JP2023098042A - 作業車 - Google Patents

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祐樹 久保田
Yuki Kubota
一輝 太田
Kazuki Ota
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Abstract

【課題】自動的な操舵の制御を適切に実行可能な手段を提供する。【解決手段】作業車は、操舵可能な走行装置と、走行装置の制御の基準となる走行基準を設定する設定部33と、設定された走行基準に対する誤差を算出する誤差算出部35aと、算出された誤差に基づいて、誤差が小さくなるような操舵指示量を算出する操舵量算出部35bと、算出された操舵指示量に基づいて走行装置を制御する走行制御部35と、操舵量算出部35bが操舵指示量を算出する際の誤差に対する感度を変更する感度変更部37と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、作業車に関する。
特許文献1には、目標移動経路に沿った自動操向制御が可能な田植機が開示されている。この田植機の操向制御部は、車体位置が目標移動経路上の位置になるように、かつ、自機方位が目標方位になるように、前車輪の操向角度を変更する。
特開2017-123804号公報
走行装置が同一の操舵指示量で制御されたとしても、その結果生じる機体の挙動(自機位置や自機方位の変化量)は、圃場の状態や機体の状態等により異なる可能性がある。例えば、軟弱な圃場における操舵時の機体の挙動は、表面が固い圃場における操舵時の機体の挙動よりも小さくなる場合がある。そうすると、機体の状態を走行基準に合致させることが困難になり、自動的な操舵の制御が難しくなる可能性がある。
本発明の目的は、自動的な操舵の制御を適切に実行可能な手段を提供することにある。
上述した課題を解決する手段として、本発明の作業車は、操舵可能な走行装置と、前記走行装置の制御の基準となる走行基準を設定する設定部と、設定された前記走行基準に対する誤差を算出する誤差算出部と、算出された前記誤差に基づいて、前記誤差が小さくなるような操舵指示量を算出する操舵量算出部と、算出された前記操舵指示量に基づいて前記走行装置を制御する走行制御部と、前記操舵量算出部が前記操舵指示量を算出する際の前記誤差に対する感度を変更する感度変更部と、を備えることを特徴とする。
上記の特徴によれば、操舵指示量を算出する際の誤差に対する感度が変更可能であるから、圃場の状態や機体の状態等に応じて感度を変更することにより、自動的な操舵の制御を適切に実行することが可能となる。
本発明において、手動操作を受け付ける操作具を更に備え、前記感度変更部が、前記操作具が受け付けた手動操作に基づいて前記感度を変更すると好適である。
上記の特徴によれば、手動操作に基づいて感度が変更されるので、オペレータの判断に基づいて感度が適切に変更されて、自動的な操舵の制御が更に適切に実行され得る。
本発明において、記憶装置を更に備え、前記記憶装置に、乾田に対応するための前記感度としての第一感度と、湿田に対応するための前記感度としての第二感度と、が予め記憶されており、前記感度変更部が、前記感度を前記第一感度又は前記第二感度の何れかに変更すると好適である。
上記の特徴によれば、圃場が乾田である場合と湿田である場合で感度を切り替えることができるので、自動的な操舵の制御を適切に実行することが可能となる。
本発明において、算出された前記操舵指示量に対する実際の走行状態の変化量である応答性を算出する応答性算出部を更に備え、前記感度変更部は、算出された前記応答性が所定の閾値よりも低い場合に、前記感度を増加させると好適である。
上記の特徴によれば、応答性が低い場合には感度が自動的に増加するので、自動的な操舵の制御を更に適切に実行することが可能となる。
本発明において、現在の走行方位を取得する方位取得部を更に備え、前記応答性算出部は、取得された前記走行方位の変化量に基づいて前記応答性を算出すると好適である。
上記の特徴によれば、現在の走行方位が取得され、走行方位に基づいて感度が調整されるので、自動的な操舵の制御を更に適切に実行することが可能となる。
本発明において、記憶装置を更に備え、前記記憶装置に、前記感度の初期値である初期感度が予め記憶されており、前記感度変更部は、前記感度を前記初期感度から増加させると好適である。
上記の特徴によれば、応答性が所定の閾値よりも低い場合に感度が初期感度から増加するので、応答性が十分に高くなるまで感度が増加する。従って、自動的な操舵の制御を適切に実行することが可能となる。
本発明において、前記感度変更部は、日付が変わったことに応じて、前記感度を前記初期感度に戻すと好適である。
日付が変わると、圃場の状態も変化する可能性が高い。上記の特徴によれば、日付が変わると感度が初期感度に戻されるので、感度がその日の圃場の状態に適合したものとなり易い。従って、自動的な操舵の制御を更に適切に実行することが可能となる。
本発明において、前記感度変更部は、異なる圃場に前記作業車が移動したことに応じて、前記感度を前記初期感度に戻すと好適である。
異なる圃場では、圃場の状態も変化する可能性が高い。上記の特徴によれば、異なる圃場に移動すると感度が初期感度に戻されるので、感度が移動後の圃場の状態に適合したものとなり易い。従って、自動的な操舵の制御を更に適切に実行することが可能となる。
コンバインの平面図である。 コンバインにおける運転部に配置された操舵操作具及び切替操作具を示す側面視図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 操舵制御部における制御モードを示す図である。 切替操作具を用いて主基準方位を設定する図である。 切替操作具を用いて主基準方位を設定する図である。 切替操作具を用いて手動操舵モードから第一自動操舵モードへ移行する図である。 切替操作具を用いて手動操舵モードから第二自動操舵モードへ移行する図である。 画面切替ボタンを用いて表示装置の表示を自動操舵に関する情報に切り替える図である。 自動操舵に関する情報を表示する表示装置の表示を示す図である。 自動操舵に関する情報を表示する表示装置の表示を示す図である。 感度の設定及び自動操舵の処理を示すフローチャートである。 制御部の構成を示すブロック図である。 自動操舵の処理を示すフローチャートである。 感度変更の処理を示すフローチャートである。
〔第一実施形態〕
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図1及び図2に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」とする。また、図1に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図2に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
〔コンバインの全体構成〕
図1に示すように、作業車の一例である普通型のコンバイン1について説明する。コンバイン1の機体10に、クローラ式の走行装置11と、搭乗部12と、脱穀装置13と、穀粒タンク14と、収穫部15と、搬送部16と、穀粒排出装置18と、が備えられている。
走行装置11は、エンジン(図示せず)からの動力によって駆動する。尚、走行装置11は車輪であっても良い。搭乗部12には、コンバイン1を操作又は監視するオペレータ(搭乗者)が搭乗可能である。搭乗部12に座席12Aが備えられ、オペレータが座席12Aに着座できる。尚、オペレータは、コンバイン1の機外からコンバイン1を遠隔操作しても良い。
収穫部15は、機体10における前部に備えられている。搬送部16は、収穫部15の後方に設けられている。収穫部15及び搬送部16は、不図示のシリンダを介して機体10の本体部分(走行装置11、搭乗部12、脱穀装置13、及び、穀粒タンク14等)に対して昇降可能に構成されている。つまり、収穫部15及び搬送部16は、圃場面に下降して圃場の作物を収穫可能な作業位置と、圃場面から上方に離間して圃場の作物を収穫不能な非作業位置と、に上下昇降可能に構成されている。
収穫部15は、圃場の作物を収穫する。そして、コンバイン1は、収穫部15によって圃場の植立穀稈を刈り取りながら走行装置11によって走行する刈取走行が可能である。尚、本実施形態における「作業走行」は、具体的には刈取走行である。尚、「作業走行」は、走行しながら、植立穀稈の刈り取り以外の作業を行うものであっても良い。
収穫部15によって収穫された刈取穀稈は、搬送部16によって機体後方へ搬送される。これにより、刈取穀稈は脱穀装置13へ搬送される。刈取穀稈は脱穀装置13によって脱穀処理される。脱穀処理によって得られた穀粒は、穀粒タンク14に貯留される。穀粒タンク14に貯留された穀粒は、必要に応じて、穀粒排出装置18によって機外に排出される。尚、脱穀装置13や穀粒タンク14等は、機体10に含まれていても良い。
また、図1及び図2に示すように、搭乗部12に表示装置4が配置されている。表示装置4は、例えば液晶モニタや有機LEDモニタであって、種々の情報を表示可能に構成されている。本実施形態において、表示装置4は、搭乗部12に固定されている。しかし、本発明はこれに限定されず、表示装置4は、搭乗部12に対して着脱可能に構成されても良いし、表示装置4は、コンバイン1の機外に位置しても良い。
ここで、コンバイン1は、手動操舵走行及び自動操舵走行を可能なように構成されている。手動操舵走行とは、オペレータの手動操舵によって走行を行うことを意味する。また、自動操舵走行とは、自動操舵によって走行を行うことを意味する。自動操舵とは、自動的に操舵を行うことである。
自動操舵走行に、αターンやUターン等の大きな方向転換が含まれても良いし、含まれなくても良い。また、自動操舵走行に、後進走行が含まれても良いし、含まれなくても良い。
