これらの非限定的な実施例で説明される特定の値及び構成は変更することができ、これら特定の値及び構成は、少なくとも1つの実施形態を例示するために単に言及されるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が示される。当業者であれば、本発明はこのような特定の詳細がなくても実施できることが理解されるであろう。他の例において、周知の要素は、不必要な詳細で本発明を不明瞭にしないために、概略又はブロックの形態にて示されている。また、大部分は、光源、ファイバー結合技術、光走査技術等といったルーチン動作に関する詳細は、そのような詳細が本発明の完全な理解のために必要であると考慮されないため省略されており、当業者の理解の範囲内であると考えられる。
概して、本明細書に開示される実施形態は、試料の構造及び試料内部の運動を測定するために、光が照射された試料から戻る光の複数のビームを同時に受け取ることができる、光ファイバーレンズシステムを用いるマルチビームOCTの変形例を提供する。概して、本明細書に開示される実施形態は、以下でより詳細に説明するように、空間的に又は角度的に離間された、照明光のビーム又は戻る光経路のビームにより動作する。さらに、以下でより詳細に説明するように、本明細書に開示された様々な実施形態は、当業者によって理解されるであろう適切な改変を有するSD−OCT又はSS−OCTを実行するように構成することができる。
一般的に、本発明の開示された実施形態は、2つの態様の1つに分類することができる。第1の態様は、いくつかの実施形態において、試料上に同時に到達するアクティブビーム間の小さな距離を生じさせるために、マイクロレンズに関連付けられたファイバーレンズアレイを使用する。当業者であれば、走査ビーム間の距離が小さいほど、試料内部のより速い運動の測定を可能にすることが理解されるであろう。すなわち、第1の態様では、アクティブビーム間の空間的離間は、試料上の同じ物理的位置の走査間の遅延につながる。第1の態様では、空間的離間、したがって遅延は、変化させることができる。この可変性は、例えば、走査密度又は走査範囲において、走査プロトコルを変更せずに測定可能な軸方向の速度範囲を調整する柔軟性を有する、改良されたドップラーOCTを提供する。
第2の態様は、いくつかの実施形態において、異なる入射角にて同じ場所で試料に同時に入射するアクティブビームを生成するために、マイクロレンズに関連付けられたファイバーレンズアレイを使用する。当業者であれば、以下でより詳細に説明するように、この構成が試料内部の運動の絶対速度を測定するために制御され得ることが理解されるであろう。
大部分について、本明細書に記載の2つの態様の実施形態は、試料上において空間的又は角度的に離間された2つ(又はそれ以上)のアクティブビームの観点から説明されている。当業者であれば、特定の実施形態を一方又は他方の態様に分類することが、本発明を限定することを意味するものではないことが理解されるであろう。また、いくつかの実施形態、特に単一のビームを用いる実施形態においては、試料上で空間的又は角度的に離間されるのは戻り経路である。すなわち、当業者であれば、単一のアクティブビームのみが試料を照射する場合であっても、本明細書に開示された実施形態が、空間的又は角度的に離間されたビーム経路に沿って試料から戻る光を受け取るように構成され得ることが理解されるであろう。
当業者であれば、試料の複屈折によるアーチファクトが試料内部の運動から生じるドップラーコントラストを低下させることが理解されるであろう。網膜のイメージング、例えば、特に視神経乳頭付近の脈絡膜の血管造影において、強膜の複屈折性が脈絡膜血管のドップラーコントラストを低下させる。したがって、当業者であれば、アクティブな偏波多重方式が試料の複屈折の影響を受けやすく、このことがドップラーOCTの戻り信号を低下させることが理解されるであろう。本発明の例示される実施形態においては、試料を照射するために使用される光ビーム(場合により、本明細書では「アクティブビーム」、「走査ビーム」、「プローブビーム」、「試料ビーム」と称される)は、偏波多重化されずに生成される。以下でより詳細に説明するように、偏波多重化を回避することにより、試料の固有複屈折に起因するコントラストの低下を低減する。
さらに、本明細書に記載される本発明の実施形態は、光をアクティブビームに分割するバルク非偏光ビームスプリッタを使用しない。非偏光ビームスプリッタを使用することは、通常、ビームスプリッタに起因する著しい光損失を意味する。したがって、本明細書に記載の実施形態は、バルクビームスプリッタを使用することを回避し、これにより、複数のアクティブビームを生成するために使用されるデバイスにおいて損失による信号劣化を低減する。
さらに、開示される実施形態は、主として、説明を簡単にするために、2つのアクティブビームを用いる実施形態に関して説明されている。しかしながら、当業者であれば、本明細書に記載される原理を用いて、3つ以上の同時プローブビームを用いるシステムを構成する方法について理解されるであろう。図20は、そのようなシステムの例を提供する。
様々な具体的な実施形態を参照すると、図1は、一実施形態によるマルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィ装置を示すブロック図である。より詳細には、図1は、本発明の好ましい実施形態による、マルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィのためのシステム100の特定の構成要素を示すハイレベルブロック図である。概して、本明細書で使用される場合、「マルチチャンネル」システムとは、照射された試料から2以上の光路に沿って戻る光を捕捉するマルチビームシステムである。例示される実施形態では、システム100は、広帯域(WB)光源102と、マルチビーム構成ユニット(MBCU)110と、走査システム120と、試料アーム130と、参照アーム151とを備える。
概して、WB光源102は、他の点では従来のものである、広帯域光源光を発生させる光源である。例示される実施形態では、光源102は、試料アーム130及び参照アーム151に結合される。例示される実施形態では、試料アーム130の光はさらに、2つの別個のアクティブビームとなるように結合され、該アクティブビームは、MBCU110及び走査システム120を通って試料104に入射し、同試料104から反射される。
概して、試料104に入射する光の一部は後方散乱として反射され、その一部が、試料104を照射したアクティブビームが辿った光路に沿って試料104から戻る。試料104から戻る光は、走査システム120及びMBCU110、ならびに試料アーム130を通って戻る。さらに、参照アーム151は、試料に関する体積と運動の情報の算出に使用するための参照信号を生成する。例示される実施形態では、単一の検出器が用いられている。当業者であれば、複数の検出器を有するシステムも用いることができることが理解されるであろう。いくつかの例示的なマルチ検出器システムを以下に説明する。例示される実施形態において、システム100は、SS−OCT用に構成されている。以下の説明において、当業者であれば、光源、走査システム、光スイッチ、及び検出間の同期を可能にするシステムについては、説明を容易にするために省略されていることが理解されるであろう。
より具体的には、例示される実施形態において、光源102は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー106に結合される。光源102は、広帯域の掃引光源光を発生させ、該光はファイバー106を通ってファイバーカプラ132に送られる。ファイバーカプラ132は、他の点では従来のものである2x2ファイバーカプラである。ファイバー106からファイバーカプラ132に進入した光は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー134を通って試料アーム130へ、また、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー152を通って参照アーム151へ到達する。
例示される実施形態では、ファイバーカプラ132から出た光は、ファイバー134に沿ってファイバーカプラ136に進入する。ファイバーカプラ136は、他の点では従来のものである1×2ファイバーカプラである。ファイバー134からファイバーカプラ136に入った光は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー138と、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー142とに送られる。ファイバーカプラ136からファイバー138に進入した光は、入口ポート140においてMBCU110に進入する。当業者であれば、ファイバー138の長さが特定の長さの光路を表すことが理解されるであろう。
ファイバーカプラ136からファイバー142に進入した光は、コリメータレンズ144へ、続いて集光レンズ146へ進入する。例示される実施形態においては、コリメータレンズ144は、他の点では従来のものであるコリメータレンズであり、集光レンズ146は、他の点では従来のものである集光レンズである。当業者であれば、好適な代替の光学素子を用いることができることが理解されるであろう。例示される実施形態において、集光レンズ146は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー148に結合され、シングルモードファイバー148は、集光レンズ146から出た光を入口ポート150においてMBCU110に供給する。
例示される実施形態では、コリメータレンズ144及び集光レンズ146は、矢印「X1」にて表される設定可能な距離により離間される。例示される実施形態では、ファイバー142及びファイバー148間の光路長は、距離X1を所望される距離に設定することにより調整される。当業者であれば、特定の距離X1がファイバー138に沿って移動する光と、ファイバー142及びファイバー148に沿って移動する光との間の相対的な遅延を決定することが理解されるであろう。当業者であれば、この手法は、ファイバー138の光路長とは所望される距離だけ異なる光路長を提供するために、ファイバー142とファイバー148の間の光路長を変更する任意の他の好適な周知の機構と置換可能であることが理解されるであろう。
以下に詳細に説明されるように、ポート140及びポート150においてMBCU110に進入した光は、MBCU110によって、アクティブビーム112及び114を生成するように構成される。該して、ファイバー148からポート150に進入した光は、走査ビーム112としてMBCU110から出射される。同様に、ファイバー138からポート140に進入した光は、走査ビーム114としてMBCU110から出射される。以下に詳細に説明されるように、ビーム112及びビーム114は、MBCU110によって設定される角度によって離間される。
例示される実施形態では、ビーム112及び114は走査システム120に進入し、該走査システム120は、試料104を走査するために、選択された走査プロトコルに従ってビームを制御する。概して、走査システム120は、MBCU110から受け取った非偏光で試料を照射し、試料104から戻ってきた光をMBCU110の第1光路及び第2光路に導くように構成される。当業者であれば、様々な周知の走査プロトコルのうち任意のものを使用可能であることが理解されるであろう。
例示される実施形態では、走査システム120は、走査ミラー122、走査ミラー124、レンズ126、及びレンズ128を備える。走査ミラー122及び124は、他の点では従来のものである走査ミラーであり、レンズ126及び128は、走査システムにおいて使用される、他の点では従来のものであるレンズである。例示される実施形態では、走査システム120は、2つのレンズ、すなわちレンズ126及び128を有するものとして図示されている。別の実施形態においては、試料に応じて、レンズ128を設けなくてもよい。当業者であれば、他のレンズの組み合わせを用いることができることが理解されるであろう。説明を容易にするために、様々な制御要素及び支持構造が省略されている。当業者であれば、これらの省略された要素が従来の走査システムでは標準的であり、開示された実施形態において使用するために容易に適合させることができることが理解されるであろう。
概して、ビーム112及びビーム114は、走査ミラー122から走査ミラー124へ反射される。走査ミラー124は、ビーム112及び114を反射してレンズ126及び128を通過させる。例示される実施形態では、試料104は直接アクセスできない。例えば、一実施形態では、試料104は、ヒトの眼であり、所望される表面は網膜である。したがって、当業者であれば、このようなイメ−ジングが、走査システムの共役が瞳孔に位置することを要することが理解されるであろう。別の実施形態においては、試料104が直接アクセス可能である場合、例えば試料104がヒトの角膜であるような場合には、レンズ128を設けなくてもよい。このような場合においては、試料104がレンズ126の焦点面に配置されるように、システム100又は試料104が配置される。
ビーム112及び114は、走査システム120から出て、試料104に入射する。当業者であれば、選択された走査プロトコルが、同一の変位量だけビーム112及び114を同時に変位させるようにミラー122及び124を操作することが理解されるであろう。試料104は、ビーム112及び114からの光の一部を吸収し、ビーム112及び114からの光の一部を後方反射し、ビーム112及び114が試料104に到達するために辿ってきた経路と同じ経路を辿らせる。例示される実施形態では、試料104から後方反射されて戻ってきた光はレンズ128、レンズ126を通ってミラー124及び122に到達し、MBCU110に進入する。
