JP2023106260A - 保護素子、及びバッテリパック - Google Patents

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Abstract

Figure 2023106260000001
【課題】長時間にわたって溶断部材が発熱した場合でも、溶断部材の固定状態を安定化させ、安全かつ速やかに電流経路を遮断する。
【解決手段】保護素子1は、ケース28と、ヒューズエレメント2と、ヒューズエレメント2の少なくとも一方の面に接続され、ヒューズエレメント2を溶断する溶断部材3と、ケース28の内面に設けられ、溶断部材3と当接することにより溶断部材3の揺動を抑制する固定部材8を有し、溶断部材3は、絶縁基板4と、絶縁基板4に形成された発熱体5を備え、絶縁基板4が発熱体5の発熱により軟化する接合材料9によりヒューズエレメント2に接続されている。
【選択図】図1

Description

本技術は、電流経路を遮断する保護素子、及びこれを用いたバッテリパックに関する。
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
多くのリチウムイオン二次電池を用いた電子装置においては、バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行う。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加され、瞬間的な大電流が流れた場合、或いはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大異常電圧を出力したりした場合であってもバッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態においても、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有するヒューズ素子からなる保護素子が用いられている。
このようなリチウムイオン二次電池等向けの保護回路の保護素子として、保護素子内部に発熱体を有し、この発熱体の発熱によって電流経路上の可溶導体を溶断する構造が用いられている。
リチウムイオン二次電池の用途は、近年拡大しており、より大電流の用途、例えば電動ドライバ等の電動工具や、ハイブリッドカー、電気自動車、電動アシスト自転車等の輸送機器、ドローン等への採用が開始されている。これらの用途において、特に起動時等には、数10A~100Aを超えるような大電流が流れる場合がある。このような大電流容量に対応した保護素子の実現が望まれている。
このような大電流に対応する保護素子を実現するために、断面積を増大させた可溶導体を用い、この可溶導体の表面に、発熱体を形成した絶縁基板を接続した保護素子が提案されている。
図27は、従来の保護素子の一構成例を示す平面図であり、図28は、図27に示す従来の保護素子のD-D’断面図であり、図29は、図27に示す従来の保護素子のE-E’断面図である。図27~図29に示す保護素子100は、ヒューズエレメント101と、ヒューズエレメント101を溶断する一対の溶断部材102とを備える。
図30は、溶断部材を示す図であり、(A)は発熱体が設けられた絶縁基板表面側を示す平面図であり、(B)はヒューズエレメント101と接する絶縁基板裏面側を示す底面図である。各溶断部材102は、絶縁基板103と、絶縁基板103の表面側に形成された発熱体104と、発熱体104を被覆する絶縁層105と、発熱体104と接続され、絶縁層105を介して発熱体104と重畳される発熱体引出電極106と、絶縁基板103の裏面に形成され、ヒューズエレメント101の溶断時にヒューズエレメント101の溶融導体を保持する保持電極107と、絶縁基板103を貫通し、発熱体引出電極106と保持電極107とを連続させる貫通孔108を有する。
発熱体104は、一端が発熱体給電電極110と接続されている。発熱体給電電極110は、絶縁基板103の裏面に形成された外部接続電極110aとキャスタレーションを介して接続されている。そして、図29に示すように、外部接続電極110aはソルダーペースト114等の接合材料により第3の電極端子113と接続されている。そして、発熱体104は、発熱体給電電極110、外部接続電極110a及び第3の電極端子113を介して電源を備えた外部回路と接続され、外部回路から給電可能とされている。
ヒューズエレメント101は、外部回路と接続された第1、第2の電極端子111,112とソルダーペースト114等の接合材料により接続されている。また、ヒューズエレメント101は、保持電極107及び絶縁基板103の裏面に形成された補助電極109と、ソルダーペースト114等の接合材料により接続されている。
溶断部材102は、発熱体104が通電、発熱されるとこの熱によりヒューズエレメント101を溶融させ、その溶融導体101aが貫通孔108を介して発熱体引出電極106側に吸引する。これによりヒューズエレメント101は、保持電極107と補助電極109との間が溶断され、第1の電極端子111、第2の電極端子112間の導通が遮断される。
特開2021-34362号公報
保護素子100のような従来構造では、電気自動車等の高電圧大電流用途の保護回路に用いられた場合、大電流に対応した断面積が広く体積が増大したヒューズエレメント101が用いられる。そして、保護素子100の作動時には、このヒューズエレメント101を溶断するために、発熱体104に高電圧が印加され、高熱を発熱するとともに、溶断するまでの時間も長くなる。このため、発熱体104による発熱時間が延びることにより、過剰の熱が絶縁基板103に蓄積される。これにより、ソルダーペースト114によりヒューズエレメント101の表裏面に固定されている溶断部材102の固定状態が不安定となり易い。
例えば、図31に示すように、溶断部材102の絶縁基板103に傾きが生じ、ヒューズエレメント101の表裏面に面接触されていた保持電極107がヒューズエレメント101から離間すると、発熱体104の熱をヒューズエレメント101へ伝達することができず溶断が妨げられ、未切断となるおそれがある(図32)。
そこで、本技術は、長時間にわたって溶断部材が発熱した場合でも、溶断部材の固定状態を安定化させ、安全かつ速やかに電流経路を遮断できる保護素子及びこれを用いたバッテリパックを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本技術に係る保護素子は、ケースと、ヒューズエレメントと、上記ヒューズエレメントの少なくとも一方の面に接続され、上記ヒューズエレメントを溶断する溶断部材と、上記ケースの内面に設けられ、上記溶断部材と当接することにより上記溶断部材の揺動を抑制する固定部材を有し、上記溶断部材は、絶縁基板と、上記絶縁基板に形成された発熱体を備え、上記絶縁基板が上記発熱体の発熱により軟化する接合材料により上記ヒューズエレメントに接続されているものである。
また、本技術に係るバッテリパックは、1つ以上のバッテリセルと、上記バッテリセルの充放電経路上に接続され、該充放電経路を遮断する保護素子とを備え、上記保護素子は、上記記載の保護素子である。
本技術によれば、ケースの内面に固定部材が設けられ、この固定部材が溶断部材と当接することにより溶断部材の揺動を抑制する。これにより、接合材料が軟化しヒューズエレメントに対する溶断部材の固定状態が不安定となった場合にも、絶縁基板の傾きを抑制することができる。したがって、溶断部材の固定状態を安定化させ、発熱体の熱をヒューズエレメントへ確実に伝達することができ、安全かつ速やかに電流経路を遮断できる。
