JP2023098486A - コイル部品及びコイル部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高実効透磁率及び高飽和磁束密度を実現できるコイル部品及びその製造方法を提供する。【解決手段】コイル部品は、基体と、基体に設けられたコイル導体と、を備えている。基体の少なくとも一部の領域は、1よりも大きい第1アスペクト比及び第1平均粒径を有する複数の第1金属磁性粒子31及び第1アスペクト比よりも大きい第2アスペクト比及び第1平均粒径よりも小さい第2平均粒径を有する複数の第2金属磁性粒子32を含む。複数の第1金属磁性粒子31及び複数の第2金属磁性粒子32は、基体において基準方向に配向している。【選択図】図3a

Description

本明細書の開示は、コイル部品及びコイル部品の製造方法に関する。
コイル部品は、電子機器において用いられる受動素子である。コイル部品は、例えば、電源ラインや信号ラインにおいてノイズを除去するために用いられる。コイル部品は、磁性材料から構成された基体と、基体に設けられたコイル導体と、コイル導体に接続された外部電極と、を備える。
特開2008-013827号公報(特許文献1)には、金属磁性粒子を含む基体を備えるコイル部品が記載されている。特許文献1においては、金属磁性粒子が2以上のアスペクト比を有するように扁平化されており磁路に平行な方向に配向されているため、この扁平化された金属磁性粒子によりコイル部品の実効透磁率が向上する。
特開2008-013827号公報
基体に含まれる金属磁性粒子のアスペクト比を大きくすることは、コイル部品の実効透磁率の向上に寄与する一方で、基体における金属磁性粒子の充填率を低下させる要因となる。基体における金属磁性粒子の充填率が低下すると、当該基体の飽和磁束密度が低下する。基体の飽和磁束密度が低いコイル部品は、大電流が流れる回路への実装に適さない。
特許文献1には、比較的大径の金属磁性粒子と比較的小径の金属磁性粒子とを混合させることにより、基体における金属磁性粒子の充填率を高めることも記載されている。
コイル部品においては、実効透磁率及び飽和磁束密度のさらなる改善が望まれる。
本発明の目的の一つは、高実効透磁率及び高飽和磁束密度を実現できるコイル部品及びその製造方法を提供することである。本発明のこれ以外の目的は、明細書全体の記載を通じて明らかにされる。本明細書に開示される発明は、「発明を解決しようとする課題」の欄の記載以外から把握される課題を解決するものであってもよい。
比較的大径の金属磁性粒子(以下、「大粒子」という。)と大粒子よりも小径の金属磁性粒子(以下、「小粒子」という。)とが混合された混合粒子を含む基体においては、大粒子のアスペクト比を所定量だけ増加させた場合に、小粒子のアスペクト比を同量だけ増加させた場合よりも、基体における金属磁性粒子の充填率の低下率が大きくなる。つまり、混合粒子を含む基体の充填率は、小粒子のアスペクト比の変化よりも大粒子のアスペクト比の変化に対してより敏感に変化する。他方、混合粒子を含む基体の実効透磁率は、大粒子のアスペクト比を所定量だけ増加させた場合と小粒子のアスペクト比を同量だけ増加させた場合とで、同じ程度向上する。つまり、混合粒子を含む基体の実効透磁率は、小粒子のアスペクト比の変化及び大粒子のアスペクト比の変化に対して同程度の敏感さを有する。各金属磁性粒子のアスペクト比は、各粒子の最長軸の長さの最短軸の長さに対する比で表されてもよい。
このため、混合粒子を含む基体においては、球形を各粒子の基準形状とした場合、基準形状のアスペクト比(すなわち、「1」)からの小粒子のアスペクト比の増加量を、基準形状のアスペクト比からの大粒子のアスペクト比の増加量よりも大きくすることにより、基体における金属磁性粒子の充填率の低下を抑制しつつ、当該基体の実効透磁率を向上させることができる。よって、混合粒子を含む基体において、大粒子及び小粒子のアスペクト比をいずれも1より大きくして所定の基準方向に配向させ、小粒子のアスペクト比を大粒子のアスペクト比よりも大きくすることにより、小粒子のアスペクト比の増加により実効透磁率を向上させるとともに、大粒子のアスペクト比の増加による金属磁性粒子の充填率の低下を抑制することができる。
一実施形態におけるコイル部品は、基体と、この基体に設けられたコイル導体と、を備えており、当該基体の少なくとも一部の領域は、1よりも大きい第1アスペクト比及び第1平均粒径を有する複数の第1金属磁性粒子、及び、第1アスペクト比よりも大きい第2アスペクト比及び第1平均粒径よりも小さい第2平均粒径を有する複数の第2金属磁性粒子を含む。複数の第1金属磁性粒子及び複数の第2金属磁性粒子は、基体において、基準方向に配向している。
この実施形態によれば、比較的小径の第2金属磁性粒子の第2アスペクト比が比較的大径の第1金属磁性粒子の第1アスペクト比よりも大きいので、第2金属磁性粒子の第2アスペクト比の増加により実効透磁率を向上させるとともに、第1金属磁性粒子のアスペクト比の増加による基体の充填率の低下を抑制して飽和磁束密度の低下を抑制することができる。このため、高実効透磁率及び高飽和磁束密度を有するコイル部品が得られる。
一実施形態におけるコイル部品は、基体と、この基体に設けられているコイル導体と、を備える。一実施形態において、基体は、複数の第1金属磁性粒子と複数の第2金属磁性粒子とを含む配向領域を有する。配向領域は、基体の少なくとも一部を占める。第1金属磁性粒子は、第1平均粒径を有していてもよい。第1金属磁性粒子は、1よりも大きい第1アスペクト比を有しており、基準方向に配向していてもよい。第2金属磁性粒子は、第1平均粒径よりも小さい第2平均粒径を有していてもよい。第2金属磁性粒子は、第1アスペクト比よりも大きい第2アスペクト比を有し、基準方向に配向していてもよい。
一実施形態において、コイル導体は、コイル軸の周りに延びており、基準方向は、コイル軸に垂直な方向に延びている。一実施形態において、配向領域は、コイル軸に沿って延びる軸方向におけるコイル導体の一方の端面を覆う第1領域の少なくとも一部を占める。一実施形態におけるコイル導体は、コイル導体の一方の端面において、第1領域と接している。
一実施形態において、基準方向は、コイル軸に平行な方向に延びている。一実施形態において、配向領域は、コイル軸を中心とする径方向においてコイル導体の周回部よりも内側にあるコア領域の少なくとも一部を占める。一実施形態において、配向領域は、コイル軸を中心とする径方向においてコイル導体の周回部よりも外側にあるマージン領域の少なくとも一部を占める。
一実施形態において、第1アスペクト比に対する前記第2アスペクト比の比は、1.3以上である。
一実施形態において、第1アスペクト比は、1.2以下である。
一実施形態において、前記第2アスペクト比は、1.4以上である。
一実施形態において、第2アスペクト比は、5.0以下である。
一実施形態において、第1金属磁性粒子は、第1変形強度を有し、第2金属磁性粒子は、第1変形強度よりも小さな第2変形強度を有する。
一実施形態において、基体は、コイル軸を中心とする径方向においてコイル導体よりも内側にあるコア領域をさらに有する。コア領域は、複数の第3金属磁性粒子を含んでいてもよい。第3金属磁性粒子は、第3平均粒径を有する。第3金属磁性粒子は、第2アスペクト比よりも小さい第3アスペクト比を有していてもよい。
一実施形態において、コア領域は、前記第1領域と接している。
一実施形態において、基体は、軸方向におけるコイル導体の他方の端面を覆う第2領域をさらに有する。第2領域は、複数の第4金属磁性粒子及び複数の第5金属磁性粒子を有していてもよい。第4金属磁性粒子は、第4平均粒径を有していてもよい。第4金属磁性粒子は、1よりも大きい第4アスペクト比を有しており、コイル軸に垂直な基準方向に配向していてもよい。第5金属磁性粒子は、第4平均粒径よりも小さい第5平均粒径を有していてもよい。第5金属磁性粒子は、第4アスペクト比よりも大きい第5アスペクト比を有し、基準方向に配向していてもよい。
一実施形態は、上記のいずれかのコイル部品を備える回路基板に関する。
一実施形態は、上記のいずれかの回路基板を備える電子機器に関する。
一実施形態によるコイル部品の製造方法は、内部にコイル軸の周りに延びるコイル導体を含む基体を作製する基体作製工程と、基体に外部電極を設ける外部電極作製工程と、を備える。この基体は、上記の複数の第1金属磁性粒子と上記の複数の第2金属磁性粒子とを含む配向領域を有するように作製される。基体は、第1金属磁性粒子及び第2金属磁性粒子が基準方向に配向するように作製される。
一実施形態において、基体作製工程は、第1成型工程と、第2成型工程と、を有する。第1成形工程は、第1磁性粉及び第2磁性粉を含む第1磁性材料に第1成型圧力を加えることで、第1磁性粉が扁平化された扁平第1磁性粉及び第2磁性粉が扁平化された扁平第2磁性粉を含む板コアの前駆体を形成する。第2成形工程は、第1成形工程で形成された前駆体、コイル導体、及び第2磁性材料に第2成型圧力を加えることで、扁平第1磁性粉から形成された第1金属磁性粒子及び扁平第2磁性粉から形成された第2金属磁性粒子を含む配向領域を有する基体を形成する。
一実施形態において、第2成型圧力は、前記第1成型圧力よりも大きい。
一実施形態において、基体作製工程は、記第1金属磁性粒子及び第2金属磁性粒子を樹脂と混練して樹脂組成物をベースフィルムに塗布することで磁性体シートを作製する工程と、磁性体シートに含まれる樹脂を硬化させることで、当該磁性体シートから配向領域を形成する工程と、を有する。
