JP2023092739A - 湿度センサー - Google Patents

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保英 山下
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Abstract

【課題】フレキシブル性が高く、好適な導電性および好適な湿度感度を有し、かつ、湿度に対する選択性が高い感湿体を有する湿度センサーを提供する。【解決手段】グラフェン片を含む感湿体を有する湿度センサーである。グラフェン片が感湿体の主面の面内方向に配向している。【選択図】図2

Description

本発明は湿度センサーに関する。
湿度は空気中に含まれる水分量の度合いであり、空気中でなされるあらゆる諸活動で重要となり得る物理量である。湿度を測定する湿度センサーは、工業、農業、環境、オートモーティブ、ヘルスケア、メディカル等の幅広い分野に需要がある。湿度センサーは、デジタル時代においてさらなる市場拡大が見込まれている。さらに、近年では多彩な事物への湿度センサーの実装が可能であることが求められており、ひいてはフレキシブル性が高い湿度センサーが要求されている。
電子式の湿度センサーは、静電容量変化型と抵抗変化型とに分類される。一般的な静電容量変化型の湿度センサーは湿度0%における静電容量が数100pFと大きい。これに対し湿度を0~100%に変化させた場合の湿度変化に対する静電容量変化幅が数10pFと小さい。そのために非常に複雑かつハイコストな電気回路が必要となる。さらに、定期的な較正も必要となる。したがって、比較的使いやすく安価である抵抗変化型の湿度センサーの開発が進められている。
非特許文献1には、感湿体として酸化グラフェンを用い、かつ、ポリイミド基板の上に感湿体を形成した湿度センサーが記載されている。しかし、湿度の変化に対して感湿体の交流電気抵抗が絶縁体領域から半導体領域まで指数関数的に変化する。そのため、複雑かつハイコストな電気回路が必要となる。
さらに、感湿体にパターニングされる電極の形状が感湿体の下面全体を覆う櫛形である。そのため、電極にもフレキシブル性が必要であり、電極材料の選択肢が限定的である。さらに、櫛形の電極を用いるために湿度センサーの形状および大きさに対する制約が大きく、湿度センサーの小型化、低コスト化が困難である。
特許文献1には、有機ガスセンサーが記載されている。実施例ではアセトンガスの濃度を測定している。感ガス体が少なくとも1つのポリマー層と、少なくとも1つの酸化グラフェン層とを備えている。すなわち、非特許文献1に記載の酸化グラフェンが用いられている感湿体はアセトンガス等の有機ガスとも反応して抵抗が変化する。したがって、非特許文献1に記載の感湿体は湿度に対する選択性が低いと考えられる。
特開2020-134498号公報
Sensors and Actuators B:Chemical, 2014, Vol.203, p.263-270
本発明は、フレキシブル性が高く、好適な導電性および好適な湿度感度を有し、かつ、湿度に対する選択性が高い感湿体を有する湿度センサーを提供することを目的とする。
本発明に係る湿度センサーは、グラフェン片を含む感湿体を有する湿度センサーであって、
前記グラフェン片が前記感湿体の主面の面内方向に配向している。
前記感湿体のX線回折法による(002)面に対する(110)面のピーク強度比が0.5%以下であってもよい。
前記感湿体の主面の面内方向に垂直な厚み方向に沿って前記感湿体の中央での酸素含有率が5%以下であってもよい。
前記感湿体の厚みが0.020um以上2.0um未満であってもよい。
前記感湿体の主面の最表面における酸素含有率が8%以上20%未満であってもよい。
前記湿度センサーが、さらにポリエチレンテレフタラート樹脂またはポリイミド樹脂からなる基板を有してもよい。
