JP2023105422A - 処理装置、及び、部品の状態を検出する方法 - Google Patents

処理装置、及び、部品の状態を検出する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】チャンバ内の部品の状態を直接的に検出できる技術を提供する。【解決手段】処理装置は、チャンバと、チャンバに収容され、部品を保持するように構成される静電チャックと、静電チャックを貫通可能に配置され、部品を支持するように構成されるリフトピンと、リフトピンを昇降させるように構成される駆動部と、光を発生するように構成される光源と、光源に接続され、光源で発生した光を部品に向けて出射するとともに、部品において反射した戻り光を入射するように構成される少なくとも1つの光学素子と、少なくとも1つの光学素子に接続され、戻り光に応じた信号を出力するように構成される受光器と、受光器に接続され、リフトピンによって部品が昇降している間に受光器によって出力された信号に基づいて部品の昇降中の位置を検出し、検出された部品の昇降中の位置に基づいて部品の状態を検出するように構成される制御装置とを備える。【選択図】図2

Description

本開示の例示的実施形態は、処理装置、及び、部品の状態を検出する方法に関する。
特許文献1は、静電チャックを有する処理装置を開示する。ウエハは、リフトピンによって静電チャックから持ち上げられる。静電チャックからウエハが跳ね上った場合、ウエハと静電チャックとの間に放電現象が発生する。処理装置は、放電現象の検出結果に基づいてウエハの跳ね上がりを検出する。
特開2003-297805号公報
本開示は、チャンバ内の部品の状態を直接的に検出できる技術を提供する。
一つの例示的実施形態において、処理装置が提供される。処理装置は、チャンバ、静電チャック、リフトピン、駆動部、光源、少なくとも1つの光学素子、受光器、及び、制御装置を備える。静電チャックは、チャンバに収容され、部品を保持するように構成される。リフトピンは、静電チャックを貫通可能に配置され、部品を支持するように構成される。駆動部は、リフトピンを昇降させるように構成される。光源は、光を発生するように構成される。少なくとも1つの光学素子は、光源に接続され、光源で発生した光を部品に向けて出射するとともに、部品において反射した戻り光を入射するように構成される。受光器は、少なくとも1つの光学素子に接続され、戻り光に応じた信号を出力するように構成される。制御装置は、受光器に接続され、リフトピンによって部品が昇降している間に受光器によって出力された信号に基づいて部品の昇降中の位置を検出し、検出された部品の昇降中の位置に基づいて、部品の状態を検出するように構成される。
一つの例示的実施形態によれば、チャンバ内の部品の状態を直接的に検出できる。
処理システムの一例を示す図である。 一つの例示的実施形態に係る処理装置の縦断面構成を示す図である。 一つの例示的実施形態に係る状態検出システムの一例を示す構成図である。 3つのフォーカサの移動範囲の一例を模式的に示す図である。 一つの例示的実施形態に係る状態検出システムの測定位置の一例を説明する図である。 図5の測定位置に対応する干渉スペクトルの一例である。 リフトピンによって支持されたウエハの測定箇所の一例を説明する図である。 ウエハの跳ね上りの一例を説明する図である。 ウエハと天板との間のエアギャップ及び予め定められた位置との差分を時系列で示すグラフである。 ウエハと天板を模した実験系を用いた際の、ウエハと天板との間のエアギャップを測定した結果と、差分の絶対値を示すグラフである。 ウエハと天板との間のエアギャップの測定結果を時系列で示すグラフである。 ウエハの跳ね上がりを判定するフローチャートである。 ウエハの反りを判定するときのウエハの測定箇所の一例を説明する図である。 ウエハと天板との間のエアギャップを測定位置ごとに示すグラフである。 ウエハと天板との間のエアギャップの測定結果を測定位置ごとに示すグラフである。 ウエハの反りを判定するフローチャートである。 ウエハの水平度を判定するフローチャートである。 ロボットアーム上のウエハの水平度を判定するときのウエハの測定箇所の一例を説明する図である。 ロボットアーム上のウエハの水平度を判定するフローチャートである。
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
特許文献1は、静電チャックを有する処理装置を開示する。処理装置は、チャンバ内に静電チャックを有し、静電チャックに載置されたウエハに対して処理を行う。静電チャックには電圧が印加される。これにより、静電チャックはウエハを吸着するクーロン力を発生し、ウエハの位置ずれが防止される。ウエハを処理装置外へ搬出する際には、静電チャックへの電圧の印加が停止されるとともに、これまで印加された電圧とは正負が逆となる除電電圧が印加される。これにより、残留電荷が打ち消され、ウエハを吸着するクーロン力が解除される。その後、ウエハは、リフトピンによって静電チャックから持ち上げられる。リフトピンで支持されたウエハは、搬送アームに受け渡たされ、処理装置外へ搬出される。
残留電荷が十分に打ち消されなかった場合、ウエハは、リフトピンによって静電チャックから持ち上げられるときに大きく跳ね上がるおそれがある。跳ね上がったウエハは、衝撃により破損したり、上部電極と衝突してパーティクルを発生したりする。静電チャックからウエハが跳ね上った場合、ウエハと静電チャックとの間に放電現象が発生する。処理装置は、放電現象の検出結果に基づいてウエハの跳ね上がりを検出する。しかしながら、間接的な情報に基づいて検出しているため、ウエハの跳ね上がりなどの部品の状態を正確に検出することができないおそれがある。本開示は、チャンバ内の部品の状態を直接的に検出できる技術を提供する。
一つの例示的実施形態において、処理装置が提供される。処理装置は、チャンバ、静電チャック、リフトピン、駆動部、光源、少なくとも1つの光学素子、受光器、及び、制御装置を備える。静電チャックは、チャンバに収容され、部品を保持するように構成される。リフトピンは、静電チャックを貫通可能に配置され、部品を支持するように構成される。駆動部は、リフトピンを昇降させるように構成される。光源は、光を発生するように構成される。少なくとも1つの光学素子は、光源に接続され、光源で発生した光を部品に向けて出射するとともに、部品において反射した戻り光を入射するように構成される。受光器は、少なくとも1つの光学素子に接続され、戻り光に応じた信号を出力するように構成される。制御装置は、受光器に接続され、リフトピンによって部品が昇降している間に受光器によって出力された信号に基づいて部品の昇降中の位置を検出し、検出された部品の昇降中の位置に基づいて、部品の状態を検出するように構成される。
この処理装置においては、部品は、静電チャックに保持され、リフトピンによって昇降可能に構成される。光学素子から光が部品へ出射され、部品において反射した戻り光が光学素子に入射される。光学素子に接続された受光器において、戻り光に応じた信号が出力される。そして、リフトピンによって部品が昇降している間に受光器によって出力された信号に基づいて部品の昇降中の位置が検出され、部品の昇降中の位置に基づいて部品の状態が検出される。このように、処理装置は、昇降中の部品に光を照射することによって、部品の昇降中の位置を検出し、部品の跳ね上がり、傾きなどの状態を非接触で検出する。よって、処理装置は、部品の状態を直接的に検出できる。
一つの例示的実施形態において、部品の状態は、リフトピンによって部品を静電チャックから持ち上げる際に生じる部品の跳ね上がりの有無であり、制御装置は、部品の昇降中の位置と予め定められた位置との差分が予め定められた距離閾値以上である場合には部品が跳ね上がったと判定してもよい。この場合、処理装置は、部品の昇降中の位置に基づいて部品の跳ね上がりを判定することができる。
一つの例示的実施形態において、部品の状態は、リフトピンによって部品を静電チャックから持ち上げる際に生じる部品の跳ね上がりの有無であり、制御装置は、部品の昇降中の位置が予め定められた位置の範囲から外れた場合には部品が跳ね上がったと判定してもよい。この場合、処理装置は、部品の昇降中の位置に基づいて部品の跳ね上がりを判定することができる。
一つの例示的実施形態において、部品の状態は、リフトピンによって部品を静電チャックから持ち上げる際に生じる部品の跳ね上がりの有無であり、制御装置は、部品の昇降中の位置の変位が予め定められた変位閾値以上である場合には部品が跳ね上がったと判定してもよい。この場合、処理装置は、部品の昇降中の位置の変位に基づいて部品の跳ね上がりを判定することができる。
