JP2023111567A - 生体電極、並びにそれを含む筋電計測用ウェア、及び筋電計測用デバイス - Google Patents

生体電極、並びにそれを含む筋電計測用ウェア、及び筋電計測用デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、電解ペーストを用いず、使用者に圧迫感を与える事なく、筋電信号を明瞭に計測可能な生体電極、並びにそれを含む筋電計測用ウェア、及び筋電計測用デバイスを提供することを目的とする。【解決手段】導電性部(2)と非導電性部(5)を有し、皮膚に接触して使用される生体電極(1)であって、非導電性部(5)により電気的に絶縁された前記導電性部(2)を2つ以上含み、皮膚接触面(6)において、導電性部(2a,2b)同士が最も近接する点の間の距離が4~20mmであり、皮膚接触面(6)に露出した非導電性部(5)の平均高さ(5a)よりも突出した、表面の一部または全部が導電性を有する突出部(3)を有し、かつ突出部(3)で最も高い点(4)と非導電性部(5)の平均高さ(5a)との高さの差が0.2~5.0mmであることを特徴とする生体電極(1)が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、生体表面の筋電位を計測するための生体電極、並びにそれを含む筋電計測用ウェア、及び筋電計測用デバイスに関する。
筋活動状態に関する情報を取得するために、生理学的な生体電気信号の1種である筋電位(Electromyogram;EMG)が活用されている。筋電位は、筋内に刺入する針電極により計測される針筋電位、および、筋から体組織を介して生体表面にまで伝搬され、生体表面に設置した電極により計測される表面筋電位に大別される。これらの内、侵襲性を伴わない表面筋電位の産業応用が広まっており、従来の主要な用途であった、筋神経系疾患の医学的評価に留まらず、アスリートの運動パフォーマンスおよびリハビリテーションの介入効果の評価、ならびに、筋電義肢装具および遠隔操作ロボットの運動制御などにも、表面筋電位が活用され始めている。
表面筋電位を計測する方法として、一般的には、円板形状である電極を3枚用意し、このうち2個の電極を検出電極として、筋電位の計測対象となる筋の筋繊維走行方向に沿って、一定の間隔を隔てた配置となるように生体表面に貼付すると共に、残る1個の接地電極を、基準電極として上記2個の検出電極の中点付近または筋活動の影響を受け難い生体の所定箇所の表面に貼付し、その後、上記接地電極と、それぞれの検出電極との電位差に基づいて、双極誘導法により、計測対象となる筋の筋電位を計測する。
この様な筋電位計測方法においては、各電極と生体表面との密着性を高めるために、該各電極および生体表面の電極設置箇所に、導電性を有する電解ペーストを塗布する事、または、電極自体の皮膚接触面に電解ペーストがあらかじめ保持された電極を用いる事が多い。
しかしながら、これらの筋電位計測方法では、電解ペーストにより生体表面にかぶれ、痒み、アレルギー冷え等が生じ、被電極装着者が不快感を訴える場合がある。そのため、電解ペーストを用いずに表面筋電位を計測可能な生体電極が望まれている。
電解ペーストを用いずに表面筋電位を計測可能な生体電極として、例えば、特許文献1では、「生体に接触し、当該生体の電位を検出し、柔軟性を有し、非粘着性の検出部と、導電性を有する素材から形成され、前記生体に接触するように前記検出部を押圧して、当該生体と当該検出部との接触を保持し、当該生体に直接接触しない保持部と、を備え、前記検出部は、前記保持部を覆い、前記保持部は、前記検出部が所定以上の厚さとなるように、覆われた内側から前記検出部を押圧することを特徴とする生体電極」が提案されている。該文献によれば、該生体電極はウェアの肌面に装着され、該生体電極の検出部は保持部により着用者の皮膚に押圧される構造であり、これにより検出部と皮膚との密着が保持され、電解ペーストを用いずとも生体電気信号が計測可能であるとされている。
また、特許文献2では、「身体表面に沿い得る柔軟性を備えたシート状の電極支持部材の表面に、所要個数の接地電極を配列して設け、且つ該接地電極の列の両側に、複数個ずつ配列してなる第1検出電極の列と第2検出電極の列を等間隔で平行に設け、上記配列された第1検出電極と接地電極と第2検出電極を、該各電極の列ごとにそれぞれ外部接続用配線に直列に導通させてなる構成を有することを特徴とする筋電位計測用電極装置」が提案されており、該文献中において、該電極装置を用いると電解ペーストを用いずとも筋電計測が可能である事が示されている。さらに、該文献によれば、各電極を平面形状円形とすると共に、該各電極における身体との接触面となる表面部を、周縁部より中央部が滑らかに突出する湾曲形状にする事により、個々の電極における皮膚表面との接触面積を大きくすることができると共に、各電極と皮膚表面との接触角度が多少変化しても、各電極と皮膚表面との接触面積の変動を抑えることができ、このため、筋電位の計測の安定性を更に高めることができるとしている。
特開2011-36524号公報 特開2007-159722号公報
