JP2023096467A - 信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023096467000001
【課題】ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立し得る情報処理装置を提供する。
【解決手段】入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換部と、前記デジタル信号を保持するメモリとを各々が含む複数の処理回路と、前記複数の処理回路の各々の前記メモリから前記デジタル信号を順次出力させる転送動作を行う走査回路と、を有し、前記走査回路は、前記転送動作の途中で前記転送動作を中断し、所定の期間が経過した後に中断時の状態から前記転送動作を再開する。
【選択図】図1

Description

本発明は、信号処理装置に関する。
CMOSイメージセンサ等の固体撮像装置には、アナログデジタル変換(AD変換)の機能が内蔵されていることがある。このような固体撮像装置は、デジタルカメラ等に利用されている。特許文献1には、AD変換タイミングの異なる画素2行分のデータを処理してから水平走査(列走査)によるデータ転送を行うことにより、高速な読み出しを実現する技術が開示されている。
特開2008-294913号公報
特許文献1において、水平走査によるデータ転送を行うことに起因する出力信号への影響に関しては言及されていない。
そこで、本発明は、ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立し得る信号処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換部と、前記デジタル信号を保持するメモリとを各々が含む複数の処理回路と、前記複数の処理回路の各々の前記メモリから前記デジタル信号を順次出力させる転送動作を行う走査回路と、を有し、前記走査回路は、前記転送動作の途中で前記転送動作を中断し、所定の期間が経過した後に中断時の状態から前記転送動作を再開することを特徴とする信号処理装置が提供される。
本発明の他の観点によれば、入力されたアナログ信号をデジタル信号へのアナログデジタル変換を行うアナログデジタル変換部と、前記デジタル信号を保持するメモリと、クロック信号を計数することでカウント値を生成するカウンタとを各々が含む複数の処理回路と、前記複数の処理回路の各々の前記メモリから前記デジタル信号を順次出力させる転送動作を行う走査回路と、を有し、前記アナログデジタル変換部は、1つの前記アナログ信号の前記アナログデジタル変換において、所定の前記カウント値を閾値として、前記カウンタの動作を変更することによって前記アナログデジタル変換の分解能を変化させることを特徴とする信号処理装置が提供される。
本発明によれば、ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立し得る信号処理装置が提供される。
第1実施形態に係る光電変換装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る画素の構成を示す回路図である。 第1実施形態に係る光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。 第1実施形態に係る水平走査回路の構成を示す回路図である。 第1実施形態に係る水平走査回路の駆動方法を示すタイミング図である。 第2実施形態に係る光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。 第2実施形態に係る補正処理を説明するグラフである。 第3実施形態に係る光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。 第4実施形態に係る機器のブロック図である。 第5実施形態に係る機器のブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。複数の図面にわたって同一の要素又は対応する要素には共通の符号が付されており、その説明は省略又は簡略化されることがある。以下に述べる各実施形態では、光電変換装置の一例として、撮像装置を中心に説明する。しかしながら、各実施形態における光電変換装置は撮像装置に限定されるものではなく、他の装置にも適用可能である。他の装置の例としては、測距装置及び測光装置が挙げられる。測距装置は、例えば、焦点検出装置、TOF(Time-Of-Flight)を用いた距離測定装置等であり得る。測光装置は、装置に入射する光の光量を測定する装置であり得る。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る光電変換装置の構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る画素の構成を示す回路図である。図1及び図2を相互に参照しつつ、光電変換装置の構成を説明する。
図1に示されているように、光電変換装置は、画素アレイ1、複数の処理回路2、水平走査回路3、行選択回路4、データ受信回路5、共通出力線6、参照信号生成回路7、カウンタ8及び制御回路9を有している。複数の処理回路2の各々は、アナログデジタル変換器(AD変換器)21及びメモリ22を有している。
制御回路9は、複数の処理回路2、水平走査回路3、行選択回路4、参照信号生成回路7及びカウンタ8に垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号等の制御信号を出力する。これにより、制御回路9は、これらの回路の動作を制御する。
画素アレイ1は、複数の行及び複数の列をなすように配された複数の画素11を有している。複数の画素11の各々は、光電変換素子を含み、アナログ信号を出力する。図1では、簡略化のため複数の画素11は、10行及び16列をなしているものとして図示しているが、実際には数千行及び数千列であり得る。図1において、画素アレイ1の上端の1行(1行目)及び左端の2列(1列目及び2列目)は、OB(オプティカルブラック)画素領域1aである。OB画素領域1aに含まれている複数の画素11の各々は、遮光された光電変換素子を有するOB画素(遮光画素)である。また、OB画素領域1a以外の9行及び14列の領域に含まれている複数の画素11の各々は、遮光されていない光電変換素子を有する有効画素である。
制御回路9は、複数の処理回路2、水平走査回路3、行選択回路4、参照信号生成回路7及びカウンタ8に垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号等の制御信号を出力する。これにより、制御回路9は、これらの回路の動作を制御する。
行選択回路4は、シフトレジスタ、ゲート回路、バッファ回路等の論理回路を含む走査回路である。行選択回路4は、垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号等に基づいて、図1における横方向に延在して行ごとに配された制御線を介して、制御信号を画素11に出力する。これにより、行選択回路4は、画素11から行ごとに信号を順次出力させる走査を行う。また、行選択回路4は、画素11における電荷の蓄積期間を制御する。
処理回路2は、複数の画素11の各列に対応して配されている。図1においては、16個の処理回路2が配されているが、実際には数千個の処理回路2が配され得る。画素11で生成された信号は、図1における縦方向に延在して列ごとに配された出力線(図2における出力線15)を介して、対応する列の処理回路2に出力される。
処理回路2は、AD変換器21(アナログデジタル変換部)及びメモリ22を含んでいる。参照信号生成回路7は、時間に応じて電圧が変化する、ランプ信号等の参照信号を各列のAD変換器21に供給する。カウンタ8は、クロック信号をカウント(計数)することにより、各列のメモリ22にカウント値を出力する。本実施形態のAD変換器21は、参照信号生成回路7から出力される参照信号とカウンタ8から出力されるカウント値とを用いてAD変換を行う方式(いわゆるシングルスロープ型)であるものとする。この方式のAD変換器21は、参照信号の電圧と、入力されたアナログ信号の電圧とを比較器により比較して、比較結果(電圧の大小関係)を示す信号のレベルが変化した時刻のカウント値をメモリ22に書き込むことによりアナログ信号のAD変換を行う。したがって、本実施形態のAD変換器21は、比較器を含み得る。
しかしながら、アナログデジタル変換部の構成は、他の一般的な方式によるものであってもよい。例えば、アナログデジタル変換部は、逐次比較型又はデルタシグマ型であってもよい。この場合、参照信号生成回路7及びカウンタ8に代えて、これらの方式によるAD変換に必要な回路が適宜配され得る。また、AD変換に用いられる参照信号生成回路7及びカウンタ8の配置は図1に示すものに限られない。例えば、図1ではカウンタ8は各列の処理回路2に共通であるが、カウンタ8が列ごとに配された構成であってもよい。
