JP2023081859A - コロナウイルスワクチン - Google Patents

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Abstract

【課題】コロナウイルス感染症を予防または治療するための免疫原性組成物を提供する。【解決手段】RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、免疫原性組成物であって、前記RNAが、特定の配列と少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、(a)修飾ウリジン、及び(b)5’キャップを含み、前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物である。【選択図】なし

Description

本開示は、コロナウイルス感染症を予防または治療するためのRNAの分野に関する。具体的には、本開示は、コロナウイルス感染症に対するワクチン接種のための方法及び薬剤、ならびに抗体及び/またはT細胞応答などの効果的なコロナウイルス抗原特異的免疫応答を誘導するための方法及び薬剤に関する。これらの方法及び薬剤は、特に、コロナウイルス感染症の予防または治療に有用である。本明細書に開示されるRNAの対象への投与は、コロナウイルス感染症から当該対象を保護することができる。具体的には、一実施形態では、本開示は、対象におけるコロナウイルスSタンパク質、特にSARS-CoV-2のSタンパク質に対する免疫応答を誘導するための、SARS-CoV-2スパイクタンパク質(Sタンパク質)のエピトープを含むペプチドまたはタンパク質をコードするRNA、すなわち、ワクチン抗原をコードするワクチンRNAを、当該対象に投与することを含む方法に関する。対象にワクチン抗原をコードするRNAを投与することは、対象におけるワクチン抗原(及び疾患関連抗原)に対する免疫応答を誘導するための(適切な標的細胞によるRNAの発現後の)ワクチン抗原を提供することができる。
コロナウイルスは、スパイクタンパク質(S)、エンベロープタンパク質(E)、膜タンパク質(M)、及びヌクレオカプシドタンパク質(N)の合計4つの構造タンパク質をコードする一本鎖プラス鎖RNA((+)ssRNA)エンベロープウイルスである。スパイクタンパク質(Sタンパク質)は、受容体認識、細胞への結合、エンドソーム経路を介した感染、及びウイルス膜とエンドソーム膜との融合によって駆動されるゲノム放出を担う。異なるファミリーメンバー間の配列は異なるが、Sタンパク質内に保存領域及びモチーフが存在し、Sタンパク質を2つのサブドメイン:S1及びS2に分類することを可能にする。膜貫通ドメインを有するS2は膜融合を担うが、S1ドメインは、ウイルス特異的受容体を認識し、標的宿主細胞に結合する。いくつかのコロナウイルス単離株内で、受容体結合ドメイン(RBD)が同定され、Sタンパク質の一般的な構造が定義された(図1)。
2019年12月、中国武漢で原因不明の肺炎が発生し、新型コロナウイルス(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2、SARS-CoV-2)が根本原因であることが明らかになった。SARS-CoV-2の遺伝子配列は、WHO及び公衆に利用可能になり(MN908947.3)、ウイルスは、ベータコロナウイルス亜科に分類された。配列分析により、系統樹は、ヒトに感染する別のコロナウイルス、すなわち、中東呼吸器症候群(MERS)ウイルスよりも、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス単離株との密接な関係を明らかにした。
SARS-CoV-2感染症及び結果として生じる疾患COVID-19は、世界的に広がり、ますます多くの国に影響を与えている。2020年3月11日、WHOは、COVID-19の発生をパンデミックとして特徴付けた。2020年12月1日現在、世界的に確認されているCOVID-19の症例は6300万件を超え、死亡者は140万人を超えており、191の国/地域が影響を受けている。現在進行中のパンデミックは、世界の公衆衛生及び経済の安定にとって依然として重要な課題である。
SARS-CoV-2に対する既存の免疫がないため、全ての個人は感染のリスクがある。感染後、中和抗体応答及び細胞媒介性免疫によって、全てではないが一部の個体が保護免疫を発達させる。しかしながら、この保護がどの程度、及びどれくらいの期間継続するかは現在不明である。WHOによると、感染した個体の80%は病院のケアを必要とせずに回復し、15%はより重度の疾患を発症し、5%は集中治療を必要とする。加齢及び基礎疾患は、重度の疾患を発症するための危険因子と考えられる。
COVID-19の症状は、一般的に咳及び発熱を伴い、胸部X線撮影は、スリガラス様陰影または斑陰影を示す。しかしながら、多くの患者は、発熱またはX線写真の変化なしに存在し、感染症は無症候性であり得、これは伝播の制御に関連する。症候性の対象では、疾患の進行は、人工呼吸を必要とする急性呼吸窮迫症候群、及びその後の多臓器不全及び死亡につながる可能性がある。入院患者の一般的な症状(最高頻度から最低頻度の順)には、発熱、乾燥咳、息切れ、疲労、筋肉痛、吐き気/嘔吐または下痢、頭痛、脱力感、及び鼻血が含まれる。COVID-19を有する個体のおよそ3%では、無臭覚症(臭覚の喪失)または無味覚症(味覚の喪失)が唯一の主症状である可能性がある。
全ての年齢が疾患を提示し得るが、特に60歳超の人では、症例死亡率(CFR)が上昇する。併存疾患は、心血管疾患、糖尿病、高血圧、及び慢性呼吸器疾患を含む、CFRの増加にも関連している。COVID-19患者の中で、感染した患者への職業的曝露が原因で、医療従事者が大きな比率を占めている。
ほとんどの場合、分子試験を使用してSARS-CoV-2を検出し、感染を確認する。SARS-CoV-2ウイルスRNAを標的とする逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)試験方法は、COVID-19の疑いのある症例を診断するためのインビトロでのゴールドスタンダード方法である。試験される試料を、鼻及び/または喉からスワブで収集する。
とりわけ、本開示は、異なるSARS-CoV-2バリアントもしくは免疫原性ポリペプチド(例えば、Sタンパク質)、またはそれらの免疫原性断片への曝露によって(例えば、ワクチン接種及び/または感染によって)誘発される免疫応答に関する洞察を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、BA.2及び/またはBA.4/5オミクロンSARS-CoV-2バリアントのSタンパク質、あるいはその免疫原性断片をコードするRNAを投与することで、例えば、改善されたオミクロンBA.4及び/またはオミクロンBA.5 SARS-CoV-2バリアントの中和及び/または懸念されるオミクロンバリアントのより広範な交差中和(例えば、より多くの懸念されるオミクロンバリアントに対するより高い中和力価)を含む、改善された免疫応答をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、本開示は、二価コロナウイルスワクチン(例えば、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードする第1のRNAと、BA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードする第2のRNAとを含む二価BA.4/5ワクチン)が、一価コロナウイルスワクチン(例えば、コロナウイルス株またはそのバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むワクチン)と比較して、ある特定の対象において、SARS-CoV-2武漢株及びそのある特定のバリアント(例えば、いくつかの実施形態では、関連する管轄区域で蔓延している、及び/または速やかに広がっているバリアント、例えば、ある特定のオミクロンバリアント)に対してより広範な交差中和を提供することができるという洞察を提供する。いくつかの実施形態では、かかるより広範な交差中和は、ワクチン未接種の対象において観察され得る。いくつかの実施形態では、かかるより広範な交差中和は、コロナウイルス感染症(例えば、SARS-CoV-2感染症)を有しない対象において観察され得る。いくつかの実施形態では、かかるより広範な交差中和は、SARS-CoV-2ワクチン(例えば、いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチン、例えば、武漢株のいくつかの実施形態では)を以前に受けた対象において観察され得る。いくつかの実施形態では、かかるより広い交差中和は、若い小児対象(例えば、6ヶ月~2歳未満、及び/または2歳~5歳未満の対象)において観察され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも2つのある特定のSARS-CoV-2バリアントもしくは免疫原性ポリペプチド(例えば、Sタンパク質)、またはそれらの免疫原性断片への曝露が、1つのSARS-CoV-2株及び/またはSARS-CoV-2バリアントの他の組み合わせへの曝露と比較して、免疫応答(例えば、より高い中和力価、より広範な交差中和、及び/または免疫逃避の影響を受けにくい免疫応答)の相乗的改善をもたらし得るという洞察を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、(例えば、ワクチン接種及び/または感染による)武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片への曝露、ならびに(例えば、ワクチン接種及び/または感染による)オミクロンBA.1バリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片への曝露が、1つのSARS-CoV-2株及び/またはSARS-CoV-2バリアントの他の組み合わせと比較して、免疫応答の相乗的改善(例えば、より高い中和力価、より広範な交差中和、及び/または免疫逃避の影響を受けにくい免疫応答)をもたらすことができるという洞察を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、(例えば、ワクチン接種及び/または感染による)武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片への曝露、ならびに(例えば、ワクチン接種及び/または感染による)オミクロンBA.4またはBA.5バリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片への曝露は、1つのSARS-CoV-2株及び/またはSARS-CoV-2バリアントの他の組み合わせへの曝露と比較して、免疫応答の相乗的改善(例えば、より高い中和力価、より広範な交差中和、及び/または免疫逃避の影響を受けにくい免疫応答)をもたらすことができるという洞察を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、(i)(例えば、ワクチン接種及び/または感染による)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、オミクロンBA.1、及び前述の株/バリアントのうちのいずれかに由来する亜系統から選択される株/バリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質への曝露、ならびに(ii)(例えば、ワクチン接種及び/または感染による)オミクロンBA.2、オミクロンBA.4、オミクロンBA.5、及び前述の株/バリアントのうちのいずれかに由来する亜系統からなる群から選択される株/バリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質への曝露と組み合わせることにより、1つのSARS-CoV-2株及び/またはSARS-COV-2バリアントの他の組み合わせへの曝露と比較して、免疫応答の相乗的改善(例えば、より高い中和力価、より広範な交差中和、及び/または免疫逃避の影響を受けにくい免疫応答)をもたらすことができるという洞察を提供する。
本開示はまた、複数の異なるSARS-CoV-2株への曝露(例えば、ワクチン接種及び/または感染)後に、対象において免疫応答がどのように発生するかに関する重要な洞察を提供する。とりわけ、SARS-CoV-2バリアントの異なる組み合わせが異なる免疫応答を誘発するという所見が、本明細書に開示される。具体的には、本開示は、SARS-CoV-2バリアントのある特定の組み合わせへの曝露が、改善された免疫応答(例えば、より高い中和力価、より広範な交差中和、及び/または免疫逃避の影響を受けにくい免疫応答)を誘発することができるという洞察を提供する。いくつかの実施形態では、改善された免疫応答は、対象が、各々が共有エピトープをほとんど有していない2つ以上の抗原を(例えば、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして)送達されたときに産生され得る。いくつかの実施形態では、改善された免疫応答は、対象が、中和抗体によって結合され得るエピトープ(例えば、アミノ酸変異を含む)を50%以下(例えば、40%以下、30%以下、20%以下、またはそれ以上)共有するSARS-CoV-2 Sタンパク質の組み合わせを(例えば、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして)送達されるときに産生され得る。いくつかの実施形態では、改善された免疫応答は、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして、(a)SARS-CoV-2の武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、もしくはデルタバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片、及び(b)SARS-CoV-2オミクロンバリアントからのSタンパク質またはその免疫原性断片を送達することによって産生され得る。いくつかの実施形態では、改善された免疫応答は、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして、(a)SARS-CoV-2の武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、もしくはデルタバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片、及び(b)BA.1オミクロンバリアントではないSARS-CoV-2オミクロンバリアントのSタンパク質またはその免疫原性断片を送達することによって産生され得る。いくつかの実施形態では、改善された免疫応答は、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして、(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタSARS-CoV-2バリアント、もしくはBA.1オミクロンバリアントからのSタンパク質またはその免疫原性断片、及び(b)BA.1オミクロンバリアントではないSARS-CoV-2オミクロンバリアントのSタンパク質またはその免疫原性断片を送達することによって産生され得る。いくつかの実施形態では、改善された免疫応答は、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして、(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、もしくはデルタバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片、ならびに(b)BA.2もしくはBA.4もしくはBA.5 SARS-CoV-2オミクロンバリアントのSタンパク質またはその免疫原性断片を送達することによって産生され得る。
いくつかの実施形態では、本開示はまた、複数回用量(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、またはそれ以上の用量)の本明細書に記載のコロナウイルスワクチン(例えば、二価BA.4/5ワクチンなどの本明細書に記載の二価ワクチン)の投与が、1つ以上のSARS-CoV-2株またはそのバリアントに対する抗体の親和性に対するある特定の有益な効果(複数可)を提供し得るという洞察を提供する。いくつかの実施形態では、抗体の親和性に対するかかる有益な効果(複数可)は、ある特定のオミクロンバリアントに対する抗体に関して観察され得る。単なる例として、いくつかの実施形態では、抗体の親和性に対するかかる有益な効果(複数可)は、例えば、武漢株と少なくとも1つ以上の共通のエピトープを共有するある特定のオミクロンバリアントに対する抗体に関して観察され得る。
本明細書ではまた、改善された免疫応答(例えば、より広範な交差中和活性を有する免疫応答、より強力な中和、及び/または免疫逃避の影響を受けにくい免疫応答)をもたらすことができる組成物も開示される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、2つ以上の抗原または共有エピトープをほとんど有しないかかる抗原をコードする核酸(例えば、RNA)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードする核酸として、中和抗体によって結合され得るエピトープ(例えば、アミノ酸変異を含む)の50%以下(例えば、40%以下、30%以下、20%以下またはそれ以上)を共有するSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片の組み合わせを送達する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、もしくはデルタバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及び(b)SARS-CoV-2のオミクロンバリアントからのSタンパク質(例えば、いくつかの実施形態では、BA.1、BA.2、もしくはBA.4/5オミクロンバリアントからのSタンパク質)またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、もしくはデルタバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及び(b)BA.1オミクロンバリアントではないSARS-CoV-2のオミクロンバリアントのSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、もしくはデルタバリアント、またはBA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質、あるいはその免疫原性断片をコードするRNA、及び(b)BA.1オミクロンバリアントではないオミクロンバリアントのSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、(a)SARS-CoV-2の武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、またはデルタバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び(b)SARS-CoV-2のBA.2もしくはBA.4もしくはBA.5オミクロンバリアントのSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、SARS-CoV-2のBA.2オミクロンバリアントからのSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、SARS-CoV-2のBA.4またはBA.5オミクロンバリアントからのSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
SARS-CoV-2は、4つの構造タンパク質を有するRNAウイルスである。それらのうちの1つであるスパイクタンパク質は、宿主細胞に存在するアンジオテンシン変換酵素2(ACE-2)に結合する表面タンパク質である。したがって、スパイクタンパク質は、ワクチン開発のための関連抗原であると考えられる。
BNT162b2(配列番号20)は、COVID-19の予防のためのmRNAワクチンであり、COVID-19の予防における95%以上の有効性が実証されている。ワクチンは、脂質ナノ粒子(LNP)に封入された完全長SARS-CoV-2スパイク糖タンパク質(S)をコードする5’キャップmRNAで作製される。最終生成物は、BNT162b2を活性物質として含有する注射用分散液の濃縮物として提示される。他の成分は、ALC-0315(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、ALC-0159(2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、コレステロール、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、塩化ナトリウム、リン酸二ナトリウム水和物、スクロース、及び注射用水である。
いくつかの実施形態では、異なる緩衝液が、PBSの代わりに使用され得る。いくつかの実施形態では、緩衝液は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、製剤は、ALC-0315(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、ALC-0159(2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド)、DSPC(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、コレステロール、スクロース、トロメタモール(Tris)、トロメタモール塩酸塩、及び水を含む。
いくつかの実施形態では、薬学的RNA調製物中のRNAの濃度は、約0.1mg/mlである。いくつかの実施形態では、約30ugのRNAは、約200uLのRNA調製物を投与することによって投与される。いくつかの実施形態では、薬学的RNA調製物中のRNAは、投与前に希釈される(例えば、約0.05mg/mlの濃度に希釈される)。いくつかの実施形態では、投与体積は、約200μl~約300μlである。いくつかの実施形態では、薬学的RNA調製物中のRNAは、約10mMのTris緩衝液、及び約10%のスクロース中に製剤化される。
いくつかの実施形態では、薬学的RNA調製物中のRNAの濃度は、約0.1mg/mlであり、約10mMのTris緩衝液、約10%のスクロース、及び約10μgの用量中に製剤化されるか、またはRNAは、薬学的RNA調製物を約1:1に希釈し、約200μlの希釈した薬学的RNA調製物を投与することによって投与される。いくつかの実施形態では、薬学的RNA調製物中のRNAの濃度は、約0.1mg/mlであり、約10mMのTris緩衝液、約10%のスクロース、及び約10μgのRNAの用量中に製剤化され、薬学的RNA調製物を約1:5.75に希釈し、約200μlの希釈した薬学的RNA調製物を投与することによって投与される。
BNT162b2によってコードされたSタンパク質のアミノ酸配列は、「SARS-CoV-2単離株Wuhan-Hu-1」:GenBank:MN908947.3(完全ゲノム)及びGenBank:QHD43416.1(スパイク表面糖タンパク質)の配列に基づいて選択された。BNT162b2活性物質は、SARS-CoV-2のスパイク抗原に翻訳される一本鎖5’キャップコドン最適化mRNAからなる。BNT162b2によってコードされるスパイク抗原タンパク質配列は、抗原的に改善された融合前立体配座(P2S)を安定化する、2つのプロリン変異を含有する。BNT162b2は、ウリジンを含有せず、ウリジンの代わりに修飾されたN1-メチルプソイドウリジンが、RNA合成において使用される。BNT162b2 mRNAは、宿主細胞においてSARS-CoV-2 Sタンパク質に翻訳される。次いで、Sタンパク質は、適応免疫応答を誘導する細胞表面上で発現される。BNT162b2によってコードされたSタンパク質は、ウイルスに対する中和抗体の標的として同定され、関連するワクチン成分とみなされる。成人ワクチン未接種の対象(すなわち、SARS-CoV-2ワクチンを以前に投与されていない16歳以上の対象)の場合、FDAによって承認されたBNT162b2の投薬レジメンは、2回の30μg用量の希釈ワクチン溶液をおよそ21日間の間隔で筋肉内(IM)投与することを含む。
SARS-CoV-2の新規の流行しているバリアントの最近の出現は、ワクチン介入の地理的かつ時間的有効性に関する重大な懸念を提起している。最も初期に登場し、急速に世界的に優勢となったバリアントのうちの1つは、D614Gであった。
アルファバリアント(B.1.1.7、VOC202012/01、501Y.V1またはGRYとしても知られる)は、当初、英国で検出された。アルファバリアントは、S遺伝子のいくつかの変異を含む、多数の変異を有する。これは、本質的により伝染性であることが示されており、増殖率は、複数の国において他のSARS-CoV-2系統よりも40~70%高いと推定されている(Volz et al.,2021,Nature,https://doi.org/10.1038/s41586-021-03470-x、Washington et al.,2021,Cell https://doi.org/10.1016/j.cell.2021.03.052)。
ベータバリアント(B.1.351またはGH/501Y.V2としても知られる)は、南アフリカで最初に検出された。ベータバリアントは、S遺伝子にいくつかの変異を有する。これらの変異のうちの3つ、すなわち、N501Y(アルファと共有)及びE484K及びK417Nは、免疫回避に関連するRBD内の部位である。
ガンマバリアント(P.1またはGR/501Y.V3としても知られる)は、ブラジルで最初に検出された。ガンマバリアントは、ベータと共有される2つの変異(N501Y及びE484K)、ならびに417位における異なる変異(K417T)を含む、スパイクタンパク質に影響を及ぼすいくつかの変異を有する。
デルタバリアント(B.1.617.2またはG/478K.V1としても知られる)は、インドで最初に文書化された。デルタバリアントは、スパイクタンパク質に影響を及ぼすいくつかの点変異を有し、P681R(アルファと共有され、フューリン切断部位に隣接する変異位置)、及びRBD内にあり、ACE2への結合の増加及び中和抗体耐性と関係するL452Rが挙げられる。156/157位のスパイクタンパク質にも欠失が存在する。
これらの4つのVOCは世界的に流行し、最初に同定された地理的地域において優勢なバリアントとなった。
2021年11月24日、オミクロン(B.1.1.529)のバリアントが、南アフリカからWHOに初めて報告された。SARS-CoV-2オミクロン及びその亜系統は、2021年11月の最初の出現以来、COVID-19パンデミックの疫学的状況に大きな影響を与えている(WHO Technical Advisory Group on SARS-CoV-2 Virus Evolution(TAG-VE):Classification of Omicron(B.1.1.259):SARS-CoV-2 Variant of Concern(2021)、WHO Headquarters(HQ),WHO Health Emergencies Programme,Enhancing Response to Omicron SARS-CoV-2 variant:Technical brief and priority actions for Member States(2022))。多くの中和抗体エピトープの喪失をもたらす第1のオミクロンバリアントBA.1のスパイク(S)糖タンパク質の著しい改変(M.Hoffmann et al.,“The Omicron variant is highly resistant against antibody mediated neutralization:Implications for control of the COVID-19 pandemic”,Cell 185,447-456.e11(2022))により、BA.1は、以前に確立されたSARS-CoV-2野生型株(武漢-Hu-1)に基づく免疫から部分的に逃避することが可能になった(V.Servellita,et al.,“Neutralizing immunity in vaccine breakthrough infections from the SARS-CoV-2 Omicron and Delta variants”,Cell 185,1539-1548.e5(2022)、Y.Cao et al.,“Omicron escapes the majority of existing SARS-CoV-2 neutralizing antibodies”,Nature 602,657-663(2022))。したがって、ワクチン接種された個体がオミクロンにブレークスルー感染することは、以前のVOCよりも一般的である。世界中の多くの国では、オミクロンBA.1がBA.2バリアントに置き換わっている一方で、BA.1.1及びBA.3などの他のバリアントは、一時的に及び/または局所的に勢いを増しているが、世界的に優勢とはならなかった(S.Xia et al.,“Origin,virological features,immune evasion and intervention of SARS-CoV-2 Omicron sublineages.Signal Transduct.Target.Ther.7,241(2022)、H.Gruell et al.,“SARS-CoV-2 Omicron sublineages exhibit distinct antibody escape patterns,Cell Host Microbe 7,241(2022).)。その後、米国では、オミクロンBA.2.12.1がBA.2に代わって優勢となったが、欧州、アフリカの一部、及びアジア/太平洋では、BA.4及びBA.5がBA.2に代わって優勢となった(H.Gruell et al.,“SARS-CoV-2 Omicron sublineages exhibit distinct antibody escape patterns,”Cell Host Microbe 7,241(2022)、European Centre for Disease Prevention and Control,Weekly COVID-19 country overview-Country overview report:Week 31 2022(2022)、J.Hadfield et al.,“Nextstrain:Real-time tracking of pathogen evolution,“Bioinformatics 34,4121-4123(2018))。現在、オミクロンBA.5は、米国を含め、世界的に優勢である(Centers for Disease Control and Prevention.COVID Data Tracker.Atlanta,GA:US Department of Health and Human Services,CDC;2022,August 12.https://covid.cdc.gov/coviddata-tracker(2022))。
オミクロンは、S糖タンパク質に多くの改変(アミノ酸の交換、挿入、または欠失)を獲得しており、それらの中で、全てのオミクロンVOC間で共有されているものもあれば、1つ以上のオミクロン亜系統に特異的であるものもある。抗原的には、BA.2.12.1は、BA.1ではなくBA.2と高い類似性を示すが、BA.4及びBA.5は、それらの系譜に沿って、それらの祖先BA.2とは大幅に異なり、BA.1とは更に異なる(A.Z.Mykytyn et al.,“Antigenic cartography of SARS-CoV-2 reveals that Omicron BA.1 and BA.2 are antigenically distinct,”Sci.Immunol.7,eabq4450(2022).)。残りのオミクロンVOCとのBA.1の主な違いとしては、S糖タンパク質N末端ドメインのΔ143~145、L212I、またはins214EPE、及び受容体結合ドメイン(RBD)のG446SまたはG496Sが挙げられる。RBD中のT376A、D405N、及びR408Sのアミノ酸変化は、順に、BA.2及びその子孫と共通であるが、BA.1には見出されない。加えて、いくつかの改変は、個々のBA.2子孫VOCに特異的であり、BA.2.12.1の場合のL452QまたはBA.4及びBA.5の場合のL452R及びF486V(BA.4及びBA.5は同じS配列をコードする)が挙げられる。これらの共有されたVOC特異的改変のほとんどは、野生型S糖タンパク質に対するモノクローナル抗体及びポリクローナル血清からの免疫逃避において重要な役割を果たすことが示された。特に、BA.4/BA.5特異的改変は、これらのVOCの免疫逃避に強く関与している(P.Wang et al.,“Antibody resistance of SARS-CoV-2 variants B.1.351 and B.1.1.7.Nature 593,130-135(2021)、Q.Wang et al.,“Antibody evasion by SARS-CoV-2 Omicron subvariants BA.2.12.1,BA.4,& BA.5.Nature 608,603-608(2022))。
本開示は概して、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片、すなわち、抗原ペプチドもしくはタンパク質を含む、アミノ酸配列、例えば、ワクチン抗原をコードするRNA、例えば、ワクチンRNAの投与を含む、対象の免疫療法的治療を包含する。したがって、ワクチン抗原は、対象におけるコロナウイルスSタンパク質、特にSARS-CoV-2 Sタンパク質に対する免疫応答を誘導するためのSARS-CoV-2 Sタンパク質のエピトープを含む。ワクチン抗原をコードするRNAを投与して、(適切な標的細胞によるポリヌクレオチドの発現に続いて)、標的抗原(コロナウイルスSタンパク質、特にSARS-CoV-2 Sタンパク質)またはその進行産物を標的とする、免疫応答、例えば、抗体及び/または免疫エフェクター細胞の誘導、すなわち、刺激、プライミング、及び/または拡張のための抗原を提供する。一実施形態では、本開示に従って誘導される免疫応答は、B細胞媒介性免疫応答、すなわち、抗体媒介性免疫応答である。追加的にまたは代替的に、一実施形態では、本開示に従って誘導される免疫応答は、T細胞媒介性免疫応答である。一実施形態では、免疫応答は、抗コロナウイルス、特に抗SARS-CoV-2免疫応答である。
本明細書に記載のワクチンは、有効成分として、レシピエントの細胞に入るとタンパク質に翻訳され得る一本鎖RNAを含む。抗原配列をコードする野生型配列またはコドン最適化配列に加えて、RNAは、安定性及び翻訳効率に関して最大有効性のために最適化された1つ以上の構造要素(例えば、5’キャップ、5’UTR、3’UTR、ポリ(A)尾部、及びそれらの組み合わせ)を含有してもよい。一実施形態では、RNAは、これらの要素の全てを含有する。一実施形態では、cap1構造は、RNA原薬の5’末端における特異的キャッピング構造として利用されてもよい。一実施形態では、ベータ-S-ARCA(D1)(m 7,2’-OGppSpG)またはm 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApGは、RNA原薬の5’末端における特異的キャッピング構造として利用され得る。5’-UTR配列として、任意に、翻訳効率を高めるために最適化された「Kozak配列」を有する、ヒトアルファ-グロビンmRNAの5’-UTR配列(例えば、配列番号12)を使用してもよい。3’-UTR配列として、より高い最大タンパク質レベル及びmRNAの長期持続性を確保するために、コード配列とポリ(A)尾部との間に配置された「スプリットのアミノ末端エンハンサー」(AES)mRNA(Fと呼ばれる)及びミトコンドリアコードされた12SリボソームRNA(Iと呼ばれる)(例えば、配列番号13)に由来する2つの配列要素(FI要素)の組み合わせを使用してもよい。これらの特徴を、RNA安定性を付与し、総タンパク質発現を増強する配列についてのエクスビボ選択プロセスによって特定した(参照により本明細書に組み込まれる、WO2017/060314を参照されたい)。あるいは、3’-UTRは、ヒトベータ-グロビンmRNAの2つの反復された3’-UTRであってもよい。追加的にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、ポリ(A)尾部は、少なくとも100個のアデノシン残基(例えば、少なくとも110個のアデノシン残基、少なくとも120個のアデノシン残基、130個のアデノシン残基、またはそれ以上を含む)の長さを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリ(A)尾部は、約100~約150個のアデノシン残基の長さを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリ(A)尾部は、中断ポリ(A)尾部を含んでもよい。例えば、いくつかのかかる実施形態では、30個のアデノシン残基、続いて(ランダムヌクレオチドの)10ヌクレオチドリンカー配列、及び別の70個のアデノシン残基(例えば、配列番号14)のストレッチからなる、110ヌクレオチドの長さを測定するポリ(A)尾部を使用してもよい。このポリ(A)尾部配列は、RNA安定性及び翻訳効率を向上させるように設計された。
更に、いくつかの実施形態では、分泌シグナルペプチド(sec)をコードするヌクレオチド配列は、好ましくは、いくつかの実施形態では、当該secがN末端タグとして翻訳される方法で、RNAの抗原コード領域に融合され得る。一実施形態では、secは、(例えば、武漢株の)SARS-CoV-2 Sタンパク質の分泌シグナルペプチドに対応する。いくつかの実施形態では、融合タンパク質に一般的に使用される、主にアミノ酸グリシン(G)及びセリン(S)からなる短いリンカーペプチドをコードする配列は、secと抗原との間のGS/リンカーとして使用されてもよい。
本明細書に記載されるワクチンRNAは、タンパク質及び/または脂質、好ましくは脂質と複合体化されて、投与のためのRNA粒子を生成し得る。異なるRNAの組み合わせを使用する場合、RNAを一緒に複合体化してもよく、あるいはタンパク質及び/または脂質と別個に複合体化して、投与のためのRNA粒子を生成してもよい。
一態様では、本開示は、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAを含む、組成物または医療調製物に関する。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質の免疫原性断片は、SARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニット、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニットの受容体結合ドメイン(RBD)を含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列は、多量体複合体、特に三量体複合体を形成することができる。この目的のために、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列は、多量体複合体、特にSARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列の三量体複合体の形成を可能にするドメインを含んでもよい。一実施形態では、多量体複合体の形成を可能にするドメインは、三量体化ドメイン、例えば、本明細書に記載の三量体化ドメイン、例えば、SARS-CoV-2 Sタンパク質三量体化ドメインを含む。一実施形態では、三量体化は、特に、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列が、SARS-CoV-2 Sタンパク質三量体化ドメインを含まないSARS-CoV-2 Sタンパク質の一部に対応する場合に、三量体化ドメイン、例えば、T4-フィブリチン由来「フォルドン」三量体化ドメイン(例えば、配列番号10)の付加によって達成される。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列は、野生型コード配列と比較してコドン最適化される、及び/またはG/C含有量が増加するコード配列によってコードされ、コドン最適化及び/またはG/C含有量の増加は、好ましくは、コードされたアミノ酸配列の配列を変化させない。当業者であれば、コドン最適化には、同じアミノ酸残基をコードする代替コドンの間で選択することが含まれることを理解するであろう。コドン最適化は、典型的には、配列が発現される特定の宿主によって好まれるコドン(複数可)の考慮を含む。本開示によれば、多くの実施形態では、好ましい宿主は、ヒトである。いくつかの実施形態では、好ましい宿主は、家畜であってもよい。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、同じアミノ酸をコードする可能性のあるコドン間の選択は、1つ以上の他の特徴、例えば、全体的なG/C含有量(上述のように)及び/または特定の参照との類似性などを考慮し得る。例えば、本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に記載のBNT162b2構築物によってコードされるものとはアミノ酸配列が異なる、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性バリアントをコードする、提供されるコード配列は、かかる差の少なくとも1つの位置で、かかる差の位置で同じアミノ酸をコードする少なくとも1つの代替コドンと比較して、BNT162b2構築物配列とのより高い類似性を保持するコドンを利用する。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、もしくは配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列は、分泌シグナルペプチドを含む。
一実施形態では、分泌シグナルペプチドは、好ましくはN末端に、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片に融合される。
一実施形態では、
(i)分泌シグナルペプチドをコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)分泌シグナルペプチドが、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号6のヌクレオチド配列、配列番号6のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号6のヌクレオチド配列、もしくは配列番号6のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号5のアミノ酸配列、配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号5のアミノ酸配列、もしくは配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、RNAは、修飾RNA、特に、安定化mRNAである。一実施形態では、RNAは、少なくとも1つのウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む。一実施形態では、RNAは、各ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む。一実施形態では、修飾ヌクレオシドは、独立して、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択される。
一実施形態では、RNAは、ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む。
一実施形態では、修飾ヌクレオシドは、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択される。
一実施形態では、RNAは、5’キャップを含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAは、配列番号12のヌクレオチド配列を含む5’UTR、または配列番号12のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む5’UTRを含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAは、配列番号13のヌクレオチド配列を含む3’UTR、または配列番号13のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む3’UTRを含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAは、ポリA配列を含む。
一実施形態では、ポリA配列は、少なくとも100個のヌクレオチドを含む。
一実施形態では、ポリA配列は、配列番号14のヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる。
一実施形態では、RNAは、液体、固体、またはそれらの組み合わせとして製剤化されるか、または製剤化されることとする。
一実施形態では、RNAは、注射用に製剤化されるか、または製剤化されることとする。
一実施形態では、RNAは、筋肉内投与用に製剤化されるか、または製剤化されることとする。
一実施形態では、RNAは、粒子として製剤化されるか、または製剤化されることとする。
一実施形態では、粒子は、脂質ナノ粒子(LNP)またはリポプレックス(LPX)粒子である。
一実施形態では、LNPは、((4-ヒドロキシブチル)アザンジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む。
一実施形態では、RNAリポプレックス粒子は、RNAをリポソームと混合することによって得ることができる。一実施形態では、RNAリポプレックス粒子は、RNAを脂質と混合することによって得ることができる。
一実施形態では、RNAは、コロイドとして製剤化されるか、または製剤化されることとする。一実施形態では、RNAは、コロイドの分散相を形成する粒子として製剤化されるか、または製剤化されることとする。一実施形態では、RNAの50%以上、75%以上、または85%以上が、分散相に存在する。一実施形態では、RNAは、RNA及び脂質を含む粒子として製剤化されるか、または製剤化されることとする。一実施形態では、粒子は、水相に溶解したRNAを、有機相に溶解した脂質に曝露することによって形成される。一実施形態では、有機相は、エタノールを含む。一実施形態では、粒子は、水相に溶解したRNAを、水相に分散した脂質に曝露することによって形成される。一実施形態では、脂質は、水相中に分散し、リポソームを形成する。
一実施形態では、RNAは、mRNAまたはsaRNAである。
一実施形態では、組成物または医療調製物は、薬学的組成物である。
一実施形態では、組成物または医療調製物は、ワクチンである。
一実施形態では、薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/または賦形剤を更に含む。
一実施形態では、組成物または医療調製物は、キットである。
一実施形態では、RNA及び粒子形成成分は、任意に、別個のバイアル内にある。
一実施形態では、キットは、対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導するための組成物または医療調製物を使用するための説明書を更に含む。
一態様では、本開示は、薬学的使用のために本明細書に記載の組成物または医療調製物に関する。
一実施形態では、薬学的使用は、対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導することを含む。
一実施形態では、薬学的使用は、コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置を含む。
一実施形態では、本明細書に記載の組成物または医療調製物は、ヒトへの投与のためのものである。
一実施形態では、コロナウイルスは、ベータコロナウイルスである。
一実施形態では、コロナウイルスは、サルベコウイルス(sarbecovirus)である。
一実施形態では、コロナウイルスは、SARS-CoV-2である。
一態様では、本開示は、対象においてコロナウイルスに対する免疫応答を誘導する方法であって、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAを含む組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質の免疫原性断片は、SARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニット、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニットの受容体結合ドメイン(RBD)を含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列は、多量体複合体、特に三量体複合体を形成することができる。この目的のために、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列は、多量体複合体、特にSARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列の三量体複合体の形成を可能にするドメインを含んでもよい。一実施形態では、多量体複合体の形成を可能にするドメインは、三量体化ドメイン、例えば、本明細書に記載の三量体化ドメインを含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列は、野生型コード配列と比較してコドン最適化される、及び/またはG/C含有量が増加するコード配列によってコードされ、コドン最適化及び/またはG/C含有量の増加は、好ましくは、コードされたアミノ酸配列の配列を変化させない。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、もしくは配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列は、分泌シグナルペプチドを含む。
一実施形態では、分泌シグナルペプチドは、好ましくはN末端に、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片に融合される。
一実施形態では、
(i)分泌シグナルペプチドをコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)分泌シグナルペプチドが、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号6のヌクレオチド配列、配列番号6のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号6のヌクレオチド配列、もしくは配列番号6のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号5のアミノ酸配列、配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号5のアミノ酸配列、もしくは配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。
一実施形態では、RNAは、修飾RNA、特に、安定化mRNAである。一実施形態では、RNAは、少なくとも1つのウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む。一実施形態では、RNAは、各ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む。一実施形態では、修飾ヌクレオシドは、独立して、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択される。
一実施形態では、RNAは、ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む。
一実施形態では、修飾ヌクレオシドは、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択される。
一実施形態では、RNAは、キャップを含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAは、配列番号12のヌクレオチド配列を含む5’UTR、または配列番号12のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む5’UTRを含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAは、配列番号13のヌクレオチド配列を含む3’UTR、または配列番号13のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む3’UTRを含む。
一実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAは、ポリA配列を含む。
一実施形態では、ポリA配列は、少なくとも100個のヌクレオチドを含む。
一実施形態では、ポリA配列は、配列番号14のヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる。
一実施形態では、RNAは、液体、固体、またはそれらの組み合わせとして製剤化される。
一実施形態では、RNAは、注射によって投与される。
一実施形態では、RNAは、筋肉内投与によって投与される。
一実施形態では、RNAは、粒子として製剤化される。
一実施形態では、粒子は、脂質ナノ粒子(LNP)またはリポプレックス(LPX)粒子である。
一実施形態では、LNPは、((4-ヒドロキシブチル)アザンジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む。
一実施形態では、RNAリポプレックス粒子は、RNAをリポソームと混合することによって得ることができる。一実施形態では、RNAリポプレックス粒子は、RNAを脂質と混合することによって得ることができる。
一実施形態では、RNAは、コロイドとして製剤化される。一実施形態では、RNAは粒子として製剤化され、コロイドの分散相を形成する。一実施形態では、RNAの50%以上、75%以上、または85%以上が、分散相に存在する。一実施形態では、RNAは、RNA及び脂質を含む粒子として製剤化される。一実施形態では、粒子は、水相に溶解したRNAを、有機相に溶解した脂質に曝露することによって形成される。一実施形態では、有機相は、エタノールを含む。一実施形態では、粒子は、水相に溶解したRNAを、水相に分散した脂質に曝露することによって形成される。一実施形態では、脂質は、水相中に分散し、リポソームを形成する。
一実施形態では、RNAは、mRNAまたはsaRNAである。
一実施形態では、本明細書に開示される方法は、コロナウイルスに対するワクチン接種のための方法である。
一実施形態では、本明細書に開示される方法は、コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置のための方法である。
一実施形態では、対象は、ヒトである。
一実施形態では、コロナウイルスは、ベータコロナウイルスである。
一実施形態では、コロナウイルスは、サルベコウイルスである。
一実施形態では、コロナウイルスは、SARS-CoV-2である。
本明細書に記載の方法の一実施形態では、本明細書に記載の組成物が、対象に投与される。
一態様では、本開示は、本明細書に記載の方法で使用するための、本明細書に記載の組成物または医療調製物に関する。
とりわけ、本開示は、(例えば、SARS-CoV-2でコードされたSタンパク質の)SARS-CoV-2でコードされたポリペプチドの少なくとも一部(例えば、エピトープであるか、またはそれを含む)をコードする脂質ナノ粒子封入RNAを含む組成物が、組成物の少なくとも1回の用量の投与を含むレジメンに従って、成人ヒト対象の集団への投与後7日以内に、血清中のエピトープに対する検出可能な抗体力価を達成することができることを教示する。更に、本開示は、かかる抗体力価の持続性を教示する。いくつかの実施形態では、かかる抗体力価は、対応する未修飾mRNAで達成された力価と比較して、修飾mRNAが使用されるときに増加する。
いくつかの実施形態では、提供されるレジメンは、少なくとも1つの用量を含む。いくつかの実施形態では、提供されるレジメンは、第1の用量及び少なくとも1つの後続用量を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、少なくとも1つの後続用量と同じ量である。いくつかの実施形態では、第1の用量は、全ての後続用量と同じ量である。いくつかの実施形態では、第1の用量は、少なくとも1つの後続用量とは異なる量である。いくつかの実施形態では、第1の用量は、全ての後続用量とは異なる量である。いくつかの実施形態では、提供されるレジメンは、2つの用量を含む。いくつかの実施形態では、提供されるレジメンは、2つの用量からなる。
特定の実施形態では、免疫原性組成物は、容器、例えば、バイアル内の単回用量として製剤化される。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物は、バイアル中の多用量製剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、多用量製剤は、バイアル当たり少なくとも2つの用量を含む。いくつかの実施形態では、多用量製剤は、バイアル当たり2~20用量、例えば、バイアル当たり2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12用量などを含む。いくつかの実施形態では、バイアル中の各用量は、体積が等しい。いくつかの実施形態では、第1の用量は、後続の用量とは異なる体積である。
「安定な」多用量製剤は、許容されないレベルの微生物増殖を示さず、活性生体分子成分(複数可)の分解または劣化は、実質的に存在しないか、または存在しない。本明細書で使用される場合、「安定な」免疫原性組成物は、対象に投与されるときに所望の免疫応答を誘発することが可能なままである製剤を含む。
いくつかの実施形態では、多用量製剤は、多用量容器への複数回または繰り返しの接種/挿入により、指定された期間安定したままである。例えば、いくつかの実施形態では、多用量製剤は、多用量容器内に含まれるとき、最大10回の使用で少なくとも3日間安定であり得る。いくつかの実施形態では、多用量製剤は、2~20回の接種/挿入で安定したままである。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のレジメンに従って、SARS-CoV-2でコードされたポリペプチドの(例えば、SARS-CoV-2でコードされたSタンパク質の)少なくとも一部(例えば、エピトープであるか、またはそれを含む)をコードする脂質ナノ粒子封入RNA(例えば、いくつかの実施形態では、mRNA)を含む組成物の投与は、一部の対象で(例えば、全ての対象で、ほとんどの対象で、約50%以下で、約40%以下で、約40%以下で、約25%以下で、約20%以下で、約15%以下で、約10%以下で、約5%以下で、等)リンパ球減少症をもたらし得る。とりわけ、本開示は、かかるリンパ球減少症が経時的に解消し得ることを教示する。例えば、いくつかの実施形態では、リンパ球減少症は、約14、約10、約9、約8、約7日以下で解消する。いくつかの実施形態では、リンパ球減少症は、グレード3、グレード2、またはそれ以下である。
したがって、とりわけ、本開示は、本明細書に記載されるように、関連する成人集団に投与されるときに、特定の特性(例えば、特定の効果の達成)を表すことで特徴付けられる、SARS-CoV-2でコードされたポリペプチド(例えば、SARS-CoV-2でコードされたSタンパク質)の少なくとも一部(例えば、エピトープであるかまたはそれを含む)をコードする脂質ナノ粒子封入RNA(例えば、いくつかの実施形態では、mRNA)を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、温度が特定の閾値を超えない条件下で調製、保管、輸送、特徴付け、及び/または使用され得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、提供される組成物は、それらの調製、保管、輸送、特徴付け、及び/または使用の一部または全部の間、光から(例えば、ある特定の波長から)保護され得る。いくつかの実施形態では、提供される組成物の1つ以上の特徴(例えば、サイズ、特定の部分または修飾の存在等のうちの1つ以上によって評価され得るようなRNA安定性、脂質ナノ粒子安定性または凝集、pH等)は、投与前の調製、貯蔵、輸送、及び/または使用中の1つ以上の点で評価され得るか、または評価されている。
とりわけ、本開示は、RNA(例えば、いくつかの実施形態では、mRNA)内のヌクレオチドが修飾されていない(例えば、天然に存在するA、U、C、Gである)ある特定の提供される組成物、及び/またはかかる組成物に関連する提供された方法が、固有のアジュバント効果によって特徴付けられることを文書化する(例えば、関連する集団に投与された場合、その集団は、いくつかの実施形態では、成人集団であり得るか、または成人集団を含み得る)。いくつかの実施形態では、かかる組成物及び/または方法は、抗体及び/またはT細胞応答を誘導し得る。いくつかの実施形態では、かかる組成物及び/または方法は、従来のワクチン(例えば、タンパク質ワクチンなどの非RNAワクチン)と比較して、より高いT細胞応答を誘導することができる。
代替的にまたは追加的に、本開示は、RNA内のヌクレオチドが修飾される組成物(例えば、SARS-CoV-2でコードされたポリペプチド(例えば、SARS-CoV-2でコードされたSタンパク質)の少なくとも一部(例えば、エピトープであるかまたはそれを含む)をコードする、脂質ナノ粒子封入RNAを含む組成物)、及び/またはかかる組成物に関連する提供される方法は、(例えば、いくつかの実施形態では、成人集団であり得るか、または成人集団を含み得る、関連する集団に投与される場合)、固有のアジュバント効果の不在、または未修飾の結果を有する他の同等の組成物(もしくは方法)と比較して、低減された固有のアジュバント効果を特徴とすることを文書化する。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、かかる組成物(もしくは方法)は、それらが(例えば、いくつかの実施形態では、成人集団であり得るか、もしくは成人集団を含み得る、関連する集団に投与される場合)抗体応答及び/またはCD4+T細胞応答を誘導することを特徴とする。なお更に代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、かかる組成物(もしくは方法)は、それらは(例えば、いくつかの実施形態では、成人集団であり得るか、または成人集団を含み得る、関連する集団に投与される場合)、代替のワクチン形式(例えば、ペプチドワクチン)で観察されるものよりも高いCD4+T細胞応答を誘導することを特徴とする。修飾ヌクレオチドを含むいくつかの実施形態では、かかる修飾ヌクレオチドは、例えば、3’UTR配列、抗原コード配列、及び/または5’UTR配列に存在し得る。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、1つ以上の修飾ウラシル残基及び/または1つ以上の修飾シトシン残基であるか、またはそれを含む。
とりわけ、本開示は、提供される(例えば、SARS-CoV-2でコードされたSタンパク質の(例えば、SARS-CoV-2でコードされたSタンパク質の)少なくとも一部(例えば、エピトープであるか、またはそれを含む)をコードする脂質ナノ粒子封入RNAを含む組成物)及び/または方法が、(例えば、いくつかの実施形態では、成人集団であり得るか、または成人集団を含み得る、関連する集団に投与される場合)コードされたポリペプチド(例えば、SARS-CoV-2でコードされたタンパク質[例えば、Sタンパク質]またはその一部であって、いくつかの実施形態では、そのエピトープであり得るか、またはそれを含み得る)の持続的発現を特徴とすることを文書化する。例えば、いくつかの実施形態では、かかる組成物及び/または方法は、ヒトに投与される場合、かかるヒトからの生体試料(例えば、血清)において検出可能なポリペプチド発現を達成することを特徴とし、いくつかの実施形態では、かかる発現は、少なくとも36時間以上の期間(例えば、少なくとも48時間、少なくとも60時間、少なくとも72時間、少なくとも96時間、少なくとも120時間、少なくとも148時間、またはそれ以上を含む)持続する。
当業者であれば、本開示を読むことで、それが、(例えば、SARS-CoV-2でコードされたSタンパク質の)SARS-CoV-2でコードされたポリペプチドの少なくとも一部(例えば、エピトープであるか、またはそれを含む)をコードする様々なRNA構築物(例えば、いくつかの実施形態では、mRNA構築物)を記載することを理解するであろう。かかる当業者であれば、本開示を読むことで、特に、それが、SARS-CoV-2 Sタンパク質の少なくとも一部、例えば、SARS-CoV-2 Sタンパク質の少なくとも一部のRBD部分をコードする様々なRNA構築物(例えば、いくつかの実施形態では、mRNA構築物)を記載することを理解するであろう。なお更に、かかる当業者であれば、本開示を読むことで、SARS-CoV-2でコードされたポリペプチド(例えば、SARS-CoV-2でコードされたSタンパク質)の少なくとも一部(例えば、エピトープであるか、またはそれを含む)をコードするRNA構築物(例えば、いくつかの実施形態では、mRNA構築物)の特定の特徴及び/または利点を記載していることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、RNA構築物(例えば、いくつかの実施形態では、mRNA構築物)は、SARS-CoV-2でコードされたポリペプチドの少なくとも1つのドメイン(例えば、WO2021/159040に記載のSARS-CoV-2でコードされたポリペプチドの1つ以上のドメインであって、例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のN末端ドメイン(NTD)、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のヘプタペプチド反復配列1(HR1)、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のヘプタペプチド反復配列2(HR1)、及び/またはそれらの組み合わせを含む)をコードしてもよい。とりわけ、本開示は、ある特定のRNA構築物(例えば、いくつかの実施形態では、mRNA構築物)が、SARS-CoV-2 RBD部分をコードし、いくつかの実施形態では、完全長のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードしないという驚くべき有用な特徴及び/または利点を特に文書化する。いかなる特定の理論によっても拘束されることを望まないが、本開示は、完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質未満をコードする提供されるRNA構築物(例えば、いくつかの実施形態では、mRNA構築物)、及び特にかかるSARS-CoV-2 Sタンパク質の少なくともRBD部分をコードするものが、免疫原性組成物(例えば、ワクチン)として、または免疫原性組成物中での使用、及び/または本明細書に記載される免疫学的効果(例えば、SARS-CoV-2中和抗体及び/またはT細胞応答(例えば、CD4+及び/またはCD8+T細胞応答)の生成)を達成するために特に有用及び/または有効であり得ることを示唆する。
いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2 Sタンパク質の受容体結合部分を含むポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含むRNA(例えば、mRNA)を提供し、このRNAは、ポリペプチドの細胞内発現に好適である。いくつかの実施形態では、かかるコードされたポリペプチドは、完全なSタンパク質を含まない。いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチドは、例えば、配列番号5に示される受容体結合ドメイン(RBD)を含む。いくつかの実施形態では、コードされるポリペプチドは、配列番号29または31に記載のペプチドを含む。いくつかの実施形態では、かかるRNA(例えば、mRNA)は、(ポリ)カチオン性ポリマー、ポリプレックス(複数可)、タンパク質(複数可)またはペプチド(複数可)によって複合体化されてもよい。いくつかの実施形態では、かかるRNAは、脂質ナノ粒子(例えば、本明細書に記載のもの)中に製剤化され得る。いくつかの実施形態では、かかるRNA(例えば、mRNA)は、免疫原性組成物(例えば、ワクチン)として、もしくは免疫原性組成物(例えば、ワクチン)中での使用、及び/または本明細書に記載される免疫学的効果(例えば、SARS-CoV-2中和抗体、及び/またはT細胞応答(例えば、CD4+及び/またはCD8+T細胞応答)の生成)を達成するために特に有用及び/または有効であり得る。いくつかの実施形態では、かかるRNA(例えば、mRNA)は、ヒト(例えば、SARS-CoV-2に曝露され、及び/または感染したことが知られているヒト、及び/またはSARS-CoV-2に曝露されたことが知られていないヒトを含む)のワクチン接種に有用であり得る。
当業者であれば、本開示を読むことで、完全長SARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードする核酸配列を含む様々なmRNA構築物を記載することを更に理解するであろう(例えば、かかるコードされたSARS-CoV-2スパイクタンパク質が、少なくとも1つ以上のアミノ酸置換、例えば、本明細書に記載されるプロリン置換を含み得る実施形態、及び/またはmRNA配列が、例えば、哺乳類、例えば、ヒト対象のためにコドン最適化される実施形態を含み得る)。いくつかの実施形態では、かかる完全長SARS-CoV-2スパイクタンパク質は、配列番号7に示されるアミノ酸配列であるか、またはそれを含むアミノ酸配列を有し得る。なお更に、かかる当業者であれば、本開示を読むことで、とりわけ、完全長SARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードする核酸配列を含むある特定のmRNA構築物の特定の特徴及び/または利点を記載することを理解するであろう。いかなる特定の理論によっても拘束されることを望むものではないが、本開示は、完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする提供されるmRNA構築物が、特定の対象集団(例えば、特定の年齢集団)における免疫原性組成物(例えば、ワクチン)として、または免疫原性組成物(例えば、ワクチン)中での使用に特に有用及び/または有効であり得ることを示唆する。例えば、いくつかの実施形態では、かかるmRNA組成物は、より若い(例えば、25歳未満、20歳、18歳、15歳、10歳、またはそれ以下の)対象に特に有用であり得、代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、かかるmRNA組成物は、高齢の対象(例えば、55歳を超える、60歳、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、またはそれ以上)に特に有用であり得る。特定の実施形態では、本明細書に提供されるかかるmRNA構築物を含む免疫原性組成物は、少なくとも一部の対象(例えば、いくつかの対象年齢群)で、用量レベル及び/または用量数に依存する全身反応原性(例えば、発熱、疲労、頭痛、悪寒、下痢、筋肉痛、及び/または関節痛等)及び/または局所忍容性(例えば、疼痛、赤み、及び/または腫脹等)の最小から中程度の増加(例えば、30%以下の増加、20%以下の増加、もしくは10%以下の増加、またはそれ以下の増加)を示し、いくつかの実施形態では、かかる反応原性及び/または局所忍容性は、特に、より若い年齢群(例えば、25歳未満、20歳、18歳以下)の対象で、及び/またはより高齢の(例えば、高齢)年齢群(例えば、65~85歳)で観察される。いくつかの実施形態では、完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする提供されるmRNA構築物は、SARS-CoV-2感染に関連する重度の疾患のリスクが高い対象の集団(例えば、高齢者集団、例えば、65~85歳の群)においてSARS-CoV-2中和抗体応答レベルを誘導するために、免疫原性組成物(例えば、ワクチン)として、または免疫原性組成物(例えば、ワクチン)中での使用に特に有用及び/または有効であり得る。いくつかの実施形態では、当業者であれば、本開示を読むことで、とりわけ、低年齢及び高齢集団において有利な反応原性プロファイル(例えば、本明細書に記載されるもの)を示す、完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするmRNA構築物が、本明細書に記載の免疫学的効果(例えば、SARS-CoV-2中和抗体の生成、及び/またはT細胞応答(例えば、CD4+及び/またはCD8+T細胞応答))を達成するための免疫原性組成物(例えば、ワクチン)として、または免疫原性組成物(例えば、ワクチン)中での使用に特に有用及び/または有効であり得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、本開示はまた、完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする提供されるmRNA構築物が、SARS-CoV-2感染から保護するのに特に有効であり得ることを示唆し、これは、かかるmRNA構築物を含む免疫原性組成物で免疫化され、その後、SARS-CoV-2株によってチャレンジされた非ヒト哺乳類対象(例えば、アカゲザル)におけるSARS-CoV-2ウイルスRNAのより早いクリアランスを特徴とする。いくつかの実施形態では、かかるmRNA構築物を含む免疫原性組成物で免疫化され、その後、SARS-CoV-2株によってチャレンジされた非ヒト哺乳類対象(例えば、アカゲザル)の鼻において、かかるSARS-CoV-2ウイルスRNAのより早いクリアランスが観察され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質(例えば、1つ以上のアミノ酸置換を有する完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質)をコードするオープンリーディングフレームを含むRNA(例えば、mRNA)を提供し、このRNAは、ポリペプチドの細胞内発現に好適である。いくつかの実施形態では、コードされるポリペプチドは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、かかるRNA(例えば、mRNA)は、(ポリ)カチオン性ポリマー、ポリプレックス(複数可)、タンパク質(複数可)またはペプチド(複数可)によって複合体化されてもよい。いくつかの実施形態では、かかるRNAは、脂質ナノ粒子(例えば、本明細書に記載のもの)中に製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される免疫原性組成物は、SARS-CoV-2ポリペプチドまたはそのバリアントの複数の(例えば、少なくとも2つ以上、例えば、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10等を含む)免疫反応性エピトープを含んでもよい。いくつかのかかる実施形態では、かかる複数の免疫反応性エピトープは、複数のRNA(例えば、mRNA)によってコードされ得る。いくつかのかかる実施形態では、かかる複数の免疫反応性エピトープは、単一のRNA(例えば、mRNA)によってコードされ得る。いくつかの実施形態では、複数の免疫反応性エピトープをコードする核酸配列は、リンカー(例えば、いくつかの実施形態では、ペプチドリンカー)によって、単一のRNA(例えば、mRNA)において互いに分離され得る。任意の特定の理論によって拘束されることを望まないが、いくつかの実施形態では、提供されるポリエピトープ免疫原性組成物(例えば、完全長SARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードする組成物を含む)は、SARS-CoV-2バリアントの遺伝的多様性を考慮するときに、多数のウイルスバリアントに対する保護を提供するために特に有用であり得、及び/または多様な及び/または他の方法で堅牢な(例えば、持続的な、例えば、1回以上の用量の投与後約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、またはそれ以上の日数で検出可能である)中和抗体及び/またはT細胞応答、また具体的には、特に堅牢なT1型T細胞(例えば、CD4+及び/またはCD8+T細胞)応答の発生のためのより優れた機会を提供し得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、提供される組成物及び/または方法が、(例えば、いくつかの実施形態では、成人集団であり得るか、もしくは成人集団を含み得る、関連集団に投与される場合)単回投与で1つ以上の特定の治療転帰(例えば、本明細書に記載の有効な免疫応答及び/またはコードされたSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性断片の検出可能な発現)を達成することを特徴とし、いくつかのかかる実施形態では、転帰は、例えば、本明細書に記載のRNAワクチン(例えば、mRNAワクチン)の不在下で観察されるものと比較して評価されてもよいことを文書化する。いくつかの実施形態では、特定の転帰は、1つ以上の代替戦略に必要とされるよりも低い用量で達成され得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、単離されたメッセンジャーリボ核酸(mRNA)ポリヌクレオチドを含む免疫原性組成物を提供し、単離されたmRNAポリヌクレオチドは、SARS-CoV-2 Sタンパク質の受容体結合部分を含むポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含み、単離されたmRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの脂質ナノ粒子中に製剤化される。例えば、いくつかの実施形態では、かかる脂質ナノ粒子は、20~60%のイオン化可能な陽イオン性脂質、5~25%の非カチオン性脂質(例えば、中性脂質)、25~55%のステロールまたはステロイド、及び0.5~15%のポリマーコンジュゲート脂質(例えば、PEG修飾脂質)のモル比を含んでもよい。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子に含まれるステロールまたはステロイドは、コレステロールであり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、中性脂質は、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)であり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリマーコンジュゲート脂質は、PEG2000 DMGであり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、かかる免疫原性組成物は、約1mg~10mg、または3mg~8mg、または4mg~6mgの総脂質含有量を含んでもよい。いくつかの実施形態では、かかる免疫原性組成物は、約5mg/mL~15mg/mLまたは7.5mg/mL~12.5mg/mLまたは9~11mg/mLの総脂質含有量を含んでもよい。いくつかの実施形態では、かかる単離されたmRNAポリヌクレオチドは、少なくとも1つの用量の免疫原性組成物を投与された対象において免疫応答を誘導する有効量で提供される。いくつかの実施形態では、提供される単離されたmRNAポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、完全なSタンパク質を含まない。いくつかの実施形態では、免疫原性組成物中に提供されるかかる単離されたmRNAポリヌクレオチドは、自己複製RNAではない。
いくつかの実施形態では、免疫応答は、SARS-CoV-2タンパク質(例えば、いくつかの実施形態では、安定化された融合前スパイク三量体を含む)またはその断片に対する結合抗体力価の生成を含み得る。いくつかの実施形態では、免疫応答は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)に対する結合抗体力価の生成を含み得る。いくつかの実施形態では、提供される免疫原性組成物は、第1の用量の投与後に、かかる提供される免疫原性組成物を受ける対象集団の少なくとも70%(例えば、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、及び最大100%を含む)において、例えば、約2週間までに血清変換を伴って、検出可能な結合抗体力価を達成するように確立されている。
いくつかの実施形態では、免疫応答は、SARS-CoV-2タンパク質(例えば、いくつかの実施形態では、安定化された融合前スパイク三量体を含む)またはその断片に対する中和抗体力価の生成を含み得る。いくつかの実施形態では、免疫応答は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)に対する中和抗体力価の生成を含み得る。いくつかの実施形態では、提供される免疫原性組成物は、適切な系において(例えば、SARS-CoV-2に感染したヒト及び/またはその集団において、及び/またはそのモデル系において)中和抗体力価を達成するために確立されている。例えば、いくつかの実施形態では、かかる中和抗体力価は、ヒト集団、非ヒト霊長類モデル(例えば、アカゲザル)、及び/またはマウスモデルのうちの1つ以上で実証され得る。
いくつかの実施形態では、中和抗体力価は、適切な対照(例えば、ワクチン接種されていない対照対象、あるいは弱毒化ウイルス生ワクチン、不活化ウイルスワクチン、もしくはタンパク質サブユニットウイルスワクチン、またはそれらの組み合わせでワクチン接種された対象)について観察されるものと比較して、B細胞のウイルス感染を低減するのに十分な(例えば、確立されている)力価である。いくつかのかかる実施形態では、かかる低減は、少なくとも30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上である。
いくつかの実施形態では、中和抗体力価は、適切な対照(例えば、ワクチン接種されていない対照対象、あるいは弱毒化ウイルス生ワクチン、不活化ウイルスワクチン、もしくはタンパク質サブユニットウイルスワクチン、またはそれらの組み合わせでワクチン接種された対象)について観察されるものと比較して、無症候性ウイルス感染率を低減するのに十分な(例えば、確立されている)力価である。いくつかのかかる実施形態では、かかる低減は、少なくとも30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、かかる低減は、SARS-CoV-2 Nタンパク質血清学の評価を特徴とし得る。無症候性感染に対する顕著な保護は、実際の観察によっても確認された(また、Dagan N.et al.,N Engl J Med.2021,doi:10.1056/NEJMoa2101765.Epub ahead of print.PMID:33626250を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、中和抗体力価は、適切な対照(例えば、ワクチン接種されていない対照対象、あるいは弱毒化ウイルス生ワクチン、不活化ウイルスワクチン、もしくはタンパク質サブユニットウイルスワクチン、またはそれらの組み合わせでワクチン接種された対象)について観察されるものと比較して、ワクチン接種された対象の上皮細胞及び/またはB細胞とのウイルスの融合を低減または遮断するのに十分な(例えば、確立されている)力価である。いくつかのかかる実施形態では、かかる低減は、少なくとも30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上である。
いくつかの実施形態では、中和抗体力価の誘導は、B細胞の数の上昇を特徴とし得、いくつかの実施形態では、これには、形質細胞、クラススイッチしたIgG1陽性B細胞及びIgG2陽性B細胞、及び/または胚中心B細胞が含まれ得る。いくつかの実施形態では、提供される免疫原性組成物は、適切な系において(例えば、SARS-CoV-2に感染したヒト及び/またはその集団において、及び/またはそのモデル系において)B細胞の数のかかる上昇を達成するように確立されている。例えば、いくつかの実施形態では、B細胞の数のかかる上昇は、ヒト集団、非ヒト霊長類モデル(例えば、アカゲザル)、及び/またはマウスモデルのうちの1つ以上で実証されてい得る。いくつかの実施形態では、B細胞の数のかかる上昇は、提供される免疫原性組成物によるかかるマウスモデルの免疫化後(例えば、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日後)に、マウスモデルの流入領域リンパ節及び/または脾臓において実証されてい得る。
いくつかの実施形態では、中和抗体力価の誘導は、血液中の循環しているB細胞の数の低減を特徴とし得る。いくつかの実施形態では、提供される免疫原性組成物は、適切な系において(例えば、SARS-CoV-2に感染したヒト及び/またはその集団において、及び/またはそのモデル系において)血液中の循環しているB細胞の数のかかる低減を達成するように確立されている。例えば、いくつかの実施形態では、血液中の循環しているB細胞の数のかかる低減は、ヒト集団、非ヒト霊長類モデル(例えば、アカゲザル)、及び/またはマウスモデルのうちの1つ以上で実証されてい得る。いくつかの実施形態では、血液中の循環しているB細胞の数のかかる低減は、提供される免疫原性組成物によるかかるマウスモデルの免疫化の後(例えば、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日後)に、マウスモデルにおいて実証されてい得る。理論によって拘束されることを望まないが、血液中の循環しているB細胞の低減は、B細胞がリンパ系区画にホーミングすることに起因し得る。
いくつかの実施形態では、提供される免疫原性組成物によって誘導される免疫応答は、T細胞の数の上昇を含み得る。いくつかの実施形態では、T細胞の数のかかる上昇は、T濾胞ヘルパー(TFH)細胞の数の上昇を含み得、これは、いくつかの実施形態では、ICOSを上方制御する1つ以上のサブセットを含み得る。当業者は、胚中心におけるTFHの増殖が、適応型B細胞応答の生成に不可欠であり、また、ヒトにおいて、ワクチン接種後の循環において生じるTFHが、典型的には、高頻度の抗原特異的抗体と相関することを理解するであろう。いくつかの実施形態では、提供される免疫原性組成物は、適切な系における(例えば、SARS-CoV-2に感染したヒト及び/またはその集団において、及び/またはそのモデル系において)T細胞(例えば、TFH細胞)の数のかかる上昇を達成するように確立されている。例えば、いくつかの実施形態では、T細胞(例えば、TFH細胞)の数のかかる上昇は、ヒト集団、非ヒト霊長類モデル(例えば、アカゲザル)、及び/またはマウスモデルのうちの1つ以上で実証されてい得る。いくつかの実施形態では、T細胞(例えば、TFH細胞)の数のかかる上昇は、提供される免疫原性組成物によるかかるマウスモデルの免疫化後(例えば、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日後)、マウスモデルの流入領域リンパ節、脾臓、及び/または血液において実証されてい得る。
いくつかの実施形態では、提供される免疫原性組成物によって誘導されるSARS-CoV-2に対する保護応答は、SARS-CoV-2の適切なモデル系において確立されている。例えば、いくつかの実施形態では、かかる保護応答は、動物モデル、例えば、非ヒト霊長類モデル(例えば、アカゲザル)及び/またはマウスモデルにおいて実証されてい得る。いくつかの実施形態では、提供される免疫原性組成物で少なくとも1回免疫化を受けた非ヒト霊長類(例えば、アカゲザル)またはその集団は、例えば、鼻腔内及び/または気管内経路を介して、SARS-CoV-2でチャレンジされる。いくつかの実施形態では、かかるチャレンジは、提供される免疫原性組成物による少なくとも1回の免疫化(例えば、少なくとも2回の免疫化を含む)の数週間(例えば、5~10週間)後に実施されてもよい。いくつかの実施形態では、かかるチャレンジは、提供される免疫原性組成物で少なくとも1回の免疫化(例えば、少なくとも2回の免疫化を含む)を受けた非ヒト霊長類(複数可)(例えば、アカゲザル(複数可))において、検出可能なレベルのSARS-CoV-2中和力価(例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質及び/またはその断片に対する抗体応答、例えば、限定されないが、安定化された融合前スパイク三量体、S-2P、及び/またはSARS-CoV-2の受容体結合部分に対する抗体応答を含む)が達成されるときに実施されてもよい。いくつかの実施形態では、保護応答は、チャレンジされた非ヒト霊長類(複数可)(例えば、アカゲザル(複数可))の気管支肺胞洗浄(BAL)及び/または鼻腔ぬぐい液における検出可能なウイルスRNAの不在または低減を特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の免疫原性組成物は、非免疫化動物の集団、例えば、非ヒト霊長類(例えば、アカゲザル)と比較して、提供される免疫原性組成物で少なくとも1回の免疫化(例えば、少なくとも2回の免疫化を含む)を受けた集団(例えば、アカゲザル)中のチャレンジされた動物、例えば、非ヒト霊長類のより大きなパーセントが、それらのBAL及び/または鼻腔ぬぐい液における検出可能なRNAの不在を示すことを特徴としてい得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の免疫原性組成物は、非免疫化動物、例えば、非ヒト霊長類(例えば、アカゲザル)の集団と比較して、提供される免疫原性組成物で少なくとも1回の免疫化(例えば、少なくとも2回の免疫化を含む)を受けた集団(例えば、アカゲザル)中のチャレンジされた動物、例えば、非ヒトが、10日以内(例えば、8日以内、6日以内、4日以内等を含む)に鼻腔ぬぐい液におけるウイルスRNAのクリアランスを示し得ることを特徴としてい得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の免疫原性組成物は、それを必要とする対象に投与されるとき、ワクチン関連強化呼吸器疾患のリスクを実質的に増加させない。いくつかの実施形態では、かかるワクチン関連強化呼吸器疾患は、複製の抗体依存性強化及び/または不良な中和活性及びTh2偏在応答を伴う抗体を誘導するワクチン抗原と関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の免疫原性組成物は、それを必要とする対象に投与されるとき、複製の抗体依存性強化のリスクを実質的に増加させない。
いくつかの実施形態では、単回用量のRNA組成物(例えば、脂質ナノ粒子中に製剤化されたmRNA)は、ワクチン接種の10日未満で治療抗体応答を誘導することができる。いくつかの実施形態では、かかる治療的抗体応答は、かかるRNAワクチンが、動物モデルにおいて0.1~10ugまたは0.2~5ugの用量で、ワクチン接種の10日後に測定した約10~100ug/mLのIgGの産生を誘導することができることを特徴とし得る。いくつかの実施形態では、かかる治療抗体応答は、かかるRNAワクチンが、動物モデルにおいて0.1~10ugまたは0.2~5ugの用量で、ワクチン接種20日目に測定された約100~1000ug/mLのIgGを誘導することを特徴とし得る。いくつかの実施形態では、単回用量は、ワクチン接種の15日後に、動物モデルにおいて測定されるように、10~200pVN50力価の疑似ウイルス中和力価を誘導し得る。いくつかの実施形態では、単回用量は、ワクチン接種の15日後に、動物モデルにおいて測定されるように、50~500pVN50力価の疑似ウイルス中和力価を誘導し得る。
いくつかの実施形態では、単回用量のRNA組成物(例えば、mRNA組成物)は、SARS-CoV2免疫原性タンパク質またはその断片(例えば、スパイクタンパク質及び/または受容体結合ドメイン)をコードするかかるRNA構築物の不在下で観察されるものと比較して、抗原特異的CD8及び/またはCD4 T細胞応答を少なくとも50%以上(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上を含む)拡大することができる。いくつかの実施形態では、単回用量のRNA組成物は、SARS-CoV2免疫原性タンパク質またはその断片(例えば、スパイクタンパク質及び/または受容体結合ドメイン)をコードするかかるRNA構築物の不在下で観察されるものと比較して、抗原特異的CD8及び/またはCD4 T細胞応答を、少なくとも1.5倍以上(例えば、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍、またはそれ以上を含む)拡大することができる。
いくつかの実施形態では、レジメン(例えば、単回用量のmRNA組成物)は、SARS-CoV2免疫原性タンパク質またはその断片(例えば、スパイクタンパク質及び/または受容体結合ドメイン)をコードするかかるmRNA構築物の不在下で観察されるものと比較して、(例えば、IFN-ガンマ、IL-2、IL-4、及び/またはIL-5の発現によって特徴付けられるような)Th1表現型を示すT細胞を、少なくとも50%以上(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上を含む)拡大することができる。いくつかの実施形態では、レジメン(例えば、単回用量のmRNA組成物)は、SARS-CoV2免疫原性タンパク質またはその断片(例えば、スパイクタンパク質及び/または受容体結合ドメイン)をコードするかかるmRNA構築物の不在下で観察されるものと比較して、(例えば、IFN-ガンマ、IL-2、IL-4、及び/またはIL-5の発現によって特徴付けられるような)Th1表現型を示すT細胞を、例えば、少なくとも1.5倍以上(例えば、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍、またはそれ以上を含む)拡大することができる。いくつかの実施形態では、T細胞表現型は、(例えば、INF-ガンマ陽性及び/またはIL-2陽性によって)及び/またはIL-4分泌がないこともしくは生物学的に重要でないIL-4分泌によって特徴付けられるようなTh1優勢サイトカインプロファイルであり得るか、またはそれを含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のレジメン(例えば、1つ以上の用量のmRNA組成物)は、RBD特異的CD4+T細胞の産生を誘導及び/または達成する。とりわけ、本開示は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のRBD含有部分をコードするmRNA組成物(例えば、完全長SARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードしない)が、RBD特異的CD4+T細胞のかかる誘導及び/または産生において特に有用及び/または有効であり得ることを文書化する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のmRNA組成物によって(例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のRBD含有部分をコードし、いくつかの実施形態では、完全長のSARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードしないmRNA組成物によって)誘導されるRBD特異的CD4+T細胞は、(例えば、INF-ガンマ陽性及び/またはIL-2陽性によって)、及び/またはIL-4分泌がないこともしくは生物学的に重要でないIL-4分泌によって特徴付けられるようなTh1優勢サイトカインプロファイルを示す。
いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)RNA組成物を受ける対象における(例えば、本明細書に記載される)CD4+及び/またはCD8+T細胞応答の特徴付けは、対象から収集されるPBMCを使用するエクスビボアッセイを使用して実施され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物の免疫原性は、以下の血清学的免疫原性アッセイのうちの1つ以上によって評価され得る:提供されるRNA組成物を受ける対象の血液試料中に存在するSARS-CoV-2 Sタンパク質に対するIgG、IgM、及び/またはIgAの検出、及び/またはSARS-CoV-2疑似ウイルス及び/または野生型SARS-CoV-2ウイルスを使用した中和アッセイ。
いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)RNA組成物は、10ug~100ugまたは1ug~50ugの用量でワクチン接種後7日以内に比較的低い副作用(例えば、グレード1~グレード2の疼痛、赤み、及び/または腫脹)を提供する。いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)RNA組成物は、10ug~100ugの用量でのワクチン接種後7日以内の全身事象(例えば、グレード1~グレード2の発熱、疲労、頭痛、悪寒、嘔吐、下痢、筋肉痛、関節痛、薬剤、及びそれらの組み合わせ)の比較的低い観察を提供する。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)組成物は、10~100ug用量または1ug~50ugで対象に投与されるとき、SARS-CoV2免疫原性タンパク質またはその断片(例えば、スパイクタンパク質及び/または受容体結合ドメイン)を対象とするIgGが、ワクチン接種の21日後に100~100,000U/mLまたは500~50,000U/mLのレベルで産生され得ることを特徴とする。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)は、SARS-CoV-2の天然に折り畳まれた三量体受容体結合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、コードされたバリアントが、10pM以下のKd(例えば、9pM、8pM、7pM、6pM、5pM、4pM、またはそれ以下のKdを含む)でACE2に結合するように、RNA(例えば、mRNA)は、かかる受容体結合タンパク質のバリアントをコードする。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)は、コードされたバリアントが5pMのKdでACE2に結合するように、かかる受容体結合タンパク質のバリアントをコードする。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)は、ACE2受容体結合部位を含むSARS-CoV-2の三量体受容体結合部分をコードする。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)は、コード配列が、ACE2受容体結合部位を有し、ACE2に結合する三量体タンパク質の発現を指示するように、SARS-CoV-2の受容体結合部分及び三量体化ドメイン(例えば、T4フィブリチンの天然の三量体化ドメイン(フォルドン))のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)は、そのKdが、SARS-CoV-2の単量体受容体結合ドメイン(RBD)よりも小さいように、SARS-CoV-2の三量体受容体結合部分またはそのバリアントをコードする。例えば、いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)は、そのKdが、SARS-CoV-2のRBDより少なくとも10倍(例えば、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍等を含む)小さいように、SARS-CoV-2またはそのバリアントの三量体受容体結合部分をコードする。
いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)RNAによってコードされるSARS-CoV-2の三量体受容体結合部分は、低温電子顕微鏡(cryoEM)によって特徴付けられるように、閉鎖型立体配座でACE2及びBAT1中性アミノ酸トランスポーターと複合体形成するときに、約3~4オングストロームのサイズを有することが決定され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなRNA組成物または方法によって特徴付けられる及び/または達成される幾何平均SARS-CoV-2中和力価は、COVID-19回復期ヒトパネル(例えば、症状の発症から20~40日後、及び無症候性回復期の開始から少なくとも14日後に得られた、COVID-19回復期ヒト由来の血清のパネル)の少なくとも1.5倍(少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、またはそれ以上を含む)に達することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA組成物は、かかる組成物で(例えば、少なくとも1回の用量、少なくとも2回の用量等で)治療された対象が、適切な対照(例えば、そのように治療されておらず、合理的に同等の曝露条件下でウイルスに曝露された同等の対象または集団について確立された予想されるレベル)と比較して、関連部位(複数可)(例えば、鼻及び/または肺等、及び/または感染しやすい任意の他の組織)におけるウイルスRNAの低減及び/またはより一時的な存在を示し得ることを特徴とし得る。
いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)mRNA構築物によって発現されるRBD抗原は、例えば、その免疫原性を増大させるために、T4-フィブリチン由来の「フォルドン」三量体化ドメインを付加することによって修飾され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ある特定の局所反応(例えば、疼痛、赤み、及び/または腫脹等)及び/または全身事象(例えば、発熱、疲労、頭痛等)が、ワクチン接種後2日目に出現及び/またはピークを迎え得ることを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、ある特定の局所反応(例えば、疼痛、赤み、及び/または腫脹等)及び/または全身事象(例えば、発熱、疲労、頭痛等)が、ワクチン接種後7日目までに解消し得ることを特徴とする。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、mRNA)及び/または方法は、(例えば、本明細書に記載されるような)RNA組成物を受ける対象において、グレード1以上の日常的な臨床検査値の変化または検査異常が観察されないことを特徴とする。かかる臨床検査アッセイの例としては、リンパ球カウント、血液学的変化等が挙げられ得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、第1の用量(例えば、(10ugと100ugを含めて)10~100ugまたは(1ugと50ugを含めて)1ug~50ug)の21日後までに、SARS-CoV-2 Sポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とするIgGの幾何平均濃度(GMC)が、COVID-19回復期ヒト血清のパネルについて602単位/mLと比較して、200~3000単位/mLまたは500~3000単位/mLまたは500~2000単位/mLに達し得ることを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、第2の用量(例えば、(10ugと30ugを含めて)10~30ug、または(1ugと50ugを含めて)1ug~50ug)の後7日までに、SARS-CoV-2スパイクポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とする幾何平均濃度(GMC)が、少なくとも8倍以上(例えば、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも35倍、少なくとも40倍、またはそれ以上を含む)増加し得ることを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、第2の用量(例えば、(10ugと30ugを含めて)10~30ugまたは(1ugと50ugを含めて)1ug~50ug)の7日後までに、SARS-CoV-2 Sポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とするIgGの幾何平均濃度(GMC)が、1500単位/mL~40,000単位/mLまたは4000単位/mL~40,000単位/mLに増加し得ることを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体濃度は、第1の用量後、少なくとも20日以上(例えば、少なくとも25日、少なくとも30日、少なくとも35日、少なくとも40日、少なくとも45日、少なくとも50日を含む)、または第2の用量後、少なくとも10日以上(例えば、少なくとも15日、少なくとも20日、少なくとも25日、またはそれ以上を含む)持続することができる。いくつかの実施形態では、抗体濃度は、第1の用量後35日、または第2の用量後少なくとも14日まで持続することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、第2の用量(例えば、(1ugと50ugを含めて)1~50ug)の7日後に測定した場合、SARS-CoV-2 Sポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とするIgGのGMCが、COVID-19回復期ヒト血清のパネルにおいて観察される抗体濃度と比較して、少なくとも30%高い(例えば、少なくとも40%高い、少なくとも50%高い、少なくとも60%高い、少なくとも70%高い、少なくとも80%高い、少なくとも90%高い、少なくとも95%高いことを含む)ことを特徴とする。多くの実施形態では、本明細書に記載されるIgGの幾何平均濃度(GMC)は、RBD結合IgGのGMCである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、第2の用量(例えば、(10ugと50ugを含めて)10~50ug)の7日後に測定した場合、SARS-CoV-2 Sポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とするIgGのGMCが、COVID-19回復期ヒト血清のパネルにおいて観察される抗体濃度と比較して、少なくとも1.1倍高い(例えば、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍高いことを含む)ことを特徴とする。多くの実施形態では、本明細書に記載のIgGの幾何平均濃度(GMC)は、RBD結合IgGのGMCである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、第2の用量の21日後に測定した場合、SARS-CoV-2 Sポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とするIgGのGMCが、COVID-19回復期ヒト血清のパネルにおいて観察される抗体濃度と比較して、少なくとも5倍高い(例えば、少なくとも6倍高い、少なくとも7倍高い、少なくとも8倍高い、少なくとも9倍高い、少なくとも10倍高い、少なくとも15倍高い、少なくとも20倍高い、少なくとも25倍高い、少なくとも30倍高いことを含む)ことを特徴とする。多くの実施形態では、本明細書に記載のIgGの幾何学的平均濃度(GMC)は、RBD結合IgGのGMCである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、SARS-CoV-2中和幾何平均力価(GMT)の増加(例えば、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、またはそれ以上)が、第1の用量の21日後に観察されることを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、対象がCOVID-19回復期血清パネルについての94と比較して、150~300に達する、第2の用量(例えば、(10μgと30μgを含めて)10μg~30μg)を受けた7日後に、実質的により高い血清中和GMTが達成されることを特徴とする。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、第2の用量の投与の7日後に、保護効果が少なくとも60%、例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90、または少なくとも95%であることを特徴とする。一実施形態では、本明細書に記載されるRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、第2の用量の投与の7日後に、保護効果が少なくとも70%であることを特徴とする。一実施形態では、本明細書に記載されるRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、第2の用量の投与の7日後に、保護効果が少なくとも80%であることを特徴とする。一実施形態では、本明細書に記載されるRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、第2の用量の投与の7日後に、保護効果が少なくとも90%であることを特徴とする。一実施形態では、本明細書に記載されるRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、第2の用量の投与の7日後に、保護効果が少なくとも95%であることを特徴とする。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA組成物は、用量後(例えば、第2の用量後)の少なくとも7日後にSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導することを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA組成物は、用量後(例えば、第2の用量後)の14日未満でSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導することを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA組成物は、ワクチン接種レジメン後の少なくとも7日後にSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘導することを特徴とする。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、第1の用量及び第2の用量を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、少なくとも21日間の間隔を空けて投与される。いくつかのかかる実施形態では、SARS-CoV-2に対する免疫応答は、第1の用量後の少なくとも28日後に誘導される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、本開示のRNA(例えば、mRNA)組成物を(例えば、(10ugと30ugを含めて)10~30ugの用量で)受ける対象からの血清中で測定した場合、SARS-CoV-2スパイクポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とする抗体の幾何平均濃度(GMC)が、(例えば、本明細書に記載されるような)回復期血清パネル中よりも実質的に高いことを特徴とする。対象が第2の用量を(例えば、第1の用量の21日後に)受け得るいくつかの実施形態では、SARS-CoV-2スパイクポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とする抗体の幾何平均濃度(GMC)は、対象からの血清中で測定した場合、回復期血清パネルGMCよりも8.0倍~50倍高い場合がある。対象が第2の用量を(例えば、第1の用量の21日後に)受け得るいくつかの実施形態では、SARS-CoV-2スパイクポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とする抗体の幾何平均濃度(GMC)は、対象からの血清中で測定した場合、回復期血清パネルGMCと比較して、少なくとも8.0倍以上(例えば、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍以上を含む)であり得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、SARS-CoV-2中和幾何平均力価が、第1の用量の28日後または第2の用量の7日後に測定した場合、回復期血清パネルの中和GMTと比較して、少なくとも1.5倍以上(例えば、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも3.5倍以上を含む)であり得ることを特徴とする。
いくつかの実施形態では、対象に投与されるレジメンは、単回用量であり得るか、またはそれを含み得る。いくつかの実施形態では、対象に投与されるレジメンは、複数の用量(例えば、少なくとも2用量、少なくとも3用量、またはそれ以上)を含み得る。いくつかの実施形態では、対象に投与されるレジメンは、少なくとも2週間の間隔を空けて、少なくとも3週間の間隔を空けて、少なくとも4週間の間隔を空けて、またはそれ以上の間隔を空けて与えられる、第1の用量及び第2の用量を含んでもよい。いくつかの実施形態では、かかる用量は、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、またはそれ以上の間隔を空けてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、数日の間隔を空けて、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60日間以上の間隔を空けて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約1~約3週間の間隔を空けて、または約1~約4週間の間隔を空けて、または約1~約5週間の間隔を空けて、または約1~約6週間の間隔を空けて、または約1~約6週間超の間隔を空けて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約7~60日、例えば、約14~約48日等の期間で分離され得る。いくつかの実施形態では、用量間の最小日数は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、またはそれ以上であり得る。いくつかの実施形態では、用量間の最大日数は、約60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、またはそれ以下であり得る。いくつかの実施形態では、用量は、約21~約28日間の間隔を空けてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約19~約42日間の間隔を空けてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約7~約28日間の間隔を空けてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約14~約24日間であってもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約21~約42日間であってもよい。
いくつかの実施形態では、特に、約3週間より長い期間にわたって上昇した抗体及び/またはT細胞力価を達成するために確立された組成物について、例えば、いくつかの実施形態では、提供される組成物は、約3週間より長い期間にわたって(例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の関連する部分に特異的な)上昇した抗体及び/またはT細胞力価を達成するために確立され、いくつかのかかる実施形態では、投薬レジメンは、単回用量のみを含み得るか、または2つ以上の用量を含み得、これは、いくつかの実施形態では、約21日または3週間より長い期間だけ互いに分離されてもよい。例えば、いくつかのかかる実施形態では、かかる期間は、約4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間以上、もしくは約1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月以上、またはいくつかの実施形態では、約1年以上であり得る。
いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量(及び/または他の後続用量)は、筋肉内注射によって投与されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、三角筋に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、同じ腕に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、(例えば、筋肉内注射によって)2つの用量(例えば、各々0.3mL)の連続として21日間の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、各用量は、約30ugである。いくつかの実施形態では、各用量は、30ugより高くてもよい(例えば、約40ug、約50ug、約60ug)。いくつかの実施形態では、各用量は、30ug未満、例えば、約20ug、約10ug、約5ug等であり得る。いくつかの実施形態では、各用量は、約3ug以下、例えば、約1ugである。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、16歳以上(例えば、16~85歳を含む)の対象に投与される。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、mRNA)は、18~55歳の対象に投与される。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、mRNA)は、56~85歳の対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、単回用量として(例えば、筋肉内注射によって)投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、かかるRNA組成物及び/または方法によって誘導されるRBD特異的IgG(例えば、ポリクローナル応答)が、SARS-CoV-2 RBD結合親和性を有する参照ヒトモノクローナル抗体(例えば、J.ter Meulen et al.,PLOS Med.3,e237(2006)に記載されるようなCR3022)と比較して、RBDに対するより高い結合親和性を示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、(例えば、本明細書に記載されるバリアントのパネルにわたって)SARS-CoV-2スパイクバリアントのパネル(例えば、少なくとも10、少なくとも15、またはそれ以上)にわたって中和活性を示すことを特徴とする。いくつかの実施形態では、かかるSARS-CoV-2スパイクバリアントは、RBDの変異(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、Q321L、V341I、A348T、N354D、S359N、V367F、K378R、R408I、Q409E、A435S、N439K、K458R、I472V、G476S、S477N、V483A、Y508H、H519P等)、及び/またはスパイクタンパク質の変異(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、D614G等)を含む。当業者は、様々なスパイクバリアント、及び/またはそれらを文書化するリソース(例えば、COVID-19ウイルスゲノム分析パイプラインによって維持され、https://cov.lanl.gov/components/sequence/COV/int_sites_tbls.compで見出されるスパイクにおける変異部位の表)(2020年8月24日に最後にアクセスした)を認識しており、本明細書を読むことで、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法が、かかるバリアント及び/またはそれらの組み合わせのうちのいずれかまたは全てに関して中和活性を示すワクチン接種した対象において血清を誘導する能力を特徴付けることができることを理解するであろう。
特定の実施形態では、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のRBDをコードするRNA(例えば、mRNA)組成物は、ワクチン接種した対象の血清が、RBDバリアント(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、Q321L、V341I、A348T、N354D、S359N、V367F、K378R、R408I、Q409E、A435S、N439K、K458R、I472V、G476S、S477N、V483A、Y508H、H519P等)及びスパイクタンパク質バリアント(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、D614G)を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントのパネル(例えば、少なくとも10、少なくとも15、またはそれ以上)にわたって中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、S2サブユニット内の中央らせんの上部のアミノ酸位置986及び987に2つの連続したプロリン置換を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質バリアントをコードするRNA(例えば、mRNA)組成物は、ワクチン接種した対象の血清が、RBDバリアント(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、Q321L、V341I、A348T、N354D、S359N、V367F、K378R、R408I、Q409E、A435S、N439K、K458R、I472V、G476S、S477N、V483A、Y508H、H519P等)及びスパイクタンパク質バリアント(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、D614G)を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントのパネル(例えば、少なくとも10、少なくとも15、またはそれ以上)にわたって中和活性を示すことを特徴とする。例えば、いくつかの実施形態では、配列番号7(S P2)をコードするRNA(例えば、mRNA)組成物は、RBDバリアント(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、Q321L、V341I、A348T、N354D、S359N、V367F、K378R、R408I、Q409E、A435S、N439K、K458R、I472V、G476S、S477N、V483A、Y508H、H519P等)及びスパイクタンパク質バリアント(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、D614G)を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントのうちのいずれか1つに対する免疫応答を誘発する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の501位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にN501Y変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。
配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の501位に変異を含む当該1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアント、または配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にN501Y変異を含む当該1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントは、配列番号1と比較して、1つ以上の更なる変異を含み得る(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、H69/V70欠失、Y144欠失、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H、D80A、D215G、E484K、A701V、L18F、R246I、K417N、L242/A243/L244欠失等)。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「懸念されるバリアント202012/01」(VOC-202012/01;系統B.1.1.7としても知られる)に対して中和活性を示すことを特徴とする。このバリアントは、以前に英国公衆衛生庁によって2020年12月に最初の調査中のバリアント(VUI-202012/01)と命名されていたが、懸念されるバリアント(VOC-202012/01)に再分類された。VOC-202012/01は、英国でのCOVID-19パンデミック中の2020年10月に、前月に採取された試料から初めて検出されたSARS-CoV-2のバリアントであり、12月中旬までにすぐに広がり始めた。これは、英国におけるCOVID-19感染率の有意な増加と相関しており、この増加は、少なくとも部分的には、ヒト細胞のACE2への結合に必要な、スパイク糖タンパク質の受容体結合ドメイン内のN501Yの変化に起因していると考えられている。VOC-202012/01バリアントは、23個の変異:13個の非同義変異、4個の欠失、及び6個の同義変異によって定義される(すなわち、タンパク質を変化させる17個の変異、及び変化させない6個の変異が存在する)。VOC202012/01におけるスパイクタンパク質の変化は、欠失69~70、欠失144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、及びD1118Hを含む。VOC-202012/01における最も重要な変化のうちの1つは、アミノ酸部位501におけるアスパラギン(N)からチロシン(Y)への変化である、N501Yであると思われる。単独で、またはN末端ドメイン(NTD)内の69/70位の欠失と組み合わせたこの変異は、ウイルスの伝染性を強化し得る。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、以下の変異:欠失69~70、欠失144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、及びD1118Hを含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「501.V2」に対する中和活性を示すことを特徴とする。このバリアントは、2020年10月から試料中で初めて観察され、それ以降、501.V2バリアントを有する300件超の症例が、南アフリカにおいて全ゲノムシーケンシング(WGS)によって確認されており、2020年12月にはウイルスの優性形態であった。予備的な結果は、このバリアントが伝染性の増加を有し得ることを示している。501.V2バリアントは、D80A、D215G、E484K、N501Y及びA701Vを含む複数のスパイクタンパク質変化によって定義され、より最近収集されたウイルスは、追加の変化:L18F、R246I、K417N、及び欠失242~244を有する。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:配列番号1と比較して、D80A、D215G、E484K、N501Y及びA701V、ならびに任意に、配列番号1と比較して、L18F、R246I、K417N、及び欠失242~244。当該SARS-CoV-2スパイクバリアントはまた、配列番号1と比較して、D614G変異を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にH69/V70欠失を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質のH69/V70欠失を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントは、配列番号1と比較して、1つ以上の更なる変異を含んでもよい(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、Y144欠失、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H、D80A、D215G、E484K、A701V、L18F、R246I、K417N、L242/A243/L244欠失、Y453F、I692V、S1147L、M1229I等)。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「懸念されるバリアント202012/01」(VOC-202012/01;系統B.1.1.7としても知られる)に対して中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:欠失69~70、欠失144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、及びD1118H。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、デンマーク国立血清研究所(SSI)によってΔFVI-スパイクとも称される、SARS-CoV-2スパイクバリアント「クラスター5」に対する中和活性を示すことを特徴とする。デンマークの北ユランで発見され、ミンク農場を介してミンクからヒトに伝播したと考えられている。クラスター5において、ウイルスのスパイクタンパク質におけるいくつかの異なる変異が確認されている。特異的変異としては、69-70deltaHV(タンパク質中の69位及び70位のヒスチジン残基及びバリン残基の欠失)、Y453F(453位のチロシンからフェニルアラニンへの変化)、I692V(692位のイソロイシンからバリンへの変化)、M1229I(1229位のメチオニンからイソロイシンへの変化)、及び任意にS1147L(1147位のセリンからロイシンへの変化)が挙げられる。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:欠失69~70、Y453F、I692V、M1229I、及び任意にS1147L。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の614位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にD614G変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の614位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアント、または配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にD614G変異を含む当該1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントは、配列番号1と比較して、1つ以上の更なる変異を含み得る(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、H69/V70欠失、Y144欠失、N501Y、A570D、P681H、T716I、S982A、D1118H、D80A、D215G、E484K、A701V、L18F、R246I、K417N、L242/A243/L244欠失、Y453F、I692V、S1147L、M1229I等)。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「懸念されるバリアント202012/01」(VOC-202012/01;系統B.1.1.7としても知られる)に対して中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、以下の変異:欠失69~70、欠失144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、及びD1118Hを含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:D80A、D215G、E484K、N501Y、A701V、及びD614G(配列番号1と比較して)、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242~244(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の501位及び614位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にN501Y変異及びD614G変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の501位及び614位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアント、または配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にN501Y変異及びD614G変異を含む当該1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントは、配列番号1と比較して、1つ以上の更なる変異を含み得る(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、H69/V70欠失、Y144欠失、A570D、P681H、T716I、S982A、D1118H、D80A、D215G、E484K、A701V、L18F、R246I、K417N、L242/A243/L244欠失、Y453F、I692V、S1147L、M1229I等)。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「懸念されるバリアント202012/01」(VOC-202012/01;系統B.1.1.7としても知られる)に対して中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、以下の変異:欠失69~70、欠失144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、及びD1118Hを含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:D80A、D215G、E484K、N501Y、A701V、及びD614G(配列番号1と比較して)、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242~244(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の484位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にE484K変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の484位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアント、または配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にE484K変異を含む当該1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントは、配列番号1と比較して、1つ以上の更なる変異を含み得る(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、H69/V70欠失、Y144欠失、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H、D80A、D215G、A701V、L18F、R246I、K417N、L242/A243/L244欠失、Y453F、I692V、S1147L、M1229I、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、H655Y、T1027I、V1176F等)。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「501.V2」に対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:D80A、D215G、E484K、N501Y、及びA701V(配列番号1と比較して)、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242~244(配列番号1と比較して)。当該SARS-CoV-2スパイクバリアントはまた、配列番号1と比較して、D614G変異を含み得る。
ブラジル(ブラジリアン)バリアントとして知られる系統B.1.1.248は、P.1系統と名付けられ、17個の固有のアミノ酸変化を有するSARS-CoV-2のバリアントのうちの1つであり、これらのうち10個は、N501Y及びE484Kを含む、そのスパイクタンパク質である。B.1.1.248は、B.1.1.28に由来する。E484Kは、B.1.1.28及びB.1.1.248の両方に存在する。B.1.1.248は、いくつかのSタンパク質多型[L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、E484K、N501Y、H655Y、T1027I、V1176F]を有し、南アフリカから記載されるバリアントとある特定の重要なRBD位置(K417、E484、N501)において類似している。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「B.1.1.28」に対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「B.1.1.248」に対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、E484K、N501Y、H655Y、T1027I、及びV1176F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の501位及び484位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にN501Y変異及びE484K変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の501位及び484位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアント、または配列番号1と比較して、スパイクタンパク質のN501Y変異及びE484K変異を含む当該1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントは、配列番号1と比較して、1つ以上の更なる変異を含んでもよい(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、H69/V70欠失、Y144欠失、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H、D80A、D215G、A701V、L18F、R246I、K417N、L242/A243/L244欠失、Y453F、I692V、S1147L、M1229I、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、H655Y、T1027I、V1176F等)。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「501.V2」に対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:D80A、D215G、E484K、N501Y、及びA701V(配列番号1と比較して)、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242~244(配列番号1と比較して)。当該SARS-CoV-2スパイクバリアントはまた、配列番号1と比較して、D614G変異を含み得る。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「B.1.1.248」に対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、E484K、N501Y、H655Y、T1027I、及びV1176F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の501位、484位、及び614位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にN501Y変異、E484K変異、及びD614G変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の501位、484位、及び614位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアント、または配列番号1と比較して、スパイクタンパク質のN501Y変異、E484K変異、及びD614G変異を含む当該1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントは、配列番号1と比較して、1つ以上の更なる変異を含んでもよい(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、H69/V70欠失、Y144欠失、A570D、P681H、T716I、S982A、D1118H、D80A、D215G、A701V、L18F、R246I、K417N、L242/A243/L244欠失、Y453F、I692V、S1147L、M1229I、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、H655Y、T1027I、V1176F等)。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:D80A、D215G、E484K、N501Y、A701V、及びD614G(配列番号1と比較して)、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242~244(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にL242/A243/L244欠失を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にL242/A243/L244欠失を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントは、配列番号1と比較して1つ以上の更なる変異を含み得る(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、H69/V70欠失、Y144欠失、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H、D80A、D215G、E484K、A701V、L18F、R246I、K417N、Y453F、I692V、S1147L、M1229I、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、H655Y、T1027I、V1176F等)。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「501.V2」に対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:D80A、D215G、E484K、N501Y、A701V、及び欠失242~244(配列番号1と比較して)、ならびに任意に、L18F、R246I、及びK417N(配列番号1と比較して)。当該SARS-CoV-2スパイクバリアントはまた、配列番号1と比較して、D614G変異を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の417位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にK417NまたはK417T変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の417位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアント、または配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にK417NまたはK417T変異を含む当該1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントは、配列番号1と比較して、1つ以上の更なる変異を含み得る(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、H69/V70欠失、Y144欠失、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H、D80A、D215G、E484K、A701V、L18F、R246I、L242/A243/L244欠失、Y453F、I692V、S1147L、M1229I、T20N、P26S、D138Y、R190S、H655Y、T1027I、V1176F等)。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「501.V2」に対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:D80A、D215G、E484K、N501Y、A701V、及びK417N(配列番号1と比較して)、ならびに任意に、L18F、R246I、及び欠失242~244(配列番号1と比較して)。当該SARS-CoV-2スパイクバリアントはまた、配列番号1と比較して、D614G変異を含み得る。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「B.1.1.248」に対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、E484K、N501Y、H655Y、T1027I、及びV1176F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の417位及び484位及び/または501位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にK417NまたはK417T変異ならびにE484K及び/またはN501Y変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントに対して中和活性を示すことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、配列番号1と比較して、スパイクタンパク質の417位及び484位及び/または501位に変異を含む1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアント、または配列番号1と比較して、スパイクタンパク質にK417NまたはK417T変異ならびにE484K及び/またはN501Y変異を含む当該1つ以上のSARS-CoV-2スパイクバリアントは、配列番号1と比較して、1つ以上の更なる変異を含み得る(例えば、限定されないが、配列番号1と比較して、H69/V70欠失、Y144欠失、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H、D80A、D215G、A701V、L18F、R246I、L242/A243/L244欠失、Y453F、I692V、S1147L、M1229I、T20N、P26S、D138Y、R190S、H655Y、T1027I、V1176F等)。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「501.V2」に対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:D80A、D215G、E484K、N501Y、A701V、及びK417N(配列番号1と比較して)、ならびに任意に、L18F、R246I、及び欠失242~244(配列番号1と比較して)。当該SARS-CoV-2スパイクバリアントはまた、配列番号1と比較して、D614G変異を含み得る。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、SARS-CoV-2スパイクバリアント「B.1.1.248」に対する中和活性を示すことを特徴とする。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、E484K、N501Y、H655Y、T1027I、及びV1176F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、オミクロン(B.1.1.529)バリアントのSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする。オミクロン(B.1.1.529)バリアントは、南アフリカで検出されたSARS-CoV-2のバリアントである。例えば、BA.1、BA.2、BA.2.12.1、BA.3、BA.4、BA.5、及びBA.2.75亜系統を含む、複数のオミクロンバリアントまたは亜系統が生じた。本明細書で使用される場合、別途指定されない限り、「オミクロンバリアント」は、最初に開示されたオミクロンバリアント(BA.1)またはその後生じた任意のバリアント(例えば、本明細書に記載されるオミクロンバリアント)を指す。いくつかの実施形態では、オミクロン(B.1.1.529)BA.1バリアントにおけるスパイクタンパク質変化は、A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE(アミノ酸214の後のEPEの挿入)、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981Fを含む。いくつかの実施形態では、オミクロン(B.1.1.529)バリアントにおけるスパイクタンパク質変化は、A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE(アミノ酸214の後のEPEの挿入)、G339D、S371L、S373P、S375F、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981Fを含む。いくつかの実施形態では、オミクロンBA.2バリアントにおけるスパイク変化は、T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969Kを含む。いくつかの実施形態では、BA.4及びBA.5は、同じスパイクタンパク質アミノ酸配列を有し、この場合、「BA.4/5」は、いずれかのオミクロンバリアントに使用される。いくつかの実施形態では、オミクロンBA.4/5におけるスパイク変化は、T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kを含む。いくつかの実施形態では、オミクロンBA.2.75におけるスパイク変化は、T19I、Δ24-26、A27S、G142D、K147E、W152R、F157L、I210V、V213G、G257S、G339H、N354D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、G446S、N460K、S477N、T478K、E484A、Q498R、N501Y、Y505H D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、または少なくとも37を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:T547K、H655Y、D614G、N679K、P681H、N969K、S373P、S371L、N440K、G339D、G446S、N856K、N764K、K417N、D796Y、Q954H、T95I、A67V、L981F、S477N、G496S、T478K、Q498R、Q493R、E484A、N501Y、S375F、Y505H、V143del、H69del、V70del、N211del、L212I、ins214EPE、G142D、Y144del、Y145del、L141del、Y144F、Y145D、G142del(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えばmRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または全てを含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:T547K、H655Y、D614G、N679K、P681H、N969K、S373P、S371L、N440K、G339D、G446S、N856K、N764K、K417N、D796Y、Q954H、T95I、A67V、L981F、S477N、G496S、T478K、Q498R、Q493R、E484A(配列番号1と比較して)。当該SARS-CoV-2スパイクバリアントは、以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、もしくは全てを含み得:N501Y、S375F、Y505H、V143del、H69del、V70del(配列番号1と比較して)、及び/または以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、もしくは全てを含み得る:N211del、L212I、ins214EPE、G142D、Y144del、Y145del(配列番号1と比較して)。いくつかの実施形態では、当該SARS-CoV-2スパイクバリアントは、以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または全てを含み得る:L141del、Y144F、Y145D、G142del(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えばmRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、または少なくとも31を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、または少なくとも34を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969K(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和を示すことを特徴とする:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV2スパイクバリアントに対する中和を示すことを特徴とする:T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969K(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、ワクチン接種した対象の血清が、以下の変異を含むSARS-CoV-2スパイクバリアントに対する中和活性を示すことを特徴とする:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、K147E、W152R、F157L、I210V、V213G、G257S、G339H、N354D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、G446S、N460K、S477N、T478K、E484A、Q498R、N501Y、Y505H D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969K(配列番号1と比較して)。
本明細書に記載のRNAによってコードされるSARS-CoV-2スパイクタンパク質は、配列番号1と比較して、D614G変異を含み得るか、または含まない場合がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAによってコードされるSARS-CoV-2スパイクタンパク質は、フューリン切断部位の変異を含む(例えば、いくつかの実施形態では、配列番号1の残基682~685)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAによってコードされるSARS-CoV-2スパイクタンパク質は、フューリンプロテアーゼ(例えば、ヒトフューリンプロテアーゼ)による切断を防止するフューリン切断部位の変異を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のSARS-CoV-2タンパク質は、WO2021163365またはWO2021243122に開示されているフューリン変異(例えば、GSAS変異)を含み、それら両方の内容は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/または方法は、かかるRNA組成物及び/または方法を受ける対象の少なくとも50%において、SARS-CoV-2に対する保護及び/またはSARS-CoV-2感染症の重症度を低下させることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、18~55歳の対象を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、56~85歳の対象を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、高齢の対象(例えば、60、65、70、75、80、85歳超等、例えば、65~85歳の対象)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、18~85歳の対象を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、18歳以下の対象を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、12歳以下の対象を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、10歳以下の対象を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、思春期集団(例えば、およそ12~およそ17歳の個体)を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、(例えば、本明細書に記載されるような)小児集団を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、乳児(例えば、1歳未満)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、母親が妊娠中に本明細書に記載のかかるRNA(例えば、mRNA)組成物を受けた乳児(例えば、1歳未満)を含まない。いかなる特定の理論によっても拘束されることを望まないが、ラット研究は、妊娠中にかかるRNA組成物を与えられた雌ラットにおいて誘導されるSARS-CoV-2中和抗体応答が胎児に伝達され得ることを示唆している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団には、母親が妊娠中に本明細書に記載のかかるRNA組成物を受けなかった乳児(例えば、1歳未満)が含まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、妊婦を含んでもよく、いくつかの実施形態では、母親が妊娠中にワクチン接種された(例えば、少なくとも1回の用量を受けた、または代替的に、両方の用量を受けた場合のみ)乳児は、出生後の最初の数週間、数ヶ月、または更には数年(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8週間以上、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24ヶ月以上、または1、2、3、4、5年以上)にワクチン接種されない。代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、母親が妊娠中にワクチン接種された(例えば、少なくとも1回の用量を受けた、または代替的に、両方の用量を受けた場合のみ)乳児は、生後、例えば、生後最初の数週間、数ヶ月、または更には数年(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8週間以上、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24ヶ月以上、または1、2、3、4、5年以上)の間、低減したワクチン接種を受けるか、あるいは低減したワクチン接種(例えば、より低用量及び/またはより少ない数の投与、例えば、ブースターを所与の期間にわたって)を受ける必要があり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるような組成物は、妊婦を含まない集団に投与される。
いくつかの特定の実施形態では、本明細書に提供される組成物は、妊娠約24週間後(例えば、妊娠約22、23、24、25、26、27、28週間以上後)に投与される第1の用量を含むレジメンに従って、妊婦に投与され、いくつかの実施形態では、本明細書に提供される組成物は、妊娠約34週間前(例えば、妊娠約30、31、32、33、34、35、36、37、38週間前)に投与される第1の用量を含むレジメンに従って、妊婦に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される組成物は、妊娠の約24週間後(例えば、妊娠の約27週間後、例えば、約24週間~34週間、または約27週間~34週間)に投与される第1の用量、及び約21日後に投与される第2の用量を含むレジメンに従って妊婦に投与され、いくつかの実施形態では、両方の用量は、出産前に投与される。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、かかるレジメン(例えば、妊娠約24週間後、または27週間後、及び任意に、妊娠約34週間前の第1の用量の投与を含む)、ならびに任意に、約21日以内、理想的には出産前の第2の用量は、代替的な投薬レジメン(例えば、妊娠中の任意の時点で投与すること、妊娠中の投与を控えること、及び/または例えば、1回の用量のみが妊娠中に投与されるように、妊娠後期に投与することと比較して、安全性(例えば、早産のリスク、または胎児の罹患もしくは死亡のリスクの低減)及び/または有効性(例えば、乳児に付与されるキャリーオーバーワクチン)の点で、ある特定の利点を有し得ることが提案される。いくつかの実施形態では、妊娠中にワクチン接種された母親から生まれた乳児は、例えば、本明細書に記載される特定のレジメンに従って、更なるワクチン接種を必要としない場合もあれば、または出生後一定期間(例えば、本明細書に記載されるように)、ワクチン接種の低減(例えば、より低用量及び/またはより少ない数の投与-例えば、ブースター-及び/または所与の期間にわたって全体的に低い曝露)を必要とし得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される組成物は、ワクチンの受領後(例えば、第1の用量のワクチンの受領後、最終用量のワクチンの受領後等)一定の期間、女性が妊娠しないように忠告される集団に投与され、いくつかのかかる実施形態では、期間は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間以上であり得るか、または少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、もしくはそれ以上であり得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、例えば、本明細書に記載されるような、1つ以上の特に高いリスク状態または病歴を有する1つ以上の集団を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるRNA組成物で治療される集団には、職業及び/または環境曝露が、SARS-CoV-2感染症に罹患するリスクを劇的に増加させ得る対象(例えば、限定されないが、大量輸送、囚人、食料品店労働者、長期介護施設の入居者、肉屋または他の食肉加工労働者、医療従事者、及び/またはファーストレスポンダー、例えば、緊急時対応要員を含む)が含まれ得る。特定の実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、医療従事者及び/またはファーストレスポンダー、例えば、緊急時対応要員を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、喫煙またはベイピングの履歴を有する集団(例えば、6ヶ月以内、12ヶ月以上、慢性喫煙またはベイピングの履歴を含む)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、SARS-CoV-2感染により感受性が高いと決定されているある特定の民族を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、SARS-CoV-2感染により感受性が高いと決定され得る血液型を有するある特定の集団を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、免疫不全の対象(例えば、HIV/AIDSを有する対象;がん患者(例えば、抗腫瘍治療を受ける);ある特定の免疫抑制薬を服用している患者(例えば、移植患者、がん患者等);自己免疫疾患または免疫抑制療法を必要とすると予想される他の生理学的状態(例えば、3ヶ月以内、6ヶ月以内、またはそれ以上);ならびに免疫系に影響を及ぼす遺伝性疾患(例えば、先天性ガンマグロブリン血症、先天性IgA欠乏症))を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、感染性疾患を有する集団を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及び/または肝炎ウイルス(例えば、HBV、HCV)に感染した集団を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、基礎となる医学的状態を有する集団を含み得る。かかる基礎となる医学的状態の例としては、高血圧、心血管疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患、例えば、慢性肺疾患、喘息等、がん、及び他の慢性疾患、例えば、狼瘡、関節リウマチ、慢性肝疾患、慢性腎疾患(例えば、60mL/分/1.73m未満の糸球体濾過率(GFR)を特徴とするいくつかの実施形態では、病期3以上)が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、例えば、具体的に、約30kg/mを超える体重指数(BMI)を有する対象を含む、体重超過または肥満の対象を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物で治療される集団は、例えば、血清学または鼻腔ぬぐい液に基づいて、COVID-19の事前診断、または現在もしくは以前のSARS-CoV-2感染の証拠を有する対象を含み得る。いくつかの実施形態では、治療される集団は、白人及び/または非ヒスパニック系/非ラテン系を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のある特定のRNA(例えば、mRNA)組成物は、アジア人集団(例えば、中国人集団)、または特定の実施形態では、より高齢のアジア人集団(例えば、60歳以上、例えば、60~85歳または65~85歳)への投与のために選択され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、投与前に、以前の感染、及び/または現在の感染の証拠を示さないと判定された対象(複数可)に投与され、及び/または評価され、いくつかの実施形態では、以前の感染及び/または現在の感染の証拠は、対象(例えば、その生体試料、例えば、血液、細胞、粘液、及び/または組織)に存在する、インタクトなウイルス、または任意のウイルス核酸、タンパク質、脂質等の証拠、及び/またはそれらに対する対象の免疫応答の証拠であってもよく、またはそれらを含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、投与前に、以前の感染、及び/または現在の感染の証拠を示すと判定された対象(複数可)に投与され、及び/または評価され、いくつかの実施形態では、以前の感染及び/または現在の感染の証拠は、対象(例えば、その生体試料、例えば、血液、細胞、粘液、及び/または組織)に存在する、インタクトなウイルス、または任意のウイルス核酸、タンパク質、脂質等の証拠、及び/またはそれらに対する対象の免疫応答の証拠であってもよく、またはそれらを含むことができる。いくつかの実施形態では、対象は、用量1の日にN結合抗体検査で陽性の結果または核酸増幅検査(NAAT)で陽性の結果を有することに基づいて、以前の感染を有するとみなされる。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、例えば、悪寒、発熱、頭痛、注射部位の疼痛、筋肉の疼痛、疲労のうちの1つ以上を含み得る副作用のリスクを知らされている対象に投与され、いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)組成物は、1つ以上のかかる副作用が発生し、軽度もしくは中等度を超えて経験され、1日もしくは数日を超える期間にわたって持続する場合、または対象が合理的に組成物の受領と関連し得ると考えるいずれかの重大もしくは予期しない事象が経験される場合、医療提供者に通知するように案内された対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、例えば、アレルギー、出血障害もしくは血液希薄剤の服用、母乳育児、発熱、免疫不全状態、または免疫系、妊娠、もしくは妊娠予定等に影響を及ぼす薬の服用のうちの1つ以上を含み得る特定の医学的状態を医療提供者に通知するように案内された対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物は、別のCOVID-19ワクチンを受けたことを医療提供者に通知するように案内された対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物は、以下の医学的状態のうちの1つを有しない対象に投与される:熱性疾患を経験している、免疫抑制療法を受けている、抗凝固療法を受けている、出血性障害(例えば、筋肉内注射を禁忌とするもの)に罹患している、あるいは妊娠及び/または授乳育児/授乳。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物は、別のCOVID-19ワクチンを受けていない対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物は、RNA(例えば、mRNA)組成物の任意の成分に対してアレルギー反応を起こしていない対象に投与される。かかるアレルギー反応の例としては、呼吸困難、顔及び/または喉の腫脹、速い心拍、発疹、めまい、及び/または脱力感が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物は、第1の用量を受け、第1の用量に対して(例えば、本明細書に記載されるような)アレルギー反応を有しなかった対象に投与される。本明細書に提供されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物の用量を受けた後に対象(複数可)においてアレルギー反応が生じるいくつかの実施形態では、かかる対象(複数可)に、かかるアレルギー反応の症状(複数可)を管理及び/または低減する治療などの1つ以上の介入、例えば、解熱剤及び/または抗炎症剤を投与してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される少なくとも1つの用量のRNA(例えば、mRNA)組成物を受けた対象は、第2の用量の投与から数日(例えば、少なくとも7日、少なくとも8日、9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日等)が経過しない限り、及び経過するまで、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)に曝露されることを回避することを知らされる。例えば、本明細書に提供されるような少なくとも1つの用量のRNA(例えば、mRNA)組成物を受けた対象は、第2の用量の投与から数日(例えば、少なくとも7日、少なくとも8日、9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日等)が経過しない限り、及び経過するまで、SARS-CoV-2感染に対する予防措置(例えば、ソーシャルディスタンスを保つ、マスクを着用する、頻繁な手洗い等)を講じることを知らされる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物を投与する方法は、第1の用量を受け、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)に曝露されないように予防措置を講じた対象に、本明細書に提供されるようなかかるRNA(例えば、mRNA)組成物の第2の用量を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、例えば、ワクチンプライミングのために、それを必要とする対象の流入領域リンパ節に送達され得る。いくつかの実施形態では、かかる送達は、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物の筋肉内投与によって実施され得る。
