JP2023117714A - 電力変換装置、パワーモジュール - Google Patents

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智則 綱分
Tomonori Tsunawake
修平 佐竹
Shuhei Satake
美和子 藤田
Miwako Fujita
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Abstract

【課題】より簡素な構成によって、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することが可能な技術を提供する。【解決手段】本開示の一実施形態に係る電力変換装置20は、直流電圧が印加される正ラインPL及び負ラインNLと、正ラインPL及び負ラインNLの一端に接続され、正ラインPL及び負ラインNLの間に接続される半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に基づき、正ラインPL及び負ラインNLを通じて供給される直流電力を所定の電力に変換し出力するインバータ回路24と、正ラインPL及び負ラインNLとの間に接続され、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時に、静電容量が半導体スイッチ24Sの静電容量より大きい半導体スイッチ26S、或いは、合成静電容量が半導体スイッチ24Sの静電容量よりも大きい半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sと、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、電力変換装置等に関する。
例えば、正ライン及び負ラインを含む直流配線部、及び半導体スイッチ素子のスイッチング動作に基づき直流電力を所定の電力に変換する電力変換部に生じる直列共振による電動ノイズや放射ノイズを抑制する技術が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1では、正ライン及び負ラインの間にノイズ抑制コンデンサを接続し、ノイズ抑制コンデンサの静電容量、及び直流配線部の配線の寄生インダクタンス成分で生じる並列共振によって直列共振によるノイズの低減を図っている。
特開2017-042040号
しかしながら、例えば、ノイズ抑制コンデンサとしてセラミックコンデンサを用いる場合、短絡故障時を想定した保護対策が必要になる可能性がある。また、例えば、ノイズ抑制コンデンサを電力変換部の半導体スイッチ素子を含むモジュールの内部に実装する場合、半導体スイッチ素子とは異なる熱対策が必要となる可能性がある。そのため、電力変換装置の構成が複雑化し、例えば、組立工数の増加や電力変換装置やモジュールの大型化を招く可能性がある。
そこで、上記課題に鑑み、より簡素な構成によって、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
直流電圧が印加される正ライン及び負ラインと、
前記正ライン及び前記負ラインの一端に接続され、前記正ライン及び前記負ラインの間に接続される第1の半導体スイッチ素子のスイッチング動作に基づき、前記正ライン及び前記負ラインを通じて供給される直流電力を所定の電力に変換し出力する電力変換部と、
前記正ライン及び前記負ラインとの間に接続され、前記正ライン及び前記負ラインへの直流電圧の印加時に、前記第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい静電容量を有する一の半導体素子、又は、合成静電容量が前記第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい複数の半導体素子と、を備える、
電力変換装置が提供される。
また、本開示の他の実施形態では、
直流電圧が印加される正ライン及び負ラインと、
前記正ライン及び前記負ラインの一端に接続され、前記正ライン及び前記負ラインの間に接続される第1の半導体スイッチ素子のスイッチング動作に基づき、前記正ライン及び前記負ラインを通じて供給される直流電力を所定の電力に変換し出力する電力変換部と、
前記正ライン及び前記負ラインとの間に接続され、前記正ライン及び前記負ラインへの直流電圧の印加時に、前記第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい静電容量を有する一の半導体素子、又は、合成静電容量が前記第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい複数の半導体素子と、を備える、
パワーモジュールが提供される。
上述の実施形態によれば、より簡素な構成によって、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
駆動システムの一例を示す図である。 電力変換装置の第1例を示す図である。 ブレーキ回路の非作動時における作用を説明する図である。 比較例に係る電力変換装置と実施形態に係る電力変換装置とのノイズレベルを示す比較図である。 電力変換装置の第2例を示す図である。 電力変換装置の第2例を示す図である。 ブレーキ回路の非作動時における作用を説明する図である。 電力変換装置の第3例を示す図である。 電力変換装置の第3例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[駆動システムの概要]
図1を参照して、本実施形態に係る駆動システム1の概要について説明する。
図1は、駆動システム1の一例を示す図である。
図1に示すように、駆動システム1は、負荷装置10と、電力変換装置20とを含む。
駆動システム1は、交流電源PSから供給される交流電力を用いて、電力変換装置20から負荷装置10の駆動電力を出力し、負荷装置10を駆動する。
負荷装置10は、駆動システム1の駆動対象である。負荷装置10は、例えば、電動機である。
電力変換装置20は、交流電源PSから供給される交流電力(例えば、R相、S相、及びT相)を所定の電圧及び所定の周波数の交流電力(例えば、U相、V相、及びW相)に変換し、負荷装置10に出力する。
[電力変換装置の第1例]
次に、図2~図4を参照して、本実施形態に係る電力変換装置20の第1例について説明する。
<構成>
図2は、電力変換装置20の第1例を示す図である。
図2に示すように、電力変換装置20は、入力端子21と、整流回路22と、正ラインPL及び負ラインNLと、平滑回路23と、インバータ回路24と、スナバ回路25と、ブレーキ回路26と、制動抵抗27と、出力端子28とを含む。
入力端子21は、外部から交流電力を入力するために用いられる。入力端子21は、外部の交流電源PSのR相、S相、及びT相の出力線のそれぞれと接続される入力端子21R、入力端子21S、及び入力端子21Tを含む。