本発明によれば、高透磁率で高飽和磁束密度を実現できるコイル部品及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るコイル部品を模式的に示す斜視図である。 図1のコイル部品をI-I線で切断した断面を模式的に示す断面図である。 図2の領域Aを拡大して示す拡大断面図である。 図2の領域Aを拡大して示す拡大断面図である。 第1金属磁性粒子31を説明するための模式図である。 第2金属磁性粒子32を説明するための模式図である。 第3金属磁性粒子33を説明するための模式図である。 本発明の別の実施形態に係るコイル部品の一部の断面を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るコイル部品の製造方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るコイル部品の基体の製造方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るコイル部品の製造方法の一部の工程を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係るコイル部品の製造方法の一部の工程を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係るコイル部品の製造方法の一部の工程を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係るコイル部品の製造方法の一部の工程を説明するための模式図である。 第1金属磁性粒子及び第2金属磁性粒子の扁平化について説明するための模式図である。
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。以下で説明される本発明の実施形態は、必ずしも特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。以下の実施形態で説明されている諸要素が発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1及び図2を参照して本発明の一実施形態によるコイル部品1について説明する。図1は、コイル部品1を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1のI-I線に沿ってコイル部品1を切断したコイル部品1の模式的な断面図である。図1に示されているように、コイル部品1は、基体10と、基体10の内部に設けられたコイル導体25と、基体10の表面に設けられた外部電極21と、基体10の表面において外部電極21から離間した位置に設けられた外部電極22と、を備える。外部電極21は、コイル導体25の一端と電気的に接続されており、外部電極22は、コイル導体25の他端と電気的に接続されている。
コイル部品1は、実装基板2aに実装され得る。実装基板2aには、ランド部3a、3bが設けられている。コイル部品1は、外部電極21とランド部3aとを接合し、また、外部電極22とランド部3bとを接続することで実装基板2aに実装される。本発明の一実施形態による回路基板2は、コイル部品1と、このコイル部品1が実装される実装基板2aと、を備える。回路基板2は、様々な電子機器に搭載され得る。回路基板2が搭載され得る電子機器には、スマートフォン、タブレット、ゲームコンソール、自動車の電装品、サーバ及びこれら以外の様々な電子機器が含まれる。図示の明瞭さのために、図1以外では、実装基板2a、ランド部3a、3bの図示を省略している。
コイル部品1は、インダクタ、トランス、フィルタ、リアクトル、インダクタアレイ、及びこれら以外の様々なコイル部品であってもよい。コイル部品1は、カップルドインダクタ、チョークコイル及びこれら以外の様々な磁気結合型コイル部品であってもよい。コイル部品1は、例えば、DC/DCコンバータに用いられるインダクタであってもよい。コイル部品1の用途は、本明細書で明示されるものには限定されない。
基体10は、磁性材料から構成される。基体10は、直方体形状を有していてもよい。本発明の一実施形態において、基体10は、L軸方向における寸法(長さ寸法)がW軸方向における寸法(幅寸法)及びT軸方向における寸法(高さ寸法)よりも大きくなるように構成されている。例えば、長さ寸法は、1.0mm~6.0mmの範囲にあり、幅寸法は0.5mm~4.5mmの範囲にあり、高さ寸法は0.5mm~4.5mmの範囲にある。基体10の寸法は、本明細書で具体的に説明される寸法には限定されない。本明細書において「直方体」又は「直方体形状」という場合には、数学的に厳密な意味での「直方体」のみを意味するものではない。基体10の寸法及び形状は、本明細書で明示されるものには限定されない。
基体10は、第1主面10a、第2主面10b、第1端面10c、第2端面10d、第1側面10e、及び第2側面10fを有する。基体10は、これらの6つの面によってその外表面が画定されている。第1主面10aと第2主面10bとはそれぞれ基体10の高さ方向両端の面を成し、第1端面10cと第2端面10dとはそれぞれ基体10の長さ方向両端の面を成し、第1側面10eと第2側面10fとはそれぞれ基体10の幅方向両端の面を成している。図1に示されているように、第1主面10aは基体10の上側にあるため、第1主面10aを「上面」と呼ぶことがある。同様に、第2主面10bを「下面」又は「底面」と呼ぶことがある。コイル部品1は、第2主面10bが実装基板2aと対向するように配置されるので、第2主面10bを「実装面」と呼ぶこともある。上面10aと下面10bとの間は基体10の高さ寸法だけ離間しており、第1端面10cと第2端面10dとの間は基体10の長さ寸法だけ離間しており、第1側面10eと第2側面10fとの間は基体10の幅寸法だけ離間している。
図2に示されているように、一実施形態における基体10は、本体部11と、本体部11から下方(T軸のマイナス方向)に突出する突出部12と、本体部11の下方で突出部の内側に設けられた板コア20と、を有する。本体部11及び突出部12の各々は、磁性材料から圧縮成型によって成型される単一の部材の一部分であってもよい。本体部11は、直方体形状を有している。突出部12は、基体10の第1端面10c、第2端面10d、第1側面10e、及び第2側面10fのうちの少なくとも一つの面に沿って延びている。突出部12によって第1端面10c、第2端面10d、第1側面10e、第2側面10f、及び底面10bのうちの少なくとも一つの各々の一部が画定される。。図示の実施形態において、板コア20は、本体部11よりも薄い直方体形状を有している。板コア20は、本体部11よりも厚い直方体形状を有していてもよい。板コア20は、基体10の第1端面10c、第2端面10d、第1側面10e、及び第2側面10fの各々と板コア20の外周面との距離が一定となるように構成及び配置されてもよい。これにより、コイル軸Ax周りの周方向において均一な幅を有するように突出部12を構成することができる。基体10が直方体形状である場合、板コア20も直方体形状を有していることが好ましいが、この限りではなく円柱形、楕円柱形、又は前記以外の形状を取ってもよい。突出部12は、コイル軸Axを中心とする径方向において、板コア20の外側に設けられている。突出部12は、その内周面において、板コア20の外周面と接するように設けられる。板コア20は、本体部11の下面と接していてもよい。
コイル導体25は、T軸に沿って延びるコイル軸Axの周りにらせん状に延びる周回部25aと、周回部25aの一端に接続された引出部25b1と、周回部25aの他端に接続された引出部25b2と、を有する。図示の実施形態において、周回部25aは、約6.5ターンだけコイル軸Axの周りに巻回されている。図示の実施形態において、周回部25aは、T軸方向から見たときに円形、楕円形、長円形、方形、又はこれら以外の形状を呈する。
コイル導体25は、引出導体25b1を介して外部電極21と電気的に接続され、引出導体25b2を介して外部電極22と電気的に接続されている。コイル導体25は、導電性に優れた導電材料からなる。コイル導体25用の導電材料として、Ag、Pd、Cu、Al又はこれらの合金を用いることができる。コイル導体25用の導電材料は、好ましくは、Cu又はAgの少なくとも一方を含むことができる。コイル導体25は、帯状の帯状体を折り曲げることによって形成されてもよい。コイル導体25の表面は、絶縁被膜によって覆われていてもよい。絶縁被膜は、例えば、絶縁性に優れた熱硬化性樹脂から構成される。より具体的には、絶縁被膜は、ポリウレタン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエステル-イミド等の絶縁性に優れた樹脂から構成されてもよい。
コイル導体25は、板コア20の上に設置されている。コイル導体25は、第1コイル面25S1と第2コイル面25S2とを有する。第1コイル面25S1は、T軸に沿って延びる軸方向におけるコイル導体25の一方の端面であり、第2コイル面25S2は、当該軸方向におけるコイル導体25の他方の端面である。第1コイル面25S1は、第2コイル面25S2と対向している。コイル導体25は、第1コイル面25S1において板コア20と接するように設けられている。
基体10は、複数の領域に区画され得る。例えば、基体10は、第1領域15A1と、第2領域15A2と、コア領域15Bと、マージン領域15Cと、に区画される。コア領域15B及びマージン領域15Cは、T軸方向において、第1領域15A1と第2領域15A2との間にある。図2の例では、第2領域15A2、コア領域15B、及びマージン領域15Cは、本体部11に含まれている。後述するように、第2領域15A2にも板コア20と同様の板コアを備えてもよい。第2領域15A2が板コアを含む場合には、本体部11は、コア領域15B及びマージン領域15Cを含み第2領域15A2を含まなくともよい。
コア領域15Bは、基体10のうち、コイル軸Axを中心とする径方向においてコイル導体25の周回部25aの内側にある領域を指す。コア領域15Bの径方向の外縁を画定する外周面は、T軸方向から見たときに、周回部25aの内周面に応じた形状を呈する。コア領域15Bは、その外周面において、周回部25aの内周面と接している。