しかしながら、特許文献1に記載の生体電気信号計測方法では、生体電極の検出部が平坦であるため、検出部と皮膚との密着を保持し続けるには、検出部全体を皮膚に強く押圧する必要があり、これにより、使用者に圧迫による不快感が生じる懸念がある。これに対し、特許文献2では、平面形状円形の電極の中央部が周縁部より滑らかに突出する湾曲形状になる様工夫されており、この構造により、皮膚接触面が平坦な電極に比べて、電極と皮膚の密着が良くなる為、電極の皮膚に対する押圧が大きくなくても、明瞭な表面筋電位を計測できる可能性がある。一方で、電極の突出部と皮膚との接触面に、局所的に強い接触圧が生じる事で、着用者に痛みや圧迫感等の不快感が生じる懸念がある。この問題点は、電極の突出部を適切に設計する事で回避できる可能性があるが、該文献においては、突出部の詳細な設計検討がなされていない。
以上のことから、電解ペーストを用いずとも筋電計測が可能であり、かつ、使用者に電極が皮膚を圧迫する事による不快感を生じさせない生体電極の構造は、未だ明らかではない。
以上を鑑み、本発明が解決しようとする課題は、電解ペーストを用いず、使用者に圧迫感を与える事なく、筋電信号を明瞭に計測可能な生体電極、並びにそれを含む筋電計測用ウェア、及び筋電計測用デバイスを提供する事である。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、導電性部と非導電性部を有し、皮膚に接触して使用される生体電極であって、前記生体電極は、前記非導電性部により電気的に絶縁された前記導電性部を2つ以上含み、前記生体電極の皮膚接触面において、前記導電性部同士が最も近接する点の間の距離が4mm~20mmであり、前記生体電極の皮膚接触面において、皮膚接触面に露出した前記非導電性部の平均高さよりも突出した、表面の一部または全部が導電性を有する突出部を有し、前記突出部で最も高い点と、前記非導電性部の平均高さとの高さの差が0.2mm~5.0mmである、ことを特徴とする生体電極が、上記課題を解決できることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]導電性部と非導電性部を有し、皮膚に接触して使用される生体電極であって、前記生体電極は、前記非導電性部により電気的に絶縁された前記導電性部を2つ以上含み、前記生体電極の皮膚接触面において、前記導電性部同士が最も近接する点の間の距離が4mm~20mmであり、前記生体電極の皮膚接触面において、前記皮膚接触面に露出した前記非導電性部の平均高さよりも突出した、表面の一部または全部が導電性を有する突出部を有し、かつ前記突出部で最も高い点と、前記非導電性部の平均高さとの高さの差が0.2mm~5.0mmである、ことを特徴とする生体電極。
[2]前記生体電極の皮膚接触面が導電性材料を含むシート状構造物で被覆されている、[1]に記載の生体電極。
[3]前記各突出部の幅が5mm~21mmである、[1]又は[2]に記載の生体電極。
[4]前記突出部の表面の50%以上が、曲率半径0.5mm以上の曲面である、[1]~[3]のいずれかに記載の生体電極。
[5]筋電計測用ウェアであって、前記ウェアの皮膚接触面に[1]~[4]のいずれかに記載の生体電極を1つ以上具備し、前記生体電極の各導電性部と電気的に接続された少なくとも1本の配線が備えられている、筋電計測用ウェア。
[6]筋電計測用デバイスであって、前記デバイスの接触皮膚面に[1]~[4]のいずれかに記載の生体電極を1つ以上具備し、前記生体電極の各導電性部と電気的に接続された少なくとも1本の配線が備えられている、筋電計測用デバイス。
本発明によれば、生体電極の皮膚接触面において、各導電性領域に適切な突出構造を形成する事により、電極全体の接触圧が小さくても筋電信号が明瞭に計測可能であり、かつ、使用者に圧迫感を感じさせ難くする生体電極、並びにそれを含む筋電計測用ウェア、及び筋電計測用デバイスを提供する事が可能である。
本発明における1つの実施形態における生体電極の概略図である。 本発明における1つの実施形態における生体電極の概略図であり、図1の断面図である。 本発明における1つの実施例における生体電極の概略図であり、非導電性材料の表面の一部を導電性材料で被覆した構成の生体電極の断面図である。 実施例1における、被験者1名の筋電波形の一例である。 比較例1における、被験者1名の筋電波形の一例である。
本発明による生体電極は、導電性部と非導電性部を有し、皮膚に接触して使用される生体電極であって、前記生体電極は、前記非導電性部により電気的に絶縁された前記導電性部を2つ以上含み、前記生体電極の皮膚接触面において、前記導電性部同士が最も近接する点の間の距離が4~20mmであり、前記生体電極の皮膚接触面において、前記皮膚接触面に露出した前記非導電性部の平均高さよりも突出した、表面の一部または全部が導電性を有する突出部を有し、かつ前記突出部で最も高い点と、前記非導電性部の平均高さとの高さの差が0.2~5.0mmである、ことを特徴とする。
本発明による1つの実施形態としての生体電極について、図1および図2を用いて詳細に説明する。なお、本発明はこの説明に限定されるものではない。
