JP2023092450A - 探知モジュール及び探知モジュールを備えたランプ装置並びにランプシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】夜間や逆光などの環境、濃霧、降雨及び降雪などの悪天候の影響を受けず、高い耐環境性能を維持することが可能な障害物探知モジュール及び当該探知モジュールを備えたランプ装置並びにランプシステムを提供する。【解決手段】レーダ波を放射し、障害物による反射波を受信して障害物探知を行うレーダユニットと、反射面を有し、レーダ波の放射方向に配され、レーダ波を背面側から前方に向けて透過するミラーと、ミラーの反射面によって反射された前方の障害物からの光を受光して障害物探知を行う光学的探知ユニットと、を有している。レーダユニットの視野範囲と光学的探知ユニットの視野範囲とが互いに重なるようにレーダユニット、ミラー及び光学的探知ユニットが配置されている。【選択図】図3
Description
本発明は、探知モジュール及び探知モジュールを備えたランプ装置並びにランプシステム、特に車両等の移動体に搭載される探知モジュール及び探知モジュールを備えたランプ装置並びにランプシステムに関する。
近年、運転支援及び自動運転のために、加速度センサやGPSセンサに加え、カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)、ミリ波センサなど様々なセンサが広く用いられている。
LiDARは、レーザ光を使ったセンサであり、対象物までの距離、位置及び形状を正確に探知することができる。また、近年、LiDARは小型で高精度の3次元計測装置として携帯用装置にも用いられている。
LiDARは、レーザ光を使ったセンサであり、対象物までの距離、位置及び形状を正確に探知することができる。また、近年、LiDARは小型で高精度の3次元計測装置として携帯用装置にも用いられている。
また、ミリ波レーダ装置は、夜間や逆光などの環境、濃霧、降雨及び降雪などの悪天候の影響を受けず、高い耐環境性能を維持することができる。また、対象物までの距離や方向、対象物との相対速度を直接検出できる。従って、近距離の対象物であっても高速かつ高精度に検出できるという特徴を有している。
例えば、特許文献1には、LiDARと、ミリ波レーダとが組み込まれた車両用灯具が開示されている。当該車両用灯具には、ミリ波レーダの正面に、ミリ波レーダの存在を隠す発光導光体が設けられている。
また、特許文献2には、LiDARと、ミリ波レーダとが組み込まれた車両用灯具が開示されている。当該車両用灯具には、LiDARを覆うように配置され、外方からの視認性を低下させるためのハーフミラーと、ミリ波レーダを覆うように配置され、外方からの視認性を低下させるためのハーフミラーとが設けられている。
特許文献3には、レーダユニットの前面の少なくとも一部を覆い、発泡樹脂からなる遮蔽部材を有するランプ装置が開示されている。特許文献4には、微小気泡発泡体で形成されている本体構成要素と、本体構成要素の後方に配置され、その内部を通ってレーダ波を送信/受信するように構成されたレーダデバイスと、を備えた車両用システムが開示されている。
特許文献5には、微細アイランドの集合体であって、金属光沢を有する電磁波を透過可能な金属被膜について開示されている。また、特許文献6には、基体の面に連続状態で設けた酸化インジウム含有層と、少なくとも一部において互いに不連続の状態にある複数の部分を含む金属層を当該酸化インジウム含有層に積層した電磁波透過性金属光沢部材について開示されている。
また、特許文献7には、後輪の前輪に対する転舵方向の位相を判別し、同位相時には旋回方向内側の検出範囲を増大させ、逆位相時には旋回方向外側の検出範囲を増大させる検出範囲調節手段が開示されている。特許文献8には、車両の操舵動作に対応して、検知器の障害物検知範囲を変化させる検知範囲可変手段を備える車両用障害物検知装置が開示されている。
LiDARは、高精度で障害物の位置及び形状を探知できるものの、悪天候時に探知能力が低下する短所を有する。本願発明者は、高い耐環境性能を有するレーダ装置によってLiDARの探知能力を補完し、環境によらず高い探知能力を維持可能な障害物探知モジュール及びランプ装置を実現することを目的に本発明を考案した。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、夜間や逆光などの環境、濃霧、降雨及び降雪などの悪天候の影響を受けず、高い耐環境性能を維持することが可能な障害物探知モジュール及び当該探知モジュールを備えたランプ装置を提供することを目的としている。
また、右左折等に伴う操舵動作に際しても、レーダ装置の探知能力を補完し、操舵方向の障害物までの距離及び障害物形状を正確に、かつ転舵動作を待つことなく迅速に探知することが可能なランプシステムを提供することを目的としている。
本発明の1実施形態による探知モジュールは、
レーダ波を放射し、障害物による反射波を受信して障害物探知を行うレーダユニットと、
反射面を有し、前記レーダ波の放射方向に配され、前記レーダ波を背面側から前方に向けて透過するミラーと、
前記ミラーの前記反射面によって反射された前記前方の障害物からの光を受光して障害物探知を行う光学的探知ユニットと、を有し、
前記レーダユニットの視野範囲と前記光学的探知ユニットの視野範囲とが互いに重なるように前記レーダユニット、前記ミラー及び前記光学的探知ユニットが配置されている。
レーダ波を放射し、障害物による反射波を受信して障害物探知を行うレーダユニットと、
反射面を有し、前記レーダ波の放射方向に配され、前記レーダ波を背面側から前方に向けて透過するミラーと、
前記ミラーの前記反射面によって反射された前記前方の障害物からの光を受光して障害物探知を行う光学的探知ユニットと、を有し、
前記レーダユニットの視野範囲と前記光学的探知ユニットの視野範囲とが互いに重なるように前記レーダユニット、前記ミラー及び前記光学的探知ユニットが配置されている。
本発明の他の実施形態によるランプ装置は、
上記探知モジュールと、
ランプユニットと、
前記探知モジュール及び前記ランプユニットを内部に収容するランプケースと、
を有している。
上記探知モジュールと、
ランプユニットと、
前記探知モジュール及び前記ランプユニットを内部に収容するランプケースと、
を有している。
以下においては、本発明の好適な実施形態について説明するが、これらを適宜改変し、組合せてもよい。また、以下の説明及び添付図面において、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符を付して説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の障害物探知モジュール20及び障害物探知モジュール20を備えたランプ装置10が取り付けられた自動車の車両VHの左前部を示す斜視図である。また、図2はランプ装置10の要部を示す斜視図である。
