JP2023076155A - 金属音響整合層及びトランスデューサ - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電振動子で発生した熱を音響媒体に放出し、かつ、加熱された場合でも音響整合層の音響インピーダンスの変動を抑制する。【解決手段】金属で構成されて音響媒体へ音波を伝達する金属音響整合層であって、音波を入力する入力端と、音響媒体に面して音波を放射する出力端と、前記出力端から所定の厚さで形成された質量部と、前記質量部に接する充填材を内部に有する音響インピーダンス変換部と、を有し、前記充填材は、前記音響インピーダンス変換部及び前記質量部を構成する材料とは異なる材料で構成される。【選択図】図2
Description
本発明は、音響整合層を介して音波を送波するトランスデューサに関する。
魚群探知機やソーナー、音響通信装置などの音響装置においては、音響性能の向上のために音響出力のハイパワー化が必要とされている。音響装置をハイパワー化するためには、電気信号を機械振動に変換する圧電振動子への入力電気信号を大きくすればよいが、機械振動が大きくなると圧電振動子の発熱も大きくなり音響特性が劣化する。
圧電振動子を直接音響媒体等で冷却する手法も考えられるが、水中の音響装置の音響媒体である水(音響インピーダンス:1.5Mrayls)と圧電振動子(音響インピーダンス:20-30Mrayls)の音響インピーダンスが異なるため、音響媒体との境界面で音波が反射する。この境界面での反射を抑制するために音響整合層を水等の音響媒体と圧電振動子の間に挿入する技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。音響整合層には水と圧電振動子の間の音響インピーダンスとなる材料を挿入するが、樹脂系の材料に金属あるいは酸化物などのフィラーを混入した複合材が広く採用されている。
特許文献1には、放熱のための金属整合層と冷却用音響媒体を採用する技術が開示されている。また、特許文献2には、音響インピーダンス整合のために、多数の先細柱状体からなる第1の音響整合層に、音響インピーダンスの異なる第2の音響整合層を充填させ、音響インピーダンスを圧電振動子から音響媒体に向けて徐々に変化させていく技術が開示されている。
音響整合層としては音響媒体である水と圧電振動子の間の音響インピーダンスとなる材料を採用するが、樹脂系の材料に金属あるいは酸化物などのフィラーを混入した複合材が広く採用されている。しかしながら、樹脂は金属と比較すると、体積や弾性率が温度で大きく変化するため、密度と音速で決定する音響インピーダンスも温度で変化することになり、ハイパワーでの音響出力時に音響の整合が困難になるという問題があった。
上記特許文献1では、音響整合層の金属材料が圧電振動子よりも小さな音響インピーダンスと記載されているだけであり、また金属の音響整合層は現存するバルク状の金属を前提に考慮されているだけであるため、採用できる金属材料が限定されてしまい設計の自由度が少なく、音響特性の広帯域化が望めない。
また、特許文献2では、音波を音響媒体へ放射する第1の音響整合層の尖端部が細くなっているため、音響の放射効率が悪いという問題があった。また、特許文献2の第1の音響整合層と第2の音響整合層の材料を音響インピーダンスのパラメータだけで決定しているが、特に金属を第1の音響整合層に採用した場合、ある条件下で広帯域化が望めないという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、圧電振動子で発生した熱を音響媒体に放出し、かつ、加熱された場合でも音響整合層の音響インピーダンスの変動を抑制することを目的とする。
本発明は、金属で構成されて音響媒体へ音波を伝達する金属音響整合層であって、音波を入力する入力端と、音響媒体に面して音波を放射する出力端と、前記出力端から所定の厚さで形成された質量部と、前記質量部に接する充填材を内部に有する音響インピーダンス変換部と、を有し、前記充填材は、前記音響インピーダンス変換部及び前記質量部を構成する材料とは異なる材料で構成される。
したがって、本発明は、音響整合層に金属を採用することにより、圧電振動子で発生した熱を音響媒体に放出し、かつ、熱が加わっても音響整合層の音響インピーダンスの変動を抑制することで高温時でも安定した音響特性を実現できる。また、音響インピーダンス変換部の形状を変化させることにより、様々な種類の金属材料を採用して音響媒体との音響整合が可能となり、設計の自由度を増大して音響の広帯域化が容易になる。
本明細書において開示される主題の、少なくとも一つの実施の詳細は、添付されている図面と以下の記述の中で述べられる。開示される主題のその他の特徴、態様、効果は、以下の開示、図面、請求項により明らかにされる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1を示し、金属材料と充填材で構成した音響整合層を有する振動子2を複数用いたトランスデューサ1の一例を示す斜視断面図である。本実施例のトランスデューサ1は、音響媒体としての水中に音波を出力して物体の検出及び測距を行うものである。