図1は本発明に係る生体電極の皮膚接触面を上方から俯瞰した場合の模式図であり、図2は、図1に示す生体電極の2本の短辺の中点同士を結ぶ直線で図1を切断した場合の断面の模式図である。図1および図2に示す様に、生体電極1は、導電性部2(2a、2b、2c)、および、前記導電性部2同士を電気的に絶縁する非導電性部5を含む。生体電極1の皮膚接触面6において、隣り合う導電性部2同士の最短距離が4~20mmであり、皮膚接触面側6には、皮膚接触面6に露出した非導電性部5の平均高さ5aより突出した、表面の一部または全部が導電性を有する突出部3(3a、3b、3c)が形成されており、かつ、前記平均高さ5aと突出部3の最も高い点4(4a、4b、4c)との高さの差がそれぞれ0.2~5.0mmである。前述のような突出部を生体電極の皮膚接触面に形成することで、生体電極を生体表面に押し当てた場合に、電解ペーストを用いなくても、突出部が生体表面に適度に密着するとともに、突出部の全部または一部に過度な接触圧が生じないため、結果として、使用者に圧迫感を与える事なく、表面筋電図を明瞭に計測可能となるという効果を奏する。なお、前記効果が阻害されない限りは、生体電極は導電ユニット、ICチップ、電池等の任意の部品を含むことが出来る。
<導電性部>
導電性部の構成は、導電性を有するものであれば特に限定されないが、導電性材料のみから成る構成、または、図3に一例を示す様に、非導電性材料を含む突出部3の表面の一部または全部が導電性の被覆7を有する構成が挙げられ、前記導電性の被覆7は、導電性材料または導電性材料を含むシート状構造物であることができる。生体電極の肌当たりを良くする事で不快感を低減する観点から、非導電性材料の表面の一部または全部が、導電性の被覆を有する構成が好ましく、前記導電性の被覆は、導電性材料を含むシート状構造物であることがより好ましい。
なお、ここでいう導電性材料とは、JIS C 2139により計測した比抵抗(体積抵抗値)が1000Ω・cm以下である材料であり、原材料により限定されるものではないが、金属材料、炭素系材料、導電性高分子ポリマー材料等の導電性材料またはそれらを混合した材料が例示される。また、非導電性材料とは、前記導電性材料に該当しない全ての材料であり、単一の材料により構成されても、複数の材料が組み合わされて構成されてもよい。
導電性部は、少なくとも生体電極の皮膚接触面に形成されていればよく、各導電性部が互いに絶縁されている限りは、各導電性部が皮膚接触面以外の部分に含まれてもよい。また、各導電性部の形状は同一であっても、異なっていてもよい。
生体電極の皮膚接触面において、隣接する導電性部が最も近接する点の間の距離(最短距離)は4~20mmである。前記最短距離が4mm以上であることで、隣接する各導電性部で計測される電位が明確に異なるため、双極誘導法により明瞭な表面筋電位を計測する事が出来る。また、前記最短距離を20mm以下とすることで、生体電極が小型化され、それにより、生体の任意の筋上で計測する事が出来る。なお、前記最短距離は、皮膚接触面の上方から生体電極を観察したときに、生体電極の皮膚接触面において4~20mmであればよく、その他の部分においては、導電性部同士の距離は特に制限されない。
前述の通り、導電性部は、非導電性材料の表面の一部または全部が導電性の被覆を有する構成であることができ、前記導電性の被覆は、導電性材料を含むシート状構造物であることができる。生体電極の肌当たりの観点から、生体電極の皮膚接触面は、導電性材料を含むシート状構造物で被覆されていることが好ましい。前記導電性材料を含むシート状構造物としては、導電性材料を含む混合物をシート状に成形した構造物、非導電性材料をシート状に成形し、その表面の一部または全部に導電性材料を配置した構造物、導電性繊維を含む、織物、編物、不織布等の布から成る繊維構造物、または、導電性繊維を含まない繊維構造物の表面の一部または全部に導電性材料を配置した繊維構造物等が挙げられる。これらの内、生体電極の肌当たりを良くする事で圧迫感を低減する観点から、導電性繊維を含む布から成る繊維構造物、または、導電性繊維を含まない繊維構造物の表面の一部または全部に導電性材料を配置した繊維構造物等が好ましく、さらに、導電性繊維を含む布から成る繊維構造物がより好ましい。
前記導電性繊維としては、繊維構造物がJIS C 2139により計測した比抵抗(体積抵抗率)が1000Ω・cm以下である事を満足する限りは特に限定されないが、金属繊維、金属被覆線、導電性ポリマー含有繊維、炭素繊維等などが例示される。金属繊維や金属被覆線における金属成分としては、金、白金、銀、銅、ニッケル、クロム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、タングステン、ステンレス、チタン、マグネシウム、錫、バナジウム、コバルト、モリブデン、タンタル等の金属およびそれらの合金が好ましい。導電性繊維としては、銀を主成分とする金属皮膜を化学繊維に形成した繊維が、導電性および風合いの観点で特に好ましい。銀を主成分とする金属皮膜を化学繊維に形成した繊維としては、例えば、ミツフジ株式会社製AG-POSS、日本新素材株式会社製シルベルン等が例示される。また、導電性ポリマー含有繊維の導電性ポリマーの具体例としては、PDOT-PSS、PDOT-PTS等が例示され、これらを繊維表面に保持した導電性繊維または導電性布の使用が好ましい。炭素繊維としては、クラレトレーディング株式会社製クラカーボ等が例示され、特にカーボンナノチューブを紡糸した炭素繊維が、導電性および風合いの観点で好適である。
導電性繊維を含む布から成る繊維構造物の構成及び製造方法については、特に限定されないが、複数の給糸口を有する編機に、導電糸または非導電糸を給糸する事により、導電糸と非導電糸がボーダー状に配置された生地を編成する方法、非導電糸から成る生地に導電糸を刺繍する方法、非導電糸から成る生地に、導電糸から成る導電布を縫製する方法などが例示される。特に、風合いの観点から、編機を用いて、導電性繊維を含む布から成る繊維構造物を得ることが好ましい。
