JP2023107638A - 導電体表面用撥水剤、導電体表面の撥水化方法、導電体表面を有する領域を選択的に撥水化する方法、表面処理方法、及び基板表面の領域選択的製膜方法 - Google Patents

導電体表面用撥水剤、導電体表面の撥水化方法、導電体表面を有する領域を選択的に撥水化する方法、表面処理方法、及び基板表面の領域選択的製膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導電体表面を良好に撥水化することが可能な導電体表面用撥水剤、並びに前記導電体表面用撥水剤を用いた導電体表面の撥水化方法、導電体表面を有する領域を選択的に撥水化する方法、表面処理方法、及び基板表面の領域選択的製膜方法を提供する。【解決手段】芳香環と、前記芳香環に結合する、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基と、前記芳香環に結合する直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基とを含む化合物(P1)を含有する、導電体表面用撥水剤。【選択図】なし

Description

本発明は、導電体表面用撥水剤、導電体表面の撥水化方法、導電体表面を有する領域を選択的に撥水化する方法、表面処理方法、及び基板表面の領域選択的製膜方法に関する。
近年、半導体デバイスの高集積化、微小化の傾向が高まり、マスクとなる有機パターンやエッチング処理により作製された無機パターンの微細化が進んでおり、原子層レベルの膜厚制御が求められている。
基板上に原子層レベルで薄膜を形成する方法として原子層成長法(ALD (Atomic Layer Deposition)法;以下、単に「ALD法」ともいう。)が知られている。ALD法は、一般的なCVD(Chemical Vapor Deposition)法と比較して高い段差被覆性(ステップカバレッジ)と膜厚制御性を併せ持つことが知られている。
ALD法は、形成しようとする膜を構成する元素を主成分とする2種類のガスを基板上に交互に供給し、基板上に原子層単位で薄膜を形成することを複数回繰り返して所望の厚さの膜を形成する薄膜形成技術である。
ALD法では、原料ガスを供給している間に1層あるいは数層の原料ガスの成分だけが基板表面に吸着され、余分な原料ガスは成長に寄与しない、成長の自己制御機能(セルフリミット機能)を利用する。
例えば、基板上にA1膜を形成する場合、TMA(TriMethy1 A1uminum)からなる原料ガスと酸化ガスが用いられる。また、基板上に窒化膜を形成する場合、酸化ガスの代わりに窒化ガスが用いられる。
近年、ALD法を利用して基板表面に領域選択的に製膜する方法が試みられている。これに伴い、ALD法による基板上の領域選択的な製膜方法に好適に適用し得るように基板表面が領域選択的に改質された基板が求められている。製膜方法において、ALD法を利用することにより、パターニングの原子層レベルの膜厚制御、ステップカバレッジ及び微細化が期待される。
例えば、非特許文献1には、オクタデシルホスホン酸の自己組織化単層膜(Self Assembled Monolayers:SAM)を形成することにより、ALD法による製膜を領域選択的に阻害することが記載されている。
Dara Bobb-Semple, Katie Lynn Nardi, Nerissa Draeger, Dennis M. Hausmann, and Stacey F. Bent. Area-Selective Atomic Layer Deposition Assisted by Self-Assembled Monolayers: A Comparison of Cu, Co, W, and Ru. Chem. Mater. 2019, 31, 1635-1645.
ALD法を基板表面の領域選択的製膜法では、一般的に、基板表面を領域選択的に撥水化することで、撥水化された基板表面における製膜を阻害する。例えば、導電体表面と絶縁体表面が混在する基板表面において、絶縁体表面に選択的に製膜する場合、導電体表面を選択的に撥水化することが求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、導電体表面を良好に撥水化することが可能な導電体表面用撥水剤、並びに前記導電体表面用撥水剤を用いた導電体表面の撥水化方法、導電体表面を有する領域を選択的に撥水化する方法、表面処理方法、及び基板表面の領域選択的製膜方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の第1の態様は、芳香環と、前記芳香環に結合する、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基と、前記芳香環に結合する直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基とを含む化合物(P1)を含有する、導電体表面用撥水剤である。
本発明の第2の態様は、導電体表面を、第1の態様の導電体表面用撥水剤に曝露することを含む、導電体表面の撥水化方法である。
本発明の第3の態様は、互いに材質が異なる2以上の領域を含む表面を有し、前記2以上の領域のうち少なくとも1つの領域が導電体表面を有する基板において、前記導電体表面を有する領域を選択的に撥水化する方法であって、前記基板の前記表面を、第1の態様の導電体表面用撥水剤に曝露することを含む、方法である。
本発明の第4の態様は、互いに材質が異なる2以上の領域を含む表面を有し、前記2以上の領域のうち少なくとも1つの領域が導電体表面を有する基板に対する表面処理方法であって、前記表面を、第1の態様の導電体表面用撥水剤に曝露することを含む、表面処理方法である。
本発明の第5の態様は、第4の態様の表面処理方法により前記基板の前記表面を処理すること、及び表面処理された前記基板の表面に、原子層成長法により膜を形成すること、を含み、前記原子層成長法による膜形成材料の堆積量が領域選択的に異なっている、基板表面の領域選択的製膜方法である。
本発明によれば、導電体表面を良好に撥水化することが可能な導電体表面用撥水剤、並びに前記導電体表面用撥水剤を用いた導電体表面の撥水化方法、導電体表面を有する領域を選択的に撥水化する方法、表面処理方法、及び基板表面の領域選択的製膜方法が提供される。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
本明細書及び本特許請求の範囲において、化学式で表される構造によっては、不斉炭素が存在し、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在し得るものがある。その場合は一つの化学式でそれら異性体を代表して表す。それらの異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
<第1の態様:導電体表面用撥水剤>
本発明の第1の態様は、導電体表面用撥水剤である。本態様の導電体表面用撥水剤は、芳香環と、前記芳香環に結合する、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基と、前記芳香環に結合する直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基とを含む化合物(P1)を含有する。
(化合物(P1))
化合物(P1)は、芳香環と、前記芳香環に結合する、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基と、前記芳香環に結合する直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基とを含む化合物である。
化合物(P1)が含む芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。芳香環は、芳香族炭化水素環であってもよく、芳香族複素環であってもよい。芳香族複素環が含むヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環の具体例としては、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香環は、芳香族炭化水素環が好ましく、1個又は2個のベンゼン環を含む芳香環がより好ましい。芳香環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環が挙げられる。
