JP2023115695A - 成形品、通信機器用材料、及び通信機器 - Google Patents

成形品、通信機器用材料、及び通信機器 Download PDF

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Masashi Yokoki
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Abstract

【課題】マイクロ波及び/又はミリ波帯域の電波透過性が優れると共に、成形性、透明性、剛性にも優れた成形品を提供する。【解決手段】少なくとも下記式(1)で表される構造単位(A)を含むことを特徴とする、ポリカーボネート樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。TIFF2023115695000034.tif48140[R1は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、又は、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基を表す。R2~R5は、それぞれ独立に、アリール基を含まない置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基を表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、マイクロ波及び/又はミリ波帯域の電波透過性が優れると共に、成形性、透明性、剛性にも優れた、成形品、及び通信機器用材料に関する。本発明はまた、この通信機器用材料を用いた通信機器に関する。
ポリカーボネート樹脂は、機械的強度、電気特性、透明性などに優れ、エンジニアリングプラスチックとして、電気・電子機器分野、自動車分野等様々な分野において幅広く利用されている。
一方、近年では電気・電子機器分野や自動車分野において、マイクロ波やミリ波のような高周波数帯の電波が使用されるようになり、これに伴って電波の透過損失が小さい、即ち低誘電損失特性材料が要求されている。
さらに、マイクロ波やミリ波のような高周波数帯の電波に対応した通信機器が普及していくことに伴い、低誘電損失特性に加え、高い成形性を持つ通信機器用材料が求められている。
通信機器用材料が高い成形性を持ち、低い成形温度で成形することができれば、量産性や省エネルギー、CO削減、コスト削減の観点から通信機器用材料の製造者にとって望ましい。
通信機器の一例としてアンテナが挙げられる。情報通信網の発達に伴い、アンテナの需要が急増している。特に、情報の高密度化に伴い、GHzレベルの高周波を用いた情報通信分野の伸びが著しい。とりわけ、衛星通信市場の成長には目を見張るものがある。これに伴い、通信機器用材料の一例である、アンテナを保護するレドーム(アンテナカバー)の市場需要も拡大しつつある。レドームに要求される重要な材料特性は誘電特性と機械的特性である。
誘電特性としては、レドームを通して情報の受信、送信がなされるため、低誘電損失特性が要求される。材料に発生する誘電損失の大きさは、材料の比誘電率の平方根と誘電正接の積に比例するため、比誘電率及び誘電正接の小さい材料がレドーム材として好ましい。
機械的特性としては、レドーム自体の剛性を十分に保持するため、また、屋外設置に於いて風圧に十分に耐えうるために高剛性が要求される。
ポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性オレフィン系樹脂は誘電特性(低誘電損失特性)に優れるものの、剛性に難がある。一方、ポリカーボネート樹脂等の非結晶性樹脂は、透明性、剛性に優れるが、誘電特性に難が有った。
特許文献1では、特定の置換基を有するビスフェノールを原料としたポリカーボネート樹脂を使用することで、誘電正接が下がりミリ波透過性が向上したミリ波レーダー用カバーが提案されている。しかし、現状では、ここに提案されている熱可塑性樹脂組成物よりもさらなる比誘電率及び誘電正接の低減が求められている。
特許文献2には、ポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなるアンテナ用レドームが開示されている。しかし、この樹脂組成物は、透明性に難があり、透明用途に使用できない、着色用途での発色性に劣る、という課題があった。
特開2019-197048号公報 特開2001-274615号公報
本発明は、マイクロ波及び/又はミリ波帯域の電波透過性が優れると共に、成形性、透明性、剛性にも優れた成形品、及び通信機器用材料を提供することを目的とする。本発明はまた、この通信機器用材料を用いた通信機器を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物を用いてなる成形品、及び通信機器用材料とすることにより、上記目的に合致する成形品、及び通信機器用材料となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の趣旨は、以下の[1]~[24]に存する。
[1] ポリカーボネート樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品であって、該ポリカーボネート樹脂が少なくとも下記式(1)で表される構造単位(A)を含むことを特徴とする、成形品。
Figure 2023115695000001
[式(1)中、Rは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、又は、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基を表す。式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、アリール基を含まない置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基を表す。ただし、RとRの炭素原子数の合計は3以上であり、かつ、RとRの炭素原子数の合計は3以上である。]
[2] 前記ポリカーボネート樹脂は、前記ポリカーボネート樹脂の全カーボネート構造単位を100mol%とした時に、前記式(1)で表される構造単位(A)の含有割合が5mol%以上100mol%以下である、[1]に記載の成形品。
[3] 前記ポリカーボネート樹脂は、前記式(1)で表される構造単位(A)とは異なる、下記式(2)で表される構造単位(B)を含む、[1]又は[2]に記載の成形品。
Figure 2023115695000002
[式(2)中、Xは単結合、-CR1112-(ただし、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、-CR1112-の合計の炭素原子数はアリール基を含む場合は20以下で、アリール基を含まない場合は15以下である。)、酸素原子、又は硫黄原子を表す。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、又は、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基を示す。]
[4] 前記ポリカーボネート樹脂が、前記式(1)で表される構造単位(A)と前記式(2)で表される構造単位(B)とを、mol比で構造単位(A)/構造単位(B)=5/95~100/0の割合で含む、[3]に記載の成形品。
[5] 前記式(2)で表される構造単位(B)が、下記式(2-1)及び式(2-2)のいずれかで表される、[3]又は[4]に記載の成形品。
Figure 2023115695000003
[6] 前記式(1)において、RとRの炭素原子数の合計が4以上であり、かつ、RとRの炭素原子数の合計が4以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の成形品。
[7] 前記式(1)において、RとRの炭素原子数の合計が4であり、かつ、RとRの炭素原子数の合計が4である、[6]に記載の成形品。
[8] 前記式(1)で表される構造単位(A)が、下記式(1-1)及び式(1-2)のいずれかで表される、[1]~[7]のいずれかに記載の成形品。
Figure 2023115695000004
[式(1-1)、(1-2)中、Rは前記式(1)におけると同義である。]
[9] 前記式(1)で表される構造単位(A)が、前記式(1-1)で表される、[8]に記載の成形品。
[10] 前記式(1)において、Rが水素原子、メチル基、n-プロピル基、又はフェニル基である、[1]~[9]のいずれかに記載の成形品。
[11] 前記ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が10000以上100000以下である、[1]~[10]のいずれかに記載の成形品。
[12] 前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が100℃以上210℃以下である、[1]~[11]のいずれかに記載の成形品。
[13] 前記ポリカーボネート樹脂の比誘電率(εr)が2.45以下である、[1]~[12]のいずれかに記載の成形品。
[14] 前記ポリカーボネート樹脂の誘電正接(tanδ)が0.0015以下である、[1]~[13]のいずれかに記載の成形品。
[15] 前記熱可塑性樹脂組成物が、前記ポリカーボネート樹脂を50質量%以上含む、[1]~[14]のいずれかに記載の成形品。
[16] 押出成形品又は射出成形品である、[1]~[15]のいずれかに記載の成形品。
[17] 前記押出成形品がシート又はフィルムである、[16]に記載の成形品。
[18] 成形時の最高温度が300℃以下である、[1]~[17]のいずれかに記載の成形品。
[19] [1]~[18]のいずれかに記載の成形品を用いて得られる、通信機器用材料。
