JP2023085286A - 円錐角膜に関連する対立遺伝子を検出する方法 - Google Patents

円錐角膜に関連する対立遺伝子を検出する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被験者由来の試料中の円錐角膜(KC)に関連する一塩基多型(SNP)を検出するシステム及び方法を提供する。【解決手段】被験者のKCを診断又は予後を予測する方法であって、前記方法は、被験者由来の試料中の2つ以上の遺伝的変異体を検出することを含み、前記2つ以上の遺伝的変異体が特定の遺伝子群から選択され、そして前記2つ以上の遺伝的変異体の存在が前記被験者のKCの診断又は予後を示す、方法である。【選択図】図1-1

Description

本願は、一般に疾患関連遺伝子の対立遺伝子の単離および検出のための方法に関する。具体的には、本願は、円錐角膜の診断および予後の予測に関連する対立遺伝子の検出方法に関する。
円錐角膜(KC)は、陽性の家族歴を有する被験者のうち約6~23.5%に最もよく見られる角膜拡張性疾患である(Wheeler,J.、Hauser,M.A.、Afshari,N.A.、Allingham,R.R.、Liu,Y.らによる、Reproductive Sys Sexual Disord 2012年、S:6)。報告されたKCの有病率は、100,000人あたり8.8人~54.4人である。有病率のこの変動は、部分的には疾患の診断に用いられる様々な基準によるものである。(Wheeler,J.、Hauser,M.A.、Afshari,N.A.、Allingham,R.R.、Liu,Y.らによる、Reproductive Sys Sexual Disord 2012年、S:6、および、Nowak,D.、Gajecka,M.らによる、Middle East Afr J Ophthalmol 2011年、第18巻第1号第2~6頁)。多くの研究が、KCの遺伝子的原因を定義しようと試みた文献内に見られる。これらの研究は、実験パラメータに応じて疾患の原因に関与すると考えられる多数の可能性のある遺伝的変異体もしくはSNPを明らかにしてきた。
KCは、中心角膜もしくは中心傍角膜が漸進的に菲薄化し、かつ急峻化することで不正乱視を引き起こす一般的な角膜疾患である。遺伝パターンは顕著でもなく予測可能でもないが、陽性の家族歴が報告されている。KCの発生率は、多くの場合2000人中に1人であると報告される。KCは、ボウマン層の断片化、基質の菲薄化および上皮の積層、デスメ膜の皺襞もしくは破損、および可変的な量のびまん性角膜瘢痕化を含む、病理学的所見を示すことがある。
病理組織学的研究では、ボウマン層の破損もしくは完全な欠如、コラーゲンの崩壊、瘢痕化および菲薄化が示されている。これらの変化の原因は知られていないが、一部では、角膜においてコラーゲンの分解を引き起こす酵素の変化が疑われている。KCの遺伝的素因が示唆されている一方で、特異遺伝子は特定されていない。KC症例の大半は両側性であるが、非対称であることが多い。影響の少ない眼は、強度の乱視または軽度の急峻化を示す場合がある。発症は一般的に青年期の初期であり、20代半ば~30代に進行する。しかし、症状は人生のはるかに早い時期もしくは遅い時期に始まることがある。進行は個体ごとに様々である。視力を適切に矯正しない眼鏡では、頻繁に変更されることがよくある。他の一般的な進行は、ソフトコンタクトレンズから乱視用もしくは乱視矯正用コンタクトレンズを経て、硬質のガス透過性コンタクトレンズへと進行する。
今日まで、有効な予防方法は証明されていない。一部では、目を擦ったり圧迫したりすること(例えば、手を目に押し当てて寝ること)がKCの進行の原因となるおよび/またはKCの進行を引き起こす可能性があると考えられているため、被験者に目を擦らないように説明する必要がある。一部の被験者では、アレルゲンの回避が目の刺激を軽減し、したがって目の擦を軽減するのに役立つことがある。
現在、診断は細隙灯検査と、中心角膜もしくは下部角膜の菲薄化の観察とによって行うことができる。コンピュータ角膜形状解析法はまた、早期KCの検出に有用であり、KCの進行を追跡することが可能である。超音波厚さ測定を使用して、角膜の最薄領域を測定することもできる。コンピュータ角膜形状解析法を使用した新しいアルゴリズムが考案され、現在では、不完全型円錐角膜、潜在的もしくは疑いのある円錐角膜の検出が可能となっている。これらの装置は、屈折矯正手術を受ける予定の被験者を良好に検査することができる可能性があるが、依然として当技術分野では、良好に予後を予測し、かつ診断する方法が必要とされている。
本開示は、円錐角膜に関連する突然変異対立遺伝子の検出によってKCの予後を予測し、かつ診断する方法を提供することによって、この要求を満たしている。
本開示は、KCに関連する1つ以上の対立遺伝子を検出する改善された方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、被験者のKCに関連する変異体を検出する方法を提供しており、この方法は、被験者由来の試料中の2つ以上の遺伝的変異体(例えば一塩基多型(SNP)およびインデル)を検出することを含み、ここで、2つ以上の遺伝的変異体は図1に記載された遺伝的変異体からなる群から選択され、2つ以上の遺伝的変異体の存在は被験者のKCを示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、被験者のKCを診断するかまたは予後を予測する方法を提供しており、この方法は、被験者由来の試料中の2つ以上の遺伝的変異体(例えば一塩基多型(SNP)およびインデル)を検出することを含み、ここで、2つ以上の遺伝的変異体は図1に記載された遺伝的変異体からなる群から選択され、2つ以上の遺伝的変異体の存在は被験者のKCの診断または予後を示す。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図2に記載された遺伝的変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者はアフリカ系アメリカ人である。さらなる実施形態では、アフリカ系アメリカ人は、アフリカ系アメリカ人に特有の2つ以上の遺伝的変異体を検出することによって特定される。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図3に記載された遺伝的変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者は白色人種(Caucasian;コーカサス人)である。さらなる実施形態では、白色人種(コーカサス人)は、白色人種(コーカサス人)に特有の2つ以上の遺伝的変異体を検出することによって特定される。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図4に記載された遺伝的変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者はヒスパニックである。さらなる実施形態では、ヒスパニックは、ヒスパニックに特有の2つ以上の遺伝的変異体を検出することによって特定される。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図5に記載された遺伝的変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者は東アジア人または韓国人である。さらなる実施形態では、東アジア人または韓国人は、東アジア人または韓国人に特有の2つ以上の遺伝的変異体を検出することによって特定される。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は、本明細書(例えば図1~図5)に記載された突然変異(例えば遺伝的変異体)の任意の組合せからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、前記遺伝的変異体の検出は配列決定方法によって行われる。
いくつかの実施形態では、本開示は、被験者のKCに関連するかもしくは原因となる変異体を検出する方法を提供しており、この方法は、被験者由来の試料中の2つ以上の遺伝的変異体(例えば一塩基多型(SNP)およびインデル)を検出することを含み、ここで、2つ以上の遺伝的変異体は図1に記載された遺伝的変異体からなる群から選択され、2つ以上の遺伝的変異体の存在は被験者のKCを示す。
いくつかの実施形態では、本開示は、被験者のKCが発症する危険性を予測する方法を提供しており、この方法は、被験者由来の試料中の2つ以上の遺伝的変異体を検出することを含み、ここで、2つ以上の遺伝的変異体は図1に記載された遺伝的変異体からなる群から選択され、2つ以上の遺伝的変異体の存在は被験者のKCの発症の危険性を示す。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図2に記載された遺伝的変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者はアフリカ系アメリカ人である。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図3に記載された群から選択される。追加の実施形態では、被験者は白色人種(コーカサス人)である。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図4に記載された遺伝的変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者はヒスパニックである。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図5に記載のものからなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者は東アジア人または韓国人である。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は、本明細書(例えば図1~図5)に記載された突然変異(例えば遺伝的変異体)の任意の組合せからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、前記遺伝的変異体の検出は配列決定方法によって行われる。
いくつかの実施形態では、被験者のKCの治療のための治療計画を策定する方法を提供しており、この方法は、被験者由来の試料中の2つ以上の遺伝的変異体を検出することを含み、ここで、2つ以上の遺伝的変異体は図1に記載された遺伝的変異体からなる群から選択され、2つ以上の遺伝的変異体の存在は被験者のKC治療計画の必要性を示す。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図2に記載された遺伝的変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者はアフリカ系アメリカ人である。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図3に記載された遺伝的変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者は白色人種(コーカサス人)である。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図4に記載された遺伝的変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者はヒスパニックである。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は図5に記載された遺伝的変異体からなる群から選択される。追加の実施形態では、被験者は東アジア人または韓国人である。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体(例えばSNP)は、本明細書(例えば図1~図5)に記載された突然変異(例えば遺伝的変異体)の任意の組合せからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、前記遺伝的変異体の検出は配列決定方法によって行われる。
いくつかの実施形態では、本開示は、被験者の円錐角膜を治療する方法を提供しており、この方法は、被験者のKCを診断するかまたは予後を予測することと、KCを治療することとを含む。さらなる実施形態では、治療方法は、眼鏡もしくはコンタクトレンズを着用することおよび/またはコラーゲン架橋結合もしくは角膜移植を実施することを含んでもよい。
染色体、遺伝子記号、dbSNP id、および民族性によって順序付けられた研究コホート内に見られる各変異の頻度を記載した表である。リストは、白色人種(コーカサス人)(C)、東アジア人(EA)、ヒスパニック(H)、アフリカ系アメリカ人(AA)および南アジア人(SA)の民族群間で一致する変異体に分類され、その後に各群に特有の変異体が続く。エクソーム全体にわたる259個の遺伝子内の合計1,117個の非同義的一塩基変異体(SNV)および挿入/欠失(INDEL)が記載されている。エクソーム集約コンソーシアム(ExAC、exac.broadinstitute.org/)から取得したRefSeq(ncbi.nlm.nih.gov/)受託番号とともにマイナー対立遺伝子頻度(MAF)が提供される。1679622874293_01679622874293_1N=各群の総対立遺伝子
円錐角膜を有するアフリカ系アメリカ人の被験者に特有の遺伝的変異体を記載した図である。
円錐角膜を有する白色人種(コーカサス人)の被験者に特有の遺伝的変異体を記載した図である。
円錐角膜を有するヒスパニックの被験者に特有の遺伝的変異体を記載した図である。
円錐角膜を有する東アジア人の被験者に特有の遺伝的変異体を記載した図である。
円錐角膜を有する全ての被験者に一致する遺伝的変異体を記載した図である。
白色人種(コーカサス人)群内で特定された角膜遺伝子からの希少変異体のオッズ比(OR)およびリスクスコアの割当を記載した表である。変異体は、角膜の構造および機能に関連する48の遺伝子から得られ、かつ白色人種(コーカサス人)研究コホートにおける変異体に関するより大きなリストから抽出された。変異体は、1つ以上の症例試料中および0人の民族対応対照群中の存在に基づいて選択された。リスクスコアは、ベイズモデルにおいて保存優先度から調整されたORと、赤色および黄色の円で示される7つのバイオインフォマティクスツールからのインシリコ予測とを組み込んだアルゴリズムから導き出された。
略語:A=アフリカ系アメリカ人、C=白色人種(コーカサス人)、H=ヒスパニック、および、EA=東アジア人。
疾患に関連する変異体の検出は、様々な病状を診断し、かつ予後を予測するためのますます重要な手法となっている。KCに関して本開示は、変異対立遺伝子を検出し、かつ、KCを有する被験者の診断においてもしくはKCを有する被験者を診断するために、およびKCを発症する個体の危険性を予測するためにこの情報を使用する方法を提供する。
本明細書中で使用される「発明」または「本発明」という用語は、本発明の特定の実施形態のいずれかに限定するものではなく、特許請求の範囲および明細書に記載したように、本発明の任意のおよび全ての実施形態に一般に適用される。
本明細書で使用される場合、文脈が特に明確に指示しない限りは、単数形「a」、「an」および「the」には複数の言及が含まれる。したがって、例えば「方法」への言及には、本開示を読めば当業者に明らかとなるであろう本明細書に記載された種類の1つ以上の方法および/または段階が含まれる。「および/または」の使用は,「a、bおよび/またはc」という用語が「a」、「b」、「c」、「aおよびb」、「bおよびc」、「cおよびa」、および「a、bおよびc」を含むと理解されるように包括的に定義されることが理解されるべきである。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、例えば、ヌクレオチド配列の長さ、誤差の程度、寸法、組成物中の成分の量、濃度、体積、工程温度、工程時間、収量、流量、圧力、および、同様の値およびその範囲を変更することを意味しており、例えば、化合物、組成物、濃縮物を製造するため、もしくは製剤を使用するために用いられる一般的な測定手順および取扱い手順を通じて、これらの手順の不注意によるエラーを通じて、方法を実行するために使用される出発材料または原料の製造、供給源または純度の差異を通じて生じる可能性がある数量の変動などの考慮事項を指している。「約」という用語はまた、例えば、特定の初期濃度もしくは混合物を含む組成物、製剤、もしくは細胞培養物の老化により異なる量、および特定の初期濃度もしくは混合物を含む組成物もしくは製剤の混合もしくは加工により異なる量を包含する。「約」という用語によって変更されるかどうかに関わらず、本明細書に添付される特許請求の範囲はこれらの量と同等のものを含む。「約」という用語は、記載の基準値に類似した値の範囲をさらに指す場合がある。特定の実施形態では、「約」という用語は、記載の基準値の50、25、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1パーセント以下の範囲の値の範囲を指す。
本明細書で使用される場合、「多型」という用語およびその変形は、異なるゲノムもしくは個体の間またはそれらの中の2つ以上の選択的ゲノム配列もしくは対立遺伝子の発生を指す。用語「遺伝的突然変異」または「遺伝的変異」およびその変形は、多型を含む。
本明細書で使用される場合、「一塩基多型」(「SNP」)という用語およびその変形は、対立遺伝子間で変化する1つのヌクレオチドの部位を指す。一塩基多型(SNP)は単一塩基の変化もしくは点突然変異であるが、変形例には、個体間の遺伝的変異の原因となるいわゆる「インデル」突然変異(1~75までのいくつかのヌクレオチドの挿入または欠失)も含まれる。全てのヒトの遺伝的変異の約90%を構成するSNPは、30億塩基のヒトゲノムに沿って100~300塩基ごとに発生する。しかし、SNPは、ウイルスなどの他の生物においてはるかに頻繁に発生する可能性がある。SNPは、ゲノムのコード領域もしくは非コード領域において発生する可能性がある。コード領域のSNPは、タンパク質産物のアミノ酸配列を変更してもしなくてもよい。非コード領域のSNPは、プロモーター部位もしくは加工部位を変更する可能性があり、遺伝子の転写および/または加工に影響を及ぼす可能性がある。個体が目的のゲノム領域に特定のSNPを有するかどうかを知ることにより、様々な疾患の診断、予防および治療の用途を発展させるのに十分な情報を提供することができる。
「プライマー」という用語およびその変形は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)においてDNA合成の開始点として作用するオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは通常、長さが約10~約35ヌクレオチドであり、標的配列に相補的な領域にハイブリダイズする。
「プローブ」という用語およびその変形(例えば、検出プローブ)は、PCR反応において標的核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを指す。標的配列は、解析対象の核酸の領域を指し、目的の多型部位を含む。
