JP2023080046A - 切削加工方法及び切削加工装置 - Google Patents

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Toshiya Nakagami
誠 毛利
Makoto Mori
和輝 ▲高▼井
Kazuteru Takai
孝洋 野▲崎▼
Takahiro Nozaki
和幸 小栗
Kazuyuki Oguri
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Abstract

【課題】被加工物の表面に、簡単な手順で好適な圧縮残留応力を付与できる切削加工方法及び切削加工装置を提供すること。【解決手段】先端部に切刃が形成されたエンドミル13によって被加工物20を切削加工する切削加工装置10は、製品寸法となるように被加工物20の表面の一部を削り取る最終切削加工を行う場合、被加工物20の表面に圧縮残留応力が生じるように、アップカットで最終切削加工を実施する。また、最終切削加工後に切込み量がゼロとなるアップカットを複数回連続して実施してもよい。【選択図】 図1

Description

本発明は、切削加工方法及び切削加工装置に関する。
従来、航空機材料として、軽量で比強度が高いアルミニウム合金が使用されている。航空機で使用されるアルミニウム合金の製品は切削加工により形状が付与されるが、切削加工の際に、材料表面と工具間で大きなせん断応力が生じること等により材料表面で塑性変形が発生する。塑性変形すると、材料表面に残留応力が発生することとなる。切削加工の際に生じる残留応力には圧縮残留応力と引張残留応力があり、一般的に引張残留応力は圧縮残留応力と比較して疲労や腐食、そしてひずみ発生の点において不利とされている。
そこで、特許文献1に記載するように、種々の工夫を実施することにより、材料表面に圧縮残留応力を付与するようにしている。
特開2003-266228号公報
ところで、切削加工を行う際、できるだけ簡単な手順で圧縮残留応力を好適に付与することが望ましい。その点で、特許文献1の切削加工方法には改善の余地があると考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被加工物の表面に、簡単な手順で好適な圧縮残留応力を付与できる切削加工方法及び切削加工装置を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の切削加工方法は、先端部に切刃が設けられた工具によって金属材料からなる被加工物を切削加工する切削加工方法において、製品寸法となるように前記被加工物の表面の一部を削り取る最終切削加工を行う場合、前記被加工物の表面に圧縮残留応力が生じるように、アップカットで前記最終切削加工を実施することを要旨とする。
これにより、被加工物の表面に、簡単な手順で好適な圧縮残留応力を付与できる。
上記課題を解決するための切削加工装置は、先端部に切刃が設けられた工具によって金属材料からなる被加工物を切削加工する切削加工装置において、製品寸法となるように前記被加工物の表面の一部を削り取る最終切削加工を行う場合、前記被加工物の表面に圧縮残留応力が生じるように、アップカットで前記最終切削加工を実施する制御部を備えたことを要旨とする。
これにより、被加工物の表面に、簡単な手順で好適な圧縮残留応力を付与できる。
切削加工装置の構成を示すブロック図。 切削工程を示すフローチャート。 側面加工の態様を模式的に示す斜視図。 アップカットを模式的に示す図。 ダウンカットを模式的に示す図。 第1の実験における加工条件を説明する図。 第1の実験における実験結果を示す図。 第2の実験における加工条件を説明する図。 第2の実験における実験結果を示す図。 第3の実験における加工条件を説明する図。 第3の実験における実験結果を示す図。 第4の実験における加工条件を説明する図。 第4の実験における加工条件を説明する図。 第4の実験における加工条件を説明する図。 第4の実験における実験結果を示す図。 第4の実験における実験結果を示す図。 第4の実験における実験結果を示す図。
以下、本発明にかかる「切削加工方法」及び「切削加工装置」を具体化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
(第1実施形態)
図1に示すように、切削加工装置10は、被加工物20が固定されるテーブル11と、テーブル11を前後左右上下に移動させる移動機構12と、先端部に切刃が設けられ、テーブル11に固定された被加工物20を切削する工具としてのエンドミル13と、エンドミル13を回転させる回転機構14と、移動機構12や回転機構14を制御する制御部15などを備える。なお、本実施形態の切削加工装置10は、テーブル11を移動させてエンドミル13に対して被加工物20を移動させるものであるが、被加工物20に対してエンドミル13を移動させる機構を備えるものであってもよい。
