JP2023107314A - 位置特定システム - Google Patents

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Ryosuke Ito
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Abstract

【課題】事前作業の手間低減が可能であって、位置の特定精度を上げることができる位置特定システムを提供すること。【解決手段】位置特定システムは、測位対象領域の近傍に設置された複数の固定ビーコン装置のそれぞれから出力されるビーコン信号を屋内測位クライアント300で受信してこの屋内測位クライアント300の位置の特定を行う。この位置特定システムは、測定対象領域内に設定されたパス上をあらかじめ移動することによって測定されたビーコン信号の電波強度の変化を示す情報を電波マップとして蓄積する電波マップ蓄積部228と、パス上に位置する屋内測位クライアント300においてビーコン信号の電波強度を検出する電波強度検出部322と、電波強度検出部322によって検出した電波強度に基づいて、屋内測位クライアント300の位置を特定する位置特定部230とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、移動体の位置を特定する位置特定システムに関する。
従来から、あらかじめ測定されたエリア(グリッド)毎の受信電波強度と、ユーザ端末が受信した各ビーコンの受信電波強度とを比較し、ユーザ端末の位置を特定する位置特定システムが記載されている(例えば、特許文献1参照。)。このシステムでは、検知エリアを分割した分割領域ごとにあらかじめ測定された受信電波強度がサーバに記憶されており、ユーザ端末で検出した各ビーコンの受信電波強度の組み合わせパターンをサーバに送信することで、このパターンに一致する受信電波強度の組み合わせに対応するグリッドがユーザ端末の位置として特定される。
特開2017-201240号公報
ところで、上述した特許文献1に開示された位置特定システムでは、グリッド単位でユーザ端末の位置の特定が行われ、グリッド内における詳細な位置の特定ができないため、特定される位置精度が低いという問題があった。検知エリアに含まれるグリッドの数を多くすれば、すなわち、グリッドの面積を小さくすれば、その分だけ位置精度を上げることができるが、それだとあらかじめ測定する受信電波強度の測定回数が過大(事前作業の手間が増大)になって、あまり実用的とはいえない。また、実際には、ユーザ端末を携帯する人の移動経路(動線)が限定されている場合があり、必ずしも広い検知範囲が必要であるとは限らないため、このような実情に合わせて事前作業の手間が低減可能で、位置の特定精度を高くする工夫が望まれている。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、事前作業の手間低減が可能であって、位置の特定精度を上げることができる位置特定システムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の位置特定システムは、測位対象領域の近傍に設置された複数の固定ビーコン装置のそれぞれから出力されるビーコン信号を移動体で受信してこの移動体の位置の特定を行う位置特定システムであって、測定対象領域内に設定された移動経路上をあらかじめ移動することによって測定されたビーコン信号の電波強度の変化を示す情報を電波マップとして蓄積する電波マップ蓄積手段と、移動経路上に位置する移動体においてビーコン信号の電波強度を検出する電波強度検出手段と、電波強度検出手段によって検出した電波強度に基づいて、移動体の位置を特定する位置特定手段とを備えている。
ある位置で移動体において電波強度が検出されたときに、電波マップを用いることで、あらかじめ設定された移動経路上の移動体の位置を特定することができるため、精度の高い位置の特定が可能となる。
また、上述した移動経路に対応する電波マップの作成に必要な情報を、移動経路に沿って移動しながら収集する電波マップ収集手段をさらに備えることが望ましい。特に、上述した電波マップ収集手段は、移動経路に沿って一定の速度で移動しながら情報の収集を行うことが望ましい。移動経路に沿って移動しながら電波強度を検出することで電波マップの収集を行うことができるため、ある移動経路に沿った電波マップの作成を一連の操作で行うことが可能となり、位置特定のための事前作業(電波マップ作成)の手間を低減することができる。
