JP2023092028A - 船舶の制御装置、制御方法、及び制御プログラム - Google Patents

船舶の制御装置、制御方法、及び制御プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2023092028A
JP2023092028A JP2021206985A JP2021206985A JP2023092028A JP 2023092028 A JP2023092028 A JP 2023092028A JP 2021206985 A JP2021206985 A JP 2021206985A JP 2021206985 A JP2021206985 A JP 2021206985A JP 2023092028 A JP2023092028 A JP 2023092028A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power consumption
torque
main engine
shaft generator
rotation speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021206985A
Other languages
English (en)
Inventor
聖 川谷
Sei Kawatani
直行 川崎
Naoyuki Kawasaki
充真 古賀
Mitsumasa Koga
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Corp
Original Assignee
Nabtesco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabtesco Corp filed Critical Nabtesco Corp
Priority to JP2021206985A priority Critical patent/JP2023092028A/ja
Priority to KR1020220176572A priority patent/KR20230095002A/ko
Priority to CN202211649808.3A priority patent/CN116331463A/zh
Publication of JP2023092028A publication Critical patent/JP2023092028A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H21/00Use of propulsion power plant or units on vessels
    • B63H21/21Control means for engine or transmission, specially adapted for use on marine vessels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63JAUXILIARIES ON VESSELS
    • B63J3/00Driving of auxiliaries
    • B63J3/02Driving of auxiliaries from propulsion power plant
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63JAUXILIARIES ON VESSELS
    • B63J3/00Driving of auxiliaries
    • B63J3/04Driving of auxiliaries from power plant other than propulsion power plant
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P9/00Arrangements for controlling electric generators for the purpose of obtaining a desired output
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H21/00Use of propulsion power plant or units on vessels
    • B63H21/20Use of propulsion power plant or units on vessels the vessels being powered by combinations of different types of propulsion units
    • B63H2021/202Use of propulsion power plant or units on vessels the vessels being powered by combinations of different types of propulsion units of hybrid electric type
    • B63H2021/205Use of propulsion power plant or units on vessels the vessels being powered by combinations of different types of propulsion units of hybrid electric type the second power unit being of the internal combustion engine type, or the like, e.g. a Diesel engine
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H21/00Use of propulsion power plant or units on vessels
    • B63H21/21Control means for engine or transmission, specially adapted for use on marine vessels
    • B63H2021/216Control means for engine or transmission, specially adapted for use on marine vessels using electric control means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63JAUXILIARIES ON VESSELS
    • B63J3/00Driving of auxiliaries
    • B63J2003/001Driving of auxiliaries characterised by type of power supply, or power transmission, e.g. by using electric power or steam
    • B63J2003/002Driving of auxiliaries characterised by type of power supply, or power transmission, e.g. by using electric power or steam by using electric power
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P2101/00Special adaptation of control arrangements for generators
    • H02P2101/35Special adaptation of control arrangements for generators for ships
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T70/00Maritime or waterways transport
    • Y02T70/50Measures to reduce greenhouse gas emissions related to the propulsion system
    • Y02T70/5218Less carbon-intensive fuels, e.g. natural gas, biofuels
    • Y02T70/5236Renewable or hybrid-electric solutions

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

【課題】新たな方法により船舶の燃費の悪化を抑制可能な技術を提供する。【解決手段】本発明の船舶の制御装置は、主機と、補機と、軸発電機と、主機の現在の回転速度及び主機の目標回転速度を取得する取得部110と、現在の回転速度及び目標回転速度に基づいて要求プロペラトルクを算出する算出部120と、現在の要求プロペラトルクと消費電力量とに基づいて主機、補機及び軸発電機を制御する制御部140と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、船舶の制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