次に、図2に基づいて、切削加工の一般的な工程を説明する。最初に、加工されていない無垢の材料(被加工物20の元となるもの)を設計寸法に従っておおよその形に切削加工する荒加工が行われる(第1の工程S101)。荒加工では、決められた取り代(加工代)が残された状態の被加工物20が生成される。
次に、仕上げ加工の準備を行うために、荒加工された被加工物20に対して中仕上げ加工が行われる(第2の工程S102)。この中仕上げ加工では、仕上げ用の取り代を残すように、被加工物20が切削加工される。
そして、製品仕様の要求(寸法精度など)に応じて、設計で予め決められた最終的な製品寸法となるように、被加工物20を切削加工する仕上げ加工が行われる(第3の工程S103)。
この仕上げ加工では、例えば、図3に示すように、切削加工装置10は、回転機構14により回転中のエンドミル13に対して、テーブル11とともに被加工物20を移動機構12によって所定方向(例えば、矢印方向)に移動させることにより、被加工物20を切削加工する。なお、図3では、エンドミル13の外周刃で被加工物20を切削する側面加工の様子を示すものである。
荒加工と、中仕上げ加工と、仕上げ加工は、異なる切削加工装置10によって実施される。これにより、加工時の負荷を分散させて、加工時の精度を維持するようにしている。ただし、一部又は全部を同じ切削加工装置10で行ってもよい。この場合であっても、エンドミル13などにかかる負荷を分散し、寸法精度を維持するために、エンドミル13などの部品を工程ごとに交換することが望ましい。また、中仕上げ加工及び荒加工を省略してもよい。
ところで、仕上げ加工において、被加工物20の表面(被加工物20を組み立てて最終製品とする場合には、最終製品の表面に相当する箇所)を切削加工する場合、被加工物20の表面に残留応力が発生することが一般的である。そして、残留応力には、圧縮残留応力と引張残留応力があり、引張残留応力は圧縮残留応力と比較して疲労や腐食、そしてひずみ発生の点において不利とされている。そこで、本実施形態の切削加工方法及び切削加工装置10では、被加工物20の表面に圧縮残留応力が好適に付与されるように、仕上げ加工において工夫を施している。以下、詳しく説明する。
まず、仕上げ加工における工夫について説明する前に、アップカット(上向削り)と、ダウンカット(下向削り)について説明する。アップカットは、図4に示すように、被加工物20に対してエンドミル13の切刃が削り上げるように切削する工法である。つまり、図4に示すように、右回転するエンドミル13に対して、被加工物20が当たる面を左から右に送る工法がアップカットである。アップカットでは切削の始まる前に擦り部分が生じエンドミル13に逃げ面摩耗が生じる。
ダウンカットは、図5に示すように、被加工物20に対してエンドミル13の切刃が削り下げるように切削する工法である。つまり、図5に示すように、右回転するエンドミル13に対して、被加工物20が当たる面を右から左に送る工法がダウンカットである。一般的にダウンカットはびびり振動が小さく工具寿命に影響が少ないため金属加工で使用されることが多い。
次に、仕上げ加工における加工内容(切削加工の仕方)を変更することにより、残留応力がどのように変化したかについての実験及びその実験結果について図を参照して説明する。
(第1の実験)
第1の実験の前提について説明する。第1の実験で使用したエンドミル13は、超硬2枚刃エンドミルである。その工具直径は、20[mm]であり、すくい角は、10[度]であり、第1外周逃げ角は、10[度]であり、リード角は、30[度]である。また、エンドミル13の回転数は、3000[rpm]であり、送りは、900[mm/min]であり、1刃あたりの送り量は、0.15[mm/1刃]である。また、実験に使用した供試体(被加工物20に相当)は、航空機構造用に使用されるA7050-T7451のアルミニウム合金である。
また、残留応力は、X線残留応力測定装置を用いて、X線残留応力測定を行った。すなわち、残留応力がない場合の結晶粒は、規則正しく配列した結晶格子で構成されているが、結晶粒に応力が加わることにより応力の方向と結晶の角度により結晶格子面の間隔が変化する。そこで、X線残留応力測定では、供試体である金属材料にX線を照射し、結晶格子面間隔から残留応力を算出している。このX線残留応力測定は、非破壊検査である。
なお、この実験では非破壊検査であるcosα法によるX線残留応力測定法を用いた。また、アルミニウム合金は粗大結晶粒を有することから測定時のデバイ環に対する影響を緩和するために供試体を水平揺動させる必要がある。このため、供試体揺動装置を用いた。供試体揺動装置は、X線照射中に供試体をストローク2.0[mm]、供試体の移動速度を1.0[mm/s]で揺動させ、X線照射面積を増加させた。X線照射径の直径は、約2.0[mm]であり、X線照射面積は、約8.3[mm^2]である。
次に第1の実験における各加工内容について図6に基づいて説明する。
