JP2023085196A - 駆動制御装置、撮像装置、及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、駆動制御装置、撮像装置、及び制御方法に関する。
特許文献1には、振動波モータの低速駆動時における駆動信号の電圧振幅を減少させることで、低速駆動時の不要振動を抑制し、低速駆動時に発生する駆動音を低減可能な構成が開示されている。
しかしながら、振動波モータの駆動信号の電圧振幅を減少させることで、駆動部の摩擦や駆動負荷の影響を受けやすくなり、振動波モータの制御性能が低下してしまう。
本発明は、振動波モータの低速駆動時の静音性と制御性能を両立させることが可能な駆動制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての駆動制御装置は、互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する駆動制御装置であって、位相差を制御する第1制御部と、第1の駆動信号及び第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御部とを備え、第2制御部は、位相差の絶対値が小さくなるにしたがって電圧振幅の変化率が大きくなるように、電圧振幅を制御することを特徴とする。
また、本発明の他の側面としての駆動制御装置は、互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する駆動制御装置であって、位相差を制御する第1制御部と、第1の駆動信号及び第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御部とを備え、第2制御部は、駆動部の目標速度が小さくなるにしたがって電圧振幅の変化率が大きくなるように、電圧振幅を制御することを特徴とする。
本発明によれば、振動波モータの低速駆動時の静音性と制御性能を両立させることが可能な駆動制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<撮像装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置(以下、カメラ)101を模式的に示す図である。カメラ101には、電源スイッチ等のカメラ操作を行うことができる操作部材が設けられている。鏡筒102は、撮像を行う撮影レンズ群や撮像素子を含み、固定部103に対して回転可能にカメラ101に取り付けられる。チルト回転ユニット104は、鏡筒102をピッチ方向へ回転させるモータ駆動機構を備える。パン回転ユニット105は、鏡筒102をヨー方向へ回転させるモータ駆動機構を備える。チルト回転ユニット104及びパン回転ユニット105により駆動部が構成される。3軸方向の角速度を検出する角速度計106(ジャイロセンサ)と3軸方向の加速度を検出する加速度計(加速度センサ)107は、固定部103に実装される。
<撮像装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置(以下、カメラ)101を模式的に示す図である。カメラ101には、電源スイッチ等のカメラ操作を行うことができる操作部材が設けられている。鏡筒102は、撮像を行う撮影レンズ群や撮像素子を含み、固定部103に対して回転可能にカメラ101に取り付けられる。チルト回転ユニット104は、鏡筒102をピッチ方向へ回転させるモータ駆動機構を備える。パン回転ユニット105は、鏡筒102をヨー方向へ回転させるモータ駆動機構を備える。チルト回転ユニット104及びパン回転ユニット105により駆動部が構成される。3軸方向の角速度を検出する角速度計106(ジャイロセンサ)と3軸方向の加速度を検出する加速度計(加速度センサ)107は、固定部103に実装される。
図2は、カメラ101のブロック図である。ズームユニット201は、変倍を行うズームレンズを含む。ズーム駆動制御部202は、ズームユニット201を駆動制御する。フォーカスユニット203は、ピント調整を行うレンズを含む。フォーカス駆動制御部204は、フォーカスユニット203を駆動制御する。撮像部205では、撮像素子が各レンズ群を通して入射する光を受け、その光量に応じた電荷の情報をアナログ画像データとして画像処理部206に出力する。
画像処理部206は、A/D変換により出力されたデジタル画像データに対して、歪曲補正、ホワイトバランス調整、及び色補間処理等の画像処理を適用し、適用後のデジタル画像データを出力する。画像処理部206から出力されたデジタル画像データは、JPEG形式等の記録用フォーマットに変換され、画像記録部207で不揮発性メモリ等の記録媒体に記録される。
鏡筒回転駆動部(駆動制御装置)112は、チルト回転ユニット104及びパン回転ユニット105を駆動することで、鏡筒102をチルト方向及びパン方向へ駆動する。装置揺れ検出部208は、角速度計106や加速度計107からの信号に基づいてカメラ101の回転角度やシフト量等を演算する。装置移動検出部209は、GPS(Global positioning system)の位置情報や加速度センサ等の移動検出手段を用いてカメラ101の移動を検出する。GPSは、カメラ101に設けられていてもよいし、外部GPS検出装置に設けられていてもよい。カメラ101の移動は装置揺れ検出部208でも検出可能であるが、加速度センサの特性上、装置揺れ検出部208はカメラ101の大きな範囲での移動を検出することは難しい。そこで、カメラ101の小さな範囲での移動を装置揺れ検出部208で検出し、カメラ101の大きな範囲の移動を装置移動検出部209で検出する。音声入力部210は、カメラ101に設けられたマイクから音声信号を取得する。操作部211には、電源ボタンやカメラ101の設定を変更するためのボタンが設けられている。制御部212は、カメラ101全体を制御する。
図3は、パン回転ユニット105と鏡筒回転駆動部112のブロック図である。チルト回転ユニット104は駆動軸が違うだけでパン回転ユニット105と同様な構成であるため、本実施形態ではパン回転ユニット105についてのみ説明する。回転部(接触体)1051は、鏡筒102をパン方向へ回転させる。振動子(振動体)1052は、互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起され、回転部1051をパン方向へ回転させるためのアクチュエータである。パン回転ユニット105では、振動子1052と振動子1052に接触する回転部1051とを相対移動させる。
図4は、振動子1052の断面図である。図4では、x軸は回転部1051の移動方向(送り方向)であり、y軸は移動方向に直交する方向(突き上げ方向)である。振動子1052は、電極401a,401b、圧電素子402a,402b、及びステータ403を備える。回転部1051を駆動する際は、駆動回路1054から供給される位相の異なる2相の電圧が電極401a,401bに印加される。電極401a,401bに2相の電圧が印加されると、圧電素子402a,402bは逆圧電効果により伸縮し、ステータ403には2種類の定在波が発生する。2種類の定在波の合成によりステータ403と回転部1051の接触部には、略楕円運動が発生する。電極401a,401bに所定の位相差の2相の正弦波状の電圧を印加した場合、ステータ403の点Pには、軌跡404の楕円振動が発生する。電極401a,401bに軌跡404の楕円振動が発生するときの2相の電圧よりも位相差が大きい2相の電圧を印加した場合、点Pには軌跡405の楕円振動が発生する。軌跡405の楕円振動は、軌跡404の楕円振動に比べて送り方向の成分が大きくなる。このように2相の電圧の位相差を変更することで、送り方向の成分と突き上げ方向の成分の比率を変え、回転部1051の駆動速度を変更することができる。電極401a,401bに軌跡405の楕円振動が発生するときの2相の電圧よりも周波数(駆動周波数)が低い(振動子1052の共振周波数に近づけた)2相の電圧を印加した場合、点Pには軌跡406の楕円振動が発生する。軌跡406の楕円振動は、軌跡405の楕円振動に比べて送り方向の成分及び突き上げ方向の成分が大きくなる。このように2相の電圧の周波数を変更することでも回転部1051の駆動速度を変更することができる。また、2相の電圧の電圧振幅を変更することで楕円振動の大きさを変更してもよい。
本実施形態の振動波モータとしての超音波モータは、共振周波数よりも高い超音波領域の駆動周波数を用いて制御される。速度を制御する方法として、位相差を固定し駆動周波数を変更する方法(周波数制御モード)、駆動周波数を固定し位相差を変更する方法(位相差制御モード)、及び駆動周波数と位相差の双方を変更する方法がある。位相差制御モードは、出力は低いが高精度な位置決めが可能で、停止位置の要求精度が高い場合や微少駆動時等に適している。一方、周波数制御モードは、出力が高いため回転部1051を高速に移動させたい場合、低温環境下、及び回転部1051の耐久劣化等による振動子1052への負荷が増大した場合等に適している。
温度センサ1053は、振動子1052の温度を計測する。温度検出の結果は、振動子1052に印加する電圧の周波数の温度補正を行う際に使用される。位置センサ1056は、回転部1051に取り付けられた光学式スケールに対して、発光部から光学式スケールに刻まれたパターンに対して照射した発光信号の反射光を受光部により電気信号として検出することで、回転部1051の回転位置を検出する。駆動回路1054は、後述する駆動信号発生回路1128で生成された電圧を振動子1052が駆動可能な電圧となるように増幅及び信号変換を行う。
アナログ-デジタルコンバーター(以下、ADC)1121は、位置センサ1056で検出した電気信号をアナログ-デジタル変換する。位置演算部1122は、ADC1121でデジタル化したセンサ情報から回転部1051の回転位置を求める。目標位置設定部1123は、操作部211からの回転指示に基づいてパン方向の目標回転位置を設定する。PID演算部1124は、目標位置設定部1123により設定される回転部1051の目標回転位置と位置演算部1122により求められた回転部1051の回転位置との偏差に基づいてPID制御演算を行う。変換部(第1制御部、第2制御部)1127は、PID演算部1124により算出された制御量を2相の電圧の位相差と周波数に変換する。制限部1125は、2相の電圧の位相差、電圧振幅、及び周波数の変化量を制限する。駆動信号発生回路1128は、変換部1127で決定した2相の電圧の位相差、電圧振幅、及び周波数に応じた駆動信号を生成する。駆動信号は、矩形波の信号である。振動子1052に印可する電圧の電圧振幅は、駆動信号の1周期に占める矩形波のパルス幅の割合(デューティ比)に応じて変化する。デューティ比が大きくなると電圧振幅が大きくなり、デューティ比が小さくなると電圧振幅が小さくなる。なお、電圧振幅は、パルス幅変調方式以外の方法で変化させるようにしてもよい。
<振動子1052の駆動周波数と回転部1051の駆動速度との関係>
図5は、振動子1052の駆動周波数と回転部1051の駆動速度との関係(FV特性)を示す図であり、FV特性の温度変化と使用禁止周波数領域を示している。501は、基準温度tsdでのFV曲線である。502は、基準温度tsdから温度がΔαだけ変化したときのFV曲線である。FV曲線501,502における2相の駆動電圧の位相差は90°である。Vsdは、振動子1052を温度補正する際の基準速度である。
<振動子1052の駆動周波数と回転部1051の駆動速度との関係>
図5は、振動子1052の駆動周波数と回転部1051の駆動速度との関係(FV特性)を示す図であり、FV特性の温度変化と使用禁止周波数領域を示している。501は、基準温度tsdでのFV曲線である。502は、基準温度tsdから温度がΔαだけ変化したときのFV曲線である。FV曲線501,502における2相の駆動電圧の位相差は90°である。Vsdは、振動子1052を温度補正する際の基準速度である。
位相差制御時の駆動周波数Fpは、温度によって異なり、以下の式(1)で表される。
