JP2023085108A - 中継端子の誤挿入検知構造 - Google Patents

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Shinya Oishi
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Abstract

Figure 2023085108000001
【課題】中継端子が誤って組付いた場合には誤組付けを容易に判別することができる中継端子の誤挿入検知構造を提供すること。
【解決手段】相互に異なる方向から板状端子部23及びタブ端子51を挿入するための第1挿入空間12及び第2挿入空間14を有する中継端子10の第1挿入空間12に挿入されるバスバー20と、中継端子10の搭載位置を位置決めするための端子受け部33を有するロアカバー30と、を備える。端子受け部33は、バスバー20の板状端子部23が第2挿入空間14に誤挿入された場合、もしくは、バスバー20の板状端子部23が第1挿入空間12に前後逆向きに誤挿入された場合に、中継端子10と干渉して進入を阻止する係止突部37を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、中継端子の誤挿入検知構造に関する。
図17は、従来のバスバーと中継端子の接続構造の一形態を示すものである。
中継端子10は、電気接続箱においてリレー80のタブ端子(板状端子部)81とバスバー70のタブ端子(板状端子部)71とを相互に接続させるためのものである。中継端子10は、対向する一対の対向壁11,13を有する矩形筒状部(筒部)15の内側に弾性接触片(バネ部)17を一体に有している。弾性接触片17は、長辺部18の先端側に折り返された短辺部19を有する。
そして、短辺部19と一方の対向壁11との間に画成された第1挿入空間12にバスバー70のタブ端子71が挿入され、長辺部18と他方の対向壁13との間に画成された第2挿入空間14にリレー80のタブ端子81が挿入される。これにより、バスバー70のタブ端子71とリレー80のタブ端子81とが、弾性接触片17を介して相互に接続される。
特開2006-40704号公報
ところで、上述した従来のバスバーと中継端子の接続構造にあっては、中継端子10を電気接続箱に用いる場合、予め電気接続箱の基板にバスバー70を配置しておき、中継端子10をバスバー70のタブ端子71に組付ける。この際、中継端子10は、例えば図18に示すようにバスバー70のタブ端子71が第1挿入空間12に前後逆向きに誤挿入されたり、例えば図19に示すようにバスバー70のタブ端子71が第2挿入空間14に誤挿入されたりする可能性がある。
このように中継端子10が正規でない状態で組み付けられた場合には、目視での判別が難しく見落とす可能性があった。そして、バスバー70のタブ端子71に誤組付けされた中継端子10内にはリレー80のタブ端子81を正常に挿入することができず、リレー80のタブ端子81や中継端子10内の弾性接触片17が強く押されて変形や傷付き等を起こす可能性があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、中継端子が誤って組付いた場合には誤組付けを容易に判別することができる中継端子の誤挿入検知構造を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る中継端子の誤挿入検知構造は、下記を特徴としている。
相互に異なる方向から板状端子部を挿入するための第1挿入空間及び第2挿入空間を有する中継端子の前記第1挿入空間に挿入されるバスバーと、
前記中継端子の搭載位置を位置決めするための端子受け部を有するハウジングと、を備え、
前記端子受け部は、前記バスバーの板状端子部が前記第2挿入空間に誤挿入された場合、もしくは、前記バスバーの板状端子部が前記第1挿入空間に前後逆向きに誤挿入された場合に、前記中継端子と干渉して進入を阻止する係止突部を有する、
中継端子の誤挿入検知構造。