いくつかの実施形態では、異なる特定のRNA(例えば、mRNA)組成物は、異なる対象集団(複数可)に投与されてもよく、代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、異なる投薬レジメンは、異なる対象集団に投与されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、特定の対象集団(複数可)に投与されるRNA(例えば、mRNA)組成物は、それらの対象集団における1つ以上の特定の効果(例えば、発生率及び/または効果の程度)によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、かかる効果(複数可)は、例えば、中和抗体及び/またはT細胞(例えば、CD4及び/またはCD8T細胞などのT1型T細胞)の力価及び/または持続性、チャレンジ(例えば、注射及び/または経鼻曝露等を介して)に対する保護、副作用の発生率、重症度、及び/または持続性(例えば、反応原性)等であり得るか、またはそれらを含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物は、例えば、核酸増幅試験(NAAT)などの実験室試験に基づいて、1000人-年当たりのCOVID-19の発生率を低減するように確立されたレジメンに従って投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物は、過去のSARS-CoV-2感染の血清学的またはウイルス学的証拠(例えば、最後の用量の受領後最大7日間)を伴わない、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物の少なくとも1回の用量を受ける対象における核酸増幅試験(NAAT)などの実験室試験に基づいて、1000人-年当たりのCOVID-19発症率を低減するように確立されたレジメンに従って投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物は、1000人-年当たりの重症COVID-19の発生率を低減するように確立されたレジメンに従って投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物は、過去のSARS-CoV-2感染の血清学的またはウイルス学的証拠がない、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物の少なくとも1回の用量を受ける対象において、1000人-年当たりの確定された重症COVID-19発生率を低減するように確立されたレジメンに従って投与され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物は、一定期間にわたる参照レベル(例えば、ヒトSARS-CoV-2感染/COVID-19回復期血清に基づいて判定される参照レベル)、及び/または例えば、いくつかの実施形態では、一定期間にわたるSARS-CoV-2スパイクポリペプチド内の少なくとも1つ以上のMHC制限(例えば、MHCクラスI制限)エピトープ及び/またはその免疫原性断片(例えば、RBD)を認識するT細胞の誘導を含む、細胞媒介性免疫応答(例えば、SARS-CoV-2に対するT細胞応答)の誘導を達成するか、または超える対象からの血清中で測定されるように、SARS-CoV-2スパイクポリペプチド及び/またはその免疫原性断片(例えば、RBD)に向けられた中和抗体を産生するために確立されたレジメンに従って投与され得る。いくつかのかかる実施形態では、この期間は、少なくとも2ヶ月、3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月以上であり得る。いくつかの実施形態では、ワクチン誘導性T細胞(例えば、CD8+T細胞)によって認識される1つ以上のエピトープは、集団の対象の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上を含む)に存在するMHCクラスI対立遺伝子上に提示されてもよく、いくつかのかかる実施形態では、MHCクラスI対立遺伝子は、HLA-B*0702、HLA-A*2402、HLA-B*3501、HLA-B*4401、またはHLA-A*0201であってもよい。いくつかの実施形態では、エピトープは、HLA-A*0201 YLQPRTFLL、HLA-A*0201 RLQSLQTYV、HLA-A*2402 QYIKWPWYI、HLA-A*2402 NYNYLYRLF、HLA-A*2402 KWPWYIWLGF、HLA-B*3501 QPTESIVRF、HLA-B*3501 IPFAMQMAY、またはHLA-B*3501 LPFNDGVYFを含み得る。
いくつかの実施形態では、有効性は、ワクチン接種レジメンの前及びその間の過去のSARS-CoV-2感染の血清学的またはウイルス学的証拠がない個体において、1000人-年当たりのCOVID-19の発生率として評価され、代替的または追加的に、いくつかの実施形態では、有効性は、ワクチン接種レジメンの前及びその間の過去のSARS-CoV-2感染の証拠がある対象及びない対象において、1000人-年当たりのCOVID-19の発生率として評価される。いくつかのかかる実施形態では、かかる発生率は、最終ワクチン接種(例えば、単回用量レジメンにおける第1の用量、2用量レジメンにおける第2の用量等)後の特定の期間内に確認されたCOVID-19症例のものであり、いくつかの実施形態では、かかる期間は、特定の日数(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30日以上)以内(すなわち、最大7日)であってもよい。いくつかの実施形態では、かかる期間は、7日以内、または14日以内、または21日以内、または28日以内であり得る。いくつかの実施形態では、かかる期間は、7日以内であってもよい。いくつかの実施形態では、かかる期間は、14日以内であってもよい。
いくつかの実施形態(例えば、有効性を評価するいくつかの実施形態)では、以下:対象からの試料中のSARS-CoV-2核酸の検出、SARS-CoV-2を特異的に認識する抗体(例えば、SARS-Co-V-2スパイクタンパク質)の検出、COVID-19感染の1つ以上の症状、及びそれらの組み合わせのうちの1つ以上が確立される場合、対象がCOVID-19感染を経験したと判定される。いくつかのかかる実施形態では、SARS-CoV-2核酸の検出は、例えば、例えば、中鼻甲介ぬぐい液試料上のNAAT試験を伴ってもよい。いくつかのかかる実施形態では、関連する抗体の検出は、血液試料またはその一部の血清学的検査を含み得る。いくつかのかかる実施形態では、COVID-19感染症の症状は、発熱、新規または増加した咳、新規または増加した息切れ、悪寒、新規または増加した筋肉痛、新規の味または匂いの喪失、喉の痛み、下痢、嘔吐、及びそれらの組み合わせであり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかのかかる実施形態では、COVID-19感染の症状は、発熱、新規または増加した咳、新規または増加した息切れ、悪寒、新規または増加した筋肉痛、新規の味または匂いの喪失、喉の痛み、下痢、嘔吐、疲労、頭痛、鼻づまりまたは鼻水、吐き気、及びそれらの組み合わせであり得るか、またはそれらを含み得る。いくつかのかかる実施形態では、対象は、かかる対象が1つのかかる症状を経験し、SARS-CoV-2核酸もしくは抗体、または両方について検査で陽性を示した場合、COVID-19感染を経験したと判定される。いくつかのかかる実施形態では、対象は、かかる対象が1つのかかる症状を経験し、SARS-CoV-2核酸について検査で陽性を示した場合、COVID-19感染を経験したと判定される。いくつかのかかる実施形態では、対象は、かかる対象が1つのかかる症状を経験し、SARS-CoV-2抗体について検査で陽性を示した場合、COVID-19感染を経験したと判定される。
いくつかの実施形態では(例えば、有効性を評価するいくつかの実施形態では)、対象は、かかる対象が、以下のうちの1つ以上を経験した場合に、重度のCOVID-19感染を経験したと判定される:安静時の臨床兆候または重度の全身性疾患(例えば、1分当たり30回以上の呼吸数、1分当たり125回以上の心拍数、海面位での室内空気で93%以下のSpO、または300mHg未満のPaO/FiOのうちの1つ以上)、呼吸不全(例えば、高流量酸素、非侵襲的換気、機械的換気、ECMOを必要とすることのうちの1つ以上)、ショックの証拠(90mmHg未満の収縮期血圧、60mmHg未満の拡張期血圧、昇圧剤を必要とする)、顕著な急性腎臓、肝臓、または神経機能障害、集中治療室への入院、死亡、及びそれらの組み合わせ。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物は、以下のうちの少なくとも1つを報告する対象のパーセンテージを低減するために確立されたレジメンに従って投与され得る:(i)各用量後最大7日間の(例えば、本明細書に記載されるような)1つ以上の局所反応、(ii)各用量後最大7日間の1つ以上の全身事象、(iii)最初の用量から最後の用量後1ヶ月までの(例えば、本明細書に記載されるような)有害事象、及び/または(iv)最初の用量から最後の投与後6ヶ月までの重度の(例えば、本明細書に記載されるような)有害事象。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物を受領した1人以上の対象をモニタリングして(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日間以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週間以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24ヶ月以上を含む、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10年間以上を含む)、例えば、投与された組成物の成分(複数可)に対する免疫応答の存在、SARS-CoV-2または別のコロナウイルスへの曝露及び/または免疫応答の証拠、任意の有害事象の証拠等を評価することができる。いくつかの実施形態では、モニタリングは、テレビ訪問を介して行われ得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、モニタリングは、対面であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物によって付与される治療効果は、例えば、ベースライン、ワクチン接種の完了後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、及び/または24ヶ月の(i)所定の閾値を上回るSARS-CoV-2抗S1結合抗体レベル、(ii)所定の閾値を上回るSARS-CoV-2抗RBD結合抗体レベル、及び/または(iii)閾値を上回るSARS-CoV-2血清中和力価によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、抗S1結合抗体及び/または抗RBD結合抗体レベル及び/または血清中和力価は、幾何平均濃度(GMC)、幾何平均力価(GMT)、または幾何平均上昇倍率(GMFR)によって特徴付けられ得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物によって付与される治療効果は、例えば、ベースライン、ワクチン接種の完了後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、及び/または24ヶ月の所定の閾値を上回るSARS-CoV-2血清中和力価を示す治療対象のパーセンテージが、かかる所定の閾値を上回る(例えば、本明細書に記載されるような)SARS-CoV-2血清中和力価を示す非治療対象のパーセンテージよりも高いことを特徴とし得る。いくつかの実施形態では、血清中和力価は、幾何平均濃度(GMC)、幾何平均力価(GMT)、または幾何平均倍率上昇(GMFR)によって特徴付けられ得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物によって付与される治療効果は、SARS-CoV-2 NVA特異的結合抗体の検出によって特徴付けられ得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物によって付与される治療効果は、核酸増幅試験によるSARS-CoV-2検出によって特徴付けられ得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物によって付与される治療効果は、例えば、いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2スパイクポリペプチド及び/またはその免疫原性断片(例えば、RBD)内の少なくとも1つ以上のMHC制限(例えば、MHCクラスI制限)エピトープを認識するT細胞の誘導を含む、細胞媒介性免疫応答(例えば、SARS-CoV-2に対するT細胞応答)の誘導によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、ワクチン誘導性T細胞(例えば、CD8+T細胞)によって認識される1つ以上のエピトープは、集団の対象の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上を含む)に存在するMHCクラスI対立遺伝子上に提示されてもよく、いくつかのかかる実施形態では、MHCクラスI対立遺伝子は、HLA-B*0702、HLA-A*2402、HLA-B*3501、HLA-B*4401、またはHLA-A*0201であってもよい。いくつかの実施形態では、エピトープは、HLA-A*0201 YLQPRTFLL、HLA-A*0201 RLQSLQTYV、HLA-A*2402 QYIKWPWYI、HLA-A*2402 NYNYLYRLF、HLA-A*2402 KWPWYIWLGF、HLA-B*3501 QPTESIVRF、HLA-B*3501 IPFAMQMAY、またはHLA-B*3501 LPFNDGVYFを含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物の一次ワクチン有効性(VE)は、一次VE1または一次VE1と一次VE2の両方が、30%以上(例えば、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、またはそれ以上を含む)であるという十分な証拠(事後確率)があるときに確立され得、一次VEは、一次VE=100×(1-IRR)として定義され、IRRは、ワクチン群におけるCOVID-19疾患率と、プラセボ群における対応する疾患率との比として計算される。一次VE1は、ワクチン接種前の感染の証拠なしに、参加者において確認されたCOVID-19に対する本明細書に記載の予防的RNA(例えば、mRNA)組成物についてのVEを表し、一次VE2は、ワクチン接種後の全ての参加者において確認されたCOVID-19に対する本明細書に記載の予防的RNA(例えば、mRNA)組成物についてのVEを表す。いくつかの実施形態では、一次VE1及びVE2を順次評価して、2.5%の全体的なI型エラーを制御することができる(階層的試験)。本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物が、上述のように一次VEエンドポイントを達成するために実証されるいくつかの実施形態では、二次VEエンドポイント(例えば、ワクチン接種前の感染の証拠がない参加者において重度のCOVID-19が確認され、全ての参加者において重度のCOVID-19が確認された)は、例えば、上述の一次VEエンドポイント評価(階層的試験)に使用されるのと同じ方法によって、順次評価され得る。いくつかの実施形態では、一次及び/または二次VEエンドポイントの評価は、例えば、以下の仮定に基づいて、ワクチンまたはプラセボ群に対して1:1の比でランダム化された少なくとも20,000人以上の対象(例えば、少なくとも25,000人以上の対象)に基づいてもよい:(i)プラセボ群における1年当たり1.0%の疾病率、及び(ii)参加者の20%が評価不可能であるか、またはSARS-CoV-2への以前の感染の血清学的証拠を有し、更なる感染に対して免疫を有する可能性がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上のRNA(例えば、mRNA)組成物は、免疫応答の維持及び/または継続的強化を達成するために確立されたレジメンに従って投与され得る。例えば、いくつかの実施形態では、投与レジメンは、任意に、1つ以上の後続の用量が続く第1の用量を含んでもよく、いくつかの実施形態では、任意のかかる後続の用量(複数可)の必要性、タイミング、及び/または大きさは、1つ以上の免疫応答またはその特徴を維持、強化、及び/または修飾するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、用量(複数可)の数、タイミング、及び/または量(複数可)は、関連する集団に投与するときに有効であることが確立されている。いくつかの実施形態では、用量(複数可)の数、タイミング、及び/または量(複数可)は、個々の対象について調節されてもよく、例えば、いくつかの実施形態では、個々の対象における免疫応答の1つ以上の特徴は、第1の用量の受領後に、少なくとも1回(及び任意に1回超、例えば複数回、典型的には、間隔を空けて、多くの場合、事前に選択された間隔で)評価されてもよい。例えば、抗体、B細胞、及び/またはT細胞(例えば、CD4及び/またはCD8T細胞)、及び/またはそれによって分泌されるサイトカインの存在、及び/または特定の抗原(複数可)及び/またはエピトープ(複数可)に対する応答の同一性及び/または程度を評価してもよい。いくつかの実施形態では、後続の用量の必要性、タイミング、及び/または量は、かかる評価に照らして決定され得る。
上記のように、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物を受領した1人以上の対象を、任意の特定用量の受領からモニタリングして(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日以上の期間、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週間以上を含む、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24ヶ月以上を含む、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10年以上を含む)、例えば、投与された組成物の成分(複数可)に対する免疫応答の存在、SARS-CoV-2または別のコロナウイルスへの曝露及び/または免疫応答の証拠、任意の有害事象の証拠等を評価し抗体、B細胞、及び/またはT細胞(例えば、CD4及び/またはCD8T細胞)の存在の1つ以上、及び/またはそれによって分泌されるサイトカインの評価を実施してもよく、及び/または特定の抗原(複数可)及び/またはエピトープ(複数可)の同一性及び/または応答の程度を評価してもよい。本明細書に記載されるような組成物の投与は、1つ以上のかかるモニタリングステップを含むレジメンに従ってよい。
例えば、いくつかの実施形態では、第1の用量に対する第2の用量(及び/または以前の用量に対する後続の用量)の必要性、タイミング、及び/または量が、評価、決定、及び/または選択され、それによってかかる第2の(または後続の)用量の投与が、第1の(または他の以前の)用量の後に観察される(例えば、本明細書に記載されるような)免疫応答の増幅または修飾を達成する。いくつかの実施形態では、免疫応答(例えば、本明細書に記載のもの)のかかる増幅は、第1の用量後に観察される免疫応答のレベルと比較して、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上であり得る。いくつかの実施形態では、免疫応答のかかる増幅は、第1の用量後に観察される免疫応答のレベルと比較して、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、またはそれ以上であり得る。
いくつかの実施形態では、第1の(または他の以前の)用量に対する第2の(または後続の)用量の必要性、タイミング、及び/または量は、後続の用量の投与が、前の用量の後に観察される(例えば、本明細書に記載されるような)免疫応答の耐久性を延長するように、評価、決定、及び/または選択され、いくつかのかかる実施形態では、耐久性は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、またはそれ以上延長され得る。いくつかの実施形態では、第1の用量の後に観察される免疫応答は、対象からの血清中で測定される、SARS-CoV-2スパイクポリペプチド及び/またはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とする中和抗体の産生、及び/または例えば、いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2スパイクポリペプチド及び/またはその免疫原性断片(例えば、RBD)内の少なくとも1つ以上のMHC制限(例えば、MHCクラスI制限)エピトープを認識するT細胞の誘導を含む、細胞媒介性免疫応答(例えば、SARS-CoV-2に対するT細胞応答)の誘導によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、ワクチン誘導性T細胞(例えば、CD8+T細胞)によって認識される1つ以上のエピトープは、集団の対象の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上を含む)に存在するMHCクラスI対立遺伝子上に提示されてもよく、いくつかのかかる実施形態では、MHCクラスI対立遺伝子は、HLA-B*0702、HLA-A*2402、HLA-B*3501、HLA-B*4401、またはHLA-A*0201であってもよい。いくつかの実施形態では、エピトープは、HLA-A*0201 YLQPRTFLL、HLA-A*0201 RLQSLQTYV、HLA-A*2402 QYIKWPWYI、HLA-A*2402 NYNYLYRLF、HLA-A*2402 KWPWYIWLGF、HLA-B*3501 QPTESIVRF、HLA-B*3501 IPFAMQMAY、またはHLA-B*3501 LPFNDGVYFを含み得る。
いくつかの実施形態では、第1の用量に対する第2の用量(または以前の用量と比較した他の後続用量)の必要性、タイミング、及び/または量は、かかる第2の(または後続の)用量の投与が、免疫応答の参照レベルを維持または超えるように、評価、決定、及び/または選択され、いくつかのかかる実施形態では、参照レベルは、対象から採取されたヒトSARS-CoV-2感染/COVID-19回復期血清及び/またはPBMC試料(例えば、対象が無症状であったときのPCR確認診断の後、少なくとも14日以上(例えば、15日、16日、17日、18日、19日、20日、25日、30日、35日、40日、45日、50日、55日、60日、またはそれ以上を含む)などの少なくともある期間)に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、免役応答は、対象からの血清で測定される、SARS-CoV-2スパイクポリペプチド及び/またはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とする中和抗体の産生、及び/または例えば、いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2スパイクポリペプチド及び/またはその免疫原性断片(例えば、RBD)内の少なくとも1つ以上のMHC制限(例えば、MHCクラスI制限)エピトープを認識するT細胞の誘導を含む、細胞媒介性免疫応答(例えば、SARS-CoV-2に対するT細胞応答)の誘導によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、ワクチン誘導性T細胞(例えば、CD8+T細胞)によって認識される1つ以上のエピトープは、集団の対象の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上を含む)に存在するMHCクラスI対立遺伝子上に提示されてもよく、いくつかのかかる実施形態では、MHCクラスI対立遺伝子は、HLA-B*0702、HLA-A*2402、HLA-B*3501、HLA-B*4401、またはHLA-A*0201であってもよい。いくつかの実施形態では、エピトープは、HLA-A*0201 YLQPRTFLL、HLA-A*0201 RLQSLQTYV、HLA-A*2402 QYIKWPWYI、HLA-A*2402 NYNYLYRLF、HLA-A*2402 KWPWYIWLGF、HLA-B*3501 QPTESIVRF、HLA-B*3501 IPFAMQMAY、またはHLA-B*3501 LPFNDGVYFを含み得る。
いくつかの実施形態では、第2の(または後続の)用量の必要性、タイミング、及び/または量の決定は、第1の(または他の以前の)用量の後(例えば、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21日以上後)、対象からの血清で測定される、SARS-CoV-2スパイクポリペプチド及び/またはその免疫原性断片(例えば、RBD)を対象とする中和抗体の存在レベル及び/または発現レベル、及び/または例えば、いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2スパイクポリペプチド及び/またはその免疫原性断片(例えば、RBD)内の少なくとも1つ以上のMHC制限(例えば、MHCクラスI制限)エピトープを認識するT細胞の誘導を含む、細胞媒介性免疫応答(例えば、SARS-CoV-2に対するT細胞応答)の誘導を評価する1つ以上のステップを含み得る。いくつかの実施形態では、ワクチン誘導性T細胞(例えば、CD8+T細胞)によって認識される1つ以上のエピトープは、集団の対象の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上を含む)に存在するMHCクラスI対立遺伝子上に提示されてもよく、いくつかのかかる実施形態では、MHCクラスI対立遺伝子は、HLA-B*0702、HLA-A*2402、HLA-B*3501、HLA-B*4401、またはHLA-A*0201であってもよい。いくつかの実施形態では、エピトープは、HLA-A*0201 YLQPRTFLL、HLA-A*0201 RLQSLQTYV、HLA-A*2402 QYIKWPWYI、HLA-A*2402 NYNYLYRLF、HLA-A*2402 KWPWYIWLGF、HLA-B*3501 QPTESIVRF、HLA-B*3501 IPFAMQMAY、またはHLA-B*3501 LPFNDGVYFを含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるキットは、例えば、いくつかの実施形態では、出荷温度、出荷時間、及び/または場所を提供することができるリアルタイムのモニタリングロギングデバイスを備え得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、容器(例えば、バイアルまたはシリンジ)、例えば、ガラス容器(例えば、ガラスバイアルまたはシリンジ)中で出荷、保管、及び/または利用されてもよく、これは、いくつかの実施形態では、単回用量容器または複数回用量容器であってもよい(例えば、単回用量、または複数回用量の製品を投与するために保持するように配置及び構築されてもよく、及び/またはいくつかの実施形態では、保持してもよい)。いくつかの実施形態では、複数回用量容器(例えば、複数回用量バイアルまたはシリンジ)は、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の用量を保持するように配置及び構築されてもよく、及び/または保持してもよく、いくつかの特定の実施形態では、それは、5つの用量を保持するように設計されてもよく、及び/または保持してもよい。いくつかの実施形態では、単回用量または複数回用量容器(単回用量または複数回用量バイアルまたはシリンジなど)は、例えば、移送及び/または投与におけるある程度の損失を可能にするために、指示された用量数よりも多い体積または量を保持するように配置及び構築されてもよく、及び/または保持し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、防腐剤を含まないガラス容器(例えば、防腐剤を含まないガラスバイアルもしくはシリンジ、例えば、単回用量もしくは複数回用量の防腐剤を含まないガラスバイアルもしくはシリンジ)中で出荷、保管、及び/または利用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、凍結液、例えば、いくつかの実施形態では、0.45mLの凍結液(例えば、5用量を含む)を含有する、防腐剤を含まないガラス容器(例えば、防腐剤を含まないガラスバイアルもしくはシリンジ、例えば、単回用量または複数回用量の防腐剤を含まないガラスバイアルもしくはシリンジ)中で出荷、保管、及び/または利用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/またはそれが配置され、出荷され、保管され、及び/または利用される容器(例えば、バイアルもしくはシリンジ)は、室温未満、4℃以下、0℃以下、-20℃以下、-60℃以下、-70℃以下、-80℃以下、-90℃以下等の温度で維持されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/またはそれが配置され、出荷され、保管され、及び/または利用される容器(例えば、バイアルもしくはシリンジ)は、-80℃~-60℃の間の温度で維持されてもよく、いくつかの実施形態では、光から保護されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/またはそれが配置され、出荷、保管、及び/または利用される容器(例えば、バイアルもしくはシリンジ)は、約25℃未満の温度で維持されてもよく、いくつかの実施形態では、光から保護されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/またはそれが配置され、出荷、保管、及び/または利用される容器(例えば、バイアルもしくはシリンジ)は、約5℃未満(例えば、約4℃未満)の温度で維持されてもよく、いくつかの実施形態では、光から保護されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/またはそれが配置され、出荷、保管、及び/または利用される容器(例えば、バイアルもしくはシリンジ)は、約-20℃未満の温度で維持されてもよく、いくつかの実施形態では、光から保護されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/またはそれが配置され、出荷され、保管され、及び/または利用される容器(例えば、バイアルもしくはシリンジ)は、約-60℃を超える温度(例えば、いくつかの実施形態では、約-20℃以上であり、いくつかの実施形態では、約4~5℃以上であり、いずれかの場合では任意に約25℃未満である)で維持され得、いくつかの実施形態では、光から保護され得るか、またはそうでなければ、約-20℃未満で物質的に保管温度を達成するために取られる積極的なステップ(例えば、冷却措置)なしで維持され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物及び/またはそれが配置される容器(例えば、バイアルもしくはシリンジ)は、熱保護材料もしくは容器及び/または温度調整材料とともに及び/またはそれらの文脈で出荷、保管、及び/または利用される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えばmRNA)組成物及び/またはそれが配置される容器(例えばバイアルもしくはシリンジ)は、氷及び/またはドライアイスとともに、及び/または絶縁材料とともに出荷、保管、及び/または利用される。いくつかの特定の実施形態では、RNA(例えば、mRNA)組成物が配置される容器(例えば、バイアルもしくはシリンジ)は、トレイまたは他の保持デバイス内に配置され、温度調整(例えば、氷及び/またはドライアイス)材料及び/または絶縁材料とともに(もしくはそうでなければそれらの存在下で)更に接触される。いくつかの実施形態では、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物が配置される複数の容器(例えば、本明細書に記載の単回使用または複数回使用のバイアルもしくはシリンジなどの複数のバイアルもしくはシリンジ)は、(例えば、共通のトレイ、ラック、ボックス等に)同所的に配置され、温度調整(例えば、氷及び/またはドライアイス)材料及び/または絶縁材料とともに(もしくはそうでなければそれらの存在下で)包装される。一例を挙げると、いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)組成物が配置される複数の容器(例えば、本明細書に記載の単回使用もしくは複数回使用のバイアルもしくはシリンジなどの複数のバイアルもしくはシリンジ)は、共通のトレイまたはラック内に配置され、複数のかかるトレイまたはラックは、サーマル(例えば、断熱)シッパー内で温度調整材料(例えば、ドライアイス)によって囲まれたカートンで積み重ねられる。いくつかの実施形態では、温度調整材料は、定期的に(例えば、部位に到着してから24時間以内、及び/または2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、22時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日ごと等)補充される。好ましくは、サーマルシッパーに何度も出し入れすべきではなく、望ましくは1日に2回を超えてはならない。いくつかの実施形態では、サーマルシッパーは、開封されてから5、4、3、2、または1分以内に再び閉じる。いくつかの実施形態では、任意に特定の温度範囲内で、一定期間サーマルシッパー内に保存されている、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物は、有用なままである。例えば、いくつかの実施形態では、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物を含有する本明細書に記載のサーマルシッパーが、約15℃~約25℃の範囲内の温度で維持されるか、または維持されている(例えば、保存されている)場合、RNA(例えば、mRNA)組成物は、最大10日間使用されてもよく、すなわち、いくつかの実施形態では、サーマルシッパー(このサーマルシッパーは、10日間以下の期間にわたって約15℃~約25℃の範囲内の温度である)内で維持されている、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物が、対象に投与される。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物が、サーマルシッパー(このサーマルシッパーは、約15℃~約25℃の範囲内の温度で維持されている(例えば、保存されている)サーマルシッパー内で維持されている(例えば、保存されている))場合、それは、最大10日間使用されてもよく、すなわち、いくつかの実施形態では、サーマルシッパー(このサーマルシッパーは、10日以下の期間にわたって約15℃~約25℃の範囲内の温度で維持されている)内で維持されている提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物が、対象に投与される。
いくつかの実施形態では、提供されたRNA(例えば、mRNA)組成物は、凍結状態で出荷及び/または保管される。いくつかの実施形態では、提供されたRNA(例えば、mRNA組成物)は、いくつかの実施形態では防腐剤を含まない凍結懸濁液として出荷及び/または保管される。いくつかの実施形態では、凍結されたRNA(例えば、mRNA)組成物は、解凍される。いくつかの実施形態では、解凍されたRNA(例えば、mRNA)組成物(例えば、懸濁液)は、白色~オフホワイトの不透明な非晶質粒子を含有してもよい。いくつかの実施形態では、解凍されたRNA(例えば、mRNA)組成物は、室温以下の(例えば、約30℃、25℃、20℃、15℃、10℃、8℃、4℃等を下回る)温度で維持(例えば、保管)される場合、解凍後最大数日間(例えば、1、2、3、4、5、または6日間)使用することができる。いくつかの実施形態では、解凍されたRNA(例えば、mRNA)組成物は、約2℃~約8℃の温度で保存された後(例えば、かかる少ない日数にわたって)使用されてもよく、代替的または追加的に、解凍されたRNA(例えば、mRNA)組成物は、室温で解凍した後、数時間(例えば、1、2、3、4、5、6)以内で使用されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、解凍され、室温以下、及びいくつかの実施形態では、約2℃~約8℃の温度で、6、5、4、3、2、または1日以下にわたって維持されている、提供されたRNA(例えば、mRNA)組成物が、対象に投与される。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、解凍され、室温で6、5、4、3、2、または1時間以下にわたって維持されている、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物が、対象に投与される。いくつかの実施形態では、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物は、濃縮状態で出荷及び/または保管される。いくつかの実施形態では、かかる濃縮組成物は、投与前に希釈される。いくつかの実施形態では、希釈された組成物は、希釈後約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1時間(複数可)の期間内に投与され、いくつかの実施形態では、かかる投与は、希釈後6時間以内である。したがって、いくつかの実施形態では、提供されるRNA(例えば、mRNA)組成物の希釈された調製物は、希釈後6時間以内に(例えば、適切な温度、例えば、室温未満、4℃以下、0℃以下、-20℃以下、-60℃以下、-70℃以下、-80℃以下等で、典型的には、約2℃以上、例えば、約2℃~約8℃、または約2℃~約25℃で維持された後、本明細書に記載されるように)対象に投与される。いくつかの実施形態では、未使用の組成物は、希釈後数時間(例えば、約10、約9、約8、約7、約6、約5時間以下)以内に廃棄され、いくつかの実施形態では、未使用の組成物は、希釈後6時間以内に廃棄される。
いくつかの実施形態では、保存、出荷、または利用されるRNA(例えば、mRNA)組成物(例えば、凍結組成物、液体濃縮組成物、希釈液体組成物等)は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7日以上、または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10週間以上、または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月以上の期間にわたって、物質的に-60℃を超える温度で維持され得、いくつかのかかる実施形態では、かかる組成物は、かかる期間にわたって約-20℃以上の温度で、及び/またはかかる期間にわたって最大もしくは約4~5℃の温度で維持され得、及び/または約4~5℃を超える温度で、任意に、約25℃で、最大2ヶ月未満、及び/または任意に、最大約1ヶ月の期間にわたって維持され得る。いくつかの実施形態では、かかる組成物は、約4~5℃を物質的に超える温度に、特に約2週間、またはいくつかの実施形態では1週間までの期間にわたって約25℃の温度ではないか、もしくはそれに近い温度で保存、出荷、または利用(もしくはそうでなければ曝露)されていない場合がある。いくつかの実施形態では、かかる組成物は、約-20℃を物質的に超える温度で、特に、約4~5℃の温度ではないか、もしくはそれに近い温度で約12ヶ月、11ヶ月、10ヶ月、9ヶ月、8ヶ月、7ヶ月、6ヶ月、5ヶ月、4ヶ月、3ヶ月、2ヶ月、またはいくつかの実施形態では、約8週間もしくは6ヶ月、または物質的に約2ヶ月超、またはいくつかの実施形態では3ヶ月、またはいくつかの実施形態では4ヶ月の期間にわたって保存、出荷、または利用されていない場合がある。
いくつかの実施形態では、保存、出荷、または利用されるRNA(例えば、mRNA)組成物(例えば、凍結組成物、液体濃縮組成物、希釈液体組成物等)は、光から保護され得る。いくつかの実施形態では、かかる組成物(例えば、バイアルまたはシリンジなどの容器内に配置されてもよい)の光への曝露を低減または最小限に抑えるために1つ以上のステップが講じられてもよい。いくつかの実施形態では、直射日光及び/または紫外線への曝露は回避される。いくつかの実施形態では、希釈された溶液は、通常の室内光条件下で(例えば、室内光への曝露を最小限に抑えるか、または低減するために特定のステップを講じることなく)取り扱われ、及び/または利用され得る。本明細書に記載されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物の取り扱い(例えば、希釈及び/または投与)の間、無菌技法への厳守が望ましいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、静脈内に投与されない(例えば、注射されない)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、皮内に投与されない(例えば、注射されない)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、皮下的に投与されない(例えば、注射されない)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、静脈内、皮内的、または皮下的のうちのいずれでも投与されない(例えば、注射されない)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、その任意の成分に対する既知の過敏症を有する対象に投与されない。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)組成物が投与された対象は、アナフィラキシーの1つ以上の兆候について監視される。いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)組成物が投与される対象は、SARS-CoV-2についての異なるワクチンの少なくとも1つの用量を以前に受けたことがあり、いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)組成物が投与される対象は、SARS-CoV-2についての異なるワクチンを以前に受けたことがない。いくつかの実施形態では、対象の体温は、RNA(例えば、mRNA)組成物の投与前(例えば、かかる組成物の解凍、希釈、及び/または投与の直前または直後)に速やかに測定され、いくつかの実施形態では、かかる対象が熱性であると判定される場合、投与は、遅延またはキャンセルされる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、抗凝固療法を受けているか、または筋肉内注射を禁忌とするであろう出血障害もしくは状態に罹患しているか、またはそれに罹患しやすい対象には投与されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなRNA(例えば、mRNA)組成物は、副作用及びリスクに関連する組成物情報を受ける対象と連絡を取った医療従事者によって投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、任意の重篤な有害事象について有害事象報告を提出することに同意した医療従事者によって投与され、これには、例えば、死亡、(例えば、対象の子供における)障害または先天性異常/出生欠損の発症、入院(既存の入院の延長を含む)、生命を脅かす事象、死亡を予防するための医学的または外科的介入、正常な生活機能を行う能力の持続的もしくは顕著もしくは実質的な破壊、または個体を危険にさらす可能性があり、他の結果のうちの1つを予防するための医学的または外科的介入(治療)を必要とする可能性がある別の重要な医学的事象のうちの1つ以上が含まれ得る。
いくつかの実施形態では、提供されるRNA組成物は、18歳未満、または17歳未満、または16歳未満、または15歳未満、または14歳未満、または13歳未満の個体の集団に、例えば、以下に示される局所反応事象のうちの1つ以上の発症率が、以下に示される発症率を超えないように確立されたレジメンに従って投与される。
●注射部位での疼痛(第1の用量及び/または第2の用量後75%、及び/または第2の用量後のより低い発症率、例えば、第2の用量後65%)、
●注射部位での赤み(第1の用量及び/または第2の用量後5%未満)、及び/または
●注射部位での腫脹(第1の用量及び/または第2の用量後5%未満)。
いくつかの実施形態では、提供されるRNA組成物は、18歳未満、または17歳未満、または16歳未満、または15歳未満、または14歳未満、または13歳未満の個体の集団に、例えば、以下に示される全身反応事象のうちの1つ以上の発症率が、以下に示される発症率を超えないように確立されたレジメンに従って投与される。
●疲労(第1の用量及び/または第2の用量後55%)、
●頭痛(第1の用量及び/または第2の用量後50%)、
●筋肉痛(第1の用量及び/または第2の用量後40%)、
●悪寒(第1の用量及び/または第2の用量後40%)、
●関節痛(第1の用量及び/または第2の用量後20%)、
●発熱(第1の用量及び/または第2の用量後25%)、
●嘔吐(第1の用量及び/または第2の用量後10%)、及び/または
●下痢(第1の用量及び/または第2の用量後10%)。
いくつかの実施形態では、1つ以上の局所反応及び/または全身反応事象(例えば、本明細書に記載される)の1つ以上の症状を緩和する薬物は、提供されるRNA組成物を投与され、局所反応事象及び/または全身反応事象(例えば、本明細書に記載される)のうちの1つ以上を経験した18歳未満、または17歳未満、または16歳未満、または15歳未満、または14歳未満、または13歳未満の個体に投与される。いくつかの実施形態では、解熱及び/または鎮痛剤は、かかる個体に投与され得る。
SARS-CoV-2 Sタンパク質のSタンパク質組織の概要。S1サブユニット内の配列は、シグナル配列(SS)及びヒト細胞受容体ACE2への結合に関連するSタンパク質内の重要なサブユニットである受容体結合ドメイン(RBD)からなる。S2サブユニットは、S2プロテアーゼ切断部位(S2’)、続いて膜融合のための融合ペプチド(FP)、中心らせん(CH)ドメインを有するヘプタッドリピート(HR1及びHR2)、膜貫通ドメイン(TM)及び細胞質尾部(CT)を含む。 例示的なSARS-CoV-2ワクチン構築物。完全及び野生型Sタンパク質に基づいて、我々は、(1)中和感受性部位を保存する安定化変異を含む第1のヘプタッドリピート(HRP1)に近い距離に変異を有する完全タンパク質、(2)S1ドメイン、または(3)RBドメイン(RBD)のみをコードする異なる構築物を設計した。更に、タンパク質断片を安定化するために、フィブリチンドメイン(F)をC末端に融合した。全ての構築物は、細胞膜へのゴルジ輸送を確実にするために、シグナルペプチド(SP)から始まる。 RNAの一般的な構造。5’キャップ、5’及び3’非翻訳領域を有するRNAワクチン、固有分泌シグナルペプチド及びGSリンカーを有するコード配列、ならびにポリ(A)尾部の一般的な構造の概略図。個々の要素は、それぞれの配列長と比較して、正確に真の縮尺で描かれていないことに注意されたい。UTR=非翻訳領域、sec=分泌シグナルペプチド、RBD=受容体結合ドメイン、GS=グリシン-セリンリンカー。 RNAの一般的な構造。5’キャップ、5’及び3’非翻訳領域を有するRNA原薬、固有分泌シグナルペプチド及びGSリンカーを有するコード配列、ならびにポリ(A)尾部の一般的な構造の概略図。個々の要素は、それぞれの配列長と比較して、正確に真の縮尺で描かれていないことに注意されたい。GS=グリシン-セリンリンカー、UTR=非翻訳領域、Sec=分泌シグナルペプチド、RBD=受容体結合ドメイン。 RNAの一般的な構造。5’キャップ、5’及び3’非翻訳領域、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNA依存性RNAポリメラーゼレプリカーゼのコード配列、ならびに固有分泌シグナルペプチドならびにGSリンカーを有するSARS-CoV-2抗原、ならびにポリ(A)尾部を有するRNAワクチンの一般的な構造の概略図。個々の要素は、それぞれの配列長と比較して、正確に真の縮尺で描かれていないことに注意されたい。UTR=非翻訳領域、Sec=分泌シグナルペプチド、RBD=受容体結合ドメイン、GS=グリシン-セリンリンカー。 SARS-CoV-2 Sタンパク質のSタンパク質組織及びSARS-CoV-2ワクチンの開発のための構築物の概略図。野生型Sタンパク質に基づいて、T4フィブリチン三量体化ドメイン(F)及び固有の膜貫通ドメイン(TM)に融合したRBD断片をコードする、2つの異なる膜貫通アンカーRBDベースのワクチン構築物を設計した。構築物(1)は、SARS-CoV-2-Sシグナルペプチド(SP、Sタンパク質のAA 1-19)から開始するが、構築物(2)は、細胞膜へのゴルジ輸送を確実にするために、ヒトIg重鎖シグナルペプチド(huSec)から開始する。 膜貫通アンカーRBDベースのワクチン構築物をコードするLNP-C12製剤化modRNAによる免疫化後6、14、及び21日目の抗Sタンパク質IgG応答。BALB/cマウスを、4μgのLNP-C12製剤化膜貫通アンカーRBDベースのワクチン構築物(BNT162b3c/BNT162b3dへの代用物)で1回、IMで免疫化した。免疫化後6、14、及び21日目に、動物を出血させ、血清試料を、ELISAを介して測定した抗S1(左)及び抗RBD(右)抗原特異的免疫グロブリンG(IgG)の総量について分析した。6日目(1:50)、14日目(1:300)、及び21日目(1:900)について、異なる血清希釈をグラフに含めた。グラフの1つの点は1匹のマウスを表し、全てのマウス試料を重複して測定した(群サイズn=8、平均+SEMが群に含まれる)。 膜貫通アンカーRBDベースのワクチン構築物をコードするLNP-C12製剤化modRNAによる免疫化後6、14、及び21日目のSARS-CoV-2疑似ウイルスの中和。BALB/cマウスを、4μgのLNP-C12製剤化膜貫通アンカーRBDベースのワクチン構築物(BNT162b3c/BNT162b3dへの代用物)で1回、IMで免疫化した。免疫化後6、14、及び21日目に、動物を出血させ、血清をSARS CoV-2疑似ウイルス中和について試験した。グラフは、pVN50血清希釈(血清を含まない陽性対照と比較して、感染性事象の50%低減)を示す。グラフの1つの点は、1匹のマウスを表す。全てのマウス試料を重複して測定した。群サイズn=8。平均+SEMは、各群についてひげ付きの水平バーによって示される。LLOQ、定量下限。ULOQ、定量上限。 武漢Hu-1基準またはオミクロン系統スパイクタンパク質を有するVSV-SARS-CoV-2-S疑似ウイルスに対して、第2の用量の21日後及び第3の用量のBNT162b2の1ヶ月後に採取した血清の50%疑似ウイルス中和力価(pVNT50)。第2のBNT162b2用量の21日後または第3のBNT162b2用量の1ヶ月後のいずれかに収集された免疫化対象からのN=19~20の血清を試験した。検出限界(LOD、10)未満の値については、LOD/2値をプロットした。95%信頼区間を有する群GMT(棒グラフの上の値)が示される。 BNT162b2ワクチンにおけるCD8+T細胞エピトープは、オミクロンBA.1バリアント変異による影響をほとんど受けないままである。様々な懸念されるバリアント(VOC)において影響を受ける、以前に同定されたMHC-Iエピトープの数を示す。以前に同定されたCD8+エピトープのおよそ80%は、BA.1オミクロンバリアントの変異によって影響されず、2つの用量のBNT162b2が依然として重度の疾患に対する保護を誘導し得ることを示唆する。 2つの用量のBNT162b2及びバリアント特異的ブースター後のオミクロンBA.1の中和。示されるのは、2つの用量のBNT162b2及び(i)第3のブースター用量のBNT162b2、または(ii)第3のブースター用量のアルファもしくはデルタバリアント変異を有するスパイクタンパク質をコードするRNA、または第3のブースター用量のアルファ変異を含むスパイクタンパク質及びデルタ変異を含むスパイクタンパク質の両方を投与された患者の血清からのオミクロンBA.1バリアントの中和である。これらの値は、疑似ウイルス試験から別個の中和GMTに由来する。また、新しいSARS-CoV-2バリアント特異的ワクチンを開発するためのプロセスを示す概略図を示す。 研究参加者のサブセットにおける、武漢またはオミクロンBA.1バリアントスパイクタンパク質を有するVSV-SARS-CoV-2-S疑似ウイルスに対する中和抗体応答の縦断的分析。用量2の21日後、用量3の前、用量3の1ヶ月後、及び用量3の3ヶ月後に抽出したn=9人の参加者からの血清を試験した。各血清を重複して試験し、個々の幾何平均50%の疑似ウイルス中和力価(GMT)を計算した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値を割り当てた。群GMT(表の値)及び時点当たりの95%信頼区間が示される。 武漢バリアントとオミクロンBA.1バリアントとの間のHLAクラスI T細胞エピトープ保存の分析。CD8+T細胞によるそれらの認識に基づいて同定され、IEDB(n=244)に報告されたT細胞反応性を有するHLAクラスI制限スパイクタンパク質エピトープを、スパイクタンパク質(下段)に沿ったそれらの位置(上段)によってプロットする。エピトープの適応は、エピトープの中心のアミノ酸位置によって位置付けられ、両方のバリアントにおいて保存されるエピトープは、薄灰色でマークされ(n=208)、一方、オミクロンBA.1変異部位にわたるエピトープは、濃灰色でマークされる(n=36)。NTD=N末端ドメイン、RBD=受容体結合ドメイン、FCS=フューリン切断部位。スパイクタンパク質のS1及びS2領域を示す。 例示的なワクチン接種レジメンの概略図。 オミクロンブレークスルー症例における免疫応答の特徴付けのためのコホート、試料採取、及び実験的設定。血液試料は、以下の4つのコホートから採取した:BNT162b2で2回または3回ワクチン接種されたオミクロン未感染の個体、及びBNT162b2で2回または3回ワクチン接種され、その後にオミクロンBA.1でブレークスルー感染を起こした個体。PBMC及び血清は、直近のワクチン接種後に示された時点でオミクロン未感染コホート内で単離され、回復期コホートについては、直近のワクチン接種からオミクロンBA.1感染までの時間、ならびにPBMC及び血清単離への感染が示される(全ての値は、中央値範囲として指定される)。血清中和能を、疑似ウイルス及び生ウイルス中和試験を使用して評価した。SARS-CoV-2スパイク特異的BMEM細胞を、バルクPBMCを使用するフローサイトメトリーベースのB細胞表現型アッセイによって評価した。N/A、該当なし。 BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体におけるオミクロンブレークスルー感染は、オミクロンBA.1、BA.2、及び他のVOCの広範な中和を誘導する。血清は、2回ワクチン接種された個体から第2の用量の22日後に(BNT162b2)(白抜きの丸)、3回ワクチン接種された個体から第3の用量の28日後に(BNT162b2)(塗りつぶした丸)、2回ワクチン接種され、オミクロンブレークスルー感染した個体から感染後46日に(BNT162b2+Omi)(白抜きの三角)、ならびに3回ワクチン接種され、オミクロンブレークスルー感染した個体から感染後44日に(BNT162b2+Omi)(塗りつぶした三角)採取した。血清を重複して試験し、(A)50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)を示し、(B)50%ウイルス中和(VN50)GMTを示し、(C)懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)及び武漢VN50 GMTの幾何平均比を示す。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。バイオリンプロットの上の値は、群GMTを表す。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、武漢中和群GMTを、指示されたバリアント及びSARS-CoV-1に対する力価と比較した。多重度調整p値を示す。(A)武漢、VOC及びSARS-CoV-1疑似ウイルスに対するpVN50GMT。(B)生SARS-CoV-2武漢、ベータ、デルタ、及びオミクロンBA.1に対するVN50 GMT。(C)(B)に示される全てのコホートの95%信頼区間を有する群幾何平均比。 BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体のBMEM細胞は、VOCを広く認識し、オミクロンブレークスルー感染によって更にブーストされる。第2の用量の22日後(白抜きの四角)及び第2の用量の5ヶ月後(白抜きの丸)の2回ワクチン接種された個体(BNT162b2)からのPBMC試料、第3の用量の84日後の3回ワクチン接種された個体(BNT162b2)からの試料(塗りつぶした丸)、感染の46日後の2回ワクチン接種され、オミクロンブレークスルー感染した個体(BNT162b2+Omi)からの試料(白抜きの三角)、及び感染の44日後の3回ワクチン接種され、オミクロンブレークスルー感染した個体(BNT162b2+Omi)からの試料(塗りつぶした三角)を、B細胞ベイト染色を介して、SARS-CoV-2特異的BMEM細胞(BMEM-CD3-CD19+CD20+IgD-CD38中/低)頻度のフローサイトメトリーにより分析した。(A)バリアント認識の区別を可能にする、蛍光色素標識SARS-CoV-2 Sタンパク質四量体ベイトによるBMEM細胞の一次元染色の概略図。4つの個体群の武漢またはVOC完全長Sタンパク質-(B)及びRBD-(C)特異的BMEM細胞の頻度を分析した。バリアント特異的BMEM細胞の頻度を、Sタンパク質(D)及びRBD-(E)結合について武漢の頻度に対して正規化した。(F)完全長Sタンパク質特異的BMEM細胞に対するRBDタンパク質特異的BMEM細胞の頻度比を示す。 BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体のオミクロンブレークスルー感染は、主に、厳密なオミクロンS特異的エピトープではなく、武漢のSタンパク質と他のVOCとの間で広範囲に共有される保存されたエピトープに対してBMEMをブーストする。2回ワクチン接種された個体(BNT162b2)からの第2の用量の22日後(白抜きの四角)及び第2の用量の5ヶ月後(白抜きの丸)のPBMC試料、3回ワクチン接種された個体(BNT162b2)からの第3の用量の84日後の試料(塗りつぶした丸)、2回ワクチン接種され、オミクロンブレークスルー感染した個体(BNT162b2+Omi)からの感染の46日後の試料(白抜きの三角)、及び3回ワクチン接種され、オミクロンブレークスルー感染した個体(BNT162b2+Omi)からの感染の44日後の試料(塗りつぶした三角)を、B細胞ベイト染色を介して、SARS-CoV-2特異的メモリーB細胞(BMEM-CD3-CD19+CD20+IgD-CD38中/低)頻度のフローサイトメトリーにより分析した((A)に示される概略図)。(B)調査した4つの個体群の各々についてのオミクロン及び武漢Sタンパク質結合及びRBD結合の代表的なフロー図を示す。オミクロンを経験した及びオミクロン未経験のBNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された者について、の完全長Sタンパク質について示されるBMEM結合オミクロン、武漢、または両方(共有)の頻度(C)、及びRBDについて示される頻度(D)。(E)コンビナトリアル(ブーリアン)ゲーティング戦略を視覚化して、全ての4つのバリアント(All 4+ve)を同時に認識する交差反応性BMEM、及びオミクロンSタンパク質のみ(オミクロンのみ)または武漢Sタンパク質のみ(武漢のみ)を認識するBMEMを識別するベン図。これらの3つのBMEM下位群の頻度を、調査した4つの異なる個体群の完全長Sタンパク質(F)及びRBD(G)について比較した。BMEMによるRBDバリアント認識パターンは、ブーリアンフローサイトメトリーゲーティング戦略を通じて評価され、武漢及び/またはバリアントRBDの組み合わせを認識する頻度は、全てのオミクロン回復期の対象(プールされた2回及び3回ワクチン接種された者、n=13)について(H)に表示される。(I)オミクロンブレークスルー感染後にRBD特異的BMEMによって認識されるRBDドメイン内の保存部位。平均値は、C、D、F、及びGで示される。n=1群当たりの個体数。 他の承認されたCOVID-19ワクチンまたは混合レジメンでワクチン接種された個体のオミクロンブレークスルー感染は、オミクロンBA.1、BA.2、及び他のVOCに加えてSARS-CoV-1を広く中和する免疫血清をもたらす。血清は、他の承認されたCOVID-19ワクチンまたは混合レジメンにおいてワクチン接種された10人から、感染の43日(中央値)後に採取した(菱形)。血清を重複して試験し、SARS-CoV-2武漢、アルファ、ベータ、デルタ、及びオミクロンBA.1及びBA.2バリアント、加えてSARS-CoV-1に対する個々の50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)をプロットした。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。バイオリンプロットの上の値は、群GMTを表す。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、武漢中和群GMTを、指示されたバリアント及びSARS-CoV-1に対する力価と比較した。多重度調整p値を示す。承認されたワクチンとしては、AZD1222、BNT162b2(いくつかの実施形態では、4用量シリーズの一部として)、Ad26.COV2.S、mRNA-1273(2用量または3用量シリーズとして投与)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。 第4の用量のBNT162b2またはオミクロンBA.1特異的ブースターの1ヶ月後に収集した血清の50%中和力価。2つの用量のBNT162b2及び第3の(ブースター)用量のBNT162b2(30ug)を以前に投与された対象は、ある用量(30ug)の(i)オミクロンBA.1バリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、本明細書に記載される(本明細書では「オミクロンBA.1特異的RNAワクチン」と称される)、または(ii)BNT162b2を第4の(ブースター)用量として受けた。対象の血清を、第4の(ブースター)用量の投与の1ヶ月後に収集した。95%信頼区間を有する群GMT(棒グラフの上の値)が示される。「b2」は、第4の(ブースター)用量のBNT162b2として武漢特異的RNAワクチンを投与された対象からの血清を指す。「OMI」は、オミクロンBA.1特異的第4の(ブースター)用量を投与された対象からの血清を指す。また、第4の用量の投与前から第4の用量の投与後までの力価の倍率変化(ワクチン接種前/後の倍率上昇)、及び第4の用量としてBNT162b2を投与された対象と比較して、第4の用量として第4の用量のオミクロンBA.1特異的RNAワクチンを投与された対象において観察された幾何平均比(GMR)及び幾何平均倍率上昇(GMFR)の比も示される。「FFRNT」は、蛍光フォーカス減少法による中和試験を指す。図に示されるバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質を含有するウイルス粒子を用いて、FFRNTアッセイを使用して中和データを得た。(A)オミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2-S疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象からの血清は除外される。(B)SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象(それぞれ、抗原アッセイまたはPCRアッセイによって決定される)を含む集団からの血清中のオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。(C)武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象からの血清は除外される。(D)SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している個体(それぞれ、抗原アッセイまたはPCRアッセイによって決定される)を含む集団の血清中の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。(E)デルタバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象からの血清は除外される。(F)SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象(それぞれ、抗原アッセイまたはPCRアッセイによって決定される)を含む集団からの血清中の、デルタバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2タンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。 バリアント特異的Sタンパク質をコードするmodRNAによる免疫化の7日後のSARS-CoV-2疑似ウイルスの中和。マウスを、(i)BNT162b2(武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする)、(ii)オミクロンBA.1バリアント(Omi)の特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、(iii)デルタバリアントの特徴である変異を有するSタンパク質をコードするRNA、(iv)BNT162b2及びオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するタンパク質をコードするRNAの組み合わせ(B2+Omi)、または(v)デルタバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及びオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む(デルタ+Omi)、LNP製剤化ワクチンで2回免疫化した。第2の免疫化の7日後、動物から採血し、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはベータ、デルタ、もしくはオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2-S疑似ウイルスの中和について血清を試験した。グラフは、pVN50血清希釈(血清を含まない陽性対照と比較して、感染性事象の50%低減)を示す。グラフの1つの点は、1匹のマウスを表す。全てのマウス試料を重複して測定した。平均+SEMは、各群についてひげ付きの水平バーによって示される。LLOD、検出下限。ULOD、検出上限。 ベータバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAは、2つの用量の、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするワクチンを以前に投与された患者に投与された場合、SARS-CoV-2に対する中和抗体力価を増加させる。2つの用量の、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンを以前に投与された対象に、第3及び第4の用量の、ベータバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンを投与した。中和抗体力価は、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンの投与前(D1-PreVax)、第2の用量の、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンの投与の1ヶ月後(M1PD2)、第3用量の、SARS-CoV-2ベータバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンの投与の1ヶ月後、及び第4用量の、SARS-CoV-2ベータバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンの投与の1ヶ月後に測定した。第3及び第4の用量は、互いに1ヶ月間の間隔を空けて投与した。GMFRは、幾何平均倍率の上昇を指し、前回のワクチン用量以降の中和抗体力価の増加の尺度である(例えば、用量2後(PD2)のGMFRは、任意のワクチンの投与前(pre-vax)と比較した中和抗体力価の増加の尺度である)。(A)武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むウイルス粒子を使用するウイルス中和アッセイにおいて測定した中和抗体力価。(B)ベータバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むウイルス粒子を使用するウイルス中和アッセイにおいて測定した中和抗体力価。 第4の用量のBNT162b2、オミクロンBA.1特異的ブースター、または二価ワクチンの7日後に収集した血清の50%中和力価。2つの用量のBNT162b2(30ug)、及び第3の(ブースター)用量のBNT162b2(30ug)を以前に投与された対象は、(i)30ug用量のBNT162b2(武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする)、(ii)60ug用量のBNT162b2、(iii)30ug用量のオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、本明細書に記載される(本明細書において「オミクロンBA.1特異的RNAワクチン」と称される)、(iii)60ug用量のオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、(iv)15ugのBNT162b2と、15ugのオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、30ug用量の二価ワクチン、または(v)30ugのBNT162b2と、30ugのオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、60ug用量の二価ワクチンを受けた。対象からの血清中の力価の幾何平均比(GMR)は、第4の用量の投与の7日後に収集した。「b2」は、第4の用量のBNT162b2として武漢特異的RNAワクチンを投与された対象からの血清を指す。「OMI」は、オミクロンBA.1特異的第4の用量を投与された対象からの血清を指す。「二価」とは、第4の用量として、BNT162b2及びオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む組成物を投与された対象からの血清を指す。また、第4の用量の投与前から第4の用量の投与の7日後までの力価の倍率上昇を示す(*倍率上昇)。「FFRNT」は、蛍光フォーカス減少法による中和試験を指す。図に示されるバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含有するウイルス粒子を用いて、FFRNTアッセイを使用して中和データを得た。LLOQは、定量下限を指し、ULOQは、定量上限を指す。(A)オミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象からの血清は除外される。(B)SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象を含む集団からの血清中のオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較(それぞれ、抗体検査またはPCRアッセイによって決定される)。(C)武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象からの血清は除外される。(D)SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している個体を含む集団からの血清中の、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。(E)デルタバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象からの血清は除外される。(F)SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象を含む集団からの血清中の、デルタバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むSARS-CoV-2疑似ウイルスに対する中和抗体の力価の比較。(G)第4の用量として30ugのBNT162b2を投与された対象と比較して、60ugのBNT162b2、オミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする30ugのRNA(OMI 30ug)、60ugのオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(OMI 60ug)、15ugのBNT162b2と、15ugのオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、30ugの二価ワクチン(二価30ug)、または30ugのBNT162b2と、30ugのオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、60ugの二価ワクチン(二価60ug)を投与された対象において観察された中和抗体の幾何平均上昇(GMR)。結果は、SARS-CoV-2に以前感染した、または現在感染している対象を除外する集団プール、及びこれらの対象を含む集団プールの両方について示される。 所与の用量でのある特定の例示的なRNA(LNP中で製剤化される)の反応原性:60ug用量のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを投与された対象は、30ug用量のRNAを投与された対象よりも高い注射部位の疼痛を示し、同様の全身反応を示す可能性が高い。対象に、30ugもしくは60ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(BNT162b2、それぞれ、群G1及びG2に対応する)、30ugもしくは60ugのオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(BNT162b2 OMI、それぞれ、群G3及びG4に対応する)、15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、15ugのオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、30ugの二価ワクチン(BNT162b2(15ug)+BNT162b2 OMI(15ug)、群G5に対応する)、または30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、30ugのオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、60ugの二価ワクチン(BNT162b2(30ug)+BNT162b2 OMI(30ug)、群G6に対応する)を投与した。(A)注射から7日以内に観察される、注射部位の赤み、膨張、及び疼痛を含む局所反応。試験した他の用量と比較して、60ugのオミクロンBA.1バリアントまたは二価ワクチンの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを投与された対象において、注射部位の疼痛が増加したことが見出された。(B)注射から7日以内に観察される、発熱、疲労、頭痛、悪寒、嘔吐、下痢、筋肉痛、関節痛、及び薬物の使用を含む全身反応。7日までの全身反応は、異なる群にわたって大まかに類似していることが観察された。疲労は、30ug用量と比較して、60ug用量の投与後により高い傾向が認められた。 第4用量のBNT162b2、オミクロンBA.1特異的ブースター、またはオミクロンBA.1バリアントに対する二価ワクチンの1ヶ月後に収集された血清の50%中和力価。2つの用量のBNT162b2(30ug)、及び第3の(ブースター)用量のBNT162b2(30ug)を以前に投与された対象に、(i)30ug用量のBNT162b2(武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする)、(ii)60ug用量のBNT162b2、(iii)30ug用量のオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(「BNT162b2 OMI」)、(iii)60ug用量のBNT162b2 OMI、(iv)15ugのBNT162b2と、15ugのBNT162b2 OMIとを含む、30ug用量の二価ワクチン(「二価」)、または(v)30ugのBNT162b2と、30ugのBNT162b2 OMIとを含む、60ug用量の二価ワクチンを投与した。中和抗体の幾何平均力価(GMT)を、第4の用量の投与の1ヶ月後に収集された対象からの血清中で測定した(GMTは各棒グラフの上に示される)。x軸の下には、各患者群について、第4の用量の投与前(pre-vax)から第4の用量の投与の1ヶ月後(1MPD)までの力価の幾何倍率上昇(GMFR)が示されている。中和データは、オミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質を含有するウイルス粒子を用いる中和アッセイを使用して取得した。 BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体のオミクロンBA.1ブレークスルー感染は、オミクロンBA.1、BA.2、及び他のVOCの広範な中和を誘導するが、BA.4及びBA.5に対する程度は低い。この図は、オミクロンBA.4及びBA.5に対するデータ中和活性を含む図16の延長である。図16に記載されるように、血清を重複して試験し、50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)(A及びB中)、ならびに懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)のGMT、及び武漢SARS-CoV-1 pVN50 GMTに対して正規化したの幾何平均比をプロットした。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。バイオリンプロットの上の値は、群GMTを表す。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、武漢中和群GMTを、指示されたバリアント及びSARS-CoV-1に対する力価と比較した。多重度調整p値を示す。(A)2つの用量または3つの用量のBNT162b2を受けた患者における武漢、VOC、及びSARS-CoV-1疑似ウイルスに対するpVN50 GMT。(B)2つの用量または3つの用量のBNT162b2を受けた患者で、SARS-CoV-2のオミクロンBA.1バリアントに以前に感染した患者における、武漢、VOC、及びSARS-CoV-1疑似ウイルスに対するpVN50 GMT。(C)(A)及び(B)に示される全てのコホートについて95%信頼区間を有する群幾何平均比。 他の承認されたCOVID-19ワクチンまたは混合レジメンにおいてワクチン接種された個体のオミクロンBA.1ブレークスルー感染は、オミクロンBA.1、BA.2、及び他のVOCを広範囲に中和するが、BA.4及びBA.5に対してはより低い程度で中和する免疫血清をもたらす。この図は、オミクロンBA.4及びBA.5に対する中和活性データを含む図19の延長である。図19に記載されるように、血清を重複して試験し、SARS-CoV-2武漢、アルファ、ベータ、デルタ、ならびにオミクロンBA.1、BA.2、及びBA.4/5バリアント、加えてSARS-CoV-1に対する個々の50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)をプロットした。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。バイオリンプロットの上の値は、群GMTを表す。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、武漢中和群GMTを、指示されたバリアント及びSARS-CoV-1に対する力価と比較した。多重度調整p値を示す。 SARS-CoV-2武漢株及びそのバリアントのRBDの配列。バリアント特異的アミノ酸改変は、2から5行目の太字で示され、元の武漢アミノ酸は1行目の太字で強調表示される。 実施例14に記載される研究のためのコホート及び試料採取。(i)オミクロン未感染、(ii)オミクロンBA.1バリアントに感染した、または(iii)オミクロンBA.2バリアントに感染した、3回ワクチン接種した患者における免疫応答を試験するための概略図を示す。血液試料は、以下の3つのコホートから採取した:BNT162b2(BNT162b2、緑色)で3回ワクチン接種されたオミクロン未感染の個体、及びドイツにおけるBA.1優勢時(2021年11月~2022年1月、全Vax+BA.1、紫色)またはBA.2優勢時(2022年3月~5月、全Vax+BA.2、青色)のいずれかにオミクロンによるブレークスルー感染をその後に有した相同または異種の3用量レジメンにおいてワクチン接種された個体。オミクロン未感染コホートにおいては、直近のワクチン接種後に示された時点で、血清を単離(液滴マーク)し、回復期コホートについては、直近のワクチン接種からオミクロン感染までの時間、及び感染から血清単離までの時間が示される。全ての値を中央値-範囲として指定した。血清中和能を、疑似ウイルス中和試験を使用して評価した。 BNT162b2及び全Vax+Omi BA.1ブレークスルー感染コホートからの50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。血清を、第3の用量の28日後にオミクロン未感染のBNT162b2で3回ワクチン接種された個体(BNT162b2、丸)から採取し、感染後43日の中央値で、後にオミクロンBA.1ブレークスルー感染したワクチン接種された個体(全Vax+Omi BA.1、三角)を接種した個体から採取した。オミクロン未感染の個体についての50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)を(A)にプロットし、BA.1ブレークスルー感染した個体については(B)にプロットした。このデータは、BA.2.12.1中和データを除いて、Quandt et al.(例えば、“Omicron BA.1 breakthrough infection drives cross-variant neutralization and memory B cell formation against conserved epitopes.“Science immunology,eabq2427(2022),doi:10.1126/sciimmunol.abq2427)において以前に公開された。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。バイオリンプロットの上の値は、群GMTを表す。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、武漢中和群GMTを、指示されたバリアント及びSARS-CoV-1に対する力価と比較した。多重度調整p値を示す。 以前にワクチン接種された個体のオミクロンBA.2ブレークスルー感染は、オミクロンBA.2及びBA.2由来サブバリアントBA.2.12.1及びBA.4/BA.5に対する中和を再フォーカスする。血清を、感染後44日の中央値で、後にオミクロンBA.1ブレークスルー感染したBNT162b2で3回ワクチン接種された個体(BNT162b2+Omi BA.1、三角)から、及び感染後38日の後にオミクロンBA.2ブレークスルー感染したBNT162b2で3回ワクチン接種された個体(BNT162b2+Omi BA.2、四角)から採取した。50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)(A、B)、ならびに懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)及び武漢pVN50 GMTに対して正規化したSARS-CoV-1 pVN50 GMTの幾何平均比をプロットした(C)。オミクロン未感染のBNT162b2で3回ワクチン接種された個体(BNT162b2、丸)及びオミクロンBA.1ブレークスルー感染したBNT162b2で3回ワクチン接種された個体のpVN50 GMT及び幾何平均比データは、BA.2.12.1中和データを除いて、Quandt et al.(“Omicron BA.1 breakthrough infection drives cross-variant neutralization and memory B cell formation against conserved epitopes.“Science immunology,eabq2427(2022),doi:10.1126/sciimmunol.abq2427)において以前に公開された。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。バイオリンプロットの上の値は、群GMTを表す。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、武漢中和群GMTを、指示されたバリアント及びSARS-CoV-1に対する力価と比較した。多重度調整p値を示す。(A、B)武漢、VOC及びSARS-CoV-1疑似ウイルスに対するpVN50 GMT。(C)95%信頼区間を有する群幾何平均比。 VSV-SARS-CoV-2疑似ウイルスに基づく中和アッセイで使用されるSARS-CoV-2 S糖タンパク質の特徴。武漢-Hu-1単離株SARS-CoV-2 S糖タンパク質(GenBank:QHD43416.1を参照として使用した。アミノ酸の位置、アミノ酸の説明(1文字コード)、及び変異の種類(置換、欠失、挿入)が示される。NTD、N末端ドメイン;RBD、受容体結合ドメイン、Δ、欠失;ins、挿入;*、C末端19アミノ酸について切断された細胞質ドメイン。 SARS-CoV-2オミクロン亜系統のスパイク糖タンパク質アミノ酸配列の改変。アミノ酸の位置、アミノ酸の説明(1文字コード)、及び変異の種類(置換、欠失、挿入)が示される。ボックス内の白色の文字は、亜系統ごとのアミノ酸置換;Δ、欠失;ins、挿入;NTD、N末端ドメイン;RBD、受容体結合ドメインを示す。 VOCブースターを用いた研究のための免疫プロトコル。BALB/cマウスを、指示されたスケジュールに従って、2つの用量(各1ug)の元のBNT162b2ワクチン、続いて、少なくとも1つの用量(合計1ug)の一価、二価、または三価ブースター用量の以下のうちのいずれかで免疫化した:(a)元のBNT162b2(「BNT162b2」)、(b)BNT162b2 OMI BA.1(「OMI BA.1」)、(c)BNT162b2 OMI BA.4/5(「OMI BA.4/5」)、またはそれらの組み合わせ。 ベースラインのグループ化した中和GMT。図34(104日目、ブースト前)に示されるように免疫化したマウスから採取した血清を、様々な株に対する中和抗体の幾何平均力価について評価した。データは、コホートごとにグループ化して提示される。 ベースラインのスタッガード中和GMT。図34(104日目、ブースト前)に示されるように免疫化したマウスから採取した血清を、様々な株に対する中和抗体の幾何平均力価について評価した。データは、ジグザグ形式で(すなわち、中和が評価された株ごとに)提示される。 ベースラインの交差中和。図34(104日目、ブースト前)に示されるように免疫化したマウスから採取した血清を、様々な株に対する中和抗体の幾何平均力価について評価した。交差中和結果は、計算されたバリアント/武漢参照GMT比として提示される。 GMTにおけるブースト後の幾何平均倍率増加。図34に示されるように免疫化したマウスから採取した血清(111日目、ブーストの7日後)を、様々な株に対する中和抗体のGMTの幾何平均倍率増加について評価した。 ブースト後のグループ化した中和GMT。図34に示されるように免疫化したマウスから採取した血清(111日目、ブーストの7日後)を、様々な株に対する中和抗体のGMTの幾何平均倍率増加について評価した。データは、コホートごとにグループ化して提示される。 ブースト後の交差中和。図34に示されるように免疫化したマウスから採取した血清(111日目、ブーストの7日後)を、様々な株に対する中和抗体のGMTの幾何平均倍率増加について評価した。交差中和結果は、計算されたバリアント/武漢参照GMT比として提示される。 コホート及び試料採取。血清試料(液滴マーク)を、3つのコホートから採取した:試料採取時にSARS-CoV-2-未感染であったBNT162b2で3回ワクチン接種された個体(BNT162b2)、及びBA.1優勢時(2021年11月~2022年1月、mRNA-Vax+BA.1)またはBA.2優勢時(2022年3月~5月、mRNA-Vax+BA.2)のいずれかで後にオミクロンにブレークスルー感染した3つの用量のmRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2/mRNA-1273相同または異種レジメン)でワクチン接種された個体。回復期のコホートについては、最近のワクチン接種、SARS-CoV-2感染、及び血清単離などの主要な事象間の関連する間隔が示される。全ての値を中央値-範囲として指定した。N/A、該当なし。 3回mRNAワクチン接種された個体のオミクロンBA.2ブレークスルー感染は、オミクロンBA.4/5を含むSARS-CoV-2バリアント疑似ウイルスの広範な中和を誘導する。図41に記載されるようなコホート及び血清試料採取。(A)示された懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)またはSARS-CoV-1疑似ウイルスに対する50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。バイオリンプロットの上の値は、群の幾何平均力価(GMT)を表す。BNT162b2は、3回ワクチン接種されたSARS-CoV-2-未感染の個体を示し、mRNA-Vax+BA.1は、後にオミクロンBA.1バリアントにブレークスルー感染した3回ワクチン接種された個体を示し、mRNA-Vax+BA.2は、後にオミクロンBA.2バリアントにブレークスルー感染した3回ワクチン接種された個体を示す。(B)野生型株pVN50 GMTに対して正規化された懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)pVN50 GMT(VOC対野生型の比)。95%信頼区間を有する群幾何平均比をグラフに示し、表に列挙する。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、野生型株中和群GMTを、指示されたバリアント及びSARS-CoV-1に対する力価と比較した。多重度調整p値を示す。 以前にワクチン接種された個体のオミクロンBA.2ブレークスルー感染は、オミクロンBA.4/5を含む本物の生SARS-CoV-2バリアントの広範な中和を誘導する。図41に記載されるようなコホート及び血清試料採取。(A)示された懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)に対する50%ウイルス中和(VN50)幾何平均力価(GMT)。バイオリンプロットの上に列挙される値は、群GMTを表す。(B)野生型株VN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC VN50 GMT(VOC対野生型の比)。95%信頼区間を有する群幾何平均比をグラフに示し、表に列挙する。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、野生型株中和群GMTを、指示されたバリアント及びSARS-CoV-1に対する力価と比較した。多重度調整p値を示す。 3回mRNAワクチン接種されたBA.2回復期個体の血清によるオミクロンBA.2及びBA.4/5の中和は、NTD標的化抗体によって大きく媒介される。図41に記載されるようなコホート及び血清試料採取。(A)血清試料(1コホート当たりn=6)は、RBD結合抗体またはNTD結合抗体を枯渇していた。野生型株、BA.1、BA.2、及びBA.4/5に対するRBD及びNTD枯渇血清(非枯渇対照血清のpVN50力価を100%に設定した)の相対中和活性を計算し、95%信頼区間を有する群幾何平均を示す。(B)オミクロンBA.4/5及びオミクロンBA.1~BA.4/5ハイブリッド疑似ウイルスに対する50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。プロットの上の数値は、BA.4/5とハイブリッド疑似ウイルスとの間の群幾何平均力価(GMT)及びGMTにおける倍率変化を示す。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットする。 BNT162b2で3回ワクチン接種された個体のオミクロンBA.2ブレークスルー感染は、オミクロンBA.4/BA.5を含むVOCの広範な中和を誘導する。図41に記載されるようなコホート及び血清試料採取。(A)~(B)示された懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)またはSARS-CoV-1疑似ウイルスに対する50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。バイオリンプロットの上に列挙される値は、群GMTを表す。(C)野生型株pVN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC pVN50 GMTの比。オミクロンBA.2ブレークスルー感染コホートの幾何平均比を、BNT162b2及びBNT162b2+BA.1と比較した。95%信頼区間を有する群幾何平均比が示される。(D)~(E)BNT162b2+BA.2及びBNT162b2+BA.1のための50%ウイルス中和(VN50)GMT。バイオリンプロットの上に列挙される値は、群GMTを表す。(F)野生型株VN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC GMTの比。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットする。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、野生型株に対する群GMTを、示されたバリアント及びSARS-CoV-1に対する群GMTと比較した。多重度調整p値を示す。 50%疑似ウイルス中和(pVN50)は、50%生SARS-CoV-2中和(VN50)力価データと相関する。SARS-CoV-2未感染のBNT162b2で3回ワクチン接種された個体(BNT162b2、n=18)から第3の用量後に採取された、後にオミクロンBA.1ブレークスルー感染した3回mRNAでワクチン接種された個体(mRNA-Vax+BA.1、n=14)から感染後に採取された、及び後にオミクロンBA.2ブレークスルー感染したmRNAで3回ワクチン接種された個体(mRNA-Vax+BA.2、n=13)から感染後に採取されたn=45血清試料についての生SARS-CoV-2 VN50力価とのVSV-SARS-CoV-2 pVN50のノンパラメトリックスピアマン相関。相関をSARS-CoV-2バリアントごとにプロットする。相関係数r、両側P値、線形方程式が与えられる。 RBD結合及びNTD結合抗体は、ヒト血清から枯渇させることができる。血清は、SARS-CoV-2未感染のBNT162b2で3回ワクチン接種された個体(BNT162b2、n=6)、及びオミクロンBA.1(mRNA-Vax+BA.1、n=6)またはオミクロンBA.2(mRNA-Vax+BA.2、n=6)ブレークスルー感染した3回RNAワクチン接種された個体から採取した。磁気ビーズ技術を、RBD結合抗体またはNTD結合抗体の血清を枯渇させるため、または模擬枯渇のために使用した。(A)血清からの抗体枯渇の概略図。(B)RBD結合抗体及びNTD結合抗体の相対濃度は、多重化電気化学発光イムノアッセイによって決定した。枯渇した血清における抗体濃度の、模擬枯渇した血清と比較した相対的な減少が示される。グラフの上の数値は、群内の幾何平均低減を示す。 生きた本物のSARS-CoV-2に基づくアッセイで使用されるSARS-CoV-2 S糖タンパク質の特徴付け。武漢-Hu-1単離株SARS-CoV-2 S糖タンパク質(GenBank:QHD43416.1を参照として使用した。アミノ酸の位置、アミノ酸の説明(1文字コード)、及び改変の種類(置換、欠失、挿入)が示される。NTD、N末端ドメイン;RBD、受容体結合ドメイン、Δ、欠失;ins、挿入;*、C末端19アミノ酸について切断された細胞質ドメイン。 BA.4/5-ブレークスルー感染及びBA.4/5-ブースター研究設計。(a)オミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染が血清中和活性に及ぼす効果を、後にオミクロンBA.4またはBA.5の感染を経験した3つの用量のmRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2/mRNA-1273相同または異種レジメン)でワクチン接種された個体において評価した。ワクチン接種、ブレークスルー感染、及び試料採取の間の間隔は、中央値/範囲として示される。(b)血清中和活性に対するオミクロンBA.4/BA.5適応ブースターワクチンの効果を、BNT162b2、続いて3.5ヶ月後のブースター用量のBA.4/BA.5適応ワクチンで2回ワクチン接種された(2つのワクチンを21日間隔で投与した)マウスにおいて調べた。中和活性を、ブースター用量の前(D3前)、及びブースター用量の7日後、21日後、及び35日後(それぞれ、d7D3、d21D3、d35D3)に評価した。(c)オミクロンBA.4/BA.5適応ワクチンが血清中和活性に及ぼす影響を、BA.4/BA.5適応ワクチンで2回ワクチン接種された(2つのワクチンを21日間隔で投与した)ワクチン未接種マウスにおいて調査した。中和活性を、第2の用量の投与の14日後に評価した(d14D2)。 3回mRNAワクチン接種された個体のオミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染は、汎オミクロン中和を媒介する。図53に記載されるようなコホート及び血清試料採取。(a)示された懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)またはSARS-CoV-1疑似ウイルスに対するmRNA-Vax+BA.4/BA.5の血清中の50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。棒グラフの上の値は、群GMTを表す。(b)図53に概説するように、mRNA-Vax+BA.4/BA.5の野生型株pVN50 GMT(VOC対野生型の比)及び参照コホートに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC pVN50 GMT。95%信頼区間を有する群幾何平均比が示される。(c)示されるSARS-CoV-2 VOCに対する、mRNA-Vax+BA.4/BA.5の血清中の50%ウイルス中和(VN50)GMT。(d)野生型株VN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC VN50 GMT(VOC対野生型の比)。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、野生型株中和群GMTを、指示されたバリアント及びSARS-CoV-1に対する力価と比較した。多重度調整p値を示す。 オミクロンBA.4/BA.5 S糖タンパク質適応RNAワクチンによるブースター免疫化は、2回ワクチン接種されたマウスにおける汎オミクロン中和を媒介する。BALB/cマウス(n=8)に、21日間隔で2つの用量の1μgのBNT162b2と、第1のワクチン接種の104日後に、第3の用量のBNT162b2(1μg)または示された一価(1μg)もしくは二価(各0.5μg)のいずれかのオミクロンBA.1もしくはBA.4/5適応ワクチンとを筋肉内注射した。(a)第3のワクチン接種(d21D3)の21日後に収集された血清中の、示された懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)に対する50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。棒グラフの上の値は、群GMTを表す。(b)第3のワクチン接種前のベースライン力価と比較した、d21D3上のpVN50力価の幾何平均倍率増加(GMFI)。棒グラフの上の値は、群GMFIを表す。(c)野生型株pVN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC pVN50 GMT(VOC対野生型の比)。群幾何平均比が示される。(d)BNT162b2/BA.1またはBNT162b2/BA.4/5二価ワクチンによるブースターワクチン接種前のベースライン力価と比較した、経時的なBA.1及びBA.4/5に対するpVN50力価のGMFI。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。エラーバーは、95%信頼区間を表す(e)d21D3上の示されたSARS-CoV-2 VOCに対する50%ウイルス中和(VN50)GMTを表す。棒グラフの上の値は、群GMTを表す。エラーバーは、95%信頼区間を表す。(f)野生型株VN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC VN50 GMT(VOC対野生型の比)。群幾何平均比が示される。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。エラーバーは、95%信頼区間を表す。 オミクロンBA.4/BA.5 S糖タンパク質を補充したBNT162b2 mRNAワクチンによる免疫化は、以前にワクチン接種されていないマウスにおける汎オミクロン中和を駆動する。ワクチン未接種のBALB/cマウス(n=5)に、2つの用量のBNT162b2(1μg)または示された一価(1μg)もしくは二価(各0.5μg)オミクロンBA.1もしくはBA.4/5適応ワクチンのいずれかを21日間隔で筋肉内注射した。(a)第2のワクチン接種の14日後(d14D2)に収集された血清中の、示された懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)に対する50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。棒グラフの上の値は、群GMTを表す。エラーバーは、95%信頼区間を表す。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。「野生型」は、元の武漢バリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質を含む疑似ウイルスに対する中和力価を指す。 コホート及び試料採取。血清試料(液滴マーク)は、4つのコホートから採取した:3つの用量のmRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2/mRNA-1273相同または異種レジメン)でワクチン接種され、後にオミクロンBA.4/BA.5にブレークスルー感染した個体(mRNA-Vax+BA.4/BA.5)。ブレークスルー感染は、BA.4/BA.5優性時に起こり、及び/またはバリアントがゲノム配列決定によって確認された。3つのコホートを参照として研究に含めた:BA.2優勢時(2022年3月~5月、mRNA-Vax+BA.2)、もしくはBA.1優勢時(2021年11月~2022年1月、mRNA-Vax+BA.1)のいずれかでブレークスルー感染を経験した3回mRNAワクチン接種された個体、または試料採取時にSARS-CoV-2未感染であったBNT162b2で3回ワクチン接種された個体(BNT162b2)。回復期のコホートについては、最近のワクチン接種、SARS-CoV-2感染、及び血清単離などの主要な事象間の関連する間隔が示される。全ての値を中央値-範囲として指定した。N/A、該当なし。 オミクロン適応ワクチンの設計。バリアント特異的RNAワクチン(例えば、いくつかの実施形態では、mRNAワクチン)によってコードされるSARS-CoV-2 S糖タンパク質の特徴付け。武漢-Hu-1単離株SARS-CoV-2 S糖タンパク質(GenBank:QHD43416.1)を参照として使用した。アミノ酸の位置、アミノ酸の説明(1文字コード)、及び改変の種類(置換、欠失、挿入)が示される。NTD、N末端ドメイン;RBD、受容体結合ドメイン、Δ、欠失;ins、挿入。いくつかの実施形態では、バリアント特異的ワクチンは、融合前立体配座を安定化する変異(例えば、配列番号1の残基986及び987に対応する位置でのプロリン変異)を更に含み、及び/またはC末端切断を含まない。 オミクロン特異的ワクチンは、同等のRNA純度及び完全性、ならびに抗原のインビトロ発現を示す。(a)インビトロで転写された試料の液体キャピラリー電気泳動。(b)mFcタグ付きヒトACE-2を検出試薬として使用して測定したHEK293T細胞におけるBNT162b2及びオミクロン適応ワクチンの表面発現、ならびにフローサイトメトリーにおけるその後の分析。HEK293T細胞を、市販のトランスフェクション試薬と混合した脂質ナノ粒子もしくはワクチンRNAとして製剤化したBNT162b2もしくはオミクロン適応ワクチンでトランスフェクトするか、またはワクチン/RNAなし(非トランスフェクト)とした。バーの高さは、技術的複製の手段を示す。 SARS-CoV-2バリアントに対する中和活性の幅及び程度は、ブースターワクチン接種前のBNT162b2-ワクチン接種マウスにおいて同等である。BALB/cマウスに、21日間隔で投与される2つの用量の1μgのBNT162b2を筋肉内注射した。ブースター用量の示されたワクチンを投与する前に、マウスを群(n=8)に割り当てた。最初のワクチン接種後104日目に、ブースターワクチンを注射する前に、血清をマウスから収集した。(a)示された懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)に対する50%ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。棒グラフの上の値は、群GMTを表す。エラーバーは、95%信頼区間を表す。(b)野生型株pVN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC pVN50 GMT(VOC対野生型の比)。群幾何平均比が示される。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。 オミクロンBA.4/BA.5 S糖タンパク質適応mRNAワクチンによるブースター免疫化は、ブースター投与の7日後のマウスにおける汎オミクロン中和を媒介する。BALB/cマウス(n=8)に、2つの用量の1μgのBNT162b2(2つの用量の間は21日間隔)と、第1のワクチン接種の104日後に、第3の用量のBNT162b2(1μg)または示された一価(1μg)もしくは二価(各0.5μg)のいずれかのオミクロンBA.1もしくはBA.4/5適応ワクチンとを筋肉内注射した。(a)第3のワクチン接種の7日後(d7D3)に収集された血清中の、示された懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)に対する50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。棒グラフの上の値は、群GMTを表す。(b)第3のワクチン接種前のベースライン力価と比較した、d7D3におけるpVN50力価の幾何平均倍率増加(GMFI)。棒グラフの上の値は、群GMFIを表す。(c)野生型株pVN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC pVN50 GMT(VOC対野生型の比)。群幾何平均比が示される。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。エラーバーは、95%信頼区間を表す。 オミクロンBA.4/BA.5 S糖タンパク質適応ワクチンによるブースター免疫化は、ブースター投与の35日後のマウスにおける汎オミクロン中和を媒介する。BALB/cマウス(n=8)に、2つの用量の1μgのBNT162b2(2つの用量の間は21日間隔)と、第1のワクチン接種の104日後に、第3の用量のBNT162b2(1μg)または示された一価(1μg)もしくは二価(各0.5μg)のいずれかのオミクロンBA.1もしくはBA.4/5適応ワクチンとを筋肉内注射した。(a)第3のワクチン接種の35日後(d35D3)に収集された血清中の、示された懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)に対する50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。棒グラフの上の値は、群GMTを表す。(b)第3のワクチン接種前のベースライン力価と比較した、d35D3上のpVN50力価の幾何平均倍率増加(GMFI)。棒グラフの上の値は、群GMFIを表す。(c)野生型株pVN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC pVN50 GMT(VOC対野生型の比)。群幾何平均比が示される。(d)d35D3における指示されたSARS-CoV-2 VOCに対する50%ウイルス中和(VN50)GMT。棒グラフの上の値は、群GMTを表す。エラーバーは、95%信頼区間を表す。(e)野生型株VN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC VN50 GMT(VOC対野生型の比)。群幾何平均比が示される。血清を重複して試験した。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。エラーバーは、95%信頼区間を表す。 3回mRNAワクチン接種された個体のオミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染は、オミクロンBA.4.6及びBA.2.75の交差中和を誘導する。図61に記載されるようなコホート及び血清試料採取。(a)示されたSARS-CoV-2野生型株または懸念されるオミクロンバリアント(VOC)に対する50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。棒グラフの上の値は、群GMTを表す。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、オミクロンBA.4/BA.5疑似ウイルス(現在優勢なBA.5を表す)に対する中和力価と、他の疑似ウイルスに対する力価とを比較した。多重度調整p値を示す。(b)野生型株pVN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC pVN50 GMT(VOC対野生型の比)。95%信頼区間を有する群幾何平均比が示される。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックKruskal-Wallis検定を使用して、コホート間のVOC GMT比を比較した。****、P<0.0001;**、P<0.01;*、P<0.05。血清を重複して試験した。 SARS-CoV-2オミクロン亜系統のスパイク糖タンパク質アミノ酸配列の改変。ボックス内の白色の文字は、亜系統ごとのアミノ酸置換;Δ、欠失;ins、挿入;NTD、N末端ドメイン;RBD、受容体結合ドメインを示す。 コホート及び試料採取。血清試料は、以下の5つのコホートから採取した:BNT162b2で3回ワクチン接種された(BNT162b2)、またはBNT162b2で4回ワクチン接種された(BNT162b2)SARS-CoV-2未感染の個体、ならびに後にオミクロンBA.1(mRNA-Vax+BA.1)、BA.2(mRNA-Vax+BA.2)、またはBA.4/BA.5(mRNA-Vax+BA.4/5)にブレークスルー感染した、3つの用量のmRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2/mRNA-1273相同または異種レジメン)を受けた個体。ブレークスルー感染は、それぞれのVOC優勢時に発生し(BA.1:2021年11月~2021年1月、BA.2:2022年3月~5月、BA.4/5:2022年6月中旬~7月中旬)、及び/またはバリアントをゲノムシーケンシングによって確認した。回復期のコホートについては、最近のワクチン接種、SARS-CoV-2感染、及び血清単離などの主要な事象間の関連する間隔が示される。全ての値を中央値-範囲として指定した。N/A、該当なし;§、血清採取は、プロトコルに従ってワクチン接種の28~35日後に実施した。 VSV-SARS-CoV-2バリアント疑似ウイルス中和アッセイで使用されるSARS-CoV-2 S糖タンパク質の特徴付け。武漢-Hu-1単離株SARS-CoV-2 S糖タンパク質の配列(GenBank:QHD43416.1)を参照して示される変異位置。アミノ酸の位置、アミノ酸の説明(1文字コード)、及び改変の種類(置換、欠失、挿入)が示される。NTD、N末端ドメイン;RBD、受容体結合ドメイン、Δ、欠失;ins、挿入;*、C末端19アミノ酸について切断された細胞質ドメイン。 二価(BA.4/5適応RNA+BNT162b2)またはBNT16b2一価ブースターによるオミクロンBA.4/5、BA.4.6、BA.2.75.2、BQ.1.1、及びXBB.1中和応答。棒グラフの高さ及び棒グラフのすぐ上の数値は、中和力価(GMT)の幾何平均を示す。ひげは、95% CIを示す。「二価」と標識された棒グラフは、第4の用量の二価ワクチン(武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、BA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む)として投与された対象からの中和力価を示し、「一価」と標識された棒グラフは、第4の用量の一価ワクチン(武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む)として投与された対象からの中和力価を示す。二価または一価ブースターについては、USA-WA1/2020スパイク、BA.4/5スパイク、BA.4.6スパイク、BA.2.75.2スパイク、BQ.1.1スパイク、XBB.1スパイクに対するFFRNT50を示した。「前」試料は、ブースター投与の日に収集された血清試料に対応し、「1MPD4」試料は、用量4の1ヶ月後(すなわち、ブースター投与の1ヶ月後)に収集された血清試料に対応する。GMFRは、GMT倍率上昇に対応し、1MPD4 GMTとPre GMTとの比として計算した。GMFRの上の数値は、二価GMFRと一価GMFRとの間の比を示す。(A)感染状態によらない全ての対象のFFRNT50。USA-WA1/2020、BA.4/5-スパイク、BA.4.6-スパイク、BA.2.75.2-スパイク、BQ.1.1-スパイク、XBB.1-スパイクに対する二価または一価ブースターのGMFRのp値(両側、ウィルコクソンマッチドペア符号順位検定):全て<0.0001。USA-WA1/2020、BA.4/5-スパイク、BA.4.6-スパイク、BA.2.75.2-スパイク、BQ.1.1-スパイク、XBB.1-スパイクに対する二価ブースター対一価ブースターのGMFR比のp値(両側、マン・ホイットニー検定):0.0061、<0.0001、<0.0001、<0.0001、<0.0001、<0.0001。(B)以前のSARS-CoV-2感染の証拠のない全ての対象のFFRNT50。USA-WA1/2020、BA.4/5-スパイク、BA.4.6-スパイク、BA.2.75.2-スパイク、BQ.1.1-スパイク、XBB.1-スパイクに対する二価ブースターのGMFRのp値(両側、ウィルコクソンマッチドペア符号順位検定):全て<0.0001。USA-WA1/2020、BA.4/5-スパイク、BA.4.6-スパイク、BA.2.75.2-スパイク、BQ.1.1-スパイク、XBB.1-スパイクに対する一価ブースターのGMFRのp値(両側、ウィルコクソンマッチドペア符号順位検定):0.013、0.0006、<0.0001、<0.0001、0.013、0.016。USA-WA1/2020、BA.4/5-スパイク、BA.4.6-スパイク、BA.2.75.2-スパイク、BQ.1.1-スパイク、XBB.1-スパイクに対する二価ブースター対一価ブースターのGMFR比のp値(両側、マン・ホイットニー検定):0.035、<0.0001、<0.0001、<0.0001、<0.0001、<0.0001。(C)以前のSARS-CoV-2感染の証拠がある全ての対象のFFRNT50。USA-WA1/2020、BA.4/5-スパイク、BA.4.6-スパイク、BA.2.75.2-スパイク、BQ.1.1-スパイク、XBB.1-スパイクに対する二価ブースターのGMFRのp値(両側、ウィルコクソンマッチドペア符号順位検定):全て<0.0001。USA-WA1/2020、BA.4/5-スパイク、BA.4.6-スパイク、BA.2.75.2-スパイク、BQ.1.1-スパイク、XBB.1-スパイクに対する一価ブースターのGMFRのp値(両側、ウィルコクソンマッチドペア符号順位検定):0.0016、0.0003、0.0026、0.0011、<0.0001、<0.0001。USA-WA1/2020、BA.4/5-スパイク、BA.4.6-スパイク、BA.2.75.2-スパイク、BQ.1.1-スパイク、XBB.1-スパイクに対する二価ブースター対一価ブースターのGMFR比のp値(両側、マン・ホイットニー検定):0.065、0.025、0.0032、0.0086、0.0064、0.0006。 ワクチンにより誘発された免疫血清及び回復期免疫血清によるオミクロン亜系統の異なる交差中和。(A)試料採取時にSARS-CoV-2未感染であったBNT162b2で(i)3回または(ii)4回ワクチン接種された個体における、及び後に(iii)BA.1優勢時、(iv)BA.2優勢時または(v)BA.4/5優勢時にオミクロンにブレークスルー感染した3つの用量のmRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2/mRNA-1273相同もしくは異種レジメン)でワクチン接種された個体からの示されたSARS-CoV-2野生型株または懸念されるオミクロンバリアント(VOC)に対する50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)。棒グラフの上の値は、群GMTを表す。検出限界(LOD)未満の値については、LOD/2値をプロットした。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックFriedman検定を使用して、オミクロンBA.4/BA.5疑似ウイルス(現在優勢なBA.5を表す)に対する中和力価と、他の疑似ウイルスに対する力価とを比較した。多重度調整p値を示す。(B)野生型株pVN50 GMTに対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC pVN50 GMT(VOC対野生型の比)。95%信頼区間を有する群幾何平均比が示される。Dunn多重比較補正を伴うノンパラメトリックKruskal-Wallis検定を使用して、コホート間のVOC GMT比を比較した。****、P<0.0001;***、P<0.001;**、P<0.01;*、P<0.05。血清を重複して試験した。 SARS-CoV-2オミクロン亜系統のスパイク糖タンパク質アミノ酸配列の改変。アミノ酸の位置、アミノ酸の説明(1文字コード)、及び変異のタイプ(置換、欠失、挿入)が示される。ボックス内の白色の文字は、亜系統ごとのアミノ酸置換;Δ、欠失;ins、挿入;NTD、N末端ドメイン;RBD、受容体結合ドメインを示す。 懸念されるある特定のSARS-CoV-2バリアントのSタンパク質におけるT細胞エピトープ及びB細胞エピトープ保持。全ての潜在的なT細胞エピトープを、2022年11月11日に免疫エピトープデータベース(IEDB)から回収し、各バリアント株に存在する未改変Sタンパク質直鎖T細胞エピトープの割合(BNT162b2に存在するエピトープ-100%と比較して)を計算した。BNT162b2と比較して、各バリアント株に存在する未改変B細胞中和エピトープ(NTD及びRBD)のパーセンテージを、自動早期警報システムによって推定した(Beguir,Karim,et al.,“Early computational detection of potential high risk SARS-CoV-2 variants,”bioRxiv(2021)に記載される)。懸念されるSARS-CoV-2バリアントにわたるSタンパク質におけるT細胞及びB細胞エピトープ保存性の(A)レーダーチャート及び(B)ラインプロット分析。未改変T細胞エピトープのパーセント及び未改変B細胞中和エピトープのパーセントを示す。(B)において、各バリアントに対応する上の数字は、武漢株と比較したスパイクタンパク質の変異の数を表す。バリアントは、変異数に関して昇順に順位付けされる。
本開示は以下に詳細に記載されるが、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコル及び試薬は変化し得るため、本開示はそれらに限定されないことが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本開示の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
好ましくは、本明細書で使用される用語は、”A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC Recommendations)“,H.G.W.Leuenberger,B.Nagel,and H.Kolbl,Eds.,Helvetica Chimica Acta,CH-4010 Basel,Switzerland,(1995)に記載されるように定義される。
本開示の実施は、別途示されない限り、当該分野の文献において説明される従来の化学方法、生化学、細胞生物学、免疫学、及び組換えDNA技法を用いる(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,J.Sambrook et al.eds.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor 1989を参照されたい)。
以下では、本開示の要素について説明する。これらの要素は、特定の実施形態とともに列挙されるが、追加の実施形態を作成するために、それらが任意の方法及び任意の数で組み合わされ得ることを理解されるべきである。様々に記載された実施例及び実施形態は、本開示を明示的に記載された実施形態のみに限定するように解釈されるべきではない。この説明は、明示的に説明された実施形態を任意の数の開示された要素と組み合わせる実施形態を開示し、包含すると理解されるべきである。更に、全ての説明される要素の任意の置換及び組み合わせは、文脈が別途指示しない限り、この説明によって開示されるとみなされるべきである。
いくつかの文書が、本明細書のテキスト全体に引用される。本明細書で引用される各文書(全ての特許、特許出願、科学的刊行物、製造業者の仕様、説明書等を含む)は、上記または下記に関わらず、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。本明細書におけるいかなるものも、本開示がかかる開示に先行する権利がなかったことを認めるものとして解釈されるべきではない。
定義
以下では、本開示の全ての態様に適用される定義を提供する。以下の用語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有する。いかなる定義されていない用語も、それらの技術分野で認識された意味を有する。
「約」という用語は、およそまたはほぼを意味し、一実施形態では、本明細書に記載される数値または範囲の文脈において、列挙または特許請求される数値または範囲の±20%、±10%、±5%、または±3%を意味する。
本開示を説明する文脈(特に、特許請求の範囲の文脈)で使用される「a」及び「an」及び「the」という用語、ならびに同様の指示対象は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅するように解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、単に、その範囲内に含まれる各個別の値を個々に参照する簡略法として機能することを意図する。本明細書において別段の指示がない限り、各個々の値は、本明細書に個々に列挙されるかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書に提供される任意の及び全ての実施例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本開示をより良く例示することを意図しており、特許請求の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言語も、本開示の実施に不可欠な任意の特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
特に明示的に指定されない限り、「含む」という用語は、本文書の文脈において、「含む」によって導入されたリストのメンバーに加えて、更なるメンバーが任意に存在し得ることを示すために使用される。しかしながら、「含む」という用語は、更なるメンバーが存在しない可能性を包含する、すなわち、この実施形態の目的のために、「含む」は、「からなる」または「本質的にからなる」という意味を有するものとして理解されるべきであることが、本開示の具体的な実施形態として企図される。
本明細書で使用される「低減する」、「減少する」、「阻害する」、または「損傷する」などの用語は、好ましくは、レベルにおいて少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも75%、または更にそれ以上の全体的な低減または全体的な低減を引き起こす能力である。これらの用語には、完全または本質的に完全な阻害、すなわち、ゼロへの低減または本質的にゼロへの低減が含まれる。
「増加する」、「強化する」、または「超える」などの用語は、好ましくは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも500%、または更にそれ以上の増加または強化に関する。
本開示によれば、「ペプチド」という用語は、オリゴ及びポリペプチドを含み、ペプチド結合を介して互いに連結された約2個以上、約3個以上、約4個以上、約6個以上、約8個以上、約10個以上、約13個以上、約16個以上、約20個以上、ならびに最大約50個、約100個、または約150個の連続したアミノ酸を含む物質を指す。「タンパク質」または「ポリペプチド」という用語は、大きなペプチド、特に少なくとも約150個のアミノ酸を有するペプチドを指すが、「ペプチド」、「タンパク質」、及び「ポリペプチド」という用語は、本明細書では通常、同義語として使用される。
「治療用タンパク質」は、治療上有効な量で対象に提供されるときに、対象の状態または疾患状態に正のまたは有利な効果を有する。一実施形態では、治療用タンパク質は、治癒または緩和特性を有し、疾患または障害の1つ以上の症状の改善、緩和、軽減、逆転、発症の遅延、または重症度の低下のために投与され得る。治療用タンパク質は、予防特性を有し得、疾患の発症を遅らせるために、またはかかる疾患もしくは病理学的状態の重症度を低下させるために使用されてもよい。「治療用タンパク質」という用語は、タンパク質またはペプチド全体を含み、その治療上活性な断片を指すこともできる。これはまた、タンパク質の治療上活性なバリアントを含むことができる。治療的に活性なタンパク質の例には、ワクチン接種用の抗原及びサイトカインなどの免疫刺激物質が含まれるが、これらに限定されない。
「断片」は、アミノ酸配列(ペプチドまたはタンパク質)を参照して、アミノ酸配列の一部、すなわち、N末端及び/またはC末端で短縮されたアミノ酸配列を表す配列に関する。C末端で短縮された断片(N末端断片)は、例えば、オープンリーディングフレームの3’末端を欠く切断されたオープンリーディングフレームの翻訳によって入手可能である。N末端で短縮された断片(C末端断片)は、例えば、切断されたオープンリーディングフレームが、翻訳を開始する役割を果たす開始コドンを含む限り、オープンリーディングフレームの5’末端を欠く切断されたオープンリーディングフレームの翻訳によって入手可能である。アミノ酸配列の断片は、例えば、アミノ酸配列からのアミノ酸残基の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%を含む。アミノ酸配列の断片は、好ましくは、アミノ酸配列から少なくとも6個、特に少なくとも8個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも50個、または少なくとも100個の連続したアミノ酸を含む。
本明細書における「バリアント」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾によって親アミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を意味する。親アミノ酸配列は、天然に存在するまたは野生型(WT)アミノ酸配列であり得るか、または野生型アミノ酸配列の修飾型であり得る。好ましくは、バリアントアミノ酸配列は、親アミノ酸配列と比較して少なくとも1つのアミノ酸修飾、例えば、親と比較して1~約20個のアミノ酸修飾、好ましくは1~約10個または1~約5個のアミノ酸修飾を有する。
本明細書における「野生型」または「WT」または「天然」とは、対立遺伝子バリアント型を含む、自然界に見出されるアミノ酸配列を意味する。野生型アミノ酸配列、ペプチドまたはタンパク質は、意図的に修飾されていないアミノ酸配列を有する。
いくつかの実施形態では、本開示は、関連する管轄区域で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2バリアントを指す。いくつかの実施形態では、かかるバリアントは、一般に公開されているデータ(例えば、GISAIDイニシアチブデータベース:https://www.gisaid.orgで提供されるデータ、及び/または世界保健機関(WHO)によって提供されるデータ(例えば、https://www.who.int/activities/tracking-SARS-CoV-2-variantsで提供される)に基づいて同定され得る。いくつかの実施形態では、かかるバリアントは、本明細書に開示されるバリアントを指す。
本開示の目的のために、アミノ酸配列(ペプチド、タンパク質またはポリペプチド)の「バリアント」は、アミノ酸挿入バリアント、アミノ酸付加バリアント、アミノ酸欠失バリアント、及び/またはアミノ酸置換バリアントを含む。「バリアント」という用語は、全ての変異体、スプライスバリアント、翻訳後修飾バリアント、立体配座、アイソフォーム、対立遺伝子バリアント、種バリアント、及び種ホモログ、特に天然に存在するものを含む。「バリアント」という用語は、特に、アミノ酸配列の断片を含む。
アミノ酸挿入バリアントは、特定のアミノ酸配列における単一または2つ以上のアミノ酸の挿入を含む。挿入を有するアミノ酸配列バリアントの場合、1つ以上のアミノ酸残基がアミノ酸配列中の特定の部位に挿入されるが、得られる生成物の適切なスクリーニングによるランダム挿入も可能である。アミノ酸付加バリアントは、1、2、3、5、10、20、30、50、またはそれ以上のアミノ酸などの1つ以上のアミノ酸のアミノ末端及び/またはカルボキシ末端融合を含む。アミノ酸欠失バリアントは、配列からの1つ以上のアミノ酸の除去、例えば、1、2、3、5、10、20、30、50、またはそれ以上のアミノ酸の除去を特徴とする。欠失は、タンパク質の任意の位置にあってもよい。タンパク質のN末端及び/またはC末端での欠失を含むアミノ酸欠失バリアントは、N末端及び/またはC末端切断バリアントとも呼ばれる。アミノ酸置換バリアントは、除去される配列中の少なくとも1つの残基、及びその位置に挿入される別の残基を特徴とする。相同タンパク質またはペプチド間で保存されないアミノ酸配列内の位置にある修飾、及び/またはアミノ酸を同様の特性を有する他のアミノ酸と置き換えることが好ましい。好ましくは、ペプチド及びタンパク質バリアントにおけるアミノ酸変化は、保存的アミノ酸変化、すなわち、同様に荷電または荷電されていないアミノ酸の置換である。保存的アミノ酸変化は、それらの側鎖に関連するアミノ酸ファミリーのうちの1つの置換を伴う。天然に存在するアミノ酸は、一般に、4つのファミリーに分類される:酸性(アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩)、塩基性(リジン、アルギニン、ヒスチジン)、非極性(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、及び非荷電極性(グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン)アミノ酸。フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンは、芳香族アミノ酸として共同で分類されることがある。一実施形態では、保存的アミノ酸置換は、以下の基内の置換を含む:
グリシン、アラニン;
バリン、イソロイシン、ロイシン;
アスパラギン酸、グルタミン酸;
アスパラギン、グルタミン;
セリン、スレオニン;
リジン、アルギニン;及び
フェニルアラニン、チロシン。
好ましくは、所与のアミノ酸配列と、当該所与のアミノ酸配列のバリアントであるアミノ酸配列との間の類似性、好ましくは同一性の程度は、少なくとも約60%、70%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%となるであろう。類似性または同一性の程度は、好ましくは、参照アミノ酸配列の全長の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%であるアミノ酸領域に対して与えられる。例えば、参照アミノ酸配列が200個のアミノ酸からなる場合、類似性または同一性の程度は、いくつかの実施形態では、好ましくは、少なくとも約20個、少なくとも約40個、少なくとも約60個、少なくとも約80個、少なくとも約100個、少なくとも約120個、少なくとも約140個、少なくとも約160個、少なくとも約180個、または約200個の連続アミノ酸に対して与えられる。いくつかの実施形態では、類似性または同一性の程度は、参照アミノ酸配列の全長に対して与えられる。配列類似性、好ましくは配列同一性を決定するためのアラインメントは、当該技術分野で既知のツールを用いて、好ましくは、最良の配列アラインメントを用いて、例えば、標準設定、好ましくは、EMBOSS::ニードル、マトリックス:Blosum62、Gap Open 10.0、Gap Extend 0.5を使用するAlignを使用して行うことができる。
「配列類似性」は、同一であるか、または保存的アミノ酸置換を表すアミノ酸のパーセンテージを示す。2つのアミノ酸配列間の「配列同一性」は、配列間で同一であるアミノ酸のパーセンテージを示す。2つの核酸配列間の「配列同一性」は、配列間で同一であるヌクレオチドのパーセンテージを示す。
「%同一」、「%同一性」または同様の用語は、特に、比較される配列間の最適なアラインメントにおいて同一であるヌクレオチドまたはアミノ酸のパーセンテージを指すよう意図されている。当該パーセンテージは、純粋に統計的なものであり、2つの配列間の差異は、比較される配列の全長にわたってランダムに分布し得るが、必ずしもそうではない。2つの配列の比較は、通常、対応する配列の局所領域を特定するために、セグメントまたは「比較ウィンドウ」に関して、最適なアラインメント後に配列を比較することによって行われる。比較のための最適な整列は、手動でまたはSmith and Waterman,1981,Ads App.Math.2,482による局所相同性アルゴリズムの補助で、Neddleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48,443による局所相同性アルゴリズムの補助で、Pearson and Lipman,1988,Proc.Natl Acad.Sci.USA 88,2444による類似性検索アルゴリズムの補助で、または当該アルゴリズムを使用するコンピュータプログラム(Wisconsin Geneticsソフトウェアパッケージ(Genetics Computer Group,575 Science Drive,Madison,Wis.)におけるGAP、BESTFIT、FASTA、BLAST P、BLAST N、及びTFASTA)の補助で実行することができる。いくつかの実施形態では、2つの配列の同一性パーセントは、米国国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)ウェブサイト(例えば、blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PAGE_TYPE=BlastSearch&BLAST_SPEC=blast2seq&LINK_LOC=align2seq)で入手可能である、BLASTNまたはBLASTPアルゴリズムを使用して決定される。いくつかの実施形態では、NCBIウェブサイト上のBLASTNアルゴリズムに使用されるアルゴリズムパラメータは、以下を含む:(i)期待閾値を10に設定、(ii)ワードサイズを28に設定、(iii)クエリ範囲の最大一致を0に設定、(iv)一致/不一致スコアを1、-2に設定、(v)ギャップコストを線形に設定、及び(vi)使用されている低複雑性領域のフィルター。いくつかの実施形態では、NCBIウェブサイト上のBLASTPアルゴリズムに使用されるアルゴリズムパラメータは、以下を含む:(i)期待閾値を10に設定、(ii)ワードサイズを3に設定、(iii)クエリ範囲の最大一致を0に設定、(iv)マトリックスをBLOSUM62に設定、(v)ギャップコストをExistence:11、Extension:1に設定、及び(vi)条件付き構成スコアマトリックス調整。
パーセンテージ同一性は、比較される配列が対応する同一位置の数を決定し、この数を比較される位置の数(例えば、参照配列における位置の数)で割り、この結果に100を掛けることによって得られる。
いくつかの実施形態では、類似性または同一性の程度は、参照配列の全長の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%である領域に対して与えられる。例えば、参照核酸配列が200個のヌクレオチドからなる場合、同一性の程度は、いくつかの実施形態では、少なくとも約100個、少なくとも約120個、少なくとも約140個、少なくとも約160個、少なくとも約180個、または約200個のヌクレオチドの連続ヌクレオチドに対して与えられる。いくつかの実施形態では、類似性または同一性の程度は、参照配列の全長に対して与えられる。
本開示による相同アミノ酸配列は、アミノ酸残基の少なくとも40%、特に少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、及び好ましくは少なくとも95%、少なくとも98、または少なくとも99%の同一性を示す。
本明細書に記載のアミノ酸配列バリアントは、当業者によって、例えば、組換えDNA操作によって容易に調製されてもよい。置換、付加、挿入、または欠失を有するペプチドまたはタンパク質を調製するためのDNA配列の操作は、例えば、Sambrook et al.(1989)に詳細に記載される。更に、本明細書に記載のペプチド及びアミノ酸バリアントは、例えば、固相合成及び同様の方法などの既知のペプチド合成技法の補助で容易に調製され得る。
一実施形態では、アミノ酸配列(ペプチドまたはタンパク質)の断片またはバリアントは、好ましくは、「機能的断片」または「機能的バリアント」である。アミノ酸配列の「機能的断片」または「機能的バリアント」という用語は、それが由来するアミノ酸配列のものと同一または類似の1つ以上の機能的特性を示す任意の断片またはバリアントに関し、すなわち機能的に等価である。抗原または抗原配列に関して、1つの特定の機能は、断片またはバリアントが由来するアミノ酸配列によって示される1つ以上の免疫原性活性である。本明細書で使用される「機能的断片」または「機能的バリアント」という用語は、特に、親分子または配列のアミノ酸配列と比較して1つ以上のアミノ酸によって改変されるアミノ酸配列を含み、依然として親分子または配列の1つ以上の機能、例えば、免疫応答を誘発する機能を果たすことができるバリアント分子または配列を指す。一実施形態では、親分子または配列のアミノ酸配列における修飾は、分子または配列の特徴に著しく影響を及ぼさないか、または改変しない。異なる実施形態では、機能的断片または機能的バリアントの機能は、低減し得るが、依然として有意に存在し、例えば、機能的バリアントの免疫原性は、親分子または配列の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%であり得る。しかしながら、他の実施形態では、機能的断片または機能的バリアントの免疫原性は、親分子または配列と比較して強化され得る。
指定されたアミノ酸配列(ペプチド、タンパク質、またはポリペプチド)に「由来する」アミノ酸配列(ペプチド、タンパク質、またはポリペプチド)は、第1のアミノ酸配列の起源を指す。好ましくは、特定のアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列は、その特定の配列またはその断片と同一であるか、本質的に同一であるか、または相同であるアミノ酸配列を有する。特定のアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列は、その特定の配列またはその断片のバリアントであり得る。例えば、本明細書での使用に好適な抗原は、天然に存在する配列またはそれらが由来する天然配列から配列が変化するように、天然配列の望ましい活性を保持しながら改変され得ることが、当業者によって理解されるであろう。
本明細書で使用される場合、「教材」または「説明書」は、本開示の組成物及び方法の有用性を伝達するために使用され得る出版物、記録、図、または任意の他の表現媒体を含む。本開示のキットの教材は、例えば、本開示の組成物を含有する容器に貼付するか、または組成物を含有する容器と一緒に出荷することができる。代替的には、教材は、その教材及び組成物が受信者によって協力的に使用されることを意図して、容器とは別個に出荷されてもよい。
「単離された」とは、自然の状態から改変または除去されたことを意味する。例えば、生きている動物に天然に存在する核酸またはペプチドは、「単離されていない」が、その天然状態の共存材料から部分的または完全に分離された同じ核酸またはペプチドは、「単離されている」。単離された核酸またはタンパク質は、実質的に精製された形態で存在することができるか、または例えば、宿主細胞などの非天然環境に存在することができる。
本開示の文脈における「組換え」という用語は、「遺伝子操作によって行われる」ことを意味する。好ましくは、本開示の文脈における組換え核酸などの「組換え物体」は、天然に存在しない。
本明細書で使用される場合、「天然に存在する」という用語は、物体が自然界に見出され得るという事実を指す。例えば、生物(ウイルスを含む)中に存在し、自然界の供給源から単離され得、かつ実験室内の人間によって意図的に修飾されていないペプチドまたは核酸は、天然に存在する。
「生理学的pH」は、本明細書で使用される場合、約7.5のpHを指す。
「遺伝子修飾」または単に「修飾」という用語は、核酸による細胞のトランスフェクションを含む。「トランスフェクション」という用語は、細胞への核酸、特にRNAの導入に関する。本開示の目的のために、「トランスフェクション」という用語はまた、細胞への核酸の導入、またはかかる細胞による核酸の取り込みを含み、その細胞は、対象、例えば、患者に存在し得る。したがって、本開示によれば、本明細書に記載の核酸のトランスフェクションのための細胞は、インビトロまたはインビボで存在することができ、例えば、細胞は、患者の器官、組織、及び/または生物の一部を形成することができる。本開示によれば、トランスフェクションは、一過性または安定であり得る。トランスフェクションのいくつかの用途では、トランスフェクトされた遺伝物質が一過性に発現されるだけで十分である。RNAは、細胞にトランスフェクトされて、そのコードされたタンパク質を一過性に発現することができる。トランスフェクションプロセスで導入される核酸は通常、核ゲノムに組み込まれないため、外来の核酸は有糸分裂を通じて希釈されるか、または分解される。核酸のエピソーム増幅を可能にする細胞は、希釈速度を大幅に低減する。トランスフェクトされた核酸が細胞及びその娘細胞のゲノム中に実際に残存することが望ましい場合、安定したトランスフェクションが行われなければならない。かかる安定したトランスフェクションは、トランスフェクションのためにウイルスベースの系またはトランスポゾンベースの系を使用することによって達成することができる。一般に、抗原をコードする核酸は、細胞内に一過性にトランスフェクトされる。RNAは、細胞にトランスフェクトされて、そのコードされたタンパク質を一過性に発現することができる。
「血清変換」という用語は、ワクチン接種前から用量2の1ヶ月後まで4倍以上の上昇を含む。
コロナウイルス
コロナウイルスは、エンベロープされたプラス鎖一本鎖RNA((+)ssRNA)ウイルスである。それらは、既知のRNAウイルスの中で最大のゲノム(26~32kb)を有し、系統学的に4つの属(α、β、γ、及びδ)に分けられ、ベータコロナウイルスは更に4つの系統(A、B、C、及びD)に細分化される。コロナウイルスは、ヒトを含む幅広い鳥類及び哺乳類種に感染する。一部のヒトコロナウイルスは、一般に軽度の呼吸器疾患を引き起こすが、乳児、高齢者、及び免疫不全患者では重症度がより大きくなる可能性がある。ベータコロナウイルス系統C及びBに属する、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)及び重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)は、それぞれ、高度に病原性である。両方のウイルスは、過去15年以内に動物貯留層からヒト集団に出現し、高い症例死亡率での発生を引き起こした。非定型肺炎(2019年コロナウイルス感染症、COVID-19)を引き起こす重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)の発生は、2019年12月中旬から中国で猛威を振るい、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に発展している。SARS-CoV-2(MN908947.3)は、ベータコロナウイルス系統Bに属する。SARS-CoVと少なくとも70%の配列類似性を有する。
一般に、コロナウイルスは、エンベロープ(E)、膜(M)、ヌクレオカプシド(N)、及びスパイク(S)の4つの構造タンパク質を有する。E及びMタンパク質は、ウイルス構築において重要な機能を有し、Nタンパク質は、ウイルスRNA合成に必要である。重要な糖タンパク質Sは、ウイルスの結合及び標的細胞への侵入に関与している。Sタンパク質は、産生細胞内のフューリン様宿主プロテアーゼによって、非共有結合的に会合した2つのサブユニット、S1及びS2に切断される一本鎖不活性前駆体として合成される。S1サブユニットは、宿主細胞受容体を認識する受容体結合ドメイン(RBD)を含む。S2サブユニットは、融合ペプチド、2つのヘプタッドリピート、及び膜貫通ドメインを含有し、これらの全ては、大規模な立体配座転位を受けることによって、ウイルス膜及び宿主細胞膜の融合を媒介するために必要である。S1及びS2サブユニットは、三量体化して、大きな融合前スパイクを形成する。
SARS-CoV-2のS前駆体タンパク質は、S1(685aa)及びS2(588aa)サブユニットにタンパク質分解的に切断され得る。S1サブユニットは、宿主のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体を介して感受性細胞へのウイルス侵入を媒介する、受容体結合ドメイン(RBD)を含む。
抗原
本開示は、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAの使用を含む。したがって、RNAは、対象におけるコロナウイルスSタンパク質、特にSARS-CoV-2 Sタンパク質に対する免疫応答を誘導するための少なくともエピトープSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性バリアントを含むペプチドまたはタンパク質をコードする。SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアント(すなわち、抗原ペプチドもしくはタンパク質)の免疫原性断片を含むアミノ酸配列はまた、本明細書では、「ワクチン抗原」、「ペプチド及びタンパク質抗原」、「抗原分子」、または単に「抗原」として指定される。SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片もまた、本明細書では、「抗原ペプチドもしくはタンパク質」または「抗原配列」として指定される。
第1の検出されたSARS-CoV-2株(本明細書において武漢株と称される)からのSARS-CoV-2コロナウイルス完全長スパイク(S)タンパク質は、1273個のアミノ酸からなり、配列番号1によるアミノ酸配列を有する:
MFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSNVTWFHAIHVSGTNGTKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGWIFGTTLDSKTQSLLIVNNATNVVIKVCEFQFCNDPFLGVYYHKNNKSWMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGFSALEPLVDLPIGINITRFQTLLALHRSYLTPGDSSSGWTAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGTITDAVDCALDPLSETKCTLKSFTVEKGIYQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNLVKNKCVNFNFNGLTGTGVLTESNKKFLPFQQFGRDIADTTDAVRDPQTLEILDITPCSFGGVSVITPGTNTSNQVAVLYQDVNCTEVPVAIHADQLTPTWRVYSTGSNVFQTRAGCLIGAEHVNNSYECDIPIGAGICASYQTQTNSPRRARSVASQSIIAYTMSLGAENSVAYSNNSIAIPTNFTISVTTEILPVSMTKTSVDCTMYICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFNGLTVLPPLLTDEMIAQYTSALLAGTITSGWTFGAGAALQIPFAMQMAYRFNGIGVTQNVLYENQKLIANQFNSAIGKIQDSLSSTASALGKLQDVVNQNAQALNTLVKQLSSNFGAISSVLNDILSRLDKVEAEVQIDRLITGRLQSLQTYVTQQLIRAAEIRASANLAATKMSECVLGQSKRVDFCGKGYHLMSFPQSAPHGVVFLHVTYVPAQEKNFTTAPAICHDGKAHFPREGVFVSNGTHWFVTQRNFYEPQIITTDNTFVSGNCDVVIGIVNNTVYDPLQPELDSFKEELDKYFKNHTSPDVDLGDISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYIKWPWYIWLGFIAGLIAIVMVTIMLCCMTSCCSCLKGCCSCGSCCKFDEDDSEPVLKGVKLHYT(配列番号1)
本開示の目的のために、上記配列は、野生型または武漢SARS-CoV-2 Sタンパク質アミノ酸配列とみなされる。別途示されない限り、本明細書で与えられるSARS-CoV-2 Sタンパク質における位置番号付けは、配列番号1によるアミノ酸配列と関連する。本開示を読む当業者は、配列番号1のアミノ酸配列に対する位置番号付けに基づいて、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアントにおける対応する位置を理解するであろう。
特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAによってコードされる完全長スパイク(S)タンパク質は、原型的な融合前立体配座が安定化されるように修飾することができる。融合前立体配座を安定化させるある特定の変異は、例えば、WO2021243122A2及びHsieh,Ching-Lin,et al.(“Structure-based design of prefusion-stabilized SARS-CoV-2 spikes,”Science 369.6510(2020):1501-1505)に開示されるように当該技術分野において既知であり、各々の内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質は、1つ以上のプロリン変異を導入することによって安定化され得る。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質は、配列番号1の残基986及び/または987に対応する位置にプロリン置換を含む。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質は、配列番号1の残基817、892、899、及び942に対応する1つ以上の位置にプロリン置換を含む。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質は、配列番号1の残基817、892、899、及び942の各々に対応する位置にプロリン置換を含む。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質は、配列番号1の残基817、892、899、942、986、及び987の各々に対応する位置にプロリン置換を含む。
いくつかの実施形態では、融合前立体配座の安定化は、完全長スパイクタンパク質中の残基986及び987に2つの連続したプロリン置換を導入することによって得ることができる。具体的には、スパイク(S)タンパク質安定化タンパク質バリアントは、986位のアミノ酸残基がプロリンに交換され、987位のアミノ酸残基もまたプロリンに交換される方法で得られる。一実施形態では、原型的な融合前立体配座が安定化されるSARS-CoV-2 Sタンパク質バリアントは、配列番号7に示されるアミノ酸配列を含む。
MFVFLVLLPLVSSQCVNLTTRTQLPPAYTNSFTRGVYYPDKVFRSSVLHSTQDLFLPFFSNVTWFHAIHVSGTNGTKRFDNPVLPFNDGVYFASTEKSNIIRGWIFGTTLDSKTQSLLIVNNATNVVIKVCEFQFCNDPFLGVYYHKNNKSWMESEFRVYSSANNCTFEYVSQPFLMDLEGKQGNFKNLREFVFKNIDGYFKIYSKHTPINLVRDLPQGFSALEPLVDLPIGINITRFQTLLALHRSYLTPGDSSSGWTAGAAAYYVGYLQPRTFLLKYNENGTITDAVDCALDPLSETKCTLKSFTVEKGIYQTSNFRVQPTESIVRFPNITNLCPFGEVFNATRFASVYAWNRKRISNCVADYSVLYNSASFSTFKCYGVSPTKLNDLCFTNVYADSFVIRGDEVRQIAPGQTGKIADYNYKLPDDFTGCVIAWNSNNLDSKVGGNYNYLYRLFRKSNLKPFERDISTEIYQAGSTPCNGVEGFNCYFPLQSYGFQPTNGVGYQPYRVVVLSFELLHAPATVCGPKKSTNLVKNKCVNFNFNGLTGTGVLTESNKKFLPFQQFGRDIADTTDAVRDPQTLEILDITPCSFGGVSVITPGTNTSNQVAVLYQDVNCTEVPVAIHADQLTPTWRVYSTGSNVFQTRAGCLIGAEHVNNSYECDIPIGAGICASYQTQTNSPRRARSVASQSIIAYTMSLGAENSVAYSNNSIAIPTNFTISVTTEILPVSMTKTSVDCTMYICGDSTECSNLLLQYGSFCTQLNRALTGIAVEQDKNTQEVFAQVKQIYKTPPIKDFGGFNFSQILPDPSKPSKRSFIEDLLFNKVTLADAGFIKQYGDCLGDIAARDLICAQKFNGLTVLPPLLTDEMIAQYTSALLAGTITSGWTFGAGAALQIPFAMQMAYRFNGIGVTQNVLYENQKLIANQFNSAIGKIQDSLSSTASALGKLQDVVNQNAQALNTLVKQLSSNFGAISSVLNDILSRLDPPEAEVQIDRLITGRLQSLQTYVTQQLIRAAEIRASANLAATKMSECVLGQSKRVDFCGKGYHLMSFPQSAPHGVVFLHVTYVPAQEKNFTTAPAICHDGKAHFPREGVFVSNGTHWFVTQRNFYEPQIITTDNTFVSGNCDVVIGIVNNTVYDPLQPELDSFKEELDKYFKNHTSPDVDLGDISGINASVVNIQKEIDRLNEVAKNLNESLIDLQELGKYEQYIKWPWYIWLGFIAGLIAIVMVTIMLCCMTSCCSCLKGCCSCGSCCKFDEDDSEPVLKGVKLHYT
(配列番号7)
当業者は、様々なスパイクバリアント、及び/またはそれらを文書化するリソースを認識している。例えば、以下の株、それらのSARS-CoV-2 Sタンパク質アミノ酸配列、及び特に野生型SARS-CoV-2 Sタンパク質アミノ酸配列と比較した、例えば、配列番号1と比較したそれらの修飾は、本明細書において有用である。
B.1.1.7(「懸念されるバリアント202012/01」(VOC-202012/01)
B.1.1.7(「アルファバリアント」)は、英国でのCOVID-19パンデミック中の2020年10月に、前月に採取された試料から初めて検出されたSARS-CoV-2のバリアントであり、12月中旬までにすぐに広がり始めた。これは、英国におけるCOVID-19感染率の有意な増加と相関しており、この増加は、少なくとも部分的には、ヒト細胞のACE2への結合に必要な、スパイク糖タンパク質の受容体結合ドメイン内のN501Yの変化に起因していると考えられている。B.1.1.7バリアントは、23個の変異によって定義される:13個の非同義変異、4個の欠失、及び6個の同義変異(すなわち、タンパク質を変化させる17個の変異、及び変化させない6個の変異がある)。B.1.1.7におけるスパイクタンパク質の変化は、欠失69~70、欠失144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、及びD1118Hを含む。
B.1.351(501.V2)
B.1.351系統(「ベータバリアント」)及び南アフリカCOVID-19バリアントとして口語的に知られているのは、SARS-CoV-2のバリアントである。予備的な結果は、このバリアントが伝染性の増加を有し得ることを示している。B.1.351バリアントは、L18F、D80A、D215G、欠失242-244、R246I、K417N、E484K、N501Y、D614G、及びA701Vを含む、複数のスパイクタンパク質変化によって定義される。B.1.351ゲノムのスパイク領域には、特に興味深い3つの変異が存在する:K417N、E484K、N501Y。
B.1.1.298(クラスター5)
B.1.1.298は、デンマークの北ユランで発見され、ミンク農場を介してミンクからヒトに伝播したと考えられている。ウイルスのスパイクタンパク質におけるいくつかの異なる変異が確認されている。特定の変異としては、欠失69-70、Y453F、D614G、I692V、M1229I、及び任意にS1147Lが挙げられる。
P.1(B.1.1.248)
ブラジル(ブラジリアン)バリアントとして知られる系統B.1.1.248(「ガンマバリアント」)は、P.1系統と名付けられているSARS-CoV-2のバリアントのうちの1つである。P.1は、いくつかのSタンパク質修飾[L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、E484K、N501Y、D614G、H655Y、T1027I、V1176F]を有し、南アフリカからのバリアントB.1.351とある特定の重要なRBD位置(K417、E484、N501)において類似している。
B.1.427/B.1.429(CAL.20C)
系統B.1.427/B.1.429(「イプシロンバリアント」)、別名CAL.20Cは、S-タンパク質における以下の修飾によって定義される:S13I、W152C、L452R、及びD614G(これらのうち、L452R修飾が特に懸念される)。CDCは、B.1.427/B.1.429を「懸念されるバリアント」として列挙している。
B.1.525
B.1.525(「エータバリアント」)は、P.1及びB.1.351バリアントに見られるものと同じE484K修飾を有し、また、B.1.1.7及びB.1.1.298に見られるものと同じΔH69/ΔV70欠失を有する。また、修飾D614G、Q677H、F888Lも有している。
B.1.526
B.1.526(「イオタバリアント」)は、以前に報告されたバリアントと変異を共有するニューヨーク領域におけるウイルス分離株の新興系統として検出された。この系統における最も一般的なスパイク変異のセットは、L5F、T95I、D253G、E484K、D614G、及びA701Vである。
以下の表は、VOI/VOCである流行しているSARS-CoV-2株の概要を示す。
Figure 2023081859000001