例えば、特許文献1には、船舶の推進力を発生させるとともに船内電力負荷に対して電力を供給する技術が記載されている。特許文献1の技術では、燃費効率を改善するために、プロペラやモータの現在の回転速度に基づいて主機、補機、及び軸発電機を制御することにより、主機を燃費効率の良い運転状態で運転させている。
特開2010-116070号公報
本発明は、特許文献1とは異なる方法により船舶の燃費の悪化を抑制する技術を提案することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の船舶の制御装置は、船舶の推進のための推進力を発生させるための主機と、船内母線に供給する電力を発生させる補機と、前記主機の出力軸に連結され、前記出力軸の回転によって前記船内母線に供給する電力を発生させる機能と、前記船内母線を介して供給された電力によりトルクを出力することによって前記船舶の推進のための推進力を発生させる機能とを選択的に実行可能な軸発電機と、前記主機の現在の回転速度と前記主機の目標回転速度を取得する回転速度取得部と、前記船舶内の現在の消費電力量を取得する消費電力量取得部と、前記現在の回転速度と前記目標回転速度とに基づいて前記主機の回転速度を前記目標回転速度にするために前記船舶のプロペラにおいて要求されるトルクである要求プロペラトルクを算出する算出部と、現在の前記要求プロペラトルクと前記消費電力量とに基づいて前記主機、前記補機及び前記軸発電機を制御する制御部と、を備える。
本発明のある態様の船舶の制御方法は、船舶の推進のための推進力を発生させるための主機と、船内母線に供給する電力を発生させる補機と、前記主機の出力軸に連結され、前記出力軸の回転によって前記船内母線に供給する電力を発生させる機能と、前記船内母線を介して供給された電力によりトルクを出力することによって前記船舶の推進のための推進力を発生させる機能とを選択的に実行可能な軸発電機と、前記主機の現在の回転速度と前記主機の目標回転速度を取得するステップと、前記船舶内の現在の消費電力量を取得するステップと、前記現在の回転速度と前記目標回転速度に基づいて前記主機の回転速度を前記目標回転速度にするために要求されるトルクである要求プロペラトルクを算出するステップと、現在の前記要求プロペラトルクと前記消費電力量とに基づいて前記主機、前記補機及び前記軸発電機を制御するステップと、を備える。
本発明のある態様の船舶の制御プログラムは、船舶の推進のための推進力を発生させるための主機と、船内母線に供給する電力を発生させる補機と、前記主機の出力軸に連結され、前記出力軸の回転によって前記船内母線に供給する電力を発生させる機能と、前記船内母線を介して供給された電力によりトルクを出力することによって前記船舶の推進のための推進力を発生させる機能とを選択的に実行可能な軸発電機と、を備える前記船舶の制御プログラムであって、コンピュータに、前記主機の現在の回転速度と前記主機の目標回転速度を取得するステップと、前記船舶内の現在の消費電力量を取得するステップと、前記現在の回転速度と前記目標回転速度に基づいて前記主機の回転速度を前記目標回転速度にするために要求されるトルクである要求プロペラトルクを算出するステップと、現在の前記要求プロペラトルクと前記消費電力量とに基づいて前記主機、前記補機及び前記軸発電機を制御するステップと、を実行させるための船舶の制御プログラムである。
なお、以上の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、新たな方法により船舶の燃費の悪化を抑制することが可能になる。
第1実施形態の船舶を概略的に示すブロック図である。 第1実施形態のECUの機能ブロック図である。 第1実施形態のECUの処理を例示するフローチャートである。 第1実施形態の要求プロペラトルクと消費電力量と運転モードとの関係を例示する。 第1実施形態の運転モード毎の主機、補機、及び軸発電機の動作状態を示す図である。 補機と軸発電機の最適な発電比率を例示するマップである。 補機と軸発電機の最適な発電比率を例示するマップの変形例である。 第2実施形態の船舶を概略的に示すブロック図である。 第2実施形態のECUの機能ブロック図である。 第2実施形態のECUの処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の要求プロペラトルクと消費電力量と運転モードとの関係を例示する図である。 第2実施形態における第1モード又は第4モードでのステップS204の具体的な処理を示すフローチャートである。 バッテリの充電量の暫定値の決定方法を説明するための図である。 バッテリの放電量と補機の発電量の決定方法を説明するための図である。 第2実施形態における第2モードでのステップS204の具体的な処理を示すフローチャートである。 主機の最大トルクの決定方法を説明するための図である。 バッテリの放電量と軸発電機の発電量の決定方法を説明するための図である。 第2実施形態における第3モードでのステップS204の具体的な処理を示すフローチャートである。 各補機の発電比率で決定するための図である。
以下の実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
第1実施形態
図1は、第1実施形態の船舶1を概略的に示すブロック図である。船舶1は、テレグラフ10と、推進力発生装置20と、補機30と、ACグリッド40と、ECU(電子制御ユニット)100と、を備える。推進力発生装置20は、主機21と、軸発電機22と、プロペラ23と、を備える。ACグリッド40は、AC配電盤41と、インバータ/コンバータ42と、インバータ43と、を備える。インバータ/コンバータ42、補機30、ACグリッド40、及び船内負荷80は、船内母線60を介して接続される。
テレグラフ10は、例えば船橋に配置され、ECU100に推進力指令値を供給する。
主機21は、出力軸21aを介してプロペラ23を回転駆動させることにより船舶1の推進のための推進力を発生させる。主機21は、内燃機関とすることができ、例えばディーゼルエンジンである。主機21の出力軸21aは軸発電機22及びプロペラ23に連結される。主機21は、テレグラフ10からの推進力指令値に応じた回転速度で駆動される。なお、テレグラフ10は船速(対地船速又は対水船速)に基づく指令を入力可能なものとし、推進力指令値は船速を達成するために必要な回転速度を示す値としてもよい。
軸発電機22は、主機21の出力軸21aの回転によって船内母線60に供給する電力を発生させる発電機としての機能と、船内母線60を介して供給された電力によりトルクを出力することによって船舶1の推進のための推進力を発生させる電動機としての機能と、を選択的に実行可能に構成される。軸発電機22は、主機21の出力軸21aにおいて主機21とプロペラ23との間に配置される。軸発電機22によって発電された電力は、インバータ/コンバータ42を介してACグリッド40に供給される。軸発電機22の回転駆動力は、主機21の出力軸21aを介してプロペラ23に伝達され、これにより船舶1に対する推進力が得られる。
補機30は、船舶1内で使用される電力を生成する。補機30は、補機エンジン(不図示)と補機エンジンにより駆動されることによって船内母線60に供給する電力を発生させる補機発電機(不図示)とを含む。補機30は、例えば、ディーゼルエンジン及び補機発電機で構成されるディーゼル発電機である。補機30のディーゼルエンジンで発生した回転駆動力は、補機発電機で電力に変換される。
補機30で発生した電力は船内母線60を介してACグリッド40のAC配電盤41に供給される。また、軸発電機22で発生した電力はインバータ/コンバータ42を介してAC配電盤41に供給される。AC配電盤41は、供給された電力を分配してインバータ43を介して船内負荷80に供給する。船内負荷80は、船舶1に設置された照明機器、空調機器、航海機器や電動ポンプの他、主機21、軸発電機22、補機30、ACグリッド40、ECU100など、船舶1において船内母線60を介して電力供給を受けて電力を消費するあらゆる機器による負荷を含む。
ECU100は、統合制御ECU101と、主機ECU102と、補機ECU103と、電力制御ECU104と、を備える。主機ECU102及び補機ECU103は、それぞれ、主機21及び補機30を制御する。電力制御ECU104は、ACグリッド40のAC配電盤41、インバータ/コンバータ42及びインバータ43を制御することにより船舶内の電力需給を制御する。統合制御ECU101は、主機ECU102、補機ECU103及び電力制御ECU104の上位でそれぞれを最適に統合制御する。ECU100は、統合制御ECU101と、主機ECU102と、補機ECU103と、電力制御ECU104とを1つの装置内で一体的に備えてもよいし、これらのECUを別々の装置で別体的に備えてもよい。本実施形態のECU100は、船舶1の制御装置の一例である。
回転速度センサ71Aは、主機21の出力軸21aに取り付けられ、主機21の回転速度を計測する。回転速度センサ71Bは、プロペラ23の回転軸に取り付けられ、プロペラ23の回転速度を計測する。回転速度センサ71A及び71Bで計測された回転速度信号はECU100に供給される。消費電力量センサ72は、インバータ43と船内負荷80との間に設けられ、船舶1内の現在の消費電力量Pdを計測する。ここでの消費電力量Pdは、船内負荷80によって消費される電力であり、つまり船舶1において船内母線60を介して電力供給を受ける機器によって消費された電力である。消費電力量センサ72で計測された消費電力量信号は、ECU100に供給される。