図1は、本技術が適用された保護素子の平面図である。 図2は、図1に示す保護素子のD-D’断面図である。 図3は、図1に示す保護素子のE-E’断面図である。 図4は、溶断部材を示す図であり、(A)は絶縁基板の表面を示す平面図であり、(B)は絶縁基板の裏面を示す底面図である。 図5は、保護素子においてヒューズエレメントが溶断した状態を示す図であり、(A)は絶縁基板の表面を示す平面図であり、(B)は絶縁基板の裏面側及び溶断したヒューズエレメントを示す平面図である。 図6は、本技術が適用された保護素子においてヒューズエレメントが溶断した状態を示す図であり、(A)は図5に示す溶断部材のA-A’断面図、(B)は図5に示す溶断部材のB-B’断面図である。 図7は、上側ケースと下側ケースを示す図であり、(A)は上側ケースの平面図、(B)は下側ケースの平面図、(C)は(A)に示す上側ケースのF-F’断面図、(D)は(B)に示す下側ケースのG-G’断面図である。 図8は、第1~第3の電極端子を支持する下側ケースを示す平面図である。 図9は、本技術が適用された保護素子の回路図である。 図10は、本技術が適用された保護素子においてヒューズエレメントが溶断した状態を示す断面図である。 図11は、ヒューズエレメントの断面図である。 図12は、バッテリパックの構成例を示す回路図である。 図13は、変形例に係る保護素子の上側ケースと下側ケースを示す図であり、(A)は上側ケースの平面図、(B)は下側ケースの平面図、(C)は(A)に示す上側ケースのH-H’断面図、(D)は(B)に示す下側ケースのI-I’断面図である。 図14は、上側ケース及び下側ケースの各内面側に柱状部材からなる固定部材を複数形成した保護素子を示す断面図である。 図15は、上側ケース及び下側ケースの各内面側に柱状部材からなる固定部材を複数形成した保護素子を示す断面図である。 図16は、変形例に係る保護素子の上側ケースと下側ケースを示す図であり、(A)は上側ケースの平面図、(B)は下側ケースの平面図、(C)は(A)に示す上側ケースのJ-J’断面図、(D)は(B)に示す下側ケースのK-K’断面図である。 図17は、変形例に係る保護素子の上側ケースと下側ケースを示す図であり、(A)は上側ケースの平面図、(B)は下側ケースの平面図、(C)は(A)に示す上側ケースのL-L’断面図、(D)は(B)に示す下側ケースのM-M’断面図である。 図18は、変形例に係る保護素子の上側ケースと下側ケースを示す図であり、(A)は上側ケースの平面図、(B)は下側ケースの平面図、(C)は(A)に示す上側ケースのN-N’断面図、(D)は(B)に示す下側ケースのO-O’断面図である。 図19は、変形例に係る保護素子の上側ケースと下側ケースを示す図であり、(A)は上側ケースの平面図、(B)は下側ケースの平面図、(C)は(A)に示す上側ケースのP-P’断面図、(D)は(B)に示す下側ケースのQ-Q’断面図である。 図20は、変形例に係る保護素子の上側ケースと下側ケースを示す図であり、(A)は上側ケースの平面図、(B)は下側ケースの平面図、(C)は(A)に示す上側ケースのR-R’断面図、(D)は(B)に示す下側ケースのS-S’断面図である。 図21は、固定部材として、絶縁基板の主面部と対向する支持面を有するブロック状部材を設けた保護素子を示す断面図である。 図22は、固定部材として、絶縁基板の主面部と対向する支持面を有するブロック状部材を設けた保護素子を示す断面図である。 図23は、変形例に係る保護素子の上側ケースと下側ケースを示す図であり、(A)は上側ケースの平面図、(B)は下側ケースの平面図、(C)は(A)に示す上側ケースのT-T’断面図、(D)は(B)に示す下側ケースのU-U’断面図である。 図24は、変形例に係る保護素子の上側ケースと下側ケースを示す図であり、(A)は上側ケースの平面図、(B)は下側ケースの平面図、(C)は(A)に示す上側ケースのV-V’断面図、(D)は(B)に示す下側ケースのW-W’断面図である。 図25は、固定部材として、ケースの内側面に設けられ、絶縁基板の外縁部を支持する支持片が形成された保護素子を示す断面図である。 図26は、固定部材として、ケースの内側面に設けられ、絶縁基板の外縁部を支持する支持片が形成された保護素子を示す断面図である。 図27は、保護素子の平面図である。 図28は、図27に示す保護素子のD-D’断面図である。 図29は、図27に示す保護素子のE-E’断面図である。 図30は、図27に示す保護素子の溶断部材を示す図であり、(A)は絶縁基板の表面を示す平面図であり、(B)は絶縁基板の裏面を示す底面図である。 図31は、図27に示す保護素子において、溶断部材が揺動して絶縁基板に傾きが生じ、ヒューズエレメントの表裏面に面接触されていた保持電極がヒューズエレメントから離間した状態を示す断面図である。 図32は、図27に示す保護素子においてヒューズエレメントが一部未切断となった状態を示す断面図である。
以下、本技術が適用された保護素子及びバッテリパックについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本技術は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
図1~図3に示すように、本技術が適用された保護素子1は、ケース28と、ヒューズエレメント2と、ヒューズエレメント2の少なくとも一方の面に接続され、ヒューズエレメント2を溶断する溶断部材3と、ケース28の内面に設けられ、溶断部材3と当接することにより溶断部材3の揺動を抑制する固定部材8を有する。図1は、保護素子1の平面図であり、図2は、図1に示す保護素子1のD-D’断面図であり、図3は、図1に示す保護素子1のE-E’断面図である。
図4は、溶断部材3を示す図であり、(A)は絶縁基板4の表面4aを示す平面図であり、(B)は絶縁基板4の裏面4bを示す底面図である。溶断部材3は、絶縁基板4と、絶縁基板4の表面4a側に形成された発熱体5と、発熱体5を被覆する絶縁層6と、発熱体5と接続され、絶縁層6を介して発熱体5と重畳される発熱体引出電極7を有する。
また、絶縁基板4の表面4aと反対側の裏面4bには、ヒューズエレメント2の溶断時にヒューズエレメント2の溶融導体2aを保持する保持電極10が形成され、絶縁基板4から発熱体引出電極7まで貫通する貫通孔11によって、発熱体引出電極7と保持電極10とが連続されている。
ヒューズエレメント2は、保持電極10と接続ハンダ9等の、導電性を有し、加熱されることにより軟化する接合材料によって接続されている。また、ヒューズエレメント2は、両端が外部回路と接続された第1、第2の電極端子21,22と接続ハンダ9等の接合材料によって接続されている。
この保護素子1によれば、ケース28の内面に固定部材8が設けられ、この固定部材8が溶断部材3と当接することにより溶断部材3の揺動を抑制する。これにより、ヒューズエレメント2の溶断時において発熱体5の発熱により接続ハンダ9が軟化しヒューズエレメント2に対する溶断部材3の固定状態が不安定となった場合にも、絶縁基板4の傾きを抑制する。
すなわち、保護素子1によれば、ヒューズエレメント2に面接触されていた保持電極10がヒューズエレメント2から離間することがなく、発熱体5の熱をヒューズエレメント2へ確実に伝達することができる。したがって、大電流に対応した大型のヒューズエレメント2を用いた場合に、このヒューズエレメント2を溶断するために、相当の時間、高熱を発熱した場合でも、溶断部材3の固定状態を安定化させ、安全かつ速やかに電流経路を遮断できる。
以下、保護素子1の溶断部材3の各構成及びヒューズエレメント2について詳細に説明する。
[溶断部材]
[絶縁基板]
溶断部材3は、絶縁基板4を備える。絶縁基板4は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって形成される。その他、絶縁基板4は、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよい。絶縁基板4の表面4aには発熱体5が形成されている。