図1は本発明の第1の実施形態の障害物探知モジュール20及び障害物探知モジュール20を備えたランプ装置10が取り付けられた自動車の車両VHの左前部を示す斜視図である。また、図2はランプ装置10の要部を示す斜視図である。
なお、図中には、ランプ装置10が取り付けられた車両VHの進行方向をy方向、左方向をx方向、下方向(重力方向)をz方向とする3軸座標系を示している。すなわち、車両VHが水平に置かれたときの水平面がxy面であり、重力方向がz方向である。
本実施形態に係るランプ装置10は車両用灯具であって、車両の前部左右に配置されるヘッドランプとして使用される。左右のヘッドランプの基本構成は同じであるため、以下、車両の前部左に配置される一方のランプ装置10(左前照灯)についてのみ図示及び説明する。
また、ランプ装置10が主走行用のヘッドランプである場合を例に説明するが、テールランプ、バックライトなどの外部に向けて光を発する目的、機能を有するランプ装置であってもよい。
なお、本明細書においては、車両として自動車を例に説明するが本発明はこれに限定されない。すなわち、本明細書において、車両(Vehicle)は、例えば船、航空機などの乗り物、及び有人及び無人の輸送又は移動手段を意味する。
図1に示すように、ランプ装置10は車両VHに取り付けられるが、左前照灯及び右前照灯としてのランプ装置10は、互いに左右対称であるように構成されている。
図2に示すように、ランプ装置10は、ランプ装置10の基体であるハウジング11と、ハウジング11に取り付けられてその前面開口部を覆う透明カバー12(アウタレンズ又はアウタカバーとも称される。)とからなるランプケース13を有している。
ランプ装置10は、ランプケース13によって画成される灯室(灯体空間)内に収容されたランプユニット15と、障害物探知モジュール20とを有している。
ランプユニット15は、LED等の光源及びレンズ等の光学部品(図示しない)を有し、光源からの光を車両前方に放射する。
障害物探知モジュール20は、ランプ装置10内においてランプユニット15の側方に配置されている。しかしながら、障害物探知モジュール20の配置はこれに限定されず、ランプ装置10内の好適な位置に配置されることができる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る障害物探知モジュール20の構成を模式的に示す斜視図である。障害物探知モジュール20は、レーダユニット21、LiDARユニット23及びミラー25を有している。レーダユニット21、LiDARユニット23及びミラー25は、それぞれの中心軸が1つの鉛直面内に含まれるようにアライメントされて配置されている。
レーダユニット21は、電磁波(レーダ波)の送出及び障害物によって反射された反射波の受信を行うレーダ送受信部であるアンテナ21Aを有する。LiDARユニット23は、スキャンされたレーザ光LBを送出し、障害物によって反射された反射光の受信を行うLiDAR送受信部23Aを有する。
ミラー25は、LiDARユニット23からのレーザ光LBを反射する反射面25Aを表面に有する。また、ミラー25は、裏面25B側から入射したレーダユニット21からのレーダ波RWを透過するように構成されている。
図4Aは、鉛直面(すなわち、水平面に垂直な面)に沿った断面における模式的な断面図であり、レーダユニット21、LiDARユニット23及びミラー25の配置関係及びそれぞれの詳細構成を示す図である。
また、図4Bは、レーダユニット21、LiDARユニット23及びミラー25を上方から鉛直方向に見た場合のレーダ波及びレーザ光の放射範囲を模式的に示す図である。なお、図の明確さのため、詳細な構成要素については、図示を省略している。
レーダユニット21は、アンテナ21Aを駆動してレーダ波の送受信を行う駆動部であるレーダドライバ21D(第1のドライバ)を有している。レーダドライバ21Dは反射波に対応した探知信号(第1の探知信号)を生成し、出力する。
レーダユニット21においては、放射電磁波として、例えば76-81GHz帯のミリ波、特に76-77GHz帯又は79GHz帯のミリ波が分解能及び精度の点で好適に用いられる。しかしながら、上記周波数帯に限定されず、他の周波数帯、例えば24GHz帯などの準ミリ波が用いられてもよい。
LiDARユニット23は、LiDAR送受信部23Aを駆動してレーザ光の送受信を行う駆動部であるLiDARドライバ23D(第2のドライバ)を有している。LiDARドライバ23Dは反射光に対応した探知信号(第2の探知信号)を生成し、出力する。
LiDARユニット23の走査光として、例えば905nmの赤外レーザ光が用いられる。また、LiDARユニット23とミラー25との間の光路上には、可視光をカットし、当該赤外光を透過する光学フィルタ23Fが設けられている。なお、走査光の波長はこれに限定されない。
ミラー25は、レーダ波を透過可能な基板上に反射膜が蒸着され、裏面25B側から入射したレーダ波を透過可能な構成を有している。反射膜としては、レーダ波を透過可能で、金属光沢を有する材料、例えばインジウム(In)又はニッケル(Ni)等を用いることができる。または、誘電体多層膜を用いてもよい。
ミラー25は、ミラー25を回転させ又は傾斜角を調整可能な回転・チルト制御部25Rを有している。回転・チルト制御部25Rは、例えばサーボモータ及び支持部(図示しない)を有している。ミラー25は、必要に応じて、例えば車両の進行方向または側面方向を向くように調整され、LiDARユニット23が車両の進行方向または側面方向を監視できるように制御してもよい。
図3、図4A及び図4Bに示すように、レーダユニット21のアンテナ21A(レーダ送受信部)は、レーダ波放射面21S(アンテナ面)の法線方向が水平面内にあるように配置されている。
本実施形態においては、水平面内にある当該法線軸を中心軸AXとしてレーダ波RWが放射される。アンテナ21Aから放射されたレーダ波RWはミラー25を透過して外部に放射される。
LiDARユニット23のLiDAR送受信部23Aは、中心軸LXに関してレーザ光を走査し、当該走査レーザ光はミラー25に入射される。レーザ光走査の中心軸LXはアンテナ21Aの放射範囲の中心軸AXを含む鉛直面(すなわち、水平面に垂直な面)内にあるように配置されている。すなわち、アンテナ21Aの放射範囲の中心軸AX及びLiDAR送受信部23Aの光走査の中心軸LXは、同一平面内(すなわち、鉛直面内)にある。