芳香環には、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基と、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基とが結合している。前記吸着基は、芳香環を構成する炭素原子に直接結合している。前記アルキル基又はフッ素化アルキル基は、芳香環を構成する炭素原子に直接結合している。
「吸着基」は、導電体表面に対して、吸着性を有する官能基である。化合物(P1)で導電体表面を処理した場合、化合物(P1)は、吸着基により導電体表面に吸着し、SAMを形成することができる。化合物(P1)において、吸着基は、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される。酸無水物基としては、コハク酸無水物基が挙げられる。吸着基としては、アミノ基、チオール基、ホスホン酸基、酸無水物基が好ましく、アミノ基、チオール基、ホスホン酸基がより好ましく、アミノ基、チオール基がさらに好ましく、アミノ基が特に好ましい。
芳香環に結合する吸着基は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。芳香環がベンゼン環である場合、吸着基の数としては、1~5個、1~4個、1~3個、1個、又は2個が挙げられる。芳香環がナフタレン環である場合、吸着基の数としては、1~7個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、1個、又は2個が挙げられる。芳香環がビフェニル環である場合、吸着基の数としては、1~9個、1~8個、1~7個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、1個、又は2個が挙げられる。吸着基の数は、1~4個が好ましく、1~3個がより好ましく、1個又は2個がさらに好ましく、1個が特に好ましい。
芳香環に吸着基が複数結合する場合、複数の吸着基は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
芳香環に結合する直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基は、例えば、炭素原子数1~45が好ましく、炭素原子数1~40がより好ましく、炭素原子数1~35がさらに好ましい。アルキル基又はフッ素化アルキル基のアルキル基が分岐鎖状である場合、炭素原子数3~45が好ましく、炭素原子数3~40がより好ましく、炭素原子数3~35がさらに好ましい。前記アルキル基又はフッ素化アルキル基の炭素原子数は、特に限定されないが、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、12以上、14以上、又は16以上であってもよく、45以下、40以下、35以下、30以下、28以下、26以下、24以下、22以下、又は20以下であってもよい。前記アルキル基又はフッ素化アルキル基の炭素原子数は、5~45、5~40、5~35、8~35、又は8~30の範囲であってもよい。前記吸着基がホスホン酸基である場合、前記アルキル基又はフッ素化アルキル基の炭素原子数は、5以上であってもよく、炭素原子数5~45が好ましく、炭素原子数5~40がより好ましく、炭素原子数5~35がさらに好ましい。
直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、及び前記アルキル基の各異性体等が挙げられる。
直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基は、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された基である。直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基としては、上述の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基において、フッ素置換される水素原子の割合は特に限定されない。フッ素化アルキル基は、パーフルオロアルキル基であってもよい。
芳香環に結合する直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。芳香環がベンゼン環である場合、前記アルキル基又はフッ素化アルキル基の数としては、1~5個、1~4個、1~3個、1個、又は2個が挙げられる。芳香環がナフタレン環である場合、前記アルキル基又はフッ素化アルキル基の数としては、1~7個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、1個、又は2個が挙げられる。芳香環がビフェニル環である場合、前記アルキル基又はフッ素化アルキル基の数としては、1~9個、1~8個、1~7個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、1個、又は2個が挙げられる。前記アルキル基又はフッ素化アルキル基の数は、1~4個が好ましく、1~3個がより好ましく、1個又は2個がさらに好ましく、1個が特に好ましい。
芳香環にアルキル基又はフッ素化アルキル基が複数結合する場合、複数のアルキル基又はフッ素化アルキル基は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
芳香環において、アルキル基又はフッ素化アルキル基は、吸着基に対する干渉を避ける観点から、吸着基のオルト位に結合しないことが好ましい。
化合物(P1)は、上述の吸着基、及びアルキル基若しくはフッ素化アルキル基以外の他の基を含んでもよい。前記他の基としては、例えば、有機基(直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、及び直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基を除く)が挙げられる。前記有機基としては、置換基を有してもよい炭化水素基が挙げられる。前記炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でもよく、芳香族炭化水素基でもよい。前記炭化水素基の炭素原子数としては、例えば、1~12、1~10、1~8、1~6、1~4、1~3、1又は2が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は、飽和でもよく、不飽和でもよい。脂肪族炭化水素基は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよく、環状構造を含んでもよい。前記環状構造は、単環式でもよく、多環式でもよい。前記環状構造は、脂肪族炭化水素環を含んでもよく、脂肪族複素環を含んでもよい。
芳香族炭化水素基は、単環式でもよく、多環式でもよい。芳香族案化水素基は、芳香族炭化水素環を含んでもよく、芳香族複素環を含んでもよい。
前記炭化水素基が有してもよい置換基としては、上述の吸着基以外の官能基が挙げられる。置換基の具体例としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられるが、これらに限定されない。
化合物(P1)としては、下記一般式(P1-1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023107638000001
[式中、Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基を表し;Rは、有機基(但し、Rに該当するものは除く)を表し;Aは、ベンゼン環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基、ナフタレン環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基、又はビフェニル環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基を表し;Xは、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基を表し;n0及びnxは、それぞれ独立に、1以上の整数を表し;n1は0以上の整数を表す。但し、Aがベンゼン環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基である場合、n0+n1+nx≦6であり;Aがナフタレン環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基である場合、n0+n1+nx≦8であり;Aがビフェニル環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基である場合、n0+n1+nx≦10である。n0が2以上のとき、複数存在するRは互いに同じでもよく、異なってもよく;n1が2以上のとき、複数存在するRは互いに同じでもよく、異なってもよく;nxが2以上のとき、複数存在するxは互いに同じでもよく、異なってもよい。]
