JP2023082598A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
定着装置及び画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2023082598A JP2023082598A JP2021196476A JP2021196476A JP2023082598A JP 2023082598 A JP2023082598 A JP 2023082598A JP 2021196476 A JP2021196476 A JP 2021196476A JP 2021196476 A JP2021196476 A JP 2021196476A JP 2023082598 A JP2023082598 A JP 2023082598A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fixing device
- thermostat
- heat source
- fixing
- thermal displacement
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】安全性を維持しつつ熱源が異常加熱しているときに誤動作を抑制した状態でサーモスタットの作動に要する時間を短縮化させることができる定着装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】熱源36と、熱源36が異常加熱したときに熱源36への電力供給を遮断するサーモスタット40と、を備えた定着装置12は、熱源36の熱により変位する熱変位部(31c)を有する熱変位部材(31)を備え、熱変位部材(31)は、熱源36が異常加熱していないときには熱変位部(31c)がサーモスタット40から所定の離間距離dだけ離間しており、熱源36が異常加熱したときに熱変位部(31c)がサーモスタット40の所定の反応温度以上に加熱された状態でサーモスタット40に近接又は接触し、サーモスタット40を作動させる。【選択図】図4
Description
本発明は、熱源を備えた定着装置及び複写機、複合機、プリンタ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
熱源を備えた定着装置は、熱源が異常加熱したときに異常温度上昇を防止するために、通常は、熱源への電力供給を遮断するサーモスタットを備えている。
このような従来の定着装置では、サーモスタットが熱源から所定の離間距離だけ離間しているので、熱源が異常加熱しているときのサーモスタットの作動に時間を要する。このため、安全性を維持しつつ熱源が異常加熱しているときのサーモスタットの作動に要する時間を短縮化することが望まれている。
例えば、熱源が異常加熱しているときにサーモスタットを作動させ易くするためには、サーモスタットの所定の反応温度を低くする或いはサーモスタットと熱源との間の離間距離を短くすることが考えられるが、この場合、熱源が異常加熱していなくてもサーモスタットが作動するといった誤動作を招く。
そこで、本発明は、安全性を維持しつつ熱源が異常加熱しているときに誤動作を抑制した状態でサーモスタットの作動に要する時間を短縮化させることができる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る定着装置は、熱源と、前記熱源が異常加熱したときに前記熱源への電力供給を遮断するサーモスタットと、を備えた定着装置であって、前記熱源の熱により変位する熱変位部を有する熱変位部材を備え、前記熱変位部材は、前記熱源が異常加熱していないときには前記熱変位部が前記サーモスタットから所定の離間距離だけ離間しており、前記熱源が異常加熱したときに前記熱変位部が前記サーモスタットの所定の反応温度以上に加熱された状態で前記サーモスタットに近接又は接触し、前記サーモスタットを作動させることを特徴とする。また、本発明に係る画像形成装置は、前記本発明に係る定着装置を備えたことを特徴とする。
なお、特許文献1,2には、定着ベルトに使用するオイルのブリードアウトの問題について記載しているものの、本発明の構成については、何も記載していない。
本発明によると、安全性を維持しつつ熱源が異常加熱しているときに誤動作を抑制した状態でサーモスタットの作動に要する時間を短縮化させることが可能となる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[画像形成装置]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を有する複合機であり、画像読取装置102によって読み取られた原稿Gの画像を外部に送信する。また、画像形成装置100は、画像読取装置102にて読み取った原稿Gの画像又は外部から受信した画像をカラー若しくは単色で記録媒体である用紙等のシートPに画像を形成する。画像形成装置100は、モノクロ画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置100は、他の形態のカラー画像形成装置であってもよい。
