JP2023098665A - 気体処理装置、及び気体処理方法 - Google Patents

気体処理装置、及び気体処理方法 Download PDF

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Masaki Ozawa
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一浩 山内
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Abstract

【課題】より効果的に気体の処理を行い得る気体処理装置、及びより効果的に気体を処理することができる気体処理方法の提供。【解決手段】気体処理装置であって、第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、該筐体の内部に配置されたプラズマアクチュエータと、オゾン分解装置と、を備え、該プラズマアクチュエータは、電圧を印加することで誘電体バリア放電を生じ、誘起流を吹き出すものであり、該プラズマアクチュエータは、該誘起流の吹き出し方向が該第2開口に向くように配置され、該誘起流によって、該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筐体の内部に生じさせ、該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、該第1開口から流入した該気体が該活性酸素により処理される。【選択図】図1

Description

本開示は、活性酸素を用いる気体の処理装置及び気体の処理方法に向けたものである。
特許文献1には、空気の流れる箇所に設置され、その空気の一部が内部を通過する筒状に形成されると共に、内面が紫外線高反射率の金属からなる装置本体と、その装置本体内の軸に配設され、オゾンを分解させる紫外線を照射する紫外線ランプと、上記装置本体内の空気流の上流側に設けられ、本体内に導入した空気中の酸素を放電によりオゾンに変換するオゾン発生器とを備えた発生期酸素発生装置が開示されている。そして、特許文献1の段落[0016]には、このような発生期酸素発生装置によれば、オゾンの発生能力及び分解能力が向上することになり、オゾンから多量の発生期酸素が生成されること、そして、この生成した発生期酸素が冷凍室内に拡散して冷凍室内の悪臭物質を酸化分解し、冷凍室内が脱臭処理されることが記載されている。
特開平6-335518号公報
「半導体酸化チタン薄膜による光触媒反応に対する磁場効果」、日本写真学会誌,2006年、69,4,271-275
特許文献1に係る発生期酸素発生装置においては、装置外から装置内に導入された空気が活性酸素と触れることとなるため、装置外の空気の脱臭や除菌の如き処理に用い得るとも思われた。そこで、本発明者らは、特許文献1に係る発生期酸素発生装置を気体の処理に適用することを検討した。しかしながら、当該発生期酸素発生装置による気体の脱臭や除菌の能力は限定的であった。
本開示の少なくとも一つの態様は、より効果的に気体の処理を行い得る気体処理装置の提供に向けたものでる。
また、本開示の少なくとも一つの態様は、より効果的に気体を処理することができる気体処理方法の提供に向けたものである。
本開示の少なくとも一つの様態によれば、
気体処理装置であって、
第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、
該筐体の内部に配置されたプラズマアクチュエータと、
オゾン分解装置と、
を備え、
該プラズマアクチュエータは、第1の電極、誘電体及び第2の電極を有し、
該第1の電極と該第2の電極との間には該誘電体が介在し、該第1の電極と該第2の電極とが電気的に絶縁されており、
該第1の電極は、該誘電体の一方の表面である第1の表面上に設けられた露出電極であり、
該プラズマアクチュエータは、該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加すること
で、該第1の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該誘電体の表面に沿った一方向である第1方向にオゾンを含む誘起流を吹き出すものであり、
該プラズマアクチュエータは、該誘起流の吹き出し方向である該第1方向が該第2開口に向くように配置され、該誘起流によって、該第1開口から流入した気体を含む該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筐体の内部に生じさせ、
該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、該第1開口から流入した該気体が該活性酸素により処理される、ことを特徴とする気体処理装置が提供される。
また、本開示の少なくとも一つの様態によれば、
気体処理装置であって、
第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、
オゾン分解装置と、を備え、
該筒状の筐体は、誘電体を含み、
該筒状の筐体の軸方向に沿う方向の断面において、
該筒状の筐体の内面上に、該内面の一部を被覆して設けられた露出電極である第1の電極と、
該筐体の該内面よりも外側に、該第1の電極とは該誘電体を介して電気的に絶縁されてなる第2の電極と、が配置され、
該気体処理装置は、該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで、該第1の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該筐体の内面に沿った一方向である第2開口の方向に向けてオゾンを含む誘起流を吹き出し、
該誘起流によって、該第1開口から流入した気体を含む該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筒状の筐体の内部に生じさせ、
該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、該第1開口から流入した該気体が該活性酸素により処理されることを特徴とする気体処理装置が提供される。
さらに、本開示の少なくとも一つの様態によれば、
気体を活性酸素で処理する処理方法であって、
気体処理装置を用意する工程を有し、
該気体処理装置は、
第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、
該筐体の内部に配置されたプラズマアクチュエータと、
オゾン分解装置と、
を備え、
該プラズマアクチュエータは、第1の電極、誘電体及び第2の電極を有し、
該第1の電極と該第2の電極との間には該誘電体が介在し、該第1の電極と該第2の電極とが電気的に絶縁されており、
該第1の電極は、該誘電体の一方の表面である第1の表面上に設けられた露出電極であり、
該プラズマアクチュエータは、該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで、該第1の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該誘電体の表面に沿った一方向である第1方向にオゾンを含む誘起流を吹き出すものであり、
該プラズマアクチュエータは、該誘起流の吹き出し方向である該第1方向が該第2開口に向くように配置され、該誘起流によって、該第1開口から流入した気体を含む該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筐体の内部に生じさせ、
該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性
酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、該第1開口から流入した該気体が該活性酸素により処理される、ことを特徴とする活性酸素による気体処理方法が提供される。
本開示の少なくとも一つの態様は、より効果的に気体の処理を行うことができる気体処理装置を得ることができる。また、本開示の少なくとも一つの態様によれば、より効果的に気体を処理することができる気体処理方法を得ることができる。
本開示の一態様に係る気体処理装置の外観を示す概略斜視図 本開示の一態様に係る気体処理装置の説明図 本開示の一態様に係るプラズマアクチュエータの配置位置の説明図 本開示の他の態様に係る気体処理装置の説明図 本開示の気体処理装置の評価装置の断面概略図 本開示の気体処理装置の除菌率評価時の構成概略図 実施例3に係る気体処理装置の断面概略図 実施例4に係る気体処理装置の断面概略図 実施例5に係る気体処理装置の断面概略図 実施例7に係る気体処理装置の断面概略図
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。また、本開示において、例えば「XX、YY及びZZからなる群から選択される少なくとも一つ」のような記載は、XX、YY、ZZ、XXとYYとの組合せ、XXとZZとの組合せ、YYとZZとの組合せ、又はXXとYYとZZとの組合せのいずれかを意味する。
また、本開示において、活性酸素による被処理物の「処理」には、活性酸素による被処理物の被処理面の表面改質(親水化処理)、除菌、消臭、漂白の如き、活性酸素によって達成し得るあらゆる処理を含むものとする。
さらに、本開示に係る「除菌」の対象物としての「菌」とは微生物を指し、該微生物には、真菌、細菌、単細胞藻類、ウイルス、原生動物等に加え、動物又は植物の細胞(幹細胞、脱分化細胞、分化細胞を含む。)、組織培養物、遺伝子工学によって得られた融合細胞(ハイブリドーマを含む。)、脱分化細胞、形質転換体(微生物)が含まれる。ウイルスの例としては、例えば、ノロウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIVウイルスなどが挙げられる。また、細菌の例としては、例えば、ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、緑膿菌、コレラ菌、赤痢菌、炭そ菌、結核菌、ボツリヌス菌、破傷風菌、連鎖球菌などが挙げられる。さらに、真菌の例としては、白癬菌、アスペルギルス、カンジダ等が挙げられる。従って、本開示に係る「除菌」には、例えば、ウイルスの不活化も含まれるものである。
更に、本開示における活性酸素とは、例えば、オゾン(O)の分解によって生じるスーパーオキシド(・O )、ヒドロキシラジカル(・OH)の如きフリーラジカルを含む。
