JP2023077176A - 広帯域アンテナ、アンテナシステムおよび無線装置 - Google Patents

広帯域アンテナ、アンテナシステムおよび無線装置 Download PDF

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Dinh Thanh Le
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Abstract

【課題】小型の広帯域アンテナ、広帯域アンテナを用いたアンテナシステム及び無線装置を提供する。【解決手段】広帯域アンテナ1は、ボウタイ型のアンテナを末広がり方向の直線で二分割して得られる形状を有する第1アンテナ素子10及び第2アンテナ素子20を備える。接地導体板30は、第1アンテナ素子の末広がり方向側に配置されている。第1アンテナ素子の末広がった先の縁は、接地導体板の縁に対向している。第1給電線12は、第1アンテナ素子の末広がり元から前方向に延び、基板32の前側の長辺に至った位置で左方向に折れ曲がり、さらに、基板の前側の長辺に沿って左方向に延びて接地導体板に至る。第2給電線22は、第2アンテナ素子の末広がり元から基板を挟んで第1給電線に対向して延び、第1給電線に対向して延びた先で、基板を挟んで接地導体板に対向して延びて、基板上の給電導体板24に至る。【選択図】図1

Description

本発明は、広帯域アンテナ、アンテナシステムおよび無線装置に関し、特に、アンテナの構造に関する。
移動通信システムが広く用いられている。移動通信システムでは、スマートフォン等のモバイル端末の相互間で通話が可能である他、インターネット通信が可能である。モバイル端末は無線通信を介してインターネットに情報を送信し、あるいはインターネットから情報を取得する。近年では、5G(5th Generation)の規格に従う移動通信システムが実用化され、情報伝送の高速化が図られている。これによって、インターネットからモバイル端末に大容量のコンテンツが高速に提供される。
米国特許出願公開第2008/0303733号明細書 特表2020-509691号公報 特表2018-538738号公報
Dinh Thanh Le, and Yoshio Karasawa, "A Simple Broadband Antenna for MIMO Applications in Cognitive Radio", IEICE Trans. Commun., vol.E95-B, no.01, pp.18-26, Jan. 2012.
モバイル端末の使用形態の1つとして、自動車の車室にモバイル端末を固定するものがある。この使用形態では車載用の外部アンテナが用いられる。外部アンテナは、車室内に引き込まれた給電線によってモバイル端末に接続される。外部アンテナは、スポイラ、バンパ、天井等における限られた領域に配置されるため、小型であることが望まれる。
また、複数のアンテナを用いて無線通信を行う技術(特許文献1、非特許文献1等)によって、マルチパス環境下で電波信号を良好に送受信する基地局がある。この場合も、複数のアンテナを配置する領域を確保するため、各アンテナの小型化が望まれる。しかし、以下に説明するように、情報伝送の高速化という条件の下では、アンテナを小型にすることが困難な場合がある。
一般に、無線通信において情報伝送速度を大きくすると、電波信号の占有帯域幅が広くなる。しかし、占有帯域幅が広い電波信号を良好に送受信するためには、アンテナが大きくなってしまうことがある。例えば、特許文献2および3に記載されているボウタイアンテナのような、自己補対アンテナを原型とするアンテナは、広い使用周波数帯域(アンテナの性能が確保される周波数帯域)を確保する構造を有し、占有帯域幅が広い電波信号を良好に送受信する。しかし、自己補対アンテナを原型とするアンテナは、線状アンテナ等の一般的なアンテナに比べて大型である。
本発明は、アンテナの使用周波数帯域を広げると共に、アンテナを小型化することを目的とする。
本発明は、互いに反対方向に向かって末広がる第1アンテナ素子および第2アンテナ素子と、前記第1アンテナ素子の末広がり方向側に配置された接地導体板と、前記第1アンテナ素子の末広がり元に一端が接続され、他端が前記接地導体板に接続された第1給電線と、前記第2アンテナ素子の末広がり元に一端が接続され、前記第1給電線に対向して延びる第2給電線と、を備え、前記第1アンテナ素子の末広がった先の縁が、前記接地導体板の縁に対向していることを特徴とする。
