JP2023108179A - ゴム組成物およびそれを用いたゴム部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃焼時に発煙性が低く、有毒なハロゲン系ガスの発生がなく、ホース、ガスケット、パッキン等の用途に適した耐候性、耐熱性、耐オゾン性等の物性を有する非ハロゲン系難燃性ゴム組成物を提供する。【解決手段】 エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムと、難燃剤としてイントメッセント系のリン酸塩と、可塑剤として溶解度パラメーター(SP値)が8.5(cal/cm3)1/2未満のリン酸エステル系可塑剤とを含有するゴム組成物であって、イントメッセント系のリン酸塩の配合量が、ゴム組成物の全体積を基準として25体積%以上であり、リン酸エステル系可塑剤の配合量が、エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、1重量部より大きく、30重量部以下である、ゴム組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性が要求される環境下にて使用されるゴム組成物及びゴム部材に関する。より具体的には、難燃性が要求される環境下にてホース、ガスケット、パッキン等として用いるのに好適な難燃性ゴム組成物及びゴム部材に関する。
ゴム素材に難燃性を付与しようとする場合、原料となるゴム組成物中に難燃剤を配合する技術が知られている。難燃剤としては、リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、水和金属化合物系難燃剤などが公知であり、特にハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンを併用すると優れた難燃効果が得られることが一般的に知られている。しかしながら、近年では環境意識の高まりから、難燃性を向上しつつも、燃焼時の発煙性が低いこと(低発煙性)、燃焼時の有毒ガスの発生をより低減させることが求められている。このような観点からは、ハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンを併用する技術では、環境面で問題がある。
特許文献1は、ゴム成分として、ポリクロロプレンゴムおよび天然ゴムを含有し、難燃剤としてイントメッセント系のリン酸塩を用い、ハロゲン系難燃剤および三酸化アンチモンを含まず、燃焼時に発煙性が低く、燃焼時の有毒ガスの発生が少ない環境面に配慮された鉄道用車両用緩衝ゴム用ゴム組成物を提供する。
当該組成物には、難燃剤として非ハロゲン系のイントメッセント系難燃剤が用いられているが、ポリクロロプレンゴムや天然ゴムを、ホース、ガスケット、パッキン等として用いるには、耐候性、耐熱性、耐オゾン性等の物性面で不十分である。また、ポリクロロプレンゴム成分は塩素を含むため、完全な非ハロゲン系のゴム組成物とは言えず、燃焼によりハロゲンを放出するので、環境面に配慮したゴム組成物とは言えない。一方、水和金属化合物系難燃剤をエチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムに用いた場合には、十分な難燃性を得ることは困難である。
特開2019-1833号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ポリクロロプレンゴムおよび天然ゴム以外のゴム素材を用い、燃焼時に発煙性が低く、有毒なハロゲン系ガスの発生がなく、ホース、ガスケット、パッキン等の用途に適した耐候性、耐熱性、耐オゾン性等の物性を有する非ハロゲン系難燃性ゴム組成物を提供することである。
本発明者は、ゴム成分として塩素等のハロゲンを含まないゴム素材を採用し、難燃剤として特定のリン酸塩を特定の配合量で用い、可塑剤として特定のリン酸エステル系可塑剤を特定の配合量で用いることにより、上記課題を解決したものである。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムと、難燃剤としてイントメッセント系のリン酸塩と、可塑剤として溶解度パラメーター(SP値)が8.5(cal/cm1/2未満のリン酸エステル系可塑剤とを含有するゴム組成物であって、
イントメッセント系のリン酸塩の配合量が、ゴム組成物の全体積を基準として25体積%以上であり、
リン酸エステル系可塑剤の配合量が、エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、1重量部より大きく、30重量部以下である、
ゴム組成物。
[2] 前記エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムが、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)およびエチレン・ブテン・ジエン共重合体(EBDM)からなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載のゴム組成物。
[3] 前記イントメッセント系のリン酸塩は、リン酸マグネシウムおよびリン酸アンモニウムを含有する、[1]または[2]に記載のゴム組成物。
[4] [1]~[3]のいずれか1項に記載のゴム組成物を架橋成形してなるゴム部材。
本発明によれば、難燃性が要求される環境において、燃焼時に発煙性が低く、有毒なハロゲン系ガスを発生させない環境面に配慮したホース、ガスケット、パッキン等に好適な難燃性ゴム組成物を提供することができる。
本発明に係るゴム組成物は、
エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムと、難燃剤としてイントメッセント系のリン酸塩と、可塑剤として溶解度パラメーター(SP値)が8.5(cal/cm1/2未満のリン酸エステル系可塑剤とを含有するゴム組成物であって、
