JP2023074081A - Sd-oct装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】SD-OCTでの測定における精度低下を抑制することを目的とする。【解決手段】複数の波長成分を含む光を出力する光源と、前記光源から出力された光から、少なくとも、参照用の光路をたどる参照光と、測定対象物に照射される測定光と、を分岐する分岐部と、前記参照光と、前記測定対象物から返ってくる前記測定光と、の干渉光を伝達する伝達部と、複数の受光素子が直線状に並べられた受光部と、前記伝達部から出力される前記干渉光を分散し、前記波長成分毎に前記受光部上に集光する光学系と、を備え、前記光学系により前記受光部上に集光される、既定の波長の前記波長成分の直径は、前記干渉光の受光により前記受光部を介して検出される波状の信号の平均波長以下である。【選択図】図6
Description
本発明は、SD-OCT装置に関する。
光の干渉性を利用し、測定対象物の位置を計測する技術として、OCT(Optical Coherence Tomography)がある。OCTでは、測定対象物に光が照射された後に測定対象物から戻ってくる光と、参照用の光路を通ってくる参照光と、の干渉を利用して測定対象物の構造が計測される。OCTには、測定対象物から戻ってくる光と参照光との干渉光を波長成分毎に分散させ、分散された干渉光を利用して測定対象物の位置を計測するSD-OCT(Spectral Domain-OCT)という方式がある。SD-OCTに適用可能な技術には、特許文献1がある。
特許文献1には、参照光を反射するミラーの位置を移動させることで、参照光の光路長を変更する構成が開示されている。
特許文献1には、参照光を反射するミラーの位置を移動させることで、参照光の光路長を変更する構成が開示されている。
SD-OCTでは、光学部品の設計によっては、測定の精度が十分でないという課題があった。
本発明は、このような課題にかんがみてなされたもので、SD-OCTでの測定における精度低下を抑制することを目的とする。
本発明は、このような課題にかんがみてなされたもので、SD-OCTでの測定における精度低下を抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するため、SD-OCT装置は、複数の波長成分を含む光を出力する光源と、前記光源から出力された光から、少なくとも、参照用の光路をたどる参照光と、測定対象物に照射される測定光と、を分岐する分岐部と、前記参照光と、前記測定対象物から返ってくる前記測定光と、の干渉光を伝達する伝達部と、複数の受光素子が直線状に並べられた受光部と、前記伝達部から出力される前記干渉光を分散し、前記波長成分毎に前記受光部上に集光する光学系と、を備え、前記光学系により前記受光部上に集光される、既定の波長の前記波長成分の直径は、前記干渉光の受光により前記受光部を介して検出される波状の信号の平均波長以下である。
すなわち、SD-OCT装置において、受光部上に集光される、既定の波長の波長成分の直径が、受光部を介して検出される波状の信号の平均波長以下となる。これにより、受光部上における波長成分の光同士の重なりが低減される。波長成分同士の重なりが生じると、重なった部分において波長成分同士の信号が区別できず、結果として、受光部を介して検出される信号の精度が低下する。SD-OCT装置は、このような事態を抑制することで、SD-OCTでの測定における精度低下を抑制できる。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態の一例について説明する。
(1)SD-OCT装置の構成:
(2)眼軸長測定処理:
(3)他の実施形態:
(1)SD-OCT装置の構成:
(2)眼軸長測定処理:
(3)他の実施形態:
(1)SD-OCT装置の構成:
以下、本実施形態に係るSD-OCT装置1を説明する。本実施形態のSD-OCT装置1は、被験者の眼球(以下では、被検眼)における角膜頂点と眼底(網膜)とを測定対象物として、SD-OCT方式で測定対象物の位置の測定を行い、被検眼の眼軸長を測定する。図1、2は、本実施形態のSD-OCT装置1の構成を模式的に示す図である。SD-OCT装置1は、制御部10、調整機構11、ミラー12、アライメント機構13、光源14、受光部15を備える。また、SD-OCT装置1は、光源14から出力される光の光路41~44を形成する光学部材(分岐部30、伝達部41a、42a、43a、44a、コリメータ42b、43b、光学系44b)を備える。
以下、本実施形態に係るSD-OCT装置1を説明する。本実施形態のSD-OCT装置1は、被験者の眼球(以下では、被検眼)における角膜頂点と眼底(網膜)とを測定対象物として、SD-OCT方式で測定対象物の位置の測定を行い、被検眼の眼軸長を測定する。図1、2は、本実施形態のSD-OCT装置1の構成を模式的に示す図である。SD-OCT装置1は、制御部10、調整機構11、ミラー12、アライメント機構13、光源14、受光部15を備える。また、SD-OCT装置1は、光源14から出力される光の光路41~44を形成する光学部材(分岐部30、伝達部41a、42a、43a、44a、コリメータ42b、43b、光学系44b)を備える。
制御部10は、プロセッサ、RAM、ROM等を備え、ROM等に記録されたプログラムを実行することで、SD-OCT装置1を制御する。調整機構11は、光路42に沿って直線方向にミラー12を移動可能な機構である。本実施形態では、調整機構11は、ミラー12を移動させるボールネジ機構であるとするが、スライダクランク機構、カム等の動力伝達機構等の他の機構であってもよい。ミラー12は、入射された光を反射する。制御部10は、調整機構11を介して、ミラー12の位置を調整する。アライメント機構13は、SD-OCT装置1と測定対象物との位置関係の調整に用いられる機構である。制御部10は、SD-OCTによる測定対象物の測定の前に、アライメント機構13を介して、既定の位置に存在する被験者の被検眼の角膜頂点の位置を検出し、検出した角膜頂点の位置とSD-OCT装置1とが既定の位置関係となるようにSD-OCT装置1の位置を調整する。光源14は、制御部10からの指示に応じて、既定の波長帯域の光を出力する。本実施形態では、光源14は、840nmを中心として半値全幅60nmの波長帯域の光を出力する。以下では、光源14から出力される光に含まれる波長成分のうち、SD-OCTでの測定に主に寄与する波長成分として規定された波長成分の波長を中心波長とする。本実施形態では、中心波長は、光源14から出力される光の波長帯域の中心の波長である840nmである。以下では、中心波長をλ0と示す。受光部15は、直線状に並べられた複数の受光素子である。本実施形態では、受光部15は、幅7μmの受光素子が2048個並べられたセンサであり、幅は7μm×2048=14.336mmとなる。
分岐部30は、光源14から出力された光から、参照用の光路を辿る参照光と、測定対象物に照射される測定光と、を分岐する光学部材であり、例えば、フィルタカプラ等で構成可能である。伝達部41aは、光路41の形成に用いられ、本実施形態では光源14からの光を分岐部30に伝達する光ファイバである。光路41は、光源14から出力される光を分岐部30まで進行させる光路である。また、伝達部42a、及び、コリメータ42bは、光路42の形成に用いられる。光路42は、分岐部30によって分岐された参照光がミラー12に向けて進行する光路であり、かつ、ミラー12で反射され逆方向に進行する参照光が分岐部30に向けて進行する光路である。伝達部42aは、分岐部30で分岐された参照光を伝達する光ファイバである。コリメータ42bは、伝達部42aから出力される光を平行光に変換する。また、伝達部43a、及び、コリメータ43bは、光路43の形成に用いられる。光路43は、分岐部30によって分岐された測定光が測定対象物に向けて進行する光路であり、かつ、測定対象物から返ってくる測定光が分岐部30に向けて進行する光路である。伝達部43aは、分岐部30で分岐された測定光を伝達する光ファイバである。コリメータ43bは、伝達部43aから出力される光を平行光に変換する。
