JP2023088595A - 計測装置及び計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】対象物の動的現象を高精度に計測すること。【解決手段】高速物体計測装置1は、移動する対象物100に対して波長が時間的に変化する光を照射する光照射部10と、光照射部10によって照射された光を受けた対象物100からの光を撮像して、画素毎に波長情報を取得する撮像ユニット20と、を備え、撮像ユニット20は、波長の時間的な変化を連続的に取得する。【選択図】図1
Description
本発明の一態様は、計測装置及び計測方法に関する。
引用文献1には、ナノ秒以下の超短時間領域において変化する単発現象の連続撮影を可能とする高速撮影手法が記載されている。具体的には、波長の異なる複数のストロボ光を対象物に連続照射し、対象物からの光(波長の異なる複数の光)について像情報を保持したまま波長毎に空間的に分離し、分離した各光を撮像素子の受光面上の互いに異なる位置に入射させて検出する高速撮影システムが記載されている。このような高速撮影システムによれば、検出された各光(各波長)の像情報に基づいて、動的現象が計測される。
ここで、上述したような高速撮影システムでは、対象物からの、波長の異なる複数の光が波長毎に空間的に分離されている。このようにして光を分離する方法を用いた場合には、検出される各光(各波長)の像情報に基づく動的現象の計測が連続的にならず、離散的になってしまう。これにより、対象物の動的現象を高精度に計測することができないおそれがある。
本発明の一態様は上記実情に鑑みてなされたものであり、対象物の動的現象を高精度に計測することを目的とする。
本発明の一態様に係る計測装置は、移動する対象物に対して波長が時間的に変化する光を照射する光照射部と、光照射部によって照射された光を受けた対象物からの光を撮像して、画素毎に波長情報を取得する撮像部と、を備え、撮像部は、波長の時間的な変化を連続的に取得する。
本発明の一態様に係る計測装置では、移動する対象物に対して時間的に波長が変化する光が照射され、対象物からの光が撮像されて、画素毎に波長情報が取得される。そして、当該計測装置においては、時間的に波長が変化する光について、例えば空間的に分離等されて検出されるのではなく、そのまま波長情報が画素毎に取得されており、これによって、時間的な波長の変化が離散的とならずに連続的に取得される。このことで、取得された波長情報の変化に基づき、対象物がどのタイミングでどの位置にいたかが高精度に推定される。以上のように、本発明の一態様に係る計測装置によれば、対象物の動的現象を高精度に計測することができる。
なお、時間的に波長が変化する光を空間的に分離して分離した各光を撮像部の受光面上の互いに異なる位置に入射させる方法においても、例えば時間(すなわち波長)を細かく分離することにより、時間的な波長の変化が極力離散的にならないようにすることも考えられる。しかしながら、このような方法では、時間を細かく分離すればするほど、撮像部の受光面積が多く必要となるため、フレーム数が限られて視野が狭くなってしまうことや画像のピクセル数が少なくなることが問題となる。すなわち、時間的な分離数を増やし対象物の動的現象を高精度に計測することと、受光面積を小さくすることとはトレードオフの関係にあり、従来、両立することが困難であった。この点、上述したように、本発明の一態様に係る計測装置によれば、時間的に波長が変化する光が空間的に分離されて検出されるのではなく、そのまま波長の情報が画素毎に検出されるので、上述した受光面積に起因する問題が生じることなく、対象物の動的現象を高精度に計測することができる。
光照射部は、波長の変化する周期が前記撮像部の露光時間内に1周期以上変化する光を照射してもよい。このような構成によれば、撮像部の1フレーム内に、時間的に波長が変化する光の時間幅で対象物の動的現象を計測(保存)することができる。
光照射部は、光照射部から対象物に向かう光の光軸と、対象物から撮像部に向かう光の光軸とが直交するように配置されていてもよい。このような構成によれば、例えば光照射部から対象物に向かう光の光軸方向と同じ方向に対象物が移動する場合において、対象物のあるポイント(例えばエッジ部分)に光を照射して、当該ポイントからの光の時間経過に伴う波長の変化を、撮像部における互いに異なる画素で検出することができる。すなわち、同一の画素に複数回光が入ることを回避しながら、各画素の検出結果に基づき、対象物の動的現象を高精度に計測することができる。
光照射部は、光照射部から対象物に向かう光の光軸と、対象物から撮像部に向かう光の光軸とが斜交するように配置されており、計測装置は、対象物から撮像部に向かう光の光軸上に配置されるスリットを更に備え、スリットは、時間の経過に応じて光を通過させる領域を変化させてもよい。上述した2つの光軸が斜交している場合には、移動する対象物の面に光が照射されると、同一の画素に複数タイミングの光が入ることがある。この点、対象物から撮像部に向かう光の光軸上にスリットが配置されており、当該スリットが光を通過させる領域を時間の経過に応じて変化させることにより、同一の画素に複数タイミングの光が入ることを回避でき、移動する対象物の面に光が照射される場合にも、対象物の動的現象を高精度に計測することができる。