ミラー25は、レーダユニット21のアンテナ21Aの前方(すなわち、レーダ波の探知方向)に配置されている。アンテナ21Aから放射されたレーダ波RWはミラー25の背面25B側から前方に向けて透過する。
ミラー25は、平板矩形形状を有し、アンテナ21Aの放射範囲の中心軸AXに対して角度θ(θ=45°)で傾斜するとともに、アンテナ21Aの放射範囲の中心軸AX及びLiDAR送受信部23Aの光走査の中心軸LXが含まれる当該同一平面(すなわち、鉛直面)に対して垂直に配置されている。なお、角度θは、LiDARユニット23の配置や角度によるが、30°~60°程度とすることができる。
本実施形態においては、アンテナ21Aの放射範囲の中心軸AXとLiDAR送受信部23Aの光走査の中心軸LXとは、ミラー25の反射面25A上の同一点で一致する。したがって、LiDAR送受信部23Aの光走査の中心軸LXに沿って放射されたレーザ光は、アンテナ21Aの放射範囲の中心軸AXに沿って反射される。すなわち、ミラー25で反射されたレーザ光LBの光走査の中心軸BX(すなわち、当該光路の光軸)はレーダ波RWの放射範囲の中心軸AXと同軸であるように構成されている。
また、図4Bに示すように、放射レーダ波RWの中心軸AX及び走査レーザ光LBの中心軸BXが存在する鉛直面である平面(すなわち、障害物探知モジュール20の中心面)は車両VHの進行方向(y方向)に対して角度φで配置されている。なお、角度φは、障害物探知モジュール20の用途に応じて適宜、選択することができる。例えば、前方探知ではφ=0°、前側方探知ではφ=45°又はφ=30~60°等であるが、これらの角度に限定されない。なお、回転・チルト制御部25Rにより、角度φを可変としてもよい。
図4Aに示すように、レーダユニット21、LiDARユニット23及びミラー25は、障害物探知モジュール20の制御及び情報処理を担うプロセッサ30に接続されている。また、プロセッサ30は、レーダドライバ21D及びLiDARドライバ23Dを制御して、レーダユニット21及びLiDARユニット23のそれぞれの視野範囲(FOV:Field Of View)を個別に調整することができる視野範囲調整部31を有している。
なお、プロセッサ30は、ランプ装置10内に設けられている必要はない。例えば、車両VHに取り付けられていてもよく、例えばECU(Electronic Control Unit)等に含まれていてもよい。
レーダユニット21及びLiDARユニット23によって受信された信号はECU等の制御装置によって信号処理が行われ、対象物との間の距離、角度、速度及び形状が検出され、障害物探知が行われる。レーダユニット21及びLiDARユニット23は、例えば、先進緊急ブレーキシステム(AEBS:Advanced Emergency Braking System)及び車間距離制御装置(ACC:Adaptive Cruise Control)の障害物探知モジュールとして用いられる。あるいは、レーダユニット21及びLiDARユニット23は、後方障害物探知モジュール及び歩行者探知モジュールとして用いることもできる。
[レーダユニット21及びLiDARユニットの視野範囲]
図4Aに示すように、レーダユニット21のアンテナ21Aから放射されたレーダ波RWはミラー25を透過して外部に放射され、レーダユニット21は鉛直面内(±z方向)において視野範囲FV1を有している。
図4Aに示すように、レーダユニット21のアンテナ21Aから放射されたレーダ波RWはミラー25を透過して外部に放射され、レーダユニット21は鉛直面内(±z方向)において視野範囲FV1を有している。
また、LiDARユニット23のLiDAR送受信部23Aから放射されたレーザ光LBはミラー25によって反射されて外部に放射され、LiDARユニット23は鉛直面内(±z方向)において視野範囲FV2を有している。
また、図4Bに示すように、レーダユニット21は水平面内(z方向に垂直な面内)において視野範囲FH1を有している。また、LiDARユニット23は水平面内(z方向に垂直な面内)において視野範囲FH2を有している。
本実施形態においては、鉛直面内におけるレーダユニット21の視野範囲FV1及びLiDARユニット23の視野範囲FV2はアンテナ21Aの放射範囲の中心軸AXに関して対称である。
なお、レーダユニット21の放射範囲は、レーダの視野範囲FOVとして表されるレーダの探知範囲と同等である。レーダの放射範囲は、具体的に探知を要する範囲として決定される。例えば、本実施形態における車両周辺を探知するためのレーダにおいては、レーダユニット21のレーダ波放射面21S(アンテナ面)の法線方向に対して、左右方向(水平方向)で±75°(FH1=±75°)程度、上下方向(鉛直方向)で±20°(FV1=±20°)程度の視野範囲を有している。
また、レーダユニット21と同様に、LiDARユニット23の光走査範囲は、LiDARの視野範囲FOVとして表される探知範囲と同等である。例えば、本実施形態においては、LiDARユニット23の水平方向の視野範囲FH2=±30°、鉛直方向の視野範囲FV2=±15°である。
すなわち、レーダユニット21から放射されたレーダ波RWはミラー25を透過して外部に放射され、LiDARユニット23から放射されたレーザ光LBはミラー25によって反射されて外部に放射される。そして、レーダユニット21の視野範囲がLiDARユニット23の視野範囲を包含するように構成されている。
したがって、レーダユニット21によってLiDARユニット23の視野範囲の全体にわたってLiDARユニット23の探知能力を補完することができる。
また、レーダユニット21のレーダ波RWの放射範囲の中心軸AXが、LiDARユニット23の光走査の中心軸BXと同軸であるように構成されているので、レーダユニット21の受信データを座標変換等のデータ変換を要すること無く、LiDARユニット23の制御及び情報処理に用いることができる。従って、高速処理が可能で高精度な障害物探知モジュールを実現することができる。
なお、レーダユニット21がLiDARユニット23の視野範囲を包含する視野範囲を有している場合に限らない。レーダユニット21の視野範囲とLiDARユニット23の視野範囲とが互いに重なるように構成されていればよい。レーダユニット21及びLiDARユニット23の視野範囲が共有される場合、当該視野範囲においてレーダユニット21がLiDARユニット23の探知能力を補完することができる。