また、伝達部44a、及び、光学系44bは、光路44の形成に用いられる。光路44は、分岐部30で生成される測定光と参照光との干渉光が受光部15に向けて進行する光路である。伝達部44aは、分岐部30で生成される干渉光を伝達する光ファイバである。光学系44bは、伝達部44aから出力された干渉光を分散し、波長成分毎に受光部15に集光する。光学系44bは、レンズ44c、分散部材44d、分散部材44e、レンズ44fを備える。レンズ44cは、光路44上において、伝達部44aの出力端からレンズ44cの焦点距離f1だけ離れた位置に配置される。そのため、レンズ44cは、伝達部44aから出力され、光軸を中心に放射状に広がりながら進行する干渉光を平行光に変換する。分散部材44d、44eそれぞれは、入射した光を分散する。本実施形態では、分散部材44d、44eは、それぞれ、回折格子であるが、プリズム等の他の光学部材でもよい。本実施形態の分散部材44d、44eは、1mm当たり1800本のスリットが設けられた回折格子であるが、1mm当たり他の本数(例えば、2400本等)のスリットが設けられた回折格子であってもよい。分散部材44d、44eによる分散により干渉光は、波長成分毎に進行方向が変わる。レンズ44fは、光路44上、受光部15からレンズ44fの焦点距離f2だけ離れた位置に配置される。なお、受光部15は、レンズ44fと向かい合うように配置されており、受光部15の複数の受光素子がレンズ44fの光軸と垂直、且つ、分散部材44d、44eの各スリットと垂直な方向に沿って並ぶように配置されている。
本実施形態では、SD-OCT装置1は、光源14から出力される光から、マイケルソン干渉計によって干渉光を生成する。図2を用いて、SD-OCT装置1において、光源14から出力される光の光路を説明する。
光源14から出力された光は、光路41の伝達部41aを伝達し、分岐部30に到達する。分岐部30は、到達した光から、参照光と測定光とを分岐する。そして、分岐部30は、参照光を光路42へ進行させ、測定光を光路43へと進行させる。
光源14から出力された光は、光路41の伝達部41aを伝達し、分岐部30に到達する。分岐部30は、到達した光から、参照光と測定光とを分岐する。そして、分岐部30は、参照光を光路42へ進行させ、測定光を光路43へと進行させる。
光路42へと進行した参照光は、伝達部42aを伝達し、伝達部42aから出力され、コリメータ42bを経由して、ミラー12に到達する。ミラー12で反射された参照光は、再び、光路42を進行してコリメータ42bを経由し分岐部30に到達する。また、分岐部30から光路43へと進行した測定光は、伝達部43aを伝達して、伝達部43aから出力され、コリメータ43bを経由して測定対象物に到達する。そして、測定対象物において、測定光の反射、又は、散乱が生じる。これにより、反射又は散乱された測定光の少なくとも一部は、入射方向と反対方向に進行することで、測定対象物から返ってくる。測定対象物から返ってくる測定光は、再び、光路43を進行してコリメータ43bを経由し分岐部30に到達する。分岐部30は、分岐部30に到達した参照光と測定光とを合成することで、参照光と測定光との干渉光を生成し、生成した干渉光を光路44へと進行させる。
このように、本実施形態において、分岐部30により分岐された参照光は、光路42、ミラー12、光路42、分岐部30、光路44の順で進行し、受光部50に到達する。従って、参照光の光路は、光路42、ミラー12、光路44により形成される。以下では、参照光の光路を参照アームとする。制御部10は、調整機構11を介してミラー12を移動させることで、参照アームの光路長を調整する。ここで、光路長とは、光路を空気媒体中の光路に変換した場合における変換後の光路の長さである。例えば、空気に対する屈折率が1.2の媒体中の長さ1mの光路の光路長は、この媒体の屈折率1.2×実際の長さ1m=1.2mとなる。
また、分岐部により分岐された測定光は、光路43、測定対象物、光路43、分岐部30、光路44の順で進行し、受光部15に到達する。従って、本実施形態では、測定光の光路は、光路43、測定対象物、光路44により形成される。以下では、この測定光の光路を測定アームとする。
また、分岐部により分岐された測定光は、光路43、測定対象物、光路43、分岐部30、光路44の順で進行し、受光部15に到達する。従って、本実施形態では、測定光の光路は、光路43、測定対象物、光路44により形成される。以下では、この測定光の光路を測定アームとする。
本実施形態では、制御部10は、調整機構11を介してミラー12を移動させることで、被検眼の角膜頂点測定用の参照アームと、被検眼の網膜測定用の参照アームと、を切り替える。以下では、被検眼の角膜頂点測定用の参照アームを、角膜用参照アームとする。また、被検眼の網膜測定用の参照アームを、網膜用参照アームとする。本実施形態では、角膜用参照アームが用いられる場合の測定アームにおけるゼロ点は、光路43においてアライメントされた被検眼の角膜頂点の近傍であって、角膜頂点の前方の位置となるように調整される。ここで、前方とは、被験者から見た前方である。また、以下でも、前方は、被験者から見た場合の前方を示す。ここで、ゼロ点とは、測定アーム上の位置であって、測定光がその位置で逆方向に反射して戻ってきた場合における測定光の光路長が参照アームの光路長と同じになる位置である。また、網膜用参照アームが用いられる場合、測定アームにおけるゼロ点は、光路43上、被検眼の角膜よりも後方に既定の距離の位置に調整される。本実施形態では、この既定の距離は、眼球の眼軸長として想定される長さのうちの最小値である。
光路44を進行する干渉光は、レンズ44cを経由して平行光となり、分散部材44dに到達する。分散部材44dに到達した干渉光は、分散することで、波長成分毎に分かれて分散部材44eに到達する。そして、分散部材44eに到達した干渉光は、再度、分散しレンズ44fに到達する。波長成分毎にレンズ44fに到達した干渉光は、波長成分毎に分かれており、波長成分毎に異なる光路を進行し、受光部15に上に集光する。そのため、受光部15上において、波長成分毎に異なる位置に干渉光が集光される。これにより、制御部10は、受光部15の複数の受光素子を介して、分散された干渉光の波長成分毎の強度を検出できる。
なお、受光部15で受光可能な光の波長は、受光部15と分散部材44eとの位置関係から予め求まる。以下では、受光部15で受光可能な光の波長のうち、最小のものをλ1と示す。また、受光部15で受光可能な光の波長のうち、最大のものをλ2と示す。
なお、受光部15で受光可能な光の波長は、受光部15と分散部材44eとの位置関係から予め求まる。以下では、受光部15で受光可能な光の波長のうち、最小のものをλ1と示す。また、受光部15で受光可能な光の波長のうち、最大のものをλ2と示す。
ここで、図3を用いて、光路44において伝達部44aから出力される光が受光部15上に集光する状況を説明する。
干渉光は、伝達部44aから出力すると、光軸を中心に放射状に広がりながら、レンズ44cに入射する。レンズ44cは、入射した干渉光を平行光に変換する。レンズ44cにより平行光に変換された干渉光は、分散部材44dに入射する。本実施形態では、レンズ44cにより平行光に変換された干渉光が入射角60°で分散部材44dに入射するように、光学系44bは設計されている。ただし、光学系44bは、レンズ44cにより平行光に変換された干渉光が他の入射角で分散部材44dに入射するように設計されてもよい。分散部材44dにおいて、干渉光は、分散され、波長の異なる成分に分かれる。図3においては、例示として3つの波長の波長成分の光路を、破線、一点鎖線、二点鎖線でそれぞれ示している。分散部材44dで分散された干渉光は、波長成分毎で見れば、平行光である。