<突出部>
生体電極の皮膚接触面において、皮膚接触面に露出した非導電性部の平均高さより突出した、表面の一部または全部が導電性を有する突出部が形成されている。突出部は、図2に例示する様に、各導電性部の一部分が突出している構造でもよく、図3に例示する様に、各導電性部の全面が突出している構造でもよい。また、同一の導電性部内に突出構造が複数形成されていてもよい。
生体電極の皮膚接触面において、表面に露出した非導電性部の平均高さと突出部の最も高い点との高さの差は0.2~5.0mmである。前記高さの差を0.2mm以上とする事で、皮膚と導電性部の密着を高め、より明瞭な表面筋電位を計測する事ができる。また、前記高さの差を5.0mm以下とする事で、突出部の局所的な接触圧増加を防ぎ、着用者の圧迫感を抑制する事が出来る。より明瞭な表面筋電位を計測し、かつ、着用者の圧迫感を抑制する観点では、前記高さの差が0.5~4.0mmである事が好ましく、0.5~2.0mmである事がより好ましい。前記高さの差は、生体電極の皮膚接触面が高さ方向と直交するように測定される限り、任意の測定方法および任意の基準面により算出されることができ、例えば、皮膚接触面を上方に向けて設置したデジタル顕微鏡により測定される。なお、前記高さの差は、各突出部で同一であっても、異なっても良い。
突出部の幅は、それぞれ5~21mmである事が望ましい。ここでいう突出部の幅とは、各突出部の頂点に対する距離の二乗和が最小になる様に引いた直線を長さ方向と定義し、長さ方向に直交する方向を幅方向と定義し、各突出部で幅方向に最も長い距離である。なお、各突出部の皮膚接触面が平面であるために頂点を定められない場合は、その平面の重心を頂点と定める。幅が5mm以上である事で、圧力が分散され、着用者の圧迫感を低減する事ができ、かつ、導電性領域と皮膚との接触面が増え、S/N比が改善され、明瞭に表面筋電図を計測する事が出来る。また、幅が21mm以下である事で、生体電極が小型化され、それにより、生体の任意の筋上で計測する事が出来る。
突出部の形状は特に限定されないが、円柱状形状、楕円柱形状、直方体形状、立方体形状が例示される。ここで、筋電位を明瞭に計測する為には、突出部が横長の形状であり、かつ、突出部の長軸が計測対象の筋の筋走行方向に直交するように配置されている事が望ましく、これに該当する形状として、楕円柱形状や直方体形状が例示される。
各突出部の表面積は、それぞれ25~100mmである事が望ましい。表面積が25mm以上である事で、導電性領域と皮膚との接触面が増え、S/N比が改善され、明瞭に表面筋電図を計測する事が出来る。また、表面積が100mm以下である事で、生体電極が小型化され、それにより、生体の任意の筋上で計測する事が出来る。
突出部の皮膚接触面の外周部は、生体電極の肌当たりを良くする事で不快感を低減する観点から、角を有する場合は該角が鈍角であるか、角を有せず曲面である事が好ましい。より肌当たりを良くする観点では、角を有せず曲面である事が望ましく、曲面部の曲率半径が0.5mm以上であることが特に好ましい。曲面部の半径を0.5mm以上にする事で、突出構造物の皮膚接触面の外周部より、皮膚に局所的に高い接触圧が加わる事を防止し、着用者の圧迫感を低減する事ができる。同様の観点から、前記突出部の表面観察において、前記突出部の表面の50面積%以上が、曲率半径0.5mm以上の曲面であることが好ましい。さらに、生体電極の肌辺りを良くする観点から、前記皮膚接触面の外周部を等分したときに等分数に対する50%以上が、角を有せず曲面である事が好ましく、外周部の100%が角を有せず曲面である事がより好ましい。
突出部の硬さは、特に制限されないが、該突出部のヤング率が1MPa以上である事が望ましい。突出部のヤング率が1MPa以上であると、生体電極が皮膚に押圧された際に、突出部が大きく潰れる事が無いため、突出部と皮膚の密着が保持され、表面筋電位をより明瞭に計測する事が出来る。
<非導電性部>
非導電性部の構成は、前述の導電性を有さない非導電性材料から成るものであれば特に限定されない。また、前記生体電極の構成を満たす限りは、形状も特に限定されない。
前記非導電性材料としては、特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド等から成るプラスチック樹脂や、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴムなどが例示される。この内、適切な硬度を有し、成形が容易である事から、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンが好ましい。
<伝送部設計>
導電性部には、計測された電位を外部に伝送するために、ケーブルやプリント配線等の導線が接続されてもよい。導線の種類は特に限定されないが、外部雑音の混入を防止する観点で同軸ケーブルが好ましい。
導電性部と導線の接続方法は特に限定されないが、はんだや導電性接着剤等を用いて接着する方法や、かしめ具を用いて圧着する方法が例示され、耐久性に優れる観点でかしめ具を用いて圧着する方法が好ましい。