すなわち、本願の障害物探知モジュール20によれば、ミラー25を透過したレーダ波RWと、ミラー25によって反射されたレーザ光とを用いてレーダユニット21及びLiDARユニット23のそれぞれの視野範囲が形成されるので、視野範囲が互いに重複する、又はレーダユニット21の視野範囲がLiDARユニット23の視野範囲を包含する、広い共有視野範囲を有する障害物探知モジュールをコンパクトな大きさで実現することができる。また、容易にランプ装置内に組み込むことができ、ランプ装置を拡張すること無く、障害物探知モジュールを備えたランプ装置を実現することができる。
上記した構成の障害物探知モジュール20によれば、高い耐環境性能を有するレーダユニット21によってLiDARユニット23の探知能力を補完できるので、悪環境においても高い探知能力を維持可能である。
また、レーダユニット21の視野範囲がLiDARユニット23の視野範囲を包含しなくてもよい。この場合、視野範囲調整部31によって、LiDARユニット23の視野範囲が、レーダユニット21の視野範囲を補完するように調整することができる。
すなわち、本願の障害物探知モジュール20によれば、ミラー25を透過したレーダ波RWと、ミラー25によって反射されたレーザ光とを用いてレーダユニット21及びLiDARユニット23のそれぞれの視野範囲が形成されるので、視野範囲が互いに重複しない、又はレーダユニット21の視野範囲がLiDARユニット23の視野範囲を包含しない、広い視野範囲を有する障害物探知モジュールをコンパクトな大きさで実現することができる。また、障害物探知モジュール20は、容易にランプ装置内に組み込むことができ、ランプ装置を拡張すること無く、障害物探知モジュールを備えたランプ装置を実現することができる。
さらに、回転・チルト制御部25Rによってミラー25を動かすことにより、LiDARユニット23の視野範囲を調整してもよい。これにより、例えばレーダユニット21の視野範囲とLiDARユニット23の視野範囲を共有し、レーダユニット21によってLiDARユニット23の探知能力を補完する場合と、レーダユニット21の視野範囲外をLiDARユニット23で検知し、レーダユニット21で検知できない範囲を補完する場合とを車両内外の状況によって使い分けることができる。
なお、本実施形態においては、放射レーダ波RWの中心軸AX及び走査レーザ光LBの中心軸BXが同一の鉛直面内にある場合について説明したが、これに限らず、任意の平面内にあってもよい。
例えば、本実施形態においては、LiDARユニット23がレーダユニット21の鉛直方向の下方(z方向)に配置されている場合を例に説明したが、LiDARユニット23がレーダユニット21の鉛直方向の上方(-z方向)に配置されていてもよい。
あるいは、LiDARユニット23がレーダユニット21の側方(左右方向)に配され、放射レーダ波RWの中心軸AX及び走査レーザ光LBの中心軸BXが同一の水平面内に配置されていてもよい。さらに、放射レーダ波RWの中心軸AX及び走査レーザ光LBの中心軸BXが存在する平面は、水平面又は鉛直面に対して任意の角度を有する平面であってもよい。
また、アクティブなデバイスであるLiDARユニット23に代えて、パッシブな光学的探知ユニットとしてカメラ等を用いることもできる。
この場合、当該カメラはミラー25に映った視野範囲(FOV)内の映像データを探知する。そしてレーダユニット21の視野範囲と当該カメラ(光学的探知ユニット)の視野範囲とが互いに重なるように構成されている。
また、レーダユニット21の視野範囲がカメラの視野範囲を包含する視野範囲を有していることが好ましい。あるいは、レーダユニット21の放射範囲の中心軸とカメラの光路の光軸とが同軸であることが好ましい。
なお、レーダユニット21及びLiDARユニット23の視野範囲(FOV)を、それぞれレーダ波RWの放射範囲の内側の範囲及び光の走査範囲の内側の範囲、すなわち、レーダ波RWの放射範囲及び光の走査範囲よりも小なる範囲とすることができ、あるいは視野範囲を拡大することができる(いわゆる可変FOV)。または、レーダユニット21及びLiDARユニット23のそれぞれの中心軸AX、BXに関して非対称な範囲とすることができる。
視野範囲(FOV)を非対称な範囲とする場合、レーダユニット21については、例えば、鉛直方向において、中心軸AXを基準軸として上下に+15°~-20°の範囲を視野範囲とすることができる。水平方向においても同様に、中心軸AXを基準軸として左右に非対称な範囲を視野範囲とすることができる。また、LiDARユニット23の視野範囲についても同様である。
このような視野範囲(FOV)の縮小及び拡大、又は非対称な視野範囲(可変FOV)は、例えば、レーダユニット21の既定の変更設定としてなされる。又は、レーダドライバ21D又は視野範囲調整部31により行われる調整によって、あるいはプロセッサ30による情報処理によって変更設定され得る。また、LiDAR送受信部23Aの視野範囲(FOV)についても同様である。
[ミラー25の構成]
(1)ミラー25の形状
上記実施形態においては、ミラー25が平板矩形形状を有する場合について説明したがこれに限らない。
(1)ミラー25の形状
上記実施形態においては、ミラー25が平板矩形形状を有する場合について説明したがこれに限らない。
ミラー25は凹面形状を有していてもよく、又は凸面形状を有していてもよい。凹面形状または凸面形状のミラー25の中心軸に対して視野範囲を均等にしたい場合は、当該中心軸に関して回転対称または中心軸を含む面に対して対称な形状を有していることが好ましい。なお、視野範囲を均等にしない場合は、中心軸に対して非対称な形状としても良い。また、凹面形状または凸面形状を含む自由曲面とすることにより、視野範囲を柔軟に設定できる。凹面形状または凸面形状に基づく取得データには所定の誤差が含まれる場合があるが、プロセッサ30内の演算によって修正することができる。
また、ミラー25は、中心がレーダユニット21の中心軸AX上に位置するよう配置されていることが好ましい。
また、ミラー25は、LiDARユニット23の光走査の中心軸LX又は光学的探知ユニットの光軸がミラー25の焦点を通るように配置されていることが好ましい。
(2)ミラー25のレーダ波透過構造
図5は、ミラー25の一部の断面を拡大して示す部分拡大断面図である。ミラー25は、発泡樹脂体51、発泡樹脂体51上に形成された平坦樹脂層52、及び平坦樹脂層52上に形成された島状金属層53からなる。
図5は、ミラー25の一部の断面を拡大して示す部分拡大断面図である。ミラー25は、発泡樹脂体51、発泡樹脂体51上に形成された平坦樹脂層52、及び平坦樹脂層52上に形成された島状金属層53からなる。