干渉光は、伝達部44aから出力すると、光軸を中心に放射状に広がりながら、レンズ44cに入射する。レンズ44cは、入射した干渉光を平行光に変換する。レンズ44cにより平行光に変換された干渉光は、分散部材44dに入射する。本実施形態では、レンズ44cにより平行光に変換された干渉光が入射角60°で分散部材44dに入射するように、光学系44bは設計されている。ただし、光学系44bは、レンズ44cにより平行光に変換された干渉光が他の入射角で分散部材44dに入射するように設計されてもよい。分散部材44dにおいて、干渉光は、分散され、波長の異なる成分に分かれる。図3においては、例示として3つの波長の波長成分の光路を、破線、一点鎖線、二点鎖線でそれぞれ示している。分散部材44dで分散された干渉光は、波長成分毎で見れば、平行光である。
分散部材44dで分散された干渉光は、分散部材44eに入射する。分散部材44eにおいて、干渉光は、更に分散される。分散部材44eで分散された干渉光は、波長成分毎で見れば平行光となる。分散部材44eにより分散された干渉光は、レンズ44fに入射する。分散部材44eにより分散された干渉光は、波長成分毎には平行光であり、レンズ44fには、波長成分毎の平行光が入射される。そのため、干渉光の波長成分それぞれは、レンズ44fから焦点距離f2だけ離れた位置に配置された受光部15上の異なる位置に集光する。
ここで、図4を用いて、受光部15を介して検出される信号について説明する。
受光部15の一方の端部(以下では、第1端部とする)には、干渉光における波長λ1の波長成分が集光する。また、受光部15の他方の端部(以下では、第2端部とする)には、干渉光における波長λ2の波長成分が集光する。また、受光部15において、第1端部から第2端部にかけて集光する光の波長は連続的に変動し、第1端部に近いほど短い波長、第2端部に近いほど長い波長の波長成分が受光部15に集光される。制御部10は、受光部15の各受光素子の受光部15上での位置(第1端部からの距離)と、受光部15の各受光素子を介して検出された光の強度の信号と、を対応付けた信号を検出する。以下では、ここで検出される信号(受光部15の各受光素子の受光部15上での位置と、受光部15の各受光素子を介して検出された光の強度の信号と、を対応付けた信号)を検出信号とする。
受光部15の一方の端部(以下では、第1端部とする)には、干渉光における波長λ1の波長成分が集光する。また、受光部15の他方の端部(以下では、第2端部とする)には、干渉光における波長λ2の波長成分が集光する。また、受光部15において、第1端部から第2端部にかけて集光する光の波長は連続的に変動し、第1端部に近いほど短い波長、第2端部に近いほど長い波長の波長成分が受光部15に集光される。制御部10は、受光部15の各受光素子の受光部15上での位置(第1端部からの距離)と、受光部15の各受光素子を介して検出された光の強度の信号と、を対応付けた信号を検出する。以下では、ここで検出される信号(受光部15の各受光素子の受光部15上での位置と、受光部15の各受光素子を介して検出された光の強度の信号と、を対応付けた信号)を検出信号とする。
検出信号としてどのような信号が検出されるかについて説明する。干渉光における波長λの波長成分の強度は、以下の式1のように表される。
式1のAは、定数を示す。xは、測定アームにおけるゼロ点から測定対象物までの光路の光路長を示す。そのため、2xは、参照光と測定光との光路長の差(参照アームと測定アームとの光路長の差)を示す。受光部15の第1端部では、波長λ1の波長成分が集光するため、第1端部では、位相が(4πx/λ1)の信号が検出される。また、受光部15の第1端部では、波長λ2の波長成分が集光するため、第2端部では、位相が(4πx/λ2)の信号が検出される。受光部15において、第1端部から第2端部にかけて集光する光の波長が連続的に変動する。そのため、受光部15において検出される検出信号は、図4に示すように、第1端部から第2端部にかけて、位相が(4π|x|/λ1)から(4π|x|/λ2)に連続的に変動する波状の信号となる。この波状の検出信号に含まれる波の個数は、第1端部から第2端部にかけての位相の変動値を2πで除することで、以下の式(2)のように求まる。
そのため、この検出信号の平均波長wlは、受光部15の長さをLとすると、Lを式(2)で求まる個数で除することで、式(3)のように求まる。
式(2)、(3)に示すように、測定アームにおけるゼロ点から測定対象物までの光路長xが大きくなるほど(参照アームと測定アームとの光路長の差2xが大きくなるほど)、検出信号における波の個数が増大し、検出信号の平均波長wlが短くなる。
続いて、図5を用いて、受光部15上に集光される干渉光の各波長成分の集光部分の大きさについて説明する。どのようなレンズを用いても光を完全な点として集光することはできない。そのため、干渉光の各波長成分は、受光部15上において、有限の大きさを持つスポット状に集光される。以下では、干渉光の波長成分の受光部15上での集光部分の直径であって、受光部15の複数の受光素子の並ぶ方向と平行な方向の直径を、スポット径とする。
光ファイバである伝達部44aから出力される干渉光の波長λの波長成分の直径は、波長λの光が伝達部44aから出力される場合におけるMFD(Mode Field Diameter)となる。MFDとは、光ファイバから出力される光の直径と規定される値である。光ファイバから出力される光は、光軸を中心に円状にガウス分布で広がっている。MFDは、このようなガウス分布の広がりのうち、光軸を中心に、光の全エネルギーの86.5%を含む円状の領域における直径である。波長λの光が伝達部44aから出力される場合におけるMFDは、伝達する光の波長λと、伝達部44aのコアの直径と、伝達部44aのコア及びクラッドの屈折率と、から予め求まる。以下では、伝達部44aから出力される干渉光における波長λの波長成分の直径をω1とする。ω1は、波長λの光が伝達部44aから出力される場合におけるMFDである。
光は、進行することで、回折現象によって直径が広がっていく。直径ω0の光が距離zだけ進むと、光の直径は、以下の式(4)に示す通りとなる。
光は、進行することで、回折現象によって直径が広がっていく。直径ω0の光が距離zだけ進むと、光の直径は、以下の式(4)に示す通りとなる。
そのため、伝達部44aから出力された直径ω1、波長λの光が焦点距離f1だけ進行してレンズ44cに到達する際には、直径がλf1/(πω1)となる。以下では、直径ω1、波長λの光が焦点距離f1だけ進行しレンズ44cに到達した際の直径をω2とする。すなわち、ω2=λf1/(πω1)である。
レンズ44cを透過した光は、平行光となるので、直径一定のまま分散部材44dに入射する。
ここで、回折格子に光が入射する場合について説明する。光が回折格子に入射角αで入射し、回折角βで出射する場合、以下の式(5)で示される関係を満たす。式(5)のdは、分散部材44d、44eそれぞれにおけるスリットの間隔である。また、式(5)のmは、回折次数であり、任意の整数である。
レンズ44cを透過した光は、平行光となるので、直径一定のまま分散部材44dに入射する。
ここで、回折格子に光が入射する場合について説明する。光が回折格子に入射角αで入射し、回折角βで出射する場合、以下の式(5)で示される関係を満たす。式(5)のdは、分散部材44d、44eそれぞれにおけるスリットの間隔である。また、式(5)のmは、回折次数であり、任意の整数である。
また、回折格子を通過した光は、通過した回折格子のスリットに垂直な方向の直径が変化する。通過後の回折格子のスリットに垂直な方向の直径は、通過前の直径のcos(β)/cos(α)倍になる。以下では、光路44を進行する光における分散部材44d、44eの回折格子のスリットに垂直な方向の直径を、ビーム径とする。そのため、波長λの光が分散部材44dに入射する際の入射角をα1とし、回折角をβ1とすると、この光が分散部材44dを通過した場合、この光のビーム径ω3は、以下の式(6)で表される。なお、上述のように、本実施形態では、光学系44bは、レンズ44cを通過して平行光となった光が分散部材44dに入射する際の入射角が60°になるように設計されている。
分散部材44dを通過した波長λの光は、平行光のまま、分散部材44eに入射する。波長λの光が分散部材44eに入射する際の入射角をα2とし、回折角をβ2とすると、この光が分散部材44eを通過した場合、この光のビーム径ω4は、以下の式(7)で表される。
