JP2023113896A - 抗ms4a6a抗体及びその使用方法 - Google Patents

抗ms4a6a抗体及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】MS4A6Aポリペプチドに特異的に結合する抗体、および該抗体を含む薬学的組成物を提供する。【解決手段】ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であって、MS4A6Aの細胞表面レベルを増大させる、MS4A6Aの細胞内レベルを増大させる、または1つ以上のMS4A6A活性を増大または向上させる、抗体、及び該抗体を含む薬学的組成物を提供する。【選択図】図2

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年1月31日に出願した米国仮特許出願第62/624,578号、及び、2018年3月22日に出願した米国仮特許出願第62/646,846号の利益を主張するものであり、それぞれの出願の全内容を、本明細書の一部を構成するものとして援用する。
本開示の技術分野
本開示は、抗MS4A6A抗体、及び、そのような抗体の治療的使用に関する。
本開示の背景
4回膜貫通ドメインサブファミリーA(MS4A)遺伝子クラスターは、染色体11q12に存在しており、また、18個の遺伝子を含む。このMS4A遺伝子ファミリーは、一般的には、テトラ貫通トポロジーを有する膜タンパク質をコードする(Ishibashi et al.,2001,Gene,265:87-93(非特許文献1);Liang and Tedder,2001,Genomics,72:119-127(非特許文献2);Efthymiou and Goate,2017,Molecular Neurodegeneration,12:43(非特許文献3))。これらの膜貫通ドメインは、1つの細胞内ループと、2つの細胞外ループによって相互に接続されており、N末端とC末端の両方がサイトゾル内にある。大部分のMS4Aタンパク質は、MS4A1(CD20)とのアミノ酸配列の相同性(20~30%の類似性)を共有しており、最初の3つの膜貫通ドメインで、最も高い配列同一性が認められる。異なるMS4Aタンパク質にまで及ぶ、これらの膜貫通領域内において高度に保存されたモチーフは、当該膜貫通ドメインが、MS4Aタンパク質の機能において重要である一般的な役割を有することを示唆している。MS4Aタンパク質の間での最大の変動領域は、N末端とC末端の細胞質ドメイン、及び第2の推定細胞外ループで認められており(Ishibashi et al.,2001,Gene,265:87-93(非特許文献1))、これらの領域が、独特の機能特性を付与することを示唆している。
この多様性にもかかわらず、MS4Aドメインには、幾つかの共有要素がある。例えば、MS4Aタンパク質(MS4A8B、及び、MS4A12を除く)で保存されており、注目に値する機能の1つは、ジスルフィド架橋を形成し得る第2の推定細胞外ループでの2つのシステイン残基の保存である。MS4Aタンパク質のN末端ドメインとC末端ドメインも、プロリン残基が豊富であるが、これの機能的な重要性は未だ解明されていない(Hulett et al.,2001,Genomics,72:119-127(非特許文献4))。しかしながら、プロリンに富む領域は、一般的に、細胞骨格の再構成、転写の開始、シグナル伝達カスケード、及び、タンパク質間相互作用を促すアダプターシステムの一部としてのSH3ドメインとの関連など、様々な細胞プロセスに関与している(Kay et al.,2000,FASEB J,14:231-241(非特許文献5))。
MS4Aタンパク質ファミリーは、MS4A1(CD20)がBリンパ球においてのみ発現し、当該タンパク質がB細胞抗原受容体とカルシウム流入とによるシグナル伝達機能を有するという一部の重要な例外を除いて、機能面では特徴決定があまり進んでいない。CD20は、慢性リンパ性白血病、リンパ腫、自己免疫疾患、及び、固形臓器移植における病原性B細胞を枯渇させるために使用する免疫療法抗体の標的である。MS4A2(FcεRβ)は、肥満細胞に関する高親和性IgE受容体(FcγRI)、及び、低親和性IgG受容体(FcγRIII)のシグナル伝達サブユニットであり、過敏症とアレルギー反応において重要な役割を果たす。MS4A2は、4つのタンパク質の高親和性IgE受容体複合体を介してシグナルを増幅するITAMドメインのタンパク質である。MS4A3(Htm4)は、リンパ系、及び、骨髄系細胞の細胞内膜に発現し、そして、細胞周期調節のアダプタータンパク質として機能する。
MS4Aファミリーのメンバーの大部分は特徴決定されていないが、MS4Aタンパク質が、脂肪酸、ペプチド、及び、硫酸化ステロイドなどの様々な外因性、及び、内因性リガンドの化学センサー、及び、化学受容体として機能しており、そして、カルシウム流入の媒介、エンドサイトーシスの調節、輸送に関与しており、また、シグナル伝達複合体のアダプターとして機能し得ることが、報告により示唆されている(Cruse et al.,2015,Mol Biol Cell,26:1711-1727(非特許文献6);Greer et al.,2016,Cell,165:1734-1748(非特許文献7);Eon Kuek et al.,2016,Cell,165:1734-1748(非特許文献8);Koslowski et al.,2008,Cancer Res,68:3458-3466(非特許文献9);Bubien et al.,1993;J Cell Biol,121:1121-1132(非特許文献10))。
特定のMS4A遺伝子は、様々な障害及び疾患、特に、神経変性障害と遺伝学的に関連している。例えば、ゲノム全体の有意性関連分析は、染色体11q12にあるMS4A遺伝子クラスターを、最も重要なアルツハイマー病の遺伝子座の1つとして特定した。特定した特に興味深い遺伝子の1つは、MS4A6Aである(Lambert et al.,2013,Nat Genet,45:1452-1458(非特許文献11);Hollingworth et al.,2011,Nat Genet,43:429-435(非特許文献12);Naj et al.,2011,Nat Genet,43:436-441(非特許文献13))。MS4A6A遺伝子座内での様々なSNP、及び、関連する対立遺伝子は、疾患リスクに関連するMS4A6Aタンパク質の差次的発現(例えば、発現または活性の低下)に寄与し得る(Ma et al.,2015,Mol Neurbiol,51:1240-1248(非特許文献14);Lacher et al.,2018,Redox Biology,14:686-693(非特許文献15))。
したがって、MS4A6Aに特異的に結合する抗体を含む、MS4A6Aを標的とする治療法、ならびに/または、MS4A6A活性に関連する様々な疾患、障害、及び、病態を治療するために、例えばMS4A6Aタンパク質レベルまたは活性を増大させることで、MS4A6Aの活性を調節する(例えば、活性化する、または、向上させる)ことができる治療法が必要である。
特許出願、及び、刊行物を含む、本明細書で引用するすべての文献を、本明細書の一部を構成するものとして、それらの全内容を援用する。
Ishibashi et al.,2001,Gene,265:87-93 Liang and Tedder,2001,Genomics,72:119-127 Efthymiou and Goate,2017,Molecular Neurodegeneration,12:43 Hulett et al.,2001,Genomics,72:119-127 Kay et al.,2000,FASEB J,14:231-241 Cruse et al.,2015,Mol Biol Cell,26:1711-1727 Greer et al.,2016,Cell,165:1734-1748 Eon Kuek et al.,2016,Cell,165:1734-1748 Koslowski et al.,2008,Cancer Res,68:3458-3466 Bubien et al.,1993;J Cell Biol,121:1121-1132 Lambert et al.,2013,Nat Genet,45:1452-1458 Hollingworth et al.,2011,Nat Genet,43:429-435 Naj et al.,2011,Nat Genet,43:436-441 Ma et al.,2015,Mol Neurbiol,51:1240-1248 Lacher et al.,2018,Redox Biology,14:686-693
本開示の概要
本開示は概して、抗MS4A6A抗体、及び、そのような抗体を使用する方法に関する。本明細書で提供する方法は、神経変性の疾患、障害、もしくは、病態の予防、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクの低減、または、当該疾患、障害、もしくは、病態を有する個体の治療における用途を見出す。一部の実施形態では、本開示は、アルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、認知症、及び、認知障害からなる群から選択される神経変性の疾患、障害、もしくは、病態を予防する、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、病態を有する個体を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、本開示は、MS4A6Aの発現もしくは活性の低減に関連する疾患、障害、もしくは、病態を予防する、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、病態を有する個体を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、MS4A6Aの活性もしくは発現の低減に起因もしくは関連する疾患、障害、病態、もしくは、損傷を予防する、当該疾患、障害、病態、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、病態、もしくは、損傷を有する個体を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、本開示は、MS4A6Aの機能喪失に起因もしくは関連する疾患、障害、病態、もしくは、損傷を予防する、当該疾患、障害、病態、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、病態、もしくは、損傷を有する個体を治療する方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、本開示は、アルツハイマー病のリスクもしくは易罹患性に関連する少なくとも1つの遺伝学的対立遺伝子を有する個体における神経変性の疾患、障害、病態、もしくは、損傷を予防する、当該疾患、障害、病態、もしくは、損傷のリスクを低減する、または当該疾患、障害、病態、もしくは、損傷を治療する方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、アルツハイマー病のリスクまたは易罹患性に関連する遺伝学的対立遺伝子は、rs583791(C)対立遺伝子、rs7232(T)対立遺伝子、及び、rs610932(G)対立遺伝子からなる群から選択される。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、不連続のMS4A6Aエピトープに結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該不連続のMS4A6Aエピトープは、2個以上のペプチド、3個以上のペプチド、4個以上のペプチド、5個以上のペプチド、6個以上のペプチド、7個以上のペプチド、8個以上のペプチド、9個以上のペプチド、または、10個以上のペプチドを含む。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該ペプチドのそれぞれは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列の、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列の、または、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列の5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、11個以上、12個以上、13個以上、14個以上、15個以上、16個以上、17個以上、18個以上、19個以上、20個以上、21個以上、22個以上、23個以上、24個以上、25個以上、26個以上、27個以上、28個以上、29個以上、または、30個以上のアミノ酸残基を含み;または、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列の、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列の、または、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列に対応する哺乳動物MS4A6Aタンパク質に関する5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、11個以上、12個以上、13個以上、14個以上、15個以上、16個以上、17個以上、18個以上、19個以上、20個以上、21個以上、22個以上、23個以上、24個以上、25個以上、26個以上、27個以上、28個以上、29個以上、または、30個以上のアミノ酸残基を含む。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aの立体配座エピトープに結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aの線状エピトープに結合する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、6A-23からなる群から選択される1つ以上のリファレンス抗MS4A6A抗体と競合する。一部の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23からなる群から選択される抗体のV及びV(例えば、以下の表4Bに示したようなもの)を含む。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、6A-23から選択される少なくとも1つのリファレンス抗体が結合するMS4A6Aエピトープと同じ、または、重複するヒトMS4A6Aエピトープに結合する。一部の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23からなる群から選択される抗体のV及びV(例えば、以下の表4Bに示したようなもの)を含む。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される少なくとも1つのリファレンス抗体が結合する実質的に同じMS4A6Aエピトープに結合する。一部の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23からなる群から選択される抗体のV及びV(例えば、以下の表4Bに示したようなもの)を含む。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aでの線状エピトープに結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基1~46での1つ以上のアミノ酸に結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基47~67での1つ以上のアミノ酸に結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基68~84での1つ以上のアミノ酸に結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基85~105での1つ以上のアミノ酸に結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6Aは、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基106~116での1つ以上のアミノ酸に結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6Aは、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基117~137での1つ以上のアミノ酸に結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6Aは、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基138~185での1つ以上のアミノ酸に結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6Aは、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基186~206での1つ以上のアミノ酸に結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6Aは、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基207~248での1つ以上のアミノ酸に結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aの185位のアミノ酸残基に結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aの細胞外ドメイン1(ECL1)に結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aの細胞外ドメイン2(ECL2)に結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6AのECL1ドメイン、及び、ECL2ドメインに結合する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6Aは、ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であり、当該抗体は、重鎖可変領域、及び、軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域は、SEQ ID NO:4~16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1;SEQ ID NO:17~31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び、SEQ ID NO:32~45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3を含み;そして、当該軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:46~60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1;SEQ ID NO:61~76からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、SEQ ID NO:77~90からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6Aは、ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であり、当該抗体は、重鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域は、SEQ ID NO:91~108からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6Aは、ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であり、当該抗体は、軽鎖可変領域を含み、当該軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:109~126からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6Aは、ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であり、当該抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域は、SEQ ID NO:91~108からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み;かつ、当該軽鎖可変領域は、SEQ ID NO:109~126からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該MS4A6Aタンパク質は、哺乳動物タンパク質、または、ヒトタンパク質である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該MS4A6Aタンパク質は、野生型タンパク質である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該MS4A6Aタンパク質は、天然に存在するバリアントである。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該抗体は、アゴニスト抗体であり、当該抗体は、1つ以上のMS4A6A活性を誘導する、増大させる、または、向上させる。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該単離した抗体は、細胞表面でのMS4A6Aクラスター形成を誘導する、増進する、または、維持する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aと、少なくとも1つのMS4A6Aリガンドまたは結合パートナーとの相互作用または結合を増大させる、または、増進する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、シグナル伝達複合体の形成を増大させる、または、増進させる。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ITAMをコードするアダプタータンパク質に関連するシグナル伝達複合体の形成を増大させる、または、増進させる。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、阻害性シグナル伝達複合体の形成を増大させる、または、増進させる。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ITIMをコードするアダプタータンパク質に関連する阻害性シグナル伝達複合体の形成を増大させる、または、増進させる。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、シグナル伝達複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ITAMをコードするアダプタータンパク質に関連するシグナル伝達複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、阻害性シグナル伝達複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ITIMをコードするアダプタータンパク質に関連する阻害性シグナル伝達複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、a)MS4A6Aホモオリゴマー複合体の形成に使用可能なMS4A6Aの有効レベルを低減すること;b)MS4A6Aホモオリゴマー複合体の形成に必要なMS4A6Aの1つ以上の部位をブロックすること;c)MS4A6Aホモオリゴマー複合体の形成に必要な、ならびに/または、MS4A6Aの適切なプロセシング及び/もしくは細胞内局在化に必要なMS4A6Aに関する1つ以上の翻訳後事象を予防すること;d)MS4A6Aの分解を誘発すること;e)MS4A6Aの立体配座を変化させること、または、それらのあらゆる組み合わせを行うことで、MS4A6Aホモオリゴマー細胞表面タンパク質複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、a)MS4A6Aホモオリゴマー複合体の形成に使用可能なMS4A6Aの有効レベルを増大させること;b)MS4A6Aホモオリゴマー複合体の形成に必要なMS4A6Aの1つ以上の部位を安定化すること;c)MS4A6Aの細胞表面発現を維持して、ホモオリゴマー複合体の形成、ならびに/または、MS4A6Aの適切なプロセシング及び/もしくは適切な細胞局在化の維持を可能にすること;d)MS4A6Aの分解を低減すること;e)MS4A6Aの立体配座を変化させること、または、それらのあらゆる組み合わせを行うことで、MS4A6Aホモオリゴマー細胞表面タンパク質複合体の形成を増大させる、または、増進させる。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、a)MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成に使用可能なMS4A6Aの有効レベルを低減すること;b)MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成に必要なMS4A6Aの1つ以上の部位をブロックすること;c)MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成に必要な、ならびに/または、MS4A6Aの適切なプロセシング及び/もしくは細胞内局在化に必要なMS4A6Aに関する1つ以上の翻訳後事象を防止すること;d)MS4A6Aの分解を誘発すること;e)MS4A6Aの立体配座を変化させること、または、それらのあらゆる組み合わせを行うことで、1つ以上のシグナル伝達アダプタータンパク質を有する、MS4A6Aヘテロオリゴマー細胞表面タンパク質複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、a)MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成に使用可能なMS4A6Aの有効レベルを増大させること;b)MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成に必要なMS4A6Aの1つ以上の部位を安定化すること;c)MS4A6Aの細胞表面発現を維持して、MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成、ならびに/または、MS4A6Aの適切なプロセシング及び/もしくは適切な細胞局在化の維持を可能にすること;d)MS4A6Aの分解を低減すること;e)MS4A6Aの立体配座を変化させること、または、それらのあらゆる組み合わせを行うことで、1つ以上のシグナル伝達アダプタータンパク質を有する、MS4A6Aヘテロオリゴマー細胞表面タンパク質複合体の形成を増大させる、または、増進させる。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、モノクローナル抗体、多価抗体、合成抗体、または、キメラ抗体である。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、第1の抗原、及び、第2の抗原を認識する二重特異性抗体である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該第1の抗原は、MS4A6Aであり、かつ、当該第2の抗原は、血液脳関門を通過する輸送を促す抗原である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該第2の抗原は、MS4A6A、トランスフェリン受容体(TR)、インスリン受容体(HIR)、インスリン様成長因子受容体(IGFR)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1及び2(LPR-1及び2)、ジフテリア毒素受容体、CRM197、ラマシングルドメイン抗体、TMEM30(A)、タンパク質形質導入ドメイン、TAT、Syn-B、ペネトラチン、ポリアルギニンペプチド、angiopepペプチド、basigin、Glut1、及び、CD98hc、及び、ANG1005からなる群から選択される。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、当該抗体は、モノクローナル抗体である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、当該抗体は、ヒト抗体である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、当該抗体は、ヒト化抗体である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、当該抗体は、二重特異性抗体である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、当該抗体は、多価抗体である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、当該抗体は、キメラ抗体である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、当該抗体は、IgGクラス、IgMクラス、またはIgAクラスのものである。一部の実施形態では、当該抗体は、IgGクラスのものである、IgG1、IgG2、またはIgG4アイソタイプを有する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aまたは哺乳動物MS4A6Aタンパク質でのアミノ酸残基を含むエピトープに結合する抗体フラグメントである。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該フラグメントは、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、Fv、またはscFvフラグメントである。
本開示のその他の態様は、単離した(例えば、モノクローナル)抗MS4A6A抗体に関するものであり、当該抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23からなる群から選択される抗体の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または、6つのHVRを含む。一部の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23からなる群から選択される抗体の6つのHVR(例えば、以下の表4Aに示したようなもの)を含む。一部の実施形態では、抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23からなる群から選択される抗体のV及び/またはVを含む。一部の実施形態では、抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23からなる群から選択される抗体のV及びV(例えば、以下の表4Bに示したようなもの)を含む。
本開示のその他の態様は、前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体をコードする核酸配列を含む、単離した核酸に関する。本開示のその他の態様は、前出の実施形態のいずれかの核酸を含むベクターに関する。本開示のその他の態様は、前出の実施形態のいずれかのベクターを含む、単離した宿主細胞に関する。本開示のその他の態様は、抗MS4A6A抗体を産生する方法であって、抗MS4A6A抗体が産生されるように、前出の実施形態のいずれかの宿主細胞を培養することを含む、当該方法に関する。特定の実施形態では、当該方法は、宿主細胞によって産生された抗MS4A6A抗体を回収することをさらに含む。本開示のその他の態様は、前出の実施形態のいずれかの方法で産生した、単離した抗MS4A6A抗体に関する。本開示のその他の態様は、前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体と、薬学的に許容可能な担体とを含む薬学的組成物に関する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6A、マウスMS4A6A、カニクイザルMS4A6A、または、それらの組み合わせに対して特異的に結合する。
本明細書に記載の様々な実施形態の1つ、一部、または、全部の特性を組み合わせて、本開示のその他の実施形態を形成し得ることを理解されたい。本開示のこれらの態様、及び、その他の態様は、当業者には自明である。本開示のこれらの実施形態、及び、その他の実施形態を、以下の詳細な説明によりさらに説明する。
ヒトまたはカニクイザルのMS4A6AまたはMS4A4Aのいずれかを一過性にトランスフェクトし、そして、Abcamから市販されている2つの抗MS4A6A抗体を使用してプロービングした、細胞のイムノブロットを示している。両方の抗体により、ヒト及びカニクイザルのMS4A6A固有のバンドが検出されており、これらの細胞がMS4A6Aタンパク質を発現していることが実証されている。 図2A及び図2Cは、本開示の抗MS4A6Aを含むハイブリドーマ上清を使用して、ヒトMS4A6AをトランスフェクトしたHEK293細胞(図2A及び2Cの影無しトレース)、及び、トランスフェクトしていないHEK293細胞(図2A及び2Cの影付きトレース)の2つの独立したFAC分析を示す。図2B及び図2Dは、本開示の抗MS4A6Aを含むハイブリドーマ上清を使用して、カニクイザルMS4A6AをトランスフェクトしたHEK293細胞(図2B及び2Dの影無しトレース)、及び、トランスフェクトしていないHEK293細胞(図2B及び2Dの影付きトレース)の2つの独立したFAC分析を示す。 図3A及び図3Bは、本開示の抗MS4A6Aを含むハイブリドーマ上清を使用して、トランスフェクトしていないU937細胞(図3Aの左側のトレース)及びトランスフェクトしていないK562細胞(図3Bの左側のトレース)と比較した、カニクイザルMS4A6AをトランスフェクトしたU937細胞(図3Aの右側のトレース)またはK562細胞(図3Bの右側のトレース)におけるカニクイザルMS4A6Aの細胞表面発現を示す。
本開示の詳細な説明
本開示は、抗MS4A6A抗体(例えば、モノクローナル抗体);それら抗体を作製及び使用する方法;それら抗体を含む薬学的組成物;それら抗体をコードする核酸;及び、それら抗体をコードする核酸を含む宿主細胞に関する。
本明細書で説明または参照した技術及び手順は、一般的に、よく理解がされており、そして、当業者であれば、例えば、Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual 3d edition (2001) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.;Current Protocols in Molecular Biology (F.M. Ausubel, et al. eds., (2003);Monoclonal Antibodies: A Practical Approach (P. Shepherd and C. Dean, eds., Oxford University Press, 2000)に記載されている方法論など、広く用いられている方法論である従来の方法論を進んで使用している。
I.定義
本明細書では、用語「MS4A6A」または「MS4A6Aポリペプチド」を、互換的に使用しており、特に断りがない限り、霊長類(例えば、ヒト、及び、カニクイザル)、及び、齧歯類(例えば、マウス、及び、ラット)などの哺乳類を含む、あらゆる脊椎動物起源の天然のあらゆるMS4A6Aのことを指す。一部の実施形態では、この用語は、野生型配列、及び、天然に存在するバリアント配列、例えば、スプライスバリアント、または、対立遺伝子バリアントの両方を含む。一部の実施形態では、この用語は、「全長」の未処理MS4A6A、ならびに、細胞内での処理が関与するあらゆる形態のMS4A6Aを含む。一部の実施形態では、当該MS4A6Aは、ヒトMS4A6Aである。一部の実施形態では、例示的なMS4A6Aのアミノ酸配列は、2001年3月1日現在でのUniprot受託番号:Q9H2W1である。一部の実施形態では、例示的なヒトMS4A6Aのアミノ酸配列は、SEQ ID NO:1である。
用語「抗MS4A6A抗体」、「MS4A6Aに対して結合する抗体」、及び、「MS4A6Aに特異的に結合する抗体」は、MS4A6Aを標的にする診断薬、及び/または、治療薬として有用な抗体であり、MS4A6Aに対して十分な親和性で結合することができる抗体のことを指す。ある実施形態では、無関係の非MS4A6Aポリペプチドに対する抗MS4A6A抗体の結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)で決定したように、MS4A6Aに対する抗体の結合の約10%未満である。特定の実施形態では、MS4A6Aに対して結合する抗体は、<1μM、<100nM、<10nM、<1nM、<0.1nM、<0.01nM、または、<0.001nM(例えば、10-8M以下、例えば、10-8M~10-13M、例えば、10-9M~10-13M)の解離定数(KD)を有する。特定の実施形態では、抗MS4A6A抗体は、異なる種に由来するMS4A6Aの間で保存されているMS4A6Aのエピトープに対して結合する。
標的分子に対する抗体の結合に関して、用語「特異的結合」または「特異的に結合する」、または、特定のポリペプチド、または、特定のポリペプチド標的に関するエピトープに「特異的」であるとは、非特異的相互作用とは異なる測定可能な結合を意味する。特異的結合は、例えば、コントロール分子の結合と比較して、分子の結合を決定して測定することができる。例えば、特異的結合は、標的、例えば、過剰の非標識標的に類似するコントロール分子と競合させて決定することができる。この事例では、プローブに対する標識した標的の結合を、過剰な非標識標的が競合的に阻害しておれば、特異的結合を示す。本明細書で使用する用語「特異的結合」または「特異的に結合する」、または、特定のポリペプチド、または、特定のポリペプチド標的に関するエピトープに「特異的」であるとは、例えば、概ね、10-4M以下、10-5M以下、10-6M以下、10-7M以下、10-8M以下、10-9M以下、10-10M以下、10-11M以下、10-12M以下のいずれかの標的に関するKD、または、10-4M~10-6M、または、10-6M~10-10M、または、10-7M~10-9Mの範囲のKDを有する分子として示すことができる。当業者であれば、親和性とKD値とが反比例することを理解する。抗原に対する高い親和性は、低いKD値として表れる。ある実施形態では、用語「特異的結合」とは、分子が、あらゆるその他のポリペプチドまたはポリペプチドエピトープに対して実質的に結合せずに、特定のポリペプチド、または、特定のポリペプチドに関するエピトープに対して結合する結合のことを指す。
本明細書において、用語「免疫グロブリン」(Ig)は、「抗体」と互換的に使用する。本明細書において、用語「抗体」は、最も広い意味で使用しており、特に、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクトな抗体から形成した多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び、所望の生物学的活性を示す限りは、抗体フラグメントを含む。
「ネイティブ抗体」は、通常、2つの同一の軽(「L」)鎖、及び、2つの同一の重(「H」)鎖から構成されている約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。それぞれの軽鎖は、1つのジスルフィド共有結合で重鎖に結合しているが、ジスルフィド結合の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で異なる。それぞれの重鎖、及び、それぞれの軽鎖は、規則的な間隔を開けた鎖内ジスルフィド架橋も有する。それぞれの重鎖は、一端に、可変ドメイン(V)を有しており、これに、幾つかの定常ドメインが続く。それぞれの軽鎖は、一端に、可変ドメイン(V)を有しており、他端に、定常ドメインを有しており;軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと整列しており、そして、軽鎖の可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に界面を形成すると考えられる。
異なる抗体クラスの構造及び特性については、例えば、Basic and Clinical Immunology,8th Ed.,Daniel P.Stites,Abba I.Terr and Tristram G.Parslow(eds.),Appleton & Lange,Norwalk,CT,1994,page 71 and Chapter 6を参照されたい。
あらゆる脊椎動物種に由来する軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(「κ」)、及び、ラムダ(「λ」)と称する2つの明確に異なる種類の内の1つに割り当てることができる。免疫グロブリンは、その重鎖の定常ドメイン(CH)のアミノ酸配列に応じて、異なるクラスまたはアイソタイプに割り当てることができる。免疫グロブリンには;IgA、IgD、IgE、IgG、及び、IgMの5つのクラスがあり、それぞれ、アルファ(「α」)、デルタ(「δ」)、イプシロン(「ε」)、ガンマ(「γ」)、及び、ミュー(「μ」)と表記される重鎖を有する。γ及びαのクラスは、CH配列及び機能の相対的にわずかな相違に基づいて、サブクラス(アイソタイプ)にさらに分類され、例えば、ヒトでは、以下のサブクラス:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及び、IgA2を発現する。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造、及び、三次元構成は公知であり、例えば、Abbas et al.,Cellular and Molecular Immunology,4th ed.(W.B.Saunders Co.,2000)で概説されている。
本開示のMS4A6A抗体などの抗体の「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端ドメインのことを指す。当該重鎖及び軽鎖の可変ドメインを、それぞれ、「V」及び「V」と称し得る。これらのドメインは、一般的に、(同じクラスのその他の抗体と比較して)最も変化しやすい抗体の部分であり、そして、抗原結合部位を含む。
用語「可変」とは、可変ドメインの特定のセグメントが、本開示のMS4A6A抗体などの抗体の間で配列が大きく異なるという事実のことを指す。当該可変ドメインは、抗原結合を媒介し、そして、その特定の抗原に対する特定の抗体の特異性を定義する。しかしながら、当該可変性は、当該可変ドメイン全体に均一に分布しているわけではない。むしろ、それは、軽鎖及び重鎖の両方の可変ドメインの超可変領域(HVR)と呼ばれている3つのセグメントに集中している。可変ドメインにおいて高度に保存されている部分を、フレームワーク領域(FR)と称する。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ、3つのHVRで接続した、ベータシート立体配置を主体とする4つのFR領域を含み、それらは、当該ベータシート構造に接続するループ、及び、一部の事例では、当該ベータシート構造の一部を形成するループを形成する。それぞれの鎖でのHVRは、FR領域に非常に近接して一緒に保持され、他方の鎖に由来するHVRと共に、それらの抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.,Sequences of Immunological Interest,Fifth Edition,National Institute of Health,Bethesda,MD(1991)を参照されたい)。当該定常ドメインは、抗原に対する抗体の結合には直接関与しないが、抗体依存性細胞毒性への抗体の関与などの様々なエフェクター機能を呈する。
本明細書で使用する用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均質な抗体集団から得た抗体、例えば、本開示の抗MS4A6A抗体などの抗体のことを指し、すなわち、当該集団を構成する個々の抗体は、微量で存在し得る自然発生の変異、及び/または、翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化など)を除いて、同一である。モノクローナル抗体は、特異性が高く、単一の抗原部位に対して作られる。一般的には異なる決定基(エピトープ)を指向する異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、それぞれのモノクローナル抗体は、当該抗原の単一の決定基を指向する。それらの特異性に加えて、当該モノクローナル抗体は、その他の免疫グロブリンによる汚染を受けていないハイブリドーマ培養で合成するという点で有利である。修飾語「モノクローナル」とは、実質的に同種の抗体集団から得られる抗体の特徴を示すものであり、あらゆる特定の方法で抗体の産生を必要とするものと解釈すべきではない。例えば、本開示にしたがって使用するモノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、及び、ヒト免疫グロブリン遺伝子座、または、ヒト免疫グロブリン配列をコードする遺伝子の一部またはすべてを有する動物において、ヒトまたはヒト様抗体を産生するための技術などの様々な技術によって作製し得る。
用語「全長抗体」、「インタクト抗体」、または、「全抗体」とは、抗体フラグメントとは対照的に、その実質的にインタクトな形態にある本開示の抗MS4A6A抗体などの抗体を指すために、互換的に使用している。具体的には、全抗体は、Fc領域を含む重鎖及び軽鎖を有するものを含む。当該定常ドメインは、ネイティブ配列の定常ドメイン(例えば、ヒトネイティブ配列の定常ドメイン)、または、そのアミノ酸配列バリアントとし得る。一部の事例では、当該インタクト抗体は、1つ以上のエフェクター機能を有し得る。
「抗体フラグメント」とは、インタクト抗体が結合する抗原に対して結合するインタクト抗体の一部を含む、インタクト抗体以外の分子のことを指す。抗体フラグメントの例として、Fab、Fab’、F(ab’)、及び、Fvフラグメント;ダイアボディ;線状抗体(米国特許第5641870号、実施例2;Zapata et al.,Protein Eng.8(10):1057-1062(1995)を参照されたい);一本鎖抗体分子、及び、抗体フラグメントから形成した多重特異性抗体がある。
本開示の抗MS4A6A抗体などの抗体をパパイン消化すると、「Fab」フラグメントと称する2つの同一の抗原結合フラグメントと、容易に結晶化する能力を反映した名称を有する残留「Fc」フラグメントとを生成する。当該Fabフラグメントは、軽鎖全体に加えて、重鎖の可変領域ドメイン(V)と、1つの重鎖の第1の定常ドメイン(C1)とからなる。それぞれのFabフラグメントは、抗原結合に関しては一価であり、すなわち、単一の抗原結合部位を有する。抗体をペプシン処理すると、単一の大きなF(ab’)フラグメントが得られ、このものは、異なる抗原結合活性を有するジスルフィド結合した2つのFabフラグメントに概ね対応しており、また、依然として抗原を架橋することができる。Fab’フラグメントは、C1ドメインのカルボキシ末端に、抗体ヒンジ領域に由来する1つ以上のシステインを含んだ幾つかのさらなる残基を有する点で、Fabフラグメントと異なる。Fab’-SHとは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を持つFab’に関する本明細書での表記である。F(ab’)抗体フラグメントは、本来は、そのフラグメント間にヒンジシステインを有するFab’フラグメントの対として生成した。抗体フラグメントのその他の化学的カップリングも公知である。
当該Fcフラグメントは、ジスルフィドと共に保持された両方の重鎖のカルボキシ末端部分を含む。抗体のエフェクター機能は、Fc領域の配列によって決定され、この領域は、特定の細胞型で認められるFc受容体(FcR)でも認識される。
本開示の抗MS4A6A抗体などの抗体の「機能性フラグメント」は、インタクト抗体の一部分を含み、一般的には、インタクト抗体の抗原結合領域または可変領域を含むか、または、FcR結合能力を保持するもしくは改変FcR結合能力を有する抗体のFc領域を含む。抗体フラグメントの例として、線状抗体、一本鎖抗体分子、及び、抗体フラグメントから形成した多重特異性抗体がある。
用語「ダイアボディ」とは、可変ドメインの鎖内ではなく、鎖間のペアリングを達成し、それにより、二価フラグメント、すなわち、2つの抗原結合部位を有するフラグメントが得られるように、VドメインとVドメインとの間に短いリンカー(約5~10個)の残基)を用いてsFvフラグメント(前出の段落を参照されたい)を構築して調製した小さな抗体フラグメントのことを指す。二重特異性ダイアボディは、2つの抗体のVドメイン及びVドメインが、異なるポリペプチド鎖に存在している、2つの「交差」sFvフラグメントのヘテロ二量体である。
本明細書で使用する「キメラ抗体」とは、本開示のキメラ抗MS4A6A抗体などの抗体(免疫グロブリン)であり、重鎖及び/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する抗体、または、特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体での対応する配列と同一または相同であり、かつ、その鎖の残部が、別の種に由来する抗体、または、別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体での対応する配列と同一または相同である抗体、ならびに、所望の生物活性を奏する限りは、それら抗体のフラグメントのことを指す。本明細書で対象とするキメラ抗体として、PRIMATIZED(登録商標)抗体があり、当該抗体の抗原結合領域は、例えば、目的の抗原で免疫処置したマカクザルによって産生された抗体に由来する。本明細書で使用する、「ヒト化抗体」は、「キメラ抗体」のサブセットとして使用する。
本開示の抗MS4A6A抗体のヒト化など、非ヒト(例えば、ネズミ)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基、及び、ヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体である。特定の実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、及び、一般的には、2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、HVR(例えば、CDR)のすべて、または、実質的にすべてが、非ヒト抗体のHVRに対応し、そして、FRのすべて、または、実質的にすべてが、ヒト抗体のFRに対応する。ヒト化抗体は、任意に、ヒト抗体由来の抗体定常領域の少なくとも一部を含み得る。抗体の「ヒト化形態」、例えば、非ヒト抗体とは、ヒト化を受けた抗体のことを指す。
「ヒト抗体」は、本開示の抗MS4A6A抗体のように、ヒトによって産生された抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を含む抗体、及び/または、本明細書に開示したヒト抗体を作製するための技術のいずれかを使用して作製した抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を具体的に除外する。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリー及び酵母ディスプレイライブラリーを含む、当該技術分野で公知の様々な技術を使用して産生することができる。ヒト抗体は、かかる抗体を抗原接種に応答して産生するように改変されているが、例えば、免疫処置したゼノマウス、ならびに、ヒトB細胞ハイブリドーマを介して生成させて、その内因性遺伝子座を無効化したトランスジェニック動物に対して当該抗原を投与して、調製することができる。
本明細書で使用する用語「超可変領域」、「HVR」または「HV」とは、配列が超可変性であり、及び/または、構造的に定義されたループを形成する、本開示の抗MS4A6A抗体の抗体可変ドメインの領域などの抗体可変ドメインの領域のことを指す。一般的に、抗体には、6つのHVRがあり;3つが、V(H1、H2、H3)にあり、そして、3つが、V(L1、L2、L3)にある。ネイティブ抗体において、H3及びL3が、6つのHVRの内で最も多様性に富んでおり、そして、特に、H3が、抗体に対して優れた特異性を与える上で独特の役割を果たすものと考えられている。重鎖のみからなる天然ラクダ抗体は、軽鎖がなくとも機能的で、かつ、安定している。
数多くのHVRの記載を、本明細書で使用しており、かつ、本明細書に含んでいる。一部の実施形態では、これらのHVRは、配列変動性に基づいたKabat相補性決定領域(CDR)とし得るものであり、そして、最も一般的に使用している(Kabat et al.,上掲)。一部の実施形態では、それらのHVRは、Chothia CDRとし得る。Chothiaは、どちらかと言えば、構造的ループの位置を指すものである(Chothia and Lesk J.Mol.Biol.196:901-917(1987))。一部の実施形態では、これらのHVRを、AbM HVRとし得る。これらのAbM HVRは、Kabat CDRと、Chothia構造的ループとの間の折衷案を示しており、そして、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアで使用されている。一部の実施形態では、これらのHVRを、「接触」HVRとし得る。当該「接触」HVRは、使用可能な複合体結晶構造の分析に基づくものである。これらのHVRのそれぞれの残基を、以下に示す。
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HVRは、次の「伸長HVR」を含み得る:VLでの24~36または24~34(L1)、46~56または50~56(L2)、及び、89~97または89~96(L3)、及び、VHでの26~35(H1)、50~65または49~65(好ましい実施形態)(H2)、及び、93~102、94~102または95~102(H3)。当該可変ドメイン残基を、これらの伸長HVR定義のそれぞれに対して、Kabat et al.,上掲に従って付番する。
「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書で定義するHVR残基以外の可変ドメイン残基である。
本明細書で使用する「アクセプターヒトフレームワーク」とは、ヒト免疫グロブリンフレームワーク、または、ヒトコンセンサスフレームワークに由来するVまたはVフレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワーク、または、ヒトコンセンサスフレームワークに「由来する」アクセプターヒトフレームワークは、当該フレームワークと同じアミノ酸配列を含み得る、または、既存のアミノ酸配列変化を含み得る。一部の実施形態では、既存のアミノ酸変化の数は、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、または、2個以下である。既存のアミノ酸変化がVH中に存在する場合、好ましいアミノ酸変化は、位置71H、73H、及び、78Hの内の3つ、2つ、または、1つのみに生じ;例えば、当該位置のアミノ酸残基は、71A、73T、及び/または、78Aとし得る。ある実施形態では、VLアクセプターヒトフレームワークは、配列において、Vヒト免役グロブリンフレームワーク配列、または、ヒトコンセンサスフレームワーク配列と同一である。
「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免役グロブリンのVまたはVフレームワーク配列の選択において最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的には、ヒト免役グロブリンのV配列またはV配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループから行う。一般的には、配列のサブグループは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991)などのサブグループである。例として、Vに関するものとして、サブグループは、Kabat et al.,上掲などのサブグループカッパI、カッパII、カッパIII、または、カッパIVとし得る。さらに、Vに関するものとして、サブグループは、Kabat et al.,上掲などのサブグループI、サブグループII、または、サブグループIIIとし得る。
例えば、本開示の抗MS4A6A抗体の、指定した位置での「アミノ酸改変」とは、指定した残基の置換もしくは欠失、または、少なくとも1つのアミノ酸残基を、指定した残基に隣接するように挿入することを指す。指定した残基に「隣接する」挿入とは、そこから1個~2個の残基までに挿入することを意味する。当該挿入は、指定した残基のN末端側またはC末端側で行い得る。本明細書における好ましいアミノ酸改変は、置換である。
例えば、本開示の親和性成熟抗MS4A6A抗体などの「親和性成熟」抗体とは、当該抗体の1つ以上のHVRに1つ以上の変更を有し、その結果、抗原に対する抗体の親和性が、当該変更を有しない親抗体と比較して改善した抗体である。ある実施形態では、親和性成熟抗体は、標的抗原に対して、ナノモル、または、ひいてはピコモルの親和性を有する。親和性成熟抗体は、当該技術分野で公知の手法で産生する。例えば、Marks et al.,Bio/Technology 10:779~783(1992)は、V-及びV-ドメインのシャッフリングを用いた親和性成熟について記載している。HVR、及び/または、フレームワーク残基のランダム変異導入については、例えば、Barbas et al.Proc Nat.Acad.Sci.USA 91:3809~3813(1994);Schier et al.Gene 169:147~155(1995);Yelton et al.J.Immunol.155:1994~2004(1995);Jackson et al.,J.Immunol.154(7):3310~9(1995);及び、Hawkins et al,J.Mol.Biol.226:889-896(1992)に記載されている。
「Fv」は、完全な抗原認識部位、及び、抗原結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。このフラグメントは、1つの重鎖可変領域ドメインと、1つの軽鎖可変領域ドメインが、非共有結合で緊密に結合した二量体からなる。これらの2つのドメインの折り畳みが、抗原結合のためのアミノ酸残基を提供して、この抗体に抗原結合特異性を与える、6つの超可変ループ(H及びL鎖からそれぞれ3つのループ)が生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(または、抗原に特異的なHVRを3つしか含まない半分のFv)であっても、全結合部位よりも低い親和性ではあるが、抗原を認識して結合する能力を有する。
「sFv」または「scFv」とも略称される「一本鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖の状態で接続したVH及びVL抗体ドメインを含む、抗体フラグメントである。好ましくは、当該sFvポリペプチドは、VとVドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含み、このリンカーは、sFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする。
抗体の「エフェクター機能」は、抗体のFc領域(ネイティブ配列Fc領域、または、アミノ酸配列バリアントFc領域)が関与する生物活性のことを指し、そして、抗体のアイソタイプに応じて異なる。
本明細書で使用する用語「Fc領域」とは、ネイティブ配列Fc領域、及び、バリアントFc領域を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用する。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は様々であるが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、アミノ酸残基の位置Cys226、または、Pro230から、そのカルボキシル末端にまで及ぶものと定義される。当該Fc領域のC末端リジン(EU付番システムによる残基447)は、例えば、抗体の産生もしくは精製の間に、または、抗体の重鎖をコードする核酸を組み換え操作することで除去し得る。したがって、インタクト抗体の組成は、すべてのK447残基を除去した抗体集団、K447残基を除去していない抗体集団、及び、K447残基を持つ抗体と持たない抗体との混合物を有する抗体集団を含み得る。本開示の抗体における使用に好適なネイティブ配列Fc領域として、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4がある。
「ネイティブ配列Fc領域」は、自然界で認められるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。ネイティブ配列のヒトFc領域として、ネイティブ配列のヒトIgG1 Fc領域(非A及びAアロタイプ)、ネイティブ配列ヒトIgG2 Fc領域、ネイティブ配列ヒトIgG3 Fc領域、及び、ネイティブ配列ヒトIgG4 Fc領域、ならびに、それらの天然に存在するバリアントがある。
「バリアントFc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸改変、好ましくは、1個以上のアミノ酸置換によって、ネイティブ配列Fc領域のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含む。好ましくは、当該バリアントFc領域は、ネイティブ配列Fc領域、または、親ポリペプチドのFc領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸置換を有しており、例えば、ネイティブ配列Fc領域、または、親ポリペプチドのFc領域に、約1~約10個のアミノ酸置換、好ましくは、約1~約5個のアミノ酸置換を有する。本明細書でのバリアントFc領域は、好ましくは、ネイティブ配列Fc領域、及び/または、親ポリペプチドのFc領域に対して、少なくとも約80%の相同性、及び、最も好ましくは、それらに対して少なくとも約90%の相同性、より好ましくは、それらに対して少なくとも約95%の相同性を有する。
「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体のことを表す。好ましいFcRは、ネイティブ配列のヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体(ガンマ受容体)と結合する抗体であり、そして、FcγRI、FcγRII、及び、FcγRIIIのサブクラスの受容体があり、これらの受容体の対立遺伝子バリアント、及び、選択的スプライシング形態を含み、FcγRII受容体として、同様のアミノ酸配列を有し、主にその細胞質ドメインが異なるFcγRIIA(「活性化受容体」)と、FcγRIIB(「阻害性受容体」)とを含む。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン系活性化モチーフ(「ITAM」)を含む。阻害性受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン系阻害性モチーフ(「ITIM」)を含む。その他のFcRは、今後同定されるものを含めて、本明細書での用語「FcR」に含まれる。また、FcRは、抗体の血清での半減期を長くすることができる。
ペプチド、ポリペプチド、または、抗体配列に関して本明細書で使用する、「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」及び「ホモロジー」は、配列を整列させ、必要に応じて、最大配列同一性パーセントを達成するためにギャップを導入した後に、配列同一性の一部としてあらゆる保存的置換を考慮しない、指定のペプチド、または、ポリペプチド配列でのアミノ酸残基と同一である、候補配列でのアミノ酸残基のパーセンテージのことを指す。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するためのアラインメントは、当該技術分野の技術範囲に属する様々な方法、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、または、MEGALIGN(商標)(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に使用可能なコンピューターソフトウェアを使用して達成することができる。当業者であれば、比較する配列の全長にわたって最大のアライメントを達成するために必要とされる当該技術分野において公知のあらゆるアルゴリズムなど、アラインメントを評価するための適切なパラメーターを決定することができる。
同じエピトープに関して競合する抗体(例えば、中和抗体)の文脈で使用する用語「競合する」とは、試験する抗体が、共通の抗原(例えば、MS4A6A、または、そのフラグメント)に対するリファレンス分子(例えば、リガンド、または、リファレンス抗体)の特異的結合を予防または阻害(例えば、低減)するアッセイによって決定する抗体間の競合のことを意味する。無数のタイプの競合結合アッセイを使用して、抗体が、別の抗体と競合するか否かを判断でき、例えば;固相直接または間接ラジオイムノアッセイ(RIA)、固相直接または間接酵素イムノアッセイ(EIA)、サンドイッチ競合アッセイ(例えば、Stahli et al.,1983,Methods in Enzymology 9:242-253を参照されたい);固相直接ビオチン-アビジンEIA(例えば、Kirkland et al.,1986,J.Immunol.137:3614-3619)固相直接標識アッセイ、固相直接標識サンドイッチアッセイ(例えば、Harlow and Lane,1988,Antibodies,A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Pressを参照されたい);1-125ラベルを使用した固相直接ラベルRIA(例えば、Morel et al.,1988,Molec.Immunol.25:7-15);固相直接ビオチン-アビジンEIA(例えば、Cheung,et al.,1990,Virology 176:546-552を参照されたい);及び、直接標識RIA(Moldenhauer et al.,1990,Scand.J.Immunol.32:77-82)がある。一般的には、そのようなアッセイは、非標識試験抗体、及び、標識リファレンス抗体のいずれかを担持する固体表面または細胞に結合した精製抗原の使用を含む。競合阻害は、試験抗体の存在下で固体表面または細胞に結合した標識の量を決定して測定する。通常、当該試験抗体は過剰に存在する。競合アッセイ(競合抗体)で同定した抗体として、リファレンス抗体と同じエピトープに対して結合する抗体と、立体障害を招くリファレンス抗体が結合するエピトープに対して十分近位の隣接エピトープに対して結合する抗体がある。競合結合を決定するための方法に関するさらなる詳細を、本明細書に記載の実施例において説明する。通常、競合する抗体が過剰に存在すると、共通抗原に対するリファレンス抗体の特異的結合は、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97.5%、及び/または、ほぼ100%を阻害(例えば、低減)する。
本明細書で使用するMS4A6Aタンパク質と第2のタンパク質との間の「相互作用」として、タンパク質-タンパク質相互作用、物理的相互作用、化学的相互作用、結合、共有結合、及び、イオン結合があるが、これらに限定されない。本明細書において、抗体が、2つのポリペプチドの間の相互作用を、妨害、低減、または、完全に排除する場合、当該抗体は、2つのポリペプチドの間の「相互作用を阻害する」。その抗体が、2つのポリペプチドの内の一方に結合する場合、本開示の抗体は、2つのポリペプチドの間の「相互作用を阻害する」。一部の実施形態では、当該相互作用は、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97.5%のいずれか、及び/または、ほぼ100%のいずれかで阻害することができる。
用語「エピトープ」として、抗体が結合することができる、あらゆる決定基がある。エピトープは、その抗原を標的とする抗体が結合する抗原の領域であり、また、抗原がポリペプチドである場合、当該抗体と直接に接触する特定のアミノ酸を含む。大抵の場合、エピトープは、ポリペプチドに存在するが、一部の事例では、核酸などのその他の種類の分子に存在することができる。エピトープ決定因子は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリルまたはスルホニル基などの分子に属する化学的に活性な表面を含み、そして、特定の三次元構造特性、及び/または、特定の電荷特性を有することができる。一般的に、特定の標的抗原に特異的な抗体は、ポリペプチド、及び/または、高分子の複雑な混合物での標的抗原に関するエピトープを優先的に認識する。