トランスデューサ1は方形の箱状に形成された水密ケース100内に、複数の振動子2を格子状に配置して水中ケーブル101と接続し、水中ケーブル101から入力された電気信号で振動子2を振動させて音響媒体に音波を出力する。
水密ケース100は、図中上方に開口部を有し、開口部に面して振動子2の端面を格子状に配置する。水密ケース100の開口部は振動伝達部材(図示省略)を介して音響媒体(水、海水)に接しており、振動子2が発生した音波を音響媒体に出力する。
なお、格子状に配置された振動子2は、隣り合う振動子2との間に樹脂などで構成された遮音材102を配置し、隣り合う振動子2間で振動の伝達を抑制する。また、水中ケーブル101は、図示しない制御装置に接続される。また、図示の例では、振動子2を角柱状で形成した例を示すが、振動子2の形状はこれに限定されるものではなく、円柱状などで構成することができる。
図2は、図1に示した振動子2の軸方向の断面図である。振動子2は、図1に示した水密ケース100側の底面からバッキング5と、圧電振動子4と、金属音響整合層3の順で構成される。
バッキング5は圧電振動子4を支持する部材で構成される。圧電振動子4は電極41、42に挟まれて、電極41、42に印加された電気信号に応じて振動して音響信号に変換する。圧電振動子4を挟む電極42の上面には金属音響整合層3が配置される。
金属音響整合層3は、圧電振動子4側の底面を音波を入力する入力端3Aとし、音響媒体9に面して音波を放射する図中上面を出力端3Bとする柱状の部材で構成される。金属音響整合層3は、入力端3Aで受けた音響信号(振動)を出力端3Bへ伝達し、出力端3Bにおける音響インピーダンスを音響媒体9と整合させる機能を有する。金属音響整合層3は、例えば、アルミニウム合金等の金属で形成される。
音響インピーダンスを所定の条件に設定するため、金属音響整合層3の内部には充填材6を満たす空間33と、出力端3Bから所定の厚さtの質量部32と、空間33を覆う音響インピーダンス変換部30と、圧電振動子4側の入力端3Aから音響インピーダンス変換部30を接続する基部31の3つの層を有する。
なお、金属音響整合層3は、基部31と、空間33を有する音響インピーダンス変換部30と、質量部32の3層を別体で形成し、空間33へ充填材6を充填した後に、3つの層を接合することで構成してもよい。あるいは、素材を切り替え可能な3Dプリンタを用いて、基部31、充填材6を充填した音響インピーダンス変換部30及び質量部32を一体的に形成してもよい。
空間33に充填される充填材6としては、例えば、シンタクチックフォームのようにガラスや金属あるいは高分子などで構成された中空の微小球を樹脂で固めた複合材を用いることができる。
なお、充填材6としては、後述する音響条件(音響インピーダンスや音速)等を満たす材料であればよくシンタクチックフォームに限定されるものではなく樹脂、金属あるいは複合材料を用いてもよい。また、金属音響整合層3は、音響条件に応じた所望の金属材料を採用することができ、例えば、鉄、アルミニウム、合金等を採用することができる。
なお、金属音響整合層3の構成としては、出力端3Bから所定の厚さtで形成された質量部52と、質量部52に接する充填材6を内部に有する音響インピーダンス変換部30とを有して、充填材6が音響インピーダンス変換部30、質量部32及び基部31を構成する材料とは異なる材料で構成されていればよい。
本実施例の充填材6(及び空間33)の形状は、図3で示すように、金属音響整合層3の入力端3Aに向けて閉じた形状の頂点6Aと、音響媒体9側の出力端3Bに向けて開いた端面で構成された開口端6Bを有する円環状断面の筒状部材で形成される。充填材6(及び空間33)の形状は円環状断面の筒状部材に限定されるものではなく、筒状部材の他に板状部材や柱状部材で構成することができる。
なお、基部31は、入力端3Aから充填材6の頂点6Aまでの距離を主に使用する周波数の1/4波長など所定の距離に設定すればよい。
ここで、筒状の充填材6の内周には図4で示すように、音響インピーダンス変換部30は充填材6の外周を覆うホーン状(又は漏斗状)の部材として形成される。充填材6の外周を覆う音響インピーダンス変換部30は、充填材6の頂点6Aに囲まれた平面を入力部30Aとし、充填材6の開口端6Bの内周に囲まれた平面を出力部30Bとする。なお、ホーン状となる音響インピーダンス変換部30の部分は出力端3B側の端面(出力部30B)をホーンスロートとし、圧電振動子4側の端面(入力部30A)をホーンマウスとすることができる。また、充填材6の内周の音響インピーダンス変換部30の出力部30Bと、充填材6の外周を取り囲む音響インピーダンス変換部30は質量部32に接続される。
