JP2023081406A - モータ駆動制御装置、モータユニット、および、モータ駆動制御方法 - Google Patents

モータ駆動制御装置、モータユニット、および、モータ駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電源容量の制約を満たしつつ、駆動電流を制限し過ぎることなく、所望の風量-静圧特性を満足させる。【解決手段】モータ100の目標回転数を指示する速度指令信号に基づいてモータの実回転数を制御するための駆動制御信号Sdを生成する制御回路部4と、駆動制御信号Sdに基づいてモータ100を駆動するモータ駆動部90とを備え、制御回路部4は、モータ100の実回転数が目標回転数と一致するように駆動制御信号Sdを生成する速度フィードバック制御モードとモータ100の駆動電流が目標電流と一致するように駆動制御信号Sdを生成する電流フィードバック制御モードのいずれかを選択可能とする電力制御部60を有し、電力制御部60は、外部から供給される電源電圧Vddに応じた電流閾値を目標電流として設定し、駆動電流が電流閾値以上であることを検出すると、速度フィードバック制御モードから電流フィードバック制御モードに切り替える。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動制御装置、モータユニット、および、モータ駆動制御方法に関する。
従来、家電機器やOA機器等において、その内部に設けられた部品等を冷却するための装置として、ファン(ファンモータ)が広く知られている。一般に、ファンの性能は、風量-静圧特性(以下、「P-Q特性」とも称する。)によって表される。
P-Q特性は、ファンの吸込口と吐出口との間の圧力による損失(静圧)と風量との関係を表したものである。P-Q特性において、静圧が最大(通風抵抗が最大)の場合にファンの風量がゼロになり、静圧がゼロ(通風抵抗がゼロ)の場合にファンの風量は最大となる。なお、静圧がゼロ、すなわちファンの風量が最大の状態を、「フリーエア状態」とも称する。
昨今、ファンモータにおいては、例えば、サーバシステムにおいて10台のモータを駆動する上位装置の電流制限値が30(A)であった場合、それぞれのモータの電流制限値を3(A)に設定しなければならないといった電源容量の制約が生じる。
このような状況下において、ファンモータではP-Q特性におけるオペレーションポイント(客先が要求する風量と静圧で規定される動作領域)以外の風量範囲でも客先要求や仕様等によって電流制限を求められる事がある。
ファンモータにおいて、モータの実回転数を一定に維持する従来の速度フィードバック制御を行う場合、P-Q特性における静圧が高いポイントではオペレーションポイント(動作点)やフリーエア領域(ファンの風量が最大となる領域)に比べてモータの駆動電流を増大させる必要が生じる。モータの駆動電流を制限なく増大させると、モータやモータの駆動回路等を損傷させるおそれがあるため、何らかの対策が必要になる。
従来、例えば、特許文献1には、過電流保護のアルゴリズムを用いた過電流検出回路によって過電流を検出することにより電流制限を行うモータ制御装置が提案されている。
特開2016-158443号公報
しかしながら、特許文献1のモータ制御装置においては、一般的な過電流保護のアルゴリズムとして電流のピーク値を過電流であるか否かの判定に用いているため、進角の度合や個体差によりピーク値のばらつきが大きく、過電流であるか否かを判定する際の電流制限値(電流閾値)を予めユーザの要求よりも小さくする必要がある。
このような場合、モータの駆動電流が制限され過ぎてしまうことがあるので、オペレーションポイント(動作点)においても駆動電流が制限されてしまい、所望のP-Q特性を満たせなくなるおそれがあった。
本発明は、上述した課題を解消するためのものであり、電源容量の制約を満たしつつ、モータの駆動電流を制限し過ぎることなく、所望の風量-静圧特性を満足させ得るモータ駆動制御装置、モータユニットおよびモータ駆動制御方法を提供することを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置は、モータの目標回転数を指示する速度指令信号に基づいて、前記モータの実回転数を制御するための駆動制御信号を生成する制御回路部と、前記駆動制御信号に基づいて前記モータを駆動するモータ駆動部と、を備え、前記制御回路部は、前記モータの実回転数が前記目標回転数と一致するように前記駆動制御信号を生成する速度フィードバック制御モードと、前記モータの駆動電流が目標電流と一致するように前記駆動制御信号を生成する電流フィードバック制御モードのいずれかを選択可能とする電力制御部を有し、前記電力制御部は、外部から供給される電源電圧に応じた電流閾値を前記目標電流として設定し、前記駆動電流が前記電流閾値以上になったことを検出すると、前記速度フィードバック制御モードから前記電流フィードバック制御モードに切り替える。
本発明の一態様によれば、電源容量の制約を満たしつつ、モータの駆動電流を制限し過ぎることなく、所望の風量-静圧特性を満足させ得るモータ駆動制御装置、モータユニットおよびモータ駆動制御方法を実現することができる。
本実施の形態に係るファンシステムの構成の一例を示す図である。 本実施の形態に係るファンシステムのモータ駆動制御装置における電力制御部の動作に基づくモータ駆動制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。 従来の過電流保護を用いた速度フィードバック制御による駆動電流の変化(A)、および、本実施の形態に係る電力制御による駆動電流の変化(B)の一例を示す図である。 従来の過電流保護による駆動電流値の制限に関する一例を示す図である。 本実施の形態に係る電流フィードバック制御モードにおける駆動電流値の制限に関する一例を示す図である。 従来の速度フィードバック制御および本実施の形態に係る電力制御のそれぞれにおいての風量に対するモータの実回転数の変化の比較例を示す図である。
<本発明の実施の形態>
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係るファンシステム1の構成の一例を示す図である。図1に示されるファンシステム1は、上位装置2、および、モータユニット10を備えている。モータユニット10のモータ駆動制御装置3は、駆動対象としてのモータ100の駆動を制御するための装置である。
