JP2023106361A - 水平軸多翼式洋上風力発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】風力発電機の大型化・大出力化実現しかつコスト低減可能な水平軸多翼式洋上風力発電機、および点検・保守作業をより安全に行える洋上風力発電機を提供する。【解決手段】海面上に浮かんだ台座1の上方に設置した風車体10の回転力を、ロープ輪13を介して台座2上の動力滑車18に伝え、動力滑車18の中心軸17に発電機駆動軸を接続して発電機20を駆動し発電を行う。張力滑車16によってロープ輪13を外側に引っ張ることで張力を生じさせ、ロープ輪13の緩みによる脱落を防止するとともに、動力滑車18とロープ輪13との接触部に摩擦力を発生させて、滑りを抑制する。さらに、動力滑車18と発電機20を台座2に複数設置することで、既存の発電機20を使って風力発電機としての出力アップを図るとともに、部分負荷運転も対応可能とする。【選択図】図4

Description

本発明は、海岸線から比較的近い距離で、50mから150m程度の水深の海上に係留・設置し、電力を発電するために適した水平軸多翼式洋上風力発電機に関するものである。
近年の再生可能エネルギー利用増加の機運に伴い、今後日本でも洋上風力発電機の建設が増えることが予想される。洋上は地上に対し風を遮る障害物が少なく、風向き、風速が地上と比べて定常であることから、安定した電力を得られることが期待できる。現在実用化されている洋上風力発電設備は、基本的に風力発電機自体の構造は陸上で実用化されているものと同じであり、地上の風力発電機を土地の利用と比較して設置する上での制約が少ない洋上へと移設したものである。
また四方を海に囲まれた日本では、洋上風力発電機を設置可能な沿岸が多いと考えられる反面、海岸線からの距離と比較して水深が深い海域が多い。そのため、今後洋上風力発電機の技術開発の主体は、今までに普及している着床式(海底にタワーの基部を固定し、海面上に突き出たタワーの頂部に風力発電機を設置する方式)から、浮体式(タワーを含む風力発電機全体を海上に浮かべ、海底に設置したアンカーに取付けた複数の索体により風力発電機を係留・保持する方式)に移行しつつあるのが現状である。
風力発電機本体については、建設費用に対する効果(=発電出力)の比率を上げるため、設備1台当たりの大出力化が志向されており、それに伴いナセルの質量も増加傾向にある。その様な大出力の風力発電機では、長大なブレードを取り付けた質量の大きなナセルをタワー上で風向きに合わせて回転させるヨー制御や、風速や運転条件に対応してブレードの迎え角を変化させるピッチ制御を行うために強力なアクチュエータや信頼性の高いギア装置が必要であり、この様なアクチュエータやギアは一般に付加価値が高いことから、この点も建設コストの増加を招くと予想される。(非特許文研2、68頁参照)
また、風力発電機の大出力化を図るためには、ブレード長を長くして風車体受風面積を大きくする必要があり、現在直径が200mを超える大型の洋上風力発電機が実用化されつつある。
しかしながら従来の風力発電機のような構成では、洋上風力発電機の大型化、大出力化に伴ってナセル内に搭載する増速機、発電機他の主要機器も大型化し質量が増加するため、建設時にタワー先端に質量が大きなナセルを搭載ために手間がかかり、さらに運転時のヨー制御や、台風等の強風時に必要となるピッチ制御が技術的に難しくなると考えられる。従って従来の構成のままで風力発電機の更なる大型化を図るのは、技術的難易度が増すものと思われる。

特許7048862「数台の羽根車合成型風力発電用風車の構造」 特開2005-023893「回転力集合型風力発電装置」
「風力発電に関する現状と展望について」令和2年11月 資源エネルギー庁 「トコトンやさしい風力発電の本」B&Tブックス 日刊工業新聞社
本発明が解決しようとする課題の一つは、洋上風力発電機の更なる大型化、大出力化を可能にするための洋上風力発電機の構成を提供することである。
本発明が解決しようとする2つ目の課題は、現在の風力発電機の構成で備えることが必要な、ブレードのピッチ制御、風車体のヨー制御を省略、または他の機器で代替えすることにより、風力発電機の建設コストを低減可能な洋上風力発電機の構成を提供することである。
本発明が解決しようとする3つ目の課題は、発電機等の主要機器を海水面に近い位置に設置することにより、従来はタワー先端の高所に取り付けたナセル内で行われていた機器の点検・保守作業が海面に近い場所で実施可能となり、作業者にとって安全で負担が少なくなる洋上風力発電機の構成を提供することである。

(0008)~(0010)の課題を解決するために、本発明による水平軸多翼式風力発電機は、以下の通り構成される。
本発明が対象とする風力発電機は、水平方向の回転軸に対して直角方向に複数のブレードを設置することにより風車体が構成された、一般に受風面が垂直の水平軸多翼式と呼ばれている風力発電機である。この型式の風力発電機は、受風面が風に向かいブレードに風が当たって発生する風車体の回転力を、発電機の駆動軸に伝えて電気を発生させる。
本発明による風車体の回転軸は、浮体によって海面上に浮かべた台座上に設置した複数のサポートによって海面の上方に水平方向に保持される。この回転軸は円柱の両端部に回転軸受けを取付けた構造、若しくは中空構造の回転軸の中に軸受けの役割を担う固定軸を通して両端をサポートで保持し、中空構造の回転軸が回転する構成のいずれかとする。