湿度センサーの模式図である。 感湿体の模式図である。 感湿体のSEM画像である。 感湿体および基板のSEM画像である。 感湿体および基板のSEM画像である。 感湿体の深さと酸素含有率との関係を示すグラフである。 相対湿度と抵抗変化率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態に係る湿度センサー1の構造には特に限定はない。例えば、図1に示すように、基板13上に感湿体11が形成されている。そして、感湿体11に一対の電極15が形成されている。
図2は図1の感湿体11をZ軸方向に平行な面で切断した断面模式図である。図2に示すように、感湿体11はグラフェン片21が積層している積層体である。また、Z軸方向から見てグラフェン片21の端部同士が互いに重なっている。このことによりグラフェン片21同士が導通し、感湿体11が導電性を有する。なお、感湿体11が導電性を有していれば、他のグラフェン片21と接しないグラフェン片21が感湿体11に含まれていてもよい。
図1に示すように、感湿体11の主面、すなわち最も大きな面はXY平面に平行である。感湿体11の主面の面内方向はXY平面に平行な方向でありZ軸に垂直な方向である。図2に示すように、感湿体11の主面の面内方向にグラフェン片21が配向している。
感湿体11は、主面の面内方向にグラフェン片21が配向している積層体であることにより、グラフェン片21の充填率が高くなる。そして、感湿体11は、良好な導電性および良好なフレキシブル性を有する。導電性に関しては、具体的には、相対湿度0%である場合における感湿体11の直流での電気抵抗が1×10-1kΩ~2×10+3kΩ程度となる。以下、単に電気抵抗と記載する場合には相対湿度0%での直流での電気抵抗を指す。また、単に湿度と記載する場合には相対湿度を指す。
感湿体11に含まれる個々のグラフェン片21は単層グラフェンからなっていてもよく、数層グラフェンからなっていてもよい。感湿体11に含まれる個々のグラフェン片21は数層グラフェンからなっていることが好ましい。個々のグラフェン片21が単層グラフェンからなっているか数層グラフェンからなっているかについては、原子間力顕微鏡(AFM)により確認することができる。
本来、グラフェンとは、炭素原子からなる層状の結晶構造を有するグラファイトのうち1層のみを取り出したものである。この場合のグラフェンは単層グラフェンとも呼ばれる。
数層グラフェンは、複数の単層グラフェンが積層してなる構造を有する。個々のグラフェン片21が数層グラフェンからなる場合には、個々のグラフェン片21が複数の単層グラフェン、例えば2層~数十層程度の単層グラフェンが積層してなる構造を有する。
個々のグラフェン片21が数層グラフェンからなる場合には、個々のグラフェン片21が単層グラフェンからなる場合と比較して、グラフェン同士の間の界面が少なくなる。その結果、感湿体11の電気抵抗が低くなり導電性が高くなる。
感湿体11におけるグラフェン片21の平均積層数、すなわち、感湿体11の厚み方向(Z軸方向)に仮想線を引いた場合に当該仮想線が通過するグラフェン片21の個数の平均値には特に制限はない。感湿体11におけるグラフェン片21の平均積層数は、2~10程度であってもよい。
感湿体11の大きさには特に制限はない。例えば図1のX軸方向の長さおよびY軸方向の長さは0.1mm以上100mm以下であってもよい。
感湿体11のZ軸方向の長さ、すなわち感湿体11の厚みには特に制限はないが、例えば0.01um以上2.0um以下であってもよい。感湿体11の導電性を向上させる観点からは0.02um以上であることが好ましい。感湿体11のフレキシブル性を向上させる観点からは2.0um未満であってもよく、1.0um以下であることが好ましい。感湿体11が厚い場合には、感湿体11のフレキシブル性が低下しやすくなる。さらに、外気が感湿体11の内部まで入り込みにくくなり、湿度センサー1の感度が低下しやすくなる。
感湿体11の構造についてSEMを用いて観察した結果を図3~図5に示す。図3は倍率20000倍で感湿体11を主面に垂直な方向から観察して得られたSEM画像である。図4は倍率2000倍で感湿体11を主面に平行な方向から観察して得られたSEM画像である。図5は倍率20000倍で感湿体11を主面に平行な方向から観察して得られたSEM画像である。図4、図5で基板13および感湿体11の上にある物質はSEMを用いて観察するための樹脂である。なお、図3~図5は実施例7の感湿体11を観察して得られたSEM画像である。