望ましくは、前記第1アンテナ素子は、前記第1アンテナ素子の末広がり方向に対して対称に末広がる形状を、前記第1アンテナ素子の末広がり方向に延びる第1直線で二分割して得られる形状を有し、前記第2アンテナ素子は、前記第2アンテナ素子の末広がり方向に対して対称に末広がる形状を、前記第2アンテナ素子の末広がり方向に延びる第2直線で二分割して得られる形状を有する。
望ましくは、前記第1給電線および前記第2給電線は、前記第1アンテナ素子の末広がり方向に沿って延びる部分を有する。
また、本発明の実施形態に係るアンテナシステムは、六面体形状における12辺のそれぞれに対応する位置に前記広帯域アンテナを備え、前記六面体形状の各辺が延びる方向と、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の各末広がり方向とが揃えられた姿勢で、各前記広帯域アンテナが配置されている。
本発明の実施形態に係る無線装置は、前記広帯域アンテナを複数備え、各前記広帯域アンテナで受信された電波信号のレベルを検出する検出部と、前記検出部で検出された電波信号のレベルに基づいて、複数の前記広帯域アンテナのうちいずれかを選択する選択部と、前記選択部によって選択された前記広帯域アンテナによって無線通信を行う無線部と、 を備える。
本発明によれば、アンテナの使用周波数帯域を広げると共に、アンテナを小型化することができる。
本発明の実施形態に係る広帯域アンテナの斜視図である。 本発明の実施形態に係る広帯域アンテナの分解斜視図である。 反射係数のシミュレーション結果を示す図である。 定在波比のシミュレーション結果を示す図である。 同軸コネクタが固定された広帯域アンテナを示す図である。 同軸コネクタが固定された広帯域アンテナを示す図である。 広帯域アンテナが自動車の内装品または外装品に配置される例を示す図である。 本発明の応用実施形態に係るアンテナシステムの斜視図である。 反射係数のシミュレーション結果を示す図である。 定在波比のシミュレーション結果を示す図である。 透過係数のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第2の応用実施形態に係るMIMO無線装置の構成を示す図である。
各図を参照して本発明の実施形態について説明する。複数の図面に示されている同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を簡略化する。
図1には、本発明の実施形態に係る広帯域アンテナ1の斜視図が示されている。図2には、広帯域アンテナ1を仮に分解した場合の斜視図が示されている。図1および図2では、基板32の長辺に沿った方向が左右方向と定められ、基板32の短辺に沿った方向が前後方向として定められている。各図に示された「右」「前」および「上」の用語は説明の便宜上のものであり、広帯域アンテナ1を配置する際の姿勢を限定するものではない。
広帯域アンテナ1は、第1アンテナ素子10、第1給電線12、第2アンテナ素子20、第2給電線22、給電導体板24および基板32を備えている。基板32は、絶縁体によって長方形状に形成されている。第1アンテナ素子10、第1給電線12および接地導体板30は基板32の下面に配置され、第2アンテナ素子20、第2給電線22および給電導体板24は基板32の上面に配置されている。
第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20は、互いに反対方向に向かって末広がる形状を有する。すなわち、第1アンテナ素子10は左方向に向かって末広がる形状を有し、第2アンテナ素子20は右方向に向かって末広がる形状を有する。第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20のそれぞれは、左右に延びる縁と、前後に延びる縁とが90°の角を形成する略直角三角形状に形成されている。第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20の左右に延びる縁は、基板32の後ろ側の長辺に揃えられている。