モータ100は、例えば、3相のブラシレスモータである。なお、モータ100の種類は特に限定されず、相数も3相に限定されない。モータ100の出力軸には、例えば、図示しないインペラ(羽根車)が接続されている。インペラ(図示せず)は、風を発生させる部品であり、モータ100の回転力によって回転可能に構成されている。例えば、インペラの回転軸がモータ100の出力軸に対して同軸に連結されている。
本発明の実施の形態では、例えば、インペラとモータ100とが一つのファン(ファンモータ)を構成している。また、モータ100とモータ駆動制御装置3とは一つのモータユニット10を構成している。
この場合、モータユニット10は、例えば、サーバ内の閉ざされた空間に配置されて、当該サーバを構成する各種の電子部品等をモータ100に接続されたインペラ(図示せず)によって冷却する冷却システムを構成しているものとする。モータユニット10(モータ駆動制御装置3およびモータ100)は、上位装置2からの各種指令に基づいて動作する。
モータ駆動制御装置3は、モータ100を構成する3相のコイルに周期的に駆動電流を流すことによりモータ100を回転させる。モータ駆動制御装置3は、制御回路部4と、電流検出器70と、モータ駆動部90とを有している。なお、図1に示されているモータ駆動制御装置3の構成要素は全体の一部である。モータ駆動制御装置3は、図1に示されたものに加えて、他の構成要素を有していてもよい。
モータ駆動部90は、モータ駆動制御装置3の制御回路部4から出力された駆動制御信号Sdに基づいて生成した駆動信号をモータ100に出力し、当該モータ100を駆動させる。モータ駆動部90は、モータ100における3相のコイルに対して選択的に通電する。
具体的には、モータ駆動部90は、インバータ回路91及びプリドライブ回路(図示せず)を有する。プリドライブ回路は、制御回路部4から出力された駆動制御信号Sdに基づいて、インバータ回路91を駆動するための出力信号を生成し、その出力信号をインバータ回路91に出力する。インバータ回路91は、プリドライブ回路からの出力信号に基づいて駆動信号を生成して出力し、モータ100が備える3相のコイルを通電させる。
電流検出器70は、モータ100に流れる駆動電流、すなわちモータ100の各コイルに流れる駆動電流を検出するための機能部である。電流検出器70は、モータ100の駆動電流に応じた電圧Vmを制御回路部4へ出力する。
電流検出器70は、モータ駆動部90を介してモータ100の各コイルとグラウンド電位との間に直列に接続された抵抗(図示せず)を含み、その抵抗の両端に発生した電圧Vmを、モータ100の各コイルに流れる駆動電流(検出電流)として出力する。
上位装置2は、モータ駆動制御装置3を制御する制御装置である。例えば、モータユニット10(モータ駆動制御装置3およびモータ100)がサーバ用の冷却システムを構成している場合、上位装置2は、サーバとしての主たる機能を実現するためのプログラム処理装置である。
例えば、上位装置2は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等の各種記憶装置と、カウンタ(タイマ)、A/D(Analog-Digital)変換回路、D/A(Digital-Analog)変換回路、クロック発生回路、および入出力I/F(Interface)回路等の周辺回路とを、バスや専用線を介して互いに接続した構成を有するプログラム処理装置(例えばマイクロコントローラ)が、モータユニット10とともに一つの筐体内に収容されることによって実現されている。
上位装置2は、例えば、環境変化(処理負荷の変化やサーバ内部の温度の変化など)に応じてインペラ(図示せず)の風量が適切になるように、モータ100の回転を制御する。
図1に示すように、上位装置2は、モータ100の目標となる回転数(以下、これを「目標回転数」と言う。)Rtgを指示する速度指令信号Scをモータユニット10のモータ駆動制御装置3へ送信する速度指令部21と、制御回路部4を駆動するための電源電圧Vddを供給する電源部22とを有している。
速度指令部21は、例えば、上位装置2を構成するプログラム処理装置において、プロセッサが、メモリに記憶されたプログラムに従って各種演算処理を実行するとともに、カウンタやA/D変換回路等の周辺回路を制御することによって実現される。
速度指令部21は、モータ駆動制御装置3の制御回路部4から出力されるモータ100の実際の回転数(以下、これを「実回転数」と言う。)Rmvを表す回転数信号So(例えばFG(Frequency Generator)信号)を、通信部(図示せず)を介して受信することにより、モータ駆動制御装置3によるモータ100の回転状態を監視する。なお、回転数信号Soの送受信は、例えば、上位装置2とモータ駆動制御装置3とを接続する専用線を用いて実現してもよいし、シリアル通信によって実現してもよい。
モータ駆動制御装置3は、主たる機能として、モータ100の回転を制御するモータ駆動制御機能、上位装置2との間で通信を行う通信機能、および、モータ100の動作状態を監視する監視機能を備えている。
具体的には、モータ駆動制御装置3は、モータ駆動制御機能として、上位装置2からの速度指令信号Scに応じて制御回路部4の駆動制御信号生成部40により駆動制御信号Sdを生成し、この駆動制御信号Sdをモータ駆動部90経由でモータ100に出力する。
これにより、モータ駆動制御装置3は、モータ駆動部90により駆動制御信号Sdに応じた駆動信号をモータ100に出力し、当該モータ100の各相のコイルに周期的に駆動電流を流してモータ100を回転させる。
モータ駆動制御装置3は、通信機能として、上位装置2との間でデータの送受信を行うことにより、上位装置2から各種指令(速度指令信号Sc等)を受信するとともに、受信した指令に対する応答等を上位装置2へ送信する。
モータ駆動制御装置3は、監視機能として、駆動対象のモータ100の動作に関連する物理量を計測することによりモータ100の動作状態を監視し、計測結果に基づいて、モータ100によるファンが所望の風量-静圧特性(P-Q特性)を満たすように制御する。
ここで、モータ100の動作状態に関連する物理量には、例えば、モータ100の駆動電流(コイル電流)、実回転数、駆動電圧(コイル電圧)、周辺の温度等が含まれる。本実施の形態では、特に、モータ100の駆動電流(コイル電流)、および、モータ100の実回転数Rmvを主に用いるものとする。
モータ駆動制御装置3は、上述した各機能を実現するための機能部として制御回路部4を有している。制御回路部4は、例えば、駆動制御信号生成部40、電力制御部60、回転数監視部51、FG信号生成部52、電流監視部53、電源電圧監視部54等を有している。