ハイブリダイゼーションは、プローブセット内のプローブが修飾されて新しくより大きな分子実体(例えばプローブ産物)を形成するように生じる。本明細書のプローブは、ストリンジェントな条件下で目的の核酸領域にハイブリダイズしてもよい。本明細書で使用される場合、「ストリンジェンシー」という用語は、温度、イオン強度、および有機溶媒などの他の化合物の存在の条件に関して使用され、その条件下で核酸のハイブリダイゼーションが行われる。「ストリンジェンシー」は、一般的にTより約20℃~25℃低い範囲の約T℃で生じる。ストリンジェントなハイブリダイゼーションを使用して、同一のポリヌクレオチド配列を単離して検出してもよいし、または、類似するかまたは関連するポリヌクレオチド配列を単離して検出してもよい。「ストリンジェントな条件」下では、ヌクレオチド配列は、その全体または一部において、その正確な相補体および近縁の配列にハイブリダイズする。低ストリンジェンシー条件は、約100~約1000ヌクレオチド長のプローブが採用される場合、5×SSPE(43.8g/lのNaCl、6.9g/lのNaHPO.HOおよび1.85g/lのEDTA、pHはNaOHで7.4に調整)、0.1%のSDS、5×デンハルト試薬(50×デンハルトは500mlあたり、5gのFicoll(Type 400)、5gのBSAを含む)、および100μg/mlの変性サケ精子DNAからなる溶液中で68℃での結合もしくはハイブリダイゼーション、その後の室温で2.0+SSPE、0.1%のSDSを含む溶液中の洗浄と同等の条件を含む。多くの同等の条件を採用して低ストリンジェンシー条件を含んでもよいことは、当技術分野でよく知られており、ハイブリダイゼーション溶液の成分だけでなく、プローブの長さおよび性質(DNA、RNA、塩基組成)、および標的の性質(DNA、RNA、塩基組成、溶液中に存在するかまたは固定化されているかなど)、ならびに、塩および他の成分の濃度(例えば、ホルミアミド、デキストラン硫酸、ポリエチレングリコールの存在または非存在)などの因子を変更して、上記の条件とは異なるが同等の低ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件を生成してもよい。さらに、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイゼーションを促進する条件(例えば、ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄段階の温度を上昇させること、ハイブリダイゼーション溶液中でホルムアミドを使用することなど)は、当技術分野でよく知られている。核酸ハイブリダイゼーションに関して使用される場合、高ストリンジェンシー条件は、約100~約1000ヌクレオチド長のプローブが採用される場合の、5+SSPE、1%のSDS、5×デンハルト試薬、および100μg/mlの変性サケ精子DNAからなる溶液中で68℃での結合もしくはハイブリダイゼーション、その後の68℃で0.1+SSPEおよび0.1%のSDSを含む溶液中の洗浄と同等の条件を含む。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が関係する当業者が一般に理解する用語と同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似するかまたは同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または検査に使用することができるが、本明細書では、方法および材料の様々な実施形態を具体的に説明する。
上記で説明したように、KCは最も一般的な角膜拡張性疾患であり、患者の約6~23.5%が陽性の家族歴を有している。(Wheeler,J.、Hauser,M.A.、Afshari,N.A.、Allingham,R.R.、Liu,Y.らによる、Reproductive Sys Sexual Disord 2012年、S:6。)報告されたKCの有病率は、100,000人あたり8.8人~54.4人である。有病率のこの変動は、部分的には疾患の診断に用いられる様々な基準によるものである。(Wheeler,J.、Hauser,M.A.、Afshari,N.A.、Allingham,R.R.、Liu,Y.らによる、Reproductive Sys Sexual Disord 2012年、S:6、および、Nowak,D.、Gajecka,M.らによる、Middle East Afr J Ophthalmol 2011年、第18巻第1号第2~6頁)多くの研究が、KCの遺伝子的原因を定義しようと試みた文献内に見られる。これらの研究は、実験パラメータに応じて疾患の原因に関与すると考えられる多数の可能性のある遺伝的変異体もしくはSNPを明らかにしてきた。
一般的に、これまでに実施された研究は、主にマイクロサテライト遺伝子型決定およびマイクロチップ技術(SNPアレイ)を利用して、ゲノム内の関心領域を調査する。これに対して、本明細書に記載された研究では、次世代シークエンシング(NGS)技術を利用して、疾患の原因に関与する遺伝的変異体を特定し、かつ検証した。この研究には、全エクソームシークエンシング(WES)方法(ACE Platform(商標)、Personalis Inc.、カリフォルニア州メンローパーク)が含まれ、この方法では、ヒトエクソームを構成する約22,000個の遺伝子が捕捉されかつ配列決定され、インデルを含む単一点突然変異もしくは変異体が特定された。
ヒトゲノム内には、KCの表現型プロファイルに関与する遺伝子突然変異を含む様々な遺伝子座が存在することが認識されている。文献に記載されているこれら遺伝子座の中には、染色体15q2.32および15q22.33-q24.2、13q32、16q22.3-q23.1、3p14-q13、5q14.3-q21.1、5q21.2および5q32-q33、1p36.23-36.21および8q13.1-q21.11、9q34、14q11.2および14q24.3にマップされた領域が存在する(例えば、Bisceglia L、De Bonis P、Pizzicoli Cらによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2009年、第50巻第1081~1086頁、Hughes AE、Dash DP、Jackson AJ、Frazer DG、Silvestri Gらによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2003年、第44巻第5063~5066頁、Gajecka M、Radhakrishna U、Winters Dらによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2009年、第50巻第1531~1539頁、Czugala,M.、Karolak,J.A.、Nowak,D.A.らによる、European Journal of Human Genetics 2012年、第20巻第389~397頁、Tyynismaa H、Sistonen P、Tuupanen Sらによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2002年、第43巻第3160~3164頁、Brancati F、Valente EM、Sarkozy Aらによる、J Med Genet 2004年、第41巻第188~192頁、Tang YG、Rabinowitz YS、Taylor KDらによる、Genet Med 2005年、第7巻第397~405頁、Burdon KP、Coster DJ、Charlesworth JCらによる、Hum Genet 2008年、第124巻第379~386頁、Li,X.、Rabinowitz,Y.S.、Tang,Y.G.、Picornell,Y.、Taylor,K.D.、Hu,M.、Yang,H.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2006年、第47巻第3791~3795頁、および、Liskova P、Hysi PG、Waseem N、Ebenezer ND、Bhattacharya SS、Tuft SJらによる、Arch Ophthalmol 2010年、第128巻第1191-1195頁を参照。)
上記で説明したように、これらの研究は主にマイクロサテライト遺伝子型決定をアレイチップ技術と組み合わせて利用して、ゲノム内の関心領域を調査する。
上述の研究に加えて、視覚系ホメオボックス遺伝子1(VSX1)における突然変異は、KCと診断された患者におけるこの遺伝子の標的検査を通じて特定されてきた。これまでにVSX1遺伝子に関して実施された研究は病原体を明確に特定しておらず、実際、多くの文献が矛盾する結果を提示している。例えば、Bisceglia,L.、Ciaschetti,M.、De Bonis,P.、Campo,P.A.、Pizzicoli,C.、Scala,C.、Grifa,M.、Ciavarella,P.、Delle Noci,N.、Vaira,F.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2005年、第46巻第39~45頁、Heon,E.、Greenberg,A.、Kopp,K.K.、Rootman,D.、Vincent,A.L.、Billingsley,G.、Priston,M.、Dorval,K.M.、Chow,R.L.、McInnes,R.R.らによる、Hum Mol Genet 2002年、第11巻第9号第1029~1036頁、Tang,Y.G.、Picornell,Y.、Su,X.、Li,X.、Yang,H.およびRabinowitz,Y.S.らによる、Cornea 2008年、第27巻第189~192頁、Aldave,A.J.、Yellore,V.S.、Salem,A.K.、Yoo,G.L.、Rayner,S.A.、Yang,H.、Tang,G.Y.、Piconell,Y.、Rabinowitz,Y.S.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2006年、第47巻第7号第2820~2頁、Tanwar,M.、Kumar,M.、Nayak,B.、Pathak,D.、Sharma,N.、Titiyal,J.S.およびDada,R.らによる、Mol Vis 2010年、第16巻第2395~2401頁、Mok,L.W.、Baek,S.J.、Joo,C.K.らによる、J Hum Genet 2008年、第53巻第842~849頁、Jeoung,J.W.、Kim,M.K.、Park,S.S.、Kim,S.Y.、Ko,H.S.、Won Ryang Wee,W.R.、Jin Hak Lee,J.H.らによる、Cornea 2012年、第31巻第7号第746~750頁、Dehkordi,F.A.、Rashki,A.、Bagheri,N.、Chaleshtori,M.H.、Memarzadeh,E.、Salehi,A.、Ghatreh,H.、Zandi,F.、Yazdanpanahi,N.、Tabatabaiefar,M.A.、Chaleshtori,M.Hらによる、Method、Acta Cytologica 2013年、第57巻第646~651頁、Saee-Rad,S.、Hashemi,H.、Miraftab,M.、Noori-Daloii,M.R.、Chaleshtori,M.H.、Raoofian,R.、Jafari,F.、Greene,W.、Fakhraie,G.、Rezvan,F.、Heidari,M.らによる、Mol Vis 2011年、第17巻第3128~3136頁、Wang,Y.、Jin,T.、X.Zhang,X.、Wei,W.、Cui,Y.、Geng,T.、Liu,Q.、Gao,J.、Liu,M.、Chen,C.、Zhang,C.、Zhu,X.らによる、Ophthalmic Genetics 2013年、第34巻第3号第160~166頁、Dash,D.P.、S George,S.、O’Prey,D.、Burns,D.、Nabili,S.、Donnelly,U.、Hughes,A.E.、Silvestri,G.、Jackson,J.、Frazer,D.、Heon,E.、Willoughby,C.E.らによる、Eye 2010年、第24巻第6号第1085~1092頁を参照されたい。
KCの病因におけるVSX1遺伝子の可能な役割について多くの調査が行われているが、これは解析の対象となる唯一の遺伝子ではない。
文献内で調査された遺伝子の中で最も顕著なのは、コラーゲンの構造に関連する様々な遺伝子である。コラーゲンはヒトの角膜の主要なタンパク質成分であり、様々なコラーゲンタンパク質をコードするコラーゲン遺伝子にはいくつかの種類がある。ここで興味深いのは、COL4A3およびCOL4A4(Stabuc-Silih,M.、Ravnik-Glavac,M.、Glavac,D.、Hawlina,M.、Strazisar M.らによる、Mol Vis 2009年、第15巻第2848~2860頁、Stabuc-Silih,M.、Strazisar,M.、Ravnik Glavac,M.、Hawlina、Glavac,D.らによる、Acta Dermatoven APA 2010年、第19巻第2号第3~10頁、Vitart,V.、Bencic,G.、Hayward,C.、Herman,J.S.、Huffman J.、Campbell,S.、Bucan,K.、Navarro,P.、Gunjaca,G.、Marin,J.、Zgaga,L.、Kolcic,I.、Polasek,O.、Kirin,M.、Hastie,N.D.、Wilson,J.F.、Rudan,I.、Campbell,H.、Vatavuk,Z.、Fleck,B.、Wright,A.らによる、Hum Mol Genet 2010年、第19巻第21号第4304~4311頁)が2q36.3にマップされ(Vitart,V.、Bencic,G.、Hayward,C.、Herman,J.S.、Huffman J.、Campbell,S.、Bucan,K.、Navarro,P.、Gunjaca,G.、Marin,J.、Zgaga,L.、Kolcic,I.、Polasek,O.、Kirin,M.、Hastie,N.D.、Wilson,J.F.、Rudan,I.、Campbell,H.、Vatavuk,Z.、Fleck,B.、Wright,A.らによる、Hum Mol Genet 2010年、第19巻第21号第4304~4311頁)、COL4A1およびCOL4A2が13q32遺伝子座にマップされることである(Gajecka M、Radhakrishna U、Winters Dらによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2009年、第50巻第1531~1539頁、Czugala,M.、Karolak,J.A.、Nowak,D.A.らによる、European Journal of Human Genetics 2012年、第20巻第389~397頁、Karolak,J.A.、Kulinska,K.、Nowak,D.M.、Pitarque,J.A.、Molinari,A.、Rydzanicz,M.、Bejjani,B.A.、Gajecka,M.らによる、Mol Vis 2011年、第17巻第827~843頁)。COL4A3およびCOL4A4遺伝子に関連して、2009年に発表された研究においてStabuc-Silihらは、有意なp値を有するいくつかのSNPを特定した。104人の血縁関係のない診断患者と157人の健康な献血者とを含むこの研究では、COL4A4遺伝子中の対立遺伝子3979に位置する多型M1327Vのp値が<0.0001であり、点突然変異は、症例に対して208個の総対立遺伝子のうち134個であり、対照群に対して314個の対立遺伝子のうち132個であった(Stabuc-Silih,M.、Ravnik-Glavac,M.、Glavac,D.、Hawlina,M.、Strazisar M.らによる、Mol Vis 2009年、第15巻第2848~2860頁)。そうは言うものの、2010年に発行されたその後の論文において、Stabuc-Silihらは、COL4A3およびCOL4A4がKCの病因に有意な役割を果たすことを考慮していない(Stabuc-Silih,M.、Strazisar,M.、Ravnik Glavac,M.、Hawlina、Glavac,D.らによる、Acta Dermatoven APA 2010年、第19巻第2号第3~10頁)。
同様に、Karolakらは、エクアドル人家系内のCOL4A1遺伝子およびCOL4A2遺伝子に関する調査結果を立証しており、この研究には、1家系から23人、他のエクアドル人家系から罹患者25人、エクアドル人の対照被験者64人が含まれていた(Karolak,J.A.、Kulinska,K.、Nowak,D.M.、Pitarque,J.A.、Molinari,A.、Rydzanicz,M.、Bejjani,B.A.、Gajecka,M.らによる、Mol Vis 2011年、第17巻第827~843頁)。この研究では、重要なCOL4A1およびCOL4A2遺伝子内のいくつかの突然変異が特定された。例えば、COL4A1遺伝子の4002対立遺伝子に見られる多型Gln1334Hisは、23人(p=0.056)が検査された家系の健康な人よりも患者においてより頻繁に観察された。しかし、cに差はなかった。4002A>Cの対立遺伝子は、残りのKC家系から解析された罹患者とエクアドル人の対照被験者(p=0.17)との間に分布していた。
上述の研究(Karolak,J.A.、Kulinska,K.、Nowak,D.M.、Pitarque,J.A.、Molinari,A.、Rydzanicz,M.、Bejjani,B.A.、Gajecka,M.らによる、Mol Vis 2011年、第17巻第827~843頁)に関連して、Czugalaらは、同じエクアドル人の家族群に関する研究を実施し、COL4A1およびCOL4A2以外の8つの候補遺伝子を明らかにした(Czugala,M.、Karolak,J.A.、Nowak,D.A.らによる、European Journal of Human Genetics 2012年、第20巻第389~397頁)。これらの遺伝子は、MBNL1、IPO5、FARP1、RNF113B、STK24、DOCK9、ZIC5およびZIC2である。これらの8個の遺伝子内で92個の配列変異体が特定された。この研究において参照される92個の変異体のうち少なくとも4個は、KC表現型との統計的相関を示している。これらの遺伝子およびその関連するSNPは13q32遺伝子座に位置するが、この研究およびCOL4A1およびCOL4A2遺伝子を対象に実施された研究の両方の別の重要な側面は、結果が主にエクアドルの一家系の遺伝子解析から得られることである(Czugala,M.、Karolak,J.A.、Nowak,D.A.らによる、European Journal of Human Genetics 2012年、第20巻第389~397頁)。
本明細書で参照される症例研究は、コラーゲン遺伝子の役割および角膜内でコラーゲン遺伝子が果たす役割をさらに解明し、ヒトゲノム内の重要なホットスポットであり得るゲノム上の位置である13q32遺伝子座の役割を調査するために実施された(Gajecka M、Radhakrishna U、Winters Dらによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2009年、第50巻第1531~1539頁、および、Czugala,M.、Karolak,J.A.、Nowak,D.A.らによる、European Journal of Human Genetics 2012年、第20巻第389~397頁)。KC患者において無秩序であることが知られているCOL4A3およびCOL4A4遺伝子は、染色体異常にさらされていることが多く、コラーゲン型IおよびIIIの減少の原因ともなりかねず、これは、この疾患においてしばしば検出される特徴である(Critchfield,J.W.、Calandra,A.J.、Nesburn,A.B.、Kenney,M.C.らによる、Exp Eye Res 1988年、第46巻第953~63頁、Kenney,M.C.、Nesburn,A.B、Burgeson,R.E.、Butkowski,R.J.、Ljubimov A.V.らによる、Cornea 1997年、第16巻第345~51頁、Meek,K.M.、Tuft,S.J.、Huang,Y.、Gill P.S.、Hayes,S.、Newton,R.H.、Bron,A.J.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2005年、第46巻第1948~56頁、Bochert,A.、Berlau,J.、Koczan,D.、Seitz,B.、Thiessen,H.J.、Guthoff,R.F.らによる、Ophthalmologe 2003年、第100巻第545~9頁、Stachs,O.、Bocher,A.、Gerber,T.、Koczan,D.、Thiessen,H.J.、Guthoff,R.F.らによる、Ophthalmologe 2004年、第101巻第384~9頁、Pettenati,M.J、Sweatt,A.J.、Lantz,P.、Stanton,C.A.、Reynolds,J.、Rao,P.N.、Davis,R.M.らによる、Hum Genet 1997年、第101巻第26~9頁)。