第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20は、ボウタイ型のアンテナ(ボウタイアンテナ)を末広がり方向の直線Lで二分割して得られる形状を有する。ボウタイアンテナは、一対のアンテナ素子が互いに反対方向に二等辺三角形状(末広がり方向に対して対称に末広がる形状)に広がったアンテナである。すなわち、第1アンテナ素子10は、第1アンテナ素子10の末広がり方向に対して対称に末広がる形状を、第1アンテナ素子10の末広がり方向に延びる第1直線で二分割して得られる形状を有する。第2アンテナ素子20は、第2アンテナ素子20の末広がり方向に対して対称に末広がる形状を、第2アンテナ素子20の末広がり方向に延びる第2直線で二分割して得られる形状を有する。これによって、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20のそれぞれは、ボウタイアンテナの各アンテナ素子よりも占有面積が狭くなる。
なお、基板32の短辺方向の幅を後方に広げ、第1アンテナ素子10の形状を図2の一点鎖線で示すように、後ろ側の縁が左斜め後方に延びた形状としてもよい。同様に、第2アンテナ素子20の形状を、後ろ側の縁が右斜め後方に延びた形状としてもよい。
接地導体板30は、第1アンテナ素子10の末広がり方向側(左側)に配置され、基板32の短辺方向全域に亘って基板32の下面を覆っている。接地導体板30の第1アンテナ素子10側には、前後方向に延びる直線状の縁が形成されている。第1アンテナ素子10の末広がった先の縁は、接地導体板30の縁に対向している。第1アンテナ素子10の縁と接地導体板30の縁との間は、第1アンテナ素子10と接地導体板30とが電磁気的に結合する距離で隔てられている。
第1給電線12の一端は、第1アンテナ素子10の末広がり元に接続され、他端は接地導体板30に接続されている。第1給電線12は、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20の各末広がり方向に交わる方向に延びる部分と、第1アンテナ素子10の末広がり方向に沿って延びる部分とを有する。すなわち、第1給電線12は、第1アンテナ素子10の末広がり元から前方向に延び、基板32の前側の長辺に至った位置で左方向に折れ曲がり、さらに、基板32の前側の長辺に沿って左方向に延びて接地導体板30に至る。
第2給電線22の一端は、第2アンテナ素子20の末広がり元に接続され、他端は給電導体板24に接続されている。すなわち、第2給電線22は、基板32を挟んで第1給電線12に対向して延び、第1給電線12に対向して延びた先で、基板32を挟んで接地導体板30に対向して延びて、基板32上の給電導体板24に至る。給電導体板24は、第2給電線22の末端から後ろ方向に延びた長方形状に形成されている。
広帯域アンテナ1が電磁波を放射する動作について説明する。給電導体板24と接地導体板30との間に送信信号が入力されると、送信信号は第1給電線12および第2給電線22に沿って伝搬し、第1アンテナ素子10の末広がり元と第2アンテナ素子20の末広がり元との間に至る。これによって、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20に電流が流れ、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20から電磁波が放射される。
第1給電線12および第2給電線22に平衡モード電流が流れることで、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20がダイポールアンテナとして動作し、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20から電磁波が放射される。ここで、平衡モード電流は、第1給電線12および第2給電線22に互いに同振幅かつ逆位相で流れる電流である。
広帯域アンテナ1では、平衡モード電流に加えて、第1給電線12および第2給電線22に同位相の不平衡モード電流が流れる。これによって、第1給電線12および第2給電線22がモノポールアンテナとして動作し、第1給電線12および第2給電線22からも電磁波が放射される。