B.1.1.529
B.1.529(「オミクロンバリアント」)は、2021年11月に南アフリカで最初に検出された。オミクロンは、デルタバリアントよりも約70倍速く増殖し、すぐに世界中のSARS-CoV-2の優勢株になった。初期検出以来、いくつかのオミクロン亜系統が生じてきた。以下に、各々のSタンパク質に関連するある特定の特徴的な変異とともに、現在の懸念されるオミクロンバリアントを列挙する。BA.4及びBA.5のSタンパク質は、同じ特徴的な変異のセットを有し、それが、下記の表が「BA.4またはBA.5」について単一の列を有する理由であり、また、いくつかの実施形態では、本開示が「BA.4/5」Sタンパク質を指す理由である。同様に、BA.4.6及びBF.7オミクロンバリアントのSタンパク質は、同じ特徴的な変異のセットを有し、それが、下記の表が「BA.4.6またはBF.7」についての単一の列を有する理由である)。






































Figure 2023081859000002
Figure 2023081859000003
Figure 2023081859000004
Figure 2023081859000005
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)の変異(例えば、表2に列挙されるオミクロンバリアントの1つ以上の変異)を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、かかるRNAは、融合前立体配座においてSタンパク質を安定化する1つ以上の変異を更に含む(例えば、いくつかの実施形態では、かかるRNAは、配列番号1の残基986及び987に対応する位置にプロリン残基を更に含む)。いくつかの実施形態では、RNAは、表2に列挙される1つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかのかかる実施形態では、1つ以上の変異は、表2に列挙されるような2つ以上のバリアントに由来し得る。いくつかの実施形態では、RNAは、ある特定のオミクロンバリアント特徴であるとして表2で特定された変異の各々を含む、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む(例えば、いくつかの実施形態では、RNAは、オミクロンBA.1、BA.2、BA.2.12.1、BA.4/5、BA.2.75、BA.2.75.1、BA.4.6、BQ.1.1、XBB、XBB.1、XBB.2、またはXBB.1.3の特徴であるとして表2に列挙される変異の各々を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む)。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるRNAは、SARS-Cov-2 Sタンパク質(例えば、RBD)の免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含み、SARS-CoV-2バリアント(例えば、本明細書に記載のオミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を含む。例えば、いくつかの実施形態では、RNAは、SARS-CoV-2バリアントのSタンパク質のRBDをコードするヌクレオチド配列(例えば、配列番号1のアミノ酸327~528に対応するSタンパク質の領域であって、Sタンパク質のこの領域内にある懸念されるバリアントの特徴である1つ以上の変異を含む領域)を含む。
いくつかの実施形態では、RNAは、表2に列挙される変異のサブセットを含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、ある特定のバリアント(例えば、配列決定された所与のバリアントについて、現在までに収集された配列の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%で検出された変異)で最も一般的である、表2に列挙される変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。変異の有病率は、例えば、公開された配列(例えば、GISAIDによって収集され、一般に利用可能になる配列)に基づいて決定することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.4/5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、BA.4/5バリアントの特徴である1つ以上の変異は、T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.4/5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、R408Sを除外する、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.4/5バリアントの特徴である1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含み、R408Sを除外する、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.2.75バリアントの特徴である1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、BA.2.75バリアントの特徴である1つ以上の変異は、T19I、Δ24-26、A27S、G142D、K147E、W152R、F157L、I210V、V213G、G257S、G339H、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、G446S、N460K、S477N、T478K、E484A、Q498R、N501Y、Y505H D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、Q954H、及びN969Kを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.2.75バリアントの特徴である1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含み、N354Dを除外する、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.2.75バリアントの特徴である1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含み、D796Yを除外する、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.2.75バリアントの特徴である1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含み、D796Y及びN354Dを除外する、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.2.75.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、BA.2.75.2バリアントの特徴である1つ以上の変異は、T19I、Δ24-26、A27S、G142D、K147E、W152R、F157L、I210V、V213G、G257S、G339H、R346T、N354D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、G446S、N460K、S477N、T478K、E484A、F486S、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、及びD1199Nを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.2.75.2バリアントの特徴である1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含み、R346Tを除外する、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.4.6またはBF.7バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、BA.4.6またはBF.7バリアントの特徴である1つ以上の変異は、T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、R346T、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.4.6またはBF.7バリアントの特徴である1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含み、R408Sを除外する、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.4.6またはBF.7バリアントの特徴である1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含み、N658Sを除外する、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BA.4.6またはBF.7バリアントの特徴である1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含み、N658S及びR408Sを除外する、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、オミクロンXBBバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、オミクロンXBBバリアントの特徴である1つ以上の変異は、T19I、Δ24-26、A27S、V83A、G142D、Δ144、H146Q、Q183E、V213E、G339H、R346T、L368I、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、V445P、G446S、N460K、S477N、T478K、E484A、F486S、F490S、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、オミクロンXBB.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、オミクロンXBB.1バリアントの特徴である1つ以上の変異は、G252Vを含む。いくつかの実施形態では、オミクロンXBB.1バリアントの特徴である1つ以上の変異は、T19I、Δ24-26、A27S、V83A、G142D、Δ144、H146Q、Q183E、V213E、G252V、G339H、R346T、L368I、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、V445P、G446S、N460K、S477N、T478K、E484A、F486S、F490S、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、オミクロンXBB.1バリアントの特徴であり、Q493Rを除外する、1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含む、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、オミクロンXBBバリアントの特徴であり、Q493R及びG252Vを除外する、1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含む、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、オミクロンXBB.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、オミクロンXBB.2バリアントの特徴である1つ以上の変異は、D253Gを含む。いくつかの実施形態では、オミクロンXBB.2バリアントの特徴である1つ以上の変異は、T19I、Δ24-26、A27S、V83A、G142D、Δ144、H146Q、Q183E、V213E、D253G、G339H、R346T、L368I、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、V445P、G446S、N460K、S477N、T478K、E484A、F486S、F490S、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、オミクロンXBB.1.3バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、オミクロンXBB.1.3バリアントの特徴である1つ以上の変異は、G252V及びA484Tを含む。いくつかの実施形態では、オミクロンXBB.1.3バリアントの特徴である1つ以上の変異は、T19I、Δ24-26、A27S、V83A、G142D、Δ144、H146Q、Q183E、V213E、G252V、G339H、R346T、L368I、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、V445P、G446S、N460K、S477N、T478K、A484T、F486S、F490S、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BQ.1.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、BQ.1.1バリアントの特徴である1つ以上の変異は、T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、K444T、L452R、N463K、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、BQ.1.1バリアントの特徴である1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上を含む)変異を含む、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。
一実施形態では、本明細書に記載のワクチン抗原は、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(S)、そのバリアント、または(例えば、RBDに限定されないが)その免疫原性断片を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、もしくは配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1または7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、もしくは配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号1もしくは7のアミノ酸配列17~1273のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、SARS-CoV-2スパイクS1断片(S1)(SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(S)のS1サブユニット)、それらのバリアント、またはそれらの断片を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1のアミノ酸17~683のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸17~683のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸17~683のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸17~683のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1のアミノ酸17~683のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2049のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2049のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2049のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2049のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸17~683のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸17~683のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸17~683のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸17~683のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2049のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸17~683のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~2055のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸17~685のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(S)、それらのバリアント、またはそれらの断片のS1サブユニットの受容体結合ドメイン(RBD)を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、そのバリアント、またはその断片は、本明細書では、「RBD」または「RBDドメイン」とも称される。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
ある特定の実施形態によれば、シグナルペプチドは、直接的に、またはリンカーを介して、SARS-CoV-2 Sタンパク質、そのバリアント、またはその断片、すなわち、抗原ペプチドまたはタンパク質に融合される。したがって、一実施形態では、シグナルペプチドは、上述のワクチン抗原によって構成されるSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片(抗原ペプチドまたはタンパク質)に由来する上述のアミノ酸配列に融合される。
かかるシグナルペプチドは、典型的には、約15~30アミノ酸の長さを示し、好ましくは、抗原ペプチドまたはタンパク質のN末端に位置する配列であるが、これらに限定されない。本明細書で定義されるシグナルペプチドは、好ましくは、RNAによってコードされる抗原性ペプチドまたはタンパク質の、規定の細胞区画、好ましくは、細胞表面、小胞体(ER)またはエンドソーム-リソソーム区画への輸送を可能にする。一実施形態では、本明細書で定義されるシグナルペプチド配列は、限定されないが、SARS-CoV-2 Sタンパク質のシグナルペプチド配列、特に配列番号1のアミノ酸1~16または1~19のアミノ酸配列を含む配列、またはその機能的バリアントを含む。
一実施形態では、シグナル配列は、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の機能的断片を含む。一実施形態では、シグナル配列は、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、(i)シグナル配列をコードするRNAは、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列の断片、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の機能的断片をコードする。一実施形態では、シグナル配列をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、シグナル配列は、配列番号1のアミノ酸1~19のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~19のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~19のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の機能的断片を含む。一実施形態では、シグナル配列は、配列番号1のアミノ酸1~19のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、(i)シグナル配列をコードするRNAは、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~57のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~57のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~57のヌクレオチド配列の断片、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~57のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸1~19のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~19のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~19のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~19のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の機能的断片をコードする。一実施形態では、シグナル配列をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~57のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸1~19のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
いくつかの実施形態では、本明細書で定義されるシグナルペプチド配列は、これに限定されるものではないが、免疫グロブリンのシグナルペプチド配列、例えば、免疫グロブリン重鎖可変領域のシグナルペプチド配列を含み、免疫グロブリンは、ヒト免疫グロブリンであり得る。具体的には、いくつかの実施形態では、本明細書で定義されるシグナルペプチド配列は、配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列またはその機能的バリアントを含む配列を含む。
いくつかの実施形態では、シグナルペプチド配列は、哺乳類細胞において機能的である。
いくつかの実施形態では、利用されるシグナル配列は、自然界では、コードされたポリペプチドと会合する(例えば、連結される)という点で「内在的」である。
いくつかの実施形態では、利用されるシグナル配列は、コードされたポリペプチドに対して異種であり、例えば、その配列がコードされたポリペプチドに含まれるポリペプチド(例えば、タンパク質)の天然部分ではない。
いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、典型的には、約15~30アミノ酸の長さを特徴とする配列である。
多くの実施形態では、シグナルペプチドは、本明細書に記載のコードされたポリペプチドのN末端に配置されるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、好ましくは、それらが会合する本開示のRNAによってコードされるポリペプチドの、規定の細胞区画、好ましくは、細胞表面、小胞体(ER)、またはエンドソーム-リソソーム区画への輸送を可能にする。
いくつかの実施形態では、シグナル配列は、S1S2シグナルペプチド(aa1-19)、免疫グロブリン分泌シグナルペプチド(aa1-22)、HSV-1 gDシグナルペプチド(MGGAAARLGAVILFVVIVGLHGVRSKY)、HSV-2 gDシグナルペプチド(MGRLTSGVGTAALLVVAVGLRVVCA)、ヒトSPARCシグナルペプチド、ヒトインスリンアイソフォーム1シグナルペプチド、ヒトアルブミンシグナルペプチド等から選択される。当業者は、例えば、WO2017/081082(例えば、配列番号1~1115及び1728、またはそれらの断片バリアント)ならびにWO2019008001に開示されるような他の分泌シグナルペプチドを認識するであろう。
いくつかの実施形態では、RNA配列は、表Aに列挙されるもの、または少なくともそれに対して1、2、3、4、または5個のアミノ酸差を有する配列などのシグナル配列(例えば、分泌配列)を含むか、またはそうでなければそれに連結され得るエピトープをコードする。いくつかの実施形態では、MFVFLVLLPLVSSQCVNLTなどのシグナル配列、または少なくともそれに対して1、2、3、4、または最大5個のアミノ酸差を有する配列が利用される。いくつかの実施形態では、MFVFLVLLPLVSSQCVNLTなどの配列、またはそれに対して1、2、3、4、または最大5個のアミノ酸差を有する配列が利用される。
いくつかの実施形態では、シグナル配列は、以下の表Aに含まれるもの及び/または以下の表Bの配列によってコードされるものから選択される。
Figure 2023081859000006
Figure 2023081859000007
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように利用されるRNAは、多量体化要素(例えば、異種多量体化要素)をコードする。いくつかの実施形態では、異種多量体化要素は、二量体化、三量体化、または四量体化要素を含む。
いくつかの実施形態では、多量体化要素は、WO2017/081082(例えば、配列番号1116~1167、またはその断片もしくはバリアント)に記載されるものである。
例示的な三量体化及び四量体化要素としては、操作されたロイシンジッパー、腸内細菌ファージT4からのフィブリチンフォルドンドメイン、GCN4pll、GCN4-pll、及びp53が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、提供されるコードされたポリペプチド(複数可)は、三量体複合体を形成することができる。例えば、利用されるコードされたポリペプチド(複数可)は、例えば、本明細書に記載のコードされたポリペプチド(複数可)を含むアミノ酸配列の特定の三量体複合体などの多量体複合体の形成を可能にするドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、多量体複合体の形成を可能にするドメインは、三量体化ドメイン、例えば、本明細書に記載の三量体化ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチド(複数可)は、例えば、その免疫原性を増大させるために、T4-フィブリチン由来の「フォルドン」三量体化ドメインを付加することによって修飾され得る。
[298]いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、膜貫通ドメインなどの膜会合要素(例えば、異種膜会合要素)をコードする。
膜貫通ドメインは、N末端、C末端、またはコードされたポリペプチドの内部であり得る。膜貫通要素のコード配列は、典型的には、それが連結される配列(例えば、ポリペプチド(複数可)をコードする配列)のコード配列のフレーム(すなわち、同じリーディングフレーム)、5’、3’、または内部に配置される。
いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)、HIV-1のEnv、ウマ感染性貧血ウイルス(EIAV)、マウス白血病ウイルス(MLV)、マウス乳がん腫瘍ウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)のGタンパク質、狂犬病ウイルス、または7つの膜貫通ドメイン受容体の膜貫通ドメインを含むか、またはそれである。
一実施形態では、シグナル配列は、配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の機能的断片を含む。一実施形態では、シグナル配列は、配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、シグナル配列をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド54~119のヌクレオチド配列、配列番号32のヌクレオチド54~119のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号32のヌクレオチド54~119のヌクレオチド配列、もしくは配列番号32のヌクレオチド54~119のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列、もしくは配列番号31アミノ酸1~22のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の機能的断片をコードする。一実施形態では、シグナル配列をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド54~119のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
かかるシグナルペプチドは、好ましくは、コードされた抗原ペプチドまたはタンパク質の分泌を促進するために使用される。より好ましくは、本明細書で定義されるシグナルペプチドは、本明細書で定義されるコードされた抗原ペプチドまたはタンパク質に融合される。
したがって、特に好ましい実施形態では、本明細書に記載のRNAは、抗原ペプチドまたはタンパク質及びシグナルペプチドをコードする少なくとも1つのコード領域を含み、当該シグナルペプチドは、好ましくは、抗原ペプチドまたはタンパク質に、より好ましくは、本明細書に記載の抗原ペプチドまたはタンパク質のN末端に融合される。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1もしくは7のアミノ酸配列、配列番号1もしくは7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1もしくは7のアミノ酸配列、もしくは配列番号1もしくは7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1または7のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号1もしくは7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号1もしくは7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1もしくは7のアミノ酸配列、もしくは配列番号1もしくは7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号1もしくは7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号7のアミノ酸配列、配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号7のアミノ酸配列、もしくは配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号7のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号15、16、19、20、24、もしくは25のヌクレオチド配列、配列番号15、16、19、20、24、もしくは25のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号15、16、19、20、24、もしくは25のヌクレオチド配列、もしくは配列番号15、16、19、20、24、もしくは25のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号7のアミノ酸配列、もしくは配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号15、16、19、20、24、もしくは25のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1のアミノ酸1~683のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~683のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~683のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~683のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1のアミノ酸1~683のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~2049のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~2049のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~2049のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~2049のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸1~683のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~683のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~683のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~683のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~2049のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸1~683のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1のアミノ酸1~685のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~685のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号1のアミノ酸1~685のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~2055のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~2055のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~2055のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~2055のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸1~685のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~685のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~685のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~2055のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸1~685のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号3のアミノ酸配列、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号3のアミノ酸配列、もしくは配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号4のヌクレオチド配列、配列番号4のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号4のヌクレオチド配列、もしくは配列番号4のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号3のアミノ酸配列、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号3のアミノ酸配列、もしくは配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号4のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号3のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号29のアミノ酸1~221のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~221のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~221のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸1~221のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号29のアミノ酸1~221のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド54~716のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド54~716のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド54~716のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド54~716のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸1~221のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~221のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~221のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸1~221のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド54~716のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸配列1~221のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号31のアミノ酸1~224のアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸1~224のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸1~224のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸1~224のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号31のアミノ酸1~224のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド54~725のヌクレオチド配列、配列番号32のヌクレオチド54~725のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号32のヌクレオチド54~725のヌクレオチド配列、もしくは配列番号32のヌクレオチド54~725のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸1~224のアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸1~224のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸1~224のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸1~224のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド54~725のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸配列1~224のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
ある特定の実施形態によれば、三量体化ドメインは、直接的に、またはリンカー、例えば、グリシン/セリンリンカーを介してのいずれかで、SARS-CoV-2 Sタンパク質、そのバリアント、またはその断片、すなわち、抗原ペプチドもしくはタンパク質に融合される。したがって、一実施形態では、三量体化ドメインは、上記のワクチン抗原(上記のようにシグナルペプチドに任意に融合させることができる)によって構成されるSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片(抗原ペプチドまたはタンパク質)に由来する上記アミノ酸配列に融合される。
かかる三量体化ドメインは、好ましくは、限定されないが、抗原ペプチドまたはタンパク質のC末端に位置する。本明細書で定義される三量体化ドメインは、好ましくは、RNAによってコードされる抗原性ペプチドまたはタンパク質の三量体化を可能にする。本明細書で定義される三量体化ドメインの例としては、限定されないが、T4フィブリチンの天然の三量体化ドメインであるフォルドンが挙げられる。T4フィブリチン(フォルドン)のC末端ドメインは、フィブリチン三量体構造の形成に必須であり、人工的な三量体化ドメインとして使用することができる。一実施形態では、本明細書で定義される三量体化ドメインは、限定されないが、配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列を含む配列、またはその機能的バリアントを含む。一実施形態では、本明細書で定義される三量体化ドメインは、限定されないが、配列番号10のアミノ酸配列を含む配列、またはその機能的バリアントを含む。
一実施形態では、三量体化ドメインは、配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列、配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列、もしくは配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の機能的断片を含む。一実施形態では、三量体化ドメインは、配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、三量体化ドメインをコードするRNAは、(i)配列番号11のヌクレオチド7~87のヌクレオチド配列、配列番号11のヌクレオチド7~87のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号11のヌクレオチド7~87のヌクレオチド配列、もしくは配列番号11のヌクレオチド7~87のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列、配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列、もしくは配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の機能的断片をコードする。一実施形態では、三量体化ドメインをコードするRNAは、(i)配列番号11のヌクレオチド7~87のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、三量体化ドメインは、配列番号10のアミノ酸配列、配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号10のアミノ酸配列、もしくは配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の機能的断片を含む。一実施形態では、三量体化ドメインは、配列番号10のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、三量体化ドメインをコードするRNAは、(i)配列番号11のヌクレオチド配列、配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号11のヌクレオチド配列、もしくは配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号10のアミノ酸配列、配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号10のアミノ酸配列、もしくは配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の機能的断片をコードする。一実施形態では、三量体化ドメインをコードするRNAは、(i)配列番号11のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
かかる三量体化ドメインは、好ましくは、コードされた抗原ペプチドまたはタンパク質の三量体化を促進するために使用される。より好ましくは、本明細書で定義される三量体化ドメインは、本明細書で定義される抗原ペプチドまたはタンパク質に融合される。
したがって、特に好ましい実施形態では、本明細書に記載のRNAは、抗原ペプチドまたはタンパク質及び本明細書で定義される三量体化ドメインをコードする少なくとも1つのコード領域を含み、当該三量体化ドメインは、好ましくは、抗原ペプチドまたはタンパク質に、より好ましくは抗原ペプチドまたはタンパク質のC末端に融合される。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号5のアミノ酸配列、配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号5のアミノ酸配列、もしくは配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号5のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号6のヌクレオチド配列、配列番号6のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号6のヌクレオチド配列、もしくは配列番号6のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号5のアミノ酸配列、配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号5のアミノ酸配列、もしくは配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号6のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号17、21、もしくは26のヌクレオチド配列、配列番号17、21、もしくは26のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号17、21、もしくは26のヌクレオチド配列、もしくは配列番号17、21、もしくは26のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号5のアミノ酸配列、配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号5のアミノ酸配列、もしくは配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号17、21、もしくは26のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号18のアミノ酸配列、配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号18のアミノ酸配列、もしくは配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号18のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号29のアミノ酸1~257のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~257のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~257のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸1~257のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号29のアミノ酸1~257のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド54~824のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド54~824のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド54~824のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド54~824のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸1~257のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~257のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~257のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸1~257のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド54~824のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸1~257のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号31のアミノ酸1~260のアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸1~260のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸1~260のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸1~260のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号31のアミノ酸1~260のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド54~833のヌクレオチド配列、配列番号32のヌクレオチド54~833のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号32のヌクレオチド54~833のヌクレオチド配列、もしくは配列番号32のヌクレオチド54~833のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸1~260のアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸1~260のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸1~260のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸1~260のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド54~833のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸1~260のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号29のアミノ酸20~257のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸20~257のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸20~257のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸20~257のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号29のアミノ酸20~257のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド111~824のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド111~824のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド111~824のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド111~824のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸20~257のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸20~257のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸20~257のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸20~257のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド111~824のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸20~257のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号31のアミノ酸23~260のアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸23~260のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸23~260のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸23~260のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号31のアミノ酸23~260のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド120~833のヌクレオチド配列、配列番号32のヌクレオチド120~833のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号32のヌクレオチド120~833のヌクレオチド配列、もしくは配列番号32のヌクレオチド120~833のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸23~260のアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸23~260のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸23~260のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸23~260のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド120~833のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸23~260のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
ある特定の実施形態によれば、膜貫通ドメインは、直接的に、またはリンカー、例えば、グリシン/セリンリンカーを介してのいずれかで、SARS-CoV-2 Sタンパク質、そのバリアント、またはその断片、すなわち、抗原ペプチドもしくはタンパク質に融合される。したがって、一実施形態では、膜貫通ドメインは、上記のワクチン抗原(上記のようにシグナルペプチド及び/または三量体化ドメインに任意に融合させることができる)によって構成されるSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片(抗原ペプチドもしくはタンパク質)に由来する上記アミノ酸配列に融合される。
かかる膜貫通ドメインは、好ましくは、限定されないが、抗原ペプチドまたはタンパク質のC末端に位置する。好ましくは、かかる膜貫通ドメインは、存在する場合、限定されないが、三量体化ドメインのC末端に位置する。一実施形態では、三量体化ドメインは、SARS-CoV-2 Sタンパク質、そのバリアント、またはその断片、すなわち、抗原ペプチドまたはタンパク質、及び膜貫通ドメインの間に存在する。
本明細書で定義される膜貫通ドメインは、好ましくは、RNAによってコードされる抗原ペプチドまたはタンパク質の細胞膜内へのアンカリングを可能にする。
一実施形態では、本明細書で定義される膜貫通ドメイン配列は、限定されないが、SARS-CoV-2 Sタンパク質の膜貫通ドメイン配列、特に配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列を含む配列、またはその機能的バリアントを含む。
一実施形態では、膜貫通ドメイン配列は、配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の機能的断片を含む。一実施形態では、膜貫通ドメイン配列は、配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、膜貫通ドメイン配列をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド3619~3762のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド3619~3762のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド3619~3762のヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド3619~3762のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の機能的断片をコードする。一実施形態では、膜貫通ドメイン配列をコードするRNAは、(i)配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド3619~3762のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号31のアミノ酸1~314のアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸1~314のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸1~314のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸1~314のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号31のアミノ酸1~314のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド54~995のヌクレオチド配列、配列番号32のヌクレオチド54~995のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号32のヌクレオチド54~995のヌクレオチド配列、もしくは配列番号32のヌクレオチド54~995のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸1~314のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸1~314のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸1~314のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸1~314のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド54~995のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸1~314のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチドの断片を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号31のアミノ酸23~314のアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸23~314のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸23~314のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸23~314のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号31のアミノ酸23~314のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド120~995のヌクレオチド配列、配列番号32のヌクレオチド120~995のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号32のヌクレオチド120~995のヌクレオチド配列、もしくは配列番号32のヌクレオチド120~995のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸23~314のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸23~314のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸23~314のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸23~314のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド120~995のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸23~314のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号30のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド配列、配列番号32のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号32のヌクレオチド配列、もしくは配列番号32のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号31のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸配列、もしくは配列番号31のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号32のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号31のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号28のアミノ酸配列、配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号28のアミノ酸配列、もしくは配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号28のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号27のヌクレオチド配列、配列番号27のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号27のヌクレオチド配列、もしくは配列番号27のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号28のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号28のアミノ酸配列、もしくは配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号27のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号28のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号49のアミノ酸配列、配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号49のアミノ酸配列、もしくは配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号49のアミノ酸配列を含む。配列番号49のアミノ酸配列は、配列番号1の残基986及び987(配列番号49の残基983及び984)に対応する位置にプロリン残基を含む、オミクロンBA.1の全長Sタンパク質のアミノ酸配列に対応する。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号50のヌクレオチド配列、配列番号50のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号50のヌクレオチド配列、もしくは配列番号50のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号49のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号49のアミノ酸配列、もしくは配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号50のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号49のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。配列番号50のヌクレオチド配列は、配列番号1の残基986及び987(配列番号49の残基983及び984)に対応する位置にプロリン残基を有する、オミクロンBA.1由来の完全長Sタンパク質のアミノ酸配列をコードするように設計されたヌクレオチド配列である。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号51のヌクレオチド配列、配列番号51のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号51のヌクレオチド配列、もしくは配列番号51のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号49のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号49のアミノ酸配列、もしくは配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号51のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号49のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。配列番号51のヌクレオチド配列は、配列番号1の残基986及び987に対応する(配列番号49の残基983及び984に対応する)位置にプロリン残基を有する、オミクロンBA.1由来の完全長Sタンパク質のアミノ酸配列をコードする、RNA構築物(例えば、5’UTR、Sタンパク質コード配列、3’UTR、及びポリA尾部を含む)に対応する。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号55のアミノ酸配列、配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号55のアミノ酸配列、もしくは配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号55のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号56のヌクレオチド配列、配列番号56のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号56のヌクレオチド配列、もしくは配列番号56のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号55のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号55のアミノ酸配列、もしくは配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号56のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号55のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号57のヌクレオチド配列、配列番号57のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号57のヌクレオチド配列、もしくは配列番号57のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号55のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号55のアミノ酸配列、もしくは配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号57のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号55のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号58のアミノ酸配列、配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号58のアミノ酸配列、もしくは配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号58のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号59のヌクレオチド配列、配列番号59のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号59のヌクレオチド配列、もしくは配列番号59のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号58のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号58のアミノ酸配列、もしくは配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号59のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号58のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号60のヌクレオチド配列、配列番号60のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号60のヌクレオチド配列、もしくは配列番号60のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号58のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号58のアミノ酸配列、もしくは配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号60のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号58のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号61のアミノ酸配列、配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号61のアミノ酸配列、もしくは配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号61のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号62aのヌクレオチド配列、配列番号62aのヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号62aのヌクレオチド配列、もしくは配列番号62aのヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号61のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号61のアミノ酸配列、もしくは配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号62aのヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号61のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号63aのヌクレオチド配列、配列番号63aのヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号63aのヌクレオチド配列、もしくは配列番号63aのヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号61のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号61のアミノ酸配列、もしくは配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号63aのヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号61のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号52のアミノ酸配列、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号52のアミノ酸配列、もしくは配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。一実施形態では、ワクチン抗原は、配列番号52のアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号53のヌクレオチド配列、配列番号53のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号53のヌクレオチド配列、もしくは配列番号53のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列断片を含み、及び/または(ii)配列番号52のアミノ酸配列、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号52のアミノ酸配列、もしくは配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号53のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号52のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号54のヌクレオチド配列、配列番号54のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号54のヌクレオチド配列、もしくは配列番号54のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含み、及び/または(ii)配列番号52のアミノ酸配列、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号52のアミノ酸配列、もしくは配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列を含むアミノ酸配列の免疫原性断片をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、(i)配列番号54のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号52のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、上記のワクチン抗原は、上記のワクチン抗原によって構成される、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片(抗原ペプチドまたはタンパク質)に由来する上記のアミノ酸配列からなるか、または本質的にそれからなる、SARS-CoV-2コロナウイルススパイク(S)タンパク質の連続配列を含む。一実施形態では、上記のワクチン抗原は、220個のアミノ酸、215個のアミノ酸、210個のアミノ酸、または205個のアミノ酸以下のSARS-CoV-2コロナウイルススパイク(S)タンパク質の連続配列を含む。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、BNT162b1(RBP020.3)、BNT162b2(RBP020.1もしくはRBP020.2)、またはBNT162b3(例えば、BNT162b3c)として本明細書に記載されるヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)である。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、RBP020.2として本明細書に記載されるヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)である。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、BNT162b3(例えば、BNT162b3c)として本明細書に記載されるヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)である。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号21のヌクレオチド配列、配列番号21のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号21のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号19もしくは20のヌクレオチド配列、配列番号19もしくは20のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、(i)配列番号19または20のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号20のヌクレオチド配列、配列番号20のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号20のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号30のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号30のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号50のヌクレオチド配列、配列番号50のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号49のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号50のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号49のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号51のヌクレオチド配列、配列番号51のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号49のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号51のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号49のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号57のヌクレオチド配列、配列番号57のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号55のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号57のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号55のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号60のヌクレオチド配列、配列番号60のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号58のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号60のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号58のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号63aのヌクレオチド配列、配列番号63aのヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号61のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号63aのヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号61のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号53のヌクレオチド配列、配列番号53のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号52のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号53のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号52のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号54のヌクレオチド配列、配列番号54のヌクレオチド配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号52のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、もしくは97%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号54のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号52のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
本明細書で使用される場合、「ワクチン」という用語は、対象への接種時に免疫応答を誘導する組成物を指す。いくつかの実施形態では、誘導された免疫応答は、保護性免疫を提供する。
一実施形態では、抗原分子をコードするRNAは、抗原分子を提供するために、対象の細胞内で発現される。一実施形態では、抗原分子の発現は、細胞表面または細胞外空間にある。一実施形態では、抗原分子は、MHCの文脈で提示される。一実施形態では、抗原分子をコードするRNAは、対象の細胞で一過性に発現される。一実施形態では、抗原分子をコードするRNAの投与後、特に、抗原分子をコードするRNAの筋肉内投与後、筋肉中の抗原分子をコードするRNAの発現が生じる。一実施形態では、抗原分子をコードするRNAの投与後、脾臓における抗原分子をコードするRNAの発現が生じる。一実施形態では、抗原分子をコードするRNAの投与後、抗原提示細胞、好ましくはプロフェッショナル抗原提示細胞における抗原分子をコードするRNAの発現が生じる。一実施形態では、抗原提示細胞は、樹状細胞、マクロファージ、及びB細胞からなる群から選択される。一実施形態では、抗原分子をコードするRNAの投与後、肺及び/または肝臓における抗原分子をコードするRNAの発現がないか、または本質的にない。一実施形態では、抗原分子をコードするRNAの投与後、脾臓における抗原分子をコードするRNAの発現は、肺における発現量の少なくとも5倍である。
いくつかの実施形態では、対象への投与後、特に筋肉内投与後、本明細書に記載の方法及び薬剤、例えば、RNA組成物は、ワクチン抗原をコードするRNAの、リンパ節及び/または脾臓への送達をもたらす。いくつかの実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、投与後6時間以上、好ましくは最大6日以上で、リンパ節及び/または脾臓において検出可能である。
いくつかの実施形態では、対象への投与後、特に筋肉内投与後、本明細書に記載の方法及び薬剤、例えば、mRNA組成物は、ワクチン抗原をコードするRNAの、B細胞濾胞、皮質洞、及び/またはT細胞帯、特にリンパ節のB細胞濾胞及び/または皮質洞への送達をもたらす。
いくつかの実施形態では、対象への投与後、特に筋肉内投与後、本明細書に記載の方法及び薬剤、例えば、mRNA組成物は、リンパ節のT細胞帯及び中間洞、特にリンパ節のB細胞(CD19+)及び/または皮質洞マクロファージ(CD169+)における、B細胞(CD19+)、皮質洞マクロファージ(CD169+)及び/または樹状細胞(CD11c+)へのワクチン抗原をコードするRNAの送達をもたらす。
いくつかの実施形態では、対象への投与後、特に筋肉内投与後、本明細書に記載の方法及び薬剤、例えば、mRNA組成物は、ワクチン抗原をコードするRNAの、白脾髄への送達をもたらす。
いくつかの実施形態では、対象への投与後、特に筋肉内投与後、本明細書に記載の方法及び薬剤、例えば、mRNA組成物は、ワクチン抗原をコードするRNAを、B細胞、DC(CD11c+)、特にB細胞を取り囲むもの、及び/または脾臓のマクロファージ、特にB細胞及び/またはDC(CD11c+)への送達をもたらす。
一実施形態では、ワクチン抗原は、リンパ節及び/または脾臓、特に上記のリンパ節及び/または脾臓の細胞で発現される。
本開示による使用に好適なペプチド及びタンパク質抗原は、典型的には、免疫応答を誘導するためのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその機能的バリアントのエピトープを含む、ペプチドまたはタンパク質を含む。ペプチドまたはタンパク質またはエピトープは、標的抗原、すなわち、免疫応答が誘発される抗原に由来し得る。例えば、ペプチドもしくはタンパク質抗原、またはペプチドもしくはタンパク質抗原に含まれるエピトープは、標的抗原または標的抗原の断片もしくはバリアントであってもよい。標的抗原は、コロナウイルスSタンパク質、特にSARS-CoV-2 Sタンパク質であり得る。
抗原分子またはその進行生成物、例えば、その断片は、免疫エフェクター細胞によって担持されるBCRまたはTCRなどの抗原受容体に、または抗体に結合し得る。
ペプチド及びタンパク質抗原、すなわち、ワクチン抗原をコードするRNAを投与することによって、本開示に従って対象に提供されるペプチド及びタンパク質抗原は、好ましくは、ペプチドまたはタンパク質抗原を提供される対象における免疫応答、例えば、体液性免疫応答及び/または細胞性免疫応答の誘導をもたらす。当該免疫応答は、好ましくは、標的抗原、特にコロナウイルスSタンパク質、特にSARS-CoV-2 Sタンパク質に対して指向される。したがって、ワクチン抗原は、標的抗原、そのバリアント、またはその断片を含み得る。一実施形態では、かかる断片またはバリアントは、標的抗原と免疫学的に等価である。本開示の文脈において、「抗原の断片」または「抗原のバリアント」という用語は、免疫応答が抗原、すなわち標的抗原を標的とする免疫応答の誘導をもたらす薬剤を意味する。したがって、ワクチン抗原は、標的抗原に対応し得るか、もしくは標的抗原を含み得るか、または標的抗原の断片に対応し得るか、もしくはそれを含み得るか、または標的抗原もしくはその断片に相同である抗原に対応し得るか、もしくはそれを含み得る。したがって、本開示によれば、ワクチン抗原は、標的抗原の免疫原性断片または標的抗原の免疫原性断片と相同であるアミノ酸配列を含み得る。本開示による「抗原の免疫原性断片」は、好ましくは、標的抗原に対する免疫応答を誘導することができる抗原の断片に関する。ワクチン抗原は、組換え抗原であり得る。
「免疫学的に等価な」という用語は、免疫学的に等価なアミノ酸配列などの免疫学的に等価な分子が、例えば、免疫学的効果のタイプに関して、同じまたは本質的に同じ免疫学的特性を示し、及び/または同じまたは本質的に同じ免疫学的効果を発揮することを意味する。本開示の文脈において、「免疫学的に等価な」という用語は、好ましくは、免疫化に使用される抗原または抗原バリアントの免疫学的効果または特性に関して使用される。例えば、アミノ酸配列が、対象の免疫系に曝露されたときに、参照アミノ酸配列と反応する特異性を有する免疫反応を誘発する場合、当該アミノ酸配列は、参照アミノ酸配列と免疫学的に等価である。
「活性化」または「刺激」は、本明細書で使用される場合、検出可能な細胞増殖を誘導するために十分に刺激されたT細胞などの免疫エフェクター細胞の状態を指す。活性化はまた、シグナル伝達経路、誘導サイトカイン産生、及び検出可能なエフェクター機能の開始と関連付けられ得る。「活性化免疫エフェクター細胞」という用語は、とりわけ、細胞分裂を経ている免疫エフェクター細胞を指す。
「プライミング」という用語は、T細胞などの免疫エフェクター細胞が、その特異的抗原と最初に接触し、エフェクターT細胞などのエフェクター細胞への分化を引き起こすプロセスを指す。
「クローン拡張」または「拡張」という用語は、特定の実体が増殖されるプロセスを指す。本開示の文脈において、この用語は、好ましくは、免疫エフェクター細胞が抗原によって刺激され、増殖し、当該抗原を認識する特異的免疫エフェクター細胞が増幅される免疫応答の文脈で使用される。好ましくは、クローン拡張は、免疫エフェクター細胞の分化をもたらす。
「抗原」という用語は、免疫応答が生成され得るエピトープを含む薬剤に関する。「抗原」という用語には、特に、タンパク質及びペプチドが含まれる。一実施形態では、抗原は、樹状細胞またはマクロファージのような抗原提示細胞などの免疫系の細胞によって提示される。T細胞エピトープなどの抗原またはその進行生成物は、一実施形態では、T細胞もしくはB細胞受容体によって、または抗体などの免疫グロブリン分子によって結合される。したがって、抗原またはその進行生成物は、抗体またはTリンパ球(T細胞)と特異的に反応し得る。一実施形態では、抗原は、コロナウイルスSタンパク質、例えば、SARS-CoV-2 Sタンパク質などのウイルス抗原であり、エピトープは、かかる抗原に由来する。
「ウイルス抗原」という用語は、抗原特性を有する、すなわち、個体における免疫応答を誘発することができる任意のウイルス成分を指す。ウイルス抗原は、コロナウイルスSタンパク質、例えば、SARS-CoV-2 Sタンパク質であり得る。
「細胞表面上に発現される」または「細胞表面と会合される」という用語は、抗原などの分子が細胞の形質膜と会合され、細胞の形質膜に位置することを意味し、分子の少なくとも一部は、当該細胞の細胞外空間に面し、例えば、細胞の外側に位置する抗体によって、当該細胞の外側からアクセス可能である。この文脈において、部分は、好ましくは、少なくとも4個、好ましくは少なくとも8個、好ましくは少なくとも12個、より好ましくは少なくとも20個のアミノ酸である。会合は、直接的または間接的であり得る。例えば、会合は、1つ以上の膜貫通ドメイン、1つ以上の脂質アンカーによって、または細胞の形質膜の外側リーフレット上に見出され得る任意の他のタンパク質、脂質、糖類、または他の構造との相互作用によって行われ得る。例えば、細胞の表面と会合する分子は、細胞外部分を有する膜貫通タンパク質であってもよく、または膜貫通タンパク質である別のタンパク質と相互作用することによって細胞の表面と会合するタンパク質であってもよい。
「細胞表面」または「細胞の表面」は、当該技術分野における通常の意味に従って使用され、したがって、タンパク質及び他の分子による結合にアクセス可能な細胞の外部を含む。抗原は、それが当該細胞の表面に位置し、細胞に付加される抗原特異的抗体によって結合にアクセス可能である場合、細胞の表面上に発現される。
本開示の文脈における「細胞外部分」または「エキソドメイン」という用語は、細胞の細胞外空間に面し、好ましくは、当該細胞の外側から、例えば、細胞の外側に位置する抗体などの結合分子によってアクセス可能である、タンパク質などの分子の一部を指す。好ましくは、この用語は、1つ以上の細胞外ループもしくはドメイン、またはその断片を指す。
「エピトープ」という用語は、免疫系によって認識される抗原などの分子の一部または断片を指す。例えば、エピトープは、T細胞、B細胞、または抗体によって認識され得る。抗原のエピトープは、抗原の連続的または不連続的な部分を含み得、約5~約100、例えば、約5~約50、より好ましくは、約8~約30、最も好ましくは、約8~約25のアミノ酸の長さ、例えば、エピトープは、好ましくは、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25アミノ酸の長さであってよい。一実施形態では、エピトープは、約10~約25アミノ酸の長さである。「エピトープ」という用語には、T細胞エピトープが含まれる。
「T細胞エピトープ」という用語は、MHC分子の文脈において提示されるとき、T細胞によって認識されるタンパク質の部分または断片を指す。「主要組織適応性複合体」という用語及び「MHC」という略称は、MHCクラスI及びMHCクラスII分子を含み、全ての脊椎動物に存在する遺伝子の複合体に関する。MHCタンパク質または分子は、免疫反応におけるリンパ球と抗原提示細胞または疾患細胞との間のシグナル伝達に重要であり、MHCタンパク質または分子は、ペプチドエピトープに結合し、T細胞上のT細胞受容体による認識のためにそれらを提示する。MHCによってコードされるタンパク質は、細胞の表面上に発現し、自己抗原(細胞自体からのペプチド断片)及び非自己抗原(例えば、侵入微生物の断片)の両方をT細胞に示す。クラスI MHC/ペプチド複合体の場合、結合ペプチドは、典型的には、約8~約10アミノ酸長であるが、より長いか、またはより短いペプチドが有効であり得る。クラスII MHC/ペプチド複合体の場合、結合ペプチドは、典型的には、約10~約25アミノ酸長であり、特に、約13~約18アミノ酸長であるが、一方で、より長く、より短いペプチドが有効であり得る。
ペプチド及びタンパク質抗原は、2~100アミノ酸であり得、例えば、5アミノ酸、10アミノ酸、15アミノ酸、20アミノ酸、25アミノ酸、30アミノ酸、35アミノ酸、40アミノ酸、45アミノ酸、または50アミノ酸の長さが挙げられる。いくつかの実施形態では、ペプチドは、50アミノ酸超であり得る。いくつかの実施形態では、ペプチドは、100アミノ酸超であり得る。
ペプチドまたはタンパク質抗原は、免疫がペプチドまたはタンパク質に対する抗体及びT細胞応答を発達させる能力を誘導または増加させることができる、任意のペプチドまたはタンパク質であり得る。
一実施形態では、ワクチン抗原は、免疫エフェクター細胞によって認識される。好ましくは、免疫エフェクター細胞によって認識される場合、ワクチン抗原は、適切な共刺激シグナルの存在下で、ワクチン抗原を認識する抗原受容体を担持する免疫エフェクター細胞の刺激、プライミング、及び/または拡張を誘導することができる。本開示の実施形態の文脈において、ワクチン抗原は、好ましくは細胞、好ましくは抗原提示細胞の表面に提示されるか、または存在する。一実施形態では、抗原は、ウイルス感染細胞などの疾患細胞によって提示される。一実施形態では、抗原受容体は、MHCの文脈において提示される抗原のエピトープに結合するTCRである。一実施形態では、T細胞によって発現されるとき、及び/またはT細胞上に存在するときのTCRの、抗原提示細胞などの細胞によって提示される抗原への結合は、当該T細胞の刺激、プライミング、及び/または拡張をもたらす。一実施形態では、T細胞によって発現されるとき、及び/またはT細胞上に存在するときのTCRの、罹患した細胞上に提示される抗原への結合は、罹患した細胞の細胞溶解及び/またはアポトーシスをもたらし、当該T細胞は、好ましくは、細胞傷害性因子、例えば、ペルフォリン及びグランザイムを放出する。
一実施形態では、抗原受容体は、抗原内のエピトープに結合する抗体またはB細胞受容体である。一実施形態では、抗体またはB細胞受容体は、抗原の天然エピトープに結合する。
核酸
「ポリヌクレオチド」または「核酸」という用語は、本明細書で使用される場合、DNA及びRNA、例えば、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、組換えによって産生され、化学的に合成された分子を含むことが意図される。核酸は、一本鎖または二本鎖であり得る。RNAには、インビトロ転写RNA(IVT RNA)または合成RNAが含まれる。本開示によると、ポリヌクレオチドは、好ましくは単離される。
核酸は、ベクターに含まれ得る。「ベクター」という用語は、本明細書で使用される場合、プラスミドベクター、コスミドベクター、ラムダファージなどのファージベクター、レトロウイルス、アデノウイルス、もしくはバキュロウイルスベクターなどのウイルスベクター、または細菌人工染色体(BAC)、酵母人工染色体(YAC)、もしくはP1人工染色体(PAC)などの人工染色体ベクターを含む、当業者に既知の任意のベクターを含む。当該ベクターは、発現及びクローニングベクターを含む。発現ベクターは、プラスミド及びウイルスベクターを含み、一般に、特定の宿主生物(例えば、細菌、酵母、植物、昆虫、もしくは哺乳動物)またはインビトロ発現系における作動可能に連結されたコード配列の発現に必要な所望のコード配列及び適切なDNA配列を含む。クローニングベクターは、一般に、ある特定の所望のDNA断片を操作及び増幅するために使用され、所望のDNA断片の発現に必要な機能的配列を欠いていてもよい。
本開示の全ての態様の一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ワクチン抗原を提供するように治療された対象の抗原提示細胞などの細胞において発現される。
本明細書に記載の核酸は、組換え分子及び/または単離された分子であり得る。
本開示では、「RNA」という用語は、リボヌクレオチド残基を含む核酸分子に関する。好ましい実施形態では、RNAは、リボヌクレオチド残基の全てまたは大部分を含有する。本明細書で使用される場合、「リボヌクレオチド」は、β-D-リボフラノシル基の2’位にヒドロキシル基を有するヌクレオチドを指す。RNAは、限定されないが、二本鎖RNA、一本鎖RNA、部分的に精製されたRNAなどの単離されたRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組換えによって産生されたRNA、ならびに1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換及び/または改変によって天然に存在するRNAとは異なる修飾されたRNAを包含する。かかる改変は、非ヌクレオチド材料の内部RNAヌクレオチドまたはRNAの末端(複数可)への付加を指し得る。RNA中のヌクレオチドが、化学的に合成されたヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドなどの非標準的なヌクレオチドであり得ることもまた、本明細書で企図される。本開示では、これらの改変されたRNAは、天然に存在するRNAの類似体とみなされる。
本開示のある特定の実施形態では、RNAは、ペプチドまたはタンパク質をコードするRNA転写物に関連するメッセンジャーRNA(mRNA)である。当該技術分野において確立されるように、mRNAは、一般に、5’非翻訳領域(5’-UTR)、ペプチドコード領域、及び3’非翻訳領域(3’-UTR)を含む。いくつかの実施形態では、RNAは、インビトロ転写または化学合成によって産生される。一実施形態では、mRNAは、DNAテンプレートを使用したインビトロ転写によって産生されるが、DNAとは、デオキシリボヌクレオチドを含有する核酸を指す。
一実施形態では、RNAは、インビトロ転写RNA(IVT-RNA)であり、適切なDNAテンプレートのインビトロ転写によって得ることができる。転写を制御するためのプロモーターは、任意のRNAポリメラーゼの任意のプロモーターであり得る。インビトロ転写のためのDNAテンプレートは、核酸、特にcDNAをクローニングし、それをインビトロ転写のための適切なベクターに導入することによって得ることができる。cDNAは、RNAの逆転写によって得ることができる。
本開示のある特定の実施形態では、RNAは、「レプリコンRNA」または単に「レプリコン」であり、特に「自己複製RNA」または「自己増幅RNA」である。特に好ましい一実施形態では、レプリコンまたは自己複製RNAは、ssRNAウイルス、特にアルファウイルスなどのプラス鎖ssRNAウイルスに由来するか、またはそれに由来する要素を含む。アルファウイルスは、プラス鎖RNAウイルスの典型的な代表である。アルファウイルスは、感染細胞の細胞質内で複製される(アルファウイルス生活環のレビューについては、Jose et al.,Future Microbiol.,2009,vol.4,pp.837-856を参照されたい)。多くのアルファウイルスの総ゲノム長は、典型的には、11,000~12,000ヌクレオチドの範囲であり、ゲノムRNAは、典型的には、5’キャップ及び3’ポリ(A)尾部を有する。アルファウイルスのゲノムは、非構造タンパク質(ウイルスRNAの転写、修飾、及び複製に関与し、タンパク質修飾に関与する)ならびに構造タンパク質(ウイルス粒子を形成する)をコードする。ゲノムには、典型的に2つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在する。4つの非構造タンパク質(nsP1~nsP4)は、典型的には、ゲノムの5’末端近くから始まる第1のORFによって一緒にコードされ、一方、アルファウイルス構造タンパク質は、第1のORFの下流で見出され、ゲノムの3’末端近くに延びる第2のORFによって一緒にコードされる。典型的には、第1のORFは、第2のORFよりも大きく、比は、およそ2:1である。アルファウイルスによって感染した細胞では、非構造タンパク質をコードする核酸配列のみがゲノムRNAから翻訳され、一方で構造タンパク質をコードする遺伝子情報は、真核生物のメッセンジャーRNAに類似するRNA分子であるサブゲノム転写産物から翻訳可能である(mRNA、Gould et al.,2010,Antiviral Res.,vol.87 pp.111-124)。感染後、すなわち、ウイルス生活環の初期段階で、(+)鎖ゲノムRNAは、非構造ポリタンパク質(nsP1234)をコードするオープンリーディングフレームの翻訳のためのメッセンジャーRNAのように直接作用する。アルファウイルス由来ベクターは、標的細胞または標的生物への外来遺伝情報の送達のために提案されている。単純なアプローチでは、アルファウイルス構造タンパク質をコードするオープンリーディングフレームは、目的のタンパク質をコードするオープンリーディングフレームによって置き換えられる。アルファウイルスに基づくトランス複製系は、2つの別個の核酸分子上のアルファウイルスヌクレオチド配列要素に依存し、1つの核酸分子は、ウイルスレプリカーゼをコードし、もう1つの核酸分子は、トランスの当該レプリカーゼによって複製可能である(したがって、トランス複製系という呼称)。トランス複製は、所与の宿主細胞内にこれらの核酸分子の両方の存在を必要とする。トランスでレプリカーゼによって複製可能な核酸分子は、アルファウイルスレプリカーゼによる認識及びRNA合成を可能にするために、ある特定のアルファウイルス配列要素を含んでいなければならない。
一実施形態では、本明細書に記載のRNAは、修飾ヌクレオシドを有し得る。いくつかの実施形態では、RNAは、少なくとも1つの(例えば、全ての)ウリジンの代わりに、修飾ヌクレオシドを含む。
「ウラシル」という用語は、本明細書で使用される場合、RNAの核酸に生じ得る核酸塩基のうちの1つを説明する。ウラシルの構造は、以下である:
Figure 2023081859000008
「ウリジン」という用語は、本明細書で使用される場合、RNAに生じ得るヌクレオシドのうちの1つを説明する。ウリジンの構造は、以下である:
Figure 2023081859000009
UTP(ウリジン5’-三リン酸塩)は、以下の構造を有する:
Figure 2023081859000010
疑似UTP(疑似ウリジン5’-三リン酸塩)は、以下の構造を有する:
Figure 2023081859000011
「プソイドウリジン」は、ウリジンの異性体である修飾ヌクレオシドの一例であり、ウラシルは、窒素-炭素グリコシド結合の代わりに炭素-炭素結合を介してペントース環に付着される。
別の例示的な修飾ヌクレオシドは、以下の構造を有するN1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)である:
Figure 2023081859000012
N1-メチル-疑似-UTPは、以下の構造を有する:
Figure 2023081859000013
別の例示的な修飾ヌクレオシドは、以下の構造を有する5-メチル-ウリジン(m5U)である:
Figure 2023081859000014
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA中の1つ以上のウリジンは、修飾ヌクレオシドによって置き換えられる。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、修飾ウリジンである。
いくつかの実施形態では、RNAは、少なくとも1つのウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、RNAは、各ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む。
いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、独立して、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択される。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、プソイドウリジン(ψ)を含む。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)を含む。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、5-メチル-ウリジン(m5U)を含む。いくつかの実施形態では、RNAは、2つ以上のタイプの修飾ヌクレオシドを含み得、修飾ヌクレオシドは、独立して、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択される。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、プソイドウリジン(ψ)及びN1-メチル-プソイドウリジン(m1Ψ)を含む。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、プソイドウリジン(ψ)及び5-メチル-ウリジン(m5U)を含む。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)及び5-メチル-ウリジン(m5U)を含む。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオシドは、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)を含む。
いくつかの実施形態では、RNA中の1つ以上、例えば、全てのウリジンを置き換える修飾ヌクレオシドは、3-メチル-ウリジン(mU)、5-メトキシ-ウリジン(moU)、5-アザ-ウリジン、6-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ウリジン(sU)、4-チオ-ウリジン(sU)、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシ-ウリジン(hoU)、5-アミノアリル-ウリジン、5-ハロ-ウリジン(例えば、5-ヨード-ウリジンもしくは5-ブロモ-ウリジン)、ウリジン5-オキシ酢酸(cmoU)、ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル(mcmoU)、5-カルボキシメチル-ウリジン(cmU)、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジン(chmU)、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジンメチルエステル(mchmU)、5-メトキシカルボニルメチル-ウリジン(mcmU)、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオ-ウリジン(mcmU)、5-アミノメチル-2-チオ-ウリジン(nmU)、5-メチルアミノメチル-ウリジン(mnmU)、1-エチル-プソイドウリジン、5-メチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン(mnmU)、5-メチルアミノメチル-2-セレノ-ウリジン(mnmseU)、5-カルボキシメチル-ウリジン(ncmU)、5-カルボキシメチルアミノメチル-ウリジン(cmnmU)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン(cmnmU)、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-ウリジン(τmU)、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン(τm5s2U)、1-タウリノメチル-4-チオ-プソイドウリジン)、5-メチル-2-チオ-ウリジン(mU)、1-メチル-4-チオ-プソイドウリジン(mψ)、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、3-メチル-プソイドウリジン(mψ)、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン(D)、ジヒドロプソイドウリジン、5,6-ジヒドロウリジン、5-メチル-ジヒドロウリジン(mD)、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシ-ウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン(acpU)、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジン(acpψ)、5-(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン(inmU)、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2-チオ-ウリジン(inmU)、α-チオ-ウリジン、2’-O-メチル-ウリジン(Um)、5,2’-O-ジメチル-ウリジン(mUm)、2’-O-メチル-プソイドウリジン(ψm)、2-チオ-2’-O-メチル-ウリジン(sUm)、5-メトキシカルボニルメチル-2’-O-メチル-ウリジン(mcmUm)、5-カルバモイルメチル-2’-O-メチル-ウリジン(ncmUm)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-O-メチル-ウリジン(cmnmUm)、3,2’-O-ジメチル-ウリジン(mUm)、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2’-O-メチル-ウリジン(inmUm)、1-チオ-ウリジン、デオキシチミジン、2’-F-アラ-ウリジン、2’-F-ウリジン、2’-OH-アラ-ウリジン、5-(2-カルボメトキシビニル)ウリジン、5-[3-(1-E-プロペニルアミノ)ウリジン、または当該技術分野において知られている任意の他の修飾ウリジンのうちのいずれか1つ以上であり得る。
一実施形態では、RNAは、他の修飾ヌクレオシドを含むか、または更なる修飾ヌクレオシド、例えば、修飾シチジンを含む。例えば、一実施形態では、RNAにおいて、5-メチルシチジンは、シチジンに部分的に、または完全に、好ましくは完全に置換される。一実施形態では、RNAは、5-メチルシチジン、及びプソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択される1つ以上を含む。一実施形態では、RNAは、5-メチルシチジン及びN1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)を含む。いくつかの実施形態では、RNAは、各シチジンの代わりに5-メチルシチジンを含み、各ウリジンの代わりにN1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)を含む。
いくつかの実施形態では、本開示によるRNAは、5’-キャップを含む。一実施形態では、本開示のRNAは、キャップされていない5’-三リン酸塩を有しない。一実施形態では、RNAは、5’-キャップ類似体によって修飾され得る。「5’-キャップ」という用語は、mRNA分子の5’末端上に見出される構造を指し、概して、5’~5’-三リン酸結合を介してmRNAに接続されたグアノシンヌクレオチドからなる。一実施形態では、このグアノシンは、7位でメチル化される。RNAに5’-キャップまたは5’-キャップ類似体を提供することは、インビトロ転写によって達成され得、この場合、5’-キャップは、RNA鎖内に共転写的に発現されるか、またはキャッピング酵素を使用して、転写後にRNAに付着され得る。
いくつかの実施形態では、RNA(例えば、mRNA)は、cap0、cap1、またはcap2、好ましくはcap1またはcap2、より好ましくはcap1を含む。本開示によると、「cap0」という用語は、構造「mGpppN」を含み、Nは、2’位にOH部分を有する任意のヌクレオシドである。本開示によると、「cap1」という用語は、構造「mGpppNm」を含み、Nmは、2’位にOCH部分を有する任意のヌクレオシドである。本開示によると、「cap2」という用語は、構造「mGpppNmNm」を含み、各Nmは、独立して、2’位にOCH部分を有する任意のヌクレオシドである。
いくつかの実施形態では、RNAのためのビルディングブロックキャップは、m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApG(m 7,3’OG(5’)ppp(5’)m2’-OApGと称されることもある)であり、以下の構造を有する:
Figure 2023081859000015
以下は、RNA及びm 7,3’OG(5’)ppp(5’)m2’-OApGを含む、例示的なCap1 RNAである:




Figure 2023081859000016
以下は、別の例示的なCap1 RNA(キャップ類似体なし)である:
Figure 2023081859000017
いくつかの実施形態では、RNAは、一実施形態では、以下の構造を有するキャップ類似体抗リバースキャップ(ARCA Cap(m 7,3’OG(5’)ppp(5’)G))を使用して、「Cap0」構造で修飾される:




Figure 2023081859000018
以下は、RNA及びm 7,3’OG(5’)ppp(5’)Gを含む例示的なCap0 RNAである:
Figure 2023081859000019
いくつかの実施形態では、「Cap0」構造は、以下の構造を有するキャップ類似体ベータ-S-ARCA(m 7,2’OG(5’)ppSp(5’)G)を使用して生成される:
Figure 2023081859000020
以下は、ベータ-S-ARCA(m 7,2’OG(5’)ppSp(5’)G)及びRNAを含む例示的なCap0 RNAである:
Figure 2023081859000021
ベータ-S-ARCAまたは「ベータ-S-ARCA(D1)」の「D1」ジアステレオマーは、ベータ-S-ARCAのD2ジアステレオマー(ベータ-S-ARCA(D2))と比較してHPLCカラム上で最初に溶出するベータ-S-ARCAのジアステレオマーであり、したがって、より短い保持時間を示す(参照により本明細書に組み込まれる、WO2011/015347を参照されたい)。
特に好ましいキャップは、ベータ-S-ARCA(D1)(m 7,2’-OGppSpG)またはm 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApGである。
いくつかの実施形態では、本開示によるRNAは、5’-UTR及び/または3’-UTRを含む。「非翻訳領域」または「UTR」という用語は、転写されるがアミノ酸配列に翻訳されないDNA分子中の領域、またはmRNA分子などのRNA分子中の対応する領域に関する。非翻訳領域(UTR)は、オープンリーディングフレームの5’(上流)(5’-UTR)及び/またはオープンリーディングフレームの3’(下流)(3’-UTR)に存在し得る。存在する場合、5’-UTRは、タンパク質コード領域の開始コドンの上流の5’末端に位置する。5’-UTRは、(存在する場合)5’-キャップの下流にあり、例えば、5’-キャップに直接隣接している。存在する場合、3’-UTRは、タンパク質コード領域の終端コドンの下流の3’末端に位置するが、「3’-UTR」という用語は、好ましくは、ポリ(A)配列を含まない。したがって、3’-UTRは、(存在する場合)ポリ(A)配列の上流であり、例えば、ポリ(A)配列に直接隣接する。
いくつかの実施形態では、RNAは、配列番号12のヌクレオチド配列を含む5’-UTR、または配列番号12のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、RNAは、配列番号13のヌクレオチド配列を含む3’-UTR、または配列番号13のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
特に好ましい5’-UTRは、配列番号12のヌクレオチド配列を含む。特に好ましい3’-UTRは、配列番号13のヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、本開示によるRNAは、3’-ポリ(A)配列を含む。
本明細書で使用される場合、「ポリ(A)配列」または「ポリA尾部」という用語は、典型的には、RNA分子の3’末端に位置するアデニル酸塩残基の中断されていない配列または中断された配列を指す。ポリ(A)配列は、当業者に既知であり、本明細書に記載のRNAにおける3’-UTRに従ってもよい。中断されていないポリ(A)配列は、連続したアデニル酸塩残基を特徴とする。自然界では、中断されていないポリ(A)配列が典型的である。本明細書に開示されるRNAは、転写後にテンプレート非依存性RNAポリメラーゼによってRNAの遊離3’末端に付着したポリ(A)配列、またはDNAによってコードされ、テンプレート依存性RNAポリメラーゼによって転写されるポリ(A)配列を有することができる。
約120Aのヌクレオチドのポリ(A)配列は、トランスフェクトされた真核細胞におけるRNAのレベル、ならびにポリ(A)配列の上流(5’)に存在するオープンリーディングフレームから翻訳されるタンパク質のレベルに有益な影響を有することが実証されている(Holtkamp et al.,2006,Blood,vol.108,pp.4009-4017)。
ポリ(A)配列は、任意の長さであり得る。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも80、または少なくとも100、及び最大500、最大400、最大300、最大200、または最大150個のAヌクレオチド、特に約120個のAヌクレオチドを含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。この文脈において、「本質的にからなる」とは、ポリ(A)配列中の大部分のヌクレオチド、典型的にはポリ(A)配列中のヌクレオチドの数によって少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%がAヌクレオチドであるが、残りのヌクレオチドが、Aヌクレオチド以外のヌクレオチド、例えば、Uヌクレオチド(ウリジル酸塩)、Gヌクレオチド(グアニル酸塩)、またはCヌクレオチド(シチジル酸塩)であることを可能にすることを意味する。この文脈において、「からなる」とは、ポリ(A)配列中の全てのヌクレオチド、すなわち、ポリ(A)配列中のヌクレオチドの数によって100%がAヌクレオチドであることを意味する。「Aヌクレオチド」または「A」という用語は、アデニル酸塩を指す。
いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、RNA転写の間、例えば、インビトロで転写されたRNAの調製の間、コード鎖に相補的な鎖に反復dTヌクレオチド(デオキシチミジル酸塩)を含むDNAテンプレートに基づいて付着する。ポリ(A)配列をコードするDNA配列(コード鎖)は、ポリ(A)カセットと称される。
いくつかの実施形態では、DNAのコード鎖に存在するポリ(A)カセットは、本質的に、dAヌクレオチドからなるが、4つのヌクレオチド(dA、dC、dG、及びdT)のランダム配列によって中断される。かかるランダム配列は、5~50、10~30、または10~20ヌクレオチド長であり得る。かかるカセットは、参照により本明細書に組み込まれる、WO2016/005324A1に開示される。WO2016/005324A1に開示される任意のポリ(A)カセットを、本開示で使用してもよい。本質的にdAヌクレオチドからなるが、4つのヌクレオチド(dA、dC、dG、dT)の等しい分布を有し、例えば、5~50ヌクレオチドの長さを有するランダム配列によって中断されるポリ(A)カセットは、DNAレベルでは、E.coliにおけるプラスミドDNAの一定の増殖を示し、RNAレベルでは、依然として会合しており、RNAの安定性及び翻訳効率を支持することに関して有益な特性を包含する。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA分子に含まれるポリ(A)配列は、本質的に、Aヌクレオチドからなるが、4つのヌクレオチド(A、C、G、U)のランダム配列によって中断される。かかるランダム配列は、5~50、10~30、または10~20ヌクレオチド長であり得る。
いくつかの実施形態では、Aヌクレオチド以外のヌクレオチドは、その3’末端でポリ(A)配列に隣接しておらず、すなわち、ポリ(A)配列は、マスクされていないか、またはその3’末端でA以外のヌクレオチドが続いていない。
いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも80、または少なくとも100、及び最大500、最大400、最大300、最大200、または最大150個のヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも80、または少なくとも100、及び最大500、最大400、最大300、最大200、または最大150個のヌクレオチドから本質的になってもよい。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも80、または少なくとも100、及び最大500、最大400、最大300、最大200、または最大150個のヌクレオチドからなってもよい。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも100個のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、約150個のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、約120個のヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAに含まれるポリ(A)配列は、例えば、WO2016/005324に記載されているような中断ポリ(A)配列であり、その内容全体は、本明細書に記載の目的のために参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、少なくとも20個のアデノシン残基(例えば、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、またはそれ以上のアデノシン残基を含む)のストレッチ、続いてリンカー配列(例えば、非Aヌクレオチドを含むいくつかの実施形態では)及び少なくとも20個のアデノシン残基(例えば、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、またはそれ以上のアデノシン残基を含む)の別のストレッチを含む。いくつかの実施形態では、かかるリンカー配列は、3~50ヌクレオチドの長さ、または5~25ヌクレオチドの長さ、または10~15ヌクレオチドの長さであり得る。いくつかの実施形態では、ポリ(A)配列は、約30個のアデノシン残基のストレッチ、続いて約5~15個のヌクレオチド(例えば、非Aヌクレオチドを含むいくつかの実施形態では)の長さを有するリンカー配列、及び約70個のアデノシン残基の別のストレッチを含む。
いくつかの実施形態では、RNAは、配列番号14のヌクレオチド配列を含むポリ(A)配列、または配列番号14のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
特に好ましいポリ(A)配列は、配列番号14のヌクレオチド配列を含む。
本開示によれば、ワクチン抗原は、好ましくは、RNAを投与されている対象の細胞に入ると、それぞれのタンパク質に翻訳される、一本鎖5’-キャップRNA(例えば、mRNA)として投与される。好ましくは、RNAは、安定性及び翻訳効率(5’-キャップ、5’-UTR、3’-UTR、ポリ(A)配列)に関してRNAの最大有効性のために最適化された構造要素を含む。
一実施形態では、ベータ-S-ARCA(D1)は、RNAの5’末端における特異的キャッピング構造として利用される。一実施形態では、m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApGは、RNAの5’末端における特異的キャッピング構造として利用される。一実施形態では、5’-UTR配列は、ヒトアルファ-グロビンmRNAに由来し、任意に、翻訳効率を増加させるための最適化された「Kozak配列」を有する。一実施形態では、「スプリットのアミノ末端エンハンサー」(AES)mRNA(Fと呼ばれる)及びミトコンドリアコードされた12SリボソームRNA(Iと呼ばれる)に由来する2つの配列要素(FI要素)の組み合わせは、より高い最大タンパク質レベル及びRNA(例えば、mRNA)の長期持続性を確保するために、コード配列とポリ(A)配列との間に配置される。一実施形態では、ヒトベータ-グロビンmRNAに由来する2つの反復された3’-UTRが、コード配列とポリ(A)配列との間に配置され、RNA(例えば、mRNA)のより高い最大タンパク質レベル及び長期持続性を確実にする。一実施形態では、30個のアデノシン残基のストレッチ、続いてリンカー配列(例えば、10個のヌクレオチドリンカー配列)及び別の70個のアデノシン残基からなる、110ヌクレオチド長を測定するポリ(A)配列を使用する。このポリ(A)配列は、RNA安定性及び翻訳効率を向上させるように設計した。
本開示の全ての態様の一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、ワクチン抗原を提供するように治療される対象の細胞において発現される。本開示の全ての態様の一実施形態では、RNAは、対象の細胞において一過性に発現される。本開示の全ての態様の一実施形態では、RNAは、インビトロで転写されたRNAである。本開示の全ての態様の一実施形態では、ワクチン抗原の発現は、細胞表面にある。本開示の全ての態様の一実施形態では、ワクチン抗原は、MHCの文脈で発現され、提示される。本開示の全ての態様の一実施形態では、ワクチン抗原の発現は、細胞外空間にあり、すなわち、ワクチン抗原が分泌される。
本開示の文脈において、「転写」という用語は、DNA配列における遺伝子コードがRNAに転写されるプロセスに関する。その後、RNAは、ペプチドまたはタンパク質に翻訳され得る。
本開示によれば、「転写」という用語は、「インビトロ転写」を含み、「インビトロ転写」という用語は、RNA、特にmRNAが、好ましくは適切な細胞抽出物を使用して、無細胞系においてインビトロで合成されるプロセスに関する。好ましくは、クローニングベクターは、転写物の生成のために適用される。これらのクローニングベクターは、一般に、転写ベクターとして指定され、本開示によれば、「ベクター」という用語によって包含される。本開示によれば、本開示で使用されるRNAは、好ましくは、インビトロ転写RNA(IVT-RNA)であり、適切なDNAテンプレートのインビトロ転写によって得ることができる。転写を制御するためのプロモーターは、任意のRNAポリメラーゼの任意のプロモーターであり得る。RNAポリメラーゼの具体的な例は、T7、T3、及びSP6 RNAポリメラーゼである。好ましくは、本開示によるインビトロ転写は、T7またはSP6プロモーターによって制御される。インビトロ転写のためのDNAテンプレートは、核酸、特にcDNAをクローニングし、それをインビトロ転写のための適切なベクターに導入することによって得ることができる。cDNAは、RNAの逆転写によって得ることができる。
RNAに関して、「発現」または「翻訳」という用語は、mRNAの鎖が、ペプチドまたはタンパク質を作製するためにアミノ酸の配列の構築を指示する、細胞のリボソームにおけるプロセスに関する。
一実施形態では、本明細書に記載のRNA、例えば、RNA脂質粒子として製剤化されたRNAの投与後、RNAの少なくとも一部が、標的細胞に送達される。一実施形態では、RNAの少なくとも一部は、標的細胞の細胞質に送達される。一実施形態では、RNAは、標的細胞によって翻訳され、それがコードするペプチドまたはタンパク質を産生する。一実施形態では、標的細胞は、脾臓細胞である。一実施形態では、標的細胞は、脾臓におけるプロフェッショナル抗原提示細胞などの抗原提示細胞である。一実施形態では、標的細胞は、樹状細胞またはマクロファージである。本明細書に記載のRNA脂質粒子などのRNA粒子は、RNAをかかる標的細胞に送達するために使用され得る。したがって、本開示はまた、本明細書に記載のRNA粒子を対象に投与することを含む、対象における標的細胞にRNAを送達するための方法に関する。一実施形態では、RNAは、標的細胞の細胞質に送達される。一実施形態では、RNAは、標的細胞によって翻訳され、RNAによってコードされるペプチドまたはタンパク質を産生する。
「コードする」とは、ヌクレオチドの規定配列(すなわち、rRNA、tRNA、及びmRNA)またはアミノ酸の規定配列のいずれか、及びそれから得られる生物学的特性を有する生物学的プロセスにおける他のポリマー及び巨大分子の合成のためのテンプレートとして機能する、遺伝子、cDNA、またはmRNAなどのポリヌクレオチド中のヌクレオチドの特定の配列の固有の特性を指す。したがって、遺伝子がタンパク質をコードするのは、その遺伝子に対応するmRNAの転写及び翻訳が、細胞または他の生物系においてタンパク質を産生する場合である。mRNA配列と同一であり、通常配列表に提供されるヌクレオチド配列であるコード鎖、及び遺伝子またはcDNAの転写のためのテンプレートとして使用される非コード鎖の両方は、その遺伝子またはcDNAのタンパク質または他の生成物をコードすると称することができる。
一実施形態では、本開示により投与されるワクチン抗原をコードするRNAは、非免疫原性である。免疫刺激物質をコードするRNAは、アジュバント効果を提供するために本開示に従って投与され得る。免疫刺激物質をコードするRNAは、標準RNAまたは非免疫原性RNAであり得る。
本明細書で使用される「非免疫原性RNA」という用語は、例えば、哺乳動物への投与時に免疫系による応答を誘導しないか、または非免疫原性RNAを非免疫原性にする修飾及び治療を対象としないことのみが異なる同じRNAによって誘導される弱い応答、すなわち、標準RNA(stdRNA)によって誘導されるよりも弱い応答を誘導するRNAを指す。好ましい一実施形態では、本明細書で修飾RNA(modRNA)とも呼ばれる非免疫原性RNAは、先天性免疫受容体のRNA媒介活性化を抑制する修飾ヌクレオシドをRNAに組み込み、二本鎖RNA(dsRNA)を除去することによって非免疫原性となる。
修飾ヌクレオシドの組み込みによって非免疫原性RNAを非免疫原性にするために、RNAの免疫原性を低下または抑制する限り、任意の修飾ヌクレオシドを使用することができる。特に好ましいのは、先天性免疫受容体のRNA媒介性活性化を抑制する修飾ヌクレオシドである。一実施形態では、修飾ヌクレオシドは、1つ以上のウリジンの、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドとの置き換えを含む。一実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾ウラシルである。一実施形態では、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドは、3-メチル-ウリジン(mU)、5-メトキシ-ウリジン(moU)、5-アザ-ウリジン、6-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ウリジン(sU)、4-チオ-ウリジン(sU)、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシ-ウリジン(hoU)、5-アミノアリル-ウリジン、5-ハロ-ウリジン(例えば、5-ヨード-ウリジンもしくは5-ブロモ-ウリジン)、ウリジン5-オキシ酢酸(cmoU)、ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル(mcmoU)、5-カルボキシメチル-ウリジン(cmU)、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジン(chmU)、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジンメチルエステル(mchmU)、5-メトキシカルボニルメチル-ウリジン(mcmU)、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオ-ウリジン(mcmU)、5-アミノメチル-2-チオ-ウリジン(nmU)、5-メチルアミノメチル-ウリジン(mnmU)、1-エチル-プソイドウリジン、5-メチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン(mnmU)、5-メチルアミノメチル-2-セレノ-ウリジン(mnmseU)、5-カルボキシメチル-ウリジン(ncmU)、5-カルボキシメチルアミノメチル-ウリジン(cmnmU)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン(cmnmU)、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-ウリジン(τmU)、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン(τm5s2U)、1-タウリノメチル-4-チオ-プソイドウリジン)、5-メチル-2-チオ-ウリジン(mU)、1-メチル-4-チオ-プソイドウリジン(mψ)、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、3-メチル-プソイドウリジン(mψ)、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン(D)、ジヒドロプソイドウリジン、5,6-ジヒドロウリジン、5-メチル-ジヒドロウリジン(mD)、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシ-ウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン(acpU)、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジン(acpψ)、5-(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン(inmU)、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2-チオ-ウリジン(inmU)、α-チオ-ウリジン、2’-O-メチル-ウリジン(Um)、5,2’-O-ジメチル-ウリジン(mUm)、2’-O-メチル-プソイドウリジン(ψm)、2-チオ-2’-O-メチル-ウリジン(sUm)、5-メトキシカルボニルメチル-2’-O-メチル-ウリジン(mcmUm)、5-カルバモイルメチル-2’-O-メチル-ウリジン(ncmUm)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-O-メチル-ウリジン(cmnmUm)、3,2’-O-ジメチル-ウリジン(mUm)、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2’-O-メチル-ウリジン(inmUm)、1-チオ-ウリジン、デオキシチミジン、2’-F-アラ-ウリジン、2’-F-ウリジン、2’-OH-アラ-ウリジン、5-(2-カルボメトキシビニル)ウリジン、及び5-[3-(1-E-プロペニルアミノ)ウリジンからなる群から選択される。特に好ましい一実施形態では、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドは、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)または5-メチル-ウリジン(m5U)、特にN1-メチル-プソイドウリジンである。
一実施形態では、1つ以上のウリジンの、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドとの置き換えは、ウリジンの少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の置き換えを含む。
T7RNAポリメラーゼを使用したインビトロ転写(IVT)によるRNA(例えば、mRNA)の合成の間、酵素の非定型的活性により、二本鎖RNA(dsRNA)を含む顕著な量の異常生成物が生成される。dsRNAは、炎症性サイトカインを誘導し、タンパク質合成阻害につながるエフェクター酵素を活性化させる。dsRNAは、例えば、非多孔質または多孔質C-18ポリスチレン-ジビニルベンゼン(PS-DVB)マトリックスを使用したイオン対逆相HPLCによって、IVT RNAなどのRNAから除去され得る。あるいは、ssRNAではなく、dsRNAを特異的に加水分解し、それによってIVT RNA調製物からdsRNA汚染物質を排除する、E.coli RNaseIIIを使用する酵素ベースの方法を使用することができる。更に、dsRNAは、セルロース材料を使用することによって、ssRNAから分離することができる。一実施形態では、RNA調製物をセルロース材料と接触させ、ssRNAを、dsRNAのセルロース材料への結合を可能にし、ssRNAのセルロース材料への結合を可能にしない条件下でセルロース材料から分離する。
本明細書で使用されるとき、「除去する」または「除去」という用語は、非免疫原性RNAなどの第1の物質の集団が、dsRNAなどの第2の物質の集団の近位から分離されている特徴を指し、第1の物質の集団は、必ずしも第2の物質を欠いているわけではなく、第2の物質の集団は、必ずしも第1の物質を欠いているわけではない。しかしながら、第2の物質の集団の除去を特徴とする第1の物質の集団は、第1及び第2の物質の非分離混合物と比較して、第2の物質の含有量が測定可能に低い。
一実施形態では、非免疫原性RNAからのdsRNAの除去は、非免疫原性RNA組成物中のRNAの10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.3%未満、または0.1%未満がdsRNAであるようなdsRNAの除去を含む。一実施形態では、非免疫原性RNAは、dsRNAを含まないか、または本質的に含まない。いくつかの実施形態では、非免疫原性RNA組成物は、一本鎖ヌクレオシド修飾RNAの精製調製物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、一本鎖ヌクレオシド修飾RNAの精製調製物は、二本鎖RNA(dsRNA)を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、精製調製物は、全ての他の核酸分子(DNA、dsRNA等)に対して、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または少なくとも99.9%の一本鎖ヌクレオシド修飾RNAである。
一実施形態では、非免疫原性RNAは、同じ配列を有する標準RNAよりも効率的に細胞内で翻訳される。一実施形態では、翻訳は、その非修飾対応物と比較して2倍強化される。一実施形態では、翻訳は、3倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、4倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、5倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、6倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、7倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、8倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、9倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、10倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、15倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、20倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、50倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、100倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、200倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、500倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、1000倍因子によって強化される。一実施形態では、翻訳は、2000倍因子によって強化される。一実施形態では、因子は、10~1000倍である。一実施形態では、因子は、10~100倍である。一実施形態では、因子は、10~200倍である。一実施形態では、因子は、10~300倍である。一実施形態では、因子は、10~500倍である。一実施形態では、因子は、20~1000倍である。一実施形態では、因子は、30~1000倍である。一実施形態では、因子は、50~1000倍である。一実施形態では、因子は、100~1000倍である。一実施形態では、因子は、200~1000倍である。一実施形態では、翻訳は、任意の他の有意な量または量の範囲によって強化される。
一実施形態では、非免疫原性RNAは、同一の配列を有する標準RNAよりも有意に少ない先天的免疫原性を示す。一実施形態では、非免疫原性RNAは、その未修飾の対応物よりも2倍少ない先天性免疫応答を示す。一実施形態では、先天的免疫原性は、3倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、4倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、5倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、6倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、7倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、8倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、9倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、10倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、15倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、20倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、50倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、100倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、200倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、500倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、1000倍因子によって低減される。一実施形態では、先天的免疫原性は、2000倍因子によって低減される。
「著しく少ない先天性免疫原性を示す」という用語は、検出可能な先天性免疫原性の減少を指す。一実施形態では、用語は、有効量の非免疫原性RNAが検出可能な先天性免疫応答を引き起こすことなく投与され得るような減少を指す。一実施形態では、用語は、非免疫原性RNAが、非免疫原性RNAによってコードされるタンパク質の産生を検出可能に低減するのに十分な先天性免疫応答を誘発することなく繰り返し投与され得るような減少を指す。一実施形態では、減少は、非免疫原性RNAが、非免疫原性RNAによってコードされるタンパク質の検出可能な産生を排除するのに十分な先天性免疫応答を誘発することなく繰り返し投与され得るようなものである。
「免疫原性」は、RNAなどの異物が、ヒトまたは他の動物の体内で免疫応答を誘発する能力である。自然免疫系は、比較的非特異的かつ即時である免疫系の構成要素である。これは、適応性免疫系とともに、脊椎動物の免疫系の2つの主要な構成要素のうちの1つである。
本明細書で使用される場合、「内因性」とは、生物、細胞、組織、または系に由来するか、またはその内部で産生される任意の材料を指す。
本明細書で使用される場合、「外因性」という用語は、生物、細胞、組織、または系外から導入されるかまたは産生される任意の材料を指す。
本明細書で使用される「発現」という用語は、特定のヌクレオチド配列の転写及び/または翻訳として定義される。
本明細書で使用される場合、「連結された」、「融合された」、または「融合」という用語は、互換的に使用される。これらの用語は、2つ以上の要素または構成要素またはドメインの接合を指す。
コドン最適化/G/C含有量の増加
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のSARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列は、コドン最適化され、及び/またはそのG/C含有量が、野生型コード配列と比較して増加されたコード配列によってコードされる。これには、コード配列の1つ以上の配列領域が、コドン最適化され、及び/または野生型コード配列の対応する配列領域と比較してG/C含有量が増加する、実施形態も含まれる。一実施形態では、コドン最適化及び/またはG/C含有量の増加は、好ましくは、コードされたアミノ酸配列の配列を変化させない。
「コドン最適化」という用語は、好ましくは、核酸分子によってコードされるアミノ酸配列を改変することなく、宿主生物の典型的なコドン使用を反映するための、核酸分子のコード領域におけるコドンの改変を指す。本開示の文脈内では、コード領域は、好ましくは、本明細書に記載のRNA分子を使用して治療される対象における最適な発現のためにコドン最適化される。コドン最適化は、翻訳効率もまた、細胞におけるtRNAの出現の異なる頻度によって決定されるという発見に基づく。したがって、RNAの配列は、「希少なコドン」の代わりに、頻繁に出現するtRNAが利用可能であるコドンが挿入されるように修飾され得る。
本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAのコード領域のグアノシン/シトシン(G/C)含有量は、野生型RNAの対応するコード配列のG/C含有量と比較して増加し、RNAによってコードされるアミノ酸配列は、野生型RNAによってコードされるアミノ酸配列と比較して修飾されないことが好ましい。RNA配列のこの修飾は、翻訳される任意のRNA領域の配列が、そのmRNAの効率的な翻訳に重要であるという事実に基づいている。増加したG(グアノシン)/C(シトシン)含有量を有する配列は、増加したA(アデノシン)/U(ウラシル)含有量を有する配列よりも安定である。いくつかのコドンが1つ及び同じアミノ酸をコードする(いわゆる遺伝子コードの変性)という事実に関して、安定性に最も好ましいコドンを決定することができる(いわゆる代替コドン使用)。RNAによってコードされるアミノ酸に応じて、その野生型配列と比較して、RNA配列の修飾についての様々な可能性がある。特に、A及び/またはUヌクレオチドを含有するコドンは、これらのコドンを、同じアミノ酸をコードするが、A及び/またはUを含有しない、またはより低い含有量のA及び/またはUヌクレオチドを含有しない他のコドンによって置換することによって修飾することができる。
様々な実施形態では、本明細書に記載のRNAのコード領域のG/C含有量は、野生型RNAのコード領域のG/C含有量と比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、または更に多く増加する。いくつかの実施形態では、コード領域のG/C含有量は、野生型RNAのコード領域のG/C含有量と比較して、約10%~約60%(例えば、約20%~約60%、約30%~約60%、約40%~約60%、約50%~約60%、または約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、または約60%)増加する。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるRNAは、SARS-CoV-2バリアント(例えば、BA.2またはBA.4/5オミクロンバリアントを含むがこれらに限定されない本明細書に記載されるもの)の特徴である1つ以上の変異をコードするように修飾された、本明細書に開示される配列(例えば、配列番号9)を含む。いくつかの実施形態では、RNAは、可能な限り少ないヌクレオチド変化を行うことによって、SARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異をコードするように修飾され得る。いくつかの実施形態では、高コドン最適化及び/または増加したG/C含有量をもたらす変異を導入することによって、RNAを修飾して、SARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異をコードすることができる。
いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異は、完全長Sタンパク質(例えば、配列番号1を含むSタンパク質)に導入される。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異は完全長Sタンパク質に導入され、融合前立体配座の安定性を増加させる1つ以上のプロリン変異を有する。例えば、いくつかの実施形態では、プロリン置換は、配列番号1の986位及び987位に対応する位置で行われる。いくつかの実施形態では、少なくとも4つのプロリン置換が行われる。いくつかの実施形態では、かかるプロリン変異のうちの少なくとも4つは、例えば、WO2021243122A2(その内容全体が、参照によりその全体が本明細書に記載される)に記載されているように、配列番号1の残基817、892、899、及び942に対応する位置に変異を含む。いくつかの実施形態では、配列番号1の残基817、892、899、及び942に対応する位置にプロリン置換を含む、かかるSARS-CoV-2 Sタンパク質は、配列番号1の残基986及び987に対応する位置にプロリン置換を更に含み得る。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異は、Sタンパク質の免疫原性断片(例えば、配列番号1のRBD)上に導入される。
投与されるRNAの実施形態
いくつかの実施形態では、本開示は、SARS-CoV-2 Sタンパク質の少なくとも一部を含むポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含むRNA(例えば、mRNA)を提供する。RNAは、ポリペプチドの細胞内発現に好適である。いくつかの実施形態では、かかるコードされたポリペプチドは、完全なSタンパク質に対応する配列を含む。いくつかの実施形態では、かかるコードされたポリペプチドは、完全なSタンパク質に対応する配列を含まない。いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチドは、受容体結合ドメイン(RBD)に対応する配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされたポリペプチドは、RBDに対応する配列を含み、三量体化ドメイン(例えば、フィブリチンドメインなどの本明細書に開示されるような三量体化ドメイン)を更に含む。いくつかの実施形態では、RBDは、シグナル伝達ドメイン(例えば、本明細書に開示されるシグナル伝達ドメイン)を含む。いくつかの実施形態では、RBDは、膜貫通ドメイン(例えば、本明細書に開示される膜貫通ドメイン)を含む。いくつかの実施形態では、RBDは、シグナル伝達ドメイン及び三量体化ドメインを含む。いくつかの実施形態では、RBDは、シグナル伝達ドメイン、三量体化ドメイン、及び膜貫通ドメインを含む。
いくつかの実施形態では、コードされるポリペプチドは、2つの受容体結合ドメインに対応する配列を含む。いくつかの実施形態では、コードされるポリペプチドは、例えば、Dai,Lianpan,et al.“A universal design of betacoronavirus vaccines against COVID-19,MERS,and SARS,”Cell 182.3(2020):722-733(その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)において開示されるように、アミノ酸鎖において縦列の2つの受容体結合ドメインに対応する配列を含む。
いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片は、例えば、WO2022221835A2、US20220323574A1、またはWO2022195351A1に記載されるように、グリコシル化部位を改変または除去するための1つ以上の変異を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物または医療調製物は、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAを含む。同様に、本明細書に記載の方法は、かかるRNAの投与を含む。
本明細書で使用するための活性プラットフォームは、堅牢な中和抗体を誘導するための抗原コードRNAワクチンと、好ましくは最小限のワクチン用量で保護免疫を達成するための付随/同時T細胞応答に基づく。投与されるRNAは、好ましくは、インビトロで転写されるRNAである。
3つの異なるRNAプラットフォーム、すなわち、非修飾ウリジンを含有するmRNA(uRNA)、ヌクレオシド修飾mRNA(modRNA)、及び自己増幅RNA(saRNA)が特に好ましい。特に好ましい一実施形態では、RNAは、インビトロで転写されるRNAである。いくつかの実施形態では、uRNAは、mRNAである。いくつかの実施形態では、modRNAは、mRNAである。
以下では、これらの3つの異なるRNAプラットフォームの実施形態を記載し、その要素を説明するときに使用されるある特定の用語は、以下の意味を有する。
S1S2タンパク質/S1S2 RBD:SARS-CoV-2のそれぞれの抗原をコードする配列。
nsP1、nsP2、nsP3、及びnsP4:ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNA依存性RNAポリメラーゼレプリカーゼ、及びサブゲノムプロモーター+複製及び翻訳を支持する保存された配列要素をコードする野生型配列。
virUTR:サブゲノムプロモーターの一部をコードするウイルス非翻訳領域、ならびに複製及び翻訳をサポートする配列要素。
hAg-Kozak:翻訳効率を向上させるために最適化された「Kozak配列」を有する、ヒトアルファ-グロビンmRNAの5’-UTR配列。
Sec:Secは、新生ポリペプチド鎖の小胞体への転位を誘導する分泌シグナルペプチド(sec)に対応する。いくつかの実施形態では、かかる分泌型シグナルペプチドは、固有のS1S2分泌型シグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、かかる分泌型シグナルペプチドは、非S1S2タンパク質由来の分泌型シグナルペプチドである。例えば、免疫グロブリン分泌シグナルペプチド(aa 1-22)、HSV-1 gDシグナルペプチド(MGGAAARLGAVILFVVIVGLHGVRSKY)、HSV-2 gDシグナルペプチド(MGRLTSGVGTAALLVVAVGLRVVCA)、ヒトSPARCシグナルペプチド、ヒトインスリンアイソフォーム1シグナルペプチド、ヒトアルブミンシグナルペプチド、または本明細書に記載の任意の他のシグナルペプチド。
グリシン-セリンリンカー(GS):融合タンパク質に一般的に使用される、主にアミノ酸グリシン(G)及びセリン(S)からなる短いリンカーペプチドをコードする配列。
フィブリチン:人工三量体化ドメインとして使用される、T4フィブリチン(フォルドン)の部分配列。
TM:TM配列は、タンパク質の膜貫通部分に対応する。膜貫通ドメインは、N末端、C末端、またはコードされたポリペプチドの内部であり得る。膜貫通要素のコード配列は、典型的には、それが連結される配列(例えば、ポリペプチド(複数可)をコードする配列)のコード配列のフレーム(すなわち、同じリーディングフレーム)、5’、3’、または内部に配置される。いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)、HIV-1のEnv、ウマ感染性貧血ウイルス(EIAV)、マウス白血病ウイルス(MLV)、マウス乳がん腫瘍ウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)のGタンパク質、狂犬病ウイルス、または7つの膜貫通ドメイン受容体の膜貫通ドメインを含むか、またはそれである。いくつかの実施形態では、タンパク質の膜貫通部分は、S1S2タンパク質からのものである。
FI要素:3’-UTRは、「スプリットのアミノ末端エンハンサー」(AES)mRNA(Fと呼ばれる)及びミトコンドリアコード12SリボソームRNA(Iと呼ばれる)に由来する2つの配列要素の組み合わせである。これらを、RNA安定性を付与し、全タンパク質発現を増強する配列についてのエクスビボ選択プロセスによって同定した。
A30L70:30個のアデノシン残基、続いて10個のヌクレオチドリンカー配列、及び樹状細胞におけるRNAの安定性及び翻訳効率を強化するように設計された別の70個のアデノシン残基のストレッチからなる、110ヌクレオチド長のポリ(A)尾部。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のワクチンRNAは、5’から3’に、以下の構造のうちの1つを含み得る:
キャップ-5’-UTR-ワクチン抗原コード配列-3’-UTR-ポリ(A)
または
キャップ-hAg-Kozak-ワクチン抗原-コード配列-FI-A30L70。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のワクチン抗原は、完全長Sタンパク質またはその免疫原性断片(例えば、RBD)を含み得る。ワクチン抗原が完全長Sタンパク質を含むいくつかの実施形態では、その分泌シグナルペプチド及び/または膜貫通ドメインは、異種分泌シグナルペプチド(例えば、本明細書に記載されるような)及び/または異種膜貫通ドメイン(例えば、本明細書に記載されるような)によって置き換えられ得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のワクチン抗原は、N末端からC末端に、以下の構造のうちの1つを含んでもよい:
シグナル配列-RBD-三量体化ドメイン
または
シグナル配列-RBD-三量体化ドメイン-膜貫通ドメイン。
RBD及び三量体化ドメインは、リンカー、特にGSリンカー、例えば、アミノ酸配列GSPGSGSGSを有するリンカーによって分離されてもよい。三量体化ドメイン及び膜貫通ドメインは、リンカー、特に、アミノ酸配列GSGSGSを有するリンカーなどのGSリンカーによって分離されてもよい。
シグナル配列は、本明細書に記載のシグナル配列であり得る。RBDは、本明細書に記載されるようなRBDドメインであり得る。三量体化ドメインは、本明細書に記載されるような三量体化ドメインであり得る。膜貫通ドメインは、本明細書に記載の膜貫通ドメインであり得る。
一実施形態では、
シグナル配列は、配列番号1のアミノ酸1~16もしくは1~19のアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列、またはこのアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
RBDは、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、またはこのアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
三量体化ドメインは、配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列、または配列番号10のアミノ酸配列、またはこのアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
膜貫通ドメインは、配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列、またはこのアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、
シグナル配列は、配列番号1のアミノ酸1~16もしくは1~19のアミノ酸配列、または配列番号31のアミノ酸1~22のアミノ酸配列を含み、
RBDは、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列を含み、
三量体化ドメインは、配列番号10のアミノ酸3~29のアミノ酸配列、または配列番号10のアミノ酸配列を含み、
膜貫通ドメインは、配列番号1のアミノ酸1207~1254のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、ワクチン抗原(例えば、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片)をコードする配列を含むか、あるいは配列番号50のヌクレオチド配列または配列番号53のヌクレオチド配列、そのバリアントもしくは断片などのワクチン抗原(例えば、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片)をコードするオープンリーディングフレームを含むRNAポリヌクレオチドは、5’キャップ(例えば、キャップ1構造を含む5’キャップ)、5’UTR配列(例えば、配列番号12のヌクレオチド配列を含む5’UTR配列)、3’UTR配列(例えば、配列番号13のヌクレオチド配列を含む3‘UTR配列)、及びポリA配列(例えば、配列番号14のヌクレオチド配列を含むポリA配列)を更に含む。いくつかの実施形態では、RNAは、((4-ヒドロキシブチル)アザンジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、コレステロール、ジステアロイルホスファチジルコリン、及び(2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド)を含む組成物中に製剤化される。
本明細書に記載のRNAまたは本明細書に記載のワクチン抗原をコードするRNAは、非修飾ウリジン含有RNA(uRNA)、ヌクレオシド修飾RNA(modRNA)、または自己増幅RNA(saRNA)であり得る。いくつかの実施形態では、uRNAは、mRNAである。いくつかの実施形態では、modRNAは、mRNAである。一実施形態では、本明細書に記載のRNAまたは本明細書に記載のワクチン抗原をコードするRNAは、ヌクレオシド修飾RNA(modRNA)である。
バリアント特異的ワクチン
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるRNAは、SARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、アルファバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、ベータバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、デルタバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質(例えば、BA.1、BA.2、またはBA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSタンパク質)をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、BA.2.12.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、BA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、RNAは、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。
非修飾ウリジンRNA(uRNA)
いくつかの実施形態では、非修飾ウリジンRNAは、メッセンジャーRNAである。いくつかの実施形態では、非修飾メッセンジャーRNA原薬の活性成分は、細胞に入ると翻訳される一本鎖mRNAである。コロナウイルスワクチン抗原をコードする配列(すなわち、オープンリーディングフレーム)に加えて、各uRNAは、好ましくは、安定性及び翻訳効率に関してRNAの最大の有効性のために最適化された共通の構造要素(例えば、本明細書に記載されるような5’-キャップ、5’-UTR、3’-UTR、ポリ(A)テールを含む)を含む。好ましい5’キャップ構造は、ベータ-S-ARCA(D1)(m 7,2’-OGppSpG)である。好ましい5’-UTR及び3’-UTRはそれぞれ、配列番号12のヌクレオチド配列及び配列番号13のヌクレオチド配列を含む。好ましいポリ(A)尾部は、配列番号14の配列を含む。
このプラットフォームの異なる実施形態は、次の通りである:
RBL063.1(配列番号15、配列番号7)
構造 ベータ-S-ARCA(D1)-hAg-Kozak-S1S2-PP-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2のウイルススパイクタンパク質(S1S2タンパク質)(S1S2完全長タンパク質、配列バリアント)
RBL063.2(配列番号16、配列番号7)
構造 ベータ-S-ARCA(D1)-hAg-Kozak-S1S2-PP-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2のウイルススパイクタンパク質(S1S2タンパク質)(S1S2完全長タンパク質、配列バリアント)
BNT162a1、RBL063.3(配列番号17、配列番号5)
構造 ベータ-S-ARCA(D1)-hAg-Kozak-RBD-GS-フィブリチン-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2のウイルススパイクタンパク質(Sタンパク質)(部分配列、S1S2タンパク質の受容体結合ドメイン(RBD))
図3は、抗原をコードするRNAの一般的な構造を図示する。
ヌクレオシド修飾RNA(modRNA)
いくつかの実施形態では、ヌクレオシド修飾RNAは、mRNAである。いくつかの実施形態では、ヌクレオシド修飾RNA(modRNA)原薬の活性成分は、細胞に入るときに翻訳され得る一本鎖RNA(例えば、mRNA)である。コロナウイルスワクチン抗原をコードする配列(すなわち、オープンリーディングフレーム)に加えて、各modRNAは、uRNAとしてのRNAの最大有効性のために最適化された共通の構造要素を含有する(5’-キャップ、5’-UTR、3’-UTR、ポリ(A)-尾部)。uRNAと比較して、modRNAは、(例えば、本明細書に記載されるような)少なくとも1つのヌクレオチド修飾を含む。いくつかの実施形態では、modRNAは、ウリジンの代わりに1-メチル-プソイドウリジンを含む。好ましい5’キャップ構造は、m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApGである。好ましい5’-UTR及び3’-UTRはそれぞれ、配列番号12のヌクレオチド配列及び配列番号13のヌクレオチド配列を含む。好ましいポリ(A)尾部は、配列番号14の配列を含む。追加の精製ステップをmodRNAに適用して、インビトロでの転写反応中に生成されるdsRNA汚染物質を低減する。
このプラットフォームの異なる実施形態は、次の通りである:
BNT162b2、RBP020.1(配列番号19、配列番号7)
構造 m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApG)-hAg-Kozak-S1S2-PP-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2(S1S2完全長タンパク質、配列バリアント)のウイルススパイクタンパク質(S1S2タンパク質)
BNT162b2、RBP020.2(配列番号20、配列番号7)
構造 m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApG)-hAg-Kozak-S1S2-PP-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2(S1S2完全長タンパク質、配列バリアント)のウイルススパイクタンパク質(S1S2タンパク質)
BNT162b1、RBP020.3(配列番号21、配列番号5)
構造 m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApG)-hAg-Kozak-RBD-GS-フィブリチン-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2(部分配列、フィブリチンに融合されたS1S2タンパク質の受容体結合ドメイン(RBD))のウイルススパイクタンパク質(S1S2タンパク質)
図4は、抗原をコードするRNAの一般的な構造を図示する。
BNT162b3c(配列番号29、配列番号30)
構造 m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApG)-hAg-Kozak-RBD-GS-フィブリチン-GS-TM-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2(部分配列、S1S2タンパク質の膜貫通ドメイン(TM)に融合されたフィブリチンに融合されたS1S2タンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)のウイルススパイクタンパク質(S1S2タンパク質))、抗原配列のN末端における固有のS1S2タンパク質分泌シグナルペプチド(aa 1-19)
BNT162b3d(配列番号31、配列番号32)
構造 m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApG)-hAg-Kozak-RBD-GS-フィブリチン-GS-TM-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2(部分配列、S1S2タンパク質の膜貫通ドメイン(TM)に融合されたフィブリチンに融合されたS1S2タンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)のウイルススパイクタンパク質(S1S2タンパク質))、抗原配列のN末端における免疫グロブリン分泌シグナルペプチド(aa 1-22)。
BNT162b2-ベータバリアント、RBP020.11(配列番号57、配列番号55)
構造 m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApG)-hAg-Kozak-S1S2-PP-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2のベータバリアントの特徴である変異を含む、SARS-CoV-2(S1S2完全長タンパク質、配列バリアント)のウイルススパイクタンパク質(S1S2タンパク質)
BNT162b2-アルファバリアント、RBP020.14(配列番号60、配列番号58)
構造 m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApG)-hAg-Kozak-S1S2-PP-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2のアルファバリアントの特徴である変異を含む、SARS-CoV-2(S1S2完全長タンパク質、配列バリアント)のウイルススパイクタンパク質(S1S2タンパク質)
BNT162b2-デルタバリアント、RBP020.16(配列番号63a、配列番号61)
構造 m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApG)-hAg-Kozak-S1S2-PP-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2のデルタバリアントの特徴である変異を含む、SARS-CoV-2(S1S2完全長タンパク質、配列バリアント)のウイルススパイクタンパク質(S1S2タンパク質)
RBP020.11(ベータ特異的ワクチン)のヌクレオチド配列
ヌクレオチド配列は、太字で示されるように個々の配列要素で示される。加えて、翻訳されたタンパク質の配列は、コードヌクレオチド配列の下の斜体文字で示される(*=終止コドン)。下線の文字は、ヌクレオチド配列及びアミノ酸配列における点変異を示す。
Figure 2023081859000022
Figure 2023081859000023
Figure 2023081859000024
Figure 2023081859000025
Figure 2023081859000026
Figure 2023081859000027
Figure 2023081859000028
RBP020.11の配列もまた表3に示される。
Figure 2023081859000029
Figure 2023081859000030
Figure 2023081859000031
Figure 2023081859000032
Figure 2023081859000033
Figure 2023081859000034
Figure 2023081859000035
Figure 2023081859000036
Figure 2023081859000037
RBP020.14(アルファ特異的ワクチン)のヌクレオチド配列
ヌクレオチド配列は、太字で示されるように個々の配列要素で示される。加えて、翻訳されたタンパク質の配列は、コードヌクレオチド配列の下の斜体文字で示される(*=終止コドン)。下線の文字は、ヌクレオチド配列及びアミノ酸配列の両方における点変異を示す。
Figure 2023081859000038
Figure 2023081859000039
Figure 2023081859000040
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Figure 2023081859000042
Figure 2023081859000043
Figure 2023081859000044
RBP020.14の配列もまた表4に示される。
Figure 2023081859000045
Figure 2023081859000046
Figure 2023081859000047
Figure 2023081859000048
Figure 2023081859000049
Figure 2023081859000050
Figure 2023081859000051
Figure 2023081859000052
Figure 2023081859000053



RBP020.16(デルタ特異的ワクチン)のヌクレオチド配列
ヌクレオチド配列は、太字で示されるように個々の配列要素で示される。加えて、翻訳されたタンパク質の配列は、コードヌクレオチド配列の下の斜体文字で示される(*=終止コドン)。下線の文字は、ヌクレオチド配列及びアミノ酸配列の両方における点変異を示す。
Figure 2023081859000054
Figure 2023081859000055
Figure 2023081859000056
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Figure 2023081859000058
Figure 2023081859000059
Figure 2023081859000060
RBP020.14の配列もまた表5に示される。
Figure 2023081859000061
Figure 2023081859000062
Figure 2023081859000063
Figure 2023081859000064
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Figure 2023081859000099
Figure 2023081859000100
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Figure 2023081859000103




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Figure 2023081859000111
Figure 2023081859000112
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Figure 2023081859000114
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Figure 2023081859000118
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Figure 2023081859000121
Figure 2023081859000122
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Figure 2023081859000128
Figure 2023081859000129
Figure 2023081859000130
Figure 2023081859000131



表3~16は、配列番号1のK986P及びV987Pに対応する位置に2つのプロリン置換を有する異なるバリアントからの、本明細書に記載のRNAによってコードされるSARS-CoV-2 Sタンパク質のアミノ酸配列を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、例えば、いくつかの実施形態では、表3~16に記載されるように、配列番号1のK986P及びV987Pに対応する位置に2つのプロリン置換を有しない、本明細書に記載のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のかかるRNAは、本明細書に記載のバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、かつ少なくとも4つの(例えば、少なくとも5つ、少なくとも6つ、またはそれ以上の)プロリン変異を更に含む、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、かかるプロリン変異のうちの少なくとも4つは、例えば、WO2021243122A2(その内容全体が、参照によりその全体が本明細書に記載される)に記載されているように、配列番号1の残基817、892、899、及び942に対応する位置に変異を含む。いくつかの実施形態では、配列番号1の残基817、892、899、及び942に対応する位置にプロリン置換を含む、かかるSARS-CoV-2 Sタンパク質は、配列番号1の残基986及び987に対応する位置にプロリン置換を更に含み得る。
自己増幅RNA(saRNA)
自己増幅RNA(saRNA)原薬の有効成分は、細胞に入ると自己増幅する一本鎖RNAであり、その後、コロナウイルスワクチン抗原が翻訳される。単一のタンパク質をコードすることが好ましいuRNA及びmodRNAとは対照的に、saRNAのコード領域は2つのオープンリーディングフレーム(ORF)を含有する。5’-ORFは、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)RNA依存性RNAポリメラーゼ(レプリカーゼ)などのRNA依存性RNAポリメラーゼをコードする。レプリカーゼORFに続いて、3’サブゲノムプロモーター及び抗原をコードする第2のORFが続く。更に、saRNA UTRは、自己増幅に必要な5’及び3’保存配列要素(CSE)を含有する。saRNAは、uRNAとしてのRNAの最大有効性のために最適化された共通の構造要素(例えば、5’キャップ、5’-UTR、3’-UTR、ポリ(A)尾部を含む)を含有する。いくつかの実施形態では、saRNAは、好ましくはウリジンを含む。いくつかの実施形態では、saRNAは、本明細書に記載される1つ以上のヌクレオシド修飾を含む。好ましい5’キャップ構造は、ベータ-S-ARCA(D1)(m 7,2’-OGppSpG)である。
saRNAの細胞質送達は、アルファウイルス様生活環を開始する。しかしながら、saRNAは、ゲノムパッケージングまたは細胞侵入に必要なアルファウイルス構造タンパク質をコードしていないため、複製能のあるウイルス粒子の生成は、非常に可能性が低いか、または不可能である。複製は、DNAを生成するいかなる中間ステップも伴わない。したがって、saRNAの使用/取り込みは、標的細胞内のゲノム組み込みまたは他の永続的な遺伝子組換えのリスクをもたらさない。更に、saRNA自体は、dsRNA中間体の認識を介して自然免疫応答を効果的に活性化することによって、その持続的な複製を防止する。
このプラットフォームの異なる実施形態は、次の通りである:
RBS004.1(配列番号24、配列番号7)
構造 ベータ-S-ARCA(D1)-レプリカーゼ-S1S2-PP-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2のウイルススパイクタンパク質(Sタンパク質)(S1S2完全長タンパク質、配列バリアント)
RBS004.2(配列番号25、配列番号7)
構造 ベータ-S-ARCA(D1)-レプリカーゼ-S1S2-PP-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2のウイルススパイクタンパク質(Sタンパク質)(S1S2完全長タンパク質、配列バリアント)
BNT162c1、RBS004.3(配列番号26、配列番号5)
構造 ベータ-S-ARCA(D1)-レプリカーゼ-RBD-GS-フィブリチン-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2のウイルススパイクタンパク質(Sタンパク質)(部分配列、S1S2タンパク質の受容体結合ドメイン(RBD))
RBS004.4(配列番号27、配列番号28)
構造 ベータ-S-ARCA(D1)-レプリカーゼ-RBD-GS-フィブリチン-TM-FI-A30L70
コードされた抗原 SARS-CoV-2のウイルススパイクタンパク質(Sタンパク質)(部分配列、S1S2タンパク質の受容体結合ドメイン(RBD))
図5は、抗原をコードするRNAの一般的な構造を図示する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のワクチンRNAは、配列番号15、16、17、19、20、21、24、25、26、27、30、及び32からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む。本明細書に記載の特に好ましいワクチンRNAは、配列番号15、17、19、21、25、26、30、及び32からなる群から選択される、例えば、配列番号17、19、21、26、30、及び32からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、脂質ナノ粒子、リポプレックス、ポリプレックス(PLX)、脂質化ポリプレックス(LPLX)、リポソーム、または多糖ナノ粒子中に製剤化される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、好ましくは、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化される。一実施形態では、LNPは、カチオン性脂質、中性脂質、ステロイド、ポリマー抱合脂質、及びRNAを含む。一実施形態では、カチオン性脂質はALC-0315であり、中性脂質は、DSPCであり、ステロイドは、コレステロールであり、ポリマー抱合脂質は、ALC-0159である。好ましい投与様式は、筋肉内投与であり、より好ましくは、筋肉内投与用の水性凍結保護剤緩衝液中である。医薬品は、好ましくは、筋肉内投与用の水性凍結保護剤緩衝液中の脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化されたRNAの防腐剤不含の無菌分散体である。
異なる実施形態では、医薬品は、以下に示す成分を、好ましくは以下に示す割合または濃度で含む。