搭乗部12には、主変速レバー40と副変速スイッチ41(図3参照)とが設けられている。主変速レバー40は搭乗部12における左側の領域に設けられている。コンバイン1が手動操舵走行又は自動操舵走行を行っているとき、オペレータが主変速レバー40を操作すると、コンバイン1の車速が変化する。即ち、コンバイン1が手動操舵走行又は自動操舵走行を行っているとき、オペレータは、主変速レバー40を操作することによって、コンバイン1の車速を変更できる。オペレータは、主変速レバー40を、コンバイン1の車速を変更させつつ前進させる前進用操作位置と、コンバイン1を停止させる中立位置と、コンバイン1の車速を変更させつつ後進させる後進用操作位置と、に操作できる。
副変速スイッチ41は、不図示の副変速装置(例えば複数段階式の変速装置)を、走行用の変速状態と、作業用の変速状態と、に切り替え可能に構成されている。副変速スイッチ41は、主変速レバー40の遊端部分に設けられているが、主変速レバー40以外に設けられても良い。また、副変速スイッチ41は、例えばレバー式の操作具であっても良い。
また、図1及び図2に示すように、搭乗部12には、操舵レバー42と切替操作具43とが設けられている。操舵レバー42は、搭乗部12における右前部のピラーに支持されている。操舵レバー42は、搭乗部12における昇降用ドアの前方に隣接する。つまり、操舵レバー42は、搭乗部12における右側の領域に設けられている。また、切替操作具43は、搭乗部12における右側(操舵レバー42の位置する側)の領域に設けられ、かつ、操舵レバー42の上方に設けられている。
操舵レバー42は、前後左右に揺動するスティック式のレバーであって、オペレータによる手動操舵(人為操舵)を受け付ける。コンバイン1が手動操舵走行を行っているとき、オペレータが操舵レバー42を左右方向に操作すると、走行装置11における左右のクローラの間に速度差が生じるように構成されている。これにより、機体10が旋回する。即ち、コンバイン1が手動操舵走行を行っているとき、オペレータは、操舵レバー42を操作することによって、機体10を操舵できる。
また、オペレータが操舵レバー42を機体10の前後方向に操作すると、収穫部15及び搬送部16が上下に昇降動作する。オペレータが操舵レバー42を前方向に操作すると収穫部15が作業位置に下降し、オペレータが操舵レバー42を後方向に操作すると収穫部15が非作業位置に上昇する。
図3に示すように、切替操作具43に、第一操作ボタン43Aと、第二操作ボタン43Bと、第一指示操作ボタン43Cと、第二指示操作ボタン43Dと、方位設定操作ボタン43Eと、変更操作ボタン43Fと、感度切替ボタン43Gと、画面切替ボタン43Hと、が備えられている。本実施形態では、切替操作具43に八個の押しボタンが備えられている。
本実施形態では、第一操作ボタン43A、第一指示操作ボタン43C、第二指示操作ボタン43D、方位設定操作ボタン43E、及び変更操作ボタン43Fに記された文字及び図形の色は、同一であり、緑色である。第二操作ボタン43Bに記された文字及び図形の色は、第一操作ボタン43Aに記された文字及び図形の色と異なっており、青色である。つまり、第一操作ボタン43Aと第二操作ボタン43Bとの夫々は、異なる色で示されたボタン式のスイッチである。感度切替ボタン43G、及び画面切替ボタン43Hに記された文字及び図形の色は、第一操作ボタン43A及び第二操作ボタン43Bに記された文字及び図形の色と異なっており、白色又は灰色である。
コンバイン1に、図2に示す衛星測位装置80と、図3に示す慣性計測装置81と、が備えられている。衛星測位装置80は、GNSS(グローバル・サテライト・ナビゲーション・システム、例えばGPS、GLONASS、Galileo、QZSS、BeiDou、等)で用いられる人工衛星(不図示)からの測位信号を受信する。慣性計測装置81は、例えばジャイロ加速度センサや磁気方位センサであって、コンバイン1の機体10のヨー角度の角速度、及び、互いに直交する3軸方向の加速度を経時的に検知する。つまり、慣性計測装置81は衛星測位装置80による衛星航法を補完する。尚、慣性計測装置81は、衛星測位装置80に組み込まれても良いし、衛星測位装置80と別の箇所に配置されても良い。
〔制御部に関する構成〕
図3に示すように、コンバイン1は、制御部20を備えている。制御部20は、検知部21と、自車位置算出部22と、自車方位算出部23と、表示制御部24と、操舵制御部30と、を有する。尚、制御部20、及び、制御部20に含まれる操舵制御部30等の各要素は、マイクロコンピュータ等の物理的な装置であっても良いし、ソフトウェアにおけるモジュールであっても良いし、装置とソフトウェアとの組み合わせであっても良い。
制御部20は記憶装置20aを備える。この記憶装置20aは、不揮発性のメモリ(例えばフラッシュメモリ)であると好ましい。記憶装置20aは、制御部20の各機能部が生成するデータを一次的又は恒常的に記憶する。
制御部20に、衛星測位装置80からの測位信号と、慣性計測装置81からの検知結果と、が入力される。衛星測位装置80からの測位信号は、自車位置算出部22へ送られる。慣性計測装置81による検知結果は、自車方位算出部23へ送られる。
また、主変速レバー40と、副変速スイッチ41と、操舵レバー42と、刈取脱穀クラッチ44と、収穫高さセンサ45と、の夫々は、操作されると信号を出力するように構成され、夫々の信号は制御部20の検知部21に入力される。つまり、検知部21は、主変速レバー40と、副変速スイッチ41と、操舵レバー42と、刈取脱穀クラッチ44と、収穫高さセンサ45と、の夫々における信号を検知する。これらの信号は、検知部21から操舵制御部30へ送られる。
刈取脱穀クラッチ44は、脱穀装置13と収穫部15との夫々に動力を伝達可能に構成されている。刈取脱穀クラッチ44は、脱穀装置13及び収穫部15に動力を伝達する動力伝達状態と、脱穀装置13及び収穫部15に動力を伝達しない動力非伝達状態と、に切り替え可能に構成されている。
収穫高さセンサ45は、収穫部15の高さを検出する。このため、収穫高さセンサ45は、収穫部15が作業位置又は非作業位置に位置する状態を検出可能に構成されている。
自車位置算出部22は、衛星測位装置80によって出力された測位データに基づいて、機体10の位置座標を経時的に算出する。これにより、自車位置算出部22は、機体10の位置座標を取得する。
自車方位算出部23は、自車位置算出部22から、機体10の位置座標を受け取る。そして、自車方位算出部23は、慣性計測装置81による検知結果と、機体10の位置座標と、に基づいて、機体10の姿勢方位を算出する。尚、機体10の姿勢方位とは、走行装置11における左右のクローラの速度差がゼロ又は略ゼロである状態で、機体10が前進又は後進する方位である。
より具体的には、まず、機体10の走行中に、現在の機体10の位置座標、及び、直前に走行していた地点における機体10の位置座標に基づいて、自車方位算出部23は、初期姿勢方位を算出する。次に、初期姿勢方位が算出されてから機体10が一定時間走行すると、自車方位算出部23は、その一定時間の走行の間に慣性計測装置81によって検知された角速度を積分処理することによって、方位の変化量を算出する。
そして、このように算出された方位の変化量を初期姿勢方位に足し合わせることによって、自車方位算出部23は、方位の算出結果を更新する。その後、一定時間毎に、姿勢方位の変化量が同様に算出されると共に、順次、姿勢方位の算出結果が更新されていく。以上の構成によって、自車方位算出部23は、機体10の方位を算出する。
表示制御部24は、コンバイン1の状態に応じて表示装置4が種々の画面を表示するように、表示装置4を制御する。本実施形態では、表示制御部24は、操舵制御部30の制御モードと、切替操作具43からの操作信号と、に基づいて、表示装置4に表示される画面を切り替える制御を可能なように構成されている。
操舵制御部30は、走行装置11を制御して機体10を、後述の自動操舵目標ラインGLに沿って自動的に走行させる自動操舵を実行可能なように構成されている。図4に示すように、操舵制御部30は、走行装置11を操舵制御するための複数の制御モードを有する。この制御モードは、自動操舵が実行されないモードである手動操舵モードと、自動操舵を実行可能なモードである自動操舵モードと、を含む複数のモードの間で切り替え可能である。
更に、図4に示すように、自動操舵モードに、第一自動操舵モードと第二自動操舵モードとの二種類が存在する。本実施形態では、複数種類の自動操舵モードに、第一自動操舵モードと、第二自動操舵モードと、が含まれる。
操舵制御部30の制御モードが手動操舵モードであるとき、操舵レバー42の操作に応じた制御信号が操舵制御部30に入力される。操舵制御部30は、この手動操舵の制御信号に応じて、走行装置11を制御することによって、機体10の走行を制御する。これにより、コンバイン1は、操舵制御部30の制御モードが手動操舵モードであるとき、手動操舵走行を行う。
操舵制御部30の制御モードが第一自動操舵モード又は第二自動操舵モードであるとき、操舵制御部30は、自動操舵の制御信号に基づいて、コンバイン1が自動操舵走行を行うように、走行装置11を制御する。第一自動操舵モードは、予め設定された主基準方位TA1に基づいて自動操舵を行う制御モードである。第二自動操舵モードは、手動操舵で直進走行することによって基準方位TBを決定した直後から、基準方位TBに基づいて自動操舵を行う制御モードである。主基準方位TA1及び基準方位TBは本発明の『走行基準』に相当する。また、後述する副基準方位TA2及び自動操舵目標ラインGLも、本発明の『走行基準』に相当する。尚、『直進走行』とは、略直進する走行形態も含む。
尚、コンバイン1のエンジン始動時や電源投入時に、操舵制御部30の制御モードは手動操舵モードに初期設定される。また、コンバイン1のエンジン始動時や電源投入時に、操舵制御部30の制御モードが第一自動操舵モード又は第二自動操舵モードに初期設定される構成であっても良い。
図3に示すように、操舵制御部30は、モード切替部31と、直進判定部32と、方位決定部33(設定部の一例)と、経路生成部34(設定部の一例)と、走行制御部35と、を備えている。
モード切替部31は、操舵制御部30の制御モードを切替可能なように構成されている。モード切替部31は、切替操作具43からの操作信号と、収穫部15の状態と、に基づいて操舵制御部30の制御モードを切り替える。切替操作具43は、操舵制御部30の制御モードを切り替えるための手動操作(人為操作)を受け付ける。第一操作ボタン43Aは、操舵制御部30の制御モードを第一自動操舵モードへ切り替えるための手動操作を受け付ける。第二操作ボタン43Bは、操舵制御部30の制御モードを第二自動操舵モードへ切り替えるための手動操作を受け付ける。