「アゴニスト」抗体、または、「活性化」抗体は、抗体が抗原と結合した後に、当該抗原の1つ以上の活性または機能を誘導する(例えば、高める)抗体である。
「アンタゴニスト」抗体、または、「ブロッキング」抗体、または、「阻害」抗体とは、当該抗体が、抗原と結合した後に、1つ以上のリガンドに対する抗原結合を低減し、阻害し、かつ/または、排除する(例えば、減少させる)抗体、及び/または、当該抗体が抗原と結合した後に、当該抗原の1つ以上の活性または機能を低減し、阻害し、及び/または、排除する(例えば、減少させる)抗体である。一部の実施形態では、アンタゴニスト抗体、または、ブロッキング抗体、または、阻害抗体は、1つ以上のリガンドへの抗原結合、及び/または、当該抗原の1つ以上の活性または機能を、実質的または完全に阻害する。
本開示の単離した抗MS4A6A抗体などの「単離した」抗体は、その産生環境の成分から(例えば、自然に、または、組換えて)同定、分離、及び/または、回収したものである。好ましくは、当該単離した抗体は、その産生環境に由来するその他のすべての汚染成分とは関連がない。組換えトランスフェクト細胞から得られるものなど、その産生環境に由来する汚染成分は、一般的には、抗体の研究、診断、または、治療への使用を妨げる物質であり、そして、酵素、ホルモン、及び、その他のタンパク質性、または、非タンパク質性溶質を含み得る。好ましい実施形態では、抗体を、(1)例えば、ローリー法で決定した抗体の95重量%を超えるまで、そして、一部の実施形態では、99重量%を超えるまで;(2)スピニングカップシーケンサーを使用して、N末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、または、(3)クマシーブルー、または、好ましくは、銀染色を使用する非還元または還元条件下でのSDS-PAGEで均一になるまで精製する。単離した抗体は、抗体の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、組換えT細胞内の元の位置に抗体を含む。しかしながら、通常、単離したポリペプチドまたは抗体は、少なくとも1つの精製工程で調製する。
本開示の抗MS4A6A抗体などの抗体をコードする「単離した」核酸分子とは、それが産生された環境において通常会合している少なくとも1つの汚染核酸分子から同定及び分離された核酸分子である。好ましくは、当該単離した核酸は、その産生環境に関連するすべての構成成分とは会合しない。本明細書のポリペプチド、及び、抗体をコードする単離した核酸分子は、自然界で認められる形態または状況とは異なる形態で存在する。したがって、単離した核酸分子は、細胞内に自然に存在する本明細書のポリペプチド、及び、抗体をコードする核酸とは区別される。
本明細書で使用する用語「ベクター」とは、それに結合した別の核酸を輸送することができる核酸分子のことを指す。「プラスミド」は、ベクターの一種であり、さらなるDNAセグメントをライゲーションすることができる環状二本鎖DNAのことを指す。ファージベクターは、別の種類のベクターである。別の種類のベクターとして、ウイルスベクターがあり、さらなるDNAセグメントを、ウイルスゲノムに対してライゲーションすることができる。特定のベクター(例えば、細菌複製起点を有する細菌ベクター、及び、エピソーム哺乳動物ベクター)は、導入をした宿主細胞中で自己複製が可能である。その他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞に導入すると、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、これにより、宿主ゲノムと一緒に複製される。さらに、特定のベクターは、作動可能に連結した遺伝子の発現を導くことができる。そのようなベクターは、本明細書では、「組み換え発現ベクター」、または、簡略して「発現ベクター」と称する。一般的に、組換えDNA技法に有用である発現ベクターは、プラスミドの形態である場合が多い。本明細書では、「プラスミド」及び「ベクター」は、プラスミドが、ベクターの内で最も一般的に使用される形態であるため、互換的に使用し得る。
本明細書で互換的に使用する「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、あらゆる長さのヌクレオチドの重合体のことを指すものであり、そして、DNA及びRNAを含む。当該ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、改変したヌクレオチドまたは塩基、及び/または、それらの類似体、または、DNAもしくはRNAポリメラーゼにより、または、合成反応により重合体に組み込まれ得るあらゆる基質とすることができる。
「宿主細胞」は、ポリヌクレオチド挿入物を組み込むためのベクターのレシピエントになることができる、または、レシピエントになっている個々の細胞、または、細胞培養物を含む。宿主細胞は、単一の宿主細胞の子孫を含み、そして、その子孫は、自然発生的、偶発的、または、意図的な変異により、起源の親細胞と必ずしも完全に(形態学的に、または、ゲノムDNA相補鎖において)同一でなくともよい。宿主細胞は、本開示のポリヌクレオチドをインビボでトランスフェクトした細胞を含む。
本明細書で使用する「担体」は、使用する用量、及び、濃度で、そこに曝露される細胞または哺乳動物に対して無毒である薬学的に許容される担体、賦形剤、または、安定剤を含む。
本細書で使用する用語「予防する」とは、個体における特定の疾患、障害、または、病態の発生または再発に関して予防を提供することを含む。個体は、特定の疾患、障害、もしくは、病態にかかりやすく、それに影響を受けやすいか、または、そのような疾患、障害、もしくは、病態を発症するリスクがあるが、未だに、当該疾患、障害、もしくは、病態であると診断されていない。
本明細書で使用する、特定の疾患、障害、または、病態を発症する「リスクのある」個体とは、検出可能な疾患または疾患の症状を有し得る、または、有し得ず、そして、本明細書に記載した治療法を行う前に、検出可能な疾患または疾患の症状を示し得る、または、示し得ない。「リスクがある」とは、個体が、特定の疾患、障害、または、病態の発症と相関する測定可能なパラメーターである、当該技術分野で公知の1つ以上のリスク因子を有することを示す。これらのリスク因子の1つ以上を有する個体は、これらのリスク因子の1つ以上を持たない個体よりも、特定の疾患、障害、または、病態を発症する可能性が高くなる。
本明細書で使用する用語「治療」とは、臨床病理の経過期間で治療を受けている個体の自然な経過を変更するようにデザインした臨床介入のことを指す。治療の望ましい効果として、進行速度の低下、病的状態の改善または緩和、及び、特定の疾患、障害、または、病態の寛解または予後の改善がある。例えば、特定の疾患、障害、または、病態に関連する1つ以上の症状が緩和または解消された場合、個体の「治療」は成功している。
「有効量」とは、所望の治療的、または、予防的結果を達成するために必要な投薬量、及び、期間において、少なくとも有効な量のことを指す。有効量は、1回以上の投与で提供することができる。本明細書に記載の有効量は、個体の病状、年齢、性別、及び、体重、ならびに、個体において所望の応答を誘発する治療の能力などの要因によって変化し得る。有効量は、治療でのあらゆる毒性または有害な効果よりも、治療的に有益な効果が勝る量でもある。予防的使用の場合、有益または望ましい結果として、疾患の生化学的、組織学的、及び/または、行動的症状、その合併症、及び、疾患の進行過程での中間的病理学的表現型など、疾患のリスクの排除または低減、重症度の軽減、または、発症の遅延などの結果がある。治療的使用の場合、有益または望ましい結果として、疾患が関与する1つ以上の症状の低減、疾患を煩った方々の生活の質の向上、疾患の治療に必要なその他の薬物の投与量の減少、標的化などを介した別の薬物の効果の改善、疾患の進行の遅延、及び/または、生存期間の延長などがある。薬物、化合物、または、薬学的組成物の有効量は、直接的または間接的のいずれかで予防的または治療的処置を達成するのに十分な量である。臨床の文脈で理解すると、薬物、化合物、または、薬学的組成物の有効量は、別の薬物、化合物、または、薬学的組成物と組み合わせて達成し得る、または、達成し得ない。したがって、「有効量」は、1つ以上の治療薬を投与する状況で考慮し得るものであり、そして、単一の薬剤が、1つ以上のその他の薬剤と組み合わせて、所望の結果を達成し得る、または、達成するのであれば、有効量で与えられると考え得る。
リスクの治療、予防、または、低減を目的とする「個体」とは、ヒト、飼育動物、及び、家畜、ならびに、動物園用動物、競技用または愛玩動物、例えば、イヌ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ハムスター、アレチネズミ、マウス、フェレット、ラット、ネコなどを含む、哺乳動物に分類されるあらゆる動物のことを指す。好ましくは、個体は、ヒトである。
本明細書で使用する、別の化合物または組成物との「併用」投与とは、同時投与、及び/または、異なる時点での投与を含む。また、併用投与は、合剤としての投与、または、別個の組成物としての投与を含み、異なる投与頻度または間隔で、かつ、同じ投与経路、または、異なる投与経路を使用することを含む。一部の実施形態では、併用投与は、同じ治療レジメンの一部としての投与である。
本明細書で使用する語句「実質的に類似」とは、2つの数値(一般的に、一方は、分子に関連しており、かつ、他方は、リファレンス/比較分子に関連している)間の十分に高度な類似性のことを指すものであり、当業者であれば、2つの数値の差異が、これらの数値(例えば、Kd値、タンパク質発現レベル)で測定した生物学的特性の関連で統計的に有意ではないと見なす。この2つの数値の間の差異は、例えば、リファレンス/コンパレーター値の関数として、約20%未満、約10%未満、及び/または、約5%未満とし得る。語句「実質的に正常」とは、リファレンス(例えば、正常リファレンス)と実質的に類似していることを指す。
語句「実質的に異なる」とは、2つの数値(一般的に、一方は、分子に関連しており、かつ、他方は、リファレンス/コンパレーター分子に関連している)間の十分に高度な差異を指すものであり、当業者であれば、2つの数値の差異が、これらの数値(例えば、Kd値、タンパク質発現レベル)で測定した生物学的特性の関連で統計的に有意であると見なす。この2つの数値の間の差異は、例えば、リファレンス/コンパレーター分子の関数として、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、及び/または、約50%超とし得る。
個体に対する臨床的利益の増大に関連するバイオマーカーの「存在」、「量」、または、「レベル」とは、生物学的試料での検出可能なレベルである。これらは、当業者に公知であり、本明細書で開示した方法で測定することができる。評価した発現レベル、または、バイオマーカーの量を使用して、治療に対する反応を決定することができる。
用語「発現のレベル」または「発現レベル」とは、一般的に互換可能に使用しており、一般的には、生体試料でのバイオマーカーの量のことを指す。「発現」とは、一般的に、情報(例えば、遺伝子がコードした、及び/または、エピジェネティックなもの)が、細胞内に存在しており、そして、作動する構造に変換するプロセスのことを指す。したがって、本明細書で使用する「発現」は、ポリヌクレオチドへの転写、ポリペプチドへの翻訳、または、ひいては、ポリヌクレオチド、及び/または、ポリペプチド修飾(例えば、ポリペプチドの翻訳後修飾)のことを指し得る。転写されたポリヌクレオチド、翻訳したポリペプチド、または、ポリヌクレオチド、及び/または、ポリペプチド修飾(例えば、ポリペプチドの翻訳後修飾)のフラグメントも、それらが、選択的スプライシングで生成された転写物もしくは分解された転写物に由来するものであっても、または、例えば、タンパク質分解を受けたポリペプチドの翻訳後プロセシングに由来するものであっても、発現したものと考えられる。「発現遺伝子」は、mRNAとしてポリヌクレオチドに転写され、次いで、ポリペプチドに翻訳されるもの、そして、RNAに転写されるが、ポリペプチドに翻訳されないもの(例えば、トランスファー及びリボソームRNA)を含む。
「向上した発現」、「向上した発現レベル」、または、「向上したレベル」とは、疾患もしくは障害(例えば、アルツハイマー病)を患っていない1個体もしくは複数個体などのコントロール、または、内部コントロール(例えば、ハウスキーピングバイオマーカー、もしくは、ポリペプチド)と比較した、個体におけるバイオマーカーまたはポリペプチドの発現の増大またはそのレベルの増大を指す。
「低減した発現」、「低減した発現レベル」、または、「低減したレベル」とは、疾患もしくは障害(例えば、アルツハイマー病)を患っていない1個体もしくは複数個体などのコントロール、または、内部コントロール(例えば、ハウスキーピングバイオマーカー、もしくは、ポリペプチド)と比較した、個体におけるバイオマーカーまたはポリペプチドの発現の低下またはそのレベルの低下を指す。
用語「ハウスキーピングバイオマーカー」とは、一般的には、すべての細胞型に同様に存在するバイオマーカー、または、バイオマーカーの群(例えば、ポリヌクレオチド、及び/または、ポリペプチド)のことを指す。一部の実施形態では、当該ハウスキーピングバイオマーカーは、「ハウスキーピング遺伝子」である。「ハウスキーピング遺伝子」とは、本明細書では、その活性が細胞機能の維持に必須であり、そして、一般的には、すべての細胞型に同様に存在するタンパク質をコードする遺伝子、または、遺伝子の群のことを指す。
本明細書で使用する用語「試料」とは、例えば、物理的、生化学的、化学的、及び/または、生理学的特性に基づいて特徴決定、及び/または、同定する細胞、及び/または、その他の分子実体を含有する対象、及び/または、対象となる個体から得られる、または、それらに由来する組成物のことを指す。例えば、語句「疾患試料」、及び、その変形は、特徴決定される細胞、及び/または、分子実体を含むことが予想されるか、または、それを含むことが公知である対象となる対象から得られるあらゆる試料のことを指す。試料として、初代または培養細胞または細胞株、細胞上清、細胞溶解物、血小板、血清、血漿、硝子体液、リンパ液、滑液、卵胞液、精液、羊水、母乳、全血、血液由来細胞、尿、脳脊髄液、唾液、痰、涙、汗、粘液、腫瘍溶解物、及び、組織培養培地、均質化組織、腫瘍組織、細胞抽出物などの組織抽出物、及び、これらの組み合わせがあるが、これらに限定されない。
「組織試料」または「細胞試料」とは、対象または個体の組織から得た類似の細胞の収集物のことを意味する。当該組織または細胞試料の供給源を、新鮮な、凍結した、及び/または、保存した臓器、組織試料、生検、及び/または、吸引物に由来する固形組織;血液、または、血漿などの血液成分;脳脊髄液、羊水、腹水、または、間質液などの体液;妊娠中、または、対象の成長過程でのあらゆる時点の細胞とし得る。当該組織試料を、初代または培養細胞または細胞株とし得る。任意に、当該組織、または、細胞試料を、疾患組織/臓器から得る。当該組織試料は、防腐剤、抗凝固剤、緩衝液、固定剤、栄養素、抗生物質など、自然界で当該組織と自然に混ざり合うことのない化合物を含み得る。
本明細書で使用する「リファレンス試料」、「リファレンス細胞」、「リファレンス組織」、「コントロール試料」、「コントロール細胞」、または、「コントロール組織」とは、比較のために使用する試料、細胞、組織、標準、または、レベルのことを指す。ある実施形態では、リファレンス試料、リファレンス細胞、リファレンス組織、コントロール試料、コントロール細胞、または、コントロール組織は、同じ対象または個体の身体での健康な、及び/または、疾患の無い箇所(例えば、組織、または、細胞)から得る。例えば、疾患細胞または組織に隣接する、健康な、及び/または、疾患の無い細胞または組織(例えば、腫瘍に隣接する細胞または組織)。別の実施形態では、リファレンス試料を、同じ対象または個体の身体の未処理の組織、及び/または、細胞から得る。さらに別の実施形態では、リファレンス試料、リファレンス細胞、リファレンス組織、コントロール試料、コントロール細胞、または、コントロール組織は、対象または個体ではない個体の身体での健康な、及び/または、疾患の無い箇所(例えば、組織、または、細胞)から得る。なおもさらに別の実施形態では、リファレンス試料、リファレンス細胞、リファレンス組織、コントロール試料、コントロール細胞、または、コントロール組織は、対象または個体ではない個体の身体での未処理の組織、及び/または、細胞から得る。
「相関する(correlate)」または「相関する(correlating)」とは、何らかの方法で、第1の分析またはプロトコールの性能及び/または結果を、第2の分析またはプロトコールの性能及び/または結果と比較することを意味する。例えば、第2のプロトコールを実行する際に、第1の分析またはプロトコールの結果を使用し、及び/または、第1の分析またはプロトコールの結果を使用して、第2の分析またはプロトコールを実行すべきか否かを決定し得る。ポリヌクレオチド分析またはプロトコールの実施形態に関して、ポリヌクレオチド発現分析またはプロトコールの結果を使用して、特定の治療計画を実施すべきか否かを決定し得る。
本明細書で使用する用語「約」とは、それぞれの数値の通常の誤差範囲のことを指しており、当該技術分野の当業者であれば、容易に理解する。本明細書において「約」を付した値またはパラメーターへの言及は、その数値、または、パラメーターそれ自体を対象にした実施形態を含む(及び、説明する)。
本明細書、及び、添付した特許請求の範囲で使用する単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び、「その(the)」は、特に断りのない限り、複数形を含む。例えば、「抗体」への言及は、1つの抗体から、モル量の数多くの抗体までを指すものであり、そして、当業者に公知のそれらの等価物なども含む。
本明細書で説明する本開示の態様及び実施形態は、態様、及び、実施形態を「含む(comprising)」、「からなる(consisting)」、及び、「から本質的になる(consisting essentially of)」を含むことを理解されたい。
II.抗MS4A6A抗体
本明細書では、抗MS4A6A抗体を提供する。本明細書で提供する抗体は、例えば、MS4A6A関連障害の診断または治療に有用である。
ある態様では、本開示は、本開示のMS4A6Aタンパク質のエピトープに結合する単離した(例えば、モノクローナル)抗体を提供する。本開示のMS4A6Aタンパク質として、哺乳動物MS4A6Aタンパク質、ヒトMS4A6Aタンパク質、マウスMS4A6Aタンパク質、及び、カニクイザルMS4A6Aタンパク質があるが、これらに限定されない。
ヒトMS4A6Aは、膜糖タンパク質をコードする248アミノ酸のタンパク質である。ヒトMS4A6Aのアミノ酸配列は、SEQ ID NO:1:
Figure 2023113896000003
に記載している。
加えて、マウスオルソログMS4A6Dのアミノ酸配列は、SEQ ID NO:2:
Figure 2023113896000004
に記載している。
加えて、カニクイザル(cyno)MS4A6Aのアミノ酸配列は、SEQ ID NO:3:
Figure 2023113896000005
に記載している。
一部の実施形態では、MS4A6Aを、細胞中で発現させる。一部の実施形態では、MS4A6Aを、骨髄細胞中で発現させる。一部の実施形態では、MS4A6Aを、脳細胞中で発現させる。一部の実施形態では、MS4A6Aを、成熟星状細胞など、これに限定されない星状細胞中で発現させる。一部の実施形態では、MS4A6Aを、乏突起膠細胞中で発現させる。一部の実施形態では、MS4A6Aを、ミクログリア細胞中で発現させる。一部の実施形態では、MS4A6Aを、マクロファージ、好酸球、マスト細胞、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、好中球、及び、T細胞など、これらに限定されない免疫細胞中で発現させる。一部の実施形態では、MS4A6Aを、嗅覚細胞中で発現させる。一部の実施形態では、MS4A6Aを、細胞表面上で発現させる。
本開示のMS4A6Aタンパク質は、細胞質ドメイン(ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基1~46;SEQ ID NO:1を参照されたい);膜貫通ドメイン(ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基47~67);ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基68~84に対応する細胞外ドメイン(細胞外ドメイン1;ECL1);膜貫通ドメイン(ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基85~105);細胞質ドメイン(ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基106~116);膜貫通ドメイン(ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基117~137);ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基138~185に対応する細胞外ドメイン(細胞外ドメイン2;ECL2);膜貫通ドメイン(ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基186~206);及び、細胞質ドメイン(ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基207~248)などの幾つかのドメインを含むが、これらに限定されない。加えて、本開示のMS4A6Aタンパク質は、脳、ニューロン、グリア細胞、内皮細胞、血管周囲細胞、周皮細胞など、これらに限定されない、数多くの組織及び細胞中で発現する。
MS4A6A結合パートナー及びアダプタータンパク質
本明細書では、MS4A6Aに結合しかつMS4A6Aと1つ以上のMS4A6Aリガンドまたは結合パートナーとの間の相互作用をブロックする抗MS4A6A抗体についてスクリーニングする方法をさらに提供する。一部の実施形態では、ペプチドライブラリーを合成することができ、そこでは、MS4A6Aタンパク質を、1つのアミノ酸残基で分離した連続する15-マー、及び、25-マーのペプチドに切断し、次いで、フィルター上にスポットする。次いで、MS4A6Aリガンドまたは結合パートナーの結合が、抗MS4A6A抗体の存在下または非存在下で、MS4A6Aペプチド、または、ペプチド類と相互作用する能力を、SPOT結合分析で試験をすることができる(例えば、Frank, R and Overwin, H (1996) Methods. Mol. Biol. 66, 149-169;Reineke, U et al., (2002) J. Immunol. Methods 267, 13-26;及び、Andersen, OS et al., (2010) J, BIOLOGICAL CHEMISTRY 285, 12210-12222)。一部の実施形態では、セルロース支持体は、N-修飾セルロース-アミノヒドロキシルプロピルエーテル膜として調製することができ、そして、合成の全ラウンドを、ペプチドと膜との間にアラニンリンカーをもたらす9-フルオレニルメトキシカル-ボニルアラニン-ペンタフルフェニルエステルでスポット形成することから始める。例えば、異なるアミノ酸を段階的に加える自動線形合成は、9-フルオレニル-メトキシカルボニルと、成長するペプチド鎖に対する適切な側鎖保護とでN末端を保護している。一部の実施形態では、脱保護、活性化、及び、カップリングのパターンを、16-マーのペプチドを生成するまで継続し、その結果、共有結合で固定化したペプチドのアレイを、N末端遊離端を有する、それらのC末端に、セルロース支持体に均等に分散する。(Scharn、D et al.,(2000)J.Comb.Chem.2,361-369)。一部の実施形態では、サイド保護基の除去を、2つのステップで行うことができる。まず、膜を、90%トリフルオロ酢酸(3%トリイソブチルシランと、2% H2Oとを含むジクロロメタンにて)で処理し;次いで、例えば、60%のトリフルオロ酢酸(3%トリイソブチルシランと、2% H2Oとを含むジクロロメタン)で処理することができる。トリフルオロ酢酸塩を除去するために、HO、エタノール、Tris緩衝生理食塩水、及び、エタノールで、膜を数回洗浄し、そして、乾燥させる。最後に、当該膜を、Tris緩衝生理食塩水(pH8.0)で拡張し、そして、5%ショ糖を、2時間かけて加えたブロッキング緩衝剤でブロックしてから、所定のペプチドライブラリーを、リガンド結合分析に供する。一部の実施形態では、セルロース結合ペプチドの結合を研究するために、膜結合ライブラリーを、S-ペプチドとタグ付けしたポリヒスチジンとを組み合わせてインキュベートすることができる。一部の実施形態では、MS4A6Aと、MS4A6Aリガンド及び結合パートナーとの間の相互作用を、セルロース結合タンパク質を使用して特徴決定し得る(Andersen et al., 2010 J Biol Chem, 285, 12210-12222)。例えば、膜結合タンパク質を、別のMS4A6Aリガンドまたは結合パートナーと、4℃で、一晩、ブロッキング緩衝剤でインキュベートし、続いて、ブロッキング緩衝剤で、室温で、3時間、1μg/mlのHRP結合Sタンパク質を用いて、2度目のインキュベーションを行うことができる。その後、当該膜を、Tris緩衝生理食塩水で、10分間、3回洗浄することができ、その後、UptiLight化学発光基質と、LumiImager装置とを使用して、結合リガンドの定量的特性評価を行うと、Boehringerライトユニットで、スポットシグナルの強度を提供し得る。あるいは、結合したリガンドの検出は、由来のヒスチジンタグに対する抗体、及び、二次HRP結合抗マウス抗体を用いた免疫化学的アッセイで行うことができる。標準的なウエスタンブロッティング分析と、スポット検出とを用いて、インキュベートすることができる。
一部の実施形態では、MS4A6Aと、MS4A6Aリガンド及び結合パートナーとの間の相互作用を、近接ライゲーションアッセイを使用して特徴決定することができる(例えば、Gustafsen et al.,2013 The Journal of Neuroscience,33:64-71)。例えば、MS4A6A、及び、そのリガンドまたは結合パートナーを発現するまたはそれらに曝露する細胞に対する近接ライゲーションアッセイ(PLA)(DuolinkII)は、一次抗体抗MS4A6A、及び、当該結合パートナーに対する抗体を用いて実行することができ、続いて、その後に加える環形成オリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、かつ、40nm以内に抗原が近接するとローリングサークル増幅を開始する、オリゴヌクレオチドと共役した二次抗体とインキュベーションする。増幅した当該DNAは、相補的な蛍光標識オリゴヌクレオチドを加えることで、視覚化することができる。
一部の実施形態では、MS4A6Aと、MS4A6Aリガンド及び結合パートナーとの間の相互作用を、細胞結合アッセイでのアルカリホスファターゼをタグ付けしたリガンドを使用して、特徴決定することができる(例えば、Hu et al.,2005,J.Neurosci.25,5298-5304;Fournier et al.,2001,Nature 409,341-346;Lauren et al.,2009,Nature 457,1128-1132;及び、Hu et al.,2010,Neuron 68,654-667)。例えば、アルカリホスファターゼ(AP)をタグ付けしたリガンドを作成して、トランスフェクトした細胞、または、初代ニューロンに関するMS4A6Aに対する結合を評価することができる。MS4A6Aを発現する細胞に対するAPをタグ付けしたリガンド結合を検出するために、培養物を、例えば、20mM HEPESナトリウム、pH7.05、及び、1mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)を含有するハンクス平衡塩類溶液(HBH)で洗浄することができる。次に、これらのプレートを、APをタグ付けしたリガンドと共に、MS4A6Aブロッキング抗体の存在下または非存在下において、例えば、HBHにおいて、23℃で、2時間インキュベートすることができる。AP結合リガンドを、当該技術分野で周知の方法で、検出、及び、定量することができる。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、a)1つ以上のリガンド、または、結合タンパク質との相互作用のために使用可能なMS4A6Aの有効レベルを低減すること;b)1つ以上のリガンドもしくは結合タンパク質との相互作用に必要なMS4A6Aでの1つ以上の部位をブロックすること;c)1つ以上のリガンドもしくは結合タンパク質との相互作用に必要な、ならびに/または、MS4A6Aの適切なプロセシング及び/もしくは細胞内局在化に必要なMS4A6Aに関する1つ以上の翻訳後事象を予防すること;d)MS4A6Aの分解を誘導すること;e)MS4A6Aの立体配座を変化させること、または、これらのあらゆる組み合わせによって、抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aと、そのリガンド、シグナル伝達タンパク質、または、結合タンパク質の1つ以上との間の相互作用をさらに阻害する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、a)1つ以上のリガンド、または、結合タンパク質との相互作用のために使用可能なMS4A6Aの有効レベルを増大させること;b)1つ以上のリガンドもしくは結合タンパク質との相互作用に必要なMS4A6Aでの1つ以上の部位を増大させること;c)1つ以上のリガンドもしくは結合タンパク質との相互作用に必要な、ならびに/または、MS4A6Aの適切なプロセシング及び/もしくは細胞内局在化に必要なMS4A6Aに関する1つ以上の翻訳後事象を増大させること;d)MS4A6Aの分解を予防すること;e)MS4A6Aの立体配座を変化させること、または、これらのあらゆる組み合わせによって、抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aと、そのリガンド、シグナル伝達タンパク質、または、結合タンパク質の1つ以上との間の相互作用をさらに増大させる、または、増進する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6A、マウスMS4A6A、カニクイザルMS4A6A、または、それらの組み合わせに対して特異的に結合する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、モノクローナル抗体、多価抗体、コンジュゲート抗体、または、キメラ抗体である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、第1の抗原、及び、第2の抗原を認識する二重特異性抗体である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該第1の抗原は、MS4A6Aであり、かつ、当該第2の抗原は、血液脳関門を通過する輸送を促す抗原である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る特定の実施形態では、当該第2の抗原は、MS4A6A、トランスフェリン受容体(TR)、インスリン受容体(HIR)、インスリン様成長因子受容体(IGFR)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1及び2(LPR-1及び2)、ジフテリア毒素受容体、CRM197、ラマシングルドメイン抗体、TMEM30(A)、タンパク質形質導入ドメイン、TAT、Syn-B、ペネトラチン、ポリアルギニンペプチド、angiopepペプチド、ベイシジン、Glut1、CD98hc、及び、ANG1005からなる群から選択される。
シグナル伝達アダプタータンパク質とは、シグナル伝達経路に関連するその他のタンパク質に付随するタンパク質であるが、これらに限定されない。アダプタータンパク質は、様々なタンパク質結合モジュール、または、モチーフを含んでおり、これらは、一緒に結合またはタンパク質結合するパートナーであり、そして、より大きなシグナル伝達複合体の生成を促す。アダプタータンパク質は、大抵の場合、構造内に1つ以上のその他の特定のタンパク質との特定の相互作用を許容する幾つかのドメインを含む。例えば、Srcホモロジー2(SH2)ドメインは、ホスホチロシン残基を含むタンパク質での特定のアミノ酸残基配列を認識する。アダプタータンパク質とその他のシグナル伝達タンパク質との相互作用により、特定の協調したタンパク質間の相互作用の多様性が、シグナル伝達の間に、そして、シグナル伝達に関連して細胞内で発生する。
免疫受容体チロシンをベースとした活性化モチーフ(ITAM)とは、免疫系の特定の細胞表面タンパク質の細胞質尾部で2回繰り返される保存された4つのアミノ酸残基の配列である。そのコンセンサスモチーフは、特定のタンパク質のC末端でのYxxI/Lx(6~12)YxxI/L(SEQ ID NO:128)である。2つのリピートは、一般的に、6~12アミノ酸残基(YxxL/Ix(6~12)YxxL/I(SEQ ID NO:128))の間で分離している。ITAMは、シグナル伝達にとって重要であり;これらのモチーフでのチロシン残基は、受容体分子と、そのリガンドの相互作用の後にリン酸化を受け、そして、シグナル伝達に関与するその他のタンパク質のドッキング部位を形成する(Barrow and Trowsdale,2006,Eur J Immunol,36:1646-1653)。
免疫受容体チロシンをベースとした阻害モチーフ(ITIM)とは、免疫系の特定の阻害受容体の細胞質尾部で認められる保存されたアミノ酸の配列(S/I/V/LxYxxI/V/L(SEQ ID NO:127))である。ITIMを含む阻害受容体がそのリガンドと相互作用した後に、それらのITIMモチーフは、Srcキナーゼファミリーの酵素によってリン酸化され、シグナル伝達に関与する分子の活性化を低下させるその他の酵素(様々なホスホチロシンホスファターゼなど)を動員できるようになる。(Barrow and Trowsdale,2006,Eur J Immunol,36:1646-1653)。
あるいは、一部の受容体は、固有のITAMモチーフを持っておらず、代わりに、リジンまたはアルギニンなどの正に荷電した膜貫通アミノ酸をコードする。これらの正に帯電したアミノ酸残基は、ITAMをコードするアダプタータンパク質において対応する負に帯電した膜貫通アミノ酸残基との結合を媒介する。リガンド認識と受容体クラスター形成があると、チロシンアミノ酸残基は、Srcファミリーのタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)によってリン酸化される。二重リン酸化ITAMモチーフは、ZAP-70、または、SykなどのSykファミリーPTKのタンデムSH2ドメインのドッキング部位として機能する。SykファミリーPTKは、一連の細胞内基質をリン酸化し、膜近位足場の形成をもたらし、ホスホリパーゼC-c(PLCc)などの重要なエフェクター分子の動員をもたらし、カルシウムシグナル伝達、ならびに、Ras活性化をもたらし、その結果、ERK経路の刺激と細胞活性化を刺激する。
複数の研究は、下流の生化学的シグナルを調節または伝搬するその他の細胞表面膜タンパク質とのシグナル伝達複合体の形成におけるMS4Aタンパク質の重要性を支持している。結合パートナーは、大抵の場合、未だに、MS4A1及びMS4A2以外のMS4Aタンパク質に関しては明確に決定されていないが、予測タンパク質分析は、Srcホモロジー2(SH2)、及び、SH3ドメイン結合部位を、一般的に、MS4Aタンパク質のN-及びC-末端領域に認めており、その他のシグナル伝達分子のドッキングプラットフォームとして機能し得る(Dinkel et al.,2012,Nucl Acids Res,40:DD242-D251)。SHドメインは、プロリンに富む配列に優先的に結合しており、これも、一般的に、MS4Aタンパク質の細胞質尾部に認められる(Liang and Tedder,2001,Genomics,72:119-127;Kay et al.,2000,FASEB J,14:231-241)。MS4Aタンパク質のこの特徴は、例えば、ブロッキング緩衝剤にて、4℃で、一晩、続いて、1mg/mlのHRP結合Sタンパク質を用いて、ブロッキング緩衝剤にて、室温で、3時間かけて2回目のインキュベーションを行うと、抗MS4A6A抗体の存在下または非存在下でリガンドを提供する。続いて、その膜を、Tris緩衝生理食塩水で、10分間、例えば、3回洗浄してから、UptiLight化学発光基質、及び、LumiImager装置を使用して、結合リガンドの定量的特徴決定を行うと、Boehringerライトユニットにおいて、スポットシグナル強度を提供する。あるいは、結合したリガンドの検出は、由来となるヒスチジンタグに対する抗体、及び、二次HRP結合抗マウス抗体を用いた免疫化学的アッセイによって実施できる。標準的なウエスタンブロッティング手法と、スポット検出とを用いて、インキュベートを実施することができる。
本明細書では、MS4A6Aと、1つ以上のMS4A6Aリガンドまたは結合パートナーとの相互作用(例えば、結合)をブロックする抗MS4A6A抗体をスクリーニングする方法をさらに提供する。
一部の実施形態では、MS4A6Aと、MS4A6Aリガンドまたは結合パートナーとの間の相互作用を、表面プラズモン共鳴分析を使用して特徴決定し得る(例えば、Skeldal et al.,2012 J Biol Chem.,287:43798;及び、Andersen et al.,201、J Biol Chem,285,12210-12222)。ブロッキング抗MS4A6A抗体の存在下または非存在下でのMS4A6Aリガンドまたは結合パートナーと、固定化MS4A6Aとの直接結合の決定は、例えば、標準ランニング緩衝剤(10mM HEPES、pH7.4、140mM NaCl、2mM CaCl、1mM EGTA、及び、0.005% Tween20)としてCaHBSを使用するBiacore2000機器(Biacore,Sweden)で実施することができる。一部の実施形態では、Biacore(CM5)のバイオセンサーチップを、NHS/EDC法を使用して活性化し、次いで、79 fmol/mmのタンパク質密度にまで、MS4A6Aでコーティングして、当該結合パートナーの親和性測定に使用することができる。pro-MS4A6Aを有するバイオセンサー表面の調製は、同じ手順に従う。リガンド結合実験のそれぞれのサイクルの後でのフローセルの再生は、再生緩衝剤(10mM グリシン-HCl,pH4.0,500mM NaCl,20mM EDTA、及び、0.005% Tween20)の2度の10-μlパルスと、0.001% SDSの1度の注射で行うことができる。親和性推定のためのセンサーグラムの調整は、例えば、BIAevaluationバージョン3.1を使用して行うことができる。同様のプロトコールに従って、HisS-NGFpro、または、HisS-BDNFproの固定化を、NHS/EDCカップリングキットを使用して、CM5バイオセンサーチップで行って、固定化したタンパク質に同様の表面密度(約300fmol/mm)を与え得る。MS4A6Aリガンドまたは結合パートナーで固定化したバイオセンサーチップを使用して、競合するMS4A6A抗体の存在下または非存在下で、MS4A6Aの結合を調べることもできる。
一部の実施形態では、MS4A6Aと、MS4A6Aリガンド及び結合パートナーとの間の相互作用は、プルダウンアッセイを使用して特徴決定することができる(例えば、Andersen et al.,2010,J Biol Chem,285,12210-12222)。例えば、発現するMS4A6Aの細胞内または細胞外ドメインを、MS4A6Aブロッキング抗体の非存在下または存在下で、タグ付きMS4A6Aリガンドまたは結合パートナーとインキュベートし、そして、100μlのグルタチオン(GSH)-セファロースビーズ(Amersham Biosciences,カタログ番号17-0756-01)を使用して沈殿させることができる。使用した受容体ドメインの量は、コントロールとしてTalonビーズを使用した沈殿で決定することができる。結合したタンパク質は、SDS-PAGE分析で分離し、そして、標準的なウエスタンブロッティング分析で、抗ヒスチジン抗体を使用して視覚化できる。
タンパク質-タンパク質相互作用にそれらが密接に関与していることのゆるぎない根拠であり、また、シグナル伝達複合体を形成するために互いに関連し得る。
したがって、一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、シグナル伝達複合体の形成を増大させる、または、増進させる。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ITAMをコードするアダプタータンパク質に関連するシグナル伝達複合体の形成を増大させる、または、増進させる。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、阻害性シグナル伝達複合体の形成を増大させる、または、増進させる。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ITIMをコードするアダプタータンパク質に関連する阻害性シグナル伝達複合体の形成を増大させる、または、増進させる。
一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、シグナル伝達複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ITAMをコードするアダプタータンパク質に関連するシグナル伝達複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、阻害性シグナル伝達複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ITIMをコードするアダプタータンパク質に関連する阻害性シグナル伝達複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、a)MS4A6Aホモオリゴマー複合体の形成に使用可能なMS4A6Aの有効レベルを低減すること;b)MS4A6Aホモオリゴマー複合体の形成に必要なMS4A6Aの1つ以上の部位をブロックすること;c)MS4A6Aホモオリゴマー複合体の形成に必要な、ならびに/または、MS4A6Aの適切なプロセシング及び/もしくは細胞内局在化に必要なMS4A6Aに関する1つ以上の翻訳後事象を防止すること;d)MS4A6Aの分解を誘発すること;e)MS4A6Aの立体配座を変化させること、または、それらのあらゆる組み合わせを行うことで、MS4A6Aホモオリゴマー細胞表面タンパク質複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、a)MS4A6Aホモオリゴマー複合体の形成に使用可能なMS4A6Aの有効レベルを増大させること;b)MS4A6Aホモオリゴマー複合体の形成に必要なMS4A6Aの1つ以上の部位を安定化すること;c)MS4A6Aの細胞表面発現を維持して、ホモオリゴマー複合体の形成、ならびに/または、MS4A6Aの適切なプロセシング及び/もしくは適切な細胞局在化の維持を可能にすること;d)MS4A6Aの分解を低減すること;e)MS4A6Aの立体配座を変化させること、または、それらのあらゆる組み合わせを行うことで、MS4A6Aホモオリゴマー細胞表面タンパク質複合体の形成を増大させる、または、増進させる。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、a)MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成に使用可能なMS4A6Aの有効レベルを低減すること;b)MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成に必要なMS4A6Aの1つ以上の部位をブロックすること;c)MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成に必要な、ならびに/または、MS4A6Aの適切なプロセシング及び/もしくは細胞内局在化に必要なMS4A6Aに関する1つ以上の翻訳後事象を防止すること;d)MS4A6Aの分解を誘発すること;e)MS4A6Aの立体配座を変化させること、または、それらのあらゆる組み合わせを行うことで、1つ以上のシグナル伝達アダプタータンパク質を有する、MS4A6Aヘテロオリゴマー細胞表面タンパク質複合体の形成を阻害(例えば、ブロック)する、または、低減する。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、a)MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成に使用可能なMS4A6Aの有効レベルを増大させること;b)MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成に必要なMS4A6Aの1つ以上の部位を安定化すること;c)MS4A6Aの細胞表面発現を維持して、MS4A6Aヘテロオリゴマー複合体の形成、ならび/または、MS4A6Aの適切なプロセシング及び/もしくは適切な細胞局在化の維持を可能にすること;d)MS4A6Aの分解を低減すること;e)MS4A6Aの立体配座を変化させること、または、それらのあらゆる組み合わせを行うことで、1つ以上のシグナル伝達アダプタータンパク質を有する、MS4A6Aヘテロオリゴマー細胞表面タンパク質複合体の形成を増大させる、または、増進させる。
前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6A受容体のクラスター化を増大させる、または、増進させる。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6A受容体のクラスター化を阻害する、または、低減する。一部の実施形態では、MS4A6A受容体のクラスター化の増大もしくは増進、または、阻害もしくは低減は、骨髄細胞におけるものである。
アゴニスト抗体
本開示の抗MS4A6A抗体は、一般的に、細胞中で発現する1つ以上のMS4A6Aタンパク質に結合する。本開示のあるクラスの抗体は、アゴニスト抗体である。例えば、当該MS4A6A受容体は、シグナルを伝達するために、細胞表面でのクラスター化を必要とし得る。したがって、アゴニスト抗体は、例えば、MS4A6A受容体を刺激する独特の特徴を有し得る。例えば、それらは、受容体活性化と互換性のある適切なエピトープ特異性、ならびに、細胞表面での受容体クラスター形成を誘導または保持する能力を有し得る。本開示の抗MS4A6Aアゴニスト抗体は、例えば、MS4A6Aタンパク質発現を増大させること、MS4A6Aタンパク質レベルを増大させること、不適切な細胞局在を修正すること、または、細胞表面発現を増大させるもしくは回復することで、MS4A6A機能または活性を増大または向上させる。
インビボでは、抗体は、複数の潜在的なメカニズムによって受容体をクラスター化し得る。IgG2のようなヒト抗体の一部のアイソタイプは、その独特の構造が故に、受容体をクラスター化する、または、受容体をクラスター構成で保持する固有の能力を持ち合わせており、それにより、Fc受容体に結合せずに、MS4A6Aなどの受容体を活性化する(例えば、White et al.,(2015)Cancer Cell 27、138-148)。
その他の抗体は、隣接する細胞のFcg受容体に結合することで、受容体(例えば、MS4A6A)をクラスター化する。抗体の定常IgG Fc部分がFcg受容体に結合すると、抗体が凝集し、そして、抗体は、次に、可変領域を介して結合する受容体を凝集させる(Chu et al.(2008)Mol Immunol,45:3926-3933;及び、Wilson et al.,(2011)Cancer Cell 19,101-113)。サイトカインの分泌、酸化的バースト、食作用の増大、及び、抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)の増進を惹起しない阻害性Fcg受容体FcgR(FcgRIIB)に対する結合は、FcgRIIBに対する結合が、免疫の副作用と関連していないので、インビボで抗体をクラスター化するための好ましい方法であることが多い。
その他のメカニズムを使用して、受容体(例えば、MS4A6A)をクラスター化し得る。例えば、一緒に架橋する抗体フラグメント(例えば、Fabフラグメント)は、上記したように、Fcg受容体に結合するFc領域を有する抗体と同様の方法で受容体(例えば、MS4A6A)をクラスター化するために使用し得る。理論に拘束されることを望むものではないが、架橋した抗体フラグメント(例えば、Fabフラグメント)が、細胞表面に受容体クラスターを誘導し、そして、標的(例えば、MS4A6A)の適切なエピトープに結合する場合、アゴニスト抗体として機能し得ると考えられる。
したがって、一部の実施形態では、MS4A6Aタンパク質に結合する抗体は、それらのエピトープ特異性が故に、MS4A6Aに対して結合し、そして、1つ以上のMS4A6A活性を活性化するアゴニスト抗体を含み得る。理論に拘束されることを望むものではないが、そのような抗体は、標的抗原(例えば、MS4A6A)のリガンド結合部位に結合し、そして、天然リガンドの作用を模倣するか、または、リガンド結合部位ではない1つ以上のドメインに結合することで、標的抗原を刺激してシグナルを伝達する。そのような抗体は、リガンド結合を妨げず、そして、天然のリガンドと相加的または相乗的に作用し得る。
一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、1つ以上のMS4A6A活性を誘導する、または、増大させるアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、細胞中で発現するMS4A6Aタンパク質の1つ以上の活性を誘導する、または、増大させる。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aの細胞表面発現を増大させるアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aの不適切な細胞局在を修正するアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aタンパク質の細胞表面標的化または局在化を増大または回復させるアゴニスト抗体である。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aタンパク質の細胞表面発現を増大または回復させるアゴニスト抗体である。
不活性抗体
本開示の別のクラスの抗体として、不活性抗体がある。本明細書で使用する「不活性」抗体とは、それらの標的抗原に特異的に結合するが、抗原機能を調節(例えば、低下/阻害、または、活性化/誘導)しない抗体のことを指す。例えば、MS4A6Aの事例では、不活性抗体は、リガンド結合、及び/または、MS4A6A活性を調節しない。理論に拘束されることを望むものではないが、細胞表面でMS4A6Aをクラスター化する能力を持たない抗体は、受容体活性化と互換性のあるエピトープ特異性を持ち合わせていても、不活性抗体であると考えられる。
一部の実施形態では、MS4A6Aタンパク質に結合する抗体は、MS4A6Aに結合する抗体を含み得るが、それらのエピトープ特異性が故に、タンパク質機能を調節しない。このような機能的に不活性な抗体は、カリケアマイシンのクラスに由来する細胞毒性剤にコンジュゲートされ、かつ、急性骨髄性白血病腫瘍を標的として死滅させるために使用するCD33抗体ゲムツズマブゾガマイシン(商品名:Mylotarg)について説明されているように、毒素を輸送する際のカーゴとして使用することができる(Naito et al.,(2000),Leukemia,14,1436-1443;Ricart(2011)Clin Cancer Res 17;6417-6436;Hamann et al.,(2002)Journal:Bioconjugate Chemistry,13、47-58;及び、Beitz et al.,(2001)Clin Cancer Res 7;1490-6)。したがって、一部の実施形態では、本開示の抗体は、MS4A6Aに結合するが、1つ以上のMS4A6A活性(例えば、本明細書に記載したMS4A6A活性)を誘導することができない、不活性抗体である。
カルシウム流入
MS4A1をトランスフェクトした細胞株は、原形質膜全体のカルシウム伝導度の増大を示し、MS4A1が、カルシウムの恒常性を調節するための重要なチャネルとして機能していることを示唆している。(Parolini et al.,2012,Int J Biochem CellBiol,44:2095-2105;Li et al.,2003,J Biol Chem,278:42427-42434)。したがって、MS4Aタンパク質は、カルシウム流入の調節(例えば、増量)、及び/または、細胞内の貯蔵カルシウムの動員によって、細胞内遊離カルシウム濃度の制御に関与している(Ishibashi et al.,2001,Gene,264:87-93)。MS4Aファミリー内でタンパク質構造が保存されているので、その他のMS4Aタンパク質(例えば、MS4A4A、及び、MS4A6A)は、カルシウム調節機能が重複し得る(Ma et al.,2015,Mol Neurobiol,51:1240-1248)。したがって、一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、細胞内のカルシウムレベル、カルシウム流入、及び/または、細胞内の貯蔵カルシウムの動員を調節する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、細胞中でのカルシウム流入を増大させ、及び/または、細胞において、細胞内貯蔵由来のカルシウムの動員を増大させる。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、細胞中でのカルシウム流入を低減し、及び/または、細胞において、細胞内貯蔵由来のカルシウムの動員を低減する。
加えて、MS4Aタンパク質ファミリーのメンバーは、ネックレス嗅覚ニューロンで発現する化学受容体である。結果は、MS4A受容体が、吸入した匂い物質に結合し、そして、ネックレス嗅覚ニューロンにカルシウム流入を誘導するモデルを支持しており、様々な細胞中でのカルシウム流入の調節におけるMS4Aファミリーメンバーの役割を支持している(Greer et al,2016,Cell,165:1734-1748)。
A.例示的な抗体及び特定のその他の抗体の実施形態
一部の実施形態では、本明細書では、(a)SEQ ID NO:4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及び、16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、及び、31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、及び、45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、及び、60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、及び、76からなる群から選択されるアミノ酸配列含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、及び、90からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または、少なくとも6つのHVRを含む抗MS4A6A抗体を提供する。
一部の実施形態では、本明細書では、(a)SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:77のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:18のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:47のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:62のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:78のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:63のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:79のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:7のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:35のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:49のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:64のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:80のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:21のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:36のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:65のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:81のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:9のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:37のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:66のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:82のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:23のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:38のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:52のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:67のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:83のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:39のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:53のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:84のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:8のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:25のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:40のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:54のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:85のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:26のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:39のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:53のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:70のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:84のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:17のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:32のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:46のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:77のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:27のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:41のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:55のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:71のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:86のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:28のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:56のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:72のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:87のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:14のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:29のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:43のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:57のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:73のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:84のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:39のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:53のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:68のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:84のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:15のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:30のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:44のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:58のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:74のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:88のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:59のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:75のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:6のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:19のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:34のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:48のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:63のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:79のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(a)SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:60のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:76のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:90のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び、(a)SEQ ID NO:16のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:31のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)SEQ ID NO:45のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)SEQ ID NO:60のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:76のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:90のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または、少なくとも6つのHVRを含む抗MS4A6A抗体を提供する。
一部の実施形態では、本明細書では、(a)SEQ ID NO:4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及び、16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)SEQ ID NO:17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、及び、31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び、(c)SEQ ID NO:32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、及び、45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、または、3つすべてのV HVR配列を含む抗MS4A6A抗体を提供する。
一部の実施形態では、本明細書では、(a)SEQ ID NO:46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、及び、60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)SEQ ID NO:61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、及び、76からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(f)SEQ ID NO:77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、及び、90からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、または、3つすべてのVL HVR配列を含む抗MS4A6A抗体を提供する。