Figure 2023081859000132
Figure 2023081859000133
Figure 2023081859000134
Figure 2023081859000135
Figure 2023081859000136
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される粒子は、10mMのTris及び10%のスクロースを含み、任意に、約7.4のpHを有する溶液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される粒子は、約103mg/mlのスクロース、約0.20mg/mlのトロメタミン(Tris塩基)、及び約1.32mg/mlのTrisを含む溶液中に製剤化される。
いくつかの実施形態では、組成物は、以下を含む:
(a)SARS-CoV-2タンパク質またはその免疫原性断片もしくはバリアントを含むポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含む約0.1mg/mLのRNA、
(b)約1.43mg/mlのALC-0315、
(c)約0.18mg/mlのALC-0159、
(d)約0.31mg/mlのDSPC、
(e)約0.62mg/mlのコレステロール、
(f)約103mg/mlのスクロース、
(g)約0.20mg/mlのトロメタミン(Tris塩基)、
(h)約1.32mg/mlのTris(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩(Tris HCl)、及び
(i)適量の水。
一実施形態では、RNA(例えば、mRNA)と総脂質との比(N/P)は、6.0~6.5、例えば、約6.0または約6.3である。
核酸含有粒子
本明細書に記載の核酸、例えば、ワクチン抗原をコードするRNAは、粒子として製剤化して投与してもよい。
本開示の文脈において、「粒子」という用語は、分子または分子複合体によって形成される構造化実体に関する。一実施形態では、「粒子」という用語は、マイクロサイズまたはナノサイズの構造、例えば、培地中に分散したマイクロサイズまたはナノサイズのコンパクト構造に関する。一実施形態では、粒子は、DNA、RNA、またはそれらの混合物を含む粒子などの核酸含有粒子である。
ポリマー及び脂質などの正に荷電した分子と負に荷電した核酸との間の静電相互作用は、粒子形成に関与する。これにより、核酸粒子の複合体化及び自発的な形成が生じる。一実施形態では、核酸粒子は、ナノ粒子である。
本開示で使用される場合、「ナノ粒子」は、非経口投与に好適な平均直径を有する粒子を指す。
「核酸粒子」は、核酸を目的の標的部位(例えば、細胞、組織、器官等)に送達するために使用することができる。核酸粒子は、少なくとも1つのカチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料、プロタミンなどの少なくとも1つのカチオン性ポリマー、またはそれらの混合物及び核酸から形成され得る。いくつかの実施形態では、例示的なナノ粒子は、脂質ナノ粒子、ポリプレックス(PLX)、脂質化ポリプレックス(LPLX)、リポソーム、または多糖ナノ粒子を含む。
いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAは、LNPとして製剤化される。いくつかの実施形態では、LNPは、1つ以上のカチオン性にイオン化可能な脂質、1つ以上の中性脂質(例えば、いくつかの実施形態では、例えば、コレステロールなどのステロール、及び/またはリン脂質)、ならびに1つ以上のポリマー抱合脂質を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、ALC-0315(4-ヒドロキシブチル)アザンジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、ALC-0159(2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド)、DSPC(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)、コレステロール、スクロース、トロメタモール(Tris)、トロメタモール塩酸塩、及び水を含む。
本明細書に記載のRNA粒子には、ナノ粒子が含まれる。いくつかの実施形態では、例示的なナノ粒子は、脂質ナノ粒子、リポプレックス、ポリプレックス(PLX)、脂質化ポリプレックス(LPLX)、リポソーム、または多糖ナノ粒子を含む。
ポリプレックス(PLX)、多糖ナノ粒子、及びリポソームは全て、当業者に周知の送達技術である。例えば、Lachelt,Ulrich,and Ernst Wagner.“Nucleic ashid therapeutics using polyplexes:a journey of 50 years(and beyond)”Chemical reviews 115.19(2015):11043-11078、Plucinski,Alexander,Zan Lyu,and Bernhard VKJ Schmidt,“Polysaccharide nanoparticles:from fabrication to applications.”Journal of Materials Chemistry B(2021)、及びTenchov,Rumiana,et al.“Lipid Nanoparticles-From Liposomes to mRNA Vaccine Delivery,a Landscape of Research Diversity and Advancement,”ACS nano 15.11(2021):16982-17015(これらの各々の内容は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)をそれぞれ参照されたい。
いくつかの実施形態では、薬学的RNA調製物中のRNAの濃度は、約0.1mg/mlである。いくつかの実施形態では、薬学的RNA調製物中のRNAの濃度は、約30μg/ml~約100μg/mlである。いくつかの実施形態では、薬学的RNA調製物中のRNAの濃度は、約50μg/ml~約100μg/mlである。
いかなる理論によっても拘束されることを意図するものではないが、カチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料、及び/またはカチオン性ポリマーが核酸と複合して凝集体を形成し、この凝集によってコロイド状に安定した粒子が得られると考えられている。
一実施形態では、本明細書に記載の粒子は、カチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料以外の少なくとも1つの脂質または脂質様材料、カチオン性ポリマー以外の少なくとも1つのポリマー、またはそれらの混合物を更に含む。
いくつかの実施形態では、核酸粒子は、2つ以上の種類の核酸分子を含み、核酸分子の分子パラメータは、例えば、モル質量または分子構造、キャッピング、コード領域、または他の特徴などの基本的な構造要素に関して、互いに類似していても異なっていてもよい。
本明細書に記載の核酸粒子は、一実施形態では、約30nm~約1000nm、約50nm~約800nm、約70nm~約600nm、約90nm~約400nm、または約100nm~約300nmの範囲の平均直径を有し得る。
本明細書に記載の核酸粒子は、約0.5未満、約0.4未満、約0.3未満、または約0.2以下の多分散性指数を示し得る。一例として、核酸粒子は、約0.1~約0.3または約0.2~約0.3の範囲内の多分散性指数を示すことができる。
RNA脂質粒子に関して、N/P比は、脂質中の窒素基と、RNA中のリン酸基の数との比を与える。通常、窒素原子(pHに応じて)は正電荷であり、リン酸基は負電荷であるため、電荷比と相関している。N/P比は、電荷平衡が存在する場合、pHに依存する。正に荷電したナノ粒子がトランスフェクションに好ましいと考えられるため、脂質製剤は、4超~最大12のN/P比で頻繁に形成される。その場合、RNAは、ナノ粒子に完全に結合しているとみなされる。
本明細書に記載の核酸粒子は、少なくとも1つのカチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料、及び/または少なくとも1つのカチオン性ポリマーからコロイドを得ること、ならびにコロイドを核酸と混合して核酸粒子を得ることを含み得る幅広い方法を使用して調製され得る。
本明細書で使用される「コロイド」という用語は、分散粒子が沈降しない、一種の均質混合物に関する。混合物中の不溶性粒子は微視的であり、粒径は、1~1000ナノメートルである。混合物は、コロイドまたはコロイド懸濁液と称され得る。「コロイド」という用語は、混合物中の粒子のみを指し、懸濁液全体を指すことはない。
少なくとも1つのカチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料、及び/または少なくとも1つのカチオン性ポリマーを含むコロイドの調製のために、リポソーム小胞を調製するために従来使用され、適切に適応される方法が、本明細書に適用可能である。リポソーム小胞を調製するために最も一般的に使用される方法は、以下の基本的な段階を共有する:(i)有機溶媒中の脂質溶解、(ii)得られた溶液の乾燥、及び(iii)乾燥脂質の水和(様々な水性媒体を使用する)。
フィルム水和方法では、最初に脂質を好適な有機溶媒中に溶解し、乾燥してフラスコの底部に薄膜を生じさせる。得られた脂質フィルムを、適切な水性媒体を使用して水和して、リポソーム分散体を産生する。更に、追加の縮小ステップが含まれてもよい。
逆相蒸発は、水相と脂質を含有する有機相との間の油中水エマルションの形成を伴うリポソーム小胞を調製するためのフィルム水和の代替方法である。システムの均質化には、この混合物の短時間の超音波処理が必要である。減圧下で有機相を除去すると、乳白色のゲルが得られ、その後リポソーム懸濁液に変わる。
「エタノール注入技法」という用語は、脂質を含むエタノール溶液が針を通して水溶液に急速に注入されるプロセスを指す。この作用は、脂質を溶液全体に分散させ、脂質構造形成、例えば、リポソーム形成などの脂質小胞形成を促進する。一般に、本明細書に記載のRNAリポプレックス粒子は、コロイド状リポソーム分散体にRNAを付加することによって得ることができる。エタノール注入技法を使用して、かかるコロイド状リポソーム分散体は、一実施形態では、以下のように形成される:カチオン性脂質及び追加の脂質などの脂質を含むエタノール溶液を、撹拌下で水溶液に注入する。一実施形態では、本明細書に記載のRNAリポプレックス粒子は、押出ステップなしで入手可能である。
「押出する」または「押出」という用語は、固定された断面形状を有する粒子の作成を指す。特に、粒子の縮小を指し、それによって粒子は、定義された孔を有するフィルターを通される。
コロイドを調製するために、本開示に従って有機溶媒を含まない特性を有する他の方法を使用してもよい。
LNPは、典型的には、4つの成分を含む:イオン化可能なカチオン性脂質、リン脂質などの中性脂質、コレステロールなどのステロイド、及びポリエチレングリコール(PEG)脂質などのポリマー抱合脂質。各構成要素は、ペイロード保護に関与し、効果的な細胞内送達を可能にする。LNPは、エタノールに急速に溶解した脂質を、水性緩衝液中の核酸と混合することによって調製され得る。
「平均直径」という用語は、いわゆる累積アルゴリズムを使用するデータ分析を用いて動的レーザー光分散(DLS)によって測定される粒子の平均流体力学的直径を指し、これは、結果として、長さの次元を有するいわゆるZ平均、及び無次元である多分散指数(PI)を提供する(Koppel,D.,J.Chem.Phys.57,1972,pp 4814-4820,ISO 13321)。ここで、粒子の「平均直径」、「直径」または「サイズ」は、Z平均のこの値と同義で使用される。
「多分散性指数」は、好ましくは「平均直径」の定義で述べたように、いわゆる累積分析による動的光散乱測定に基づいて算出される。ある特定の前提条件下で、それは、ナノ粒子の全体のサイズ分布の尺度としてとることができる。
異なる種類の核酸含有粒子は、粒子形態での核酸の送達に好適であることが以前に記載されている(例えば、Kaczmarek,J.C.et al.,2017,Genome Medicine 9,60)。非ウイルス核酸送達ビヒクルについて、核酸のナノ粒子封入は、核酸を分解から物理的に保護し、特定の化学物質に応じて、細胞取り込み及びエンドソーム逃避を支援することができる。
本開示は、核酸、少なくとも1つのカチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料、及び/または核酸と会合して核酸粒子を形成する少なくとも1つのカチオン性ポリマー、ならびにかかる粒子を含む組成物を含む粒子を記載する。核酸粒子は、粒子に対する非共有相互作用によって異なる形態で複合化される核酸を含み得る。本明細書に記載の粒子は、ウイルス粒子ではなく、特に感染性ウイルス粒子であり、すなわち、それらは細胞にウイルス感染することができない。
好適なカチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料及びカチオン性ポリマーは、核酸粒子を形成するものであり、「粒子形成成分」または「粒子形成剤」という用語に含まれる。「粒子形成成分」または「粒子形成剤」という用語は、核酸と会合して核酸粒子を形成する任意の成分に関する。かかる成分には、核酸粒子の一部であり得る任意の成分が含まれる。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、脂質ナノ粒子(LNP))は、各々が異なる核酸配列を含む、2つ以上のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、各々が異なる免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードする、2つ以上のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子に存在する2つ以上のRNA分子は、第1のRNA分子は、コロナウイルスからの免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードし、第2のRNA分子は、感染性疾患病原体(例えば、ウイルス、細菌、寄生虫等)からの免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードする。例えば、いくつかの実施形態では、核酸含有粒子に存在する2つ以上のRNA分子は、コロナウイルス(例えば、いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2武漢株またはそのバリアント、例えば、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2)からの免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードする第1のRNA分子、及びインフルエンザウイルスからの免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子に存在する2つ以上のRNA分子は、第1のコロナウイルス(例えば、本明細書に記載されるようなもの)から免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードする第1のRNA分子、及び第2のコロナウイルス(例えば、本明細書に記載されるようなもの)から免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、第1のコロナウイルスは、第2のコロナウイルスとは異なる。いくつかの実施形態では、第1及び/または第2のコロナウイルスは、独立して、SARS-CoV-2武漢株またはそのバリアント、例えば、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2からのものである。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子に存在する2つ以上のRNA分子は、各々、コロナウイルスの同じ及び/または異なる株及び/またはバリアント(例えば、いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2株またはバリアント)からの免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードする。例えば、いくつかの実施形態では、核酸含有粒子に存在する2つ以上のRNA分子は、各々、コロナウイルス膜タンパク質、コロナウイルスヌクレオカプシドタンパク質、コロナウイルススパイクタンパク質、コロナウイルス非構造タンパク質、及び/またはコロナウイルス付属タンパク質からの異なる免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードする。いくつかの実施形態では、かかる免疫原性ポリペプチドまたはそれらの免疫原性断片は、同じまたは異なるコロナウイルスに由来し得る(例えば、いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2武漢株またはそのバリアント、例えば、いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントなどの一般的なバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するバリアント)。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、第1の株またはバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードする第1のRNA分子、及び第2の株またはバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードする第2のRNA分子を含み、第2の株またはバリアントは、第1の株またはバリアントとは異なる。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるLNP)は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.3、BA.4、またはBA.5オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びオミクロンBA.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びオミクロンBA.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びオミクロンBA.3バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びオミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、第1のオミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及び第2のオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、BA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、BA.1オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、BA.1オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、BA.1オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、BA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、BA.1オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.3バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、BA.1オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.3バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、BA.1オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.3バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、BA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、BA.1オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、BA.1オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、BA.1オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、BA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、BA.2オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.3バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、BA.2オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.3バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、BA.2オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.3バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、BA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、BA.2オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、BA.2オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、BA.2オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、BA.3オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、及びBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、BA.3オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、BA.3オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、BA.3オミクロンバリアント株の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子と、オミクロンBA.4またはBA.5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、3つ以上のRNA分子を含み、各分子が、異なるSARS-CoV-2バリアントの変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、オミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.3、BA.4、またはBA.5オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.3、BA.4、またはBA.5オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第3のRNA分子を含み、第2及び第3のRNA分子は、異なるオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子、及びBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第3のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子、及びBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第3のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子、及びBA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第3のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子、及びBA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第3のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子、BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子、及びBA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第3のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、2つ以上のRNA分子を含む核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、同じ量(すなわち、1:1の比)で各RNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、2つ以上のRNA分子を含む核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、異なる量の各RNA分子を含む。例えば、いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、第1のRNA分子及び第2のRNA分子を含み、第1のRNA分子は、第2のRNA分子の0.01~100倍の量で存在する(例えば、第1のRNA分子の量は、第2のRNA分子の0.01~50、0.01~4、0.01~30、0.01~25、0.01~20、0.01~15、0.01~10、0.01~9、0.01~8、0.01~7、0.01~6、0.01~5、0.01~4、0.01~3、0.01~2、0.01~1.5、1~50、1~4、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1~2、または1~1.5倍多い)。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、第1のRNA分子及び第2のRNA分子を含み、第1のRNA分子の濃度は、第2のRNA分子の濃度の1~10倍である。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、第1のRNA分子及び第2のRNA分子を含み、第1のRNA分子の濃度は、第2のRNA分子の濃度の1~5倍である。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、第1のRNA分子及び第2のRNA分子を含み、第1のRNA分子の濃度は、第2のRNA分子の濃度の1~3倍である。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、第1のRNA分子及び第2のRNA分子を含み、第1のRNA分子の濃度は、第2のRNA分子の濃度の2倍である。いくつかの実施形態では、核酸含有粒子は、第1のRNA分子及び第2のRNA分子を含み、第1のRNA分子の濃度は、第2のRNA分子の濃度の3倍である。
いくつかの実施形態では、3つのRNA分子を含む核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、同じ量(すなわち、1:1:1の比)で各RNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、3つのRNA分子を含む核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、異なる量の各RNA分子を含む。例えば、いくつかの実施形態では、第1のRNA分子:第2のRNA分子:第3のRNA分子の比は、1:0.01~100:0.01~100(例えば、1:0.01~50:0.01~50、1:0.01~40:0.01~40、1:0.01~30:0.01~25、1:0.01~25:0.01~25、1:0.01~20:0.01~20、1:0.01~15:0.01~15、1:0.01~10:0.01~9、1:0.01~9:0.01~9、1:0.01~8:0.01~8、1:0.01~7:0.01~7、1:0.01~6:0.01~6、1:0.01~5:0.01~5、1:0.01~4:0.01~4、1:0.01~3:0.01~3、1:0.01~2:0.01~2、または1:0.01~1.5:0.01~1.5)である。いくつかの実施形態では、第1のRNA分子:第2のRNA分子:第3のRNA分子の比は、1:1:3である。いくつかの実施形態では、第1のRNA分子:第2のRNA分子:第3のRNA分子の比は、1:3:3である。
いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子は、配列番号7のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子は、配列番号9と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-COV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子は、配列番号20と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、武漢株からのSARS-COV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA分子は、配列番号7と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号49のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号50と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-COV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号51と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-COV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号49と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号64のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号65と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-COV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号67と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-COV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号64と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号69のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号70と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-COV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号72と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-COV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号69と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号74のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号75と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-COV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号77と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-COV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA分子は、配列番号74と少なくとも80%同一(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号49のアミノ酸配列または配列番号49と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号49のアミノ酸配列または配列番号49と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号49のアミノ酸配列または配列番号49と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号49のアミノ酸配列または配列番号49と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号50のヌクレオチド配列または配列番号50と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号50のヌクレオチド配列または配列番号50と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号50のヌクレオチド配列または配列番号50と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号50のヌクレオチド配列または配列番号50と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号51のヌクレオチド配列または配列番号51と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号51のヌクレオチド配列または配列番号51と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号51のヌクレオチド配列または配列番号51と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号51のヌクレオチド配列または配列番号51と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号64のアミノ酸配列または配列番号64と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号49のアミノ酸配列または配列番号64と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号64のアミノ酸配列または配列番号64と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号64のアミノ酸配列または配列番号64と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号65のヌクレオチド配列または配列番号65と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号65のヌクレオチド配列または配列番号65と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号65のヌクレオチド配列または配列番号65と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号65のヌクレオチド配列または配列番号65と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号51のヌクレオチド配列または配列番号67と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号67のヌクレオチド配列または配列番号67と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号67のヌクレオチド配列または配列番号67と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号67のヌクレオチド配列または配列番号67と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号69のアミノ酸配列または配列番号69と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号69のアミノ酸配列または配列番号69と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号69のアミノ酸配列または配列番号69と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号69のアミノ酸配列または配列番号69と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号70のヌクレオチド配列または配列番号70と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号70のヌクレオチド配列または配列番号70と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号70のヌクレオチド配列または配列番号70と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号50のヌクレオチド配列または配列番号70と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号72のヌクレオチド配列または配列番号72と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号72のヌクレオチド配列または配列番号72と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号72のヌクレオチド配列または配列番号72と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号72のヌクレオチド配列または配列番号72と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号74のアミノ酸配列または配列番号74と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号74のアミノ酸配列または配列番号74と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号74のアミノ酸配列または配列番号74と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%同一である配列をコードする第1のRNA分子と、配列番号74のアミノ酸配列または配列番号74と少なくとも80%同一である配列をコードする第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号75のヌクレオチド配列または配列番号75と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号75のヌクレオチド配列または配列番号75と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号75のヌクレオチド配列または配列番号75と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号75のヌクレオチド配列または配列番号75と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号77のヌクレオチド配列または配列番号77と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号77のヌクレオチド配列または配列番号77と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:1である。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号77のヌクレオチド配列または配列番号77と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:2である。いくつかの実施形態では、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%同一である配列を含む第1のRNA分子と、配列番号77のヌクレオチド配列または配列番号77と少なくとも80%同一である配列を含む第2のRNA分子との比は、1:3である。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号7のアミノ酸配列または配列番号7と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号55、58、もしくは61のアミノ酸配列または配列番号55、58、もしくは61と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号9のヌクレオチド配列または配列番号9と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号56、59、もしくは62aのヌクレオチド配列または配列番号56、59、もしくは62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号20のヌクレオチド配列または配列番号20と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号57、60、もしくは63aのヌクレオチド配列または配列番号57、60、もしくは63aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号58のアミノ酸配列または配列番号58と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号49、55、もしくは61のアミノ酸配列または配列番号49、55、もしくは61と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号59のヌクレオチド配列または配列番号59と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号50、56、もしくは62aのヌクレオチド配列または配列番号50、56、もしくは62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号60のヌクレオチド配列または配列番号60と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号51、57、もしくは63aのヌクレオチド配列または配列番号51、57、もしくは63aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号49のアミノ酸配列または配列番号49と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号55もしくは61のアミノ酸配列または配列番号55もしくは61と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号50のヌクレオチド配列または配列番号50と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号56もしくは62aのヌクレオチド配列または配列番号56もしくは62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号51のヌクレオチド配列または配列番号51と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号57もしくは63aのヌクレオチド配列または配列番号57もしくは63aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号55のアミノ酸配列または配列番号55と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号61のアミノ酸配列または配列番号61と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号56のヌクレオチド配列または配列番号56と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号62aのヌクレオチド配列または配列番号62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、核酸含有粒子(例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなLNP)は、配列番号57のヌクレオチド配列または配列番号57と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第1のRNA分子、及び配列番号63aのヌクレオチド配列または配列番号63aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、異なるポリペプチドをコードする核酸(例えば、RNA)を含有する粒子(例えば、いくつかの実施形態では、LNP)は、複数の(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、またはそれ以上の)RNA分子を粒子形成成分(例えば、脂質)と混合することによって形成され得る。いくつかの実施形態では、異なるポリペプチドをコードする核酸(例えば、RNA)は、粒子形成成分(例えば、脂質)と混合する前に、(例えば、いくつかの実施形態では、実質的に等しい割合で、例えば、いくつかの実施形態では、2つのRNA分子が存在する場合、1:1の比で)混合され得る。
いくつかの実施形態では、各々が(例えば、本明細書に記載されるような)異なるポリペプチドをコードする2つ以上のRNA分子を、粒子形成剤と混合して、上述されるような核酸含有粒子を形成することができる。代替的な実施形態では、各々が(例えば、本明細書に記載されるような)異なるポリペプチドをコードする2つ以上のRNA分子を別個の粒子組成物に製剤化し、次いでそれらを一緒に混合することができる。例えば、いくつかの実施形態では、各集団が(例えば、本明細書に記載されるような)異なる免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片をコードするRNA分子を含む、核酸含有粒子の個々の集団は、別個に形成され、次いで、例えば、製造プロセス中にバイアルに充填する前に、または投与の直前に(例えば、投与する医療従事者によって)一緒に混合され得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるのは、2つ以上の粒子集団(例えば、いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子)を含む組成物であり、各集団は、異なる免疫原性ポリペプチドまたはその免疫原性断片(例えば、異なるバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその断片)をコードする少なくとも1つのRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、各集団は、所望の割合で組成物で提供され得る(例えば、いくつかの実施形態では、各集団は、同じ量のRNA分子を提供する量で組成物で提供され得る)。
カチオン性ポリマー
それらの高度な化学的柔軟性を考慮すると、ポリマーは、ナノ粒子ベースの送達のために一般的に使用される材料である。典型的には、カチオン性ポリマーは、負に荷電した核酸をナノ粒子に静電的に縮合させるために使用される。これらの正に荷電した基は、多くの場合、pH5.5~7.5の範囲でプロトン化状態を変化させるアミンからなり、エンドソーム破裂をもたらすイオン不均衡につながると考えられる。ポリ-L-リジン、ポリアミドアミン、プロタミン、及びポリエチレンイミンなどのポリマー、ならびにキトサンなどの天然に存在するポリマーは全て、核酸送達に適用されており、本明細書ではカチオン性ポリマーとして好適である。加えて、一部の研究者は、核酸送達に特異的にポリマーを合成している。ポリ(β-アミノエステル)は、それらの合成の容易さ及び生分解性のために、核酸送達において広く使用されるようになった。かかる合成ポリマーは、本明細書ではカチオン性ポリマーとしても好適である。
本明細書で使用される「ポリマー」は、その通常の意味、すなわち共有結合によって接続された1つ以上の反復単位(モノマー)を含む分子構造を与えられる。反復単位は、全て同一であり得るか、または場合によっては、ポリマー内に存在する複数の種類の反復単位が存在し得る。場合によっては、ポリマーは、生物学的に誘導される、すなわち、タンパク質などの生体ポリマーである。場合によっては、追加の部分、例えば、本明細書に記載されるものなどの標的部分もポリマー内に存在し得る。
複数の種類の反復単位がポリマー内に存在する場合、ポリマーは、「コポリマー」であると言われる。本明細書で用いられているポリマーは、コポリマーであり得ることを理解されたい。コポリマーを形成する反復単位は、任意の様式で配置され得る。例えば、反復単位は、ランダムな順序で、交互に、または「ブロック」コポリマーとして配置することができ、すなわち、各々が第1の反復単位(例えば、第1のブロック)を含む1つ以上の領域、及び各々が第2の反復単位(例えば、第2のブロック)を含む1つ以上の領域等を含む。ブロックコポリマーは、2つ(ジブロックコポリマー)、3つ(トリブロックコポリマー)、またはそれ以上の数の別個のブロックを有することができる。
ある特定の実施形態では、ポリマーは、生体適合性である。生体適合性ポリマーは、典型的には、中程度の濃度で著しい細胞死をもたらさないポリマーである。ある特定の実施形態では、生体適合性ポリマーは、生分解性であり、すなわち、ポリマーは、体内などの生理学的環境内で、化学的及び/または生物学的に分解することができる。
ある特定の実施形態では、ポリマーは、プロタミンまたはポリアルキレンイミン、特にプロタミンであり得る。
「プロタミン」という用語は、アルギニンを豊富に含み、様々な動物(魚類など)の精子細胞における体細胞ヒストンの代わりに特にDNAと関連付けられる、比較的低分子量の様々な強塩基性タンパク質のうちのいずれかを指す。特に、「プロタミン」という用語は、強塩基性であり、水に可溶性であり、熱によって凝固されず、加水分解時に主にアルギニンを得る、魚類の精子に見られるタンパク質を指す。精製形態では、インスリンの長時間作用型製剤に使用され、ヘパリンの抗凝固作用を中和する。
本開示によれば、本明細書で使用される「プロタミン」という用語は、天然または生物学的源から得られたまたは由来する任意のプロタミンアミノ酸配列(その断片を含む)及び当該アミノ酸配列またはその断片の多量体形態、ならびに人工的であり、特定の目的のために特別に設計され、天然または生物学的源から単離することができない(合成された)ポリペプチドを含むことを意味する。
一実施形態では、ポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミン及び/またはポリプロピレンイミン、好ましくはポリエチレンイミンを含む。好ましいポリアルキレンイミンは、ポリエチレンイミン(PEI)である。PEIの平均分子量は、好ましくは0.75・10~10Da、好ましくは1000~10Da、より好ましくは10000~40000Da、より好ましくは15000~30000Da、更により好ましくは20000~25000Daである。
本開示によれば、直鎖ポリエチレンイミン(PEI)などの直鎖ポリアルキレンイミンが好ましい。
本明細書で使用することが企図されるカチオン性ポリマー(ポリカチオン性ポリマーを含む)には、核酸に静電的に結合することができる任意のカチオン性ポリマーが含まれる。一実施形態では、本明細書で使用することが企図されるカチオン性ポリマーには、例えば、核酸と複合体を形成することによって、または核酸が包囲もしくは封入される小胞を形成することによって、核酸が会合され得る任意のカチオン性ポリマーが含まれる。
本明細書に記載の粒子はまた、カチオン性ポリマー以外のポリマー、すなわち、非カチオン性ポリマー及び/またはアニオン性ポリマーを含んでもよい。まとめて、アニオン性及び中性ポリマーは、本明細書において非カチオン性ポリマーと称される。
脂質及び脂質様材料
「脂質」及び「脂質様材料」という用語は、本明細書では、1つ以上の疎水性部分または基、及び任意に1つ以上の親水性部分または基も含む分子として広く定義される。疎水性部分及び親水性部分を含む分子もまた、両親媒性物質として頻繁に示される。脂質は通常、水に溶けにくい。水性環境において、両親媒性の性質により、分子は組織化された構造及び異なる相に自己組織化することができる。それらは、水性環境中の小胞、多層/単層リポソーム、または膜に存在するため、これらの相のうちの1つは、脂質二重層からなる。疎水性は、長鎖飽和及び不飽和脂肪族炭化水素基、ならびに1つ以上の芳香族基、脂環式基、または複素環式基(複数可)によって置換されたかかる基を含むが、これらに限定されない無極性基を含むことによって付与することができる。親水性基は、極性及び/または荷電基を含み得、炭水化物、リン酸塩、カルボン酸、硫酸塩、アミノ、スルフヒドリル、ニトロ、ヒドロキシル、及び他の同様の基を含み得る。
本明細書で使用される場合、「両親媒性」という用語は、極性部分及び非極性部分の両方を有する分子を指す。多くの場合、両親媒性化合物は、長い疎水性尾部に付着した極性頭部を有する。いくつかの実施形態では、極性部分は、水に可溶性であり、非極性部分は、水に不溶性である。加えて、極性部分は、形式正電荷、または形式負電荷のいずれかを有し得る。代替的に、極性部分は、形式正電荷及び形式負電荷の両方を有し得、両性イオンまたは分子内塩である。本開示の目的のために、両親媒性化合物は、1つまたは複数の天然または非天然脂質及び脂質様化合物であり得るが、これらに限定されない。
「脂質様材料」、「脂質様化合物」、または「脂質様分子」という用語は、構造的及び/または機能的に脂質に関連するが、厳密な意味で脂質とみなされない場合がある物質に関する。例えば、この用語は、水性環境中の小胞、多層/単層リポソーム、または膜中に存在するため、両親媒性層を形成することができる化合物を含み、界面活性剤、または親水性部分と疎水性部分の両方を有する合成化合物を含む。一般に、この用語は、脂質と類似していても類似していなくてもよい異なる構造的な組織を有する親水性及び疎水性部分を含む分子を指す。本明細書で使用される場合、「脂質」という用語は、本明細書で別途示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、脂質及び脂質様材料の両方を網羅すると解釈されるべきである。
両親媒性層に含まれ得る両親媒性化合物の具体的な例としては、リン脂質、アミノ脂質、及びスフィンゴ脂質が挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、両親媒性化合物は、脂質である。「脂質」という用語は、水に不溶であるが、多くの有機溶媒に可溶であることを特徴とする有機化合物の群を指す。一般に、脂質は、8つのカテゴリー:脂肪酸、グリセロ脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、糖脂質、ポリケチド(ケトアシルサブユニットの縮合に由来)、ステロール脂質、及びプレノール脂質(イソプレンサブユニットの縮合に由来)に分類され得る。「脂質」という用語は、脂肪の代名詞として用いられることもあるが、脂肪は、トリグリセリドと呼ばれる脂質の下位群である。脂質はまた、脂肪酸などの分子及びそれらの誘導体(三脂質、二脂質、モノグリセリド、及びリン脂質を含む)、ならびにコレステロールなどのステロール含有代謝産物を包含する。
脂肪酸、または脂肪酸残基は、カルボン酸基で終わる炭化水素鎖で作られる多様な分子群であり、この配置は、水に不溶である極性親水性末端及び非極性疎水性末端を分子に付与する。典型的には、4~24炭素長である炭素鎖は、飽和または不飽和であり得、酸素、ハロゲン、窒素、及び硫黄を含有する官能基に付着し得る。脂肪酸が二重結合を含有する場合、シスまたはトランス幾何異性体のいずれかの可能性があり、分子の構成に著しく影響する。シス二重結合は、脂肪酸鎖を曲げる原因となり、この効果は、鎖内のより多くの二重結合と複合される。脂肪酸カテゴリーの他の主要な脂質クラスは、脂肪酸エステル及び脂肪酸アミドである。
グリセロ脂質は、一置換グリセロール、二置換グリセロール、及び三置換グリセロールから構成され、最もよく知られているのは、トリグリセリドと呼ばれるグリセロールの脂肪酸トリエステルである。「トリアシルグリセロール」という単語は、「トリグリセリド」と同義に使用されることがある。これらの化合物において、グリセロールの3つのヒドロキシル基は、典型的には、異なる脂肪酸によって各々エステル化される。グリセロ脂質の更なるサブクラスは、グリコシルグリセロールによって表され、グリコシド結合を介してグリセロールに付着した1つ以上の糖残基の存在を特徴とする。
グリセロリン脂質は、エステル結合によって2つの脂肪酸由来の「尾部」に連結され、リン酸エステル結合によって1つの「頭部」基に連結されたグリセロールコアを含有する両親媒性分子(疎水性及び親水性領域の両方を含有する)である。通常、リン脂質と称されるグリセロリン脂質の例(ただし、スフィンゴミエリンはリン脂質としても分類される)は、ホスファチジルコリン(PC、GPChoまたはレシチンとしても知られる)、ホスファチジルエタノールアミン(PEまたはGPEtn)及びホスファチジルセリン(PSまたはGPSer)である。
スフィンゴ脂質は、共通の構造的特徴であるスフィンゴイド塩基骨格を共有する化合物の複雑なファミリーである。哺乳類における主要なスフィンゴイド塩基は、一般にスフィンゴシンと称される。セラミド(N-アシル-スフィンゴイド塩基)は、アミド結合脂肪酸を有するスフィンゴイド塩基誘導体の主要なサブクラスである。脂肪酸は、典型的には、16~26個の炭素原子の鎖長を有する飽和またはモノ不飽和である。哺乳類の主要なホスホスフィンゴ脂質は、スフィンゴミエリン(セラミドホスホコリン)であり、昆虫は、主にセラミドホスホエタノールアミンを含み、真菌は、フィトセラミドホスホイノシトール及びマンノース含有頭部基を有する。糖スフィンゴ脂質は、スフィンゴイド塩基にグリコシド結合を介して連結された1つ以上の糖残基からなる多様な分子ファミリーである。これらの例は、セレブロシド及びガングリオシドなどの単純及び複雑な糖スフィンゴ脂質である。
コレステロール及びその誘導体、またはトコフェロール及びその誘導体などのステロール脂質は、グリセロリン脂質及びスフィンゴミエリンとともに、膜脂質の重要な構成要素である。
糖脂質は、脂肪酸が糖骨格に直接連結され、膜二重層と適合する構造を形成する化合物を記載する。糖脂質において、単糖は、グリセロ脂質及びグリセロリン脂質に存在するグリセロール骨格を置換する。最もよく知られている糖脂質は、グラム陰性細菌におけるリポ多糖類の脂質A成分のアシル化グルコサミン前駆体である。典型的な脂質A分子は、グルコサミンの二糖類であり、これらは、7個までの脂肪族アシル鎖で誘導体化される。E.coliの増殖に必要な最小限のリポ多糖は、2つの3-デオキシ-D-マンノ-オクツロソン酸(Kdo)残基でグリコシル化されたグルコサミンのヘキサアシル化二糖である、Kdo2-脂質Aである。
ポリケチドは、古典的な酵素、ならびに脂肪酸合成酵素と機械的特徴を共有する反復酵素及び多モジュール酵素によるアセチル及びプロピオニルサブユニットの重合によって合成される。それらは、多数の二次代謝産物及び動物、植物、細菌、真菌及び海洋源からの天然物を含み、非常に多様な構造を有する。多くのポリケチドは、その骨格がしばしば、グリコシル化、メチル化、ヒドロキシル化、酸化、または他のプロセスによって更に修飾される環状分子である。
本開示によれば、脂質及び脂質様材料は、カチオン性、アニオン性、または中性であり得る。中性脂質または脂質様材料は、選択されたpHで非荷電または中性両性イオン形態で存在する。
カチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料
本明細書に記載の核酸粒子は、粒子形成剤として、少なくとも1つのカチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料を含み得る。本明細書で使用することが企図されるカチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料には、核酸に静電的に結合することができる任意のカチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料が含まれる。一実施形態では、本明細書の使用が企図されるカチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料は、核酸と複合体を形成するか、または核酸が包囲もしくは封入される小胞を形成することによって、核酸と会合することができる。
本明細書で使用される場合、「カチオン性脂質」または「カチオン性脂質様材料」は、正味の正電荷を有する脂質または脂質様材料を指す。カチオン性脂質または脂質様材料は、静電相互作用によって負に荷電した核酸に結合する。一般に、カチオン性脂質は、親油性部分、例えば、ステロール、アシル鎖、ジアシル鎖またはそれ以上のアシル鎖を有し、脂質の頭部基は、典型的には、正電荷を担持する。
ある特定の実施形態では、カチオン性脂質または脂質様材料は、ある特定のpH、特に酸性pHでのみ正味の正電荷を有する一方、好ましくは正味の正電荷を有さず、好ましくは電荷を有さず、すなわち、生理学的pHなどの異なる、好ましくはより高いpHで中性である。このイオン化可能な挙動は、生理学的pHでカチオン性のままの粒子と比較して、エンドソーム逃避を助け、毒性を低減することによって有効性を高めると考えられている。
本開示の目的のために、かかる「カチオン性にイオン化可能な」脂質または脂質様材料は、状況と矛盾しない限り、「カチオン性脂質または脂質様材料」という用語によって含まれる。
一実施形態では、カチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料は、正電荷であるか、またはプロトン化することができる少なくとも1つの窒素原子(N)を含む頭部基を含む。
カチオン性脂質の例としては、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP);N,N-ジメチル-2,3-ジオレイルオキシプロピルアミン(DODMA)、1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTMA)、3-(N-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル)コレステロール(DC-Chol)、ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDAB);1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(DODAP);1,2-ジアシルオキシ-3-ジメチルアンモニウムプロパン;1,2-ジアルキルオキシ-3-ジメチルアンモニウムプロパン;ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、1,2-ジステアリルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(DSDMA)、2,3-ジ(テトラデコキシ)プロピル-(2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアザニウム(DMRIE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DMEPC)、1,2-ジミリストイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、1,2-ジオレイルオキシプロピル-3-ジメチル-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DORIE)、及び2,3-ジオレオイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミウムトリフルオロアセテート(DOSPA)、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2-ジリノレニルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)、ジオクタデシルアミドグリシルスペルミン(DOGS)、3-ジメチルアミノ-2-(コレスト-5-エン-3-ベータ-オキシブタン-4-オキシ)-1-(シス,シス-9,12-オクタデカジエノキシ)プロパン(CLinDMA)、2-[5’-(コレスト-5-エン-3-ベータ-オキシ)-3’-オキサペントキシ]-3-ジメチル-1-(シス,シス-9’,12’-オクタデカジエノキシ)プロパン(CpLinDMA)、N,N-ジメチル-3,4-ジオレイルオキシベンジルアミン(DMOBA)、1,2-N,N’-ジオレイルカルバミル-3-ジメチルアミノプロパン(DOcarbDAP)、2,3-ジリノレオイルオキシ-N,N-ジメチルプロピルアミン(DLinDAP)、1,2-N,N’-ジリノレイルカルバミル-3-ジメチルアミノプロパン(DLincarbDAP)、1,2-ジリノレオイルカルバミル-3-ジメチルアミノプロパン(DLinCDAP)、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-DMA)、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-XTC2-DMA)、2,2-ジリノレイル-4-(2-ジメチルアミノエチル)-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ヘプタトリアコンタ-6,9,28,31-テトラエン-19-イル-4-(ジメチルアミノ)ブタノエート(DLin-MC3-DMA)、N-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(テトラデシルオキシ)-1-プロパンアミニウムブロミド(DMRIE)、(±)-N-(3-アミノプロピル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(シス-9-テトラデセニルオキシ)-1-プロパンアミニウムブロミド(GAP-DMORIE)、(±)-N-(3-アミノプロピル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(ドデシルオキシ)-1-プロパンアミニウムブロミド(GAP-DLRIE)、(±)-N-(3-アミノプロピル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(テトラデシルオキシ)-1-プロパンアミニウムブロミド(GAP-DMRIE)、N-(2-アミノエチル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(テトラデシルオキシ)-1-プロパンアミニウムブロミド(βAE-DMRIE)、N-(4-カルボキシベンジル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(オレオイルオキシ)プロパン-1-アミニウム(DOBAQ)、2-({8-[(3β)-コレスト-5-エン-3-イルオキシ]オクチル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-1-アミン(オクチル-CLinDMA)、1,2-ジミリストイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(DMDAP)、1,2-ジパルミトイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(DPDAP)、N1-[2-((1S)-1-[(3-アミノプロピル)アミノ]-4-[ジ(3-アミノ-プロピル)アミノ]ブチルカルボキサミド)エチル]-3,4-ジ[オレイルオキ]-ベンズアミド(MVL5)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(DOEPC)、2,3-ビス(ドデシルオキシ)-N-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルプロパン-1-アンモニウムブロミド(DLRIE)、N-(2-アミノエチル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(テトラデシルオキシ)プロパン-1-アミニウムブロミド(DMORIE)、ジ(Z)-ノン-2-エン-1-イル)8,8’-((((2(ジメチルアミノ)エチル)チオ)カルボニル)アザネジイル)ジオクタノエート(ATX)、N,N-ジメチル-2,3-ビス(ドデシルオキシ)プロパン-1-アミン(DLDMA)、N,N-ジメチル-2,3-ビス(テトラデシルオキシ)プロパン-1-アミン(DMDMA)、ジ((Z)-ノン-2-エン-1-イル)-9-((4-(ジメチルアミノブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)、N-ドデシル-3-((2-ドデシルカルバモイル-エチル)-{2-[(2-ドデシルカルバモイル-エチル)-2-{(2-ドデシルカルバモイル-エチル)-[2-(2-ドデシルカルバモイル-エチルアミノ)-エチル]-アミノ}-エチルアミノ]プロピオンアミド(リピドイド98N12-5)、1-[2-[ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ]エチル-[2-[4-[2-[ビス(2ヒドロキシドデシル)アミノ]エチル]ピペラジン-1-イル]エチル]アミノ]ドデカン-2-オール(リピドイドC12-200)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、粒子内に存在する総脂質の約10mol%~約100mol%、約20mol%~約100mol%、約30mol%~約100mol%、約40mol%~約100mol%、または約50mol%~約100mol%を構成し得る。
追加の脂質または脂質様材料
本明細書に記載の粒子はまた、カチオン性脂質もしくはカチオン性にイオン化可能な脂質または脂質様材料以外の脂質または脂質様材料、すなわち、非カチオン性脂質または脂質様材料(非カチオン性にイオン化不可能な脂質または脂質様材料を含む)を含んでもよい。まとめて、アニオン性及び中性脂質または脂質様材料は、本明細書において非カチオン性脂質または脂質様材料と称される。イオン化可能/カチオン性脂質または脂質様材料に加えて、コレステロール及び脂質などの他の疎水性部分の添加による核酸粒子の配合を最適化することにより、核酸送達の粒子安定性及び有効性を強化することができる。
追加の脂質または脂質様材料を組み込んでもよく、これは、核酸粒子の全体的な電荷に影響を及ぼしても及ぼさなくてもよい。ある特定の実施形態では、追加の脂質または脂質様材料は、非カチオン性脂質または脂質様材料である。非カチオン性脂質は、例えば、1つ以上のアニオン性脂質及び/または中性脂質を含んでよい。本明細書で使用される場合、「アニオン性脂質」は、選択されたpHで負に荷電された任意の脂質を指す。本明細書で使用される場合、「中性脂質」は、選択されたpHで非荷電または中性両性イオン形態のいずれかで存在するいくつかの脂質種のいずれかを指す。好ましい実施形態では、追加の脂質は、以下の中性脂質成分のうちの1つを含む:(1)リン脂質、(2)コレステロールもしくはその誘導体、または(3)リン脂質及びコレステロールもしくはその誘導体の混合物。コレステロール誘導体の例としては、コレステロール、コレスタノン、コレステノン、コプロスタノール、コレステリル-2’-ヒドロキシエチルエーテル、コレステリル-4’-ヒドロキシブチルエーテル、トコフェロール及びそれらの誘導体、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
使用することができる特定のリン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジル酸、ホスファチジルセリン、またはスフィンゴミエリンが挙げられるが、これらに限定されない。かかるリン脂質としては、特に、ジアシルホスファチジルコリン、例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジペンタデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジアラキドイルホスファチジルコリン(DAPC)、ジベヘノイルホスファチジルコリン(DBPC)、ジトリコサノイルホスファチジルコリン(DTPC)、ジリグノセロイルファチジルコリン(DLPC)、パルミトイルオレオイル-ホスファチジルコリン(POPC)、1,2-ジ-O-オクタデセニル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0ジエーテルPC)、1-オレオイル-2-コレステリルヘミスクシノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(OChemsPC)、1-ヘキサデシル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(C16 Lyso PC)、及びホスファチジルエタノールアミン、特にジアシルホスファチジルエタノールアミン、例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジステアロイル-ホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、ジパルミトイル-ホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイル-ホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジラウロイル-ホスファチジルエタノールアミン(DLPE)、ジフィタノイル-ホスファチジルエタノールアミン(DPyPE)、及び更には異なる疎水性鎖を有するホスファチジルエタノールアミン脂質が挙げられる。
ある特定の好ましい実施形態では、追加の脂質は、DSPCまたはDSPC及びコレステロールである。
ある特定の実施形態では、核酸粒子は、カチオン性脂質及び追加の脂質の両方を含む。
一実施形態では、本明細書に記載の粒子は、ペグ化脂質などのポリマー抱合脂質を含む。「ペグ化脂質」という用語は、脂質部分及びポリエチレングリコール部分の両方を含む分子を指す。ペグ化脂質は、当該技術分野で既知である。
理論によって拘束されることを望むものではないが、少なくとも1つの追加の脂質の量と比較した少なくとも1つのカチオン性脂質の量は、核酸の電荷、粒径、安定性、組織選択性、及び生物活性などの重要な核酸粒子特徴に影響を及ぼし得る。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのカチオン性脂質と少なくとも1つの追加の脂質とのモル比は、約10:0~約1:9、約4:1~約1:2、または約3:1~約1:1である。
いくつかの実施形態では、非カチオン性脂質、特に中性脂質(例えば、1つ以上のリン脂質及び/またはコレステロール)は、粒子内に存在する総脂質の約0mol%~約90mol%、約0mol%~約80mol%、約0mol%~約70mol%、約0mol%~約60mol%、または約0mol%~約50mol%を構成し得る。
リポプレックス粒子
本開示のある特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAは、RNAリポプレックス粒子に存在してもよい。
本開示の文脈において、「RNAリポプレックス粒子」という用語は、脂質、特にカチオン性脂質、及びRNAを含有する粒子に関する。正に荷電したリポソームと負に荷電したRNAとの間の静電相互作用は、RNAリポプレックス粒子の複合体形成及び自発的形成をもたらす。正に荷電したリポソームは、一般に、DOTMAなどのカチオン性脂質、及びDOPEなどの追加の脂質を使用して合成されてもよい。一実施形態では、RNAリポプレックス粒子は、ナノ粒子である。
ある特定の実施形態では、RNAリポプレックス粒子は、カチオン性脂質及び追加の脂質の両方を含む。例となる実施形態では、カチオン性脂質は、DOTMAであり、追加の脂質は、DOPEである。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのカチオン性脂質と少なくとも1つの追加の脂質とのモル比は、約10:0~約1:9、約4:1~約1:2、または約3:1~約1:1である。具体的な実施形態では、モル比は、約3:1、約2.75:1、約2.5:1、約2.25:1、約2:1、約1.75:1、約1.5:1、約1.25:1、または約1:1であり得る。例となる実施形態では、少なくとも1つのカチオン性脂質と少なくとも1つの追加の脂質とのモル比は、約2:1である。
本明細書に記載のRNAリポプレックス粒子は、一実施形態では、約200nm~約1000nm、約200nm~約800nm、約250~約700nm、約400~約600nm、約300nm~約500nm、または約350nm~約400nmの範囲の平均直径を有する。特定の実施形態では、RNAリポプレックス粒子は、約200nm、約225nm、約250nm、約275nm、約300nm、約325nm、約350nm、約375nm、約400nm、約425nm、約450nm、約475nm、約500nm、約525nm、約550nm、約575nm、約600nm、約625nm、約650nm、約700nm、約725nm、約750nm、約775nm、約800nm、約825nm、約850nm、約875nm、約900nm、約925nm、約950nm、約975nm、または約1000nmの平均直径を有する。一実施形態では、RNAリポプレックス粒子は、約250nm~約700nmの範囲の平均直径を有する。別の実施形態では、RNAリポプレックス粒子は、約300nm~約500nmの範囲の平均直径を有する。例となる実施形態では、RNAリポプレックス粒子は、約400nmの平均直径を有する。
本明細書に記載のRNAリポプレックス粒子及びRNAリポプレックス粒子を含む組成物は、非経口投与後、特に静脈内投与後の標的組織へのRNAの送達に有用である。RNAリポプレックス粒子は、エタノール中の脂質の溶液を水または好適な水相に注入することによって得ることができるリポソームを使用して調製され得る。一実施形態では、水相は、酸性pHを有する。一実施形態では、水相は、例えば、約5mMの量で酢酸を含む。リポソームは、リポソームをRNAと混合することによってRNAリポプレックス粒子を調製するために使用され得る。一実施形態では、リポソーム及びRNAリポプレックス粒子は、少なくとも1つのカチオン性脂質及び少なくとも1つの追加の脂質を含む。一実施形態では、少なくとも1つのカチオン性脂質は、1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTMA)及び/または1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)を含む。一実施形態では、少なくとも1つの追加の脂質は、1,2-ジ-(9Z-オクタデセノイル)-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、コレステロール(Chol)及び/または1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)を含む。一実施形態では、少なくとも1つのカチオン性脂質は、1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTMA)を含み、少なくとも1つの追加の脂質は、1,2-ジ-(9Z-オクタデセノイル)-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)を含む。一実施形態では、リポソーム及びRNAリポプレックス粒子は、1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTMA)及び1,2-ジ-(9Z-オクタデセノイル)-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)を含む。
脾臓を標的とするRNAリポプレックス粒子は、WO2013/143683(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。正味の負電荷を有するRNAリポプレックス粒子を使用して、抗原提示細胞、特に樹状細胞などの脾臓組織または脾臓細胞を優先的に標的とし得ることが分かっている。したがって、RNAリポプレックス粒子の投与後、脾臓におけるRNA蓄積及び/またはRNA発現が生じる。したがって、本開示のRNAリポプレックス粒子は、脾臓においてRNAを発現するために使用することができる。一実施形態では、RNAリポプレックス粒子の投与後、肺及び/または肝臓におけるRNA蓄積及び/またはRNA発現は、生じないか、または本質的に生じない。一実施形態では、RNAリポプレックス粒子の投与後、脾臓におけるプロフェッショナル抗原提示細胞などの抗原提示細胞におけるRNA蓄積及び/またはRNA発現が生じる。したがって、本開示のRNAリポプレックス粒子は、かかる抗原提示細胞においてRNAを発現するために使用することができる。一実施形態では、抗原提示細胞は、樹状細胞及び/またはマクロファージである。
脂質ナノ粒子(LNP)
一実施形態では、本明細書に記載のRNAなどの核酸は、脂質ナノ粒子(LNP)の形態で投与される。LNPは、1つ以上の核酸分子が付着している、または1つ以上の核酸分子が封入されている粒子を形成することができる任意の脂質を含んでもよい。
一実施形態では、LNPは、1つ以上のカチオン性脂質、及び1つ以上の安定化脂質を含む。安定化脂質としては、中性脂質及びペグ化脂質が挙げられる。
一実施形態では、LNPは、カチオン性脂質、中性脂質、ステロイド、ポリマー抱合脂質、及び脂質ナノ粒子内に封入されているか、または脂質ナノ粒子と会合されているRNAを含む。
一実施形態では、LNPは、40~55モルパーセント、40~50モルパーセント、41~49モルパーセント、41~48モルパーセント、42~48モルパーセント、43~48モルパーセント、44~48モルパーセント、45~48モルパーセント、46~48モルパーセント、47~48モルパーセント、または47.2~47.8モルパーセントのカチオン性脂質を含む。一実施形態では、LNPは、約47.0、47.1、47.2、47.3、47.4、47.5、47.6、47.7、47.8、47.9、または48.0モルパーセントのカチオン性脂質を含む。
一実施形態では、中性脂質は、5~15モルパーセント、7~13モルパーセント、または9~11モルパーセントの範囲の濃度で存在する。一実施形態では、中性脂質は、約9.5、10、または10.5モルパーセントの濃度で存在する。
一実施形態では、ステロイドは、30~50モルパーセント、35~45モルパーセント、または38~43モルパーセントの範囲の濃度で存在する。一実施形態では、ステロイドは、約40、41、42、43、44、45、または46モルパーセントの濃度で存在する。
一実施形態では、LNPは、1~10モルパーセント、1~5モルパーセント、または1~2.5モルパーセントのポリマー抱合脂質を含む。
一実施形態では、LNPは、40~50モルパーセントのカチオン性脂質、5~15モルパーセントの中性脂質、35~45モルパーセントのステロイド、1~10モルパーセントのポリマー抱合脂質、及び脂質ナノ粒子内に封入されているか、または脂質ナノ粒子と会合されているRNAを含む。
一実施形態では、モルパーセントは、脂質ナノ粒子に存在する脂質の総モルに基づいて決定される。
一実施形態では、中性脂質は、DSPC、DPPC、DMPC、DOPC、POPC、DOPE、DOPG、DPPG、POPE、DPPE、DMPE、DSPE、及びSMからなる群から選択される。一実施形態では、中性脂質は、DSPC、DPPC、DMPC、DOPC、POPC、DOPE、及びSMからなる群から選択される。一実施形態では、中性脂質は、DSPCである。
一実施形態では、ステロイドは、コレステロールである。
一実施形態では、ポリマー抱合脂質は、ペグ化脂質である。一実施形態では、ペグ化脂質は、以下の構造:
Figure 2023081859000137
またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、もしくは立体異性体を有し、式中、
12及びR13は、各々独立して、10~30個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和アルキル鎖であり、アルキル鎖は、1つ以上のエステル結合によって任意に中断され、wは、30~60の範囲の平均値を有する。一実施形態では、R12及びR13は、各々独立して、12~16個の炭素原子を含有する直鎖飽和アルキル鎖である。一実施形態では、wは、40~55の範囲の平均値を有する。一実施形態では、平均wは、約45である。一実施形態では、R12及びR13は、各々独立して、約14個の炭素原子を含有する直鎖飽和アルキル鎖であり、wは、約45の平均値を有する。
一実施形態では、ペグ化脂質は、例えば、以下の構造を有するDMG-PEG 2000である。
Figure 2023081859000138
いくつかの実施形態では、LNPのカチオン性脂質成分は、式(III)の構造:
Figure 2023081859000139
またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、プロドラッグ、もしくは立体異性体を有し、式中、
またはLのうちの一方は、-O(C=O)-、-(C=O)O-、-C(=O)-、-O-、-S(O)-、-S-S-、-C(=O)S-、SC(=O)-、-NRC(=O)-、-C(=O)NR-、NRC(=O)NR-、-OC(=O)NR-、または-NRC(=O)O-であり、LまたはLの他方は、-O(C=O)-、-(C=O)O-、-C(=O)-、-O-、-S(O)-、-S-S-、-C(=O)S-、SC(=O)-、-NRC(=O)-、-C(=O)NR-、NRC(=O)NR-、-OC(=O)NR-もしくは-NRC(=O)O-、または直接結合であり、
及びGは、各々独立して、非置換C~C12アルキレンまたはC~C12アルケニレンであり、
は、C~C24アルキレン、C~C24アルケニレン、C~Cシクロアルキレン、C~Cシクロアルケニレンであり、
は、HまたはC~C12アルキルであり、
及びRは、各々独立して、C~C24アルキルまたはC~C24アルケニルであり、
は、H、OR、CN、-C(=O)OR、-OC(=O)R、または-NRC(=O)Rであり、
は、C~C12アルキルであり、
は、HまたはC~Cアルキルであり、
xは、0、1、または2である。
式(III)の前述の実施形態のうちのいくつかでは、脂質は、以下の構造(IIIA)または(IIIB)のうちの1つを有し、
Figure 2023081859000140
式中、
Aは、3~8員のシクロアルキルまたはシクロアルキレン環であり、
は、各出現において、独立して、H、OH、またはC~C24アルキルであり、
nは、1~15の範囲の整数である。
式(III)の前述の実施形態のうちのいくつかでは、脂質は、構造(IIIA)を有し、他の実施形態では、脂質は、構造(IIIB)を有する。
式(III)の他の実施形態では、脂質は、以下の構造(IIIC)または(IIID)のうちの1つを有し、
Figure 2023081859000141
式中、y及びzは、各々独立して、1~12の範囲の整数である。
式(III)の前述の実施形態のうちのいずれかでは、LまたはLのうちの1つは、-O(C=O)-である。例えば、いくつかの実施形態では、L及びLの各々は、-O(C=O)-である。前述のうちのいずれかのいくつかの異なる実施形態では、L及びLは、各々独立して、-(C=O)O-または-O(C=O)-である。例えば、いくつかの実施形態では、L及びLの各々は、-(C=O)O-である。
式(III)のいくつかの異なる実施形態では、脂質は、以下の構造(IIIE)または(IIIF)のうちの1つを有する:
Figure 2023081859000142
式(III)の前述の実施形態のうちのいくつかでは、脂質は、以下の構造(IIIG)、(IIIH)、(IIII)、または(IIIJ)のうちの1つを有する:
Figure 2023081859000143
式(III)の前述の実施形態のうちのいくつかでは、nは、2~12、例えば、2~8または2~4の範囲の整数である。例えば、いくつかの実施形態では、nは、3、4、5、または6である。いくつかの実施形態では、nは、3である。いくつかの実施形態では、nは、4である。いくつかの実施形態では、nは、5である。いくつかの実施形態では、nは、6である。
式(III)の前述の実施形態のうちのいくつかの他の実施形態では、y及びzは、各々独立して、2~10の範囲の整数である。例えば、いくつかの実施形態では、y及びzは、各々独立して、4~9または4~6の範囲の整数である。
式(III)の前述の実施形態のうちのいくつかでは、Rは、Hである。前述の実施形態のうちの他の実施形態では、Rは、C~C24アルキルである。他の実施形態では、Rは、OHである。
式(III)のいくつかの実施形態では、Gは、非置換である。他の実施形態では、G3は、置換されている。様々な異なる実施形態では、Gは、直鎖C~C24アルキレンまたは直鎖C~C24アルケニレンである。
式(III)のいくつかの他の前述の実施形態では、RもしくはR、または両方は、C~C24アルケニルである。例えば、いくつかの実施形態では、R及びRは、各々独立して、以下の構造を有し、
Figure 2023081859000144
式中、
7a及びR7bは、各出現において、独立して、HまたはC~C12アルキルであり、
aは、2~12の整数であり、
7a、R7b及びaは各々、R及びRが各々独立して、6~20個の炭素原子を含むように選択される。例えば、いくつかの実施形態では、aは、5~9または8~12の範囲の整数である。
式(III)の前述の実施形態のうちのいくつかでは、R7aの少なくとも1つの出現は、Hである。例えば、いくつかの実施形態では、R7aは、各出現においてHである。前述の他の異なる実施形態では、R7bの少なくとも1つの出現は、C~Cアルキルである。例えば、いくつかの実施形態では、C~Cアルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル、またはn-オクチルである。
式(III)の異なる実施形態では、RもしくはR、または両方は、以下の構造のうちの1つを有する:
Figure 2023081859000145
式(III)の前述の実施形態のうちのいくつかでは、Rは、OH、CN、-C(=O)OR、-OC(=O)Rまたは-NHC(=O)Rである。いくつかの実施形態では、Rは、メチルまたはエチルである。
様々な異なる実施形態では、式(III)のカチオン性脂質は、以下の表に記載される構造のうちの1つを有する。
Figure 2023081859000146
Figure 2023081859000147
Figure 2023081859000148
Figure 2023081859000149
Figure 2023081859000150
Figure 2023081859000151
いくつかの実施形態では、LNPは、式(III)の脂質、RNA、中性脂質、ステロイド、及びペグ化脂質を含む。いくつかの実施形態では、式(III)の脂質は、化合物III-3である。いくつかの実施形態では、中性脂質は、DSPCである。いくつかの実施形態では、ステロイドは、コレステロールである。いくつかの実施形態では、ペグ化脂質は、ALC-0159である。
いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、LNP中に約40~約50モルパーセントの量で存在する。一実施形態では、中性脂質は、LNP中に約5~約15モルパーセントの量で存在する。一実施形態では、ステロイドは、LNP中に約35~約45モルパーセントの量で存在する。一実施形態では、ペグ化脂質は、LNP中に約1~約10モルパーセントの量で存在する。
いくつかの実施形態では、LNPは、約40~約50モルパーセントの量の化合物III--3、約5~約15モルパーセントの量のDSPC、約35~約45モルパーセントの量のコレステロール、及び約1~約10モルパーセントの量のALC-0159を含む。
いくつかの実施形態では、LNPは、約47.5モルパーセントの量の化合物III-3、約10モルパーセントの量のDSPC、約40.7モルパーセントの量のコレステロール、及び約1.8モルパーセントの量のALC-0159を含む。
様々な異なる実施形態では、カチオン性脂質は、以下の表に示される構造のうちの1つを有する。
Figure 2023081859000152
いくつかの実施形態では、LNPは、上記の表に示されるカチオン性脂質、例えば、式(B)または式(D)のカチオン性脂質、特に、式(D)のカチオン性脂質、RNA、中性脂質、ステロイド、及びペグ化脂質を含む。いくつかの実施形態では、中性脂質は、DSPCである。いくつかの実施形態では、ステロイドは、コレステロールである。いくつかの実施形態では、ペグ化脂質は、DMG-PEG 2000である。
一実施形態では、LNPは、イオン化可能な脂質様材料(リピドイド)であるカチオン性脂質を含む。一実施形態では、カチオン性脂質は、以下の構造を有する。



Figure 2023081859000153
N/P値は、好ましくは、少なくとも約4である。いくつかの実施形態では、N/P値は、4~20、4~12、4~10、4~8、または5~7の範囲である。一実施形態では、N/P値は、約6である。
本明細書に記載のLNPは、一実施形態では、約30nm~約200nm、または約60nm~約120nmの範囲の平均直径を有してもよい。
RNA標的化
本開示のいくつかの態様は、本明細書に開示されるRNA(例えば、ワクチン抗原及び/または免疫刺激物質をコードするRNA)の標的送達を伴う。
一実施形態では、本開示は、肺を標的化することを伴う。投与されるRNAがワクチン抗原をコードするRNAである場合、特に肺を標的とすることが好ましい。RNAは、例えば、本明細書に記載の粒子、例えば、脂質粒子として製剤化され得るRNAを吸入によって投与することによって、肺に送達され得る。
一実施形態では、本開示は、リンパ系、特に二次リンパ器官、より具体的には脾臓を標的とすることを伴う。リンパ系、特に二次リンパ器官、より具体的には脾臓を標的とすることは、投与されるRNAがワクチン抗原をコードするRNAである場合、特に好ましい。
一実施形態では、標的細胞は、脾臓細胞である。一実施形態では、標的細胞は、脾臓におけるプロフェッショナル抗原提示細胞などの抗原提示細胞である。一実施形態では、標的細胞は、脾臓内の樹状細胞である。
「リンパ系」は循環系の一部であり、リンパを運ぶリンパ管のネットワークを含む免疫系の重要な一部である。リンパ系は、リンパ器官、リンパ管の伝導網、及び循環リンパからなる。一次または中心性リンパ器官は、未成熟前駆細胞からリンパ球を生成する。胸腺及び骨髄は、一次リンパ器官を構成する。リンパ節及び脾臓を含む二次または末梢リンパ器官は、成熟したナイーブリンパ細胞を維持し、適応免疫応答を開始する。
RNAは、いわゆるリポプレックス製剤によって脾臓に送達されてもよく、RNAは、カチオン性脂質及び任意に追加のまたはヘルパー脂質を含むリポソームに結合して、注射可能なナノ粒子製剤を形成する。リポソームは、エタノール中の脂質の溶液を水または好適な水相に注入することによって得ることができる。RNAリポプレックス粒子は、リポソームをRNAと混合することによって調製されてもよい。脾臓を標的とするRNAリポプレックス粒子は、WO2013/143683(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。正味の負電荷を有するRNAリポプレックス粒子を使用して、抗原提示細胞、特に樹状細胞などの脾臓組織または脾臓細胞を優先的に標的とし得ることが分かっている。したがって、RNAリポプレックス粒子の投与後、脾臓におけるRNA蓄積及び/またはRNA発現が生じる。したがって、本開示のRNAリポプレックス粒子は、脾臓においてRNAを発現するために使用することができる。一実施形態では、RNAリポプレックス粒子の投与後、肺及び/または肝臓におけるRNA蓄積及び/またはRNA発現は、生じないか、または本質的に生じない。一実施形態では、RNAリポプレックス粒子の投与後、脾臓におけるプロフェッショナル抗原提示細胞などの抗原提示細胞におけるRNA蓄積及び/またはRNA発現が生じる。したがって、本開示のRNAリポプレックス粒子は、かかる抗原提示細胞においてRNAを発現するために使用することができる。一実施形態では、抗原提示細胞は、樹状細胞及び/またはマクロファージである。
本開示のRNAリポプレックス粒子の電荷は、少なくとも1つのカチオン性脂質に存在する電荷とRNAに存在する電荷との合計である。電荷比は、少なくとも1つのカチオン性脂質中に存在する正電荷と、RNA中に存在する負電荷との比である。少なくとも1つのカチオン性脂質中に存在する正電荷と、RNA中に存在する負電荷との電荷比は、以下の等式:電荷比=[(カチオン性脂質濃度(mol))*(カチオン性脂質中の正電荷の総数)]/[(RNA濃度(mol))*(RNA中の負電荷の総数)]によって算出される。
生理学的pHでの本明細書に記載の脾臓を標的とするRNAリポプレックス粒子は、好ましくは、正味の負電荷、例えば、約1.9:2~約1:2、または約1.6:2~約1:2、または約1.6:2~約1.1:2の正電荷と負電荷との電荷比を有する。特定の実施形態では、生理学的pHでのRNAリポプレックス粒子における正電荷と負電荷との電荷比は、約1.9:2.0、約1.8:2.0、約1.7:2.0、約1.6:2.0、約1.5:2.0、約1.4:2.0、約1.3:2.0、約1.2:2.0、約1.1:2.0、または約1:2.0である。
免疫刺激物質は、肝臓または肝臓組織へのRNAの優先送達のための製剤中の免疫刺激物質をコードするRNAを対象に投与することによって、対象に提供され得る。RNAのかかる標的器官または組織への送達は、特に、大量の免疫刺激物質を発現することが望ましい場合、及び/または特にかなりの量の免疫刺激物質の全身的存在が望ましい場合、もしくは必要とされる場合に好ましい。
RNA送達系は、肝臓に対して固有の選好を有する。これは、脂質系粒子、カチオン性及び中性ナノ粒子、特に、バイオコンジュゲート中のリポソーム、ナノミセル及び親油性リガンドなどの脂質ナノ粒子に関する。肝臓蓄積は、肝臓血管系または脂質代謝(リポソーム及び脂質またはコレステロールコンジュゲート)の不連続性によって引き起こされる。
肝臓へRNAのインビボ送達のために、薬物送達系を使用して、RNAの分解を防止することによって、RNAを肝臓に輸送してもよい。例えば、ポリ(エチレングリコール)(PEG)コーティング表面及びRNA(例えば、mRNA)含有コアからなるポリプレックスナノミセルは、生理学的条件下では、ナノミセルがRNAの優れたインビボ安定性を提供するため、有用な系である。更に、高密度のPEGパリサードからなるポリプレックスナノミセル表面によって提供されるステルス特性は、宿主免疫防御を効果的に回避する。
肝臓を標的とするのに好適な免疫刺激物質の例は、T細胞の増殖及び/または維持に関与するサイトカインである。好適なサイトカインの例としては、IL2またはIL7、その断片及びバリアント、ならびにこれらのサイトカイン、断片及びバリアントの融合タンパク質、例えば、伸長PKサイトカインが挙げられる。
別の実施形態では、免疫刺激物質をコードするRNAは、RNAをリンパ系、特に二次リンパ器官、より具体的には脾臓に優先的に送達するための製剤で投与され得る。免疫刺激物質のかかる標的組織への送達は、特に、この器官または組織における免疫刺激物質の存在が所望される場合(例えば、免疫応答を誘導するために、特に、T細胞プライミング中にサイトカインなどの免疫刺激物質が必要とされる場合、または常駐免疫細胞の活性化のために)好ましいが、免疫刺激物質が全身的に、特にかなりの量で存在することは所望されない(例えば、免疫刺激物質が全身毒性を有するため)。
好適な免疫刺激物質の例は、T細胞プライミングに関与するサイトカインである。好適なサイトカインの例としては、IL12、IL15、IFN-α、またはIFN-β、それらの断片及びバリアント、ならびにこれらのサイトカイン、断片、及びバリアントの融合タンパク質、例えば、伸長PKサイトカインが挙げられる。
免疫刺激物質
一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、非免疫原性であり得る。この実施形態及び他の実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、免疫刺激物質または免疫刺激物質をコードするRNAと同時投与され得る。本明細書に記載の方法及び薬剤は、免疫刺激物質が薬物動態修飾基(以下、「伸長薬物動態(PK)」免疫刺激物質と称される)に付着している場合、特に効果的である。本明細書に記載の方法及び薬剤は、免疫刺激物質が、免疫刺激物質をコードするRNAの形態で投与される場合、特に効果的である。一実施形態では、当該RNAは、全身での利用可能性のために肝臓を標的とする。肝細胞を効率的にトランスフェクトすることができ、大量のタンパク質を産生することができる。
「免疫刺激物質」は、免疫系の構成要素のうちのいずれか、特に免疫エフェクター細胞の活性化を誘導するか、または活性を増加させることによって免疫系を刺激する任意の物質である。免疫刺激物質は、炎症促進性であり得る。
一態様によれば、免疫刺激物質は、サイトカインまたはそのバリアントである。サイトカインの例としては、インターフェロン-アルファ(IFN-α)またはインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)などのインターフェロン、IL2、IL7、IL12、IL15、及びIL23などのインターロイキン、M-CSF及びGM-CSFなどのコロニー刺激因子、ならびに腫瘍壊死因子が挙げられる。別の態様によれば、免疫刺激物質は、APC Toll様受容体アゴニストまたは共刺激/細胞接着膜タンパク質などのアジュバント型免疫刺激物質を含む。Toll様受容体アゴニストの例としては、CD80、CD86、及びICAM-1などの共刺激/接着タンパク質が挙げられる。
サイトカインは、細胞シグナル伝達において重要である小タンパク質(約5~20kDa)のカテゴリーである。それらの放出は、周囲の細胞の挙動に影響を及ぼす。サイトカインは、免疫調節剤として、自己分泌シグナル伝達、パラクリンシグナル伝達、及び内分泌シグナル伝達に関与する。サイトカインとしては、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、及び腫瘍壊死因子が挙げられるが、(用語にある程度の重複があるにもかかわらず)一般的にホルモンまたは成長因子は含まれない。サイトカインは、マクロファージ、Bリンパ球、Tリンパ球、及び肥満細胞のような免疫細胞、ならびに内皮細胞、線維芽細胞、及び様々な間質細胞を含む広範囲の細胞によって産生される。所与のサイトカインは、2つ以上のタイプの細胞によって産生され得る。サイトカインは、受容体を介して作用し、免疫系において特に重要であり、サイトカインは、体液性及び細胞ベースの免疫応答のバランスを調節し、それらは、特定の細胞集団の成熟、成長、及び応答性を調節する。いくつかのサイトカインは、複雑な方法で他のサイトカインの作用を強化または阻害する。
本開示によれば、サイトカインは、天然に存在するサイトカイン、またはその機能的断片もしくはバリアントであり得る。サイトカインは、ヒトサイトカインであり得、任意の脊椎動物、特に任意の哺乳動物に由来し得る。特に好ましいサイトカインの1つは、インターフェロン-αである。
インターフェロン
インターフェロン(IFN)は、ウイルス、細菌、寄生虫、及び腫瘍細胞などのいくつかの病原体の存在に応答して宿主細胞によって作製及び放出されるシグナル伝達タンパク質の群である。典型的なシナリオでは、ウイルスに感染した細胞は、インターフェロンを放出し、近くの細胞に抗ウイルス防御を高める。
シグナルが通る受容体の種類に基づいて、インターフェロンは、典型的には、3つのクラス:I型インターフェロン、II型インターフェロン、及びIII型インターフェロンに分類される。
全てのI型インターフェロンは、IFNAR1鎖及びIFNAR2鎖からなるIFN-α/β受容体(IFNAR)として知られる特定の細胞表面受容体複合体に結合する。
ヒトに存在するI型インターフェロンは、IFNα、IFNβ、IFNε、IFNκ、及びIFNωである。一般に、I型インターフェロンは、身体が侵入したウイルスを認識するときに産生される。それらは、線維芽細胞及び単球によって産生される。放出されると、I型インターフェロンは、標的細胞上の特定の受容体に結合し、これは、ウイルスがそのRNA及びDNAを産生及び複製するのを防止するタンパク質の発現につながる。
IFNαタンパク質は、主に形質細胞様樹状細胞(pDC)によって産生される。それらは、主にウイルス感染に対する先天性免疫に関与している。それらの合成を担う遺伝子は、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17、IFNA21と呼ばれる13の亜型に由来する。これらの遺伝子は、染色体9のクラスター内で一緒に見出される。
IFNβタンパク質は、線維芽細胞によって大量に産生される。それらは、主に先天性免疫応答に関与する抗ウイルス活性を有する。2種類のIFNβ、IFNβ1及びIFNβ3が記載されている。IFNβ1の天然及び組換え形態は、抗ウイルス、抗菌、及び抗がん特性を有する。
II型インターフェロン(ヒトにおけるIFNγ)は、免疫インターフェロンとしても知られており、IL12によって活性化される。更に、II型インターフェロンは、細胞傷害性T細胞及びTヘルパー細胞によって放出される。
III型インターフェロンは、IL10R2(CRF2-4とも呼ばれる)及びIFNLR1(CRF2-12とも呼ばれる)からなる受容体複合体を通してシグナル伝達する。I型及びII型IFNよりも最近発見されたが、最近の情報は、いくつかの種類のウイルスまたは真菌感染におけるIII型IFNの重要性を実証する。
一般に、I型及びII型インターフェロンは、免疫応答の調節及び活性化を担っている。
本開示によれば、I型インターフェロンは、好ましくはIFNαまたはIFNβであり、より好ましくはIFNαである。
本開示によれば、インターフェロンは、天然に存在するインターフェロン、またはその機能的断片もしくはバリアントであり得る。インターフェロンは、ヒトインターフェロンであり得、任意の脊椎動物、特に任意の哺乳動物に由来し得る。
インターロイキン
インターロイキン(IL)は、構造的特徴の区別に基づいて4つの主要な群に分類することができるサイトカイン(分泌タンパク質及びシグナル分子)の群である。しかしながら、それらのアミノ酸配列の類似性はむしろ弱い(典型的には、15~25%の同一性)。ヒトゲノムは、50超のインターロイキン及び関連タンパク質をコードする。
本開示によれば、インターロイキンは、天然に存在するインターロイキン、またはその機能的断片もしくはバリアントであり得る。インターロイキンは、ヒトインターロイキンであり得、任意の脊椎動物、特に任意の哺乳動物に由来し得る。
伸長PK基
本明細書に記載の免疫刺激ポリペプチドは、免疫刺激物質部分及び異種ポリペプチド(すなわち、免疫刺激物質ではないポリペプチド)を含む融合またはキメラポリペプチドとして調製することができる。免疫刺激物質は、循環半減期を増加させる、伸長PK基に融合されてもよい。伸長PK基の非限定的な例については、以下に記載される。サイトカインまたはそのバリアントなどの免疫刺激物質の循環半減期を増加させる他のPK基もまた、本開示に適用可能であることが理解されるべきである。ある特定の実施形態では、伸長PK基は、血清アルブミンドメイン(例えば、マウス血清アルブミン、ヒト血清アルブミン)である。
本明細書で使用される場合、「PK」という用語は、「薬物動態的」の頭文字であり、例として、対象による吸収、分布、代謝、及び排除を含む化合物の特性を包含する。本明細書で使用される場合、「伸長PK基」は、生物活性分子に融合させた場合、またはそれと一緒に投与された場合、生物活性分子の循環半減期を増加させるタンパク質、ペプチド、または部分を指す。伸長PK基の例としては、血清アルブミン(例えば、HSA)、免疫グロブリンFcまたはFc断片及びそれらのバリアント、トランスフェリン及びそのバリアント、ならびに(米国公開第2005/0287153号及び同第2007/0003549号に開示されているような)ヒト血清アルブミン(HSA)結合剤が挙げられる。他の例示的な伸長PK基は、Kontermann,Expert Opin Biol Ther,2016 Jul;16(7):903-15に開示されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される場合、「伸長PK」免疫刺激物質は、伸長PK基と組み合わせた免疫刺激物質部分を指す。一実施形態では、伸長PK免疫刺激物質は、免疫刺激物質部分が伸長PK基に連結または融合される融合タンパク質である。
ある特定の実施形態では、伸長PK免疫刺激物質の血清半減期は、免疫刺激物質単独(すなわち、伸長PK基に融合されていない免疫刺激物質)と比較して増加する。ある特定の実施形態では、伸長PK免疫刺激物質の血清半減期は、免疫刺激物質単独の血清半減期と比較して、少なくとも20、40、60、80、100、120、150、180、200、400、600、800、または1000%長い。ある特定の実施形態では、伸長PK免疫刺激物質の血清半減期は、免疫刺激物質単独の血清半減期よりも少なくとも1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、10倍、12倍、13倍、15倍、17倍、20倍、22倍、25倍、27倍、30倍、35倍、40倍、または50倍長い。ある特定の実施形態では、伸長PK免疫刺激物質の血清半減期は、少なくとも10時間、15時間、20時間、25時間、30時間、35時間、40時間、50時間、60時間、70時間、80時間、90時間、100時間、110時間、120時間、130時間、135時間、140時間、150時間、160時間、または200時間である。
本明細書で使用される場合、「半減期」は、ペプチドまたはタンパク質などの化合物の血清または血漿濃度が、例えば、天然の機序による分解及び/またはクリアランスまたは隔離に起因してインビボで50%低減されるまでに要する時間を指す。本明細書での使用に好適な伸長PK免疫刺激物質は、インビボで安定化され、その半減期は、例えば、分解及び/またはクリアランスまたは隔離に抵抗する血清アルブミン(例えば、HSAもしくはMSA)への融合によって増加する。半減期は、薬物動態分析など、それ自体が既知の任意の方法で決定することができる。好適な技法は、当業者には明らかであり、例えば、一般に、好適な用量のアミノ酸配列または化合物を対象に好適に投与するステップと、当該対象から血液試料または他の試料を定期的に収集するステップと、当該血液試料中のアミノ酸配列または化合物のレベルまたは濃度を決定するステップと、そのようにして得られたデータ(のプロット)から、アミノ酸配列または化合物のレベルまたは濃度が、投与時の初期レベルと比較して50%低減されるまでの時間を算出するステップと、を含み得る。更なる詳細は、例えば、Kenneth,A.et al.,Chemical Stability of Pharmaceuticals:A Handbook for Pharmacists and in Peters et al.,Pharmacokinetic Analysis:A Practical Approach(1996)などの標準ハンドブックに提供される。また、Gibaldi,M.et al.,Pharmacokinetics,2nd Rev.Edition,Marcel Dekker(1982)も参照される。
ある特定の実施形態では、伸長PK基は、血清アルブミンもしくはその断片、または血清アルブミンもしくはその断片のバリアントを含む(これらの全ては、本開示の目的のために、「アルブミン」という用語に含まれる)。本明細書に記載のポリペプチドは、アルブミン(またはその断片もしくはバリアント)と融合して、アルブミン融合タンパク質を形成し得る。かかるアルブミン融合タンパク質は、米国公開第20070048282号に記載されている。
本明細書で使用される場合、「アルブミン融合タンパク質」は、治療用タンパク質などのタンパク質、特に免疫刺激物質の少なくとも1つの分子への少なくとも1つのアルブミン分子(またはその断片もしくはバリアント)の融合によって形成されるタンパク質を指す。アルブミン融合タンパク質は、治療用タンパク質をコードするポリヌクレオチドが、アルブミンをコードするポリヌクレオチドとインフレームで接合される核酸の翻訳によって生成され得る。治療用タンパク質及びアルブミンは、かつてはアルブミン融合タンパク質の一部であり、各々がアルブミン融合タンパク質の「部分(portion)」、「領域」または「部分(moiety)」(例えば、「治療用タンパク質部分」または「アルブミンタンパク質部分」)と称され得る。非常に好ましい実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、治療用タンパク質の少なくとも1つの分子(治療用タンパク質の成熟形態を含むが、これに限定されない)及びアルブミンの少なくとも1つの分子(アルブミンの成熟形態を含むが、これに限定されない)を含む。一実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、投与されるRNAのための標的器官の細胞(例えば、肝臓細胞)などの宿主細胞によって処理され、循環中に分泌される。RNAの発現に使用される宿主細胞の分泌経路において生じる新生アルブミン融合タンパク質のプロセシングとしては、限定されないが、シグナルペプチド切断、ジスルフィド結合の形成、適切なフォールディング、炭水化物の付加及びプロセシング(例えば、N及びO結合グリコシル化など)、特異的なタンパク質分解切断、及び/または多量体タンパク質への構築が挙げられ得る。アルブミン融合タンパク質は、好ましくは、特にN末端にシグナルペプチドを有する非処理形態でRNAによってコードされ、続く細胞による分泌は、好ましくは、特にシグナルペプチドが切断された処理形態で存在する。最も好ましい実施形態では、「アルブミン融合タンパク質の処理形態」は、N末端シグナルペプチド切断を受けたアルブミン融合タンパク質産物を指し、本明細書では「成熟アルブミン融合タンパク質」とも称される。
好ましい実施形態では、治療用タンパク質を含むアルブミン融合タンパク質は、アルブミンに融合していないときに、同じ治療用タンパク質の血漿安定性と比較してより高い血漿安定性を有する。血漿の安定性は、典型的には、治療用タンパク質がインビボで投与され、血流中に運ばれるまでの期間、及び治療用タンパク質が血流から分解され、クリアされて、最終的に治療用タンパク質を体内からクリアする腎臓または肝臓などの器官に入るまでの期間を指す。血漿安定性は、血流中の治療用タンパク質の半減期の観点から算出される。血流中の治療用タンパク質の半減期は、当該技術分野で既知の一般的なアッセイによって容易に判定することができる。
本明細書で使用される場合、「アルブミン」は、まとめて、アルブミンの1つ以上の機能活性(例えば、生物学的活性)を有するアルブミンタンパク質もしくはアミノ酸配列、またはアルブミン断片もしくはバリアントを指す。特に、「アルブミン」は、ヒトアルブミンまたはその断片もしくはバリアント、特にヒトアルブミンの成熟形態、または他の脊椎動物由来のアルブミンもしくはその断片、またはこれらの分子のバリアントを指す。アルブミンは、任意の脊椎動物、特に任意の哺乳動物、例えば、ヒト、ウシ、ヒツジ、またはブタに由来してもよい。非哺乳類アルブミンとしては、雌鶏及びサケが挙げられるが、これらに限定されない。アルブミン融合タンパク質のアルブミン部分は、治療用タンパク質部分とは異なる動物に由来し得る。
ある特定の実施形態では、アルブミンは、ヒト血清アルブミン(HSA)、またはその断片もしくはバリアント、例えば、US5,876,969、WO2011/124718、WO2013/075066、及びWO2011/0514789に開示されているものである。
ヒト血清アルブミン(HSA)及びヒトアルブミン(HA)という用語は、本明細書において互換的に使用される。「アルブミン」及び「血清アルブミン」という用語は、より広範囲であり、ヒト血清アルブミン(ならびにその断片及びバリアント)と同様に他の種(ならびにその断片及びバリアント)由来のアルブミンを包含する。
本明細書で使用される場合、治療用タンパク質の治療活性または血漿安定性を延長するのに十分なアルブミンの断片とは、タンパク質の治療活性または血漿安定性を安定化または延長するのに十分な長さまたは構造のアルブミンの断片であって、アルブミン融合タンパク質の治療用タンパク質部分の血漿安定性が、非融合状態の血漿安定性と比較して延長または伸長されるようなものを指す。
アルブミン融合タンパク質のアルブミン部分は、アルブミン配列の全長を含んでもよく、または治療活性または血漿安定性を安定化または延長することができる1つ以上のその断片を含んでもよい。かかる断片は、10以上のアミノ酸の長さであってもよく、またはアルブミン配列からの約15、20、25、30、50個、またはそれ以上の連続したアミノ酸を含んでもよく、またはアルブミンの特定のドメインの一部または全てを含んでもよい。例えば、最初の2つの免疫グロブリン様ドメインにわたるHSAの1つ以上の断片が使用されてもよい。好ましい実施形態では、HSA断片は、HSAの成熟形態である。
一般的に言えば、アルブミン断片またはバリアントは、少なくとも100アミノ酸長、好ましくは少なくとも150アミノ酸長である。
本開示によれば、アルブミンは、天然に存在するアルブミン、またはその断片もしくはバリアントであり得る。アルブミンは、ヒトアルブミンであり得、任意の脊椎動物、特に任意の哺乳動物に由来し得る。
好ましくは、アルブミン融合タンパク質は、アルブミンをN末端部分として含み、治療用タンパク質をC末端部分として含む。あるいは、アルブミンをC末端部分として、及び治療用タンパク質をN末端部分として含むアルブミン融合タンパク質を使用してもよい。他の実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、アルブミンのN末端及びC末端の両方に融合した治療用タンパク質を有する。好ましい実施形態では、N末端及びC末端で融合した治療用タンパク質は、同じ治療用タンパク質である。別の好ましい実施形態では、N末端及びC末端で融合した治療用タンパク質は、異なる治療用タンパク質である。一実施形態では、異なる治療用タンパク質は、両方ともサイトカインである。
一実施形態では、治療用タンパク質(複数可)は、(a)ペプチドリンカー(複数可)を介してアルブミンに接合される。融合部分間のリンカーペプチドは、部分間のより大きな物理的分離を提供し得、したがって、例えば、その同族受容体に結合するための治療用タンパク質部分のアクセス可能性を最大化し得る。リンカーペプチドは、それが可撓性であるか、またはより剛性であるようなアミノ酸からなり得る。リンカー配列は、プロテアーゼによって、または化学的に切断可能であり得る。
本明細書で使用される場合、「Fc領域」という用語は、その2つの重鎖のそれぞれのFcドメイン(またはFc部分)によって形成される天然免疫グロブリンの部分を指す。本明細書で使用される場合、「Fcドメイン」という用語は、FcドメインがFvドメインを含まない単一の免疫グロブリン(Ig)重鎖の部分または断片を指す。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、パパイン切断部位のすぐ上流のヒンジ領域で始まり、抗体のC末端で終わる。したがって、完全なFcドメインは、少なくともヒンジドメイン、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含む。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、ヒンジ(例えば、上部、中部、及び/または下部ヒンジ領域)ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、CH4ドメイン、またはそのバリアント、部分、もしくは断片のうちの少なくとも1つを含む。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、完全なFcドメイン(すなわち、ヒンジドメイン、CH2ドメイン、及びCH3ドメイン)を含む。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、CH3ドメイン(またはその部分)に融合したヒンジドメイン(またはその部分)を含む。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、CH3ドメイン(またはその部分)に融合したCH2ドメイン(またはその部分)を含む。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、CH3ドメインまたはその部分からなる。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、ヒンジドメイン(またはその部分)及びCH3ドメイン(またはその部分)からなる。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、CH2ドメイン(またはその部分)及びCH3ドメインからなる。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、ヒンジドメイン(またはその部分)及びCH2ドメイン(またはその部分)からなる。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、CH2ドメインの少なくとも部分(例えば、CH2ドメインの全てまたは一部)を欠く。本明細書におけるFcドメインは、概して、免疫グロブリン重鎖のFcドメインの全てまたは一部を含むポリペプチドを指す。これには、限定されないが、CH1、ヒンジ、CH2、及び/またはCH3ドメイン全体を含むポリペプチド、ならびに例えば、ヒンジ、CH2、及びCH3ドメインのみを含むかかるペプチドの断片が含まれる。Fcドメインは、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgD、IgA、IgE、またはIgM抗体を含むがこれらに限定されない、任意の種及び/または任意の亜型の免疫グロブリンに由来し得る。Fcドメインは、天然のFc及びFcバリアント分子を包含する。本明細書に記載されるように、任意のFcドメインは、天然に存在する免疫グロブリン分子の天然Fcドメインからアミノ酸配列が変化するように修飾され得ることが、当業者によって理解されるであろう。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、低減されたエフェクター機能(例えば、FcγR結合)を有する。
本明細書に記載のポリペプチドのFcドメインは、異なる免疫グロブリン分子に由来し得る。例えば、ポリペプチドのFcドメインは、IgG1分子に由来するCH2及び/またはCH3ドメイン、ならびにIgG3分子に由来するヒンジ領域を含み得る。別の実施例では、Fcドメインは、部分的には、IgG1分子に由来し、部分的には、IgG3分子に由来するキメラヒンジ領域を含むことができる。別の実施例では、Fcドメインは、部分的には、IgG1分子に由来し、部分的には、IgG4分子に由来するキメラヒンジを含むことができる。
ある特定の実施形態では、伸長PK基は、Fcドメインもしくはその断片、またはFcドメインもしくはその断片のバリアント(これらの全ては、本開示の目的のために、「Fcドメイン」という用語に含まれる)を含む。Fcドメインは、抗原に結合する可変領域を含有しない。本開示での使用に好適なFcドメインは、いくつかの異なる供給源から取得され得る。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、ヒト免疫グロブリンに由来する。ある特定の実施形態では、Fcドメインは、ヒトIgG1定常領域に由来する。しかしながら、Fcドメインは、例えば、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット)または非ヒト霊長類(例えば、チンパンジー、マカク)種を含む別の哺乳類種の免疫グロブリンに由来し得ることが理解される。
更に、Fcドメイン(またはその断片もしくはバリアント)は、IgM、IgG、IgD、IgA、及びIgEを含む任意の免疫グロブリンクラス、ならびにIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含む任意の免疫グロブリンアイソタイプに由来し得る。
様々なFcドメイン遺伝子配列(例えば、マウス及びヒト定常領域遺伝子配列)は、公開されているデポジットの形態で入手可能である。特定のエフェクター機能を欠く、及び/または免疫原性を低減するための特定の修飾を有する、Fcドメイン配列を含む定常領域ドメインを選択することができる。抗体及び抗体コード遺伝子の多くの配列が公開されており、好適なFcドメイン配列(例えば、ヒンジ、CH2、及び/またはCH3配列、またはそれらの断片もしくはバリアント)は、当該技術分野で認識されている技法を使用してこれらの配列から誘導することができる。
ある特定の実施形態では、伸長PK基は、US2005/0287153、US2007/0003549、US2007/0178082、US2007/0269422、US2010/0113339、WO2009/083804、及びWO2009/133208(これらは、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているものなどの血清アルブミン結合タンパク質である。ある特定の実施形態では、伸長PK基は、US7,176,278及びUS8,158,579(これらは、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)に開示されているように、トランスフェリンである。ある特定の実施形態では、伸長PK基は、US2007/0178082、US2014/0220017、及びUS2017/0145062(これらは、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるものなどの血清免疫グロブリン結合タンパク質である。ある特定の実施形態では、伸長PK基は、US2012/0094909(これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるものなどの血清アルブミンに結合するフィブロネクチン(Fn)ベースの足場ドメインタンパク質である。フィブロネクチンベースの足場ドメインタンパク質を作製する方法は、US2012/0094909にも開示されている。Fn3ベースの伸長PK基の非限定的な例は、Fn3(HSA)、すなわち、ヒト血清アルブミンに結合するFn3タンパク質である。
ある特定の態様では、本開示による使用に好適な伸長PK免疫刺激物質は、1つ以上のペプチドリンカーを用いることができる。本明細書で使用される場合、「ペプチドリンカー」という用語は、ポリペプチド鎖の直線状アミノ酸配列内の2つ以上のドメイン(例えば、伸長PK部分及び免疫刺激部分)を接続する、ペプチドまたはポリペプチド配列を指す。例えば、ペプチドリンカーを使用して、免疫刺激物質部分をHSAドメインに接続してもよい。
伸長PK基を、例えば、免疫刺激物質に融合するのに好適なリンカーは、当該技術分野において周知である。例示的なリンカーとしては、グリシン-セリン-ポリペプチドリンカー、グリシン-プロリン-ポリペプチドリンカー、及びプロリン-アラニンポリペプチドリンカーが挙げられる。ある特定の実施形態では、リンカーは、グリシン-セリン-ポリペプチドリンカー、すなわち、グリシン及びセリン残基からなるペプチドである。
上述の異種ポリペプチドに加えて、またはその代わりに、本明細書に記載の免疫刺激物質ポリペプチドは、「マーカー」または「レポーター」をコードする配列を含有することができる。マーカーまたはレポーター遺伝子の例としては、β-ラクタマーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、ハイグロマイシン-B-ホスホトランスフェラーゼ(HPH)、チミジンキナーゼ(TK)、β-ガラクトシダーゼ、及びキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(XGPRT)が挙げられる。
薬学的組成物
本明細書に記載の薬剤は、薬学的組成物または薬剤中で投与されてもよく、任意の好適な薬学的組成物の形態で投与されてもよい。
一実施形態では、本明細書に記載の薬学的組成物は、対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導するための免疫原性組成物である。例えば、一実施形態では、免疫原性組成物は、ワクチンである。
本開示の全ての態様の一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAなどの本明細書に記載の成分は、薬学的に許容される担体を含んでもよく、任意に1つ以上のアジュバント、安定剤等を含んでもよい薬学的組成物中で投与されてもよい。一実施形態では、薬学的組成物は、治療的または予防的処置のためのものであり、例えば、コロナウイルス感染症の治療または予防における使用のためのものである。
「薬学的組成物」という用語は、治療上有効な薬剤を、好ましくは、薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/または賦形剤と一緒に含む製剤に関する。当該薬学的組成物は、対象への当該薬学的組成物の投与によって、疾患または障害の治療、予防、または重症度を低減するために有用である。薬学的組成物はまた、医薬製剤として当該技術分野で既知である。
本開示の薬学的組成物は、1つ以上のアジュバントを含み得るか、または1つ以上のアジュバントとともに投与され得る。「アジュバント」という用語は、免疫応答を延長、強化、または促進する化合物に関する。アジュバントは、油エマルション(例えば、フロイントアジュバント)、鉱物化合物(アルムなど)、細菌生成物(百日咳菌毒素など)、または免疫刺激複合体などの不均一な化合物群を含む。アジュバントの例としては、限定されないが、LPS、GP96、CpGオリゴデオキシヌクレオチド、成長因子、及びサイトカイン(モノカイン、リンホカイン、インターロイキン、ケモカイン等)が挙げられる。サイトカインは、IL1、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL12、IFNα、IFNγ、GM-CSF、LT-aであってもよい。更なる既知のアジュバントは、水酸化アルミニウム、フロイントアジュバント、またはMontanide(登録商標)ISA51などの油である。本開示で使用するための他の好適なアジュバントとしては、Pam3Cysなどのリポペプチドが挙げられる。
本開示による薬学的組成物は、一般に、「薬学的に有効な量」及び「薬学的に許容される調製物」で適用される。
「薬学的に許容される」という用語は、薬学的組成物の活性成分の作用と相互作用しない材料の非毒性を指す。
「薬学的に有効な量」または「治療上有効な量」という用語は、単独でまたは更なる用量と一緒に所望の反応または所望の効果を達成する量を指す。特定の疾患の治療の場合、所望の反応は、好ましくは疾患の経過の阻害に関する。これは、疾患の進行を遅くすること、及び特に、疾患の進行を中断または逆転させることを含む。疾患の治療における所望の反応はまた、当該疾患または当該状態の発症の遅延または発症の予防であってもよい。本明細書に記載の組成物の有効量は、治療される状態、疾患の重症度、年齢、生理学的状態、サイズ及び体重、治療期間、付随する療法の種類(存在する場合)、特定の投与経路及び類似の要因を含む、患者の個々のパラメータに依存する。したがって、本明細書に記載の組成物の投与される用量は、様々なかかるパラメータに依存し得る。患者における反応が、初期用量では不十分である場合、より高い用量(または異なる、より局所的な投与経路によって達成される効果的に高い用量)を使用することができる。
本開示の薬学的組成物は、塩、緩衝液、防腐剤、及び任意に他の治療剤を含有してもよい。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/または賦形剤を含む。
本開示の薬学的組成物で使用するための好適な防腐剤としては、限定されないが、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベン及びチメロサールが挙げられる。
本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、本開示の薬学的組成物中に存在し得るが、有効成分ではない物質を指す。賦形剤の例としては、限定されないが、担体、結合剤、希釈剤、潤滑剤、増粘剤、表面活性剤、防腐剤、安定剤、乳化剤、緩衝剤、香味剤、または着色剤が挙げられる。
「希釈剤」という用語は、希釈剤及び/または希薄化剤に関する。更に、「希釈剤」という用語は、流体、液体、もしくは固体懸濁液、及び/または混合媒体のうちの任意の1つ以上を含む。好適な希釈剤の例としては、エタノール、グリセロール、及び水が挙げられる。
「担体」という用語は、薬学的組成物の投与を促進、強化、または可能にするために活性成分が組み合わされている天然、合成、有機、無機であり得る成分を指す。本明細書で使用される担体は、対象への投与に好適である、1つ以上の適合性固体または液体充填剤、希釈剤、または封入物質であり得る。好適な担体としては、限定されないが、滅菌水、リンガー、リンガー乳酸塩、滅菌塩化ナトリウム溶液、等張生理食塩水、ポリアルキレングリコール、水素化ナフタレン、及び特に生体適合性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコライドコポリマー、またはポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマーが挙げられる。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、等張生理食塩水を含む。
治療用の薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤は、医薬分野において周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.(A.R Gennaro edit.1985)に記載されている。
薬学的担体、賦形剤、または希釈剤は、意図される投与経路及び標準的な薬務に関して選択され得る。
一実施形態では、本明細書に記載の薬学的組成物は、静脈内、動脈内、皮下、皮内、または筋肉内に投与され得る。ある特定の実施形態では、薬学的組成物は、局所投与または全身投与のために製剤化される。全身投与としては、消化管を介した吸収を伴う経腸投与、または非経口投与が挙げられ得る。本明細書で使用される場合、「非経口投与」は、静脈内注射などの消化管を介する以外の任意の方法での投与を指す。好ましい実施形態では、薬学的組成物は、筋肉内投与のために製剤化される。別の実施形態では、薬学的組成物は、全身投与、例えば、静脈内投与のために製剤化される。
本明細書で使用される「同時投与」という用語は、異なる化合物または組成物(例えば、抗原をコードするRNA、及び免疫刺激物質をコードするRNA)が同じ患者に投与されるプロセスを意味する。異なる化合物または組成物は、同時に、実質的に同時に、または順次に投与することができる。
本明細書に記載の薬学的組成物及び生成物は、注射用溶液のための凍結濃縮物として、例えば、0.50mg/mLの濃度で提供され得る。一実施形態では、注射用溶液の調製のために、例えば、1工程希釈プロセスによって、医薬品を解凍し、等張塩化ナトリウム溶液(例えば、0.9% NaCl、生理食塩水)で希釈する。いくつかの実施形態では、静菌塩化ナトリウム溶液(例えば、0.9% NaCl、生理食塩水)を希釈剤として使用することはできない。いくつかの実施形態では、希釈した医薬品は、オフホワイト懸濁液である。注射用の最終溶液の濃度は、投与されるそれぞれの用量レベルに応じて変動する。
一実施形態では、投与は、微生物汚染のリスクに起因し、調製プロセスの複数回用量アプローチを考慮して、調製の開始後6時間以内に実施される。一実施形態では、この6時間の期間において、調製、取り扱い、及び移送のための室温、ならびに保管のための2~8℃の2つの条件が許容される。
本明細書に記載の組成物は、例えば、所望の温度を維持するための冷却システム(例えば、ドライアイスであり得るか、またはドライアイスを含み得る)を利用して、温度制御された条件、例えば、約4~5℃以下、約-20℃以下、-70℃±10℃(例えば、-80℃~-60℃)の温度条件下で出荷及び/または保管され得る。一実施形態では、本明細書に記載の組成物は、温度制御されたサーマルシッパーで出荷される。かかるシッパーは、各出荷の場所及び温度を追跡するために、GPS対応の熱センサーを含んでもよい。組成物は、例えば、ドライアイスを補充することによって保管することができる。
治療
本開示は、有効量の、本明細書に記載のコロナウイルスワクチン抗原をコードするRNAを含む組成物を投与することを含む、対象におけるコロナウイルスに対する適応免疫応答を誘導するための方法及び薬剤を提供する。
一実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、コロナウイルス、コロナウイルス感染症、またはコロナウイルスに関連する疾患もしくは障害に対する対象における免疫を提供する。したがって、本開示は、コロナウイルスに関連する感染症、疾患、または障害を治療または予防するための方法及び薬剤を提供する。
一実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、コロナウイルスに関連する感染症、疾患、または障害を有する対象に投与される。一実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、コロナウイルスに関連する感染症、疾患、または障害を発症するリスクがある対象に投与される。例えば、本明細書に記載の方法及び薬剤は、コロナウイルスと接触するリスクがある対象に投与されてもよい。一実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、コロナウイルスが蔓延している地理的領域に住む、旅行した、または旅行することが予想される対象に投与される。一実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、コロナウイルスが蔓延している地理的領域に住む、旅行した、または旅行することが予想される別の人物と接触する、または接触することが予想される対象に投与される。一実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、職業または他の接触を通じて承知の上でコロナウイルスに曝露された対象に投与される。一実施形態では、コロナウイルスは、SARS-CoV-2である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2及び/またはその抗原もしくはエピトープへの以前の曝露及び/または感染またはそれとの交差反応性の証拠を有する対象に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の1つ以上のエピトープと反応性である抗体、B細胞、及び/またはT細胞が検出可能である、及び/または検出された対象に投与される。
組成物がワクチンとして有用であるためには、組成物は、細胞、組織、または対象(例えば、ヒト)においてコロナウイルス抗原に対する免疫応答を誘導しなければならない。いくつかの実施形態では、組成物は、細胞、組織、または対象(例えば、ヒト)においてコロナウイルス抗原に対する免疫応答を誘導する。いくつかの場合において、ワクチンは、哺乳動物において保護免疫応答を誘導する。本開示の治療用化合物または組成物は、疾患もしくは障害に罹患しているか、または発症するリスクがある(もしくは罹患しやすい)対象に、予防的に(すなわち、疾患もしくは障害を予防するために)または治療的に(すなわち、疾患もしくは障害を治療するために)投与することができる。かかる対象は、標準的な臨床方法を使用して特定され得る。本開示の文脈において、予防的投与は、疾患または障害が予防されるか、または代替的にその進行が遅延されるように、疾患の明らかな臨床症状の発現の前に行われる。医療分野の文脈において、「予防する」という用語は、疾患による死亡または罹患の負担を低減する任意の活動を包含する。予防は、一次、二次、及び三次予防レベルで起こり得る。一次予防は、疾患の発症を回避するが、二次及び三次レベルの予防は、疾患の進行及び症状の出現を予防すると同時に、機能を回復し、疾患関連の合併症を低減することによって、既に確立された疾患の悪影響を低減することを目的とする活動を包含する。
本明細書で使用される「用量」という用語は、一般に、投与当たり、すなわち、投薬当たりに投与されるRNAの量に関連する「用量量」を指す。
いくつかの実施形態では、本開示の免疫原性組成物またはワクチンの投与は、単回投与によって実施され得るか、または複数回投与によってブーストされ得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のレジメンは、少なくとも1つの用量を含む。いくつかの実施形態では、レジメンは、第1の用量及び少なくとも1つの後続の用量を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、少なくとも1つの後続の用量と同じ量である。いくつかの実施形態では、第1の用量は、全ての後続の用量と同じ量である。いくつかの実施形態では、第1の用量は、少なくとも1つの後続の用量とは異なる量である。いくつかの実施形態では、第1の用量は、全ての後続の用量とは異なる量である。いくつかの実施形態では、レジメンは、2つの用量を含む。いくつかの実施形態では、提供されるレジメンは、2つの用量からなる。いくつかの実施形態では、レジメンは、3つの用量を含む。
一実施形態では、本開示は、単回用量の投与を想定している。一実施形態では、本開示は、プライミング用量、続いて1つ以上のブースター用量の投与を想定している。ブースター用量または第1のブースター用量は、プライミング用量の投与の7~28日後または14~24日後に投与され得る。いくつかの実施形態では、第1のブースター用量は、プライミング用量の投与後1週間~3ヶ月(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間)で投与され得る。いくつかの実施形態では、後続のブースター用量は、例えば、先行するブースター用量の後、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、またはそれ以上を含む、少なくとも1週間以上で投与されてもよい。いくつかの実施形態では、後続のブースター用量は、約5~9週間または6~8週間の間隔を空けて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの後続のブースター用量(例えば、第1のブースター用量の後)は、例えば、先行する用量後、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、またはそれ以上を含む、少なくとも3ヶ月以上で投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、(例えば、一次レジメンまたはブースターレジメンの一部として)個体に与えられる後続の用量は、個体に以前に与えられたのと同じ量のRNAを有し得る。いくつかの実施形態では、(例えば、一次レジメンまたはブースターレジメンの一部として)個体に与えられる後続の用量は、個体に以前に与えられた量と比較して、RNAの量が異なり得る。例えば、いくつかの実施形態では、後続の用量は、例えば、以前の用量によって誘導される免疫原性及び/または反応原性、疾患の有病率等を含む様々な要因の考慮に基づいて、以前の用量よりも高く、または低くすることができる。いくつかの実施形態では、後続の用量は、以前の用量より少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上高くてもよい。いくつかの実施形態では、後続の用量は、以前の用量より少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、またはそれ以上高くてもよい。いくつかの実施形態では、後続の用量は、以前の用量より少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上高くてもよい。いくつかの実施形態では、後続の用量は、以前の用量より少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、またはそれ以上低くてもよい。いくつかの実施形態では、0.1μg~300μg、0.5μg~200μg、または1μg~100μg、例えば、約1μg、約2μg、約3μg、約10μg、約15μg、約20μg、約25μg、約30μg、約35μg、約40μg、約45μg、約50μg、約55μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、または約100μgの量の本明細書に記載のRNAを、用量当たり(例えば、所与の用量で)投与してもよい。
いくつかの実施形態では、60μg以下、55μg以下、50μg以下、45μg以下、40μg以下、35μg以下、30μg以下、25μg以下、20μg以下、15μg以下、10μg以下、5μg以下、3μg以下、2.5μg以下、または1μg以下の量の本明細書に記載のRNAを、用量当たり(例えば、所与の用量で)投与してもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも0.25μg、少なくとも0.5μg、少なくとも1μg、少なくとも2μg、少なくとも3μg、少なくとも4μg、少なくとも5μg、少なくとも10μg、少なくとも15μg、少なくとも20μg、少なくとも25μg、少なくとも30μg、少なくとも40μg、少なくとも50μg、または少なくとも60μgの量の本明細書に記載のRNAを、用量当たり(例えば、所与の用量で)投与してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも3ugの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも10ugの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも15ugの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも20ugの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも25ugの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも30ugの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも50ugの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも60ugの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、前述の量の組み合わせが、2つ以上の用量を含むレジメンにおいて投与されてもよい(例えば、以前の用量及び後続の用量は、本明細書に記載されるような異なる量であり得る)。いくつかの実施形態では、前述の量の組み合わせが、一次レジメン及びブースターレジメンにおいて投与され得る(例えば、異なる用量が、一次レジメン及びブースターレジメンにおいて与えられ得る)。
いくつかの実施形態では、0.25μg~60μg、0.5μg~55μg、1μg~50μg、5μg~40μg、または10μg~30μgの量の本明細書に記載のRNAが、用量当たり投与されてもよい。いくつかの実施形態では、3μg~30μgの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、3μg~20μgの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、3μg~15μgの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、3μg~10μgの量の本明細書に記載のRNAが、所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、10μg~30μgの量の本明細書に記載のRNAが所与の用量のうちの少なくとも1つにおいて投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、対象に投与されるレジメンは、複数の用量(例えば、少なくとも2つの用量、少なくとも3つの用量、またはそれ以上)を含み得る。いくつかの実施形態では、対象に投与されるレジメンは、少なくとも2週間の間隔を空けて、少なくとも3週間の間隔を空けて、少なくとも4週間の間隔を空けて、またはそれ以上の間隔を空けて与えられる、第1の用量及び第2の用量を含んでもよい。いくつかの実施形態では、かかる用量は、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、またはそれ以上の間隔を空けてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、数日の間隔を空けて、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60日間以上の間隔を空けて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約1~約3週間の間隔を空けて、または約1~約4週間の間隔を空けて、または約1~約5週間の間隔を空けて、または約1~約6週間の間隔を空けて、または約1~6週間超の間隔を空けて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約7~60日、例えば、約14~約48日等の期間で分離され得る。いくつかの実施形態では、用量間の最小日数は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、またはそれ以上であり得る。いくつかの実施形態では、用量間の最大日数は、約60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、またはそれ以下であり得る。いくつかの実施形態では、用量は、約21~約28日間の間隔を空けてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約19~約42日間の間隔を空けてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約7~約28日間の間隔を空けてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約14~約24日間であってもよい。いくつかの実施形態では、用量は、約21~約42日間であってもよい。
いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、第1の用量及び第2の用量を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、少なくとも21日間の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、少なくとも28日間の間隔を空けて投与される。
いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、第1の用量及び第2の用量を含み、第1の用量で投与されるRNAの量は、第2の用量で投与されるRNAの量と同じである。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、第1の用量及び第2の用量を含み、第1の用量で投与されるRNAの量は、第2の用量で投与されるRNAの量と異なる。
いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、第1の用量及び第2の用量を含み、第1の用量で投与されるRNAの量は、第2の用量で投与されるRNAの量よりも少ない。いくつかの実施形態では、第1の用量で投与されるRNAの量は、第2の用量の10%~90%である。いくつかの実施形態では、第1の用量で投与されるRNAの量は、第2の用量の10%~50%である。いくつかの実施形態では、第1の用量で投与されるRNAの量は、第2の用量の10%~20%である。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、少なくとも2週間の間隔を空けて、少なくとも3週間の間隔を空けて、少なくとも4週間の間隔を空けて、少なくとも5週間の間隔を空けて、少なくとも6週間の間隔を空けて、またはそれ以上の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、少なくとも3週間の間隔を空けて投与される。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約30ug未満のRNAを含み、第2の用量は、少なくとも約30ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約1~約30ug未満のRNA(例えば、約0.1、約1、約3、約5、約10、約15、約20、約25、または約30ug未満のRNA)を含み、第2の用量は、約30~約100ugのRNA(例えば、約30、約40、約50、または約60ugのRNA)を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約1~約20ugのRNA、約1~約10ugのRNA、または約1~約5ugのRNAを含み、第2の用量は、約30~約60ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約1~約10ugのRNA(例えば、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ugのRNA)を含み、第2の用量は、約30~約60ugのRNA(例えば、約30、約35、約40、約45、約50、約55、または約60ugのRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約1ugのRNAを含み、第2の用量は、約30ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約3ugのRNAを含み、第2の用量は、約30ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約5ugのRNAを含み、第2の用量は、約30ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約10ugのRNAを含み、第2の用量は、約30ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約15ugのRNAを含み、第2の用量は、約30ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約1ugのRNAを含み、第2の用量は、約60ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約3ugのRNAを含み、第2の用量は、約60ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約5ugのRNAを含み、第2の用量は、約60ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約6ugのRNAを含み、第2の用量は、約60ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約10ugのRNAを含み、第2の用量は、約60ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約15ugのRNAを含み、第2の用量は、約60ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約20ugのRNAを含み、第2の用量は、約60ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約25ugのRNAを含み、第2の用量は、約60ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約30ugのRNAを含み、第2の用量は、約60ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約10ug未満のRNAを含み、第2の用量は、少なくとも約10ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.1~約10ug未満のRNA(例えば、約0.1、約0.5、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、または約10ug未満のRNA)を含み、第2の用量は、約10~約30ugのRNA(例えば、約10、約15、約20、約25、または約30ugのRNA)を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.1~約10ugのRNA、約1~約5ugのRNA、または約0.1~約3ugのRNAを含み、第2の用量は、約10~約30ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.1~約5ugのRNA(例えば、約0.1、約0.5、約1、約2、約3、約4、約5ugのRNA)を含み、第2の用量は、約10~約20ugのRNA(例えば、約10、約12、約14、約16、約18、約20ugのRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.1ugのRNAを含み、第2の用量は、約10ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.3ugのRNAを含み、第2の用量は、約10ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約1ugのRNAを含み、第2の用量は、約10ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約3ugのRNAを含み、第2の用量は、約10ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約3ug未満のRNAを含み、第2の用量は、少なくとも約3ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.1~約3ug未満のRNA(例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.5、約2.0、または約2.5ugのRNA)を含み、第2の用量は、約3~約10ugのRNA(例えば、約3、約4、約5、約6、または約7、約8、約9、または約10ugのRNA)を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.1~約3ugのRNA、約0.1~約1ugのRNA、または約0.1~約0.5ugのRNAを含み、第2の用量は、約3~約10ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.1~約1.0ugのRNA(例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、または約1.0ugのRNA)を含み、第2の用量は、約1~約3ugのRNA(例えば、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、または約3.0ugのRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.1ugのRNAを含み、第2の用量は、約3ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.3ugのRNAを含み、第2の用量は、約3ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約0.5ugのRNAを含み、第2の用量は、約3ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約1ugのRNAを含み、第2の用量は、約3ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、第1の用量及び第2の用量を含み、第1の用量で投与されるRNAの量は、第2の用量で投与されるRNAの量よりも多い。いくつかの実施形態では、第2の用量で投与されるRNAの量は、第1の用量の10%~90%である。いくつかの実施形態では、第2の用量で投与されるRNAの量は、第1の用量の10%~50%である。いくつかの実施形態では、第2の用量で投与されるRNAの量は、第1の用量の10%~20%である。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、少なくとも2週間の間隔を空けて、少なくとも3週間の間隔を空けて、少なくとも4週間の間隔を空けて、少なくとも5週間の間隔を空けて、少なくとも6週間の間隔を空けて、またはそれ以上の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量は、少なくとも3週間の間隔を空けて投与される。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、少なくとも約30ugのRNAを含み、第2の用量は、約30ug未満のRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約30~約100ugのRNA(例えば、約30、約40、約50、または約60ugのRNA)を含み、第2の用量は、約1~約30ugのRNA(例えば、約0.1、約1、約3、約5、約10、約15、約20、約25、または約30ugのRNA)を含む。いくつかの実施形態では、第2の用量は、約1~約20ugのRNA、約1~約10ugのRNA、または約1~5ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約30~約60ugのRNAを含み、第2の用量は、約1~約20ugのRNA、約1~約10ugのRNA、または約0.1~約3ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約30~約60ugのRNA(例えば、約30、約35、約40、約45、約50、約55、または約60ugのRNA)を含み、第2の用量は、約1~約10ugのRNA(例えば、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10ugのRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約30ugのRNAを含み、第2の用量は、約1ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約30ugのRNAを含み、第2の用量は、約3ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約30ugのRNAを含み、第2の用量は、約5ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約30ugのRNAを含み、第2の用量は、約10ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約30ugのRNAを含み、第2の用量は、約15ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約60ugのRNAを含み、第2の用量は、約1ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約60ugのRNAを含み、第2の用量は、約3ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約60ugのRNAを含み、第2の用量は、約5ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約60ugのRNAを含み、第2の用量は、約6ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約60ugのRNAを含み、第2の用量は、約10ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約60ugのRNAを含み、第2の用量は、約15ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約60ugのRNAを含み、第2の用量は、約20ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約60ugのRNAを含み、第2の用量は、約25ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約60ugのRNAを含み、第2の用量は、約30ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、少なくとも約10ugのRNAを含み、第2の用量は、約10ug未満のRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約10~約30ugのRNA(例えば、約10、約15、約20、約25、または約30ugのRNA)を含み、第2の用量は、約0.1~約10ug未満のRNA(例えば、約0.1、約0.5、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、または約10ug未満のRNA)を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約10~約30ugのRNA、または約0.1~約3ugのRNAを含み、第2の用量は、約1~約10ugのRNA、または約1~約5ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約10~約20ugのRNA(例えば、約10、約12、約14、約16、約18、約20ugのRNA)を含み、第2の用量は、約0.1~約5ugのRNA(例えば、約0.1、約0.5、約1、約2、約3、約4、または約5ugのRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約10ugのRNAを含み、第2の用量は、約0.1ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約10ugのRNAを含み、第2の用量は、約0.3ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約10ugのRNAを含み、第2の用量は、約1ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約10ugのRNAを含み、第2の用量は、約3ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、少なくとも約3ugのRNAを含み、第2の用量は、約3ug未満のRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約3~約10ugのRNA(例えば、約3、約4、約5、約6、または約7、約8、約9、または約10ugのRNA)を含み、第2の用量は、約0.1~約3ug未満のRNA(例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.5、約2.0、または約2.5ugのRNA)を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約3~約10ugのRNAを含み、第2の用量は、約0.1~約3ugのRNA、約0.1~約1ugのRNA、または約0.1~約0.5ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約1~約3ugのRNA(例えば、約1、約1.5、約2.0、約2.5、または約3.0ugのRNA)を含み、第2の用量は、約0.1~約0.3ugのRNA(例えば、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、または約1.0ugのRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、第1の用量は、約3ugのRNAを含み、第2の用量は、約0.1ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約3ugのRNAを含み、第2の用量は、約0.3ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約3ugのRNAを含み、第2の用量は、約0.6ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1の用量は、約3ugのRNAを含み、第2の用量は、約1ugのRNAを含む。
いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、少なくとも2つの用量(例えば、少なくとも3つの用量、少なくとも4つの用量以上を含む)を含む。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、3つの用量を含む。いくつかの実施形態では、第1の用量と第2の用量との間の時間間隔は、第2の用量と第3の用量との間の時間間隔と同じであり得る。いくつかの実施形態では、第1の用量と第2の用量との間の時間間隔は、第2の用量と第3の用量との間の時間間隔よりも、例えば、数日または数週間(例えば、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、またはそれ以上を含む)長くてもよい。いくつかの実施形態では、第1の用量と第2の用量との間の時間間隔は、第2の用量と第3の用量との間の時間間隔よりも、例えば、数日または数週間(例えば、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、またはそれ以上を含む)短くてもよい。いくつかの実施形態では、第1の用量と第2の用量との間の時間間隔は、第2の用量と第3の用量との間の時間間隔よりも、例えば、少なくとも1ヶ月(例えば、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、またはそれ以上を含む)短くてもよい。
いくつかの実施形態では、一次レジメンの最後の用量及びブースターレジメンの最初の用量は、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、またはそれ以上の間隔を空けて与えられる。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、2つの用量を含んでもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、3つの用量を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量(及び/または他の後続の用量)は、筋肉内注射によって投与されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量(及び/または他の後続の用量)は、三角筋に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の用量及び第2の用量(及び/または他の後続の用量)は、同じ腕に投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、(例えば、筋肉内注射によって)2つの用量(例えば、各々0.3mL)の連続として21日間の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、(例えば、筋肉内注射によって)2つの用量(例えば、各々0.2mL)の連続として21日間の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、(例えば、筋肉内注射によって)3つの用量(例えば、0.3mL以下、例えば、0.2mLを含む)の連続として投与され、用量は、少なくとも3週間の間隔を空けて与えられる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の用量は、3週間の間隔を空けて投与されてもよく、一方、第2及び第3の用量は、第1の用量と第2の用量との間よりも長い時間間隔で、例えば、少なくとも4週間以上の間隔を空けて(少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、またはそれ以上を含む)投与されてもよい。いくつかの実施形態では、各用量は、約60ugである。いくつかの実施形態では、各用量は、約50ugである。いくつかの実施形態では、各用量は、約30ugである。いくつかの実施形態では、各用量は、約25ugである。いくつかの実施形態では、各用量は、約20ugである。いくつかの実施形態では、各用量は、約15ugである。いくつかの実施形態では、各用量は、約10ugである。いくつかの実施形態では、各用量は、約3ugである。
いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約60ugである。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約50ugである。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約30ugである。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約25ugである。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約20ugである。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約15ugである。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約10ugである。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約3ugである。
一実施形態では、約60μgの量の本明細書に記載のRNAが、用量当たりに投与される。一実施形態では、約50μgの量の本明細書に記載のRNAが、用量当たりに投与される。一実施形態では、約30μgの量の本明細書に記載のRNAが、用量当たりに投与される。一実施形態では、約25μgの量の本明細書に記載のRNAが、用量当たりに投与される。一実施形態では、約20μgの量の本明細書に記載のRNAが、用量当たりに投与される。一実施形態では、約15μgの量の本明細書に記載のRNAが、用量当たりに投与される。一実施形態では、約10μgの量の本明細書に記載のRNAが、用量当たりに投与される。一実施形態では、約5μgの量の本明細書に記載のRNAが、用量当たりに投与される。一実施形態では、約3μgの量の本明細書に記載のRNAが、用量当たりに投与される。一実施形態では、かかる用量のうちの少なくとも2つが投与される。例えば、第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAワクチンの有効性(例えば、2つの用量で投与され、第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与されてもよく、かつ、例えば、用量当たり約30μgの量で投与されてもよい)は、第2の用量の投与の7日後に開始して(例えば、第2の用量が第1の用量の投与の21日後に投与される場合、第1の用量の投与の28日後に開始する)少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90、または少なくとも95%である。いくつかの実施形態では、かかる有効性は、少なくとも50歳、少なくとも55歳、少なくとも60歳、少なくとも65歳、少なくとも70歳、またはそれ以上の年齢の集団において観察される。いくつかの実施形態では、65~80歳、65~75歳、または65~70歳などの少なくとも65歳の集団における、第2の用量の投与後7日で開始する(例えば、第2の用量が第1の用量の投与後21日で投与される場合、第1の用量の投与後28日で開始する)本明細書に記載のRNAワクチン(2つの用量で投与され、第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与され得、例えば、用量当たり約30μgの量で投与され得る)の有効性は、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、または少なくとも95%である。かかる有効性は、最大1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、または更に長い期間にわたって観察され得る。
一実施形態では、ワクチン有効性は、感染の証拠を有する対象(ワクチン接種対象対非ワクチン接種対象)の数のパーセント低減として定義される。
一実施形態では、有効性は、COVID-19の潜在的な症例に対するサーベイランスを通じて評価される。任意の時点で患者が急性呼吸器疾患を発症する場合、本明細書の目的のために、患者は、潜在的にCOVID-19疾患を有するとみなすことができる。評価には、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)試験を使用して試験してSARS-CoV-2を検出することができる、鼻腔(中鼻甲介)ぬぐい液が含まれ得る。加えて、臨床情報及び地域の標準治療試験の結果を評価することができる。
いくつかの実施形態では、有効性評価は、SARS-CoV-2関連症例の定義を利用してもよい:
●COVID-19の確認:症状期間中またはその前後の4日間に、以下の症状及びSARS-CoV-2 NAAT(核酸増幅ベースの試験)陽性のうちの少なくとも1つの存在:発熱、新たなまたは増加した咳、新たなまたは増加した息切れ、悪寒、新たなまたは増加した筋肉痛、新たな味覚または嗅覚の喪失、喉の痛み、下痢、嘔吐。
代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、有効性評価は、CDCによって定義される以下の追加の症状のうちの1つ以上が考慮され得るSARS-CoV-2関連症例の定義を利用し得る:疲労、頭痛、鼻詰まりまたは鼻水、吐き気。
いくつかの実施形態では、有効性評価は、SARS-CoV-2関連の重症例の定義を利用してもよい。
●重度のCOVID-19の確認:COVID-19の確認及び以下のうち少なくとも1つの存在:重度の全身疾患を示す安静時の臨床徴候(例えば、RR≧30回/分、HR≧125回/分、界面レベルの室内空気でSpO≦93%、またはPaO/FiO<300mmHg);呼吸不全(高流量酸素、非侵襲的換気、機械的換気、またはECMOを必要とすると定義され得る);ショックの証拠(例えば、SBP<90mmHg、DBP<60mmHg、または血管圧迫剤を必要とする);重大な急性腎機能障害、肝機能障害、または神経機能障害;ICUへの入院;死亡。
代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、COVID-19の臨床的提示を伴わない患者に対して血清学的定義を使用することができる:例えば、COVID-19が確認されないSARS-CoV-2への血清変換の確認:例えば、以前のN結合抗体結果が陰性であった患者における陽性のN結合抗体結果。
いくつかの実施形態では、以下のアッセイのうちのいずれかまたは全ては、血清試料で実施され得る:SARS-CoV-2中和アッセイ、S1結合IgGレベルアッセイ、RBD結合IgGレベルアッセイ、N結合抗体アッセイ。
一実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、小児集団に投与される。様々な実施形態では、小児集団は、18歳未満、例えば、5~18歳未満、12~18歳未満、16~18歳未満、12~16歳未満、5~12歳未満、または6ヶ月~12歳未満の対象を含むか、またはそれからなる。様々な実施形態では、小児集団は、5歳未満、例えば、2~5歳未満、12~24ヶ月未満、7~12ヶ月未満、または6ヶ月未満の対象を含むか、またはそれからなる。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、2歳未満、例えば、6ヶ月~2歳未満の対象に投与される。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、6ヶ月未満、例えば、1ヶ月~4ヶ月未満の対象に投与される。いくつかの実施形態では、小児集団のための投薬レジメン(例えば、用量及び/または投薬スケジュール)は、異なる年齢群に対して変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、6ヶ月~4歳の対象は、少なくとも3つの用量を含む一次レジメンに従って投与されてもよく、最初の2つの用量は、少なくとも3週間(例えば、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、またはそれ以上を含む)の間隔を空けて投与され、続いて第3の用量は、第2の用量の少なくとも8週間後(例えば、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、またはそれ以上を含む)に投与される。いくつかのかかる実施形態では、投与される少なくとも1つの用量は、本明細書に記載の3ugのRNAである。いくつかの実施形態では、5歳以上の対象は、少なくとも2つの用量を含む一次レジメンに従って投与されてもよく、2つの用量は、少なくとも3週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、またはそれ以上を含む)の間隔を空けて投与される。いくつかのかかる実施形態では、投与される少なくとも1つの用量は、本明細書に記載の10ugのRNAである。いくつかの実施形態では、免疫不全状態である5歳以上の対象(例えば、いくつかの実施形態では、固形臓器移植を受けた対象、または免疫不全状態に相当すると考えられる状態と診断される対象)は、少なくとも3つの用量を含む一次レジメンに従って投与されてもよく、最初の2つの用量は、少なくとも3週間(例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、またはそれ以上を含む)の間隔を空けて投与され、続いて第3の用量は、第2の用量の少なくとも4週間後(例えば、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、またはそれ以上を含む)に投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、12歳以上の対象に投与され、各用量は、約30ugである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、12歳以上(例えば、18歳以上を含む)の対象に投与され、各用量は、30ugよりも高い(例えば、35ug、40ug、45ug、50ug、55ug、60ug、65ug、70ug、またはそれ以上を含む)。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、12歳以上の対象に投与され、各用量は、約60ugである。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、12歳以上の対象に投与され、各用量は、約50ugである。一実施形態では、小児集団は、12~18歳未満の対象(16~18歳未満の対象及び/または12~16歳未満の対象を含む)を含むか、またはそれらからなる。この実施形態では、治療は、21日間の間隔を開けた2回のワクチン接種を含むことができ、一実施形態では、ワクチンは、例えば、筋肉内投与によって、用量当たり30μgのRNAの量で投与される。いくつかの実施形態では、より低年齢の子供または乳幼児、例えば2~5歳未満、6ヶ月~2歳未満、または6ヶ月未満と比較して、より高い用量が、より高年齢の小児患者及び成人、例えば12歳以上の患者に投与される。いくつかの実施形態では、例えば、6ヶ月~2歳未満、または6ヶ月未満である幼児及び/または乳児と比較して、2~5歳未満である小児に、より高い用量が投与される。
一実施形態では、小児集団は、5~18歳未満の対象(12~18歳未満の対象及び/または5~12歳未満の対象を含む)を含むか、またはそれらからなる。この実施形態では、治療は、21日間の間隔を開けた2回のワクチン接種を含むことができ、様々な実施形態では、ワクチンは、例えば、筋肉内投与によって、用量当たり10μg、20μg、または30μgのRNAの量で投与される。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、5~11歳の対象に投与され、各用量は、約10ugである。
いくつかの実施形態では、各用量は、約5ugの第1のバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び約5ugの第2のバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、各用量は、約5ugの武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び約5ugのオミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、各用量は、約5ugの武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、配列番号20を含むRNA)、及び約5ugのBA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、配列番号51を含むRNA)を含む。いくつかの実施形態では、各用量は、約5ugの武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、配列番号20を含むRNA)、及び約5ugのBA.4/5オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、配列番号72を含むRNA)を含む。
一実施形態では、小児集団は、5歳未満の対象(2~5歳未満の対象、12~24ヶ月未満の対象、7~12ヶ月未満の対象、6~12ヶ月未満の対象、及び/または6ヶ月未満の対象を含む)を含むか、またはそれらからなる。この実施形態では、治療は、2回のワクチン接種(例えば、21~42日間の間隔を空けた、例えば、21日間の間隔を空けた)を含んでよく、様々な実施形態では、ワクチンは、例えば、筋肉内投与によって、用量当たり3μg、10μg、20μg、または30μgのRNAの量で投与される。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、2~5歳未満の対象に投与され、各用量は、約3ugである。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、約6ヶ月~約5歳未満の対象に投与され、各用量は、約3ugである。
いくつかの実施形態では、各用量は、約1.5ugの第1のバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び約1.5ugの第2のバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、各用量は、約1.5ugの武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び約1.5ugのオミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、各用量は、約1.5ugの武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、配列番号20を含むRNA)、及び約1.5ugのBA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、配列番号51を含むRNA)を含む。いくつかの実施形態では、各用量は、約1.5ugの武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、配列番号20を含むRNA)、及び約1.5ugのBA.4/5オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、配列番号72を含むRNA)を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、12歳以上の対象に投与され、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約60ugである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、12歳以上の対象に投与され、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約30ugである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、12歳以上の対象に投与され、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約15ugである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、5歳~12歳未満の対象に投与され、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約10ugである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、2歳~5歳未満の対象に投与され、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約3ugである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、6ヶ月~2歳未満の対象に投与され、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約3ug以下である(例えば、2ug、1ug、またはそれ以下を含む)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、6ヶ月未満の乳児に投与され、ワクチン接種レジメン(例えば、一次ワクチン接種レジメン及び/またはブースターワクチン接種レジメン)において与えられる少なくとも1つの用量は、約3ug以下である(例えば、2ug、1ug、0.5ug、またはそれ以下を含む)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA(例えば、mRNA)組成物は、単回用量として(例えば、筋肉内注射によって)投与される。いくつかの実施形態では、単回用量は、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片(例えば、RBDドメイン)をコードする単一のRNAを含む。いくつかの実施形態では、単回用量は、本明細書に記載の少なくとも2つのRNAを含み、例えば、各RNAは、異なる株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片(例えば、RBDドメイン)をコードする。いくつかの実施形態では、かかる本明細書に記載の少なくとも2つのRNAは、単一の混合物として投与され得る。例えば、いくつかのかかる実施形態では、本明細書に記載の2つの別個のRNA組成物を混合して、注射前に単一の混合物を生成することができる。いくつかの実施形態では、かかる本明細書に記載の少なくとも2つのRNAは、2つの別個の組成物として投与され得、例えば、異なる注射部位で(例えば、異なる腕、または同じ腕の異なる部位で)投与され得る。
いくつかの実施形態では、それを必要とする対象に投与される用量は、本明細書に記載される単一のRNA(例えば、mRNA)組成物の投与を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、それを必要とする対象に投与される用量は、少なくとも2つ以上(例えば、少なくとも3つ以上を含む)の異なる医薬品/製剤の投与を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも2つ以上の異なる医薬品/製剤は、本明細書に記載の少なくとも2つの異なるRNA(例えば、mRNA)組成物(例えば、いくつかの実施形態では、各々が異なるRNA構築物を含む)を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるRNA(例えばmRNA)組成物は、異なる感染性因子を標的とするワクチンと併せて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、異なる感染性因子は、SARS-CoV-2及び感染性因子に共感染したときに、対象が有害な症状を経験する可能性を増加させるものである。いくつかの実施形態では、感染性因子は、対象がSARS-CoV-2及び感染性因子に共感染したときに、SARS-CoV-2の感染性を増加させるものである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)組成物は、インフルエンザを標的とするワクチンと併せて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つ以上の異なる医薬品/製剤は、本明細書に記載の少なくとも1つのRNA(例えば、mRNA)組成物、及び異なる感染性因子(例えば、インフルエンザワクチン)を標的とするワクチンを含み得る。いくつかの実施形態では、異なる医薬品/製剤は、別個に投与される。いくつかの実施形態では、かかる異なる医薬品/製剤は、対象の異なる部位において(例えば、対象の異なる腕において)同時に(例えば、同じワクチン接種セッションにおいて)別個に投与される。
一実施形態では、少なくとも2つの用量が投与される。例えば、第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの単回用量が投与される。いくつかの実施形態では、かかる単回用量は、例えば、SARS-CoV-2ワクチン(例えば、BNT162b2ワクチン[例えば、本明細書に記載されるようなものを含む]、mRNA-1273ワクチン、Ad26.CoV2.Sワクチン、ChAdxOx1ワクチン、NVX-CoV2373ワクチン、CvnCoVワクチン、GAM-COVID0Vacワクチン、CoronaVacワクチン、BBIBP-CorVワクチン、Ad5-nCoVワクチン、zf2001ワクチン、SCB-2019ワクチン、または他の承認されたRNA(例えば、mRNA)もしくはアデノベクターワクチン等)の1つ以上の用量、または完全なレジメンを以前に受けた可能性のある対象に投与される。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、単回用量は、SARS-CoV-2に曝露された及び/または感染した対象に投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの単回用量が、SARS-CoV-2ワクチンの1つ以上の用量または完全なレジメンを受けており、かつSARS-CoV-2に曝露された及び/または感染した対象に投与される。
少なくとも1つの単回用量が、1つ以上の用量の以前のSARS-CoV-2ワクチンを受けた対象に投与される、いくつかの特定の実施形態では、かかる以前のSARS-CoV-2ワクチンは、異なるワクチン、または異なる形態(例えば、製剤)及び/または用量の同じ活性を有するワクチン(例えば、BNT162b2)であり、いくつかのかかる実施形態では、かかる対象は、かかる以前のワクチンの完全なレジメンを受けておらず、及び/またはかかる以前のワクチンの1つ以上の受けた用量に対する1つ以上の望ましくない反応もしくはその効果を経験した。いくつかの特定の実施形態では、かかる以前のワクチンは、より高い用量(複数可)の同じ活性(例えば、BNT162b2)であるか、またはそれを含む。代替的にまたは追加的に、いくつかのかかる実施形態では、かかる対象は、かかる以前のワクチンの完全なレジメンの完了前(ただし、いくつかの実施形態では開始後)にSARS-CoV-2に曝露され、及び/または感染した。
一実施形態では、少なくとも2つの用量が投与される。例えば、第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与されてもよい。
一実施形態では、少なくとも3つの用量が投与される。いくつかの実施形態では、かかる第3の用量は、第1の用量と第2の用量との間の期間に匹敵する(例えば、同じ)第2の用量後の期間に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、第3の用量は、第2の用量の投与の約21日後に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、第3の用量は、第2の用量が第1の用量に対するよりも第2の用量に対してより長い期間後に投与される。いくつかの実施形態では、3用量レジメンは、免疫不全患者、例えば、がん患者、HIV患者、免疫抑制剤療法を受けた及び/または受けている患者(例えば、臓器移植患者)に投与される。いくつかの実施形態では、第2の用量と第3の用量との間の時間の長さ(例えば、免疫不全患者に投与される第2の用量及び第3の用量)は、少なくとも約21日(例えば、少なくとも約28日)である。
いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、同じ量のRNAを異なる用量で(例えば、第1及び/または第2及び/または第3及び/または後続の用量で)投与することを含む。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、異なる量のRNAを異なる用量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の後の用量は、1つ以上の前の用量よりも多い(例えば、1つ以上の前の用量からのワクチン有効性の減少が観察される状況、及び/または投与時に関連する管轄区域において蔓延している、もしくは急速に広がっているバリアント(例えば、本明細書に記載のバリアント)による免疫逃避が観察される状況において)。いくつかの実施形態では、1つ以上の後の用量は、かかる用量の安全性及び/または忍容性が臨床的に許容されることを条件として、1つ以上の前の用量より少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上多くてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の後の用量は、かかる用量の安全性及び/または忍容性が臨床的に許容されることを条件として、1つ以上の前の用量より少なくとも1.1倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、またはそれ以上多くてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の後の用量は、1つ以上の前の用量よりも少ない(例えば、1つ以上の前の用量の後に陰性反応を経験した場合、及び/または前の用量と後続の用量との間にSARS-CoV-2に曝露された及び/または感染した場合)。いくつかの実施形態では、1つ以上の後の用量は、1つ以上の前の用量より少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、またはそれ以上少なくてもよい。異なる用量が利用されるいくつかの実施形態では、それらは、本明細書に記載されるような一般的なストックとの同一性及び/または希釈によって互いに関連する。
いくつかの実施形態では、少なくとも2つ以上の用量が投与される場合(例えば、一次レジメンにおいて投与される少なくとも2つの用量、ブースターレジメンにおいて投与される少なくとも2つの用量、または一次レジメンにおいて投与される少なくとも1つの用量、及びブースターレジメンにおいて少なくとも1つの用量)、本明細書に記載の同じRNA組成物は、かかる用量で投与されてもよく、かかる用量の各々は、同じであり得るか、または異なり得る(本明細書に記載されるように)。少なくとも2つ以上の用量が投与される(例えば、少なくとも2つの用量が一次レジメンにおいて投与される、少なくとも2つの用量がブースターレジメンにおいて投与される、または少なくとも1つの用量が一次レジメンにおいて投与され、少なくとも1つの用量がブースターレジメンにおいて投与される)いくつかの実施形態では、本明細書に記載の異なるRNA組成物(例えば、異なるコロナウイルス分岐群から、または同じコロナウイルス分岐群の異なる株からの異なるコードされたウイルスポリペプチド;異なる構築物要素(例えば、5’キャップ、3’UTR、5’UTR等);異なる製剤(例えば、異なる賦形剤及び/または緩衝液(例えば、PBS対Tris));異なるLNP組成物;またはそれらの組み合わせ)は、かかる用量で投与されてもよく、かかる用量の各々は、同じまたは異なり得る(例えば、本明細書に記載のように)。
いくつかの実施形態では、対象は、2つ以上のRNAを投与され(例えば、一次レジメンまたはブースターレジメンのいずれかの一部として)、2つ以上のRNAは、同じ日または同じ来院時に投与される。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、別個の組成物において、例えば、各RNAを対象の別個の部分に投与することによって(例えば、対象の異なる腕または対象の同じ腕の異なる部位への筋肉内投与によって)投与される。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、投与前に混合される(例えば、投与直前に、例えば、投与する開業医によって混合される)。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、(例えば、(a)各集団が異なるRNAを含む、LNPの別個の集団を混合することによって、または(b)各LNPが2つ以上のRNAを含むように、LNP製剤の前に2つ以上のRNAを混合することによって)一緒に製剤化される。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、1つの株(例えば、武漢株)からのコロナウイルスSタンパク質またはその免疫原性断片(例えば、RBDまたは他の関連ドメイン)、及び投与時に関連する管轄区域において蔓延しているか、または急速に広がっているバリアント(例えば、本明細書に記載のバリアント)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、かかるバリアントは、オミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、またはBA.3バリアント)である。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、対象において広範な免疫応答を誘発することが示されている第1のRNA及び第2のRNAを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及びBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及びBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及びBA.4またはBA.5オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、BA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及びBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、BA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及びBA.4またはBA.5オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、BA.2からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及びBA.4またはBA.5オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のRNAは、武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、もしくはデルタバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、またはそれに由来する亜系統;ならびにBA.2、BA.4もしくは5オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、またはそれに由来する亜系統を含む。
いくつかの実施形態では、対象は、以下の表に列挙される組み合わせ1~66のうちのいずれか1つを投与され得る。いくつかの実施形態では、かかる組み合わせは、LNP製剤を使用して投与することができ、第1のRNA及び第2のRNAは、同じLNP内または別個のLNP内に封入される。いくつかの実施形態では、かかる組み合わせは、別個のLNP製剤として(例えば、別個の部位で対象に投与することによって)投与することができる。