直進判定部32は、機体10が所定の距離に亘って同じ方向に向いて直進したか否かを判定する。
方位決定部33は、操舵制御部30が第一自動操舵モードである場合、自動操舵を実行するための主基準方位TA1を決定する。また、方位決定部33は、操舵制御部30が第二自動操舵モードである場合、自動操舵を実行するための基準方位TBを決定する。経路生成部34は、決定された走行基準(主基準方位TA1、基準方位TB等)に沿って直線状に延びる自動操舵目標ラインGLを生成する。自動操舵目標ラインGLは、自動操舵を行うための基準となる経路である。走行制御部35は、自動操舵目標ラインGLに沿って直進するように、走行装置11を制御可能に構成されている。走行制御部35は、走行装置11を制御することによって、機体10の走行を制御する。
〔基準方位の決定手法について〕
本実施形態では、機体10が手動操舵で所定の距離だけ同じ方向に向いて直進走行すると、方位決定部33は主基準方位TA1を決定可能に構成されている。主基準方位TA1は、自動操舵を行うための基準となる方位である。主基準方位TA1を設定するために機体10が所定の距離だけ同じ方向へ直進走行することを、『ティーチング走行』と称する。
本実施形態におけるティーチング走行を図5に基づいて説明する。オペレータが第一指示操作ボタン43Cを押すと、第一指示操作ボタン43Cの操作タイミングにおける機体10の位置が、第一地点Y1として登録される。第一地点Y1はティーチング走行における始点である。つまり、第一指示操作ボタン43Cは、第一自動操舵モードで用いる主基準方位TA1を予め設定するティーチング走行において第一地点Y1を設定するための手動操作を受け付ける。
尚、オペレータによる誤操作を防止するため、オペレータが第一指示操作ボタン43Cを例えば一秒間に亘って長押しすると、当該長押しの開始時点又は一秒経過時点における機体10の位置が第一地点Y1として登録される構成であっても良い。第一地点Y1が登録されると、第一指示操作ボタン43Cのランプ43c(図3参照)が点灯する。
第一地点Y1の登録後に、オペレータは、手動操作によって第一地点Y1から機体10を直進(又は略直進)させる。このとき、図3に示す直進判定部32は、手動操舵モードにおいて機体10が所定距離D1に亘って同じ方向へ直進したか否かを判定する。詳述すると、操舵レバー42の操作状態を示す信号が、操舵レバー42から検知部21を経由して操舵制御部30へ送られる。直進判定部32は、この信号に基づいて、操舵レバー42が左右方向に操作されているか否かを経時的に判定する。所定距離D1は、特に限定されないが、例えば1メートルであっても良い。
また、機体10の位置座標が、自車位置算出部22から操舵制御部30へ送られる。そして、直進判定部32は、自車位置算出部22から受け取った機体10の位置座標に基づいて、操舵レバー42が操作されていない間の機体10の移動距離を算出する。算出された移動距離が所定距離D1に達した場合、直進判定部32は、機体10が所定距離D1に亘って同じ方向に向いて直進したと判定する。また、算出された移動距離が所定距離D1に達しない場合、直進判定部32は、機体10が所定距離D1に亘って直進していないと判定する。
直進判定部32によって機体10が所定距離D1に亘って同じ方向に向いて直進したと判定された後に、オペレータが第二指示操作ボタン43Dを押すと、第二指示操作ボタン43Dの操作タイミングにおける機体10の位置が、第二地点Y2として登録される。第二地点Y2はティーチング走行における終点である。つまり、第二指示操作ボタン43Dは、当該ティーチング走行において第二地点Y2を設定するための手動操作を受け付ける。
尚、オペレータによる誤操作を防止するため、オペレータが第二指示操作ボタン43Dを例えば一秒間に亘って長押しすると、当該長押しの開始時点又は一秒経過時点における機体10の位置が第二地点Y2として登録される構成であっても良い。第二地点Y2が登録されると、第二指示操作ボタン43Dのランプ43d(図3参照)が点灯する。尚、第一地点Y1が設定されていない状態でオペレータが第二指示操作ボタン43Dを押した場合、第一地点Y1と第二地点Y2との何れも設定されない。
そして、方位決定部33は、第一地点Y1と第二地点Y2とを結ぶ線の方向に基づいて主基準方位TA1を決定する。
尚、第一地点Y1と第二地点Y2とを結ぶ線の方向に基づいて主基準方位TA1が決定された状態で、オペレータが第一指示操作ボタン43Cと第二指示操作ボタン43Dとの少なくとも一方を例えば一秒間に亘って長押しすると、主基準方位TA1の設定が解除される。このとき、ランプ43c,43dが消灯する。
このように、ランプ43c,43dは、第一地点Y1と第二地点Y2とを結ぶ線の方向に基づいて主基準方位TA1が決定された状態で点灯し、第一地点Y1と第二地点Y2とを結ぶ線の方向に基づいて主基準方位TA1が決定されていない状態で消灯する。
また、主基準方位TA1は、図6に示す手法によっても設定可能である。オペレータが切替操作具43の方位設定操作ボタン43Eを押すと、表示制御部24は、方位設定操作ボタン43Eからの操作信号に基づいて方位設定画面52を表示するように表示装置4を制御する。即ち、方位設定操作ボタン43Eは、第一自動操舵モードで用いる主基準方位TA1の方位を予め設定するための手動操作を受け付ける。尚、方位設定画面52は、表示装置4に設けられたボタン(不図示、例えば十字ボタン等)をオペレータが操作することによっても表示可能なように構成されている。
表示装置4に表示される方位設定画面52は、真北を0度として時計回りに0~360度の範囲で数値を設定する画面である。オペレータは、手動操作によって、0~360度の範囲で数値を設定可能である。オペレータがこの設定を完了すると、方位決定部33は、オペレータによって0~360度の範囲で設定された数値に基づいて主基準方位TA1を決定する。このとき、方位設定操作ボタン43Eのランプ43e(図3参照)が点灯する。
ランプ43eは、オペレータが方位設定画面52で設定した数値に基づいて主基準方位TA1が決定された状態で点灯し、オペレータが方位設定画面52で設定した数値に基づいて主基準方位TA1が決定されていない状態で消灯する。
尚、方位設定画面52は、真北を0度として表示する構成に限定されず、東西南北の何れかを0度として表示する構成であっても良い。また、方位設定画面52は、反時計回りに0~360度の範囲を設定する構成であっても良い。
このように、主基準方位TA1は、オペレータが第一指示操作ボタン43Cと第二指示操作ボタン43Dとを操作することによって設定可能であるし、方位設定画面52に表示される方位をオペレータが数値設定することによっても設定可能である。尚、主基準方位TA1が設定される際の操舵制御部30の制御モードは、手動操舵モードであっても良いし、自動操舵モードであっても良い。
主基準方位TA1が決定されると、主基準方位TA1は記憶装置20aに記憶される。尚、記憶装置20aは、主基準方位TA1を一次的に記憶する構成であっても良いし、主基準方位TA1を恒常的に記憶する構成であっても良い。
方位決定部33は、主基準方位TA1を決定すると、図5に示すような副基準方位TA2も設定する。副基準方位TA2は、主基準方位TA1に対して90度ずれた方位を向く。つまり、副基準方位TA2は、主基準方位TA1に対して90度ずれた方位を向くように自動設定される。詳細に関しては後述するが、本実施形態の第一自動操舵モードは、図4に示すように、主モードと副モードとを含んでおり、副基準方位TA2は副モードで用いられる。尚、方位決定部33が、操舵制御部30の制御モードが副モードに切り替えられたときに副基準方位TA2を設定するよう構成されてもよい。設定された副基準方位TA2は、記憶装置20aに記憶される。
〔第一自動操舵モードについて〕
第一自動操舵モードに関して、図3、図4及び図7に基づいて説明する。第一操作ボタン43Aは、操舵制御部30の制御モードを第一自動操舵モードへ切り替えるための手動操作を受け付ける。第一操作ボタン43Aを押す操作を、図4及び図7において『操作#01』と示す。操作#01が行われると、モード切替部31は、操舵制御部30の制御モードを手動操舵モードから第一自動操舵モードへ切り替える。このとき、第一操作ボタン43Aのランプ43a(図3参照)が点灯する。
図4に示すように、第一自動操舵モードには準備状態と自動操舵状態とが存在する。準備状態とは、自動操舵を開始するための準備を整える状態であって、この準備状態においてオペレータによる手動操舵は継続する。自動操舵状態とは、実際に自動操舵が行われている状態である。操舵制御部30の制御モードが手動操舵モードから第一自動操舵モードへ切り替えられたタイミングにおいて、まずは第一自動操舵モードの準備状態に移行する。つまり、第一自動操舵モードは準備状態から開始する。
尚、操舵制御部30の制御モードが第一自動操舵モードである状態で操作#01が行われると、モード切替部31は、図4に示すように、操舵制御部30の制御モードを第一自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替える。加えて、操舵制御部30の制御モードが第二自動操舵モードである状態で操作#01が行われると、モード切替部31は、図4に示すように、操舵制御部30の制御モードを第一自動操舵モードへ切り替える。この場合にも、第一自動操舵モードは準備状態から開始する。
尚、第一自動操舵モードが準備状態であって主基準方位TA1が設定(決定)されていない場合、オペレータに主基準方位TA1の設定(決定)を促すガイダンス画面が表示装置4に表示される構成であっても良い。
図7は、地点P1で操作#01が行われ、操舵制御部30の制御モードが手動操舵モードから第一自動操舵モードへ切り替わる状態を示している。地点P1から、第一自動操舵モードの準備状態に移行する。