水平走査回路3は、シフトレジスタ、ゲート回路、バッファ回路等の論理回路を含む走査回路である。水平走査回路3は、複数の処理回路2を順次選択する。これにより、複数の処理回路2の各々は、メモリ22に保持しているデジタル信号を、順次、共通出力線6を介してデータ受信回路5に出力する。データ受信回路5は、入力されたデジタル信号に所定の処理を行って、光電変換装置の外部に出力する。
このように、処理回路2及び水平走査回路3は、画素11から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換してデータ受信回路5に転送する信号処理機能を有している。処理回路2及び水平走査回路3は、総称として信号処理装置と呼ばれることもある。
ここで、図2を参照しつつ、画素11の構成をより詳細に説明する。以下の説明では、画素11内の光電変換部が蓄積する電荷が電子であるものとする。また、画素11が備えるトランジスタは、すべてN型のMOSトランジスタであるものとする。しかしながら、光電変換部が蓄積する電荷が正孔であってもよく、この場合には、画素11のトランジスタがP型のMOSトランジスタであってもよい。つまり、信号として取り扱われる電荷の極性に応じて、トランジスタ等の導電型は適宜変更することができる。
画素11は、光電変換部PD、転送トランジスタM1、リセットトランジスタM2、増幅トランジスタM3及び選択トランジスタM4を有している。光電変換部PDは、例えばフォトダイオードである。光電変換部PDのアノードは接地ノードに接続されており、光電変換部PDのカソードは転送トランジスタM1のソースに接続されている。転送トランジスタM1のドレインは、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM3のゲートに接続されている。転送トランジスタM1のドレイン、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM3のゲートが接続されるノードは、浮遊拡散部FDである。浮遊拡散部FDは、容量成分(浮遊拡散容量)を含み、電荷保持部としての機能を備える。浮遊拡散容量には、転送トランジスタM1から浮遊拡散部FDを介して増幅トランジスタM3に至る電気的経路の寄生容量が含まれる。
リセットトランジスタM2のドレイン及び増幅トランジスタM3のドレインは、電圧VDDが供給される電源電圧ノードに接続されている。増幅トランジスタM3のソースは、選択トランジスタM4のドレインに接続されている。選択トランジスタM4のソースは、出力線15に接続されている。
出力線15には、電流源16が接続されている。電流源16は、電流値が切り替え可能な電流源であってもよいし、電流値が一定の定電流源であってもよい。
図2の画素構成の場合、各行の制御線は、転送トランジスタM1のゲートに接続された信号線と、リセットトランジスタM2のゲートに接続された信号線と、選択トランジスタM4のゲートに接続された信号線と、を含む。転送トランジスタM1のゲートには、行選択回路4から制御信号PTXが供給される。リセットトランジスタM2のゲートには、行選択回路4から制御信号PRESが供給される。選択トランジスタM4のゲートには、行選択回路4から制御信号PSELが供給される。同じ行の複数の画素11は、共通の信号線に接続されており、共通の制御信号により同時に制御される。
本実施形態では、画素11を構成する各トランジスタはN型のMOSトランジスタであるものとしている。したがって、行選択回路4からハイレベルの制御信号が供給されると対応するトランジスタがオンになる。また、行選択回路4からローレベルの制御信号が供給されると対応するトランジスタがオフになる。また、MOSトランジスタのソース及びドレインの呼称はトランジスタの導電型又は着目する機能によって異なることがある。本実施形態において使用するソース及びドレインの名称の一部又は全部は、逆の名称で呼ばれることもある。
光電変換部PDは、入射光をその光量に応じた量の電荷に変換(光電変換)する。転送トランジスタM1は、オンになることにより光電変換部PDが保持する電荷を浮遊拡散部FDに転送する。光電変換部PDから転送された電荷は、浮遊拡散部FDの容量(浮遊拡散容量)に保持される。その結果、浮遊拡散部FDは、浮遊拡散容量による電荷電圧変換によって、光電変換部PDから転送された電荷の量に応じた電位となる。
選択トランジスタM4は、オンになることにより増幅トランジスタM3を出力線15に接続する。増幅トランジスタM3は、ドレインに電圧VDDが供給され、ソースに選択トランジスタM4を介して電流源16からバイアス電流が供給される構成となっており、ゲートを入力ノードとする増幅部(ソースフォロワ回路)を構成する。これにより増幅トランジスタM3は、浮遊拡散部FDの電位に基づく信号を、選択トランジスタM4を介して出力線15に出力する。この意味で、増幅トランジスタM3及び選択トランジスタM4は、浮遊拡散部FDに保持された電荷の量に応じた画素信号を出力する出力部である。
リセットトランジスタM2は、電圧(電圧VDD)の浮遊拡散部FDへの供給を制御することにより浮遊拡散部FDをリセットする機能を備える。リセットトランジスタM2はオンになることにより浮遊拡散部FDを電圧VDDに応じた電圧にリセットする。
上述のように、複数の画素11の各々は、画素11のリセット状態における基準信号レベルのアナログ信号と、非リセット状態、すなわち入射光に応じた有効信号レベルのアナログ信号とを出力することができる。AD変換器21は、画素11から読み出されたこれらのアナログ信号をAD変換する。これにより、メモリ22は、基準信号レベルに相当するデジタル信号であるN信号と、有効信号レベルに相当するデジタル信号であるS信号とを保持することができる。本実施形態においては、メモリ22は、N信号とS信号の2種類について、14ビットの分解能でAD変換されたデジタルデータをそれぞれ保持することができる構成であるものとする。S信号とN信号のデジタルデータは、水平走査回路3の制御に応じて同一の共通出力線6を介してデータ受信回路5に転送される。その後、データ受信回路5又はそれ以降の回路において、S信号とN信号の差分処理が行われてもよく、データ圧縮が行われてもよい。
行選択回路4は、制御信号PRES、PTX、PSELのレベルを各行について順次制御することにより、各行の画素11からの読み出し動作の制御を行う。行選択回路4が1つの行を選択してから、次の行が選択されるまでの期間の長さが1サイクル期間である。
行選択回路4が同時に選択することができる行数は本実施形態においては1行であるものとするが、2行単位とすることにより読み出しを高速化することができる。その場合、AD変換の同時処理数が2倍に増加するため、処理回路2の個数を列数の2倍とすればよい。
図3は、本実施形態に係る光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。以下、図3に示されている光電変換装置の駆動方法を説明するが、それに先立って本実施形態の駆動方法の前提条件と概略について説明する。
本実施形態の光電変換装置には、図1に示されているように、16個のAD変換器21及び16個のメモリ22が配されている。すなわち、16個のN信号及び16個のS信号が16個のメモリ22に保持される。その後、水平走査回路3の制御によって16個のメモリ22から共通出力線6を介して1個ずつデータ受信回路5にデジタルデータが順次転送される。言い換えると、N信号及びS信号の各々について、16回のデータ転送が行われる。この合計16回のデータ転送動作の開始から終了までを一連のデータ転送動作とする。本実施形態では図1における左端のメモリ22から右方向に向かって順にデータ転送が行われるものとする。
複数のメモリ22からデータ受信回路5にデータ転送を完了するまでに要する時間について述べる。本実施形態では、簡略化のため、メモリ22の個数が16個である場合の例を示して説明しているが、光電変換装置が例えば5000万画素クラスのカメラである場合、メモリ22の個数は約8000個である。許容ピーク電力と転送スピードのバランスを考慮して、8000列分のデータを10列単位で800回に分けてデータ転送動作が行われるものとする。この場合、転送周波数を100MHzとすると合計8μsecのデータ転送時間が必要となる。光電変換装置の動作の高速化が進展するにつれて、この8μsecのデータ転送時間が1サイクル期間に対して占める割合が大きくなる。