図3に示すように、感湿体11は多数のグラフェン片21が積層した構造を有する。グラフェン片21の面内方向のサイズは概ね0.5~10umである。図4に示すように、倍率2000倍では感湿体11が一本の線に見えるほど感湿体11が薄い。図5に示すように、図4よりも倍率を更に高くすることでグラフェン片21が積層した構造を有する感湿体11が観察できる。
感湿体11においてグラフェン片21が主面の面内方向に配向しているか否かについては、X線回折法(XRD)により確認することができる。数層グラフェンのXRDピークは、グラファイトと同様の結晶構造で指数付けすることが出来る。
感湿体11のXRDにおける(002)面の配向方向が主面の面内方向となるようにして回折パターンを得る場合と、グラフェン片を乾燥させ、粉砕して得られる粉末について回折パターンを得る場合と、で観察されるピークが異なる。
多数のグラフェン片を乾燥させ、粉砕して得られる粉末は、多数のグラフェン片がそれぞれランダムな方向に配向している。そして、粉末全体としてはどの方向にも配向していない。
(002)面、(004)面、(008)面など、(00l)面の回折ピーク(lは整数)は感湿体11の回折パターンと粉末の回折パターンとの両方で観察される。
粉末の回折パターンのみで観察されるピークは、(100)面、(101)面、(110)面など、(00l)面以外の面の回折ピークである。ただし、例外的に(0012)面の回折ピークは粉末の回折パターンのみで観察されるピークである。
そして、感湿体11のXRDにおける(002)面の配向方向が主面の面内方向となるようにして回折パターンを得る場合において、(002)面に対する(110)面のピーク強度比が0.5%以下である場合にグラフェン片21が主相の面内方向に配向しているとする。
感湿体11のXRDによる(002)面に対する(110)面のピーク強度比が0%であることが好ましい。すなわち、感湿体11のXRDによる(110)面の回折ピークが観察されないことが好ましい。
なお、多数のグラフェン片21が積層した構造を有する感湿体11であれば、回折パターンにおけるピーク強度は(002)面のピーク強度が最も大きくなる。
感湿体11の酸素含有率については特に制限はない。感湿体11の酸素含有率が高いほど、グラフェン片21の酸化が進行している。
主面の面内方向に垂直な厚み方向に沿って、感湿体11の中央での酸素含有率が原子数基準で5%以下であることが好ましい。感湿体11の中央での酸素含有率が低いほど、感湿体11の電気抵抗が低下し、導電性が向上する。そのために中央での酸素含有率が低い感湿体11は電気抵抗の湿度応答範囲が狭くなりやすくなる。また、感湿体11の中央での酸素含有率には特に下限はない。例えば、酸素含有率が1%以上であってもよく、2%以上であってもよい。酸素含有率が1%未満である感湿体11を作製する場合には製造コストが高くなる。
感湿体11の最表面における酸素含有率が原子数基準で8%以上20%未満であってもよく、8%以上15%以下であってもよい。感湿体11の最表面における酸素濃度が高い場合には、感湿体11の最表面におけるグラフェンの酸化が進行している。その結果、感湿体11の有機ガス(例えばアセトンガス等)への反応性が低下する。そして、感湿体11の湿度に対する選択性が向上する。すなわち、湿度センサー1の使用時に感湿体11が湿度以外の要素の影響を受けにくくなる。
他方、感湿体11の最表面における酸素含有率が高すぎる場合には、感湿体11の電気抵抗が増加しやすくなり、導電性が低下しやすくなる。