整流回路22は、入力端子21を通じて入力される三相交流電力を整流し、直流電力を出力可能に構成される。整流回路22は、正側及び負側の出力端のそれぞれが正ラインPL及び負ラインNLの一端に接続され、正ラインPL及び負ラインNLを通じて、直流電力を平滑回路23に出力することができる。図2に示すように、例えば、整流回路22は、6つの半導体ダイオード22Dを含む。具体的には、上下アームに相当する2つの半導体ダイオード22Dが3組設けられ、3組の上下アームが正側及び負側の出力線の間に並列接続される形態のブリッジ型全波整流回路である。入力端子21R,21S,21Tは、それぞれの上下アームの中間点に接続される。
正ラインPL及び負ラインNLは、整流回路22から出力される直流電圧が印加される。正ラインPL及び負ラインNLは、整流回路22とインバータ回路24との間を電気的に接続する。
平滑回路23は、整流回路22から出力される直流電力やインバータ回路24から回生される直流電力の脈動を抑制し、平滑化する。
図2に示すように、例えば、平滑回路23は、平滑コンデンサ23Cを含む。
平滑コンデンサ23Cは、整流回路22やインバータ回路24と並列に、正ラインPL及び負ラインNLの間を繋ぐ経路に設けられてよい。
平滑コンデンサ23Cは、適宜、充放電を繰り返しながら、整流回路22から出力される直流電力やインバータ回路24から出力(回生)される直流電力を平滑化する。
平滑コンデンサ23Cは、一つであってよい。また、平滑コンデンサ23Cは、複数配置されてもよく、複数の平滑コンデンサ23Cが正ラインPL及び負ラインNLの間に並列接続されてもよいし、直列接続されてもよい。また、複数の平滑コンデンサ23Cは、2以上の平滑コンデンサの直列接続体が正ラインPL及び負ラインNLの間に複数並列接続される形態で構成されてもよい。
また、例えば、平滑回路23は、リアクトルを含んでもよい。
リアクトルは、整流回路22と平滑コンデンサ23C(具体的には、平滑コンデンサ23Cが配置される経路との分岐点)との間の正ラインPLに設けられてよい。
リアクトルは、適宜、電流の変化を妨げるように電圧を発生させながら、整流回路22から出力される直流電力やインバータ回路24から出力(回生)される直流電力を平滑化する。
インバータ回路24(電力変換部の一例)は、正ラインPL及び負ラインNLの一端に接続され、正ラインPL及び負ラインNLを通じて入力される直流電力を、所望の電圧や周波数のU相、V相、及びW相の三相交流の電力に変換し出力端子28から出力する。
インバータ回路24は、半導体スイッチ24Sと、半導体ダイオード24Dとを含む。具体的には、上下アームに相当する2つの半導体スイッチ24Sの直列接続体(スイッチレグ)が3組設けられ、3組のスイッチレグが正ラインPL及び負ラインNLの間に並列接続される。そして、3組のスイッチレグの上下アームの中間点からU相、V相、及びW相の出力線が引き出され、U相、V相、及びW相の出力端子28(出力端子28U、出力端子28V、及び出力端子28W)に接続される。半導体ダイオード24Dは、順方向が負ラインNLから正ラインPLに向かう形で、それぞれの半導体スイッチ24Sに並列接続される。
半導体スイッチ24S(第1の半導体スイッチ素子の一例)は、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。また、半導体スイッチ24Sは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やHEMT(High Electron Mobility Transistor)等であってもよい。また、半導体スイッチ24Sは、例えば、ケイ素(シリコン:Si)を主材料として構成されてもよいし、炭化ケイ素(シリコンカーバイド:SiC)や窒化ガリウム(ガリウムナイトライド:GaN)を主材料として構成されてもよい。以下、半導体スイッチ26Sについても同様であってよい。
スナバ回路25は、平滑回路23とインバータ回路24の間に設けられる。スナバ回路25は、スナバコンデンサ25Cを含む。
スナバコンデンサ25Cは、平滑回路23とインバータ回路24との間の正ラインPL及び負ラインNLを繋ぐ経路に配置される。スナバコンデンサ25Cは、例えば、フィルムコンデンサである。
スナバコンデンサ25Cは、半導体スイッチ24Sのスイッチオフ時に、正ラインPL及び負ラインNLを含む直流配線部の寄生インダクタンス成分に蓄えられたエネルギを吸収し、半導体スイッチ24Sのサージ電圧を抑制する。これにより、半導体スイッチ24Sのサージ電圧による素子破壊を抑制することができる。スナバコンデンサ25Cは、サージ電圧の抑制効果の観点から相対的に大きな静電容量(例えば、数百nFレベルの静電容量)を有する。
ブレーキ回路26は、スナバコンデンサ25Cとインバータ回路24との間に設けられる。ブレーキ回路26は、正ラインPL及び負ラインNLの間を繋ぐ経路で直列接続される半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sを含む。
半導体ダイオード26D(整流素子の一例)は、順方向が負ラインNLから正ラインPLに向かうように、半導体スイッチ26Sより正ラインPL側に配置される。これにより、半導体ダイオード26Dは、半導体スイッチ26Sのオン状態からオフ状態への切換時のサージ電流を正ラインPLに流すことができる。
半導体スイッチ26S(一の半導体素子、第2の半導体スイッチ素子の一例)は、半導体ダイオード26Dより負ラインNL側に配置される。半導体スイッチ26Sのオン・オフの切換によって、ブレーキ回路26の作動・非作動を切り換えることができる。
半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sの中間点BPは、制動抵抗27に接続される。
ブレーキ回路26が非作動の状態では、半導体スイッチ26Sは、オフ状態にあり、ブレーキ回路26を通じた正ラインPL及び負ラインNLの間の経路は遮断される。一方、ブレーキ回路26が作動している状態では、半導体スイッチ26Sは、オン状態にあり、ブレーキ回路26を通じた正ラインPL及び負ラインNLの間の経路は導通する。
ブレーキ回路26は、例えば、負荷装置10(電動機)の停止時、特に、負荷装置10を速やかに急停止させる必要がある場合に作動する。これにより、ブレーキ回路26は、負荷装置10の停止時にインバータ回路24を通じて遡る回生エネルギに相当する回生電流を制動抵抗27に流すことができる。そのため、回生電力が制動抵抗27で熱エネルギに変換される形で消費され、その結果、負荷装置10の運動エネルギを速やかに取り除き、負荷装置10(電動機)を急停止させることができる。
制動抵抗27は、正ラインPLとブレーキ回路26の中間点BPとの間を繋ぐ経路に設けられる電気抵抗である。
制動抵抗27は、上述の如く、ブレーキ回路26を通じて流れる回生電流を熱エネルギに変換して消費することができる。
出力端子28は、外部にインバータ回路24からの交流電力を出力するために用いられる。出力端子28は、外部の負荷装置10のU相、V相、及びW相の入力線のそれぞれと接続される出力端子28U,出力端子28V、及び出力端子28Wを含む。