一つの例示的実施形態において、部品の状態は、リフトピンによって部品を静電チャックから持ち上げる際に生じる部品の割れの有無であり、制御装置は、部品の昇降中の位置とリフトピンの移動位置との差分が、リフトピンの上昇開始後所定期間の間、予め定められた距離閾値以上である場合には部品が割れていると判定してもよい。この場合、処理装置は、所定期間における部品の昇降中の位置とリフトピンの移動位置との差分に基づいて部品の割れを判定することができる。
一つの例示的実施形態において、処理装置は、印加時間及び印加電圧を含む除電条件を記憶し、リフトピンの駆動前に除電条件に基づいて静電チャックに電圧を印加するように構成されたチャック制御部をさらに備え、チャック制御部は、制御装置により部品の跳ね上がりを検出した場合には、印加時間及び印加電圧の少なくとも一方が変更されるように記憶された除電条件を変更してもよい。この場合、処理装置は、例えば部品の跳ね上がりが発生しないように除電条件を変更することができる。
一つの例示的実施形態において、処理装置は、印加時間及び印加電圧を含む除電条件を記憶し、リフトピンの駆動前に除電条件に基づいて静電チャックに電圧を印加するように構成されたチャック制御部をさらに備え、チャック制御部は、制御装置により部品の割れを検出した場合には、印加時間及び印加電圧の少なくとも一方が変更されるように記憶された除電条件を変更してもよい。この場合、処理装置は、例えば部品の割れが発生しないように除電条件を変更することができる。
一つの例示的実施形態において、少なくとも1つの光学素子は、部品の上面及び/又は下面に向けて光を出射するように構成されてもよい。一つの例示的実施形態において、少なくとも1つの光学素子は複数の光学素子であってもよい。一つの例示的実施形態において、部品は基板又はエッジリングであってもよい。
他の例示的実施形態において、処理装置が提供される。処理装置は、チャンバ、静電チャック、リフトピン、駆動部、光源、第1光学素子、第2光学素子、受光器、及び、制御装置を備える。静電チャックは、チャンバに収容され、基板を保持するように構成される。リフトピンは、静電チャックを貫通可能に配置され、基板を支持するように構成される。駆動部は、リフトピンを昇降させるように構成される。光源は、光を発生するように構成される。第1光学素子は、光源に接続され、光源で発生した光を基板のセンタ位置に出射するように構成される。第2光学素子は、光源に接続され、光源で発生した光を基板のエッジ位置に出射するように構成される。受光器は、第1光学素子及び第2光学素子に接続され、第1光学素子の戻り光に応じた第1信号及び第2光学素子の戻り光に応じた第2信号を出力するように構成される。制御装置は、受光器に接続され、受光器によって出力された第1信号及び第2信号に基づいて基板の位置をそれぞれ検出し、検出された基板の位置に基づいて基板の状態を検出するように構成される。
この処理装置においては、基板は、静電チャックに保持され、リフトピンによって昇降可能に構成される。第1光学素子から基板のセンタ位置に光が出射され、部品において反射した戻り光が第1光学素子に入射される。第2光学素子から基板のエッジ位置に光が出射され、部品において反射した戻り光が第2光学素子に入射される。第1光学素子及び第2光学素子に接続された受光器において、戻り光に応じた第1信号及び第2信号が出力される。そして、受光器によって出力された第1信号及び第2信号に基づいて基板の位置がそれぞれ検出され、検出された基板の位置に基づいて基板の状態が検出される。このように、処理装置は、基板のエッジ位置及びセンタ位置に光を照射することによって、基板のエッジ位置及びセンタ位置の位置を検出し、基板の傾き、反りなどの状態を非接触で検出する。よって、処理装置は、基板の状態を直接的に検出できる。
一つの例示的実施形態において、基板の状態は、基板の傾きの有無であり、制御装置は、第1信号に対応する基板の位置と第2信号に対応する基板の位置との差分が予め定められた差分以上である場合には基板が傾いていると判定してもよい。この場合、処理装置は、基板の傾きを直接的に検出できる。
一つの例示的実施形態において、基板の状態は、基板の反りの有無であり、制御装置は、第1信号に対応する基板の位置と第2信号に対応する基板の位置との差分が予め定められた反り閾値以上である場合には基板に反りが有ると判定してもよい。この場合、処理装置は、基板の反りを直接的に検出できる。
さらに他の例示的実施形態において、部品の状態を検出する方法が提供される。方法は、チャンバに収容された静電チャックに載置された部品をリフトピンで上昇させるステップと、リフトピンによって部品が昇降している間に、光を部品に向けて出射するとともに、部品において反射した戻り光に応じた信号を出力するステップと、信号に基づいて部品の昇降中の位置を検出し、検出された部品の昇降中の位置に基づいて部品の状態を検出するステップとを備える。
この方法は、上述した処理装置と同一の効果を奏する。
以下、図面を参照して、本開示の例示的実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
[処理システムの概要]
図1は、処理システムの一例を示す図である。図1に示される処理システム1は、ウエハ(部品及び基板の一例)を処理するための処理装置、及び、当該処理装置にウエハを搬送するための搬送装置を備える。処理装置は、ウエハ又はパーツ(部品の一例)の状態を検出することが可能な状態検出システムを有する。ウエハは、加工処理又はプラズマ処理が既に施されていてもよいし、されていなくてもよい。
処理システム1は、台2a~2d、容器4a~4d、ローダモジュールLM、ロードロックチャンバLL1,LL2、プロセスモジュールPM1~PM6、及びトランスファーチャンバTCを備える。
台2a~2dは、ローダモジュールLMの一縁に沿って配列される。容器4a~4dはそれぞれ、台2a~2d上に搭載される。容器4a~4dはそれぞれ、ウエハWを収容するように構成される。
ローダモジュールLMは、大気圧状態の搬送空間をその内部に画成するチャンバ壁を有する。ローダモジュールLMは、この搬送空間内に搬送装置TU1を有する。搬送装置TU1は、容器4a~4dとロードロックチャンバLL1~LL2の間でウエハWを搬送するように構成される。
ロードロックチャンバLL1及びロードロックチャンバLL2の各々は、ローダモジュールLMとトランスファーチャンバTCとの間に設けられる。ロードロックチャンバLL1及びロードロックチャンバLL2の各々は、予備減圧室を提供する。
トランスファーチャンバTCは、ロードロックチャンバLL1及びロードロックチャンバLL2にゲートバルブを介して接続される。トランスファーチャンバTCは、減圧可能な減圧室を提供しており、当該減圧室に搬送装置TU2を収容する。搬送装置TU2は、ロードロックチャンバLL1~LL2とプロセスモジュールPM1~PM6との間、及び、プロセスモジュールPM1~PM6のうち任意の二つのプロセスモジュール間において、ウエハWを搬送するように構成される。
プロセスモジュールPM1~PM6は、トランスファーチャンバTCにゲートバルブを介して接続される。プロセスモジュールPM1~PM6の各々は、ウエハWに対してプラズマ処理といった専用の処理を行うように構成された処理装置である。
処理システム1においてウエハWの処理が行われる際の一連の動作は、以下の通り例示される。ローダモジュールLMの搬送装置TU1が、容器4a~4dの何れかからウエハWを取り出し、当該ウエハWをロードロックチャンバLL1及びロードロックチャンバLL2のうち一方のロードロックチャンバに搬送する。次いで、一方のロードロックチャンバが、予備減圧室の圧力を所定の圧力に減圧する。次いで、トランスファーチャンバTCの搬送装置TU2が、一方のロードロックチャンバからウエハWを取り出し、当該ウエハWをプロセスモジュールPM1~PM6のうち何れかに搬送する。そして、プロセスモジュールPM1~PM6のうち一以上のプロセスモジュールがウエハWを処理する。そして、搬送装置TU2が、処理後のウエハをプロセスモジュールからロードロックチャンバLL1及びロードロックチャンバLL2のうち一方のロードロックチャンバに搬送する。次いで、搬送装置TU1がウエハWを一方のロードロックチャンバから容器4a~4dの何れかに搬送する。