図2は、ECU100の機能ブロック図である。図2を含む各図に示す各機能ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描く。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
ECU100は、取得部110と、算出部120と、運転モード決定部130と、制御部140と、記憶部150と、を備える。取得部110は、回転速度取得部111と、消費電力量取得部112と、を備える。
回転速度取得部111は、主機21の現在の回転速度Ne、現在のプロペラ23の回転速度Np、主機21の目標回転速度を取得する。主機21の現在の回転速度Neは、例えば、回転速度センサ71Aの計測値から取得される。プロペラ23の現在の回転速度Npは、例えば、回転速度センサ71Bの計測値から取得される。主機21の目標回転速度は、例えば、テレグラフ10から入力された推進力指令値に基づいて取得される。消費電力量取得部112は、船舶1内の現在の消費電力量Pdを取得する。船舶1内の現在の消費電力量Pdは、例えば、消費電力量センサ72の計測値から取得される。
算出部120は、主機21の現在の回転速度Ne及び目標回転速度に基づいて要求プロペラトルクを算出する。要求プロペラトルクは、主機21の現在の回転速度Neを目標回転速度にするためにプロペラにおいて要求されるトルクである。本実施形態の算出部120は、例えば、主機21の現在の回転速度Neと目標回転速度との比較に基づくPID制御において要求プロペラトルクTpを算出する。
運転モード決定部130は、現在の要求プロペラトルクTpと消費電力量Pdとに基づいて、運転モードを決定する。運転モード及びその決定方法は後述する。
制御部140は、主機21、補機30及びACグリッド40を制御する。また、制御部140は、主機21、補機30及びACグリッド40の統合制御を通じて、軸発電機22を制御する。制御部140は、現在の要求プロペラトルクTpと消費電力量Pdとに基づいて、主機21、補機30及び軸発電機22を制御する。
記憶部150は、各種プログラムや基準値、閾値等を記憶する。
ところで、主機21では、低負荷側の運転よりも高負荷側の運転の方が燃費が良いことが知られている。また、補機30を用いて発電するよりも、主機21から出力軸21aを介して軸発電機22に回転駆動力を供給することにより軸発電機22で発電したほうが、主機21をより高負荷側で運転できるため燃費が良いことが知られている。更に一般には補機30よりも主機21の方が燃費効率の最良値が優れている。
本発明者は、次の課題を認識するに至った。すなわち、従来、船舶全体での燃費を改善するように、主機21、補機30及び軸発電機22を制御する技術はなかった。以下、これを解決する手法について具体的に説明する。
図3は、第1実施形態のECU100の処理S100を示すフローチャートである。
ステップS101で、取得部110は、主機21の現在の回転速度Ne、プロペラ23の現在の回転速度Np、目標回転速度、及び船舶1における現在の消費電力量Pdを取得する。取得部110は、取得した主機21の現在の回転速度Ne及び目標回転速度を算出部120に供給し、取得した主機21の現在の回転速度Ne、プロペラ23の現在の回転速度Np及び現在の消費電力量Pdを運転モード決定部130に供給する。
ステップS102で、算出部120は、現在の回転速度Ne及び目標回転速度に基づいて、現在の要求プロペラトルクTpを算出する。算出部120は、現在の要求プロペラトルクTpの算出結果を運転モード決定部130に供給する。
ステップS103で、運転モード決定部130は、現在の回転速度Ne、現在の要求プロペラトルクTp、及び消費電力量Pdに基づいて、主機21、補機30、及び軸発電機22の運転モードを決定する。図4を用いて、第1実施形態の運転モードの具体的な決定方法について説明する。図4は、第1実施形態の要求プロペラトルクTpと消費電力量Pdと運転モードとの関係を例示する。この要求プロペラトルクTpと消費電力量Pdと運転モードとの関係は、回転速度Ne毎に予め定められる。
図4のマップでは、主機の燃費が所定の燃費基準よりも良くなるように要求プロペラトルク及び消費電力量の範囲が設定された第1運転領域R1が定められ、この第1運転領域R1の外に第2運転領域R2が定められる。第1運転領域R1は、消費電力量の範囲が第1消費電力量基準値Pr1よりも下側に設定される低消費電力量領域R1Aと、消費電力量の範囲が第1消費電力量基準値Pr1と同じか又は上側に設定される高消費電力量領域R1Bとを含む。第2運転領域R2は、要求プロペラトルクの範囲が第1トルク基準値Tr1よりも下側に設定され且つ消費電力量の範囲が第2消費電力量基準値Pr2よりも下側に設定される低トルク低消費電力量領域R2Aと、要求プロペラトルクの範囲が第2トルク基準値Tr2よりも上側に設定され且つ消費電力量の範囲が第3消費電力量基準値Pr3よりも下側に設定される高トルク低消費電力量領域R2Bを含む。
ここで、主機の燃費とは、主機における燃料の単位消費量当たりの出力[kWh/g]をいう。また、主機の燃費は、主機における現在の単位出力当たりの燃料消費量[g/kWh]であってもよい。従って、ここでの「燃費が所定の燃費基準よりも良い」とは、主機における燃料の単位消費量当たりの出力が所定の出力基準値以上となるか、又は主機における現在の単位出力当たりの燃料消費量が所定の消費量基準値以下となることをいう。
図4の例では、現在の要求プロペラトルクTp及び現在の消費電力量Pdで定められる船舶1の運転点Dは、第2運転領域R2に含まれている。第2運転領域R2では、後述の第4モード及び第5モードに該当する場合(運転点Dが低トルク低消費電力量領域R2A又は高トルク低消費電力量領域R2Bに含まれる場合)を除いて、基本的に第1モードが運転モードとして設定される。第1モードは、通常運転時に利用され、軸発電機22による推進力の加勢なしで主機21が発生するトルクにより船舶1の推進力を生成する。
図5は、運転モード毎の主機21、補機30、及び軸発電機22の動作状態を示す。ここで、主機21の動作状態は、主機21が運転中である運転状態と、主機21が空転している空転状態とを含む。補機30の動作状態は、補機30が運転している運転状態と、補機30が停止している停止状態とを含む。軸発電機22の動作状態は、軸発電機22が空転している空転状態と、軸発電機22が主機からの回転駆動力の供給を受けて発電する発電状態と、軸発電機22が船内母線60を介して電力供給されることにより軸発電機22にトルクを出力させるトルク出力状態と、を含む。なお、ここでは主機21及び軸発電機22ともに「空転」と表現しているが、動力伝達系に図示しないクラッチなどの動力断接機構を設け、主機21及び軸発電機22を停止し、クラッチを切るようにしても良い。図5に示すように、運転モードが第1モードである場合、主機21は運転状態、補機30は運転状態、軸発電機22は空転状態にされる。
運転点Dが低消費電力量領域R1Aに含まれる場合、第2モードが運転モードとして決定される(図4参照)。また、運転点Dが高消費電力量領域R1Bに含まれる場合、第3モードが運転モードとして決定される。ここで、主機21では、低負荷過ぎず且つ高負荷過ぎない負荷において、最も良好な燃費で運転できることが知られている。第2モード及び第3モードは、低負荷側過ぎず且つ高負荷側過ぎない運転領域において良好な燃費において主機21を運転できる。第2モードは、消費電力量Pdの増大にも対応できる程度に船舶1に電力余裕がある場合に利用される。図5に示すように、運転モードが第2モードである場合、主機21は運転状態、補機30は停止状態、軸発電機22は発電状態にされ、運転モードが第3モードである場合、主機21は運転状態、補機30は運転状態、軸発電機22は発電状態にされる。
運転点Dが低トルク低消費電力量領域R2Aに含まれる場合、第4モードが運転モードとして決定される(図4参照)。第4モードは、(仮に主機21で運転した場合には燃費が悪い)極低負荷での推進力制御が必要な場合に利用される。運転モードが第4モードである場合、主機21は空転状態、補機30は運転状態、軸発電機22はトルク出力状態にされる(図5参照)。
運転点Dが高トルク低消費電力量領域R2Bに含まれる場合、第5モードが運転モードとして決定される(図4参照)。第5モードは、船舶1に電力余裕がある場合であって、主機が最大負荷付近で運転していて、更にプロペラトルクを上げたいときに、主機21での推進力に加えて軸発電機22によって加勢する際に利用される。運転モードが第5モードとなる前提は、主機トルクTmが現在の回転速度において最大トルクもしくはそれに近い状態で運転していることを想定している。運転モードが第5モードである場合、主機21は運転状態、補機30は運転状態、軸発電機22はトルク出力状態にされる。
運転モード決定部130は、運転モードの決定結果を算出部120に供給する。なお、運転モードが頻繁に切り替わるのを抑制するために、図4における各運転モードの境界にヒステリシスが設定されるのが好ましい。また、図4に示されるマップは予め実験等を行うことにより適宜定められればよい。後述の図11も同様である。
