JP2023095155A - 分析システム及び分析制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料容器の搬送及び分析装置への取り付けを含めた分析作業を、分析者が不在時にも自動で実施する。【解決手段】配置された際の向きを特定可能な非回転対称の形態的特徴を有する試料容器50と、形態的特徴に基づいて向きを特定したうえで試料容器50を把持して搬送し、所定方向を向いた状態で指定位置に配置する搬送装置60と、指定位置に配置された試料容器50の向きを保った状態で、試料室又は試料交換室まで試料容器50を移動させる移動装置70と、試料室又は試料交換室に移動された試料容器50に収容された試料に関する特性を分析する分析装置80と、制御装置10とを含み、制御装置10が、試料容器50の向きの特定から試料容器50に収容された試料に関する特性の分析までの処理が自律的に実行されるように、搬送装置60、移動装置70、及び分析装置80を連携させて制御する。【選択図】図5

Description

本発明は、分析システム及び分析制御方法に関する。
従来、開口部から試薬容器を収容することにより該試薬容器を保持する容器保持部を有する試薬ディスクを備える自動分析装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置において、器保持部は、試薬ディスクの回転中心側に複数配置された内周側保持部と、試薬ディスクの外周側に複数配置された外周側保持部と、を有し、内周側保持部の開口部の形状に外周側保持部の開口部の形状を重ね合わせると、外周側保持部の開口部を構成する辺のうちの一辺およびその両側の二辺は、内周側保持部の開口部を構成する辺のうちの一辺およびその両側の二辺と重なり、外周側保持部の開口部の面積は、内周側保持部の開口部の面積よりも小さい。
また、容器に収容された試料に対する処理を行う試料処理装置が提案されている(特許文献2参照)。この装置は、容器を保持し、互いに形状が異なる複数のホルダと、複数のホルダのそれぞれの形状に対応し、互いに形状が異なる複数のホルダ受入部を備えるホルダ配置部と、ホルダ配置部に配置されたホルダに保持された容器に収容された試料に対する処理を行う試料処理部と、を備える。
また、生化学及び生物・生命工学の少なくとも一方の分野におけるプロトコルに基づく実験の記録である実験データを記録する実験データ記録装置が提案されている(特許文献3参照)。この装置は、実験器具の動作記録を受信する受信部と、実験固有のIDである実験IDをプロトコルに固有のプロトコルIDと紐付けて記録する実験ID記録部と、受信した動作記録のそれぞれを、プロトコルに含まれる複数の手順のうち、対応する手順と関連付けて記録する動作記録部とを有する。
また、環境試料の採取、前処理、試料調製、測定・分析時の採取時情報や、試料処理情報や、測定結果情報を一貫して管理するデータ収集方法が提案されている(特許文献4参照)。この方法は、前処理に供する試料を収納したRFIDタグを貼付された第1の容器と、前処理後の試料を収納するRFIDタグを貼付された第2の容器とを、前処理に用いる試料処理装置の近くに一旦配置し、試料処理装置、RFIDタグ、およびRFIDタグと、通信可能な第1の端末装置を用い、第1の容器および第2の容器に貼付されたそれぞれのRFIDタグのID情報を取得し、試料処理装置から取得した試料処理情報にRFIDタグのID情報を関係付け、通信回線を通じて分析センタサーバに取得された試料処理情報を送信する。
特開2014-178266号公報 特開2021-032707号公報 特開2019-194619号公報 特開2008-269361号公報
特許文献1に記載の技術は、試薬容器を効率良く収納することを目的としている。また、特許文献2に記載の技術は、各々のホルダを個別に特定することを目的としている。また、特許文献3及び4の技術は、試料や動作記録等のID管理に着目し、実験データをより確実に管理することを目的としている。そのため、いずれの場合も、試料容器の搬送及び分析装置への取り付けを含めた分析作業を、分析者が不在時にも実施することができるような分析の自動化を行うことはできない。
本発明は、上記事情を鑑みて成されたものであり、試料容器の搬送及び分析装置への取り付けを含めた分析作業を、分析者が不在時にも自動で実施することができる分析システム及び分析制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る分析システムは、配置された際の向きを特定可能な非回転対称の形態的特徴を有する試料容器と、前記形態的特徴に基づいて前記試料容器の向きを特定したうえで前記試料容器を把持して搬送し、所定方向を向いた状態で前記試料容器を指定位置に配置する搬送装置と、前記指定位置に配置された前記試料容器の向きを保った状態で、前記試料容器に対して試料を出し入れする試料室又は試料交換室まで前記試料容器を移動させる移動装置と、前記試料室又は前記試料交換室に移動された前記試料容器に収容された試料に関する特性を分析する分析装置と、前記試料容器の向きの特定から前記試料容器に収容された試料に関する特性の分析までの処理が自律的に実行されるように、前記搬送装置、前記移動装置、及び前記分析装置を連携させて制御する制御装置と、を含んで構成されている。これにより、試料容器の搬送及び分析装置への取り付けを含めた分析作業を、分析者が不在時にも自動で実施することができる。
また、前記搬送装置は、前記形態的特徴を認識可能なセンサの出力信号に基づいて、前記試料容器の向きを特定し、前記所定方向を向いた状態で前記試料容器を前記指定位置に配置可能な把持位置を把持するようにしてよい。これにより、試料容器の分析装置への取り付けを自動化することができる。