第1給電線12および第2給電線22に不平衡モード電流が流れる理由は、第1アンテナ素子10の末広がった先の縁が接地導体板30の縁に対向することで、第1アンテナ素子10が接地導体板30に電磁気的に結合するためである。これによって、第1アンテナ素子10の接地導体板30に対するインピーダンスが低下する。さらに、第2給電線22は第1給電線12に電磁気的に結合しているので、第2給電線22および第1給電線12を通り、第1アンテナ素子10を介して接地導体板30に至る電流経路が形成される。この電流経路を形成する第1給電線12および第2給電線22に、送信信号に基づく不平衡モード電流が流れる。
広帯域アンテナ1の使用周波数帯域について説明する。一般に、アンテナでは放射効率等が実用的となる使用周波数帯域が限られる。ここで、放射効率とは、アンテナに入力された信号の電力に対する、アンテナから放射される電磁波の電力の比率をいう。広帯域アンテナ1では、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20から電磁波が放射される周波数帯域に対し、第1給電線12および第2給電線22から電磁波が放射される周波数帯域が低域または高域にずれるように設計条件が定められる。設計条件には、第1アンテナ素子10、第2アンテナ素子20、第1給電線12および第2給電線22の配置位置や、形状、大きさ等がある。これによって、広帯域アンテナ1の使用周波数帯域が広くなる。
第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20が構成するアンテナは、ボウタイアンテナよりも占有面積を狭くしたものである。そのため、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20のみによってアンテナを構成したのでは、ボウタイアンテナよりも使用周波数帯域が狭くなる可能性がある。広帯域アンテナ1では、第1給電線12および第2給電線22からの放射電磁波によって、占有面積を狭くしたことによる使用周波数の狭帯域化が補償される。これによって、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20を小型にしつつ使用周波数帯域が広げられる。
なお、基板32の短辺方向の幅を後方に広げ、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20のそれぞれを、末広がり方向(左右方向)に対して対称に末広がるボウタイアンテナと同様の形状としてもよい。さらに、各アンテナ素子の末広がり方向の長さを、理想的な使用周波数帯域が得られるボウタイアンテナより短くしてもよい。これによって、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20が構成するアンテナの使用周波数帯域幅が狭くなる可能性があるが、第1給電線12および第2給電線22からの放射電磁波によって使用周波数の狭帯域化が補償される。したがって、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20を小型にしつつ使用周波数帯域が広げられる。
次に、広帯域アンテナ1の指向性について、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20の指向性と、第1給電線12および第2給電線22の指向性とに分けて説明する。第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20は、それぞれの末広がり方向に対して垂直な方向に指向性を有する。また、第1給電線12および第2給電線22のうち、第1アンテナ素子10の末広がり方向に沿って延びる部分は、第1アンテナ素子10の末広がり方向に対して垂直な方向に指向性を有する。したがって、広帯域アンテナ1は、広い周波数帯域に亘って、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20の各末広がり方向に垂直な方向に指向性を有し、それぞれの末広がり方向に垂直な平面内で放射電力が大きくなる。
図3には、広帯域アンテナ1について得られたシミュレーション結果が示されている。横軸は周波数を示し、縦軸は反射係数を示す。ここで、反射係数とは、給電導体板24に入射した信号の電力に対する、給電導体板24で反射した信号の電力の比率をいう。反射係数が小さい程、広帯域アンテナ1から放射される電磁波の電力が大きい。