AD変換期間とデータ転送期間が重なると、データ転送動作による電源電圧の変動等のノイズがAD変換の精度に影響を与えることがある。図1に示されているように、メモリ22とデータ受信回路5との間は、長い共通出力線6により接続される。共通出力線6が長いため、データ転送動作時のピーク電流は大きくなりやすい。そのため、データ転送動作時には大きな電源電圧の変動が生じやすく、この電源電圧の変動に起因するノイズが信号品質に影響を与える場合がある。そのため、AD変換期間とデータ転送期間が重ならないようにする等の手法により、データ転送動作によるノイズが精度に影響しやすいタイミングと重ならないようにデータ転送動作を行うことが望まれる。
しかしながら、上述のような光電変換装置の動作の高速化により、データ転送時間が1サイクル期間に対して占める割合が大きくなってきていることから、そのようなデータ転送動作を行うことが難しい場合もある。このような事情に鑑みて、本実施形態の水平走査回路3は、一連のデータ転送動作の途中でデータ転送動作を中断させ、その後、所定の期間が経過した後に中断時の状態からデータ転送動作を再開させる機能を有している。
図3を参照しつつ、1サイクル期間の動作に着目して光電変換装置の駆動方法を説明する。図3における「画素リセット」に示されている画素リセットパルスは図2のリセットトランジスタM2に入力される制御信号PRESに相当するものである。画素リセットパルスがハイレベルになると、行選択回路4が選択している行において16個の画素11がリセットされ、16個の画素11の出力がそれぞれの基準信号の電圧となる。ここで基準信号の電圧値は、素子ばらつきによって変動し得る。基準信号の電圧値の範囲は3.0Vから2.6Vであるものとする。
図3における「画素信号転送」に示されている画素信号転送パルスは、図2の転送トランジスタM1に入力される制御信号PTXに相当するものである。画素信号転送パルスがハイレベルになると、画素11からの出力がフォトダイオードへの入射光の光量に応じた有効信号の電圧値になる。ここで有効信号の電圧値の範囲は、基準信号の下限想定電圧2.6Vから1.6Vの電圧振幅の範囲で14ビットの分解能が得られるように設計される。すなわち、有効信号における電圧値の範囲は、3.0V(黒画像)から1.0V(光飽和画像)であるものとする。このとき、画素11からの出力は、約100μV/LSBのステップでAD変換が行われる。
カウンタ8から出力されるカウント値は1カウント分が1LSB相当となるように設定されている。すなわち、基準信号のAD変換時にはカウント値は、「0」(3.0Vに対応)から「4095」(2.6Vに対応)までカウントアップする。また、有効信号のAD変換時にはカウント値は、「0」(3.0Vに対応)から「20479」(1.0Vに対応)までカウントアップする。ここで、本実施形態では画素11が1行あたり16個配されている例を示しているため、16個の画素11からの出力信号が取得される。単純化のため、図3の「画素出力」には16個の画素11のうちの有効画素の1つに着目した電圧波形の例が示されている。
図3の「AD変換」は、AD変換器21においてAD変換が行われている期間を示している。図3の「AD変換」がハイレベルである期間は、AD変換器21においてAD変換が行われている期間である。図3の「AD変換」がハイレベルになるタイミングにおいて、カウンタ8から出力されるカウント値は、「0」からカウントアップを開始する。参照信号生成回路7は、カウンタ8と同期して参照信号を出力する。「AD変換」がハイレベルである期間においては、カウント値の時間当たりのカウントアップ量と参照信号の時間変化とが対応するように参照信号が生成されている。「AD変換」がハイレベルである期間、AD変換器21は画素11からの出力信号の電圧と参照信号の電圧との比較を継続する。これらの電圧の大小関係が変化し、比較器の出力信号のレベルが変化すると、その時刻におけるカウント値がデジタルデータとしてメモリ22に書き込まれる。
メモリ22に書き込まれたデジタルデータは、AD変換が終了した後に、水平走査回路3の制御によってデータ受信回路5に転送される。図3の「走査開始」は、水平走査回路3が走査を開始するタイミングを示す走査開始パルスを示している。図3の「走査中断」は、走査開始後に、水平走査回路3が走査を中断するタイミングを示す走査中断パルスを示している。図3の「走査再開」は、走査中断後に、水平走査回路3が走査を再開するタイミングを示す走査再開パルスを示している。水平走査回路3は、走査開始パルスがハイレベルになるタイミングで、一連のデータ転送動作を開始する。水平走査回路3は、走査中断パルスがハイレベルになるタイミングでデータ転送動作を一時中断し、その後、走査再開パルスがハイレベルになるタイミングでデータ転送動作を再開する。図3の「データ転送」は、メモリ22からデータ受信回路5に各種のデジタルデータが転送されている期間を示している。
次に、図3の時刻T1から時刻T9における動作について説明する。時刻T1においては、ある1つの行に配された16個の画素11が行選択回路4によって選択されている。ここでは簡略化のため、そのある1つの行を「行1」と呼ぶ。時刻T1において、行1の画素が選択されている状態で画素リセットパルスがハイレベルになることにより、行1の画素出力は図3に示されているように「基準1」の電圧値にリセットされる。図3において、このリセットパルスがハイレベルになる動作を「リセット1」と表記している。
なお、「画素リセット」、「画素信号転送」、「画素出力」、「AD変換」、「データ転送」のそれぞれの波形中に表記されている「リセット1」等の文字の語尾に付された数字は対応する行を示している。「リセット1」等の「1」は、それらが行1に関連する動作又は信号であることを示している。「リセット2」等の「2」は、それらが行1の次の行(以降、「行2」と呼ぶ)に関連する動作又は信号であることを示している。「有効0」等の「0」は、それらが行1の1つ前の行(以降、「行0」と呼ぶ)に関連する動作又は信号であることを示している。
また、図3において、「AD変換」及び「データ転送」のそれぞれに表記されている「N」の文字はそれらが基準信号に関連する動作であることを示しており、「S」の文字はそれらが有効信号に関連する動作であることを示している。
時刻T1においては、メモリ22に「有効0」の電圧がAD変換されたデジタルデータが保持されている。「画素出力」の波形中の電圧値である「有効0」とは、行0の有効信号の電圧である。また、水平走査回路3の制御により、行0の有効信号のデジタルデータの一連のデータ転送動作が「転送S0」で示されている期間に行われており、時刻T1はその途中である。
ここで、「一連の」データ転送動作とは、1回分のAD変換によりメモリ22に保持されたデジタルデータが、データ受信回路5に転送され始めてから、終了するまでの動作である。本実施形態では、1回分のAD期間において16個のAD変換器21がAD変換を行うため、これらの16個のデジタルデータがデータ転送され始めてから、終わるまでの期間が一連のデータ転送動作の期間である。
図3のデータ転送動作における「転送S0」に示されているように、実質的なデータ転送動作の期間は前半の「SA0」と後半の「SB0」に2分割されている。そして、時刻T1よりも前の時刻において走査開始パルスがハイレベルになっている。すなわち、「SA0」のデータ転送動作は、時刻T1に先立って開始されており、時刻T1は、「SA0」のデータ転送動作が行われている途中である。以降、一連のデータ転送動作が分割されている場合において、先に行われる転送期間を転送期間Aと呼び、後に行われる転送期間を転送期間Bと呼ぶ。「データ転送」に表記されている「A」の文字は転送期間Aを示しており、「B」の文字は転送期間Bを示している。
時刻T2において、走査中断パルスがハイレベルになり、メモリ22からデータ受信回路5への「SA0」のデータ転送動作が終了する。時刻T2は、「転送S0」のデータ転送動作が16回のデータ転送のうちの10個分だけ終了した時刻である。すなわち、「転送S0」は、10個のデータ転送が終了した直後の時刻T2に中断する。時刻T2は、「NAD1」のAD変換が開始する時刻の直前に設定されている。
時刻T2の直後、「NAD1」のAD変換が開始する。「NAD1」のAD変換の期間(第1変換期間)において、AD変換器21は、「画素出力」の波形における「基準1」の電圧レベルをAD変換し、デジタルデータがメモリ22に保持される。このAD変換は、16列分並行して同時期に行われる。なおメモリ22の各々は、AD変換後のデジタルデータを2系統分保持できるように構成されている。これにより、「転送S0」の中断により転送が完了していない6個分のデジタルデータが「NAD1」のAD変換によって上書きされないようにすることができる。「NAD1」のAD変換は時刻T3の直前に終了する。