従来の水平軸の風力発電機はナセル内にて風車体の回転軸を、増速機によって回転数を上げて発電機の駆動軸に繋げるか、あるいは風車体の回転軸と発電機の動力軸を直接繋げることにより、風によって発生する風車体の回転力を発電機に伝えて電力に変換していた。これに対し本発明の風力発電機は、風車体と同心円のリムを風車体の回転軸に取り付けて、リムに対しリムの外周よりも周長が長いロープ輪を懸架する。同時にリム外周部に懸架したロープ輪の脱落を防ぐために、溝等を形成する。更に前記ロープ輪を下方に吊り下げて、台座上でアーム等に取り付けて中心軸をスプリング等によって外側に引っ張ることによりロープ輪に張力を作用させる張力滑車と、台座上の一定の位置に保持された動力滑車に懸架する。張力滑車によりロープ輪が弛まない状態を保持しながら風車体の回転力を動力滑車に伝え、動力滑車の回転力を発電機の駆動軸に伝えて発電する構成とする。
なおロープ輪が緩まず、かつロープ輪に張力を作用させる手段として、発電機を連結した動力滑車自体を、ロープ輪を懸架した状態で外側に向かって移動させる方法も考えられる。しかしながらこの方法では、動力滑車と共に質量の大きな発電機も一体化して台座上で移動させる機構が必要となり、構造が複雑になると思われる。それに対して張力滑車を用いる構成は構造が簡単であり、比較的容易に実現可能と考えられる。
(0008)項で述べた1つ目の課題の風力発電機の更なる大型化について、本発明を適用すれば従来の風力発電機よりも更に大型化が可能となる理由を、以下に説明する。
風力発電機の大出力化を図るためには、(0005)項で述べた通り風車体の受風面積を大きくするためにブレード長を長くする必要がある。しかしながら、風車体の直径を大きくしても現在の一般的な水平軸の3枚ブレードの風力発電機において、設計上の計画風速Vwとブレード先端部の周速度Vtの比である 周速比Vt/Vwは、Vt/Vw=7程度が最も効率が良いと言われていることから*1)、風車体の直径を大きくしても風車体の回転数を上げることは困難である。この物理的制約条件を解決し発電に必要な回転数を得るために、現在の風力発電機はナセル内に大型の増速機を設置して発電機駆動軸の回転数を100倍~200倍に増加させるか*2)、あるいは発電機に強力な永久磁石を取り付けて多極化し、回転速度が遅い条件でも発電できる装置が実用化されている。

注*1)非特許文献2「とことんやさしい風力発電」49頁参照。
注*2)現在の3枚ブレードの風力発電機では、周速比=Vt/Vw=7程度が最も発電効率が良いといわれている。例えば直径200mの風車体に対して設計風速12m/sとし、
周速比=Vt/Vw=7を適用した場合は、回転速度≒7.5秒/1回転→8rpm。
これを一般的な発電機の必要回転数:1200rpm程度まで増速させるためには、150倍の増速機が必要となる。
従って、今後の風力発電機の大型化、大出力化に伴い、ナセル内にこれまで以上に質量の大きな大型の増速機や発電機が搭載されることが予想される。同時に長大な風車のブレード3枚を保持して角度を制御するための軸受けを有するハブと、ハブの回転軸とその軸受も装備する必要があり、ナセルの質量増加に伴い、ナセルをタワー頂部に搭載してギアにより風に向かわせる、ヨー制御を行う現在の構成は、今後の風力発電機の大型化に伴って技術的難易度が増すものと推定される。
また(0014)項で述べた通り、現在実用化されている大型風力発電機は長大なブレードを3枚取り付けて大出力化を実現しているが、ブレードが長くなる程取り付け基部に作用するモーメントが大きくなる。そのためハブ内に装備した軸受けによってモーメントを支えながら、ピッチアクチュエータによってブレードの角度を制御する現在の構成は、ブレードの長大化に伴って技術的難易度が増すものと考えられる。
以上将来風力発電機の大型化を目指す上での技術的課題に対し、本発明の構成によって風力発電機に必要であった各機能を他の手段で代替えすることにより、構成の簡素化を図ると同時に、更なる風力発電機の大型化、大出力化が可能になるものと考えられる。具体的構成を以下に述べる。

(1) 本発明においては、ブレードの枚数を従来よりも増やして風に対する向かい角が一定の固定ピッチとし、周速比を多翼式風車で最も効率が良いとされる周速比=2~3とする*1)。固定ピッチ構造とすることで従来のピッチ制御が不要となり、更に風車体のブレードの両端や中間部をフレームにより補強出来るので強度確保が容易となり、ブレードの更なる長大化が可能となる。
(2) 台風等強風時のブレード破損防止対策として、従来の風力発電機ではピッチ制御によってブレードの風に対する向かい角をゼロに制御していたが、本発明の実施例では強風時には発電を行わずに無負荷とすることで、ブレードには過大な風圧が作用しない構成とする。風車体は風速に追従して回転しながらブレード間の隙間を風がすり抜ける遊転運転を行うことにより、ブレードには過大な力が加わらず、ブレードの損傷を防止可能となる。(詳細は(0040)項 ~(0042)項参照。)
(3) 風車体からの動力取り出し手段としては、風車体と同心円のリムを風車体と一体化して取り付け、リムの外周長よりも周長が長いロープ輪を懸架し、ロープ輪の下側を台座上に設置した動力滑車に懸架する。風車体の回転力がロープ輪によって動力滑車に伝わり、動力滑車の中心軸に連結された発電機の駆動軸が回転して発電する。この手段によれば、ロープ輪の走行速度は外輪フレームの周速度と同じなので、理論的には動力滑車の直径を小さくする程動力滑車は高回転数が得られる。この構成を利用することで、従来の風力発電機で必要であった増速機を省略、或いは増速比が小さな小型の変速機に置き換えが可能となる。