光照射部は、第1の波長範囲の光について波長が変化する周期を第1の周期として照射する第1の照射部と、第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲の光について波長が変化する周期を第1の周期とは異なる第2の周期として照射する第2の照射部と、を有していてもよい。このように、互いに波長範囲が異なる光について互いに波長が変化する周期を異ならせて対象物に照射することにより、2つの光の波長の情報から対象物がどの位置にいたかが推定されるため、1つの光のみから推定される場合と比較して、時間分解能を向上させ、より対象物の動的現象を高精度に計測することができる。
撮像部は、第1の照射部によって照射された光を受けた対象物からの光を撮像する第1のカメラと、第2の照射部によって照射された光を受けた対象物からの光を撮像する第2のカメラと、を有していてもよい。このような構成によれば、上述した2つの光の波長の情報が2つのカメラによってそれぞれ撮像されて、2つの光の波長の変化に基づく画像を適切に生成することができる。これによって、対象物の動的現象をより高精度に計測することができる。
光照射部は、白色光源を有し、白色光の波長を光学的に選択することにより時間的に波長を変化させてもよい。このような構成によれば、簡易な構成によって、時間的に波長が変化する光を生成することができる。
光照射部は、パルス光源を有し、パルス光を波長分散させることにより時間的に波長を変化させてもよい。このような構成によれば、簡易な構成によって、時間的に波長が変化する光を生成することができる。
撮像部は、対象物からの光を波長に応じて透過又は反射することにより分離し、波長の変化に応じて透過率及び反射率が変化する波長帯の幅であるエッジ変移幅が所定の幅を有する分離光学素子を有し、分離光学素子において透過された光を第1の撮像領域で撮像すると共に、分離光学素子において反射された光を第2の撮像領域で撮像してもよい。このような構成によれば、波長の変化に応じて透過率及び反射率が変化する分離光学素子によって分離された光がそれぞれ撮像され、それぞれの撮像結果に基づき、波長を適切に検出することができる。
本発明の一態様に係る計測方法は、移動する対象物に対して波長が時間的に変化する光を照射するステップと、光を受けた対象物からの光を撮像して、画素毎に波長情報を取得するステップと、を含み、波長情報を取得するステップでは、波長の時間的な変化を連続的に取得する。
本発明の一態様に係る計測装置及び計測方法によれば、対象物の動的現象を高精度に計測することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る高速物体計測装置1を模式的に示した図である。高速物体計測装置1は、高速に移動する物体である対象物100に対して時間的に波長が変化する光を照射し、該対象物100からの光を撮像することにより、2次元の画像上に対象物100の動きを記録して該対象物100の動的現象を計測する装置である。すなわち、高速物体計測装置1では、照射される光について時間と波長とが対応付けられていることにより、対象物100からの光が撮像されて波長が特定されると、対象物100がどのタイミングでどの位置にいたかが推定され、対象物100の動的現象を計測することができる。対象物100は例えば飛翔体又は破片等であり、対象物100の動的現象とは、例えば飛翔体が通過、ないし反跳する現象や、複数の破片が飛散する現象等であってもよい。
図1に示されるように、高速物体計測装置1は、カメラシステム2と、制御装置80と、を備えている。カメラシステム2は、光照射部10と、撮像ユニット20(撮像部)と、を有している。カメラシステム2の詳細について、図2~図4も参照しながら説明する。
光照射部10は、移動する対象物100に対して時間的に波長が変化(波長掃引、波長スイープ)する光を照射する構成である。図1においては、光照射部10から出射される光Lについて、時間的に波長が変化していることが色の違いとして示されている。図1の例では、光Lの波長が変化する1周期分が示されており、1周期の最初の波長L1が最も短波長であり、徐々に波長が長くなり、1周期の最後の波長L2が最も長波長とされている。光照射部10は、一例として、600nm~700nmの波長範囲の光を照射するがこれに限定されず、例えば可視光線の波長範囲(380nm~780nm)に含まれる任意の波長範囲の光を照射してもよい。
光照射部10は、図1に示されるように、光照射部10から対象物100に向かう光の光軸(第1光軸)と、対象物100から撮像ユニット20に向かう光の光軸(第2光軸)とが直交するように配置されている。なお、第1光軸の方向は、対象物100が移動する方向に略一致している。上述した第1光軸と第2光軸とが直交するとは、移動する対象物100に対して光が照射されている間のいずれかのタイミングにおいて第1光軸と第2光軸とが直交していればよい。光照射部10は、例えば、光を連続的に対象物100にスキャンし、スキャンする際の特定のタイミングで撮像ユニット20にトリガを出すことにより、時間的に波長が変化する光に同期させて撮像ユニット20に露光を開始させてもよい。或いは、光照射部10は、撮像ユニット20からのトリガを受けることにより、撮像ユニット20の露光に同期させるようにして、時間的に波長が変化する光のスキャンを開始してもよい。光照射部10は、波長の変化する周期が撮像ユニット20の露光時間内に1周期以上変化する光を照射する。