本発明に係る中継端子の誤挿入検知構造によれば、中継端子が誤って組付いた場合には誤組付けを容易に判別することができるという効果を奏する。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の第1実施形態に係る中継端子の誤挿入検知構造を備えた電気接続箱を示す要部分解斜視図である。 図2は、図1に示した電気接続箱のハウジングに配置されたバスバーに組み付けられる中継端子を示す要部斜視図である。 図3は、図2に示したバスバーに正常に組み付けられた中継端子を示す拡大斜視図である。 図4は、図3のIV-IV線に沿う断面矢視図である。 図5は、図3に示したバスバーが第1挿入空間に前後逆向きに誤挿入された中継端子を示す拡大斜視図である。 図6は、図5のVI-VI線に沿う断面矢視図である。 図7は、図3に示したバスバーが第2挿入空間に誤挿入された中継端子を示す拡大斜視図である。 図8は、図7のVIII-VIII線に沿う断面矢視図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係る中継端子の誤挿入検知構造を備えた電気接続箱の要部を示す分解斜視図である。 図10は、図9に示した電気接続箱のハウジングに配置されたバスバーに組み付けられる中継端子を示す要部斜視図である。 図11は、図10に示したバスバーに正常に組み付けられた中継端子を示す拡大斜視図である。 図12は、図11のXII-XII線に沿う断面矢視図である。 図13は、図11に示したバスバーが第1挿入空間に前後逆向きに誤挿入された中継端子を示す拡大斜視図である。 図14は、図13のXIV-XIV線に沿う断面矢視図である。 図15は、図11に示したバスバーが第2挿入空間に誤挿入された中継端子を示す拡大斜視図である。 図16は、図15のXVI-XVI線に沿う断面矢視図である。 図17は、従来のバスバーと中継端子の接続構造の一形態を示す縦断面図である。 図18は、図17に示したバスバーが第1挿入空間に前後逆向きに誤挿入された中継端子を示す縦断面図である。 図19は、図17に示したバスバーが第2挿入空間に誤挿入された中継端子を示す縦断面図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る中継端子の誤挿入検知構造を備えた電気接続箱100を示す要部分解斜視図、図2は図1に示した電気接続箱100のロアカバー30に配置されたバスバー20に組み付けられる中継端子10を示す要部斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電気接続箱100は、例えば車両に搭載され、合成樹脂製の接続箱本体であるロアカバー(ハウジング)30及びアッパーカバー40と、アッパーカバー40の上に装着されるリレーやヒューズ等の電気部品50と、ロアカバー30の底壁におけるバスバ載置面31に配置される複数本のバスバー20と、複数個の中継端子10とを備えたものである。
ロアカバー30のバスバ載置面31には所定のバスバー20がそれぞれ配置され、その上からアッパーカバー40が装着され、アッパーカバー40のソケット41には電気部品50が装着される。
バスバー20は、電気接続箱100の回路を構成するために導電金属板から適宜形状に打ち抜かれて折り曲げ加工されることで、バスバ載置面31に載置される載置部21と、載置部21から交差する方向(本実施形態では、載置部21に直交する上方向)に延びる板状端子部23とが形成されている。
図3は図2に示したバスバー20に正常に組み付けられた中継端子10を示す拡大斜視図、図4は図3のIV-IV線に沿う断面矢視図である。
中継端子10は、従来例(図17)で示したものと同じであり、電気接続箱100において電気部品50のタブ端子(板状端子部)51とバスバー20の板状端子部23とを相互に接続させるためのものである。
中継端子10は、図3及び図4に示すように、対向する一対の対向壁11,13を有する矩形の筒部15の内側にバネ部(弾性接触片)17を一体に有している。バネ部17は、長辺部18の先端側に折り返された短辺部19を有する。
そして、短辺部19と一方の対向壁11との間に画成された第1挿入空間12にバスバー20の板状端子部23が挿入され、長辺部18と他方の対向壁13との間に画成された第2挿入空間14に電気部品50のタブ端子51が挿入される。即ち、中継端子10は、相互に異なる方向から板状端子部23及びタブ端子51を挿入するための第1挿入空間12及び第2挿入空間14を有している。これにより、バスバー20の板状端子部23と電気部品50のタブ端子51とが、バネ部17を介して相互に接続される。
ハウジングとしてのロアカバー30のバスバ載置面31には、図1及び図2に示すように、バスバ載置面31に配置されたバスバー20の板状端子部23に対応して端子受け部33が設けられている。
端子受け部33は、バスバー20の板状端子部23に装着される中継端子10のバスバ載置面31に対する搭載位置を位置決めするためのものであり、ロアカバー30のバスバ載置面31と交差する上方向(即ち、バスバ載置面31に対する直交方向)に立設された立壁部35と、後述する係止突部37とを有する。