一部の実施形態では、本明細書では、(a)(i)SEQ ID NO:4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及び、16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)SEQ ID NO:17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、及び、31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び、(iii)SEQ ID NO:32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、及び、45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、または、3つすべてのV HVR配列を含むVドメイン、及び、(b)(i)SEQ ID NO:46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、及び、60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1;(ii)SEQ ID NO:61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、及び、76からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(iii)SEQ ID NO:77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、及び、90からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、または、3つすべてのVL HVR配列を含むVLドメインを含む抗MS4A6A抗体を提供する。
一部の実施形態では、本明細書では、(a)(i)SEQ ID NO:4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及び、16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)SEQ ID NO:17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、及び、31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び、(iii)SEQ ID NO:32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、及び、45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3を含むVドメイン、及び、(b)(i)SEQ ID NO:46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、及び、60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1;(ii)SEQ ID NO:61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、及び、76からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(iii)SEQ ID NO:77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、及び、90からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3を含むVLドメインを含む抗MS4A6A抗体を提供する。
別の態様では、抗MS4A6A抗体は、SEQ ID NO:91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、及び、108からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または、少なくとも100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(V)配列を含む。特定の実施形態では、SEQ ID NO:91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、及び、108からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または、少なくとも99%の配列同一性を有するV配列は、リファレンス配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または、欠失を含むが、その配列を含む抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aに対して結合する能力を保持している。特定の実施形態では、SEQ ID NO:91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、及び、108において、合計で1~10個のアミノ酸を、置換、挿入、及び/または、欠失する。特定の実施形態では、SEQ ID NO:91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、及び、108において、合計で1~5個のアミノ酸を、置換、挿入、及び/または、欠失する。特定の実施形態では、置換、挿入、または、欠失が、HVRの外側の領域(すなわち、FR)で発生する。任意に、抗MS4A6A抗体は、SEQ ID NO:91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、及び、108のV配列を、その配列の翻訳後修飾と共に含む。特定の実施形態では、Vは;(a)SEQ ID NO:4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及び、16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)SEQ ID NO:17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、及び、31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び、(c)SEQ ID NO:32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、及び、45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される1つ、2つ、または、3つのHVRを含む。
別の態様では、抗MS4A6A抗体を提供しており、当該抗体は、SEQ ID NO:109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、及び、126からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または、少なくとも100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)配列を含む。特定の実施形態では、SEQ ID NO:109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、及び、126からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または、少なくとも99%の配列同一性を有するVL配列は、リファレンス配列に対して、置換(例えば、保存的置換)、挿入、または、欠失を含むが、その配列を含む抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aに対して結合する能力を保持している。一部の実施形態では、SEQ ID NO:109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、及び、126において、合計で1~10個のアミノ酸を、置換、挿入、及び/または、欠失する。特定の実施形態では、SEQ ID NO:109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、及び、126において、合計で1~5個のアミノ酸を、置換、挿入、及び/または、欠失する。特定の実施形態では、置換、挿入、または、欠失が、HVRの外側の領域(すなわち、FR)で発生する。任意に、抗MS4A6A抗体は、SEQ ID NO:109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、及び、126のVL配列を、その配列の翻訳後修飾と共に含む。特定の実施形態では、VLは;(a)SEQ ID NO:46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56,57、58、59、及び、60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1、(b)SEQ ID NO:61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、及び、76からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び、(c)SEQ ID NO:77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、及び、90からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される1つ、2つ、または、3つのHVRを含む。
一部の実施形態では、抗MS4A6A抗体を提供しており、当該抗体は、前出のいずれかの実施形態でのV、及び、前出のいずれかの実施形態でのVを含む。一部の実施形態では、本明細書では抗MS4A6A抗体を提供しており、当該抗体は、前出のいずれかの実施形態でのV、及び、前出のいずれかの実施形態でのVを含む。ある実施形態では、当該抗体は、その配列の翻訳後修飾と共に、SEQ ID NO:91~108、及び、SEQ ID NO:109~126である、V、及び、V配列をそれぞれ含む。
一部の実施形態では、本明細書では、重鎖可変ドメイン(V)、及び、軽鎖可変ドメイン(V)を含む抗MS4A6A抗体を提供しており、当該V、及び、Vは、SEQ ID NO:91のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:92のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:110のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:111のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:94のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:112のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:95のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:113のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:96のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:114のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:97のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:115のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:98のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:116のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:99のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:117のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:100のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:118のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:101のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:109のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:102のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:119のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:103のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:120のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:104のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:121のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:105のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:116のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:106のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:122のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:123のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:93のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:124のアミノ酸配列を含むV;SEQ ID NO:107のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:125のアミノ酸配列を含むV;及び、SEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含むV、及び、SEQ ID NO:126のアミノ酸配列を含むVからなる群から選択される。
一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、6A-23から選択される少なくとも1つのリファレンス抗体の結合を競合的に阻害する。
一部の実施形態では、抗MS4A6A抗体が、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体のMS4A6Aに対する結合を、当該抗MS4A6A抗体の非存在下でのMS4A6Aに対する結合と比較して、約50%~100%の範囲の量で低減する場合に、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aに対する結合について、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体と競合する。
一部の実施形態では、抗MS4A6A抗体が、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体のMS4A6Aに対する結合を、当該抗MS4A6A抗体の非存在下でのMS4A6Aに対する結合と比較して、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または、100%低減する場合に、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aに対する結合について、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体と競合する。一部の実施形態では、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体のMS4A6Aに対する結合を100%低減する本開示の抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体のMS4A6Aに対する結合を本質的に完全にブロックすることを示す。一部の実施形態では、抗MS4A6A抗体と、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上の抗体は、抗MS4A6A抗体と、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体が、10:1比率、9:1比率、8:1比率、7:1比率、6:1比率、5:1比率、4:1比率、3:1比率、2:1比率、1:1比率、0.75:1比率、0.5:1比率、0.25:1比率、0.1:1比率、0.075:1比率、0.050:1比率、0.025:1比率、0.01:1比率、0.0075:比率、0.0050:1比率、0.0025:1比率、0.001:比率、0.00075:1比率、0.00050:1比率、0.00025:1比率、0.0001:比率、1:10比率、1:9比率、1:8比率、1:7比率、1:6比率、1:5比率、1:4比率、1:3比率、1:2比率、1:0.75比率、1:0.5比率、1:0.25比率、1:0.1比率、1:0.075比率、1:0.050比率、1:0.025比率、1:0.01比率、1:0.0075比率、1:0.0050比率、1:0.0025比率、1:0.001比率、1:0.00075比率、1:0.00050比率、1:0.00025比率、または、1:0.0001比率に対応する量で存在する。一部の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上の抗体の量と比較して、約1.5倍~100倍、または、100倍超の範囲の量で過剰に存在している。一部の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体の量と比較して、約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、または、100倍超の範囲の量で過剰に存在する。
一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23から選択される少なくとも1つのリファレンス抗体が結合するMS4A6Aエピトープと同じ、または、重複するヒトMS4A6Aのエピトープに対して結合する。
一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23から選択される少なくとも1つのリファレンス抗体が結合するMS4A6Aエピトープと本質的に同じMS4A6Aエピトープに対して結合する。抗体が結合するエピトープをマッピングするための例示的な方法の詳細は、Morris(1996)“Epitope Mapping Protocols,”in Methods in MolecularBiology vol.66(Humana Press,Totowa,NJ)に示されている。
一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aに対する結合について、6A-2、6A-3、6A-6、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-18、6A-19、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体と競合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aに対する結合について、6A-1、6A-4、6A-5、6A-7、6A-17、及び、6A-20、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体と競合する。
一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aに対する結合について、6A-2、6A-3、6A-6、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-18、6A-19、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される少なくとも1つのリファレンス抗体の結合を競合的に阻害する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aに対する結合について、6A-1、6A-4、6A-5、6A-7、6A-17、及び、6A-20、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される少なくとも1つのリファレンス抗体の結合を競合的に阻害する。
一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aに対する結合について、6A-2、6A-3、6A-6、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-18、6A-19、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される少なくとも1つのリファレンス抗体と同じ、または、重複するMS4A6Aのエピトープを有する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aに対する結合について、6A-1、6A-4、6A-5、6A-7、6A-17、及び、6A-20、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される少なくとも1つのリファレンス抗体と同じ、または、重複するMS4A6Aのエピトープを有する。
一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6A(SEQ ID NO:1)のアミノ酸残基1~46での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6A(SEQ ID NO:1)のアミノ酸残基47~67での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6A(SEQ ID NO:1)のアミノ酸残基68~84での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基85~105での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基106~116での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基117~137での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基138~185での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基186~206での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基207~248での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aの細胞外ドメイン1(ECL1)に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aの細胞外ドメイン2(ECL2)に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基180~190での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基181~189、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基182~188、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基183~187または、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基184~186での1つ以上のアミノ酸に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基185に対して結合する。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基185に対して結合し、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基185は、スレオニンである。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基185に対して結合し、ヒトMS4A6Aのアミノ酸残基185は、セリンである。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、MS4A6Aのアミノ酸残基185に対して結合し、MS4A6Aのアミノ酸残基185は、プロリンである。
BIAcore分析、ELISAアッセイ、または、フローサイトメトリーなどの当該技術分野で公知のあらゆる適切な競合アッセイ、または、MS4A6A結合アッセイを用いて、抗MS4A6A抗体が、MS4A6Aに対する結合について、6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、及び、6A-23、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のリファレンス抗体と競合する(または、結合を競合的に阻害する)か否かを決定し得る。例示的な競合アッセイでは、固定化したMS4A6A、または、細胞表面にMS4A6Aを発現する細胞を、MS4A6A(例えば、ヒト、または、非ヒト霊長類)に対して結合する第1の標識抗体、及び、MS4A6Aに対して結合する当該第1の抗体と競合する能力に関する試験に供する第2の非標識抗体を含む溶液でインキュベートする。当該第2の抗体は、ハイブリドーマ上清に存在し得る。コントロールとして、固定化したMS4A6A、または、MS4A6Aを発現する細胞を、第1の標識抗体を含むが、第2の非標識抗体を含まない溶液でインキュベートする。MS4A6Aに対する第1の抗体の結合を許容可能な条件下でインキュベートした後に、未結合の過剰な抗体を除去し、そして、固定化したMS4A6A、または、MS4A6Aを発現する細胞に関連する標識の量を測定する。固定化したMS4A6A、または、MS4A6Aを発現する細胞に関連する標識の量が、コントロール試料と比較して試験試料で大幅に低減すれば、MS4A6Aに対する結合について、第2の抗体が、第1の抗体と競合していることを示す。Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY)を参照されたい。
一部の実施形態では、本明細書では、(a)(i)SEQ ID NO:4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及び、16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)SEQ ID NO:17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、及び、31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び、(iii)SEQ ID NO:32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、及び、45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、または、3つすべてのV HVR配列を含むVドメイン、及び、(b)(i)SEQ ID NO:46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、及び、60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1;(ii)SEQ ID NO:61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、及び、76からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(iii)SEQ ID NO:77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、及び、90からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、または、3つすべてのVL HVR配列を含むVLドメインを含む抗MS4A6A抗体の結合を競合的に阻害する、及び/または、当該抗体に対する結合と競合する抗MS4A6A抗体をさらに提供する。一部の実施形態では、当該抗体は、SEQ ID NO:91~108、及び、SEQ ID NO:109~126である、V、及び、V配列をそれぞれ含む。
一部の実施形態では、本明細書では、(a)(i)SEQ ID NO:4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及び、16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)SEQ ID NO:17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、及び、31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び、(iii)SEQ ID NO:32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、及び、45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、または、3つすべてのV HVR配列を含むVドメイン、及び、(b)(i)SEQ ID NO:46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、及び、60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1;(ii)SEQ ID NO:61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、及び、76からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び、(iii)SEQ ID NO:77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、及び、90からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1つ、少なくとも2つ、または、3つすべてのVL HVR配列を含むVLドメインを含む抗MS4A6A抗体が結合するエピトープと同じ、または、重複するヒトMS4A6Aのエピトープに対して結合する抗MS4A6A抗体を提供する。一部の実施形態では、当該抗体は、SEQ ID NO:91~108、及び、SEQ ID NO:109~126である、V、及び、V配列をそれぞれ含む。一部の実施形態では、ヒトMS4A6Aのエピトープは、抗MS4A6A抗体が結合するエピトープと同じである。
一部の実施形態では、前出の実施形態の抗MS4A6A抗体は、ヒト化、及び/または、ヒト抗体を含むモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、抗体フラグメント、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、または、F(ab’)2フラグメントである。一部の実施形態では、当該抗MS4A6A抗体は、実質的な全長抗体、例えば、本明細書で定義するIgG1抗体、IgG2a抗体、または、その他の抗体クラス、または、アイソタイプである。
一部の実施形態では、前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体を、以下のセクション1~7に記載したように、あらゆる特徴を、単独で、または、組み合わせて取り込み得る。
(1)抗MS4A6A抗体結合親和性
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該抗体は、<1μM、<100nM、<10nM、<1nM、<0.1nM、<0.01nM、または、<0.001nM(例えば、10-8M以下、例えば、10-8M~10-13M、例えば、10-9M~10-13M)の解離定数(Kd)を有する。解離定数は、ELISA、表面プラズモン共鳴(SPR)、バイオレイヤー干渉法(例えば、ForteBioのOctet Systemを参照されたい)、等温滴定カロリメトリー(ITC)、示差走査熱量測定法(DSC)、円偏光二色性(CD)、ストップト-フロー分析、及び、比色分析、または、蛍光タンパク質融解分析などのあらゆる生化学的または生物物理学的技法など、あらゆる解析技法で決定することができる。一部の実施形態では、Kdを、放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)で測定する。一部の実施形態では、RIAを、例えば、Chen et al.J.Mol.Biol.293:865-881(1999))に記載された、目的の抗体のFabバージョン、または、その抗原を用いて実施する。一部の実施形態では、BIACORE表面プラズモン共鳴アッセイ、例えば、BIACORE-2000、または、BIACORE-3000(BIAcore,Inc.、Piscataway,NJ)を使用するアッセイを使って、約10反応単位(RU)の固定化した抗原CM5チップを用いて、25℃で、Kdの測定を行う。一部の実施形態では、当該Kを、一価抗体(例えば、Fab)、または、完全長抗体を使用して決定する。一部の実施形態では、当該Kを、一価形態の全長抗体を使用して決定する。
(2)抗体フラグメント
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、1つ以上の当該抗体は、抗体フラグメントである。抗体フラグメントとして、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)、Fv、及びscFvフラグメント、及び、後述するその他のフラグメントがあるが、これらに限定されない。特定の抗体フラグメントの概説については、Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)を参照されたい。scFvフラグメントの概説については、例えば、WO93/16185;及び、米国特許第5571894号、及び、同第5587458号を参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、かつ、インビボでの半減期が延びたFab、及び、F(ab’)フラグメントの考察については、米国特許第5869046号を参照されたい。
ダイアボディは、2価または二重特異性であり得る2つの抗原結合部位を有する抗体フラグメントである。例えば、EP404097;WO1993/01161;Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)を参照されたい。トリアボディ、及び、テトラボディも、Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)に記載されている。単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全部または一部、または、軽鎖可変ドメインの全部または一部を含む抗体フラグメントである。特定の実施形態では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(例えば、米国特許第6248516号を参照されたい)。
抗体フラグメントは、本明細書に記載した通り、インタクトな抗体のタンパク質分解消化、ならびに、組換え宿主細胞(例えば、大腸菌(E.coli)、または、ファージ)による産生など、これらに限定されない様々な技術で作製することができる。
(3)キメラ抗体及びヒト化抗体
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該抗体は、キメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4816567号に記載されている。ある例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、または、サルなどの非ヒト霊長類に由来する可変領域)、及び、ヒト定常領域を含む。さらなる例では、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスを、親抗体のものから変化させた「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合フラグメントを含む。
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該抗体は、ヒト化抗体である。一般的に、非ヒト抗体は、親の非ヒト抗体の特異性と親和性とを保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低減するためにヒト化する。特定の実施形態では、ヒト化抗体は、ヒトにおいて実質的に非免疫原性である。特定の実施形態では、ヒト化抗体は、標的に対して、ヒト化抗体が由来する別の種に由来する抗体と実質的に同じ親和性を有する。例えば、米国特許第5530101号、同第5693761号;同第5693762号;及び、同第5585089号を参照されたい。特定の実施形態では、免疫原性を低下させながら、抗原結合ドメインの本来の親和性を低減せずに改変することができる抗体可変ドメインのアミノ酸を同定する。例えば、米国特許第5766886号、及び、同第5869619号を参照されたい。一般的に、ヒト化抗体は、HVR(またはその一部)が、非ヒト抗体に由来し、かつ、FR(またはその一部)が、ヒト抗体配列に由来する1つ以上の可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、任意に、ヒト定常領域の少なくとも一部も含む。一部の実施形態では、ヒト化抗体での一部のFR残基は、例えば、抗体の特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)に由来する対応する残基で置換する。
ヒト化抗体、及び、それらを作製する方法は、例えば、Almagro et al.Front.Biosci.13:1619-1633(2008)で概説されており、また、例えば、米国特許第5821337号、同第7527791号、同第6982321号、及び、同第7087409号に記載されている。ヒト化に使用し得るヒトフレームワーク領域として、「ベストフィット」法を使用して選択したフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)を参照されたい);軽鎖または重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4285(1992);及び、Presta et al.,J.Immunol.151:2623(1993)を参照されたい);ヒトの成熟した(体細胞変異)フレームワーク領域、または、ヒトの生殖系列フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照されたい)、及び、FRライブラリーのスクリーニングに由来するフレームワーク領域(例えば、Baca et al.J.Biol.Chem.272:10678-10684(1997)、及び、Rosok et al.J.Biol.Chem.271:22611-22618(1996)を参照されたい)があるが、これらに限定されない。
(4)ヒト抗体
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野で公知の様々な技術を使用して産生することができる。ヒト抗体は、一般的には、van Dijk et al.Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74(2001)、及び、Lonberg Curr.Opin.Immunol.20:450-459(2008)で説明されている。
ヒト抗体は、抗原接種に応答してヒト可変領域を有するインタクトなヒト抗体または、インタクトな抗体を産生するように改変されているトランスジェニック動物に対して免疫原を投与することによって、調製することができる。そのようなマウスが、マウス抗体の非存在下でヒト抗体を産生するものとして予想して、ヒトIg遺伝子座の大きなフラグメントにてマウス抗体産生を欠損しているマウス系統を遺伝子操作することができる。大きなヒトIgフラグメントは、大きな可変遺伝子の多様性、ならびに、抗体の産生と発現の適切な調節を続けることができる。抗体の多様化と選択、及び、ヒトタンパク質に対する免疫学的寛容の欠如のためのマウス機構を用いることで、これらのマウス系統において再現したヒト抗体レパートリーは、ヒト抗原などの目的の抗原に対する高親和性完全ヒト抗体を生じさせることができる。ハイブリドーマ技術を使用して、所望の特異性を有する抗原特異的ヒトMAbを、産生及び選択することができる。特定の例示的な方法は、米国特許第5545807号、EP546073、及び、EP546073で説明されている。また、例えば、XENOMOUSE(商標)技術を記載している米国特許第6075181号、及び、同第6150584号;HUMAB(登録商標)技術を記載している米国特許第5770429号;K-M MOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許番号7041870号、及び、VELOCIMOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許出願公開第US2007/0061900号を参照されたい。そのような動物が生成したインタクトな抗体に由来するヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせて、さらに改変し得る。
また、ヒト抗体は、ハイブリドーマに基づいた方法で作製することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫、及び、マウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor J.Immunol.133:3001(1984)、及び、Boemer et al.J.Immunol.147:86(1991))。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成したヒト抗体は、Li et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1 03:3557-3562(2006)に記載されている。さらなる方法として、例えば、(ハイブリドーマ細胞株由来のモノクローナルヒトIgM抗体の産生を説明している)米国特許第7189826号に記載されている方法がある。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)は、Vollmers et al.Histology and Histopathology 20(3):927-937(2005)、及び、Vollmers et al.Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology 27(3):185-91(2005)に記載さいている。また、ヒト抗体は、ヒト由来のファージディスプレイライブラリーから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することで生成し得る。次に、そのような可変ドメイン配列を、所望のヒト定常ドメインと組み合わせ得る。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術を、以下に説明する。
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該抗体は、インビトロ法、及び/または、所望の1つ以上の活性を有する抗体に関するコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングして単離したヒト抗体である。適切な例として、ファージディスプレイ(CAT、Morphosys、Dyax、Biosite/Medarex、Xoma、Symphogen、Alexion(かつてのProliferon)、Affimed)リボソームディスプレイ(CAT)、酵母ディスプレイ(Adimab)などがあるが、これらに限定されない。特定のファージディスプレイ法では、VH、及び、VL遺伝子のレパートリーを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で別々にクローニングし、次いで、Winter et al.Ann.Rev.Immunol.12:433-455(1994)に記載されているファージライブラリーでランダムに再結合する。例えば、当該技術分野では、ファージディスプレイライブラリーを生成し、そして、所望の結合特性を保有する抗体に関する当該ライブラリーをスクリーニングするための様々な方法が公知である。Sidhu et al.J.Mol.Biol.338(2):299-310、2004;Lee et al.J.Mol.Biol.340(5):1073-1093,2004;Fellouse Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);及び、Lee et al.J.Immunol.Methods 284(-2):119-132(2004)も参照されたい。一般的に、ファージは、一本鎖Fv(scFv)フラグメント、または、Fabフラグメントのいずれかで抗体フラグメントを表す。免疫源由来のライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要がなく、免疫原に対して高親和性の抗体を提供する。あるいは、未処理のレパートリーを、(例えば、ヒトから)クローニングして、Griffiths et al.EMBO J.12:725-734(1993)に記載されているようにして、免疫化処置をせずに、広範囲の非自己抗原、それに、自己抗原に対する単一の抗体源を提供することができる。最後に、ナイーブライブラリーは、幹細胞から再配置していないV遺伝子セグメントをクローニングし、そして、ランダム配列を含むPCRプライマーを使用して可変性に富んだHVR3領域をコードし、そして、Hoogenboom et al.J.Mol.Biol.,227:381-388、1992に記載されているようにして、インビトロでの再配置を達成した。ヒト抗体ファージライブラリーを記載している特許文献として、例えば:米国特許第5750373号、ならびに、米国特許公開第2007/0292936号、及び、同第2009/0002360号がある。ヒト抗体ライブラリーから単離した抗体は、本明細書では、ヒト抗体またはヒト抗体フラグメントと見なす。
(5)Fc領域を含む定常領域
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該抗体は、Fcを含む。一部の実施形態では、当該Fcは、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、及び/またはIgG4アイソタイプである。一部の実施形態では、当該抗体は、IgGクラス、IgMクラス、またはIgAクラスの抗体である。
本明細書で提供するあらゆる抗体の特定の実施形態では、当該抗体は、IgG2アイソタイプを有する。一部の実施形態では、当該抗体は、ヒトIgG2定常領域を含む。一部の実施形態では、当該ヒトIgG2定常領域は、Fc領域を含む。一部の実施形態では、当該抗体は、1つ以上のMS4A6A活性を誘導し、または、Fc受容体に対する結合とは無関係に誘導する。一部の実施形態では、当該抗体は、阻害性Fc受容体に対して結合する。特定の実施形態では、当該阻害性Fc受容体は、阻害性Fc-ガンマ受容体IIB(FcγIIB)である。
本明細書で提供するあらゆる抗体の特定の実施形態では、当該抗体は、IgG1アイソタイプを有する。一部の実施形態では、当該抗体は、マウスIgG1定常領域を含む。一部の実施形態では、当該抗体はヒトIgG1定常領域を含む。一部の実施形態では、当該ヒトIgG1定常領域は、Fc領域を含む。一部の実施形態では、当該抗体は、阻害性Fc受容体に対して結合する。特定の実施形態では、当該阻害性Fc受容体は、阻害性Fc-ガンマ受容体IIB(FcγIIB)である。
本明細書で提供するあらゆる抗体の特定の実施形態では、当該抗体は、IgG4アイソタイプを有する。一部の実施形態では、当該抗体は、ヒトIgG4定常領域を含む。一部の実施形態では、当該ヒトIgG4定常領域は、Fc領域を含む。一部の実施形態では、当該抗体は、阻害性Fc受容体に対して結合する。特定の実施形態では、当該阻害性Fc受容体は、阻害性Fc-ガンマ受容体IIB(FcγIIB)である。
本明細書で提供するあらゆる抗体の特定の実施形態では、当該抗体は、ハイブリッドIgG2/4アイソタイプを有する。一部の実施形態では、当該抗体は、EU付番法によるヒトIgG2のアミノ酸118~260、及び、EU付番法によるヒトIgG4のアミノ酸261~447を含む、アミノ酸配列を含む(WO1997/11971;WO2007/106585)。
一部の実施形態では、当該Fc領域は、アミノ酸置換を含まないFc領域を含む対応する抗体と比較して、補体を活性化せずに、クラスタリングを増加させる。一部の実施形態では、当該抗体は、当該抗体が特異的に結合する標的の1つ以上の活性を誘導する。一部の実施形態では、当該抗体は、MS4A6Aに対して結合する。
本開示の抗MS4A6A抗体を改変して、エフェクター機能を改変すること、及び/または、抗体の血清半減期を長くすることも望ましい場合がある。例えば、当該定常領域のFc受容体結合部位を改変または変異させて、FcγRI、FcγRII、及び/または、FcγRIIIなどの特定のFc受容体に対する結合親和性を除去または低減して、抗体依存性細胞性細胞毒性を低減し得る。一部の実施形態では、当該抗体の(例えば、IgGのCH2ドメインにおける)Fc領域のN-グリコシル化を除去すると、当該エフェクター機能は低下する。一部の実施形態では、WO99/58572、及び、Armour et al.Molecular Immunology 40:585-593(2003);Reddy et al.J.Immunology164:1925-1933(2000)に記載されているようなヒトIgGの233~236、297、及び/または、327~331などの領域を改変すると、当該エフェクター機能は低下する。その他の実施形態では、ITIM含有FcgRIIb(CD32b)に対する選択性を見出すことを増大させて抗体依存性細胞媒介細胞毒性及び抗体依存性細胞食作用などの体液性応答の活性化なしに隣接細胞上でのMS4A6A抗体のクラスタリングを増加させるためのエフェクター機能を改変するために本開示の抗MS4A6A抗体を改変することも望ましい。
当該抗体の血清半減期を長くするために、例えば、米国特許第5739277号に記載されているようにして、サルベージ受容体結合エピトープを、当該抗体(特に、抗体フラグメント)に組み込み得る。本明細書で使用する用語「サルベージ受容体結合エピトープ」とは、インビボでのIgG分子の血清中半減期の延長に関与するIgG分子(例えば、IgG、IgG、IgG、または、IgG)のFc領域のエピトープのことを指す。その他のアミノ酸配列の改変。
(6)多重特異性抗体
多重特異性抗体とは、同じまたは別のポリペプチド(例えば、本開示の1つ以上のMS4A6Aポリペプチド)のエピトープなど、少なくとも2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有する抗体のことである。一部の実施形態では、当該多重特異性抗体を、二重特異性抗体とすることができる。一部の実施形態では、当該多重特異性抗体を、三重特異性抗体とすることができる。一部の実施形態では、当該多重特異性抗体を、四重特異性抗体とすることができる。そのような抗体を、完全長抗体、または、抗体フラグメント(例えば、F(ab’)二重特異性抗体)に由来する抗体とすることができる。一部の実施形態では、当該多重特異性抗体は、MS4A6Aでの第1の部位に対して結合する第1の抗原結合領域を含み、かつ、MS4A6Aでの第2の部位に対して結合する第2の抗原結合領域を含む。一部の実施形態では、当該多重特異性抗体は、MS4A6Aに対して結合する第1の抗原結合領域、及び、第2のポリペプチドに対して結合する第2の抗原結合領域を含む。
本明細書では、第1の抗原結合領域を含む多重特異性抗体を提供しており、当該第1の抗原結合領域は、MS4A6Aに対して結合する本明細書に記載の抗体の6つのHVR、及び、第2のポリペプチドに対して結合する第2の抗原結合領域を含む。一部の実施形態では、当該第1の抗原結合領域は、本明細書に記載している抗体のVまたはVを含む。
当該多重特異性抗体のいずれかの一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、(a)血液脳関門を通過する輸送を促す抗原;(b)トランスフェリン受容体(TR)、インスリン受容体(HIR)、インスリン様成長因子受容体(IGFR)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1及び2(LPR-1及び2)、ジフテリア毒素受容体、CRM197、ラマシングルドメイン抗体、TMEM30(A)、タンパク質形質導入ドメイン、TAT、Syn-B、ペネトラチン、ポリアルギニンペプチド、アンジオペプペプチド、及び、ANG1005から選択される血液脳関門を通過する輸送を促す抗原;(c)アミロイドベータ、オリゴマーアミロイドベータ、アミロイドベータプラーク、アミロイド前駆体タンパク質もしくはそのフラグメント、タウ、IAPP、アルファ-シヌクレイン、TDP-43、FUSタンパク質、C9orf72(第9番染色体オープンリーディングフレーム72)、c9RANタンパク質、プリオンタンパク質、PrPSc、ハンチンチン、カルシトニン、スーパーオキシドジスムターゼ、アタキシン、アタキシン1、アタキシン2、アタキシン3、アタキシン7、アタキシン8、アタキシン10、レビー小体、心房性ナトリウム利尿因子、膵島アミロイドポリペプチド、インスリン、アポリポタンパク質AI、血清アミロイドA、メジン、プロラクチン、トランスサイレチン、リゾチーム、ベータ2ミクログロブリン、ゲルゾリン、ケラトエピセリン、シスタチン、免疫グロブリン軽鎖AL、S-IBMタンパク質、反復関連非ATG(RAN)翻訳産物、ジペプチド反復(DPR)ペプチド、グリシン-アラニン(GA)反復ペプチド、グリシン-プロリン(GP)反復ペプチド、グリシン-アルギニン(GR)反復ペプチド、プロリン-アラニン(PA)反復ペプチド、ユビキチン、及び、プロリン-アルギニン(PR)反復ペプチドから選択される疾患原因タンパク質;(d)免疫細胞上で発現するリガンド及び/またはタンパク質であって、CD40、OX40、ICOS、CD28、CD137/4-1BB、CD27、GITR、PD-L1、CTLA-4、PD-L2、PD-1、B7-H3、B7-H4、HVEM、BTLA、KIR、GAL9、TIM3、A2AR、LAG-3、及び、ホスファチジルセリンから選択される、当該リガンド及び/またはタンパク質;ならびに/または、(e)1つ以上の腫瘍細胞で発現するタンパク質、脂質、多糖、もしくは糖脂質、及び、それらのあらゆる組み合わせである。
血液脳関門を通過する輸送を促す多数の抗原は、当該技術分野で公知である(例えば、Gabathuler R.Neurobiol.Dis.37:48-57(2010))。そのような第2の抗原として、トランスフェリン受容体(TR)、インスリン受容体(HIR)、インスリン様成長因子受容体(IGFR)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1及び2(LPR-1及び2)、CRM197(ジフテリア毒素の非毒性変異体)などのジフテリア毒素、TMEM30(A)(Flippase)などのラマ単一ドメイン抗体、TAT、Syn-B、または、ペネトラチンなどのタンパク質形質導入ドメイン、ポリアルギニン、または、一般的に正電荷を有するペプチド、ANG1005などのアンジオペプペプチド(例えば、Gabathuler、2010を参照されたい)、及び、血液脳関門内皮細胞上で濃縮を受けるその他の細胞表面タンパク質(例えば、Daneman et al.PLoS One 5(10):e13741(2010)を参照されたい)があるが、これらに限定されない。
当該多価抗体は、MS4A6A抗原、ならびに、さらなる抗原Aβペプチド、抗原またはα-シヌクレインタンパク質抗原、または、タウ-タンパク質抗原、または、TDP-43タンパク質抗原、または、プリオンタンパク質抗原、または、ハンチンチンタンパク質抗原、または、RAN、グリシン-アラニン(GA)、グリシン-プロリン(GP)、グリシン-アルギニン(GR)、プロリン-アラニン(PA)、または、プロリン-アルギニン(PR)からなるジペプチド反復、(DPRペプチド)を含む翻訳産物抗原、インスリン受容体、インスリン様成長因子受容体などを認識し得るが、これらに限定されない。トランスフェリン受容体、または、抗体の移動を促すその他の抗原は、血液脳関門を通過する。一部の実施形態では、当該第2のポリペプチドは、トランスフェリンである。一部の実施形態では、当該第2のポリペプチドは、タウである。一部の実施形態では、当該第2のポリペプチドは、Aβである。一部の実施形態では、当該第2のポリペプチドは、TREM2である。一部の実施形態では、当該第2のポリペプチドは、α-シヌクレインである。
当該多価抗体は、少なくとも1つのポリペプチド鎖(及び、好ましくは、2つのポリペプチド鎖)を含み、1つ以上の当該ポリペプチド鎖は、2つ以上の可変ドメインを含む。例えば、1つ以上のポリペプチド鎖は、VD1-(X1)-VD2-(X2)-Fcを含み得るものであり、VD1は、第1の可変ドメインであり、VD2は、第2の可変ドメインであり、Fcは、Fc領域の1つのポリペプチド鎖であり、X1及びX2は、アミノ酸またはポリペプチドを表し、そして、nは、0または1である。同様に、1つ以上のポリペプチド鎖は、V-C1可撓性リンカー-V-C1-Fc領域鎖;または、V-C1-V-C1-Fc領域鎖を含む。本明細書の多価抗体は、好ましくは、少なくとも2つ(及び、好ましくは4つ)の軽鎖可変ドメインポリペプチドをさらに含む。本明細書の多価抗体は、例えば、約2~約8個の軽鎖可変ドメインポリペプチドを含み得る。本明細書で企図する軽鎖可変ドメインポリペプチドは、軽鎖可変ドメインを含み、また、任意に、CLドメインをさらに含む。
多重特異性抗体を作製するための技術として、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖ペアの組換え共発現があるが、これらに限定されない(Milstein and Cuello Nature305:537(1983)、WO93/08829、及び、Traunecker et al.EMBO J.10:3655(1991))、及び、「ノブ-イン-ホール」遺伝子操作(例えば、米国特許第5731168号を参照されたい)を参照されたい)。また、WO2013/026833(CrossMab)も参照されたい。また、多特異性抗体は、抗体Fc-ヘテロ二量体分子を作製するための静電ステアリング効果を操作して(WO2009/089004A1);2つ以上の抗体を架橋して(例えば、米国特許第4676980号を参照されたい);ロイシンを使用して;二重特異性抗体フラグメントを作製するための「ダイアボディ」技術を使用して(例えば、Hollinger et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448(1993)を参照されたい);そして、一本鎖Fv(scFv)二量体を使用して(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.152:5368(1994)を参照されたい);及び、例えば、Tutt et al.J.Immunol.147:60(1991)に記載されているようにして三重特異性抗体を調製して作製され得る。
本明細書は、「オクトパス抗体」などの3つ以上の機能的な抗原結合部位を有する遺伝子操作した抗体も含む(例えば、US2006/0025576を参照されたい)。また、本明細書の抗体は、複数のMS4A6Aに対して結合する抗原結合部位を含む「二重作用FAb」または「DAF」を含む(例えば、US2008/0069820を参照されたい)。
(7)抗体バリアント
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該抗体のアミノ酸配列バリアントを企図している。例えば、抗体の結合親和性、及び/または、その他の生物学的特性を改善することが望ましい。
(i)置換、挿入、及び、欠失バリアント
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換を有する抗体バリアントを提供する。抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な改変を導入すること、または、ペプチド合成により調製し得る。そのような改変として、例えば、当該抗体のアミノ酸配列からの欠失、及び/または、当該アミノ酸配列への挿入、及び/または、当該アミノ酸配列内の残基の置換がある。
(表1)アミノ酸置換
Figure 2023113896000006
これらの抗体の生物特性の実質的な改変は、(a)置換領域内のポリペプチド主鎖の構造、例えば、シートまたはヘリックス構造、(b)標的部位における分子の電荷または疎水性、または、(c)側鎖の嵩を維持することに対する作用が著しく異なる置換を選択することで達成される。天然に存在する残基は、共通する側鎖特性に基づいて、
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;及び
(6)芳香族性:Trp、Tyr、Phe
に分けられる。
例えば、非保存的置換は、これらのクラスの内の1つのメンバーを、別のクラスのものと交換することを伴う。そのような置換した残基は、例えば、非ヒト抗体と相同であるヒト抗体の領域、または、当該分子の非相同領域に導入することができる。
本明細書に記載のポリペプチドまたは抗体に変化させる場合、特定の実施形態では、アミノ酸の疎水性指標を考慮することができる。それぞれのアミノ酸には、その疎水性と電荷特性に基づいて、疎水性指標を割り当てている。それらは、イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/システイン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);スレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタミン酸塩(-3.5);グルタミン(-3.5);アスパラギン酸塩(-3.5);アスパラギン(-3.5);リジン(-3.9);及び、アルギニン(-4.5)である。
タンパク質に対して相互作用的な生物学的機能を付与する際の疎水性アミノ酸指標の重要性は、当該技術分野で理解されている。Kyte et al.J.Mol.Biol.,157:105-131(1982)。特定のアミノ酸では、類似の疎水性指標、または、スコアを有するその他のアミノ酸の代わりに使用することができ、かつ、なおも類似の生物活性を保持することができることは、公知である。疎水性指標に基づいて変化させる場合、特定の実施形態では、疎水性指標が±2以内であるアミノ酸の置換を含む。特定の実施形態では、±1以内の事例を含み、そして、特定の実施形態では、±0.5以内の事例を含む。
また、類似のアミノ酸の置換を、親水性に基づいて効果的に行うことができ、特に、そうして生成した生物学的機能性タンパク質またはペプチドは、本事例のように免疫学的実施形態での使用を意図していることも、理解されたい。特定の実施形態では、隣接するアミノ酸の親水性に左右されるタンパク質の最大の局所平均親水性は、その免疫原性、及び、抗原性、すなわち、タンパク質の生物学的特性と相関する。
これらのアミノ酸残基には、アルギニン(+3.0);リジン(+3.0±1);アスパラギン酸塩(+3.0±1);グルタミン酸塩(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(-0.4);プロリン(-0.5±1);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5)、及び、トリプトファン(-3.4)の親水性値を割り当てている。類似の親水性値に基づいて変化させる場合、特定の実施形態では、親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換を含み、特定の実施形態では、±1以内のアミノ酸の置換を含み、特定の実施形態では、±0.5以内のアミノ酸の置換を含む。親水性に基づいて、一次アミノ酸配列からエピトープを同定することもできる。これらの領域を、「エピトープコア領域」とも称する。
特定の実施形態において、置換、挿入、または、欠失は、そのような変更が、抗体が抗原に対して結合する能力を実質的に低下させない限り、1つ以上のHVRで起こり得る。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的変更(例えば、本明細書で提供する保存的置換)は、HVRで行い得る。そのような変更は、例えば、HVRの抗原接触残基の外側で行い得る。前出のバリアントVH、及び、VL配列の特定の実施形態では、それぞれのHVRは変更されておらず、または、1つ以下、2つ以下、または、3つ以下のアミノ酸置換を含む。
アミノ酸配列挿入として、1残基から100残基を含むポリペプチドまでの長さの範囲のアミノ末端、及び/または、カルボキシル末端融合、ならびに、1つ以上のアミノ酸残基の配列内挿入がある。末端挿入の例として、N末端メチオニル残基を有する抗体がある。抗体分子のその他の挿入バリアントとして、(例えば、ADEPTに関しては)抗体のN-またはC-末端への融合、または、当該抗体の血清半減期を長くするポリペプチドがある。
抗体の適切な立体構造の維持に関与しないいずれのシステイン残基も、一般的に、セリンで置換することができ、分子の酸化安定性を改善し、そして、異常な架橋を阻止することができる。逆に、システイン結合を抗体に付加すると、その安定性を改善することができる(特に、当該抗体が、Fvフラグメントなどの抗体フラグメントである場合)。
(ii)グリコシル化バリアント
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該抗体を変更して、当該抗体がグリコシル化する程度を増大または低下させる。抗体に対するグリコシル化部位の追加または削除は、1つ以上のグリコシル化部位を、生成または除去するように当該アミノ酸配列を変更することで好都合に達成し得る。
抗体のグリコシル化は、一般的に、N結合またはO結合のいずれかである。N-結合とは、アスパラギン残基の側鎖に対する炭水化物部分の付着のことを指す。トリペプチド配列であるアスパラギン-X-セリン、及び、アスパラギン-X-スレオニンがあり、式中、Xは、プロリン以外のあらゆるアミノ酸であり、これらの配列は、アスパラギン側鎖に対する炭水化物部分の酵素的付着の認識配列である。したがって、ポリペプチドにおけるこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在は、潜在的なグリコシル化部位を作り出す。O結合型グリコシル化とは、糖類N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、または、キシロースの1つが、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的には、セリン、または、スレオニンに対して付着することを指すが、5-ヒドロキシプロリン、または、5-ヒドロキシリジンも使用し得る。
抗体に対するグリコシル化部位の付加は、(N-結合グリコシル化部位に関する)上記したトリペプチド配列の1つ以上を含むようにアミノ酸配列を変更することを、好都合に達成する。また、当該変更は、(O-結合型グリコシル化部位に関しては)当初の抗体の配列に対して、1つ以上のセリンまたはスレオニン残基を追加または置換しても達成し得る。
当該抗体が、Fc領域を含む場合、そこに付着した炭水化物を変更し得る。哺乳動物細胞が生成するネイティブ抗体は、一般的に、Fc領域のCH2ドメインのKabat付番法によるAsn297に対するN結合で一般的に付着している分岐した二分岐オリゴ糖を含む。このオリゴ糖は、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及び、シアル酸、ならびに、二分岐オリゴ糖構造の「ステム」においてGlcNAcに付着したフコースを含み得る。一部の実施形態では、本発明の抗体でのオリゴ糖の修飾を、特定の改善した特性を有する抗体バリアントを作り出すために行い得る。
ある実施形態では、Fc領域に(直接的に、または、間接的に)付着したフコースを欠いた炭水化物構造を有する抗体バリアントを提供する。例えば、米国特許公開第2003/0157108号、及び、同第2004/0093621号を参照されたい。「脱フコシル化」または「フコース欠損」抗体バリアントに関連する刊行物の例として:US2003/0157108;US2003/0115614;US2002/0164328;US2004/0093621;US2004/0132140;US2004/0110704;US2004/0110282;US2004/0109865;Okazaki et al.,J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004);Yamane-Ohnuki et al.,Biotech.Bioeng.87:614(2004)がある。脱フコシル化抗体を産生することができる細胞株の例として、タンパク質フコシル化を欠損したLed 3 CHO細胞がある(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);US2003/0157108)、及び、アルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞などのノックアウト細胞株(例えば、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)、及び、Kanda et al.,Biotechnol.Bioeng.94(4):680-688(2006)を参照されたい)がある。