加工内容(No1)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行ってそのまま終了することとしている。なお、図において、切込み量をA[mm]とするダウンカットを、「ダウン(Amm)」と表示する場合がある。同様に、図において、切込み量をB[mm]とするアップカットを、「アップ(Bmm)」と表示する場合がある。また、製品寸法となるように被加工物の表面の一部を削り取る切削加工を、最終切削加工と示す。一部を削り取る切削加工とは、切込み量がゼロでない切削加工であり、最終切削加工とは、仕上げ加工において、切込み量がゼロでない切削加工のうち、最後に行われる切削加工のことである。また、アップカット(又はダウンカット)を1回行うとは、被加工物20の端から端まで回転中のエンドミル13を移動させることを1回とカウントしている。
加工内容(No2)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを3回行うこととしている。なお、切込み量を0[mm]とするダウンカットとは、加工時にエンドミル13と供試体が触れるか触れないかの距離でダウンカットを行うことである。具体的には、最終切削加工で設定されたエンドミル13と被加工物20との間における距離を変更することなく、そのままの距離を保ったままダウンカットを行うことにより、切込み量を0[mm]とするダウンカットを実現できる。なお、切込み量を0[mm]とする場合、ゼロカット加工と示す場合がある。ゼロカット加工は、切込み量がゼロであるため、最終切削加工の後に、実施されても、最終切削加工とはならない。ちなみに、切込み量がゼロであるといっても、最終切削加工時の削り残しがある場合、ゼロカット時において、当該削り残しを削ることとなる。
加工内容(No3)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを5回行うこととしている。
加工内容(No4)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行ってそのまま終了することとしている。
加工内容(No5)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを3回行うこととしている。なお、切込み量を0[mm]とするアップカットとは、加工時にエンドミル13と供試体が触れるか触れないかの距離でアップカットを行うことである。具体的には、最終切削加工で設定されたエンドミル13と被加工物20との間における距離を変更することなく、そのままの距離を保ったままアップカットを行うことにより、切込み量を0[mm]とするアップカットを実現できる。
加工内容(No6)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを5回行うこととしている。
加工内容(No7)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行うこととしている。
加工内容(No8)では、まず、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行うことを2回繰り返すようにしている(繰り返し加工2往復)。なお、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行うことを繰り返し加工と示す場合がある。
加工内容(No9)では、まず、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行うことを4回繰り返すようにしている(繰り返し加工4往復)。
加工内容(No10)では、まず、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行うことを19回繰り返すようにしている(繰り返し加工19往復)。
第1の実験における実験結果について図7に基づいて説明する。図7において、縦軸で示す残留応力[MPa]が正の値の時は、引張残留応力であることを示し、残留応力[MPa]が負の値の時は、圧縮残留応力であることを示す。
加工内容(No1)の切削加工を実施した場合、引張残留応力が生じることがわかった。一方、加工内容(No4)の切削加工を実施した場合、圧縮残留応力が生じることがわかった。これにより、仕上げ加工において、最終切削加工をアップカットで実施すると、圧縮残留応力を発生させることが可能であることがわかった。
また、加工内容(No1)の切削加工を実施した場合と、加工内容(No7)の切削加工を実施した場合の比較結果から、最終切削加工の後に、切込み量が0[mm]のアップカットを実施すると、圧縮残留応力を発生させることが可能であることがわかった。
加工内容(No7)の切削加工を実施した場合と、加工内容(No5)の切削加工を実施した場合とを比較すると、加工内容(No5)の圧縮残留応力のほうが、大きくなる(負側に残留応力が大きくなる)ことがわかった。これにより、最終切削加工の後に、切込み量が0[mm]のアップカットを複数回連続して実施すると、圧縮残留応力が大きくなることがわかった。