分散部材44eを通過した波長λの光は、平行光であるため、直径一定のまま、レンズ44fに入射する。
ここで、光学系44bにおいて、レンズ44cとレンズ44fとの間に含まれる回折格子の個数をnとして、i番目の回折格子における波長λの光の入射角、及び回折角を、αi、βiとおくと、レンズ44fに入射する波長λの光の直径は、以下の式(8)のように一般化できる。
ここで、光学系44bにおいて、レンズ44cとレンズ44fとの間に含まれる回折格子の個数をnとして、i番目の回折格子における波長λの光の入射角、及び回折角を、αi、βiとおくと、レンズ44fに入射する波長λの光の直径は、以下の式(8)のように一般化できる。
レンズ44fに入射した波長λの光は、受光部15上に集光される。受光部15に集光される波長λの光のスポット径を、ω5とおく。レンズ44fに入射した波長λの光のビーム径ω4は、式(8)で表される。この場合、式(8)中のnは、2である。また、このビーム径は、直径がω5の光が、受光部15からレンズ44fまで、焦点距離f2だけ進んだ場合の直径であるλf2/(πω5)と等しい。そのため、以下の式(9)の関係が成り立つ。
式(9)より、受光部15上に波長λの光が集光した際のスポット径ω5は、以下の式(10)のように表される。式(10)のPowerは、光学系44bの倍率である。光学系44bの倍率Powerは、(レンズ44fの焦点距離f2)/(レンズ44cの焦点距離f1)で表される。また、式(10)のnは、本実施形態では光学系44bには分散部材44d、44eの2つが含まれるので、2である。
このように、干渉光における波長λの波長成分は、受光部15上にスポット径ω5の大きさで集光される。
本実施形態のSD-OCT装置1は、受光部15上に集光する干渉光における既定の波長の波長成分のスポット径が、受光部15を介して検出される検出信号の平均波長以下となるように、設計される。以下で、より詳細に説明する。なお、本実施形態では、この既定の波長は、中心波長λ0である。また、このように設計される意図については後述する。
受光部15上に集光する干渉光における中心波長λ0の波長成分のスポット径は、以下のようにして求まる。光ファイバである伝達部44aから中心波長λ0の光が出力する場合におけるMFDが、中心波長λ0と、伝達部44aのコアの直径と、伝達部44aのコア及びクラッドの屈折率と、から予め求まる。また、上述のように、レンズ44cで平行光にされた中心波長λ0の波長成分が分散部材44dに入射する際の入射角は、予め定められており60°である。また、中心波長λ0の波長成分が入射角60°で分散部材44dに入射する際の回折角は以下のようにして求まる。すなわち、式(5)において、αにこの入射角60°を代入し、dに分散部材44dのスリット間隔を代入し、λに中心波長λ0を代入し、mに既定の次数を代入することで、回折角βについての式が得られる。この式を解くことで、中心波長λ0の波長成分が入射角60°で分散部材44dに入射する際の回折角がβとして求まる。
また、ここで求まった回折角と、分散部材44dと分散部材44eとの位置関係と、から中心波長λ0の波長成分が分散部材44eに入射する際の入射角が求まる。また、中心波長λ0の波長成分がこの求まった入射角で分散部材44eに入射する際の回折角は以下のようにして求まる。すなわち、式(5)において、αにこの入射角を代入し、dに分散部材44eのスリット間隔を代入し、λに中心波長λ0を代入し、mに既定の次数を代入することで、回折角βについての式が得られる。この式を解くことで、中心波長λ0の波長成分がこの入射角で分散部材44eに入射する際の回折角がβとして求まる。
続いて、式(10)のω1、α1、α2、β1、β2に、ここで求まったMFD、分散部材44dにおける入射角、分散部材44eにおける入射角、分散部材44dにおける回折角、分散部材44eにおける回折角をそれぞれ代入する。また、式(10)のPowerに、f2/f1を代入する。これにより、受光部15上に集光する干渉光における中心波長λ0の波長成分のスポット径がω5として予め求まる。
上述のように、受光部15を介して検出される検出信号の平均波長wlは、測定アームにおけるゼロ点から測定対象物までの光路長x(参照アームと測定アームとの光路長の差)が大きいほど小さくなる。そのため、測定アームにおいてゼロ点から測定対象物までの光路長xが想定される最大値となる場合に、平均波長wlは、想定される最小値をとる。
本実施形態では、測定対象物は、被検眼の角膜頂点、及び、網膜である。本実施形態では、測定の前に、アライメント機構13を介したアライメントにより、SD-OCT装置1に対する角膜頂点の位置は大凡既定の位置となる。そのため、SD-OCT装置1に対する角膜頂点の位置についての個体差は、微小である。
本実施形態では、測定対象物は、被検眼の角膜頂点、及び、網膜である。本実施形態では、測定の前に、アライメント機構13を介したアライメントにより、SD-OCT装置1に対する角膜頂点の位置は大凡既定の位置となる。そのため、SD-OCT装置1に対する角膜頂点の位置についての個体差は、微小である。
また、測定対象物が網膜である場合、制御部10は、調整機構11を介してミラーを駆動し、測定アームにおけるゼロ点の位置が角膜の後方に既定の距離の位置となるように調整する。眼球における眼軸長(角膜頂点と網膜との距離)は、個体差があり、各眼球によってばらつきがある。そのため、SD-OCT装置1に対する網膜の位置は、個体差が生じうる。すなわち、光路43上での被検眼の網膜の位置として想定される位置には、個体差があり、測定アームにおけるゼロ点から測定対象物までの光路長xにばらつきが生じる。光路長xのばらつきの大きさは、眼軸長の個体差として規定される値(想定される眼軸長の最大値と最小値との差)に硝子体の屈折率を乗じた値となる。
本実施形態では、眼軸長の個体差は、以下の参考文献1から求まる。
参考文献1:C McAlinden 著著「Axial Length Measurement Failure Rates With Biometers Using Swept-Source Optical Coherence Tomography Compared to Partial-Coherence Interferometry」 AMERICAN JOURNAL OF OPHTHALMOLOGY Elsevier 2017年
参考文献1では、眼軸長の想定される最大値は、26.56mmであり、眼軸長の想定される最小値は、20.36mmである。そのため、眼軸長の個体差として、26.56mm-20.36mm=6.2mmが規定される。この眼軸長の個体差に応じて光路長xに生じうるばらつきの大きさは、この値(6.2mm)に硝子体の屈折率(1.336)を乗じた値である8.2832mmとなる。
以上より角膜頂点と網膜とを測定するSD-OCT装置1において、光路長xには、眼軸長の個体差に応じて8.2832mmの大きさのばらつきが生じうることが想定される。そこで、本実施形態では、8.2832mmの幅の範囲で光路長xがばらつくとして、光路長xの範囲として、0mm~8.2832mmの範囲を想定する。そのため、本実施形態では光路長xの想定される最大値は、眼軸長の個体差に対応するばらつきの大きさである8.2832mmとなる。光路長x=8.2832mmとして、光路長xと、受光部15で受光可能な光の波長のうちの最小の波長λ1、及び、最大の波長λ2と、受光部15の長さLと、から式(3)を用いて、検出信号の平均波長として想定される最小値がwlとして予め求まる。
参考文献1:C McAlinden 著著「Axial Length Measurement Failure Rates With Biometers Using Swept-Source Optical Coherence Tomography Compared to Partial-Coherence Interferometry」 AMERICAN JOURNAL OF OPHTHALMOLOGY Elsevier 2017年