立壁部35は、バスバ載置面31に垂設された矩形筒状の台座である。立壁部35の一側面35bは、図2に示すように、載置部21の端部に折り曲げ形成された板状端子部23の出隅側板面23aに近接して対向する。立壁部35の一側面35bには、板状端子部23の近傍を板幅方向から挟んで対向する一対の側壁36が、載置部21の側縁に沿って延びている。立壁部35における一対の側壁35cは、一側面35bの幅方向両端に直交して一対の側壁36とは反対側に延びている。
立壁部35における側壁35cの上端面35aと同じ高さを有する一対の側壁36の各上端面35aには、バスバー20の板状端子部23の延出方向に沿ってそれぞれ突出する角柱状の係止突部37が設けられている。
立壁部35における側壁35cの上端面35aは、中継端子10がバスバー20の板状端子部23に正常に挿入された時には中継端子10の下端面16に当接することで、中継端子10の組み付け高さを規制する。
係止突部37が突設される位置は、バスバー20の板状端子部23が第2挿入空間14に誤挿入された場合(図8、参照)、もしくは、バスバー20の板状端子部23が第1挿入空間12に前後逆向きに誤挿入された場合(図6、参照)には、中継端子10と干渉して進入を阻止する位置とされている。そして、係止突部37が突設される位置は、バスバー20の板状端子部23が第1挿入空間12に正常挿入された場合(図4、参照)には、中継端子10と干渉しない位置とされている。
詳細には、係止突部37が、立壁部35における一対の側壁36の各上端面35aにそれぞれ突出するように設けられている。ここで、立壁部35における一対の側壁35cの間隔は、中継端子10における筒部15の対向壁11,13の幅(換言すれば、筒部15の両側壁の間隔)と略同じ寸法とされている。即ち、バスバー20の板状端子部23の近傍を板幅方向から挟んで対向するように設けられた一対の側壁36の間隔は、中継端子10における筒部15の両側壁の間隔と略同じ間隔とされている。
そして、係止突部37は、立壁部35の一側面35bを含む仮想平面からの距離が、筒部15における一方の対向壁11の板厚に板状端子部23の板厚を加えた寸法よりも大きく、且つ、一対の対向壁11,13の間隔よりも小さくなる位置とされている。
そこで、バスバー20の板状端子部23が第1挿入空間12に正常挿入された中継端子10は、図3及び図4に示すように、筒部15における両側壁の下端面16が側壁36の上端面35aに突設された係止突部37に当接することない。そして、中継端子10は、筒部15における両側壁の下端面16が立壁部35における側壁35cの上端面35aに当接し、組み付け高さが規制される。
これに対し、バスバー20の板状端子部23に対して第2挿入空間14が誤挿入されたり、第1挿入空間12が前後逆向きに誤挿入されたりした中継端子10は、図5~図8に示すように、筒部15における両側壁の下端面16が側壁36の上端面35aに突設された一対の係止突部37に当接することで進入が阻止される。そして、中継端子10は、筒部15における両側壁の下端面16が立壁部35における側壁35cの上端面35aに当接することができない。
次に、上記電気接続箱100の組立方法の一例を説明する。
先ず、図1及び図2に示すように、所定のバスバー20が、ロアカバー30のバスバ載置面31にそれぞれ配置される。バスバ載置面31に載置部21が載置されたバスバー20は、板状端子部23が対応する端子受け部33の近傍に配置される。
バスバー20における板状端子部23の出隅側板面23aは、立壁部35の一側面35bに対向し、板状端子部23の近傍における板幅方向の両側縁は、立壁部35の一対の側壁36にそれぞれ対向する。従って、ロアカバー30の端子受け部33は、バスバ載置面31に配置されたバスバー20の板状端子部23を板幅方向に位置決め保持することができる。
次に、図2及び図3に示すように、中継端子10が上方からバスバー20の板状端子部23に装着される。この際、中継端子10の正常挿入時には、図4に示すように、出隅側板面23aがバネ部17の短辺部19に対向するようにバスバー20の板状端子部23が中継端子10の第1挿入空間12に挿入される。バスバー20の板状端子部23に装着された中継端子10は、下端面16が端子受け部33における立壁部35の上端面35aに当接することで、組み付け高さが規制される。
図5は図3に示したバスバー20が第1挿入空間12に前後逆向きに誤挿入された中継端子10を示す拡大斜視図、図6は図5のVI-VI線に沿う断面矢視図、図7は図3に示したバスバー20が第2挿入空間14に誤挿入された中継端子10を示す拡大斜視図、図8は図7のVIII-VIII線に沿う断面矢視図である。