したがって、試料104によって反射されたビーム112からの光は、ポート150においてMBCU110からファイバー148に結合される。同様に、試料104により反射されたビーム114からの光は、ポート140においてMBCU110からファイバー138に結合される。ファイバー138及び148の戻り光は、ファイバーカプラ136に戻る。前進方向の場合と同様に、ファイバー148に沿って戻る光は、ファイバー138に沿って戻る光に対して、レンズ146及び144の間において遅延を生じる。本明細書において、ファイバー148及び142に沿ってファイバーカプラ136へ戻る光は、試料アームにおける「遅延光」と称されることがある。同様に、本明細書において、ファイバー138に沿ってファイバーカプラ136に戻る光は、「非遅延」光と称されることがある。さらに、上述したように、レンズ144及び146は、当業者によって容易に理解されるであろう、光路間に遅延を導入するための周知の様々な代替の機構の例示である。
例示される実施形態では、ファイバー138及び142に沿って試料104から戻る光が、ファイバーカプラ136において再結合される。ファイバーカプラ136は、ファイバー134に沿って戻る再結合した光を導き、ファイバー134は、再結合された光をファイバーカプラ132に戻らせる。ファイバーカプラ132は、再結合された光を他の点では従来のものであるシングルモードファイバー164に供給し、シングルモードファイバー164は次に、再結合された光を他の点では従来のものであるファイバーカプラ166に供給する。
上述したように、ファイバーカプラ132はまた、光源102からの光を参照アーム151に結合する。具体的には、例示される実施形態において、ファイバーカプラ132は、光源102からの光を、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー152に結合する。例示される実施形態においては、ファイバー152は、受け取った光を他の点では従来のものであるコリメータレンズ154に結合する。
例示される実施形態では、コリメータレンズ154は、レンズ154を出てミラー158に入射する参照ビーム156を生成する。例示される実施形態においては、ミラー158は、互いに対して90度の角度をなすように配置された2つの反射面を備える。さらに、ミラー158とレンズ154との間の距離は、矢印Y1にて示される方向に沿ってミラー158を配置することによって調整することができる。したがって、当業者であれば、ミラー158を移動させることによって、参照アームの光路長を調整することができることが理解されるであろう。当業者はまた、他の周知の関連技術を採用することもできることを理解するであろう。例えば、当業者であれば理解されるであろうが、一実施形態では、調整可能な経路長をレンズ154、ミラー158、及びレンズ160の代わりに用いることができる。さらに、本発明と整合する代替的な関連技術を以下に説明する。
例示される実施形態では、ミラー158は、ビーム156を他の点では従来のものである集光レンズ160に反射する。集光レンズ160は、ビーム156からの参照光を他の点では従来のものであるシングルモードファイバー162に結合し、シングルモードファイバー162は、その光をファイバーカプラ166へ供給する。本明細書において、参照アーム151からの光は、「参照信号」又は「参照ビーム」とも称されることがある。例示される実施形態では、ファイバーカプラ166は、他の点では従来のものである2×2ファイバーカプラである。例示される実施形態において、ファイバーカプラ166は、試料アーム130から戻ってきた遅延光及び非遅延光と、参照アーム151からの参照光とを結合する。試料アーム130から戻ってきた光は、参照アーム151からの光と干渉し、ファイバーカプラ166は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー168及び170に結合される干渉信号を生成する。
例示される実施形態では、ファイバー168及び170は、干渉信号を検出器172に供給する。例示される実施形態では、検出器172は、他の点では従来のものであるバランス型光検出器である。当業者であれば、他の好適な検出器も使用可能であることが理解されるであろう。例示される実施形態において、検出器172は、受信した干渉信号に基づいて走査信号を生成する。一実施形態においては、走査信号は、他の点では従来のものである光検出器の出力である。別の実施形態では、走査信号は、走査信号を使用する単一のシステム又は複数のシステムの要件に基づいて構成することができる。
例示される実施形態では、検出器172は、走査信号を分析モジュール180に供給する。概して、分析モジュール180は、以下に詳細に説明するように、試料104に関する体積、構造、及び/又は運動の情報を得るために、走査信号をフィルタリングし、増幅し、デジタル化し、あるいはその他の処理を行うように構成される。一実施形態では、分析モジュール180は、走査信号180を処理するように構成されるコンピュータシステムである。
一実施形態では、検出器172及び分析モジュール180は共に処理システムを構成する。別の実施形態では、検出器172、分析モジュール180、及びファイバーカプラ166が共に処理システムを構成する。概して、本明細書で使用される場合、「処理システム」とは、受信した入力に基づいて、光コヒーレンストモグラフィによる解析を実行するように構成された1つ以上の構成要素の集合である。一実施形態では、処理システムは、当業者であれば試料内部の粒子の速度(相対速度又は絶対速度)の解析であると理解されるであろう、光コヒーレンストモグラフィ運動解析を実行するように構成される。一実施形態では、処理システムはさらに、当業者であれば試料の物理的構造及び/又は体積の解析であると理解される、体積や構造の解析を実行するように構成される。
例示される実施形態では、システム100は、単一の検出器、すなわち検出器172を備えるように構成される。したがって、当業者であれば、試料上の各走査位置について、2つの走査ビームのそれぞれから1つの信号が、つまり2つの信号が取得されることが理解されるであろう。よって、構造及び位相情報を含む、所与の深さのOCTプロファイルに関して、取得した2つの信号(すなわち、試料からの2つの異なる光路に沿って戻った光)は、取得した2つの信号の光路間の光路長差と等しい遅延により分離される。当業者であれば、この構成は、所望される検出深さ範囲が両信号を含むことができるほど十分に深い場合に好適であることが理解されるであろう。当業者であれば、そのように構成されることにより、遅延したOCT信号と及び非遅延のOCT信号との間の位相差を計算することができ、試料に関する運動情報を得るために各試料位置においてドップラーシフトを計算することができることが理解されるであろう。
図1に示した実施形態は、単一の検出器を使用している。別の実施形態では、複数の検出器を用いることもできる。例えば、図2は、2つの検出器を用いる一実施形態によるマルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィ装置を示すブロック図である。具体的には、図2は、広帯域(WB)光源202、マルチビーム構成ユニット(MBCU)210、走査システム220、試料アーム230、及び参照アーム250を備えるマルチチャンネルOCTシステム200を示している。当業者であれば、システム200が本明細書に記載されるように改変され、システム100と同様の原理に基づいて動作することが理解されるであろう。
例えば、概して、WB光源202は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー206に結合される広帯域光源光を発生させる、他の点では従来のものである光源である。ファイバー206は、他の点では従来のものである2x2ファイバーカプラ232に光源202から光を供給する。ファイバー206からファイバーカプラ232に進入した光は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー234を介して試料アーム230に、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー252を介して参照アーム250に、それぞれ送られる。
例示される実施形態では、ファイバーカプラ232からファイバー234に沿って送られる光は、他の点では従来のものである1x2ファイバーカプラ236に進入する。ファイバー234からファイバーカプラ236に進入した光は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー238へ、さらにはMBCU210の入口ポート240へ送られる。
ファイバー234からファイバーカプラ236に進入した光は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー242へ、さらには双方向トランスミッタ244に送られる。例示される実施形態では、双方向トランスミッタ244は、他の点では従来のものである光サーキュレータである。別の実施形態では、他の好適な均等物も用いることができる。当業者であれば、図示される構成において、シングルモードファイバー242からの光が、トランスミッタ244を通って、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー245に、さらにその後入口ポート246においてMBCU210に送られることが理解されるであろう。
以下でより詳細に説明するように、ポート240及びポート246においてMBCU210に進入する光は、MBCU210によって、アクティブビーム214及び212をそれぞれ生成するように構成される。例示される実施形態では、ビーム212及び214は走査システム220に入り、走査システム220が、試料204を走査するために選択された走査プロトコルに従ってビームを制御する。例示される実施形態では、走査システム220は、走査ミラー222、走査ミラー224、レンズ226、及びレンズ228を備える。
ビーム212及び214が走査システムを出て試料204に入射すると、反射されて、走査システム220及びMBCU210を介してビーム212及び214が辿った光路に沿って戻る光を生成する。例示される実施形態では、試料204により反射されたビーム212からの光は、ポート246においてMBCU210からファイバー245に結合される。同様に、試料204により反射されたビーム214からの光は、ポート240においてMBCU210からファイバー238に結合される。ファイバー238の戻り光はファイバーカプラ236へ戻る。
例示される実施形態では、ファイバー238に沿って試料204から戻る光は、ファイバーカプラ236及びファイバー234を通ってファイバーカプラ232に到達する。ファイバーカプラ232は、戻ってきた光を他の点では従来のものであるシングルモードファイバー264に供給し、シングルモードファイバー264は、次に、再結合された光を、他の点では従来のものであるファイバーカプラ266に供給する。
図1に関して説明した実施形態とは対照的に、システム200は、アクティブビーム間の遅延を実施しない。図1のレンズ144及び146間で生じる調節可能な遅延を用いる代わりに、システム200は双方向トランスミッタ244を使用している。一実施形態では、検出時のクロストークエラーを低減又は回避するために、ファイバー242の長さを調節することができる。ファイバー245に沿って試料204から戻った光は、トランスミッタ244及び他の点では従来のものであるシングルモードファイバー248により出力先を変更され、他の点では従来のものである2x2ファイバーカプラ280に送られる。
上述したように、ファイバーカプラ232はまた、図1のシステム100と同様の方式で、光源202からの光を参照アーム250に結合する。具体的には、例示される実施形態では、ファイバーカプラ232は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー252に光源202からの光を結合する。ファイバー252は、受け取った光を、他の点では従来のものであるコリメータレンズ254に結合し、コリメータレンズ254は参照ビーム256を生成する。ビーム256は、レンズ254から出てミラー258(矢印Y2にて示される方向に沿って位置調節可能)に入射し、他の点では従来のものである集光レンズ260へ光が反射される。集光レンズ260は、ビーム256からの参照光を、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー262に結合し、シングルモードファイバー262は光を参照ビームとして、他の点では従来のものである1x2ファイバーカプラ274に供給する。ファイバーカプラ274は、他の点では従来のものであるファイバー276及び278に参照ビームを供給する。
ファイバーカプラ266は、ファイバー264からの光及びファイバー276の参照ビームを結合して、第1干渉信号を生成する。ファイバーカプラ266は、第1干渉信号を、ファイバー268及び270を介して、他の点では従来のものである検出器272に供給する。同様に、ファイバーカプラ280は、ファイバー248からの光とファイバー278の参照ビームとを結合し、第2干渉信号を生成する。ファイバーカプラ280は、第2干渉信号を、ファイバー282及び284を介して、他の点では従来のものである検出器286に供給する。
