JP2023111048A - 予測装置、予測方法および予測プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測することができる予測装置を提供する。【解決手段】予測手段７７は、衛星からゴルフ場を撮像することによって得られた衛星画像から導出されるデータと、そのゴルフ場で用いられるカートに取り付けられた第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報およびそのゴルフ場でプレイするプレイヤーが保持する第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータと、そのゴルフ場の環境データとに基づいて、そのゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測する。出力手段７８は、整備を必要とする場所を示す情報を出力する。【選択図】図５

Description

本発明は、ゴルフ場で整備を必要とする場所を予測する予測装置、予測方法および予測プログラムに関する。

ゴルフ場の芝の状態は、ゴルフプレイヤー（以下、単にプレイヤーと記す。）がゴルフ場を評価するうえで、重要な因子となる。特に、地面への芝の付き具合等は、プレイに大きな影響を与えるため、芝の整備が行き届いているゴルフ場の評価は高くなる。また、そのようなゴルフ場では、売り上げが向上する。

一般に、ゴルフ場の整備は、コース管理者が目視で芝の育成状況等を確認することによって行われている。日本のゴルフ場の広さは、平均で１００万平方メートルであり、広大である。そのため、全コースの管理を目視や手作業で行うことは、コース管理者の負担増大につながる。

なお、特許文献１には、人工衛星が作物畑を解析することや、土壌の健康状態全体を遠隔検出で測定できることが記載されている。また、特許文献１には、作物のバイアビィリティデータレポートを農業アドバイザ等に伝えることが記載されている。また、特許文献１には、気象状況のリアルタイムデータと、作物のバイアビィリティデータに関連する過去の気象状況のデータベースとの比較により、作物の作柄予測を出力することが記載されている。

特開２００４－７３２０３号公報

将来、芝がダメージを受ける場所や、将来、芝の病害が発生する場所を予測できれば、広大なゴルフ場の整備負担を軽減できる。なお、芝がダメージを受ける場所および芝の病害が発生する場所をまとめて、整備を必要とする場所と称することができる。将来、整備を必要とする場所を予測できることは、整備負担の軽減の観点から、好ましい。

そこで、本発明は、ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測することができる予測装置、予測方法および予測プログラムを提供することを目的とする。

本発明による予測装置は、衛星からゴルフ場を撮像することによって得られた衛星画像から導出されるデータと、そのゴルフ場で用いられるカートに取り付けられた第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報およびそのゴルフ場でプレイするプレイヤーが保持する第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータと、そのゴルフ場の環境データとに基づいて、そのゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測する予測手段と、整備を必要とする場所を示す情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。

本発明による予測方法は、衛星からゴルフ場を撮像することによって得られた衛星画像から導出されるデータと、そのゴルフ場で用いられるカートに取り付けられた第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報およびそのゴルフ場でプレイするプレイヤーが保持する第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータと、そのゴルフ場の環境データとに基づいて、そのゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測し、整備を必要とする場所を示す情報を出力することを特徴とする。

本発明による予測プログラムは、コンピュータに、衛星からゴルフ場を撮像することによって得られた衛星画像から導出されるデータと、そのゴルフ場で用いられるカートに取り付けられた第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報およびそのゴルフ場でプレイするプレイヤーが保持する第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータと、そのゴルフ場の環境データとに基づいて、そのゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測する予測処理、および、整備を必要とする場所を示す情報を出力する出力処理を実行させることを特徴とする。

本発明によれば、ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測することができる。

予測装置、および、その予測装置に情報を提供する種々の装置を示す模式図である。 本発明の実施形態の予測装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の予測装置１に係るコンピュータの構成例を示す概略ブロック図である。 本発明の予測装置の概要を示すブロック図である。

以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。

本発明の実施形態の予測装置は、外部の装置から情報を受信し、その情報から導出されるデータに基づいて、ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測する。図１は、予測装置、および、その予測装置に情報を提供する種々の装置を示す模式図である。予測装置１に情報を提供する装置として、人工衛星２１と、ＧＰＳ（Global Positioning System ）装置３１，３２と、環境データ観測装置４１とがある。

