JP2023105509A - カラム充填剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蛋白質などの分子量の大きな化合物をクロマトグラフィーにより効率よく分離できる手段を提供する。【解決手段】 BET法で測定される比表面積が400~1000m2/g(特に好ましくは500~700m2/g)、BJH法で測定される細孔容積が2~8ml(特に好ましくは4~6ml)、同細孔半径のピーク位置が10~50nmにあり、平均円形度が0.8以上(特に好ましくは0.85以上)、表面に炭化水素基が結合しており、かつメタノール疎水化度(M値)が30~70vol%(特に好ましくは35~60vol%)である金属酸化物(特に好ましくはシリカ)をカラム充填剤として用いる。【選択図】 なし

Description

本発明は、クロマトグラフィー用のカラム充填剤に関する。
複数の成分からなる混合物を分離する手段として、一般的にクロマトグラフィーが用いられる。クロマトグラフィーとは、充填剤を充填したカラムの一端に分離対象(試料)である物質の混合物を注入し、移動相(ガスまたは溶離液)をその一端から流して分離を行う方法である。クロマトグラフィーをその原理として用いる装置がクロマトグラフと呼ばれる。分離対象の化合物間の、移動相あるいは充填剤表面との間の相互作用に差があると、カラム出口からの各物質が溶出してくるまでの時間に差が生じる。そのために各物質を分離することができる。
一般的には、クロマトグラフは、移動相に溶離液を流す場合を例にとって説明すれば、溶離液を流すためのポンプ、試料を注入するためのインジェクター、分離を行うためのカラム、カラムから溶出した成分を検知するための検出器から構成される。
クロマトグラフィーのカラムは1~200μm程度の粒径の、破砕状あるいは球状の充填剤をカラム充填剤として、ステンレスやガラスの円筒形のカラムに充填して作製される。
クロマトグラフィーの分離対象となる物質は、ガス、イオン、低分子有機化合物、ポリマー、蛋白質等の大分子など様々なものがある。カラム充填剤はこの分離対象に応じて、適切な材質や構造のものを選択し使用される。例えば、イオンを分離する場合には表面にイオン交換基が修飾されたカラム充填剤を用いる。疎水性の差異によって物質を分離する場合には、表面にアルキル基等の疎水世紀を修飾した充填剤が用いられる。
カラム充填剤の表面積を大きくすると、分離できる試料の量が多くなり好適であるため、多孔質構造とするのが一般的である。
例えばシリカ粒子を充填剤に用いる場合には、その平均細孔径は10nm前後であり、イオンや低分子であれば細孔内に出入りが容易で細孔内表面の寄与により十分に分離ができる。しかし、ポリマーや蛋白質のように分子量が大きな物質を分離対象とする場合には、細孔内に入ることができないため、細孔内の表面は分離に寄与せず、成分毎に分離されないまま、カラムを素通りすることが知られている。
この短所を改善すべく、細孔径の大きな充填剤が開発され用いられてきた。
例えば、非特許文献1には、中心に非多孔性のシリカと、周囲に多孔性のシリカを配置した、いわゆるコアシェル構造であって、平均細孔径が40nmのカラム充填剤が記載されている。
また、セルロースなどの生体由来高分子を破砕状にしたカラム充填剤は蛋白質の分離に広く用いられてきている。
他方、球状の多孔質金属酸化物は多数提案されており、また市販もされている。(特許文献1および2、非特許文献2等)
国際公開第2012/057086号パンフレット 特開2018-177620号公報
ジャーナル オブ ファーマドーテイカルアナリシスJournal of Pharmaceutical Analysis 2013年 3巻 303~312ページ 疎水性球状多孔質シリカ「エアリカ」,[online],2022年1月19日検索],インターネット<URL:https://www.tokuyama.co.jp/research/recent_study/airlica.html>
しかしながら非特許文献1に記載の構造のカラム充填剤は、その体積のすべてを分離の場として利用することができない。そのため、カラムに適用する試料量が少なくなるという欠点があった。
また、生体由来高分子を破砕状にしたカラム充填剤は、その形状が球形ではなく更に粒径が均一では無いために、カラム内での移動相の移動が不均一となる。そのために、分離能が良好ではないという短所を有している。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、球状かつ、その体積全体が多孔構造である金属酸化物による充填剤を用いたカラム充填剤を見出した。
すなわち、本発明は、 金属酸化物からなるカラム充填剤であって、当該金属酸化物が、
BET法で測定される比表面積が400~1000m/gであり、
BJH法で測定される細孔容積が2~8mlであり、同細孔半径のピーク位置が10~50nmにあり、
平均円形度が0.8以上であり、
表面に炭化水素基が結合しており、かつ
メタノール疎水化度(M値)が30~70vol%である