これらの制御回路部4の機能部のうち、駆動制御信号生成部40、電力制御部60、回転数監視部51、FG信号生成部52、電流監視部53、および、電源電圧監視部54は、例えば、プログラム処理装置によって実現されている。具体的には、CPU等のプロセッサと、RAM,ROM等の各種記憶装置と、カウンタ(タイマ)、A/D変換回路、D/A変換回路、クロック発生回路、および入出力I/F回路等の周辺回路とがバスや専用線を介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置(例えばマイクロコントローラ)において、CPUがメモリに記憶されているプログラムに従って各種演算処理を実行し、その処理結果に基づいてA/D変換回路や入出力インターフェース回路等の周辺回路を制御することによって、上述した機能ブロックが実現されている。
なお、モータ駆動制御装置3は、制御回路部4とモータ駆動部90とその他の機能部の少なくとも一部とが一つの集積回路装置(IC)としてパッケージ化された構成であってもよいし、制御回路部4とモータ駆動部90とその他の機能部がそれぞれ個別の集積回路装置として夫々パッケージ化された構成であってもよい。
以下、モータ駆動制御装置3の制御回路部4を構成する各機能部について詳細に説明する。
駆動制御信号生成部40は、モータ100の駆動を制御するための駆動制御信号Sdを生成するための機能部である。駆動制御信号生成部40は、例えば、上位装置2から出力された速度指令信号Scを受信した場合に、モータ100の実回転数Rmvが速度指令信号Scによって指定された目標回転数Rtgと一致するように駆動制御信号Sdを生成する。ここで、駆動制御信号Sdは、例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号である。
駆動制御信号生成部40は、速度指令解析部41、デューティ比決定部42、および、通電制御部43を備えている。
速度指令解析部41は、上位装置2の速度指令部21から出力された速度指令信号Scを受信し、その速度指令信号Scによって指定された目標回転数Rtgを解析する。例えば、速度指令信号Scが目標回転数Rtgに対応するデューティ比を有するPWM信号である場合、速度指令解析部41は、速度指令信号Scのデューティ比を解析し、そのデューティ比に対応する回転数の情報を目標回転数情報S1として出力する。
デューティ比決定部42は、速度指令解析部41から出力された目標回転数情報S1と、後述する電力制御部60から供給される電流フィードバック指示情報S5または速度フィードバック指示情報S6とに基づいて駆動制御信号SdとしてのPWM信号のデューティ比を決定し、そのデューティ比情報S2を通電制御部43に出力する。
通電制御部43は、デューティ比決定部42によって決定したデューティ比情報S2に応じたPWM信号を生成し、このPWM信号を駆動制御信号Sdとしてモータ駆動部90へ出力する。
モータ駆動部90は、駆動制御信号生成部40によって生成された駆動制御信号Sdに基づいてモータ100を駆動する。モータ駆動部90のインバータ回路91は、上述したプリドライブ回路から出力された出力信号に基づいてモータ100に駆動信号を出力し、モータ100のコイルに通電する。
回転数監視部51は、モータ100の実回転数Rmvを計測する機能部である。回転数監視部51は、例えば、モータ100の近傍に配置された位置検出器101としてのホール素子の位置検出信号Shに基づいて、モータ100の実回転数Rmvを計測し、その計測結果をモータ100の回転数情報Srとして電力制御部60の動作指令部61に出力する。ここで、位置検出信号Shは、位置検出器101としてのホール素子から出力されるホール信号であり、モータ100の回転位置を示す信号、すなわち、モータ100の回転に対応する信号である。
FG信号生成部52は、モータ100の実回転数Rmvを示す回転数信号SoとしてのFG信号を生成する。FG信号生成部52は、位置検出器101(ホール素子)から出力された位置検出信号(ホール信号)Shに基づいて、モータ100の実回転数Rmvに比例する周期(周波数)を有する信号(FG信号)を生成する。
FG信号生成部52から出力されたFG信号は、回転数信号Soとして上位装置2に入力される。
電流監視部53は、電流検出器70によって検出された電圧Vmが検出電流として入力され、その電圧Vmに基づいてモータ100に流れる駆動電流の実測値(以下、単に、「電流実測値」と言う。)を算出し、その電流実測値を駆動電流情報Siとして電力制御部60の動作指令部61に出力する。
具体的には、電流監視部53は、電流検出器70により検出した電圧Vmを平滑化することにより、モータ100の平滑電流を取得する。さらに、電流監視部53は、検出電流あるいは平滑電流をAD変換するΔΣADC(ΔΣ変調型のアナログ/デジタル変換回路)を含む。例えば、電流監視部53は、電流検出器70から入力された電圧Vm(アナログ信号)に基づく検出電流をΔΣ変調方式によりデジタル信号に変換することにより、検出電流を時間で積分した値の平均値である電流実測値を算出する。電流監視部53は、算出した電流実測値を駆動電流情報Siとして電力制御部60の動作指令部61に出力する。なお、ΔΣADCの場合は検出電流あるいは平滑電流のどちらかを変換すればよいが、例えば、SAR(逐次比較)型ADCを用いる場合は平滑電流を変換する。
電源電圧監視部54は、上位装置2の電源部22からモータ駆動制御装置3に供給される電源電圧Vddの電圧値を監視し、その電圧値を電源電圧情報Svとして電力制御部60の動作指令部61に出力する。
電力制御部60は、動作指令部61、電流フィードバック部62、および、速度フィードバック部63を有している。
動作指令部61は、速度指令解析部41からの目標回転数情報S1、回転数監視部51からの回転数情報Sr、電流監視部53からの駆動電流情報Si、および、電源電圧監視部54からの電源電圧情報Svが入力され、これらの情報に基づいて、速度フィードバック制御モード(以下、これを「速度FB制御モード」とも表す。)によりモータ100を制御するか、電流フィードバック制御モード(以下、これを「電流FB制御モード」とも表す。)によりモータ100を制御するかを決定する機能部である。
ここで、速度フィードバック制御モードとは、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgと一致するように駆動制御信号Sdを生成するモードである。一方、電流フィードバック制御モードとは、モータ100の駆動電流が目標電流と一致するように駆動制御信号Sdを生成するモードである。具体的には、モータ100の電流実測値(駆動電流情報Si)が目標電流である電流閾値Sth(例えば5.0(A))と一致するようにモータ100を駆動するモードである。