以下、図面を参照して、本開示に係る気体処理装置の実施形態のうちのいくつかを、具体的に例示する。ただし、この形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それら
の相対配置などは、開示が適用される部材の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、本開示に係る気体処理装置は、各実施態様に具現化された構成にのみ限定されるものではない。
また、以下の説明では、同一の機能を有する構成には図面中に同一の番号を付し、その説明を省略する場合がある。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る発生期酸素発生装置による気体の処理効果が限定的である理由を以下のように推測している。
すなわち、活性酸素は非常に不安定であり、・О の半減期は10-6秒、・ОHの半減期は10-9秒と極めて短く、速やかに安定な酸素、水に変換されると考えられている。
特に、特許文献1に係る発生期酸素発生装置は、空気の流れが生じる箇所に置かれ、その空気の一部が筒状の装置本体の内部を通過するものとされている。具体的には、特許文献1の図2においては冷凍室内に置かれた冷凍機ファン4によって空気の流れを生じさせていることが開示されている。このような状況においては、装置本体内に活性酸素が発生したとしても、外部から流入してくる空気が装置本体内で乱流を形成し、当該活性酸素が当該乱流によって装置本体内部の壁に衝突する等して、極めて短時間で酸素や水に変換されると考えられる。そのため装置本体内における活性酸素と処理対象物(臭気物質、菌等)との接触機会は極めて限定的であると考えられる。
このような考察の下、本発明者らは、より確実に活性酸素を気体の処理に用いて、より効果的に気体を処理することができる気体処理装置を得ることを目的として更なる検討を重ねた。その結果、上記した気体処理装置及び気体処理方法(以降、「気体処理装置等」とも称する場合がある)が、当該目的の達成に資するものであることを見出した。以下に本開示に係る気体処理装置等の具体的な態様について説明する。なお、本開示に係る気体処理装置等は、以下に示す具体的な態様に限定されるものではない。
<第1の態様>
第1の態様に係る気体処理装置は、第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、該筐体の内部に配置されたプラズマアクチュエータと、オゾン分解装置と、
を備える。
プラズマアクチュエータは、第1の電極、誘電体及び第2の電極がこの順に積層されている。
第1の電極と第2の電極との間には誘電体が介在し、それによって第1の電極と第2の電極とが電気的に絶縁されている。
また、第1の電極は誘電体の一方の表面である第1の表面上に設けられた露出電極である。該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで、第1の電極から第2の電極に向かう誘電体バリア放電が生じ、第1の電極から誘電体の表面に沿った一方向である第1方向にオゾンを含む誘起流を吹き出す。そして、プラズマアクチュエータは、第1方向である該誘起流の吹き出し方向が該第2開口に向くように配置され、該誘起流によって、第1開口から第2開口に向かう気流を筐体の内部に生じさせる。
また、オゾン分解装置は、筐体の内部に生じた気流に含まれるオゾンを分解することにより、気流中に活性酸素を発生させる。その結果、筐体の内部の気流中には活性酸素が含まれることとなる。
本態様に係る気体処理装置を、図面を用いてより詳細に説明する。
図1は、本態様に係る気体処理装置100の外観を示す斜視図であり、筒状の筐体101は、一方の端部に不図示の第1開口を有し、反対側の端部に第2開口103を有する。
図2(a)は、気体処理装置100の第1開口(不図示)から第2開口103に向かう方向(以降、「長手方向」ともいう)に沿う方向の断面図である。筒状の筐体101の内面には、プラズマアクチュエータ200が配置されている。プラズマアクチュエータ200は、誘電体203の一方の表面上に設けられた露出電極である第1の電極205と、誘電体203を挟んで第1の電極205とは電気的に絶縁された第2の電極201を有する。
そして、プラズマアクチュエータ200は、気体処理装置100の第2開口側から見た図2(b)及び気体処理装置100の透視図である図3に示すように、筒状の筐体101の内面の周方向の全周にわたって配置されていることが好ましい。
そして、第1の電極205と第2の電極201との間に電圧を印加することで、第1の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該誘電体の表面に沿った一方向である第1方向に、オゾンを含む誘起流207が吹き出す。
また、プラズマアクチュエータ200は、オゾンを含む誘起流207の吹き出し方向である該第1方向が第2開口103に向くように配置されている。そして、オゾンを含む誘起流207によって、筒状の筐体101の内部には矢印で示す方向への気流209が生じ、気体処理装置の外の空気が、第1開口から筒状の筐体101の内部に取り込まれる。すなわち、オゾンを含む誘起流207によって、第1開口から流入した気体を含む第1開口から第2開口103に向かう気流が筐体の内部に生じる。
また、筒状の筐体101には、オゾン分解装置としての紫外線光源206が該筐体の長手方向に沿って該筐体の中心に配置されている。紫外線光源206は、該誘起流に紫外線を照射し、該誘起流中のオゾンを分解することにより、気流209中に活性酸素を発生させる。その結果、筐体の内部の気流209中は活性酸素を含む気流となり、第1開口から流入した気体が活性酸素により処理される。また、活性酸素を含む気流が、該活性酸素を含む気流の流出方向に存在する被処理物としての気体を、活性酸素によって処理することもできる。
上記は、オゾン分解装置206が、例えば加熱装置や加湿装置である場合も同様に、熱又は水分により、気流209のオゾンを分解し、活性酸素を含む気流213を供給しうる。
本発明者らの検討によれば、プラズマアクチュエータからの誘起流に起因して筐体の内部に生じた気流209中に含まれる活性酸素は、一般に言われている活性酸素の寿命(・О の半減期:10-6秒、・ОHの半減期:10-9秒)よりも長時間にわたってその活性な状態を維持できているものと考えられる。気流中に生じた活性酸素が長期にわたって活性を維持し得る理由としては、一方向噴流である誘起流に起因して筐体の内部に生じている気流209は、極めて整った流れであるため、活性酸素は当該気流209の中で保護され、筐体の内壁等に接触することなどによる失活が抑制されているものと考えられる。よって、本開示の気体処理装置によれば、発生した活性酸素を気体の処理に有効に利用することができる、
一方、装置外に配置されたファン等によって筐体の内部に強制的に導入された空気は、筐体の内部に乱流を形成して筐体の内壁等との接触機会が高まるため、該筐体の内部で発生した活性酸素がより容易に失活すると考えられる。従って、本開示に係る気体処理装置においては、筐体の内部に誘起流に起因する気流209以外の気体の流れを生じさせる他の気流発生手段(例えば、送風ファン等)を具備しないことが好ましい。
さらには、プラズマアクチュエータ200は、筒状の筐体101の内面に沿った形状であることが好ましい。筒状の筐体101を第2開口から見たときに、プラズマアクチュエータ200は、筒状の筐体101の内面の周方向の一部に設けられていてもよいし、筒状の筐体101の内面の周方向の一部に複数設けられていてもよい。例えば、筒状の筐体1
01を第2開口から見たときに、筒状の筐体101の内面の周方向の全周の長さのうち、プラズマアクチュエータ200が設けられている長さの割合が、好ましくは30%以上、50%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上である。上限は100%以下である。
プラズマアクチュエータ200を周方向の一部に複数設ける場合は、長手方向の略同じ位置に設けることが好ましい。「略同じ」とは、誘起流207が合流する程度に同じ位置であればよい。
筒状の筐体101を第2開口から見たときに、複数のプラズマアクチュエータ200が回転対称に設けられていることが好ましい。例えば、2回対称~6回対称に設けられていることが好ましい。
また、筒状の筐体101の周方向の全周にわたってプラズマアクチュエータ200が配置されていることが好ましい。このような配置により、同じ方向に、同時にオゾンを含む誘起流207を噴き出させることができる。その結果、筒状の筐体101の中の誘起流207が合流してより推進力のある気流209が発生する。
気流209は推進力が高いため、紫外線が照射されて生成する活性酸素を含む気流213の推進力も大きくなる。その結果、単位時間あたりの気体の処理量が増加し、気体の処理効率を向上させることができる。
以下にプラズマアクチュエータ200について詳述する。
<第1の電極、第2の電極>
第1の電極及び第2の電極を構成する材料としては、良導電性の材料であれば、特に限定されることない。例えば、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、金、銀、プラチナなどの金属、および、それらにメッキや蒸着をしたもの、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブなどの導電性炭素材料、および、それらを樹脂などと混合した複合材料などを用いることができる。第1の電極を構成する材料と第2の電極を構成する材料とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
これらのなかでも、腐食し難く、また、放電の均一性に優れるアルミニウム、ステンレス鋼又は銀であることが好ましい。
また、第1の電極及び第2の電極の形状は、平板状、ワイヤ状、針状などを特に制限なく採用することができる。好ましくは、第1の電極の形状は平板状である。また、好ましくは、第2の電極の形状は平板状である。第1の電極及び第2の電極の少なくとも一の電極が平板状である場合、該平板のアスペクト比(長辺の長さ/短辺の長さ)が2以上であることが好ましい。