(4) 運転中にリムや動力滑車からロープ輪が弛んで外れない様に、スプリング等の力でロープ輪を外側に引っ張るための張力滑車を台座上に設置し、ロープ輪を懸架する。張力滑車によりロープ輪に張力が生じることで、動力滑車とロープ輪との接触部での摩擦力が発生し、発電に伴う強い反発力が発電機の駆動軸に生じた場合でも、ロープ輪と動力滑車の接触部での滑り防止が期待できる。
(5) 以上の構成により、従来の風力発電機ではタワー頂部の高所のナセル内に設置していた発電機等主要機器を、小型化を図りながら海面に近い台座上に移設することが出来る。これにより建設コストが低減できると同時に、点検・保守作業の負担も低減可能となる。
(6) なお本発明による風車体は、従来の風力発電機のようにタワー頂部でのヨー制御行うことは出来ない。ヨー制御を行うために、台座を海面上に浮かせた状態で索体を使って一定の場所に保持しながら水平方向に回転、或いは移動可能に係留する手段を適用する。
(0017)項の(4)で述べた、発電機駆動時に発生する反発力を分散してロープ輪と動力滑車の接触部での滑りを抑制するための手段として、リム、ロープ輪、張力滑車、動力滑車を組み合わせて1組の発電機駆動ユニットとし、1つの風車体に対して発電機駆動ユニットを2組以上複数組取り付ける。複数の動力滑車によって1台の発電機を駆動することにより、発電機の反発力が分散されるので、動力滑車の接触部での滑りを抑制する手段も適用可能である。(本発明の実施例1-2参照)
ロープ輪と動力滑車の接触部での滑りを抑制するためのもう1つの手段として、張力滑車と動力滑車の間の位置に、ロープ輪を曲げるための転輪を設置することで、ロープ輪と動力滑車との接触長さを長くする手段も適用出来る。(本発明の実施例2参照)
風の方向が風車体に向かって正面側からの場合は、風車体は正転方向に回転して発電し、風の方向が風車体に向かって裏面側からの場合も、風車体が逆転方向に回転して発電することが出来れば、海面上でのヨー制御が楽に行える様になる。それを実現する構成として、張力滑車を台座上の左右に1組ずつ設置し、その中間部に動力滑車を設置する手段を適用可能である。(本発明の実施例3参照)
ロープ輪の張力を発電機負荷等の運転条件に応じて変化させるために、ロープ輪を引っ張るための張力滑車の中心軸の軸受けにシリンダー等を取り付けてシリンダーの操作液圧を制御することにより、引っ張り力を適宜変化させる手段を適用出来る。(本発明の実施例4参照)
台風等の強風時に発電機の過回転による損傷を防ぎ、かつ発電機の回転数を適正化する1つの手段として、動力滑車の中心軸と発電機駆動軸との間の連結部に対し、回転の接続、遮断を行うためのクラッチと、動力滑車の中心軸の回転数に対して発電機駆動軸の回転数を増加させる変速ギアを組み込む手段を適用可能である。
本構成により、台風等強風時や負荷遮断時等風車体の無負荷遊転運転が必要となる場合には、クラッチにより発電機への回転力の接続を遮断することで、発電機の損傷を防止可能である。
また変速ギアにより風車体の運転状態に対応し、駆動滑車の回転数に対して発電機が効果的に発電する回転数を得ることが可能となる。(本発明の実施例5参照)
さらに風車体の大型化に伴う発電出力の増大に対し、発電機を大型化せず一般に普及している汎用の小型~中型発電機を複数用いる手段として、動力滑車と、クラッチ、変速機を含む小型~中型発電機を組み合わせた動力ユニットを台座上に複数並べ各動力滑車に対してロープ輪を懸架し発電機を駆動する構成がある。
(0022)で述べたクラッチにより必要な数の発電機だけを駆動して発電することで、風力発電機としての大出力化と、効率的な部分負荷運転も実現可能となる。(本発明の実施例6参照)
発電機等機器の点検・補修作業を、作業者の負担を軽減しより安全に行うために、台座上に点検・保守建屋を設置し、台座上の機器を収納する手段を適用可能である。(本発明の実施例7参照)
本発明による風車体を風に向かわせるヨー制御を行う手段として、浮体を取り付けて海面上に浮かべた台座を索体と回転リングによって回転可能に係留し、浮体に対してスクリュー等の推進装置を取り付けて、台座を海面上で水平方向に回転させる手段を適用出来る。(本発明の実施例8、および9参照)
従来の洋上風力発電機の構成で更なる大型化・大出力化を実現するためには、ブレード長を長くして風車体の受風面積を大きくする必要があった。
本発明による水平軸多翼式洋上風力発電機は、風車体の周速比を多翼式風車で最も効率が良いと言われている2~3程度として、ブレード数が多い固定ピッチとすることで、従来の風力発電機で行われていた風速に応じてブレード角度を調整するピッチ制御を省略し、かつブレードの両端部や中間部を補強部材によって支持してブレードの長大化が可能となる。これにより、今後洋上風力発電機の大型化が行いやすくなると思われる。
また固定ピッチを採用した場合でも、台風等の強風時は発電機を(0017)(2)で述べた構成により無負荷遊転運転とすることで風がブレード間をすり抜けるため、ブレードには過大な風圧は作用せず、ブレードの損傷を防ぐ効果が期待できる。(詳細は、(0040)項~(0042)項参照。)