[20] 3.5GHz以上の高周波帯電波を送信及び/または受信する通信機器に使用される、[19]に記載の通信機器用材料。
[21] 通信機器の外装部材、構造部材、及び電気電子部品のいずれかである、[19]又は[20]に記載の通信機器用材料。
[22] 前記電気電子部品が、基板部品、移相器、アンテナ素子、及び成形回路部品のいずれかである、[21]に記載の通信機器用材料。
[23] 前記通信機器が、基地局、携帯端末、及びレーダーセンサーモジュールのいずれかである、[20]~[22]のいずれかに記載の通信機器用材料。
[24] [19]~[23]のいずれかに記載の通信機器用材料を用いた通信機器。
本発明によれば、マイクロ波及び/又はミリ波帯域の電波透過性が優れると共に、成形性、透明性、剛性にも優れた成形品、及び通信機器用材料が提供される。また、本発明によれば、この通信機器用材料を用いた通信機器が提供される。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定して解釈されるものではない。
尚、本明細書において、「~」とは、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
〔成形品〕
本発明の成形品は、ポリカーボネート樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品であって、該ポリカーボネート樹脂が少なくとも下記式(1)で表される構造単位(A)を含むことを特徴とする。
以下において、本発明の成形品に用いられる熱可塑性樹脂組成物に含まれる下記式(1)で表される構造単位(A)を含むポリカーボネート樹脂を「本発明のポリカーボネート樹脂」と称し、本発明のポリカーボネート樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物を「本発明の熱可塑性樹脂組成物」と称す場合がある。
Figure 2023115695000005
[式(1)中、Rは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、又は、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基を表す。式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、アリール基を含まない置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基を表す。ただし、RとRの炭素原子数の合計は3以上であり、かつ、RとRの炭素原子数の合計は3以上である。]
[ポリカーボネート樹脂]
<構造単位(A)>
本発明のポリカーボネート樹脂に含まれる構造単位(A)は下記式(1)で表される。
Figure 2023115695000006
[式(1)中、Rは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、又は、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基を表す。式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、アリール基を含まない置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基を表す。ただし、RとRの炭素原子数の合計は3以上であり、かつ、RとRの炭素原子数の合計は3以上である。]
構造単位(A)は、1位にヒドロキシ基を有し、2位と5位の置換基がそれぞれ炭素数1以上であり、かつ、2位と5位の置換基の合計炭素数が少なくとも3以上であるフェノキシ構造2つを、各フェノキシ構造の4位の位置で、水素原子を1つ以上有するメチレン架橋構造にて架橋された、アルデヒド型ビスフェノール化合物に由来するカーボネート構造単位である。構造単位(A)が、アルデヒド型ビスフェノール化合物に由来するカーボネート構造単位であることから、この構造を有するポリカーボネート主鎖の対称性が向上することでポリカーボネート樹脂の結晶性が向上し、ポリカーボネート樹脂の優れた低誘電特性に寄与する。さらに、各フェノキシ構造の2位と5位の置換基がそれぞれ炭素数1以上であり、かつ、2位と5位の置換基の合計炭素数が少なくとも3以上であることから、この構造を有するポリカーボネート主鎖の対称性が適度に低下することでポリカーボネート樹脂の結晶性を適度に低下させ、優れた成形性、透明性、及び剛性に寄与する。また、各フェノキシ構造の2位の置換基が炭素数1以上であり、ポリカーボネート主鎖の動きが制限されることにより、優れた低誘電特性、特に低誘電正接に寄与する。また、構造単位(A)がカーボネート構造を有することにより、ポリカーボネート樹脂の優れた剛性に寄与する。
構造単位(A)を表す式(1)において、Rは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基を表す。
の、置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基の具体例としては、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基;
メチルエチル基、メチルプロピル基、メチルブチル基、メチルペンチル基、メチルヘキシル基、メチルへプチル基、メチルオクチル基、メチルノニル基、メチルデシル基、メチルウンデシル基、メチルドデシル基、メチルトリデシル基、メチルテトラデシル基、メチルペンタデシル基、メチルヘキサデシル基、メチルヘプタデシル基、メチルオクタデシル基、メチルノナデシル基;
ジメチルエチル基、ジメチルプロピル基、ジメチルブチル基、ジメチルペンチル基、ジメチルヘキシル基、ジメチルへプチル基、ジメチルオクチル基、ジメチルノニル基、ジメチルデシル基、ジメチルウンデシル基、ジメチルドデシル基、ジメチルトリデシル基、ジメチルテトラデシル基、ジメチルペンタデシル基、ジメチルヘキサデシル基、ジメチルヘプタデシル基、ジメチルオクタデシル基;
トリメチルブチル基、トリメチルペンチル基、トリメチルヘキシル基、トリメチルへプチル基、トリメチルオクチル基、トリメチルノニル基、トリメチルデシル基、トリメチルウンデシル基、トリメチルドデシル基、トリメチルトリデシル基、トリメチルテトラデシル基、トリメチルペンタデシル基、トリメチルヘキサデシル基、トリメチルヘプタデシル基;
エチルペンチル基、エチルヘキシル基、エチルへプチル基、エチルオクチル基、エチルノニル基、エチルデシル基、エチルウンデシル基、エチルドデシル基、エチルトリデシル基、エチルテトラデシル基、エチルペンタデシル基、エチルヘキサデシル基、エチルヘプタデシル基、エチルオクタデシル基;
プロピルヘキシル基、プロピルへプチル基、プロピルオクチル基、プロピルノニル基、プロピルデシル基、プロピルウンデシル基、プロピルドデシル基、プロピルトリデシル基、プロピルテトラデシル基、プロピルペンタデシル基、プロピルヘキサデシル基、プロピルヘプタデシル基;
ブチルヘキシル基、ブチルへプチル基、ブチルオクチル基、ブチルノニル基、ブチルデシル基、ブチルウンデシル基、ブチルドデシル基、ブチルトリデシル基、ブチルテトラデシル基、ブチルペンタデシル基、ブチルヘキサデシル基
等が挙げられる。
の、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、4-メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
は、これらの中でも、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、フェニル基が好ましい。
構造単位(A)を表す式(1)において、R~Rは、それぞれ独立に、アリール基を含まない置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基を表す。ただし、RとRの炭素原子数の合計は3以上であり、かつ、RとRの炭素原子数の合計は3以上である。
~Rのアリール基を含まない置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基の具体例としては、Rの置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基として例示したものが挙げられる。
なお、R~Rのアルキル基がアリール基を含むと構造単位(A)を有するポリカーボネート主鎖の対称性が大きく低下することでポリカーボネート樹脂の結晶性が大きく低下し、ポリカーボネート樹脂の優れた低誘電特性を発現することができない。また、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が大きくなり過ぎて成形加工性が低下する。また、R~Rのアルキル基がアリール基を含む構造単位(A)を誘導するアルデヒド型ビスフェノール化合物の入手が容易ではない。これらのことから、本発明に係る構造単位(A)は、R~Rにアリール基を含まない。
また、RとRの炭素原子数の合計は3以上であり、RとRの炭素原子数の合計は3以上である。これらの炭素原子数の合計が2であるとポリカーボネート主鎖の対称性があまり低下せず、ポリカーボネート樹脂の結晶性が低下しないため、成形性、透明性及び剛性の面で劣る。である。即ち、RとR、RとRが共にメチル基であることはない。
ポリカーボネート主鎖の対称性を適度に低下させ、ポリカーボネート樹脂の結晶性を適度に低下させ、ポリカーボネート樹脂に優れた成形性、透明性及び剛性を付与する観点から、RとRの炭素原子数の合計は4以上、例えば4~8であることが好ましく、4であることが最も好ましい。同様に、RとRの炭素原子数の合計は4以上、例えば4~8であることが好ましく、4であることが最も好ましい。
~Rとしては、好ましくは、メチル基、メチルエチル基(i-プロピル基)、t-ブチル基、エチル基、n-プロピル基、i-ブチル基、n-ブチル基等が挙げられる。