人工衛星２１は、整備対象となるゴルフ場を撮像し、撮像によって得られた画像を予測装置１に送信する。以下、人工衛星２１がゴルフ場を撮像することによって得られた画像を衛星画像と記す。予測装置１は、人工衛星２１が送信した衛星画像を受信する。人工衛星２１は、例えば、日毎に衛星画像を予測装置１に送信する。

なお、予測装置１は、中継装置（図示略）および通信ネットワーク５０を介して、人工衛星２１から衛星画像を受信してもよい。

ＧＰＳ装置３１，３２はそれぞれ、ＧＰＳ衛星（図示略）を利用して、ＧＰＳ装置３１，３２自身の位置を示す位置情報を算出し、位置情報を予測装置１に送信する。

ここで、第１のＧＰＳ装置３１は、ゴルフ場のカートに取り付けられるＧＰＳ装置である。従って、第１のＧＰＳ装置３１が算出する位置情報は、カートの位置を示す情報であると言える。第１のＧＰＳ装置３１は、定期的に位置情報を算出し、予測装置１に送信する。第１のＧＰＳ装置３１は、カートの移動軌跡を導出可能な時間間隔で、位置情報の算出および送信を行う。

また、第２のＧＰＳ装置３２は、ゴルフプレイヤー（以下、単にプレイヤーと記す。）に保持されるＧＰＳ装置である。従って、第２のＧＰＳ装置３２が算出する位置情報は、プレイヤーの位置を示す情報であると言える。第２のＧＰＳ装置３２は、定期的に位置情報を算出し、予測装置１に送信する。第２のＧＰＳ装置３２は、プレイヤーの移動軌跡を導出可能な時間間隔で、位置情報の算出および送信を行う。また、第２のＧＰＳ装置３２は、所定の操作が行われた場合、その時点での位置情報を算出し、その位置情報に、ゴルフボール（以下、単にボールと記す。）の落下点を示す位置情報であることを示すデータ（以下、落下点フラグと記す。）を付加し、落下点フラグを付加した位置情報を、予測装置１に送信する。プレイヤーは、ゴルフのプレイ中にボールの落下点に移動したときに、第２のＧＰＳ装置３２に所定の操作を行うものとする。この所定の操作に応じて、前述のように、第２のＧＰＳ装置３２は、落下点フラグを付加した位置情報を、予測装置１に送信する。

予測装置１は、第１のＧＰＳ装置３１が定期的に送信する位置情報、第２のＧＰＳ装置３２が定期的に送信する位置情報、および、落下点フラグが付加された位置情報を、通信ネットワーク５０を介して受信する。

環境データ観測装置４１は、例えば、ゴルフ場の中心地点に配置され、ゴルフ情報の環境データを観測する。環境データ観測装置４１は、その環境データを、予測装置１に送信する。予測装置１は、その環境データを、通信ネットワーク５０を介して受信する。環境データ観測装置４１は、環境データとして、季節を示すデータ、気温を示すデータ、および、天候を示すデータのうちの少なくとも一部を観測する。環境データ観測装置４１は、季節を示すデータ、気温を示すデータ、天候を示すデータを全て観測してもよく、さらに、他の種類の環境データを観測してもよい。

環境データ観測装置４１は、例えば、定期的に、環境データを観測し、予測装置１にその環境データを送信する。

図２は、本発明の実施形態の予測装置１の構成例を示すブロック図である。予測装置１は、衛星画像受信部２と、位置情報受信部３と、環境データ受信部４と、第１のデータ導出部５と、第２のデータ導出部６と、予測部７と、出力部８とを備える。

衛星画像受信部２は、人工衛星２１から衛星画像を受信するためのインタフェースである。衛星画像受信部２は、人工衛星２１から衛星画像を受信し、その衛星画像を、第１のデータ導出部５に送る。

なお、予測装置１が、中継装置（図示略）および通信ネットワーク５０を介して、人工衛星２１から衛星画像を受信する場合には、衛星画像受信部２は、通信ネットワーク５０を介して通信を行うための通信インタフェースであってもよい。

位置情報受信部３は、第１のＧＰＳ装置３１および第２のＧＰＳ装置３２から、通信ネットワーク５０を介して位置情報を受信するための通信インタフェースである。位置情報受信部３は、第１のＧＰＳ装置３１から位置情報を受信し、第２のＧＰＳ装置３２から位置情報（落下点フラグが付加された位置情報も含む。）を受信し、それらの位置情報を第２のデータ導出部６に送る。