風力発電機1台当たりの発電出力を増すためには、より大型の増速機と発電機、あるいはより大型の多極式発電機が必要となるため、それらを収納するナセルの質量も大きくなる。
本発明の構成により従来の一般的な風力発電機に必要であった増速機の省略または小型化が可能となる。またヨー制御の他機器への代替え等により、各装置が小型化、あるいは簡略化できるので、機器の製作コストが押えられて、建設コストの低減が期待できる。
更に本発明の構成により発電機等の主要機器をナセル内から海水面に近い台座上に移設できるので、質量の大きなナセルを高所のタワー頂部に釣り上げて設置する工程を省略でき、建設コスト低減効果が期待できる。
本発明にでは、海水面に近い台座上に点検・保守小屋を設置して必要な機器を収納することができる。当該点検・保守小屋内にて主用機器の点検・保守作業が可能となるため、作業者の負担を軽減し、より安全に作業を行う効果が期待できる。
図1は本発明の実施例1-1の水平軸多翼式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図2は本発明の実施例1-1の正面図と側面図、および部分断面を示す図である。 図3は本発明の実施例1-2の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図4は本発明の実施例1-3の浮体式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図5は本発明の実施例1-1につき、ブレード間の風の流れとブレードの動きを示す図である。 図6は本発明の実施例1-1につき、海底のアンカーによる係留の構成を示す図である。 図7は本発明の実施例1-1につき、タワーによる係留の構成を示す図である。 図8は本発明の実施例2の水平軸多翼式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図9は本発明の実施例3の水平軸多翼式洋上風力発電機の鳥瞰図と正面図である。 図10は本発明の実施例3の風車体の風向きに対する正転/逆転と、その際の出力回路切り替えを示す。 図11は本発明の実施例4の水平軸多翼式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図12は本発明の実施例4のシリンダー制御を表すブロック図と構成図である。 図13は本発明の実施例5の水平軸多翼式洋上風力発電機の鳥瞰図と正面図、側面図である。 図14は本発明の実施例6の水平軸多翼式洋上風力発電機の鳥瞰図と正面図、側面図である。 図15は本発明の実施例7の水平軸多翼式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図16は本発明の実施例8の水平軸多翼式洋上風力発電機の鳥瞰図である。 図17は本発明の実施例8の制御範囲を示す制御系統概念図である。 図18は本発明の実施例8の制御ブロック図である。 図19は本発明の実施例8の制御フロー図である。
本発明に係る水平軸多翼式洋上風力発電機は、水深が50m~150mの海域において、風を受けて回転する風車体が浮体式の係留装置等によって海面上の一定の位置に保持され、風車体の回転力をリング状のロープ輪を介して風車体の下方に設置した動力滑車に伝え、動力滑車の回転力を発電機の駆動軸に伝えて発電を行う。
以下にその内容を説明する。
図1は実施例1-1の水平軸多翼式洋上風力発電機全体の鳥瞰図を示す。合わせて図2に実施例1-1の水平軸多翼式洋上風力発電機の正面図と側面図、および部分断面図を示す。
本発明の実施例1-1の風車体において、複数の浮体1を取り付けた台座2が海面上に浮かんでおり、回転軸3は台座2上に設置した複数のサポート4の先端部に取り付けられた軸受け5により水平方向に保持される。図2の回転軸3および軸受け5の断面図に示す通り回転軸3は円柱か、或いは中空の円筒とし、複数のブレード6は回転軸3に直接、あるいは風車体のホイール7に支持されたブレード取付けフレーム8によって回転軸3に対して直角方向に放射状に取り付けられている。ブレード6の先端同士あるいは中間部同士を円筒形または多角形の補強フレーム9で繋ぐことにより、ブレードが固定され、風が当たることにより回転力が生じる風車体10を形成する。
さらに回転軸3を中心として同心円状に、スポーク11を介して円形のリム12を風車体10の前側、あるいは風車体10の後ろ側、若しくは風車体10の前側と後ろ側両方に取り付け、リム12の周長よりも長いロープ輪13をリム12に懸架した上で、ロープ輪13の下部は下方に導かれた形態とする。
以上の構成により、風が風車体10に当たって生じる回転力がロープ輪13に伝えられる。また、リム12の外周部にロープ輪13の脱落を防ぐ構造として溝を形成した例を、図2B-B断面図に示す。
さらに図1、図2の通り、リム12の下方の台座2上に、回転可能なアーム14等によって中心軸15が支持された張力滑車16を設置してロープ輪13を懸架し、同時に台座2上の一定の位置に中心軸17が保持された動力滑車18を設置してロープ輪13を懸架する。さらに動力滑車18の中心軸17に対し発電機駆動軸19を連結し、発電機20により発電が行われる構成とする。
以上述べた、リム12、ロープ輪13,張力滑車16、動力滑車18、発電機20を組み合わせて、発電機駆動ユニット21を構成する。