前記式(P1-1)中、Aは、ベンゼン環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基、ナフタレン環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基、又はビフェニル環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基を表す。
前記式(P1-1)中、Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基を表す。
における直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基としては、上述の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基と同様のものが挙げられる。
は、直鎖状のアルキル基又は直鎖状のフッ素化アルキル基が好ましく、炭素原子数1~30の直鎖状のアルキル基又は直鎖状のフッ素化アルキル基がより好ましい。Rの具体例としては、n-オクタデシル基が挙げられる。
前記式(P1-1)中、Xは、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基を表す。酸無水物基としては、コハク酸無水物基が挙げられる。
前記式(P1-1)中、Rは、有機基(但し、Rに該当するものは除く)を表す。
における有機基としては、上述の有機基と同様のものが挙げられる。
前記式(P1-1)中、n0及びnxは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。n0及びnxは、1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。
前記式(P1-1)中、n1は0以上の整数を表す。n1は、0~4が好ましく、0~3がより好ましく、0~2がさらに好ましく、0又は1が特に好ましい。
n0が2以上のとき、複数存在するRは互いに同じでもよく、異なってもよい。nxが2以上のとき、複数存在するxは互いに同じでもよく、異なってもよい。n1が2以上のとき、複数存在するRは互いに同じでもよく、異なってもよい。
化合物(P1)は、下記一般式(P1-1-1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2023107638000002
[式中、Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基を表し;Xは、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基を表し;nは0又は1を表す。]
前記式(P1-1-1)中、R及びXは、前記式(P1-1)中のR及びXと同じである。
前記式(P1-1-1)中、nは、0又は1を表す。nは0が好ましい。
化合物(P1)の好ましい例を以下に示す。式中、R及びXは、前記式(P1-1)中のR及びXと同じである。
Figure 2023107638000003
Figure 2023107638000004
Figure 2023107638000005
Figure 2023107638000006
Figure 2023107638000007
化合物(P1)の具体例としては、4-n-オクタデシルアニリン、4-n-ペンチルアニリン、4-n-ヘキシルアニリン、4-n-ヘプチルアニリン、4-n-オクチルアニリン、4-n-ノニルアニリン、4-n-デシルアニリン、4-n-ドデシルアニリン、4-n-テトラデシルアニリン、4-n-ペンタデシルアニリン、4-n-ヘキサデシルアニリン、4-メチルベンゼンチオール、4-n-プロピルベンゼンチオール、4-t-ブチルベンゼンチオール、4-n-ペンチルベンゼンチオール、及び4-n-ドデシルベンゼンチオールが挙げられ、4-n-オクタデシルアニリン又は4-メチルベンゼンチオールが好ましい。
化合物(P1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
導電体表面用撥水剤における、化合物(P1)の含有量は、導電体表面用撥水剤の全質量に対し、0.0001~5質量%が好ましく、0.001~4質量%がより好ましく、0.005~3質量%が更に好ましく、0.008~3質量%がさらに好ましい。
化合物(P1)の含有量が前記好ましい範囲内であると、化合物(P1)が導電体表面に吸着しやすくなり、導電体表面の撥水性が向上する。
本実施形態の導電体表面用撥水剤は、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、及びベンゼンチオールを含まないものであってもよい。本実施形態の導電体表面用撥水剤は、化合物(P1)以外のSAM形成材料を含まないものであってもよい。
(任意成分)
本実施形態の導電体表面用撥水剤は、化合物(P1)に加えて、任意成分を含有してもよい。任意成分としては、例えば、有機溶剤、及び水が挙げられる。
≪有機溶剤(S)≫
本実施形態の導電体表面用撥水剤は、有機溶剤(S)を含有することが好ましい。
有機溶剤は、特に限定されないが、比誘電率35以下のものが好ましい。有機溶剤としては、例えば、メタノール(比誘電率:33)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)(比誘電率:13.70)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PE)(比誘電率:12.71)、ベンジルアルコール(比誘電率:13)、2-ヘプタノン(比誘電率:11.74)、酢酸ブチルグリコール(比誘電率:8.66)、tert-ブチルアルコール(比誘電率:12.5)、1-オクタノール(比誘電率:10.21)、イソブタノール(比誘電率:18.22)、ベンゾトリフルオリド(比誘電率:9.18)、デカヒドロナフタレン(比誘電率:2.16)、シクロヘキサン(比誘電率:1.99)、デカン(比誘電率:1.99)、イソブチルアルコール(比誘電率:18.22)、乳酸エチル(EL)(比誘電率:13.22)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(比誘電率:15.76)、1-ノナノール(比誘電率:9.13)、トルエン(比誘電率:2.37)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PM)(比誘電率:9.4)、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)(比誘電率:10.47)、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール(比誘電率:2.98)、2-エチル-1-ブタノール(比誘電率:12.6)、2-ブタノンオキシム(比誘電率:2.9)、n-ジブチルエーテル(比誘電率:3.33)、酪酸ブチル(比誘電率:4.55)、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン(比誘電率:9.82)等が挙げられる。
なかでも、有機溶剤(S)としては、メタノール(比誘電率:33)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)(比誘電率:13.70)、ポリエチレングリコール(PE)(比誘電率:12.71)、ベンジルアルコール(比誘電率:12.70)、2-ヘプタノン(比誘電率:11.74)、酢酸ブチルグリコール(比誘電率:8.66)、tert-ブチルアルコール(比誘電率:12.5)、1-オクタノール(比誘電率:10.21)、イソブタノール(比誘電率:18.22)、及び4-メチル-2-ペンタノール(比誘電率:10.47)等が挙げられるが、これらに限定されない。
有機溶剤の比誘電率は、30以下、25以下、20以下、15以下、13以下、12以下、11以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、又は5以下が好ましい。有機溶剤の比誘電率の下限値は特に限定されず、例えば、0超、0.1以上、0.5以上、又は1以上が挙げられる。
有機溶剤(S)の比誘電率は、市販の液体用誘電率測定装置(例えば、日本ルフト株式会社製「Rufuto Model 871」)等を用いて測定することができる。