図2は、カメラシステム2に含まれる光照射部10の一例を模式的に示した図である。図2に示されるように、光照射部10は、例えば、パルス光源11と、分散補償モジュール12とを含んで構成されていてもよい。パルス光源11は、例えばフェムト秒レーザ光源である。フェムト秒レーザは数百nmの波長幅を持つため、パルス光源11は、200nsを超える時間幅の波長スキャン光源の構成に用いることができる。
分散補償モジュール12は、パルス光源11から出射された広帯域パルス光を伸展させ、波長毎に異なる遅延(到達時間の差)を与える。分散補償モジュール12は、例えば高分散ファイバによって構成されており、パルス光を波長分散させることにより、時間的に波長を変化させる。例えばシングルモードファイバの場合、1kmあたり約17ps/nm程度の波長毎の遅延を発生させる。これを補償する高分散ファイバでは、100km用のものも一般に流通しており、この場合、1700ps/nm程度の遅延を発生させることができる。
図2に示される2つのグラフの内、左側はパルス光源11から出射されるパルス光の様子を示しており、右側は分散補償モジュール12を通過した光の様子を示している。図2に示される2つのグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は光度である。図2の右図において、光Lについて時間的に波長が変化していることが色の違いとして示されている。図2の右図に示されるように、パルス光源11から出射された光が分散補償モジュール12を通過することにより、光が時間幅を持ち、波長毎に異なる遅延が与えられている。すなわち、分散補償モジュール12を通過した光は、時間的に波長が変化する光となっている。なお、ピコ秒程度の高輝度パルス光を非線形効果で波長幅のある光に変換し、変換後の光を分散補償モジュール12に入力することにより、時間的に波長が変化する光を得てもよい。
時間的に波長が変化する光を照射する光照射部10の構成は、図2に示される構成に限定されない。例えば、光照射部10は、白色光源と、空間的に連続的に配置された複数のバンドパスフィルタとを含んで構成されていてもよい。このような光照射部10では、複数のバンドパスフィルタが動かされて切り替えられることにより、白色光の波長が光学的に選択され、時間的に波長が変化する光が得られる。また、光照射部10は、白色光源と、単一のバンドパスフィルタとを含んで構成されていてもよい。このような光照射部10では、例えば単一のバンドパスフィルタが回転させられることにより、白色光の波長が光学的に選択され、時間的に波長が変化する光が得られる。また、光照射部10は、出射する光の波長が互いに異なる複数の光照射部を有する構成とされてもよい。このような光照射部10では、複数の光照射部が時間的に切り替えられることにより、時間的に波長が変化する光が得られる。対象物100が観察波長の範囲において一定の反射率を有する場合には、上記波長が互いに異なる複数の光照射部が同時に光を照射し、その光量の比率を連続的に変えることにより、時間的に波長が変化する光を得てもよい。また、光照射部10は、白色光源とダイヤフラムとを含んで構成されていてもよい。
図1に戻り、撮像ユニット20は、光照射部10によって照射された光を受けた対象物100からの光を撮像して、画素毎に波長情報を取得する構成である。撮像ユニット20は、通常の画像情報に加えて、画素毎に波長情報を取得することができる構成である。撮像ユニット20は、波長の時間的な変化を連続的に取得する。
図3は、カメラシステム2に含まれる撮像ユニット20を模式的に示した図である。図3に示されるように、撮像ユニット20は、撮像素子21と、無限遠補正レンズ22と、傾斜ダイクロイックミラー23(分離光学素子)と、全反射ミラー24と、結像レンズ25と、を含んで構成されている。
無限遠補正レンズ22は、対象物100からの光を平行光に変換するコリメータレンズである。無限遠補正レンズ22は、平行光が得られるように収差補正されている。無限遠補正レンズ22から出力された光は、傾斜ダイクロイックミラー23に入射する。
傾斜ダイクロイックミラー23は、特殊な光学素材を用いて作成されたミラーであり、対象物100からの光を波長に応じて透過又は反射することにより分離する。傾斜ダイクロイックミラー23は、例えば特定の波長の光を反射すると共に、その他の波長の光を透過する。
