JP2023112102A - 発光素子、発光装置、電子機器および照明装置 - Google Patents

発光素子、発光装置、電子機器および照明装置 Download PDF

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剛吉 渡部
Gokichi Watabe
哲史 瀬尾
Tetsushi Seo
のぞみ 小松
Nozomi Komatsu
諒平 山岡
Ryohei Yamaoka
晴恵 尾坂
Harue Ozaka
邦彦 鈴木
Kunihiko Suzuki
俊介 細海
Shunsuke Hosomi
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Abstract

【課題】発光効率が高く、信頼性の高い発光素子を提供する。【解決手段】第1の有機化合物と、ゲスト材料と、を有する発光層を含む発光素子である。前記第1の有機化合物は、置換または無置換のカルバゾール骨格を有し、前記発光層は前記第1の有機化合物中の水素原子の少なくとも一つが炭素数1乃至6の炭化水素基で置換された炭化水素基置換体の含有量が第1の有機化合物に対する重量比で0より大きく0.1以下である。【選択図】図3

Description

本発明の一態様は、新規な発光素子に関する。または、特定の不純物を低減させた発光
素子に関する。または該発光素子を有する発光装置、電子機器、及び照明装置に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様は物、方法
、または、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン、マニュファクチャ
、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特に、本発明の一態様は
、半導体装置、発光装置、表示装置、照明装置、発光素子、それらの製造方法に関する。
有機化合物を用いたエレクトロルミネッセンス(EL:Electrolumines
cence)を利用する発光素子(有機EL素子)の実用化が進んでいる。これら発光素
子の基本的な構成は、一対の電極間に発光材料を含む有機化合物層(EL層)を挟んだも
のである。この素子に電圧を印加して、キャリアを注入し、当該キャリアの再結合エネル
ギーを利用することにより、発光材料からの発光を得ることができる。
上述の発光素子は自発光型であるため、これを用いた表示装置は、視認性に優れ、バッ
クライトが不要であり、消費電力が少ない等の利点を有する。さらに、薄型軽量に作製で
き、応答速度が高いなどの利点も有する。
有機EL素子(OLED)の場合、種々の有機化合物を用いて発光素子を作製する。そ
のため、各有機化合物の品質が重要となり、有機化合物中の不純物が発光素子の特性に影
響を与える場合がある。特に素子の信頼性は不純物の影響を受けやすい。
そのため、特性の良い発光素子、特に信頼性の良い発光素子を得るためには、不純物を
低減することが重要である。特許文献1、特許文献2では、有機化合物を有するEL層中
のハロゲン化合物に注目し、その濃度を一定以下にすることで、信頼性が高い発光素子を
得ることが開示されている。
国際公開第00/41443号公報 特開2012-174901号公報
発光素子の特性を低下させる原因となる不純物がある一方、発光素子の特性に影響を与え
ない不純物もあることが知られている。そのため、発光素子の特性を低下させる不純物の
種類を特定することは重要である。また、発光素子に影響を与える不純物濃度を特定する
ことも重要である。また、発光素子の特性を低下させるメカニズムは、ほとんど明らかに
なっていない。
したがって、本発明の一態様では、新規な発光素子を提供することを課題とする。特に信
頼性が高い発光素子を提供することを課題とする。または、本発明の一態様では、発光効
率が高い発光素子を提供することを課題とする。
または、本発明の一態様では、消費電力が低減された発光素子を提供することを課題とす
る。または、本発明の一態様では、新規な発光装置を提供することを課題の一とする。ま
たは、本発明の他の一態様では、信頼性の高い発光素子、発光装置及び電子機器を各々提
供することを課題とする。または、本発明の他の一態様では、消費電力の小さい発光素子
、発光装置及び電子機器を各々提供することを課題とする。
なお、上記の課題の記載は、他の課題の存在を妨げない。なお、本発明の一態様は、必ず
しも、これらの課題の全てを解決する必要はない。上記以外の課題は、明細書等の記載か
ら自ずと明らかであり、明細書等の記載から上記以外の課題を抽出することが可能である
本発明の一態様は、一対の電極間にEL層を有し、EL層は少なくとも発光層を有し、
発光層は、第1の有機化合物及び、炭化水素基置換体を含み、第1の有機化合物は、置換
または無置換のカルバゾール骨格を有し、炭化水素基置換体は第1の有機化合物中の水素
原子の少なくとも一つが炭素数1乃至6の炭化水素基で置換された構造を有し、該炭化水
素基置換体の含有量が第1の有機化合物に対する重量比で0より大きく0.1以下である
発光素子である。
また、上記構成において、炭化水素基置換体は、第1の有機化合物における水素原子の
少なくとも一つが、炭素数1乃至6の炭化水素基で置換された化合物であると好ましい。
より好ましくは、第1の有機化合物におけるカルバゾール骨格中の水素原子の少なくとも
一つが、炭素数1乃至6の炭化水素基で置換された化合物である。さらに好ましくは、炭
化水素基置換体は、少なくとも第1の有機化合物におけるカルバゾール骨格中の2位の水
素原子が炭素数1乃至6の炭化水素基で置換された化合物である。
また、上記構成において第1の有機化合物はさらに、置換又は無置換の含窒素複素芳香
環を有すると好ましい。
また、上記構成において、発光層はさらに、置換または無置換の含窒素複素芳香環を有す
る第2の有機化合物を有しても良い。
また、上記構成において第1の有機化合物が下記一般式(G0)で表される有機化合物で
あると好ましい。
ただし、一般式(G0)においてAは置換または無置換の炭素数1乃至25の含窒素複素
芳香環を表し、Arは炭素数6乃至13のアリーレン基を表し、nは0または1を表し、
Czは置換または無置換のカルバゾール骨格を表す。
また、上記構成において第1の有機化合物が下記一般式(G1)で表される有機化合物で
あると好ましい。
ただし、一般式(G1)においてAは置換または無置換の炭素数1乃至25の含窒素複素
芳香環を表し、Arは炭素数6乃至13のアリーレン基を表し、nは0または1を表し、
乃至Rはそれぞれ独立に水素または炭素数1乃至6の炭化水素基、炭素数3乃至6
の環式炭化水素基、及び置換または無置換の炭素数6乃至25の芳香族炭化水素基のいず
れか一を表す。
また、上記構成において第1の有機化合物が下記一般式(G2)で表される有機化合物で
あると好ましい。
ただし、一般式(G2)においてAは置換または無置換の炭素数1乃至25の含窒素複素
芳香環を表し、Arは炭素数6乃至13のアリーレン基を表し、nは0または1を表す。
また、上記構成において、発光層における、炭化水素基置換体の含有量が第1の有機化
合物に対する重量比で0より大きく0.05以下であると好ましく、より好ましくは、0
より大きく0.025以下である。
また、上記構成において、ゲスト材料は、三重項励起エネルギーを発光に変換すること
ができる機能を有すると好ましい。また、ゲスト材料は、イリジウムを有すると好ましい
また、本発明の他の一態様は、上記各構成の発光素子と、カラーフィルタまたはトラン
ジスタの少なくとも一と、を有する表示装置である。また、本発明の他の一態様は、当該
表示装置と、筐体またはタッチセンサの少なくとも一と、を有する電子機器である。また
、本発明の他の一態様は、上記各構成の発光素子と、筐体またはタッチセンサの少なくと
も一と、を有する照明装置である。また、本発明の一態様は、発光素子を有する発光装置
だけでなく、発光装置を有する電子機器も範疇に含める。従って、本明細書中における発
光装置とは、画像表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、発光素子
にコネクター、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)、
TCP(Tape Carrier Package)が取り付けられた表示モジュール
、TCPの先にプリント配線板が設けられた表示モジュール、または発光素子にCOG(
Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装された表示モジュ
ールも本発明の一態様である。
本発明の一態様により、新規な発光素子を提供することができる。特に信頼性が高い発
光素子を提供することができる。または、本発明の一態様では、発光効率が高い発光素子
を提供することができる。または、本発明の一態様により、消費電力が低減された発光素
子を提供することができる。または、本発明の一態様により、新規な発光素子を提供する
ことができる。または、本発明の一態様により、新規な発光装置を提供することができる
。または、本発明の一態様により、新規な表示装置を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げない。なお、本発明の一態様は、
必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書
、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかであり、明細書、図面、請求項などの記載
から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
本発明の一態様に係る、発光素子の概略図。 本発明の一態様に係る、材料のスピン密度分布を説明する図。 本発明の一態様に係る、反応を説明する図。 本発明の一態様の発光素子の断面模式図、及び発光層に係るエネルギー準位の相関を説明する図。 本発明の一態様に係る、アクティブマトリクス型発光装置の概念図。 本発明の一態様に係る、アクティブマトリクス型発光装置の概念図。 本発明の一態様に係る、アクティブマトリクス型発光装置の概念図。 本発明の一態様に係る、表示装置の概略図。 本発明の一態様に係る、表示装置の回路図。 本発明の一態様に係る、表示装置の回路図。 本発明の一態様に係る、表示装置の概略図。 本発明の一態様に係る、表示装置の概略図。 本発明の一態様に係る、電子機器の概略図。 本発明の一態様に係る、電子機器を表す図。 本発明の一態様に係る、電子機器を表す図。 本発明の一態様に係る、電子機器を表す図。 本発明の一態様に係る、電子機器を表す図。 本発明の一態様に係る、電子機器を表す図。 本発明の一態様に係る、電子機器を表す図。 本発明の一態様に係る、照明装置を表す図。 本発明の一態様に係る、照明装置を表す図。 本発明の一態様に係る、照明装置を表す図。 本発明の一態様に係る、照明装置を表す図。 実施例に係る、化合物のNMRチャートを説明する図。 実施例に係る、MSスペクトルを説明する図。 実施例に係る、化合物の吸収スペクトル、及び発光スペクトルを説明する図。 実施例に係る、化合物の吸収スペクトル、及び発光スペクトルを説明する図。 実施例に係る、発光素子の概略図。 実施例に係る、発光素子の電流効率-輝度特性を説明する図。 実施例に係る、発光素子の輝度-電圧特性を説明する図。 実施例に係る、発光素子の外部量子効率-輝度特性を説明する図。 実施例に係る、発光素子の発光スペクトルを説明する図。 実施例に係る、発光素子の信頼性試験を説明する図。
以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下
の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細
を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態及び実施
例の記載内容に限定して解釈されない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、
実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、
必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いており、
工程順又は積層順を示さない場合がある。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又
は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載され
ている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合が
ある。
また、本明細書等において、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを
指す符号は異なる図面間でも共通して用いる場合がある。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ
替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変
更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」
という用語に変更することが可能な場合がある。
なお、本明細書等において、一重項励起状態(S)は、励起エネルギーを有する一重
項状態のことである。また、S1準位は、一重項励起エネルギー準位の最も低い準位であ
り、最も低い一重項励起状態(S1状態)の励起エネルギー準位のことである。また、三
重項励起状態(T)は、励起エネルギーを有する三重項状態のことである。また、T1
準位は、三重項励起エネルギー準位の最も低い準位であり、最も低い三重項励起状態(T
1状態)の励起エネルギー準位のことである。なお、本明細書等において、単に一重項励
起状態及び一重項励起エネルギー準位と表記した場合であっても、S1状態及びS1準位
を表す場合がある。また、三重項励起状態及び三重項励起エネルギー準位と表記した場合
であっても、T1状態及びT1準位を表す場合がある。
また、本明細書等において、蛍光性化合物とは、一重項励起状態から基底状態へ緩和す
る際に可視光領域に発光を与える物質である。一方、燐光性化合物とは、三重項励起状態
から基底状態へ緩和する際に、室温において可視光領域に発光を与える物質である。換言
すると燐光性化合物とは、三重項励起エネルギーを可視光へ変換可能な物質の一つである
なお、本明細書等において、室温とは、0℃以上40℃以下のいずれかの温度をいう。
また、本明細書等において、青色の波長領域とは、400nm以上500nm未満の波
長領域であり、青色の発光とは該領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する
発光である。また、緑色の波長領域とは、500nm以上580nm未満の波長領域であ
り、緑色の発光とは該領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する発光である
。また、赤色の波長領域とは、580nm以上680nm以下の波長領域であり、赤色の
発光とは該領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する発光である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子について、図1乃至図3を用いて以下説
明する。
<発光素子の構成例>
まず、本発明の一態様の発光素子の構成について、図1(A)及び(B)を用いて、以
下説明する。
図1(A)は、本発明の一態様の発光素子150の断面模式図である。
発光素子150は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間
に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層130を有する
また、図1(A)に示すEL層100は、発光層130の他に、正孔注入層111、正
孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119等の機能層を有する。
なお、本実施の形態においては、一対の電極のうち、電極101を陽極として、電極1
02を陰極として説明するが、発光素子150の構成としては、その限りではない。つま
り、電極101を陰極とし、電極102を陽極とし、当該電極間の各層の積層を、逆の順
番にしてもよい。すなわち、陽極側から、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発
光層130と、電子輸送層118と、電子注入層119と、が積層する順番とすればよい
なお、EL層100の構成は、図1(A)に示す構成に限定されず、少なくとも発光層
130を有し、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入
層119はそれぞれ有していても、有していなくても良い。また、EL層100は、正孔
または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子
の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、励起子拡散を抑制する、こ
とができる等の機能を有する機能層を有する構成としてもよい。なお、機能層はそれぞれ
単層であっても、複数の層が積層された構成であってもよい。
図1(B)は、図1(A)に示す発光層130の一例を示す断面模式図である。図1(
B)に示す発光層130は、ホスト材料131と、ゲスト材料132と、を有する。
ホスト材料131としては、少なくとも有機化合物131_1を有すればよい。有機化
合物131_1としては、電子を輸送する機能を有する(電子輸送性を有する)化合物が
好ましく、含窒素複素芳香族骨格を有する化合物であると好ましい。含窒素六員複素芳香
族骨格を有するとさらに好ましい。含窒素六員複素芳香族骨格は電子輸送性が高く安定で
あり好ましい。
また、ホスト材料131は、さらに、有機化合物131_2を有すると好ましい。有機
化合物131_2としては、正孔を輸送する機能を有する(正孔輸送性を有する)化合物
が好ましい。
また、有機化合物131_1と有機化合物131_2との組み合わせが、電子輸送性を
有する化合物と正孔輸送性を有する化合物との組み合わせである場合、その混合比によっ
てキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、電子輸送性を有す
る化合物:正孔輸送性を有する化合物=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。
また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスやキャリア再結合領域(励起子生
成領域)の制御も簡便に行うことができる。
また、ゲスト材料132としては、発光性の有機化合物を用いればよく、蛍光を発する
ことができる物質(以下、蛍光性化合物)または燐光を発することができる物質(以下、
燐光性化合物ともいう)であると好適である。以下では、ゲスト材料132として、蛍光
性化合物または燐光性化合物を用いる構成について説明する。
発光素子150に求められる特性として、高い発光効率であることが求められている。
また、長期の保存もしくは長期の駆動に伴う発光効率の低下が少ないこと、すなわち、長
寿命であること、信頼性が高いこと、が求められている。発光素子150が高い発光効率
及び高い信頼性を有するためには、EL層100に、特に発光層130には不純物の含有
量が少ない有機化合物を用いることが好ましい。不純物としては、例えば、有機材料中の
水素原子が炭化水素基やハロゲンに置き換わったものが挙げられる。特に、EL層100
に用いる有機化合物では、該有機化合物のハロゲン化物の含有量が少ないと好ましい。
不純物の含有量が少ない発光素子を作製するためには、発光素子に用いる有機化合物の
純度を高くすると好ましい。そのため、該有機化合物の合成は、不純物の少ない試薬や純
度の高い溶媒を用いて合成されることが好ましい。合成時に用いた試薬の不純物が目的の
有機化合物中に含まれる場合があるためである。また、該有機化合物の精製は、昇華精製
を行うのが一般的である。昇華精製により、合成時の残存溶媒や、微量の不純物(例えば
、ハロゲン化物)の分離を行うことができる。
しかしながら、例えば、EL層100に用いる有機化合物と分子構造が近いため、有機
化合物の精製過程で分離することが難しく、含有量を低減することが困難な不純物が含ま
れてしまう場合がある。また、発光素子の作製中に不純物が混入し、発光素子中に不純物
が含まれる場合がある。例えば、真空蒸着における有機化合物の分解により生成する物質
が不純物として発光素子中に混入する場合がある。また、例えば、塗布法、インクジェッ
ト法、及び印刷法等の溶媒を用いる作製方法では、溶媒もしくは溶媒中の不純物が発光素
子に混入する場合がある。また、発光素子を駆動する際に、有機化合物が分解することで
生成する物質が、不純物として発光素子中に含まれる場合がある。そのため、発光素子が
有する全ての不純物を無くすことは困難である。
上述のように、不純物が含まれないようにEL層100を形成するのは困難であるが、
ある不純物が一定の濃度以下ならば、発光素子の特性に影響を与えないことを本発明者ら
は見出した。具体的に、本発明の一態様に係る発光素子は、発光層130にホスト材料と
して、カルバゾール骨格を有する有機化合物とゲスト材料を含み、不純物として発光層1
30に含まれる該ホスト材料における水素原子の少なくとも一つが炭素数1乃至6の炭化
水素基で置換された構造を有する炭化水素基置換体の含有量が、該ホスト材料に対する重
量比で0より大きく0.1以下である発光素子である。
なお、炭化水素基置換体がメチル基置換体であるとき、このメチル基置換体はおよそ、ホ
スト材料のm/z+14n(nは自然数)で表されるm/zを有する。
好ましくは、炭化水素基置換体の含有量が、該ホスト材料に対する重量比で0より大きく
0.05以下であり、さらに好ましくは0より大きく0.025以下である。
カルバゾール骨格を有する有機化合物は高いT1準位と、高いキャリア輸送性を有するこ
とから、発光素子に好適に用いられる。
発光素子に用いられるカルバゾール骨格を有する有機化合物の原料となる、カルバゾール
誘導体は、カルバゾール骨格中の水素原子が炭素数1乃至6の炭化水素基、多くの場合は
炭素数1乃至4のアルキル基、特にメチル基に、置換された炭化水素基置換体を不純物と
して含む場合がある。該炭化水素基置換体は、目的物(カルバゾール骨格を有する有機化
合物またはその原料となるカルバゾール誘導体)との物性が似ているため、精製し、除去
することが困難なためである。
上記のように、カルバゾール骨格を有する有機化合物には、炭化水素基置換体が不純物と
して含まれる場合があるため、発光素子の特性に悪影響を与える恐れがある。
<量子化学計算を用いた不純物の影響の解析>
ここで、カルバゾール骨格を有する有機化合物の炭化水素基置換体の発光素子中での影響
について、量子化学計算を用いて以下説明する。
以下に解析に用いたカルバゾール骨格を有する有機化合物とその名称を示す。
35DCzPPyは発光素子において、電子輸送層や発光層の材料として用いられる。M
e-35DCzPPyは35DCzPPyに含まれる不純物として考えられる物質であり
、35DCzPPyのメチル基置換体と言える。
35DCzPPyとMe-35DCzPPyの三重項励起状態(T1)に関して、T1準
位が最も低くなる最安定構造と準安定構造それぞれにおける振動(スピン密度)解析を行
った。計算方法は密度汎関数法(DFT)を用いた。図2にその結果を示す。DFTの全
エネルギーは、ポテンシャルエネルギー、電子間静電エネルギー、電子の運動エネルギー
と複雑な電子間の相互作用を全て含む交換相関エネルギーの和で表される。DFTでは、
電子密度で表現された一電子ポテンシャルの汎関数(関数の関数の意)で交換相関相互作
用を近似しているため、計算は高速である。ここでは、混合汎関数であるB3LYPを用
いて、交換と相関エネルギーに係る各パラメータの重みを規定した。また、基底関数とし
て、6-311G(d,p)を用いた。計算プログラムには、Gaussian 09を
用いた。
図2中、分子中につけた影は、T1励起状態時のスピンを示している。35DCzPPy
とMe-35DCzPPyそれぞれのT1最安定構造におけるスピン密度分布に大きな差
は見られず、ピリジン環及びフェニレン基にスピンが広がりやすいことが分かる。一方、
T1準安定構造におけるスピンは主に、35DCzPPyとMe-35DCzPPy共に
、カルバゾール環に広がっているが、Me-35DCzPPyでは、スピンがメチル基に
まで広がっていることが分かる。なお、メチル基のスピン密度は全体の3%程である。な
お、スピン密度の割合は、各原子のスピン密度の絶対値の和より求めた。
なお計算の手順としては、まず基底状態(S0状態)の最安定化構造を初期構造として、
T1の最安定化構造を再計算したものがT1準安定構造となった。T1最安定構造は、ピ
リジン環及びフェニレン基にT1励起状態時のスピンの電子が存在しやすいように初期構
造を設定したものである。励起エネルギーはS0の最安定化構造のエネルギーとそれぞれ
のT1の安定化構造のエネルギーの差を求めている。なおT1最安定構造を初期構造とし
て、再度S0最安定化構造を再計算しても、先に計算したS0最安定化構造と同様の構造
、エネルギー値となった。
つまり、Me-35DCzPPyの基底状態(S0状態)からT1励起状態への、励起に
よる構造変化を考慮すると、基底状態-T1最安定構造間の構造変化の方が、基底状態-
T1準安定構造間の構造変化よりも分子のねじれが大きく、起こりにくいといえる。また
、Me-35DCzPPyのT1最安定構造とT1準安定構造間のエネルギー差は0.0
9eVと小さいため、Me-35DCzPPyのT1励起状態は35DCzPPyよりも
T1準安定構造になりやすいと言える。上述の通り、Me-35DCzPPyのT1準安
定状態では、スピンがメチル基まで広がっているため、メチル基を起点とする反応が起こ
る場合がある。
次に、量子化学計算によって、2分子間におけるMe-35DCzPPy中のメチル基と
ピリジン環が相互作用をすることで、メチル基の水素原子がピリジン環へ移動し、CH
-35DCzPPyとMe-35DCzPPy-Hが生成する、水素原子移動反応を解析
した。以下に解析に用いた反応式と有機化合物の名称を示す。
三重項最低励起状態における水素原子移動反応の解析で得られた反応経路とエネルギー
ダイアグラムを図3に示す。
図3では、T1状態のMe-35DCzPPy及び基底状態(S0状態)のMe-35
DCzPPyが、無限遠に解離した状態のエネルギーを基準とした。このメチル基の水素
原子がピリジン環に移動する反応の活性化エネルギーは0.54eVであり、室温下で起
こり得る。さらに、水素原子移動後の終状態ではCH-35DCzPPyとMe-35
DCzPPy-Hとはそれぞれラジカル状態になっており、終状態のエネルギーは始状態
のエネルギーよりも低く安定化しており、この反応は発熱反応である。このことから、発
光素子を駆動させた状態での発光層中(励起状態)において、2分子間におけるMe-3
5DCzPPyのメチル基とピリジン環が相互作用するような分子配置にある場合には、
水素原子の移動反応が起こる可能性がある。
生成したラジカル状態のCH-35DCzPPy及びラジカル状態のMe-35DCz
PPy-Hは発光素子の駆動中において、電子またはホールを受け取り、それぞれ一重項
基底状態になる。電子を受け取りアニオン状態となったCH-35DCzPPyのT1
準位及びホールを受け取りカチオン状態となったMe-35DCzPPy-HのT1準位
の計算値をそれぞれ表1に示す。Me-35DCzPPyのT1準位の実測値も併せて示
す。
なお計算は先のMe-35DCzPPyのT1準位の計算法と同様に行った。
表1に示すように、水素原子移動反応によって生じた、アニオン状態のCH-35DC
zPPyのT1準位及びカチオン状態のMe-35DCzPPy-HのT1準位は非常に
小さい値となっている。そのため、これらは発光素子において失活の要因になり得る。す
なわち、励起状態のゲスト材料またはホスト材料からアニオン状態のCH-35DCz
PPy及びカチオン状態のMe-35DCzPPy-Hへ励起エネルギーの移動が起きて
しまう。そのため、ゲスト材料から発光が得られなくなり、発光素子の発光効率が低下す
る。
上記の通り、カルバゾール骨格中の水素原子がメチル基で置き換わった化合物が発光素子
中に存在する場合、発光素子を駆動すると素子内部で失活の要因になり得る物質が生成す
る場合があるため、信頼性に悪影響を与える場合がある。そのため、カルバゾール骨格中
の水素原子がメチル基で置き換わった化合物の含有量は少ない方が好ましい。上述の通り
、Me-35DCzPPyのT1状態におけるメチル基のスピン密度は全体の3%程であ
り、失活の要因になり得る物質はゲスト材料程度含まれていると影響を及ぼすと予想され
ることから、ホスト材料に対する重量比で0より大きく0.1以下の含有量であると好ま
しく、より好ましくは0より大きく0.05以下であり、さらに好ましくは0より大きく
0.025以下である。
なお、本計算では、カルバゾール骨格中の置換基がメチル基の場合の計算を行ったが、上
記反応はメチル基に限られない。置換基が炭化水素基、少なくとも、脂肪族炭化水素基の
場合、同様の反応が起こると言える。
なお、本計算では、ピリジン骨格の窒素との反応の計算を行ったが、上記反応はピリジン
骨格に限られない。含窒素複素芳香環化合物の場合も同様の反応が起こると予想される。
少なくとも、含窒素6員環複素芳香環を有する化合物では、同様な反応が起こると言える
。すなわち、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環を有
する化合物では、同様な反応が起こると言える。別言すれば、非共有電子対を有する複素
芳香族化合物の場合に生じる現象である。
また、炭化水素基置換体は発光層中のホスト材料中の水素原子が少なくとも炭化水素基に
置き換わった構造を有しているとき、上記の反応が起こると言える。
したがって、本発明の一態様においては、発光層が上述した置換または無置換のカルバゾ
ール骨格を有する第1の有機化合物を含み、該第1の有機化合物が、含窒素6員環複素芳
香環を有する化合物であるか、または、非共有電子対を有する複素芳香族化合物である発
光素子である。あるいは、発光層が、該第1の有機化合物のみならず、さらに第2の有機
化合物を有し、該第2の有機化合物が含窒素6員環複素芳香環を有する化合物であるか、
または、非共有電子対を有する複素芳香族化合物である発光素子である。
なお、本計算で生成したラジカル分子は電子もしくはホールを受け取り、一重項基底状態
になる場合の解析を行ったが、ラジカルは一般に反応性が高いため、発光素子中に生成す
ると、他の有機材料(ホスト材料やゲスト材料等)と反応し、劣化の要因になる場合があ
る。またラジカルそのものの励起エネルギーも低く、消光因子となりやすいと考えられる
なお、上記計算では、Me-35DCzPPy同士の水素原子移動反応の量子化学計算を
行ったが、同様の反応を、励起状態すなわちT1状態またはS1状態のMe-35DCz
PPyのと基底状態(S0状態)の35DCzPPyで起こると想定し、量子化学計算を
行った場合、上記計算結果と同様な結果が得られると言える。これは、カルバゾール骨格
に結合したメチル基とピリジン骨格の窒素との反応だからである。
また、上記水素原子移動反応は、異なる2分子間でも起こり得る。発光層中に、カルバゾ
ール骨格の水素原子の少なくとも一つが炭素数1乃至6の炭化水素基に置き換わった有機
化合物と含窒素複素芳香環を有する有機化合物が同時に存在する場合、上記水素原子移動
反応が起こる場合がある。
また、上記計算ではカルバゾール骨格に結合したメチル基の反応に関して量子化学計算を
行ったが、上記反応はカルバゾール骨格上の置換基に限られない。スピンが広がっている
骨格上に置換基として炭化水素基が含まれる場合、同様の反応が起こると予想される。
また、上記計算では水素原子移動反応の量子化学計算を行ったが、上述の通り、Me-3
5DCzPPyのT1状態におけるメチル基上にはスピンが広がっている。そのため、メ
チル基を起点とした上記水素原子移動反応以外の反応も起こる場合がある。この場合、上
記水素原子移動反応と同様にMe-35DCzPPyがラジカル分子に変換され、該ラジ
カル分子が消光要因となり、素子劣化につながる場合がある。そのため、カルバゾール骨
格中の水素原子がメチル基で置き換わった化合物の含有量は少ない方が好ましく、ホスト
材料に対する重量比で0より大きく0.1以下の含有量であると好ましく、より好ましく
は0より大きく0.05以下であり、さらに好ましくは0より大きく0.025以下であ
る。
<材料>
次に、本発明の一態様に係る発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪発光層≫
発光層130は少なくとも、ホスト材料131を有し、さらにゲスト材料132を有する
と好ましい。また、ホスト材料131は有機化合物131_1及び有機化合物131_2
を有していても良い。発光層130中では、ホスト材料131が重量比で最も多く存在し
、ゲスト材料132は、ホスト材料131中に分散される。ゲスト材料132が蛍光性化
合物の場合、発光層130のホスト材料131(有機化合物131_1及び有機化合物1
31_2)のS1準位は、発光層130のゲスト材料(ゲスト材料132)のS1準位よ
りも高いことが好ましい。また、ゲスト材料132が燐光性化合物の場合、発光層130
のホスト材料131(有機化合物131_1及び有機化合物131_2)のT1準位は、
発光層130のゲスト材料(ゲスト材料132)のT1準位よりも高いことが好ましい。
ホスト材料131としては、カルバゾール骨格を有する化合物であると好ましい。カル
バゾール誘導体としては、具体的には、3-[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-
N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6-
ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカ
ルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェ
ニル)-N-(1-ナフチル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzTP
N2)、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-