加工内容(No5)の切削加工を実施した場合と、加工内容(No8)の切削加工を実施した場合とを比較すると、加工内容(No8)の圧縮残留応力のほうが、わずかに大きくなることがわかった。その一方で、加工内容(No5)の切削加工を実施した場合と、加工内容(No6)の切削加工を実施した場合とを比較すると、圧縮残留応力の値がほぼ同じであった。しかしながら、加工内容(No8)の切削加工を実施した場合と、加工内容(No9)の切削加工を実施した場合とを比較すると、加工内容(No9)の圧縮残留応力のほうが、小さくなる(正側に残留応力が大きくなる)ことがわかった。さらに、加工内容(No8)~加工内容(No10)における結果を比較すると、加工内容(No10)の圧縮残留応力が最も小さくなる(正側に残留応力が大きくなる)ことがわかった。
これにより、最終切削加工の後に、切込み量が0[mm]のアップカットを複数回連続して実施する場合、所定回数(例えば、3回)以下であることが好ましいことがわかった。さらには、切込み量が0[mm]のダウンカットを挟まず、切込み量が0[mm]のアップカットを複数回(例えば、3回)連続して実施するほうが望ましいと考えられる。
以上の結果をまとめると、図7により、ダウンカットの後に切込み量が0[mm]のアップカットを実施することで、ダウンカットの後に切込み量が0[mm]のダウンカットを実施するよりも大きな圧縮残留応力を付与することができた。したがって、ゼロカット加工(切込み量が0[mm])でも最後の加工方法によって残留応力に大きな影響が生じると考えられる。一方、切込み量が0[mm]のアップカットを3回行った加工内容(No5とNo8)が最も高い圧縮残留応力となった。ただし、ゼロカット加工の回数が多くなるにつれて圧縮残留応力は減少している。したがって、大きな圧縮残留応力を付与するためには適切な繰り返し回数が存在すると考えられる。なお、第1の実験において、実験に使用する供試体を、炭素鋼(S50C)に変更した場合においても同様の傾向を得られた。
(第2の実験)
第2の実験の前提について説明する。第2の実験で使用したエンドミル13は、超硬2枚刃エンドミルである。その工具直径は、26[mm]であり、すくい角は、10[度]であり、第1外周逃げ角は、10[度]であり、リード角は、30[度]である。ただし、逃げ角再研済みであるため、工具直径は実測で、25[mm]となっている。また、実験に使用した供試体(被加工物20に相当)は、第1の実験と同様に、A7050-T7451のアルミニウム合金である。また、残留応力の測定方法は、第1の実験と同様である。
次に第2の実験における各加工内容について図8に基づいて説明する。第2の実験では、回転数を変化させた場合における残留応力を比較している。加工内容(No11~No18,No21~No28)ごとに、エンドミル13の回転数[rpm]と、送り[mm/min]を示している。いずれも、1刃あたりの送り量は、0.15[mm/1刃]で、いずれも同じである。この第2の実験結果を図9に示す。
図9に示すように、アップカットでは圧縮残留応力が、ダウンカットでは引張残留応力が生じた。また、回転数が約7000[rpm]以上で、ダウンカットでは回転数の増加による引張残留応力の増加が緩やかになった。一方、アップカットでは約7000[rpm]までは回転数の増加により圧縮残留応力が増加した(負側に残留応力が大きくなった)。しかしながら、約7000[rpm]以上では圧縮残留応力が減少した(正側に残留応力が大きくなった)。アップカットにおける圧縮残留応力の値(残留応力の絶対値)として最小は180[MPa]程度、最大は340[MPa]程度であり2倍近い変化であった。アップカットでは、供試体に対してエンドミル13が削り上げる様に進むためエンドミル13と供試体の接触前にはこすり部分が生じる。この際に、加工面にはエンドミル13の刃先丸みによる押しならし力や擦られることによる熱的影響が作用していると考えられる。なお、第2の実験において、実験に使用する供試体を、炭素鋼(S50C)に変更した場合においても同様の傾向を得られた。
(第3の実験)
第3の実験の前提について説明する。第3の実験で使用したエンドミル13は、ハイス2枚刃エンドミルである。その工具直径は、20[mm]であり、すくい角は、12[度]であり、第1外周逃げ角は、11[度]であり、リード角は、25[度]である。また、エンドミル13の回転数は、750[rpm]であり、送りは、150[mm/min]であり、1刃あたりの送り量は、0.10[mm/1刃]であり、周速は、47[m/min]である。また、実験に使用した供試体(被加工物20に相当)は、炭素鋼(S50C)である。また、残留応力の測定方法は、第1の実験と同様である。
次に第3の実験における各加工内容について図10に基づいて説明する。第3の実験では、最後の加工方法を変化させた場合における残留応力を比較している。
加工内容(No31)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行ってそのまま終了することとしている。
加工内容(No32)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行ってそのまま終了することとしている。
