JP2023091756A - 有機酸の産生方法及び有機酸鉄の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 廃棄物から効率よくフルボ酸を含む有機酸を抽出・分離する方法を提供する。【解決手段】有機系廃棄物を圧力槽1に投入したら、圧力槽1内に過熱蒸気または過熱蒸気と飽和蒸気との混合気体を供給し、密閉状態にして、温度100~300℃、圧力0.1~4.0MPaの条件で、外部加熱装置と過熱蒸気(乾燥蒸気)にて水分調整しつつ撹拌し廃棄物からフルボ酸を含む有機酸を抽出する。圧力槽1からの蒸気中には、固形物は含まれず、フルボ酸を含む有機酸が多量に含まれているので、蒸気を排出蒸気配管8を介して熱交換器(冷却器)9に送り込み、冷却することでフルボ酸を含む有機酸が分離回収される。【選択図】 図2

Description

本発明は高温高圧条件下で農林系廃棄物などの有機系廃棄物からフルボ酸や木酢液を含む有機酸を抽出し、更に抽出した有機酸から有機酸鉄を製造する方法に関する。
ここで、有機系廃棄物には農林系廃棄物の他にプラスチックや生ごみが含まれる。また農林系廃棄物には、例えばフルボ酸を含有する木片(チップ)やきのこの廃菌床の他に、広葉樹の落ち葉や剪定枝なども含まれる。
フルボ酸は植物などが微生物によって分解される際に生成される腐食物質で、化学構造がただ一つ決まった分子ではなく、その分子内にカルボキシル基、フェノール性水酸基を多く含んだ多価有機酸であり、キレート力により有害物質を挟み込むキレート力に優れた土壌改良剤である。人体投与にいたっては、研究者が少ないが、フルボ酸と結合したミネラル成分を永続的にイオン交換できることから、ガンが治ったなどの効果が見られたとの報告もある。
木酢液は、木炭を焼くときに出る水蒸気や煙を冷やして液体にしたものを指し、木酢液に含まれている酢酸やアルコールには、殺菌作用や防虫作用があるとされている。木酢液のどのような成分が作用するかは未だ解明されてはいないものの、土壌改良や植物の生長促進にも役立つと言われている。
また、フルボ酸鉄(有機酸鉄)は、悪臭および生物の有害となる硫化水素イオンと反応し無害な硫化鉄となり、硫化水素の発生を抑制し、生物の生息しやすい環境を形成し、生物量や生物の多様性を向上すると言われている。
フルボ酸の製造方法としては、土壌からアルカリまたは弱酸のアルカリ塩でフミン酸(腐植物質)とともに抽出後、酸を加えてフミン酸を沈殿させて分離する方法や、木質系廃棄物(伐採樹木、腐朽菌が付着した樹木、きのこやきくらげ廃菌床など)から得る方法が提案されている。具体的な先行技術としては以下のものが挙げられる。
特許文献1には、高温高圧の蒸気噴出手段を備えた密閉容器内に木材チップなどの原料を投入し、温度120~250℃、圧力12~35atmの蒸気を密閉容器内に導入し、原料を攪拌しつつ亜臨界水反応処理し、冷却することで、フルボ酸とフミン酸を含有する溶液を得ることが記載されている。
特許文献2には、主成分が木質チップの菌床を木酢液、竹酢液又は木酢竹酢混合液とともに容器に封入し、前記容器底部に溶液を溶出させるフルボ酸の製造方法が記載されている。
特許文献3には、アルカリ性電解水に腐植物質を含有する固形原料を浸漬することにより、その腐植物質のうちフルボ酸およびフミン酸をアルカリ性電解水中に抽出し、ヒューミンと分離するフルボ酸およびフミン酸の抽出方法が提案されている。
特許第6285605号公報 特許第6331206号公報 特開2018-127413号公報
特許文献2、3に示される酸を用いた抽出法による場合は、効率が悪く且つ抽出に用いた酸の後処理の問題も生じる。この点、特許文献1に開示される亜臨界水反応処理が産業的には優れている。