また、前記試料容器は、前記搬送装置に把持される前の状態として、位置及び向きを固定するための、前記形態的特徴を用いた固定ガイドに沿って設置されるようにしてよい。これにより、試料容器を把持するための、センサ出力の処理や把持動作のためのプランニングを短縮することができる。
また、前記形態的特徴が、前記非回転対称を表す形状であり、前記搬送装置は、前記試料容器の前記形態的特徴である形状に対応する形状の把持部を有し、前記試料容器の形状と前記把持部の形状とを対応させて前記試料容器を把持した状態で、前記試料容器の向きが特定されるようにしてもよい。これにより、メカニカルな機構でも、試料容器の向きを特定することができる。
また、前記移動装置は、前記指定位置から前記試料室又は前記試料交換室までの間に、前記試料容器が前記所定方向を向いた状態を保つためのガイドを有してもよい。これにより、試料室又は試料交換室へ正確な向きで試料容器を移動させることができる。
また、前記試料容器の向きが、前記指定位置において前記所定方向となるように前記試料容器の向きを調整する調整機構を含んでもよい。これにより、搬送装置が試料容器を配置した際にずれが生じても、試料容器が正確な向きに調整されて指定位置へ配置される。
また、前記形態的特徴は、前記非回転対称を表す形状、模様、及び色彩の少なくとも一つであってよい。
また、本発明に係る分析制御方法は、配置された際の向きを特定可能な非回転対称の形態的特徴を有する試料容器と、前記形態的特徴に基づいて前記試料容器の向きを特定したうえで前記試料容器を把持して搬送し、所定方向を向いた状態で前記試料容器を指定位置に配置する搬送装置と、前記指定位置に配置された前記試料容器の向きを保った状態で、前記試料容器に対して試料を出し入れする試料室又は試料交換室まで前記試料容器を移動させる移動装置と、前記試料室又は前記試料交換室に移動された前記試料容器に収容された試料に関する特性を分析する分析装置と、制御装置とを含む分析システムにおける分析制御方法であって、前記制御装置が、前記試料容器の向きの特定から前記試料容器に収容された試料に関する特性の分析までの処理が自律的に実行されるように、前記搬送装置、前記移動装置、及び前記分析装置を連携させて制御する方法である。
本発明の分析装置及びプログラムによれば、試料容器の搬送及び分析装置への取り付けを含めた分析作業を、分析者が不在時にも自動で実施することができる。
試料容器の分析装置への取り付けの自動化を説明するための図である。 回転対称の試料容器を用いた分析の自動化の問題点を説明するための図である。 回転対称の試料容器を用いた分析の自動化の問題点を説明するための図である。 第1実施形態に係る分析システムの概略図である。 第1実施形態における分析装置の機能ブロック図を含む分析システムの概略構成図である。 データベースに記録される情報の一例を示す図である。 非回転対称を表す形状の試料容器の一例を概略的に示す図である。 非回転対称を表す模様が付与された試料容器の一例を概略的に示す図である。 搬送装置を説明するための図である。 搬送装置、移動装置、及び分析装置を説明するための図である。 移動装置の概略上面図である。 第1実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 分析制御処理の流れを示すフローチャートである。 搬送処理の流れを示すフローチャートである。 分析処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態における分析装置の機能ブロック図を含む分析システムの概略構成図である。 試料容器の形状に対応した固定ガイドを説明するための図である。 試料容器の模様又は色彩に対応した固定ガイドを説明するための図である。 第3実施形態における分析装置の機能ブロック図を含む分析システムの概略構成図である。 調整機構を説明するための図である。 第4実施形態における試料容器及びエンドエフェクタの形状を説明するための図である。 第4実施形態における試料容器の向きの特定を説明するための図である。
<従来技術の問題点>
上述したように、従来技術では、試料容器の搬送及び分析装置への取り付けを含めた分析作業を、分析者が不在時にも実施することができるような分析の自動化を行うことはできない。
この問題が生じる技術的理由について説明する。分析装置に試料容器を取り付けるためには、分析装置に対して試料容器の向きを高い精度で合わせる必要がある。試料容器の分析装置への取り付けの自動化の方法の1つとして、図1に示すように、モバイルマニピュレータを使う方法がある。試料容器の分析装置への取り付けの自動化を行うためには、モバイルマニピュレータは試料容器の向きを正確に認識する必要がある。これを実現する方法の一例では、モバイルマニピュレータと連動するカメラで撮影した試料容器の画像を画像処理して、試料容器の向きを推定することが考えられる。
しかし、一般的な試料容器は回転対称形状であるため、試料容器を分析装置に取り付けるための正確な向きの候補が複数発生することにより、モバイルマニピュレータは試料容器の向きを誤って認識してしまう場合がある。向きの認識が誤ることにより、モバイルマニピュレータは試料容器を誤った把持位置で把持していまい、結果として、分析装置に試料容器を正しく取り付けることができない場合が発生する。
例えば、図2左図に示すように、円柱及び直方体で構成された回転対称の形状の試料容器を上面から見た場合の各辺をA、B、C、及びDとする。この場合において、モバイルマニピュレータに取り付けられた2指のグリッパの一方の指をBに対応させ、他方の指をDに対応させて試料容器を把持するのが正解の把持位置であるとする。しかし、図2の右図に示すように、カメラで試料容器を俯瞰的に撮影したカメラ映像では、試料容器が回転対称の形状であるため、B及びDを把持する方向と、A及びCを把持する方向との区別がつかず、誤ってA及びCを把持位置として特定してしまう可能性がある。また、図3に示すように、図2に示す試料容器の直方体部分の対角線上の角部を切り欠き状にした形状の試料容器とした場合も、180°の回転に対しては回転対称の形状であるため、試料容器の向きを誤って特定してしまうという不安定性は残る。
