JP2023116167A - 標的核酸検出用オリゴヌクレオチドプローブ - Google Patents

標的核酸検出用オリゴヌクレオチドプローブ Download PDF

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Abstract

【課題】 標的核酸を高感度に検出可能なステムループ構造を有したプローブを提供すること。【解決の手段】 ステム領域の塩基配列を、(i)一方の末端がCCCTgTgであり他方の末端がCACAggg、(ii)一方の末端がCCCTgTgTgであり他方の末端がCACACAggg、および(iii)一方の末端がCTCgggであり他方の末端がCCCgAgのいずれかにすることで、前記課題を解決する。【選択図】 なし

Description

本発明は、標的核酸を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブに関する。特に本発明は、ステムループ構造を有した、標的核酸を高感度に検出可能なオリゴヌクレオチドプローブに関する。
ウイルス感染症の検査において、試料中に含まれるウイルス核酸を標的とし検出する方法を採用する場合、一般に前記試料中に含まれるウイルス核酸が極微量であることから、前記ウイルス核酸を増幅し検出する方法が用いられる。
標的核酸を増幅する方法として、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)が広く知られている。この方法は、標的DNA中の特定塩基配列の一部と相補的または相同的な配列を有する一組のプライマーと耐熱性DNAポリメラーゼ存在下で、熱変性-プライマーアニール-伸長反応からなるサイクルを繰り返し行なうことによってDNAを増幅する方法である。また標的核酸がRNAの場合、逆転写酵素によって一旦cDNAを合成してからPCR法を行なう、いわゆるRT-PCR法が知られている。しかし、PCR法およびRT-PCR法は急激に何度も反応温度を昇降させる必要があり、自動化の際の反応装置の省力化や低コスト化のための障壁となっていた。
一方、一定温度で標的RNAを増幅する方法としてNASBA(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)法、TMA(Transcription Mediated Amplification)法、TRC(Transcription Reverse-transcription Concerted reaction)法といった方法が知られている。これらの方法は、反応温度を昇降させることなく一定温度で核酸が増幅するため、簡便に核酸を増幅できる。そのため自動化の際、反応装置の省力化や低コスト化ができる点で好ましい方法といえる。また、近年では、ddPCR(Droplet Digital PCR)法などのデジタル核酸増幅法が知られている。デジタル核酸増幅法は、標的核酸を含む反応液を液滴化し、核酸増幅を行なう方法である。
前述した方法で増幅した標的核酸は、当該核酸の特定塩基配列の一部と相補的または相同的な配列を有するオリゴヌクレオチドプローブを用いて検出する。前記プローブの例として、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を利用した蛍光標識プローブ、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、TaqMan(商品名)プローブ、Molecular Beaconプローブなどの蛍光色素標識プローブがあげられる。中でも標的核酸の検出をddPCR法などのデジタル核酸増幅法で行なう場合、エンドポイントでの蛍光強度に基づき行なうため、蛍光強度が高く、かつS/N比も高い、Molecular Beaconプローブが好ましい。
Molecular Beaconプローブは、標的核酸(核酸増幅している場合は標的核酸の増幅産物)の一部と相補的または相同的な配列を有するループ領域と、当該ループ領域の両末端に付加した二本鎖形成領域(ステム領域)から構成される、ステムループ構造を有したプローブであり、かつ前記ステム領域の一方の末端に蛍光色素(Fluorescent dyes)、他方の末端に消光剤(Quencher)をさらに付加している(図1)。前記ループ領域が標的核酸またはその増幅産物とハイブリダイズしていないときは、前記ステム領域により蛍光色素と消光剤とが接近しているため、当該蛍光色素による蛍光を発しないが、前記ループ領域が標的核酸またはその増幅産物とハイブリダイズすると、前記ステム領域が解離し、蛍光色素が消光剤から離れることで、当該蛍光色素由来の蛍光を発する。一例として、特許文献1には、デジタル核酸増幅法で試料中に含まれるC型肝炎ウイルス核酸を増幅し、当該増幅した核酸をMolecular Beaconプローブで検出した例を開示している。
特開2020-162591号公報
本発明の課題は、標的核酸を高感度に検出可能なステムループ構造を有したプローブを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、Molecular Beaconプローブを構成する二本鎖形成領域(ステム領域)の塩基配列を最適化することで、本発明を完成するにいたった。
すなわち本発明の第一の態様は、
標的核酸の一部と相補的または相同的な配列を有するループ領域と、当該ループ領域の両末端に付加したステム領域とを有した、前記標的核酸検出用オリゴヌクレオチドプローブであって、
前記ステム領域の塩基配列が以下の(i)から(iii)のいずれかである、前記プローブである;