また、位置が既知であって移動体において出力電波の強度が検出可能な他の移動体が存在する場合であって、位置特定手段によって特定する位置の候補が複数存在する場合に、位置特定手段は、移動体経由で他の移動体の位置と検出電波強度を取得し、これらの情報に基づいて、複数の候補の中から一つを選択して位置を特定することが望ましい。これにより、特定する位置の候補が複数ある場合に、最も正しいと思われる一つの候補に絞って位置の特定を行うことが可能となる。
また、上述した移動体と通信可能な範囲に、忘れ物防止タグが取り付けられた紛失物が存在する場合に、この忘れ物防止タグの識別情報と移動体の特定された位置とを含む紛失物情報を蓄積する紛失物情報蓄積手段と、識別情報が指定されたときに、この識別情報に対応する紛失物情報を検索し、この紛失物情報に含まれる移動体の位置を紛失物の位置として特定する紛失物位置特定手段とをさらに備えることが望ましい。忘れ物防止タグが取り付けられた紛失物とこの紛失物の所有者の携帯端末等との距離が離れて所有者自身がこの紛失物を見つけられなくなった場合であっても、所有者は紛失物の周囲の移動体の位置を手掛かりにこの紛失物にたどり着くことが可能となる。
一実施形態の位置特定システムにおいて位置特定の対象となるエリアを示す図である。 パスP4に対応する電波マップの一例を示す図である。 電波マップ収集機の構成を示す図である。 屋内測位サーバの構成を示す図である。 屋内測位クライアントの構成を示す図である。 電波マップ収集機の動作手順を示す流れ図である。 屋内測位サーバにおいて電波マップを作成する動作手順を示す流れ図である。 屋内測位サーバにおいて屋内測位クライアントの位置を特定する動作手順を示す流れ図である。 屋内測位クライアントの動作手順を示す流れ図である。 変形例の位置特定システムの説明図である。 他の変形例の位置特定システムの説明図である。
以下、本発明を適用した一実施形態の位置特定システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の位置特定システムにおいて位置特定の対象となるエリアを示す図である。図1において、Mは移動体としての屋内測位クライアントを、A、B、Cは固定位置に設置された固定ビーコンを、N1、N2、N3、N4は位置を特定する際の基準となるノードを、P1、P2、P3、P4は屋内測位クライアントMの移動を想定したパス(移動経路)を、Wは壁をそれぞれ示している。図1に示すエリアは、壁Wで区画された屋内を想定している。
固定ビーコンA、B、Cは、Bluetooth(登録商標) Low Energyビーコンや、無線LAN装置などを用いる場合を想定している。また、ノードN1~N4は、建物内の通路の分岐や出入口、目的地点などに仮想的に設定された基準位置であり、屋内測位クライアントの移動経路をあらかじめ予測した上で任意に設定することができる。
本実施形態では、4つのパスP1~P4のいずれかに沿って移動する屋内測定クライアントMの位置を、屋内測位サーバと連係して特定するものとする。そのための手順として、測位動作事前に各パスに沿った電波マップを作成する「屋内測位事前準備」が実施され、次に、作成された電波マップを用いて屋内測位クライアントの位置を特定する「屋内測位」が実施される。
<屋内測位事前準備>
この屋内測位事前準備は、各パスに沿って、電波マップ収集機を一定速度で移動させることにより行われ、これにより、各パスごとの電波マップが作成される。
図2は、パスP4に対応する電波マップの一例を示す図である。図2において、横軸はノードN1からN4までのパスP4上の位置を示している。また、縦軸は電波強度を示している。また、aは固定ビーコンAの電波強度を、bは固定ビーコンBの電波強度を、cは固定ビーコンCの電波強度をそれぞれ示している。
図2に示す電波マップは、ノードN1からN4に向かって、パスP4に沿って電波マップ収集機を移動させながら、それぞれの位置における3つの固定ビーコンA、B、Cの電波強度を検出することで作成することができる。例えば、電波マップ収集機によって、各固定ビーコンの電波強度の検出が行われ、その検出結果が屋内測位サーバに送られ、屋内測位サーバによって電波マップの作成が行われる。
<屋内測位>
屋内測位は、パスP1~P4のいずれかに沿った位置にある屋内測位クライアントが、その位置において、3つの固定ビーコンA、B、Cのそれぞれの電波強度を検出し、その検出結果を屋内測位サーバに送ることにより行われる。屋内測位サーバでは、屋内測位クライアントから送られてきた電波強度と、各パスに対応する電波マップとを比較することにより、いずれのパス上のどの位置に屋内測位クライアントがあるかを特定する。