そこで、以下の各実施形態では、非回転対称の形態的特徴を有する試料容器を用いて、試料容器の正しい向きを特定したうえで、試料容器の搬送及び分析装置への取り付けを含む分析作業の全体の統合的な自動制御を実現する。以下、図面を参照して各実施形態を詳細に説明する。
<第1実施形態>
図4に示すように、第1実施形態に係る分析システム1は、制御装置10と、依頼者端末20と、分析者端末30と、リーダ40と、試料容器50と、搬送装置60と、移動装置70と、分析装置80とを含む。制御装置10と、依頼者端末20、分析者端末30、リーダ40、搬送装置60、及び分析装置80の各々とは、ネットワークを介して通信可能に接続される。なお、分析システム1に含まれる各構成の数は図1の例に限定されない。
依頼者端末20は、試料の分析を依頼する依頼者が利用する情報処理端末である。依頼者端末20は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等で実現されてよい。また、依頼者端末20はモニタ90を備える。依頼者端末20は、例えば、分析依頼申込フォームの画面をモニタ90に表示し、依頼者から試料の分析依頼の申し込みを受け付ける。分析依頼には、例えば、依頼者名、依頼者の所属組織、分析対象の試料の情報、分析目的等の情報が含まれる。依頼者端末20は、受け付けた分析依頼を制御装置10へ送信する。
分析者端末30は、試料の分析を担当する分析者が利用する情報処理端末である。分析者端末30は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等で実現されてよい。また、分析者端末30はモニタ90を備える。分析者は依頼者から分析対象の試料を受け取ると(詳細は後述)、分析者端末30を介して、分析に関する分析情報を入力する。分析情報には、依頼ID、試料の取り扱いに関する情報等が含まれる。なお、依頼IDは、分析者が分析者端末30を介して制御装置10にアクセスして、制御装置10に記憶されたデータベースDBを参照し、依頼者名等に基づいて該当の分析依頼に付与された依頼IDを検索して取得すればよい。分析者端末30は、分析者から入力された分析情報を制御装置10へ送信する。
また、分析者は、分析情報の入力と共に、分析者端末30を介して、分析環境データを入力する。分析環境データは、分析そのものについての条件を示すデータであり、少なくとも、分析者、分析場所、搬送日時、分析日時、搬送装置ID、分析装置ID等の情報を含む。搬送日時は、試料が収容された試料容器50を分析装置80へ搬送する日時であり、搬送装置IDは、試料容器50の搬送に利用する搬送装置60を特定する識別情報であり、分析装置IDは、試料の分析に利用する分析装置80を特定する識別情報である。
リーダ40は、各種識別情報を表すQRコード(登録商標)等のコード画像を読み取る装置であり、例えば、カメラ機能付きのスマートフォンやタブレット、コード画像読み取り専用の読取装置等で実現されてよい。分析者は、分析情報及び分析環境データの入力と共に、依頼者から試料と共に送付されてきた、その試料の識別情報である試料IDを示すQRコード等をリーダ40で読み取る。リーダ40は、読み取ったQRコード等が示す試料IDを制御装置10へ送信する。
また、分析者は、試料を試料容器50に収納し、試料容器50に、試料容器の識別情報である試料容器IDを付与する。例えば、分析者は、試料容器IDを示すQRコード等のコード画像が印字されたシールを試料容器50に貼付してもよいし、試料容器IDが直接刻印された試料容器50を使用してもよい。また、分析者は、試料容器IDが記録されたRFID(radio frequency identifier)タグを試料容器50に取り付けてもよい。分析者は、試料IDを示すQRコード等の読み取り後、試料容器50に付与された試料容器IDを示すQRコード等をリーダ40で読み取る。リーダ40は、読み取ったQRコード等が示す試料容器IDを制御装置10へ送信する。分析者は、試料容器IDが付与された試料容器50を保管場所に配置する。
制御装置10は、試料容器50の向きの特定から試料容器50に収容された試料に関する特性の分析までの処理が自律的に実行されるように、搬送装置60、移動装置70、及び分析装置80を連携させて制御する。制御装置10は、機能的には、図5に示すように、依頼ID発行部101と、依頼ID記録部102と、試料ID発行部103と、分析ID発行部104と、分析ID記録部105と、分析環境記録部106と、試料ID記録部107と、試料容器ID記録部108と、指示部109と、分析データ記録部110と、分析データ表示部111と、通信部112と、データベース(DB)120とを含む。
通信部112は、依頼者端末20、分析者端末30、リーダ40、搬送装置60、分析装置80、及びモニタ90の各々と制御装置10との間の通信を制御する。
依頼ID発行部101は、通信部112を介して、依頼者端末20から送信された分析依頼を受信すると、分析依頼の識別情報である依頼IDを発行し、依頼IDを付与した分析依頼を依頼ID記録部102へ受け渡す。依頼ID記録部102は、受け渡された分析依頼の情報をデータベース120に記録する。
試料ID発行部103は、依頼IDが発行されると、その依頼IDが示す分析依頼の対象の試料の試料IDを発行する。試料ID発行部103は、例えば、試料IDを示すQRコード等を、通信部112を介して依頼者端末20へ送信する。依頼者は試料IDを示すQRコード等を印刷して、分析対象の試料の現物と共に分析者へ送付する。