(i)一方の末端がCCCTgTgであり他方の末端がCACAggg、
(ii)一方の末端がCCCTgTgTgであり他方の末端がCACACAggg、
(iii)一方の末端がCTCgggであり他方の末端がCCCgAg。
また本発明の第二の態様は、プローブの一方の末端に蛍光色素を、他方の末端に消光剤を、さらに付加した、前記第一の態様に記載のプローブである。
また本発明の第三の態様は、標的核酸がアデノ随伴ウイルス核酸であり、ループ領域の塩基配列が配列番号27に記載の配列またはその相補配列である、前記第一または第二の態様に記載のプローブである。
また本発明の第四の態様は、標的核酸がC型肝炎ウイルス核酸であり、ループ領域の塩基配列が配列番号28に記載の配列またはその相補配列である、前記第一または第二の態様に記載のプローブである。
さらに本発明の第五の態様は、標的核酸の特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーと、核酸増幅試薬と、前記特定塩基配列の一部と相補的または相同的な配列を有するループ領域と当該ループ領域の両末端に付加したステム領域とを有した前記第一から第四の態様のいずれかに記載のプローブとを含む、標的核酸の検出試薬である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプローブのうち、ループ領域は標的核酸の一部と相補的または相同的な配列を有している。本発明において、相補的な配列(相補配列)とは、標的核酸に対してストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能な配列をいい、相同的な配列(相同配列)とは、標的核酸の相補配列に対してストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能な配列をいう。ここでいう「ストリンジェントな条件」の例としては、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。
一例を示せば、相同性(例えば、同一性や類似性)が高いポリヌクレオチド同士、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するポリヌクレオチド同士がハイブリダイズし、それより低い相同性を示すポリヌクレオチド同士がハイブリダイズしない条件である。限定されないが、具体的には、ハイブリダイゼーション条件として、42℃において、50%(v/v)ホルムアミド、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン、0.1%(w/v)フィコール(商品名)、0.1%(w/v)ポリビニルピロリドン、50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)、150mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムが存在する条件や、本明細書の実施例に記載の核酸増幅検出条件があげられる。また、洗浄条件として、60℃、1×SSC(Saline Sodium Citrate Buffer)、0.1%(w/v)SDS(Sodium Dodecyl Sulfate)、好ましくは0.1×SSC、0.1%(w/v)SDS、さらに好ましくは65℃、0.1×SSC、0.1%(w/v)SDS、より好ましくは68℃、0.1×SSC、0.1%(w/v)SDS等のストリンジェントな条件に相当する塩濃度および温度で、1回、好ましくは2から3回洗浄する条件等が挙げられる。
ループ領域の好ましい例として、標的核酸がアデノ随伴ウイルス核酸である場合は配列番号27に記載の配列またはその相補配列からなるオリゴヌクレオチドが、標的核酸がC型肝炎ウイルス核酸である場合は配列番号28に記載の配列またはその相補配列からなるオリゴヌクレオチドが、それぞれあげられる。
本発明のプローブは、前述したループ領域の両末端に付加したステム領域の塩基配列が、(i)一方の末端がCCCTgTgであり他方の末端がCACAggg、(ii)一方の末端がCCCTgTgTgであり他方の末端がCACACAggg、および(iii)一方の末端がCTCgggであり他方の末端がCCCgAg、のいずれかであることを特徴としている。なおこれら塩基配列を付加するループ領域の末端位置に限定はなく、例えば前記(i)の場合、
CCCTgTgをループ領域の5’末端側に、CACAgggをループ領域の3’末端側に、それぞれ付加してもよいし、
CCCTgTgをループ領域の3’末端側に、CACAgggをループ領域の5’末端側に、それぞれ付加してもよい。
前述したステム領域の一方の末端に蛍光色素を、他方の末端に消光剤をさらに付加すると、標的核酸を簡便かつ高感度に検出できる点で好ましい。蛍光色素および消光剤を付加するステム領域の末端位置に限定はない。すなわち、
蛍光色素をステム領域の5’末端側に、消光剤をステム領域の3’末端側に、それぞれ付加してもよいし、
蛍光色素をステム領域の3’末端側に、消光剤をステム領域の5’末端側に、それぞれ付加してもよい。
本発明のプローブに付加する蛍光色素および消光剤は、例えばMolecular Beaconプローブで用いられる蛍光色素および消光剤の組み合わせを適用してよい。具体的には、
蛍光色素として6-FAM(6-Carboxyfluorescein)、JOE(6-Carboxy-4’,5’-Dichloro-2’,7’-Dimethoxyfluorescein)、TET(5’-Tetrachlorofluorescein)およびHEX(5’-Hexachlorofluorescein)のいずれかを用いる場合は、消光剤としてBHQ-1(LGC Biosearch Technologies製)またはDABCYL(4-((4-(dimethylamino)phenyl)azo)benzoic Acid)を用いればよく、