環境データ受信部４は、環境データ観測装置４１から、通信ネットワーク５０を介して環境データを受信するための通信インタフェースである。環境データ受信部４は、環境データ観測装置４１から環境データを受信し、その環境データを予測部７に送る。予測部７は、例えば、現在から一定期間前の時点までの時間帯における環境データ（すなわち、過去一定期間分の環境データ）を保持する。

第１のデータ導出部５は、将来、整備を必要とする場所の予測に用いるデータを、衛星画像から導出し、導出したデータを予測部７に送る。第１のデータ導出部５は、将来、整備を必要とする場所の予測に用いるデータとして、ゴルフ場の各場所での地面への芝の付き具合、ゴルフ場の各場所での芝の活性度、ゴルフ場の各場所での芝の草丈、ゴルフ場の各場所での土壌水分量のうちの少なくとも一部を導出する。第１のデータ導出部５は、上記の各データを全て導出してもよく、さらに他の種類のデータを導出してもよい。

第２のデータ導出部６は、将来、整備を必要とする場所の予測に用いるデータを、第１のＧＰＳ装置３１から受信した位置情報、第２のＧＰＳ装置３２から受信した位置情報（落下点フラグが付加された位置情報も含む。）から導出し、導出したデータを予測部７に送る。第２のデータ導出部６は、将来、整備を必要とする場所の予測に用いるデータとして、カートの移動軌跡、プレイヤーの移動軌跡、ボールの落下点のうちの少なくとも一部を導出する。第２のデータ導出部６は、上記の各データを全て導出してもよく、さらに他の種類のデータを導出してもよい。

第２のデータ導出部６は、第１のＧＰＳ装置３１から受信した位置情報が示す位置を、位置情報の受信順に連ねることによって、カートの移動軌跡を導出することができる。カートは１台とは限らないので、第１のＧＰＳ装置３１も一台とは限らない。そのため、第１のＧＰＳ装置３１は、その第１のＧＰＳ装置３１の識別情報を付加した位置情報を、予測装置１に送信すればよい。第２のデータ導出部６は、その識別情報毎に、第１のＧＰＳ装置３１から受信した位置情報が示す位置を、位置情報の受信順に連ねることによって、カート毎の移動軌跡を導出することができる。

第２のデータ導出部６は、第２のＧＰＳ装置３２から受信した位置情報が示す位置を、位置情報の受信順に連ねることによって、プレイヤーの移動軌跡を導出することができる。プレイヤーは一人とは限らないので、第２のＧＰＳ装置３２も一台とは限らない。そのため、第２のＧＰＳ装置３２は、その第２のＧＰＳ装置３２の識別情報を付加した位置情報を、予測装置１に送信すればよい。第２のデータ導出部６は、その識別情報毎に、第２のＧＰＳ装置３２から受信した位置情報が示す位置を、位置情報の受信順に連ねることによって、プレイヤー毎の移動軌跡を導出することができる。

第２のデータ導出部６は、落下点フラグが付加された位置情報が示す位置をボールの落下点と判定すればよい。

第２のデータ導出部６は、導出した各データ（各カートの移動軌跡、各プレイヤーの移動軌跡、ボールの落下点）を、予測部７が予測処理を行うタイミングまで保持し、予測部７が予測処理を行うタイミングで、導出した各データを予測部７に送る。

予測部７は、第１のデータ導出部５によって導出されたデータ、第２のデータ導出部６によって導出されたデータ、および、環境データ受信部４から送られた現在から過去への一定期間分のデータに基づいて、ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測する。

まず、将来、整備を必要とする場所として、将来、芝がダメージを受ける場所を予測する場合を例にして説明する。以下に示す例では、第１のデータ導出部５が、少なくとも、ゴルフ場の各場所での地面への芝の付き具合、ゴルフ場の各場所での芝の活性度、および、ゴルフ場の各場所での芝の草丈を導出するものとする。また、第２のデータ導出部６が、各カートの移動軌跡、各プレイヤーの移動軌跡、および、ボールの各落下点を導出するものとする。また、予測部７には、環境データとして、季節を示すデータが、環境データ受信部４から送られているものとする。