本発明においては、図4(A)に示すように、絶縁基板4の発熱体5が形成されている面を表面4aとし、図4(B)に示すように、表面4aの反対側の面を裏面4bとする。また、絶縁基板4は、表面4aに形成された後述する発熱体引出電極7と、裏面4bに形成された後述する保持電極10とを連続させる貫通孔11が形成されている。
[発熱体]
発熱体5は、比較的抵抗値が高く通電すると発熱する導電性を有する部材であって、例えばニクロム、W、Mo、Ru等又はこれらを含む材料からなる。発熱体5は、これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものを絶縁基板4上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成することができる。
保護素子1においては、絶縁基板4の表面4aに2つの発熱体5が並列して形成されている。各発熱体5は、一端が発熱体給電電極12と接続され、他端が発熱体電極14と接続されている。発熱体給電電極12は、発熱体5の一端と接続され発熱体5への給電端子となる電極であり、キャスタレーションを介して絶縁基板4の裏面4bに形成された外部接続電極12aと連続されている。また、各発熱体5は、絶縁層6に被覆されるとともに、絶縁層6上に形成された発熱体引出電極7が重畳されている。
外部接続電極12aは、外部回路と接続されている第3の電極端子23と、接続ハンダ9等の、導電性を有し、発熱体5の発熱により加熱されることにより軟化する接合材料によって接続されることにより、外部回路に設けられた電源と接続され、発熱体5へ給電可能とされる。また、発熱体電極14は、後述する発熱体引出電極7が接続されている。
発熱体給電電極12及び発熱体電極14は、それぞれ、AgやCu等の導電パターンによって形成されている。また、発熱体給電電極12及び発熱体電極14の表面上には、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の被膜が、メッキ処理等の公知の手法によりコーティングされていることが好ましい。これにより、保護素子1は、発熱体給電電極12及び発熱体電極14の酸化を防止し、導通抵抗の上昇に伴う定格の変動を防止することができる。
なお、発熱体給電電極12は、外部接続電極12aと第3の電極端子23とを接続する接続用ハンダ9がリフロー実装等において溶融し、キャスタレーションを介して発熱体給電電極12上に這い上がり、発熱体給電電極12上に濡れ拡がることを防止する規制壁(図示せず)を設けることが好ましい。規制壁は、例えばガラスやソルダーレジスト、絶縁性接着剤等ハンダに対する濡れ性を有しない絶縁材料を用いて形成することができ、発熱体給電電極12上に印刷等により形成することができる。規制壁を設けることにより、溶融した接続用ハンダ9が発熱体給電電極12まで濡れ広がることを防止し、保護素子1と外部回路基板との接続性を維持することができる。
絶縁層6は、発熱体5の保護及び絶縁を図るために設けられ、例えばガラス層からなる。絶縁層6は、厚みが例えば10~40μmと薄く形成されている。なお、絶縁層6は、絶縁基板4の表面4aと発熱体5の間にも形成してもよい。
[発熱体引出電極]
発熱体引出電極7は、発熱体給電電極12及び発熱体電極14と同様に、AgやCu等の導電パターンによって形成されている。また、発熱体引出電極7の表面上には、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の被膜が、メッキ処理等の公知の手法によりコーティングされていることが好ましい。
発熱体引出電極7は、一端を発熱体電極14と接続されるとともに、絶縁層6上に形成され、絶縁層6を介して発熱体5と重畳されている。発熱体引出電極7は、発熱体5が形成されていない領域である2つの発熱体5の間に延在する先端部7aと、2つの発熱体5と重畳するとともに発熱体電極14と接続される基部7bとを有する。発熱体引出電極7は、発熱体5の通電方向と直交する方向を幅方向としたときに、2つの発熱体5と重畳する幅広に形成された部位を基部7bとし、基部7bから突出して2つの発熱体5の間の領域に延在する幅が細い部位を先端部7aとする。
発熱体引出電極7は、貫通孔11が設けられ、絶縁基板4の裏面4bに形成された保持電極10と電気的、熱的に接続されている。これにより、発熱体5の熱が、発熱体引出電極7、貫通孔11及び保持電極10を経てヒューズエレメント2に伝わり、ヒューズエレメント2を溶融させる。また、ヒューズエレメント2の溶融導体2aは、貫通孔11に吸引され、発熱体引出電極7上に保持される(図5参照)。
[保持電極]
絶縁基板4の裏面4bには、接続ハンダ9等の接続材料によってヒューズエレメント2と接続される保持電極10、補助電極15及び外部接続電極12aが形成されている。保持電極10は、絶縁基板4を介して、表面4aの略中央部に形成された発熱体引出電極7と対向する位置に形成されている。また、保持電極10は、保持電極10の表面から発熱体引出電極7まで貫通する貫通孔11を介して発熱体引出電極7と連続されている。これにより、溶融したヒューズエレメント2の溶融導体2aが、貫通孔11を介して発熱体引出電極7側に吸引される。
補助電極15は、保持電極10とともに、ヒューズエレメント2に接続されるとともに、溶融導体2aを保持するものである。補助電極15は、保持電極10を挟んで絶縁基板4の両側縁部に形成されている。
外部接続電極12a、保持電極10及び補助電極15は、AgやCuあるいはAgやCuを主成分とする合金材料等の公知の電極材料を用いて、スクリーン印刷等の公知の方法により形成することができる。
貫通孔11は、ヒューズエレメント2が溶融すると、毛管現象によってヒューズエレメント2の溶融導体2aを吸引し、保持電極10上で保持する溶融導体2aの体積を減少させることができる。これにより、保護素子1の高定格化、高容量化に伴いヒューズエレメント2が大型化することにより溶融量が増大した場合にも、図6に示すように、大量の溶融導体2aを保持電極10、発熱体引出電極7及び補助電極15によって保持することができ、ヒューズエレメント2を確実に溶断することができる。
貫通孔11は、絶縁基板4の発熱体5が形成されていない領域に形成されている。図4に示す溶断部材3では、並列する発熱体5の間の領域に形成されている。
貫通孔11は、内面に導電層24が形成されている。導電層24は、保持電極10及び発熱体引出電極7と連続する。これにより、保持電極10と発熱体引出電極7が導電層24を介して電気的に接続される。また、導電層24が形成されることにより、発熱体5の熱を発熱体引出電極7及び保持電極10を介してヒューズエレメント2に速やかに伝えることができる。
また、保持電極10は、ヒューズエレメント2を支持するとともに溶断時には溶融導体2aが凝集するため、保持電極10と導電層24とが連続することにより、溶融導体2aを貫通孔11内に導きやすくすることができる。また、溶融導体2aは、導電層24と連続する発熱体引出電極7に濡れ広がり、保持される(図5、図6参照)。したがって、より多くの溶融導体2aを貫通孔11及び発熱体引出電極7に吸引、保持することができ、保持電極10及び補助電極15によって保持される溶融導体2aの体積を減少させ、確実に溶断することができる。
導電層24は、例えば銅、銀、金、鉄、ニッケル、パラジウム、鉛、錫のいずれか、又はいずれかを主成分とする合金によって形成され、貫通孔11の内面を電解メッキや導電ペーストの印刷等の公知の方法により形成することができる。また、導電層24は、複数の金属線や、導電性を有するリボンの集合体を貫通孔11内に挿入することにより形成してもよい。
なお、溶断部材3は、貫通孔11を複数形成してもよい。これにより、発熱体5の伝熱経路を増やしてより速やかにヒューズエレメント2へ熱を伝えるとともに、ヒューズエレメント2の溶融導体2aを吸引する経路を増やし、速やかにより多くの溶融導体2aを吸引することで、溶断部位における溶融導体2aの体積を減少させることができる。