家族性KCとして標識されたKCのサブセットを定義する遺伝的連鎖の探索により、主に家系に応じて異なるSNP候補が特定される。例えば、遺伝子VSX1は、いくつかの例外的な家族研究に基づく一次候補であると考えられた(Bisceglia,L.、Ciaschetti,M.、De Bonis,P.、Campo,P.A.、Pizzicoli,C.、Scala,C.、Grifa,M.、Ciavarella,P.、Delle Noci,N.、Vaira,F.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2005年、第46巻第39~45頁、Heon,E.、Greenberg,A.、Kopp,K.K.、Rootman,D.、Vincent,A.L.、Billingsley,G.、Priston,M.、Dorval,K.M.、Chow,R.L.、McInnes,R.R.らによる、Hum Mol Genet 2002年、第11巻第9号第1029~1036頁)が、民族および地理的位置が異なる血縁関係のない個体を含むこの遺伝子を対象とした非家族に基づいた研究もまた実施されている。これらの研究は、VSX1の役割をより良好に定義する遺伝子内の特異的SNPを特定しようとするものである(Aldave,A.J.、Yellore,V.S.、Salem,A.K.、Yoo,G.L.、Rayner,S.A.、Yang,H.、Tang,G.Y.、Piconell,Y.、Rabinowitz,Y.S.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2006年、第47巻第7号第2820~2頁、Tanwar,M.、Kumar,M.、Nayak,B.、Pathak,D.、Sharma,N.、Titiyal,J.S.およびDada,R.らによる、Mol Vis 2010年、第16巻第2395~2401頁、Mok,L.W.、Baek,S.J.、Joo,C.K.らによる、J Hum Genet 2008年、第53巻第842~849頁、Jeoung,J.W.、Kim,M.K.、Park,S.S.、Kim,S.Y.、Ko,H.S.、Won Ryang Wee,W.R.、Jin Hak Lee,J.H.らによる、Cornea 2012年、第31巻第7号第746~750頁、Dehkordi,F.A.、Rashki,A.、Bagheri,N.、Chaleshtori,M.H.、Memarzadeh,E.、Salehi,A.、Ghatreh,H.、Zandi,F.、Yazdanpanahi,N.、Tabatabaiefar,M.A.、Chaleshtori,M.Hらによる、Acta Cytologica 2013年、第57巻第646~651頁、Wang,Y.、Jin,T.、X.Zhang,X.、Wei,W.、Cui,Y.、Geng,T.、Liu,Q.、Gao,J.、Liu,M.、Chen,C.、Zhang,C.、Zhu,X.らによる、Ophthalmic Genetics 2013年、第34巻第3号第160~166頁、Dash,D.P.、S George,S.、O’Prey,D.、Burns,D.、Nabili,S.、Donnelly,U.、Hughes,A.E.、Silvestri,G.、Jackson,J.、Frazer,D.、Heon,E.、Willoughby,C.E.らによる、Eye 2010年、第24巻第6号第1085~1092頁)。一般に、これらの研究による出版物は決定的ではなく、実際には、VSX1遺伝子内に見られる特定の非同義的候補SNPの病因的役割には異議が唱えられている(Tang,Y.G.、Picornell,Y.、Su,X.、Li,X.、Yang,H.およびRabinowitz,Y.S.らによる、Cornea 2008年、第27巻第189~192頁、Aldave,A.J.、Yellore,V.S.、Salem,A.K.、Yoo,G.L.、Rayner,S.A.、Yang,H.、Tang,G.Y.、Piconell,Y.、Rabinowitz,Y.S.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2006年、第47巻第7号第2820~2頁、Tanwar,M.、Kumar,M.、Nayak,B.、Pathak,D.、Sharma,N.、Titiyal,J.S.およびDada,R.らによる、VSX1 gene analysis in keratoconus、Mol Vis 2010年、第16巻第2395~2401頁)。
家族関係のないKCは、開業医が見る疾患の最も一般的な形態である(Rabinowitz,Y.S.による、Ophthalmol Clin N Am.2003年、第16巻第4号第607~620頁)。そうは言うものの、KCの未検出形態のために、家族集積性が過少報告されている可能性がある。角膜形状解析法などの診断技術の最近の進歩は、疾患の他の形態が実際に遺伝するかどうかを十分に理解するのに役立つ場合がある。
VSX1遺伝子を含む上述の研究(Bisceglia,L.、Ciaschetti,M.、De Bonis,P.、Campo,P.A.、Pizzicoli,C.、Scala,C.、Grifa,M.、Ciavarella,P.、Delle Noci,N.、Vaira,F.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2005年、第46巻第39~45頁、Heon,E.、Greenberg,A.、Kopp,K.K.、Rootman,D.、Vincent,A.L.、Billingsley,G.、Priston,M.、Dorval,K.M.、Chow,R.L.、McInnes,R.R.らによる、Hum Mol Genet 2002年、第11巻第9号第1029~1036頁、Tang,Y.G.、Picornell,Y.、Su,X.、Li,X.、Yang,H.およびRabinowitz,Y.S.らによる、Cornea 2008年、第27巻第189~192頁、Aldave,A.J.、Yellore,V.S.、Salem,A.K.、Yoo,G.L.、Rayner,S.A.、Yang,H.、Tang,G.Y.、Piconell,Y.、Rabinowitz,Y.S.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2006年、第47巻第7号第2820~2頁、Tanwar,M.、Kumar,M.、Nayak,B.、Pathak,D.、Sharma,N.、Titiyal,J.S.およびDada,R.らによる、Mol Vis 2010年、第16巻第2395~2401頁、Mok,L.W.、Baek,S.J.、Joo,C.K.らによる、J Hum Genet 2008年、第53巻第842~849頁、Jeoung,J.W.、Kim,M.K.、Park,S.S.、Kim,S.Y.、Ko,H.S.、Won Ryang Wee,W.R.、Jin Hak Lee,J.H.らによる、VSX1 Gene and Keratoconus:Genetic Analysis in Korean Patients、Cornea 2012年、第31巻第7号第746~750頁、Dehkordi,F.A.、Rashki,A.、Bagheri,N.、Chaleshtori,M.H.、Memarzadeh,E.、Salehi,A.、Ghatreh,H.、Zandi,F.、Yazdanpanahi,N.、Tabatabaiefar,M.A.、Chaleshtori,M.Hらによる、Acta Cytologica 2013年、第57巻第646~651頁、Saee-Rad,S.、Hashemi,H.、Miraftab,M.、Noori-Daloii,M.R.、Chaleshtori,M.H.、Raoofian,R.、Jafari,F.、Greene,W.、Fakhraie,G.、Rezvan,F.、Heidari,M.らによる、Mol Vis 2011年、第17巻第3128~3136頁、Wang,Y.、Jin,T.、X.Zhang,X.、Wei,W.、Cui,Y.、Geng,T.、Liu,Q.、Gao,J.、Liu,M.、Chen,C.、Zhang,C.、Zhu,X.らによる、Common single nucleotide polymorphisms and keratoconus in the Han Chinese population、Ophthalmic Genetics 2013年、第34巻第3号第160~166頁)および様々なCOL遺伝子(Stabuc-Silih,M.、Ravnik-Glavac,M.、Glavac,D.、Hawlina,M.、Strazisar M.らによる、Mol Vis 2009年、第15巻第2848~2860頁、Stabuc-Silih,M.、Strazisar,M.、Ravnik Glavac,M.、Hawlina、Glavac,D.らによる、Acta Dermatoven APA 2010年、第19巻第2号第3~10頁、Karolak,J.A.、Kulinska,K.、Nowak,D.M.、Pitarque,J.A.、Molinari,A.、Rydzanicz,M.、Bejjani,B.A.、Gajecka,M.らによる、Mol Vis 2011年、第17巻第827~843頁、Critchfield,J.W.、Calandra,A.J.、Nesburn,A.B.、Kenney,M.C.らによる、Exp Eye Res 1988年、第46巻第953~63頁、Kenney,M.C.、Nesburn,A.B、Burgeson,R.E.、Butkowski,R.J.、Ljubimov A.V.らによる、Cornea 1997年、第16巻第345~51頁、Meek,K.M.、Tuft,S.J.、Huang,Y.、Gill P.S.、Hayes,S.、Newton,R.H.、Bron,A.J.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2005年、第46巻第1948~56頁、Bochert,A.、Berlau,J.、Koczan,D.、Seitz,B.、Thiessen,H.J.、Guthoff,R.F.らによる、Ophthalmologe 2003年、第100巻第545~9頁、Stachs,O.、Bocher,A.、Gerber,T.、Koczan,D.、Thiessen,H.J.、Guthoff,R.F.らによる、Ophthalmologe 2004年、第101巻第384~9頁、Pettenati,M.J、Sweatt,A.J.、Lantz,P.、Stanton,C.A.、Reynolds,J.、Rao,P.N.、Davis,R.M.らによる、Hum Genet 1997年、第101巻第26~9頁、Li,X.、Bykhovskaya,Y.、Caiado Canedo,A.L.、Haritunians,T.、Siscovick,D.、Anthony J.Aldave,A.J.、Szczotka-Flynn,L.、Iyengar,S.K.、Rotter,J.I.、Taylor,K.D.、Yaron S.Rabinowitz,Y.S.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2013年、第54巻第2696~2704頁)は、遺伝子内の突然変異が疾患の表現型に関与している可能性があるほんの数例である。これらの研究は、主に目的の1個または2個の遺伝子の構造および機能に焦点を当てており、その際、疾患の原因に関与する可能性のあるゲノム内の他の遺伝子突然変異の可能性を見落としている。文献の多くは、KCは遺伝的に複雑な疾患であると明記しており(Bisceglia L、De Bonis P、Pizzicoli Cらによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2009年、第50巻第1081~1086頁、Tang YG、Rabinowitz YS、Taylor KDらによる、Genet Med 2005年、第7巻第397~405頁、Li,X.、Rabinowitz,Y.S.、Tang,Y.G.、Picornell,Y.、Taylor,K.D.、Hu,M.、Yang,H.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2006年、第47巻第3791~3795頁、Liskova P、Hysi PG、Waseem N、Ebenezer NDらによる、Arch Ophthalmol 2010年、第128巻第1191-1195頁、Wheeler,J.、Hauser,M.A.、Afshari,N.A.、Allingham,R.R.、Liu,Y.らによる、Reproductive Sys Sexual Disord 2012年、S:6、Nowak,D.、Gajecka,M.らによる、Middle East Afr J Ophthalmol 2011年、第18巻第1号第2~6頁、Burdon,K.P.およびVincent,A.L.らによる、Clin Exp Optom 2013年、第96巻第146~154頁)、複数の遺伝子内の複数の突然変異を暗示している。HGFおよびLOX遺伝子は、KCと診断された患者において有意であると特定されたSNPを含む(Burdon,K.P.、Macgregor,S.、Bykhovskaya,Y.、Javadiyan,S.、Li,X.、Laurie,K.J.、Muszynska,D.、Lindsay,R.、Lechner,J.、Haritunians,T.、Henders,A.K.、Dash,D.、Siscovick,D.、Anand,S.、Aldave,A.、Coster,D.J.、Szczotka-Flynn,L.、Mills,R.A.、Iyengar,S.K.、Taylor,K.D.、Phillips,T.、Grant W.Montgomery,G.W.、Rotter,J.I.、Hewitt,A.W.、Sharma,S.、Rabinowitz,Y.S.、Willoughby,C.、Craig,J.E.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2011年、第52巻第11号第8514~8519頁、Sahebjada,S.、Schache,M.、Richardson,A.J.、Snibson,G.、Daniell,M.、Baird,P.N.らによる、PLoS ONE 2014年、第9巻第1号、Dudakova,L.、Palos,M.、Jirsova,K.、Stranecky,V.、Krepelova,A.、Hysi P.G.、Liskova,P.らによる、Eur J Hum Genet 2015年、Bykhovskaya,Y.、Li,X.、Epifantseva,I.、Haritunians,T.、Siscovick,D.、Aldave,A.、Szczotka-Flynn,L.、Iyengar,S.K.、Taylor,K.D.、Rotter,J.I.、Rabinowitz,Y.S.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2012年、第53巻第7号第4152~4157頁、Hao XD1、Chen P、Chen ZL、Li SX、Wang Y.らによる、Ophthalmic Genet 2015年、第36巻第2号第132~136頁)。
HGF遺伝子は、3つの細胞層全てによって角膜において発現することが知られている(Wilson SE、Walker JW、Chwang EL、He YGらによる、Invest Ophthalmol Vis Sci.1993年、第34巻第8号第2544~2561頁)。タンパク質は涙腺においても産生され、角膜の角化細胞におけるHGF発現は角膜損傷に反応して亢進し、上皮創傷の治癒過程への関与が示唆される(Burdon,K.P.、Macgregor,S.、Bykhovskaya,Y.、Javadiyan,S.、Li,X.、Laurie,K.J.、Muszynska,D.、Lindsay,R.、Lechner,J.、Haritunians,T.、Henders,A.K.、Dash,D.、Siscovick,D.、Anand,S.、Aldave,A.、Coster,D.J.、Szczotka-Flynn,L.、Mills,R.A.、Iyengar,S.K.、Taylor,K.D.、Phillips,T.、Grant W.Montgomery,G.W.、Rotter,J.I.、Hewitt,A.W.、Sharma,S.、Rabinowitz,Y.S.、Willoughby,C.、Craig,J.E.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2011年、第52巻第11号第8514~8519頁、Li Q、Weng J、Mohan RRらによる、Invest Ophthalmol Vis Sci.1996年、第37巻第5号第727~739頁)。さらに、HGF遺伝子に関連する特定のSNPは、遠視および近視と相関があり(Yanovitch,T.、Li,Y.J.、Metlapally,R.、Abbott,D.、Tran Viet,K.N.、Young,T.L.らによる、Mol Vis 2009年、第15巻第1028~1035頁、Veerappan,S.、Pertile,K.K.、Islam,A.F.、Schache,M.、Chen,C.Y.、Mitchell,P.、Dirani,M.、Baird,P.N.らによる、Ophthalmology 2010年、第117巻第2号第239~245頁)、原発閉塞隅角緑内障(PACG)と相関がある(Awadalla,M.S.、Thapa,S.S.、Burdon,K.P.、Hewitt,A.W.、Craig,J.E.、Mol Vis 2011; 17:2248-2254)。
これらの様々な眼の状態に関連していることが判明したSNPのサブセットは、KC患者のゲノムにも見られた(Burdon,K.P.、Macgregor,S.、Bykhovskaya,Y.、Javadiyan,S.、Li,X.、Laurie,K.J.、Muszynska,D.、Lindsay,R.、Lechner,J.、Haritunians,T.、Henders,A.K.、Dash,D.、Siscovick,D.、Anand,S.、Aldave,A.、Coster,D.J.、Szczotka-Flynn,L.、Mills,R.A.、Iyengar,S.K.、Taylor,K.D.、Phillips,T.、Grant W.Montgomery,G.W.、Rotter,J.I.、Hewitt,A.W.、Sharma,S.、Rabinowitz,Y.S.、Willoughby,C.、Craig,J.E.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2011年、第52巻第11号第8514~8519頁)。