また、RとR、RとRの組み合わせとしては、メチル基とi-プロピル基、i-プロピル基とメチル基、メチル基とt-ブチル基、t-ブチル基とメチル基、エチル基とt-ブチル基、t-ブチル基とエチル基、メチル基とエチル基、エチル基とメチル基、エチル基とi-プロピル基、i-プロピル基とエチル基、i-プロピル基とt-ブチル基、t-ブチル基とi-プロピル基、エチル基とエチル基、i-プロピル基とi-プロピル基、t-ブチル基とt-ブチル基などが挙げられる。
構造単位(A)としては、下記式(1-1)及び式(1-2)のいずれかで表されることがポリカーボネート主鎖の対称性を適度に低下させ、ポリカーボネート樹脂の結晶性を適度に低下させ、ポリカーボネート樹脂に優れた成形性、透明性及び剛性を付与する観点から好ましい。また、下記式(1-1)及び式(1-2)で表される構造単位(A)を誘導するアルデヒド型ビスフェノール化合物がそれぞれチモール及びカルバクロールをメチレン架橋構造にて架橋した化合物であり、チモール及びカルバクロールは直接木材や植物から抽出されたり、植物由来のリモネンから変換されたりすることができるため、バイオマス資源から得られた原料を用いたポリカーボネート樹脂を合成できる可能性がある観点から好ましい。成形品の低誘電特性が優れる観点から、また、構造単位(A)を誘導するチモールの入手のしやすさから、特に下記式(1-1)で表されることが好ましい。
Figure 2023115695000007
[式(1-1)、(1-2)中、Rは前記式(1)におけると同義である。]
本発明のポリカーボネート樹脂は、構造単位(A)のみからなるホモポリカーボネート樹脂であってもよく、構造単位(A)と構造単位(A)以外のカーボネート構造単位を含むものであってもよいが、構造単位(A)を含むことによる上記効果をより有効に得る観点から、本発明のポリカーボネート樹脂は、全カーボネート構造単位を100mol%として、構造単位(A)を5mol%以上100mol%以下含むことが好ましく、10mol%以上100mol%以下含むことがより好ましく、40mol%以上100mol%以下含むことが更に好ましく、80mol%以上100mol%以下含むことが特に好ましい。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂は、構造単位(A)の1種のみを含むものであってもよく、R~Rが異なる2種以上の構造単位(A)を含むものであってもよい。
<構造単位(B)>
本発明のポリカーボネート樹脂は、他のカーボネート構造単位として、構造単位(A)とは異なる、下記式(2)で表される構造単位(B)(以下、単に「構造単位(B)」と称す場合がある。)を含んでいてもよく、構造単位(A)と共に構造単位(B)を含むことで、成形品に用いるポリカーボネート樹脂のガラス転移温度を調整したり、表面硬度、曲げ強度、引張強度、耐衝撃性等の機械特性を調整したり、構造単位(A)を誘導するアルデヒド型ビスフェノール化合物の使用量を減らしたりすることができるため、であり、好ましい。
Figure 2023115695000008
[式(2)中、Xは単結合、-CR1112-(ただし、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、-CR1112-の合計の炭素原子数はアリール基を含む場合は20以下で、アリール基を含まない場合は15以下である。)、酸素原子、又は硫黄原子を表す。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、又は、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基を示す。]
構造単位(A)を表す式(2)において、-CR1112-(ただし、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、-CR1112-の合計の炭素原子数はアリール基を含む場合は20以下で、アリール基を含まない場合は15以下である。)のR11及びR12の、置換もしくは無置換のアルキル基の具体例としては、式(1)におけるRの置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基として例示したもののうち、-CR1112-としての炭素原子数の上限を満たすものが挙げられる。
また、R11及びR12の、置換もしくは無置換のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、4-メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
なお、-CR1112-の合計の炭素原子数が、アリール基を含む場合に20を超えたり、アリール基を含まない場合に15を超えるとポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が下がり過ぎて、成形品の耐熱性が非常に劣ることから、-CR1112-の合計の炭素原子数は上記上限以下とする。
Xとしては、好ましくは下記(X-1)~(X-35)が挙げられ、特に(X-6)、(X-7)、(X-8)が好ましい。
Figure 2023115695000009
構造単位(B)を表す式(2)におけるR~Rの置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基としては、それぞれ、式(1)におけるRの置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基として例示したものが挙げられる。
~Rとしては、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、i-プロピル基、t-ブチル基、n-プロピル基、i-ブチル基、n-ブチル基、フェニル基、等が挙げられる。
また、R~Rが水素原子以外の場合、そのベンゼン環上の置換位置は、Xに結合する炭素原子に対してメタ位であることが、ポリカーボネート主鎖の動きが制限されることにより、本発明の成形品が優れた低誘電特性、特に低誘電正接を発現する観点から好ましい。
構造単位(B)としては、特に下記式(2-1)及び式(2-2)のいずれかで表されるものが、本発明の成形品が高い強度を発現する観点から、また、本発明の成形品が低誘電特性、特に低誘電正接を発現する観点から好ましい。さらに、下記式(2-1)及び式(2-2)のいずれかで表される構造単位(B)を誘導するための原料であるビスフェノールA及びビスフェノールCの入手しやすさの観点から好ましい。
Figure 2023115695000010
本発明のポリカーボネート樹脂に含まれる構造単位(A)と構造単位(B)との含有比は、mol比で構造単位(A)/構造単位(B)=5/95~100/0であることが好ましく、10/90~100/0であることがより好ましく、40/60~100/0であることが更に好ましく、80/20~100/0であることが特に好ましい。
構造単位(B)を含むことにより成形品に用いるポリカーボネート樹脂の表面硬度、曲げ強度、引張強度、耐衝撃性等の機械特性がより高くなるという効果が奏されるが、その含有量が多過ぎると、構造単位(A)を含むことによる本発明の効果が損なわれるおそれがある。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂は、構造単位(B)の1種のみを含むものであってもよく、X、R~Rが異なる2種以上の構造単位(B)を含むものであってもよい。
<その他の構造単位>
本発明のポリカーボネート樹脂は、構造単位(A)及び構造単位(B)以外のその他のカーボネート構造単位を含んでいてもよい。
その他のカーボネート構造単位としては、例えば、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物、縮合環構造を含有するジヒドロキシ化合物、アセタール環を含有するジヒドロキシ化合物、オキシアルキレングリコール類、芳香族成分を含有するジヒドロキシ化合物、ジエステル化合物等の1種又は2種以上が挙げられるが、本発明のポリカーボネート樹脂がこれらのその他のカーボネート構造単位を含有する場合、構造単位(A)或いは構造単位(A)と構造単位(B)とを含むことによる前述の効果を有効に得る上で、本発明のポリカーボネート樹脂の全カーボネート構造単位100mol%におけるその他のカーボネート構造単位の含有割合は好ましくは20mol%以下、より好ましくは10mol%以下であり、その他のカーボネート構造単位を含まないことが最も好ましい。
<粒度平均分子量>
本発明のポリカーボネート樹脂の分子量は、溶液粘度から換算した粘度平均分子量(Mv)で、好ましくは10,000~100,000である。粘度平均分子量(Mv)が上記下限値以上であれば、本発明のポリカーボネート樹脂の機械物性が良好となるため好ましい。また、粘度平均分子量が上記上限値以下であれば、本発明のポリカーボネート樹脂の流動性が良好となる傾向があるため好ましい。このような観点より、本発明のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、より好ましくは12,000~90,000、より好ましくは16,000~60,000である。
本発明のポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、溶媒として塩化メチレンを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での固有粘度(極限粘度)[η](単位dL/g)を求め、Schnellの粘度式、即ち、η=1.23×10-4Mv0.83から算出される値を意味する。また固有粘度(極限粘度)[η]とは、各溶液濃度[C](g/dL)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 2023115695000011