また、予め、ゴルフ場の芝の生えている領域は、複数のエリアに分割されているものとする。個々のエリアの広さは、コース管理者の管理のし易さに応じて決定しておけばよい。予測部７は、予め各エリアの範囲を記憶しているものとする。予測部７は、エリア毎に、将来の芝のダメージの程度を示す指標値（以下、ダメージ指標値と記す。）を、与えられたデータに基づいて決定する。ダメージ指標値が大きいほど、芝の受けるダメージが大きいと予測されることを意味する。本例では、ダメージ指標値の初期値が各エリアに定められているものとする。

１つのエリアを例にして説明する。エリア内に、カートの移動軌跡が多いほど、将来、そのエリアの芝に生じるダメージは大きく、カートの移動軌跡が少ないほど、将来、そのエリアの芝に生じるダメージは小さい。同様に、エリア内に、プレイヤーの移動軌跡が多いほど、将来、そのエリアの芝に生じるダメージは大きく、プレイヤーの移動軌跡が少ないほど、将来、そのエリアの芝に生じるダメージは小さい。従って、予測部７は、着目しているエリアにおいて、カートの移動軌跡が多いほど、ダメージ指標値を増加させる。同様に、予測部７は、着目しているエリアにおいて、プレイヤーの移動軌跡が多いほど、ダメージ指標値を増加させる。

また、ボールの落下点では、プレイヤーがボールを打つ。このとき、プレイヤーがコースの表面をゴルフクラブで掘ってしまうことが多々ある。従って、エリア内でボールの落下点が多いほど、将来、そのエリアの芝に生じるダメージは大きく、エリア内でボールの落下点が少ないほど、将来、そのエリアの芝に生じるダメージは小さい。従って、予測部７は、着目しているエリアにおいて、ボールの落下点が多いほど、ダメージ指標値を増加させる。

また、芝の草丈が低いほど、ボールやカート等の影響を受けやすく、芝の草丈が高いほど、ボールやカート等の影響を受けにくい。従って、予測部７は、着目しているエリアにおいて、芝の草丈が低いほど、ダメージ指標値を増加させる。

また、地面への芝の付き具合が悪いほど、将来、そのエリアの芝に生じるダメージは大きく、地面への芝の付き具合が良いほど、将来、そのエリアの芝に生じるダメージは小さい。従って、予測部７は、着目しているエリアにおいて、地面への芝の付き具合が悪いほど、ダメージ指標値を増加させる。

また、芝の活性度が悪いほど、将来、そのエリアの芝に生じるダメージは大きく、芝の活性度が良いほど、将来、そのエリアの芝に生じるダメージは小さい。従って、予測部７は、着目しているエリアにおいて、芝の活性度が悪いほど、ダメージ指標値を増加させる。

また、冬には草丈が低くなり、夏には草丈が高くなる。従って、現在、冬である場合には、将来、芝に生じるダメージは大きくなりやすい。よって、予測部７は、現在、冬である場合には、ダメージ指標値を増加させる。

また、春および秋には、夏や冬よりも、ゴルフ場へ来るプレイヤーの数が多くなる。従って、現在、春または秋である場合には、将来、芝に生じるダメージは大きくなりやすい。従って、予測部７は、現在、春または秋である場合にも、ダメージ指標値を増加させる。

予測部７は、エリア毎に、上記のようにダメージ指標値を変化させ、エリア毎のダメージ指標値を求める。そして、ダメージ指標値が、予め定められた閾値以上となったエリアを、将来、芝がダメージを受ける場所の予測結果とする。なお、ダメージ指標値を求めるために用いるデータの種類は、上記の例に限定されない。

また、将来、整備を必要とする場所として、将来、芝の病害が発生する場所を予測する場合を例にして説明する。以下に示す例では、第１のデータ導出部５が、少なくとも、ゴルフ場の各場所での土壌水分量を導出するものとする。また、第２のデータ導出部６が、各カートの移動軌跡、および、各プレイヤーの移動軌跡を導出するものとする。また、予測部７には、環境データとして、気温を示すデータ、および、天候を示すデータが、環境データ受信部４から送られているものとする。