分析ID発行部104は、通信部112を介して、分析者端末30から送信された分析情報を受信すると、分析情報の識別情報である分析IDを発行し、分析IDを付与した分析情報を分析ID記録部105へ受け渡す。分析ID記録部105は、受け渡された分析情報をデータベース120に記録する。分析情報には、依頼IDが含まれるため、分析IDと依頼IDとが紐付けられる。
分析環境記録部106は、通信部112を介して、分析者端末30から送信された分析環境データを受信すると、分析環境データと共に入力された分析情報に付与された分析IDを分析環境データにも付与する。そして、分析環境記録部106は、分析IDが付与された分析環境データをデータベース120に記録する。これにより、分析IDと分析環境データとが紐付けられる。
試料ID記録部107は、通信部112を介して、リーダ40から送信された試料IDを受信すると、試料IDの読み取りと共に入力された分析情報に付与された分析IDを試料IDにも付与する。そして、試料ID記録部107は、分析IDが付与された試料IDをデータベース120に記録する。これにより、分析IDと試料IDとが紐付けられる。
試料容器ID記録部108は、通信部112を介して、リーダ40から送信された試料容器IDを受信すると、試料容器IDの直前に読み取られた試料IDに付与された分析IDを試料容器IDにも付与する。そして、試料容器ID記録部108は、分析IDが付与された試料容器IDをデータベース120に記録する。これにより、分析IDと試料容器IDとが紐付けられる。
指示部109は、データベース120に記録された情報に基づいて搬送指示を作成し、通信部112を介して搬送装置60へ送信する。搬送指示は、搬送日時、試料容器ID、分析装置ID等の情報を含む。また、指示部109は、通信部112を介して、分析装置80から試料容器50の回収依頼を受信すると、搬送指示と同様の試料容器ID、分析装置ID等の情報を含む回収指示を作成し、通信部112を介して搬送装置60へ送信する。また、指示部109は、データベース120に記録された情報に基づいて分析指示を作成し、通信部112を介して分析装置80へ送信する。分析指示は、分析ID、分析日時、試料容器ID、分析目的、試料の取り扱い等の情報を含む。
分析データ記録部110は、通信部112を介して、分析完了後に分析装置80から送信された、分析IDが付与された分析データを受信すると、分析IDが付与された分析データをデータベース120に記録する。分析データは、分析装置80が電子顕微鏡であれば、試料表面を撮影した画像、分析装置80が元素組成分析装置であれば、元素組成情報等である。これにより、分析IDと分析データとが紐付けられる。
分析データ表示部111は、通信部112を介して、データベース120に記録された分析データをモニタ90へ送信する。これにより、モニタ90に分析データが表示される。なお、モニタ90は、依頼者端末20又は分析者端末30が備えるモニタ90であってもよいし、依頼者端末20又は分析者端末30とは別のモニタ90であってもよい。
図6に、データベース120に記録される情報の一例を示す。図6の例では、データベース120には、分析依頼が記録される分析依頼テーブル121と、分析情報が記録される分析情報テーブ122と、分析環境データが記録される分析環境テーブル123と、試料ID及び試料容器IDが記録される試料テーブル124と、分析データが記録される分析データテーブル125とが含まれている。
試料容器50は、配置された際の向きを特定可能な非回転対称の形態的特徴を有する。形態的特徴は、非回転対称を表す形状、模様、及び色彩の少なくとも一つとしてよい。図7に、非回転対称の形態的特徴が非回転対称を表す形状である場合の試料容器50の一例を示す。図7の例では、試料容器50は、円柱と直方体とを組み合わせた形状で構成され、直方体部分の1辺の両端に相当する角部を切り欠き状とした、非回転対称の形状である。図7の左図に示すように、試料容器50の直方体部分のある1辺をカメラの正面に向けた角度を0°とし、その状態から90°ずつ回転させた場合にカメラで俯瞰的に撮影されるカメラ画像の一例を図7の右図に示す。図7の右図に示すように、試料容器50の角度が0°、90°、180°、及び270°のそれぞれの場合において、カメラ画像に写る切り欠き状の角部の数及び配置が異なるため、カメラ画像から試料容器50の向きを認識可能である。
なお、試料容器50の非回転対称の形態的特徴は図7の例に限定されず、切り欠き部分の大きさを1つずつ異なるものにする、切り欠き状ではなく突出部により非回転対称の形状を形成する等としてもよい。また、非回転対称の形態的特徴は、例えば、図8に示すように、試料容器50の複数個所(図8の例では、直方体部分の各角部)に異なる模様(マーク)を付与したものでもよい。この場合も、カメラ画像に写る模様の種類に基づいて、カメラ画像から試料容器50の向きを認識可能である。また、他の例として、直方体部分の各角部に、色彩がそれぞれ異なる同一の模様を付与してもよいし、色彩及び模様をそれぞれ異ならせたマークを付与してもよいし、形状と模様及び色彩の少なくとも一方とを組み合わせてもよい。
搬送装置60は、試料容器50の非回転対称の形態的特徴に基づいて試料容器50の向きを特定したうえで、保管場所に配置された試料容器50を把持して搬送し、所定方向を向いた状態で試料容器を指定位置に配置する。具体的には、搬送装置60は、試料容器50の形態的特徴を認識可能なセンサの出力信号に基づいて、試料容器50の向きを特定し、特定した向きに基づいて、試料容器50が所定方向を向いた状態で指定位置に配置可能な把持位置を把持する。
例えば、搬送装置60が移動ロボットにマニピュレータを搭載したシステムであるモバイルマニピュレータである場合を例に、具体的に説明する。搬送装置60は、図9に示すように、試料容器50の形態的特徴を含む周辺環境を認識可能なセンサとしてカメラ62を備える。なお、センサはカメラ62に限定されず、レーザレーダ等の他のセンサであってもよい。また、搬送装置60は、環境地図を有しており、現在地から目的地までの走行ルートを計算し、カメラ62で撮影されたカメラ画像から認識される周辺環境データと環境地図とのマッチングを利用して自装置の現在位置及び姿勢を推定しながら、自動走行する。