(iii)改変した定常領域
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該抗体Fcとは、抗体Fcアイソタイプ、及び/または、改変である。一部の実施形態では、当該抗体Fcアイソタイプ、及び/または、改変は、Fcガンマ受容体に対して結合することができる。
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該改変した抗体Fcは、IgG1改変Fcである。一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、1つ以上の改変を含む。例えば、一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に関連して)1つ以上のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つ以上の当該アミノ酸置換は、N297A(Bolt S et al.(1993)Eur J Immunol23:403-411)、D265A(Shields et al.(2001)R.J.Biol.Chem.276,6591-6604)、L234A、L235A(Hutchins et al.(1995)Proc Natl Acad Sci USA,92:11980-11984;Alegreet al.,(1994)Transplantation 57:1537-1543.31;Xu et al.,(2000)Cell Immunol,200:16-26)、G237A(Alegre et al.(1994)Transplantation 57:1537-1543.31;Xu et al.(2000)Cell Immunol,200:16-26)、C226S、C229S、E233P、L234V、L234F、L235E(McEarchern et al.,(2007)Blood,109:1185-1192)、P331S(Sazinsky et al.,(2008)Proc Natl Acad Sci USA2008,105:20167-20172)、S267E、L328F、A330L、M252Y、S254T、及び/または、T256Eから選択され、当該アミノ酸位置はEU付番法による。
あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるN297A変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU番号法でのD265A、及び、N297A変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるD270A変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるL234A、及び、L235A変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるL234A、及び、G237A変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるL234A、L235A、及び、G237A変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるP238D、L328E、E233、G237D、H268D、P271G、及び、A330R変異の(すべてを含む)1つ以上を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による1つ以上のS267E/L328F変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるP238D、L328E、E233D、G237D、H268D、P271G、及び、A330R変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるP238D、L328E、G237D、H268D、P271G、及び、A330R変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるP238D、S267E、L328E、E233D、G237D、H268D、P271G、及び、A330R変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるP238D、S267E、L328E、G237D、H268D、P271G、及び、A330R変異を含む。IgG1改変Fcのいずれかの一部の実施形態では、Fcは、EU付番法によるC226S、C229S、E233P、L234V、及び、L235A変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるL234F、L235E、及び、P331S変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるS267E、及び、L328F変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるS267E変異を含む。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、IgG1の定常重鎖1(CH1)及びヒンジ領域を、CH1で置換すること、及び、IgG2のヒンジ領域(EU付番法によるIgG2のアミノ酸118~230)を、カッパ軽鎖で置換することを含む。
あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、2つ以上のアミノ酸置換を含まないFc領域を有する対応する抗体と比較して、補体を活性化せずに、抗体クラスター化を増大させる2つ以上のアミノ酸置換を含む。したがって、あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、Fc領域を含む抗体であり、当該抗体は、位置E430Gでのアミノ酸置換、及び、EU付番法によるL234F、L235A、L235E、S267E、K322A、L328F、A330S、P331S、及び、これらのあらゆる組み合わせから選択される残基位置でのFc領域における1つ以上のアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、EU付番法による位置E430G、L243A、L235A、及び、P331Sにアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、EU付番法による位置E430G、及び、P331Sにアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、EU付番法による位置E430G、及び、K322Aにアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、EU付番法による位置E430G、A330S、及び、P331Sにアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、EU付番法による位置E430G、K322A、A330S、及び、P331Sにアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、EU付番法による位置E430G、K322A、及び、A330Sにアミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、EU付番法による位置E430G、K322A、及び、P331Sにアミノ酸置換を含む。
あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、本明細書では、当該IgG1改変Fcをさらに含み、かつ、補体の活性化を回避するために、EU付番法による、A330L変異(Lazar et al.Proc Natl Acad Sci USA,103:4005-4010(2006))、または、L234F、L235E、及び/または、P331S変異の1つ以上(Sazinsky et al.Proc Natl Acad Sci USA,105:20167-20172(2008))と組み合わせ得る。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、EU付番法によるA330L、A330S、L234F、L235E、及び/または、P331Sの1つ以上をさらに含み得る。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、ヒト血清での抗体半減期を長くする1つ以上の変異(例えば、EU付番法によるM252Y、S254T、及び、T256E変異の(すべてを含む)1つ以上)をさらに含み得る。あらゆるIgG1改変Fcの一部の実施形態では、当該IgG1改変Fcは、EU付番法によるE430G、E430S、E430F、E430T、E345K、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、及び/または、S440Wの1つ以上をさらに含み得る。
本開示のその他の態様は、改変した定常領域(すなわち、Fc領域)を有する抗体に関する。FcgR受容体に対する結合に依存して標的化受容体を活性化させる抗体を、FcgR結合を排除するように遺伝子操作すると、そのアゴニスト活性を喪失し得る(例えば、Wilson et al.Cancer Cell 19:101-113(2011);Armour at al.Immunology 40:585-593(2003);及び、White et al.,Cancer Cell 27:138-148(2015)を参照されたい)。したがって、当該抗体が、ヒトIgG2アイソタイプ(CH1、及び、ヒンジ領域)由来のFcドメイン、または、阻害性FcgRIIB r受容体、または、その変異体を優先的に結合することができる別のタイプのFcドメインを有しておれば、適正なエピトープ特異性を有する本開示の抗MS4A6A抗体は、最小限の副作用で、標的抗原を活性化できると考えられる。
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該改変抗体Fcは、IgG2改変Fcである。一部の実施形態では、当該IgG2改変Fcは、1つ以上の改変を含む。例えば、一部の実施形態では、当該IgG2改変Fcは、(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に関連して)1つ以上のアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、1つ以上の当該アミノ酸置換は、EU付番法によるV234A(Alegre et al.Transplantation 57:1537-1543(1994);Xu et al.Cell Immunol,200:16-26(2000));G237A(Cole et al.Transplantation,68:563-571(1999));H268Q、V309L、A330S、P331S(US2007/0148167;Armour et al.Eur J Immunol 29:2613-2624(1999);Armour et al.The Haematology Journal 1(Suppl.1):27(2000);Armour et al.The Heamatology Journal 1(Suppl.1):27(2000))、C219S、及び/または、C220S(White et al.Cancer Cell 27,138-148(2015));S267E、L328F(Chu et al.Mol Immunol,45:3926-3933(2008));及び、M252Y、S254T、及び/または、T256Eから選択される。あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置V234A、及び、G237Aでのアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置C219S、または、C220Sでのアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置A330S、及び、P331Sでのアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置S267E、及び、L328Fでのアミノ酸置換を含む。
あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるC127Sアミノ酸置換を含む(White et al.,(2015)Cancer Cell 27、138-148;Lightle et al.ProteinSci.19:753-762(2010);及び、WO2008/079246)。あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該抗体は、EU付番法によるC214Sアミノ酸置換を含むカッパ軽鎖定常ドメインを持ったIgG2アイソタイプを有する(White et al.Cancer Cell 27:138-148(2015);Lightle et al.Protein Sci.19:753-762(2010);及び、WO2008/079246)。
あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるC220Sアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該抗体は、EU付番法によるC214Sアミノ酸置換を含むカッパ軽鎖定常ドメインを持ったIgG2アイソタイプを有する。
あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるC219Sアミノ酸置換を含む。あらゆるIgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該抗体は、EU付番法によるC214Sアミノ酸置換を含むカッパ軽鎖定常ドメインを持ったIgG2アイソタイプを有する。
あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、IgG2アイソタイプ重鎖定常ドメイン1(CH1)と、ヒンジ領域とを含む(White et al.Cancer Cell 27:138-148(2015))。あらゆる当該IgG2改変Fcの特定の実施形態では、当該IgG2アイソタイプCH1、及び、ヒンジ領域は、EU付番法による118~230のアミノ酸配列を含む。あらゆるIgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該抗体Fc領域は、EU付番法によるS267Eアミノ酸置換、L328Fアミノ酸置換、または、その両方、及び/または、N297AまたはN297Qアミノ酸置換を含む。
あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、E430S、E430F、E430T、E345K、E345Q、E345R、E345Y、S440Y、及び、S440Wに1つ以上のアミノ酸置換をさらに含む。あらゆるIgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、ヒト血清での抗体半減期を長くする1つ以上の変異(例えば、EU付番法によるM252Y、S254T、及び、T256E変異の(すべてを含む)1つ以上)をさらに含み得る。あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、A330S、及び、P331Sをさらに含み得る。
あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、IgG2/4ハイブリッドFcである。一部の実施形態では、当該IgG2/4ハイブリッドFcは、IgG2アミノ酸118~260、及び、IgG4アミノ酸261~447を含む。あらゆるIgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置H268Q、V309L、A330S、及び、P331Sに1つ以上のアミノ酸置換を含む。
あらゆる当該IgG1、及び/または、IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるA330L、L234F;L235E、または、P331S;及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される1つ以上のさらなるアミノ酸置換を含む。
あらゆる当該IgG1、及び/または、IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるC127S、L234A、L234F、L235A、L235E、S267E、K322A、L328F、A330S、P331S、E345R、E430G、S440Y、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される残基位置に1つ以上のアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG1、及び/または、IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、L243A、L235A、及び、P331Sでのアミノ酸置換を含む。IgG1、及び/または、あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、Fcは、EU付番法による位置E430G、及び、P331Sでのアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG1、及び/または、IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、及び、K322Aでのアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG1、及び/または、IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、A330S、及び、P331Sでのアミノ酸置換を含む。IgG1、及び/または、あらゆる当該IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、K322A、A330S、及び、P331Sでのアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG1、及び/または、IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、K322A、及び、A330Sでのアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG1、及び/または、IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、K322A、及び、P331Sでのアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG1、及び/または、IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置S267E、及び、L328Fでのアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG1、及び/または、IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置C127Sでのアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG1、及び/または、IgG2改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E345R、E430G、及び、S440Yでのアミノ酸置換を含む。
本明細書で提供するあらゆる抗体の一部の実施形態では、当該改変抗体Fcは、IgG4改変Fcである。一部の実施形態では、当該IgG4改変Fcは、1つ以上の改変を含む。例えば、一部の実施形態では、当該IgG4改変Fcは、(例えば、同じアイソタイプの野生型Fc領域に関連して)1つ以上のアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、1つ以上の当該アミノ酸置換は、EU付番法によるL235A、G237A、S229P、L236E(Reddy et al.J Immunol 164:1925-1933(2000))、S267E、E318A、L328F、M252Y、S254T、及び/または、T256Eから選択される。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるL235A、G237A、及び、E318Aをさらに含み得る。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるS228P、及び、L235Eをさらに含み得る。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該IgG4改変Fcは、EU付番法によるS267E、及び、L328Fをさらに含み得る。
あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該IgG4改変Fcは、EU付番法によるS228P(Angal et al.Mol Immunol.30:105-108(1993))、及び/または、(Peters et al.J Biol Chem.287(29):24525-33(2012))に記載されている1つ以上の変異と組み合わせて、抗体安定性を向上させ得る。
あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該IgG4改変Fcは、ヒト血清での抗体半減期を長くする1つ以上の変異(例えば、EU付番法によるM252Y、S254T、及び、T256E変異の(すべてを含む)1つ以上)をさらに含み得る。
あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるL235Eを含む。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法によるC127S、F234A、L235A、L235E、S267E、K322A、L328F、E345R、E430G、S440Y、及び、それらのあらゆる組み合わせから選択される残基位置に1つ以上のアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、L243A、L235A、及び、P331Sにアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、及び、P331Sにアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、及び、K322Aにアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430にアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E430G、及び、K322Aにアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置S267E、及び、L328Fにアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置C127Sにアミノ酸置換を含む。あらゆる当該IgG4改変Fcの一部の実施形態では、当該Fcは、EU付番法による位置E345R、E430G、及び、S440Yにアミノ酸置換を含む。
(8)その他の抗体改変
あらゆる抗体の一部の実施形態では、当該抗体は、誘導体である。用語「誘導体」とは、アミノ酸(または、核酸)の挿入、欠失、または、置換以外の化学修飾を含む分子のことを指す。特定の実施形態では、誘導体は、ポリマー、脂質、または、その他の有機もしくは無機部分を有する化学結合など、これらに限定されない共有結合的修飾を含む。特定の実施形態では、化学修飾した抗原結合タンパク質は、化学修飾を受けていない抗原結合タンパク質よりも循環半減期を長くすることができる。特定の実施形態では、化学修飾した抗原結合タンパク質は、所望の細胞、組織、及び/または、臓器に対する標的化能力を改善することができる。一部の実施形態では、誘導体抗原結合タンパク質は、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、または、ポリプロピレングリコールなど、これらに限定されない1つ以上の水溶性ポリマー付着を含むように共有結合的に修飾する。例えば、米国特許第4640835号、第4496689号、同第4301144号、同第4670417号、同第4791192号、及び、同第4179337号を参照されたい。特定の実施形態では、誘導体抗原結合タンパク質は、モノメトキシポリエチレングリコール、デキストラン、セルロース、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマー、または、ランダムコポリマーのいずれか)、ポリ-(N-ビニルピロリドン)-ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、及び、ポリビニルアルコール、ならびに、そのようなポリマーの混合物など、これらに限定されない1つ以上のポリマーを含む。
特定の実施形態では、誘導体は、ポリエチレングリコール(PEG)サブユニットで共有結合的に修飾する。特定の実施形態では、1つ以上の水溶性ポリマーを、誘導体の1つ以上の特定の位置、例えば、アミノ末端に対して結合する。特定の実施形態では、1つ以上の水溶性ポリマーは、誘導体の1つ以上の側鎖に対してランダムに結合する。特定の実施形態では、PEGを、抗原結合タンパク質の治療能力を改善するために使用する。特定の実施形態では、PEGを、ヒト化抗体の治療能力を改善するために使用する。このような特定の方法は、例えば、米国特許第6133426号で論じられており、本明細書の一部を構成するものとして、同文献を、あらゆる目的のために援用する。
ペプチド類似体は、製薬業界では、テンプレートペプチドの特性に類似した特性を有する非ペプチド薬として一般的に使用されている。これらのタイプの非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣物(peptide mimetic)」または「ペプチド模倣体(peptidomimetic)」と称されている。本明細書の一部を構成するものとして、あらゆる目的のために援用する、Fauchere,J.Adv.DrugRes.,15:29(1986);及び、Evans et al.,J.Med.Chem.,30:1229(1987)。このような化合物は、コンピューター化した分子モデリングを用いて、開発されることが多い。治療的に有用なペプチドと構造的に類似しているペプチド模倣物を使用して、類似の治療効果、または、予防効果を得ることができる。一般的に、ペプチド模倣体は、ヒト抗体などのパラダイムポリペプチド(すなわち、生化学的特性、または、薬理学的活性を有するポリペプチド)と構造的に似ているが、当該技術分野で周知の方法で:-CHNH-、-CHS-、-CH-CH-、-CH=CH-(シス、及び、トランス)、-COCH-、-CH(OH)CH-、及び、-CHSOから選択される結合で任意に置換した1つ以上のペプチド結合を有する。特定の実施形態では、コンセンサス配列の1つ以上のアミノ酸を、同じタイプのD-アミノ酸(例えば、L-リジンの代わりにD-リジン)で体系的に置換すると、安定性が高まったペプチドを生成することができる。加えて、コンセンサス配列、または、実質的に同一のコンセンサス配列変異を含む固定化したペプチドは、当該技術分野で公知の方法(Rizo and Gierasch Ann.Rev.Biochem.,61:387(1992)、本明細書の一部を構成するものとして、あらゆる目的のために援用する)、例えば、ペプチドを環化する分子内ジスルフィド架橋を形成することができる内部システイン残基を加えることで、生成することができる。
薬物コンジュゲーションは、生物学的活性細胞毒性(抗がん)ペイロード、または、特定の腫瘍マーカーを特異的に標的とする抗体(例えば、理想的には、腫瘍細胞内、または、腫瘍細胞上にだけ認められるポリペプチド)に対する薬物のカップリングに関与する。抗体は、これらのタンパク質を体内で追跡し、そして、がん細胞の表面に付着する。当該抗体と標的タンパク質(抗原)との間の生化学的反応は、当該腫瘍細胞においてシグナルを発生させ、次いで、当該抗体を、細胞毒素と共に、吸収し、または、内部に取り込む。ADCを内部に取り込んだ後に、細胞毒性薬を放出して、がんを死滅させる。この標的作用により、理想的には、当該薬物の副作用が小さくなり、かつ、その他の化学療法剤よりも治療ウィンドウが広くなる。抗体をコンジュゲートする技術は、当該技術分野で公知である(例えば、Jane de Lartigue OncLive July 5,2012;ADC Review on antibody-drug conjugates;及び、Ducry et al.Bioconjugate Chemistry 21(1):5-13(2010)を参照されたい。
III.核酸、ベクター、及び、宿主細胞
本開示の抗MS4A6A抗体は、例えば、米国特許第4816567号に記載の組み換え方法、及び、組成物を使用して産生し得る。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体のいずれかをコードするヌクレオチド配列を有する単離した核酸を提供する。かかる核酸は、抗MS4A6A抗体のVを含むアミノ酸配列、及び/または、Vを含むアミノ酸配列(例えば、当該抗体の軽鎖及び/または重鎖)をコードし得る。一部の実施形態では、かかる核酸を含む1つ以上のベクター(例えば、発現ベクター)を提供する。一部の実施形態では、かかる核酸を含む宿主細胞も提供する。一部の実施形態では、当該宿主細胞は、(例えば、形質導入している)(1)当該抗体のVを含むアミノ酸配列、及び、当該抗体のVを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、または、(2)当該抗体のVを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクター、及び、当該抗体のVを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターを含む。一部の実施形態では、当該宿主細胞は、真核生物、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または、リンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。また、本開示の宿主細胞として、単離した細胞、インビトロで培養した細胞、及び、エクスビボで培養した細胞があるが、これらに限定されない。
本開示の抗MS4A6A抗体を作製する方法を提供する。一部の実施形態では、当該方法は、抗MS4A6A抗体をコードする核酸を含有する本開示の宿主細胞を、当該抗体の発現に好適な条件下で培養することを含む。一部の実施形態では、当該抗体を、その後に、宿主細胞(または、宿主細胞培養培地)から回収する。
本開示の抗MS4A6A抗体を組換え産生するために、抗MS4A6A抗体をコードする核酸を単離し、そして、宿主細胞におけるさらなるクローニング、及び/または、発現のために、1つ以上のベクターに挿入する。そのような核酸は、従来の手順を使用して(例えば、当該抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に対して特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用して)、容易に単離を行い、そして、配列決定し得る。
本開示の抗MS4A6A抗体、または、細胞表面で発現するそのフラグメントもしくはポリペプチド、本明細書に記載したポリペプチド(抗体を含む)のいずれかをコードする核酸配列を含有する好適なベクターとして、クローニングベクター、及び、発現ベクターがあるが、これらに限定されない。好適なクローニングベクターは、標準的技法に従って構築することができ、または、当該技術分野において入手可能な数多くのクローニングベクターから選択され得る。選択されるクローニングベクターは、使用予定の宿主細胞に応じて変わり得るが、有用なクローニングベクターは、一般的に、自己複製能を有しており、特定の制限エンドヌクレアーゼのための単一の標的を有することができ、及び/または、当該ベクターを含むクローンの選択に用いることができるマーカーの遺伝子を保持し得る。好適な例として、プラスミド、及び、細菌ウイルス、例えば、pUC18、pUC19、Bluescript(例えば、pBS SK+)、及び、その誘導体、mpl8、mpl9、pBR322、pMB9、ColE1、pCR1、RP4、ファージDNA、ならびに、pSA3、及び、pAT28などのシャトルベクターがある。これらのクローニングベクター、及び、数多くのその他のクローニングベクターは、BioRad、Strategene、及び、Invitrogenなどの業者から入手可能である。
抗体コーディングベクターのクローニングまたは発現に好適な宿主細胞として、原核細胞または真核細胞がある。例えば、本開示の抗MS4A6A抗体は、特に、グリコシル化、及び、Fcエフェクター機能が必要とされない場合には、細菌において産生し得る。細菌での抗体フラグメント、及び、ポリペプチドの発現については、(例えば、米国特許第5648237号、同第5789199号、及び、同第5840523号。発現の後に、当該抗体を、可溶性画分での細菌細胞ペーストから単離し、そして、さらに精製することができる。
原核生物に加えて、糸状菌または酵母などの真核微生物も、抗体コーディングベクターに好適なクローニング宿主または発現宿主であり、このようなものとして、グリコシル化経路を「ヒト化」して、結果として、部分的または完全なヒトグリコシル化パターンを有する抗体を産生する、真菌株及び酵母株がある(例えば、Gerngross,Nat.Biotech.22:1409-1414(2004);及び、Li et al.,Nat.Biotech.24:210-215(2006))。
グリコシル化抗体の発現に好適な宿主細胞は、多細胞生物(無脊椎動物、及び、脊椎動物)から得ることもできる。無脊椎動物細胞の例として、植物細胞、及び、昆虫細胞がある。昆虫細胞と共に、特に、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞のトランスフェクションに使用することができる、数多くのバキュロウイルス株が同定されている。また、植物細胞培養物も、宿主として用いることができる(例えば、トランスジェニック植物で抗体を産生するためのPLANTIBODIES(商標)技術について記載している米国特許第5959177号、同第6040498号、同第6420548号、同第7125978号、及び、同第6417429号)。
また、脊椎動物細胞も、宿主として使用し得る。例えば、懸濁液で成長するように適合させた哺乳動物細胞株が有用である。有用な宿主哺乳動物細胞株のその他の例として、SV40で形質転換したサル腎臓CV1株(COS-7);ヒト胚性腎臓株(293細胞、または、例えば、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977)に記載されているような293細胞);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK);マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980)に記載されたTM4細胞);サル腎臓細胞(CV1);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76);ヒト子宮頸癌細胞(HELA);イヌ科腎臓細胞(MDCK;バッファローラット肝細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝細胞(Hep G2);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562);例えば、Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982)に記載のTRI細胞;MRC5細胞;及び、FS4細胞がある。その他の有用な宿主哺乳動物細胞株として、DHFR-CHO細胞(Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))などのチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;ならびに、Y0,NS0、及び、Sp2/0などの骨髄腫細胞株がある。抗体産生に好適な特定の宿主哺乳動物細胞株の総説については、例えば、Yazaki and Wu,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ),pp.255-268(2003)を参照されたい。
IV.薬学的組成物/製剤
本明細書では、本開示の抗MS4A6A抗体と薬学的に許容可能な担体とを含む薬学的組成物及び/または薬学的製剤を提供する。
一部の実施形態では、薬学的に許容可能な担体は、好ましくは、使用する用量、及び、濃度でレシピエントに対して無毒である。本明細書に記載の抗体は、固体、半固体、液体、または、気体の形態の調製物に製剤し得る。このような製剤の例として、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、軟膏剤、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、マイクロスフェア、及び、エアロゾル剤があるが、これらに限定されない。薬学的に許容可能な担体は、所望の製剤に応じて、動物またはヒト投与のための薬学的組成物を製剤するために一般的に使用するビヒクルである、薬学的に許容可能な非毒性の希釈剤の担体を含み得る。特定の実施形態では、薬学的組成物は、例えば、組成物のpH、浸透圧、粘度、透明度、色、等張性、臭気、無菌性、安定性、溶解または放出の速度、吸着または浸透を改変、維持、または、保存するための製剤材料を含むことができる。
特定の実施形態では、薬学的に許容可能な担体として、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、または、リジンなど);抗菌剤;酸化防止剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または、亜硫酸水素ナトリウム);緩衝剤(ホウ酸塩、重炭酸塩、Tris-HCl、クエン酸塩、リン酸塩、または、その他の有機酸など);増量剤(マンニトール、または、グリシンなど);キレート剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など);錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、ベータ-シクロデキストリン、または、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンなど);増量剤;単糖類;二糖類;及び、その他の炭水化物(グルコース、マンノース、または、デキストリンなど);タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または、免疫グロブリンなど);着色剤、矯味矯臭剤、及び、希釈剤;乳化剤;親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);低分子量ポリペプチド;塩を形成する対イオン(ナトリウムなど);防腐剤(塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、または、過酸化水素など);溶媒(グリセリン、プロピレングリコール、または、ポリエチレングリコールなど);糖アルコール(マンニトール、または、ソルビトールなど);懸濁剤;界面活性剤、または、湿潤剤(プルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサパルなど);安定性増強剤(スクロース、または、ソルビトールなど);等張化増強剤(アルカリ金属ハロゲン化物、好ましくは、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトールソルビトールなど);送達媒体;希釈剤;賦形剤、及び/または、薬学的アジュバントがあるが、これらに限定されない。様々な種類の投与に適した製剤のさらななる例は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Pharmaceutical Press 22nd ed.(2013)に認められる。薬物送達法の簡潔な総説については、Langer,Science 249:1527-1533(1990)を参照されたい。
非経口投与に好適な製剤として、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、及び、製剤を対象のレシピエントの血液と等張にする溶質を含むことができる水性及び非水性の等張性無菌注射液剤と、懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び、防腐剤を含むことができる水性及び非水性の無菌懸濁剤とがある。
製剤を、脳または中枢神経系で保持し、そして、安定化するように最適化し得る。作用物質を頭蓋区画に投与すると、その作用物質が、その区画内に保持され、拡散せず、または、拡散しても血液脳関門を通過しないことが望ましい。安定化技法として、分子量の増大を達成するために、架橋、多量体化、または、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、中性タンパク質担体などの基への結合などがある。
保持率を増大させるためのその他の方策として、生分解性または生体侵食性インプラントへの本開示の抗MS4A6A抗体の封じ込めがある。治療的活性物質の放出速度は、ポリマーマトリックスを介した輸送速度、及び、インプラントの生分解速度によって制御される。インプラントは、粒子、シート、パッチ、プラーク、繊維、マイクロカプセルなどとし得るものであり、また、選択した挿入部位に適合するあらゆるサイズまたは形状とし得る。使用し得る生分解性ポリマー組成物は、分解したときにモノマーなど、生理学的に許容可能な分解生成物を生成する有機エステルまたはエーテルとし得る。無水物、アミド、オルトエステルなどを、単独で、または、その他のモノマーと組み合わせて使用し得る。これらのポリマーを、縮合ポリマーとし得る。これらのポリマーは、架橋したもの、または、未架橋のものとし得る。特に対象となるものは、ホモポリマーまたはコポリマーのいずれかであるヒドロキシ脂肪族カルボン酸のポリマー、それに、多糖である。対象となるポリエステルとして、D-乳酸、L-乳酸、ラセミ乳酸、グリコール酸、ポリカプロラクトン、及び、これらの組み合わせのポリマーがある。対象となる多糖として、アルギン酸カルシウム、及び、官能化セルロース、特に、非水溶性であり、分子量が約5kD~500kDであることを特徴とするカルボキシメチルセルロースエステルなどがある。生分解性ヒドロゲルも、本開示のインプラントに採用し得る。ヒドロゲルとは、一般的に、液体を吸収する能力を特徴とするコポリマー材料である。
V.治療用途
本明細書で開示したように、本開示の抗MS4A6A抗体は、疾患及び障害を予防する、疾患及び障害のリスクを低減する、または疾患及び障害を治療するために、使用し得る。一部の実施形態では、本開示の抗MS4A6A抗体は、アルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、及び、認知障害を予防する、アルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、及び、認知障害のリスクを低減する、またはアルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、及び、認知障害を治療する上で、有効である。
疾患標的としてのMS4A6A
ゲノムワイド関連研究は、MS4Aファミリーの様々なメンバーが、アルツハイマー病に関連していることを確認している。これらは、MS4A2、MS4A3、MS4A4A、MS4A4E、MS4A6A、及び、MS4A6Eである。アルツハイマー病のリスクに関連する特定のSNPは、rs610932、rs583791、及び、rs667897などの非コード領域;MS4A4EとMS4A6Aとの間の遺伝子間領域(rs670139);及び、MS4A6Aのコーディング領域のrs7232に位置している。MS4A遺伝子クラスターの3つのSNPは、MS4A4Aのrs4938933、MS4A4Eのrs670139、及び、MS4A6Aのrs610932などの遅発性アルツハイマー病のリスクの高まりと関連している(Hollingworth et al.,2011,Nat Genetics,43:429-435;Naj et al.,2011,Nature Genetics,43:436-441;Antunez et al.,2011,Genome Medicine,3、article 33;Ma et al.,2015 Mol Neurobiol 51:1240-1248)。加えて、MS4A4A遺伝子座のSNP(rs2304933、及び、rs2304935)は、高いレベルのMS4A4Aと関連しており、また、遅発性アルツハイマー病(LOAD)などのアルツハイマー病のリスクを増大させた(Allen et al.,2012,Neurology,79:221-228)。SNPを、貴重な遺伝子バイオマーカーとして役立てることができる。例えば、SNPを、疾患のリスクまたは易罹患性と関連させることが可能であり、SNPの特定の対立遺伝子、または、2つ以上の特定の対立遺伝子は、疾患のリスクまたは易罹患性(例えば、易罹患性対立遺伝子)の増大と関連している。あるいは、SNPは、疾患のリスク(例えば、保護的対立遺伝子)の低減と関連することができる。
アルツハイマー病に関連する3つのSNPは、顕著な連鎖不平衡にある:rs583791(T)対立遺伝子、rs7232(T)対立遺伝子、及び、rs610932(G)対立遺伝子は相関しており、そして、アルツハイマー病のリスクまたは易罹患性の増大に関連する主要な(最も頻度の大きな)対立遺伝子である;rs583791(C)対立遺伝子、rs7232(A)対立遺伝子、及び、rs610932(T)対立遺伝子は相関しており、アルツハイマー病のリスクの低下と関連するマイナー(頻度が小さな)対立遺伝子である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示は、アルツハイマー病のリスクもしくは易罹患性に関連する少なくとも1つの遺伝学的対立遺伝子を有する個体における神経変性の疾患、障害、もしくは、病態を予防する、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクを低減する、または当該疾患、障害、もしくは、病態を治療するための方法を提供しており、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、アルツハイマー病のリスクまたは易罹患性の増大に関連する遺伝学的対立遺伝子は、rs583791(C)対立遺伝子である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、アルツハイマー病のリスクまたは易罹患性の増大に関連する遺伝学的対立遺伝子は、rs7232(T)対立遺伝子である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、アルツハイマー病のリスクまたは易罹患性の増大に関連する遺伝学的対立遺伝子は、rs610932(G)対立遺伝子である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、アルツハイマー病のリスクまたは易罹患性の増大に関連する遺伝学的対立遺伝子は、MS4A6Aの発現または活性の低下または低減に関連する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、アルツハイマー病のリスクまたは易罹患性の増大に関連する遺伝学的対立遺伝子は、MS4A6Aの細胞表面発現または活性の低下または低減に関連する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、アルツハイマー病のリスクまたは易罹患性の増大に関連する遺伝学的対立遺伝子は、MS4A6Aの機能喪失または機能低下に関連する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、神経変性の疾患、障害、または、病態に関連する少なくとも1つの遺伝学的対立遺伝子を有する個体は、少なくとも1つの遺伝学的対立遺伝子についてホモ接合性である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、神経変性の疾患、障害、または、病態に関連する少なくとも1つの遺伝学的対立遺伝子を有する個体は、少なくとも1つの遺伝学的対立遺伝子についてヘテロ接合性である。
本開示の特定の態様では、抗MS4A6A抗体を、それを必要とする個体に対して投与する本明細書で提供する方法は、MS4A6Aの発現または活性を増大させるか、MS4A6Aの適切な細胞表面発現または局在化を増大させるまたは回復するか、あるいは、さもなければrs583791(T)対立遺伝子、rs7232(T)対立遺伝子、または、rs610932(G)対立遺伝子などの神経変性リスク対立遺伝子を有する個体に関連する生化学的または生理学的欠陥を修正する。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする個体において、MS4A6A発現または活性を増大させる方法を提供し、当該個体は、rs583791(T)、rs7232(T)、または、rs610932(G)からなる群から選択される少なくとも1つのアルツハイマー病のリスクまたは易罹患性対立遺伝子を有しており、当該方法は、当該個体に対して抗MS4A6A抗体を投与して、それにより、MS4A6Aの発現または活性を増大させることを含む。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、本開示は、それを必要とする個体において、MS4A6Aの細胞表面発現または局在化を増大または回復させるための方法を提供し、当該個体は、rs583791(T)、rs7232(T)、または、rs610932(G)からなる群から選択される少なくとも1つのアルツハイマー病のリスクまたは易罹患性対立遺伝子を有しており、当該方法は、当該個体に対して抗MS4A6A抗体を投与して、それにより、MS4A6Aの細胞表面発現または局在化を増大または回復させることを含む。
一部の実施形態では、本開示は、抗MS4A6A抗体での治療のために個体を選択する方法を提供し、当該方法は、a)当該個体から試料(例えば、血液試料)を得ること;b)どの神経変性の疾患、障害、または、病態のリスクの増大に関連する遺伝学的対立遺伝子が、当該個体に存在するかを決定すること;c)抗MS4A6A抗体での治療のために個体を選択することを含み、当該個体は、神経変性の疾患、障害、または、病態のリスクの増大に関連する1つ以上の遺伝学的対立遺伝子を有する。一部の実施形態では、神経変性の疾患、障害、または、病態のリスクの増大に関連する遺伝学的対立遺伝子は、rs583791(C)対立遺伝子である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、神経変性の疾患、障害、または、病態のリスクの増大に関連する遺伝学的対立遺伝子は、rs7232(T)対立遺伝子である。前出の実施形態のいずれかと組み合わせ得る一部の実施形態では、神経変性の疾患、障害、または、病態のリスクの増大に関連する遺伝学的対立遺伝子は、rs610932(G)対立遺伝子である。個体から血液試料などの試料を得るために、当業者に公知のあらゆる適切な方法を使用し得る。さらに、例えばSNP分析によって、個体が有する遺伝学的リスクまたは易罹患性対立遺伝子を決定するために、当業者に公知のあらゆる方法が使用できることが、理解される。
本明細書で提供する方法は、神経変性の疾患、障害、もしくは、病態を予防する、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、病態を有する個体を治療する際の用途を見出す。一部の実施形態では、本開示は、神経変性障害を予防する、神経変性障害のリスクを低減する、または、神経変性障害を有する個体を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を予防する、アルツハイマー病のリスクを低減する、または、アルツハイマー病を有する個体を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、遅発性アルツハイマー病を予防する、遅発性アルツハイマー病のリスクを低減する、または、遅発性アルツハイマー病を有する個体を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、軽度認知機能障害を予防する、軽度認知機能障害のリスクを低減する、または、軽度認知機能障害を有する個体を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。
一部の実施形態では、本開示は、MS4A6Aの発現もしくは活性の低下もしくは低減に関連する疾患、障害、もしくは、病態を予防する、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、病態を有する個体を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、本開示は、MS4A6Aの細胞表面発現もしくは活性の低下または低減に関連する疾患、障害、もしくは、病態を予防する、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、病態を有する個体を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、MS4A6Aの発現または活性の低下または低減に関連する疾患、障害、または、病態は、例えば、アルツハイマー病などの神経変性の疾患、障害、または、病態である。
特定の実施形態では、MS4A6Aの機能の喪失、MS4A6Aの機能の低下、MS4A6Aの発現もしくは活性の低下もしくは低減、または、MS4A6Aの細胞表面発現の低下もしくは低減は、アルツハイマー病などの神経変性の疾患、障害、または、病態を有する、または、それらが進行するリスクの高まりと関連している。
一部の実施形態では、本開示は、MS4A6Aの活性の低下もしくは低減に関連する疾患、障害、もしくは、病態を予防する、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクを低減する、または当該疾患、障害、もしくは、病態を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、MS4A6Aの活性の低下または低減が認められる個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、本開示は、MS4A6Aの機能の喪失に関連する疾患、障害、もしくは、病態を予防する、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクを低減する、または当該疾患、障害、もしくは、病態を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、MS4A6Aの活性の低下または低減が認められる個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、本開示は、MS4A6Aの発現の低下もしくは低減に関連する疾患、障害、もしくは、病態を予防する、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、病態を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、MS4A6Aの活性の低下または低減が認められる個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。一部の実施形態では、本開示は、MS4A6Aの不適切もしくは不正確な細胞局在に関連する疾患、障害、もしくは、病態を予防する、当該疾患、障害、もしくは、病態のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、病態を治療するための方法を提供するものであり、当該方法は、MS4A6Aの不適切または不正確な局在が認められる個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与することを含む。本開示の特定の態様では、それを必要とする個体に対して、治療有効量の抗MS4A6A抗体を投与すると、MS4A6AJの発現が増大し、MS4A6Aの活性が増大し、MS4A6Aの適切な、または、正しい細胞局在化をもたらし、MS4A6Aの細胞表面発現が増大し、かつ/または、当該個体におけるMS4A6Aの機能の獲得につながる。
一部の態様では、MS4A6Aの活性の低下もしくは低減に関連する、MS4A6Aの機能の喪失に関連する、MS4A6Aの発現の低下もしくは低減に関連する、または、MS4A6Aの不適切もしくは不正確な細胞局在に関連する疾患、障害、または、病態は、少なくとも部分的には、MS4A6A遺伝子に関連または直結する遺伝子欠陥または欠に起因している。
一部の態様では、MS4A6Aの活性の低下もしくは低減に関連する、MS4A6Aの機能の喪失に関連する、MS4A6Aの発現の低下もしくは低減に関連する、または、MS4A6Aの不適切もしくは不正確な細胞局在に関連する疾患、障害、または、病態は、少なくとも部分的には、正常な老化に起因している。
本開示のその他の態様は、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、軽度認知機能障害、血管性認知症、血管性認知症、発作、網膜ジストロフィー、外傷性脳損傷、脊髄損傷、長期鬱病、動脈硬化性血管疾患、正常な老化の望ましくない症状、認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、狼瘡、急性及び慢性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、変性椎間板疾患、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性播種性脳脊髄炎、肉芽腫性障害、サルコイドーシス、加齢性疾患、加齢性黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身感染症、炎症性障害、関節炎、多発性硬化症、代謝障害、肥満、インスリン抵抗性、2型糖尿病、組織または血管の傷害、外傷、炎症性細胞の破片もしくはタンパク質凝集体、異常な循環骨髄細胞、不健康な老化、加齢性認識機能障害、加齢性脳萎縮、炎症やニューロン脱落など、これらに限定されない加齢関連形質、及び、高齢者の前頭大脳皮質の認知障害など、公知の脳疾患が認められない認知障害などの認知障害、及び、正常な老化の1つ以上の望ましくない症状からなる群から選択される疾患、障害、もしくは、損傷を予防する、当該疾患、障害、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、損傷を有する個体を治療する方法であって、当該個体に対して、前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体の治療有効量を投与することを含む、当該方法に関する。本開示のその他の態様は、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、発作、網膜ジストロフィー、外傷性脳損傷、脊髄損傷、長期鬱病、動脈硬化性血管疾患、正常な老化の望ましくない症状、認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、狼瘡、急性及び慢性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、変性椎間板疾患、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性播種性脳脊髄炎、肉芽腫性障害、サルコイドーシス、加齢性疾患、加齢性黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身感染症、炎症性障害、関節炎、多発性硬化症、代謝障害、肥満、インスリン抵抗性、2型糖尿病、組織または血管の傷害、外傷、炎症性細胞の破片またはタンパク質凝集体、異常な循環骨髄細胞、不健康な老化、加齢性認識機能障害、加齢性脳萎縮、炎症やニューロン脱落など、これらに限定されない加齢関連形質、及び、高齢者の前頭大脳皮質の認知障害など、公知の脳疾患が認められない認知障害などの認知障害、及び、正常な老化の1つ以上の望ましくない症状からなる群から選択される疾患、障害、もしくは、損傷の予防、当該疾患、障害、もしくは、損傷のリスクの低減、または、当該疾患、障害、もしくは、損傷を有する個体の治療のために使用するための前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体に関する。本開示のその他の態様は、転移の予防または低減における使用のための前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体に関する。本開示のその他の態様は、がんの予防、がんのリスクの低減、または、がんを有する個体の治療における使用のための前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体に関する。
本開示のその他の態様は、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、軽度認知機能障害、血管性認知症、発作、網膜ジストロフィー、外傷性脳損傷、脊髄損傷、長期鬱病、動脈硬化性血管疾患、正常な老化の望ましくない症状、認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、狼瘡、急性及び慢性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、変性椎間板疾患、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性播種性脳脊髄炎、肉芽腫性障害、サルコイドーシス、加齢性疾患、加齢性黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身感染症、炎症性障害、関節炎、多発性硬化症、代謝障害、肥満、インスリン抵抗性、2型糖尿病、組織または血管の傷害、外傷、炎症性細胞の破片またはタンパク質凝集体、異常な循環骨髄細胞、不健康な老化、加齢性認識機能障害、加齢性脳萎縮、炎症やニューロン脱落など、これらに限定されない加齢関連形質、及び、高齢者の前頭大脳皮質の認知障害など、公知の脳疾患が認められない認知障害などの認知障害、及び、正常な老化の1つ以上の望ましくない症状からなる群から選択される疾患、障害、もしくは、損傷を予防する、当該疾患、障害、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、損傷を有する個体を治療するための医薬の製造における、前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体の使用に関する。本開示のその他の態様は、前頭側頭型認知症、進行性核上性麻痺、アルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、軽度認知機能障害、血管性認知症、発作、網膜ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、脊髄損傷、認知症、脳卒中、パーキンソン病、急性播種性脳脊髄炎、網膜変性、加齢黄斑変性症、緑内障、多発性硬化症、敗血症性ショック、細菌感染、関節炎、及び、変形性関節症からなる群から選択される疾患、障害、もしくは、損傷を予防する、当該疾患、障害、もしくは、損傷のリスクの低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、損傷を有する個体を治療する方法であって、当該個体に対して、前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体の治療有効量を投与することを含む、当該方法に関する。本開示のその他の態様は、前頭側頭型認知症、進行性核上性麻痺、アルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、軽度認知機能障害、血管性認知症、発作、網膜ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、脊髄損傷、認知症、脳卒中、パーキンソン病、急性播種性脳脊髄炎、網膜変性、加齢黄斑変性症、緑内障、多発性硬化症、敗血症性ショック、細菌感染、関節炎、及び、変形性関節症からなる群から選択される疾患、障害、もしくは、損傷の予防、当該疾患、障害、もしくは、損傷のリスクの低減、または、当該疾患、障害、もしくは、損傷を有する個体の治療における使用のための前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体に関する。本開示のその他の態様は、前頭側頭型認知症、進行性核上性麻痺、アルツハイマー病、血管性認知症、発作、網膜ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、外傷性脳損傷、脊髄損傷、認知症、脳卒中、パーキンソン病、急性播種性脳脊髄炎、網膜変性、加齢黄斑変性症、緑内障、多発性硬化症、敗血症性ショック、細菌感染、関節炎、及び、変形性関節症からなる群から選択される疾患、障害、もしくは、損傷の予防、当該疾患、障害、もしくは、損傷のリスクの低減、または、当該疾患、障害、もしくは、損傷を有する個体の治療のための医薬の製造における前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体の使用に関する。
MS4A遺伝子座の幾つかの遺伝子は、MS4A6Aなど、炎症反応と関連付けられている。(Karch and Goate,2015,Biol Psychiatry,77:43-51)。加えて、MS4Aファミリー遺伝子の過剰発現は、T細胞の活性化を増大させて、血液脳関門を通過するT細胞の輸送を促した。活性化T細胞はミクログリアと相互作用して、ミクログリアを活性化させ、炎症性サイトカインの放出をもたらし、ニューロンの損傷を招いた。MS4A4Bの過剰発現は、T細胞のアポトーシスを低減したが、MS4A4Bのノックダウンは、T細胞をアポトーシスに誘導した。(Ma et al.,2015,Mol Neurobiol,51:1240-1248)
自己炎症性疾患は、臨床症状のグループに属しており、自己免疫症候群とは異なる。自己炎症性疾患は、自己反応性Tリンパ球と自己抗体を持たない自然免疫系の調節異常に起因する、非誘発性炎症のエピソードを特徴とするので、古典的な自己免疫疾患とは異なる。自己炎症性疾患は、2つのグループ:単一遺伝子自己炎症性疾患と、多因子性自己炎症性疾患に分類されている。一部の実施形態では、本開示の方法で予防または治療される自己炎症性障害として、家族性地中海熱(FMF)、メバロン酸キナーゼ欠乏症に関連する周期性熱(高免疫グロブリンD症候群)、TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、NLRP12関連自己炎症性障害(例えば、NALP12関連周期性発熱)、インターロイキン-1受容体拮抗薬(DIRA)欠乏症、化膿性関節炎-壊疽性膿皮症とニキビ(PAPA)症候群、マジード症候群、ブラウ症候群、周期性発熱症候群を伴う高免疫グロブリン血症W(HIDS)、家族性風邪自己炎症症候群(FCAS)、マックルウェルス症候群(MWS)、及び、多発性炎症性疾患の新生児発症(NOMID)などの単一遺伝子自己炎症性疾患があるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、本開示の方法で予防または治療される自己炎症性障害として、周期的発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、及び、アデノパシー症候群(PFAPA)、ベーチェット病、全身性若年性特発性関節炎(sJIA)、スティル病、成人発症スティル病(AOSD)、クローン病、シュニッツラー症候群、スウィート症候群、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、滑膜炎にきび膿疱症骨化性骨炎症候群(SAPHO)、及び、成人発症スティル病などの多因子性自己炎症性疾患があるが、これらに限定されない。(Ciccarelli et al.,2013,Curr Med Chem,21:261-269を参照されたい。)