時刻T3において、走査再開パルスがハイレベルになり、メモリ22からデータ受信回路5への「転送S0」のデータ転送動作が再開する。これにより、時刻T3以降、残り6個分のデジタルデータが転送される。図3には、再開後のデータ転送期間が「SB0」で示されている。このように、時刻T2から時刻T3の間の期間、「転送S0」のデータ転送動作が中断されており、この中断されている期間の間に「NAD1」のAD変換が行われている。
また、時刻T3と時刻T4の間の期間において、画素信号転送パルスがハイレベルになり、画素11からの出力がフォトダイオードへの入射光の光量に応じた有効信号の電圧値になる。これにより、行1の画素出力は図3に示されているように「有効1」の電圧値になる。
時刻T4において、走査開始パルスがハイレベルになり、「NAD1」のAD変換によりメモリ22に保持されたデジタルデータの転送が開始する。図3には、時刻T4から開始される一連のデータ転送動作が「転送N1」として示されている。「転送N1」は、「転送S0」と同様に、水平走査回路3により中断及び再開の制御が行われることにより、データ転送動作が「NA1」と「NB1」に2分割されている。「転送N1」においては、「N1A」と「N1B」の間の期間において「SAD1」のAD変換が開始する点は「転送S0」と同様であるが、「SAD1」の途中から「NB1」が開始する点が「転送S0」と異なる。
時刻T5において、走査中断パルスがハイレベルになり、「転送N1」が中断する。言い換えると、「NA1」のデータ転送動作が終了する。時刻T5は、「SAD1」のAD変換が開始する時刻の直前に設定されている。
時刻T5の直後、「SAD1」のAD変換が開始する。「SAD1」のAD変換の期間(第2変換期間)において、AD変換器21は「画素出力」の波形における「有効1」の電圧レベルをAD変換し、デジタルデータがメモリ22に保持される。有効信号の電圧値の範囲は基準信号の電圧値の範囲よりも広いため、「NAD1」の期間よりも「SAD1」の期間の方が長く設定されている。なお、「SAD1」の期間に入力される参照信号の電圧の傾きの絶対値を「NAD1」の期間に入力される参照信号の電圧の傾きの絶対値よりも大きくしてもよい。これにより、「SAD1」の期間を短縮することができる。
電圧値の範囲の違いにより「NAD1」の期間よりも「SAD1」の期間の方が長くなりやすい点は、AD変換器21がシングルスロープ型である場合に限って生じるものではない。したがって、AD変換の方式が異なる場合であっても、「NAD1」の期間よりも「SAD1」の期間の方が長く設定され得る。
時刻T6において、走査再開パルスがハイレベルになり、「転送N1」のデータ転送動作が再開する。図3には、再開後のデータ転送期間が「NB1」で示されている。このように、時刻T5から時刻T6の間の期間、「転送N1」のデータ転送動作が中断されており、この中断されている期間の間に「SAD1」のAD変換が開始する。
光電変換部PDにおいて、光電変換により光ショットノイズが発生し得る。この光ショットノイズは、画素出力が光飽和に相当する1Vに近いほど大きい。「SAD1」のAD変換の期間において参照信号生成回路7から出力される参照信号の電圧は、黒画像に相当する3.0Vから、光飽和画像(明画像)に相当する1.0Vまでの範囲をカバーするように変化する。この場合「SAD1」の期間の後ろに近い(光量が多い)ほど光ショットノイズが大きくなるため、データ転送動作によるノイズが視認されにくくなる。光ショットノイズの影響が小さくなっている時刻T6のタイミングにおいて走査再開パルスをハイレベルにして、「転送N1」を再開することにより、データ転送動作によるノイズが視認されにくくなる。また、「SAD1」のAD変換のようにAD変換の期間が長い場合には、「SAD1」の期間の後ろに近い部分をデータ転送動作の期間と重複させることが望ましい。これにより、AD変換の期間とデータ転送動作の期間を完全に重複しないようにする場合よりも、処理の高速化が実現される。したがって、ノイズの影響の低減と動作の高速化が両立される。
「SAD1」のAD変換の途中に開始する「NB1」のデータ転送動作の開始タイミングについて述べる。光電変換部PDに光が入射していない場合、すなわち黒画像の場合には、基準信号の電圧の範囲内であるカウント値の範囲、すなわちカウント値が「0」から「4095」までである期間内に比較器の出力信号のレベルが変化する。上述のように、この期間内に「NB1」のデータ転送動作が開始するとデータ転送動作によるノイズが視認されやすいため、この期間が経過した後に「NB1」のデータ転送動作が開始することがより好適である。ただし、一般的には、黒画像のカウント値の範囲が「0」から「4095」までというような幅を持っているとは限らない。したがって、「SAD1」のAD変換の開始タイミングよりも後、すなわち、「SAD1」のAD変換の途中に「NB1」のデータ転送動作の開始タイミングが設定されていれば効果が得られる可能性がある。
一方、「NB1」のデータ転送動作の終了タイミングは、「SAD1」のAD変換の終了時又はそれ以降とすることが好適である。上述のように、データ転送動作の期間は「SAD1」のAD変換の後ろに近いほどノイズが視認されにくくなるため、ノイズ低減効果が向上するためである。一方、「NB1」のデータ転送動作が「SAD1」のAD変換の終了後も継続すると1サイクルの期間が長くなる可能性があるため、「NB1」のデータ転送動作の終了タイミングは、「SAD1」の終了タイミングと一致していることがより好適である。
時刻T8において、走査開始パルスがハイレベルになり、「SAD1」のAD変換によりメモリ22に保持されたデジタルデータの転送が開始する。図3には、時刻T8から開始される一連のデータ転送動作が「転送S1」として示されている。「転送S1」は、「転送S0」と同様に、水平走査回路3により中断及び再開の制御が行われることにより、データ転送動作が「SA1」と「SB1」に2分割されている。
時刻T9において、行1の次の行である行2の画素11が選択される。そして、時刻T9において、画素リセットパルスがハイレベルになることにより、行2の画素出力が図3に示されているように「基準2」の電圧値にリセットされる。図3において、このリセットパルスがハイレベルになる動作を「リセット2」と表記している。以降の動作は、時刻T1から時刻T9と同様であるため説明を省略する。行1の画素11の画素リセットパルスがハイレベルになる時刻T1から、行2の画素11の画素リセットパルスがハイレベルになる時刻T9までの期間が1サイクル期間に相当する。
次に、図4及び図5を参照して水平走査回路3の回路構成の例について説明する。図4は本実施形態に係る水平走査回路3の構成を示す回路図であり、図5は本実施形態に係る水平走査回路3の駆動方法を示すタイミング図である。
図4に示されているように水平走査回路3は、フリップフロップ31と、ANDゲート32、34と、遅延回路33とを有している。フリップフロップ31とANDゲート34は、各列のメモリ22に対応して配されている。すなわち、水平走査回路3は、16個のフリップフロップ31と16個のANDゲート34とを有している。
ANDゲート32の第1入力端子及び第2入力端子には、それぞれ、CLK制御パルス及びCLKパルス(クロック信号)が入力される。ANDゲート32は、CLK制御パルスとCLKパルスの論理積の信号を出力する。すなわち、ANDゲート32は、CLK制御パルスに基づいて、CLKパルスをゲーティングする。
ANDゲート32の出力端子は、16個のフリップフロップ31の各々のクロック端子及び遅延回路33の入力端子に接続されている。遅延回路33の出力端子は、16個のANDゲート34の各々の第1入力端子に接続されている。1段目のフリップフロップ31の入力端子Dには走査開始パルスが入力される。1段目のフリップフロップ31の出力端子Qは、2段目のフリップフロップ31の入力端子D及び1段目のANDゲート34の第2入力端子に接続されている。2段目のフリップフロップ31の出力端子Qは、3段目のフリップフロップ31の入力端子D及び2段目のANDゲート34の第2入力端子に接続されている。3段目以降のフリップフロップ31及びANDゲート34も同様に接続されている。このように、16個のフリップフロップ31はシフトレジスタ回路を構成している。
1段目から16段目のANDゲート34の出力信号を、それぞれREAD1からREAD16とする。出力信号READ1からREAD16の末尾の数字はメモリ22の列番号に対応しており、出力信号READ1からREAD16のいずれかがハイレベルになると対応する列のメモリ22からデータ受信回路5にデジタル信号が転送される。
図4に示されているように、ANDゲート32の出力端子のノードに出力される信号を信号CLK1とし、遅延回路33の出力端子のノードに出力される信号を信号CLK2とする。すなわち、本実施形態の水平走査回路3は、入力された走査開始パルス、CLK制御パルス及びCLKパルスに基づいて、内部で信号CLK1、CLK2を生成している。しかしながら、水平走査回路3の外部の回路、例えば制御回路9等から信号CLK1、CLK2が入力される構成であってもよい。