マージン領域15Cは、基体10のうち、コイル軸Axを中心とする径方向においてコイル導体25の周回部25aの外側にある領域を指す。マージン領域15Cの内周面は、T軸方向から見たときに、周回部25aの外周面に応じた形状を呈する。マージン領域15Cは、その内周面において、周回部25aの外周面と接している。
第1領域15A1は、基体10のうち、コア領域15B及びマージン領域15Cの下方を占める領域を指す。第1領域15A1は、基体10のうちコイル導体25の下方にある領域も含むことができる。第1領域15A1は、コア領域15B及びマージン領域15Cと接していてもよい。
図示の実施形態において、第1領域15A1は、突出部12と板コア20とを有する。板コア20は、径方向において、コイル軸Axから周回部25aの外周面よりも外側の位置まで延伸している。このため、コイル導体25の第1コイル面25S1は、板コア20によって覆われている。また、板コア20は、コイル軸AxからL軸方向に沿って外部電極21の径方向内側の端面21aよりもL軸方向のマイナス側まで延びるとともに外部電極22の径方向内側の端面22aよりもL軸方向のプラス側まで延伸している。すなわち、コイル導体25は、T軸方向から見て板コア20の外縁よりも径方向内側の領域に設置されている。
一実施形態においては、板コア20が基体10のL軸方向における一端から他端まで、また、W軸方向における一端から他端まで延伸していてもよい。この場合、基体10は、突出部12を有しておらず、このため、第1領域15A1は、板コア20のみによって占められる。
第2領域15A2は、基体10のうち、コア領域15B及びマージン領域15Cの上方を占める領域を指す。第2領域15A2は、基体10のうちコイル導体25の上方にある領域も含むことができる。第2領域15A2は、コア領域15B及びマージン領域15Cと接していてもよい。
外部電極21は、コイル導体25の引出部25b1と接続されている。外部電極21は、第1端面10c及び底面10bに沿って延伸している。外部電極22は、コイル導体25の引出部25b2と接続されている。外部電極22は、第2端面10d及び底面10bに沿って延伸している。引出部25b1、25b2はそれぞれ、第1端面10c、第2端面10d、第1側面10e、第2側面10f、及び底面10bのいずれかから基体10の外へ引き出されてもよい。外部電極21、22が底面10b以外の面から基体10の外へ引き出される実施形態においては、外部電極21、22は、基体10の表面に沿って底面10bまで延伸するように構成される。
コイル導体25と外部電極21、22とは、一体に形成されてもよい。言い換えると、コイル導体25と外部電極21、22とは単一の(モノリシックな)部材であってもよい。例えば、コイル導体25及び外部電極21、22は、一枚の帯状の導体帯を折り曲げることで形成されてもよい。図示されている外部電極21、22の形状及び配置は、一例であり、外部電極21、22は、様々な形状及び配置を取り得る。
一実施形態において、基体10は、軟磁性金属材料から構成される多数の金属磁性粒子を含む。金属磁性粒子は、例えば、Fe、Ni、Coのいずれかを主成分とする結晶質又は非結晶質の合金粒子である。金属磁性粒子は、要求される磁気特性、電気特性、及び/又は機械特性を実現するために、B、C、O、Si、Al、Cr、又は前記以外の元素が添加されていてもよい。金属磁性粒子には、上記の主成分の元素及び添加元素に加えて、不可避不純物を含んでもよい。基体10に含まれる金属磁性粒子は、具体的には、(1)Fe、Ni、Co等の金属粒子、(2)Fe-Si-Cr合金、Fe-Si-Al合金、Fe-Ni合金等の結晶合金粒子、(3)Fe-Si-Cr-B-C合金、Fe-Si-Cr-B合金等の非晶質合金粒子、または(4)これらが混合された混合粒子であってもよい。基体10に含まれる金属磁性粒子の組成は、前記のものに限られず、例えば、Co-Nb-Zr合金、Fe-Zr-Cu-B合金、Fe-Si-B合金、Fe-Co-Zr-Cu-B合金、Ni-Si-B合金、又はFe-AL-Cr合金であってもよい。
基体10において、金属磁性粒子同士は、製造工程で金属磁性粒子に含有される元素が酸化して形成される酸化膜によって結合されてもよい。基体10は、金属磁性粒子に加えて結合材を含んでいてもよい。基体10が結合材を含む場合には、金属磁性粒子同士は結合材により互いに結合される。基体10に含まれる結合材は、例えば、絶縁性に優れた熱硬化性樹脂を硬化させることで形成されてもよい。結合材の材料として、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂、ポリオキシメチレン(POM)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)樹脂、フェノール(Phenolic)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、又はポリベンゾオキサゾール(PBO)樹脂が用いられ得る。
次に、図3a及び図3bを参照して、基体10の微細構造について説明する。図3a及び図3bは、基体10の断面を拡大して模式的に示す拡大断面図である。具体的には、図3aは、図2に示されている領域Aを拡大して示しており、図3bは、図2に示されている領域Bを拡大して示している。領域Aは、基体10のうち第1領域15A1に含まれる領域である。図示の実施形態では、領域Aは、第1領域15A1のうち板コア20に含まれる。領域Bは、基体10のうちコア領域15Bに含まれる。
図3aに示されているように、一実施形態における板コア20は、複数の第1金属磁性粒子31と、複数の第2金属磁性粒子32と、を含む。上述したように、複数の第1金属磁性粒子31及び複数の第2金属磁性粒子32のうち隣接する粒子同士は、各粒子の表面に形成される絶縁膜を介して結合してもよいし、エポキシ樹脂等の結合材により結合されてもよい。
図3bに示されているように、一実施形態における基体10は、コア領域15Bにおいて、複数の第3金属磁性粒子33を含んでいる。第3金属磁性粒子33同士も、各粒子の表面に形成される絶縁膜を介して結合してもよいし、エポキシ樹脂等の結合材により結合されてもよい。
基体10に含まれる突出部12、マージン領域15C、及び第2領域15A2の少なくとも一つは、コア領域15Bと同じ金属磁性粒子を含んでもよく、例えば第3金属磁性粒子33を含んでもよい。
第1金属磁性粒子31、第2金属磁性粒子32、及び第3金属磁性粒子33はいずれも、基体10に含まれる金属磁性粒子の例である。したがって、第1金属磁性粒子31、第2金属磁性粒子32、及び第3金属磁性粒子33は、Fe、Ni、Coのいずれかを主成分とする結晶質又は非結晶質の合金粒子である。
第1領域15A1は、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32以外の金属磁性粒子を含んでもよい。また、突出部12、コア領域15B、マージン領域15C、及び第2領域15A2の少なくとも一つは、第3金属磁性粒子33以外の金属磁性粒子を含んでもよい。
一実施形態において、複数の第1金属磁性粒子31の平均粒径(以下、「第1平均粒径」と呼ぶ。)は、複数の第2金属磁性粒子12の平均粒径(以下、「第2平均粒径」と呼ぶ。)よりも大きい。複数の第3金属磁性粒子33の平均粒径(以下、「第3平均粒径」と呼ぶ。)は、第1平均粒径以上であってもよく、第1平均粒径より小さくてもよい。また、第3平均粒径は、第2平均粒径以上であってもよく、第2平均粒径より小さくてもよい。
第1平均粒径は例えば25μmであり、第2平均粒径は例えば4μmである。第1平均粒径は25μmより大きくてもよく25μmより小さくてもよい。第2平均粒径は4μmより大きくてもよく4μmより小さくてもよい。第1金属磁性粒子31の平均粒径は、例えば、10μm~40μmの範囲で定められる。第2金属磁性粒子32の平均粒径は、例えば、0.2μm~8μmの範囲で定められる。第1金属磁性粒子の第1平均粒径は、第2金属磁性粒子の第2平均粒径の1/5以下であることが好ましい。
基体10に含まれる金属磁性粒子の「平均粒径」は、当該磁性基体をその厚さ方向(T軸方向)に沿って切断して断面を露出させ、当該断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により1000倍~2000倍の倍率で撮影した写真に基づいて粒度分布を求め、このようにして求められた粒度分布に基づいて定められる。例えば、SEM写真に基づいて求められた粒度分布の50%値(D50)を金属磁性粒子の平均粒径とすることができる。基体10に含まれる金属磁性粒子の中には、扁平化された形状を有するものもある。金属磁性粒子の形状は、一様ではなく、不規則であり得る。不規則な形状を有する金属磁性粒子の粒径は、当業者に知られているように、円相当径(ヘイウッド径)を用いて表されてもよい。
基体10が互いに平均粒径の異なる2種類以上の金属磁性粒子を混合した混合粒子を含むことは、SEM写真に基づいて粒度分布を作成した際に、粒度分布に現れる2つ以上のピークにより確認することができる。
一実施形態において、第2金属磁性粒子32は、第1金属磁性粒子31よりも小さな変形強度を有する。金属磁性粒子(第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含む)の変形には塑性変形と弾性変形がある。本明細書において「変形強度」という場合には、塑性変形が起こる場合の変形強度を意味してもよく、弾性変形が起こる場合の変形強度を意味してもよい。本明細書においては、第1金属磁性粒子31の変形強度を第1変形強度と呼び第2金属磁性粒子32の変形強度を第2変形強度と呼ぶことがある。この用法に従えば、一実施形態において、第2変形強度は、第1変形強度よりも小さい。金属磁性粒子の変形強度は、当該金属磁性粒子の変形のしにくさを表す指標であり、例えば、JIS Z 8844:2019に従って測定される。金属磁性粒子の変形強度は、例えば株式会社島津製作所製の微小圧縮試験機(MCT-211型)を用いて測定することができる。本発明の一実施形態においては、第2変形強度が第1変形強度よりも小さいため、第2金属磁性粒子32の方が第1金属磁性粒子31よりも圧縮成型時に変形しやすい。