画像読取部130の上側には、画像読取部130に対して開閉自在に支持された原稿送り装置160〔自動原稿搬送装置(ADF)〕が設けられている。画像読取装置102は、原稿送り装置160にて搬送された原稿Gを読み取る搬送原稿読取機能を備えている。原稿送り装置160は、原稿Gを載置する原稿載置トレイ161と、排出された原稿Gを積載する原稿排出トレイ162と、を備えている。原稿送り装置160は、原稿載置トレイ161に載置された1枚又は複数枚の原稿Gを画像読取部130における原稿読取部130b上に1枚ずつ順に搬送し、原稿排出トレイ162に排出する。また、画像読取部130には、原稿Gを載置する原稿載置台130aが設けられている。画像読取装置102は、原稿載置台130a上に載置された原稿Gを読み取る載置原稿読取機能を備えている。画像形成装置100は、原稿送り装置160が開かれると、画像読取部130の上方の原稿載置台130aが開放され、原稿Gを手置きで置くことができるようになっている。画像読取部130は、走査光学系130cを原稿読取部130bの下方の読取位置に位置させた状態で原稿送り装置160にて搬送される原稿Gを読み取るか又は走査光学系130cを走査して原稿載置台130aに載置された原稿Gを読み取って画像データを生成する。
画像形成装置本体101は、光走査装置1、現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4、帯電器5、中間転写ベルト装置70、2次転写装置11、定着装置12、シート搬送路S、給紙カセット18、シート排出トレイ141を備えている。
画像形成装置100では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、又は、単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像に応じた画像データが扱われる。画像形成装置100の画像形成部50には、4種類のトナー像を形成するための現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4及び帯電器5が4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローに対応付けられ、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。光走査装置1は、感光体ドラム3の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置2は、感光体ドラム3の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム3の表面にトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置4は、感光体ドラム3の表面の残留トナーを除去及び回収する。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム3の表面に各色のトナー像が形成される。
中間転写ベルト装置70は、中間転写ローラ6、無端状の中間転写ベルト71、中間転写駆動ローラ72、中間転写従動ローラ73及びクリーニング装置9を備えている。中間転写ローラ6は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4つずつ中間転写ベルト71の内側に設けられている。中間転写ローラ6は、感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を周方向Cへ周回移動する中間転写ベルト71に転写する。
中間転写ベルト71は、中間転写駆動ローラ72及び中間転写従動ローラ73に張架されている。画像形成装置100では、各感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト71の表面に順次転写して重ね合わせて、中間転写ベルト71の表面にカラーのトナー像を形成する。
2次転写装置11は、2次転写ローラ11aと中間転写ベルト71との間に転写ニップ部TNを形成しており、シート搬送路Sを通じて搬送されてきたシートPを転写ニップ部TNに挟み込んで搬送する。シートPは、転写ニップ部TNを通過する際に、中間転写ベルト71の表面のトナー像が2次転写装置11にて転写されて定着装置12に搬送される。クリーニング装置9は、シートPに転写されずに中間転写ベルト71の表面に残った廃トナーを除去及び回収する。