9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニ
ルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称
:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-
3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、N,N-ジ
フェニル-9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾ
ール-3-アミン(略称:CzA1PA)、4-(10-フェニル-9-アントリル)ト
リフェニルアミン(略称:DPhPA)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’
-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、N,
9-ジフェニル-N-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カ
ルバゾール-3-アミン(略称:PCAPA)、N,9-ジフェニル-N-{4-[4-
(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]フェニル}-9H-カルバゾール-3-
アミン(略称:PCAPBA)、N,9-ジフェニル-N-(9,10-ジフェニル-2
-アントリル)-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPA)、9-フェニ
ル-3-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(
略称:PCzPA)、3,6-ジフェニル-9-[4-(10-フェニル-9-アントリ
ル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:DPCzPA)等を用いることができる。
またホスト材料131が有機化合物131_1及び有機化合物131_2を有する場合、
有機化合物131_1としては、カルバゾール骨格を有し、さらに、含窒素六員複素芳香
族骨格を有する化合物であると好ましい。含窒素六員複素芳香族骨格として具体的には、
ピリジン骨格、ジアジン骨格(ピラジン骨格、ピリミジン骨格、及びピリダジン骨格)、
及びトリアジン骨格を有する化合物が挙げられる。これらの塩基性を有する含窒素複素芳
香族骨格を有する化合物としては、例えば、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミ
ジン誘導体、トリアジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フ
ェナントロリン誘導体、プリン誘導体などの化合物が挙げられる。また、有機化合物13
1_1としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料(電子輸送性材料)を用いることが
でき、1×10-6cm/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。
尚、これらの材料はホスト材料131、すなわち、発光層のホスト材料が1種類からなる
場合にも好適に用いることができる。
具体的には、例えば、2-[3-(3,9’-ビ-9H-カルバゾール-9-イル)フ
ェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzCzPDBq)、4,6-ビ
ス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCz
P2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2-{4-[3-(N-フェニ
ル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール-9-イル]フェニル}-4
,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジ
ン骨格を有する複素環化合物や、3,5-ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)
フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、などのピリジン骨格を有する複素環化
合物も用いることができる。上述した複素環化合物の中でも、トリアジン骨格、ジアジン
(ピリミジン、ピラジン、ピリダジン)骨格、またはピリジン骨格を有する複素環化合物
は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する複素環化合物は、電子
輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
また、有機化合物131_1としては、上述した複素芳香環化合物に加えて、下記に示す
複素芳香環化合物も用いることができる。
バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの
ピリジン骨格を有する複素環化合物や、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フ
ェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq-II)、2-[
3’-(ジベンゾチオフェン-4-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キ
ノキサリン(略称:2mDBTBPDBq-II)、2-[3’-(9H-カルバゾール
-9-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCz
BPDBq)、2-[4-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェ
ニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq-III)、7-[3-
(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:
7mDBTPDBq-II)、及び、6-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェ
ニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq-II)、4,6-
ビス[3-(フェナントレン-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP
2Pm)、4,6-ビス[3-(4-ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:
4,6mDBTP2Pm-II)、1,3,5-トリ[3-(3-ピリジル)フェニル]
ベンゼン(略称:TmPyPB)等のジアジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。
また、ポリ(2,5-ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9-ジヘキシル
フルオレン-2,7-ジイル)-co-(ピリジン-3,5-ジイル)](略称:PF-
Py)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(2,2’
-ビピリジン-6,6’-ジイル)](略称:PF-BPy)のような高分子化合物を用
いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10-6cm/Vs以上の電子移動
度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の
物質を用いても構わない。
有機化合物131_2としては、含窒素五員複素環骨格または3級アミン骨格を有する
化合物を用いることができるが、含窒素五員複素環骨格を有すると好ましい。具体的には
、ピロール骨格または芳香族アミン骨格が挙げられる。具体的には、インドール誘導体、
カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体などが挙げられる。また、含窒素五員複
素環骨格としては、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、及びテトラゾール骨格が挙げ
られる。また、有機化合物131_2としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料(正
孔輸送性材料)を用いることができ、1×10-6cm/Vs以上の正孔移動度を有す
る材料であることが好ましい。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
また、上述したカルバゾール骨格を有する化合物中、1×10-6cm/Vs以上の正
孔移動度を有する材料も好適に用いることができる。
これら正孔輸送性の高い材料として、具体的には、芳香族アミン化合物としては、N,
N’-ジ(p-トリル)-N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(略称:DT
DPPA)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルア
ミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニ
ル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’
-ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5-トリス[N-(4-ジフェニルアミノフ
ェニル)-N-フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる
また、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェ
ニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニル
アミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](
略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス
(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)等の高分子化合物を用いることも
できる。
さらに、正孔輸送性の高い材料としては、例えば、4,4’-ビス[N-(1-ナフチ
ル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα-NPD)やN,N’-
ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,
4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’-トリス(カルバゾール-9-イル
)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’-トリス[N-(1-ナフ
チル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’-TNATA)、4,4
’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDAT
A)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]
トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’
-ビフルオレン-2-イル)-N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4
-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:
BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェ
ニルアミン(略称:mBPAFLP)、N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2
-イル)-N-{9,9-ジメチル-2-[N’-フェニル-N’-(9,9-ジメチル
-9H-フルオレン-2-イル)アミノ]-9H-フルオレン-7-イル}フェニルアミ
ン(略称:DFLADFL)、N-(9,9-ジメチル-2-ジフェニルアミノ-9H-
フルオレン-7-イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2-[N-(4-ジフェ
ニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:
DPASF)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)
トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-
フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1B
P)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)
トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-
(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBN
BB)、4-フェニルジフェニル-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)ア
ミン(略称:PCA1BP)、N,N’-ビス(9-フェニルカルバゾール-3-イル)
-N,N’-ジフェニルベンゼン-1,3-ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,
N’’-トリフェニル-N,N’,N’’-トリス(9-フェニルカルバゾール-3-イ
ル)ベンゼン-1,3,5-トリアミン(略称:PCA3B)、N-(4-ビフェニル)
-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9-フェニル-9H-カル
バゾール-3-アミン(略称:PCBiF)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)
-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジ
メチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)、9,9-ジメチル-N
-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]フ
ルオレン-2-アミン(略称:PCBAF)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル
-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-ア
ミン(略称:PCBASF)、2-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N
-フェニルアミノ]スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7-ビ
ス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-スピロ-9,9’
-ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N-[4-(9H-カルバゾール-9-イル)
フェニル]-N-(4-フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’
-ビス[4-(カルバゾール-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニル-9,9-
ジメチルフルオレン-2,7-ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物
等を用いることができる。また、3-[4-(1-ナフチル)-フェニル]-9-フェニ
ル-9H-カルバゾール(略称:PCPN)、3-[4-(9-フェナントリル)-フェ
ニル]-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’-ビス(9
-フェニル-9H-カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3-ビス(N-カルバゾリ
ル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)-9-フ
ェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,6-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)
-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PhCzGI)、2,8-ジ(9H-カル
バゾール-9-イル)-ジベンゾチオフェン(略称:Cz2DBT)等のアミン化合物、
カルバゾール化合物等を用いることができる。上述した化合物の中でも、ピロール骨格、
芳香族アミン骨格を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨
格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
また、有機化合物131_2としては、イミダゾール骨格、トリアゾール骨格、及びテ
トラゾール骨格等の含窒素五員複素環骨格を有する化合物を用いることができる。具体的
には、例えば、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-tert-ブチル
フェニル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、9-[4-(4,5-ジフェ
ニル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(
略称:CzTAZ1)、2,2’,2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(
1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2-[3-(ジベンゾ
チオフェン-4-イル)フェニル]-1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール(略称:
mDBTBIm-II)等を用いることができる。
また、発光層130において、ゲスト材料132としては、特に限定はないが、蛍光性
化合物としては、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナント
レン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、ク
マリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましく、例えば以
下の物質を用いることができる。
具体的には、5,6-ビス[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-2
,2’-ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6-ビス[4’-(10-フェニル
-9-アントリル)ビフェニル-4-イル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAPP2
BPy)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオ
レン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)
、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ビス[3-(9-フェニル-9H
-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6mMem
FLPAPrn)、N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル
)フェニル]-N,N’-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-ピレン-1,6-ジ
アミン(略称:1,6tBu-FLPAPrn)、N,N’-ビス[4-(9-フェニル
-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニル-3,8-ジシクロ
ヘキシルピレン-1,6-ジアミン(略称:ch-1,6FLPAPrn)、N,N’-
ビス[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニルスチル
ベン-4,4’-ジアミン(略称:YGA2S)、4-(9H-カルバゾール-9-イル
)-4’-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA
)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(9,10-ジフェニル-2-アン
トリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9-ジフェニル-N-[4
-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(
略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレ
ン(略称:TBP)、4-(10-フェニル-9-アントリル)-4’-(9-フェニル
-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N
’’-(2-tert-ブチルアントラセン-9,10-ジイルジ-4,1-フェニレン
)ビス[N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン](略称:DPA
BPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)
フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPPA)、N-[4-(
9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-N,N’,N’-トリフェニル-
1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,
N’’,N’’’,N’’’-オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン-2,7,1
0,15-テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N-(9,10-ジフェニ
ル-2-アントリル)-N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:
2PCAPA)、N-[9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-2-アン
トリル]-N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCABP
hA)、N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-N,N’,N’-トリフェニ
ル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N-[9,10-ビス(1,
1’-ビフェニル-2-イル)-2-アントリル]-N,N’,N’-トリフェニル-1
,4-フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10-ビス(1,1’-ビ
フェニル-2-イル)-N-[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N-
フェニルアントラセン-2-アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9-トリフェ
ニルアントラセン-9-アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545
T、N,N’-ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、2,8-ジ-t
ert-ブチル-5,11-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-6,12-ジフェ
ニルテトラセン(略称:TBRb)、ナイルレッド、5,12-ビス(1,1’-ビフェ
ニル-4-イル)-6,11-ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2-(2-{2
-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}-6-メチル-4H-ピラン-4-イ
リデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2-{2-メチル-6-[2-(2,
3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニ
ル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,
N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)テトラセン-5,11-ジアミン(略称
:p-mPhTD)、7,14-ジフェニル-N,N,N’,N’-テトラキス(4-メ
チルフェニル)アセナフト[1,2-a]フルオランテン-3,10-ジアミン(略称:
p-mPhAFD)、2-{2-イソプロピル-6-[2-(1,1,7,7-テトラメ
チル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イ
ル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI
)、2-{2-tert-ブチル-6-[2-(1,1,7,7-テトラメチル-2,3
,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル
]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2-(2
,6-ビス{2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}-4H-ピラン-4-
イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2-{2,6-ビス[2-(8
-メトキシ-1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5
H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}
プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20-テトラフェニ
ルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3-cd:1’,2’,3’-lm]ペリレ
ン、などが挙げられる。
なお、表1で示した通り、上述した第1の有機化合物の炭化水素基置換体は、T1準位の
低下に影響する。したがって、ゲスト材料が三重項励起エネルギーを発光に変換すること
ができる機能を有する材料の場合、本発明の一態様はより効果的である。三重項励起エネ
ルギーを発光に変換することができる機能を有する材料としては、燐光材料や熱活性化遅
延蛍光(Thermally activated delayed fluoresc
ence:TADF)材料が挙げられ、以下にこれらについて説明する。なお、これらの
ゲスト材料のT1準位が高い場合、具体的には、これらのゲスト材料が呈する発光ピーク
が450nm以上530nm以下の場合、本発明の一態様は特に効果的である。
ゲスト材料132(燐光性化合物)としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の
有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジ
ウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H-トリアゾ
ール配位子、1H-トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミ
ジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。金属錯体
としては、ポルフィリン配位子を有する白金錯体などが挙げられる。
青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2-[5-(2
-メチルフェニル)-4-(2,6-ジメチルフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾ
ール-3-イル-κN2]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpp
tz-dmp))、トリス(5-メチル-3,4-ジフェニル-4H-1,2,4-ト
リアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz))、トリス[4-(3-
ビフェニル)-5-イソプロピル-3-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト]イ
リジウム(III)(略称:Ir(iPrptz-3b))、トリス[3-(5-ビフ
ェニル)-5-イソプロピル-4-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾラト]イリジ
ウム(III)(略称:Ir(iPr5btz))、のような4H-トリアゾール骨格
を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3-メチル-1-(2-メチルフェニル)
-5-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir
(Mptz1-mp))、トリス(1-メチル-5-フェニル-3-プロピル-1H-
1,2,4-トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1-Me)
)のような1H-トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac-トリ
ス[1-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-2-フェニル-1H-イミダゾール]イ
リジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi))、トリス[3-(2,6-ジメチ
ルフェニル)-7-メチルイミダゾ[1,2-f]フェナントリジナト]イリジウム(I
II)(略称:Ir(dmpimpt-Me))のようなイミダゾール骨格を有する有
機金属イリジウム錯体や、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-
N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1-ピラゾリル)ボラート(略称:FI
r6)、ビス[2-(4’,6’-ジフルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリ
ジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2-[3’,5’-ビス
(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト-N,C2’}イリジウム(III)ピコ
リナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2-(4’,6’-ジフ
ルオロフェニル)ピリジナト-N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート
(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配
位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H-トリアゾール
骨格、1H-トリアゾール骨格及びイミダゾール骨格のような含窒素五員複素環骨格を有
する有機金属イリジウム錯体は、高い三重項励起エネルギーを有し、信頼性や発光効率に
も優れるため、特に好ましい。
また、緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4-メチ
ル-6-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm))、
トリス(4-t-ブチル-6-フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:I
r(tBuppm))、(アセチルアセトナト)ビス(6-メチル-4-フェニルピリ
ミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)(acac))、(アセチ
ルアセトナト)ビス(6-tert-ブチル-4-フェニルピリミジナト)イリジウム(
III)(略称:Ir(tBuppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス
[4-(2-ノルボルニル)-6-フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称
:Ir(nbppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5-メチル-6
-(2-メチルフェニル)-4-フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:
Ir(mpmppm)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{4,6-ジメチ
ル-2-[6-(2,6-ジメチルフェニル)-4-ピリミジニル-κN3]フェニル-
κC}イリジウム(III)(略称:Ir(dmppm-dmp)(acac))、(
アセチルアセトナト)ビス(4,6-ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(
略称:Ir(dppm)(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリ
ジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5-ジメチル-2-フェニルピラジナ
ト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr-Me)(acac))、(アセチ
ルアセトナト)ビス(5-イソプロピル-3-メチル-2-フェニルピラジナト)イリジ
ウム(III)(略称:Ir(mppr-iPr)(acac))のようなピラジン骨
格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2-フェニルピリジナト-N,C2’
イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))、ビス(2-フェニルピリジナト-N
,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(ac
ac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート
(略称:Ir(bzq)(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウ
ム(III)(略称:Ir(bzq))、トリス(2-フェニルキノリナト-N,C
)イリジウム(III)(略称:Ir(pq))、ビス(2-フェニルキノリナト-
N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)(ac
ac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス(2,4-ジフ
ェニル-1,3-オキサゾラト-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナー
ト(略称:Ir(dpo)(acac))、ビス{2-[4’-(パーフルオロフェニ
ル)フェニル]ピリジナト-N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(
略称:Ir(p-PF-ph)(acac))、ビス(2-フェニルベンゾチアゾラト
-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)(a
cac))など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェ
ナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))のよう
な希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリ
ジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリル
メタナト)ビス[4,6-ビス(3-メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(II
I)(略称:Ir(5mdppm)(dibm))、ビス[4,6-ビス(3-メチル
フェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir
(5mdppm)(dpm))、ビス[4,6-ジ(ナフタレン-1-イル)ピリミジ
ナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)
dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセ
トナト)ビス(2,3,5-トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:I
r(tppr)(acac))、ビス(2,3,5-トリフェニルピラジナト)(ジピ
バロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(dpm))、(
アセチルアセトナト)ビス[2,3-ビス(4-フルオロフェニル)キノキサリナト]イ
リジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))のようなピラジン骨格を
有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1-フェニルイソキノリナト-N,C2’
イリジウム(III)(略称:Ir(piq))、ビス(1-フェニルイソキノリナト
-N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)
acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,
8,12,13,17,18-オクタエチル-21H,23H-ポルフィリン白金(II
)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3-ジフェニル-1,3-プ
ロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DB
M)(Phen))、トリス[1-(2-テノイル)-3,3,3-トリフルオロアセ
トナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)
Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を
有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ま
しい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得
られる。
発光層130に含まれる発光材料としては、三重項励起エネルギーを発光に変換できる
材料であれば好ましい。該三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料としては、燐光
性化合物の他に、TADF材料が挙げられる。したがって、燐光性化合物と記載した部分
に関しては、熱活性化遅延蛍光材料と読み替えても構わない。なお、熱活性化遅延蛍光材
料とは、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位との差が小さく、逆項間
交差によって三重項励起状態から一重項励起状態へエネルギーを変換する機能を有する材
料である。そのため、三重項励起状態をわずかな熱エネルギーによって一重項励起状態に
アップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よ
く呈することができる。また、熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、三重
項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位のエネルギー差が好ましくは0eVよ
り大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であること
が挙げられる。
熱活性化遅延蛍光材料が、一種類の材料から構成される場合、例えば以下の材料を用い
ることができる。
まず、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙
げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(S
n)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含
有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフ
ィリン-フッ化スズ錯体(SnF(Proto IX))、メソポルフィリン-フッ化
スズ錯体(SnF(Meso IX))、ヘマトポルフィリン-フッ化スズ錯体(Sn
(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル-フッ化スズ
錯体(SnF(Copro III-4Me))、オクタエチルポルフィリン-フッ化
スズ錯体(SnF(OEP))、エチオポルフィリン-フッ化スズ錯体(SnF(E
tio I))、オクタエチルポルフィリン-塩化白金錯体(PtClOEP)等が挙
げられる。
また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光材料としては、π電子過剰型複素芳
香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物も用いることができる。具体的に
は、2-(ビフェニル-4-イル)-4,6-ビス(12-フェニルインドロ[2,3-
a]カルバゾール-11-イル)-1,3,5-トリアジン(略称:PIC-TRZ)、
2-{4-[3-(N-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾー
ル-9-イル]フェニル}-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PC
CzPTzn)、2-[4-(10H-フェノキサジン-10-イル)フェニル]-4,
6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PXZ-TRZ)、3-[4-(5-
フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン-10-イル)フェニル]-4,5-ジフェニ
ル-1,2,4-トリアゾール(略称:PPZ-3TPT)、3-(9,9-ジメチル-
9H-アクリジン-10-イル)-9H-キサンテン-9-オン(略称:ACRXTN)
、ビス[4-(9,9-ジメチル-9,10-ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン
(略称:DMAC-DPS)、10-フェニル-10H,10’H-スピロ[アクリジン
-9,9’-アントラセン]-10’-オン(略称:ACRSA)等が挙げられる。該複
素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子
輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。中でも、π電子不足型複素芳香環を有する骨格
のうち、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、またはトリ
アジン骨格は、安定で信頼性が良好なため、好ましい。また、π電子過剰型複素芳香環を
有する骨格の中でも、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、チオフェン骨格、フラン骨
格、及びピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の中から選ばれるいずれ
か一つまたは複数を有することが、好ましい。なお、ピロール骨格としては、インドール
骨格、カルバゾール骨格、及び3-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-
9H-カルバゾール骨格、が特に好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足
型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足
型複素芳香環のアクセプター性が共に強く、一重項励起状態のエネルギー準位と三重項励
起状態のエネルギー準位との差が小さくなるため、特に好ましい。
また、発光層130において、ホスト材料131及びゲスト材料132以外の材料を有
していても良い。
発光層130に用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、アント
ラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,
p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10-ジフ
ェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12-ジメトキシ-5,11-ジフェ
ニルクリセン、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:D
PPA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2-tert
-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、9,
9’-ビアントリル(略称:BANT)、9,9’-(スチルベン-3,3’-ジイル)
ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’-(スチルベン-4,4’-ジイル)ジ
フェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5-トリ(1-ピレニル)ベンゼン(略
称:TPB3)などを挙げることができる。また、これら及び公知の物質の中から、上記
ゲスト材料132の励起エネルギー準位より高い一重項励起エネルギー準位または三重項
励起エネルギー準位を有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。
また、例えば、オキサジアゾール誘導体等の複素芳香族骨格を有する化合物を発光層1
30に用いることができる。具体的には、例えば、2-(4-ビフェニリル)-5-(4
-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)や、1
,3-ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-
2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、9-[4-(5-フェニル-1,3,4-オ
キサジアゾール-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CO11)、4,
4’-ビス(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン(略称:BzOs)
などの複素環化合物が挙げられる。
また、複素環を有する金属錯体(例えば亜鉛及びアルミニウム系金属錯体)などを発光
層130に用いることができる。例えば、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキ
サゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体が挙げられる。具体的には
、例えば、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリ
ス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq)、ビ
ス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq
)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(
III)(略称:BAlq)、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)
など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、
この他ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnP
BO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnB
TZ)などのオキサゾール系、またはチアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いる
ことができる。
なお、発光層130は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1
の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層130とする場合、第1
の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料
として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。また、第1の発光層と第2の発
光層とが有する発光材料は、同じ材料であっても異なる材料であってもよく、同じ色の発
光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であ
ってもよい。2層の発光層に、互いに異なる色の発光を呈する機能を有する発光材料をそ
れぞれ用いることで、複数の発光を同時に得ることができる。特に、2層の発光層が呈す
る発光により、白色になるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
なお、発光層130は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グ
ラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した材料の他、量子ドットなど
の無機化合物または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を有しても
よい。
≪正孔注入層≫
正孔注入層111は、一対の電極の一方(電極101または電極102)からのホール
注入障壁を低減することでホール注入を促進する機能を有し、例えば遷移金属酸化物、フ
タロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物と
しては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物
、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニンや
金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニ
レンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合
物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジ
オキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。
正孔注入層111として、正孔輸送性材料と、これに対して電子受容性を示す材料の複
合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正
孔輸送性材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電
界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタ
ン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプター
を挙げることができる。具体的には、7,7,8,8-テトラシアノ-2,3,5,6-
テトラフルオロキノジメタン(略称:F-TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,
10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(略
称:HAT-CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物である。ま
た、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体
的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸
化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気
中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1
×10-6cm/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的に
は、発光層130に用いることができる正孔輸送性材料として挙げた芳香族アミン、カル
バゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、
該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
また、正孔輸送性材料として他には芳香族炭化水素が挙げられ、例えば、2-tert
-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、2-
tert-ブチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、9,10-ビス(3,
5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2-tert-ブチル-9
,10-ビス(4-フェニルフェニル)アントラセン(略称:t-BuDBA)、9,1
0-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10-ジフェニルアントラ
セン(略称:DPAnth)、2-tert-ブチルアントラセン(略称:t-BuAn
th)、9,10-ビス(4-メチル-1-ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)
、2-tert-ブチル-9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセ
ン、9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7-
テトラメチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、2,3,6,7-テトラメ
チル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン、9,9’-ビアントリル、10,1
0’-ジフェニル-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス(2-フェニルフェニ
ル)-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス[(2,3,4,5,6-ペンタフ
ェニル)フェニル]-9,9’-ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、
ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン等が挙げられる。ま
た、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10-6
cm/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至炭素数42である芳香族炭化水素
を用いることがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香
族炭化水素としては、例えば、4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル
(略称:DPVBi)、9,10-ビス[4-(2,2-ジフェニルビニル)フェニル]
アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、4-{3-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]フ
ェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi-II)、4,4’,4’’-(ベ
ンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P-II)、
1,3,5-トリ(ジベンゾチオフェン-4-イル)ベンゼン(略称:DBT3P-II
)、2,8-ジフェニル-4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フ
ェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-III)、4-[4-(9-フェニ
ル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-6-フェニルジベンゾチオフェン(略称
:DBTFLP-IV)、4-[3-(トリフェニレン-2-イル)フェニル]ジベンゾ
チオフェン(略称:mDBTPTp-II)等のチオフェン化合物、フラン化合物、フル
オレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。
上述した化合物の中でも、ピロール骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、芳香族アミン骨
格を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合
物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層112は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層111の材料として例
示した正孔輸送性材料を使用することができる。正孔輸送層112は正孔注入層111に
注入された正孔を発光層130へ輸送する機能を有するため、正孔注入層111のHOM
O(Highest Occupied Molecular Orbital、最高被
占軌道ともいう)準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有することが好ましい。
また、1×10-6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい
。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい
。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層
以上積層してもよい。
≪電子輸送層≫
電子輸送層118は、電子注入層119を経て一対の電極の他方(電極101または電
極102)から注入された電子を発光層130へ輸送する機能を有する。電子輸送性材料
としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10-6cm
/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい化合
物(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型
複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。具体的には、発光層130に用いるこ
とができる電子輸送性材料として挙げたピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン
誘導体、トリアジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナ
ントロリン誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、オキサジアゾール
誘導体などが挙げられる。また、1×10-6cm/Vs以上の電子移動度を有する物
質であることが好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外
の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層118は、単層だけでな
く、上記物質からなる層が二層以上積層してもよい。
また、複素環を有する金属錯体が挙げられ、例えば、キノリン配位子、ベンゾキノリン
配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体が挙げられる
。具体的には、例えば、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:A
lq)、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Al
mq)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称
:BeBq)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)ア
ルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略
称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げら
れる。また、この他ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(
略称:ZnPBO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(
略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、またはチアゾール系配位子を有する金属錯体
なども用いることができる。
また、電子輸送層118と発光層130との間に電子キャリアの移動を制御する層を設
けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質
を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバラ
ンスを調節することが可能となる。このような構成は、電子輸送性材料の電子輸送性が正
孔輸送性材料の正孔輸送性と比べて著しく高い場合に発生する問題(例えば素子寿命の低
下)の抑制に大きな効果を発揮する。
≪電子注入層≫
電子注入層119は電極102からの電子注入障壁を低減することで電子注入を促進す
る機能を有し、例えば第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物、ハロゲン化物
、炭酸塩などを用いることができる。また、先に示す電子輸送性材料と、これに対して電
子供与性を示す材料の複合材料を用いることもできる。電子供与性を示す材料としては、
第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物などを挙げることができる。具体的に
は、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化セシウム(CsF
)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiO)等のようなアルカリ金
属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エル
ビウム(ErF)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層
119にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウ
ムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。また、電子
注入層119に、電子輸送層118で用いることが出来る物質を用いても良い。
また、電子注入層119に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合
材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発
生するため、電子注入性及び電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、
発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電
子輸送層118を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる
。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的に
は、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、ナトリウム、
セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。ま
た、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシ
ウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩
基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物
を用いることもできる。
なお、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、
それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の