有機溶剤(S)のハンセン溶解度パラメータ(dP)は、0~16未満が好ましく、0~15がより好ましく、0~14がさらに好ましい。
有機溶剤(S)のハンセン溶解度パラメータ(dP)が上記の好ましい範囲内であると、導電体表面の撥水性を高めやすい。
有機溶剤(S)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の導電体表面用撥水剤は、比誘電率35超の有機溶剤を含まないものであってもよく、前記例示した有機溶剤の1種以上を含まないものであってもよい。
≪水≫
本実施形態の導電体表面用撥水剤は、撥水性をより向上させて接触角を向上するために、水を含んでもよい。水は、不可避的に混入する微量成分を含んでもよい。水としては、蒸留水、イオン交換水、及び超純水などの浄化処理を施された水が好ましく、半導体製造に一般的に使用される超純水を用いることがより好ましい。
導電体表面用撥水剤が水を含む場合、水の含有量は、0.01~25質量%が好ましく、0.03~20質量%がより好ましく、0.05~15質量%が更に好ましい。
水の含有量が前記好ましい範囲内であると、化合物(P1)が導電体表面に吸着しやすくなる。
本実施形態の導電体表面用撥水剤は、水を含まないものであってもよい。
≪不純物等≫
本実施形態の導電体表面用撥水剤には、例えば、Fe原子、Cr原子、Ni原子、Zn原子、Ca原子、又はPb原子等の金属原子を含む金属不純物が含まれていてもよい。本実施形態の導電体表面用撥水剤における前記金属原子の合計含有量は、導電体表面用撥水剤の全質量に対し、好ましくは100質量ppt以下である。金属原子の合計含有量の下限値は、低いほど好ましいが、例えば、0.001質量ppt以上が挙げられる。金属原子の合計含有量は、例えば、0.001質量ppt~100質量pptが挙げられる。金属原子の合計含有量を前記好ましい上限値以下とすることで、導電体表面用撥水剤の撥水化作用が向上する。金属原子の合計含有量を前記好ましい下限値以上とすることで、金属原子が系中に遊離して存在しにくくなり、処理対象物全体の製造歩留まりに悪影響を与えにくくなると考えられる。
金属不純物の含有量は、例えば、フィルタリング等の精製処理により調整することができる。フィルタリング等の精製処理は、導電体表面用撥水剤を調製する前に、原料の一部又は全部に対して行ってもよく、導電体表面用撥水剤の調製後に行ってもよい。
本実施形態の導電体表面用撥水剤には、例えば、有機物由来の不純物(有機不純物)が含まれていてもよい。本実施形態の導電体表面用撥水剤における前記有機不純物の合計含有量は、好ましくは、5000質量ppm以下である。有機不純物の含有量の下限は、低いほど好ましいが、例えば0.1質量ppm以上が挙げられる。有機不純物の合計含有量としては、例えば、0.1質量ppm~5000質量ppmが挙げられる。
本実施形態の導電体表面用撥水剤には、例えば、光散乱式液中粒子計数器によって計数されるようなサイズの被計数体が含まれていてもよい。被計数体のサイズは、例えば、0.04μm以上である。本実施形態の導電体表面用撥水剤における被計数体の数は、例えば、洗浄液1mLあたり1,000個以下であり、下限値は例えば1個以上である。洗浄液中の被計数体の数が前記範囲内であることにより、導電体表面用撥水剤による撥水化作用が向上すると考えられる。
前記有機不純物及び/又は被計数体は、導電体表面用撥水剤に添加されてもよく、導電体表面用撥水剤の製造工程において不可避的に導電体表面用撥水剤に混入されるものであってもよい。導電体表面用撥水剤の製造工程において不可避的に混入される場合としては、例えば、有機不純物が、導電体表面用撥水剤の製造に用いる原料(例えば、有機溶剤)に含まれる場合、及び、導電体表面用撥水剤の製造工程で外部環境から混入する(例えば、コンタミネーション)場合等が挙げられるが、上記に制限されない。
被計数体を導電体表面用撥水剤に添加する場合、処理対象物の表面粗さ等を考慮して特定のサイズごとに存在比を調整してもよい。
(保存容器)
本実施形態の導電体表面用撥水剤の保存方法は、特に限定されず、保存容器も従来公知のものを使用できる。導電体表面用撥水剤の安定性が確保されるように、容器に保存する際の容器内の空隙率、及び/又は空隙部分を充填するガス種は適宜設定すればよい。例えば、保管容器内の空隙率としては、0.01~30体積%程度が挙げられる。
(被処理体)
本実施形態の導電体表面用撥水剤は、導電体表面を撥水化するために用いられる。「導電体表面」は、導電体で構成される領域の表面である。導電体は、導電性を有する材料であれば、特に限定されない。導電体としては、金属原子を含む材料が挙げられる。導電体としては、例えば、金属(例えば、金属元素の単体)、合金、金属化合物(例えば、窒化物等)が挙げられる。導電体が金属である場合、導電体表面は、金属表面となる。導電体が合金である場合、導電体表面は、合金表面となる。導電体が金属化合物である場合、導電体表面は、導電性金属化合物表面となる。金属表面が含む金属としては、例えば、タングステン、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、及びコバルトが挙げられるが、これらに限定されない。導電性金属化合物表面が含む金属化合物としては、例えば、窒化チタン及び窒化タンタルが挙げられるが、これらに限定されない。金属表面は、タングステン、ルテニウム、銅、アルミニウム、ニッケル及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、ルテニウムを含むことがより好ましい。
導電体表面は、酸化剤により前処理されていてもよい。導電体表面を前処理する酸化剤(以下、「前処理用酸化剤」という場合がある。)としては、導電体表面に存在する自然酸化膜を除去し、導電体表面に水酸基を付与しうるものが挙げられる。前処理用酸化剤としては、例えば、過酸化水素等の過酸化物、過ヨウ素酸等の過ハロゲン酸、硝酸や次亜塩素酸等のオキソ酸等が挙げられる。なかでも、前処理用酸化剤としては、化合物(P1)の吸着性の観点から、過酸化水素及び過ハロゲン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。過酸化水素及び過ハロゲン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種は、SiO、Al等の無機物の表面が導電体表面と併存している場合、該無機物へダメージを与えずに導電体表面を処理する観点からも好ましい。
前処理用酸化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
導電体表面は、オゾン処理されていてもよい。あるいは、オゾン処理後に前処理用酸化剤により処理されていてもよい。
オゾン処理及び/又は前処理用酸化剤で処理された導電体表面は、水酸基で修飾されている。本実施形態の導電体表面用撥水剤は、水酸基で修飾された導電体表面の処理に用いられてもよい。
本実施形態の導電体表面用撥水剤は、互いに材質が異なる2以上の領域を含む表面を有し、前記2以上の領域のうち少なくとも1つの領域が導電体表面を有する基板を処理するために用いられてもよい。
基板の被処理表面は、少なくとも1つの領域が導電体表面を有すればよく、2以上の領域が導電体表面を有してもよい。導電体表面を有する領域が2以上存在する場合、それらの領域は、互いに同じ導電体を含んでもよく、異なる導電体を含んでもよい。
基板の被処理表面は、導電体表面を有する領域に加えて、導電体表面を有さない領域(例えば、絶縁体からなる領域(以下、絶縁体領域という))を含んでもよい。基板の被処理表面は、絶縁体領域を1つ含んでもよく、2以上含んでもよい。絶縁体領域が2以上存在する場合、それらの領域は、互いに同じ材質で構成されてもよく、異なる材質で構成されてもよい。
基板の被処理表面は、導電体表面を有する領域と、絶縁体領域とを、それぞれ1つ以上含むことが好ましい。
絶縁体領域を構成する絶縁体は、絶縁性の化合物から構成される。絶縁性の化合物としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ケイ素(SiOx(1≦X≦2))、フッ素含有酸化ケイ素(SiOF)、炭素含有酸化ケイ素(SiOC)等の酸化物;窒化ケイ素(SiN)、窒化ホウ素(BN)等の窒化物;炭化ケイ素(SiC)等の炭化物;炭窒化ケイ素(SiCN)等の炭窒化物;酸窒化ケイ素(SiON)等の酸窒化物;酸炭窒化ケイ素(SiOCN)等の酸炭窒化物;ポリイミド、ポリエステル、プラスチック樹脂等の絶縁性樹脂等が挙げられる。
基板の表面(被処理表面)は、基板自体の表面のほか、基板上に設けられた無機パターン及び有機パターンの表面、並びにパターン化されていない無機層又は有機層の表面を包含する。