[ケース]
また、保護素子1は、ヒューズエレメント2及び溶断部材3がケース28に覆われることによりその内部が保護されている。ケース28は、例えば、各種エンジニアリングプラスチック、熱可塑性プラスチック、セラミックス、ガラスエポキシ基板等の絶縁性を有する部材を用いて形成することができる。ケース28は、ヒューズエレメント2及び溶断部材3を収納するとともに、ヒューズエレメント2の溶融時に溶融導体2aが球状に膨張し、発熱体引出電極7上に凝集するのに十分な内部空間を有する。
図2、図3、図7に示すように、ケース28は、上側ケース29と下側ケース30が組み合わされて形成されている。図7は、上側ケース29と下側ケース30を示す図であり、(A)は上側ケース29の平面図、(B)は下側ケース30の平面図、(C)は(A)に示す上側ケース29のF-F’断面図、(D)は(B)に示す下側ケース30のG-G’断面図である。上側ケース29には側壁下面に嵌合凹部31が形成されている。下側ケース30は、側壁上面に嵌合凹部31と嵌合する嵌合凸部32が形成されている。上下ケース29,30は、嵌合凹部31に嵌合凸部32が嵌合することにより組み合わされ、接着材によって固着される。
図8に示すように、下側ケース30は、略方形状に形成され、嵌合凸部32が形成されるとともに第1~第3の電極端子21~23を支持する側縁部30aと、ヒューズエレメント2の下面側に接続された溶断部材3が位置する中空部30bを有する。側縁部30aは、第1~第3の電極端子21~23が載置され、ケース28の内外にわたって支持する。中空部30bは、ヒューズエレメント2の下面側に接続された溶断部材3を収納するとともに、発熱体引出電極7に溶融導体2aが濡れ広がり凝集可能な内部空間を有する。
上側ケース29は、下側ケース30と同様に略方形状に形成され、下側ケース30と突き合わせ結合されることによりヒューズエレメント2及びヒューズエレメント2の上面側に接続された溶断部材3を覆う。また、上側ケース29は、発熱体引出電極7に溶融導体2aが濡れ広がり凝集可能な内部空間を有する。
[固定部材]
ケース28の内面には、溶断部材3と当接することにより溶断部材3の揺動を抑制する固定部材8が設けられている。固定部材8は、ケース28の内側面に支持され、溶断部材3の近傍まで突出形成されている。固定部材8は、ヒューズエレメント2の溶断時において、発熱体5の発熱により接続ハンダ9が軟化しヒューズエレメント2に対する溶断部材3の固定状態が不安定となった場合に、溶断部材3と当接する。これにより、溶断部材3の揺動が抑制され、ヒューズエレメント2に面接触されていた保持電極10がヒューズエレメント2から離間することがなく、発熱体5の熱をヒューズエレメント2へ確実に伝達することができる。
図3に示すように、溶断部材3は、絶縁基板4の一側縁に設けられた外部接続電極12aが第3の電極端子23と接続ハンダ9等の接続材料によって接続されている。また、ヒューズエレメント2と保持電極10を面接触させた状態で接続する接続ハンダ9は、ヒューズエレメント2の溶断過程において保持電極10が加熱されることにより軟化する。このため、絶縁基板4が外部接続電極12a側に傾き、保持電極10とヒューズエレメント2が離間し、ヒューズエレメント2への加熱が不十分となる恐れがある(図31参照)。
保護素子1は、ケース28の内側面に支持された固定部材8を設け、この固定部材8が溶断部材3と当接することにより溶断部材3の揺動を抑制することができる。したがって、大電流に対応した大型のヒューズエレメント2を用いた場合に、このヒューズエレメント2を溶断するために、相当の時間、高熱を発熱した場合でも、溶断部材3のヒューズエレメント2への固定状態を安定化させ、保持電極10を介して十分にヒューズエレメント2を加熱、溶断することができ、安全かつ速やかに電流経路を遮断できる。
固定部材8は、例えば、各種エンジニアリングプラスチック、熱可塑性プラスチック等を用いて形成することができる。また、固定部材8は、ケース28と別部材とし、ケース28の内面に固着することにより設けることができる。あるいは、固定部材8は、ケース28と一体成型により設けることができる。
固定部材8は、例えば図2、図3、図7に示すように、柱状部材17により形成することができる。柱状部材17は、上側ケース29の天面及び下側ケース30の底面からそれぞれ突出しヒューズエレメント2の一面及び他面にそれぞれ接続された溶断部材3に当接される。柱状部材17は、先端が予め溶断部材3と当接していてもよく、先端が溶断部材3に近接して設けられ溶断部材3が揺動した際に当接するようにしてもよい。また、各溶断部材3と当接される柱状部材17は、一つでもよく複数でもよい。柱状部材17の溶断部材3との当接面の大きさは溶断部材3の当接位置に応じて設定される。
また、溶断部材3の固定部材8が当接する部位は、絶縁基板4の表面4aの角部や絶縁層6上等、溶融導体2aの凝集を阻害しない位置が好ましい。特に、図3、図7に示すように、固定部材8は、絶縁基板4の外部接続電極12aが形成された側縁と反対側の側縁部であって、外部接続電極12aと対向する位置に当接するように設けられることが好ましい。これにより、絶縁基板4が外部接続電極12a側に傾くのを効果的に防止することができる。
また、固定部材8は、溶断部材3と当接する部位に、溶断部材3との緩衝や固着防止を図る中間材(図示せず)を設けてもよい。中間材としては、ゴム材、弾性樹脂、不織布、弾性樹脂を含侵させた不織布や無機繊維材料等が例示されるが、これらに限定されるものではない。また、中間材は、接着材により固定部材8の先端部に設けることができる。また、中間材は、自身が粘着性を有する材料であれば固定部材8の先端部を被覆することにより設けることができる。中間材を設けることにより、固定部材8と溶断部材3との接触による損傷や固着等の損傷を防止し、固定部材8や溶断部材3の性能を維持することができる。
[溶断部材の形成工程]
このような溶断部材3は、絶縁基板4の表面4aに、いずれもスクリーン印刷等の公知の形成方法を用いて、発熱体給電電極12、発熱体電極14を形成した後、発熱体5を形成し、絶縁層6を積層形成する。次いで、発熱体引出電極7を形成する。また、絶縁基板4の裏面4bも、スクリーン印刷等の公知の形成方法を用いて、保持電極10、外部接続電極12a及び補助電極15を形成する。その後、ドリル等で貫通孔11を形成し、メッキ等により導電層24を形成することにより完成する。溶断部材3は、保持電極10及び補助電極15が接続ハンダ9によりヒューズエレメント2に接続される。溶断部材3が接続されたヒューズエレメント2は、接続ハンダ9により下側ケース30の側縁部30aに支持された第1、第2の電極端子21,22に接続される。また、絶縁基板4の外部接続電極12aが、接続ハンダ9により下側ケース30の側縁部30aに支持された第3の電極端子23に接続される。
[ヒューズエレメント挟持形態]
図2に示す保護素子1では、ヒューズエレメント2の一面及び上記一面と反対側の他面に、溶断部材3がそれぞれ接続され、これにより、ヒューズエレメント2が複数の溶断部材3に挟持されている。図9は、保護素子1の回路図である。ヒューズエレメント2の一面及び他面に接続された各溶断部材3は、それぞれ発熱体5の一端が、各絶縁基板4に形成された発熱体引出電極7及び保持電極10を介してヒューズエレメント2と接続されている。また、各溶断部材3は、発熱体5の他端と接続された発熱体給電電極12が、それぞれ第3の電極端子23と接続ハンダ9等の接続材料を介して接続され、第3の電極端子23を介して外部回路に設けられた発熱体5を発熱させるための電源に接続される。