蛍光色素としてCy3(Cyanine 3)、ROX(Rhodamine Red X)およびTexas Red(Sulforhodamine 101 acid chloride)のいずれかを用いる場合は、消光剤としてBHQ-2(LGC Biosearch Technologies製)またはDABCYLを用いればよく、
蛍光色素としてCy5(Cyanine 5)またはCy5.5(Cyanine 5.5)を用いる場合は、消光剤としてBHQ-3(LGC Biosearch Technologies製)またはDABCYLを用いればよい。
試料中に含まれる標的核酸を、本発明のプローブを用いて検出する際、当該プローブのループ領域の塩基配列が互いに相補配列とならない限り、複数添加してもよい。
本発明のプローブを用いて標的核酸を検出する際、あらかじめ当該標的核酸の特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーと、核酸増幅酵素とを用いて、前記特定塩基配列を増幅してから検出すると、標的核酸をより高感度に検出できる点で好ましい。なお本明細書において特定塩基配列とは、標的核酸のうち、第一のプライマーとの相補領域の3’末端から第二のプライマーとの相同領域の5’末端までの塩基配列のことをいう。すなわち第一および第二のプライマーならびに核酸増幅酵素により、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸が増幅されることになる。
また標的核酸のうち、本発明のプローブのループ領域とハイブリダイズ可能な配列(相補配列)は、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列内に位置しており、前記増幅した核酸は本発明のプローブで検出できる。なお特定塩基配列が増幅される場合、本発明のプローブのループ領域は当該特定塩基配列の一部と相補的な配列となり、特定塩基配列の相補配列が増幅される場合、本発明のプローブのループ領域は当該特定塩基配列の一部と相同的な配列となる。
なお第一または第二のプライマーのいずれか一方の5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターをさらに付加させると、前記プロモーターに対応したRNAポリメラーゼを用いて、RNAポリメラーゼのプロモーターを付加した特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸が合成されるため、これら核酸から、NASBA(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)法、TMA(Transcription Mediated Amplification)法、TRC(Transcription Reverse-transcription Concerted reaction)法といった一定温度でRNAを増幅する方法により、RNAを増幅できる点で好ましい。プライマーの5’末端側に付加するプロモーターは、RNA増幅に用いるRNAポリメラーゼ(例えば、分子生物学の分野で汎用される、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼやSP6 RNAポリメラーゼ)に対応したプロモーターを用いればよい。また前記プロモーターに、転写効率に影響を及ぼすことが知られている転写開始領域をさらに付加してもよい。RNA増幅に用いるRNAポリメラーゼとしてT7 RNAポリメラーゼを用いたときの、プライマーの5’末端側に付加するプロモーター(T7プロモーター)の具体例として、配列番号4に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
標的核酸がアデノ随伴ウイルス核酸であり、かつ配列番号27に記載の配列またはその相補配列からなるループ配列を有した本発明のプローブで検出する場合は、第一のプライマーとして配列番号2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを、第二のプライマーとして配列番号3に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いると好ましい。また標的核酸がC型肝炎ウイルスであり、かつ配列番号28に記載の配列またはその相補配列からなるループ配列を有した本発明のプローブで検出する場合は、第一のプライマーとして配列番号22に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを、第二のプライマーとして配列番号23に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いると好ましい。
なお、本発明において標的核酸は、アデノ随伴ウイルス核酸、C型肝炎ウイルス核酸に限らずインフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルスの様なウイルス核酸や、ウイルス以外の生物の核酸、人工的に作製した核酸であってもよく、適宜標的核酸の一部と相補的または相同的な配列を有するループ領域と、当該ループ領域の両末端に付加した二本鎖形成領域(ステム領域)とを有し、かつ当該ステム領域の塩基配列を最適化したプローブを設計することで標的核酸を高感度に検出することができる。