基板上に設けられた無機パターンとしては、フォトレジスト法により基板に存在する無機層の表面にエッチングマスクを作製し、その後、エッチング処理することにより形成されたパターンが挙げられる。無機層としては、基板自体に加えて、基板を構成する元素の酸化膜;基板の表面に形成したSiN、SiOx、W、Co、TiN、TaN、Ge、SiGe、Al、Al、Ni、Ru、Cu、テトラエトキシシラン(TEOS)、Low-k材料及び層間絶縁膜(ILD)等の無機物膜若しくは無機物層等が挙げられる。
無機物膜若しくは無機物層としては、特に限定されないが、例えば、半導体デバイスの作製過程において形成される無機物膜若しくは無機物層等が挙げられる。
基板上に設けられた有機パターンとしては、フォトレジスト等を用いてフォトリソグラフィ一法により基板上に形成された樹脂パターン等が挙げられる。有機パターンは、例えば、基板上にフォトレジストの膜である有機層を形成し、この有機層に対してフォトマスクを通して露光し、現像することによって形成することができる。有機層としては、基板自体の表面の他、基板の表面に設けられた積層膜の表面等に設けられた有機層が挙げられる。このような有機層としては、特に限定されないが、半導体デバイスの作成過程において、エッチングマスクを形成するために設けられる有機物膜が挙げられる。
基板の被処理表面は、少なくとも1つの領域は導電体表面を含有する2以上の領域を含み、2以上の前記領域のうちの近接する領域に関して、互いに材質が異なってもよい。
被処理表面が2つの領域を含む場合、該被処理表面は、導電体表面を含有する第1の領域と、第1の領域とは材質が異なり、第1の領域に隣接する第2の領域(例えば絶縁体領域)とを含んでもよい。この場合、「近接する領域」とは、第1の領域及び第2の領域となる。
第1の領域及び第2の領域は、それぞれ複数の領域に分割されていてもされていなくてもよい。
被処理表面が3つ以上の領域を含む場合、該被処理表面は、導電体表面を含有する第1の領域と、第1の領域とは材質が異なり、第1の領域に隣接する第2の領域(例えば絶縁体領域)と、第2の領域とは材質が異なり、第2の領域に隣接する第3の領域とを含んでもよい。この場合、「近接する領域」とは、第1の領域及び第2の領域(すなわち隣接する領域)であってもよいし、第1の領域及び第3の領域(すなわち先隣の領域)であってもよい。
第1の領域と第3の領域とで材質が相違しない場合(すなわち、第1の領域及び第3の領域がいずれも導電体表面を含有する場合)、「近接する領域」は、第1の領域及び第2の領域、又は第2の領域及び第3の領域(すなわち隣接する領域)となる。
第1の領域、第2の領域及び第3の領域は、それぞれ複数の領域に分割されていてもされていなくてもよい。
被処理表面が第4以上の領域を含む場合についても同様の考え方が適用し得る。
材質が相違する領域数の上限値としては本発明の効果が損なわれない限り特に制限はないが、例えば、7以下又は6以下であり、典型的には5以下である。
本実施形態の導電体表面用撥水剤は、化合物(P1)を含有する。
化合物(P1)は、芳香環に、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基と、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基とが結合した化合物である。化合物(P1)において、アルキル基又はフッ素化アルキル基は疎水性であり、撥水基として機能する。
化合物(P1)は、吸着基により導電体表面に吸着し、自己組織化単分子膜(self-assembled monolayer:SAM)を形成する材料(以下、「SAM剤」という。)として機能する。一方、アルキル基又はフッ素化アルキル基により、撥水機能を発現する。
化合物(P1)では、これらの基が、芳香環に結合していることにより、互いに干渉することなく、導電体表面に対する優れた吸着性と、撥水性とを発揮すると考えられる。
本実施形態の導電体表面用撥水剤は、導電体表面を含む領域に対する選択性が高いため、特に、ALD法を用いた基板表面の領域選択的な製膜に好適に適用できる。
<第2の態様:導電体表面の撥水化方法>
本発明のだい2の態様は、導電体表面の撥水化方法である。本態様の方法は、導電体表面を、第1の態様の導電体表面用撥水剤に曝露することを含む。
導電体表面としては、上記と同様のものが挙げられる。導電体表面は、金属表面が好ましい。
(曝露工程)
導電体表面を導電体表面用撥水剤に曝露する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。導電体表面を導電体表面用撥水剤に曝露する方法としては、例えば、導電体表面を有する被処理体を導電体表面用撥水剤に浸漬する方法(浸漬法)、導電体表面に導電体表面用撥水剤を塗布する方法(例えば、スピンコート法、ロールコート法、ドクターブレードなど)等が挙げられる。
曝露温度としては、例えば、10℃以上90℃以下が挙げられ、20℃以上80℃以下が好ましく、20℃以上70℃以下がより好ましく、20℃以上65℃以下がさらに好ましい。
曝露時間としては、導電体表面に化合物(P1)が吸着するのに十分な時間であればよく、例えば、30秒以上、1分以上、3分以上、5分以上、10分以上、15分以上、20分以上、又は25分以上が挙げられる。曝露時間の上限値としては特に制限はないが、例えば、2時間以下が好ましく、90分以下がより好ましく、60分以下がさらに好ましく、45分以下が特に好ましい。
曝露後に必要に応じて基板の洗浄(例えば、水、活性剤リンス等による洗浄)及び/又は乾燥(窒素ブロ一等による乾燥)を行ってもよい。
洗浄方法は特に限定されず、導電体表面の目的に応じて、適切な洗浄液を用いて洗浄することができる。例えば、導電体表面が、無機パターン又は有機パターンを備える基板表面の一部である場合、従来、無機パターン又は有機パターンの洗浄処理に使用されてきた洗浄液をそのまま採用することができる。例えば、無機パターンの洗浄液としては、SPM(硫酸・過酸化水素水)、APM(アンモニア・過酸化水素水)等が挙げられ、有機パターンの洗浄液としては、水、活性剤リンス等が挙げられる。洗浄は、イソプロパノール等のアルコール及び/又は水で行ってもよい。
乾燥後の処理基板に対して、必要に応じて、100℃以上300℃以下の加熱処理を追加で行ってもよい。
導電体表面に、第1の態様の導電体表面用撥水剤を曝露することにより、導電体表面に化合物(P1)が吸着する。これにより、導電体表面に撥水性が付与される。
(他の工程)
本実施形態の方法は、上記曝露工程に加えて、他の工程を有してもよい。他の工程としては、前処理工程が挙げられる。
導電体表面の前処理は、導電体表面に水酸基を付与し得る処理が好ましい。前処理方法としては、例えば、オゾン処理、前処理用酸化剤による処理等が挙げられる。前処理用酸化剤は、上述したものと同様のものが挙げられる。なかでも、前処理用酸化剤としては、導電体表面の撥水性向上の観点から、過酸化水素及び過ハロゲン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
前処理の処理温度は特に限定されないが、典型的には10~35℃であり、15~30℃が好ましく、20~25℃がより好ましい。
前処理の処理温度が上記の好ましい範囲内であると、導電体表面上の自然酸化膜を除去しやすく、導電体表面に水酸基を付与しやすい。
前処理の処理時間は特に限定されないが、典型的には10秒~10分であり、20秒~5分が好ましく、30秒~3分がより好ましい。
前処理の処理温度が上記の好ましい範囲内であると、導電体表面上の自然酸化膜を除去しやすく、導電体表面に水酸基を付与しやすい。
導電体表面が撥水化されたことは、導電体表面に対する水の接触角を測定することにより確認することができる。本実施形態の方法により撥水化された導電体表面に対する水の接触角は、撥水化前の導電体表面に対する水の接触角よりも大きくなる。本実施形態の方法により撥水化された導電体表面に対する水の接触角は、例えば、60°以上、80°以上、85°以上、90°以上、95°以上、又は100°以上である。前記接触角の上限値としては特に制限はないが、例えば、140°以下、典型的には130°以下である。
本実施形態の導電体表面の撥水化方法は、第1の態様の導電体表面用撥水剤を用いるため、導電体表面を良好に撥水化することができる。
<第3の態様:導電体表面を有する領域を選択的に撥水化する方法>
本発明の第3の態様は、互いに材質が異なる2以上の領域を含む表面を有し、前記2以上の領域のうち少なくとも1つの領域が導電体表面を有する基板において、導電体表面を有する領域を選択的に撥水化する方法である。本態様の方法は、前記基板の表面を、第1の態様の導電体表面用撥水剤に曝露することを含む。
(基板)