また、図10に示すように、保護素子1は、発熱体5の発熱によりヒューズエレメント2を溶断する際には、ヒューズエレメント2の両面に接続された各溶断部材3,3の発熱体5が発熱し、ヒューズエレメント2の両面から加熱する。したがって、保護素子1は、大電流用途に対応するためにヒューズエレメント2の断面積を増大させた場合にも、速やかにヒューズエレメント2を加熱し、溶断することができる。
また、保護素子1は、ヒューズエレメント2の両面から溶融導体2aを、各溶断部材3に形成した各貫通孔11内に吸引し、発熱体引出電極7で保持する。したがって、保護素子1は、大電流用途に対応するためにヒューズエレメント2の断面積を増大させ溶融導体2aが多量に発生した場合にも、複数の溶断部材3によって吸引し、確実にヒューズエレメント2を溶断させることができる。また、保護素子1は、複数の溶断部材3によって溶融導体2aを吸引することにより、より速やかにヒューズエレメント2を溶断させることができる。
保護素子1は、ヒューズエレメント2として、内層を構成する低融点金属を高融点金属で被覆する被覆構造を用いた場合にも、ヒューズエレメント2を速やかに溶断させることができる。すなわち、高融点金属で被覆されたヒューズエレメント2は、発熱体5が発熱した場合にも、外層の高融点金属が溶融する温度まで加熱するのに時間を要する。ここで、保護素子1は、複数の溶断部材3を備え、同時に各発熱体5を発熱させることで、外層の高融点金属を速やかに溶融温度まで加熱することができる。したがって、保護素子1によれば、外層を構成する高融点金属層の厚みを厚くすることができ、さらなる高定格化を図りつつ、速溶断特性を維持することができる。
また、保護素子1は、図2に示すように、一対の溶断部材3,3が対向してヒューズエレメント2に接続されることが好ましい。これにより、保護素子1は、一対の溶断部材3,3で、ヒューズエレメント2の同一箇所を両面側から同時に加熱するとともに溶融導体2aを吸引することができ、より速やかにヒューズエレメント2を加熱、溶断することができる。
また、保護素子1は、一対の溶断部材3,3の各絶縁基板4に形成された保持電極10及び補助電極15がヒューズエレメント2を介して互いに対向することが好ましい。これにより、一対の溶断部材3,3が対称に接続されることで、リフロー実装時やヒューズエレメント2の加熱時等において、ヒューズエレメント2に対する溶断部材3からの負荷のかかり方がアンバランスとなることを抑制し、ヒューズエレメント2の変形や溶断部材3の接続ズレ等への耐性を向上させることができる。
なお、発熱体5は、貫通孔11の両側に形成することが、保持電極10及び発熱体引出電極7を加熱し、またより多くの溶融導体2aを凝集、吸引するうえで好ましい。
[ヒューズエレメント2]
ヒューズエレメント2は、第1及び第2の電極端子21,22間にわたって実装され、発熱体5の通電による発熱、又は定格を超える電流が通電することによる自己発熱(ジュール熱)により溶断し、第1の電極端子21と第2の電極端子22との間の電流経路を遮断するものである。
ヒューズエレメント2は、発熱体5の通電による発熱、又は過電流状態によって溶融する導電性の材料であればよく、例えば、SnAgCu系のPbフリーハンダのほか、BiPbSn合金、BiPb合金、BiSn合金、SnPb合金、PbIn合金、ZnAl合金、InSn合金、PbAgSn合金等を用いることができる。
また、ヒューズエレメント2は、高融点金属と、低融点金属とを含有する構造体であってもよい。例えば、図11に示すように、ヒューズエレメント2は、内層と外層とからなる積層構造体であり、内層として低融点金属層26、低融点金属層26に積層された外層として高融点金属層27を有する。ヒューズエレメント2は、第1、第2の電極端子21,22、保持電極10及び補助電極15上に接続ハンダ9等の接合材料を介して接続される。
低融点金属層26は、好ましくは、ハンダ又はSnを主成分とする金属であり、「Pbフリーハンダ」と一般的に呼ばれる材料である。低融点金属層26の融点は、必ずしもリフロー炉の温度よりも高い必要はなく、200℃程度で溶融してもよい。高融点金属層27は、低融点金属層26の表面に積層された金属層であり、例えば、Ag若しくはCu又はこれらのうちのいずれかを主成分とする金属であり、第1、第2の電極端子21,22、保持電極10及び補助電極15とヒューズエレメント2との接続をリフローによって行う場合においても溶融しない高い融点を有する。
このようなヒューズエレメント2は、低融点金属箔に、高融点金属層をメッキ技術を用いて成膜することによって形成することができ、あるいは、他の周知の積層技術、膜形成技術を用いて形成することもできる。ヒューズエレメント2は、低融点金属層26の全面が高融点金属層27によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。なお、ヒューズエレメント2は、高融点金属層27を内層とし、低融点金属層26を外層として構成してもよく、また低融点金属層と高融点金属層とが交互に積層された3層以上の多層構造とする、外層の一部に開口部を設けて内層の一部を露出させるなど、様々な構成によって形成することができる。
ヒューズエレメント2は、内層となる低融点金属層26に、外層として高融点金属層27を積層することによって、リフロー温度が低融点金属層26の溶融温度を超えた場合であっても、ヒューズエレメント2として形状を維持することができ、溶断するに至らない。したがって、第1、第2の電極端子21,22、保持電極10及び補助電極15とヒューズエレメント2との接続を、リフローによって効率よく行うことができ、また、リフローによってもヒューズエレメント2の変形に伴って局所的に抵抗値が高く又は低くなる等により所定の温度で溶断しない、あるいは所定の温度未満で溶断する等の溶断特性の変動を防止することができる。したがって、保護素子1は、所定の過電流や発熱体5の発熱によって速やかにヒューズエレメント2を溶断することができる。
また、ヒューズエレメント2は、所定の定格電流が流れている間は、自己発熱によっても溶断することがない。そして、定格よりも高い値の電流が流れると、自己発熱(ジュール熱)によって溶融し、第1、第2の電極端子21,22間の電流経路を遮断する。
また、ヒューズエレメント2は、発熱体5が通電され発熱することにより溶融し、第1、第2の電極端子21,22間の電流経路を遮断する。このとき、ヒューズエレメント2は、溶融した低融点金属層26が高融点金属層27を浸食(ハンダ食われ)することにより、高融点金属層27が溶融温度よりも低い温度で溶解する。したがって、ヒューズエレメント2は、低融点金属層26による高融点金属層27の浸食作用を利用して短時間で溶断することができる。また、ヒューズエレメント2は、保持電極10及び補助電極15による溶融導体2aの物理的な引き込み作用により分断されることから、速やかに、かつ確実に、第1、第2の電極端子21,22間の電流経路を遮断することができる(図5、図9)。
また、ヒューズエレメント2は、低融点金属層26の体積を、高融点金属層27の体積よりも多く形成するようにしてもよい。ヒューズエレメント2は、過電流による自己発熱又は発熱体5の発熱によって加熱され、低融点金属が溶融することにより高融点金属を溶食し、これにより速やかに溶融、溶断することができる。したがって、ヒューズエレメント2は、低融点金属層26の体積を高融点金属層27の体積よりも多く形成することにより、この溶食作用を促進し、速やかに第1、第2の電極端子21,22間を遮断することができる。
また、内層となる低融点金属層26に高融点金属層27が積層されて構成されたヒューズエレメント2においては、溶断温度を従来の高融点金属からなるチップヒューズ等よりも大幅に低減することができる。したがって、ヒューズエレメント2は、同一サイズのチップヒューズ等に比して、断面積を大きくでき電流定格を大幅に向上させることができる。また、同じ電流定格をもつ従来のチップヒューズよりも小型化、薄型化を図ることができ、速溶断性に優れる。