次に、上述した「屋内測位事前準備」や「屋内測位」に必要な電波マップ収集機、屋内測位クライアント、屋内測位サーバの具体例について説明する。
図3は、電波マップ収集機の構成を示す図である。図3に示すように、電波マップ収集機100は、通信部110と制御部120とを備える。この電波マップ収集機100は、専用の機器を用いるようにしてもよいが、スマートホン等の携帯端末にその機能を持たせるようにしてもよい。
通信部110は、固定ビーコンA、B、Cや屋内測位サーバあるいは屋内測位クライアントとの間でBluetoothや無線LANなどを用いて無線通信を行う。
制御部120は、例えば、メモリに格納された所定のプログラムをCPUで実行することにより、電波強度の検出動作や検出結果の送信動作を行う。このために、制御部120は、ノード設定部122、電波強度検出部124、電波強度送信部126を有する。
ノード設定部122は、ノードN1~N4を設定する。例えば、電波マップ収集機100に備わった操作部(図示せず)が電波マップの作成作業を行う操作者によって操作されて任意の位置がノードN1~N4に設定される。なお、屋内測位サーバ側において建物の屋内配置図などを利用して設定し、その位置を電波マップ収集機100に送るようにしてもよい。
電波強度検出部124は、固定ビーコンA、B、Cのそれぞれから出力される電波の強度を別々に検出する。電波強度送信部126は、電波強度検出部124によって検出された各固定ビーコンの電波強度を、検出動作開始時点からの経過時間とともに送信する。上述したように、本実施形態では、電波マップ収集機100を一定速度で移動させるため、屋内測位サーバ側では上記の経過時間がわかればその時点におけるパス上の位置を算出することができる。なお、電波強度の検出を開始した時点と終了した時点の各時刻(時間差)がわかれば、電波マップ収集機100を移動させる速度は算出できるため、この移動速度をあらかじめ設定して厳守する必要は必ずしもない。
図4は、屋内測位サーバの構成を示す図である。図4に示すように、屋内測位サーバ200は、通信部210と制御部220とを備えている。この屋内測位サーバ200は、通常は図1に示すエリアが設定された建物内に設けられているが、建物周辺や遠隔地に設けられていてもよい。
通信部210は、電波マップ収集機100や屋内測位クライアントとの間でBluetoothや無線LANなどを用いて無線通信を行う。
制御部220は、例えば、メモリに格納された所定のプログラムをCPUで実行することにより、電波マップ収集機100から送られてくる電波強度を受信して電波マップを作成したり、屋内測位クライアントから送られてくる電波強度を用いて屋内測位クライアントの位置を特定する動作を行う。このために、制御部220は、ノード設定部222、電波強度受信部224、電波マップ作成部226、電波マップ蓄積部228、位置特定部230、位置送信部232を有する。
ノード設定部222は、電波マップに用いるノード(図1に示す例ではノードN1~N4)を設定する。電波マップ収集機100内のノード設定部122によって設定されたノードをそのまま用いるようにしてもよいが、ノード設定部222によって設定したノードの情報を電波マップ収集機100に送るようにしてもよい。
電波強度受信部224は、電波マップ収集機100あるいは屋内測位クライアントから送られてくる電波強度を受信する。
電波マップ作成部226は、電波マップ収集機100から送られてくる電波強度に基づいて、各パス(図1に示す例ではパスP1~P4)に対応する電波マップ(図2)を作成する。電波マップ蓄積部228は、このようにして作成された各パスごとの電波マップをハードディスク装置や不揮発性メモリなどに蓄積する。
位置特定部230は、屋内測位クライアントから送られてくる電波強度と電波マップとに基づいて、いずれかのパス上の位置を特定する。具体的には、屋内測位クライアントからは3つの固定ビーコンA、B、Cのそれぞれに対応して検出された電波強度が送られてきて、これら3つの電波強度の組み合わせが最も近い電波マップの位置を特定する。例えば、屋内測位クライアントがノードN1とN2の間のパスP1上にいる場合には、3つの電波強度の組み合わせが図2に示した電波マップの横軸上のいずれかの位置に対応する電波強度の組み合わせに一致する(あるいは近づく)はずであり、この横軸上の位置を屋内測位クライアントの位置として特定することができる。