導線を通して伝送された信号は、通常、増幅器等を介して電圧が増幅され、筋電位波形が処理される。この際、筋電位波形には種々の雑音が混入しているが、任意のデジタルフィルタまたはアナログフィルタを用いて、信号を処理してよい。別の伝送の態様では、生体用電極に小型の電源および筋電計測用IC、ならびに導線を取り付け、各導電性部で計測した電位を増幅した後、または、増幅後にデジタル信号に変換した後に、導線で伝送してもよい。さらに異なる伝送の態様では、生体用電極に小型の電源、筋電計測用ICならびに無線装置を取り付け、計測した筋電位を無線データとして伝送してもよい。
筋電位波形から算出される筋活動状態を取得するための指標としては、例えば、整流化平均値(ARV:Average Rectified Value)、RMS(Root Mean Square Value)、積分値、平均周波数(MPF:Mean Power Frequency)、メジアン周波数(Median Frequency)等が挙げられるが、ここに例示したものに限定されず、任意の指標を用いる事が出来る。
<筋電計測用ウェア>
前記生体電極を1つ以上ウェアに取り付け、生体電極の各導電性部に少なくとも1本の配線を電気的に接続する事で、筋電計測用ウェアとすることが出来る。ウェアの形態は、腕部であればアームカバー型、下半身であればタイツ型、上半身であればシャツ型のウェアが例示されるが、計測したい筋を押圧できる形態であれば特に制限されない。ウェアに用いられる生地としては、特に限定されないが、接触圧を適切に調整する観点から、コンプレッション性を有する生地が好ましい。また、ウェアは生体電極の効果を阻害しない限り、その他のセンサデバイス等を具備して良い。
<筋電計測用デバイス>
前記生体電極を1つ以上デバイスに取り付け、生体電極の各導電性部に少なくとも1本の配線を電気的に接続する事で、筋電計測用デバイスとすることが出来る。デバイスの形態は、計測したい筋を押圧できる形状であれば特に制限されないが、例えばリストバンド型が挙げられる。また、デバイスは生体電極の効果を阻害しない限り、その他のセンサデバイス等を具備して良い。
<筋電計測>
上記で説明された生体電極、または筋電計測用ウェア若しくはデバイスを用いる筋電計測も本発明の一態様である。筋電をより明瞭に計測する為には、皮膚に対する生体電極の接触圧が5hPa~40hPaであることが望ましい。前記接触圧を5hPa以上とする事で、皮膚と導電性領域の密着を高め、より明瞭な表面筋電位を計測する事ができる。また、40hPa以下とする事で、接触圧増加による着用者の圧迫感を抑制する事ができる。より明瞭な表面筋電位を計測し、かつ、着用者の不快感を抑制する観点では、前記接触圧が10hPa~30hPaである事がより好ましい。
以下、本発明について、実施例を用いて具体的に説明する。実施例及び比較例における各種特性の評価方法は以下のとおりである。
(i)導電性領域同士が最も近接する点同士の距離
キーエンス社製デジタルマイクロスコープVR-3200にて、試料台に生体電極を皮膚接触面が上方向を向くように設置し、上方から該生体電極の画像を撮影する。撮影倍率は、生体電極が画角に収まる最大の倍率とする。前記撮影画像を三次元解析し、目視にて隣り合う導電性領域同士が最も近づく2点を設定し、直線距離計測により得られる距離を、導電性領域同士が最も近接する点同士の距離とする。
(ii)前記突出構造部で最も高い点と、前記非導電性領域の平均高さとの高さの差
キーエンス社製デジタルマイクロスコープVR-3200にて、試料台に生体電極を皮膚接触面が上方向を向くように設置し、上方から該生体電極の画像を撮影する。撮影倍率は、生体電極が画角に収まる最大の倍率とする。その後、三次元解析機能を用い、前記撮影画像上で確認できる範囲で、導電領域が全て包括される様に範囲選択した上で、最大高さを算出し、更に、非導電性領域の少なくとも70%以上の範囲が包括される様に範囲選択した上で、平均高さを算出する。前記最大高さから前記平均高さを減じた値を、前記突出構造部で最も高い点と、前記非導電性領域の平均高さとの高さの差とする。
(iii)突出部の幅
キーエンス社製デジタルマイクロスコープVR-3200にて、試料台に生体電極を皮膚接触面が上方向を向くように設置し、上方から該生体電極の画像を撮影する。撮影倍率は、生体電極が画角に収まる最大の倍率とする。次に三次元解析機能を用い、各突出部において、皮膚接触面方向の高さが最も高い点を頂点とする。なお、各突出部の皮膚接触面が平面であるために頂点を定められない場合は、その平面の重心を頂点と定める。その後、各突出部の頂点に対する距離の二乗和が最小になる様に直線を引き、これに直交する方向を幅方向とし、各突出部において、幅方向の最大長さを、突出部の幅とする。
(iv)突出構造部の皮膚接触面の外周部の角R
キーエンス社製デジタルマイクロスコープVR-3200にて、試料台に生体電極を皮膚接触面が上方向を向くように設置し、上方から該生体電極の画像を撮影する。撮影倍率は、生体電極が画角に収まる最大の倍率とする。その後、三次元解析機能を用い、突出構造物の皮膚接触面の外周を10等分する様に計測点を設定し、各計測点の角Rを曲率半径として計算する。
(v)筋電信号の明瞭さ評価(RMS比)
安静時と把持動作時の筋電信号を計測し、安静時RMSに対する把持動作時RMSの比(RMS比)から、筋電信号の明瞭さを評価した。以下、具体的な評価方法について説明する。
まず、被験者には椅子に座してもらい、左腕を脱力して鉛直方向に垂らした状態で、握力計を把持してもらい、実験者の合図により、意識的に発揮できる全力で握力計を握った際の握力を3回計測した。3回の計測の内、最大値をその被験者の最大随意筋力(MVC)とした。