図4は、傾斜ダイクロイックミラー23の特性を説明する図である。図4において横軸は波長を示しており、縦軸は透過率を示している。図4の傾斜ダイクロイックミラー23の特性X4に示されるように、傾斜ダイクロイックミラー23においては、特定の波長帯(波長λ1~λ2の波長帯)では波長の変化に応じて光の透過率(及び反射率)が緩やかに変化し、該特定の波長帯以外の波長帯(すなわち、波長λ1よりも低波長側及び波長λ2よりも高波長側)では波長の変化に関わらず光の透過率(及び反射率)が一定とされている。透過率と反射率とは、一方が大きくなる方向に変化すると他方が小さくなる方向に変化する、負の相関関係にあるため、以下では「透過率(及び反射率)」と記載せずに単に「透過率」と記載する場合がある。なお、「波長の変化に関わらず光の透過率が一定」とは、完全に一定である場合だけでなく、例えば波長1nmの変化に対する透過率の変化が0.1%以下であるような場合も含むものである。波長λ1よりも低波長側では波長の変化に関わらず光の透過率が概ね0%であり、波長λ2よりも高波長側では波長の変化に関わらず光の透過率が概ね100%である。なお、「光の透過率が概ね0%である」とは、0%+10%程度の透過率を含むものであり、「光の透過率が概ね100%である」とは、100%-10%程度の透過率を含むものである。また、以下では、波長の変化に応じて光の透過率が変化する波長帯の幅を「エッジ変移幅」として説明する場合がある。以上のように、傾斜ダイクロイックミラー23は、波長の変化に応じて透過率が変化する波長帯の幅であるエッジ変移幅が所定の幅(波長λ1~λ2の幅)を有する分離光学素子である。
全反射ミラー24は、傾斜ダイクロイックミラー23において反射された光を結像レンズ25方向に反射する光学素子である。
結像レンズ25は、傾斜ダイクロイックミラー23を透過した光、及び、傾斜ダイクロイックミラー23において反射されると共に全反射ミラー24において更に反射された光をそれぞれ結像させ、これらの光を撮像素子21に導くレンズである。
撮像素子21は、傾斜ダイクロイックミラー23を透過した光を第1の撮像領域で撮像すると共に、傾斜ダイクロイックミラー23において反射されると共に全反射ミラー24において更に反射された光を第1の撮像領域とは異なる第2の撮像領域で撮像する。撮像素子21は、結像レンズ25によって結像された画像を検出することによって、傾斜ダイクロイックミラー23を透過した光及び全反射ミラー24において反射された光を撮像する。撮像素子21は、所定の波長範囲の光を撮像するための撮像素子であり、例えばCCDやMOS等のエリアイメージセンサである。また、撮像素子21は、ラインセンサやTDI(Time Delay Integration)センサによって構成されていてもよい。本実施形態では、撮像素子21は第1の撮像領域及び第2の撮像領域を有する単一の撮像素子であるとして説明するが、第1の撮像領域に係る撮像素子と、第2の撮像領域に係る撮像素子とが別に設けられていてもよい(2組設けられていてもよい)。この場合、結像レンズについても、撮像素子に対応して2組設けられる。撮像素子21は、撮像結果である画像を制御装置80に出力する。
図5は、撮像された画像P1の一例を示す図である。画像P1には、対象物100の動的現象の像DIが示されている。動的現象の像DIにおいては、対象物100の移動の様子が色の変化(波長の変化)により示されている。予め、照射される光について時間と波長とが対応付けられているため、動的現象の像DIから波長が特定されると、対象物100がどのタイミングでどの位置にいたかが推定され、対象物100の動的現象を計測することができる。
図1に戻り、制御装置80は、コンピュータであって、物理的には、RAM、ROM等のメモリ、CPU等のプロセッサ(演算回路)、通信インターフェイス、ハードディスク等の格納部を備えて構成されている。制御装置80は、メモリに格納されるプログラムをコンピュータシステムのCPUで実行することにより機能する。制御装置80は、マイコンやFPGAで構成されていてもよい。
制御装置80は、カメラシステム2において得られた撮像結果に基づいて、撮像結果である画像の各画素(視野内に結像された像の各画素)の光量に基づき波長(発光波長重心)を計算し出力する。以下、発光波長重心の計算原理の一例について詳細に説明する。
上述したように、傾斜ダイクロイックミラー23は、波長λ1よりも低波長側では全ての光を反射し、波長λ2よりも高波長側では全ての光を透過し、波長λ1~λ2の波長帯では光の透過率が波長に従ってリニアに変化するとする。この場合、波長λ1,λ2との関係において透過率h(λ)は以下の(1)式で示され、反射率1-h(λ)は以下の(2)式で示される。
h(λ)=(λ-λ1)/(λ2-λ1) (1)
1-h(λ)=(λ2-λ)/(λ2-λ1) (2)
h(λ)=(λ-λ1)/(λ2-λ1) (1)
1-h(λ)=(λ2-λ)/(λ2-λ1) (2)
また、反射率が50%となる波長λ50%は以下の(3)式で示されることは明らかである。
λ50%=(λ2+λ1)/2 (3)
λ50%=(λ2+λ1)/2 (3)
ある発光スペクトルf(λ)がλ1とλ2の間にあり、λ1より短い波長及びλ2よりも長い波長において無視できる場合(例えば、バンドパスフィルタ(不図示)等により発光スペクトルf(λ)の波長帯が制限される場合)、反射光量と透過光量とが等しいと仮定すると以下の(4)式が成立する。
∫f(λ)h(λ)dλ=∫f(λ)(1-h(λ))dλ (4)
(4)式を変形すると、以下の(5)式になる。
2∫f(λ)h(λ)dλ=∫f(λ)dλ (5)
∫f(λ)h(λ)dλ=∫f(λ)(1-h(λ))dλ (4)
(4)式を変形すると、以下の(5)式になる。
2∫f(λ)h(λ)dλ=∫f(λ)dλ (5)
(5)式に(1)式を代入すると、
2∫f(λ)(λ-λ1)/(λ2-λ1)dλ=∫f(λ)dλ
となり、さらに両辺を2∫f(λ)dλ/ (λ2-λ1)で割ると、
∫f(λ)(λ-λ1)dλ/∫f(λ)dλ= (λ2-λ1)/2