動作指令部61は、電流監視部53からの駆動電流情報Siを常時監視しており、駆動電流情報Siに基づいてモータ100の電流実測値が所定の電流閾値Sth未満であるか、或いは、電流閾値Sth以上であるかを判別する。ここで電流閾値Sthは、電源電圧監視部54からの電源電圧情報Svが示す電源電圧Vddの電圧値に応じて動作指令部61が設定する閾値である。すなわち、動作指令部61は、モータ100の電力が所望の値になるように、電源電圧Vddの値に応じて電流閾値Sthを変更する。
例えば、モータ100を60Wの電力で駆動しなければならないとする制約がある場合、動作指令部61は電源電圧Vddの電圧値が12Vであれば5.0(A)に電流閾値Sthを設定し、電源電圧Vddの電圧値が10Vであれば6.0(A)に電流閾値Sthを設定する。つまり電流フィードバック制御モードは、電力フィードバック制御モードと言い換えることもできる。以下、具体例として、電流閾値Sthが5.0(A)として説明する。
動作指令部61は、電流監視部53からの駆動電流情報Si(電流実測値)と電流閾値Sthとを比較し、駆動電流情報Si(電流実測値)が電流閾値Sth未満であれば(Si<Sth)、速度フィードバック制御モードによりモータ100を駆動制御するための動作指令情報S4を生成し、当該動作指令情報S4を速度フィードバック部63に出力する。
具体的には、動作指令部61は、速度指令解析部41から入力した目標回転数情報S1に基づいて算出した目標回転数Rtgと、回転数監視部51から入力した回転数情報Srに基づいて算出したモータ100の実回転数Rmvとを比較し、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgと一致するように指示する動作指令情報S4を速度フィードバック部63に出力する。
一方、動作指令部61は、駆動電流情報Si(電流実測値)と電流閾値Sthとを比較し、その結果、駆動電流情報Si(電流実測値)が電流閾値Sth以上であれば(Si≧Sth)、電流フィードバック制御モードによりモータ100を駆動制御するための動作指令情報S3を生成し、当該動作指令情報S3を電流フィードバック部62に出力する。
速度フィードバック部63は、動作指令部61から動作指令情報S4を受け取ると、その動作指令情報S4に基づいて速度フィードバック指示情報S6を生成し、この速度フィードバック指示情報S6を駆動制御信号生成部40のデューティ比決定部42に出力する。
一方、電流フィードバック部62は、動作指令部61から動作指令情報S3を受け取ると、その動作指令情報S3に基づいて電流フィードバック指示情報S5を生成し、この電流フィードバック指示情報S5を駆動制御信号生成部40のデューティ比決定部42に出力する。
ここで動作指令部61は、駆動電流情報Si(電流実測値)と電流閾値Sthとの比較結果に基づいて動作指令情報S3または動作指令情報S4のいずれかを出力するため、電力制御部60からは電流フィードバック指示情報S5または速度フィードバック指示情報S6のいずれか一方だけがデューティ比決定部42に出力される。
なお、動作指令部61は、P-Q特性により定まる全風量範囲において電流フィードバック制御モードを実行させる動作指令情報S3または速度フィードバック制御モードを実行させる動作指令情報S4を出力する。ここで、P-Q特性により定まる全風量範囲とは、風量が最小(最大圧力)から最大(最小圧力)までの範囲である。
以上のように、電力制御部60は、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgと一致するように駆動制御信号Sdを生成する速度フィードバック制御モードと、モータ100の駆動電流である電流実測値が目標電流と一致するように駆動制御信号Sdを生成する電流フィードバック制御モードのいずれかを選択可能である。
電力制御部60は、外部(本実施の形態では、上位装置2)から供給される電源電圧Vddに応じて設定された電流閾値Sthを目標電流として設定し、駆動電流(電流実測値)が電流閾値Sth以上になったことを検出すると、速度フィードバック制御モードから電流フィードバック制御モードに切り替える。
なお、本発明においては、電力制御部60は、電源電圧監視部54からの電源電圧情報Svが示す電源電圧Vddの電圧値に応じて設定された電流閾値Sthをもとにモータ100の駆動電流を制御することをふまえ、電力制御部60による制御を「電力制御」と総称する。
デューティ比決定部42は、速度指令解析部41から出力された目標回転数情報S1と、電流フィードバック部62から入力した電流フィードバック指示情報S5または速度フィードバック部63から入力した速度フィードバック指示情報S6とに基づいて、駆動制御信号SdとしてのPWM信号のデューティ比を決定する。
具体的には、デューティ比決定部42は、電流フィードバック指示情報S5を受け取った場合、電流フィードバック指示情報S5に基づいて、モータ100の電流実測値が電流閾値Sthの5.0(A)と一致するようにデューティ比情報S2を決定する。
また、デューティ比決定部42は、速度フィードバック指示情報S6を受け取った場合、速度フィードバック指示情報S6に基づいて、モータ100の実回転数Rmvが速度指令解析部41からの目標回転数情報S1(目標回転数Rtg)と一致するようにデューティ比情報S2を決定する。
続いて、電力制御部60によるモータ100の駆動制御処理手順について説明する。
図2は、本実施の形態に係るファンシステム1のモータ駆動制御装置3における電力制御部60の動作に基づくモータ駆動制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
電力制御部60の動作指令部61は、速度指令解析部41から入力した目標回転数情報S1に基づいて目標回転数Rtg(rpm)を算出する(ステップS1)。次に、動作指令部61は、モータ100の駆動開始直後、回転数監視部51から入力した回転数情報Srに基づいて駆動中のモータ100の実回転数Rmv(rpm)を算出する(ステップS2)。
動作指令部61は、モータ100の駆動開始直後においては、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgと一致するように指示する動作指令情報S4を速度フィードバック部63に出力し、速度フィードバック制御モードを実行させる(ステップS3)。モータ駆動制御装置3は、速度フィードバック制御モードを実行中、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgと一致するよう駆動制御する。