処理システム1は、システム制御装置MCを更に備えている。システム制御装置MCは、プロセッサ、メモリといった記憶装置、表示装置、入出力装置、通信装置等を備えるコンピュータであり得る。上述した処理システム1の一連の動作は、記憶装置に記憶されたプログラムに従ったシステム制御装置MCによる処理システム1の各部の制御により、実現される。
[処理装置の概要]
次に、プロセスモジュールPM1~PM6の一例である処理装置10を説明する。図2は、一実施形態に係る処理装置10の縦断面構成を模式的に示す図である。図2に示すように、処理装置10は、ウエハWを収容してプラズマにより処理するためのチャンバ本体12を備える。チャンバ本体12は、その内部空間をチャンバ12cとして提供する。チャンバ本体12は、接地される。チャンバ12cは、真空排気可能に構成される。
チャンバ12c内、且つ、チャンバ本体12の底部上には、支持部14が設けられる。支持部14は、絶縁材料から構成される。支持部14は、略円筒形状を有する。支持部14は、チャンバ12c内において、チャンバ本体12の底部から上方に延在する。支持部14は、その上側部分において載置台16を支持する。
載置台16は、下部電極18及び静電チャック20を含む。下部電極18は、第1部材18a及び第2部材18bを含む。第1部材18a及び第2部材18bは、導電性材料から形成され、略円盤形状である。第2部材18bは、第1部材18a上に設けられ、第1部材18aに電気的に接続される。この下部電極18上に静電チャック20が設けられる。
静電チャック20は、チャンバ12cに収容され、その上に載置されたウエハW及びエッジリングERを保持するように構成される。静電チャック20は、円盤形状の絶縁層、及び、当該絶縁層内に設けられた膜状の電極を有する。静電チャック20の電極には、直流電源22が電気的に接続される。静電チャック20は、直流電源22からの直流電圧により生じた静電力によりウエハW及びエッジリングERを吸着する。
直流電源22からの電圧印加が停止した場合、静電チャック20には電荷が残留する。このため、直流電源22からの電圧印加が停止した直後においては、静電力が完全に無くならない。直流電源22は、印加する電圧の正負を制御可能に構成される。一例として、直流電源22は、静電力を発生させるために印加した電圧とは正負が逆となる電圧をさらに印加することで、静電チャック20の残留電荷を打ち消すことができるように構成される。他の例として、チャンバ内に導入されたN、O、Ar、He等のプロセスガスを高周波電力によりプラズマ放電を発生させることにより、静電チャック20の残留電荷を打ち消すことができるように構成されてもよい。
下部電極18の周縁部上には、ウエハWのエッジの周囲を囲むようにエッジリングERが配置されている。エッジリングERは、環状部材である。エッジリングERは、ウエハWのプラズマ処理の面内均一性を向上させるために設けられる。エッジリングERは、メンテナンス時に載置台16上から取り外され、新たなエッジリングERに交換され得る。エッジリングERは、図示しないリフトピンで上昇されて取り外されてもよい。
静電チャック20には、下方から上方に延びる貫通孔が形成されている。リフトピン61は、貫通孔内に上下動可能に設けられている。リフトピン61は、リフト駆動機構60(駆動部の一例)により上下駆動(昇降駆動)される。一例として、リフトピン61及び貫通孔は、静電チャック20の中心から等距離にあり、かつ、周方向にも等距離となるように、それぞれ3つ配置される。リフトピン61が上昇するとき、リフトピン61の先端がウエハWを支持し、ウエハWを押し上げることによって、ウエハWが上昇する。リフトピン61は、リフト駆動機構60により、搬送装置TU2の一部を構成する搬送ハンドからウエハWを受け取り、載置台16に載置するとともに、ウエハWを載置台16より持ち上げて搬送ハンドに受け渡す。
処理装置10には、ガス供給ライン28が設けられている。ガス供給ライン28は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス、例えばHeガスを、静電チャック20の上面とウエハWの裏面との間に供給する。
処理装置10は、対向電極30(上部電極の一例)を更に備える。対向電極30は、載置台16の上方において、当該載置台16と対面するように配置される。対向電極30は、所謂シャワーヘッドによって構成されており、載置台16上に載置されたウエハWに対して、シャワー状に所定の処理ガスを供給できるように構成される。対向電極30は、絶縁性の部材32を介して、チャンバ本体12の上部に支持される。この対向電極30は、天板34及び支持体36を含み得る。天板34は、チャンバ12cに面している。天板34には、複数のガス吐出孔34aが形成される。
支持体36は、天板34を着脱自在に支持し、導体で形成される。支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられる。このガス拡散室36aからは、複数のガス吐出孔34aにそれぞれ連通する複数の孔36bが下方に延びている。また、支持体36には、ガス拡散室36aに処理ガスを導くポート36cが形成され、このポート36cには、配管38が接続される。
対向電極30の上部には、第1窓36eが形成される。第1窓36eは、チャンバ本体12の上方から下方に向けて形成された第1貫通孔36dに配置される。第1貫通孔36dは、第1窓36eによって、光学的に連通しつつ気密封止される。第1窓36e及び第1貫通孔36dは、測定光を部品へ照射するための第1光導入路を構成する。
第1貫通孔36dの上端には、後述する状態検出システム4の構成要素である第1フォーカサ43a(光学素子の一例)が配置される。第1フォーカサ43aは、第1光ファイバ46aを介して光源と接続されており、第1貫通孔36d及び第1窓36eを介して測定光を処理室Sへ照射する。第1フォーカサ43aには、第1フォーカサ43aを水平方向に移動させる第1アクチュエータ47aが接続される。第1アクチュエータ47aは、電気的に制御可能な駆動機構であり、例えばステッピングモータなどである。第1フォーカサ43aの移動範囲は、エッジリングER及びウエハWの周縁部を含む。
チャンバ12cには、上述した第1光導入路と同一構成の光導入路が載置台16の周方向に沿って複数設けられる。具体的には、第2光導入路として図示しない第2窓及び第2貫通孔、第3光導入路として図示しない第3窓及び第3貫通孔が、載置台16の周方向に沿って設けられる。第2光導入路及び第3光導入路には、対応する第2フォーカサ43b(光学素子の一例)及び第3フォーカサ43c(光学素子の一例)が配置される。このように、対向電極30の上部には、窓、貫通孔及びフォーカサのセットが複数形成される。なお、第1光導入路と同一構成の光導入路は、載置台16の中央に対応する位置に更に設けられてもよい。この場合、フォーカサの移動範囲は、ウエハWの中央部を含む。
チャンバ本体12には、排気口12eが設けられる。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続される。排気装置50は、真空ポンプを有する。排気装置50は、チャンバ12cの圧力を減圧することができる。また、チャンバ本体12の側壁には、ウエハWの搬入又は搬出のための開口12pが設けられる。この開口12pは、ゲートバルブGVにより開閉可能である。
処理装置10は、第1高周波電源62及び第2高周波電源64を更に備える。第1高周波電源62は、プラズマ生成用の第1の高周波を発生する電源である。第1の高周波の周波数は、27~100MHzの周波数であり、一例においては40MHzの周波数である。第1高周波電源62は、整合器66を介して下部電極18に接続される。整合器66は、第1高周波電源62の出力インピーダンスと負荷側(下部電極18側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有する。なお、第1高周波電源62は、整合器66を介して、対向電極30に接続されてもよい。
第2高周波電源64は、ウエハWにイオンを引き込むための第2の高周波を発生する電源である。第2の高周波の周波数は、400kHz~13.56MHzの範囲内の周波数であり、一例においては3MHzの周波数である。第2高周波電源64は、整合器68を介して下部電極18に接続される。整合器68は、第2高周波電源64の出力インピーダンスと負荷側(下部電極18側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有する。
処理装置10は、直流電源部69を更に備え得る。直流電源部69は、対向電極30に接続されている。直流電源部69は、負の直流電圧を発生し、当該直流電圧を対向電極30に与えることが可能である。