本実施形態の方法により選択的に撥水化される基板は、互いに材質が異なる2以上の領域を含む表面を有する。前記基板において、前記2以上の領域のうち、少なくとも1つの領域が導電体表面を有する。導電体表面は、金属表面が好ましい。基板としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
基板の被処理表面は、2以上の領域を含み、2以上の前記領域のうち少なくとも1つの領域は導電体表面を含有し、2以上の前記領域のうちの近接する領域に関して、互いに材質が異なってもよい。本実施形態の方法では、基板の被処理表面を、第1の態様の導電体表面用撥水剤に曝露することにより、導電体表面を有する領域に化合物(P1)を選択的に吸着させる。これにより、前記2以上の領域に関して、領域表面に対する水の接触角を互いに異ならせることができる。
前記2以上の領域間において、他方の領域よりも水の接触角が高くなる(好ましくは、表面自由エネルギーが小さくなる)傾向にある領域としては、タングステン(W)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)及び銅(Cu)よりなる群から選択される少なくとも1種を含む領域が挙げられる。なかでも、タングステン、ルテニウム、銅及びコバルトからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、タングステン及びルテニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することがより好ましい。導電体表面を有する領域は、これらを含む導電体で構成される領域であってもよい。
前記2以上の領域間において、他方の領域よりも水の接触角が小さくなる(好ましくは、表面自由エネルギーが高くなる)傾向にある領域としては、ケイ素(Si)、窒化ケイ素(SiN)、シリコン酸化膜(SiOx)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、テトラエトキシシラン(TEOS)、Low-k材料及び層間絶縁膜(ILD)よりなる群から選択される少なくとも1種を含む領域が挙げられる。絶縁体領域は、前記絶縁性化合物の他これらを含む材質で構成される領域であってもよい。
本実施形態の方法において、基板の被処理表面は、導電体表面を有する第1の領域と、第1の領域とは材質が異なり、第1の領域に隣接する第2の領域とを含んでもよい。この場合、「近接する領域」とは、第1の領域及び第2の領域となる。
第1の領域及び第2の領域は、それぞれ複数の領域に分割されていてもされていなくてもよい。
第1の領域及び第2の領域の例としては、例えば、基板自体の表面を第1の領域とし、基板の表面に形成した無機層の表面を第2の領域とする態様、並びに基板の表面に形成された第1の無機層の表面を第1の領域とし、基板の表面に形成された第2の無機層の表面を第2の領域とする態様等が挙げられる。これらの無機層の形成に代えて有機層を形成した態様等も同様に挙げられ得る。
基板自体の表面を第1の領域とし、基板の表面に形成された無機層の表面を第2の領域とする態様としては、基板表面における材質が異なる2以上の隣接する領域間において選択的に疎水性向上して水の接触角の差を向上する観点から、Si基板、SiN基板、SiOx基板、Ge基板、SiGe基板、TEOS、Low-k材料及びILDよりなる群から選択される少なくとも1種の基板の表面を第1の領域とし、前記基板の表面に形成された、TiN、TaN、W、Co、A1、Ni、Ru及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種を含む無機層の表面を第2の領域とする態様が好ましい。
基板の表面に形成された第1の無機層の表面を第1の領域とし、基板の表面に形成された第2の無機層の表面を第2の領域する態様としては、基板表面における材質が異なる2以上の隣接する領域間において選択的に疎水性向上して水の接触角の差を向上する観点から、任意の基板(例えば、Si基板)の表面に形成された、SiN、SiOx、Ge、SiGe、TEOS、Low-k材料及びILDよりなる群から選択される少なくとも1種を含む第1の無機層の表面を第1の領域とし、前記基板の表面に形成された、TiN、TaN、W、Co、Al、Ni、Ru及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種を含む第2の無機層の表面を第2の領域とする態様が好ましい。
≪基板表面が3以上の領域を含む態様≫
基板表面が3つ以上の領域を含む場合、該基板表面は、導電体表面を含有する第1の領域と、第1の領域とは材質が異なり、第1の領域に隣接する第2の領域と、第2の領域とは材質が異なり、第2の領域に隣接する第3の領域とを含んでもよい。この場合、「近接する領域」とは、第1の領域及び第2の領域(すなわち隣接する領域)であってもよいし、第1の領域及び第3の領域(すなわち先隣の領域)であってもよい。
第1の領域と第3の領域とで材質が相違しない場合(すなわち、第1の領域及び第3の領域がいずれも導電体表面を含有する場合)、「近接する領域」は、第1の領域及び第2の領域、又は第2の領域及び第3の領域(すなわち隣接する領域)となる。
第1の領域、第2の領域及び第3の領域は、それぞれ複数の領域に分割されていてもされていなくてもよい。
第1の領域、第2の領域及び第3の領域の例としては、例えば、基板自体の表面を第1の領域とし、基板の表面に形成された第1の無機層の表面を第2の領域とし、基板の表面に形成された第2の無機層の表面を第3の領域とする態様等が挙げられる。これらの無機層の形成に代えて有機層を形成した態様等も同様に挙げられ得る。第2の無機層と第3の無機層のいずれか一方のみを有機層に変えたような無機層及び有機層の双方を含むような態様等も同様に挙げられ得る。
基板表面における材質が異なる2以上の隣接する領域間において選択的に疎水性向上して水の接触角の差を向上する観点から、任意の基板(例えば、Si基板)自体の表面を第1の領域とし、前記基板の表面に形成された、SiN、SiOx、Ge、SiGe、TEOS、Low-k材料及びILDよりなる群から選択される少なくとも1種を含む第1の無機層の表面を第2の領域とし、前記基板の表面に形成された、TiN、TaN、W、Co、Al、Ni、Ru及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種を含む第2の無機層の表面を第3の領域とする態様が好ましい。
基板表面が第4以上の領域を含む場合についても同様の考え方が適用し得る。
材質が相違する領域数の上限値としては本発明の効果が損なわれない限り特に制限はないが、例えば、7以下又は6以下であり、典型的には5以下である。
(曝露工程)
基板表面を、第1の態様の導電体表面用撥水剤に曝露する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。基板表面への第1の態様の導電体表面用撥水剤の曝露方法としては、第2の態様の方法で挙げた方法と同様の方法が挙げられる。
(他の工程)
本実施形態の方法は、上記曝露工程に加えて、他の工程を有してもよい。他の工程としては、前処理工程が挙げられる。前処理工程は、基板表面に水酸基を付与し得る処理が好ましい。前処理の方法としては、前記第2の態様で挙げた方法と同様の方法が挙げられる。
本実施形態の方法では、互いに材質が異なる2以上の領域を含む基板表面に、第1の態様の導電体表面用撥水剤を曝露することにより、前記2以上の領域間において導電体表面を有する領域の選択的な疎水性向上が可能である。
本実施形態の方法が実施された基板において、導電体表面を有する領域の表面に対する水の接触角は、例えば、60°以上、80°以上、85°以上、90°以上、95°以上、又は100°以上である。前記接触角の上限値としては特に制限はないが、例えば、140°以下、典型的には130°以下である。
本実施形態の方法が実施された基板において、絶縁体領域の表面に対する水の接触角は、導電体表面を有する領域ほど向上しない。そのため、通常、導電体表面を有する領域と絶縁体領域との間の水の接触角の差は、本実施形態の方法が実施される前よりも、実施後の方が大きくなる。本実施形態の方法が実施された基板における、導電体表面を有する領域と絶縁体領域との間の水の接触角の差としては、例えば、10°以上が挙げられ、20°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、40°以上がさらに好ましい。接触角差の上限値としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、例えば、80°以下又は70°以下であり、典型的には60°以下である。
<第4の態様:表面処理方法>