また、ヒューズエレメント2は、保護素子1が組み込まれた電気系統に異常に高い電圧が瞬間的に印加されるサージへの耐性(耐パルス性)を向上することができる。すなわち、ヒューズエレメント2は、例えば100Aの電流が数msec流れたような場合にまで溶断してはならない。この点、極短時間に流れる大電流は導体の表層を流れることから(表皮効果)、外層として抵抗値の低いAgメッキ等の高融点金属層27が設けられたヒューズエレメント2においては、サージによって印加された電流を流しやすく、自己発熱による溶断を防止することができる。したがって、ヒューズエレメント2は、従来のハンダ合金からなるヒューズに比して、大幅にサージに対する耐性を向上させることができる。
なお、ヒューズエレメント2は、酸化防止、及び溶断時の濡れ性の向上等のため、フラックス(図示せず)を塗布してもよい。
ヒューズエレメント2の端部と接続される第1、第2の電極端子21,22は、導電性を有する端子であり、保護素子1のケース28の内外にわたって設けられている。第1、第2の電極端子21,22は、ケース28の外部に導出された先端部にネジ孔20が設けられ、外部回路に設けられた接続電極にねじ止め等により接続可能とされている。
なお、上述した発熱体給電電極12と接続された外部接続電極12aと接続される第3の電極端子23も、同様に、保護素子1のケース28の内外にわたって設けられ、ケース28の外部に導出された先端部にネジ孔20が設けられている。
[回路構成例]
このような保護素子1は、図12に示すように、例えばリチウムイオン二次電池のバッテリパック40内の回路に組み込まれて用いられる。バッテリパック40は、例えば、合計4個のリチウムイオン二次電池のバッテリセル41a~41dからなるバッテリスタック45を有する。
バッテリパック40は、バッテリスタック45と、バッテリスタック45の充放電を制御する充放電制御回路46と、バッテリスタック45の異常時に充放電経路を遮断する本発明が適用された保護素子1と、各バッテリセル41a~41dの電圧を検出する検出回路47と、検出回路47の検出結果に応じて保護素子1の動作を制御するスイッチ素子となる電流制御素子48とを備える。
バッテリスタック45は、過充電及び過放電状態から保護するための制御を要するバッテリセル41a~41dが直列接続されたものであり、バッテリパック40の正極端子40a、負極端子40bを介して、着脱可能に充電装置42に接続され、充電装置42からの充電電圧が印加される。充電装置42により充電されたバッテリパック40は、正極端子40a、負極端子40bをバッテリで動作する電子機器に接続することによって、この電子機器を動作させることができる。
充放電制御回路46は、バッテリスタック45と充電装置42との間の電流経路に直列接続された2つの電流制御素子43a、43bと、これらの電流制御素子43a、43bの動作を制御する制御部44とを備える。電流制御素子43a、43bは、たとえば電界効果トランジスタ(以下、FETという。)により構成され、制御部44によりゲート電圧を制御することによって、バッテリスタック45の電流経路の充電方向及び/又は放電方向への導通と遮断とを制御する。制御部44は、充電装置42から電力供給を受けて動作し、検出回路47による検出結果に応じて、バッテリスタック45が過放電又は過充電であるとき、電流経路を遮断するように、電流制御素子43a、43bの動作を制御する。
保護素子1は、例えば、バッテリスタック45と充放電制御回路46との間の充放電電流経路上に接続され、その動作が電流制御素子48によって制御される。
検出回路47は、各バッテリセル41a~41dと接続され、各バッテリセル41a~41dの電圧値を検出して、各電圧値を充放電制御回路46の制御部44に供給する。また、検出回路47は、いずれか1つのバッテリセル41a~41dが過充電電圧又は過放電電圧になったときに電流制御素子48を制御する制御信号を出力する。
電流制御素子48は、たとえばFETにより構成され、検出回路47から出力される検出信号によって、バッテリセル41a~41dの電圧値が所定の過放電又は過充電状態を超える電圧になったとき、保護素子1を動作させて、バッテリスタック45の充放電電流経路を電流制御素子43a、43bのスイッチ動作によらず遮断するように制御する。
以上のような構成からなるバッテリパック40に用いられる、本発明が適用された保護素子1は、図9に示すような回路構成を有する。すなわち、保護素子1は、第1の電極端子21がバッテリスタック45側と接続され、第2の電極端子22が正極端子40a側と接続され、これによりヒューズエレメント2がバッテリスタック45の充放電経路上に直列に接続される。また、保護素子1は、発熱体5が発熱体給電電極12及び第3の電極端子23を介して電流制御素子48と接続されるとともに、発熱体5がバッテリスタック45の開放端と接続される。これにより、発熱体5は、一端が発熱体引出電極7及び保持電極10を介してヒューズエレメント2及びバッテリスタック45の一方の開放端と接続され、他端が第3の電極端子23を介して電流制御素子48及びバッテリスタック45の他方の開放端と接続される。これにより、電流制御素子48によって通電が制御される発熱体5への給電経路が形成される。
[保護素子の動作]
発熱体5は、保護素子1が外部回路基板に実装されることにより、第3の電極端子23を介して外部回路に形成された電流制御素子48等と接続され、平常時においては通電及び発熱が規制されている。そして、検出回路47がバッテリセル41a~41dのいずれかの異常電圧を検出すると、電流制御素子48へ遮断信号を出力する。すると、電流制御素子48は、発熱体5に通電するよう電流を制御する。発熱体5は、バッテリスタック45から電流が流れることにより発熱を開始する。
発熱体5の熱は、発熱体引出電極7、貫通孔11及び保持電極10を経てヒューズエレメント2に伝達され、また、絶縁基板4から保持電極10や補助電極15を経てヒューズエレメント2に伝わり、ヒューズエレメント2を溶融させる。ヒューズエレメント2は、溶融導体2aが保持電極10、補助電極15及び発熱体引出電極7上に凝集し、これにより保持電極10と補助電極15との間で溶断される(図5、図6、図10)。
また、保護素子1は、ヒューズエレメント2を高融点金属と低融点金属とを含有させて形成することにより、高融点金属の溶融前に低融点金属が溶融し、溶融した低融点金属による高融点金属の溶食作用を利用して短時間でヒューズエレメント2を溶解させることができる。
ヒューズエレメント2が溶断することにより、バッテリスタック45の充放電経路が第1、第2の電極端子21,22間で遮断する。また、発熱体5は、ヒューズエレメント2が溶断することにより、自身への給電経路も遮断されることから発熱が停止する。
ここで、保護素子1は、ケース28の内面に固定部材8が設けられ、この固定部材8が溶断部材3と当接することにより溶断部材3の揺動を抑制する。これにより、ヒューズエレメント2の溶断時において発熱体5の発熱により接続ハンダ9が軟化しヒューズエレメント2に対する溶断部材3の固定状態が不安定となった場合にも、絶縁基板4の傾きを抑制することができ、保持電極10がヒューズエレメント2から離間することなく、安全かつ速やかにヒューズエレメント2を溶断することができる。
なお、保護素子1は、ヒューズエレメント2に定格を超える過電流が通電された場合にも、ヒューズエレメント2が自己発熱により溶融し、バッテリパック40の充放電経路を遮断することができる。
本発明に係る保護素子1は、リチウムイオン二次電池のバッテリパックに用いる場合に限らず、電気信号による電流経路の遮断を必要とする様々な用途にももちろん応用可能である。
[変形例1]