図1、図2に示す通り、台座2上に取り付けたスプリング22等によって張力滑車16の中心軸15を外側に引っ張ることで、ロープ輪13の弛みによるリム12等から脱落を防止すると同時に、ロープ輪13には張力が生じる。
風車体10に対して発電機駆動ユニット21を1組、あるいは2組以上複数組取り付けることにより、風車体10に対して風が当たって回転すると、その回転力がリム12からロープ輪13に伝わり、ロープ輪13を懸架した動力滑車18に伝えられ、発電機駆動軸19を回転させて発電機20により発電が行われる。
以上述べた構成により、スプリング22を強くして張力滑車16の引っ張り力を大きくすればロープ輪13の張力が大きくなり、動力滑車18とロープ輪13との接触部に生じる摩擦力が増す。
従って、スプリング22の引っ張り力を大きくすることで、発電時の反トルクが大きな大型発機の
場合でも、動力滑車18とロープ輪13との接触部の滑り防止効果向上が期待できる。
また図3の実施例1-2示す様に、1つの風車体10に対して発電機駆動ユニット21を複数組取り付けることで、より大型で回転力の大きな風車体に対しても、動力滑車18とロープ輪13との接触部1個所当たりの摩擦力が分散されるので、滑り防止効果が期待できる。
なおロープ輪13は風力発電機を長期間運用することにより伸びて周長が長くなったり、あるいは強度が低下するので、対策として一定の運用期間毎に交換が必要になると思われる。
ロープ輪13を交換する際、図1および図3に示す実施例では構造上1本のロープの端部同士を洋上の現場にてリング状に繋ぎ合わせる作業が必要となる。ロープの端面同士を繋ぎ合せるために、現在はロングスプライスと言われる技術が確立され、この技術を本実施例にも適用可能と考えられる。
しかしながら、海面に浮かんだ台座上で上記繋ぎ合せ作業を行うのはより多くの手間がかかると考思われるので、この課題に対しては図4に示す実施例1-3の様に、台座2の中央部付近にサポートベース29を設置することで、サポート4の基部と台座2の間に隙間を設ける構造を適用可能である。
図4に示す構成により1本のロープをリング状にする加工はロープ製作工場にて行ない、それを洋上の現場へ輸送た上でリム12に引っ掛けて懸架すれば、ロープ輪13の洋上での取付けが可能となる。
次に図5(1)、図5(2)により、実施例1の水平軸多翼式洋上風力発電機のブレードが、風に対する向かい角が一定の「固定ピッチ」でも、台風等強風時においてもブレード6に対して過大な力が作用しにくい理由を以下に説明する。
図5(1)は1例として、周速比を2とし風速Vwの風が風車体10に向かって吹きつけて発電する際のブレード6と風の向きとの関係を模式的に表した図である。
周速比が2の多翼式風車に対し、風車体の受風面に風速Vwの風が吹きつけるときの風車体の周速度Vtは、Vt=2Vwとなる。
これに対し、ブレードの前後方向の幅をH、横方向の長さをLとして、ブレードに力が生じる様、L=3Hの板状のブレードを並べたモデルを図5(1)に示している。
図5(1)において、風がブレード間を通過する前のブレード先端の位置をp0とし、風がブレード間を通過する前のブレード後端部の位置をp1、通過後の後端部の位置をp2とする。後端部の
p1→p2の移動距離dは、
・風速Vwの風がブレードの前後方向幅Hを通過する時間Sは、ほぼS≒H/Vwとすれば、
・S秒間にVt=2Vwで移動するブレードの先端の移動距離dは、d=Vt×S=2Hとなる。
従って風がブレードを通り抜けた後は、p0とp2の横方向の長さL’は相対的に、
L’=3H―2H=Hとなる。
以上の関係により、風速Vwでブレード間に進入した風はブレード間を通過する間に、
・Vf=L’/S=H/S=Vwの速度で横方向に曲げられる。(実際には、ブレードの裏側が僅かに負圧となり、これにより風車体の回転力が更に増すと考えられるが、本出願ではその力についての考察は行わないこととする。
この横方向に向かう風の流れによってブレード面に力Fが作用し、風車体に回転力が発生すると考えられる。
以上に対し、無負荷状態で風速Vw’の風が風車体7に向かって吹きつける際の、ブレード6と風の向きとの関係を図5(2)に示す。
無負荷状態では風車体7が回転する際の抵抗力はほぼ零なので、風通過前にp1の位置であったブレード後ろ端は、風通過後は風に押し流されてp1→p2’ となる。従って、ブレード6間を通過する風は曲げられずそのまま直進するので、風が吹きつけてもブレードに力は殆ど加わらない。
図5(2)の状態は無負荷であれば風速が増加しても同じであることから、台風等の強風時には、例えば動力滑車18と発電機20を切り離して無負荷遊転状態とすれば、ブレード6に過大な力は作用せず損傷のリスクを低減できる。
現在実用化されている一般の風力発電機は、ナセル内の軸受によって支持された回転軸の先端にハブを取り付けて、ハブが3枚のブレードの基部を保持することで、ブレードを支える構成である。この構成では取付け部もブレード本体も、風力に耐えるために十分な強度が必要と思われる。
これに対し本発明は、基部のブレード取付けフレームと、中間部あるいは先端部の補強フレームによって各ブレードを支える構成であり、ブレード自体に要求される強度が低減できる。この効果によりブレードの構造が簡略化され、コスト低減が期待できる。
なお、図1~図4に示す構成の実施例を実現するためには、浮体1により海面上に浮かんだ台座2上に風車体10や発電機20他必要な機器を搭載し、台座2を風向きに合わせて水平方向に回転させるか、台座2を移動させて、風車体10の受風面を風に向かわせる必要がある。