具体的には、速度フィードバック部63は、動作指令部61から受け取った動作指令情報S4に応じて、モータ100の実回転数Rmvを含む速度フィードバック指示情報S6を生成し、駆動制御信号生成部40のデューティ比決定部42に出力する。デューティ比決定部42は、速度フィードバック部63から受け取った速度フィードバック指示情報S6に基づいて、モータ100の実回転数Rmvと目標回転数Rtgとの差分を算出し、当該差分がゼロになるように駆動制御信号SdとしてのPWM信号のデューティ比を決定し、その決定したデューティ比情報S2を通電制御部43に出力する。通電制御部43は、デューティ比情報S2に基づいて駆動制御信号Sdを生成することにより、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgと一致するようにモータ100を駆動させる。
動作指令部61は、速度フィードバック制御モードを実行中、電流検出器70により検出された検出電流(電圧Vm)に対応する電流実測値である駆動電流情報Siを監視する(ステップS4)。速度フィードバック制御モードにおいては、モータ100の実回転数Rmvを目標回転数Rtgと一致させようとするために、何らかの原因によってモータ100に対する負荷が大きくなると当該モータ100の駆動電流が増加してしまう。
このとき、電流監視部53は、例えば、ΔΣADCによりモータ100の電流実測値を算出し、駆動電流情報Siを算出する。ここで、駆動電流情報Siは、具体的には、一定期間における検出電流(電圧Vm)の積分値であって、ある時点における瞬間的な駆動電流のピーク値ではない。
動作指令部61は、電流監視部53によって算出された電流実測値(駆動電流情報Si)と、電源電圧Vddの電圧値に応じて設定した電流閾値Sthとを比較し、電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sth以上であるか否かを判定する(ステップS5)。
動作指令部61は、電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sth未満である場合(ステップS5:NO)、ステップS3に戻って速度フィードバック制御モードのまま、モータ100の実回転数Rmvを目標回転数Rtgと一致させるように駆動制御する。この場合、電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sth未満であるため、モータ100に対する負荷が大きくなっておらず、当該モータ100の駆動電流についても増加していない状態である。
これに対して、動作指令部61は、電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sth以上となった場合(ステップS5:YES)、速度フィードバック制御モードを停止し、速度フィードバック制御モードから電流フィードバック制御モードに切り替える(ステップS6)。
電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sth以上になるのは、速度フィードバック制御モードにおいて、モータ100の実回転数Rmvを目標回転数Rtgと一致させようとしているにも拘わらず、何らかの原因によりモータ100に対する負荷が大きくなった場合、多くの駆動電流が必要となるからである。
具体的には、動作指令部61は、速度フィードバック部63に対する動作指令情報S4の出力を停止し、電流フィードバック部62に対して、電流フィードバック制御モードを実行させる動作指令情報S3を出力する。電流フィードバック部62は、動作指令部61から受け取った動作指令情報S3に応じて、電流フィードバック指示情報S5を生成し、駆動制御信号生成部40のデューティ比決定部42に出力する。デューティ比決定部42は、電流フィードバック部62から受け取った電流フィードバック指示情報S5に基づいて、電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sthの5.0(A)と一致するようにデューティ比情報S2を決定し、通電制御部43に出力する。通電制御部43では、デューティ比情報S2に基づいて生成した駆動制御信号Sdをモータ駆動部90経由で出力することにより、電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sthの5.0(A)と一致するようにモータ100を駆動させる。
次に、従来の過電流保護を用いた速度フィードバック制御による駆動電流の変化と本実施の形態に係る電力制御による駆動電流の変化について説明する。
図3(A)は、従来の過電流保護による速度フィードバック制御における駆動電流の変化の一例を示す図であり、図3(B)は、本実施の形態に係る電力制御による駆動電流の変化の一例を示す図である。なお、両図において、符号Wで示す曲線は、要求される風量-静圧特性(P-Q特性)を示している。
図3(A)に示すように、従来の過電流保護を用いた速度フィードバック制御だけを行っている場合、破線で囲った2つの風量領域(風量が0~q1の領域、および、q2~q3の間の領域)ではモータ100に対する負荷が大きくなっており、駆動電流を5.0(A)に制限しなければならない場合であっても、モータ100の駆動電流が増大して、電流閾値Sthである5.0(A)を超えてしまう。
このような事態を回避するため、本実施の形態に係る電力制御部60の動作指令部61は、速度フィードバック制御モードから電流フィードバック制御モードに切り替えるように指令する。動作指令部61は、電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sthと一致するようにモータ100の駆動電流を制御することにより、電流フィードバック制御モードを実行させる(ステップS7)。
これによりモータ駆動制御装置3では、図3(B)に示すように、P-Q特性により定められた全ての風量範囲(0~q3の領域)において、電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sthである5.0(A)を超えることがないように制御することができる。
特に、図3(B)に示すように、領域Bおよび領域Dで実行される速度フィードバック制御モードに限らず、領域Aおよび領域Cで実行される電流フィードバック制御モードにおいても、電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sthの5.0(A)を超えることがない。このためモータ駆動制御装置3は、駆動電流の増大によってモータ100やモータ駆動部90等が損傷することを未然に防止することができる。