眼におけるHGFタンパク質の役割に関して、Burdonらは、「眼の屈折力は、角膜の形状によって少なくとも部分的に決定され、角膜の形状はKCにおいて大きく変化しているため、これらの複雑な眼の状態の遺伝子決定基間の重複を示唆している」と述べている(Burdon,K.P.、Macgregor,S.、Bykhovskaya,Y.、Javadiyan,S.、Li,X.、Laurie,K.J.、Muszynska,D.、Lindsay,R.、Lechner,J.、Haritunians,T.、Henders,A.K.、Dash,D.、Siscovick,D.、Anand,S.、Aldave,A.、Coster,D.J.、Szczotka-Flynn,L.、Mills,R.A.、Iyengar,S.K.、Taylor,K.D.、Phillips,T.、Grant W.Montgomery,G.W.、Rotter,J.I.、Hewitt,A.W.、Sharma,S.、Rabinowitz,Y.S.、Willoughby,C.、Craig,J.E.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2011年、第52巻第11号第8514~8519頁、)。HGF遺伝子がKCに関連していることを検証する文献内で公開された、少なくとも2つの研究が存在する(Sahebjada,S.、Schache,M.、Richardson,A.J.、Snibson,G.、Daniell,M.、Baird,P.N.らによる、PLoS ONE 2014年、第9巻第1号、Dudakova,L.、Palos,M.、Jirsova,K.、Stranecky,V.、Krepelova,A.、Hysi P.G.、Liskova,P.らによる、Eur J Hum Genet 2015年)。
LOXは、角膜を含む様々な組織においてコラーゲンとエラスチンとの架橋を開始する酵素をコードする(Hamalainen,E.R、Jones,T.A.、Sheer,D.、Taskinen,K.、Pihlajanemi,T.、Kivirikko,K.I.らによる、Genomics.1991年、第11巻第508~516頁)。Liらは、LOX遺伝子が位置する5q23.2遺伝子座を含むいくつかの遺伝子座をKCにマップする全ゲノム連鎖解析を実行した(Li,X.、Rabinowitz,Y.S.、Tang,Y.G.、Picornell,Y.、Taylor,K.D.、Hu,M.、Yang,H.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2006年、第47巻第3791~3795頁)。さらに、マイクロアレイ上のKC上皮を解析した研究では、LOXの発現レベルが亢進することが判明した(Nielsen,K.、Birkenkamp-Demtroder,K.、Ehlers,N.、Orntoft,T.F.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci.2003年、第44巻第2466~2476頁)。Bykhovskayaらは、KCおよび対照群とKC家系とを持つ患者の2つの独立した集団に関する研究において、KCに関連するこの遺伝子内に少なくとも4つのSNPを発見した(Bykhovskaya,Y.、Li,X.、Epifantseva,I.、Haritunians,T.、Siscovick,D.、Aldave,A.、Szczotka-Flynn,L.、Iyengar,S.K.、Taylor,K.D.、Rotter,J.I.、Rabinowitz,Y.S.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2012年、第53巻第7号第4152~4157頁)。この研究は、rs2956540 SNPがヨーロッパ系の母集団におけるKCに関連していることが判明した群において再現され(Dudakova,L.、Palos,M.、Jirsova,K.、Stranecky,V.、Krepelova,A.、Hysi P.G.、Liskova,P.らによる、Eur J Hum Genet 2015年)、さらに、漢民族の母集団に対して実施された研究において(Hao XD1、Chen P、Chen ZL、Li SX、Wang Y.、Ophthalmic Genet 2015年、第36巻第2号第132~136頁)再現された。
リボフラビン/紫外線A波誘発角膜コラーゲン架橋結合(CXL)は、KC患者の一般的な治療形態になっているので(Ashwin,P.T.、McDonnell,P.J.らによる、Collagen cross-linkage:a comprehensive review and directions for future research.、Br J Ophthalmol.2010年、第94巻第965~970頁)、角膜においてコラーゲン架橋結合を引き起こす分子経路をコードするLOXなどの遺伝子に関心が集まっている。KC患者内のLOX遺伝子の遺伝子型を知ることは、CXL治療の結果に意味を持ち、洞察力を提供すると考えられている(Bykhovskaya,Y.、Li,X.、Epifantseva,I.、Haritunians,T.、Siscovick,D.、Aldave,A.、Szczotka-Flynn,L.、Iyengar,S.K.、Taylor,K.D.、Rotter,J.I.、Rabinowitz,Y.S.らによる、Invest Ophthalmol Vis Sci 2012年、第53巻第7号第4152~4157頁)。
一態様では、本開示は、ゲノム試料を単離して一塩基多型検出を特定し、かつ検証する方法を提供する。いくつかの実施形態では、ゲノム試料は、単離細胞、全血、血清、血漿、尿、唾液、汗、排泄物および涙からなる群から選択されてもよい。
いくつかの実施形態では、ゲノム試料は血漿もしくは血清であり、この方法は、被験者の血液試料から血漿もしくは血清を単離することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、方法は、被験者からの細胞の試料を提供することを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、被験者の細胞表面を、細胞を基質上に可逆的に固定化することが可能な基質と接触させることによって収集される。
開示された方法は、様々な試料から得られた様々な細胞型に適用可能である。いくつかの実施形態では、開示された方法で使用するための細胞型には、上皮細胞、内皮細胞、結合組織細胞、骨格筋細胞、内分泌細胞、心臓細胞、尿細胞、メラニン細胞、角化細胞、血液細胞、白血球、軟膜、有毛細胞(例えば、毛根細胞を含む)および/または唾液細胞が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、細胞は上皮細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、被膜下血管周囲細胞(上皮型1)、淡細胞(上皮型2)、中間細胞(上皮型3)、暗細胞(上皮型4)、未分化細胞(上皮型5)、大髄質細胞(上皮型6)である。いくつかの実施形態では、細胞は口腔上皮細胞(例えば、口腔スワブを使用して収集された上皮細胞)である。いくつかの実施形態では、開示された方法において使用される細胞の試料には、上記で特定された細胞型の任意の組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態では、方法は、被験者からの細胞の試料を提供することを含む。いくつかの実施形態では、提供される細胞は口腔上皮細胞である。
細胞試料は、被験者の細胞の基質への可逆的結合を可能にする任意の様々な方法によって収集される。いくつかの実施形態では、細胞を基質に可逆的に結合するために、基質は、被験者の細胞を含む試料との物理的相互作用に使用される。いくつかの実施形態では、細胞を基質に可逆的に結合するために、基質は、被験者の身体との物理的相互作用に直接使用される。いくつかの実施形態では、試料は口腔細胞の試料であり、口腔細胞の試料は、被験者の口腔膜(例えば、頬の内側)を、膜から除去される細胞を可逆的に固定化することが可能な基質と接触させることによって収集される。このような実施形態では、スワブは、人の歯を磨くのと同等の力(例えば、軽い力もしくは圧力)で被験者の頬の内側に擦り付けられる。被験者の細胞を基質に可逆的に結合させることを可能にする任意の方法が、開示された方法での使用のために想定される。
いくつかの実施形態では、試料は、非侵襲的な方法で有利に収集される。そのため、試料の収集は、あらゆる場所でほとんど誰によっても達成される。例えばいくつかの実施形態では、試料は、診療所、被験者の自宅、また医療処置が施されているかまたは施される予定の施設で収集される。いくつかの実施形態では、被験者、被験者の医師、看護師、医師の助手または他の臨床職員が試料を収集する。
いくつかの実施形態では、基質は、細胞が可逆的に結合された様々な材料のいずれかで作られている。例示的な基質には、レーヨン、綿、シリカ、エラストマー、セラック、アンバー、天然もしくは合成のゴム、セルロース、ベークライト、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、または他の材料もしくはそれらの組合せで作られたものが含まれる。いくつかの実施形態では、基質は、レーヨンチップまたは綿チップを有するスワブである。
いくつかの実施形態では、試料を含む基質は1回以上凍結融解され(例えば、凍結された後、試料を含む基質が融解し、本方法に従って使用されて再凍結され)るか、または本方法において使用される。
別の態様では、様々な溶菌液が記載されており、当業者に知られている。核酸を試料から単離するために、これらの周知の溶菌液のいずれかを本方法とともに採用することができる。例示的な溶菌液には、INVITROGEN(登録商標)、QIAGEN(登録商標)、LIFE TECHNOLOGIES(登録商標)および他の製造業者によって販売されるものなどの市販のもの、ならびに研究環境における熟練者によって生成することができるものが含まれる。溶菌緩衝液もまた十分に説明され、様々な溶菌緩衝液は、開示された方法で用途を見出すことができ、この方法は例えば、Molecular Cloning(全3巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2012年)およびCurrent Protocols(Genetics and Genomics、Molecular Biology、2003年~2013年)に開示されており、これらは両方とも、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
細胞溶菌は、核酸を細胞内から回収するために一般に行われる方法である。多くの場合、細胞は溶菌液、一般に界面活性剤を含むアルカリ溶液、または溶菌酵素の溶液と接触する。このような溶菌液は、一般的には塩、界面活性剤および緩衝剤、ならびに当業者が理解して使用する他の薬剤を含む。完全溶菌および/または部分的溶菌の後、核酸は溶菌液から回収される。
いくつかの実施形態では、細胞は、pHが約pH4~約10、約5~約9、約6~約8または約7~約9の範囲である水性緩衝液に再懸濁される。
いくつかの実施形態では、緩衝塩濃度は、約10mM~約200mM、約10mM~約100mM、または約20mM~約80mMである。
いくつかの実施形態では、緩衝液は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはエチレングリコール四酢酸(EGTA)などのキレート剤をさらに含む。
いくつかの実施形態では、溶菌液は、蔗糖、およびマルチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトールおよび/またはイソマルトなどの糖アルコールを含むがこれらに限定されないポリオールなどの細胞からの核酸放出に役立つ他の化合物をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリオールは、約2%~約15%w/w、約5%~約15%w/wまたは約5%~約10%w/wの範囲にある。
いくつかの実施形態では、溶菌液は、例えば限定ではないが、Triton X-100、SDS、CTAB、X-114、CHAPS、DOCおよび/またはNP-40などの界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、このような界面活性剤は、約1%~約5%w/w、約1%~約4%w/wまたは約1%~約3%w/wの範囲にある。
実施形態では、溶菌液は、例えば限定ではないが、尿素、ドデシル硫酸ナトリウムおよび/またはチオ尿素などのカオトロープをさらに含む。いくつかの実施形態では、カオトロープは、約0.5M~8M、約1M~約6M、約2M~約6Mまたは約1M~3Mの範囲の濃度で使用される。
いくつかの実施形態では、溶菌液は1つ以上の追加の溶菌試薬をさらに含み、このような溶菌試薬は当技術分野でよく知られている。いくつかの実施形態では、このような溶菌試薬には、例えば限定ではないがリゾチームなどの細胞壁溶菌酵素が含まれる。いくつかの実施形態では、溶菌試薬は、0.5%のドデシル硫酸ナトリウムを含む0.1水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性洗剤溶液を含む。
いくつかの実施形態では、溶菌液は、蔗糖液などの糖水溶液およびEDTAなどのキレート剤、例えばSTET緩衝液をさらに含む。特定の実施形態では、溶菌試薬は、細胞懸濁液を所望の濃度の2倍の溶菌液(例えば0.2水酸化ナトリウム、1.0%ドデシル硫酸ナトリウム)の等量と混合することにより調製される。
いくつかの実施形態では、所望の程度の溶菌が達成された後、溶菌液および溶菌細胞を含む混合物を中和または消光試薬と接触させて、溶菌試薬が所望の産物に悪影響を及ぼさないように条件を調整する。いくつかの実施形態では、pHは、約5~約9、約6~約8、約5~約7、約6~約7、または約6.5~7.5のpHに調整されて、例えば核酸を含むがこれに限定されない細胞含有物の分解を最小限に抑え、および/または防止する。いくつかの実施形態では、溶菌試薬がアルカリ溶液を含む場合、中和試薬は酸性緩衝液、例えばアルカリ金属酢酸塩/酢酸緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、溶菌試薬の温度および組成などの溶菌条件は、例えば核酸を含むがこれに限定されない、所望の産物の分解を最小限に抑えながら溶菌が実質的に完了するように選択される。
上述の任意の組み合わせは、当業者が採用することができ、他の既知の日常的な方法と組み合わせることもでき、このような組み合わせは本発明によって想定される。
別の態様では、例えばゲノムDNAを含むがこれに限定されない核酸は、後続の解析を実施する前に溶菌緩衝液から単離される。いくつかの実施形態では、例えば限定ではないが、リアルタイムPCR解析などの追加の解析を実施する前に、核酸は溶菌緩衝液から単離される。少量の核酸の単離に有用な様々な方法のいずれかが、開示された方法の様々な実施形態によって使用される。これらには、沈殿、ゲルろ過、密度勾配および固相結合が含まれるが、これらに限定されない。このような方法は、例えば、Molecular Cloning(全3巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2012年)およびCurrent Protocols(Genetics and Genomics、Molecular Biology、2003年~2013年)にも記載されており、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
核酸沈殿は、当業者に知られている単離のための周知の方法である。様々な固相結合法もまた当該技術分野で知られており、ビーズ(例えばシリカ、磁性体)、カラム、膜の形態、または当該技術分野で知られている任意の他の様々な物理的形態における固相を利用する固相結合法を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、開示された方法において使用される固相は、核酸を可逆的に結合する。このような固相の例には、いわゆる「混合床」固相が含まれ、少なくとも2つの異なる固相の混合物であり、それぞれが異なる溶液条件下での核酸に対する能力と、異なる条件下での核酸放出能および/または放出能力を有し、例えば、米国特許出願第2002/0001812号に記載されており、その全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。開示された方法による核酸に対する固相の親和性は、溶質を基質に結合するために一般的に使用される多くの手段のいずれか1つによるものとすることができる。このような手段の例には、イオン性相互作用(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィ)および疎水性相互作用(例えば、逆相クロマトグラフィ)、pH値の差および変化、塩の差および変化(例えば、濃度変化、カオトロピック塩/カオトロピック剤の使用)が含まれるが、これらに限定されない。pHに基づいた例示的な固相には、これには限定されないがINVITROGEN ChargeSwitch Normalized Buccal Kit magnetic beadsで使用されるものが含まれ、これは、低pH(<6.5)で核酸と結合し、高pH(>8.5)で核酸を放出し、モノ-アミノ-N-アミノエチル(MANAE)は7.5よりも低いpHで核酸と結合し、8よりも大きいpHで核酸を放出する。イオン交換を基にした例示的な基質には、PHARMACIA(ニュージャージー州ピスカタウェイ)製のDEA-SEPHAROSE(商標)、Q-SEPHAROSE(商標)およびDEAE-SEPHADEX(商標)、Dow Chemical Company(ミシガン州ミッドランド)製のDOWEX(登録商標)I、Rohm&Haas(ペンシルベニア州フィラデルフィア)製のAMBERLITE(登録商標)、Duolite International,In.(オハイオ州クリーブランド)製のDUOLITE(登録商標)、DIALON TIおよびDIALON TIIが含まれるが、これらに限定されない。
単独で、もしくは他の方法と組み合わせて使用するために任意の個別の方法が考えられ、このような有用な組合せは、当業者によく知られ、かつ理解されている。
別の態様では、開示された方法は、ゲノム解析を含む様々な核酸解析用のゲノムDNA(gDNA)などの核酸を単離するために使用される。いくつかの実施形態では、このような解析には、欠失、挿入、転換および転位を含むがこれらに限定されない様々な遺伝的突然変異の検出が含まれる。いくつかの実施形態では、突然変異は一塩基多型(SNP)である。
例えば限定ではないがゲノムDNA(gDNA)などの単離された核酸を解析するための様々な方法は、当技術分野で知られており、核酸配列決定方法(次世代シークエンシング方法を含む)、PCR法(リアルタイムPCR解析、マイクロアレイ解析、ハイブリダイゼーション解析を含む)ならびに、核酸組成物が解析されかつ当業者に知られている様々な他の方法を含む、当技術分野で知られている任意の他の核酸配列解析方法を含む。例えば、Molecular Cloning(全3巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2012年)およびCurrent Protocols(Genetics and Genomics、Molecular Biology、2003年~2013年)を参照されたい。
一態様では、本明細書に記載されたSNPを配列決定によって検出してもよい。例えば、ハイスループットシークエンシングもしくは次世代シークエンシング(NGS)は、遺伝子内の突然変異を検出するための魅力的な選択肢を示している。配列内容を全て間接的に推測するPCR、マイクロアレイ、高分解能融解および質量分析法とは異なり、NGSは各塩基の同一性および遺伝子内に含まれる順序を直接確認する。市場で最新のプラットフォームは10,000倍以上のエクソン領域を被覆する能力を有しており、つまり、配列内の各塩基位置の内容は数千回測定される。この高度な被覆率により、共通配列が非常に正確になり、不均一試料中の希少変異体の検出が可能になる。例えば、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織から抽出された試料では、多くの場合、関心のある突然変異が存在する頻度は1%しかない。この試料が10,000Xの被覆率で配列決定される場合、試料の1%しか含まない希少対立遺伝子であっても、100回繰り返し一意に測定される。したがって、NGSは非常に高感度で信頼性の高い正確な結果を提供するので、FFPEおよび他の混合試料の臨床診断検査に最適である。