本例においても、予め、ゴルフ場の芝の生えている領域は、複数のエリアに分割されているものとする。予測部７は、予め各エリアの範囲を記憶しているものとする。これらの点は、上記の例と同様である。予測部７は、エリア毎に、将来、芝の病害が発生する可能性の程度を示す指標値（以下、病害指標値と記す。）を、与えられたデータに基づいて決定する。病害指標値が大きいほど、将来、芝の病害が発生する可能性が高いと予測されることを意味する。本例では、病害指標値の初期値が各エリアに定められているものとする。

１つのエリアを例にして説明する。エリア内に、カートの移動軌跡が多いほど、将来、そのエリアに芝の病害が発生する可能性が高く、カートの移動軌跡が少ないほど、将来、そのエリアに芝の病害が発生する可能性が低い。同様に、エリア内に、プレイヤーの移動軌跡が多いほど、将来、そのエリアに芝の病害が発生する可能性が高く、プレイヤーの移動軌跡が少ないほど、将来、そのエリアに芝の病害が発生する可能性が低い。従って、予測部７は、着目しているエリアにおいて、カートの移動軌跡が多いほど、病害指標値を増加させる。同様に、予測部７は、着目しているエリアにおいて、プレイヤーの移動軌跡が多いほど、病害指標値を増加させる。

また、予測部７は、着目しているエリアの土壌水分量に応じて、そのエリアの病害指標値を増加させる。また、予測部７は、過去一定期間の気温、および、過去一定期間の天候に応じて、個々のエリアの病害指標値を増加させる。

このように、予測部７は、エリア毎に、土壌水分量、カートの移動軌跡の数、プレイヤーの移動軌跡の数、過去一定期間の気温、および、過去一定期間の天候に応じて、病害指標値を求める。なお、病害指標値を求めるために用いるデータの種類は、上記の例に限定されない。

予測部７は、病害指標値が、予め定められた閾値以上となったエリアを、将来、芝の病害が発生する場所の予測結果とする。

出力部８は、将来、整備を必要とする場所（将来、芝がダメージを受ける場所、または、将来、芝の病害が発生する場所）を示す情報を出力する。例えば、出力部８は、予測装置１に設けられたディスプレイ装置（図２において図示略）に、ゴルフ場を前述のエリアで区切ったマップを表示させ、将来、整備を必要とする場所と予測されたエリアを所定の色で表示すればよい。そのような表示態様によって、コース管理者は、所定の色で表示されたエリアを、将来、整備を必要とする場所（将来、芝がダメージを受ける場所、または、将来、芝の病害が発生する場所）の予測結果であると認識することができる。ただし、将来、整備を必要とする場所の予測結果の出力態様は、上記の例に限定されない。

なお、予測装置１は、将来、芝がダメージを受ける場所の予測と、将来、芝の病害が発生する場所の予測とを、それぞれ行ってもよい。

第１のデータ導出部５、第２のデータ導出部６、予測部７および出力部８は、例えば、予測プログラムに従って動作するコンピュータのＣＰＵ（Central Processing Unit ）によって実現される。例えば、ＣＰＵが、コンピュータのプログラム記憶装置等のプログラム記録媒体から予測プログラムを読み込み、その予測プログラムに従って、第１のデータ導出部５、第２のデータ導出部６、予測部７および出力部８として動作すればよい。

次に、本発明の実施形態の処理経過の例を示す。図３は、本発明の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。既に説明した事項については、説明を省略する。

本例では、環境データ受信部４が、環境データ観測装置４１から環境データを受信し、その環境データを予測部７に送る（ステップＳ１）。予測部７は、現在から過去への一定期間分の環境データを保持する。

また、位置情報受信部３が、第１のＧＰＳ装置３１から位置情報を受信し、第２のＧＰＳ装置３２から位置情報（落下点フラグが付加された位置情報も含む。）を受信し、それらの位置情報を第２のデータ導出部６に送る（ステップＳ２）。

第２のデータ導出部６が、ステップＳ２で得られた位置情報から、将来、整備を必要とする場所の予測に用いるデータ（例えば、カートの移動軌跡、プレイヤーの移動軌跡、ボールの落下点等）を導出し、そのデータを保持する（ステップＳ３）。