図3に示されているように、3.3GHz、4.11GHzおよび4.85GHzのそれぞれにおいて反射係数が極小となる。3.3GHzで反射係数が極小となる特性は、第1給電線12および第2給電線22によって実現されている。4.85GHzで反射係数が極小となる特性は、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20によって実現されている。4.11GHzで反射係数が極小となる特性は、第1給電線12および第2給電線22による特性と、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20による特性との組み合わせによって実現されている。5Gの規格で使用される3.3GHz以上4.99GHz以下の周波数帯域で、反射係数は-10.5dB以下である。
図4には、定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)のシミュレーション結果が示されている。横軸は周波数を示し、縦軸は定在波比を示す。定在波比は、反射係数と同様の物理的意義を有し、反射係数をΓとし、定在波比をρとした場合にはρ = (1+Γ)/(1-Γ)の関係がある。定在波比が小さい程、広帯域アンテナ1から放射される電磁波の電力が大きい。
上記では、広帯域アンテナ1が電磁波を放射する動作が示された。アンテナの放射特性が良好である場合には、アンテナの受信特性も良好であることが物理学的に証明されている。例えば、アンテナの放射効率が大きい周波数では受信感度も大きくなる。また、アンテナから放射される電磁波とアンテナで受信される電磁波については指向性が同一となる。したがって、広帯域アンテナ1によれば、電磁波を受信する場合についても使用周波数帯域が広くなる。
広帯域アンテナ1は同軸ケーブルに接続されてもよい。この場合、図5に示されているように、基板32の下面側に同軸コネクタ40が固定される。同軸コネクタ40は、筒状導体42、筒状導体42の一端に導体によって形成されたフランジ44、および筒状導体42の内側に筒状導体42と中心軸を共通にして配置された線状の内導体46を備えている。筒状導体42と内導体46との間には絶縁体が充填されてもよい。接地導体板30には、内導体46が貫通する開口48が形成されている。フランジ44の上面は接地導体板30に接合されている。内導体46は開口48および基板32を貫通し、基板32の上面に配置された給電導体板24に接続されている。同軸ケーブルの先端に設けられたコネクタが同軸コネクタ40に接続されることで、同軸ケーブルの芯線と内導体46とが導通し、同軸ケーブルの外導体と筒状導体42とが導通する。これによって同軸ケーブルの芯線と給電導体板24とが導通し、同軸ケーブルの外導体と接地導体板30とが導通する。
同軸コネクタ40は、基板32の周辺に固定されてもよい。図6に示されている例では、同軸コネクタ40のフランジ44が基板32に対して垂直に、基板32の後ろ側の長辺に固定され、接地導体板30に接合されている。給電導体板24は、第2給電線22の末端から基板32の後ろ側の長辺に至り、同軸コネクタ40の内導体46は給電導体板24に接続されている。ここでは、基板32の後ろ側の長辺に同軸コネクタ40が固定された例が示されたが、同軸コネクタ40は、基板32の左側の短辺に固定されてもよい。この場合、給電導体板24は、第2給電線22の末端から後方に延び、基板32上で左方向に折れ曲がって左側の短辺に向かって延びる。
広帯域アンテナ1は、5G以降の規格に従うモバイル端末の車載用外部アンテナとして用いられてよい。この場合、広帯域アンテナ1は、図7に示されているように、自動車50のスポイラ52、ドアミラー54等の外装品や、車室におけるバックミラー56等の内装品に配置されてよい。また、広帯域アンテナ1は、シャークフィンアンテナ58に用いられてもよい。この場合、自動車50の天井に固定されるシャークフィン状のケース内に、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20の各末広がり方向を鉛直方向に向けた姿勢で、広帯域アンテナ1が配置されてよい。図7には、自動車50の内装品または外装品に2つの広帯域アンテナ1が配置された例が示されている。自動車50に搭載されるモバイル端末は、2つの広帯域アンテナ1のうち、通信状況が良好なものを選択して用いる処理を実行してもよい。