次に、生体電極をゴムバンドに取り付け、被験者の左腕前腕に装着した。生体電極の装着位置は、生体電極の導電性部が並ぶ方向(生体電極の長手方向とする)が、被験者尺側手根屈筋の筋走行方向に沿うようにし、かつ、生体電極の長手方向の中心が、被験者の肘から3~7cmの距離に位置する様に調節した。その後、筋電センサの各導電性部に、インタークロス社製データロガー「intercross-415」を取り付け、生体電極中の3つの導電性部の内、手首に近い導電性部を正極、肘に近い導電性部を負極、中間に位置する導電性部をアースに接続した。ゴムバンドの長さは、生体電極が被験者の皮膚に加える接触圧が、10~15hPaになるよう調節した。この接触圧は、エイエムアイ・テクノ社製接触圧測定器AMI3037-2を用い、生体電極と皮膚との間に直径30mmのエアパックを挿入する事で測定した。
その後、被験者に再度椅子に座してもらい、左腕を脱力して鉛直方向に垂らした状態で、握力計を把持してもらった。実験者の合図により、筋電計測を開始し、開始直後から5秒間は脱力状態を維持してもらい、開始5秒後から5秒間、握力計の値を見ながら、60%MVCの力を発揮してもらった。その後、生体電極を取り外し、異なる条件の生体電極に付け替えて、同様に筋電計測を繰り返した。
筋電信号はデータロガーに内蔵のA/Dコンバータにより、離散データとして記録した。その際のサンプリング周波数は1000Hzとした。また、データロガーに内蔵のデジタルフィルタ機能により、カットオフ周波数10Hzの2次のハイパスフィルタ、および、カットオフ周波数200Hzの2次のローパスフィルタを介してデータを記録した。更に、商用電源ノイズを除去する為、計測データに、カットオフ周波数が58Hzおよび62Hz、または、118Hzおよび122Hz、または、178Hzおよび182Hzである、3種類の一次のバンドストップフィルタを掛ける事で、筋電信号を得た。
以上の方法により、同じ生体電極を用いて、5名分の筋電信号を得た。各被験者について、次式により安静時と把持動作時のRMSを算出した。
Figure 2023111567000002
{式中、NはRMS解析区間の離散データの総数、aはRMS解析区間の始めの離散データの番号、bはRMS解析区間の終わりの離散データの番号、s(i)は筋電信号のi番目の離散データを表す。}
安静時のRMSの算出には、N=5000、a=1、b=5000とし、把持動作時のRMSの算出には、N=5000、a=5001、b=10000とした。その後、把持動作時のRMSを安静時のRMSで除する事で、RMS比を算出し、更に、被験者5名分のRMS比を平均した。RMS比の平均値を用い、RMS比が2.5以上であれば、安静時に対して、把持動作時の筋電信号が明瞭に識別できるとした。
(vi)生体電極の圧迫感の主観評価
前記5名の被験者に、各生体電極を装着した直後に、圧迫感に関する主観評価を以下の基準で実施し、その平均値を算出した。なお、圧迫感が小さく、快適だと感じるのは下記基準で平均値が3以上の場合である。
5 : 圧迫感が全くなく、非常に快適である。
4 : 圧迫感が殆どなく、かなり快適である。
3 : 多少の圧迫感があるが、普通に快適である。
2 : 圧迫感があり、かなり不快である。
1 : 圧迫感がかなりあり、非常に不快である。
[実施例1]
キーエンス株式会社製3Dプリンタ「AGILISTA-3200」により、キーエンス株式会社製非導電性樹脂「AR-M2」を、平板形状に積層し、その上面の3か所に、直方体形状に積層する事で、被覆前突出部を3つ有する非導電性樹脂構造物を得た。この非導電性樹脂構造物の被覆前突出部の形状は全て同様であり、長さは5.0mm、幅は10.0mm、高さは2.0mmとした。隣り合う被覆前突出部の最短距離は10.0mmとした。また、平板形状部の長さは、被覆前突出部の長さの3倍の値に、被覆前突出部同士の最短距離の2倍の値を足した長さとし、幅は被覆前突出部と同様であり、厚みは1.0mmとした。
次に、栄光産業株式会社製筒編機「NCR-BW」(釜径3.5インチ、27ゲージ)により、日本新素材株式会社製導電糸「シルベルン140d」、および、非導電性である東レ株式会社製ナイロン仮撚り糸(78dTex、68フィラメント)を、糸を切り替えながら所定の回数ずつ編成する事で、導電糸および非導電糸がボーダー状に交互に配置された、導電性領域を3つ有する生機を得た。
その後、生機を金属製バスに入れ、水温90℃の水を生機の重量の40倍加え、さらに、水1Lあたり1.5gのスコアロールを添加した後、ヒーターで加熱する事で水温を90℃±5℃の範囲内で維持しながら、繊維構造物の生機を15分湯煎する事により、生機を精錬した。その後、生機を取り出し、遠心脱水機で30秒間脱水した後、生機が弛まない程度にテンションを掛けてピン枠に固定し、130℃に設定したピンテンターで90秒間セットする事により、導電糸および非導電糸がボーダー状に交互に配置された、導電性領域を3つ有する繊維構造物を得た。
この際、繊維構造物の内、導電糸から成るボーダー部の編密度は、18コース/10mmおよび28ウェール/10mmであり、非導電糸から成るボーダー部の編密度は、30コース/10mmおよび28ウェール/10mmであった。導電糸から成るボーダー部の太さは8.9mm、非導電糸から成るボーダー部の太さは10.0mmであった。生地の厚みは0.21mmであった。