Fp=Fini-k・(tx-tsd) (1)
なお、txは、温度センサ1053で検出した温度である。Finiは、基準温度tsdのときに振動子1052に位相差が90°の2相の電圧を印加した場合に駆動速度が基準速度Vsdとなる起動周波数である。kは、起動周波数Finiの温度補正係数である。
なお、txは、温度センサ1053で検出した温度である。Finiは、基準温度tsdのときに振動子1052に位相差が90°の2相の電圧を印加した場合に駆動速度が基準速度Vsdとなる起動周波数である。kは、起動周波数Finiの温度補正係数である。
Fαは、基準温度tsdから温度Δαだけ変化したときの駆動周波数である。Fβは、基準温度tsdから温度Δβだけ変化したときの駆動周波数である。
504は、振動子1052に印加する電圧の周波数の使用禁止周波数領域である。使用禁止周波数領域504は、振動子1052に起因する機械的振動や駆動回路1054から発生する電気的ノイズの影響によりカメラ101の映像や動作に悪影響を及ぼす可能性がある周波数領域である。
基準温度tsdから温度Δαだけ変化した場合、駆動周波数Fαは使用禁止周波数領域504内になる。その場合、駆動周波数を、使用禁止周波数領域504外で駆動周波数Fαに最も近い周波数である駆動周波数Fβに設定する。ただし、基準温度tsdから温度Δβだけ変化したときに駆動周波数を駆動周波数Fβに設定すると、2相の電圧の位相差が90°のときの速度Vabは基準速度Vsdより高い。この状態で回転部1051の位置制御を行うと、回転部1051の変化量が想定以上に大きくなり、適切に制御できなくなる。最悪の場合、制御不能(発振)状態となる。
FV曲線502で温度補正した駆動周波数が使用禁止周波数領域504内となるとき、2相の電圧の電圧振幅を変更することで位相差が90°である場合の駆動速度が基準速度Vsdとなるように調整する。
振動子1052の基準温度tsdである場合の電圧の電圧振幅をAsdとするとき、FV曲線503での電圧の電圧振幅Aβは以下の式(2)で表される。
Aβ=(Vsd/Vab)・Asd (2)
このように温度補正により駆動周波数が使用禁止周波数領域504内になると、回転部1051の制御性能を補正前の性能と合わせるために駆動周波数及び電圧振幅を同時に変更する必要がある。駆動周波数及び電圧振幅を同時にかつ不連続に変化させるため、FV特性の乗り替わり起因による不要振動が振動子1052に発生し、回転部1051に回転ムラや異音となって現れる可能性がある。映像記録中に回転ムラが発生した場合、回転ムラの影響で回転方向へブレた映像が撮影される場合がある。駆動周波数の温度補正をしなければ上記問題は発生しないが、回転部1051の位置制御を行うと、回転部1051の変化量が不適となる。その結果、回転部1051の回転位置変化による負荷変動を抑えられないことにより回転ムラが発生し、ブレた映像が撮影される可能性がある。この課題を解決する方法を後述する。
<撮像装置の動作>
図6は、カメラ101の動作の一例を説明するフローチャートである。カメラ101は自動被写体探索機能を有し、該機能はカメラ101の電源オンでスタートされ、自動被写体探索や自動撮影が実行される。
このように温度補正により駆動周波数が使用禁止周波数領域504内になると、回転部1051の制御性能を補正前の性能と合わせるために駆動周波数及び電圧振幅を同時に変更する必要がある。駆動周波数及び電圧振幅を同時にかつ不連続に変化させるため、FV特性の乗り替わり起因による不要振動が振動子1052に発生し、回転部1051に回転ムラや異音となって現れる可能性がある。映像記録中に回転ムラが発生した場合、回転ムラの影響で回転方向へブレた映像が撮影される場合がある。駆動周波数の温度補正をしなければ上記問題は発生しないが、回転部1051の位置制御を行うと、回転部1051の変化量が不適となる。その結果、回転部1051の回転位置変化による負荷変動を抑えられないことにより回転ムラが発生し、ブレた映像が撮影される可能性がある。この課題を解決する方法を後述する。
<撮像装置の動作>
図6は、カメラ101の動作の一例を説明するフローチャートである。カメラ101は自動被写体探索機能を有し、該機能はカメラ101の電源オンでスタートされ、自動被写体探索や自動撮影が実行される。
操作部211にて電源ボタンが操作されると、ステップS601において、制御部212は、各種初期設定(撮像/自動探索など)を行う。自動探索の初期化では、後術する重要度レベルの初期化等の処理が行われる。初期設定が終了し、撮像素子からの画像情報を取得可能になると、画像処理部206は、撮像部205から取得した信号を用いて被写体検出用の画像を生成する。生成された画像を用いて人や物等の被写体検出が行われる。人を検出する場合、顔や体を検出する。顔検出処理では、人の顔を判断するためのパターンが予め定められており、画像内に含まれる該パターンに一致する箇所を人の顔画像として検出することができる。また、被写体の顔としての確からしさを示す顔信頼度も同時に算出される。顔信頼度は、例えば画像内における顔領域の大きさや、顔パターンとの一致度等から算出される。物体認識についても同様に、予め登録されたパターンに一致する物体を認識することができる。また、画像内の色相や彩度等のヒストグラムを使用して被写体を抽出する方法もある。該方法では、撮影画角内に捉えられている被写体の画像に関し、その色相や彩度等のヒストグラムから導出される分布を複数の区間に分け、区間ごとに撮像された画像を分類する処理が実行される。例えば、撮像された画像について複数の色成分のヒストグラムが作成され、その山型の分布範囲で区分けし、同一の区間の組み合わせに属する領域にて撮像された画像が分類され、被写体の画像領域が認識される。認識された被写体の画像領域ごとに評価値を算出することで、当該評価値が最も高い被写体の画像領域を主被写体領域として判定することができる。
ステップS602では、制御部212は、動画撮影を開始する。ステップS603では、制御部212は、被写体検出情報等の撮像情報を取得する。ステップS604では、制御部212は、装置揺れ検出部208から角速度情報を取得する。ステップS605では、制御部212は、装置揺れ検出部208から加速度情報を取得する。ステップS606では、制御部212は、角速度情報と加速度情報からカメラ絶対角度を算出する。ステップS607では、制御部212は、カメラ101が手持ち状態や人の体にウェアラブル装着された状態において生じる画像ブレを抑えるための像振れ補正量を算出する。
角速度計106と加速度計107は固定部103に実装されているため、角速度情報や加速度情報は固定部103の位置における情報であり、これらの情報を基に算出されるカメラ絶対角度も固定部103の位置における絶対角度である。また、鏡筒102の回転ブレ(撮像素子のブレ)を補正する際、固定部103の位置での角速度情報に基づく補正角度を用いて像振れ補正量が算出される。制御部212は、像振れ補正量に基づいて鏡筒回転駆動部112を介してチルト回転ユニット104やパン回転ユニット105を駆動し、鏡筒102を回転させることで振れ補正を行う。
<カメラ絶対角度と像振れ補正量の算出方法>
図7は、カメラ絶対角度と像振れ補正量の算出方法の説明図である。まず、カメラ絶対角度の算出方法について説明する。ピッチ絶対角度算出部701、ヨー絶対角度算出部702、及びロール絶対角度算出部703はそれぞれ、角速度計106の出力と加速度計107の出力を用いてピッチ方向、ヨー方向、及びロール方向の絶対角度を算出する。これにより、角速度計106と加速度計107の位置のカメラ絶対角度、すなわち固定部103の位置でのカメラ絶対角度が算出される。
<カメラ絶対角度と像振れ補正量の算出方法>
図7は、カメラ絶対角度と像振れ補正量の算出方法の説明図である。まず、カメラ絶対角度の算出方法について説明する。ピッチ絶対角度算出部701、ヨー絶対角度算出部702、及びロール絶対角度算出部703はそれぞれ、角速度計106の出力と加速度計107の出力を用いてピッチ方向、ヨー方向、及びロール方向の絶対角度を算出する。これにより、角速度計106と加速度計107の位置のカメラ絶対角度、すなわち固定部103の位置でのカメラ絶対角度が算出される。
まず、加速度計107の各軸の出力の関係から、ロール方向、ピッチ方向、及びヨー方向のカメラ絶対角度(加速度演算ロール絶対角度、加速度演算ピッチ絶対角度、及び加速度演算ヨー絶対角度)が算出される。しかしながら、カメラ101が静止している状態で外部からの加速度の影響を受けない場合、すなわち加速度計107が検出する加速度は重力加速度が支配的である場合にのみ、精度良く傾き角度を算出可能である。カメラ101が移動される状態、例えば、撮影者が手持ちで歩行している状態、体の一部にカメラ101を固定装着した状態、及び車やバイク等の乗り物にカメラ101を取り付けた状態での撮影では、重力加速度以外の加速度(振動加速度)の影響が大きくなる。そのため、正確なカメラ絶対角度を算出することは困難である。また、角速度計106のみでカメラ絶対角度を推定する場合においても、角速度計106の出力の積分演算により姿勢角度を推定可能であるが、積分による誤差も蓄積されてしまうため、正確な絶対角度を算出することは困難である。
そこで、角速度計106と加速度計107のそれぞれの苦手とするノイズ領域を除去し、センサフュージョンにより信号合成して絶対角度演算を行う。より詳しくは、カルマンフィルタや相補フィルタ等を用いて演算され、角速度計106の積分誤差に最も影響する低周波ノイズ、及び加速度計107の外乱による演算誤差に最も影響する高周波ノイズを除去し、信号を合成する。センサフュージョンによれば、ノイズを除去した正確な絶対角度演算が可能になる。
したがって、角速度計106からのジャイロピッチ角速度と加速度演算ピッチ絶対角度とのセンサフュージョンによりピッチ絶対角度が算出される。また、角速度計106からのジャイロヨー角速度と加速度演算ヨー絶対角度とのセンサフュージョンによりヨー絶対角度が算出される。また、角速度計106からのジャイロロール角速度と加速度演算ロール絶対角度とのセンサフュージョンによりロール絶対角度の算出が行われる。
また、加速度計107からのカメラ絶対角度が算出不可能な軸(例えば、図1(b)のY軸方向が重力方向と完全一致している場合の、Y軸周りの回転時軸であるヨー回転軸)では、角速度計106のみで絶対角度演算が行われる。カメラ角度変化により、カメラ絶対角度が算出可能であると判定された最後の絶対角度をスタートにして、カメラ絶対角度が算出不可能な期間では、角速度積分による絶対角度演算が行われる。
次に、像振れ補正量の算出方法について説明する。前述した方法によって算出されたカメラ絶対角度に基づいて、チルト回転ユニット104及びパン回転ユニット105を駆動することで、振れ補正を行うことが可能である。しかしながら、カメラ絶対角度に基づく防振制御では、いつまでも同じ姿勢を維持し続ける制御が行われるため、撮影者が移動しながら撮影する等の場合に構図が変更されなかったり、各ユニットの可動端を超えての防振制御が不可能になってしまったりする。そこで、低周波成分の振れ補正を行わずに、高周波成分のみを防振制御を行う。すなわち、低周波成分の振れ補正制御を行わずに、高周波成分の振れ補正制御を行うために角速度計106のみを用いて像振れ補正量を算出する。
角速度計106の出力をHPF(ハイパスフィルタ又は高域透過フィルタ)でDC成分をカットした後に積分し、角度信号に変換することで、防振角度が算出される。パン防振角度算出部705は、角速度計106から出力されたジャイロヨー角速度からパン方向(ヨー方向)の防振角度を算出する。算出された防振角度に基づいてパン回転ユニット105を駆動することで、パン方向の振れ補正が行われる。チルト方向については、角速度計106が固定部103に実装されているので、パン回転ユニット105の回転角度によって、チルト方向の振れ補正を行うための制御が変化する。カメラ101が正位置である(図8(a)のX軸方向が光軸に対して常に直交する方向である)場合、ピッチ防振角度算出部706で算出されたピッチ防振角度をそのままチルト防振角度として算出する。カメラ101が正位置から90度回転した位置である(図8(b)のZ軸方向が光軸に対して常に直交する方向である)場合、ロール防振角度算出部707で算出されたロール防振角度をそのままチルト防振角度として算出する。パン回転角度に応じたチルト防振角度は、以下の式(3)を用いて算出される。