第一自動操舵モードが準備状態である場合、操舵制御部30は、自動操舵状態へ移行するための条件#01又は条件#02が満たされているか否かを判定する。同時に表示制御部24は、自動操舵状態へ移行するための操作をオペレータに促すガイダンス画面を表示装置4に表示させる。このとき、オペレータは、自動操舵状態へ移行するための条件を整えるため、コンバイン1を手動で操作する。つまり、第一自動操舵モードの準備状態に基づいて、オペレータが機体10の方位姿勢を主基準方位TA1又は副基準方位TA2に合わせるように手動操舵を行う。図7は、第一自動操舵モードが準備状態である状態で、機体10が手動操舵に基づいて地点P1と地点P3とに亘って走行している状態を示している。
第一自動操舵モードが準備状態から自動操舵状態へ移行するための条件#01及び条件#02に、下記の条件項目No.1~5が含まれる。
条件項目No.1:自車位置算出部22の算出結果に基づいて機体10が前進している状態である。
条件項目No.2:搭乗部12に設けられた主変速レバー40の状態が上述の前進用操作位置に設定されている。
条件項目No.3:副変速スイッチ41が上述の作業用の変速状態である(不図示の副変速装置が作業用の変速状態である)。
条件項目No.4:収穫部15への動力伝達のためのクラッチが動力伝達状態になっている。
条件項目No.5:収穫部15が上述の作業位置に下降している。
尚、本実施形態の第一自動操舵モードは、主モードと副モードとを含んでいる。主モードは、予め設定された主基準方位TA1に基づいて自動操舵を行うモードである。副モードは、主基準方位TA1又は主基準方位TA1に基づいて自動生成された副基準方位TA2に基づいて自動操舵を行うモードである。
切替操作具43は変更操作ボタン43Fを有する。変更操作ボタン43Fは、主モードと副モードとを切り替えるための手動操作を受け付ける。変更操作ボタン43Fを押す操作を、図4において『操作#03』と示す。つまり、操作#03が行われる度に、主モードと副モードとが交互に切替わる。尚、操作#03は、手動操舵モードにおいても受け付け可能である。変更操作ボタン43Fのランプ43f(図3参照)は、操舵制御部30の制御モードが副モードに設定されている場合に点灯し、操舵制御部30の制御モードが主モードに設定されている場合に消灯する。
操舵制御部30の制御モードが主モードに設定されている場合、第一自動操舵モードにおける自動操舵に主基準方位TA1が用いられる。第一自動操舵モードが自動操舵状態へ移行するための条件#01に、下記の条件項目No.6が含まれる。
条件項目No.6:自車方位算出部23によって算出された機体10の姿勢方位と、主基準方位TA1と、の差が予め設定された角度(例えば3度)以内である。
つまり、本実施形態で、第一自動操舵モードが自動操舵状態へ移行するための条件#01は、条件項目No.1~6の全てを満たすことである。
操舵制御部30の制御モードが副モードに設定されている場合、第一自動操舵モードにおける自動操舵に主基準方位TA1と副基準方位TA2との一方が用いられる。副モードの場合、操舵制御部30は、主基準方位TA1と副基準方位TA2とのうち、自車方位算出部23によって算出された機体10の姿勢方位に対して方位ズレの小さな一方を選択する。
つまり、主モードの場合には主基準方位TA1のみが選択され、副モードの場合には主基準方位TA1と副基準方位TA2とのうち機体10の姿勢方位に対して方位ズレの小さな一方が選択される。
操舵制御部30の制御モードが副モードに設定されている場合、第一自動操舵モードが自動操舵状態へ移行するための条件#02に、下記の条件項目No.7が含まれる。
条件項目No.7:自車方位算出部23によって算出された機体10の姿勢方位と、主基準方位TA1と副基準方位TA2との選択された一方と、の差が予め設定された角度(例えば3度)以内である。
つまり、本実施形態で、第一自動操舵モードが自動操舵状態へ移行するための条件#02は、条件項目No.1~5,7の全てを満たすことである。
第一自動操舵モードが準備状態である状態、かつ、条件#01又は条件#02が満たされている状態であると、自動操舵状態への切り替えが可能となる。この状態のまま、機体10が所定距離D2を走行すると、経路生成部34が自動操舵目標ラインGLを生成すると共に、第一自動操舵モードが準備状態から自動操舵状態へ移行する。
図7は、地点P3で条件#01又は条件#02が満たされ、機体10が地点P3と地点P4とに亘って所定距離D2を走行する状態を示している。所定距離D2は、特に限定されないが、例えば1メートルであっても良い。
第一自動操舵モードが自動操舵状態へ移行するとき、経路生成部34は、図7に示すように、自動操舵目標ラインGLを生成する。自動操舵目標ラインGLは、平面視で機体10における特定の基準点Kを通ると共に主基準方位TA1と副基準方位TA2との選択された一方に沿う方向に延びる。そして、自動操舵目標ラインGLを示す情報が、経路生成部34から走行制御部35へ送られる。
操舵制御部30の制御モードが第一自動操舵モードであって、第一自動操舵モードが自動操舵状態であるとき、走行制御部35は、自車位置算出部22から受け取った機体10の位置座標と、自車方位算出部23から受け取った機体10の姿勢方位と、経路生成部34から受け取った自動操舵目標ラインGLを示す情報と、に基づいて、コンバイン1の走行を制御する。より具体的には、走行制御部35は、自動操舵目標ラインGLに沿った自動操舵走行によって刈取走行が行われるように、機体10の走行を制御する。このとき、走行制御部35は、例えば、基準点Kが自動操舵目標ラインGL上に位置するように、機体10の走行を制御する。このとき、オペレータが主変速レバー40を上述の前進用操作位置の範囲内で微調整すると、自動操舵が継続しながら、コンバイン1の車速が変化する。
このように、操舵制御部30は、主基準方位TA1と副基準方位TA2との選択された一方に沿って自動的に走行するように自動操舵を実行する。
自動操舵状態の解除方法について説明する。操舵制御部30は、自動操舵の実行中に、図4に示す『状態#01』が検知部21によって検知された場合、自動操舵を終了する。『状態#01』は、作業の停止に関する状態である。即ち、検知部21は作業の停止を検知する。状態#01には、下記の状態項目No.1~6が含まれる。
状態項目No.1:主変速レバー40が前進用操作位置以外の操作位置に操作される。
状態項目No.2:副変速スイッチ41が作業用の変速状態でなくなる(不図示の副変速装置が作業用の変速状態ではなくなる)。
状態項目No.3:刈取脱穀クラッチ44が収穫部15に対して動力非伝達状態になる。
状態項目No.4:収穫部15が非作業位置に移動する(収穫高さセンサ45によって当該非作業位置が検出される)。
状態項目No.5:収穫部15を非作業位置に移動させるための操作が行われる(操舵レバー42が後方向に操作される)。
状態項目No.6:予め設定された操作量以上に操舵レバー42が左右方向に操作される。
つまり、状態#01とは、状態項目No.1~6の何れかが検知部21によって検知されることである。換言すると、状態#01とは、オペレータが状態項目No.1~6の何れかの操作を行うことである。状態#01が検知部21によって検知されると自動操舵が解除され、第一自動操舵モードが自動操舵状態から準備状態へ移行する。つまり、操舵制御部30は、第一自動操舵モードに基づく自動操舵の実行中に検知部21によって作業の停止が検知された場合、制御モードを第一自動操舵モードに維持したままで、自動操舵を終了する。このとき、第一操作ボタン43Aのランプ43aは点灯したままである。
このことから、例えばオペレータが、圃場の畦際で状態#01に該当する操作を行って自動操舵を一時的に停止させた後、機体10を90度又は180度だけ旋回させ、主基準方位TA1と副基準方位TA2との選択された一方に沿って走行させると、上述の条件#01又は条件#02を満たすことが可能となる。これにより、自動操舵の一時的な停止だけで、そのまま自動操舵が再開される。
このように、検知部21は、所定の停止条件が満たされたことに応じて作業の停止を検知するように構成されている。この停止条件には、主変速レバー40が前進用操作位置以外の操作位置に操作されること、不図示の副変速装置が作業用の変速状態でなくなること、収穫部15への動力伝達のための刈取脱穀クラッチ44が動力非伝達状態になること、収穫部15が非作業位置に移動すること、収穫部15を非作業位置に移動させるための操作が行われること、操舵レバー42が操作されること、のうちの少なくとも一つが含まれている。
また、操舵制御部30が第一自動操舵モードにおいて自動操舵を実行している最中に、オペレータが第一操作ボタン43Aを押すと(操作#01)、モード切替部31は、図4に示すように、操舵制御部30の制御モードを第一自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替えて、操舵制御部30の自動操舵は終了する。つまり、第一自動操舵モードに基づく自動操舵の実行中に切替操作具43の第一操作ボタン43Aが操作された場合、操舵制御部30は自動操舵を終了し、且つ、制御モードは手動操舵モードに切り替わる。このとき、第一操作ボタン43Aのランプ43aが消灯する。
ランプ43aは、操舵制御部30の制御モードが第一自動操舵モードである状態で点灯し、操舵制御部30の制御モードが第一自動操舵モードではない状態で消灯する。
自動操舵が解除されると、操舵制御部30から走行装置11へ出力される操舵量はゼロとなって、走行装置11における左右のクローラの速度差がゼロ又は略ゼロとなる。これにより、走行装置11は常に直進状態となる。つまり、操舵制御部30は、自動操舵の終了時に、走行装置11を直進状態に制御する。
このように、第一自動操舵モードに基づく自動操舵は、圃場が四角形である場合、特に活用し易い構成となっている。コンバイン1が圃場の内側を往復しながら刈取走行を行う場合、刈取走行を行う際の直進方向が揃うため、オペレータが初心者の場合であっても、オペレータは、刈取走行を行う際に容易に機体10を直進(又は略直進)させられる。また、コンバイン1が圃場で中割り走行(コンバイン1の左右両方に未収穫の作物が存在する状態で前進しながら刈取走行すること)を行う際に、前方が作物に覆われてオペレータが機体10の前方を視認し難い場合であっても、第一自動操舵モードに基づく自動操舵によって、機体10は自動操舵目標ラインGLに沿って精度よく走行できる。