処理装置10は、制御部CUを更に備え得る。この制御部CUは、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータである。制御部CUは、システム制御装置MCと通信可能に構成され、処理装置10の各部を制御する。この制御部CUでは、入力装置を用いて、オペレータが処理装置10を管理するためにコマンドの入力操作などを行うことができる。また、表示装置により、処理装置10の稼働状況を表示することができる。さらに、制御部CUの記憶部には、処理装置10で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラム、及び、レシピデータが格納されている。例えば、制御部CUの記憶部には、後述する方法を処理装置10で実行するための制御プログラム及びレシピデータが記憶されている。また、制御部CUは、静電チャック20の静電力を制御するために、印加時間及び印加電圧を含む除電条件を制御部CUの記憶部に記憶し、リフトピン61の上昇前に除電条件に基づいて静電チャック20に電圧を印加するように直流電源22を制御する。
[状態検出システムの概要]
次に、処理装置10に備わる状態検出システムの構成を説明する。図3は、一実施形態に係る状態検出システムの一例を示す構成図である。状態検出システム4は、反射光干渉を利用してフォーカサから反射箇所までの距離を計測するシステムである。
図3に示されるように、状態検出システム4は、光源40、光サーキュレータ41、光学スイッチ42、第1フォーカサ43a、第2フォーカサ43b(光学素子の一例)、第3フォーカサ43c(光学素子の一例)、及び、分光器44(受光器の一例)を備える。分光器44は制御装置45と接続される。制御装置45は、プロセッサ、メモリといった記憶装置、表示装置、入出力装置、通信装置等を備えるコンピュータであり得る。後述する状態検出システム4の一連の動作は、記憶装置に記憶されたプログラムに従った制御装置45による状態検出システム4の各部の制御により、実現される。制御装置45は、図1に示されたシステム制御装置MC及び/又は図2に示された制御部CUと一体であってもよい。なお、光源40、光サーキュレータ41、光学スイッチ42、第1フォーカサ43a、第2フォーカサ43b、第3フォーカサ43c、及び、分光器44のそれぞれは、光ファイバを用いて接続される。分光器44は制御装置45と通信可能に接続される。
光源40は、計測対象を透過する波長を有する測定光を発生する。光源40として、例えばSLD(Super Luminescent Diode)が用いられる。計測対象は、例えば板状を呈し、表面及び表面に対向する裏面を有している。計測対象とするウエハW、エッジリングERなどの処理装置10のパーツとしては、例えばSi(シリコン)、SiO(石英)又はAl(サファイア)などが用いられる。
光サーキュレータ41は、光源40、光学スイッチ42及び分光器44に接続される。光サーキュレータ41は、光源40で発生した測定光を光学スイッチ42へ出射する。光学スイッチ42は、1つの入力端と3つの出力端を備える。入力端は光サーキュレータ41に接続される。また、3つの出力端は、第1光ファイバ46aを介して第1フォーカサ43aに接続され、第2光ファイバ46bを介して第2フォーカサ43bに接続され、第3光ファイバ46cを介して第3フォーカサ43cに接続される。光学スイッチ42は、出力先を切り替え可能に構成される。光学スイッチ42は、光サーキュレータ41からの光を入力端から入力するとともに交互に3つの出力端へ出力する。
第1フォーカサ43a、第2フォーカサ43b及び第3フォーカサ43cは、光源40で発生した測定光を出射光として出射するとともに反射光を入射する。具体的には、第1フォーカサ43a、第2フォーカサ43b、第3フォーカサ43cは、それぞれ測定光をウエハWなどの部品の表面へ出射する。第1フォーカサ43a、第2フォーカサ43b及び第3フォーカサ43cは、それぞれ平行光線として調整された測定光を出射する。そして、第1フォーカサ43a、第2フォーカサ43b及び第3フォーカサ43cは、それぞれウエハWなどの部品において反射した戻り光(反射光)を入射する。反射光には、表面の反射光だけでなく裏面の反射光が含まれる。第1フォーカサ43a、第2フォーカサ43b及び第3フォーカサ43cは、それぞれ反射光を光学スイッチ42へ出射する。
第1アクチュエータ47a、第2アクチュエータ47b及び第3アクチュエータ47cは、制御装置45によって駆動する。制御装置45は、第1アクチュエータ47a、第2アクチュエータ47b及び第3アクチュエータ47cを制御する。第1アクチュエータ47a、第2アクチュエータ47b及び第3アクチュエータ47cが駆動することにより、第1フォーカサ43a、第2フォーカサ43b及び第3フォーカサ43cが所定の位置に移動する。移動範囲は、一例として、エッジリングERからウエハWに至るまでの範囲であり、例えば、図2に示された第1貫通孔36dの幅に相当する。図4は、3つのフォーカサの移動範囲を模式的に示す図である。図4に示されるように、第1フォーカサ43aは、径方向に延在した第1移動範囲Q1内で移動する。第2フォーカサ43bは、第1移動範囲Q1とは周方向に間隔を空けた位置において、径方向に延在した第2移動範囲Q2内で移動する。第3フォーカサ43cは、第1移動範囲Q1及び第2移動範囲Q2とは周方向に間隔を空けた位置において、径方向に延在した第3移動範囲Q3を移動する。
図3に戻り、光学スイッチ42は、第1フォーカサ43a、第2フォーカサ43b及び第3フォーカサ43cによって得られた反射光を光サーキュレータ41へ交互に出射する。光サーキュレータ41は、反射光を分光器44へ出射する。分光器44は、反射光に応じた信号を出力するように構成される。より具体的な一例として、分光器44は、反射光のスペクトル(干渉強度分布)を出力する。反射光スペクトルは、反射光の波長又は周波数に依存した強度分布である。分光器44は、反射光スペクトルを制御装置45へ出力する。
制御装置45は、フォーカサごとに、反射光に基づいてエッジリングER及び/又はウエハWの位置を検出する。図5は、一実施形態に係る状態検出システム4の測定位置を説明する図である。図5に示されるように、第1フォーカサ43aを一例として説明する。
第1フォーカサ43aから出力された出射光は、処理装置10の各パーツ又はウエハWにより反射される。例えば、出射光は、天板34の表面及び裏面、ウエハWの表面及び裏面、エッジリングERの表面及び裏面において反射される。状態検出システム4は、それぞれの反射光が干渉することにより得られる干渉スペクトルを測定位置で得ることができる。
図6は、図5の測定位置P1に対応する干渉スペクトルの一例である。図6に示される干渉スペクトルは、第1フォーカサ43aから、一例として、波長1560nm、スポット径0.1mmの測定光を照射して得た。図6では、横軸が干渉距離[mm]、縦軸が信号強度[a.u]である。また、天板34、エッジリングER及びウエハWの材料は不純物がドーピングされたシリコンである。干渉距離L1のピークは、天板34の表面及び裏面からの反射光が干渉して出現したピークである。干渉距離L2のピークは、天板34の裏面の反射光及びウエハWの表面からの反射光が干渉して出現したピークである。干渉距離L3のピークは、ウエハWの表面及び裏面の反射光が干渉して出現したピークである。干渉距離L4のピークは、エッジリングER(エッジリングERの二段部のうち下段部分)の表面及び裏面の反射光が干渉して出現したピークである。
制御装置45は、ピークが出現した干渉距離と、天板34、エッジリングER及びウエハWなどの測定対象の材料の屈折率とに基づいて、厚さ又は光照射方向の距離を算出する。干渉距離は、屈折率と実際の厚さ又は距離との積で表現される。例えば、制御装置45は、干渉距離L1を天板34の材料である不純物がドーピングされたシリコンの屈折率で除算することにより、天板34の厚さを算出する。制御装置45は、干渉距離L2を真空の屈折率(1)で除算することにより、天板34の裏面とウエハWの表面とのギャップ距離(エアギャップ)を算出する。制御装置45は、干渉距離L3をウエハWの材料である不純物がドーピングされたシリコンの屈折率で除算することにより、ウエハWの厚さを算出する。制御装置45は、干渉距離L4をエッジリングERの材料である不純物がドーピングされたシリコンの屈折率で除算することにより、エッジリングERの下段部分の厚さを算出する。