θtl=θpi×cosθap+θri×sinθap (3)
ここで、θtlは、チルト防振角度である。θpiは、ピッチ防振角度である。θriは、ロール防振角度である。θapは、パン回転角度である。
ここで、θtlは、チルト防振角度である。θpiは、ピッチ防振角度である。θriは、ロール防振角度である。θapは、パン回転角度である。
以上説明したように、チルト防振角度算出部704は、パン回転角度に応じて、チルト防振角度を算出する。
なお、角速度計106からのピッチ角速度とロール角速度、及びパン回転角度から算出されたチルト角速度を角度変換する方法でも、チルト防振角度を算出可能である。
以上説明した方法で、パン防振角度とチルト防振角度を算出可能であり、各防振角度(像振れ補正量)に応じて、チルト回転ユニット104及びパン回転ユニット105を駆動することで振れ補正を行うことができる。
また、カメラ絶対角度、及びチルト回転ユニット104とパン回転ユニット105の回転角度から鏡筒102の絶対角度も算出可能である。具体的には、ヨー絶対角度算出部702からのヨー絶対角度から、パン回転ユニット105の回転角度を減算することで、ヨー方向の光軸基準カメラ角度(鏡筒102のヨー絶対角度)を算出可能である。
固定部103の位置に変換したピッチ方向とロール方向の鏡筒102の回転角度はパン回転ユニット105とチルト回転ユニット104の回転角度から算出可能である。ピッチ方向の光軸基準カメラ角度(鏡筒102のピッチ絶対角度)は、ピッチ絶対角度算出部701からのピッチ絶対角度からピッチ方向の鏡筒102の回転角度を減算することで算出される。ロール方向の光軸基準カメラ角度(鏡筒102のロール絶対角度)は、ロール絶対角度算出部703からのロール絶対角度からロール方向の鏡筒102の回転角度を減算することで算出される。
以上説明したように、光軸基準のカメラ絶対角度が求めることができれば、例えばカメラ起動時の角度を基準として、鏡筒102がどの角度方向を向いているかを判定可能である。
カメラ絶対角度と像振れ補正量が算出された後、ステップS608では、制御部212は、カメラ移動検出を行う。具体的には、制御部212は、装置移動検出部209からカメラ101が大きく移動したかどうかの情報を取得する。また、制御部212は、GPS位置情報を取得可能な外部デバイスからの情報を用いてカメラ101が大きく移動したかどうかを判定してもよい。
ステップS609では、制御部212は、カメラ状態判定を行う。具体的には、制御部212は、カメラ角度やカメラ移動量等により、カメラ101が現在どのような振動/動き状態であるかを判定する。例えば、車にカメラ101を装着して撮影する場合、移動により周りの風景等の被写体情報が大きく変化するため、車等に装着して速い速度で移動する「乗り物移動状態」であるかどうかを判定する。判定結果は、後述する自動被写体探索に使用可能である。また、カメラ角度の変化に基づいて、カメラ101が揺れ角度がほとんどない「置き撮り状態」であるかどうかを判定する。「置き撮り状態」である場合、カメラ101自体の角度変化はないと考えてよいので、置き撮り用の被写体探索を行うことができる。また、カメラ角度変化が比較的大きい場合、「手持ち状態」と判定され、手持ち用の被写体探索を行うことができる。
ステップS610では、制御部212は、カメラ絶対角度が検出不可能な状態であるかどうかを判定する。カメラ絶対角度が検出不可能な状態とは、カメラ衝撃が非常に大きく、加速度計107の出力を用いたカメラ絶対角度の算出に不具合が生じてしまう場合や、カメラ角速度が非常に大きく、角速度計106が検出可能な範囲をオーバーしてしまう場合である。カメラ絶対角度が検出不可能であると判定された場合、ステップS611に進み、そうでないと判定された場合、ステップS612に進む。ステップS611では、制御部212は、自動被写体探索処理の初期化を行う。
ステップS612では、制御部212は、ステップS601での初期設定時や、ステップS611での自動被写体探索処理の初期化時におけるカメラ絶対角度を基準としたエリア分割を行う。また、制御部212は、カメラ101が現在取得している画像を、エリア分割に基づいて、ブロック分割する。
以下、図9を参照して、エリア分割について説明する。図9は、エリア分割の説明図である。図9(a)に示されるように、原点Oで表されるカメラ101の位置を中心として、全周囲でエリア分割が行われる。図9(a)では、チルト方向とパン方向のそれぞれにおいて、22.5度で分割されている。図9(a)のように分割すると、チルト方向の角度が0度から離れるにつれて、水平方向の円周が小さくなり、エリアが小さくなる。したがって、図9(b)に示されるように、チルト角度が45度以上である場合、水平方向のエリアを22.5度よりも大きく設定している。
図9(c)は、撮影画角内でのエリア分割された例を示している。方向901は初期化時のカメラ101の方向であり、方向901を基準としてエリア分割が行われる。902は撮像されている画像の画角エリアを示しており、そのときの画像例を図9(d)に示す。画角に写し出されている画像内ではエリア分割に基づいて、図9(d)の903~918のように画像分割される。
図10は、撮影画像内のエリア分割を説明するための図であり、カメラ101のパン方向が方向901である場合の撮影画角内におけるエリア分割を示している。図10(a)では、自動被写体探索の初期化時におけるカメラ101の絶対角度を基準としたエリアであり、チルト角度が0度の場合の、撮影画角を1001、画角中心を1002で示し、そのときの撮影画像を図10(b)に示す。図10(a)では、チルト角度が55度の場合の、撮影画角を1003、画角中心を1004で示し、そのときの撮影画像を図10(c)に示す。
チルト角度が0度である場合、横(水平)方向の角度範囲がそれほど大きく変わらないので、エリアの大きさの差も小さいが、チルト角度が55度である場合、横方向の角度範囲が角度によって大きく変わってしまう。そこで、チルト角度が45度以上である場合、水平方向のエリアを22.5度よりも大きく設定することで、チルト角度が大きくなるにつれてエリアが小さくなりすぎることを防いでいる。
図11は、撮影画像内のエリア分割を説明するための図である。図11(a)では、カメラ101の初期位置からパン方向へ11.25度回転させたときのエリアであり、チルト角度が0度の場合の、撮影画角を1101、画角中心を1102で示し、そのときの撮影画像を図11(b)に示す。図11(a)に示されるように、水平方向は、11.25度を中心として、エリアが設定される。
上記の撮影画角内でのエリアは以下の式(4),(5)で求められ、画角内で存在するエリアを全て算出し、図10(b)、図10(c)、及び図11(b)のように、画像内でエリア分割される。
θay=θy+θy’ (4)
θax=θx’・cosθay (5)
ここで、θyは、カメラ101の初期位置を基準とするチルト角度である。θx’は、パン角度位置(画像水平中心)からエリア分割角度までの角度である。θy’は、チルト角度位置(画像垂直中心)からエリア分割角度までの角度である。θaxは、画像内での水平中心から水平方向エリア分割角度までの水平方向角度の長さである。θayは、画像内での垂直中心から垂直方向エリア分割角度までの垂直方向角度の長さである。なお、カメラ101の初期位置を0度基準とする。
θax=θx’・cosθay (5)
ここで、θyは、カメラ101の初期位置を基準とするチルト角度である。θx’は、パン角度位置(画像水平中心)からエリア分割角度までの角度である。θy’は、チルト角度位置(画像垂直中心)からエリア分割角度までの角度である。θaxは、画像内での水平中心から水平方向エリア分割角度までの水平方向角度の長さである。θayは、画像内での垂直中心から垂直方向エリア分割角度までの垂直方向角度の長さである。なお、カメラ101の初期位置を0度基準とする。
エリア分割角度は22.5度ごとに設定されるが、垂直方向45度~67.5度の範囲は、水平方向エリア分割は45度に設定される。垂直方向67.5度~90度の範囲は、水平方向の分割は行わず1つのエリアとして設定される。
ステップS613では、制御部212は、重要度レベルを算出する。図9(d)に示されるように、取得画像内の被写体情報等に基づいて、エリア別に重要度レベルが算出される。ただし、画角に対して写っている領域が小さい(例えば、エリアの大きさを100%としたときに画像内でエリアが写っている領域が50%以下である)場合、重要度レベルの判定や更新は行われない。設定したエリアごとに重要度レベルが様々な条件で設定される。
<人物情報に応じた重要度レベル設定>
画角内の各エリアでの人物情報に応じた重要度レベル設定が行われる。顔検出を行う方法として、例えば顔に関する知識(肌色情報や、目、鼻、及び口等のパーツ情報)を利用する方法とニューラルネットに代表される学習アルゴリズムにより顔検出のための識別器を構成する方法等がある。検出精度向上のために複数の顔検出方法を組み合わせて顔検出を行うことが一般的である。顔検出を行うことで、顔の大きさや向き、及び顔としての確からしさを示す信頼度等が算出される。また、顔の各器官検出情報から顔の表情を検出する方法も知られており、目の開き度合を検出したり、笑顔度を検出したりすることができる。具体的には、顔を構成する器官(目、鼻、及び口等)の輪郭、並びに目頭、目尻、小鼻、口角、及び唇の位置等から表情検出に必要な特徴量を取得する。特徴量を取得する方法として、各顔構成部品のテンプレートを用いたテンプレートマッチングによる方法や、顔構成部品の多数のサンプル画像を用いた学習アルゴリズムによる方法等がある。検出した特徴量に基づいて、笑顔度、目つむり、ウインク、及び表情推定(喜び/驚き/怒り/悲しみ/真顔)等の顔の表情を検出可能である。
<人物情報に応じた重要度レベル設定>
画角内の各エリアでの人物情報に応じた重要度レベル設定が行われる。顔検出を行う方法として、例えば顔に関する知識(肌色情報や、目、鼻、及び口等のパーツ情報)を利用する方法とニューラルネットに代表される学習アルゴリズムにより顔検出のための識別器を構成する方法等がある。検出精度向上のために複数の顔検出方法を組み合わせて顔検出を行うことが一般的である。顔検出を行うことで、顔の大きさや向き、及び顔としての確からしさを示す信頼度等が算出される。また、顔の各器官検出情報から顔の表情を検出する方法も知られており、目の開き度合を検出したり、笑顔度を検出したりすることができる。具体的には、顔を構成する器官(目、鼻、及び口等)の輪郭、並びに目頭、目尻、小鼻、口角、及び唇の位置等から表情検出に必要な特徴量を取得する。特徴量を取得する方法として、各顔構成部品のテンプレートを用いたテンプレートマッチングによる方法や、顔構成部品の多数のサンプル画像を用いた学習アルゴリズムによる方法等がある。検出した特徴量に基づいて、笑顔度、目つむり、ウインク、及び表情推定(喜び/驚き/怒り/悲しみ/真顔)等の顔の表情を検出可能である。
また、予め個別の顔データを登録しておき、検出した顔から特定の個人であるかどうかを検出する個人顔認証も行うことができる。予めデータベースに登録されている対象との状態が一致するかどうか、またはその一致度が判定される。検出された被写体の画像データから、その被写体領域と被認証対象として識別するための特徴情報を抽出し、抽出した特徴情報と予めデータベースに登録されている被写体の画像の特徴情報とを比較する。比較による類似度を示す認証評価値に基づいて、被認証対象がどの登録対象であるか、または該当する登録対象が存在しないかの認証が行われる。例えば、認証評価値が所定の閾値以上の場合に、被認証対象がデータベースに登録されている該当対象であると判定すればよい。