参考文献1では、眼軸長の想定される最大値は、26.56mmであり、眼軸長の想定される最小値は、20.36mmである。そのため、眼軸長の個体差として、26.56mm-20.36mm=6.2mmが規定される。この眼軸長の個体差に応じて光路長xに生じうるばらつきの大きさは、この値(6.2mm)に硝子体の屈折率(1.336)を乗じた値である8.2832mmとなる。
以上より角膜頂点と網膜とを測定するSD-OCT装置1において、光路長xには、眼軸長の個体差に応じて8.2832mmの大きさのばらつきが生じうることが想定される。そこで、本実施形態では、8.2832mmの幅の範囲で光路長xがばらつくとして、光路長xの範囲として、0mm~8.2832mmの範囲を想定する。そのため、本実施形態では光路長xの想定される最大値は、眼軸長の個体差に対応するばらつきの大きさである8.2832mmとなる。光路長x=8.2832mmとして、光路長xと、受光部15で受光可能な光の波長のうちの最小の波長λ1、及び、最大の波長λ2と、受光部15の長さLと、から式(3)を用いて、検出信号の平均波長として想定される最小値がwlとして予め求まる。
本実施形態のSD-OCT装置1は、予め求まった中心波長λ0の波長成分のスポット径ω5が、予め求まった検出信号の平均波長として想定される最小値wl以下となるように、すなわち、以下の式(11)の関係を満たすように、設計される。
本実施形態では、SD-OCT装置1に使用される伝達部44a、分散部材44d、分散部材44e、レンズ44f、受光部15が予め定められている。また、分散部材44d、分散部材44e、レンズ44f、受光部15の位置関係も予め定められている。このため、伝達部44a、分散部材44d、分散部材44e、レンズ44f、受光部15、及び、この位置関係から、式(11)におけるf1以外のパラメータが求まる。そこで、本実施形態のSD-OCT装置1の設計の際には、レンズ44cとして、式(11)を満たす焦点距離f1のレンズが選定される。これにより、SD-OCT装置1において、中心波長λ0の波長成分のスポット径ω5が検出信号の平均波長として想定される最小値wl以下となるようにすることができる。
ここで、中心波長λ0の波長成分のスポット径ω5が検出信号の平均波長として想定される最小値wl以下となるように設計される意図について図6を用いて、説明する。
干渉光の各波長成分は、受光部15上で有限の大きさで集光される。そのため、受光部15を介して検出される検出信号におけるピーク部分に対応する波長成分と隣のピーク部分に対応する波長成分と(例えば、図6のピークP1とピークP2とに対応する波長成分)も、受光部15上において、有限の大きさで集光する。図6のピークP1、P2の周囲の円は、この場合の波長成分のスポット径の大きさを示す。図6の例のように、受光部15上でこれらの波長成分同士が少なくとも一部重なってしまう可能性がある。特に、測定アームにおけるゼロ点から測定対象物までの光路長xが大きくなるほど、検出信号の平均波長が短くなり、検出信号におけるピーク間の距離が短くなるので隣り合うピークに対応する波長成分同士が受光部15上で重なる可能性が高くなる。このように、検出信号の隣り合うピークに対応する異なる波長成分同士が重なりあうと、重なり合った部分で波長成分同士の信号の区別がつかなくなり、受光部15を介した波長成分毎の強度の検出の精度が低下する。結果としてSD-OCTでの測定対象物の位置の測定の精度も低下する。
そこで、本実施形態では、受光部15上に集光する既定の波長(中心波長λ0)の波長成分のスポット径が、受光部15を介して検出される検出信号の平均波長として想定される最小値以下となるようにすることで、検出信号のピークに対応する波長成分同士の重複を低減する。
干渉光の各波長成分は、受光部15上で有限の大きさで集光される。そのため、受光部15を介して検出される検出信号におけるピーク部分に対応する波長成分と隣のピーク部分に対応する波長成分と(例えば、図6のピークP1とピークP2とに対応する波長成分)も、受光部15上において、有限の大きさで集光する。図6のピークP1、P2の周囲の円は、この場合の波長成分のスポット径の大きさを示す。図6の例のように、受光部15上でこれらの波長成分同士が少なくとも一部重なってしまう可能性がある。特に、測定アームにおけるゼロ点から測定対象物までの光路長xが大きくなるほど、検出信号の平均波長が短くなり、検出信号におけるピーク間の距離が短くなるので隣り合うピークに対応する波長成分同士が受光部15上で重なる可能性が高くなる。このように、検出信号の隣り合うピークに対応する異なる波長成分同士が重なりあうと、重なり合った部分で波長成分同士の信号の区別がつかなくなり、受光部15を介した波長成分毎の強度の検出の精度が低下する。結果としてSD-OCTでの測定対象物の位置の測定の精度も低下する。
そこで、本実施形態では、受光部15上に集光する既定の波長(中心波長λ0)の波長成分のスポット径が、受光部15を介して検出される検出信号の平均波長として想定される最小値以下となるようにすることで、検出信号のピークに対応する波長成分同士の重複を低減する。
以上、本実施形態のSD-OCT装置1の構成により、受光部15上に集光する干渉光における既定の波長の波長成分のスポット径が、検出信号の平均波長以下となるようにすることができる。これにより、SD-OCT装置1は、検出信号における隣り合うピークに対応する信号同士の重複が低減され、SD-OCTでの測定における精度低下を抑制できる。
また、本実施形態では、SD-OCT装置1は、既定の波長として中心波長λ0の波長成分のスポット径が、検出信号の平均波長以下となるように設計されている。これにより、測定に主に寄与する波長の波長成分について他の波長成分との重複を低減でき、SD-OCTでの測定における精度低下をより抑制できる。
また、本実施形態では、SD-OCT装置1は、既定の波長として中心波長λ0の波長成分のスポット径が、検出信号の平均波長以下となるように設計されている。これにより、測定に主に寄与する波長の波長成分について他の波長成分との重複を低減でき、SD-OCTでの測定における精度低下をより抑制できる。
また、本実施形態では、SD-OCT装置1は、受光部15上に集光する干渉光における既定の波長の波長成分のスポット径が、検出信号の平均波長として想定される最小値以下となるように設計される。本実施形態では、測定対象物は眼球の網膜を含み、測定対象物が網膜である場合、個体差により網膜の位置がばらつく。SD-OCTでは、良好な測定が可能な範囲に測定対象物が存在しない場合、参照アームを調整し、測定アームにおけるゼロ点を移動させ、良好な測定が可能な範囲を移動させることが行われる場合がある。すなわち、参照アームを調整する手間を要する場合がある。このように、SD-OCTでは、位置に個体差があるような測定対象物について手間がかかる可能性があった。本実施形態では、測定対象物の位置が想定されるばらつきの範囲内であれば、受光部15上に集光する干渉光における既定の波長の波長成分のスポット径は検出信号の平均波長以下となる。そのため、測定対象物の位置が想定されるばらつきの範囲内であれば、検出信号におけるピークに対応する波長成分同士の重なりが低減され、SD-OCTでの測定における精度低下を抑制できる。結果として、SD-OCT装置1は、測定対象物の位置の想定されるばらつきの範囲内において、精度よく測定できる可能性が向上し、参照アームの調整の手間がかかる可能性を低減できる。
(2)眼軸長測定処理:
図7を用いて、本実施形態のSD-OCT装置1が実行する眼軸長測定処理を説明する。制御部10は、被験者の被検眼が既定の位置に配置された後で、指定されたタイミングで、図7の処理を開始する。
ステップS100において、制御部10は、アライメント機構13を介して、既定の位置に存在する被験者の被検眼の角膜頂点の位置を検出し、検出した角膜頂点の位置とSD-OCT装置1とが既定の位置関係となるようにSD-OCT装置1の位置を調整する。制御部10は、ステップS100の処理の完了後に、処理をステップS105に進める。
図7を用いて、本実施形態のSD-OCT装置1が実行する眼軸長測定処理を説明する。制御部10は、被験者の被検眼が既定の位置に配置された後で、指定されたタイミングで、図7の処理を開始する。