かくして、モータ駆動制御装置3は、電流フィードバック制御モードにおいては、電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sthの5.0(A)と一致するように制御しているので、モータ100等の損傷のリスクを見越して駆動電流を必要以上に制限することがなく、また動作領域において要求される風量-静圧特性(P-Q特性)Wを上回る所望の風量-静圧特性(P-Q特性)を得ることができる。
動作指令部61は、電流フィードバック制御モードを実行中(ステップS7)、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgに対して所定の割合(X%)を超えたか否か(「Rmv>Rtg+X(%)」と表記する。)を判定する。例えば、目標回転数Rtgが16800rpmであってX=5%であれば、モータ100の実回転数Rmvが17640rpmを超えると、モータ100の負荷が減っており、現時点よりも駆動電流を下げられることを意味する。このため動作指令部61はステップS3に戻り、電流フィードバック制御モードから速度フィードバック制御モードに戻すことができる(ステップS3)。
本実施の形態では、電流フィードバック制御モードから速度フィードバック制御モードに戻す場合、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgに対して所定の割合(X%)を超えたか否かを判断基準としているが、これに限らず、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgに対して所定の値(Yrpm)を超えたか否か(「Rmv>Rtg+Y」であるか否か)を判断基準としてもよい。なお、X、Yの取り得る数値は任意に設定可能である。すなわち、モータ100の実回転数Rmvが、目標回転数Rtgの所定の範囲内になったか否かを判断基準とする。
ここで、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtg+X%を超えたということは、電流フィードバック制御モードにおいて検出電流を平滑化した電流実測値(駆動電流情報Si)が電流閾値Sth未満になったと考えられるため、動作指令部61は、電流フィードバック制御モードから速度フィードバック制御モードに切り替えるのである。
その後、動作指令部61は、ステップS3乃至ステップS8の処理を繰り返し、速度フィードバック制御モードと電流フィードバック制御モードとを切り替えながらモータ100を駆動制御する。
次に、従来の過電流保護による電流制限機能と本実施の形態に係る電流フィードバック制御モードによる電流制限機能との相違点について説明する。
図4は、従来の過電流保護による駆動電流の制限に関する一例を示す図である。また、図5は、本実施の形態に係る電流フィードバック制御モードにおける駆動電流の制限に関する一例を示す図である。なお、図4では、上段が制限される前の検出電流の電流波形とモータの駆動電流(実際に流れる電流)の値、下段が制限された後の検出電流の電流波形とモータの駆動電流(実際に流れる電流)の値を示しており、図5では、上段が制限される前の検出電流の電流波形と電流実測値(実際に流れる電流)の値、下段が制限された後の検出電流の電流波形と電流実測値(実際に流れる電流)の値を示している。また、図4、および、図5の(a)~(d)は、それぞれ、電流波形のパターン例を示している。
図4に示すように、従来のモータ駆動制御装置において、過電流保護により電流のピーク値を用いて電流閾値を超えた過電流の状態であるか否かを判定した場合、(a)、(c)、(d)では、あるタイミングにおいてピーク電流の値が5.0(A)を超えているため、その時点で、ピーク電流の値が5.0(A)以下になるまで、駆動電流を一時的に停止することになる。
例えば、図4(a)の場合、駆動電流の平均値が5.0(A)であっても、あるタイミングにおいて検出電流(ピーク値)が5.0(A)を超えているので、駆動電流を一時的に停止する。そのため、駆動電流の実効値は4.66(A)になってしまう。このため、本来必要とされる風量-静圧特性(P-Q特性)を得ることができない。
図4(b)の場合、検出電流(ピーク値)が5.0(A)を超えていないため、駆動電流を停止することがなく、駆動電流の実効値も5.0(A)のままである。しかしながら、図4(c)、(d)の場合においては、あるタイミングにおいて検出電流(ピーク値)が5.0(A)を超えているので駆動電流を停止する。このため、図4(a)と同様に、駆動電流の実効値は4.66(A)になってしまう。つまり、従来の過電流保護による電流制限においては、駆動電流の実効値が所望の値より下がってしまうので、本来必要とされるP-Q特性を得ることができない。
これに対して、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置3では、電流監視部53は、一例として、ΔΣADCによって検出電流に対応する電圧Vm(アナログ信号)を時間で積分することによりデジタル値の電流実測値(駆動電流情報Si)を算出している。
図5(a)、(c)に示すように、あるタイミングにおいて検出電流(ピーク値)が5.0(A)を超えていたとしても、電流実測値が5.0(A)未満であれば、駆動電流を低減することなく供給することになる。これにより、モータ駆動制御装置3では、図3(B)に示したように、本来必要とされるモータ100のP-Q特性を維持することができる。
また、図5(b)に示すように、全ての時点において駆動電流が5.0(A)未満であれば、駆動電流の平均値である電流実測値が電流閾値Sth未満になっているので、この場合も駆動電流を低減することなく供給することになる。
一方、図5(d)に示すように、あるタイミングにおいて検出電流(ピーク値)が5.0(A)を超えており、電流実測値が5.33(A)のように電流閾値Sthを超えている場合であっても、駆動電流を停止するのではなく、電流実測値が電流閾値Sth(5.0(A))と一致するように駆動電流を低減させる。これにより、モータ駆動制御装置3としては、客先の要求または仕様に合わせた電流閾値Sthを超えないように駆動電流を抑制することができる。
すなわち、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置3では、瞬間の検出電流(ピーク値)が5.0(A)を超えていたとしても、駆動電流が電流閾値Sthの5.0(A)と一致するように制御した駆動電流を供給することができる。