次世代シークエンシング(NGS)技術と呼ばれることが多い配列決定技術の例には、合成によるシークエンシング(SBS)、大規模並列シグネチャシークエンシング(MPSS)、ポロニーシークエンシング、パイロシークエンシング、可逆的色素停止剤シークエンシング、SOLiDシークエンシング、イオン半導体シークエンシング、DNAナノボールシークエンシング、Helioscope一分子シークエンシング、一分子リアルタイム(SMRT)シークエンシング、一分子リアルタイム(RNAP)シークエンシングおよびナノポアDNAシークエンシングが含まれるが、これらに限定されない。
MPSSは、アダプタ連結およびその後のアダプタ解読、4ヌクレオチド単位での配列の読取りの複雑な手法を使用するビーズを基にした方法であり、この方法により、配列特異的な偏りまたは特定の配列の損失の影響を受けやすくなった。
ポロニーシークエンシングは、インビトロ対タグライブラリをエマルションPCR、自動化顕微鏡および連結に基づいた配列決定化学と組み合わせて、大腸菌ゲノムを99.9999%を超える精度で、かつサンガーシークエンシングの約1/10のコストで配列決定した。
パイロシークエンシングの並列化版であるこの方法は、油剤の水滴中のDNAを増幅させ(エマルションPCR)、各液滴は、単一のプライマー塗布ビーズに付着してクローンコロニーを形成する単一のDNAテンプレートを含む。配列決定機器は、各々が単一のビーズおよび配列決定用酵素を含む多数のピコリットル容量のウェルを含む。パイロシークエンシングでは、ルシフェラーゼを使用して、新生DNAに添加された個々のヌクレオチドを検出するための光を生成し、組み合わされたデータを使用して配列の読取りを発生させる。この技術は、一方の端でサンガーシークエンシングと比較し、かつ他方の端でSolexaおよびSOLiDと比較して中間の読取り長および塩基あたりの価格を提供する。
SBSは、可逆的な色素停止剤に基づいた配列決定技術である。DNA分子は最初にフローセル上のプライマーに付着して増幅され、これにより、局所的なクローンコロニーが形成される。4種類の可逆的停止塩基(RT塩基)が添加され、組み込まれていないヌクレオチドは洗い流される。パイロシークエンシングとは異なり、DNAは一度に1ヌクレオチドしか伸長することができない。カメラは蛍光標識ヌクレオチドの画像を撮影し、次いで、色素は末端の3’ブロッカーとともにDNAから化学的に除去され、次のサイクルが可能になる。
SOLiD技術は、連結による配列決定を採用している。ここで、固定長の全ての可能なオリゴヌクレオチドのプールは、配列決定された位置に従って標識される。
オリゴヌクレオチドはアニールされかつ連結され、配列を一致させるためのDNAリガーゼによる優先的連結により、その位置のヌクレオチドを知らせる信号が得られる。配列決定の前に、DNAはエマルションPCRによって増幅される。結果として生じたビーズはそれぞれ同じDNA分子のコピーのみを含み、スライドガラスに置かれる。結果、イルミナシークエンシングに匹敵する量および長さの配列が得られる。
イオン半導体シークエンシングは、標準の配列決定化学を使用することに基づいているが、新規の半導体に基づいた検出システムを使用している。この配列決定方法は、他の配列決定システムで使用される光学的方法とは対照的に、DNAの重合中に放出される水素イオンの検出に基づいている。配列決定されるテンプレートDNA鎖を含むマイクロウェルは、1種類のヌクレオチドであふれている。導入されたヌクレオチドが主要なテンプレートヌクレオチドに相補的である場合、成長中の相補鎖に組み込まれる。これにより、水素イオンが放出され、反応が生じたことを示す超感受性イオンセンサがトリガされる。ホモポリマーの繰り返しがテンプレート配列に存在する場合、複数のヌクレオチドは単一のサイクルに組み込まれる。これにより、対応する数の水素が放出され、かつ比例的に電子信号が増加する。
DNAナノボールシークエンシングは、生物の全ゲノム配列を決定するために使用されるハイスループットシークエンシング技術の一種である。この方法は、ローリングサークル複製を使用してゲノムDNAの小断片をDNAナノボールに増幅させる。次いで、連結による非鎖状シークエンシングを使用してヌクレオチド配列を決定する。このDNA配列決定の方法により、多数のDNAナノボールをランごとに配列決定することができる。
Helicos Biosciences Corporationの一分子シークエンシングでは、フローセル表面に付着したpolyAテールアダプタが添加されたDNA断片を使用する。次の段階は伸長に基づく配列決定を含んでおり、蛍光標識ヌクレオチド(サンガー法と同様に一度に1つのヌクレオチド型)でフローセルを循環洗浄する。読取りは、Helioscopeシーケンサによって実施される。
一分子リアルタイム(SMRT)シークエンシングは、SBS方法に基づいている。DNAは、ウェルの底部に位置する捕捉ツールを含むウェル状の小型容器であるゼロモード導波路(ZMW)で合成される。配列決定は、(ZMWの底部に付着した)未修飾のポリメラーゼと、溶液中を自由に流れる蛍光標識ヌクレオチドとを使用して実施される。ウェルは、ウェルの底部で発生する蛍光のみが検出されるように構築されている。蛍光標識はDNA鎖への取込み時にヌクレオチドから分離され、未修飾のDNA鎖が残る。
ポリスチレンビーズに付着したRNAポリメラーゼ(RNAP)に基づく一分子リアルタイムシークエンシングでは、配列決定されたDNAの遠位端は別のビーズに付着し、両方のビーズが光学トラップに配置される。転写中のRNAPの動きにより、ビーズがより接近して相対距離が変化し、単一のヌクレオチド分解能で記録することができる。配列は、(サンガース法と同様に)4つのヌクレオチド型のそれぞれの濃度を低下させた4つの読取りに基づいて推定される。
ナノポアシークエンシングは、シクロデキストリンと共有結合したアルファ溶血素ポアを通過するヌクレオチドで発生する電気信号の読出しに基づいている。ナノポアを通過するDNAは、イオン電流を変化させる。この変化は、DNA配列の形状、大きさおよび長さに依存する。ヌクレオチドの各型は、ナノポアを通るイオンの流れを異なる期間にわたって遮断する。
VisiGen Biotechnologiesでは、特別に設計されたDNAポリメラーゼを使用している。このポリメラーゼはセンサとして機能し、その活性中心にドナー蛍光色素が組み込まれている。このドナー色素は、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)によって作用し、異なる標識ヌクレオチドの蛍光を誘導する。この手法により、ポリメラーゼがヌクレオチドを配列に組み込む速度(1秒あたり数百回)で読取りを実施することが可能になる。ヌクレオチド蛍光色素は、DNA鎖への組込み後に放出される。
質量分析法を使用して、連鎖停止反応で生成されたDNA断片間の質量差を決定してもよい。
SBS技術は、既存のパイロシークエンシングに基づいたNGSプラットフォームの制限を克服することが可能である。
このような技術は、読取りのための複合酵素カスケードに依存しており、ホモポリマー領域におけるヌクレオチド数の正確な決定には信頼性がなく、個々のヌクレオチドを成長中のDNA鎖全体に行き渡らせるのに過度な時間が必要である。SBS NGSプラットフォームは、直接配列決定法を使用して、非常に高精度で、急速で、かつ低コストな配列決定方法を作り出す。
1つの例示的なSBSシークエンシングは、テンプレートDNAの断片化、増幅、DNA配列決定プライマーのアニーリング、および、例えばスポットの高密度アレイとしてガラスチップに最終的に固定することによって初期化される。DNA断片のアレイは、4つの可能なヌクレオチド全てを識別することができる蛍光色素に結合した切断可能な化学部分を含む修飾ヌクレオチドで各断片を伸長することによって配列決定される。アレイを高解像度電子カメラ(Measure)によって連続的にスキャンして、伸長したDNA断片に新たに組み込まれた各塩基(A、C、GまたはT)の蛍光強度を決定する。各修飾塩基の組込み後、アレイは切断化学反応にさらされて、蛍光色素および末端キャップが破壊され、追加の塩基を添加することが可能になる。この工程は、断片が完全に配列決定されるか、または読取り長が最大になるまで繰り返される。
別の態様では、リアルタイムPCRは、例えばSNPを含むがこれに限定されない遺伝子突然変異の検出において使用される。いくつかの実施形態では、特異遺伝子候補中のSNPの検出は、繋留消光部分を使用することによる蛍光分子の分子内消光の使用に基づいて、リアルタイムPCRを使用して実施される。したがって、例示的な実施形態によれば、リアルタイムPCR法には分子ビーコン技術の使用も含まれる。分子ビーコン技術は、目的のDNA標的に結合することによって蛍光が復元される内部消光蛍光色素分子を含むヘアピン状分子を利用する(例えば、Kramer,R.らによる、Nat.Biotechnol、第14巻、第303~308頁、1996年を参照)。いくつかの実施形態では、蓄積しているPCR産物に対する分子ビーコンプローブの増強された結合を使用して、ゲノムDNAに存在するSNPを特異的に検出する。
リアルタイムPCRアッセイの設計については、多くの場合アンプリコンと呼ばれる、2つのプライマーによって挟まれた後に増幅されるDNA断片を含むいくつかの部分が調整され、2つのプライマーおよび1つまたは複数の検出プローブが使用されるべきである。
いくつかの実施形態では、被験者由来の試料中のSNP部位は、本明細書に記載された増幅方法もしくは当技術分野で知られている任意の他の増幅方法によって増幅されてもよい。試料中の核酸は、普遍的な増幅方法(例えば、全ゲノム増幅および全ゲノムPCR)を使用して、SNP部位を本明細書に記載されたプローブと接触させる前に増幅されてもよいし、されなくてもよい。
リアルタイムPCRは、配列特異的な様式でゲノムの対立遺伝子と結合する短いポリヌクレオチド(「検出プローブ」と称する)に結合した蛍光色素の視覚的な発光に依存しているか、または定量PCRもしくはqPCRと呼ばれる二本鎖DNAに挿入される蛍光分子に依存している。単一のヌクレオチドごとに異なるリアルタイムPCRプローブは、異なる波長で蛍光を発するプローブの結合および検出により、リアルタイムPCRアッセイにおいて区別することができる。リアルタイムPCRは、検出用途(診断用途)、定量化用途、および遺伝子型決定用途における使用が見出されている。
リアルタイムPCRを実施するための関連するいくつかの方法は、TAQMAN(登録商標)プローブ(米国特許第5,210,015号明細書および米国特許第5,487,972号明細書、ならびにLeeらによる、Nucleic Acids Res.、第21巻第3761~6頁、1993年)、分子ビーコンプローブ(米国特許第5,925,517号明細書および米国特許第6,103,476号明細書、ならびにTyagiおよびKramerによる、Nat.Biotechnol.、第14巻第303~8頁、1996年)、自己プローブ型アンプリコン(scorpions)(米国特許第6,326,145号明細書、およびWhitcombeらによる、Nat.Biotechnol.、第17巻第804~7頁、1999年)、Amplisensor(ChenらによるAppl.Environ.Microbiol.、第64巻第4210~6頁、1998年)、Amplifluor(米国特許第6,117,635号明細書、およびNazarenkoらによる、Nucleic Acids Res.、第25巻第2516~21頁、1997年)、置換ハイブリダイゼーションプローブ(Liらによる、Nucleic Acids Res.、第30巻、E5、2002年)、DzyNA-PCR(Toddらによる、Clin.Chem.、第46巻第625~30頁、2000年)、蛍光制限酵素検出(Cairnsらによる、Biochem.Biophys.Res.Commun.、第318巻第684~90頁、2004年)、および近接ハイブリダイゼーションプローブ(米国特許第6,174,670号明細書、およびWittwerらによる、Biotechniques、第22巻第130~1頁、第134~8頁、1997年)に依存するアッセイを含むものが、当該技術分野において開示されている。
多くの適切な遺伝子型決定手順の1つは、TAQMAN(登録商標)対立遺伝子識別アッセイである。このアッセイのいくつかの例では、プローブの5’末端に蛍光レポーター色素で標識され、プローブの3’末端で消光色素によって標識されたオリゴヌクレオチドプローブが利用される。消光剤が無傷のプローブに近接していることにより、レポーター用の蛍光性が低く維持される。PCR反応の間、DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性によりプローブが切断され、色素と消光剤とが分離される。これにより、レポーターの蛍光性が増加する。PCR産物の蓄積は、レポーター色素の蛍光性の増加を監視することによって直接検出される。DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性は、プローブが標的にハイブリダイズし、かつPCRの間に増幅される場合にのみ、レポーターと消光剤との間でプローブを切断する。プローブは、特定のSNP対立遺伝子が存在する場合にのみ標的SNP位置にまたがり、かつ核酸分子にハイブリダイズするように設計されている。
リアルタイムPCR法には、様々な段階もしくはサイクルが増幅方法の一部として含まれる。これらのサイクルには、二本鎖核酸を変性させること、フォワードプライマー、リバースプライマーおよび検出プローブを標的ゲノムDNA配列にアニーリングすること、および、アニールされたフォワードプライマーおよびリバースプライマーから第二鎖DNAを合成(すなわち、複製)することが含まれる。この3段階の工程は、本明細書ではサイクルと呼ばれる。
いくつかの実施形態では、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、または60サイクルが採用される。いくつかの実施形態では、約10~約60サイクル、約20~約50または約30~約40サイクルが採用される。いくつかの実施形態では、40サイクルが採用される。
いくつかの実施形態では、二本鎖核酸の変性段階は、約80℃~100℃、約85℃~約99℃、約90℃~約95℃の温度で、約1秒~約5秒、約2秒~約5秒、または約3秒~約4秒の間に生じる。いくつかの実施形態では、二本鎖核酸の変性段階は、95℃の温度で約3秒間生じる。
いくつかの実施形態では、フォワードプライマー、リバースプライマーおよび検出プローブを標的ゲノムDNA配列にアニーリングする段階は、約40℃~約80℃、約50℃~約70℃、約55℃~約65℃で、約15秒~約45秒、約20秒~約40秒、約25秒~約35秒の間に生じる。いくつかの実施形態では、フォワードプライマー、リバースプライマーおよび検出プローブを標的ゲノムDNA配列にアニーリングする段階は、約60℃で約30秒間生じる。
いくつかの実施形態では、アニールされたフォワードプライマーおよびリバースプライマーから第二鎖DNAを合成(すなわち、複製)することは、約40℃~約80℃、約50℃~約70℃、約55℃~約65℃で、約15秒~約45秒、約20秒~約40秒、約25秒~約35秒の間に生じる。いくつかの実施形態では、フォワードプライマー、リバースプライマーおよび検出プローブを標的ゲノムDNA配列にアニーリングする段階は、約60℃で約30秒間生じる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された本方法に従って調製した約1μL、約2μL、約3μL、約4μLまたは約5μLのゲノムDNA試料が、わずか約0.05μL、約0.10μL、約0.15μL、約0.20μL、約0.25μLまたは約0.25μLの30X、35X、40X、45X、50Xまたは100XリアルタイムPCRアッセイミックスおよび蒸留水と混合されて、PCRマスターミックスを形成することが判明した。いくつかの実施形態では、PCRマスターミックスは、最終体積が約5μL、約6μL、約7μL、約8μL、約9μL、約0μL、約11μL、約12μL、約13μL、約14μL、約15μL、約16μL、約17μL、約18μL、約19μL、もしくは約20μL、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、上記のように調製された2μLのゲノムDNA試料は、PCRマスターミックスを形成するために、わずか約0.15μLの40XリアルタイムPCRアッセイミックスおよび2.85μLの蒸留水と混合されることが見出された。
例示的な反応が本明細書に記載されているが、当業者は、プローブ設計に基づいて温度および時間を変更する方法を理解するであろう。さらに、本方法は、上述の時間および温度の任意の組み合わせを想定している。
いくつかの実施形態では、プライマーは実験環境において試験され、かつ設計される。いくつかの実施形態では、プライマーはインシリコ方法に基づいてコンピュータによって設計される。プライマー配列は、増幅されるアンプリコンもしくは標的核酸配列の配列に基づいている。通常、長いアンプリコンと比較して、短いアンプリコンはより効率的に複製し、かつより効率的な増幅をもたらす。
プライマーの設計において、当業者は、二次構造の考慮事項(GC含量の増加は、二次構造の増加の原因となり得る)と同様に設計されるプライマーのGC含量およびAT含量に基づいて、融解温度(T:プライマー標的二重鎖の半分が解離して一本鎖になり、二重鎖の安定性の指標となる温度であり、Tの増加は安定性の増大を示す)を考慮する必要があることを理解するであろう。T’は、当技術分野で知られている様々な方法を使用して計算され、当業者はこのような様々なTの計算方法を容易に理解するであろうし、このような方法は、例えばこれには限定されないが、promega.com/techserv/tools/biomath/calc11.htmのワールドワイドウェブで利用可能なT計算機などのオンラインツールで利用可能なものが含まれる。プライマーの特異性は、Taqポリメラーゼにより伸長する部分である3’末端配列と組み合わせた完全な配列によって定義される。いくつかの実施形態では、3’末端は、誤った増幅産物の偽プライミングおよび生成を軽減するのに役立つように、標的配列内の他のいずれにも見られない少なくとも5~7個の特異なヌクレオチドを有していなければならない。通常、フォワードプライマーおよびリバースプライマーは、標的と同様の効率で結合する。いくつかの例では、例えばNCBI BLASTなどのツール(ncbi.nlm.nih.govのワールドワイドウェブ上にある)を採用して、アラインメントを実施し、かつプライマー設計に役立てる。
当業者は、標的核酸配列のプライマー設計に関する基礎を十分に承知しており、このような方法に対して広範な教示を持つ様々な参照マニュアルおよびテキストには、例えば、Molecular Cloning(全3巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2012年)、Current Protocols(Genetics and Genomics、Molecular Biology、2003~2013年)、Real-Time PCR in Microbiology:From Diagnostics to Characterization(Ian M.MacKayによる、Calster Academic Press、2007年)、primerdigital.com/tools/PrimerAnalyser.htmlのワールドワイドウェブ上で使用可能なプライマーアナライザJavaツール、および、Kalendar Rらによる(Genomics、第98巻第2号第137~144頁(2011年))があり、その全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