イントメッセント系のリン酸塩の配合量が、ゴム組成物の全体積を基準として25体積%以上であり、
リン酸エステル系可塑剤の配合量が、エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、1重量部より大きく、30重量部以下である、
ゴム組成物である。以下、順に説明する。
[エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム]
エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムにおけるα-オレフィンとしては、炭素原子数3~20のα-オレフィンが好ましく、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン等の直鎖状α-オレフィンや3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン等の分岐状α-オレフィンが挙げられる。好ましくは、プロピレン、又は1-ブテンである。
非共役ポリエンとしては、例えば、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2-ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(4-ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2-ノルボルネン、5-(5-ヘプテニル)-2-ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン、1,3,7-オクタトリエン、1,4,9-デカトリエン、6,10-ジメチル-1,5,9-ウンデカトリエン、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、13-エチル-9-メチル-1,9,12-ペンタデカトリエン、8,14,16-トリメチル-1,7,14-ヘキサデカトリエン、4-エチリデン-12-メチル-1,11-ペンタデカジエン等のトリエンが挙げられる。好ましくは鎖状又は環状の非共役ジエンである。
したがって、エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムは、好ましくは、エチレン-プロピレン-非共役ジエン共重合体(EPDM)及びエチレン-ブテン-非共役ジエン共重合体(EBDM)からなる群より選択される少なくとも一種である。
[イントメッセント系リン酸塩]
本発明においては、難燃剤として、イントメッセント系のリン酸塩を使用する。
イントメッセント系のリン酸塩は、エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムの燃焼時に、ゴム表面にイントメッセント(発泡膨張層(intumescent))を形成し、断熱効果と高いガス遮断効果により、ゴムの熱による分解促進および分解ガス発生による燃焼場への燃料供給を抑制して燃焼サイクルを停止させることにより、ゴムの難燃性を向上させる。
塩を構成するリン酸としては、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸などの無機リン酸;ホスホン酸、ホスフィニコカルボン酸などの有機リン酸が挙げられる。これらのうち、オルトリン酸が好ましい。リン酸塩としては、特にリン酸マグネシウムやリン酸アンモニウムを使用することが好ましい。なお、リン酸は縮合されたもの(ポリリン酸)とすることもできる。ポリリン酸としては、鎖状ポリリン酸、環状ポリメタリン酸などが挙げられる。これらポリリン酸の縮合度は通常3~50である。
リン酸マグネシウムやリン酸アンモニウムなどを含有する難燃剤として、例えばADEKA社製の「FP-2500S」などが挙げられる。
本発明において、難燃性(UL94V規格で、V-0相当)を得るためには、ゴム組成物に対して、イントメッセント系のリン酸塩を25体積%以上含有することが好ましい。
[可塑剤]
可塑剤としては、難燃性を阻害しないという観点からリン酸エステル系の可塑剤を用いることが好ましい。
エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムとの相溶性からリン酸エステル系可塑剤のSP値(溶解度パラメーター)が8.4(cal/cm1/2以下が好ましい。SP値(溶解度パラメーター)が8.4(cal/cm1/2より大きい場合や、30重量部より多い場合は、エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムとの相溶性が悪く、ゴム組成物から可塑剤が滲みだすブリードという現象が発生し、混練り加工性の低下や、加硫時の金型汚染による不良率の増加、金属との接着に不具合を引き起こす。また、製品としては、外観不良として扱われる。
ここで、SP値とは、溶解度パラメータであって、蒸発線熱や溶解度等からの測定値や、Small、Fedors、又はHansenによる計算法等、非常に多くのデータが提案されているが、本発明では、広く知られるHoy法による値を用いる。Hoy法の文献としては、H.L.Hoy:J.Paint Tech.,42(540),76-118(1970)や、SP値 基礎・応用と計算方法(山本、情報機構、2005)が挙げられる。
Figure 2023108179000001
リン酸エステル系可塑剤の具体例としては、トリブチルホスフェート(TBP)、トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェート(TOP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)などが挙げられる。
エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムを100重量部としたとき、リン酸エステル系可塑剤は30重量部以下が好ましい。
[その他添加剤]
本発明に係るゴム組成物には、ゴム成分、リン酸塩および可塑剤以外に、カーボンブラックおよびクレーなどの充填材、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤など通常ゴム工業で使用される配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲において適宜配合し用いることができる。
[カーボンブラック]
本発明に係るゴム組成物中にカーボンブラックを充填剤として配合することにより、得られるゴム部材の破断強度等の力学特性を向上させることができる。カーボンブラックには様々な種類があり、用途によって適切なものが選択されて用いられる。カーボンブラックとしては、公知のものを使用することができ、一般的にゴムによく用いられるファーネスブラックであるSAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、GPF、SRF等が挙げられる。カーボンブラックは、単独で用いてもよく、2種以上をブレンドしてもよい。
カーボンブラックは、本発明に係るゴム組成物中のエチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、好ましくは10重量部以上、より好ましくは20重量部以上、好ましくは120重量部以下、より好ましくは80重量部以下の量で配合される。
本発明で使用可能なカーボンブラックとしては各種の市販品があるが、具体的には、旭#60、#60U、#50、#50U、#51、#35(以上、旭カーボン株式会社)、ショウブラックN762(昭和キャボット株式会社)、シーストS(東海カーボン株式会社)、ダイアブラックR、ダイアブラックN760M(以上、三菱ケミカル株式会社)等のSRFグレードのカーボンブラックが挙げられる。
[加硫剤]
加硫剤としては、有機過酸化物等を用いることができる。有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのようなものでも使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化(貼り合わせ)温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上のものが好ましい。分解温度が70℃未満では、ゴム練り時あるいはゴム成形時の加工性が悪化してしまうことがある。
有機過酸化物としては、パーオキシカーボネート類、ジアシルパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類などがある。
有機過酸化物の具体例としては、
2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、
2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、
t-ブチルクミルパーオキサイド、
2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、
ジクミルパーオキサイド、
α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、
2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン、
1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
t-ブチルパーオキシベンゾエート、
ベンゾイルパーオキサイド、
t-ブチルパーオキシアセテート、
メチルエチルケトンパーオキサイド、
2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、
メチルエチルケトンパーオキサイド、
2,5-ジメチルヘキシル-2,5-ビスパーオキシベンゾエート、
t-ブチルハイドロパーオキサイド、
p-メンタンハイドロパーオキサイド、
p-クロロベンゾイルパーオキサイド、
ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、
クロロヘキサノンパーオキサイド、
オクタノイルパーオキサイド、
デカノイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、
クミルパーオキシオクトエート、
コハク酸パーオキサイド、
アセチルパーオキサイド、
t-ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)、
m-トルオイルパーオキサイド、
t-ブチルパーオキシイソブチレート、及び
2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイドを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
有機過酸化物は一種使用してもよく、二種以上組み合わせて使用しても良い。また、これらは、シリカや炭酸カルシウムを担持体とした希釈品やマスターバッチ品として使用することもできる。これらはいずれも市販品として入手可能である(例えば、日本油脂株式会社製パークミルD、パークミルD-40、パークミルD-40MB)。
有機過酸化物の配合量は特に限定されない。好ましくは、有機過酸化物の配合量は、本発明に係るゴム組成物中のエチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、1重量部以上、10重量部以下である。