そして、衛星画像受信部２が、人工衛星２１からゴルフ場の衛星画像を受信し、その衛星画像を第１のデータ導出部５に送る（ステップＳ４）。

第１のデータ導出部５が、ステップＳ４で得られた衛星画像から、将来、整備を必要とする場所の予測に用いるデータ（例えば、ゴルフ場の各場所での地面への芝の付き具合、ゴルフ場の各場所での芝の活性度、ゴルフ場の各場所での芝の草丈、ゴルフ場の各場所での土壌水分量等）を導出し、そのデータを予測部７に送る（ステップＳ５）。このとき、第２のデータ導出部６が、保持しているデータ（例えば、カートの移動軌跡、プレイヤーの移動軌跡、ボールの落下点等）を予測部７に送る。

次に、予測部７が、環境データ、第２のデータ導出部６によって導出されたデータ、および、第１のデータ導出部５によって導出されたデータに基づいて、ゴルフ場において、将来、整備を必要とする場所を予測する（ステップＳ６）。

次に、出力部８が、ステップＳ６で予測された場所（将来、整備を必要とする場所）を出力する（ステップＳ７）。

本実施形態によれば、予測部７が、環境データ、カートに取り付けられた第１のＧＰＳ装置３１やプレイヤーに保持される第２のＧＰＳ装置３２で得られる位置情報から導出されるデータ、および、ゴルフ場の衛星画像から導出されるデータに基づいて、ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測する。従って、将来、整備を必要とする場所を予測することができる。

さらに、出力部８が、予測された場所を出力する。従って、コース管理者が、整備を必要とする場所として予測された場所を知ることができ、ゴルフ場の整備を効率的に行うことができる。

本発明の実施形態は、サッカー場やラグビー場等の芝のある競技場や、公園の芝グラウンド等の整備にも適用可能である。

また、本発明の実施形態で説明した技術を、スキー場等の雪山の整備や、紅葉の進行具合の検出に適用してもよい。

図４は、本発明の実施形態の予測装置１に係るコンピュータの構成例を示す概略ブロック図である。コンピュータ１００は、ＣＰＵ１００１と、主記憶装置１００２と、補助記憶装置１００３と、インタフェース１００４と、衛星通信インタフェース１００５と、通信インタフェース１００６とを備える。衛星通信インタフェース１００５は、衛星画像受信部２に相当する。通信インタフェース１００６は、位置情報受信部３および環境データ受信部４に相当する。

本発明の実施形態の予測装置１は、例えば、コンピュータ１０００によって実現される。予測装置１の動作は、予測プログラムの形式で補助記憶装置１００３に記憶されている。ＣＰＵ１００１は、その予測プログラムを読みだして、その予測プログラムを記憶装置１００２に展開し、その予測プログラムに従って、上記の実施形態で説明した処理を実行する。

補助記憶装置１００３は、一時的でない有形の媒体の例である。一時的でない有形の媒体の他の例として、インタフェース１００４を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、ＣＤ－ＲＯＭ（Compact Disk Read Only Memory ）、ＤＶＤ－ＲＯＭ（Digital Versatile Disk Read Only Memory ）、半導体メモリ等が挙げられる。

また、各構成要素の一部または全部は、汎用または専用の回路（circuitry ）、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各構成要素の一部または全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。

各構成要素の一部または全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。

次に、本発明の概要を説明する。図５は、本発明の予測装置の概要を示すブロック図である。本発明の予測装置は、予測手段７７と、出力手段７８とを備える。

予測手段７７（例えば、予測部７）は、衛星からゴルフ場を撮像することによって得られた衛星画像から導出されるデータと、そのゴルフ場で用いられるカートに取り付けられた第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報およびそのゴルフ場でプレイするプレイヤーが保持する第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータと、そのゴルフ場の環境データとに基づいて、そのゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測する。

出力手段７８（例えば、出力部８）は、整備を必要とする場所を示す情報を出力する。

そのような構成により、ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測することができる。

また、衛星画像から導出されるデータは、地面への芝の付き具合、芝の活性度、芝の草丈、土壌水分量のうちの少なくとも一部を含み、第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報および第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータは、カートの移動軌跡、プレイヤーの移動軌跡、および、プレイヤーが打ったボールの落下点のうちの少なくとも一部を含み、環境データは、季節を示すデータ、気温を示すデータ、および、天候を示すデータのうちの少なくとも一部を含んでいてもよい。