Krは、顔信頼性によってレベル付けされた(例えば、信頼性小から大で大きくなる)値である。顔の大きさや向き、及び顔の確からしさ等によって信頼性が判定される。Kaは、個人顔認証情報によってレベル付けされた値であり、登録された個人の顔ごとの重要度(予め重要度を登録等しておく)や、後述する過去撮影情報に基づいて、顔ごとに設定されている。Ksは、顔表情によってレベル付けされた値であり、予め設定された表情に応じたレベル(例えば、笑顔、喜び、及び驚き等は高いレベルであり、怒り、悲しみ、真顔、及び目つむり等は低いレベル)に基づいて、顔ごとにレベル付けされる。ここで、各表情で表情の度合い、例えば笑顔であれば笑顔度合いに応じてレベルを可変させる構成であってもよい。
値Kr,Ka,Ksより、人物表情に応じたレベルFlvlは、以下の式(6)で表される。
Flvl=Kr・Ka・Ks (6)
以下、図12を参照して、人物情報に応じた重要度レベル設定の説明を行う。図12は、撮影画像内のエリアごとの人物検出を説明するための図である。エリア1201,1204,1205,1208のように、画像に写っている領域が小さい場合、探索していないものとして判定されない。ここで、3人の人物(1209,1210,1211)が画角内に写っている場合を例に説明する。人物1209は、個人顔認証登録されていない被写体であり、表情に笑顔がない被写体とする。人物1210は、個人顔認証登録されていない被写体であり、表情に笑顔がある被写体とする。人物1211は、個人顔認証登録されている被写体であり、表情に笑顔がある被写体とする。
以下、図12を参照して、人物情報に応じた重要度レベル設定の説明を行う。図12は、撮影画像内のエリアごとの人物検出を説明するための図である。エリア1201,1204,1205,1208のように、画像に写っている領域が小さい場合、探索していないものとして判定されない。ここで、3人の人物(1209,1210,1211)が画角内に写っている場合を例に説明する。人物1209は、個人顔認証登録されていない被写体であり、表情に笑顔がない被写体とする。人物1210は、個人顔認証登録されていない被写体であり、表情に笑顔がある被写体とする。人物1211は、個人顔認証登録されている被写体であり、表情に笑顔がある被写体とする。
エリア1202,1206に人物1209が写っているので、両方のエリアに人物1209の人物情報に応じたレベル設定が行われる。人物1209は、個人認証の登録情報を参照すると個人認証登録されていないのでゲインKaは1、笑顔でないのでゲインKsは1となり、人物1209のレベルFlvlはKrとなる。
エリア1203,1207に人物1210,1211が写っているので、両方のエリアに人物1210,1211の人物情報に応じた重要度レベル設定が行われる。人物1210は、個人顔認証登録されていないのでゲインKaは1、笑顔がある被写体なのでゲインKsは1以上に設定されている。人物1211は、個人顔認証登録されているのでゲインKaは1以上、笑顔がある被写体なのでゲインKsは1以上に設定されている。顔信頼性が人物1209,1210,1211で同じ信頼度の場合、重要度レベルの大きさは人物1211,1210,1209の順となる。
また、顔が写っている割合によって、レベル分けが行われる。顔割合が大きいエリアには、求めた重要度レベルをそのまま設定し、顔割合が小さいエリアには顔割合によって重要度レベルを変更する。例えば、エリア1203,1207の人物の顔割合が8:2の場合、重要度レベルは10:2.5に設定される。
以上のように、人物の顔情報に基づいて、エリアごとに重要度レベルが設定される。
<物体認識情報に応じた重要度レベル設定>
予め登録されている被写体を検出した場合、物体認識情報に応じた重要度レベル設定が行われる。例えば、「犬」や「猫」等の一般的な物体カテゴリー認識が行われたり、事前に登録された被写体画像との一致度から、被写体認識による重要度レベル設定が行われたりする。物体認識については、ニューラルネットに代表される学習アルゴリズムにより「犬」や「猫」等の識別器を構成する方法等がある。
<物体認識情報に応じた重要度レベル設定>
予め登録されている被写体を検出した場合、物体認識情報に応じた重要度レベル設定が行われる。例えば、「犬」や「猫」等の一般的な物体カテゴリー認識が行われたり、事前に登録された被写体画像との一致度から、被写体認識による重要度レベル設定が行われたりする。物体認識については、ニューラルネットに代表される学習アルゴリズムにより「犬」や「猫」等の識別器を構成する方法等がある。
以下、図13を参照して、予め登録されている物体認識情報に応じた重要度レベル設定の説明を行う。図13は、撮影画像内のエリアごとの物体検出を説明するための図である。ここで、3つの被写体(1309,1311,1313)が画角内に写っている場合を例に説明する。被写体1309,1313はそれぞれ、物体認識により犬及び猫と判定される。で、物体認識情報に応じた重要度レベル設定では対象外の被写体である。「犬」を認識した場合のレベルと、「猫」を認識した場合のレベルはそれぞれ登録されているものとする。例えば、「犬」は重要被写体であり、「猫」は重要被写体でないと設定されている場合、「犬」を検出したエリア1307の方が「猫」を検出したエリアよりも重要度レベルが高く設定される。
また、物体認識の信頼度に応じて重要度レベルを変更してもよい。例えば、被写体が写っている割合によって、レベル分けが行われる。被写体割合が最も大きいエリアには、求めた重要度レベルをそのまま設定し、被写体割合が小さいエリアにはその割合によって重要度レベルを変更する。
<シーンに応じた重要度レベル設定>
画像データを解析することで、「青空シーン」、「自然の緑シーン」、及び「夕景シーン」等を判定し、シーン判定情報に基づいたレベル設定が行われる。なお、空に関するシーン判定については、カメラ101の絶対角度情報から、カメラ101の傾き情報が分かるので、重力方向と垂直な方向よりも、上方向領域の画像において、「青空シーン」や「夕景シーン」等の判定が行われる。
<シーンに応じた重要度レベル設定>
画像データを解析することで、「青空シーン」、「自然の緑シーン」、及び「夕景シーン」等を判定し、シーン判定情報に基づいたレベル設定が行われる。なお、空に関するシーン判定については、カメラ101の絶対角度情報から、カメラ101の傾き情報が分かるので、重力方向と垂直な方向よりも、上方向領域の画像において、「青空シーン」や「夕景シーン」等の判定が行われる。
まず、撮影された1フレームの12ビットRAWデータをn×m(n,mは整数)の領域にブロック分割し、分割された各領域内のR,G,B各色の画素の平均値を算出する。各ブロックのR,G,B平均値に対して、ホワイトバランス補正処理、ガンマ補正処理、及び色変換マトリックス処理による仮現像処理を行う。
「青空シーン」の判定は、画面内上方向領域における青空ブロックの割合を算出することで行われる。青空ブロックかどうかの判定はUV色空間上で青空判定領域を定義し、その領域内に入ったブロックをカウントすることで行われる。「夕景シーン」の判定は、画面内上方向領域における夕景ブロックの割合を算出することで行われる。夕景ブロックかどうかの判定はUV色空間上で夕景判定領域を定義し、その領域内に入ったブロックをカウントすることで行われる。「自然の緑シーン」の判定は、画面内全ブロックに占める自然の緑ブロックの割合を検出することで行われる。自然の緑ブロックかどうかの判定はUV色空間上で自然の緑判定領域を定義し、その領域内に入ったブロックをカウントすることで行われる。
以下、図14を参照して、シーン検出情報に応じた重要度レベル設定の説明を行う。図14は、撮影画像内のエリアごとのシーン検出を説明するための図である。図14では、画面内の右上範囲に青空が写っており、画面内の左範囲に建物が写っており、画面内の右下範囲に自然の緑が写っている。画面内のシーン判定より、「青空シーン」と「自然の緑シーン」を検出し、エリア1403は青空領域認識に応じたレベルが設定され、エリア1407は自然の緑領域認識に応じたレベルが設定される。エリア1402はエリアに対する青空領域が40%程度なので、青空領域認識に応じたレベルの40%が設定される。エリア1406はエリアに対する自然の緑領域が30%程度なので、自然の緑領域認識に応じたレベルの30%が設定される。
上記では、色空間情報によるシーン判定方法を説明したが、輝度値によってシーンを判定する方法もあり、「夜景シーン」の判定を例に説明する。画面全体のヒストグラムから極端に輝度の高いレベルと極端に輝度の低いレベルのみで分布されている場合、夜景として判定する。また、画像の輝度信号の高周波成分に基づいてコントラスト評価により点光源を判定し、輝度分布と点光源検出結果とを用いて「夜景シーン」を判定してもよい。
「青空シーン」、「夕景シーン」、「自然の緑のシーン」、及び「夜景シーン」それぞれにおける重要度レベルはそれぞれ登録されており、それぞれの登録されている重要度レベルに応じて、エリアごとにシーンに応じた重要度レベル設定を行う。
<音声情報に応じた重要度レベル設定>
音声情報データを解析することで、「音声方向」、「音レベル」、及び「音声認識」等を判定し、音声情報に基づいた重要度レベル設定が行われる。以下、図15を参照して、音声検出により得られた音声情報に応じた重要度レベル設定の説明を行う。図15は、音声検出を説明するためのフローチャートである。
<音声情報に応じた重要度レベル設定>
音声情報データを解析することで、「音声方向」、「音レベル」、及び「音声認識」等を判定し、音声情報に基づいた重要度レベル設定が行われる。以下、図15を参照して、音声検出により得られた音声情報に応じた重要度レベル設定の説明を行う。図15は、音声検出を説明するためのフローチャートである。
ステップS1501では、音声取得部は、外部で発声した音声を取得したか否かを判定する。音声を取得したと判定された場合、ステップS1502に進み、そうでないと判定された場合、本ステップの処理を繰り返す。
ステップS1502では、音声方向検出部は、取得した音声の発生方向を検出する。ステップS1503では、音レベルが検出される。ステップS1504では、音声認識部は、取得した音声を認識する。ステップS1505では、取得した音声が音声認識するための所定の音声コマンドであるかどうかが判定される。音声コマンドであると判定された場合、ステップS1506に進み、そうでないと判定された場合、ステップS1507に進む。ステップS1506では、取得した音声の音声認識レベルScがAc1に設定される。ステップS1507では、取得した音声の音声認識コマンドレベルScが0に設定される。
ステップS1508では、検出した音レベルが所定値以上であるかどうかが判定される。所定値以上であると判定された場合、ステップS1509に進み、そうでないと判定された場合、ステップS1510に進む。ステップS1509では、音声レベルSsがAc2に設定される。ステップS1510では、音声レベルSsが0に設定される。
ステップS1511では、ステップS1502で検出した音声の発生方向から音方向エリアが算出される。例えば、音声方向認識誤差を考えて、判定された方向の角度から±45度の範囲すべてを音方向エリアとする。ステップS1512では、音声認識レベルScと音声レベルSsを加算し、トータル音レベルSlが算出される。ステップS1513では、トータル音レベルSlが前回サンプリングでのトータル音レベルSlに対して大きくなる方に変化したかどうかが判定される。大きくなる方に変化したと判定された場合、ステップS1514に進み、そうでないと判定された場合、ステップS1516に進む。ステップS1514では、所定時間Taに時間カウントXtを設定する。ステップS1515では、ステップS1511で算出された音方向エリアにレベルSlが設定される。ステップS1516では、所定時間Taがデクリメントされる。ステップS1517では、所定時間Taは0以下かどうかが判定される。0以下であると判定された場合(レベルSlが大きくなる方に変化してから所定時間Taだけ経過した場合)、ステップS1518に進み、そうでないと判定された場合、ステップS1516に進む。ステップS1518では、ステップS1511で算出された音方向エリアに0が設定される。