∫f(λ)λdλ/∫f(λ)dλ= (λ2+λ1)/2 (6)
となる。
2∫f(λ)(λ-λ1)/(λ2-λ1)dλ=∫f(λ)dλ
となり、さらに両辺を2∫f(λ)dλ/ (λ2-λ1)で割ると、
∫f(λ)(λ-λ1)dλ/∫f(λ)dλ= (λ2-λ1)/2
∫f(λ)λdλ/∫f(λ)dλ= (λ2+λ1)/2 (6)
となる。
(3)式を考慮すると、(6)式の右辺はλ50%であり、左辺は一般的に任意関数であるf(λ)の重心となることは明らかである。このような(6)式の左辺をλfとする。以上のことから、透過率が波長に対して線形に傾斜したダイクロイックミラーを通ったある任意のスペクトルについて、透過光量と反射光量とが等しい場合には、スペクトルの重心λfはλ50%で示される。
つづいて、第2の発光スペクトルg(λ)について考える。発光スペクトルg(λ)についても、スペクトルがλ1とλ2の間に全て含まれている。いま、発光スペクトルf(λ)とg(λ)について、透過光と反射光の差分を規格化したものの差を算出する。f(λ)の透過光をTf、反射光をRf、全光量をAf、透過光と反射光の差分をDfとする。また、g(λ)の透過光をTg、反射光をRg、全光量をAg、透過光と反射光の差分をDgとする。また、g(λ)の重心をλgとする。このとき、Tf、Rf、Tg、Rgは計測値であり、Af、Ag、Df、Dgは計測値から直接算出可能な値である。これらの各値は、以下の式によっても示される。
Tf=∫f(λ)h(λ)dλ=∫f(λ)(λ-λ1)/(λ2-λ1)dλ (7)
Tg=∫g(λ)h(λ)dλ=∫g(λ)(λ-λ1)/(λ2-λ1)dλ (8)
Rf=∫f(λ)(1-h(λ))dλ=∫f(λ)(λ2-λ)/(λ2-λ1)dλ (9)
Rg=∫g(λ)(1-h(λ))dλ=∫g(λ)(λ2-λ)/(λ2-λ1)dλ (10)
Af=∫f(λ)dλ (11)
Ag=∫g(λ)dλ (12)
Df=Tf-Rf
=2/(λ2-λ1)*∫λf(λ)dλ-(λ2+λ1)/(λ2-λ1)*∫f(λ)dλ (13)
Dg=Tg-Rg
=2/(λ2-λ1)*∫λg(λ)dλ-(λ2+λ1)/(λ2-λ1)*∫g(λ)dλ (14)
Tf=∫f(λ)h(λ)dλ=∫f(λ)(λ-λ1)/(λ2-λ1)dλ (7)
Tg=∫g(λ)h(λ)dλ=∫g(λ)(λ-λ1)/(λ2-λ1)dλ (8)
Rf=∫f(λ)(1-h(λ))dλ=∫f(λ)(λ2-λ)/(λ2-λ1)dλ (9)
Rg=∫g(λ)(1-h(λ))dλ=∫g(λ)(λ2-λ)/(λ2-λ1)dλ (10)
Af=∫f(λ)dλ (11)
Ag=∫g(λ)dλ (12)
Df=Tf-Rf
=2/(λ2-λ1)*∫λf(λ)dλ-(λ2+λ1)/(λ2-λ1)*∫f(λ)dλ (13)
Dg=Tg-Rg
=2/(λ2-λ1)*∫λg(λ)dλ-(λ2+λ1)/(λ2-λ1)*∫g(λ)dλ (14)
ここで、透過光と反射光の差分を規格化するとは、DfをAf、DgをAgで割ることに相当する。それらの差をRとすると、以下の(15)式が成立する。
R=Dg/Ag-Df/Af
={∫g(λ)λdλ/∫g(λ)dλ-∫f(λ)λdλ/∫f(λ)dλ}*2/(λ2-λ1)
=2(λg-λf) /(λ2-λ1) (15)
R=Dg/Ag-Df/Af
={∫g(λ)λdλ/∫g(λ)dλ-∫f(λ)λdλ/∫f(λ)dλ}*2/(λ2-λ1)
=2(λg-λf) /(λ2-λ1) (15)
発光スペクトルf(λ)の波長重心λf及び発光スペクトルg(λ)の波長重心λgの差をδλとすると、以下の(16)式及び(17)式が成立する。
R=2δλ /(λ2-λ1) (16)
δλ=R(λ2-λ1)/2 (17)
以上のように、ある2つの任意のスペクトルf(λ),g(λ)の重心の差が、透過光量及び反射光量を考慮した計算から得られることが示された。
R=2δλ /(λ2-λ1) (16)
δλ=R(λ2-λ1)/2 (17)
以上のように、ある2つの任意のスペクトルf(λ),g(λ)の重心の差が、透過光量及び反射光量を考慮した計算から得られることが示された。
そして、f(λ)の重心がλ50%であるとき、反射光量と透過光量は等しくなるためDfは0となる。つまり、任意のスペクトルg(λ)の波長重心λgは以下の(18)式により示される。
λg=δλ+λ50% (18)
λg=δλ+λ50% (18)
このように、発光スペクトルの重心は、フィルタの設計値、透過光量、及び反射光量から計算することができる。以上の原理に基づき、各画素に入射した光の波長(発光波長重心)を高精度に求めることができる。そして、各画素に入射した光の波長が特定されることによって、上述したとおり、対象物100がどのタイミングでどの位置にいたかが推定され、対象物100の動的現象を計測することができる。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係る高速物体計測装置1は、移動する対象物100に対して波長が時間的に変化する光を照射する光照射部10と、光照射部10によって照射された光を受けた対象物100からの光を撮像して、画素毎に波長情報を取得する撮像ユニット20と、を備え、撮像ユニット20は、波長の時間的な変化を連続的に取得する。