例示される実施形態では、検出器272は、受信した第1干渉信号に基づいて第1走査信号を生成し、第1走査信号を分析モジュール290に供給する。同様に、検出器286は、受信した第2干渉信号に基づいて第2走査信号を生成し、第2走査信号を分析モジュール290に供給する。概して、分析モジュール290は、以下に詳細に説明するように、試料204に関する体積、構造、及び/又は運動の情報を得るために、第1及び第2走査信号をフィルタリングし、増幅し、デジタル化し、及び他の処理を行うように構成される。
当業者であれば、システム200の構成が、別個のアクティブビームに基づく干渉信号を別個に検出しており、したがって、システム200が、例えば、システム100よりもより深い深さ範囲にわたって動作することができることが理解されるであろう。システム200において構成されているように、各ボクセルについて2つのOCT信号が取得され、取得されたOCT信号間の位相差を計算することができ、各試料位置におけるドップラーシフトを計算することができる。
当業者であれば、システム100及びシステム200が、SD−OCT分析用に容易に構成することができることが理解されるであろう。例えば、システム200に基づく一実施形態においては、光源202は、スーパールミネッセントダイオ−ド(SLD)である。一実施形態において、システム200は、2x2ファイバーカプラ266及び280のそれぞれを1x2ファイバーカプラに置換することができ、各1x2ファイバーカプラは、2つの入力(参照ビーム及び試料から戻る光)と、関連する検出器への1つの出力とを有するように構成される。一実施形態において、システム200は、検出器286及び272を分光計に置き換える。
上述したように、システム100及びシステム200は、アクティブビームをMBCU110、210から走査システム120、220に供給する。図3〜7及び20〜21は、マルチビーム構成ユニットの様々な実施形態を示す。概して、これらの開示されたMBCUのそれぞれは、走査システムの回動中心において交差する2つ(又はそれ以上)のコリメートされた出力走査ビームを生成するように構成される。当業者であれば、この構成が、同じ入射角で、異なる位置にて試料に入射する2つのビームを生成することが理解されるであろう。したがって、これらの図面は、空間的に離間された試料ビームを用いた実施形態を例示する。当業者であれば、この構成が、試料上のビーム間の距離を変化させることにより、軸方向の速度範囲に従って試料内部の運動を対比可能にすることが理解されるであろう。
また、いくつかの実施形態では、MBCUとは別のものとして示されている1つ以上の要素を、MBCUに組み込むことができる。例えば、別の実施形態では、ファイバー234がMBCU210に結合され、MBCU210は、ファイバーカプラ236、ファイバー238、242、245、及びトランスミッタ244を備える。
さらに、例示される実施形態において、図1及び図2のMBCU110/210のようなMBCUは、例えば、MBCU内部の第1及び第2光路に沿って試料から戻ってきた光を、処理システムへと至る光経路に導くように構成される。概して、MBCUは、光(例えばファイバーカプラの光等)であるか干渉信号(例えば検出器又は分光計の干渉信号等)であるかにかかわらず、試料から戻ってきた光を、該光を処理可能な1つ又は複数の構成要素に導くように光経路が構成されているときに、処理システムに至る光経路に試料から戻ってきた光を導くように構成される。
当業者であれば、光経路を含む特定の構成要素が、ほとんどの場合、システム全体の特定の構成に依存することが理解されるであろう。MBCU210の場合、例えば、一つの光経路(ファイバー238、234、264及びファイバーカプラ236、232、266を含む)は、検出器272及び分析モジュール290を含む処理システムに至る。上述したように、分析モジュール290は、試料から(ファイバー264から)戻ってきた光と参照信号(ファイバー276からの光)との間の干渉(ファイバーカプラ266において生じる)に基づく干渉信号を生成する検出器272からの干渉信号に基づいて、光コヒーレンストモグラフィ運動解析を実行する。
同様に、第2光経路(ファイバー245、248及びトランスミッタ244を含む)は、ファイバーカプラ280、検出器286、及び分析モジュール290を含む処理システムに至る。上述したように、分析モジュール290は、試料から(ファイバー248から)戻ってきた光と参照信号(ファイバー278からの光)との間の干渉(ファイバーカプラ280において生じる)に基づく干渉信号を生成する検出器286からの干渉信号に基づいて、光コヒーレンストモグラフィ運動解析を実行する。それぞれの場合において、MBCU210は、(内部)光路に沿って試料204から戻ってきた光を導く。該(内部)光路は、戻ってきた光を光経路に結合し、該光経路は次に、その光を、試料から戻ってきた光と参照信号との間の干渉に基づいて光コヒーレンストモグラフィ運動解析を実行するように構成された1つの又は複数の構成要素に供給する。
図3は、一実施形態によるマルチビーム構成ユニットを示すブロック図である。より詳細には、図3は、光スイッチと、複数の光ファイバー及び先端レンズと、出口レンズとを有するように構成されたMBCU300を示す。例示される実施形態では、MBCU300は、MBCU300の様々な構成要素の1つ以上が静止した向きで、かつ/又は所定の空間位置に固定することを可能にする構造体を提供するように構成されたフレーム302を備える。別の実施形態では、フレーム302を設けなくてもよい。別の実施形態では、MBCU300の1つ以上の構成要素は、フレーム302の外に設けられていてもよい。当業者であれば、他の構成も使用できることが理解されるであろう。
MBCU300は、フレーム302に連結される入力ポート304及び306を備える。該して、入力ポート304及び306はそれぞれ、以下でより詳細に説明するように、光ファイバーをMBCU300の構成要素に結合するように構成される。動作時において、入力ポート304及び306は入力光を受け取り、該光は、互いに対して空間的に所望される向きを有する複数の走査ビームとして出口レンズ310を通過する。一実施形態では、MBCU300は、0.1度程度の最小角度を有する2つのコリメートビーム322及び340を生成するように構成される。
例示される実施形態では、入力ポート304は、受け取った光を、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー312に結合する。プレート314は、出口レンズ310に対して固定された向きでファイバー312を保持する。例示される実施形態では、プレート314は、他の点では従来のものであるV溝を有するプレートである。当業者であれば、他の好適な機構を用いて固定された向きでファイバー312を保持できることが理解されるであろう。
例示される実施形態において、ファイバー312の表面先端は、後方反射を低減するような角度を有するものとして示されている。別の実施形態において、ファイバー312は、この角度がない状態で構成してもよい。例示される実施形態では、ファイバー312の表面先端は先端レンズ318に結合される。本明細書で使用される場合、「先端レンズ」とは、所望の開口数を有して作動するように構成される光学デバイスである。例示される実施形態では、先端レンズ318は、他の点では従来のものである、屈折率分布型(GRIN)マイクロレンズである。当業者であれば、先端レンズが又はイバー312の整形されたファイバー部分、マイクロレンズ、マイクロGRINレンズ、マイクロレンズアレイ、平凸マイクロレンズアレイ、又は他の好適な光学デバイスとして構成されてもよいことが理解されるであろう。当業者であれば、マイクロレンズ(又は類似のレンズ)は、例えば1mmレンズなどの、好適に小さなレンズに置換できることが理解されるであろう。
概して、先端レンズ318は、ビーム323のための所望の集束又は発散特性を得るように構成される。一実施形態においては、先端レンズ318は、所望の開口数を提供するように構成される。一実施形態においては、先端レンズ318は、所望の発散を提供するように構成される。一実施形態では、先端レンズ318は、後方反射を低減するように構成されたコーティングを含む。
例示される実施形態では、ファイバー312及び先端レンズ318は同軸を有し、等しい又は同様の外径を有する。例えば、一実施形態においては、外径は約125μm〜250μmの範囲である。例示される実施形態においては、先端レンズ318の出力ビーム320は、出口レンズ310の中心又はその近傍において出口レンズに入射する。例示される実施形態においては、結果として得られるビーム、すなわち出力ビーム322はコリメートされる。概して、ファイバー312及び先端レンズ318は共に、MBCU300の光路を構成する。
例示される実施形態においては、入力ポート306は、受け取った入力光を、他の点では従来のものである光スイッチ308に結合するように構成される。例示される実施形態では、光スイッチ308は、3つのポート326、328及び330の1つに受け取った光を導くように構成される。当業者であれば、3つよりも多い又は少ないポートを有する構成も使用できることが理解されるであろう。概して、光ポート326、328及び330は、光ファイバー312の光路に対して空間的に特定の向きを有する光路に沿って受け取った光を送るように構成される。
例示される実施形態では、ポート330、328、及び326は、それぞれ、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー352、342、及び332に結合される。ファイバー352、342、及び332はそれぞれ、先端レンズ356、346、及び336に結合される。例示される実施形態においては、ファイバー352、342、及び332(ならびにそれらに関連する先端レンズ)のそれぞれは、プレート314により固定された向きで保持される。例示される実施形態では、プレート314は、互いに対して、かつファイバー312に対して平行となるようにファイバー352、342、及び332を整列させる。例示される実施形態では、プレート314は、ファイバー312、332、342、及び352をそれぞれ溝316、334、344、及び354内に固定する。一実施形態では、ファイバー間最小距離が、先端レンズのレンズ径におよそ対応する。当業者であれば、他の構成も使用できることが理解されるであろう。
このように構成されているため、光スイッチ308は、ファイバー352、342、及び332の1つに沿って入射光を導くように動作することができ、これにより、ビーム358、348、及び333のうちの1つを選択することになる。例示される実施形態では、ビーム333が選択されている。ビーム358、348、及び333のそれぞれは出口レンズ310に入射し、ビーム360、350及び340がそれぞれ生成される。概して、出口レンズ310は、(出口レンズ310の先端レンズ側からの)入射光ビームをコリメートし、入射光ビームを屈折させて出口レンズの焦点に向かわせる。当業者であれば、出口レンズ310の焦点距離を増大させると、第1ビーム322及び第2ビーム(340、350又は360)間の角度を減少させることが理解されるであろう。焦点距離が固定された状態で、光スイッチ308の出力を選択することによって、2つの出力ビーム間の有限数の出力角度を選択することができる。当業者であれば、ファイバー間距離が小さいほど、出口レンズ310から出射されるビーム間の出力角を小さくできることが理解されるであろう。
図4は、別の実施形態によるマルチビーム構成ユニットを示すブロック図である。より詳細には、図4は、フレーム402と、出口レンズ411と、先端レンズを有する光ファイバーとを備えるMBCU400を示す。別の実施形態では、フレーム402を設けなくてもよい。代替の一実施形態では、MBCU400の1つ又は複数の構成要素をフレーム402の外に設けてもよい。当業者であれば、他の構成も使用可能であることが理解されるであろう。例示される実施形態では、入力ポート404は、プレート412によって固定された向き及び位置に保持される、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー410を介して入射光を導く。例示される実施形態では、プレート412は、他の点では従来のものであるV溝溝を有するプレートである。当業者であれば、他の構造も使用できることが理解されるであろう。
例示される実施形態では、ファイバー410は先端レンズ414に結合される。例示される実施形態では、先端レンズ414は、ファイバー410と同軸配置される。先端レンズ414を介してファイバー410から出射される光は、出口レンズ411の中心又はその近傍において、出口レンズ411に入射するビーム416を形成し、出口レンズ411は、コリメートされた出力ビーム418を生成する。
例示される実施形態においては、入力ポート406は、プレート422によってファイバー410と平行となる固定された向きで保持される、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー420を介して入射光を導く。例示される実施形態では、プレート422は、他の点では従来のものであるV溝を有するプレートである。例示される実施形態では、ファイバー420は、先端レンズ424に結合される。例示される実施形態では、先端レンズ424は、ファイバー420と同軸配置される。先端レンズ424を介してファイバー420から出射される光は、ファイバー420の位置によって決定される場所において、出口レンズ411に入射するビーム428を形成し、出口レンズ411はコリメートされた出力ビーム430を生成する。