プライマー設計の追加の側面は、プライマーの複雑性または言語的配列の複雑性である(Kalendar Rら(Genomics、第98巻第2号第137~144頁(2011年))を参照)。言語的配列の複雑性が大きいプライマー(例えばヌクレオチドの配列および組成)は、通常はより効率的である。いくつかの実施形態では、言語的配列の複雑性の計算方法は、単純反復配列、不完全直接反復配列もしくは逆方向反復配列、ポリプリンおよびポリピリミジン三本鎖cDNA構造、および四本鎖構造(例えば、G四重鎖)を含む低複雑領域の検出用の比較配列間の保存領域を探索するために使用される。いくつかの実施形態では、言語的複雑性(LC)の測定は、アルファベットキャパシティL-グラム法を使用して(A.Gabrielian、A.Bolshoyらによる、Computer&Chemistry、第23巻第263~274頁(1999年)、および、Y.L.Orlov、V.N.Potapovらによる、Complexity:an internet resource for analysis of DNA sequence complexity、Nucleic Acids Res.、第32巻第W628~W633頁(2004年)参照)、全長配列に沿って実施され、この配列の長さの期待値合計(E)で除算された配列内の1~Lの大きさの単語の観察範囲(xi)の合計として計算される。いくつかのGリッチ(およびCリッチ)な核酸配列は、Gカルテットのスタックを含む四本鎖DNA構造に折り畳まれる(quadruplex.orgのワールドワイドウェブ参照)。いくつかの例では、これらの四重鎖は、2個もしくは4個のDNA分子の分子間結合、2つのG塩基を含む配列の二量化によって、またはグアニンの4ブロックを含む一本鎖の分子間折り畳みにより形成され(P.S.Hoによる、PNAS、第91巻第9549~9553頁(1994年)、I.A.Il’icheva、V.L.Florent’evらによる、Russian Journal of Molecular Biology、第26巻第512~531頁(1992年)、D.Sen、W.Gilbertらによる、Methods Enzymol.、第211巻第191~199頁(1992)、P.A.Rachwal、K.R.Foxらによる、Methods、第43巻第291~301頁(2007年)、S.Burge、G.N.Parkinson、P.Hazel、A.K.Todd、K.Neidleらによる、Nucleic Acids Res.、第34巻第5402~5415頁(2006年)、A.Guedin、J.Gros、P.Alberti、J.Mergnyらによる、Nucleic Acids Res.、第38巻第7858~7868頁(2010年)、O.Stegle、L.Payet、J.L.Mergny、D.J.MacKay、J.H.Leonらによる、Bioinformatics、第25巻第i374~i382頁(2009年)を参照)、いくつかの例では、これらの四重鎖は、言語的複雑性がLC=32% for(TTAGGG)と低いために、プライマー設計から除外される。
これらの方法は、CG含量および融解温度に関する、GCスキュー(G-C)/(G+C)、ATスキュー(A-T)/(A+T)、CG-ATスキュー(S-W)/(S+W)、またはプリン-ピリミジン(R-Y)/(R+Y)スキューを有する配列におけるパターン解析用の様々なバイオインフォマティクスツールを含み、言語的配列の複雑性プロファイルを決定するためのツールを提供する。例えば、nが正の整数であるn塩基のスライディングウィンドウにおけるGCスキューは、ウィンドウ内の全配列についてGがグアニンの総数であり、かつCがシトシンの総数である式(G-C)/(G+C)に従って、1塩基の手順で計算される(Y.Benitaらによる、Nucleic Acids Res.、第31巻第e99頁(2003年))。正のGCスキュー値がG塩基の過剰を示す一方で、負のGCスキュー値は、C塩基の過剰を示した。同様に、配列において他のスキューが計算される。他の方法と同様に、このような方法が採用されて、いくつかの実施形態においてプライマーの複雑性を決定する。
非限定的な例示的実施形態によれば、リアルタイムPCRは、エキソヌクレアーゼプライマー(TAQMAN(登録商標)プローブ)を使用して実施される。このような実施形態では、プライマーは、Taqなどの熱安定性ポリメラーゼの5’エキソヌクレアーゼ活性を利用して、増幅反応に存在する二重標識プローブを切断する(例えば、Wittwer,C.らによる、Biotechniques、第22巻第130~138頁、1997年を参照)。PCR産物に相補的である一方で、このアッセイで使用されるプライマープローブはPCRプライマーとは異なり、蛍光可能な分子と蛍光を消光することが可能な分子との両方で二重標識されている。プローブが無傷の場合、DNAプローブ内の蛍光信号の分子内消光は信号をほとんどもたらさない。蛍光分子が増幅中にTaqのエキソヌクレアーゼ活性によって遊離すると、消光が大幅に減少して蛍光信号が増加することになる。蛍光プローブの非限定的な例には、6-カルボキシ-フルオレセイン部分などが含まれる。例示的な消光剤には、Black Hole Quencher1部分などが含まれる。
様々なPCRプライマーは、開示された方法で用途を見出すことができる。例示的なプライマーには、本明細書に記載されたものが含まれるが、これらに限定されない。
様々な検出プローブは、開示された方法で用途を見出すことができ、遺伝子型決定および/または定量化に使用される。当業者が一般に採用する検出プローブには、加水分解プローブ(TAQMAN(登録商標)プローブ、5’ヌクレアーゼプローブまたは二重標識プローブとしても知られている)、ハイブリダイゼーションプローブ、およびScorpionプライマー(1個の分子内でプライマーと検出プローブとを組み合わせたもの)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、検出プローブは様々な修飾を含む。いくつかの実施形態では、検出プローブには、2’-O-メチルリボヌクレオチド修飾、ホスホロチオエート骨格修飾、ホスホロジチオエート骨格修飾、ホスホルアミデート骨格修飾、メチルホスホネート骨格修飾、3’末端リン酸修飾および/または3’アルキル置換などの修飾された核酸残基が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、検出プローブは、修飾のために標的配列に対する親和性が増大している。このような検出プローブには、化学修飾を含む検出プローブだけでなく、長さが増加した検出プローブも含まれる。このような修飾には、2’-フルオロ(2’-デオキシ-2’-フルオロ-ヌクレオシド)修飾、LNA(ロックド核酸)、PNA(ペプチド核酸)、ZNA(zip核酸)、モルホリノ、メチルホスホネート、ホスホルアミデート、ポリカチオン共役体、および2’-ピレン修飾が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、検出プローブは、2’フルオロ修飾(別名、2’-デオキシ-2’-フルオロ-ヌクレオシド)、LNA(ロックド核酸)、PNA(ペプチド核酸)、ZNA(zip核酸)、モルホリノ、メチルホスホネート、ホスホルアミデート、および/またはポリカチオン共役体を含む1つ以上の修飾を含む。
いくつかの実施形態では、検出プローブは、本明細書に記載されたものなどの検出可能な部分、および当業者に知られている任意の検出可能な部分を含む。このような検出可能な部分には、例えば蛍光標識および化学発光標識が含まれるが、これらに限定されない。このような検出可能な部分の例はまた、FRET対の群を含むことができる。いくつかの実施形態では、検出プローブは検出可能な物質を含む。
蛍光標識の例としては、AMCA、DEAC(7-ジエチルアミノクマリン-3-カルボン酸)、7-ヒドロキシ-4-メチルクマリン-3、7-ヒドロキシクマリン-3、MCA(7-メトキシクマリン-4-酢酸)、7-メトキシクマリン-3、AMF(4’-(アミノメチル)フルオレセイン)、5-DTAF(5-(4,6-ジクロロトリアジニル)アミノフルオレセイン)、6-DTAF(6-(4,6-ジクロロトリアジニル)アミノフルオレセイン)、6-FAM(6-カルボキシフルオレセイン、aka FAM、TAQMAN(登録商標)FAM(商標)を含む)、TAQMAN VIC(登録商標)、5(6)-FAMカダベリン、5-FAMカダベリン、5(6)-FAMエチレンジアミン、5-FAMエチレンジアミン、5-FITC(FITC異性体I、フルオレセイン-5-イソチオシアネート)、5-FITCカダベリン、フルオレセイン-5-マレイミド、5-IAF(5-ヨードアセトアミドフルオレセイン)、6-JOE(6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン)、5-CR110-(5-カルボキシローダミン110)、6-CR110-(6-カルボキシローダミン110)、5-CR6G(5-カルボキシローダミン6G)、6-CR6G(6-カルボキシローダミン6G)、5(6)-カルボキシローダミン6Gカダベリン、5(6)-カルボキシローダミン6Gエチレンジアミン、5-ROX(5-カルボキシ-X-ローダミン)、6-ROX(6-カルボキシ-X-ローダミン)、5-TAMRA(5-カルボキシテトラメチルローダミン)、6-TAMRA(6-カルボキシテトラメチルローダミン)、5-TAMRAカダベリン、6-TAMRAカダベリン、5-TAMRAエチレンジアミン、6-TAMRAエチレンジアミン、5-TMR C6マレイミド、6-TMR C6マレイミド、TR C2マレイミド、TRカダベリン、5-TRITC、G異性体(テトラメチルローダミン-5-イソチオシアネート)、6-TRITC、R異性体(テトラメチルローダミン-6-イソチオシアネート)、ダンシルカダベリン(5-ジメチルアミノナフタレン-1-(N-(5-アミノペンチル))スルホンアミド)、EDANS C2マレイミド;フルオレスカミン、NBD、およびピロメテンならびにそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
化学発光標識の例には、サザンブロットおよびウェスタンブロットプロトコル(例えば全体が参照として本明細書に組み込まれる、SambrookおよびRussellらによる、Molecular Cloning、A Laboratory Manual(第3版)(2001年)参照)とともに使用される標識が含まれるが、これらに限定されない。例としては、-(2’-スピロアダマンタン)-4-メトキシ-4-(3”-ホスホリルオキシ)フェニル-1,2-ジオキセタン(AMPPD)、アクリジニウムエステル、およびアダマンチル安定化1,2-ジオキセタンならびにそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
プローブの標識は、当技術分野で知られている。標識プローブは、増幅中に増幅された領域内でハイブリダイズするために使用される。プローブは、増幅用プライマーとして作用するのを回避するように修飾されている。検出プローブは2つの蛍光色素で標識され、1つは他の色素の蛍光を消光することができる。一方の色素はプローブの5’末端に結合され、他方は内部部位に結合され、これにより、プローブが非ハイブリダイズ状態にある場合に消光が生じる。
通常、リアルタイムPCRプローブは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に関与する一対の色素(レポーター色素およびアクセプター色素)で構成されており、それによってアクセプター色素はレポーター色素の発光を消光する。一般に、蛍光標識したプローブはアンプリコン定量化の特異性を増大させる。
開示された方法のいくつかの実施形態において使用されるリアルタイムPCRには、本開示を考慮して当業者によって決定されるように、1つ以上のハイブリダイゼーションプローブ(すなわち、検出プローブ)の使用も含まれる。非限定的な例として、このようなハイブリダイゼーションプローブには、記載の方法において提供されたものの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。HEXチャネルおよび/またはFAMチャネルプローブなどの例示的なプローブは、当業者により理解されている。
例示的な実施形態によれば、検出プローブおよびプライマーは、例えばプライマー設計ソフトウェアを使用するインシリコ解析、ならびに国立生物工学情報センター(NCBI)に寄託された遺伝子およびゲノムの利用可能なヌクレオチドデータベースに対する相互参照を使用して都合よく選択される。いくつかの実施形態では、プライマーおよび/またはプローブの選択にいくつかの追加のガイドラインを使用してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、プライマーおよびプローブは、互いに近接しているが重複しないように選択される。いくつかの実施形態では、プライマーは、同じ(もしくは近い)T(例えば、約58℃~約60℃)を有してもよい。いくつかの実施形態では、プローブのTは、プライマーのTのために選択されたものよりも約10℃高い。いくつかの実施形態では、プローブおよびプライマーの長さは、約17~39個の塩基対などであるように選択される。これらおよび他のガイドラインは、適切なプライマーおよび/またはプローブを選択する際に、いくつかの例において当業者により使用される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたSNPは、上述の検出プローブを使用する融解曲線分析によって検出されてもよい。例えば、目的のSNPを含む領域にハイブリダイズした短いオリゴヌクレオチドプローブの融解曲線を分析してもよい。これらの反応では2つのプローブが使用され、それぞれが問題のSNPの特定の対立遺伝子に相補的である。完全に一致したプローブは、不一致のプローブと比較してより安定しており、かつ融解温度が高い。したがって、SNP遺伝子型は、一致したオリゴヌクレオチドプローブもしくは不一致のオリゴヌクレオチドプローブのアニーリングおよび融解によって生成される特徴的な融解曲線に応じて推測される。
一態様では、本明細書に記載された方法は、少なくとも1つの検出プローブを試料もしくはそのアンプリコンからのヌクレオチド分子にハイブリダイズし、かつ少なくとも1つの検出プローブを検出することによって本明細書に記載の2つ以上のSNPを検出することを含んでもよい。
別の態様では、診断検査を利用して、様々な突然変異のいずれかを検出することによって1つ以上の遺伝子状態を決定する。いくつかの実施形態では、診断検査は、特定の条件が、例えば物理的症状、徴候および/または症状、ならびに家族歴情報に基づいて疑われる場合に、診断を確定するために使用される。いくつかの実施形態では、診断検査の結果は、医療分野の当業者が任意の患者に対する適切な治療計画を決定するのに役立ち、個々の患者に合わせたより効果的な治療計画を可能にする。いくつかの実施形態では、治療計画には、当業者によって決定されるような、様々な薬剤治療、外科的治療、ライフスタイルの変更、またはそれらの組合せのいずれかが含まれる。
開示された方法により得られた核酸は、欠失、挿入、転換および転位などの突然変異を検出するための検査を含む様々な診断検査に有用である。いくつかの実施形態では、このような診断は、将来的に発現する疾患の2つのコピーを必要とする疾患について1つの遺伝子コピーを保有する非罹患者を特定するのに有用であり、情報が治療計画、着床前遺伝子診断、出生前診断検査、新生児検診、(遺伝的系譜目的の)家系DNA検査、KCを予測するかまたは診断するための発症前検査の発展に用途を見出すことができる疾患について、1つの遺伝子コピーを保有する非罹患者を特定する。
いくつかの実施形態では、新生児を検査することができる。いくつかの実施形態では、新生児検診には、遺伝性疾患を特定するために出生直後に採用される任意の遺伝子検査が含まれる。いくつかの実施形態では、新生児検診は遺伝性疾患の特定に用途が見出され、これにより、治療計画が人生の早い時期に決定される。このような検査には、フェニルケトン尿症と先天性甲状腺機能低下症について乳児を検査することが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、遺伝子突然変異の単一のコピーを保有する人々を特定するために、保因者検査が採用される。場合によっては、2つのコピーが存在する場合に突然変異が遺伝性疾患を引き起こす可能性がある。場合によっては、遺伝性疾患を引き起こすには1つのコピーで十分である。場合によっては、アベリノ型の突然変異の存在などの2つのコピーの存在は特定の治療計画には禁忌とされており、適切な治療計画を確実に実施するために、外科的処置を行う前の事前検査が特定の被験者について追求される。いくつかの実施形態では、このような情報はまた、個体が生殖を熟考するのに有用であり、個体が情報に基づいた決定をするのに役立ち、医療分野の当業者が個々の被験者および被験者の血縁者に重要なアドバイスを提供するのに役立つ。
いくつかの実施形態では、予測検査および/または発症前検査を使用して、様々な疾患に関連する遺伝子突然変異を検出する。場合によっては、これらの検査は、遺伝性疾患のある家族を持っているが、検査時に疾患の特徴を示さない可能性のある人々に役立つ。いくつかの実施形態では、予測型検査は、例えば人が、特定の種類のがんを含むがこれに限定されない遺伝的根拠を含む疾患を発症する機会を増加させる突然変異を特定する。いくつかの実施形態では、発症前検査は、任意の身体的な徴候もしくは症状が現れる前に、人が遺伝性疾患を発症するかどうかを決定するのに有用である。予測型および発症前型の検査の結果は、人が特異的疾患を発症する危険性に関する情報を提供し、被験者および被験者の血縁者にとって適切な治療計画に関する意思決定を行うのに役立つ。予測検査はまた、いくつかの実施形態では、例えば治療的表層角膜切除術(PTK)および/またはレーザ屈折矯正角膜切除術(PRK)などであるがそれらに限定されない、レーシック(LASIK)手術および/または他の屈折矯正手術の実施には禁忌とされるアベリノ型の突然変異の存在など、特定の治療計画には禁忌とされる突然変異を検出するために採用される。例えば、アベリノ型の突然変異を示す被験者は、レーシック(LASIK)手術または他の屈曲矯正手術を受けるべきではない。同様に、場合によっては、KC突然変異を有する被験者は、レーシック(LASIK)手術または他の屈曲矯正手術を受けるべきではない。
いくつかの実施形態では、診断検査には、薬物応答に対する遺伝的変異の影響を決定する遺伝子検査を含む薬理ゲノミクスも含まれる。このような薬理ゲノミクス解析からの情報は、適切な治療計画の決定および策定に用途が見出される。医療分野の当業者は、適切な治療計画を設計する際に遺伝的変異の存在および/または非存在に関する情報を使用する。
いくつかの実施形態では、本開示の方法を使用して遺伝子プロファイルが決定される疾患には、KCが含まれる。
いくつかの実施形態では、本方法は、個体の遺伝子プロファイルを決定する際に使用されるゲノムDNAを提供することによって、個々の患者に合わせた薬物治療計画の策定に用途が見出される。いくつかの実施形態では、このような遺伝子プロファイル情報は、治療計画を決定し、および/または策定するために当業者によって使用される。いくつかの実施形態では、記載された方法によって単離された核酸において特定された様々な遺伝的変異および突然変異の存在および/または非存在は、個々の患者に合わせた薬物治療の計画もしくは予定の一部として当業者によって使用される。例えば、いくつかの実施形態では、開示された方法を使用して得られた情報は、特定の疾患の診断を決定するため、および/または治療計画を決定するためにデータベースまたは他の確立された情報と比較される。場合によっては、特定の被験者における遺伝的突然変異の存在および/または非存在に関する情報は、提案された治療計画に関する決定を下すためにデータベースまたは他の標準的な情報源と比較される。場合によっては、遺伝的突然変異の存在は特定の治療計画を追求することを示している。場合によっては、遺伝的突然変異の非存在は、特定の治療計画を追求しないことを示している。