Figure 2023081859000154
Figure 2023081859000155
Figure 2023081859000156
いくつかの実施形態では、対象は、第1のRNA及び第2のRNAを各々同じ量(すなわち、1:1の比)で投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、第1のRNA及び第2のRNAを各々異なる量で投与される。例えば、いくつかの実施形態では、対象は、第2のRNAの量の0.01~100倍の量で第1のRNAを投与される(例えば、第1のRNAの量は、第2のRNAの量の0.01~50、0.01~4、0.01~30、0.01~25、0.01~20、0.01~15、0.01~10、0.01~9、0.01~8、0.01~7、0.01~6、0.01~5、0.01~4、0.01~3、0.01~2、0.01~1.5、1~50、1~4、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1~2、または1~1.5倍である)。いくつかの実施形態では、対象は、第1のRNA及び第2のRNAを投与され、第1のRNAの濃度は、第2のRNAの濃度の1~10倍である。いくつかの実施形態では、対象は、第1のRNA及び第2のRNAを投与され、第1のRNAの量は、第2のRNAの量の1~5倍である。いくつかの実施形態では、対象は、第1のRNA及び第2のRNAを投与され、第1のRNAの濃度は、第2のRNAの濃度の1~3倍である。いくつかの実施形態では、対象は、第1のRNA及び第2のRNAを投与され、第1のRNAの量は、第2のRNAの量の2倍である。いくつかの実施形態では、対象は、第1のRNA及び第2のRNAを投与され、第1のRNAの濃度は、第2のRNAの濃度の3倍である。
いくつかの実施形態では、対象は、各々が、異なるSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードし、各々が同じ量(すなわち、1:1:1の比)で、3つのRNAを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、各々が、異なるSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、3つのRNAを投与され、各RNAの量は同じではない(例えば、1つのRNAは、他の2つのRNAとは異なる量で存在するか、または3つ全てのRNAが、異なる量で存在する)。例えば、いくつかの実施形態では、第1のRNA:第2のRNA:第3のRNAの比は、1:0.01~100:0.01~100(例えば、1:0.01~50:0.01~50、1:0.01~40:0.01~40、1:0.01~30:0.01~25、1:0.01~25:0.01~25、1:0.01~20:0.01~20、1:0.01~15:0.01~15、1:0.01~10:0.01~9、1:0.01~9:0.01~9、1:0.01~8:0.01~8、1:0.01~7:0.01~7、1:0.01~6:0.01~6、1:0.01~5:0.01~5、1:0.01~4:0.01~4、1:0.01~3:0.01~3、1:0.01~2:0.01~2、または1:0.01~1.5:0.01~1.5)である。いくつかの実施形態では、対象は、3つのRNAを1:1:3の比で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、3つのRNAを1:3:3の比で投与される。
いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、少なくとも2つの用量の本明細書に記載のRNA組成物を含む第1のワクチン接種レジメン(例えば、一次レジメン)(例えば、第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与されてもよい)、及び単回用量または複数回用量(例えば、2つの用量)の本明細書に記載のRNA組成物を含む第2のワクチン接種(例えば、ブースターレジメン)を含む。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの用量は、本明細書に記載の一般的なストックとの同一性または一般的なストックからの希釈することによって一次レジメンの用量に関連する。様々な実施形態では、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後、例えば、少なくとも2つの用量を含む一次レジメンの完了後、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、またはそれ以上で投与される(例えば、開始される)。様々な実施形態では、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後、例えば、少なくとも2つの用量を含む一次レジメンの完了後、1~12ヶ月、2~12ヶ月、3~12ヶ月、4~12ヶ月、6~12ヶ月、1~6ヶ月、1~5ヶ月、1~4ヶ月、1~3ヶ月、または2~3ヶ月で投与される(例えば、開始される)。様々な実施形態では、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後、例えば、2用量一次レジメンの完了後、1~60ヶ月、2~48ヶ月、2~24ヶ月、3~24ヶ月、6~18ヶ月、6~12ヶ月、または5~7ヶ月で投与される(例えば、開始される)。いくつかの実施形態では、一次レジメンの各用量は、用量当たり約60μgである。いくつかの実施形態では、一次レジメンの各用量は、用量当たり約50μgである。いくつかの実施形態では、一次レジメンの各用量は、用量当たり約30μgである。いくつかの実施形態では、一次レジメンの各用量は、用量当たり約25μgである。いくつかの実施形態では、一次レジメンの各用量は、用量当たり約20μgである。いくつかの実施形態では、一次レジメンの各用量は、用量当たり約15μgである。いくつかの実施形態では、一次レジメンの各用量は、用量当たり約10μgである。いくつかの実施形態では、一次レジメンの各用量は、用量当たり約3μgである。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの各用量は、一次レジメンの用量と同じである。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの各用量は、一次レジメンにおいて投与される用量と同じ量のRNAを含む。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの少なくとも1つの用量は、一次レジメンの用量と同じである。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの少なくとも1つの用量は、一次レジメンの少なくとも1つの用量と同じ量のRNAを含む。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの少なくとも1つの用量は、一次レジメンの用量よりも低い。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの少なくとも1つの用量は、一次レジメンの用量よりも低い量のRNAを含む。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの少なくとも1つの用量は、一次レジメンの用量よりも高い。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの少なくとも1つの用量は、一次レジメンの用量よりも高い量のRNAを含む。
いくつかの実施形態では、ブースターレジメン(例えば、本明細書に記載されるような)は、小児患者(例えば、2歳~5歳の患者、5歳~11歳の患者、または12歳~15歳の患者)に投与される。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、6ヶ月~2歳未満である小児患者に投与される。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、6ヶ月未満である小児患者に投与される。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、6ヶ月~5歳未満である小児患者に投与される。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、2歳~5歳未満の小児患者に投与される。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、5歳~12歳未満の小児患者に投与される。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、12歳~16歳未満の小児患者に投与される。いくつかの実施形態では、小児ブースターレジメンの各用量は、約3μgのRNAを含む。いくつかの実施形態では、小児ブースターレジメンの各用量は、約10μgのRNAを含む。いくつかの実施形態では、小児ブースターレジメンの各用量は、約15μgのRNAを含む。いくつかの実施形態では、小児ブースターレジメンの各用量は、約20μgのRNAを含む。いくつかの実施形態では、小児ブースターレジメンの各用量は、約25μgのRNAを含む。いくつかの実施形態では、小児ブースターレジメンの各用量は、約30μgのRNAを含む。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、非小児患者(例えば、16歳以上の患者、18~64歳の患者、及び/または65歳以上の患者)に投与される。いくつかの実施形態では、非小児ブースターレジメンの各用量は、約3ugのRNA、約10ugのRNA、約25μgのRNA、約30μgのRNA、約40μgのRNA、約45μgのRNA、約50μgのRNA、約55μgのRNA、または約60μgのRNAを含む。いくつかの実施形態では、同じブースターレジメンが、小児患者及び非小児患者(例えば、12歳以上の患者)の両方に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、非小児患者に投与されるブースターレジメンは、本明細書に記載の同一性によって、または希釈によって患者が以前に受けた一次レジメンの製剤及び用量に関連する製剤及び用量で投与される。いくつかの実施形態では、一次レジメンよりも低い用量でブースターレジメンを受ける非小児患者は、かかる一次レジメンの1つ以上の用量に対する有害反応を経験してい得、及び/またはかかる一次レジメンとかかるブースターレジメンとの間、またはかかる一次レジメンの用量とかかるブースターレジメンとの間のSARS-CoV-2に曝露及び/または感染してい得る。いくつかの実施形態では、小児患者及び非小児患者は、より低い用量でのワクチン有効性の減少が観察されるとき、及び/または投与時に関連する管轄区域で蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントの免疫逃避が観察されるときに、一次レジメンよりも高い用量でブースターレジメンを受け得る。
いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの1つ以上の用量は、一次レジメンの用量とは異なる。例えば、いくつかの実施形態では、投与される用量は、対象の年齢に対応し得、患者は、ある治療年齢群から次の治療年齢群に老化し得る。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、投与される用量は、患者の状態(例えば、免疫不全状態)に対応してもよく、ブースターレジメンの1つ以上の用量に対して、一次レジメンとは異なる用量が選択されてもよい(例えば、介在がん治療、HIVへの感染、例えば、臓器移植に関連する免疫抑制療法の受容に起因する)。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの少なくとも1つの用量は、一次レジメンにおいて投与される少なくとも1つの用量よりも高い量のRNAを含んでもよい(例えば、1つ以上のより早い用量からのワクチン有効性の減少が観察される状況、及び/または投与時に関連する管轄区域において蔓延しているか、または急速に広がっているバリアント(例えば、本明細書に記載されるバリアント)による免疫逃避が観察される状況において)。
いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の3ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の10ug用量、及び/または1つ以上の20ug用量、または1つ以上の30ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の3ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の3ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、2つ以上の3ug用量(例えば、各々が3ugのRNAを含み、互いに約21日間の間隔を空けて投与される、少なくとも2つの用量)を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の3ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の10ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の20ug用量、及び/または1つ以上の30ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の10ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の10ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、2つ以上の10ug用量(例えば、各々が約21日間の間隔を空けて投与される、10ugのRNAを含む、2つの用量)を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の10ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の20ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の30ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の20ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の20ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の30ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の30ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、2つ以上の30ug用量(例えば、各々が約21日間の間隔を空けて投与される、30ugのRNAを含む、2つの用量)を伴ってもよく、ブースターレジメンはまた、1つ以上の30ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、2つ以上の30ug用量(例えば、各々が約21日間の間隔を空けて投与される、30ugのRNAを含む、2つの用量)を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の50ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、2つ以上の30ug用量(例えば、各々が約21日間の間隔を空けて投与される、30ugのRNAを含む、2つの用量)を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の60ug用量を伴ってもよい。
いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つの30ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つの30ug用量の、SARS-CoV-2の武漢株(例えば、BNT162b2)からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つの30ug用量の、SARS-CoV-2バリアント(例えば、本明細書に記載のバリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つ用量の30ugの、オミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.3、またはBA.4、またはBA.5オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つの用量の30ugのRNAを含むブースターレジメンを投与され、30ugのRNAは、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及びSARS-CoV-2バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む(例えば、いくつかの実施形態では、対象は、15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される)。いくつかの実施形態では、対象は、15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、10ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び20ugのBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、7.5ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び22.5ugのBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、10ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び20ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、7.5ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び22.5ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、10ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び20ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、7.5ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び22.5ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、10ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び20ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、7.5ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び22.5ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、15ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、10ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び20ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、7.5ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び22.5ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、10ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び20ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、7.5ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び22.5ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、10ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び20ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、7.5ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び22.5ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、15ugのBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、10ugのBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び20ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、7.5ugのBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び22.5ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugのBA.3オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、10ugのBA.3オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び20ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、7.5ugのBA.3オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び22.5ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、互いに少なくとも2ヶ月間の間隔を空けて投与される、2つ以上の用量の30ugのRNAを含むブースターレジメンを投与される。例えば、いくつかの実施形態では、対象は、2つの用量の30ugの、オミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、またはBA.4、またはBA.5オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)30ug用量のSARS-CoV-2のオミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.3、BA.4、またはBA.5オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、15ugのオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、30ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)30ug用量のSARS-CoV-2のBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、15ugのBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、30ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)30ug用量のSARS-CoV-2のBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、15ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、30ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)30ug用量のSARS-CoV-2のBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、15ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、30ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)15ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、15ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、30ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、RNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)15ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、15ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、30ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)15ugのBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、15ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、30ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2タンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)少なくとも1つの30ug用量の、非BA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも1つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)少なくとも2つの30ug用量の、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与され、2つのブースター用量は、互いに少なくとも2ヶ月間の間隔を空けて投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つの50ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つの用量の50ugの、武漢株(例えば、BNT162b2)からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つの用量50ugの、SARS-CoV-2バリアント(例えば、本明細書に記載のバリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つの用量50ugの、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つの50ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与され、50ugのRNAは、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及びSARS-CoV-2バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む(例えば、いくつかの実施形態では、対象は、25ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、25ugのオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、50ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される)。
いくつかの実施形態では、対象は、25ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び25ugのBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、25ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び25ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、25ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び25ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、25ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び25ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、25ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び25ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、25ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び25ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、25ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び25ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、25ugのBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び25ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、25ugのBA.3オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び25ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、およそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)少なくとも1つの50ug用量の、SARS-CoV-2のオミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.4、またはBA.5オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、およそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)少なくとも1つの50ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与され、50ugのRNAは、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする25ugのRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.4、またはBA.5バリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする25ugのRNAを含み、ブースターレジメンは、第1のブースターレジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)50ug用量のSARS-CoV-2のBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)25ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、25ugのBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、50ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)50ug用量のSARS-CoV-2のBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)25ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、25ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、50ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)50ug用量のSARS-CoV-2のBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)25ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、25ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、50ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)25ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、25ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、50ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)25ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、25ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、50ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)25ugのBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、25ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、50ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1つの60ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、60ugの武漢バリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、60ugのSARS-CoV-2バリアント(例えば、本明細書に記載のバリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、60ugのオミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.4、またはBA.5オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を有する、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、60ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与され、RNAは、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA、及びSARS-CoV-2バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする少なくとも1つの追加のRNAを含む(例えば、いくつかの実施形態では、対象は、30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのオミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.4、またはBA.5バリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、ブースターレジメンを投与される)。
いくつかの実施形態では、対象は、30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、20ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び40ugのBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び45ugのBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、20ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び40ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び45ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、20ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び40ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び45ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、20ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び40ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び45ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、30ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、20ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び40ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び45ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、30ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、20ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び40ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び45ugのBA.3オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、30ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、20ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び40ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び45ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、30ugのBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、20ugのBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び40ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする40ugのRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugのBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び45ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、30ugのBA.3オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、20ugのBA.3オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び40ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、15ugのBA.3オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び45ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む、少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)2つの30ug用量のSARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)少なくとも1つの60ug用量の、SARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)2つの30ug用量の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、およそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)少なくとも1つの60ug用量の、SARS-CoV-2のオミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.4、またはBA.5オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)2つの30ug用量の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、およそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(iii)30ugのSARS-CoV-2のオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、少なくとも1つの60ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与され、第2のブースターレジメンは、第1のブースターレジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)60ug用量のSARS-CoV-2のBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、30ugのBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、60ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)60ug用量のSARS-CoV-2のBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、30ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、60ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)60ug用量のSARS-CoV-2のBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメンを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの完了後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、またはそれ以上を含む)で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、30ugのBA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、60ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)30ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、30ugのBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、60ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)30ugのBA.1オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、30ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、60ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、(i)少なくとも2つの30ug用量の、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(2つの用量が、少なくともおよそ21日間の間隔を空けて投与される)、及び(ii)30ugのBA.2オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、30ugのBA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、60ug用量のRNAを含むブースターレジメンを投与される。
いくつかの実施形態では、患者は、およそ21日間の間隔を空けて投与される2つの30ug用量を含む一次レジメンと、少なくとも1つの60ug用量のRNA(例えば、60ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、60ugのオミクロンバリアント(例えば、BA.1、BA.2、BA.4、もしくはBA.5オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、または30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び30ugのオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA)を含むブースターレジメンとを投与される。いくつかの実施形態では、患者は、およそ21日間の間隔を空けて投与される2つの30ug用量を含む一次レジメンと、少なくとも1つの50ug用量のRNA(例えば、50ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、50ugのオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、または25ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び25ugのオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA)を含むブースターレジメンとを投与される。いくつかの実施形態では、患者は、およそ21日間の間隔を空けて投与される2つの30ug用量を含む一次レジメンと、少なくとも1つの30ug用量のRNA(例えば、30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、30ugのオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、または15ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び15ugのオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA)を含むブースターレジメンとを投与される。
いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の30ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の20ug用量、1つ以上の10ug用量、及び/または1つ以上の3ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の20ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の10ug用量、及び/または1つ以上の3ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の10ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の3ug用量を伴ってもよい。いくつかの実施形態では、一次レジメンは、1つ以上の3ug用量を伴ってもよく、ブースターレジメンは、1つ以上の3ug用量を伴ってもよい。
いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、例えば、一次レジメンを受けている間に有害反応を経験した患者のための単回用量を含む。
いくつかの実施形態では、一次レジメンに使用されるのと同じRNAが、ブースターレジメンに使用される。いくつかの実施形態では、一次レジメン及びブースターレジメンにおいて使用されるRNAは、BNT162b2である。
いくつかの実施形態では、同じ対象に投与される一次レジメンにおいて使用されるものと比較して、異なるRNAが、ブースターレジメンにおいて使用される。いくつかの実施形態では、BNT162b2は、一次レジメンにおいて使用されるが、ブースターレジメンにおいては使用されない。いくつかの実施形態では、BNT162b2は、ブースターレジメンにおいて使用されるが、一次レジメンにおいては使用されない。いくつかの実施形態では、一次レジメン及びブースターレジメンにおいて使用されるRNA構築物が異なるSARS-CoV-2株(例えば、本明細書に記載されるような)のSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性部分)をコードすることを除き、類似のBNT162b2構築物を一次レジメン及びブースターレジメンにおいて使用することができる。
いくつかの実施形態では、BNT162b2は、一次レジメンまたはブースターレジメンに使用されるが、両方には使用されず、異なるRNAが他方に使用される場合、かかる異なるRNAは、同じSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするが、異なるコドン最適化または他の異なるRNA配列を有するRNAであってもよい。いくつかの実施形態では、かかる異なるRNAは、異なるSARS-CoV-2株の、例えば、本明細書で論じられるバリアント株のSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性部分)をコードし得る。いくつかのかかる実施形態では、かかるバリアントは、関連する管轄区域において蔓延しているか、または急速に広がっている。いくつかの実施形態では、かかる異なるRNAは、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントについて本明細書に記載される1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはそのバリアント(またはそのいずれかの免疫原性部分)をコードするRNAであってもよく、いくつかのかかる実施形態では、SARS-CoV-2バリアントは、VOC-202012/01、501.V2、クラスター5及びB.1.1.248からなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2バリアントは、VOC-202012/01、501.V2、クラスター5、ならびにB.1.1.248、B.1.1.7、B.1.617.2、及びB.1.1.529からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、投与時に関連する管轄区域において急速に広がっているバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性断片)をコードする少なくとも1つの用量のRNAを含む。いくつかのかかる実施形態では、ブースターレジメンにおいて投与されるRNAによってコードされるバリアントは、一次レジメンにおいて投与されるRNAによってコードされるバリアントとは異なる場合がある。
いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、(i)ある用量の一次レジメンにおいて投与されるRNAと同じSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性断片)をコードするRNA(例えば、SARS-CoV-2武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性断片)をコードするRNA)、及び(ii)ある用量の投与時に関連する管轄区域において急速に広がっているバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性断片)をコードするRNA(例えば、本明細書に記載のSARS-CoV-2バリアントのうちの1つからのSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性断片))を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、複数の用量(例えば、少なくとも2つの用量、少なくとも3つの用量、またはそれ以上)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの第1の用量は、一次レジメンにおいて投与される同じSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性断片)をコードするRNAを含んでもよく、ブースターレジメンの第2の用量は、投与時に関連する管轄区域で急速に広がっているバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの第1の用量は、投与時に関連する管轄区域において急速に広がっているバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性断片)をコードするRNAを含んでもよく、ブースターレジメンの第2の用量は、一次レジメンにおいて投与される同じSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性断片)をコードするRNAを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、複数の用量を含み、関連する管轄区域において急速に広がっているバリアントのSタンパク質をコードするRNAは、第1の用量で投与され、一次レジメンにおいて投与されるSタンパク質をコードするRNAは、第2の用量で投与される。
いくつかの実施形態では、ブースターレジメンにおける用量(例えば、第1及び第2の用量、または任意の2つの連続した用量)は、例えば、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間、少なくとも15週間、少なくとも16週間、またはそれ以上の間隔を含む、少なくとも2週間の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンにおける用量(例えば、第1及び第2の用量、または任意の2つの連続用量)は、およそ2~168週間の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンにおける用量(例えば、第1及び第2の用量、または任意の2つの連続用量)は、およそ3~12週間の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンにおける用量(例えば、第1及び第2の用量、または任意の2つの連続用量)は、およそ4~10週間の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンにおける用量(例えば、第1及び第2の用量、または任意の2つの連続用量)は、およそ6~8週間の間隔を空けて投与される。(例えば、約21日間の間隔を空けて、または約6~8週間の間隔を空けて)。いくつかの実施形態では、第1及び第2の用量は、同じ日に(例えば、対象の異なる部位での筋肉内注射によって)投与される。
かかる実施形態では、ブースターレジメンは、任意に、第1及び第2の用量のおよそ2~8週間後に(例えば、第1及び第2の用量の約21日後に、または第1及び第2の用量の約6週間~約8週間後に)投与される第3及び第4の用量を更に含み得、第3及び第4の用量は、同じ日に(例えば、対象の異なる部位での筋肉内注射によって)投与され、ブースターレジメンの第1及び第2の用量で投与される同じRNAを含む。
いくつかの実施形態では、複数のブースターレジメンを投与してもよい。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、以前にブースターレジメンを投与されたことのある患者に投与される。
いくつかの実施形態では、第2のブースターレジメンは、第1のブースターレジメンを以前に受けたことがある患者に投与され、第2のブースターレジメンの少なくとも1つの用量で投与されるRNAの量は、第1のブースターレジメンの少なくとも1つの用量で投与されるRNAの量よりも多い。
いくつかの実施形態では、第2のブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2のブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2のブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2のブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2のブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2のブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の25ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2のブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2のブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2のブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、対象は、およそ21日の間隔を空けて投与される2つの用量の30ugのRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量のおよそ30ugのRNAを含むブースターレジメンとを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、およそ21日の間隔を空けて投与される2つの用量の30ugのRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量のおよそ50ugのRNAを含むブースターレジメンとを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、およそ21日の間隔を空けて投与される2つの用量の30ugのRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量のおよそ60ugのRNAを含むブースターレジメンとを投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、およそ21日間の間隔を空けて投与される2つの用量の30ugのRNAを含む一次レジメン、少なくとも1つの用量のおよそ30ugのRNAを含む第1のブースターレジメン、及び少なくとも1つの用量のおよそ30ugのRNAを含む第2のブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、およそ21日間の間隔を空けて投与される2つの用量の30ugのRNAを含む一次レジメン、少なくとも1つの用量のおよそ30ugのRNAを含む第1のブースターレジメン、及び少なくとも1つの用量のおよそ50ugのRNAを含む第2のブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、およそ21日間の間隔を空けて投与される2つの用量の30ugのRNAを含む一次レジメン、少なくとも1つの用量のおよそ30ugのRNAを含む第1のブースターレジメン、及び少なくとも1つの用量のおよそ60ugのRNAを含む第2のブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、第1のブースターレジメンは、2つの用量のRNAを含み、各用量は、異なるSARS-CoV-2バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、第1のブースターレジメンは、2つの用量のRNAを含み、各用量は、異なるSARS-CoV-2バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含み、2つの用量のRNAは、同じ日に投与される。いくつかの実施形態では、2つの用量のRNAは、単一の組成物において(例えば、第1のSARS-CoV-2バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第1の組成物と、第2のSARS-CoV-2バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第2の組成物とを混合することによって)投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の武漢株からのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第1の用量と、ブースターレジメンを投与する際に関連する管轄区域において蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの変異を含むスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第2の用量とを含むブースターレジメンを投与され、第1の用量及び第2の用量のRNAは、同じ日に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の武漢株からのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第1の用量と、SARS-CoV-2のアルファバリアントからの変異を含むスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第2の用量とを含むブースターレジメンを投与され、第1の用量及び第2の用量は、同じ日に投与され得る。いくつかの実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の武漢株からのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第1の用量と、SARS-CoV-2のベータバリアントからの変異を含むスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第2の用量とを含むブースターレジメンを投与され、第1の用量及び第2の用量は、同じ日に投与され得る。いくつかの実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の武漢株からのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第1の用量と、SARS-CoV-2のデルタバリアントからの変異を含むスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第2の用量とを含むブースターレジメンを投与され、第1の用量及び第2の用量は、同じ日に投与され得る。いくつかの実施形態では、対象は、SARS-CoV-2の武漢株からのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第1の用量と、SARS-CoV-2のオミクロンバリアントからの変異を含むスパイクタンパク質をコードするRNAを含む第2の用量とを含むブースターレジメンを投与され、第1の用量及び第2の用量は、同じ日に投与され得る。かかるブースターレジメンは、例えば、一次投薬レジメンを以前に投与された対象に、及び/または一次投薬レジメン及びブースターレジメンを以前に投与された対象に投与され得る。
いくつかの実施形態では、対象は、第1の用量の15ugの武漢バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNA、及び第2の用量の15ugのSARS-CoV-2のオミクロンバリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む、第1のブースターレジメンを投与され、第1の用量及び第2の用量は、同じ日に投与される(例えば、RNAを含む組成物を投与前に混合し、次いで、混合物を患者に投与する)。いくつかの実施形態では、対象は、第1の用量の25ugの武漢バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNA、及び第2の用量の25ugのSARS-CoV-2のオミクロンバリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む、第1のブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の用量は、任意に、同じ日に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、第1の用量の25ugの武漢バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNA、及び第2の用量の25ugのSARS-CoV-2のオミクロンバリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む、第1のブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の用量は、同じ日に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、第1の用量の30ugの武漢バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNA、及び第2の用量の30ugのSARS-CoV-2のオミクロンバリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む、第1のブースターレジメンを投与され、第1の用量及び第2の用量は、任意に、同じ日に(例えば、別個の投与において、または多価ワクチンの投与として)投与される。いくつかの実施形態では、かかる第1のブースターレジメンは、約21日間の間隔を空けて投与される2つの用量の30ugのRNAを含む一次レジメンを以前に投与された対象に投与され、第1のブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも3ヶ月(例えば、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、第1の用量の15ugの武漢バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNA、及び第2の用量の15ugのSARS-CoV-2のオミクロンバリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む、第2のブースターレジメンを投与され、第1の用量及び第2の用量は、同じ日に投与される(例えば、RNAを含む組成物を投与前に混合して多価ワクチンを形成し、次いで、混合物を患者に投与する)。いくつかの実施形態では、対象は、第1の用量の25ugの武漢バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNA、及び第2の用量の25ugのSARS-CoV-2のオミクロンバリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む、第2のブースターレジメンを投与され、第1の用量及び第2の用量は、任意に、同じ日に(例えば、多価ワクチンの投与を介して、または別個の組成物の投与を介して)投与される。いくつかの実施形態では、対象は、第1の用量の25ugの武漢バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNA、及び第2の用量の25ugのSARS-CoV-2のオミクロンバリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAを含む、第2のブースターレジメンを投与される。いくつかの実施形態では、対象は、第1の用量の30ugの武漢バリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNA、及び第2の用量の30ugのSARS-CoV-2のオミクロンバリアントからのスパイクタンパク質をコードするRNAとを含む、第2のブースターレジメンを投与され、第1の用量及び第2の用量は、任意に、同じ日に(例えば、多価ワクチンの投与を介して、または別個の組成物の投与を介して)投与される。いくつかの実施形態では、かかる第2のブースターレジメンは、約21日間の間隔を空けて投与される2つの用量の30ugのRNAを含む一次レジメンを以前に投与された対象に投与される。いくつかの実施形態では、かかる第2のブースターレジメンは、約21日間の間隔を空けて投与される2つの用量の30ugのRNAを含む一次レジメンと、1つの用量の30ugのRNAを含む第1のブースターレジメンとを以前に投与された対象に投与され、第2のブースターレジメンは、第1のブースターレジメンの投与後少なくとも3ヶ月(例えば、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の用量(複数可)のRNA組成物を受ける患者は、例えば、1つ以上の用量の投与後に、1つ以上の特定の状態についてモニタリングされる。いくつかの実施形態では、かかる状態(複数可)は、アレルギー反応(複数可)(特に、関連するアレルギーまたはアレルギー反応の既往歴を有する対象(複数可))、心筋炎(特に、対象が若い男性である場合、及び/またはかかる炎症を経験した可能性がある場合、心筋の炎症)、心膜炎(特に、対象が若い男性である場合、及び/または以前にかかる炎症を経験した可能性がある場合、心臓の外側の粘膜の炎症)、発熱、出血(特に、対象が出血障害を有することが知られている場合、または血液希釈剤による療法を受けている場合)であり得るか、またはそれらを含むことができる。代替的にまたは追加的に、より詳細なモニタリングを受け得る患者は、免疫系に影響を及ぼす、妊娠中または妊娠予定である、授乳中である、別のCOVID-19ワクチンを受けた、及び/または注射と関連して失神したことがある、免疫不全であるか、または免疫系に影響を及ぼす薬物による治療を受けている患者であり得るか、または患者を含み得る。いくつかの実施形態では、患者は、本明細書に開示される組成物のうちの1つの投与後に、心筋炎についてモニタリングされる。いくつかの実施形態では、患者は、本明細書に開示される組成物のうちの1つの投与後に、心膜炎についてモニタリングされる。患者は、現在の標準治療を使用して、状態についてモニタリング及び/または治療され得る。
いくつかの実施形態では、小児集団において記載される(例えば、本明細書に記載される)RNA(例えば、mRNA)組成物に対する有効性は、本明細書に記載の様々な測定基準(過去のSARS-CoV-2感染の血清学的またはウイルス学的証拠がない対象における1000人-年当たりのCOVID-19の発症率、例えば、第2の用量の7日後に測定されるSARS CoV-2中和力価の幾何平均比(GMR)等を含むが、これらに限定されない)によって評価され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の小児集団(例えば、12歳~16歳未満)は、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、mRNA)の投与後、多系統炎症症候群(MIS)(例えば、異なる身体部分、例えば、心臓、肺、腎臓、脳、皮膚、眼、及び/または消化管臓器等における炎症)の発生についてモニタリングされ得る。小児におけるMISの例示的な症状としては、発熱、腹痛、嘔吐、下痢、首の痛み、発疹、血走った眼、過度の疲労感、及びそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
一実施形態では、上述のように投与されるRNAは、BNT162b1(RBP020.3)、BNT162b2(RBP020.1もしくはRBP020.2)、またはBNT162b3(例えば、BNT162b3c)として本明細書に記載されるヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)である。一実施形態では、上述のように投与されるRNAは、RBP020.2として本明細書に記載されるヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)である。一実施形態では、ワクチン抗原をコードするRNAは、BNT162b3(例えば、BNT162b3c)として本明細書に記載されるヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)である。
一実施形態では、上述のように投与されるRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号21のヌクレオチド配列、配列番号21のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、上述のように投与されるRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、(i)配列番号21のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、上述のように投与されるRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号19もしくは20のヌクレオチド配列、配列番号19もしくは20のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、上述のように投与されるRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、(i)配列番号19または20のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、上述のように投与されるRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号20のヌクレオチド配列、配列番号20のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、上述のように投与されるRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、(i)配列番号20のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、上述のように投与されるRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、かつ(i)配列番号30のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、上述のように投与されるRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、(i)配列番号30のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードする。
一実施形態では、投与されるRNAは、ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)であり、(i)配列番号20のヌクレオチド配列を含み、及び/または(ii)配列番号7のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコードし、用量当たり約30μgの量で投与される。一実施形態では、かかる用量のうちの少なくとも2つが投与される。例えば、第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAで治療される集団は、少なくとも50歳、少なくとも55歳、少なくとも60歳、または少なくとも65歳の対象を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAで治療される集団は、55~90、60~85、または65~85の年齢の対象を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。
いくつかの実施形態では、投与される用量の間の期間は、少なくとも7日、少なくとも14日、または少なくとも21日である。いくつかの実施形態では、投与される用量の間の期間は、7日~28日、例えば、14日~23日である。
いくつかの実施形態では、5用量以下、4用量以下、または3用量以下の本明細書に記載のRNAが、対象に投与され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、有害事象(AE)、すなわち、患者において任意の望ましくない医学的事象、例えば、医薬品に関連するか否かにかかわらず、医薬品の使用に関連する任意の好ましくない及び意図しない兆候、症状、または疾患の強度が軽度または中等度であるように(レジメンにおいて、例えば、用量、用量の頻度、及び/または用量の数において)投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、有害事象(AE)が、例えば、鎮痛、解熱(発熱低減)及び/または抗炎症作用、例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えば、アスピリン、イブプロフェン、及びナプロキセンを提供する、例えば、パラセタモールまたは他の薬物による治療などの介入で管理され得るように投与される。NSAIDに分類されないパラセタモールまたは「アセトアミノフェン」は、弱い抗炎症作用を発揮し、本開示に従って鎮痛剤として投与することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤は、コロナウイルス、コロナウイルス感染症、またはコロナウイルスに関連する疾患もしくは障害に対する対象における中和効果を提供する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、対象におけるコロナウイルスを遮断または中和する免疫応答を誘導する。いくつかの実施形態では、対象への投与後に本明細書に記載の方法及び薬剤は、対象におけるコロナウイルスを遮断または中和するIgG抗体などの抗体の生成を誘導する。いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、対象においてACE2に結合するコロナウイルスSタンパク質を遮断または中和する免疫応答を誘導する。いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、対象においてACE2に結合するコロナウイルスSタンパク質を遮断または中和する抗体の生成を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、少なくとも500U/ml、1000U/ml、2000U/ml、3000U/ml、4000U/ml、5000U/ml、10000U/ml、15000U/ml、20000U/ml、25000U/ml、30000U/ml、または更にそれ以上のIgG抗体などのRBDドメイン結合抗体の幾何平均濃度(GMC)を誘導する。いくつかの実施形態では、RBDドメイン結合抗体の上昇したGMCは、少なくとも14日、21日、28日、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、または更にそれ以上持続する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、少なくとも100U/ml、200U/ml、300U/ml、400U/ml、500U/ml、1000U/ml、1500U/ml、またはそれ以上のIgG抗体などの中和抗体の幾何平均力価(GMT)を誘導する。いくつかの実施形態では、中和抗体の上昇したGMTは、少なくとも14日、21日、28日、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、または更にそれ以上持続する。
本明細書で使用される場合、「中和」という用語は、抗体などの結合剤が、受容体結合タンパク質などのウイルスの生物学的活性部位に結合し、それによって細胞のウイルス感染を阻害する事象を指す。本明細書で使用される場合、コロナウイルス、特にコロナウイルスSタンパク質に関して「中和」という用語は、抗体などの結合剤がSタンパク質のRBDドメインに結合し、それによって細胞のウイルス感染を阻害する事象を指す。特に、「中和」という用語は、結合剤が目的のウイルスの毒性(例えば、細胞に感染する能力)を排除するか、または著しく低減する事象を指す。
抗原チャレンジに応答して生成される免疫応答のタイプは、一般に、応答に関与するTヘルパー(Th)細胞のサブセットによって区別することができる。免疫応答は、以下の2つのタイプに大別することができる:Th1及びTh2。Th1免疫活性化は、ウイルスなどの細胞内感染に対して最適化されるが、Th2免疫応答は、体液性(抗体)応答に対して最適化される。Th1細胞は、インターロイキン2(IL-2)、腫瘍壊死因子(TNFα)、及びインターフェロンガンマ(IFNγ)を産生する。Th2細胞は、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-10、及びIL-13を産生する。Th1免疫活性化は、多くの臨床状況において最も強く望まれる。Th2または体液性免疫応答を誘発することに特化したワクチン組成物は、一般に、ほとんどのウイルス性疾患に対して有効ではない。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、対象におけるTh1媒介性免疫応答を誘導または促進する。いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、対象におけるTh1媒介性免疫応答に典型的であるサイトカインプロファイルを誘導または促進する。いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、対象におけるインターロイキン2(IL-2)、腫瘍壊死因子(TNFα)及び/またはインターフェロンガンマ(IFNγ)の産生を誘導または促進する。いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、対象におけるインターロイキン2(IL-2)及びインターフェロンガンマ(IFNγ)の産生を誘導または促進する。いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載される方法及び薬剤は、対象におけるTh2媒介性免疫応答を誘導もしくは促進しないか、またはTh1媒介性免疫応答の誘導もしくは促進と比較して著しく低い程度に、対象におけるTh2媒介性免疫応答を誘導もしくは促進する。いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、対象におけるTh2媒介性免疫応答に典型的であるサイトカインプロファイルを誘導または促進しないか、またはTh1媒介性免疫応答に典型的であるサイトカインプロファイルの誘導または促進と比較して著しく低い程度に、対象におけるTh2媒介性免疫応答に典型的であるサイトカインプロファイルを誘導または促進する。いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、IL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-10、及び/またはIL-13の産生を誘導もしくは促進しないか、または対象におけるインターロイキン2(IL-2)、腫瘍壊死因子(TNFα)及び/またはインターフェロンガンマ(IFNγ)の誘導もしくは促進と比較して著しく低い程度に、対象におけるIL-4、IL-5、IL-6、IL-9、IL-10、及び/またはIL-13の産生を誘導もしくは促進する。いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、IL-4の産生を誘導もしくは促進しないか、または対象におけるインターロイキン2(IL-2)及びインターフェロンガンマ(IFNγ)の誘導もしくは促進と比較して著しく低い程度に、対象におけるIL-4の産生を誘導もしくは促進する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に天然に存在するSタンパク質バリアントなどの異なるSタンパク質バリアントのパネルを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。いくつかの実施形態では、異なるSタンパク質バリアントのパネルは、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、または更にそれ以上のSタンパク質バリアントを含む。いくつかの実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、RBDドメイン内にアミノ酸修飾を有するバリアント及び/またはRBDドメイン外にアミノ酸修飾を有するバリアントを含む。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の321位(Q)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の321位(Q)に対応するアミノ酸は、Lである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の341位(V)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の348位(A)に対応するアミノ酸は、Tである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の354位(N)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の359位(S)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の367位(V)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の378位(K)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の378位(K)に対応するアミノ酸は、Rである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の408位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質または配列番号1の409位(Q)に対応するアミノ酸は、Eである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然型バリアントを含み、配列番号1の435位(A)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然型バリアントを含み、配列番号1の439位(N)に対応するアミノ酸は、Kである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の458位(K)に対応するアミノ酸は、Rである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の472位(I)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の476位(G)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の477位(S)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の483位(V)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の508位(Y)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の519位(H)に対応するアミノ酸は、Pである。一実施形態では、かかるSタンパク質バリアントは、SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその天然に存在するバリアントを含み、配列番号1の614位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に、配列番号1の501位(N)に対応する位置に変異を含む天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。一実施形態では、配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yである。
配列番号1の501位(N)に対応する位置に変異を含む当該Sタンパク質バリアントは、1つ以上の更なる変異を含んでもよい。かかる1つ以上の更なる変異は、配列番号1の以下の位置に対応する位置における変異から選択され得る:69(H)、70(V)、144(Y)、570(A)、614(D)、681(P)、716(T)、982(S)、1118(D)、80(D)、215(D)、484(E)、701(A)、18(L)、246(R)、417(K)、242(L)、243(A)、及び244(L)。一実施形態では、配列番号1の69位(H)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の70位(V)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の144位(Y)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の570位(A)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、配列番号1の614位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の681位(P)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の716位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の982位(S)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の1118位(D)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の80位(D)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の215位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kである。一実施形態では、配列番号1の701位(A)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の18位(L)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の246位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の242位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の243位(A)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の244位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、VOC-202012/01を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:欠失69~70、欠失144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、及びD1118H。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、501.V2を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:D80A、D215G、E484K、N501Y、及びA701V、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242-244。当該Sタンパク質バリアントはまた、配列番号1の614位に対応する位置にD->G変異を含んでよい。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に、配列番号1の69位(H)及び70位(V)に対応する位置に欠失を含む天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、配列番号1の69(H)及び70(V)位に対応する位置に欠失を含むSタンパク質バリアントは、1つ以上の更なる変異を含んでもよい。かかる1つ以上の更なる変異は、配列番号1の以下の位置に対応する位置における変異から選択され得る:144(Y)、501(N)、570(A)、614(D)、681(P)、716(T)、982(S)、1118(D)、80(D)、215(D)、484(E)、701(A)、18(L)、246(R)、417(K)、242(L)、243(A)、244(L)、453(Y)、692(I)、1147(S)、及び1229(M)。一実施形態では、配列番号1の144位(Y)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の570位(A)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、配列番号1の614位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の681位(P)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の716位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の982位(S)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の1118位(D)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の80位(D)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の215位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kである。一実施形態では、配列番号1の701位(A)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の18位(L)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の246位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の242位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の243位(A)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の244位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の453位(Y)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の692位(I)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の1147位(S)に対応するアミノ酸は、Lである。一実施形態では、配列番号1の1229位(M)に対応するアミノ酸は、Iである。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、VOC-202012/01を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:欠失69~70、欠失144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、及びD1118H。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、「クラスター5」を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:欠失69~70、Y453F、I692V、M1229I、及び任意にS1147L。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に、配列番号1の614位(D)に対応する位置に変異を含む天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。一実施形態では、配列番号1の614位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。
いくつかの実施形態では、配列番号1の614(D)に対応する位置に変異を含むSタンパク質バリアントは、1つ以上の更なる変異を含んでもよい。かかる1つ以上の更なる変異は、配列番号1の以下の位置に対応する位置における変異から選択され得る:69(H)、70(V)、144(Y)、501(N)、570(A)、681(P)、716(T)、982(S)、1118(D)、80(D)、215(D)、484(E)、701(A)、18(L)、246(R)、417(K)、242(L)、243(A)、244(L)、453(Y)、692(I)、1147(S)、及び1229(M)。一実施形態では、配列番号1の69位(H)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の70位(V)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の144位(Y)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の570位(A)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、配列番号1の681位(P)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の716位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の982位(S)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の1118位(D)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の80位(D)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の215位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kである。一実施形態では、配列番号1の701位(A)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の18位(L)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の246位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の242位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の243位(A)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の244位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の453位(Y)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の692位(I)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の1147位(S)に対応するアミノ酸は、Lである。一実施形態では、配列番号1の1229位(M)に対応するアミノ酸は、Iである。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、VOC-202012/01を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:欠失69~70、欠失144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、及びD1118H。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:D80A、D215G、E484K、N501Y、D614G、及びA701V、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242-244。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に、配列番号1の501位(N)及び614位(D)に対応する位置に変異を含む天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。一実施形態では、配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yであり、配列番号1の614位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。
いくつかの実施形態では、配列番号1の501位(N)及び614位(D)に対応する位置に変異を含むSタンパク質バリアントは、1つ以上の更なる変異を含んでもよい。かかる1つ以上の更なる変異は、配列番号1の以下の位置に対応する位置における変異から選択され得る:69(H)、70(V)、144(Y)、570(A)、681(P)、716(T)、982(S)、1118(D)、80(D)、215(D)、484(E)、701(A)、18(L)、246(R)、417(K)、242(L)、243(A)、244(L)、453(Y)、692(I)、1147(S)、及び1229(M)。一実施形態では、配列番号1の69位(H)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の70位(V)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の144位(Y)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の570位(A)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、配列番号1の681位(P)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の716位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の982位(S)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の1118位(D)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の80位(D)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の215位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kである。一実施形態では、配列番号1の701位(A)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の18位(L)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の246位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の242位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の243位(A)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の244位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の453位(Y)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の692位(I)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の1147位(S)に対応するアミノ酸は、Lである。一実施形態では、配列番号1の1229位(M)に対応するアミノ酸は、Iである。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、VOC-202012/01を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:欠失69~70、欠失144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、及びD1118H。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:D80A、D215G、E484K、N501Y、D614G、及びA701V、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242-244。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に、配列番号1の484位(E)に対応する位置に変異を含む天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。一実施形態では、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kである。
いくつかの実施形態では、配列番号1の484位(E)に対応する位置に変異を含むSタンパク質バリアントは、1つ以上の更なる変異を含んでもよい。かかる1つ以上の更なる変異は、配列番号1の以下の位置に対応する位置における変異から選択され得る:69(H)、70(V)、144(Y)、501(N)、570(A)、614(D)、681(P)、716(T)、982(S)、1118(D)、80(D)、215(D)、701(A)、18(L)、246(R)、417(K)、242(L)、243(A)、244(L)、453(Y)、692(I)、1147(S)、1229(M)、20(T)、26(P)、138(D)、190(R)、417(K)、655(H)、1027(T)、及び1176(V)。一実施形態では、配列番号1の69位(H)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の70位(V)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の144位(Y)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の570位(A)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、配列番号1の614(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の681位(P)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の716位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の982位(S)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の1118位(D)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の80位(D)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の215位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の701位(A)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の18位(L)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の246位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の242位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の243位(A)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の244位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の453位(Y)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の692位(I)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の1147位(S)に対応するアミノ酸は、Lである。一実施形態では、配列番号1の1229位(M)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の20位(T)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の26位(P)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の138位(D)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の190位(R)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の417(K)は、Tである。一実施形態では、配列番号1の655位(H)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の1027位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の1176位(V)に対応するアミノ酸は、Fである。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、501.V2を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:D80A、D215G、E484K、N501Y、及びA701V、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242-244。当該Sタンパク質バリアントはまた、配列番号1の614位に対応する位置にD->G変異を含んでよい。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、「B.1.1.28」を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、「B.1.1.248」を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、E484K、N501Y、H655Y、T1027I、及びV1176F。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に、配列番号1の501位(N)及び484位(E)に対応する位置に変異を含む天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。一実施形態では、配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yであり、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kである。
いくつかの実施形態では、配列番号1の501位(N)及び484位(E)に対応する位置に変異を含むSタンパク質バリアントは、1つ以上の更なる変異を含んでもよい。かかる1つ以上の更なる変異は、配列番号1の以下の位置に対応する位置における変異から選択され得る:69(H)、70(V)、144(Y)、570(A)、614(D)、681(P)、716(T)、982(S)、1118(D)、80(D)、215(D)、701(A)、18(L)、246(R)、417(K)、242(L)、243(A)、244(L)、453(Y)、692(I)、1147(S)、1229(M)、20(T)、26(P)、138(D)、190(R)、417(K)、655(H)、1027(T)、及び1176(V)。一実施形態では、配列番号1の69位(H)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の70位(V)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の144位(Y)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の570位(A)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、配列番号1の614位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の681位(P)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の716位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の982位(S)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の1118位(D)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の80位(D)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の215位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の701位(A)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の18位(L)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の246位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の242位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の243位(A)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の244位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の453位(Y)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の692位(I)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の1147位(S)に対応するアミノ酸は、Lである。一実施形態では、配列番号1の1229位(M)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の20位(T)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の26位(P)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の138位(D)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の190位(R)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Tである。一実施形態では、配列番号1の655位(H)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の1027位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の1176位(V)に対応するアミノ酸は、Fである。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、501.V2を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:D80A、D215G、E484K、N501Y、及びA701V、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242-244。当該Sタンパク質バリアントはまた、配列番号1の614位に対応する位置にD->G変異を含んでよい。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、「B.1.1.248」を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、E484K、N501Y、H655Y、T1027I、及びV1176F。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に、配列番号1の501位(N)、484位(E)、及び614位(D)に対応する位置に変異を含む天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。一実施形態では、配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yであり、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kであり、配列番号1の614位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。
いくつかの実施形態では、配列番号1の501位(N)、484位(E)、及び614位(D)に対応する位置に変異を含むSタンパク質バリアントは、1つ以上の更なる変異を含んでもよい。かかる1つ以上の更なる変異は、配列番号1の以下の位置に対応する位置における変異から選択され得る:69(H)、70(V)、144(Y)、570(A)、681(P)、716(T)、982(S)、1118(D)、80(D)、215(D)、701(A)、18(L)、246(R)、417(K)、242(L)、243(A)、244(L)、453(Y)、692(I)、1147(S)、1229(M)、20(T)、26(P)、138(D)、190(R)、417(K)、655(H)、1027(T)、及び1176(V)。一実施形態では、配列番号1の69位(H)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の70位(V)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の144位(Y)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の570位(A)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、配列番号1の681位(P)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の716位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の982位(S)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の1118位(D)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の80位(D)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の215位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の701位(A)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の18位(L)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の246位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の242位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の243位(A)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の244位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の453位(Y)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の692位(I)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の1147位(S)に対応するアミノ酸は、Lである。一実施形態では、配列番号1の1229位(M)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の20位(T)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の26位(P)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の138位(D)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の190位(R)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Tである。一実施形態では、配列番号1の655位(H)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の1027位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の1176位(V)に対応するアミノ酸は、Fである。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:D80A、D215G、E484K、N501Y、A701V、及びD614G、ならびに任意に、L18F、R246I、K417N、及び欠失242-244。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に配列番号1の242位(L)、243位(A)、及び244位(L)に対応する位置に欠失を含む天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、配列番号1の242位(L)、243位(A)、及び244位(L)に対応する位置に欠失を含むSタンパク質バリアントは、1つ以上の更なる変異を含み得る。かかる1つ以上の更なる変異は、配列番号1の以下の位置に対応する位置における変異から選択され得る:69(H)、70(V)、144(Y)、501(N)、570(A)、614(D)、681(P)、716(T)、982(S)、1118(D)、80(D)、215(D)、484(E)、701(A)、18(L)、246(R)、417(K)、453(Y)、692(I)、1147(S)、1229(M)、20(T)、26(P)、138(D)、190(R)、417(K)、655(H)、1027(T)、及び1176(V)。一実施形態では、配列番号1の69位(H)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の70位(V)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の144位(Y)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の570位(A)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、配列番号1の614位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の681位(P)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の716位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の982位(S)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の1118位(D)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の80位(D)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の215位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kである。一実施形態では、配列番号1の701位(A)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の18位(L)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の246位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の453位(Y)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の692位(I)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の1147位(S)に対応するアミノ酸は、Lである。一実施形態では、配列番号1の1229位(M)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の20位(T)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の26位(P)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の138位(D)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の190位(R)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Tである。一実施形態では、配列番号1の655位(H)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の1027位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の1176位(V)に対応するアミノ酸は、Fである。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、501.V2を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:D80A、D215G、E484K、N501Y、A701V、及び欠失242~244、ならびに任意に、L18F、R246I、及びK417N。当該Sタンパク質バリアントはまた、配列番号1の614位に対応する位置にD->G変異を含んでよい。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に、配列番号1の417位(K)に対応する位置に変異を含む天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Tである。
いくつかの実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応する位置に変異を含むSタンパク質バリアントは、1つ以上の更なる変異を含んでもよい。かかる1つ以上の更なる変異は、配列番号1の以下の位置に対応する位置における変異から選択され得る:69(H)、70(V)、144(Y)、501(N)、570(A)、614(D)、681(P)、716(T)、982(S)、1118(D)、80(D)、215(D)、484(E)、701(A)、18(L)、246(R)、242(L)、243(A)、244(L)、453(Y)、692(I)、1147(S)、1229(M)、20(T)、26(P)、138(D)、190(R)、655(H)、1027(T)、及び1176(V)。一実施形態では、配列番号1の69位(H)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の70位(V)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の144位(Y)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の570位(A)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、配列番号1の614(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の681位(P)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の716位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の982位(S)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の1118位(D)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の80位(D)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の215位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kである。一実施形態では、配列番号1の701位(A)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の18位(L)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の246位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の242位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の243位(A)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の244位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の453位(Y)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の692位(I)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の1147位(S)に対応するアミノ酸は、Lである。一実施形態では、配列番号1の1229位(M)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の20位(T)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の26位(P)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の138位(D)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の190位(R)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の655位(H)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の1027位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の1176位(V)に対応するアミノ酸は、Fである。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、501.V2を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:D80A、D215G、E484K、N501Y、A701V、及びK417N、ならびに任意に、L18F、R246I、及び欠失242~244。当該Sタンパク質バリアントはまた、配列番号1の614位に対応する位置にD->G変異を含んでよい。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、「B.1.1.248」を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、E484K、N501Y、H655Y、T1027I、及びV1176F。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に、配列番号1の417位(K)及び484位(E)、及び/または501位(N)に対応する位置に変異を含む天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Nであり、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kであり、及び/または配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の417位(K)に対応するアミノ酸は、Tであり、配列番号1の484位(E)に対応するアミノ酸は、Kであり、及び/または配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yである。
いくつかの実施形態では、配列番号1の417位(K)及び484位(E)、及び/または501位(N)に対応する位置に変異を含むSタンパク質バリアントは、1つ以上の更なる変異を含み得る。かかる1つ以上の更なる変異は、配列番号1の以下の位置に対応する位置における変異から選択され得る:69(H)、70(V)、144(Y)、570(A)、614(D)、681(P)、716(T)、982(S)、1118(D)、80(D)、215(D)、701(A)、18(L)、246(R)、242(L)、243(A)、244(L)、453(Y)、692(I)、1147(S)、1229(M)、20(T)、26(P)、138(D)、190(R)、655(H)、1027(T)、及び1176(V)。一実施形態では、配列番号1の69位(H)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の70位(V)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の144位(Y)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の570位(A)に対応するアミノ酸は、Dである。一実施形態では、配列番号1の614位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の681位(P)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の716位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の982位(S)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の1118位(D)に対応するアミノ酸は、Hである。一実施形態では、配列番号1の80位(D)に対応するアミノ酸は、Aである。一実施形態では、配列番号1の215位(D)に対応するアミノ酸は、Gである。一実施形態では、配列番号1の701位(A)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の18位(L)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の246位(R)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の242位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の243位(A)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の244位(L)に対応するアミノ酸は、欠失される。一実施形態では、配列番号1の453位(Y)に対応するアミノ酸は、Fである。一実施形態では、配列番号1の692位(I)に対応するアミノ酸は、Vである。一実施形態では、配列番号1の1147位(S)に対応するアミノ酸は、Lである。一実施形態では、配列番号1の1229位(M)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の20位(T)に対応するアミノ酸は、Nである。一実施形態では、配列番号1の26位(P)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の138位(D)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の190位(R)に対応するアミノ酸は、Sである。一実施形態では、配列番号1の655位(H)に対応するアミノ酸は、Yである。一実施形態では、配列番号1の1027位(T)に対応するアミノ酸は、Iである。一実施形態では、配列番号1の1176位(V)に対応するアミノ酸は、Fである。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、501.V2を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:D80A、D215G、E484K、N501Y、A701V、及びK417N、ならびに任意に、L18F、R246I、及び欠失242~244。当該Sタンパク質バリアントはまた、配列番号1の614位に対応する位置にD->G変異を含んでよい。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、「B.1.1.248」を標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、配列番号1の以下の位置に対応する位置に以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:L18F、T20N、P26S、D138Y、R190S、K417T、E484K、N501Y、H655Y、T1027I、及びV1176F。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、オミクロン(B.1.1.529)バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、または少なくとも37を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:T547K、H655Y、D614G、N679K、P681H、N969K、S373P、S371L、N440K、G339D、G446S、N856K、N764K、K417N、D796Y、Q954H、T95I、A67V、L981F、S477N、G496S、T478K、Q498R、Q493R、E484A、N501Y、S375F、Y505H、V143del、H69del、V70del、N211del、L212I、ins214EPE、G142D、Y144del、Y145del、L141del、Y144F、Y145D、G142del(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または全てを含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:T547K、H655Y、D614G、N679K、P681H、N969K、S373P、S371L、N440K、G339D、G446S、N856K、N764K、K417N、D796Y、Q954H、T95I、A67V、L981F、S477N、G496S、T478K、Q498R、Q493R、E484A(配列番号1と比較して)。当該Sタンパク質バリアントは、以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または全てを含み得:N501Y、S375F、Y505H、V143del、H69del、V70del(配列番号1と比較して)、及び/または以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、もしくは全てを含み得る:N211del、L212I、ins214EPE、G142D、Y144del、Y145del(配列番号1と比較して)。いくつかの実施形態では、当該Sタンパク質バリアントは、以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または全てを含んでもよい:L141del、Y144F、Y145D、G142del(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、または少なくとも33を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における抗体応答、特に中和抗体応答を誘導する:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、オミクロン(B.1.1.529)バリアントを標的とする、対象における免疫応答(細胞及び/または抗体応答、特に中和抗体応答)を誘導する。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、または少なくとも37を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における免疫応答(細胞及び/または抗体応答、特に中和抗体応答)を誘導する:T547K、H655Y、D614G、N679K、P681H、N969K、S373P、S371L、N440K、G339D、G446S、N856K、N764K、K417N、D796Y、Q954H、T95I、A67V、L981F、S477N、G496S、T478K、Q498R、Q493R、E484A、N501Y、S375F、Y505H、V143del、H69del、V70del、N211del、L212I、ins214EPE、G142D、Y144del、Y145del、L141del、Y144F、Y145D、G142del(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または全てを含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における免疫応答(細胞及び/または抗体応答、特に中和抗体応答)を誘導する:T547K、H655Y、D614G、N679K、P681H、N969K、S373P、S371L、N440K、G339D、G446S、N856K、N764K、K417N、D796Y、Q954H、T95I、A67V、L981F、S477N、G496S、T478K、Q498R、Q493R、E484A(配列番号1と比較して)。当該Sタンパク質バリアントは、以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または全てを含み得:N501Y、S375F、Y505H、V143del、H69del、V70del(配列番号1と比較して)、及び/または以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、もしくは全てを含み得る:N211del、L212I、ins214EPE、G142D、Y144del、Y145del(配列番号1と比較して)。いくつかの実施形態では、当該Sタンパク質バリアントは、以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または全てを含んでもよい:L141del、Y144F、Y145D、G142del(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、または少なくとも33を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における免疫応答(細胞及び/または抗体応答、特に中和抗体応答)を誘導する:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における免疫応答(細胞及び/または抗体応答、特に中和抗体応答)を誘導する:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤は、以下の変異を含むSタンパク質バリアントを標的とする、対象における免疫応答(細胞及び/または抗体応答、特に中和抗体応答)を誘導する:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
本明細書で使用される「…位に対応するアミノ酸」という用語は、SARS-CoV-2 Sタンパク質中のアミノ酸位置番号、特に配列番号1に示されるアミノ酸配列に対応するアミノ酸位置番号を指す。「配列番号1と比較して」という語句は、「配列番号1の以下の位置に対応する位置において」に相当する。SARS-CoV-2 Sタンパク質バリアントなどの他のコロナウイルスSタンパク質バリアントにおける対応するアミノ酸位置は、SARS-CoV-2 Sタンパク質、特に配列番号1に示されるアミノ酸配列とのアラインメントによって見出され得る。配列中の配列またはセグメントをどのように整列させ、それによって本開示によるアミノ酸位置に対する配列中の対応する位置を決定するかは、当該技術分野において周知であると考えられる。ALIGN、ClustalWなどの標準的な配列アライメントプログラム、または類似したプログラムを、典型的にはデフォルト設定で使用することができる。
いくつかの実施形態では、抗体応答が標的とされる異なるSタンパク質バリアントのパネルは、上記のQ321S、V341I、A348T、N354D、S359N、V367F、K378S、R408I、Q409E、A435S、K458R、I472V、G476S、V483A、Y508H、H519P、及びD614Gバリアントからなる群から選択される少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、または更にそれ以上のSタンパク質バリアントを含む。いくつかの実施形態では、抗体応答が標的とされる異なるSタンパク質バリアントのパネルは、上記のQ321S、V341I、A348T、N354D、S359N、V367F、K378S、R408I、Q409E、A435S、K458R、I472V、G476S、V483A、Y508H、H519P、及びD614Gバリアントからの全てのSタンパク質バリアントを含む。
いくつかの実施形態では、抗体応答が標的とされる異なるSタンパク質バリアントのパネルは、上記のQ321L、V341I、A348T、N354D、S359N、V367F、K378R、R408I、Q409E、A435S、N439K、K458R、I472V、G476S、S477N、V483A、Y508H、H519P、及びD614Gバリアントからなる群から選択される少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、または更にそれ以上のSタンパク質バリアントを含む。いくつかの実施形態では、抗体応答が標的とされる異なるSタンパク質バリアントのパネルは、上記のQ321L、V341I、A348T、N354D、S359N、V367F、K378R、R408I、Q409E、A435S、N439K、K458R、I472V、G476S、S477N、V483A、Y508H、H519P、及びD614Gバリアントからの全てのSタンパク質バリアントを含む。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされるような、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、SARS-CoV-2 Sタンパクバリアント、特に天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントについて、本明細書に記載される変異のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号1の501位(N)に対応する位置に変異を含む。一実施形態では、配列番号1の501位(N)に対応するアミノ酸は、Yである。いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、VOC-202012/01、501.V2、クラスター5、及びB.1.1.248からなる群から選択されるSARS-CoV-2バリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質の1つ以上の変異、例えば全ての変異を含む。いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号1の、80位にアラニン置換、215位にグリシン置換、484位にリジン置換、501位にチロシン置換、701位にバリン置換、18位にフェニルアラニン置換、246位にイソロイシン置換、417位にアスパラギン置換、614位にグリシン置換、242~244位に欠失、及び986位及び987位にプロリン置換を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、少なくとも33、少なくとも34、少なくとも35、少なくとも36、または少なくとも37を含む:T547K、H655Y、D614G、N679K、P681H、N969K、S373P、S371L、N440K、G339D、G446S、N856K、N764K、K417N、D796Y、Q954H、T95I、A67V、L981F、S477N、G496S、T478K、Q498R、Q493R、E484A、N501Y、S375F、Y505H、V143del、H69del、V70del、N211del、L212I、ins214EPE、G142D、Y144del、Y145del、L141del、Y144F、Y145D、G142del(配列番号1と比較して)。いくつかの実施形態では、例えば、当該変異を含む本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号1と比較して、K986P及びV987Pを含む。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、または全てを含む:T547K、H655Y、D614G、N679K、P681H、N969K、S373P、S371L、N440K、G339D、G446S、N856K、N764K、K417N、D796Y、Q954H、T95I、A67V、L981F、S477N、G496S、T478K、Q498R、Q493R、E484A(配列番号1と比較して)。当該SARS-CoV-2 Sタンパク質、バリアント、または断片は、以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または全てを含み得:N501Y、S375F、Y505H、V143del、H69del、V70del(配列番号1と比較して)、及び/または以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、もしくは全てを含み得る:N211del、L212I、ins214EPE、G142D、Y144del、Y145del(配列番号1と比較して)。いくつかの実施形態では、当該SARS-CoV-2 Sタンパク質、バリアント、または断片は、以下の変異のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または全てを含んでもよい:L141del、Y144F、Y145D、G142del(配列番号1と比較して)。いくつかの実施形態では、例えば、当該変異を含む本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号1と比較して、K986P及びV987Pを含む。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、以下の変異のうちの少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、または少なくとも33を含む:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。いくつかの実施形態では、例えば、当該変異を含む本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号1と比較して、K986P及びV987Pを含む。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、以下の変異を含む:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、例えば、当該変異を含む本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号1と比較して、K986P及びV987Pを含む。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、以下の変異を含む:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、及びL981F(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、例えば、当該変異を含む本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号1と比較して、K986P及びV987Pを含む。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、以下の変異を含む:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、以下の変異を含む:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、以下の変異を含む。
いくつかの実施形態では、オミクロンBA.2バリアントにおけるスパイク変化は、配列番号1と比較して、T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987Pを含む。
いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、以下の変異を含む:
T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。いくつかの実施形態では、バリアント特異的ワクチン(例えば、本明細書に開示されるバリアント特異的ワクチン)の投与は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするか、または含むワクチンの投与と比較して、患者において改善された免疫応答をもたらし得る。いくつかの実施形態では、バリアント特異的ワクチンの投与は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質(またはその免疫原性断片)を含むか、またはコードするワクチンを投与された患者と比較して、対象においてより広範な免疫応答の誘導をもたらし得る(例えば、より多くの数のSARS-CoV-2バリアントに対するより強い中和応答及び/またはより多くの数のSARS-CoV-2バリアントにおけるエピトープを認識する中和応答を誘導する)。特定の実施形態では、バリアント特異的ワクチンが、異なるバリアントまたは武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むか、またはコードするワクチンと組み合わせて投与されるとき、より広範な免疫応答が誘導され得る(例えば、いくつかの実施形態では、バリアント特異的ワクチンが、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むか、もしくはコードするワクチン、または異なるSARS-CoV-2バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むか、もしくはコードするワクチンと組み合わせて投与されるとき、より広範な免疫応答が誘導され得る)。例えば、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンが、オミクロンバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンと組み合わせて投与されるとき、より広範な免疫応答が誘導され得る。別の実施形態では、デルタバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンが、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンと組み合わせて投与されるとき、より広範な免疫応答が誘導され得る。かかる実施形態では、「より広範な」免疫応答は、単一のバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むか、またはコードするワクチン(例えば、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチン)を投与された患者と比較して定義され得る。異なるSARS-CoV-2バリアントからのSタンパク質を含むか、もしくはそれをコードするワクチン、またはその免疫原性断片を、異なる時点で投与することによって組み合わせて投与してもよい(例えば、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするワクチン、及び異なる時点でバリアント株の特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするワクチンを投与する、例えば、両方が一次レジメンの一部として、もしくはブースターレジメンの一部として投与されるか、または一方が一次レジメンの一部として投与され、一方がブースターレジメンの一部として投与される)。いくつかの実施形態では、異なるSARS-CoV-2バリアントからのSタンパク質を含むか、もしくはそれをコードするワクチン、またはその免疫原性断片は、多価ワクチン(例えば、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、オミクロンバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む組成物)を投与することによって組み合わせて投与されてもよい。いくつかの実施形態では、バリアント特異的ワクチンは、ワクチンが免疫化するように特異的に設計されているバリアントに対して優れた免疫応答(例えば、より高い濃度の中和抗体を誘導する)、及び1つ以上の他のバリアントに対して免疫応答を誘導し得る。いくつかのかかる実施形態では、他のバリアント(複数可)に対する免疫応答は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするか、またはそれを含むワクチンで観察されるものと同等またはそれより高い場合がある。
いくつかの実施形態では、バリアント特異的ワクチンによって誘導される中和抗体の幾何平均比(GMR)または幾何平均倍率上昇(GMFR)は、非バリアント特異的ワクチンによって誘導されるものよりも(例えば、免疫化後1日~3ヶ月、投与後7日~2ヶ月、投与後約7日、または約1ヶ月で測定して)少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2.0(例えば、1.1~4、1.1~3.5、1.1~3、1.5~3、または1.1~1.5)倍高い。
いくつかの実施形態では、当該変異を含む、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号49のアミノ酸配列、配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号49のアミノ酸配列、もしくは配列番号49のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。いくつかの実施形態では、当該変異を含む、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号49のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、当該変異を含む、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号52のアミノ酸配列、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号52のアミノ酸配列、もしくは配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも99.5%、99%、98.5%、98%、98.5%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列の免疫原性断片を含む。いくつかの実施形態では、当該変異を含む、例えば、本明細書に記載のRNAによってコードされる、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片は、配列番号52のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、対象への投与後に本明細書に記載の方法及び薬剤、例えば、RNA(例えば、mRNA)組成物は、細胞媒介性免疫応答(例えば、CD4+及び/またはCD8+T細胞応答)を誘導する。いくつかの実施形態では、LPFNDGVYF、GVYFASTEK、YLQPRTFLL、QPTESIVRF、CVADYSVLY、KCYGVSPTK、NYNYLYRLF、FQPTNGVGY、IPFAMQMAY、RLQSLQTYV、GTHWFVTQR、VYDPLQPEL、QYIKWPWYI、及びKWPWYIWLGFからなる群から選択される1つ以上のエピトープ(例えば、MHCクラスI制限エピトープ)を認識するT細胞が誘導される。一実施形態では、エピトープYLQPRTFLLを認識するT細胞が誘導される。一実施形態では、エピトープNYNYLYRLFを認識するT細胞が誘導される。一実施形態では、エピトープQYIKWPWYIを認識するT細胞が誘導される。一実施形態では、エピトープKCYGVSPTKを認識するT細胞が誘導される。一実施形態では、エピトープRLQSLQTYVを認識するT細胞が誘導される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤、例えば、RNA(例えば、mRNA)組成物は、かかるT細胞の誘導を達成するレジメンに従って投与される。
いくつかの実施形態では、対象への投与後の本明細書に記載の方法及び薬剤、例えば、RNA(例えば、mRNA)組成物は、例えば、2つの用量の本明細書に記載のRNAを使用して(第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与されてもよい)、投与後15週間以降、16週間以降、17週間以降、18週間以降、19週間以降、20週間以降、21週間以降、22週間以降、23週間以降、24週間以降、または25週間以降に検出可能である細胞媒介性免疫応答(例えば、CD4+及び/またはCD8+T細胞応答)を誘導する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び薬剤、例えば、RNA(例えば、mRNA)組成物は、細胞媒介性免疫応答のかかる誘導を達成するレジメンに従って投与される。
一実施形態では、例えば、本明細書に記載の量及びレジメンにおいて、例えば、2つの用量の30μg/用量で投与され得る、例えば、21日間の間隔を空けて投与される本明細書に記載のRNAを使用する、本明細書に記載のコロナウイルスに対するワクチン接種は、例えば、第1のワクチン接種に使用されるのと同じまたは異なるワクチンを使用して、コロナウイルス感染に対する保護が減少することが観察されると、一定の期間後に繰り返されてもよい。かかる一定の期間は、少なくとも6ヶ月、1年、2年等であってもよい。一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるのと同じRNAは、しかしながら、より低い用量またはより低い頻度の投与において、第2のまたは更なるワクチン接種に使用される。例えば、第1のワクチン接種は、用量当たり約30μgの用量を使用するワクチン接種を含んでもよく、一実施形態では、かかる用量のうちの少なくとも2つが投与され(例えば、第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与されてもよい)、第2のまたは更なるワクチン接種は、用量当たり約30μg未満の用量を使用したワクチン接種を含んでもよく、一実施形態では、かかる用量のうちの1つのみが投与される。一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるものと異なるRNAが、第2のまたは更なるワクチン接種に使用され、例えば、BNT162b2は、第1のワクチン接種に使用され、BNT162B1またはBNT162b3は、第2のまたは更なるワクチン接種に使用される。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、少なくとも2つの用量の本明細書に記載のRNA、例えば、2つの用量の本明細書に記載のRNA(第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与され得る)を使用する第1のワクチン接種と、単回用量または複数回用量、例えば、2つの用量の本明細書に記載のRNAを使用する第2のワクチン接種とを含む。様々な実施形態では、第2のワクチン接種は、第1のワクチン接種の投与後、例えば、最初の2用量レジメンの後、3~24ヶ月、6~18ヶ月、6~12ヶ月、または5~7ヶ月で投与される。第2のワクチン接種の各用量で使用されるRNAの量は、第1のワクチン接種の各用量で使用されるRNAの量と等しいか、または異なり得る。一実施形態では、第2のワクチン接種の各用量で使用されるRNAの量は、第1のワクチン接種の各用量で使用されるRNAの量に等しい。一実施形態では、第2のワクチン接種の各用量に使用されるRNAの量及び第1のワクチン接種の各用量で使用されるRNAの量は、用量当たり約30μgである。一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるものと同じRNAが、第2のワクチン接種に使用される。
一実施形態では、第1のワクチン接種及び第2のワクチン接種に使用されるRNAは、BNT162b2である。
いくつかの実施形態では、第1のワクチン接種及び第2のワクチン接種に使用されるRNAがBNT162b2である場合、目的は、オミクロン(B.1.1.529)バリアントを含むがこれに限定されないSARS-CoV-2バリアントを標的とする、免疫応答を誘導することである。したがって、いくつかの実施形態では、第1のワクチン接種及び第2のワクチン接種に使用されるRNAがBNT162b2である場合、目的は、オミクロン(B.1.1.529)バリアントを含むがこれに限定されないSARS-CoV-2バリアントによる感染から対象を保護することである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるものと異なるRNAが、第2のワクチン接種に使用される。一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、BNT162b2であり、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、SARS-CoV-2バリアント株、例えば、本明細書で論じられる株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAである。一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、BNT162b2であり、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、第2のワクチン接種時に蔓延しているか、または急速に広がっているSARS-CoV-2バリアント株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAである。一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、BNT162b2であり、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはSARS-CoV-2 Sタンパク質バリアント、特に天然に存在するSタンパク質バリアントなどのSタンパク質バリアントについて本明細書に記載される変異のうちの1つ以上を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアント、の免疫原性断片をコードするRNAである。一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、BNT162b2であり、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、またはVOC-202012/01、501.V2、クラスター5、B.1.1.248、及びオミクロン(B.1.1.529)からなる群から選択されるSARS-CoV-2バリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質の1つ以上の変異、例えば全ての変異を含む、SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、80位にアラニン置換、215位にグリシン置換、484位にリジン置換、501位にチロシン置換、701位にバリン置換、18位にフェニルアラニン置換、246位にイソロイシン置換、417位にアスパラギン置換、614位にグリシン置換、242~244位に欠失、及び配列番号1の986位及び987位にプロリン置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異:配列番号1の986位及び987位に残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである:
T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである:
T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F、K986P、及びV987P、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする:
T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F、K986P、及びV987P、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする:
T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし:
T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする:
T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号49のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号20のヌクレオチド配列を含み、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号51のヌクレオチド配列を含むRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号55、58、または61のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号20のヌクレオチド配列を含み、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号57、60、または63aのヌクレオチド配列を含むRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号58のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号49、55、または61のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号60のヌクレオチド配列を含み、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号51、57、または63aのヌクレオチド配列を含むRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号49のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号55または61のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号51のヌクレオチド配列を含み、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号57または63aのヌクレオチド配列を含むRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号55のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号61のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号57のヌクレオチド配列を含み、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号63aのヌクレオチド配列を含むRNAである。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。いくつかの実施形態では、第2のワクチン接種で使用されるRNAによってコードされるポリペプチドは、配列番号1の986及び987に対応する位置にプロリン残基置換を更に含む。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号52のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするRNAである。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の30ugの、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ugの用量の、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の50ugの、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月後(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の60ugの、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の30ugの、配列番号49のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、少なくとも2つの30ug用量の、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも2つの用量の30ugの、配列番号49のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、いくつかの実施形態では、ブースターレジメンの2つの用量は、互いに少なくとも2ヶ月間の間隔を空けて(例えば、互いに少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月間の間隔を空けて)投与される。いくつかの実施形態では、かかる対象は、ブースター用量として、30ug用量の配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを以前に投与されていてもよい。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の50ugの、配列番号49のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の60ugの、配列番号49のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
いくつかの実施形態では、対象は、2つの用量の30ugのRNA(例えば、互いに約21日後に投与される)を含む一次レジメンを投与され、各30ugのRNAは、配列番号7のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む15ugのRNA、及び配列番号49のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む15ugのRNAを含む。いくつかの実施形態では、かかる一次レジメンは、ワクチン未接種の対象に投与される。
いくつかの実施形態では、対象は、2つの用量の30ugのRNAを含む(例えば、互いに約21日後に投与される)一次レジメンを投与され、各30ug用量のRNAは、配列番号49のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、かかる一次レジメンは、ワクチン未接種の対象に投与される。
一実施形態では、対象は、2つの30ugの用量の、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の30ugのRNAを含むブースターレジメンとを投与され、30ugのRNAは、15ugの配列番号7のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むRNA、及び15ugの配列番号49のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むRNAを含み、2つのRNAは、任意に、同じ組成物で投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の50ugのRNAを含むブースターレジメンとを投与され、50ugのRNAは、25ugの配列番号7のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むRNA、及び25ugの配列番号49のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むRNAを含み、2つのRNAは、任意に、同じ組成物(例えば、両方のRNAを含む製剤)で投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の60ugのRNAを含むブースターレジメンとを投与され、60ugのRNAは、30ugの配列番号7のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むRNA、及び30ugの配列番号49のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むRNAを含み、2つのRNAは、任意に、同じ組成物で投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、第1のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号20のヌクレオチド配列を含み、第2のワクチン接種に使用されるRNAは、配列番号54のヌクレオチド配列を含むRNAである。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の30ugの配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の50ugの、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ugの配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の60ugの、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の30ugの、配列番号51のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の50ugの配列番号51のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の60ugの、配列番号51のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の30ugの、RNAを含むブースターレジメンとを投与され、30ugのRNAは、15ugの配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNA、及び15ugの配列番号51のヌクレオチド配列を含むRNAを含み、2つのRNAは、任意に、同じ組成物で投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、50ugのRNAを含む少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンとを投与され、50ugのRNAは、25ugの配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNA、及び25ugの配列番号51のヌクレオチド配列を含むRNAを含み、2つのRNAは、任意に、同じ組成物で投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、60ugのRNAを含む少なくとも1つの用量を含むブースターレジメンとを投与され、60ugのRNAは、30ugの配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNA、及び30ugの配列番号51のヌクレオチド配列を含むRNAを含み、2つのRNAは、任意に、同じ組成物で投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の30ugの、配列番号57のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の50ugの、配列番号57のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の60ugの、配列番号57のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の30ugの、配列番号60のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の50ugの、配列番号60のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の60ugの、配列番号60のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の30ugの、配列番号63aのヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の50ugの、配列番号63aのヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、対象は、2つの30ug用量の、配列番号63aのヌクレオチド配列を含むRNAを含む一次レジメンと、少なくとも1つの用量の60ugの、配列番号57のヌクレオチド配列を含むRNAを含むブースターレジメンとを投与され、ブースターレジメンは、一次レジメンの投与後少なくとも2ヶ月(例えば、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月)で投与され、対象は、任意に、30ug用量の配列番号20のヌクレオチド配列を含むRNAを含む、第1のブースターレジメンを以前に投与されたことがある。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、約21日間の間隔を空けて投与される配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする2つの用量のRNAを使用する第1のワクチン接種と、第1のワクチン接種の投与後、すなわち、最初の2用量レジメンの約4~12ヶ月、5~12ヶ月、または6~12ヶ月後に投与される配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、単回用量または複数回用量のRNAを使用する第2のワクチン接種とを含む。一実施形態では、各RNA用量は、30μgのRNAを含む。この実施形態では、一実施形態における目的は、オミクロン(B.1.1.529)バリアントを含むがこれに限定されない、SARS-CoV-2バリアントを標的とする免疫応答を誘導することである。したがって、この実施形態では、一実施形態における目的は、対象を、オミクロン(B.1.1.529)バリアントを含むがこれに限定されない、SARS-CoV-2バリアントによる感染から保護することである。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、約21日間の間隔で投与される配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、2つの用量のRNAを使用する第1のワクチン接種と、第1のワクチン接種の投与、すなわち、最初の2用量レジメンの約6~12ヶ月後に投与される配列番号1の80位にアラニン置換、215位にグリシン置換、484位にリジン置換、501位にチロシン置換、701位にバリン置換、18位にフェニルアラニン置換、246位にイソロイシン置換、417位にアスパラギン置換、614位にグリシン置換、242~244位に欠失、及び986位及び987位にプロリン置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単回用量または複数回用量のRNAを使用する第2のワクチン接種とを含む。一実施形態では、各RNA用量は、30μgのRNAを含む。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、約21日間の間隔を空けて投与される、配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする2つの用量のRNAを使用する第1のワクチン接種と、例えば、第1のワクチン接種の投与、すなわち、最初の2用量レジメンの約6~12ヶ月後に投与される、配列番号1の以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単回用量または複数回用量のRNAを使用する第2のワクチン接種とを含む:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。一実施形態では、各RNA用量は、30μgのRNAを含む。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、約21日間の間隔を空けて投与される、配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする2つの用量のRNAを使用する第1のワクチン接種と、例えば、第1のワクチン接種の投与、すなわち、最初の2用量レジメンの約6~12ヶ月後に投与される、配列番号1の以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単回用量または複数回用量のRNAを使用する第2のワクチン接種とを含む:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。一実施形態では、各RNA用量は、30μgのRNAを含む。いくつかの実施形態では、コードされるポリペプチドは、配列番号1の986及び987に対応する位置にプロリン残基置換を更に含む。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、約21日間の間隔を空けて投与される、配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、少なくとも2つの用量のRNAを伴う第1のワクチン接種と、例えば、第1のワクチン接種の投与、すなわち、最初の2用量レジメンの約6~12ヶ月後に投与される、配列番号1の以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単回用量または複数回用量のRNAを伴う第2のワクチン接種とを含む:
T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。一実施形態では、各RNA用量または少なくとも1つのRNA用量は、30μgのRNAを含む。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、約21日間の間隔を空けて投与される、配列番号1の986位及び987位にプロリン残基置換を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、少なくとも2つの用量のRNAを伴う第1のワクチン接種と、例えば、第1のワクチン接種の投与、すなわち、最初の2用量レジメンの約6~12ヶ月後に投与される、配列番号1の以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする単回用量または複数回用量のRNAを伴う第2のワクチン接種とを含む:
T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。一実施形態では、各RNA用量または少なくとも1つのRNA用量は、30μgのRNAを含む。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、少なくとも2つの用量のRNAを伴う第1のワクチン接種を含み:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F、K986P、及びV987P、第1のワクチン接種の2つの用量は、約21日間の間隔を空けて投与され、ワクチン接種レジメンは、例えば、第1のワクチン接種の投与、すなわち、最初の2用量レジメンの約6~12ヶ月後に投与される、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、単回用量または複数回用量のRNAを伴う第2のワクチン接種を含む:
T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。一実施形態では、各RNA用量または少なくとも1つのRNA用量は、30μgのRNAを含む。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、少なくとも2つの用量のRNAを伴う第1のワクチン接種を含み:
A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F、K986P、及びV987P、第1のワクチン接種の2つの用量は、約21日間の間隔を空けて投与され、ワクチン接種レジメンは、例えば、第1のワクチン接種の投与、すなわち、最初の2用量レジメンの約6~12ヶ月後に投与される、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、単回用量または複数回用量のRNAを伴う第2のワクチン接種を含む:
T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。一実施形態では、各RNA用量または少なくとも1つのRNA用量は、30μgのRNAを含む。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、少なくとも2つの用量のRNAを伴う第1のワクチン接種を含み:
T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)、第1のワクチン接種の2つの用量は、約21日間の間隔を空けて投与され、ワクチン接種レジメンは、例えば、第1のワクチン接種の投与、すなわち、最初の2用量レジメンの約6~12ヶ月後に投与される、配列番号1に以下の変異を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、単回用量または複数回用量のRNAを伴う第2のワクチン接種を含む:
T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K、K986P、及びV987P(配列番号1と比較して)。一実施形態では、各RNA用量または少なくとも1つのRNA用量は、30μgのRNAを含む。
一実施形態では、ワクチン接種レジメンは、(i)少なくとも3つの用量の本明細書に記載のRNAを含む(例えば、各用量は、配列番号20のヌクレオチド配列を含む、約30ugのRNAを含む)第1のワクチン接種であって、第2の用量は、第1の用量の投与の約21日後に投与され得、第3の用量は、第2の用量の少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月後に投与され得る、第1のワクチン接種と、(ii)少なくとも1つの用量の本明細書に記載のRNAを含む(例えば、各用量は、用量当たり約30μgのRNAを含む)第2のワクチン接種とを含む。いくつかの実施形態では、第2のワクチン接種は、少なくとも1つの用量の本明細書に記載の二価ワクチン、例えば、合計約30μgの二価ワクチン、例えば、約15μgの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び約15μgのオミクロンバリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む二価ワクチン(b2+Omi)を含む。いくつかの実施形態では、二価ワクチンは、約15μgの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び約15μgのBA.1オミクロンバリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、15μgの配列番号20の配列を含むRNA、及び15μgの配列番号51の配列を含むRNA)を含む。いくつかの実施形態では、二価ワクチンは、約15μgの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及び約15μgのBA.4/5オミクロンバリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、15μgの配列番号20の配列を含むRNA、及び15μgの配列番号72の配列を含むRNA)を含む。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、少なくとも約12歳の対象に投与される。いくつかの実施形態では、ワクチン接種レジメンは、少なくとも約6ヶ月~約12歳未満の対象に投与される。
一実施形態では、第2のワクチン接種は、免疫応答のブーストをもたらす。
一実施形態では、本明細書に記載のRNAは、他のワクチンと同時投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープ、またはそれをコードするRNAを含む組成物と同時投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNAは、SARS-CoV-2のMタンパク質、Nタンパク質、及び/またはORF1abタンパク質に由来する1つ以上のT細胞エピトープ、またはそれをコードするRNA、例えば、WO2021188969(その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される組成物と同時投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるRNA(例えば、BA.1、BA.2、またはBA.4/5オミクロンバリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、任意に、武漢バリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとともに投与される)は、WO2021188969に記載されるTストリング構築物(例えば、WO2021/188969の配列番号RS C7p2fullをコードするRNA)と同時投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA及びWO2021188969に記載のTストリング構築物は、合計最大約100ugのRNAの組み合わせで投与される。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも2つの用量の本明細書に記載のRNA(例えば、いくつかの実施形態では、各30ug)を、Tストリング構築物(例えば、WO2021/188969の配列番号RS C7p2fullをコードするRNA)と組み合わせて、例えば、各用量の本明細書に記載のRNA及び合計最大約100ugのRNAの配列番号RS C7p2fullをコードするRNAの組み合わせを互いに間隔を空けて投与され、2つの用量は、例えば、互いに少なくとも4週間以上(例えば、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、または少なくとも12週間、またはそれ以上を含む)と組み合わせて投与され、2つの用量は、例えば、少なくとも4週間以上(例えば、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、または少なくとも12週間、またはそれ以上を含む)の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも3つの用量の本明細書に記載のRNA(例えば、いくつかの実施形態では、各30ug)を、Tストリング構築物(例えば、WO2021/188969の配列番号RS C7p2fullをコードするRNA)と組み合わせて、例えば、各用量の本明細書に記載のRNA及び合計最大約100ugのRNAの配列番号RS C7p2fullをコードするRNAの組み合わせを投与され、第1及び第2の用量、ならびに第2及び第3の用量は、各々独立して、互いに少なくとも4週間以上(例えば、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、または少なくとも12週間、またはそれ以上を含む)の間隔を空けて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA及びTストリング構築物は、別個の製剤(例えば、注射部位を分離するために同日に投与される製剤)として同時投与されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA及びTストリング構築物は、共製剤として(例えば、本明細書に記載のRNA及びTストリング構築物を含む製剤を、別個のLNP製剤として、または本明細書に記載のTストリング構築物及びRNAの両方を含むLNP製剤として)同時投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、非SARS-CoV-2疾患に対する1つ以上のワクチンと同時投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、非SARS-COV-2ウイルス疾患に対する1つ以上のワクチンと同時投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、非SARS-CoV-2呼吸器疾患に対する1つ以上のワクチンと同時投与される。いくつかの実施形態では、非SARS-CoV-2呼吸器疾患は、非SARS-CoV-2コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ニューモウイルス科ウイルス、またはパラミクソウイルス科ウイルスである。いくつかの実施形態では、ニューモウイルス科ウイルスは、呼吸器合胞体ウイルスまたはメタニューモウイルスである。いくつかの実施形態では、メタニューモウイルスは、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)である。いくつかの実施形態では、パラミクソウイルス科ウイルスは、パラインフルエンザウイルスまたはヘニパウイルスである。いくつかの実施形態では、パラインフルエンザウイルスは、PIV3である。いくつかの実施形態では、非SAR-CoV-2コロナウイルスは、ベータコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-1)である。いくつかの実施形態では、非SARS-CoV-2コロナウイルスは、メルベコウイルス(例えば、MERS-CoVウイルス)である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、RSVワクチン(例えば、RSV AまたはRSV Bワクチン)と同時投与される。いくつかの実施形態では、RSVワクチンは、RSV融合タンパク質(F)、RSV付着タンパク質(G)、RSV小疎水性タンパク質(SH)、RSVマトリックスタンパク質(M)、RSVヌクレオタンパク質(N)、RSV M2-1タンパク質、RSV大ポリメラーゼ(L)、及び/またはRSVリンタンパク質(P)、またはそれらの免疫原性バリアントの免疫原性断片、またはそれらのうちのいずれか1つをコードする核酸(例えば、RNA)を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、インフルエンザワクチンと同時投与される。いくつかの実施形態では、インフルエンザワクチンは、アルファインフルエンザウイルス、ベータインフルエンザウイルス、ガンマインフルエンザウイルス、またはデルタインフルエンザウイルスワクチンである。いくつかの実施形態では、ワクチンは、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、またはD型インフルエンザウイルスワクチンである。いくつかの実施形態では、インフルエンザAウイルスワクチンは、H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、H16、H17、及びH18から選択されるヘマグルチニン、またはそれらの免疫原性断片もしくはバリアント、またはそれらのうちのいずれか1つをコードする核酸(例えばRNA)を含む。いくつかの実施形態では、インフルエンザAワクチンは、N1、N2、N3、N4、N5、N6、N7、N8、N9、N10、及びN11から選択されるノイラミニダーゼ(NA)、またはそれらの免疫原性断片もしくはバリアント、またはそれらのうちのいずれか1つをコードする核酸(例えばRNA)を含むか、またはコードする。いくつかの実施形態では、インフルエンザワクチンは、少なくとも1つのインフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、ヌクレオタンパク質(NP)、マトリックスタンパク質1(M1)、マトリックスタンパク質2(M2)、非構造タンパク質1(NS1)、非構造タンパク質2(NS2)、核輸出タンパク質(NEP)、ポリメラーゼ酸性タンパク質(PA)、ポリメラーゼ塩基性タンパク質PB1、PB1-F2、及び/またはポリメラーゼ塩基性タンパク質2(PB2)、またはその免疫原性断片もしくはバリアント、またはそれらのうちのいずれか1つをコードする核酸(例えば、RNA)を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA組成物及び他の注射用ワクチン(複数可)は、異なる時間に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA組成物は、他の注射用ワクチン(複数可)と同時に投与される。いくつかのかかる実施形態では、本明細書に提供されるRNA組成物及び少なくとも1つの別の注射用ワクチン(複数可)は、異なる注射部位に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA組成物は、同じシリンジ内で任意の他のワクチンと混合されない。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるRNA組成物は、コロナウイルス、例えば、SARS-CoV-2に対するワクチン接種の一部として、他のコロナウイルスワクチンと組み合わされない。
「疾患」という用語は、個体の身体に影響を及ぼす異常な状態を指す。疾患は、特定の症状及び徴候に関連する医学的状態として解釈されることが多い。疾患は、本来、感染性疾患などの外部源に由来する要因によって引き起こされ得るか、または自己免疫疾患などの内部機能不全によって引き起こされ得る。ヒトにおいて、「疾患」は、より広義には、罹患している個体に疼痛、機能不全、苦痛、社会的問題、または死亡、または個体と接触している人々にとって同様の問題を引き起こす任意の状態を指すために使用されることが多い。このより広い意味では、それは時には、負傷、障害(disabilities)、障害(disorders)、症候群、感染症、単離された症状、逸脱した行動、及び構造と機能の非定型的な変動を含み、他の文脈及び他の目的では、これらは区別可能なカテゴリーとみなされ得る。多くの疾患に感染して生きることは、人生及び人格に対する視点を変える可能性があるため、疾患は通常、身体的にだけでなく、感情的にも個人に影響を及ぼす。
本文脈において、「治療」、「治療すること」、または「治療的介入」という用語は、疾患または障害などの状態と戦うことを目的とする対象の管理及びケアに関する。この用語は、対象が罹患している所与の状態に対する治療の全範囲、例えば、症状または合併症を緩和するため、疾患、障害または状態の進行を遅延させるため、症状及び合併症を緩和または軽減するため、及び/または疾患、障害または状態を治癒または排除するため、ならびに状態を予防するための治療有効化合物の投与を含むことが意図され、予防は、疾患、状態または障害と闘う目的のための個体の管理及びケアとして理解され、症状または合併症の発症を予防するための活性化合物の投与を含む。
「治療的処置」という用語は、個体の健康状態を改善する、及び/または寿命を延長する(増加させる)任意の処置に関する。当該処置は、個体における疾患を排除し、個体における疾患の発症を停止または遅延させ、個体における疾患の発症を阻害または遅延させ、個体における症状の頻度または重症度を減少させ、及び/または現在疾患を有するか、または以前に有していた個体における再発を減少させ得る。
「予防的処置(prophylactic treatment)」または「予防的処置(preventive treatment)」という用語は、個体において疾患が発生することを防止することを意図する任意の処置に関する。「予防的処置(prophylactic treatment)」または「予防的処置(preventive treatment)」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
「個体」及び「対象」という用語は、本明細書において互換的に使用される。これらは、疾患または障害に罹患し得るか、または罹患しやすいが、疾患または障害を有するか、または有しない場合があるヒトまたは別の哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、または霊長類)を指す。多くの実施形態では、個体は、ヒトである。特に断りのない限り、「個体」及び「対象」という用語は、特定の年齢を示すものではなく、したがって、成人、高齢者、子供、及び新生児を包含する。いくつかの実施形態では、「対象」という用語は、少なくとも50歳、少なくとも55歳、少なくとも60歳、少なくとも65歳、少なくとも70歳、またはそれ以上の年齢のヒトを含む。いくつかの実施形態では、「対象」という用語は、少なくとも65歳、例えば65~80歳、65~75歳、または65~70歳のヒトを含む。本開示の実施形態では、「個体」または「対象」は、「患者」である。
「患者」という用語は、治療のための個体または対象、特に罹患した個体または対象を意味する。
本開示の一実施形態では、目的は、コロナウイルスに対する免疫応答を提供すること、及びコロナウイルス感染を予防または治療することである。
エピトープを含むペプチドまたはタンパク質をコードするRNAを含む薬学的組成物を対象に投与して、対象における当該エピトープを含む抗原に対する免疫応答を誘発することができ、治療的または部分的もしくは完全に保護的であり得る。当業者は、免疫療法及びワクチン接種の原理のうちの1つが、疾患に対する免疫保護反応が、治療される疾患に関して免疫学的に関連する抗原またはエピトープで対象を免疫化することによって産生されるという事実に基づいていることを知っているであろう。したがって、本明細書に記載の薬学的組成物は、免疫応答の誘導または強化に適用可能である。したがって、本明細書に記載の薬学的組成物は、抗原またはエピトープを伴う疾患の予防的及び/または治療的処置において有用である。
本明細書で使用される場合、「免疫応答」は、抗原または抗原を発現する細胞に対する統合された身体応答を指し、細胞免疫応答及び/または体液性免疫応答を指す。免疫系は、より原始的な先天性免疫系と、脊椎動物の獲得免疫系または適応免疫系とに分けられ、各々が体液性及び細胞性成分を含有する。
「細胞媒介性免疫」、「細胞免疫」、「細胞免疫応答」、または同様の用語は、抗原の発現を特徴とする細胞、特にクラスIまたはクラスII MHCを有する抗原の提示を特徴とする細胞に対する細胞応答を含むことを意味する。細胞応答は、免疫エフェクター細胞、特に「ヘルパー」または「キラー」のいずれかとして作用するT細胞またはTリンパ球と呼ばれる細胞に関する。ヘルパーT細胞(CD4 T細胞とも呼ばれる)は、免疫応答を調節することによって中心的な役割を果たし、キラー細胞(細胞傷害性T細胞、細胞溶解性T細胞、CD8 T細胞またはCTLとも呼ばれる)は、ウイルス感染細胞などの疾患細胞を殺し、更なる疾患細胞の産生を防止する。
免疫エフェクター細胞は、ワクチン抗原に応答性である任意の細胞を含む。かかる応答性には、1つ以上の免疫エフェクター機能の活性化、分化、増殖、生存、及び/または適応が含まれる。細胞は、特に、溶解能を有する細胞、特にリンパ球細胞を含み、好ましくは、T細胞、特に、好ましくは細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞から選択される細胞傷害性リンパ球である。活性化すると、これらの細胞傷害性リンパ球の各々は、標的細胞の破壊を引き起こす。例えば、細胞傷害性T細胞は、以下の手段のいずれかまたは両方によって標的細胞の破壊を引き起こす。第一に、活性化すると、T細胞は、パーフォリン、グランザイム、及びグラニュライシンなどの細胞毒素を放出する。パーフォリン及びグラニュライシンは、標的細胞内に孔を作り、グランザイムは、細胞内に入り、細胞のアポトーシス(プログラム細胞死)を誘導する細胞質内のカスパーゼカスケードを誘起する。第二に、アポトーシスは、T細胞と標的細胞との間のFas-Fasリガンド相互作用を介して誘導され得る。
本開示の文脈における「エフェクター機能」という用語には、例えば、ウイルスなどの病原性薬剤の中和及び/またはウイルス感染細胞などの疾患細胞の死滅をもたらす、免疫系の構成要素によって媒介される任意の機能が含まれる。一実施形態では、本開示の文脈におけるエフェクター機能は、T細胞媒介性エフェクター機能である。かかる機能は、ヘルパーT細胞(CD4 T細胞)の場合には、サイトカインの放出及び/またはCD8リンパ球(CTL)及び/またはB細胞の活性化を含み、CTLの場合には、細胞、すなわち、例えば、アポトーシスまたはパーフォリン媒介性細胞溶解を介した抗原の発現を特徴とする細胞、IFN-γ及びTNF-αなどのサイトカインの産生、ならびに抗原発現標的細胞の特異的な細胞溶解性殺傷を含む。
本開示の文脈における「免疫エフェクター細胞」または「免疫反応性細胞」という用語は、免疫反応中にエフェクター機能を発揮する細胞に関する。一実施形態における「免疫エフェクター細胞」は、細胞上のMHCの文脈において提示されるか、または細胞の表面上で発現される抗原などの抗原に結合し、免疫応答を媒介することができる。例えば、免疫エフェクター細胞は、T細胞(細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞、腫瘍浸潤T細胞)、B細胞、ナチュラルキラー細胞、好中球、マクロファージ、及び樹状細胞を含む。好ましくは、本開示の文脈において、「免疫エフェクター細胞」は、T細胞、好ましくはCD4及び/またはCD8 T細胞、最も好ましくはCD8 T細胞である。本開示によれば、「免疫エフェクター細胞」という用語には、好適な刺激で免疫細胞(例えば、T細胞、特にTヘルパー細胞、または細胞溶解性T細胞)に成熟することができる細胞も含まれる。免疫エフェクター細胞は、CD34造血幹細胞、未成熟及び成熟T細胞、ならびに未成熟及び成熟B細胞を含む。抗原に曝露したときの、T細胞前駆体の細胞溶解性T細胞への分化は、免疫系のクローン選択と同様である。
「リンパ系細胞」は、細胞性免疫応答などの免疫応答を産生することができる細胞、またはかかる細胞の前駆細胞であり、リンパ球、好ましくはTリンパ球、リンパ芽球、及び形質細胞を含む。リンパ系細胞は、本明細書に記載の免疫エフェクター細胞であってよい。好ましいリンパ系細胞は、T細胞である。
「T細胞」及び「Tリンパ球」という用語は、本明細書で互換的に使用され、Tヘルパー細胞(CD4+ T細胞)及び細胞溶解性T細胞を含む細胞傷害性T細胞(CTL、CD8+ T細胞)を含む。「抗原特異的T細胞」という用語または同様の用語は、T細胞が標的とされる抗原を認識し、好ましくはT細胞のエフェクター機能を発揮するT細胞に関する。
T細胞は、リンパ球として知られる白血球の群に属し、細胞媒介性免疫において中心的な役割を果たす。これらは、T細胞受容体(TCR)と呼ばれる細胞表面上の特殊な受容体の存在によって、B細胞及びナチュラルキラー細胞などの他のリンパ球型と区別することができる。胸腺は、T細胞の成熟を担う主要な器官である。T細胞のいくつかの異なるサブセットが発見されており、各々が異なる機能を有する。
Tヘルパー細胞は、他の機能の中で、B細胞の形質細胞への成熟及び細胞傷害性T細胞及びマクロファージの活性化を含む免疫学的プロセスにおいて他の白血球を補助する。これらの細胞は、それらの表面上でCD4糖タンパク質を発現するため、CD4+T細胞としても知られている。ヘルパーT細胞は、抗原提示細胞(APC)の表面上で発現されるMHCクラスII分子によってペプチド抗原が提示されると活性化される。活性化されると急速に分裂し、それらは活性免疫応答を調節または補助するサイトカインと呼ばれる小さなタンパク質を分泌する。
細胞傷害性T細胞は、ウイルス感染した細胞及び腫瘍細胞を破壊し、移植拒絶反応にも関与する。これらの細胞は、それらの表面上でCD8糖タンパク質を発現するため、CD8+T細胞としても知られている。これらの細胞は、身体のほぼ全ての細胞の表面上に存在するMHCクラスIに関連する抗原に結合することによって、標的を認識する。
T細胞の大部分は、いくつかのタンパク質の複合体として存在するT細胞受容体(TCR)を有する。T細胞のTCRは、主要な組織適合性複合体(MHC)分子に結合し、標的細胞の表面上に提示される免疫原性ペプチド(エピトープ)と相互作用することができる。TCRの特異的結合は、T細胞内でシグナルカスケードを引き起こし、成熟エフェクターT細胞への増殖及び分化をもたらす。実際のT細胞受容体は、独立したT細胞受容体アルファ及びベータ(TCRα及びTCRβ)遺伝子から産生される2つの別個のペプチド鎖から構成され、α及びβ-TCR鎖と呼ばれる。γδT細胞(ガンマデルタT細胞)は、それらの表面上に別個のT細胞受容体(TCR)を有するT細胞の小さなサブセットを表す。しかしながら、γδT細胞では、TCRは、1つのγ鎖及び1つのδ鎖で構成されている。このT細胞群は、αβT細胞よりもはるかに一般的ではない(全T細胞の2%)。
「体液性免疫」または「体液性免疫応答」は、分泌抗体、補体タンパク質、及びある特定の抗菌ペプチドなどの細胞外流体に見られる巨大分子によって媒介される免疫の態様である。細胞媒介性免疫とは対照的である。抗体を伴うその態様は、しばしば抗体媒介性免疫と呼ばれる。
体液性免疫は、抗体産生及びそれに付随する付属プロセスを指し、Th2活性化及びサイトカイン産生、胚中心形成及びアイソタイプスイッチング、親和性成熟及びメモリー細胞生成を含む。また、病原体中和、古典的な補体活性化、ならびに食作用及び病原体排除のオプソニン促進を含む、抗体のエフェクター機能も指す。
体液性免疫応答では、最初に、B細胞は骨髄で成熟し、細胞表面上に多数表示されるB細胞受容体(BCR)を得る。これらの膜結合タンパク質複合体は、抗原検出に特異的である抗体を有する。各B細胞は、抗原と結合する固有の抗体を有する。成熟B細胞は、骨髄からリンパ節または他のリンパ器官に移行し、そこで病原体に遭遇し始める。B細胞が抗原に遭遇すると、抗原は受容体に結合し、エンドサイトーシスによってB細胞内に取り込まれる。抗原は、MHC-IIタンパク質によって再びB細胞の表面上で処理され、提示される。B細胞は、ヘルパーT細胞(TH)が複合体に結合するのを待つ。この結合は、TH細胞を活性化し、次いで、B細胞が急速に分裂するように誘導するサイトカインを放出し、B細胞の何千もの同一のクローンを作製する。これらの娘細胞は、形質細胞またはメモリー細胞のいずれかになる。メモリーB細胞は、ここで不活性のままであり、後にこれらのメモリーB細胞が再感染によって同じ抗原に遭遇すると、それらは分裂して形質細胞を形成する。一方で、形質細胞は、多数の抗体を産生し、これらは循環系に自由に放出される。これらの抗体は、抗原に遭遇し、それらと結合する。これは、宿主細胞と外来細胞との間の化学的相互作用を妨げるか、またはそれらの抗原部位との間にブリッジを形成して、それらの適切な機能を妨げ得るか、またはそれらの存在がマクロファージまたはキラー細胞を誘引してそれらを攻撃し、貪食する。
「抗体」という用語は、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む免疫グロブリンを含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略記する)及び重鎖定常領域で構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略記する)及び軽鎖定常領域で構成される。VH及びVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域に更に細分化され、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域で分割されている。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端へと、次の順序で配列される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1の構成要素(Clq)を含む、宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。抗体は、好ましくは、抗原と特異的に結合する。
B細胞によって発現される抗体は、BCR(B細胞受容体)または抗原受容体と称されることがある。このクラスのタンパク質に含まれる5つのメンバーは、IgA、IgG、IgM、IgD、及びIgEである。IgAは、唾液、涙液、母乳、消化管分泌物、ならびに呼吸器及び泌尿生殖管の粘液分泌物などの体内分泌物に存在する一次抗体である。IgGは、最も一般的な流行している抗体である。IgMは、ほとんどの対象において、一次免疫応答において産生される主要な免疫グロブリンである。凝集、補体固定、及び他の抗体応答において最も効率的な免疫グロブリンであり、細菌及びウイルスに対する防御において重要である。IgDは、既知の抗体機能を有しないが、抗原受容体としての役割を果たし得る免疫グロブリンである。IgEは、アレルゲンへの曝露時に肥満細胞及び好塩基球からの媒介因子の放出を引き起こすことによって、即時の過敏性を媒介する免疫グロブリンである。
「抗体重鎖」は、本明細書で使用される場合、天然に存在する立体構造で抗体分子中に存在する2種類のポリペプチド鎖のうちの大きい方を指す。
「抗体軽鎖」は、本明細書で使用される場合、天然に存在する立体構造で抗体分子に存在する2種類のポリペプチド鎖のうちの小さい方を指し、κ及びλ軽鎖は、2つの主要な抗体軽鎖アイソタイプを指す。
本開示は、保護的、予防的(preventive)、予防的(prophylactic)、及び/または治療的であり得る免疫応答を企図する。本明細書で使用される場合、「免疫応答を誘導する[または誘導すること]」は、誘導前に特定の抗原に対する免疫応答が存在しなかったことを示し得るか、または誘導前に特定の抗原に対する免疫応答の基礎レベルが存在し、誘導後に強化されたことを示し得る。したがって、「免疫応答を誘導する[または誘導すること]」には、「免疫応答を強化する[または強化すること]」が含まれる。
「免疫療法」という用語は、免疫応答を誘導または強化することによる疾患または状態の治療に関する。「免疫療法」という用語は、抗原免疫化または抗原ワクチン接種を含む。
「免疫化」または「ワクチン接種」という用語は、例えば、治療的または予防的理由のために、免疫応答を誘導する目的で抗原を個体に投与するプロセスを説明する。
「マクロファージ」という用語は、単球の分化によって産生される食細胞の下位群を指す。炎症、免疫サイトカイン、または微生物産物によって活性化されるマクロファージは、加水分解及び酸化攻撃によってマクロファージ内の外来の病原体を非特異的に包み込み、殺傷して、病原体の分解をもたらす。分解されたタンパク質からのペプチドは、T細胞によって認識され得るマクロファージ細胞表面上に表示され、それらは、B細胞表面上の抗体と直接相互作用して、T細胞及びB細胞活性化をもたらし、免疫応答の更なる刺激をもたらすことができる。マクロファージは、抗原提示細胞のクラスに属する。一実施形態では、マクロファージは、脾臓マクロファージである。
「樹状細胞」(DC)という用語は、抗原提示細胞のクラスに属する食細胞の別の亜型を指す。一実施形態では、樹状細胞は、造血骨髄前駆細胞に由来する。これらの前駆細胞は、最初に未成熟樹状細胞に変換される。これらの未成熟細胞は、高い食作用及び低いT細胞活性化ポテンシャルを特徴とする。未熟な樹状細胞は、常にウイルス及び細菌などの病原体について周囲の環境をサンプリングする。提示可能な抗原に接触すると、それらは成熟樹状細胞に活性化され、脾臓またはリンパ節に移行し始める。未熟な樹状細胞は、病原体を貪食し、それらのタンパク質を小片に分解し、成熟すると、MHC分子を使用してそれらの細胞表面にそれらの断片を提示する。同時に、CD80、CD86、及びCD40などのT細胞活性化において共受容体として機能する細胞表面受容体を上方制御し、T細胞を活性化する能力を大幅に強化する。それらはまた、樹状細胞が血流を通じて脾臓に、またはリンパ系を通じてリンパ節に移動することを誘導する、走化性受容体であるCCR7を上方制御する。ここでは、それらは抗原提示細胞として機能し、非抗原特異的共刺激シグナルとともに抗原を提示することによって、ヘルパーT細胞及びキラーT細胞ならびにB細胞を活性化する。したがって、樹状細胞は、T細胞またはB細胞関連免疫応答を能動的に誘導することができる。一実施形態では、樹状細胞は、脾臓樹状細胞である。
「抗原提示細胞」(APC)という用語は、少なくとも1つの抗原または抗原断片をその細胞表面上に(またはその表面に)表示する、獲得する、及び/または提示することができる様々な細胞の細胞である。抗原提示細胞は、プロフェッショナル抗原提示細胞及び非プロフェッショナル抗原提示細胞において区別することができる。
「プロフェッショナル抗原提示細胞」という用語は、ナイーブT細胞との相互作用に必要な主要組織適合性複合体クラスII(MHCクラスII)分子を構成的に発現する、抗原提示細胞に関する。T細胞が抗原提示細胞の膜上のMHCクラスII分子複合体と相互作用する場合、抗原提示細胞は、T細胞の活性化を誘導する共刺激分子を産生する。プロフェッショナル抗原提示細胞は、樹状細胞及びマクロファージを含む。
「非プロフェッショナル抗原提示細胞」という用語は、MHCクラスII分子を構成的に発現しないが、インターフェロン-ガンマなどのある特定のサイトカインによって刺激されると発現する、抗原提示細胞に関する。例示的な非プロフェッショナル抗原提示細胞としては、線維芽細胞、胸腺上皮細胞、甲状腺上皮細胞、グリア細胞、膵臓ベータ細胞、または血管内皮細胞が挙げられる。
「抗原プロセシング」とは、抗原の分解を、当該抗原の断片である進行生成物に分解すること(例えば、タンパク質のペプチドへの分解)、ならびに抗原提示細胞などの細胞による特定のT細胞への提示のための、これらの断片のうちの1つ以上とMHC分子との(例えば、結合を介した)会合を指す。
「抗原を伴う疾患」という用語は、抗原を伴う任意の疾患、例えば、抗原の存在を特徴とする疾患を指す。抗原を伴う疾患は、感染性疾患であり得る。上述のように、抗原は、ウイルス抗原などの疾患関連抗原であってもよい。一実施形態では、抗原を伴う疾患は、好ましくは細胞表面上で抗原を発現する細胞を伴う疾患である。
「感染性疾患」という用語は、個体から個体に、または生物から生物に伝染し得る任意の疾患を指し、微生物因子(例えば、一般的な風邪)によって引き起こされる。感染性疾患は、当該技術分野で既知であり、例えば、ウイルス、細菌、または寄生虫によってそれぞれ引き起こされる疾患である、ウイルス性疾患、細菌性疾患、または寄生虫性疾患を含む。この点で、感染性疾患は、例えば、肝炎、性感染症(例えば、クラミジアまたは淋病)、結核、HIV/後天性免疫不全症候群(AIDS)、ジフテリア、B型肝炎、C型肝炎、コレラ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、鳥インフルエンザ、及びインフルエンザであり得る。
例示的な投薬レジメン
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物及び方法は、図14に例示される例示的なワクチン接種レジメンに従って使用することができる。
一次投薬レジメン
いくつかの実施形態では、対象は、一次投薬レジメンを投与される。一次投薬レジメンは、1つ以上の用量を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、単回用量(PD)を含む。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、第1の用量(PD)及び第2の用量(PD)を含む。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、第1の用量、第2の用量、及び第3の用量(PD)を含む。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、第1の用量、第2の用量、第3の用量、及び1つ以上の追加の用量(PD)の本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれか1つを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約3ugを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及びPDは、各々独立して、本明細書に記載される複数の(例えば、少なくとも2つの)mRNA組成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及びPDは、各々独立して、第1及び第2のmRNA組成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、BNT162b2(例えば、本明細書に記載されるような)を含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、異なるSARS-CoV-2バリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、SARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、関連する管轄区域において蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、少なくとも2つの異なるmRNA構築物を含むことができる(例えば、タンパク質コード配列において異なる)。例えば、いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、SARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、SARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、アルファバリアントであり得る。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、デルタバリアントであり得る。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、またはBQ.1オミクロンバリアント)であり得る。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物の各々は、独立して、少なくとも2つのmRNAを含むことができ、各々は、関連する管轄区域において蔓延している、及び/または急速に広がっている別個のバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードする。いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物の各々は、独立して、アルファバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物の各々は、独立して、アルファバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物の各々は、独立して、デルタバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDは、各々、複数のmRNA組成物を含み、各mRNA組成物は、対象に別個に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、各mRNA組成物は、異なる注射部位での筋肉内注射を介して投与される。例えば、いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる第1及び第2のmRNA組成物は、筋肉内注射を介して対象の異なる腕に別個に投与される。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDは、複数のRNA分子を投与することを含み、各RNA分子は、異なるSARS-CoV-2バリアントからの変異を含むスパイクタンパク質をコードし、複数のRNA分子は、単一の製剤において対象に投与される。いくつかの実施形態では、単一の製剤は、武漢株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性バリアントをコードするRNAと、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、単一の製剤は、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、単一の製剤は、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、単一の製剤は、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PDとPDとの間の時間の長さ(PI)は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、または少なくとも約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約11週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約12週間である。
いくつかの実施形態では、PDとPDとの間の時間の長さ(PI)は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、または少なくとも約3週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは約1週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約11週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約12週間である。
いくつかの実施形態では、PDと一次投薬レジメンの一部である後続の用量との間、またはPDを超える任意の用量については用量の間の時間の長さ(PI)は、各々別個にかつ独立して、約1週間以上、約2週間以上、または約3週間以上から選択される。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約11週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約12週間である。
いくつかの実施形態では、PDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、PDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、PDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、PDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。
いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、本明細書に記載の2つ以上のmRNA組成物を投与することを含み、mRNA組成物のうちの少なくとも2つは、異なる製剤を有する。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、PD及びPDを含み、PDは、Tris緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含み、PDは、PBS緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、PD及びPDを含み、PDは、PBS緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含み、PDは、Tris緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる1つ以上のmRNA組成物は、別のワクチンと併せて投与され得る。いくつかの実施形態では、別のワクチンは、COVID-19ではない疾患のためのものである。いくつかの実施形態では、疾患は、対象が疾患及びSARS-CoV-2に共感染したときに、SARS-CoV-2の有害な影響を増加させるものである。いくつかの実施形態では、疾患は、対象が疾患及びSARS-CoV-2に共感染したときに、SARS-CoV-2の伝染速度を増加させるものである。いくつかの実施形態では、別のワクチンは、異なる市販のワクチンである。いくつかの実施形態では、異なる市販のワクチンは、RNAワクチンである。いくつかの実施形態では、異なる市販のワクチンは、ポリペプチドベースのワクチンである。いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)別のワクチン及びPD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる1つ以上のmRNA組成物は、例えば、いくつかの実施形態では、異なる注射部位で、筋肉内注射を介して、別個に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる本明細書に記載のインフルエンザワクチン及び1つ以上のSARS-CoV-2mRNA組成物は、筋肉内注射を介して対象の異なる腕に別個に投与される。
ブースター投薬レジメン
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるワクチン接種の方法は、1つ以上のブースター投薬レジメンを含む。本明細書に開示されるブースター投薬レジメンは、1つ以上の用量を含む。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、(例えば、本明細書に記載されるように)一次投薬レジメンを投与された患者に投与される。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、本明細書に開示される薬学的組成物を受けていない患者に投与される。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、一次投薬レジメンにおいて投与されるワクチンとは異なるCOVID-19ワクチンで以前にワクチン接種された患者に投与される。
いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、または少なくとも12ヶ月以上である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約1ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも約2ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも約3ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも約4ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも約5ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも約6ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約1ヶ月~約48ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約1ヶ月~約36ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約1ヶ月~約24ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約2ヶ月~約24ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約3ヶ月~約24ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約3ヶ月~約18ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約3ヶ月~約12ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約6ヶ月~約12ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約3ヶ月~約9ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約5ヶ月~約7ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約6ヶ月である。
いくつかの実施形態では、対象は、ブースター投薬レジメンを投与される。ブースター投薬レジメンは、1つ以上の用量を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、単回用量(BD)を含む。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、第1の用量(BD)及び第2の用量(BD)を含む。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、第1の用量、第2の用量、及び第3の用量(BD)を含む。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、第1の用量、第2の用量、第3の用量、及び1つ以上の追加の用量(BD)の本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれか1つを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約3ugを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約50ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及びBDは、各々独立して、本明細書に記載される複数の(例えば、少なくとも2つの)mRNA組成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及びBDは、各々独立して、第1及び第2のmRNA組成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及びBDは、各々独立して、複数の(例えば、少なくとも2つの)mRNA組成物を含むことができ、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、(例えば、本明細書に記載されるような)BNT162b2を含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、異なるSARS-CoV-2バリアント(例えば、関連する管轄区域において蔓延しているか、または急速に広がっているバリアント、例えば、本明細書に開示されるバリアント)からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、SARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、関連する管轄区域において蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、少なくとも2つの異なるmRNA構築物(例えば、異なるタンパク質コード配列を有するmRNA構築物)を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、SARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、SARS-CoV-2の武漢株由来のSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性断片をコードするmRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性フラグメントをコードするmRNAを含むことができる。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、アルファバリアントであり得る。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、デルタバリアントであり得る。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、またはBQ.1オミクロンバリアント)であり得る。
例えば、いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、少なくとも2つのmRNAを含み、各々が、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっている別個のバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードする。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、アルファバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、アルファバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、デルタバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。
いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、例えば、いくつかの実施形態では、異なる注射部位で、筋肉内注射を介して、対象に別個に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる第1及び第2のmRNA組成物は、筋肉内注射を介して対象の異なる腕に別個に投与される。
いくつかの実施形態では、BDとBDとの間の時間の長さ(BI)は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、または少なくとも約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは約1週間である。いくつかの実施形態では、BIは約2週間である。いくつかの実施形態では、BIは約3週間である。いくつかの実施形態では、BIは約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは約5週間である。いくつかの実施形態では、BIは約6週間である。いくつかの実施形態では、BIは約7週間である。いくつかの実施形態では、BIは約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは約9週間である。いくつかの実施形態では、BIは約10週間である。
いくつかの実施形態では、BDとBDとの間の時間の長さ(BI)は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、または少なくとも約3週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約10週間である。
いくつかの実施形態では、BDとブースター投薬レジメンの一部である後続の用量との間、またはBDを超える任意の用量については用量の間の時間の長さ(BI)は、各々別個にかつ独立して、約1週間以上、約2週間以上、または約3週間以上から選択される。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約10週間である。
いくつかの実施形態では、BDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、BDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、BDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、BDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。
いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、本明細書に記載の2つ以上のmRNA組成物を投与することを含み、mRNA組成物のうちの少なくとも2つは、異なる製剤を有する。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、BD及びBDを含み、BDは、Tris緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含み、BDは、PBS緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、BD及びBDを含み、BDは、PBS緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含み、BDは、Tris緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる1つ以上のmRNA組成物は、別のワクチンと併せて投与され得る。いくつかの実施形態では、別のワクチンは、COVID-19ではない疾患のためのものである。いくつかの実施形態では、疾患は、対象が疾患及びSARS-CoV-2に共感染したときに、SARS-CoV-2の有害な影響を増加させるものである。いくつかの実施形態では、疾患は、対象が疾患及びSARS-CoV-2に共感染したときに、SARS-CoV-2の伝染速度を増加させるものである。いくつかの実施形態では、別のワクチンは、異なる市販のワクチンである。いくつかの実施形態では、異なる市販のワクチンは、RNAワクチンである。いくつかの実施形態では、異なる市販のワクチンは、ポリペプチドベースのワクチンである。いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)別のワクチン及びBD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる1つ以上のmRNA組成物は、例えば、いくつかの実施形態では、異なる注射部位で、筋肉内注射を介して、別個に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、インフルエンザワクチン及びBD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる本明細書に記載の1つ以上のSARS-CoV-2mRNA組成物は、筋肉内注射を介して対象の異なる腕に別個に投与される。
追加のブースターレジメン
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるワクチン接種の方法は、2つ以上のブースター投薬レジメンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、中和抗体応答を増加させるために、2つ以上のブースター投薬レジメンを投与する必要があり得る。いくつかの実施形態では、患者が以前に受けたワクチンによって誘発される免疫応答を回避する可能性が高いことが示されているSARS-CoV-2株に対抗するために、2つ以上のブースター投薬レジメンが必要とされ得る。いくつかの実施形態では、追加のブースター投薬レジメンは、低濃度の中和抗体を産生することが決定されている患者に投与される。いくつかの実施形態では、追加のブースター投薬レジメンは、以前のワクチン接種にもかかわらず、SARS-CoV-2感染症に感受性である可能性が高いと判定された患者(例えば、免疫不全患者、がん患者、及び/または臓器移植患者)に投与される。
第1のブースター投薬レジメンについての上記の説明は、1つ以上の追加のブースター投薬レジメンについても説明する。第1のブースター投薬レジメンと第2のブースター投薬レジメンとの間、またはその後続のブースター投薬レジメンの間の時間間隔は、一次投薬レジメンと第1のブースター投薬レジメンとの間の上記の許容可能な時間間隔のうちのいずれかであり得る。
いくつかの実施形態では、投薬レジメンは、一次レジメン及びブースターレジメンを含み、一次レジメン及び/またはブースターレジメンにおいて与えられる少なくとも1つの用量は、関連する管轄区域において蔓延しているか、または急速に広がっているバリアント(例えば、本明細書に記載されるようなオミクロンバリアント)からSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む組成物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、一次レジメンは、例えば、少なくとも3週間の間隔を空けて与えられる、少なくとも2つの用量のBNT162b2(例えば、武漢株をコードする)を含み、ブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の、関連する管轄区域内で蔓延しているか、または急速に広がっているバリアント(例えば、本明細書に記載のオミクロンバリアント)からのSタンパク質もしくはその免疫原性断片をコードするRNAを含む組成物を含む。いくつかのかかる実施形態では、ブースターレジメンのかかる用量は、武漢株からのSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを更に含んでもよく、これは、関連する管轄区域内で蔓延しているか、または急速に広がっているバリアント(例えば、本明細書に記載のオミクロンバリアント)からのSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAとともに、単一の混合物として、または2つの別個の組成物として、例えば1:1の重量比で投与することができる。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、第1のブースター用量または後続のブースター用量として投与され得る、少なくとも1つの用量のBNT162b2も含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、一次レジメン中に与えられる用量(一次用量)及び/または第1のブースターのために与えられる用量(存在する場合)よりも高い用量でブースターとして与えられる。例えば、いくつかの実施形態では、かかる用量は、60ugであってもよく、またはいくつかの実施形態では、かかる用量は、30ugより高く、60ugより低くてもよい(例えば、55ug、50ug、またはそれ以下)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、最後の用量(例えば、一次レジメンの最後の用量またはブースターレジメンの最初の用量)の少なくとも3~12ヶ月または4~12ヶ月、または5~12ヶ月、または6~12ヶ月後にブースターとして与えられる。いくつかの実施形態では、一次用量及び/または第1のブースター用量(存在する場合)は、例えば、用量当たり30ugでBNT162b2を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号49に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号49に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号50の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号50に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号51の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号51に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号55に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号55に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号56の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号56に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号57の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号57に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号58に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号58に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号59の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号59に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号60の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号60に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号61に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号61に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号62aの配列またはそのバリアント(例えば、配列番号62aに対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号63aの配列またはそのバリアント(例えば、配列番号63aに対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される製剤は、表C(以下)に記載される投薬レジメンのうちのいずれかを実行するために使用され得る。
Figure 2023081859000157
Figure 2023081859000158
Figure 2023081859000159



