JP2023090238A - 検査装置、検査方法、及び検査プログラム - Google Patents

検査装置、検査方法、及び検査プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】密閉容器ごとに密閉容器内の空間部におけるガスの濃度にばらつきがある場合であっても、密閉容器における密閉性を正確に検査することができる検査装置、検査方法、及び検査プログラムを提供すること。【解決手段】ヘッドスペースがガス置換されて密閉されたバイアル瓶を搬送する搬送部と、搬送中のバイアル瓶のヘッドスペースに対し所定波長のレーザ光を出射するレーザ発生部と、レーザ光を受光するレーザ受光部と、ヘッドスペースを透過しレーザ受光部で受光されるレーザ光の所定波長の吸収量に基づきヘッドスペースの酸素濃度を測定するガス濃度測定部と、個々のバイアル瓶を識別する識別部と、測定された酸素濃度をバイアル瓶ごとに記憶する記憶部と、同一のバイアル瓶に対し2回の酸素濃度の測定が行われ、1回目に測定された酸素濃度と、2回目に測定された酸素濃度との比較に基づきバイアル瓶の密閉性を判定する判定部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、検査装置、検査方法、及び検査プログラムに関する。
密閉容器における密閉の完全性を検査する方法として、密閉容器内のガスの成分を高感度かつ高速に検査するヘッドスペースガス・レーザ分析方法が知られている。従来、このヘッドスペースガス・レーザ分析方法を用いた検査装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載の自動ヘッドスペース分析システムは、試料バイアル瓶と基準バイアル瓶が検査区域を通過するときに、同じレーザビームが試料バイアル瓶と基準バイアル瓶との両方を通過してビーム検出器に至るように、これら試料バイアル瓶を少なくとも1つの基準バイアル瓶と一緒に検査区域の中を通って経路に沿って移動させるよう構成されている。
特表2007-508567号公報
ところで、上記のようなヘッドスペースガス・レーザ分析方法を用いるにあたっては、密閉容器内にヘッドスペース物質としてガスが封入されるようになっている。封入されるガスとしては、例えば窒素ガス等がある。
ここで、ガス封入後の密閉容器内のヘッドスペースにおけるガスの濃度は、密閉容器ごとにばらつくことがある。密閉容器内にガスを充填するガス置換装置として、安価なガス置換装置を用いると、密閉容器ごとのヘッドスペースにおけるガスの濃度のばらつきはより顕著となる。
特許文献1に記載の自動ヘッドスペース分析システムは、試料バイアル瓶に対して1回、レーザビームが照射されてヘッドスペースガスが検出されるだけであるため、上述のように密閉容器ごとにヘッドスペースにおけるガスの濃度にばらつきがあると、密閉容器における密閉の完全性を正確に検査することができない。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、密閉容器ごとに密閉容器内の空間部におけるガスの濃度にばらつきがある場合であっても、密閉容器における密閉性を正確に検査することができる検査装置、検査方法、及び検査プログラムを提供することを目的としている。
本発明に係る検査装置は、容器内の空間部がガス置換されて密閉された密閉容器を搬送する搬送部と、搬送中の前記密閉容器の前記空間部に対し所定波長のレーザ光を出射するレーザ発生部と、前記レーザ光を受光するレーザ受光部と、前記密閉容器の前記空間部を透過し前記レーザ受光部で受光される前記レーザ光の前記所定波長の吸収量に基づき、前記密閉容器の前記空間部のガス濃度を測定するガス濃度測定部と、個々の前記密閉容器を識別する識別部と、前記ガス濃度測定部により測定された前記ガス濃度を前記密閉容器ごとに記録する記録部と、同一の前記密閉容器に対し複数回の前記ガス濃度の測定が行われ、前記記録部により記録された少なくとも2回分の前記ガス濃度の比較に基づき、前記密閉容器における密閉性を判定する判定部と、を備える。
この構成により、本発明に係る検査装置は、同一の密閉容器に対し複数回のガス濃度の測定が行われ、少なくとも2回分のガス濃度の比較に基づき、密閉容器における密閉性を判定するようになっている。このため、複数回の測定結果を比較してその変化を確認することにより密閉容器の密閉性を判定することができる。したがって、密閉容器ごとに密閉容器内の空間部におけるガスの濃度にばらつきがある場合であっても、密閉容器における密閉性を正確に検査することができる。
本発明に係る検査装置において、同一の前記密閉容器に対し2回の前記ガス濃度の測定が行われ、前記記録部により記録された1回目の前記ガス濃度と2回目の前記ガス濃度との差分が所定の閾値以上である場合に、前記判定部は、前記密閉容器における密閉性が不十分であると判定する構成を有する。
この構成により、本発明に係る検査装置は、1回目に測定されたガス濃度と2回目に測定されたガス濃度との差分に基づき密閉容器における密閉性を判定するので、1回目に測定されたガス濃度が密閉容器ごとにばらついている場合であっても、1回目に測定されたガス濃度のばらつきに影響されることなく、密閉容器ごとに密閉性を正確に検査することができる。
本発明に係る検査装置において、前記ガス置換によって前記密閉容器内に充填されるガスは窒素ガスであり、前記ガス濃度測定部は、前記密閉容器の前記空間部における酸素のガス濃度を測定する構成を有する。
この構成により、本発明に係る検査装置は、密閉容器の密閉性が不十分である場合に時間の経過に伴い大気中から密閉容器内に流入する酸素のガス濃度を測定することで、密閉容器の密閉性を検査することができる。
本発明に係る検査装置において、前記記録部は、前記密閉容器の識別情報と1回目に測定された前記ガス濃度とを対応付けて記憶する記憶部からなる構成を有する。