<ブレーキ回路の非作動時における作用>
次に、図3、図4を参照して、ブレーキ回路26の非作動時における作用について説明する。
図3は、ブレーキ回路26の非作動時における作用を説明する図である。図4は、比較例に係る電力変換装置と実施形態に係る電力変換装置20とのノイズレベルを示す比較図である。具体的には、図4は、比較例に係る電力変換装置のノイズレベルを表す周波数スペクトラム401と、実施形態に係る電力変換装置20のノイズレベルを表す周波数スペクトラム402とを示す。
尚、比較例に係る電力変換装置は、ブレーキ回路26及び制動抵抗27が省略される点で、本例(第1例)に係る電力変換装置20と異なる。
図3に示すように、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sは、それぞれ、寄生の静電容量Cd1及び静電容量Csw1を有する。そのため、電力変換装置20の作動時且つブレーキ回路26の非作動時において、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sは、正ラインPL及び負ラインNLを繋ぐ経路のキャパシタンス成分(コンデンサ)として機能する。
ブレーキ回路26の非作動時において、制動抵抗27には、電流が流れないことから、制動抵抗27の電圧降下がない。そのため、正ラインPLの電位と、中間点BPの電位は、略等しくなる。よって、半導体ダイオード26Dに印加される電圧Vd1と、半導体スイッチ26Sに印加される電圧Vsw1の間には、以下の式(1)の関係が成立する。
Figure 2023117714000002
また、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量は、印加される電圧が高いほど小さくなる特徴を有している。具体的には、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量は、印加される電圧の-1/2乗に比例する。そのため、半導体ダイオード26Dの寄生の静電容量Cd1と、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量Csw1との間には、以下の式(2)の関係が成立する。
Figure 2023117714000003
よって、式(1),(2)から、直列接続される半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sの合成静電容量Cbrakeは、以下の(3)で表される。
Figure 2023117714000004
本例では、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時において、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量Csw1は、インバータ回路24の半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量よりも大きく設定される。例えば、半導体スイッチ24S,26Sの間でチップ面積を異ならせ、PN接合の面積が調整されることにより、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量Csw1が半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量より大きく設定される。また、半導体の不純物密度を異ならせ、空乏層の幅を調整することにより、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量Csw1が半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量より大きく設定されてもよい。また、これらの双方によって、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量Csw1が半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量より大きく設定されてもよい。これにより、式(3)の関係から、ブレーキ回路26の半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sの合成静電容量Cbrakeを、インバータ回路24の半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量より大きくすることができる。
また、上述の如く、スナバコンデンサ25Cは、サージ電圧の抑制効果の観点から、例えば、数百nFレベルの相対的に大きい静電容量を有する。一方、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量は、一般的に、数十pF~数nFのオーダーである。そのため、スナバコンデンサ25Cの静電容量は、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量Csw1よりも圧倒的に大きい。よって、式(3)の関係から、スナバコンデンサ25Cの静電容量は、ブレーキ回路26の半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sの合成静電容量Cbrakeよりも圧倒的に大きいと言える。
つまり、本例では、正ラインPL及び負ラインNLの間に直列接続される半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sの合成静電容量Cbrakeは、半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量より大きく且つスナバコンデンサ25Cの静電容量より小さい。具体的には、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量Csw1が半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量より大きく且つスナバコンデンサ25Cの静電容量より小さく設定されることで、当該条件が成立する。半導体スイッチ26Sが制動抵抗27を介して正ラインPL及び負ラインNLの間を接続することで、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sの合成静電容量Cbrakeが半導体スイッチ26Sの静電容量に等しいとみなせるからである。
これにより、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴って、ブレーキ回路26の合成静電容量Cbrake(即ち、半導体スイッチ26Sの静電容量Csw1)と、スナバ回路25及びブレーキ回路26を含む閉ループの配線等の寄生インダクタンス成分とによる並列共振を発生させることができる。