位置送信部232は、位置特定部230によって特定された位置を、電波強度を送ってきた屋内クライアントに向けて送信する。
図5は、屋内測位クライアントの構成を示す図である。図5に示すように、屋内測位クライアント300は、通信部310と制御部320とを備える。この屋内測位クライアント300は、例えばスマートホン等の携帯端末にその機能を持たせることが考えられる。
通信部310は、固定ビーコンA、B、Cや屋内測位サーバ200との間でBluetoothや無線LANなどを用いて無線通信を行う。
制御部320は、例えば、メモリに格納された所定のプログラムをCPUで実行することにより、電波強度を検出動作や検出結果の送信動作、特定された位置の受信動作を行う。このために、制御部320は、電波強度検出部322、電波強度送信部324、位置受信部326を有する。
電波強度検出部322は、固定ビーコンA、B、Cのそれぞれから出力される電波の強度を別々に検出する。電波強度送信部324は、電波強度検出部322によって検出された各固定ビーコンの電波強度を屋内測位サーバ200に向けて送信する。位置受信部326は、送信した電波強度に対応して屋内測位サーバ200から送り返されてくる屋内測位クライアント300の位置を受信する。
上述した電波マップ蓄積部228が電波マップ蓄積手段に、電波強度検出部322が電波強度検出手段に、位置特定部230が位置特定手段に、電波マップ収集機100が電波マップ収集手段にそれぞれ対応する。
図6は、電波マップ収集機100の動作手順を示す流れ図である。まず、ノード設定部122は、電波マップ作成の対象となるエリア(図1)内においてノードを設定する(ステップ100)。
次に、電波強度検出部124は、設定したノードの中の2つのノードによって挟まれた1つのパスを選択し(ステップ102)、このパスに沿って一方のノードから一定速度で移動が開始されると(ステップ104)、3つの固定ビーコンA、B、Cのそれぞれの電波強度を検出する(ステップ106)。また、電波強度送信部126は、検出した電波強度を通信部110を介して屋内測位サーバ200に向けて送信する(ステップ108)。
次に、電波強度検出部124は、他のノードに到達したか否かを判定する(ステップ110)。例えば、他のノードに到達した時点で操作者によって所定の操作がなされるものとすると、この操作がなされるまでは否定判断が行われ、ステップ106に戻って電波強度検出動作が繰り返される。また、他のノードに到達すると、ステップ110の判定において肯定判断が行われる。
次に、電波強度検出部124は、電波強度検出が終了していない他のパスが存在するか否かを判定する(ステップ112)。存在する場合には肯定判断が行われ、ステップ102に戻って他のパスの選択以降の動作が繰り返される。また、全てのパスについて電波強度の検出が終了すると、ステップ112の判定において否定判断が行われ、電波マップ作成のための電波強度の検出動作が終了する。
図7は、屋内測位サーバ200において電波マップを作成する動作手順を示す流れ図である。まず、ノード設定部222は、電波マップ作成の対象となるノードを設定する(ステップ200)。
次に、電波強度受信部224は、1つのパスに沿って電波強度の受信を開始する(ステップ202)。その後、電波強度受信部224は、1つのパスに対応する電波強度の受信が終了したか否かを判定し(ステップ204)、終了していない場合には否定判断を行って終了するまでこの判定動作を繰り返す。また、電波強度の受信が終了すると、ステップ204の判定において肯定判断が行われる。
次に、電波マップ作成部226は、電波強度の受信が終了したパスに対応する電波マップ(図2)を作成し(ステップ206)、電波マップ蓄積部228は作成された電波マップを蓄積する(ステップ208)。また、電波マップ作成部226は、電波マップの作成が終了していない他のパスがあるか否かを判定する(ステップ210)。他のパスがある場合には肯定判断が行われ、ステップ204に戻って、他のパスに関する処理が継続される。また、全てのパスについて電波マップの作成が終了した場合には、ステップ210の判定において否定判断が行われ、電波マップの作成動作が終了する。
図8は、屋内測位サーバ200において屋内測位クライアント300の位置を特定する動作手順を示す流れ図である。
電波強度受信部224は、屋内測位クライアント300から送られてきた電波強度を受信したか否かを判定しており(ステップ300)、受信していない場合には否定判断を行ってこの判定を繰り返す。また、屋内測位クライアント300から送られてきた電波強度を受信した場合には、ステップ300の判定において肯定判断が行われる。