この構成により、本発明に係る検査装置は、2回目以降に測定されるガス濃度と、1回目に測定されたガス濃度とを比較することができる。
本発明に係る検査装置において、前記記録部は、1回目に測定された前記ガス濃度を示す情報と前記密閉容器の識別情報との少なくともいずれか一方を前記密閉容器に印字する構成を有する。
この構成により、本発明に係る検査装置は、2回目以降に測定されるガス濃度と、1回目に測定されたガス濃度とを比較することができる。さらに、検査前に予めバイアル瓶の識別情報を付しておく必要がないので、検査作業の負担を軽減することができる。
本発明に係る検査装置において、前記記録部は、1回目に測定された前記ガス濃度を示す情報と前記密閉容器の識別情報との少なくともいずれか一方が記録されたシールを作成し、前記シールを前記密閉容器に貼り付ける構成を有する。
この構成により、本発明に係る検査装置は、2回目以降に測定されるガス濃度と、1回目に測定されたガス濃度とを比較することができる。さらに、検査前に予めバイアル瓶の識別情報を付しておく必要がないので、検査作業の負担を軽減することができる。
本発明に係る検査方法は、容器内の空間部がガス置換されて密閉された密閉容器を搬送する搬送部と、搬送中の前記密閉容器の前記空間部に対し所定波長のレーザ光を出射するレーザ発生部と、前記レーザ光を受光するレーザ受光部と、前記密閉容器の前記空間部を透過し前記レーザ受光部で受光される前記レーザ光の前記所定波長の吸収量に基づき、前記密閉容器の前記空間部のガス濃度を測定するガス濃度測定部と、個々の前記密閉容器を識別する識別部と、前記ガス濃度測定部により測定された前記ガス濃度を前記密閉容器ごとに記録する記録部と、前記密閉容器における密閉性を判定する判定部と、を備える検査装置において、同一の前記密閉容器に対し複数回の前記ガス濃度の測定を行い、少なくとも2回分の前記ガス濃度を比較し、その比較結果に基づき前記密閉容器における密閉性を検査する。
本発明に係る検査方法によれば、同一の密閉容器に対し複数回のガス濃度の測定を行い、少なくとも2回分のガス濃度の比較に基づき、密閉容器における密閉性を判定する。このため、複数回の測定結果を比較してその変化を確認することにより密閉容器の密閉性を検査することができる。したがって、密閉容器ごとに密閉容器内の空間部におけるガスの濃度にばらつきがある場合であっても、密閉容器における密閉性を正確に検査することができる。
本発明に係る検査方法において、同一の前記密閉容器に対し2回の前記ガス濃度の測定を行う場合、2回目のガス濃度の測定は、1回目のガス濃度の測定から、前記密閉容器の密閉性が不十分であるときに生ずる前記空間部内のガス濃度の変化を確認できる時間以上経過した後に行う。
本発明に係る検査方法によれば、1回目のガス濃度の測定と2回目のガス濃度の測定との間を、密閉容器の密閉性が不十分であるときに生ずる空間部内のガス濃度の変化を確認できる時間以上空けるので、密閉容器の密閉性が不十分であるときにはこれを確実に検出することができる。
本発明に係る検査プログラムは、コンピュータに、容器内の空間部がガス置換されて密閉された密閉容器を搬送部により搬送するステップと、搬送中の前記密閉容器の前記空間部に対し、レーザ発生部により所定波長のレーザ光を出射するステップと、レーザ受光部により前記レーザ光を受光するステップと、前記密閉容器の前記空間部を透過し前記レーザ受光部で受光される前記レーザ光の前記所定波長の吸収量に基づき、前記密閉容器の前記空間部のガス濃度を測定するステップと、個々の前記密閉容器を識別するステップと、測定された前記ガス濃度を前記密閉容器ごとに記録部により記録するステップと、同一の前記密閉容器に対し複数回の前記ガス濃度の測定が行われ、少なくとも2回分の前記ガス濃度の比較に基づき、前記密閉容器における密閉性を判定するステップと、を実行させる。
本発明に係る検査プログラムによれば、同一の密閉容器に対し複数回のガス濃度の測定を行い、少なくとも2回分のガス濃度の比較に基づき、密閉容器における密閉性を判定するステップをコンピュータに実行させる。このため、複数回の測定結果を比較してその変化を確認することにより密閉容器の密閉性を検査することができる。したがって、密閉容器ごとに密閉容器内の空間部におけるガスの濃度にばらつきがある場合であっても、密閉容器における密閉性を正確に検査することができる。
本発明によれば、密閉容器ごとに密閉容器内の空間部におけるガスの濃度にばらつきがある場合であっても、密閉容器における密閉性を正確に検査することができる検査装置、検査方法、及び検査プログラムを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る検査装置の斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る検査装置の概略構成図である。 図3は、本発明の第1の実施形態に係る検査装置によるバイアル瓶の密閉性の検査工程を示すフローチャートである。 図4は、1回の酸素濃度の測定によってバイアル瓶の密閉性を検査する場合の課題を説明するグラフである。 図5は、本発明の第2の実施形態に係る検査装置の概略構成図である。 図6は、本発明の第2の実施形態に係る検査装置によるバイアル瓶の密閉性の検査工程を示すフローチャートである。 図7は、本発明の第3の実施形態に係る検査装置の概略構成図である。 図8は、本発明の第3の実施形態に係る検査装置によるバイアル瓶の密閉性の検査工程を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1から図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る検査装置について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の検査装置1は、密閉容器であるバイアル瓶10を検査対象として、当該バイアル瓶10の密閉性を検査する検査装置である。検査対象としては、高い密閉性が要求される容器であればバイアル瓶に限られない。