〔第二自動操舵モードについて〕
第二自動操舵モードに関して、図3、図4及び図8に基づいて説明する。上述したように、第二自動操舵モードは、手動操舵で直進走行することによって基準方位TBを決定した直後から、基準方位TBに基づいて自動操舵を行う制御モードである。このため、主基準方位TA1が予め設定されていなくても、第二自動操舵モードに基づく自動操舵が可能である。また、主基準方位TA1が予め設定されている場合においても、記憶された主基準方位TA1が消去されることなく、主基準方位TA1とは別の基準方位TBに基づいて自動操舵が可能である。
第二操作ボタン43Bは、操舵制御部30の制御モードを第二自動操舵モードへ切り替えるための手動操作を受け付ける。第二操作ボタン43Bを押す操作を、図4及び図8において『操作#02』と示す。図8は、地点P5で操作#02が行われ、操舵制御部30の制御モードが手動操舵モードから第二自動操舵モードへ切り替わる状態を示している。地点P5から、第二自動操舵モードの準備状態に移行する。つまり、操作#02が行われると、モード切替部31は、操舵制御部30の制御モードを手動操舵モードから第二自動操舵モードへ切り替える。このとき、第二操作ボタン43Bのランプ43b(図3参照)が点灯する。
図4に示すように、第一自動操舵モードと同様に、第二自動操舵モードには準備状態と自動操舵状態とが存在する。準備状態とは、自動操舵を開始するための準備を整える状態であって、この準備状態においてオペレータによる手動操舵は継続する。自動操舵状態とは、実際に自動操舵が行われている状態である。操舵制御部30の制御モードが手動操舵モードから第二自動操舵モードへ切り替えられたタイミングにおいて、まずは第二自動操舵モードの準備状態に移行する。つまり、第二自動操舵モードは準備状態から開始する。
第二自動操舵モードが準備状態である場合、操舵制御部30は、自動操舵状態へ移行するための条件#03が満たされているか否かを判定する。同時に表示制御部24は、自動操舵状態へ移行するための操作をオペレータに促すガイダンス画面を表示装置4に表示させる。このとき、オペレータは、自動操舵状態へ移行するための条件を整えるため、コンバイン1を手動で操作する。
尚、操舵制御部30の制御モードが第二自動操舵モードである状態で操作#02が行われると、モード切替部31は、図4に示すように、操舵制御部30の制御モードを第二自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替える。また、操舵制御部30の制御モードが第一自動操舵モードである状態で操作#02が行われると、モード切替部31は、図4に示すように、操舵制御部30の制御モードを第二自動操舵モードへ切り替える。この場合にも、第二自動操舵モードは準備状態から開始する。
第二自動操舵モードを準備状態から自動操舵状態へ切り替えるための条件#03に、上述の条件項目No.1~5に加えて、下記の条件項目No.8が含まれる。
条件項目No.8:機体10が所定距離D3に亘って同じ方向に向いて直進したことが直進判定部32によって判定された。
つまり、本実施形態で、第二自動操舵モードが準備状態から自動操舵状態へ移行するための条件#03は、条件項目No.1~5,8の全てを満たすことである。所定距離D3は、特に限定されないが、例えば1メートルであっても良い。
第二自動操舵モードが準備状態であるとき、方位決定部33は、自車位置算出部22から受け取った機体10の位置座標に基づいて、操舵レバー42が左右方向に操作されていない間の機体10の位置座標の推移を記憶する。そして、直進判定部32によって、機体10が所定距離D3に亘って同じ方向に向いて直進したと判定されたとき、方位決定部33は、記憶している位置座標のうちの二地点を、第一地点Y3及び第二地点Y4として決定する。
このとき、方位決定部33は、直進判定部32によって機体10が所定距離D3に亘って同じ方向に向いて直進したと判定された時点での機体10の位置座標を、第二地点Y4として決定する。また、方位決定部33は、所定距離D3に亘って行われた直進の開始時点での機体10の位置座標を、第一地点Y3として決定する。
言い換えれば、所定距離D3に亘って行われた直進の始点及び終点が、夫々、第一地点Y3及び第二地点Y4として決定される。
そして、方位決定部33は、第一地点Y3と第二地点Y4とに基づいて、自動操舵のための基準方位TBを決定する。
より具体的には、方位決定部33は、第一地点Y3から第二地点Y4へ向かう直線の方向を算出する。ここで、第一地点Y3から第二地点Y4へ向かう直線の方向は、所定距離D3に亘って行われた直進の方向に等しい。即ち、方位決定部33は、所定距離D3に亘って行われた直進の方向を算出する。そして、方位決定部33は、算出された方向を、基準方位TBとして決定する。
図8は、第二地点Y4で条件#03が満たされ、機体10が第一地点Y3と第二地点Y4とに亘って所定距離D3を走行する状態を示している。第二自動操舵モードが準備状態である状態、かつ、第二自動操舵モードへ切り替えるための条件#03が満たされている状態であると、経路生成部34が自動操舵目標ラインGLを生成すると共に、第二自動操舵モードが準備状態から自動操舵状態へ移行する。
このとき、経路生成部34は、図8に示すように、平面視で機体10における特定の基準点Kを通ると共に基準方位TBに沿う方向に延びるように、自動操舵目標ラインGLを生成する。そして、自動操舵目標ラインGLを示す情報が、操舵制御部30から走行制御部35へ送られる。つまり、操舵制御部30は、基準方位TBに沿って自動的に直進走行するように自動操舵を実行する。
操舵制御部30の制御モードが第二自動操舵モードであるときにおける走行制御部35の制御の態様は、操舵制御部30の制御モードが第一自動操舵モードであるときにおける走行制御部35の制御の態様と同じである。つまり、走行制御部35は、自車位置算出部22から受け取った機体10の位置座標と、自車方位算出部23から受け取った機体10の姿勢方位と、操舵制御部30から受け取った自動操舵目標ラインGLを示す情報と、に基づいて、コンバイン1の走行を制御する。
第二自動操舵モードの解除方法について説明する。操舵制御部30は、自動操舵の実行中に、図4に示す『状態#01』が検知部21によって検知された場合、自動操舵を終了する。『状態#01』は、作業の停止に関する状態であって、上述の状態項目No.1~6の何れかが検知部21によって検知されることである。換言すると、状態#01とは、オペレータが状態項目No.1~6の何れかの操作を行うことである。即ち、検知部21は作業の停止を検知する。
状態#01が検知部21によって検知されると、自動操舵が解除され、第二自動操舵モードが自動操舵状態から準備状態へ移行する。つまり、操舵制御部30は、第二自動操舵モードに基づく自動操舵の実行中に検知部21によって作業の停止が検知された場合、制御モードを第二自動操舵モードに維持したままで、自動操舵を終了する。このとき、第二操作ボタン43Bのランプ43bは点灯したままである。
このことから、例えばオペレータが、圃場の畦際で状態#01に該当する操作を行って自動操舵を一時的に停止させた後、機体10を旋回させ、その後に直進走行させると、上述の条件#03を満たすことが可能となる。これにより、自動操舵の一時的な停止だけで、そのまま自動操舵が再開される。
また、操舵制御部30が第二自動操舵モードにおいて自動操舵を実行している最中に、オペレータが第二操作ボタン43Bを押すと(操作#02)、モード切替部31は、図4に示すように、操舵制御部30の制御モードを第二自動操舵モードから手動操舵モードへ切り替えて、操舵制御部30による自動操舵は終了する。つまり、第二自動操舵モードに基づく自動操舵の実行中に切替操作具43の第二操作ボタン43Bが操作された場合、操舵制御部30は自動操舵を終了し、且つ、制御モードは手動操舵モードに切り替わる。このとき、第二操作ボタン43Bのランプ43bが消灯する。
ランプ43bは、操舵制御部30の制御モードが第二自動操舵モードである状態で点灯し、操舵制御部30の制御モードが第二自動操舵モードではない状態で消灯する。
自動操舵が解除されると、操舵制御部30から走行装置11へ出力される操舵量はゼロとなって、走行装置11における左右のクローラの速度差がゼロ又は略ゼロとなる。これにより、走行装置11は常に直進状態となる。つまり、操舵制御部30は、自動操舵の終了時に、走行装置11を直進状態に制御する。
このように、第二自動操舵モードでは、主基準方位TA1のような基準方位が予め設定されていなくても、その場で直進走行すると基準方位TBが決定されて自動操舵が可能な構成となっている。このため、第二自動操舵モードは第一自動操舵モードよりも手軽な自動操舵を可能とする。
第二自動操舵モードは、例えば三角形の圃場や五角形以上の多角形の圃場で活用し易い。また、オペレータは、第一自動操舵モードの説明で上述した中割り走行において第一自動操舵モードを活用し、中割り走行以外の走行において第二自動操舵モードを活用することも可能である。このように、本実施形態ではオペレータが第一自動操舵モードと第二自動操舵モードとを使い分けることが可能である。
尚、第二自動操舵モードでは一つの基準方位TBが設定される構成となっているが、基準方位TBと、基準方位TBに直交する別の基準方位と、が設定される構成であっても良い。例えば、基準方位TBに沿って自動操舵が行われた後に90度の旋回が見込まれる場合、基準方位TBと当該別の基準方位とが設定される構成であっても良い。この構成であれば、基準方位TBに沿って自動操舵が行われた後、オペレータは、機体10を90度旋回させてから、機体10の姿勢方位を基準方位TBと直交する方位に合わせ易くなり、そのまま当該別の基準方位に沿って第二自動操舵モードに基づく自動操舵を再開させ易くなる。
〔自動操舵に関する画面について〕