本発明の第4の態様は、互いに材質が異なる2以上の領域を含む表面を有し、前記2以上の領域のうち少なくとも1つの領域が導電体表面を有する基板に対する表面処理方法である。本態様の方法は、前記基板の表面を、第1の態様の導電体表面用撥水剤に曝露することを含む。
(基板)
本実施形態の方法により表面処理される基板としては、第3の態様で挙げた基板と同様のものが挙げられる。導電体表面は、金属表面が好ましい。
(曝露工程)
基板表面への第1の態様の導電体表面用撥水剤の曝露方法としては、第2の態様の方法で挙げた方法と同様の方法が挙げられる。
(他の工程)
本実施形態の方法は、上記曝露工程に加えて、他の工程を有してもよい。他の工程としては、前処理工程が挙げられる。前処理工程は、基板表面に水酸基を付与し得る処理が好ましい。前処理の方法としては、前記第2の態様で挙げた方法と同様の方法が挙げられる。
<第5の態様:基板表面の領域選択的製膜方法>
本発明の第5の態様は、基板表面の領域選択的製膜方法である。本態様の方法は、第4の態様の表面処理方法により前記基板の前記表面を処理すること、及び表面処理された前記基板の表面に、原子層成長法により膜を形成すること、を含む。本態様の方法では、前記原子層成長法による膜形成材料の堆積量は、領域選択的に異なっている。
(表面処理工程)
本実施形態の方法では、まず、第4の態様の表面処理方法により、基板の表面を処理する。処理対象の基板としては、第3の態様で挙げた基板と同様のものが挙げられる。
基板の表面処理により、前記2以上の領域のうち、導電体表面を有する領域の撥水性を選択的に向上させることができる。
(ALD法による膜形成工程)
次に、表面処理された基板の表面に、ALD法により膜を形成する。
前記表面処理後の基板表面では、前記2以上の領域のうち、導電体表面を有する領域の撥水性が選択的に向上している。その結果、上記2以上の領域間において上記膜を形成する材料の堆積量を基板表面の領域選択的に相違させることができる。前記撥水性の選択的向上は、領域の表面に対する水の接触角を測定することにより確認することができる。
具体的には、前記2以上の領域間のうち導電体表面を有する領域では、ALD法による膜形成材料の吸着(好ましくは化学吸着)が難しくなる。その結果、前記2以上の領域間において膜形成材料の堆積量に差が生じる。すなわち、ALD法による膜形成材料の堆積量が領域選択的に異なることになる。具体的には、導電体表面を有する領域における膜形成材料の堆積量が、絶縁体領域における堆積量よりも低下する。
前記膜形成材料の化学吸着としては、前処理により基板表面に付与された水酸基との化学吸着等が挙げられる。
前記2以上の領域間において、他方の領域よりも水の接触角が大きくなる(好ましくは、表面自由エネルギーが小さくなる)傾向にある領域としては、W、Co、Al、Ni、Ru及びCuよりなる群から選択される少なくとも1種を含む領域が挙げられる。導電体表面を有する領域は、これらを含む領域であってもよい。
前記2以上の領域間において、他方の領域よりも水の接触角が小さくなる(好ましくは、表面自由エネルギーが高くなる)傾向にある領域としては、Si、Al、SiN、SiOx、Ge、SiGe、TEOS、Low-k材料及びILDよりなる群から選択される少なくとも1種を含む領域が挙げられる。絶縁体領域は、前記絶縁性化合物の他これらを含む材質で構成される領域であってもよい。
≪ALD法による膜形成≫
ALD法による膜形成方法としては特に制限はないが、少なくとも2つの気相反応物質(以下単に「前駆体ガス」という。)を用いた吸着(好ましくは化学吸着)による薄膜形成方法であることが好ましい。
具体的には、下記工程(a)及び(b)を含み、所望の膜厚が得られるまで下記工程(a)及び(b)を少なくとも1回(1サイクル)繰り返す方法等が挙げられる。
(a)表面処理された基板を、第1前駆体ガスのパルスに曝露する工程、及び
(b)前記工程(a)の後、基板を第2前駆体ガスのパルスに曝露する工程。
前記工程(a)の後前記工程(b)の前に、プラズマ処理工程、第1前駆体ガス及びその反応物をキャリアガス、第2前駆体ガス等により除去ないし排気(パージ)する工程等を含んでいてもいなくてもよい。
前記工程(b)の後、プラズマ処理工程、第2前駆体ガス及びその反応物をキャリアガス等により除去ないしパージする工程等を含んでいてもいなくてもよい。
キャリアガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスが挙げられる。
サイクル毎の各パルス及び形成される各層は自己制御的であることが好ましく、形成される各層が単原子層であることがより好ましい。
前記単原子層の膜厚としては、例えば、5nm以下とすることができ、好ましくは3nm以下とすることができ、より好ましくは1nm以下とすることができ、更に好ましくは0.5nm以下とすることができる。
第1前駆体ガスとしては、有機金属、金属ハロゲン化物、金属酸化ハロゲン化物等が挙げられ、具体的には、タンタルペンタエトキシド、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン、ぺンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、コッパーヘキサフルオロアセチルアセトネートビニルトリメチルシラン、Zn(C、Zn(CH、TMA(トリメチルアルミニウム)、TaCl、WF、WOCl、CuCl、ZrCl、AlCl、Al(CH、TiCl、SiCl、HfCl等が挙げられる。
第2前駆体ガスとしては、第1前駆体を分解させることができる前駆体ガス又は第1前駆体の配位子を除去できる前駆体ガスが挙げられ、具体的には、HO、H、O、O、NH、HS、HSe、PH、AsH、C、又はSi等が挙げられる。
工程(a)における曝露温度としては、特に制限はないが、例えば、100℃以上800℃以下であり、好ましくは150℃以上650℃以下であり、より好ましくは180℃以上500℃以下であり、更に好ましくは200℃以上375℃以下である。
工程(b)における曝露温度としては特に制限はないが、工程(a)における曝露温度と実質的に等しいか又はそれ以上の温度が挙げられる。
ALD法により形成される膜としては特に制限はないが、純元素を含む膜(例えば、Si、Cu、Ta、W)、酸化物を含む膜(例えば、SiO、GeO、HfO、ZrO、Ta、TiO、Al、ZnO、SnO、Sb、B、In、WO)、窒化物を含む膜(例えば、Si、TiN、AlN、BN、GaN、NbN)、炭化物を含む膜(例えば、SiC)、硫化物を含む膜(例えば、CdS、ZnS、MnS、WS、PbS)、セレン化物を含む膜(例えば、CdSe、ZnSe)、リン化物を含む膜(GaP、InP)、砒化物を含む膜(例えば、GaAs、InAs)、又はそれらの混合物等が挙げられる。
本実施形態の方法では、第1の態様の導電体表面用撥水剤を用いて表面処理された基板に対し、ALD法により膜を形成する。表面処理された基板では、導電体表面を有する領域の撥水性が選択的に向上している。そのため、導電体表面を有する領域では、ALD法による膜形成材料の堆積が阻害される。その結果、導電体表面を有する領域では、絶縁体領域と比較して、ALD法による膜形成材料の堆積量が少なくなる。これにより、絶縁体領域に対し、領域選択的に、ALD法による製膜を行うことができる。
第1の態様の導電体表面用撥水剤は、導電体表面に対する選択性が高い。そのため、第1の態様の導電体表面用撥水剤で基板の表面処理を行うことにより、ALD法による製膜において、絶縁体領域に対する製膜の選択性を向上させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(導電体表面用撥水剤の調製)
[実施例1~2、比較例1~3]
表1に示す各例の導電体表面用撥水剤を調製した。導電体表面用撥水剤における化合物の濃度は、導電体表面用撥水剤の全質量に対し、0.1質量%となるように調整した。有機溶剤として用いたトルエンの比誘電率は、2.37である。
Figure 2023107638000008
<撥水処理(1)>
各例の導電体表面用撥水剤を用いて、以下の方法に従って、ルテニウム基板の撥水処理を行った。
・前処理
基板のオゾン(O)処理を15分間行った。次いで、基板を濃度3.59質量%のH水溶液に室温で1分間浸漬して前処理を行った。上記前処理後、基板をイオン交換蒸留水で1分間洗浄した。水洗後の基板を窒素気流により乾燥させた。
・撥水処理
乾燥後の基板を各例の導電体表面用撥水剤に室温で30分間浸漬して、基板の表面処理を行った。撥水処理後の基板を、イソプロパノールで1分間洗浄した後、イオン交換蒸留水による洗浄を1分間行った。洗浄された基板を、窒素気流により乾燥させて、撥水処理された基板を得た。
<水の接触角の測定(1)>