しかしながら、特許文献1では、密閉容器内に導入する蒸気の温度と圧力について、温度120~250℃、圧力12~35atmと記載している。
最も低圧の圧力12atm(1.22MPa)で気体状態となるのは温度が188℃以上の場合であり、温度が120~188℃の範囲では水(高温水)の状態である。また、水は圧力12atm以上では更に蒸気の状態を維持しにくい。
このことを考慮すると、特許文献1の条件では、密閉容器内には大量の凝縮水で満たされていることになり、殆どが液化水の中での処理と考えられる。又、我々の実験では、液化した水の中で有機物を分解しようとすると、本来ラジカル状態でなければならない物質が安定化状態になることで、有機物は分解し難いことが分かっている。
物質を分解するには、反応物質すなわち、水(HО)がプロトン(H)とヒドロキシ基(-ОH)に分かれ、結合と分離を繰り返すことにより、有機物などの分解を行う。水中においての分解はプロトンと水が反応し、ヒドロニウム(HО+)が形成され安定化状態になってしまい反応が遅くなる。加えて、親水性の高いヒドロキシ基においても安定物質が形成されてしまい、有機物の分解が遅くなっている。
フルボ酸は水に溶けやすいため、蒸気だけでなく凝縮水や固形物質にも含まれることになる。凝縮水にはフルボ酸以外にも浮遊固形物なども含まれ、この凝縮水から浮遊固形物などを除去するのが困難である。
このように、特許文献1の亜臨界水処理でフルボ酸を溶出すると、処理物質に対する重量比で約30%以上の水分が増加し、フルボ酸の大半は凝縮水に溶出し、希釈されたフルボ酸溶液が排出され、フルボ酸を抽出するには大量の水から分離処理しなければならない。同様にフルボ酸を分離した後の水処理量も増えることになる。
きのこを生産する際には可食部のおよそ2~3倍量の「廃菌床」が残渣として発生する。長野県中野市は日本有数のきのこ産地で年間5万トン以上のきのこ生産があり、それに伴い15万トン以上の廃菌床が廃棄物とされている。
これら廃棄物としての廃菌床を消費する方法として、バイオエタノール精製やペレット燃料化などが検討されているが、いずれも再資源化に伴うコストが非常に大きく、実用化には至っていない。
一番簡単な方法は焼却することであるが、燃焼エネルギーが低いので、単に燃やすだけになってしまい、膨大な量のCO2排出に繋がり、地球温暖化への影響が大きい点や最終的に残ってしまう焼却灰が環境に与える影響も相当量であることを考えると適切な処理方法とは言いがたい。
その結果、従来から行われてきた、堆肥として農地に還元する方法が、一番よいと考えられた。しかし、菌が残っていることや廃菌床の原料がオガクズなどの繊維質であり、自然界では非常に難分解な物質を含むことから、農地圃場に施用可能な状態に腐食発酵させられるまでに通常は最低でも1年以上の期間がかかり、この点がボトルネックとなって廃菌床の廃棄量に再資源化処理が追いついていない現状がある。
そのため、きのこの生産量を維持する面から、廃菌床を未熟堆肥のまま流通させ、周辺の農地圃場に深刻な土壌酸性化を引き起こしてしまっている。
さらに廃菌床中にはきのこ菌が残留しており、自然放置でも腐植熟成させることは可能であるが、「原料が難分解性である」「堆肥化管理が難しい」「腐敗しやすく悪臭が出やすい」「強酸性で土壌酸性化を起こしやすい」等の問題を併せ持つため、精通者でなければ取扱いは極めて難しい。
以上のことから、きのこ菌床などの処理が必要不可欠なものとなっている。
ここで、きのこ菌床の原料は広葉樹であり、すでに菌類が接種されていることから、フルボ酸量が増えていることが分かった。
木質系廃棄物の間伐材や剪定枝や雑草などは、回収しても有価物として流通しないので、処理に困っている。