発泡樹脂体51の発泡樹脂は、ポリーカボネート、アクリル、ポリイミド、エボキシ等の樹脂中に炭酸ガス等を封入し、樹脂中に気泡を作ることで形成されている。樹脂中に気体が封入されているため、誘電率が低下され、電磁波への影響を大きく減少させることが可能となる。したがって、発泡樹脂体51の電磁波の透過特性は良好である。なお、発泡樹脂の発泡倍率は、2倍以上であると樹脂の影響をほぼ無視することが可能となる。
発泡樹脂体51の表面は、平坦樹脂層52によって平坦化されている。発泡樹脂の表面には凹凸があるため、光が散乱し配光が困難となる。発泡樹脂体51の表面に粘性の高いエポキシ樹脂等を塗装工程の要領で吹き付けること等によって平坦面を持った平坦樹脂層52を形成することが可能である。
その他の方法として、平坦樹脂層52の形成は、塗装工程だけでなく発泡樹脂体51を金型を用いて形成時、金型の温度を高温にすることで金型と発泡樹脂体の接触面において発泡樹脂表面を溶融させることで平坦面を形成しても良い。
また、融点の異なる樹脂を積層した例えばPET+PP(PET:ポリエチレンテレフタレート,PP:ポリプロピレン)製の溶着積層フィルムを用い、融点の低い樹脂を発泡樹脂に溶着させることで、発泡樹脂体51の表面を平坦化することが可能である。
なお、エポキシ樹脂は粘性が高いため、発泡樹脂の奥まで浸透することはない。また、例えばPET+PP製の溶着積層フィルムは、融点の低い溶着樹脂層の厚さをコントロールすることで、発泡樹脂の奥まで浸透させないことが可能である。
平坦樹脂層52、すなわちエポキシ樹脂又は融点の異なる樹脂の積層体の厚さ(TF)を、樹脂内におけるレーダ波RWの実効波長λdの1/20以下(TF≦λd/20)にすることで発泡樹脂の電磁波透過特性を悪化させずに表面に島状金属層53を形成可能な面を作製することが可能である。
平坦樹脂層52上には、島状金属層53が形成されている。島状金属層53は、微細なアイランドの集合体であって、金属光沢を有するとともに電磁波を透過可能な金属被膜である。
ここで、島状金属層53は、微細なクラックによって金属層が区画され、アイランド状の構造を有している。島状金属層53は、LiDARユニット23からの光L0を十分な反射率で反射し得る。したがって、ミラー25は、ミラーとしての機能を十分に発揮する。
島状金属層53の金属には、例えば、インジウム、パラジウム、アルミニウム、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、銀、銀合金、錫、錫合金等を用いることができるが、これらに限定されない。島状金属層53、これらの金属の無電界めっきなどによって形成することができる。
図5に示すように、かかる構成のミラー25によって、LiDARユニット23からの光L0は十分な反射率で反射され、反射光LBを得ることができるとともに、レーダユニット21からのレーダ波RWの減衰が抑制される。
したがって、ミラー25の背後にレーダユニット21が配置され、レーダ波RWがミラー25の背面25Bからミラー25に入射する場合であっても、レーダユニット21の障害物探知機能は十分に発揮される。
すなわち、ミラー25と放射電磁波(レーダ波)とが重なる位置にレーダユニット21を配置しても、放射電磁波の減衰や反射を抑えることが可能で、電磁波放射パターンを変化させることがなく、レーダの機能損失が十分に低減された障害物探知モジュール20を提供することができる。
また、レーダユニット21の配置自由度が増加し、様々な目的の障害物探知に適用することが可能となる。さらに、レーダユニット21がミラー25の背面側に配置されているので外部から視認し難く、レーダユニット21を隠すことができるので意匠上も好都合である。
図6は、ミラー25の他の例の一部Wの断面を拡大して示す部分拡大断面図である。ミラー25は、発泡樹脂体51、発泡樹脂体51上に形成された下地層55、及び下地層55上に形成された島状金属層53からなる。
下地層55は、酸化インジウムスズ(ITO)からなる。下地層55は、スパッタリング又は蒸着等によって発泡樹脂体51上に形成することができる。下地層55は、酸化インジウムスズ(ITO)に限らず、酸化インジウム、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などの金属酸化物等を用いることができる。
なお、下地層55の厚さ(TU)を、下地層55内におけるレーダ波RWの実効波長λuの1/20以下(TU≦λu/20)にすることで発泡樹脂の電磁波透過特性を悪化させずに表面に島状金属層53を形成可能な面を作製することが可能である。
図7は、ミラー25のさらに他の例の一部Wの断面を拡大して示す部分拡大断面図である。ミラー25は、平板状の樹脂基板56、樹脂基板56上に形成された下地層57、及び下地層57上に形成された島状金属層53からなる。下地層57は上記した下地層55と同様であり、金属酸化物等を用いることができる。
樹脂基板56は、非発泡性の樹脂からなり、厚さTRを有する。樹脂体56内におけるレーダ波RWの実効波長λrとしたとき、厚さTRが以下の関係を満たすとき、樹脂体56と空間との界面及び樹脂基板56と下地層57との界面で生じる反射損失を低減することができる。
TR=m×λr/2 (mは自然数)
TR=m×λr/2 (mは自然数)
なお、樹脂基板56の厚さTRが必ずしも上記の関係式に完全に合致しなくとも、レーダ波RWの周波数fに対して電力の反射損失が-10dB以下(反射電力が10%以下)となる周波数帯域に入るように設定することで極めて効果的に反射損失を抑制できる。
図8は、ミラー25のさらに他の例の一部Wの断面を拡大して示す部分拡大断面図である。ミラー25は、発泡樹脂体51、発泡樹脂体51上に形成された平坦樹脂層52、及び平坦樹脂層52上に形成された誘電体多層膜58からなる。
誘電体多層膜58は、高誘電率を有する材料の膜58Aと、この膜より低誘電率を有する材料の膜58Bとが交互に2層以上積層された構造を有する。高誘電率膜58Aの材料として、例えばTa2O5、TiO2など、低誘電率膜58Bの材料として、例えばSiO2、MgF2などを用いることができる。高誘電率膜58Aと低誘電率膜58Bのそれぞれの光学的膜厚(屈折率×膜厚)を反射したい光の波長(赤外光または可視光、すなわちLiDARユニット又は光学的探知ユニットが発光または検知できる波長)の1/4に設定することで、これらの光の波長に対する反射膜としつつ、レーダ波RWを透過させることができる。
誘電体多層膜58全体の膜厚は、レーダ波RWの実効波長の1/20とすることが好ましい。具体的には、高誘電率膜58Aの比誘電率をε、レーダ波RWの波長をλとすると、実効波長はλ/ε1/2で算出される。すなわち、誘電体多層膜58全体の膜厚をλ/(20ε1/2)より小さくすることで、レーダ波RWの透過損失に対する影響を抑制し、レーダユニット21の検知感度を保つことができる。