本実施形態の検査装置1は、バイアル瓶10の密閉性を検査する方法として、バイアル瓶10の空間部、つまりバイアル瓶10に封入された物質(液体、固体又は粉体等)以外の空間であるヘッドスペース10aに所定波長のレーザ光を透過させて、濃度を検出する対象のガスに吸収された透過後のレーザ光に基づきヘッドスペース10aにおけるガス濃度を測定し、測定したガス濃度に基づきバイアル瓶10の密閉性を検査する、ヘッドスペースガス・レーザ分析方法を用いている。本実施形態において、ヘッドスペース10aにおける濃度を測定するガスとしては、酸素を対象としている。
検査装置1は、複数のバイアル瓶10を連続的に搬送する搬送部2と、レーザ光を出射するレーザ発生部3と、レーザ光を受光するレーザ受光部4と、レーザ発生部3及びレーザ受光部4に接続された制御部5と、個々のバイアル瓶を識別する識別部6と、を含んで構成されている。
[搬送部]
搬送部2は、搬送台21と、搬送台21上で回転する円盤状の搬送ディスク22と、を備えている。搬送ディスク22は、図1中、時計回り方向に回転するよう構成されており、外周に径方向内側に向かって半円状に切り欠かれた保持部22aが所定間隔を空けて複数形成されている。保持部22aには、バイアル瓶10が保持されるようになっている。
搬送部2には、前工程から搬送部2にバイアル瓶10を順次供給する供給部25が接続されている。搬送部2は、供給部25から供給されたバイアル瓶10を保持部22aに受け入れ、受け入れたバイアル瓶10を保持部22aに保持した状態で回転することによりガス濃度検出領域26に搬送する。
ガス濃度検出領域26では、バイアル瓶10のヘッドスペース10aにおけるガス濃度を検出するためのレーザ光が照射される。また、搬送部2には、定期的に校正用の検査品(以下、「校正用検査品」という)11が複数供給されて搬送されるようになっている。各校正用検査品11には、酸素用又は水用の校正用標準物質が充填されている。
搬送部2は、ガス濃度検出領域26を通過したバイアル瓶10を水分検査領域27に搬送し、水分検査領域27を通過したバイアル瓶10を排出領域28に搬送する。水分検査領域27には、水分検査用のレーザ発生部及びレーザ受光部を有する水分検査部15が設けられている。水分検査領域27では、バイアル瓶10内の水分を検出するためのレーザ光が照射される。
搬送部2の排出領域28には、バイアル瓶10が排出される排出部60が接続されている。排出部60は、水分NG排出路61と、密閉性NG排出路62と、OK排出路63と、を有している。
水分NG排出路61は、水分検査の判定結果に基づき、水分量が適正でないバイアル瓶10が排出される排出路である。密閉性NG排出路62は、密閉性の判定結果に基づき、密閉性が不十分であるバイアル瓶10が排出される排出路である。OK排出路63は、水分量も適正で、かつ密閉性も確保されているバイアル瓶10が排出される排出路である。
本実施形態では、後述するように、2回のガス濃度の検出が行われ、この2回のガス濃度検出の結果に基づき密閉性が検査される。このため、1回目のガス濃度検出後のバイアル瓶10は、未だ密閉性の検査が完了していないため、例えば、水分量が適正でないバイアル瓶10を除いて全てOK排出路63を通じて排出される。
ここで、本実施形態において、供給部25から搬送部2に供給されるバイアル瓶10は、ヘッドスペース10aがガス置換されて封止された状態である。すなわち、搬送部2に供給されるバイアル瓶10は、ヘッドスペース10a内のガスが不活性ガスにガス置換されて封止されている。本実施形態では、ガス置換する不活性ガスとして、窒素ガスを用いた。
ガス置換方法としては、例えば、バイアル瓶10に物質を封入する際に、物質充填のためのノズルとは異なるノズルからバイアル瓶10内に不活性ガスを充填する、といった安価なガス置換装置によるガス置換方法を用いている。安価なガス置換装置によるガス置換方法としては、前述した方法に限らず、例えば、物質充填後のバイアル瓶10の開口部に直接不活性ガスを吹き付けてガス置換を行う方法等、種々の方法を採用することができる。
[レーザ発生部]
レーザ発生部3は、所定波長のレーザ光を出射する半導体レーザ(LD:Laser Diode)31と、半導体レーザ31から出射するレーザ光の波長を所定波長に設定し、所定の光強度に調整するLDコントローラ32と、を備えている。
半導体レーザ31は、搬送部2によって搬送されるバイアル瓶10が周回する搬送経路の外側、すなわち搬送ディスク22の径方向外方側に設けられたLDヘッド36に保持されている。半導体レーザ31は、搬送部2によって搬送されるバイアル瓶10のヘッドスペース10aに対し所定波長のレーザ光を出射するようになっている。半導体レーザ31から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ30を介してバイアル瓶10のヘッドスペース10aを透過し、集光レンズ40を介してレーザ受光部4にて受光される。
ここで、本実施形態において、ヘッドスペースガス・レーザ分析方法を用いる際に、ヘッドスペース10aにおける濃度を測定するガスは、上述の通り酸素である。酸素固有の吸収波長帯は760nm帯である。したがって、本実施形態では、半導体レーザ31から出射するレーザ光の所定波長として、LDコントローラ32によって吸収波長帯760nmを含む近傍の波長が設定されるようになっている。
LDコントローラ32には、加算器33を経由して、駆動電流、ランプ波発生器34により生成されたランプ波、及び、変調信号発生器35により生成された変調信号がそれぞれ印加される。つまり、本実施形態においては、高感度で安定した計測のために、半導体レーザ31の駆動電流に周波数変調した信号を重畳し検波するFMS(Frequency Modulation Spectroscopy)方式が用いられている。