本実施形態に係る高速物体計測装置1では、移動する対象物100に対して時間的に波長が変化する光が照射され、対象物からの光が撮像されて、画素毎に波長情報が取得される。そして、当該高速物体計測装置1においては、時間的に波長が変化する光について、例えば空間的に分離等されて検出されるのではなく、そのまま波長情報が画素毎に取得されており、これによって、時間的な波長の変化が離散的とならずに連続的に取得される。このことで、取得された波長情報の変化に基づき、対象物100がどのタイミングでどの位置にいたかが高精度に推定される。以上のように、本実施形態に係る高速物体計測装置1によれば、対象物100の動的現象を高精度に計測することができる。
なお、時間的に波長が変化する光を空間的に分離して分離した各光を撮像部の受光面上の互いに異なる位置に入射させる方法においても、例えば時間(すなわち波長)を細かく分離することにより、時間的な波長の変化が極力離散的にならないようにすることも考えられる。しかしながら、このような方法では、時間を細かく分離すればするほど、撮像部の受光面積が多く必要となるため、フレーム数が限られて視野が狭くなってしまうことや画像のピクセル数が少なくなることが問題となる。すなわち、時間的な分離数を増やし対象物の動的現象を高精度に計測することと、受光面積を小さくすることとはトレードオフの関係にあり、従来、両立することが困難であった。この点、上述したように、本実施形態に係る高速物体計測装置1によれば、時間的に波長が変化する光が空間的に分離されて検出されるのではなく、そのまま波長情報が画素毎に取得されるので、上述した受光面積に起因する問題が生じることなく、対象物100の動的現象を高精度に計測することができる。
光照射部10は、波長の変化する周期が撮像ユニット20の露光時間内に1周期以上変化する光を照射してもよい。このような構成によれば、撮像ユニットの1フレーム内に、時間的に波長が変化する光の時間幅で対象物100の動的現象を計測(保存)することができる。
光照射部10は、光照射部10から対象物100に向かう光の光軸と、対象物100から撮像ユニット20に向かう光の光軸とが直交するように配置されていてもよい。このような構成によれば、例えば光照射部10から対象物100に向かう光の光軸方向と同じ方向に対象物100が移動する場合において、対象物100のあるポイント(例えばエッジ部分)に光を照射して、当該ポイントからの光の時間経過に伴う波長の変化を、撮像ユニット20における互いに異なる画素で検出することができる。すなわち、同一の画素に複数回光が入ることを回避しながら、各画素の検出結果に基づき、対象物100の動的現象を高精度に計測することができる。
光照射部10は、白色光源を有し、白色光の波長を光学的に選択することにより時間的に波長を変化させてもよい。このような構成によれば、簡易な構成によって、時間的に波長が変化する光を生成することができる。
光照射部10は、パルス光源を有し、パルス光を波長分散させることにより時間的に波長を変化させてもよい。このような構成によれば、簡易な構成によって、時間的に波長が変化する光を生成することができる。
撮像ユニット20は、対象物100からの光を波長に応じて透過又は反射することにより分離し、波長の変化に応じて透過率及び反射率が変化する波長帯の幅であるエッジ変移幅が所定の幅を有する傾斜ダイクロイックミラー23を有し、傾斜ダイクロイックミラー23において透過された光を第1の撮像領域で撮像すると共に、傾斜ダイクロイックミラー23において反射された光を第2の撮像領域で撮像してもよい。このような構成によれば、波長の変化に応じて透過率及び反射率が変化する傾斜ダイクロイックミラー23によって分離された光がそれぞれ撮像され、それぞれの撮像結果に基づき、波長を適切に検出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。以下、上記実施形態とは異なる態様として、第1~第3の変形例について説明する。
図6は、第1の変形例に係る高速物体計測装置のカメラシステム2Aを模式的に示した図である。カメラシステム2Aは、光照射部として、第1の照射部10A及び第2の照射部10Bの2台を有している。第1の照射部10Aは、第1の波長範囲の光について波長が変化する周期を第1の周期として照射する。第2の照射部10Bは、第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲の光について波長が変化する周期を第1の周期とは異なる第2の周期として照射する。具体的には、第1の照射部10Aは、例えば600nm~700nmの波長範囲の光について、波長が変化する周期を第1の周期として照射する。第2の照射部10Bは、例えば400nm~500nmの波長範囲の光について、波長が変化する周期を第2の周期として照射する。上述したように第1の周期と第2の周期とは互いに異なっている。例えば、第1の照射部10Aが一つの露光時間において600nm~700nmの波長範囲の光を1回スキャンする間に、第2の照射部10Bが一つの露光時間において400nm~500nmの波長範囲の光を10回スキャンするように、第1の周期及び第2の周期が設定されていてもよい。なお、このような周期は一例であり、第1の周期と第2の周期とが互いに異なっていれば、それぞれの周期は上記に限定されない。