第2の電極201からプラズマが発生しないように、第2の電極201は、埋め込み電極であることが好ましい。例えば、図2(a)に示すように、第2の電極は、第2の電極の縁部を露出させず、誘電体203中に埋没させることが好ましい。なお、ここで埋没とは、第2の電極201の縁部から誘起流が生じない限りにおいて、埋没していればよく、第2の電極の表面が、プラズマアクチュエータ200の表面に露出することを妨げるものではない。第2の電極201の縁部からも誘起流が生じた場合、その方向は、第1の電極205からの誘起流の方向とは逆方向となるため、筐体中の気流の流れを乱し、活性酸素の長寿命化に不利に作用する可能性がある。
<誘電体>
誘電体は、高い電気絶縁性を有する材料であれば、特に限定されることはない。例えば、ポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂などの樹脂、ガラス、セラミックス、および、それらを樹脂などと混合した複合材料
などを用いることができる。
また、図2及び3に示すように、円柱形状の筐体の内面の周方向の全周にわたってプラズマアクチュエータを配置する場合においては、ポリイミドやシリコーン樹脂等の屈曲性を有する樹脂製の誘電体が好適である。特に、シリコーン樹脂は、屈曲性と合わせて柔軟性を有するため、複雑な形状の筐体に対しても追従性高く配置できるため、特に好適である。
<プラズマアクチュエータ>
プラズマアクチュエータは、誘電体を挟んで第1の電極と第2の電極を設け、両電極間に電圧を印加することによりオゾンを含む一方向の噴流である誘起流を生じさせうるものであれば、特に限定されない。
プラズマアクチュエータにおいて、第1の電極と第2の電極の最短距離が短いほどプラズマが発生しやすい。そのため誘電体の膜厚は電気絶縁破壊しない範囲であれば薄膜であるほど好ましく、10μm~1000μm、好ましくは10μm~200μmとすることができる。また、第1の電極と第2の電極の最短距離は、200μm以下であることが好ましい。より好ましくは50μm~200μmである。
また、プラズマアクチュエータ200の一態様の断面構造を図2(c)に示す。該プラズマアクチュエータは、誘電体203の一方の表面(以降、「第1の表面」ともいう)に、端面が露出してなる露出電極(以降、「第1の電極」ともいう)205、第1の表面とは反対側の表面(以降、「第2の表面」ともいう)に第2の電極201が設けられた、いわゆる誘電体バリア放電(Dielectric Barrier Discharge:DBD)プラズマアクチュエータ(以降、単に「DBD-PA」と記載する場合がある)である。図2(c)中、符号210は、第2の電極の端面からの誘起流を生じさせないように、第2の電極201をプラズマアクチュエータの厚み方向内に埋没させるための誘電体基板である。また、第1の電極及び第2の電極とには、電源211によって電圧が印加可能となっている。
プラズマアクチュエータ200において、誘電体203を挟んで配置された第1の電極205と第2の電極201とは、例えば、斜向かいにずれて配置している。これらの電極間(両電極間)に電源211から電圧を印加することで、第1の電極205から第2の電極201に向かう誘電体バリア放電が発生する。そして、第1の電極205の縁部204から、該第2の電極が延びる方向に向かって、誘電体203の第1の表面の露出部(第1の電極で被覆されていない部分)203-1に沿って、プラズマ208が発生する。
また同時に、筐体の内部の空間から電極に向かう、空気の吸い込み流れも発生する。表面プラズマ208中の電子は、空気中の酸素分子に衝突し、該酸素分子を解離させ、酸素原子を生じさせる。生じた酸素原子は未解離の酸素分子と衝突して、オゾンが発生する。したがって、表面プラズマ208による噴流状の流れと空気の吸い込み流れとの作用により、第1の電極205の縁部204から誘電体203の表面に沿って、高濃度のオゾンを含む誘起流207が発生する。
すなわち、プラズマアクチュエータは、第1の電極205、誘電体203及び第2の電極201がこの順に積層されてなり、第1の電極205は、誘電体203の第1の表面上に設けられた露出電極である。そして、プラズマアクチュエータは、第1の電極205と第2の電極201との間に電圧を印加することで、第1の電極205から第2の電極201に向かう誘電体バリア放電を生じ、第1の電極205から誘電体203の第1の表面に沿った一方向である第1方向に誘起流を吹き出す。
より具体的には、第1の電極205の片側の縁部204から第2の電極201に向かう誘電体バリア放電を生じ、第1の電極205の片側の縁部204から誘電体203の第1の表面に沿った第1方向に一方向噴流である誘起流を吹き出す。
また、プラズマアクチュエータの厚み方向の一断面において第2の電極201は、誘起流の吹き出し方向(第1方向)に伸びて存在している。
より具体的には、例えば、プラズマアクチュエータは、誘電体203を有し、プラズマアクチュエータの厚さ方向の断面をみたときに、プラズマアクチュエータの厚さ方向に第1の電極205と第2の電極201とが誘電体203を介して斜向かいに配置されている。そして、誘電体203の第1の表面の一部を被覆するように第1の電極205が設けられ、誘電体の第1の表面は、第1の電極205で覆われていない露出部203-1を有している。露出部203-1の少なくとも一部と、第2の電極201とが重なりを有している。
そして、第1の電極及び第2の電極間に電圧を印加することで、厚さ方向の該断面(図2(c))における第1の電極205の第1方向側の縁部204から、第2の電極201と重なっている誘電体の露出部に沿ってオゾンを含む誘起流が発生する。
誘起流は、例えば露出部203-1に沿った壁面噴流となり、高濃度のオゾンを特定の方向に供給しやすい。露出部203-1の誘起流方向の長さ(すなわち、第1の電極の第1方向側の縁部204から誘電体の第1の表面の縁部までの長さ)は、特に制限されないが、好ましくは0.1~50mmであり、より好ましくは0.5~20mmであり、さらに好ましくは1~10mmである。
図2(c)により、オゾン発生装置であるプラズマアクチュエータの第1の電極205と第2の電極201のオーバーラップについて説明する。図2(c)は、プラズマアクチュエータの断面図である。
斜向かいに配置した第1の電極205及び第2の電極201は、断面図の上側から見たときに、第1の電極の縁部204が、誘電体を挟んで第2の電極201の形成部分に存在していてもよい。すなわち、第1の電極と第2の電極とが誘電体を挟んでオーバーラップするように設けられていてもよい。この場合、第1の電極と第2の電極とが誘電体を挟んで重なっている部分において電圧印加時に絶縁破壊しないようにすることが好ましい。
図2(c)に第1の電極と第2の電極とが誘電体を挟んでオーバーラップする態様を示す。プラズマアクチュエータの厚さ方向の断面において、第1の電極の第1方向側の縁部204を縁部Aとし、第2の電極における第1方向と逆方向である第2方向側の縁部を縁部Bとする。このとき、好ましくは、縁部Bが縁部Aよりも第2方向側に位置している。
このように第1の電極と第2の電極とが誘電体を挟んでオーバーラップしていることで、安定したプラズマ及び誘起流の発生が可能となる。
また、第1の電極と第2の電極とが誘電体203を介して斜向かいに配置されているため、縁部Bは、第1の電極における縁部Aの反対側の縁部よりも、第1方向に位置している。これにより、第1の電極における縁部Aと反対側の縁部からの誘起流の発生を抑えることができる。
次に、第1の電極と第2の電極とが誘電体を挟んでオーバーラップしない態様を示す。プラズマアクチュエータの厚さ方向の断面において、第1の電極の第1方向側の縁部204を縁部Aとし、第2の電極における第1方向と逆方向である第2方向側の縁部を縁部Bとしたとき、例えば、縁部Bが縁部Aよりも第1方向側に位置している。
このように、第1の電極と第2の電極とが誘電体を挟んでオーバーラップしていない場合には、電極間の最短距離が相対的に大きくなることによる電界の弱まりを補うために両電極間に印加する電圧を相対的に高めることが好ましい。
また、プラズマアクチュエータの厚さ方向の断面において、縁部Aと縁部Bとが誘電体
の厚さ方向において一致していることも好ましい態様の一つである。当該形態は、例えば、縁部Aと縁部Bとが誘電体を挟んで最短距離で対向している態様を示し、第1の電極と第2の電極とが誘電体を挟んでオーバーラップもせず、離れてもいない。これにより、両電極間に印加したエネルギーをより効率よく誘起流の生成に用いることができる。
第1の電極の縁部と第2の電極の縁部との重なりは、オーバーラップする長さを正とすると、断面図の上部から見て、-100μm~+1000μmとすることが好ましく、-0μm~+200μmとすることがより好ましく、0μmとすることがさらに好ましい。
電極の厚みとしては、第1の電極及び第2の電極ともに特に限定は無いが、10μm~1000μmとすることができる。10μm以上であると、抵抗が低くなりプラズマの発生がしやすくなる。1000μm以下であると、電界集中が起こりやすくなるためプラズマが発生しやすくなる。
電極の幅としては、第1の電極及び第2の電極ともに特に限定されないが、1000μm以上とすることができる。
プラズマアクチュエータは、上述のように定義される第1の電極における縁部A以外の縁部から誘起流が発生しないことが好ましい。そのために、縁部A以外の縁部を誘電体で被覆してもよい。これにより、第1の電極と第2の電極がY軸方向で重なっていても、一方向の噴流を発生させることができる。また、電極の形状を制御し、第2の電極との関係で縁部A以外の縁部から誘起流を発生させなくしてもよい。例えば電極が矩形の場合、Z軸方向(縁部Aからの誘起流の吹き出し方向に垂直な方向)の電極の長さが、第1の電極と第2の電極とで同じ又は第1の電極を長くしてもよい。このような態様により、誘起流の向きを制御しやすくなる。
プラズマアクチュエータの第1の電極は、図2(d)に示すように、誘電体203の表面に露出していれば、誘電体203に一部埋め込まれていてもよい。
プラズマアクチュエータの第2の電極は、図2(e)に示すように筒状の筐体101の内部に埋め込まれた構成でもよい。またさらには、図2(f)に示すように、筒状の筐体101の外部に配置してもよい。
図2(c)に示すように、オゾンを含む誘起流207は、第1の電極205の縁部204から誘電体203の第1の表面の露出部203-1に沿った表面プラズマによる噴流状の流れ方向、すなわち、第1の電極205の縁部204から誘電体の第1の表面の露出部203-1に沿う方向に流れる。この誘起流は、数m/s~数十m/s程度の速度を持った、高濃度オゾンを含む気体の流れである。