定着装置12は、シートPを挟んで回転する定着ベルト31及び加圧ローラ32を備えている。定着装置12は、定着ベルト31及び加圧ローラ32の間にトナー像が転写されたシートPを挟み込んで加熱及び加圧し、トナー像をシートPに定着させる。なお、図1においては図示を省略しているが、定着装置12は、定着ベルト31及び加圧ローラ32以外の構成部材を有している。定着装置12の詳細については、後述する。
給紙カセット18は、画像形成に使用するシートPを蓄積しておくためのカセットであり、光走査装置1の下側に設けられている。シートPは、ピックアップローラ16によって給紙カセット18から引き出されて、シート搬送路Sに搬送される。シート搬送路Sに搬送されたシートPは、2次転写装置11や定着装置12を経由し、排出ローラ17に搬送され、排出部140におけるシート排出トレイ141に排出される。シート搬送路Sには、搬送ローラ13、レジストローラ14及び排出ローラ17が配置されている。搬送ローラ13は、シートPの搬送を促す。レジストローラ14は、シートPを一旦停止させて、シートPの先端を揃える。レジストローラ14は、一旦停止したシートPを中間転写ベルト71上のトナー像のタイミングに合わせて搬送する。
なお、図1では、給紙カセット18が1つとされているがこれに限定されず、複数の給紙カセット18を設けた構成とし、それぞれに異なる種類のシートPを積載してもよい。
また、画像形成装置100は、シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、シートPを排出ローラ17からシート反転経路Srに逆方向に搬送する。画像形成装置100は、逆方向に搬送されたシートPの表裏を反転し、レジストローラ14に再度導く。また、画像形成装置100は、レジストローラ14に導かれたシートPを表面と同様にして裏面に画像形成し、シート排出トレイ141に搬出する。
[定着装置]
図2は、図1に示す画像形成装置100における定着装置12を概略的に示す断面図である。
図2は、図1に示す画像形成装置100における定着装置12を概略的に示す断面図である。
定着装置12は、上述したように、定着ベルト31及び加圧ローラ32を備えている。定着装置12は、定着ベルト31の内側に設けられた支持部材33、定着パッド34、摺動シート35、熱源36、反射板37、温度検知部38(温度センサ)、剥離板39及びサーモスタット40も備えている。
定着ベルト31は、無端状のフレキシブルなベルトであり、ベルト状に形成されている。定着ベルト31は、例えば、ニッケル等の金属からなる基材上にシリコーンゴム等の樹脂層及び表層(離型層)を設けた構成とすることができる。定着ベルト31は、シートPの搬送方向Hに直交する幅方向Wに沿った回転軸線α回りに回転可能に設けられている。定着ベルト31の内径は、それには限定されないが、例えば、30mmである。
定着パッド34は、例えば、樹脂により構成されており、定着ベルト31の幅方向Wに沿って延びる長板状に形成され、定着パッド34の定着ベルト31との間には摺動シート35が設けられている。なお、定着パッド34の長さは、定着ベルト31の幅方向Wの長さと略同じである。
支持部材33は、定着パッド34(摺動シート35)を定着ベルト31の内周面に押し当てながら支持する部材である。支持部材33の幅方向Wにおける両端部は定着フレーム(図示せず)に固定されている。この例では、支持部材33は、断面が略L字状に形成されている。
反射板37は、支持部材33の熱源36側の面を覆うように配置されおり、薄板状である。これにより、定着ベルト31を効率よく加熱することができる。
熱源36は、定着ベルト31を加熱するための部材であって、定着ベルト31の幅方向Wに沿って延びている。熱源36は、例えば、ハロゲンランプ等のランプヒータとすることができる。また、本実施の形態では、熱源36は、定着ベルト31の幅方向Wにおける中央部を加熱する第1ランプヒータ36aと、定着ベルト31の幅方向Wにおける両端部を加熱する第2ランプヒータ36bと、を含んでいる。第1ランプヒータ36a及び第2ランプヒータ36bのそれぞれの動作はシートPのサイズに応じて決定される。定着ベルト31は、熱源36により、所定の定着温度(例えば200℃~250℃)に加熱される。従って、定着ベルト31だけでなく、摺動シート35等も上記温度に対して耐熱性を有している。
加圧ローラ32は、定着ベルト31を挟んで定着パッド34と対向する位置に配置される。加圧ローラ32は、定着ベルト31の回転軸線αに沿った方向(幅方向W)の回転軸線を中心に回転し、定着ベルト31と略平行に延びるように配置されている。加圧ローラ32は、定着パッド34(摺動シート35)との間で定着ベルト31を押圧することで、定着ベルト31との間に定着ニップ部FNを形成する。加圧ローラ32は、具体的には、アルミニウム等の金属によって形成される円筒状の芯材の表面をゴム等の弾性材によって覆われたローラ部材で構成することができる。