方法で形成することができる。また、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子
輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物や、高分
子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
≪量子ドット≫
量子ドットは、数nmから数十nmサイズの半導体ナノ結晶であり、1×10個から
1×10個程度の原子から構成されている。量子ドットはサイズに依存してエネルギー
シフトするため、同じ物質から構成される量子ドットであっても、サイズによって発光波
長が異なる。そのため、用いる量子ドットのサイズを変更することによって、容易に発光
波長を変更することができる。
また、量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭いため、色純度のよい発光を得る
ことができる。さらに、量子ドットの理論的な内部量子効率はほぼ100%であると言わ
れており、蛍光発光を呈する有機化合物の25%を大きく上回り、燐光発光を呈する有機
化合物と同等となっている。このことから、量子ドットを発光材料として用いることによ
って発光効率の高い発光素子を得ることができる。その上、無機材料である量子ドットは
、その本質的な安定性にも優れているため、寿命の観点からも好ましい発光素子を得るこ
とができる。
量子ドットを構成する材料としては、第14族元素、第15族元素、第16族元素、複
数の第14族元素からなる化合物、第4族から第14族に属する元素と第16族元素との
化合物、第2族元素と第16族元素との化合物、第13族元素と第15族元素との化合物
、第13族元素と第17族元素との化合物、第14族元素と第15族元素との化合物、第
11族元素と第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネ
ル類、半導体クラスターなどを挙げることができる。
具体的には、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化亜
鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化水銀、セレン化水銀、テルル化水銀、砒化
インジウム、リン化インジウム、砒化ガリウム、リン化ガリウム、窒化インジウム、窒化
ガリウム、アンチモン化インジウム、アンチモン化ガリウム、リン化アルミニウム、砒化
アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、セレン化鉛、テルル化鉛、硫化鉛、セレン化
インジウム、テルル化インジウム、硫化インジウム、セレン化ガリウム、硫化砒素、セレ
ン化砒素、テルル化砒素、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン、
硫化ビスマス、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、ケイ素、炭化ケイ素、ゲルマニウ
ム、錫、セレン、テルル、ホウ素、炭素、リン、窒化ホウ素、リン化ホウ素、砒化ホウ素
、窒化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫化バリウム、セレン化バリウム、テルル化バ
リウム、硫化カルシウム、セレン化カルシウム、テルル化カルシウム、硫化ベリリウム、
セレン化ベリリウム、テルル化ベリリウム、硫化マグネシウム、セレン化マグネシウム、
硫化ゲルマニウム、セレン化ゲルマニウム、テルル化ゲルマニウム、硫化錫、セレン化錫
、テルル化錫、酸化鉛、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、セレン化銅、酸
化ニッケル、酸化コバルト、硫化コバルト、酸化鉄、硫化鉄、酸化マンガン、硫化モリブ
デン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、セレンと亜
鉛とカドミウムの化合物、インジウムと砒素とリンの化合物、カドミウムとセレンと硫黄
の化合物、カドミウムとセレンとテルルの化合物、インジウムとガリウムと砒素の化合物
、インジウムとガリウムとセレンの化合物、インジウムとセレンと硫黄の化合物、銅とイ
ンジウムと硫黄の化合物、及びこれらの組合せなどを挙げることができるが、これらに限
定されない。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いても
良い。例えば、カドミウムとセレンと硫黄の合金型量子ドットは、元素の含有比率を変化
させることで発光波長を変えることができるため、青色発光を得るには有効な手段の一つ
である。
量子ドットの構造としては、コア型、コア-シェル型、コア-マルチシェル型などがあ
り、そのいずれを用いても良いが、コアを覆ってより広いバンドギャップを持つ別の無機
材料でシェルを形成することによって、ナノ結晶表面に存在する欠陥やダングリングボン
ドの影響を低減することができる。これにより、発光の量子効率が大きく改善するためコ
ア-シェル型やコア-マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの材
料の例としては、硫化亜鉛や酸化亜鉛が挙げられる。
また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりや
すい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着している又は保護基が設けられてい
ることが好ましい。当該保護剤が付着している又は保護基が設けられていることによって
、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的
安定性を向上させることも可能である。保護剤(又は保護基)としては、例えば、ポリオ
キシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエ
チレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、トリプロピルホス
フィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等の
トリアルキルホスフィン類、ポリオキシエチレンn-オクチルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンn-ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル類、トリ(n-ヘキシル)アミン、トリ(n-オクチル)アミン、トリ(n-デシル
)アミン等の第3級アミン類、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィン
オキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデ
シルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、ポリエチレングリコールジラウレート、ポ
リエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、また、
ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類等の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物
、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミ
ン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類、ジブチルスルフィ
ド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジア
ルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、アルコール類、ソルビタン脂肪酸エ
ステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイ
ミン類等が挙げられる。
量子ドットは、サイズが小さくなるに従いバンドギャップが大きくなるため、所望の波
長の光が得られるように、そのサイズを適宜調整する。結晶のサイズが小さくなるにつれ
て、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へシフトするため、量子ドッ
トのサイズを変更させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長
領域にわたって、その発光波長を調整することができる。量子ドットのサイズ(直径)は
、0.5nm乃至20nm、好ましくは1nm乃至10nmの範囲のものが通常良く用い
られる。なお、量子ドットはそのサイズ分布が狭いほど、より発光スペクトルが狭線化し
、色純度の良好な発光を得ることができる。また、量子ドットの形状は特に限定されず、
球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。なお、棒状の量子ドットである量子
ロッドは、指向性を有する光を呈する機能を有するため、量子ロッドを発光材料として用
いることにより、より外部量子効率が良好な発光素子を得ることができる。
ところで、有機EL素子では多くの場合、発光材料をホスト材料に分散し、発光材料の
濃度消光を抑制することによって発光効率を高めている。ホスト材料は発光材料以上の一
重項励起エネルギー準位または三重項励起エネルギー準位を有する材料であることが必要
である。特に、青色燐光材料を発光材料に用いる場合、それ以上の三重項励起エネルギー
準位を有し、且つ、寿命の観点で優れたホスト材料が必要であり、その開発は困難を極め
ている。ここで、量子ドットは、ホスト材料を用いずに量子ドットのみで発光層を構成し
ても発光効率を保つことができるため、この点でも寿命という観点から好ましい発光素子
を得ることができる。量子ドットのみで発光層を形成する場合には、量子ドットはコア-
シェル構造(コア-マルチシェル構造を含む)であることが好ましい。
発光層の発光材料に量子ドットを用いる場合、当該発光層の膜厚は3nm乃至100n
m、好ましくは10nm乃至100nmとし、発光層中の量子ドットの含有率は1乃至1
00体積%とする。ただし、量子ドットのみで発光層を形成することが好ましい。なお、
当該量子ドットを発光材料としてホストに分散した発光層を形成する場合は、ホスト材料
に量子ドットを分散させる、またはホスト材料と量子ドットとを適当な液媒体に溶解また
は分散させてウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、ダイコート法、ブレード
コート法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法、スプレーコート法、カーテンコ
ート法、ラングミュア・ブロジェット法など)により形成すればよい。燐光性の発光材料
を用いた発光層については、上記ウェットプロセスの他、真空蒸着法も好適に利用するこ
とができる。
ウェットプロセスに用いる液媒体としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族
炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホル
ムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒を用いることがで
きる。
≪一対の電極≫
電極101及び電極102は、発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。電極
101及び電極102は、金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物や積層体など
を用いて形成することができる。
電極101または電極102の一方は、光を反射する機能を有する導電性材料により形
成されると好ましい。該導電性材料としては、アルミニウム(Al)またはAlを含む合
金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、チタン(Ti)、ネオジ
ム(Nd)、ニッケル(Ni)、及びランタン(La)の一つまたは複数を表す)とを含
む合金等が挙げられ、例えばAlとTi、またはAlとNiとLaを含む合金等である。
アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻におけ
る存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コス
トを低減することができる。また、銀(Ag)、またはAgとN(Nは、イットリウム(
Y)、Nd、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、Al、Ti、ガリウム(
Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、
スズ(Sn)、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir
)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等を用いても良い。銀を含
む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグ
ネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金、銀とイッテルビウム
を含む合金等が挙げられる。その他、タングステン、クロム(Cr)、モリブデン(Mo
)、銅、チタンなどの遷移金属を用いることができる。
また、発光層から得られる発光は、電極101及び電極102の一方または双方を通し
て取り出される。したがって、電極101または電極102の少なくとも一方は、光を透
過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可
視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、か
つその抵抗率が1×10-2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。
また、電極101及び電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有
する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20
%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10
-2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性を有する金属、合金、導電
性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。具体的には、例えば、イン
ジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪
素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム-酸化亜鉛(Indi
um Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム-錫酸化物、インジウ
ム-チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属
酸化物を用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm以上30n
m以下の厚さ)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、Ag、または
AgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。
なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する材料は、可視光を透過する機能
を有し、且つ導電性を有する材料であればよく、例えば上記のようなITOに代表される
酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、または有機物を含む有機導電体を含む。有機物を
含む有機導電体としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる
複合材料、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料等が挙げ
られる。また、グラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。また、当該材料の抵抗
率としては、好ましくは1×10Ω・cm以下、さらに好ましくは1×10Ω・cm
以下である。
また、上記の材料の複数を積層することによって電極101及び電極102の一方また
は双方を形成してもよい。
また、光取り出し効率を向上させるため、光を透過する機能を有する電極と接して、該
電極より屈折率の高い材料を形成してもよい。このような材料としては、可視光を透過す
る機能を有する材料であればよく、導電性を有する材料であっても有さない材料であって
もよい。例えば、上記のような酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、有機物が挙げられ
る。有機物としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電
子注入層に例示した材料が挙げられる。また、無機炭素系材料や光が透過する程度の金属
薄膜も用いることができ、数nm乃至数十nmの層を複数積層させてもよい。
電極101または電極102が陰極としての機能を有する場合には、仕事関数が小さい
(3.8eV以下)材料を有することが好ましい。例えば、元素周期表の第1族又は第2
族に属する元素(リチウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、スト
ロンチウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム等)、これら元素を含む合金(例えば、
AgとMg、AlとLi)、ユーロピウム(Eu)、Yb等の希土類金属、これら希土類
金属を含む合金、アルミニウム、銀を含む合金等を用いることができる。
また、電極101または電極102を陽極として用いる場合、仕事関数の大きい(4.
0eV以上)材料を用いることが好ましい。
また、電極101及び電極102は、光を反射する機能を有する導電性材料と、光を透
過する機能を有する導電性材料との積層としてもよい。その場合、電極101及び電極1
02は、各発光層からの所望の波長の光を共振させ、所望の波長の光を強めることができ
るように、光学距離を調整する機能を有することができるため好ましい。
電極101及び電極102の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法
、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレー
ザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用い
ることができる。
≪基板≫
また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に
作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電
極102側から順に積層しても良い。
なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英
、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性
基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、
無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程
において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発
光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
例えば、本発明等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。
基板の種類は、特に限定されない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶
基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属
基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステ
ン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状
の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホ
ウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓
性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下が挙げられる。例
えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、
ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表され
るプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、
一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニル
などがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無
機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよ
い。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素
子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いる
ことができる。その際、耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。な
お、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造
の構成や、基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置し、
別の基板上に発光素子を配置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上
述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、
麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテー
ト、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板な
どがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素
子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと
電気的に接続された電極上に発光素子150を作製してもよい。これにより、FETによ
って発光素子150の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることがで
きる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1に示す発光素子の構成と異なる構成の発光素子
、及び当該発光素子の発光機構について、図4(A)乃至図4(C)を用いて、以下説明
を行う。なお、図4(A)乃至図4(C)において、図1(A)に示す符号と同様の機能
を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様
の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
<発光素子の構成例1>
図4(A)は、発光素子252の断面模式図である。
図4(A)に示す発光素子252は、一対の電極(電極101及び電極102)の間に
、複数の発光ユニット(図4(A)においては、発光ユニット106及び発光ユニット1
10)を有する。少なくとも1つの発光ユニットは、EL層100と同様な構成を有する
。なお、発光ユニット106と発光ユニット110は、同じ構成でも異なる構成でもよい
また、図4(A)に示す発光素子252において、発光ユニット106と発光ユニット
110とが積層されており、発光ユニット106と発光ユニット110との間には電荷発
生層115が設けられる。例えば、発光ユニット106に、EL層100と同様な構成を
用いると好ましい。
また、発光素子252は、発光層140と、発光層170と、を有する。また、発光ユ
ニット106は、発光層170の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送
層113、及び電子注入層114を有する。また、発光ユニット110は、発光層140
の他に、正孔注入層116、正孔輸送層117、電子輸送層118、及び電子注入層11
9を有する。
電荷発生層115は、正孔輸送性材料に電子受容体であるアクセプター性物質が添加さ
れた構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体であるドナー性物質が添加された構成
であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
電荷発生層115に、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料が含まれる場合、該
複合材料には実施の形態1に示す正孔注入層111に用いることができる複合材料を用い
ればよい。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化
水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用
いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10-6cm/Vs
以上であるものを適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質
であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物とアクセプター性物質の複合材
料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実
現することができる。なお、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層115に接している
場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの正孔注入層または正孔輸送層の役割も担う
ことができるため、該発光ユニットには正孔注入層または正孔輸送層を設けない構成であ
っても良い。あるいは、発光ユニットの陰極側の面が電荷発生層115に接している場合
は、電荷発生層115が該発光ユニットの電子注入層または電子輸送層の役割も担うこと
ができるため、該発光ユニットには電子注入層または電子輸送層を設けない構成であって
も良い。
なお、電荷発生層115は、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と他
の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機
化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一
の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、
有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、透明導電膜を含む層とを組み合
わせて形成してもよい。
なお、発光ユニット106と発光ユニット108とに挟まれる電荷発生層115は、電
極101と電極102とに電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、
他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図6(A)において、
電極101の電位の方が電極102の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電
荷発生層115は、発光ユニット106に電子を注入し、発光ユニット108に正孔を注
入する。
なお、電荷発生層115は、光取出し効率の点から、可視光に対して透光性(具体的に
は、電荷発生層115に対する可視光の透過率が40%以上)を有することが好ましい。
また、電荷発生層115は、一対の電極(電極101及び電極102)よりも低い導電率
であっても機能する。
上述した材料を用いて電荷発生層115を形成することにより、発光層が積層された場
合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
また、図4(A)においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明した
が、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能
である。発光素子252に示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層
で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに
長寿命な発光素子を実現できる。また、消費電力が低い発光素子を実現することができる
なお、複数のユニットのうち、少なくとも一つのユニットに、実施の形態1で示した構
成を適用することによって、発光効率の高い発光素子及び信頼性が高い発光素子を提供す
ることができる。
また、発光ユニット110の発光層が燐光性化合物を有すると好適である。すなわち、
発光ユニット110が有する発光層140は、燐光性化合物を有し、発光ユニット106
が有する発光層170は、実施の形態1で示した発光層130の構成を有すると好ましい
。この場合の発光素子252の構成例について、以下説明を行う。
発光ユニット110が有する発光層140は、図4(B)で示すように、ホスト材料1
41と、ゲスト材料142とを有する。また、ホスト材料141は、有機化合物141_
1と、有機化合物141_2と、を有する。なお、発光層140が有するゲスト材料14
2が燐光性化合物として、以下説明する。
≪発光層140の発光機構≫
次に、発光層140の発光機構及び材料構成について、以下説明を行う。
発光層140が有する、有機化合物141_1と、有機化合物141_2とは励起錯体
を形成すると好ましい。
有機化合物141_1と有機化合物141_2との組み合わせは、互いに励起錯体を形
成することが可能な組み合わせであればよいが、一方が正孔輸送性を有する化合物であり
、他方が電子輸送性を有する化合物であることが、より好ましい。
発光層140における有機化合物141_1と、有機化合物141_2と、ゲスト材料
142とのエネルギー準位の相関を図4(C)に示す。なお、図4(C)における表記及
び符号は、以下の通りである。
・Host(141_1):有機化合物141_1(ホスト材料)
・Host(141_2):有機化合物141_2(ホスト材料)
・Guest(142):ゲスト材料142(燐光性化合物)
・SPH1:有機化合物141_1(ホスト材料)のS1準位
・TPH1:有機化合物141_1(ホスト材料)のT1準位
・SPH2:有機化合物141_2(ホスト材料)のS1準位
・TPH2:有機化合物141_2(ホスト材料)のT1準位
・TPG:ゲスト材料142(燐光性化合物)のT1準位
・SPE:励起錯体のS1準位
・TPE:励起錯体のT1準位
有機化合物141_1及び有機化合物141_2は、一方がホールを、他方が電子を受
け取ることで速やかに励起錯体を形成する(図4(C) ルートE参照)。あるいは、
一方が励起状態となると、速やかに他方と相互作用することで励起錯体を形成する。励起
錯体の励起エネルギー準位(SPEまたはTPE)は、励起錯体を形成するホスト材料(
有機化合物141_1及び有機化合物141_2)のS1準位(SPH1及びSPH2
より低くなるため、より低い励起エネルギーでホスト材料141の励起状態を形成するこ
とが可能となる。これによって、発光素子の駆動電圧を下げることができる。
そして、励起錯体の(SPE)と(TPE)の双方のエネルギーを、ゲスト材料142
(燐光性化合物)のT1準位へ移動させて発光が得られる(図4(C) ルートE、E
参照)。
なお、励起錯体のT1準位(TPE)は、ゲスト材料142のT1準位(TPG)より
大きいこと及び、励起錯体を形成する各有機化合物(有機化合物141_1及び有機化合
物141_2)のT1準位(TPH1及びTPH2)と同等か、より小さいことが好まし
い。そうすることで、生成した励起錯体の一重項励起エネルギー及び三重項励起エネルギ
ーを、励起錯体のS1準位(SPE)及びT1準位(TPE)からゲスト材料142のT
1準位(TPG)へ効率良くエネルギー移動することができる。
また、有機化合物141_1と有機化合物141_2とが、効率よく励起錯体を形成す
るためには、有機化合物141_1及び有機化合物141_2の一方のHOMO準位が他
方のHOMO準位より高く、一方のLUMO準位が他方のLUMO準位より高いことが好
ましい。
また、有機化合物141_1と有機化合物141_2との組み合わせが、正孔輸送性を
有する化合物と電子輸送性を有する化合物との組み合わせである場合、その混合比によっ
てキャリアバランスを容易に制御することが可能となる。具体的には、正孔輸送性を有す