最後に、非導電性樹脂構造物の表面に、ニチバン株式会社製両面接着テープ「NW-K10」を隙間なく貼り付けた。その後、繊維構造物のコース方向が非導電性樹脂構造物の幅方向と一致する向きで、かつ、繊維構造物の導電糸から成る3つのボーダー部が、非導電性樹脂構造物が備える3つの被覆前突出部それぞれの、側面および皮膚接触面をちょうど被覆する様に生地を引き延ばし、位置を調節した上で、繊維構造物を非導電性樹脂構造物の皮膚接触面に貼り付けた。さらに、貼り付けた繊維構造物のうち、非導電性樹脂構造物の幅方向に余った部分は、前記非導電性樹脂構造物の側面を介して裏面中央まで引き回しながら固定し、余分な部分を切断して除去した。以上の処理により、生体電極を得た。この生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は10.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は9.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は2.0mmだった。
[実施例2]
非導電性樹脂構造物の隣り合う被覆前突出部の最短距離を5.0mmとし、繊維構造物の導電糸から成るボーダー部の太さを8.9mm、非導電糸から成るボーダー部の太さを5.0mmとした以外は、実施例1と同様の方法で生体電極を得た。得られた生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は10.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は4.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は2.0mmだった。
[実施例3]
非導電性樹脂構造物の隣り合う被覆前突出部の最短距離を20.0mmとし、繊維構造物の導電糸から成るボーダー部の太さを8.9mm、非導電糸から成るボーダー部の太さを20.0mmとした以外は、実施例1と同様の方法で生体電極を得た。得られた生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は10.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は19.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は2.0mmだった。
[実施例4]
非導電性樹脂構造物の被覆前突出部の厚みを0.2mmとし、繊維構造物の導電糸から成るボーダー部の太さを5.0mm、非導電糸から成るボーダー部の太さを10.0mmとした以外は、実施例1と同様の方法で生体電極を得た。得られた生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は10.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は9.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は0.2mmだった。
[実施例5]
非導電性樹脂構造物の被覆前突出部の厚みを0.5mmとし、繊維構造物の導電糸から成るボーダー部の太さを5.6mm、非導電糸から成るボーダー部の太さを10.0mmとした以外は、実施例1と同様の方法で生体電極を得た。得られた生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は10.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は9.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は0.5mmだった。
[実施例6]
非導電性樹脂構造物の被覆前突出部の厚みを5.0mmとし、繊維構造物の導電糸から成るボーダー部の太さを14.4mm、非導電糸から成るボーダー部の太さを10.0mmとした以外は、実施例1と同様の方法で生体電極を得た。得られた生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は10.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は9.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は5.0mmだった。
[実施例7]
非導電性樹脂構造物の被覆前突出部の幅を5.0mmとした以外は、実施例1と同様の方法で生体電極を得た。得られた生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は5.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は9.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は2.0mmだった。
[実施例8]
非導電性樹脂構造物の被覆前突出部の幅を20.0mmとした以外は、実施例1と同様の方法で生体電極を得た。得られた生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は20.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は9.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は2.0mmだった。