ステップS100において、制御部10は、アライメント機構13を介して、既定の位置に存在する被験者の被検眼の角膜頂点の位置を検出し、検出した角膜頂点の位置とSD-OCT装置1とが既定の位置関係となるようにSD-OCT装置1の位置を調整する。制御部10は、ステップS100の処理の完了後に、処理をステップS105に進める。
ステップS105において、制御部10は、調整機構11を介して、ミラー12を移動させることで、参照アームを角膜用参照アームに調整する。制御部10は、ステップS105の処理の完了後に、処理をステップS110に進める。
ステップS110において、制御部10は、光源14から光を出力させ、受光部15を介して、干渉光の強度を波長成分毎に検出する。制御部10は、波長成分毎に検出した干渉光の強度に基づいて、光路43における被検眼の角膜頂点の位置を特定する。制御部10は、ステップS110の処理の完了後に、処理をステップS115に進める。
ステップS110において、制御部10は、光源14から光を出力させ、受光部15を介して、干渉光の強度を波長成分毎に検出する。制御部10は、波長成分毎に検出した干渉光の強度に基づいて、光路43における被検眼の角膜頂点の位置を特定する。制御部10は、ステップS110の処理の完了後に、処理をステップS115に進める。
ステップS115において、制御部10は、調整機構11を介して、ミラー12を移動させることで、参照アームを網膜用参照アームに調整する。本実施形態では、上述のように、測定対象物の位置が想定されるばらつきの範囲内であれば、受光部15上に集光する干渉光における既定の波長の波長成分のスポット径は検出信号の平均波長以下となる。そのため、測定対象物の位置が想定されるばらつきの範囲内であれば、検出信号におけるピークに対応する波長成分同士の重なりが低減される。すなわち、想定されるばらつきの範囲内において、十分な精度での測定対象物の測定が可能であるため、参照アームの調整を要しない。そこで、本実施形態では、制御部10は、調整機構11を介して、参照アームを網膜用参照アームに調整した後、網膜の位置を特定するまで、調整機構11を介した参照アームの調整、すなわち参照光の光路長の調整を行わないよう制御する。これにより、制御部10は、調整機構11を介した不要な処理を行わずに、処理にかかる負担を低減できる。制御部10は、ステップS115の処理の完了後に、処理をステップS120に進める。
ステップS120において、制御部10は、光源14から光を出力させ、受光部15を介して、干渉光の強度を波長成分毎に検出する。制御部10は、波長成分毎に検出した干渉光の強度に基づいて、光路43における被検眼の網膜の位置を特定する。
ステップS125において、制御部10は、ステップS120で特定した網膜の位置と、ステップS115で特定した角膜頂点の位置と、の差分を、眼軸長として取得する。
ステップS125において、制御部10は、ステップS120で特定した網膜の位置と、ステップS115で特定した角膜頂点の位置と、の差分を、眼軸長として取得する。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。従って、上述の実施形態の少なくとも一部の構成が省略、置換、された構成であってもよい。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。従って、上述の実施形態の少なくとも一部の構成が省略、置換、された構成であってもよい。
上述の実施形態では、SD-OCT装置1は、干渉光における既定の波長の波長成分として中心波長λ0の波長成分の受光部15におけるスポット径が、検出信号の平均波長以下となるように設計されるとした。ただし、ここでの既定の波長は、中心波長λ0と異なる波長であってもよい。
例えば、既定の波長は、受光部15により受光可能な光の波長のうちの最大の波長λ2であってもよい。この場合、SD-OCT装置1は、干渉光における波長λ2の波長成分の受光部15におけるスポット径が、検出信号の平均波長以下となるように設計される。このスポット径は、例えば、以下のようにして求まる。
波長λ2と、伝達部44aのコア径と、伝達部44aのコア及びクラッドの屈折率から、伝達部44aから出力される波長λ2の波長成分のMFDが求まる。また、上述の実施形態と同様の方法で、波長λ2の波長成分が分散部材44dへ入射する際の入射角、及び回折角が求まる。同様に、波長λ2の波長成分が分散部材44eへ入射する際の入射角、及び回折角が求まる。式(10)のω1、α1、α2、β1、β2に、ここで求まったMFD、分散部材44dにおける入射角、分散部材44eにおける入射角、分散部材44dにおける回折角、分散部材44eにおける回折角をそれぞれ代入する。また、式(10)のPowerに、f2/f1を代入する。これにより、受光部15上に集光する干渉光における波長λ2の波長成分のスポット径がω5として求まる。
波長λ2と、伝達部44aのコア径と、伝達部44aのコア及びクラッドの屈折率から、伝達部44aから出力される波長λ2の波長成分のMFDが求まる。また、上述の実施形態と同様の方法で、波長λ2の波長成分が分散部材44dへ入射する際の入射角、及び回折角が求まる。同様に、波長λ2の波長成分が分散部材44eへ入射する際の入射角、及び回折角が求まる。式(10)のω1、α1、α2、β1、β2に、ここで求まったMFD、分散部材44dにおける入射角、分散部材44eにおける入射角、分散部材44dにおける回折角、分散部材44eにおける回折角をそれぞれ代入する。また、式(10)のPowerに、f2/f1を代入する。これにより、受光部15上に集光する干渉光における波長λ2の波長成分のスポット径がω5として求まる。
回折格子に入射する光の波長が大きいほど回折角βが大きくなる。そのため、光の波長が大きいほど、式(10)におけるcos(βi)が小さくなり、式(10)における(cos(αi)/cos(βi))が大きくなる。そのため、式(10)における(cos(αi)/cos(βi))は、波長λ2の場合に最も大きくなる。
また、MFDは、以下の式(12)のようにも定義される。式(12)のλは、光ファイバを伝達する光の波長を示す。また、θは、光ファイハ゛ーの伝搬軸となす光の放射角を示す。また、F(θ)は、遠方出射ハ゜ターン(Far Field Pattern:FFP)の電界分布を示す。
式(12)に示されるように、MFDは、光の波長(λ)が大きいほど大きくなる。すなわち、波長λ2の波長成分についてのMFDが、λ2以下の波長の波長成分についてのMFDよりも大きくなる。そのため、式(10)におけるω1は、波長λ2の場合に最も大きくなる。
以上より、受光部15に集光される波長成分のスポット径のうち、波長λ2についてのスポット径が最も大きくなる。
そのため、受光部15における波長λ2の波長成分のスポット径が、検出信号の平均波長以下になるように設計することで、検出信号における全てのピークに対応する波長成分のスポット径が検出信号の平均波長以下となる。すなわち、検出信号における全ての隣り合うピークに対応する波長成分同士が受光部15上で重なることがなくなる。これにより、SD-OCT装置1は、SD-OCTによる測定の精度の低下をより抑制できる。
以上より、受光部15に集光される波長成分のスポット径のうち、波長λ2についてのスポット径が最も大きくなる。
そのため、受光部15における波長λ2の波長成分のスポット径が、検出信号の平均波長以下になるように設計することで、検出信号における全てのピークに対応する波長成分のスポット径が検出信号の平均波長以下となる。すなわち、検出信号における全ての隣り合うピークに対応する波長成分同士が受光部15上で重なることがなくなる。これにより、SD-OCT装置1は、SD-OCTによる測定の精度の低下をより抑制できる。
また、既定の波長は、受光部15により受光可能な光の波長のうちの最小の波長λ1であってもよい。この場合、SD-OCT装置1は、干渉光における波長λ1の波長成分の受光部15におけるスポット径が、検出信号の平均波長以下となるように設計される。