図8には、本発明の応用実施形態に係るアンテナシステム2が示されている。アンテナシステム2は、立方体形状の各辺に上記の広帯域アンテナ1と同様の構造を有する広帯域アンテナ1―k(k=1~12)を配置したものである。ただし、広帯域アンテナ1-1~1-12には、図1に示された広帯域アンテナ1に対して鏡像の関係にある構造を有するものも含まれる。
アンテナシステム2では、立方体形状の各辺が延びる方向と、第1アンテナ素子10および第2アンテナ素子20の各末広がり方向とが揃えられた姿勢で、各広帯域アンテナ1-kが配置されている。12本の辺に配置された広帯域アンテナ1-1~1-12は異なる位置で電磁波を放射し、受信する。また、延在方向が異なる辺に配置された広帯域アンテナは、異なる方向に電磁波を放射し、異なる方向から到来した電磁波を受信する。
アンテナシステム2は、ダイバーシティ無線装置に用いられてよい。ダイバーシティ無線装置は、広帯域アンテナ1-1~1-12のうち受信状況が良好なものを選択的に用いる。また、アンテナシステム2は、後述するMIMO(Multiple Input Multiple Output)無線装置に用いられてもよい。MIMO無線装置もまた、広帯域アンテナ1-1~1-12のうち受信状態が良好なものを選択的に用いる。MIMO無線装置は、選択した複数の広帯域アンテナのそれぞれによって個別に無線通信を行い、他のMIMO無線装置との間で多重通信を行う。アンテナシステム2は、車載用外部アンテナの他、移動通信システムの基地局等、一般的な無線装置に用いられてもよい。
アンテナシステム2の具体的な構造について説明する。図8では、立方体形状の辺に沿って奥側に向かう方向が、アンテナシステム2の前方向として定義されている。また、立方体形状の辺に沿って右側および上側に向かう方向が、それぞれ、アンテナシステム2の右方向および上方向として定義されている。図8に示された「右」「前」および「上」の用語は説明の便宜上のものであり、アンテナシステム2を配置する際の姿勢を限定するものではない。
アンテナシステム2は、立方体形状の各辺をなすフレーム基板構造60を備えている。フレーム基板構造60は、上枠基板62、下枠基板64、および柱基板66A~66Dを有する。上枠基板62は、帯状の板が正方形状に周回した構造を有する。下枠基板64は上枠基板62と同一の形状を有し、上枠基板62の下方で、上枠基板62に対して平行に対向している。柱基板66A~66Dは、上枠基板62の四隅と下枠基板64の四隅との間を結んでいる。
より詳細には、柱基板66Aは、上枠基板62の左前の角の前側と、下枠基板64の左前の角の前側とを結んでいる。柱基板66Bは、上枠基板62の右後ろの角の後ろ側と、下枠基板64の右後ろの角の後ろ側とを結んでいる。柱基板66Cは、上枠基板62の右前の角の右側と、下枠基板64の右前の角の右側との間を結んでいる。柱基板66Dは、上枠基板62の左後ろの角の左側と、下枠基板64の左後ろの角の左側との間を結んでいる。フレーム基板構造60の各辺の長さは、使用周波数帯域の中心周波数に対応する波長の約半分であってよい。
上枠基板62の各辺に対応するフレームには、広帯域アンテナ1-1~1-4が構成されている。上枠基板62に構成される広帯域アンテナ1-1~1-4は、上枠基板62および下枠基板64のそれぞれの内側を貫く中心線70に関し、90°回転対称構造を有する。上枠基板62のうち左側で前後方向に延びるフレームには広帯域アンテナ1-1が構成され、反時計回りに順に、広帯域アンテナ1-2~1-4が上枠基板62の各フレームに構成されている。
広帯域アンテナ1-1~1-4のそれぞれの第1アンテナ素子10、第1給電線12および接地導体板30は、上枠基板62の下面に配置され、第2アンテナ素子20、第2給電線22および給電導体板24は、上枠基板62の上面に配置されている。また、広帯域アンテナ1-1~1-4は、それぞれの第2アンテナ素子20の末広がり方向が反時計周り方向となるように、上枠基板62に構成されている。
下枠基板64には広帯域アンテナ1-5~1-8が構成されている。広帯域アンテナ1-5~1-8は、それぞれ、広帯域アンテナ1-1~1-4に対し、上下対称の構造を有する。
柱基板66Aには広帯域アンテナ1-9が構成されている。広帯域アンテナ1-9の第1アンテナ素子10、第1給電線12および接地導体板30は、柱基板66Aの後面に配置され、第2アンテナ素子20、第2給電線22および給電導体板24は、柱基板66Aの前面に配置されている。また、広帯域アンテナ1-9は、第2アンテナ素子20の末広がり方向が上向きとなるように、柱基板66Aに構成されている。