搬送装置60は、通常、待機場所で待機しており、制御装置10から、搬送日時、試料容器ID、及び分析装置IDを含む搬送指示を受信すると、待機場を現在地、試料容器IDが示す試料容器50が配置されている保管場所を目的地とする走行ルートを環境地図に基づいて計算し、搬送日時に走行ルートに基づく走行を開始する。搬送装置60は、試料容器50の保管場所に到着すると、搭載されているカメラ62を使って試料容器IDを認識する。試料容器IDがQRコードの場合には、カメラ62で認識すればよい。試料容器IDがRFIDタグの場合、RFID読み取り専用のリーダを搬送装置60に搭載しておき、RFIDタグから試料容器IDを認識してもよい。また、搬送装置60に搭載されているカメラ62ではなく、保管場所に設置されている固定カメラを利用して試料容器IDを認識してもよい。
搬送装置60は、試料容器IDを認識することにより搬送対象の試料容器50を特定し、カメラ62で撮影されたカメラ画像から試料容器50の向きを認識して、把持すべき箇所を特定する。把持すべき箇所は、搬送装置60が、指定位置に正着した状態で試料容器50を指定位置に配置した場合に、配置された試料容器50が所定方向を向くような箇所である。搬送装置60は、特定した把持すべき箇所を把持した状態を目標姿勢とし、予め設定されているプランニングにしたがって、試料容器50の把持動作を実行する。
搬送装置60は、試料容器50を把持すると、試料容器50の保管場所を現在地、搬送指示に含まれる分析装置IDが示す分析装置80に隣接して設置された移動装置70の指定位置に正着する位置を目的地として走行ルートを計算する。搬送装置60は、走行ルートに基づく走行を開始することで、試料容器50を搬送する。図10に示すように、搬送装置60は、目的地に到着すると、移動装置70の指定位置(図10中の破線部)に試料容器50を配置する。搬送装置60が精度良く移動装置70の指定位置に正着するために、搬送装置60は、カメラ62で撮影されたカメラ画像から周辺環境の特徴量を抽出し、搬送装置60と移動装置70の指定位置との相対位置を計算して正着制御を行ってよい。また、搬送装置60は、移動装置70の指定位置の位置及び姿勢が正確にわかるマーカ72を移動装置70の周辺に備えてもよい。この場合、搬送装置60はカメラ62でマーカ72を読み取り、読み取った情報に基づいて、移動装置70の指定位置に対する正着制御を行ってもよい。試料容器50を指定位置に配置した後は、搬送装置60は待機場所に戻るように自動走行制御してもよい。
また、搬送装置60は、制御装置10から回収指示を受信すると、回収指示に含まれる分析装置IDが示す分析装置80に隣接する移動装置70の指定位置で試料容器50を回収し、保管場所に試料容器50を戻し、待機場所に戻るように、自動走行制御及び把持制御を実行する。
移動装置70は、分析装置80からの指示により駆動し、指定位置に配置された試料容器50の向きを保った状態で、試料容器50に対して試料を出し入れする箇所である試料交換室82まで試料容器50を移動させる。なお、分析装置80が試料交換室82を必要としない構成の場合には、移動装置70は、試料交換室82ではなく、分析装置80の試料室へ試料容器50を移動させるようにすればよい。移動装置70は、例えばベルトコンベアで実現されてよい。図11に移動装置70の上面図を示す。また、移動装置70は、指定位置から試料交換室82までの間に、試料容器50が所定方向を向いた状態を保つためのガイド74を有してもよい。なお、移動装置70は、分析装置80からの指示ではなく、制御装置10からの指示により駆動してもよい。
分析装置80は、試料交換室82に移動された試料容器50に収容された試料に関する特性を分析する。分析装置80としては、電子顕微鏡、元素組成分析装置等、各種分析装置を適用可能である。分析装置80は、制御装置10から、分析ID、分析日時、試料容器ID、分析目的、試料の取り扱い等の情報を含む分析指示を受信すると、分析指示に従って分析を実行する。分析装置80は、分析が終了すると、移動装置70を駆動して分析装置80から試料容器50を排出し、制御装置10へ試料容器50の回収依頼を送信する。また、分析装置80は、分析の結果得られた分析データに分析IDを付与して制御装置10へ送信する。
図12は、第1実施形態に係る制御装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図12に示すように、制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリ12と、記憶装置13と、入力装置14と、出力装置15と、記憶媒体読取装置16と、通信I/F(Interface)17とを有する。各構成は、バス18を介して相互に通信可能に接続されている。
記憶装置13には、後述する分析制御処理を実行するための分析制御プログラムが格納されている。CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各構成を制御したりする。すなわち、CPU11は、記憶装置13からプログラムを読み出し、メモリ12を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、記憶装置13に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)により構成され、作業領域として一時的にプログラム及びデータを記憶する。記憶装置13は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