る化合物:電子輸送性を有する化合物=1:9から9:1(重量比)の範囲が好ましい。
また、該構成を有することで、容易にキャリアバランスを制御することができることから
、キャリア再結合領域の制御も簡便に行うことができる。
なお、上記に示すルートE乃至Eの過程を、本明細書等においてExTET(Ex
ciplex-Triplet Energy Transfer)と呼称する場合があ
る。別言すると、発光層140は、励起錯体からゲスト材料142への励起エネルギーの
供与がある。なお、この場合は必ずしもTPEからSPEへの逆項間交差効率が高い必要
はなく、SPEからの発光量子収率が高い必要もないため、材料を幅広く選択することが
可能となる。
ExTETを利用することで、発光効率が高く信頼性の良い発光素子を得ることができる
また、発光層170は、実施の形態1で示した発光層130の構成と、発光層140の
構成とを有することができる。
なお、上記各構成において、発光ユニット106及び発光ユニット110、に用いるゲ
スト材料が呈する発光色としては、互いに同じであっても異なっていてもよい。発光ユニ
ット106及び発光ユニット110、で互いに同じ色の発光を呈する機能を有するゲスト
材料を有する場合、発光素子252は少ない電流値で高い発光輝度を呈する発光素子とな
り好ましい。また、発光ユニット106及び発光ユニット110、で互いに異なる色の発
光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子252は多色発光を呈する発
光素子となり好ましい。この場合、発光層140及び発光層170のいずれか一方もしく
は双方、に発光波長の異なる複数の発光材料を用いることによって、発光素子252が呈
する発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なく
とも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。発光層140及び発光層170、の
光を互いに補色の関係とすることによって、白色発光を得ることができる。特に、演色性
の高い白色発光、あるいは少なくとも赤色と緑色と青色とを有する発光、になるようゲス
ト材料を選択することが好適である。
また、発光層140または発光層170の少なくとも一つを層状にさらに分割し、当該
分割した層ごとに異なる発光材料を含有させるようにしても良い。すなわち、発光層14
0、または発光層170の少なくとも一つが2層以上の複数層でもって構成することもで
きる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層とす
る場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する材料を用い、第2の発光層
のホスト材料として電子輸送性を有する材料を用いる構成などがある。この場合、第1の
発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料あっても異なる材料であってもよ
く、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を
有する材料であってもよい。互いに異なる色の発光を呈する機能を有する複数の発光材料
を有する構成により、三原色や、4色以上の発光色からなる演色性の高い白色発光を得る
こともできる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を用いた発光装置に
ついて、図5(A)及び図5(B)を用いて説明する。
図5(A)は、発光装置を示す上面図、図5(B)は図5(A)をA-B及びC-Dで切
断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示
された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆
動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、625は乾燥材、605はシー
ル材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力
される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリ
ントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等
を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配
線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても
良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくは
PWBが取り付けられた状態を含むものとする。
次に、上記発光装置の断面構造について図5(B)を用いて説明する。素子基板610上
に駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動
回路601と画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624
とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は種々のCMOS回路、P
MOS回路、NMOS回路で形成しても良い。また本実施の形では、基板上に駆動回路を
形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではな
く、外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と電流制御用TFT612とそのドレ
インに電気的に接続された第1の電極613とを含む画素により形成される。なお、第1
の電極613の端部を覆うように絶縁物614が形成されている。絶縁物614は、ポジ
型の感光性樹脂膜を用いることにより形成することができる。
また、絶縁物614上に形成される膜の被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の
上端部または下端部に曲率を有する面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の
材料として感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲面をもたせるこ
とが好ましい。該曲面の曲率半径は0.2μm以上0.3μm以下が好ましい。また、絶
縁物614として、ネガ型、ポジ型、いずれの感光材料も使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、及び第2の電極617がそれぞれ形成されてい
る。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大
きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、またはケイ素を含有したインジウ
ム錫酸化物膜、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チ
タン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとア
ルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と
窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線とし
ての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させること
ができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法
等の種々の方法によって形成される。EL層616を構成する材料としては、低分子化合
物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料
としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合
物、MgAg、MgIn、AlLi等)を用いることが好ましい。なお、EL層616で
生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄
くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む
酸化インジウム、ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積
層を用いるのが良い。
なお、第1の電極613、EL層616、第2の電極617により、発光素子618が形
成されている。発光素子618は実施の形態1及び実施の形態2の構成を有する発光素子
であると好ましい。なお、画素部は複数の発光素子が形成されてなっているが、本実施の
形態における発光装置では、実施の形態1及び実施の形態2で説明した構成を有する発光
素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素
子基板610、封止基板604、及びシール材605で囲まれた空間607に発光素子6
18が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、
不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、樹脂若しくは乾燥材又はその両
方で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また
、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、
封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber R
einforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエス
テルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を用いた発光装置
を得ることができる。
<発光装置の構成例2>
図6には表示装置の一例として、白色発光を呈する発光素子を形成し、着色層(カラーフ
ィルタ)を形成した発光装置の例を示す。
図6(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極
1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021
、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の第1の電極102
4W、1024R、1024G、1024B、隔壁1026、EL層1028、発光素子
の第2の電極1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図6(A)、図6(B)には着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層10
34G、青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、黒色層(
ブラックマトリックス)1035をさらに設けても良い。着色層及び黒色層が設けられた
透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び黒
色層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図5(A)においては、光が
着色層を透過せずに外部へと出る発光層と、各色の着色層を透過して外部に光が出る発光
層とがあり、着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は赤、青、緑となることか
ら、4色の画素で映像を表現することができる。
図6(B)では赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層103
4Bをゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示した。
図6(B)に示すように着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられても良
い。
また、以上に説明した発光装置では、TFTが形成されている基板1001側に光を取り
出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を取
り出す構造(トップエミッション型)の発光装置としても良い。
<発光装置の構成例3>
トップエミッション型の発光装置の断面図を図7に示す。この場合、基板1001は光を
通さない基板を用いることができる。TFTと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作
製するまでは、ボトムエミッション型の発光装置と同様に形成する。その後、第3の層間
絶縁膜1037を電極1022を覆って形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担ってい
ても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜1021と同様の材料の他、他
の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の下部電極1025W、1025R、1025G、1025Bはここでは陽極と
するが、陰極であっても構わない。また、図7のようなトップエミッション型の発光装置
である場合、下部電極1025W、1025R、1025G、1025Bは反射電極とす
ることが好ましい。なお、第2の電極1029は光を反射する機能と、光を透過する機能
を有しすると好ましい。また、第2の電極1029と下部電極1025W、1025R、
1025G、1025Bとの間でマイクロキャビティ構造を適用し特定波長の光を増幅す
る機能を有すると好ましい。EL層1028の構成は、実施の形態2で説明したような構
成とし、白色の発光が得られるような素子構造とする。
図6(A)、図6(B)、図7において、白色の発光が得られるEL層の構成としては、
発光層を複数層用いること、複数の発光ユニットを用いることなどにより実現すればよい
。なお、白色発光を得る構成はこれらに限られない。
図7のようなトップエミッション構造では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色
層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことが
できる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように黒色層(ブラックマト
リックス)1035を設けても良い。着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1
034G、青色の着色層1034B)や黒色層(ブラックマトリックス)1035はオー
バーコート層によって覆われていても良い。なお封止基板1031は透光性を有する基板
を用いる。
また、ここでは赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定され
ず、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行ってもよい。また、赤、緑、青、黄の4色で
フルカラー表示を行ってもよい。
以上のようにして、実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置
を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を用いた表示装置
のより具体的な例について説明する。以下で例示する表示装置は、反射型の液晶素子と、
発光素子の両方を有し、透過モードと反射モードの両方の表示を行うことのできる、表示
装置である。発光素子に実施の形態1及び実施の形態2で説明した発光素子を適用すると
好ましい。
[表示装置の構成例1]
図8(A)は、表示装置400の構成の一例を示すブロック図である。表示装置400
は、表示部362にマトリクス状に配列した複数の画素410を有する。また表示装置4
00は、回路GDと、回路SDを有する。また方向Rに配列した複数の画素410、及び
回路GDと電気的に接続する複数の配線G1、複数の配線G2、複数の配線ANO、及び
複数の配線CSCOMを有する。また方向Cに配列した複数の画素410、及び回路SD
と電気的に接続する複数の配線S1及び複数の配線S2を有する。
画素410は、反射型の液晶素子と、発光素子を有する。画素410において、液晶素
子と発光素子とは、互いに重なる部分を有する。
図8(B1)は、画素410が有する電極311bの構成例を示す。電極311bは、
画素410における液晶素子の反射電極として機能する。また電極311bには、開口4
51が設けられている。
図8(B1)には、電極311bと重なる領域に位置する発光素子360を破線で示し
ている。発光素子360は、電極311bが有する開口451と重ねて配置されている。
これにより、発光素子360が発する光は、開口451を介して表示面側に射出される。
図8(B1)では、方向Rに隣接する画素410が異なる色に対応する画素である。こ
のとき、図8(B1)に示すように、方向Rに隣接する2つの画素において、開口451
が一列に配列されないように、電極311bの異なる位置に設けられていることが好まし
い。これにより、2つの発光素子360を離すことが可能で、発光素子360が発する光
が隣接する画素410が有する着色層に入射してしまう現象(クロストークともいう)を
抑制することができる。また、隣接する2つの発光素子360を離して配置することがで
きるため、発光素子360のEL層をシャドウマスク等により作り分ける場合であっても
、高い精細度の表示装置を実現できる。
また、図8(B2)に示すような配列としてもよい。
非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が大きすぎると、液晶素子を用
いた表示が暗くなってしまう。また、非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比
の値が小さすぎると、発光素子360を用いた表示が暗くなってしまう。
また、反射電極として機能する電極311bに設ける開口451の面積が小さすぎると
、発光素子360が射出する光から取り出せる光の効率が低下してしまう。
開口451の形状は、例えば多角形、四角形、楕円形、円形または十字等の形状とする
ことができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状としてもよい。また、
開口451を隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口451を同じ色を
表示する他の画素に寄せて配置する。これにより、クロストークを抑制できる。
[回路構成例]
図9は、画素410の構成例を示す回路図である。図9では、隣接する2つの画素41
0を示している。
画素410は、スイッチSW1、容量素子C1、液晶素子340、スイッチSW2、ト
ランジスタM、容量素子C2、及び発光素子360等を有する。また、画素410には、
配線G1、配線G2、配線ANO、配線CSCOM、配線S1、及び配線S2が電気的に
接続されている。また、図12では、液晶素子340と電気的に接続する配線VCOM1
、及び発光素子360と電気的に接続する配線VCOM2を示している。
図9では、スイッチSW1及びスイッチSW2に、トランジスタを用いた場合の例を示
している。
スイッチSW1は、ゲートが配線G1と接続され、ソース又はドレインの一方が配線S
1と接続され、ソース又はドレインの他方が容量素子C1の一方の電極、及び液晶素子3
40の一方の電極と接続されている。容量素子C1は、他方の電極が配線CSCOMと接
続されている。液晶素子340は、他方の電極が配線VCOM1と接続されている。
またスイッチSW2は、ゲートが配線G2と接続され、ソース又はドレインの一方が配
線S2と接続され、ソース又はドレインの他方が、容量素子C2の一方の電極、トランジ
スタMのゲートと接続されている。容量素子C2は、他方の電極がトランジスタMのソー
ス又はドレインの一方、及び配線ANOと接続されている。トランジスタMは、ソース又
はドレインの他方が発光素子360の一方の電極と接続されている。発光素子360は、
他方の電極が配線VCOM2と接続されている。
図10(A)では、トランジスタMが半導体を挟む2つのゲートを有し、これらが接続
されている例を示している。これにより、トランジスタMが流すことのできる電流を増大
させることができる。
配線G1には、スイッチSW1を導通状態または非導通状態に制御する信号を与えるこ
とができる。配線VCOM1には、所定の電位を与えることができる。配線S1には、液
晶素子340が有する液晶の配向状態を制御する信号を与えることができる。配線CSC
OMには、所定の電位を与えることができる。
配線G2には、スイッチSW2を導通状態または非導通状態に制御する信号を与えるこ
とができる。配線VCOM2及び配線ANOには、発光素子360が発光する電位差が生
じる電位をそれぞれ与えることができる。配線S2には、トランジスタMの導通状態を制
御する信号を与えることができる。
図10に示す画素410は、例えば反射モードの表示を行う場合には、配線G1及び配
線S1に与える信号により駆動し、液晶素子340による光学変調を利用して表示するこ
とができる。また、透過モードで表示を行う場合には、配線G2及び配線S2に与える信
号により駆動し、発光素子360を発光させて表示することができる。また両方のモード
で駆動する場合には、配線G1、配線G2、配線S1及び配線S2のそれぞれに与える信
号により駆動することができる。
なお、図9では一つの画素410に、一つの液晶素子340と一つの発光素子360と
を有する例を示したが、これに限られない。図10(A)は、一つの画素410に一つの
液晶素子340と4つの発光素子360(発光素子360r、360g、360b、36
0w)を有する例を示している。図10(A)に示す画素410は、図9とは異なり、1
つの画素でフルカラーの表示が可能な画素である。
図10(A)では図9の例に加えて、画素410に配線G3及び配線S3が接続されて
いる。
図10(A)に示す例では、例えば4つの発光素子360を、それぞれ赤色(R)、緑
色(G)、青色(B)、及び白色(W)を呈する発光素子を用いることができる。また液
晶素子340として、白色を呈する反射型の液晶素子を用いることができる。これにより
、反射モードの表示を行う場合には、反射率の高い白色の表示を行うことができる。また
透過モードで表示を行う場合には、演色性の高い表示を低い電力で行うことができる。
また、図10(B)には、画素410の構成例を示している。画素410は、電極31
1が有する開口部と重なる発光素子360wと、電極311の周囲に配置された発光素子
360r、発光素子360g、及び発光素子360bとを有する。発光素子360r、発
光素子360g、及び発光素子360bは、発光面積がほぼ同等であることが好ましい。
[表示装置の構成例4]
図11は、本発明の一態様の表示装置300の斜視概略図である。表示装置300は、
基板351と基板361とが貼り合わされた構成を有する。図11では、基板361を破
線で明示している。
表示装置300は、表示部362、回路部364、配線365、回路部366、配線3
67等を有する。基板351には、例えば回路部364、配線365、回路部366、配
線367及び画素電極として機能する電極311b等が設けられる。また図11では基板
351上にIC373、FPC372、IC375及びFPC374が実装されている例
を示している。そのため、図11に示す構成は、表示装置300とIC373、FPC3
72、IC375及びFPC374を有する表示モジュールと言うこともできる。
回路部364は、例えば走査線駆動回路として機能する回路を用いることができる。
配線365は、表示部や回路部364に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号
や電力は、FPC372を介して外部、またはIC373から配線365に入力される。
また、図11では、COG(Chip On Glass)方式等により、基板351
にIC373が設けられている例を示している。IC373は、例えば走査線駆動回路、
または信号線駆動回路などとしての機能を有するICを適用できる。なお表示装置300
が走査線駆動回路及び信号線駆動回路として機能する回路を備える場合や、走査線駆動回
路や信号線駆動回路として機能する回路を外部に設け、FPC372を介して表示装置3
00を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC373を設けない構成としても
よい。また、IC373を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC
372に実装してもよい。
図12には、表示部362の一部の拡大図を示している。表示部362には、複数の表
示素子が有する電極311bがマトリクス状に配置されている。電極311bは、可視光
を反射する機能を有し、後述する液晶素子340の反射電極として機能する。
また、図12に示すように、電極311bは開口を有する。さらに電極311bよりも
基板351側に、発光素子360を有する。発光素子360からの光は、電極311bの
開口を介して基板361側に射出される。
図12に、図11で例示した表示装置の、FPC372を含む領域の一部、回路部36
4を含む領域の一部、表示部362を含む領域の一部、回路部366を含む領域の一部、
及びFPC374を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
図12に示す表示装置は、表示パネル700と、表示パネル800とが積層された構成
を有する。表示パネル700は、樹脂層701と樹脂層702を有する。表示パネル80
0は、樹脂層201と樹脂層202を有する。樹脂層702と樹脂層201とは、接着層
50によって接着されている。また樹脂層701は、接着層51により基板351と接着
されている。また樹脂層202は、接着層52により基板361と接着されている。
〔表示パネル700〕
表示パネル700は、樹脂層701、絶縁層478、複数のトランジスタ、容量素子4
05、絶縁層411、絶縁層412、絶縁層413、絶縁層414、絶縁層415、発光
素子360、スペーサ416、接着層417、着色層425、遮光層426、絶縁層47
6、及び樹脂層702を有する。
回路部364はトランジスタ401を有する。表示部362は、トランジスタ402及
びトランジスタ403を有する。
各トランジスタは、ゲート、絶縁層411、半導体層、ソース、及びドレインを有する
。ゲートと半導体層は、絶縁層411を介して重なる。絶縁層411の一部は、ゲート絶
縁層としての機能を有し、他の一部は、容量素子405の誘電体としての機能を有する。
トランジスタ402のソース又はドレインとして機能する導電層は、容量素子405の一
方の電極を兼ねる。
図12では、ボトムゲート構造のトランジスタを示す。回路部364と表示部362と
で、トランジスタの構造が異なっていてもよい。回路部364及び表示部362は、それ
ぞれ、複数の種類のトランジスタを有していてもよい。
容量素子405は、一対の電極と、その間の誘電体とを有する。容量素子405は、ト
ランジスタのゲートと同一の材料、及び同一の工程で形成した導電層と、トランジスタの
ソース及びドレインと同一の材料、及び同一の工程で形成した導電層と、を有する。
絶縁層412、絶縁層413、及び絶縁層414は、それぞれ、トランジスタ等を覆っ
て設けられる。トランジスタ等を覆う絶縁層の数は特に限定されない。絶縁層414は、
平坦化層としての機能を有する。絶縁層412、絶縁層413、及び絶縁層414のうち
、少なくとも一層には、水又は水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ま
しい。外部から不純物がトランジスタに拡散することを効果的に抑制することが可能とな
り、表示装置の信頼性を高めることができる。
絶縁層414として有機材料を用いる場合、表示装置の端部に露出した絶縁層414を
通って発光素子360等に表示装置の外部から水分等の不純物が侵入する恐れがある。不
純物の侵入により、発光素子360が劣化すると、表示装置の劣化につながる。そのため
、図12に示すように、絶縁層414が、表示装置の端部に位置しないことが好ましい。
図12の構成では、有機材料を用いた絶縁層が表示装置の端部に位置しないため、発光素
子360に不純物が侵入することを抑制できる。
発光素子360は、電極421、EL層422、及び電極423を有する。発光素子3
60は、光学調整層424を有していてもよい。発光素子360は、着色層425側に光
を射出する、トップエミッション構造である。
トランジスタ、容量素子、及び配線等を、発光素子360の発光領域と重ねて配置する
ことで、表示部362の開口率を高めることができる。
電極421及び電極423のうち、一方は、陽極として機能し、他方は、陰極として機
能する。電極421及び電極423の間に、発光素子360の閾値電圧より高い電圧を印
加すると、EL層422に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注
入された電子と正孔はEL層422において再結合し、EL層422に含まれる発光物質
が発光する。
電極421は、トランジスタ403のソース又はドレインと電気的に接続される。これ
らは、直接接続されてもよいし、他の導電層を介して接続されてもよい。電極421は、
画素電極として機能し、発光素子360ごとに設けられている。隣り合う2つの電極42
1は、絶縁層415によって電気的に絶縁されている。
電極423は、共通電極として機能し、複数の発光素子360にわたって設けられてい
る。電極423には、定電位が供給される。
発光素子360は、接着層417を介して着色層425と重なる。スペーサ416は、
接着層417を介して遮光層426と重なる。図12では、電極423と遮光層426と
の間に隙間がある場合を示しているが、これらが接していてもよい。図12では、スペー
サ416を基板351側に設ける構成を示したが、基板361側(例えば遮光層426よ
りも基板361側)に設けてもよい。
カラーフィルタ(着色層425)とマイクロキャビティ構造(光学調整層424)との
組み合わせにより、表示装置からは、色純度の高い光を取り出すことができる。光学調整
層424の膜厚は、各画素の色に応じて変化させる。
着色層425は特定の波長域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色
、又は黄色の波長域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。
なお、本発明の一態様は、カラーフィルタ方式に限られず、塗り分け方式、色変換方式
、又は量子ドット方式等を適用してもよい。
遮光層426は、隣接する着色層425の間に設けられている。遮光層426は隣接す
る発光素子360からの光を遮光し、隣接する発光素子360間における混色を抑制する
。ここで、着色層425の端部を、遮光層426と重なるように設けることにより、光漏
れを抑制することができる。遮光層426としては、発光素子360が発する光を遮る材
料を用いることができる。なお、遮光層426は、回路部364などの表示部362以外
の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるため好ましい。
樹脂層701の一方の表面には絶縁層478が形成されている。また、樹脂層702の
一方の表面には絶縁層476が形成されている。絶縁層476及び絶縁層478に防湿性
の高い膜を用いることが好ましい。一対の防湿性の高い絶縁層の間に発光素子360及び
トランジスタ等を配置することで、これらの素子に水等の不純物が侵入することを抑制で
き、表示装置の信頼性が高くなるため好ましい。
防湿性の高い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を
含む膜、及び、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。ま
た、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
例えば、防湿性の高い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10-5[g/(m・day)
]以下、好ましくは1×10-6[g/(m・day)]以下、より好ましくは1×1
-7[g/(m・day)]以下、さらに好ましくは1×10-8[g/(m・d
ay)]以下とする。
接続部406は、配線365を有する。配線365は、トランジスタのソース及びドレ
インと同一の材料、及び同一の工程で形成することができる。接続部406は、回路部3
64に外部からの信号や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接続する。ここでは、外
部入力端子としてFPC372を設ける例を示している。接続層419を介してFPC3
72と接続部406は電気的に接続する。
接続層419としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic
Conductive Film)及び異方性導電ペースト(ACP:Anisotr
opic Conductive Paste)などを用いることができる。
以上が表示パネル700についての説明である。
〔表示パネル800〕
表示パネル800は、縦電界方式が適用された反射型液晶表示装置である。
表示パネル800は、樹脂層201、絶縁層578、複数のトランジスタ、容量素子5
05、配線367、絶縁層511、絶縁層512、絶縁層513、絶縁層514、液晶素
子529、配向膜564a、配向膜564b、接着層517、絶縁層576、及び樹脂層
202を有する。
樹脂層201と樹脂層202とは、接着層517によって貼り合わされている。樹脂層
201、樹脂層202、及び接着層517に囲まれた領域に、液晶563が封止されてい
る。基板361の外側の面には、偏光板599が位置する。
液晶素子529は、電極311b、電極562、及び液晶563を有する。電極311