MS4A遺伝子は、十分に特徴決定されていないが、免疫における重要な役割が、MS4A1、MS4A2、及び、MS4A4Bなど、このクラスターの幾つかのメンバーで示されている(Zuccolo et al., 2010,PLoS One;Zuccolo et al.,2013,Front Immunol,4:195)。
自己免疫疾患は、正常な身体組織に対する異常な免疫反応に起因する。一部の実施形態では、本開示の方法で予防または治療される自己免疫疾患または障害として、アディソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫血管性浮腫、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性腎炎、軸索及びニューロン神経障害(AMAN)、バロー病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病(CD)、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性再発多巣性骨髄炎(CRMO)、チャーグ・シュトラウス、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷アグルチニン病、先天性心臓ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST症候群、クローン病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円盤状ループス、ドレッジエ症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎(EoE)、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、必須混合型クリオグロブリン血症、エバンス症候群、線維筋痛症、線維性巨細胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(HSP)、妊娠性ヘルペスまたは妊娠性類天疱瘡(PG)、低ガンマグロブリン血症、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、封入体筋炎(IBM)、間質性膀胱炎(IC)、若年性関節炎、若年性糖尿病(1型糖尿病)、若年性筋炎(JM)、川崎病、ランバート-イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線形IgA疾患(LAD)、狼瘡、慢性ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発性血管炎(MPA)、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッカハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ(PR)、PANDAS、腫瘍随伴性小脳変性症(PCD)、発作性夜間頻尿ヘモグロビン尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、扁平上皮炎(末梢ブドウ膜炎)、パーソネイジ-ターナー症候群、天疱瘡、末梢神経症、脳脊髄炎、悪性貧血(PA)、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、I型、II型、及び、III型多腺性症候群、多発性筋痛リウマチ、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン性皮膚炎、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆(PRCA)、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、再発性多発性軟骨炎、むずむず脚症候群(RLS)、後腹膜線維化症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子及び精巣自己免疫、全身硬直症候群(SPS)、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スサック症候群、交感性眼炎(SO)、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサハント症候群(THS)、横断性骨髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎(UC)、未分化結合組織病(UCTD)、ブドウ膜炎、血管炎、白斑、及び、ウェゲナー肉芽腫症(または、多発血管炎を伴う肉芽腫症(GPA))があるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、対象または個体は、哺乳動物である。哺乳動物として、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及び、ウマ)、霊長類(例えば、ヒト、そして、サルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、齧歯類(例えば、マウス、及び、ラット)があるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、当該対象または個体は、ヒトである。
本明細書で提供する抗体(及び、あらゆるさらなる治療薬)を、非経口、肺内、鼻腔内、病巣内投与、脳脊髄内、頭蓋内、髄腔内、滑膜内、髄腔内、経口、局所、または、吸入経路などのあらゆる適切な手段で投与することができる。非経口注入として、ボーラスとしての筋肉内、静脈内投与、または、一定期間にわたる持続注入、動脈内、関節内、腹腔内、または、皮下投与がある。一部の実施形態では、当該投与は、静脈内投与である。一部の実施形態では、当該投与を、皮下にする。投与時間の長短をも加味して、投与は、適切な経路、例えば、静脈内注射または皮下注射などの注射で実施できる。本明細書では、単回投与、または、様々な時点に及ぶ複数回投与、ボーラス投与、及び、パルス注入など、これらに限定されない様々な投薬スケジュールを企図している。
本明細書で提供する抗体は、優れた医療行為と一致する方法で、製剤、投薬、及び、投与する。この文脈で考慮すべき要素として、治療する特定の障害、治療を受ける特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、作用物質の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び、開業医に公知のその他の要素がある。当該抗体は、必須ではないが、問題の障害の予防または治療のために現在用いられている1つ以上の作用物質を用いて、任意に製剤する。そのようなその他の作用物質の有効量は、製剤に存在する抗体の量、障害または治療の種類、及び、先述した考察でのその他の要素によって定まる。これらは、一般的には、本明細書に記載したのと同じ用量、及び、投与経路で、または、本明細書に記載した用量の約1~99%、または、あらゆる用量で、かつ、経験的/臨床的に適切であると決定したあらゆる経路で使用する。
疾患の予防または治療のための(単独で、または、1つ以上のその他のさらなる治療剤と組み合わせて使用する場合の)本開示の抗体の適切な用量は、治療する疾患の種類、抗体の種類、疾患の重症度と経過、当該抗体を予防または治療のいずれの目的で投与するのかの区別、従前の治療、患者の病歴と抗体に対する反応、及び、主治医の裁量によって定まる。当該抗体を、一度に、または、一連の治療において、適切に患者に対して投与する。
疾患の種類、及び、重症度に応じて、約1μg/kg~15mg/kg(例えば、0.1mg/kg~10mg/kg)の抗体を、例えば、1回以上の別々の投与、または、持続注入のいずれかで、当該患者に対して投与する最初の候補用量とすることができる。上記した要素に応じて、ある一般的な1日用量を、約1μg/kg~100mg/kg以上の範囲とし得る。病態に応じて、数日以上の反復投与に関しては、一般的に、治療は、疾患症状に所望の抑制が認められるまで続ける。当該抗体のある例示的な用量は、約0.05mg/kg~約10mg/kgの範囲である。したがって、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg、または、10mg/kg(または、それらのあらゆる組み合わせ)の1つ以上の用量を、患者に対して投与し得る。そのような用量は、断続的に、例えば、毎週、または、3週間ごと(例えば、当該患者が、約2~約20、または、例えば、約6用量の抗体の投与を受けるよう)に投与し得る。特定の実施形態では、投薬頻度は、1日3回、1日2回、1日1回、隔日1回、週1回、2週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、8週間に1回、9週間に1回、10週間に1回、または、月1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、または、それ以上である。最初に高負荷用量を、続いて、1回以上の低用量を投与し得る。しかしながら、その他の投与計画も有用であり得る。この治療法の進行状況は、従来の技術とアッセイで容易にモニターできる。
VI.診断用途
あらゆる抗体の一部の実施形態では、本明細書で提供するあらゆる抗MS4A6A抗体は、試料または個体におけるMS4A6Aの存在を検出する上で有用である。本明細書で使用する用語「検出する」とは、定量的または定性的検出を含む。本明細書では、個体、または、個体に由来する組織試料でのMS4A6Aの検出など、診断目的で本開示の抗体を使用する方法を提供する。一部の実施形態では、当該個体は、ヒトである。
当該検出方法は、抗原に結合した抗体の定量が関与し得る。生物学的試料での抗体検出は、免疫蛍光顕微鏡、免疫細胞化学、免疫組織化学、ELISA、FACS分析、免疫沈降、または、マイクロ陽電子放射断層撮影など、当該技術分野で公知のあらゆる方法で行い得る。特定の実施形態では、当該抗体を、例えば、18Fで放射性標識し、次いで、マイクロ陽電子放出断層撮影分析を用いて検出する。また、抗体結合も、陽電子放出断層撮影(PET)、X線コンピューター断層撮影、単一光子放出コンピューター断層撮影(SPECT)、コンピューター断層撮影(CT)、及び、コンピューター断層撮影(CAT)などの非侵襲的手法で、患者において定量し得る。
VII.製造物
本明細書では、本明細書で説明した抗MS4A6A抗体を含む製造物(例えば、キット)を提供する。製造物は、本明細書に記載した抗体を含む1つ以上の容器を含み得る。容器は、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性包装(例えば、密封したMylar、または、プラスチックバッグ)など、これらに限定されない、あらゆる適切な包装とし得る。これらの容器は、単位用量、バルクパッケージ(例えば、複数用量パッケージ)、または、サブユニット用量とし得る。
一部の実施形態では、これらのキットは、第2の作用物質をさらに含み得る。一部の実施形態では、当該第2の作用物質は、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー溶液、及び、デキストロース溶液など、これらに限定されない、薬学的に許容可能な緩衝剤または希釈剤である。一部の実施形態では、当該第2の作用物質は、薬学的に活性な作用物質である。
あらゆる製造物の一部の実施形態では、当該製造物は、本開示の方法に従って使用するための指示書をさらに含む。一般的に、当該指示書は、意図した治療のための用量、投薬スケジュール、及び、投与経路に関する情報を含む。一部の実施形態では、これらの指示書は、本開示のあらゆる方法に従って、前頭側頭型認知症、アルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、認知機能低下または認識機能障害、軽度認知機能障害、血管性認知症、血管性認知症、発作、網膜ジストロフィー、外傷性脳損傷、脊髄損傷、長期鬱病、動脈硬化性血管疾患、正常な老化の望ましくない症状、認知症、混合型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、正常圧水頭症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、タウパチー病、脳卒中、急性外傷、慢性外傷、狼瘡、急性及び慢性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、マラリア、本態性振戦、中枢神経系ループス、ベーチェット病、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、変性椎間板疾患、シャイ・ドレーガー症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核神経節変性症、急性播種性脳脊髄炎、肉芽腫性障害、サルコイドーシス、加齢性疾患、加齢性黄斑変性症、緑内障、網膜色素変性症、網膜変性、気道感染症、敗血症、眼感染症、全身感染症、炎症性障害、関節炎、多発性硬化症、代謝障害、肥満、インスリン抵抗性、2型糖尿病、組織または血管の傷害、外傷、炎症性細胞の破片またはタンパク質凝集体、異常な循環骨髄細胞、不健康な老化、加齢性認識機能障害、加齢性脳萎縮、炎症やニューロン脱落など、これらに限定されない加齢関連形質、及び、高齢者の前頭大脳皮質の認知障害など、公知の脳疾患が認められない認知障害などの認知障害、及び、正常な老化の1つ以上の望ましくない症状から選択される疾患、障害、もしくは、損傷を予防する、当該疾患、障害、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、当該疾患、障害、もしくは、損傷を有する個体を治療するために、当該個体に対して、前出の実施形態のいずれかの抗MS4A6A抗体の治療有効量を投与することを含む、本開示の単離した抗体(例えば、本明細書で説明した抗MS4A6A抗体)の投与に関する説明を含む。
一部の実施形態では、当該指示書は、抗MS4A6A抗体、及び、第2の作用物質(例えば、薬学的に活性な第2の作用物質)の使用に関する指示を含む。
以下の実施例を参照することで、本開示の理解は十分に深まる。しかしながら、それらを、本開示の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。本開示全体でのすべての引用を、本明細書の一部を構成するものとして、明示的に援用する。
実施例1:DNA免疫処置のためのMS4A6A発現プラスミドの構築
MS4A6Aに対する抗体を開発するために、DNA免疫処置手法を使用した。ヒト、及び、カニクイザル(cyno)MS4A6AをコードするcDNA配列(それぞれ、SEQ ID NO:1、及び、3)を、DNA免疫処置のために、pCAGGS哺乳動物発現ベクター(KeraFAST EH1017)にクローニングした。MS4A6Aタンパク質の発現を、HEK293T細胞への発現構築物の一過性トランスフェクションに続いて、市販の抗MS4A6A抗体(Abcamのウサギポリクローナル、カタログ番号156278、及び、カタログ番号189983)を用いたウエスタンブロッティングを行って確認した。このことを行うために、24時間トランスフェクトした細胞を、緩衝剤(RIPA溶解緩衝剤(ThermoFischerScientificカタログ番号89900)+1:100 HALTプロテアーゼ阻害剤カクテル(ThermoFischerScientific カタログ番号87786))で溶解し、そして、14,000×gで、15分間、遠心分離して不溶性の破片を除いた。可溶性画分を、タンパク質定量のために、ビシンコニン酸(BCA)試薬でアッセイした。それぞれの試料から得た等量のタンパク質を、4~12% Bis-Tris Plusポリアクリルアミドゲル(ThermoFisherScientific NW04120)にロードし、そして、電気泳動分離を行った後に、ゲル内のタンパク質を、iBlot2(ThermoFisherScientific IM21001)と、Transfer Stacks(ThermoFisherScientific IB24002)とを使用して、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写した。非特異的結合を防ぐために、この膜を、1%ウシ血清アルブミン、または、5%脱脂乳のいずれかでブロックした。次に、この膜を、ポリクローナル抗MS4A6A抗体(Abcam、カタログ番号156278、及び、カタログ番号189983)とインキュベートし、洗浄を終えてから、HRP結合二次抗体(ウサギ、Abcam#205718、マウス、Abcam#205719)とインキュベートした。SuperSignal West Pico Plus化学発光基質(ThermoFisherScientific カタログ番号34577)で膜を現像して結合を視覚化し、そして、iBright FL1000(ThermoFisher A32752)、または、その他の互換システムでデジタル記録した。
図1に示すように、ヒトMS4A6AまたはカニクイザルMS4A6Aのいずれかの発現構築物をトランスフェクトした細胞を、ポリクローナル抗MS4A6A抗体でプローブすると、約27kDaで反応性バンドを示した(上部:Abcam#156278、下部:Abcam#189983)。トランスフェクトしていないHEK293細胞、または、無関係のMS4A4A発現構築物をトランスフェクトしたHEK293細胞は、おそらくは、一部の内因性発現が故に、非常に低レベルのMS4A6A反応性を示した。
実施例2:抗MS4A6Aハイブリドーマ抗体の生成
MS4A6Aに対する抗体を得るために、以下の手順を用いて、ハイブリドーマを生成した。Balb/c、または、SJLマウス(Jackson Laboratory,Bar Harbor,ME)を、乳酸リンゲル液で希釈したmFlt3リガンド(DNA)、及び、mGM-CSF(DNA)(Invitrogen,San Diego,CA)の有無に関係なく、ヒト、または、カニクイザルの全長MS4A6Aをコードする50μgのプラスミドDNAで、それぞれを、毎週、同時に免疫処置した。DNA免疫処置のために、MS4A6A発現プラスミドの注射を、合計で8回、マウスごとに実施した。最後のDNA免疫処置の3日後に、マウスから脾臓を採取した。マウスから得た血清は、ヒト、及び/または、カニクイザルのMS4A6Aを過剰発現しているHEK293細胞を使用して、FACS分析で、MS4A6Aに対する反応性について分析した。ヒト、及び/または、カニクイザルMS4A6Aを過剰発現するHEK293細胞に対する強力な結合がFACSで実証されている血清を有するマウス由来の脾細胞を、電気融合(ECM2001,BTX,Holliston,MA)を介して、P3X63Ag8.653マウス骨髄腫細胞(CRL-1580,American Type Culture Collection,Rockville,MD)と融合させ、そして、37℃、5% COで、一晩、Clonacell-HY Medium C(StemCell Technologies,Vancouver,BC,Canada)でインキュベートした。
翌日、融合細胞を遠心分離し、そして、抗マウスIgG Fc-FITC(Jackson Immunoresearch,West Grove,PA)を含む10mlのClonaCell-HY培地Cに再懸濁し、次いで、メチルセルロースを主成分とし、HATコンポーネントを含む、90mlのClonaCell-HY Medium D(Stemcell Technologies)と穏やかに混合した。これらの細胞を、Nunc OmniTrays(Thermo Fisher Scientific,Rochester,NY)に置き、37℃、5% COで、8日間増殖させた。蛍光コロニーを選択し、そして、Clonepix 2(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)を使用して、Clonacell-HY Medium E(StemCell Technologies)を含む96ウェルプレートに移した。5日後に、後述するようにして、ハイブリドーマの組織培養上清を、全長カニクイザルMS4A6Aを過剰発現するHEK293細胞に対するFACSでスクリーニングした。2回の独立した融合を行い、合計で、960個のハイブリドーマクローンを生成した。
実施例3:MS4A6A遺伝子バリアントを用いたHEK293細胞のトランスフェクション
HEK293細胞(ATCC CRL-1573)を、ダルベッコの改変イーグル培地(DMEM,Sigma)+10% FBS(Gibco)で、>80%のコンフルエントになるまで培養した。次に、細胞を、非酵素的細胞解離緩衝剤(CellStripper,Corning)で解離し、トランスフェクションの24時間前に、T150フラスコ(ThermoFischerScientificカタログ番号08-772-48)にて、40~50%の集密度で播種した。製造業者のプロトコールに従って、Lipofectamine 3000(ThermoFischerScientific)を使用して、トランスフェクションをした。HEK293細胞中でのMS4A6A過剰発現の毒性効果に先行させるために、トランスフェクションの24時間後に、細胞を回収した。回収した細胞を、FACS分析に直ちに使用するか、あるいは、その後の使用のために10%DMSOで凍結した。
ヒトまたはカニクイザルMS4A6Aのいずれかを発現する、一過性にトランスフェクトしたHEK293細胞を生成した。細胞におけるMS4A6Aタンパク質発現は、以下のようにして、ウエスタンブロッティングで確認した。24時間トランスフェクトしたHEK293細胞を、溶解緩衝剤(RIPA溶解緩衝剤(ThermoFischerScientificカタログ番号89900)+1:100 HALTプロテアーゼ阻害剤カクテル(ThermoFischerScientific カタログ番号87786))で溶解し、そして、14,000×gで、15分間、遠心分離して不溶性の破片を除去した。可溶性画分を、タンパク質定量のために、ビシンコニン酸(BCA)試薬でアッセイした。それぞれの試料から得た等量のタンパク質を、4~12% Bis-Tris Plusポリアクリルアミドゲル(ThermoFisherScientific NW04120)にロードし、電気泳動分離を行った後に、当該ゲルでのタンパク質を、iBlot2(ThermoFisherScientific IM21001)、及び、Transfer Stacks(ThermoFisherScientific IB24002)を使用して、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写した。この膜を、1%ウシ血清アルブミン、または、5%脱脂乳でブロックして、非特異的結合を防いだ。次に、この膜を、ポリクローナル抗体(Abcam、カタログ番号156278、及び、189983)とインキュベートし、洗浄を終えてから、HRP結合二次抗体(ウサギ、Abcam#205718、マウス、Abcam#205719)とインキュベートした。SuperSignal West Pico Plus化学発光基質(ThermoFisherScientific カタログ番号34577)で現像して結合を視覚化し、そして、iBright FL1000(ThermoFisher A32752)、または、その他の互換システムでデジタル記録した。
MS4A6Aに関しては、フローサイトメトリーで使用可能な市販の試薬が無いので、免疫処置したマウスの血清を使用して、細胞上でのMS4A6Aの表面発現を検出した。要するに、一過性にトランスフェクトした細胞を、氷上で、LIVE/DEAD Fixable Aqua Dead Cell Stain Kit(ThermoFisher Scientific L34957)で、30分間、標識した。PBSで洗浄した後に、2×10個の細胞を、96ウェルU底プレートのウェルごとに等分し、そして、50μlの希釈血清を共に、氷上で、30分間インキュベートした。一次インキュベーションの後に、当該上清を、遠心分離で除去し、これらの細胞を、175μlの氷冷FACS緩衝剤(PBS+1%FBS+2mM EDTA)で2回洗浄した後に、1:200に希釈した抗マウスIgG Fc-APC(Jackson ImmunoResearch Labs,West Grove,PA,カタログ番号115-136-071)と共に、氷上で、20分間インキュベートした。この二次インキュベーションの後に、これらの細胞を、再び氷冷FACS緩衝剤で2回洗浄し、そして、最終容量200μlのFACS緩衝剤に再懸濁した。分析を、FACS Cantoシステム(BD Biosciences)で行い、ゲートを取り出して、死滅した(Aqua陽性)細胞を排除した。
これらの結果は、カニクイザルMS4A6Aを一過性にトランスフェクトした細胞が、MS4A6Aの細胞表面発現に関して陽性であることを示した。ヒトMS4A6Aを一過性にトランスフェクトした細胞は、ウェスタンブロット分析を使用して、これらの細胞においてMS4A6Aタンパク質を検出したにもかかわらず、この方法を使用しても、MS4A6Aの細胞表面発現は示さなかった(図1を参照されたい)。図2A及び2Cは、それぞれ、ヒトMS4A6AをトランスフェクトしたHEK293細胞(影無しトレース)、及び、トランスフェクトしていないHEK293細胞(影付きトレース)に対する結合に関する、2つの独立したハイブリドーマ上清の結果を示す。図2B及び2Dは、それぞれ、カニクイザルMS4A6AをトランスフェクトしたHEK293細胞(影無しトレース)、及び、トランスフェクトしていないHEK293細胞(影付きトレース)に対する結合に関する、2つの独立したハイブリドーマ上清の結果を示す。図2B及び2Dに示したように、カニクイザル-MS4A6Aをトランスフェクトした細胞は、強力な抗MS4A6A抗体結合を示した。
カニクイザルMS4A6Aアミノ酸配列は、ヒトMS4A6Aのアミノ酸配列と約89%が同一であるので、大部分のクローンは、ヒトとカニクイザルMS4A6Aとの間での交差反応性を予測できる。このことは、以下のペプチド結合研究で確認した。したがって、ハイブリドーマ上清のその後のスクリーニングを、カニクイザルMS4A6Aをトランスフェクトした細胞を使用して行った。
実施例4:MS4A6A発現プラスミドを用いたその他の細胞株のトランスフェクション
ヒトMS4A6AまたはカニクイザルMS4A6Aを発現する安定的にトランスフェクトしたHEK293細胞株の生成が困難であることを考慮すると、その他のDNAベクター、及び、細胞株を試験して、MS4A6A発現に関する良好な適合性の有無を調べた。安定したトランスフェクションのために、MS4A6Aコード配列を、発現ベクターpD2533-G418、または、pD3539-puro(Atum,Newark,CA,USA)に導入した。
MS4A6Aは、インビボで、骨髄細胞中でネイティブに発現している。したがって、上記した細胞を使用して認められた毒性の問題を解消するために、組換えMS4A6Aの一過性発現に対して、幾つかの骨髄由来細胞株を使用した。細胞株のパネルとして、THP-1細胞(ATCC TIB202)、U937細胞(ATCC CRL-1593.2)、K562細胞(ATCC CCL243)、HL60細胞(ATCC CCL240)、及び、Kasumi-1細胞(ATCC CRL-2724)を含めた。マウスのプレB細胞株である300.19細胞(Tufts University T000710)も、組換えタンパク質の発現目的で一般的に使用されているので試験を行った。選択とトランスフェクション効率に適したG418またはピューロマイシンの用量を決定するために、これらの細胞株のそれぞれの抗生物質感受性をスクリーニングした。U937細胞、K562細胞、及び、300.19細胞のトランスフェクタントが、MS4A6A発現プラスミドのトランスフェクションと、抗生物質選択とをした後に生存可能であることが認められた。限界希釈でクローニングした後に、個々のクローンを生成し、そして、上記したようにして、ウエスタンブロッティングによって、ヒトMS4A6Aタンパク質発現についてスクリーニングした。
加えて、カニクイザルMS4A6A発現構築物を作成し、そして、上記した細胞株にトランスフェクトした。カニクイザルMS4A6Aタンパク質は、フローサイトメトリーで、細胞表面で検出できるので、この方法を使用して、安定したU937細胞、及び、K562細胞トランスフェクタントでのMS4A6Aの表面発現を確認した。それらの結果を、図3A(U937細胞)、及び、図3B(K562細胞)に示す。図3Aは、トランスフェクトしていないU937細胞に対する結合(左側のトレース)と比較した、カニクイザルMS4A6AをトランスフェクトしたU937細胞に対する結合(右側のトレース)を示す。図3Bは、トランスフェクトしていないK562細胞に対する結合(左側のトレース)と比較した、カニクイザルMS4A6AをトランスフェクトしたK562細胞に対する結合(右側のトレース)を示す。これらの結果は、当該抗MS4A6Aハイブリドーマ上清が、トランスフェクトした細胞において、細胞表面発現カニクイザルMS4A6Aに結合できることを示した。
実施例5:抗MS4A6Aハイブリドーマの一次スクリーニング
抗MS4A6Aハイブリドーマの最初のスクリーニングを、以下のように行った。まず、得られた960個のハイブリドーマ由来の組織培養上清を、トランスフェクトした細胞と比較して、親の(非トランスフェクト)HEK293細胞に対する結合の程度を比較することで、カニクイザルMS4A6AをトランスフェクトしたHEK293細胞に対して特異的に結合する能力をスクリーニングした。前出のものに改変を加えた製造業者のプロトコールに従って、リポフェクタミンシステムを使用して、MS4A6A発現細胞を、HEK293細胞の一過性トランスフェクションを介して作製した。スクリーニング実験全体の再現性を確保するために、トランスフェクトした細胞の大きなバンク(約1×10個)を、一過性トランスフェクションの単一のラウンドで準備し、そして、以降のすべてのスクリーニング実験のために等分して凍結した。
ハイブリドーマ細胞培養上清のスクリーニングのために、カニクイザルMS4A6AをトランスフェクトしたHEK293細胞を、96ウェルU底プレート(2×10細胞/ウェル)に等分し、そして、氷上で、50μLのハイブリドーマ細胞培養上清と、30分間インキュベートした。この一次インキュベーションの後に、遠心分離して上清を除去し、これらの細胞を、175μLの氷冷FACS緩衝剤(PBS+1%FBS+2mM EDTA)で2回洗浄し、さらに、氷上で、抗マウスIgG Fc-アロフィコシアニン(APC)(Jackson Labs,カタログ番号115-136-071)(1:200に希釈した)と、20分間、インキュベートした。この二次インキュベーションの後に、これらの細胞を、再び、氷冷FACS緩衝剤で2回洗浄し、そして、最終体積30μLのFACS緩衝剤+0.25μl/ウェルのヨウ化プロピジウム(BD Biosciences カタログ番号556463)に再懸濁した。細胞に関する結合強度を、FACS Cantoシステム(BD Biosciences)で分析し、ヨウ化プロピジウム排除の欠如に基づいて判断をしてソートゲートを取り出して、死滅した細胞を排除した。MS4A6Aトランスフェクタントと、HEK293親細胞とに関するAPC中央蛍光強度(MFI)の比率を、それぞれのハイブリドーマ上清について計算した。全部で55個のクローンについて、親の(非トランスフェクト)HEK293細胞に対する結合と比較してMS4A6Aを一過性にトランスフェクションしたHEK293細胞に対する結合が1.5倍も強力であることが、認められた。
陽性クローンを増殖し、次いで、カニクイザルMS4A6Aを過剰発現しているHEK293細胞と、親HEK293細胞とに対する特異性について改めてスクリーニングした。要するに、以前に準備を行って凍結保存した、一過性にトランスフェクトした細胞を、氷上で、LIVE/DEAD Fixable Aqua Dead Cell Stain Kit(ThermoFisher Scientific L34957)で、30分間、標識した。PBSで洗浄した後に、2×10個の細胞を、96ウェル丸底プレートのウェルごとに等分し、そして、50μlの培養上清と共に、氷上で、30分間インキュベートした。一次インキュベーションの後に、当該上清を、遠心分離で除去し、これらの細胞を、175μlの氷冷FACS緩衝剤(PBS+1%FBS+2mM EDTA)で2回洗浄した後に、1:200に希釈した抗マウスIgG Fc-APC(Jackson ImmunoResearch Labs,West Grove,PA,カタログ番号115-136-071)と共に、氷上で、20分間インキュベートした。この二次インキュベーションの後に、これらの細胞を、再び氷冷FACS緩衝剤で2回洗浄し、そして、最終容量200μlのFACS緩衝剤に再懸濁した。分析を、FACS Cantoシステム(BD Biosciences)で行い、ゲートを取り出して、死滅した(Aqua陽性)細胞を排除した。MS4A6A+/HEK親細胞に関するAPC MFIの比率を、それぞれのハイブリドーマについて計算を行い;これらの結果を、以下の表2に示す。スクリーニングを、2回繰り返し、そして、ここで報告する数値は、親細胞に対するトランスフェクトした細胞の平均蛍光レベルの比率を表す。
(表2)
Figure 2023113896000007
実施例6:抗MS4A6A抗体ELISAスクリーニング
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して、ECL1(SEQ ID NO:1のヒトMS4A6Aのアミノ酸残基68~85)、及び、ECL2(SEQ ID NO:1のヒトMS4A6Aのアミノ酸残基138~185)の配列に由来するMS4A6Aペプチドに対する結合について、抗MS4A6Aハイブリドーマ上清を試験した。簡潔には、96ウェルポリスチレンプレートを、1~10μg/mLの非合成ペプチドまたはBSAコンジュゲートペプチドを含むコーティング緩衝剤(0.05M炭酸塩緩衝剤、pH9.6、Millipore Sigma C3041)にて、4℃で、一晩、コーティングした。次いで、コーティングしたプレートを、ELISA希釈剤(PBS+0.5% BSA+0.05% Tween20)で、1時間ブロックし、PBST(PBS+0.05% Tween20,Thermo 28352)で、3×300μLで洗浄し、次いで、それらの抗体を、様々な希釈率(100~1000倍)のELISA希釈剤に加えた。30分間のインキュベーション(室温で、振盪しながら)の後に、それらのプレートを、3×300μLのPBSTで洗浄した。二次抗マウスHRP抗体(Jackson Immunoresearch カタログ番号115-035-003)を、1:1000に希釈したELISA希釈剤(50μl/ウェル)に加え、そして、振盪しながら、室温で、30分間、インキュベートした。最終セットの(3×300μLのPBSTでの)洗浄の後に、50μLのTMB基質(BioFx TMBW-1000-01)を加え、次いで、反応を、50μLの停止溶液(BioFx BSTP-1000-01)で、5~10分後に、停止した。反応停止した反応ウェルを、GEN5 2.04ソフトウェアを使用して、BioTek Synergy Microplate Readerで、650nmの吸光度を検出した。
同定した23個の抗MS4A6A陽性ハイブリドーマクローンの内、17個のハイブリドーマクローン由来の上清は、無関係なコントロールペプチドである、BSA-マウスDAP12と比較して、BSA-MS4A6A-ELC2ペプチドに対して強力な結合を示した。これらのクローンは、当初は、細胞表面発現カニクイザルMS4A6Aタンパク質に対する結合能力によって選択されたが、数多くのクローンは、依然として、ヒトM4A6A ECL2ペプチドに対する結合を示しており、このことは、これら2つの密接に関連するMS4A6A配列間でのこれらのクローンの交差反応性を示している。結合を示さないハイブリドーマクローンは、幾つかの要因、例えば、これらの抗体が、この方法論によってモデル化していない立体配座エピトープに結合し得る、これらの抗体が、ECL1とECL2の両方から構成されるエピトープを認識し得る、または、これらの抗体が、ヒトMS4A6Aタンパク質と交差反応しない場合がある、ということで説明し得る。
一方で、スクリーニングしたハイブリドーマクローンのいずれかについても、ECL1に対する結合は検出されなかった。このことは、長さが48アミノ酸残基であるECL2のものと比較して、長さが18アミノ酸残基のECL1のサイズが小さいことに起因している可能性が高い。MS4A6Aが、CD81と同様のバレル構造を形成する場合、分子は、同様に細胞膜を4回貫通し、そして、より大きなECL2ドメインが、抗体結合に使用可能な露出した表面を支配し得るようになる。本明細書で同定した特定の抗体は、ECL1及びECL2に位置するアミノ酸残基の組み合わせが形成したエピトープを認識しており、したがって、この方法論では検出されない可能性ある。ヒトMS4A6A及びカニクイザルMS4A6AでのECL1のアミノ酸が同一であることに注意されたい。
ELISA結合実験の結果を、以下の表3に示す。
(表3)
Figure 2023113896000008
実施例7:抗MS4A6Aハイブリドーマ抗体の分子クローニング
上記したハイブリドーマから得た抗MS4A6A抗体を、以下のようにしてクローニングした。5×10個のハイブリドーマ細胞を、0.5ml Trizol溶液(Thermo Fisher Scientific,カタログ番号15596026)に再懸濁した。クロロホルム抽出、及び、エタノール沈殿で、全RNAを、細胞から抽出した。ClontechのSMARTer(登録商標)RACE5’/3’キット(Takara Bio USA Inc,カタログ番号634859)を使用して、製造業者のプロトコールに従って、cDNAを、細胞から抽出した。RACEキットに提供した5’UPMプライマー、及び、重鎖定常領域プライマー
Figure 2023113896000009
と、軽定常領域プライマー
Figure 2023113896000010
とを使用するタッチダウンPCRによって、可変重免疫グロブリン領域と、軽免疫グロブリン領域とを個別にクローニングした。PCR産物を、QIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN,カタログ番号28106)で精製し、そして、pCR2.1(登録商標)-TOPO(登録商標)クローニングベクター(TOPO(登録商標)TAクローニングキット、Invitrogen)に結合し、そして、ONESHOT(登録商標)TOP10コンピテント細胞を形質転換した。形質転換した大腸菌(Escherichia coli(E.coli))コロニーを単離し、そして、対応するハイブリドーマ細胞株ごとに、可変重鎖(VH)、及び、可変軽鎖(VL)の核酸の配列決定を行った。配列決定に続いて、可変重鎖領域、及び、可変軽鎖領域を、エンドヌクレアーゼ制限部位(HVに関してはBsrGIとBstEII、LVに関してはBssHIIとBsiWI)を含むプライマーを使用して、PCRで増幅を行い、そして、ヒトIgG1、及び、IgGKを、それぞれコードするpJG哺乳動物発現ベクター(Alector Inc.)にサブクローニングした。
実施例8:組換え抗MS4A6A抗体の産生
精製したハイブリドーマ由来の抗MS4A6A抗体を、それらのハイブリドーマを低IgG培地、または、化学的に定義した培地で培養した後に、ハイブリドーマ上清由来のプロテインAを使用して精製した。ヒトFcドメイン(ヒトIgG1)を含有するキメラ抗体の産生のための組換え発現プラスミドに、それらのハイブリドーマから得た可変遺伝子領域を直接的にクローニングすることで、一部の抗MS4A6A抗体も産生した。当該発現プラスミドを、一過性にExpi293細胞にトランスフェクトし、そして、得られた抗MS4A6A抗体を、プロテインAを介して精製した。
抗MS4A6A抗体の組換え産生は、以下のようにして行った。当該抗MS4A6A抗体VH及びVL鎖をコードする核酸を含む発現プラスミドを、Expi293細胞中での組換え抗体発現に使用した。発現プラスミドのトランスフェクションは、製造業者のプロトコールに従って、Expifectamine-293システム(ThermoFischerScientificカタログ番号A14524)を使用して実行した。要するに、それぞれの抗MS4A6A抗体に関して、12μgの軽鎖プラスミドDNA、及び、18μgの重鎖プラスミドDNAを、80μLのExpifectamine試薬を加えた1.5mL OptiMEM(ThermoFischerScientificカタログ番号31985070)で希釈した。得られた溶液を混合し、そして、室温で、30分間、インキュベートした後に、125mLのフラスコ(Fischer Scientific FIS#PBV12-5)内にある30mLのExpi293細胞(ThemoFischerScientific A14527)を含むExpi293発現培地(ThermoFischerScientific カタログ番号A1435101)を加えた。トランスフェクションの前に、これらの細胞を、約3×10∧6細胞/mLにまで培養した。Expi293細胞の培養条件は、37℃/8% CO2にて、125rpmで、オービタル振盪した。トランスフェクションの16~24時間後に、150μLのExpiFectamine(商標)293トランスフェクションエンハンサー1、及び、1.5mLのExpiFectamine(商標)293トランスフェクションエンハンサー2を、それぞれのフラスコに加えて、組換え抗体の収量を向上させた。トランスフェクションの5~7日後に、培養上清を回収し、濾過(0.2マイクロメートル)し、そして、プロテインAクロマトグラフィーで精製した。
実施例9:抗体重鎖及び軽鎖可変ドメイン配列
同定した23個の抗体の内、22個に関して、標準的な技術を使用して、生成した抗体の軽鎖可変領域及び重鎖可変領域をコードするアミノ酸配列を決定した。これらの抗体のKabat軽鎖CDR配列、及び、重鎖CDR配列を、以下の表4Aに示す。これらの抗体の軽鎖可変領域、及び、重鎖可変領域の配列を、以下の表4Bに示す。
(表4A)抗体CDR配列
Figure 2023113896000011
Figure 2023113896000012
(表4B)V及びV配列
Figure 2023113896000013
Figure 2023113896000014
Figure 2023113896000015
実施例10:抗MS4A6A抗体の動力学的特徴決定
MS4A6A ECL1及びECL2ペプチドに対する精製した抗体の結合動力学的特徴を、以下のようにして、独自のアレイ表面プラズモン共鳴(SPR)装置(MX-96)を使用して、Carterra(South San Francisco,CA)で決定した。Continuous Flow Microspotter(CFM)を使用して、これらの抗体を、CMD500Dチップ(Xantec #SPMX CMD500D ロット番号SC CMD500D0117.a Exp31.12.18)にプリンティングした。まず、このチップを、100mM MES、pH5.5、100μL EDC(最終濃度133mM)、100μLのS-NHS(最終濃度33.3mM)を用いて、7分間かけて活性化した。抗マウスIgG-Fcのローン(Jackson ImmunoResearch カタログ番号115-005-071 ロット番号130410)を、15分間かけて注射して、10000~12000RUの表面密度を確立した後に、チップ表面を、1Mエタノールアミン、pH8.5で、10分間かけて不活性化した。対象となる抗MS4A6A抗体を、HBS-EP+緩衝剤(Teknova カタログ番号H8022)で2:1に希釈したハイブリドーマ上清の形態で、同じ試料溶液から20分間と5分間のプリンティングによって2つ組でプリンティングした。コントロール抗体は、プリンティングのために20μg/mlに希釈した。
動力学的分析を実行するために、対象となるペプチドを、2000nM、400nM、80nM、16nmM、及び、3.2nMの最終アッセイ濃度で、1mg/mlのBSAを含むHBS-EP+緩衝剤で調製した。次に、これらを、チップに5分間かけて注入した後に、非再生的な動力学的シリーズで、毎秒8uLで、7分間の解離時間を設けた。再現性を確保するために、それぞれの抗MS4A6A抗体の2つ組の測定を行った。
MS4A6A ECL-2ペプチドに対するK(会合速度定数;Kon)、K(解離速度定数;Koff)、及びK(平衡定数)を、試験した23個の抗MS4A6A抗体のそれぞれについて計算し、その結果を、以下の表5に示す(結合が弱すぎてこれらの数値を決定できないクローンは、表5においてN/Aと示している)。試験した抗MS4A6A抗体のいずれについても、ECL-1ペプチドに対する結合は認められなかった。
(表5)
Figure 2023113896000016
Figure 2023113896000017
23個の抗MS4A6A抗体の内の15個は、MS4A6A ECL2ペプチドに結合し、そして、全体のKD値は、10e-07未満であった。このことは、上記した実施例7のELISAデータに概ね対応していたが、2つの抗MS4A6A抗体(6A-6及び6A-11)は、ELISAでの測定では結合に関して陽性であったが、Carterraでは結合は認められなかった。これらの2つの抗体の内、6A-6は、SPRトレースに結合を示したが、過剰シグナルは弱かったので、KD値は決定しなかった。試験したいずれの抗体も、無関係なコントロールペプチドには結合しなかった。アイソタイプコントロール抗体、無関係なハイブリドーマクローン、抗HISコントロール抗体、及び、培地だけのコントロールを使用して、アッセイの特異性を確認した。これらのコントロール試薬は、そのいずれもが、細胞に対して結合しなかった。
ECL1ペプチドに対する結合の欠如は、使用した両方の方法論で一致している。このことは、ECL2の48アミノ酸と比較して、長さが18アミノ酸であるECL1のサイズが小さいことに起因する可能性が高いる。MS4A6Aが、CD81のものと同様のバレル構造を形成する場合、分子は、同様に細胞膜を4回貫通し、そして、より大きなECL2が、抗体結合に使用可能な露出した表面を支配し得るようになることが予想される。本明細書で同定した特定の抗MS4A6A抗体は、ECL1及びECL2のアミノ酸残基の組み合わせが形成したエピトープを認識しており、したがって、この方法論の使用では検出されない場合がある。ヒト、及び、カニクイザルMS4A6AでのECL1のアミノ酸配列が同一であることに注意されたい。したがって、交差反応性の欠如は問題ではない。
実施例11:一過性かつネイティブに発現する細胞株に対するMS4A6A抗体の親和性測定
精製した抗MS4A6A抗体を、ヒト、または、カニクイザルMS4A6A発現プラスミドを一過性にトランスフェクトしたHEK293などの様々なMS4A6A発現細胞株、ならびに、HeLa細胞、及び、A549細胞に対する、それら抗体の結合親和性について評価をする。試験する抗体は、ハイブリドーマ上清から精製したマウスIgG、または、Expi293細胞中で組換え産生したヒトIgG1 Fcキメラである。細胞に対する親和性結合は、以下のように決定する。要するに、細胞を回収し、洗浄し、そして、Aqua Live/Deadで標識をして、生存具合を識別する。PBSで洗浄をした後に、2×105個の細胞を、96ウェルU底プレートのウェルごとに等分して入れ、そして、様々な濃度(10μg/mLから始める3倍希釈)の50μLの精製した抗MS4A6A抗体を含むFACS緩衝剤(PBS+2%FBS+1mM EDTA)で、インキュベートする。一次インキュベーション後に、遠心分離で上清を除去し、150μLの氷冷FACS緩衝剤で細胞を2回洗浄し、そして、適切な二次抗体と、氷上で、30分間、インキュベートする。二次インキュベーション後に、これらの細胞を、再び氷冷FACS緩衝剤で2回洗浄し、そして、最終体積が200μLであるFACS緩衝剤に再懸濁する。フローサイトメトリー分析を、FACSCantoシステム(BD Biosciences)で行う。結合データを、蛍光強度の中央値を使用して分析し、そして、曲線を、Prism(非線形回帰:4つのパラメーターを使用したlog阻害剤対用量反応)にあてはめて、EC50値を決定する。
実施例12:ペプチド結合による抗MS4A6A抗体のエピトープ決定
抗MS4A6A抗体の結合のさらなる特徴決定を、次のように行う。具体的には、抗MS4A6A抗体のエピトープマッピングを、プレミックスエピトープビニング手法を使用して、Carterraで行う。抗MS4A6A抗体のエピトープ結合の特徴を、2つの相補的手法で決定する。まず、細胞外ループに由来する重複ペプチドのパネルを、JPTペプチド(Berlin,Germany)、または、Elim Biopharm(Hayward,CA,USA)で合成する。次に、これらを、独自のアレイ表面プラズモン共鳴(SPR)機器(MX-96)を使用するCarterra(South San Francisco,CA,USA)に移して、上記したものと同様のプロトコールを用いて、以下のようにして、これらの結合の特徴を決定する。
当該ペプチドライブラリーを、Continuous Flow Microspotter(CFM)を使用して、CMD500Dチップにプリンティングする。まず、このチップを、100mM MES、pH5.5、100μL EDC(最終濃度133mM)、100μLのS-NHS(最終濃度33.3mM)を用いて活性化する。当該ペプチドライブラリーを、チップに固定化し、その後、当該チップの表面を、1Mエタノールアミンで、pH8.5で、10分間かけて不活性化する。試験する抗MS4A6A抗体を、様々な最終アッセイ濃度で、1mg/ml BSAを含むHBS-EP+緩衝剤で調製する。次に、これらを、チップに5分間かけて注入した後に、非再生的な動力学的シリーズで、毎秒8μLで、7分間の解離時間を設ける。再現性を確保するために、それぞれの抗MS4A6A抗体の2つ組の測定を行う。それぞれのペプチド-抗体の組み合わせに対して結合の特徴決定を行い、それぞれの抗体が相互作用する線形ペプチド領域のマッピングを可能にする。
一部の抗MS4A6A抗体は、不連続なエピトープに結合する。Pepscan(Lelstad,The Netherlands)は、そのようなエピトープに対処するようにデザインした、Chemical Linkage of Peptides onto Scaffolds(CLIPS)として知られている技術を開発した。この技術では、三次構造模倣物のライブラリーをデザインし、そして、固体支持体にて合成を行う。これらの模倣物は、ループ、アルファヘリックス、及び、ベータ鎖などのタンパク質の二次構造要素をモデル化することができる。それぞれのペプチド構築物に対する抗体の結合を決定し、そして、定量する。当該ライブラリーに対する結合の程度は、所定の抗体が相互作用する領域、したがって、そのエピトープを示す。
実施例13:細胞結合による抗MS4A6A抗体のエピトープビニング
MS4A6Aは、マルチパス膜貫通タンパク質であるので、組換え産生した可溶性タンパク質は、Ab:タンパク質相互作用の調査に適した試薬にはなり得ない。抗MS4A6A抗体は、古典的なサンドイッチ法の細胞をベースとしたバリアントを使用してビニングする。例えば、抗体AとBが同じビンにあるか否かを判断するために、まず、MS4A6Aを発現する細胞を、飽和レベルの抗体Aでインキュベートする。FACS緩衝剤で洗浄した後に、フルオロフォアアロフィコシアニン(APC)で標識した抗体Bを細胞に対して加えて、氷上で、15分間インキュベートする。これらの細胞を、FACS Cantoシステム(BD Biosciences)で分析し、ゲートを取り出して、死滅した細胞を排除する。抗体Aの存在下または非存在下での抗体Bの結合レベルを比較する。抗体Aの存在下での結合の低減または消失は、これら2つの抗体の間の競合を示す。この手順は、その他の抗体に対しても反復して行い、そのためパネル全体をビニングする。
実施例14:細胞株での抗MS4A6A抗体によるMS4A6Aのダウンレギュレーション
様々な細胞株でのMS4A6Aの細胞表面、及び、総細胞タンパク質レベルを低減する抗MS4A6A抗体の能力を、以下のようにして評価する。いずれかの区画でのMS4A6Aタンパク質の低減は、細胞内のMS4A6A活性の低減を示す。
MS4A6Aを発現する細胞株を、本開示の抗MS4A6A抗体と共に、様々な時間にわたってインキュベートし、次いで、FACS(細胞表面)、または、ウエスタンブロット(総タンパク質レベル)のいずれかでアッセイした細胞に関連するMS4A6Aのレベルを維持する。FACSアッセイでは、残余のMS4A6Aの検出は、直接アロフィコシアニン(APC)がコンジュゲートした非競合抗体を用いて行う。ウェスタンブロット検出では、細胞を、50uLの溶解緩衝剤(RIPA溶解緩衝剤(ThermoFischerScientific カタログ番号89900)+1:100 HALTプロテアーゼ阻害剤カクテル(ThermoFischerScientific カタログ番号87786))の添加により溶解し、そして、14,000×gで、15分間、遠心分離して不溶性の破片を除去する。可溶性画分を、タンパク質定量のために、ビシンコニン酸(BCA)試薬でアッセイする。それぞれの試料から得た等量のタンパク質を、4~12% Bis-Tris Plusポリアクリルアミドゲル(ThermoFisherScientific NW04120)にロードし、電気泳動分離を行った後に、当該ゲルでのタンパク質を、iBlot2(ThermoFisherScientific IM21001)、及び、Transfer Stacks(ThermoFisherScientific IB24002)を使用して、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写する。この膜を、1%ウシ血清アルブミン、または、5%脱脂乳でブロックして、非特異的結合を防ぐ。次に、この膜を、独自の、または、市販の検出抗体とインキュベートし、洗浄を終えてから、HRP結合二次抗体(ウサギ、Abcam#205718、マウス、Abcam#205719)とインキュベートする。SuperSignal West Pico Plus化学発光基質(ThermoFisherScientificカタログ番号34577)で現像して結合を視覚化し、そして、iBright FL1000(ThermoFisher A32752)、または、その他の互換システムでデジタル記録する。
実施例15:初代細胞培養物での抗MS4A6A抗体によるMS4A6Aのダウンレギュレーション
本開示の抗MS4A6A抗体が、初代細胞培養物における細胞表面発現/細胞発現を低減またはダウンレギュレートする能力は、以下のように評価する。マウス初代大脳皮質ニューロンを、生後の早い段階(0~3日目)で採取し、当該技術分野で標準的な方法に従って培養する(Maximov et al.,2007,J.Neu.Meth.,161 75-87)。次いで、培養したニューロンを、様々な条件(1~20ug/mL、2~48時間)で抗MS4A6A抗体とインキュベートし、回収し、そして、FACS(細胞表面レベルに関する)、または、ウェスタンブロット(総タンパク質レベルに関する)のいずれかを使用して、総MS4A6Aレベルを定量する。
初代大脳皮質ニューロンを、次のようにして分離する。すなわち、P0マウスの仔の大脳皮質、海馬、または、線条体の細胞を、6mg/mlトリプシン(Sigma,カタログ番号T1005-1G)、0.5mg/ml DNAse(Sigma,カタログ番号D5025)、及び、137 NaCl、5 KCl、7 Na2HPO4、及び、25 HEPES-NaOH(単位はmM)、pH7.2を含有する消化溶液で、7分間、37℃でインキュベートして解離させる。次いで、ニューロンを含有する解離した細胞を、20%ウシ胎児血清(FBS)を含むハンクス平衡塩類溶液(HBS)で1回洗浄した後に、無血清HBSで2回洗浄し、そして、さらに、12mM MgSO4と0.5mg/ml DNAseとを含むHBSで穏やかにピペッティングして解離させる。当該細胞懸濁液を、160gで、10分間遠心分離し、そして、B27(Invitrogen,カタログ番号17504-044)、グルコース、トランスフェリン、及び、5%ウシ胎児血清を補充したMEM(Invitrogen)でのMatrigel(Collaborative Biomedical Products,カタログ番号871-275-0004)でコーティングした円形ガラスカバースリップ(φ12mm)に置く。大脳皮質培養では、単一の脳の大脳皮質から得た細胞懸濁液を使用して、24ウェルプレートの12ウェルに播種する。すべての培養で、播種時の初期細胞密度(グリアを含む)は、1500~2500個/平方ミリメートルの間で変化する。培養物中のグリア細胞のコンフルエンシーが、約40~50%(通常は、播種から2日後)に達すると、馴化培地の50%を、4mM Ara-C(Sigma)を含有する新鮮な培地と交換する。これらの培養物は、実験まで(13~18DIV)、2mM Ara-Cを含有する培地で、37℃、及び、5%COで維持する。
次に、培養物中の初代ニューロンを、本開示の抗MS4A6A抗体と共に、様々な時間にわたってインキュベートし、次いで、実施例14に記載しているようにして、FACS(細胞表面)、または、ウエスタンブロット(総タンパク質レベル)のいずれかでアッセイした細胞に関連するMS4A6Aのレベルを維持する。
実施例16:抗MS4A6A抗体が誘発する細胞内シグナル伝達
膜結合分子として、MS4A6Aは、細胞外シグナルとの細胞の相互作用に、直接的または間接的に関与し得る。MS4Aファミリーのその他の分子は、表面受容体複合体の成分であり、また、シグナル伝達を調節することが示されている。
MS4A6Aのトポロジーは、原形質膜を横断する束ねたバレルを形成することで、イオンチャネルとして機能する能力があることが示唆されている。カルシウムは、そのようなイオンチャネルの一般的な第2のメッセンジャーである。抗MS4A6A抗体が、細胞株及び初代細胞において、カルシウム流入を誘導するまたは増大させる可能性について、以下のように調査をする。Fura-2、Indo-1、または、Fluo-4(ThermoFisher Scientific)などのカルシウム感受性色素を、細胞に担持させる。次いで、細胞を、抗MS4A6A抗体と共に、最大30分インキュベートし、そして、蛍光レベルを、フローサイトメーター、蛍光顕微鏡、または、蛍光分光計でモニターする。
MS4A6Aは、その他のシグナル伝達事象も、直接的または間接的に調節し得る。特に、タンパク質のリン酸化/脱リン酸化は、細胞内シグナル伝達の主要なメカニズムである。MS4A6Aには、リン酸化活性に関連する定義をしたタンパク質モチーフは含まれていないが、MS4A6Aは、細胞内C末端領域に幾つかのチロシン残基を含んでいる。これらのチロシン残基の最も遠位は、Srcホモロジー2(SH2)を含むアダプター分子に関与して、下流のシグナル伝達を媒介する数多くの受容体が使用するモチーフである、ヘミITAMのコンセンサス配列に類似している。MS4A6Aは、ヘミITAMモチーフを使用して、下流シグナルを送る。あるいは、MS4A6Aは、その他のシグナル伝達分子との相互作用を介して、下流のリン酸化、または、脱リン酸化事象を調節し得る。
このことを調べるために、MS4A6Aを発現する細胞株及び初代細胞を、抗MS4A6A抗体とインキュベートする。様々な処理時点で、細胞を回収し、細胞内タンパク質のセリン/スレオニンリン酸化、または、チロシンリン酸化について、ウエスタンブロッティングで分析する。ウェスタンブロット検出では、細胞を、50uLの溶解緩衝剤(RIPA溶解緩衝剤(ThermoFischerScientific カタログ番号89900)+1:100 HALTプロテアーゼ阻害剤カクテル(ThermoFischerScientific カタログ番号87786))の添加により溶解し、そして、14000×gで、15分間、遠心分離して不溶性の破片を除去する。可溶性画分を、タンパク質定量のために、ビシンコニン酸(BCA)試薬でアッセイする。それぞれの試料から得た等量のタンパク質を、4~12% Bis-Tris Plusポリアクリルアミドゲル(ThermoFisher Scientific NW04120)にロードし、電気泳動分離を行った後に、当該ゲルでのタンパク質を、iBlot2(ThermoFisher Scientific IM21001)、及び、Transfer Stacks(ThermoFisher Scientific IB24002)を使用して、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写する。この膜を、1%ウシ血清アルブミン、または、5%脱脂乳でブロックして、非特異的結合を防ぐ。次に、この膜を、セリン/スレオニンリン酸化、または、チロシンリン酸化に対する独自の、または、市販の検出抗体とインキュベートした。次いでこの膜を洗浄し、HRP結合二次抗体(ウサギ、Abcam#205718、マウス、Abcam#205719)とインキュベートする。SuperSignal West Pico Plus化学発光基質(ThermoFisher Scientific カタログ番号34577)で現像して結合を視覚化し、そして、iBright FL1000(ThermoFisher A32752)、または、その他の互換システムでデジタル記録する。
MS4A6Aが、細胞外リガンドに直接に関与しないが、その代わりに、原形質膜の受容体タンパク質複合体のその他の細胞受容体に影響を及ぼし得ることはあり得る。例えば、MS4A6Aは、トール様受容体(TLR)、サイトカイン受容体、ケモカイン受容体、スカベンジャー受容体、骨髄細胞1または2で発現するトリガー受容体、CD33、Siglecファミリー、または、CD200、Fc受容体などの阻害受容体、または、骨髄細胞またはミクログリア細胞の機能を調節するその他の細胞表面受容体と、タンパク質複合体を形成し得る。このことを調べるために、MS4A6Aを発現する細胞株と初代細胞を、これらの受容体の同族リガンドと抗MS4A6A抗体の両方と共結合させる。カルシウム動員及びタンパク質リン酸化などの下流のシグナル伝達事象は、上記のようにして調べる。加えて、遺伝子発現の変化を、RT-PCR、または、RNASeqもしくはマイクロアレイなどのグローバルプロファイリング法を通じて分析する。
実施例17:MS4A6Aと結合パートナーとの間の相互作用の特徴決定
抗MS4A6A抗体を使用して、MS4A6Aと様々な結合パートナーとの相互作用のブロックを試験し得る。インビボでMS4A6Aと相互作用するタンパク質については、ほとんど知見が無い。このような結合パートナーを同定するために、MS4A6Aを、骨髄細胞株、及び、初代細胞から免疫沈降させる。次いで、免疫沈降させた複合体を、タンデム質量分析に供し、MS4A6Aと共沈したタンパク質を同定する。一旦同定が行われると、この相互作用を、ウエスタンブロッティング、または、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)分析でさらに確認する。あるいは、MS4A6Aを発現する細胞株に抗MS4A6A抗体を投与し、次いで、共局在または蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のいずれかの読み出しを使用して、MS4A6Aと潜在的な結合パートナーの両方を染色する。
実施例18:骨髄細胞の代謝、生物学、及び機能に対する抗MS4A6A抗体の効果の特徴決定
CNSのミクログリアなどの骨髄細胞にある独自の標的に対して結合する抗MS4A6A抗体が関与する下流の後遺症は、例えば、単球由来マクロファージ、及び、樹状細胞などの骨髄細胞株、及び、初代細胞の培養物を、モデルシステムとして使用して詳細に調べる。これらの細胞は、それらの機能がインビトロで定期的に研究されているので、骨髄細胞の生物学の調査で広範に用いられている。これらの機能として、エネルギー代謝、サイトカイン生成、食作用、細胞表面分子発現、分極、移動、及び、抗原提示があるが、これらに限定されない。簡潔には、MS4A6Aを発現する細胞を、プレート結合、可溶性、または、事前複合化形式で提示し、また、それらの細胞標的に抗体をインビボで提示する様々な方法を模倣する抗MS4A6A抗体とインキュベートする。インキュベーションの条件と時間は、分析する読み取り値に依存するが、一般的には、約1時間から約7日間の範囲である。インキュベーションした後に、細胞を回収し、そして、mRNAまたはタンパク質分析のために溶解する。これらの細胞を、細胞表面分子発現のためにフローサイトメトリー分析にも供する。
代謝研究では、細胞を、CellTiter-Glo(Promega)、または、その他の互換性のある試薬とインキュベートして、細胞内のATP含有量、または、細胞生存率のその他のパラメーターを測定する。培養上清を回収し、そして、ELISAまたはその他の同様の方法に供して、抗MS4A6A抗体で処理した後に、サイトカイン、ケモカイン、及び、その他の分子の分泌を測定する。処理した細胞の食作用能力は、ラテックスビーズ、細菌または真菌粒子などの蛍光標識した基質、及び、A-ベータ、タウ、または、プリオン分子などのタンパク質の凝集粒子を細胞に供給して決定する。細胞の移動は、マクロファージスクラッチアッセイ(Liang et.al.,Nature Protocols 2007;2(2):329)、または、トランスウェルアッセイ(Corning,Corning,NY,USA)で決定する。
実施例19:老化、発作、脊髄損傷、網膜ジストロフィー、前頭側頭型認知症、及び、アルツハイマー病の動物モデルを用いる抗MS4A6A抗体の効果の特徴決定
前出の説明の通り、老化、発作、脊髄損傷、網膜ジストロフィー、前頭側頭型認知症、及び、アルツハイマー病などの動物モデルにおいて、抗MS4A6A抗体の治療上の有用性も試験することができる(例えば、Beattie,MS et al.,(2002)Neuron 36,375-386;Volosin,M et al.,(2006)J.Neurosci.26,7756-7766;Nykjaer,A et al.,(2005)Curr.Opin.Neurobiol.15,49-57;Jansen,P et al.,(2007)Nat.Neurosci.10,1449-1457;Volosin,M et al.,(2008)J.Neurosci.28,9870-9879;Fahnestock,M et al.,(2001)Mol.Cell Neurosci.18,210-220;Nakamura,K et al.,(2007)Cell Death.Differ.14,1552-1554;Yune,T et al.,(2007)Brain Res.1183,32-42;Wei,Y et al.,(2007)Neurosci.Lett.429,169-174;Provenzano,MJ et al.,(2008)Laryngoscope 118,87-93;Nykjaer,A et al.,(2004)Nature 427,843-848;Harrington,AW et al.,(2004)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.101,6226-6230;Teng,HK et al.,(2005)J.Neurosci.25,5455-5463;Jansen,P et al.,(2007)Nat.Neurosci.10,1449-1457;Volosin,M et al.,(2008)J.Neurosci.28,9870-9879;Fan,YJ et al.,(2008)Eur.J.Neurosci.27,2380-2390;Al-Shawi,R et al.,(2008)Eur.J.Neurosci.27,2103-2114;及び、Yano,H et al.,(2009)J.Neurosci.29,14790-14802)。
実施例20:腫瘍学用動物モデルを用いる抗MS4A6A抗体の効果の特徴決定
骨髄系細胞は、大部分の固形腫瘍に存在する免疫細胞の主成分である。骨髄細胞の可塑性が故に、腫瘍生物学におけるそれらの役割は、状況に依存する。つまり、それらは、腫瘍の根絶において重要な役割を果たす可能性があるが、それらは、大抵の場合、宿主腫瘍による吸収を受けて、腫瘍促進性の表現型の提供を補助する。このことは、例えば、骨髄細胞が、M2表現型へ分極することで達成される場合があり、これは一般的には、免疫抑制性であるので、当該免疫系が、当該腫瘍に関与して根絶することをブロックする。抗MS4A6A抗体は、骨髄細胞の再分極を介して、この免疫抑制表現型を逆転させ、そして、抗腫瘍免疫応答を促し得る。
数多くの動物腫瘍モデルが存在する。MS4A6Aに最も関連するモデルは、NSGマウス(Jackson Laboratory,Bar Harbor,Maine)など、マウスの免疫システムを遺伝子的に欠失したヒト化マウスモデルである。これらのマウスは、ヒト免疫細胞の受容宿主として機能し、ヒトの適応性、及び、自然免疫細胞の生着をもたらす。次いで、これらの動物に対して、通常は、脇腹の皮下に腫瘍細胞を接種する。経時的な腫瘍サイズは、腫瘍細胞の成長と、宿主免疫系によるそれらの根絶との間のバランスを表す。期間全体を通して、これらの動物を抗MS4A6A抗体で治療すると、アイソタイプ治療動物と比較して、腫瘍の進行が修正される。治療期間の終わりに、腫瘍を抽出し、そして、様々な分析を行って、腫瘍細胞及び浸潤免疫細胞に対する抗MS4A6A抗体の効果を決定する。腫瘍を、切片にし、スライドに載置すると、顕微鏡下で組織学的変化を分析することができる。mRNAを、RT-PCR、RNASeq、または、マイクロアレイで分析して、遺伝子発現の変化を決定することができる。腫瘍及び浸潤性免疫細胞の単一細胞懸濁液を調製し、様々な細胞表面マーカーに対する抗体で染色し、そして、フローサイトメトリーで分析すると、特に、マクロファージ及びT細胞などの免疫細胞における細胞表面表現型の変化を表すことができる。これらの分析のいずれかにおいて、抗MS4A6A処理の結果として認められた変化は、これらの抗体の免疫調節機能を示す。
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> Alector LLC
<120> ANTI-MS4A6A ANTIBODIES AND METHODS OF USE THEREOF
<150> US 62/646,846
<151> 2018-03-22
<150> US 62/624,578
<151> 2018-01-31
<160> 130
<170> FastSEQ for Windows Version 4.0