感湿体11の酸素含有率は、例えば、X線光電子分光法(XPS)により測定することができる。面内方向に垂直な方向を厚み方向とする。まず、感湿体11の最表面における酸素含有率をXPSにより測定する。次に、感湿体11の最表面から厚み方向に向かってイオンミリングでエッチングする。そして、エッチングにより感湿体11を切り出して得られる露出面における酸素含有率をXPSにより測定する。エッチング時間の長さにより得られる露出面の最表面からの深さを制御できる。感湿体11の厚みの半分までエッチングにより切り出して得られる露出面における酸素含有率が感湿体11の中央での酸素含有率である。
感湿体11に含まれるグラフェン片21以外の成分の種類には特に制限はない。感湿体11の作製に必要な成分が含まれていてもよい。
図6は後述する実施例7における感湿体11の最表面からの深さ(厚さ)を横軸とし、酸素含有率を縦軸として作成されるグラフである。最表面での酸素含有率が高く、エッチングが進むにつれて酸素含有率が急激に低下することがわかる。なお、深さが50nmより大きくなっても酸素含有率はほとんど変化しない。
基板13の材質には特に制限はないが、基板13がポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂またはポリイミド樹脂からなることが好ましい。PET樹脂またはポリイミド樹脂はフレキシブル性が高い。したがって、基板13がPET樹脂またはポリイミド樹脂からなる場合には、感湿体11も基板13もフレキシブル性が高くなり、ひいては湿度センサー1のフレキシブル性も高くなる。基板13がPET樹脂またはポリイミド樹脂からなる場合には、例えば、湿度センサー1に変形応力が加わる場合に感湿体11と基板13とが一体となって変形することが可能となる。
基板13の大きさには特に制限はない。例えば図1のX軸方向の長さおよびY軸方向の長さは0.1mm以上100mm以下であってもよい。
基板13のZ軸方向の長さ、すなわち基板13の厚みには特に制限はない。例えば0.01mm以上0.3mm以下であってもよい。
電極15の材質には特に制限はない。例えば、Ag、Ptなど、電極として一般的に用いられる材質であればよい。
電極15の形状には特に制限はない。電極15の形状は湿度センサー1の用途に応じて適切に設定すればよい。
湿度センサー1は、上記の構成を有することにより、感湿体11の電気抵抗が低下し、導電性が向上する。そして、電気抵抗の湿度応答範囲が狭くなる。具体的には図7に示すように湿度0%での電気抵抗に対する湿度0%~75%の範囲内での電気抵抗の変化率が100%以下、または60%以下になる。なお、図7は後述する実施例7における湿度感度の測定結果を表すグラフである。
感湿体11が良好な導電性を有し、かつ、電気抵抗の湿度応答範囲が狭いため、電極15の形状が図1に示すような簡潔な形状でも湿度センサー1を作製することが可能となる。また、電極15の形状が簡潔な形状であることより、感湿体11の厚み(Z軸方向の長さ)が小さい湿度センサー1を低コストで作製することが可能となる。そして、フレキシブル性が高い湿度センサー1を作製することが可能となる。
以下、本実施形態に係る湿度センサー1の製造方法について説明する。
まず、感湿体11の原料となるグラフェンを溶剤中に分散させたグラフェン分散液を準備する。グラフェン分散液を作製してもよく、市販のグラフェン分散液を準備してもよい。
グラフェン分散液を作製する場合における作製方法には特に制限はない。以下、グラフェン分散液に含まれるグラフェンが数層グラフェンである場合について説明する。
数層グラフェンの分散液は、一般的には、グラファイトを機械的または化学的に粉砕するブレイクダウン法により作製することができる。グラフェンの酸化を抑制する観点からは、グラファイトを機械的に粉砕するブレイクダウン法により作製することが好ましい。
具体的には、粉末形状のグラファイトを溶剤中に分散させた後に超音波ホモジナイザーによりグラファイトを剪断することで、グラファイトから数層グラフェンを剥離させることができる。そして、数層グラフェンの分散液が得られる。
このときに用いる溶剤のpH等を変化させることで、最終的に得られる感湿体11の酸素含有率を変化させることができる。
溶剤の種類には特に制限はなく、本技術分野で一般的に用いられる種類であればよい。
