JP2023074363A - 感染症の感染リスク評価方法およびこれを用いた感染リスク低減方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)測定対象となる空間に通ずる換気システムの排気口に風力計やファンネルを設置し、その排気口における風量を測定し、当該空間の換気量を算出する方法;
(2)測定対象となる空間を換気状態とし、人間が排出するCO2ガスの濃度をセンサー等で検出し、当該空間の換気量を算出する方法;
(3)測定対象となる空間にトレーサーガスを充満させた後、当該空間の換気を行い、当該空間に設置した吸着材にトレーサーガスを吸着させ、吸着されたトレーサーガスの量を定量分析し、そのトレーサーガスの量から当該空間の換気量を算出する方法(特許文献1又は2);
(4)測定対象となる空間にミスト粒子を充満させた後、当該空間の換気を行い、当該空間に設置した撮影手段により撮影した画像データから当該空間の換気量を算出する方法(特許文献3);
等が知られている。
窓開けによる換気能力やサーキュレータ、エアコン、空気清浄機等による浄化能力については評価することができない;
個々の排気口に風力計やファンネルを設置する手間が煩瑣である;
換気システムの能力を評価しても、いわゆる「ショートサーキット」による換気効率の低下を評価することができない;
という課題があった。「ショートサーキット」とは、給気口と排気口の位置が近接していることにより、吸気したフレッシュな空気が室内に行き渡らないまま排気されてしまったり、逆に排気したはずの汚染された空気が給気口から再度取り込まれてしまうことで、換気効率が低下する現象のことである。「ショートサーキット」が形成されると、風力計やファンネルで評価した値ほどの換気効率は得られておらず、ウイルス濃度が想定より低減しないことになる。
気体であるCO2ガスやトレーサーガスの拡散挙動がエアロゾル状のウイルスの拡散挙動とは異なり、エアロゾル感染のリスクを評価するのには適していない;
空気清浄機等の吸着・集塵による浄化能力については評価することができない;
という課題があった。特に、CO2ガスの濃度を検出する方法は、客席でカセットコンロを使用する等、人の呼吸以外のCO2ガスが発生する環境では正確な測定ができない;
人間が排出するCO2ガスの濃度を実測するため、顧客が不在の閉店状態では感染リスクを評価することができず、また、本来の収容人数より少ない顧客が利用している状態ではその空間の感染リスクを低く評価してしまうおそれがある;
という課題もあった。
相当量のミスト粒子を発生させなければミスト粒子を画像として撮影することができず、簡便な方法とは言えない;
例えば居酒屋等の間仕切り(パーティション)のある空間では間仕切りによって視野が遮られてしまい、ミスト粒子を撮影することができない;
ミスト粒子を使用すると、火災報知器(例えば、光電式スポット型感知器等)が反応するおそれがあり、警報音が鳴る、防火シャッターや防火扉が閉まる等の誤動作の原因となる;
という課題があった。
本発明は、施設屋内の集合スペースにおける感染症の感染リスクを評価する感染リスク評価方法であって、前記感染リスクが、病原体を含むエアロゾルに起因するエアロゾル感染のリスクであり、前記集合スペースに液体微粒子を放出し、前記液体微粒子を放出した後、前記液体微粒子の量の減少を経時的に追跡し、前記液体微粒子の量が十分減少するまでに要した時間である回復時間t1に基づいて、前記集合スペースの微粒子除去能力を評価し、前記微粒子除去能力と、前記集合スペースの必要換気能力と、を対比し、前記微粒子除去能力が、前記必要換気能力と同等以上である場合に、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが低いと評価するもの;である。
前記液体微粒子のうち、粒子径0.3μm以上10μm以下の液体微粒子の量の減少を経時的に追跡するもの;
前記液体微粒子の量の減少を微粒子計測器により追跡するもの;
式(1): 微粒子除去量Q1[m3/時]=集合スペースの容積V[m3]*60[分]/回復時間t1[分]
式(2): 人必要換気量Q2[m3/時]=顧客一人あたりの必要換気量[m3/時/人]*集合スペースの収容定員数n[人]
式(3): 微粒子除去回数N1[回/時]=60[分]/回復時間t1[分]
式(4): 必要換気時間t2[分]=60[分]/必要換気回数N2[回/時]
式(1): 微粒子除去量Q1[m3/時]=集合スペースの容積V[m3]*60[分]/回復時間t1[分]
式(5): 面積必要換気量Q3[m3/時]=床面積あたり必要換気量[m3/m2/時]*集合スペースの床面積[m2]