図5を参照して水平走査回路3の動作を説明する、図5には、図3における時刻T1から時刻T3付近の期間における各種パルスのタイミングが示されている。時刻T1前後の期間において、CLK制御パルスがハイレベルであり、かつCLKパルスが供給されている。この状態において、走査スタートパルスが1クロック期間分だけハイレベルになると、時刻T1以降、信号CLK1がハイレベルになるごとに16個のフリップフロップ31の出力信号が順次ハイレベルになる。また、フリップフロップ31の出力信号と信号CLK2との論理積に基づき、出力信号READ1からREAD16が順次ハイレベルになる。
出力信号READ1からREAD16の各々がハイレベルになると、対応する列のメモリ22からデータ受信回路5に対してデジタル信号が転送される。時刻T1以降、出力信号READ10がハイレベルになった後の時刻T2において、CLK制御パルスがローレベルとなる。これにより、シフトレジスタ回路に対する信号CLK1の供給が停止し、データ転送動作が中断される。AD変換が行われている期間においては、CLK制御パルスはローレベルに維持され、データ転送動作は停止されている。その後、AD変換が終了した後の時刻T3において、CLK制御パルスが再びハイレベルになり、出力信号READ11からREAD16が順次ハイレベルになる。その後出力信号READ16がハイレベルになった後、一連のデータ転送動作が終了する。このように、CLK制御パルスに基づいてシフトレジスタへのクロック信号の供給の有無が変化することにより、データ転送動作を中断及び再開する制御がなされている。
上述のように、本実施形態の水平走査回路3は、一連のデータ転送動作の途中でデータ転送動作を中断させ、所定の期間が経過した後に中断時の状態からデータ転送動作を再開することができる機能を有している。これにより、1サイクル期間内におけるデータ転送動作によるノイズが精度に影響しやすいタイミングを避けてデータ転送動作を行うことが可能であり、ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立することができる。
本実施形態では、1サイクル期間におけるノイズが影響しやすいタイミングの例としてAD変換期間を挙げて説明しているが、ノイズが影響しやすいタイミングはAD変換期間に限られない。他の例としては、画素リセットのタイミング及び画素信号転送のタイミングが挙げられる。AD変換期間の例と同様に、これらのタイミングと重ならないようにデータ転送動作を行うことにより、ノイズの影響が低減され得る。
以上のように、本実施形態によれば、ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立し得る信号処理装置が提供される。また、そのような信号処理装置を画素11から出力されたアナログ信号の信号処理に用いることにより、ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立し得る光電変換装置が提供される。
なお、データ転送動作の中断及び再開のタイミングは光電変換装置の外部からの制御に基づくものであってもよい。このタイミングを外部から制御できる手法の例としては、例えば、光電変換装置とは別の半導体装置から、光電変換装置の制御端子に制御信号が入力され、この制御信号によってデータ転送動作の中断及び再開のタイミングが設定されるという構成が挙げられる。水平走査回路3によるデータ転送動作の信号品質への影響が電源電圧変動によるものとすると、電源電圧変動の影響がデータ転送動作から所定の時間差をおいて発生するケースがある。そのため、AD変換期間とデータ転送動作の期間だけに注目して中断及び再開のタイミングを設計することが適切でない場合がある。光電変換装置の外部からの制御に基づいて中断及び再開のタイミングを設定できるようにすることで、実際にノイズの影響が出るタイミングに合わせてこれらのタイミングを調整することができる。また、例えば、データ転送動作が与える影響が、AD変換期間よりも画素リセット時等の他の期間で顕著な場合もあり得る。このような場合に、光電変換装置の外部からの制御に基づいて中断及び再開のタイミングを設定できるようにすることで、中断及び再開のタイミングを影響が大きいタイミングに合わるような修正が可能となる。
また、本実施形態では一連のデータ転送動作における中断及び再開の回数が1回である例を示しているが、2回以上であってもよい。中断及び再開の回数が多いほど、データ転送動作が信号品質に影響しやすいタイミングを避けることが容易になり、設計の自由度が向上する。これに対し、中断及び再開の回数を2回以上にすると、そのような制御を行うための制御回路と、データ受信回路5よりも後段のデジタルデータの処理回路とがより複雑になりやすい。したがって、設計要求等に応じて、一連のデータ転送動作における中断及び再開の回数を1回又は複数回に適宜設計することが望ましい。
[第2実施形態]
本実施形態に係る光電変換装置について説明する。第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号が付されており、これらの構成要素についての説明は省略又は簡略化されることがある。本実施形態の光電変換装置の回路構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。本実施形態では、処理回路2がAD変換期間の途中でAD変換の分解能を変えることができる機能を有している。AD変換の分解能は、AD変換の際にカウント値があらかじめ指定された所定の値に達したときに変化する。
図6には、図3に示されている信号に加えて、「カウント値」、「参照電圧」、「第1ビット」、「第2ビット」及び「第3ビット」が更に図示されている。それ以外の信号については、大筋では図3と同様であるため、以下では説明を省略する場合もある。
「NAD1」のAD変換の期間において、カウント値は、「0」から「4095」までカウントアップする。図6における「Nmax」はカウント値「4095」に相当する。「SAD1」のAD変換の期間において、カウント値は、「0」から「20479」までカウントアップする。図6における「Smax」はカウント値「20479」に相当する。
図6における「参照電圧」は、参照信号生成回路7の出力電圧である。ランプ電圧に関しては、基準信号の電圧値の範囲は3.0Vから2.6Vであるため、図6における電圧Vresは3.0Vであり、電圧Vnは2.6Vである。また、有効信号の電圧値の範囲は3.0Vから1.0Vであるため、図6における電圧Vsは1.0Vである。第1実施形態と同様に、基準信号と有効信号の電圧値の範囲の違いにより、「NAD1」のAD変換の期間よりも「SAD1」のAD変換の期間の方が長い。
時刻S1は、行1の画素11がリセットされる時刻であり、時刻S8は、行2の画素11がリセットされる時刻である。時刻S1から時刻S8までの時間が1サイクル期間に相当する。時刻S2から時刻S3の期間において「NAD1」のAD変換が行われる。「NAD1」のAD変換における分解能は、第1実施形態と同様に14ビットである。「カウント値」の波形に付されている「14ビット」は、AD変換の分解能を示している。
カウンタ8が出力するカウント値は、通常の2進数によるものであってもよく、グレイコードであってもよい。本実施形態においては、カウンタ8は、グレイコードによるカウント値を出力し、メモリ22は、グレイコードによるデジタルデータを保持するものとする。図6中の「第1ビット」は、カウンタ8から出力されるカウント値の最下位ビットである第1ビットの出力波形を模擬したものである。また、図6中の「第2ビット」は、カウンタ8から出力されるカウント値の最下位ビットよりも1つ上位のビットである第2ビットの出力波形を模擬したものである。第2ビットの波形のハイレベルとローレベルが切り替わる周期は、第1ビットの波形のハイレベルとローレベルが切り替わる周期の2倍である。また、図6中の「第3ビット」は、カウンタ8から出力されるカウント値の第2ビットよりも1つ上位のビットである第3ビットの出力波形を模擬したものである。第3ビットの波形のハイレベルとローレベルが切り替わる周期は、第2ビットの波形のハイレベルとローレベルが切り替わる周期の2倍である。
14ビット分解能を実現するAD変換器21においてカウント値の範囲は「0」から「20479」までを対応可能とするため、カウント値は、第1ビットから第15ビットまでを含むものとする。また、メモリ22は、15ビット分のデジタルデータを保持できるように構成されている。第4ビットから第15ビットの波形については、図6では不図示であるが、第1ビットから第3ビットと同様である。「NAD1」のAD変換の期間において、カウント値は「0」から「4095」までカウントアップする。その間、第1ビットから第15ビットまでの各ビットのレベルはそのカウント値に対応したデジタル値になるように変化する。