加工内容(No33)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカットを1回行った後、切込み量を0.1[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行うこととしている。
加工内容(No34)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカットを1回行った後、切込み量を0.1[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行うこととしている。
加工内容(No35)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカットを1回行った後、切込み量を0.1[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行うこととしている。
加工内容(No36)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカットを1回行った後、切込み量を0.1[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行うこととしている。
次に、この第3の実験結果を図11に示す。図11に示すように、最終切削加工をアップカットで実施するならば、それ以前の加工内容にかかわらず、圧縮残留応力を付与することができると考えられる。なお、第3の実験において、実験に使用する供試体を、A7050-T7451のアルミニウム合金に変更した場合においても同様の傾向を得られた。
以上の第1の実験~第3の実験の結果から、本実施形態の切削加工装置10では、次のような切削加工方法を実施している。
切削加工装置10は、製品寸法となるように被加工物20の表面の一部を削り取る最終切削加工を行う場合、被加工物20の表面に圧縮残留応力が生じるようにアップカットで最終切削加工を実施する。すなわち、切削加工装置10の制御部15は、エンドミル13の回転制御やテーブル11の移動制御などの各種加工制御を実施して、最終切削加工を行う場合、被加工物20の表面に圧縮残留応力が生じるようにアップカットを実施する。
また、切削加工装置10は、最終切削加工の後、切込み量がゼロ(0[mm])となるアップカットを実施してもよい。最終切削加工の後、切込み量がゼロ(0[mm])となるアップカットを実施する場合、複数回実施することが望ましい。ただし、最終切削加工の後、切込み量がゼロ(0[mm])となるアップカットを複数回実施する場合、アップカットの回数は、圧縮残留応力が最も大きくなる所定回数(例えば3回)以下であることが好ましい。また、ダウンカット(ゼロカット加工)を間に挟まずに、連続して複数回のアップカット(ゼロカット加工)を実施することが望ましい。
また、最終切削加工においてアップカットを実施する場合、若しくは最終切削加工後にアップカット(ゼロカット加工)を実施する場合、その回転数は、圧縮残留応力が最も大きくなる回転数を基準として設定される所定範囲内であることが望ましい。所定範囲は、例えば、圧縮残留応力が最も大きくなる回転数の0.7倍~1.4倍の範囲内とすることが望ましい。第2の実験結果のように、約7000[rpm]のときに、圧縮残留応力が最も大きくなる場合、5000~10000[rpm]の範囲内とすることが望ましい。
本実施形態による効果について説明する。
切削加工装置10は、製品寸法となるように被加工物20の表面の一部を削り取る最終切削加工を行う場合、被加工物20の表面に圧縮残留応力が生じるように、アップカットで最終切削加工を実施する。このため、簡単な手順で、被加工物20の表面に圧縮残留応力を好適に付与することができる。
また、最終切削加工後に、切込み量がゼロとなるアップカットを実施してもよい。これにより、簡単な手順で、被加工物20の表面に圧縮残留応力を好適に付与することができる。また、最終切削加工後に切込み量がゼロとなるアップカットを実施する場合、当該アップカットを複数回実施してもよい。これにより、簡単な手順で圧縮残留応力を大きくすることができる。また、最終切削加工後に切込み量がゼロとなるアップカットを複数回実施する場合、当該アップカットの回数は、圧縮残留応力が最も大きくなる所定回数(例えば3回)以下となるようにした。これにより、圧縮残留応力を大きくしつつ、無駄なアップカットを実施する必要がなくなる。
最終切削加工後に切込み量がゼロとなるアップカットを複数回実施する場合、ダウンカットを間に挟まずに、連続して複数回のアップカットを実施するようにした。これにより、同じ回数のアップカットを実施する場合において、より圧縮残留応力を高くすることができる。また、無駄な手間を省くことができる。
また、最終切削加工においてアップカットを実施する場合、若しくは最終切削加工後にアップカット(ゼロカット加工)を実施する場合、エンドミル13の回転数が、圧縮残留応力が最も大きくなる回転数を基準として設定される所定範囲内となるようにした。これにより、圧縮残留応力を大きくすることができる。