但し、床面積あたり必要換気量は空調・衛生工学会規格(HASS 102 1972)に定められた値とする。
前記集合スペースに、前記液体微粒子を初期粒子数の少なくとも50mg/m3以上放出するもの;
前記集合スペースに前記液体微粒子を放出した後、前記液体微粒子の粒子数の最大値を基準にその100分の1の数に減少するまでの時間または60分のいずれか短い方の時間内で前記液体微粒子の数を経時的に追跡するもの;
前記感染リスクが、新型コロナウイルスを含むエアロゾルに起因するエアロゾル感染のリスクであり、前記集合スペースにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のエアロゾル感染リスクを評価するもの;
前記集合スペースが、専ら従業員が利用するスペースではなく、顧客または顧客と従業員が立ち入り可能である顧客利用スペースであるもの;が好ましい。
本発明は、施設屋内の集合スペースにおける感染症の感染リスクを低減する感染リスク低減方法であって、前記[1]に記載の感染リスク評価方法により前記集合スペースのエアロゾル感染リスクを評価し、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが高いと評価された場合に、前記微粒子除去能力が前記必要換気能力と同等以上となるまで改善措置を施すもの;である。
本発明の感染リスク評価方法は、
(1)液体微粒子を用いる点;
(2)前記液体微粒子の量が十分減少するまでに要した時間である回復時間t1に基づいて、前記集合スペースの微粒子除去能力を評価する点;
(3)前記微粒子除去能力と、前記集合スペースの必要換気能力と、を対比する点:
に特徴がある。
以下、本発明の感染症の感染リスク評価方法について説明する。
ここで、「施設」とは、複数の顧客が集まり、何らかの目的で一定時間滞在する建造物を指す。「施設」としては、例えば食堂、レストラン、居酒屋、カフェ等の飲食店;クラブ、バー、カラオケボックス等の遊興施設;ボーリング場、スポーツクラブ、パチンコ店、ゲームセンター等の運動・遊戯施設;デパート、スーパーマーケット、ショッピングセンター等の商業施設;劇場、映画館等の観劇施設;等を挙げることができる。
本発明の感染リスク評価方法は、(1)集合スペースへの液体微粒子の放出、(2)液体微粒子の量の追跡、(3)集合スペースの微粒子除去能力の評価、(4)集合スペースのエアロゾル感染リスクの評価;の4工程からなる。
まず、前記集合スペースに液体微粒子を放出する。測定対象となる集合スペース(例えば、居酒屋の個室等)を選定し、その集合スペースに所定の粒子径の液体微粒子を放出する。放出する液体微粒子の粒子径は10μm以下とすることが好ましい。エアロゾル感染を媒介する飛沫核(マイクロ飛沫)と同程度の粒子径を有する液体微粒子を用い、前記飛沫核の挙動を把握するためである。なお、本明細書においては、「粒子径」はレーザ光散乱方式で測定した粒子径を示している。
前記液体微粒子を放出した後、前記液体微粒子の量の減少を経時的に追跡する。液体微粒子の量の追跡手段は特に限定されない。例えば、重量法(フィルター秤量法)に基づき微粒子濃度を測定する濃度計、レーザ光散乱方式により算出した相対濃度から微粒子の数を計測する微粒子計測器(パーティクルカウンター)等の測定機器を利用することができる。中でも、液体微粒子の量の減少を前記微粒子計測器(パーティクルカウンター)により追跡することが好ましい。
前記液体微粒子の量が十分減少するまでに要した時間である回復時間t1に基づいて、前記集合スペースの微粒子除去能力を評価する。
エアロゾル感染のリスクについては、前記微粒子除去能力と、前記集合スペースの必要換気能力と、を対比し、前記微粒子除去能力が、前記必要換気能力と同等以上である場合に、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが低いと評価する。
第一の方法は、微粒子除去量Q1と、人必要換気量Q2と、を対比し、前記微粒子除去量Q1が、前記人必要換気量Q2と同等以上である場合に、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが低いと評価するものである。
式(1): 微粒子除去量Q1[m3/時]=集合スペースの容積V[m3]*60[分]/回復時間t1[分]
式(2): 人必要換気量Q2[m3/時]=顧客一人あたりの必要換気量[m3/時/人]*集合スペースの収容定員数n[人]
有効換気量(本書にいう「必要換気量」)は、次の式によつて計算した数値以上とすること。