金属酸化物からなるカラム充填剤である。
本発明のカラム充填剤を用いることにより、分子量の大きな蛋白質をクロマトグラフィー分離することができ、従来のカラムと同等の量の試料を適用できるカラムを与えることができる。
本発明のカラム充填剤は金属酸化物からなる。当該金属酸化物は固体であって、カラム充填剤として用いられた時に移動相に溶解することなく、また分解反応を生じないものであれば用いることができる。その例として、シリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア(MgO)、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化錫、酸化タングステン、酸化バナジウム等の単独酸化物、及びこれらのうちの2種以上の金属元素を含む複合酸化物(例えばシリカ-アルミナ、シリカ-チタニア、シリカ-チタニア-ジルコニア等。)が挙げられる。また複合酸化物の場合、単独酸化物が水分に対して比較的敏感なアルカリ金属やアルカリ土類金属(周期律第4周期(Ca)以降)を構成金属元素として含むことも可能である。好適な例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアが挙げられる。
本発明のカラム充填剤として用いる金属酸化物(以下、「本発明における金属酸化物」)の、BET法(窒素吸着BET一点法)で測定される比表面積は400~1000m/gの範囲にある。比表面積がこの範囲よりも小さい場合には、カラムに適用できる試料量が少なくなる。また、この範囲よりも大きい場合には、カラム充填剤としての強度が小さくなり、その結果としてカラム内で当該カラム充填剤が崩壊し、カラムの閉塞が起き、クロマトグラフが機能しなくなる。当該比表面積の下限は好ましくは500m/g以上、より好ましくは550m/g以上であり、上限は好ましくは850m/g以下、より好ましくは700m/g以下である。
本発明における金属酸化物の、BJH法で測定される細孔容積は2~8mlの範囲にある。細孔容積が大きいとカラム充填剤としての強度が低下する傾向が強い。好ましくは2.5ml以上であり、より好ましくは4ml以上である。また上限は6mlで十分である。
なお、当該BJH法による金属酸化物の細孔容積は、測定対象のサンプルを、1kPa以下の真空下において、200℃の温度で3時間以上乾燥させ、その後、液体窒素温度における窒素の吸着側のみの吸着等温線を取得し、BJH法により解析して求めた値である。
本発明における金属酸化物の、細孔半径のピーク位置は、上記と同じくBJH法による解析で10~50nmにある。蛋白質の多くは数nmあるいはそれ以上の大きさを有するため、クロマトグラフィーで分離するためには、カラム充填剤の細孔半径は大きい方が良いが、40nm以下でも十分な性能は得られる。
本発明における金属酸化物の平均円形度は0.8以上である。クロマトグラフィーのカラムにおいては、カラム内の移動相の移動が均一となることが望ましい。そのためには、カラム充填剤の形状は円形であることが望ましい。平均円形度が小さくなると、1成分がカラムから溶出するのに要する時間が長くなり、分離性能が低くなる。より好ましくは平均円形度が0.85以上である。
上記「平均円形度」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、二次電子検出、低加速電圧(1kV~3kV)、倍率1000倍で観察したSEM像を得、個々の粒子について下記式(1)によって定義される値C(円形度)を求め(画像解析)、この円形度Cを2000個以上の粒子について相加平均値として出した値である(画像解析法)。この際、一個の凝集粒子を形成している粒子群は1粒子として計数する。
C=4πS/L (1)
上記式(1)において、Sは当該粒子が画像中に占める面積(投影面積)を表す。Lは画像中における当該粒子の外周部の長さ(周囲長)を表す。
本発明における金属酸化物の表面には炭化水素基が結合しており、そのため、試料と疎水性相互作用を生じる。試料内の成分の疎水性の大小により、成分の分離が可能となる。炭化水素基としては一般的に炭素数1~30のアルキル基が用いられる。アルキル基は直鎖上であってもよいし、分岐していてもよい。また環状化合物であってもよい。さらに、炭素―炭素間結合として二重結合を含んでいてもよい。例えばフェニル基、ナフチル基なども用いることができる。
当該金属酸化物に結合している炭化水素基の量の目安の一つとして炭素量がある。本発明における金属酸化物としては、炭素量が1質量%以上のものが好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、6質量%以上が特に好ましい。上限は12質量%で十分であり、10質量%以下でもよい。
本発明における金属酸化物のメタノール疎水化度(M値)は、30~70vol%である。メタノール疎水化度が低いと、上記の炭化水素基が十分に結合していないため、疎水性相互作用によるクロマトグラフィー分離が不十分になる。そのため、メタノール疎水化度は30vol%が下限であり、35vol%以上が好ましい。70vol%を超える金属酸化物を入手することは困難であり、60vol%以下が一般的である。必要とするカラムの分離特性により、必要とされるメタノール疎水化度も異なるため、この範囲で適宜選択して用いればよい。