なお、単層グラフェンのみを作製する場合にはグラファイトの粉砕により作製することが困難である。実質的に単層グラフェンのみを作製する場合には気相法により単層グラフェンを合成することが可能である。しかし、気相法により単層グラフェンを合成する場合には単層グラフェンの大量生産が困難である。
次に、グラフェン分散液を基板13に塗布し、塗布したグラフェン分散液を乾燥させて感湿体11を形成する。上記の塗布および乾燥を繰り返す回数を変化させることで感湿体11の厚みを変化させることができる。感湿体11に含まれるグラフェン片21を感湿体の主面の面内方向に配向させるためには、例えばレイヤーバイレイヤー法(LbL法)、スピンコート法などを用いることができる。また、乾燥時の乾燥速度が速いほど(002)面に対する(110)面のピーク強度比が小さくなる傾向にある。
また、LbL法を用いる場合には、高分子電解質を用いることが好ましい。感湿体11に高分子電解質が含まれる場合における高分子電解質の含有量は、定量的な測定が困難な程度に少量であってもよい。
次に、得られた感湿体11に電極15を形成する。電極15の形成方法には特に制限はなく、本技術分野で通常用いられる方法であればよい。例えば、硬化性導電ペーストを塗布し乾燥させる方法、金属原子を蒸着させる方法などが挙げられる。
感湿体11の主面の最表面における酸素含有量を増加させる場合には、感湿体11の主面の最表面を酸化させる。感湿体11の主面の最表面を酸化させる方法には特に制限はない。例えば、乾燥炉で熱処理を行ってもよい。その場合の熱処理時の雰囲気には特に制限はない。例えば、酸素濃度1~20%の窒素雰囲気としてもよい。また、熱処理温度および熱処理時間にも特に制限はない。例えば、熱処理温度は100~300℃、熱処理時間は30分~3時間としてもよい。
感湿体11の主面の最表面を酸化させた後に電極15を形成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の態様で改変してもよい。
本発明の湿度センサーの用途には特に制限はない。特に、感度の高さよりも電気抵抗の低さ(導電性の高さ)およびフレキシブル性の高さの方が重要な用途、例えば、食品鮮度モニター、ウェアラブル機器、ヘルスケア機器などの用途に好適に用いられる。
以下、実施例を用いて、発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実験例1の実施例2)
まず、感湿体の原料である数層グラフェンを溶媒中に分散させたグラフェン分散液を準備した。グラフェン分散液に含まれる数層グラフェンの濃度は1wt%、平均粒子径は5umであった。
次に、グラフェン分散液を用いて主面の形状が5mm×10mmの長方形であり厚みが0.05mmであるPET基板上に感湿体を形成した。具体的には、LbL法により数層グラフェンを積層させ、感湿体の厚みが1.0umとなるようにした。
なお、LbL法により数層グラフェンを積層させて感湿体を作製する際には、感湿体の厚みが1.0umとなるようにサイクル数を制御した。なお、感湿体の主面の形状は5mm×10mmの長方形とした。
次に、図1に示す形状となるように一対の電極を感湿体上に成膜して湿度センサーを得た。電極はPt電極とした。Pt電極の成膜は、蒸着により行った。電極の形状はそれぞれ5mm×2mmの長方形であり厚みが0.1umとなるようにした。
次に、得られた湿度センサーにおいて、感湿体の最表面を酸化させるために乾燥炉で熱処理を行った。熱処理時の雰囲気は酸素濃度20%の窒素雰囲気とした。熱処理温度は150℃、熱処理時間は1時間程度とした。そして、感湿体の最表面の酸素含有率が各表に示す値となるようにした。
(実験例1の実施例1、比較例1)
実施例1では、ピーク強度比が各表に示す値となるように乾燥時の乾燥速度を変化させた点以外は実施例2と同条件で実施した。比較例1では、LBL法もスピンコート法も用いずに、単純にグラフェン分散液の液滴をPET基板上に付着させて乾燥させることで感湿体を形成した。その他の点は実施例2と同条件で実施した。