[レーザ受光部]
レーザ受光部4は、半導体レーザ31から出射されたレーザ光を受光し、その受光したレーザ光の受光強度に応じた測定信号を出力するフォトダイオード(PD:Photo Diode)によって構成されている。
レーザ受光部4は、バイアル瓶10が周回する搬送経路を挟んでLDヘッド36と反対側に配置されたPDヘッド41に保持されている。
レーザ受光部4で受光されるレーザ光は、ヘッドスペース10aを透過する際にヘッドスペース10aに酸素がある場合にはその酸素に含まれる成分による吸収の影響を受ける。
レーザ受光部4から出力された測定信号は、PD増幅器42によって増幅された後、バンドパスフィルタ43によって一定周波数帯域の信号のみが通過されて、ロックインアンプ44に入力される。
ロックインアンプ44には、変調信号発生器35により生成された変調信号が参照信号として入力されるようになっている。これにより、ロックインアンプ44では、変調信号発生器35により生成された変調信号と同期する測定信号が抽出される。
ロックインアンプ44を通過した測定信号は、A/Dコンバータ50によってデジタル信号に変換されて、制御部5に入力される。
[制御部]
制御部5は、少なくとも、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
制御部5は、バイアル瓶10のヘッドスペース10aを透過しレーザ受光部4で受光されるレーザ光の所定波長の吸収量に基づき、ヘッドスペース10aのガス濃度としての酸素濃度を測定するガス濃度測定部51としての機能を有する。
具体的には、制御部5は、半導体レーザ31の駆動電流を変化させることで所定波長を掃引して得られる吸収波形を観察することにより、ヘッドスペース10aの酸素濃度と圧力とを高速で検査するようになっている。ここで、吸収波形の最大値と最小値との差分である振幅が酸素濃度に比例し、吸収波形の最大値と最小値との波長掃引時間の時間幅が圧力に比例する。
また、制御部5には、ガス濃度測定部51により測定された酸素濃度をバイアル瓶10ごとに記録する記録部として、測定された酸素濃度を記憶する、例えばRAM等からなる記憶部52を有している。記憶部52には、後述する識別部6によって識別されたバイアル瓶10の識別情報と、1回目に測定された酸素濃度とが対応付けて記憶されるようになっている。
本実施形態においては、同一のバイアル瓶10に対して、ヘッドスペース10aの酸素濃度が2回測定されるようになっている。ヘッドスペース10aの酸素濃度の測定は、2回に限らず、3回以上の回数であってもよい。
1回目の酸素濃度の測定と2回目の酸素濃度の測定との間は、所定時間(例えば、24時間から48時間)以上、間隔が空けられる。すなわち、同一のバイアル瓶10に対し2回の酸素濃度の測定を行う場合、2回目の酸素濃度の測定は、1回目の酸素濃度の測定から、バイアル瓶10の密閉性が不十分であるときに生ずるヘッドスペース10a内の酸素濃度の変化を確認できる所定時間以上経過した後に行う。
ここで、上述の所定時間は、要求されるバイアル瓶10の密閉性の度合い、つまりバイアル瓶10に生じたリーク孔をどの程度の小ささまで検出するか否かによって異なり、任意に設定可能である。バイアル瓶10に生じたリーク孔が大きい程、短時間で、酸素濃度が大気中と同等の20%程度まで変化する。したがって、上述の所定時間は、要求されるバイアル瓶10の密閉性が厳しい程、長い時間に設定するのが望ましい。
制御部5は、バイアル瓶10ごとに、記憶部52に記憶された1回目の酸素濃度と、2回目に測定された酸素濃度との比較に基づき、バイアル瓶10の密閉性を判定する判定部53としての機能を有する。なお、酸素濃度の測定が3回以上行われる場合には、それら複数回の測定のうち少なくとも2回分の酸素濃度を比較するのが望ましい。この場合、必ずしも、連続して測定された酸素濃度同士を比較する例に限られない。
具体的には、制御部5は、記憶部52に記憶された1回目の酸素濃度と2回目に測定された酸素濃度との差分が所定の閾値以上である場合に、バイアル瓶10における密閉性が不十分である、すなわちバイアル瓶10に漏れがあると判定するようになっている。
所定の閾値は、バイアル瓶10の密閉性が不十分であるときに生ずる酸素濃度の変化とみなすことができる酸素濃度の変化量の下限値であって、予め実験的に求められて、制御部5のROMに記憶されている。また、所定の閾値は、バイアル瓶10に漏れが生じるような欠陥がなくても、透過によりバイアル瓶10内に混入する酸素による影響を許容する値に設定されるのが望ましい。
[識別部]
識別部6は、個々のバイアル瓶10を識別するよう構成され、例えばガス濃度検出領域26よりも搬送方向上流側に配置されている。なお、図1においては、識別部6の図示を省略している。
ここで、個々のバイアル瓶10には、それぞれ検査装置1に投入される前に予め識別情報が付されている。例えば、バーコードや2次元コード、又はシリアル番号等、他のバイアル瓶10と識別可能な識別情報が付されたシールがバイアル瓶10の側面又はキャップ上面などに貼られている。または、識別情報がバイアル瓶10の側面又はキャップ上面などに直接印字されている。
識別部6は、例えば撮像装置又はバーコードリーダ等によって構成されており、個々のバイアル瓶10に付された識別情報を読み取って、個々のバイアル瓶10を識別する。識別部6で読み取られた識別情報は制御部5に出力される。なお、カメラ撮像によってバイアル瓶やキャップの微小な形状の違いを認識して、個々のバイアル瓶を識別する構成であってもよい。
[密閉性の検査工程]
次に、図3を参照して、検査装置1によって実行される密閉性の検査工程について説明する。