加圧ローラ32には、モータ等の駆動源(図示せず)からの駆動力が、ギア等(図示せず)を介して伝達される。加圧ローラ32は、駆動源からの駆動力を受けて回転駆動される。定着ベルト31は、加圧ローラ32の回転駆動に伴い、加圧ローラ32の回転方向とは逆方向に従動回転する。つまり、加圧ローラ32は、定着ベルト31の外周面と当接することにより定着ニップ部FNを形成し、定着ニップ部FNを介して定着ベルト31に駆動力を伝達することにより、定着ベルト31を従動回転させる。
温度検知部38は、定着ベルト31の表面温度を検出する。定着装置12では、温度検知部38にて検出した温度により、定着ベルト31が定着温度(例えば200℃~250℃)になるように熱源36の温度制御が行われる。
剥離板39は、シートPの搬送方向Hにおける定着ニップ部FNの下流側に配置され、定着ベルト31に対するシートPの巻き付きを防止する。
サーモスタット40は、熱源36が異常加熱したときに熱源36への電力供給を遮断する。詳しくは、サーモスタット40は、熱源36に電力を供給する電力線(図示せず)に電気的に接続されており、熱源36への電力供給を直接遮断するようになっている。
温度検知部38及びサーモスタット40は、定着装置本体12a(本体フレーム)に固定されている。サーモスタット40は、所定の反応温度(作動温度、定格温度)(例えば190℃)になると、作動して熱源36への電力供給を遮断する。
(第1実施形態)
図3は、本実施の形態に係る定着装置12における定着ベルト31の一部を拡大して示す拡大断面図である。図4は、図3に示す定着装置12において、熱源36の異常加熱により熱変位部材(31)の熱変位部(31c)が変位して熱変位部(31c)がサーモスタット40に近接している状態を概略的に示す断面図である。
図3は、本実施の形態に係る定着装置12における定着ベルト31の一部を拡大して示す拡大断面図である。図4は、図3に示す定着装置12において、熱源36の異常加熱により熱変位部材(31)の熱変位部(31c)が変位して熱変位部(31c)がサーモスタット40に近接している状態を概略的に示す断面図である。
図3に示すように、定着部材として作用する定着ベルト31は、基材31aと、基材31a上に接着層31bを介して設けられた樹脂層31cと、を含んでいる。この例では、定着ベルト31は、樹脂層31c上に設けられた表層31d(離型層)をさらに含んでいる。
本実施の形態に係る定着装置12は、熱変位部材(この例では定着ベルト31)を備えている。熱変位部材(31)は、熱源36の熱により変位する熱変位部(この例では熱源36の熱により基材31aから剥がれる樹脂層31c)を有している。熱変位部材(31)は、熱源36が異常加熱していないときには熱変位部(31c)がサーモスタット40から所定の離間距離d(図2参照)だけ離間している。熱変位部材(31)は、熱源36が異常加熱したときに熱変位部(31c)がサーモスタット40の反応温度(例えば190℃)以上に加熱された状態でサーモスタット40に近接又は接触し(図4参照)、サーモスタット40を作動させる。また、熱変位部(31c)の変位に伴って熱変位部(31c)が表層31dと共にサーモスタット40に近接又は接触することもある。
ここでは、熱変位部材として、シートP上の未定着トナーを定着するための作用する定着部材、この例では、定着ベルト31を用いているが、ローラ部材、例えば、定着ローラや加圧ローラ等であってもよい。
定着装置12では、熱変位部材(31)の熱変位部(31c)は、熱源36が異常加熱していないとき、すなわち、定着ベルト31が定着温度(例えば200℃~250℃)になるように熱源36が温度検知部38により温度制御されているときには、サーモスタット40との間の離間距離dを維持している。一方、温度検知部38等の何らかの異常により、熱源36が異常加熱〔定着ベルト31を定着温度を超えて加熱〕すると、熱変位部材(31)の熱変位部(31c)は、サーモスタット40の反応温度(例えば190℃)以上(例えば400℃近く)に加熱される。このとき、熱変位部(31c)がサーモスタット40側に変位するが、サーモスタット40の反応温度(例えば190℃)未満には冷えきらずに、サーモスタット40の反応温度以上に加熱されたままでサーモスタット40に近接又は接触する(図4参照)。そうすると、サーモスタット40が従来よりも早期に作動する。