次に、位置特定部230は、位置特定の対象になっているエリア(図1)に含まれるすべてのパスの電波マップを読み出して、受信した電波強度(各固定ビーコンの電波強度)と比較し、各固定ビーコンの電波強度が一致する電波マップを抽出し、この電波マップ内の一致箇所を示すパス上の位置を特定する(ステップ302)。次に、位置送信部232は、この特定した位置を屋内測位クライアント300に送信する(ステップ304)。
図9は、屋内測位クライアント300の動作手順を示す流れ図である。まず、電波強度検出部322は、位置を特定したいいずれかのパス上の場所において各固定ビーコンA、B、Cの電波強度を検出する(ステップ400)。電波強度送信部324は、検出された電波強度を屋内測位サーバ200に向けて送信する(ステップ402)。その後、屋内測位サーバ200においてこの検出された電波強度を用いて位置の特定が行われ、特定された位置が屋内測位クライアント300に向けて送信されると、位置受信部326は、この特定された位置を受信する(ステップ404)。
このように、本実施形態の位置特定システムでは、ある位置で移動体(屋内測位クライアント300)において電波強度が検出されたときに、電波マップを用いることで、あらかじめ設定された移動経路(パス)上の移動体の位置を特定することができるため、精度の高い位置の特定が可能となる。
また、上述した移動経路に対応する電波マップの作成に必要な情報を、電波マップ収集機100を用いて移動経路に沿って移動しながら収集している。特に、移動経路に沿って一定の速度で移動しながら情報の収集を行っている。このように、移動経路に沿って移動しながら電波強度を検出することで電波マップの収集を行うことができるため、ある移動経路に沿った電波マップの作成を一連の操作で行うことが可能となり、位置特定のための事前作業(電波マップ作成)の手間を低減することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、屋内測位クライアント300で検出した電波強度に基づいて屋内測位サーバ200において位置の特定を行うようにしたが、実際に屋内測位クライアント300で検出される電波強度は、電波を受信するアンテナの向きや各固定ビーコンとの間の人体の有無などに応じて変化するため、確実に1つの位置が特定できるとは限らない。このような場合に、複数の位置候補に絞り込んだ後に、屋内測位クライアント300の周辺に配置された移動ビーコンからの電波を検出して、1つの位置候補を最終的な位置として特定するようにしてもよい。
図10は、変形例の位置特定システムの説明図である。図10に示すエリアでは、図1に示したエリアと同様に固定ビーコンA、B、Cが配置されて、ノードN1、N2、N3、N4やそれらの間のパスP1、P2、P3、P4が設定されている。この例では、屋内測位クライアント300によって検出された電波強度に基づいて屋内測位サーバ200によって位置の特定を行った結果、屋内測位クライアント300の位置としてe1、e2の2箇所まで絞り込まれたが、いずれか一方に決めかねているものとする。
このような場合に、屋内測位クライアント300は、周囲に存在する(電波が受信可能な範囲にいる)移動ビーコンmの電波強度を検出すると、この電波強度とこの移動ビーコンmの位置とを屋内測位サーバ200に向けて中継する(例えば、移動ビーコン情報中継部を備えてこれらの情報の取得や中継動作を行うようにする)。屋内測位サーバ200では、位置特定部230は、移動ビーコンmの電波強度が所定値以上の場合(移動ビーコンmまでの距離が短い場合)には、この移動ビーコンmの位置に近い方の位置候補を最終的な位置として特定する。なお、移動ビーコンmとしては、位置の特定が終わっている他の移動体としての他の屋内測位クライアントを用いることができる。このようにして、特定する位置の候補が複数ある場合に、最も正しいと思われる一つの候補に絞って位置の特定を行うことが可能となる。
図11は、他の変形例の位置特定システムの説明図である。図11に示すエリアでは、図1に示したエリアと同様に固定ビーコンA、B、Cが配置されて、ノードN1、N2、N3、N4やそれらの間のパスP1、P2、P3、P4が設定されている。この例では、屋内測位クライアント300(M)の周囲に紛失物Fが置かれている。また、この紛失物Fには、忘れ物防止タグ(スマートタグ)が取り付けられており、周囲の屋内測位クライアント300との間で電波の送受信が行われ、電波の受信可能範囲にある屋内測位クライアント300では、その電波強度の検出や忘れ物防止タグの識別情報の取得ができるようになっている。また、紛失物Fの所有者の携帯端末装置等とは離れており、忘れ物防止タグの電波を直接受信することができない状態にあるものとする。