本実施形態では、表示制御部24は、図9に示すように、ステータス画面50や、自動操舵に関する情報を表示するためのガイダンス用画面51等を含む複数の画面を表示装置4に切替表示させる制御を可能である。本実施形態における切替操作具43は画面切替ボタン43Hを有し、画面切替ボタン43Hは表示装置4の表示をガイダンス用画面51へ切り替えるための手動操作を受け付ける。表示装置4にステータス画面50が表示されている状態で、オペレータが画面切替ボタン43Hを押すと、表示装置4の表示がガイダンス用画面51に切り替わる。
尚、表示装置4にガイダンス用画面51が表示されている状態で、オペレータが画面切替ボタン43Hを押すと、表示装置4の表示がステータス画面50に切り替わる構成であっても良い。つまり、オペレータが画面切替ボタン43Hを押す度に、表示装置4の表示がステータス画面50とガイダンス用画面51とに交互に切り替わる構成であっても良い。この場合、画面切替ボタン43Hに設けられたランプ43h(図3参照)が、ガイダンス用画面51の表示と非表示とに連動する構成であっても良い。また、ガイダンス用画面51は、表示装置4に設けられたボタン(不図示、例えば十字ボタン等)をオペレータが操作することによっても表示可能なように構成されている。
ステータス画面50には、例えば、コンバイン1の車速、エンジン回転数、収穫部15の位置(作業位置又は非作業位置)、燃料及び(又は)尿素水の残量、チャフシーブ(不図示)の開度、穀粒タンク14の貯留量、等に関する情報が画面全体で表示される。つまり、ステータス画面50は、画面全体で走行と作業と関する情報を表示する。
また、ステータス画面50の上部における左右中央部分にモード表示部50Aが存在する。モード表示部50Aに、操舵制御部30の現状の制御モードが表示される。つまり、手動操舵モード、第一自動操舵モード、第二自動操舵モードの何れか一つが、現状の制御モードに応じてモード表示部50Aに表示される。
ガイダンス用画面51に、上下に分割された二つの領域が存在する。ガイダンス用画面51の下側領域に、ステータス表示領域51Aが表示される。ステータス表示領域51Aに、ガイダンス用画面51に表示されているものと同様に、コンバイン1の車速、エンジン回転数、収穫部15の位置、燃料の残量、チャフシーブの開度、穀粒タンク14の貯留量、等に関する情報が表示される。ガイダンス用画面51の上側領域に、自動操舵用領域51Bが表示される。自動操舵用領域51Bに自動操舵に関する情報が表示される。つまり、表示制御部24は、画面全体を二つに分割したガイダンス用画面51における下側のステータス表示領域51Aに走行と作業とに関する情報を表示すると共に、自動操舵用領域51Bに自動操舵に関する情報を表示する。
また、自動操舵用領域51Bの左上部にモード表示部51Cが存在する。モード表示部51Cに、モード表示部50Aに表示される情報と同じ情報が表示される。
加えて、自動操舵用領域51Bの右上部に圃場状態表示部51Dが存在する。圃場状態表示部51Dには、圃場の状態に対応した設定の情報が表示され、『普通』と『湿田』との何れかが表示される。
尚、モード表示部50A及びモード表示部51Cの背景色は、第一自動操舵モードと第二自動操舵モードとで異なる。第一自動操舵モードの場合に当該背景色は緑色となって、第二自動操舵モードの場合に当該背景色は青色となる。また、モード表示部50A及びモード表示部51Cの文字色が、第一自動操舵モードと第二自動操舵モードとで異なる構成であっても良い。更に、ステータス表示領域51A、自動操舵用領域51B及び圃場状態表示部51Dに関しても、第一自動操舵モードと第二自動操舵モードとで背景色や文字色が異なる構成であっても良い。
例えば操舵制御部30の制御モードが第一自動操舵モードと第二自動操舵モードとの一方であって、当該一方が準備状態である場合、自動操舵用領域51Bに、自動操舵の開始条件を表示する条件情報が表示される。例えば、条件情報は、上述の条件項目No.1~8の少なくとも一つであって、上述の条件#01~条件#03に応じて切替表示される。条件を満たしている項目が、条件を満たしていない項目と異なる色で表示されたり、点滅表示されたりする。これにより、オペレータが条件を満たしている項目を視認し易くなる。
操舵制御部30の制御モードが第一自動操舵モードであって、かつ、第一自動操舵モードが準備状態である場合、自動操舵用領域51Bに、上述の条件項目No.6又は条件項目No.7が表示される。上述の主モードが設定されると条件項目No.6が表示され、上述の副モードが設定されると条件項目No.7が表示される。尚、本実施形態では、自動操舵用領域51Bに条件項目No.7が表示される際には、画面上に主基準方位TA1と副基準方位TA2との選択された一方が表示され、主基準方位TA1及び副基準方位TA2は同時に表示されない。これにより、オペレータは、機体10の姿勢方位が主基準方位TA1と副基準方位TA2とのどちらに近いかを容易に認識できる。
なお、自動操舵用領域51Bに条件項目No.7が常に表示されると、オペレータが煩わしく感じる虞が考えられる。このような不都合を回避するため、機体10の姿勢方位と、主基準方位TA1(又は副基準方位TA2)と、の差が予め設定された閾値以下である場合に、自動操舵用領域51Bに、上述の条件項目No.7が表示されるよう、表示制御部24が構成されてもよい。閾値は、例えば10度に設定される。
加えて、表示制御部24は、機体10の方位ズレに応じて、オペレータに操舵レバー42の操作を促す案内を自動操舵用領域51Bに表示する。例えば図7では、地点P1で機体10が主基準方位TA1又は副基準方位TA2に対して左向きに方位ズレしている場合、表示制御部24は、右側への旋回操作を促すメッセージ等を自動操舵用領域51Bに表示する。また、地点P2で機体10が主基準方位TA1又は副基準方位TA2に対して右向きに方位ズレしている場合、表示制御部24は、左側への旋回操作を促すメッセージ等を自動操舵用領域51Bに表示する。
機体10の姿勢方位、主基準方位TA1及び副基準方位TA2の表示形式は、特に限定されないが、例えば、東西南北を基準とした形式(例えば、「北」や「北27度東」等)であっても良いし、座標系における単位ベクトルであっても良い。
上述の条件#01、条件#02又は条件#03が満たされ、自動操舵の開始条件が揃うと、第一自動操舵モード又は第二自動操舵モードにおける状態が、準備状態から自動操舵状態へ移行する。図10に示すように、機体10が所定距離D2又は所定距離D3を走行している間、表示制御部24は、自動操舵の開始を予告する画面を自動操舵用領域51Bに表示する。自動操舵の開始を予告する画面の表示形式は、特に限定されないが、例えば経時的に左右一方から左右他方へ延びるプログレスバーで表示されても良いし、数値(例えば秒数)表示であっても良い。
図11に示すように、実際に自動操舵が開始されると、表示制御部24は、自動操舵中であることを自動操舵用領域51Bに表示する。自動操舵中の画面には、自動操舵を解除するための操作方法の案内が表示される。例えば図11では、「収穫部上げで自動操舵停止」と表示され、この表示は上述の状態項目No.5に該当する。
〔感度の変更に関する構成〕
本実施形態では、制御部20は、感度変更部37を備えている。走行制御部35は、誤差算出部35a、及び操舵量算出部35bを備えている。
誤差算出部35aは、設定された走行基準に対する誤差を算出する。詳しくは、誤差算出部35aは、自車位置算出部22から受け取った機体10の位置座標と、自車方位算出部23から受け取った機体10の姿勢方位と、経路生成部34から受け取った自動操舵目標ラインGLを示す情報と、に基づいて、誤差を算出する。
具体的には、誤差算出部35aは、誤差として、機体10の位置座標と自動操舵目標ラインGLとの間の距離である位置誤差、及び機体10の姿勢方位と自動操舵目標ラインGLとのなす角である方位誤差を算出する。誤差算出部35aが、位置誤差及び方位誤差の一方を算出するよう構成されてもよい。
操舵量算出部35bは、誤差算出部35aにより算出された誤差に基づいて、誤差が小さくなるような操舵指示量を算出する。操舵指示量は、走行装置11を制御して操舵させるための指示量である。
本実施形態では、操舵指示量は、左右一方のクローラへの動力伝達を停止する時間である。本実施形態では、エンジンからの動力が左右のクラッチを介して左右のクローラへ伝達される。操舵指示量が「左への操舵、1秒間」である場合、左のクラッチが1秒間切断され、左のクローラへの動力伝達が1秒間停止する。これにより、コンバイン1の機体10の走行方位は左へ変化する。
走行制御部35は、操舵量算出部35bが算出した操舵指示量に基づいて、走行装置11を制御する。具体的には、走行制御部35は、左右のクラッチを制御して、左右のクローラへのエンジンからの動力伝達を、操舵指示量が示す時間だけ切断する。
操舵指示量の算出について詳しく説明する。本実施形態では、誤差の大きさに応じて、以下の3つの態様で操舵指示量が算出される。
(態様1)誤差がゼロ以上、且つ第一操舵閾値未満であるとき、操舵量算出部35bは操舵指示量をゼロと算出する。すなわち、誤差がゼロに近い場合、操舵は行われない。第一操舵閾値は、例えば、3度である。
(態様2)誤差が第一操舵閾値以上第二操舵閾値未満であるとき、操舵量算出部35bは操舵指示量を最小操舵量と算出する。最小操舵量は、予め設定された定数である。第二操舵閾値は、例えば、5度である。
(態様3)誤差が第二操舵閾値以上であるとき、操舵量算出部35bは、操舵指示量を、誤差の増分に比例する量に最小操舵量を加えた量と算出する。すなわち、操舵指示量は次の数式によって算出される。
(操舵指示量)=(比例定数)×{(誤差)-(第二操舵閾値)}+(最小操舵量)
なお操舵量算出部35bは、誤差の向きとは逆の操舵指示量を出力する。例えば、位置誤差が左(又は右)である場合、操舵量算出部35bは右(又は左)の操舵指示量を出力する。方位誤差が左(又は右)である場合、操舵量算出部35bは右(又は左)の操舵指示量を出力する。
〔感度の変更〕
感度変更部37は、操舵量算出部35bが操舵指示量を算出する際の、誤差に対する感度を変更する。本実施形態では、感度変更部37は、感度として、上述した最小操舵量を変更する。
最小操舵量を変更して大きくした場合、上述した態様2及び態様3で算出される操舵指示量が大きくなる。すなわち、機体10が誤差に対して敏感に操舵されることになる。