プラズマアクチュエータの第1の電極205と第2の電極201の間にかける電圧としては、プラズマアクチュエータにプラズマを生じさせることができる態様であれば特に制限されない。また、直流電圧でも、交流電圧でもよいが、交流電圧であることが好ましい。また、該電圧をパルス電圧とすることも好ましい態様である。
さらに、該電圧の振幅、周波数は、誘起流の流速、誘起流中のオゾン濃度を調整するために適宜設定することができる。この場合、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を生成させるために必要なオゾン濃度を誘起流中に発生させること、生成された活性酸素を、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を維持した状態で気流に供給すること、などの観点から適宜選択するとよい。
例えば、印加電圧が交流の際は、交流の最大最小電圧差を0.1kVpp~100kVppとすることができる。さらにまた、該電圧の周波数は好ましくは1kHz以上、より好ましくは10kHz~100kHzとすることができる。
該電圧を交流電圧とする場合、該交流電圧の波形は特に制限されず、サイン波、矩形波、三角波などを採用できるが、電圧の立ち上がりの早さの観点からは矩形波であることが好ましい。
該電圧のデューティー比も適宜選択可能であるが、電圧の立ち上がりが早いことが好ましい。好ましくは、波長の振幅の底から頂点に達する電圧の立ち上がりが、10,000,000V/秒以上となるように電圧を印加する。
なお、第1の電極205と第2の電極201の間に印加する電圧の振幅を、誘電体203の膜厚で除した値(電圧/膜厚)は、10kV/mm以上とすることが好ましい。
<オゾン分解装置>
気体処理装置は、オゾン分解装置206を備える。オゾン分解装置は、気流209に含まれるオゾンを分解させて、気流209中に活性酸素を発生させる。オゾン分解装置は、気流に含まれるオゾンに作用し、オゾンを分解できるものが挙げられる。オゾン分解装置としては、気流の流れを乱さずにオゾンを分解させることのできるものが好ましい。
オゾン分解装置の配置は、本発明の効果を発現できる範囲において特に制限されないが、好ましくは、誘起流の進行を乱さないよう、筒状の筐体の中心の位置に設置する。
また、筒状の筐体の内壁に装着する場合も、本開示の効果を発現できる範囲において制限はないが、好ましくは、誘起流の障害物とならないように筐体の内部に埋め込み、筐体の内面から突起にならないような構造である。
オゾン分解装置は、紫外線を気流に照射して気流中に活性酸素を発生させる紫外線光源、気流を加熱し気流中に活性酸素を発生させる加熱装置、及び気流を加湿し気流中に活性酸素を発生させる加湿装置からなる群から選択される少なくとも一の装置であることが好ましい。オゾン分解装置は、これらの組み合わせでもよい。例えば、紫外線を気流に照射しつつ気流を加熱する装置であってもよいし、紫外線を気流に照射し気流を加熱しつつ筐体の内部を加湿する装置であってもよい。オゾン分解装置は、より好ましくは紫外線光源である。すなわち、本開示の一態様に係る気体処理装置は、オゾン分解装置として、紫外線を前記気流に照射して前記気流中に前記活性酸素を発生させる紫外線光源を少なくとも具備することが好ましい。
以下に各装置について記載する。
<紫外線光源および紫外線>
紫外線光源としては、オゾンを励起し、活性酸素を生成させうる紫外線を照射できるものであれば特に限定されない。また、該紫外線光源は、オゾンを励起し、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を得るために必要な、紫外線の波長及びその照度を有していれば特に限定されない。
例えば、オゾンの光吸収スペクトルのピーク値が260nmであることから、該紫外線のピーク波長は、220nm~310nmであることが好ましく、253nm~285nmであることがより好ましく、253nm~266nmであることがさらに好ましい。
具体的な紫外線光源としては、石英ガラス内にアルゴンやネオン等の不活性ガスと共に水銀が封入されてなる低圧水銀ランプや、冷陰極管紫外線ランプ(UV-CCL)、紫外LEDなどが使用できる。低圧水銀ランプや冷陰極管紫外線ランプの波長は、254nmなどから選択するとよい。一方、紫外LEDの波長は、出力性能の観点から、265nm、275nm、280nmなどから選択するとよい。
<加熱装置>
加熱装置206としては、気流209中のオゾンを励起し、活性酸素を生成させうる熱エネルギーを与えられるものであれば特に限定されない。オゾンの熱分解は100℃程度から始まるため、気流209を120℃程度に加熱できる装置が好ましい。一方で、120℃を超えると、筐体の材料によっては、筐体が溶融や分解などの熱劣化を起こす場合が
あるため、200℃以下が好ましい。好ましくは100~140℃であり、より好ましくは110~130℃である。
加熱装置としては、特に限定されるものではなく、例えば、熱を供給する熱源(熱供給手段)を備える装置でもよいし、熱源(熱供給手段)を備えない装置でもよい。具体的には、熱供給手段を備える加熱装置は、例えば、セラミックヒーター、カートリッジヒーター、シーズヒーター、電気ヒーター、オイルヒーター、などが使用できる。金属系発熱体を含む装置の場合、発熱体はニクロム系合金やタングステンなどの耐酸化性に優れた材質が好ましい。熱供給手段を備えない加熱装置は、例えば、誘電加熱(マイクロ波加熱、電子加熱、高周波加熱、無線周波数加熱等)によって気流209を加熱させる装置が挙げられる。好ましくはカートリッジヒーターである。
<加湿装置>
加湿装置206としては、筐体の内部を加湿し気流209中に水を含有させて、気流中のオゾンを水で分解することにより気流中に活性酸素を発生させられるものであれば特に限定されない。ここで、加湿とは対象に水分を与えることであり、その水分の態様は特に限定されず、気体、液体及び固体からなる群から選択される少なくとも一であってよい。また、水分を与える際に用いる水としては、公知の水を任意に用いることができ、水以外の物質を含んでいてもよい。
加湿装置としては、特に限定されるものではなく、例えば、気化式の加湿装置や、ミスト式の加湿装置が挙げられる。
プラズマアクチュエータの近傍の湿度を高めないために、加湿装置は、水分を供給する方向に関して指向性(以下、単に指向性ともいう。)を有するものが好ましい。加湿装置が指向性を有することによって、プラズマアクチュエータの近傍の湿度を高めず、気流209の近傍や被処理物の表面近傍や効率的に加湿することができる。
加湿装置に指向性を有させるためには、公知の方法を好適に用いることができる。例えば、誘起流及び気流209を乱さないようにファンを設けることによって気流を発生させ、水分を気流の方向に移送する方法や、エアーポンプなどによって水分に適度な圧力を与え、水分を目的の方向に射出する方法などが挙げられる。誘起流及び気流209の流れを乱さないように、誘起流及び気流209の向きと同じ方向(第1方向)に指向させることが好ましい。
<プラズマアクチュエータ、オゾン分解装置の配置>
気体処理装置100においては、オゾンを含む誘起流を生じさせるプラズマアクチュエータの位置は、オゾン分解装置である紫外線光源206から照射された紫外線によって発生する、気流209中の活性酸素が、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量が維持された状態になるように配置されていれば特に限定されない。オゾン分解装置が加熱装置や加湿装置である場合も同様である。
また、例えば、プラズマアクチュエータ及びオゾン分解装置は、第2開口から気体処理装置の外に前記活性酸素を含む気流が流出するように配置されていることが好ましい。このような配置とすることで、第2開口から気体処理装置の外に流出した活性酸素を含む気流によって、活性酸素を含む気流の流出方向に存在する被処理物としての気体を処理することができる。
また、オゾン分解装置とプラズマアクチュエータとの距離は処理の目的によって変化するので、一概には規定できない。例えば、プラズマアクチュエータの誘電体の、オゾン分解装置に対向する面との距離を、例えば、15mm以下とすることが好ましく、10mm以下とすることがより好ましく、4mm以下とすることがさらに好ましい。ただしオゾン
分解装置から15mm程度以内の所にプラズマアクチュエータを置く必要はなく、紫外線の照度や波長などオゾンを分解しうる要素との関係で気流中の活性酸素を処理の目的に応じた有効濃度とすることができれば、オゾン分解装置とプラズマアクチュエータとの距離は特に制限されない。
また、プラズマアクチュエータにおける、気流209中のオゾンをオゾン分解装置により分解させない状態での単位時間あたりのオゾン発生量としては、例えば、15μg/分以上であることが好ましい。より好ましくは30μg/分以上である。該オゾン発生量の上限は特に制限されないが、例えば1000μg/分以下である。
誘起流又は気流209の流速としては、例えば、気流209が筐体の内部を推進する過程で気体処理装置100により処理されるような速度であってよく、気流209が筐体の外である気流の推進先で、被処理物である気体を処理できるような速度であってよい。例えば、上記の通り0.01m/s~100m/s程度である。
上述のようにプラズマアクチュエータから生じる誘起流中のオゾンの濃度や誘起流の流速は、電極や誘電体の厚みや材質、印加する電圧の種類、振幅、周波数などにより制御することができる。
<筐体および開口部>
本開示の気体処理装置は、第1開口及び第1開口と反対側の第2開口を有する筒状の筐体101と、筐体の内部に配置されたプラズマアクチュエータ200と、オゾン分解装置206を具備する。
下記に本態様における好ましい形態を記載するが、筐体における第1の電極、及び第2の電極の配置は、例えば、気流209中に生成された活性酸素が、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を維持した状態になるように適宜選択することができる。
筒状の筐体101は、プラズマアクチュエータを内部に装着でき、かつ、第1開口以外
から空気が流入しないような態様であればよい。そのため、断面の形状、内径、外径、内径と外径との比率、第1開口から第2開口までの内径、外径及び内径と外径の比率、断面形状の変化量、第1開口と第2開口の同軸度、筒状の筐体101の屈折の角度、並びに筐体の材質など、特に制限されない。