時刻S5から時刻S7の間の期間において、「SAD1」のAD変換が行われる。時刻S5の後、14ビット分解能のAD変換が開始する。時刻S6においてあらかじめ指定された所定のカウント値に達すると、図6中の「第1ビット」及び「第2ビット」に示されているように、カウンタ8の出力信号の下位の2ビット分の変動が停止する。これにより、AD変換の分解能が14ビットから12ビットに変化する。第1ビット及び第2ビットは他のビットに比べてレベル変動の周期が短い。上述のように第1ビットの変動周期は第2ビットの変動周期の半分程度であり、第1ビットの変動周期は第2ビットの周期の半分程度である。カウンタ8の消費電力は出力信号のレベルが変化する頻度が高いほど多い。そこで、下位の2ビット分の変動を停止することにより、カウンタ8の消費電力が4分の1程度に低減する。このように、AD変換の分解能を低減することにより、AD変換時の消費電力が低減する。
なお、「SAD1」の後半部分では、光ショットノイズが大きいためAD変換の分解能を低下させることにより量子化ノイズが増加したとしても信号品質への影響は小さい。したがって、「SAD1」のAD変換の途中でAD変換の分解能を低下させても、分解能の低下が信号品質に与える影響は小さい。
また、AD変換の分解能を14ビットから12ビットに低下させる手法は、図8に示されているようなカウンタ8の下位2ビットの変動を停止する手法に限られない。他の手法の例としては、カウンタ8の出力は変えずに、下位2ビット分についてはメモリ22への書き込み動作を行わないというものが挙げられる。このように、カウント値の一部のビットをAD変換に用いないというものであれば、他の手法も同様に適用可能である。
以上のように、本実施形態では、AD変換が行われる期間の途中であらかじめ指定された所定のカウント値を超えるとAD変換の分解能が変化するような駆動方法が行われる。すなわち、時刻S6から時刻S7の期間において、AD変換の分解能が14ビットから12ビットに低減されており、この期間にデータ転送動作が並行して行われる。AD変換の分解能の低減により、消費電力が低減し、これによりデータ転送動作が並行して行われた場合にもAD変換動作がノイズの影響を受けにくくなる。したがって、ノイズの影響の低減と動作の高速化が両立される。
以上のように、本実施形態によれば、ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立し得る信号処理装置が提供される。また、そのような信号処理装置を画素11から出力されたアナログ信号の信号処理に用いることにより、ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立し得る光電変換装置が提供される。
図6に示されているように、時刻S4から「NA1」のデータ転送動作が開始し、「SAD1」のAD変換が開始する直前の時刻S5において「NA1」のデータ転送動作が終了する。そして、時刻S6において、AD変換の分解能を14ビットから12ビットに低下させた状態で「NB1」のデータ転送動作が行われる。このように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、一連のデータ転送動作の途中でデータ転送動作が中断し、所定の期間が経過した後に中断時の状態からデータ転送動作が再開する制御方法が適用されている。これにより、分解能が低減されたAD変換期間内に分割されたデータ転送動作のうちの後半部分のデータ転送動作を行うことができるため、より効果的にノイズの影響の低減と動作の高速化を実現することができる。
なお、実際の電源電圧変動はデータ転送動作から時間差をおいて発生すること等を考慮すると、「NB1」のデータ転送動作の一部が14ビットの分解能によるAD変換期間と重なっていてもよく、その場合にも効果は得られる。しかしながら、AD変換の分解能が14ビットから12ビットに低減されてから、「NB1」のデータ転送が開始することが望ましい。14ビットの分解能のAD変換とデータ転送動作とが同時に行われない方がピーク電流をより確実に低減できるため、データ転送動作がAD変換動作に及ぼすノイズを低減することができる。
図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、本実施形態に係る補正処理を説明するグラフである。図7(a)、図7(b)及び図7(c)を参照して、所定のカウント値を指定しておき、そのカウント値を閾値としてAD変換の分解能を変化させることによる効果を説明する。AD変換の性能指標として、INL(積分非直線性)とDNL(微分非直線性)がある。指定されたカウント値はこれらの補正に用いられる。図7(a)、図7(b)及び図7(c)において、横軸は時刻を示しており、時刻S6はAD変換の分解能が変化するタイミングである。縦軸はカウント値を示している。実線のグラフはカウンタ8から出力されるカウント値を示しており、破線のグラフはカウント値の理想特性を示している。
図7(a)は、カウンタ8がグレイコードのカウント値を出力する場合の例を示している。この場合は、分解能が14ビットである範囲と分解能が12ビットである領域との間で破線が連続的に接続されており、INLは悪化していない。しかしながら、1カウント分のカウントアップと7カウント分のカウントアップを交互に繰り返すような不規則な特性となるため、DNLが悪化し得る。
そのため、AD変換の分解能を変化させるカウント値をあらかじめ指定しておき、そのカウント値からカウンタ8が、カウント値の補正処理を行うことが好適である。この補正処理において、仮に分解能が切り替わるカウント値が不明であると、分解能が切り替わるカウント値の近傍に適切な補正が行われない領域が発生し、AD変換の精度が劣化し得る。AD変換の分解能を変化させる閾値のカウント値を指定することにより、補正処理をどのカウント値から開始すべきかが明確になるため、より適切な補正処理を行うことができる。図7(c)は適切な補正が行われた場合における補正後のカウント値の例を示している。
図7(b)は、カウンタ8が通常の2進数のカウント値を出力する場合の例を示している。この場合は、分解能が14ビットである範囲と分解能が12ビットである領域との間で破線が不連続になるため、INLが悪化し得る。
そのため、上述のグレイコードの例と同様に、AD変換の分解能を変化させるカウント値を指定しておき、そのカウント値からカウンタ8が、カウント値の補正処理を行うことが好適である。この補正処理は、分解能が12ビットである領域において2LSB分のオフセットを加算するものであり得る。この補正処理においても、仮に分解能が切り替わるカウント値が不明であると、分解能が切り替わるカウント値の近傍に適切な補正が行われない領域が発生し、AD変換の精度が劣化し得る。AD変換の分解能を変化させるカウント値を指定することにより、補正処理をどのカウント値から開始すべきかが明確になるため、より適切な補正処理を行うことができる。
なお、分解能を変化させる閾値とするカウント値は光電変換装置の外部からの制御に基づいて指定された所定のカウント値に設定可能であってもよい。データ転送動作は光電変換装置の動作モード等によって様々なタイミングで実施され得る。そのタイミングと対応するように分解能が変化するタイミングを光電変換装置の外部から制御することで、全体での電源電圧変動を小さくすることができ、ノイズをより低減することができる可能性がある。
上述の例では分解能を14ビットから12ビットに2ビット分だけ低減する例を示しているが、分解能を変化させる手法はこれに限られない。例えば、分解能を1ビットだけ変化させてもよく、分解能を3ビット以上変化されてもよい。
[第3実施形態]
本実施形態に係る光電変換装置について説明する。第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成要素には同一の符号が付されており、これらの構成要素についての説明は省略又は簡略化されることがある。本実施形態の光電変換装置の回路構成は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図8(a)、図8(b)及び図8(c)は、本実施形態に係る光電変換装置の駆動方法を示すタイミング図である。図8(a)、図8(b)及び図8(c)は、第1実施形態又は第2実施形態の光電変換装置の駆動方法の変形例を示している。