[加硫促進剤]
加硫促進剤としてトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジアリルフタレート、キノンジオキシム類、ビスマレイミド類、ジメタクリル酸金属塩、ジアクリル酸金属塩、イオウ化合物、1,2-ポリブタジエンなどを用いることができる。これらはいずれも市販品として入手可能である(例えば、三新化学工業株式会社製、サンエステルTMP)。
加硫促進剤の配合量は特に限定されない。好ましくは、加硫促進剤の配合量は、本発明に係るゴム組成物中のエチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、通常0.1~10重量部、好ましくは0.5~5重量部である。
[加硫促進助剤]
加硫促進助剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、及び綿実脂肪酸などの脂肪酸、並びに酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、鉛丹、鉛白、リサージ、ハイドロタルサイト、及び亜鉛華などの金属酸化物などが挙げられる。
加硫促進助剤の添加量は、用いられる架橋剤に応じて設定されるが、本発明に係るゴム組成物中のエチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、通常0.1~10重量部、好ましくは0.5~3重量部である。
[加硫遅延剤]
加硫遅延剤としては、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、N-ニトロソジフェニルアミン、N-(シクロヘキシルチオ)-フタルイミド(CTP)、スルホンアミド誘導体、ジフェニルウレア、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトール-ジホスファイト等が例示され、N-(シクロヘキシルチオ)-フタルイミド(CTP)が挙げられる。
加硫遅延剤の配合量は特に限定されない。好ましくは、加硫遅延剤の配合量は、本発明に係るゴム組成物中のエチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、通常0.1~10重量部、好ましくは0.5~3重量部である。
[軟化剤]
軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチなどのコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの植物油系軟化剤;トール油、サブ、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類;ビス(2-エチルヘキシル)セバケートなどの脂肪族二塩基酸エステル;トリス(2-エチルヘキシル)ホスフェートなどの正リン酸エステル;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛などの脂肪酸及び脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などの合成高分子物質などが挙げられる。これらはいずれも市販品として入手可能である。
軟化剤の配合量は特に限定されない。好ましくは、軟化剤の配合量は、本発明に係るゴム組成物中のエチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、通常0.1~10重量部、好ましくは0.5~3重量部である。
[老化防止剤]
老化防止剤としては、公知のものを用いることができ、アミン-ケトン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、アミン系老化防止剤などを挙げることができる。
市販品として具体的には、ノクラックCD(大内新興化学工業株式会社製、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン)、ノクラック224(大内新興化学工業株式会社製、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体)等が挙げられる。
老化防止剤の配合量は特に限定されない。好ましくは、老化防止剤の配合量は、本発明に係るゴム組成物中のエチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、通常0.1~10重量部、好ましくは0.5~5重量部である。
[加工助剤]
加工助剤については目的に応じたものを選定すればよく、一般的によく知られている高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド類、炭化水素類等を単独、もしくは2種以上を併用して用いてもよい。これらはいずれも市販品として入手可能である。
加工助剤の配合量は特に限定されない。好ましくは、老化防止剤の配合量は、本発明に係るゴム組成物中のエチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、0.1~10重量部である。また、シリカ、炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸アルミニウムなどを補強剤として用いてもよい。
[ゴム組成物の調製方法]
本発明に係るゴム組成物は、公知のゴム組成物の調製方法を用いて、上記成分を配合することによって調製することができる。例えば、バンバリーミキサー、単軸あるいは2軸の押出機、ニーダー、インターミックスなどのインターナルミキサーなど公知の混合機を用いて、軟化剤、補強剤、老化防止剤などとエチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムとを、80~170℃の温度で3~10分間混練し、次いで、オープンロールなどのロ-ル類あるいはニーダーを用いて、温度40~80℃で必要に応じて架橋剤、架橋促進剤、加工助剤などを加えて、5~30分間混練することにより調製することができる。