オゾンを含む誘起流及び気流209、または活性酸素を含む誘起流及び気流209の層流を乱さない構成であることが好ましい。例えば、プラズマアクチュエータの第1の電極の縁部から誘電体の第1の表面の露出部203-1に沿った方向の延長線上と第2開口との間に、障害物が存在しない構造であることが好ましい。
筒状の筐体101の長手方向の長さは適宜選択できるが、プラズマアクチュエータが生成する誘起流に従って、第1開口から流入する空気の気流が整いやすいため、第1開口と
プラズマアクチュエータとの距離が、第2開口とプラズマアクチュエータの距離よりも長く設定できる長さであることが好ましい。
気体処理装置の筒状の筐体101の第1開口から第2開口に向かう方向に垂直な方向の断面形状は、四角形などの多角形、円、若しくは楕円、又は円と多角形の組み合わさった形状など適宜選択は可能である。例えば、円形状又は正方形状であることが好ましい。すなわち、筒状の筐体が円筒形状又は四角筒形状であることが好ましい。オゾンを含む誘起流の層流を乱す要因となり得るため、第1開口から第2開口に向けて気流209が推進す
る途中で、断面形状や、断面形状の位相が変化しない形状が好ましい。
筒状の筐体101の内径は、気流209が筐体の内壁と接触する機会を抑制するため、第1開口から第2開口103に向かって内径が変化しない構造であることが好ましい。
筒状の筐体101の材質は、金属、セラミックス、樹脂、など、第1開口から第2開口までの誘起流及び気流209の進行を妨げられないよう、自重で変形しない材質、厚みであればよい。好ましくは、プラズマアクチュエータの電極から外部にリークしないような絶縁性の高い材質、厚みであることが好ましい。
筒状の筐体101の製造方法は、第1開口以外に外部からの空気が流入する箇所が発生しないような方法であることが好ましい。具体的には、筒状の筐体101は、射出成型や押出成形で成型された中空の筐体や、同様の製法で作製された中実の筐体を切削などの手段により中空にした筐体、シートを丸めた後に接合部を隙間なく接着した筐体などでもよい。
筒状の筐体の第1開口から第2開口までの長さは、処理の目的により適宜変更すればよく、特に制限されないが、例えば、好ましくは3~1000mm、好ましくは5~100mm、より好ましくは10~50mmである。
第1開口は、プラズマアクチュエータ200によって生成する誘起流により、筐体の内部の気体が気流となり第2開口に向けて動いた結果、第1開口の外部から空気が流入できる範囲内であれば、開口部の大きさ、開口と筒状の筐体の中心の相対位置、開口の形状、は制限されない。また、本態様の効果を妨げない範囲で、第1開口の形状、大きさを制御する蓋を設けても構わない。その中でも空気の乱流を抑制するために、筒状の筐体の内周の断面形状と同じ形状であることが好ましい。
第1開口の内径は、処理の目的により適宜変更すればよく、特に制限されない。プラズマアクチュエータ200によって生成する誘起流を安定化させるためには、第1開口から
流入する空気の流量のうち、プラズマアクチュエータ200への空気の吸い込み流れに寄与する流量を増やすことが好ましい。よって、第1開口の開口部の最大径として、好ましくは5~100mm、より好ましくは10~50mmである。
第2開口は、プラズマアクチュエータ200から生じる気流209が筒状の筐体101の第2開口の外に流出されるような態様であれば、開口部の大きさ、開口と筒状の筐体中心の相対位置、開口部の形状、開口部と被処理物との相対位置は、制限されない。また、本態様の効果を妨げない範囲で、第2開口の形状、大きさを制御する蓋を設けても構わない。その中でも空気の乱流を抑制するために、筒状の筐体の内周の断面形状と同じ形状であることが好ましい。また、例えば、第2開口の内径は、処理の目的により適宜変更すればよく、特に制限されないが、最大径で、好ましくは5~100mm、より好ましくは10~50mmとすることができる。
第2開口における紫外線の照度は特に限定されないが、例えば、第2開口においても、誘起流に含まれるオゾンを分解し、気流中に活性酸素を発生させ、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を生じさせうる紫外線の照度に設定することが好ましい。具体的には、例えば、第2開口における紫外線の照度の具体例として、40μW/cm以上であることが好ましく、100μW/cm以上であることがより好ましく、400μW/cm以上であることがさらに好ましく、1000μW/cm以上であることが特に好ましい。該照度の上限は特に制限されないが、例えば10000μW/cm以下とすることができる。
プラズマアクチュエータ200の構成は、第2開口に向かってオゾンを含む気流209を生成させることが可能な態様であれば、筒状の筐体の周方向、あるいは長手方向に対して、連続な構成でもよく、あるいは、複数個所で切断されていてもよい。例えば、整った気流を発生させる観点から、筐体の長手方向に垂直な断面において、プラズマアクチュエータを周方向に均等に設けることも好ましい態様である。
その中でも、できるだけ筒状の筐体101内で気流が内壁に接触せずに、かつ、気流2
09の推進力を大きくできる構造として、図3に示すように、内周面に連続で周方向の全周にわたってプラズマアクチュエータが構成されることが好ましい。また、気体の処理の効果を高めるために、プラズマアクチュエータは、筒状の筐体の第1開口と第2開口との間に、第1開口から第2開口に向かう方向(長手方向)に、複数個所(例えば、2~4か所)に配置されていることも、推進力の増大や、筒状の筐体の内部の活性酸素の濃度の増加に対して好適である。
また、本発明に係る筒状の気体処理装置を複数個束ねて使用しても構わない。
なお、本開示において「有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量」とは、筐体の内部の気体の処理を達成するための活性酸素濃度若しくは活性酸素量、又は筐体の外の気体の処理を達成するための活性酸素濃度若しくは活性酸素量をいい、プラズマアクチュエータを構成する電極、誘電体の厚み、材質、印加する電圧の種類、振幅及び周波数、紫外線の照度及び照射時間などを用い、目的に応じて適宜調整ができる。
本開示の気体処理装置は、被処理物である気体に活性酸素を供給することで実施される用途全般に用いることができる。例えば、本開示の気体処理装置は、気体の除菌用途、消臭用途などにも用いることができる。
<第2の態様>
図4(a)~(c)に本開示に係る気体処理装置の第2の態様を示す。
本態様に係る気体処理装置は、筒状の筐体101自体が誘電体を含む。
そして、筒状の筐体の軸方向に沿う方向の断面において、筐体の内面上に、該内面の一部を被覆して設けられた露出電極である第1の電極205が配置されている。また、筒状の筐体101の内面よりも外側に第1の電極205とは誘電体を介して電気的に絶縁されてなる第2の電極201が配置されている。すなわち、筒状の筐体をプラズマアクチュエータの誘電体部分として利用した点が、第1の態様に係る気体処理装置とは異なっている。
筒状の筐体は、全体が誘電体である必要はなく、第1の電極205と第2の電極201とを電気的に絶縁し、第1の電極205から一方向噴流である誘起流を発生させられる部分が誘電体で構成されていれば足りる。すなわち、誘起流の発生に影響しない部分は誘電体以外の材料で構成されていてもよい。好ましくは、筒状の筐体101は誘電体で構成されている。
第1の電極205の配置に関する一例としては、気体処理装置100の第2開口側から見た図4(b)に示すように、第1の電極205は筒状の筐体101の内周面の周方向の全周にわたって配置され、第2の電極201は筒状の筐体101の外周面の周方向の全周にわたって配置されている場合が挙げられる。ただし、これに限定されず、周方向の1箇所または複数箇所に配置してもよい。
また、第2の電極201の配置については、第1の電極205が上記したように周方向の全周に亘って設けられている場合には、第2の電極も周方向の全周にわたり設けることが誘起流の発生効率の点から好ましいが、これに限定されず、第1の電極の少なくとも一部から誘起流が生じる限りにおいては、周方向の1箇所または複数箇所に配置してもよい。さらに、第1の電極205が1箇所または複数箇所に配置されている場合は、第2の電極201も第1電極の配置位置に対応させて1箇所または複数箇所に配置すればよい。
本態様においては、筒状の筐体101をプラズマアクチュエータの誘電体として構成するため、筒状の筐体101の材質は、高い電気絶縁性を有する材料である。誘電体としては、例えば、ポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂などの樹脂、ガラス、セラミックス、および、それらを樹脂などと混合し
た複合材料などを用いることができる。これらのなかでも、電流がリークした場合でも延焼しにくく、可撓性がある樹脂製の材質であることが好ましい。
より好ましくは、誘電体はシリコーン樹脂である。絶縁性と可撓性を高い水準で両立することが可能である。
本態様に係る第1の電極は、筒状の筐体101の内周面に形成される際に、オゾンを含む誘起流及び気流209を生成できる範囲において、内周面の表面に形成されていてもよいし、一部が筒状の筐体101に埋め込まれていてもよい。
図4(a)及び図4(c)に示すように、第2の電極201は、筒状の筐体101の内面よりも外側に形成されるが、その位置は、オゾンを含む誘起流及び気流209を生成できる範囲であれば特に制限されない。具体的には、第2の電極201は、例えば、図4(a)に示すように、筒状の筐体の外周面の表面に形成してもよく、また、図4(c)に示すように、筒状の筐体の外周面に一部または全部が埋め込まれてもよい。また第2の電極を外周面の表面に形成した場合は、さらに外周面の第2の電極を誘電体などの基板で覆って、第2の電極の縁部から誘起流を生じさせないようにすることができる。
さらには、筒状の筐体101に対して第1の電極、第2の電極を形成する際に、オゾンを含む誘起流を好適に生成する範囲内で、電極の形成位置において筒状の筐体101の厚みを変更する操作(切削、研磨)を行ってもよい。
本態様において、本開示に係る筒状の筐体、第1開口、第2開口、プラズマアクチュエータの第1の電極、第2の電極、紫外線光源などのオゾン分解装置、およびそのほかの構成要件の形状や配置などは、第1の態様で記載した内容と同様に構成しうる、第1の態様における誘電体は、本態様では筒状の筐体と読み替えて構成しうる。例えば、生成された活性酸素を、処理の目的に応じた有効活性酸素濃度又は有効活性酸素量を維持した状態で被処理物の表面領域まで能動的に供給し得るように適宜選択することができる。