上記撥水処理後の各基板について水の接触角を測定した。
水の接触角の測定は、Dropmaster700(協和界面科学株式会社製)を用い、表面処理された基板の表面に純水液滴(2.0μL)を滴下して、滴下2秒後における接触角として測定した。結果を表2に示す。
Figure 2023107638000009
表2に示す結果から、実施例1及び実施例2の導電体表面用撥水剤は、比較例1~3の導電体表面用撥水剤と比較して、撥水効果が高いことが示された。
<ALD処理(1)>
各例の導電体表面用撥水剤を用いて、<撥水処理(1)>に従って、ルテニウム基板の撥水処理を行った。次いで、以下の条件にて18回のALDサイクル処理により、ルテニウム基板上にAl膜を製膜した。
・原子層堆積(ALD)装置:AT-410(Anric Technologies社製)
・チャンバー温度:150℃
・プレカーサー:トリメチルアルミニウム及びH
<Al膜形成阻害率の測定(1)>
Al膜の製膜後のルテニウム基板について、蛍光X線分析(XRF)装置(リガク社製ZSX Primus)を用いて、Al膜を測定した。Al膜形成阻害率を下記式(1)により算出した。結果を表3に示す。
Al膜形成阻害率(%)=(T0-Tn)/T0×100 (1)
Tn:撥水処理後にALD処理したときのAl膜の膜厚。
T0:撥水処理を行わずALD処理したときのAl膜の膜厚。
Figure 2023107638000010
表3の結果から、実施例1の導電体表面用撥水剤で処理されたルテニウム表面は、比較例の導電体表面用撥水剤で処理されたルテニウム表面と比較して、のAl膜形成阻害率が高いことが示された。
<撥水処理(2)>
各例の導電体表面用撥水剤を用いて、以下の方法に従って、SiO基板の撥水処理を行った。
・前処理
基板のオゾン(O)処理を15分間行った。次いで、基板を濃度3.59質量%のH水溶液に室温で1分間浸漬して前処理を行った。上記前処理後、基板をイオン交換蒸留水で1分間洗浄した。水洗後の基板を窒素気流により乾燥させた。
・撥水処理
乾燥後の基板を各例の導電体表面用撥水剤に室温で30分間浸漬して、基板の表面処理を行った。撥水処理後の基板を、イソプロパノールで1分間洗浄した後、イオン交換蒸留水による洗浄を1分間行った。洗浄された基板を、窒素気流により乾燥させて、撥水処理された基板を得た。
<ALD処理(2)>
基板以外は上記ALD処理(1)と同じ条件により、上記撥水処理されたSiO基板上にAl膜を製膜した。
<Al膜形成阻害率の測定(2)>
Al膜の製膜後のSiO基板について、蛍光X線分析(XRF)装置(リガク社製ZSX Primus)を用いて、Al膜を測定した。Al膜形成阻害率を上記式(1)により算出した。結果を表4に示す。
Figure 2023107638000011
表4の結果から、実施例1の導電体表面用撥水剤で処理されたSiO表面は、比較例1及び2の導電体表面用撥水剤で処理されたSiO表面と比較して、Al膜形成阻害率が低いことが示された。
表3及び表4に示す結果から、実施例1の導電体表面用撥水剤で撥水処理を行うことにより、Al膜の製膜をルテニウム表面で選択的に阻害できることが示された。
(導電体表面用撥水剤の調製)
[実施例3~8]
表5に示す各例の導電体表面用撥水剤を調製した。導電体表面用撥水剤における化合物の濃度は、導電体表面用撥水剤の全質量に対し、0.1質量%となるように調整した。
Figure 2023107638000012
<水の接触角の測定>
上記<撥水処理(1)>に従って、ルテニウム基板の撥水処理を行った。その後、上記<水の接触角の測定(1)>に従って、水の接触角を測定した。結果を表6に示す。
<Al膜形成阻害率の測定>
上記<撥水処理(1)>に従って、ルテニウム基板の撥水処理を行った。その後、上記<ALD処理(1)>に従って、ルテニウム基板上に、Al膜を製膜した。上記<Al膜形成阻害率の測定(1)>に従って、Al膜の膜厚を測定し、Al膜形成阻害率を算出した。結果を表6に示す。
Figure 2023107638000013
実施例3~8の導電体表面用撥水剤で処理されたルテニウム表面は、いずれも良好な撥水性を示した。接触角及び阻害率の結果から、低誘電率の溶媒が好ましいことが示唆された。

Claims (9)

  1. 芳香環と、前記芳香環に結合する、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基と、前記芳香環に結合する直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基とを含む化合物(P1)を含有する、
    導電体表面用撥水剤。
  2. 前記化合物(P1)が、下記一般式(P1-1)で表される化合物である、請求項1に記載の導電体表面用撥水剤。
    Figure 2023107638000014
    [式中、Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基を表し;Rは、有機基(但し、Rに該当するものは除く)を表し;Aは、ベンゼン環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基、ナフタレン環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基、又はビフェニル環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基を表し;Xは、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基を表し;n0及びnxは、それぞれ独立に、1以上の整数を表し;n1は0以上の整数を表す。但し、Aがベンゼン環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基である場合、n0+n1+nx≦6であり;Aがナフタレン環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基である場合、n0+n1+nx≦8であり;Aがビフェニル環から(n0+n1+nx)個の水素原子を除いた基である場合、n0+n1+nx≦10である。n0が2以上のとき、複数存在するRは互いに同じでもよく、異なってもよく;n1が2以上のとき、複数存在するRは互いに同じでもよく、異なってもよく;nxが2以上のとき、複数存在するXは互いに同じでもよく、異なってもよい。]
  3. 化合物(P1)が、下記一般式(P1-1-1)で表される化合物である、請求項1に記載の導電体表面用撥水剤。
    Figure 2023107638000015
    [式中、Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基を表し;Xは、アミノ基、ホスホン酸基、酸無水物基、チオール基、及び酸クロリド基からなる群より選択される吸着基を表し;nは0又は1を表す。]
  4. 前記導電体表面が、タングステン、ルテニウム、銅及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の導電体表面用撥水剤。
  5. 互いに材質が異なる2以上の領域を含む表面を有し、前記2以上の領域のうち少なくとも1つの領域が導電体表面を有する基板を処理するために用いられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の導電体表面用撥水剤。
  6. 導電体表面を、請求項1~5のいずれか一項に記載の導電体表面用撥水剤に曝露することを含む、導電体表面の撥水化方法。
  7. 互いに材質が異なる2以上の領域を含む表面を有し、前記2以上の領域のうち少なくとも1つの領域が導電体表面を有する基板において、前記導電体表面を有する領域を選択的に撥水化する方法であって、
    前記基板の前記表面を、請求項1~5のいずれか一項に記載の導電体表面用撥水剤に曝露することを含む、
    方法。
  8. 互いに材質が異なる2以上の領域を含む表面を有し、前記2以上の領域のうち少なくとも1つの領域が導電体表面を有する基板に対する表面処理方法であって、
    前記表面を、請求項1~5のいずれか一項に記載の導電体表面用撥水剤に曝露することを含む、
    表面処理方法。
  9. 請求項8に記載の表面処理方法により前記基板の前記表面を処理すること、及び
    表面処理された前記基板の表面に、原子層成長法により膜を形成すること、を含み、
    前記原子層成長法による膜形成材料の堆積量が領域選択的に異なっている、
    基板表面の領域選択的製膜方法。
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