ステップS104で、算出部120は、運転モードの決定結果に基づいて、主機21、補機30、及び軸発電機22のトルク及び発電量を算出する。以下、これを各運転モードについて説明する。
運転モードが第1モードである場合、主機21のトルクTm及び補機30の発電量Pdgは、以下の式(1)及び式(2)で示される。
Tm=Tp 式(1)
Pdg=Pd 式(2)
このように、第1モードでは、主機21が単独で要求プロペラトルクTpに相当するトルクを出力し、補機30の発電量Pdgによって消費電力量Pdが賄われる。
運転モードが第2モードである場合、主機21のトルクTm及び軸発電機22の発電量Psgは、以下の式(3)及び式(4)で示される。
Tm=Tp+Pd/ηsg/Ne*C 式(3)
Psg=Pd 式(4)
ここで、ηsgは軸発電機22の発電効率であり、軸発電機22の仕様に基づいて設定される。Cは回転数をトルクに換算するための定数である。このように、第2モードでは、主機21は、要求プロペラトルクTp分のトルクに加え、軸発電機22に回転駆動力を供給して発電させるためのトルクを発生させる。軸発電機22の発電量Psgによって消費電力量Pdが賄われる。このように、消費電力量Pdが小さい場合に軸発電機22を用いて消費電力量Pdを賄うことにより、補機30を用いて発電する場合と比較して燃費を改善できる。
運転モードが第3モードである場合、主機21のトルクTm、補機30の発電量Pdg及び軸発電機22の発電量Psgは、以下の式(5)及び式(6)で示される。
Tm=Tp+Psg/ηsg/Ne*C 式(5)
Pdg+Psg=Pd 式(6)
ここで、第3モードにおいて、Pdに対するPdgとPsgとの発電比率は、例えば、図6に例示する補機30と軸発電機22の最適な発電比率を示すマップに基づいて決定される。図6に示すように、消費電力量Pdが相対的に大きい場合には、消費電力量Pdが相対的に小さい場合と比較して、補機30と軸発電機22の総発電量における補機の発電量の割合を大きくするように発電比率が設定される。また、要求プロペラトルクTpが相対的に大きい場合には、要求プロペラトルクTpが相対的に小さい場合と比較して、補機30と軸発電機22の総発電量における補機の発電量の割合を大きくするように発電比率が設定される。例えば、現在の消費電力量Pdや要求プロペラトルクTpが大きくなるにつれて補機30の発電量の割合が線形又は非線形に大きくなるように設定されてもよいし、現在の消費電力量Pdや要求プロペラトルクTpが大きくなるにつれて補機30の発電量の割合がステップ状に大きくなるように設定されてもよい。これにより、補機30及び軸発電機22を効率的に運転できるため、燃費を改善できる。
このように、第3モードでも第2モードと同様に、主機21は、要求プロペラトルクTp分のトルクに加え、軸発電機22に回転駆動力を供給して発電させるためのトルクを発生させる。また、補機30の発電量Pdg及び軸発電機22の発電量Psgによって最適な発電比率で消費電力量Pdが賄われる。消費電力量Pdが大きく、軸発電機22の発電量Psgでは消費電力量Pdを全て賄えない場合に補機30を用いて発電することにより、電力量不足に陥ることを抑制できる。
運転モードが第4モードである場合、軸発電機22のトルクTs、補機30の発電量Pdgは、以下の式(7)及び式(8)で示される。
Ts=Tp 式(7)
Pdg=Pd+Tp/ηsg*Np/C 式(8)
このように、第4モードでは、軸発電機22が単独で要求プロペラトルクTpに相当するトルクを出力し、補機30の発電量Pdgによって消費電力量Pdに加えて軸発電機22を回転駆動させるための電力量が賄われる。要求プロペラトルクTp及び消費電力量Pdが小さい場合には軸発電機22によって要求プロペラトルクTp分のトルクが出力されるため、主機21の低負荷での運転が抑制され、燃費の悪化を抑制できる。
運転モードが第5モードである場合、軸発電機22のトルクTs、補機30の発電量Pdgは、以下の式(9)及び式(10)で示される。
Pdg=K1(Tp-Tm) 式(9)
Ts=(Pdg-Pd)*ηsg/Np*C 式(10)
ここで、K1は、トルクを電力量に換算するための係数である。第5モードにおいて補機30の発電量Pdgは、Pdgmaxを上限とする。Pdgmaxは、補機30の出力可能な最大発電量であり、補機30の仕様に基づいて予め定められる。このように、要求プロペラトルクTpが大きく且つ消費電力量Pdが小さい場合、軸発電機22にトルクを出力させることで主機21のトルクTmが大きくなりすぎることを抑制できるため、燃費の悪化を抑制できる。
算出部120は、主機21、補機30、及び軸発電機22のトルク及び発電量の算出結果を制御部140に供給する。
ステップS105で、制御部140は、供給された算出結果に基づいて、主機21、補機30、及び軸発電機22を制御する。制御部140は、決定された運転モードに対応する上述の動作状態、トルク及び発電量とするように、主機21、補機30、及び軸発電機22を制御する。
ステップS105の後、処理S100は終了する。
以上のように、本実施形態では、制御部140は、現在の要求プロペラトルクTpと現在の消費電力量Pdとに基づいて主機21、補機30及び軸発電機22を制御する。本構成によると、現在の要求プロペラトルクTpと現在の消費電力量Pdとに基づくことにより、船舶1において必要な推進力及び電力供給を確保しつつ、主機21、補機30及び軸発電機22を適切なエネルギー出力配分で運転できるため、船舶全体で効果的に燃費を改善することが可能となる。
本実施形態では、制御部140は、船舶の運転点Dが第1運転領域R1の外にある第2運転領域R2に含まれる場合、主機21及び補機30を運転状態、軸発電機22を空転状態とし、運転点Dが低消費電力量領域R1Aに含まれる場合、主機21を運転状態、補機30を停止状態、軸発電機22を発電状態とし、運転点Dが高消費電力量領域R1Bに含まれる場合、主機21及び補機30を運転状態、軸発電機22を発電状態とする。第1運転領域R1における要求プロペラトルク及び消費電力量の範囲は、主機21の燃費が所定の燃費基準よりも良くなるように設定される。本構成によると、軸発電機を発電状態とすることにより主機21をより燃費の良い運転領域で運転できるため主機21の燃費を改善できるとともに、補機30よりも燃費の良い主機21で発電するので、発電に要する燃料消費量を低減できる。また、現在の消費電力量Pdに応じて軸発電機22の発電量Psgでは十分でない場合に補機30を運転して電力供給できるため、電力量不足に陥ることを抑制できる。
本実施形態では、制御部140は、運転点Dが低トルク低消費電力量領域R2Aに含まれる場合、主機21を空転状態、補機30を運転状態、軸発電機22をトルク出力状態とする。本構成によると、要求プロペラトルクTp及び消費電力量Pdが小さい場合には軸発電機22によってトルクが出力されるため、主機21の低負荷での運転が抑制され、燃費の悪化を抑制できる。
本実施形態では、制御部140は、運転点Dが高トルク低消費電力量領域R2Bに含まれる場合、主機21及び補機30を運転状態、軸発電機22をトルク出力状態とする。本構成によると、要求プロペラトルクTpが大きく且つ消費電力量Pdが小さい場合、軸発電機22にトルクを出力させることで主機21のトルクTmが大きくなりすぎることを抑制できるため、主機21の燃費の悪化を抑制できる。
本実施形態では、制御部140は、補機30が運転状態であり且つ軸発電機22が発電状態であるとき、消費電力量Pdが相対的に小さい場合には、消費電力量Pdが相対的に大きい場合と比較して、補機30及び軸発電機22の総発電量(Pdg+Psg)における軸発電機22の発電量Psgの割合を大きくする。本構成によると、消費電力量Pdが小さい場合には軸発電機22が優先的に発電されるため、補機30が燃費の悪い低負荷域で運転することを抑制できるので燃費を改善できる。
以下、実施形態の変形例を説明する。
上述した閾値や定数等は主機21の燃費性能や過渡応答性・失火やノッキングのリスクなどを考慮して予め設定されるが、実際の主機21の運転状況をモニターしながら主機21の劣化や燃料性状の変化による主機21の性能の変化に合わせて補正あるいは変更するようにしてもよい。
実施形態では、図6に示すマップを用いて軸発電機22と補機30との発電比率を決定する例を示したが、これに限定されず、縦軸、横軸、及びプロット値等は適宜入れ替えてもよい。例えば、図7に示すように、縦軸を消費電力量Pdとし、横軸を要求プロペラトルクTpとしたマップが用いられてもよい。
実施形態では、図3に示す処理を実行することにより、軸発電機22が制御されたが、これに限定されない。例えば、少なくとも現在の要求プロペラトルク及び船舶の消費電力量を入力データとして含み、主機21のトルクTmと、補機30の発電量Pdgと、軸発電機22のトルクTsg又は軸発電機22の発電量Psgとを出力データとして含む演算モデルの出力データに基づいて、主機21、補機30、及び軸発電機22が制御されてもよい。この演算モデルは、例えばニューラルネットワークによる機械学習によって学習された学習済みモデルであってもよい。
第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