入力装置14は、例えば、キーボードやマウス等の、各種の入力を行うための装置である。出力装置15は、例えば、モニタ90やプリンタ等の、各種の情報を出力するための装置である。出力装置15として、タッチパネルディスプレイを採用することにより、入力装置14として機能させてもよい。記憶媒体読取装置16は、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、ブルーレイディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の各種の記憶媒体に記憶されたデータの読み込みや、記憶媒体に対するデータの書き込み等を行う。
通信I/F27は、他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI又はWi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
依頼者端末20及び分析者端末30の各々のハードウェア構成、並びに、搬送装置60、移動装置70、及び分析装置80の各々を制御する制御部のハードウェア構成は、上記制御装置10のハードウェア構成と同様に、CPU、メモリ、記憶装置、通信I/F等を含む構成であるため、詳細な説明を省略する。
次に、第1実施形態に係る分析システム1の作用について説明する。
図13は、制御装置10のCPU11により実行される分析制御処理の流れを示すフローチャートである。CPU11が記憶装置13から分析制御プログラムを読み出して、メモリ12に展開して実行することにより、CPU11が制御装置10の各機能構成として機能し、図13に示す分析制御処理が実行される。
まず、ステップS11で、依頼ID発行部101が、依頼者端末20から送信された分析依頼を受信すると、依頼IDを発行し、依頼ID記録部102が、依頼IDが付与された分析依頼の情報をデータベース120に記録する。また、試料ID発行部103が、依頼IDが発行されると、分析依頼の対象の試料についての試料IDを発行し、依頼者端末20へ送信する。
次に、ステップS12で、分析ID発行部104が、分析者端末30から送信された分析情報を受信すると、分析情報の分析IDを発行し、分析ID記録部105が、分析IDが付与された分析情報をデータベース120に記録する。次に、ステップS13で、分析環境記録部106が、分析者端末30から送信された分析環境データを受信すると、分析環境データに分析IDを紐付け、データベース120に記録する。
次に、ステップS14で、試料ID記録部107が、リーダ40から送信された試料IDを受信すると、上記ステップS12で発行した分析IDを試料IDに付与し、分析IDが付与された試料IDをデータベース120に記録する。次に、ステップS15で、試料容器ID記録部108が、リーダ40から送信された試料容器IDを受信すると、上記ステップS12で発行された分析IDを試料容器IDに付与し、分析IDが付与された試料容器IDをデータベース120に記録する。
次に、ステップS16で、指示部109が、データベース120に記録された情報に基づいて、搬送日時、試料容器ID、分析装置ID等の情報を含む搬送指示を作成し、搬送装置60へ送信する。次に、ステップS17で、指示部109が、データベース120に記録された情報に基づいて、分析ID、分析日時、試料容器ID、分析目的、試料の取り扱い等の情報を含む分析指示を作成し、分析装置80へ送信する。
次に、ステップS18で、分析データ記録部110が、分析装置80から分析データを受信すると、分析データをデータベース120に記録する。そして、分析データ表示部111が、データベース120に記録された分析データを、モニタ90へ送信し、モニタ90に分析データを表示させる。
次に、ステップS19で、指示部109が、分析装置80から試料容器50の回収依頼を受信すると、上記ステップS16で作成した搬送指示と同様の試料容器ID、分析装置ID等の情報を含む回収指示を作成し、搬送装置60へ送信し、分析制御処理は終了する。
図14は、搬送装置60の制御部のCPUにより実行される搬送処理の流れを示すフローチャートである。CPUが記憶装置から搬送プログラムを読み出して、メモリに展開して実行することにより、CPUが搬送装置60の制御部として機能し、図14に示す搬送処理が実行される。
まず、ステップS21で、搬送装置60の制御部が、制御装置10から搬送指示を受信すると、搬送装置60を待機場所から、試料容器50の保管場所まで自動走行させる。次に、ステップS22で、搬送装置60の制御部が、試料容器50に付与された試料容器IDを認識することにより搬送対象の試料容器50を特定し、試料容器50の向きを認識して、把持すべき箇所を特定する。
次に、ステップS23で、搬送装置60の制御部が、試料容器50を把持し、対象の分析装置80に隣接して設置された移動装置70まで搬送する。次に、ステップS24で、搬送装置60の制御部が、移動装置70の指定位置に試料容器50を配置し、搬送装置60を待機場所まで戻し、搬送処理は終了する。
図15は、分析装置80の制御部のCPUにより実行される分析処理の流れを示すフローチャートである。CPUが記憶装置から分析プログラムを読み出して、メモリに展開して実行することにより、CPUが分析装置80の制御部として機能し、図15に示す分析処理が実行される。
まず、ステップS31で、分析装置80の制御部が、移動装置70を駆動し、指定位置に配置された試料容器50の向きを保った状態で、指定位置から試料交換室82まで試料容器50を移動させる。次に、ステップS32で、分析装置80の制御部が、分析装置80に、分析指示に基づく分析を実行させる。次に、ステップS33で、分析装置80の制御部が、分析の結果得られた分析データに分析IDを付与して制御装置10へ送信する。また、分析装置80の制御部が、移動装置70を駆動して分析装置80から試料容器50を排出し、制御装置10へ試料容器50の回収依頼を送信し、分析処理は終了する。