これら放置された木材系農林業廃棄物は、腐朽菌などの菌類が繁殖していれば、フルボ酸溶出量を増やすことができる。
上記課題を解決するため本発明に係るフルボ酸や木酢液を含む有機酸の産生方法は、有機系廃棄物を高温高圧処理用の圧力槽に投入し、圧力槽内に飽和蒸気及び乾燥蒸気(過熱蒸気)を導入し、密閉状態で温度100~300℃、圧力0.1~4.0MPaの条件で、高温高圧処理システムが持つ水分調整機能で水分調整しつつ蒸気に触れさせ、有機酸を有機系廃棄物から抽出し、抽出したフルボ酸を含む有機酸を含む蒸気を圧力槽から導出した後、冷却してフルボ酸や木酢液を含む有機酸を分離する。
有機酸の分離は固液分離装置を用い、液体と炭化物質を含む固形成分に分離する。液体のみでなく固形成分にもフルボ酸や木酢液を含む有機酸が含まれているので、固形成分から有機酸を回収してもよい。
本発明では、フルボ酸や木酢液を含む有機酸を主として気相中から抽出するが、凝縮水や固形物質にも有機酸は溶け込む。この凝縮水や固形物質に溶解した有機酸は遠心分離やボルテックスなどにより抽出し、固形成分と分離する。
前記有機系廃棄物としては、伐採樹木、腐朽菌が付着した樹木、きのこ類やきくらげ廃菌床が考えられるが、これに限定されずフルボ酸が含まれるものであればよい。また腐朽菌などの菌類が繁殖したもの方がフルボ酸の収率が高まる。
また本発明に係る有機酸からの有機酸鉄の製造方法は、フルボ酸や木酢液を含む有機酸とイオン化鉄とを高温高圧処理用の圧力槽に投入し、この圧力槽内に飽和蒸気及び過熱蒸気を導入し、密閉状態で温度100~300℃、圧力0.1~4.0MPaの条件で有機酸とイオン化鉄とを反応させ、フルボ酸鉄を含む有機酸鉄(キレート鉄、二価鉄)を得る。
本発明によれば、高濃度のフルボ酸や木酢液を含む有機酸を、酸などを用いることなく効率よく製造することができる。例えば木片やキノコ類の廃菌床、落ち葉や剪定枝などから得られるラジカル物質とプラスチックを含む一般有機系廃棄物を合わせた混合廃棄物から、高濃度のフルボ酸を含む固体やフルボ酸液や木酢液などの有機酸を用途に合わせて、自在に取り出すことができる。
即ち、過熱蒸気(乾燥蒸気)の水分含有量を、0.59~5.15kg/mとする。これは飽和蒸気の水分含有量に比較し50~65%になる。加えて、凝縮水である排出水量は1/20程度になるので、飽和蒸気を使用した従来の溶出法に比較し、フルボ酸や木酢液の過熱蒸気(気相)への抽出比率は最低でも35%以上増加する。加えて、過熱蒸気などで水分を調整しつつ固形成分に水分を吸収させることにより、水分の排出量0を達成できる。
また、高温高圧処理装置には従来の亜臨界水処理装置に無い、水分調整能力と過熱蒸気発生装置を備えていることから、同装置を使用して、フルボ酸を抽出すると、水分量が少ない状態の抽出液を採取でき、水処理工程がほとんど必要無くなる。更に、処理媒体は水だけなので、酸性物質などに比較し調達費用や廃液処理費用も安い、同時に短時間処理が可能で単位時間当たりの処理能力が高く、加えて処理温度圧力も低いことからランニングコストも低廉、装置の初期投資も低額となる。
又、本発明の高温高圧処理用の圧力槽として、独特の加熱構造(二重構造)を採ることで、大半の排水は汚染されていないことから廃熱利用でき、環境に優しい処理方法となる。
本発明によれば、有機酸を形成するラジカル物質とラジカル物質を結合するカルボニル基とヒドロキシ基が反応し、フルボ酸での構成要素カルボキシル基が形成され、前述したラジカル物質に結合し、さらに収率が高まる。
又、高温高圧槽の中で、ラジカル物質であるプロトンとヒドロキシ基が高速で移動するため、物理的に炭素成分が小径化され、植物が吸収し易い状態を作り出すことができる。