また、本開示は、気体を活性酸素で処理する処理方法であって、
気体処理装置を用意する工程を有し、
該気体処理装置は、
第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、
該筐体の内部に配置されたプラズマアクチュエータと、
オゾン分解装置と、
を備え、
該プラズマアクチュエータは、第1の電極、誘電体及び第2の電極を有し、
該第1の電極と該第2の電極との間には該誘電体が介在し、該第1の電極と該第2の電極とが電気的に絶縁されており、
該第1の電極は、該誘電体の一方の表面である第1の表面上に設けられた露出電極であり、
該プラズマアクチュエータは、該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで、該第1の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該誘電体の表面に沿った一方向である第1方向にオゾンを含む誘起流を吹き出すものであり、
該プラズマアクチュエータは、該誘起流の吹き出し方向である該第1方向が該第2開口に向くように配置され、該誘起流によって、該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筐体の内部に生じさせ、
該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、
該気流が該活性酸素を含む気流となることによって、該活性酸素を含む気流中の気体が活性酸素によって処理される、又は該活性酸素を含む気流が、該活性酸素を含む気流の流
出方向に存在する被処理物としての気体を、活性酸素によって処理する、ことを特徴とする、活性酸素による気体処理方法を提供する。
以下、実施例及び比較例を用いて本開示をさらに詳細に説明するが、本開示の態様はこれらに限定されない。
<実施例1>
1.気体処理装置の作製
誘電体としてのポリイミドシート(縦5mm、横62.8mm、厚さ100μm)の第1の面に縦2.5mm、横62.8mm、厚さ100μmのアルミニウム箔を粘着テープで貼り付けて第1の電極を形成した。また、当該ポリイミドシートの該第1の面とは反対側の第2の面に縦3mm、横62.8mm、厚さ100μmのアルミニウム箔を、第1の面に張り付けたアルミニウム箔と斜向かいとなるように粘着テープで貼り付けて第2の電極を形成した。さらに、第2の電極から誘起流が発生しないように、第2の電極を含む第2の面をポリイミドテープで被覆した。こうして、第1の電極と第2の電極とが誘電体(ポリイミドシート)を挟んで幅500μmに亘ってオーバーラップするように設けられてなるプラズマアクチュエータを作製した。
次に、気体処理装置100の筐体101の材料として、ABS樹脂製のシート(縦30mm、横62.8mm、厚み1mm)を用意した。次いで、ABS樹脂製のシートの一方の表面に、先に作製したプラズマアクチュエータを張り付けた。具体的には、プラズマアクチュエータ200の第2の電極201を被覆するポリイミドシート側を、該ABS樹脂製シートの該表面に接着して固定した。次いで、プラズマアクチュエータを張り付けた側の面が内側になるように、ABS樹脂製のシートを筒状に丸めて、図2(a)及び図2(b)に示す、内周面にプラズマアクチュエータが全周に亘り固定された筒状の筐体を作製した。筒状の筐体101は、第1開口(不図示)及び第2開口103を有していた。なお、第1開口から第2開口103までの長さは、30mmとした。また、第1開口からプラズマアクチュエータの第1開口側の縁部までの長さは15.0mmであった。さらに、プラズマアクチュエータは、第1の電極205近傍から生成するオゾンを含む誘起流207が噴き出す方向が第2開口103に向くように固定した。
続いて、筐体101の内部に不図示の支持部材を用いて紫外線ランプ206(紫外線ランプ206:冷陰極管紫外線ランプ、商品名:UW/9F89/9、スタンレー電気社製、長さ150mm、直径9mmの円筒状、ピーク波長=254nm)を筐体の中央部分に固定した。
上記で作成した本実施例に係る気体処理装置100を、図5に示すような評価装置501に設置した。ここで、図5において、評価装置501の枠体はアクリル樹脂で作製した。また、気体処理装置100と評価装置501は隙間のないように接続可能であり、外部から空気が入り込まないような構成である。
この気体処理装置100における活性酸素の供給口となる第2開口103の位置に分光放射照度計(商品名:USR-45D、ウシオ電機社製)を置いて紫外線の照度を測定した。スペクトルの積分値から、1370μW/cmであった。このとき、プラズマアクチュエータから発生するオゾンによる紫外線の遮蔽の影響を受けないように、プラズマアクチュエータには電源を入れなかった。
続いて、プラズマアクチュエータ200から発生するオゾン量を算出するため、気体処理装置100を、容積が1リットルの密閉容器(不図示)に入れた。該密閉容器にはゴム
栓で封止可能な孔部が設けられており、該孔部から注射器で内部の気体を吸引できるようにした。そして、紫外線ランプを点灯させず、プラズマアクチュエータ200に2.4kVpp、周波数80kHzのサイン波形を有する電圧を印加して1分後に、密閉容器内の気体を100ml採取した。採取した気体をオゾン検知管(商品名:182SB、光明理化学工業社製)に吸引させ、プラズマアクチュエータ200からの誘起流に含まれる測定オゾン濃度(PPM)を測定した。測定されオゾン濃度の値を用いて、次式により、単位時間あたりのオゾン発生量を求めた。
Figure 2023098665000002
その結果、単位時間あたりのオゾン発生量は130μg/分であった。このとき、紫外線光源から照射される紫外線によるオゾンの分解の影響を受けないように、紫外線光源には電源を入れなかった。
最後に、プラズマアクチュエータ200と紫外線ランプ206の両方ともが稼働している場合のオゾン発生量を測定した。プラズマアクチュエータ200の稼働条件は、プラズマアクチュエータ200のみを稼働した場合に130μg/分のオゾンを発生する条件である。また、紫外線ランプ206の稼働条件は、紫外線ランプ206のみを稼働した場合に1370μW/cmの照度になる条件である。その結果、プラズマアクチュエータ200と紫外線ランプ206の両方ともが稼働している場合のオゾン発生量は、10μg/分であった。130μg/分からの減少分の120μg/分が、活性酸素に変化したオゾンの量であると考えられる。
2.除菌率測定機構の作製
本実施例では、評価装置501を用いて、図6に示すような試験装置601を構成し、気体処理装置100による除菌性能の評価を行った。
試験装置601は、気体処理装置100と、菌含有気体準備部507と、菌回収部508とから成り、菌含有気体準備部507、気体処理装置100及び菌回収部508はこの順に連続するように設置した。菌含有気体準備部507及び菌回収部508の枠体には、アクリル樹脂を用いた。
菌含有気体準備部507及び菌回収部508の底面に隣接する4方向の壁面に5mm径の穴603を設けて、気体処理装置100の誘起流の発生による気体の流動を阻害しない構成とした。菌含有気体準備部507に設けた穴603は吸気口として働き、菌回収部508に設けた穴603は排気口として働く。
2-1.活性酸素の確認試験
上記1で作製した気体処理装置を稼働させることによって該筐体の内部に活性酸素が発生していることを確認するため、以下の試験を行った。すなわち、第2開口103から流出する気流中に活性酸素が含まれているか否かを、メチレンブルーの水溶液の脱色反応を利用して確認した。
具体的には、メチレンブルー(関東化学製、特級)と蒸留水を混合し、0.01%メチレンブルー水溶液を調製した。当該メチレンブルー水溶液15mLをシャーレ(栄研科学
製AB4000、円柱形88mm径)に入れた。そして、メチレンブルー水溶液が入ったシャーレAを準備した。シャーレAの表面中心と気体処理装置100の第2開口の中心が向かい合い、距離が1mmとなるように配置した。なお、本試験においては、活性酸素の確認のため、図5に示す、除菌率評価装置から、筒状の筐体101と紫外線光源206のみを取り出して、シャーレAに対して上記のように配置して試験を実施した。
次いで、プラズマアクチュエータの両電極間に2.4kVpp、周波数80kHzのサイン波形を有する交流電圧を印加すると共に紫外線ランプを点灯させ、該開口から流出した誘起流を該液面に向けて60分間供給した。なお、紫外線ランプは、プラズマアクチュエータに電源を入れずに該プラズマアクチュエータの誘電体の紫外線ランプに対向する側の露出面において測定される照度が1370μW/cmとなるように調整した。
誘起流照射後のメチレンブルー水溶液をシャーレからセルに移し替え、分光光度計(Jasco製 V-570)にてメチレンブルーの光吸収量の変化を測定した。メチレンブ
ルーは波長664nmに強い吸収を有するため、当該波長の吸光度の変化から、メチレンブルーの脱色の程度を算出できる。本試験においては、まず、蒸留水のみを参照セルに入れ、誘起流を照射前の0.01%メチレンブルー水溶液をサンプルセルに入れて測定したところ、吸光度は2.32Abs.であった。一方、誘起流照射後のメチレンブルー水溶液の吸光度は0.27Abs.であった。よって吸光度の低下率は、88%(((2.3
2-0.27)/2.32)×100)であった。
2-2.処理(除菌)試験
気体処理装置100を設置した試験装置601を用いて、以下の手順にて大腸菌の除菌試験を実施した。なお、本除菌試験に用いる器具は全て、オートクレーブを用いた高圧蒸気滅菌を行ったものを用いた。また、本除菌試験はクリーンベンチ内で行った。
まず、LB培地(トリプトン2g(商品名「Bacto Tryptone」、ライフテクノロジーズジャパン社製)、イーストエクストラクト1g(商品名「Yeast Extract」、ライフテクノロジーズジャパン社製)及び塩化ナトリウム1g(商品名「塩化ナトリウム 特級」、キシダ化学社製)の混合物に蒸留水を200mL入れたもの)の入った三角フラスコに、大腸菌(商品名「KWIK-STIK(大腸菌(Escherichia coli)ATCC8739)」、Microbiologics社製)を入れた。続いて、該三角フラスコを、温度37℃で48時間、80rpmで、振とう培養機(高崎科学器械社製 TA-25R-3F)を用いて振とう培養して、大腸菌液を得た。得られた大腸菌液の生菌数は、9.2×10(CFU/mL)であった。