柱基板66Dには広帯域アンテナ1-12が構成されている。広帯域アンテナ1-12の第1アンテナ素子10、第1給電線12および接地導体板30は、柱基板66Dの右側の面に配置され、第2アンテナ素子20、第2給電線22および給電導体板24は、柱基板66Dの左側の面に配置されている。また、広帯域アンテナ1-12は、第2アンテナ素子20の末広がり方向が下向きとなるように、柱基板66Dに構成されている。
柱基板66Bおよび柱基板66Cには、それぞれ、広帯域アンテナ1-10および1-11が構成されている。広帯域アンテナ1-10および1-11は、それぞれ、広帯域アンテナ1-9および1-12を、中心線70を中心に180°回転させたものと同様の構造を有する。
上記では、立方体形状の各辺に広帯域アンテナ1-kを配置した構造が示された。アンテナシステム2は、一般的な六面体形状の各辺に広帯域アンテナ1-kを配置した構成を有してもよい。すなわち、立方体形状を一般的な六面体形状に変形させて、アンテナシステム2の特性を調整してもよい。
図9には、アンテナシステム2について得られた反射係数のシミュレーション結果が示されている。横軸は周波数を示し、縦軸は反射係数を示す。アンテナシステム2の構造の対称性から、広帯域アンテナ1-1~1-12は、特性が近似する3つのアンテナグループに分けられる。第1のアンテナグループは、広帯域アンテナ10-1、10-3、10-6および10-8からなるグループである。第2のアンテナグループは、広帯域アンテナ10-2、10-4、10-5および10-7からなるグループである。第3のアンテナグループは、広帯域アンテナ10-9~10-12からなるグループである。図9には、第1~第3のアンテナグループについてそれぞれ計算された反射係数群Γ1~Γ3が示されている。反射係数群Γ1~Γ3のそれぞれは、対応するアンテナグループに属する4つの反射係数を含み、各反射係数群が示す4本の特性曲線は近接し、または重なっている。
図10には、アンテナシステム2について得られた定在波比のシミュレーション結果が示されている。横軸は周波数を示し、縦軸は反射係数を示す。図10には、第1~第3のアンテナグループについてそれぞれ計算された定在波比群ρ1~ρ3が示されている。定在波比群ρ1~ρ3のそれぞれは、対応するアンテナグループに属する4つの定在波比を含み、各定在波比群が示す4本の特性曲線は近接し、または重なっている。
図11には、アンテナシステム2について得られた透過係数のシミュレーション結果が示されている。横軸は周波数を示し、縦軸は透過係数を示す。透過係数は、ある1つの広帯域アンテナの給電導体板24に入射した信号の電力に対する、他の1つの広帯域アンテナの給電導体板24から出力される信号の電力の比率をいう。図11には、広帯域アンテナ1-1~1-12から2つを選択する66通りの組み合わせについての透過係数が示されている。透過係数が小さい程、2つの広帯域アンテナの結合が小さい。アンテナシステム2がダイバーシティ無線装置やMIMO無線装置に用いられる場合、2つの広帯域アンテナ間の透過係数が小さいことが望まれる。
図11に示されたシミュレーション結果では、広帯域アンテナ1-2および1-10の組、広帯域アンテナ1-4および1-9の組、広帯域アンテナ1-5および1-12の組、広帯域アンテナ1-7および1-11の組について計算された透過係数群Tに含まれる透過係数が、使用周波数帯域内で-9.8dB以下である。図8に示されているように、これらの広帯域アンテナの組では、第2アンテナ素子20が互いに近接しており、他の広帯域アンテナの組に比較して、透過係数が大きい傾向にある。
上記では、立方体形状の各辺に広帯域アンテナ1-kを配置したアンテナシステム2が示された。アンテナシステム2を構成する12個の広帯域アンテナ1-1~1-12のうち、複数個のいずれかを切り離したアンテナシステムが構成されてもよい。例えば、上枠基板62における4つの広帯域アンテナ1-1~1-4のみによってアンテナシステムが構成されてもよい。また、立方体形状の角を形成する3辺に配置された3つの広帯域アンテナのみ、あるいは、立方体形状の角を形成する2辺に配置された2つの広帯域アンテナのみによってアンテナシステムが構成されてもよい。さらに、平行に配置された2つの広帯域アンテナのみによってアンテナシステムが構成されてもよい。