圧電振動子4が発生した音響出力(音波)は、基部31から音響インピーダンス変換部30に入り、入力部30Aから出力部30Bに向けて断面積が徐々に縮小する経路を通過した後、質量部32を通過してから音響媒体9に出力される。
後述するように、入力部30Aから出力部30Bに至る音響インピーダンス変換部30のホーン型の形状と、質量部32の大きさに応じて金属音響整合層3から音響媒体9に出力する周波数特性等を最適にすることができる。
すなわち、音響整合層に金属を採用することにより、圧電振動子4で発生した熱を音響媒体9へ円滑に放出し、かつ、熱が加わっても金属音響整合層3の音響インピーダンスの変動を抑制して高温時でも安定した音響特性を実現できる。また、入力部30Aから出力部30Bに至る音響インピーダンス変換部30の形状を変化させることにより、金属音響整合層3に様々な種類の金属材料を採用して音響媒体9との音響整合が可能となり、設計の自由度を増大して音響の広帯域化が容易になる。なお、音響インピーダンス変換部30のホーン型の形状と、質量部32の大きさについては後述する。
図5は、図1に示した振動子2の要部を示す軸方向の断面図である。図5において、音響インピーダンス変換部30は、音響媒体9に面した質量部32を支持する脚部300として機能する例を示す。
電極41と電極42の間に電気信号を入力すると圧電振動子4が振動して音波が発生し、音波は金属音響整合層3の入力端3Aから音響インピーダンス変換部30を経由して出力端3Bから音響媒体9に放射される。
金属音響整合層3と音響媒体9の間に音響インピーダンスのミスマッチがある場合には、境界面となる出力端3Bで音波が反射して、音響媒体9への音波の放射効率が低下する。
このため、本実施例の金属音響整合層3は充填材6を内包する金属製の音響インピーダンス変換部30で、金属音響整合層3と音響媒体9の間で音響インピーダンスを整合させて、境界面となる出力端3Bから音響媒体9へ円滑に音波を放射して、圧電振動子4の放熱と音響特性の向上を図るものである。
金属音響整合層3を構成する金属の密度をρAとし、音速をCAとし、密度ρAと音速CAの積を固有音響インピーダンスzAとする。そして、金属音響整合層3の固有音響インピーダンスzAと金属音響整合層3の断面積SAの積を音響インピーダンスZAとする。ただし、断面積SAは図5のC-C矢示断面方向の面積とする。
次に、水などの音響媒体9の密度、音速、固有音響インピーダンス、断面積、音響インピーダンスをそれぞれρB、CB、zB、SB、ZBとする。
音響インピーダンス変換部30のうち質量部32に接続する経路で最も断面が細くなる部分(図中D断面)の断面積をSとすると、断面積Sは次の(1)式で表される。
また、圧電振動子4が発生した音波の伝播について、図5のA点で計測した金属音響整合層3内の音圧と、図5のB点で計測した音響媒体9内の音圧の比をデシベルで表した数値を音響透過率とする。
図5において、充填材6(空間33)を取り囲む(挟む)音響インピーダンス変換部30は、音響媒体9に音波を放射する質量部32を支持する脚部300として扱うことができる。図6で示すように、圧電振動子4から基部31を介して脚部300に伝達された音波は、脚部300、300の端部で支持された質量部32を屈曲振動させる。
ここで、図6のように脚部300の端部に質量部32を設けた場合と、質量部32を設けずに脚部300の端部から音波を放射した場合の音響透過率の一例を図8に示す。図8は質量部32の有無に応じた音響インピーダンス変換部30の音響透過率と周波数の関係の一例を示すグラフである。
図示のグラフでは、音響媒体9の固有音響インピーダンスzB=1.5Mrayls、金属音響整合層3内の音響インピーダンス変換部30の固有音響インピーダンスzA=16.7Mrayls、音速CA=6230m/s、充填材6の固有音響インピーダンスzR=1.5Mrayls、充填材6の音速Cr=6230m/sとした例を示す。
図8で示すように、質量部32を設けずに音響インピーダンス変換部30から音波を放射する場合(図中質量部なし)に比して、音響インピーダンス変換部30の脚部300に支持された質量部32を設けた方(図中質量部あり)が、音響透過率を向上させることが可能となる。
充填材6を囲む脚部300、300で質量部32を支持する構成は、図7で示すようにマス7を支持するバネ8と等価と考えることができる。本願発明者は、図5に示した質量部32の厚さtを変化させてバネ-マス振動系の周波数特性について検討した。図9は、質量部32の厚さtに応じた音響インピーダンス変換部30の音響透過率と周波数の関係を示すグラフである。
図9の例では、質量部32の厚さtを1mm~10mmの間で変化させてトランスデューサ1の使用周波数範囲における共振の影響を検討した。図示のように、質量部32の厚さtを変化させることにより、使用周波数範囲内での音響透過率がバネ-マス共振の影響によって向上する厚さtが存在する。例えば、厚さt=10mmの場合や厚さt=4mmの場合では、使用周波数範囲内での音響透過率が増大している。