図5及び図6に示すように、中継端子10が上方からバスバー20の板状端子部23に装着される際、出隅側板面23aが筒部15の一方の対向壁11に対向するように板状端子部23が中継端子10の第1挿入空間12に前後逆向きに誤挿入された中継端子10は、一対の対向壁11,13を連結する筒部15の両側壁における下端面16が端子受け部33の係止突部37と当接して進入が阻止される。
そこで、バスバー20の板状端子部23に対して前後逆向きに誤挿入された中継端子10は、端子受け部33の係止突部37と干渉して乗り上げるので、下端面16が端子受け部33における立壁部35の上端面35aまで届かなくなる。従って、前後逆向きに誤挿入された中継端子10は、正常挿入時における搭載位置(図3及び図4、参照)よりも上方へ突出した状態となり、作業者は異常に気づくことができる。
また、図7及び図8に示すように、中継端子10が上方からバスバー20の板状端子部23に装着される際、板状端子部23が中継端子10の第2挿入空間14に誤挿入された中継端子10は、一対の対向壁11,13を連結する筒部15の両側壁における下端面16が端子受け部33の係止突部37と当接して進入が阻止される。
そこで、バスバー20の板状端子部23が第2挿入空間14に誤挿入された中継端子10は、端子受け部33の係止突部37と干渉して乗り上げるので、下端面16が端子受け部33における立壁部35の上端面35aまで届かなくなる。従って、バスバー20の板状端子部23が第2挿入空間14に誤挿入された中継端子10は、正常挿入時における搭載位置(図3及び図4、参照)よりも上方へ突出した状態となり、作業者は異常に気づくことができる。
従って、作業者は、中継端子10が上方からバスバー20の板状端子部23に装着された際、正規でない中継端子10の組み付けを容易に識別することができる。そこで、作業者は、誤挿入された中継端子10を取り外し、正規方向で速やかに再装着することができる。
そして、全ての中継端子10が正規状態でバスバー20の板状端子部23に装着された後、ロアカバー30の上からアッパーカバー40が装着される。すると、バスバー20の板状端子部23に装着された中継端子10は、アッパーカバー40のソケット41の内側に設けられた端子収容部内に収容される。
更に、ソケット41に電気部品50が装着されると、アッパーカバー40のスリット43を貫通したタブ端子51が中継端子10の第2挿入空間14に挿入される(図4、参照)。そこで、電気部品50のタブ端子51は、中継端子10を介してバスバー20の板状端子部23と電気的に接続される。
上述したように、本第1実施形態に係る中継端子の誤挿入検知構造によれば、中継端子10が誤って組付いた場合には誤組付けを容易に判別することができるという効果を奏する。その結果、中継端子10の誤組付けを防止して電気接続箱100を容易に組立てることができる。
また、本第1実施形態に係る中継端子の誤挿入検知構造によれば、中継端子10の誤組付けを防止することで、バスバー20の板状端子部23に誤組付けされた中継端子10が、アッパーカバー40の端子収容部内に無理挿入されて変形や傷付き等を起こすのを阻止できる。
図9は本発明の第2実施形態に係る中継端子の誤挿入検知構造を備えた電気接続箱100Aの要部を示す分解斜視図、図10は図9に示した電気接続箱100Aのロアカバー30Aに配置されたバスバー20Aに組み付けられる中継端子10を示す要部斜視図である。なお、本第2実施形態に係る電気接続箱100Aは、ロアカバー30A及びバスバー20Aが用いられた以外は上記第1実施形態の電気接続箱100と同様の構成であるので、同様の構成部材には同符号を付して詳細な説明を省略する。
図9に示すように、本第2実施形態に係る電気接続箱100Aは、上記第1実施形態に係る電気接続箱100におけるロアカバー30及びバスバー20に代えて、ロアカバー30A及びバスバー20Aを備えたものである。
本第2実施形態に係るハウジングとしてのロアカバー30のバスバ載置面31には、図9及び図10に示すように、バスバ載置面31に配置されたバスバー20Aの板状端子部23に対応して端子受け部33Aが設けられている。
端子受け部33Aは、バスバー20Aの板状端子部23に装着される中継端子10のバスバ載置面31に対する搭載位置を位置決めするためのものであり、ロアカバー30Aのバスバ載置面31と交差する上方向(即ち、バスバ載置面31に対する直交方向)に立設された立壁部35Aと、後述する係止突部38とを有する。
立壁部35Aは、バスバ載置面31に垂設された矩形筒状の台座である。立壁部35Aの一側面35bは、図10に示すように、バスバー20Aにおける載置部21の端部に折り曲げ形成された板状端子部23の出隅側板面23aに近接して対向する。