<画像動き情報に応じた重要度レベル設定>
図9のようにエリア分割された各エリアにおいて動き被写体が存在するかどうかが判定され、画像動き情報に応じた重要度レベル設定が行われる。
<画像動き情報に応じた重要度レベル設定>
図9のようにエリア分割された各エリアにおいて動き被写体が存在するかどうかが判定され、画像動き情報に応じた重要度レベル設定が行われる。
エリアごとにフレーム間の差分検出やフレーム間の動きベクトル検出等が行われる。動きベクトルの検出方法として、画面を複数の領域に分割し、予め記憶されている1フレーム前の画像と現在の画像(連続する2つの画像)を比較することで、画像の相対的なズレ情報から画像動き量を算出する方法がある。
ここで、カメラ絶対角度とチルト回転ユニット104及びパン回転ユニット105の回転位置との差分により、鏡筒102(撮像面光軸方向)の角度が分かる。そのため、フレーム間の鏡筒102の角度の差分より、カメラ角度変化影響による像振れの動きベクトル値を検出可能である。図16は、撮影画像内の動き検出を説明するための図である。図16(a)に示されるように、エリアの中でも更に分割された領域でフレーム間の移動ピクセルが検出され、検出された移動ピクセルからカメラ角度変化影響による動きベクトル値を減算したベクトル信号から、度数分布処理が行われる。なお、低コントラスト等のベクトル検出が難しい場合、検出不可ブロックのベクトル情報は度数分布処理には反映されない。図16(b)は、あるエリアに動き被写体が存在しない場合の、あるフレームでの度数分布例を示している。閾値1602の範囲はベクトル値が小さく、ほとんど動きがないベクトル範囲であるため、閾値1602の範囲内のベクトル情報は使用されない。閾値1602以外の移動量が閾値1603を超えている場合、エリア内に動き被写体が存在すると判定されるが、図16(b)においては閾値1603を超えていないので動き被写体は存在しないと判定される。図16(c)は、エリアに動き被写体が存在する場合のあるフレームでの度数分布例を示している。閾値1602の範囲外におけるベクトル移動量が閾値1603を超えているので、このエリアに動き被写体が存在すると判定される。過去数フレームの間、動き被写体が連続していると判定されると、動き被写体ありの重要度レベルが設定される。
<過去の撮影情報に応じた重要度レベル設定>
過去に撮影された情報から重要度レベル設定が行われる。カメラ101が被写体自動探索を行う際の探索中の画像情報から自動撮影トリガーを検出すると、自動撮影が行われる。自動撮影トリガーは例えば、人物の笑顔等の表情検出であったり、最終的な重要度レベルの大きさであったりする。また、撮影者がカメラ101に設けられたレリーズSW等により、手動で撮影されることもある。カメラ101は撮影すると、過去撮影情報が記憶管理される。
<過去の撮影情報に応じた重要度レベル設定>
過去に撮影された情報から重要度レベル設定が行われる。カメラ101が被写体自動探索を行う際の探索中の画像情報から自動撮影トリガーを検出すると、自動撮影が行われる。自動撮影トリガーは例えば、人物の笑顔等の表情検出であったり、最終的な重要度レベルの大きさであったりする。また、撮影者がカメラ101に設けられたレリーズSW等により、手動で撮影されることもある。カメラ101は撮影すると、過去撮影情報が記憶管理される。
まず、エリアごとの過去撮影情報に応じたレベル設定について説明する。図9に示されるように、エリア分割された各エリアにおいて、各エリアでの撮影枚数が記憶管理される。図17は、エリアごとの撮影枚数管理を説明するための図である。図17に示されるエリアごとの過去情報から、エリアごとの重要度レベル設定が行われる。「今~T1時間」は現在から過去T1時間前までの撮影枚数であり、この重み係数を例えば1とする。「T1時間~T2時間」は過去T1時間から過去T2時間までの間の撮影枚数であり、この重み係数を例えば0.8とする。「T2時間~T3時間」は過去T2時間から過去T3時間までの間の撮影枚数であり、この重み係数を例えば0.5とする。「T3時間~T4時間」は過去T3時間から過去T4時間までの間の撮影枚数であり、この重み係数を例えば0.2とする。それぞれの重み係数と撮影枚数を乗算し、各時間の計算結果を加算することで、重みありのトータル撮影枚数をエリアごとに算出する。Area1のトータル撮影枚数は、0.4(=0×1+0×0.8+0×0.5+2×0.2)枚となり、Area3のトータル撮影枚数は、7.2(=3×1+4×0.8+2×0.5+0×0.2)枚となる。各エリアのトータル撮影枚数にレベル係数(係数はマイナスの値であり、撮影枚数が多くなるにつれて重要度レベルが下がっていくようにしている)を乗算して、エリアごとの過去撮影情報に応じたレベル設定が行われる。また、過去撮影情報は、<人物情報に応じた重要度レベル設定>、<物体認識情報に応じた重要度レベル設定>、及び<シーンに応じた重要度レベル設定>等にもフィードバックされ、各レベル設定にも影響する。
図18は、個人認証された登録被写体ごとの撮影枚数管理を説明するための図であり、<人物情報に応じた重要度レベル設定>にフィードバックするための過去撮影情報を管理した表である。個人登録されている被写体(Asan,Bsan,Csan,Dsan・・・)ごとの過去撮影枚数が記憶管理されている。図14を用いて説明した方法と同様に、各時間で重み係数が設定されており、登録被写体ごとにトータル撮影枚数が算出される。トータル撮影枚数にレベル設定のためのレベル係数を乗算した結果を、ゲインKaに加算することで、<人物情報に応じた重要度レベル設定>に過去撮影情報をフィードバックする。レベル係数はマイナスの値であり、撮影枚数が多くなるにつれてレベルが下がっていくようにしている。なお、ゲインKaは0以下にはならないように設定される。
図19は、物体認識された登録被写体ごとの撮影枚数管理を説明するための図であり、<物体認識情報に応じた重要度レベル設定>にフィードバックするための過去撮影情報を管理した表である。登録されている被写体(犬、猫・・・)ごとの過去撮影枚数が記憶管理されている。図14を用いて説明した方法と同様に、各時間で重み係数が設定されており、登録被写体ごとにトータル撮影枚数が算出される。トータル撮影枚数にレベル設定のためのレベル係数を乗算した結果を、各被写体に応じたレベル設定に加算することで、<物体認識情報に応じた重要度レベル設定>に過去撮影情報をフィードバックする。係数はマイナスの値であり、撮影枚数が多くなるにつれてレベルが下がっていくようにしている。なお、各被写体に応じた重要度レベルは0以下にはならないように設定される。
図20は、シーンごとの撮影枚数管理を説明するための図であり、<シーンに応じた重要度レベル設定>にフィードバックするための過去撮影情報を管理した表である。シーン(青空、夕景、自然の緑、夜景・・・)ごとの過去撮影枚数が記憶管理されている。図14を用いて説明した方法と同様に、各時間で重み係数が設定されており、登録被写体ごとにトータル撮影枚数が算出される。トータル撮影枚数にレベル設定のためのレベル係数を乗算した結果を、各シーンに応じたレベル設定に加算することで、<シーンに応じた重要度レベル設定>に過去撮影情報をフィードバックする。係数はマイナスの値であり、撮影枚数が多くなるにつれてレベルが下がっていくようにしている。なお、各シーンに応じた重要度レベルは0以下にはならないように設定される。
<未探索時間による重要度レベル設定>
図9に示されるように、分割された各エリア位置での最後に探索されたときからの経過時間に応じた重要度レベル設定が行われる。図21は、探索経過時間による演算を説明するためのフローチャートである。ステップS2101では、現在のパン・チルト位置が取得される。ステップS2102では、図9を用いて説明した方法で算出されたカメラ絶対角度が取得される。ステップS2103では、ステップS2101で取得したパン・チルト位置とステップS2102で取得したカメラ絶対角度とから鏡筒102の絶対角度が算出される。
<未探索時間による重要度レベル設定>
図9に示されるように、分割された各エリア位置での最後に探索されたときからの経過時間に応じた重要度レベル設定が行われる。図21は、探索経過時間による演算を説明するためのフローチャートである。ステップS2101では、現在のパン・チルト位置が取得される。ステップS2102では、図9を用いて説明した方法で算出されたカメラ絶対角度が取得される。ステップS2103では、ステップS2101で取得したパン・チルト位置とステップS2102で取得したカメラ絶対角度とから鏡筒102の絶対角度が算出される。
ステップS2104では、ループ演算のための変数であるAreaに1が代入される。ステップS2105では、鏡筒102の絶対角度を微分処理して算出した絶対角速度が所定速度以内、かつ変数Areaが画角内であるかどうかが判定される。ここで、所定速度とは、絶対角速度が被写体検出できる程度の速度(撮像遅れと検出時間遅れを加味して、画像から被写体検出するまでの遅れ時間が所定値以内の角速度)である。絶対角速度が所定速度以外、かつ変数Areaが画角内であると判定された場合、ステップS2106に進む。そうでないと判定された場合、ステップS2107に進む。ステップS2106では、現在の変数Areaの未探索時間に応じた重要レベルが0に設定される。ステップS2107では、現在の変数Areaの時間レベルがインクリメントされる。ステップS2108では、変数Areaをインクリメントする。ステップS2109では、変数Areaがトータルエリアの数より大きいかどうかが判定される。変数Areaがトータルエリアの数より大きいと判定された場合、本フローを終了し、そうでないと判定された場合、ステップS2105に戻る。
以上の方法により、エリアごとに未探索時間に応じた重要レベルが設定される。エリアが最後に被写体探索されてからの経過時間(エリアの未探索時間)によって、各エリアの時間レベルが大きくなっていくことで、長時間探索されていないエリアがあれば、重要度レベルが上がりパン・チルトによりそのエリアの探索を行う仕様になる。
<カメラ振動状態による重要度レベル設定>
カメラ振動状態に応じて重要度レベル設定が行われる。図6のステップS609で判定されたカメラ状態から、カメラ101の振動状態(乗り物検出状態、置き撮り状態、及び手持ち状態)が判定される。
<カメラ振動状態による重要度レベル設定>
カメラ振動状態に応じて重要度レベル設定が行われる。図6のステップS609で判定されたカメラ状態から、カメラ101の振動状態(乗り物検出状態、置き撮り状態、及び手持ち状態)が判定される。
カメラ101の振動状態が「置き撮り状態」の場合、カメラ絶対角度演算を間違うことはなく、各エリアの重要度レベルの演算の信頼性は高いので、これまでで演算された各エリアの重要度レベルをそのまま使用して後の探索制御が行われる。
カメラ101の振動状態が「乗り物検出状態」の場合、移動速度が速いので、乗り物に乗っている人のエリアの変化はほとんどないが、風景等の被写体は刻々と変化する。したがって、「乗り物検出状態」の場合、<人物情報に応じた重要度レベル設定>はそのまま重要度レベルを使用するが、<画像動き情報に応じた重要度レベル設定>の重要度レベルは使用しない。また、<シーンに応じた重要度レベル設定>や<物体認識情報に応じた重要度レベル設定>はすぐに変化する可能性が高いので、重要度レベルを下げる。ただし、自動撮影においては検出したらすぐ撮影を行う等の工夫もする。<音声情報に応じた重要度レベル設定>や<過去撮影情報に応じた重要度レベル設定>はそのまま重要度レベルを使用する。また、カメラ101の進行方向を検出して、速い速度で移動している進行方向を加速度センサ等で検出し、進行方向のエリアの重要度レベルを上げておく等の演算も行われる。