また、上述の実施形態では、中心波長λ0は、光源14から出力される光の波長帯域の中心の波長であるとした。ただし、中心波長λ0は、他の波長であってもよい。例えば、中心波長λ0は、光源14から出力される光の波長帯域の中心の近傍の波長であって、この波長帯域の中心の波長と異なる波長であってもよい。例えば、中心波長λ0は、光源14から出力される光の波長帯域の中央の既定の幅(例えば、波長帯域全体の5%等)の範囲内の何れかの波長であって、この波長帯域の中心の波長と異なる波長あってもよい。中心波長λ0は、受光部15に含まれる直線状に並んだ複数の受光素子における中央の受光素子の部分に受光される光の波長であってもよい。また、中心波長λ0は、受光部15により受光される光の波長の最大値λ2と最小値λ1との平均値であってもよい。
また、上述の実施形態では、想定される眼軸長の個体差は、参考文献1から定まる値である6.2mmであるとした。ただし、想定される眼軸長の個体差は、他の値であってもよい。
例えば、想定される眼軸長の個体差は、以下の参考文献2から求まる値であってもよい。
参考文献2:JB. Jonas著「Retinal Thickness and Axial Length」 IOVS the Association for Research in Vision and Ophthalmology(ARVO) 2016年
例えば、想定される眼軸長の個体差は、以下の参考文献2から求まる値であってもよい。
参考文献2:JB. Jonas著「Retinal Thickness and Axial Length」 IOVS the Association for Research in Vision and Ophthalmology(ARVO) 2016年
参考文献2では、眼軸長の想定される最大値は、28.68mmであり、眼軸長の想定される最小値は、20.29mmである。そのため、参考文献2から求まる眼軸長の個体差は、28.68mm-20.29mm=8.39mmである。測定アームにおいて、この眼軸長の個体差により、この個体差(8.39mm)に硝子体の屈折率(1.336)を乗じた値である11.20904mmの光路長のばらつきが生じうる。そこで、光路長xのばらつきの範囲として、0mm~11.20904mmの範囲が想定される。測定アームにおけるゼロ点から測定対象物までの光路長xの想定される最大値は、11.20904mmとなる。そこで、光路長x=11.20904mmとして、光路長xと、受光部15で受光可能な光の波長のうちの最小の波長λ1、及び、最大の波長λ2と、受光部15の長さLと、から式(3)を用いて、検出信号の平均波長として想定される最小値がwlとして予め求まる。そして、SD-OCT装置1は、干渉光における既定の波長の波長成分のスポット径が、ここで求まるwl以下となるように設計されてもよい。
また、想定される眼軸長の個体差は、以下の参考文献3から求まる値であってもよい。
参考文献3:Markus Kohlhaas著「Effect of Central Corneal Thickness, Corneal Curvature, and Axial Length on Applanation Tonometry」 American Medical Association 2006年
参考文献3では、眼軸長の想定される最大値は、32.93mmであり、眼軸長の想定される最小値は、18.84mmである。そのため、参考文献2から求まる眼軸長の個体差は、32.93mm-18.84mm=14.09mmである。この場合、この値に硝子体の屈折率(1.336)を乗じた値である18.82424mmが、測定アームにおけるゼロ点から測定対象物までの光路長のばらつきの大きさとして求まる。ここで、光路長xが0mm~18.82424mmの範囲でばらつくと想定される。この場合、光路長x=18.82424mmとして、光路長xと、受光部15で受光可能な光の波長のうちの最小の波長λ1、及び、最大の波長λ2と、受光部15の長さLと、から式(3)を用いて、検出信号の平均波長として想定される最小値がwlとして予め求まる。そして、SD-OCT装置1は、干渉光における既定の波長の波長成分のスポット径が、ここで求まるwl以下となるように設計されてもよい。
参考文献3:Markus Kohlhaas著「Effect of Central Corneal Thickness, Corneal Curvature, and Axial Length on Applanation Tonometry」 American Medical Association 2006年
参考文献3では、眼軸長の想定される最大値は、32.93mmであり、眼軸長の想定される最小値は、18.84mmである。そのため、参考文献2から求まる眼軸長の個体差は、32.93mm-18.84mm=14.09mmである。この場合、この値に硝子体の屈折率(1.336)を乗じた値である18.82424mmが、測定アームにおけるゼロ点から測定対象物までの光路長のばらつきの大きさとして求まる。ここで、光路長xが0mm~18.82424mmの範囲でばらつくと想定される。この場合、光路長x=18.82424mmとして、光路長xと、受光部15で受光可能な光の波長のうちの最小の波長λ1、及び、最大の波長λ2と、受光部15の長さLと、から式(3)を用いて、検出信号の平均波長として想定される最小値がwlとして予め求まる。そして、SD-OCT装置1は、干渉光における既定の波長の波長成分のスポット径が、ここで求まるwl以下となるように設計されてもよい。
また、上述の実施形態では、干渉光における既定の波長の波長成分のスポット径が、光路長xが想定される最大値をとる場合の検出信号の平均波長wl以下となるように、SD-OCT装置1は設計されるとした。ただし、干渉光における既定の波長の波長成分のスポット径が、光路長xが想定される最大値と異なる値(例えば、光路長xの想定されるばらつきの中央値、光路長xの想定されるばらつきの範囲における任意の値等)をとる場合に式(3)から求まる平均波長wl以下となるように、SD-OCT装置1は設計されてもよい。
また、上述の実施形態では、制御部10は、調整機構11を介してミラー12を移動させることで参照アームを調整することとした。ただし、制御部10は、他の方法で参照アームを調整してもよい。例えば、光路42における伝達部42aの出力端以降の光路として、光路長の異なる複数の光路を形成する光学系が複数用意されているとする。そして、光路42を進む光の進行方向を、これらの光学系の何れかに変更するための回転式のミラーが設けられるとする。この場合、例えば、調整機構11は、この回転式のミラーの回転を行う機構である。制御部10は、調整機構11を介して、光路42上に設けられた回転式のミラーの角度を調整し、参照光をこれらの複数の光学系の何れかに進ませることで、参照アームを調整してもよい。
また、上述の実施形態では、式(10)を用いて、受光部15に集光する既定の波長の波長成分のスポット径が求まるとした。ただし、受光部15に集光する既定の波長の波長成分のスポット径は、他の方法で求められてもよい。例えば、伝達部44aから出力される干渉光に対して、光学フィルタをかけ既定の波長の波長成分以外を遮光することで、既定の波長の波長成分だけを受光部15上に集光させる。そして、受光部15に集光した波長成分の径を測定することで、受光部15に集光する既定の波長の波長成分のスポット径が求まるとしてもよい。この場合、SD-OCT装置1は、測定されたスポット径が検出信号の平均波長以下となるように設計されてもよい。
また、上述の実施形態では、レンズ44cを選定することで、干渉光の既定の波長成分のスポット径が、検出信号の平均波長以下となるように、SD-OCT装置1は設計されるとした。ただし、SD-OCT装置1は、レンズ44cと異なる部材を選定することで設計されてもよい。例えば、光学系44bを構成する各要素が予め定められている場合、式(11)におけるω1以外のパラメータを既定となる。この場合、既定の波長についてのMFDが、式(11)を満たすω1となるように、伝達部44aを構成する光ファイバを選定してもよい。また、SD-OCT装置1は、光路44を構成する要素のうちの複数の要素を選定することで、設計されてもよい。