搬送装置60における回収処理は、試料容器50の向きを特定したうえでの把持が不要である点を除いて、搬送処理を逆順に辿る処理となるため、詳細な説明を省略する。
以上説明したように、第1実施形態に係る分析システムは、配置された際の向きを特定可能な非回転対称の形態的特徴を有する試料容器と、形態的特徴に基づいて試料容器の向きを特定したうえで試料容器を把持して搬送し、所定方向を向いた状態で試料容器を指定位置に配置する搬送装置と、指定位置に配置された試料容器の向きを保った状態で、試料室又は試料交換室まで試料容器を移動させる移動装置と、試料室又は試料交換室に移動された試料容器に収容された試料に関する特性を分析する分析装置と、を含み、制御装置が、試料容器の向きの特定から試料容器に収容された試料に関する特性の分析までの処理が自律的に実行されるように、搬送装置、移動装置、及び分析装置を連携させて制御する。これにより、試料容器の搬送及び分析装置への取り付けを含めた分析作業を、分析者が不在時にも自動で実施することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る分析システム2は、図16に示すように、第1実施形態に係る分析システム1の構成に加え、搬送装置60に把持される前の試料容器50の位置及び向きを固定するための、非回転対称の形態的特徴を用いた固定ガイド52を含む。
第1実施形態では,試料容器50は分析者により保管場所に任意の位置及び向きで配置され、搬送装置60がカメラ画像を画像処理して試料容器50の向きを認識したうえで、指定場所に配置する際の所定方向を向くような把持位置で試料容器50を把持する。一方、第2実施形態では、図17に示すように、保管場所に配置される試料容器50、すなわち、搬送装置60に把持される前の試料容器50は、固定ガイド52に沿って、位置及び向きが特定された状態で配置される。
なお、固定ガイド52は、図17に示すように、試料容器50の非回転対称の形状を利用して試料容器50の位置及び向きを固定する場合に限定されない。試料容器50の非回転対称の形態的特徴が模様や色彩によって表される場合、例えば、図18に示すように、固定ガイド52に、試料容器50の模様や色彩と対応した模様や色彩を付与してもよい。
第2実施形態に係る分析システム2の各装置のハードウェア構成については、第1実施形態に係る分析システム1の各装置と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、第2実施形態に係る分析システムによれば、第1実施形態の効果に加え、搬送装置における画像処理、プランニング、把持までの時間を短縮することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る分析システム3は、図19に示すように、第1実施形態に係る分析システム1の構成に加え、試料容器50の向きが、移動装置70の指定位置において所定方向となるように試料容器50の向きを調整する調整機構76を含む。
例えば、調整機構76は、図20に示すように、調整コンベア76Aと、カメラ76Bと、制御部(図示省略)とを含む。調整コンベア76Aは、速度調整可能な2つのコンベアが、搬送方向が平行となるように左右に並べて配置されており、試料容器50の移動方向の終端部において、移動装置70と連結されている。制御部は、カメラ76Bで撮影されたカメラ画像を画像処理して、試料容器50の非回転対称の形態的特徴を利用して試料容器50の向きを認識する。そして、制御部は、試料容器50の向きが所定方向に調整されるように、調整コンベア76Aの搬送方向の左右に速度差を付与する。これにより、調整コンベア76Aの搬送面上で試料容器50の向きが所定方向に調整された状態で、試料容器50が移動装置70の指定位置に到達する。なお、調整機構76の構成は図20の例に限定されず、からくり等を用いた構成としてもよい。
第3実施形態に係る分析システム3の各装置のハードウェア構成については、第1実施形態に係る分析システム1の各装置と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、第3実施形態に係る分析システムによれば、第1実施形態の効果に加え、搬送装置が試料容器を配置した際に、試料容器の向きがずれた場合でも、試料容器の向きを正しい方向に調整したうえで、移動装置の指定位置に送ることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る分析システムでは、搬送装置60が、試料容器50の非回転対称の形状に対応する形状の把持部を有し、試料容器50の形状と把持部の形状とを対応させて試料容器50を把持した状態で、試料容器50の向きが特定される。すなわち、搬送装置60は、カメラ画像の画像処理により試料容器50の向きを認識するのではなく、メカニカルな機構で位置及び向きをそろえてから試料容器50を把持する。
例えば、図21に示すように、試料容器50の一部に、凸加工(図21中の黒塗りの丸、十字、三角、四角)が施されている。図21の例では、直方体部分の各角部に、それぞれ異なる形状で凸加工が施された例を示している。また、搬送装置60のエンドエフェクタ64には、試料容器50の凸加工に対応する位置及び形状の凹加工(図21中の白抜きの丸、十字、三角、四角)が施されている。
試料容器50はある程度の精度をもった位置及び向きで保管場所に配置されているものとする。図22に示すように、搬送装置60の一例であるモバイルマニピュレータのロボットアームは、エンドエフェクタ64を試料容器50に押し付けながらサーボ制御でエンドエフェクタ64を回転させて、試料容器50との相対向きを揃える。搬送装置60は、試料容器50とエンドエフェクタ64との凸凹がかみ合ったところで、試料容器50を把持する。これにより、試料容器50を所定の方向から把持することができる。この際、例えば電磁石等で吸着するような電磁機構の吸着装置を用いて試料容器50を吸着してもよい。