図12には、第2の応用実施形態に係るMIMO無線装置3の構成が示されている。MIMO無線装置3は、アンテナシステム2、検出部80、選択部82および無線部84を備えている。検出部80は、広帯域アンテナ1-1~1-12で受信された各電波信号のレベルを検出し、各電波信号の検出レベルを選択部82に出力する。選択部82は、検出レベルが大きい方からM個の広帯域アンテナを選択し、無線部84に接続する。ここでMは、予め定められた1以上12以下の整数である。選択部82は、所定の時間間隔でM個の広帯域アンテナを選択してもよい。
MIMO無線装置3は、選択部82によって接続されたM個の広帯域アンテナによって無線通信を行う。通信相手のMIMO無線装置がN個のアンテナを用いる場合、MIMO無線装置3は、N×M本の伝送路によって多重通信を行う。これによって、通信状況が良好でない伝送路による無線通信を、他の伝送路によって支援する無線通信が行われ、MIMO無線装置3は、マルチパス環境下を伝搬する電波信号を良好に送受信する。
ここでは、12個の広帯域アンテナ1-1~1-12を用いたMIMO無線装置3が示されたが、MIMO無線装置3には、2~11個または13個以上の広帯域アンテナが用いられてもよい。
1,1-1~1-12 広帯域アンテナ、2 アンテナシステム、3 MIMO無線装置、10 第1アンテナ素子、12 第1給電線、20 第2アンテナ素子、22 第2給電線、24 給電導体板、30 接地導体板、32 基板、40 同軸コネクタ、42 筒状導体、44 フランジ、46 内導体、48 開口、50 自動車、52 スポイラ、54 ドアミラー、56 バックミラー、58 シャークフィンアンテナ、60 フレーム基板構造、62 上枠基板、64 下枠基板、66A~66D 柱基板、70 中心線、80 検出部、82 選択部、84 無線部。

Claims (5)

  1. 互いに反対方向に向かって末広がる第1アンテナ素子および第2アンテナ素子と、
    前記第1アンテナ素子の末広がり方向側に配置された接地導体板と、
    前記第1アンテナ素子の末広がり元に一端が接続され、他端が前記接地導体板に接続された第1給電線と、
    前記第2アンテナ素子の末広がり元に一端が接続され、前記第1給電線に対向して延びる第2給電線と、を備え、
    前記第1アンテナ素子の末広がった先の縁が、前記接地導体板の縁に対向していることを特徴とする広帯域アンテナ。
  2. 請求項1に記載の広帯域アンテナにおいて、
    前記第1アンテナ素子は、
    前記第1アンテナ素子の末広がり方向に対して対称に末広がる形状を、前記第1アンテナ素子の末広がり方向に延びる第1直線で二分割して得られる形状を有し、
    前記第2アンテナ素子は、
    前記第2アンテナ素子の末広がり方向に対して対称に末広がる形状を、前記第2アンテナ素子の末広がり方向に延びる第2直線で二分割して得られる形状を有することを特徴とする広帯域アンテナ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の広帯域アンテナにおいて、
    前記第1給電線および前記第2給電線は、
    前記第1アンテナ素子の末広がり方向に沿って延びる部分を有することを特徴とする広帯域アンテナ。
  4. 六面体形状における12辺のそれぞれに対応する位置に、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の広帯域アンテナを備え、
    前記六面体形状の各辺が延びる方向と、前記第1アンテナ素子および前記第2アンテナ素子の各末広がり方向とが揃えられた姿勢で、各前記広帯域アンテナが配置されていることを特徴とするアンテナシステム。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の広帯域アンテナを複数備える無線装置において、
    各前記広帯域アンテナで受信された電波信号のレベルを検出する検出部と、
    前記検出部で検出された電波信号のレベルに基づいて、複数の前記広帯域アンテナのうちいずれかを選択する選択部と、
    前記選択部によって選択された前記広帯域アンテナによって無線通信を行う無線部と、
    を備えることを特徴とする無線装置。
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