カメラ101の振動状態が「手持ち状態」(ブレ振動が大きい状態)の場合、撮影者がカメラ101の方向を操作する可能性が高い。そこで、カメラ正位置(チルト角度とパンチルト角度が0度)から±45度の範囲のエリアは重要度レベルを大きく設定し、±45度~±90度の範囲のエリアは重要度レベルをより小さく設定する。そして、±90度よりも離れた範囲では重要度レベルを更に小さくなるように、各エリアの重要度レベルを設定する。エリアごとに重要度レベルを加算する方法でもよいし、エリアごとに算出された重要度レベルに範囲に応じて重みをかける方法でもよい。±45度の範囲のエリアは重み係数1、±45度~±90度の範囲のエリアは重み係数を1以下、±90度よりも離れた範囲では重み係数を更に小さくしておく。
以上の方法により、カメラ101の振動状態により、重要度レベル演算を変更し、振動状態にあった被写体探索が行われるようにしている。
上記の方法で求めた各エリアにおける重要度レベルを算出した後、ステップS614に進む。
<パン・チルト探索目標角度算出>
ステップS614では、制御部212は、エリアごとの重要度レベルから、パン・チルト探索の目標角度を算出する。パン・チルト探索の目標角度は以下の方法で算出される。
<パン・チルト探索目標角度算出>
ステップS614では、制御部212は、エリアごとの重要度レベルから、パン・チルト探索の目標角度を算出する。パン・チルト探索の目標角度は以下の方法で算出される。
まず、各エリアに隣接するエリアの重要度レベルから、探索用最終レベルを算出する。図22は、シーンごとの探索目標角度演算を説明するための図である。図22(a)のエリア2201における探索用最終レベルはエリア2201と周辺のエリアの情報を用いて演算される。エリア2201の重み係数を1として、その他の重み係数を1以下(例えば0.5)として、各エリアの重要度レベルに重み係数を乗算し、全てのエリアで求めた計算値を加算することで探索用最終レベルが算出される。この演算を全てのエリアで行い、各エリアでの探索用最終レベルが算出される。
次に、探索用最終レベルが最も大きいエリアを探索目標エリアと設定する。探索目標エリアが図22のエリア2201である場合、エリア2201~2209の探索用最終レベルとエリア2201~2209の中心角度とからパン・チルト探索目標角度が以下の式(7)により算出される。
nはエリア数であり、iは各エリアを1~9に定義した変数であり、bは各エリアの中心角度、aは各エリアの探索用最終レベルである。このように、演算されたエリア2201~2209間の探索用最終レベルに基づいた角度の重心位置yを演算する(yは、チルト方向とパン方向それぞれで演算される)ことで、パン・チルト探索目標角度yが算出される。なお、各エリアの探索用最終レベルの全ての値が所定閾値以下である場合、探索してもその時点での重要な被写体は存在しないと判定され、パン・チルト駆動をしない。このとき、<過去撮影情報に応じた重要度レベル設定>を除外した条件で算出した重要度に基づいて目標角度を演算し、目標角度にパン・チルト駆動した後、各エリアの探索用最終レベルのいずれかが所定閾値より大きくなるまで、その角度位置に保持される。
以上のようにして、パン・チルト探索目標角度を算出し、ステップS615に進む。
<パン・チルト駆動量算出>
ステップS615では、制御部212は、ステップS607で求めた像振れ補正量とステップS614で求めたパン・チルト探索目標角度から、パン・チルト駆動量を算出する。像振れ補正量とパン・チルト探索目標角度に基づいた制御サンプリングでの駆動角度を加算することで、パン・チルト駆動量(パンの駆動角度とチルトの駆動角度)を算出する。
<パン・チルト駆動>
ステップS616では、制御部212は、パン・チルトそれぞれの駆動角度に応じて、鏡筒回転駆動部112を介して、チルト回転ユニット104とパン回転ユニット105を駆動制御する。
<過去撮影情報の更新>
ステップS617では、過去撮影情報が更新される。
<位相差に応じた電圧振幅の決定方法>
以下、パン回転ユニット105を駆動制御する際に、振動子1052に印可する電圧の位相差に応じて電圧振幅を制御(決定)する方法について説明する。ここで、パン回転ユニット105を低速で駆動制御する場合、振動子1052に印可する電圧の周波数を固定して、位相差を変更することで速度制御を行う位相差制御モードが適している。図23は、振動子1052に印可する電圧の位相差と電圧振幅との関係の一例を示す図である。図23において、横軸は位相差、縦軸は電圧振幅である。
<パン・チルト駆動量算出>
ステップS615では、制御部212は、ステップS607で求めた像振れ補正量とステップS614で求めたパン・チルト探索目標角度から、パン・チルト駆動量を算出する。像振れ補正量とパン・チルト探索目標角度に基づいた制御サンプリングでの駆動角度を加算することで、パン・チルト駆動量(パンの駆動角度とチルトの駆動角度)を算出する。
<パン・チルト駆動>
ステップS616では、制御部212は、パン・チルトそれぞれの駆動角度に応じて、鏡筒回転駆動部112を介して、チルト回転ユニット104とパン回転ユニット105を駆動制御する。
<過去撮影情報の更新>
ステップS617では、過去撮影情報が更新される。
<位相差に応じた電圧振幅の決定方法>
以下、パン回転ユニット105を駆動制御する際に、振動子1052に印可する電圧の位相差に応じて電圧振幅を制御(決定)する方法について説明する。ここで、パン回転ユニット105を低速で駆動制御する場合、振動子1052に印可する電圧の周波数を固定して、位相差を変更することで速度制御を行う位相差制御モードが適している。図23は、振動子1052に印可する電圧の位相差と電圧振幅との関係の一例を示す図である。図23において、横軸は位相差、縦軸は電圧振幅である。
位相差が点線P0で示される値(=ゼロ)である場合、電圧振幅は下限値Dminとなる。駆動速度を増加させるために位相差を増加させると、従来は点線2301で示されるように、電圧振幅を線形の関係で増加させていた。
図24は、振動子1052に印可する電圧の電圧振幅の違いによる位相差と駆動速度との関係を示す図である。図24において、横軸は位相差、縦軸は駆動速度である。図24(a)は、電圧振幅を十分に大きくした場合の位相差と駆動速度との関係を示しており、位相差の変化に追従して駆動速度が変化していることを示している。図24(b)は、電圧振幅を下限値Dmin付近にした場合の位相差と駆動速度との関係を示しており、位相差の絶対値が小さい範囲では、位相差の変化に駆動速度の変化が追従せず、速度制御に広い不感帯が生じていることを示している。すなわち、電圧振幅が下限値Dmin付近では速度制御性が低下していることを示している。
図23の点線2301で示されるように電圧振幅を位相差と線形の関係で増加させる従来の方法では、電圧振幅の変化率が一定のため、速度制御の不感帯を抜けて位相差の変化に駆動速度の変化が追従するようになるまでに時間を要してしまう。そこで、本実施形態では、駆動速度を増加させるために位相差を増加させると、図23の実線2302で示されるように、位相差の絶対値が小さいほど電圧振幅の変化率が大きくなるように電圧振幅を増加させる。具体的には、電圧振幅kを以下の式(8)で表すように正弦波関数に基づいて変化させる。
ここで、Dminは電圧振幅の下限値(位相差ゼロでの電圧振幅)、Dmaxは電圧振幅の上限値、Phaseは位相差、Phase_maxは最大位相差(本実施形態では90°)である。
また、電圧振幅の変化率k´は以下の式(9)で表わされ、位相差の絶対値が小さいほど電圧振幅の変化率が大きくなる。
本実施形態の構成では、図24(c)に示されるように、位相差の絶対値が小さい範囲での速度制御の不感帯を狭めることができ、電圧振幅が下限値付近での速度制御性の低下を抑制することができる。
図25は、パン回転ユニット105を駆動制御する際に、位相差に応じて電圧振幅を制御(決定)する方法を説明するためのフローチャートである。
ステップS2501では、目標位置設定部1123は、操作部211からの回転指示に基づいてパンの目標回転位置を取得する。回転部1051の現在位置は、位置演算部1122から取得される。
ステップS2502では、パン回転ユニット105の目標位置と現在位置との差が最低駆動量αより大きいかどうかが判定される。最低駆動量αは、位置演算部1122の演算精度から設定してもよいし、パン回転ユニット105の現在位置と目標位置の差を変化させていって、パン回転ユニット105を駆動した際にオーバーランしなくなる最小の値に基づいて設定してもよい。また、ズームユニット201の焦点距離に応じて最低駆動量αを変更するようにしてもよい。目標位置と現在位置との差が最低駆動量αより大きいと判定された場合、ステップS2503に進み、そうでないと判定された場合、本フローを終了する。
ステップS2503では、被写体自動探索の条件からパン回転ユニット105の駆動速度が算出される。
ステップS2504では、変換部1127は、ステップS2503で算出された駆動速度に基づく目標位置と現在位置との偏差に基づいてPID演算部1124により算出された制御量に基づいて2相の電圧の位相差及び周波数を算出する。
ステップS2505では、変換部1127は、図23の実線2302に示される関係を用いて、ステップS2504で算出された位相差に応じて、2相の電圧の電圧振幅を算出する。
ステップS2506では、駆動信号発生回路1128は、ステップS2504で算出された位相差及び周波数で、ステップS2505で算出された電圧振幅の2相の電圧に応じた駆動信号を生成し、駆動回路1054に出力する。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、振動波モータに印可する電圧の位相差の絶対値が小さくなるにしたがって、電圧振幅の変化率を大きくする。これにより、振動波モータの低速駆動時に発生する不要振動による駆動音を低減しつつ、振動波モータの制御性能を確保することが可能となる。
<位相差-駆動速度特性を用いた電圧振幅決定方法>
正弦波関数に基づいて電圧振幅を制御(決定)する方法について説明したが、振動子1052に印可する電圧の位相差と駆動速度の関係は、駆動部の摩擦や駆動負荷により影響を受けるため、動作環境や個体差等に応じて変化する。そこで、振動子1052に印可する電圧の位相差と駆動速度の関係を測定し、測定結果から得られる位相差-駆動速度特性に基づいて電圧振幅を制御(決定)してもよい。
<位相差-駆動速度特性を用いた電圧振幅決定方法>
正弦波関数に基づいて電圧振幅を制御(決定)する方法について説明したが、振動子1052に印可する電圧の位相差と駆動速度の関係は、駆動部の摩擦や駆動負荷により影響を受けるため、動作環境や個体差等に応じて変化する。そこで、振動子1052に印可する電圧の位相差と駆動速度の関係を測定し、測定結果から得られる位相差-駆動速度特性に基づいて電圧振幅を制御(決定)してもよい。
図26は、パン回転ユニット105と鏡筒回転駆動部112のブロック図である。速度検出部(第1検出部)1129は、位置演算部1122で取得した現在位置の変化量から駆動速度を検出する。位相差-速度検出部(第2検出部)1130は、変換部1127で算出された位相差と速度検出部1129で検出した駆動速度との関係を検出する。他の構成は図3を用いて説明した構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
図27は、振動子1052に印可する電圧の電圧振幅を下限値Dminとして、位相差を所定範囲(本実施例では0°~30°と0°~-30°)で変化させた場合の、位相差-速度検出部1130で検出した位相差と駆動速度の測定データの一例を示す図である。図27において、横軸は位相差、縦軸は駆動速度である。
位相差-速度検出部1130で検出した測定データから、位相差が変化しても駆動速度が所定値を超えない範囲を不感帯とし、その不感帯の幅と中心値(中心位相差)を算出して記憶しておく。また、測定データから、各々の位相差での駆動速度の変化率(位相差-速度特性)を算出して記憶しておく。パン回転ユニット105を駆動する際に、位相差が不感帯に含まれる場合、位相差と不感帯の中心値との差に応じて、駆動速度の変化率の逆数の関係で電圧振幅が制御(決定)される。駆動速度の変化率が小さいほど、電圧振幅の変化率を大きくするので、速度制御の不感帯を狭めることができ、電圧振幅が下限値付近での速度制御性の低下を抑制することができる。