bは画素電極として機能する。電極562は共通電極として機能する。電極311bと電
極562との間に生じる電界により、液晶563の配向を制御することができる。液晶5
63と電極311bの間には配向膜564aが設けられている。液晶563と電極562
の間には、配向膜564bが設けられている。
樹脂層202には、絶縁層576、電極562、及び配向膜564b等が設けられてい
る。
樹脂層201には、電極311b、配向膜564a、トランジスタ501、トランジス
タ503、容量素子505、接続部506、及び配線367等が設けられている。
樹脂層201上には、絶縁層511、絶縁層512、絶縁層513、絶縁層514等の
絶縁層が設けられている。
ここで、トランジスタ503のソース又はドレインのうち、電極311bと電気的に接
続されていない方の導電層は、信号線の一部として機能してもよい。また、トランジスタ
503のゲートとして機能する導電層は、走査線の一部として機能してもよい。
図12では、回路部366の例としてトランジスタ501が設けられている例を示して
いる。
各トランジスタを覆う絶縁層512、絶縁層513のうち少なくとも一方は、水や水素
などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。
絶縁層514上には、電極311bが設けられている。電極311bは、絶縁層514
、絶縁層513、絶縁層512等に形成された開口を介して、トランジスタ503のソー
ス又はドレインの一方と電気的に接続されている。また電極311bは、容量素子505
の一方の電極と電気的に接続されている。
表示パネル800は、反射型の液晶表示装置であるため、電極311bに可視光を反射
する導電性材料を用い、電極562に可視光を透過する導電性材料を用いる。
可視光を透過する導電性材料としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、
錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。具体的には、酸化インジウ
ム、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜
鉛酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウ
ム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化
物、酸化シリコンを含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛、ガリウムを含む酸
化亜鉛などが挙げられる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェン
を含む膜は、例えば酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。
可視光を反射する導電性材料としては、例えば、アルミニウム、銀、またはこれらの金
属材料を含む合金等が挙げられる。そのほか、金、白金、ニッケル、タングステン、クロ
ム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、またはこれら金
属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料または合金に、ランタン、
ネオジム、またはゲルマニウム等が添加されていてもよい。アルミニウムとチタンの合金
、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金、アルミニウム、ニッ
ケル、及びランタンの合金(Al-Ni-La)等のアルミニウムを含む合金(アルミニ
ウム合金)、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金(Ag-Pd-Cu、APCとも
記す)、銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いてもよい。
ここで、偏光板599として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもで
きる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用い
ることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板599の
種類に応じて、液晶素子529に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調
整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
電極562は、樹脂層202の端部に近い部分において、樹脂層201側に設けられた
導電層と接続体543により電気的に接続されている。これにより、樹脂層201側に配
置されるFPC374やIC等から電極562に電位や信号を供給することができる。
接続体543としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子とし
ては、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることが
できる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。ま
たニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を
用いることが好ましい。また接続体543として、弾性変形、または塑性変形する材料を
用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体543は、図12に示すよう
に上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体543と、これと電
気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良など
の不具合の発生を抑制することができる。
接続体543は、接着層517に覆われるように配置することが好ましい。例えば硬化
前の接着層517に、接続体543を分散させておけばよい。
樹脂層201の端部に近い領域には、接続部506が設けられている。接続部506は
、接続層519を介してFPC374と電気的に接続されている。
以上が表示パネル800についての説明である。
〔表示素子について〕
表示面側に位置する第1の画素が有する表示素子には、外光を反射して表示する素子を
用いることができる。このような素子は、光源を持たないため、表示の際の消費電力を極
めて小さくすることが可能となる。第1の画素が有する表示素子には、代表的には反射型
の液晶素子を用いることができる。または、第1の画素が有する表示素子として、シャッ
ター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical Syste
m)素子、光干渉方式のMEMS素子の他、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレ
クトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した素子などを用いる
ことができる。
また、表示面側とは反対側に位置する第2の画素が有する表示素子は光源を有し、その
光源からの光を利用して表示する素子を用いることができる。このような画素が射出する
光は、その輝度や色度が外光に左右されることがないため、色再現性が高く(色域が広く
)、且つコントラストの高い、つまり鮮やかな表示を行うことができる。第2の画素が有
する表示素子には、例えばOLED(Organic Light Emitting
Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Qu
antum-dot Light Emitting Diode)などの自発光性の発
光素子を用いることができる。または、第2の画素が有する表示素子として、光源である
バックライトと、バックライトからの光の透過光の光量を制御する透過型の液晶素子とを
組み合わせたものを用いてもよい。
〔液晶素子〕
液晶素子としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)
モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(
Multi-Domain Vertical Alignment)モード、PVA(
Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Adv
anced Super View)モードなどを用いることができる。
また、液晶素子には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例え
ばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In
-Plane-Switching)モード、FFS(Fringe Field Sw
itching)モード、ASM(Axially Symmetric aligne
d Micro-cell)モード、OCB(Optically Compensat
ed Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric L
iquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric
Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる
なお、液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素
子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の
電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子に用いる液晶とし
ては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:
Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶
、反強誘電性液晶、ゲスト・ホスト型液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は
、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチッ
ク相、等方相等を示す。
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、またはネガ型の液晶のいずれを用いてもよく
、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を
採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相
の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転
移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範
囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる
。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方
性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不
要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不
要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作
製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
反射型の液晶素子を用いる場合には、表示面側に偏光板を設ける。またこれとは別に、
表示面側に光拡散板を配置すると、視認性を向上させられるため好ましい。
〔発光素子〕
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝
度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、LED、QLED、有機EL素子
、無機EL素子等を用いることができるが、実施の形態1及び実施の形態2で説明した発
光素子を用いることが好ましい。
本実施の形態では、特に発光素子は、トップエミッション型の発光素子を用いることが
好ましい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取
り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。また、発光
素子は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、複数のEL層が電荷発生層
を介して積層されたタンデム素子であってもよい。
EL層は少なくとも発光層を有する。EL層は、発光層以外の層として、正孔注入性の
高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入
性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含
む層をさらに有していてもよい。
EL層には先の実施の形態1で挙げた低分子系化合物、高分子系化合物、無機化合物を
用いることができる。EL層を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、
転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
〔接着層〕
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着
剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としては
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミ
ド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、E
VA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性
が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を
用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸
化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用い
ることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を
吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が素子に侵入
することを抑制でき、表示パネルの信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、光取り出
し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジ
ルコニウム等を用いることができる。
〔接続層〕
接続層としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Condu
ctive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic C
onductive Paste)などを用いることができる。
〔着色層〕
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含
まれた樹脂材料などが挙げられる。
〔遮光層〕
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、
金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層
は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。ま
た、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の
光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料
を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで
、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態で示した構成と適宜組み合わせること
ができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2に示す発光素子をその一部に含む電子
機器について説明する。実施の形態1及び実施の形態2記載の発光素子は、本発明の一態
様に係る発光素子を含むことから、発光効率が高く、信頼性の良好な発光素子であり、そ
の結果、本実施の形態に記載の電子機器は、消費電力が低減された、信頼性の良好な表示
部を有する電子機器とすることが可能である。
<表示モジュールに関する説明>
図13(A)に示す表示モジュール6000は、上部カバー6001と下部カバー60
02との間に、FPC6005に接続された表示パネル6006、フレーム6009、プ
リント基板6010、及びバッテリ6011を有する。
例えば、本発明の一態様を用いて作製された表示装置を、表示パネル6006に用いる
ことができる。これにより、高い歩留まりで表示モジュールを作製することができる。
上部カバー6001及び下部カバー6002は、表示パネル6006のサイズに合わせ
て、形状や寸法を適宜変更することができる。
また、表示パネル6006に重ねてタッチパネルを設けてもよい。タッチパネルとして
は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル6006に重畳して用い
ることができる。また、タッチパネルを設けず、表示パネル6006に、タッチパネル機
能を持たせるようにすることも可能である。
フレーム6009は、表示パネル6006の保護機能の他、プリント基板6010の動
作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレ
ーム6009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板6010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信
号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であって
も良いし、別途設けたバッテリ6011による電源であってもよい。バッテリ6011は
、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール6000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追
加して設けてもよい。
図13(B)は、光学式のタッチセンサを備える表示モジュール6000の断面概略図
である。
表示モジュール6000は、プリント基板6010に設けられた発光部6015及び受
光部6016を有する。また、上部カバー6001と下部カバー6002により囲まれた
領域に一対の導光部(導光部6017a、導光部6017b)を有する。
上部カバー6001と下部カバー6002は、例えばプラスチック等を用いることがで
きる。また、上部カバー6001と下部カバー6002とは、それぞれ薄く(例えば0.
5mm以上5mm以下)することが可能である。そのため、表示モジュール6000を極
めて軽量にすることが可能となる。また少ない材料で上部カバー6001と下部カバー6
002を作製できるため、作製コストを低減できる。
表示パネル6006は、フレーム6009を間に介してプリント基板6010やバッテ
リ6011と重ねて設けられている。表示パネル6006とフレーム6009は、導光部
6017a、導光部6017bに固定されている。
発光部6015から発せられた光6018は、導光部6017aにより表示パネル60
06の上部を経由し、導光部6017bを通って受光部6016に達する。例えば指やス
タイラスなどの被検知体により、光6018が遮られることにより、タッチ操作を検出す
ることができる。
発光部6015は、例えば表示パネル6006の隣接する2辺に沿って複数設けられる
。受光部6016は、発光部6015を挟んで対向する位置に複数設けられる。これによ
り、タッチ操作がなされた位置の情報を取得することができる。
発光部6015は、例えばLED素子などの光源を用いることができる。特に、発光部
6015として、使用者に視認されず、且つ使用者にとって無害である赤外線を発する光
源を用いることが好ましい。
受光部6016は、発光部6015が発する光を受光し、電気信号に変換する光電素子
を用いることができる。好適には、赤外線を受光可能なフォトダイオードを用いることが
できる。
導光部6017a、導光部6017bとしては、少なくとも光6018を透過する部材
を用いることができる。導光部6017a及び導光部6017bを用いることで、発光部
6015と受光部6016とを表示パネル6006の下側に配置することができ、外光が
受光部6016に到達してタッチセンサが誤動作することを抑制できる。特に、可視光を
吸収し、赤外線を透過する樹脂を用いることが好ましい。これにより、タッチセンサの誤
動作をより効果的に抑制できる。
本発明の一態様は少なくとも、表示パネル6006に用いることができる。
<電子機器に関する説明>
図14(A)乃至図14(G)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐
体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又
は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、
加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電
場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する
機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有することができる。また、センサ9
007は、脈拍センサや指紋センサ等のように生体情報を測定する機能を有してもよい。
図14(A)乃至図14(G)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。
例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッ
チセンサ機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(
プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々な
コンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信ま
たは受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表
示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図14(A)乃至図14(G)に
示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有すること
ができる。また、図14(A)乃至図14(G)には図示していないが、電子機器には、
複数の表示部を有する構成としてもよい。また、該電子機器にカメラ等を設け、静止画を
撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵
)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図14(A)乃至図14(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図14(A)は、携帯情報端末9100を示す斜視図である。携帯情報端末9100が
有する表示部9001は、可撓性を有する。そのため、湾曲した筐体9000の湾曲面に
沿って表示部9001を組み込むことが可能である。また、表示部9001はタッチセン
サを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表
示部9001に表示されたアイコンに触れることで、アプリケーションを起動することが
できる。
図14(B)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は
、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具
体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、
スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を省略して図示しているが、図
14(A)に示す携帯情報端末9100と同様の位置に設けることができる。また、携帯
情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、
3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部900
1の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部90
01の他の面に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メール
やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示
、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バ
ッテリの残量、電波等の受信信号の強度を示す表示などがある。または、情報9051が
表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示しても
よい。
筐体9000の材料としては、例えば、合金、プラスチック、セラミックス等を用いる
ことができる。プラスチックとしては強化プラスチックを用いることもできる。強化プラ
スチックの一種である炭素繊維強化樹脂複合材(Carbon Fiber Reinf
orced Plastics:CFRP)は軽量であり、且つ、腐食しない利点がある
。また、他の強化プラスチックとしては、ガラス繊維を用いた強化プラスチック、アラミ
ド繊維を用い強化プラスチックをあげることができる。合金と比較して強い衝撃を受けた
場合、繊維が樹脂から剥離する恐れがあるため、合金が好ましい。合金としては、アルミ
ニウム合金やマグネシウム合金が挙げられるが、中でもジルコニウムと銅とニッケルとチ
タンを含む非晶質合金(金属ガラスとも呼ばれる)が弾性強度の点で優れている。この非
晶質合金は、室温においてガラス遷移領域を有する非晶質合金であり、バルク凝固非晶質
合金とも呼ばれ、実質的に非晶質原子構造を有する合金である。凝固鋳造法により、少な
くとも一部の筐体の鋳型内に合金材料が鋳込まれ、凝固させて一部の筐体をバルク凝固非
晶質合金で形成する。非晶質合金は、ジルコニウム、銅、ニッケル、チタン以外にもベリ
リウム、シリコン、ニオブ、ボロン、ガリウム、モリブデン、タングステン、マンガン、
鉄、コバルト、イットリウム、バナジウム、リン、炭素などを含んでもよい。また、非晶
質合金は、凝固鋳造法に限定されず、真空蒸着法、スパッタ法、電解めっき法、無電解メ
ッキ法などによって形成してもよい。また、非晶質合金は、全体として長距離秩序(周期
構造)を持たない状態を維持するのであれば、微結晶またはナノ結晶を含んでもよい。な
お、合金とは、単一の固体相構造を有する完全固溶体合金と、2つ以上の相を有する部分
溶体の両方を含むこととする。筐体9000に非晶質合金を用いることで高い弾性を有す
る筐体を実現できる。従って、携帯情報端末9101を落下させても、筐体9000が非
晶質合金であれば、衝撃が加えられた瞬間には一時的に変形しても元に戻るため、携帯情
報端末9101の耐衝撃性を向上させることができる。
図14(C)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は
、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、
情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携
帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状
態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信し
た電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位
置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示
を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図14(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末
9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信
、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表
示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うこと
ができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行するこ
とが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハン
ズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を
有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。ま
た接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子900
6を介さずに無線給電により行ってもよい。
図14(E)(F)(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図であ
る。また、図14(E)が携帯情報端末9201を展開した状態の斜視図であり、図14
(F)が携帯情報端末9201を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変
化する途中の状態の斜視図であり、図14(G)が携帯情報端末9201を折り畳んだ状
態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開し
た状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末92
01が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000
に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることによ
り、携帯情報端末9201を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させるこ
とができる。例えば、携帯情報端末9201は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲
げることができる。
また、電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信
機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、
デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、ゴーグル型
ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再
生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を
用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイ
オンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電
池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜
鉛電池などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信す
ることで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池
を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
図15(A)、(B)、(C)は、それぞれ折り畳みが可能な電子機器を示している。
図15(A)に示す電子機器900は、筐体901a、筐体901b、ヒンジ903、
表示部902等を有する。表示部902は筐体901a及び筐体901bに、組み込まれ
ている。
筐体901aと筐体901bとは、ヒンジ903で回転可能に連結されている。電子機
器900は、筐体901aと筐体901bとが閉じた状態と、図15(A)に示すように
開いた状態と、に変形することができる。これにより、持ち運ぶ際には可搬性に優れ、使
用するときには大きな表示領域により、視認性に優れる。
また、ヒンジ903は、筐体901aと筐体901bとを開いたときに、これらの角度
が所定の角度よりも大きい角度にならないように、ロック機構を有することが好ましい。
例えば、ロックがかかる(それ以上に開かない)角度は、90度以上180度未満である