第1金属磁性粒子31及び/又は第2金属磁性粒子32の組成を調整することにより、第2金属磁性粒子32の第2変形強度を第1金属磁性粒子31の第1変形強度よりも小さくすることができる。例えば、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32がいずれもFe-Si-Cr結晶質合金から構成される場合には、第2金属磁性粒子32におけるSiの含有比率を第1金属磁性粒子31におけるSiの含有比率よりも小さくすることで、第2変形強度を第1変形強度よりも小さくすることができる。
次に、図4aないし図4cを参照して、第1金属磁性粒子31、第2金属磁性粒子32、及び第3金属磁性粒子33の形状、アスペクト比、及び基体10における配向について説明する。図4aないし図4cはそれぞれ、第1金属磁性粒子31ないし第3金属磁性粒子33を説明するための模式図である。
図4a及び図4bに示されているように、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32はそれぞれ、扁平な形状を有していてもよい。第1金属磁性粒子31の各々のアスペクト比(以下、「第1アスペクト比R1」という。)及び第2金属磁性粒子32の各々のアスペクト比(以下、「第2アスペクト比R2」という。)はともに、1.0より大きい。第1アスペクト比R1及び第2アスペクト比R2がともに1より大きいので、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32はいずれも扁平な形状を有する。第3金属磁性粒子33の各々のアスペクト比(以下、「第3アスペクト比R3」という。)は、1.0でもよく、1.0より大きくてもよい。よって、第3金属磁性粒子33は、球形であってもよいし、扁平形状であってもよい。
各金属磁性粒子のアスペクト比は、各粒子の最長軸の長さの最短軸の長さに対する比で表される。図4aに示されている例では、第1金属磁性粒子31の最長軸の長さがd11であり、最短軸の長さがd12である。したがって、第1金属磁性粒子31の第1アスペクト比R1は、d11/d12と表される。図4bには、第2金属磁性粒子32の最長軸の長さd21及び最短軸d22の長さが示されている。図4bに示されている例において、第2金属磁性粒子32の第2アスペクト比R2は、d21/d22と表される。図4cには、第3金属磁性粒子33の最長軸の長さd31及び最短軸d32の長さが示されている。図4cに示されている例において、第3金属磁性粒子33の第3アスペクト比R3は、d31/d32と表される。
一実施形態において、第1金属磁性粒子31の第1アスペクト比R1は、1.2以下である。よって、第1アスペクト比R1は、1<R1≦1.2であってもよい。第1アスペクト比R1が大きくなると、板コア20における金属磁性粒子の充填率が低下し、飽和磁束密度が低下してしまうので、一実施形態においては、第1アスペクト比R1の上限を1.2とする。第1金属磁性粒子31の第1アスペクト比R1を1とすると(つまり、第1金属磁性粒子31を球形とすると)、第2金属磁性粒子32を所定の方向に配向させにくい。一実施形態では、第1金属磁性粒子31の第1アスペクト比R1を1より大きくすることで、第2金属磁性粒子32が所定の方向に配向しやすくなる。
一実施形態において、第2アスペクト比R2は、第1アスペクト比R1よりも大きい。一実施形態において、第2金属磁性粒子32の第2アスペクト比R2は、1.4以上である。一実施形態において、第2金属磁性粒子32のアスペクト比R2は、5.0以下である。よって、第2アスペクト比R2は、1.4<R2≦5.0であってもよい。第2アスペクト比R2を大きくすることにより、板コア20における金属磁性粒子の充填率の低下を抑制しつつ、コイル部品1の実効透磁率を大きくすることができる。ただし、第2アスペクト比R2が大きくなりすぎると、板コア20における金属磁性粒子の充填率の低下が無視できなくなる。そこで、一実施形態では、1.4<R2≦5.0とすることにより、板コア20における金属磁性粒子の充填率の低下を抑制しつつ、コイル部品1の実効透磁率を大きくすることができる。
一実施形態において、第1アスペクト比R1に対する第2アスペクト比R2の比(R2/R1)は、1.3以上である。つまり、一実施形態において、第2アスペクト比R2は、第1アスペクト比R1の1.3倍以上である。第2アスペクト比R2が大きくても、第1アスペクト比R1が大きくなると、板コア20における金属磁性粒子の充填率の低下が大きくなってしまう。そこで、一実施形態においては、第2アスペクト比R2を第1アスペクト比R1に比べて1.3倍以上大きくすることで、板コア20における金属磁性粒子の充填率の低下を抑制しつつ、コイル部品1の実効透磁率を大きくすることができる。板コア20における金属磁性粒子の充填率は、75%以上とすることができる。
一実施形態において、第3アスペクト比R3は、第2金属磁性粒子32の第2アスペクト比R2よりも小さい。
一実施形態において、第1金属磁性粒子31は、コイル軸Axに垂直な方向に配向している。本明細書においては、第1金属磁性粒子31の姿勢が以下の条件を満たす場合に、第1金属磁性粒子31がT軸に沿って延びるコイル軸Axに垂直な方向に配向しているとする。すなわち、図4aに示されているように、第1金属磁性粒子31の長軸方向がL軸に対して成す角度を第1傾斜角θ1とし、基体10をT軸方向に沿って切断して断面を露出させ、その断面のうち板コア20に含まれる領域を走査型電子顕微鏡(SEM)により1000倍~2000倍の倍率で撮影したSEM写真に含まれる複数の第1金属磁性粒子31の各々について第1傾斜角θ1を測定し、当該SEM写真に含まれる全ての第1金属磁性粒子31のうち、第1傾斜角θ1が-45°<θ1<45°の範囲にある第1金属磁性粒子31の割合が粒子数基準で50%より大きい場合に、板コア20において第1金属磁性粒子31がコイル軸Ax(T軸)に垂直な方向に配向しているとする。第1傾斜角θ1が-45°<θ1<45°の範囲にある第1金属磁性粒子31の割合は、60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上であってもよい。
一実施形態において、第1金属磁性粒子31と同様に、第2金属磁性粒子32も、コイル軸Axに垂直な方向に配向している。第2金属磁性粒子32がコイル軸Axに垂直な方向に配向しているか否かは、第1金属磁性粒子31の場合と同様に定めることができる。すなわち、図4bに示されているように、第2金属磁性粒子32の長軸方向がL軸に対して成す角度を第2傾斜角θ2とし、基体10をT軸方向に沿って切断して断面を露出させ、その断面のうち板コア20に含まれる領域を走査型電子顕微鏡(SEM)により1000倍~2000倍の倍率で撮影したSEM写真に含まれる複数の第2金属磁性粒子32の各々について第2傾斜角θ2を測定し、当該SEM写真に含まれる全ての第2金属磁性粒子31のうち、第2傾斜角θ2が-45°<θ2<45°の範囲にある第2金属磁性粒子32の割合が粒子数基準で50%より大きい場合に、板コア20において第2金属磁性粒子32がコイル軸Ax(T軸)に垂直な方向に配向しているとする。第2傾斜角θ2が-45°<θ1<45°の範囲にある第2金属磁性粒子32の割合は、60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上であってもよい。第1金属磁性粒子31のアスペクト比R1に比べ、第2金属磁性粒子32のアスペクト比R2が大きいことから、第2傾斜角θ2が-45°<θ1<45°の範囲にある第2金属磁性粒子32の粒子数基準での割合は、第1傾斜角θ1が-45°<θ1<45°の範囲にある第1金属磁性粒子31の粒子数基準での割合より大きくてもよい。
コイル導体25に流れる電流が変化したときに生じる磁束は、第1領域15A1の多くの領域において、ほぼT軸と垂直な向きに流れる。このため、第1領域15A1に含まれる板コア20において第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32をコイル軸Axに垂直な方向に配向させることにより、コイル部品1の実効透磁率を向上させることができる。
続いて、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32の配向方向を変更した変形例について説明する。一実施形態においては、コア領域15Bが第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含んでいてもよい。コア領域15Bに第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32が含まれる場合には、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32はいずれもコイル軸Axに沿う方向(LW平面に垂直な方向)に配向することができる。第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32のコイル軸Axに沿う方向への配向は、コイル軸Axに垂直な方向への配向と同様にして確認することができる。
コイル導体25に流れる電流が変化したときに生じる磁束は、コア領域15B内の多くの領域において、ほぼT軸に沿う(T軸に平行な)向きに流れる。このため、コア領域15Bに含まれている第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32をコイル軸Axに平行な方向に配向させることにより、コイル部品1の実効透磁率を向上させることができる。