バネ-マス共振周波数は、マス要素の質量部32の厚さtと、バネ要素である音響インピーダンス変換部30(脚部300)で決定される。このため、厚さtと脚部300のバネ定数を適切に設定することで、バネ-マス共振周波数を使用周波数範囲内に設定して音響透過率を向上させることができる。
また、質量部32の厚さtを変化させることにより、使用周波数範囲内での音響透過率が屈曲共振の影響によって悪化する厚さtが存在する。例えば、厚さt=1mmの場合では、使用周波数範囲内の屈曲共振周波数で音響透過率が急減して悪化している。
屈曲共振周波数は、質量部32の質量と、厚さtと、質量部32の幅(脚部300の間隔)に応じて決定される。このため、屈曲共振周波数が使用周波数範囲外となるように応じて質量部32の質量及び厚さtと脚部300(充填材6又は空間33)の寸法や形状あるいは材質を適宜変更すればよい。
次に、空間33と充填材6の関係について説明する。図10は、充填材6の有無に応じた音響インピーダンス変換部30の音響透過率と周波数の関係を示すグラフである。図示例では、充填材6にシンタクチックフォームを採用した場合を実線で示し、空間33に材料を充填しない場合を破線で示す。
音響インピーダンス変換部30の空間33に充填材6を充填させたことで、空間33を空洞で利用する場合に比して使用周波数範囲内での音響透過率を良好に保つことができる。空間33を空洞で利用すると、使用周波数範囲内の高周波領域で音響透過率が悪化してしまう。このため、空間33に充填材6を充填することで音響透過率を向上させる。
次に、充填材6及び音響インピーダンス変換部30の形状について説明する。充填材6は、図3で示したように、金属音響整合層3の入力端3Aに向けて閉じた頂点6Aと、出力端3B側に向けて開いた底面を有する円筒状の部材(複合材)で構成される。空間33も充填材6と同じ形状で構成される。
円筒状の充填材6の内側となる音響インピーダンス変換部30は、図4で示したように入力端3Aに向けた口径の大きい平面状の入力部30Aと、出力端3Bに向けた口径の小さい平面状の出力部30Bを構成する。
充填材6の内側の音響インピーダンス変換部30は、出力部30Bから入力部30Aへ向けてホーン形状の部分となり、出力部30Bはホーン形状のスロートに相当し、入力部30Aはホーン形状のマウスに相当する。
本実施例では、充填材6の内側の音響インピーダンス変換部30をホーン形状で構成し、かつ、出力部30Bから入力部30Aに至るホーンの形状を曲面で構成する。ホーンの形状は、図11で示すようにパラメータTに応じて決定される。
パラメータTは、ホーンの側面の形状を示す定数でありT=1~∞の間で変化する。パラメータTとホーンの形状の関係については「電気音響工学概論、川村 雅恭 著、昭晃堂、1983/1/1発行、第70頁~第71頁」に記載されているとおりである。
パラメータT=∞の場合、図11の1点鎖線で示すようにホーンの形状はコニカルとなり、軸方向の断面は台形状となり、ホーンスロートからホーンマウスに向けてホーンの側面は直線の斜面となり、円錐台の立体となる。
パラメータT=0の場合、図11の2点鎖線で示すようにホーンの形状はカテノイダルとなり、ホーンスロートからホーンマウスに向けて曲率が最も大きい曲線の外周となり、図4で示すように、音響インピーダンス変換部30の側面は曲面となる。
パラメータT=0.5の場合、図11の実線で示すようにホーンの形状はハイパボリックとなり、ホーンスロートからホーンマウスに向けて曲率はカテノイダルよりも小さくなる。さらに、パラメータT=1の場合、図11の破線で示すようにホーンの形状はエクスポネンシャルとなり、ホーンスロートからホーンマウスに向けて曲率はハイパボリックよりも小さくなる。
上記パラメータTを用いて、図4に示した充填材6の内側の音響インピーダンス変換部30の形状を、ホーンの径方向の断面積S(図11のSx)で定義すると次の(2)式で表される。
ただし、S0は、図11のホーンスロート(出力部30B)の断面積、xはホーンスロートからの距離、mはホーンの広がり定数で、音響インピーダンス変換部30の長さと、間隔で決定されるパラメータである。また、広がり定数mは隣同士の充填材6の側面が頂点6Aで閉じるように設定する。なお、広がり定数mは上記「電気音響工学概論」に記載されているとおりである。
図12は、音響インピーダンス変換部30の側面の形状と音響透過率と周波数の関係を示すグラフである。パラメータT=∞のコニカルの場合は、高周波数領域でリップルが発生してしまい使用周波数範囲の音響透過率に悪影響を与えてしまう。