(式): V=20Af/N
(この式において、V、Af及びNは、それぞれ次の数値を表すものとする。
V: 有効換気量(単位:一時間につき立方メートル)
Af: 居室の床面積(特殊建築物の居室以外の居室が換気上有効な窓その他の開口部を有する場合においては、当該開口部の換気上有効な面積に二十を乗じて得た面積を当該居室の床面積から減じた面積)(単位:平方メートル)
N: 実況に応じた一人当たりの占有面積(特殊建築物の居室にあつては、三を超えるときは三と、その他の居室にあつては、十を超えるときは十とする。)(単位: 平方メートル))
第二の方法は、前記微粒子除去回数N1と前記必要換気回数N2とを対比し、前記微粒子除去回数N1が前記必要換気回数N2と同等以上である場合に、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが低いと評価するものである。
式(3): 微粒子除去回数N1[回/時]=60[分]/回復時間t1[分]
第三の方法は、回復時間t1と必要換気時間t2とを対比し、前記回復時間t1が前記必要換気時間t2と同等以上である場合に、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが低いと評価するものである。
式(4): 必要換気時間t2[分]=60[分]/必要換気回数N2[回/時]
第四の方法は、微粒子除去量Q1と、面積必要換気量Q3と、を対比し、前記微粒子除去量Q1が、前記面積必要換気量Q3と同等以上である場合に、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが低いと評価するものである。
式(1): 微粒子除去量Q1[m3/時]=集合スペースの容積V[m3]*60[分]/回復時間t1[分]
式(5): 面積必要換気量Q3[m3/時]=床面積あたり必要換気量[m3/m2/時]*集合スペースの床面積[m2]
本発明の感染リスク低減方法は、施設屋内の集合スペースにおける感染症の感染リスクを低減するものである。
(実施例1)
図1および図2に示す実験室1において、スモークマシン2から液体微粒子4を300mg/m3放出し、微粒子計測器6により粒子径0.3μmの液体微粒子4の量の減少を追跡した。十分な換気量が確保された集合空間を模擬するため、換気扇8の換気量を1000m3/時に設定した。評価結果を表2および図3に示す。なお、図3に示すグラフは液体微粒子の量の減少を追跡したグラフである。このグラフでは測定時の液体微粒子の粒子数を、液体微粒子を放出した後の最大粒子数に対する百分率で示し、プロットしてある(以後の図面に示すグラフも同様)。
検出する液体微粒子の粒子径を表2に記載の値に変更したことを除いては、実施例1と同様に液体微粒子の量の減少を追跡した。その結果を表2および図3に示す。
換気が不十分な集合空間を模擬するため、図1および図2に示す換気扇8の換気量を400m3/時に設定したことを除いては、実施例1-6と同様に液体微粒子の量の減少を追跡した。その結果を表3および図4に示す。
(実施例13)
図1および図2に示す実験室1において、スモークマシン2から液体微粒子4を517g/m3放出し、微粒子計測器6により粒子径0.3μmの液体微粒子4の量の減少を追跡した。なお、換気扇8の換気量は600m3/時に設定した。評価結果を表4および図5に示す。
液体微粒子の放出量を表4に記載の値に変更したことを除いては、実施例13と同様に液体微粒子の量の減少を追跡した。その結果を表4および図5に示す。
(実施例23)
図1および図2に示す実験室1において、スモークマシン2から液体微粒子4を300g/m3放出し、空気清浄機と扇風機を運転させた状態で、微粒子計測器6により粒子径0.3μmの液体微粒子4の量の減少を追跡した。
空気清浄機および扇風機の運転状況を表5に記載のとおりに変更したことを除いては、実施例23と同様に液体微粒子の量の減少を追跡した。その結果を表5および図6に示す。
(実施例26)
図1および図2に示す実験室1において、スモークマシン2から液体微粒子4を300g/m3放出し、エアコンを運転させた状態で、微粒子計測器6により粒子径0.3μmの液体微粒子4の量の減少を追跡した。
エアコンを停止したことを除いては、実施例26と同様に液体微粒子の量の減少を追跡した。その結果を表6および図7に示す。
実施例28-32の評価は図8および図9に示す居酒屋のホール101にて行った。ホール101は、縦(図8上下方向)4.9m×横(図8左右方向)4.85m×高さ2.69mで、床面積が23.8m2、容積Vが63.9m3の部屋である。