フルボ酸が植物を活性化することと、有機物の基本構成体である炭素及びミネラル成分が同時に供給されるため、植物は、耐性を持ち、冬季でも枯れ難い植物を育成できる。
本発明に係る有機酸または有機酸鉄の製造に用いる高温高圧処理システムの全体構成図。 第2実施例に係る高温高圧処理システムの全体構成図。 有機酸処理フロー図。 有機酸鉄処理フロー図。 第3実施例に係る高温高圧処理システムの全体構成図。 第3実施例に係るシステムを用いた有機酸処理フロー図。 第3実施例に係るシステムを用いた処理手順を説明した図。
第1実施例に係る高温高圧処理システムは、図1に示すように、高温高圧処理を行うための圧力槽1を備える。この圧力槽1の内部には撹拌装置が配置され、上部中央には原料であるフルボ酸を含む廃棄物の投入口2が設けられ、下部中央には凝縮水などの排出口3が設けられている。
圧力槽1に隣接して飽和蒸気発生ボイラー4が配置され、この飽和蒸気発生ボイラー4で発生した飽和蒸気は配管5を介して過熱蒸気発生装置(加熱部)6に送られ、過熱蒸気または過熱蒸気と飽和蒸気との混合気体として配管7を介して圧力槽1に供給される。供給方法は圧力槽1の天井部からに限らず、撹拌装置の中空軸を介して供給してもよい。
圧力槽1の天井部からは排出蒸気配管8が導出され、この排出蒸気配管8は蒸気から熱を奪う熱交換器(冷却器)9に接続される。熱交換器(冷却器)9で吸収した熱(廃熱)は前記ボイラー4に循環し、熱交換器(冷却器)9において蒸気は液化して配管10を介して取り出される。
図2は別実施例に係る高温高圧処理システムの全体構成図であり、この別実施例では圧力槽1を外殻の一部または全部が二重構造になっている。この二重構造となった部分に配管11を介して過熱蒸気発生装置(加熱部)6からの過熱蒸気または過熱蒸気と飽和蒸気との混合気体を送り込み、加熱ムラが生じないようにしている。
更に、二重構造の部分で生じた凝結水は、配管12を介して飽和蒸気発生ボイラー4に戻すことで凝結水(エネルギー)の有効利用を図る構成となっている。
即ち、配管11を介して供給された蒸気の保有する熱は、圧力槽1のみを温めることに使用され、また外郭二重構造部を通した蒸気は圧力槽内部を通らないので汚染されず、熱量を持ったままリユースすることができる。
以上において、伐採樹木、腐朽菌が付着した樹木、きのこやきくらげ廃菌床などの農林業などで生じた廃棄物(好ましくは、腐朽菌などの菌類が繁殖したもの)を投入口2から圧力槽1に投入する。
廃棄物を圧力槽1に投入したら、圧力槽1内に過熱蒸気または過熱蒸気と飽和蒸気との混合気体を供給し、密閉状態にして、温度100~300℃、圧力0.1~4.0MPaの条件で、外部加熱装置と過熱蒸気(乾燥蒸気)にて水分調整しつつ撹拌する。上記の温度及び圧力下で廃棄物に含まれているフルボ酸などの有機酸は混合気体中に抽出される。また、廃棄物は圧力槽1内である程度加水分解される。
圧力槽1内の水分量は適切に保つ必要がある。水分量の調整は飽和蒸気や過熱蒸気や凝縮水によって賄われる。廃棄物に含まれる水分量が過多と判断される場合には、外部加熱装置を稼働させながら、飽和蒸気を加えず加熱蒸気のみを加え、水分が不足していると判断される場合には、飽和蒸気の量を多くする。また、処理時間は廃棄物の量や腐朽具合によって異なる。
圧力槽1内の蒸気中には、固形物は含まれず、フルボ酸を含む有機酸が多量に含まれている。そこで、反応後の蒸気を排出蒸気配管8を介して熱交換器(冷却器)9に送り込み、冷却することでフルボ酸を含む有機酸を分離回収する。
一方、排出口3からはフルボ酸を含む有機酸が溶けた凝縮水と固形物である炭化物質や灰質や無機物等が排出される。このため、固液分離装置によって凝縮水と炭化物質とに分離する。