ここで、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作時には、半導体スイッチ24Sの静電容量と、半導体スイッチ24S及びスナバ回路25を含む閉ループの配線等の寄生のインダクタンス成分とによる直列共振が発生する。そのため、例えば、図4(周波数スペクトラム401)に示すように、比較例に係る電力変換装置では、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作時に、直列共振周波数fr1をピークとする非常に高いレベルのノイズが生じる。
これに対して、本例では、上述の如く、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作時に、ブレーキ回路26の作用によって並列共振を発生させることができる。そのため、例えば、図4(周波数スペクトラム402)に示すように、並列共振周波数fr2の並列共振によって、直列共振周波数fr1をピークとする直列共振によるノイズを低減することができる。
尚、ブレーキ回路26は、その作動時に、半導体スイッチ26Sがオン状態(導通状態)であることから、キャパシタンス成分として機能しない。しかし、ブレーキ回路26は負荷装置10が停止する際に利用され、その際には、インバータ回路24が動作しないことから、ブレーキ回路26の作動時に、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作は発生しない。そのため、ブレーキ回路26が作動するタイミングでは、ノイズを抑制する必要がなく、ブレーキ回路26がキャパシタンス成分として機能せずとも問題が生じない。
このように、本例では、ブレーキ回路26は、その非作動時において、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sの寄生のキャパシタンス成分によって、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う並列共振を発生させる。これにより、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振によるノイズを並列共振によって抑制することができる。そのため、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、本例では、既存のブレーキ回路26を利用することができる。そのため、新たな部品を追加することなく、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。つまり、より簡素な構成で、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。よって、電力変換装置20の組立工数の増加や大型化を抑制しつつ、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、例えば、キャパシタンス成分として、セラミックコンデンサを用いる場合、短絡故障時を想定した保護対策が必要になる可能性がある。そのため、保護対策に伴う部品の追加や構造の複雑化によって、電力変換装置20の組立工数の増加や大型化を招く可能性がある。
これに対して、本例では、ブレーキ回路26の半導体ダイオード26Dや半導体スイッチ26Sによってキャパシタンス成分を実現することから、上述の保護対策が不要となる。そのため、より簡素な構成で、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。よって、電力変換装置20の組立工数の増加や大型化を抑制しつつ、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
[電力変換装置の第2例]
次に、図5~図7を参照して、本実施形態に係る電力変換装置20について説明する。
以下、上述の第1例と異なる部分を中心に説明を行い、上述の第1例と同じ或いは対応する説明を省略する場合がある。
<構成>
図5、図6は、電力変換装置20の第2例を示す図である。具体的には、図5は、制動抵抗27が電力変換装置20の接続端子29に接続された状態を示し、図6は、制動抵抗27が電力変換装置20の接続端子29に非接続の状態を示す。
図5、図6に示すように、本例に係る電力変換装置20は、ユーザの選択によって、制動抵抗27を外付け可能に構成される点で上述の第1例と異なる。
電力変換装置20は、入力端子21と、整流回路22と、平滑回路23と、インバータ回路24と、スナバ回路25と、ブレーキ回路26と、出力端子28と、接続端子29とを含む。
接続端子29は、制動抵抗27を接続するために用いられる。接続端子29は、制動抵抗の両端のそれぞれを接続可能な接続端子29A,29Bを含む。接続端子29は、例えば、電力変換装置20の筐体の表面に設けられる。
<ブレーキ回路の非作動時における作用>
図7は、ブレーキ回路26の非作動時における作用を説明する図である。具体的には、図7は、接続端子29に制動抵抗27が接続されていない状態でのブレーキ回路26の非作動時における作用を説明する図である。
上述の如く、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量Csw1は、その印加される電圧Vsw1の-1/2乗に比例する。同様に、半導体ダイオード26Dの寄生の静電容量Cd1は、その印加される電圧Vd1の-1/2乗に比例する。そのため、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量Csw1及び半導体ダイオード26Dの寄生の静電容量Cd1は、比例係数asw1,ad1を用いて、以下の式(4),(5)で表される。
Figure 2023117714000005
本例では、半導体スイッチ26S及び半導体ダイオード26Dの寄生の静電容量Csw1,Cd1が適宜調整されることによって、比例係数asw1,ad1は、共に、0より大きい正数である。
接続端子29に制動抵抗27が接続されていない場合、半導体スイッチ26Sに印加される電圧Vsw1及び半導体ダイオード26Dに印加される電圧Vd1は、正ラインPL及び負ラインNLの間の電圧Vpnを用いて、以下の式(6),(7)で表される。
Figure 2023117714000006
よって、式(4)~(7)から、接続端子29に制動抵抗27が接続されていない場合のブレーキ回路26(半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26S)の合成静電容量Cbrake1は、以下の式(8)で表される。
Figure 2023117714000007
一方、接続端子29に制動抵抗27が接続されている場合のブレーキ回路26(半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26S)の合成静電容量Cbrake2には、上述の第1例の式(1)~(3)と同様の関係が成立する。そのため、式(1)~(4)から、接続端子29に制動抵抗27が接続されている場合のブレーキ回路26の合成静電容量Cbrake2は、以下の式(9)で表される。
Figure 2023117714000008