このように、本実施の形態によれば、熱変位部材(31)は、熱源36が異常加熱していないときには熱変位部(31c)がサーモスタット40との間の離間距離dを維持しているので、サーモスタット40と熱源36との間の離間距離dを短くする必要がない。しかも、熱源36が異常加熱(例えば400℃や450℃といった温度に加熱)したときに熱変位部(31c)がサーモスタット40の反応温度(例えば190℃)以上に加熱された状態でサーモスタット40に近接又は接触し、サーモスタット40を作動させるので、サーモスタット40の所定の反応温度を低くする必要がなく、サーモスタット40を早期に動作させることができる。従って、熱源36が異常加熱していなくてもサーモスタット40が作動する誤動作を抑制することができる。これにより、安全性を維持しつつ熱源36が異常加熱しているときに誤動作を抑制した状態でサーモスタット40の作動に要する時間を短縮化させることができる。このことは、定着ベルト31が停止している状態で熱源36が異常加熱したときに特に有効となる。
ここで、基材31aとしては、例えば、ポリイミド等の樹脂材料、ニッケル、ステンレス鋼等の金属材料を用いることができる。基材31aの厚みとしては、40μm程度を例示できる。接着層31bとしては、プライマーと呼ばれる有機溶剤系の接着剤を用いることができる。樹脂層31cとしては、ゴム層を例示でき、例えば、シリコーンゴム等のゴム材料を用いることができる。樹脂層31cの厚みとしては、100μm~300μm程度を例示できる。表層31dとしては、フッ素樹脂〔例えばPFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブ、PFAコート〕を例示できる。表層31dの厚みとしては、20μm程度を例示できる。但し、これらの具体的構成に限定されるものではない。
(第2実施形態)
本実施の形態において、熱変位部材は、シートP上の未定着トナーを定着するための定着部材(この例では定着ベルト31)である。
本実施の形態において、熱変位部材は、シートP上の未定着トナーを定着するための定着部材(この例では定着ベルト31)である。
こうすることで、定着ベルト31といった既存の定着部材以外に熱変位部材を別途設ける必要がない。これにより、部品点数を少なくすることができ、それだけ、定着装置12の小型化、低コスト化を実現させることができる。
(第3実施形態)
本実施の形態において、定着部材は、基材31aと、基材31a上に接着層31bを介して設けられた樹脂層31cと、を含む定着ベルト31である。この例では、定着ベルト31は、樹脂層31c上に設けられた表層31d(離型層)を含んでいる。熱変位部は、樹脂層31cであり、樹脂層31cは、所定の規定量以上の添加剤31c1を含有している。添加剤31c1としては、フィラー等の熱伝導材料や、オイル等の可塑剤を例示できる。ここで、「規定量」とは、熱源36が異常加熱したときに定着ベルト31の樹脂層31cがサーモスタット40に近接又は接触するように変位することができる程度の量をいう。
本実施の形態において、定着部材は、基材31aと、基材31a上に接着層31bを介して設けられた樹脂層31cと、を含む定着ベルト31である。この例では、定着ベルト31は、樹脂層31c上に設けられた表層31d(離型層)を含んでいる。熱変位部は、樹脂層31cであり、樹脂層31cは、所定の規定量以上の添加剤31c1を含有している。添加剤31c1としては、フィラー等の熱伝導材料や、オイル等の可塑剤を例示できる。ここで、「規定量」とは、熱源36が異常加熱したときに定着ベルト31の樹脂層31cがサーモスタット40に近接又は接触するように変位することができる程度の量をいう。
この構成では、熱源36が異常加熱したときに熱変位部(31c)がサーモスタット40の反応温度以上の異常温度(例えば400℃や450℃といった温度)に加熱されることにより、定着ベルト31の樹脂層31cに含有する添加剤が熱によりブリードアウトする(染み出す)。そうすると、基材31aと樹脂層31cとを接着している接着層31bの接着力が低下し、樹脂層31cが基材31aから剥離する。これにより、定着ベルト31の樹脂層31cがサーモスタット40に近接又は接触するので、サーモスタット40を早期に動作させることができる。これにより、安全性を維持しつつ熱源36が異常加熱しているときのサーモスタット40の作動に要する時間を短縮化させることができる。
ここで、定着ベルト31は、次にようにして製造することができる。
すなわち、ニッケルを含む電解液にステンレスからなる金型を挿入し、金型にニッケルからなるメッキ膜を形成する。次に、金型からニッケルの円筒状の基材(31a)を脱型し、脱型した円筒状の基材を所望のサイズに切断して所望のサイズの基材(31a)を得る。得られた所望のサイズの基材(31a)にプライマー(31b)を塗布し、乾燥させる。次に、ゴム(31c)を塗装し、加硫する。次に、接着剤を塗布し、表層チューブ(31d)(PFAチューブ)を挿入し、加硫してベルト状の部材を得る。得られたベルト状の部材を切断し、研磨した後、洗浄する。これにより、定着ベルト31を得ることができる。