次に、得られた感湿体の特性および湿度センサーの特性を測定した。以下、感湿体の特性および湿度センサーの特性の測定方法について説明する。
(感湿体のピーク強度比)
感湿体に対してXRD測定を行い、得られたX線回折パターンをフィッティングした。そして、各ピークの強度比を算出した。全ての実施例および比較例で(002)面のピーク強度が最も大きくなった。そして、(002)面のピーク強度に対する(110)面のピーク強度を算出した。ピーク強度比が0.5%以下である場合にグラフェン片が感湿体の面内方向に配向しているとした。結果を各表に示す。
(感湿体の酸素含有率)
感湿体の酸素含有率はXPSを用いて測定した。まず、感湿体の最表面の酸素含有率を測定した。次に、イオンミリングにより感湿体の厚みの半分までエッチングにより切り出して得られる露出面における酸素含有率を測定し、感湿体の中央での酸素含有率とした。結果を各表に示す。
(感湿体のシート抵抗)
感湿体のシート抵抗はマルチメータを用いて測定した。具体的には、まず、湿度を制御できる湿度チャンバー内に湿度センサーを入れた。次に、湿度チャンバー内の雰囲気を湿度0%である窒素雰囲気としてマルチメータを用いて、4端子法により測定した。具体的には、湿度チャンバー内に調湿ガスを流し、湿度チャンバー内の雰囲気が一様になるまで30分待機した後にシート抵抗を測定した。結果を各表に示す。なお、各表では感湿体のシート抵抗は有効数字1桁で記載しており、実施例2の「1.E+01」とは1×10+1という意味である。感湿体のシート抵抗は1.E-01kΩ以上1.E+04kΩ以下が好ましく、1.E+00kΩ以上1.E+03kΩ以下がさらに好ましい。
(湿度感度)
湿度チャンバー内の雰囲気を湿度50%である窒素雰囲気として感湿体のシート抵抗を測定し、湿度0%である窒素雰囲気での感湿体のシート抵抗に対するシート抵抗の増加率を算出した。具体的には、湿度チャンバー内に調湿ガスを流し、湿度チャンバー内の雰囲気が一様になるように30分待機した後にシート抵抗を測定した。結果を各表に示す。湿度感度は10%以上100%以下を良好とした。また、湿度感度は25%以上50%以下である場合をさらに良好とした。
(アセトン感度)
アセトン濃度を制御できるガスチャンバー内に湿度センサーを入れた。ガスチャンバー内の雰囲気を湿度0%でありアセトン濃度が250ppmである窒素雰囲気として感湿体のシート抵抗を測定し、湿度0%でありアセトン濃度が0ppmである窒素雰囲気でのシート抵抗に対するシート抵抗の減少率を算出した。具体的には、ガスチャンバー内にアセトンガスを流し、ガスチャンバー内の雰囲気が一様になるように30分待機した後にシート抵抗を測定した。結果を各表に示す。アセトン感度が1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。
(フレキシブル性)
湿度センサーの両端をつかみ、90°屈曲させて元に戻す操作を10回繰り返した。その後、感湿体のシート抵抗を測定し、屈曲させる前のシート抵抗に対する変化率を算出した。結果を各表に示す。なお、湿度センサーを90°屈曲させることにより感湿体が破断した場合には、その旨を各表に記載した。温度センサーを90°屈曲させることができなかった場合には、その旨を各表に記載した。フレキシブル性は屈曲後の抵抗変化率が20%以下であることが好ましく、15%以下であることがさらに好ましく、10%以下であることがさらに特に好ましく、5%以下であることが特に好ましい。
なお、本実施例および後述する実施例において、個々のグラフェン片の面内方向のサイズが2um程度であることについて、SEMを用いて確認した。
Figure 2023092739000002
表1より、グラフェン片が感湿体の面内方向に配向している実施例1、2は好適な結果が得られた。特にピーク強度比が0である実施例2は感湿体の導電性およびフレキシブル性が高い結果となった。これに対し、グラフェン片が感湿体の面内方向に配向していない比較例1は感湿体の導電性およびフレキシブル性が低すぎる結果となった。
(実験例2の実施例3)