作製した大腸菌液20mLをシャーレに入れ、該シャーレを前記菌含有気体準備部507の底部に配置して、大腸菌液入りシャーレ604とした。大腸菌を含有した気体を発生させる方法として、菌含有気体準備部507にて菌液のミストを形成させる方法を採用した。すなわち、超音波式噴霧器(REN HE社製)を用いて、菌液のミストを形成させる方法である。超音波噴霧器は制御する基板部分(不図示)と、基板から配線で接続された振動子部分605からなる。振動子部分はABS樹脂、シリコーン樹脂、セラミック素材で構成され、セラミックス素材は16mm径の円形のシート状で上面から下面にかけて5μmの微小孔が無数に設けられている。このセラミックス素材が圧電性を持つことから、電圧印加により超音波の振動が発生する。菌液の液面上に振動子の下面を付けて超音波を発生させると、菌液が微小孔を吸い上げられるように通過しながら微細液滴を形成し、振動子上面からミストが噴出される。
菌回収部には、底部にスタンプ培地606(ぺたんチェック25 PT1025 栄研化成社製)を設けた。
続いて、超音波噴霧器、気体処理装置を同時に作動させ、この時点を時間0秒とした。超音波噴霧器には直流電圧5Vを印加した。気体処理装置100、紫外線光源206に直
流7Vの電圧を印加して紫外線を照射し、気体処理装置100内で誘起流が発生することを利用して、菌含有気体準備部507から気体処理装置100に入り込む大腸菌を含む空気を処理した。本試験は20秒実施し、気体処理装置、超音波噴霧器を同時に停止して終了した。
試験終了後、菌回収部508のスタンプ培地を恒温槽(商品名:IS600;ヤマト科学社製)に入れ、温度37℃で24時間培養して試料No.1を得た。発生したコロニー数をカウントして、除菌処理後に残存した生菌数を得た。その結果、試料No.1に係る生菌数は、4(CFU)であった。
次に、気体処理装置による処理を行わなかった以外は、試料No.1と同様にして培養試験を行い、試料No.C1を得た上、コロニー数をカウントして生菌数を算出した。その結果、試料No.C1に係る生菌数は、196(CFU)であった。
従って、本試験に係る気体処理装置による大腸菌の除菌率は、98.0%(=(196-4)/196)であった。
<実施例2>
プラズマアクチュエータの誘電体の材質をシリコーン樹脂にした以外は、実施例1と同様にして気体処理装置を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
<実施例3>
図7(a)(長手方向断面図)及び7(b)(第2開口から見た図)に示すように、筒状の筐体101の断面形状を四角形(正方形)の筐体に変更した以外は、実施例2と同様にして気体処理装置を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。なお、表2における内径は、断面形状の対角線の長さである。
<実施例4>
図8(a)(長手方向断面図)、8(b)(第2開口から見た図)及び8(c)(透視図)に示すように、筒状の筐体101の内周面に、プラズマアクチュエータを2列形成した以外は実施例2と同様にして気体処理装置を作製し評価した。評価結果を表1に示す
<実施例5>
図9(a)(長手方向断面図)、9(b)(第2開口から見た図)及び9(c)(透視図)に示すように、筒状の筐体101の内周面に、プラズマアクチュエータを全周に渡って設置せず、非連続な構成で配置した以外は実施例2と同様にして気体処理装置を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
<実施例6>
本実施例においては、図4(a)に示すように、筒状の筐体101をプラズマアクチュエータの誘電体として使用した以外は実施例2と同様にして気体処理装置を作製し評価した。評価結果を表1に示す。
<実施例7>
図10(a)(長手方向断面図)、10(b)(第2開口から見た図)及び10(c)(透視図)に示すように、第1の電極および第2の電極を2列形成した以外は実施例5と同様にして気体処理装置を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
オゾン発生装置として、プラズマアクチュエータの代わりにオゾン発生器、さらに、第1開口からファンを用いて空気を送り込む構成にした以外は、実施例1と同様にして気体
処理装置を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
本比較例においては、空気を第1開口からファンで送り込むことにより、筒状の筐体中
で乱流が起こり、活性酸素が即時に失活し、メチレンブルーの脱色の効果がなく、結果、除菌の効果が著しく低下した。
<比較例2>
実施例1において作製した気体処理装置を用意した。そして、紫外線ランプを稼働させなかった以外は実施例1と同様にして、上記の「2-1.活性酸素の確認試験」及び「2-2.処理(除菌)試験」を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2023098665000003

表中、態様1とは、筒状の筐体がその内部にプラズマアクチュエータを備えた、第1
の態様を示し、態様2とは、筒状の筐体自体が誘電体を含み、筒状の筐体をプラズマアクチュエータの誘電体部分として利用する第2の態様を示す。
本開示は以下の構成および方法を含む。
[構成1]
気体処理装置であって、
第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、
該筐体の内部に配置されたプラズマアクチュエータと、
オゾン分解装置と、
を備え、
該プラズマアクチュエータは、第1の電極、誘電体及び第2の電極を有し、
該第1の電極と該第2の電極との間には該誘電体が介在し、該第1の電極と該第2の電極とが電気的に絶縁されており、
該第1の電極は、該誘電体の一方の表面である第1の表面上に設けられた露出電極であり、
該プラズマアクチュエータは、該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで、該第1の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該誘電体の表面に沿った一方向である第1方向にオゾンを含む誘起流を吹き出すものであり、
該プラズマアクチュエータは、該誘起流の吹き出し方向である該第1方向が該第2開口に向くように配置され、該誘起流によって、該第1開口から流入した気体を含む該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筐体の内部に生じさせ、
該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、該第1開口から流入した該気体が該活性酸素により処理される、
ことを特徴とする気体処理装置。
[構成2]
前記プラズマアクチュエータ及び前記オゾン分解装置は、前記第2開口から前記気体処理装置の外に前記活性酸素を含む気流が流出するように配置されており、
該第2開口から該気体処理装置の外に流出した該活性酸素を含む気流によって、該活性酸素を含む気流の流出方向に存在する被処理物としての気体を処理する、構成1に記載の気体処理装置。
[構成3]
前記プラズマアクチュエータが、前記筐体の内部の周方向の全周にわたって配置されている構成2に記載の気体処理装置。
[構成4]
前記プラズマアクチュエータが、前記筐体の前記第1開口と前記第2開口との間の複数箇所に配置されている構成1~3のいずれかに記載の気体処理装置。
[構成5]
気体処理装置であって、
第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、
オゾン分解装置と、を備え、
該筒状の筐体は、誘電体を含み、
該筒状の筐体の軸方向に沿う方向の断面において、
該筒状の筐体の内面上に、該内面の一部を被覆して設けられた露出電極である第1の電極と、
該筐体の該内面よりも外側に、該第1の電極とは該誘電体を介して電気的に絶縁されてなる第2の電極と、が配置され、
該気体処理装置は、該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで、該第1の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該筐体の内面に沿った一方向である第2開口の方向に向けてオゾンを含む誘起流を吹き出し、
該誘起流によって、該第1開口から流入した気体を含む該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筒状の筐体の内部に生じさせ、
該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、該第1開口から流入した該気体が該活性酸素により処理されることを特徴とする気体処理装置。
[構成6]
前記第1の電極、前記第2の電極及び前記オゾン分解装置は、前記第2開口から前記気体処理装置の外に前記活性酸素を含む気流が流出するように配置されており、
該第2開口から該気体処理装置の外に流出した該活性酸素を含む気流によって、該活性酸素を含む気流の流出方向に存在する被処理物としての気体を処理する、構成5に記載の気体処理装置。
[構成7]
前記誘電体がシリコーン樹脂である構成1~6のいずれかに記載の気体処理装置。
[構成8]
前記筒状の筐体が、円筒形状又は四角筒形状である構成1~7のいずれかに記載の気体処理装置。
[構成9]
前記オゾン分解装置は、
紫外線を前記気流に照射して前記気流中に前記活性酸素を発生させる紫外線光源、
前記気流を加熱し前記気流中に前記活性酸素を発生させる加熱装置、及び
前記気流を加湿し前記気流中に前記活性酸素を発生させる加湿装置
からなる群から選択される少なくとも一の装置である構成1~8のいずれかに記載の気体処理装置。
[構成10]
前記オゾン分解装置が、紫外線を前記気流に照射して前記気流中に前記活性酸素を発生させる紫外線光源を少なくとも具備する構成1~8のいずれかに記載の気体処理装置。
[方法11]
気体を活性酸素で処理する処理方法であって、
気体処理装置を用意する工程を有し、
該気体処理装置は、
第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、
該筐体の内部に配置されたプラズマアクチュエータと、
オゾン分解装置と、
を備え、
該プラズマアクチュエータは、第1の電極、誘電体及び第2の電極を有し、