<210> 1
<211> 248
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 1
Met Thr Ser Gln Pro Val Pro Asn Glu Thr Ile Ile Val Leu Pro Ser
1 5 10 15
Asn Val Ile Asn Phe Ser Gln Ala Glu Lys Pro Glu Pro Thr Asn Gln
20 25 30
Gly Gln Asp Ser Leu Lys Lys His Leu His Ala Glu Ile Lys Val Ile
35 40 45
Gly Thr Ile Gln Ile Leu Cys Gly Met Met Val Leu Ser Leu Gly Ile
50 55 60
Ile Leu Ala Ser Ala Ser Phe Ser Pro Asn Phe Thr Gln Val Thr Ser
65 70 75 80
Thr Leu Leu Asn Ser Ala Tyr Pro Phe Ile Gly Pro Phe Phe Phe Ile
85 90 95
Ile Ser Gly Ser Leu Ser Ile Ala Thr Glu Lys Arg Leu Thr Lys Leu
100 105 110
Leu Val His Ser Ser Leu Val Gly Ser Ile Leu Ser Ala Leu Ser Ala
115 120 125
Leu Val Gly Phe Ile Ile Leu Ser Val Lys Gln Ala Thr Leu Asn Pro
130 135 140
Ala Ser Leu Gln Cys Glu Leu Asp Lys Asn Asn Ile Pro Thr Arg Ser
145 150 155 160
Tyr Val Ser Tyr Phe Tyr His Asp Ser Leu Tyr Thr Thr Asp Cys Tyr
165 170 175
Thr Ala Lys Ala Ser Leu Ala Gly Thr Leu Ser Leu Met Leu Ile Cys
180 185 190
Thr Leu Leu Glu Phe Cys Leu Ala Val Leu Thr Ala Val Leu Arg Trp
195 200 205
Lys Gln Ala Tyr Ser Asp Phe Pro Gly Ser Val Leu Phe Leu Pro His
210 215 220
Ser Tyr Ile Gly Asn Ser Gly Met Ser Ser Lys Met Thr His Asp Cys
225 230 235 240
Gly Tyr Glu Glu Leu Leu Thr Ser
245