本実施の形態において、樹脂層31cは、ゴム層である。こうすることで、熱源36が異常加熱したときに熱によりゴム層をサーモスタット40に確実に近接又は接触させることができ、これにより、熱源36が異常加熱しているときのサーモスタット40の作動に要する時間を安定的に短縮化させることができる。
本実施の形態において、ゴム層は、シリコーンゴムからなる。こうすることで、熱源36が異常加熱したときに熱によりシリコーンゴムをサーモスタット40にさらに確実に近接又は接触させることができる。
本実施の形態において、添加剤は、可塑剤である。こうすることで、基材31aと樹脂層31cとを接着している接着層31bの接着力を可塑剤により低下させ易くすることができ、これにより樹脂層31cを基材31aから確実に剥離させることができる。
本実施の形態において、可塑剤は、シリコーンオイルからなる。こうすることで、基材31aと樹脂層31cとを接着している接着層31bの接着力をシリコーンオイルによりさらに低下させ易くすることができ、これにより樹脂層31cを基材31aからさらに確実に剥離させることができる。
(第4実施形態)
本実施の形態において、サーモスタット40は、熱変位部材(31)と熱源36との最短距離を構成する仮想直線β(図2参照)の延長線上に位置している。
本実施の形態において、サーモスタット40は、熱変位部材(31)と熱源36との最短距離を構成する仮想直線β(図2参照)の延長線上に位置している。
こうすることで、熱源36により熱変位部材(31)の最も温度が上がる部分にサーモスタット40を設けることができる。これにより、熱源36が異常加熱しているときのサーモスタット40の作動に要する時間をさらに短縮化させることができる。
(その他の実施形態)
以上説明した例では、熱変位部材としての定着部材を定着ベルト31としたが、基材31a、接着層31b及び樹脂層31cを含む熱変位部を有する定着ローラや加圧ローラ等のローラ部材であってもよい。また、熱変位部材を定着部材としたが、定着部材に代えて或いは加えて定着部材とは別に設けられた専用部材(例えば基材31a、接着層31b及び樹脂層31cを含む熱変位部を有する専用部材)であってもよい。
以上説明した例では、熱変位部材としての定着部材を定着ベルト31としたが、基材31a、接着層31b及び樹脂層31cを含む熱変位部を有する定着ローラや加圧ローラ等のローラ部材であってもよい。また、熱変位部材を定着部材としたが、定着部材に代えて或いは加えて定着部材とは別に設けられた専用部材(例えば基材31a、接着層31b及び樹脂層31cを含む熱変位部を有する専用部材)であってもよい。
[実施例]
次に、本実施の形態に係る定着ベルト31を評価したので比較例と共に以下に説明する。
次に、本実施の形態に係る定着ベルト31を評価したので比較例と共に以下に説明する。
図5は、実施例及び比較例で用いた定着ベルト31の物性値を示す図表である。なお、比較例の定着ベルトも便宜上、符号31として表す。
実施例及び比較例に係る定着ベルト31において、基材31aは、何れも厚み40μmのニッケルからなるものとし、表層31dは、何れも厚み20μmのPFAチューブからなるものとした。
また、実施例に係る定着ベルト31のゴム層(31c)は、シリコーンゴムにシリコーンオイルを含有した厚み285μmのものとした。比較例に係る定着ベルトのゴム層(31c)は、シリコーンゴムにシリコーンオイルを含有した厚み285μmのものとした。ゴム層(31c)の熱伝導率は、実施例及び比較例共に0.8W/(m・K)であった。ゴム層(31c)の硬度は、実施例で7°であり、比較例で10°であった。ここで、ゴム層(31c)の硬度は、硬度計を用いて測定した。また、ゴム層(31c)に含有するシリコーンオイルの含有量は、実施例で熱源36が異常加熱したときにゴム層(31c)が基材31aから剥がれてサーモスタット40に近接又は接触するように変位することが可能な規定量以上とし、比較例で規定量未満とした。
図6は、実施例の評価結果を比較例と共に示す図表である。
実施例1~3、比較例1~5において、定着ベルト31の昇温速度〔℃/s〕、定着ベルト31とサーモスタット40との間の所定の離間距離d〔mm〕(ギャップ)、サーモスタット40の反応温度〔℃〕を変更して、熱源36の異常加熱の有無での基材31aとゴム層(31c)との接着状態、熱源36の異常加熱の有無でのサーモスタット40の状態を調べた。なお、図6において、※1は、センター基準で最大サイズよりも小さいサイズのシートPを印刷した場合(定着ベルト31のシートPが通過しない領域が大きくなって定着ベルト31の温度が高くなり易い場合)にサーモスタット40が作動したことを表している。また、※2は、サーモスタット40が作動したものの、定着ベルト31が損傷したことを表している。