特定塩基配列またはその相補配列を増幅させる際の反応温度は、使用する核酸増幅酵素の耐熱性や活性、ならびにプライマー/プローブのTm(融解温度)等に依存するが、核酸増幅酵素としてAMV(Avian Myeloblastosis Virus)逆転写酵素、T7 RNAポリメラーゼおよび96-7 DNAポリメラーゼを用い、第一および第二のプライマーならびに本発明のプローブのループ領域の長さが10塩基以上30塩基以下である場合は、35℃以上65℃以下で反応温度を設定すればよく、40℃以上50℃以下で設定するとより好ましい。
本発明のプローブは、標的核酸の一部と相補的または相同的な配列を有するループ領域と、当該ループ領域の両末端に付加した二本鎖形成領域(ステム領域)とを有し、かつ当該ステム領域の塩基配列を最適化したプローブであり、標的核酸を高感度に検出できる。
さらに標的核酸の特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーと、核酸増幅試薬と、前記特定塩基配列の一部と相補的または相同的な配列を有するループ領域を有した本発明のプローブとを含む、標的核酸の検出試薬の態様にすると、標的核酸の特定塩基配列またはその相補配列を増幅してから本発明のプローブで検出するため、標的核酸をより高感度に検出できる。
Molecular Beaconプローブの説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用いて詳細に説明するが、本実施例は本発明の実施の一形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1 アデノ随伴ウイルス(AAV)一本鎖DNAの調製
AAV一本鎖DNAを標的核酸として用い、Molecular Beaconプローブのステム領域の違いによる標的核酸検出への影響を検討した。
特開2021-170975号公報に記載の方法で作製した、AAV一本鎖DNA(配列番号1)(以下、「NS3」とも表記する)溶液を、0.01%(w/v)コール酸ナトリウム、0.01%(w/v)アジ化ナトリウムを含むTE(Tris-EDTA)バッファーを用いて3.0×10コピー/2μLとなるように希釈し、これをDNA試料とした。
(2)以下の組成からなる反応液10μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注した後、前記(1)で調製したDNA試料2μLを添加した。なおMolecular Beaconプローブ(配列番号5から20)のループ領域(配列番号27)は、NS3(配列番号1)の1477番目から1492番目までの塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、かつステム領域の5’末端にFAMを、3’末端にIBFQを、それぞれ付加している。また第一のプライマーは、NS3(配列番号1)の1620番目から1637番目までの塩基配列の相補配列からなるオリゴヌクレオチドであり、かつ当該5’末端側にT7プロモータ(配列番号4)を付加している。また第二のプライマーは、NS3(配列番号1)の1429番目から1446番目までの塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。
反応液の組成:濃度は後述の開始剤添加後(20μL中)の最終濃度
60mM Tris-HCl緩衝液(pH8.65)
各0.3mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各3.0mM ATP、CTP、GTP、UTP
3.4mM ITP
67mM トレハロース
75nM Molecular Beaconプローブ(配列番号5から20のいずれか、Integrated DNA Technologiesに合成委託)
1.0μM 第一のプライマー(配列番号2)
1.0μM 第二のプライマー(配列番号3)
1.33U 96-7 DNAポリメラーゼ
1.42U AMV逆転写酵素
95U T7 RNAポリメラーゼ
(3)上記の反応液を46℃で3分間保温後、以下の組成からなる開始剤8μLを添加した。
開始剤の組成:濃度は開始剤添加後(20μL中)の最終濃度
19.0mM 塩化マグネシウム
80.0mM 塩化カリウム
3.8%(w/v) グリセロール
10.5%(v/v) DMSO
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃で反応させると同時に反応液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に30分間測定した。
(5)開始剤添加10分後の反応液の蛍光強度値を、初期蛍光強度値(開始剤添加時および添加直後の蛍光強度値の平均)で除することで蛍光強度比を算出した。
(6)DNA試料の代わりに陰性コントロール(0コピー)を添加した他は、(2)から(5)と同様な方法で蛍光強度比を算出し、(5)で算出した蛍光強度比との差を算出した。
結果を表1から3に示す。特開2021-170975号公報で開示したMolecular Beaconプローブにおけるステム領域(CCCggg/CCCggg[(5’末端側塩基配列/3’末端側塩基配列)を意味する、以下同じ]、配列番号5)での結果(蛍光強度比の差)を基準とし比較した結果、ステム領域をCCCTgTg/CACAggg(配列番号6、表1から3)、CCCTgTgTg/CACACAggg(配列番号10、表1)、またはCTCggg/CCCgAg(配列番号13、表2)にすることで、蛍光強度比の差が顕著に拡大していることがわかる。したがって、これら塩基配列をMolecular Beaconプローブにおけるステム領域とすることで、AAV一本鎖DNAを、より高感度に検出できることが示唆される。