<210> 2
<211> 139
<212> PRT
<213> Mus musculus
<400> 2
Met Thr Lys Pro Leu Val His Ser Ser Leu Ala Leu Ser Ile Leu Ser
1 5 10 15
Val Leu Ser Ala Leu Thr Gly Ile Ala Ile Leu Ser Val Ser Leu Ala
20 25 30
Ala Leu Glu Pro Ala Leu Gln Gln Cys Lys Leu Ala Phe Thr Gln Leu
35 40 45
Asp Thr Thr Gln Asp Ala Tyr His Phe Phe Ser Pro Glu Pro Leu Asn
50 55 60
Ser Cys Phe Val Ala Lys Ala Ala Leu Thr Gly Val Phe Ser Leu Met
65 70 75 80
Leu Ile Ser Ser Val Leu Glu Leu Gly Leu Ala Val Leu Thr Ala Thr
85 90 95
Leu Trp Trp Lys Gln Ser Ser Ser Ala Phe Ser Gly Asn Val Ile Phe
100 105 110
Leu Ser Gln Asn Ser Lys Asn Lys Ser Ser Val Ser Ser Glu Ser Leu
115 120 125
Cys Asn Pro Thr Tyr Glu Asn Ile Leu Thr Ser
130 135

<210> 3
<211> 247
<212> PRT
<213> Macaca fascicularis
<400> 3
Met Thr Ser Gln Pro Val Pro Asn Glu Thr Met Ile Val Leu Pro Ser
1 5 10 15
Asn Val Ile Asn Phe Ser Gln Ala Glu Lys Pro Glu Pro Thr Asn Gln
20 25 30
Gly Gln Asp Ser Leu Lys Lys Arg Leu Gln Ala Glu Val Lys Val Ile
35 40 45
Gly Thr Ile Gln Ile Leu Cys Gly Val Met Val Leu Ser Leu Gly Ile
50 55 60
Met Leu Ala Ser Ala Ser Phe Ser Pro Asn Phe Thr Gln Val Thr Ser
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Ile Ser Gly Ser Leu Ser Ile Ala Thr Glu Lys Lys Leu Thr Lys Leu
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Ala Ser Leu Gln Cys Glu Leu Asp Lys Asn Asn Ile Pro Thr Arg Ser
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Tyr Val Ser Tyr Tyr Tyr His Asp Ser Leu Tyr Thr Met Asp Cys Tyr
165 170 175
Thr Val Lys Ala Ser Leu Ala Gly Pro Leu Ser Leu Met Leu Ile Cys
180 185 190
Thr Leu Leu Glu Phe Cys Leu Ala Val Leu Thr Ala Val Leu Arg Trp
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Lys Gln Thr Val Ser Asp Phe Pro Gly Ser Val Leu Phe Leu Pro His
210 215 220
Ser Tyr Ile Asp Asn Ser Gly Met Ser Ser Lys Met Thr His Gly Pro
225 230 235 240
Gly Tyr Glu Glu Leu Leu Ser
245