<ガラス転移温度>
本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は100℃以上210℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度は105℃以上190℃以下であることがより好ましく、110℃以上160℃以下であることが特に好ましい。ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、本発明で用いられる構造単位(A)やその他の構造単位(B)等の共重合比率によって調整することができる。ガラス転移温度が過度に低いと耐熱性が悪くなる傾向にあり、使用環境下における成形品の諸物性(機械物性、寸法等)の信頼性が悪化する可能性がある。一方、ガラス転移温度が過度に高いと樹脂が脆くなったり、溶融加工性が悪化し、成形品の寸法精度が悪化したり、透明性を損なう場合がある。
本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度の具体的な測定方法は、後述の実施例の項に記載される通りである。
<比誘電率(εr)、誘電正接(tanδ)>
本発明のポリカーボネート樹脂は、温度23℃、周波数10GHzで測定した比誘電率(εr)が2.45以下が好ましく、2.40以下がより好ましく、2.35以下が特に好ましい。また、誘電正接(tanδ)は0.00150以下が好ましく、0.00145以下がより好ましく、0.00140以下が特に好ましい。比誘電率、及び誘電正接が上記上限以下であることにより、マイクロ波及び/又はミリ波帯域の電波の透過性が良好なものになる。比誘電率、及び誘電正接の測定は、実施例に記載の方法で測定される。
<ポリカーボネート樹脂の製造方法>
本発明のポリカーボネート樹脂は、従来から知られている重合法により製造することができ、その重合法は、特に限定されるものではない。重合法の例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等を挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて具体的に説明する。
<界面重合法>
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、原料のジヒドロキシ化合物とカーボネート形成性化合物とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。尚、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、原料ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
反応に不活性な有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;等が挙げられる。尚、有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられる。中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。尚、アルカリ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限は無いが、通常、アルカリ水溶液のpHを10~12にコントロールするために、アルカリ化合物濃度は5~10質量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10~12、好ましくは10~11になる様にコントロールするために、原料ジヒドロキシ化合物とアルカリ化合物とのmol比を、通常1:1.9以上、中でも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、中でも1:2.5以下とすることが好ましい。
原料ジヒドロキシ化合物としては、構造単位(A)を導入するための下記式(1A)で表されるジヒドロキシ化合物と、必要に応じて構造単位(B)を導入するための下記式(2A)で表されるジヒドロキシ化合物、その他のジヒドロキシ化合物を用いる。
Figure 2023115695000012
[式(1A)において、R~Rは式(1)におけると同義である。]
Figure 2023115695000013
[式(2A)において、X、R~Rは式(2)におけると同義である。]
カーボネート形成性化合物としては、カルボニルハライドが好適に用いられ、中でもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
重合触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’-ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’-ジメチルアニリン、N,N’-ジエチルアニリン等の芳香族三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等;ピリジン;グアニン;グアニジンの塩;等が挙げられる。尚、重合触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノール等の脂肪族アルコール;メルカプタン;フタル酸イミド等が挙げられるが、中でも芳香族フェノールが好ましい。このような芳香族フェノールとしては、具体的には、フェノール、o-n-ブチルフェノール、m-n-ブチルフェノール、p-n-ブチルフェノール、o-イソブチルフェノール、m-イソブチルフェノール、p-イソブチルフェノール、o-t-ブチルフェノール、m-t-ブチルフェノール、p-t-ブチルフェノール、o-n-ペンチルフェノール、m-n-ペンチルフェノール、p-n-ペンチルフェノール、o-n-ヘキシルフェノール、m-n-ヘキシルフェノール、p-n-ヘキシルフェノール、p-t-オクチルフェノール、o-シクロヘキシルフェノール、m-シクロヘキシルフェノール、p-シクロヘキシルフェノール、o-フェニルフェノール、m-フェニルフェノール、p-フェニルフェノール、o-n-ノニルフェノール、m-n-ノニルフェノール、p-n-ノニルフェノール、o-クミルフェノール、m-クミルフェノール、p-クミルフェノール、o-ナフチルフェノール、m-ナフチルフェノール、p-ナフチルフェノール、2,5-ジ-t-ブチルフェノール、2,4-ジ-t-ブチルフェノール、3,5-ジ-t-ブチルフェノール、2,5-ジクミルフェノール、3,5-ジクミルフェノール、p-クレゾール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、平均炭素原子数12~35の直鎖状又は分岐状のアルキル基をオルト位、メタ位又はパラ位に有するモノアルキルフェノール、9-(4-ヒドロキシフェニル)-9-(4-メトキシフェニル)フルオレン、9-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-9-(4-メトキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、4-(1-アダマンチル)フェノール等が挙げられる。これらの中では、p-t-ブチルフェノール、p-フェニルフェノール及びp-クミルフェノールが好ましく用いられる。尚、分子量調整剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調整剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、原料のジヒドロキシ化合物100molに対して、通常0.5mol以上、好ましくは1mol以上であり、また、通常50mol以下、好ましくは30mol以下である。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a’’-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン,2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
中でも、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤の市販品としては、BASF社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、ADEKA社製「アデカスタブAO-50」、「アデカスタブAO-60」等が挙げられる。
尚、酸化防止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
酸化防止剤の使用量は、特に限定されないが、例えば原料ジヒドロキシ化合物100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。酸化防止剤の使用量が前記範囲の下限値未満の場合は、酸化防止剤としての効果が不十分となる可能性があり、酸化防止剤の使用量が前記範囲の上限値を超える場合は、射出成形時にガスが出やすくなる可能性がある。
反応の際に、反応基質(反応原料)、反応溶媒(有機溶媒)、触媒、添加剤等を混合する順序は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順序を任意に設定すればよい。例えば、カーボネート形成性化合物としてホスゲンを用いた場合には、分子量調整剤は原料ジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。
尚、反応温度は特に限定されないが、通常0~40℃であり、反応時間は、特に限定されないが、通常は数分(例えば、10分)~数時間(例えば、6時間)である。
<溶融エステル交換法>