図3に示すように、検査装置1は、搬送部2により搬送されるバイアル瓶10に対し、識別部6によって当該バイアル瓶10に付された識別情報を読み取る(ステップS1)。識別部6で読み取られた識別情報は、制御部5に出力され、記憶部52に記憶される。
検査装置1は、識別情報が読み取られたバイアル瓶10のヘッドスペース10aに対して1回目の酸素濃度の測定を行う(ステップS2)。次いで、検査装置1は、測定された1回目の酸素濃度を、当該測定が行われたバイアル瓶10の識別情報と対応付けて、記憶部52に記憶する(ステップS3)。
検査装置1は、ステップS1からステップS3までの処理を、検査装置1に投入されるバイアル瓶10全てに対して順次行う。これにより、投入されたバイアル瓶10全てに対してステップS3の処理が終了したときには、それらバイアル瓶10の全ての識別情報と1回目の酸素濃度とが記憶部52に記憶されていることになる。
その後、所定時間が経過すると(ステップS4)、1回目の酸素濃度測定が完了したバイアル瓶10が検査装置1に再度投入される。
検査装置1は、再度投入されたバイアル瓶10に対し、識別部6によって当該バイアル瓶10に付された識別情報を読み取る(ステップS5)。
検査装置1は、識別情報が読み取られたバイアル瓶10のヘッドスペース10aに対して2回目の酸素濃度の測定を行う(ステップS6)。なお、2回目の酸素濃度は、識別情報に対応付けて記憶部52に記憶されてもよい。
次いで、検査装置1は、識別情報の一致するバイアル瓶10に対し、記憶部52に記憶されている1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS7)。
検査装置1は、ステップS7において、1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が所定の閾値以上でないと判定した場合には、バイアル瓶10における密閉性が確保されていると判定する。これに対し、検査装置1は、ステップS7において、1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が所定の閾値以上であると判定した場合には、バイアル瓶10における密閉性が不十分であると判定する。
[1回の酸素濃度測定による密閉性検査の課題]
次に、図4を参照して、1回の酸素濃度測定による密閉性検査の課題について説明する。
図4では、ガス置換によるヘッドスペースの酸素濃度が互いに異なるバイアル瓶Aとバイアル瓶Bに対して、1回の酸素濃度測定によって密閉性の検査を行う例について説明する。
図4中、A(NG)は、バイアル瓶Aに漏れがある場合の酸素濃度の時間的変化を示すグラフである。また、B(OK)は、バイアル瓶Bの密閉性が確保されている場合の酸素濃度の時間的変化を示すグラフである。B(NG)は、バイアル瓶Bに漏れがある場合の酸素濃度の時間的変化を示すグラフである。
バイアル瓶Aは、ガス置換によるヘッドスペース内の窒素ガス充填率が略100%に近く、バイアル瓶Bは、ガス置換時に大気が混入しヘッドスペース内の窒素ガス充填率がバイアル瓶Aよりも低い。このため、図4に示すように、ガス置換後の封止直後の時間t0においては、バイアル瓶Aのヘッドスペース内の酸素濃度は略0%に近いのに対し、バイアル瓶Bのヘッドスペース内の酸素濃度はバイアル瓶Aよりも高い割合となっている。
このように、バイアル瓶Aとバイアル瓶Bとで封止直後の酸素濃度が異なる場合、例えば密閉性判定の閾値を大きな閾値TH1とすれば、バイアル瓶Aとバイアル瓶Bとに酸素濃度のばらつきがあった場合であっても、ある程度有効な密閉性の検査を行うことが可能である。
しかしながら、密閉性判定の閾値を大きくした場合、密閉性判定が行われるまで相当な時間がかかってしまう。また、封止直後のバイアル瓶Bの酸素濃度が20%に近い割合までばらついてしまうと、密閉性判定の閾値を大きくしても正確な密閉性判定を行うことができない。酸素濃度20%が大気中の酸素濃度(20.9%)に近いことから、封止直後のバイアル瓶Bの酸素濃度が20%に近いと、バイアル瓶Bに漏れがある場合であってもバイアル瓶Bの酸素濃度が大きく変化しないおそれがあるためである。
これに対し、密閉性判定を短時間で行おうと密閉性判定の閾値を閾値TH2のように小さくすると、時間t2以降に密閉性判定を行えば、バイアル瓶Aの密閉性が不十分であると判定可能であるが、B(OK)が閾値TH2より大きいため、密閉性が確保されているバイアル瓶Bに対して密閉性が不十分であると誤判定してしまう。このように、密閉性判定の閾値が小さいと、正確な密閉性判定を行うことができない。
本実施形態の検査装置1では、2回の酸素濃度の測定が行われ1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分に基づき密閉性の検査を行うため、上記のようにバイアル瓶Aとバイアル瓶Bとで封止直後の酸素濃度が異なる場合であっても正確な密閉性判定を行うことができる。
[作用効果]
以上のように、本実施形態に係る検査装置は、同一のバイアル瓶10に対し2回の酸素濃度の測定が行われ、1回目に測定された酸素濃度と2回目に測定された酸素濃度との比較に基づき、バイアル瓶10における密閉性を判定するようになっている。このため、2回の測定結果を比較してその変化を確認することによりバイアル瓶10の密閉性を判定することができる。したがって、バイアル瓶10ごとにバイアル瓶10内のヘッドスペース10aにおけるガス(例えば、窒素ガス又は酸素)の濃度にばらつきがある場合であっても、バイアル瓶10における密閉性を正確に検査することができる。
また、本実施形態に係る検査装置は、1回目に測定された酸素濃度と2回目に測定された酸素濃度との差分に基づきバイアル瓶10における密閉性を判定するので、1回目に測定された酸素濃度がバイアル瓶10ごとにばらついている場合であっても、1回目に測定された酸素濃度のばらつきに影響されることなく、バイアル瓶10ごとに密閉性を正確に検査することができる。