図6は、従来の速度フィードバック制御および本実施の形態に係る電力制御のそれぞれにおいての風量に対するモータの実回転数の変化の比較例を示す図である。具体的には、波形Wmが従来の速度フィードバック制御における風量に対するモータの実回転数の変化、波形Imが本実施の形態に係る電力制御における風量に対するモータの実回転数Rmvの変化を示している。
図6に示すように、従来の速度フィードバック制御のみによる制御では、全風量範囲において、波形Wmが示すモータの実回転数は約17000rpmでほぼ一定である。これに対し、本実施の形態に係る、速度フィードバック制御モード(速度FB制御モード)と電流フィードバック制御モード(電流FB制御モード)とを切り替えながらモータ100を駆動制御する電力制御では、波形Imが示すように、電流フィードバック制御モードにおいて、従来の速度フィードバック制御の波形Wmと比較すると、実回転数Rmvが約17000rpm付近と約15700rpm付近との間で変動している。
従来の速度フィードバック制御では、モータの実回転数が目標回転数と一致するように制御しているため、モータの実回転数は約17000rpm付近で一定であるが、モータに対する負荷が大きい風量の領域では、駆動電流が増大している。
これに対して、本実施の形態に係る、速度フィードバック制御モードおよび電流フィードバック制御モードを切り替えながら実行する電力制御の場合、速度フィードバック制御モードを実行中においては、モータ100の実回転数Rmvが約17000rpm付近になるように制御されている。
一方、電流フィードバック制御モードを実行中においては、従来の速度フィードバック制御のときと比較すると、モータ100の実回転数Rmvが約17000rpm付近から離れている。これは、電流フィードバック制御モードでは、モータ100の負荷が大きく、実回転数Rmvが低下している場合であっても、駆動電流が電流閾値Sthと一致するように5.0(A)付近に制限しているからである。
従来の速度フィードバック制御におけるモータの実回転数が約17000rpmであるところ、本実施の形態に係る電流フィードバック制御モードにおける動作領域のモータ100の実回転数Rmvが約16700rpmまで落ち込んでいる。しかしながら、実際上、その落ち込みの割合(17000rpmに対する16700rpmの低下率)は約2%程度であり、この割合は仕様の範囲(例えば、目標回転数±5%)に対して十分に収まっているため、問題にはならない。
以上、本実施の形態に係るモータ駆動制御装置3は、速度フィードバック制御モードにおいてモータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgと一致するように制御し、駆動電流情報Siとしての電流実測値が電流閾値Sth以上になると、速度フィードバック制御モードを停止して電流フィードバック制御モードに切り替える。これによりモータ100の負荷が大きくなった場合でも、電流フィードバック制御モードを実行することにより、電流閾値Sthを大きく超える駆動電流をモータ100に流すことを防止することができる。
モータ駆動制御装置3は、電流フィードバック制御モードにおいては、モータ100に対する駆動電流が電流閾値Sthと一致するように駆動電流を制御するので、モータ100やモータ駆動部90等を損傷させることを未然に防止することができる。
モータ駆動制御装置3の電力制御部60は、電流フィードバック制御モードを実行中に、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgに対して所定の範囲内になったことを検出すると、速度フィードバック制御モードに切り替える。具体的には、電力制御部60の動作指令部61は、モータ100の実回転数Rmvを監視しており、モータ100の実回転数Rmvが目標回転数Rtgに対して所定の割合(X%)、あるいは目標回転数Rtgに対して所定の値(Yrpm)(XとYは任意の数値)を超えた場合、モータ100の負荷が軽くなったと判断し、電流フィードバック制御モードから速度フィードバック制御モードに戻す。
上記のように、電流フィードバック制御モードを実行中に、モータ100の負荷が軽くなることによりモータ100の駆動電流を電流閾値Sthよりも低い値にすることができる状態になったときは、電流フィードバック制御モードから速度フィードバック制御モードに戻すことで、モータ100に余分な駆動電流を流すことを回避することができる。
このように、モータ駆動制御装置3では、電流フィードバック制御モードと速度フィードバック制御モードとを電流閾値Sthに基づいて切り替えることにより、無駄な電力消費を抑制しながら、モータ100に要求される風量-静圧特性(P-Q特性)を維持することができる。
なお、モータ駆動制御装置3では、全風量範囲において、モータ100に対する負荷に応じて速度フィードバック制御モードと電流フィードバック制御モードとを切り替えながら当該モータ100を駆動制御することにより、動作領域だけではなく、風量-静圧特性(P-Q特性)により定められる全風量範囲において、客先の要求や仕様によって求められる電流制限を満足させることができる。
<本発明の実施の形態の拡張>
以上、本発明者らによってなされた本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施の形態では、動作指令部61は、モータ100の駆動当初において速度フィードバック制御モードを実行し、その後、電流フィードバック制御モードに切り替えるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、モータ100の駆動当初において電流フィードバック制御モードを実行し、その後、速度フィードバック制御モードに切り替えるようにしてもよい。つまり、どちらの制御モードを先に実行してもよく、要は速度フィードバック制御モードと電流フィードバック制御モードとを交互に切り替えることができればよい。
上述の実施の形態のモータ駆動制御装置3により駆動されるモータ100の相数は、3相に限られない。また、ホール素子の数についても、3個に限られない。
また、モータ100の実回転数Rmvの検出方法は特に限定されない。例えば、ホール素子などの位置検出器を用いず、モータコイルに誘起する逆起電圧を用いて実回転数Rmvを検出する位置センサレス方式であってもよい。
上述のフローチャートは具体例であって、このフローチャートに限定されるものではなく、例えば、各ステップ間に他の処理が挿入されていてもよいし、処理が並列化されていてもよい。