上記の表Cに記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、一次レジメンの第1の用量で与えられる。上記の表Cに記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、一次レジメンの第2の用量で与えられる。上記の表Cに記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量で与えられる。上記の表Cに記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、ブースターレジメンの第1の用量で与えられる。上記の表Cに記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、ブースターレジメンの第2の用量で与えられる。上記の表Cに記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、ブースターレジメンの第1の用量及び第2の用量で与えられる。上記の表Cに記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量、ならびにブースターレジメンの少なくとも1つの用量で与えられる。上記の表Cに記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、ブースターレジメンの少なくとも1つの用量(例えば、少なくとも2つの用量を含む)で与えられ、BNT162b2は、一次レジメンにおいて与えられる。上記の表Cに記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、ブースターレジメンの第2の用量で与えられ、BNT162b2は、一次レジメンにおいて、及びブースターレジメンの第1の用量で与えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、配列番号49に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号49に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、配列番号50の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号50に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、配列番号51の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号51に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号55に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号55に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号56の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号56に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号57の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号57に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号58に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号58に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号59の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号59に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号60の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号60に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号61に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号61に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号62aの配列またはそのバリアント(例えば、配列番号62aに対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号63aの配列またはそのバリアント(例えば、配列番号63aに対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のかかるRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、異なる株(例えば、武漢株)のSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを更に含むことができる。例として、いくつかの実施形態では、上記の表Cに記載のレジメン番号9~11のブースターレジメンの第2の用量は、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、例えば、オミクロンなどの本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む、例えば、この実施形態に記載の一実施形態では、RNA)及びBNT162b2構築物を、例えば、1:1の重量比で含むことができる。
上記の表Cに記載されるようなレジメン番号6のいくつかの実施形態では、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量、ならびにブースターレジメンの第1の用量及び第2の用量は、各々、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、オミクロンなどの本明細書に記載のバリアントをコードするRNA、例えば、一実施形態では、この実施例に記載されるようなRNAを含む)を含む。いくつかのかかる実施形態では、ブースターレジメンの第2の用量は、必要でない場合がある。
上記の表Cに記載されるようなレジメン番号6のいくつかの実施形態では、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量、ならびにブースターレジメンの第1の用量及び第2の用量は、各々、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、オミクロンなどの本明細書に記載のバリアントをコードするRNA、例えば、一実施形態では、この実施例に記載されるようなRNAを含む)を含む。いくつかのかかる実施形態では、ブースターレジメンの第2の用量は、必要でない場合がある。
上記の表Cに記載されるようなレジメン番号6のいくつかの実施形態では、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量は、各々、BNT162b2構築物を含み、ブースターレジメンの第1の用量及び第2の用量は、各々、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、オミクロンなどの本明細書に記載のバリアントをコードするRNA、例えば、一実施形態では、この実施例に記載されるようなRNAを含む)を含む。いくつかのかかる実施形態では、ブースターレジメンの第2の用量は、必要でない場合がある。
上記の表Cに記載されるようなレジメン番号6のいくつかの実施形態では、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量、ならびにブースターレジメンの第1の用量は、各々、BNT162b2構築物を含み、ブースターレジメンの第2の用量は、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、オミクロンなどの本明細書に記載のバリアントをコードするRNA、例えば、一実施形態では、この実施例に記載されるようなRNAを含む)を含む。
以下のある特定の例示的な実施形態もまた、本開示の範囲内である。
1.SARS-CoV-2バリアント(例えば、いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2オミクロンバリアント)の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むRNAを含む、組成物または医療調製物。
2.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記免疫原性断片が、前記SARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニット、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記S1サブユニットの受容体結合ドメイン(RBD)を含む、実施形態1に記載の組成物または医療調製物。
3.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、BA.1、BA.2、BA.4/5、XBB、XBB.1、BQ.1.1、もしくはBA.4.6/BF.7オミクロンバリアントまたはその亜系統に特徴的な1つ以上の変異を含む、実施形態1または2に記載の組成物または医療調製物。
4.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、BA.4/5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、前記1つ以上の変異が、T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kからなる群から選択される、実施形態3に記載の組成物または医療調製物。
5.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、BA.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、前記1つ以上の変異が、A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981Fからなる群から選択される、実施形態3に記載の組成物または医療調製物。
6.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、BA.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、前記1つ以上の変異が、T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kからなる群から選択される、実施形態3に記載の組成物または医療調製物。
7.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、BA.2.75.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、前記1つ以上の変異が、T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kからなる群から選択される、実施形態3に記載の組成物または医療調製物。
8.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、BA.4.6/BF.7バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、前記1つ以上の変異が、T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、R346T、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N658S、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kからなる群から選択される、実施形態3に記載の組成物または医療調製物。
9.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、XBBバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、前記1つ以上の変異が、T19I、Δ24-26、A27S、V83A、G142D、Δ144、H146Q、Q183E、V213E、G339H、R346T、L368I、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、V445P、G446S、N460K、S477N、T478K、E484A、F486S、F490S、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kからなる群から選択される、実施形態3に記載の組成物または医療調製物。
10.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、XBB.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、前記1つ以上の変異が、T19I、Δ24-26、A27S、V83A、G142D、Δ144、H146Q、Q183E、V213E、G252V、G339H、R346T、L368I、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、V445P、G446S、N460K、S477N、T478K、E484A、F486S、F490S、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、及びN969Kからなる群から選択される、実施形態3に記載の組成物または医療調製物。
11.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、BQ.1.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、前記1つ以上の変異が、T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、R346T、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、K444T、L452R、N460K、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969Kからなる群から選択される、実施形態3に記載の組成物または医療調製物。
12.オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含む前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、コドン最適化された(例えば、ヒト細胞内での発現のためにコドン最適化された)及び/または野生型コード配列と比較して増加したG/C含有量を有する配列によってコードされる、実施形態1~11のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
13.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、オミクロンBA.4/5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、
a)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号69に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列もしくはその免疫原性断片を含み、及び/または
b)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAが、配列番号70に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性、及び/または配列番号71に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、実施形態3または4に記載の組成物または医療調製物。
14.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、オミクロンBA.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、
a)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号49に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列もしくはその免疫原性断片を含み、及び/または
b)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAが、配列番号50に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性、及び/または配列番号51に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、実施形態3または5に記載の組成物または医療調製物。
15.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、オミクロンBA.2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、
a)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号64に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列もしくはその免疫原性断片を含み、及び/または
b)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAが、配列番号65に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性、及び/または配列番号66に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、実施形態3または6に記載の組成物または医療調製物。
16.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、オミクロンBA.2.75.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、
a)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号80に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列もしくはその免疫原性断片を含み、及び/または
b)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAが、配列番号81に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性、及び/または配列番号83に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、実施形態3または7に記載の組成物または医療調製物。
17.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、オミクロンBA.4.6/BF.7バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、
a)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号90に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列もしくはその免疫原性断片を含み、及び/または
b)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAが、配列番号91に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性、及び/または配列番号92に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、実施形態3または8に記載の組成物または医療調製物。
18.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、オミクロンXBBバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、
a)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号95に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列もしくはその免疫原性断片を含み、及び/または
b)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAが、配列番号96に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性、及び/または配列番号98に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、実施形態3または9に記載の組成物または医療調製物。
19.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、オミクロンBQ.1.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、
a)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号100に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列もしくはその免疫原性断片を含み、及び/または
b)前記SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAが、配列番号101に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性、及び/または配列番号102に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、実施形態3または11に記載の組成物または医療調製物。
20.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、発現、安定性、及び/または免疫原性を改善する1つ以上の変異を含む、実施形態1~19のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
21.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、融合前立体配座を安定化する1つ以上の変異を含む、実施形態20に記載の組成物または医療調製物。
22.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号1の残基986及び987に対応する位置にプロリン変異を含む、実施形態20に記載の組成物または医療調製物。
23.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号1の817位、892位、899位、及び/または942位に対応する位置に1つ以上のプロリン残基を含む、実施形態21または22に記載の組成物または医療調製物。
24.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、フューリン切断を防止する変異を含む、実施形態20~23のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
25.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、フューリンプロテアーゼによる切断を防止する、配列番号1の残基682~685に対応する位置における変異(例えば、GSAS変異)を含む、実施形態24に記載の組成物または医療調製物。
26.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、Sタンパク質シェディングを減少させる1つ以上の変異(例えば、配列番号1の残基614に対応する位置におけるアスパラギン酸塩からグリシンへの変異)を含む、実施形態20~25のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
27.前記RNAが、ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む、実施形態1~26のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
28.前記RNAが、各ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む、実施形態27に記載の組成物または医療調製物。
29.前記修飾ヌクレオシドが、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択される、実施形態27または28に記載の組成物または医療調製物。
30.前記修飾ヌクレオシドが、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)である、実施形態29に記載の組成物または医療調製物。
31.前記RNAが、5’キャップを含む、実施形態1~30のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
32.前記5’キャップが、キャップ1構造であるか、またはそれを含む、実施形態31に記載の組成物または医療調製物。
33.前記RNAが、m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApGであるか、またはそれを含む5’キャップを含む、実施形態32に記載の組成物または医療調製物。
34.前記組成物が、ポリ(A)配列を含む、実施形態1~33のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
35.前記ポリ(A)配列が、少なくとも100個のAヌクレオチドを含む、実施形態34に記載の組成物または医療調製物。
36.前記ポリ(A)配列が、Aヌクレオチドの中断配列である、実施形態34または35に記載の組成物または医療調製物。
37.前記ポリ(A)配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態36に記載の組成物または医療調製物。
38.前記ポリ(A)配列が、配列番号14のヌクレオチド配列、または前記配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%同一であるヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる、実施形態37に記載の組成物または医療調製物。
39.前記RNAが、修飾ヒトアルファ-グロビン5’-UTRであるか、またはそれを含む5’-UTRを含む、実施形態1~38のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
40.前記5’UTRが、配列番号12のヌクレオチド配列、または前記配列番号12のヌクレオチド配列と少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%同一であるヌクレオチド配列を含む、実施形態39に記載の組成物または医療調製物。
41.前記RNAが、スプリットメッセンジャーRNAのアミノ末端エンハンサー(AES)からの第1の配列及びミトコンドリアでコードされた12SリボソームRNAからの第2の配列であるか、またはそれを含む3’-UTRを含む、実施形態1~40のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
42.前記RNAが、配列番号13のヌクレオチド配列、または配列番号13の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む3’UTRを含む、実施形態41に記載の組成物または医療調製物。
43.前記RNAが、粒子として製剤化されるか、または製剤化されることになっている、実施形態1~42のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
44.前記粒子が、脂質ナノ粒子(LNP)またはリポプレックス(LPX)粒子である、実施形態43に記載の組成物または医療調製物。
45.前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、実施形態44に記載の組成物または医療調製物。
46.前記中性脂質が、総脂質の約5~約15モルパーセントの範囲の濃度で存在する、実施形態45に記載の組成物または医療調製物。
47.前記カチオン性にイオン化可能な脂質が、総脂質の約40~約50モルパーセントの範囲の濃度で存在する、実施形態45または46に記載の組成物または医療調製物。
48.前記ステロールが、総脂質の約30~約50モルパーセントの範囲の濃度で存在する、実施形態45~47のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
49.前記ポリマー-脂質コンジュゲートが、前記総脂質の約1~約10モルパーセントの範囲の濃度で存在する、実施形態45~48のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
50.前記脂質ナノ粒子が、約40~約50モルパーセントの前記カチオン性にイオン化可能な脂質、約5~約15モルパーセントの前記中性脂質、約35~約45モルパーセントの前記ステロール、及び約1~約10モルパーセントの前記ポリマーコンジュゲート脂質を含む、実施形態45~49のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
51.前記RNAリポプレックス粒子が、前記RNAをリポソームと混合することによって得ることができる、実施形態44に記載の組成物または医療調製物。
52.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、(a)オミクロンBA.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号49のアミノ酸配列もしくは配列番号49と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、及び/または(b)配列番号50のヌクレオチド配列もしくは配列番号50と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
53.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態52に記載の組成物または医療調製物。
54.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態52または53に記載の組成物または医療調製物。
55.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態52~54のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
56.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態55に記載の組成物または医療調製物。
57.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態56に記載の組成物または医療調製物。
58.前記RNAが、配列番号51を含む、実施形態52~57のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
59.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、(a)ベータバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号55のアミノ酸配列もしくは配列番号55と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、及び/または(b)配列番号56のヌクレオチド配列もしくは配列番号56と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
60.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態59に記載の組成物または医療調製物。
61.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態59または60に記載の組成物または医療調製物。
62.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態59~61のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
63.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態62に記載の組成物または医療調製物。
64.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態63に記載の組成物または医療調製物。
65.前記RNAが、配列番号57を含む、実施形態59~64のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
66.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、(a)アルファバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号58のポリペプチドもしくは配列番号58と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、及び/または(b)配列番号59のヌクレオチド配列もしくは配列番号59と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
67.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態66に記載の組成物または医療調製物。
68.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態66または67に記載の組成物または医療調製物。
69.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態66~68のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
70.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態69に記載の組成物または医療調製物。
71.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態70に記載の組成物または医療調製物。
72.前記RNAが、配列番号60を含む、実施形態66~71のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
73.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、(a)デルタバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号61のアミノ酸配列もしくは配列番号61と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、及び/または(b)配列番号62aのヌクレオチド配列もしくは配列番号62aと少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
74.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態73に記載の組成物または医療調製物。
75.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態73または74に記載の組成物または医療調製物。
76.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態73~75のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
77.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態76に記載の組成物または医療調製物。
78.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態77に記載の組成物または医療調製物。
79.前記RNAが、配列番号63aを含む、実施形態73~78のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
80.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、(a)BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号64のアミノ酸配列もしくは配列番号64と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、及び/または(b)配列番号65のヌクレオチド配列もしくは配列番号65と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
81.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態80に記載の組成物または医療調製物。
82.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態80または81に記載の組成物または医療調製物。
83.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態80~82のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
84.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態83に記載の組成物または医療調製物。
85.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態84に記載の組成物または医療調製物。
86.前記RNAが、配列番号67を含む、実施形態80~85のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
87.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、(a)BA.2.75オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号80のアミノ酸配列もしくは配列番号80と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、及び/または(b)配列番号81のヌクレオチド配列もしくは配列番号81と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
88.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態87に記載の組成物または医療調製物。
89.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態87または88に記載の組成物または医療調製物。
90.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態87~89のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
91.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態90に記載の組成物または医療調製物。
92.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態91に記載の組成物または医療調製物。
93.前記RNAが、配列番号83を含む、実施形態90~92のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
94.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、BA.2.75.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号85のアミノ酸配列もしくは配列番号85と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、及び/または(b)配列番号86のヌクレオチド配列もしくは配列番号86と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
95.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態94に記載の組成物または医療調製物。
96.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態94または95に記載の組成物または医療調製物。
97.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態94~96のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
98.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態97に記載の組成物または医療調製物。
99.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態98に記載の組成物または医療調製物。
100.前記RNAが、配列番号88を含む、実施形態94~99のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
101.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、(a)オミクロンBA.4/5バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号69のアミノ酸配列もしくは配列番号69と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、及び/または(b)配列番号70のヌクレオチド配列もしくは配列番号70と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
102.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態101に記載の組成物または医療調製物。
103.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態101または102に記載の組成物または医療調製物。
104.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態101~103のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
105.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態104に記載の組成物または医療調製物。
106.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態105に記載の組成物または医療調製物。
107.前記RNAが、配列番号72を含む、実施形態101~106のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
108.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、(a)オミクロンBA.4.6/BF.7バリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号90のアミノ酸配列もしくは配列番号90と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、及び/または(b)配列番号91のヌクレオチド配列もしくは配列番号91と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
109.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態108に記載の組成物または医療調製物。
110.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態108または109に記載の組成物または医療調製物。
111.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態108~110のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
112.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態111に記載の組成物または医療調製物。
113.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態112に記載の組成物または医療調製物。
114.前記RNAが、配列番号93を含む、実施形態108~112のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
115.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、(a)XBBオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号85のアミノ酸配列もしくは配列番号95と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、及び/または(b)配列番号96のヌクレオチド配列もしくは配列番号96と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
116.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態115に記載の組成物または医療調製物。
117.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態115または116に記載の組成物または医療調製物。
118.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態115~117のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
119.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態118に記載の組成物または医療調製物。
120.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態119に記載の組成物または医療調製物。
121.前記RNAが、配列番号98を含む、実施形態115~120のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
122.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、組成物または医療調製物であって、前記RNAが、(a)BQ.1.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含み、配列番号100のアミノ酸配列もしくは配列番号100と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、及び/または(b)配列番号101のヌクレオチド配列もしくは配列番号101と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記組成物または医療調製物。
123.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態122に記載の組成物または医療調製物。
124.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態122または123に記載の組成物または医療調製物。
125.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態122~124のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
126.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態125に記載の組成物または医療調製物。
127.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態126に記載の組成物または医療調製物。
128.前記RNAが、配列番号103を含む、実施形態121~127のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
129.前記RNAが、前記組成物中に用量当たり約1μg~約100μgの範囲内の量で存在する、実施形態1~128のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
130.前記RNAが、前記組成物中に用量当たり約1μg~約60μgの範囲内の量で存在する、実施形態129に記載の組成物または医療調製物。
131.前記RNAが、前記組成物中に用量当たり約1.5μg、約2.5μg、約3.0μg、約5.0μg、約10μg、約15μg、約30μg、または約60μgの量で存在する、実施形態130に記載の組成物または医療調製物。
132.SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNAを更に含み、前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、第2のSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含む、実施形態1~131のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
133.組成物または医療調製物であって、
(a)第1の株もしくはバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、第1のRNAと、
(b)第2のバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、第2のRNAと、を含み、
前記第1のバリアントが、前記第2のバリアントとは異なり、任意に、前記第1及び/または第2のバリアントが、オミクロンバリアントである、前記組成物または医療調製物。
134.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含み、前記第2のRNAが、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133に記載の組成物または医療調製物。
135.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含み、前記第2のRNAが、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその亜系統もしくはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133または134に記載の組成物または医療調製物。
136.前記第2のRNAが、前記第1のRNAによってコードされた前記Sタンパク質とは抗原的に異なるSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133に記載の組成物または医療調製物。
137.(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、もしくはBA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、第1のRNA、及び(b)BA.1オミクロンバリアントではないオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、第2のRNAを含む、組成物または医療調製物。
138.前記第2のRNAが、BA.4/5オミクロンバリアントもしくはBA.4/5オミクロンバリアントから進化したバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133~137のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
139.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含み、前記第2のRNAが、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133~135のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
140.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含み、前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133~138のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
141.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含み、前記第2のRNAが、BA.4もしくはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133~138のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
142.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含み、前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133~138のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
143.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含み、前記第2のRNAが、BA.4もしくはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133~138のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
144.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含み、前記第2のRNAが、XBBオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133~143のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
145.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含み、前記第2のRNAが、BQ.1.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態133~138のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
146.前記第1のRNA及び/または前記第2のRNAによってコードされた前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記免疫原性断片が、前記SARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニット、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記S1サブユニットの受容体結合ドメイン(RBD)を含む、実施形態133~145のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
147.前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、コドン最適化される(例えば、ヒト細胞内での発現のためにコドン最適化される)、及び/または野生型コード配列と比較して増加するG/C含有量を有する、実施形態133~146のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
148.第1のRNAと、第2のRNAと、を含む、組成物または医療調製物であって、
a)前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号7もしくは配列番号7と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第1のRNAが、配列番号9もしくは20のヌクレオチド配列または配列番号9もしくは20と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
b)前記第2のRNAが、BA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)BA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含む前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、90のアミノ酸配列または配列番号90と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のアミノ酸配列、及び/または(ii)前記第2のRNAが、配列番号91のヌクレオチド配列もしくは配列番号91と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のヌクレオチド配列を含む、前記組成物または医療調製物。
149.第1のRNAと、第2のRNAと、を含む、組成物または医療調製物であって、
a)前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)武漢株の前記SARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号7もしくは配列番号7と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第1のRNAが、配列番号9もしくは20のヌクレオチド配列または配列番号9もしくは20と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
b)前記第2のRNAが、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号49のアミノ酸配列または配列番号49と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第2のRNAが、配列番号70のヌクレオチド配列もしくは配列番号70と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のヌクレオチド配列を含む、前記組成物または医療調製物。
150.第1のRNAと、第2のRNAと、を含む、組成物または医療調製物であって、
a)前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号7もしくは配列番号7と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第1のRNAが、配列番号9もしくは20のヌクレオチド配列または配列番号9もしくは20と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
b)前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号64のアミノ酸配列または配列番号69と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第2のRNAが、配列番号70のヌクレオチド配列もしくは配列番号70と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のヌクレオチド配列を含む、前記組成物または医療調製物。
151.第1のRNAと、第2のRNAと、を含む、組成物または医療調製物であって、
a)前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号7もしくは配列番号7と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第1のRNAが、配列番号9もしくは20のヌクレオチド配列または配列番号9もしくは20と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
b)前記第2のRNAが、BA.2.75オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記BA.2.75オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号80のアミノ酸配列または配列番号80と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第2のRNAが、配列番号81のヌクレオチド配列もしくは配列番号81と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のヌクレオチド配列を含む、前記組成物または医療調製物。
152.第1のRNAと、第2のRNAと、を含む、組成物または医療調製物であって、
a)前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号7もしくは配列番号7と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第1のRNAが、配列番号9もしくは20のヌクレオチド配列または配列番号9もしくは20と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
b)前記第2のRNAが、BA.2.75.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記BA.2.75.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号85のアミノ酸配列または配列番号85と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第2のRNAが、配列番号86のヌクレオチド配列もしくは配列番号86と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のヌクレオチド配列を含む、前記組成物または医療調製物。
153.第1のRNAと、第2のRNAと、を含む、組成物または医療調製物であって、
a)前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号7もしくは配列番号7と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第1のRNAが、配列番号9もしくは20のヌクレオチド配列または配列番号9もしくは20と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
b)前記第2のRNAが、BA.4.6またはBF.7オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記BA.4.6もしくはBF.7オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号90のアミノ酸配列もしくは配列番号90と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第2のRNAが、配列番号91のヌクレオチド配列もしくは配列番号91と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のヌクレオチド配列を含む、前記組成物または医療調製物。
154.第1のRNAと、第2のRNAと、を含む、組成物または医療調製物であって、
a)前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号7もしくは配列番号7と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第1のRNAが、配列番号9もしくは20のヌクレオチド配列または配列番号9もしくは20と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
b)前記第2のRNAが、XBBオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記XBBオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号95のアミノ酸配列または配列番号95と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第2のRNAが、配列番号96のヌクレオチド配列もしくは配列番号96と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のヌクレオチド配列を含む、前記組成物または医療調製物。
155.第1のRNAと、第2のRNAと、を含む、組成物または医療調製物であって、
a)前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号7もしくは配列番号7と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第1のRNAが、配列番号9もしくは20のヌクレオチド配列または配列番号9もしくは20と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
b)前記第2のRNAが、BQ.1.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含み、(i)前記BQ.1.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質が、配列番号100のアミノ酸配列もしくは配列番号100と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のアミノ酸配列を含み、及び/または(ii)前記第2のRNAが、配列番号100のヌクレオチド配列もしくは配列番号100と少なくとも80%(例えば、85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは99%以上)同一のヌクレオチド配列を含む、前記組成物または医療調製物。
156.前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、発現、安定性、及び/または免疫原性を改善する1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態133~155のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
157.前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、融合前立体配座を安定化する1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態156に記載の組成物または医療調製物。
158.前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、配列番号1の残基986及び987に対応する位置にプロリン変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態157に記載の組成物または医療調製物。
159.前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、配列番号1の残基817、892、899、及び/または942に対応する位置に1つ以上のプロリン変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態157または158に記載の組成物または医療調製物。
160.前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、フューリン切断を防止する変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態156~159のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
161.前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、フューリンプロテアーゼによる切断を防止する、配列番号1の残基682~685に対応する位置に変異(例えば、GSAS変異)を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態160に記載の組成物または医療調製物。
162.前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、Sタンパク質シェディングを減少させる1つ以上の変異(例えば、配列番号1の残基614に対応する位置におけるアスパラギン酸塩からグリシンへの変異)を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態156~161のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
163.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む、実施形態133~162のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
164.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、各ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含む、実施形態163の組成物または医療調製物。
165.前記修飾ヌクレオシドが、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択される、実施形態163または164に記載の組成物または医療調製物。
166.前記修飾ヌクレオシドが、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)である、実施形態165に記載の組成物または医療調製物。
167.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、5’キャップを含む、実施形態133~166のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
168.前記5’キャップが、キャップ1構造であるか、またはそれを含む、実施形態167に記載の組成物または医療調製物。
169.前記5’キャップが、m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApGであるか、またはそれを含む、実施形態168に記載の組成物または医療調製物。
170.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、ポリ(A)配列を含む、実施形態133~169のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物または医療調製物。
171.前記ポリ(A)配列が、少なくとも100個のAヌクレオチドを含む、実施形態170に記載の組成物または医療調製物。
172.前記ポリ(A)配列が、Aヌクレオチドの中断配列である、実施形態170または171に記載の組成物または医療調製物。
173.前記ポリ(A)配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態172に記載の組成物または医療調製物。
174.前記ポリ(A)配列が、配列番号14のヌクレオチド配列、または配列番号14の前記ヌクレオチド配列と少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%同一であるヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる、実施形態170~173のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
175.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、修飾ヒトアルファ-グロビン5’-UTRであるか、またはそれを含む5’-UTRを含む、実施形態133~174のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
176.前記5’UTRが、配列番号12のヌクレオチド配列、または配列番号12の前記ヌクレオチド配列と少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%同一であるヌクレオチド配列を含む、実施形態175に記載の組成物または医療調製物。
178.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、スプリット(AES)メッセンジャーRNAのアミノ末端エンハンサーからの第1の配列及びミトコンドリアでコードされた12SリボソームRNAからの第2の配列であるか、またはそれを含む3’-UTRを含む、実施形態133~176のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
179.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、配列番号13のヌクレオチド配列、または配列番号13の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む3’UTRを含む、実施形態178に記載の組成物または医療調製物。
180.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、粒子として製剤化されるか、または粒子として製剤化されことになっている、実施形態133~179のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
181.前記粒子が、脂質ナノ粒子(LNP)またはリポプレックス(LPX)粒子である、実施形態180に記載の組成物または医療調製物。
182.前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、実施形態181に記載の組成物または医療調製物。
183.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態181または182に記載の組成物または医療調製物。
184.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態181または182に記載の組成物または医療調製物。
185.前記中性脂質が、総脂質の約5~約15モルパーセントの範囲の濃度で存在する、実施形態182~184のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
186.前記カチオン性にイオン化可能な脂質が、総脂質の約40~約50モルパーセントの範囲の濃度で存在する、実施形態182~185のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
187.前記ステロールが、総脂質の約30~約50モルパーセントの範囲の濃度で存在する、実施形態182~186のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
188.前記ポリマー-脂質コンジュゲートが、総脂質の約1~約10モルパーセントの範囲の濃度で存在する、実施形態182~187のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
189.前記脂質ナノ粒子が、約40~約50モルパーセントの前記カチオン性にイオン化可能な脂質、約5~約15モルパーセントの前記中性脂質、約35~約45モルパーセントの前記ステロール、及び約1~約10モルパーセントの前記ポリマーコンジュゲート脂質を含む、実施形態182~188のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
190.前記RNAリポプレックス粒子が、前記第1のRNA及び前記第2のRNAをリポソームと混合することによって得ることができる、実施形態181に記載の組成物または医療調製物。
191.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、用量当たり約1μg~約100μgの範囲内の合わせた量で存在する、実施形態133~190のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
192.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、用量当たり約1μg~約60μgの範囲内の合わせた量で存在する、実施形態133~191のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
193.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、用量当たり約3.0μg、約10μg、約30μg、または約60μgの合わせた量で存在する、実施形態133~192のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
194.前記第1のRNAと前記第2のRNAとの比が、約1:10~約10:1である、実施形態133~193のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
195.前記第1のRNAと前記第2のRNAとの比が、約1:1である、実施形態133~194のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
196.
a)前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、前記組成物中の用量当たり約1.5μgの量で存在するか、
b)前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、前記組成物中の用量当たり約5μgの量で存在するか、
c)前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、前記組成物中の用量当たり約15μgの量で存在するか、または
d)前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、前記組成物中の用量当たり約15μgの量で存在する、実施形態133~195のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
197.SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするRNAを更に含む、実施形態124~169のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
198.SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードする前記RNAが、SARS-CoV-2ゲノムのORF1ab、M、及びN領域の各々の1つ以上のエピトープを含む、実施形態170に記載の組成物または医療調製物。
199.液体、固体、またはそれらの組み合わせとして製剤化されるか、または製剤化されることになっている、実施形態1~198のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
200.注射のために製剤化されるか、または製剤化されることになっている、実施形態1~199のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
201.前記組成物または医療調製物が、筋肉内投与のために製剤化されるか、または製剤化されることになっている、実施形態1~200のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
202.薬学的組成物である、実施形態1~201のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
203.ワクチンである、実施形態1~202のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
204.前記薬学的組成物が、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/または賦形剤を更に含む、実施形態202または203に記載の組成物または医療調製物。
205.キットである、実施形態1~204のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
206.対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導するための前記組成物または医療調製物の使用のための説明書を更に含む、実施形態205に記載の組成物または医療調製物。
207.薬学的使用のための、実施形態1~206のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
208.前記薬学的使用が、対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導することを含む、実施形態207に記載の組成物または医療調製物。
209.前記薬学的使用が、コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置を含む、実施形態207または208に記載の組成物または医療調製物。
210.前記コロナウイルスが、サルベコウイルスである、実施形態208または209に記載の組成物または医療調製物。
211.前記コロナウイルスが、ベータコロナウイルスである、実施形態208~211のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
212.前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態208~212のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
213.ヒトへの投与のためのものである、実施形態1~212のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
214.実施形態1~213のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物を投与することを含む、対象におけるSARS-CoV-2に対する免疫応答を誘発する、方法。
215.前記免疫応答が、SARS-CoV-2のオミクロンバリアントに対して誘発される、実施形態214に記載の方法。
216.前記対象が、以前にSARS-CoV-2に感染したか、またはSARS-CoV-2に対してワクチン接種されたことがある、実施形態214または215に記載の方法。
217.SARS-CoV-2の武漢株の抗原が、前記対象に以前に送達されている(例えば、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして)、実施形態214~216のいずれか1つに記載の方法。
218.前記対象が、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを以前に投与されたことがある、実施形態214~217のいずれか1つに記載の方法。
219.前記対象が、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAの2回以上の用量を以前に投与されたことがある、実施形態214~218のいずれか1つに記載の方法。
220.実施形態1~206のいずれか1つに記載のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAの2回以上の用量の少なくとも約2ヶ月後に投与される、実施形態219に記載の方法。
221.前記方法が、BA.1オミクロンバリアントではないSARS-CoV-2ウイルスの抗原をコードするRNAを投与することを含む、実施形態214~220のいずれか1つに記載の方法。
222.前記方法が、オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-Cov-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むRNAを投与することを含み、前記オミクロンバリアントが、BA.1オミクロンバリアントではない、実施形態214~221のいずれか1つに記載の方法。
223.前記方法が、BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むRNAを投与することを含む、実施形態214~222のいずれか1つに記載の方法。
224.前記方法が、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むRNAを投与することを含む、実施形態214~222のいずれか1つに記載の方法。
225.対象における免疫応答を誘導するための方法であって、(a)武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするか、またはアルファバリアント、ベータバリアント、もしくはデルタバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むヌクレオチド配列を含む第1のRNAと、(b)BA.1オミクロンバリアントではないオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNAとを投与することを含む、前記方法。
226.前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態225に記載の方法。
227.前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態225に記載の方法。
228.対象における免疫応答を誘導するための方法であって、(a)武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むか、またはアルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、もしくはBA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含む第1のRNAと、(b)前記第1のRNAによってコードされた前記Sタンパク質とは抗原的に異なるSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む第2のRNAとを投与することを含む、前記方法。
229.前記第2のRNAが、BA.1オミクロンバリアントではないオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態228に記載の方法。
230.前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態228に記載の方法。
231.前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、実施形態228に記載の方法。
232.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個のLNPに封入される、実施形態214~231のいずれか1つに記載の方法。
233.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じLNPに封入される、実施形態214~231のいずれか1つに記載の方法。
234.前記第1のRNA及び前記第2のRNAは、例えば、異なる注射部位で別個に投与される、実施形態214~232のいずれか1つに記載の方法。
235.SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするヌクレオチド配列を含むRNAを投与することを更に含む、実施形態214~234のいずれか1つに記載の方法。
236.前記SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするヌクレオチド配列が、SARS-CoV-2ゲノムのORF1ab、M、及びN領域の各々の1つ以上のエピトープをコードする、実施形態235に記載の方法。
237.前記第1のRNA、前記第2のRNA、及び前記SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするRNAが、各々、別個のLNP中に製剤化される、実施形態235または236に記載の方法。
238.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じLNP中に共製剤化され、前記SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするRNAが、別個のLNP中に製剤化される、実施形態235または236に記載の方法。
239.前記第1のRNA、前記第2のRNA、及び前記SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするRNAの各々が、同じLNP中に共製剤化される、実施形態235または236に記載の方法。
240.前記第1のRNA、前記第2のRNA、及び前記SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするRNAが、
(a)30μgの前記第1のRNAと前記第2のRNAとを組み合わせたもの(例えば、15μgの前記第1のRNAと15μgの前記第2のRNA)、及び5μgの前記SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするRNA、
(b)30μgの前記第1のRNAと前記第2のRNAとを組み合わせたもの(例えば、15μgの前記第1のRNAと15μgの前記第2のRNA)、及び10μgの前記SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするRNA、または
(c)30μgの前記第1のRNAと前記第2のRNAとを組み合わせたもの(例えば、15μgの前記第1のRNAと15μgの前記第2のRNA)、及び15μgの前記SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするRNA、を含む用量で投与される、実施形態235~239のいずれか1つに記載の方法。
241.前記SARS-CoV-2の1つ以上のT細胞エピトープをコードするRNAが、配列番号RS C7p2fullのポリペプチド配列をコードする、実施形態235~240のいずれか1つに記載の方法。
242.呼吸器疾患に対する1つ以上のワクチンを投与することを更に含む、実施形態207~241のいずれか1つに記載の方法。
243.前記呼吸器疾患が、RSVまたはインフルエンザである、実施形態242に記載の方法。
244.RSVに対するワクチン及びインフルエンザに対するワクチンを投与することを含む、実施形態242または243に記載の方法。
245.呼吸器疾患に対する前記1つ以上のワクチンが、RNAワクチンであり、各々が、抗原タンパク質をコードする1つ以上のRNAを含む、実施形態242~244のいずれか1つに記載の方法。
246.インフルエンザウイルス由来の抗原(複数可)をコードする1つ以上のRNA及び/またはRSV由来の抗原(複数可)をコードする1つ以上のRNAを投与することを含む、実施形態245に記載の方法。
247.各RNAが、別個のLNP中に製剤化される、実施形態246に記載の方法。
248.SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードする各RNAが、同じLNP中で一緒に共製剤化され、インフルエンザウイルス由来の抗原タンパク質をコードする各RNAが、同じLNP中で一緒に共製剤化され、RSV由来の抗原タンパク質をコードする各RNAが、同じLNP中で一緒に共製剤化される、実施形態246に記載の方法。
249.SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードする各RNA、インフルエンザウイルス由来の抗原タンパク質をコードする各RNA、及びRSV由来の抗原タンパク質をコードする各RNAは、同じLNP中で一緒に共製剤化される、実施形態246に記載の方法。
250.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAを含む、組成物または医療調製物。
251.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の免疫原性断片が、前記SARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニット、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記S1サブユニットの受容体結合ドメイン(RBD)を含む、実施形態250に記載の組成物または医療調製物。
252.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含む前記アミノ酸配列が、野生型コード配列と比較してコドン最適化される、及び/またはG/C含有量が増加するコード配列によってコードされ、前記コドン最適化及び/または前記G/C含有量の前記増加が、好ましくは、前記コードされたアミノ酸配列の配列を変化させない、実施形態250または251に記載の組成物または医療調製物。
253.
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、実施形態250~252のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
254.
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、実施形態250~253のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
255.
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、実施形態250~254のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
256.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含む前記アミノ酸配列が、分泌シグナルペプチドを含む、実施形態250~255のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
257.前記分泌シグナルペプチドが、好ましくはN末端に、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片に融合される、実施形態256に記載の組成物または医療調製物。
258.
(i)前記分泌シグナルペプチドをコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)前記分泌シグナルペプチドが、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~16の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~16の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の機能的断片を含む、実施形態256または257に記載の組成物または医薬製剤。
259.
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号6のヌクレオチド配列、配列番号6の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号6の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号6の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号5のアミノ酸配列、配列番号5の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号5の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号5の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、実施形態250~258のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
260.
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド54~986の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド54~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列もしくは配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、実施形態250~259のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
261.前記RNAが、ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含み、特に、前記修飾ヌクレオシドが、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択され、特に、前記修飾ヌクレオシドが、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)である、実施形態250~258のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
262.前記RNAが、5’キャップを含む、実施形態250~261のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
263.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、配列番号12のヌクレオチド配列、または配列番号12の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む5’UTRを含む、実施形態250~262のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
264.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、配列番号13のヌクレオチド配列、または配列番号13の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む3’UTRを含む、実施形態250~263のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
265.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、ポリA配列を含む、実施形態250~264のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
266.前記ポリA配列が、少なくとも100個のヌクレオチドを含む、実施形態265に記載の組成物または医療調製物。
267.前記ポリA配列が、配列番号14のヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる、実施形態265または266に記載の組成物または医療調製物。
268.前記RNAが、液体、固体、またはそれらの組み合わせとして製剤化されるか、または製剤化されることになっている、実施形態250~267のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
269.前記RNAが、注射のために製剤化されるか、または製剤化されることになっ
ている、実施形態250~268のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
270.前記RNAが、筋肉内投与のために製剤化されるか、または製剤化されることになっている、実施形態250~269のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
271.前記RNAが、粒子として製剤化されるか、または製剤化されることになっている、実施形態250~270のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
272.前記粒子が、脂質ナノ粒子(LNP)またはリポプレックス(LPX)粒子である、実施形態271に記載の組成物または医療調製物。
273.前記LNP粒子が、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、実施形態272に記載の組成物または医療調製物。
274.前記RNAリポプレックス粒子が、前記RNAをリポソームと混合することによって得ることができる、実施形態272に記載の組成物または医療調製物。
275.前記RNAが、mRNAまたはsaRNAである、実施形態250~274のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
276.薬学的組成物である、実施形態250~275のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
277.ワクチンである、実施形態250~276のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
278.前記薬学的組成物が、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/または賦形剤を更に含む、実施形態276または277に記載の組成物または医療調製物。
279.キットである、実施形態250~275のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
280.前記RNA及び任意に粒子形成成分が、別個のバイアル内にある、実施形態279に記載の組成物または医療調製物。
281.対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導するための前記組成物または医療調製物の使用のための説明書を更に含む、実施形態279または280に記載の組成物または医療調製物。
282.薬学的使用のための、実施形態250~281のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
283.前記薬学的使用が、対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導することを含む、実施形態282に記載の組成物または医療調製物。
284.前記薬学的使用が、コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置を含む、実施形態282または283に記載の組成物または医療調製物。
285.ヒトへの投与のためのものである、実施形態250~284のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
286.前記コロナウイルスが、ベータコロナウイルスである、実施形態282~285のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
287.前記コロナウイルスが、サルベコウイルスである、実施形態282~286のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
288.前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態282~287のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
289.対象においてコロナウイルスに対する免疫応答を誘導する方法であって、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAを含む組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
290.前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の免疫原性断片が、前記SARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニット、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記S1サブユニットの受容体結合ドメイン(RBD)を含む、実施形態289に記載の方法。
291.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含む前記アミノ酸配列が、野生型コード配列と比較してコドン最適化される、及び/またはG/C含有量が増加するコード配列によってコードされ、前記コドン最適化及び/または前記G/C含有量の前記増加が、好ましくは、前記コードされたアミノ酸配列の配列を変化させない、実施形態289または290に記載の方法。
292.
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、実施形態289~291のいずれか1つに記載の方法。
293.
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド111~986の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド111~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、実施形態289~292のいずれか1つに記載の方法。
294.
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、実施形態289~293のいずれか1つに記載の方法。
295.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含む前記アミノ酸配列が、分泌シグナルペプチドを含む、実施形態289~294のいずれか1つに記載の方法。
296.前記分泌シグナルペプチドが、好ましくはN末端に、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片に融合される、実施形態295に記載の方法。
297.
(i)前記分泌シグナルペプチドをコードするRNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)分泌シグナルペプチドが、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~16の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~16の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の機能的断片を含む、実施形態295または297に記載の方法。
298.
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号6のヌクレオチド配列、配列番号6の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号6の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号6の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号5のアミノ酸配列、配列番号5の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号5の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号5の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、実施形態289~297のいずれか1つに記載の方法。
299.
(i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド54~986の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド54~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
(ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列もしくは配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、実施形態289~298のいずれか1つに記載の方法。
300.前記RNAが、ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含み、特に、前記修飾ヌクレオシドが、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択され、特に、前記修飾ヌクレオシドが、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)である、実施形態289~298のいずれか1つに記載の方法。
301.前記RNAが、キャップを含む、実施形態289~300のいずれか1つに記載の方法。
302.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、配列番号12のヌクレオチド配列、または配列番号12の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む5’UTRを含む、実施形態289~301のいずれか1つに記載の方法。
303.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、配列番号13のヌクレオチド配列、または配列番号13の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む3’UTRを含む、実施形態289~302のいずれか1つに記載の方法。
304.SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、ポリA配列を含む、実施形態289~303のいずれか1つに記載の方法。
305.前記ポリA配列が、少なくとも100個のヌクレオチドを含む、実施形態304に記載の方法。
306.前記ポリA配列が、配列番号14のヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる、実施形態304または305に記載の方法。
307.前記RNAが、液体、固体、またはそれらの組み合わせとして製剤化される、実施形態289~306のいずれか1つに記載の方法。
308.前記RNAが、注射によって投与される、実施形態289~307のいずれか1つに記載の方法。
309.前記RNAが、筋肉内投与によって投与される、実施形態289~308のいずれか1つに記載の方法。
310.前記RNAが、粒子として製剤化される、実施形態289~309のいずれか1つに記載の方法。
311.前記粒子が、脂質ナノ粒子(LNP)またはリポプレックス(LPX)粒子である、実施形態310に記載の方法。
312.前記LNP粒子が、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、実施形態311に記載の方法。
313.前記RNAリポプレックス粒子が、前記RNAをリポソームと混合することによって得ることができる、実施形態311に記載の方法。
314.前記RNAが、mRNAまたはsaRNAである、実施形態289~313のいずれか1つに記載の方法。
315.コロナウイルスに対するワクチン接種のための方法である、実施形態289~314のいずれか1つに記載の方法。
316.コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置のための方法である、実施形態289~315のいずれか1つに記載の方法。
317.前記対象が、ヒトである、実施形態289~316のいずれか1つに記載の方法。
318.前記コロナウイルスが、ベータコロナウイルスである、実施形態289~317のいずれか1つに記載の方法。
319.前記コロナウイルスが、サルベコウイルスである、実施形態289~318のいずれか1つに記載の方法。
320.前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態289~319のいずれか1つに記載の方法。
321.前記組成物が、実施形態1~39のいずれか1つに記載の組成物である、実施形態289~320のいずれか1つに記載の方法。
322.実施形態289~320のいずれか1つに記載の方法で使用するための、実施形態250~288のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
323.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、免疫原性組成物であって、前記RNAが、配列番号49のポリペプチドをコードし、配列番号50のヌクレオチド配列、または配列番号50と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、前記免疫原性組成物。
324.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態323に記載の免疫原性組成物。
325.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態323または324に記載の免疫原性組成物。
326.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態323~325のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
327.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態326に記載の免疫原性組成物。
328.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態326に記載の免疫原性組成物。
329.前記RNAが、配列番号51を含む、実施形態323~328のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
330.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、免疫原性組成物であって、前記RNAが、配列番号55のポリペプチドをコードし、配列番号56のヌクレオチド配列、または配列番号56と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、前記免疫原性組成物。
331.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態330に記載の免疫原性組成物。
332.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態330または331に記載の免疫原性組成物。
333.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態330~332のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
334.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態333に記載の免疫原性組成物。
335.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態334に記載の免疫原性組成物。
336.前記RNAが、配列番号57を含む、実施形態330~335のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
337.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、免疫原性組成物であって、前記RNAが、配列番号58のポリペプチドをコードし、配列番号59のヌクレオチド配列、または配列番号59と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、前記免疫原性組成物。
338.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態337に記載の免疫原性組成物。
339.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態337または338に記載の免疫原性組成物。
340.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態337~339のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
341.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態340に記載の免疫原性組成物。
342.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態341に記載の免疫原性組成物。
343.前記RNAが、配列番号60を含む、実施形態337~342のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
344.RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、免疫原性組成物であって、前記RNAが、配列番号61のポリペプチドをコードし、配列番号62aのヌクレオチド配列、または配列番号62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
(a)修飾ウリジン、
(b)5’キャップを含み、
前記LNPが、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、前記免疫原性組成物。
345.前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態344に記載の免疫原性組成物。
346.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態344または345に記載の免疫原性組成物。
347.前記RNAが、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態344~346のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
348.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態347に記載の免疫原性組成物。
349.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態348に記載の免疫原性組成物。
350.前記RNAが、配列番号63aを含む、実施形態344~349のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
351.第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
前記第1のRNAが、配列番号7のポリペプチドをコードし、配列番号9のヌクレオチド配列、または配列番号9と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
前記第2のRNAが、配列番号49のポリペプチドをコードし、配列番号50のヌクレオチド配列、または配列番号50と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
(a)修飾ウリジン、及び
(b)5’キャップを含み、
前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、前記免疫原性組成物。
352.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態351に記載の免疫原性組成物。
353.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態351に記載の免疫原性組成物。
354.前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態351~353のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
355.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態351~354のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
356.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々独立して、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態351~355のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
357.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態357に記載の免疫原性組成物。
358.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態357に記載の免疫原性組成物。
359.前記第1のRNAが、配列番号20を含み、前記第2のRNAが、配列番号51を含む、実施形態351~358のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
360.第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
前記第1のRNAが、配列番号7のポリペプチドをコードし、配列番号9のヌクレオチド配列、または配列番号9と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
前記第2のRNAが、配列番号55、58、または61のポリペプチドをコードし、配列番号56、59、もしくは62aのヌクレオチド配列、または配列番号56、59、もしくは62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
(a)修飾ウリジン、及び
(b)5’キャップを含み、
前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、前記免疫原性組成物。
361.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態360に記載の免疫原性組成物。
362.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態360に記載の免疫原性組成物。
363.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態360~362のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
364.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態360~363のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
365.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々独立して、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態360~364のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
366.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態360~365のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
367.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態366に記載の免疫原性組成物。
368.前記第1のRNAが、配列番号9を含み、前記第2のRNAが、配列番号56を含む、実施形態360~367のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
369.前記第1のRNAが、配列番号9を含み、前記第2のRNAが、配列番号59を含む、実施形態360~368のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
370.前記第1のRNAが、配列番号9を含み、前記第2のRNAが、配列番号62aを含む、実施形態360~368のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
371.前記第1のRNAが、配列番号20を含み、前記第2のRNAが、配列番号57を含む、実施形態360~368のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
372.前記第1のRNAが、配列番号20を含み、前記第2のRNAが、配列番号60を含む、実施形態360~368のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
373.前記第1のRNAが、配列番号20を含み、前記第2のRNAが、配列番号63aを含む、実施形態360~368のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
374.第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
前記第1のRNAが、配列番号58のポリペプチドをコードし、配列番号59のヌクレオチド配列、または配列番号59と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
前記第2のRNAが、配列番号49、55、または61のポリペプチドをコードし、配列番号50、56、もしくは62aのヌクレオチド配列、または配列番号50、56、もしくは62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
(a)修飾ウリジン、及び
(b)5’キャップを含み、
前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、前記免疫原性組成物。
375.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態374に記載の免疫原性組成物。
376.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態374に記載の免疫原性組成物。
377.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態374~376のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
378.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態374~377のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
379.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々独立して、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態374~378のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
380.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態379に記載の免疫原性組成物。
381.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態379に記載の免疫原性組成物。
382.前記第1のRNAが、配列番号59を含み、前記第2のRNAが、配列番号50を含む、実施形態374~381のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
383.前記第1のRNAが、配列番号59を含み、前記第2のRNAが、配列番号56を含む、実施形態374~381のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
384.前記第1のRNAが、配列番号59を含み、前記第2のRNAが、配列番号62aを含む、実施形態374~381のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
385.前記第1のRNAが、配列番号60を含み、前記第2のRNAが、配列番号51を含む、実施形態374~381のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
386.前記第1のRNAが、配列番号60を含み、前記第2のRNAが、配列番号57を含む、実施形態374~381のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
387.前記第1のRNAが、配列番号60を含み、前記第2のRNAが、配列番号63aを含む、実施形態374~381のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
388.第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
前記第1のRNAが、配列番号49のポリペプチドをコードし、配列番号50のヌクレオチド配列、または配列番号50と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
前記第2のRNAが、配列番号55または61のポリペプチドをコードし、配列番号56もしくは62aのヌクレオチド配列、または配列番号56もしくは62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
(a)修飾ウリジン、及び
(b)5’キャップを含み、
前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、前記免疫原性組成物。
389.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態388に記載の免疫原性組成物。
390.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態388に記載の免疫原性組成物。
391.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態388~390のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
392.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態388~391のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
393.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々独立して、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態388~392のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
394.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態393に記載の免疫原性組成物。
395.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態393に記載の免疫原性組成物。
396.前記第1のRNAが、配列番号50を含み、前記第2のRNAが、配列番号56を含む、実施形態388~395のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
397.前記第1のRNAが、配列番号50を含み、前記第2のRNAが、配列番号62aを含む、実施形態388~395のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
398.前記第1のRNAが、配列番号51を含み、前記第2のRNAが、配列番号57を含む、実施形態388~395のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
399.前記第1のRNAが、配列番号51を含み、前記第2のRNAが、配列番号63aを含む、実施形態388~395のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
400.第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
前記第1のRNAが、配列番号55のポリペプチドをコードし、配列番号56のヌクレオチド配列、または配列番号56と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
前記第2のRNAが、配列番号61のポリペプチドをコードし、配列番号62aのヌクレオチド配列、または配列番号62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
(a)修飾ウリジン、及び
(b)5’キャップを含み、
前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及びコレステロールを含む、前記免疫原性組成物。
401.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態400に記載の免疫原性組成物。
402.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、実施形態400に記載の免疫原性組成物。
403.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、実施形態400~402のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
404.前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、実施形態400~403のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
405.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々独立して、以下の特徴:
配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、実施形態400~404のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
406.前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、実施形態405に記載の免疫原性組成物。
407.前記ポリA配列が、配列番号14を含む、実施形態405に記載の免疫原性組成物。
408.前記第1のRNAが、配列番号57を含み、前記第2のRNAが、配列番号63aを含む、実施形態400~407のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
409.前記5’-キャップが、m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApGであるか、またはそれを含む、実施形態323~408のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
410.前記LNPが、約40~約50モルパーセント((4-ヒドロキシブチル)アザネジイル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート)、約35~約45モルパーセントのコレステロール、約5~約15モルパーセントの1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、及び約1~約10モルパーセントの2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミドを含む、実施形態323~409のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
411.前記組成物が、複数のLNPを含み、前記複数のLNPの平均直径が、約30nm~約200nmまたは約60nm~約120nmである(例えば、動的光散乱測定によって決定される)、実施形態323~410のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
412.実施形態74~162のいずれか1つに記載の免疫原性組成物を投与することを含む、SARS-CoV-2に対する免疫応答を誘発する方法。
413.前記免疫応答が、SARS-CoV-2のオミクロンバリアントに対して誘発される、実施形態413に記載の方法。
414.前記免疫応答が、SARS-CoV-2のベータバリアントに対して誘発される、実施形態412に記載の方法。
415.前記免疫応答が、SARS-CoV-2のアルファバリアントに対して誘発される、実施形態412に記載の方法。
416.前記免疫応答が、SARS-CoV-2のデルタバリアントに対して誘発される、実施形態412に記載の方法。
417.前記免疫応答が、SARS-CoV-2の武漢株、オミクロンバリアント、ベータバリアント、アルファバリアント、及びデルタバリアントに対して誘発される、実施形態412に記載の方法。
418.対象における免疫応答を誘導するための方法であって、SARS-CoV-2のBA.1オミクロンバリアントではないSARS-CoV-2ウイルスの抗原を(例えば、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして)送達することを含む、前記方法。
419.前記対象が、以前にSARS-CoV-2に感染したか、またはSARS-CoV-2に対してワクチン接種されたことがある、実施形態418に記載の方法。
420.前記対象が、SARS-CoV-2の武漢株の抗原を(例えば、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして)以前に送達されたことがある、実施形態418または419に記載の方法。
421.前記対象が、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを以前に投与されたことがある、実施形態418~420のいずれか1つに記載の方法。
422.前記対象が、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAの2回以上の用量を以前に投与されたことがある、実施形態418~421のいずれか1つに記載の方法。
423.BA.1オミクロンバリアントではないSARS-CoV-2ウイルスの抗原をコードするRNAを投与することを含む、実施形態418~422のいずれか1つに記載の方法。
424.BA.1オミクロンバリアントであるSARS-CoV-2バリアントからSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを投与することを含む、実施形態418~423のいずれか1つに記載の方法。
425.SARS-CoV-2のオミクロンバリアントのSタンパク質をコードするRNAを投与することを含み、前記オミクロンバリアントが、BA.1オミクロンバリアントではない、実施形態418~424のいずれか1つに記載の方法。
426.SARS-CoV-2のBA.2オミクロンバリアントのSタンパク質をコードするRNAを投与することを含む、実施形態418~425のいずれか1つに記載の方法。
427.SARS-CoV-2のBA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSタンパク質をコードするRNAを投与することを含む、実施形態418~425のいずれか1つに記載の方法。
428.対象における免疫応答を誘導するための方法であって、(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、またはデルタバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNA、及び(b)BA.1オミクロンバリアントではないオミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNAを投与することを含む、前記方法。
429.前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSタンパク質をコードする、実施形態428に記載の方法。
430.前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSタンパク質をコードする、実施形態428に記載の方法。
431.対象における免疫応答を誘導するための方法であって、(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、またはBA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNAと、(b)前記第1のRNAによってコードされたSタンパク質と抗原的に異なるSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNAとを投与することを含む、前記方法。
432.前記第2のRNAが、BA.1オミクロンバリアントではないオミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態431に記載の方法。
433.前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態431に記載の方法。
434.前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態431に記載の方法。
435.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個のLNPに封入される、実施形態418~434のいずれか1つに記載の方法。
436.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じLNPに封入される、実施形態418~435のいずれか1つに記載の方法。
437.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、例えば、異なる注射部位で別個に投与される、実施形態418~436のいずれか1つに記載の方法。
438.(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、またはBA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNAと、(b)前記第1のRNAによってコードされた前記Sタンパク質と抗原的に異なるSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNAと、を含む、組成物。
439.(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、またはBA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNAと、(b)BA.1オミクロンバリアントではないオミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNAと、を含む、組成物。
440.前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態439に記載の組成物。
441.前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態439に記載の組成物。
442.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードし、前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態439に記載の組成物。
443.前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードし、前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態439に記載の組成物。
444.前記第1のRNAが、BA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードし、前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態439に記載の組成物。
445.前記第1のRNAが、BA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードし、前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、実施形態439に記載の組成物。
446.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じLNPに封入される、実施形態438~445のいずれか1つに記載の組成物。
447.前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個のLNPに封入される、実施形態438~446のいずれか1つに記載の組成物。
448.前記組成物が、実施形態1~213、250~288、322~411、または438~448のうちのいずれか1つの組成物である、実施形態214~249、289~321、または412~437に記載のいずれか1つに記載の方法。
448.実施形態214~249、289~321、または412~437のいずれか1つに記載の方法に使用するための、実施形態1~213、250~288、322~411、または438~448のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
449.薬学的組成物である、実施形態1~213、250~288、322~411、または438~448のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
450.ワクチンである、実施形態1~213、250~288、322~411、または438~448のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
451.前記薬学的組成物またはワクチンが、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/または賦形剤を更に含む、実施形態449または450に記載の組成物または医療調製物。
452.キットである、実施形態1~213、250~288、322~411、または438~448のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
453.前記RNA及び任意に粒子形成成分が、別個のバイアル内にある、実施形態452に記載の組成物または医療調製物。
454.対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導するための前記組成物または医療調製物の使用のための説明書を更に含む、実施形態452または453に記載の組成物または医療調製物。
455.薬学的使用のための、実施形態1~213、250~288、322~411、または438~448のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
456.前記薬学的使用が、対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導することを含む、実施形態455に記載の組成物または医療調製物。
457.前記薬学的使用が、コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置を含む、実施形態455または456に記載の組成物または医療調製物。
458.薬剤の製造で使用される、実施形態1~213、250~288、322~411、または438~448のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
459.前記医薬品が、対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導するためのものである、実施形態458に記載の組成物または医薬製剤。
460.前記医薬品が、コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置のためのものである、実施形態458または459に記載の組成物または医療調製物。
461.ヒトへの投与のためのものである、実施形態1~213、250~288、322~411、または438~448のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
462.前記コロナウイルスが、ベータコロナウイルスである、実施形態454、456、457、459、または460のいずれか1つに記載の組成物または医療調製物。
463.前記コロナウイルスが、サルベコウイルスである、実施形態462に記載の組成物または医療調製物。
464.前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、実施形態463に記載の組成物または医療調製物。
本明細書で参照される文書及び研究の引用は、上記のうちのいずれかが先行技術に関連することを認めるものとして意図されていない。これらの文書の内容に関する全ての記述は、出願者が入手可能な情報に基づいており、これらの文書の内容の正確性に関するいかなる承認も構成しない。
以下の説明は、当業者が様々な実施形態を作製及び使用することを可能にするために提示される。特定のデバイス、技法、及び用途の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に記載の実施例に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に定義される一般的な原理は、様々な実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施例及び用途に適用され得る。したがって、様々な実施形態は、本明細書に記載され、示される実施例に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲と一致する範囲が与えられるものとする。
実施例1:BNT162b3バリアントBNT162b3c及びBNT162b3dの免疫原性研究
膜貫通アンカーRBDベースのワクチン抗原(図6の概略図、BNT162b3c(1)及びBNT162b3d(2))の潜在的な効力についてのアイデアを得るために、BALB/cマウスを、4μgのLNP-C12製剤化mRNAで、または対照として緩衝液で1回、筋肉内で免疫化した。非臨床的LNP-C12製剤化mRNAを、BNT162b3バリアントであるBNT162b3c及びBNT162b3dの代用として使用した。RNAワクチンの免疫原性は、抗体免疫応答に着目して調べた。
第1の免疫化の6日、14日、及び21日後のELISAデータは、S1タンパク質及び受容体結合ドメインに対する早期の用量依存性免疫活性化を示す(図7)。免疫化の6日、14日、及び21日後に得られた血清は、高いSARS-CoV-2疑似ウイルス中和を示し、IgG抗体力価の増加と相関する(図8)。
実施例2:BNT162b2ワクチンによって誘発されたヒト血清によるSARS-CoV-2 BA.1オミクロン系統(別名B.1.1.529)疑似ウイルスの中和
材料及び方法:
VSV-糖タンパク質(VSV-G)の代わりに緑色蛍光タンパク質(GFP)及びルシフェラーゼ(Luc)をコードする組換え複製欠損VSVベクターを、武漢-Hu-1単離株SARS-CoV-2スパイク(S)(GenBank:QHD43416.1)、及びオミクロン(B.1.1.529)BA.1系統のSタンパク質に見出される変異(A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F)を保有するバリアントスパイクを用いて、公開された疑似タイプ化プロトコルに従って疑似タイプ化した。簡潔に述べると、C末端細胞質19アミノ酸を切断されたSARS-CoV-2 Sタンパク質(SARS-CoV-2-S(CΔ19))のそれぞれを発現するようにトランスフェクトしたHEK293T/17単層に、VSVΔG-GFP/Lucベクターを接種した。37℃で2時間インキュベーションした後、接種物を除去し、細胞をPBSで洗浄した後、抗VSV-G抗体(クローン8G5F11、Kerafast)を補充した培地を添加して残存入力ウイルスを中和した。VSV-SARS-CoV-2疑似ウイルス含有培地を、接種後20時間で収集し、0.2μmで濾過し、-80℃で保管した。
疑似ウイルス中和アッセイのために、96ウェル当たり40,000個のVero 76細胞を播種した。血清を、1:10希釈(1:10~1:10,240の希釈範囲)から始めて、培養培地中で1:2で段階希釈した。アッセイ中の約200TUのアッセイにおいて、VSV-SARS-CoV-2-S疑似粒子を、蛍光フォーカスユニット(ffu)カウントのために培養培地中で希釈した。血清希釈液を室温で30分間、疑似ウイルスと1:1で混合した後、96ウェルプレート中のVero 76細胞単層に添加し、37℃で16~24時間インキュベーションした。上清を除去し、細胞をルシフェラーゼ試薬(Promega)で溶解した。発光を記録し、中和力価は、依然として発光の50%の低減をもたらした最高血清希釈の相互作用として算出した。結果は、重複物のGMTとして報告された。中和が観察されなかった場合、任意の力価値5(検出限界[LOD]の半分)が報告された。
血清(N=19~20)を、第2の30μg用量を受けた21日後、または第3の30μg用量のBNT162b2を受けた1ヶ月後に対象から収集した。各血清を、50%中和アッセイ(pVNT50)によって、野生型SARS-CoV-2武漢Hu-1及びオミクロンBA.1系統(B.1.1.529)スパイクタンパク質疑似タイプVSVに対するその中和抗体力価について試験した。中和アッセイで使用したオミクロンBA.1株スパイクタンパク質は、武漢基準と比較して以下のアミノ酸変化を有していた:A67V、Δ69-70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F。
第2の用量の21日後に生成されたBNT162b2-免疫血清は、SARS-CoV-2武漢Hu-1疑似タイプ基準の効果的な中和を示した。しかしながら、オミクロンBA.1バリアントに対する中和力価の25倍超の低減が、武漢基準(6対155の幾何平均力価[GMT])と比較して観察された。重要なことに、第3の用量は、オミクロンBA.1株の疑似ウイルスに対する中和抗体力価を25倍著しく増加させた。したがって、3つの用量のBNT162b2後のオミクロンBA.1バリアント疑似ウイルスに対する中和力価は、2つの用量のBNT162b2を受けた個体からの血清で観察された野生型株に対する中和力価に匹敵した(154対155のGMT)。
実施例3:BNT162b2ワクチンによって誘発されたヒト血清による、SARS-CoV-2オミクロンBA.1系統(別名B.1.1.529)疑似ウイルスの中和のための追加データ
実施例2に記載されるような研究及びデータに加えて、中和力価の縦断分析も、対象の独立したより小さなサブセットにおいて実施した。用量2の21日後に採取された血清は、武漢基準疑似ウイルスと比較して、オミクロンBA.1バリアントに対するGMTの19.6倍の低減を示した(図12、6対118のGMT)。第3の用量のBNT162b2を(用量2の中央値251日後に)を受ける直前に研究参加者から得られた血清は、武漢疑似ウイルスに対する中和力価をかなり低減したが(14のGMT)、オミクロンBA.1特異的力価は、検出限界を下回った。第3の用量のBNT162b2は、武漢疑似ウイルスに対する中和力価の著しい増加(254のGMT)をもたらし、用量3の1ヶ月後のオミクロンBA.1に対する中和力価の増加は、用量2の21日後の力価と比較して26.6倍超の増加(160対6のGMT)をもたらした。9人の対象全てにおいて、オミクロンBA.1の低減したが効果的な中和は、3つの用量後3ヶ月まで観察された(用量3の1ヶ月後と比較して3.2倍の低減、50対160のGMT)が、武漢特異的中和GMTは、安定したままであった。
要約すると、第3の用量のBNT162b2は、オミクロンBA.1中和能を、武漢疑似ウイルスに対する2つの用量後に観察されたものと同様のレベルにブーストする。したがって、このデータは、第3の用量のBNT162b2を提供することが、オミクロンBA.1バリアントによる感染に対する保護を改善することができることを示している。
実施例4:BNT162b2ワクチンによって誘発されたヒト血清による他のSARS-CoV-2系統疑似ウイルスの中和
実施例2及び実施例3に記載されるように、各血清もまた、50%中和アッセイ(pVNT50)によって、ベータ及びデルタ系統スパイクタンパク質偽型VSVに対するその中和抗体力価について試験した(データ図示せず)。
VSV-糖タンパク質(VSV-G)の代わりに緑色蛍光タンパク質(GFP)及びルシフェラーゼ(Luc)をコードする組換え複製欠損VSVベクターを、武漢-Hu-1単離株SARS-CoV-2スパイク(S)(GenBank:QHD43416.1)、ならびにベータ系統のSタンパク質に見出される変異(変異:L18F、D80A、D215G、R246I、Δ242-244、K417N、E484K、N501Y、D614G、A701V)、及びデルタ系統のSタンパク質に見出される変異(変異:T19R、G142D、Δ157/158、K417N、L452R、T478K、D614G、P681R、D950N、K986P、V987P)を保有するバリアントスパイクを用いて、公開された疑似タイプ化プロトコルに従って疑似タイプ化した。
第2の用量のBNT162b2の21日後に収集された血清について、PVNT50は、武漢バリアントと比較して、ベータバリアントではおよそ6.7倍(24対155のGMT)、デルタバリアントではおよそ2.2倍(73対155のGMT)低減されたが、デルタバリアントに対する中和応答よりも著しく高かった。第3の用量のBNT162b2はまた、ベータ及びデルタ疑似ウイルスに対する中和活性を増加させ、GMTはそれぞれ279及び413であった。
実施例5:オミクロンBA.1スパイクバリアントにおけるT細胞エピトープ保存
体液性免疫に加えて、T細胞媒介性免疫は、特に重度のCOVID-19を予防するための別の防御層である。疾患に対する有効性が、第2の用量が投与される前、かつ高い中和力価の開始前に、第1の用量のBNT162b2の約12日後に既に確立されているという以前の観察は、T細胞応答の潜在的な保護的役割を更に強調する。以前の報告では、BNT162b2でワクチン接種された個体におけるCD8 T細胞応答がポリエピトープであることが示されている。
オミクロンBA.1によるCD8+T細胞応答の免疫回避のリスクを評価するために、免疫エピトープデータベース(IEDB、n=244)において免疫原性であることが報告された武漢スパイクタンパク質配列からのHLAクラスI制限T細胞エピトープのセットを調査した(これらのエピトープを同定するために使用される手順は、以下の段落に記載されている)。オミクロンBA.1スパイクタンパク質における多数の変異にもかかわらず、記載されたエピトープの85.25%(n=208)は、アミノ酸配列レベルに影響を与えなかったことは、BNT162b2によって誘発されるT細胞応答の大部分の標的が、オミクロンBA.1バリアントにおいて依然として保存され得ることを示している(図13)。初期の実験室研究は、オミクロンエピトープのCD8+T細胞認識が、パンデミックの初期に曝露されたCOVID-19から回復した個体において保存されていること、及びオミクロンBA.1 VOCがこの時点で広範囲のT細胞逃避変異を進化させていないことを確認している。
スパイク糖タンパク質中のT細胞エピトープにおける非同義的変異の速度を推定するために、免疫エピトープデータベース(https://www.iedb.org/)を使用して、実験アッセイにおいてT細胞反応性について確認されたエピトープを取得した。データベースを以下の条件を使用してフィルタリングした。有機体:SARS-COV2、抗原:スパイク糖タンパク質、陽性アッセイ、B細胞アッセイなし、MHCアッセイなし、MHC制限タイプ:クラスI、宿主:ホモサピエンス(ヒト)。得られた表は、データセットを確認された最小限のエピトープのみに制限するために、「反応性重複ペプチドプールから導出された」エピトープ、ならびに14アミノ酸より長いエピトープを除去することによってフィルタリングした。このアプローチで得られた251個の固有のエピトープ配列のうち、244個が武漢株スパイク糖タンパク質中に見出された。これらのうち、36個のエピトープ(14.75%)は、本明細書に開示される配列分析によってオミクロンで変異することが報告された位置を含んでいた。結果を図10に要約する。また、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタSARS-CoV-2バリアントの各々で変異した予測されるMHC-Iエピトープの数も示される。図13は、スパイクタンパク質内のT細胞エピトープの位置を示し、オミクロンBA.1バリアントからのスパイクタンパク質においてどのエピトープが保存されているか、または変異しているかを示す。
実施例6:例示的な投薬レジメン
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物及び方法は、図14に例示される例示的なワクチン接種レジメンに従って使用することができる。
一次投薬レジメン
いくつかの実施形態では、対象は、一次投薬レジメンを投与される。一次投薬レジメンは、1つ以上の用量を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、単回用量(PD)を含む。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、第1の用量(PD)及び第2の用量(PD)を含む。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、第1の用量、第2の用量、及び第3の用量(PD)を含む。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、第1の用量、第2の用量、第3の用量、及び1つ以上の追加の用量(PD)の本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれか1つを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約3ugを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、PDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上の追加のRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、PDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及びPDは、各々独立して、本明細書に記載される複数の(例えば、少なくとも2つの)mRNA組成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及びPDは、各々独立して、第1及び第2のmRNA組成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、BNT162b2(例えば、本明細書に記載されるような)を含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、異なるSARS-CoV-2バリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、SARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、関連する管轄区域において蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、少なくとも2つの異なるmRNA構築物を含むことができる(例えば、タンパク質コード配列において異なる)。例えば、いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、SARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、SARS-CoV-2の武漢株由来のSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性断片をコードするmRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性フラグメントをコードするmRNAを含むことができる。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、アルファバリアントであり得る。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、デルタバリアントであり得る。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、またはBQ.1オミクロンバリアント)であり得る。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物の各々は、独立して、少なくとも2つのmRNAを含むことができ、各々は、関連する管轄区域において蔓延している、及び/または急速に広がっている別個のバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードする。いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物の各々は、独立して、アルファバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物の各々は、独立して、アルファバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる複数のmRNA組成物の各々は、独立して、デルタバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDは、各々、複数のmRNA組成物を含み、各mRNA組成物は、対象に別個に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、各mRNA組成物は、異なる注射部位での筋肉内注射を介して投与される。例えば、いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる第1及び第2のmRNA組成物は、筋肉内注射を介して対象の異なる腕に別個に投与される。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDは、複数のRNA分子を投与することを含み、各RNA分子は、異なるSARS-CoV-2バリアントからの変異を含むスパイクタンパク質をコードし、複数のRNA分子は、単一の製剤において対象に投与される。いくつかの実施形態では、単一の製剤は、武漢株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、単一の製剤は、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、単一の製剤は、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、単一の製剤は、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、PDとPDとの間の時間の長さ(PI)は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、または少なくとも約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約11週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約12週間である。
いくつかの実施形態では、PDとPDとの間の時間の長さ(PI)は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、または少なくとも約3週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約11週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約12週間である。
いくつかの実施形態では、PDと一次投薬レジメンの一部である後続の用量との間、またはPDを超える任意の用量については用量の間の時間の長さ(PI)は、各々別個にかつ独立して、約1週間以上、約2週間以上、または約3週間以上から選択される。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約1週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約10週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約11週間である。いくつかの実施形態では、PIは、約12週間である。
いくつかの実施形態では、PDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、PDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、PDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、PDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。
いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、本明細書に記載の2つ以上のmRNA組成物を投与することを含み、mRNA組成物のうちの少なくとも2つは、異なる製剤を有する。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、PD及びPDを含み、PDは、Tris緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含み、PDは、PBS緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンは、PD及びPDを含み、PDは、PBS緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含み、PDは、Tris緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる1つ以上のmRNA組成物は、別のワクチンと併せて投与され得る。いくつかの実施形態では、別のワクチンは、COVID-19ではない疾患のためのものである。いくつかの実施形態では、疾患は、対象が疾患及びSARS-CoV-2に共感染したときに、SARS-CoV-2の有害な影響を増加させるものである。いくつかの実施形態では、疾患は、対象が疾患及びSARS-CoV-2に共感染したときに、SARS-CoV-2の伝染速度を増加させるものである。いくつかの実施形態では、別のワクチンは、異なる市販のワクチンである。いくつかの実施形態では、異なる市販のワクチンは、RNAワクチンである。いくつかの実施形態では、異なる市販のワクチンは、ポリペプチドベースのワクチンである。いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)別のワクチン及びPD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる1つ以上のmRNA組成物は、例えば、いくつかの実施形態では、異なる注射部位で、筋肉内注射を介して、別個に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、PD、PD、PD、及び/またはPDで与えられる本明細書に記載のインフルエンザワクチン及び1つ以上のSARS-CoV-2 mRNA組成物は、筋肉内注射を介して対象の異なる腕に別個に投与される。
ブースター投薬レジメン
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるワクチン接種の方法は、1つ以上のブースター投薬レジメンを含む。本明細書に開示されるブースター投薬レジメンは、1つ以上の用量を含む。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、(例えば、本明細書に記載されるように)一次投薬レジメンを投与された患者に投与される。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、本明細書に開示される薬学的組成物を受けていない患者に投与される。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、一次投薬レジメンにおいて投与されるワクチンとは異なるCOVID-19ワクチンで以前にワクチン接種された患者に投与される。
いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、または少なくとも12ヶ月以上である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約1ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも約2ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも約3ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも約4ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも約5ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、少なくとも約6ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約1ヶ月~約48ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約1ヶ月~約36ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約1ヶ月~約24ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約2ヶ月~約24ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約3ヶ月~約24ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約3ヶ月~約18ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約3ヶ月~約12ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約6ヶ月~約12ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約3ヶ月~約9ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約5ヶ月~約7ヶ月である。いくつかの実施形態では、一次投薬レジメンとブースター投薬レジメンとの間の時間の長さは、約6ヶ月である。
いくつかの実施形態では、対象は、ブースター投薬レジメンを投与される。ブースター投薬レジメンは、1つ以上の用量を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、単回用量(BD)を含む。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、第1の用量(BD)及び第2の用量(BD)を含む。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、第1の用量、第2の用量、及び第3の用量(BD)を含む。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、第1の用量、第2の用量、第3の用量、及び1つ以上の追加の用量(BD)の本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれか1つを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約3ugを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約60ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、1~100ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~50ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、1~30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約3ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約5ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約10ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約15ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約20ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約30ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約60ugのRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、BDは、約50ugのRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上のRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上のRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上のRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、ベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、ならびに関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているSARS-CoV-2株からのスパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードする1つ以上のRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びアルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びベータバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、BDは、武漢株からのSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2スパイクタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及びBDは、各々独立して、本明細書に記載される複数の(例えば、少なくとも2つの)mRNA組成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及びBDは、各々独立して、第1及び第2のmRNA組成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及びBDは、各々独立して、複数の(例えば、少なくとも2つの)mRNA組成物を含むことができ、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、(例えば、本明細書に記載されるような)BNT162b2を含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、異なるSARS-CoV-2バリアント(例えば、関連する管轄区域において蔓延しているか、または急速に広がっているバリアント、例えば、本明細書に開示されるバリアント)からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、SARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、関連する管轄区域において蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、アルファバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、デルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、複数のmRNA組成物のうちの少なくとも1つは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含む。
いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、少なくとも2つの異なるmRNA構築物(例えば、異なるタンパク質コード配列を有するmRNA構築物)を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、SARS-CoV-2の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、ならびに管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、SARS-CoV-2の武漢株由来のSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性断片をコードするmRNA、ならびに管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっているバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質もしくはその免疫原性フラグメントをコードするmRNAを含むことができる。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、アルファバリアントであり得る。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、デルタバリアントであり得る。いくつかのかかる実施形態では、バリアントは、オミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、またはBQ.1オミクロンバリアント)であり得る。
例えば、いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、少なくとも2つのmRNAを含み、各々が、関連する管轄区域内で蔓延している、及び/または急速に広がっている別個のバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードする。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、アルファバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びデルタバリアントからの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、アルファバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、各々独立して、デルタバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNA、及びオミクロンバリアント(例えば、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1オミクロンバリアント)からの1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片をコードするmRNAを含むことができる。
いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる複数のmRNA組成物は、例えば、いくつかの実施形態では、異なる注射部位で、筋肉内注射を介して、対象に別個に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる第1及び第2のmRNA組成物は、筋肉内注射を介して対象の異なる腕に別個に投与される。
いくつかの実施形態では、BDとBDとの間の時間の長さ(BI)は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、または少なくとも約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約10週間である。
いくつかの実施形態では、BDとBDとの間の時間の長さ(BI)は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、または少なくとも約3週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約10週間である。
いくつかの実施形態では、BDとブースター投薬レジメンの一部である後続の用量との間、またはBDを超える任意の用量については用量の間の時間の長さ(BI)は、各々別個にかつ独立して、約1週間以上、約2週間以上、または約3週間以上から選択される。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約12週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約10週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間~約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3~約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約1週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約2週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約3週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約4週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約5週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約6週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約7週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約8週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約9週間である。いくつかの実施形態では、BIは、約10週間である。
いくつかの実施形態では、BDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、BDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、BDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。いくつかの実施形態では、BDで投与される1つ以上の組成物は、Tris緩衝液中に製剤化される。
いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、本明細書に記載の2つ以上のmRNA組成物を投与することを含み、mRNA組成物のうちの少なくとも2つは、異なる製剤を有する。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、BD及びBDを含み、BDは、Tris緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含み、BDは、PBS緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含む。いくつかの実施形態では、ブースター投薬レジメンは、BD及びBDを含み、BDは、PBS緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含み、BDは、Tris緩衝液中に製剤化されたmRNAを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる1つ以上のmRNA組成物は、別のワクチンと併せて投与され得る。いくつかの実施形態では、別のワクチンは、COVID-19ではない疾患のためのものである。いくつかの実施形態では、疾患は、対象が疾患及びSARS-CoV-2に共感染したときに、SARS-CoV-2の有害な影響を増加させるものである。いくつかの実施形態では、疾患は、対象が疾患及びSARS-CoV-2に共感染したときに、SARS-CoV-2の伝染速度を増加させるものである。いくつかの実施形態では、別のワクチンは、異なる市販のワクチンである。いくつかの実施形態では、異なる市販のワクチンは、RNAワクチンである。いくつかの実施形態では、異なる市販のワクチンは、ポリペプチドベースのワクチンである。いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)別のワクチン及びBD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる1つ以上のmRNA組成物は、例えば、いくつかの実施形態では、異なる注射部位で、筋肉内注射を介して、別個に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、BD、BD、BD、及び/またはBDで与えられる本明細書に記載のインフルエンザワクチン及び1つ以上のSARS-CoV-2 mRNA組成物は、筋肉内注射を介して対象の異なる腕に別個に投与される。
追加のブースターレジメン
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるワクチン接種の方法は、2つ以上のブースター投薬レジメンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、中和抗体応答を増加させるために、2つ以上のブースター投薬レジメンを投与する必要があり得る。いくつかの実施形態では、患者が以前に受けたワクチンによって誘発される免疫応答を回避する可能性が高いことが示されているSARS-CoV-2株に対抗するために、2つ以上のブースター投薬レジメンが必要とされ得る。いくつかの実施形態では、追加のブースター投薬レジメンは、低濃度の中和抗体を産生することが決定されている患者に投与される。いくつかの実施形態では、追加のブースター投薬レジメンは、以前のワクチン接種にもかかわらず、SARS-CoV-2感染症に感受性である可能性が高いと判定された患者(例えば、免疫不全患者、がん患者、及び/または臓器移植患者)に投与される。
第1のブースター投薬レジメンについての上記の説明は、1つ以上の追加のブースター投薬レジメンについても説明する。第1のブースター投薬レジメンと第2のブースター投薬レジメンとの間、またはその後続のブースター投薬レジメンの間の時間間隔は、一次投薬レジメンと第1のブースター投薬レジメンとの間の上記の許容可能な時間間隔のうちのいずれかであり得る。
いくつかの実施形態では、投薬レジメンは、一次レジメン及びブースターレジメンを含み、一次レジメン及び/またはブースターレジメンにおいて与えられる少なくとも1つの用量は、関連する管轄区域において蔓延しているか、または急速に広がっているバリアント(例えば、本明細書に記載されるようなオミクロンバリアント)からSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む組成物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、一次レジメンは、例えば、少なくとも3週間の間隔を空けて与えられる、少なくとも2つの用量のBNT162b2(例えば、武漢株をコードする)を含み、ブースターレジメンは、少なくとも1つの用量の、関連する管轄区域内で蔓延しているか、または急速に広がっているバリアント(例えば、本明細書に記載のオミクロンバリアント)からのSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを含む組成物を含む。いくつかのかかる実施形態では、ブースターレジメンのかかる用量は、武漢株からのSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを更に含んでもよく、これは、関連する管轄区域内で蔓延しているか、または急速に広がっているバリアント(例えば、本明細書に記載のオミクロンバリアント)からのSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAとともに、単一の混合物として、または2つの別個の組成物として、例えば1:1の重量比で投与することができる。いくつかの実施形態では、ブースターレジメンは、第1のブースター用量または後続のブースター用量として投与され得る、少なくとも1つの用量のBNT162b2も含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、一次レジメン中に与えられる用量(一次用量)及び/または第1のブースターのために与えられる用量(存在する場合)よりも高い用量でブースターとして与えられる。例えば、いくつかの実施形態では、かかる用量は、60ugであってもよく、またはいくつかの実施形態では、かかる用量は、30ugより高く、60ugより低くてもよい(例えば、55ug、50ug、またはそれ以下)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、最後の用量(例えば、一次レジメンの最後の用量またはブースターレジメンの最初の用量)の少なくとも3~12ヶ月または4~12ヶ月、または5~12ヶ月、または6~12ヶ月後にブースターとして与えられる。いくつかの実施形態では、一次用量及び/または第1のブースター用量(存在する場合)は、例えば、用量当たり30ugでBNT162b2を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号49に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号49に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号50の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号50に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号51の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号51に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号55に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号55に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号56の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号56に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号57の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号57に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号58に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号58に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号59の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号59に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号60の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号60に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号61に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号61に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号62aの配列またはそのバリアント(例えば、配列番号62aに対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号63aの配列またはそのバリアント(例えば、配列番号63aに対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される製剤は、表19(以下)に記載される投薬レジメンのうちのいずれかを実行するために使用され得る。
Figure 2023081859000160
Figure 2023081859000161
Figure 2023081859000162
上記の表19に記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、一次レジメンの第1の用量で与えられる。上記の表19に記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、一次レジメンの第2の用量で与えられる。上記の表19に記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量で与えられる。上記の表19に記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、ブースターレジメンの第1の用量で与えられる。上記の表19に記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、ブースターレジメンの第2の用量で与えられる。上記の表19に記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、ブースターレジメンの第1の用量及び第2の用量で与えられる。上記の表19に記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量、ならびにブースターレジメンの少なくとも1つの用量で与えられる。上記の表19に記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、ブースターレジメンの少なくとも1つの用量(例えば、少なくとも2つの用量を含む)で与えられ、BNT162b2は、一次レジメンにおいて与えられる。上記の表19に記載されるある特定の例示的な投薬レジメンのいくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、ブースターレジメンの第2の用量で与えられ、BNT162b2は、一次レジメンにおいて、及びブースターレジメンの第1の用量で与えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、配列番号49に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号49に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、配列番号50の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号50に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、配列番号51の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号51に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号55に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号55に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号56の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号56に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号57の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号57に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号58に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号58に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号59の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号59に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号60の配列またはそのバリアント(例えば、配列番号60に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のRNA組成物は、配列番号61に記載のポリペプチドもしくはその免疫原性断片、またはそのバリアント(例えば、配列番号61に対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)をコードするRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号62aの配列またはそのバリアント(例えば、配列番号62aに対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。いくつかの実施形態では、RNA組成物は、配列番号63aの配列またはそのバリアント(例えば、配列番号63aに対して少なくとも70%以上(例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、またはそれ以上を含む)の同一性を有する)を含むRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のかかるRNA組成物(例えば、本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む)は、異なる株(例えば、武漢株)のSタンパク質またはその免疫原性断片をコードするRNAを更に含むことができる。例として、いくつかの実施形態では、上記の表19に記載のレジメン番号9~11のブースターレジメンの第2の用量は、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、オミクロンなどの本明細書に記載のバリアントをコードするRNAを含む、例えば、一実施形態では、この実施例に記載のRNA)及びBNT162b2構築物を、例えば、1:1の重量比で含むことができる。
上記の表19に記載されるようなレジメン番号6のいくつかの実施形態では、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量、ならびにブースターレジメンの第1の用量及び第2の用量は、各々、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、オミクロンなどの本明細書に記載のバリアントをコードするRNA、例えば、一実施形態では、この実施例に記載されるようなRNAを含む)を含む。いくつかのかかる実施形態では、ブースターレジメンの第2の用量は、必要でない場合がある。
上記の表19に記載されるようなレジメン番号6のいくつかの実施形態では、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量、ならびにブースターレジメンの第1の用量及び第2の用量は、各々、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、オミクロンなどの本明細書に記載のバリアントをコードするRNA、例えば、一実施形態では、この実施例に記載されるようなRNAを含む)を含む。いくつかのかかる実施形態では、ブースターレジメンの第2の用量は、必要でない場合がある。
上記の表19に記載されるようなレジメン番号6のいくつかの実施形態では、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量は、各々、BNT162b2構築物を含み、ブースターレジメンの第1の用量及び第2の用量は、各々、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、オミクロンなどの本明細書に記載のバリアントをコードするRNA、例えば、一実施形態では、この実施例に記載されるようなRNAを含む)を含む。いくつかのかかる実施形態では、ブースターレジメンの第2の用量は、必要でない場合がある。
上記の表19に記載されるようなレジメン番号6のいくつかの実施形態では、一次レジメンの第1の用量及び第2の用量、ならびにブースターレジメンの第1の用量は、各々、BNT162b2構築物を含み、ブースターレジメンの第2の用量は、本明細書に記載のRNA組成物(例えば、オミクロンなどの本明細書に記載のバリアントをコードするRNA、例えば、一実施形態では、この実施例に記載されるようなRNAを含む)を含む。
実施例7:オミクロンBA.1ブレークスルー感染は、交差バリアント中和及びメモリーB細胞形成を駆動する
本実施例は、BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.1ブレークスルー感染が、オミクロンBA.1バリアントに対する中和抗体及びB細胞応答の産生を含む、交差バリアント中和及びメモリーB細胞形成を駆動することを示す。本実施例を読む当業者であれば、かかる所見が、オミクロンBA.1バリアントの特徴である変異(例えば、本明細書に記載されるようなもの)を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むmRNAワクチンを、2つまたは3つの用量のSARS-CoV-2ワクチン(例えば、いくつかの実施形態では、武漢-Hu-1株からのSタンパク質に基づいて開発された)を以前に投与された対象に投与することに拡張することができることを理解するであろう。
オミクロンは、現在までに最も進化的に異なる、懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)である。オミクロンブレークスルー感染が、ワクチン接種された個体におけるSARS-CoV-2認識をどのように再形成する可能性があるかに対処するために、BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体における血清中和及びBMEM細胞抗原認識に対するオミクロンBA.1ブレークスルー感染の効果を調査した。オミクロンBA.1ブレークスルー感染は、オミクロンBA.1を含むVOCの広範囲の中和を誘導し、オミクロンBA.1未感染の2回及び3回ワクチン接種者と比較して、実質的により強力な中和を伴った。BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体からのBMEM細胞によるVOCの広範囲な認識は、オミクロンBA.1ブレークスルー感染によってブーストされ、主にオミクロンBA.1特異的エピトープではなく、バリアント間で広範囲に共有される保存されたエピトープに対する認識であった。本明細書に提示されるデータは、オミクロンBA.1ブレークスルー感染が、複数のバリアントに対する中和抗体及び/またはB細胞応答を効率的に拡大し、オミクロンBA.1 Sタンパク質に適応したワクチンが、免疫レパートリーを再形成することができる可能性があることを実証する。
導入
現在のCOVID-19パンデミックの抑制には、SARS-CoV-2の流行しているバリアント及び将来のバリアントに対する保護を提供する、耐久性のある十分に広範な免疫の生成が必要である。SARS-CoV-2に対する中和抗体の力価、及びスパイク(S)糖タンパク質及びその受容体結合ドメイン(RBD)への抗体の結合は、感染に対する保護の相関とみなされる(D.S.Khoury et al.,“Neutralizing antibody levels are highly predictive of immune protection from symptomatic SARS-CoV-2 infection,“Nature medicine.27,1205-1211(2021),doi:10.1038/s41591-021-01377-8、及びP.B.Gilbert et al.,“Immune correlates analysis of the mRNA-1273 COVID-19 vaccine efficacy clinical trial,“Science(New York,N.Y.).375,43-50(2022),doi:10.1126/science.abm3425)。現在入手可能なワクチンは、祖先の武漢-Hu-1株に基づき、武漢株、または懸念されるバリアント(VOC)による感染によって誘発される幅を超える中和能を有する抗体を誘導する(K.Roltgen et al.,“Immune imprinting,breadth of variant recognition,and germinal center response in human SARS-CoV-2 infection and vaccination,“Cell(2022),doi:10.1016/j.cell.2022.01.018)。しかしながら、保護力価は、経時的に減少し(J.P.Evans et al.,“Neutralizing antibody responses elicited by SARS-CoV-2 mRNA vaccination wane over time and are boosted by breakthrough infection,“Science translational medicine,eabn8057(2022),doi:10.1126/scitranslmed.abn8057、S.Yamayoshi et al.,“Antibody titers against SARS-CoV-2 decline,but do not disappear for several months,“Eclinical Medicine,32,100734(2021),doi:10.1016/j.eclinm.2021.100734、W.N.Chia et al.,“Dynamics of SARS-CoV-2 neutralising antibody responses and duration of immunity,“The Lancet Microbe,2,e240-e249(2021),doi:10.1016/S2666-5247(21)00025-2、Y.Goldberg et al.,“Waning Immunity after the BNT162b2 Vaccine in Israel,“The New England journal of medicine.385,e85(2021),doi:10.1056/NEJMoa2114228)、リコール免疫を誘発し、新たなVOCに対する有効性を維持するために、ルーチンブースターワクチン接種が必要であると思われる(A.R.Falsey et al.,“SARS-CoV-2 Neutralization with BNT162b2 Vaccine Dose 3,“The New England journal of medicine.385,1627-1629(2021),doi:10.1056/NEJMc2113468、A.Choi et al.,“Safety and immunogenicity of SARS-CoV-2 variant mRNA vaccine boosters in healthy adults,“Nature medicine.27,2025-2031(2021),doi:10.1038/s41591-021-01527-y、及びN.Andrews et al.,“Effectiveness of COVID-19 booster vaccines against covid-19 related symptoms,hospitalisation and death in England,“Nature medicine(2022),doi:10.1038/s41591-022-01699-1)。
長寿命メモリーB(BMEM)細胞は、感染またはブースターワクチン接種のいずれかによる抗原再遭遇時のリコール応答の基礎である。胚中心反応中の低親和性選択機序及びBMEM細胞の継続的な超変異は、経時的にウイルスバリアント認識の幅を拡大するため、バリアントに対する抗ウイルス抗体応答の維持及び進化において重要な役割を果たす(W.E.Purtha,et al.,“Memory B cells,but not long-lived plasma cells,possess antigen specificities for viral escape mutants,“The Journal of experimental medicine,208,2599-2606(2011)doi:10.1084/jem.20110740、及びY.Adachi et al.,“Distinct germinal center selection at local sites shapes memory B cell response to viral escape,“The Journal of experimental medicine.212,1709-1723(2015),doi:10.1084/jem.20142284)。
ワクチン媒介性保護免疫がどのように経時的に進化し、COVID-19ワクチンへの曝露の繰り返し及びますます分岐するウイルスバリアントを伴う感染によって修飾されるかは、抗原的に異なるVOCの出現と特に関連がある。オミクロンは、RBDの少なくとも15のアミノ酸変化及びN末端ドメイン(NTD)の広範な変化を含む、S糖タンパク質にこれまでにない数のアミノ酸改変を有する、最も進化的に遠い報告されたVOCである。これらの改変は、ほとんどの中和抗体エピトープに影響を及ぼすと予測される。加えて、オミクロンは、高度に伝染性であり、その亜系統BA.1及びBA.2は地球全体に急速に広がり、数週間以内にデルタに競合して優勢な流行しているVOCとなった(W.Dejnirattisai et al.,“SARS-CoV-2 Omicron-B.1.1.529 leads to widespread escape from neutralizing antibody responses,“Cell.185,467-484.e15(2022),doi:10.1016/j.cell.2021.12.046、及びM.Hoffmann et al.,“The Omicron variant is highly resistant against antibody-mediated neutralization,“Cell.185,447-456.e11(2022),doi:10.1016/j.cell.2021.12.032)。
これまでに、世界中で10億人以上の人々が、mRNAベースのCOVID-19ワクチンBNT162b2をワクチン接種され、1次2用量シリーズまたは更なるブースターを受けている。このワクチンは、更なる免疫編集及び現在広がっているバリアントの効果が構築される多くの領域における集団免疫のパターンに実質的に寄与している。
血清中和活性及びBMEM細胞の大きさ及び幅に対するオミクロンBA.1ブレークスルー感染の効果を特徴付けるために、BNT162b2で2回または3回ワクチン接種された個体からの血液試料を研究した。
抗原特異的B細胞メモリープールの理解は、新たに出現するバリアントに応答する個体の能力の重要な決定因子であるため、このデータは、ワクチン開発を導くのに役立ち得る。
結果及び考察
コホート及び試料採取
血液試料は、BNT162b2ワクチン治験の生体試料収集、及び後続のSARS-CoV-2オミクロンBA.1ブレークスルー感染を有するワクチン接種された個体から先を見越して収集された試料のバイオバンクから供給されている。試料を選択して、4つの独立した群、すなわち、試料収集時に以前の感染またはブレークスルー感染を伴わないBNT162b2で(i)2回または(ii)3回ワクチン接種された個体(BNT162b2、BNT162b2)、及びBNT162b2で(iii)2回または(iv)3回ワクチン接種され、それぞれおよそ5ヶ月または4週間の中央値後にSARS-CoV-2オミクロンBA.1バリアントでブレークスルー感染を経験した個体(BNT162b2+Omi、BNT162b2+Omi)(以下の材料及び方法を参照されたい)のバイオマーカーを調査した。免疫血清を使用して、血清中和活性の大きさ及び幅に対するオミクロンBA.1感染関連変化を特徴付けた。PBMCを使用して、それぞれの完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質またはそのRBDを認識する末梢BMEM細胞のVOC特異性を特徴付けた(図15)。
BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体のオミクロンブレークスルー感染は、オミクロンBA.1、BA.2、及び他のVOCの広範な中和を誘導する。
免疫血清の中和活性を評価するために、2つの直交試験系を使用した:増殖不全設定におけるウイルス侵入の阻害の幅を調査するための十分に特徴付けられた疑似ウイルス中和試験(pVNT)、ならびに試験期間全体を通して維持された抗体を用いた真正ウイルスの多サイクル複製中の中和を評価するために設計された生SARS-CoV-2中和試験(VNT)。前者については、オミクロン亜系統BA.1またはBA.2、他のSARS-CoV-2 VOC(武漢、アルファ、ベータ、デルタ)の特徴である変異を含むSタンパク質を保有する疑似ウイルスを使用して幅を評価し、一方でSARS-CoV-1のSタンパク質を保有する疑似ウイルス(T.Li et al.,“Phylogenetic supertree reveals detailed evolution of SARS-CoV-2,“Scientific reports,10,22366(2020),doi:10.1038/s41598-020-79484-8)を使用して、潜在的な汎サルベコウイルス中和活性を検出した(C.-W.Tan et al.,“Pan-Sarbecovirus Neutralizing Antibodies in BNT162b2-Immunized SARS-CoV-1 Survivors,“The New England journal of medicine,385,1401-1406(2021),doi:10.1056/NEJMoa2108453)。
以前に報告されたように(A.R.Falsey et al.,“SARS-CoV-2 Neutralization with BNT162b2 Vaccine Dose 3,”The New England journal of medicine,385,1627-1629(2021),doi:10.1056/NEJMc2113468、及びC.-W.Tan et al.,“Pan-Sarbecovirus Neutralizing Antibodies in BNT162b2-Immunized SARS-CoV-1 Survivors,“The New England journal of medicine.385,1401-1406(2021),doi:10.1056/NEJMoa2108453)、オミクロン未感染の2回ワクチン接種された個体において、ベータ及びデルタVOCの50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)が低減され、両方のオミクロン亜系統の中和が、事実上検出不可能であった。オミクロン未感染の3回ワクチン接種された個体において、全ての試験したVOCに対するpVN50 GMTは、アルファ、ベータ、及びデルタバリアントの堅牢な中和により実質的に高かった。オミクロンBA.1に対するGMTは、武漢と比較して著しく低かったが(GMT 160対398)、オミクロンBA.2に対する力価もまた、211でかなり低減した。したがって、3回ワクチン接種は、2つのオミクロン亜系統に対する同様のレベルの中和を誘導した(図16、A)(A.Muik et al.,“Neutralization of SARS-CoV-2 Omicron by BNT162b2 mRNA vaccine-elicited human sera,“Science(New York,N.Y.),375,678-680(2022),doi:10.1126/science.abn7591、C.-W.Tan et al.,“Pan-Sarbecovirus Neutralizing Antibodies in BNT162b2-Immunized SARS-CoV-1 Survivors,“The New England journal of medicine,385,1401-1406(2021),doi:10.1056/NEJMoa2108453、J.Liu et al.,“BNT162b2-elicited neutralization of B.1.617 and other SARS-CoV-2 variants,“Nature,596,273-275(2021),doi:10.1038/s41586-021-03693-y、A.Muik et al.,“Neutralization of SARS-CoV-2 lineage B.1.1.7 pseudovirus by BNT162b2 vaccine-elicited human sera,“Science(New York,N.Y.),371,1152-1153(2021),doi:10.1126/science.abg6105、及びY.Liu et al.,“Neutralizing Activity of BNT162b2-Elicited Serum,“The New England journal of medicine,384,1466-1468(2021),doi:10.1056/NEJMc2102017)。
オミクロンBA.1ブレークスルー感染は、2回及び3回ワクチン接種された個体の両方の中和抗体応答の大きさ及び幅に顕著な影響を有し、3回ワクチン接種された個体においてわずかに高いpVN50 GMTが観察された(図16、A)。オミクロンBA.1及びBA.2に対するブレークスルー感染を有する2回ワクチン接種された個体のpVN50 GMTは、オミクロンBA.1未感染の2回ワクチン接種された個体のGMTの100倍超及び35倍超であった。ブレークスルー感染を有する2回ワクチン接種された個体からの免疫血清は、広範な中和活性を有し、オミクロン未感染の3回ワクチン接種された個体で観察されたよりも、ベータ及びデルタに対するpVN50 GMTが高い(GMT 740対222及び571対370)。
オミクロンBA.1ブレークスルー感染がオミクロンBA.1及びBA.2疑似ウイルスの中和に及ぼす影響は、3回ワクチン接種された個体を見た場合、あまり顕著ではなかった(オミクロン未感染の3回ワクチン接種された個体と比較して、およそ7倍及び4倍の中和増加)。オミクロンBA.1、BA.2、及びデルタに対するpVN50 GMTは、オミクロン未感染の3回ワクチン接種された個体における160、211、及び370と比較して、3回ワクチン接種されたオミクロンブレークスルー感染した個体において、1029、836、及び1103であった。ベータ及びオミクロンを含む全てのSARS-CoV-2 VOCに対するGMTは、武漢基準に対する力価に近いが、3回ワクチン接種されたオミクロン未感染の個体では顕著に低減した。
同様に、ワクチン接種されたオミクロン未感染の個体からの血清は、系統発生学的により遠いSARS-CoV-1に対して検出可能なpVN50力価を有していないか、または不良なpVN50力価を有するに過ぎなかったが、2回及び更により顕著には3回ワクチン接種された個体オミクロン感染個体の回復期血清、SARS-CoV-1疑似ウイルスを堅牢に中和した(図16、A及びB)。18人のブレークスルー感染した個体のうちの9人(4人が2回ワクチン接種され、5人が3回ワクチン接種された)が、オミクロン未感染の2回ワクチン接種された個体における武漢基準に対するものと同等以上のSARS-CoV-1 pVN50 GMTを有していた(GMT≧120)。
武漢、ベータ、デルタ、及びオミクロンBA.1疑似ウイルスを用いて実施した本格的な生SARS-CoV-2ウイルス中和アッセイもまた、同様の所見を示した(図16、B)。BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体において、オミクロンBA.1感染は、武漢株と同じ範囲の50%ウイルス中和(VN50)GMTを有するオミクロンBA.1に対する強力な中和活性の増加と関連していた(図16、B;GMT 493対381、及びGMT 538対613)。同様に、オミクロンBA.1回復期の2回及び3回ワクチン接種された個体は、他のバリアントに対しても同等レベルの中和を示し(例えば、ベータに対してGMT 493及び729)、広範囲の中和活性を示した。
総合すると、これらのデータは、SARS-CoV-2オミクロンBA.1ブレークスルー感染が、ワクチン経験のある個体において深い幅の中和活性を誘導することを実証し、この所見は、武漢株及びSARS-CoV-2 VOCに対するVN50 GMTの算出された比率によって更に支持される(図16、C)。2回及びより低い程度で、また3回BNT162b2でワクチン接種されたオミクロン未感染の個体は、VOCに対して中和能に顕著な差を示したが、オミクロンBA.1回復期の対象の中和活性は、試験した全てのバリアント株に対してほぼ同じ範囲の高性能と同等であった。
同様に、オミクロンBA.1ブレークスルー感染は、他の承認されたCOVID-19ワクチンまたは異種レジメンにおいてワクチン接種された個体において同様に広範な中和増強効果を有した(図19、表20)。
Figure 2023081859000163
BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体のBMEM細胞は、VOCを広く認識し、オミクロンブレークスルー感染によって更にブーストされる。
次に、SARS-CoV-2 Sタンパク質特異的B細胞の表現型及び量を調査した。フローサイトメトリーベースのB細胞表現型アッセイを、バルクPBMCにおけるバリアント特異的Sタンパク質結合B細胞の差異検出に使用した。末梢血中の全てのSタンパク質特異的B細胞及びRBD特異的B細胞は、抗原特異的形質細胞またはナイーブB細胞が検出されなかったため、BMEM表現型(BMEM、CD20高CD38int/neg)であることが見出された(データ図示せず)。したがって、アッセイは、アミノ酸改変のホットスポットである完全なSタンパク質またはそのRBDを認識するBMEM細胞と、バリアント特異的抗原エピトープとの間のSARS-CoV-2バリアントの各々についての差異を可能にした(図17、A)。
抗原特異的BMEM細胞の全体的な頻度は、異なる群にわたって変化した。オミクロン未感染の2回ワクチン接種された個体におけるBMEM細胞の頻度は、ワクチン接種後の早い時点では低く、経時的に増加した:第2のBNT162b2用量の3週間後と比較して、5ヶ月時点で、Sタンパク質特異的BMEM細胞はほぼ4倍になり、RBD特異的なものは全てのVOCにわたって3倍になり、それにより、オミクロン未感染の3回ワクチン接種された個体において観察された量と同様の量に達した(図17、B及びC)。
SARS-CoV-2オミクロンBA.1ブレークスルー感染を有する2回または3回BNT162b2ワクチン接種された個体は、強く増加したBMEM細胞の頻度を示し、これは、オミクロン未感染の3回ワクチン接種された個体よりも高かった(図17、B及びD)。
オミクロン未感染及びオミクロン感染個体を含む全ての群において、オミクロンBA.1 Sタンパク質に対するBMEM細胞は、武漢及び他の試験したVOCに対するものと同等の頻度で検出可能であったが(図17、B及びD)、オミクロンBA.1 RBDに対するBMEM細胞の頻度は、他のバリアントと比較してわずかに低かった(図17、C及びE)。
次いで、異なる群内のRBDタンパク質対Sタンパク質結合の比を比較し、特にオミクロン未感染群において、オミクロンBA.1 VOCについてのSタンパク質認識に偏っていることが見出された(図17、F)。オミクロンBA.1経験群では、この比はより高く、オミクロンBA.1ブレークスルー感染がオミクロンBA.1 RBD認識を改善したことを示している。
BNT162b2で2回及び3回ワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.1ブレークスルー感染は、主に、厳密にはオミクロンS特異的エピトープではなく、武漢のSタンパク質と他のVOCのSタンパク質の間で広範囲に共有される保存されたエピトープに対してBMEMをブーストする。
これらの所見は、ワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.1感染が、オミクロンBA.1に対する中和活性及びBMEM細胞をブーストするだけでなく、様々なVOCに対する免疫を広く増強することを示す。細胞レベルでの抗体応答の特異性を調査するために、蛍光標識されたバリアント特異的SまたはRBDタンパク質で染色されたBMEM細胞のマルチパラメータ分析を実施した。
コンビナトリアルゲーティング戦略を適用して、武漢、アルファ、デルタ、またはオミクロンBA.1の単一のバリアント特異的エピトープのみを同定することができるBMEM細胞サブセットと、それらの任意の所与の組み合わせを特定することができるものとを区別した(図18、A)。
第1の分析では、武漢及びオミクロンBA.1 S及びRBDタンパク質のBMEM細胞認識を評価した(図18、B、C、及びD)。SARS-CoV-2オミクロンBA.1バリアントは、COVID-19ワクチンまたはSARS-CoV-2感染によって誘導される中和抗体の免疫優性標的であるSタンパク質において、武漢親株と比較して、37個のアミノ酸改変が有り、その内、15個の改変がRBDにある。
完全長Sタンパク質での染色は、オミクロン未感染の2回ワクチン接種された個体から、及び更により優性には3回ワクチン接種された個体からのBMEM細胞の最大の割合が、武漢及びオミクロンBA.1 SARS-CoV-2バリアントの両方によって共有されるエピトープに向けられていることを示した。BNT162b2によるワクチン接種は、オミクロンBA.1 Sタンパク質内の対応する改変したエピトープを認識しない、野生型エピトープに対する免疫応答を誘発することができるという観察と一致し(図18、B及びC)、ほとんどの個体において、武漢Sタンパク質またはRBDのみを認識した、より小さいが明らかに検出可能な割合のBMEM細胞が見出された。曝露の欠如と一致して、これらのオミクロン未感染個体において、オミクロンBA.1 SまたはRBDタンパク質にのみ結合するBMEM細胞は検出されなかった。
オミクロンBA.1回復期の個体において、武漢とオミクロンBA.1との間で共有されるSタンパク質エピトープを認識するBMEM細胞の頻度は、オミクロン未感染のものよりも著しく高かった(図18、B及びC)。これらの対象のほとんどにおいて、わずかな割合の武漢Sタンパク質特異的BMEM細胞のみ、ならびにわずかに低い頻度のオミクロンBA.1バリアントSタンパク質特異的細胞のみが見出された。
類似しているがわずかに異なるパターンを、標識されたRBDタンパク質を用いたB細胞染色によって観察した(図18、B及びD)。ここでも、2回/3回ワクチン接種された個体のオミクロンBA.1ブレークスルー感染は、保存されたエピトープと反応性のBMEM細胞を主にブーストすることが見出された。武漢特異的反応性の適度なブーストが観察されたが、試験された個体において検出されたオミクロン-RBD特異的BMEM細胞の集団はわずかであった(図18、D)。
次に、コンビナトリアルゲーティングアプローチを使用して、武漢またはオミクロンBA.1に排他的に結合するか、または武漢、アルファ、デルタ、及びオミクロンBA.1の4つのバリアント全てにわたって広範囲に保存された共通のエピトープに結合するSタンパク質またはRBD結合BMEM細胞のサブセットを特定した(図18、E)。4つの研究群全てにわたって、Sタンパク質エピトープを認識するBMEM細胞の頻度は、全ての試験したバリアントにわたって保存され、Sタンパク質結合BMEM細胞のプールの最大部分を占めることが見出された(図18、F、全ての4+ve)。武漢株のSタンパク質は、アルファ、デルタ、またはオミクロンBA.1 VOCのスパイクタンパク質と区別する排他的アミノ酸変化を有しない。したがって、武漢Sタンパク質を排他的に認識するBMEM細胞は、どの個体においてもほとんど検出されなかった(図18、F)。オミクロンBA.1ブレークスルー感染を有するいくつかの個体では、オミクロンBA.1 Sタンパク質に排他的に結合したBMEM細胞のわずかな割合が検出されたが(図18、F)、厳密にオミクロンBA.1 RBD特異的応答を示す個体はほとんどいなかった(図18、G)。
これらの所見は、ワクチン接種された個体におけるSARS-CoV-2 オミクロンBA.1ブレークスルー感染が、多数のオミクロン特異的BMEM細胞を誘導するのではなく、保存されたSタンパク質及びRBDエピトープに対する広範なBMEM細胞レパートリーを主に拡張することを示す。
この応答を更に解析するために、RBDに対して指向されたBMEMサブセットを特徴付けた。コンビナトリアルブーリアンゲーティングアプローチを使用して、厳密にバリアント特異的なエピトープ及びいくつかのバリアントによって共有される共通のエピトープのスペクトラムにおける明確な結合パターンを有するBMEM細胞を識別した。複数の配列アラインメントは、オミクロンBA.1 RBDが、13個の単一アミノ酸改変によって、武漢、アルファ、及びデルタにおいて保存されたRBD配列領域から乖離することを明らかにした。全てのオミクロンBA.1回復期の個体は、武漢、アルファ、及びデルタVOC RBDを認識するが、オミクロンBA.1 RBDを認識しないBMEM細胞の堅牢な頻度を有することが見出されたが、一方で、オミクロンBA.1 RBDと排他的に反応するBMEM細胞は、それらの個体の大部分ではほとんど存在しなかった(図18、H)。オミクロンBA.1及びアルファRBD、またはオミクロンBA.1及びデルタRBDを排他的に認識したBMEM細胞も検出されなかった。
更に、全ての個体において、RBD特異的BMEM細胞の2つの追加のサブセットを特定した。1つのサブセットは、武漢、アルファ、及びオミクロンBA.1に結合するが、デルタ、RBDには結合しないことを特徴とした。他の集団は、武漢及びアルファへの結合を示したが、オミクロンBA.1またはデルタRBDへの結合は示さなかった(図18、H)。配列アラインメントは、他の3つのバリアントRBDによって共有されない、デルタに特有の唯一のRBD変異として、L452Rを同定した(図18、I上)。同様に、武漢及びアルファにおいて保存されたが、デルタ及びオミクロンBA.1において改変された唯一のRBD部位は、T478Kであることを見出した(図18、I下)。L452R及びT478Kの改変はいずれも、ワクチン誘導性中和抗体応答の回避に関連することが知られている。注目すべきことに、複数の配列アラインメントがブーリアン選択基準を満たすRBD配列における固有のエピトープを同定することに失敗した全てのコンビナトリアル下位群において、BMEM細胞は検出されなかった(例えば、武漢のみ、または武漢及びオミクロンBA.1であるが、アルファ、デルタではない)。これらの所見は、RBDに対するBMEM細胞応答が、BNT162b2での以前のワクチン接種を通じて誘導される特異性によって駆動され、感染後のオミクロンバリアントにおいて変異した新しいRBDエピトープに対して実質的に再指向されないことを示す。
要約
SARS-CoV-2オミクロンは、中和抗体結合の部位でのSタンパク質に前例のない数のアミノ酸改変を有する部分免疫逃避バリアントであり、それを以前に報告されたバリアントと区別する。最近の中和抗体マッピング及び分子モデリング研究は、これらの改変の機能的関連性を強く支持し、2回ワクチン接種された個体がSARS-CoV-2オミクロンに対して検出可能な中和活性を有しないという観察によって、それらの重要性が確認される。
本明細書に提示される所見は、ワクチン接種された個体のオミクロンBA.1ブレークスルー感染が、オミクロンBA.1に対する中和活性及びBMEM細胞をブーストするだけでなく、様々なVOCに対する免疫を広範囲に増強し、また、広範囲の免疫がどのように達成されるかについての洞察を提供することを示す。
本明細書で提示されるデータは、武漢株Sタンパク質への初期曝露が、BMEM細胞の形成を形作り、オミクロンBA.1バリアントのより特徴的なエピトープに対する新規のBMEM細胞応答の形成に対して刷り込まれた可能性があることを示す。同様の観察は、デルタバリアントによるブレークスルー感染を経験したワクチン接種された個体からも報告されている(K.Roltgen et al.,“Immune imprinting,breadth of variant recognition,and germinal center response in human SARS-CoV-2 infection and vaccination,“Cell(2022),doi:10.1016/j.cell.2022.01.018.)。本実施例において実証されるように、オミクロンBA.1ブレークスルー感染は、多数の厳密にオミクロン特異的なBMEM細胞を誘導するのではなく、保存されたSタンパク質及びRBDエピトープに対する広範なBMEM細胞レパートリーを主に拡張する。
したがって、2回ワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.1のブレークスルー感染は、第3の用量のブースターワクチン接種と同様に、既存のBMEM細胞プールの拡張をもたらす。しかしながら、相同ワクチンブースターによって誘導される免疫応答パターンには、オミクロンBA.1ブレークスルー感染と比較して明らかな違いがある。B細胞メモリー応答の焦点が保存されたエピトープに当てられているにもかかわらず、オミクロンBA.1ブレークスルー感染は、オミクロンBA.1に対する抗体中和力価のより実質的な増加、ならびに祖先及び新規のSARS CoV-2バリアントの両方の顕著な交差中和をもたらす。これらの効果は、2回ワクチン接種された個体では特に顕著である。
理論に拘束されることを望むものではないが、3つの所見は、これらの結果に関与する潜在的に相補的かつ相乗的な機序を指し示し得る:
第一に、Sタンパク質特異的BMEM細胞の全体的な増加。オミクロンBA.1回復期の2回ワクチン接種された個体は、3回ワクチン接種された個体と比較して、全てのVOCに対するBMEM細胞の頻度が高く、中和抗体力価が高い。ブレークスルー感染が、2回ワクチン接種された個体における第3のワクチン用量よりも強力な中和抗体応答を引き起こすことは、他のバリアントによるブレークスルー感染を説明する以前の研究からは明らかではなく(Evans et al.,Science Translational Medicine(2022)14,eabn8057)、感染の初期段階におけるオミクロンBA.1バリアントの不良な中和により説明され得、改変されたSタンパク質に対する免疫系の抗原曝露の増加または延長を引き起こす可能性がある。
第二に、RBD特異的BMEM細胞応答に対するより強い偏向。オミクロンBA.1ブレークスルー感染は、RBD外のSタンパク質特異的エピトープを認識するBMEM細胞よりも、RBD特異的BMEM細胞のブーストを比例的により顕著に促進する。したがって、オミクロンBA.1感染個体は、ワクチン接種されたオミクロン未感染の個体と比較して、著しく高いRBD/Sタンパク質特異的BMEM細胞の比を有する。RBDは、SARS-CoV-2受容体ACE2に結合するSタンパク質の主要ドメインであり、オミクロンBA.1改変、例えば、L452位によって影響を受けない領域内に複数の中和抗体結合部位を有する。このドメインに対する免疫応答の焦点の増加は、オミクロンBA.1において改変されないRBDエピトープに対する中和抗体を産生するBMEM細胞を促進し得る。
第三に、広範な中和抗体の誘導。オミクロンBA.1回復期の個体に由来するが、オミクロン未感染のワクチン接種された個体に由来しない血清の大部分が、SARS-CoV-1を強固に中和することが見出された。これは、ワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.1感染が、SARS-CoV-1及びSARS-CoV-2ファミリーにおいて保存されたスパイクタンパク質エピトープに対する中和抗体を形成するBMEM細胞を刺激することを示し得る。BNT162b2でワクチン接種されたSARS-CoV-1感染個体には、広範な中和抗体が存在することが報告された。かかる汎セルベコウイルス免疫応答は、高度に保存されたSタンパク質ドメインに対する中和抗体によって引き起こされると考えられる。他のSARS-Cov-2株からのオミクロンBA.1スパイクタンパク質のより大きな抗原距離は、スパイクタンパク質のC末端部分に位置することが最近記載されているような、保存された準優勢中和エピトープの標的化を促進し得る。
総合すると、これらの結果は、以前のワクチン接種による免疫応答の可能性のある刷り込みにもかかわらず、予め形成されたB細胞メモリープールを、異種Sタンパク質への曝露によってリフォーカスし、定量的にリモデリングして、以前に確立された中和抗体応答を回避するバリアントの中和を可能にすることができることを示す。
結論として、データは、感染症の結果としてオミクロンBA.1 Sタンパク質に曝露された個体からの試料に基づいているが、本明細書に提示される所見は、オミクロンBA.1 Sタンパク質に適応したワクチンが、同様にB細胞メモリーレパートリーを再形成することができ、したがって、既存の武漢-Hu-1スパイクベースのワクチンを用いた一連の拡張ブースターよりも有益であり得ることを支持する。
材料及び方法
参加者の募集及び試料収集
SARS-CoV-2オミクロン未感染のBNT162b2で2回ワクチン接種された(BNT162b2)コホート及び3回ワクチン接種された(BNT162b2)コホートからの個体は、臨床治験における参加の一部として(第1/2相治験BNT162-01[NCT04380701]、第2相ロールオーバー治験BNT162-14[NCT04949490]、またはBNT162-17[NCT05004181]治験の一部として)インフォームドコンセントを提供した。
SARS-CoV-2オミクロンBA.1回復期の2回及び3回ワクチン接種されたコホート(それぞれ、BNT162b2+Omiコホート及びBNT162b2+Omiコホート)からの参加者及び他の承認されたCOVID-19ワクチンまたは混合レジメンにおいてワクチン接種され、その後のオミクロンBA.1ブレークスルー感染を伴う個体は、COVID-19に対するワクチン接種後にオミクロンBA.1ブレークスルー感染を経験した患者を採用した研究プログラムの一環として、研究のための血液試料及び臨床データを提供するために、ゲーテ大学フランクフルト校の大学病院から採用された。オミクロンBA.1株の感染は、バリアント特異的PCRまたは配列決定により確認され、参加者は、採血時に無症状であった。
試料採取時点を図15に示す。
血清を、遠心分離2000×gによって10分間単離し、使用まで凍結保存した。Li-ヘパリン血液試料を、Ficoll-Paque PLUS(Cytiva)を使用して密度勾配遠心分離によって単離し、その後使用まで凍結保存した。
VSV-SARS-CoV-2 Sバリアント疑似ウイルス生成
VSV-糖タンパク質(VSV-G)の代わりに緑色蛍光タンパク質(GFP)及びルシフェラーゼをコードする組換え複製不全小胞性口腔炎ウイルス(VSV)ベクターを、SARS-CoV-1スパイク(S)(UniProt Ref:P59594)及び武漢基準株(NCBI Ref:43740568)、アルファバリアント(変異:Δ69/70、Δ144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H)、ベータバリアント(変異:L18F、D80A、D215G、Δ242-244、R246I、K417N、E484K、N501Y、D614G、A701V)、デルタバリアント(変異:T19R、G142D、E156G、Δ157/158、K417N、L452R、T478K、D614G、P681R、D950N)オミクロンBA.1バリアント(変異:A67V、Δ69/70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F)、またはオミクロンBA.2バリアント(変異:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)のいずれかに由来するSARS-CoV-2 Sを用いて、公開された疑似タイプ化プロトコルに従って疑似タイプ化した(M.Berger Rentsch,G.Zimmer,A vesicular stomatitis virus replicon-based bioassay for the rapid and sensitive determination of multi-species type I interferon.PloS one.6,e25858(2011),doi:10.1371/journal.pone.0025858)。
簡潔に述べると、10%熱不活化ウシ血清(FBS[Sigma-Aldrich])(培地と称される)を補充したGlutaMAX(商標)(Gibco)を有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養したHEK293T/17単層(ATCC(登録商標)CRL-11268(商標))を、製造業者の指示に従ってLipofectamine LTX(Life Technologies)を用いて、Sanger配列決定検証SARS-CoV-1またはバリアント特異的SARS-CoV-2 S発現プラスミドでトランスフェクトした。24時間で、VSV-Gは、VSVΔGベクターを補完した。37℃で2時間、7.5% COでインキュベートした後、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄した後、抗VSV-G抗体(クローン8G5F11、Kerafast Inc.)を補充した培地を添加して、残存VSV-G補完入力ウイルスを中和した。VSV-SARS-CoV-2-S疑似タイプ含有培地を、播種の20時間後に採取し、0.2μmフィルター(Nalgene)に通し、-80℃で保管した。疑似ウイルスバッチを、培地中で培養したVero 76細胞(ATCC(登録商標)CRL-1587(商標))で滴定した。1mL当たり200形質導入単位(TU)の感染力価に対応するMuikら(Muik et al.,“Neutralization of SARS-CoV-2 lineage B.1.1.7 pseudovirus by BNT162b2 vaccine-elicited human sera.Science(New York,N.Y.).371,1152-1153(2021),doi:10.1126/science.abg6105“)において以前に記載されている定義された量の武漢スパイク疑似ウイルス基準バッチによって誘導された相対ルシフェラーゼ単位を、比較として使用した。SARS-CoV-2バリアント疑似ウイルスバッチの入力体積を算出して、参照に対する相対ルシフェラーゼ単位に基づいて感染力価を正規化した。
疑似ウイルス中和アッセイ
Vero 76細胞を、アッセイの4時間前に培地中で40,000細胞/ウェルで96ウェル白色平底プレート(Thermo Scientific)に播種し、7.5% COで37℃で培養した。各血清を培地中で2倍段階希釈し、第1の希釈は、1:5(オミクロン未感染の2回及び3回BNT162b2でワクチン接種された、希釈範囲は1:5~1:5,120)または1:30(後のオミクロンブレークスルー感染後に2回及び3回BNT162b2ワクチン接種された、希釈範囲は1:30~1:30,720)であった。VSV-SARS-CoV-2-S/VSV-SARS-CoV-1-S粒子を培地中に希釈して、アッセイにおいて200TUを得た。血清希釈液を室温で30分間、疑似ウイルス(疑似ウイルス当たり血清当たりn=2の技術的複製)と1:1で混合した後、Vero 76細胞単層に添加し、37℃で24時間、7.5% COでインキュベートした。上清を除去し、細胞をルシフェラーゼ試薬(Promega)で溶解した。発光は、CLARIOstar(登録商標)Plusマイクロプレートリーダー(BMG Labtech)に記録し、中和力価は、依然として発光の50%の低減をもたらした最高血清希釈の相互作用として算出した。結果を、重複物の幾何平均力価(GMT)として表した。中和が観察されなかった場合、検出限界[LOD]の半分の任意の力価値が報告された。
生SARS-CoV-2中和アッセイ
SARS-CoV-2ウイルス中和力価を、VisMederi S.r.l.(Siena,Italy)での細胞障害性効果(CPE)に基づく微小中和アッセイによって決定した。簡潔に述べると、参加者からの熱不活化血清試料を、(1:10から開始して)1:2に段階希釈し、37℃で1時間、100 TCID50の生武漢様SARS-CoV-2ウイルス株2019-nCOV/ITALY-INMI1(GenBank:MT066156)、ベータウイルス株ヒトnCoV19単離株/England ex-SA/HCM002/2021(変異:D80A、D215G、Δ242-244、K417N、E484K、N501Y、D614G、A701V)、鼻咽頭スワブから単離された配列検証されたデルタ株(変異:T19R、G142D、E156G、Δ157/158、L452R、T478K、D614G、P681R、R682Q、D950N)またはオミクロンBA.1株hCoV-19/Belgium/rega-20174/2021(変異:A67V、Δ69/70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F)とともにインキュベートして、任意の抗原特異的抗体をウイルスに結合させた。2019-nCOV/ITALY-INMI1株Sタンパク質は、野生型SARS-CoV-2 S(武漢-Hu-1単離株)と配列が同一である。Vero E6(ATCC(登録商標)CRL-1586(商標))細胞単層を96ウェルプレート中の血清/ウイルス混合物に接種し、3日間(2019-nCOV/ITALY-INMI1株)または4日間(ベータ、デルタ、及びオミクロンBA.1バリアント株)インキュベートして、非中和ウイルスによる感染を可能にした。プレートを倒立光顕微鏡下で観察し、ウェルをSARS-CoV-2感染に対して陽性(すなわち、CPEを示す)またはSARS-CoV-2感染に対して陰性(すなわち、CPEなしで細胞が生きていた)としてスコアリングした。中和力価は、CPEからの細胞の50%超の細胞を保護した最高血清希釈の相互作用として決定し、重複物のGMTとして報告した。中和が観察されなかった場合、任意の力価値5(検出限界[LOD]の半分)が報告された。
フローサイトメトリーを用いたSARS-CoV-2特異的B細胞の検出及び特徴付け
スパイク/RBD特異的B細胞を、組換えビオチン化SARS-CoV-2スパイク(Acro Biosystems:武漢-SPN-C82E9、アルファ-SPN-C82E5、デルタ-SPN-C82Ec、オミクロン-SPN-C82Ee)及びRBD(Acro Biosystems:武漢-SPD-B28E9、アルファ-SPD-C82E6、デルタ-SPD-C82Ed、オミクロン-SPD-C82E4)タンパク質を使用して検出した。組換えスパイク及びRBDタンパク質を、暗所にて4℃で1時間、4:1のモル比で蛍光標識したストレプトアビジン(BioLegend、BD Biosciences)で四量体化した。その後、試料を4℃で10分間遠心沈殿させて、最終的な沈殿物を除去した。
フローサイトメトリー分析のために、PBMCを解凍し、試料当たり5×10個の細胞を96個のU底プレートに播種した。細胞を、Fc受容体結合についてブロックし(Human BD Fc Block(商標)、BD Biosciences)、フロー緩衝液(2%のFBS(Sigma)、2mMのEDTA(Sigma-Aldrich)を補充したDPBS(Gibco))中の遊離ビオチン(D-ビオチン、Invitrogen、1μM)で20分間、4℃で測定した。細胞を洗浄し、フロー緩衝液(D-ビオチン、Invitrogen、2μg/ml)中の遊離ビオチンを補充したBCRベイト四量体で4℃で1時間、暗所で標識した(Spikeの場合は2μg/ml、RBDタンパク質の場合は0.25μg/ml)。細胞をフロー緩衝液で洗浄し、生存率(固定生存率染料eFluor(商標)780、eBioscience)及び表面マーカー(CD3-クローン:UCHT1(BD Biosciences)、CD4-クローン:SK3(BD Biosciences)、CD185(CXCR5)-クローン:RF8B2(BioLegend)、CD279(PD-1)-クローン:EH12.1(BD Biosciences)、CD278(ICOS)-クローン:C398.4A(BioLegend)、CD19-クローン:SJ25C1(BD Biosciences)、CD20-クローン:2H7(BD Biosciences)、CD21-クローン:B-ly4(BD Biosciences)、CD27-クローン:L128(BD Biosciences)、CD38-クローン:HIT2(BD Biosciences)、CD11c-クローン:S-HCL-3(BD Biosciences)、CD138-クローン:MI15(BD Biosciences)、IgG-クローン:G18-145(BD Biosciences)、IgM-クローン:G20-127(BD Biosciences)、IgD-クローン:IA6-2(BD Biosciences)、CD14-クローン:MφP9(BD Biosciences、ダンプチャネル)、CD16-クローン:3G8(BD Bioscience、ダンプチャネル))について、Brilliant Stain Buffer Plus(BD Biosciences、製造業者の指示に従って)を補充したフロー緩衝液中、4℃で20分間染色した。試料を洗浄し、BD Symphony A3フローサイトメーターでデータを取得する前に、BDTM安定化固定剤(BD Biosciences、製造業者の指示に従って)で固定した。FCS 3.0ファイルをBD Divaソフトウェアからエクスポートし、FlowJoソフトウェア(バージョン10.7.1)を使用して分析した。
破片及び二重項は、FSC/SSCを介して識別した。次いで、死細胞及び単球(CD14、CD16-生存率/ダンプチャネル)を除外した。CD19陽性B細胞を、IgD及びCD27発現について分析し、それによって、ナイーブB細胞を、ブーリアン「メイク・ノン・ゲート」機能を有するIgD細胞として識別した。非ナイーブB細胞内で、プラズマブラスト(CD38CD20)及びメモリーB細胞(BMEM CD38中/低CD20)を区別した。BMEM細胞を、B細胞ベイト結合について分析した。SARS-CoV-2スパイク反応性を、CD20シグナルに対してプロットすることによって試験した各スパイク/RBDバリアント上でゲーティングすることによって評価した。ベイトゲートを総BMEM細胞上に重ね、4つのベイトチャネルについてNxN-Plotsとして表示した。
統計分析
抗体力価の分析に使用される集合の統計的方法は、幾何平均であり、SARS-CoV-2 VOC力価及び武漢力価の比については、幾何平均及び対応する95%信頼区間である。幾何平均の使用は、数桁に及ぶ抗体力価の非正規分布を説明する。多重比較のためのDunn補正を伴うFriedman検定を使用して、共通の対照群を用いて群の幾何平均中和抗体力価の対のある符号順位検定を行った。フローサイトメトリー頻度をFlowJoソフトウェア(バージョン10.7.1.)で分析し、表をそれからエクスポートした。累積メモリーB細胞頻度の統計分析は、平均値及び平均値の標準誤差(SEM)であった。全ての統計分析は、GraphPad Prismソフトウェアバージョン9を使用して実施した。
実施例8:オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするワクチンの誘導抗体応答
オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンの有効性を試験するために、2つの用量の30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む一次レジメン(例えば、BNT162b2)、及び1つの用量の30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むブースターレジメン(すなわち、武漢特異的ブースター、例えば、BNT162b2)を以前に投与された対象に、(i)30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、BNT162b2)、または(ii)30ugのオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(すなわち、オミクロンBA.1特異的ブースター、例えば、配列番号49のアミノ酸配列を含む、及び/または配列番号50及び/または51のヌクレオチド配列を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA)を含む、更なるブースター用量を投与した(第2のブースターレジメンの一部として投与される用量は、図において「第4の用量」と称される)。第2のブースターレジメンの投与時及びその後1ヶ月後に対象から血清を収集した。
中和抗体力価を、蛍光フォーカス減少法による中和試験(「FFRNT」)を使用して決定した。好適なFFRNTアッセイは、当該技術分野で既知であり、例えば、Zou J,Xia H,Xie X,et al.“Neutralization against Omicron SARS-CoV-2 from previous non-Omicron infection,”Nat Commun 2022;13:852(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるアッセイを含む。追加の例示的な中和アッセイとしては、前述の実施例に記載されているもの、及びBewley,Kevin R.,et al.“Quantification of SARS-CoV-2 neutralizing antibody by wild-type plaque reduction neutralization,microneutralization and pseudotyped virus neutralization assays.”Nature Protocols 16.6(2021):3114-3140に記載されているものが挙げられる。図20、Aに示されるように、1つの用量の、オミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む第2のブースターレジメンを投与された対象は、1つの用量の、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む第2のブースターレジメンを投与された対象と比較して、オミクロンBA.1バリアントに対する中和抗体の濃度の著しい増加を示した。具体的には、オミクロンBA.1特異的ブースターを投与された対象は、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、第4の用量のRNAを投与された対象において観察されたものよりも1.79倍高いGMR及び2.31倍高いGMFRを示した。オミクロンBA.1バリアントに対してオミクロンBA.1特異的ブースターによって誘導された優れた免疫応答は、SARS-CoV-2に以前感染した対象(抗原試験によって決定される)または現在SARS-CoV-2に感染している対象(PCRによって決定される)において更に増加した。以前に感染した及び/または現在感染している対象を含む対象集団が、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンを投与された以前に感染した及び/または現在感染している対象を含む対象集団において観察されたものよりも2.94倍高いGMR、及び1.97倍高いGMFR比を示したことを示す、図20、Bを参照されたい。
また、上述した同じ血清試料を使用して、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質を含む疑似ウイルスを使用して、疑似ウイルス中和アッセイを行った。武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(例えば、BNT162b2)を投与された対象は、オミクロンBA.1特異的ブースターを投与された対象において観察されたものと同様の中和抗体の力価を示し、2つのワクチンが武漢株に対する抗体応答を誘導する能力において少なくとも同様に有効であることを実証した。武漢特異的ブースター(例えば、BNT162b2)を投与された対象において観察されたGMR及びGMFRが、オミクロンBA.1特異的ブースター(OMI)を投与された対象において観察されたものと同様であることを示す、図20Cを参照されたい。以前にSARS-CoV-2に感染した対象(例えば、抗原アッセイによって決定される)または現在SARS-CoV-2に感染している対象(例えば、PCRアッセイによって決定される)において、オミクロンBA.1特異的ブースターを投与された対象は、武漢株に特異的なブースターを投与された対象と比較して、改善された免疫応答を示した。オミクロンBA.1特異的ブースターを投与された対象についてのGMRが、武漢特異的ブースターを投与された対象の約1.4倍であることを示す、図20Dを参照されたい。
オミクロンBA.1特異的ブースターを投与された対象はまた、疑似ウイルス中和アッセイにおいてデルタバリアントに対する優れた免疫応答を示した。オミクロンBA.1特異的ブースターを投与された対象についてのGMFRが、武漢特異的ブースターを投与された対象において観察されたものよりも約1.20倍高いことを示す、図20Eを参照されたい。デルタバリアントに対するオミクロンBA.1特異的ブースターによって誘導された優れた免疫応答は、以前にSARS-CoV-2に感染した及び/または現在SARS-CoV-2に感染している対象からの血清において更に増加した。図20Fを参照されたい。
実施例9:ワクチン未接種の対象におけるSARS-CoV-2バリアントのSタンパク質をコードするワクチンの免疫原性研究
ワクチン未接種対象における様々なバリアント特異的ワクチンの免疫原性を試験するために、ワクチン未接種マウスを、(a)生理食塩水(陰性対照)、(b)武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチン、(c)オミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチン(Omi)、(d)デルタバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチン(デルタ)、(e)武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA及びオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質を含む二価ワクチン(b2+Omi)、ならびに(f)デルタバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、及びオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む二価ワクチン(デルタ+Omi)で2回免疫化した。RNAワクチンの免疫原性は、抗体免疫応答に着目して調べた。
免疫化の7日後に血清を得て、武漢株由来のSARS-CoV-2 Sタンパク質を含む疑似ウイルス、ベータバリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、デルタバリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質を使用して、疑似ウイルス中和アッセイ(例えば、実施例2に記載のアッセイ)を使用して分析した。図21に示されるように、二価ワクチンは、ワクチン未接種マウスにおいて最も広範な免疫応答を誘発することが見出された。
実施例10:武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンを以前に投与された対象における、ベータバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするワクチンの誘導抗体応答
ベータバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンの有効性を試験するために、2つの用量(各30ug)の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(本実施例では、BNT162b2(配列番号20))を含む一次レジメンを以前に投与された対象に、各々が30ugのベータバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(以下、ベータ特異的ワクチンと称する)を含む2つのブースター用量を投与した。本実施例では、構築物RBP020.11を、ベータ特異的ワクチンとして投与した。本実施例では、2つのブースター用量は、およそ1ヶ月間の間隔を空けて投与されたが、いくつかの実施形態では、2つのブースター用量は、少なくとも3週間の間隔を空けて、少なくとも4週間の間隔を空けて、少なくとも5週間の間隔を空けて、少なくとも6週間の間隔を空けて、少なくとも7週間の間隔を空けて、少なくとも8週間の間隔を空けて、またはそれ以上の間隔を空けて(例えば、本明細書に記載の例示的な投薬レジメンに従って)投与され得る。
BNT162b2の投与前、BNT162b2の2つの一次用量を投与した後1ヶ月、第1の用量のベータ特異的ワクチンを投与した後1ヶ月、及び第2の用量のベータ特異的ワクチンを投与した後1ヶ月に、対象から血清を収集した。武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質またはベータバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質を含む疑似ウイルスに対する中和抗体力価を、疑似ウイルス中和アッセイを使用して測定した(結果を図22に示す)。対象は、第3及び第4の用量のベータ特異的ワクチンの投与後に、SARS-CoV-2の武漢株及びベータバリアントの両方に対する中和抗体力価の増加を示した。
実施例11:ワクチン未接種対象におけるベータバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするワクチンの誘導抗体応答
ワクチン未接種の対象におけるベータバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンの有効性を試験するために、SARS-CoV-2ワクチンを以前に投与されておらず、かつ(例えば、抗体検査及び/またはPCR検査によって評価される)SARS-CoV-2による以前または現在の感染の証拠を示さなかった対象に、2つの用量(各30ug)のベータバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(本実施例では、RBP020.11)を投与した。第2の用量の投与の1ヶ月後に血清を収集し、ウイルス中和アッセイを使用して、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質またはベータバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質のいずれかを含むウイルス粒子を使用して、中和抗体価を測定した。以下の表15及び16は、ベータバリアントに対する中和アッセイの結果を示す(武漢株に対する中和アッセイの結果は図示せず)。表に示されるように、2つの用量の武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチン(本実施例では、BNT162b2)を投与されたワクチン未接種対象と比較して、ベータバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンは、ベータバリアントに対する著しく強力な抗体応答を誘導することが見出された。
Figure 2023081859000164
Figure 2023081859000165