よって、式(8),(9)から、接続端子29に制動抵抗27が接続されていない場合及び接続されている場合のそれぞれのブレーキ回路26の合成静電容量Cbrake1,Cbrake2について、以下の式(10)が成立する。
Figure 2023117714000009
ここで、上述の如く、比例係数asw1,ad1のそれぞれが正数であることから、以下の式(11)が成立する。
Figure 2023117714000010
よって、式(10),(11)から、接続端子29に制動抵抗27が接続されていない場合及び接続されている場合のそれぞれのブレーキ回路26の合成静電容量Cbrake1,Cbrake2について、以下の式(12)が成立する。
Figure 2023117714000011
本例では、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時において、接続端子29に制動抵抗27が接続されていない場合のブレーキ回路26の合成静電容量Cbrake1は、半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量よりも大きく設定される。例えば、上述の如く、半導体ダイオード26Dの静電容量、及び半導体スイッチ24S,26Sの相対的な静電容量が調整されることで、ブレーキ回路26の合成静電容量Cbrake1が半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量よりも大きくなるように設定される。
また、本例では、式(12)から、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時において、接続端子29に制動抵抗27が接続されている場合のブレーキ回路26の合成静電容量Cbrake2は、半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量よりも大きくなる。
また、上述の如く、スナバコンデンサ25Cは、サージ電圧の抑制効果の観点から、例えば、数百nFレベルの相対的に大きい静電容量を有する。一方、半導体スイッチ26Sや半導体ダイオード26Dの寄生の静電容量は、一般的に、数十pF~数nFのオーダーである。そのため、スナバコンデンサ25Cの静電容量は、半導体スイッチ26Sや半導体ダイオード26Dの寄生の静電容量よりも圧倒的に大きい。よって、スナバコンデンサ25Cの静電容量は、ブレーキ回路26の合成静電容量Cbrake1,Cbrake2よりも圧倒的に大きいと言える。
つまり、本例では、制動抵抗27の有無に依らず、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26S(複数の半導体素子の一例)の合成静電容量は、半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量より大きく且つスナバコンデンサ25Cの静電容量より小さい。
これにより、上述の第1例の場合と同様、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴って、ブレーキ回路26の合成静電容量と、スナバ回路25及びブレーキ回路26を含む閉ループの寄生インダクタンス成分とによる並列共振を発生させることができる。そのため、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、本例では、上述の第1例と同様、既存のブレーキ回路26を利用することができる。そのため、電力変換装置20の組立工数の増加や大型化を抑制しつつ、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、本例では、上述の第1例と同様、ブレーキ回路26の半導体ダイオード26Dや半導体スイッチ26Sによってキャパシタンス成分を実現することから、キャパシタンス成分としてセラミックコンデンサを利用する場合の上述の保護対策が不要となる。そのため、より簡素な構成で、電力変換装置20の組立工数の増加や大型化を抑制しつつ、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
[電力変換装置の第3例]
次に、図8を参照して、本実施形態に係る電力変換装置20の第3例について説明する。
以下、上述の第1例、第2例と異なる部分を中心に説明を行い、上述の第1例、第2例と同じ或いは対応する説明を省略する場合がある。
<構成>
図8、図9は、電力変換装置20の第3例を示す図である。具体的には、図8は、制動抵抗27がパワーモジュール30の接続端子31に接続された状態を示し、図9は、制動抵抗27がパワーモジュール30の接続端子31に非接続の状態を示す。
図8、図9に示すように、本例に係る電力変換装置20は、ブレーキ回路26及びインバータ回路24を内蔵するパワーモジュール30が組み込まれる点で上述の第1例、第2例と異なる。
電力変換装置20は、入力端子21と、整流回路22と、平滑回路23と、スナバ回路25と、ブレーキ回路26と、出力端子28と、パワーモジュール30とを含む。
パワーモジュール30は、インバータ回路24と、ブレーキ回路26と、接続端子31,32とを含む。換言すれば、パワーモジュール30は、インバータ回路24に相当する6in1タイプのパワーモジュールに、ブレーキ回路26が組み込まれることにより実現されている。
接続端子31は、接続端子31P,31N,31Bを含む。
接続端子31Pは、パワーモジュール30の内部において、正ラインPLのうちのインバータ回路24から引き出される一方の正ラインの部分と接続される。接続端子31Pは、パワーモジュール30の外部且つ電力変換装置20の内部において、整流回路22から延び出す他方の正ライン部分と接続するために用いられる。
また、図8に示すように、接続端子31Pは、パワーモジュール30の外部且つ電力変換装置20の内部において、制動抵抗27の一端を接続するために用いられる。
接続端子31Nは、パワーモジュール30の内部において、負ラインNLのうちのインバータ回路24から引き出される一方の負ラインの部分と接続される。接続端子31Nは、パワーモジュール30の外部且つ電力変換装置20の内部において、整流回路22から延び出す他方の負ラインの部分と接続するために用いられる。
接続端子31Bは、パワーモジュール30の内部において、ブレーキ回路26の中間点BPから引き出される。接続端子31Bは、パワーモジュール30の外部且つ電力変換装置20の内部において、制動抵抗27の他端を接続するために用いられる。
接続端子32は、接続端子32U,32V,32Wを含む。
接続端子32Uは、パワーモジュール30の内部において、インバータ回路24のU相の出力線と接続される。接続端子32Uは、パワーモジュール30の外部且つ電力変換装置20の内部において、出力端子28Uと接続するために用いられる。
接続端子32Vは、パワーモジュール30の内部において、インバータ回路24のV相の出力線と接続される。接続端子32Vは、パワーモジュール30の外部且つ電力変換装置20の内部において、出力端子28Vと接続するために用いられる。