一実施形態においては、マージン領域15Cが第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含んでいてもよい。マージン領域15Cに第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32が含まれる場合には、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32はいずれもコイル軸Axに沿う方向に配向することができる。コイル導体25に流れる電流が変化したときに生じる磁束は、マージン領域15Cの多くの領域において、ほぼT軸に沿う(T軸に平行な)向きに流れる。このため、マージン領域15Cに含まれている第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32をコイル軸Axに平行な方向に配向させることにより、コイル部品1の実効透磁率を向上させることができる。
コア領域15Bが第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含む場合及び/又はマージン領域15Cが第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含む場合には、コイル軸Axは、T軸に垂直な方向に延び、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32は、T軸に垂直な方向に配向していてもよい。この場合、コイル導体25の周回部25aは、T軸に垂直な方向に延びるコイル軸Axの周りに延びる。
本出願においては、基体10のうち、所定の方向に配向している第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を有する領域を「配向領域」と呼ぶ。配向領域は、基体10の一部又は全部を占める。図2に示されている実施形態では、コイル軸Axに垂直な方向に配向する第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32が板コア20に含まれているので、板コア20(すなわち、基体10のうち第1領域15A1の一部)が、基体10の配向領域となる。同様に、基体10のうちコア領域15Bが、その一部の領域に第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32が含まれる場合には、コア領域15Bにおいて第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含む領域(コア領域15Bの一部を占める領域)が基体10の配向領域となる。コア領域15Bがその全体において第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含む場合には、コア領域15Bの全体が配向領域となる。同様に、基体10の配向領域は、マージン領域15Cの一部又は全部を占めることができる。コア領域15B及び/又はマージン領域15Cに含まれる配向領域においては、上述したとおり、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32はいずれもコイル軸Axに沿う方向に配向してもよい。配向領域は、基体10において複数存在していてもよい。例えば、コア領域15B及びマージン領域15Cの両方が配向領域であってもよい。
板コア20においては、比較的小径の第2金属磁性粒子32の第2アスペクト比R2が比較的大径の第1金属磁性粒子31の第1アスペクト比R1よりも大きいので、基準形状(球形)のアスペクト比(つまり、「1」)からの第2金属磁性粒子32の第2アスペクト比R2の増加量を大きくすることによってコイル部品1の実効透磁率を向上させるとともに、第1金属磁性粒子31の第1アスペクト比R1の基準形状のアスペクト比の増加による基体10における金属磁性粒子の充填率の低下を抑制してコイル部品1の飽和磁束密度の低下を抑制することができる。このため、コイル部品1は、高実効透磁率及び高飽和磁束密度を実現することができる。
続いて、図5を参照して、他の実施形態を説明する。図5は、他の実施形態に係るコイル部品101の断面を示す断面図である。コイル部品101は、第2領域15A2にも板コアを含む点で、コイル部品1と異なっている。具体的には、コイル部品101は、第1板コア120Aと、第2板コア120Bと、を備えている。第1板コア120Aは、第1領域15A1に含まれており、第2板コア120Bは、第2領域15A2に含まれている。
第1板コア120Aは、上述した板コア20と同様に構成及び配置されてもよい。第2板コア120Bは、第2コイル面25S2においてコイル導体25と接するように設けられている。コイル導体25の第2コイル面25S2は、第2板コア120Bによって覆われている。
一実施形態において、第2板コア120Bは、板コア20と同様に、2種類の互いに異なる粒径を有する金属磁性粒子を含有することができる。例えば、第2板コア120Bは、比較的大径の第4金属磁性粒子(不図示)と、比較的小径の第5金属磁性粒子(不図示)と、を含むことができる。すなわち、第4金属磁性粒子の平均粒径である第4平均粒径は、第5金属磁性粒子の平均粒径である第5平均粒径よりも大きい。一実施形態において、第4金属磁性粒子の各々のアスペクト比(以下、「第4アスペクト比R5」という。)及び第5金属磁性粒子の各々のアスペクト比(以下、「第5アスペクト比R5」という。)はともに、1.0より大きく、第5アスペクト比R5は、第4アスペクト比よりも大きい。第4アスペクト比R4の範囲は、第1アスペクト比R1の範囲と同じであてもよい。第5アスペクト比R5の範囲は、第2アスペクト比R2の範囲と同じであてもよい。第4金属磁性粒子及び第5金属磁性粒子はいずれも、コイル軸Axに垂直な方向に配向されている。第1金属磁性粒子31に関する説明は、可能な限り第4金属磁性粒子に当てはまり、第2金属磁性粒子32に関する説明は、可能な限り第4金属磁性粒子に当てはまる。
コイル部品101においては、板コア120A及び板コア120Bが基体10の配向領域となる。
コイル部品101においては、第1板コア120Aにおいて、第2アスペクト比R2が第1アスペクト比R1よりも大きく、また、第2板コア120Bにおいて、第5アスペクト比R5が第4アスペクト比R4よりも大きいので、コイル部品1と比べて実効透磁率をさらに向上させるとともに、基体10における金属磁性粒子の充填率の低下をさらに抑制することで飽和磁束密度の低下をさらに抑制することができる。
次に、図6a及び図6bを参照して、コイル部品1の製造方法の一例を説明する。まず、ステップS11において、内部にコイル導体25を含み、第1領域15A1を有する基体10を作製する。
基体10は、様々な方法で作製され得るが、以下では、図6b、図7a、図7b、図8a、図8b、及び図9を参照して、圧縮成型法による基体10の作製方法について説明する。図6bは、基体10を作製するステップS11に含まれるステップを示す図であり、圧縮成形法による基体10の製造プロセスの一例を示すフロー図である。図7a、図7b、図8a及び図8bはそれぞれ、基体10の作製工程の一部を模式的に示している。具体的には、図7a及び図7bは、板コア20を作製する工程を示し、図8a及び図8bは、コイル導体25を内部に含む本体部11及び突出部12を作製する工程を示している。
基体10を製造するために、まず、ステップS11Aにおいて、板コア20の前駆体(図7bに示されている前駆体120)を作製するための磁性材料60を準備する。磁性材料60は、比較的大径の第1磁性粉31aと比較的小径の第2磁性粉32aとを混合した混合粉を樹脂及び希釈溶剤と混練することで生成される。第2磁性粉32aの変形強度は、第1磁性粉31aの変形強度よりも小さい。第1磁性粉31a及び第2磁性粉32aは、完成品であるコイル部品1において、それぞれ第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32となる。第1磁性粉31a及び第2磁性粉32aはいずれも、図9に示されているように球形形状を有している。第1磁性粉31aの平均粒径は、第2磁性粉32aの平均粒径よりも大きい。磁性材料60用の樹脂として、熱硬化性樹脂を用いることができる。この熱硬化性樹脂として、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、又は前記以外の公知の樹脂材料が用いられ得る。
次に、ステップS11Bにおいて、図7aに示されているように、ダイ51aのキャビティ内に磁性材料60を投入して一次成型を行うことで、前駆体120を得る。具体的には、磁性材料60をキャビティ内に入れた後、パンチ52aをT軸方向に沿うストローク方向に沿って下方に移動させることで、磁性材料60を第1成型圧力で圧縮する。図7aに示されているダイ51a及びパンチ52aは例示であり、一次成型に用いられる金型は、図7aに示されているダイ51a及びパンチ52aには限られない。例えば、ダイ51aは、T軸方向におけるプラス側及びマイナス側(すなわち、紙面の上側及び下側)が開口していてもよい。この場合、パンチ52aは、T軸方向において互いに対向しいずれもT軸方向に沿って移動する1組のパンチであってもよい。第1成型圧力は、例えば、1~3ton/cm2の範囲で設定することができる。このようにして磁性材料60を圧縮することで、図7bに示されているように板コア20の前駆体120が作製される。