次いで、固定部材8の変形例について説明する。なお、以下の説明において、上述した保護素子1と同一の部材については同一の符号を付して、その詳細を省略することがある。図13~図15に示すように、保護素子50は、上側ケース29及び下側ケース30の各内面側に柱状部材17を複数形成されている。保護素子50では、上側ケース29の天面に4本の柱状部材17を有し、矩形状に形成された絶縁基板4の四隅と当接するように立設されている。同様に、保護素子50は、下側ケース30の底面にも4本の柱状部材17を有し、矩形状に形成された絶縁基板4の四隅と当接するように立設されている。
なお、図13は、保護素子50の上側ケース29と下側ケース30を示す図であり、(A)は上側ケース29の平面図、(B)は下側ケース30の平面図、(C)は(A)に示す上側ケース29のH-H’断面図、(D)は(B)に示す下側ケース30のI-I’断面図である。
保護素子50によれば、柱状部材17により絶縁基板4の四隅が支持されるため、あらゆる角度に対して、溶断部材3の揺動を抑制することができる。なお、ヒューズエレメント2の両面に接続された溶断部材3の実装位置を対称にする観点から、上側ケース29及び下側ケース30の各柱状部材17は、互いに対向する位置に形成されていることが好ましい。また、各柱状部材17は溶断部材3との当接面に上述した中間材を設けてもよい。
[変形例2]
次いで、固定部材8の別の変形例について説明する。なお、以下の説明においても、上述した保護素子1と同一の部材については同一の符号を付して、その詳細を省略することがある。図16に示す保護素子60は、ケース28の内面側に形成された基部61と、基部61から溶断部材3の絶縁基板4側に突出し溶断部材3と当接する複数の凸部62を有する固定部材8が設けられている。
なお、図16は、保護素子60の上側ケース29と下側ケース30を示す図であり、(A)は上側ケース29の平面図、(B)は下側ケース30の平面図、(C)は(A)に示す上側ケース29のJ-J’断面図、(D)は(B)に示す下側ケース30のK-K’断面図である。
基部61は、略直方体状をなし、上側ケース29の天面及び下側ケース30の底面に設けられている。図16に示す保護素子60では、基部61は、上側ケース29の対向する側面間にわたって設けられ、且つ下側ケース30の対向する側面間にわたって設けられている。これにより、基部61に設けられた凸部62の位置決めを精度よく行うことができる。
各基部61からは柱状部材からなる複数の凸部62が突出して形成されている。各凸部62は、基部61と一体に形成されても良く、基部61に接着等により接続されていてもよい。
また、凸部62は、溶断部材3の所定の位置に当接するように立設されている。図16に示す保護素子60では、矩形状に形成された絶縁基板4の四隅と当接するように上下ケース29,30に各4本の凸部62が立設されている。凸部62は、先端が溶断部材3と当接していてもよく、先端が溶断部材3に近接して設けられ溶断部材3が揺動した際に当接するようにしてもよい。凸部62の溶断部材3との当接面の大きさは溶断部材3の当接位置に応じて設定される。凸部62は、溶断部材3との当接面に上述した中間材を設けてもよい。
なお、保護素子60は、絶縁基板4の側縁に沿って凸部62を配置してもよい。図17に示す保護素子60では、上側ケース29の天面及び下側ケース30の底面の溶断部材3と対向する位置に、それぞれ4つの基部61を並列させ、絶縁基板4の発熱体給電電極12及び発熱体電極14が形成された側縁に沿って凸部62が配列されている。
なお、図17は、保護素子60の上側ケース29と下側ケース30を示す図であり、(A)は上側ケース29の平面図、(B)は下側ケース30の平面図、(C)は(A)に示す上側ケース29のL-L’断面図、(D)は(B)に示す下側ケース30のM-M’断面図である。
また、保護素子60は、平面視において、基部61の表面に複数の凸部62を均等に配置してもよい。図18に示す保護素子60では、溶断部材3の絶縁基板4と対向する複数の凸部62が溶断部材3に近接して設けられ溶断部材3が揺動した際に当接する。複数の凸部62の溶断部材3との対向領域は溶断部材3に応じて設定されるが、絶縁基板4の全面をカバーすることが好ましい。複数の凸部62は、一又は複数の凸部62に溶断部材3が当接することにより揺動を抑制することができる。また、複数の凸部62が溶断部材3と当接することで、溶断部材3を安定させて揺動を抑制することができる。
なお、図18は、保護素子60の上側ケース29と下側ケース30を示す図であり、(A)は上側ケース29の平面図、(B)は下側ケース30の平面図、(C)は(A)に示す上側ケース29のN-N’断面図、(D)は(B)に示す下側ケース30のO-O’断面図である。
[変形例3]
次いで、固定部材8の別の変形例について説明する。なお、以下の説明においても、上述した保護素子1と同一の部材については同一の符号を付して、その詳細を省略することがある。図19に示す保護素子70は、固定部材8として、円錐状部材71が設けられている。円錐状部材71は、溶断部材3と点接触することにより揺動を抑制する。円錐状部材71を用いることにより、溶断部材3に固定部材8との相当の当接面積が確保できない場合にも、点接触により当接させることができる。
なお、図19は、保護素子70の上側ケース29と下側ケース30を示す図であり、(A)は上側ケース29の平面図、(B)は下側ケース30の平面図、(C)は(A)に示す上側ケース29のP-P’断面図、(D)は(B)に示す下側ケース30のQ-Q’断面図である。
また、円錐状部材71は、一又は複数設けてもよい。また、立設する位置も、上述したように、絶縁基板4の外部接続電極12aが形成された側縁と反対側の側縁部であって、外部接続電極12aと対向する位置に当接するように設けてもよく、絶縁基板4の四隅に当接する、あるいは側縁に沿って当接するように設けてもよい。また、円錐状部材71のほか、角錐状部材を用いてもよい。
[変形例4]
次いで、固定部材8の別の変形例について説明する。なお、以下の説明においても、上述した保護素子1と同一の部材については同一の符号を付して、その詳細を省略することがある。図20に示す保護素子80は、固定部材8として、絶縁基板4の主面部と対向する支持面81を有するブロック状部材82が設けられている。
ブロック状部材82は、上側ケース29の天面及び下側ケース30の底面にそれぞれ設けられ、図21、図22に示すように、溶断部材3の絶縁基板4と対向する支持面81が溶断部材3の発熱体引出電極7に当接されている。支持面81の大きさは溶断部材3に応じて設定されるが、絶縁基板4の面積以上の面積を有することが好ましい。ブロック状部材82は、支持面81と溶断部材3とが面接触することで、溶断部材3を安定して固定することができる。
なお、ブロック状部材82は、支持面81を溶断部材3と近接して設け、溶断部材3が揺動した際に当接するようにしてもよい。ブロック状部材82は、溶断部材3が揺動した際に支持面81と当接することで、支持面81と面接触するように揺動を規制することができる。また、ブロック状部材82は、支持面81と溶断部材3とが面接触することで、溶断部材3が当接したのちも安定させることができる。
なお、図20は、保護素子80の上側ケース29と下側ケース30を示す図であり、(A)は上側ケース29の平面図、(B)は下側ケース30の平面図、(C)は(A)に示す上側ケース29のR-R’断面図、(D)は(B)に示す下側ケース30のS-S’断面図である。
ブロック状部材82は、断面直方体状に限らず、台形状、円柱状等、任意の形状で形成することができる。
[変形例5]
次いで、固定部材8の別の変形例について説明する。なお、以下の説明においても、上述した保護素子1と同一の部材については同一の符号を付して、その詳細を省略することがある。図23に示す保護素子90は、固定部材8として、絶縁基板4の外縁部と接する縁部91と、縁部91に囲まれ、絶縁基板4の主面部上を覆う凹部92を有する天蓋状部材93が設けられている。