接続端子32Wは、パワーモジュール30の内部において、インバータ回路24のW相の出力線と接続される。接続端子32Wは、パワーモジュール30の外部且つ電力変換装置20の内部において、出力端子28Wと接続するために用いられる。
<ブレーキ回路の非作動時における作用>
図8に示すように、パワーモジュール30に制動抵抗27が接続されることが予め確定されている場合を考える。
この場合、上述の第1例と同様、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時において、半導体スイッチ26Sの寄生の静電容量Csw1は、インバータ回路24の半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量よりも大きく設定されてよい。これにより、上述の第1例と同様の作用・効果を奏する。
また、図8、図9に示すように、パワーモジュール30に制動抵抗27が接続されて電力変換装置20に組み込まれる場合、及び制動抵抗27が接続されないで電力変換装置20に組み込まれる場合の双方が想定される場合を考える。
この場合、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時において、接続端子29に制動抵抗27が接続されていない場合のブレーキ回路26の合成静電容量Cbrake1は、半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量よりも大きく設定されてよい。これにより、上述の第2例と同様の作用・効果を奏する。
また、例えば、パワーモジュール30にブレーキ回路26に代えて、キャパシタンス成分としてコンデンサが内蔵される場合、インバータ回路24の半導体スイッチ24Sや半導体ダイオード24Dとは異なる熱対策をコンデンサに対して施す必要が生じる。そのため、追加の熱対策に伴う部品の追加や構造の複雑化によって、電力変換装置20の組立工数の増加や大型化を招く可能性がある。
これに対して、本例では、ブレーキ回路26の半導体スイッチ26Sや半導体ダイオード26Dによってキャパシタンス成分を実現することから、インバータ回路24の半導体スイッチ24Sや半導体ダイオード24Dと同様の熱対策で対応できる。そのため、より簡素な構成で、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。よって、電力変換装置20の組立工数の増加や大型化を抑制しつつ、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
[他の実施形態]
上述の実施形態には、適宜変形や変更が加えられてもよい。
例えば、上述の実施形態(第1例~第3例)では、平滑回路23(平滑コンデンサ23C)が省略されてもよい。
また、例えば、上述の実施形態やその変形例では、スナバ回路25が省略されてもよい。
また、例えば、上述の実施形態やその変形例では、電力変換装置20は、外部の直流電源から入力される直流電力を用いて、負荷装置10の駆動電力を生成し出力してもよい。この場合、例えば、電力変換装置20の正ラインPL及び負ラインNLに直流電力を入力可能な入力端子が追加される。また、この場合、入力端子21及び整流回路22は、省略されてもよい。
また、例えば、上述の実施形態や変形例では、ブレーキ回路26は、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作時に並列共振を発生させるためのキャパシタンス成分として作用する、任意の一の半導体素子或いは複数の半導体素子に置換されてもよい。半導体素子は、例えば、ブレーキ回路26が採用される場合と同様、半導体スイッチや半導体ダイオードである。この場合、一の半導体素子は、正ラインPL及び負ラインNLの間を接続し、且つ、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時に非導通となるように設けられてよい。そして、一の半導体素子は、正ラインPL及び負ラインNLに直流電圧の印加時に、半導体スイッチ24Sより大きい寄生の静電容量を有するように構成されてよい。同様に、複数の半導体素子は、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時に非導通となるように、正ラインPL及び負ラインNLを繋ぐ経路上で直列接続される。そして、複数の半導体素子は、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時に、その合成静電容量が半導体スイッチ24Sの寄生の静電容量より大きくなるように設定されてよい。また、複数の半導体素子は、それぞれが正ラインPL及び負ラインNLの間を接続するように並列接続されてもよい。この場合、複数の半導体素子は、正ラインPL及び負ラインNLに直流電圧の印加時に、それぞれが半導体スイッチ24Sより大きい静電容量を有するように構成されてよい。また、この場合、複数の半導体スイッチは、インバータ回路24から離れるほど静電容量が大きくなるように構成されてよい。これにより、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作時に、隣り合う2つの半導体素子を含む閉ループの寄生のインダクタンス成分と、静電容量が大きい一方の半導体素子の寄生の静電容量とによる並列共振を発生させることができる。そのため、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作に伴う直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを更に抑制することができる。
また、例えば、上述の実施形態(第3例)やその変形例では、電力変換装置20は、パワーモジュール30に代えて、2つの半導体スイッチ24Sが直列接続された上下アームを1つだけ含む2in1タイプのパワーモジュールが3つ内蔵されてもよい。この場合、2in1タイプのパワーモジュールの少なくとも1つに、半導体スイッチ24Sのスイッチング動作時に並列共振を発生させるためのキャパシタンス成分として作用する一の半導体素子或いは複数の半導体素子が内蔵されてよい。
また、例えば、上述の実施形態や変形例におけるインバータ回路24のスイッチング動作時の直列共振によるノイズを抑制する構成は、他の種類のインバータ回路を有する電力変換装置に適用されてもよい。例えば、三相以外(例えば、単相)の交流電力を出力するインバータ回路やマルチレベルのインバータ回路を含む電力変換装置に適用されてもよい。
また、例えば、上述の実施形態や変形例におけるインバータ回路のスイッチング動作時の直列共振によるノイズを抑制する構成は、他の種類の電力変換部を有する電力変換装置に適用されてもよい。例えば、半導体スイッチのスイッチング動作によって、直流電圧を異なる直流電圧に変換する直流チョッパを有する電力変換装置、即ち、DC(Direct Current)-DCコンバータに適用されてもよい。