その具体的構成例としては、図1、図3、図4および図6に示す通り、台座2の中央部から下方に海水面に向かって支柱23を取り付け、支柱23に対して水平方向に回転可能な回転リング24を取り付ける。さらに支柱23を中心として、海水面上に浮かせた複数の補助浮体25と回転リング24とを補助索体26で繋ぐ。その上で海底面に設置した複数のアンカー27と前記補助浮体25を係留索体28で繋ぐことで、台座2を海面上で水平方向に回転可能な状態で係留可能となる。
また洋上風力発電機を設置する海域の水深が比較的浅い場合の実施例として、図7に示す通り、海底面に対してタワー30を設置した上でタワー30の海水面から突き出た先端部に対し、水平方向に回転しながら上下方向に摺動可能な回転リング31を取り付け、回転リング31と海水面上の台座2をワイヤー32で繋ぐ手段がある。
図8に実施例2の水平軸多翼式洋上風力発電機全体の鳥瞰図を示す。
実施例2はロープ輪13と動力滑車18の接触部での滑りを抑制するための手段として、図3の実施例1-2と異なるもう1つの実施例を示している。
張力滑車16と動力滑車18の間の動力滑車近傍の位置に、転輪33を設置し、ロープ輪13を張力滑車16、動力滑車18、および転輪33懸架することにより、ロープ輪13が動力滑車の直前で曲げられる。その結果ロープ輪13と動力滑車18との接触長さが長くなり、滑り発生を抑制する効果が期待出来る。
図9に実施例3の水平軸多翼式洋上風力発電機全体の鳥瞰図を示す。
実施例3は、風車体10に向かう風向きが正面側からの場合は正転方向に回転して発電し、風車体10に向かう風向きが裏面側からの場合は逆転方向に回転して発電を行う構成としている。
これを実現するために、張力滑車16を台座上の左右に1台ずつ設置し、2台の張力滑車の中間部に動力滑車18を設置することで、風車体が正転時も逆転時も、ロープ輪13が弛まずに動力滑車18に回転力を伝えることが可能となる。
なお、風車体10が逆転した際も発電出力側の位相が変らない手段の1例として、発電出力のU・V・W位相を回路上で変換する構成を図10に示す。
図11に実施例4の水平軸多翼式洋上風力発電機全体の鳥瞰図を示す。
実施例4は張力滑車16の中心軸15に対してシリンダー34を取り付け、シリンダーの操作液圧を制御することにより、ロープ輪13の張力を変化させる構成を表している。
実施例4の構成により、発電負荷等の運転条件に応じてロープ輪13の引っ張り力を適切に調整することにより、ロープ輪13と動力滑車18との接触部で発生するエネルギーのロスを減らし、発電効率の向上が期待できる。図12に制御の概念を表すブロック図を示す。
同時に発電出力が小さな時はロープ輪13の張力を減らすことで、ロープ輪の耐用年数を伸ばす効果も期待できる。
図13は実施例5を示す図であり、動力滑車18の中心軸17と、発電機駆動軸35の間に動力伝達の連結/遮断を選択可能なクラッチ36を取り付け、さらに動力滑車の回転数を変換して発電機
38に伝える目的の、変速ギア37を取付けた構成を表している。
台風等強風時、あるいは電力系統の負荷遮断時にクラッチ36を遮断することにより、発電機38の過回転による損傷を防止可能である。
さらに風の状態により風車体10にて十分な回転力を得られない場合、変速ギア37により発電機38の回転数を発電に有効な回転数とすることで、より効率的な発電が期待できる。
図14に実施例6の水平軸多翼式洋上風力発電機全体の鳥瞰図を示す。
実施例5は風車体の大型化に伴う発電出力の増大に対応するための手段を表している。
具体的には、台座2上に動力滑車18を複数台設置し、動力滑車18によって駆動される発電機38は大型のものではなく既に一般に普及している汎用の小~中型の発電機とする。
台座2上の各動力滑車18に対してロープ輪13を懸架して複数の発電機38により同時に発電することにより、洋上風力発電機としての発電出力アップが可能である。
同時に、風車体10に向かう風速が低流速で100%の動力が得られない時に、(0049)項の実施例5で示したクラッチ36を使って動力滑車18の中心軸17と発電機駆動軸35の連結のうちの幾つかを遮断することで、風力発電機全体として部分負荷運転を効率良く実現できる。さらに発電機38の1台当たりの点検・保守期間を長くしメンテナンス費用を低減する効果も期待できる。
図15に実施例7の水平軸多翼式洋上風力発電機全体の鳥瞰図を示す。
実施例7は、発電機他の主要機器を台座2上に設置した上で、それらの機器を収納するための点検・保守小屋39を設置して、台座上の機器を外部と隔離し保護するための構成を示す。
従来の風力発電機では、点検・保守作業はタワー頂部の高所に設置されたナセル内の狭い空間にて行われていたが、実施例7に示す構成により発電機等主要機器の保守・点検作業を海面に近い台座2上の屋内のスペース上で行うことで、良好で安全な環境下で作業が実施可能になると考えられる。
図16に実施例8の水平軸多翼式洋上風力発電機全体の鳥瞰図を示す。
実施例8は、本発明による風車体10を風に向かわせるためのヨー制御を行う手段として、浮体に対してスクリュー等の推進装置40を取り付けて、台座を海面上で水平方向に回転させる手段を示す。