天蓋状部材93は、上側ケース29の天面及び下側ケース30の底面にそれぞれ設けられ、溶断部材3の絶縁基板4と対向する縁部91が絶縁基板4に当接又は近接して設けられている。縁部91は、絶縁基板4との接触部位が全周にわたって連続して形成してもよく、電極や接続ハンダなどのとの接触を避けるべき部位を除くように断続的に形成してもよい。凹部92は、ドーム状に限らず、矩形箱状、円筒状等、任意の形状で形成することができる。天蓋状部材93は、縁部91に溶断部材3が当接することにより、溶断部材3の揺動を抑制することができる。また、天蓋状部材93は、凹部92内において発熱体引出電極7の上方空間が確保されることで、溶融導体2aの凝集が阻害されることもない。
なお、図23は、保護素子90の上側ケース29と下側ケース30を示す図であり、(A)は上側ケース29の平面図、(B)は下側ケース30の平面図、(C)は(A)に示す上側ケース29のT-T’断面図、(D)は(B)に示す下側ケース30のU-U’断面図である。
[変形例6]
次いで、固定部材8の別の変形例について説明する。なお、以下の説明においても、上述した保護素子1と同一の部材については同一の符号を付して、その詳細を省略することがある。図24~図26に示す保護素子96は、固定部材8として、ケース28の内側面に設けられ、絶縁基板4の外縁部を支持する支持片97が形成されている。
支持片97は、上側ケース29の内側面及び下側ケース30の内側面にそれぞれ張り出して形成され、絶縁基板4のヒューズエレメント2との接続面(裏面4b)と反対側の表面4aに当接して設けられている。また、支持片97は、上下ケース29,30と一体に成形してもよく、別部材として形成し上下ケース29,30に取り付けてもよい。
また、支持片97が当接する部位は、絶縁基板4の表面4aの角部や絶縁層6上等、溶融導体2aの凝集を阻害しない位置が好ましい。特に、図26に示すように、支持片97は、絶縁基板4の発熱体給電電極12が形成された側縁と反対側の側縁部であって、発熱体給電電極12と対向する位置に当接するように設けられることが好ましい。これにより、絶縁基板4が外部接続電極12a側に傾くのを効果的に防止することができる。また、支持片97は、絶縁基板4と面接触することにより、溶断部材3を安定して固定することができる。
また、支持片97は、絶縁基板4の表面4aと近接して設けられ溶断部材3が揺動した際に当接するようにしてもよい。支持片97は、溶断部材3が揺動した際に絶縁基板4と当接することで、絶縁基板4が面接触するように揺動を規制することができる。また、支持片97は、絶縁基板4と面接触することで、絶縁基板4と当接したのちも安定させることができる。
なお、支持片97は、上下ケース29,30にそれぞれ複数設け、絶縁基板4の異なる側縁部を支持するようにしてもよい。
図24は、保護素子96の上側ケース29と下側ケース30を示す図であり、(A)は上側ケース29の平面図、(B)は下側ケース30の平面図、(C)は(A)に示す上側ケース29のV-V’断面図、(D)は(B)に示す下側ケース30のW-W’断面図である。
なお、上述した保護素子は、いずれもヒューズエレメント2の両面に溶断部材3を接続したが、本技術が適用された保護素子は、ヒューズエレメント2の一方の面のみに溶断部材3を接続したものであってもよい。
また、上述した保護素子は、いずれも絶縁基板4の裏面4b側をヒューズエレメント2への接続面とし、表面4a側を固定部材8の当接面としたが、本技術が適用された保護素子は、絶縁基板4の表面4a側をヒューズエレメント2への接続面とし、裏面4b側を固定部材8の当接面としてもよい。この場合、発熱体引出電極7が接続ハンダ9によりヒューズエレメント2と接続される。
1 保護素子、2 ヒューズエレメント、2a 溶融導体、3 溶断部材、4 絶縁基板、4a 表面、4b 裏面、5 発熱体、6 絶縁層、7 発熱体引出電極、7a 先端部、7b 基部、8 固定部材、9 接続ハンダ、10 保持電極、11 貫通孔、12 発熱体給電電極、12a 外部接続電極、14 発熱体電極、15 補助電極、17 柱状部材、21 第1の電極端子、22 第2の電極端子、23 第3の電極端子、24 導電層、26 低融点金属層、27 高融点金属層、28 ケース、29 上側ケース、30 下側ケース、30a 側縁部、30b 中空部、40 バッテリパック、41 バッテリセル、42 充電装置、43 電流制御素子、44 制御部、45 バッテリスタック、46 充放電制御回路、47 検出回路、48 電流制御素子、50 保護素子、60 保護素子、61 基部、62 凸部、70 保護素子、71 円錐状部材、80 保護素子、81 支持面、82 ブロック状部材、90 保護素子、91 縁部、92 凹部、93 天蓋状部材、96 保護素子、97 支持片

Claims (17)

  1. ケースと、
    ヒューズエレメントと、
    上記ヒューズエレメントの少なくとも一方の面に接続され、上記ヒューズエレメントを溶断する溶断部材と、
    上記ケースの内面に設けられ、上記溶断部材と当接することにより上記溶断部材の揺動を抑制する固定部材を有し、
    上記溶断部材は、絶縁基板と、上記絶縁基板に形成された発熱体を備え、上記絶縁基板が上記発熱体の発熱により軟化する接合材料により上記ヒューズエレメントに接続されている
    保護素子。
  2. 上記溶断部材が上記ヒューズエレメントの上記一方の面及び他方の面に接続され、
    上記ヒューズエレメントの上記一方の面及び他方の面に接続された各上記溶断部材の揺動を抑制する複数の上記固定部材が設けられている請求項1に記載の保護素子。
  3. 上記溶断部材が上記ヒューズエレメントを介して対向する位置に接続されている請求項2に記載の保護素子。
  4. 上記固定部材は、上記ケースと別部材であり、上記ケースの内面に固着されている請求項1~3のいずれか1項に記載の保護素子。
  5. 上記固定部材は、上記ケースと一体成型されている請求項1~3のいずれか1項に記載の保護素子。
  6. 上記固定部材は、上記溶断部材と近接して設けられている請求項1~5のいずれか1項に記載の保護素子。
  7. 上記固定部材は、上記溶断部材に当接して設けられている請求項1~5のいずれか1項に記載の保護素子。
  8. 上記固定部材は、上記溶断部材と当接する部位に中間材が設けられている請求項1~7のいずれか1項に記載の保護素子。
  9. 上記固定部材は、一又は複数の柱状部材からなる請求項1~8のいずれか1項に記載の保護素子。
  10. 上記固定部材は、上記ケースの内面側に形成された基部と、上記基部から上記溶断部材の上記絶縁基板側に突出する複数の凸部を有する請求項1~8のいずれか1項に記載の保護素子。
  11. 上記凸部は、平面視において、上記基部表面に均等に配置されている請求項10に記載の保護素子。
  12. 上記固定部材は、一又は複数の円錐状又は角錐条部材からなる請求項1~8のいずれか1項に記載の保護素子。
  13. 上記固定部材は、上記絶縁基板の主面部と対向する支持面を有するブロック状部材からなる請求項1~8のいずれか1項に記載の保護素子。
  14. 上記支持面は、上記絶縁基板と同面積以上の面積を有する請求項13に記載の保護素子。
  15. 上記固定部材は、上記絶縁基板の外縁部と接する縁部と、上記縁部に囲まれ、上記絶縁基板の主面部上を覆う凹部を有する天蓋状部材からなる請求項1~8のいずれか1項に記載の保護素子。
  16. 上記固定部材は、上記ケースの内側面に設けられ、上記絶縁基板の外縁部を支持する支持片からなる請求項1~8のいずれか1項に記載の保護素子。
  17. 1つ以上のバッテリセルと、上記バッテリセルの充放電経路上に接続され、該充放電経路を遮断する保護素子とを備え、
    上記保護素子は、上記請求項1~16のいずれか1項に記載の保護素子である
    バッテリパック。
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