これに対して、パラメータT=0.5のハイパボリックやT=1のエクスポネンシャルオン場合は、使用周波数範囲の音響透過率を良好に保つことができる。したがって、パラメータTを1以下に設定して、充填材6の内側の音響インピーダンス変換部30の側面の形状を、筒状の充填材6の軸線に向けて凸状の曲面で構成し、入力部30Aの口径(面積)が出力部30Bの口径よりも大きく設定することが好ましい。これにより、高周波数領域でのリップルを抑制して良好な音響透過率を維持することができる。
次に、充填材6と音響インピーダンス変換部30の音響条件について検討する。シンタクチックフォーム等の複合材で構成される充填材6は、充填材6の固有音響インピーダンスzRが、音波を放射する音響媒体9の固有音響インピーダンスzBが近い材料で、かつ、充填材6の音速CRが音響インピーダンス変換部30の音速CAに近い材料が望ましい。
図13、図14は充填材6と音響インピーダンス変換部30及び音響媒体9の関係を示す。図13、図14の例では、音響媒体9の固有音響インピーダンスzB=1.5Mrayls、音響インピーダンス変換部30(音響媒体A)の固有音響インピーダンスzA=16.7Mrayls、音速CA=6230m/s、充填材6の固有音響インピーダンスzR=1.8Mrayls、充填材6の音速CR=2250m/sとした例を示す。
図13は、充填材6と音響インピーダンス変換部30の音速比(CR/CA)と上限周波数の関係を示すグラフである。なお、上限周波数は、振動子2が音響媒体9へ放射可能な周波数の上限値を示す。
図13は、音響インピーダンス変換部30の音速CA=6230m/s、充填材6の固有音響インピーダンスzRを音響媒体9の固有音響インピーダンスzB=1.5Mraylsに固定した例を示す。
本実施例では、充填材6と音響インピーダンス変換部30の音速比(CR/CA)を0.35以上に設定することで、使用周波数範囲に応じた上限周波数を得て良好な周波数特性を実現することができるのである。これに対して、前記特許文献2では金属整合層を第1の整合層に採用した場合、Cr/Ca<0.35の領域となって周波数特性の広帯域化が望めない。
図14は、充填材6と音響インピーダンス変換部30の固有音響インピーダンス比(zR/zA)と上限周波数の関係を示すグラフである。図示の例では、音響インピーダンス変換部30の固有音響インピーダンスzA=16.7Mrayls、充填材6の音速CRを音響インピーダンス変換部30と同じ音速CA=6230m/sに固定した例を示す。
本実施例では、充填材6と音響インピーダンス変換部30の固有音響インピーダンス比(zR/zA)を0.75以下に設定することで、使用周波数範囲に応じた上限周波数を得て良好な周波数特性を実現することができるのである。
以上のように本実施例のトランスデューサ1は、振動子2が音響媒体9へ音波を出力する端面に金属音響整合層3を配置し、金属音響整合層3には音響インピーダンス変換部30と充填材6及び質量部32を設けることで、圧電振動子4の放熱と、音響透過率と周波数特性の確保を実現することができる。
金属音響整合層3を圧電振動子4に接触させることで、圧電振動子4の放熱を効率よく行うことが可能となり、圧電振動子4の高出力化を図りながらも音響特性を維持することが可能となる。これにより、高温時でも音響特性が安定した高出力のトランスデューサを提供することが可能となり、音響媒体9が水又は海水の場合、遠方の物体を捕捉することが可能となる。
図15は第2の実施例を示す振動子2の断面図である。実施例2では、振動子2の金属音響整合層3内に複数の質量部32、320を設けて周波数特性をさらに改善させるものであり、前記実施例1の図2と同一の要素に同一の符号を付して重複する説明を省略する。
本実施例の金属音響整合層3は、前記実施例1の質量部32(第1の質量部)と、金属音響整合層3の出力端3Bの間に充填材60(第2の充填材)と質量部320(第2の質量部)を加えたもので、その他の構成は前記実施例1と同様である。
充填材60は充填材6(第1の充填材)の開口端6Bと同様の形状で構成された円筒状部材で、内部の充填材60は充填材6と同様にシンタクチックフォーム等の複合材が充填される。充填材6と充填材60は同軸上に配置され質量部32の厚さt1の間隔に設定される。
充填材60を収容するため金属音響整合層3内には、円筒状の空間330が形成される。充填材60は充填材6と同一の材料で構成することが望ましい。
質量部32の厚さt1は、充填材6の開口端6Bから充填材60の底面までの距離であり、質量部320の厚さt2は充填材60の図中上面から出力端3Bまでの距離である。
図16は質量部320の有無に応じた音響透過率と周波数の関係を示すグラフである。図中実線が図15で示した質量部32に質量部320を加えた場合の周波数特性を示し、図中破線が質量部320を追加しない場合の周波数特性を示す。
金属音響整合層3内に複数の充填材6、60を同軸上に配置して、充填材6、60間の質量部32と、充填材60と出力端3Bの間の質量部320を設けることで、使用周波数範囲内で高周波数領域での音響透過率を向上させることができる。