立壁部35Aの上端面35aは、中継端子10がバスバー20Aの板状端子部23に正常に挿入された時には中継端子10の下端面16に当接することで、中継端子10の組み付け高さを規制する。
立壁部35Aの近傍におけるバスバ載置面31には、バスバー20Aの板状端子部23の延出方向に沿って突出する円柱状の係止突部38が設けられている。係止突部38は、立壁部35Aよりも上方へ突出した高さを有している。
係止突部38が突設される位置は、バスバー20Aの板状端子部23が第2挿入空間14に誤挿入された場合(図16、参照)、もしくは、バスバー20Aの板状端子部23が第1挿入空間12に前後逆向きに誤挿入された場合(図14、参照)には、中継端子10と干渉して進入を阻止する位置とされている。そして、係止突部38が突設される位置は、バスバー20Aの板状端子部23が第1挿入空間12に正常挿入された場合(図12、参照)には、中継端子10と干渉しない位置とされている。
詳細には、バスバ載置面31に設けられる係止突部38が、立壁部35Aの一側面35bに対向する範囲に突出するように設けられている。ここで、立壁部35Aの一側面35bの幅は、中継端子10における筒部15の対向壁11,13の幅と略同じ寸法とされている。更に、立壁部35Aにおける一側面35bの幅方向両端に直交するように設けられた一対の側壁35cの間隔は、中継端子10における筒部15の対向壁11,13の幅(換言すれば、筒部15の両側壁の間隔)と略同じ寸法とされている。
そして、係止突部38は、立壁部35Aの一側面35bからの距離が、筒部15の一対の対向壁11,13の間隔と略同じ寸法となる位置とされている。
そこで、バスバー20の板状端子部23が第1挿入空間12に正常挿入された中継端子10は、図11及び図12に示すように、筒部15における一方の対向壁11の下端面16がバスバ載置面31に突設された係止突部38に当接することない。そして、中継端子10は、筒部15における両側壁の下端面16が立壁部35Aにおける側壁35cの上端面35aに当接し、組み付け高さが規制される。
これに対し、バスバー20の板状端子部23に対して第1挿入空間12が前後逆向きに誤挿入された中継端子10は、図13及び図14に示すように、筒部15における他方の対向壁13の下端面16がバスバ載置面31に突設された係止突部38に当接することで進入が阻止される。そして、中継端子10は、筒部15における両側壁の下端面16が立壁部35Aにおける側壁35cの上端面35aに当接することができない。また、バスバー20の板状端子部23に対して第2挿入空間14が誤挿入された中継端子10は、図15及び図16に示すように、筒部15における一方の対向壁11の下端面16がバスバ載置面31に突設された係止突部38に当接することで進入が阻止される。そして、中継端子10は、筒部15における両側壁の下端面16が立壁部35Aにおける側壁35cの上端面35aに当接することができない。
バスバー20Aは、電気接続箱100Aの回路を構成するために導電金属板から適宜形状に打ち抜かれて折り曲げ加工されることで、バスバ載置面31に載置される載置部21と、載置部21から交差する方向(本実施形態では、載置部21に直交する上方向)に延びる板状端子部23とが形成されている。更に、バスバー20Aの板状端子部23の近傍における載置部21には、係止突部38が挿通される位置決め孔25が形成されている。
次に、上記電気接続箱100Aの組立方法の一例を説明する。
先ず、図9及び図10に示すように、所定のバスバー20Aが、ロアカバー30Aのバスバ載置面31にそれぞれ配置される。バスバ載置面31に載置部21が載置されたバスバー20Aは、板状端子部23が対応する端子受け部33Aの近傍に配置される。
この際、バスバ載置面31に突設された係止突部38は、載置部21に形成された位置決め孔25に挿通される。そこで、バスバー20Aは、係止突部38によって位置決めされる。
次に、図10及び図11に示すように、中継端子10が上方からバスバー20Aの板状端子部23に装着される。この際、中継端子10の正常挿入時には、図12に示すように、出隅側板面23aがバネ部17の短辺部19に対向するように板状端子部23が中継端子10の第1挿入空間12に挿入される。バスバー20Aの板状端子部23に装着された中継端子10は、下端面16が端子受け部33Aにおける立壁部35Aの上端面35aに当接することで、組み付け高さが規制される。
図13は図11に示したバスバー20Aが第1挿入空間12に前後逆向きに誤挿入された中継端子10を示す拡大斜視図、図14は図13のXIV-XIV線に沿う断面矢視図、図15は図11に示したバスバー20Aが第2挿入空間14に誤挿入された中継端子10を示す拡大斜視図、図16は図15のXVI-XVI線に沿う断面矢視図である。