実施例12:55歳以上の参加者における一価、二価、及び高用量としてのBNT162b2またはオミクロンBA.1特異的ワクチンの誘導抗体応答性及び反応原性
(i)より高い用量のRNAワクチン(例えば、本明細書に記載のもの)、(ii)オミクロンBA.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチン(オミクロンBA.1特異的ワクチン)、及び(iii)武漢バリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA及びオミクロンBA.1バリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む二価ワクチンの有効性及び安全性を試験するために、以前に少なくとも1つの用量の武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンを投与された対象に、いくつかのブースター用量(例えば、本明細書に記載のもの)のうちの1つを投与した。具体的には、2つの用量の30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチン(本実施例では、BNT162b2)、第3の用量の30ugの武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(本実施例では、同じくBNT162b2)を以前に投与された対象に、
(a)武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする30ugのRNA、
(b)武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする60ugのRNA、
(c)30ugのオミクロンBA.1特異的ワクチン、
(d)60ugのオミクロンBA.1特異的ワクチン、
(e)武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする15ugのRNAと、オミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする15ugのRNAとを含む、30ugの二価RNAワクチン(オミクロンBA.1適応二価ワクチン)、または
(f)30ugの武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、30ugのオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAとを含む、60ugの二価RNAワクチン(オミクロンBA.1適応二価ワクチン)を含む、第4の用量を投与した。
本実施例では、第4の用量について、武漢バリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAは、BNT162b2であり、オミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAは、配列番号51のヌクレオチド配列を含む。
血清試料を、第4の用量の投与時及びその7日後に収集し、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはデルタバリアントもしくはオミクロンBA.1バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質を含むウイルス粒子に対する中和抗体力価について試験した。
中和抗体力価を、蛍光フォーカス減少法による中和試験(「FFRNT」)を使用して決定した。好適なFFRNTアッセイは、実施例8で論じられるように、当該技術分野において既知である。中和応答を図23に示す。
図23(A)に示されるように、第4の用量の30ugのオミクロンBA.1特異的ワクチンを投与された対象は、第4の用量の30ugのBNT162b2を投与された対象と比較して、オミクロンBA.1バリアントに対する中和抗体の増加を示した。60ugのRNAを投与することは、BNT162b2及びオミクロンBA.1特異的ワクチンの両方について中和応答を増加させ、60ugのオミクロンBA.1特異的ワクチンは、オミクロンBA.1バリアントに対してより強い免疫応答を示す。図23(B)に示されるように、同様の効果は、SARS-CoV-2に以前感染した、または現在感染している対象(例えば、抗体試験及びPCR試験によってそれぞれ決定される)を含む集団において観察された。
図23(C~D)は、SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象を除く対象の集団(図23(C))及びこれらの対象を含む対象の集団(図23(D))における、SARS-CoV-2の武漢株に対する中和応答に関するデータを提供する。
図23(E~F)は、SARS-CoV-2に以前に感染した、または現在感染している対象を除く対象の集団(図23(E))及びこれらの対象を含む対象の集団(図23(F))におけるデルタバリアントに対する中和応答に関するデータを提供する。
図23(G)は、第4の用量の30ugのBNT162b2で投与された対象と比較した中和応答を示す。表で見ることができるように、オミクロンBA.1特異的ワクチンは、オミクロンBA.1バリアントに対する強力な応答、及び他のバリアントについてのBNT162b2の応答と少なくとも同等であった応答を誘導した。二価ワクチン(オミクロンBA.1適応二価ワクチン)は、試験した各SARS-CoV-2バリアントに対して、30ug及び60ugの両方の用量で、強い免疫応答を生じさせた。
試験した第4の用量の反応性もまた、第4の用量の投与後7日間にわたって患者においてモニタリングした。図24(A)は、示されている異なる群の対象において観察された局所免疫応答を示す。図で見ることができるように、60ug用量のオミクロンBA.1特異的ワクチン及び二価ワクチンは、他の試験したブースター用量で観察されたものと比較して、注射部位で疼痛を生じさせる可能性が高いことが見出されたが、両方の用量で疼痛は軽度または中等度であると評価された。赤み及び腫脹応答は低く、試験した各用量で同等であった。
図24(B)は、示されている異なる群の対象において観察された全身免疫応答を示す。全身応答(発熱、疲労、頭痛、悪寒、嘔吐、下痢、筋肉痛、または関節痛を特徴とする)は、各用量で類似していたが、疲労は、60ug用量でより高い傾向にあった。
ブースター用量としてのオミクロンBA.1適応ワクチン(本実施例に記載されるような一価及び二価ワクチン)の免疫応答及び反応原性は、56歳以上の1,000人を超える参加者を対象とした第2/3相治験においても確認される。第4の用量の30ugのBNT162b2を投与された対象と比較した、各試験用量の幾何平均力価(GMT)、及び幾何平均比(GMR)を以下の表23に示す。
Figure 2023081859000166
ブースター用量として与えられたオミクロンBA.1適応ワクチン(一価または二価、及び30ugまたは60ug)は、BNT162b2(武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする)によって誘導されたものと比較して、オミクロンBA.1に対する実質的に高い中和抗体応答を誘発した。単純優位性のための所定の基準は、95%信頼区間の下限>1の中和幾何平均力価の比(GMR)によって測定した。超優位性のための所定の基準は、95%信頼区間の下限>1.5の中和幾何平均力価の比(GMR)によって測定した。これらの基準に基づいて、試験した用量の各々は、30ugのBNT162b2よりも優れていることが示され、30ugまたは60ugのBNT162b2 OMIを投与することは、30ugのBNT162b2と比較して非常に優れていることが示された。
血清応答率を以下の表24に要約する。下の表に示されるように、各試験用量は、30ugのBNT162b2に対して非劣性であることが見出された。

Figure 2023081859000167
表24に要約されたデータの収集後、オミクロン一価ワクチンを投与された対象に関するデータを収集し続けた。更なるデータを以下の表25に要約し、表24に示される所見を確認する。
Figure 2023081859000168
第4のブースター用量の投与前及び第4のブースター用量の投与後1ヶ月間の各用量の力価の変化を図25に示す。図25に示されるように、投与1ヶ月後、ブースター用量のオミクロンBA.1適応一価ワクチン(30μg及び60μg)は、オミクロンBA.1に対する中和幾何平均力価(GMT)を、ブースター前用量レベルの13.5及び19.6倍増加させ、一方、ブースター用量のオミクロンBA.1適応二価ワクチン(30μg及び60μg)は、オミクロンBA.1に対する中和GMTの9.1及び10.9倍増加を付与した。オミクロンBA.1適応二価ワクチン(30μg)のブースター用量は、BA.1に対して誘導されたものよりもおよそ3倍低い中和力価を誘導した。オミクロンBA.1適応ワクチン(例えば、一価及び二価ワクチン)の両方は、一方または他方のオミクロンBA.1適応ワクチンを受けた参加者において良好な忍容性を有し、BNT162b2(武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする)と同様の良好な安全性及び忍容性プロファイルを示した。
追加として、オミクロン適応ワクチン(例えば、この実施例に記載されるような一価または二価ワクチン)を受けた56歳以上の参加者からの血清上で試験したSARS-CoV-2生ウイルス中和アッセイにおいて、血清はまた、オミクロンBA.4/BA.5をオミクロンBA.1よりも低い力価で中和した。
実施例13:オミクロンブレークスルー感染は、交差バリアント中和及びメモリーB細胞形成を駆動するが、オミクロンBA.4及びBA.5に対しては程度が低い。
SARS-CoV-2 Sタンパク質の更なる改変を保有する新たなオミクロン亜系統が引き続き生じており、2022年5月12日に欧州疾病予防管理センター(ECDC)によってBA.4及びBA.5がVOCとみなされた(Euopean Centre for Disease Prevention and Control,Epidemiological update:SARS-CoV-2 Omicron sub-lineages BA.4 and BA.5(2022)(https://www.ecdc.europa.eu/en/news-events/epidemiological-update-sarscov-2-omicron-sub-lineages-ba4-and-ba5)において入手可能)。
本実施例13は、実施例7の延長であり、実施例7に記載されるようなBA.1ブレークスルー症例から収集された血清試料を、オミクロンBA.4及びBA.5バリアントに対するそれらの中和活性について更に分析した。
実施例7に記載されるように、オミクロン未感染の2回ワクチン接種された個体において、ベータ及びデルタVOCの50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)は、武漢株と比較して低減されることが見出された一方で、オミクロン亜系BA.1及びBA.2の中和は、事実上検出不可能であった。本実施例では、図26(a)は、BA.4/5の中和力価もまた、2回ワクチン接種されたBA.1ブレークスルー患者において事実上検出不可能であったことを示す。
実施例7に記載されるように、オミクロン未感染の3回ワクチン接種された個体は、2回ワクチン接種された個体と比較して実質的に高い全ての試験したVOCに対してpVN50 GMTを示した。アルファ、ベータ、及びデルタバリアントの堅牢な中和が観察されたが、一方で、オミクロンBA.1及びBA.2の中和は、武漢と比較して低減した(GMT 160及び211対398)。本実施例の図26(A)に示されるように、オミクロンBA.4/5の中和は、オミクロン未感染の3回ワクチン接種された患者において更に低減し(GMT 74)、武漢株と比較して5倍低い力価に対応する。
図26(b)に示されるように、オミクロンBA.1ブレークスルー感染は、BA.4/5の中和に対してわずかなブースト効果しかないことが分かった。2回ワクチン接種された患者では、オミクロンBA.4/5に対するpVN50 GMTは、武漢に対するものよりも著しく低かった(GMT 135対740)。同様のパターンは、3回ワクチン接種された個体からのBA.1回復期及び対照血清で観察された。実施例7で述べたように、BA.1回復期血清は、ベータ(1182)、オミクロンBA.1(1029)、及びオミクロンBA.2(836)を含む、以前のSARS-CoV-2 VOCに対して高いpVN50 GMTを示し、これらは、武漢基準(1182)に対する力価に近かった。対照的に、図26(b)に示されるように、BA.1のブレークスルー感染を有する3回ワクチン接種された個体におけるBA.4/5の中和は、武漢株と比較して著しく低減し、pVN50 GMTは197であり、武漢株に対して6倍低下した。
注目すべきことに、全てのコホートにおいて、BA.4/5に対する中和力価は、武漢に対して見られたものよりも系統発生学的により遠隔のSARS-CoV-1疑似ウイルスに対して観察された低いレベルに近かった。武漢に対して正規化されたSARS-CoV-2 VOC及びSARS-CoV-1 pVN50 GMTの比を比較すると(図26(c))、オミクロンBA.1によるブレークスルー感染は、2回ワクチン接種及び3回ワクチン接種された個体において、オミクロンBA.4/5のより効率的な交差中和をもたらさないことが顕著である。総合すると、これらのデータは、ワクチン経験のある個体のオミクロンBA.1ブレークスルー感染が、BA.1、BA.2、及びいくつかの以前のSARS-CoV-2バリアントに対して広範に中和活性を媒介するが、BA.4/5についてはそうでないことを実証する。
図27に示されるように、同様の結果が、以前に非BNT162b2ワクチンを投与され、BA.1ブレークスルー感染を有した患者について見出された。
実施例7に記載されるように、BNT162b2ワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.1ブレークスルー感染は、主に異なるSARS-CoV-2株にわたって広範に共有されるエピトープに対してBMEM細胞を拡張することによって、オミクロンBA.1、BA.2及び以前のSARS-CoV-2 VOCに対して強力な中和活性を生じることが見出された。これらのデータは、ワクチン接種インプリントBMEM細胞プールが、異種SARS-CoV-2 Sタンパク質への曝露によってリモデリングされるのに十分な可塑性を有することが実証される。共有エピトープを認識するBMEM細胞の選択的増幅は、以前に確立された免疫を回避するほとんどのバリアントの効果的な中和を可能にするが、これまで保存されてきた部位での改変を獲得するバリアントによる逃避に対する感受性は、高められ得る。RBD中のL452R及びF486Vの追加の改変を保有するオミクロンBA.4/5疑似ウイルスに対する中和活性が著しく低下したことは、残りのわずかな保存されたエピトープの喪失による免疫回避の機序を支持する。
考察
驚くべきことに、実施例7で観察された結果に反して、オミクロン亜系統BA.4及びBA.5の中和は、BA.1ブレークスルー患者において強化されず、代わりに、より系統発生学的に遠いSARS-CoV-1に対するものと同等の力価を有した。本実施例は、BNT162b2 mRNAワクチンでワクチン接種された個体に焦点を当てたが、CoronaVac(Sinovac Biotechによって開発された不活化ウイルスワクチンの全体)でワクチン接種された個体において、同様の観察が最近報告されており、オミクロンBA.4/5が、BA.1感染が媒介する体液性免疫のブーストを迂回し得ることが示唆されている(Y.Cao et al.,BA.2.12.1,BA.4 and BA.5 escape antibodies elicited by Omicron infection,bioRxiv:the preprint server for biology(2022))。
本開示は、BA.1ブレークスルー症例における複数のバリアントに対する免疫がどのように達成されるか、なぜオミクロンBA.4及びBA.5亜系統が部分的に中和を逃避することができるかについての洞察を提供し、特にオミクロン系統(例えば、BA.4及び/またはBA.5を含む)を含むコロナウイルス株及び系統にわたる保護を強化するためのワクチン接種プロトコル及び技術を提供する。いかなる特定の理論によっても拘束されることを望むものではないが、本開示は、武漢株Sタンパク質への初期曝露は、BMEM細胞の形成を形作り、オミクロンBA.1バリアントに特徴的なエピトープを認識する新規のBMEM細胞応答に対してインプリントすることができることを提案する。
BNT162b2でワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.1ブレークスルー感染は、主に、厳密にオミクロンBA.1特異的なBMEM細胞を誘導するのではなく、保存されたSARS-CoV-2 Sタンパク質及びRBDエピトープに対する広範なBMEM細胞レパートリーを拡張する。相同ワクチンブースターによって誘導される免疫応答と比較して、オミクロンBA.1ブレークスルー感染は、オミクロンに対する抗体中和力価のより実質的な増加、及び多くのSARS CoV-2バリアントの堅牢な交差中和をもたらす。
実施例7で述べたように、BA.1ブレークスルー感染によって誘発される広範な中和のための潜在的な説明の1つは、広範な中和抗体の誘導である。オミクロンBA.1回復期のワクチン接種された個体からの血清は、SARS-CoV-2 オミクロンBA.4/5及びSARS-CoV-1を、BA.1及びBA.2を含む以前のSARS-CoV-2 VOCよりもはるかに低い程度で中和することが見出された。この所見は、ワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.1感染が、オミクロンBA.2までのSARS-CoV-2バリアントで保存されたSタンパク質エピトープに対する中和抗体を産生するが、ほとんどがBA.4/5で失われ、ほとんどがSARS-CoV-1によって共有されていないBMEM細胞を刺激することを示す。
より早期のSARS-CoV-2株からのオミクロンBA.1 Sタンパク質のより大きな抗原距離は、例えば、受容体結合モチーフとは異なるRBDの一部分内(Li,Tingting,et al.“Cross-neutralizing antibodies bind a SARS-CoV-2 cryptic site and resist circulating variants,”Nature communications 12.1(2021):1-12、及びYuan,Meng,et al.“A highly conserved cryptic epitope in the receptor binding domains of SARS-CoV-2 and SARS-CoV”Science 368.6491(2020):630-633)、または膜近位S糖タンパク質サブユニット指定S2(Pinto,Dora,et al.“Broad betacoronavirus neutralization by a stem helix-specific human antibody.”Science 373.6559(2021):1109-1116。Li,Wenwei,et al.“Structural basis and mode of action for two broadly neutralizing antibodies against SARS-CoV-2 emerging variants of concern.”Cell reports 38.2(2022):110210、Hurlburt,Nicholas K.,et al.“Structural definition of a pan-sarbecovirus neutralizing epitope on the spike S2 subunit.”Communications biology 5.1(2022):1-13)における暗号部位に位置することが最近記載されているように、保存されたサブドミナント中和エピトープの標的化を促進し得る。
実施例7で述べたように、オミクロンBA.1に感染した個体は、ワクチン接種されたオミクロン未感染の個体と比較して、著しく高いRBD/Sタンパク質特異的BMEM細胞比を有するようである。オミクロンBA.1は、NTDの主要な中和抗体結合部位において複数のSタンパク質改変(del69/70及びdel143-145など)を担持し、この領域におけるメモリーB細胞応答の標的化表面を劇的に低減する。オミクロンBA.1 RBDは複数の改変を有するが、いくつかの中和抗体結合部位は影響を受けない(20)。本実施例で示されるL452位にあるものなど、オミクロンBA.1において改変されないRBDエピトープに対する中和抗体を産生するBMEM細胞の拡張は、BA.1及びBA.2バリアントの中和を迅速に復元するのに役立ち得る。重要なことに、オミクロンBA.1及びBA.2の強力な中和は、オミクロンBA.1回復期のワクチン接種された個体における中和BMEM免疫応答が少数のエピトープによって駆動されるという事実を隠蔽すべきではない。RBD中のL452R及びF486Vの追加の改変を保有するオミクロンBA.4/5疑似ウイルスに対する中和活性が著しく低下したことは、残りのわずかな保存されたエピトープの喪失による免疫回避の機序を実証する。一方、L452改変を有する更なる亜系統(例えば、BA.2.12.1)は、BA.1ブレークスルー感染によって誘発される体液性免疫を回避することが報告されている(Y.Cao et al.,上記で引用)。
本開示は、ワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.1感染の初期段階における免疫は、保存されたエピトープの認識に基づくことができ、オミクロンBA.1及びBA.2において改変されない少数の中和部位に狭く焦点を当てることができることを提案する。かかる狭い免疫応答は、これらの少数のエピトープが、オミクロンの進行中の進化の過程で更なる改変を獲得することによって失われる場合があり、亜系統BA.2.12.1、BA.4、及びBA.5で経験されるように、免疫逃避をもたらし得るリスクが高い(Y.Cao et al.,上記で引用、及びK.Khan et al.,Omicron sub-lineages BA.4/BA.5 escape BA.1 infection elicited neutralizing immunity(2022))。重要なことに、オミクロンBA.1 Sを認識しないメモリーB細胞は、同様の頻度で血液中で検出可能なままであるため、オミクロンBA.1ブレークスルー感染は、(武漢)S糖タンパク質特異的メモリーB細胞のスペクトル全体を低減するようには見えない。武漢特異的(非オミクロンBA.1反応性)BMEM細胞は、オミクロンBA.1ブレークスルー感染個体において、オミクロン未感染の2回/3回ワクチン接種された個体と同様のレベルで一貫して検出された。いかなる特定の理論によっても拘束されることを望むものではないが、本開示は、これらの所見が、共有エピトープを認識するBMEM細胞の選択的増幅による総BMEM細胞レパートリーの増加を反映し得ることに留意する。
本実施例は、とりわけ、武漢株に感染したか、または武漢株に適応した少なくとも1つの用量(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つの用量を含む)のワクチン(複数可)(例えば、タンパク質ベースのワクチンまたはBNT162b2、Moderna mRNA-1273などのRNAベースのワクチンに限定されない)を投与された対象が、オミクロンBA.1ではない株に適応した少なくとも1つの用量のワクチン(例えば、タンパク質またはRNAベースのワクチン)を受けることがより有益であり得るという洞察を提供する。いくつかの実施形態では、オミクロンBA.1ではない株に適応したワクチンは、オミクロンBA.4及び/またはオミクロンBA.5に適応したワクチンであり得るか、またはそれを含むことができる。本実施例は、とりわけ、以前にSARS-CoV-2感染のないワクチン未接種の対象が、少なくとも1つの用量の武漢株に適応したワクチン(例えば、いくつかの実施形態ではBNT162b2などのRNAワクチン)と、少なくとも1つの用量のオミクロンBA.1ではない株に適応したワクチンとを含む、ワクチンの組み合わせを投与されることが望ましい場合があるという洞察も提供する。いくつかの実施形態では、かかるワクチンの組み合わせは、異なる時間、例えば、いくつかの実施形態では、所定の期間(例えば、本明細書に記載される特定の投薬レジメンによる)間隔で別々に投与される一次用量及び/またはブースター用量として投与され得る。いくつかの実施形態では、かかるワクチンの組み合わせは、単一の多価ワクチンとして投与されてもよい。
材料及び方法
本実施例に記載される、血清試料、中和アッセイ、及び他の全ての実験を、実施例7と同様に実施した。VSV-糖タンパク質(VSV-G)の代わりに緑色蛍光タンパク質(GFP)及びルシフェラーゼをコードするBA.4/5 VSV-SARS-CoV-2 Sバリアント疑似ウイルス生成A組換え複製欠損小胞性口内炎ウイルス(VSV)ベクターを、武漢株に対して以下の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質を含んで偽型化した:T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)。
実施例14.ワクチン接種された個体のオミクロンBA.2ブレークスルー感染は、オミクロンBA.1、BA.2、ならびにBA.4及びBA.5を含む他のVOCに対する広範な交差中和を誘導する。
本実施例は、BNT162b2で3回ワクチン接種された個体におけるBA.2オミクロンブレークスルー感染が、驚くべきことに、BN162b2で3回ワクチン接種された個体におけるBA.1ブレークスルー感染と比較して、BA.4/5オミクロンバリアントに対する中和抗体の産生の改善を含む、優れた交差バリアント中和を駆動することを示す。したがって、とりわけ、本開示は、コロナウイルス株及び/または配列(例えば、スパイクタンパク質配列)の免疫相乗的カテゴリーを定義することの実現可能性を実証する。
本開示によって提供される改善されたコロナウイルスワクチン接種戦略のいくつかの実施形態では、対象は、少なくとも2つの異なるかかる相乗的カテゴリーの各々に曝露される。いくつかの実施形態では、対象は、第1のカテゴリーのウイルスに感染している、感染したことがある、または感染しているとともに、少なくとも1つの用量の、第1のカテゴリーとの免疫学的相乗効果を特徴とする第2のカテゴリーのワクチンを受ける。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、対象は、かかる第1及び第2のカテゴリーの第1及び第2のワクチンの用量を受けるか、または受けたことがある。いくつかの実施形態では、異なるカテゴリーのワクチンは、別々に(例えば、異なる時点及び/または対象の異なる部位に)投与されてもよい。いくつかの実施形態では、異なるカテゴリーのワクチンは、一緒に(例えば、実質的に同時に及び/またはほぼもしくは全く同じ部位及び/または単一の組成物において)投与されてもよい。
他のSARS-CoV-2バリアント(例えば、武漢-Hu-1株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、オミクロンBA.1、オミクロンBA.2、及びオミクロンBA.2.11.2を含む)に対する中和と比較して、オミクロンBA.4/BA.5に対するより低い中和を誘導する、ワクチン接種された個体のオミクロンBA.1ブレークスルー感染と比較して、本実施例は、BNT162b2でワクチン接種された個体におけるBA.2オミクロンブレークスルー感染が、驚くべきことに、BA.4/5オミクロンバリアントに対する中和抗体の産生の改善を含む、優れた交差バリアント中和を駆動することを示す。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、とりわけ、SARS-CoV-2株及び/またはバリアントが少なくとも2つの異なるカテゴリーにグループ化され得、かかる2つの異なるカテゴリーの各々からのSARS-CoV-2株及び/またはバリアントに曝露される対象が、かかる2つの異なるカテゴリーによって付与される免疫相乗的保護から利益を得ることができることを実証する。いくつかの実施形態では、SARS-CoV-2株/バリアントの第1のカテゴリーは、武漢-Hu-1株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、オミクロンBA.1、及び前述の株及び/またはバリアントに由来するサブバリアントを含むが、一方で第2のカテゴリーは、オミクロンBA.2、オミクロンBA.2.12.1、オミクロンBA.4/BA.5、及び前述の株及び/またはバリアントに由来するサブバリアントを含む。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、とりわけ、少なくとも1つの用量の(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、もしくはそれ以上を含む)上記のような第1のカテゴリーの特徴である配列を有するSARS-CoV-2スパイクタンパク質ポリペプチドを含むか、または送達する第1のワクチン(例えば、スパイクタンパク質ポリペプチドをコードする、本明細書に記載のmRNAワクチン)と、少なくとも1つの用量の(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、もしくはそれ以上を含む)上記のような第2のカテゴリーの特徴である配列を有するSARS-CoV-2スパイクタンパク質ポリペプチドを含むか、または送達する第2のワクチン(例えば、スパイクタンパク質ポリペプチドをコードする、本明細書に記載のmRNAワクチン)との組み合わせが、BA.4/5オミクロンバリアントに対する中和抗体の強化された産生を含む、優れた交差バリアント中和を相乗的に提供することができるという洞察を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、BA.2オミクロンバリアントの特徴である配列を有するSARS-CoV-2スパイクタンパク質ポリペプチドを含むか、または送達する少なくとも1つの用量のワクチン(例えば、本明細書に記載のスパイクタンパク質ポリペプチドをコードするmRNAワクチン)を、少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、もしくはそれ以上)の用量の、武漢-Hu-1株の特徴である配列有するSARS-CoV-2スパイクタンパク質ポリペプチドを含むか、または送達するワクチン(例えば、本明細書に記載されるようなスパイクタンパク質ポリペプチドをコードするワクチン)受けた対象に投与することの驚くべき有効性を具体的に教示する。
背景
2021年11月の懸念されるSARS-CoV-2オミクロンバリアント(VOC)の出現(参考文献1)は、以前に確立された免疫から実質的に逃避する能力があるため、COVID-19パンデミックの転換点とみなすことができる。優勢な流行しているVOCとして数週間以内にデルタに取って代わったオミクロンBA.1は、受容体結合ドメイン(RBD)及びN末端ドメイン(NTD)において著しい改変を獲得した(参考文献2)。これらの変化は、中和抗体によって認識された多くのエピトープの喪失をもたらし(参考文献3~4)、祖先の武漢株に基づくワクチン、または祖先の株もしくは以前のバリアントへの曝露によって誘導された体液性免疫が劇的に損なわれた(参考文献5~7)。BA.1は、その後、BA.2バリアントに取って代わられ、順に、更なる亜系統を生じた。BA.2に由来するBA.4及びBA.5は、現在、世界中の多くの国で優勢なバリアントとなっており、複数の研究が、BA.2と比較して、特にBA.1と比較して、抗原特性の著しい変化を示唆している(参考文献8~9)。BA.4及びBA.5は同一のS糖タンパク質配列を共有するため、本明細書ではBA.4/5と称される。RBDにおけるアミノ酸変化の多くは、オミクロン亜系統間で共有されるが、BA.4/5を含むBA.2由来の亜系統のNTD内の改変は、BA.1に見出されるものとはほとんど異なっている(図33)。
世界中の大多数は、例えば、BNT162b2及びmRNA-1273などのmRNAワクチンを含む、武漢株に適応したワクチンで免疫化されており(参考文献10)、したがって、これらは、実質的にSARS-CoV-2集団免疫を形作っている。しかしながら、免疫逃避バリアントオミクロンBA.1の出現は、ワクチン接種された個体におけるブレークスルー感染の発生の急激な増加をもたらした。SARS-CoV-2バリアントブレークスルー感染は、体液性免疫を再形成し、それによって他のバリアントに対する中和抗体力価を調節することができることが報告されている(参考文献8、11、12)。しかしながら、以前に報告されたように、BA.1ブレークスルー感染は、オミクロンBA.4/5に対する強力な免疫を提供しない場合がある。
ある特定の所見
BA.2ブレークスルー感染が、オミクロンBA.2及びBA.4/5などのBA.2由来の亜系統に対する免疫に再度焦点を当てるかどうかを決定するために、中和抗体応答の大きさ及び幅を、mRNAワクチン(BNT162b2/mRNA-1273)による3回ワクチン接種スキームを受けており、その後、2022年3月~5月(この期間中、BA.2系統がドイツにおいて優勢であった)にSARS-CoV-2ブレークスルー感染を経験した個体(全てのVax+Omi BA.2)からの試料で検討した。COVID-19パンデミックの封じ込めは、SARS-CoV-2の現在及び将来のバリアントに対する保護を提供するために、耐久性のある十分に広範な免疫の生成を必要とするため、かかる所見は、ワクチン設計の継続的な努力に重要な影響を及ぼす。
(i)試料収集時に以前またはブレークスルーSARS-CoV-2感染がないBNT162b2で3回ワクチン接種された個体(BNT162b2)、及び(ii)オミクロンBA.1優勢の期間中に後続のブレークスルー感染を伴うmRNAワクチンで3回ワクチン接種された個体(全Vax+Omi BA.1)を含む、2つの参照コホートを、Quandt et al.(参考文献12)において以前に公開されたデータから生成した。
SARS-CoV-2オミクロンBA.1及びBA.2によるブレークスルー感染は、mRNAベースのCOVID-19ワクチン(BNT162b2、mRNA-1273、または両方のワクチンを含む異種レジメン;全Vax+Omi BA.1、全Vax+Omi BA.2)による3回ワクチン接種の後、それぞれ、中央値のおよそ4ヶ月または3週間で起こった(図29)。血清中和活性を特徴付けるために使用される免疫血清を、BNT162b2コホートについてはワクチン接種後中央値28日、全Vax+Omi BA.1コホートについてはBA.1ブレークスルー後43日、全Vax+Omi BA.2コホートについてはBA.2ブレークスルー後39日で収集した。コホートの中央値年齢は、類似していた(32~38歳)。BA.2.12.1中和データを、この研究のためのコホートBNT162b及び全Vax+Om BA.1からの血清試料から生成した。
免疫血清の中和活性を評価するために、例えば、参照文献13、14に記載されるような疑似ウイルス中和試験(pVNT)を使用した。SARS-CoV-2武漢、アルファ、ベータ、デルタ、オミクロンBA.1、BA.2、BA.2.12.1、ならびに最近出現したオミクロン亜系統BA.4及びBA.5のS糖タンパク質を有する疑似ウイルスを適用して、中和幅を評価した。BA.4及びBA.5は、主要な改変L452R及びF486Vを含む同一のS糖タンパク質配列を共有するため、それらは、本明細書においてBA.4/5と称される。加えて、SARS-CoV(本明細書ではSARS-CoV-1と称される、参考文献15)をアッセイして、潜在的な汎サルベコウイルス中和活性を検出した。
参考文献12で以前に報告されたように、SARS-CoV-2未感染の3回ワクチン接種された個体からの免疫血清のオミクロンBA.1及びBA.2に対する50%の疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)は、武漢株と比較してかなり低減した(GMT 160及び221対398)。BA.2.12.1及びBA.4/5に対する中和活性は、更に低減し(GMT 111及び74)、武漢株と比較してBA.4/5について5.4倍低い力価に対応する(図30(A))。
オミクロンBA.2ブレークスルー感染は、SARS-CoV-2未感染の3回ワクチン接種された免疫血清と比較して、BA.2及びBA.2.12.1に対するpVN50 GMTを顕著に増加させ、その結果、ブレークスルー感染後のBA.2の中和は、武漢株と同等であった(図31(B~C))。同様に、BA.1ブレークスルー感染により、BA.1に対する堅牢な中和活性が付与された(図30(B)、図31(A)。重要なことに、BA.2回復期血清中のBA.4/5に対するpVN50 GMTは、武漢株に対して低かったが(GMT 391対922、すなわち、2.4倍の低減)、この低減は、血清がBA.4/5中和活性の5.4倍の低減を示したオミクロン未感染BNT162b2コホートにおいて観察されたものよりも依然として低かった(図31(C))。対照的に、BA.1ブレークスルー感染後のBA.4/5及び武漢に対するpVN50 GMTは、それぞれ266及び1327であった(すなわち、5倍の低減、図30(B))。したがって、3回ワクチン接種された個体のオミクロンBA.1ブレークスルー感染は、3回ワクチン接種されたオミクロン未感染の個体と比較して、オミクロンBA.4/5のより効率的な交差中和をもたらさなかった。両方のコホートにおいて、BA.4/5に対する中和力価は、武漢に対して見られたものよりも系統発生学的により遠隔のSARS-CoV-1に対して観察された低いレベルに近かった(図30)。注目すべきことに、BA.1ブレークスルー感染後の武漢株に対するpVN50 GMTは、BA.2ブレークスルー感染について観察されたもの(GMT 1327対922)よりもわずかに高く、これは、特定の理論に拘束されることを望むものではないが、第3のワクチン接種と感染との間のより長い間隔(BA.1では中央値22日、BA.2では127.5日)に関連し得る(図31)。
BNT162b2で3回ワクチン接種された個体のみを含む別個の分析を行った(BA.2もしくはBA.1ブレークスルー感染、またはオミクロン未感染)。これらの分析では、BA.4/5中和活性に関して同様の観察が行われた:BA.2回復期血清中のBA.4/5に対するpVN50 GMTは、武漢株に対して2.4倍であったが、BA.1ブレークスルー感染後の低減は6倍であった(図31)。BA.2及びBA.2.12.1の相対的中和は、BA.2及びBA.1の回復期血清において同等であったが、これらのバリアントに対する中和活性は、オミクロン未感染血清において見られたものよりもわずかに高いままであった。
3回ワクチン接種されたオミクロン未感染の個体からの免疫血清は、祖先のSARS-CoV-2 VOCに対する広範な中和活性を有していた。ベータに対する中和活性は、BA.1回復期血清においてわずかに高かったが、アルファ及びデルタの中和は、BA.1またはBA.2ブレークスルー感染の影響を受けなかった(図31(C))。
総合すると、これらのデータは、ワクチン経験のある個体のオミクロンBA.2ブレークスルー感染が、BA.1、BA.2、BA.2.12.1及びいくつかの祖先のSARS-CoV-2バリアントに対して広範に中和活性を媒介することを実証する。更に、BA.4/5に対する中和活性は、武漢基準に対してより低いが、BA.1回復期血清よりも大きい範囲で提供される。
最近の研究は、mRNAワクチン(BNT162b2またはmRNA-1273)でワクチンを接種した個体におけるオミクロンBA.1ブレークスルー感染が、祖先の武漢株に対してだけでなく、BA.2を含むVOCに対しても血清中和力価をブーストすることを実証している(参考文献8、11、12)。この効果は、3回ワクチン接種された個体で見られたが、特に2回ワクチン接種された個体で顕著であり、その血清には、BA.2に対する中和活性がほとんどまたは全く含まれていない。しかしながら、BA.1ブレークスルー感染は、現在世界的な優勢を確立しているVOCであるBA.4/5に対する強力な中和活性を誘発しなかった。特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、この免疫逃避は、オミクロン亜系BA.2.12.1、BA.4、及びBA.5に存在しないエピトープを認識する既存の中和抗体応答の増幅及び/またはリコールに起因するものである。
本実施例は、とりわけ、BA.2ブレークスルー感染が、BA.4/5を含むBA.2由来の亜系統の強化された中和を媒介するリコール応答を引き起し、BA.2、BA.2.12.1、及びBA.4/5の間のより高いSタンパク質配列類似性が、より遠いBA.1バリアントを有するブレークスルー感染と比較して、より効率的な交差中和を駆動することを示す、という洞察を提供する。オミクロンBA.1及びBA.2を含む現在のVOCによる重度の疾患からの有効な保護を提供する、BNT162b2などの現在承認されている武漢由来ワクチンによるワクチン接種の重要性にもかかわらず、BA.2ブレークスルー感染後のBA.4/5を含む現在のVOCに対する広範な交差中和活性に関する本所見は、とりわけ、武漢株配列または上述されるものと同じ免疫学的関連カテゴリー(例えば、アルファ株、ベータ株、デルタ株、オミクロンBA.1)からのバリアント配列に適応したワクチン、及びBA.2バリアント配列または上述されるものと同じ免疫学的関連カテゴリー(例えば、オミクロンBA.2.12.1、オミクロンBA.4/BA.5)からのバリアント配列に適応したワクチンの組み合わせは、2つの異なるカテゴリーからのバリアントに対する強化された交差中和活性を提供することができるという洞察を提供する。いくつかの実施形態では、本実施例は、COVID-19ワクチン株を選択するために最新の疫学的データを使用する季節性インフルエンザワクチンのそれに関してモデル化されたライセンス手順の実施を支持する証拠を提供する。いくつかの実施形態では、本実施例は更に、世界保健機関(WHO)グローバルインフルエンザ監視及び応答システム(GISRS)によって実施される選択プロセスと同様の、COVID-19ワクチンの季節性更新のための迅速な株選択の確立、及び/または代理免疫原性エンドポイントに基づく加速承認経路に関する合意を支持する証拠を提供する。
SARS-CoV-2に対してワクチン接種され、BA.1またはBA.2ブレークスルー感染を経験した対象からの中和力価を、それぞれ図31(A)及び(B)に示し、両群の対象についてのGMRを図31(C)に示す。図31(A)及び(B)に示されるように、SARS-CoV-2に対して以前にワクチン接種され、BA.1またはBA.2のいずれかでブレークスルー感染を経験した対象からの血清は、武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、及びオミクロンBA.1バリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質を含む疑似ウイルスに対する著しい中和力価を有することが見出された。前述のように、BA.2に対する中和力価は、BA.1ブレークスルー患者からの血清ではやや低く(BA.2では875対武漢株では1327のGMT)、BA.2.12.1及びBA.4/5に対して依然として低い(武漢株の1327と比較して、それぞれ584及び266のGMT)。BA.2ブレークスルー患者は、SARS-CoV-2武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、及びデルタバリアントに対するBA.1ブレークスルー患者と同様の中和反応を示す。オミクロンBA.1に対する中和応答は、BA.1ブレークスルー患者において、BA.2ブレークスルー患者(0.60と比較して0.76のGMR)よりもいくらか高いが、一方で、オミクロンBA.2に対する中和力価は、BA.2ブレークスルー患者において、BA.1ブレークスルー患者よりも高い(0.94対0.66のGMR)。しかしながら、驚くべきことに、BA.4/5に対する中和応答は、BA.2ブレークスルー患者において著しく高い(BA.1ブレークスルー患者における0.2のGMRと比較して、BA.2ブレークスルー患者における0.39のGMR)。したがって、本開示は、SARS-CoV-2に対してワクチン接種された対象におけるBA.1ブレークスルー感染と比較して、BA.2ブレークスルー感染によってより広範な免疫応答を誘発することができることを文書化し、BA.2オミクロンバリアントの特徴である変異を含むSタンパク質をコードするRNAを含むブースターワクチンを投与することが、驚くべき及び予想外の利益を達成することができることを教示する。
更に、本開示は、BA.2及びBA.4/5バリアントのSタンパク質配列間の類似性を考慮すると、BA.4及び/またはBA.5バリアントスパイク配列を含むか。または送達するワクチン接種用量と、武漢スパイク配列を含むか、または送達するワクチン接種用量とを組み合わせることにより、特に広範な免疫化(すなわち、本明細書に記載されるような相乗免疫化)を達成することもできるという洞察を提供する。
いくつかの実施形態では、これらの所見は、コロナウイルス株及び/またはバリアント配列(例えば、SARS-CoV-2株及び/またはバリアント配列)の相乗的カテゴリーが、例えば、コロナウイルス株及び/またはバリアント配列のS糖タンパク質における共有アミノ酸改変に基づくいくつかの実施形態において定義され得ることを示唆する。例えば、Sタンパク質のRBDにおけるアミノ酸変化の多くは、オミクロン亜系統(例えば、BA.1、BA.2、BA.2.12.1、及びBA.4/5)間で共有されるが、BA.4/5を含むBA.2及びBA.2由来の亜系統のNTD内の改変は、BA.1に見出されるものとはほとんど異なっている。したがって、いくつかの実施形態では、コロナウイルス株及び/またはバリアント配列(例えば、SARS-CoV-2株及び/またはバリアント配列)の相乗的カテゴリーは、Sタンパク質のNTD内に存在する共有アミノ酸変異の程度に基づいて定義することができる。例えば、2つのSARS-CoV-2株及び/またはバリアント配列が、Sタンパク質のNTDに存在するアミノ酸変異の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上を含む)を共有するいくつかの実施形態では、SARS-CoV-2株及びバリアント配列の両方を同一のカテゴリーにグループ化することができる。2つのSARS-CoV-2株及び/またはバリアント配列が、Sタンパク質のNTDに存在するアミノ酸変異の50%以下(例えば、45%以下、40%以下、30%以下、またはそれ以下を含む)を共有するいくつかの実施形態では、SARS-CoV-2株及びバリアント配列の両方を異なるカテゴリーにグループ化することができる。とりわけ、本所見は、対象を(例えば、感染及び/またはワクチン接種を介して)異なる相乗的カテゴリーの少なくとも2つの抗原に曝露することにより(例えば、下の表に示されるように)、より堅牢な免疫応答を生成することができる(例えば、異なるバリアントに対する交差中和のスペクトルを拡大すること、及び/または免疫逃避の傾向が低い免疫応答を生成すること)という洞察を提供する。
