溶融エステル交換法では、例えば、カーボネートエステルと原料ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
原料ジヒドロキシ化合物は、界面重合法におけると同様である。
カーボネートエステルとしては、例えば、下記一般式(11)で表される化合物であればよく、アリールカーボネート類、ジアルキルカーボネート類やジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
Figure 2023115695000014
上記一般式(11)中、R21及びR22は、それぞれ独立に炭素原子数1~30のアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基を示す。以下、R21及びR22が、アルキル基、アリールアルキル基のときジアルキルカーボネートと称し、アリール基のときジアリールカーボネートと称すことがある。中でもジヒドロキシ化合物との反応性の観点よりR21及びR22は、共にアリール基であることが好ましく、下記一般式(12)で表されるジアリールカーボネートであることがより好ましい。
Figure 2023115695000015
上記一般式(12)中、R23及びR24は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数4~20のシクロアルキル基、又は炭素原子数6~20のアリール基であり、p及びqはそれぞれ独立に0~5の整数を表す。
このようなカーボネートエステルとしては、具体的にはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-t-ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記する場合がある。)、ビス(4-メチルフェニル)カーボネート、ビス(4-クロロフェニル)カーボネート、ビス(4-フルオロフェニル)カーボネート、ビス(2-クロロフェニル)カーボネート、ビス(2,4-ジフルオロフェニル)カーボネート、ビス(4-ニトロフェニル)カーボネート、ビス(2-ニトロフェニル)カーボネート、ビス(メチルサリチルフェニル)カーボネート、ジトリルカーボネート等の(置換基を有していてもよい)ジアリールカーボネートが挙げられるが、中でもジフェニルカーボネートが好ましい。尚、これらのカーボネートエステルは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、前記のカーボネートエステルは、好ましくはその50mol%以下、さらに好ましくは30mol%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
原料ジヒドロキシ化合物とカーボネートエステルとの比率は所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であるが、これらカーボネートエステルは、ジヒドロキシ化合物と重合させる際に、原料ジヒドロキシ化合物に対して同量以上に用いることが好ましい。即ち、カーボネートエステルは、ジヒドロキシ化合物に対して、1.00~1.30倍量(mol比)であることが好ましく、1.01~1.20倍量(mol比)であることがより好ましい。このmol比が小さすぎると、得られるポリカーボネート樹脂の末端水酸基が多くなり、樹脂の熱安定性が悪化する傾向となる。一方、このmol比が大きすぎると、エステル交換の反応速度が低下し、所望の分子量を有するポリカーボネート樹脂の生産が困難となる場合や、樹脂中のカーボネートエステルの残存量が多くなり、成形加工時や成形品としたときの臭気の原因となる場合がある。
溶融エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は、特に限定されず、従来から公知のものを使用できる。例えばアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また、補助的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用してもよい。尚、エステル交換触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法において、反応温度は、特に限定されないが、通常100~320℃である。また、反応時の圧力は、特に限定されないが、通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、前記の条件で、副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
ここで、本発明のポリカーボネート樹脂は、触媒存在下では、顕著に熱履歴や酸化の影響を受け、色相の悪化に繋がる。そのため、反応温度は320℃以下とし、また、過度の減圧により、機器からの酸素の漏れ込みを防ぐため、0.05mmHg程度までを下限とした減圧条件を選択することが好ましい。
反応形式は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応溶媒、触媒、添加剤等を混合する順序は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順序を任意に設定すればよい。
溶融エステル交換法においては、必要に応じて、触媒失活剤を用いてもよい。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体、リン含有酸性化合物及びその誘導体等が挙げられる。尚、触媒失活剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
触媒失活剤の使用量は、特に限定されないが、前記のエステル交換触媒に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上、より好ましくは3当量以上であり、また、通常50当量以下、好ましくは10当量以下、より好ましくは8当量以下である。また、触媒失活剤の使用量は、ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上、100ppm以下で、好ましくは50ppm以下である。
[熱可塑性樹脂組成物]
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のポリカーボネート樹脂を含むものである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のポリカーボネート樹脂以外のポリカーボネート樹脂やポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤等を含むものであってもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれる本発明のポリカーボネート樹脂以外のその他の成分の例を挙げると、構造単位(A)を含まないポリカーボネート樹脂、例えば構造単位(B)のみを含むポリカーボネート樹脂、やポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤等が挙げられる。
樹脂添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤(HALS)、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、染料、顔料等が挙げられる。尚、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン-アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレン系ゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
尚、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂による前述の効果をより有効に得る上で、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明のポリカーボネート樹脂を50質量%以上、特に70~100質量%含むことが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。具体的には、バンバリーミキサー、ロール、短軸混練押し出し機、に軸混練押し出し機、ニーダーなどの混合気で溶融混練する方法が挙げられる。
<熱可塑性樹脂組成物の成形方法>
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形品を製造するには、上述のようにして製造された熱可塑性樹脂組成物をペレタイズしたペレットを各種の成形法で成形して成形品としてもよいし、またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された本発明の熱可塑性樹脂組成物を直接、成形して成形品としてもよい。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。また、例えば表面に凹凸を有するもの、三次元曲面を有する立体的な形状のものであってもよい。また、シートやフィルム、板状等として使用する場合には、他の樹脂シートと積層した多層構造の積層体としてもよい。