制御装置45は、測定位置P1と同一の演算を、他の測定位置においても実施する。つまり、制御装置45は、第2移動範囲Q2内の測定位置で得られる干渉スペクトルに基づいて、上述した演算を行う。制御装置45は、第3移動範囲Q3内の測定位置で得られる干渉スペクトルに基づいて、上述した演算を行う。
状態検出システム4は、第4フォーカサ43dをさらに備えてもよい。一例として、第1フォーカサ43a、第2フォーカサ43b及び第3フォーカサ43c(それぞれ第2光学素子の一例)は、ウエハWのエッジ位置に光を出射するように配置される。第4フォーカサ43d(第1光学素子の一例)は、ウエハWのセンタ位置に光を出射するように配置される。センタ位置は、ウエハWの中心点を含む中央領域に含まれ、エッジ位置は、中央領域を囲む領域に含まれる。エッジ位置は、一例として、静電チャック20の中心とリフトピン61との間を半径とする円に対応したウエハWの位置よりウエハWの外周領域のことをいう。
図7は、リフトピンによって支持されたウエハの測定箇所の一例を説明する図である。制御装置45は、リフトピン61によって支持されたウエハWの位置を計測するように動作することができる。リフトピン61は、ウエハWの搬入時において搬送装置TU2の一部を構成する搬送ハンドからウエハWを受け取る際、又は、静電チャック20からウエハWを上昇させる際に、ウエハWを支持する。ウエハWの位置は、チャンバ12c内のパーツを基準に定義される。一例として、ウエハWの位置は、天板34とウエハWとの間のエアギャップL2を用いて表現されてもよい。
[ウエハの跳ね上がりの検出]
状態検出システム4は、部品の状態として、ウエハWの跳ね上がりの有無を検出する。ウエハWの跳ね上がりは、リフトピン61によってウエハWを静電チャック20から持ち上げる際に生じる。静電チャック20からウエハWを上昇させる場合、制御部CUは、静電チャック20の静電力を制御する。一例として、制御部CUは、リフトピン61の上昇前に除電条件に基づいて静電チャック20に電圧を印加するように直流電源22を制御する。あるいは、制御部CUは、リフトピン61の上昇前に除電条件に基づいてプラズマを生成する。これにより、ウエハW及び静電チャックの残留電荷が打ち消され、静電チャック20の静電力がウエハWの上昇の妨げになることが回避される。ここで、残留電荷を打ち消すための電圧の大きさ及び印加時間が適切でない場合がある。あるいは、プラズマを用いて除電する場合において、高周波電力、圧力、電力印加時間、ガス種、又は、ガス流量などが適切でない場合がある。図8はウエハの跳ね上りの一例を説明する図である。残留電荷が十分に打ち消されなかった場合、図8に示されるように、ウエハWは、リフトピン61によって静電チャック20から持ち上げられるときに大きく跳ね上がる。このとき、ウエハWの位置(エアギャップL2)が大きく変動する。
図9の(A),(B)は、ウエハと天板との間のエアギャップ及び予め定められた位置との差分を時系列で示すグラフである。図9の(A)に示されるグラフは、横軸が時間であり、縦軸がエアギャップL2である。図9の(A)に示される破線のグラフは、ウエハWの跳ね上がりがない場合のエアギャップである。図9の(A)に示されるように、ウエハWが静電チャック20から上昇し始めるとエアギャップL2は徐々に小さくなり、リフトピン61の上昇端においてエアギャップL2は一定となる。これに対して、図9の(A)に示される実線のグラフは、ウエハWの跳ね上がりが生じた場合のエアギャップである。図9の(A)に示されるように、ウエハWが静電チャック20から跳ね上がるとエアギャップL2は急激に小さくなり、さらにウエハWのバウンドに応じてエアギャップL2は変化し、その後、リフトピン61の上昇端においてエアギャップL2は一定となる。図9の(B)に示される一点鎖線のグラフは、横軸が時間であり、縦軸が差分の絶対値である。差分は、上述した破線のグラフ(ウエハWの跳ね上がり無し)と、上述した実線のグラフ(ウエハWの跳ね上がり有り)との差分である。図9の(B)に示されるように、跳ね上がりが有る場合には、差分が値を持つことになる。
制御装置45は、リフトピン61によってウエハWが昇降している間に分光器44によって出力された信号に基づいて、ウエハWの昇降中の位置を検出し、検出されたウエハWの昇降中の位置に基づいてウエハWの状態を検出する。より具体的な一例として、制御装置45は、リフトピン61によってウエハWが上昇している間に分光器44によって出力された信号に基づいて、ウエハWの上昇中の位置を検出し、検出されたウエハWの昇降中の位置に基づいてウエハWの状態を検出する。
制御装置45は、ウエハWの昇降中の位置と予め定められた位置との差分が予め定められた距離閾値以上である場合にはウエハWが跳ね上がったと判定してもよい。予め定められた位置とは、ウエハWの目標位置である。ウエハWの目標位置は、リフトピン61の制御目標の昇降位置としてもよいし、ウエハWの跳ね上がりがない場合のウエハWの位置の実測値としてもよい。図9の(B)に示されるグラフは、ウエハWの跳ね上がりがない場合のウエハWの位置の実測値を、予め定められた位置として設定した例である。距離閾値LAは、ウエハWの跳ね上がりを判定するために予め定められた距離である。距離閾値LAは、例えば実測値に基づいて設定される。図10は、ウエハと天板を模した実験系を用いて、ウエハと天板との間のエアギャップを測定した結果を示すグラフである。図10の横軸は時系列のデータ数であり、縦軸はエアギャップL2である。所定のタイミングでウエハWに振動を与えてエアギャップL2を計測した。図10の破線で囲むデータは、ウエハWに振動を与えたタイミングのエアギャップL2を示す。図10に示される結果から、例えば距離閾値を1.0mm以上かつ2.0mm以下に設定してもよい。上述した予め定められた位置及び距離閾値は、例えば制御装置45の記憶部に予め記憶される。
制御装置45は、ウエハWの昇降中の位置の変位が変位閾値以上である場合にはウエハWが跳ね上がったと判定してもよい。変位閾値は、予め定められた単位時間当たりの距離である。変位閾値は、例えばリフトピン61の移動速度を基準とし、リフトピン61の移動速度よりも大きな値が設定される。変位閾値は、例えば制御装置45の記憶部に予め記憶される。
制御装置45は、ウエハWの昇降中の位置が予め定められた位置の範囲から外れた場合にはウエハWが跳ね上がったと判定してもよい。図11は、ウエハと天板との間のエアギャップの測定結果を時系列で示すグラフである。破線のグラフは、ウエハWの跳ね上がりがない場合のエアギャップL2である。実線のグラフは、ウエハWの跳ね下がりがある場合のエアギャップL2である。一点点鎖線のグラフは、ウエハWの跳ね上がりがある場合のエアギャップL2である。図11に示されるように、予め定められた位置の範囲として、上限の閾値LBと下限の閾値LCとが設けられている。閾値LB、LCは、予め定められた位置を基準に設定されてもよい。予め定められた位置とは、ウエハWの目標位置である。ウエハWの目標位置は、リフトピン61の制御目標の昇降位置としてもよいし、ウエハWの跳ね上がりがない場合のウエハWの位置の実測値としてもよい。上限の閾値LB及び下限の閾値LCは、例えば制御装置45の記憶部に予め記憶される。
制御部CUは、制御装置45によりウエハWの跳ね上がりを検出した場合には、印加時間及び印加電圧の少なくとも一方が変更されるように、記憶された除電条件を変更してもよい。例えば、制御部CUは、静電チャック20へ印加される電圧の印加時間をより長く設定したり、電圧の大きさをより大きく設定したりする。あるいは、制御部CUは、プラズマの高周波電力をより大きく設定したり、チャンバ内圧力をより高く設定したり、又は、プラズマの電力印加時間をより長く設定したりする。あるいは、制御部CUは、ガス種を変更したり、又は、ガス流量をより増やす設定などを実施したりする。制御部CUがフィードバック制御を実行することにより、最適な除電条件が自動で設定される。
次に、処理装置10の動作について説明する。図12は、ウエハの跳ね上がりを判定するフローチャートである。図12に示されるフローチャートは、処理装置10の制御部CUが処理システム1のシステム制御装置MCからウエハ搬送の信号を受け取ったタイミングで実行される。
最初に、制御部CUは、ウエハ受け渡し及び載置処理(ステップS10)を実行する。制御部CUは、リフト駆動機構60を動作させて、搬送装置TU2の一部を構成する搬送ハンドからウエハWを受け取らせ、ウエハWを静電チャック20上に載置させる。