予測手段７７は、将来、整備を必要とする場所として、将来、芝がダメージを受ける場所を予測してもよい。

予測手段７７は、将来、整備を必要とする場所として、将来、芝の病害が発生する場所を予測してもよい。

本発明は、ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測する予測装置に好適に適用される。

１ 予測装置
２ 衛星画像受信部
３ 位置情報受信部
４ 環境データ受信部
５ 第１のデータ導出部
６ 第２のデータ導出部
７ 予測部
８ 出力部
２１ 人工衛星
３１ 第１のＧＰＳ装置
３２ 第２のＧＰＳ装置
４１ 環境データ観測装置

Claims (8)

1. 衛星からゴルフ場を撮像することによって得られた衛星画像から導出されるデータと、前記ゴルフ場で用いられるカートに取り付けられた第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報および前記ゴルフ場でプレイするプレイヤーが保持する第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータと、前記ゴルフ場の環境データとに基づいて、前記ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測する予測手段と、
   前記整備を必要とする場所を示す情報を出力する出力手段とを備える
   ことを特徴とする予測装置。
2. 前記衛星画像から導出されるデータは、地面への芝の付き具合、芝の活性度、芝の草丈、土壌水分量のうちの少なくとも一部を含み、
   前記第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報および前記第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータは、前記カートの移動軌跡、前記プレイヤーの移動軌跡、および、前記プレイヤーが打ったボールの落下点のうちの少なくとも一部を含み、
   前記環境データは、季節を示すデータ、気温を示すデータ、および、天候を示すデータのうちの少なくとも一部を含む
   請求項１に記載の予測装置。
3. 前記予測手段は、
   将来、整備を必要とする場所として、将来、芝がダメージを受ける場所を予測する
   請求項１または請求項２に記載の予測装置。
4. 前記ゴルフ場を分割して定められるエリア毎に、将来の芝のダメージの程度を示すダメージ指標値が割り当てられ、
   前記予測手段は、
   前記衛星画像から導出されるデータ、前記第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報および前記第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータ、および、前記環境データに応じて、エリア毎にダメージ指標値を増加させ、
   ダメージ指標値が閾値以上になったエリアを、将来、芝がダメージを受ける場所として予測する
   請求項３に記載の予測装置。
5. 前記予測手段は、
   将来、整備を必要とする場所として、将来、芝の病害が発生する場所を予測する
   請求項１から請求項４のうちのいずれか１項に記載の予測装置。
6. 前記ゴルフ場を分割して定められるエリア毎に、将来、芝の病害が発生する可能性の程度を示す病害指標値が割り当てられ、
   前記予測手段は、
   前記衛星画像から導出されるデータ、前記第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報および前記第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータ、および、前記環境データに応じて、エリア毎に病害指標値を増加させ、
   病害指標値が閾値以上になったエリアを、将来、芝の病害が発生する場所として予測する
   請求項５に記載の予測装置。
7. 衛星からゴルフ場を撮像することによって得られた衛星画像から導出されるデータと、前記ゴルフ場で用いられるカートに取り付けられた第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報および前記ゴルフ場でプレイするプレイヤーが保持する第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータと、前記ゴルフ場の環境データとに基づいて、前記ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測し、
   前記整備を必要とする場所を示す情報を出力する
   ことを特徴とする予測方法。
8. コンピュータに、
   衛星からゴルフ場を撮像することによって得られた衛星画像から導出されるデータと、前記ゴルフ場で用いられるカートに取り付けられた第１のＧＰＳ装置から得られる位置情報および前記ゴルフ場でプレイするプレイヤーが保持する第２のＧＰＳ装置から得られる位置情報から導出されるデータと、前記ゴルフ場の環境データとに基づいて、前記ゴルフ場で、将来、整備を必要とする場所を予測する予測処理、および、
   前記整備を必要とする場所を示す情報を出力する出力処理
   を実行させるための予測プログラム。

Images