一方、特開2021-170975号公報での知見(ステム領域:CCCggg/CCCggg)を基づき、シトシン(C)およびグアニン(G)のみからなるステム領域を複数設計したが、蛍光強度比の差が顕著に拡大したステム領域は見出せなかった(配列番号15から20、表3)。
Figure 2023116167000001
Figure 2023116167000002
Figure 2023116167000003
実施例2 C型肝炎ウイルスRNAの検出
標的核酸をAAV一本鎖DNAからC型肝炎ウイルスRNAに替えても、本発明のプローブの効果を有しているか、確認した。
(1)C型肝炎ウイルス標準RNA(以下、単に「標準RNA」とも表記)遺伝子が挿入されたプラスミドから、in vitro転写により、前記標準RNA(配列番号21)を調製した。当該標準RNAを注射用水を用いて3×10コピー/2μLとなるように希釈し、これをRNA試料とした。
(2)以下の組成からなる反応液12μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI社製)に分注した後、前記(1)で調製したRNA試料2μLを添加した。なおMolecular Beaconプローブ(配列番号24から26)のループ領域(配列番号28)は、標準RNA(配列番号21)の108番目から122番目までの塩基配列からなるオリゴヌクレオチド(ウラシル(U)はチミン(T)に変換、以下同じ)であり、ただしループ領域7番目(配列番号24では13番目、配列番号25では14番目、配列番号26では15番目)はシトシンとチミンとの混合塩基(Y)としている。また第一のプライマー(配列番号22)は標準RNA(配列番号21)の125番目から145番目までの塩基配列の相補配列からなるオリゴヌクレオチドであり、かつ当該5’末端側にT7プロモータ(配列番号4)を付加している。また第二のプライマーは、標準RNA(配列番号21)の1番目から16番目までの塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである。
反応液の組成:濃度は後述の開始剤添加後(20μL中)の最終濃度
66mM Tris-HCl緩衝液(pH8.36)
各0.33mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.0mM ATP、CTP、GTP、UTP
3.3mM ITP
150mM トレハロース
50nM Molecular Beaconプローブ(配列番号24から26のいずれか)
1.0μM 第一のプライマー(配列番号22)
1.0μM 第二のプライマー(配列番号23)
12.8U AMV逆転写酵素
166U T7 RNAポリメラーゼ
(3)上記の反応液を46℃で3分間保温後、以下の組成からなる開始剤6μLを添加した。
開始剤の組成:濃度は開始剤添加後(20μL中)の最終濃度
18.4mM 塩化マグネシウム
90.0mM 塩化カリウム
2.5%(w/v) グリセロール
9.0%(v/v) DMSO
0.1%(w/v) Tween 20(富士フイルム和光純薬社製)
(4)実施例1(4)に記載の方法で蛍光強度を測定し、実施例1(5)に記載の方法で蛍光強度比を算出し、実施例1(6)に記載の方法で蛍光強度比の差を算出した。
結果を表4に示す。実施例1と同様、Molecular Beaconプローブにおけるステム領域をCCCggg/CCCggg(配列番号24)から本発明のプローブの一態様であるCCCTgTg/CACAggg(配列番号25)にすることで蛍光強度比の差が著しく拡大した一方、CCCggg以外のシトシンおよびグアニンのみからなるステム領域(CCCCgggg/CCCCgggg、配列番号26)にすると蛍光強度比の差が著しく縮小した。
Figure 2023116167000004

Claims (5)

  1. 標的核酸の一部と相補的または相同的な配列を有するループ領域と、当該ループ領域の両末端に付加した二本鎖形成領域(ステム領域)とを有した、前記標的核酸検出用オリゴヌクレオチドプローブであって、
    前記ステム領域の塩基配列が以下の(i)から(iii)のいずれかである、前記プローブ;
    (i)一方の末端がCCCTgTgであり他方の末端がCACAggg、
    (ii)一方の末端がCCCTgTgTgであり他方の末端がCACACAggg、
    (iii)一方の末端がCTCgggであり他方の末端がCCCgAg。
  2. プローブの一方の末端に蛍光色素を、他方の末端に消光剤を、さらに付加した、請求項1に記載のプローブ。
  3. 標的核酸がアデノ随伴ウイルス核酸であり、ループ領域の塩基配列が配列番号27に記載の配列またはその相補配列である、請求項1または2に記載のプローブ。
  4. 標的核酸がC型肝炎ウイルス核酸であり、ループ領域の塩基配列が配列番号28に記載の配列またはその相補配列である、請求項1または2に記載のプローブ。
  5. 標的核酸の特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーと、核酸増幅試薬と、前記特定塩基配列の一部と相補的または相同的な配列を有するループ領域と当該ループ領域の両末端に付加したステム領域とを有した請求項1から4のいずれかに記載のプローブとを含む、標的核酸の検出試薬。
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