続いて、制御部CUは、プロセス実行処理(ステップS12)として、ウエハWを処理するプロセスを実行する。例えば、制御部CUは、レシピデータに基づいてウエハWを処理する。
続いて、制御部CUは、除電処理(ステップS14)として、記憶された除電条件に基づいて、静電チャック20に電圧を印加させる。制御部CUは、除電条件として設定された印加時間及び印加電圧となるように、直流電源22を制御する。
続いて、制御装置45は、エアギャップ測定処理(ステップS16)として、ウエハWに測定光を照射させ、エアギャップL2の測定を開始する。エアギャップ測定処理中において、制御部CUはリフト駆動機構60を動作させる。これにより、リフトピン61がウエハWを支持しながら上昇する。制御装置45は、リフトピン61の上昇中において、エアギャップL2の測定を継続する。リフトピン61の上昇が終了すると、制御装置45は、エアギャップL2の測定を終了する。
続いて、制御装置45は、判定処理(ステップS18)として、測定値が正常範囲内であったか否かを判定する。制御装置45は、ウエハWの昇降中の位置と予め定められた位置との差分が予め定められた距離閾値以上である場合にはウエハWが跳ね上がったと判定する。あるいは、制御装置45は、ウエハWの昇降中の位置の変位が変位閾値以上である場合にはウエハWが跳ね上がったと判定する。制御装置45は、位置及び位置の変位の両方を判定してもよい。制御装置45は、ウエハWの跳ね上がりを検出した場合には、測定値は正常範囲内でないと判定する。制御装置45は、ウエハWの跳ね上がりを検出しない場合には、測定値は正常範囲内であると判定する。
測定値が正常範囲内でないと判定された場合(ステップS18:NO)、制御装置45は、警報処理(ステップS20)として、異常を示す警報情報を出力する。例えば、制御装置45は、ウエハWの跳ね上がりを示すアラートをディスプレイに表示させたり、スピーカに警報音を出力させたり、ウエハWの跳ね上がりを示す情報を他の装置に送信したりする。
続いて、制御部CUは、除電条件調整処理(ステップS22)として、除電条件を調整する。制御部CUは、印加時間及び印加電圧の少なくとも一方が変更されるように、記憶された除電条件を変更する。
測定値が正常範囲内であると判定された場合(ステップS18:YES)、及び、除電条件調整処理(ステップS22)が終了した場合、図12に示されるフローチャートは終了する。図12に示されるフローチャートが実行されることで、処理装置10は、ウエハWの跳ね上がりを直接的に検出することができるとともに、除電条件が最適化するようにフィードバック制御することができる。
[ウエハの割れの検出]
状態検出システム4は、部品の状態として、ウエハWの割れの有無を検出する。ウエハWの割れは、リフトピン61によってウエハWを静電チャック20から持ち上げる際に生じる。例えば、リフトピン61の押し上げる力と静電チャック20の静電力とがきっ抗したときに、リフトピン61とウエハWとの接点を起点としてウエハWが割れることがある。ウエハWが割れた場合、リフトピン61のみが上昇し、ウエハWは静電チャック20上に載置された状態を維持することになる。
このようなウエハWの状態を検出するために、制御装置45は、ウエハWの昇降中の位置とリフトピンの移動位置との差分が、所定期間の間、予め定められた距離閾値以上である場合には、ウエハWが割れていると判定する。リフトピンの移動位置は、リフトピン61の制御目標の昇降位置としてもよいし、ウエハWの割れがない場合のウエハWの位置の実測値としてもよい。距離閾値は、ウエハWの割れを判定するために予め定められた距離である。距離閾値は、例えば実測値に基づいて設定される。所定期間の間は、上述したウエハWの跳ね上がりとウエハWの割れとを区別するために設定される時間である。ウエハWの跳ね上がりの場合は、ウエハWの位置が一瞬だけ予め定められた距離閾値以上となり、暫くすると正常値に戻る。これに対して、ウエハWの割れの場合は、ウエハWの位置が常に予め定められた距離閾値以上となり、正常値に戻らない。このように、制御装置45は、予め定められた距離閾値以上となる位置が継続するか否かを判定することにより、ウエハWの跳ね上がりとウエハWの割れとを区別できる。
処理装置10の動作は、図12に示されるフローチャートのうち、判定処理(ステップS18)の内容が上述したとおり異なり、その他は同一である。
[ウエハの反りの検出]
状態検出システム4は、部品の状態として、ウエハWの反りの有無を検出する。図13は、ウエハの反りを判定するときのウエハの測定箇所の一例を説明する図である。図13に示されるように、ウエハWに反りがある場合には、ウエハWのセンタ位置に対応するフォーカサ43dよって計測されるエアギャップL2と、ウエハWのエッジ位置に対応するフォーカサ43aよって計測されるエアギャップL2とに差が生じる。
図14は、ウエハと天板との間のエアギャップを測定位置ごとに示すグラフである。横軸は測定位置、縦軸はエアギャップL2である。図14の黒塗りのデータ点は、反りがないウエハWのエアギャップL2を示しており、センタ位置に対応する位置P4のエアギャップL2と、エッジ位置に対応する位置P1のエアギャップL2とは同一である。これに対して、図14の白抜きのデータ点は、反りがあるウエハWのエアギャップL2を示しており、センタ位置に対応する位置P4のエアギャップL2と、エッジ位置に対応する位置P1のエアギャップL2とに差が生じる。この差分が反り量となる。図14の例では、エッジ位置のエアギャップL2がセンタ位置のエアギャップL2よりも大きいので、ウエハWはセンタの方がエッジよりも突出するように反っていると判定される。エッジ位置のエアギャップL2がセンタ位置のエアギャップL2よりも小さい場合、ウエハWはエッジの方がセンタよりも突出するように反っていると判定される。
制御装置45は、位置P4のエアギャップL2と位置P1のエアギャップL2との差分、つまり反り量が予め定められた反り閾値以上である場合には、ウエハWに反りが有ると判定する。反り閾値は、ウエハWの反りを判定するために予め定められた距離である。反り閾値は、例えば設計上の許容値又は実測値に基づいて設定される。図15は、ウエハと天板との間のエアギャップの測定結果を示すグラフである。横軸は測定位置であり、縦軸がエアギャップL2である。ウエハWのセンタ位置が測定位置「0mm」に対応する。図15に示される黒塗りのデータ点は、反りのないウエハWの測定結果であり、白抜きのデータ点は、反りのあるウエハWの測定結果である。図15に示される結果から、例えば測定値「0mm」と「100mm」との位置を比較するときの反り閾値を設定してもよい。上述した反り閾値は、例えば制御装置45の記憶部に予め記憶される。
次に、処理装置10の動作について説明する。図16は、ウエハの反りを判定するフローチャートである。図16に示されるフローチャートは、処理装置10の制御部CUが処理システム1のシステム制御装置MCからウエハ搬送の信号を受け取ったタイミングで実行される。
最初に、制御部CUは、ウエハ受け渡し及び載置処理(ステップS30)を実行する。この処理は図12のステップS10と同一である。
続いて、制御装置45は、エアギャップ測定処理(ステップS32)として、ウエハWに測定光を照射させ、エアギャップL2を測定する。制御装置45は、少なくとも2点の測定位置に測定光を照射させる。これにより、例えば、ウエハWのセンタ位置におけるエアギャップL2と、ウエハWのエッジ位置におけるエアギャップL2とが測定される。
続いて、制御装置45は、判定処理(ステップS38)として、2点の測定位置での測定値の差分が反り閾値以下であるか否かを判定する。差分が反り閾値以下でないと判定された場合(ステップS38:NO)、制御装置45は、警報処理(ステップS40)として、異常を示す警報情報を出力する。例えば、制御装置45は、ウエハWの反りを示すアラートをディスプレイに表示させたり、スピーカに警報音を出力させたり、ウエハWの反りを示す情報を他の装置に送信したりする。
続いて、制御部CUは、ウエハ回収処理(ステップS42)として、反りのあるウエハWを搬出させる。続いて、システム制御装置MCは、別ウエハ選択処理(ステップS44)として新たなウエハWを選択する。別ウエハ選択処理(ステップS44)が終了すると、ステップS30に戻る。これにより、選択された新たなウエハWが搬入される。
測定値が正常範囲内であると判定された場合(ステップS38:YES)、図16に示されるフローチャートは終了する。図16に示されるフローチャートが実行されることで、処理装置10は、反りのあるウエハWを直接的に検出することができる。