成形品を成形する方法としては、特に制限されず、従来公知の成形法を採用でき、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、異形押出法、トランスファー成形法、中空成形法、ガスアシスト中空成形法、ブロー成形法、押出ブロー成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、回転成形法、多層成形法、2色成形法、インサート成形法、サンドイッチ成形法、発泡成形法、加圧成形法、シート成形法、熱成形法、積層成形法、プレス成形法等が挙げられる。これらのうち、特に射出成形法又は押出成形法が好適に用いられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形する際の成形温度は、200℃以上が好ましく、230℃以上がさらに好ましく、250℃以上が最も好ましい。成形温度を上記下限以上とすることで、流動性が向上し成形性が向上する。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形する際の成形温度は、300℃以下が好ましく、290℃以下がより好ましく、275℃以下が特に好ましい。成形温度を上記上限以下とすることで、熱可塑性樹脂組成物の色調を良好なものにすることができる。
ここで、成形温度とは、成形時の最高温度をさす。
射出成形あるいは押出成形を行うにあたり、本発明の熱可塑性樹脂組成物に顔料、染料、離型剤、熱安定剤等を本発明の目的を損なわない範囲において適宜添加することができる。
<射出成形品>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形によって射出成形品として好適に用いることができる。射出成形の方法は特に限定されず、熱可塑性樹脂について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることもできる。
射出成形機等を使用する場合の金型温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がさらに好ましく、100℃以下が最も好ましい。金型温度を上記上限以下とすることで、成形時の冷却時間を短縮することができ、成形体の製造サイクルが短くなるため、生産性が向上する。また、射出成形機等を使用する場合の金型温度は、30℃以上が好ましく、50℃以上が特に好ましい。金型温度を上記下限以上とすることで、均一な成形体を得ることができるため好ましい。
<押出成形品>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、押出成形によって押出成形品として好適に用いることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物から押出成形品を製造するには、特に制限はないが、通常押出成形機が使用される。該押出成形機には一般的には、Tダイや丸ダイ等が装着されており、種々形状の押出成形品を得ることができる。押出成形品としてはシート、フィルム、板、チューブ、パイプ等が挙げられる。これらのなかでも、シート又はフィルムが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の押出成形品には、接着性、塗装性、印刷性改善のためにハードコート層を該押出成形品の両面もしくは片面に積層したり、耐候性及び/又は耐擦傷性改善フィルムを該押出成形品の両面もしくは片面に熱ラミネートしたりしてもよい。また、表面のしぼ加工や半透明及び不透明加工等の処理を施してもよい。
<用途>
本発明の成形品は、例えば各種自動車部材、電気・電子機器、情報端末機器、OA機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器等の部品等、特に、スマートフォンやコンピュータなどの電子機器の筐体、アンテナのカバー、有線通信機器であるルーターやスイッチ用のカバー、ミリ波レーダー用カバー、多層フィルム、絶縁膜、封止材、ゲート電極層がこの順に積層された薄膜トランジスタ、プリント配線板などとして使用できる。
これらの中でも、特に本発明の熱可塑性樹脂組成物の優れたマイクロ波及び/又はミリ波帯域電波の透過性、成形性、透明性、剛性の特性から、本発明の成形品は、マイクロ波及び/又はミリ波等の、3.5GHz以上の高周波帯電波を送信及び/または受信する通信機器に使用され通信機器用材料、具体的には、通信機器の外装部材、構造部材、基板部品、移相器、アンテナ素子、及び成形回路部品等の電気電子部品、より具体的には、基地局、携帯端末、及びレーダーセンサーモジュール等の通信機器用材料として有効に用いることができる。ここで、マイクロ波とは周波数が3.0~30GHzの電波であり、ミリ波とは周波数が30~300GHzの電波のことである。よってマイクロ波及び/又はミリ波とは、3.0~300GHzの電波のことである。
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で得られたポリカーボネート樹脂の物性は、下記の方法により評価した。
(1)粘度平均分子量(Mv)
ポリカーボネート樹脂を塩化メチレンに溶解し(濃度6.0g/L)、ウベローデ粘度管(森友理化工業社製)を用いて、20℃における固有粘度(極限粘度)[η](単位dL/g)を求め、Schnellの粘度式(下記式)から粘度平均分子量(Mv)を算出した。
η=1.23×10-4Mv0.38
(2)ガラス転移温度(Tg)
示差操作熱量計(SII製DSC6220)を用いて、ポリカーボネート樹脂の試料約10mgを20℃/minの昇温速度で加熱して熱量を測定し、ISO 3146に準拠して、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度を求めた。該補外ガラス転移温度をガラス転移温度(Tg)とした。
(3)比誘電率(εr)・誘電正接(tanδ)
80℃で5時間真空乾燥をしたポリカーボネート樹脂を熱プレス成形機によりフィルム状に成形し、厚みが30~250μm厚のフィルムを作製した。なお、熱プレス成形機の成形条件は、温度150~250℃、圧力10~15MPaの範囲で適宜調整した。このフィルムから長さ70mm、幅2mmの短冊状のフィルムを切り出し、室温23℃、湿度50%の条件下で48時間調湿した後、空洞共振器(株式会社関東応用電子開発製 CP-531)及び、シリーズ・ネットワークアナライザー(キーサイト・テクノロジー社製 E8361A PNA)を用いて、周波数10GHzにて比誘電率(εr)と誘電正接(tanδ)を測定した。
(4)成形性
全長75mm、平行部長さ30mm、平行部幅5mm、厚さ2mm、つかみ部幅10mmのダンベル状樹脂プレートを、表1に示す射出成形条件で射出成形したときの成形性の良否を下記基準で評価した。
○:射出成形金型全体に樹脂が充填された成形片が取得でき、成形性に優れる。
×:射出成形金型全体に樹脂が充填された成形片が取得できず、成形性に劣る。
(5)外観(透明性)
成形性の評価のために作製した厚さ2mmのダンベル状樹脂プレートを厚み方向で目視観察し、透明であるか否かを調べた。
(6)剛性(引張弾性率)
成形性の評価のために作製した全長75mm、平行部長さ30mm、平行部幅5mm、厚さ2mm、つかみ部幅10mmのダンベル状樹脂プレートを用いて、島津製作所社製の万能試験機オートグラフAGS-5kNXを用いて室温(23℃)で引張試験を行い、引張弾性率(MPa)を測定した。伸び計として、ストレーンゲージ式伸び計SSG25-50Hを用いた。
ロードセル:10kN、つかみ具間距離:45mm、引張速度:1mm/min、引張弾性率算出範囲:ひずみ0.05~0.25%
以下の合成例で得られたジオールモノマーの物性は、下記の方法により評価した。
(高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析条件)
装置:島津製作所社製SCL-10AVP
カラム:ジーエルサイエンス社製inertsil ODS3V(4.6×150m
m、5μm)
溶離条件:K1-アセトニトリル、K2-0.1質量%酢酸アンモニウム水溶液
K1/K2=60/40(0-5分)
K1/K2=60/40→95/5(線形に濃度変化、5-30分)
K1/K2=95/5(30-80分)
(比率は体積比)
検出条件:UV254nm
(融点測定条件)
融点測定器:STUART SCIENTIFIC SMP3
(6℃/分で昇温)
H-NMR分析条件)
装置:JEOL社製核磁気共鳴装置ECZ400S、400MHz
溶媒:0.03体積%テトラメチルシラン含有重クロロホルム
[ジオールモノマーの合成]
[合成例1:1,1-ビス(5-イソプロピル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)エタン(以下、「ビスチモールE」と略記する。)の合成]
チモール(685g、4.56mol、3当量)と1,2-ジメトキシエタン(134g)、40wt%ケイタングステン酸水溶液(5.47g、0.000760mol、0.0005当量)およびn-オクチルメルカプタン(11.1g、0.0760mol、0.05当量)を加え、混合物を60℃に加温して融解させた。その後、反応液を50℃に下げ、パラアルデヒド(67.0g、0.507mol、0.333当量)のトルエン(201g)溶液を1時間かけて滴下した。滴下後、50℃にて3時間加熱攪拌し熟成させた。次に、ヘプタン(800ml)、脱塩水(400ml)および1規定水酸化ナトリウム水溶液(11.4g)を加えて1時間撹拌した。室温まで冷却後に減圧濾過で粗結晶を取出しヘプタン(200ml)でふりかけ洗浄した。粗結晶にメチルイソブチルケトン(400ml)を加え70℃に加熱して溶解させ、脱塩水で4回洗浄した。有機層を減圧乾固し、メチルイソブチルケトン-クロロホルムで再結晶しビスチモールE(181g、収率36%、HPLC純度99.8%)の白色固体を得た。
H-NMR(400MHz,CHLOROFORM-D)δ6.92(s,2H),6.52(s,2H),4.46(s,2H),4.23(q,J=7.2Hz,1H),3.11(sep,J=6.8Hz,2H),2.15(s,6H),1.49(d,J=7.3Hz,3H),1.21(d,J=6.9Hz,6H),1.15(d,J=6.9Hz,6H).