なお上記メタノール疎水化度の測定方法は、以下のとおりである。金属酸化物0.2gを、50mLの水が入った容量250mLのビーカーに加え、マグネチックスターラーにより攪拌する。ここに、ビュレットを使用してメタノールを試料粉末に直接接触しないように添加し、試料粉末の全量が溶液中に分散し懸濁したところを終点として滴定する。終点におけるメタノール-水混合溶媒中のメタノールの容量百分率(%)をメタノール疎水化度とする。
本発明における金属酸化物の、レーザー回折・散乱法で測定される体積基準の累積50%径は、1~200μmである。
上記の累計50%径は、レーザー回折・散乱法により測定した値である。具体的には、金属酸化物0.005gをエタノール50gに加えたものを入れた容器を、超音波洗浄機中にいれ、90Wで3分間分散したものを試料とし、レーザー回折・散乱法により粒度分布を測定し、体積基準の累積50%径として求める。
累積50%径が小さいと、カラムに移動相が流れにくくなり、カラムの上流側での圧力が高くなり、カラム充填剤の崩壊を招きやすい。また、累積50%径が大きいと、クロマトグラフィー分離能が低くなる。本発明における金属酸化物としては、好ましくは1~100μmの範囲で選択され、更に好ましくは3~50μmの範囲が、更に好ましくは3~20μmの範囲が選択される。
本発明における金属酸化物として特に好適なのは、比表面積が500~700m/gであり、細孔容積が4~6mlであり、細孔半径のピーク位置が10~50nmにあり、平均円形度が0.85以上であり、表面に炭化水素基が結合しており、かつメタノール疎水化度(M値)が35~60vol%のシリカである。
本発明でカラム充填剤として使用する上記のような物性を持つ金属酸化物の入手、製造方法は特に限定されず、市場から調達しても、文献等に記載の方法で製造しても良い。例えば前者としてはトクヤマ社製球状シリカエアロゲル(製品名エアリカ)が、後者としては国際公開第2012/057086号、特開2014-088307号公報、特開2018-177620号公報、特開2019-19019号公報、特開2019-19017号公報、特開2020-142947号公報等に記載の金属酸化物を使用することができ、なかでも特開2018-177620号公報に記載のものが好ましい。
なお上記特開2018-177620号公報等においては粒径をコールターカウンター法により測定しているものもあるが、これら文献に記載の方法で製造された金属酸化物においては、同じものをレーザー回折・散乱法で測定すると概ね、
(コールターカウンターによる測定値)=2/3×(レーザー回折・散乱法による測定値)
のような関係となる。そのため、粒形の測定値の取り扱いには注意が必要である。これは、上記文献に記載の方法で製造された金属酸化物の細孔体積が大きいために、コールターカウンターの浸漬液が金属酸化物中に取り込まれ、その抵抗値を下げることが原因と推定される。むろん、最終的な確認はレーザー回折・散乱法で行う。
また上記特開2018-177620号公報記載の金属酸化物は、圧縮強度が比較的高く、その点からもカラム充填剤として好ましい。
なお、本発明における金属酸化物が有する前記炭化水素基は、これら公知文献に記載の金属酸化物の製造方法において、ゲル化体をシリル化(ないしは疎水化)処理する際に用いるシリル化剤(疎水化剤)として、所望の炭化水素基を持つ化合物を採用すればよい。
上記のような物性を有する金属酸化物からなる本発明のカラム充填剤は、既知のクロマトグラフィー用のカラム充填剤として用いることができる。すなわち、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、超臨界クロマトグラフィーのカラム充填剤として用いることができる。
本発明のカラム充填剤をカラムに充填する方法としては特に限定されることなく公知の方法を用いることができる。一般的には、カラム充填剤をクロロホルム等の有機溶媒に分散させ、パッカーと呼ばれる容器に入れる。パッカーの上流側に液体クロマトグラフィー用ポンプを接続し、更に下流側にカラムを接続し、該ポンプから有機溶媒を送液し、カラムに充填する。
以下の実施例により本発明を具体的に説明する。本発明は以下の実施例に制限されることなく用いることができる。
1.各物性の測定方法は以下のとおりである。
(1)BET比表面積
前述の方法により、日本ベル株式会社製BELSORP-maxを用いて測定した。
(2)細孔容積、細孔半径
前述の方法により、日本ベル株式会社製BELSORP-maxを用いて測定した。
(3)平均円形度
前述の方法により、SEMとして日立ハイテクノロジーズ製S-5500(加速電圧3.0kV、二次電子検出)を用いて観察した結果から、前記定義に従って算出した。
(4)メタノール疎水化度(M値)
前述の方法により測定した。
(5)累積50%径(D50)