[ウエハの傾きの検出]
状態検出システム4は、部品の状態として、ウエハWの傾きの有無を検出する。ウエハWの傾きは、リフトピン61によってウエハWが支持されているときに生じる。例えば、図7に示されるように、リフトピン61でウエハWが支持されているときにウエハWが傾いている場合がある。このような場合には、ウエハWのセンタ位置に対応するフォーカサ43dよって計測されるエアギャップL5と、ウエハWのエッジ位置に対応するフォーカサ43aよって計測されるエアギャップL5とに差が生じる。エアギャップL5は、ウエハWの下面と静電チャック20の上面との間の空間距離である。制御装置45は、ウエハWを静電チャック20の上面に載置させ、ウエハWの上面までのエアギャップL2(第2のエアギャップL2)を計測する。制御装置45は、ウエハWをリフトピン61で上昇させた状態でウエハWの上面までのエアギャップL2(第1のエアギャップL2)を計測する。そして、制御装置45は、測定したエアギャップL2の差分(第1のエアギャップL2から第2のエアギャップL2を減算)からエアギャップL5を算出する。
制御装置45は、位置P1~P4のエアギャップL5同士の差分が予め定められた距離閾値以下である場合、ウエハWに傾きはないと判定する。制御装置45は、位置P1~P4のエアギャップL5同士の差分が予め定められた距離閾値以下でない場合、ウエハWに傾きがあると判定する。距離閾値は、ウエハWの傾きを判定するために予め定められた距離である。反り閾値は、例えば設計上の許容値又は実測値に基づいて設定される。距離閾値は、例えば制御装置45の記憶部に予め記憶される。
次に、処理装置10の動作について説明する。図17は、ウエハの水平度を判定するフローチャートである。図17に示されるフローチャートは、処理装置10の制御部CUが処理システム1のシステム制御装置MCからウエハ搬送の信号を受け取ったタイミングで実行される。
最初に、制御部CUは、ウエハ受け渡し処理(ステップS50)を実行する。制御部CUは、リフト駆動機構60を動作させて、搬送装置TU2の一部を構成する搬送ハンドからウエハWを受け取らせる。
続いて、制御装置45は、第1エアギャップ測定処理(ステップS52)として、リフトピン61に支持されたウエハWに測定光を照射させ、第1のエアギャップL2を測定する。制御装置45は、位置P1~P4それぞれにおいて第1のエアギャップL2を測定する。
続いて、制御部CUは、ピン下降処理(ステップS54)として、リフト駆動機構60を動作させてリフトピン61を下降させ、ウエハWを静電チャック20上に載置させる。
続いて、制御装置45は、第2エアギャップ測定処理(ステップS56)として、静電チャック20上のウエハWに測定光を照射させ、第2のエアギャップL2を測定する。制御装置45は、位置P1~P4それぞれにおいて第2のエアギャップL2を測定する。
続いて、制御装置45は、判定処理(ステップS58)として、位置P1~P4それぞれのエアギャップL5を算出し、位置P1~P4のエアギャップL5同士の差分が予め定められた距離閾値以下であるか否かを判定する。
位置P1~P4のエアギャップL5同士の差分が予め定められた距離閾値以下でないと判定された場合(ステップS58:NO)、制御装置45は、警報処理(ステップS60)として、異常を示す警報情報を出力する。例えば、制御装置45は、ウエハWの傾きを示すアラートをディスプレイに表示させたり、スピーカに警報音を出力させたり、ウエハWの傾きを示す情報を他の装置に送信したりする。
続いて、制御部CUは、ウエハ回収処理(ステップS62)として、ウエハWを搬出させる。続いて、制御部CUは、ピン高さ調整処理(ステップS64)として、位置P1~P4のエアギャップL5同士の差分が小さくなるようにリフトピン61の高さを調整する。ピン高さ調整処理(ステップS64)が終了すると、ステップS30に戻る。これにより、調整されたリフトピン61にウエハWが受け渡される。
位置P1~P4のエアギャップL5同士の差分が予め定められた距離閾値以下であると判定された場合(ステップS58:YES)、図17に示されるフローチャートは終了する。図17に示されるフローチャートが実行されることで、処理装置10は、ウエハWの傾きを直接的に検出することができる。
状態検出システム4は、部品の状態として、搬送装置TU2の一部を構成する搬送ハンド上のウエハWの傾きの有無を検出してもよい。図18は、ロボットアーム上のウエハの水平度を判定するときのウエハの測定箇所の一例を説明する図である。図18に示されるように、ウエハWが搬送装置TU2に支持されているときにウエハWが傾いている場合がある。このような場合には、ウエハWのセンタ位置に対応するフォーカサ43dよって計測されるエアギャップL5と、ウエハWのエッジ位置に対応するフォーカサ43aよって計測されるエアギャップL5とに差が生じる。エアギャップL5は、ウエハWの下面と静電チャック20の上面との間の空間距離である。制御装置45は、ウエハWを静電チャック20の上面に載置させ、ウエハWの上面までのエアギャップL2(第2のエアギャップL2)を計測する。制御装置45は、ウエハWを搬送装置TU2に支持させた状態でウエハWの上面までのエアギャップL2(第1のエアギャップL2)を計測する。そして、制御装置45は、測定したエアギャップL2の差分(第1のエアギャップL2から第2のエアギャップL2を減算)からエアギャップL5を算出する。
次に、処理装置10の動作について説明する。図19は、ロボットアーム上のウエハの水平度を判定するフローチャートである。図19に示されるフローチャートは、処理装置10の制御部CUが処理システム1のシステム制御装置MCからウエハ搬送の信号を受け取ったタイミングで実行される。
最初に、システム制御装置MCは、停止処理(ステップS70)を実行する。システム制御装置MCは、搬送装置TU2の一部を構成する搬送ハンド(ロボットアーム)上にウエハWを乗せた状態で、チャンバ12c内で搬送ハンドを停止させる。停止位置は、例えばウエハWの受け渡し位置である。
続いて、制御装置45は、第1エアギャップ測定処理(ステップS72)として、搬送ハンドに支持されたウエハWに測定光を照射させ、第1のエアギャップL2を測定する。制御装置45は、位置P1~P4それぞれにおいて第1のエアギャップL2を測定する。
続いて、制御部CUは、ウエハ受け渡し処理(ステップS74)を実行する。制御部CUは、リフト駆動機構60を動作させて、搬送装置TU2の一部を構成する搬送ハンドからウエハWを受け取らせる。
続いて、制御部CUは、ピン下降処理(ステップS76)として、リフト駆動機構60を動作させてリフトピン61を下降させ、ウエハWを静電チャック20上に載置させる。
続いて、制御装置45は、第2エアギャップ測定処理(ステップS78)として、静電チャック20上のウエハWに測定光を照射させ、第2のエアギャップL2を測定する。制御装置45は、位置P1~P4それぞれにおいて第2のエアギャップL2を測定する。
続いて、制御装置45は、判定処理(ステップS80)として、位置P1~P4それぞれのエアギャップL5を算出し、位置P1~P4のエアギャップL5同士の差分が予め定められた距離閾値以下であるか否かを判定する。
位置P1~P4のエアギャップL5同士の差分が予め定められた距離閾値以下でないと判定された場合(ステップS80:NO)、制御装置45は、警報処理(ステップS82)として、異常を示す警報情報を出力する。例えば、制御装置45は、搬送ハンド上のウエハWの傾きを示すアラートをディスプレイに表示させたり、スピーカに警報音を出力させたり、搬送ハンド上のウエハWの傾きを示す情報を他の装置に送信したりする。
続いて、制御部CUは、ウエハ回収処理(ステップS84)として、ウエハWを搬出させる。続いて、制御部CUは、アーム調整処理(ステップS86)として、位置P1~P4のエアギャップL5同士の差分が小さくなるように搬送ハンドの姿勢を調整する。アーム調整処理(ステップS86)が終了すると、ステップS70に戻る。これにより、調整された搬送装置TU2でウエハWが受け渡される。
位置P1~P4のエアギャップL5同士の差分が予め定められた距離閾値以下であると判定された場合(ステップS80:YES)、図19に示されるフローチャートは終了する。図19に示されるフローチャートが実行されることで、処理装置10は、搬送ハンド上のウエハWの傾きを直接的に検出することができる。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