なお、図16の例では、質量部32の厚さt1=5mm、質量部320の厚さt2=10mmとした例を示す。質量部32及び質量部320の厚さは金属音響整合層3や充填材6、60の材質及び使用周波数範囲に応じて適宜設定することができる。
なお、金属音響整合層3を制作する際には、音響インピーダンス変換部30及び基部31と、質量部32と、質量部320及び空間330をそれぞれ別体で形成し、空間33、330にそれぞれ充填材6、60を充填してから各部を結合すればよい。
図17は第3の実施例を示す充填材6Xの斜視図である。充填材6Xは、前記実施例1の円筒状の部材に代わって、砲弾型の柱状部材で構成される。充填材6Xは音響インピーダンス変換部30の内部で、頂点6Aを圧電振動子4側に向け、底面6Cを出力端3B側に向けて配置される。なお、図示はしないが音響インピーダンス変換部30内の空間も充填材6Xと同様の形状で構成される。その他の構成は、前記実施例1と同様である。
圧電振動子4から出力された音波は、頂点6Aから底面6Cに向けて徐々に断面積が減少する音響インピーダンス変換部30を通過してから質量部32を経て音響媒体9に放射される。充填材6Xの側面の形状を前記実施例1のホーン形状と同様に構成することにより、音響特性を向上させることができる。
図18は第4の実施例を示す充填材6Yの斜視図である。充填材6Yは、前記実施例3の砲弾型の柱状部材の断面を有する板状部材として形成される。充填材6Yは音響インピーダンス変換部30の内部で、頂点6Aを圧電振動子4側に向け、底面6Cを出力端3B側に向けて配置される。なお、図示はしないが音響インピーダンス変換部30内の空間も充填材6Yと同様の形状で構成される。その他の構成は、前記実施例1と同様である。
圧電振動子4から出力された音波は、頂点6Aから底面6Cに向けて徐々に断面積が減少する音響インピーダンス変換部30を通過してから質量部32を経て音響媒体9に放射される。充填材6Yの側面の形状を前記実施例1のホーン形状と同様に構成することにより、音響特性を向上させることができる。
図19は第5の実施例を示すトランスデューサ1の断面斜視図である。本実施例のトランスデューサ1は、前記実施例1の構成に音響窓104と絶縁油103を加えたものであり、その他の構成は前記実施例1と同様である。
水密ケース100の開口部には、音響窓104が接地され水密ケース100の内部が密閉される。そして、音響窓104と振動子2及び遮音材102の間には絶縁油が充填される。
振動子2から出力される音波は絶縁油103と音響窓104を介して音響媒体9に放射される。音響窓104と絶縁油103で振動子2を保護することでトランスデューサ1の耐久性を確保することができる。
図20は第6の実施例を示すトランスデューサ1の断面斜視図である。本実施例のトランスデューサ1は、前記実施例1の構成に樹脂モールド105を加えたものであり、その他の構成は前記実施例1と同様である。
水密ケース100の開口部には、樹脂モールド105が充填されて、振動子2の端面及び遮音材102を音響媒体9から保護する。振動子2から出力される音波は樹脂モールド105を介して音響媒体9に放射される。樹脂モールド105で振動子2を保護することでトランスデューサ1の耐久性を確保することができる。
<結び>
<結び>
実施例1~6のトランスデューサ1及び振動子2は、音響整合層を金属とすることにより、圧電振動子4で発生した熱を金属音響整合層3に放熱し、かつ、熱が加わっても金属音響整合層3の音響インピーダンスがほぼ変化しないため、高温時でも安定して音響の整合をとることがかのうとなる。これにより、温度にかかわらず音響特性が安定した大出力のトランスデューサ1を提供することが可能となる。
音響インピーダンス変換部30の形状を断面積が徐々に縮小するように変化させることにより、どのような金属材料でも音響媒体9との音響整合が可能となり、設計の自由度が増え、広帯域化設計が容易になる。
音響インピーダンス変換部30の音響媒体9側に単数あるいは複数の質量部32、320を設けることにより、音響放射効率が向上し、広帯域化を実現することができる。
金属音響整合層3の内部では、音響インピーダンス変換部30とは異なる材料で構成された充填材6を組み合わせることで、金属音響整合層3に適合する音響特性(音響透過率及び周波数特性)を得ることができる。
すなわち、前記従来例では、音響インピーダンスの範囲で2つの材料を規定しているが、本願発明者は、特に音響整合層を金属とした場合、金属と充填材6の音速比の方が特性に大きく寄与することを見いだした。前記従来例では音響特性が著しく劣化する条件が存在するのに対して、実施例1~6のトランスデューサ1では、金属と充填材6の音速比を規定することにより、金属音響整合層3に適合した設計条件を導出することができる。
以上のように、上記実施例1~6の音響整合層は、以下のような構成とすることができる。