[実施例9]
非導電性樹脂構造物の被覆前突出部の皮膚接触面のエッジをR=0.5mmで面取りした以外は、実施例1と同様の方法で生体電極を得た。得られた生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は10.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は9.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は2.0mmだった。突出部の皮膚接触面の外周部の角Rの大きさは、曲率半径として、10点全て0.5mm以上だった。
[比較例1]
非導電性樹脂構造物の隣り合う被覆前突出部の最短距離を2.0mmとし、繊維構造物の導電糸から成るボーダー部の太さを8.9mm、非導電糸から成るボーダー部の太さを2.0mmとした以外は、実施例1と同様の方法で生体電極を得た。得られた生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は10.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は1.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は2.0mmだった。
[比較例2]
非導電性樹脂構造物の被覆前突出部の厚みを0mm(平板形状)とし、繊維構造物の導電糸から成るボーダー部の太さを5.0mm、非導電糸から成るボーダー部の太さを10.0mmとした以外は、実施例1と同様の方法で生体電極を得た。得られた生体電極について、突出部の長さは5.5mm、突出部の幅は10.5mm、導電性部同士が最も近接する点の間の距離は9.5mm、突出部で最も高い点と非導電性部の平均高さとの高さの差は0.0mmだった。
以上の実施例および比較例について、製造条件および評価結果を表1に示す。また、実施例1で計測した筋電信号の一例を図4に、比較例1で計測した筋電信号の一例を図5にそれぞれ示す。
実施例および比較例の生体電極を用いて筋電波形を取得したところ、比較例1~2に記載の生体電極では、RMS比の被験者間平均値が2.5を下回っていたため、安静時と把持動作時の筋電信号の違いを明瞭に識別する事が出来なかった。対照的に、実施例1~9に記載の生体電極では、RMS比の被験者間平均値が2.5を上回っている為、明瞭に筋電信号を計測する事が出来た。
また、実施例1~9に記載の生体電極は、圧迫感の主観評価の被験者間平均値が3以上であるため、計測時の圧迫感を抑制する事が出来た。
以上の結果から、実施例1~9に記載の生体電極により、電解ペーストを用いず、使用者に圧迫感を与える事なく、表面筋電図を明瞭に計測可能である。
Figure 2023111567000003
本発明の生体電極は、表面筋電位、心電、脳波、皮膚表面電気抵抗、その他の生体電気情報を取得するための生体電極として利用する事ができ、また、電気刺激療法(例えば、電位療法や低周波療法やEMS(Electrical Muscles Stimulation)、マイクロカレント等)を行うための電極として利用する事も出来る。特に、本発明に係る生体電極、及びそれを備えるウェアまたはデバイスは、表面筋電位を計測する為に好適に利用することができる。
1 生体電極
2(2a、2b、2c) 導電性部
3(3a、3b、3c) 突出部
4(4a、4b、4c) 突出部の最も高い点
5 非導電性部
5a 皮膚接触面に露出した非導電性部の平均高さ
6 皮膚接触面
7 導電性の被覆

Claims (6)

  1. 導電性部と非導電性部を有し、皮膚に接触して使用される生体電極であって、
    前記生体電極は、前記非導電性部により電気的に絶縁された前記導電性部を2つ以上含み、
    前記生体電極の皮膚接触面において、前記導電性部同士が最も近接する点の間の距離が4mm~20mmであり、
    前記生体電極の皮膚接触面において、前記皮膚接触面に露出した前記非導電性部の平均高さよりも突出した、表面の一部または全部が導電性を有する突出部を有し、かつ
    前記突出部で最も高い点と、前記非導電性部の平均高さとの高さの差が0.2mm~5.0mmである、
    ことを特徴とする生体電極。
  2. 前記生体電極の皮膚接触面が、導電性材料を含むシート状構造物で被覆されている、請求項1に記載の生体電極。
  3. 前記各突出部の幅が5mm~21mmである、請求項1又は2に記載の生体電極。
  4. 前記突出部の表面の50%以上が、曲率半径0.5mm以上の曲面である、請求項1~3のいずれか1項に記載の生体電極。
  5. 筋電計測用ウェアであって、前記ウェアの皮膚接触面に請求項1~4のいずれか1項に記載の生体電極を1つ以上具備し、前記生体電極の各導電性部と電気的に接続された少なくとも1本の配線が備えられている、筋電計測用ウェア。
  6. 筋電計測用デバイスであって、前記デバイスの接触皮膚面に請求項1~4のいずれかに1項に記載の生体電極を1つ以上具備し、前記生体電極の各導電性部と電気的に接続された少なくとも1本の配線が備えられている、筋電計測用デバイス。
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