次に本発明の実施例9として、実施例8による浮体式洋上風力発電機の運転・制御に関する内容を図17~図19に示す。図17は実施例8で述べた洋上風力発電機のスクリュー等推進装置40と、実施例4、実施例5のクラッチ、および発電機の運転・制御を行うための、計測装置、制御対象と信号の流れの例を示す構成図である。
浮体により海面上に浮いて上方に突き出した計測用タワー50の上端部に設置した風向計51で風向きを計測し、その情報を風向きの信号52として無線信号で発信し、制御装置53が受信する。
同様に、計測用タワー50の上端部に設置した風速計54で風速を計測し、その情報を風速
信号55として無線信号で発信し、制御装置53が受信する。
風車体の風向きに対する角度については、回転リング24に取付けた角度計56で計測し、その情報を係留装置角度の信号57として信号ケーブルを経由して制御盤53が受信する。前記と同様に、風車体の回転数については回転数計58で計測し、その情報を風車体の回転数の信号59として信号ケーブルを経由して制御盤53が受信する。またその時の発電機出力60も、信号61として制御盤53が受信する。
更に図17の中で、地上の電力系統62で停電等運用上の異常が発生した場合、電力系統の停電信号63として通信ケーブルを経由し制御盤53が受信する構成を示している。
図18は実施例10において、風向きの信号52、風速の信号55、回転リングの角度の信号57、風車体回転数の信号59、発電機出力61、および電力系統停電の信号63を用いて制御盤内で処理した上で、スクリュー、クラッチ、発電機に対して制御指令を発信し、運転制御を行う場合のブロック図の例を示している。
図19は実施例10において、制御盤内でのスクリューに対する運転・制御ロジックのフロー図の例を示している。本図は、フローの起点または終点を示す図形67、前記各信号情報のインプットを示す矢印68、および各信号情報を用いた判断を示す図形69、スクリューの動作、または停止を示す図形70を用いて、制御フローの例を示している。

本願は今後建設件数の増加と大型化が予想される浮体式洋上風力発電機について、海岸から少し離れた沿岸の海面上でも一定の位置に安定して係留が可能であり、現在一般の風力発電機構成と比較して、技術的に大型化・大出力化を実現し易いと考えられる。同時に建設費用、及びメンテナンス費用を低減可能である。
船舶に係る技術や経験と合わせて、ロープウエイ等ケーブルを用いた動力伝達・搬送に係る技術も活かせるので、これらの産業分野からの洋上風力発電への参画に道が開けると思われる。
1 浮体
2 台座
3 回転軸
4 サポート
5 軸受け
6 ブレード
7 風車体のホイール
8 ブレード取付けフレーム
9 補強フレーム
10 風車体
11 スポーク
12 リム
13 ロープ輪
14 アーム
15(張力滑車の)中心軸
16 張力滑車
17(動力滑車の)中心軸
18 動力滑車
19 発電機駆動軸
20 発電機
21 発電機駆動ユニット
22 スプリング
23 支柱
24 回転リング
25 補助浮体
26 補助索体
27 アンカー
28 係留索体
29 サポートベース
30 タワー
31(タワー先端の)回転リング
32(タワー先端の回転リングと繋ぐ)係留索体
33 転輪
34 シリンダー
35(小型~中型の)発電機駆動軸
36 クラッチ
37 変速ギア
38(小型~中型の)発電機
39 点検・保守小屋
40(スクリュー等の)推進装置
50 計測用タワー
51 風向計
52 風向きの信号
53 制御盤
54 風速計
55 風速の信号
56 回転リングの角度計
57 回転リング角度の信号
58 風車体の回転数計
59 風車体の回転数の信号
60 発電機出力計
61 発電機出力の信号
62 電力系統
63 電力系統停電の信号
64 スクリューの駆動/停止指令信号
65 クラッチの連結/遮断指令信号
66 発電機の出力指令信号
67 フローチャート上のフローの起点又は終点を表す図形
68 フローチャート上の信号情報のインプット
69 フローチャート上の信号データを用いた判断を表す図形
70 フローチャート上のスクリューの動作または停止を表す図形



Claims (9)

  1. 洋上に設置され、水平方向に支持された無垢または中空の回転軸に対して直角方向に放射状に複数のブレードを取り付けて風車体を形成し、当該風車体に風が当たってブレードに力が生じることにより発生する風車体の回転力を発電機の駆動軸に伝えて発電する水平軸多翼式洋上風力発電機において、浮体によって海面上に浮かんだ台座の上側にて、風車体の回転軸は、前記台座上に設置した複数のサポートにより当該台座の上方に設置された軸受けによって支持され、前記風車体の風上側、或いは風下側に前記風車体と同心円状に円形のリムが取り付けられて風車体と一体化され、周長が当該リムの外周長さよりも長い円環形状のロープ輪が前記リムに懸架されて、かつ前記リムの外周には溝等が形成されて前記ロープ輪が脱落しないよう保持しながら前記風車体の回転力を前記ロープ輪に伝える機能を有しており、前記ロープ輪は下方に導かれ、前記台座上にスプリング等により中心軸を外側に引っ張ることにより前記ロープ輪に張力を生じせしめる張力滑車と、前記台座上の一定の位置に保持され中心軸を発電機の駆動軸に連結した動力滑車を設置し、前記動力滑車と前記張力滑車の外周には溝等が形成されて前記ロープ輪が脱落しないよう保持しながら前記ロープ輪は前記張力滑車と前記動力滑車に懸架されて、当該ロープ輪と当該動力滑車の接触部にて前記ロープ輪の回転力が前記動力滑車に伝わる構成となっており、前記リムと、前記ロープ輪と、前記張力滑車と、前記動力滑車と、前記発電機を組み合わせて一組の発電機駆動ユニットを形成し、前記台座上に当該発電機駆動ユニットを1組以上設置した上で、前記台座は海底面に固定したタワーの海面上に突き出た頂部にて水平方向に回転可能な回転リングを介してワイヤーで前記タワーに繋がれた形態、または前記台座の下方に取り付けた水平方向に回転可能な回転リングを介して海底面に設置したアンカーと索体で繋がれた形態とし、当該台座は海面上にて水平方向に回転、または海面上にて水平方向に移動可能に係留されたことを特徴とする、水平軸多翼式洋上風力発電機。