この一次成型での加圧によって、磁性材料60に含まれている球形の第1磁性粉31a及び第2磁性粉32aはそれぞれ、図9に示されているように変形され、扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bとなる。第2磁性粉32aの変形強度は、第1磁性粉31aの変形強度よりも小さいので、一次成型での加圧によって第2磁性粉32aの方が第1磁性粉31aよりも大きく変形する。その結果、扁平第2磁性粉32bのアスペクト比は、扁平第1磁性粉31bのアスペクト比よりも大きい。成型圧力がT軸に沿って加えられるため、前駆体120に含まれている扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bはそれぞれ、長軸方向がWL平面に沿う方向(すなわち、T軸に垂直な方向)に配向しやすい。例えば、前駆体120をLT平面に沿う断面で切断し、その切断面を観察した場合には、扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bは、L軸方向に配向している。前駆体120をTW平面に沿う断面で切断し、その切断面を観察した場合には、扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bは、W軸方向に配向している。このように、前駆体120に含まれている扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bは、T軸に垂直なWL平面内ではL軸方向に配向する。他方、扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bのT軸に垂直なWL平面内での配向はランダムであってもよい。つまり、扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bは、WL平面内においては、特定の方向に(例えば、L軸方向やW軸方向に)配向していなくてもよい(つまり、無配向であってもよい)。
続いて、ステップS11Cにおいて、後段の二次成型で用いられる磁性材料70を準備する。磁性材料70は、第3磁性粉を樹脂及び希釈溶剤と混練することで生成される。第3磁性粉は、完成品であるコイル部品1において、第3金属磁性粒子33となる。
続いて、ステップS11Dにおいて、ステップS11Aで作製された前駆体120と磁性材料70に二次成型を行って基体10を得る。具体的には、図8aに示されているように、板コア20の前駆体120を、ダイ51aとは別のダイ51bのキャビティ内に設置する。ストローク方向(T軸方向)から見て、ダイ51bのキャビティは、板コア20の前駆体120よりも大きな面積を有する。例えば、ダイ51bのキャビティのL軸方向及びW軸方向における寸法は、ダイ51aの対応する寸法よりも大きい。このため、ダイ51bのキャビティ内に前駆体120を設置すると、前駆体120とキャビティを画定するダイ51bの側壁との間にギャップGが生じる。前駆体120は、ストローク方向(T軸方向)から見た場合に、前駆体120をその前駆体120の外縁とダイ51bの側壁との間のギャップGが均一な寸法を有するように配置されてもよい。
次に、前駆体120の上にあらかじめ準備されたコイル導体25を設置する。コイル導体25は、コイル軸Axがパンチ51bのストローク方向と一致またはほぼ一致するように金型キャビティ内に設置される。コイル軸とパンチのストローク方向との為す角度が30度以内であれば、コイル軸Axとストローク方向とはほぼ一致していると判断することができる。
次に、前駆体120及びコイル導体25が設置されたダイ51bのキャビティ内に、磁性材料70を入れる。前駆体120の外縁とダイ51bの側壁との間のギャップGは、磁性材料70により充填されてもよい。ギャップGの寸法が小さい場合には、ギャップGは、磁性材料70により充填されなくともよい。
磁性材料70をキャビティ内に入れた後、パンチ52bをストローク方向に沿って下方に移動させることで、キャビティ内の前駆体120及び磁性材料70を第2成型圧力で圧縮する。第2成型圧力は、第1成型圧力よりも大きい。第2成型圧力は、例えば、5~10ton/cm2の範囲で設定することができる。
図8bに示されているように、二次成型において前駆体120を圧縮することで板コア20が得られ、磁性材料70を加圧することで本体部11及び突出部12が得られる。
ストローク方向(T軸方向)から見た場合にギャップGの幅を均一とすることにより、以上のようにして形成される突出部12の幅を均一とすることができる。言い換えると、板コア20と、基体10の第1端面10c、第2端面10d、第1側面10e、及び第2側面10fの各々との間に、この4面に沿ってコイル軸Axの周りの周方向に延びるように突出部12を形成することができ、コイル軸Axを中心とする径方向における突出部12の寸法を均一にすることができる。突出部12を均質に作るための、板コア20の前駆体120の形状は、基体10が直方体形状である場合、直方体形状を有していることが好ましいが、この限りではなく例えば円柱形、楕円柱形、及びこれら以外のコイル軸Axに対して対称な形状であってもよい。
ギャップGに磁性材料70が充填されない場合には、二次成型での加圧によって前駆体120がT軸に垂直な方向に引き延ばされる。この場合、二次成型での加圧前に前駆体120とダイ51bのキャビティの側壁との間にあったギャップGは、前駆体120から形成される板コア20によって充填される。ギャップGのうちの一部分が磁性材料70によって充填され、残部が磁性材料70によって充填されなくてもよい。この場合には、ギャップGのうち磁性材料70により充填された領域に突出部12が形成され、残部には前駆体120が引き延ばされて形成された板コア20の一部が配置される。
この二次成型での加圧によって、図9に示されているように、扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bはさらに圧縮され、それぞれ第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32となる。第1金属磁性粒子31は、第1アスペクト比R1を有し、第2金属磁性粒子32は、第1アスペクト比R1よりも大きな第2アスペクト比R2を有する。図示は省略されているが、磁性材料70に含まれている第3磁性粉も、二次成型での加圧により扁平な形状に変形されてもよい。
二次成型での加圧時に、扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bは、流動しながら変形する。このとき、扁平第1磁性粉31bの長軸がWL平面に沿う方向(T軸に直交する方向)に配向しているので、扁平第2磁性粉32bは、扁平第1磁性粉31bの表面に沿って流動する。このため、二次成型での加圧時に扁平第2磁性粉32bの長軸方向もWL平面に沿う方向(T軸に直交する方向)に配向しやすい。扁平第2磁性粉32bは、扁平第1磁性粉31bよりも小径であるため、扁平第1磁性粉31bと比べて加圧時に姿勢が変化しにくい場合でも、前駆体120においては扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bが密集しているため、二次成型での加圧時に、扁平第2磁性粉32bは、より変形強度が大きい扁平第1磁性粉31bの表面にガイドされて、その長軸がWL平面に沿う方向を向くように流動しやすい。このため、二次成型により得られる板コア20において、第1金属磁性粒子31だけでなく、第2金属磁性粒子32もWL平面に沿う方向(すなわち、コイル軸Axに垂直な方向)に配向させることができる。
また、ダイ51bのキャビティ内で、前駆体120とキャビティの側壁との間にギャップGが存在することから、二次成型での加圧時に、前駆体120に含まれる扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bは、ストローク方向と垂直な方向に流動しやすい。上述したように、ギャップGには二次成型時に磁性材料70が充填されるが、このギャップGに充填された磁性材料70は、空隙が多く前駆体120に比べて金属磁性粒子の充填密度が低いため、前駆体120に含まれる扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bは、ギャップGに向かって流動することができる。このため、前駆体120に含まれる扁平第1磁性粉31b及び扁平第2磁性粉32bは、ストローク方向(T軸方向)と垂直な方向に流動しやすい。このため、板コア20において、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32がストローク方向と垂直な方向に配向しやすい。
以上のようにして、内部にコイル導体25を含む基体10が作製される。この基体10は、板コア20、本体部11、及び突出部12を有する。コイル導体25は、板コア20の上に設けられている。
以上のようにしてステップS11で内部にコイル導体25を含む基体10が得られた後に、製造プロセスはステップS12に進む。ステップS12では、基体10に対し熱処理が行われ、板コア20、本体部11、及び突出部12に含まれている樹脂を硬化させる。これにより、隣接する金属磁性粒子同士が硬化した樹脂により互いに結着され、熱処理済みの基体10が得られる。熱処理は、磁性材料60及び磁性材料70に含まれる樹脂の硬化温度以上の温度で行われる。ステップS12での加熱処理は、例えば、例えば150℃から300℃にて30分~240分間行われる。