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態で実施した第4の実験について説明する。なお、第1の実験と同じ条件については説明を省略する。また、第4の実験では、第1~第3の実験で使用した切削加工装置10とは異なる切削加工装置10(構成は同じ)を利用して行っている。このため、同じ加工内容であっても、結果が若干異なる場合がある。
(第4の実験)
第4の実験の前提について説明する。第4の実験で使用したエンドミル13は、超硬2枚刃エンドミルである。その工具直径は、20[mm]であり、すくい角は、10[度]であり、第1外周逃げ角は、10[度]であり、リード角は、30[度]である。また、エンドミル13の回転数は、3000[rpm]であり、送りは、900[mm/min]であり、1刃あたりの送り量は、0.15[mm/1刃]である。また、実験に使用した供試体(被加工物20に相当)は、A7050-T7451のアルミニウム合金である。
次に第4の実験における各加工内容について図12~図14に基づいて説明する。
図12に示すように、加工内容(No101)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行ってそのまま終了することとしている。
加工内容(No102)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行うこととしている。
加工内容(No103)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行うこととしている。
以降、同様に、加工内容(No104,No106,No108,No110)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを、それぞれ2~5回行うこととしている。
また、同様に、加工内容(No105,No107,No109,No111)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを、それぞれ2~5回行うこととしている。
図13に示すように、加工内容(No112)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行ってそのまま終了することとしている。
加工内容(No113)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行うこととしている。
加工内容(No114)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行うこととしている。
以降、同様に、加工内容(No115,No117,No119,No121)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを、それぞれ2~5回行うこととしている。
また、同様に、加工内容(No116,No118,No120,No122)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを、それぞれ2~5回行うこととしている。
図14に示すように、加工内容(No123)は、加工内容(No8)と同様の加工内容となっている。すなわち、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行い、繰り返し加工を2往復する。また、加工内容(No124)及び加工内容(No125)は、それぞれ、加工内容(No9)及び加工内容(No10)と同様の加工内容となっている。
加工内容(No126)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行う。
加工内容(No127)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行う。
加工内容(No128)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行い、最後に切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行う。
加工内容(No129)では、切込み量を0.2[mm]とするダウンカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするダウンカット→切込み量を0[mm]とするアップカット→切込み量を0[mm]とするダウンカット→切込み量を0[mm]とするアップカットをこの順番で行う。
加工内容(No130)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行う。
加工内容(No131)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行う。