記憶装置20aに、乾田に対応するための感度としての第一感度と、湿田に対応するための感度としての第二感度と、が予め記憶されている。感度変更部37が、感度を第一感度又は第二感度の何れかに変更する。
本実施形態では、第二感度は第一感度よりも大きく設定されている。すなわち、湿田に対応する最小操舵量は、乾田に対応する最小操舵量よりも大きく設定されている。第一感度は、例えば、0.5秒である。第二感度は、例えば、1秒である。
感度変更部37は、感度切替ボタン43Gが押されたことに応じて、感度を、第一感度と第二感度との間で変更する。感度切替ボタン43Gが、本発明の「操作具」に対応する。
感度が第一感度に設定されると、表示制御部24は、ガイダンス用画面51における圃場状態表示部51Dの文字列を、乾田であることを示す「普通」に変更する。このとき、感度切替ボタン43Gのランプ43g(図3参照)は消灯状態となる。
感度が第二感度に設定されると、表示制御部24は、ガイダンス用画面51における圃場状態表示部51Dの文字列を、湿田であることを示す「湿田」に変更する。このとき、感度切替ボタン43Gのランプ43gは点灯状態となる。
〔感度の設定及び自動操舵の処理フロー〕
制御部20は、図12に示される処理フローを実行する。この処理フローは、コンバイン1を起動すると実行される。
コンバイン1が起動されると、感度変更部37は、感度を第一感度に設定する(ステップS101)。
感度変更部37は、感度切替ボタン43Gへの操作を監視する(ステップS102)。感度切替ボタン43Gが押されると(ステップS102:Yes)、感度変更部37は、感度を第二感度に変更する(ステップS103)。
ステップS102:Noの場合、及びステップS103の終了後、方位決定部33が、主基準方位TA1又は基準方位TBを算出する(ステップS104)。主基準方位TA1の算出は、ティーチング走行又は方位設定画面52での操作入力に基づいて行われる。基準方位TBの算出は、第二自動操舵モードでの手動の直進走行の際に算出される。
ステップS104の終了後、操舵制御部30は第一自動操舵モード又は第二自動操舵モードでの自動操舵走行を開始する(ステップS105)。
自動操舵走行の実行中、誤差算出部35aは設定された走行基準に対する誤差を算出する(ステップS106)。
設定された走行基準に対する誤差が算出されると、操舵量算出部35bは、ステップS106で算出された誤差、及びステップS101又はステップS103で設定された感度に基づいて、操舵指示量を算出する(ステップS107)。
操舵指示量が算出されると、走行制御部35は、ステップS107で算出された操舵指示量に基づいて、走行装置11を制御する(ステップS108)。
検知部21が作業の終了を検知するまで(ステップS109:No)、ステップS106、S107、及びS108の処理が繰り返される。
検知部21が作業の終了を検知すると(ステップS109:Yes)、操舵制御部30は自動操舵走行を終了する(ステップS110)。そして処理フローは終了する。
〔第一実施形態の変形例〕
以下、第一実施形態の変形例を説明する。
(1)記憶装置20aに予め記憶される感度は、乾田に対応する第一感度と湿田に対応する第二感度に限られない。他の圃場の状態に対応する感度が記憶装置20aに予め記憶されてもよい。
なお、「乾田」及び「湿田」の語は、オペレータが理解しやすいように用いられている。第一感度が乾田以外で用いられてもよい。第二感度が湿田以外で用いられてもよい。
(2)感度変更部37が、コンバイン1の起動時に、感度を第二感度に設定するよう構成されてもよい。感度変更部37が、コンバイン1の起動時に、感度を前回用いられた感度に再び設定するよう構成されてもよい。
(3)感度は3段階以上に変更されてもよい。すなわち、3つ以上の感度が記憶装置20aに予め記憶され、感度変更部37により切り替えられてもよい。また、感度が無段階に変更されてもよい。
(4)感度変更部37が、センサの検出結果に基づいて感度を変更するよう、構成されてもよい。例えば、センサはカメラである。制御部20が、カメラの撮影画像に基づいて圃場の状態を判断し、感度変更部37が、判断結果に基づいて感度を変更するよう構成されてもよい。例えば、センサは、走行装置11の圃場への沈み込み量を測定するセンサである。感度変更部37が、測定された沈み込み量に基づいて感度を変更するよう構成されてもよい。
(5)感度変更部37が、穀粒タンク14の貯留量に基づいて感度を変更するよう構成されてもよい。穀粒タンク14の貯留量は、センサにより検出されてもよいし、走行距離や作業時間に基づいて推定されてもよい。例えば、感度変更部37が、穀粒タンク14の貯留量が大きいほど感度を大きくするよう構成されてもよい。
作業車が収穫機である場合、貯留されている収穫物の量に基づいて、感度変更部37が感度を変更するよう構成されてもよい。作業車が農用資材(肥料や薬剤等)を散布する車両である場合、貯留されている農用資材の量に基づいて、感度変更部37が感度を変更するよう構成されてもよい。
〔第二実施形態〕
以下、本発明の別の実施形態について説明する。第一実施形態と異なる点を中心に説明する。第一実施形態と同様の構成については同じ符号が付される。また、第一実施形態と同様の構成及び処理については説明が省略される場合がある。
本実施形態では、算出された操舵指示量に対する実際の走行状態の変化量である応答性が算出される。そして、算出された応答性が所定の閾値よりも低い場合に、感度が増加される。すなわち、応答性が低い場合には感度が徐々に大きくなる。

図13に示されるように、本実施形態の感度変更部37は、応答性算出部37aを備える。
応答性算出部37aは、算出された操舵指示量に対する実際の走行状態の変化量である応答性を算出する。走行状態は、例えば、方位決定部33が決定する機体10の姿勢方位(走行方位)である。方位決定部33は、本発明の「方位取得部」の一例である。
応答性の算出について具体的に説明する。誤差算出部35aが誤差を算出し、操舵量算出部35bが操舵指示量を算出し、走行制御部35が走行装置11の制御(操舵)を行ったとする。この時点を、時点t1と呼ぶ。
応答性算出部37aは、時点t1での機体10の走行方位を取得する。この走行方位を、方位T1と呼ぶ。
応答性算出部37aは、時点t1から所定の時間(例えば1秒後)が経過した時点(時点t2とする)での、機体10の走行方位を取得する。この走行方位を、方位T2と呼ぶ。
方位T1と方位T2との差(角度差)は、時点t1で算出された操舵指示量に対する、実際の走行状態(機体方位)の変化量である。応答性算出部37aは、方位T1と方位T2との角度差を、応答性として算出する。
感度変更部37は、算出された応答性が所定の閾値よりも低い場合に、感度を増加させる。所定の閾値は、例えば1度である。具体的には、感度変更部37は、応答性が所定の閾値よりも低いと判定する度に、感度としての最小操舵量を所定の増分だけ増加させる。所定の増分は、例えば、0.5秒である。
本実施形態では、記憶装置20aに、感度の初期値である初期感度が予め記憶されている。初期感度は、例えば、0.5秒の最小操舵量である。感度変更部37は、感度を初期感度から増加させる。具体的には、感度変更部37は、コンバイン1の起動時に感度を初期感度に設定し、応答性が所定の閾値よりも低いと判定する度に、感度としての最小操舵量を所定の増分だけ増加させる。
感度変更部37により変更(増加)された感度は、自動操舵走行の終了後も保持される。すなわち、次に行う自動操舵走行では、変更(増加)された感度が用いられる。
感度変更部37は、日付が変わったことに応じて、感度を初期感度に戻す。具体的には、感度変更部37は、制御部20のシステムクロック(カレンダー)から現在の日付を経時的に取得し、日付が変わったか否かを判定する。感度変更部37は、日付が変わったことに応じて、初期感度を記憶装置20aから読み出し、感度を初期感度に変更する。
感度変更部27は、異なる圃場にコンバイン1が移動したことに応じて、感度を初期感度に戻す。具体的には、感度変更部37は、周辺の地図を取得し、自車位置算出部22が算出する機体10の位置座標に基づいて、異なる圃場にコンバイン1が移動したか否かを判定する。感度変更部37は、異なる圃場に移動したと判定した場合、初期感度を記憶装置20aから読み出し、感度を初期感度に変更する。
周辺の地図は、現在の圃場の形状のみを示すものであってもよいし、隣接する圃場を示すものであってもよい。周辺の地図は、記憶装置20aに予め記憶されていてもよいし、営農システム等から通信で取得されてもよい。
〔感度の設定及び自動操舵の処理フロー〕
制御部20は、図14に示される処理フローを実行する。この処理フローは、コンバイン1を起動すると実行される。
コンバイン1が起動されると、感度変更部37は、感度を初期感度に設定する(ステップS201)。
ステップS201の終了後、方位決定部33が、主基準方位TA1又は基準方位TBを算出する(ステップS202)。主基準方位TA1の算出は、ティーチング走行又は方位設定画面52での操作入力に基づいて行われる。基準方位TBの算出は、第二自動操舵モードでの手動の直進走行の際に算出される。
ステップS202の終了後、操舵制御部30は第一自動操舵モード又は第二自動操舵モードでの自動操舵走行を開始する(ステップS203)。
自動操舵走行の実行中、誤差算出部35aは設定された走行基準に対する誤差を算出する(ステップS204)。
設定された走行基準に対する誤差が算出されると、操舵量算出部35bは、ステップS204で算出された誤差、及び設定されている現在の感度に基づいて、操舵指示量を算出する(ステップS205)。
操舵指示量が算出されると、走行制御部35は、ステップS205で算出された操舵指示量に基づいて、走行装置11を制御する(ステップS206)。
操舵指示量の算出(ステップS205)から所定の時間の経過後、応答性算出部37aは、応答性を算出する(ステップS207)。
ステップS207で算出された応答性が所定の閾値よりも低い場合(ステップS208:Yes)、感度変更部37が感度を増加させる(ステップS209)。
ステップS207で算出された応答性が所定の閾値以上である場合(ステップS208:No)、又はステップS209の終了後、操舵制御部30は、検知部21が作業の終了を検知したか否かを判定する(ステップS210)。