図6に示すように、実施例1~3では、ゴム層(31c)に含有するシリコーンオイルの含有量が規定量以上であるため、熱源36の異常加熱が無い場合には基材31aとゴム層(31c)とが接着したままとなり、離間距離dを維持していた。一方、熱源36の異常加熱が有る場合には基材31aからゴム層(31c)が剥離し、ゴム層(31c)がサーモスタット40に近接又は接触した。従って、熱源36の異常加熱が無い場合にはサーモスタット40が非作動となり、熱源36の異常加熱が有る場合にはサーモスタットが早期に作動した。
これに対して、比較例1~5では、ゴム層(31c)に含有するシリコーンオイルの含有量が規定量未満であるため、熱源36の異常加熱の有無に関わらず、基材31aとゴム層(31c)とが接着したままとなり、離間距離dを維持していた。このため、比較例1では、熱源36の異常加熱の有無に関わらず、サーモスタット40が非作動となった。一方、比較例2では、サーモスタット40の反応温度が160℃と低いため、熱源36の異常加熱の有無に関わらず、サーモスタット40が作動した。また、比較例3,5では、熱源36の異常加熱が無い場合において特定のサイズのシートPを他のサイズよりも多く印刷した場合にサーモスタット40が作動し、熱源36の異常加熱が有る場合にサーモスタット40が作動したものの、定着ベルト31が損傷した。また、比較例4では、熱源36の異常加熱が無い場合にはサーモスタット40が非作動となり、熱源36の異常加熱が有る場合にはサーモスタット40が作動したが、昇温速度が20℃/sであり、非常に遅いため、そもそも製品仕様を満たしていない。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
100 画像形成装置
12 定着装置
31 定着ベルト(定着部材、熱変位部材の一例)
31a 基材
31b 接着層
31c 樹脂層(熱変位部の一例)
31c1 添加剤
31d 表層
32 加圧ローラ
33 支持部材
34 定着パッド
35 摺動シート
36 熱源
36a 第1ランプヒータ
36b 第2ランプヒータ
37 反射板
38 温度検知部
39 剥離板
40 サーモスタット
FN 定着ニップ部
H 搬送方向
P シート
W 幅方向
α 回転軸線
β 仮想直線
12 定着装置
31 定着ベルト(定着部材、熱変位部材の一例)
31a 基材
31b 接着層
31c 樹脂層(熱変位部の一例)
31c1 添加剤
31d 表層
32 加圧ローラ
33 支持部材
34 定着パッド
35 摺動シート
36 熱源
36a 第1ランプヒータ
36b 第2ランプヒータ
37 反射板
38 温度検知部
39 剥離板
40 サーモスタット
FN 定着ニップ部
H 搬送方向
P シート
W 幅方向
α 回転軸線
β 仮想直線
Claims (9)
- 熱源と、前記熱源が異常加熱したときに前記熱源への電力供給を遮断するサーモスタットと、を備えた定着装置であって、
前記熱源の熱により変位する熱変位部を有する熱変位部材を備え、
前記熱変位部材は、前記熱源が異常加熱していないときには前記熱変位部が前記サーモスタットから所定の離間距離だけ離間しており、前記熱源が異常加熱したときに前記熱変位部が前記サーモスタットの所定の反応温度以上に加熱された状態で前記サーモスタットに近接又は接触し、前記サーモスタットを作動させることを特徴とする定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置であって、
前記熱変位部材は、シート上の未定着トナーを定着するための定着部材であることを特徴とする定着装置。 - 請求項2に記載の定着装置であって、
前記定着部材は、基材と、前記基材上に接着層を介して設けられた樹脂層と、を含む定着ベルトであり、
前記熱変位部は、前記樹脂層であり、
前記樹脂層は、所定の規定量以上の添加剤を含有することを特徴とする定着装置。 - 請求項3に記載の定着装置であって、
前記樹脂層は、ゴム層であることを特徴とする定着装置。 - 請求項4に記載の定着装置であって、
前記ゴム層は、シリコーンゴムからなることを特徴とする定着装置。 - 請求項3から請求項5までの何れか1つに記載の定着装置であって、
前記添加剤は、可塑剤であることを特徴とする定着装置。 - 請求項6に記載の定着装置であって、
前記可塑剤は、シリコーンオイルであることを特徴とする定着装置。 - 請求項1から請求項7までの何れか1つに記載の定着装置であって、
前記サーモスタットは、前記熱変位部材と前記熱源との最短距離を構成する仮想直線の延長線上に位置していることを特徴とする定着装置。 - 請求項1から請求項8までの何れか1つに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021196476A JP2023082598A (ja) | 2021-12-02 | 2021-12-02 | 定着装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021196476A JP2023082598A (ja) | 2021-12-02 | 2021-12-02 | 定着装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023082598A true JP2023082598A (ja) | 2023-06-14 |
