎に複数種類の実走行軌道TR_Dが存在する場合、平均位置PAを代表的な実走行軌道TR_Dとして用いて目標軌道補正処理が行われてもよい(図6参照)。
4-6.第6の変形例
複数種類の実走行軌道TR_Dが存在する場合(図6参照)、ステップS700における目標軌道TR_Aの補正量は、最新のN個の実走行軌道TR_Dに基づいて算出されてもよい。Nは、1以上の整数である。例えば、Nは10である。
4-7.第7の変形例
データベース10に記録されている実走行軌道TR_Dの数Mが少ない場合、ステップS700における目標軌道TR_Aの補正量を小さくしてもよい。例えば、数Mが10以上である場合、横偏差の平均値の分だけ目標軌道TR_Aは補正される。一方、数Mが10未満である場合、「(横偏差の平均値)×M/10」の分だけ目標軌道TR_Aは補正される。
4-8.第8の変形例
ステップS300において横偏差と比較される閾値は、車両制御システム100の状態に応じて変動してもよい。例えば、車両制御システム100が不調である場合、閾値は大きく設定されてもよい。これにより、システム不調に起因する横偏差の影響を抑制することが可能となる。
1 車両
10 データベース
100 車両制御システム
110 運転操作部材
120 センサ群
130 走行装置
140 通信装置
150 制御装置
160 プロセッサ
170 記憶装置
200 運転環境情報
210 地図情報
220 周辺状況情報
230 車両位置情報
240 車両状態情報
250 ドライバ操作情報
HST 走行履歴データ
PROG 車両制御プログラム
TR_A 目標軌道
TR_C 補正目標軌道
TR_D 実走行軌道

Claims (1)

  1. 目標軌道に追従するように車両を制御する車両制御方法であって、
    前記車両のドライバが操舵操作を行った第1区間における前記車両の実走行軌道に相当する情報を記憶装置に記録することと、
    前記車両の自動運転中、自動運転機能によって生成される前記第1区間における前記目標軌道を、前記第1区間における前記実走行軌道に近づくように補正することと
    を含む
    車両制御方法。
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