また、図11に示したエリアの外部の紛失物センターには紛失物サーバ400が設けられている。この紛失物サーバ400は、屋内測位クライアントとの間で通信を行うことににより、屋内測位クライアント300と通信可能な範囲に、忘れ物防止タグが取り付けられた紛失物Fが存在する場合に、この忘れ物防止タグの識別情報と屋内測位クライアント300の位置とを含む紛失物情報を屋内測位クライアント300から受け取って蓄積する紛失物情報蓄積手段としての紛失物情報蓄積部410と、紛失物Fの所有者等からの連絡によって紛失物Fの識別情報が指定されたときに、この識別情報に対応する紛失物情報を検索し、この紛失物情報に含まれる屋内測位クライアント300の位置を紛失物の位置として特定する紛失物位置特定手段としての紛失物位置特定部412と備えている。
このように、紛失物Fに関する情報を屋内測位クライアント300で取得して紛失物サーバ400に送信することにより、忘れ物防止タグが取り付けられた紛失物Fとこの紛失物の所有者の携帯端末装置等との距離が離れて所有者自身がこの紛失物Fを見つけられなくなった場合であっても、所有者は紛失物Fの周囲の屋内測位クライアント300の位置を手掛かりにこの紛失物Fにたどり着くことが可能となる。
上述したように、本発明によれば、ある位置で移動体において電波強度が検出されたときに、電波マップを用いることで、あらかじめ設定された移動経路上の移動体の位置を特定することができるため、精度の高い位置の特定が可能となる。
100 電波マップ収集機
110、210、310 通信部
120、220、320 制御部
122、222 ノード設定部
124、322 電波強度検出部
126 電波強度送信部
200 屋内測位サーバ
224 電波強度受信部
226 電波マップ作成部
228 電波マップ蓄積部
230 位置特定部
232 位置送信部
300 屋内測位クライアント
324 電波強度送信部
326 位置受信部

Claims (5)

  1. 測位対象領域の近傍に設置された複数の固定ビーコン装置のそれぞれから出力されるビーコン信号を移動体で受信してこの移動体の位置の特定を行う位置特定システムであって、
    前記測定対象領域内に設定された移動経路上をあらかじめ移動することによって測定された前記ビーコン信号の電波強度の変化を示す情報を電波マップとして蓄積する電波マップ蓄積手段と、
    前記移動経路上に位置する前記移動体において前記ビーコン信号の電波強度を検出する電波強度検出手段と、
    前記電波強度検出手段によって検出した電波強度に基づいて、前記移動体の位置を特定する位置特定手段と、
    を備えることを特徴とする位置特定システム。
  2. 前記移動経路に対応する前記電波マップの作成に必要な情報を、前記移動経路に沿って移動しながら収集する電波マップ収集手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の位置特定システム。
  3. 前記電波マップ収集手段は、前記移動経路に沿って一定の速度で移動しながら情報の収集を行うことを特徴とする請求項2に記載の位置特定システム。
  4. 位置が既知であって前記移動体において出力電波の強度が検出可能な他の移動体が存在する場合であって、前記位置特定手段によって特定する位置の候補が複数存在する場合に、前記位置特定手段は、前記移動体経由で前記他の移動体の位置と検出電波強度を取得し、これらの情報に基づいて、複数の候補の中から一つを選択して位置を特定することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の位置特定システム。
  5. 前記移動体と通信可能な範囲に、忘れ物防止タグが取り付けられた紛失物が存在する場合に、この忘れ物防止タグの識別情報と前記移動体の特定された位置とを含む紛失物情報を蓄積する紛失物情報蓄積手段と、
    前記識別情報が指定されたときに、この識別情報に対応する前記紛失物情報を検索し、この紛失物情報に含まれる前記移動体の位置を前記紛失物の位置として特定する紛失物位置特定手段と、
    をさらに備えることを特徴とする位置特定システム。
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