上述したように、プレート422は、ファイバー410に平行となる固定された向きでファイバー420を保持する。しかしながら、例示される実施形態では、プレート422は、ファイバー420をファイバー410に対して複数の位置を介して移動させるように構成されたマイクロメートル移動ステージ408に連結される。より詳細には、例示される実施形態では、ステージ408は、ファイバー420(及び先端レンズ424)を、ファイバー420及びファイバー410の両方の軸に直交する方向X4において移動させる。
このように構成されているため、ビーム428を移動させて、複数の位置において出口レンズ411に入射させることができる。当業者であれば、ビーム418及び430間の同一の交点を維持しながら、この移動がビーム418及び430間の角度を変化させることが理解されるであろう。概して、ビーム418及び430の交点は、MBCU400が結合される走査システムの所望の場所に位置するように設定される。当業者であれば、光スイッチに代えて移動ステージを用いると、連続的にビーム418及び430間の角度を変更できることが理解されるであろう。
図5は、さらに別の実施形態によるマルチビーム構成ユニットを示すブロック図である。具体的には、図5は、光スイッチと、複数の光ファイバー及び先端レンズと、第1出口レンズと、第2出口レンズとを備えるMBCU500を示す。例示される実施形態では、MBCU500はフレーム502を備え、フレーム502は、MBCU500の様々な構成要素の1つ以上を静止した向きで、かつ/又は所定の空間位置に固定することが可能な構造体を提供する。別の実施形態では、フレーム502を設けなくてもよい。別の実施形態では、MBCU500の1つ以上の構成要素は、フレーム502の外に設けることができる。当業者であれば、他の構成も使用できることが理解されるであろう。
MBCU500は、フレーム502に連結される入力ポート504及び506を備える。例示される実施形態では、入力ポート504は、受け取った光を、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー514に結合する。プレート516は、ファイバー514を出口レンズ510に対して固定された向きで保持する。例示される実施形態では、プレート516は、他の点では従来のものであるV溝を有するプレートである。当業者であれば、ファイバー514を固定した向きで保持するために他の好適な機構を使用することができることが理解されるであろう。
例示される実施形態では、ファイバー514の表面先端は、同軸配置にて先端レンズ518に結合される。例示される実施形態では、先端レンズ518の出力ビーム520は、出口レンズ510の中心又はその近傍において出口レンズ510に入射する。例示される実施形態では、結果として得られるビーム、すなわちビーム522は、出口レンズ512の中心又はその近傍において出口レンズ512に入射する。例示される実施形態では、結果として得られるビーム、すなわち出力ビーム524はコリメートされる。
例示される実施形態では、入力ポート506は、受け取った入力光を、他の点では従来のものである光スイッチ508に結合するように構成される。例示される実施形態では、光スイッチ508は、3つのポート528、530、及び532の1つに受け取った光を導くように構成される。概して、光ポート528、530、及び532は、受け取った光を、光ファイバー514の光路に対して空間的に特定の向きを有する光路に沿って送るように構成される。
例示される実施形態では、ポート528、530、及び532は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー534、546、及び556にそれぞれに結合される。ファイバー534、546、及び556はそれぞれ、先端レンズ536、548、及び558に結合される。例示される実施形態では、ファイバー534、546、及び556(及びそれらに関連する先端レンズ)のそれぞれは、出口レンズ510の焦点に対応する共通点で交差する向きとなるように、固定された向きでプレート516によって保持される。
このように構成されているため、光スイッチ508は、入射光をファイバー534、546、及び556の1つに沿って導くように動作することができ、これによりビーム538、550、及び560のうち1つを選択することになる。例示される実施形態においては、ビーム538が選択されている。ビーム538、550、及び560のそれぞれは、出口レンズ510に入射し、ビーム540、552、及び562を生成する。ビーム540、552、及び562のそれぞれは出口レンズ512に入射し、ビーム544、554、及び564を生成する。概して、出口レンズ512は、(出口レンズ512の先端レンズ側からの)入射光ビームをコリメートし、入射光ビームを屈折させて出口レンズ512の焦点に向かわせる。当業者であれば、出口レンズ512の焦点距離が固定された状態で、光スイッチ508の出力を選択することにより、出力ビーム524と、ビーム544、554、及び564のうちの1つとの間の有限個の出力角度を選択できることが理解されるであろう。
図6は、さらに別の実施形態によるマルチビーム構成ユニットを示すブロック図である。より詳細には、図6は、フレーム602と、第1出口レンズ610と、第2出口レンズ612と、先端レンズを有する光ファイバーとを備えるMBCU600を示す。別の実施形態では、フレーム602を設けなくてもよい。別の実施形態では、MBCU600の1つ又は複数の構成要素が、フレーム602の外に設けられてもよい。当業者であれば、他の構成も用いることができることが理解されるであろう。例示される実施形態においては、入力ポート604は、プレート616によって固定された向き及び位置に保持される、他の点においては従来のものであるシングルモードファイバー614を介して入射光を導く。例示される実施形態では、プレート616は、他の点では従来のものであるV溝を有するプレートである。
例示される実施形態では、ファイバー614は、同軸配置にて先端レンズ618に結合される。先端レンズ618を介してファイバー614から出射される光は、出口レンズ610の中心又はその近傍において出口レンズ610に入射するビーム620を形成し、出口レンズ610は出力ビーム622を生成する。ビーム622は、出口レンズ612の中心又はその近傍において出口レンズ612に入射し、出口レンズ612はコリメートされた出力ビーム624を生成する。
例示される実施形態では、入力ポート606は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー626を介して入射光を導く。シングルモードファイバー626は、プレート628によってファイバー614に対して角度θにて測定ごとに固定された向きで保持される。当業者であれば、複数の測定について角度θを調整することができることが理解されるであろう。例示される実施形態においては、プレート628は、他の点においては従来のものであるV溝を有するプレートである。例示される実施形態では、ファイバー626は先端レンズ634に結合される。例示される実施形態では、先端レンズ634はファイバー626と同軸配置される。先端レンズ634を介してファイバー626から出射される光はビーム638を形成し、ビーム638は、ファイバー626の位置によって決定される場所において出口レンズ610に入射し、出口レンズ610は出力ビーム640を生成する。ビーム640が出口レンズ612に入射すると、コリメートされた出力ビーム642が生成される。
上述したように、プレート628は、ファイバー614に対して特定の向きにファイバー626を保持する。しかしながら、例示される実施形態では、プレート628はマイクロメートル移動ステージ630に連結される。移動ステージ630は、矢印X6にて示されるように、トラック632に沿って、プレート628をファイバー614に対して複数の位置を介して移動させるように構成される。より詳細には、例示される実施形態では、ステージ630は、ビーム638が常に出口レンズ610の焦点においてビーム620と交差するように、ファイバー626(及び先端レンズ634)を移動させる。例示される実施形態では、プレート628はまた、追加のファイバー及び先端レンズの対を有する追加のプレート628を受容するように構成可能な、かつ、トラック632に沿って移動可能な複数のトラック608を備える。
このように構成されているため、ビーム638を移動させて、複数の位置で出口レンズ610に入射させることができる。当業者であれば、この移動が、ビーム624及び642間の同一の交点を維持しながら、ビーム624及び642間の角度を変化させることを理解するであろう。概して、ビーム624及び642の交点は、MBCU600が結合される走査システムの所望の場所に位置するように構成される。さらに、出口レンズ610及び612は、ビーム624及び642の径を増大又は減少させるように構成することができる。図4に関して上述したように、当業者であれば、光スイッチに代えて移動ステージを用いることが、ビーム624及び642間の角度を連続的に変更することを可能にすることが理解されるであろう。
図7は、さらに別の実施形態によるマルチビーム構成ユニットを示すブロック図である。より詳細には、図7は、フレーム702と、第1出口レンズ710と、第2出口レンズ712と、先端レンズを有する光ファイバーと、ミラーアセンブリ708とを備えるMBCU700を示す。別の実施形態では、フレーム702を設けなくてもよい。別の実施形態では、MBCU700の1つ又は複数の構成要素をフレーム702の外に設けることができる。当業者であれば、他の構成も用いることができることが理解されるであろう。例示される実施形態では、入力ポート704は、プレート716によって固定された向き及び位置に保持される、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー714を介して入射光を導く。例示される実施形態では、プレート716は、他の点では従来のものであるV溝を有するプレートである。
例示される実施形態では、ファイバー714は同軸配置にて先端レンズ718に結合される。先端レンズ718を介してファイバー714から出射される光は、窓736を通過するビーム720を形成する。例示される実施形態においては、窓736はミラーアセンブリ708の透明部分である。別の実施形態においては、窓736は開口である。当業者であれば、ビーム720が妨げられることなく通過できる他の好適な構成を用いることができることが理解されるであろう。ビーム720は、出口レンズ710の中心又はその近傍において出口レンズ710に入射し、出口レンズ710は出力ビーム722を生成する。ビーム722は、出口レンズ712の中心又はその近傍において出口レンズ712に入射し、出口レンズ712はコリメートされた出力ビーム724を生成する。
例示される実施形態では、入力ポート706は、プレート728によって固定された向きに保持される、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー726を介して入射光を導く。例示される実施形態では、プレート728は、他の点では従来のものであるV溝を有するプレートである。例示される実施形態では、ファイバー726は先端レンズ730に結合される。例示される実施形態では、先端レンズ730はファイバー726と同軸配置される。先端レンズ730を介してファイバー726から出射される光は、ミラーアセンブリ708のミラー734に入射するビーム732を形成する。例示される実施形態においては、ミラー734は鏡である。当業者であれば、任意の好適な反射面を用いることができることが理解されるであろう。
ビーム732は、ミラー734の位置に基づいて、複数の向きのうちの1つにてミラー734により反射される。例示される実施形態では、ミラー734は、ヒンジ740によって回動軸を中心に矢印X7によって示されるように回動可能に構成されたマウント738に連結される。概して、ミラーアセンブリ708は、ビーム732がミラー734により反射されてレンズ710の焦点においてビーム720と交差するように、ミラー734を移動させるように構成される。一実施形態においては、1度以下の回動角度に運動を制限することにより、ビーム720とミラー734から反射されたビームとの間の角度を連続的に変化させて、同一の交点を維持することができる。
例示される実施形態では、ミラー734が図示されるように配置された状態で、ビーム732は、ミラー734からビーム742として反射される。ビーム742は出口レンズ710に入射し、ビーム744が生成される。ビーム744は出口レンズ712に入射し、コリメートされた出力ビーム746が生成される。ミラー734が位置748へ移動された状態においては、ビーム732はミラー734からビーム750として反射される。ビーム750は出口レンズ710に入射し、ビーム752が生成される。ビーム752は出口レンズ712に入射し、コリメートされた出力ビーム754が生成される。
概して、ビーム724及び746の交点は、MBCU700に結合される走査システムの所望の場所に位置するように設定される。さらに、出口レンズ710及び712は、ビーム724及び746の径を増大させるように構成することができる。図4に関して上述したように、当業者であれば、光スイッチに代えて移動ステージを用いると、ビーム724及び746間の角度を連続的に変更できることが理解されるであろう。