なお、誘電体多層膜58は、微細なクラックを含むことにより、誘電体多層膜58が区画されたアイランド状の構造を有していてもよい。このような構造は、ミラー25に熱衝撃を加えることにより形成することができる。具体的には、発泡樹脂体51、平坦樹脂層52、高誘電率膜58Aおよび低誘電率膜58Bの熱収縮率の違いがあることにより、熱衝撃によってクラックが発生する。ここで発生したクラックの幅は、微細であるため、LiDARユニット又は光学的探知ユニットの機能に影響を与えることはない。
図9は、ミラー25のさらに他の例の一部Wの断面を拡大して示す部分拡大断面図である。ミラー25は、樹脂基板56及びその上に形成された誘電体多層膜58からなる。樹脂基板56については図7の場合と同様であり、誘電体多層膜58については図8の場合と同様のため、説明は省略する。
図6から図9を参照して説明した場合においても、ミラー25の背後にレーダユニット21が配置され、レーダ波RWがミラー25の背面からミラー25に入射しても、レーダユニット21の障害物探知機能は十分に発揮される。
[ランプシステム]
以下に、障害物探知モジュール20が設けられた、前照灯であるランプ装置10を左右に一対有する自動車(以下、車両VH)を例にランプシステム70の探知制御について詳細に説明する。
以下に、障害物探知モジュール20が設けられた、前照灯であるランプ装置10を左右に一対有する自動車(以下、車両VH)を例にランプシステム70の探知制御について詳細に説明する。
より詳細には、車両VHには、左前照灯及び右前照灯としてそれぞれランプ装置10が設けられている。以下においては、これらのランプ装置10をそれぞれ左ランプ装置10L及び右ランプ装置10Rと称して説明する。
なお、上記においては、左前照灯であるランプ装置10(すなわち、左ランプ装置10L)を例に説明したが、前述のように、左ランプ装置10L及び右ランプ装置10Rは、車両VHに取り付けられたときに装置の各構成要素が左右対称な配置であるように構成されている。なお、これらを特に区別しないときにはランプ装置10と総称する。
また、左ランプ装置10L及び右ランプ装置10Rには、それぞれ障害物探知モジュール20が設けられている。以下においては、これらの障害物探知モジュール20を特に区別せず、左ランプ装置10Lの探知モジュール20及び右ランプ装置10Rの探知モジュール20と称して説明する。また、左ランプ装置10L及び右ランプ装置10Rの各構成要素、すなわち探知モジュール20、ランプケース13等についても同様である。
なお、左ランプ装置10L及び右ランプ装置10Rの各ランプユニット15は、それぞれ左右用のランプとして配光等が互いに異なっていてもよい。また、左ランプ装置10L及び右ランプ装置10Rの各障害物探知モジュール20についても、それぞれ左右用の探知モジュールとして配置角度等が互いに異なっていてもよい。
図10は、ランプシステム70の構成を示すブロック図である。ランプシステム70は、ランプ装置制御部71を有する。また、ランプ装置制御部71は、受信部72及び探知エリア切換部73を有している。
受信部72は、車両VHに搭載されたECU等の車両制御装置から、車両VHの走行速度を示す車両速度信号VSを受信する。また、受信部72は、車両制御装置から方向指示信号TSを受信する。
方向指示信号TSは、車両VHの方向指示器(図示しない)の作動状態(オン状態)を示すオン信号TO及び方向指示器の右左折の方向(R/L)を示す方向信号TDを含む。
探知エリア切換部73は、受信部72で受信した車両速度信号VS、方向指示信号TS(オン信号TO及び方向信号TD)に基づいて切換制御信号DL,DRを生成し、左ランプ装置10L及び右ランプ装置10Rにそれぞれ切換制御信号DL,DRを送って各ランプ装置の探知エリアを切り換える。
より詳細には、探知エリア切換部73は切換制御信号DL,DRにより、左ランプ装置10L及び右ランプ装置10Rの回転・チルト制御部25Rの各々を制御し、ミラー25の向きを調整し、光学的探知ユニットであるLiDARユニット23の探知エリアを切り換え、探知エリアが固定される。
なお、ミラー25を左右方向(水平面内方向)に回転させて(すなわち、回転軸はz方向)探知エリアを切り換えることができるが、これに限定されない。ミラー25を回転させるとともに、LiDARユニット23自体を回転させてもよい。あるいは、ミラー25の回転とともに、ミラー25の仰角を変化させてもよい。また、これらの場合、LiDARユニット23からの受信データに台形補正を行ってもよい。
また、ミラー25を回転させ、探知エリアが固定されるまでの間(回転期間)に得られる受信データにマスキングを行い、当該受信データを使用しないこととしてもよい。あるいは、当該回転期間中の受信データに代えてブランク信号を用いてもよい。この場合、例えばプロセッサ30がブランク信号を生成することができる。したがって、プロセッサ30によって処理されるデータ量が低減され、処理負荷が低減されるとともに、高速処理が可能となる。
さらに、回転・チルト制御部25R又はミラー25には、ミラー25の回転駆動によるミラー振動を抑制するためのダンパーが設けられていてもよい。
図11は、ランプシステム70の探知制御のフローを示すフローチャートである。なお、車両の通行区分が左側通行である場合を例に説明するが、車両の通行区分が右側通行である場合には、下記において、左右を入れ替えればよい。
また、図12は、当該探知制御時における左ランプ装置10L及び右ランプ装置10Rの各LiDARユニット23の探知エリアを模式的に示す図である。より詳細には、左ランプ装置10LのLiDARユニット23は、前方探知エリアA0及び側方探知エリアA1を有する。
ここで、左ランプ装置10Lの前方探知エリアA0は、車両VHの進行方向前方の探知エリアであり、側方探知エリアA1は、左ランプ装置10Lの左側、すなわち前方探知エリアA0よりも左側の探知エリアである。
また、同様に、右ランプ装置10RのLiDARユニット23は、前方探知エリアB0及び側方探知エリアB1を有する。ここで、右ランプ装置10Rの前方探知エリアB0は、車両VHの進行方向前方の探知エリアであり、側方探知エリアB1は、右ランプ装置10Rの右側の探知エリアである。
図11及び図12を参照し、ランプ装置制御部71によって実行される探知制御について説明する。当該探知制御は以下のステップS1~S7で実行される。
なお、ステップS1の開始時点では、車両VHは通常の走行速度(非徐行速度)で走行し、左ランプ装置10L及び右ランプ装置10RのLiDARユニット23の探知エリアはともに前方探知エリアA0、B0であるとして説明する。