ことが好ましく、代表的には、90度、120度、135度、または150度、175度
などとすることができる。これにより、利便性、安全性、及び信頼性を高めることができ
る。
表示部902は、タッチパネルとして機能し、指やスタイラスなどにより操作すること
ができる。
筐体901aまたは筐体901bのいずれか一には、無線通信モジュールが設けられ、
インターネットやLAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録
商標)などのコンピュータネットワークを介して、データを送受信することが可能である
表示部902には、一つのフレキシブルディスプレイで構成されていることが好ましい
。これにより、筐体901aと筐体901bの間で途切れることのない連続した表示を行
うことができる。なお、筐体901aと筐体901bのそれぞれに、ディスプレイが設け
られる構成としてもよい。
図15(B)には、携帯型のゲーム機として機能する電子機器910を示している。電
子機器910は、筐体911a、筐体911b、表示部912、ヒンジ913、操作ボタ
ン914a、操作ボタン914b等を有する。
また、筐体911bには、カートリッジ915を挿入することができる。カートリッジ
915は、例えばゲームなどのアプリケーションソフトが記憶されており、カートリッジ
915を交換することにより、電子機器910で様々なアプリケーションを実行すること
ができる。
また、図15(B)では、表示部912の筐体911aと重なる部分のサイズと、筐体
911bと重なる部分のサイズが、それぞれ異なる例を示している。具体的には、操作ボ
タン914a及び操作ボタン914bの設けられる筐体911bと重なる表示部912の
一部よりも、筐体911aに設けられる表示部912の一部が大きい。例えば、表示部9
12の筐体911a側に主画面となる表示を行い、筐体911b側には操作画面となる表
示を行うなど、それぞれの表示部を使い分けることができる。
図15(C)に示す電子機器920は、ヒンジ923により連結された筐体921aと
筐体921bに亘って、フレキシブルな表示部922が設けられている。
図15(C)では、筐体921aと筐体921bとを開いたときに、表示部922が大
きく湾曲した形態で保持されている。例えば、曲率半径を1mm以上50mm以下、好ま
しくは5mm以上30mm以下の状態で、表示部922が保持された状態とすることがで
きる。表示部922の一部は、筐体921aから筐体921bにかけて、連続的に画素が
配置され、曲面状の表示を行うことができる。
ヒンジ923は、上述したロック機構を有しているため、表示部922に無理な力がか
かることなく、表示部922が破損することを防ぐことができる。そのため、信頼性の高
い電子機器を実現できる。
図16(A)はビデオカメラであり、筐体7701、筐体7702、表示部7703、
操作キー7704、レンズ7705、接続部7706等を有する。操作キー7704及び
レンズ7705は筐体7701に設けられており、表示部7703は筐体7702に設け
られている。そして、筐体7701と筐体7702とは、接続部7706により接続され
ており、筐体7701と筐体7702の間の角度は、接続部7706により変更が可能で
ある。表示部7703における映像を、接続部7706における筐体7701と筐体77
02との間の角度にしたがって切り替える構成としてもよい。
図16(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体7121、表示部712
2、キーボード7123、ポインティングデバイス7124等を有する。なお、表示部7
122は、非常に画素密度が高く高精細とすることができるため、中小型でありながら8
kの表示を行うことができ、非常に鮮明な画像を得ることができる。
図16(C)には、ヘッドマウントディスプレイ7200の外観を示している。
ヘッドマウントディスプレイ7200は、装着部7201、レンズ7202、本体72
03、表示部7204、ケーブル7205等を有している。また装着部7201には、バ
ッテリ7206が内蔵されている。
ケーブル7205は、バッテリ7206から本体7203に電力を供給する。本体72
03は無線受信機等を備え、受信した画像データ等の映像情報を表示部7204に表示さ
せることができる。また、本体7203に設けられたカメラで使用者の眼球やまぶたの動
きを捉え、その情報をもとに使用者の視点の座標を算出することにより、使用者の視点を
入力手段として用いることができる。
また、装着部7201には、使用者に触れる位置に複数の電極が設けられていてもよい
。本体7203は使用者の眼球の動きに伴って電極に流れる電流を検知することにより、
使用者の視点を認識する機能を有していてもよい。また、当該電極に流れる電流を検知す
ることにより、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。また、装着部720
1には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有していてもよく、使
用者の生体情報を表示部7204に表示する機能を有していてもよい。また、使用者の頭
部の動きなどを検出し、表示部7204に表示する映像をその動きに合わせて変化させて
もよい。
図16(D)に、カメラ7300の外観を示す。カメラ7300は、筐体7301、表
示部7302、操作ボタン7303、シャッターボタン7304、結合部7305等を有
する。またカメラ7300には、レンズ7306を取り付けることができる。
結合部7305は、電極を有し、後述するファインダー7400のほか、ストロボ装置
等を接続することができる。
ここではカメラ7300として、レンズ7306を筐体7301から取り外して交換す
ることが可能な構成としたが、レンズ7306と筐体7301が一体となっていてもよい
シャッターボタン7304を押すことにより、撮像することができる。また、表示部7
302はタッチセンサを有し、表示部7302を操作することにより撮像することも可能
である。
表示部7302に、本発明の一態様の表示装置、またはタッチセンサを適用することが
できる。
図16(E)には、カメラ7300にファインダー7400を取り付けた場合の例を示
している。
ファインダー7400は、筐体7401、表示部7402、ボタン7403等を有する
筐体7401には、カメラ7300の結合部7305と係合する結合部を有しており、
ファインダー7400をカメラ7300に取り付けることができる。また当該結合部には
電極を有し、当該電極を介してカメラ7300から受信した映像等を表示部7402に表
示させることができる。
ボタン7403は、電源ボタンとしての機能を有する。ボタン7403により、表示部
7402の表示のオンとオフとを切り替えることができる。
なお、図16(D)(E)では、カメラ7300とファインダー7400とを別の電子
機器とし、これらを脱着可能な構成としたが、カメラ7300の筐体7301に、本発明
の一態様の表示装置、またはタッチセンサを備えるファインダーが内蔵されていてもよい
図17(A)乃至(E)は、ヘッドマウントディスプレイ7500及び7510の外観
を示す図である。
ヘッドマウントディスプレイ7500は、筐体7501、2つの表示部7502、操作
ボタン7503、及びバンド状の固定具7504を有する。
ヘッドマウントディスプレイ7500は、上記ヘッドマウントディスプレイ7200が
有する機能に加え、2つの表示部を備える。
2つの表示部7502を有することで、使用者は片方の目につき1つの表示部を見るこ
とができる。これにより、視差を用いた3次元表示等を行う際であっても、高い解像度の
映像を表示することができる。また、表示部7502は使用者の目を概略中心とした円弧
状に湾曲している。これにより、使用者の目から表示部の表示面までの距離が一定となる
ため、使用者はより自然な映像を見ることができる。また、表示部からの光の輝度や色度
が見る角度によって変化してしまうような場合であっても、表示部の表示面の法線方向に
使用者の目が位置するため、実質的にその影響を無視することができるため、より現実感
のある映像を表示することができる。
操作ボタン7503は、電源ボタンなどの機能を有する。また操作ボタン7503の他
にボタンを有していてもよい。
また、ヘッドマウントディスプレイ7510は、筐体7501、表示部7502、バン
ド状の固定具7504、及び一対のレンズ7505を有する。
使用者は、レンズ7505を通して、表示部7502の表示を視認することができる。
なお、表示部7502を湾曲して配置させると好適である。表示部7502を湾曲して配
置することで、使用者が高い臨場感を感じることができる。
表示部7502に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態
様の表示装置は、精細度を高くすることが可能なため、図17(E)のようにレンズ75
05を用いて拡大したとしても、使用者に画素が視認されることなく、より現実感の高い
映像を表示することができる。
図18(A)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置9300は、筐体9
000に表示部9001が組み込まれている。ここでは、スタンド9301により筐体9
000を支持した構成を示している。
図18(A)に示すテレビジョン装置9300の操作は、筐体9000が備える操作ス
イッチや、別体のリモコン操作機9311により行うことができる。または、表示部90
01にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部9001に触れることで操作して
もよい。リモコン操作機9311は、当該リモコン操作機9311から出力する情報を表
示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機9311が備える操作キー又はタッチ
パネルにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9001に表示される
映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置9300は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機
により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線
による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向
(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有するため、家屋やビルの内
壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能で
ある。
図18(B)に自動車9700の外観を示す。図18(C)に自動車9700の運転席
を示す。自動車9700は、車体9701、車輪9702、ダッシュボード9703、ラ
イト9704等を有する。本発明の一態様の表示装置又は発光装置等は、自動車9700
の表示部などに用いることができる。例えば、図18(C)に示す表示部9710乃至表
示部9715に本発明の一態様の表示装置又は発光装置等を設けることができる。
表示部9710と表示部9711は、自動車のフロントガラスに設けられた表示装置で
ある。本発明の一態様の表示装置又は発光装置等は、電極や配線を、透光性を有する導電
性材料で作製することによって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態とする
ことができる。表示部9710や表示部9711がシースルー状態であれば、自動車97
00の運転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様の表示装置又は
発光装置等を自動車9700のフロントガラスに設置することができる。なお、表示装置
又は発光装置等を駆動するためのトランジスタなどを設ける場合には、有機半導体材料を
用いた有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたトランジスタなど、透光性を有するト
ランジスタを用いるとよい。
表示部9712はピラー部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた
撮像手段からの映像を表示部9712に映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を
補完することができる。表示部9713はダッシュボード部分に設けられた表示装置であ
る。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9713に映し出すことによ
って、ダッシュボードで遮られた視界を補完することができる。すなわち、自動車の外側
に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高める
ことができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和
感なく安全確認を行うことができる。
また、図18(D)は、運転席と助手席にベンチシートを採用した自動車の室内を示し
ている。表示部9721は、ドア部に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けら
れた撮像手段からの映像を表示部9721に映し出すことによって、ドアで遮られた視界
を補完することができる。また、表示部9722は、ハンドルに設けられた表示装置であ
る。表示部9723は、ベンチシートの座面の中央部に設けられた表示装置である。なお
、表示装置を座面や背もたれ部分などに設置して、当該表示装置を、当該表示装置の発熱
を熱源としたシートヒーターとして利用することもできる。
表示部9714、表示部9715、または表示部9722はナビゲーション情報、スピ
ードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その
他様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目やレイアウト
などは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部
9710乃至表示部9713、表示部9721、表示部9723にも表示することができ
る。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は照
明装置として用いることも可能である。また、表示部9710乃至表示部9715、表示
部9721乃至表示部9723は加熱装置として用いることも可能である。
図19(A)(B)に示す表示装置9500は、複数の表示パネル9501と、軸部9
511と、軸受部9512と、を有する。また、複数の表示パネル9501は、表示領域
9502と、透光性を有する領域9503と、を有する。
また、複数の表示パネル9501は、可撓性を有する。また、隣接する2つの表示パネ
ル9501は、それらの一部が互いに重なるように設けられる。例えば、隣接する2つの
表示パネル9501の透光性を有する領域9503を重ね合わせることができる。複数の
表示パネル9501を用いることで、大画面の表示装置とすることができる。また、使用
状況に応じて、表示パネル9501を巻き取ることが可能であるため、汎用性に優れた表
示装置とすることができる。
また、図19(A)(B)においては、表示領域9502が隣接する表示パネル950
1で離間する状態を図示しているが、これに限定されず、例えば、隣接する表示パネル9
501の表示領域9502を隙間なく重ねあわせることで、連続した表示領域9502と
してもよい。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有す
る。ただし、本発明の一態様の発光素子は、表示部を有さない電子機器にも適用すること
ができる。また、本実施の形態において述べた電子機器の表示部においては、可撓性を有
し、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる構成、または折り畳み可能な表示部
の構成について例示したが、これに限定されず、可撓性を有さず、平面部に表示を行う構
成としてもよい。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いること
ができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する発光装置について、図20及び
図21を用いて説明する。
本実施の形態で示す、発光装置3000の斜視図を図20(A)に、図20(A)に示
す一点鎖線E-F間に相当する断面図を図20(B)に、それぞれ示す。なお、図20(
A)において、図面の煩雑さを避けるために、構成要素の一部を破線で表示している。
図20(A)(B)に示す発光装置3000は、基板3001と、基板3001上の発
光素子3005と、発光素子3005の外周に設けられた第1の封止領域3007と、第
1の封止領域3007の外周に設けられた第2の封止領域3009と、を有する。
また、発光素子3005からの発光は、基板3001及び基板3003のいずれか一方
または双方から射出される。図20(A)(B)においては、発光素子3005からの発
光が下方側(基板3001側)に射出される構成について説明する。
また、図20(A)(B)に示すように、発光装置3000は、発光素子3005が第
1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とに、囲まれて配置される二重封止構
造である。二重封止構造とすることで、発光素子3005側に入り込む外部の不純物(例
えば、水、酸素など)を、好適に抑制することができる。ただし、第1の封止領域300
7及び第2の封止領域3009を、必ずしも設ける必要はない。例えば、第1封止領域3
007のみの構成としてもよい。
なお、図20(B)において、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009は
、基板3001及び基板3003と接して設けられる。ただし、これに限定されず、例え
ば、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板30
01の上方に形成される絶縁膜、あるいは導電膜と接して設けられる構成としてもよい。
または、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板
3003の下方に形成される絶縁膜、あるいは導電膜と接して設けられる構成としてもよ
い。
基板3001及び基板3003としては、それぞれ先の実施の形態に記載の基板200
と、基板220と同様の構成とすればよい。発光素子3005としては、先の実施の形態
に記載の発光素子と同様の構成とすればよい。
第1の封止領域3007としては、ガラスを含む材料(例えば、ガラスフリット、ガラ
スリボン等)を用いればよい。また、第2の封止領域3009としては、樹脂を含む材料
を用いればよい。第1の封止領域3007として、ガラスを含む材料を用いることで、生
産性や封止性を高めることができる。また、第2の封止領域3009として、樹脂を含む
材料を用いることで、耐衝撃性や耐熱性を高めることができる。ただし、第1の封止領域
3007と、第2の封止領域3009とは、これに限定されず、第1の封止領域3007
が樹脂を含む材料で形成され、第2の封止領域3009がガラスを含む材料で形成されて
もよい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸
化ホウ素、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化テルル、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸
化鉛、酸化スズ、酸化リン、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化鉄、酸化銅、二酸化マ
ンガン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化ビスマス、
酸化ジルコニウム、酸化リチウム、酸化アンチモン、ホウ酸鉛ガラス、リン酸スズガラス
、バナジン酸塩ガラス又はホウケイ酸ガラス等を含む。赤外光を吸収させるため、少なく
とも一種類以上の遷移金属を含むことが好ましい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、基板上にフリットペーストを塗布し、
これに加熱処理、またはレーザ照射などを行う。フリットペーストには、上記ガラスフリ
ットと、有機溶媒で希釈した樹脂(バインダとも呼ぶ)とが含まれる。また、ガラスフリ
ットにレーザ光の波長の光を吸収する吸収剤を添加したものを用いても良い。また、レー
ザとして、例えば、Nd:YAGレーザや半導体レーザなどを用いることが好ましい。ま
た、レーザ照射の際のレーザの照射形状は、円形でも四角形でもよい。
また、上述の樹脂を含む材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ
アミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、
ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキ
サン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
なお、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009のいずれか一方または双方
にガラスを含む材料を用いる場合、当該ガラスを含む材料と、基板3001との熱膨張率
が近いことが好ましい。上記構成とすることで、熱応力によりガラスを含む材料または基
板3001にクラックが入るのを抑制することができる。
例えば、第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用い、第2の封止領域3009
に樹脂を含む材料を用いる場合、以下の優れた効果を有する。
第2の封止領域3009は、第1の封止領域3007よりも、発光装置3000の外周
部に近い側に設けられる。発光装置3000は、外周部に向かうにつれ、外力等による歪
みが大きくなる。よって、歪みが大きくなる発光装置3000の外周部側、すなわち第2
の封止領域3009に、樹脂を含む材料によって封止し、第2の封止領域3009よりも
内側に設けられる第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用いて封止することで、
外力等の歪みが生じても発光装置3000が壊れにくくなる。
また、図20(B)に示すように、基板3001、基板3003、第1の封止領域30
07、及び第2の封止領域3009に囲まれた領域には、第1の領域3011が形成され
る。また、基板3001、基板3003、発光素子3005、及び第1の封止領域300
7に囲まれた領域には、第2の領域3013が形成される。
第1の領域3011及び第2の領域3013としては、例えば、希ガスまたは窒素ガス
等の不活性ガスが充填されていると好ましい。あるいは、アクリルやエポキシ等の樹脂が
充填されていると好ましい。なお、第1の領域3011及び第2の領域3013としては
、大気圧状態よりも減圧状態であると好ましい。
また、図20(B)に示す構成の変形例を図20(C)に示す。図20(C)は、発光
装置3000の変形例を示す断面図である。
図20(C)は、基板3003の一部に凹部を設け、該凹部に乾燥剤3018を設ける
構成である。それ以外の構成については、図20(B)に示す構成と同じである。
乾燥剤3018としては、化学吸着によって水分等を吸着する物質、または物理吸着に
よって水分等を吸着する物質を用いることができる。例えば、乾燥剤3018として用い
ることができる物質としては、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物(酸化
カルシウムや酸化バリウム等)、硫酸塩、金属ハロゲン化物、過塩素酸塩、ゼオライト、
シリカゲル等が挙げられる。
次に、図20(B)に示す発光装置3000の変形例について、図21(A)(B)(
C)(D)を用いて説明する。なお、図21(A)(B)(C)(D)は、図20(B)
に示す発光装置3000の変形例を説明する断面図である。
図21(A)(B)(C)(D)に示す発光装置は、第2の封止領域3009を設けず
に、第1の封止領域3007とした構成である。また、図21(A)(B)(C)(D)
に示す発光装置は、図20(B)に示す第2の領域3013の代わりに領域3014を有
する。
領域3014としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロ
ン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、
エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有す
る樹脂を含む材料を用いることができる。
領域3014として、上述の材料を用いることで、いわゆる固体封止の発光装置とする
ことができる。
また、図21(B)に示す発光装置は、図21(A)に示す発光装置の基板3001側
に、基板3015を設ける構成である。
基板3015は、図21(B)に示すように凹凸を有する。凹凸を有する基板3015
を、発光素子3005の光を取り出す側に設ける構成とすることで、発光素子3005か
らの光の取出し効率を向上させることができる。なお、図21(B)に示すような凹凸を
有する構造の代わりに、拡散板として機能する基板を設けてもよい。
また、図21(C)に示す発光装置は、図21(A)に示す発光装置が基板3001側
から光を取り出す構造であったのに対し、基板3003側から光を取り出す構造である。
図21(C)に示す発光装置は、基板3003側に基板3015を有する。それ以外の
構成は、図21(B)に示す発光装置と同様である。
また、図21(D)に示す発光装置は、図21(C)に示す発光装置の基板3003、
3015を設けずに、基板3016を設ける構成である。
基板3016は、発光素子3005の近い側に位置する第1の凹凸と、発光素子300
5の遠い側に位置する第2の凹凸と、を有する。図21(D)に示す構成とすることで、
発光素子3005からの光の取出し効率をさらに、向上させることができる。
したがって、本実施の形態に示す構成を実施することにより、水分や酸素などの不純物
による発光素子の劣化が抑制された発光装置を実現することができる。または、本実施の
形態に示す構成を実施することにより、光取出し効率の高い発光装置を実現することがで
きる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせること
ができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を様々な照明装置及び電子機器に適用す
る一例について、図22及び図23を用いて説明する。
本発明の一態様の発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで、曲面を有する
発光領域を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様の発光素子を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用するこ
とができ、例えば、ダッシュボードや、フロントガラス、天井等に照明を設置することも
できる。
図22(A)は、多機能端末3500の一方の面の斜視図を示し、図22(B)は、多
機能端末3500の他方の面の斜視図を示している。多機能端末3500は、筐体350
2に表示部3504、カメラ3506、照明3508等が組み込まれている。本発明の一
態様の発光装置を照明3508に用いることができる。
照明3508は、本発明の一態様の発光装置を用いることで、面光源として機能する。
したがって、LEDに代表される点光源と異なり、指向性が少ない発光が得られる。例え
ば、照明3508とカメラ3506とを組み合わせて用いる場合、照明3508を点灯ま
たは点滅させて、カメラ3506により撮像することができる。照明3508としては、
面光源としての機能を有するため、自然光の下で撮影したような写真を撮影することがで
きる。
なお、図22(A)、(B)に示す多機能端末3500は、図14(A)乃至図14(
G)に示す電子機器と同様に、様々な機能を有することができる。
また、筐体3502の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角
速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、
電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含む
もの)、マイクロフォン等を有することができる。また、多機能端末3500の内部に、
ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、多
機能端末3500の向き(縦か横か)を判断して、表示部3504の画面表示を自動的に
切り替えるようにすることができる。
表示部3504は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部3
504に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。
また、表示部3504に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシ
ング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。なお、表示部35
04に本発明の一態様の発光装置を適用してもよい。
図22(C)は、防犯用のライト3600の斜視図を示している。ライト3600は、
筐体3602の外側に照明3608を有し、筐体3602には、スピーカ3610等が組
み込まれている。本発明の一態様の発光素子を照明3608に用いることができる。
ライト3600としては、例えば、照明3608を握持する、掴持する、または保持す
ることで発光することができる。また、筐体3602の内部には、ライト3600からの
発光方法を制御できる電子回路を備えていてもよい。該電子回路としては、例えば、1回
または間欠的に複数回、発光が可能なような回路としてもよいし、発光の電流値を制御す
ることで発光の光量が調整可能なような回路としてもよい。また、照明3608の発光と
同時に、スピーカ3610から大音量の警報音が出力されるような回路を組み込んでもよ
い。
ライト3600としては、あらゆる方向に発光することが可能なため、例えば、暴漢等
に向けて光、または光と音で威嚇することができる。また、ライト3600にデジタルス
チルカメラ等のカメラ、撮影機能を有する機能を備えてもよい。
図23は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子
は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面
を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成すること
もできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い
。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の
壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8
503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた
照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いるこ
とにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光装置を適用して照明装置及び電子機器を得る
ことができる。なお、適用できる照明装置及び電子機器は、本実施の形態に示したものに
限らず、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用
いることができる。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物の一つである、3,5-ビス[3-(9
H-2-メチルカルバゾール-9-イル)フェニル]ピリジン(略称:Me-35DCz
PPy)(構造式(100))の合成方法と該化合物の物性について説明する。
<合成例1>
200mL三口フラスコに3,5-ジブロモピリジン1.5g(6.4mmol)、3-
(2-メチルー9Hーカルバゾール-9-イル)フェニルボロン酸4.3g(14mmo
l)、トリ(オルトートリル)ホスフィン0.39g(1.3mmol)、炭酸カリウム
3.5g(26mmol)、トルエン60mL、エタノール12mL、水6.0mLを加
えた。この混合物を、減圧下で攪拌することで脱気し、フラスコ内を窒素置換した。この
混合物に、酢酸パラジウム(II)58mg(0.26mmol)を加え、窒素気流下、
80℃で44時間攪拌した。所定時間経過後、トルエンによる抽出を行い、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)で精製し、黄色粉末を得た。この黄色粉
末を酢酸エチルを用いて再結晶したところ、目的物の白色粉末を収量2.0g、収率54
%で得た。本合成スキームを下式(A-1)に示す。
得られた白色粉末2.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。昇華精製
は、圧力2.2Pa、アルゴン流量10ml/min、310℃で加熱して行った。昇華
精製後に目的物の白色固体1.2g、回収率60%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(H NMR)による分析データを以下に示す。
H NMR(クロロホルム-d,300MHz):δ=8.94(d、J=2.0Hz
、2H)、8.14(t、J=1.9Hz、1H)、8.08-8.12(m、2H)、
8.02(d、J=7.8Hz、2H)、7.83-7.86(m、2H)、7.72-
7.77(m、4H)、7.60-7.67(m、2H)、7.33-7.44(m、4
H)、7.27-7.31(m、2H)、7.20-7.24(m、2H)、7.10-
7.14(m、2H).