図8は、一実施形態による走査システムを示すブロック図である。概して、図8はシステム800を示しており、試料上で空間的に離間したビームが用いられる場合において、MBCU802からの2つの走査ビーム824、826が、走査システム804を介して眼806の網膜842まで伝播する様子を示している。
例示される実施形態では、MBCU802は、平行に配置され、かつ、距離dによって離間されたファイバー810及び814を備える。ファイバー810及び814は、先端レンズ812及び816にそれぞれ結合される。ビーム818及び820は、先端レンズ812及び816を出て、出口レンズ822に入射し、それぞれコリメートビーム824及び826となる。
ビーム824及び826は走査システム804に進入し、出口レンズ822の焦点距離fにおいて交差する。図示されるように、出口レンズ822の焦点は、走査ミラー828において交差するように設定される。ビーム824及び826は、走査ミラー828から走査ミラー830へ反射され、その後、網膜840に入る前にレンズ832及び834を通過する。図示されるように、ビーム824及び826は、走査面842(この場合、網膜)において試料、すなわち眼806に衝突する。
当業者であれば、図示される光学的特徴の周知の数学的記述が存在することが理解されるであろう。例えば、網膜842上におけるビーム824及び826間の距離は、dBである。この構成では、ファイバー間距離dの関数としてのビーム距離dBを計算することができる。
以下の説明のために、以下の定義が適用される。
dは、レンズ812及び816間の距離又はファイバー810及び814間のファイバー間距離。
fは、レンズ822の焦点距離。
aは、出口レンズ822と網膜842との間の光学系に起因する角倍率。
fEは、瞳孔と網膜842との間の距離。
dBは、網膜842上のビーム824及び826間の距離。
SRは、網膜842上のBスキャンの走査範囲。
NAは、BスキャンあたりのAラインの数。
fAは、Aライン取得速度。
Δtは、走査方向に沿ったビーム824及び826間の時間間隔。
以下のように表すことができる。
さらに:
よって:
説明を明確にするために、空間的に離間された走査ビームに関する特定の、かつ非限定的な数値例を提供する。一実施形態では、妥当な測定システム及び試料のパラメータに基づいて、ヒトの眼における血液の軸方向速度の測定を可能にするファイバー間距離の数値の例をここに示す。例えば、高速の血流速度を有する網膜の毛細血管に対して精度を高くするために、網膜上の走査ビーム間において時間間隔Δtは0.18ミリ秒オーダーである。f=150mm、a=3、fE=17mm、SR=6mm、NA=1000、及びfA=100kHzと仮定すると、ファイバー間距離d=318μmが得られる。その結果、ファイバー間距離は、一実施形態では、光ファイバーの直径オーダーでなければならない。さらに、より遅い血流速度、又は走査ビームに対して90度に近い角度の向きの血管に対して精度を高くするために、より長い時間間隔、5ミリ秒オーダーのΔtが必要とされる。これは、一実施形態では、ファイバー間距離を8.7mmとする。当業者であれば、これらの値は単なる例示として提示されているに過ぎないことが理解されるであろう。
上述したように、開示された実施形態は、空間的又は角度的に離間されたビームのいずれかのために構成することができる。図9は、一実施形態による、マルチビーム構成ユニット及び走査システムを示すブロック図である。具体的には、図9は、2つの異なる入射角で試料に入射する、2つのコリメートされた平行なビームを提供するように構成されるMBCU及び走査システム900を示す。
例示される実施形態では、システム900は、空間において特定の向きで様々な構成要素を固定するように構成されたフレーム902を備える。別の実施形態では、フレーム902を設けなくてもよい。別の実施形態では、MBCU900の1つ又は複数の構成要素をフレーム902の外に設けてもよい。当業者であれば、他の構成も用いることができることが理解されるであろう。入力ポート904及び906は、非偏光光源入力を受け取るように、かつ、受け取った入力を光スイッチ908へ(から)導くように構成される。例示される実施形態においては、入力ポート904は、光を入力ポート904から出力918及び922の一方に導くスイッチセレクタ914に結合される。同様に、入力ポート906は、光を入力ポート906から出力920及び924の一方に導くスイッチセレクタ916に結合される。出力918、920、922、及び924は、他の点では従来のシングルモードファイバーである926、938、963、及び964にそれぞれ結合される。
ファイバー926、938、963、及び964は、対応する先端レンズ928、940、962、及び1002(図10)にそれぞれ結合される。ファイバー926、938、963、及び964はそれぞれマウント930に連結される。例示される実施形態では、ファイバー926、938、963、及び964は、それぞれの先端レンズを介してマウント930に連結される。
動作時には、光スイッチ908は、平行に整列したファイバーの2つの対の間で、すなわちファイバー926及び938、又はファイバー963及び964のいずれかを選択するように構成される。例示される実施形態では、ファイバー926及び938が、選択されたファイバー対として示されている。したがって、入力ポート904及び906からの光は先端レンズ928及び940からコリメートビーム932及び942としてそれぞれ出射される。
ビーム932及び942は出口レンズ910に入射し、ビーム934及び944がそれぞれ生成される。ビーム934及び944は出口レンズ912に入射し、コリメートビーム936及び946がそれぞれ生成される。例示される実施形態では、ビーム936及び946は走査システムに進入し、ミラー948からミラー950へ反射され、ミラー950からレンズ952及び954を介して試料956へ反射される。ビーム936及び946がレンズ958を介して試料956に進入し、点960において試料956に衝突する。図示されるように、ビーム936及び946は、以下に詳細に説明するように、異なる入射角にて点960に到達する。
上述したように、システム900においては、ビームは平行なビーム対となるように対にされ、光スイッチ908によって選択された対が関与させられる。例示される実施形態では、対の向きは、2つの直交する平面内に固定される。当業者であれば、他の構成も用いることができることが理解されるであろう。例えば、別の実施形態において、システム900は、互いに直交し、かつ、ファイバー926及び938の対により規定される平面に対して45度の角度をなす平面に位置する2つの追加のファイバー対を備える。
図10は、一実施形態による、図9のマルチビーム構成ユニットの一態様を示すブロック図である。具体的には、図10A及び図10Bは、一実施形態における、図9のファイバー対の互いに対する配列のより明瞭な図を提供するものである。概して、システム1000は、関連する先端レンズと同軸に結合されているものとして図示されるファイバー926、938、963、及び964を備え、これらファイバー926、938、963、及び964は、固定された向き及び位置でマウント930に取り付けられている。
上述したように、光ビームは、とりわけ先端レンズの空間における向きに基づいて、先端レンズから出射される。図10Bは、一実施形態における先端レンズの端面図である。例示される実施形態では、先端レンズ928及び940は第1の対、すなわち「垂直配列」の対を表す。同様に、先端レンズ962及び1002は第2の対、すなわち「水平配列」の対を表す。
図示されるように、第1対及び第2対は、互いに直交するように配列される。また、先端レンズの第1対の中点と先端レンズの第2対の中点は、マウント930上で一致するように整列される。上述したように、光スイッチは対の間で選択し、一実施形態においては、光ビームは、先端レンズの選択された対を介してのみ出射され、戻ってくる。一実施形態では、試料から戻ってきた光は、4つ全ての先端レンズを通って戻ることができるが、当業者であれば、光スイッチの動作が、光が光スイッチを超えて選択されていないレンズ対を通過することを防ぐことを理解するであろう。さらに、以下でより詳細に説明するように、本明細書において「受動的」構成とも称される別の実施形態では、光は、単一の先端レンズ(又はレンズ対)から試料に送られ、処理のために試料から4つ全ての先端レンズに沿って戻ることができる。
図9に関して上述したように、選択されたファイバー対においては、ビーム936が先端レンズ928からビーム932として出射され、ビーム946が先端レンズ940からビーム942として出射される。代わりに、光スイッチが他方のファイバー対を選択するように設定されている場合には、ビーム936が先端レンズ962からビーム932として出射され、ビーム946が先端レンズ1002からビーム942として出射される。したがって、例示される実施形態では、ビーム936及び946は、「垂直配列」の対又は「水平配列」の対のいずれが選択されるかに応じて、2つの異なる平面において、試料上の同一点に入射するように設定される。このように設定されるため、異なる配列から、同じ試料点で測定を行うことができる。
図11〜12は、さらに詳細に示した、一実施形態によるマルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィ装置及び方法の動作を示すベクトル図である。図11は、走査ビームを表す一例のベクトルが描かれたグラフ1100における座標系を示す。例示される実施形態では、試料速度ベクトルVと2つの入射双方向ビームk1及びk2は、y−z平面に位置する。
図11に示した実施形態では、垂直配列されたビーム対が選択されている。フレーム(x,y,z)の原点は、試料である眼の測定点に対応する。z軸は、試料である眼の光軸を表している。第1走査ビーム(例えば、図9のビーム936)はベクトルk1により表され、第2走査ビーム(例えば、図9のビーム946)はベクトルk2によって表される。図示されるように、ベクトルk1及びk2は、y−z平面に位置し、z軸に関して対称である。k1とk2の間の角度はδである。ベクトルV=(Vx,Vy,Vz)は、フレーム(x,y,z)の原点に位置する試料内部の散乱点の速度ベクトルを表す。当業者であれば、Vが、一実施形態において、OCTプロセスにより所望される運動情報を表すことが理解されるであろう。
ベクトルVは、z軸に対して角度(π/2−α)をなす。x−y平面上へのVの射影ベクトルがy軸に対して角度βをなす。試料が横方向に走査されると、従来のドップラー法と同様に、各ビームについて2つのAライン(又はスキャン)間の位相差を計算することができる。以下の説明において、Δφ1とΔφ2は、それぞれのベクトル(ビーム)k1及びk2に関するAライン(又はBスキャン)間の位相差を指す。
式中、Tは、例えば2つのAライン又はBスキャン間の時間であり、k=2πn/λであり、nは試料の屈折率であり、λは光源の波長であり、Vはこの位置における試料の絶対速度である。δは、分かっている場合又は推定される場合には、眼の屈折力から近似値を求めることができる。
これは以下のように記述できる。
これは、水平配列のビームから得られた測定値と合わせて有用となる。
図12は、走査ビームを表す一例のベクトルが描かれているグラフ1200における座標系を示す。例示される実施形態では、試料の速度ベクトルVと2つの入射双方向ビームk3及びk4は、x−z平面に位置する。
図12に示した実施形態では、水平配列のビーム対が選択されている。フレーム(x,y,z)の原点は、試料である眼の測定点に対応する。z軸は、試料である眼の光軸を表している。第1走査ビーム(例えば、図9のビーム936)はベクトルk3によって表され、第2走査ビーム(例えば、図9のビーム946)はベクトルk4によって表される。図示されるように、ベクトルk3及びk4はx−z平面に位置し、z軸に関して対称である。k3とk4の間の角度はδである。
ベクトルVは、z軸に対して角度(π/2−α)をなす。x−y平面上へのVの射影ベクトルがy軸に対して角度βをなす。前述の計算法でk1とk2をそれぞれk3及びk4に置き換えると:
Vを得るために、2つの未知数α、βを決定する必要がある。βを決定するために、式(3)及び(5)は、例えば、以下のように表される:
これは以下のように書き換えることができる。
βが得られたら、αは式(3)及び(4)から得られる:
これは、以下のように書き換えることができる。
β及びαが得られたら、上記式から絶対速度Vが得られる。例えばβがπ/2から離れている場合には、式(3)を使用する:
あるいは、βが0から離れている場合には、式(5)を使用する:
当業者であれば、理想的な測定がこれらの4つの信号を同時に取得するであろうことが理解されるであろう。したがって、当業者であれば、例えば光スイッチ908をなくすために、図9に示すシステムをどのように改変したらよいかについて理解されるであろう。さらに、図9の実施形態が2つの同時走査ビームのみが使用されていることを示しているため、当業者であれば、運動情報を得るための試料の測定が、垂直配列のビームと水平配列のビームとを連続的に使用することを要することが理解されるであろう。当業者はまた、連続的な測定は、構成を変更しても速度が大幅に変化しないという仮定を伴うことを理解するであろう。