(1)金属で構成されて音響媒体9へ音波を伝達する金属音響整合層3であって、音波を入力する入力端3Aと、音響媒体9に面して音波を放射する出力端3Bと、前記出力端3Bから所定の厚さtで形成された質量部32と、前記質量部32に接する充填材6を内部に有する音響インピーダンス変換部30と、を有し、前記充填材6は、前記音響インピーダンス変換部30及び前記質量部32を構成する材料とは異なる材料で構成されたことを特徴とする金属音響整合層3。
上記構成により、音響整合層に金属を採用することにより、圧電振動子4で発生した熱を音響媒体9に放出し、かつ、熱が加わっても金属音響整合層3の音響インピーダンスの変動を抑制することで高温時でも安定した音響特性を実現できる。また、音響インピーダンス変換部30の形状を変化させることにより、様々な種類の金属材料を採用して音響媒体との音響整合が可能となり、設計の自由度を増大して音響の広帯域化が容易になる。
(2)上記(1)に記載の金属音響整合層であって、前記質量部32は、前記充填材6を挟む前記音響インピーダンス変換部30に支持されて、前記質量部32と前記音響インピーダンス変換部30によって決定されるバネ-マス共振周波数が、予め設定された周波数範囲内に設定されたことを特徴とする金属音響整合層。
上記構成により、バネ-マス共振周波数を使用する周波数範囲内に設定することにより、高周波数領域での音響透過率の低下を抑制して良好な音響特性を得ることができる。
(3)上記(1)に記載の金属音響整合層であって、前記質量部32は、前記出力端3Bと音響インピーダンス変換部30との間の所定の厚さtで構成され、かつ、前記質量部32は前記充填材6を挟む前記音響インピーダンス変換部30に支持されて、前記質量部32と、前記音響インピーダンス変換部30と、前記質量部32が前記音響インピーダンス変換部30によって支持される幅で決定される屈曲共振周波数が、予め設定された周波数範囲外に設定されたことを特徴とする金属音響整合層。
上記構成により、屈曲共振周波数を使用する周波数範囲外に設定することにより、高周波数領域での音響透過率の低下を抑制して良好な音響特性を得ることができる。
(4)上記(1)に記載の金属音響整合層であって、前記質量部32は、前記出力端3Bと音響インピーダンス変換部30との間に複数配置されたことを特徴とする金属音響整合層。
上記構成により、複数の質量部によってバネ-マス共振周波数を効果的に利用することができ、音響特性を向上させることができる。
(5)上記(1)に記載の金属音響整合層であって、前記充填材6の固有音響インピーダンスzRと、前記音響インピーダンス変換部30の固有音響インピーダンスzAの比zR/zAが0.75以下であって、前記充填材6の音速CRと前記音響インピーダンス変換部30の音速CAの比CR/CAが0.35以上とすることを特徴とする金属音響整合層。
上記構成により、充填材6と音響インピーダンス変換部30の音速比(CR/CA)を0.35以上に設定することで、使用周波数範囲に応じた上限周波数を得て良好な周波数特性を実現することができる。また、充填材6と音響インピーダンス変換部30の固有音響インピーダンス比(zR/zA)を0.75以下に設定することで、使用周波数範囲に応じた上限周波数を得て良好な周波数特性を実現することができる。
(6)上記(1)に記載の金属音響整合層であって、前記音響インピーダンス変換部30は、前記質量部32に接続する端面から前記入力端3Aへ向けてホーン形状で構成され、前記ホーン形状の側面は曲面で構成されたことを特徴とする金属音響整合層。
上記構成により、音響インピーダンス変換部30の形状をホーン形状として断面積が徐々に縮小するように変化させることにより、どのような金属材料でも音響媒体9との音響整合が可能となり、設計の自由度が増え、広帯域化設計が容易になる。
(7)上記(6)に記載の金属音響整合層であって、前記曲面を形成する前記ホーン形状の音響インピーダンス変換部30の断面積Sは、前記質量部32に接続する端面の面積をS0、前記端面からの距離をx、ホーンの広がり係数をm、ホーンの形状を決定するパラメータをTとしたとき、上記(2)式で表されることを特徴とする金属音響整合層。
上記構成により、音響インピーダンス変換部30の形状をホーン形状として断面積が徐々に縮小するように変化させることにより、どのような金属材料でも音響媒体9との音響整合が可能となり、設計の自由度が増え、広帯域化設計が容易になる。
(8)上記(6)に記載の金属音響整合層であって、前記充填材6は、前記入力端3Aに向けて頂点を有し、音響媒体9側に平面の開口端を有して側面を曲面で構成した筒状部材で構成されたことを特徴とする金属音響整合層。