図8は、第2実施形態の船舶1を概略的に示すブロック図である。第2実施形態の船舶1のACグリッドは、バッテリ44と、双方向インバータ/コンバータ45と、をさらに備える。バッテリ44は、例えば、鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン電池等の充放電を繰り返して使用できる電池である。バッテリ44は、双方向インバータ/コンバータ45を介してAC配電盤41に接続される。バッテリ44には、バッテリ44のSOC(充電率)を検出するSOCセンサ73が取り付けられている。SOCセンサは、例えばバッテリ44の電圧に基づいてSOCを検出する。双方向インバータ/コンバータ45は、バッテリ44の充電の際にAC配電盤41からの交流電流を直流電流に変換してバッテリ44に供給する機能と、バッテリ44の放電の際にバッテリ44からの直流電流を交流電流に変換してAC配電盤41に供給する機能とを選択的に実行可能である。双方向インバータ/コンバータ45は、電力制御ECU104によって制御される。
図9は、第2実施形態のECU100の機能ブロック図である。第2実施形態のECU100の取得部110は、バッテリ44のSOCを取得するSOC取得部113をさらに備える。SOC取得部113は、例えばSOCセンサ73からSOCを取得する。
図10は、第2実施形態のECU100の処理S200を示すフローチャートである。図11のステップS201~S205は、特に言及する点を除いて、図3のステップS101~S105と基本的に同様であるため、重複する内容についてはその説明を省略する場合がある。
ステップS201で、取得部110は、主機21の現在の回転速度Ne、プロペラ23の現在の回転速度Np、目標回転速度、船舶における現在の消費電力量Pd、及びSOCを取得する。取得部110は、取得した主機21の現在の回転速度Ne、目標回転速度、SOCを算出部120に供給し、取得した主機21の現在の回転速度Ne、プロペラ23の現在の回転速度Np及び現在の消費電力量Pdを運転モード決定部130に供給する。
その後、ステップS202を経て、ステップS203で、運転モード決定部130は、現在の回転速度Ne、現在の要求プロペラトルクTp、及び消費電力量Pdに基づいて、主機21、補機30、及び軸発電機22の運転モードを決定する。
図11は、第2実施形態の要求プロペラトルクTpと消費電力量Pdと運転モードとの関係を例示する。図11に示すように、第2実施形態では、第2運転領域は、領域R2A及びR2Bの他に、要求プロペラトルクの範囲が低トルク低消費電力量領域R2Aにおける要求プロペラトルクの下限値TpR2よりも下側に設定され且つ消費電力量の範囲が第2消費電力量基準値Pr2よりも小さい極低消費電力量基準値PrVLよりも下側に設定された極低トルク極低消費電力量領域R2Cを含む。極低トルク極低消費電力量領域R2Cでは、第6モードで運転される。第6モードは、港湾内などの低船速での操船を想定した運転モードである。第6モードでは、バッテリ44のSOCが閾値よりも大きい場合、主機21は空転状態、補機30は停止状態、軸発電機22はトルク出力状態にされる。第6モードでは、(軸発電機22を駆動するための電力量を含む)消費電力量Pdは全てバッテリ44により賄われ、燃料消費を抑制できるため、燃費を改善できる。また、主機21及び補機30を停止できるので、非常に静粛な運転が可能である。
ステップS204で、算出部120は、運転モードの決定結果に基づいて、主機21、補機30、及び軸発電機22のトルク及び発電量、バッテリ44の充電量又は放電量を算出する。ここで、図12を用いて、ステップS204における運転モードが第1モード又は第4モードである場合の算出方法について説明する。第1モード又は第4モードでは、図12を用いて以下で説明するようにバッテリの充電量Pc、放電量Pb及び補機30の発電量Pdgが算出される。
ステップS301で、算出部120は、消費電力量PdがPgmよりも小さいか否かを判断する。ちなみに第4モードの場合は軸発電機22でトルクを発生するために必要な電力も、消費電力量Pdに含まれる。ここで、Pgmは、補機30の最大発電量Pdgmaxから所定の発電余裕mを考慮した電力量であり、以下の式(11)で表される。
Pgm=Pdgmax/m 式(11)
発電余裕mは、船の種類、機器仕様、運用形態などや、急激な消費電力の変動幅を考慮した上で予め設定される。消費電力量PdがPgmよりも小さい場合(S301のY)、ステップS204はステップS302に進む。
ステップS302で、算出部120は、SOCが低SOC基準値Eよりも小さいか否かを判断する。SOCが低SOC基準値Eよりも小さい場合(S302のY)、ステップS204はステップS303に進む。
ステップS303で、算出部120は、SOCに応じて、バッテリ44に充電させる電力量(以下、「バッテリの充電量」という)の暫定値Pc1を算出する。図13を用いて、バッテリ44の充電量の暫定値Pc1の算出方法を説明する。図13には、SOCが増加するにつれてバッテリ44の充電量の暫定値Pc1が小さくなるようにSOC及び暫定値Pc1の関係が設定されたマップが示されている。算出部120は、図13のマップを用いて、バッテリ44の充電量の暫定値Pc1を算出する。また、例えば、SOCが大きくなるにつれてバッテリ44の充電量の暫定値Pc1が線形又は非線形に小さくなるように算出されてもよいし、SOCが大きくなるにつれてバッテリ44の充電量の暫定値Pc1がステップ状に小さくなるように算出されてもよい。
ステップS304で、算出部120は、(Pc1+Pd)がPgmよりも小さいか否かを判断する。(Pc1+Pd)がPgmよりも小さい場合(S304のY)、ステップS204はステップS305に進む。
ステップS305で、算出部120は、以下の式(12)及び式(13)を用いてバッテリ44の充電量Pc及び補機30の発電量Pdgを算出する。
Pc=Pc1 式(12)
Pdg=Pc+Pd 式(13)
ステップS304に戻ると、(Pc1+Pd)がPgmよりも小さくない場合(S304のN)、ステップS204はステップS306に進む。ステップS306で、算出部120は、以下の式(14)及び式(15)を用いてバッテリ44の充電量Pc及び補機30の発電量Pdgを算出する。
Pc=Pgm-Pd 式(14)
Pdg=Pgm 式(15)
ステップS301又はS302に戻ると、消費電力量PdがPgmよりも小さくない場合(S301のN)、又はSOCが低SOC基準値Eよりも小さくない場合(S302のN)、ステップS204はステップS307に進む。ステップS307で、算出部120は、SOCが高SOC基準値Eよりも小さいか否かを判断する。高SOC基準値Eは、低SOC基準値Eよりも大きい。SOCが高SOC基準値Eよりも小さくない場合(S307のN)、ステップS204はステップS308に進む。
ステップS308で、算出部120は、以下の式(16)を用いて、バッテリ44に放電させる電力量(以下、「バッテリ44の放電量」という)Pbと補機30の発電量Pdgとを算出する。
Pd=Pb+Pdg 式(16)
ここでは、消費電力量Pdに応じた配分又は比率においてバッテリ44の放電量Pbと補機30の発電量Pdgとが算出される。例えば、図14に示すように、消費電力量Pdの増加に伴い、バッテリ44の放電量Pbと補機30の発電量Pdgとの和を大きくするようにバッテリ44の放電量Pbと補機30の発電量Pdgとが算出される。
ステップS307に戻ると、SOCが高SOC基準値Eよりも小さい場合(S307のY)、ステップS204はステップS309に進む。ステップS309で、算出部120は、消費電力量Pdが補機30の最大燃費発電量Pdgbestよりも小さいか否かを判断する。補機30の最良燃費発電量Pdgbestは、補機30の燃費が最良となるときの発電量であり、補機30の仕様に基づいて予め定められる。消費電力量Pdが補機30の最大燃費発電量Pdgbestよりも小さい場合(S309のY)、ステップS204はステップS310に進む。
ステップS310で、算出部120は、以下の式(17)及び式(18)を用いてバッテリ44の充電量Pc及び補機30の発電量Pdgを算出する。
Pc=Pdgbest-Pd 式(17)
Pdg=Pdgbest 式(18)
ステップS309に戻ると、消費電力量Pdが補機30の最大燃費発電量Pdgbestよりも小さくない場合(S309のN)、ステップS204はステップS311に進む。ステップS311で、算出部120は、以下の式(19)及び式(20)を用いてバッテリ44の充電量Pc及び補機30の発電量Pdgを算出する。
Pc=0 式(19)
Pdg=Pd 式(20)
ステップS305、S306、S308、S310、S311の後、第1モード又は第4モードにおけるステップS204の処理を終了する。
次に、図15を用いて、ステップS204における運転モードが第2モードである場合の算出方法について説明する。
ステップS401で、算出部120は、主機21の現在の回転速度Neに応じて主機21の最大トルクTmmaxを算出する。図16を用いて、主機21の最大トルクTmmaxの算出方法を説明する。図16には、回転速度Ne及び最大トルクTmmaxの関係が設定されたマップが示されている。算出部120は、図16のマップを用いて、主機21の最大トルクTmmaxを算出する。
ステップS402で、算出部120は、消費電力量PdがPsmよりも小さいか否かを判断する。ここで、Psmは軸発電機の最大発電量Psgmaxから所定の発電余裕mを考慮した電力量であり、以下の式(21)で表される。
Psm=Psgmax/m 式(21)
軸発電機22の最大発電量Psgmaxは、式(22)で表される。