概して、開示された実施形態は、主として、試料から光路に沿って戻ってくるビームの数と同じ数のアクティブビームを使用する実施形態について説明されている。図13は、1つのアクティブビームを用いて、複数の戻り光路から光を集めるように構成される実施形態を示す。図13は、一実施形態によるマルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィ装置を示すブロック図である。
具体的には、図13は、広帯域(WB)光源1302と、マルチビーム構成ユニット(MBCU)1310と、走査システム1320と、試料アーム1330と、参照アーム1350とを備えるマルチチャンネルOCTシステム1300を示す。当業者であれば、システム1300が、図1のシステム100及び図2のシステム200の原理と同様の原理で、以下に説明するように改変して動作することが理解されるであろう。
例えば、概して、WB光源1302は、他の点では従来のものである広帯域光源光を発生させる光源であり、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー1306に結合される。ファイバー1306は、光を光源1302から他の点では従来のものである1×2ファイバーカプラ1332に供給する。ファイバー1306からファイバーカプラ1332に進入した光は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー1334を介して試料アーム1330に送られ、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー1352を介して参照アーム1350に送られる。
例示される実施形態では、ファイバー1334に沿ってファイバーカプラ1332から送られる光は、双方向トランスミッタ1336に進入する。例示される実施形態では、双方向トランスミッタ1336は、他の点では従来のものである光サーキュレータである。別の実施形態では、他の好適な均等物も用いることができる。当業者であれば、例示される構成において、シングルモードファイバー1334からの光は、トランスミッタ1336を通って、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー1338に送られ、さらに入口ポート1340においてMBCU1310に進入することが理解されるであろう。
以下に詳細に説明されるように、ポート1340においてMBCU1310に進入する光は、MBCU1310によってアクティブビーム1312を生成するように構成される。例示される実施形態では、ビーム1312のみがMBCU1310から走査システム1320に進入し、MBCU1310は、試料1304を走査するために、受け取ったビームを選択された走査プロトコルに従って制御する。例示される実施形態においては、走査システム1320は、走査ミラー1322、走査ミラー1324、レンズ1326、及びレンズ1328を含む。
ビーム1312は走査システム1320から出て試料1304に入射し、これにより反射光が生じ、走査システム1320及びMBCU1310を介して、ビーム1312及び1314がとる光路に沿って戻る。例示される実施形態では、試料1304により反射されたビーム1312からの光は、ポート1340にてMBCU1310からファイバー1338へ結合される。しかしながら、例示される実施形態では、ビーム1312からの光はまた、試料1304によって反射され(ビーム1314の光路に沿って)、ポート1342にてMBCU1310からファイバー1344に結合される。
例示される実施形態においては、ファイバー1344に沿って試料1304から戻った光は、ファイバーカプラ1376に導かれる。ファイバー1338に沿って試料1304から戻った光は、トランスミッタ1336及び他の点では従来のものであるシングルモードファイバー1346によって、他の点では従来のものである2x2ファイバーカプラ1368に出力先が変更される。
上述したように、ファイバーカプラ1332はまた、光源1302からの光を参照アーム1350に結合する。例示される実施形態では、ファイバーカプラ1332は、光源1302からの光を、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー1352に結合する。ファイバー1352は、受け取った光を、他の点では従来のものであるコリメータレンズ1354に結合し、コリメータレンズ1354は参照ビーム1355を生成し、該参照ビーム1355は、レンズ1354から出てミラー1356(矢印Y13に示す方向に沿って位置調節可能)に入射し、これにより光が、他の点では従来のものである集光レンズ1358へ反射される。集光レンズ1358は、ビーム1355からの参照光を他の点では従来のものであるシングルモードファイバー1360に結合し、シングルモードファイバー1360は、光を、他の点では従来のものである従来の1×2ファイバーカプラ1362に参照ビームとして供給する。ファイバーカプラ1362は、他の点では従来のものであるファイバー1364及び1366に参照ビームを供給する。
ファイバーカプラ1376は、ファイバー1344からの光とファイバー1364の参照ビームとを結合して、第1干渉信号を生成する。ファイバーカプラ1376は、第1干渉信号を、ファイバー1378及び1380を介して、他の点では従来のものである検出器1382に供給する。同様に、ファイバーカプラ1368は、ファイバー1346からの光とファイバー1366の参照ビームとを結合し、第2干渉信号を生成する。ファイバーカプラ1368は、第2干渉信号を、ファイバー1370及び1372を介して、他の点では従来のものである検出器1374に供給する。
例示される実施形態では、検出器1382は、受け取った第1干渉信号に基づいて第1走査信号を生成し、第1走査信号を分析モジュール1390に送る。同様に、検出器1374は、受け取った第2干渉信号に基づいて第2走査信号を生成し、第2走査信号を分析モジュール1390に送る。概して、分析モジュール1390は、以下でより詳細に説明するように、試料1304に関する体積、構造、及び/又は運動の情報を取得するために、第1及び第2の走査信号をフィルタリングし、増幅し、デジタル化し、及び他の方法で処理するように構成される。
上述したように、一構成においては、MBCU1310は、垂直配列のファイバー対と水平配列のファイバー対との間で選択するように構成される。さらに、例示される実施形態では、システム1300は、単一の走査ビームと2つの戻り光路を有するように構成される。したがって、当業者であれば、システム1300がベクトルk2を収集モードのみで使用し、ベクトルk4を使用しないという点を除き、前述したパラメータT、k1、k2、k3、V、δ、α、及びβが図11及び図12に関して説明したものと同様であることが理解されるであろう。したがって、光が方向k1において試料を照射しており、方向−k1において光を収集するときに、2つの戻りビーム間の位相差を以下のように表すことができる:
光が方向k1において試料を照射しており、方向−k2において光を収集するときに、2時点間の位相差は以下のように表すことができる:
光が方向k3において試料を照射しており、方向−k3において光を収集するときに、2時点間の位相差は次のように表すことができる:
光が方向k3において試料を照射しており、方向−k2において光を収集するときに、2時点間の位相差は次式で与えられる:
角度βは、式(8)、(9)、及び(10)を用いて得られ、例えば:
βが得られたら、δを既知と仮定し、αは次式を用いて得ることができる:
最後に、β及びαが決定されると、絶対速度Vは、前式(8)〜(11)のいずれかを用いて得ることができる。、前式(8)のいずれかを得ることができる。したがって、例示される実施形態では、第1の単一照射ビーム(方向k1)は、2つの収集ビーム(−k1,−k2)とともに使用され、続いて第2の単一照射ビーム(方向k3)は、2つの収集ビーム(−k3,−k2)とともに使用される。当業者であれば、同様の原理が、同時に2つの照射ビーム(k1、k3)と3つの収集経路(−k1,−k2,−k3)を使用する場合、又は他の好適な組合せにも利用できることが理解されるであろう。当業者であれば、適切な改変は、代替の異なる検出スキ−ム、経路長の多重化、又は他の同様の技術を必要とし得ることが理解されるであろう。
前述した実施形態は、別個の検出アーム及び試料アームを有する実施形態として考えられる。別個の検出及びサンプリングの古典的な例は、マイケルソン干渉計により示される。対照的に、(全体的又は部分的な)重複の検出及びサンプリングの古典的な例は、フィゾー干渉計により示される。図14〜17に開示される実施形態は、重複した又は部分的に重複した検出及びサンプリングを用いる実施形態を示しており、「コモンパス」の実施形態とも称される。
図14は、さらに別の実施形態によるマルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィ装置を示すブロック図である。具体的には、図14は、WB光源1402と、MBCU1410と、試料1406を走査するように構成された走査システム1404とを備えるように構成されたシステム1400を示す。
概して、光源1402は、ファイバー1403を介して双方向トランスミッタ1405へ、次にファイバーカプラ1414へと導かれる光源光を発生させる。ファイバーカプラ1414は、異なる光路長を有するように構成されるファイバー1416及び1418を介して光を導く。光は、MBCU1410を介してファイバー1416からポート1420に送られ、ビーム1450として走査システム1404に進入する。光は、ファイバー1418からポート1422に送られ、MBCU1410を介して、ビーム1452として走査システム1404に進入する。
例示される実施形態では、走査システム1404は、他の点では従来のものである部分リフレクタ1430を備える。ビーム1450及び1452は、ミラー1424からミラー1426へ反射され、レンズ1428を介して、一部が部分リフレクタにより反射される。当業者であれば、部分リフレクタ1430は、このように、試料1406から戻ってきた光との干渉信号を生成するために使用できる参照信号を生成することが理解されるであろう。
例示される実施形態では、試料から反射された光と部分リフレクタ1430から反射された光は、光路を通ってファイバーカプラ1414及びトランスミッタ1405まで戻る。再結合された光は、ファイバー1442に沿って検出モジュール1440に送られる。概して、検出モジュール1440は、OCT運動解析を実行するために、試料から戻った結合光と参照光とに基づく干渉信号を検出して分析するように構成される。
例示される実施形態では、検出モジュール1440は、単一の抽象的な構成要素として示されている。別の実施形態では、検出モジュール1440は、検出器及び分析モジュールを含む。当業者であれば、増幅、フィルタリング、及び他の好適な技術を行うように構成された要素を含め、他の構成も用いることができることを理解するであろう。
図15は、さらに別の実施形態によるマルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィ装置を示すブロック図である。具体的には、図15は、WB光源1502と、MBCU1510と、試料1506を走査するように構成された走査システム1530とを備えるように構成されたシステム1500を示す。
概して、光源1502は、ファイバー1504を介してファイバーカプラ1520へ導かれる光源光を発生させる。ファイバーカプラ1520は、光を、ファイバー1560及び1562を介して双方向トランスミッタ1522及び1524にそれぞれ導く。光は、トランスミッタ1522及び1524からファイバー1564及び1566を介してそれぞれ送られる。例示される実施形態では、ファイバー1560及び1562は、異なる光路長を有するように構成される。ファイバー1564及び1566からの光は、それぞれポート1528及び1526に導かれ、MBCU1510を介して、それぞれビーム1552及び1550として走査システム1530に進入する。
例示される実施形態では、走査システム1530は、他の点では従来のものである部分リフレクタ1538を備える。ビーム1550及び1552は、ミラー1532からミラー1534へと反射され、レンズ1536を介して、一部が部分リフレクタ1538により反射される。当業者であれば、部分リフレクタ1538が、このように、試料1506から戻ってきた光との干渉信号を生成するために使用できる参照信号を生成することを理解するであろう。
例示される実施形態では、試料及び部分リフレクタ1538から反射された光は、光路を通ってトランスミッタ1522及び1524へ戻る。戻ってきた光は、トランスミッタ1522からファイバー1570に沿って検出モジュール1576へ送られる。戻ってきた光は、トランスミッタ1524からファイバー1572に沿って検出モジュール1574へ送られる。概して、検出モジュール1574及び1576は、OCT運動解析を実行するために、試料から戻ってきた結合光と参照光とに基づいて干渉信号を検出し、分析するように構成される。
図16は、さらに別の実施形態、概して試料が近接したアクセスに適していない実施形態によるマルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィ装置を示すブロック図である。具体的には、図16は、WB光源1602と、MBCU1610と、試料1606を走査するように構成された走査システム1604とを有するように構成されたシステム1600を示す。