いくつかの実施形態では、特定の遺伝的突然変異の存在および/または非存在に関する情報は、治療機関による治療の治療効果を決定し、かつ治療機関による治療のための治療計画を調整するために使用される。いくつかの実施形態では、遺伝的突然変異の存在および/または非存在に関する情報は、治療計画を追求するかどうかを決定するために採用される。いくつかの実施形態では、遺伝的突然変異の存在および/または非存在に関する情報は、治療計画を継続するかどうかを決定するために採用される。いくつかの実施形態では、遺伝的突然変異の存在および/または非存在は、治療計画を中止するかどうかを決定するために採用される。他の実施形態では、遺伝的突然変異の存在および/または非存在は、治療計画を変更するかどうかを決定するために採用される。いくつかの実施形態では、遺伝的突然変異の存在および/または非存在は、治療計画の一部として投与されている治療の投薬量を増加させるかまたは減少させるかを決定するために使用される。他の実施形態では、遺伝的突然変異の存在および/または非存在は、治療計画の一部として投与されている治療の投薬頻度を変更するかどうかを決定するために使用される。いくつかの実施形態では、遺伝的突然変異の存在および/または非存在は、1日あたり、1週間あたりの投薬回数、1日あたりの治療回数を変更するかどうかを決定するために使用される。いくつかの実施形態では、遺伝的突然変異の存在および/または非存在は、治療の投薬量を変更するかどうかを決定するために使用される。いくつかの実施形態では、遺伝的突然変異の存在および/または非存在は、治療計画の開始前および/または治療計画の開始後に決定される。いくつかの実施形態では、遺伝的突然変異の存在および/または非存在は、遺伝的突然変異の存在および/または非存在に関する所定の標準的な情報と比較されて決定される。
いくつかの実施形態では、複数の遺伝的突然変異の存在および/または非存在の複合体は、開示された方法を使用して生成され、このような複合体には、複数の遺伝的突然変異の存在および/または非存在に関する情報の任意の集合が含まれる。いくつかの実施形態では、例えば図1~図5の遺伝的突然変異を含む、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、20以上、30以上または40以上の遺伝的突然変異の有無が検査され、複合体の生成に使用される。いくつかの実施形態における例示的な情報には、核酸またはタンパク質の情報、または核酸および/またはタンパク質の遺伝的突然変異の両方に関する情報の組合せが含まれる。一般に、複合体には、遺伝的突然変異の存在および/または非存在に関する情報が含まれる。いくつかの実施形態では、これらの複合体は、治療計画を追求するか、維持するかまたは中止するために、所定の標準的な情報との比較に使用される。
いくつかの実施形態では、KCは、例えば本明細書に記載された2つ以上の遺伝的変異体の検出を通じて予測されおよび/または検出され、例えば、図1に記載されたものから選択された少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、50、100、150、200または250個の変異体を含むが、これらに限定されない。
本開示はまた、鑑別診断に役立つ方法を提供する。いくつかの実施形態では、KCは、本明細書に記載された2つ以上の遺伝的変異体の検出を通じて、エキシマレーザ治療後のペルーシド角膜辺縁変性、球状角膜、コンタクトレンズ誘発角膜変形、および/または角膜拡張症と区別され、例えば、図1に記載されたものから選択された少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、50、100、150、200または250個の変異体を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は、図2に記載された群から選択された少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、50、100、150、200または250個の遺伝的変異体であり、被験者はアフリカ系アメリカ人である。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は、図3に記載された群から選択された少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、50、100、150、200または250個の遺伝的変異体であり、被験者は白色人種(コーカサス人)である。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は、図4に記載された群から選択された少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、50、100、150、200または250個の遺伝的変異体であり、被験者はヒスパニックである。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体は、図5に記載された群から選択された少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、50、100、150、200または250個の遺伝的変異体であり、被験者は東アジア人である。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体の検出は、KCを診断するため、またはKCを発症する危険性を予測するために身体検査と組み合わされる。このような身体検査は、角膜曲率、角膜乱視、および角膜厚を評価するための補助検査だけでなく、目の検査も含むことができる。いくつかの実施形態では、被験者の最良の潜在的視力が評価される。目の検査の構成要素は、病歴(例えば、眼鏡の処方の変更、視力低下、目を擦った期間、医学的問題、アレルギー、および/または睡眠パターンなどを含む)、被験者の精神的状態および身体的状態に関連する側面の評価、距離を置いた場所での、および適切な場合に近距離および遠距離での現在の矯正(記録された現在の矯正力)を伴う視力、(指示がある場合は屈折矯正された)眼鏡および/またはハードコンタクトレンズもしくはガス透過性コンタクトレンズによる、最良の矯正視力の測定、ピンホール視力の測定、外部検査(まぶた、まつ毛、涙器、眼窩)、眼位および眼球運動性の検査、瞳孔機能の評価、眼圧の測定(IOP)、前部の細隙灯生体顕微鏡検査、拡張検査(例えば、水晶体、黄斑、周辺網膜、視神経、および硝子体の拡張検査などを含む)、および角膜曲率測定/コンピュータ角膜形状解析/コンピュータ断層撮影/超音波厚さ測定を含むことができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝的変異体の検出は、KCを診断するため、またはKCを発症する危険性を予測するために、KC発症の1つ以上の症状もしくは徴候と組み合わされる。いくつかの実施形態では、徴候はKCの初期徴候である。いくつかの実施形態では、KCの初期徴候には、強度の乱視もしくは進行性の乱視を伴う非対称屈折異常、強度の乱視および不正性(180度まで増加しない軸)を示す角膜曲率測定値、眼底検査または網膜検影法での赤色反射のシザリング、K読取りおよびコンピュータ角膜形状解析での、下部急峻化、傾斜した軸、または上昇した角膜曲率測定値、特に下角膜における角膜菲薄化(最大の角膜菲薄化は、最大急峻化部位もしくは最大隆起部位に対応する)、ペンライトが側頭部側から照射されている場合のRizzutiの徴候または鼻側角膜の円錐反射、フライシャーリング、コーンの基部周囲の上皮内に存在することが多い鉄堆積物が含まれるが、これらに限定されない。鉄堆積物の色は茶色であり、コバルトブルーのフィルタ、またはフォークト線条、基質中の微細でほぼ上下平行な線条によって最良に視覚化される(これらは通常、眼球に対する強い圧力によって消失し、この圧力がなくなると再び出現する)。いくつかの実施形態では、徴候はKCの後期徴候である。いくつかの実施形態では、KCの後期徴候には、マンソン徴候(下方視におけるまぶたの突出)、表面の瘢痕化、ボウマン膜の破損、急性水腫(デスメ膜の破損により房水がストーマに流入し、深刻な角膜肥厚、視力低下および疼痛の原因となる状態)、(角膜曲率を変更し、不正乱視を低減することによって、場合によっては逆説的に視力を改善することがある)急性水腫の解消後の間質瘢痕が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、KCを発症する危険性の増大に関連する2つ以上の遺伝的変異体の検出を使用して、KCを有すると疑われるか、将来的にKCを発症すると予測される個体の治療計画の決定に役立てることができる。
KC治療計画には、視力の提供および視野の維持を目的とした様々な治療計画が含まれる。軽度の場合は、眼鏡または乱視用ソフトコンタクトレンズを使用することができる。不正な角膜乱視をなくすためには、ほとんどの場合、硬質のガス透過性コンタクトレンズが必要である。ハードコンタクトレンズまたはガス透過性コンタクトレンズを着用することができる被験者の大半は、視力が劇的に改善されている。KCで見られる不正で急峻な角膜に良好に適合するように特殊なコンタクトレンズが開発されており、これらには、RoseK(商標)、(角膜形状解析および/または波面測定に基づく)特注設計のコンタクトレンズ、半強膜コンタクトレンズ、ピギーバックレンズの使用(ソフトレンズおよびハードレンズを同時に使用)、および強膜レンズが含まれる(これらに限定されない)。(例えば、中央の瘢痕により)コンタクトレンズに対して不耐性になるか、または許容範囲の視力を持たない被験者には、外科的代替手段を行う。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された2つ以上の遺伝的変異体の検出を使用して、KCを発症する危険性があると疑われる個体の適切な治療を早期に開始することができる。いくつかの実施形態では、治療は、角膜形状の変化を停止させることに向けられている。いくつかの実施形態では、疾患発症を初期段階で特定する(すなわち、早期疾患発症を特定する)ために、KCを発症する危険性の増大を予測する2つ以上の遺伝的変異体の検出により、角膜の早期および/またはより頻繁な監視が可能になる。
いくつかの実施形態では、治療には、角膜水腫の症状がある被験者に対する薬物療法が含まれ、疼痛および腫脹の急性期管理が含まれる。被験者には通常、毛様体筋麻痺剤、塩化ナトリウム(Muro)5%軟膏が投与され、圧迫用眼帯が提供される場合がある。圧迫用眼帯を取り外した後であっても、被験者は、水腫の症状が解消するまで、数週間から数か月間、塩化ナトリウム点眼薬または軟膏を継続する必要がある。被験者は、激しく目を擦ることや眼の外傷を避けるように勧告される。
別の態様では、本明細書に記載された2つ以上のSNPの検出を使用して、KCを発症する危険性があると疑われる個体の早期もしくは定期的な監視を開始することができる。いくつかの実施形態では、被験者を6ヶ月から1年ごとを基本として追跡して、角膜の菲薄化および急峻化の進行、ならびに結果として生じる視力の変化を監視し、かつコンタクトレンズの適合および手入れを再評価することができる。いくつかの実施形態では、水腫を発症した被験者は症状が解消するまでより頻繁に見られる。
別の態様では、本明細書に記載された2つ以上の遺伝的変異体の検出を使用して、被験者のKCを診断することができる。いくつかの実施形態では、診断後、治療計画には外科的介入が含まれる。最初の治療計画は、被験者が角膜瘢痕化を示さない場合のコンタクトレンズ適合など、より侵襲性の低い手順に焦点が当てられている。しかし、被験者が不耐性になるか、またはこれ以上コンタクトレンズの恩恵を受けなくなると、手術が次の選択肢となる。外科的選択肢は、INTACS(すなわち、ICRSもしくは角膜リングとしても知られる移植)、前部層状角膜移植、または全層角膜移植を含むことができるが、これらに限定されない。治療はFDA非承認の治療を含むことができ、角膜を強化して、場合によっては形状の進行性の変化を防ぐための角膜のUV/リボフラビンコラーゲン架橋結合の使用を含むがこれに限定されず、この治療はエキシマレーザ治療、伝導性角膜移植、および/またはINTACSと組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、外科医は有水晶体眼内レンズ(IOL)を使用して、強度の近視および一部の乱視に対処することもできる。
いくつかの実施形態では、外科的介入には、コンタクトレンズ不耐性の被験者における軽度から中程度のKCの治療にも承認されている角膜内リングセグメント(INTACS、Addition Technologyから市販)が含まれる。これらの場合、被験者は透明な中心角膜と、セグメントが挿入された約7mmの光学部で450ミクロンを超える角膜厚とを有している必要がある。INTACSの利点は、角膜組織の除去、および眼内切開を必要とせず、中心角膜に触れないことである。ほとんどの被験者は、術後に最高の視力を得るために眼鏡および/またはコンタクトレンズを必要とするが、角膜が平らになり、手術後のレンズが使いやすくなる。いくつかの例では、INTACSを除去し、その後に他の外科的選択肢を検討することができる。
いくつかの実施形態では、外科的介入は、KCを治療するための選択肢として再浮上した前部層状角膜移植を含む。前部層状角膜移植は、被験者の内皮を無傷の状態にしたまま、中心の前部角膜の置換を含む。利点は、内皮移植片拒絶反応の危険性が排除されること、および、内皮およびデスメ膜ならびに一部の基質が無傷の状態で残るため、切開における眼球の外傷性裂傷の危険性が少なく、視力機能回復が速いことである。デスメ層および内皮に触れずに前部基質を除去するための、深層層状角膜移植(DALK)およびビッグバブル(big bubble)角膜移植(BBK)を含むいくつかの技法がある。しかし、この手順は全層角膜移植との対話を必要とするため技術的に困難な可能性があり、術後に界面の混濁が最高矯正視力(BCVA)の低下を引き起こす可能性があり、乱視が全層角膜移植と対比して前部角膜移植で良好に治療されたかどうかは明らかではない。全層角膜移植は成功率が高く、安全性および有効性について長い実績がある標準的な外科的治療である。
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この手順の危険性には、感染および角膜拒絶反応、ならびに創縁における外傷性裂傷の危険性が含まれる。全層角膜移植(PK)後の多くの被験者には、不正乱視が残っているため、ハードコンタクトレンズもしくはガス透過性コンタクトレンズを必要とする場合がある。任意の種類の屈曲矯正手術は、転帰の予測不可能性、および増強し不安定な不正乱視を引き起こす危険性のため、円錐角膜患者において禁忌と見なされる。
さらに、円錐角膜の治療には、コラーゲン架橋結合および角膜移植が含まれる。コラーゲン架橋結合は、特殊なレーザおよび点眼薬を使用して、角膜を構成するコラーゲン繊維の「架橋結合」もしくは強化を促進する新しい治療法である。この治療は、角膜を平らにするかまたは強化し、さらなる突出を防止する。他の治療法で良好な視力が得られなくなった場合は、角膜移植を推奨される場合がある。角膜移植では、罹患角膜を眼から除去し、健康な提供角膜に置き換える。
一態様では、本開示は、被験者の円錐角膜を治療する方法を提供しており、この方法は、被験者のKCを診断するかまたは予後を予測することと、KCを治療することとを含む。さらなる実施形態では、治療は、眼鏡またはコンタクトレンズの着用、毛様体筋麻痺剤の投与、角膜内リングセグメントの適用、前部層状角膜移植の実施、および/またはコラーゲン架橋結合または角膜移植の実施を含んでもよい。
別の態様では、本開示は、KCを診断し、予後を予測し、および/または治療するための診断キットを提供する。上述の試薬のいずれかまたは全てを診断キットにパッケージ化してもよい。このようなキットには、本明細書に記載されたプライマー、プローブ、緩衝液および/または他の試薬のいずれかおよび/または全てが任意の組合せで含まれる。いくつかの実施形態では、キットは、図1に記載されたものから選択された1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25個の変異体の検出用試薬を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、試薬は凍結乾燥粉末としてキットに含められる。いくつかの実施形態では、試薬は、再構成のための指示書とともに凍結乾燥粉末としてキットに含められる。いくつかの実施形態では、試薬は液体としてキットに含められる。いくつかの実施形態では、試薬は、プラスチックおよび/またはガラスのバイアルもしくは他の適切な容器に含められる。いくつかの実施形態では、プライマーおよびプローブは全て、キット内の個々の容器に含められる。いくつかの実施形態では、プライマーは1つの容器に一緒に包装され、プローブは別の容器に一緒に包装される。いくつかの実施形態では、プライマーおよびプローブは単一の容器に一緒に包装される。
いくつかの実施形態では、キットには、対照gDNAおよび/またはDNA試料がさらに含まれる。いくつかの実施形態では、対照DNA試料は正常である(例えば、KCを有していない被験者からのもの)。いくつかの実施形態では、対照DNA試料は、図1に記載された群から選択された変異体のいずれかを含む、検出対象の突然変異に対応する。
いくつかの実施形態では、対照DNA試料の濃度は、5ng/μL、10ng/μL、20ng/μL、30ng/μL、40ng/μL、50ng/μL、60ng/μL、70ng/μL、80ng/μL、90ng/μL、100ng/μL、110ng/μL、120ng/μL、130ng/μL、140ng/μL、150ng/μL、160ng/μL、170ng/μL、180ng/μL、190ng/μLまたは200ng/μLである。いくつかの実施形態では、対照DNA試料の濃度は、50ng/μL、100ng/μL、150ng/μLまたは200ng/μLである。いくつかの実施形態では、対照DNA試料の濃度は100ng/μLである。いくつかの実施形態では、対照DNA試料は同じ濃度を有する。いくつかの実施形態では、対照DNA試料は異なる濃度を有する。
いくつかの実施形態では、キットは、緩衝液、例えばGTXpress TAQMAN(登録商標)試薬混合物、または任意の同等の緩衝液をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、緩衝液は、本明細書に記載された任意の緩衝液を含む。
いくつかの実施形態では、キットは、(例えばM13ベクターを含む)ベクターなどのクローニングで使用するための試薬をさらに含むことができる。
いくつかの実施形態では、キットには、DNAの精製に使用するための試薬がさらに含まれる。
いくつかの実施形態では、キットには、被験者の角膜ジストロフィーの検出用キットを使用するための指示書がさらに含まれる。いくつかの実施形態では、これらの指示書には、本明細書に記載されたプロトコルの様々な態様が含まれる。
予備研究
研究コホートは、219の症例および60の対照群で構成されていた。白色人種(コーカサス人)群は、70人の症例および33の家族症例の合計104の症例に加えて38の対照群で構成され、東アジア人のコホートは、70人の症例および5つの家族症例の合計75の症例に加えて20の対照群で構成され、ヒスパニック群は、13人の症例および5つの家族症例の合計18の症例に加えて1つの対照群で構成され、アフリカ系アメリカ人群は、15人の症例および3つの家族症例の合計18の症例で構成され、南アジア人群は、3人の症例および2つの家族症例の合計5つの症例および1つの対照群で構成されている(図1~図6)。