次に、ステップS13において、ステップS12で得られた基体10の表面に導体ペーストを塗布することにより、外部電極21及び外部電極22を形成する。外部電極21は、基体10内に設けられているコイル導体25の一方の端部と電気的に接続され、外部電極22は、基体10内に設けられているコイル導体25の他方の端部と電気的に接続されるように設けられる。外部電極21、22は、めっき層を含んでもよい。このめっき層は2層以上であってもよい。2層のめっき層は、Niめっき層と、当該Niめっき層の外側に設けられるSnめっき層と、を含んでもよい。コイル導体25の端部が基体10から外部に露出するようにコイル導体25を配置し、このコイル導体25のうち磁性基体10から露出している部分を底面10bに向けて折り曲げることにより、コイル導体25のうち基体10から外部に露出している部位を外部電極としてもよい。
以上により、コイル部品1が製造される。製造されたコイル部品1は、リフロー工程により実装基板2aに実装されてもよい。この場合、コイル部品1が配置された基板2は、例えばピーク温度260℃に加熱されているリフロー炉を高速で通過した後に、外部電極21、22がそれぞれ実装基板2aのランド部3にはんだ接合されることで、コイル部品1が実装基板2aに実装され、回路基板2が得られる。
上記の製造方法では、磁性材料60に含まれる第1磁性粉31aが球形形状を有しているが、磁性材料60は、予め扁平形状に変形された第1磁性粉31aを含有していてもよい。扁平形状に変形された第1磁性粉31aは、1より大きく第1アスペクト比R1よりも小さいアスペクト比を有する。磁性材料60が予め扁平形状に変形された第1磁性粉31aを含有することにより、一次成型における加圧時に、第2磁性粉32aが変形して得られる扁平第2磁性粉32bがストローク方向と垂直な方向(WL平面に沿う方向)に配向しやすくなる。
上記の製造方法は、コイル部品1を製造する製造方法の一例であり、コイル部品1は、上記以外の製造方法によっても作製され得る。例えば、基体10は、圧縮成形法以外の当業者に知られている方法、例えば、シート積層法、スラリービルド法、又は薄膜プロセス法により作製されてもよい。
シート積層法により基体10を作製する場合には、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を樹脂と混練して得られたスラリーを、ドクターブレード式シート成形機等の各種シート成形機を用いて、プラスチックフィルム等のベースフィルムの表面に塗布し、この塗布されたスラリーを乾燥させることで第1磁性体シートを形成する。スラリーをベースフィルムに塗布する際に、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32は、ブレードによって、各々の長軸がベースフィルムの表面に沿う方向に配向される。このため、扁平形状を有する第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32をドクターブレード法によりベースフィルムに塗布することにより、シート表面に沿う方向に配向した第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含む第1磁性体シートが得られる。第1磁性体シート又は複数の第1磁性体シートの積層体は、完成品であるコイル部品1において第1領域15A1となる。また、第3金属磁性粒子33を樹脂と混練して得られたスラリーを、プラスチックフィルム等のベースフィルムの表面に塗布し、この塗布されたスラリーを乾燥させることで第2磁性体シートを形成する。第2磁性体シートの一部には、導電性に優れた金属又は合金から成る導電ペーストが印刷される。また、第2磁性体シートには貫通孔が形成されており、この貫通孔内に導電ペーストが充填される。このようにして、表面に導体パターンが形成された第2磁性体シートが得られる。導体パターンの一部は、第1磁性体シートに形成されてもよい。上記のようにして準備した第1磁性体シート及び第2磁性体シートを積層して積層体を形成する。第2磁性体シートは、隣接する導電性ペースト同士が各貫通孔に充填された導電ペーストにより接続されるように積層される。次に、この積層体に加熱処理を行って樹脂を硬化させることで基体10を作製することができる。
シート積層法により板コア20の前駆体120を作製し、このようにして作製した前駆体120をコイル導体25とともにダイ51bのキャビティ内に設置し、このダイ51bのキャビティ内に磁性材料70を入れて、二次成型を行ってもよい。
図5に示されているコイル部品101は、コイル部品1と同様の工程により製造され得る。コイル部品101の製造プロセスにおいては、一次成型工程S11Bにおいて、板コア120A及び板コア120Bの各々の前駆体を作製し、この2つの前駆体を用いて二次成型が行われる。二次成型工程S11Dでは、板コア120Aの前駆体の上にコイル導体25を設置し、さらにコイル導体25の上に板コア120Bの前駆体を設置した後に、ダイ51bのキャビティ内に磁性材料70を入れ、その後、パンチ52bにより圧力が加えられる。板コア120Bの前駆体は、自らの外縁とダイ51bのキャビティの側壁との間にギャップ(空隙)が存在するようにコイル導体25の上に設置される。磁性材料70は、板コア120Bの前駆体の外縁とダイ51bのキャビティの側壁との間のギャップから、当該キャビティ内に投入されてもよい。板コア120Bの前駆体を板コア120Aの前駆体よりも小さくなるように形成することで、板コア120Bの前駆体とダイ51bのキャビティの側壁との間に、ギャップGよりも大きな空隙を設けることができる。板コア120Bの前駆体とダイ51bのキャビティの側壁との間にギャップGよりも大きな空隙が存在する場合に、磁性材料70のキャビティ内への投入が容易になる。一実施形態においては、板コア120Aの前駆体の上にコイル導体25を設置した後に磁性材料70をキャビティ内に投入し、その後に板コア120Bの前駆体をコイル導体25の上にセットしてもよい。
コア領域15Bが第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含む基体又はマージン領域15Cが第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含む基体は、シート積層法により作製されてもよい。例えば、既述の方法で形成された第1磁性体シートを積層することにより、第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含むコア領域15B及び/又はマージン領域15Cを作製することができる。コア領域15Bが第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含む基体又はマージン領域15Cが第1金属磁性粒子31及び第2金属磁性粒子32を含む基体に設けられるコイル導体25は、コイル軸AxがT軸と垂直な方向を向くように当該基体内に設けられてもよい。この場合、複数の第1磁性体シートの各々に貫通孔を設け、この貫通孔に導電ペーストを充填し、この貫通孔に導電ペーストが充填された複数の第1磁性体シートを隣接するシートにおける導電ペースト同士が接続されるように接続することで、接続された導電ペーストによりコイル導体25の周回部25aを形成することができる。
上述した圧縮成形法に従ってコイル部品を作製し、インダクタンス及び飽和電流値を測定した。具体的には、以下のようにしてコイル部品を作製した。まず、平均粒径が25μmの球形形状のFe非晶質粒子(以下、「大粒子」という。)と平均粒径が4μmの球形形状のカルボニル鉄粒子(以下、「小粒子」という。)を準備し、この大粒子及び小粒子をエポキシ樹脂と混練し、第1混合樹脂組成物を生成した。大粒子は、非晶質のFeから構成されているため、カルボニル鉄から構成されている小粒子よりも高い変形強度を有する。この第1混合樹脂組成物を第1ダイのキャビティに投入し、このキャビティ内の第1混合樹脂組成物にパンチで2ton/cm2の成型圧力を加えて、板コア20の前駆体を作製した。このキャビティは、L軸方向における寸法が2.3mmでW軸方向における寸法が1.8mmである。次に、板コア20の前駆体を第2ダイのキャビティ内に設置し、さらに6.5ターン巻回された導電性の帯状体を当該前駆体の上に設置した。第2ダイのキャビティは、L軸方向における寸法が2.5mmでW軸方向における寸法が2.0mmである。次に、板コア20の前駆体及び導電性の帯状体が設置されたキャビティに、Fe-Si-Cr合金粒子をエポキシ樹脂と混練することで生成された第2混合樹脂組成物を投入し、このキャビティ内の第2混合樹脂組成物にパンチで7ton/cm2の成型圧力を加えて、内部に帯状体を含む成型体を得た。次に、キャビティから取り出した成型体に200℃で60分間熱処理を行って成型体中のエポキシ樹脂を硬化させることで、当該成型体から基体10を形成した。この基体10の第1端面10c及び第2端面10dからから外部に出ている導電性の帯状体を折り曲げて、外部電極21、22を形成した。このようにしてコイル部品(試料1)を作製した。
インピーダンスアナライザを用いて、試料1のインダクタンス及び飽和電流値Idc1を測定した。表1に示されているように、試料1において、インダクタンスは0.9μHであり、飽和電流値Idc1は、6.8Aであった。飽和電流値は、インダクタに直流電流を印加しない時のインダクタンスを初期値とし、直流電流の印加によりインダクタンスが初期値から30%低下する時の直流電流である。
また、試料1をコイル軸Ax(T軸方向)に沿って切断して断面を露出させ、この断面を研磨した。研磨した後の断面の板コア20に含まれる領域を走査型電子顕微鏡(SEM)により1000倍の倍率で撮影し、SEM写真を得た。このSEM写真に含まれる複数の大粒子(第1金属磁性粒子31)の各々について、長軸及び短軸の寸法を測定し、この短軸の寸法に対する長軸の寸法の比を、大粒子のアスペクト比R11として算出した。そして、SEM写真に含まれている複数の大粒子の各々について算出したアスペクト比R11の平均値を算出した。表1の「アスペクト比R11」の列には、このようにして算出された大粒子のアスペクト比R11の平均値を記載した。同様に、SEM写真に含まれる複数の小粒子の各々についてアスペクト比R12を算出し、SEM写真に含まれている複数の第1金属磁性粒子31の各々について算出したアスペクト比R12の平均値を算出して、表1の「アスペクト比R12」の列に、このようにして算出された小粒子のアスペクト比R12の平均値を記載した。表1に記載されているように、大粒子のアスペクト比R11の平均は1.1であり、小粒子のアスペクト比R12の平均は1.8であった。