ステップS1において、探知エリア切換部73は、受信部72で受信した車両速度信号VSに基づいて、車両速度信号VSが所定の徐行速度Vth以下であるか否かを判別する。所定の徐行速度Vthとして、例えば30km/hを例示できるが、これに限らず、適宜設定することができる。
車両速度信号VSが徐行速度Vthを超える場合(NOの場合、すなわち通常走行時)には、ステップS2に移行し、徐行速度Vth以下である場合(YESの場合)には、ステップS3に移行する。
ステップS2において、探知エリア切換部73は、左ランプ装置10LのLiDARユニット23(LiDAR-L)及び右ランプ装置10RのLiDARユニット23(LiDAR-R)の探知エリアを、それぞれ通常走行時(VS>Vth)における探知エリアである前方探知エリアA0及び前方探知エリアB0を維持させ、ステップS1に戻る。
ステップS3においては、探知エリア切換部73は、受信部72で受信した方向指示器のオン信号TOに基づいて、方向指示器がオン状態であるか否かを判別する。方向指示器がオン状態でない(NO、すなわち、オフ状態)の場合はステップS4に移行し、方向指示器がオン状態である(YES)場合はステップS5に移行する。
ステップS4においては、車両VHは徐行により進行方向に走行しているので、探知エリア切換部73は、左ランプ装置10LのLiDARユニット23(LiDAR-L)の探知エリアを左側方探知エリアA1に切り換える。また、右ランプ装置10RのLiDARユニット23(LiDAR-R)の探知エリアは前方探知エリアB0が維持される。
ステップS5において、探知エリア切換部73は、受信部72で受信した方向指示信号TS中の方向信号TDに基づいて、方向指示器の示す方向が左折(L)であるか右折(R)であるかを判別する。左折(L)である場合はステップS6に移行し、右折(R)である場合はステップS7に移行する。
ステップS6においては、方向信号TDが左折(L)を示し、すなわち車両の通行区分に対応する側(すなわち、左側)を示しているので、探知エリア切換部73は、左ランプ装置10LのLiDARユニット23(LiDAR-L)の探知エリアを回転内側である左側方探知エリアA1に切り換える。また、右ランプ装置10RのLiDARユニット23(LiDAR-R)の探知エリアは前方探知エリアB0が維持される。
ステップS7においては、方向信号TDが右折(R)を示し、すなわち車両の通行区分に対応する側とは反対方向(右方向)を示しているので、探知エリア切換部73は、右ランプ装置10RのLiDARユニット23(LiDAR-R)の探知エリアを回転内側である右側方探知エリアB1に切り換える。また、左ランプ装置10LのLiDARユニット23(LiDAR-L)の探知エリアは前方探知エリアA0が維持される。
なお、ステップS3及びS5を分けて説明したが、ステップS3及びS5の判別は同時に行うことができる。したがって、ステップS6及びS7における探知エリアの切り換えは、方向指示器の方向指示信号TSに応答して、又は同期して実行され得る。また、ステップS4についても方向指示器の方向指示信号TS(オン信号TO)に応答して、又は同期して実行され得る。
ステップS4,S6及びS7においては、探知エリアが切り換えられた状態が維持され、当該維持された状態でステップS1に移行し、上記ステップが繰り返される。
以上のフローによって、ランプシステム70の障害物探知制御が実行される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態のランプシステムによれば、車両VHの方向指示器の作動に応答してLiDARユニットの探知エリアの切り換えがなされるので、右左折等に伴う操舵動作、転舵動作を待つことなく迅速に操舵方向の障害物を探知することができる。したがって、操舵に先立って、遅れることなく障害物を探知することができる。
また、レーダ装置の探知能力を補完し、操舵方向の障害物までの距離及び障害物形状を正確に、かつ転舵動作を待つことなく迅速に探知することができる。
なお、上記した実施形態においては、障害物探知モジュール20が灯体空間を画定するランプケース13内に設けられた場合について説明したが、これに限定されない。障害物探知モジュール20は、ランプケース13とは分離された空間(例えば、探知モジュールケース)内に設けられることができる。当該探知モジュールケースは、ランプケース13に結合され、又はランプケース13と一体的に構成されて設けられていてもよい。
以上、詳細に説明したように本実施形態によれば、高い耐環境性能を有するレーダユニットによってLiDARユニット又は光学的探知ユニットの探知能力を補完できるので、悪環境においても高い探知能力を維持可能な障害物探知モジュール、及び当該障害物探知モジュールを備えたランプ装置を提供することができる。
また、広い共有視野範囲を有する障害物探知モジュールをコンパクトな大きさで実現することができる。また、ランプ装置を拡張すること無く、障害物探知モジュールを備えたランプ装置を提供することができる。
また、右左折等に伴う操舵動作に際しても、レーダ装置の探知能力を補完し、操舵方向の障害物までの距離及び障害物形状を正確に、かつ転舵動作を待つことなく迅速に探知することが可能なランプシステムを提供することができる。
10:ランプ装置
11:基体
12:透明カバー
13:ランプケース
15:ランプユニット
21:レーダユニット
21A:アンテナ
21D:レーダドライバ
21S:レーダ波放射面
23:LiDARユニット
23A:LiDAR送受信部
23D:LiDARドライバ
25:ミラー
25A:反射面
25R:回転・チルト制御部
30:プロセッサ
31:視野範囲調整部
51 発泡樹脂体
53 島状金属層
58 誘電体多層膜
70:ランプシステム
71:ランプ装置制御部
72:受信部
72:探知エリア切換部
FH1,FV1,FH2,FV2:視野範囲
LB:走査レーザ光
RW:放射電磁波
TD:方向信号
TO:オン信号
TS:方向指示信号
VS:車両速度信号
11:基体
12:透明カバー
13:ランプケース
15:ランプユニット
21:レーダユニット
21A:アンテナ
21D:レーダドライバ
21S:レーダ波放射面
23:LiDARユニット
23A:LiDAR送受信部
23D:LiDARドライバ
25:ミラー
25A:反射面
25R:回転・チルト制御部
30:プロセッサ
31:視野範囲調整部
51 発泡樹脂体
53 島状金属層
58 誘電体多層膜
70:ランプシステム
71:ランプ装置制御部
72:受信部
72:探知エリア切換部
FH1,FV1,FH2,FV2:視野範囲
LB:走査レーザ光
RW:放射電磁波
TD:方向信号