1…ファンシステム、2…上位装置、3…モータ駆動制御装置、4…制御回路部、10…モータユニット、21…速度指令部、22…電源部、40…駆動制御信号生成部、41…速度指令解析部、42…デューティ比決定部、43…通電制御部、51…回転数監視部、52…FG信号生成部、53…電流監視部、54…電源電圧監視部、60…電力制御部、61…動作指令部、62…電流フィードバック部、63…速度フィードバック部、70…電流検出器、90…モータ駆動部、91…インバータ回路、100…モータ、101…位置検出器、Im…実回転数を示す波形、Rmv…実回転数、Rtg…目標回転数、Sc…速度指令信号、Sd…駆動制御信号、So…回転数信号、Sh…位置検出信号、Sv…電源電圧情報、Sr…回転数情報、Si…駆動電流情報(電流実測値)、Sth…電流閾値(目標電流)、S1…目標回転数情報、S2…デューティ比情報、S3,S4…動作指令情報、S5…電流フィードバック指示情報、S6…速度フィードバック指示情報、Vdd…電源電圧、Vm…電圧、W…風量-静圧特性、Wm…実回転数を示す波形。

Claims (10)

  1. モータの目標回転数を指示する速度指令信号に基づいて、前記モータの実回転数を制御するための駆動制御信号を生成する制御回路部と、
    前記駆動制御信号に基づいて前記モータを駆動するモータ駆動部と、を備え、
    前記制御回路部は、前記モータの実回転数が前記目標回転数と一致するように前記駆動制御信号を生成する速度フィードバック制御モードと、前記モータの駆動電流が目標電流と一致するように前記駆動制御信号を生成する電流フィードバック制御モードのいずれかを選択可能とする電力制御部を有し、
    前記電力制御部は、
    外部から供給される電源電圧に応じた電流閾値を前記目標電流として設定し、前記駆動電流が前記電流閾値以上になったことを検出すると、前記速度フィードバック制御モードから前記電流フィードバック制御モードに切り替える
    モータ駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記電力制御部は、前記電流フィードバック制御モードにおいて前記駆動電流が前記電流閾値未満になったことを検出すると、当該電流フィードバック制御モードから前記速度フィードバック制御モードに切り替える
    モータ駆動制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記電力制御部は、前記モータの風量-静圧特性により定まる風量が最小から最大となる全風量範囲において、前記速度フィードバック制御モードと、前記電流フィードバック制御モードとを選択可能とする
    モータ駆動制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記駆動電流を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器により検出した検出電流を平滑化して算出した電流実測値を前記駆動電流として取得する電流監視部と
    を備える
    モータ駆動制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
    アナログ信号である前記検出電流をΔΣADCによってデジタル信号に変換する
    モータ駆動制御装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記電力制御部は、前記電流フィードバック制御モードの実行中に、前記モータの実回転数が目標回転数に対して所定の範囲内になったことを検出すると、前記速度フィードバック制御モードに切り替える
    モータ駆動制御装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記電力制御部は、
    前記速度フィードバック制御モードと、前記電流フィードバック制御モードとを選択可能に切り替える動作指令部と、
    前記動作指令部からの指令に応じて前記駆動電流が目標電流と一致するように制御する電流フィードバック制御部と、
    前記動作指令部からの指令に応じて前記モータの実回転数が前記目標回転数と一致するように制御する速度フィードバック制御部と
    を備える
    モータ駆動制御装置。
  8. 請求項7に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記動作指令部は、前記モータの電力が所望の値になるように、前記電源電圧の値に応じて前記電流閾値を変更する
    モータ駆動制御装置。
  9. 駆動対象のモータと、
    前記モータの駆動を制御するモータ駆動制御装置と、を備え、
    前記モータ制御装置は、
    前記モータの目標回転数を指示する速度指令信号に基づいて、前記モータの実回転数を制御するための駆動制御信号を生成する制御回路部と、
    前記駆動制御信号に基づいて前記モータを駆動するモータ駆動部と、を備え、
    前記制御回路部は、駆動制御モードとして、前記モータの実回転数が前記目標回転数と一致するように前記駆動制御信号を生成する速度フィードバック制御モードと、前記モータの駆動電流が目標電流と一致するように前記駆動制御信号を生成する電流フィードバック制御モードのいずれかを選択可能とする電力制御部を有し、
    前記電力制御部は、
    外部から供給される電源電圧に応じた電流閾値を前記目標電流として設定し、前記駆動電流が前記電流閾値以上になったことを検出すると、前記速度フィードバック制御モードから前記電流フィードバック制御モードに切り替える
    モータユニット。
  10. 駆動対象のモータの目標回転数を指示する速度指令信号に基づいて、前記モータの実回転数を制御するための駆動制御信号を制御回路部によって生成する駆動制御信号生成ステップと、
    前記駆動制御信号に基づいて前記モータをモータ駆動部により駆動するモータ駆動ステップと、を備え、
    前記駆動制御信号生成ステップは、電力制御部により制御する駆動制御モードとして、前記モータの実回転数が前記目標回転数と一致するように前記駆動制御信号を生成する速度フィードバック制御モードと、前記モータの駆動電流が目標電流と一致するように前記駆動制御信号を生成する電流フィードバック制御モードのいずれかを選択可能とする駆動制御ステップを有し、
    前記駆動制御ステップでは、
    外部から供給される電源電圧に応じた電流閾値を前記目標電流として設定し、前記駆動電流が前記電流閾値以上になったことを検出すると、前記速度フィードバック制御モードから前記電流フィードバック制御モードに切り替える
    モータ駆動制御方法。
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