[作用]
次に、本実施形態に係る電力変換装置20及びパワーモジュール30の作用について説明する。
本実施形態では、電力変換装置20は、正ラインPL及び負ラインNLと、電力変換部(例えば、インバータ回路24)と、一の半導体素子或いは複数の半導体素子(例えば、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26S)と、を備える。具体的には、正ラインPL及び負ラインNLには、直流電圧が印加される。また、電力変換部は、正ラインPL及び負ラインNLの一端に接続され、正ラインPL及び負ラインNLの間に接続される第1の半導体スイッチ素子(例えば、半導体スイッチ24S)のスイッチング動作に基づき、正ラインPL及び負ラインNLを通じて供給される直流電力を所定の電力に変換し出力する。そして、一の半導体素子は、正ラインPL及び負ラインNLとの間に接続され、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時に、第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい静電容量を有する。また、複数の半導体素子は、正ラインPL及び負ラインNLとの間に接続され、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時に、合成静電容量が第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい。
これにより、第1の半導体スイッチ素子のスイッチング動作に伴って、正ラインPL及び負ラインNLを含む直流配線部の寄生インダクタンス成分、及び一の半導体素子或いは複数の半導体素子のキャパシタンス成分により並列共振を発生させることができる。そのため、第1の半導体スイッチ素子のスイッチング動作に伴って、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを並列共振によって抑制することができる。よって、例えば、キャパシタンス成分としてセラミックコンデンサを用いる場合の短絡故障時の保護対策等が不要となり、その結果、より簡易な構成によって、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、本実施形態では、電力変換装置20は、ブレーキ回路26を備えてもよい。具体的には、ブレーキ回路26は、正ラインPL及び負ラインNLの間に接続され、直列接続される半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sを含んでもよい。そして、上述の一の半導体素子は、半導体スイッチ26Sであってもよい。
これにより、負荷装置10(電動機)を急速に停止させるためのブレーキ回路26の半導体スイッチ26Sを用いて、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。そのため、新たな部品を追加することなく、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、本実施形態では、電力変換装置20は、ブレーキ回路26を備えてもよい。そして、上述の複数の半導体素子は、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sであってもよい。
これにより、負荷装置10(電動機)を急速に停止させるためのブレーキ回路26の半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sを用いて、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。そのため、新たな部品を追加することなく、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、本実施形態では、電力変換装置20は、正ラインPLと、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sの中間点BPとの間に接続される制動抵抗27を備えてもよい。
これにより、ブレーキ回路26の半導体スイッチ26Sが制動抵抗27を介して正ラインPL及び負ラインNLの間を接続する状態になる。そのため、半導体スイッチ26Sの静電容量を第1の半導体スイッチ素子の静電容量より大きくすることで、半導体スイッチ26Sのキャパシタンス成分、及び直流配線部の寄生インダクタンス成分による並列共振を発生させることができる。
また、本実施形態では、電力変換装置20は、スナバコンデンサ25Cを備えてもよい。具体的には、スナバコンデンサは、上述の一の半導体素子或いは複数の半導体素子から見て電力変換部とは反対側の正ラインPL及び負ラインNLの間に接続されてもよい。
これにより、スナバコンデンサのキャパシタンス成分、及び直流配線部の寄生インダクタンス成分によって生じる直列共振に伴う伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、本実施形態では、電力変換部は、正ラインPL及び負ラインNLに印加される直流電圧を交流電圧に変換し出力するインバータ回路24であってもよい。
これにより、正ラインPL及び負ラインNLを含む直流配線部、及びインバータ回路24に生じる直列共振に伴う伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、本実施形態では、パワーモジュール30は、正ラインPL及び負ラインNLと、電力変換部(例えば、インバータ回路24)と、一の半導体素子或いは複数の半導体素子(例えば、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26S)とを備える。具体的には、正ラインPL及び負ラインNLには、直流電圧が印加される。また、電力変換部は、正ラインPL及び負ラインNLの一端に接続され、正ラインPL及び負ラインNLの間に接続される第1の半導体スイッチ素子(例えば、半導体スイッチ24S)のスイッチング動作に基づき、正ラインPL及び負ラインNLを通じて供給される直流電力を所定の電力に変換し出力する。そして、一の半導体素子は、正ラインPL及び負ラインNLとの間に接続され、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時に、第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい静電容量を有する。また、複数の半導体素子は、正ラインPL及び負ラインNLとの間に接続され、正ラインPL及び負ラインNLへの直流電圧の印加時に、合成静電容量が第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい。