また、本実施形態に係る検査装置は、バイアル瓶10の密閉性が不十分である場合に時間の経過に伴い大気中からバイアル瓶10内に流入する酸素の酸素濃度を測定することで、バイアル瓶10の密閉性を検査することができる。
また、本実施形態に係る検査装置は、バイアル瓶10の識別情報と1回目に測定された酸素濃度とを対応付けて記憶部52に記憶するので、2回目に測定される酸素濃度と、1回目に測定された酸素濃度とを比較することができる。
また、本実施形態に係る検査装置は、1回目の酸素濃度の測定と2回目の酸素濃度の測定との間を、バイアル瓶10の密閉性が不十分であるときに生ずるヘッドスペース10a内の酸素濃度の変化を確認できる所定時間以上空けるので、バイアル瓶10の密閉性が不十分であるときにはこれを確実に検出することができる。
(第2の実施形態)
次に、図5、図6を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る検査装置は、第1の実施形態に係る検査装置1とは、印字部7が追加された点で異なるが、他の構成は第1の実施形態と同一である。したがって、以下においては、第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の制御部5には、印字部7が接続されている。印字部7は、例えばインクジェットプリンタによって構成されており、例えばガス濃度検出領域26よりも搬送方向下流側に配置されている。
印字部7は、バイアル瓶10の側面又はキャップ上面などに直接、又は予め貼られた白紙シールに、例えばバーコードや2次元コードからなる情報表示を印字する。印字される情報表示には、1回目に測定された酸素濃度を示す情報と、バイアル瓶10の識別情報とがコード化されて記録される。なお、印字される情報表示には、1回目に測定された酸素濃度を示す情報と、バイアル瓶10の識別情報とのいずれか一方がコード化されて記録されてもよい。
本実施形態の識別部6では、1回目の酸素濃度の測定が完了したバイアル瓶10が検査装置1に再度投入された際に、バイアル瓶10に印字された情報表示を2回目の酸素濃度の測定前に読み取る。読み取られた情報表示は、記憶部52にバイアル瓶10の識別情報と1回目の酸素濃度とが対応付けられて記憶される。
[密閉性の検査工程]
次に、図6を参照して、本実施形態の検査装置1によって実行される密閉性の検査工程について説明する。
図6に示すように、検査装置1は、搬送部2により搬送されるバイアル瓶10のヘッドスペース10aに対して1回目の酸素濃度の測定を行う(ステップS11)。次いで、検査装置1は、印字部7により、バイアル瓶10の識別情報と、1回目に測定された酸素濃度を示す情報とをコード化してバイアル瓶10に印字する(ステップS12)。
検査装置1は、ステップS11及びステップS12の処理を、検査装置1に投入されるバイアル瓶10全てに対して順次行う。これにより、投入されたバイアル瓶10全てに対してステップ12の処理が終了したときには、それらバイアル瓶10の全てに識別情報と1回目の酸素濃度とがコード化されて印字されていることになる。
その後、所定時間が経過すると(ステップS13)、1回目の酸素濃度測定が完了したバイアル瓶10が検査装置1に再度投入される。
検査装置1は、再度投入されたバイアル瓶10に対し、識別部6によって当該バイアル瓶10に付された情報表示を読み取る(ステップS14)。
検査装置1は、情報表示から読み取られた、1回目の酸素濃度とバイアル瓶10の識別情報と対応付けて記憶部52に記憶する(ステップS15)。
検査装置1は、情報表示が読み取られたバイアル瓶10のヘッドスペース10aに対して2回目の酸素濃度の測定を行う(ステップS16)。なお、2回目の酸素濃度は、識別情報に対応付けて記憶部52に記憶されてもよい。
次いで、検査装置1は、識別情報の一致するバイアル瓶10に対し、記憶部52に記憶されている1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS17)。
検査装置1は、ステップS17において、1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が所定の閾値以上でないと判定した場合には、バイアル瓶10における密閉性が確保されていると判定する。これに対し、検査装置1は、ステップS17において、1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が所定の閾値以上であると判定した場合には、バイアル瓶10における密閉性が不十分であると判定する。
[作用効果]
以上のように、本実施形態に係る検査装置は、上述の第1の実施形態の作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
すなわち、本実施形態に係る検査装置は、密閉性の検査前に予めバイアル瓶10の識別情報を付しておく必要がないので、検査作業の負担を軽減することができる。
なお、本実施形態において、印字部7は、1回目及び2回目に測定された酸素濃度を示す情報をそれぞれ印字する構成であってもよい。この場合、識別部6は、第1の実施形態と異なり、印字部7よりも搬送方向下流側に配置される。これにより、2回目の酸素濃度の測定後に識別部6により1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度とを読み取り、この読取情報に基づき、制御部5が密閉性の判定を行う。
(第3の実施形態)
次に、図7、図8を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る検査装置は、第1の実施形態に係る検査装置1とは、シール作成部81及びシール貼付部82が追加された点で異なるが、他の構成は第1の実施形態と同一である。したがって、以下においては、第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の制御部5には、シール作成部81及びシール貼付部82が接続されている。