加工内容(No132)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行い、最後に切込み量を0[mm]とするアップカットを1回行う。
加工内容(No133)では、切込み量を0.2[mm]とするアップカット(最終切削加工)を1回行った後、切込み量を0[mm]とするダウンカットを1回行う。その後、切込み量を0[mm]とするアップカット→切込み量を0[mm]とするダウンカット→切込み量を0[mm]とするアップカット→切込み量を0[mm]とするダウンカットをこの順番で行う。
第4の実験における実験結果について図15~17に基づいて説明する。図15~17において、縦軸で示す残留応力[MPa]が正の値の時は、引張残留応力であることを示し、残留応力[MPa]が負の値の時は、圧縮残留応力であることを示す。また、仕上げ加工の最後にアップカットが行われる場合、白抜きで結果を示す一方で、仕上げ加工の最後にダウンカットが行われる場合、ハッチングで結果を示す。
図15は、最終切削加工がダウンカットである加工内容(No101~No111)の結果をまとめたものである。図16は、最終切削加工がアップカットである加工内容(No112~No122)の結果をまとめたものである。図17は、ダウンカットとアップカットを交互に実行する繰り返し加工が含まれる加工内容(No123~No133)の結果をまとめたものである。
加工内容(No101)の切削加工を実施した場合、引張残留応力が生じることがわかった。一方、加工内容(No112)の切削加工を実施した場合、圧縮残留応力が生じることがわかった。これにより、最終切削加工をアップカットで実施すると、圧縮残留応力を発生させることが可能であることがわかった。
加工内容(No102)及び加工内容(No113)の加工を実施した場合、残留応力(引張残留応力及び圧縮残留応力)があまり生じないことがわかった。一方、加工内容(No103)及び加工内容(No114)の加工を実施した場合、圧縮残留応力が生じることがわかった。これにより、最終切削加工がアップカット及びダウンカットのいずれであっても、仕上げ加工において、アップカットを実施すると、圧縮残留応力を発生させることが可能であることがわかった。一方、最終切削加工がアップカット及びダウンカットのいずれであっても、仕上げ加工において、ダウンカットを1回だけ実施しても、圧縮残留応力を発生させにくいことがわかった。これは、仕上げ加工の最初の1回目において、削り残しを削るからだと考えられる。
加工内容(No104~111、No115~133)の加工を実施した場合、圧縮残留応力が生じることがわかった。これにより、最終切削加工がアップカット及びダウンカットのいずれであっても、仕上げ加工において、切込み量を0[mm]とするゼロカット加工を複数回実施すると、圧縮残留応力を発生させることが可能であることがわかった。
特に、加工内容(No106~111,No117~125,No127~129,No131~133)の実験結果から、ゼロカット加工を3回実施すると、仕上げ加工がアップカット及びダウンカットのいずれであっても、好適に圧縮残留応力を発生させることが可能であることがわかった。一方で、ゼロカット加工を4回以上実施しても、圧縮残留応力を増加させることは難しいことがわかった。
加工内容(No102,No104)及び加工内容(No113,No115)の結果から、仕上げ加工において、ダウンカットを1~2回実施しても、圧縮残留応力を適切に付与できない、若しくは、大きな圧縮残留応力を付与することができないことがわかる。これはおそらく、仕上げ加工において、最初の2回のダウンカット(ゼロカット)では、削り残しを削っているため、ゼロカット加工による圧縮残留応力の付与ができないからだと考えられる。これは、加工内容(No103)及び加工内容(No114)の結果から、仕上げ加工においてアップカットで削り残しを削った場合には、最終切削加工がアップカットの場合と同様の圧縮残留応力が付与されることからも推測できる。
このことから、削り残しがない状況であれば、ゼロカット加工により圧縮残留応力を適切に付与できると考えられる。このため、エンドミル13の仕様(硬度など)や切削加工装置10の仕様(エンドミル13を固定する力など)を調整し、1回目の仕上げ加工(ゼロカット加工)で削り残しをなくすことができれば、2回目以降のゼロカット加工で圧縮残留応力を適切に付与することができると考えられている。
また、加工内容(No127~129,No131~133)の実験結果から、アップカットとダウンカットを交互に実施する場合、ゼロカット加工を3回以上実施するのであれば、適切に圧縮残留応力を付与することができることがわかった。
また、加工内容(No126~133)の実験結果から、仕上げ加工の最後がアップカットであると、最後がダウンカットの場合に比較して、圧縮残留応力を増加させやすいことがわかった。
以上の第4の実験の結果から、第2実施形態の切削加工装置10では、次のような切削加工方法を実施している。