Figure 2023081859000169
例えば、いくつかの実施形態では、感染の既往のないワクチン未接種の対象に、ワクチンの組み合わせを投与してもよく、これらのうちの少なくとも2つは、各々、異なる相乗的カテゴリーのSARS-CoV-2株に適応する(例えば、本明細書に記載されるように)。いくつかの実施形態では、かかるワクチンの組み合わせは、異なる時間、例えば、いくつかの実施形態では、所定の期間(例えば、本明細書に記載されるある特定の投薬レジメンによる)だけ間隔を空けて投与される第1の用量及び第2の用量として投与され得る。いくつかの実施形態では、かかるワクチンの組み合わせは、多価ワクチンとして投与されてもよい。いくつかの実施形態では、1つのカテゴリーのSARS-CoV-2株で感染またはワクチン接種された対象は、異なるカテゴリーのSARS-CoV-2株に適応したワクチンとともに投与されてもよい(例えば、本明細書に記載されるように)。いくつかの実施形態では、かかるワクチンは、ポリペプチドベースまたはRNAベースのワクチンであり得る。
いくつかの実施形態では、カテゴリーIからのワクチン及びBA.4/5ワクチンを含むワクチンの組み合わせは、特に優れた免疫応答(例えば、特に強力な交差中和効果を有する免疫応答)を提供し得る。
XBBとそのバリアントとの間の多数の差異により、いくつかの実施形態では、特に改善された相乗効果は、カテゴリーIのワクチン及びXBBワクチンを含む組み合わせによって生じさせることができる。いくつかの実施形態では、特に改善された相乗効果は、BA.4/5ワクチン及びXBBワクチンを含む組み合わせによって生じさせることができる。
本所見は、個体の免疫化間隔、ならびに年齢及び性別などの人口統計学的特徴に関して完全に整合していない比較的小さな試料サイズ及びコホートを使用して、異なる研究に由来する試料の後ろ向き分析に基づいているが、本所見は、より広範なスペクトルのSARS-CoV-2バリアントに対する交差中和を改善するためのワクチン設計及びワクチン接種戦略のための有用な洞察を提供する。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、1つ以上の異なるSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むポリペプチド(例えば、非天然ポリペプチド、例えば、キメラポリペプチド)、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、第1のSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異、及び第2のSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むポリペプチド(例えば、非天然のポリペプチド、例えば、キメラポリペプチド)、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のSARS-CoV-2バリアントは、上記の表のカテゴリーIからのSARS-CoV-2株/バリアントであり得る一方、第2のSARS-CoV-2バリアントは、上記の表のカテゴリーIIからのSARS-CoV-2株/バリアントであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ワクチンは、第1のSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBD、及び第2のSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBD、及びBA.1オミクロンバリアントではない第2のSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTD、及びBA.1オミクロンバリアントではない第2のSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBDを含むポリペプチドを含むか、またはコードすることができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBD、及びBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBD、及びBA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTD、及びBA.1オミクロンバリアントではない第2のSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBD、及びBA.1オミクロンバリアントではない第2のSARS-CoV-2バリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTD、及びBA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.1オミクロンバリアントのNTDの特徴である1つ以上の変異を含むポリペプチド、及びBA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBD、及び武漢Sタンパク質のNTDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBD、及び武漢Sタンパク質のNTDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むRBD、及び武漢Sタンパク質のNTDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。
いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTD、及び武漢Sタンパク質のRBDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.2オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTD、及び武漢Sタンパク質のRBDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワクチンは、BA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むNTD、及び武漢Sタンパク質のRBDを含むポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸(例えば、いくつかの実施形態では、RNA)を含むことができる。
材料及び方法
参加者の募集及び試料収集
SARS-CoV-2未感染のBNT162b2トリプルワクチン接種(BNT162b2)コホートの個体は、第2相治験BNT162-17(NCT05004181)への参加の一部としてインフォームドコンセントを提供した。オミクロンBA.1またはBA.2ブレークスルー感染(全Vax+Omi BA.1及び全Vax+Omi BA.2コホート)を有する個体は、例えば、1つ以上の用量のBNT162b2、Moderna mRNA-1273、AstraZeneca ChAdOx1-S組換えワクチン、またはそれらの組み合わせで3回ワクチン接種され、研究のための血液試料及び臨床データを提供するために募集された。オミクロン感染は、2021年11月~2022年1月中旬(全Vax+Omi BA.1)または2022年3月~2022年5月のいずれかでバリアント特異的PCRにより確認され、時に、それぞれ亜系統BA.1またはBA.2が優勢であった(参照24)。この研究におけるある特定の参加者(例えば、少なくとも7人の参加者)の感染は、ゲノム配列決定によって更に特徴付けられ、ゲノム配列決定は、オミクロンBA.1またはBA.2感染を確認した。
参加者は、採血時に無症状であった。表26は、抗体応答を中和するために分析したワクチン接種された個体の特徴の要約である。全ての参加者は、ワクチン接種前にSARS-CoV-2感染の記録がなかった。
Figure 2023081859000170
血清を、2000×gで10分間、採取した血液を遠心分離することによって単離し、使用まで凍結保存した。
VSV-SARS-CoV-2 Sバリアント疑似ウイルス生成
VSV-糖タンパク質(VSV-G)の代わりに緑色蛍光タンパク質(GFP)及びルシフェラーゼをコードする組換え複製不全小胞性口腔炎ウイルス(VSV)ベクターを、SARS-CoV-1 S糖タンパク質(UniProt Ref:P59594)及び武漢基準株(NCBI Ref:43740568)、アルファバリアント(変異:Δ69/70、Δ144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H)、ベータバリアント(改変:L18F、D80A、D215G、Δ242-244、R246I、K417N、E484K、N501Y、D614G、A701V)、デルタバリアント(改変:T19R、G142D、E156G、Δ157/158、K417N、L452R、T478K、D614G、P681R、D950N)オミクロンBA.1バリアント(改変:A67V、Δ69/70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F)、オミクロンBA.2バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、オミクロンBA.2.12.1バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452Q、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、S704L、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、またはオミクロンBA.4/5バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)のいずれかに由来するSARS-CoV-2 S糖タンパク質を用いて、公開された疑似タイプ化プロトコルに従って(参考文献49)疑似タイプ化した。
SARS-CoV-2 S糖タンパク質改変の図を図32に示し、オミクロン亜系統におけるS糖タンパク質改変の別個のアラインメントを図33に示す。簡潔に述べると、10%熱不活化ウシ血清(FBS[Sigma-Aldrich])(培地と称される)を補充したGlutaMAX(商標)(Gibco)を有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養したHEK293T/17単層(ATCC(登録商標)CRL-11268(商標))を、製造業者の指示に従ってLipofectamine LTX(Life Technologies)を用いて、Sanger配列決定検証SARS-CoV-1またはバリアント特異的SARS-CoV-2S発現プラスミドでトランスフェクトした。24時間で、VSV-Gは、VSVΔGベクターを補完した。37℃で2時間、7.5% CO2でインキュベートした後、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄した後、抗VSV-G抗体(クローン8G5F11、Kerafast Inc.)を補充した培地を添加して、残留VSV-G補完入力ウイルスを中和した。VSV-SARS-CoV-2-S疑似タイプ含有培地を、播種の20時間後に採取し、0.2μmフィルター(Nalgene)に通し、-80℃で保管した。疑似ウイルスバッチを、培地中で培養したVero 76細胞(ATCC(登録商標)CRL-1587(商標))で滴定した。以前にMuik et al.,2021に記載されている、1mL当たり200形質導入単位(TU)の感染力価に対応する、定義された体積の武漢S糖タンパク質疑似ウイルス参照バッチによって誘導される相対的ルシフェラーゼ単位を比較対象として使用した。SARS-CoV-2バリアント疑似ウイルスバッチの入力体積を算出して、参照に対する相対ルシフェラーゼ単位に基づいて感染力価を正規化した。
疑似ウイルス中和アッセイ
Vero 76細胞を、アッセイの4時間前に培地中で40,000細胞/ウェルで96ウェル白色平底プレート(Thermo Scientific)に播種し、7.5% CO2で37℃で培養した。各個々の血清を培地中で2倍段階希釈し、第1の希釈は、1:5(オミクロン未感染の3回BNT162b2ワクチン接種された;希釈範囲は1:5~1:5,120)または1:30(後続のオミクロンBA.1またはBA.2ブレークスルー感染後に3回ワクチン接種された;希釈範囲は1:30~1:30,720)であった。SARS-CoV-1疑似ウイルスアッセイの場合、全個体の血清を最初に1:5(1:5~1:5,120の希釈範囲)に希釈した。VSV-SARS-CoV-2-S/VSV-SARS-CoV-1-S粒子を培地中に希釈して、アッセイにおいて200TUを得た。血清希釈液を室温で30分間、疑似ウイルス(疑似ウイルス当たり血清当たりn=2の技術的複製)と1:1で混合した後、Vero 76細胞単層に添加し、37℃で24時間、7.5% CO2でインキュベートした。上清を除去し、細胞をルシフェラーゼ試薬(Promega)で溶解した。発光は、CLARIOstar(登録商標)Plusマイクロプレートリーダー(BMG Labtech)に記録し、中和力価は、依然として発光の50%の低減をもたらした最高血清希釈の相互作用として算出した。結果を、重複物の幾何平均力価(GMT)として表した。中和が観察されなかった場合、検出限界[LOD]の半分の任意の力価値が報告された。
統計分析
抗体力価の分析に使用される集合の統計的方法は、幾何平均であり、SARS-CoV-2 VOC力価及び武漢力価の比については、幾何平均及び対応する95%信頼区間である。幾何平均の使用は、数桁に及ぶ抗体力価の非正規分布を説明する。多重比較のためのDunn補正を伴うFriedman検定を使用して、共通の対照群を用いて群の幾何平均中和抗体力価の対のある符号順位検定を行った。全ての統計分析は、GraphPad Prismソフトウェアバージョン9を使用して実施した。
実施例14に引用される参考文献
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実施例15:オミクロンバリアントからのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするワクチンによって誘発された免疫応答の更なる更新
実施例8に記載の実験の後、更なる対象を、BA.1オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンを調査する臨床治験に登録した。本実施例では、対象(以前の感染の証拠の有無にかかわらず18~55歳)に、第2のブースター(第4の用量)の、30ugの武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(本実施例では、BNT162b2)または30μgのオミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA(本実施例では、BA.1オミクロンバリアントの特徴である変異を有するSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードし、配列番号50及び51を含み、配列番号49のアミノ酸をコードする、BNT162b2 OMI)のいずれかを投与した。
以前の感染の証拠のない参加者の一次免疫原性分析において、BNT162b2 OMI(N=132)は、BNT162b2(N=141)と比較して、BA.1オミクロンSARS-CoV-2ウイルスに対する優れた中和抗体応答を誘発した。BA.1オミクロンに対するBNT162b2 OMI GMTは、1100のBNT162b2 GMT(CI:932、1297)と比較して、1929(CI:1632、2281)であり、GMT比は、1.75(95% CI:1.39、2.22)であった。
BNT162b2と比較して、BNT162b2 OMIは、SARS-CoV-2の武漢株に対して同様の中和抗体応答を誘発した。BNT162b2 OMI GMTは、12009のBNT162b2 GMT(CI:10744、13425)と比較して、11997(CI:10554、13638)であった。
データは、第2のブースターワクチン接種(第4の用量)としてのオミクロン一価ワクチンは、武漢株のSタンパク質をコードするRNAワクチンと比較して、BA.1オミクロンに対する中和抗体応答を改善し、SARS-CoV-2の武漢株に対する中和抗体応答に悪影響を及ぼさないことを示唆する。
実施例16.VOCワクチン接種の免疫学的影響
本実施例は、懸念されるある特定のバリアント(「VOC」)からのスパイクタンパク質をコードするBNT162b2ワクチンの投与による免疫学的影響を記載する。特に、本実施例は、2つの用量の(すなわち、確立されたモデル免疫化プロトコルに従って)「元の」BNT162b2ワクチン(すなわち、本明細書に記載されるような武漢スパイクタンパク質をコードする)を受けた対象(本実施例では、マウス)への「ブースター用量」の投与の免疫学的影響を説明する。
図34は、本実施例で利用される免疫化プロトコルを示す。具体的には、BALB/cマウスを、BNT162b2で2回(各用量1ug)、次いで後の時点で、BNT162b2/VOC(各用量1ug)で免疫化した。免疫化は、最大3または4回行った。動物を定期的に出血させて、ELISA及び疑似ウイルス中和アッセイによって抗体免疫応答を分析した。治験の終了時に、動物を安楽死させ、脾臓におけるT細胞応答を分析した。
ブーストは、以下を用いて実施した:(a)元のBNT162b2(「BNT162b2」)、(b)BNT162b2 OMI BA.1(「OMI BA.1」)、(c)BNT162b2 OMI BA.4/5(「OMI BA.4/5」)、(d)BNT162b2+OMI BA.1(各0.5g)、(e)BNT162b2+OMI BA.4/5(各0.5ug)、(f)OMI BA.1+OMI BA.4/5(各0.5ug)、及び(g)BNT162b2+OMI BA.1+OMI BA.4/5(各0.33ug)。
オミクロンバリアントBA.4及びBA.5は、2022年1月に初めて流行し、2022年6月までに優勢なバリアントとなりつつあることが報告された。これらの系統の両方が、アミノ酸置換F486V及びR493Qを含有する。予備的研究は、BA.1及びBA.2と比較して、特にBA.1と比較して、BA.4及びBA.5の抗原特性の著しい変化を示唆する。更に、特定の場所(例えば、ポルトガル)においてBA.5バリアントの割合の増加傾向が観察されるにつれて、COVID-19の症例数及び検査陽性率も増加している。本開示は、BA.4/5(それらの共通のスパイクタンパク質変異を考慮して、本実施例では一緒に考慮される)が逃避VOCを表すことができることを提案する。本開示は、関連するBA.4/5配列(例えば、アミノ酸置換)を含むスパイクタンパク質を含むか、または(例えば、投与されたRNAの発現を介して)送達する1つ以上の用量のワクチンを含む(例えば、本明細書に記載され、具体的には本実施例に例示されるような)投薬レジメンの特定の利点を実証する。
図35及び36は、示されるように、様々なSARS-CoV-2株と比較したベースライン(104日目に決定される、ブースト前)幾何平均力価(「GMT」)を提示する。見ることができるように、異なるマウスコホートのベースライン免疫化は、同等であった。具体的には、疑似ウイルス当たりの群GMTは、コホート間の同じ予想範囲内で一貫して観察され、約2倍を超える差は観察されなかった。上記のように、ヒト集団で行われた観察と一致して、武漢株に対する中和GMTは、VOCに対するものと比較してかなり高かった(最大3,044のGMT)。全体的に、GMTの順序は、武漢>BA.1≒BA.2>BA.2.12.1>BA.4/5であった。
図37は、ベースライン(104日目に決定され、ブースト前)交差中和分析を示し、交差中和能に関してコホートのベースライン免疫化が同等であることを実証する。具体的には、ベースラインでは、算出されたバリアント/武漢基準GMT比は、交差中和能がコホート間で比較的同等であったことを示した(BNT162b2一価群で、BA.1中和に関して1つの外れ値のみが観察された)。さらにまた、ヒト集団の観察とも一致する、BA.1=BA.2>BA.2.12.1>BA.4/5
図38~40は、ブーストから7日後に得られたデータを提示し、GMTの著しい幾何平均倍率増加(図38及び39)ならびに有効な交差中和(図40)を達成することにおけるBA.4/5、特に一価のBA.4/5の顕著な有効性を文書化する。見ることができるように、BNT162b2ブースター免疫化は、全てのVOCに対して同等の力価増加(3.9~7.1倍)をもたらしたが、一方で一価BA.1及びBA.4/5ブースターは、相同VOC力価のかなり強力な増加(BA.1で16.8倍、BA.4/5で67.3倍)をもたらした。
一価BA.4/5ブースターは、試験した疑似ウイルスパネルにわたって力価増加を駆動するのに最も効果的であった。二価ブースターは、一価VOCブースターと比較して、同様であるが減衰した傾向を示し、二価ブースターの中で、b2+BA.4/5の組み合わせは、広範囲の交差中和を駆動するのに最も効果的であった。三価ブースター(b2+BA.1+BA.4/5)は、二価ブースターよりも優れており、二価b2+BA.4/5と一価BA.4/5ブースターとの間に中間免疫化を与えた。
図40は、とりわけ、算出されたバリアント/武漢基準GMT比を提示しており、これは、以下を示す:
(i)BNT162b2ブースターは、特にBA.2及び子孫(BA.2.12.1、BA.4/5)の比較的不良な交差中和をもたらす
(ii)BA.1ブースターは、BA.1の優れた交差中和をもたらすが、依然として比較的不良なBA.2.12.1、BA.4/5の中和をもたらす
(iii)BA.4/5ブースターは、BA.2、BA.2.12.1及びBA.4/5に対する非常に奨励された中和により、バランスのとれた汎オミクロン中和をもたらす
二価ブースターは、一価のVOCブースターと比較して、同様であるが減衰した傾向を示し、二価ブースターの中で、b2+BA.4/5の組み合わせは、広範囲の交差中和を駆動するのに最も効果的であり、三価ブースター(b2+BA.1+BA.4/5)は、BA.1/BA.4/5ブースターと同等の交差中和を誘発した。
マウスには、2つのRNA分子を投与することもでき、2つのRNA分子の比率は、1:1ではない。例えば、マウスに、BNT162b2及びBA.4/5を1:2の比で含む二価ワクチンを(例えば、0.33ugのBNT162b2及び0.66ugのBA.4/5を投与することによって)投与することができる。マウスに、BNT162b2及びBA.4/5を1:3の比で含む二価ワクチンを(例えば、0.25ugのBNT162b2及び0.75ugのBA.4/5を投与することによって)投与することもできる。かかる組成物は、ワクチン未接種のマウスまたはBNT162b2で以前にワクチン接種された(例えば、2つの用量の1ugのBNT162b2を以前に投与された)マウスに投与することができる。
本明細書は、BA.4/5免疫化(具体的には、例えば、本明細書に提供される配列によるBNT162b2+BA.4/5免疫化)の顕著な有効性を実証する。更に、本明細書は、一価、二価、及び三価フォーマットでのBA.4/5免疫化の有効性を実証し、一価BA.4/5の驚くべき有効性を文書化する。
本開示は、(例えば、武漢ワクチンで、例えば、少なくとも(または正確に)2つの用量の武漢ワクチンで)以前に免疫化された対象に投与された1つ以上のBA.4/5用量の顕著な有用性を具体的に実証する。いずれかの特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、本開示は、オミクロンBA.4/5スパイクの免疫学的特徴が、対象の免疫化に特に有用または有効であり得、具体的には1つ以上(例えば、1、2、3、4、またはそれ以上)の用量の元のBNT162b2でのワクチン接種を含む、武漢株(及び/または武漢株と免疫学的に関連する1つ以上の株)で(例えば、1つ以上のワクチン用量の事前投与及び/または事前感染を介して)免疫化した対象を含む。
実施例17:オミクロンBA.2ブレークスルー感染は、BA.2.12.1及びBA.4/BA.5の交差中和を強化する
本実施例17は、実施例14の延長であり、BA.1及びBA.2ブレークスルー症例から収集した血清試料を、オミクロンBA.4及びBA.5バリアントに対する中和活性について分析した実験を記載する。実施例14に記載される結果を確認することに加えて、本実施例17はまた、BA.1及びBA.2ブレークスルー感染によって誘導される抗体応答の更なる特徴付けを提供し、BA.1ブレークスルー感染と比較して、BA.2ブレークスルー感染において観察されるようなBA.4/5オミクロンバリアントの中和の増加に寄与し得る態様についての洞察を提供する。特に、本実施例は、BA.2ブレークスルー感染が、SARS-CoV-2 Sタンパク質(例えば、BA.4/5 SARS-CoV-2オミクロンバリアント)のN末端ドメイン(NTD)に結合するより高い力価の中和抗体を誘導することができ、BA.4/5オミクロンバリアントの中和の増加をもたらすことができることを実証する。
先の実施例で実証されるように、後にオミクロンBA.1ブレークスルー感染を有した、武漢株からのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを以前に投与された個体は、オミクロンBA.1、BA.2、及び以前の懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)に対して強力な血清中和活性を有するが、以前のバリアントを置換した、感染性の高いオミクロン亜系統BA.4及びBA.5に対してはそれほどではない。後者の亜系統はオミクロンBA.2に由来するため、BA.2ブレークスルー感染を経験したCOVID-19 mRNAワクチンで3回免疫化された個体の血清中和活性を分析した。本実施例は、これらの個体の血清が、BA.2誘導バリアントBA.2.12.1、BA.4/BA.5(先の実施例14の結果を確認する)を含む、以前のVOCならびに全ての試験されたオミクロン亜系統に対して広範な中和活性を有することを実証する。更に、本実施例における抗体枯渇の適用は、BA.2回復期血清によるBA.2及びBA.4/BA.5亜系統の中和が、スパイク糖タンパク質のN末端ドメイン(NTD)を標的とする抗体によって著しく駆動されるのに対し、オミクロンBA.1回復期血清によるそれらの中和は、もっぱら受容体結合ドメイン(RBD)を標的とする抗体に依存することを示す。これらの所見は、BA.1スパイク糖タンパク質とは対照的に、オミクロンBA.2への曝露が、ワクチン接種された個体において著しいNTD特異的リコール応答を引き起こし、それによってBA.4/BA.5亜系統の中和を強化することを示唆する。BA.4/BA.5のようなBA.2由来の亜系統が優勢であり、急速に進化が進んでいる現在の疫学を考えると、これらの所見は、オミクロン適応ワクチンの開発に高い関連性がある。
導入
2021年11月の懸念されるSARS-CoV-2オミクロンバリアント(VOC)の出現(参考文献1)は、COVID-19パンデミックの転換点とみなすことができる。武漢株からのSタンパク質と比較して、スパイク(S)糖タンパク質受容体結合ドメイン(RBD)及びN末端ドメイン(NTD)において著しく改変されるオミクロンBA.1は、以前に確立された免疫を部分的に逃避する(参考文献2)。多くのエピトープの喪失(参考文献3、4)は、野生型株(武漢-Hu-1)S糖タンパク質ベースのワクチンまたは以前の株への感染によって誘導される中和抗体に対する感受性を減少させ(参考文献5~7)、完全免疫を確立するために第3のワクチン用量を必要とした(参考文献8~10)。オミクロンBA.1は、BA.2バリアントによって置き換えられ、順にその子孫であるBA.2.12.1、BA.4、及びBA.5によって置き換えられ、現在では多くの領域で優勢である(参考文献11~14)。
抗原的には、BA.2.12.1は、BA.1ではなくBA.2との高い類似性を示すが、BA.4及びBA.5は、その系譜に沿ってBA.2とはかなり異なり、BA.1とは更に異なる(参考文献15及び16)。RBDにおけるいくつかのアミノ酸変化は、全てのオミクロン亜系統間で共有されるが、改変L452Qは、BA.2.12.1にのみ見出され、そのRBDをBA.2バリアントと区別する唯一の残基である。L452R及びF486Vの改変は、BA.4/BA.5特異的であるが、S371F、T376A、D405N、及びR408Sは、BA.1ではなく、BA.2及びその子孫BA.2.12.1及びBA.4/BA.5によって共有される(図33)。これらのアミノ酸交換は、ワクチン誘導性中和抗体及び野生型S糖タンパク質を標的とする治療用抗体薬物からの更なる逃避と関連している(参考文献6、15、17~20)。BA.2及びその子孫のNTDは、野生型株に抗原的に近く、BA.1で生じたいくつかのアミノ酸変化、挿入、及び欠失を欠く(図33)。例えば、野生型S糖タンパク質に対して調製されたNTD指向性モノクローナル抗体のパネルに対して耐性をもたらした、BA.1バリアントのΔ143~145、L212I、またはins214EPEは、BA.2及びその子孫には見出されない(参考文献21、22)。
先の実施例で実証されるように、BNT162b2ワクチン接種された個体のオミクロンBA.1ブレークスルー感染は、SARS-CoV-2野生型に対して観察されたものと同様のレベルで、オミクロンBA.1、BA.2、及び先のVOCに対する広範な中和活性を増強する。3回BNT162b2でワクチン接種された個体のBA.1ブレークスルー感染は、BA.1のみに特異的なB細胞を誘導するのではなく、主にバリアント間で広く共有されるエピトープに対するメモリーB細胞を拡張する堅牢なリコール応答を誘導する。オミクロン亜系統BA.4及びBA.5の中和は、BA.1ブレークスルー感染患者において、BA.1バリアントと比較して増加は小さく、幾何平均力価は、系統発生学的により遠いSARS-CoV-1に対するものと同等であった。
オミクロンBA.2がBA.1よりもBA.4/BA.5に密接に関連していることを考慮して、BA.2ブレークスルー感染が、BA.1ブレークスルー感染と比較して、これらの最新のオミクロン亜系統に対して交差中和活性を移行させるかどうかを評価した。血清試料による異なるオミクロン亜系統の中和を、mRNA COVID-19ワクチンで3回ワクチン接種された個体の3つの異なるコホート、すなわち、SARS-CoV-2感染の既往がない個体及びBA.1またはBA.2のいずれかでブレークスルー感染を経験した個体と比較した。加えて、S糖タンパク質RBD対NTDを標的とする血清抗体の、オミクロン亜系中和への寄与を特徴付けた。得られたデータは、オミクロン免疫逃避機序及びバリアント交差中和に対する免疫化の効果に関する現在の理解を増加させ、したがって更なるワクチン開発を導くのに役立つ。
結果
コホート及び試料採取
本研究は、BNT162b2で3回ワクチン接種され、試料採取時にSARS-CoV-2未感染であった個体(BNT162b2、n=18)、3つの用量のmRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2/mRNA-1273相同または異種レジメン)でワクチン接種され、その後BA.1優勢時にオミクロンにブレークスルー感染した個体(mRNA-Vax+BA.1、n=14)、または3回mRNAでワクチン接種され、BA.2優勢時にブレークスルー感染した個体(mRNA-Vax+BA.2、n=13)の3つのコホートからの血清試料を調査した。回復期コホートについては、最新のワクチン接種及び感染などの主要事象間の関連する間隔を図41に示す。血清は、BNT162b2ワクチン治験の生体試料収集、及びオミクロンブレークスルー感染を経験したワクチン接種された患者を研究する非介入研究に由来した。
3回mRNAでワクチン接種された個体のオミクロンBA.2ブレークスルー感染は、オミクロンBA.4/BA.5を含むVOCの広範な中和を誘導する。
免疫血清の中和活性を、SARS-CoV-2野生型株のS糖タンパク質、またはアルファ、ベータ、デルタ、オミクロンBA.1、BA.2、及びBA.2由来の亜系BA.2.12.1、BA.4、及びBA.5を保有する疑似ウイルスを用いて、50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)を決定することによって、十分に特徴付けられた疑似ウイルス中和試験(pVNT)(参考文献24、25)において試験した。BA.4及びBA.5は、同一のS糖タンパク質配列を共有するため、本実施例においては、pVNTの文脈においてBA.4/5と称される。加えて、SARS-CoV(本明細書ではSARS-CoV-1と称される)をアッセイして、潜在的な汎サルベコウイルス中和活性を検出した(参考文献26)。直交試験系として、全試験期間中に存在する抗体を用いた真正ウイルス(SARS-CoV-2野生型株及びBA.4を含むVOC(オミクロンBA.2.12.1を除く))の多サイクル複製中の中和を分析する、生SARS-CoV-2中和試験(VNT)も使用した。
pVNTにおいて、3つのコホート全てからの血清は、野生型株、アルファ、ベータ、デルタVOC、ならびにオミクロンBA.1及びBA.2系統を堅牢に中和し、中和活性は、ブレークスルー感染した個体、特にBA.1ブレークスルー感染コホート(mRNA-Vax3+BA.1)においてより顕著であった。しかしながら、BNT162b2で3回ワクチン接種されたSARS-CoV-2未感染(BNT162b2)及びmRNA-Vax+BA.1個体のBA.2.12.1に対する血清中和活性は、野生型と比較して有意に低減し(p<0.05)、BA.4/5については更に有意に低減した(p<0.001、野生型株と比較して>5倍)(図42(A))。対照的に、オミクロンBA.2ブレークスルー感染した3回mRNAでワクチン接種された個体(mRNA-Vax3+BA.2)からの血清は、野生型株と同様に堅牢にBA.2.12.1疑似ウイルスを中和した。BA.4/5の中和は、BA.2.12.1の中和と概ね類似しており、野生型株と比較した低減は有意であったが(p<0.05)、他の2つのコホートと比較して顕著ではなかった(約2.5倍)。
抗体力価の大きさにかかわらず、中和幅に関してコホートを比較するために、VOC pVN50 GMTを武漢株に対して正規化した。比率は、BA.4/5交差中和が、mRNA-Vax+BA.1及びBNT162b2血清(GMT比0.18及び0.17)と比較して、mRNA-Vax+BA.2(GMT比0.38)おいて実質的に強かったことを示した(図42(B))。同様に、mRNA-Vax+BA.2血清によるオミクロンBA.2.12.1の交差中和(GMT比0.52)は、mRNA-Vax+BA.1血清によるもの(GMT比0.43)よりも強く、BNT162b2血清によるもの(GMT比0.26)よりも更に強かった。
これらの3つのコホート内のBNT162b2でワクチン接種された個体のみを含む別個の分析は、BA.2ブレークスルー感染がかなりのBA.4/5交差中和(BA.4/5対野生型GMT比0.42)に関連していることを確認したが、BA.1ブレークスルー感染後、BA.4/5に対するpVN50 GMTは、野生型に対するものよりも約6倍低かった(すなわち、GMT比0.17)(図45(A)~(C))。BA.1またはBA.2回復期の血清によるBA.2及びBA.2.12.1の交差中和は、BNT162b2で3回ワクチン接種されたSARS-CoV-2未感染の個体よりも優れていた。
真正な生SARS-CoV-2ウイルス中和アッセイは、pVNTアッセイからのものと強く相関するVOC中和力価を提供し(図46)、図42における主要な所見を確認した。このアッセイでは、BNT162b2血清中のオミクロンBA.2に対する50%ウイルス中和(VN50)GMTは、野生型株に対するものと比較して強力に低減したが(p<0.0001)、一方で、両方の回復期群からの血清は、強力な中和活性を示し、VN50 GMTは、野生型株に対するものと同等であった(図43(A))。オミクロンBA.4に対する中和活性の低減は、BNT162b2及びmRNA-Vax+BA.1コホートと比較して、BA.2回復期コホートにおいて顕著ではなかった(野生型株に対してそれぞれ約15倍及び5倍低いVN50 GMTと比較して、約2.5倍)。
pVNTデータに沿って、野生型株に対するVOC VN50 GMTの算出された比を介した大きさ非依存性分析は、BA.4交差中和が、mRNA-Vax+BA.1(GMT比0.20)及びBNT162b2(GMT比0.07)コホート(図43(B))と比較して、mRNA-Vax+BA.2コホート(GMT比0.39)において強く、同様にBNT162b2で3回ワクチン接種された個体のサブコホート内で強かったことを示した(図45(D)~(F))。
総合すると、これらのデータは、ワクチン接種された個体のオミクロンBA.2ブレークスルー感染が、試験された全てのオミクロン亜系統及び以前のSARS-CoV-2 VOCに対する広範な中和活性と関連付けられたことを実証する。特に、これらのデータは、BA.4/BA.5 S糖タンパク質に対する中和抗体応答に再度焦点を当てる際に、BA.2によるブレークスルー感染が、BA.1によるものよりもより効果的であった(約2倍高い交差中和)ことを示す。
3回mRNAワクチン接種されたBA.2回復期個体の血清によるオミクロンBA.2及びBA.4/5の中和は、NTD標的化抗体によって大きく媒介される。
SARS-CoV-2野生型、オミクロンBA.1、BA.2、及びBA.4/5の中和のためのS糖タンパク質のRBDまたはNTDのいずれかに結合する血清抗体の役割を解析するために、これらの抗体画分を、3つのコホートの血清から別々に枯渇させた(各n=6、図47(A))。VOCブレークスルー感染は、既知のVOCにわたって保存されたエピトープを認識するリコール応答を主に誘発することが実証されているため、SARS-CoV-2野生型株S糖タンパク質RBD及びNTDベイトを枯渇に使用した(参考文献10、23、及び27)。
枯渇実験は、>97%の全てのRBD結合抗体及び>74%の全てのNTD結合抗体を除去した(図47(B))。枯渇した血清を、その後、pVNTアッセイで試験した。RBD-抗体枯渇は、全てのコホートからの血清中の野生型株に対する中和活性を強力に減少させたが、中和活性は、NTD結合抗体の枯渇時にほとんど保持された(>80%の残存活性)(図44(A))。オミクロンBA.1の中和は、RBD結合抗体の枯渇時に完全に除去され、NTD結合抗体の枯渇の影響をほとんど受けなかった。BA.2の中和について、RBD-抗体枯渇は、mRNA-Vax+BA.1血清の中和活性(約2%の残存中和活性)をほぼ完全に廃止した。BNT162b2、特にmRNA-Vax+BA.2血清の中和力価の低減は、それぞれ、約12%及び約24%の残存中和活性ではそれほど深刻ではなかった。対照的に、NTD結合抗体の枯渇は、BNT162b2及びmRNA-Vax+BA.1血清の中和活性にかなり影響を与えなかった(それぞれ、非枯渇対照の約91及び約99%)が、mRNA-Vax+BA.2血清の中和活性は、約50%に低減された。同様のパターンは、BA.4/5の中和のためのRBD-抗体枯渇後に見られ、BNT162b2及びmRNA-Vax+BA.2血清(それぞれ、約20及び約26%の残存活性)についてのより深刻でない低減に対して、mRNA-Vax+BA.1血清(約3%の残存活性)の中和活性が強く低減した。NTD結合抗体の枯渇は、BA.2と比較してBA.4/5中和に大きな影響を与え、BNT162b2及びmRNA-Vax+BA.1血清の残存中和活性は、それぞれ約70%及び約90%であり、ここでもmRNA-Vax+BA.2血清が最強の効果(非枯渇対照の約48%)を有した。
直交アプローチとして、NTD(アミノ酸1~338)を含むオミクロンBA.1 N末端及びRBDを含むBA.4/5 C末端からなる操作されたハイブリッドS糖タンパク質を保有する疑似ウイルスに対して、ワクチン接種された個体のこれら3つのコホートから血清の中和活性を評価した。
BNT162b2からの血清中のオミクロンBA.1-BA.4/5ハイブリッド疑似ウイルスに対するpVN50 GMTは、BA.4/5疑似ウイルスのGMTを中程度に(1.86倍)下回っており、BA.1回復期においては、GMTはわずかに影響を受けたに過ぎなかった(<1.5倍の低減)(図44(B))。対照的に、ハイブリッド疑似ウイルスに対するBA.2回復期血清力価は、BA.4/5疑似ウイルスに対するものよりもかなり低く(GMTの3倍以上の低減)(図44(B))、これは、実質的な中和活性が、オミクロンBA.2とBA.4/5との間で共有されるNTDエピトープに起因する可能性があることを示唆する。
総合すると、両方の実験で得られたデータは、これら全てのVOCにわたって、RBD結合抗体が中和に大きな貢献を提供したことを示す。加えて、BA.1への曝露(そのNTDにおける以前のVOCとは実質的に異なる、図33)は、主にRBDに結合するワクチン誘導中和抗体のリコール応答をブーストしたが、BA.2 S糖タンパク質への曝露(NTDは以前のVOCにより密接に関連する)は、既存のメモリー上に構築され得、NTD標的化抗体のかなりのリコールを誘発し得、それは、次いで、BA.2及びBA.4/5の中和に実質的に寄与した。
考察
最近の研究では、mRNAワクチンBNT162b2もしくはmRNA-1273または不活化ウイルスワクチンでワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.1のブレークスルー感染が、BA.2.12.1またはBA.4/BA.5に対してではなく、BA.2(参考文献10、15、23)を含むVOCに対する血清中和力価をブーストすることが示されている。免疫逃避は、SARS-CoV-2野生型株とオミクロンBA.1との間で共有されるエピトープを認識するが、L452Q/L452R、及びF486Vを含む主要残基における改変により、BA.2.12.1、BA.4、及びBA.5に部分的には存在しない、既存の中和抗体応答のブーストに起因している(参考文献15)。
本実施例では、BA.2ブレークスルー感染は、BA.2及びその子孫であるBA.2.12.1、BA.4及びBA.5を含む広範な中和活性と関連していた。これらの所見は、S糖タンパク質RBD及びNTDにおけるBA.2.12.1及びBA.4.5とのBA.2の高い配列類似性が、抗原的により遠いBA.1バリアントへのブレークスルー感染と比較して、より効率的な交差中和を駆動することを示唆する。特に、BA.1ブレークスルー感染は、異種SARS-CoV-2株によるブレークスルー感染が、保存されたS糖タンパク質エピトープに対するメモリーB細胞レパートリーを主に拡張することを考慮すると、BA.1 NTD内の実質的な改変のために、NTD特異的メモリーB細胞の強いリコールを引き起こさない場合がある(図33)(参考文献10、23)。抗体枯渇及びハイブリッド疑似ウイルス実験で得られた本明細書に記載のデータは、NTD結合抗体が、3回ワクチン接種されたBA.2回復血清中のオミクロンBA.4/5に対する中和活性に実質的な寄与を有する一方で、BA.1回復血清中の中和活性は、主にRBD結合抗体に依存することを示す。この所見は、BA.2ブレークスルー感染個体から単離されたNTD結合抗体がBA.1を中和しないという観察と一致する(参考文献29)。これらの重要な所見は、現在の野生型株ベースのワクチンを用いたワクチン接種とブースター、及び様々なVOCによるブレークスルー感染が、集団内の免疫パターンをどのように形成するかに関する我々の知識を拡大し、現在及び新興のVOCに対応する更なるワクチン開発及び適応に役立つ材料である。
現在承認されている野生型株ベースのワクチン、例えば、オミクロンBA.1及びBA.2を含む現在のVOCによる重度の疾患からの有効な保護を提供するBNT162b2(参考文献30及び31)によるワクチン接種の重要性にもかかわらず、本所見は、急速に進化する疫学的景観及び新たに出現するSARS-CoV-2バリアントの考慮が、ワクチン適応プログラムを指導するために重要であることを強調する。例えば、BA.1株のS糖タンパク質配列に対するワクチン適応の有効性は、現在臨床治験で調査されているが、本データは、更なる利益がBA.2または子孫の配列に適応したワクチンに由来し得ることを示唆している。
材料及び方法
研究デザイン、参加者の募集、及び試料収集
この研究の目的は、ヒト血清の交差バリアント中和能に対するオミクロンBA.2ブレークスルー感染の影響を調査することであった。ドイツにおけるオミクロンBA.2系統優勢期間(2022年3月~5月、mRNA-Vax3+BA.2)における後続のSARS-CoV-2ブレークスルー感染を確認した3回mRNA(BNT162b2/mRNA-1273)でワクチン接種された個体における免疫応答を、試料収集時にSARS-CoV-2未感染(ヌクレオカプシド血清反応陰性)であったオミクロンBA.1系統優勢期間(2021年11月~2022年1月中旬、mRNA-Vax+BA.1)における後続のSARS-CoV-2ブレークスルー感染を確認した3回BNT162b2でワクチン接種された個体(BNT162b2)の免疫応答と比較した。血清中和能を、疑似ウイルス及び生SARS-CoV-2中和アッセイを使用して特徴付けた。参照コホートBNT162b2及びmRNA-Vax+BA.1のデータは、新たに生成されたBA.2.12.1中和データを除いて、以前に公開された(参考文献10)。バリアントの交差中和は、野生型S糖タンパク質NTD標的またはRBD標的中和抗体のいずれかの枯渇後のより小さなサブコホートにおいて更に特徴付けられた。
BNT162b2コホートからの個体は、第2相治験BNT162-17(NCT05004181)への参加の一環としてインフォームドコンセントを提供した。COVID-19のワクチン接種後にオミクロンブレークスルー感染を経験した患者を対象とした非介入研究(大学病院倫理委員会[第2021-560号]により承認されたプロトコル)の一環として、ゲーテ大学フランクフルト校の大学病院から、mRNA-Vax+Omi BA.1及びmRNA-Vax+BA.2コホートからの参加者を募集した。オミクロンBA.1感染を、バリアント特異的PCRで確認した。この研究における4人のBA.1回復期参加者の感染を、ゲノム配列決定によって更に特徴付けた。4つの症例全てにおいて、ゲノム配列決定によりオミクロンBA.1感染を確認した。
全ての参加者の人口統計学的及び臨床データ、ならびに試料採取時点が提供される(図41)。全ての参加者は、ワクチン接種前にSARS-CoV-2感染の記録がなかった。参加者は、採血時に無症状であった。
血清を、2000×gで10分間、採取した血液を遠心分離することによって単離し、使用まで凍結保存した。
VSV-SARS-CoV-2 Sバリアント疑似ウイルス生成
VSV-糖タンパク質(VSV-G)の代わりに緑色蛍光タンパク質(GFP)及びルシフェラーゼをコードする組換え複製不全小胞性口腔炎ウイルス(VSV)ベクターを、SARS-CoV-1 S糖タンパク質(UniProt Ref:P59594)及び武漢-Hu-1基準株(NCBI Ref:43740568)、アルファバリアント(変異:Δ69/70、Δ144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H)、ベータバリアント(改変:L18F、D80A、D215G、Δ242-244、R246I、K417N、E484K、N501Y、D614G、A701V)、デルタバリアント(改変:T19R、G142D、E156G、Δ157/158、K417N、L452R、T478K、D614G、P681R、D950N)オミクロンBA.1バリアント(改変:A67V、Δ69/70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F)、オミクロンBA.2バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、オミクロンBA.2.12.1バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452Q、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、S704L、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、オミクロンBA.4/5バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、または人工オミクロンBA.1-BA.4/5ハイブリッドSタンパク質(改変:A67V、Δ69/70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)のいずれかに由来するSARS-CoV-2 S糖タンパク質を用いて、公開された疑似タイプ化プロトコルに従って(参考文献3)疑似タイプ化した。SARS-CoV-2 S糖タンパク質改変の図を図48に示し、オミクロン亜系統におけるS糖タンパク質改変の別個のアラインメントを図33に示す。
簡潔に述べると、10%熱不活化ウシ血清(FBS[Sigma-Aldrich])(培地と称される)を補充したGlutaMAX(商標)(Gibco)を有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養したHEK293T/17単層(ATCC(登録商標)CRL-11268(商標))を、製造業者の指示に従ってLipofectamine LTX(Life Technologies)を用いて、Sanger配列決定検証SARS-CoV-1またはバリアント特異的SARS-CoV-2S発現プラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に、細胞を、VSV-G補体VSVΔGベクターを用いた3つの感染多重度(MOI)で感染させた。37℃で2時間、7.5% COでインキュベートした後、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄した後、抗VSV-G抗体(クローン8G5F11、Kerafast Inc.)を補充した培地を添加して、残存VSV-G補完入力ウイルスを中和した。VSV-SARS-CoV-2-S疑似タイプ含有培地を、播種の20時間後に採取し、0.2μmフィルター(Nalgene)に通し、-80℃で保管した。疑似ウイルスバッチを、培地中で培養したVero 76細胞(ATCC(登録商標)CRL-1587(商標))で滴定した。1mL当たり200形質導入単位(TU)の感染力価に対応する、Muik et al.,2021(参考文献4)において以前に記載されているSARS-CoV-2野生型株S糖タンパク質疑似ウイルス参照バッチの規定体積によって誘導される相対的ルシフェラーゼ単位を、比較対象として使用した。SARS-CoV-2バリアント疑似ウイルスバッチの入力体積を算出して、参照に対する相対ルシフェラーゼ単位に基づいて感染力価を正規化した。
疑似ウイルス中和アッセイ
Vero 76細胞を、アッセイの4時間前に培地中で40,000細胞/ウェルで96ウェル白色平底プレート(Thermo Scientific)に播種し、7.5% COで37℃で培養した。各個々の血清を培地中で2倍段階希釈し、第1の希釈は、1:5(SARS-CoV-2未感染の3回BNT162b2ワクチン接種された;希釈範囲は1:5~1:5,120)または1:30(後続のオミクロンBA.1またはBA.2ブレークスルー感染後に3回ワクチン接種された;希釈範囲は1:30~1:30,720)であった。SARS-CoV-1疑似ウイルスアッセイの場合、全個体の血清を最初に1:5(1:5~1:5,120の希釈範囲)に希釈した。VSV-SARS-CoV-2-S/VSV-SARS-CoV-1-S粒子を培地中に希釈して、アッセイにおいて200TUを得た。血清希釈液を室温で30分間、疑似ウイルス(疑似ウイルス当たり血清当たりn=2の技術的複製)と1:1で混合した後、Vero 76細胞単層に添加し、37℃で24時間、7.5% COでインキュベートした。上清を除去し、細胞をルシフェラーゼ試薬(Promega)で溶解した。発光は、CLARIOstar(登録商標)Plusマイクロプレートリーダー(BMG Labtech)に記録し、中和力価は、依然として発光の50%の低減をもたらした最高血清希釈の相互作用として算出した。枯渇研究では、個々の血清レベルで2倍未満の差異を識別するために、中和力価に関する分解能が増加した。中和力価を、各段階血清希釈での中和パーセントの4パラメータのロジスティック(4PL)適合を生成することによって決定した。50%疑似ウイルス中和(pVN50)力価は、希釈の補間された往復運動として報告され、発光が50%低減した。全ての疑似ウイルス中和実験の結果を、重複物の幾何平均力価(GMT)として表した。中和が観察されなかった場合、検出限界[LOD]の半分の任意の力価値が報告された。SARS-CoV-2野生型株、及びアルファ、ベータ、デルタ、BA.1、BA.4/5 VOC、ならびにSARS-CoV-2未感染のBNT162b2で3回ワクチン接種されたコホート及び3回ワクチン接種されたBA.1回復期コホートのSARS-CoV-1疑似ウイルス中和GMTは、Quandt.et al.(参考文献10)において以前に報告された。この研究のために血清試料から新たに生成されたのは、BA.2.12.1中和データのみであった。
生SARS-CoV-2中和アッセイ
SARS-CoV-2ウイルス中和力価を、VisMederi S.r.l.(Siena,Italy)での細胞障害性効果(CPE)に基づく微小中和アッセイによって決定した。簡潔に述べると、個体からの熱不活化血清試料を1:2(1:10から開始して、n=1ウイルス当たり血清当たり2回の技術的複製)に段階希釈し、生野生型様SARS-CoV-2ウイルス株2019-nCOV/ITALY-INMI1の100 TCID50(GenBank:MT066156)、アルファウイルス株nCoV19単離株/England/MIG457/2020(改変:Δ69/70、Δ144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H)、ベータウイルス株nCoV19単離株/England ex-SA/HCM002/2021(改変:D80A、D215G、Δ242-244、K417N、E484K、N501Y、D614G、A701V)、鼻咽頭スワブから単離された配列検証されたデルタ株(改変:T19R、G142D、E156G、Δ157/158、L452R、T478K、D614G、P681R、R682Q、D950N)、オミクロンBA.1株hCoV-19/Belgium/rega-20174/2021(改変:A67V、Δ69/70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F)、配列検証されたオミクロンBA.2株(改変:T19I、Δ24-26、A27S、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、R682W、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、または配列検証されたオミクロンBA.4株(改変:V3G、T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)とともに37℃で1時間インキュベートして、任意の抗原特異的抗体をウイルスに結合させる。S糖タンパク質改変の図を図48に示す。2019-nCOV/ITALY-INMI1株S糖タンパク質は、野生型SARS-CoV-2 S(武漢-Hu-1単離株)と配列が同一である。Vero E6(ATCC(登録商標)CRL-1586(商標))細胞単層を96ウェルプレート中の血清/ウイルス混合物に接種し、3日間(2019-nCOV/ITALY-INMI1株)または4日間(アルファ、ベータ、デルタ、オミクロンBA.1、BA.2、及びBA.4バリアント株)インキュベートして、非中和ウイルスによる感染を可能にした。プレートを倒立光顕微鏡下で観察し、ウェルをSARS-CoV-2感染に対して陽性(すなわち、CPEを示す)またはSARS-CoV-2感染に対して陰性(すなわち、CPEなしで細胞が生きていた)としてスコアリングした。中和力価は、CPEから50%超の細胞を保護し、重複物のGMTとして報告した最高血清希釈の相互作用として決定した。中和が観察されなかった場合、任意の力価値5(LODの半分)が報告された。
ヒト血清からのRBDまたはNTD結合抗体の枯渇
SARS-CoV-2野生型株S糖タンパク質RBD及びNTD結合磁気ビーズ(Acro Biosystems,カタログ番号MBS-K002及びMBS-K019、それぞれ40μgRBD/mgビーズ及び38μgNTD/mgビーズ)を製造業者の指示に従って調製した。ビーズを1mgのビーズ/mLで超純水中に再懸濁し、磁石を使用してビーズを収集し、PBSで洗浄した。ビーズを血清中に再懸濁して、100μLの血清当たり20μgのRBD-またはNTD-ベイトを得た。100μLの血清当たり0.5mgのビオチン飽和MyOne(商標)ストレプトアビジンT1 Dynabeads(商標)(ThermoFisher,カタログ番号65601)を添加することによって、各血清について模擬枯渇(非枯渇対照)を実施した。ビーズを、穏やかに回転させながら、ヒト血清とともに1時間インキュベートした。磁石を使用して、ビーズに結合した抗体を枯渇した上清から分離した。枯渇した血清及び枯渇していない血清を、疑似ウイルス中和アッセイを使用して交差中和能について分析した。RBD結合抗体及びNTD結合抗体の両方の枯渇有効性を、多重化電気化学発光イムノアッセイ(Meso Scale Discovery、V-Plex SARS-CoV-2パネル1キット、カタログ番号K15359U-2)によって決定した。
統計分析
抗体力価の分析に使用される集合の統計的方法は、幾何平均であり、SARS-CoV-2 VOC力価及び野生型株力価の比については、幾何平均及び対応する95%信頼区間である。幾何平均の使用は、数桁に及ぶ抗体力価の非正規分布を説明する。多重比較のためのDunn補正を伴うFriedman検定を使用して、共通の対照群を用いて群の幾何平均中和抗体力価の対のある符号順位検定を行った。スピアマン相関を使用して、非正規分布データセット間の単調関係を評価した。全ての統計分析は、GraphPad Prismソフトウェアバージョン9を使用して実施した。
実施例17の参考文献
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実施例18:BA.4/BA.5スパイク糖タンパク質への曝露は、ワクチン経験のあるヒト及びマウスにおける汎オミクロン中和を駆動する
本実施例は、実施例7、13、16、及び17の拡張であり、(i)BA.4/5ブレークスルー感染した、SARS-CoV-2に対して以前にワクチン接種されたヒト対象(本実施例では、3つの用量の、武漢バリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチン(複数可)を以前に投与されたヒト対象)からの免疫応答データ、及び(ii)ある特定のオミクロンバリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAによって誘導される免疫応答を示す、更なるマウスデータを記載する。
概要
SARS-CoV-2オミクロンバリアント及びその亜系統は、スパイク(S)糖タンパク質内の多数のアミノ酸改変により、中和抗体からの顕著なウイルス逃避を示す。以前の実施例で実証されているように、オミクロン亜系統BA.1及びBA.2でワクチン接種された個体のブレークスルー感染は、懸念されるSARS-CoV-2バリアント(VOC)、最も顕著には最近出現したBA.2子孫オミクロンBA.4及びBA.5に対する交差中和活性の明確なパターンと関連している。ここでは、オミクロンBA.4/BA.5 S糖タンパク質曝露が中和抗体応答の大きさ及び幅に及ぼす効果を、ワクチン経験のあるヒト及びマウスにおいて調査する。オミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染を有する3回mRNAでワクチン接種された個体からの免疫血清は、オミクロンBA.1、BA.2、BA.2.12.1、及びBA.4/BA.5に対して広範かつ堅牢な中和活性を示すことが示されている。SARS-CoV-2野生型(武漢)株ベースの一次免疫化後のマウスへのBA.4/BA.5適応mRNAブースターワクチンの投与は、同様に広範な中和活性と関連している。BA.4/BA.5適応及び野生型ベースのS糖タンパク質免疫原をコードする二価mRNAワクチンによるワクチン未接種マウスの免疫化は、オミクロン及び非オミクロンVOCに対する強力かつ広範な中和活性を誘導することが更に示される。これらの所見は、一価または二価ブースターとして投与されると、オミクロンBA.4/BA.5適応ワクチン(例えば、これらのバリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA)は、現在及び新たに出現するVOCに対する改善された中和幅をもたらすことができる(特に、BA.1適応ワクチンと比較して改善される)という結論を支持する。これらの所見はまた、BA.4/BA.5ワクチンが、二価形式で投与された場合、SARS-CoV-2に対する既存の免疫を有しない対象(例えば、曝露未経験の対象)に保護を付与する可能性を有することを示す。
導入
懸念されるSARS-CoV-2オミクロンバリアント(VOC)は、2021年11月のCOVID-19パンデミックの発生以来、疫学的景観に大きな影響を与えてきた(参考文献1~2)。初期オミクロンバリアントBA.1のスパイク(S)糖タンパク質の著しい改変は、多くの中和抗体エピトープの喪失をもたらし(参考文献3)、BA.1が以前に確立されたSARS-CoV-2野生型株(武漢-Hu-1)ベースの免疫から部分的に逃避することができるようにした(参考文献4~6)。したがって、ワクチン接種された個体がオミクロンにブレークスルー感染することは、以前のVOCよりも一般的である。世界中の多くの国では、オミクロンBA.1がBA.2バリアントに置き換わっている一方で、BA.1.1及びBA.3などの他のバリアントは、一時的に及び/または局所的に勢いを増しているが、世界的に優勢とはならなかった(参考文献7~9)。オミクロンBA.2.12.1は、その間にBA.2に置き換わって米国で優勢となり、BA.4及びBA.5は、欧州、アフリカの一部、及びアジア/太平洋においてBA.2に置き換わった(参考文献8、10~12)。現在、VOCオミクロンBA.4及びBA.5は、米国を含む世界の大部分で優勢であり、最終的にBA.2.12.1に置き換わった(参考文献13)。
オミクロン系統VOCは、S糖タンパク質に多くの改変(アミノ酸の交換、挿入、または欠失)を獲得しており、それらの中で、全てのオミクロンVOC間で共有されているものもあれば、1つ以上のオミクロン亜系統に特異的であるものもある(図33を参照されたい)。抗原的には、BA.2.12.1は、BA.1ではなくBA.2との高い類似性を示すが、BA.4及びBA.5は、それらの系譜に沿ってBA.2とはかなり異なり、BA.1とは更に異なる(参考文献14)。残りのオミクロンVOCとのBA.1の主な違いとしては、S糖タンパク質N末端ドメインのΔ143-145、L212I、またはins214EPE、及び受容体結合ドメイン(RBD)のG446SまたはG496Sが挙げられる。RBD中のT376A、D405N、及びR408Sのアミノ酸変化は、順に、BA.2及びその子孫と共通であるが、BA.1には見出されない。加えて、いくつかの改変は、ある特定のBA.2子孫VOCに特異的であり、BA.2.12.1の場合のL452QまたはBA.4及びBA.5の場合のL452R及びF486Vが挙げられる。これらの共有された亜系統特異的改変のほとんどは、野生型S糖タンパク質に対するモノクローナル抗体及びポリクローナル血清からの免疫逃避において重要な役割を果たすことが示された(参考文献15)。
前述の実施例に記載されるように、mRNAワクチンまたは不活化ウイルスワクチンで免疫化された個体のオミクロンBA.1またはBA.2によるブレークスルー感染は、オミクロンBA.1、BA.2、及び以前のVOCに対する強力な中和活性と関連している(参考文献16~21も参照されたい)。SARS-CoV-2未感染のワクチン接種者の血清と比較して、オミクロンBA.2.12.1及びBA.4/BA.5中和のかなりのブーストは、BA.2ブレークスルー症例においてのみ明らかであり、BA.4/BA.5に対する力価は、残りのVOCに対する力価よりも低かった(参考文献19~21も参照されたい)。野生型株ベースの一次免疫化後のマウスへのオミクロンBA.1適応ブースターの投与は、野生型ブースターと比較して、BA.1に対する中和活性を強化することが以前に示されている(前の実施例16及び参考文献22を参照されたい)。第2相臨床治験の予備分析では、第4の用量としてオミクロンBA.1適応mRNAワクチンを接種したSARS-CoV-2未感染個体からの血清は、プロトタイプmRNAワクチンでブーストされた個体からの血清と比較して、BA.1に対して著しく増加した中和応答を示したことも示されている(参考文献23)。しかしながら、BA.1適応ブースターは、BA.4/BA.5に対する応答は、BA.1及びプロトタイプ株に対する応答よりも、BA.1でブーストされた個体及びプロトタイプでブーストされた個体の両方の血清中で、それぞれおよそ3倍及び5倍低かったため、BA.4/BA.5交差中和の増加とは関連していなかった。
現在、世界の大部分において伝染性の高いVOCであるオミクロンBA.4及びBA.5が優勢であることを考慮して、本実施例は、オミクロンBA.4/BA.5 S糖タンパク質への曝露が、関連するオミクロン亜系統に対するより広範な中和抗体応答を誘起するかどうかを調査するために設計された。中和活性の幅は、オミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染を有するワクチン接種された個体からの免疫血清中のオミクロンVOC、及びBNT162b2による一次免疫化後にオミクロンBA.4/BA.5適応ブースターワクチンを受けたマウスからの血清中のオミクロンVOCに対して試験した。加えて、野生型S糖タンパク質に事前に曝露することなく、オミクロンBA.4/BA.5適応ワクチンで免疫したマウスからの血清において、中和活性の幅を評価した。本実施例に記載されるデータは、オミクロン免疫逃避機序及びバリアント交差中和に対する免疫化の効果に関する更なる洞察を提供するため、ワクチン接種戦略の選択を導くのに有用である。
結果
研究デザイン、コホート、及び試料採取
3つの用量のmRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2/mRNA-1273相同または異種レジメン)でワクチン接種された個体におけるオミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染(図49(A))、及びBNT162b2で事前免疫化したマウスのオミクロンBA.4/BA.5適応ブースターワクチン接種(図49(B))の、免疫血清中の中和抗体の幅に対する効果を調査した。加えて、オミクロンBA.4/BA.5適応ワクチンによる一次免疫化の効果を、ナイーブマウス(すなわち、SARS-CoV-2 Sタンパク質に以前に曝露していないマウス、図49(C)を参照されたい)において調査した。
ブレークスルー感染研究のために、血清試料を、3回mRNAでワクチン接種され、その後にオミクロンBA.4またはBA.5のブレークスルー感染を経験した個体から収集した(mRNA-Vax+BA.4/BA.5、n=17、図53)。参照のために3つのコホートが含まれた:3回mRNAでワクチン接種された、オミクロンBA.2にブレークスルー感染した個体(mRNA-Vax+BA.2、n=19)またはBA.1にブレークスルー感染した個体(mRNA-Vax+BA.2、n=14)、及び試料採取時にSARS-CoV-2未感染であったBNT162b2で3回ワクチン接種された個体(BNT162b2、n=18、図53)。血清は、実施例7、13、及び17において前述された研究に由来した。
3回mRNAでワクチン接種された個体のオミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染は、汎オミクロン中和活性をもたらす
免疫血清の中和活性を、SARS-CoV-2野生型株のS糖タンパク質、またはオミクロンBA.1、BA.2、及びBA.2由来の亜系BA.2.12.1、BA.4、及びBA.5を保有する疑似ウイルスを用いて、50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)を決定することによって、十分に特徴付けられた疑似ウイルス中和試験(pVNT)(参考文献24~25)において試験した。BA.4及びBA.5は、それらのS糖タンパク質配列において同一であるため、pVNTの文脈では、BA.4/5が使用される。加えて、SARS-CoVをアッセイして(本明細書ではSARS-CoV-1と称される)、潜在的な汎サルベコウイルス中和活性を検出した(参考文献26)。直交試験系として、全試験期間中に存在する免疫血清を用いた真正ウイルス(SARS-CoV-2野生型株及びオミクロンVOC BA.1、BA.2、及びBA.4)の多サイクル複製中の中和を分析する、生SARS-CoV-2中和試験(VNT)も使用した。
pVNTアッセイでは、オミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染コホート(mRNA-Vax+BA.4/BA.5)からの血清は、野生型株及び全ての試験されたオミクロンVOCを堅牢に中和した(図50(A))。オミクロンBA.2及びBA.2.12.1疑似ウイルスに対するpVN50 GMTは、野生型株に対するGMTの2倍の範囲内であった(オミクロンに対するGMT 613対野生型に対するGMT 1085)。BA.1及びBA.4/5(GMT 500-521)の中和は、BA.2のものと概ね類似しており、野生型株と比較した有意な低減(p<0.05)であっても、約2倍の範囲内であった。SARS-CoV-1に対するGMTは、有意に低かった(p<0.0001、野生型よりも50倍超低かった)。
mRNA-Vax+BA.4/BA.5を、オミクロンBA.1またはBA.2ブレークスルー感染した参照コホート(mRNA-Vax+BA.1及びmRNA-Vax+BA.2)及びSARS-CoV-2未感染の3回BNT162b2でワクチン接種された個体(BNT162b2)と比較するために、VOC pVN50 GMTを野生型株に対して正規化して、抗体力価の大きさに関係ない中和幅の評価を可能にし、これは、ブレークスルー感染した3回ワクチン接種された個体と、感染していない3回ワクチン接種された個体との間で異なると予想される(参考文献16及び21)。BNT162b2血清は、オミクロンBA.1及びBA.2のかなりの交差中和を媒介したが、オミクロンBA.1及びBA.2によるブレークスルー感染は、それぞれの相同株のより高い交差中和と関連していた(図50(B))。BA.2.12.1、及び特にBA.4/5の交差中和は、mRNA-Vax+BA.4/BA.5(GMT比0.57及び0.48)と比較して、mRNA-Vax+BA.1コホートにおいて有効性が低かった(それぞれ、GMT比0.43及び0.18)。BA.2.12.1及びBA.4/5の交差中和は、mRNA-Vax+BA.2コホートにおいてあまり低減しなかった(それぞれ、GMT比0.53及び0.37)。驚くべきことに、相互症例では、オミクロンBA.1及びBA.2の交差中和は、mRNA-Vax+BA.4/BA.5コホートにおいて比較的高いレベルで維持された(それぞれ、GMT比0.46及び0.57)。したがって、BA.4/BA.5ブレークスルー感染は、評価された全コホートの全試験VOC(GMT比≧0.46)にわたって最も効率的な交差中和をもたらした。
真正な生SARS-CoV-2ウイルス中和アッセイは、図50(A)~(B)に示される主要なpVNTアッセイ所見を主に確認した。BA.2及びBA.4に対するオミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー血清における50%ウイルス中和(VN50)GMTは、野生型株(図50(C))に対するものと同等(すなわち、1.5倍の範囲内)であった。BA.1中和の低減は有意であったが(p<0.01)、2.5倍の範囲内であった。野生型株に対して正規化されたGMTは、mRNA-Vax+BA.4/BA.5血清(GMT比≧0.40)によるオミクロンBA.1、BA.2、及びBA.4の堅牢な交差中和を示したが、BA.4交差中和は、mRNA-Vax+BA.1(GMT比0.20)及びmRNA-Vax+BA.2(GMT比0.39)血清(図50(D))においてかなり効率が低かった(参考文献16、21)。したがって、pVNT及びVNTアッセイシステムの両方における所見は、オミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染が、試験した全てのオミクロン亜系統に対する広範な中和活性と関連していることを示した。
オミクロンBA.4/BA.5 S糖タンパク質適応mRNAワクチンによるブースター免疫化は、BNT162b2で2回ワクチン接種されたマウスにおける汎オミクロン中和を駆動する。
オミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染後に見られた中和幅の増加は、オミクロンBA.4/5 S糖タンパク質配列に基づくバリアント適応ワクチンが、オミクロンBA.1に基づくものよりも広範な交差中和を伴うリコール応答を誘発することができることを示唆した。この仮定を検証するために、BNT162b2で事前免疫化したマウスにおいてブースター研究を実施した(図49(B))。マウスに、0日目及び21日目にBNT162b2を用いた一次の一連の2回の免疫化、及び104日目に第3の用量の、BNT162b2(1μg)、またはオミクロンBA.1もしくはBA.4/BA.5 S糖タンパク質(図54)をコードするBNT162b2由来バリアント適応ワクチンのいずれかを投与した。適応ワクチンは、オミクロンBA.1もしくはBA.4/5 S糖タンパク質をコードする一価ワクチン(1μg)、またはBNT162b2及びオミクロンBA.1もしくはBA.4/5 S糖タンパク質適応ワクチン(各々0.5μg)を含む二価ワクチンのいずれかとして投与された。BNT162b2及びオミクロン適応ワクチンについて、同等のRNA純度及び完全性、ならびにインビトロでの抗原の発現を確認した(図55(A)~(B))。
野生型株、オミクロンBA.1、BA.2、BA.2.12.1、またはBA.4/5 S糖タンパク質を発現する疑似ウイルスに対する中和力価を、ブースター前(104日目、D3前)ならびにブースター後7日目、21日目、及び35日目(d7D3、d21D3、及びd35D3)に採取された血清を使用して、pVNTアッセイにおいて決定した。生SARS-CoV-2中和試験を直交試験システムとして使用して、d21D3及びd35D3でブースト後に観察された疑似ウイルス中和活性を確認した。
マウスのベースライン免疫化は、D3前に採取された血清中のSARS-CoV-2疑似ウイルス中和活性の決定によって評価した。様々なブースターに特化した群のpVN50 GMTは、同等であり、すなわち、3倍の差の範囲内であった(図56)。オミクロンBA.1及びBA.2に対するpVN50 GMTは、野生型株に対するものよりも3~11倍低かった(GMT比≦0.32、図56(B))。BA.2.12.1及びBA.4/5に対するGMTは、野生型に対するものよりも10~25倍低かった(GMT比≦0.10)。
d7D3では、中和GMTは、群間で、全ての試験したバリアントに対して実質的に増加し(図57)、d21D3でピーク力価に達した(図51)。BNT162b2ブーストマウスからの血清では、野生型株に対する強力な中和活性が観察されたが、オミクロンバリアントに対するpVN50 GMTは、実質的に低かった(図51(A))。オミクロンBA.1ブースターは、BA.1及び野生型株の同等の中和をもたらしたが、残りのVOCに対するpVN50 GMTは、かなり低かった。特に、BA.4/5に対するGMTは、野生型に対するものと比較して13倍低減した。対照的に、BA.4/5ブースターの投与は、全てのオミクロンバリアントに対する広範な中和活性をもたらし、pVN50 GMTは、野生型株に対するものと同等(1.5倍の範囲内)であった。BNT162b2/BA.1二価ブースターを受けたマウスからの血清は、野生型株に対して高いpVN50 GMTを有し、オミクロンBA.1の堅牢な中和を有したが、BA.2及びその子孫に対するGMTは、わずかに低かった。BNT162b2/オミクロンBA.4/5二価ブースターは、野生型株に対して、BNT162b2一価ブースターと同等の高い力価を生じさせた。オミクロン中和は、全ての亜系統にわたって広範に同等(2倍の範囲内)であり、pVN50 GMTは、野生型株に対するものよりも適度に低かった。
個々のVOCの中和に対する第3の用量のワクチンバリアントのブースター効果を定量化するために、d21D3で検出されたpVN50 GMTの倍率変化を、第3の用量の投与前に決定されたベースラインGMTと比較して評価した。BNT162b2は、全ての試験したバリアントの中和を同等に増加させたが(ベースラインよりも6~10倍高いpVN50 GMT)、相同VOCの中和について、BA.1ブースターの最も顕著な効果が検出された(26倍の増加)(図51(B))。BA.4/5ブースターは、BA.2.12.1及びBA.4/5に対する中和活性を強力に増強し(>120倍)、BA.1及びBA.2中和にも実質的な効果をもたらした(それぞれ、34倍及び37倍の増加)。BNT162b2/BA.1及びBNT162b2/BA.4/5二価ワクチンは、それぞれ、BA.1及びBA.4/5一価ワクチンと同様の増強パターンを示したが、相同VOCに対する中和の増加にはあまり重点が置かれなかった。
大きさにかかわらず、中和幅に関して群を比較するために、VOC pVN50 GMTを武漢株に対して正規化した。GMT比は、オミクロンBA.4/5ブースターワクチンが汎オミクロン中和を媒介することを示した(全ての試験したバリアントについて≧0.65)(図51(C))。対照的に、BA.1ブースターワクチンは、BA.1の中和に有益であったが(GMT比0.77)、BA.2(0.39)、ならびに特にBA.2.12.1及びBA.4/5(≦0.16)の比は、かなり低かった。二価BNT162b2/BA.4/5ワクチンはまた、BA.2、BA.2.12.1、及びBA.4/5の交差中和が、BNT162b2/BA.1二価ワクチンと比較して強化された広範な中和活性を媒介したが、GMT比は、BA.4/5一価ワクチンよりも低かった(0.27~0.46)。
再び、真正な生SARS-CoV-2ウイルス中和アッセイによって、図51(A)~(C)に示される主要なpVNTアッセイ所見を主に確認した。BA.4/5ブースター用量を投与したマウスからの血清は、試験した全てのバリアントを堅牢に中和し(図51(D))、それによって、汎オミクロン中和を媒介するこのアプローチの能力を確認した(GMT比≧0.39)(図51(E))。BNT162b2/BA.4/5二価ワクチンでブーストしたマウスからの血清中のオミクロンバリアントの中和は、BA.4/5一価ワクチンと比較して低かったが、両方のBA.4/5含有ワクチンは、BNT162b2/BA.1ワクチンよりもオミクロンバリアントの交差中和が強く、一価BA.1ワクチン及びBNT162b2よりも更に強かった。
d7D3の絶対力価は、d21D3と比較してわずかに低かったが、オミクロンBA.4/5ワクチンは、全てのバリアントに対して同様に広範な中和活性を媒介した(図57)。BNT162b2/BA.4/5二価ブースターは、同等の中和幅(GMT比≧0.35)を媒介したが、他の全てのブースター群からの血清は、BA.2、BA.2.12.1(及びBA.4/5)のかなり低い交差中和を示した。同様に、d35D3での血清の後の分析は、ベースラインと比較して、BA.4/5ワクチンブースターによるオミクロンバリアントに対する中和活性の実質的な増強を示し、汎オミクロン中和をもたらした(図58(A)~(C))。二価BNT162b2/BA.4/5ブースターはまた、試験した全てのバリアントにわたって広範な中和を示したが、BA.1及びBNT162b2/BA.1ワクチンは、特にBA.2.12.1及びBA.4/5に対して、交差中和の能力が低いことを示した。同様に、VNTアッセイにおいて、BA.4/5含有ワクチンでブーストした両群からの血清は、BA.1含有ワクチン及びBNT162b2と比較して、全ての試験したオミクロンバリアントの実質的に強力な交差中和を示した(図58(D)~(E))。
これらのマウスブースターの結果は、上述のBA.4/5ブレークスルー感染症を有するヒトで観察された結果と一致しており、野生型株ベースのワクチンでの一次免疫化後のオミクロンBA.4/5 S糖タンパク質適応ワクチンを含むブースターは、BA.1 S糖タンパク質ベースのブースターよりも幅広く優れた汎オミクロン中和活性を誘発することができることを更に示唆している。
オミクロンBA.4/BA.5 S糖タンパク質適応mRNAワクチンによる免疫化は、以前にワクチン接種されていないマウスにおける汎オミクロン中和を駆動する。
次に、SARS-CoV-2に対する既存の免疫応答がないマウスにおけるオミクロン適応ワクチンによる免疫化後の血清試料の中和能力をより良く理解するための実験を実施した。ナイーブマウスを、BNT162b2、BA.1もしくはBA.4/5 S糖タンパク質適合一価ワクチンで、または二価BNT162b2/BA.4/5ワクチンのいずれかで、0日目及び21日目に2回免疫化した(図49(C))。野生型株S糖タンパク質、以前のVOCアルファもしくはデルタ、またはオミクロンBA.1、BA.2、BA.2.12.1、もしくはBA.4/5のS糖タンパク質を発現する疑似ウイルスに対する中和力価を、第2の免疫化の14日後(d14D2)に採取された血清を使用して、pVNTアッセイにおいて決定した。BNT162b2免疫化マウスからの血清では、野生型株に対する強力な中和活性が観察された。これらの血清では、アルファ及びデルタに対する堅牢な中和活性も検出されたが(野生型の4倍の範囲内で)、オミクロンバリアントに対するpVN50 GMTは、野生型に対するよりも実質的に(14~37倍)低かった(図52)。オミクロンBA.1一価ワクチンによる免疫化は、BA.1の高い中和をもたらした。これらの血清では、オミクロンBA.2及びBA.2.12.1の堅牢な中和も検出され(BA.1の3倍の範囲内)、野生型株及び残りのVOCに対するpVN50 GMTは、BA.1よりもかなり(7~32倍)低かった。オミクロンBA.4/5一価ワクチンによる免疫化は、BA.4/5の高い中和をもたらした。これらの血清では、オミクロンBA.2及びBA.2.12.1の堅牢な中和も検出され(BA.4/5の2.5倍の範囲内)、野生型株及び残りのVOCに対するpVN50 GMTは、BA.4/5よりもかなり(14~42倍超)低かった。BNT162b2/BA.4/5二価ワクチンによる免疫化は、BA.4/5に対する高い中和活性をもたらした。他のワクチンとは対照的に、野生型株及び残りの全てのVOCに対する堅牢な中和活性(BA.4/5の6倍の範囲内)もまた、これらの血清中で検出された。
これらの結果は、ナイーブ動物(例えば、SARS-CoV-2に対して以前に投与されていない、及び/またはSARS-CoV-2に感染していない動物)における一価ワクチンが、主にバリアント特異的様式で高い中和抗体応答を誘導し得るが、より遠いバリアントに対して試験するときに効力を失い得ることを示す。対照的に、二価ワクチンは、ナイーブ動物において強力かつ広範な中和抗体応答を誘導することができる。
考察
本実施例では、3回mRNAでワクチン接種された個体のBA.4/BA.5ブレークスルー感染は、現在または以前に優勢であった全てのオミクロンサブバリアントの堅牢な中和と関連しており、すなわち、汎オミクロン中和が、BA.4/5ブレークスルー患者において観察される。これらの所見は、BNT162b2またはアデノウイルスベースのワクチンでワクチン接種され、その後にBA.4ブレークスルー感染した個体からの血清中のオミクロンBA.1、BA.2、ならびにベータ及びデルタの強力な交差中和を示す最近の報告と一致している(参考文献27)。ヒトにおけるこれらの観察と一致して、汎オミクロン中和活性は、BNT162b2での一次免疫化後にオミクロンBA.4/5ブースターワクチンを受けたマウスの血清においても観察されたが、オミクロンBA.1ブーストは、BA.4/BA.5に対して強力に低減した中和抗体力価を誘導した。二価BNT162b2/BA.4/5ブーストは、広範なオミクロン中和を誘発したが、BA.4/5一価ブースターよりも顕著ではなかった。まとめると、これらの所見は、ブレークスルー感染または一価もしくは二価フォーマットでオミクロンVOCに適応されるワクチンブースターがどのように免疫を形成するかについての更なる理解を提供し、オミクロンBA.4/5 S糖タンパク質への曝露が、現在流行している、及び潜在的な将来のオミクロン亜系統VOCに対する高度な保護を付与する可能性があることを示唆している。BNT162b2/BA.4/5二価ワクチンによるナイーブマウスの免疫化が、野生型株ならびにオミクロン及び非オミクロンVOCに対する強力な中和抗体応答を誘発するという所見は、この二価アプローチが、以前にSARS-CoV-2に感染していないワクチン未接種の個体(例えば、若年の小児患者)に広範な保護を付与することができ、したがって、これらの個体に特に好適であり得ることを示唆している。
BNT162b2などの現在承認されているSARS-CoV-2野生型株ベースのワクチンは、重度の疾患に対する保護において有効であることが証明されているが(参考文献28~30)、野生型株から抗原的に遠く離れた新たなバリアントが出現し続けているため、伝染の予防は依然として重要な課題である(参考文献16~18、20)。本実施例に記載のデータは、一価または二価BA.4/BA.5 S糖タンパク質適応ブースターワクチン(例えば、本明細書に記載の一価または二価ワクチン)が、BA.1などの以前に優勢であったオミクロン亜系統に基づくワクチンよりも、高度に蔓延しているBA.4及びBA.5 VOCに対してより高い利益を付与することができることを示唆している。世界の多くの地域における優勢と高い伝染性を考慮すると(例えば、参考文献8、10、11、及び13を参照されたい)、更なる増殖優位性を有する新たなバリアントが、オミクロンBA.4またはBA.5から出現するであろうが、オミクロンBA.4/BA.5適応ワクチンに対する部分的または完全な感受性を保持する可能性がある。したがって、オミクロンBA.4/5 S糖タンパク質ベースの適応ワクチンで既存の免疫をブーストすることは、現在のパンデミック状況に対処するための好適な戦略を表す可能性があり、ウイルスの進化及び疫学的景観の詳細なモニタリングは、新たな脅威に対応する潜在的な更なるワクチン適応に関するガイダンスに役立ち続ける。
材料及び方法
ヒト研究デザイン、参加者の募集、及び試料収集
本実施例に記載の研究の目的は、ヒト血清の交差バリアント中和能に対するオミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染の影響を調査することであった。中和活性を、ドイツにおけるオミクロンBA.4/BA.5系統優勢の期間(2022年6月中旬~7月中旬)に発生したか、またはゲノム配列決定によってバリアント確認された(BA.4もしくはBA.5)、その後のSARS-CoV-2ブレークスルー感染が確認された3回mRNA(BNT162b2/mRNA-1273)ワクチン接種された個体からの免疫血清中で評価した(mRNA-Vax+BA.4/5)(図53)。中和活性を、オミクロンBA.2系統優勢の期間(2022年3月~5月、mRNA-Vax+BA.2)、ドイツにおけるオミクロンBA.1系統優勢の期間(2021年11月~2022年1月中旬、mRNA-Vax+BA.1)にその後のSARS-CoV-2ブレークスルー感染が確認された3回mRNAでワクチン接種された個体(参考文献1、2)、及び試料収集時にSARS-CoV-2未感染(ヌクレオカプシド血清反応陰性)であった3回BNT162b2でワクチン接種された個体(BNT162b2)からの免疫血清における中和活性と比較した。血清中和能を、疑似ウイルス及び生SARS-CoV-2中和アッセイを使用して特徴付けた。参照コホートmRNA-Vax+BA.2、mRNA-Vax+BA.1、及びBNT162b2のデータは、以前に公開された(参考文献16、21)。
COVID-19ワクチン接種後にオミクロンブレークスルー感染を経験した患者を研究する非介入研究(大学病院倫理委員会[第2021-560号]により承認されたプロトコル)の一環として、ゲーテ大学フランクフルト校の大学病院から、mRNA-Vax+Omi BA.4/5、mRNA-Vax+Omi BA.2、及びmRNA-Vax+BA.1コホートからの参加者を募集した。BNT162b2コホートからの個体は、第2相治験BNT162-17(NCT05004181)への参加の一環としてインフォームドコンセントを提供した。
この研究における5人のBA.4/5及び4人のBA.1回復期参加者の感染は、ゲノム配列決定によって確認された(参考文献16)。
全ての参加者は、ワクチン接種前にSARS-CoV-2感染の記録がなかった。参加者は、採血時に無症状であった。
血清を、2000×gで10分間、採取した血液を遠心分離することによって単離し、使用まで凍結保存した。
RNAのインビトロ転写及び脂質ナノ粒子(LNP)形成
BNT162b2ワクチンは、融合前立体配座安定化K986P及びV987P変異を有する、SARS-CoV-2単離株武漢-Hu-1(GenBank:MN908947.3)からのS配列の背景に基づいて設計された。オミクロンBA.1及びオミクロンBA.4/5ワクチン候補は、図54に示されるように、配列変化を含むBNT162b2に基づいて設計された。他の箇所に記載されているように、RNAの産生及び製剤化を実施した(例えば、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、参考文献32を参照されたい)。簡潔に述べると、DNAテンプレートを、リンカー(A30LA70、10ヌクレオチド)によって中断された、骨格配列要素(T7プロモーター、5’及び3’UTR、100ヌクレオチドポリ(A)尾部)を有するプラスミドベクターにクローニングして、RNAの安定性及び翻訳効率を向上させ(例えば、参考文献33、34を参照されたい)、PCRによって増幅させ、精製した。RNAは、トリヌクレオチドキャップ1類似体((m27,3’-O)Gppp(m2’-O)ApG、TriLink)の存在下、ウリジン-5’-三リン酸塩(UTP)をN1-メチルプソイドウリジン-5’-三リン酸塩(m1ψTP、Thermo Fisher Scientific)で置き換えて、T7 RNAポリメラーゼによってインビトロ転写された(参考文献35)。RNAを磁性粒子を使用して精製し(参考文献36)、RNAの完全性をマイクロ流体キャピラリー電気泳動(Agilent 2100 Bioanalyzer)によって評価し、3つのRNA全てが、同等かつ高い純度及び完全性をもたらす、単一の鋭いピークを示す(図55(A))。加えて、溶液の濃度、pH、浸透圧、エンドトキシンレベル、及びバイオバーデンを決定した。
1つのイオン化可能な脂質((4-ヒドロキシブチル)アザネジル)ビス(ヘキサン-6,1-ジイル)ビス(2-ヘキシルデカノエート))、2つの構造的脂質(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン[DSPC]及びコレステロール)及び1つのPEG化脂質(2-[(ポリエチレングリコール)-2000]-N,N-ジテトラデシルアセトアミド)をRNAの製剤化に使用した。透析濾過を介して水性緩衝系に移した後、LNP組成物を分析し、限定されないが、高いRNA完全性及びカプセル化有効性、ならびに100nmを下回る粒径を確保した。ワクチン候補を、使用時点まで0.5mg/mLの濃度で-70~-80℃で保管した。
RNA及びワクチンのインビトロ発現
HEK293T細胞を、RiboJuice(商標)mRNAトランスフェクションキット(Merck Millipore)を製造業者の指示に従って使用して、0.15μgのBNT162b2またはオミクロン適応ワクチン(脂質ナノ粒子製剤)、またはワクチンRNAでトランスフェクトし、18時間インキュベートした。トランスフェクトしたHEK293T細胞を、固定可能な生存性染料(eBioscience)で染色し、mFcタグ付け組換えヒトACE-2(Sino Biological)でインキュベートした。表面発現の検出には、AF647とコンジュゲートした二次ロバ抗マウス抗体を使用した。FACSCelestaフローサイトメーター(BD Biosciences,BD FACSDivaソフトウェアバージョン8.0.1)及びFlowJoソフトウェアバージョン10.6.2(FlowJo,BD Biosciences)を使用して、フローサイトメトリー分析の前に細胞を固定した(Fixation Buffer,Biolegend)。
マウス研究
全てのマウス研究は、BioNTech SEで実施され、プロトコルは、地方当局(地方福祉委員会)によって承認され、欧州実験動物科学協会連盟の推奨に従って行った。研究の実施及び収容は、ドイツ動物福祉法及び指令(German Animal Welfare Act and Directive)2010/63/EUに準拠していた。マウスを、12時間の明暗サイクル、制御された環境条件(22±2℃、45%~65%の相対湿度)、及び特定の病原体を含まない条件下で、個々に換気されたケージで飼育した。食料及び水は、自由に入手可能であった。異論のない健康状態を有するマウスのみを、試験手順のために選択した。
免疫化のために、雌のBALB/cマウス(Janvier)(9~21週齢)を群にランダムに割り当てた。BNT162b2及びオミクロンベースのワクチン候補を0.9% NaClで希釈し、1μgのワクチン候補をイソフルラン麻酔下で20μlの体積で腓腹筋に注入した。マウスブースター研究では、マウスをBNT162b2で2回(0日目及び21日目)免疫化した。BNT162b2及びオミクロンベースのワクチン候補による第3の免疫化は、研究開始後104日目に行い、第3の免疫化の直前に、図49に示されるようにマウスから採血した。ナイーブマウス研究のために、動物を、0日目及び21日目に、BNT162b2及びオミクロンベースのワクチン候補で免疫化した。第2の免疫化の14日後、血液を採取した。末梢血を麻酔なしで顔面静脈から収集した。最終採血は、後眼窩静脈叢からのイソフルラン麻酔下で実施した。血清生成のために、血液を16,000gで5分間遠心分離し、血清を直ちに下流アッセイに使用するか、または使用の時点まで-20℃で保管した。
VSV-SARS-CoV-2 Sバリアント疑似ウイルス生成
VSV-糖タンパク質(VSV-G)の代わりに緑色蛍光タンパク質(GFP)及びルシフェラーゼをコードする組換え複製不全小胞性口腔炎ウイルス(VSV)ベクターを、SARS-CoV-1 S糖タンパク質(UniProt Ref:P59594)、及び野生型株(武漢-Hu-1、NCBI Ref:43740568)、アルファバリアント(改変:Δ69/70、Δ144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H)、デルタバリアント(改変:T19R、G142D、E156G、Δ157/158、K417N、L452R、T478K、D614G、P681R、D950N)オミクロンBA.1バリアント(改変:A67V、Δ69/70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F)、オミクロンBA.2バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、オミクロンBA.2.12.1バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452Q、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、S704L、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、及びオミクロンBA.4/5バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)のいずれかに由来するSARS-CoV-2 S糖タンパク質を用いて、公開された疑似タイプ化プロトコル(例えば、参考文献3に記載されるような、それらの内容は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)に従って疑似タイプ化した。SARS-CoV-2 S糖タンパク質改変の図を図32に示し、オミクロン亜系統におけるS糖タンパク質改変の別個のアラインメントを図33に示す。
簡潔に述べると、10%熱不活化ウシ血清(FBS[Sigma-Aldrich])(培地と称される)を補充したGlutaMAX(商標)(Gibco)を有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養したHEK293T/17単層(ATCC(登録商標)CRL-11268(商標))を、製造業者の指示に従ってLipofectamine LTX(Life Technologies)を用いて、Sanger配列決定検証SARS-CoV-1またはバリアント特異的SARS-CoV-2S発現プラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に、細胞を、VSV-G補体VSVΔGベクターを用いた3つの感染多重度(MOI)で感染させた。37℃で2時間、7.5% COでインキュベートした後、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄した後、抗VSV-G抗体(クローン8G5F11、Kerafast Inc.)を補充した培地を添加して、残存VSV-G補完入力ウイルスを中和した。VSV-SARS-CoV-2-S疑似タイプ含有培地を、播種の20時間後に採取し、0.2μmフィルター(Nalgene)に通し、-80℃で保管した。疑似ウイルスバッチを、培地中で培養したVero 76細胞(ATCC(登録商標)CRL-1587(商標))で滴定した。1mL当たり200形質導入単位(TU)の感染力価に対応する、Muik et al.,2021(参考文献31)において以前に記載されているSARS-CoV-2野生型株S糖タンパク質疑似ウイルス参照バッチの規定体積によって誘導される相対的ルシフェラーゼ単位を、比較対象として使用した。SARS-CoV-2バリアント疑似ウイルスバッチの入力体積を算出して、参照に対する相対ルシフェラーゼ単位に基づいて感染力価を正規化した。
疑似ウイルス中和アッセイ
Vero 76細胞を、アッセイの4時間前に培地中で40,000細胞/ウェルで96ウェル白色平底プレート(Thermo Scientific)に播種し、7.5% COで37℃で培養した。ヒト及びマウスの血清試料を、1:5~1:30,720(ヒト血清)、マウスブースター研究の場合1:40~1:102,400(マウス血清;開始希釈は、1:40[D3前]、1:200[d7D3])、及び1:100[d21D3、d35D3]であった)の範囲の希釈で、ならびにナイーブ設定(マウス血清;1:120~1:15,360の希釈で開始する一価ワクチン接種群、及び1:100で開始する二価ワクチン接種群)において培地中で2倍段階希釈した。VSV-SARS-CoV-2-S/VSV-SARS-CoV-1-S粒子を培地中に希釈して、アッセイにおいて200TUを得た。血清希釈液を室温で30分間、疑似ウイルス(疑似ウイルス当たり血清当たりn=2の技術的複製)と1:1で混合した後、Vero 76細胞単層に添加し、37℃で24時間、7.5% COでインキュベートした。上清を除去し、細胞をルシフェラーゼ試薬(Promega)で溶解した。発光は、CLARIOstar(登録商標)Plusマイクロプレートリーダー(BMG Labtech)に記録し、中和力価は、依然として発光の50%の低減をもたらした最高血清希釈の相互作用として算出した。全ての疑似ウイルス中和実験の結果を、重複物の幾何平均力価(GMT)として表した。中和が観察されなかった場合、検出限界[LOD]の半分の任意の力価値が報告された。ヒト血清中の中和力価の表が提供される。
生SARS-CoV-2中和アッセイ
SARS-CoV-2ウイルス中和力価を、VisMederi S.r.l.(Siena,Italy)での細胞障害性効果(CPE)に基づく微小中和アッセイによって決定した。簡潔に述べると、ヒト及びマウスの血清試料を、1:2(n=ウイルス当たり血清当たり2つの技術的複製;ヒト試料については1:10で開始し、マウス試料については1:100[ブースト後、125日目]または1:50[ブースト後、139日目]で開始する)で段階希釈し、100 TCID50の生きた野生型様SARS-CoV-2ウイルス株2019-nCOV/ITALY-INMI1(GenBank:MT066156)、オミクロンBA.1株hCoV-19/ベルギー/rega-20174/2021(改変:A67V、Δ69/70、T95I、G142D、Δ143-145、Δ211、L212I、ins214EPE、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F)、配列検証されたオミクロンBA.2株(改変:T19I、Δ24-26、A27S、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、S477N、T478K、E484A、Q493R、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、R682W、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、または配列検証されたオミクロンBA.4株(改変:V3G、T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)とともに37℃で1時間インキュベートして、任意の抗原特異的抗体をウイルスに結合させる。S糖タンパク質改変の図を図48に示す。2019-nCOV/ITALY-INMI1株S糖タンパク質は、野生型SARS-CoV-2 S(武漢-Hu-1単離株)と配列が同一である。Vero E6(ATCC(登録商標)CRL-1586(商標))細胞単層を96ウェルプレート中の血清/ウイルス混合物に接種し、3日間(2019-nCOV/ITALY-INMI1株)または4日間(オミクロンBA.1、BA.2、及びBA.4バリアント株)インキュベートして、非中和ウイルスによる感染を可能にした。プレートを倒立光顕微鏡下で観察し、ウェルをSARS-CoV-2感染に対して陽性(すなわち、CPEを示す)またはSARS-CoV-2感染に対して陰性(すなわち、CPEなしで細胞が生きていた)としてスコアリングした。中和力価は、CPEから50%超の細胞を保護した最高血清希釈の相互作用として決定し、重複物のGMTとして報告した。中和が観察されなかった場合、任意の力価値5(LODの半分)が報告された。
統計分析
抗体力価の分析に使用される集合の統計的方法は、幾何平均であり、SARS-CoV-2 VOC力価及び野生型株力価の比については、幾何平均及び対応する95%信頼区間である。幾何平均の使用は、数桁に及ぶ抗体力価の非正規分布を説明する。多重比較のためのDunn補正を伴うフリードマン検定を使用して、共通の対照群を用いて群の幾何平均中和抗体力価の対のある符号順位検定を行った。スピアマン相関を使用して、非正規分布データセット間の単調関係を評価した。全ての統計分析は、GraphPad Prismソフトウェアバージョン9を使用して実施した。
実施例18の参考文献
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実施例19:オミクロン免疫応答に対するBA.4/BA.5ブレークスルー感染の影響
本実施例19は、実施例14、17、及び18の延長であり、BA.1、BA.2、及びBA.4/5ブレークスルー症例から収集した血清試料を、オミクロンBA.4、BA.5、BA.4.6、BF.7、及びBA.2.75バリアントに対する中和活性について分析した実験を記載する。前述の実施例に記載の結果を確認することに加えて、本実施例19は、BA.4.6、BF.7、及びBA.2.75バリアントに関連して、BA.1、BA.2、及びBA.4/5ブレークスルー感染によって誘導される抗体応答の更なる特徴付けも提供する。本実施例は、BA.4/5ブレークスルー感染が、BA.1及びBA.2ブレークスルー感染よりも広範な中和応答を生じさせることができ、BA.1及びBA.2ブレークスルー感染と比較して、BA.4/5及びBA.4.6/BF.7バリアントに対して誘導される優れた中和力価、及びBA.2.75ウイルスに対して同等の中和力価を有することを更に実証する。
SARS-CoV-2オミクロンバリアントの継続的進化は、中和抗体回避の明確なパターンを有する多数の亜系統の出現につながった。最近出現した亜系統BA.4.6、BF.7、及びBA.2.75は、それらの有病率が多くの地域でゆっくりであるが着実に増加するにつれて、懸念を引き起こしている。本実施例は、BA.1、BA.2、またはBA.4/BA.5 SARS-CoV-2バリアントによる後続のブレークスルー感染を有するCOVID-19 mRNAで3回ワクチン接種された個体の免疫血清における、これらのオミクロン亜系統ならびに現在優勢なBA.4/BA.5に対する中和活性を調査した。SARS-CoV-2未感染の3回または4回mRNAでワクチン接種された個体からの血清も試験した。BA.1、BA.2、及びBA.4/BA.5の回復期からの血清は、SARS-CoV-2野生型株と比較して、BA.2.75を交差中和する能力において概して同等であった。オミクロンBA.4.6/BF.7の最強の交差中和を、BA.4/BA.5回復期血清において検出した。これらの所見は、最近のオミクロン亜系統によるブレークスルー感染が、新たに出現する亜系統による感染に対して少なくとも部分的な保護を与え得ることを示し、BA.4/5特異的ワクチンの有効性を支持する更なる証拠(特に、BA.4/5特異的ワクチンがオミクロンバリアントに対する広範な免疫応答を提供することができる更なる証拠)を提供する。
懸念されるSARS-CoV-2オミクロンバリアント(VOC)は、そのスパイク(S)糖タンパク質に30超アミノ酸改変を含有し、これは、以前に確立された免疫からの部分的な逃避を媒介する。結果として、ワクチン接種された集団の間では、以前に流行していたVOCよりも、オミクロンによるブレークスルー感染が頻繁に発生している。2021年11月にオミクロンが初めて出現して以来、亜系統BA.1、BA.2、BA.4、及びBA.5が連続してパンデミックの景観を支配している。BA.5は、2022年半ばから世界的に優勢な亜系統であるが、ウイルス進化は、そのS糖タンパク質に更なるアミノ酸改変を有する新しい亜系統を生み出し続けている。大陸にわたる多くの国で、ゆっくりであるが安定した罹患率の増加を伴う以前のオミクロン亜系統の子孫が報告されている。これらの子孫には、それぞれBA.2、BA.4、及びBA.5から出現したオミクロンBA.2.75、BA.4.6、及びBF.7が含まれる。
オミクロンBA.2.75は、Sタンパク質のN末端ドメイン(NTD)内の5つのアミノ酸改変を含有し、それは、その親亜系統BA.2を含む、以前の懸念されるオミクロンバリアント(VOC)と区別する(図60)。加えて、BA.2.75は、その受容体結合ドメイン(RBD)に、BA.2には見られない3つの改変を有し、それらのうちのG446Sは、BA.1と共有される。オミクロンBA.4.6及びBF.7の最も蔓延している株は、同一のS糖タンパク質配列を有し、S糖タンパク質配列も共有する、それぞれの親系統BA.4及びBA.5との高い類似性を示す。RBD内の単一のR346T改変は、BA.4.6/BF.7をBA.4/BA.5から区別し、治療用モノクローナル抗体(mAb)シルガビマブ(参考文献1)による中和を阻止する。免疫不全患者における曝露前COVID-19予防に高い臨床的関連性を有する、シルガビマブ及びチキサジビマブ(Evusheld(商標))との組み合わせは、チキサジビマブがオミクロンBA.4/BA.5及びそれらの子孫に対する中和活性を欠くことを考慮すると、オミクロンBA.4.6及びBF.7に対して無効であると予想される(参考文献1及び2)。
世界の多くの地域における一次SARS-CoV-2免疫は、元の野生型ウイルスまたはmRNAワクチンBNT162b2及びmRNA-1273などの野生型株ベースのワクチンへの感染に基づく。免疫応答は、抗原的に異なるオミクロン亜系統ウイルスによるブレークスルー感染または最近承認されたオミクロン適応ワクチンブースターを通じて、一般的に更に形作られる。重要な問題は、ブレークスルー感染及びオミクロン適応ワクチンブースターが、現在勢いを増している最近出現したオミクロンサブラインに対する実質的な中和抗体応答を誘発するかどうかである。
本実施例は、オミクロン亜系統バリアントによる後続のブレークスルー感染の有無にかかわらず、3回または4回用量のmRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2/mRNA-1273相同または異種レジメン)を受けた個体の5つのコホートから単離した免疫血清からのオミクロンBA.4.6/BF.7及びBA.2.75に対する中和活性を調査した。個々のコホートは、BNT162b2で3回ワクチン接種されたSARS-CoV-2未感染の個体(BNT162b2、n=18)、BNT162b2で4回ワクチン接種されたSARS-CoV-2未感染の高齢者個体(BNT162b2、n=15)、及び3回mRNAでワクチン接種され、オミクロンBA.1(mRNA-Vax+BA.1、n=14)、BA.2(mRNA-Vax+BA.2、n=19)、またはBA.4/BA.5(mRNA-Vax+BA.4/BA.5、n=17)でブレークスルー感染を経験した個体であった(図61)。研究デザインには、地域の保健当局が高齢者個人に第4のワクチン用量を推奨し、以前のバリアントと比較してオミクロンによるブレークスルー感染の頻度が高いことを考慮して、欧州及び北米の人口の大きな割合を占めると考えられるコホートが含まれている。SARS-CoV-2野生型株またはオミクロンBA.4/BA.5(BA.4及びBA.5は、それらのS糖タンパク質配列において同一である)、BA.4.6/BF.7(BA.4.6及びBF.7は、それらのS糖タンパク質配列において同一である)、またはBA.2.75のS糖タンパク質を担持する疑似ウイルスを用いて、50%疑似ウイルス中和(pVN50)幾何平均力価(GMT)を決定することによって、よく特徴付けられた疑似ウイルス中和試験(pVNT)において、血清中和活性を試験した(参考文献3~5)。
BNT162b2、BNT162b2、及びmRNA-Vax+BA.1コホートにおいて、オミクロンBA.4/BA.5に対するpVN50力価は、野生型株に対する力価よりも有意に低かった(GMTは、5~6倍低減した)(図59(A))。mRNA-Vax+BA.2及びmRNA-Vax+BA.4/BA.5コホートにおけるBA.4/BA.5中和の低減もまた、他のコホートよりも統計的に有意であったが、顕著ではなかった(野生型と比較して、GMTが2~3倍低かった)。オミクロンBA.4.6/BF.7に対するpVN50力価は、mRNA-Vax+BA.2におけるBA.4/BA.5と比較して更に有意に低減した(GMT 239対386、P<0.05)。BA.4/BA.5と比較して、BA.4.6/BF.7中和の相当であるが統計的に有意ではない低減が、BNT162b2においても見られた(GMT 55対121)。他の全てのコホートについて、オミクロンBA.4.6/BF.7 GMTは、オミクロンBA.4/BA.5に対するものとほぼ同等であり、mRNA-Vax+BA.4/BA.5における力価は、最も堅牢であった(GMT 443)。mRNA-Vax+BA.4/BA.5において、BA.2.75に対する力価は、BA.4/BA.5と比較して1.8倍低減したが(GMT 295対521)、BA.2.75に対する中和GMTは、mRNA-Vax+BA.1におけるBA.4/BA.5と比較して更に2倍増加した(GMT 525対263)。BA.2.75に対する力価は、他のコホートにおけるBA.4/5に対する力価と同等であった。
抗体力価の大きさにかかわらず、中和幅の評価を可能にするために、オミクロン亜系統pVN50 GMTを野生型株に対して正規化した。全てのオミクロンサブバリアント疑似ウイルスのGMT比は、BNT162b2及びBNT162b2コホートにおいて同等であり(全ての疑似ウイルスの比≦0.22、図59(B))、第4の用量のBNT162b2は、抗体力価の全体的なわずかな増加にもかかわらず、試験したサブバリアントの交差中和を改善しなかったことを示した。BA.4/BA.5及びBA.4.6/BF.7の交差中和は、BNT162b2と比較して、mRNA-Vax+BA.2からの血清において有意に強かった(p<0.05)(GMT比は、BA.4/BA.5では0.37対0.17、BA.4.6/BF.7では0.23対0.12)。GMT比は、BA.4/BA.5疑似ウイルス(GMT比0.48、BNT162b2に対してp<0.01)及びBA.4.6/BF.7疑似ウイルス(0.41、p<0.0001)の両方について、mRNA-Vax+BA.4/BA.5コホートにおいて更に高かった。オミクロンBA.2.75疑似ウイルスの交差中和は、ほとんどのコホートにおいて概ね同等であり、BNT162b2と比較して、mRNA-Vax+BA.1のみで有意な(p<0.05)増加が見られた。
オミクロンBA.4.6/BF.7に対する中和活性が、ワクチン接種された個体及びBA.2回復者の血清におけるBA.4/BA.5と比較して更に低減するという所見は、R346T改変が、ポリクローナル血清における中和抗体からの更なる逃避を媒介することを示唆する。オミクロンBA.4.6、BF.7、及び現在あまり蔓延していない追加の株(参考文献1)におけるこの部位でのRBDの収束進化は、結果として生じる免疫逃避がかなりの増殖優位性を付与し得ることを示している。ここでまとめられた所見は、オミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染は、BA.4.6/BF.7中和を部分的に回復させるために中和抗体応答に再焦点を合わせることを示す。実施例18で実証されるように、BA.4/BA.5ブレークスルー感染したヒト及びオミクロンBA.4/5適応ワクチンでブーストされたマウスにおけるオミクロン系統の同様の交差中和パターンも観察されている。したがって、かかる所見は、オミクロンBA.4/5適応ワクチンブースターが、ヒトにおけるBA.4.6/BF.7に対する関連する中和抗体応答を誘発することもできることを支持する証拠を提供する。
オミクロンBA.2.75の交差中和が、BA.4/5と概ね同等であるという観察は、以前の報告と一致している(参考文献2、6、及び7)。特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、この観察は、BA.2.75のBA.5を超える増殖の利点が、免疫回避以外の要因に関連する可能性があることを示唆する。例えば、いくつかの実施形態では、BA.1及びBA.4/BA.5回復期血清による中和に対するオミクロンBA.2.75及びBA.4/BA.5の感受性のわずかな差は、免疫回避における潜在的な状況依存的役割を有するアミノ酸改変を指し得る。
本実施例に要約された調査は、新しいオミクロン亜系統BA.4.6/BF.7及びBA.2.75は、将来、それらの現在の軌道に従ってBA.5を置き換える可能性があるため、これらの中和に焦点を当てた。オミクロンブレークスルー感染が新規の亜系統の強化された交差中和に関連するという所見は、前の実施例で提供されたデータと一致し、以前のオミクロン亜系統及び以前のSARS-CoV-2 VOCに対するものを含む、強化された中和幅を示す。これらの所見を併せると、オミクロンBA.4/BA.5ブレークスルー感染は、オミクロン亜系統を含む全てのバリアントに対する最も広範な中和と関連付けられ、BA.4/5バリアントの特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを用いたワクチン接種が、広範な中和応答を生成することができることを支持する証拠を提供する。
材料及び方法
研究デザイン、参加者の募集、及び試料収集
この研究の目的は、SARS-CoV-2野生型及びオミクロンBA.4/BA.5と比較して、オミクロンBA.4.6/BF.7及びBA.2.75亜系統に対する5つの異なる血清パネルの交差中和活性を調査することであった。(i)SARS-CoV-2未感染の3回BNT162b2でワクチン接種された若年成人個体(BNT162b2)、(ii)SARS-CoV-2未感染の4回BNT162b2でワクチン接種された高齢成人個体(BNT162b2)、及び3回mRNA(BNT162b2/mRNA-1273)でワクチン接種され、以下のいずれかの期間で発生し、後に確認されたSARS-CoV-2ブレークスルー感染を有する個体(iii)オミクロンBA.1系統優勢の期間(2021年11月~2022年1月中旬、mRNA-Vax+BA.1)、(iv)オミクロンBA.2系統優勢の期間(2022年3月~5月、mRNA-Vax+BA.2)、または(v)オミクロンBA.4/BA.5系統優勢の期間(2022年6月中旬~7月中旬、mRNA-Vax+BA.4/5)からの免疫血清中で中和活性を評価した。血清中和能を、疑似ウイルス中和アッセイを使用して特徴付けた。コホートBNT162b2、mRNA-Vax+BA.1、mRNA-Vax+BA.2、mRNA-Vax+BA.4/5のSARS-CoV-2野生型及びオミクロンBA.4/BA.5中和データを以前に公表した。
COVID-19ワクチン接種後にオミクロンブレークスルー感染を経験した患者を研究する非介入研究(大学病院倫理委員会[第2021-560号]により承認されたプロトコル)の一環として、ゲーテ大学フランクフルト校の大学病院から、mRNA-Vax+Omi BA.1、mRNA-Vax+Omi BA.2、及びmRNA-Vax+BA.4/5コホートからの参加者を募集した。BNT162b2及びBNT162b2コホートからの個体は、第2相治験BNT162-17(NCT05004181)及びBNT162-16副研究F(NCT04955626)への参加の一環として、インフォームドコンセントを提供した。全ての参加者は、ワクチン接種前にSARS-CoV-2感染の記録がなかった。参加者は、採血時に無症状であった。
血清を、2000×gで10分間、採取した血液を遠心分離することによって単離し、使用まで凍結保存した。
VSV-糖タンパク質(VSV-G)の代わりに緑色蛍光タンパク質(GFP)及びルシフェラーゼをコードする組換え複製不全小胞性口腔炎ウイルス(VSV)ベクターを、SARS-CoV-1 S糖タンパク質(UniProt Ref:P59594)、または野生型株(武漢-Hu-1、NCBI Ref:43740568)、オミクロンBA.4/BA.5バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、オミクロンBA.4.6/BF.7バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、Δ69/70、G142D、V213G、G339D、R346T、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、L452R、S477N、T478K、E484A、F486V、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)、及びオミクロンBA.2.75バリアント(改変:T19I、Δ24-26、A27S、G142D、K147E、W152R、F157L、I210V、V213G、G257S、G339H、S371F、S373P、S375F、T376A、D405N、R408S、K417N、N440K、G446S、N460K、S477N、T478K、E484A、Q498R、N501Y、Y505H、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、Q954H、N969K)のいずれかに由来するSARS-CoV-2 S糖タンパク質を用いて、公開された疑似タイプ化プロトコルに従って疑似タイプ化した(Berger Rentsch,Marianne,and Gert Zimmer.“A vesicular stomatitis virus replicon-based bioassay for the rapid and sensitive determination of multi-species type I interferon.”PloS one 6.10(2011):e25858)。SARS-CoV-2 S糖タンパク質改変の図を図62に示し、オミクロンVOCにおけるS糖タンパク質改変の別個のアラインメントを図60に示す。
簡潔に述べると、10%熱不活化ウシ血清(FBS[Sigma-Aldrich])(培地と称される)を補充したGlutaMAX(商標)(Gibco)を有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養したHEK293T/17単層(ATCC(登録商標)CRL-11268(商標))を、製造業者の指示に従ってLipofectamine LTX(Life Technologies)を用いて、Sanger配列決定検証バリアント特異的SARS-CoV-2S発現プラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に、細胞を、VSV-G補体VSVΔGベクターを用いた3つの感染多重度(MOI)で感染させた。37℃で2時間、7.5% COでインキュベートした後、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄した後、抗VSV-G抗体(クローン8G5F11、Kerafast Inc.)を補充した培地を添加して、残存VSV-G補完入力ウイルスを中和した。VSV-SARS-CoV-2-S疑似タイプ含有培地を、播種の20時間後に採取し、0.2μmフィルター(Nalgene)に通し、-80℃で保管した。疑似ウイルスバッチを、培地中で培養したVero 76細胞(ATCC(登録商標)CRL-1587(商標))で滴定した。1mL当たり200形質導入単位(TU)の感染力価に対応する、Muik et al.,2021(Muik,Alexander,et al.“Neutralization of SARS-CoV-2 lineage B.1.1.7 pseudovirus by BNT162b2 vaccine-elicited human sera.”Science 371.6534(2021):1152-1153)に以前に記載される規定体積のSARS-CoV-2野生型株S糖タンパク質疑似ウイルス参照バッチによって誘導される相対ルシフェラーゼ単位を、比較対象として使用した。SARS-CoV-2バリアント疑似ウイルスバッチの入力体積を算出して、参照に対する相対ルシフェラーゼ単位に基づいて感染力価を正規化した。
疑似ウイルス中和アッセイ
Vero 76細胞を、アッセイの4時間前に培地中で40,000細胞/ウェルで96ウェル白色平底プレート(Thermo Scientific)に播種し、7.5% COで37℃で培養した。ヒト血清試料を、1:10~1:10,240の範囲の希釈を有する培地中で2倍段階希釈した。VSV-SARS-CoV-2-S粒子を培地中に希釈して、アッセイにおいて200 TUを得た。血清希釈液を室温で30分間、疑似ウイルス(疑似ウイルス当たり血清当たりn=2の技術的複製)と1:1で混合した後、Vero 76細胞単層に添加し、37℃で24時間、7.5% COでインキュベートした。上清を除去し、細胞をルシフェラーゼ試薬(Promega)で溶解した。発光は、CLARIOstar(登録商標)Plusマイクロプレートリーダー(BMG Labtech)に記録し、中和力価は、依然として発光の50%の低減をもたらした最高血清希釈の相互作用として算出した。全ての疑似ウイルス中和実験の結果を、重複物の幾何平均力価(GMT)として表した。中和が観察されなかった場合、検出限界[LOD]の半分の任意の力価値が報告された。
統計分析
抗体力価の分析に使用される集合の統計的方法は、幾何平均であり、SARS-CoV-2 VOC力価及び野生型株力価の比については、幾何平均及び対応する95%信頼区間であった。幾何平均の使用は、数桁に及ぶ抗体力価の非正規分布を説明する。多重比較のためのDunn補正を伴うフリードマン検定を使用して、共通の対照群を用いて群の幾何平均中和抗体力価の対のある符号順位検定を行った。多重比較のためのDunn補正を用いるKruskal-Wallis検定を使用して、群GMT比の対のない符号順位検定を行った。全ての統計分析は、GraphPad Prismソフトウェアバージョン9を使用して実施した。
実施例19に引用される参考文献
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実施例20:オミクロンBA.4/5特異的ワクチンを含むブースター用量が、オミクロンBA.4/5バリアントに対する強い免疫応答を誘導することができることを確認した臨床治験結果
本実施例は、BA.4/5特異的ワクチン(例えば、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNAと、本明細書に記載のBA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNAとを含む二価RNAワクチン)が、対象において強力な免疫応答を誘導することができることを確認する臨床治験データを提供する。具体的には、本実施例は、かかるRNAワクチンが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンによって誘導される免疫応答よりもBA.4/5バリアントに対して高い免疫応答(例えば、中和抗体力価)を誘導することができることを示すデータを提供する。これらの結果は、BA.4/5特異的ワクチン(例えば、本明細書に記載のもの)を投与する利点に関して、前の実施例に記載のBA.4/5ブレークスルー感染データ及びマウス実験データによって提供される洞察を確認する。
本実施例は、30μgブースター用量のオミクロンBA.4/BA.5適応二価COVID-19ワクチン(15μgの武漢バリアントの完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、例えば、いくつかの実施形態では、配列番号20に対して少なくとも95%以上(最大100%を含む)同一であるヌクレオチド配列を含むRNA(例えば、いくつかの実施形態では、BNT162b2)、及び15μgのオミクロンBA.4/BA.5の特徴である1つ以上の変異を含む完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNA、例えば、いくつかの実施形態では、配列番号72に対して少なくとも95%以上(最大100%を含む)同一であるヌクレオチド配列を含むRNAを含む)が、3つの用量の、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチン(例えば、BNT162b2)を以前に受けたことがある、18~55歳の個体(n=38)及び55歳超の個体(n=36)に投与された、第2/3相臨床治験からの免疫応答データを提供する。55歳超の参加者の比較群(n=40)に、30μgブースター用量の(第4の用量として)武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンを投与した。本実施例において、本明細書に記載の二価ワクチンを投与された対象は、二価ワクチンの投与の平均11ヶ月前に武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするワクチンの最後の用量を受けたが、武漢株のSARS-CoV-2タンパク質をコードするRNAワクチン、例えば、BNT162b2を(第4の用量として)投与された対象は、平均6ヶ月前に第3の用量を受けた。この差にもかかわらず、ブースター前抗体力価は、両群において類似していた。いずれの群も、以前のSARS-CoV-2感染の証拠を有する対象及び以前のSARS-CoV-2感染を有しない対象を含んでいた。
オミクロンBA.4/BA.5特異的二価ワクチンを投与した対象の間で、ブースター前レベルと比較して、オミクロンBA.4/BA.5中和抗体力価の実質的に高い増加が観察された。二価ワクチンを投与した18~55歳の個体について、オミクロンBA.4/BA.5に対する幾何平均力価(GMT)は、約600(例えば、606)であり、これは、ブースター前レベルから9.5倍の上昇(95% CI:6.7、13.6)であった。BA.4/5二価ワクチンを投与した55歳超の個体について、GMTは、約900(例えば、896)であり、これはブースター前レベルから13.2倍の上昇(95% CI:8.0、21.6)であった。対照的に、30μgのブースター用量の、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAワクチンを受けた55歳以上の参加者では、ブースター後1ヶ月で測定したオミクロンBA.4/BA.5に対して、より低い中和抗体応答が観察された。これらの参加者について、GMTは、約230(例えば、236)であり、ブースター前レベルからの2.9倍の上昇(95% CI:2.1、3.9)を表した。二価ワクチンの臨床治験で観察された安全性プロファイルは良好であり、BNT162b2と一致した。
加えて、以前のSARS-CoV-2感染の証拠を有する、有しない対象の集団を調べるときに、二価ワクチンのブースター用量後のオミクロンBA.4/BA.5に対する中和抗体の増加が両方の集団で観察され、BA.4/5二価ワクチンが、以前の感染状態に関係なく、かかるワクチンを受ける対象における保護を改善することができることを実証する。
実施例21:二価BA.4/5ワクチンによるオミクロンBA.4/5、BA.4.6、BA.2.75.2、BQ.1.1、及びXBB.1の中和の改善
本実施例は、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAと、BA.4/5オミクロンバリアントの特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含む二価RNAワクチン(例えば、本明細書に記載の二価ワクチン)が、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする一価RNAワクチンと比較して改善された免疫応答を提供することができることを実証する更なるデータを提供する。例えば、いくつかの実施形態では、かかる改善された免疫応答は、1つ以上の(2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上を含む)懸念されるSARS-CoV-2バリアントに対する中和力価の増加を含む。いくつかの実施形態では、かかる改善された免疫応答は、1つ以上の(2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上を含む)懸念されるオミクロンバリアントに対する中和力価の増加を含む。いくつかの実施形態では、かかる改善された免疫応答は、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする一価RNAワクチンで観察されたものと比較して、より多くの懸念されるオミクロンバリアントに対する中和力価の増加を含む。
特に、本実施例は、かかる二価ワクチンが、第4の用量ブースターとして投与されるときに、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする一価のRNAワクチンと比較して、BA.5由来の亜系統(例えば、BA.4.6、BQ.1.1、及びXBB.1)ならびにBA.2由来の亜系統(例えば、BA.2.75.2)に対する改善された免疫応答(例えば、いくつかの実施形態では、より高い中和応答)を誘導することができることを実証するデータを提供する。本実施例はまた、SARS-CoV-2感染歴のある対象(例えば、以前または現在のSARS-CoV-2感染を有する対象)が、SARS-CoV-2に感染していない対象と比較して、第4のブースター用量(例えば、一価または二価ワクチン)の投与後に、より高い免疫応答(例えば、より高い中和力価)を発現することができることを実証するデータを提供する。本実施例は、BA.4/5二価ワクチンが、SARS-CoV-2感染歴にかかわらず、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする一価RNAワクチンと比較して、改善された免疫応答(例えば、改善された中和応答)を誘導することができることを実証する。本実施例はまた、武漢一価ワクチンと比較して、BA.4/5二価ワクチンによって提供されるある特定のオミクロン亜系統(例えば、本明細書で試験したオミクロン亜系統)に対する免疫応答の改善が、SARS-CoV-2に以前に感染したことがある対象と比較して、SARS-CoV-2に以前に感染したことがない対象に対してより大きいことを示すデータを提供する。
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)オミクロンバリアントは、2021年11月の出現以来、世界的に多くの亜系統に進化し続けている。現在進行中のオミクロンパンデミックを軽減するために、米国FDAは、2022年9月に二価BA.4/5-ワクチンの緊急使用を承認した。米国FDAにより承認された二価ワクチンは、2つのmRNAを含有する:1つは、元の(武漢)SARS-CoV-2スパイクタンパク質(BNT162b2)をコードするものであり、もう1つは、オミクロンBA.4/5バリアント(いくつかの実施形態では、配列番号69、及びいくつかの実施形態では、配列番号72のアミノ酸配列を含む)の特徴である変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする。米国FDAの承認以降、新たなオミクロンBA.2及びBA.5の子孫亜系統(例えば、BA.4.6、BA.2.75.2、BQ.1.1、及びXBB.1)が出現し、蔓延した(https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#variant-proportions)。初期の疫学的データは、疾患の重症度の増加がないことを示唆しているが、これらの新たな亜系統は、ワクチン及び/または感染により誘発された抗体中和を更に回避する可能性のある追加のスパイク変異を蓄積している(参考文献2~4)。
本実施例は、オミクロン亜系統BA.4/5、BA.4.6、BA.2.75.2、BQ.1.1、及びXBB.1に対する中和力価が、(a)30μgブースター用量のオミクロンBA.4/BA.5適応二価COVID-19ワクチン(いくつかの実施形態では、15μgの配列番号20に対して少なくとも95%(最大100%を含む)同一であるヌクレオチド配列を含むRNAと、15μgの、オミクロンBA.4/BA.5の特徴である1つ以上の変異を含む完全長SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、配列番号72に対して少なくとも95%(最大100%を含む)同一であるヌクレオチド配列を含むRNAとを含む)を第4の用量として投与された対象から収集された血清において測定された、臨床治験からのデータを記載する。本実施例では、(i)15μgの配列番号20の配列を含むRNAと、(ii)15μgの配列番号72の配列を含むRNAとを含む、オミクロンBA.4/BA.5適応二価COVID-19ワクチンを試験対象に投与した。
武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質を送達された3つの用量のワクチンを以前に受けていた55歳超の参加者(本実施例では、3つの30μg用量のBNT162b2を以前に受けていた対象)は、用量3の約6.6ヶ月後に30μgの一価BNT162b2または用量3の約11ヶ月後に30μgの二価ワクチン(15μgのBNT162b2+15μgのBA.4/5)を含む第4のブースター用量を投与された。用量4が投与された日(血清前試料)及び用量4の1ヶ月後(1MPD4血清試料)に血清を収集した。全ての参加者を、ウイルスヌクレオカプシド抗体及びRT-PCR試験による以前及び現在のSARS-CoV-2感染の証拠についてスクリーニングし、中和分析における両方のワクチン群は、感染の証拠の有無にかかわらず、全参加者間に均等に割り当てられた。中和試験のために、オミクロンBA.4/5(BA.4及びBA.5は同一のスパイク配列をコードする)、BA.2.75.2、BQ.1.1、またはXBB.1に由来する完全なスパイク遺伝子を、蛍光レポーターUSA-WA1/2020 SARS-CoV-2(2020年1月に単離された株、参考文献5を参照されたい)の骨格にクローニングした。得られた野生型(WT)、BA.4/5-、BA.2.75.2-、BQ.1.1-、及びXBB.1-スパイクmNG USA-WA1/2020を使用して、収集した各血清試料について、50%蛍光フォーカス減少法による中和力価(FFRNT50)を測定した。
全ての参加者(SARS-CoV-2感染の証拠がある対象及び証拠がない対象を含む)について、第4の用量の一価BNT162b2ワクチンは、武漢、BA.4/5、BA.4.6、BA.2.75.2、BQ.1.1、及びXBB.1に対して、それぞれ3.0倍、2.9倍、2.3倍、2.1倍、1.9倍、及び1.5倍の幾何平均中和力価倍率上昇(GMFR)を誘導することが見出され、二価ワクチンは、5.8倍、13.0倍、11.1倍、6.7倍、8.7倍、及び4.8倍GMFRを誘導することが見出された(図63(A))。SARS-CoV-2感染歴のない個体では、BNT162b2は、それぞれ4.4倍、3.0倍、2.6倍、2.1倍、1.5倍、及び1.3倍のGMFRを誘導し、二価ワクチンは、9.9倍、25.9倍、21.2倍、8.6倍、13.0倍、及び4.6倍のGMFRを誘導した(図63(B))。以前にSARS-CoV-2感染した個体の場合、BNT162b2は、それぞれ2.0倍、2.8倍、2.1倍、2.1倍、2.2倍、及び1.8倍のGMFRを誘導し、二価ワクチンは、3.5倍、6.7倍、6.2倍、5.3倍、6.3倍、及び4.9倍のGMFRを誘導した(図63C)。用量3と用量4との間に異なる間隔があったにもかかわらず、用量4前の中和力価は、全ての参加者の一価及び二価のワクチン群、ならびに感染なし群で類似していた。
本実施例は、少なくとも3つの所見を提供する。第一に、二価BA.4/5ワクチンは、第4用量ブースターとして投与したとき、SARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする一価RNAワクチンよりも、BA.5由来の亜系統(BA.4.6、BQ.1.1、及びXBB.1)及びBA.2由来の亜系統(BA.2.75.2)に対して一貫して高い中和応答を誘発した。第二に、以前または現在のSARS-CoV-2感染の証拠を有する個体は、第4の用量ブースター後に、感染なしの個体よりも高い中和力価を発現した。二価ワクチンによって誘導された改善された中和反応は、SARS-CoV-2感染歴に関係なく観察された。第三に、試験した各オミクロン亜系統について、BNT162b2と二価GMFRとの間の差は、以前の感染を有する血清よりも、以前の感染を有しない血清の方が大きかった。
全てのオミクロン亜系統の中で、BA.2.75.2、BQ.1.1、及びXBB.1は、ワクチンにより誘発された中和の最大回避を示したが、二価ブースター後の中和力価は、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする一価RNA後のものよりも数倍高かった。これらのデータは、二価ワクチンが、流行しているオミクロン亜系統に対してより免疫原性が高いことを示し、現実世界での有効性をモニタリングすることの重要性を強調する。
方法
細胞
American Type Culture Collection(ATCC、Bethesda,MD)から購入したVero E6(ATCC(登録商標)CRL-1586)及びSEKISUI XenoTech,LLCから購入したTMPRSS2を発現するVero E6細胞を、10%ウシ胎仔血清(FBS、HyClone Laboratories、South Logan,UT)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含有する高グルコースダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、5% CO2で37℃で維持した。培養培地及び抗生物質は、Thermo Fisher Scientific(Waltham,MA)から購入した。細胞株を試験したところ、マイコプラズマ陰性であった。
ヒト血清
以前に3回の30μg BNT162b2用量を受けた55歳超の参加者では、一価の元の30μg BNT162b2または30μgの二価BA.4/BA.5ワクチン(15μgの元のBNT162b2と15μgのBA.4/BA.5)の第4の用量ブースターによるブーストの直前及び1ヶ月後に、血清試料を収集した。プロトコル及びインフォームドコンセントは、研究に参加した各治験センターの施設レビュー委員会によって承認された。本研究は、全ての調和国際会議の良好な臨床実践ガイドライン及びヘルシンキ宣言の倫理原則に従って行われた。用量3と用量4との間の時間の中央値は、BNT162b2及び二価BA.4/5ワクチンについてそれぞれ6.3ヶ月及び11.3ヶ月であった。全ての参加者を、既存のSARS-CoV-2についてSARS-CoV-2ヌクレオカプシドIg血清学的試験によって、または既存の感染についてRT-PCRによってスクリーニングした。中和試験のために選択された参加者の血清のサブセット(ワクチン群当たりおよそ40)は、いずれかの試験による感染の証拠の有無にかかわらず全参加者に等しく割り当てられた。中和試験前に、ヒト血清を56℃で30分間熱不活化した。
組換えオミクロン亜系統-FP SARS-CoV-2ウイルス
組換えオミクロン亜系統BA.4/5-、BA.4.6-、BA.2.75.2-、BQ.1.1-、及びXBB.1-スパイク蛍光タンパク質(FP)SARS-CoV-2は、示されたバリアントからの完全なスパイク遺伝子をmNG USA-WA1/2020の感染性cDNAクローンに操作することによって構築され、以前に報告された(参考文献6~10)。エレクトロポレーション後2~3日でウイルスを救出し、P0ストックとした。P0ストックを、Vero E6細胞上で一度更に継代させて、P1ストックを産生した。スパイク遺伝子を、全てのP1ストックウイルスから配列決定して、望ましくない変異がないことを確実にした。P1ウイルスの感染力価を、Vero E6細胞に関する蛍光フォーカスアッセイによって定量化した。P1ウイルスを中和試験に用いた。
蛍光フォーカス減少法による中和試験(FFRNT)
ヒト血清の中和力価を、USA-WA1/2020-、BA.4/5、BA.4.6-、BA.2.75.2-、BQ.1.1-、及びXBB.1-スパイクFP SARS-CoV-2を使用するFFRNTによって測定した。全ての血清を、USA-WA1/2020及びBA.4/5、続いて残りのオミクロン亜系統で順次に試験した。FFRNTプロトコルの詳細は、以前に報告された(参考文献6及び10~13を参照されたい)。簡潔に述べると、ウェル当たり2.5×10個のVero E6細胞を、96ウェルプレート(Greiner Bio-one(商標))に播種した。細胞を一晩インキュベートした。翌日、各血清を1:20の第1の希釈(最終希釈範囲1:20~1:20,480)で培養培地中で2倍段階希釈した。希釈した血清を100~150FFUのFP SARS-CoV-2と37℃で1時間インキュベートした後、血清ウイルス混合物を、96ウェルプレート中の事前に播種したVero E6細胞単層に装填した。感染の1時間後、接種原を除去し、100μlのオーバーレイ培地(0.8%メチルセルロースを補充した)を各ウェルに添加した。プレートを37℃で16時間インキュベートした後、広視野で2.5×FL Zeiss対物レンズを装備したCytation(商標)7(BioTek)を使用して、FP輝点の生画像を取得し、Gene 5ソフトウェア設定(GFP[469,525]閾値4000、オブジェクト選択サイズ50~1000μm)を使用して処理した。各ウェル内の輝点をカウントし、血清処理されていない対照に対して正規化して相対感染性を算出した。FFRNT50値を、蛍光輝点の>50%を抑制した最小血清希釈として定義した。各血清の中和力価を重複アッセイで決定し、幾何平均をとった。複製の試行は全て成功した。データは、GraphPad Prism 9ソフトウェアにおいて最初にプロットされ、Adobe Illustratorにおいて構築された。
実施例21に引用される参考文献(各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)
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12.Zou J,Xia H,Xie X,et al.Neutralization against Omicron SARS-CoV-2 from previous non-Omicron infection.Nat Commun 2022;13(1):852.
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実施例22:ワクチンにより誘発された免疫血清及び回復期免疫血清によるオミクロン亜系統の異なる交差中和。
血清試料は、(i)BNT162b2で3回ワクチン接種されたSARS-CoV-2未感染の個体または(ii)BNT162b2で4回ワクチン接種されたSARS-CoV-2未感染の個体、及び3つの用量のmRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2/mRNA-1273相同または異種レジメン)を受け、その後、(iii)オミクロンBA.1、(iv)オミクロンBA.2、または(v)オミクロンBA.4/BA.5にブレークスルー感染した個体から採取した。ブレークスルー感染は、それぞれの懸念されるバリアントの優勢時に発生し(BA.1:2021年11月~2021年1月、BA.2:2022年3月~5月、BA.4/5:2022年6月中旬~7月中旬)、及び/またはバリアントをゲノム配列決定によって確認した。中和力価を、表面上のBA.4/5、BA.4.6/BF.7、BQ.1.1、BA.2.75、BA.2.75.2、またはXBBオミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質を有する疑似ウイルスを使用して、疑似ウイルス中和アッセイを使用して測定した(例えば、前の実施例に記載の方法を使用して、図65)。50%の疑似ウイルス中和力価(pVNT50)を図64(A)に示す。抗体価の大きさにかかわらず、オミクロン亜系統のpVNT50を野生型株についてのものに対して正規化することによって、中和幅を評価した(図64(B))。
ブレークスルー感染のない3回/4回ワクチン接種された個体において、オミクロンBA.4/5に対するpVN50 GMTは、野生型株に対するGMTよりも5~6倍低かった(69~121の範囲のBA.4/5に対するGMT)(図64(A))。BA.4/5に対するGMTは、BA.1回復期においても同様に低減した(GMT 263、野生型より5倍低い)が、BA.2及びBA.4/BA.5回復期コホートにおいては、BA.4/5に対する力価は、高く維持された(GMTは、それぞれ386及び521、野生型より3倍及び2倍低い)。
3つの回復期コホート全てにおいて、オミクロンBA.4.6/BF.7及びBA.2.75に対する中和力価は、3回/4回ワクチン接種されたSARS-CoV-2未感染の個体の中和力価を堅固に上回っていた(未感染の55~139と比較して、回復期のGMT範囲239~525)。回復期において、オミクロンBA.4.6/BF.7及びBA.2.75 GMTは、オミクロンBA.4/BA.5に対するものとほぼ同等であり、有意差はなかった。対照的に、オミクロンBQ.1.1、BA.2.75.2、及びXBBに対するpVN50力価は、コホート間でBA.4/5に対するものよりも低かった。BQ.1.1に対する力価は、SARS-CoV-2未感染のワクチン接種されたコホート及びBA.1回復期では全体的に低く(GMT≦38)、BA.2及びBA.4/BA.5回復期コホートではより高かった(それぞれ、GMT 100及び154)。BA.2.75.2及びXBBに対する力価は、コホート間で比較的低かった(それぞれ、GMT≦88及び≦33)。
抗体力価の大きさにかかわらず、中和幅を評価するために、オミクロン亜系統pVN50 GMTを野生型株のものに対して正規化した。全てのオミクロン亜バリアント疑似ウイルスのGMT比は、BNT162b2及びBNT162b2コホートにおいて同等であり(図64(B))、第4の用量が、試験した亜系統の交差中和を改善しなかったことを示した。GMT比は、BA.4/5、BA.4.6/BF.7、及びBA.2.75について0.09~0.22の範囲であり、BQ.1.1、BA.2.75.2、及びXBBについては0.05以下であった。
BA.4/BA.5及びBA.4.6/BF.7の交差中和は、3回ワクチン接種された個体と比較して、BA.2回復期からの血清において有意に高く(p<0.05)(BA.4/BA.5についてはGMT比0.37対0.17、及びBA.4.6/BF.7については0.23対0.12)、BA.4/BA.5疑似ウイルス(GMT比0.48、p<0.01、対BNT162b2)及びBA.4.6/BF.7疑似ウイルス(GMT比0.41、p<0.0001)の両方については、BA.4/BA.5疑似ウイルスでは更に有意に高かった。BA.4.6/BF.7の交差中和もまた、4回ワクチン接種された個体と比較して、BA.4/BA.5回復期において有意に強かった(p<0.0001)。BQ.1.1は、全てのコホートにおいてBA.4/5よりも効率的に交差中和されなかったが(GMT比≦0.14)、BA.4/BA.5及びBA.2回復期における交差中和は、SARS-CoV-2未感染の3回または4回ワクチン接種されたコホート及びBA.1ブレークスルー感染したコホートと比較して有意に強いままであった。BA.2.75、BA.2.75.2、及びXBB疑似ウイルスの交差中和は、コホート間で概ね同等であった。これらのデータを合わせると、いくつかのオミクロン亜系統の部分的な中和は、特にBA.4/BA.5回復期の個体において保持され、ワクチン接種され、ブレークスルー感染した個体において観察される中和抗体応答は、亜系統BA.2.75.2及びXBBに対してより効果的ではないように思われたことが示される。これらのデータはまた、いくつかの実施形態では、改善した免疫応答(例えば、中和力価の増加)が、XBBバリアント、BQ.1.1バリアント、またはそれに由来する任意の系統の特徴である1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを含むワクチンによって提供され得ることを示唆する。
実施例23:懸念されるSARS-CoV-2バリアントにわたるT細胞エピトープ及び中和B細胞エピトープの保存性。
S糖タンパク質中のT細胞エピトープにおける非同義的変異の速度を推定するために、免疫エピトープデータベース(https://www.iedb.org/)を使用して、実験アッセイにおいてT細胞反応性について確認されたエピトープを取得した。データベースを以下の条件を使用してフィルタリングした。有機体:SARS-COV2、抗原:スパイク糖タンパク質、陽性アッセイ、B細胞アッセイなし、MHCアッセイなし、MHC制限タイプ:クラスI、宿主:ホモサピエンス(ヒト)。得られた表は、データセットを確認された最小限のエピトープのみに制限するために、「反応性重複ペプチドプールから導出された」エピトープ、ならびに14アミノ酸より長いエピトープを除去することによってフィルタリングした。これらのエピトープの反応性を確認する実験的アッセイは、多量体分析、ELISpotまたはELISpot様アッセイ、T細胞活性化アッセイ等に依存した。エピトープは、HLA-A、HLA-B、及びHLA-C対立遺伝子を含む、少なくとも27個の異なるHLA-I対立遺伝子について報告された。このアプローチで得られた251個の固有のエピトープ配列のうち、244個が武漢株スパイク糖タンパク質中に見出された。これらのうち、36個のエピトープ(14.8%)は、本明細書に記載の配列分析によって変異することが報告された位置を含んでいた。
加えて、変異によって影響を受ける可能性のある抗体中和エピトープの数をカウントすることによって、中和B細胞エピトープの保存性を算出した。使用可能なタンパク質構造を使用して、332個の実験的に分解されたnAbの構造で観察された719個の結合エピトープをSタンパク質に最初にマッピングすることによって算出した(https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.12.24.474095v2に記載されるように)。各構造について、抗体当たりのエピトープを、抗体と接触している位置のセットとして算出し、ここで、2つの残基は、それらの原子間の最小のユークリッド距離が4オングストローム未満である場合に接触しているとみなされた。各nAbを評価し、そのエピトープの任意の位置が変異している場合、バリアントによって回避されるとみなした。
体液性免疫及び細胞媒介性免疫が一緒に重度のCOVID-19疾患への感受性を決定することを考慮して、オミクロン亜系統におけるS糖タンパク質の中和B細胞及びT細胞エピトープ間の保存の程度を評価した。本明細書に提示される所見は、BNT162b2でコードされたS糖タンパク質T細胞エピトープの80%超が、BA.2.75.2、BQ.1.1、及びXBBを含むオミクロン亜系統において完全に保存されたことを示す(図66)。顕著な対照において、B細胞エピトープは、以前のバリアントアルファ、ベータ、及びデルタにおいて部分的に保存された(50%以上)が、これらのエピトープの大部分は、オミクロン系統において改変された(20%以下の保存)、特にBA.2.75.2及びXBBにおいて改変された(10%以下)。これらの所見は、ワクチン接種された集団において、中和抗体を回避する亜系統を含む、オミクロンバリアントに対して堅牢なT細胞媒介性免疫が維持され得ることを示唆する。

Claims (232)

  1. オミクロンバリアントに特徴的な1つ以上の変異を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質、またはその免疫原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むRNAを含む、組成物または医療調製物。
  2. 前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記免疫原性断片が、前記SARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニット、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記S1サブユニットの受容体結合ドメイン(RBD)を含む、請求項1に記載の組成物または医療調製物。
  3. 前記SARS-CoV-2 Sタンパク質またはその免疫原性断片が、BA.4/5、BA.1、BA.2、XBB、XBB.1、もしくはBQ.1.1オミクロンバリアントまたはその亜系統に特徴的な1つ以上の変異を含む、請求項1または2に記載の組成物または医療調製物。
  4. RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、免疫原性組成物であって、前記RNAが、配列番号69のポリペプチドをコードし、配列番号70のヌクレオチド配列、または配列番号70と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  5. 前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項4に記載の免疫原性組成物。
  6. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項4または5に記載の免疫原性組成物。
  7. 前記RNAが、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、請求項4~6のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  8. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項7に記載の免疫原性組成物。
  9. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項7に記載の免疫原性組成物。
  10. 前記RNAが、配列番号72を含む、請求項4~9のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  11. RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、免疫原性組成物であって、前記RNAが、配列番号49のポリペプチドをコードし、配列番号50のヌクレオチド配列、または配列番号50と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  12. 前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項11に記載の免疫原性組成物。
  13. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項11または12に記載の免疫原性組成物。
  14. 前記RNAが、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、請求項11~13のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  15. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項14に記載の免疫原性組成物。
  16. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項15に記載の免疫原性組成物。
  17. 前記RNAが、配列番号51を含む、請求項11~16のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  18. RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、免疫原性組成物であって、前記RNAが、配列番号55のポリペプチドをコードし、配列番号56のヌクレオチド配列、または配列番号56と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  19. 前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項18に記載の免疫原性組成物。
  20. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項18または19に記載の免疫原性組成物。
  21. 前記RNAが、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、及び
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、請求項18~20のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  22. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項21に記載の免疫原性組成物。
  23. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項22に記載の免疫原性組成物。
  24. 前記RNAが、配列番号57を含む、請求項18~23のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  25. RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、免疫原性組成物であって、前記RNAが、配列番号58のポリペプチドをコードし、配列番号59のヌクレオチド配列、または配列番号59と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  26. 前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項25に記載の免疫原性組成物。
  27. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項25または26に記載の免疫原性組成物。
  28. 前記RNAが、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、請求項25~27のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  29. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項28に記載の免疫原性組成物。
  30. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項29に記載の免疫原性組成物。
  31. 前記RNAが、配列番号60を含む、請求項25~30のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  32. RNAを含む脂質ナノ粒子(LNP)を含む、免疫原性組成物であって、前記RNAが、配列番号61のポリペプチドをコードし、配列番号62aのヌクレオチド配列、または配列番号62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、前記RNAが、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール、及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  33. 前記ヌクレオチド配列が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項32に記載の免疫原性組成物。
  34. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項32または33に記載の免疫原性組成物。
  35. 前記RNAが、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、請求項32~34のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  36. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項35に記載の免疫原性組成物。
  37. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項36に記載の免疫原性組成物。
  38. 前記RNAが、配列番号63aを含む、請求項32~37のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  39. 第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
    前記第1のRNAが、配列番号7のポリペプチドをコードし、配列番号9のヌクレオチド配列、または配列番号9と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第2のRNAが、配列番号69のポリペプチドをコードし、配列番号70のヌクレオチド配列、または配列番号70と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  40. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項39に記載の免疫原性組成物。
  41. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項39に記載の免疫原性組成物。
  42. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項39~41のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  43. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項39~42のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  44. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々独立して、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを含む、請求項39~43のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  45. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項44に記載の免疫原性組成物。
  46. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項44に記載の免疫原性組成物。
  47. 第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
    前記第1のRNAが、配列番号7のポリペプチドをコードし、配列番号9のヌクレオチド配列、または配列番号9と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第2のRNAが、配列番号49のポリペプチドをコードし、配列番号50のヌクレオチド配列、または配列番号50と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  48. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項47に記載の免疫原性組成物。
  49. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項47に記載の免疫原性組成物。
  50. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項47~49のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  51. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項47~50のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  52. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々独立して、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを含む、請求項47~51のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  53. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項52に記載の免疫原性組成物。
  54. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項52に記載の免疫原性組成物。
  55. 前記第1のRNAが、配列番号20を含み、前記第2のRNAが、配列番号51を含む、請求項47~54のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  56. 第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
    前記第1のRNAが、配列番号7のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、配列番号9のヌクレオチド配列、または配列番号9と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第2のRNAが、配列番号55、58、または61のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、配列番号56、59、もしくは62aのヌクレオチド配列、または配列番号56、59、もしくは62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  57. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項56に記載の免疫原性組成物。
  58. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項56に記載の免疫原性組成物。
  59. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項56~58のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  60. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項56~59のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  61. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々独立して、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、請求項56~60のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  62. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項61に記載の免疫原性組成物。
  63. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項62に記載の免疫原性組成物。
  64. 前記第1のRNAが、配列番号9を含み、前記第2のRNAが、配列番号56を含む、請求項56~63のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  65. 前記第1のRNAが、配列番号9を含み、前記第2のRNAが、配列番号59を含む、請求項56~63のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  66. 前記第1のRNAが、配列番号9を含み、前記第2のRNAが、配列番号62aを含む、請求項56~63のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  67. 前記第1のRNAが、配列番号20を含み、前記第2のRNAが、配列番号57を含む、請求項56~63のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  68. 前記第1のRNAが、配列番号20を含み、前記第2のRNAが、配列番号60を含む、請求項56~63のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  69. 前記第1のRNAが、配列番号20を含み、前記第2のRNAが、配列番号63aを含む、請求項56~63のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  70. 第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
    前記第1のRNAが、配列番号58のポリペプチドをコードし、配列番号59のヌクレオチド配列、または配列番号59と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第2のRNAが、配列番号49、55、または61のポリペプチドをコードし、配列番号50、56、もしくは62aのヌクレオチド配列、または配列番号50、56、もしくは62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  71. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項70に記載の免疫原性組成物。
  72. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項70に記載の免疫原性組成物。
  73. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項70~72のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  74. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項70~73のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  75. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々独立して、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、請求項70~74のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  76. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項75に記載の免疫原性組成物。
  77. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項76に記載の免疫原性組成物。
  78. 前記第1のRNAが、配列番号59を含み、前記第2のRNAが、配列番号50を含む、請求項70~77のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  79. 前記第1のRNAが、配列番号59を含み、前記第2のRNAが、配列番号56を含む、請求項70~77のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  80. 前記第1のRNAが、配列番号59を含み、前記第2のRNAが、配列番号62aを含む、請求項70~77のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  81. 前記第1のRNAが、配列番号60を含み、前記第2のRNAが、配列番号51を含む、請求項70~77のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  82. 前記第1のRNAが、配列番号60を含み、前記第2のRNAが、配列番号57を含む、請求項70~77のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  83. 前記第1のRNAが、配列番号60を含み、前記第2のRNAが、配列番号63aを含む、請求項70~77のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  84. 第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
    前記第1のRNAが、配列番号49のポリペプチドをコードし、配列番号50のヌクレオチド配列、または配列番号50と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第2のRNAが、配列番号55または61のポリペプチドをコードし、配列番号56もしくは62aのヌクレオチド配列、または配列番号56もしくは62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  85. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項84に記載の免疫原性組成物。
  86. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項84に記載の免疫原性組成物。
  87. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項84~86のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  88. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項84~87のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  89. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、更に、各々独立して、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、請求項84~88のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  90. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項89に記載の免疫原性組成物。
  91. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項90に記載の免疫原性組成物。
  92. 前記第1のRNAが、配列番号50を含み、前記第2のRNAが、配列番号56を含む、請求項84~91のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  93. 前記第1のRNAが、配列番号50を含み、前記第2のRNAが、配列番号62aを含む、請求項84~91のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  94. 前記第1のRNAが、配列番号51を含み、前記第2のRNAが、配列番号57を含む、請求項84~91のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  95. 前記第1のRNAが、配列番号51を含み、前記第2のRNAが、配列番号63aを含む、請求項84~91のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  96. 第1のRNA及び第2のRNAを含む、免疫原性組成物であって、
    前記第1のRNAが、配列番号55のポリペプチドをコードし、配列番号56のヌクレオチド配列、または配列番号56と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第2のRNAが、配列番号61のポリペプチドをコードし、配列番号62aのヌクレオチド配列、または配列番号62aと少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または99%以上)同一であるヌクレオチド配列を含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAの各々が、
    (a)修飾ウリジン、及び
    (b)5’キャップを含み、
    前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、脂質ナノ粒子(LNP)中に製剤化され、前記LNPが、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、前記免疫原性組成物。
  97. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個の脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項96に記載の免疫原性組成物。
  98. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じ脂質ナノ粒子中に製剤化される、請求項96に記載の免疫原性組成物。
  99. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々、全てのウリジンの代わりに修飾ウリジンを含む、請求項96~98のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  100. 前記修飾ウリジンが、各々、N1-メチル-プソイドウリジンである、請求項96~99のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  101. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、各々独立して、以下の特徴:
    配列番号12を含む5’非翻訳領域(UTR)、
    配列番号13を含む3’非翻訳領域(UTR)、及び
    少なくとも100個のAヌクレオチドのポリA配列、のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、または全てを更に含む、請求項96~100のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  102. 前記ポリA配列が、30個のアデニンヌクレオチド、続いて70個のアデニンヌクレオチドを含み、前記30個のアデニンヌクレオチド及び前記70個のアデニンヌクレオチドが、リンカー配列によって分離される、請求項101に記載の免疫原性組成物。
  103. 前記ポリA配列が、配列番号14を含む、請求項102に記載の免疫原性組成物。
  104. 前記第1のRNAが、配列番号57を含み、前記第2のRNAが、配列番号63aを含む、請求項96~103のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  105. 前記5’-キャップが、m 7,3’-OGppp(m 2’-O)ApGであるか、またはそれを含む、請求項4~104のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  106. 前記LNPが、約40~約50モルパーセントのカチオン性にイオン化可能な脂質、約35~約45モルパーセントのステロール、約5~約15モルパーセントの中性脂質、及び約1~約10モルパーセントのポリマー-脂質コンジュゲートを含む、請求項4~105のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  107. 前記組成物が、複数のLNPを含み、前記複数のLNPの平均直径が、約30nm~約200nmまたは約60nm~約120nmである(例えば、動的光散乱測定によって決定される)、請求項4~106のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
  108. 請求項4~107のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を投与することを含む、SARS-CoV-2に対する免疫応答を誘発する、方法。
  109. 前記免疫応答が、SARS-CoV-2のオミクロンバリアントに対して誘発される、請求項108に記載の方法。
  110. 前記免疫応答が、SARS-CoV-2のベータバリアントに対して誘発される、請求項108に記載の方法。
  111. 前記免疫応答が、SARS-CoV-2のアルファバリアントに対して誘発される、請求項108に記載の方法。
  112. 前記免疫応答が、SARS-CoV-2のデルタバリアントに対して誘発される、請求項108に記載の方法。
  113. 前記免疫応答が、SARS-CoV-2の武漢株、オミクロンバリアント、ベータバリアント、アルファバリアント、及びデルタバリアントに対して誘発される、請求項108に記載の方法。
  114. 対象における免疫応答を誘導するための方法であって、SARS-CoV-2のBA.1オミクロンバリアントではないSARS-CoV-2ウイルスの抗原を(例えば、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして)送達することを含む、前記方法。
  115. 前記対象が、以前にSARS-CoV-2に感染したか、またはSARS-CoV-2に対してワクチン接種されたことがある、請求項114に記載の方法。
  116. 前記対象が、SARS-CoV-2の武漢株の抗原を(例えば、ポリペプチドまたはかかるポリペプチドをコードするRNAとして)以前に送達されたことがある、請求項114または115に記載の方法。
  117. 前記対象が、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを以前に投与されたことがある、請求項114~116のいずれか1項に記載の方法。
  118. 前記対象が、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAの2回以上の用量を以前に投与されたことがある、請求項114~117のいずれか1項に記載の方法。
  119. BA.1オミクロンバリアントではないSARS-CoV-2ウイルスの抗原をコードするRNAを投与することを含む、請求項114~118のいずれか1項に記載の方法。
  120. BA.1オミクロンバリアントであるSARS-CoV-2バリアントからSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードするRNAを投与することを含む、請求項114~119のいずれか1項に記載の方法。
  121. SARS-CoV-2のオミクロンバリアントのSタンパク質をコードするRNAを投与することを含み、前記オミクロンバリアントが、BA.1オミクロンバリアントではない、請求項114~120のいずれか1項に記載の方法。
  122. SARS-CoV-2のBA.2オミクロンバリアントのSタンパク質をコードするRNAを投与することを含む、請求項114~121のいずれか1項に記載の方法。
  123. SARS-CoV-2のBA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSタンパク質をコードするRNAを投与することを含む、請求項114~121のいずれか1項に記載の方法。
  124. 対象における免疫応答を誘導するための方法であって、(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、またはデルタバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNAと、(b)BA.1オミクロンバリアントではないオミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA、とを投与することを含む、前記方法。
  125. 前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSタンパク質をコードする、請求項124に記載の方法。
  126. 前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSタンパク質をコードする、請求項124に記載の方法。
  127. 対象における免疫応答を誘導するための方法であって、(a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、またはBA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNAと、(b)前記第1のRNAによってコードされたSタンパク質と抗原的に異なるSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNA、とを投与することを含む、前記方法。
  128. 前記第2のRNAが、BA.1オミクロンバリアントではないオミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、請求項127に記載の方法。
  129. 前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、請求項127に記載の方法。
  130. 前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、請求項127に記載の方法。
  131. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個のLNPに封入される、請求項114~130のいずれか1項に記載の方法。
  132. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じLNPに封入される、請求項114~130のいずれか1項に記載の方法。
  133. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、例えば、異なる注射部位で別々に投与される、請求項114~131のいずれか1項に記載の方法。
  134. (a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、またはBA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNAと、(b)前記第1のRNAによってコードされた前記Sタンパク質と抗原的に異なるSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNAと、を含む、組成物。
  135. (a)武漢株、アルファバリアント、ベータバリアント、デルタバリアント、またはBA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第1のRNAと、(b)BA.1オミクロンバリアントではないオミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする第2のRNAと、を含む、組成物。
  136. 前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、請求項135に記載の組成物。
  137. 前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、請求項135に記載の組成物。
  138. 前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードし、前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、請求項135に記載の組成物。
  139. 前記第1のRNAが、武漢株のSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードし、前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、請求項135に記載の組成物。
  140. 前記第1のRNAが、BA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードし、前記第2のRNAが、BA.2オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、請求項135に記載の組成物。
  141. 前記第1のRNAが、BA.1オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードし、前記第2のRNAが、BA.4またはBA.5オミクロンバリアントのSARS-CoV-2 Sタンパク質をコードする、請求項135に記載の組成物。
  142. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、同じLNPに封入される、請求項134~141のいずれか1項に記載の組成物。
  143. 前記第1のRNA及び前記第2のRNAが、別個のLNPに封入される、請求項134~141のいずれか1項に記載の組成物。
  144. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAを含む、組成物または医療調製物。
  145. 前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の免疫原性断片が、前記SARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニット、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記S1サブユニットの受容体結合ドメイン(RBD)を含む、請求項144に記載の組成物または医療調製物。
  146. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含む前記アミノ酸配列が、野生型コード配列と比較してコドン最適化される、及び/またはG/C含有量が増加するコード配列によってコードされ、前記コドン最適化及び/または前記G/C含有量の前記増加が、好ましくは、前記コードされたアミノ酸配列の前記配列を変化させない、請求項144または145に記載の組成物または医療調製物。
  147. (i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、請求項144~146のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  148. (i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド111~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド111~986の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド111~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、請求項144~146のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  149. (i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、請求項144~146のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  150. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含む前記アミノ酸配列が、分泌シグナルペプチドを含む、請求項144~149のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  151. 前記分泌シグナルペプチドが、好ましくはN末端に、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片に融合される、請求項150に記載の組成物または医療調製物。
  152. (i)前記分泌シグナルペプチドをコードする前記RNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)前記分泌シグナルペプチドが、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~16の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~16の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~16の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の機能的断片を含む、請求項150または151に記載の組成物または医療調製物。
  153. (i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号6のヌクレオチド配列、配列番号6の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号6の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号6の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号5のアミノ酸配列、配列番号5の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号5の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号5の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、請求項144~152のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  154. (i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド54~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド54~986の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド54~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、請求項144~153のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  155. 前記RNAが、ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含み、特に、前記修飾ヌクレオシドが、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択され、特に、前記修飾ヌクレオシドが、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)である、請求項144~154のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  156. 前記RNAが、5’キャップを含む、請求項144~155のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  157. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、配列番号12のヌクレオチド配列、または配列番号12の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む5’UTRを含む、請求項144~156のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  158. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、配列番号13のヌクレオチド配列、または配列番号13の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む3’UTRを含む、請求項144~157のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  159. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、ポリA配列を含む、請求項144~158のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  160. 前記ポリA配列が、少なくとも100個のヌクレオチドを含む、請求項159に記載の組成物または医療調製物。
  161. 前記ポリA配列が、配列番号14のヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる、請求項159または160に記載の組成物または医療調製物。
  162. 前記RNAが、液体、固体、またはそれらの組み合わせとして製剤化されるか、または製剤化されることになっている、請求項144~161のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  163. 前記RNAが、注射のために製剤化されるか、または製剤化されることになっている、請求項144~162のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  164. 前記RNAが、筋肉内投与のために製剤化されるか、または製剤化されることになっている、請求項144~163のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  165. 前記RNAが、粒子として製剤化されるか、または製剤化されることになっている、請求項144~164のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  166. 前記粒子が、脂質ナノ粒子(LNP)またはリポプレックス(LPX)粒子である、請求項165に記載の組成物または医療調製物。
  167. 前記LNP粒子が、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、請求項166に記載の組成物または医療調製物。
  168. 前記RNAリポプレックス粒子が、前記RNAをリポソームと混合することによって得ることができる、請求項167に記載の組成物または医療調製物。
  169. 前記RNAが、mRNAまたはsaRNAである、請求項144~168のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  170. 薬学的組成物である、請求項144~169のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  171. ワクチンである、請求項144~170のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  172. 前記薬学的組成物が、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/または賦形剤を更に含む、請求項170または171に記載の組成物または医療調製物。
  173. キットである、請求項144~172のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  174. 前記RNA及び任意に粒子形成成分が、別個のバイアル内にある、請求項173に記載の組成物または医療調製物。
  175. 対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導するための前記組成物または医療調製物の使用のための説明書を更に含む、請求項173または174に記載の組成物または医療調製物。
  176. 薬学的使用のための、請求項144~175のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  177. 前記薬学的使用が、対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導することを含む、請求項176に記載の組成物または医療調製物。
  178. 前記薬学的使用が、コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置を含む、請求項176または177に記載の組成物または医療調製物。
  179. ヒトへの投与のためのものである、請求項144~178のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  180. 前記コロナウイルスが、ベータコロナウイルスである、請求項175~179のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  181. 前記コロナウイルスが、サルベコウイルス(sarbecovirus)である、請求項175~180のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  182. 前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項175~181のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  183. 対象においてコロナウイルスに対する免疫応答を誘導する方法であって、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質または前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードするRNAを含む組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  184. 前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の免疫原性断片が、前記SARS-CoV-2 Sタンパク質のS1サブユニット、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質の前記S1サブユニットの受容体結合ドメイン(RBD)を含む、請求項183に記載の方法。
  185. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含む前記アミノ酸配列が、野生型コード配列と比較してコドン最適化される、及び/またはG/C含有量が増加するコード配列によってコードされ、前記コドン最適化及び/または前記G/C含有量の前記増加が、好ましくは、前記コードされたアミノ酸配列の配列を変化させない、請求項183または184に記載の方法。
  186. (i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド979~1584の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1のアミノ酸327~528のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸327~528の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、請求項183~185のいずれか1項に記載の方法。
  187. (i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号30のヌクレオチド111~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド111~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド111~986の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド111~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸20~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸20~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、請求項183~186のいずれか1項に記載の方法。
  188. (i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド49~3819の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273のアミノ酸配列、配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1もしくは7のアミノ酸17~1273の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、請求項183~187のいずれか1項に記載の方法。
  189. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含む前記アミノ酸配列が、分泌シグナルペプチドを含む、請求項183~188のいずれか1項に記載の方法。
  190. 前記分泌シグナルペプチドが、好ましくはN末端に、SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片に融合される、請求項189に記載の方法。
  191. (i)前記分泌シグナルペプチドをコードする前記RNAが、配列番号2、8、もしくは9 175のヌクレオチド1~48のヌクレオチド配列、配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号2、8、もしくは9のヌクレオチド1~48の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)前記分泌シグナルペプチドが、配列番号1のアミノ酸1~16のアミノ酸配列、配列番号1のアミノ酸1~16の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号1のアミノ酸1~16の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号1のアミノ酸1~16の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の機能的断片を含む、請求項189または190に記載の方法。
  192. (i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号6のヌクレオチド配列、配列番号6の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号6の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号6の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号5のアミノ酸配列、配列番号5の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号5の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号5の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、請求項183~191のいずれか1項に記載の方法。
  193. (i)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片をコードする前記RNAが、配列番号30のヌクレオチド54~986のヌクレオチド配列、配列番号30のヌクレオチド54~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列、または配列番号30のヌクレオチド54~986の前記ヌクレオチド配列、もしくは配列番号30のヌクレオチド54~986の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記ヌクレオチド配列の断片を含む、及び/または
    (ii)SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片が、配列番号29のアミノ酸1~311のアミノ酸配列、配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列、もしくは配列番号29のアミノ酸1~311の前記アミノ酸配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有する前記アミノ酸配列の免疫原性断片を含む、請求項183~192のいずれか1項に記載の方法。
  194. 前記RNAが、ウリジンの代わりに修飾ヌクレオシドを含み、特に、前記修飾ヌクレオシドが、プソイドウリジン(ψ)、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、及び5-メチル-ウリジン(m5U)から選択され、特に、前記修飾ヌクレオシドが、N1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)である、請求項183~192のいずれか1項に記載の方法。
  195. 前記RNAが、キャップを含む、請求項183~194のいずれか1項に記載の方法。
  196. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、配列番号12のヌクレオチド配列、または配列番号12の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む5’UTRを含む、請求項183~195のいずれか1項に記載の方法。
  197. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、配列番号13のヌクレオチド配列、または配列番号13の前記ヌクレオチド配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、もしくは80%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む3’UTRを含む、請求項183~196のいずれか1項に記載の方法。
  198. SARS-CoV-2 Sタンパク質、その免疫原性バリアント、または前記SARS-CoV-2 Sタンパク質もしくは前記その免疫原性バリアントの免疫原性断片を含むアミノ酸配列をコードする前記RNAが、ポリA配列を含む、請求項183~197のいずれか1項に記載の方法。
  199. 前記ポリA配列が、少なくとも100個のヌクレオチドを含む、請求項198に記載の方法。
  200. 前記ポリA配列が、配列番号14のヌクレオチド配列を含むか、またはそれからなる、請求項198または199に記載の方法。
  201. 前記RNAが、液体、固体、またはそれらの組み合わせとして製剤化される、請求項183~200のいずれか1項に記載の方法。
  202. 前記RNAが、注射によって投与される、請求項183~201のいずれか1項に記載の方法。
  203. 前記RNAが、筋肉内投与によって投与される、請求項183~202のいずれか1項に記載の方法。
  204. 前記RNAが、粒子として製剤化される、請求項183~203のいずれか1項に記載の方法。
  205. 前記粒子が、脂質ナノ粒子(LNP)またはリポプレックス(LPX)粒子である、請求項204に記載の方法。
  206. 前記LNP粒子が、カチオン性にイオン化可能な脂質、中性脂質、ステロール及びポリマー-脂質コンジュゲートを含む、請求項205に記載の方法。
  207. 前記RNAリポプレックス粒子が、前記RNAをリポソームと混合することによって得ることができる、請求項205に記載の方法。
  208. 前記RNAが、mRNAまたはsaRNAである、請求項183~207のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  209. コロナウイルスに対するワクチン接種のための方法である、請求項183~208のいずれか1項に記載の方法。
  210. コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置のための方法である、請求項183~209のいずれか1項に記載の方法。
  211. 前記対象が、ヒトである、請求項183~210のいずれか1項に記載の方法。
  212. 前記コロナウイルスが、ベータコロナウイルスである、請求項183~211のいずれか1項に記載の方法。
  213. 前記コロナウイルスが、サルベコウイルスである、請求項183~212のいずれか1項に記載の方法。
  214. 前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項183~213のいずれか1項に記載の方法。
  215. 前記組成物が、請求項1~107または134~182のいずれか1項に記載の組成物である、請求項108~133または183~214のいずれか1項に記載の方法。
  216. 請求項108~133または183~215のいずれか1項に記載の方法で使用するための、請求項1~107または134~182のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  217. 薬学的組成物である、請求項1~107または134~182のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  218. ワクチンである、請求項1~107または134~182のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  219. 前記薬学的組成物またはワクチンが、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/または賦形剤を更に含む、請求項217または218に記載の組成物または医療調製物。
  220. キットである、請求項1~107または134~182のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  221. 前記RNA及び任意に粒子形成成分が、別個のバイアル内にある、請求項220に記載の組成物または医療調製物。
  222. 対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導するための前記組成物または医療調製物の使用のための説明書を更に含む、請求項220または221に記載の組成物または医療調製物。
  223. 薬学的使用のための、請求項1~107または134~182のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  224. 前記薬学的使用が、対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導することを含む、請求項223に記載の組成物または医療調製物。
  225. 前記薬学的使用が、コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置を含む、請求項223または224に記載の組成物または医療調製物。
  226. 医薬品の製造で使用するための、請求項1~107または134~182のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  227. 前記医薬品が、対象におけるコロナウイルスに対する免疫応答を誘導するのに使用するためのものである、請求項226に記載の組成物または医療調製物。
  228. 前記医薬品が、コロナウイルス感染症の治療的または予防的処置で使用するためのものである、請求項226または227に記載の組成物または医療調製物。
  229. ヒトへの投与のためのものである、請求項1~107または134~182のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  230. 前記コロナウイルスが、ベータコロナウイルスである、請求項222~229のいずれか1項に記載の組成物または医療調製物。
  231. 前記コロナウイルスが、サルベコウイルスである、請求項230に記載の組成物または医療調製物。
  232. 前記コロナウイルスが、SARS-CoV-2である、請求項231に記載の組成物または医療調製物。
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