本発明に係るゴム組成物は、ジョイントシートガスケット、ゴムシートガスケット、ヘルールガスケット(サニタリーガスケット)、うず巻形ガスケット(セミメタリックガスケット)、メタルジャケット形ガスケット、メタルジョイント等のガスケット類、グランドパッキン、メカニカルシール、オイルシール等のパッキン類、Oリング等に用いられるゴム部材の製造のために特に適している。
[ゴム部材]
混練して得られたゴム組成物は、公知の押出成形機、圧縮成形機、射出成形機、トランスファ成形機などによって所望のゴム部材に架橋成形することができる。成形条件は、例えば150~220℃、1~30分である。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明は以下の実施例及び比較例に限定されるものではない。
<ゴム組成物の調製方法>
〇ゴム組成物の製造方法
ゴム100重量部に対して、表1の配合処方に従い、実施例1~6、比較例1~6のゴム組成物を配合し、6インチオープンロールにて混練りし、ゴム組成物を調製した。
表1に記載の各配合物の詳細を以下に示す。
a)ゴム成分
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM);住友化学株式会社製、商品名「エスプレン501A」
b)難燃剤
イントメッセント系のリン酸塩(リン酸マグネシウムおよびリン酸アンモニウム含有);株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブFP-2500S」
c)カーボンブラック;旭カーボン株式会社製、「旭60U」
d)可塑剤
リン酸エステル系可塑剤;大八化学工業株式会社製、
商品名「TOP」SP値 8.2
商品名「TBP」SP値 8.6
商品名「TCP」SP値 9.9
セバシン酸エステル系可塑剤;大八化学工業株式会社製、
商品名「DOS」SP値 8.4
e)老化防止剤;大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック224」
f)加工助剤
ステアリン酸;新日本理化株式会社製、商品名「ステアリン酸50S」
g)加硫剤
有機過酸化物;日油株式会社製、商品名「パークミルD40」
h)加硫促進剤;三新化学工業株式会社製、商品名「サンエステルTMP」
Figure 2023108179000002
<試験片作成方法及び試験条件>
〇試験片作成条件
混練して得られたゴム組成物をプレス成形機により、架橋させることで2mm厚のシート状テストピースを得た。
〇試験条件:
(常態物性)
ゴム部材の硬さは、JIS K6253に準拠して、デュロメーター硬さタイプAにより測定した。
ゴム部材の引張強度、伸び、100%モジュラス値は、JIS K6251に準拠して測定した。
試験片は、JIS K 6251に基づき、ダンベル5号形を使用した。
(難燃性試験)
ゴム部材の難燃性は、UL94V規格に準拠して測定した。
所定の大きさの試験片(13mm×125mm×2mm)を上記シート状テストピースから切り出し、その試験片について、UL94V規格に準拠した垂直燃焼試験を行った。具体的には、試験片を所定のクランプに垂直に取り付け、20mm炎による10秒間接炎を2回行い、その燃焼挙動により、判定を行った。UL94V規格の「V-0相当」を○とし、それ以外を×とした。
(ゴム加硫物の外観)
ゴム加硫物の外観を目視にて観察し、可塑剤の滲みだし(ブリード)が見られなかったものを○とし、滲みだしが見られたものを×とした。
(圧縮永久ひずみ試験)
耐熱性の評価はJIS K 6262:2018の圧縮永久ひずみ試験を用いる。
25%圧縮、150℃の環境下で70時間試験を行い、その際の圧縮永久ひずみが40%以下を耐熱性ありとし、○とした。測定不能とは、未加硫ゴムのブリードにより試験片が作製できなかった。
本発明によれば、難燃性が要求される環境において、燃焼時に発煙性が低く、有毒なハロゲン系ガスを発生させない環境面に配慮したホース、ガスケット、パッキン等に好適な難燃性ゴム組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムと、難燃剤としてイントメッセント系のリン酸塩と、可塑剤として溶解度パラメーター(SP値)が8.5(cal/cm1/2未満のリン酸エステル系可塑剤とを含有するゴム組成物であって、
    イントメッセント系のリン酸塩の配合量が、ゴム組成物の全体積を基準として25体積%以上であり、
    リン酸エステル系可塑剤の配合量が、エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴム100重量部に対し、1重量部より大きく、30重量部以下である、
    ゴム組成物。
  2. 前記エチレン-α-オレフィン-非共役ポリエン系共重合体ゴムが、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)およびエチレン・ブテン・ジエン共重合体(EBDM)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記イントメッセント系のリン酸塩は、リン酸マグネシウムおよびリン酸アンモニウムを含有する、請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のゴム組成物を架橋成形してなるゴム部材。
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