切削加工装置10は、製品寸法となるように被加工物20の表面の一部を削り取る最終切削加工を行う場合、被加工物20の表面に圧縮残留応力が生じるようにアップカットで最終切削加工を実施する。そして、切削加工装置10は、当該最終切削加工の後、切込み量がゼロ(0[mm])となるアップカットを実施してもよく、又はゼロカットを複数回実施してもよい。
なお、ゼロカットを複数回実施する場合において、切込み量がゼロ(0[mm])となるダウンカットを連続実施するのであれば、3回以上実施することが望ましい。また、ゼロカットを複数回実施する場合において、アップカットとダウンカットを交互に実施するのであれば、ゼロカットを合計2回以上実施することが望ましい。また、仕上げ加工において、ゼロカットを複数回実施する場合、切込み量がゼロ(0[mm])となるアップカットを最後に実施することが望ましい。
第2実施形態による効果について説明する。
最終切削加工をアップカットで実施するという簡単な手順で、被加工物20の表面に圧縮残留応力を好適に付与することができる。また、最終切削加工をアップカットで実施し、仕上げ加工において切込み量がゼロ(0[mm])となるアップカットを1又は複数回実施する、あるいは仕上げ加工においてゼロカットを複数回実施することにより、被加工物20の表面に圧縮残留応力をより好適に付与することができる。
その際、切込み量がゼロ(0[mm])となるアップカット及び切込み量がゼロ(0[mm])となるダウンカットを交互に実施しても、圧縮残留応力を好適に付与することができる。また、仕上げ加工においてゼロカットを複数回実施する場合、切込み量がゼロ(0[mm])となるアップカットを最後に実施すれば、圧縮残留応力を容易に増加させることができる。
また、最終切削加工をアップカットで実施し、仕上げ加工において切込み量がゼロ(0[mm])となるダウンカット(ゼロカット)を3回以上実施すれば、適切に圧縮残留応力を付与することができる。
(変形例)
・上記実施形態の切削加工装置10は、エンドミル13を使用して切削加工を実施できるのであれば、その構成を任意に変更してもよい。例えば、切削加工装置10として、立型フライス盤、横型フライス盤、万能フライス盤、及びNCフライス盤のいずれを採用してもよい。また、旋盤やマシニングセンタであってもよい。また、エンドミル13の形状は任意に変更してもよい。
・上記第2実施形態において、最終切削加工をダウンカットで実施しなくてもよい。また、最終切削加工をアップカットで実施するのであれば、仕上げ加工でゼロカットを実施しなくてもよい。これにより、簡単に圧縮残留応力を付与できる。
・上記第2実施形態において、仕上げ加工でアップカットを実施するのであれば、1回だけでもよい。これにより、簡単に圧縮残留応力を付与できる。
・上記第2実施形態において、仕上げ加工でゼロカット加工を複数回実施する場合、アップカットとダウンカットを交互に実施しなくてもよい。例えば、どちらか一方を複数回連続して実行したのち、他方を1又は複数回実施してもよい。
・上記第2実施形態において、仕上げ加工でゼロカット加工を複数回実施する場合、最後がダウンカットであってもよい。
10…切削加工装置、11…テーブル、12…移動機構、13…エンドミル、14…回転機構、15…制御部、20…被加工物。

Claims (10)

  1. 先端部に切刃が設けられた工具によって金属材料からなる被加工物を切削加工する切削加工方法において、
    製品寸法となるように前記被加工物の表面の一部を削り取る最終切削加工を行う場合、前記被加工物の表面に圧縮残留応力が生じるように、アップカットで前記最終切削加工を実施する切削加工方法。
  2. 前記最終切削加工を行った後、切込み量がゼロとなるゼロカットを複数回実施する請求項1に記載の切削加工方法。
  3. 前記最終切削加工を行った後、切込み量がゼロとなるダウンカットを3回連続して実施する請求項2に記載の切削加工方法。
  4. 前記最終切削加工を行った後、切込み量がゼロとなるアップカット及び切込み量がゼロとなるダウンカットを交互に実施する請求項2に記載の切削加工方法。
  5. 前記最終切削加工を行った後、切込み量がゼロとなるアップカットを最後に実施する請求項2又は4に記載の切削加工方法。
  6. 前記最終切削加工を行った後、切込み量がゼロとなるゼロカットを実施しない請求項1に記載の切削加工方法。
  7. 前記最終切削加工を行った後、切込み量がゼロとなるアップカットを実施する請求項1に記載の切削加工方法。
  8. 前記工具の側面で前記被加工物を加工する側面加工である請求項1~4,6,7のうちいずれか1項に記載の切削加工方法。
  9. 前記被加工物は、アルミニウム合金又は鋼から構成される請求項1~4,6,7のうちいずれか1項に記載の切削加工方法。
  10. 先端部に切刃が設けられた工具によって金属材料からなる被加工物を切削加工する切削加工装置において、
    製品寸法となるように前記被加工物の表面の一部を削り取る最終切削加工を行う場合、前記被加工物の表面に圧縮残留応力が生じるように、アップカットで前記最終切削加工を実施する制御部を備えた切削加工装置。
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