例えば、処理装置10は、容量結合型のプラズマ処理装置であるが、別の実施形態に係る処理装置は、異なるタイプのプラズマ処理装置であってもよい。そのようなプラズマ処理装置は、任意のタイプのプラズマ処理装置であり得る。そのようなプラズマ処理装置としては、誘導結合型のプラズマ処理装置、マイクロ波といった表面波によってプラズマを生成するプラズマ処理装置が例示される。
また、処理装置10は、下部電極18に2系統の高周波電源が接続され、対向電極30に直流電源が接続される例を示したが、これに限定されない。例えば、処理装置10は、対向電極30は備えていなくてもよい。例えば、処理装置10は、下部電極18及び対向電極30に高周波電源が接続されてもよい。
フォーカサの数は3つに限定されず、1つであってもよいし、複数でもよい。つまり、フォーカサは少なくとも1つあればよい。部品は、ウエハWに限定されず、エッジリングERであってもよい。また、例示的実施形態においては、ウエハWのエッジ部の計測及びエッジリングERの計測のために、アクチュエータによってフォーカサが移動する例が説明されたが、フォーカサは移動する必要はない。フォーカサは、ウエハWのエッジ部、及び/又は、エッジリングERに照射できるように、フォーカサが固定されていてもよい。
警報処理(ステップS20、ステップS40、ステップS60、ステップS82)の後において、オペレータに対処の要否を判断させてもよい。オペレータが対処要と判断した場合に、除電条件調整処理(ステップS22)、ウエハ回収処理(ステップS42、ステップS62、ステップS84)を実行すればよい。
リフトピン61に支持されたウエハWの水平度を判定する場合には、オペレータがウエハWを静電チャック20に載置し、その後、リフトピン61でウエハWを上昇させてもよい。つまり、リフトピン61に支持されたウエハWの水平度を判定する場合には、搬送装置TU2を使わなくてもよい。
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
10…処理装置、12c…チャンバ、20…静電チャック、40…光源、43a…第1フォーカサ(光学素子の一例)、43b…第2フォーカサ(光学素子の一例)、43c…第3フォーカサ(光学素子の一例)、43d…第4フォーカサ(光学素子の一例)、44…分光器(受光器の一例)、45…制御装置、61…リフトピン、ER…エッジリング、CU…制御部、MC…システム制御装置。

Claims (14)

  1. チャンバと、
    前記チャンバに収容され、部品を保持するように構成される静電チャックと、
    前記静電チャックを貫通可能に配置され、前記部品を支持するように構成されるリフトピンと、
    前記リフトピンを昇降させるように構成される駆動部と、
    光を発生するように構成される光源と、
    前記光源に接続され、前記光源で発生した前記光を前記部品に向けて出射するとともに、前記部品において反射した戻り光を入射するように構成される少なくとも1つの光学素子と、
    前記少なくとも1つの光学素子に接続され、前記戻り光に応じた信号を出力するように構成される受光器と、
    前記受光器に接続され、前記リフトピンによって前記部品が昇降している間に前記受光器によって出力された信号に基づいて前記部品の昇降中の位置を検出し、検出された前記部品の昇降中の位置に基づいて前記部品の状態を検出するように構成される制御装置と、
    を備える、処理装置。
  2. 前記部品の状態は、前記リフトピンによって前記部品を前記静電チャックから持ち上げる際に生じる前記部品の跳ね上がりの有無であり、
    前記制御装置は、前記部品の昇降中の位置と予め定められた位置との差分が予め定められた距離閾値以上である場合には前記部品が跳ね上がったと判定する、請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記部品の状態は、前記リフトピンによって前記部品を前記静電チャックから持ち上げる際に生じる前記部品の跳ね上がりの有無であり、
    前記制御装置は、前記部品の昇降中の位置が予め定められた位置の範囲から外れた場合には前記部品が跳ね上がったと判定する、請求項1に記載の処理装置。
  4. 前記部品の状態は、前記リフトピンによって前記部品を前記静電チャックから持ち上げる際に生じる前記部品の跳ね上がりの有無であり、
    前記制御装置は、前記部品の昇降中の位置の変位が予め定められた変位閾値以上である場合には前記部品が跳ね上がったと判定する、請求項1に記載の処理装置。
  5. 前記部品の状態は、前記リフトピンによって前記部品を前記静電チャックから持ち上げる際に生じる前記部品の割れの有無であり、
    前記制御装置は、前記部品の昇降中の位置と前記リフトピンの移動位置との差分が、リフトピンの上昇開始後所定期間の間、予め定められた距離閾値以上である場合には、前記部品が割れていると判定する、請求項1~4の何れか一項に記載の処理装置。
  6. 印加時間及び印加電圧を含む除電条件を記憶し、前記リフトピンの駆動前に前記除電条件に基づいて前記静電チャックに電圧を印加するように構成されるチャック制御部をさらに備え、
    前記チャック制御部は、前記制御装置により前記部品の跳ね上がりを検出した場合には、前記印加時間及び前記印加電圧の少なくとも一方が変更されるように前記記憶された除電条件を変更する、請求項2~4の何れか一項に記載の処理装置。
  7. 印加時間及び印加電圧を含む除電条件を記憶し、前記リフトピンの駆動前に前記除電条件に基づいて前記静電チャックに電圧を印加するように構成されるチャック制御部をさらに備え、
    前記チャック制御部は、前記制御装置により前記部品の割れを検出した場合には、前記印加時間及び前記印加電圧の少なくとも一方が変更されるように前記記憶された除電条件を変更する、請求項5に記載の処理装置。
  8. 前記少なくとも1つの光学素子は、前記部品の上面及び/又は下面に向けて前記光を出射するように構成される、請求項1~7の何れか一項に記載の処理装置。
  9. 前記少なくとも1つの光学素子は複数の光学素子である、請求項1~8の何れか一項に記載の処理装置。
  10. 前記部品は基板又はエッジリングである、請求項1~9の何れか一項に記載の処理装置。
  11. チャンバと、
    前記チャンバに収容され、基板を保持するように構成される静電チャックと、
    前記静電チャックを貫通可能に配置され、前記基板を支持するように構成されるリフトピンと、
    前記リフトピンを昇降させるように構成される駆動部と、
    光を発生するように構成される光源と、
    前記光源に接続され、前記光源で発生した前記光を前記基板のセンタ位置に出射するように構成される第1光学素子と、
    前記光源に接続され、前記光源で発生した前記光を前記基板のエッジ位置に出射するように構成される第2光学素子と、
    前記第1光学素子及び前記第2光学素子に接続され、前記第1光学素子の戻り光に応じた第1信号及び前記第2光学素子の戻り光に応じた第2信号を出力するように構成される受光器と、
    前記受光器に接続され、前記受光器によって出力された前記第1信号及び前記第2信号に基づいて前記基板の位置をそれぞれ検出し、検出された前記基板の位置に基づいて前記基板の状態を検出するように構成される制御装置と、
    を備える、処理装置。
  12. 前記基板の状態は、前記基板の傾きの有無であり、
    前記制御装置は、前記第1信号に対応する前記基板の位置と前記第2信号に対応する前記基板の位置との差分が予め定められた差分以上である場合には前記基板が傾いていると判定する、請求項11に記載の処理装置。
  13. 前記基板の状態は、前記基板の反りの有無であり、
    前記制御装置は、前記第1信号に対応する前記基板の位置と前記第2信号に対応する前記基板の位置との差分が予め定められた反り閾値以上である場合には前記基板に反りが有ると判定する、請求項11に記載の処理装置。
  14. チャンバに収容された静電チャックに載置された部品をリフトピンで上昇させるステップと、
    前記リフトピンによって前記部品が昇降している間に、光を前記部品に向けて出射するとともに、前記部品において反射した戻り光に応じた信号を出力するステップと、
    前記信号に基づいて前記部品の昇降中の位置を検出し、検出された前記部品の昇降中の位置に基づいて前記部品の状態を検出するステップと、
    を備える、部品の状態を検出する方法。

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