上記構成により、筒状の充填材6の内周となる音響インピーダンス変換部30はホーン形状となって断面積が徐々に縮小することで、どのような金属材料でも音響媒体9との音響整合が可能となり、設計の自由度が増え、広帯域化設計が容易になる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に記載したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、又は置換のいずれもが、単独で、又は組み合わせても適用可能である。
1 トランスデューサ
2 振動子
3 金属音響整合層
4 圧電振動子
3A 入力端
3B 出力端
5 バッキング
6 充填材
6A 頂部
6B 開口端
30 音響インピーダンス変換部
30A 入力部
30B 出力部
31 基部
32 質量部
33 空間
41、42 電極
100 水密ケース
101 水中ケーブル
102 遮音材
2 振動子
3 金属音響整合層
4 圧電振動子
3A 入力端
3B 出力端
5 バッキング
6 充填材
6A 頂部
6B 開口端
30 音響インピーダンス変換部
30A 入力部
30B 出力部
31 基部
32 質量部
33 空間
41、42 電極
100 水密ケース
101 水中ケーブル
102 遮音材
Claims (9)
- 金属で構成されて音響媒体へ音波を伝達する金属音響整合層であって、
音波を入力する入力端と、
音響媒体に面して音波を放射する出力端と、
前記出力端から所定の厚さで形成された質量部と、
前記質量部に接する充填材を内部に有する音響インピーダンス変換部と、
を有し、
前記充填材は、
前記音響インピーダンス変換部及び前記質量部を構成する材料とは異なる材料で構成されたことを特徴とする金属音響整合層。 - 請求項1に記載の金属音響整合層であって、
前記質量部は、前記充填材を挟む前記音響インピーダンス変換部に支持されて、前記質量部と前記音響インピーダンス変換部によって決定されるバネ-マス共振周波数が、予め設定された周波数範囲内に設定されたことを特徴とする金属音響整合層。 - 請求項1に記載の金属音響整合層であって、
前記質量部は、前記出力端と音響インピーダンス変換部との間の所定の厚さで構成され、かつ、前記充填材を挟む前記音響インピーダンス変換部に支持されて、前記質量部と前記音響インピーダンス変換部と前記質量部が前記音響インピーダンス変換部によって支持される幅で決定される屈曲共振周波数が、予め設定された周波数範囲外に設定されたことを特徴とする金属音響整合層。 - 請求項1に記載の金属音響整合層であって、
前記質量部は、前記出力端と音響インピーダンス変換部との間に複数配置されたことを特徴とする金属音響整合層。 - 請求項1に記載の金属音響整合層であって、
前記充填材の固有音響インピーダンスzRと、前記音響インピーダンス変換部の固有音響インピーダンスzAの比zR/zAが0.75以下であって、前記充填材の音速CRと前記音響インピーダンス変換部の音速CAの比CR/CAが0.35以上とすることを特徴とする金属音響整合層。 - 請求項1に記載の金属音響整合層であって、
前記音響インピーダンス変換部は、
前記質量部に接続する端面から前記入力端へ向けてホーン形状で構成され、前記ホーン形状の側面は曲面で構成されたことを特徴とする金属音響整合層。 - 請求項6に記載の金属音響整合層であって、
前記充填材は、
前記入力端に向けて頂点を有し、音響媒体側に平面の開口端を有して側面を曲面で構成した筒状部材で構成されたことを特徴とする金属音響整合層。 - 請求項1乃至請求項8の何れか一つに記載の金属音響整合層を有するトランスデューサであって、
前記金属音響整合層の入力端に圧電振動子を設けたことを特徴とするトランスデューサ。
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JP2021189390A JP2023076155A (ja) | 2021-11-22 | 2021-11-22 | 金属音響整合層及びトランスデューサ |
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Publications (1)
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---|---|
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JP2021189390A Pending JP2023076155A (ja) | 2021-11-22 | 2021-11-22 | 金属音響整合層及びトランスデューサ |
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2021
- 2021-11-22 JP JP2021189390A patent/JP2023076155A/ja active Pending
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