該第1の電極と該第2の電極との間には該誘電体が介在し、該第1の電極と該第2の電極とが電気的に絶縁されており、
該第1の電極は、該誘電体の一方の表面である第1の表面上に設けられた露出電極であり、
該プラズマアクチュエータは、該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで、該第1の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該誘電体の表面に沿った一方向である第1方向にオゾンを含む誘起流を吹き出すものであり、
該プラズマアクチュエータは、該誘起流の吹き出し方向である該第1方向が該第2開口に向くように配置され、該誘起流によって、該第1開口から流入した気体を含む該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筐体の内部に生じさせ、
該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、該第1開口から流入した該気体が該活性酸素により処理される、
ことを特徴とする活性酸素による気体処理方法。
[方法12]
前記プラズマアクチュエータ及び前記オゾン分解装置は、前記第2開口から前記気体処理装置の外に前記活性酸素を含む気流が流出するように配置されており、
該第2開口から該気体処理装置の外に流出した該活性酸素を含む気流によって、該活性酸素を含む気流の流出方向に存在する被処理物としての気体を処理する、方法11に記載の活性酸素による気体処理方法。
[方法13]
前記オゾン分解装置が、
紫外線を前記気流に照射して前記気流中に前記活性酸素を発生させる紫外線光源、
前記気流を加熱し前記気流中に前記活性酸素を発生させる加熱装置、及び
前記気流を加湿し前記気流中に前記活性酸素を発生させる加湿装置
からなる群から選択される少なくとも一つである方法11又は12に記載の気体処理方法。
[方法14]
前記オゾン分解装置が、紫外線を前記気流に照射して前記気流中に前記活性酸素を発生させる紫外線光源を少なくとも具備する方法11又は12に記載の気体処理方法。
100:気体処理装置、101:筐体、103:第2開口、200:プラズマアクチュエータ、201:第2の電極、203:誘電体、203-1:露出部、204:縁部、205:第1の電極、206:オゾン分解装置、207:誘起流、208:表面プラズマ、209:気流、211:電源、213:活性酸素を含む気流、501:評価装置、507:菌含有気体準備部、508:菌回収部、601:試験装置、603:穴、604:大腸菌液入りシャーレ、605:振動子部分、606:スタンプ培地

Claims (16)

  1. 気体処理装置であって、
    第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、
    該筐体の内部に配置されたプラズマアクチュエータと、
    オゾン分解装置と、
    を備え、
    該プラズマアクチュエータは、第1の電極、誘電体及び第2の電極を有し、
    該第1の電極と該第2の電極との間には該誘電体が介在し、該第1の電極と該第2の電極とが電気的に絶縁されており、
    該第1の電極は、該誘電体の一方の表面である第1の表面上に設けられた露出電極であり、
    該プラズマアクチュエータは、該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで、該第1の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該誘電体の表面に沿った一方向である第1方向にオゾンを含む誘起流を吹き出すものであり、
    該プラズマアクチュエータは、該誘起流の吹き出し方向である該第1方向が該第2開口に向くように配置され、該誘起流によって、該第1開口から流入した気体を含む該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筐体の内部に生じさせ、
    該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、該第1開口から流入した該気体が該活性酸素により処理される、
    ことを特徴とする気体処理装置。
  2. 前記プラズマアクチュエータ及び前記オゾン分解装置は、前記第2開口から前記気体処理装置の外に前記活性酸素を含む気流が流出するように配置されており、
    該第2開口から該気体処理装置の外に流出した該活性酸素を含む気流によって、該活性酸素を含む気流の流出方向に存在する被処理物としての気体を処理する、請求項1に記載の気体処理装置。
  3. 前記プラズマアクチュエータが、前記筐体の内部の周方向の全周にわたって配置されている請求項2に記載の気体処理装置。
  4. 前記プラズマアクチュエータが、前記筐体の前記第1開口と前記第2開口との間の複数箇所に配置されている請求項1に記載の気体処理装置。
  5. 前記誘電体がシリコーン樹脂である請求項1に記載の気体処理装置。
  6. 前記筒状の筐体が、円筒形状又は四角筒形状である請求項1に記載の気体処理装置。
  7. 気体処理装置であって、
    第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、
    オゾン分解装置と、を備え、
    該筒状の筐体は、誘電体を含み、
    該筒状の筐体の軸方向に沿う方向の断面において、
    該筒状の筐体の内面上に、該内面の一部を被覆して設けられた露出電極である第1の電極と、
    該筐体の該内面よりも外側に、該第1の電極とは該誘電体を介して電気的に絶縁されてなる第2の電極と、が配置され、
    該気体処理装置は、該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで、該第1
    の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該筐体の内面に沿った一方向である第2開口の方向に向けてオゾンを含む誘起流を吹き出し、
    該誘起流によって、該第1開口から流入した気体を含む該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筒状の筐体の内部に生じさせ、
    該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、該第1開口から流入した該気体が該活性酸素により処理されることを特徴とする気体処理装置。
  8. 前記第1の電極、前記第2の電極及び前記オゾン分解装置は、前記第2開口から前記気体処理装置の外に前記活性酸素を含む気流が流出するように配置されており、
    該第2開口から該気体処理装置の外に流出した該活性酸素を含む気流によって、該活性酸素を含む気流の流出方向に存在する被処理物としての気体を処理する、請求項7に記載の気体処理装置。
  9. 前記誘電体がシリコーン樹脂である請求項7に記載の気体処理装置。
  10. 前記筒状の筐体が、円筒形状又は四角筒形状である請求項7に記載の気体処理装置。
  11. 前記オゾン分解装置は、
    紫外線を前記気流に照射して前記気流中に前記活性酸素を発生させる紫外線光源、
    前記気流を加熱し前記気流中に前記活性酸素を発生させる加熱装置、及び
    前記気流を加湿し前記気流中に前記活性酸素を発生させる加湿装置
    からなる群から選択される少なくとも一の装置である請求項1~10のいずれか一項に記載の気体処理装置。
  12. 前記オゾン分解装置が、紫外線を前記気流に照射して前記気流中に前記活性酸素を発生させる紫外線光源を少なくとも具備する請求項1~10のいずれか一項に記載の気体処理装置。
  13. 気体を活性酸素で処理する処理方法であって、
    気体処理装置を用意する工程を有し、
    該気体処理装置は、
    第1開口と、該第1開口とは反対側の第2開口とを有する筒状の筐体と、
    該筐体の内部に配置されたプラズマアクチュエータと、
    オゾン分解装置と、
    を備え、
    該プラズマアクチュエータは、第1の電極、誘電体及び第2の電極を有し、
    該第1の電極と該第2の電極との間には該誘電体が介在し、該第1の電極と該第2の電極とが電気的に絶縁されており、
    該第1の電極は、該誘電体の一方の表面である第1の表面上に設けられた露出電極であり、
    該プラズマアクチュエータは、該第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することで、該第1の電極から該第2の電極に向かう誘電体バリア放電を生じ、該第1の電極から該誘電体の表面に沿った一方向である第1方向にオゾンを含む誘起流を吹き出すものであり、
    該プラズマアクチュエータは、該誘起流の吹き出し方向である該第1方向が該第2開口に向くように配置され、該誘起流によって、該第1開口から流入した気体を含む該第1開口から該第2開口に向かう気流を該筐体の内部に生じさせ、
    該オゾン分解装置は、該気流に含まれる該オゾンを分解することにより該気流中に活性酸素を発生させ、該気流は該活性酸素を含む気流となり、該第1開口から流入した該気体
    が該活性酸素により処理される、
    ことを特徴とする活性酸素による気体処理方法。
  14. 前記プラズマアクチュエータ及び前記オゾン分解装置は、前記第2開口から前記気体処理装置の外に前記活性酸素を含む気流が流出するように配置されており、
    該第2開口から該気体処理装置の外に流出した該活性酸素を含む気流によって、該活性酸素を含む気流の流出方向に存在する被処理物としての気体を処理する、請求項13に記載の活性酸素による気体処理方法。
  15. 前記オゾン分解装置が、
    紫外線を前記気流に照射して前記気流中に前記活性酸素を発生させる紫外線光源、
    前記気流を加熱し前記気流中に前記活性酸素を発生させる加熱装置、及び
    前記気流を加湿し前記気流中に前記活性酸素を発生させる加湿装置
    からなる群から選択される少なくとも一つである請求項13又は14に記載の気体処理方法。
  16. 前記オゾン分解装置が、紫外線を前記気流に照射して前記気流中に前記活性酸素を発生させる紫外線光源を少なくとも具備する請求項13又は14に記載の気体処理方法。
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