前述の方法により、測定装置として堀場製作所製LA-950V2を用いて測定を行った。なお分散媒のエタノールとしては日本アルコール販売株式会社製商品名「ソルミックスA-7」を用いた。
2.金属酸化物の製造方法
カラム充填剤として用いた金属酸化物は、特開2018-177620号公報の実施例5に準じて製造し、多孔質シリカ(シリカエアロゲル)として得た。得られた多孔質シリカの物性を表1に記す。
3.カラムの調製方法
上記方法で製造した金属酸化物を各々2mlとり、30mlビーカー中でクロロホルムに分散させた。これをHPLCカラム充填用のパッカーに入れ、その下流側に空のステンレス製HPLCカラム(内径4.6mm、長さ150mm)を接続した。パッカーの上流側にはHPLC用ポンプを接続し、0.5ml/minにてクロロホルムを流すことにより、パッカー内の金属酸化物を、HPLCカラムに充填した。
実施例
金属酸化物を充填したカラムをHPLCシステム(Waters社製2690)に取り付け、10wt%ポリ(メタクリル酸メチル)(平均分子量Mn=30万)10μlを測定試料とし、移動相として流量1ml/min、アセトニトリルと水の比率を100:0、95:5、90:10の3通りとし、クロマトフラフ測定を行った。このときの、カラムの細孔径に比して分子量が大きい(分子サイズが大きい)ためにカラムを素通りし検出されるピーク(第1ピーク)の面積と、カラムとの疎水性相互作用によりカラム内に保持されたのちに溶出した成分のピーク(第2ピーク)の面積比を表2に示した。
移動相中の水の比率が大きくなるほど、また、炭化水素基の炭素数が多くなり疎水性が高くなるほど、保持されるピークの保持時間が大きくなることから、いずれも疎水性相互作用による分離、すなわち逆相モードによる分離がなされたことが分かった。
また、第1のピークと第2のピークの面積比は1:99となった。細孔半径が測定試料の分子サイズに比べて十分に大きいため、試料のほとんどはカラムを素通りすることなく(第1ピークに相当する)、細孔内で保持されてからカラムより溶出した(第2ピークに相当する)ことを示している。すなわち、本発明のカラム充填剤を用いることにより、分子サイズの大きな分子を容易に分離できることが示された。
比較例1
市販のHPLCカラム(ジーエルサイエンス社製 ODS-3 内径4.6mm、長さ150mm)を用い、実施例と同様のクロマトグラフ測定を行った。その充填剤の物性を表1に、結果を表2に合わせて示した。
本比較例のカラムを用いた時には、移動相中の水の比率が大きくなると、保持されるピークの保持時間が非常に大きくなり、カラムから溶出しなかった。これは疎水性相互作用による分離、すなわち逆相モードによる分離がなされたことを示している。また、本比較例においては、第1ピークと第2ピークの面積比は30:70であり、第1ピークの面積が全体の3割となった。これは、細孔半径が7.5nmと小さいことから、測定試料である平均分子量Mn=30万のポリ(メタクリル酸メチル)の多くが分離されないまま、カラムを素通りして溶出したことを示すものである。
比較例2
コアシェル型シリカを用いた市販のHPLCカラム(クロマニックテクノロジーズ社製 SunShellC4-1000)を用い、実施例と同様のクロマトグラフ測定を行った通常のカラム充填剤は細孔半径が5nm程度であるが、本比較例の充填剤の細孔半径は50nmであり、従来知られていた充填剤の中では最も大きな細孔半径を持つ。一方で、コアシェル構造であるがゆえに、充填剤の表層付近のみが多孔構造であり、その比表面積は非常に小さい。
クロマトグラフ測定の結果、カラムへの試料負荷量が比表面積に比して大すぎるため、クロマトピークのピーク幅が3分以上と大きくなり、クロマトグラフ測定として不適切なデータしか得られないことが分かった。すなわち測定試料濃度が10wt%、体積が10μl、すなわち約1mgの試料は、本比較例で用いたカラムには多すぎることが示された。
本比較例と前記実施例の比較から本発明の充填剤は、従来知られていた細孔半径が大きい充填剤よりも、分析試料の最大負荷可能量が大きく、大量の試料をクロマトグラフ分離することが求められる精製用充填剤としても優れていることが示された。
Figure 2023105509000001
Figure 2023105509000002

Claims (2)

  1. 金属酸化物からなるカラム充填剤であって、当該金属酸化物が以下の物性を有することを特徴とするカラム充填剤。
    BET法で測定される比表面積が400~1000m/gであり、
    BJH法で測定される細孔容積が2~8mlであり、同細孔半径のピーク位置が10~50nmにあり、
    平均円形度が0.8以上であり、
    表面に炭化水素基が結合しており、かつ
    メタノール疎水化度(M値)が30~70vol%である
  2. 金属酸化物のレーザー回折・散乱法で測定される体積基準の累積50%径が1~200μmである請求項1記載のカラム充填剤。
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