TO:オン信号
TS:方向指示信号
VS:車両速度信号
Claims (22)
- レーダ波を放射し、障害物による反射波を受信して障害物探知を行うレーダユニットと、
反射面を有し、前記レーダ波の放射方向に配され、前記レーダ波を背面側から前方に向けて透過するミラーと、
前記ミラーの前記反射面によって反射された前記前方の障害物からの光を受光して障害物探知を行う光学的探知ユニットと、を有し、
前記レーダユニットの視野範囲と前記光学的探知ユニットの視野範囲とが互いに重なるように前記レーダユニット、前記ミラー及び前記光学的探知ユニットが配置されている、
探知モジュール。 - 前記レーダユニットの前記視野範囲が前記光学的探知ユニットの前記視野範囲を包含する請求項1に記載の探知モジュール。
- 前記レーダユニットのレーダ波の放射範囲の中心軸と前記光学的探知ユニットの光軸とが同一平面内にある請求項2に記載の探知モジュール。
- 前記レーダユニットの前記中心軸と、前記光学的探知ユニット及び前記障害物間における光路の光軸とが同軸である請求項3に記載の探知モジュール。
- 前記光学的探知ユニットは、前記ミラーに走査レーザ光を放射し、前記ミラーによる反射レーザ光によって障害物探知を行うLiDARユニットであり、
前記LiDARユニットのレーザ光走査の中心軸である前記光軸が前記同一平面内にある、請求項3に記載の探知モジュール。 - 前記光学的探知ユニットはカメラである請求項3に記載の探知モジュール。
- 前記ミラーは平板形状を有し、前記反射面が前記同一平面に対して垂直であるように配置されている請求項3に記載の探知モジュール。
- 前記ミラーは前記レーダユニットの前記中心軸に対して30°乃至60°傾斜している請求項3に記載の探知モジュール。
- 前記ミラーは、中心軸に関して回転対称な凹面又は凸面形状を有し、中心が前記レーダユニットの前記中心軸上に位置するよう配置されている請求項3に記載の探知モジュール。
- 前記レーダユニットは、前記レーダ波の送受信を行うレーダ波送受信部と、前記レーダ波送受信部を駆動して前記レーダユニットの前記視野範囲を決定するレーダドライバとを含む、請求項1に記載の探知モジュール。
- 前記光学的探知ユニットは、前記光学的探知ユニットを駆動して前記光学的探知ユニットの前記視野範囲を決定する光学的探知ユニットドライバを含む請求項1に記載の探知モジュール。
- 前記光学的探知ユニットはLiDARユニットであり、前記LiDARユニットのレーザ光の送受信を行うレーザ光送受信部と、前記レーザ光送受信部を駆動して前記LiDARユニットの前記視野範囲を決定するLiDARドライバとを含む、請求項1に記載の探知モジュール。
- 前記ミラーは、島状金属層または誘電体多層膜を含む請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の探知モジュール。
- 請求項1ないし12のいずれか一項に記載の探知モジュールと、
ランプユニットと、
前記探知モジュール及び前記ランプユニットを内部に収容するランプケースと、を有するランプ装置。 - 請求項1ないし12のいずれか一項に記載の探知モジュールと、
前記探知モジュールが搭載された空間とは分離された灯室空間内に収容されたランプユニットと、を有するランプ装置。 - レーダ波を放射し、障害物による反射波を受信して障害物探知を行うレーダユニットと、
反射面を有し、前記レーダ波の放射方向に配され、前記レーダ波を背面側から前方に向けて透過するミラーと、
前記ミラーの前記反射面によって反射された前記前方の障害物からの光を受光して障害物探知を行う光学的探知ユニットと、を有し、
前記レーダユニットの視野範囲と前記光学的探知ユニットの視野範囲とが互いに重らないように前記レーダユニット、前記ミラー及び前記光学的探知ユニットが配置されている、
探知モジュール。 - レーダ波を放射し、障害物による反射波を受信して障害物探知を行うレーダユニットと、
反射面を有し、前記レーダ波の放射方向に配され、前記レーダ波を背面側から前方に向けて透過するミラーと、
前記ミラーの前記反射面によって反射された前記前方の障害物からの光を受光して障害物探知を行う光学的探知ユニットと、を有する探知モジュール。 - さらに、前記ミラーの向きを調整可能な回転・チルト制御部を有する請求項17に記載の探知モジュール。
- 請求項14に記載のランプ装置であって左及び右ランプ装置である一対のランプ装置と、
前記一対のランプ装置を制御するランプ装置制御部と、を備え、
前記一対のランプ装置の各々は、前記ミラーの向きを調整可能な回転・チルト制御部を有し、
前記ランプ装置制御部は、
車両速度を示す車両速度信号、及び、方向指示器の作動及び右左折の方向を示す方向指示信号を受信する受信部と、
前記一対のランプ装置の前記回転・チルト制御部を制御して前記ミラーの向きを調整し、前記光学的探知ユニットの探知エリアを切り換える探知エリア切換部と、を有し、
前記探知エリア切換部は、前記車両速度が所定の速度以下であるとき、前記方向指示信号に応答して、前記一対のランプ装置の少なくとも一方の前記光学的探知ユニットの前記探知エリアを切り換える、ランプシステム。 - 前記探知エリア切換部は、前記方向指示信号が車両の通行区分に対応する側を示すとき、前記通行区分に対応する側の一方の前記ランプ装置の前記光学的探知ユニットの前記探知エリアを前方探知から側方探知に切り換える請求項19に記載のランプシステム。
- 前記探知エリア切換部は、前記方向指示信号が車両の通行区分に対応する側とは反対方向を示すとき、前記通行区分に対応する側の一方の前記ランプ装置の前記光学的探知ユニットの前記探知エリアを前方探知とし、他方の前記ランプ装置の前記光学的探知ユニットの前記探知エリアを側方探知とする請求項19に記載のランプシステム。
- 請求項14に記載のランプ装置であって左及び右ランプ装置である一対のランプ装置と、
前記一対のランプ装置を制御するランプ装置制御部と、を備え、
前記一対のランプ装置の各々は、前記ミラーの向きを調整可能な回転・チルト制御部を有し、
前記ランプ装置制御部は、
車両速度を示す車両速度信号、及び、方向指示器の作動及び右左折の方向を示す方向指示信号を受信する受信部と、
前記一対のランプ装置の前記回転・チルト制御部を制御して前記ミラーの向きを調整し、前記光学的探知ユニットの探知エリアを切り換える探知エリア切換部と、を有し、
前記探知エリア切換部は、前記車両速度が所定の速度以下であるとき、前記一対のランプ装置の少なくとも一方の前記光学的探知ユニットの前記探知エリアを切り換える、ランプシステム。
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