図8(a)は、第1の例として第2実施形態で説明した駆動方法における代表的なパルスのタイミング図を再掲するものである。図8(a)の時刻U1から時刻U8における動作は図6の時刻S1から時刻S8における動作と同様のものである。図8(a)ではタイミング図の記載を簡略化して他の例との違いをより明確にするため、一部の波形を削除し、AD変換の分解能を示す「分解能」のタイミングを追加している。ここで「分解能」中の「14b」は14ビットの分解能でAD変換が行われている期間を示しており、「12b」は12ビットの分解能でAD変換が行われている期間を示している。第2実施形態において述べたように、「転送N1」のデータ転送動作の期間が「NA1」と「NB1」の2つに2分割されている。また、時刻U6において「SAD1」のAD変換の途中からAD変換の分解能が14ビットから12ビットに変化しており、12ビットに変化したタイミングから、「NB1」のデータ転送動作が開始している。
図8(b)は、第2の例を示すタイミング図である。本例において、「NAD1」と「SAD1」のAD変換のタイミングは図8(a)と同様である。しかしながら、一連のデータ転送動作が分割されていない点が図8(a)の例と異なっている。ここで、時刻U9から時刻U10における「NAD1」のAD変換が行われる期間の長さをLNとする。また、時刻U11から時刻U13における「SAD1」のAD変換が行われる期間のうち、14ビットの分解能でAD変換が行われる時刻U11から時刻U12までの期間の長さLSとする。図8(b)にはLS=LNとなるようにこれらの期間を設定した例が示されている。LSとLNは、LS≧LNの関係を満たすように設定されていることが好適である。そして、LSとLNは、LS=LNの関係を満たすように設定されていることがより好適である。これにより、「NAD1」と「SAD1」のAD変換において、カウント値当たりのノイズ量を近づけることができ、相関二重サンプリング後のノイズが低減するため、信号品質へのノイズの影響が低減される。「SAD1」のAD変換の期間が長い場合には、図8(b)に示されているように、時刻U12において「転送S0」のデータ転送動作を開始し、続けて「転送N1」のデータ転送動作を開始することにより、ノイズの影響の低減と動作の高速化が両立される。
図8(c)は、第3の例を示すタイミング図である。本例において、1サイクル期間に相当する期間は、時刻U15から時刻U19までの期間である。本例では、他の例のように1サイクル期間内に「NAD1」と「SAD1」のような2回のAD変換を行っていない。すなわち、本例では、1サイクル期間内に「AD1」等の1回のみのAD変換期間が含まれている。本例の具体的な適用例としては、基準信号の電圧値と有効信号の電圧値をそれぞれサンプルホールド回路によりホールドしておき、ホールドされた基準信号と有効信号とを1つのAD変換期間内に並行してAD変換するケースが挙げられる。また別の適用例としては、有効信号と基準信号の差分のアナログ信号を出力する回路を配し、そのアナログ信号をAD変換するといった例も挙げられる。図8(c)において、時刻U15から時刻U18の間の「転送D1」は一連のデータ転送動作に相当する。「転送D1」は、時刻U15から時刻U16の間に行われる「DA1」と、時刻U17から時刻U18に行われる「DB1」の2つのデータ転送動作に分割されている。そして、時刻U16から時刻U17の間の期間(リセット期間)において画素リセットパルスがハイレベルになっており、画素のリセットが行われている。上述のようにAD変換とデータ転送動作が同期間に行われると信号品質に影響する場合があるが、画素リセットのタイミング又は画素信号転送のタイミングにデータ転送動作が行われることで信号品質に影響が生じる場合もあり得る。本例のように、画素リセットのタイミングの前にデータ転送動作を中断し、その後再開するような駆動方法であってもよく、ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立することができる。
以上のように、本実施形態で述べた変形例においても、ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立し得る信号処理装置が提供される。また、そのような信号処理装置を画素11から出力されたアナログ信号の信号処理に用いることにより、ノイズの影響の低減と動作の高速化を両立し得る光電変換装置が提供される。
[第4実施形態]
上述の実施形態における光電変換装置は種々の機器に適用可能である。機器として、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダ、カメラヘッド、複写機、ファックス、携帯電話、車載カメラ、観測衛星、監視カメラ等があげられる。図9に、機器の例としてデジタルスチルカメラのブロック図を示す。
図9に示す機器70は、バリア706、レンズ702、絞り704、撮像装置700(光電変換装置の一例)を含む。また、機器70は、更に、信号処理部(処理装置)708、タイミング発生部720、全体制御・演算部718(制御装置)、メモリ部710(記憶装置)、記録媒体制御I/F部716、記録媒体714、外部I/F部712を含む。バリア706、レンズ702、絞り704の少なくとも1つは、機器に対応する光学装置である。バリア706はレンズ702を保護し、レンズ702は被写体の光学像を撮像装置700に結像させる。絞り704はレンズ702を通った光量を可変にする。撮像装置700は上述の実施形態のように構成され、レンズ702により結像された光学像を画像データ(画像信号)に変換する。信号処理部708は撮像装置700より出力された撮像データに対し各種の補正、データ圧縮等を行う。タイミング発生部720は撮像装置700及び信号処理部708に、各種タイミング信号を出力する。全体制御・演算部718はデジタルスチルカメラ全体を制御し、メモリ部710は画像データを一時的に記憶する。記録媒体制御I/F部716は記録媒体714に画像データの記録又は読み出しを行うためのインターフェースであり、記録媒体714は撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体である。外部I/F部712は外部コンピュータ等と通信するためのインターフェースである。タイミング信号等は機器の外部から入力されてもよい。また、更に機器70は光電変換装置で得られた情報を表示する表示装置(モニター、電子ビューファインダ等)を備えてもよい。機器は少なくとも光電変換装置を備える。更に、機器70は、光学装置、制御装置、処理装置、表示装置、記憶装置、及び光電変換装置で得られた情報に基づいて動作する機械装置の少なくともいずれかを備える。機械装置は、光電変換装置の信号を受けて動作する可動部(たとえばロボットアーム)である。
それぞれの画素が、複数の光電変換部(第1の光電変換部と、第2の光電変換部)を含んでもよい。信号処理部708は、第1の光電変換部で生じた電荷に基づく画素信号と、第2の光電変換部で生じた電荷に基づく画素信号とを処理し、撮像装置700から被写体までの距離情報を取得するように構成されてもよい。
[第5実施形態]
図10(a)、図10(b)は、本実施形態における車載カメラに関する機器のブロック図である。機器80は、上述した実施形態の撮像装置800(光電変換装置の一例)と、撮像装置800からの信号を処理する信号処理装置(処理装置)を有する。機器80は、撮像装置800により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う画像処理部801と、機器80より取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う視差算出部802を有する。また、機器80は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する距離計測部803と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する衝突判定部804とを有する。ここで、視差算出部802、距離計測部803は、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部804はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。距離情報取得手段は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
機器80は車両情報取得装置810と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、機器80には、衝突判定部804での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU820が接続されている。また、機器80は、衝突判定部804での判定結果に基づいて、ドライバーへ警報を発する警報装置830とも接続されている。例えば、衝突判定部804の判定結果として衝突可能性が高い場合、制御ECU820はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置830は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステム等の画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。機器80は上述のように車両を制御する動作の制御を行う制御手段として機能する。