分離した炭化物質は燃料や土壌改良剤として利用する。一方、フルボ酸を含む有機酸が溶けた凝縮水からは、フルボ酸やフミン酸を個別に精製するか、更に利用しやすい有機酸鉄の形態にする。
図4は利用しやすい有機酸鉄の形態にする手段を説明したフロー図であり、圧力槽1からの蒸気中及び凝縮水には、フルボ酸を含む有機酸が含まれている。これらからフルボ酸を含む有機酸を回収する。
この回収した有機酸にイオン化鉄を加え、再度圧力槽1内に投入する。そして圧力槽1内に過熱蒸気または過熱蒸気と飽和蒸気との混合気体を供給し、密閉状態にして、温度100~300℃、圧力0.1~4.0MPaの条件で撹拌する。又、この工程は、常温でも反応するが、大幅な時間増となる。
上記処理によって有機酸と鉄とが反応し、フルボ酸を含むキレート鉄、二価鉄などの利用しやすい形態の有機酸鉄が得られる。
図5~図7は第1、第2実施例を更に改良した第3実施例を示す。前記実施例と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。
この第3実施例では、廃棄物の投入口2として下半部が筒状になったホッパーとし、圧力槽1の内部にはスクープ(撹拌)装置を配置している。
また、この実施例では圧力槽1の廃熱を利用して飽和蒸気発生ボイラー4を加熱し、熱交換器(冷却器)9の廃熱を利用して圧力槽1を加熱する構成としている。
更に、圧力槽1に隣接して熱媒ボイラー13を配置している。この熱媒ボイラー13は圧力槽1の外側に設けた外部加熱装置14に送り込む熱媒体を加熱するものである。熱媒体としては例えば沸点の低いオイルを用いる。また、外部加熱装置14の構造としては、前記実施例と同様に圧力槽1の外郭を二重構造とするか、別途独立して圧力槽1の外側に配置してもよい。
外部加熱装置14の熱媒体は圧力槽1に熱を伝えたのち、回収配管15から熱媒ボイラー13に戻され、熱媒ボイラー13で加熱された後、配管16を介して外部加熱装置14に再び送り込まれる。
熱媒体の保有する熱は、圧力槽を温めることに使用され、処理物の温度上昇や圧力槽の温度を維持する蓄熱器の役割も果たす。熱媒体は圧力槽内部を通らないので汚染されず、熱量を150℃以上の温度と熱媒体量に応じた熱量を保ったまま循環する。
以上において、第3実施例では、伐採樹木、腐朽菌が付着した樹木、きのこやきくらげ廃菌床などの農林業系廃棄物(好ましくは、腐朽菌などの菌類が繁殖したもの)と一般有機系廃棄物をホッパー2に順次蓄積し、投入口3から圧力槽1に投入する。
混合廃棄物を圧力槽1に投入したら、密閉状態にして、圧力槽1内に飽和蒸気や過熱蒸気や過熱蒸気と飽和蒸気との混合気体を供給し、温度100~300℃、圧力0.1~4.0MPaの条件で、外部加熱装置14と過熱蒸気(乾燥蒸気)にて水分調整しつつスクープ機能にて蒸気に均一に触れさせながら加水分解する。
圧力槽1内での反応は、混合廃棄物を構成するカルボニル基とヒドロキシ基が結合し、有機酸の構成要素であるカルボキシル基が形成される。これにより有機酸の産生量が増加する。
圧力槽1内で行われる反応は加水分解反応であるので、飽和蒸気や乾燥蒸気を維持するための、適切な水分量が必要になるが、これらは飽和蒸気や過熱蒸気や凝縮水や分解される物質の水分含有量によって賄われる。廃棄物に含まれる水分量が過多と判断される場合には、外部加熱装置を稼働させながら、飽和蒸気を加えず過熱蒸気のみを加え、水分が不足していると判断される場合には、飽和蒸気の量を多くする。また、処理時間は難分解性廃棄物の量や腐朽具合や排出状態、液状か固形かによって異なる。