融点182-185℃
Figure 2023115695000016
[合成例2:1,1-ビス(5-イソプロピル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン(以下、「ビスチモール4A」と略記する。)の合成]
チモール(375g、2.50mol、3当量)と1,2-ジメトキシエタン(187ml)、40wt%ケイタングステン酸水溶液(3.00g、0.000416mol、0.0005当量)およびn-オクチルメルカプタン(6.09g、0.0416mol、0.05当量)を加え、混合物を70℃に加温して融解させた。その後、ブチルアルデヒド(60.0g、0.832mol、1当量)の1、2-ジメトキシエタン(94ml)溶液を1時間かけて滴下した。滴下後、80℃にて31時間加熱攪拌し熟成させた。70℃にて1規定水酸化ナトリウム水溶液で中和しpH=7とした。次いで、ヘプタン(400ml)および脱塩水(100ml)を加え70℃で1時間撹拌し、室温まで冷却後に減圧濾過で粗結晶を取出した。粗結晶にメチルイソブチルケトン(300ml)を加え70℃に加熱して溶解させ、脱塩水で4回洗浄した。有機層を減圧乾固し、トルエン-イソプロパノールで再結晶しビスチモール4A(149g、収率50%、HPLC純度99.7%)の白色固体を得た。
H-NMR(400MHz,CHLOROFORM-D)δ6.97(s,2H),6.51(s,2H),4.44(s,2H),4.09(t,J=7.5Hz,1H),3.12(sep,J=6.8Hz,2H),2.18(s,6H),1.87-1.82(m,2H),1.36-1.31(m,2H),1.22(d,J=6.9Hz,6H),1.16(d,J=6.9Hz,6H),0.92(t,J=7.3Hz,3H).
融点155-160℃
Figure 2023115695000017
[合成例3:1,1-ビス(5-イソプロピル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)メタン(以下、「ビスチモールF」と略記する。)の合成]
上記合成例2において、ブチルアルデヒドを37%ホルムアルデヒド液(75.0g、0.924mol)に変更し9時間熟成させた点と再結晶溶媒にトルエンーメチルイソブチルケトンを用いた点以外は合成例2と同様の方法でビスチモールF(96g、収率33%、HPLC純度99.6%)の白色固体を得た。
H-NMR(400MHz,CHLOROFORM-D)δ6.78(s,2H),6.68(s,2H),4.57(s,2H),3.83(s,2H),3.18(sep、J=6.8Hz,2H),2.25(s,6H),1.22(d,J=6.9Hz,12H).
融点164-168℃
Figure 2023115695000018
[合成例4:1,1-ビス(5-イソプロピル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)フェニルメタン(以下、「ビスチモールP」と略記する。)の合成]
上記合成例2において、ブチルアルデヒドをベンズアルデヒド(80.0g、0.754mol)に変更し26時間熟成させた点と再結晶溶媒にトルエン-メチルイソブチルケトンを用いた点以外は合成例2と同様の方法でビスチモールP(115g、収率39%、HPLC純度99.8%)の白色固体を得た。
H-NMR(400MHz,CHLOROFORM-D)δ7.27-7.16(m,3H),7.01-6.98(m,2H),6.56(s,2H),6.54(s,2H),5.53(s,1H),4.50(s,2H),3.06(sep,J=6.8Hz,2H),2.08(s,6H),1.06(d,J=6.9Hz,12H).
融点171-174℃
Figure 2023115695000019
以下の実施例及び比較例で用いた原料化合物の構造及びメーカーは以下の通りである。
<原料ジヒドロキシ化合物>
(構造単位(A)の原料ジヒドロキシ化合物)
ビスチモールE:1,1-ビス(5-イソプロピル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)エタン(合成例1の合成品)
Figure 2023115695000020
ビスチモール4A:1,1-ビス(5-イソプロピル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン(合成例2の合成品)
Figure 2023115695000021
ビスチモールF:1,1-ビス(5-イソプロピル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)メタン(合成例3の合成品)
Figure 2023115695000022
ビスチモールP:1,1-ビス(5-イソプロピル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)フェニルメタン(合成例4の合成品)
Figure 2023115695000023
(構造単位(B)の原料ジヒドロキシ化合物)
Bis25X-F:4,4’-メチレンビス(2,5-ジメチルフェノール)(本州化学工業社製)
Figure 2023115695000024
TmBPF:4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェノール)(東京化成工業社製)
Figure 2023115695000025
BPA:ビスフェノールA(三菱ケミカル社製)
Figure 2023115695000026
BPC:ビスフェノールC(本州化学工業社製)
Figure 2023115695000027
<カーボネートエステル>
DPC:ジフェニルカーボネート(三菱ケミカル社製)
[実施例1]
反応器攪拌機、反応器加熱装置、反応器圧力調整装置を付帯した内容量150mLのガラス製反応器に、ビスチモールE120.00g(約100mol部)及びDPC80.71g(約102.5mol部)と、触媒として炭酸セシウム4.0質量%水溶液を、炭酸セシウムが全ジヒドロキシ化合物1mol当たり20μmolとなるように添加して原料混合物を調製した。
次に、ガラス製反応器内を約50Pa(0.38Torr)に減圧し、続いて、窒素で大気圧に復圧する操作を3回繰り返し、反応器の内部を窒素置換した。窒素置換後、反応器外部温度を220℃にし、反応器の内温を徐々に昇温させ、混合物を溶解させた。その後、100rpmで攪拌機を回転させた。そして、反応器の内部で行われるジヒドロキシ化合物とDPCのオリゴマー化反応により副生するフェノールを留去しながら、40分間かけて反応器内の圧力を絶対圧で101.3kPa(760Torr)から13.3kPa(100Torr)まで減圧した。
続いて、反応器内の圧力を13.3kPaに保持し、フェノールをさらに留去させながら、80分間、エステル交換反応を行った。その後、反応器外部温度を250℃に昇温、40分間かけて反応器内圧力を絶対圧で13.3kPa(100Torr)から399Pa(3Torr)まで減圧し、留出するフェノールを系外に除去した。さらに、反応器外部温度を285℃に昇温、反応器内の絶対圧を30Pa(約0.2Torr)まで減圧し、重縮合反応を行った。反応器の攪拌機が予め定めた所定の攪拌動力となったときに、重縮合反応を終了した。
次いで、反応器内を、窒素により絶対圧で101.3kPaに復圧の上、ゲージ圧で0.2MPaまで昇圧し、反応器の槽底からポリカーボネート樹脂をストランド状に抜き出し、ストランド状のポリカーボネート樹脂を得た後、回転式カッターを使用してペレット化した。
このようにして得られたポリカーボネート樹脂に対して、粘度平均分子量、及びガラス転移温度を測定した。また、前述の方法で比誘電率(εr)と誘電正接(tanδ)を測定した。また、小型射出成形機(株式会社新興セルビックC,Mobile)を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度90℃の条件下にて、全長75mm、平行部長さ30mm、平行部幅5mm、厚さ2mm、つかみ部幅10mmのダンベル状樹脂プレートを成形し、成形性の評価と透明性の評価を行った。結果を表1に示す。