これにより、上述の如く、第1の半導体スイッチ素子のスイッチング動作に伴って、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを、一の半導体素子或いは複数の半導体素子の作用による並列共振によって抑制することができる。そのため、例えば、パワーモジュール30の内部の一の半導体素子或いは複数の半導体素子に対して、第1の半導体スイッチ素子と同じ或いは類似する熱対策を施すことができる。よって、例えば、キャパシタンス成分としてコンデンサを用いる場合のような追加の熱対策が不要となり、より簡易な構成によって、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、本実施形態では、パワーモジュール30は、ブレーキ回路26を備えてもよい。具体的には、ブレーキ回路26は、正ラインPL及び負ラインNLの間に接続され、直列接続される半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sを含んでもよい。そして、上述の一の半導体素子は、半導体スイッチ26Sであってもよい。
これにより、パワーモジュール30に内蔵されるブレーキ回路26の半導体スイッチ26Sを用いて、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。そのため、新たな部品を追加することなく、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
また、本実施形態では、パワーモジュール30は、ブレーキ回路26を備えてもよい。そして、上述の複数の半導体素子は、半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sであってもよい。
これにより、パワーモジュール30に内蔵されるブレーキ回路26の半導体ダイオード26D及び半導体スイッチ26Sを用いて、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。そのため、新たな部品を追加することなく、直流配線部及び電力変換部に生じる直列共振による伝導ノイズや放射ノイズを抑制することができる。
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 駆動システム
10 負荷装置
20 電力変換装置
21 入力端子
21R 入力端子
21S 入力端子
21T 入力端子
22 整流回路
22D 半導体ダイオード
23 平滑回路
23C 平滑コンデンサ
24 インバータ回路
24D 半導体ダイオード
24S 半導体スイッチ
25 スナバ回路
25C スナバコンデンサ
26 ブレーキ回路
26D 半導体ダイオード
26S 半導体スイッチ
27 制動抵抗
28 出力端子
28U 出力端子
28V 出力端子
28W 出力端子
29 接続端子
29A 接続端子
29B 接続端子
30 パワーモジュール
31 接続端子
31B 接続端子
31N 接続端子
31P 接続端子
32 接続端子
32U 接続端子
32V 接続端子
32W 接続端子
BP 中間点
NL 負ライン
PL 正ライン
PS 交流電源

Claims (9)

  1. 直流電圧が印加される正ライン及び負ラインと、
    前記正ライン及び前記負ラインの一端に接続され、前記正ライン及び前記負ラインの間に接続される第1の半導体スイッチ素子のスイッチング動作に基づき、前記正ライン及び前記負ラインを通じて供給される直流電力を所定の電力に変換し出力する電力変換部と、
    前記正ライン及び前記負ラインとの間に接続され、前記正ライン及び前記負ラインへの直流電圧の印加時に、前記第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい静電容量を有する一の半導体素子、又は、前記正ライン及び前記負ラインとの間に接続され、前記正ライン及び前記負ラインへの直流電圧の印加時に、合成静電容量が前記第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい複数の半導体素子と、を備える、
    電力変換装置。
  2. 前記正ライン及び前記負ラインの間に接続され、直列接続される整流素子及び第2の半導体スイッチ素子を含むブレーキ回路を備え、
    前記一の半導体素子は、前記第2の半導体スイッチ素子である、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記正ライン及び前記負ラインの間に接続され、直列接続される整流素子及び第2の半導体スイッチ素子を含むブレーキ回路を備え、
    前記複数の半導体素子は、前記整流素子及び前記第2の半導体スイッチ素子である、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  4. 前記正ラインと、前記整流素子及び前記第2の半導体スイッチ素子の中間点との間に接続される制動抵抗を備える、
    請求項2に記載の電力変換装置。
  5. 前記一の半導体素子又は前記複数の半導体素子から見て前記電力変換部とは反対側の前記正ライン及び前記負ラインの間に接続されるスナバコンデンサを備える、
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の電力変換装置。
  6. 前記電力変換部は、前記正ライン及び前記負ラインに印加される直流電圧を交流電圧に変換し出力するインバータ回路である、
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の電力変換装置。
  7. 直流電圧が印加される正ライン及び負ラインと、
    前記正ライン及び前記負ラインの一端に接続され、前記正ライン及び前記負ラインの間に接続される第1の半導体スイッチ素子のスイッチング動作に基づき、前記正ライン及び前記負ラインを通じて供給される直流電力を所定の電力に変換し出力する電力変換部と、
    前記正ライン及び前記負ラインとの間に接続され、前記正ライン及び前記負ラインへの直流電圧の印加時に、前記第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい静電容量を有する一の半導体素子、又は、前記正ライン及び前記負ラインとの間に接続され、前記正ライン及び前記負ラインへの直流電圧の印加時に、合成静電容量が前記第1の半導体スイッチ素子の静電容量よりも大きい複数の半導体素子と、を備える、
    パワーモジュール。
  8. 前記正ライン及び前記負ラインの間に接続され、直列接続される整流素子及び第2の半導体スイッチ素子を含むブレーキ回路を備え、
    前記一の半導体素子は、前記第2の半導体スイッチ素子である、
    請求項7に記載のパワーモジュール。
  9. 前記正ライン及び前記負ラインの間に接続され、直列接続される整流素子及び第2の半導体スイッチ素子を含むブレーキ回路を備え、
    前記複数の半導体素子は、前記整流素子及び前記第2の半導体スイッチ素子である、
    請求項7に記載のパワーモジュール。
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