検知部21が作業の終了を検知するまで(ステップS210:No)、ステップS204-S210の処理が繰り返される。
検知部21が作業の終了を検知すると(ステップS210:Yes)、操舵制御部30は自動操舵走行を終了する(ステップS211)。そして処理フローは終了する。
〔感度の初期化の処理フロー〕
制御部20は、図15に示される処理フローを実行する。この処理フローは、コンバイン1を起動すると実行される。
感度変更部37は、日付が変わったか否かを判定する(ステップS301)。
日付が変わった場合(ステップS301:Yes)、感度変更部37は感度を初期感度へ変更する(ステップS302)。
日付が変わっていない場合(ステップS301:No)、及びS302の終了後、感度変更部37は異なる圃場へ移動したか否かを判定する(ステップS303)。
異なる圃場へ移動した場合(ステップS303:Yes)、感度変更部37は感度を初期感度へ変更する(ステップS304)。
異なる圃場へ移動していない場合(ステップS303:No)、及びステップS304の終了後、処理フローは終了する。
〔第二実施形態の変形例〕
以下、第二実施形態の変形例を説明する。
(1)応答性算出部37aが、応答性を、自車位置算出部22が算出する機体10の位置座標に基づいて算出するように構成されてもよい。
(2)感度変更部37が、オペレータから手動操作を受け付けたことに基づいて感度を初期感度に変更するよう構成されてもよい。
(3)感度変更部37が、算出された応答性が高すぎる場合に感度を減少させるよう構成されてもよい。
(4)第一実施形態と第二実施形態とが組み合わされた形態も可能である。すなわち、感度変更部37が、手動操作に基づいて、感度を第一感度(又は第二感度)に変更する。そして感度変更部37が、応答性が所定の閾値よりも低い場合に、感度を第一感度(又は第二感度)から増加させる。
〔別実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
(1)操舵制御部30の制御モードに、第一自動操舵モードと第二自動操舵モードとが含まれているが、第一自動操舵モード及び第二自動操舵モードとは別形態の自動操舵モードが存在しても良い。
(2)上述した実施形態では、直進判定部32は、機体10が所定距離D1,D2,D3に亘って同じ方向に向いて直進したか否かを判定するように構成されている。この実施形態に限定されず、直進判定部32は、機体10が所定時間に亘って同じ方向に向いて直進したか否かを判定するように構成されていても良い。そして、この場合、方位決定部33は、直進判定部32によってコンバイン1が所定時間に亘って同じ方向に向いて直進したと判定された場合、所定時間に亘って行われた直進の方向に基づいて主基準方位TA1及び基準方位TBを決定するように構成されても良い。所定時間は、特に限定されないが、例えば1秒であっても良い。
(3)上述の実施形態において、操舵レバー42は搭乗部12における右前部に設けられているが、この実施形態に限定されない。例えば、操舵レバー42は搭乗部12における左前部に設けられても良い。つまり、操舵レバー42は搭乗部12における左右一端側の領域に設けられても良い。また、操舵レバー42は搭乗部12における左右中央領域に設けられても良い。更に、切替操作具43は、搭乗部12において操舵レバー42の位置する側に設けられない構成であっても良い。加えて、操舵レバー42はハンドルであっても良い。
(4)上述の実施形態において、切替操作具43は、操舵レバー42の上方に設けられているが、操舵レバー42の下方や左右側方に設けられても良い。
(5)本実施形態において、基準点Kは、収穫部15の前端部における左右方向中央位置である。本実施形態に限定されず、基準点Kは、例えば衛星測位装置80の位置であっても良い。
(6)上述の実施形態では、第一操作ボタン43A及び第二操作ボタン43Bは互いに異なる色で示されているが、第一操作ボタン43A及び第二操作ボタン43Bは同じ色で示されても良い。加えて、第一操作ボタン43A、第二操作ボタン43B、第一指示操作ボタン43C、第二指示操作ボタン43D、方位設定操作ボタン43E、変更操作ボタン43F、感度切替ボタン43G、及び画面切替ボタン43Hは、ボタンでなくても良く、例えばレバー式のスイッチであっても良い。
(7)上述の実施形態において、第一指示操作ボタン43C及び第二指示操作ボタン43Dは切替操作具43に設けられているが、第一指示操作ボタン43C及び第二指示操作ボタン43Dは切替操作具43とは別の場所に配置されても良い。また、第一指示操作ボタン43C及び第二指示操作ボタン43Dは、ボタンでなくても良く、例えばレバー式のスイッチであっても良い。
(8)方位設定操作ボタン43Eが備えられない構成であっても良い。
(9)第一自動操舵モードは、主モードと副モードとを含んでいるが、主モードだけ存在して副モードが存在しない構成であっても良い。この場合、変更操作ボタン43Fが備えられない構成であっても良い。
(10)主基準方位TA1、副基準方位TA2及び基準方位TBは、一方から他方への向きを有するものでなくても良い。例えば、主基準方位TA1、副基準方位TA2及び基準方位TBは、座標系における直線の傾き(例えば、第一地点Y1と第二地点Y2とを通る直線の傾き)を示すものであっても良いし、座標系における直線そのもの(例えば、第一地点Y1と第二地点Y2とを通る直線そのもの)を示すものであっても良いし、東西南北を基準として方向を示すもの(例えば、「南北方向」や「東西方向」等)であっても良い。
(11)上述の実施形態では、感度変更部37が、感度として最小操舵量を変更した。感度変更部37が感度として他のパラメータを変更するよう構成されてもよい。
例えば、感度変更部37が、感度として比例定数(操舵指示量を算出するための数式における比例定数)を変更してもよい。この場合、誤差の増分に対する操舵指示量の増加量が変化する。比例定数を変更して大きくした場合、上述した態様3で算出される操舵指示量が大きくなる。すなわち、機体10が誤差に対して敏感に操舵されることになる。
例えば、感度変更部37が、感度として第一操舵閾値を変更してもよい。第一操舵閾値を小さくすると、より少ない誤差で最小操舵量による操舵が行われる。すなわち、第一操舵閾値を小さく変更すると、感度が大きくなり、機体10が誤差に対して敏感に操舵されることになる。
(12)操舵指示量が、左右一方のクローラへの動力伝達を停止する時間でなくてもよい。例えば、走行装置11が左右のクローラの速度を独立して無段階に変更可能である場合に、操舵指示量が、左右一方のクローラの減速率であってもよい。
(13)走行装置11の形式は、クローラ式でなくてもよい。例えば、走行装置11が車輪式であり、操舵角の変更により旋回するものであってもよい。この場合、操舵指示量は、操舵角である。
(14)走行制御部35が、曲線状の目標走行ラインに沿った自動操舵を行うように構成されてもよい。
(15)走行制御部35が、自動操舵と共に車速の制御を行うものであってもよい。すなわち、走行制御部35が、いわゆる自動走行を実行するように構成されてもよい。
(16)制御部20が、現在の感度をオペレータに報知するよう構成されてもよい。報知は、表示装置4への表示により行われてもよいし、音声により行われてもよい。
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、作業車に適用可能である。このため、本実施形態に例示された汎用型のコンバインに限定されず、自脱型のコンバイン、種々の収穫機(例えばトウモロコシ収穫機、サトウキビ収穫機、ポテト収穫機、ビート収穫機、ニンジン収穫機等)、トラクタ、田植機、施肥管理機、自走式散布機、自走式草刈機等に適用可能である。
11 :走行装置
20a :記憶装置
23 :自車方位算出部(方位取得部)
27 :感度変更部
33 :方位決定部(設定部)
34 :経路生成部(設定部)
35 :走行制御部
35a :誤差算出部
35b :操舵量算出部
37 :感度変更部
37a :応答性算出部
43G :感度切替ボタン(操作具)

Claims (8)

  1. 操舵可能な走行装置と、
    前記走行装置の制御の基準となる走行基準を設定する設定部と、
    設定された前記走行基準に対する誤差を算出する誤差算出部と、
    算出された前記誤差に基づいて、前記誤差が小さくなるような操舵指示量を算出する操舵量算出部と、
    算出された前記操舵指示量に基づいて前記走行装置を制御する走行制御部と、
    前記操舵量算出部が前記操舵指示量を算出する際の前記誤差に対する感度を変更する感度変更部と、を備える作業車。
  2. 手動操作を受け付ける操作具を更に備え、
    前記感度変更部が、前記操作具が受け付けた手動操作に基づいて前記感度を変更する請求項1に記載の作業車。
  3. 記憶装置を更に備え、
    前記記憶装置に、乾田に対応するための前記感度としての第一感度と、湿田に対応するための前記感度としての第二感度と、が予め記憶されており、
    前記感度変更部が、前記感度を前記第一感度又は前記第二感度の何れかに変更する請求項2に記載の作業車。
  4. 算出された前記操舵指示量に対する実際の走行状態の変化量である応答性を算出する応答性算出部を更に備え、
    前記感度変更部は、算出された前記応答性が所定の閾値よりも低い場合に、前記感度を増加させる請求項1に記載の作業車。
  5. 現在の走行方位を取得する方位取得部を更に備え、
    前記応答性算出部は、取得された前記走行方位の変化量に基づいて前記応答性を算出する請求項4に記載の作業車。
  6. 記憶装置を更に備え、
    前記記憶装置に、前記感度の初期値である初期感度が予め記憶されており、
    前記感度変更部は、前記感度を前記初期感度から増加させる請求項4または5に記載の作業車。
  7. 前記感度変更部は、日付が変わったことに応じて、前記感度を前記初期感度に戻す請求項6に記載の作業車。
  8. 前記感度変更部は、異なる圃場に前記作業車が移動したことに応じて、前記感度を前記初期感度に戻す請求項6または7に記載の作業車。
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