シール作成部81は、インクジェットプリンタなどの印字手段が内蔵されており、予めセットされたシールに情報を印字可能に構成されている。シール作成部81は、例えばバーコードや2次元コードからなる情報表示をシールに印字する。印字される情報表示には、1回目に測定された酸素濃度を示す情報と、バイアル瓶10の識別情報とがコード化されて記録される。なお、印字される情報表示には、1回目に測定された酸素濃度を示す情報と、バイアル瓶10の識別情報とのいずれか一方がコード化されて記録されてもよい。
シール貼付部82は、シール作成部81により情報表示が印字されたシールを、バイアル瓶10の側面又はキャップ上面などに貼り付けるよう構成されており、例えばガス濃度検出領域26よりも搬送方向下流側に配置されている。
本実施形態の識別部6では、1回目の酸素濃度の測定が完了したバイアル瓶10が検査装置1に再度投入された際に、バイアル瓶10に貼り付けられたシールに印字された情報表示を2回目の酸素濃度の測定前に読み取る。読み取られた情報表示は、記憶部52にバイアル瓶10の識別情報と1回目の酸素濃度とが対応付けられて記憶される。
[密閉性の検査工程]
次に、図8を参照して、本実施形態の検査装置1によって実行される密閉性の検査工程について説明する。
図8に示すように、検査装置1は、搬送部2により搬送されるバイアル瓶10のヘッドスペース10aに対して1回目の酸素濃度の測定を行う(ステップS21)。次いで、検査装置1は、シール作成部81により、バイアル瓶10の識別情報と、1回目に測定された酸素濃度を示す情報とが記録された情報表示が印字されたシールを作成する(ステップS22)。
次いで、検査装置1は、情報表示が印字されたシールを、その情報表示に記録された識別情報により特定されるバイアル瓶10に貼り付ける(ステップS23)。
検査装置1は、ステップS21からステップS23の処理を、検査装置1に投入されるバイアル瓶10全てに対して順次行う。これにより、投入されたバイアル瓶10全てに対してステップS23の処理が終了したときには、それらバイアル瓶10の全てに情報表示が印字されたシールが貼り付けられていることになる。
その後、所定時間が経過すると(ステップS24)、1回目の酸素濃度測定が完了したバイアル瓶10が検査装置1に再度投入される。
検査装置1は、再度投入されたバイアル瓶10に対し、識別部6によって当該バイアル瓶10に貼り付けられたシールの情報表示を読み取る(ステップS25)。
検査装置1は、情報表示から読み取られた、1回目の酸素濃度とバイアル瓶10の識別情報と対応付けて記憶部52に記憶する(ステップS26)。
検査装置1は、情報表示が読み取られたバイアル瓶10のヘッドスペース10aに対して2回目の酸素濃度の測定を行う(ステップS27)。なお、2回目の酸素濃度は、識別情報に対応付けて記憶部52に記憶されてもよい。
次いで、検査装置1は、識別情報の一致するバイアル瓶10に対し、記憶部52に記憶されている1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS28)。
検査装置1は、ステップS28において、1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が所定の閾値以上でないと判定した場合には、バイアル瓶10における密閉性が確保されていると判定する。これに対し、検査装置1は、ステップS28において、1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が所定の閾値以上であると判定した場合には、バイアル瓶10における密閉性が不十分であると判定する。
[作用効果]
以上のように、本実施形態に係る検査装置は、上述の第1の実施形態の作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
すなわち、本実施形態に係る検査装置は、密閉性の検査前に予めバイアル瓶10の識別情報を付しておく必要がないので、検査作業の負担を軽減することができる。
なお、上述の各実施形態においては、バイアル瓶10の密閉性を検査するに際し、バイアル瓶10のヘッドスペース10aにおける酸素濃度の測定を2回行う例について説明したが、これに限らず、3回以上、酸素濃度の測定を行ってもよい。
例えば3回の測定を行う場合、1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が第1の閾値未満である場合には、バイアル瓶10の密閉性が確保されていると判定し、1回目の酸素濃度と2回目の酸素濃度との差分が第1の閾値以上である場合には、3回目の酸素濃度の測定を行うために判定保留される。2回目の酸素濃度の測定により密閉性が確保されていると判定されたバイアル瓶10は、3回目の酸素濃度の測定を行うことなく排出される。
判定保留されたバイアル瓶10は、3回目の酸素濃度の測定が行われ、1回目の酸素濃度と3回目の酸素濃度との差分が第2の閾値以上であるか否かが判定される。このとき、1回目の酸素濃度と3回目の酸素濃度との差分が第2の閾値未満である場合には、当該バイアル瓶10は密閉性が確保されていると判定される。一方で、1回目の酸素濃度と3回目の酸素濃度との差分が第2の閾値以上である場合には、当該バイアル瓶10は密閉性が不十分であると判定される。第2の閾値は、第1の閾値よりも大きい値に設定される。
このように、バイアル瓶10の密閉性を検査するに際し、酸素濃度の測定を3回以上行うとともに密閉性の判定を段階的に行うことで、より効率的かつ正確にバイアル瓶10の密閉性を検査することができる。