本実施形態では車両の周囲、例えば前方又は後方を機器80で撮像する。図10(b)は、車両前方(撮像範囲850)を撮像する場合の機器を示している。撮像制御手段としての車両情報取得装置810が、撮像動作を行うように機器80又は撮像装置800に指示を送る。このような構成により、測距の精度をより向上させることができる。
上述では、他の車両と衝突しないように制御する例を説明したが、他の車両に追従して自動運転する制御、車線からはみ出さないように自動運転する制御等にも適用可能である。更に、機器は、自動車等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機、人工衛星、産業用ロボット及び民生用ロボット等の移動体(移動装置)に適用することができる。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)、監視システム等、広く物体認識又は生体認識を利用する機器に適用することができる。
[変形実施形態]
本発明は、上述の実施形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
本明細書の開示内容は、本明細書に記載した概念の補集合を含んでいる。すなわち、本明細書に例えば「AはBである」旨(A=B)の記載があれば、「AはBではない」旨(A≠B)の記載を省略しても、本明細書は「AはBではない」旨を開示又は示唆しているものとする。なぜなら、「AはBである」旨を記載している場合には、「AはBではない」場合を考慮していることが前提だからである。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
なお、上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
2 処理回路
3 水平走査回路
5 データ受信回路
11 画素
21 AD変換器
22 メモリ

Claims (20)

  1. 入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換部と、前記デジタル信号を保持するメモリとを各々が含む複数の処理回路と、
    前記複数の処理回路の各々の前記メモリから前記デジタル信号を順次出力させる転送動作を行う走査回路と、
    を有し、
    前記走査回路は、前記転送動作の途中で前記転送動作を中断し、所定の期間が経過した後に中断時の状態から前記転送動作を再開する
    ことを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記アナログデジタル変換部は、前記転送動作が中断してから前記転送動作が再開するまでの期間にアナログデジタル変換を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記アナログデジタル変換部は、前記アナログデジタル変換が行われる期間の途中で前記アナログデジタル変換の分解能を変化させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記転送動作が再開した後の期間と前記アナログデジタル変換の分解能が変化した後の期間の少なくとも一部が重複している
    ことを特徴とする請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 入力されたアナログ信号をデジタル信号へのアナログデジタル変換を行うアナログデジタル変換部と、前記デジタル信号を保持するメモリと、クロック信号を計数することでカウント値を生成するカウンタとを各々が含む複数の処理回路と、
    前記複数の処理回路の各々の前記メモリから前記デジタル信号を順次出力させる転送動作を行う走査回路と、
    を有し、
    前記アナログデジタル変換部は、1つの前記アナログ信号の前記アナログデジタル変換において、所定の前記カウント値を閾値として、前記カウンタの動作を変更することによって前記アナログデジタル変換の分解能を変化させる
    ことを特徴とする信号処理装置。
  6. 前記転送動作は、前記アナログデジタル変換の分解能が変化した後の期間において、前記アナログデジタル変換と並行して行われる
    ことを特徴とする請求項5に記載の信号処理装置。
  7. 前記アナログデジタル変換の分解能が変化した後の期間における分解能は、変化する前の分解能よりも低い
    ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  8. 前記デジタル信号は、前記アナログデジタル変換の分解能の変化に対応して補正される
    ことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  9. 前記アナログデジタル変換部は、時間に応じて変化する参照信号と前記アナログ信号との比較結果に応じて、カウンタから出力されているカウント値を前記メモリに保持することにより前記アナログデジタル変換を行う
    ことを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  10. 前記アナログデジタル変換部は、前記カウント値の一部のビットを前記アナログデジタル変換に用いないようにすることにより、前記アナログデジタル変換の分解能を変化させる
    ことを特徴とする請求項9に記載の信号処理装置。
  11. 外部からの制御に基づいて前記転送動作の中断及び再開のタイミングが制御される
    ことを請求項1乃至10のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  12. 前記走査回路はシフトレジスタを含み、
    前記シフトレジスタへのクロック信号の供給の有無に基づいて、前記転送動作の中断及び再開が制御される
    ことを請求項1乃至11のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  13. 各々が光電変換部を有する複数の画素と、
    請求項1乃至12のいずれか1項に記載の信号処理装置と、
    を有し、
    前記複数の画素の各々は、対応する処理回路にアナログ信号を出力する
    ことを特徴とする光電変換装置。
  14. 前記処理回路は、第1変換期間において、前記画素における基準信号レベルのアナログ信号をデジタル信号に変換し、
    前記処理回路は、第2変換期間において、入射光に応じた有効信号レベルのアナログ信号をデジタル信号に変換し、
    前記第1変換期間においては、前記転送動作が行われない
    ことを特徴とする請求項13に記載の光電変換装置。
  15. 前記転送動作は、前記第2変換期間の途中に開始される
    ことを特徴とする請求項14に記載の光電変換装置。
  16. 前記第2変換期間の途中にアナログデジタル変換の分解能が変化する
    ことを特徴とする請求項14又は15に記載の光電変換装置。
  17. 前記第2変換期間が開始してから前記アナログデジタル変換の分解能が変化するまでの期間の長さは、前記第1変換期間の長さ以上である
    ことを特徴とする請求項16に記載の光電変換装置。
  18. 前記転送動作は、前記画素に前記基準信号レベルのアナログ信号を出力させるためのリセット期間には行われない
    ことを特徴とする請求項14乃至17のいずれか1項に記載の光電変換装置。
  19. 請求項13乃至18のいずれか1項に記載の光電変換装置と、
    前記光電変換装置に対応した光学装置、
    前記光電変換装置を制御する制御装置、
    前記光電変換装置から出力された信号を処理する処理装置、
    前記光電変換装置で得られた情報を表示する表示装置、
    前記光電変換装置で得られた情報を記憶する記憶装置、及び
    前記光電変換装置で得られた情報に基づいて動作する機械装置、の少なくともいずれかと、を備えることを特徴とする機器。
  20. 前記処理装置は、複数の光電変換部にて生成された画像信号をそれぞれ処理し、前記光電変換装置から被写体までの距離情報を取得することを特徴とする請求項19に記載の機器。
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