図28は、位相差-速度特性を測定して記憶するフローチャートである。位相差-速度特性の測定と記憶は、図6で説明したステップS601の処理の中で、チルト回転ユニット104及びパン回転ユニット105の初期設定を行う際に実行される。
ステップS2801では、位相差-速度特性の測定を開始する位相差(本実施形態では0°)が設定される。なお、電圧振幅は、下限値Dminに設定される。
ステップS2802では、位相差-速度検出部1130は、速度検出部1129で検出された各位相差に応じた駆動速度から各位相差に応じた駆動速度の変化率を検出する。
ステップS2803では、設定された位相差が位相差-速度特性の測定を終了する位相差(本実施形態では30°又は-30°)であるかどうかが検出される。設定された位相差が位相差-速度特性の測定を終了する位相差であると判定された場合、ステップS2805に進み、そうでないと判定された場合、ステップS2804に進む。
ステップS2804では、位相差が変更される。
ステップS2805では、各位相差に応じた駆動速度と駆動速度の変化率が、それぞれ設定した位相差に対応付けて、位相差-速度特性として記憶される。
ステップS2806では、位相差が変化しても駆動速度が所定値を超えない範囲を不感帯の幅と中心値が、各位相差に応じた駆動速度から算出され、記憶される。
なお、位相差-速度特性の測定、不感帯の幅と中央値、及び駆動速度の変化率の算出は、本実施形態では装置起動時の初期設定を行う際に実行されるが、使用者の指示によりキャリブレーション動作を行う際に実行されてもよい。また、位相差-速度特性の測定結果を所定回数分記憶しておき、その平均値を元に不感帯の幅と中央値、及び駆動速度の変化率を算出してもよい。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、振動波モータに印可される電圧の位相差の絶対値が小さくなるにしたがって電圧振幅の変化率を大きくするため、振動波モータの低速駆動時の静音性と制御性能を両立させることが可能となる。
<不感帯の中心の位相差が0°からずれた場合の対策>
図24に示す不感帯はいずれも不感帯の位相差の中心が0°の場合の例を示している。不感帯の中心の位相差は、駆動部の摩擦や駆動負荷による影響を受けるため、動作環境に応じて変化する。このように不感帯の位相差の中心が0°からずれた場合には、位相差の絶対値が小さいほど電圧振幅の変化率を大きくする対策や、事前に測定しておいた位相差-速度特性の測定結果を用いた対策は効果が低減する場合がある。
<不感帯の中心の位相差が0°からずれた場合の対策>
図24に示す不感帯はいずれも不感帯の位相差の中心が0°の場合の例を示している。不感帯の中心の位相差は、駆動部の摩擦や駆動負荷による影響を受けるため、動作環境に応じて変化する。このように不感帯の位相差の中心が0°からずれた場合には、位相差の絶対値が小さいほど電圧振幅の変化率を大きくする対策や、事前に測定しておいた位相差-速度特性の測定結果を用いた対策は効果が低減する場合がある。
不感帯の中心の位相差が動作環境に応じて変化した場合の対策として、電圧振幅-速度特性を基にパン回転ユニット105の目標速度から電圧振幅の変化率を決定する方法について説明する。ただし、基本フローは図25に示す位相差の絶対値が小さいほど電圧振幅の変化率を大きくする不感帯対策のフローと同じである。ステップS2505における電圧振幅の決定方法が異なる。
図29は、本実施形態におけるパン回転ユニット105と鏡筒回転駆動部112のブロック図である。図29の構成と図26の構成との違いは、位相差-速度検出部1130が電圧-速度検出部1132に変更になり、目標速度設定部1131が追加されている点である。他の構成については図26を用いて説明した構成と同一であるため、詳細な説明は省略する。
目標速度設定部1131は、目標位置設定部1123で設定した目標位置の変化量(微分値)から目標速度を算出した結果を設定する。電圧-速度検出部1132は、変換部1127で決定した2相の電圧の電圧振幅と速度検出部1129で検出した駆動速度との関係を検出する。
PID演算部1124は、目標位置設定部1123で設定されたパン回転ユニット104の目標位置と位置演算部1122で検出されるパン回転ユニット104の実位置の差である偏差を入力として公知のPID演算を行い制御量の算出を行う。変換部1127は、PID演算部1124で算出した制御量に基づいて2相の電圧の位相差を決定し、目標速度設定部1131で設定された目標速度と電圧-速度検出部1132で検出された電圧-速度特性に基づいて2相の電圧の振幅を決定する。電圧-速度検出部1132における電圧-速度特性を検出する手順について説明する。
図31は、電圧-速度特性を測定して記憶するまでの処理を示したフローチャートである。電圧-速度特性の測定と記憶は、図6を用いて説明したステップS601の処理の中で、チルト回転ユニット104及びパン回転ユニット105の初期設定を行う際に実行される。
ステップS3101では、電圧-速度特性の測定を開始する電圧(本実施形態では0V)が設定される。なお、本実施形態では位相差は、上限値(最も駆動速度が速くなる位相差)の90°に設定される。
ステップS3102では、速度検出部1129で検出された各電圧における駆動速度から電圧に対する駆動速度を検出する。
ステップS3103では、設定された電圧が電圧-速度特性の測定を終了する電圧(本実施形態ではDmax)であるかどうかが検出される。設定された電圧が電圧-速度特性の測定を終了する電圧であると判定された場合、ステップS3105に進み、そうでないと判定された場合、ステップS3104に進み、電圧を変更する。ステップS3105では、ステップS3102で測定した各電圧に対応した駆動速度が図30のような形で電圧-速度特性として記憶される。
ステップS3106では、電圧-速度特性から目標速度-電圧特性を算出して記憶する。目標速度-電圧特性を算出方法について説明する。
目標速度SPDが与えられた際の振幅電圧をkとした場合、目標速度-電圧特性は式(10)で表される。
ここで、Dminは電圧振幅の下限値(目標速度が0の場合の電圧振幅)、Dmaxは電圧振幅の上限値、SPD_maxは電圧振幅がDmaxでかつ最大位相差(本実施形態では90°)における速度である。目標速度に対する電圧振幅の変化率k´は以下の式(11)で表わされ、目標速度SPDが小さいほど電圧振幅の変化率が大きくなる。
本実施形態では、装置起動時の初期設定を行う際に電圧-速度特性から目標速度-電圧特性を算出して記憶する動作を実行することを想定している。他の方法として使用者が指示したタイミングで目標速度-電圧特性の測定および記憶を実行するようにしてもよい。また、ステップS3101乃至ステップS3104の処理を1セットとして所定回数繰り返し行い、各電圧における速度の検出結果の平均値の特性に基づいて式(10)のSPD_maxを算出して設定してもよい。
他の方法として、最小二乗法を用いて目標速度-電圧特性の近似関数を求めてもよい。最小二乗法を用いて目標速度-電圧特性の近似関数を求める方法について説明する。まず、目標速度-電圧特性の近似関数を式(12)として、ステップS3105で記憶した電圧-速度特性から係数a,b,cを求める。
次に、式(13)で表される誤差関数Lが最小となるときのa,b,cをステップS3105で記憶した電圧-速度特性と式(14)を用いて求める。なお、式(14)は、式(13)のLをa,b,cについてそれぞれ偏微分した結果が0となる条件で作成した連立方程式である。また、式(13)及び式(14)のNは、S3102における電圧-速度特性の検出回数を示しており、本実施形態では図30に示すようにN=4である。
式(12)から電圧振幅は式(15)で表される。変換部1127は、目標速度設定部1131で設定される目標速度SPDを式(15)で算出した結果の電圧振幅に変換する。
本実施形態では、2次の最小二乗法を用いて近似式を用いる方法について説明したが、2次以上の多項式の近似式を使用してもよい。他にも、指数近似や累乗近似等の目標速度が小さいほど電圧振幅の変化率が大きくなるような近似方法であれば手段は問わない。
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、振動波モータの目標駆動速度が小さくなるに従って電圧振幅の変化率を大きくすることにより、不感帯の中心の位相差が変化した場合でも不感帯の影響による制御性能劣化を抑制することができる。その結果、動作環境によらずに振動波モータの低速駆動時の静音性と制御性能を両立させることが可能となる。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本実施形態の開示は、以下の構成及び方法を含む。
(構成1)
互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する駆動制御装置であって、
前記位相差を制御する第1制御部と、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御部とを備え、
前記第2制御部は、前記位相差の絶対値が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅を制御することを特徴とする駆動制御装置。
(構成2)
前記駆動部は、2つの電極に印加される信号に基づいて振動する振動波モータであることを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
(構成3)
前記電圧振幅の変化率は、正弦波関数に基づいて決定されることを特徴とする構成1又は2に記載の駆動制御装置。
(構成4)
前記駆動部の駆動速度を検出する第1検出部と、
前記位相差と前記駆動速度との関係を検出する第2検出部とを更に備えることを特徴とする構成1乃至3の何れか一つの構成に記載の駆動制御装置。
(構成5)
前記第2検出部は、前記位相差の変化量に対する前記駆動速度の変化量が所定値より小さい不感帯の位相差の幅と中心位相差とを検出し、
前記電圧振幅の変化率は、前記位相差が前記中心位相差に近いほど大きくなるように、制御されることを特徴とする構成4に記載の駆動制御装置。
(構成6)
前記電圧振幅の変化率は、前記位相差と前記駆動速度の変化率の逆数に基づいて制御されることを特徴とする構成4又は5に記載の駆動制御装置。
(構成7)
構成1乃至6の何れか一つの構成に記載の駆動制御装置と、
被写体を撮像して画像を生成する撮像部とを有することを特徴とする撮像装置。
(方法1)
互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する制御方法であって、
前記位相差を制御する第1制御ステップと、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御ステップとを備え、
前記第2制御ステップでは、前記位相差の絶対値が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅が制御されることを特徴とする制御方法。
(構成8)
互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する駆動制御装置であって、
前記位相差を制御する第1制御部と、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御部とを備え、
前記第2制御部は、前記駆動部の目標速度が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅を制御することを特徴とする駆動制御装置。
(構成9)
前記駆動部は、2つの電極に印加される信号に基づいて振動する振動波モータであることを特徴とする構成8に記載の撮像装置。
(構成10)
前記電圧振幅の変化率は、正弦波関数に基づいて決定されることを特徴とする構成8又は9に記載の駆動制御装置。