Psgmax=(Tmmax-Tp)*ηsg*Ne/C 式(22)
消費電力量PdがPsmよりも小さい場合(S402のY)、ステップS204はステップS403に進む。
ステップS403で、算出部120は、SOCが低SOC基準値Eよりも小さいか否かを判断する。SOCが低SOC基準値Eよりも小さい場合(S403のY)、ステップS204はステップS404に進む。
ステップS404で、算出部120は、SOCに応じて、バッテリ44の充電量の暫定値Pc1を算出する。ステップS404は、上述のステップS303と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS405で、算出部120は、(Pc1+Pd)がPsmよりも小さいか否かを判断する。(Pc1+Pd)がPsmよりも小さい場合(S405のY)、ステップS204はステップS406に進む。
ステップS406で、算出部120は、以下の式(23)及び式(24)を用いて、バッテリ44の充電量Pc及び軸発電機22の発電量Psgを算出する。
Pc=Pc1 式(23)
Psg=Pc+Pd 式(24)
ステップS405に戻ると、(Pc1+Pd)がPsmよりも小さくない場合(S405のN)、ステップS204はステップS407に進む。ステップS407で、算出部120は、以下の式(25)及び式(26)を用いてバッテリ44の充電量Pc及び軸発電機22の発電量Psgを算出する。
Pc=Psm-Pd 式(25)
Pdg=Psm 式(26)
ステップS406又はS407の後、ステップS408で、算出部120は、以下の式(27)を用いて、主機21のトルクTmを算出する。
Tm=Tp+Psg/ηsg/Ne*C 式(27)
ステップS403に戻ると、SOCが低SOC基準値Eよりも小さくない場合(S403のN)、ステップS204はステップS409に進む。ステップS409で、算出部120は、SOCが高SOC基準値Eよりも小さいか否かを判断する。ステップS409は上述のステップS307と同様である。SOCが高SOC基準値Eよりも小さくない場合(S409のN)、ステップS204はステップS410に進む。
ステップS410で、算出部120は、以下の式(28)を用いて、バッテリ44の放電量Pbと軸発電機22の発電量Psgを算出する。
Pd=Pb+Psg 式(28)
ここでは、消費電力量Pdに応じた配分又は比率においてバッテリ44の放電量Pbと軸発電機22の発電量Psgとが算出される。例えば、図17に示すように、消費電力量Pdが消費電力量基準値Pdr以下である場合には消費電力量Pdに比例して軸発電機22の発電量Psgを大きくし、消費電力量Pdが消費電力量基準値Pdrよりも大きい場合には軸発電機22の発電量Psgを一定値(最大値)とするように軸発電機22の発電量Psgが算出される。また、消費電力量Pdが消費電力量基準値Pdr以下である場合にはバッテリ44の放電量Pbを0として放電させず、消費電力量Pdが消費電力量基準値Pdrよりも大きい場合には消費電力量Pdに比例してバッテリ44の放電量Pbを大きくするようにバッテリ44の放電量Pbが算出される。
ステップS410の後、ステップS204は上述のステップS408に進む。
ステップS409に戻ると、SOCが高SOC基準値Eよりも小さい場合(S409のY)、ステップS204はステップS411に進む。ステップS411で、算出部120は、要求プロペラトルクTpが主機21の最良燃費トルクTmbestよりも小さいか否かを判断する。主機21の最良燃費トルクTmbestは、主機21の燃費が最良となるときのトルクであり、主機21の仕様に基づいて予め定められる。要求プロペラトルクTpが主機21の最良燃費トルクTmbestよりも小さい場合(S411のY)、ステップS204はステップS412に進む。
ステップS412で、算出部120は、以下の式(29)~式(31)を用いて、主機21のトルク、バッテリ44の充電量Pc、主機のトルクTm、及び軸発電機22の発電量Psgを算出する。
Pc=Psg-Pd 式(29)
Tm=Tmbest 式(30)
Psg=(Tm-Tp)*ηsg*Ne/C 式(31)
ステップS402に戻ると、消費電力量PdがPsmよりも小さくない場合(S402のN)、ステップS204はステップS413に進む。また、ステップS411に戻ると、要求プロペラトルクTpが主機21の最良燃費トルクTmbestよりも小さくない場合(S411のN)、ステップS204はステップS413に進む。ステップS413で、算出部120は、以下の式(32)~式(34)を用いて、バッテリ44の充電量Pc、放電量Pb及び軸発電機22の発電量Psgを算出する。
Pc=0 式(32)
Pb=0 式(33)
Pd=Psg 式(34)
式(32)~式(34)に示されるように、バッテリ44による充放電はなされず、軸発電機22の発電量Psgによって消費電力量Pdが賄われる。
ステップS413の後、ステップS204は上述のステップS408に進む。
ステップS408又はS412の後、第2モードにおけるステップS204の処理を終了する。
次に、図18を用いて、ステップS204における運転モードが第3モードである場合の算出方法について説明する。
ステップS501で、算出部120は、主機21の現在の回転速度Neに応じて主機21の最大トルクTmmaxを算出する。ステップS501は、上述のステップS401と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS502で、算出部120は、消費電力量PdがPmよりも小さいか否かを判断する。ここで、Pmは、軸発電機22の最大発電量Psgmax及び補機30の最大発電量Pdgmaxの和から所定の発電余裕mを考慮した電力量であり、以下の式(35)で表される。
Pm=(Psgmax+Pdgmax)/m 式(35)
軸発電機22の最大発電量Psgmaxは上記式(22)で表され、補機30の最大発電量Pdgmaxは上述したように予め定められる。消費電力量PdがPmよりも小さい場合(S502のY)、ステップS204はステップS503に進む。
ステップS503で、算出部120は、SOCが極低SOC基準値EVLよりも小さいか否かを判断する。SOCが極低SOC基準値EVLよりも小さい場合(S503のY)、ステップS204はステップS504に進む。
ステップS504で、算出部120は、以下の式(36)~(38)を用いて、バッテリの充電量Pc、補機30の発電量Pdg、軸発電機22の発電量Psgを算出する。
Pc=Pm-Pd 式(36)
Pdg=Pgm 式(37)
Psg=Psm 式(38)
Pgm及びPsmは式(11)及び式(21)でそれぞれ上述した通りである。
ステップS505で、算出部120は、以下の式(39)を用いて、主機21のトルクTmを算出する。
Tm=Tp+Psg/ηsg/Ne*C 式(39)
ステップS503に戻ると、SOCが極低SOC基準値EVLよりも小さくない場合(S503のN)、ステップS204はステップS506に進む。
ステップS506で、算出部120は、SOCが低SOC基準値Eよりも小さいか否かを判断する。SOCが低SOC基準値Eよりも小さい場合(S506のY)、ステップS204はステップS507に進む。
ステップS507で、算出部120は、SOCに応じて、バッテリ44の充電量の暫定値Pc1を算出する。ステップS507は、上述のステップS303と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS508で、算出部120は、(Pc1+Pd)がPmよりも大きいか否かを判断する。(Pc1+Pd)がPmよりも大きい場合(S508のY)、ステップS204はステップS504に進む。(Pc1+Pd)がPmよりも大きくない場合(S508のN)、ステップS204はステップS509に進む。
ステップS509で、算出部120は、以下の式(40)及び式(41)を用いて、バッテリの充電量Pc、軸発電機22の発電量Psg、及び補機30の発電量Pdgを算出する。
Pc=Pc1 式(40)
Pc+Pd=Psg+Pdg 式(41)
ここでは、軸発電機22の発電量Psg及び補機30の発電量Pdgが算出される。例えば、グラフ内のパラメータPdがPd+Pcに置き換えられた図6のマップを用いて、(Pd+Pc)と要求プロペラトルクとに基づいて発電比率が最適化されたPsg及びPdgが算出される。ステップS509の後、ステップS204は上述のステップS505に進む。
ステップS506に戻ると、SOCが低SOC基準値Eよりも小さくない場合(S506のN)、ステップS204はステップS510に進む。ステップS510で、算出部120は、SOCが高SOC基準値Eよりも小さいか否かを判断する。ステップS510は上述のステップS307と同様である。SOCが高SOC基準値Eよりも小さくない場合(S510のN)、ステップS204はステップS511に進む。
ステップS511で、算出部120は、以下の式(42)及び式(43)を用いて、バッテリ44の放電量Pb、軸発電機22の発電量Psg及び補機30の発電量Pdgを算出する。
Pd=Psg+P’ 式(42)
P’=Pb+Pdg 式(43)
ここで、P’は放電量Pbと補機30の発電量Pdgとの合計電力量である。式(42)では、縦軸の補機30の発電量Pdgが合計電力量P’に置き換えられた図6のマップを用いて軸発電機22の発電量Psgと合計電力量P’の発電比率が最適化される。また、合計電力量P’における放電量Pbと補機30の発電量Pdgとの配分は、横軸の消費電力量PdがP’に置き換えられた図14を用いて上述したように決定される。ステップS511の後、ステップS204は上述のステップS505に進む。