  2. 請求項1に記載の台座上にて、請求項1に記載の動力滑車と請求項1に記載の張力滑車の間の位置に、請求項1に記載のロープ輪を懸架して回転する転輪を設置することにより、前記ロープ輪が曲げられて当該ロープ輪と前記動力滑車との接触長さが長くなることを特徴とする、請求項1に記載の水平軸多翼式洋上風力発電機。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載の発電機駆動ユニットにおいて、請求項1または請求項2のいずれかに記載のリムに向かって左下と右下の、請求項1または請求項2のいずれかに記載の台座上に、請求項1または請求項2のいずれかに記載の張力滑車を設置し、前記左下の張力滑車と右下の張力滑車の間に、請求項1または請求項2に記載の動力滑車および請求項1または請求項2に記載の発電機を設置して、請求項1または請求項2のいずれかに記載のロープ輪を前記各張力滑車と前記動力滑車に懸架したことを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の水平軸多翼式洋上風力発電機。
  4. 請求項1~請求項3のいずれかに記載の張力滑車の中心軸に対し、引っ張り力を制御可能なシリンダーを設置し、請求項1~請求項3のいずれかに記載の風車体の運転条件に応じて前記シリンダーによる引っ張り力を変化させることにより、請求項1~請求項3のいずれかに記載のロープ輪の張力が調整される特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の水平軸多翼式洋上風力発電機。
  5. 請求項1~請求項4のいずれかに記載の動力滑車の中心軸と、請求項1~請求項4のいずれかに記載の発電機の駆動軸との連結部に対し、当該動力滑車の回転の伝達および遮断を行うクラッチと、前記動力滑車の中心軸の回転数に対して前記発電機の駆動軸の回転数を変化させるための変速ギアを取り付けたことを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれかに記載の水平軸多翼式洋上風力発電機。
  6. 請求項1~請求項4のいずれかに記載の台座上に、請求項5に記載の動力滑車と、請求項5に記載のクラッチと、請求項5に記載の変速ギアと、請求項5に記載の発電機を組み合わせた動力ユニットを1組以上設置して、請求項1~請求項4のいずれかに記載のロープ輪を請求項1~請求項4のいずれかに記載の張力滑車と前記動力ユニットの各動力滑車に懸架したことを特徴とする、請求項5に記載の水平軸多翼式洋上風力発電機。
  7. 請求項1~請求項6のいずれかに記載の台座上に設置された、請求項1~請求項6のいずれかに記載の動力滑車と、請求項1~請求項6のいずれかに記載の張力滑車と、請求項2~請求項6のいずれかに記載の転輪と、請求項1~請求項6のいずれかに記載の発電機と、請求項6に記載の動力ユニットを内部に収納し、外部と遮断するための保守・点検小屋を、前記台座上に設置したことを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれかに記載の水平軸多翼式洋上風力発電機。
  8. 請求項1~請求項7のいずれかに記載の台座は、請求項1に記載の浮体によって海面上に浮かんでおり、さらに前記浮体の水中の部分に、取り付け角度を固定しスクリュー等により前後に推進力が発生する推進装置を設置し、前記推進装置の前方、あるいは後方に推進力を生じさせることにより、前記台座は請求項1に記載のワイヤーまたは請求項1に記載の索体によって係留された状態で、海面上にて水平方向に時計回り、あるいは反時計回りに回転または移動することを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれかに記載の水平軸多翼式洋上風力発電機。
  9. 請求項8に記載の水平軸多翼式洋上風車は、請求項8に記載の推進装置の動作・停止、および請求項5または請求項6に記載のクラッチの連結・遮断を制御する制御盤を備えているものとし、当該制御盤は前記水平軸多翼式洋上風車の近傍に設置した風向計によって測定した風向きの信号と、前記水平軸多翼式洋上風車の近傍に設置した風速計によって測定した風速の信号と、請求項8に記載の台座の水平角度の信号と、請求項8に記載の風車体に対して取り付けた風車体の回転数計の信号と、地上の電力系統の運用状態の信号を受信し、それらの信号を用いて前記推進装置の動作・停止、および前記クラッチの連結・遮断を制御することにより、前記風車体が運転環境下で適切な運転状態に維持できることを特徴とする、請求項8に記載の水平軸多翼式洋上風力発電機。
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