概して、光源1602は光源光を発生させ、該光源光は、ファイバー1612を介して双方向トランスミッタ1614へ、その後さらにファイバーカプラ1616へ導かれる。ファイバーカプラ1616は、異なる光路長を有するように構成されたファイバー1618及び1620を介して光を導く。光は、ファイバー1618からポート1622に送られ、MBCU1610を介して、ビーム1628として走査システム1604に進入する。光は、ファイバー1620からポート1624に送られ、MBCU1610を介して、ビーム1626として走査システム1604に進入する。
例示される実施形態では、走査システム1604は、レンズ1634及び1638の間に配置される、他の点では従来のものである部分リフレクタ1636を備える。ビーム1626及び1628は、ミラー1630からミラー1632に反射され、レンズ1634を介して、一部が、レンズ1638を通って試料1606に到達する前に部分リフレクタ1636により反射される。当業者であれば、部分リフレクタが、このように、試料1606から戻ってきた光との干渉信号を生成するために使用できる参照信号を生成することが理解されるであろう。
例示される実施形態では、試料及び部分リフレクタ1636から反射された光は、光路を通ってファイバーカプラ1616及びトランスミッタ1614に戻ってくる。再結合された光は、ファイバー1640に沿って双方向トランスミッタ1642に送られる。再結合された光は、それによって、参照モジュール1646に導かれる。
例示される実施形態に示すように、参照モジュール1646は、追加の参照信号を生成するように構成される。一実施形態では、参照モジュール1646は、参照信号と試料信号の経路長を一致させるように構成される。当業者であれば、光がモジュール1646に進入し、レンズ1648を通過して、一部が部分リフレクタ1650によって反射されることが理解されるであろう。部分リフレクタ1650によって反射されない光は、設定可能な距離X16にて設定されるミラー1654に入射する前にレンズ1652を通過する。
モジュール1646から戻ってきた光は、ファイバー1644及び1656に沿って検出モジュール1658に送られる。概して、検出モジュール1658は、OCT運動解析を実行するために、試料から戻ってきた結合光と参照光とに基づいて干渉信号を検出し、分析するように構成される。
図17は、さらに別の実施形態によるマルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィ装置を示すブロック図である。具体的には、図17は、WB光源1702と、MBCU1710と、試料1706を走査するように構成された走査システム1704とを備えるように構成されるシステム1700を示す。
概して、光源1702は、ファイバー1712を介してファイバーカプラ1714に導かれる光源光を発生させる。ファイバーカプラ1714は、双方向トランスミッタ1716及び1718に光を導く。光は、ファイバー1720及び1722をそれぞれ介して、トランスミッタ1716及び1718から送られる。例示される実施形態では、ファイバー1720及び1722は、異なる光路長を有するように構成される。ファイバー1720及び1722からの光は、それぞれポート1724及び1726に導かれ、MBCU1710を介して、それぞれビーム1730及び1728として走査システム1704に進入する。
例示される実施形態では、走査システム1704は、他の点では従来のものである部分リフレクタ1738を備える。ビーム1728及び1730は、ミラー1732からミラー1734に反射され、レンズ1736を介して、一部が部分リフレクタ1738により反射される。当業者であれば、部分リフレクタ1738が、このように、試料1706から戻ってきた光と共に干渉信号を生成するために使用できる参照信号を生成することが理解されるであろう。部分リフレクタ1738によって反射されない光は、レンズ1740を通過して試料1706に入射し、試料1706により反射される。
例示される実施形態では、試料及び部分リフレクタ1738から反射される光は、光路を介してトランスミッタ1716及び1718に戻る。この再結合された光はトランスミッタ1718からファイバー1742に沿って双方向トランスミッタ1744へ送られる。再結合された光は、それによって参照モジュール1748に導かれる。図示した実施形態に示されるように、光は、モジュール1748に進入し、レンズ1750を通過し、一部が部分リフレクタ1752によって反射される。部分リフレクタ1752によって反射されない光は、設定可能な距離X17に設定されるミラー1756に入射する前にレンズ1754を通過する。モジュール1748から戻ってきた光は、ファイバー1746及び1758に沿って検出モジュール1760に送られる。
再結合された光は、トランスミッタ1716からファイバー1762に沿って双方向トランスミッタ1764に送られる。再結合された光は、これによって参照モジュール1768に導かれる。例示した実施形態に示されるように、光はモジュール1768に進入し、レンズ1770を通過して、一部が部分リフレクタ1772によって反射される。部分リフレクタ1772によって反射されない光は、設定可能な距離Y17に設定されるミラー1776に入射する前にレンズ1774を通過する。モジュール1768から戻ってきた光は、ファイバー1766及び1780に沿って検出モジュール1782に送られる。概して、検出モジュール1760及び1782は、OCT運動解析を実行するために、試料から戻ってきた結合光と参照光とに基づく干渉信号を検出し、分析するように構成される。
当業者であれば、図16及び17に開示される実施形態が、従来のコモンパスシステムからの進歩を表すことが理解されるであろう。具体的には、上述したように、システム1600及び1700は、本明細書に記載した原理を組み込むように構成されており、特に、過度の複雑さを導入することなく、複数の走査ビームを追加している。
図18は、さらに別の実施形態によるマルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィ装置を示すブロック図である。具体的には、図18は、双方向トランスミッタ(サーキュレータ)を設けない構成のシステム1800を示す。図18は、WB光源1802と、MBCU1810と、試料1806を走査するように構成された走査システム1804とを備えるように構成されたシステム1800を示す。
概して、光源1802は、ファイバーカプラ1812に導かれる光源光を発生させる。ファイバーカプラ1812は、ファイバー1814に沿ってファイバーカプラ1818に光を導き、ファイバー1816に沿ってファイバーカプラ1820に光を導く。概して、ファイバーカプラ1818は、光をMBCU1810及び参照光路へ導く。同様に、ファイバーカプラ1820は、光をMBCU1810及び(別の)参照光路へ導く。試料へ導かれる光については、ファイバーカプラ1818は、ファイバー1822に沿ってMBCU1810のポート1826に光を導く。ポート1826に進入した光は、ビーム1830としてMBCU1810から出射される。同様に、ファイバーカプラ1820は、ファイバー1824に沿ってMBCU1810のポート1828に光を導く。ポート1828に進入した光は、ビーム1832としてMBCU1810から出射される。
例示される実施形態では、ファイバー1822及び1824は、異なる光路長を有するように構成される。ビーム1830及び1832は、試料1806に入射する前に、ミラー1834からミラー1836に反射され、レンズ1838及びレンズ1840を通過する。例示される実施形態では、試料から反射された光は、光路を通ってファイバーカプラ1818及び1820へ戻る。
例示される実施形態では、ファイバーカプラ1818を介して試料から戻る光は、ファイバー1854を介してファイバーカプラ1850に導かれる。上述したように、例示される実施形態では、ファイバーカプラ1850は、試料から戻ってきた光を参照光路(レンズ1844、ミラー1846、及びレンズ1848)からの参照光と結合し、干渉信号を生成する。図示されるように、ミラー1846は、矢印X18によって示される方向に沿って移動することができる。検出器1852は、干渉信号を受け取り、分析モジュール1856に送信するための走査信号を生成する。上述したように、分析モジュール1856は、走査信号に基づいて光コヒーレンストモグラフィ運動解析を実行する。
例示される実施形態では、ファイバーカプラ1820を介して試料から戻ってきた光は、ファイバーカプラ1866に導かれる。上述したように、例示される実施形態では、ファイバーカプラ1866は、試料から戻ってきた光を参照光路(レンズ1860、ミラー1862、及びレンズ1864)からの参照光と結合し、干渉信号を生成する。図示されるように、ミラー1862は、矢印Y18で示す方向に沿って移動することができる。検出器1868は、干渉信号を受信し、分析モジュール1856に送信するための走査信号を生成する。上述したように、分析モジュール1856は、走査信号に基づいて光コヒーレンストモグラフィ運動解析を実行する。
図19は、マルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィのための方法の一実施形態を示す。具体的には、図19は、好ましい実施形態において実施可能な、例えば図1のシステム100又は図2のシステム200により実行される、論理演算ステップを示すハイレベルフロ−チャ−ト1900を示す。
ブロック1905に示されるように、プロセスが開始され、第1光路が、第2光路に対して空間的に選択された方向に向けられる。一実施形態では、このステップは、例えば図1のMBCU110又は図2のMBCU210により行われる。一実施形態では、図3に関連して、第2光路はファイバー312を含み、第1光路は選択されたファイバー332を含み、このステップは、ファイバー312に対してファイバー332を方向付ける図3のプレート314によって行われる。
ブロック1905に示すように、第1光路は第1開口数を有し、第2光路は第2開口数を有する。一実施例では、図3に関連して、先端レンズ336は第1開口数を有するように構成することができ、先端レンズ318は第2開口数を有するように構成することができる。
次に、ブロック1910に示すように、試料が非偏光で照射される。一実施例では、このステップは、試料104をMBCU110からのビーム112及び114により照射される図1の走査システム120により実行されてもよい。上述したように、ビーム112及び114は非偏光ビームである。
次に、ブロック1915に示すように、試料から戻ってきた光が、第1光路及び第2光路に沿って、処理システムに至る光経路に導かれる。一実施例では、このステップは、走査システム120からの光を受け取り、かつ、戻ってきた光をポート140及び150においてファイバー138及び148に供給するMBCU110により行われてもよい。ファイバー138及び148は、処理システムに至る光経路を構成する。上述したように、一実施形態では、処理システムは分析モジュール180を含み、分析モジュール180は、検出器172からの走査信号に基づいて光コヒーレンストモグラフィ運動解析を実行するように構成される。検出器172は、試料から戻ってきた(ファイバー164からの)光と、(ファイバー162からの)第1参照信号との間の干渉に基づいて、ファイバーカプラ166により生成された干渉信号の形態で、走査信号を生成する。
別の実施例では、このステップは、ビーム322、出口レンズ310、ビーム320、先端レンズ318、及びファイバー312によって示される光路(第2光路)に沿って走査システムから戻ってきた光を受け取り、かつ、戻ってきた光を、例えば上述したように処理システムに結合する入力ポート304に供給するMBCU300によって実行することができる。当業者であれば、本明細書に記載される原理に基づいて、他の構成も使用することができることが理解されるであろう。
上述したように、開示された実施形態は、本開示を簡便にするために、2ビーム構成に関して説明してきた。図20は、3ビームOCT用に構成された、さらに別の実施形態によるマルチビーム構成ユニットを示すブロック図である。より詳細には、図20は、2つの光スイッチと、複数の光ファイバー及び先端レンズと、出口レンズとを有するように構成されたMBCU2000を示している。例示される実施形態では、MBCU2000は、MBCU2000の様々な構成要素の1つ以上を静止した向き及び/又は空間位置に固定することを可能にする構造体を提供するように構成されたフレーム2002を備える。別の実施形態では、フレーム2002を設けなくてもよい。別の実施形態では、MBCU2000の1つ又は複数の構成要素がフレーム2002の外に設けられてもよい。当業者であれば、他の構成も用いることができることが理解されるであろう。
MBCU2000は、フレーム2002に連結される入力ポート2004、2006、及び2008を備える。概して、入力ポート2004、2006、及び2008はそれぞれ、以下に詳細に説明されるように、光ファイバーをMBCU2000の構成要素に結合するように構成される。動作時において、入力ポート2004、2006、及び2008は入力光を受け取り、該入力光は、互いに対して空間的に所望の向きを有する走査ビームとして出口レンズ2010を通過する。
例示される実施形態では、入力ポート2004は、受け取った光を、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー2012に結合する。プレート2014は、出口レンズ2010に対して固定された向きでファイバー2012を保持する。例示される実施形態では、プレート2014は、他の点では従来のものであるV溝を有するプレートである。当業者であれば、固定された向きでファイバー2012を保持するために、他の好適な機構を使用できることが理解されるであろう。