図8および図9に示すホール101において、スモークマシンから液体微粒子を300g/m3放出し、空気清浄機110(2台)、エアコン114(2基)および全熱交換器112を運転させた状態で、微粒子計測器106により粒子径0.3μmの液体微粒子の量の減少を追跡した。
空気清浄機、エアコンおよび全熱交換器の運転状況を表8に記載のとおりに変更したことを除いては、実施例28と同様に液体微粒子の量の減少を追跡した。その結果を表8および図10に示す。
実施例33-34の評価は図11に示す居酒屋の半個室201にて行った。半個室201は、縦(図11上下方向)2.3m×横(図11左右方向)3m×高さ2.7mで、床面積が6.9m2、容積Vが18.6m3の部屋である。半個室201にはエアコン、換気扇は設置されていない。また、図13に示すように、半個室201を仕切る四方の壁のうち一方の壁222には外部と連通する窓224が2つ形成されており、図12および図14に示すように、残り三方の壁220,226,228の上部には欄間220A,226A,228Aが形成されている。さらに、図12に示すように、引き戸216の上下部には桟216Aが組み込まれ、複数の隙間が形成されている。前記壁の欄間部分と前記ドアの桟部分は半個室外と連通しており、通気(換気)が可能な構造となっている。
図11および図19に示す半個室201において、スモークマシンから液体微粒子を300g/m3放出し、窓224,424は閉鎖、換気扇408、空気清浄機410および全熱交換器412を運転させた状態で、微粒子計測器206により粒子径0.3μmの液体微粒子の量の減少を追跡した。
窓224,424の開閉状況、空気清浄機410および全熱交換器412の運転状況を表10に記載のとおりに変更したことを除いては、実施例33と同様に液体微粒子の量の減少を追跡した。その結果を表10および図15に示す。
実施例35-37の評価は図16および図19に示す居酒屋の半個室301にて行った。半個室301は、縦(図16上下方向)1.8m×横(図16左右方向)3.3m×高さ2.7mで、床面積が5.9m2、容積Vが16m3の部屋である。半個室301は窓を有しないことを除いては、図11に示す半個室201と同様の構造を有する。具体的には、引き戸316を有する壁は図12に示す壁220と同様に構成されており、引き戸316を有する壁に隣接する2つの壁は図14に示す壁226,228と同様に構成されており、引き戸316を有する壁と対向する壁322は図18に示すように、壁322の上部に欄間322Aが形成されている。即ち、半個室301を仕切る四方の壁の上部には欄間が形成されており、引き戸316の上下は桟が組み込まれ、複数の隙間が形成されている。前記壁の欄間部分と前記ドアの桟部分は半個室外と連通しており、通気(換気)が可能な構造となっている。
図16および図19に示す半個室301において、スモークマシンから液体微粒子を300g/m3放出し、窓224,424は閉鎖、換気扇408、空気清浄機410および全熱交換器412を運転させ、エアコン314,414を停止させた状態で、微粒子計測器306により粒子径0.3μmの液体微粒子の量の減少を追跡した。
空気清浄機410、エアコン314,414および全熱交換器412の運転状況を表10に記載のとおりに変更したことを除いては、実施例35と同様に液体微粒子の量の減少を追跡した。その結果を表10および図15に示す。
Claims (13)
- 施設屋内の集合スペースにおける感染症の感染リスクを評価する感染リスク評価方法であって、
前記感染リスクが、病原体を含むエアロゾルに起因するエアロゾル感染のリスクであり、
前記集合スペースに液体微粒子を放出し、
前記液体微粒子を放出した後、前記液体微粒子の量の減少を経時的に追跡し、
前記液体微粒子の量が十分減少するまでに要した時間である回復時間t1に基づいて、前記集合スペースの微粒子除去能力を評価し、
前記微粒子除去能力と、前記集合スペースの必要換気能力と、を対比し、前記微粒子除去能力が、前記必要換気能力と同等以上である場合に、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが低いと評価するもの。 - 請求項1に記載の感染リスク評価方法であって、
前記液体微粒子のうち、粒子径0.3μm以上10μm以下の液体微粒子の量の減少を経時的に追跡するもの。 - 請求項1に記載の感染リスク評価方法であって、
前記液体微粒子の量の減少を微粒子計測器により追跡するもの。 - 請求項1に記載の感染リスク評価方法であって、
前記微粒子除去能力を下記式(1)で算出される微粒子除去量Q1により評価し、