図13及び図14に示すように、中継端子10が上方からバスバー20Aの板状端子部23に装着される際、出隅側板面23aが筒部15の一方の対向壁11に対向するように板状端子部23が中継端子10の第1挿入空間12に前後逆向きに誤挿入された中継端子10は、他方の対向壁13における下端面16が端子受け部33Aの係止突部38と当接して進入が阻止される。
そこで、バスバー20Aの板状端子部23に対して前後逆向きに誤挿入された中継端子10は、端子受け部33Aの係止突部38と干渉して乗り上げるので、下端面16が端子受け部33Aにおける立壁部35Aの上端面35aまで届かなくなる。従って、前後逆向きに誤挿入された中継端子10は、正常挿入時における搭載位置(図11及び図12、参照)よりも上方へ突出した状態となり、作業者は異常に気づくことができる。
また、図15及び図16に示すように、中継端子10が上方からバスバー20Aの板状端子部23に装着される際、板状端子部23が中継端子10の第2挿入空間14に誤挿入された中継端子10は、一方の対向壁11における下端面16が端子受け部33Aの係止突部38と当接して進入が阻止される。
そこで、バスバー20Aの板状端子部23が第2挿入空間14に誤挿入された中継端子10は、端子受け部33Aの係止突部38と干渉して乗り上げるので、下端面16が端子受け部33Aにおける立壁部35Aの上端面35aまで届かなくなる。従って、バスバー20Aの板状端子部23が第2挿入空間14に誤挿入された中継端子10は、正常挿入時における搭載位置(図11及び図12、参照)よりも上方へ突出した状態となり、作業者は異常に気づくことができる。
従って、作業者は、中継端子10が上方からバスバー20Aの板状端子部23に装着された際、正規でない中継端子10の組み付けを容易に識別することができる。そこで、作業者は、誤挿入された中継端子10を取り外し、正規方向で速やかに再装着することができる。
そして、全ての中継端子10が正規状態でバスバー20Aの板状端子部23に装着された後、ロアカバー30Aの上からアッパーカバー40が装着される。すると、バスバー20Aの板状端子部23に装着された中継端子10は、アッパーカバー40のソケット41の内側に設けられた端子収容部内に収容される。
更に、ソケット41に電気部品50が装着されると、アッパーカバー40のスリット43を貫通したタブ端子51が中継端子10の第2挿入空間14に挿入される(図12、参照)。そこで、電気部品50のタブ端子51は、中継端子10を介してバスバー20Aの板状端子部23と電気的に接続される。
上述したように、本第2実施形態に係る中継端子の誤挿入検知構造によれば、中継端子10が誤って組付いた場合には誤組付けを容易に判別することができるという効果を奏する。その結果、中継端子10の誤組付けを防止して電気接続箱100Aを容易に組立てることができる。
また、本第2実施形態に係る中継端子の誤挿入検知構造によれば、中継端子10の誤組付けを防止することで、バスバー20Aの板状端子部23に誤組付けされた中継端子10が、アッパーカバー40の端子収容部内に無理挿入されて変形や傷付き等を起こすのを阻止できる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、中継端子10の第2挿入空間14に挿入される板状端子部として電気部品50のタブ端子51を例に説明したが、これに限定されず絶縁基板を介してバスバーに積層された上層バスバーの板状端子部とすることもできる。
また、上記実施形態では、誤挿入された中継端子10が正常挿入時における搭載位置よりも上方へ突出した状態を目視することで、作業者は異常に気づくことができるとしたが、例えば、正規挿入状態と誤挿入状態の中継端子10の高さの差を光学式センサーや接触式センサー等で検知することもできる。
ここで、上述した本発明に係る中継端子の誤挿入検知構造の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 相互に異なる方向から板状端子部(23,タブ端子51)を挿入するための第1挿入空間(12)及び第2挿入空間(14)を有する中継端子(10)の前記第1挿入空間(12)に挿入されるバスバー(20,20A)と、
前記中継端子(10)の搭載位置を位置決めするための端子受け部(33,33A)を有するハウジング(ロアカバー30,30A)と、を備え、
前記端子受け部(33,33A)は、前記バスバー(20,20A)の板状端子部(23)が前記第2挿入空間(14)に誤挿入された場合、もしくは、前記バスバー(20,20A)の板状端子部(23)が前記第1挿入空間(12)に前後逆向きに誤挿入された場合に、前記中継端子(10)と干渉して進入を阻止する係止突部(37,38)を有する、