(構成11)
前記駆動部の駆動速度を検出する第1検出部と、
前記電圧振幅と前記駆動速度との関係を検出する第2検出部とを更に備えることを特徴とする構成8乃至10の何れか一つの構成に記載の駆動制御装置。
(構成12)
前記電圧振幅の変化率は、前記電圧振幅と前記駆動速度の変化率に基づいて制御されることを特徴とする構成11に記載の駆動制御装置。
(構成13)
構成8乃至12の何れか一つの構成に記載の駆動制御装置と、
被写体を撮像して画像を生成する撮像部とを有することを特徴とする撮像装置。
(方法2)
互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する制御方法であって、
前記位相差を制御する第1制御ステップと、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御ステップとを備え、
前記第2制御ステップでは、前記駆動部の目標速度が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅が制御されることを特徴とする駆動制御方法。
(構成1)
互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する駆動制御装置であって、
前記位相差を制御する第1制御部と、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御部とを備え、
前記第2制御部は、前記位相差の絶対値が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅を制御することを特徴とする駆動制御装置。
(構成2)
前記駆動部は、2つの電極に印加される信号に基づいて振動する振動波モータであることを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
(構成3)
前記電圧振幅の変化率は、正弦波関数に基づいて決定されることを特徴とする構成1又は2に記載の駆動制御装置。
(構成4)
前記駆動部の駆動速度を検出する第1検出部と、
前記位相差と前記駆動速度との関係を検出する第2検出部とを更に備えることを特徴とする構成1乃至3の何れか一つの構成に記載の駆動制御装置。
(構成5)
前記第2検出部は、前記位相差の変化量に対する前記駆動速度の変化量が所定値より小さい不感帯の位相差の幅と中心位相差とを検出し、
前記電圧振幅の変化率は、前記位相差が前記中心位相差に近いほど大きくなるように、制御されることを特徴とする構成4に記載の駆動制御装置。
(構成6)
前記電圧振幅の変化率は、前記位相差と前記駆動速度の変化率の逆数に基づいて制御されることを特徴とする構成4又は5に記載の駆動制御装置。
(構成7)
構成1乃至6の何れか一つの構成に記載の駆動制御装置と、
被写体を撮像して画像を生成する撮像部とを有することを特徴とする撮像装置。
(方法1)
互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する制御方法であって、
前記位相差を制御する第1制御ステップと、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御ステップとを備え、
前記第2制御ステップでは、前記位相差の絶対値が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅が制御されることを特徴とする制御方法。
(構成8)
互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する駆動制御装置であって、
前記位相差を制御する第1制御部と、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御部とを備え、
前記第2制御部は、前記駆動部の目標速度が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅を制御することを特徴とする駆動制御装置。
(構成9)
前記駆動部は、2つの電極に印加される信号に基づいて振動する振動波モータであることを特徴とする構成8に記載の撮像装置。
(構成10)
前記電圧振幅の変化率は、正弦波関数に基づいて決定されることを特徴とする構成8又は9に記載の駆動制御装置。
(構成11)
前記駆動部の駆動速度を検出する第1検出部と、
前記電圧振幅と前記駆動速度との関係を検出する第2検出部とを更に備えることを特徴とする構成8乃至10の何れか一つの構成に記載の駆動制御装置。
(構成12)
前記電圧振幅の変化率は、前記電圧振幅と前記駆動速度の変化率に基づいて制御されることを特徴とする構成11に記載の駆動制御装置。
(構成13)
構成8乃至12の何れか一つの構成に記載の駆動制御装置と、
被写体を撮像して画像を生成する撮像部とを有することを特徴とする撮像装置。
(方法2)
互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する制御方法であって、
前記位相差を制御する第1制御ステップと、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御ステップとを備え、
前記第2制御ステップでは、前記駆動部の目標速度が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅が制御されることを特徴とする駆動制御方法。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
104 チルト回転ユニット(駆動部)
105 パン回転ユニット(駆動部)
112 鏡筒回転駆動部(駆動制御装置)
1051 回転部(接触体)
1052 振動体
1127 変換部(第1取得部、第2取得部)
105 パン回転ユニット(駆動部)
112 鏡筒回転駆動部(駆動制御装置)
1051 回転部(接触体)
1052 振動体
1127 変換部(第1取得部、第2取得部)
Claims (15)
- 互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する駆動制御装置であって、
前記位相差を制御する第1制御部と、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御部とを備え、
前記第2制御部は、前記位相差の絶対値が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅を制御することを特徴とする駆動制御装置。 - 前記駆動部は、2つの電極に印加される信号に基づいて振動する振動波モータであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記電圧振幅の変化率は、正弦波関数に基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動制御装置。
- 前記駆動部の駆動速度を検出する第1検出部と、
前記位相差と前記駆動速度との関係を検出する第2検出部とを更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動制御装置。 - 前記第2検出部は、前記位相差の変化量に対する前記駆動速度の変化量が所定値より小さい不感帯の位相差の幅と中心位相差とを検出し、
前記電圧振幅の変化率は、前記位相差が前記中心位相差に近いほど大きくなるように、制御されることを特徴とする請求項4に記載の駆動制御装置。 - 前記電圧振幅の変化率は、前記位相差と前記駆動速度の変化率の逆数に基づいて制御されることを特徴とする請求項4に記載の駆動制御装置。
- 請求項1又は2に記載の駆動制御装置と、
被写体を撮像して画像を生成する撮像部とを有することを特徴とする撮像装置。 - 互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する制御方法であって、
前記位相差を制御する第1制御ステップと、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御ステップとを備え、
前記第2制御ステップでは、前記位相差の絶対値が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅が制御されることを特徴とする制御方法。 - 互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する駆動制御装置であって、
前記位相差を制御する第1制御部と、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御部とを備え、
前記第2制御部は、前記駆動部の目標速度が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅を制御することを特徴とする駆動制御装置。 - 前記駆動部は、2つの電極に印加される信号に基づいて振動する振動波モータであることを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
- 前記電圧振幅の変化率は、正弦波関数に基づいて決定されることを特徴とする請求項9又は10に記載の駆動制御装置。
- 前記駆動部の駆動速度を検出する第1検出部と、
前記電圧振幅と前記駆動速度との関係を検出する第2検出部とを更に備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の駆動制御装置。 - 前記電圧振幅の変化率は、前記電圧振幅と前記駆動速度の変化率に基づいて制御されることを特徴とする請求項12に記載の駆動制御装置。
- 請求項9又は10に記載の駆動制御装置と、
被写体を撮像して画像を生成する撮像部とを有することを特徴とする撮像装置。 - 互いに位相差を有する第1の駆動信号及び第2の駆動信号を印可されることで振動が励起される振動体と、前記振動体に接触する接触体とを相対移動させる駆動部を制御する制御方法であって、
前記位相差を制御する第1制御ステップと、
前記第1の駆動信号及び前記第2の駆動信号の電圧振幅を制御する第2制御ステップとを備え、
前記第2制御ステップでは、前記駆動部の目標速度が小さくなるにしたがって前記電圧振幅の変化率が大きくなるように、前記電圧振幅が制御されることを特徴とする制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US18/061,551 US11838632B2 (en) | 2021-12-08 | 2022-12-05 | Driving control apparatus, image pickup apparatus, and control method |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021199261 | 2021-12-08 | ||
JP2021199261 | 2021-12-08 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023085196A true JP2023085196A (ja) | 2023-06-20 |
Family
ID=86775680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022145279A Pending JP2023085196A (ja) | 2021-12-08 | 2022-09-13 | 駆動制御装置、撮像装置、及び制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023085196A (ja) |
-
2022
- 2022-09-13 JP JP2022145279A patent/JP2023085196A/ja active Pending
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