例示される実施形態では、ファイバー2012の表面先端は、同軸配置で先端レンズ2018に結合される。例示される実施形態では、先端レンズ2018の出力ビーム2020は、出口レンズ2010の中心又はその近傍において出口レンズ2010に入射する。例示される実施形態では、結果として得られるビーム、すなわち出力ビーム2022は、コリメートされる。概して、ファイバー2012及び先端レンズ2018は共に、MBCU2000の光路を構成する。
例示される実施形態では、入力ポート2006は、受け取った入力光を他の点では従来のものである光スイッチ2030に結合するように構成される。例示される実施形態では、光スイッチ2030は、受け取った光を3つのポート2032、2034、及び2036のうちの1つに導くように構成される。当業者であれば、3つよりも多い又は少ない数のポートを有する構成も用いることができることが理解されるであろう。該して、光ポート2032、2034、及び2036のそれぞれは、受け取った光を、光ファイバー2012の光路に対して空間的に特定の向きを有する光路を通らせるように構成される。
例示される実施形態では、ポート2032、2034及び2036は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー2038、2040、及び2042にそれぞれ結合される。ファイバー2038及び2040は、先端レンズ2046及び2054にそれぞれ結合される。ファイバー2042も先端レンズに結合される。例示される実施形態では、ファイバー2038、2040、及び2042(及びそれに関連する先端レンズ)のそれぞれは、プレート2014によって固定された向きで保持される。例示される実施形態では、プレート2014は、ファイバー2038、2040、及び2042を互いに対して、かつ、ファイバー2012に対して平行に整列させる。
このように構成されているため、光スイッチ2030は、ファイバー2038、2040、及び2042の1つに沿って入射光を導くように動作させることができ、それにより、例えばビーム2048及び2056のうちいずれかを選択する。例示される実施形態では、ビーム2048が選択されている。ビーム2048及び2056のそれぞれは、出口レンズ2010に入射し、ビーム2050及び2058がそれぞれ生成される。当業者であれば、ファイバー間距離が小さくなるほど、出口レンズ2010から出射されるビーム間の出力角を小さくできることが理解されるであろう。
同様に、例示される実施形態では、入力ポート2008は、受け取った入力光を他の点では従来のものである光スイッチ2060に結合するように構成される。例示される実施形態では、光スイッチ2060は、受け取った光を3つのポート2062、2064、及び2066の1つに導くように構成される。当業者であれば、3つよりも多い又は少ないポートを有する構成も用いることができることが理解されるであろう。概して、光ポート2062、2064、及び2066のそれぞれは、光ファイバー2012の光路に対して空間的に特定の向きを有する光路に沿って受け取った光を送るように構成される。
例示される実施形態では、ポート2062、2064、及び2066は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー2068、2070及び2072にそれぞれ結合される。ファイバー2068及び2070は、それぞれ先端レンズ2076及び2084に結合される。ファイバー2072も先端レンズに結合される。例示される実施形態では、ファイバー2068、2070及び2072(及びそれに関連する先端レンズ)のそれぞれは、プレート2014によって固定された向きに保持される。例示される実施形態では、プレート2014は、ファイバー2068、2070、及び2072を互いに対して、かつファイバー2012に対して平行に整列させる。
このように構成されているため、光スイッチ2060は、入射光をファイバー2068、2070、及び2072の1つに沿って導くように動作させることができ、それにより、例えばビーム2078及び2086のいずれかを選択する。例示される実施形態では、ビーム2078が選択されている。ビーム2078及び2086はそれぞれ、出口レンズ2010に入射し、ビーム2080及び2088がそれぞれ生成される。このように構成されているため、MBCU2000は、試料に入射する3つのビームの空間的分離を別々に変化させるように動作することができる。当業者であれば、追加の走査ビームを許容するためにこの原理を拡張する方法について理解されるであろう。
図21は、別の実施形態のマルチビーム構成ユニットを示すブロック図である。より詳細には、図21は、フレーム2102と、出口レンズ2111と、先端レンズを有する光ファイバーとを備えるMBCU2100を示す。例示される実施形態において、入力ポート2104は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー2110を介して入射光を導く。シングルモードファイバー2110は、固定された向き及び位置に保持されており、入射光を2面リフレクタ2112に導く。一実施形態において、2面リフレクタ2112は、例えば、コーティングされた直角プリズムである。例示される実施形態では、2面リフレクタ2112は、他の点では従来のものである2面リフレクタである。当業者であれば、他の構造も用いることができることが理解されるであろう。
例示される実施形態において、ファイバー2110は先端レンズ2114に結合される。例示される実施形態において、先端レンズ2114は、ファイバー2110と同軸配置される。別の実施形態においては、先端レンズ2114を設けなくてもよい。ファイバー2110から先端レンズ2114を介して出射された光はビーム2116を形成し、ビーム2116は、2面リフレクタ2112により反射されて、出口レンズ2111に入射し、出口レンズ2111はコリメートされた出力ビーム2118を生成する。
例示される実施形態において、入力ポート2106は、他の点では従来のものであるシングルモードファイバー2120を介して入射光を導き、シングルモードファイバー2120は、固定された向き及び位置で保持され、入射光を2面リフレクタ2112に導く。例示される実施形態では、ファイバー2120は先端レンズ2124に結合される。別の実施形態では、先端レンズ2124が設けられない。例示される実施形態においては、先端レンズ2124は、ファイバー2120と同軸配置される。ファイバー2120から先端レンズ2124を介して出射された光はビーム2126を形成し、ビーム2126は、2面リフレクタ2112により反射され、出口レンズ2111に入射し、出口レンズ2111がコリメートされた出力ビーム2128を生成する。
上述したように、両ビーム2116及び2126は、2面リフレクタ2112により反射される。例示される実施形態においては、ビーム2116及び2126は、ミラー2112と出口レンズ2111との間においては平行である。例示される実施形態において、2面リフレクタ2112は、両矢印「X」により示されるように移動するよう構成される。
このように構成されているため、ビーム2116及び2126の間の距離、ひいては出口レンズ2111上におけるビーム2118及び2128の離間角度は、2面リフレクタ2112が移動するため、2面リフレクタ2112の位置の関数として変化する。概して、当業者であれば、ビームが伝播するファイバーの調整による平行なビーム同士の離間の調整は、2面リフレクタ2112上のビームの直径による制限を受ける。例示される実施形態に図示されるように、2面リフレクタ2112は、ビーム2116及び2126がその半径の合計と等しい距離だけ離間される位置まで移動させることができる。
図22は、さらに別の実施形態によるマルチチャンネル光コヒーレンストモグラフィ装置のブロック図である。具体的には、図22は、WB光源2202と、試料2206を走査するように構成されたMBCU/走査システム2210とを備えるように構成されたシステム2200を示す。例示される実施形態は、MBCU及び走査システムの構成要素が別個の要素として分離されていない実施形態を提示するものである。代わりに、例示される実施形態では、MBCU及び走査システムの機能は、以下に詳細に説明するように、複数の要素により実行される。
概して、光源2202は、ファイバー2204を介してファイバーカプラ2220に導かれる光源光を発生させる。ファイバーカプラ2220は、ファイバー2260及び2262を介してファイバーカプラ2222及び2224にそれぞれ光を導く。例示される実施形態においては、ファイバー2262に沿って通る光は、カプラ2224により結合され、検出モジュール2280へ送られる参照光である。例示される実施形態において、ファイバー2260に沿ってカプラ2222に送られる光は試料光であり、試料光は、以下に説明されるように、試料206を走査するために使用される。
例示される実施形態において、(試料)光は、2つのアーム2230及び2232として、カプラ2222からMBCU/走査システム2210に送られる。例示される実施形態においては、アーム2230は、コリメータ2252に結合されるファイバー2250を含む。光は、走査ミラー2256に向けられるコリメートビーム2254として、コリメータ2252から出射される。例示される実施形態においては、コリメータ2252及び走査ミラー2256の間の距離は、矢印「X1」により示される方向に沿って調節可能である。
例示される実施形態において、ビーム2254は回動中心においてミラー2256に入射する。ビーム2254は、ミラー2256により反射され、光学素子モジュール2258に進入する。例示される実施形態においては、1つの走査ミラーのみが図示されているが、当業者であれば、概して、追加の走査システムも存在し得ることが理解されるであろう。例示される実施形態においては、光学素子モジュール2258は、1つ以上の光学素子を含む。概して、光学素子モジュール2258の光学素子は、試料2206上において所望される倍率及び焦点を提供する。
ビーム2254が試料2206に入射し、試料2206は光を後方散乱させ、ビーム2254が辿った経路を辿らせる。戻ってきた後方散乱光は、カプラ2222に戻る。カプラ2222は、戻ってきた後方散乱光を、カプラ2224に結合されるファイバー2226に導く。
例示される実施形態においては、アーム2232は、コリメータ2272に結合されるファイバー2270を含む。光は、レンズ2274へ向けられるコリメートビーム2264として、コリメータ2272から出射される。概して、レンズ2274は、ビーム2264の発散の調整を可能にするように構成される。例示される実施形態においては、コリメータ2272及びレンズ2274は、「X2」により示される方向に沿って別個に移動するように構成される。例示される実施形態においては、コリメータ2272及びレンズ2274は、「X3」により示される方向に沿って一緒に移動するように構成される。
コリメートビーム2264は、レンズ2274を通過し、ミラー2276に入射する。ミラー2276は、ビーム2264を放物面ミラー2278に反射する。例示される実施形態においては、放物面ミラー2278は、走査ミラー2256の回動中心に位置する焦点を有するように構成される。したがって、ビーム2264は、放物面ミラー2278により反射され、回動中心において走査ミラー2256に入射する。
ビーム2264は、ミラー2256により反射され、光学素子モジュール2258に進入する。ビーム2264は、走査ミラー2256が試料上においてビーム2254及び2264を移動させるため、ビーム2254からは一定のままの(試料上での)距離(方向X3に沿った所与の位置)をおいて離間された状態で、試料2206に入射する。
ビーム2264からの光は後方散乱され、ビーム2264が辿った経路を辿らせる。戻ってきた後方散乱光は、カプラ2222に戻る。カプラ2222は、戻ってきた後方散乱光を、カプラ2224に結合されるファイバー2226に導く。
カプラ2224は、ビーム2254及び2264から戻ってきた後方散乱光をファイバー2262からの参照光と結合する。カプラ2224は、組み合わされた信号を検出モジュール2280へ送る。
概して、検出モジュール2280は、OCT運動解析を実行するために、試料から戻ってきた結合光と参照光とに基づいて干渉信号を検出し、分析する。
さらに、本明細書に記載される様々なビームは、「コリメートされた」と記載されている。当業者であれば、完全にコリメートされたビームは法外なコストを要し得ることが理解されるであろう。したがって、当業者であれば、完全なコリメートから通常の許容誤差の範囲内で逸脱する程度のコリメートビームを用いることができることが理解されるであろう。あるいは、完全なコリメートからの逸脱が測定の質に実質的に影響を与えないようなビームも用いることができる。さらに、いくつかの場合において、当業者であれば、適切なビームを非コリメートビームで置換し得ることが理解されるであろう。
当業者であれば、上記に開示した及び他の特徴及び機能の変形例、又は代替例を所望に応じて組み合わせ、他の多くの異なるシステム又は応用とすることができることについて理解するであろう。さらに、当業者によりなされる様々な現在予見不能な又は予期不能な別例、改変、変更又は改良も、以下の特許請求の範囲に包含されるものである。