そして、図6に示されるカメラシステム2Aは、撮像ユニットとして、第1のカメラ20A及び第2のカメラ20Bの2台を有している。第1のカメラ20Aは、第1の照射部10Aによって照射された光を受けた対象物100からの光を撮像する。第2のカメラ20Bは、第2の照射部10Bによって照射された光を受けた対象物100からの光を撮像する。第1のカメラ20A及び第2のカメラ20Bは、互いに重ならない波長範囲で光を撮像する。すなわち、第1のカメラ20Aは、第1の照射部10Aによって照射された光、すなわち波長範囲が600nm~700nmの光を撮像する。第1のカメラ20Aには、上記波長範囲以外の光を撮像しないようにバンドパスフィルタが設定されていてもよい。第2のカメラ20Bは、第2の照射部10Bによって照射された光、すなわち波長範囲が400nm~500nmの光を撮像する。第2のカメラ20Bには、上記波長範囲以外の光を撮像しないようにバンドパスフィルタが設定されていてもよい。
このような構成は、対象物100の動的現象の計測における時間分解能を向上させる構成である。例えば、光照射部及び撮像ユニットがそれぞれ1台である構成においては、カメラのフルウェルの大きさ、ショットノイズ限界、及び読出しノイズ等によって、分解能が1つのフレーム内において約1/100程度となる。これは、S/Nのショットノイズ限界がウェル内の電子数の平方根となることによるもので、輝度が十分な像の場合、読み出しノイズはショットノイズ以下となり無視できる。また、計測用のカメラの場合のウェルサイズが通常数万電子となることから、実際の像の輝度が画像の飽和を避けるため、その半分以下で使用されることによる。この限界を超えるための工夫として、図6に示される構成のように、互いに波長範囲が異なる光について互いに波長が変化する周期を異ならせて対象物100に照射する(互いに異なる速度で波長をスキャンする)ことにより、2つの光の波長の情報から対象物がどの位置にいたかが推定され、時間分解能を向上させることができる。例えば上述したように、第1の照射部10Aが一つの露光時間において600nm~700nmの波長範囲の光を1回スキャンする間に、第2の照射部10Bが一つの露光時間において400nm~500nmの波長範囲の光を10回スキャンする場合においては、1つの光のみから推定される場合と比較して、時間分解能を10倍に向上させることができ、対象物100の動的現象をより高精度に計測することができる。
図7は、第2の変形例に係る高速物体計測装置のカメラシステム2Bを模式的に示した図である。カメラシステム2Bにおいて、光照射部10は、光照射部10から対象物100に向かう光の光軸(第1光軸)と、対象物100から撮像ユニット20に向かう光の光軸(第2光軸)とが斜交するように配置されている。上述した第1光軸と第2光軸とが斜交するとは、移動する対象物100に対して光が照射されている間のいずれのタイミングにおいても第1光軸と第2光軸とが斜交することをいう。なお、第1光軸の方向は、対象物100が移動する方向に一致していない。図7に示される例では、対象物100が水平方向に移動するのに対して、光照射部10及び撮像ユニット20は、いずれも対象物100の上方に設けられている。第1光軸と第2光軸とが斜交している場合においては、移動する対象物100の面に光が照射されると、対象物100からの光を撮像する撮像ユニット20の撮像素子21の同一の画素に、互いに異なるタイミングの光が入ることがある。すなわち、移動する対象物100の複数の位置における光が同一の画素に重なって入ってしまう場合がある。この場合、対象物100の動きのタイミングを適切に取得することができず、対象物100の動的現象を高精度に計測することができないおそれがある。
このような課題を解決するための構成として、カメラシステム2Bは、対象物100から撮像ユニット20に向かう光の光軸(第2光軸)上に配置されるスリット60と、スリット60及び対象物100の間に設けられたレンズ50と、を更に備えている。スリット60は、時間の経過に応じて光を通過させる領域を変化させる。図8は、図7のカメラシステム2Bに含まれるスリット60を模式的に示した図である。図8はスリット60を平面視した図である。図8に示されるように、スリット60は平面視略円形であり、スリット60には、周方向に沿って所定の間隔で光通過部分60aが形成されている。スリット60は、回転することによって、時間の経過に応じて光を通過させる領域を変化させている。撮像ユニット20の露光時間は、スリット60が回転して1ステップ進む(次の光通過部分60aまで進む)時間以下とされている。なお、スリット60の回転動作と撮像ユニット20とは同期されていなくてもよい。このようなスリット60が設けられていることによって、第1光軸及び第2光軸が斜交している場合(移動する対象物100の面に光が照射される場合)においても、同一の画素に複数タイミングの光が入ることを回避でき、対象物100の動的現象を高精度に計測することができる。