中継端子の誤挿入検知構造。
上記[1]の構成の中継端子の誤挿入検知構造によれば、バスバー(20,20A)の板状端子部(23)に対して前後逆向きに誤挿入された中継端子(10)は、端子受け部(33,33A)の係止突部(37,38)と干渉して進入が阻止される。そこで、前後逆向きに誤挿入された中継端子(10)は、正常挿入時における搭載位置よりも上方へ突出した状態となり、作業者は異常に気づくことができる。
また、バスバー(20,20A)の板状端子部(23)が中継端子(10)の第2挿入空間(14)に誤挿入された中継端子(10)は、端子受け部(33,33A)の係止突部(37,38)と干渉して進入が阻止される。そこで、バスバー(20,20A)の板状端子部(23)が第2挿入空間(14)に誤挿入された中継端子(10)は、正常挿入時における搭載位置よりも上方へ突出した状態となり、作業者は異常に気づくことができる。
従って、作業者は、中継端子(10)が上方からバスバー(20,20A)の板状端子部(23)に装着された際、正規でない中継端子(10)の組み付けを容易に識別することができる。
[2] 前記ハウジング(ロアカバー30)のバスバ載置面(31)に設けられた前記端子受け部(33)は、前記ハウジング(ロアカバー30)のバスバ載置面(31)と交差する方向に立設された立壁部(35)を有し、
前記バスバー(20)は、前記バスバ載置面(31)に載置される載置部(21)と、前記載置部(21)から交差する方向に延びる前記板状端子部(23)と、を有し、
前記立壁部(35)は、前記中継端子(10)の正常挿入時には上端面(35a)が前記中継端子(10)に当接して前記中継端子(10)の組み付け高さを規制し、
前記係止突部(37)は、前記立壁部(35)の上端面(35a)から前記バスバー(20)の板状端子部(23)の延出方向に沿って突出するように設けられている、
上記[1]に記載の中継端子の誤挿入検知構造。
上記[2]の構成の中継端子の誤挿入検知構造によれば、バスバー(20)の板状端子部(23)に対して正常挿入された中継端子(10)は、端子受け部(33)における立壁部(35)の上端面(35a)に当接して組み付け高さが規制される。
そして、バスバー(20)の板状端子部(23)に対して前後逆向きに誤挿入された中継端子(10)は、立壁部(35)の上端面(35a)から突出するように設けられた係止突部(37)と干渉して進入が阻止される。そこで、前後逆向きに誤挿入された中継端子(10)は、立壁部(35)の係止突部(37)に乗り上げ、下端面が立壁部(35)の上端面(35a)まで届かなくなる。従って、前後逆向きに誤挿入された中継端子(10)は、正常挿入時における搭載位置よりも上方へ突出した状態となり、作業者は異常に気づくことができる。
また、バスバー(20)の板状端子部(23)が中継端子(10)の第2挿入空間(14)に誤挿入された中継端子(10)は、立壁部(35)の上端面(35a)から突出するように設けられた係止突部(37)と干渉して進入が阻止される。そこで、バスバー(20)の板状端子部(23)が第2挿入空間(14)に誤挿入された中継端子(10)は、立壁部(35)の係止突部(37)に乗り上げ、下端面が立壁部(35)の上端面(35a)まで届かなくなる。従って、前後逆向きに誤挿入された中継端子(10)は、正常挿入時における搭載位置よりも上方へ突出した状態となり、作業者は異常に気づくことができる。
[3] 前記立壁部(35)は、前記載置部(21)における前記バスバー(20)の板状端子部(23)の近傍を挟んで対向する一対の側壁(36)を有し、
前記係止突部(37)は、前記一対の側壁(36)の各上端面から前記バスバー(20)の板状端子部(23)の延出方向に沿ってそれぞれ突出するように設けられている、
上記[2]に記載の中継端子の誤挿入検知構造。
上記(3)の構成の中継端子の誤挿入検知構造によれば、バスバー(20)の板状端子部(23)の近傍における載置部(21)の板幅方向の両側縁は、立壁部(35)の一対の側壁(36)にそれぞれ対向する。従って、端子受け部(33)は、バスバ載置面(31)に配置されたバスバー(20)の板状端子部(23)を板幅方向に位置決め保持することができる。
[4] 前記ハウジング(ロアカバー30A)のバスバ載置面(31)に設けられた前記端子受け部(33A)は、前記ハウジング(ロアカバー30A)のバスバ載置面(31)と交差する方向に立設された立壁部(35A)を有し、
前記バスバー(20A)は、前記バスバ載置面(31)に載置される載置部(21)と、前記載置部(21)から交差する方向に延びる前記バスバー(20A)の板状端子部(23)と、を有し、