ステップS502又はS510に戻ると、消費電力量PdがPmよりも小さくない場合(S502のN)、又はSOCが高SOC基準値Eよりも小さい場合(S510のY)、ステップS204はステップS512に進む。ステップS512で、算出部120は、以下の式(44)~式(46)を用いて、バッテリ44の充電量Pc、放電量Pb、軸発電機22の発電量Psg、及び補機30の発電量Pdgを算出する。
Pc=0 式(44)
Pb=0 式(45)
Pd=Psg+Pdg 式(46)
式(44)~式(46)に示されるように、バッテリ44による充放電はなされず、軸発電機22の発電量Psg及び補機30の発電量Pdgによって消費電力量Pdが賄われる。ここでは、図6のマップを用いて上述したように軸発電機22の発電量Psg及び補機30の発電量Pdgの発電比率が最適化される。
ステップS512の後、ステップS204は上述のステップS505に進む。
ステップS505の後、第3モードにおけるステップS204の処理を終了する。
第2実施形態では、バッテリ44への蓄電/放電容量分、軸発電機22での発電量やトルクの増減量にマージンができる。そのため、より効果的に燃費の悪化を抑制できる。
第2実施形態では、制御部140は、現在の消費電力量Pd及びバッテリ44のSOCに基づいて、バッテリ44の充電量Pc又は放電量Pbと補機30及び軸発電機22の発電量の少なくとも一方とを制御する。本構成によると、バッテリ44、補機30及び軸発電機22からの船舶内の電力供給を適切に制御することが可能となるため、燃費を改善できる。
第2実施形態では、制御部140は、運転点Dが極低トルク極低消費電力量領域R2Cに含まれ且つバッテリ44のSOCが閾値よりも大きい場合、主機21を空転状態、補機30を停止状態、軸発電機22をトルク出力状態とする。本構成によると、バッテリ44から軸発電機22への電力供給により船舶1の推進力が生成され且つこのバッテリ44から軸発電機22への電力供給量を含む消費電力量Pdが全てバッテリ44により賄われるため、燃料消費を抑制でき、燃費を改善できる。また、主機21・補機30を停止できるので、非常に静粛な運転が可能である。
第2実施形態の変形例として、上述した演算モデル(学習済みモデル)を利用して軸発電機22を制御する場合、このモデルは、入力データとしてバッテリ44のSOCをさらに含んでもよく、出力データとしてバッテリ44の充電量Pc又は放電量Pbをさらに含んでもよい。
実施形態では、補機30の台数を考慮しなかったが、補機30が複数台設けられている場合には、各補機30の発電比率を決定してもよい。図19を用いて、各補機の発電比率の決定方法の例を説明する。図19では、3台の補機30A、30B、30Cを用いる場合を例に説明する。消費電力量Pdが補機1台の発電量で賄える程度に小さい場合には消費電力量Pdに比例して1台の補機30Aのみの発電量を大きくする。消費電力量Pdが各補機30で発電できる合計電力量の例えば33%分を超えて補機1台の発電量で賄えない場合、補機30Aに加えて補機30Bに発電させ、補機30Aを100%の出力で発電させるとともに消費電力量Pdに比例して2台目の補機30Bの発電量を大きくする。消費電力量Pdが各補機30で発電できる合計電力量の例えば66%分を超えて補機2台の発電量で賄えない場合、さらに補機30Cに発電させ、補機30A及び30Bを100%の出力で発電させるとともに消費電力量Pdに比例して3台目の補機30Cの発電量を大きくする。ここで、補機30が複数台設けられている場合、各補機30の出力は同程度であるほうが燃費が良くなる。このように、補機30を順次発電させることにより、例えば複数台の補機30を100%の出力を用いて同程度の出力で運転させつつ、消費電力量Pdに応じて他の補機30の発電量を調整できるため、燃費を改善できる。
図4、6、7、11、13、14、16、17、19のグラフやマップ等は、あくまで例示であり、主機21等の仕様や使用態様を考慮して実験等により適宜設定されればよい。
上述した実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。本明細書で開示した実施形態のうち、複数の機能が分散して設けられているものは、当該複数の機能の一部又は全部を集約して設けても良く、逆に複数の機能が集約して設けられているものを、当該複数の機能の一部又は全部が分散するように設けることができる。機能が集約されているか分散されているかにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
1 船舶、 10 テレグラフ、 20 推進力発生装置、 21 主機、 22 軸発電機、 23 プロペラ、 30 補機、 40 ACグリッド、 44 バッテリ、 60 船内母線、 80 船内負荷、 100 ECU、 110 取得部、 111 回転速度取得部、 112 消費電力量取得部、 113 SOC取得部、 120 算出部、 130 運転モード決定部、 140 制御部、 150 記憶部。

Claims (11)

  1. 船舶の推進のための推進力を発生させるための主機と、
    船内母線に供給する電力を発生させる補機と、
    前記主機の出力軸に連結され、前記出力軸の回転によって前記船内母線に供給する電力を発生させる機能と、前記船内母線を介して供給された電力によりトルクを出力することによって前記船舶の推進のための推進力を発生させる機能とを選択的に実行可能な軸発電機と、
    前記主機の現在の回転速度と前記主機の目標回転速度を取得する回転速度取得部と、
    前記船舶内の現在の消費電力量を取得する消費電力量取得部と、
    前記現在の回転速度と前記目標回転速度とに基づいて前記主機の回転速度を前記目標回転速度にするために前記船舶のプロペラにおいて要求されるトルクである要求プロペラトルクを算出する算出部と、
    現在の前記要求プロペラトルクと前記消費電力量とに基づいて前記主機、前記補機及び前記軸発電機を制御する制御部と、
    を備える、船舶の制御装置。
  2. 前記制御部は、前記要求プロペラトルク及び前記消費電力量で定められる前記船舶の運転点が第1運転領域の外にある第2運転領域に含まれる場合、前記主機及び前記補機を運転状態、前記軸発電機を空転状態とし、
    前記第1運転領域における前記要求プロペラトルク及び前記消費電力量の範囲は、前記主機の燃費が所定の燃費基準よりも良くなるように設定され、
    前記第1運転領域は、前記消費電力量の範囲が第1消費電力量基準値よりも下側に設定される低消費電力量領域と、前記消費電力量の範囲が前記第1消費電力量基準値と同じか又は上側に設定される高消費電力量領域とを含み、
    前記制御部は、前記運転点が前記低消費電力量領域に含まれる場合、前記主機を運転状態、前記補機を停止状態、前記軸発電機を発電状態とし、
    前記運転点が前記高消費電力量領域に含まれる場合、前記主機及び前記補機を運転状態、前記軸発電機を発電状態とする、
    請求項1に記載の船舶の制御装置。
  3. 第1運転領域における前記要求プロペラトルク及び前記消費電力量の範囲は前記主機の燃費が所定の燃費基準よりも良くなるように設定され、
    前記第1運転領域の外にある第2運転領域は前記要求プロペラトルクの範囲が第1トルク基準値よりも下側に設定され且つ前記消費電力量の範囲が第2消費電力量基準値よりも下側に設定される低トルク低消費電力量領域を含み、
    前記制御部は、前記要求プロペラトルク及び前記消費電力量で定められる前記船舶の運転点が前記低トルク低消費電力量領域に含まれる場合、前記主機を空転状態、前記補機を運転状態、前記軸発電機を前記軸発電機にトルクを出力させるトルク出力状態とする、
    請求項1又は2に記載の船舶の制御装置。
  4. 前記船内母線に接続され、充放電可能に構成されたバッテリを備え、
    前記第2運転領域は、前記要求プロペラトルクの範囲が前記低トルク低消費電力量領域における前記要求プロペラトルクの下限値よりも下側に設定され且つ前記消費電力量の範囲が前記第2消費電力量基準値よりも小さい極低消費電力量基準値よりも下側に設定された極低トルク極低消費電力量領域を含み、
    前記制御部は、前記運転点が前記極低トルク極低消費電力量領域に含まれ且つ前記バッテリのSOCが閾値よりも大きい場合、前記主機を空転状態、前記補機を停止状態、前記軸発電機を前記軸発電機にトルクを出力させるトルク出力状態とする、
    請求項3に記載の船舶の制御装置。
  5. 第1運転領域における前記要求プロペラトルク及び前記消費電力量の範囲は前記主機の燃費が所定の燃費基準よりも良くなるように設定され、
    前記第1運転領域の外にある第2運転領域は前記要求プロペラトルクの範囲が第2トルク基準値よりも上側に設定され且つ前記消費電力量の範囲が第3消費電力量基準値よりも下側に設定される高トルク低消費電力量領域を含み、
    前記制御部は、前記要求プロペラトルク及び前記消費電力量で定められる前記船舶の運転点が前記高トルク低消費電力量領域に含まれる場合、前記主機及び前記補機を運転状態、前記軸発電機を前記軸発電機にトルクを出力させるトルク出力状態とする、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の船舶の制御装置。