作製したダンベル状樹脂プレートの引張試験を行ったところ、引張弾性率が2099MPaであった。
[実施例2~7,比較例1~4,6]
原料ジヒドロキシ化合物の種類と量を表1,2に示す通りとし、表1,2に示す射出成形条件としたことと、引張試験を行わなかったこと以外は実施例1と同様に行って、同様に評価を行った。結果を表1,2に示す。
なお、比較例1,2では結晶化が起こりポリカーボネート樹脂を得ることはできなかった。
[比較例5]
原料ジヒドロキシ化合物の種類と量を表1,2に示す通りとし、表1,2に示す射出成形条件としたこと以外は実施例1と同様に行って、同様に評価を行った。結果を表1,2に示す。
作製したダンベル状樹脂プレートの引張試験を行ったところ、引張弾性率が2279MPaであった。
Figure 2023115695000028
Figure 2023115695000029
表1,2より次のことが分かる。
構造単位(A)を含む本発明のポリカーボネート樹脂である実施例1~7のポリカーボネート樹脂は成形性、透明性に優れ、また、比誘電率(εr)、誘電正接(tanδ)が低く誘電特性にも優れる。
これに対して、構造単位(A)を含まない比較例1~6のうち比較例1~3のポリカーボネート樹脂は、成形性に劣るか、或いは樹脂を取得することができない。また比較例3~6のポリカーボネート樹脂は、いずれも比誘電率(εr)と誘電正接(tanδ)の少なくとも一方が高く誘電特性に劣る。
さらに、実施例1に記載の通り、本発明のポリカーボネート樹脂は引張弾性率が従来のポリカーボネート樹脂(比較例5)並であるため、本発明の成形品は優れた剛性を有する。

Claims (24)

  1. ポリカーボネート樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品であって、該ポリカーボネート樹脂が少なくとも下記式(1)で表される構造単位(A)を含むことを特徴とする、成形品。
    Figure 2023115695000030
    [式(1)中、Rは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、又は、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基を表す。式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、アリール基を含まない置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基を表す。ただし、RとRの炭素原子数の合計は3以上であり、かつ、RとRの炭素原子数の合計は3以上である。]
  2. 前記ポリカーボネート樹脂は、前記ポリカーボネート樹脂の全カーボネート構造単位を100mol%とした時に、前記式(1)で表される構造単位(A)の含有割合が5mol%以上100mol%以下である、請求項1に記載の成形品。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂は、前記式(1)で表される構造単位(A)とは異なる、下記式(2)で表される構造単位(B)を含む、請求項1又は2に記載の成形品。
    Figure 2023115695000031
    [式(2)中、Xは単結合、-CR1112-(ただし、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、-CR1112-の合計の炭素原子数はアリール基を含む場合は20以下で、アリール基を含まない場合は15以下である。)、酸素原子、又は硫黄原子を表す。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、又は、置換もしくは無置換の炭素原子数6~12のアリール基を示す。]
  4. 前記ポリカーボネート樹脂が、前記式(1)で表される構造単位(A)と前記式(2)で表される構造単位(B)とを、mol比で構造単位(A)/構造単位(B)=5/95~100/0の割合で含む、請求項3に記載の成形品。
  5. 前記式(2)で表される構造単位(B)が、下記式(2-1)及び式(2-2)のいずれかで表される、請求項3又は4に記載の成形品。
    Figure 2023115695000032
  6. 前記式(1)において、RとRの炭素原子数の合計が4以上であり、かつ、RとRの炭素原子数の合計が4以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の成形品。
  7. 前記式(1)において、RとRの炭素原子数の合計が4であり、かつ、RとRの炭素原子数の合計が4である、請求項6に記載の成形品。
  8. 前記式(1)で表される構造単位(A)が、下記式(1-1)及び式(1-2)のいずれかで表される、請求項1~7のいずれか1項に記載の成形品。
    Figure 2023115695000033
    [式(1-1)、(1-2)中、Rは前記式(1)におけると同義である。]
  9. 前記式(1)で表される構造単位(A)が、前記式(1-1)で表される、請求項8に記載の成形品。
  10. 前記式(1)において、Rが水素原子、メチル基、n-プロピル基、又はフェニル基である、請求項1~9のいずれか1項に記載の成形品。
  11. 前記ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が10000以上100000以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の成形品。
  12. 前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が100℃以上210℃以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の成形品。
  13. 前記ポリカーボネート樹脂の比誘電率(εr)が2.45以下である、請求項1~12のいずれか1項に記載の成形品。
  14. 前記ポリカーボネート樹脂の誘電正接(tanδ)が0.0015以下である、請求項1~13のいずれか1項に記載の成形品。
  15. 前記熱可塑性樹脂組成物が、前記ポリカーボネート樹脂を50質量%以上含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の成形品。
  16. 押出成形品又は射出成形品である、請求項1~15のいずれか1項に記載の成形品。
  17. 前記押出成形品がシート又はフィルムである、請求項16に記載の成形品。
  18. 成形時の最高温度が300℃以下である、請求項1~17のいずれか1項に記載の成形品。
  19. 請求項1~18のいずれか1項に記載の成形品を用いて得られる、通信機器用材料。
  20. 3.5GHz以上の高周波帯電波を送信及び/または受信する通信機器に使用される、請求項19に記載の通信機器用材料。
  21. 通信機器の外装部材、構造部材、及び電気電子部品のいずれかである、請求項19又は20に記載の通信機器用材料。
  22. 前記電気電子部品が、基板部品、移相器、アンテナ素子、及び成形回路部品のいずれかである、請求項21に記載の通信機器用材料。
  23. 前記通信機器が、基地局、携帯端末、及びレーダーセンサーモジュールのいずれかである、請求項20~22のいずれか1項に記載の通信機器用材料。
  24. 請求項19~23のいずれか1項に記載の通信機器用材料を用いた通信機器。
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