ここまでは、移動する対象物100に対して時間的に波長が変化する光を照射する例を説明した。しかしながら、高速物体計測装置は、このような態様に限定されない。すなわち、高速物体計測装置は、移動する対象物100に対して光の状態が時間的に変化する光を照射する光照射部と、光照射部によって照射された光を受けた対象物からの光を撮像して画素毎に光の状態を取得する撮像部と、を備え、撮像部が、光の状態の時間的な変化を連続的に取得してもよい。このような構成によれば、取得された光の状態に基づき、対象物100がどのタイミングでどの位置にいたかが高精度に推定され、対象物100の動的現象を高精度に計測することができる。高速物体計測装置は、例えば、移動する対象物100に対して偏光方向が時間的に変化する光を照射する光照射部と、光照射部によって照射された光を受けた対象物100からの光を撮像して、画素毎に偏光方向を取得する撮像部と、を備え、撮像部が、偏光方向の時間的な変化を連続的に取得してもよい。以下、このような態様について、第3の変形例として図9を参照して説明する。
図9は、第3の変形例に係る高速物体計測装置のカメラシステム2Cを模式的に示した図である。カメラシステム2Cは、光照射部の構成として、光源210と、偏光子230と、1/2波長板240と、を有している。光源210は、直線偏光を出射する。1/2波長板240は、偏光カメラ220のフレームの計測開始タイミングと同期して連続的に回転する。これにより、対象物100に照射される光の偏光方向が時間的に変化することとなる。すなわち、移動する対象物100の位置毎に別の偏光方向で光が照射される状況とすることができ、対象物100が、露光タイミングのどのタイミングでどこにいたかを特定することができる。カメラシステム2Cは、撮像ユニット(撮像部)として、偏光カメラ220を有している。偏光カメラ220は、例えば4つの画素毎に1セットとされており、4つの画素それぞれにおいて45°ずつ異なった偏光子が形成されている。そして、偏光カメラ220は、4つの画素の光量比から、この位置に入射した光の偏光方向がどの直線偏光であったか、又は、どのような楕円偏光であったかを取得する。このような構成によれば、検出された偏光方向に基づき、対象物100がどのタイミングでどの位置にいたかが高精度に推定され、対象物100の動的現象を高精度に計測することができる。この偏光方向の回転は1/2波長版の回転以外にも液晶素子(LCOS)や空間光変素子を用いてもよいし、ファラデー効果を用い、照明を通すファラデー素子に掛ける磁場の強さを変化させてもよい。
1…高速物体計測装置(計測装置)、10…光照射部、11…パルス光源、20…撮像ユニット(撮像部)、23…傾斜ダイクロイックミラー(分離光学素子)、60…スリット、100…対象物。
Claims (10)
- 移動する対象物に対して波長が時間的に変化する光を照射する光照射部と、
前記光照射部によって照射された光を受けた前記対象物からの光を撮像して、画素毎に波長情報を取得する撮像部と、を備え、
前記撮像部は、波長の時間的な変化を連続的に取得する、計測装置。 - 前記光照射部は、波長の変化する周期が前記撮像部の露光時間内に1周期以上変化する光を照射する、請求項1記載の計測装置。
- 前記光照射部は、前記光照射部から前記対象物に向かう光の光軸と、前記対象物から前記撮像部に向かう光の光軸とが直交するように配置されている、請求項1又は2記載の計測装置。
- 前記光照射部は、前記光照射部から前記対象物に向かう光の光軸と、前記対象物から前記撮像部に向かう光の光軸とが斜交するように配置されており、
前記計測装置は、前記対象物から前記撮像部に向かう光の光軸上に配置されるスリットを更に備え、
前記スリットは、時間の経過に応じて光を通過させる領域を変化させる、請求項1又は2記載の計測装置。 - 前記光照射部は、
第1の波長範囲の光について波長が変化する周期を第1の周期として照射する第1の照射部と、
前記第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲の光について波長が変化する周期を第1の周期とは異なる第2の周期として照射する第2の照射部と、を有する、請求項1~4のいずれか一項記載の計測装置。 - 前記撮像部は、
前記第1の照射部によって照射された光を受けた前記対象物からの光を撮像する第1のカメラと、
前記第2の照射部によって照射された光を受けた前記対象物からの光を撮像する第2のカメラと、を有する、請求項5記載の計測装置。 - 前記光照射部は、白色光源を有し、白色光の波長を光学的に選択することにより時間的に波長を変化させる、請求項1~6のいずれか一項記載の計測装置。
- 前記光照射部は、パルス光源を有し、パルス光を波長分散させることにより時間的に波長を変化させる、請求項1~6のいずれか一項記載の計測装置。
- 前記撮像部は、
前記対象物からの光を波長に応じて透過又は反射することにより分離し、波長の変化に応じて透過率及び反射率が変化する波長帯の幅であるエッジ変移幅が所定の幅を有する分離光学素子を有し、
前記分離光学素子において透過された光を第1の撮像領域で撮像すると共に、前記分離光学素子において反射された光を第2の撮像領域で撮像する、請求項1~8のいずれか一項記載の計測装置。 - 移動する対象物に対して波長が時間的に変化する光を照射するステップと、
光を受けた前記対象物からの光を撮像して、画素毎に波長情報を取得するステップと、を含み、
前記波長情報を取得するステップでは、波長の時間的な変化を連続的に取得する、計測方法。
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