感湿体の中央での酸素含有率が10%となるグラフェン分散液を準備した点、および、最表面の酸化を行わなかった点以外は実験例1、実施例2と同条件で実施した。
(実験例2の実施例4)
感湿体の中央での酸素含有率が5%となるようにグラフェン分散液を準備し、感湿体の最表面での酸素含有率が10%となるように熱処理条件を変化させた点以外は実験例1、実施例2と同条件で実施した。
Figure 2023092739000003
感湿体の中央での酸素含有率が低いほど感湿体の導電率が向上し、湿度感度が低下した。
(実験例3)
LbL法により数層グラフェンを積層させる際のサイクル数を変化させることで感湿体の厚みを変化させた点以外は実験例1の実施例2と同条件で実施した。
Figure 2023092739000004
感湿体の厚みが小さいほど感湿体の導電性が低下し、湿度感度が上昇した。
(実験例4)
熱処理時の雰囲気、および/または熱処理温度を変化させることで最表面の酸素含有率を変化させた点以外は実験例1の実施例2と同条件で実施した。
Figure 2023092739000005
最表面の酸素含有率が高いほどアセトン感度が低下した。すなわち、湿度センサーの使用時に感湿体が湿度以外の要素の影響を受けにくくなった。
(実験例5)
基板の種類をPET基板からポリイミド基板(実施例14)に変化させた点以外は、実験例3、実施例7と同条件で実施した。
Figure 2023092739000006
基板がポリイミド基板である場合には基板がPET基板である場合と同様に高いフレキシブル性が得られた。
(実験例6)
実施例7の感湿体についてさらに詳細に酸素含有量を分析した。まず、XPSを用いて最表面における酸素含有量を測定した。次いで、エッチングと酸素含有量の測定とを交互に繰り返すことで感湿体の表面からの深さと酸素含有量との関係を測定した。結果を図6に示す。
図6より、最表面からの深さが2nm以下である箇所では深さが深くなるほど酸素含有量が低下する傾向にあることが確認できた。最表面からの深さが概ね2nm以上である箇所は概ね同等な酸素含有量となっていることが確認できた。
(実験例7)
実施例7の感湿体についてさらに詳細に湿度感度を測定した。具体的には、まず、湿度チャンバー内の湿度を0%としてシート抵抗を測定した。次に、湿度を上昇させつつ、図7の点の湿度で湿度の上昇を止めて湿度チャンバー内の雰囲気が一様になるまで30分待機した後にシート抵抗を測定した。そして、シート抵抗の測定と湿度の上昇とを繰り返しながら湿度を75%まで上昇させた。
測定結果を図7に示すように横軸を湿度、縦軸を湿度0%でのシート抵抗に対するシート抵抗の変化率としてプロットした。結果を図7に示す。
図7より、湿度と感湿体のシート抵抗との間に正の相関があることが確認できた。また、実施例7の感湿体は電気抵抗の湿度応答範囲が狭く、湿度0%~75%の範囲での電気抵抗の変化率が60%以内に抑えられていることが確認できた。
1…湿度センサー
11…感湿体
13…基板
15…電極
21…グラフェン片

Claims (6)

  1. グラフェン片を含む感湿体を有する湿度センサーであって、
    前記グラフェン片が前記感湿体の主面の面内方向に配向している湿度センサー。
  2. 前記感湿体のX線回折法による(002)面に対する(110)面のピーク強度比が0.5%以下である請求項1に記載の湿度センサー。
  3. 前記感湿体の主面の面内方向に垂直な厚み方向に沿って前記感湿体の中央での酸素含有率が5%以下である請求項1または2に記載の湿度センサー。
  4. 前記感湿体の厚みが0.020um以上2.0um未満である請求項1~3のいずれかに記載の湿度センサー。
  5. 前記感湿体の主面の最表面における酸素含有率が8%以上20%未満である請求項1~4のいずれかに記載の湿度センサー。
  6. さらにポリエチレンテレフタラート樹脂またはポリイミド樹脂からなる基板を有する請求項1~5のいずれかに記載の湿度センサー。
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