前記立壁部(35A)は、前記中継端子(10)の正常挿入時には上端面(35a)が前記中継端子(10)に当接して前記中継端子(10)の組み付け高さを規制し、
前記係止突部(38)は、前記バスバ載置面(31)から前記バスバー(20A)の板状端子部(23)の延出方向に沿って突出するように設けられ、前記載置部(21)の位置決め孔(25)に挿通される、
上記[1]に記載の中継端子の誤挿入検知構造。
上記(4)の構成の中継端子の誤挿入検知構造によれば、バスバー(20A)の板状端子部(23)に対して正常挿入された中継端子(10)は、端子受け部(33A)における立壁部(35A)の上端面(35a)に当接して組み付け高さが規制される。
そして、バスバー(20A)の板状端子部(23)に対して前後逆向きに誤挿入された中継端子(10)は、バスバ載置面(31)から突出するように設けられた係止突部(38)と干渉して進入が阻止される。そこで、前後逆向きに誤挿入された中継端子(10)は、立壁部(35A)の係止突部(38)に乗り上げ、下端面が立壁部(35A)の上端面(35a)まで届かなくなる。従って、前後逆向きに誤挿入された中継端子(10)は、正常挿入時における搭載位置よりも上方へ突出した状態となり、作業者は異常に気づくことができる。
また、バスバー(20A)の板状端子部(23)が中継端子(10)の第2挿入空間(14)に誤挿入された中継端子(10)は、立壁部(35A)の上端面(35a)から突出するように設けられた係止突部(38)と干渉して進入が阻止される。そこで、バスバー(20A)の板状端子部(23)が第2挿入空間(14)に誤挿入された中継端子(10)は、立壁部(35A)の係止突部(38)に乗り上げ、下端面が立壁部(35A)の上端面(35a)まで届かなくなる。従って、前後逆向きに誤挿入された中継端子(10)は、正常挿入時における搭載位置よりも上方へ突出した状態となり、作業者は異常に気づくことができる。
更に、バスバ載置面(31)に載置されたバスバー(20A)は、係止突部(38)によって位置決めされる。
10…中継端子
12…第1挿入空間
14…第2挿入空間
20…バスバー
23…板状端子部
30…ロアカバー(ハウジング)
33…端子受け部
37…係止突部
51…タブ端子(板状端子部)

Claims (4)

  1. 相互に異なる方向から板状端子部を挿入するための第1挿入空間及び第2挿入空間を有する中継端子の前記第1挿入空間に挿入されるバスバーと、
    前記中継端子の搭載位置を位置決めするための端子受け部を有するハウジングと、を備え、
    前記端子受け部は、前記バスバーの板状端子部が前記第2挿入空間に誤挿入された場合、もしくは、前記バスバーの板状端子部が前記第1挿入空間に前後逆向きに誤挿入された場合に、前記中継端子と干渉して進入を阻止する係止突部を有する、
    中継端子の誤挿入検知構造。
  2. 前記ハウジングのバスバ載置面に設けられた前記端子受け部は、前記ハウジングのバスバ載置面と交差する方向に立設された立壁部を有し、
    前記バスバーは、前記バスバ載置面に載置される載置部と、前記載置部から交差する方向に延びる前記板状端子部と、を有し、
    前記立壁部は、前記中継端子の正常挿入時には上端面が前記中継端子に当接して前記中継端子の組み付け高さを規制し、
    前記係止突部は、前記立壁部の上端面から前記バスバーの板状端子部の延出方向に沿って突出するように設けられている、
    請求項1に記載の中継端子の誤挿入検知構造。
  3. 前記立壁部は、前記載置部における前記バスバーの板状端子部の近傍を挟んで対向する一対の側壁を有し、
    前記係止突部は、前記一対の側壁の各上端面から前記バスバーの板状端子部の延出方向に沿ってそれぞれ突出するように設けられている、
    請求項2に記載の中継端子の誤挿入検知構造。
  4. 前記ハウジングのバスバ載置面に設けられた前記端子受け部は、前記ハウジングのバスバ載置面と交差する方向に立設された立壁部を有し、
    前記バスバーは、前記バスバ載置面に載置される載置部と、前記載置部から交差する方向に延びる前記板状端子部と、を有し、
    前記立壁部は、前記中継端子の正常挿入時には上端面が前記中継端子に当接して前記中継端子の組み付け高さを規制し、
    前記係止突部は、前記バスバ載置面から前記バスバーの板状端子部の延出方向に沿って突出するように設けられ、前記載置部の位置決め孔に挿通される、
    請求項1に記載の中継端子の誤挿入検知構造。
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