また、得られた固体のH NMRチャートを図24(A)及び図24(B)に示す。な
お、図24(B)は図24(A)における7.0ppmから9.0ppmの範囲の拡大図
である。測定結果から目的物である、Me-35DCzPPyが得られたことが分かった
<Me-35DCzPPyの特性>
次に、本実施例で得られたMe-35DCzPPyを液体クロマトグラフ質量分析(Li
quid Chromatography Mass Spectrometry,略称
:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、LC(液体クロマトグラフィー)分離をウォーターズ社製Acqui
ty UPLCにより、MS分析(質量分析)をウォーターズ社製Xevo G2 To
f MSにより行った。LC分離で用いたカラムはAcquity UPLC BEH
C8 (2.1×100mm 1.7μm)、カラム温度は40℃とした。移動相は移動
相Aをアセトニトリル、移動相Bを0.1%ギ酸水溶液とした。また、サンプルは任意の
濃度のMe-35DCzPPyをトルエンに溶解し、アセトニトリルで希釈して調整し、
注入量は5.0μLとした。
LC分離には移動相の組成を変化させるグラジエント法を用い、測定開始後0分から1分
までが、移動相A:移動相B=65:35、その後組成を変化させ、10分における移動
相Aと移動相Bとの比が移動相A:移動相B=95:5となるようにした。組成はリニア
に変化させた。
MS分析では、エレクトロスプレーイオン化法(ElectroSpray Ioniz
ation(略称:ESI))によるイオン化を行った。この時のキャピラリー電圧は3
.0kV、サンプルコーン電圧は30Vとし、検出はポジティブモードで行った。さらに
、以上の条件でイオン化された成分を衝突室(コリジョンセル)内でアルゴンガスに衝突
させてプロダクトイオンに解離させた。アルゴンを衝突させる際のエネルギー(コリジョ
ンエネルギー)は70eVとした。なお、測定する質量範囲はm/z=100~1200
とした。図25に、解離させたプロダクトイオンを飛行時間(TOF)型MSで検出した
結果を示す。
図25の結果から、Me-35DCzPPyは、主としてm/z=574付近、409付
近、180付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図25に示す結
果は、Me-35DCzPPyに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合
物中に含まれるMe-35DCzPPyを同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=574付近のプロダクトイオンは、C42H28N3・+(・+はラジカ
ルカチオンを表す。)で表される、Me-35DCzPPyにおけるメチル基が脱離した
状態のラジカルカチオンと推定され、m/z=409付近のプロダクトイオンは、C30
H21N2・+で表される、Me-35DCzPPyにおける2-メチルカルバゾールが
脱離した状態のラジカルカチオンと推定され、m/z=180付近のプロダクトイオンは
、C13H10N・+で表される、Me-35DCzPPyにおける2-メチルカルバゾ
ールのラジカルカチオンと推定され、Me-35DCzPPyが2-メチルカルバゾール
骨格を含んでいることを示唆するものである。なお、プロトンの付加、脱離体として、プ
ロダクトイオンの±1が検出される可能性もある。
次に、トルエン溶液中のMe-35DCzPPyの吸収スペクトル及び発光スペクトル
を図26に示す。また、薄膜の吸収スペクトルと発光スペクトルを図27に示す。固体薄
膜は石英基板上に真空蒸着法にて作成した。トルエン溶液の吸収スペクトルの測定には、
紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用いた。トルエンのみを石英セ
ルに入れて測定したトルエンの吸収スペクトルを、Me-35DCzPPyのトルエン溶
液の吸収スペクトルから差し引くことで、図26に示すMe-35DCzPPy溶液の吸
収スペクトルを得た。また、薄膜の吸収スペクトルの測定には、分光光度計((株)日立
ハイテクノロジーズ製 分光光度計U4100)を用いた。また、発光スペクトルの測定
には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用いた。
図26より、Me-35DCzPPyのトルエン溶液は323nm、338nm付近に吸
収ピークが見られ、同様に図26より、発光波長のピークは373nm(励起波長333
nm)であった。また、図27より、Me-35DCzPPyの薄膜は210nm、24
3nm、295nm、326nm、338nm付近に吸収ピークが見られ、同様に図27
より、発光波長のピークは350nm、382nm付近(励起波長300nm)に見られ
た。よって本発明の一態様であるMe-35DCzPPyは発光するため、発光材料とし
ても用いることができることがわかった。
またMe-35DCzPPyの薄膜の燐光スペクトルを測定し、T1準位を求めた。測定
には、顕微PL装置 LabRAM HR-PL ((株)堀場製作所)を用い、測定温
度は10K、励起光としてHe-Cdレーザー(325nm)を用い、検出器にはCCD
検出器を用いた。この燐光の短波長側の第一ピークは451nm(2.75eV)であり
、高いT1準位を有し、青色の燐光発光中心材料のホストとして好適であることが分かっ
た。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物を含む発光素子の作製例と、当該発光素
子の特性について説明する。本実施例で作製した素子構造の断面図を図28に示す。また
、素子構造の詳細を表2及び表3に示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示
す。なお、他の有機化合物については先の実施例及び実施の形態1を参照すればよい。
本実施例では発光素子1乃至発光素子6を作製し、発光素子1には発光層のホスト材料及
び電子輸送層として35DCzPPyのみを使用し、発光素子2乃至発光素子6には発光
層のホスト材料及び電子輸送層材料の蒸着源として35DCzPPyとMe-35DCz
PPyをそれぞれ使用した。各素子における35DCzPPyとMe-35DCzPPy
の混合比率は表2及び表3に示す通りである。
本実施例でホスト材料及び電子輸送層材料として用いた35DCzPPyとMe-35D
CzPPyの物性値を表4に示す。物性値はHOMO準位に小さな差が見られる程度であ
る。
<発光素子の作製>
≪発光素子1乃至発光素子6の作製≫
ガラス基板上に電極101として、ITSO膜を厚さが70nmになるように形成した
。なお、電極101の電極面積は、4mm(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、1,3,5-トリ(ジベンゾチオフェ
ン-4-イル)ベンゼン(略称:DBT3P-II)と、MoOと、を重量比(DBT
3P-II:MoO)が1:0.5になるように、且つ厚さが20nmになるように共
蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、9-フェニル-9H-3-(9
-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)カルバゾール(略称:PCCP)を厚さが
20nmになるように蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層160(1)として、PCCPと、35DCzPP
y、Me-35DCzPPyと、トリス{2-[5-(2-メチルフェニル)-4-(2
,6-ジイソプロピルフェニル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-κN
]フェニル-κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz-diPrp)
重量比が1:0.3×(1-x):0.3x:0.06になるように、且つ厚さが30n
mになるように共蒸着し、続いて発光層160(2)として、重量比(35DCzPPy
:Me-35DCzPPy:Ir(mpptz-diPrp))が1-x:x:0.0
6になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。なお、発光層160(1
)及び発光層160(2)において、Ir(mpptz-diPrp)が燐光発光を呈
するゲスト材料である。なお、xの値は各発光素子によって異なり、各発光素子における
xの値は表3に示す値である。
次に、発光層160(2)上に、第1の電子輸送層118(1)として、35DCzP
Py:Me-35DCzPPyを重量比が1-x:xになるように、且つ厚さが10nm
になるように共蒸着した。続けて、第1の電子輸送層118(1)上に第2の電子輸送層
118(2)として、バソフェナントロリン(略称:BPhen)を膜厚15nmとなる
ように、蒸着した。なお、xの値は各発光素子によって異なり、各発光素子におけるxの
値は表3に示す値である。
次に、第2の電子輸送層118(2)上に、電子注入層119として、フッ化リチウム(
LiF)を厚さが1nmになるように蒸着した。
次に、電子注入層119上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが20
0nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用封止材を用いて封止する
ためのガラス基板を、有機材料を形成したガラス基板に固定することで、発光素子1乃至
6を封止した。具体的には、有機材料を形成したガラス基板上の有機材料の周囲に封止材
を塗布し、該基板と封止するためのガラス基板とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外
光を6J/cm照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子1乃
至発光素子6を得た。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した発光素子1乃至発光素子6の特性を測定した。輝度及びCIE色度
の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM-5A)を用い、電界発光スペクトルの測定
にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA-11)を用いた。
発光素子1乃至発光素子6の電流効率-輝度特性を図29に示す。また、輝度-電圧特
性を図30に示す。また、外部量子効率-輝度特性を図31に示す。なお、各発光素子の
測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
また、1000cd/m付近における、発光素子1乃至発光素子6の素子特性を表5
に示す。
また、発光素子1乃至発光素子6の2.5mA/cmの電流密度で電流を流した際の
電界発光スペクトルを図32示す。
図29乃至図32及び表3で示すように、発光素子1乃至発光素子6の外部量子効率の
最大値はそれぞれ26%以上であり、発光素子1乃至発光素子6はそれぞれ非常に高い外
部量子効率を示した。中でも、Me-35DCzPPyの含有率が0である発光素子1の
外部量子効率が特に高い値を示した。
また、表5より発光素子1乃至発光素子6はそれぞれ1000cd/m付近で4.6V
以下と青色燐光素子としては駆動電圧が低く、良好な電力効率を示した。35DCzPP
yとMe-35DCzPPyの混合比で駆動電圧に大きな差は見られなかった。
また、図32より発光素子1乃至発光素子6の電界発光スペクトルはそれぞれ、474n
m及び501nm付近にスペクトルピークを有し、半値全幅はそれぞれ68nm程度であ
ったため、発光素子1乃至発光素子6は水色の発光を示した。35DCzPPyとMe-
35DCzPPyの混合比で電界発光スペクトルに大きな差は見られなかった。
<発光素子の信頼性>
次に、発光素子1乃至発光素子6の2.5mA/cmにおける定電流駆動試験を行った
。その結果を図33に示す。図33から分かるように発光素子1乃至発光素子4の劣化曲
線はほぼ同一であり、その輝度半減寿命はいずれも500時間程度の良好な信頼性を示す
ことが分かった。一方、発光素子5及び発光素子6では35DCzPPyに対するMe-
35DCzPPyの比率が高い素子ほど、輝度半減寿命が短くなっており、発光素子1乃
至発光素子4と比較して輝度半減寿命が短くなっている。すなわち、発光素子中のMe-
35DCzPPyの含有率が35DCzPPyに対して10%までは信頼性に大きな差は
見られないが、10%より大きくなると、発光素子の信頼性に影響を与えることが分かっ
た。これは、上述の水素原子移動反応の影響がMe-35DCzPPyの含有率が35D
CzPPyに対して10%より大きい濃度において影響が出てくるためと考えられる。
従って、カルバゾール骨格中の水素原子がアルキル基で置き換わった有機化合物の含有率
をホスト材料の10%より少なくすることが、良好な信頼性を有する発光素子を得るため
に好適であることが示された。
50 接着層
51 接着層
52 接着層
100 EL層
101 電極
102 電極
106 発光ユニット
108 発光ユニット
110 発光ユニット
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 電子輸送層
114 電子注入層
115 電荷発生層
116 正孔注入層
117 正孔輸送層
118 電子輸送層
119 電子注入層
130 発光層
131 ホスト材料
131_1 有機化合物
131_2 有機化合物
132 ゲスト材料
140 発光層
141 ホスト材料
141_1 有機化合物
141_2 有機化合物
142 ゲスト材料
150 発光素子
160 発光層
170 発光層
200 基板
201 樹脂層
202 樹脂層
220 基板
252 発光素子
300 表示装置
311 電極
311b 電極
340 液晶素子
351 基板
360 発光素子
360b 発光素子
360g 発光素子
360r 発光素子
360w 発光素子
361 基板
362 表示部
364 回路部
365 配線
366 回路部
367 配線
372 FPC
373 IC
374 FPC
375 IC
400 表示装置
401 トランジスタ
402 トランジスタ
403 トランジスタ
405 容量素子
406 接続部
410 画素
411 絶縁層
412 絶縁層
413 絶縁層
414 絶縁層
415 絶縁層
416 スペーサ
417 接着層
419 接続層
421 電極
422 EL層
423 電極
424 光学調整層
425 着色層
426 遮光層
451 開口
476 絶縁層
478 絶縁層
501 トランジスタ
503 トランジスタ
505 容量素子
506 接続部
511 絶縁層
512 絶縁層
513 絶縁層
514 絶縁層
517 接着層
519 接続層
529 液晶素子
543 接続体
562 電極
563 液晶
564a 配向膜
564b 配向膜
576 絶縁層
578 絶縁層
599 偏光板
601 ソース側駆動回路
602 画素部
603 ゲート側駆動回路
604 封止基板
605 シール材
607 空間
608 配線
610 素子基板
611 スイッチング用TFT
613 電極
614 絶縁物
616 EL層
617 電極
618 発光素子
623 nチャネル型TFT
624 pチャネル型TFT
700 表示パネル
701 樹脂層
702 樹脂層
800 表示パネル
900 電子機器
901a 筐体
901b 筐体
902 表示部
903 ヒンジ
910 電子機器
911a 筐体
911b 筐体
912 表示部
913 ヒンジ
914a 操作ボタン
914b 操作ボタン
915 カートリッジ
920 電子機器
921a 筐体
921b 筐体
922 表示部
923 ヒンジ
1001 基板
1002 下地絶縁膜
1003 ゲート絶縁膜
1006 ゲート電極
1007 ゲート電極
1008 ゲート電極
1020 層間絶縁膜
1021 層間絶縁膜
1022 電極
1024B 電極
1024G 電極
1024R 電極
1024W 電極
1025B 下部電極
1025G 下部電極
1025R 下部電極
1025W 下部電極
1026 隔壁
1028 EL層
1029 電極
1031 封止基板
1032 シール材
1033 基材
1034B 着色層
1034G 着色層
1034R 着色層
1036 オーバーコート層
1037 層間絶縁膜
1040 画素部
1041 駆動回路部
1042 周辺部
3000 発光装置
3001 基板
3003 基板
3005 発光素子
3007 封止領域
3009 封止領域
3011 領域
3013 領域
3014 領域
3015 基板
3016 基板
3018 乾燥剤
3500 多機能端末
3502 筐体
3504 表示部
3506 カメラ
3508 照明
3600 ライト
3602 筐体
3608 照明
3610 スピーカ
6000 表示モジュール
6001 上部カバー
6002 下部カバー
6005 FPC
6006 表示パネル
6009 フレーム
6010 プリント基板
6011 バッテリ
6015 発光部
6016 受光部
6017a 導光部
6017b 導光部
6018 光
7121 筐体
7122 表示部
7123 キーボード
7124 ポインティングデバイス
7200 ヘッドマウントディスプレイ
7201 装着部
7202 レンズ
7203 本体
7204 表示部
7205 ケーブル
7206 バッテリ
7300 カメラ
7301 筐体
7302 表示部
7303 操作ボタン
7304 シャッターボタン
7305 結合部
7306 レンズ
7400 ファインダー
7401 筐体
7402 表示部
7403 ボタン
7500 ヘッドマウントディスプレイ
7501 筐体
7502 表示部
7503 操作ボタン
7504 固定具
7505 レンズ
7510 ヘッドマウントディスプレイ
7701 筐体
7702 筐体
7703 表示部
7704 操作キー
7705 レンズ
7706 接続部
8501 照明装置
8502 照明装置
8503 照明装置
8504 照明装置
9000 筐体
9001 表示部
9003 スピーカ
9005 操作キー
9006 接続端子
9007 センサ
9008 マイクロフォン
9050 操作ボタン
9051 情報
9052 情報
9053 情報
9054 情報
9055 ヒンジ
9100 携帯情報端末
9101 携帯情報端末
9102 携帯情報端末
9200 携帯情報端末
9201 携帯情報端末
9300 テレビジョン装置
9301 スタンド
9311 リモコン操作機
9500 表示装置
9501 表示パネル
9502 表示領域
9503 領域
9511 軸部
9512 軸受部
9700 自動車
9701 車体
9702 車輪
9703 ダッシュボード
9704 ライト
9710 表示部
9711 表示部
9712 表示部
9713 表示部
9714 表示部
9715 表示部
9721 表示部
9722 表示部
9723 表示部

Claims (8)

  1. 一対の電極間に発光層を有し、
    前記発光層は、第1の有機化合物と、炭化水素基置換体と、イリジウム錯体と、を有し、
    前記第1の有機化合物は、カルバゾール骨格と、含窒素六員複素芳香族骨格と、を有し、
    前記炭化水素基置換体は、前記第1の有機化合物における水素原子の少なくとも一つが炭素数1乃至6の炭化水素基で置換された化合物であり、
    前記炭化水素基置換体の含有量が、前記第1の有機化合物に対する重量比で0より大きく0.1以下である(ただし、前記第1の有機化合物及び前記炭化水素基置換体における、前記炭化水素基置換体が有するCH基の存在割合が70ppm以下である場合を除く)、発光素子。
  2. 一対の電極間に発光層と、電子輸送層と、を有し、
    前記発光層は、第1の有機化合物と、炭化水素基置換体と、イリジウム錯体と、を有し、
    前記電子輸送層は、前記第1の有機化合物と、前記炭化水素基置換体と、を有し、
    前記第1の有機化合物は、カルバゾール骨格と、含窒素六員複素芳香族骨格と、を有し、
    前記炭化水素基置換体は、前記第1の有機化合物における水素原子の少なくとも一つが炭素数1乃至6の炭化水素基で置換された化合物であり、
    前記炭化水素基置換体の含有量が、前記第1の有機化合物に対する重量比で0より大きく0.1以下である、発光素子。
  3. 一対の電極間に発光層を有し、
    前記発光層は、第1の有機化合物と、炭化水素基置換体と、第2の有機化合物と、イリジウム錯体と、を有し、
    前記第1の有機化合物は、カルバゾール骨格と、含窒素六員複素芳香族骨格と、を有し、
    前記炭化水素基置換体は、前記第1の有機化合物における水素原子の少なくとも一つが炭素数1乃至6の炭化水素基で置換された化合物であり、
    前記第2の有機化合物は、含窒素五員複素環骨格を有し、
    前記炭化水素基置換体の含有量が、前記第1の有機化合物に対する重量比で0より大きく0.1以下である(ただし、前記第1の有機化合物及び前記炭化水素基置換体における、前記炭化水素基置換体が有するCH基の存在割合が70ppm以下である場合を除く)、発光素子。
  4. 一対の電極間に発光層と、電子輸送層と、を有し、
    前記発光層は、第1の有機化合物と、炭化水素基置換体と、第2の有機化合物と、イリジウム錯体と、を有し、
    前記電子輸送層は、前記第1の有機化合物と、前記炭化水素基置換体と、を有し、
    前記第1の有機化合物は、カルバゾール骨格と、含窒素六員複素芳香族骨格と、を有し、
    前記炭化水素基置換体は、前記第1の有機化合物における水素原子の少なくとも一つが炭素数1乃至6の炭化水素基で置換された化合物であり、
    前記第2の有機化合物は、含窒素五員複素環骨格を有し、
    前記炭化水素基置換体の含有量が、前記第1の有機化合物に対する重量比で0より大きく0.1以下である、発光素子。
  5. 請求項3又は請求項4において、
    前記第1の有機化合物と前記第2の有機化合物とは、励起錯体を形成する組み合わせである、発光素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光素子を用いた発光装置。
  7. 請求項6に記載の発光装置を用いた電子機器。
  8. 請求項6に記載の発光装置を用いた照明装置。
JP2023102190A 2016-12-27 2023-06-22 発光素子、発光装置、電子機器および照明装置 Pending JP2023112102A (ja)

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