なお、搬送装置60はエンドエフェクタ64をロール回転させることができればよいので、必ずしもロボットアームを備えた構成である必要はない。また、向きを揃えるエンドエフェクタと、試料容器50を把持するエンドエフェクタとが分かれた構成のロボットを搬送装置60として採用してもよい。
第4実施形態に係る分析システムの各装置のハードウェア構成については、第1実施形態に係る分析システム1の各装置と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、第4実施形態に係る分析システムによれば、カメラ画像の画像処理により試料容器の向きを認識するのではなく、メカニカルな機構であっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記各実施形態では、各プログラムが記憶装置に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
1、2、3 分析システム
10 制御装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 入力装置
15 出力装置
16 記憶媒体読取装置
17 通信I/F
18 バス
20 依頼者端末
30 分析者端末
40 リーダ
50 試料容器
52 固定ガイド
60 搬送装置
62 カメラ
64 エンドエフェクタ
70 移動装置
72 マーカ
74 ガイド
76 調整機構
76A 調整コンベア
76B カメラ
80 分析装置
82 試料交換室
90 モニタ
101 依頼ID発行部
102 依頼ID記録部
103 試料ID発行部
104 分析ID発行部
105 分析ID記録部
106 分析環境記録部
107 試料ID記録部
108 試料容器ID記録部
109 指示部
110 分析データ記録部
111 分析データ表示部
112 通信部
120 データベース
121 分析依頼テーブル
122 分析情報テーブ
123 分析環境テーブル
124 試料テーブル
125 分析データテーブル

Claims (8)

  1. 配置された際の向きを特定可能な非回転対称の形態的特徴を有する試料容器と、
    前記形態的特徴に基づいて前記試料容器の向きを特定したうえで前記試料容器を把持して搬送し、所定方向を向いた状態で前記試料容器を指定位置に配置する搬送装置と、
    前記指定位置に配置された前記試料容器の向きを保った状態で、試料室又は試料交換室まで前記試料容器を移動させる移動装置と、
    前記試料室又は前記試料交換室に移動された前記試料容器に収容された試料に関する特性を分析する分析装置と、
    前記試料容器の向きの特定から前記試料容器に収容された試料に関する特性の分析までの処理が自律的に実行されるように、前記搬送装置、前記移動装置、及び前記分析装置を連携させて制御する制御装置と、
    を含む分析システム。
  2. 前記搬送装置は、前記形態的特徴を認識可能なセンサの出力信号に基づいて、前記試料容器の向きを特定し、前記所定方向を向いた状態で前記試料容器を前記指定位置に配置可能な把持位置を把持する請求項1に記載の分析システム。
  3. 前記試料容器は、前記搬送装置に把持される前の状態として、位置及び向きを固定するための、前記形態的特徴を用いた固定ガイドに沿って設置される請求項1に記載の分析システム。
  4. 前記形態的特徴が、前記非回転対称を表す形状であり、
    前記搬送装置は、前記試料容器の前記形態的特徴である形状に対応する形状の把持部を有し、前記試料容器の形状と前記把持部の形状とを対応させて前記試料容器を把持した状態で、前記試料容器の向きが特定される
    請求項1に記載の分析システム。
  5. 前記移動装置は、前記指定位置から前記試料室又は前記試料交換室までの間に、前記試料容器が前記所定方向を向いた状態を保つためのガイドを有する請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の分析システム。
  6. 前記試料容器の向きが、前記指定位置において前記所定方向となるように前記試料容器の向きを調整する調整機構を含む請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の分析システム。
  7. 前記形態的特徴は、前記非回転対称を表す形状、模様、及び色彩の少なくとも一つである請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の分析システム。
  8. 配置された際の向きを特定可能な非回転対称の形態的特徴を有する試料容器と、
    前記形態的特徴に基づいて前記試料容器の向きを特定したうえで前記試料容器を把持して搬送し、所定方向を向いた状態で前記試料容器を指定位置に配置する搬送装置と、
    前記指定位置に配置された前記試料容器の向きを保った状態で、試料室又は試料交換室まで前記試料容器を移動させる移動装置と、
    前記試料室又は前記試料交換室に移動された前記試料容器に収容された試料に関する特性を分析する分析装置と、制御装置とを含む分析システムにおける分析制御方法であって、
    前記制御装置が、前記試料容器の向きの特定から前記試料容器に収容された試料に関する特性の分析までの処理が自律的に実行されるように、前記搬送装置、前記移動装置、及び前記分析装置を連携させて制御する
    分析制御方法。
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