Family
ID=86728547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021196476A Pending JP2023082598A (ja) | 2021-12-02 | 2021-12-02 | 定着装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023082598A (ja) |
-
2021
- 2021-12-02 JP JP2021196476A patent/JP2023082598A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7421219B2 (en) | Image forming apparatus | |
US8588628B2 (en) | Fixing device and image forming apparatus | |
JP5640407B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
US8195057B2 (en) | Image forming apparatus and fixing device used therein | |
US8428480B2 (en) | Fixing device, image forming apparatus incorporating same, and method of dimensioning fixing device | |
JP5936333B2 (ja) | 像加熱装置および画像形成装置 | |
US9316964B2 (en) | Fixing device and image forming apparatus | |
JP2008139817A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2015169893A (ja) | 定着装置及び定着装置を有する画像形成装置 | |
US7359665B2 (en) | Image forming apparatus having fixing device with endless fixing belt | |
US8571455B2 (en) | Fixing device and image forming apparatus including same having a separation plate assembly | |
JP2023082598A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP6464792B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
US9348276B2 (en) | Fixing device and image forming apparatus | |
JP2018120121A (ja) | 定着装置 | |
US20090226224A1 (en) | Image forming apparatus and transfer belt turning method for image forming apparatus | |
JP2019184657A (ja) | ベルト装置およびそれを備えた画像形成装置 | |
JP2013019935A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
US20240337973A1 (en) | Fixing device and image forming apparatus | |
JP6816488B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2023028808A (ja) | 摺動部材、定着装置及び画像形成装置 | |
JP2023154922A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2022175173A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP2019191201A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP2010032696A (ja) | 画像形成システム |