前記必要換気量を下記式(2)で算出される人必要換気量Q2により規定し、
前記微粒子除去量Q1と、前記人必要換気量Q2と、を対比し、前記微粒子除去量Q1が、前記人必要換気量Q2と同等以上である場合に、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが低いと評価するもの。
式(1): 微粒子除去量Q1[m3/時]=集合スペースの容積V[m3]*60[分]/回復時間t1[分]
式(2): 人必要換気量Q2[m3/時]=顧客一人あたりの必要換気量[m3/時/人]*集合スペースの収容定員数n[人] - 請求項1に記載の感染リスク評価方法であって、
前記微粒子除去能力を下記式(3)で算出される微粒子除去回数N1または回復時間t1により評価し、
前記必要換気量を衛生試験所指針に準拠して定められる前記集合スペースの必要換気回数N2または下記式(4)で算出される必要換気時間t2により規定し、
前記微粒子除去回数N1と前記必要換気回数N2とを、または前記回復時間t1と前記必要換気時間t2とを対比し、前記微粒子除去回数N1が前記必要換気回数N2と同等以上である場合、または前記回復時間t1が前記必要換気時間t2と同等以上である場合に、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが低いと評価するもの。
式(3): 微粒子除去回数N1[回/時]=60[分]/回復時間t1[分]
式(4): 必要換気時間t2[分]=60[分]/必要換気回数N2[回/時] - 請求項1に記載の感染リスク評価方法であって、
前記微粒子除去能力を下記式(1)で算出される微粒子除去量Q1により評価し、
前記必要換気量を下記式(5)で算出される面積必要換気量Q3により規定し、
前記微粒子除去量Q1と、前記面積必要換気量Q3と、を対比し、前記微粒子除去量Q1が、前記面積必要換気量Q3と同等以上である場合に、前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが低いと評価するもの。
式(1): 微粒子除去量Q1[m3/時]=集合スペースの容積V[m3]*60[分]/回復時間t1[分]
式(5): 面積必要換気量Q3[m3/時]=床面積あたり必要換気量[m3/m2/時]*集合スペースの床面積[m2]
(但し、床面積あたり必要換気量は空調・衛生工学会規格(HASS 102 1972)に定められた値とする。) - 請求項1に記載の感染リスク評価方法であって、
前記集合スペースに、エチレングリコールと水を含有する液体微粒子を放出するもの。 - 請求項1に記載の感染リスク評価方法であって、
前記集合スペースに、前記液体微粒子を少なくとも50mg/m3以上放出するもの。 - 請求項1に記載の感染リスク評価方法であって、
前記集合スペースに前記液体微粒子を放出した後、前記液体微粒子の粒子数の最大値を基準にその100分の1の数に減少するまでの時間または60分のいずれか短い方の時間内で前記液体微粒子の数を経時的に追跡するもの。 - 請求項1に記載の感染リスク評価方法であって、
前記感染リスクが、新型コロナウイルスを含むエアロゾルに起因するエアロゾル感染のリスクであり、
前記集合スペースにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のエアロゾル感染リスクを評価するもの。 - 請求項1に記載の感染リスク評価方法であって、
前記集合スペースが、専ら従業員が利用するスペースではなく、顧客または顧客と従業員が立ち入り可能である顧客利用スペースであるもの。 - 施設屋内の集合スペースにおける感染症の感染リスクを低減する感染リスク低減方法であって、
請求項1乃至11に記載の感染リスク評価方法により前記集合スペースのエアロゾル感染リスクを評価し、
前記集合スペースのエアロゾル感染リスクが高いと評価された場合に、前記微粒子除去能力が前記必要換気能力と同等以上となるまで改善措置を施すもの。 - 請求項12に記載の感染リスク低減方法であって、
前記改善措置として、窓、扉または通気口の開放による換気;換気扇、全熱交換器、エアコンディショナー、サーキュレータまたは空気清浄機の運転;遮蔽板または隔壁の設置;収容定員の削減;からなる群より選択された少なくとも1つの措置を施すもの。
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JP2023074460A (ja) | 2023-05-29 |
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