次に、成型圧力以外は、試料1と同様のプロセスに従って試料2(比較例1)を作製した。試料2の作製時には、キャビティ内の第1混合樹脂組成物に8ton/cm2の成型圧力を加えた。このようにして作製した試料2のインダクタンス及び飽和電流値Idc1を測定し、また、試料2に含まれる大粒子のアスペクト比R11及び小粒子のアスペクト比R12をそれぞれ算出した。表1に記載されているように、試料2において、インダクタンスは0.9μHであり、飽和電流値Idc1は、6.8Aであった。また、試料2における大粒子のアスペクト比R11の平均は1.1であり、小粒子のアスペクト比R12の平均は1.3であった。試料1と試料2との比較により、小粒子のアスペクト比を大きくすることによりインダクタンスが向上することが確認できた。
次に、小粒子の形状が球形ではなく5.5のアスペクト比を有する扁平形状であること以外は、試料1と同様のプロセスに従って試料3(比較例2)を作製した。試料3の作製に用いた小粒子は、エポキシ樹脂との混合前に、アトライタを用いてアスペクト比が5.5となるように変形されたカルボニル鉄粒子である。このようにして作製した試料3のインダクタンス及び飽和電流値Idc1を測定し、また、試料3に含まれる大粒子のアスペクト比R11及び小粒子のアスペクト比R12をそれぞれ算出した。表1に記載されているように、試料3において、インダクタンスは1.4μHであり、飽和電流値Idc1は、3.5Aであった。また、試料3における大粒子のアスペクト比R11の平均は1.1であり、小粒子のアスペクト比R12の平均は5.7であった。試料1と試料3との比較により、小粒子のアスペクト比が大きくなりすぎると、インダクタンスは向上するものの飽和電流値が小さくなることが確認できた。
次に、大粒子の形状が球形ではなく3.4のアスペクト比を有する扁平形状であり、小粒子の形状が球形ではなく4.0のアスペクト比を有する扁平形状であること以外は、試料1と同様のプロセスに従って試料4(比較例3)を作製した。試料4の作製に用いた大粒子及び小粒子は、エポキシ樹脂との混合前に、アトライタを用いてそれぞれアスペクト比が3.4及び4.0となるように変形された。このようにして作製した試料4のインダクタンス及び飽和電流値Idc1を測定し、また、試料4に含まれる大粒子のアスペクト比R11及び小粒子のアスペクト比R12をそれぞれ算出した。表1に記載されているように、試料4において、インダクタンスは1.7μHであり、飽和電流値Idc1は、3.1Aであった。また、試料4における大粒子のアスペクト比R11の平均は3.5であり、小粒子のアスペクト比R12の平均は4.2であった。試料1と試料4との比較により、大粒子のアスペクト比が大きくなりすぎると、インダクタンスは向上するものの飽和電流値が小さくなることが確認できた。
Figure 2023098486000002
前述の様々な実施形態で説明された各構成要素の寸法、材料及び配置は、それぞれ、各実施形態で明示的に説明されたものに限定されず、当該各構成要素は、本発明の範囲に含まれ得る任意の寸法、材料及び配置を有するように変形することができる。
本明細書において明示的に説明していない構成要素を、上述の各実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
1、101 コイル部品
2 回路基板
2a 実装基板
10 基体
11 本体部
12 突出部
15A1 第1領域
15A2 第2領域
15B コア領域
15C マージン領域
25 コイル導体
25S1 第1コイル面
25S2 第2コイル面
20 板コア
21、22 外部電極
31 第1金属磁性粒子
32 第2金属磁性粒子
33 第3金属磁性粒子
120A 第1板コア
120B 第2板コア
Ax コイル軸

Claims (19)

  1. 基体と、
    前記基体に設けられているコイル導体と、
    を備え、
    前記基体は、1よりも大きい第1アスペクト比及び第1平均粒径を有し基準方向に配向している複数の第1金属磁性粒子、及び、前記第1アスペクト比よりも大きい第2アスペクト比及び前記第1平均粒径よりも小さい第2平均粒径を有しており前記基準方向に配向している複数の第2金属磁性粒子を含む配向領域を有する、
    コイル部品。
  2. 前記コイル導体は、コイル軸の周りに延びており、
    前記基準方向は、前記コイル軸に垂直な方向に延びており、
    前記基体は、前記コイル軸に沿って延びる軸方向における前記コイル導体の一方の端面を覆う第1領域を有し、
    前記配向領域は、前記第1領域の少なくとも一部を占める、
    請求項1記載のコイル部品。
  3. 前記コイル導体は、前記一方の端面において、前記第1領域と接している、
    請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 前記第1アスペクト比に対する前記第2アスペクト比の比は、1.3以上である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のコイル部品。
  5. 前記第1アスペクト比は、1.2以下である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のコイル部品。
  6. 前記第2アスペクト比は、1.4以上である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のコイル部品。
  7. 前記第2アスペクト比は、5.0以下である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のコイル部品。
  8. 前記第1金属磁性粒子は、第1変形強度を有し、
    前記第2金属磁性粒子は、前記第1変形強度よりも小さな第2変形強度を有する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のコイル部品。
  9. 前記基体は、前記コイル軸を中心とする径方向において前記コイル導体よりも内側にあるコア領域をさらに有し、
    前記コア領域は、前記第2アスペクト比よりも小さい第3アスペクト比を有する複数の第3金属磁性粒子を含む、
    請求項2に記載のコイル部品。
  10. 前記コア領域は、前記第1領域と接している、
    請求項9に記載のコイル部品。
  11. 前記基体は、前記軸方向における前記コイル導体の他方の端面を覆う第2領域をさらに有し、
    前記第2領域は、1よりも大きい第4アスペクト比及び第4平均粒径を有し前記基準方向に配向している複数の第4金属磁性粒子、及び、前記第5アスペクト比よりも大きい第5アスペクト比及び前記第4平均粒径よりも小さい第5平均粒径を有しており前記基準方向に配向している複数の第5金属磁性粒子を含む、
    請求項1から10のいずれか1項に記載のコイル部品。
  12. 前記コイル導体は、コイル軸の周りに延びており、
    前記基準方向は、前記コイル軸に平行な方向に延びており、
    前記配向領域は、前記コイル軸を中心とする径方向において前記コイル導体の周回部よりも内側にあるコア領域の少なくとも一部を占める、
    請求項1に記載のコイル部品。
  13. 前記配向領域は、前記コイル軸を中心とする径方向において前記コイル導体の周回部よりも外側にあるマージン領域の少なくとも一部を占める、
    請求項1又は12に記載のコイル部品。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載のコイル部品を備える回路基板。
  15. 請求項14に記載の回路基板を備える電子機器。
  16. 内部にコイル軸の周りに延びるコイル導体を含む基体を作製する基体作製工程と、
    前記基体に外部電極を設ける外部電極作製工程と、
    を備え、
    前記基体は、1よりも大きい第1アスペクト比及び第1平均粒径を有し基準方向に配向している複数の第1金属磁性粒子、及び、前記第1アスペクト比よりも大きい第2アスペクト比及び前記第1平均粒径よりも小さい第2平均粒径を有しており前記基準方向に配向している複数の第2金属磁性粒子を含む配向領域を有する、
    コイル部品の製造方法。
  17. 前記基体作製工程は、
    第1磁性粉及び第2磁性粉を含む第1磁性材料に第1成型圧力を加えることで、前記第1磁性粉が扁平化された扁平第1磁性粉及び前記第2磁性粉が扁平化された扁平第2磁性粉を含む前記板コアの前駆体を形成する第1成型工程と、
    前記前駆体、前記コイル導体、及び第2磁性材料に第2成型圧力を加えることで、前記扁平第1磁性粉から形成された前記第1金属磁性粒子及び前記扁平第2磁性粉から形成された前記第2金属磁性粒子を含む前記配向領域を有する前記基体を形成する第2成形工程と
    を有する、請求項16に記載のコイル部品の製造方法。
  18. 前記第2成型圧力は、前記第1成型圧力よりも大きい、
    請求項17に記載のコイル部品の製造方法。
  19. 前記基体作製工程は、
    前記第1金属磁性粒子及び前記第2金属磁性粒子を樹脂と混練して樹脂組成物をベースフィルムに塗布することで磁性体シートを作製する工程と、
    前記樹脂を硬化させることで、前記磁性体シートから前記配向領域を形成する工程と、
    を有する、請求項16に記載のコイル部品の製造方法。
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