試料および対照群は、米国、カナダ、チェコ共和国、ギリシャ、ブラジル、北アイルランド、韓国およびメキシコの診療所から収集された。対照群は、眼疾患の個体歴も家族歴もない個体から収集された。各診療所は、CLEKの研究とKCおよび拡張性疾患に関する世界的に一致した研究とに基づいて、KCを診断するための基準を利用した。要約すると、全ての被験者が総合的な眼科検査を受け、KCの診断は、プラチドディスクに基づく反射による角膜形状解析、角膜断層撮影および細隙灯検査の臨床所見に基づいたものであった。角膜の形状解析値および厚さ測定値は、角膜曲率測定値(K)、急峻値K、最大値Kを意味しており、最薄の角膜厚および中心角膜厚を、Oculyzer II(Alcon Surgical、米国テキサス州フォートワース)またはPentacam(登録商標)HR(OCULUS Optikgerate GmbH、ドイツ国ヴェツラー)などのシャインプルーフカメラシステムを利用して測定した。一部の場所では、Schwind Sirius(Schwind Eye-Tech Solutions、ドイツ国クラインオストハイム)も高次収差(HOA)の診断に利用された。家族歴が知られている場合は、試料収集時に患者によって開示された。
試料の収集は、iSWAB収集キット(Mawi DNA Technologies、米国カリフォルニア州ヘイワード)を使用して実施された。要するに、収集キットには、4本の口腔スワブと、専用の1.5mLエッペンドルフチューブに未公開の防腐剤を含有している1mLの溶液とが含まれていた。患者は、4本のスワブの各々で内側の口腔を擦って十分な上皮組織を収集して、ゲノムDNAについて0.5~3.0μgのDNA収量を確保した。各スワブは、各口腔スワブから収集した細胞を擦り落とすように設計されたエッペンドルフチューブ内に置かれた。収集された上皮細胞を含むチューブは、使用の準備ができるまで4℃で保存された。
QIAGEN Inc.(ドイツ国ヒルデン)のQIAamp(登録商標)DNA血液小型キットを使用して、ゲノムDNA抽出が実施された。全血に推奨されるDNA抽出プロトコルが全ての試料に利用され、DNAは、キットに提供された150μlの溶出緩衝液中でスピンカラムから溶出された。3.4ng/μlの濃度は、WESライブラリーの調製に必要な最小値である少なくとも0.5μgを生成するための最小許容DNA濃度であった。
ACE Platform(商標)(Personalis Inc.、カリフォルニア州メンローパーク)は、Illumina HiSeq 2000でPersonalisが行った全ての全エクソームシークエンシング(WES)の実施に利用された。全エクソームACE Platform(商標)は、8,000個を超える遺伝子の調節領域を含むエクソーム外の領域に対する被覆率を増加させる。結果として得られる配列データはPersonalisによって処理され、バリアントコール形式(VCF)ファイルは全ての症例および対照群について生成された。各VCFファイルは、ヒトエクソームを構成する約22,000個の遺伝子内に見られる約150,000個の変異体で構成されていた。
VCFはBCFtoolsバージョン1.3.1を使用して処理されて、インデルを左寄せにし、かつ正規化し、複数対立遺伝子部位を複数のコールに分割し、基準塩基が既知の基準(1000人ゲノム、フェーズ1および3、GRCh37基準)と一致することを確認した。次いで、VCFtoolsバージョン0.1.15を使用して、全ての基準塩基のコールおよびchr1-22XYの外のコンティグにおいてコールされた変異体をパージした。次いで、BCFtoolsバージョン1.3.1を使用して、全ての試料を単一の変異体「データベース」に統合し、そこから、各民族群の試料を部分群へ抽出した。次いで、各部分群がPLINK形式に変換され、各変異体の対立遺伝子数は、PLINK v1.90b3.38を使用して症例および対照群について集計された。次いで、PLINK結果ファイルは特注のBASHスクリプトを使用して変更され、その後、全ての変異体にはANNOVARを使用して注釈を付けられた。
変異体には、各変異体の周囲の領域の保存レベルを決定するために、3つの異なるスコアリングシステムを使用して注釈が付けられた。これらはGERP++であり、スコアは-12.3~6.17であり、6.17が最も保存されており、PhyloPは脊椎動物および哺乳類の両方を含む40+のゲノムアラインメントに基づいてスコアを計算し、SiPhyは29のゲノムアラインメント(哺乳類)を利用して、値が大きいほど保存性が高いことを示す対数オッズ比を生成する。追加の選別は、エクソーム集約コンソーシアム(ExAC、http://exac.broadinstitute.org/)で文書化されている血縁関係のない60,706人のデータを含む、0.05以下のマイナー対立遺伝子頻度(MAF)もしくはNAに基づいている。ExAc亜母集団はサンプルの民族群と次のように一致し、ExAc AFR(アフリカ/アフリカ系アメリカ人)はアフリカ系アメリカ人であり、ExAc NFE(フィンランド人以外のヨーロッパ人)は白色人種(コーカサス人)であり、ExAc EAS(東アジア人)は東アジア人であり、ExAc AMR(ヒスパニック(混合アメリカ人)はヒスパニックであった。
損傷の結果として疾患に関連する可能性が最も高い変異体を選択するために、以下の基準が適用され、ミスセンス、STOPの生成/欠失、ナンセンス、またはフレームシフト/非フレームシフトインデルに分類された変異体に焦点が当てられた。これらの変異体は、Database for Annotation,Visualization and Integrated Discoveryを使用した遺伝子セット濃縮解析を通じて、角膜もしくはKC、キーとなる項目に関連する遺伝子内の変異体にさらに選別された。機能注釈チャートツールは、既定のカテゴリに加えて「GAD_Disease」および「GAD_Disease_Class」とともに使用され、全ての豊富な項目のリストは、遺伝子カウント1およびEASE 1.0で導出された。最後に、各変異体の病理は、SIFT、PolyPhen 2 HDIV、PolyPhen 2 Hvar、LRT、MutationTaster、MutationAssessorおよびFATHMMの7つの公開された方法によるインシリコ予測で評価された。各ツールは、エクソンDNA配列におけるミスセンスの変化のために転写されたアミノ酸配列および翻訳されたタンパク質に対する可能性のある影響を判断することを目的としており、予測に到達した際に各々が異なる測定基準を考慮する。各ツールによる予測を満たしている場合、例えばこの予測が、SIFTで有害、PolyPhen 2 HDIVでほぼ確実に損傷/恐らく損傷、PolyPhen 2 HVarでほぼ確実に損傷/恐らく損傷、LRTで有害、MutationTasterで必然的病原、病原、MutationAssessorで高、FATHMMで損傷であれば、変異体は病原性が100%であるとして分類される。良性および/または一般的として分類された変異体は、疾患プロファイルに関連する場合にのみ考慮され、ExACに文書化されているものよりも高いMAFレベルで症例試料内に存在する。この研究では、一般的な変異体は、ExAC内のMAFが1%を超えると定義されており、つまり、MAF(ExAC_All)>0.01である。
各試料の民族性のプロファイリングには、染色体ごとに染色体上で利用可能な、公開されている1000人ゲノムのフェーズ3のVCFデータ(The 1000 Genomes Project Consortium、2015年)(n=2,504)が使用された。研究コホート内の試料は、これらのデータと比較された。1000人ゲノムの染色体VCFは、KC試料ごとに正規化された。その後、全ての進行中の解析はPLINK v1.90b3.38を使用して行われた。
正規化されたVCFはPLINK形式に変換され、その後、1000人のゲノムおよび円錐角膜試料にわたるdbSNP rs番号に基づいて一致する変異体のみが保持された。変異体は、以下のパラメータに基づいて、1000人の各ゲノム染色体および円錐角膜データセットから削除され、MAF>0.2の変異体のみを保持し、以下のパラメータに基づいて連鎖不平衡下にない変異体のみを保持する。パラメータは、ウィンドウサイズが50であり、段階サイズ(変異体カウント)が5であり、分散拡大係数(VIF)の閾値は1.5である。マルチ対立遺伝子変異体はさらに除去された。次いで、1000人ゲノムの染色体およびKCデータセットの全てが単一のプロジェクトに統合された。次いで、主成分解析(PCA)が実施された。試料の固有値は、Rバージョン3.2.5(2016-04-14)を使用して最初の3つの主成分についてプロットされた。1000人のゲノムは、それぞれの超母集団、つまりアフリカ/アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック(混合アメリカ人)、東アジア人、ヨーロッパ人および南アジア人に分類された。
診療所が提供する臨床記録に民族性が記載されていないKC試料の民族性を予測するために、単純な多項ロジスティック回帰モデルが、上述の通り選別された1000人ゲノムデータを使用して構築された。このモデルでは、1000人ゲノムの超母集団が転帰であり、最初の20の主成分が予測因子であった。超母集団を予測する最良の主成分は、前方後方段階的重回帰分析およびベイズ情報量基準(BIC)を使用して選択された。このモデルは、受信者動作特性(ROC)解析により、0.987(95%CI:0.982-0.992)の曲線下面積(AUC)を達成した。次いで、このモデルを使用して、1000人ゲノムおよびKC試料全ての民族性が予測され、それぞれの予測値がプロットされた。1つを除く全ての症例では、KC試料の予測された民族性は、試料の出荷元に基づいて想定される民族性と一致した。全てのモデリングはRを使用して実施された。
相対リスク(RR)スコアは、角膜の構造および機能に直接関連する遺伝子内に見られる変異体のサブセットの疾患予測に定量値を割り当てる目的で作成された。(図7)リスクスコアの計算では、次の段階が使用された。ベイズのロジスティック回帰モデルは、症例/対照群の状態を転帰として、かつ下流分析のために選択された変異体を予測因子として使用して最初に構築された。PhyloP保存スコアは、モデルの予測因子として使用される各変異体の対数オッズ比に関して提供され、平均優先度は、解析されるそれぞれの民族部分群においてコールされる全ての変異体の平均PhyloPスコアを意味している。したがってこのモデルは、保存性が高いほどORが増加し、保存性が低いほどORが減少するように、症例および対照群全体の相対対立遺伝子の集計を、さらには変異体が特定された領域の保存(「保存OR」)を考慮する各変異体のオッズ比(OR)を生成する。次いで、リスクスコアは、前述の定義された基準による損傷結果を予測するインシリコツールの数を乗算することによって、保存ORから直接計算された。インデルのリスクスコアは、現在のインシリコツールではこれらの予測を提供することができないため、それぞれの保存ORとして残された。説明した円錐角膜の多様性は、マクファデンのR2によって定義されている。
WESデータの不均一性および民族部分群の確立:研究コホートは、白色人種(コーカサス人)、東アジア人、ヒスパニック、アフリカ系アメリカ人、南アジア人の5つの民族群で構成されていた。この研究の民族的多様性を考慮し、かつ民族群間でのKCの発生率と有病率の既知の変動の観点から、民族性が研究群の遺伝子プロファイルに影響を与える態様を決定した。PCAバイプロットを使用して、KCコホート全体を1000人ゲノムのフェーズ3のVCFデータに対してグラフ化し、試料コホートを、自然に発生する母集団の変異体パターンに基づいて部分群に分離した。
遺伝的変異体は、各民族群内で様々な頻度で全エクソームにわたって特定された。症候性眼疾患および非症候性眼疾患の両方に関連することが知られている259個の遺伝子に位置する合計1,117個の変異体が、研究コホート内で特定された(図1)。変異体は、タンパク質機能を変化させると予測されるミスセンス一塩基多型(SNP)およびコード挿入ならびにコード欠失(インデル)として、本明細書では定義されている。良性として分類された変異体は、エクソーム集約コンソーシアム(ExAC)で文書化されている変異体よりもマイナー対立遺伝子頻度(MAF)が高い症例試料内に存在する場合に含まれていた。
遺伝子または遺伝子が位置する遺伝子座は、疾患に関連するものとして特定された。例えば、結果は、rs3812954などのZNF469遺伝子内の一般的な変異体がKCの病因に関与していることを裏付けている。この変異体は、全ての症例試料内に18.3%(表3)、白色人種(コーカサス人)コホート内に25.5%、東アジア人コホート内に18.1%の割合で存在していた。これらの種類の変異体の多くは、民族間で一致した。
一般的な変異体であるVSX1遺伝子内のrs6138482は、20.8%のMAFで研究コホートに存在していた。これは、白色人種(コーカサス人)、ヒスパニック、アフリカ系アメリカ人の3つの民族群で見られ、33.3%、つまり102例中34例の白色人種(コーカサス人)群において最も多く見られた。個々のゲノム内の任意の変異体の存在を考慮する場合、変異体がヘテロ接合型またはホモ接合型のいずれに見られたかに関わらず、遺伝子型も考慮に入れる必要がある。
希少変異体および病理を予測するためのリスクスコアリング方法の提供:ほとんどの変異体は特定の個体、すなわち一個人だけの変異体に見られ、その結果、GWASおよび一般的な変異体に典型的に適用される従来の統計的方法論では、データが提示した異種モデルに有意性は示されなかった。このような広範囲の遺伝子に関する調査結果の範囲を考慮して、角膜の構造および機能に関連する遺伝子の綿密な解析が行われた。KCはその表現型が角膜に影響を与える疾患であるため、角膜の遺伝子内の変異体の危険因子の定量化は、いくつかの実施形態において臨床環境での診断手段として使用される。
変異体群の有意性を評価するために、選択された変異体の病理を予測するように機能する危険因子を割り当てる方法が作成された。この解析では、角膜の構造および機能に関連する48個の遺伝子(図7)内の合計199個の変異体が示されている。
図7は、各変異体のゲノム上の領域の保存に調整されたORを記載している。この変異体のセットのROCに基づく感度およびAUCは、白色人種(コーカサス人)群(103の症例試料)について、パネルが変異体を95%の時間で正常に特定したことを示している。
遺伝子検査:さらに、この作業は、家族歴のために危険にさらされている可能性があるか、または屈折矯正手術の候補者である発症前の個体の遺伝子検査を立証する。症状が現れる前にKCを発症する危険性を理解することは、適切な診断および治療を保証するのに役立ち、かつこの疾患がもたらす身体的不快感および視力喪失の心的外傷を軽減するのに役立つ。定量的リスクスコアを使用して、角膜の構造および機能に関連する遺伝子内の希少変異体の病理を評価することができる。このモデルは、他の希少変異体および一般的な変異体を含むように拡張することができる。研究コホートの数は限られていたため、変異体は、このツールの実証に使用するために保守的に選択され、リスクスコアが取得元の試料セットに関連していることを強調する必要があった。
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角膜の構造および機能に関連する希少変異体は、研究コホート内に見られる変異体に関するより大きなリストから抽出された。変異体は、1つ以上の症例試料中および0人の民族対応対照群中の存在に基づいて選択された。変異体の平均数は、アフリカ系アメリカ人のコホートを除いて、1症例あたり2~5変異体の範囲であった(表1)。
いくつかの実施形態では、患者のゲノム内の3個以上の変異体に基づく高次のリスクプロットがKCの予測因子として使用される。

Claims (17)

  1. 被験者のKCを診断するかまたは予後を予測する方法であって、前記方法は、被験者由来の試料中の2つ以上の遺伝的変異体を検出することを含み、前記2つ以上の遺伝的変異体が図1に記載された群から選択され、そして前記2つ以上の遺伝的変異体の存在が前記被験者のKCの診断または予後を示す、方法。
  2. 前記遺伝的変異体の検出が配列決定方法によって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記2つ以上の遺伝的変異体が図2に記載された群から選択され、そして前記被験者がアフリカ系アメリカ人である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記2つ以上の遺伝的変異体が図3に記載された群から選択され、前記被験者が白色人種(Caucasian)である、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記2つ以上の遺伝的変異体が図4に記載された群から選択され、そして前記被験者がヒスパニック(Hispanic)である、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記2つ以上の遺伝的変異体が図5に記載された群から選択され、そして前記被験者が東アジア人である、請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記被験者由来の前記試料からヌクレオチド分子を増幅させることをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 検出が、前記被験者由来の前記試料もしくは前記試料のアンプリコンからのヌクレオチド分子中に2つ以上の遺伝的変異体を検出することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 被験者のKCが発症する危険性を予測する方法であって、前記方法は、被験者由来の試料中の2つ以上の遺伝的変異体を検出することを含み、前記2つ以上の遺伝的変異体が図1に記載された群から選択され、そして前記2つ以上の遺伝的変異体の存在が前記被験者のKCの発症の危険性を示す、方法。
  10. 前記2つ以上の遺伝的変異体が図2に記載された群から選択され、そして前記被験者がアフリカ系アメリカ人である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記2つ以上の遺伝的変異体が図3に記載された群から選択され、そして前記被験者が白色人種(Caucasian)である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記2つ以上の遺伝的変異体が図4に記載された群から選択され、そして前記被験者がヒスパニック(Hispanic)である、請求項9に記載の方法。
  13. 前記2つ以上の遺伝的変異体が図5に記載された群から選択され、そして前記被験者が東アジア人である、請求項9に記載の方法。
  14. 前記被験者由来の前記試料からヌクレオチド分子を増幅させることをさらに含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 検出が、前記被験者由来の前記試料もしくは前記試料のアンプリコンからのヌクレオチド分子中に2つ以上の遺伝的変異体を検出することを含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 被験者のKCの治療のための治療計画を策定する方法であって、前記方法は、被験者由来の試料中の2つ以上の遺伝的変異体を検出することを含み、前記2つ以上の遺伝的変異体が図1に記載された群から選択され、そして前記2つ以上の遺伝的変異体の存在が前記被験者のKC治療計画の必要性を示す、方法。
  17. 被験者のKCを治療する方法であって、前記方法は、被験者由来の試料中の2つ以上の遺伝的変異体を検出することを含み、前記2つ以上の遺伝的変異体が図1に記載された群から選択され、そして前記被験者のKCを治療する、方法。
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