また、上述の各実施形態においては、1回目の酸素濃度の測定と2回目の酸素濃度の測定との間に設けられた所定時間は一定の時間に設定したが、これに限らず、例えば、全てのバイアル瓶10に対し1回目に測定された酸素濃度のうち、最も高い酸素濃度に応じて前述の所定時間を変更する構成であってもよい。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 検査装置
2 搬送部
3 レーザ発生部
4 レーザ受光部
5 制御部
6 識別部
7 印字部(記録部)
10 バイアル瓶(密閉容器)
10a ヘッドスペース(空間部)
26 ガス濃度検出領域
31 半導体レーザ
36 LDヘッド
41 PDヘッド
51 ガス濃度測定部
52 記憶部(記録部)
53 判定部
81 シール作成部(記録部)
82 シール貼付部(記録部)

Claims (9)

  1. 容器内の空間部(10a)がガス置換されて密閉された密閉容器(10)を搬送する搬送部(2)と、
    搬送中の前記密閉容器の前記空間部に対し所定波長のレーザ光を出射するレーザ発生部(3)と、
    前記レーザ光を受光するレーザ受光部(4)と、
    前記密閉容器の前記空間部を透過し前記レーザ受光部で受光される前記レーザ光の前記所定波長の吸収量に基づき、前記密閉容器の前記空間部のガス濃度を測定するガス濃度測定部(51)と、
    個々の前記密閉容器を識別する識別部(6)と、
    前記ガス濃度測定部により測定された前記ガス濃度を前記密閉容器ごとに記録する記録部(52、7、81、82)と、
    同一の前記密閉容器に対し複数回の前記ガス濃度の測定が行われ、前記記録部により記録された少なくとも2回分の前記ガス濃度の比較に基づき、前記密閉容器における密閉性を判定する判定部(53)と、
    を備えたことを特徴とする検査装置。
  2. 同一の前記密閉容器に対し2回の前記ガス濃度の測定が行われ、前記記録部により記録された1回目の前記ガス濃度と2回目の前記ガス濃度との差分が所定の閾値以上である場合に、前記判定部は、前記密閉容器における密閉性が不十分であると判定することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記ガス置換によって前記密閉容器内に充填されるガスは窒素ガスであり、
    前記ガス濃度測定部は、前記密閉容器の前記空間部における酸素のガス濃度を測定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
  4. 前記記録部は、前記密閉容器の識別情報と1回目に測定された前記ガス濃度とを対応付けて記憶する記憶部(52)からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の検査装置。
  5. 前記記録部は、1回目に測定された前記ガス濃度を示す情報と前記密閉容器の識別情報との少なくともいずれか一方を前記密閉容器に印字することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の検査装置。
  6. 前記記録部は、1回目に測定された前記ガス濃度を示す情報と前記密閉容器の識別情報との少なくともいずれか一方が記録されたシールを作成し、前記シールを前記密閉容器に貼り付けることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の検査装置。
  7. 容器内の空間部(10a)がガス置換されて密閉された密閉容器(10)を搬送する搬送部(2)と、
    搬送中の前記密閉容器の前記空間部に対し所定波長のレーザ光を出射するレーザ発生部(3)と、
    前記レーザ光を受光するレーザ受光部(4)と、
    前記密閉容器の前記空間部を透過し前記レーザ受光部で受光される前記レーザ光の前記所定波長の吸収量に基づき、前記密閉容器の前記空間部のガス濃度を測定するガス濃度測定部(51)と、
    個々の前記密閉容器を識別する識別部(6)と、
    前記ガス濃度測定部により測定された前記ガス濃度を前記密閉容器ごとに記録する記録部(52、7、81、82)と、
    前記密閉容器における密閉性を判定する判定部(53)と、を備える検査装置(1)において、
    同一の前記密閉容器に対し複数回の前記ガス濃度の測定を行い、少なくとも2回分の前記ガス濃度を比較し、その比較結果に基づき前記密閉容器における密閉性を検査する検査方法。
  8. 同一の前記密閉容器に対し2回の前記ガス濃度の測定を行う場合、2回目のガス濃度の測定は、1回目のガス濃度の測定から、前記密閉容器の密閉性が不十分であるときに生ずる前記空間部内のガス濃度の変化を確認できる時間以上経過した後に行うことを特徴とする請求項7に記載の検査方法。
  9. コンピュータに、
    容器内の空間部(10a)がガス置換されて密閉された密閉容器(10)を搬送部(2)により搬送するステップと、
    搬送中の前記密閉容器の前記空間部に対し、レーザ発生部(3)により所定波長のレーザ光を出射するステップと、
    レーザ受光部(4)により前記レーザ光を受光するステップと、
    前記密閉容器の前記空間部を透過し前記レーザ受光部で受光される前記レーザ光の前記所定波長の吸収量に基づき、前記密閉容器の前記空間部のガス濃度を測定するステップと、
    個々の前記密閉容器を識別するステップと、
    測定された前記ガス濃度を前記密閉容器ごとに記録部(52、7、81、82)により記録するステップと、
    同一の前記密閉容器に対し複数回の前記ガス濃度の測定が行われ、少なくとも2回分の前記ガス濃度の比較に基づき、前記密閉容器における密閉性を判定するステップと、を実行させることを特徴とする検査プログラム。
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