  6. 前記制御部は、前記補機が運転状態であり且つ前記軸発電機が発電状態であるとき、前記消費電力量が相対的に大きい場合には、前記消費電力量が相対的に小さい場合と比較して、前記補機及び前記軸発電機の総発電量における前記補機の発電量の割合を大きくする、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の船舶の制御装置。
  7. 前記船内母線に接続され、充放電可能に構成されたバッテリを備え、
    前記制御部は前記消費電力量及び前記バッテリのSOCに基づいて前記バッテリの充電量又は放電量と前記補機及び前記軸発電機の発電量の少なくとも一方とを制御する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の船舶の制御装置。
  8. 前記制御部は、現在の前記要求プロペラトルクと前記消費電力量とを入力データとして含み、前記主機のトルクと、前記補機の発電量と、前記軸発電機のトルク又は前記軸発電機の発電量とを出力データとして含む学習済みモデルの前記出力データに基づいて、前記主機、前記補機及び前記軸発電機を制御する、
    請求項1に記載の船舶の制御装置。
  9. 前記船内母線に接続され、充放電可能に構成されたバッテリを備え、
    前記入力データは前記バッテリのSOCをさらに含み、前記出力データは前記バッテリに充電させる電力量又は前記バッテリから放電させる電力量をさらに含む、
    請求項8に記載の船舶の制御装置。
  10. 船舶の推進のための推進力を発生させるための主機と、
    補機エンジンと前記補機エンジンにより駆動されることによって船内母線に供給する電力を発生させる補機発電機とを含む補機と、
    前記主機の出力軸に連結され、前記出力軸の回転によって前記船内母線に供給する電力を発生させる機能と、前記船内母線を介して供給された電力によりトルクを出力することによって前記船舶の推進のための推進力を発生させる機能とを選択的に実行可能な軸発電機と、
    前記主機の現在の回転速度と前記主機の目標回転速度を取得するステップと、
    前記船舶内の現在の消費電力量を取得するステップと、
    前記現在の回転速度と前記目標回転速度に基づいて前記主機の回転速度を前記目標回転速度にするために要求されるトルクである要求プロペラトルクを算出するステップと、
    現在の前記要求プロペラトルクと前記消費電力量とに基づいて前記主機、前記補機及び前記軸発電機を制御するステップと、
    を備える、船舶の制御方法。
  11. 船舶の推進のための推進力を発生させるための主機と、
    補機エンジンと前記補機エンジンにより駆動されることによって船内母線に供給する電力を発生させる補機発電機とを含む補機と、
    前記主機の出力軸に連結され、前記出力軸の回転によって前記船内母線に供給する電力を発生させる機能と、前記船内母線を介して供給された電力によりトルクを出力することによって前記船舶の推進のための推進力を発生させる機能とを選択的に実行可能な軸発電機と、
    を備える前記船舶の制御プログラムであって、コンピュータに、
    前記主機の現在の回転速度と前記主機の目標回転速度を取得するステップと、
    前記船舶内の現在の消費電力量を取得するステップと、
    前記現在の回転速度と前記目標回転速度に基づいて前記主機の回転速度を前記目標回転速度にするために要求されるトルクである要求プロペラトルクを算出するステップと、
    現在の前記要求プロペラトルクと前記消費電力量とに基づいて前記主機、前記補機及び前記軸発電機を制御するステップと、
    を実行させるための船舶の制御プログラム。
JP2021206985A 2021-12-21 2021-12-21 船舶の制御装置、制御方法、及び制御プログラム Pending JP2023092028A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021206985A JP2023092028A (ja) 2021-12-21 2021-12-21 船舶の制御装置、制御方法、及び制御プログラム
KR1020220176572A KR20230095002A (ko) 2021-12-21 2022-12-16 선박의 제어 장치, 제어 방법 및 제어 프로그램
CN202211649808.3A CN116331463A (zh) 2021-12-21 2022-12-21 船舶的控制装置、控制方法以及控制程序

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021206985A JP2023092028A (ja) 2021-12-21 2021-12-21 船舶の制御装置、制御方法、及び制御プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023092028A true JP2023092028A (ja) 2023-07-03

Family

ID=86893644

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021206985A Pending JP2023092028A (ja) 2021-12-21 2021-12-21 船舶の制御装置、制御方法、及び制御プログラム

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2023092028A (ja)
KR (1) KR20230095002A (ja)
CN (1) CN116331463A (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5333965B2 (ja) 2008-11-13 2013-11-06 西芝電機株式会社 船舶エネルギーシステム

Also Published As

Publication number Publication date
KR20230095002A (ko) 2023-06-28
CN116331463A (zh) 2023-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104554237B (zh) 车辆和控制车辆的方法
JP4622496B2 (ja) 電気系の電源制御装置
KR101349874B1 (ko) 선박 추진용 배터리 관리 시스템 및 그 방법
US8820446B2 (en) Vehicle and method for controlling vehicle
RU2009125049A (ru) Гибридное транспортное средство, способ управления гибридным транспортным средством и машиночитаемый носитель записи, хранящий программу для выполнения компьютером способа управления
JP2008228403A (ja) 車両用電源装置
CN102161331A (zh) 电源系统和电源控制方法
US8197291B2 (en) Method for operating a vessel
WO2015148011A1 (en) Dynamic load-sharing power system
JP2021107180A (ja) 電動車両
Dinh et al. Optimal energy management for hybrid electric dynamic positioning vessels
JP6897577B2 (ja) 車両におけるハイブリッドシステムの制御装置
KR20130011293A (ko) 차량용 배터리충전시스템 및 이의 제어방법
KR20190056152A (ko) 마일드 하이브리드 차량의 전력 제어 방법 및 장치
CN103118917B (zh) 内燃发动机的输出控制装置
JP2023092028A (ja) 船舶の制御装置、制御方法、及び制御プログラム
US8554398B2 (en) System for operating a vessel
JP2006341708A (ja) ハイブリッド車の制御装置
US20220289060A1 (en) Control system and energy management method
Bolognani et al. Power flow management design for an electric propulsion system of a hybrid catamaran
JP2020032739A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US20140379186A1 (en) Electronic control device
JP2023092029A (ja) 船舶の制御装置、制御方法、及び制御プログラム
US8457819B2 (en) Computer readable medium for operating a vessel
KR102642885B1 (ko) 신경회로망을 적용한 선박 전력 에너지관리시스템