また、上述の実施形態では、測定対象物は、被検眼の角膜頂点、及び、網膜であるとした。ただし、測定対象物は、被検眼の他の部位(角膜における角膜頂点と異なる部位、虹彩、結膜等)等の他の物体でもよい。
また、上述の実施形態では、光学系44bに含まれる分散部材の個数nは、2であるとした。ただし、nは、1であってもよいし、3以上であってもよい。
また、上述の実施形態では、SD-OCT装置1は、干渉光を生成する干渉計として、マイケルソン干渉計を構成するとした。ただし、SD-OCT装置1は、バランスドマイケルソン干渉計、マッハツェンダー干渉計等の他の干渉計を構成してもよい。
また、上述の実施形態では、光学系44bに含まれる分散部材の個数nは、2であるとした。ただし、nは、1であってもよいし、3以上であってもよい。
また、上述の実施形態では、SD-OCT装置1は、干渉光を生成する干渉計として、マイケルソン干渉計を構成するとした。ただし、SD-OCT装置1は、バランスドマイケルソン干渉計、マッハツェンダー干渉計等の他の干渉計を構成してもよい。
眼球の眼軸長について生じうる個体差として規定された値は、複数の眼球の眼軸長の測定結果に基づいて眼軸長の個体差として規定された値であればよい。例えば、複数の人物の眼球の眼軸長を実際に測定し、測定した結果の最小値と最大値との差でもよい。
1…SD-OCT装置、10…制御部、11…調整機構、12…ミラー、13…アライメント機構、14…光源、15…受光部、30…分岐部、41…光路、41a…伝達部、42…光路、42a…伝達部、42b…コリメータ、43…光路、43a…伝達部、43b…コリメータ、44…光路、44a…伝達部、44b…光学系、44c…レンズ、44d…分散部材、44e…分散部材、44f…レンズ
本実施形態では、眼軸長の個体差は、以下の参考文献1から求まる。
参考文献1:C McAlinden 著著「Axial Length Measurement Failure Rates With Biometers Using Swept-Source Optical Coherence Tomography Compared to Partial-Coherence Interferometry and Optical Low-Coherence Interferometry」 AMERICAN JOURNAL OF OPHTHALMOLOGY Elsevier 2017年
参考文献1では、眼軸長の想定される最大値は、26.56mmであり、眼軸長の想定される最小値は、20.36mmである。そのため、眼軸長の個体差として、26.56mm-20.36mm=6.2mmが規定される。この眼軸長の個体差に応じて光路長xに生じうるばらつきの大きさは、この値(6.2mm)に硝子体の屈折率(1.336)を乗じた値である8.2832mmとなる。
以上より角膜頂点と網膜とを測定するSD-OCT装置1において、光路長xには、眼軸長の個体差に応じて8.2832mmの大きさのばらつきが生じうることが想定される。そこで、本実施形態では、8.2832mmの幅の範囲で光路長xがばらつくとして、光路長xの範囲として、0mm~8.2832mmの範囲を想定する。そのため、本実施形態では光路長xの想定される最大値は、眼軸長の個体差に対応するばらつきの大きさである8.2832mmとなる。光路長x=8.2832mmとして、光路長xと、受光部15で受光可能な光の波長のうちの最小の波長λ1、及び、最大の波長λ2と、受光部15の長さLと、から式(3)を用いて、検出信号の平均波長として想定される最小値がwlとして予め求まる。
参考文献1:C McAlinden 著著「Axial Length Measurement Failure Rates With Biometers Using Swept-Source Optical Coherence Tomography Compared to Partial-Coherence Interferometry and Optical Low-Coherence Interferometry」 AMERICAN JOURNAL OF OPHTHALMOLOGY Elsevier 2017年
参考文献1では、眼軸長の想定される最大値は、26.56mmであり、眼軸長の想定される最小値は、20.36mmである。そのため、眼軸長の個体差として、26.56mm-20.36mm=6.2mmが規定される。この眼軸長の個体差に応じて光路長xに生じうるばらつきの大きさは、この値(6.2mm)に硝子体の屈折率(1.336)を乗じた値である8.2832mmとなる。
以上より角膜頂点と網膜とを測定するSD-OCT装置1において、光路長xには、眼軸長の個体差に応じて8.2832mmの大きさのばらつきが生じうることが想定される。そこで、本実施形態では、8.2832mmの幅の範囲で光路長xがばらつくとして、光路長xの範囲として、0mm~8.2832mmの範囲を想定する。そのため、本実施形態では光路長xの想定される最大値は、眼軸長の個体差に対応するばらつきの大きさである8.2832mmとなる。光路長x=8.2832mmとして、光路長xと、受光部15で受光可能な光の波長のうちの最小の波長λ1、及び、最大の波長λ2と、受光部15の長さLと、から式(3)を用いて、検出信号の平均波長として想定される最小値がwlとして予め求まる。
式1のAは、定数を示す。xは、測定アームにおけるゼロ点から測定対象物までの光路の光路長を示す。そのため、2xは、参照光と測定光との光路長の差(参照アームと測定アームとの光路長の差)を示す。受光部15の第1端部では、波長λ1の波長成分が集光するため、第1端部では、位相が(4πx/λ1)の信号が検出される。また、受光部15の第2端部では、波長λ2の波長成分が集光するため、第2端部では、位相が(4πx/λ2)の信号が検出される。受光部15において、第1端部から第2端部にかけて集光する光の波長が連続的に変動する。そのため、受光部15において検出される検出信号は、図4に示すように、第1端部から第2端部にかけて、位相が(4π|x|/λ1)から(4π|x|/λ2)に連続的に変動する波状の信号となる。この波状の検出信号に含まれる波の個数は、第1端部から第2端部にかけての位相の変動値を2πで除することで、以下の式(2)のように求まる。
Claims (8)
- 複数の波長成分を含む光を出力する光源と、
前記光源から出力された光から、少なくとも、参照用の光路をたどる参照光と、測定対象物に照射される測定光と、を分岐する分岐部と、
前記参照光と、前記測定対象物から返ってくる前記測定光と、の干渉光を伝達する伝達部と、
複数の受光素子が直線状に並べられた受光部と、
前記伝達部から出力される前記干渉光を分散し、前記波長成分毎に前記受光部上に集光する光学系と、
を備え、
前記光学系により前記受光部上に集光される、既定の波長の前記波長成分の直径は、前記干渉光の受光により前記受光部を介して検出される波状の信号の平均波長以下であるSD-OCT装置。 - 前記既定の波長は、前記光の中心波長である請求項1に記載のSD-OCT装置。
- 前記既定の波長は、前記受光部により受光可能な前記波長成分の波長のうちの最大の波長である請求項1に記載のSD-OCT装置。
- 前記分散部材に入射される前記干渉光は、平行光である請求項4に記載のSD-OCT装置。
- 前記光路長xは、8.2832mm、11.20904mm、18.82424mmのうちの何れか1つである請求項6に記載のSD-OCT装置。
- 前記参照光の光路長の調整に用いられる調整機構と、
前記測定対象物として既定の物体が測定される場合、前記既定の物体の測定用に前記調整機構を用いて前記参照光の光路長を調整し、前記既定の物体の測定が行われる間は、前記調整機構を用いた前記参照光の光路長の調整を行わないよう制御する制御部と、
を更に備える請求項1乃至7の何れか1項に記載のSD-OCT装置。
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