<210> 4
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 4
Gly Tyr Tyr Met His
1 5

<210> 5
<211> 6
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 5
Ser Gly Tyr Tyr Trp Asn
1 5

<210> 6
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 6
Asp Tyr Phe Met Lys
1 5

<210> 7
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 7
Ser Tyr Trp Ile Asn
1 5

<210> 8
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 8
Asn Tyr Gly Met Asn
1 5

<210> 9
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 9
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<223> Synthetic Construct
<400> 91
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Gly Ala Ile Asn Pro Ser Thr Gly Gly Ser Thr Tyr Ser Gln Lys Phe
50 55 60
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<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 92
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20 25 30
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35 40 45
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50 55 60
Lys Asn Arg Val Ser Ile Thr Arg Asp Thr Ser Lys Asn Gln Phe Phe
65 70 75 80
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100 105 110
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115

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<211> 115
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<223> Synthetic Construct
<400> 93
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20 25 30
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35 40 45
Gly Asp Ile Asn Pro Lys Asn Gly Asp Thr Phe Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
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65 70 75 80
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<210> 94
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<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 94
Glu Val Gln Leu Gln Gln Ser Gly Pro Glu Leu Val Lys Pro Gly Ala
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115

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 95
Gln Ile Gln Leu Val Gln Ser Gly Pro Glu Leu Lys Lys Pro Gly Glu
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Ser Val Lys Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Ala Asn Tyr
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Gly Met Asn Trp Val Lys Leu Ala Pro Gly Lys Gly Leu Lys Trp Met
35 40 45
Gly Tyr Ile Asn Ile Tyr Ser Gly Lys Ser Arg Tyr Ala Asp Asp Phe
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Thr His Phe Pro Gln Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys
100 105 110

<210> 125
<211> 112
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 125
Asp Ile Val Met Ser Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ala Val Ser Ala Gly
1 5 10 15
Glu Lys Val Thr Met Thr Cys Lys Ser Ser Gln Ser Leu Phe Asn Ser
20 25 30
Arg Thr Arg Lys Asn Tyr Leu Thr Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln
35 40 45
Ser Pro Lys Val Leu Ile Tyr Trp Ala Ser Thr Arg Glu Ser Gly Val
50 55 60
Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Ser Leu Thr
65 70 75 80
Ile Ser Ser Val Gln Ala Asp Asp Leu Ala Val Tyr Tyr Cys Lys Gln
85 90 95
Ser Tyr Asn Leu Leu Thr Phe Gly Ala Gly Thr Arg Leu Glu Leu Lys
100 105 110

<210> 126
<211> 112
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 126
Asp Ile Val Met Ser Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ala Val Ser Ala Gly
1 5 10 15
Glu Lys Val Thr Met Thr Cys Lys Ser Ser Gln Ser Leu Phe Asn Ser
20 25 30
Arg Thr Arg Lys Asn Tyr Leu Thr Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln
35 40 45
Ser Pro Lys Val Leu Ile Tyr Trp Ala Ser Thr Arg Glu Ser Gly Val
50 55 60
Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Ser Leu Thr
65 70 75 80
Ile Asn Ser Val Gln Ala Asp Asp Leu Ala Val Tyr Tyr Cys Lys Gln
85 90 95
Ser Tyr Asn Leu Leu Thr Phe Gly Ala Gly Thr Lys Leu Glu Leu Lys
100 105 110

<210> 127
<211> 6
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<220>
<221> VARIANT
<222> 1
<223> Xaa = Ser, Ile, Val, or Leu
<220>
<221> VARIANT
<222> 2, 4, 5
<223> Xaa = Any Amino Acid
<220>
<221> VARIANT
<222> 6
<223> Xaa = Ile, Val, or Leu
<400> 127
Xaa Xaa Tyr Xaa Xaa Xaa
1 5

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<220>
<221> VARIANT
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<223> Xaa = Any Amino Acid
<220>
<221> VARIANT
<222> 4
<223> Xaa = Leu or Ile
<220>
<221> VARIANT
<222> 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16
<223> Xaa = Any Amino Acid, and up to 6 of them can be present or absent
<220>
<221> VARIANT
<222> 18, 19
<223> Xaa = Any Amino Acid
<220>
<221> VARIANT
<222> 4, 20
<223> Xaa = Leu or Ile
<400> 128
Tyr Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa
1 5 10 15
Tyr Xaa Xaa Xaa
20

<210> 129
<211> 19
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 129
agctgggaag gtgtgcaca 19

<210> 130
<211> 21
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic Construct
<400> 130
ccattttgtc gttcactgcc a 21
[本発明1001]
ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であって、MS4A6Aの細胞表面レベルを増大させる、または、MS4A6Aの細胞内レベルを増大させる、前記抗体。
[本発明1002]
ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であって、1つ以上のMS4A6A活性を増大または向上させる、前記抗体。
[本発明1003]
6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、6A-23からなる群から選択される抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または、少なくとも6つのHVRを含む、単離した抗MS4A6A抗体。
[本発明1004]
ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であって、前記抗体が重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域が、
SEQ ID NO:4~16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1;
SEQ ID NO:17~31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び
SEQ ID NO:32~45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3
を含み;かつ
前記軽鎖可変領域が、
SEQ ID NO:46~60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1;
SEQ ID NO:61~76からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び
SEQ ID NO:77~90からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3
を含む、前記抗体。
[本発明1005]
前記重鎖可変領域が、SEQ ID NO:91~108からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、本発明1001~1004のいずれかの抗体。
[本発明1006]
前記軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:109~126からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、本発明1001~1005のいずれかの抗体。
[本発明1007]
ヒトMS4A6Aに対する結合について、本発明1001~1006のいずれかの抗体の内の1つ以上と競合する、ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体。
[本発明1008]
本発明1001~1006のいずれかの抗体と本質的に同じ、または、重複するMS4A6Aエピトープに結合する、ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体。
[本発明1009]
MS4A6Aと少なくとも1つのMS4A6Aリガンドまたは結合パートナーとの相互作用または結合を低減または阻害する、本発明1001~1008のいずれかの抗体。
[本発明1010]
MS4A6Aと少なくとも1つのMS4A6Aリガンドまたは結合パートナーとの相互作用または結合を増大または向上させる、本発明1001~1008のいずれかの抗体。
[本発明1011]
認知機能及び行動機能の低下を低減し、かつ、認知機能及び行動機能を改善する、本発明1001~1010のいずれかの抗体。
[本発明1012]
モノクローナル抗体である、本発明1001~1011のいずれかの抗体。
[本発明1013]
IgGクラス、IgMクラス、またはIgAクラスのものである、本発明1001~1012のいずれかの抗体。
[本発明1014]
IgGクラスのものであり、かつ、IgG1、IgG2、またはIgG4アイソタイプを有する、本発明1012の抗体。
[本発明1015]
抗体フラグメントである、本発明1001~1014のいずれかの抗体。
[本発明1016]
前記フラグメントが、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、Fv、またはscFvフラグメントである、本発明1015の抗体。
[本発明1017]
(a)血液脳関門を通過する輸送を促す抗原;
(b)トランスフェリン受容体(TR)、インスリン受容体(HIR)、インスリン様成長因子受容体(IGFR)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1及び2(LPR-1及び2)、ジフテリア毒素受容体、CRM197、ラマシングルドメイン抗体、TMEM30(A)、タンパク質形質導入ドメイン、TAT、Syn-B、ペネトラチン、ポリアルギニンペプチド、アンジオペプチド、及び、ANG1005からなる群から選択される、血液脳関門を通過する輸送を促す抗原;
(c)疾患原因ペプチドもしくは疾患原因タンパク質または疾患原因核酸からなる群から選択される疾患原因作用物質であって、前記疾患原因核酸が、アンチセンスGGCCCC(G2C4)反復伸長RNAであり、前記疾患原因タンパク質が、アミロイドベータ、オリゴマーアミロイドベータ、アミロイドベータプラーク、アミロイド前駆体タンパク質またはそのフラグメント、タウ、IAPP、アルファ-シヌクレイン、TDP-43、FUSタンパク質、C9orf72(第9番染色体オープンリーディングフレーム72)、c9RANタンパク質、プリオンタンパク質、PrPSc、ハンチンチン、カルシトニン、スーパーオキシドジスムターゼ、アタキシン、アタキシン1、アタキシン2、アタキシン3、アタキシン7、アタキシン8、アタキシン10、レビー小体、心房性ナトリウム利尿因子、膵島アミロイドポリペプチド、インスリン、アポリポタンパク質AI、血清アミロイドA、メジン、プロラクチン、トランスサイレチン、リゾチーム、ベータ2ミクログロブリン、ゲルゾリン、ケラトエピセリン、シスタチン、免疫グロブリン軽鎖AL、S-IBMタンパク質、反復関連非ATG(RAN)翻訳産物、ジペプチド反復(DPR)ペプチド、グリシン-アラニン(GA)反復ペプチド、グリシン-プロリン(GP)反復ペプチド、グリシン-アルギニン(GR)反復ペプチド、プロリン-アラニン(PA)反復ペプチド、ユビキチン、及び、プロリン-アルギニン(PR)反復ペプチドからなる群から選択される、前記疾患原因作用物質;
(d)免疫細胞上で発現するリガンド及び/またはタンパク質であって、CD40、OX40、ICOS、CD28、CD137/4-1BB、CD27、GITR、PD-L1、CTLA-4、PD-L2、PD-1、B7-H3、B7-H4、HVEM、BTLA、KIR、GAL9、TIM3、A2AR、LAG-3、及び、ホスファチジルセリンからなる群から選択される、前記リガンド及び/またはタンパク質;ならびに
(e)1つ以上の腫瘍細胞上で発現するタンパク質、脂質、多糖、または、糖脂質
をさらに含む、本発明1001~1016のいずれかの抗体。
[本発明1018]
前記本発明のいずれかの抗体をコードする核酸配列を含む、単離した核酸。
[本発明1019]
本発明1018の核酸を含むベクター。
[本発明1020]
本発明1019のベクターを含む、単離した宿主細胞。
[本発明1021]
ヒトMS4A6Aに結合する抗体を産生する方法であって、前記抗体が産生されるように、本発明1020の細胞を培養することを含む、前記方法。
[本発明1022]
前記細胞によって産生された前記抗体を回収することをさらに含む、本発明1021の方法。
[本発明1023]
本発明1001~1017のいずれかの抗体と、薬学的に許容可能な担体とを含む、薬学的組成物。
[本発明1024]
アルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、及び、認知障害からなる群から選択される疾患、障害、もしくは、損傷を予防する、前記疾患、障害、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、前記疾患、障害、もしくは、損傷を有する個体を治療する方法であって、それを必要とする個体に対して、治療有効量の本発明1001~1017のいずれかの抗体を投与することを含む、前記方法。
[本発明1025]
MS4A6Aの活性もしくは発現の低減に起因もしくは関連する疾患、障害、病態、もしくは、損傷を予防する、前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷を有する個体を治療する方法であって、それを必要とする個体に対して、治療有効量の本発明1001~1017のいずれかの抗体を投与することを含む、前記方法。
[本発明1026]
MS4A6Aの機能の喪失に起因もしくは関連する疾患、障害、病態、もしくは、損傷を予防する、前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷を有する個体を治療する方法であって、それを必要とする個体に対して、治療有効量の本発明1001~1017のいずれかの抗体を投与することを含む、前記方法。
[本発明1027]
アルツハイマー病のリスクもしくは易罹患性に関連する少なくとも1つの遺伝学的対立遺伝子を有する個体における神経変性の疾患、障害、病態、もしくは、損傷を予防する、前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷のリスクを低減する、または前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷を治療する方法であって、それを必要とする個体に対して、治療有効量の本発明1001~1017のいずれかの抗体を投与することを含む、前記方法。
[本発明1028]
アルツハイマー病のリスクまたは易罹患性に関連する前記遺伝学的対立遺伝子が、rs583791(C)対立遺伝子、rs7232(T)対立遺伝子、及び、rs610932(G)対立遺伝子からなる群から選択される、本発明1027の方法。
本明細書に記載の様々な実施形態の1つ、一部、または、全部の特性を組み合わせて、本開示のその他の実施形態を形成し得ることを理解されたい。本開示のこれらの態様、及び、その他の態様は、当業者には自明である。本開示のこれらの実施形態、及び、その他の実施形態を、以下の詳細な説明によりさらに説明する。

Claims (28)

  1. ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であって、MS4A6Aの細胞表面レベルを増大させる、または、MS4A6Aの細胞内レベルを増大させる、前記抗体。
  2. ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であって、1つ以上のMS4A6A活性を増大または向上させる、前記抗体。
  3. 6A-1、6A-2、6A-3、6A-4、6A-5、6A-6、6A-7、6A-8、6A-9、6A-10、6A-11、6A-12、6A-13、6A-14、6A-15、6A-16、6A-17、6A-18、6A-20、6A-21、6A-22、6A-23からなる群から選択される抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または、少なくとも6つのHVRを含む、単離した抗MS4A6A抗体。
  4. ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体であって、前記抗体が重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域が、
    SEQ ID NO:4~16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H1;
    SEQ ID NO:17~31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び
    SEQ ID NO:32~45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3
    を含み;かつ
    前記軽鎖可変領域が、
    SEQ ID NO:46~60からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1;
    SEQ ID NO:61~76からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び
    SEQ ID NO:77~90からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3
    を含む、前記抗体。
  5. 前記重鎖可変領域が、SEQ ID NO:91~108からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の抗体。
  6. 前記軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:109~126からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体。
  7. ヒトMS4A6Aに対する結合について、請求項1~6のいずれか1項に記載の抗体の内の1つ以上と競合する、ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体。
  8. 請求項1~6のいずれか1項に記載の抗体と本質的に同じ、または、重複するMS4A6Aエピトープに結合する、ヒトMS4A6Aに結合する単離した抗体。
  9. MS4A6Aと少なくとも1つのMS4A6Aリガンドまたは結合パートナーとの相互作用または結合を低減または阻害する、請求項1~8のいずれか1項に記載の抗体。
  10. MS4A6Aと少なくとも1つのMS4A6Aリガンドまたは結合パートナーとの相互作用または結合を増大または向上させる、請求項1~8のいずれか1項に記載の抗体。
  11. 認知機能及び行動機能の低下を低減し、かつ、認知機能及び行動機能を改善する、請求項1~10のいずれか1項に記載の抗体。
  12. モノクローナル抗体である、請求項1~11のいずれか1項に記載の抗体。
  13. IgGクラス、IgMクラス、またはIgAクラスのものである、請求項1~12のいずれか1項に記載の抗体。
  14. IgGクラスのものであり、かつ、IgG1、IgG2、またはIgG4アイソタイプを有する、請求項12に記載の抗体。
  15. 抗体フラグメントである、請求項1~14のいずれか1項に記載の抗体。
  16. 前記フラグメントが、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、Fv、またはscFvフラグメントである、請求項15に記載の抗体。
  17. (a)血液脳関門を通過する輸送を促す抗原;
    (b)トランスフェリン受容体(TR)、インスリン受容体(HIR)、インスリン様成長因子受容体(IGFR)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1及び2(LPR-1及び2)、ジフテリア毒素受容体、CRM197、ラマシングルドメイン抗体、TMEM30(A)、タンパク質形質導入ドメイン、TAT、Syn-B、ペネトラチン、ポリアルギニンペプチド、アンジオペプチド、及び、ANG1005からなる群から選択される、血液脳関門を通過する輸送を促す抗原;
    (c)疾患原因ペプチドもしくは疾患原因タンパク質または疾患原因核酸からなる群から選択される疾患原因作用物質であって、前記疾患原因核酸が、アンチセンスGGCCCC(G2C4)反復伸長RNAであり、前記疾患原因タンパク質が、アミロイドベータ、オリゴマーアミロイドベータ、アミロイドベータプラーク、アミロイド前駆体タンパク質またはそのフラグメント、タウ、IAPP、アルファ-シヌクレイン、TDP-43、FUSタンパク質、C9orf72(第9番染色体オープンリーディングフレーム72)、c9RANタンパク質、プリオンタンパク質、PrPSc、ハンチンチン、カルシトニン、スーパーオキシドジスムターゼ、アタキシン、アタキシン1、アタキシン2、アタキシン3、アタキシン7、アタキシン8、アタキシン10、レビー小体、心房性ナトリウム利尿因子、膵島アミロイドポリペプチド、インスリン、アポリポタンパク質AI、血清アミロイドA、メジン、プロラクチン、トランスサイレチン、リゾチーム、ベータ2ミクログロブリン、ゲルゾリン、ケラトエピセリン、シスタチン、免疫グロブリン軽鎖AL、S-IBMタンパク質、反復関連非ATG(RAN)翻訳産物、ジペプチド反復(DPR)ペプチド、グリシン-アラニン(GA)反復ペプチド、グリシン-プロリン(GP)反復ペプチド、グリシン-アルギニン(GR)反復ペプチド、プロリン-アラニン(PA)反復ペプチド、ユビキチン、及び、プロリン-アルギニン(PR)反復ペプチドからなる群から選択される、前記疾患原因作用物質;
    (d)免疫細胞上で発現するリガンド及び/またはタンパク質であって、CD40、OX40、ICOS、CD28、CD137/4-1BB、CD27、GITR、PD-L1、CTLA-4、PD-L2、PD-1、B7-H3、B7-H4、HVEM、BTLA、KIR、GAL9、TIM3、A2AR、LAG-3、及び、ホスファチジルセリンからなる群から選択される、前記リガンド及び/またはタンパク質;ならびに
    (e)1つ以上の腫瘍細胞上で発現するタンパク質、脂質、多糖、または、糖脂質
    をさらに含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の抗体。
  18. 前記請求項のいずれか1項に記載の抗体をコードする核酸配列を含む、単離した核酸。
  19. 請求項18に記載の核酸を含むベクター。
  20. 請求項19に記載のベクターを含む、単離した宿主細胞。
  21. ヒトMS4A6Aに結合する抗体を産生する方法であって、前記抗体が産生されるように、請求項20に記載の細胞を培養することを含む、前記方法。
  22. 前記細胞によって産生された前記抗体を回収することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  23. 請求項1~17のいずれか1項に記載の抗体と、薬学的に許容可能な担体とを含む、薬学的組成物。
  24. アルツハイマー病、遅発性アルツハイマー病、及び、認知障害からなる群から選択される疾患、障害、もしくは、損傷を予防する、前記疾患、障害、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、前記疾患、障害、もしくは、損傷を有する個体を治療する方法であって、それを必要とする個体に対して、治療有効量の請求項1~17のいずれか1項に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。
  25. MS4A6Aの活性もしくは発現の低減に起因もしくは関連する疾患、障害、病態、もしくは、損傷を予防する、前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷を有する個体を治療する方法であって、それを必要とする個体に対して、治療有効量の請求項1~17のいずれか1項に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。
  26. MS4A6Aの機能の喪失に起因もしくは関連する疾患、障害、病態、もしくは、損傷を予防する、前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷のリスクを低減する、または、前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷を有する個体を治療する方法であって、それを必要とする個体に対して、治療有効量の請求項1~17のいずれか1項に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。
  27. アルツハイマー病のリスクもしくは易罹患性に関連する少なくとも1つの遺伝学的対立遺伝子を有する個体における神経変性の疾患、障害、病態、もしくは、損傷を予防する、前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷のリスクを低減する、または前記疾患、障害、病態、もしくは、損傷を治療する方法であって、それを必要とする個体に対して、治療有効量の請求項1~17のいずれか1項に記載の抗体を投与することを含む、前記方法。
  28. アルツハイマー病のリスクまたは易罹患性に関連する前記遺伝学的対立遺伝子が、rs583791(C)対立遺伝子、rs7232(T)対立遺伝子、及び、rs610932(G)対立遺伝子からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
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