圧力槽1内での加水分解処理が終了したならば、排出口3から反応後の処理物を取り出す。排出口3からはフルボ酸等を含む凝縮水とフルボ酸等を含む固形物である炭化物質を排出し、操作によってはフルボ酸を含む固形物のみを排出し、その他物質としては灰質や無機物等が排出される。このため、固液分離装置によって凝縮水と炭化物質とを分離することもある。
分離した固形物は燃料やフルボ酸等を含む土壌改良剤として利用する。一方、フルボ酸等を含む凝縮水からは、フルボ酸やフミン酸を個別に精製するか、更に利用しやすい有機酸鉄の形態にする。
圧力槽1内での加水分解処理が終了した蒸気中には、固形物は含まれず、フルボ酸等が多量に含まれている。そこで、反応後の蒸気を排出蒸気配管8を介して熱交換器(冷却器)9に送り込み、冷却することでフルボ酸等を分離回収する。
図6は利用しやすい有機酸鉄の形態にする手段を説明したフロー図であり、圧力槽1内での加水分解処理が終了した蒸気中及び凝縮水には、フルボ酸等が含まれている。これらからフルボ酸等を回収する。
第二工程(フルボ酸等の有機酸から有機酸鉄を作る工程)では、図7に示すように回収した有機酸にイオン化鉄を加え、再度圧力槽1内に投入する。そして圧力槽1内に飽和蒸気または過熱蒸気または過熱蒸気と飽和蒸気との混合気体を供給し、密閉状態にして、温度100~300℃、圧力0.1~4.0MPaの条件でスクープすることにより、有機酸鉄を製造することができる。又、この工程は、常温でも反応するが、その場合大幅な時間増となる。
上記処理によって有機酸と鉄とが反応し、フルボ酸鉄やキレート鉄、二価鉄などの利用しやすい形態の有機酸鉄が得られる。
1…圧力槽、2…廃棄物の投入口、3…凝縮水などの排出口、4…飽和蒸気発生ボイラー、5…配管、6…過熱蒸気発生装置(加熱部)、7…配管、8…排出蒸気配管、9…熱交換器(冷却器)、10…配管、11…外部加熱装置からの配管、12…ボイラーへのエネルギー循環用配管、13…熱媒ボイラー、14…外部加熱装置、15…回収配管、16…配管。

Claims (6)

  1. 有機系廃棄物を高温高圧処理用の圧力槽に投入し、この圧力槽内に飽和蒸気及び過熱蒸気を導入し、密閉状態で温度100~300℃、圧力0.1~4.0MPaの条件下で、水分調整した蒸気の中で撹拌し、フルボ酸を含む有機酸を有機系廃棄物から抽出し、この抽出された有機酸を含む蒸気を圧力槽から取り出し冷却し、固液分離装置で液状物質と固形物とに分離し、液状物質から有機酸を得ることを特徴とする有機酸の産生方法。
  2. 請求項1に記載の有機酸の産生方法において、前記圧力槽内での有機酸の抽出は、カルボニル基とヒドロキシ基が結合し、有機酸の構成要素であるカルボキシル基が形成され、これにより有機酸の産生量が増加することを特徴とする有機酸の産生方法。
  3. 請求項1に記載の有機酸の産生方法において、前記固液分離装置で分離された固形物からも有機酸を得ることを特徴とする有機酸の産生方法。
  4. 請求項1に記載の有機酸の産生方法において、前記圧力槽から排出した凝縮水を固液分離し、フルボ酸を含む有機酸と炭化物質とを分離することを特徴とする有機酸の産生方法。
  5. 請求項1に記載の有機酸の産生方法において、前記圧力槽の外部に加熱装置を設け、圧力槽を外側からも加熱することを特徴とする有機酸の産生方法。
  6. 有機系廃棄物から得たフルボ酸を含む有機酸からフルボ酸鉄を含む有機酸鉄の製造方法であって、前記有機酸とイオン化鉄とを高温高圧処理用の圧力槽に投入し、この圧力槽内に飽和蒸気及び過熱蒸気を導入し、密閉状態で温度100~300℃、圧力0.1~4.0MPaの条件化の蒸気の中で有機酸とイオン化鉄とを反応させ、フルボ酸鉄を含む有機酸鉄(キレート鉄、二価鉄)を得ることを特徴とする有機酸鉄の製造方法。
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